イノベーション

SOCIAL INNOVATION CONNECT Vol.1 ―ソーシャルイノベーションの注目度の高まりー

社会にとって良いことをしたいという思いを持っていましたが、具体的にどのようなことをすればいいのかがはっきりせず、行動までに結び付いていませんでした。しかし、日常の業務の中で感じた違和感を解決することによって、自分なりのソーシャルイノベーションを生み出すことができると感じました。
「三人寄れば文殊の知恵」と言われますが、よりよい社会を一人でも多くの方々の力で作っていきましょう。
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プロボノってなに?NPO支援に取り組む社員をSAPの若手が探ってみた。|SAPの若手が語る新シリーズ「JUGEND」第5弾!

情報媒体「SAP Japan 2023 Beyond JUGEND(ビヨンド・ユーゲント)」の第5弾。今回は、NPOを支援するプロボノ活動についてです。プロボノを通じてSAP社員にどのような影響があったのか、参加した社員に直接へのインタビューで聞きました。
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デザイナーが知っておくべき10の認知バイアス

認知バイアスとは、思考のプロセスにおける系統的な間違いのこと。簡単に言い換えると、思い込み。意思決定や判断を行う際の精神的な近道として機能するが、間違った判断を生み出すこともある。 年齢、性別、文化的背景に関係なく、誰もが認知バイアスの影響を受けていると言われる。 これを理解しておくことは、デザインを生業にする我々にとってはとても重要だと思う。なぜなら、人間である以上は、そこに認知バイアスがあり、それを熟知しておくことで、より適切なデザインをすることができるようになるから。 ユーザーエンゲージメントを向上させる7つの要素 認知バイアスが存在する理由 我々の脳は、日々信じられないほどの量の情報を取り込んでいる。同時に、できるだけ思考エネルギーを節約したいとも思っている。そのため、難しい判断を迅速に行うために、一般論や経験則(ヒューリスティックとも呼ばれる)に頼っている。 脳がより効率良く判断を下すための、一つの “チート” に近い。 また、認知バイアスは、情報に対するフィルター的役割を果たす。しかし、コーヒーの粉と水がコーヒーに変わるように、情報がフィルターにかかることで、その姿や味が変わってしまうことも多々ある。 人々の行動を変える行動心理学の力【ビヘイビアデザイン】 知っておきたい認知バイアス Top 10 人間の脳は、感情的になっているとき、決断を急いでいるとき、社会的なプレッシャーを感じているときなどに、認知バイアスに頼りがちになる。しかし、日常の思考や意思決定にも、認知バイアスは存在している。 数ある認知バイアスの中でも、よくある10の認知バイアスと、それらを理解し、デザインにおいて正しい判断を下すための手法を説明する。 情動ヒューリスティック ハロー効果 集団浅慮 サンクコストの誤謬 自信過剰バイアス 確証バイアス ドッペルゲンガー 楽観バイアス 後知恵バイアス キャッシュレス効果 1. 情動ヒューリスティック (Affect Heuristic) 人が感情的な状態に基づいて意思決定を行うという傾向のこと。例えば、イノベーションという概念にポジティブなものを連想すると、新しいプロジェクトはリスクが低いと判断しやすくなる。 具体例: 好ましい感情を持っているときには高いメリットがあり、リスクは少ないと判断する 嫌な感情を持っているときにはメリットは低く、リスクは高いと判断する このバイアスを避けるための問い: 特定のデザインに対して主観的な愛着が湧きすぎてないか? 感情が理性より優っていないかどうか? 感情に流された決断をしていないか? 2. ハロー効果 (Halo Effect) 外見が良ければ良いほど中身も良いと捉えてしまう傾向のこと。例えば、同じ犯罪を犯したのにもかかわらず、外見がいい人の方が外見が良くない人よりも罪が軽くなるという研究結果が出ている 具体例: 美しいデザインのプロダクトは性能も良い 見た目が劣っている自動車は性能が悪い このバイアスを避けるための問い: この【人/場所/アイディア】のどこが本当に好きなのか? この【人/場所/アイディア】の外見が異なっていても同じ感想を持つか? 3. 集団浅慮 (Groupthink) 英語ではグループシンク。日本語で“集団思考”または“集団浅慮 (せんりょ)” と呼ばれる。集団の中にいる人は、意思決定について議論して反対意見のレッテルを貼られるリスクを冒すよりも、集団に同調した方が良いので、不合理な決定を下す傾向がある。 具体例: 会議の際に多数の人が自分の意見と違う場合は発言しない 世の中の多くの人が使ってるのでスマホはiPhoneが一番性能が良い このバイアスを避けるための問い: チームメンバーと仲良くするためにこのアイディアを選んでいないか? 自分が正しいと思う選択より、周りからどう思われるかを重視していないだろうか? 4. サンクコストの誤謬 (Sunk Cost Fallacy) 悪いアイデアに投資した時間とお金を惜しむことで、それ以降の投資をやめることができない心理効果。 例としては、コンコルドという飛行機を作るプロジェクトにおいて、途中で採算が合わないかもしれないという状態にもなったのにも関わらず、巨額の予算と人員を投入していた為に後に引けない状態になっていた状態 (コンコルド効果) が挙げられる。 具体例: パチンコですでに3万円使っているが、ここで止めると損するので出るまで注ぎ込む もう少し掘れば出るのではないかと温泉を掘り続ける このバイアスを避けるための問い: ここまで費やした仕事とはいえ、感情移入しすぎていないだろうか? もし自分が外部の人間で、今このプロジェクトを観察しているとしたら、このプロジェクトを止めることを提案するだろうか、それとも続けることを提案するだろうか? もしプロジェクトを途中放棄した場合、起こりうる最悪の事態は何だろうか? 5. 自信過剰バイアス (Overconfidence Bias) 自分の知識や経験は非常に優れていると過信することにより、状況の正確な判断や対応ができなくなる傾向。特に馴染みのないテーマではこの傾向が強い。このバイアスに関してコペルニクスは “知っていることを知り、知らないことを知らないと知ること、それが真の知識である。” と表現している。 具体例: 自分のデザインは他のデザインより優れている ターゲットユーザーへの理解が浅くても大丈夫だと考える このバイアスを避けるための問い: 自分はこの分野にどの程度精通しているのか? 0%から100%の範囲で、自分が正しいとどの程度確信しているか? もし、この選択に対する確信が20%低かったら、同じ決断をするだろうか? 6. 確証バイアス (Confirmation Bias) 自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向性のこと。Googleバイアスともいう。事件が起こった際にSNSなどで自分の意見と同じコンテンツを優先して探しがちなのもこれ/。 具体例: 「高齢者の運転は危険だ」という先入観から、そうした情報ばかりを検索する ロゴの色は青が良いと思ったら、青に関してのポジティブな意見を検索する このバイアスを避けるための問い: 自分の信念について、相反する情報を探したことがあるか? 自分の立場を守るために感情的になっていないか、それとも理性的な視点を持っているか? 7. ダニングクルーガー効果 (Dunning-Kruger Effect) 未熟な人が自分の能力を過大評価しがちな傾向。自分の能力を客観的に正しく自己評価ができず、過大評価してしまう傾向。 具体例: 同期よりも自分が優秀だと思い込んで、能力を超えた仕事を請け負う 周囲の評価に耳を傾けず、自分のデザインを非常に良いものだと思い込み修正しない […]

アメリカの丸亀製麺から考える日本でDXが進まない本当の理由

先日サンフランシスコ市内にある丸亀製麺 (アメリカだとMarugame Udon) に行った。コロナの期間は閉店していたが、今年に入ってからは営業を再開している。地元の人たちにも大人気の繁盛店。 入口でトレイを取り、列に並んで、カウンター越しにオーダーを行う仕組み。 そこであることに気づいた。 「めっちゃ人多くない?」と。それも、お客さんだけではなくて、従業員の数が。 従業員がめっちゃいる。列に並んでいる客と同じぐらいに。そして、それぞれのスタッフが “一つ” の作業しかしていない。 実際、オーダー内容に関しての質問をしてみても、 「私は漬け汁担当ではないのでわからない」 「トッピングに関しては横の人に聞いてくれ」 「私は天ぷらを作るだけの役割だから」 などの答えが返ってくる。まあ、これはアメリカのレストランだと日常的な会話。 一杯のうどんに12人 そう、それぞれの工程がきっちりと分業されており、それぞれの “担当者” が決まっている。言い換えると、一人につき一つの作業が割り当てられているのだ。 ざっと見ただけでも下記が担当で分かれてる。 オーダーを取る人 麺を準備する人 麺を茹でる人 茹でた麺を渡す人 麺を冷やす人 麺をお椀に入れる人 お椀に汁を入れる人 お椀にトッピングを入れる人 お椀をお客さんに渡す人 天ぷらを揚げる人 揚げた天ぷらを並べる人 会計をする人 これだけでも12人。 つまり、一杯のうどんがお客さんの手元に渡るまでに12人のスタッフが関わっていることになる。これは凄い。F1のピットストップを彷彿とさせる超分業スタイルだ。 これに加え、テーブルを片付ける人や後ろのキッチン、マネージャーなどを含めると相当の従業員数になるだろう。 従業員が多いと値段も高くなる これだけの従業員がいるということは、もちろんお店へのコストも掛かってくる。そしてその結果として、値段も高くなる。 ちなみに、メニューに記載されているアイテムの数は必ずしも多くない。なのにめっちゃ従業員が多い。 時給が低いと複雑な作業は任せない ちなみに、ここのアルバイトの時給は2,000円ちょっと。これでもこっちだと最低賃金に近い。 働いている方からすると「こんな安い時給なんだから、一つのことしか出来ない」と感じる金額であるため、アメリカでは、飲食店のバイトに複雑なオペレーションを任せることは稀である。 アメリカはチームプレーが結構苦手 また、それぞれのプロセスを分業にすることによって、うどん一杯を作るという比較的単純そうなタスクでも、チームワークが求められる。 しかし、アメリカの職場は結構ソロプレイが多いため、その作業を見ていると結構ぎこちなく感じる。 シングルタスクのアメリカとマルチタスクの日本 これが日本だとどうだろう?例え決して時給の高くないコンビニのバイトであったとしても、少人数で超マルチタスクが求められる。 レジ業務はもちろん、棚卸しや各種支払い、宅配便の手配、簡単な調理、清掃などなど、数十種類のタスクを、一人のバイトがまかなうことも少なくはない。 言い換えると、コンビニは一人の人間が超マルチタスクで運営している。 参考: コンビニアルバイト仕事内容21個の業務。経験者が教えます! これがアメリカの場合、アルバイトはシングルタスクが基本になるため、属人的なオペレーションに頼ることが出来ない。一人のバイトにつき、一つの業務が基本である。 日本は従業員やバイトが優秀すぎる これを考えてみても、やっぱり日本の人たちはすごいと思う。そこまで高い報酬を受け取っていなくても、しっかりと業務をこなす。それも、結構複雑な内容を。 これがアメリカだと「そこまでの給料もらってません」の一言で断られる。そもそも、採用する際に “Job Descriptions” という業務内容を書いた書面で、役割がここからここまでとクリアに定義され、それ以外は任せられないことが多い。 関連記事: 【カルチャーショック】日本人スタッフがアメリカの職場で感じた10の企業文化の違い 自動化 vs 運用でカバー この状況を考えてみると、一つの結論に行き着く。そう、シングルタスクの単純作業は、テクノロジーの発展とともに、デジタルや機械、ロボットに置き換えやすい。アメリカは単純作業を自動化する動きが加速している理由にもつながる。 逆に、属人的なマルチタスクによるオペレーションの場合、人間による運用でカバーしようとする。むしろ、テクノロジーで置き換えるハードルが高くなってくる。 安い時給でマルチタスクできちゃうとなると、DXを進める理由が薄れてくるのかもしれない。日本では、無理やりデジタルにしなくても「究極のアナログ = 人間による作業 」が最強なのだから。 アメリカ: シングルタスク = 自動化しやすい 日本: マルチタスク = 自動化しにくい 関連記事: これから失われる仕事と求められ続ける3つの能力 日本はDXを推進する理由が薄い DXの重要な目的は、これまでのアナログなやり方や属人的なプロセスから、デジタルテクノロジーを活用して、より自動化、効率化を進めること。 しかし、日本の場合は、品質の高い労働力を比較的安いコストで獲得できるし、これまでは、多くの業務を人的オペレーションでなんとかなってしまったこともあり、DXに対する “焦り” が少ないのかもしれない。 業務のデジタル化や自動化を進める長期的コストよりも、人を雇う短期的コストの方が低い場合は、どうしてもDX導入への腰が重くなりがち。 また、すでに正社員が多い会社は、簡単に解雇しにくいため、どうにか既存の社員の雇用を守るためにあまりDXに前向きではない可能性も考えられる。 関連記事: DXを推進する前に必要な5つのカルチャー変革 アメリカは人的コストが高い = 人を減らしたい そもそもアメリカだと、アルバイトだったとしても、かなり人的コスト高&コスパが良くないため、どうにかしてテクノロジーによる置き換えを考える。テクノロジー企業の多くが電話によるサポートを提供していない理由も理解できる。 また、労働力の品質も日本のように高水準で安定していないため、属人的なオペレーションだとヒューマンエラーが多発する。 ということは、コストが高い割には業務の品質が低くなるため、経営者としてはできるだけ機械による代替え案を探すことになる。 その象徴的な例が、ロボットがハンバーガーを作るファーストフードのThe Creatorだろう。なるべく人的リソースを減らすことで、コストとエラーを下げるのが目的。 関連記事: ロボットハンバーガー店Creatorで感じたUXの改善点 業務的なペインが少ないと、DXのゲインも感じにくい ここ数年で日本国内ではDXが叫ばれているが、そもそも「なぜ」DXが必要なのか? 究極的には、人がやりたがらないこと、人間が苦手な業務をテクノロジーに変換することで、ヒューマンエラーを減らし、より豊かな生活を実現するのが目的だろう。 しかし、世界的に見ても賃金が安く、平均的な教育レベルの高い日本では、わざわざテクノロジーに頼らなくても人を増やせば良い。低い賃金でもあまり文句を言わず、しっかりと仕事をしてくれる。結果的に、今のところ頑張って人力による運用でカバーしてもコスパは悪くない。 でも、もちろんこれには限界もある。これから深刻になってくる労働人口の低下や、長時間の過剰な業務により体力・気力の限界。そして、従業員のメンタル的な問題もどんどん増えていくだろう。 ここで経営者として今一度「どのようにDXを進めるか」の前に「なぜDXが必要なのか」をしっかりと考えてみたいところ。 アメリカのレストランが高いのは、材料とか家賃の値段もあるけど、従業員の効率が悪くて、日本よりも数倍の人数を雇ってるからかもな。この写真は丸亀うどんの例。 pic.twitter.com/sL2B3iP93V — Brandon K. Hill | […]

富士通の「VOICEプログラム」運用にQualtricsが貢献

富士通株式会社では2020年10月より本格始動した全社DXプロジェクト「フジトラ」を推進。その一環として、Qualtrics®を活用した顧客や従業員の声を収集、分析する「VOICEプログラム」を行っています。SAP Japan Customer Award 2021 で「Experience Management部門」を受賞した同社が行うエクスペリエンス・マネジメント、そしてパーパス(企業の存在意義)実現のために始動させた新事業ブランド「Fujitsu Uvance」についてお聞きしました。
The…

会津発 ANF構築の「CMEs」が目指す地域全体の生産性向上

福島県会津地域の産業界を軸に、企業の立場から地域とともに成長・発展することを目的として2008年に設立された産官学の連携組織「会津産業ネットワークフォーラム」。同フォーラムではアクセンチュア株式会社およびSAPジャパンと共同で共通業務システムプラットフォーム「コネクテッド マニファクチャリング エンタープライゼス(CMEs)」を構築、提供しています。SAP Japan Customer Award 2021で「Innovation部門」を受賞したANFが推進するCMEsを活用した地域全体の生産性向上…

資生堂のグローバル人事システム「MIRAI」にSAP® SuccessFactors®を活用

世界的なビューティーカンパニーとして、新しい価値を生み出し続ける株式会社資生堂(以下、資生堂)。同社はグローバル規模の人材配置の最適化、戦略的な人材育成に向け、SAP® SuccessFactors®をグローバル本社と6つの地域本社に導入。統合人事データをもとに、人材のグローバル化やダイバーシティの加速、次世代リーダーの育成、デジタル人材の採用・育成などを進め、企業価値の向上に向けたイノベーションを加速させています。SAP Japan Customer Award 2021で「Cloud Adapt…

資生堂のグローバル人事システム「MIRAI」にSAP® SuccessFactors®を活用

世界的なビューティーカンパニーとして、新しい価値を生み出し続ける株式会社資生堂(以下、資生堂)。同社はグローバル規模の人材配置の最適化、戦略的な人材育成に向け、SAP® SuccessFactors®をグローバル本社と6つの地域本社に導入。統合人事データをもとに、人材のグローバル化やダイバーシティの加速、次世代リーダーの育成、デジタル人材の採用・育成などを進め、企業価値の向上に向けたイノベーションを加速させています。SAP Japan Customer Award 2021で「Cloud Adapt…

日本が元気だった頃… かなり凄かったらしい

資生堂150周年CMが素晴らしかった。過去から現在、そして未来までの時間軸をそれぞれの時代を反映する映像と共に表現する内容。 個人的には、安藤サクラがオープンカーに乗っているシーンは、そのカラフルさとメイクの印象の強さで、ワクワクするビジュアルだった。 でも、ふと気づいた。このシーンは現代ではない。いわゆる日本がバブル期に差し掛かる1982年春の頃に放送されたCMのオマージュだ。その瞬間、漠然とした寂しさを感じた。 過去を振り返る映像が増えてきた 同じく、レトロな時代にタイムスリップしたもう一つがマクドナルドのCM。マックが日本に上陸し、第一号店が銀座にオープンしたのが、高度経済成長期の1970年代前半。その頃の雰囲気を現在の技術で蘇らせている。 これらのCMや、NETFLIXで配信されている「浅草キッド」や「全裸監督」など、ここ数年で昭和の頃の日本を舞台にした映像を目にすることが増えてきている。 バブル期のキラキラが凄い では、実際にその頃のCMはどんな感じだったのか?YouTubeにアップされている中で、コカ・コーラの映像を見てみよう。 爽やかすぎる。未来への希望に満ち溢れており、映像からは、どんどん良くなる希望しか感じない時代の輝きがほとばしってくる様だ。 本当にバブル期の日本は凄まじかった それもそのはずで、当時 (80年代後半) の日本の経済は現在と比べても想像できないぐらい右肩上がりで、世界的に見ても、アメリカを抜き去る勢いがあった。その一つの象徴が、企業の時価総額ランキングだろう。 これを見ても分かる通り、バブル経済絶頂期の1989年 (平成元年) の頃は、企業の時価総額における世界ランキング Top 20 の過半数が日本企業、そしてTop 5 も全て日本企業という凄まじさ。日本が世界の株式時価総額の4割を占めたこともあった。(現在は5%以下) 現代で考えると、GAFAとかGAFAMとか、FANGとかMAAMAとかで表現される世界が憧れる企業の全てが日本企業でるような感じだろうか。 だったとすれば、世界のビジネスニュースは、連日「シリコンバレー速報」ではなく「東京速報」みたいな感じのコンテンツ満載だったのかもしれない。 日本が凄かった時代を象徴する6つのエピソード その頃の状況を調べていくうちに、世界全体な視点でも日本がかなり凄い国だったことが分かるエピソードがいくつかみつかった。その中でも象徴的な5つを紹介する。 多くのテレビCMにハリウッドスターが起用されまくっていた まずはこれ。当時のテレビCMでは、数多くの日本企業が海外ロケを行い、ハリウッドスターを積極的に出演させていた。 マイケル・ジャクソン、マドンナ、ブラット・ピット、マイケル J フォックス、ジェームス・ブラウン、ボンジョビ、スティービー・ワンダー、シュワルツネッガーなど、本国では絶対にCMに出演しないような面子がこぞって日本企業のCMに出演。 おそらくギャラはとんでもない額だったに違いない。 F1スポンサーの多くが日本企業だった スポーツの世界を見ても、多くの日本企業がスポンサーをしていた。お金がかかるスポーツの代表的がF1。その予算は年間数百億円で、複数のスポンサーによってまかなわれる。 現在でも何社かの日本企業がF1スポンサーをしているが、その当時は桁違いにその数が多かった。その中には週刊少年ジャンプも含まれる。 そして、1990年頃のシーズンにはなんと、日本企業が所有するF1チームが3つも参戦していた。(ラルース、フットワーク、レイトンハウス)。そして、HONDA以外にもYAMAHAやSubaruなどの企業もエンジンを提供していた。 ニューヨークのビル複数が日本企業に買収されていた その当時の日本経済の勢いを世界に知らしめたのが、三菱地所によるニューヨークのロックフェラー・センターの買収。当時のレートで約2200億円というから凄まじい。 また、同じくニューヨークの超高層ビル、エンパイア・ステート・ビルも一時期日本人オーナー所有だった。その後にドナルド・トランプ経営の企業が買い取ったらしい。 この2つのビルはアメリカの富と栄光の象徴であり、例えるなら東京タワーと六本木ヒルズを海外企業が所有するような感覚。それを日本企業が手に入れたという事実を現在は想像するのも難しい。 世界一のゴルフコースが日本企業の所有だった 日本企業が買収していたのはニューヨークのビルだけではない。カリフォルニア州のモントレーにある名門ゴルフ場、ペブルビーチも住友銀行系の企業が経営会社を約1200億円で買収し、所有していた。 このゴルフコースは、太平洋に面しており、高級リゾート地としても有名。これまで全米オープンが5回開催されており、世界一のゴルフコースと呼ぶ人も多い。 30分のクイズ番組で総額100万円の商品が「毎日」提供されていた 現在でもクイズ番組で優勝すると豪華な商品や賞金が与えられる。しかし、1981年から1993年まで放送されていた「100万円クイズハンター」では、午前中の30分の放送にも関わらず、優勝商品のハワイ旅行6日間をはじめ、多くの豪華商品がスポンサーから提供されていた。それも月曜日から金曜日の毎日。ということは、単純に計算しても番組予算は最低でも2,000万円は掛かる。 他に商品は、価格がはっきりと表示された貴金属類の高額賞品や温泉宿泊券・食事券などがあり、一般参加者が横取りできるシステムを通じて、かなりエグい骨肉の争いが繰り広げられていた。好景気と物質主義の象徴のような番組だった。 SONY がスティーブ・ジョブスの憧れの存在だった スティーブ・ジョブスがAppleを創業した頃、彼にとっての一番の憧れ的存在が SONY だっというのは有名な話。その洗練されたプロダクトのデザインから、イノベーティブなアプローチまで、彼にとって日本企業の SONY に近づくことが最初の目標でもあった。 iPod は明らかにソニーウォークマンにインスパイアされているし、初期の頃の Mac のデザインを依頼した際にも「もしSONYがパソコンを作ったとしたら?」がデザインテーマだったと言われる。 世界を舞台に戦っていたジャパニーズビジネスマン こんな感じで日本を世界一の経済大国に成長させたのは、世界中を飛び回り、各国で24時間戦っていた日本のビジネスマンたちの存在だろう。 もちろん現代でも頑張っている人はたくさんいると思うが、このエナジードリンクのCM動画を見ると、当時は「ブラック企業」という言葉すら思いつかないほどにハードワークだったんだろうと想像できる。 なぜ日本企業は勢いを失ってきているのか こんな凄まじい勢いで世界の注目を集めていた日本企業も、バブル崩壊後からどんどん守りの姿勢に入り始め、その後失われた20年、30年と呼ばれる時代に突入した。 その理由はいくつか考えられるが、もしかしたら社内にイノベーターが居なくなってきている。もしくは、イノベーターを育てるメソッドが枯渇してきているからではないか。そもそも、イノベーションを経験した世代がリタイアしてしまったとも考えられる。 下記の図はドリーム・インキュベータ執行役員・未明孝之氏作成によるものをベースにしている。これを見ると、時代の変化と共に、日本企業組織における意識の変化と、その課題が理解できる。 良いものを作って営業をガンガンが通用しない 日本企業の組織的な推移に加え、もう一つの時代的に要因。ものづくりを中心に、良いものを作って愚直に売りまくる20世紀型のビジネスモデルの終焉がきている。21世紀になり、よりユーザーニーズを理解し、デザインにこだわり、ブランドとしてのポジションも考える、総合的な戦略が求められている。 そんな中で、多くの日本企業は過去の成功体験から抜けきれず、いまだに作ることと、売ることにどうしても注力しがちなのかもしれない。 日本企業からまたイノベーションを生み出すために 時代が大きく変化したため、もちろん高度成長期やバブル期のような状況を期待するのは難しいかもしれないが、やはりこのまま日本経済が衰退していくのは勿体無い。まだまだ素晴らしい技術はあるし、人材のクオリティーも世界トップレベルだろう。 ただ、ユーザー視点が欠けていたり、マーケティング戦略に乏しかったり、デジタルを通じたグローバルブランド構築への正しい手法が提供されていない事が原因で、もったいない状態が多く見られる。 我々としても、どうにかこの状況を打破するために尽力できればと、日々取り組んでいる。 現代の日本企業に必要なのはクリエイティブな組織だ   筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

なぜ「まずは日本でヒットしてから海外へ」がダメなのか

とある起業家は言った。 「成功のスケールが小さすぎるし、どうせアメリカの真似事のようなサービスばっかりなんで」 彼は日本の大学を出た後にサンフランシスコに来て、起業した。世界トップレベルの才能が集まるこの街は、スタートアップの中心地でもある。それゆえにとてつもなく競争は激しく、コストも高い。 だったら、日本で起業して上場を目指す方がより高い確率で成功できるのではないか?それも、比較的コストを下げながら品質の高いチームを構成して。 でもその選択肢を選ばなかった。最初から世界に勝負して、グローバルに通用するサービスを生み出したい。その気持ちが現在の彼を動かしている。 まずは国内で成功してから海外進出はNG その一方で、多くの企業がまずは日本国内でサービスを展開し、その後でグローバル展開を進めようとするケースが多い。これは一見ロジカルで、理に適っているように思われる。 国内でしっかりとした顧客と経営基盤を整え、黒字化し、そこから得られる資金をもとに次のステップとして海外進出を行う。 でも実はこのやり方、変化のスピードが速い現代においては、かなり難しい。これまでにも実際にそうしようとして失敗したり、いつまで経っても国外への進出ができずにいるケースをたくさん見てきた。 では、それが良くないと思われる理由をいくつか説明する。 日本向けのガラパゴスなプロダクトが生まれる まず日本市場向けに展開していくデメリットがこれ。世界的に見ても日本のユーザーはかなりユニークな特性を持っており、そのニーズに対応するプロダクトのその多くが、海外ユーザーには使ってもらいにくい。 例えば、B2C系のサービスであれば、日本だとある程度複雑な利用体験でも教育レベルの高いユーザーがちゃんと理解して使ってくれたり、B2Bであれば、それぞれの企業に対してカスタマイズした機能が求められたりなど。 総じて、日本国内のユーザー向けプロダクトのその多くが海外ユーザーからすると、かなり使いにくいものになりがち。楽天市場やLINEが良い例だろう。 LINEはガラパゴス?世界のSNSデータからみる日本依存のリスク 営業ヘビーな集客方法 日本国内向けの商品やサービスを展開する際には多くの場合、営業手法が重要になってくる。販路開拓やユーザー獲得を営業と広告をメインに行うのがまだまだ一般的だ。 その一方で、海外向けに展開する際には、そのエリアの広さとチャンネルの多さが理由で、地道な営業をするのとマスでの広告を打つのが難しい。そのため、プロダクト自体のクオリティーをあげたり、ブランドをしっかりと構築したり、デジタルマーケティングを上手に活用したり、イベント出店で派手に目立ったりする必要がある。 しかし、一回国内での顧客獲得手法に慣れてしまうと、その武器を使わずに顧客を獲得する手法がわからなくなってしまう。特にプロダクト自体の品質を高めることに意識が行かなくなり、世界的に見ても商品の競争力が低くなりがちになる。 なぜ日本にはデザイナー出身の経営者が少ないのか チームメンバーが日本人だけになる 日本の企業なんだから、スタッフが日本人であることに違和感はないだろう。まずは日本国内市場向けの商品を作るのだから、日本人のニーズをしっかりと把握しているスタッフである必要がある。 そして、同じバックグラウンドを持つスタッフ同士は共通点も多く、意思疎通が取りやすいし、仕事の効率も上げやすい。でもこれが実は海外展開をしようとした際の日本企業にとっては大きなハンデとなる。 現代の世界市場において、異なる地域の異なるユーザーの気持ちを理解し、それに適したプロダクトを作り出すには、チームメンバーも多種多様である方が有利になる。逆に異なる文化や考え方を持たない人たちだけで構成させたチームは、創造力やアイディアの面で限界値が低くなりがち。 カルチャーの違いを考慮したデザインのポイント 日本語のサービスができてしまう これは本当に当たり前すぎる話なのだが、日本国内向けの商品やサービスは自ずとそこに記載される言語は日本語である。でもこれ、日本国外のユーザーにはほぼほぼ理解してもらえない言語。 世界の人口が70-80億人、日本の人口が1.2億人程度と考えれば、単純計算で、世界中で日本語を理解する人たちの数は全体の1.7%ほどだろう。 もしこれを最初から英語にしていたとすれば、おそらく世界の半分以上の人たちが、どうにか利用することが出来る。それを考えてみても、日本国内向けに日本語だけが記載されているプロダクトを一回作っちゃうと、英語化させるのはあまり効率が良くないと感じる。 【対談】孫泰蔵氏 x Brandon Hill -スタートアップがグローバルに展開するための5つの秘訣- いずれは黒船にやられる その昔、Mixiというサービスが存在していた。日本国内でトップのユーザー数を誇るSNSだった。しかし、時間が経つにつれ後発のFacebookにユーザーが移行。最終的に「マイミク登録して良いですか?」と聞く人はほぼほぼいなくなった。 そう。サービスの内容によっては、最初のうちは日本でヒットしていても、しばらくすると海外、特にシリコンバレー系のスタートアップが進出してきて駆逐される可能性もある。 メルカリは創業当初からアメリカ市場も同時に展開をスタートしていたが、その一番の理由が、最初からMixiのように類似の海外サービスと同じタイムラインで、互角に勝負できるようになっているためだった。 日本の企業が海外進出するべき3つの理由 最適なタイミングを逃してしまう 変化のスピードが飛躍的に上がっているここ数年において、プロダクトがヒットするかどうかは、市場への参入タイミングによることが多い。一旦日本マーケットヒットしてから海外に出すのは、既にタイミングがずれている可能性が高い。 また、もし日本国内で大ヒットしている製品があったとする。しかし、後発だったとしても先に世界マーケットをつかんだ方が成功しやすい。 例えば、オロナミンCやリポビタンDはレッドブルよりも、よっぽど前から国内で発売された。しかし、レッドブルは、世界市場向けのブランディングとマーケティングで、後発ながら一気にエナジードリンクの代名詞になった。 日本からユニコーン企業を生み出すために必要な5つのポイント “本場” の下手なこだわりが出てきてしまう 海外でヒットしやすいプロダクトの一つとして「日本っぽさ」を売りにしたものがある。以前からあるのが寿司、マンガ、ゲーム。最近だとラーメンとかだろうか。 その多くが、海外市場に合わせて結構ローカライズされており、生粋の日本人からすると少し「邪道」な感じのものもある。例えばカリフォルニアロールなどが挙げられる。 でも、それは決して邪道ではなく、海外の消費者が求める内容を追求し、臨機応変に対応した結果である。これが日本国内でじっくりと成長させすぎて、オーセンティックすぎる状態だと、海外で融通が効かない商品になってしまうかもしれない。 日本文化から学ぶ海外進出のポイント 〜アメリカで寿司が人気を博し、アイドルが拒絶されるのはなぜか?〜 国内の株主/投資家からのプレッシャーが続く これは日本でスタートアップをやっている友人から聞いた話なのだが、国内の投資家向けに、資金調達の際に海外市場を視野に入れているという説明をすると、投資家から良い顔をされないという。場合によっては、そのスライドを削除するように依頼されたことも。 そう。経営を安定させるためにはなるべくリスク要因を減らしたい。となってくると、ある程度やり方が見えている国内市場でしっかりと売上と利益を上げて欲しいと思うのは当然で、投資家としてもそれを望むだろう。 最初から海外市場を狙うとなれば、そこにそれなりのコストと不確定要素が発生し、リスク要因が高まる。確実にリターンを出したいと思う投資家からすると、夢を語るのは良いが、その前にしっかりと結果を求めるのは理解できる。 でも、ここには落とし穴がある。一回国内向けにビジネス展開すると投資家にコミットしてしまったら、その後は、ほぼ半永久的に海外展開はしにくくなる。彼らが求めるのは着実なリターンであって、世界制覇ではない。 スタートアップが資金調達を行わない方が良い7つの理由 まずは国内上場を目指してしまうことのハンデ もし会社が未上場のベンチャー企業だったとすると、まず直近の目標は国内での上場だろう。そうなってくると多くの場合、なるべくコストを下げて黒字化を目指すことになる。 以前にシリコンバレーに進出し、海外展開をおこなっている数々の日本のベンチャー企業の方々にお会いしたことがあるが、その中で結構な数の人たちが予定より早めに日本に戻っていた。 その理由が、日本国内での業績が高まっていて、上場準備をするため。よりコストを下げ、利益率をアップし、IPOの価格を上げるために海外拠点をクローズするという。 まあ、上場したらまたチャレンジするとは言っていたが、その後も音沙汰がない。おそらく、上場してからはそれ以前よりももっとやりにくくなっているはず。やっぱ株価が重要だし、短期間で利益の出ない活動に株主からのメスが入りがちだから。 そして何より上場したあとは、完全に国内市場にオプティマイズされた経営戦略に集中せざるを得なくなる。 日本でイノベーションが生まれにくいと思った3つのポイント 安易な逃げ場ができてしまう やっぱり海外で勝負するのはかなりしんどい。時間もコストも国内とは比べ物にならないほどかかるし、何より誰も知らない土地で、一からスタートしないければならないことも多い。 そんな時に居心地の良い日本で安定した経営をおこなっているなら、どうしても戻りたくなってしまう。それが人間の本能だと思う。 でももし最初から海外向けに展開していて、戻る場所がなければどうだろうか?おそらく背水の陣で頑張れるはず。 一体何組の大物アーティストが海外展開を試みたものの、うまくいかずにこっそり日本に戻ってきていることだろうか…。 日本からグローバルなプロダクトが生まれにくい5つの理由 まとめ: 君が狙うのは世界の2%以下で良いのか? 国内にそれなりの市場と需要がある日本の場合、無理に海外進出をする必要はないと感じるかもしれない。今のところは。でも今後の変化を考えると、国内にとどまっているのは必ずしも正しい判断とは言えない気もする。 消費が萎み、物価は上がらず、労働力も減る。その上、海外からの類似商品がどんどんやってくる。そんな中で、ユニクロやTreasure Dataのような企業はグローバルで消費者を獲得し、世界のブランドとしての展開を着実に進めている。 これからは最初から世界を目指す企業が増えることを切に願う。 我々も微力ながら少しでも多くの日本企業が世界で活躍できるためのサポートができればと思っている。世界人口の98%を逃さないために。 筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax どんなに頑張ってもお前がカバーできるのは世界の2%

「SAP Japan 2023 Beyond」~SAPジャパンのあるべき姿をすべての社員が問い直す中期変革プログラム~(後編)

「これからの未来において、SAPジャパンはどうあるべきか?」をすべての社員が問い直し、そのビジョンの実現を目指す中期変革プログラム「SAP Japan 2023 Beyond」がスタートしてから1年以上が経過しました。今回は2回にわたってお届けする本ブログの後編として、「社会」「顧客」「人」「製品・サービス」「認知」の5つのカテゴリーにおける代表的な取り組みや具体的な成果について、このプログラムのPMO(Project Management Office)のメンバーであるトランスフォーメーションオフ…

「SAP Japan 2023 Beyond」~SAPジャパンのあるべき姿をすべての社員が問い直す中期変革プログラム~(前編)

「これからの未来において、SAPジャパンはどうあるべきか?」をすべての社員が問い直し、そのビジョンの実現を目指す中期変革プログラム「SAP Japan 2023 Beyond」がスタートしてから1年以上が経過しました。2回にわたってお届けする本ブログでは、まず前編として総勢で約150名の社員が参加するこのプログラムの狙いや仕組みづくりについて、常務執行役員 チーフ・トランスフォーメーション・オフィサーの大我猛さんと、PMO(Project Management Office)のメンバーである五十嵐剛…

「SAP Japan 2023 Beyond」~SAPジャパンのあるべき姿をすべての社員が問い直す中期変革プログラム~(前編)

「これからの未来において、SAPジャパンはどうあるべきか?」をすべての社員が問い直し、そのビジョンの実現を目指す中期変革プログラム「SAP Japan 2023 Beyond」がスタートしてから1年以上が経過しました。2回にわたってお届けする本ブログでは、まず前編として総勢で約150名の社員が参加するこのプログラムの狙いや仕組みづくりについて、常務執行役員 チーフ・トランスフォーメーション・オフィサーの大我猛さんと、PMO(Project Management Office)のメンバーである五十嵐剛…

日本で起業家が生まれにくい3つの理由

以前読んだ日経新聞の記事にて、日本では起業家が生まれにくいという統計が発表されていた。それが掲載された記事には下記のように記載されている。 グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)の調査によると、18~64歳で「起業の機会がある」と答えた人は10.6%にとどまった。中国人の74.9%、米国人の67.2%を大きく下回るばかりか、調査対象の50カ国で最下位だった。 日本は世界的に見ても起業家精神が低いらしい 上記の統計からもわかる通り、どうやら世界的にみると日本で起業意識を持つ人の割合は全体の10.6%と、かなり低いらしい。これは結構意外。というのも、日本ではここ数年でスタートアップが盛り上がり、我々が提供している起業家プログラムにもそれなりの人数の方々が参加している。 でもやはり世界全体的には起業家になりたい人たちの割合はかなり低いことが伺われる。これがアメリカだと優秀な人ほど起業する事が多い。 米中では有名大学の最優秀の卒業生は自ら起業するか、スタートアップで働くことを志す。中国では「国も若者の起業を奨励しており、若くして巨万の富を得る起業家は社会から尊敬される。失敗しても大企業に就職してやり直せる」(アジア経済研究所の丁可氏)。 関連: なぜアメリカの優秀な若者は大企業で働かないのか なぜ日本の人たちは起業家になりたがらないのか? 実はこれ「なぜ日本では起業家が少ないんでしょうか?」は btrax がこれまで提供してきた起業家育成プログラム内でも何度か聞かれた質問でもある。 おそらくロジカルな説明としては、南場智子さんが提出された資料にも記載されている下記の状況に起因する部分が大きいと考えられる。 まあ、みんながみんな起業家になるべきとは思わないが、夢を叶えるために起業家になるのも選択肢の一つとして感じられる状態もあっても良いのかなと感じる。 関連: 僕は君が起業家になることをオススメしない 日本で起業家になりたいと思う人が少ない3つの理由 さて、ここからは個人的な見解&本題。日本に行って感じたり、日本の方々とお話して気づいた下記の「3つの事柄」も起業をすることが選択肢になりにくい理由なのかなと思っている。 1. 解決するべき社会課題が少ない これは日本以外に行ったことのない人にはなかなか気づきにくい点なのであるが、日本はかなりさまざまな部分で恵まれていて、日常生活で不便を感じることが少ない。 例えば、日本で「普通」だと思われている、電気・水道が来る、コンビニがある、バス・電車が時間通り、携帯電波が入る、銀行がある、などなどの社会的インフラは他の国に行くと全く状況が異なる。 こちらアメリカでは99%のエリアで公共交通機関がないし、結構停電になるし、都心から1時間もドライブすれば携帯電波が途切れてしまう。これが東南アジアとかになってくると解決するべき社会的課題は山ほど出てくる。 最近では発展途上国を中心に、それらの改題を解決すべく。リープフロッグ型のサービスを作るべく起業する人も増えてきている。 関連: サンフランシスコのUXデザイナーが体験した日本から学ぶべきUXとは これが日本だとどうだろうか?あまりにも全てが整いすぎていて、起業する際のアイディアを考える時も “わざわざ” SDGs をテーマに、半ば無理やり頭を捻らなければならない。それも自分自身が体験したことのないような課題を。 そして、国内にはそんな課題はないもんだから、ポテンシャル顧客も少ない。グローバルに展開しない限りは金銭的に大きな結果は望めない。しかし、スタートアップをする際には投資家への還元としてエクジットを見据える必要が出てくるため、自ずと人材紹介系、デジタルマーケティング系、業務系SaaS系、ゲーム系などの「確実に利益が出せる系」のサービスに絞られてくる。 もちろんグローバル展開はしにくくなるし、まだ存在していないタイプのサービスを作る際の独特の興奮も得られない。だから起業するモチベーションも上がりにくくなる。VCからのプレッシャーもあり、結果的に収益重視のつまらないサービスが増えがちになる。 関連: アジアの中心から見た日本の危うさ 2. 憧れのロールモデルの欠如 先日、グローバル起業家育成プログラムにて、サンフランシスコの日本人起業家の方にゲスト出演をいただいた。そもそも彼がアメリカに来た理由が「憧れの起業家が住んでいる街だから。」だった。 これは一見アホらしいと思われるが、意外と重要なポイント。 そう、サンフランシスコとかシリコンバレーで起業家が多い一番の理由がこれだと思う。それはまるで十代の少年がロックスターに憧れてギターを手に取るように、ここではジョブスに憧れ、ザッカーバーグに憧れ、イーロン・マスクに憧れ、ジャック・ドーシーに憧れて起業家を目指す若者が後を絶たない。 この街には、憧れのかっこ良い存在がいる。それも自分の近くに。同じ街で同じ生活をして、Tシャツ&ジーンズで地元のカフェに行っている彼らが高卒で成り上がり、世界を大きく変えている。そんな思いが少年の心を揺さぶる。 起業家のスタートはそんなシンプルな勘違いから始まることも少なくはない。 そう、起業家にとって「もしかしたら、自分もできるかも?」って思わせてくれる憧れロールモデルの存在はとても重要。 それが日本だとどうなるのか?成功した起業家は雲の上の人となり、ビジネス系のメディアやイベントの高い壇上を下から「俺には無理だなー」って思いながら眺めるしかない。 成功した起業家も、一時的にメディアにてはやされるが、妬まれることも多い。それゆえ、少しでも綻びが見えると、失敗者として徹底的に叩かれたり、偉いおじさまたちに目をつけられる。最悪の場合、イチャモンを付けられ、懲役を食らったりする。そんな報道がされると、親からも「起業家?あんたもあんなんになっちゃうよ」と言われて、やっぱやめとこ、ってなってしまう。 関連: 日本でイノベーションが生まれにくいと思った3つのポイント 3. 学校教育の問題 最後は最も真面目かつ、根深い教育の問題。一般的に日本の学校教育では、模範解答があることしか教えない。発言するのは答えに自信がある時のみ。テストの多くは選択式。そして成績の良し悪しは周りとの相対的な偏差値で決められる。少なくとも自分の場合はそうだった。 この教え方が起業家マインドとは真逆なのである。 特にスタートアップは、まだ誰もやったことのない内容を通じて世の中の社会課題に取り組むことが多い。それも結構な未来軸で。そうなってくると誰も答えを知らないし、模範解答なんて存在するわけない。もはやマークシートで回答できる内容なんて一つもない。お利口さんでは全く歯が立たない世界である。 一方、日本教育における減点方式、副教科軽視、偏差値、エリート大学至上主義は、オペレーション業務を主軸とした、これまでの大企業にはかなり最適化された人材を生み出す。でも、起業家には最も適していない価値観を植え付けている。 起業家に求められるのは、人と違う視点で、間違いを恐れずに、今までに存在していないようなサービスを作り出し、かなりしょぼい状態でも人々の前に立ちプレゼンする。そして、失敗しても何度もチャレンジするマインドセットだ。これは日本の学校教育で評価される真逆の価値観。 何も、人類を火星に移住させるような壮大な野望を持たせる必要はないが、現在の日本式学校教育が誰も答えを知らない未知の課題に対して、クリエイティブな視点から何かを生み出す起業家を育ててあげることはかなり難しいんじゃないかな、と感じている。 関連: 文系, 理系, オレ何系? – 日本教育の限界とそのリスク 人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える。- 大前研一 ps. 僕も日本にもっと起業家が増えれば良いと思っているので、反論、解決案はWelcomeです。@BrandonKHill

イノベーションパイプラインを効果的に管理する SAP Innovation Managementのご紹介(前編)

イノベーションプロセスを管理するためのソリューションであるSAP Innovation Managementをご紹介します。前編ではイノベーションマネジメントの必要性およびSAP Innovation Managementの利点についてお伝えします。
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イノベーションパイプラインを効果的に管理する SAP Innovation Managementのご紹介(後編)

イノベーションプロセスを管理するためのソリューションであるSAP Innovation Managementをご紹介します。後編ではSAP Innovation Managementの具体的な機能についてご紹介します。
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SAP S/4HANAの価値を享受する 第1回:DXのスタートポイントとしてのSAP Fiori

SAP S/4HANAのUser Experienceを提供するSAP Fioriについて2回に分けてブログで紹介して参ります。第1回:DXのスタートポイントとしてのSAP Fiori
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【SAP イノベーションフィールド福島の挑戦】第5回:会津発!持続可能な未来を支える再生可能エネルギーの新モデル

現在、SAPイノベーションフィールド福島では、再生可能エネルギーの発電に取り組むバンプージャパン株式会社と共に、環境にやさしいエネルギーの地産地消モデルを目指しています。今回は、バンプージャパン株式会社伊藤社長とSAPイノベーションフィールド福島所長の弊社吉本とのインタビューを通じて、日本が抱えるエネルギー問題への挑戦に迫ります。
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ディープイシューに出会う5つの方法

近年「ディープテック」という言葉を目にすることが多くなってきた。「ディープテック」は、「科学的な発見や革新的あるいは既存しているが眠っている技術に基づいて、世界に大きな影響を与える問題を解決する取り組み」である。その領域は、人工知能、宇宙工学、クリーンエネルギー、ニューラルネットワーク、量子コンピューティング、合成生物学など、すべてを書ききれないほど多岐にわたる。ちなみに、FinTechやMedTech、BioTechなど、「分野x技術」を意味するX-Techとされ、厳密にはディープテックとは異なる。 もう一つのディープである「ディープイシュー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ディープイシューとは「地球環境を守りつつ、命の危険を避け、水や栄養を確保し、病気にならず、快適に生活し子孫を残す。これらを満たす上での人類の重大課題」と定義されている内容。 SDGsとディープイシュー 似た概念として、「SDGs」という言葉を耳にすることが多いかと思う。「SDGs」は「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき17の目標」と定義されている。朝日新聞社が2020年12月に実施した調査では、東京都と神奈川県では52.7%が「聞いたことがある」という結果になった。 SDGsは、2020年2月の調査結果の32.9%から大幅に認知度がアップした。世界中の人が苦しんでいるコロナ禍によって、SDGsの大きな目標である「誰ひとり取り残さない」というコンセプトが、より他人事ではないと感じさせている。 ニューノーマルが生み出す4つの意外な社会課題 この「ディープシュー」と「SDGs」の課題解決は、今後の地球と地球上に住む我々にとって重要な言葉であり、世界中の人々が協力して解決していかなければならない課題という意味で、非常に似通っている。 これからの地球のため人類のために、どんなサービスや商品が必要になるかを考えたとき、この2つの言葉がキーポイントになる。実際に、ここ数年でシリコンバレーを中心としたテクノロジー企業や、スタートアップのその多くも、ディープイシューに正面から取り組み、社会課題の解決につながるサービスを提供している会社が増えてきている。 【スタートアップイベント】TC DISRUPT 2021 – 10の感想 でもどのようにしたらそのような地球全体の社会課題に出会うことができるのだろうか? 今回はそのポイントを探っていくきっかけ紹介してみようと思う。 ディープシューってどこにあるの? ディープイシューは目の前に転がっているわけではない。普段から、「どのような人々がどのようなことに困っているのか」や「世界中の人々が快適に生活するために必要なものは何だろう」、「こんなサービスを作ればこんな人々が幸せになるんじゃないか」といった考え方を常に持つことが必要だ。 まずは「ディープイシュー」の定義に戻ってみよう。解決するべき社会課題を踏まえると、おのずと以下のようなサービスに分解される。 「地球環境を守るためのサービス」 「命の危険を避けるためのサービス」 「不足して困っている人々に水や栄養を与えるサービス」 「病気にならないためのサービス 「人々が快適に生活できるサービス」 こういったフレーズを頭の片隅に置いておくだけで、それぞれに関連した新しいサービスやビジネスのアイデアが生まれてくるのではないだろうか。 上述した5つのサービスは、簡単に誕生するものではない。実現するための計画も作成しなければならないし、実現するためのテクノロジーも必要だ。そして何より、ビジネスは決して一人で実現できるものではない。目標に賛同してくれる仲間を作ることや、目標実現のためのテクノロジーの専門家も必要だ。要は「このビジネスやサービスを必ず実現してやる!」というパッションが必要だ。 ここで、皆さんもよくご存知であろう、テスラの創業者/CEOのイーロン・マスク氏の例を挙げておく。彼はテスラを創業する以前から、このままガソリンで排気ガスを垂れ流している自動車が増えていったら、地球は大丈夫なのだろうかと課題感を抱いていた。これこそが「ディープイシュー」だ。 おそらく彼は、世界中の自動車を電気駆動にすれば、少しは地球を守れるかもしれないと思ったのだろう。 また、人類全体の問題である人口増加も「ディープイシュー」と言ってもよい。マスク氏が宇宙へ人間を運ぶロケット技術開発に注力しているのも、地球外天体に人が住めるようになれば、人口問題が解決するかもしれないというパッションがあるから。 マスク氏の例はやや極端かも知れないが、「ディープイシュー」は常に、何か世界に貢献できる問題解決はないだろうか、あるいは社会に貢献できる問題解決はないだろうかと自問自答することが大切だ。 イーロンマスクから若者に捧げる成功への5つの秘訣 ディープイシューに出会う5つの方法 筆者は、2021年7月21日に、リバネス株式会社のCEOである丸幸弘氏とディープイシューについて対談させていただく機会を得た。リバネスは、日本の代表的なディープイシューの解決に取り組まれている企業だ。また、丸幸弘氏は、ミドリムシが59種類の栄養素を持つことを生かした食品を世の中に出し、最近ではミドリムシ由来のバイオ燃料の開発も進めている株式会社ユーグレナの創業者でもある。 対談では、「ディープシューに出会うための5つの方法」についても語られた。これらは、ディープイシューを解決に向けて世界中の人々に貢献できるサービスやビジネスを始めてみたいと思っている皆さんにはとても参考になる5つの方法だと思う。 自分たちの持っている常識を捨てる 企業や組織で新規事業に関わる人や起業したいと思う人は、「この技術をどうにか使いたい」という概念からスタートしてしまいがちで、結果的に非常に狭い範囲しか見えなくなることが多い。技術はあくまでも手段であることを忘れてはならない。そして、自分たちの持っている「常識」を一旦捨てることからスタートしていくのだ。 “固定概念をぶっ壊す” グローバルなサービスを考案する際に必要なこと 目の前の売上や利益の概念を捨てる 目先の利益を追いかける人には「ディープイシュー」はマネタイズが難しく、なおかつビジネスの実現に時間がかかるものと考えてしまう。しかし、その時点でその人は「ディープイシュー」から目を背けていることなのだ。世界中の人々のためになるという純粋な気持ちを持って、利益のことはとりあえず後回しにして課題は何かに注力する。 ユニコーンの次はゼブラ – シマウマ系スタートアップとは? – 長期的な視点と短期 (1年先) の具体的なイメージを持つ 定義からも察せるように、ディープイシューは、非常にスケールの大きな課題感から始まっていることも多い。したがって、ディープイシューの解決には時間がかかるため、長期的な視点が必要だ。しかし、長期的な視点は1年1年のコツコツとした積み上げがあってこその達成だ。長期的に考えつつ、3か月後のことを決めるなどして、まずは行動することが大切だ。 デザインの力で、新しい生活様式に安心と喜びを作るコツ:3事例 「初めて」を連続してやる 実は、ディープイシューは一般的に「初めて」であることが、ビジネスとして価値を持つために重要な要素の一つになると言われている。例えば、リバネス株式会社は創業以来約20年間、「初めて」をやり続けてきた。 例えば、タイの新しい技術に投資したり、東南アジアのベンチャーを大田区の町工場へ連れていき実際にプロダクトを創るなど、「初めて」を続けている。この「初めて」を繋げていくと、「初めて」の人が集まってきて、「これ誰も解決していないんです」と「初めて」の課題を提示してくれる連鎖が起こる。 プロダクトの未来対応を実現するフューチャー・プルーフという概念 現場の若いベンチャーやスタートアップと話す 常識を捨て、目先の利益を考えず、長期的視点と短期的視点を同時に持ち、「初めて」を連続してやってみた上で、現場の人たちと話す。そうすると、「このディープイシューは、あの技術とこの技術が結びつくことで解決できる」という確信が出てくる。有用な技術を学ぶことはもちろんのこと、ビジョンを現場と共有することもまた重要なことである。 企業の中で新しいビジネスやサービスの創出に携わっている方々や世界を変えようと起業を考えている方々にはとても参考になるだろう。 初心者でもわかるスタートアップの基本 進むESG投資 冒頭で「ディープイシューは目の前に転がっているわけではない」と述べたが、世の中にディープイシューのリストが存在するわけではない。自身で気がついて考えて、そして探しにいく課題である。コロナ禍で世界中の人々が依然として苦しんでいる中、自身の考えているビジネスやサービスは果たしてディープイシューを解決できるものかを一度見つめ直すチャンスかも知れない。 ここ数年、ESG投資 (環境 – Environment、社会 – Social、ガバナンス – Governance関連企業への投資) も増加しており、機関投資家やベンチャーキャピタルも、ディープシューを解決するビジネスに注目している。これらの動きは、ディープイシューがビジネスとして成立するための基盤がより整い始めている兆しと考えて良い。 VCに関してもっと早く知っておきたかったリアルな実態 おわりに 弊社btraxでは、本年11月から石川県加賀市で開始される「STARTUP 加賀〜加賀発、世界行き〜」、また12月から福岡市で開始される「GLOBAL CHALLENGE! STARTUP TEAM FUKUOKA 2021」の2つの地方自治体主催のスタートアップ支援事業の企画・運営をさせていただいている。地元のスタートアップ起業ムーブメントに興味を持つ方々うや新しいビジネスやサービスの創出の助けになると運営者としてとても楽しみにしている。 昨年からのコロナ禍による様々なオンライン化で、日本中、世界中が簡単に繋がるというポジティブな影響も多くあったのではないだろうか。実際、多くの技術分野や学術分野の世界会議がほとんどオンラインになったことで、開発途上国を含めた世界中の新しい技術や学術がこれまでより知られることになったと聞いている。 起業を考える方々には、コロナ禍が我々にもたらしてくれた「世界と繋がる」ことを有効に続けていくということが大切だろう。この記事が、起業を考えている方々に「ディープシューの解決」を頭の片隅にでも思い浮かべていただく一助になったとしたら、これほど嬉しいことはない。 日本を代表するエンジェル投資家、孫泰蔵氏が投資したくなるスタートアップとは? <参考> 書籍:丸幸弘氏・尾原和敬氏共著 ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」 【SDGs認知土調査 第7回報告】SDGs「聞いたことがある」約5割 https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey07/ いま、ディープテックが注目される理由は?社会問題の解決に役立ちうるか? https://frontier-eyes.online/deep-tech/

【SAP イノベーションフィールド福島の挑戦】 第4回:ごみ×データの可視化から見えてきた会津若松市の新事実

さて本日のテーマは「ごみ問題」です。本記事ではごみ問題を中心にSAPのハイデルベルク市でのスマートシティ化への取り組みをはじめ、まだ様々な検討が予定されている会津若松での取り組みをご紹介していきます。
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【SAPイノベーションフィールド福島の挑戦】第3回:プログラミングから始まる持続可能な教育作りの秘訣に迫る

2020年9月、SAPは地域のNPO団体らと共に福島県会津若松市に、小中学生向けICTプログラムの実施拠点 「寺子屋Hana」を開設しました。今回はその取り組みを、SAPイノベーションフィールド福島所長である吉元宣裕と「寺子屋Hana」を一緒に立ち上げたCODE for AIZU創設者・総務省地域情報化アドバイザーである藤井靖史氏とのインタビュー形式により、インターン生目線でご紹介します。
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ショート動画サービスから学ぶ、ユーザーを惹きつけるサービス開発の秘訣

今世界で「ショート動画」が注目を集めていることをご存知だろうか。ショート動画とは、15~60秒前後の短尺動画のことだ。例として挙げられるのは、言わずと知れたTikTok(中国)やSnapchat(アメリカ)だろう。 最近ではInstagramやYouTubeといった大規模なプラットフォームがInstagram Reel、YouTube Shortと呼ばれるショート動画投稿専用の機能を開始するなど、勢いは止まるところを知らない。 2021年9月時点で、英国および米国のユーザーがTikTokに費やす時間は、すでにYouTubeを上回っているというデータもあるほどだ。今回は、ショート動画がなぜ人々をこれほどまでに惹きつけているのかという理由を紹介し、実際にショート動画を用いた画期的なサービス事例を紹介する。 ショート動画が人々を惹きつける理由 驚くべき勢いで拡大しているショート動画。なぜ人々を惹きつけているのか、その理由から分析する。 1. 動画の世界に没入できる ショート動画の一番の特徴は、なんといってもその没入感。TikTokを見ていたら知らぬ間に30分経っていた、という経験をしたことをある方もいらっしゃるのではないだろうか。 ショート動画は15秒〜1分以内で動画の結末まで見られるため、飽きることなく最後まで集中して見ることができる。一つの動画の中でもかなりスピーディーに画面が切り替わって場面が進むことも動画に没頭できる一つの要素だろう。 2. 受動的かつ感覚的に沢山の情報を得られる TikTokを想像していただくと分かるように、ショート動画のUIとして、一つの動画が見終わったら自動的に画面がスワイプされて次の動画が再生されるものがメジャーだ。 そして、動画であることで見たそのままを感覚的に理解できる。例えば記事を読む時のように集中せずとも、大量の情報が流れ込んでくる仕組みになっており、良くも悪くも人々を半強制的に惹きつけている(中毒にしている)のだ。 アメリカのショート動画サービス3選 アメリカ発のショート動画サービスを紹介する。ユニークなコンセプト、およびマーケティング戦略を行っているものばかりだ。 1. Firework FireworkはB2Cの動画マーケティングプラットフォーム。Fireworkを利用することで、ウェブサイトにノーコードで縦型のショート動画を埋め込むことが可能だ。TikTokやInstagramのストーリーを見るような感覚でページを見てもらえるようになる。 動画を見ながら「購入ボタン」もクリックできるようになっている。Fireworkを使った場合、訪問者が購入ボタンを押す割合がFacebook広告よりも10倍増加したという。 動画に没入することで、商品単体だけでなく、動画内に広がる世界観を含めて商品を良いと感じやすくなる。また、動画を見ることで商品の使用感がわかるため、商品を使用している自分がイメージしやすくなる点も強みだ。 2. Dubsmash Dubsmashは一言で言うなれば「口パク動画」を作ってシェアできるショート動画アプリだ。自撮り動画に有名な曲の一部やアニメのセリフなどを組み合わせた動画を作ることができる。K-POPアーティストのBTS、日本人モデルの水原希子など、著名人がDubsmashを使った動画を投稿している。 アプリは各国の言語に対応しており、ローカライズも進んでいる。テキストやステッカーなどで動画を加工することも可能だ。 Dubsmashが人気を集めるようになったのは、2018年後半のアプリの大型アップデート以降。2015年、ベルリンで発表されたDubsmashは、以降順調にユーザー数を伸ばしていた。しかし、2017年に発表されたTikTokに急速にシェアを奪われ人気が低迷した。 DubsmashはTikTokと同様、ホワイトアングロサクソン(WASP)をターゲットにしていたが、それではTikTokにシェアを奪われてしまうと判断。そこでDubsmashはユーザー層を再度分析したところ、インディーのヒップホップソングに合わせた「口パク動画」がメインの投稿であるDubsmashは、ヒップホップというジャンルの影響もあり、ユーザーの大半がアフリカ系アメリカ人のティーンエージャーだということが判明。 そこで、一気にアフリカ系アメリカ人のティーンエージャーにターゲットを変更した。これまでベルリンを本拠点として活動していたオフィスを、ニューヨークのブルックリンに移転し、主要ターゲットの環境に少しでも近づき、アプローチする施策を実施した。 2018年後半から、自社の公式Instagramに投稿する動画も9割ほどアフリカ系アメリカ人のダンス動画に変更している。2018年10月以前は、ホワイトアングロサクソン(WASP)が登場する動画がほとんどだったことを考えると、ターゲットを明確に変更したことがここからも見て取れる。 結果、低迷していたアクティブユーザー数は回復。今では米国在住の10代の黒人の約25%がDubsmashを使っているという。 プロダクトの機能性などで差別化を図るのではなく、ユーザーの属性を絞ってユーザーを獲得した好事例と言えるだろう。 3. Triller Trillerは、アメリカ出身のラッパー3組(スヌープ・ドッグ、21サヴェージ、ミーゴス)が出資しているショート動画投稿プラットフォームだ。 TikTokでは、比較的ダンス動画が多く見られる一方で、Trillerは、音楽にコンテンツの主軸が置かれている。例えばTikTokでは、流行の音楽が使用されることが多いが、Trillerではヒップホップミュージックを用いた動画が多く投稿されている。 Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスと契約を結んでおり、使用できる音楽の幅も広い。Trillerはヒップホップのファンダムに近い存在だ。 流行りの音楽を短尺で使用して動画を作成するTikTokよりも、ヒップホップファンにフォーカスしており、よりニッチだが、エンゲージメントの高い層がターゲットになっている。 もう一つ、TikTokと異なる点がある。それは、動画を作成する際、TikTokは自分で動画をつなぎ合わせて作成するが、Trillerはショート動画を複数撮影すると、音楽に合わせてAIがそれらを自動で繋ぎ合わせ、動画に仕上げてくれるところだ。MVのような動画が手軽に作成できるところは大きな強みである。 ショート動画の波は日本にも 実はショート動画の波は日本にも来ている。ショート動画を使った日本のサービスを最後にご紹介しよう。 Mow MowはVTuberマネジメント事務所のV Chuu(ブイチュー)が2021年8月にリリースした動画を使ったソーシャルマッチングアプリだ。男女の出会いだけでなく、「同じ趣味を持った友人」や「気の合う友人」も探すことができる。 主にZ世代に向けたアプリで、UIはTikTok・Instagramのリール機能に類似している。SNSを見る感覚で相手を探せることが特徴だ。動画を視聴し、気になった相手の動画に対してリアクションを送ることで会話がスタートするため、自然な流れで出会いが生まれやすいというメリットがある。 また、既存マッチングアプリの「テキストと加工された写真だけでは人柄が分かりにくい」「実際に会ってみると想像と違った」といったペインも解消できることが期待される。 ジェンダー的に自由なアプリであることも特徴で、「性別を男性もしくは女性のみしか選べない」という一般的なマッチングアプリに必要な設定はない。ジェンダーフリーな設定、動画というコンテンツを投稿して利用するサービスであることを考えると、ターゲットであるZ世代の傾向をよく捉えたサービスだと言える。 アメリカの総消費40%を占めるZ世代について押さえるべき5つの特徴 一般的なマッチングアプリは良くも悪くも「男女の出会いを求めている感」が出てインストールすることに抵抗がある人も一定数いるだろう。 しかし、「ソーシャルマッチング」アプリであり、男女関係なく新たな人間関係を構築できるアプリであれば、抵抗が少なく感じるユーザーも多いのではないだろうか。コロナ禍で人と出会うことが難しくなった中で、新たな出会いや繋がりを生むプラットフォームになりそうだ。 おわりに 日米ともに、ショート動画を用いたサービスは今後さらに拡大が予測される。今回紹介したサービスは、ターゲットを見極めたり、彼らに合ったマーケティング戦略を立てることで、サービスを低迷期から復活させていたり、人気を獲得したりしている。これらは、ショート動画以外のサービスの改善や、新規のサービスを立ち上げる際にも役立つ考え方だ。 btraxでは、アメリカを中心に、グローバル市場の最新トレンドを加味した事業アイディアのコンセプト立案をサポートしている。現地のサービスリサーチや、現地ユーザーに対するインタビューなど、多角的なデザインリサーチをご提供できる。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

【SAPイノベーションフィールド福島の挑戦】第1回:社会課題解決に向けた新たな形

SAPジャパンが2019年に福島県会津若松市に開設したSAPイノベーションフィールド福島。本記事ではインターン生が記者となり、SAP社員や福島で奮闘する地域の方々への取材を通して、社会課題解決の挑戦を本気で見つめ直します。また、未来の企業の在り方を考えながら取材を進め、感じたことを共有します。
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KPIから「パーパス」へ―企業内社会起業を牽引するSAPジャパンの21世紀型ビジネスモデル―

貧困や環境問題などの社会課題を解決する「社会起業(ソーシャルイノベーション)」が注目されています。各企業においても、ビジネスの継続性を含む新たな社会起業実現の動きが台頭してきました。自身の業務を抱えながら、企業内でいかに社会課題解決に携わることができるか。今回は2021年6月24日にVenture’s Cafe Tokyoで行われた『組織(人)から始める 最強のソーシャルイノベーションの起こし方 〜企業内社会起業家になる方法〜』の詳細をお伝えします。
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SAP Experience Center Tokyo―新たな体験を通じて、SAPジャパンが目指す未来への共創

連載4回目は「SAP Experience Center Tokyo」です。お客様やパートナーの皆様がデジタル変革を体感し、イノベーションの創出を支援する場として、2019年8月に東京・大手町にオープンしました。そのコンセプトや活動について、SAP Experience Center Tokyoのセンター長を務める川中健さんに話を聞きました。
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外資系IT企業の日本独自の最新戦略を若手が探ってみた。|SAPの若手が語る新シリーズ「JUGEND」第3弾!

情報媒体「SAP Japan 2023 Beyond JUGEND(ビヨンド・ユーゲント)」の第3弾。今回は、SAPジャパンの「製品&サービス」領域における日本独自の最新戦略ついて特集しています。外資IT企業であるSAPでは実際にどのような取り組みを行っているのか、若手なりの疑問から分かりやすく説明しています。
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外資系IT企業の日本独自の最新戦略を若手が探ってみた。|SAPの若手が語る新シリーズ「JUGEND」第3弾!

情報媒体「SAP Japan 2023 Beyond JUGEND(ビヨンド・ユーゲント)」の第3弾。今回は、SAPジャパンの「製品&サービス」領域における日本独自の最新戦略ついて特集しています。外資IT企業であるSAPでは実際にどのような取り組みを行っているのか、若手なりの疑問から分かりやすく説明しています。
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Industry 4.0の未来に向けて、日本発のベストプラクティスを世界に発信するSAP Labs Japan

ニッポンの「未来」を現実にするために、SAPジャパンの社員が取り組んでいるさまざまな変革プロジェクトをご紹介する本連載。4回目の今回は「SAP Labs Japan」です。SAP Labs Japanが最大のテーマとして掲げる「日本のサプライチェーンの刷新」に向けた活動について、SAP Labs Japan, Head of Digital Supply Chain Managementの鈴木章二さんに話を聞きました。
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【こんなのが欲しかった】オンライン会議の救世主 Chonkeykeysとは

ニュートンがペスト禍の中で万有引力の法則を発見したように、大きな環境の変化がイノベーションが生まれるきっかけになることがある。 新型コロナウイルスの流行によって、テレワークがスタンダードになった現在、さまざまなオンライン会議ツールがある中で、Zoomは全体の35%のシェアを獲得するなど、日本で最も利用されているオンライン会議ツールだ。 しかし、オンライン会議では不便な点があるのも事実。例えば… Zoomの画面ではなく資料を見ながら話し始めたら、マイクがミュートのまま話し始めていた 画面共有をしていることを忘れ、自分の画面が映りっぱなしになっていた カメラがオンになっているとは気付かず、部屋着のまま会議に参加してしまった 退出し忘れて、自分の姿が写りっぱなしのまま違うことをしていた など、共感する方もいらっしゃるかもしれない。 出典元:【リモートコント】リモート会議終わったと思ってはしゃいだ結果、クビになった男 今回はこれらのオンライン会議の悩みを解消するプロダクトを紹介する。オンライン会議の「ちょっと不便」を一気に解決できるキーボード。見た目やアイデアはとってもユニークで、実用性は抜群だ。 オンライン会議の「最強のお供」!? Chonkerkeysとは Chonkerkeysは香港のスタートアップが開発したオンライン会議用キーボード。インパクトのあるビジュアルと、柔らかそうな丸みを帯びたキーが目印だ。 手持ちのPCとtype-cケーブルで接続して使う仕様で、WindowsでもMac OSでもZoomk会議で利用可能だ。 実際にChonkerkeysを使っている様子がこちら。 手元の大きなボタンを押すだけで、Zoomカメラのオン/オフの切り替え、画面の共有、リアクションができる様子がお分かりいただけるだろう。 Chonkerkeysでできること Chonkerkeysの機能はカメラのオン/オフ、マイクのオン/オフ、画面共有の開始/停止、オンライン会議中のリアクション、会議からの退出の5つだ。では次に、Chonkerkeysの3つの特徴をご紹介する。 (1)今の自分の状態がわかるLEDライト Chonkerkeysは、キーを押すと、そのキーのライトの色が変わる。オンの場合は緑、オフの場合は赤色のライトが付くため、話す前にChonkerkeysのライトの色を確認さえすれば、うっかりマイクがオフのまま話してしまった!ということも起こらない。 (2)押したことが体感できるボタン スマートフォンやPCのキーボードも然り、現代のキーは押したことがわかりにくいことが多いのではないだろうか。本当に押せているのだろうか?と不安に感じることもある。 しかし、Chonkerkeysでは以下の動画でも確認できるように、ボタンを押したことが確かな感触とクリック音で分かる仕様になっている。 (3)キーボードはカスタマイズ可能 なんと言ってもこのChonkerkeysの驚くべきところは、ユーザーの使用ツールに合わせてキーの位置、種類、さらにはボタンのライトの色までもカスタマイズできるところだ。 キーボードの位置は特別な工具などは不要で変更ができる。 また、キーボードの種類、用途も変更ができる。何も描かれていないキーには自分でステッカーを貼ったり、イラストを描いたりしてアレンジすることもできる。 Chonkerkeys誕生の裏話 コロナウイルスの流行により、多くの方が経験しているであろう、一日の大半をオンライン会議に費やすライフスタイルへの変化。Chonkerkeysを開発するANWC Limitedの創業者であるNigelもそんな経験をしている一人だった。 彼は、Google、AdMob、YaHoo!でソフトウェアエンジニア、シリコンバレーのベンチャー企業で共同創業者、McKinsey&Company Asiaのビジネスコンサルタントとして活躍していた。 そしてコロナショックの状況下、どこか変わり映えのない毎日にクリエイティブで風穴を空けようと、眠っていた3Dプリンターを使ってものづくりを始めた。こうして生まれたのが、Chonkerkeysなのだ。 ANWCのゴールは、人間に焦点を当てたコンピュータデバイスを生み出し、テクノロジーと人間らしさを融合させること。Chonkerkeys以降も、ユニークなプロダクトが誕生することが楽しみだ。 ユーザーフレンドリーを追求したあえてローテクなデザイン Chonkerkeysは、オンライン会議をよく行う方はもちろん、オンライン教室やセミナー、イベントを運営する方にもおすすめだ。資料の共有やマイクのオン/オフがPCの画面以外の場所で行えることで、運営がよりスムーズにできるようになるだろう。 さらに子供のパソコン教育の第一歩としてや、身体の不自由な方やお年寄りがパソコンを使う際にも、一助となるプロダクトだろう。 インパクト抜群な見た目について、創業者のNigelよると、あえて「ローテク」なデザインにしているとのこと。 ハイテクなサービスが次々に生まれてくる現代には逆行しているように感じられるかもしれないが、これは彼らが想定するユーザーを考えるとおそらく最適なデザインだ。 思わず触ってみたくなるお茶目な見た目の裏側には、とことんユーザーフレンドリーなプロダクト設計にすることを目指すNigelたちの強い思いがあるように感じる。 Chonkerkeysを一足早く使ってみたいと思ったら 現在、ChonkerkeysはKICKSTARTERにて、The Original、The Maxモデルともに通常価格よりも21%OFFにて出資できる。複数台の購入を希望の場合は2台目からはさらに割引が適用される。 もちろん日本からのオーダー、配送にもバッチリ対応している。 オンライン会議でちょっとした不自由を感じている、インパクトのある大きなキーボードに少しでも興味を惹かれた貴方は、ぜひこの機会にお試しいただきたい。詳しくはKICKSTARTER掲載ページをご覧ください。 オンラインという新たな働き方に合わせて新たな商品が誕生する。空いた通勤時間が、イノベーションを生み出す一歩となった好例である。 提供:Chonkerkeys ※こちらの記事はプロモーションを目的としております。

顧客体験向上のためのOMO 2つトレンドと4つの成功事例

以前からサービスのデジタル化は進んでいたが、新型コロナウイルスの影響により、非接触サービスやオンラインサービスが求められるようになった今、この傾向はさらに顕著になっている。 実際2021年度のEC市場規模は前年比10%を超えており、キャッシュレス決済の一つであるQR決済利用率も54%と過去最高をマークしている。 そういった中、「OMO (Online Merges Offline)」が注目されていることはご存知だろうか?「オンラインとオフラインの融合」という言葉通り、オンラインとオフライン両方のチャンネルを駆使したマーケティングや顧客体験向上のための動きを指しているが、その実情を理解している人は多くはないかもしれない。 OMOを考える上で重視すべき2つのトレンド: 1. 情報の集約化 SNSや決済が一つの媒体でできるスーパーアプリのように、デジタル上でのサービスや機能の集約により、様々なデータを統合することが可能になってきている。また、5Gなど最新のテクノロジーにより、オフラインとオンライン間のデータのやり取りが加速している 2. 行動データの追跡 センサー、位置情報やAIカメラにより、従来追えていたオンライン上の購買データに加え、オフラインの行動データを取得することが以前より可能になってきている つまり、今後オンラインとオフラインのデータの豊富さやリアルタイム性がますます向上することで、より顧客のニーズを正確に捉えることができるようになる。サービスのOMO化は単純に既存のサービスをEC化するだけではない。 集約されたデータを活用し、オンラインとオフラインを上手く融合することで、顧客体験を最適化することが鍵となる。 ブランド価値を測るための2つのデータ活用方法 ここからは、OMOを正しく理解し、優れた顧客体験を提供している企業を4つ紹介していく。 1. Walmart 世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWalmart。長年積み上げてきたオフライン店舗の強みを生かしつつ、OMOを取り入れることでECの王であるAmazonに追いつく勢いで成長している。 彼らの成功の秘訣は豊富なデリバリー経路にある。国内外に多くある実店舗や大規模な倉庫の他、最近ではマイクロフルフィルセンターというローカル化された小さな倉庫を増やすことにより、商品の届け方に様々な選択肢を生み出している。 例えば、サブスク登録することで無料宅配が頼めるネット販売の他、事前にオンラインで注文し、店舗で受け取る “BOPIS”(Buy online, pick up in-store)を提供している。 また、オンラインで頼んだものをスタッフが車に積んでくれるサービスや、カメラを装着したスタッフが商品を冷蔵庫の仲間で届けるInHomeデリバリーも行っている。 同時に、Cruiseという自動運転会社に投資をすることで、電動の無人自動運転車の配達によりラストワンマイルを達成することにも積極的に取り組んでいる。 また配達の他、Tiktokと提携することで動画を通じたオンラインショッピングという新しい試みにも力を入れている。 例えばメイク用品など、実際に使用してみないと分からない商品販売では、人気クリエイターがメイクしている動画をライブストリーミングすることで販売を行っている。 こういった宅配や販売方法の多様化は、ただ単に便利になったということではない。コロナ渦でデジタルに移行していたり、安全志向になってきている顧客のニーズを正確に捉えている。 また、幅広い窓口を提供することで、顧客がそれぞれの状況にあった商品の入手方法を確立できでいる。 2. IKEA 大手家具店IKEAでは、拡張現実(AR) とアプリを上手く組み合わせることで、顧客体験をさらに充実させている。 例えばIKEA原宿店では、専門のアプリを使い商品をスキャンすることで、商品の詳細が見られるようになっている店舗には無い色味や、アプリ上で表示される類似品を確認したい場合は、ARを使うことで、商品のサイズや色味を確認することが可能。 結果、従来の店舗のような郊外の大型店舗でなくとも、様々な商品を楽しむことが出来るようになっている。 またスキャンした商品の履歴が残るため、買い物をしながらアプリ上でショッピングリストを作成し、そのまま家に配送することもできる。 このため、仕事帰りにふらっと寄って買う、など今までのIKEAでは体験できなかった手軽さが実現されている。都市部の車保持者が年々減少していく中、利便性のある都心でIKEAらしい体験が出来ることは大きな強みである。 3. ローソンと富士通によるレジレスコンビニ 以前、無人スーパーとしてAmazon Go が注目されていたが、日本でも同様に、ローソンと富士通共同で開発した無人コンビニが注目されている。 特筆すべきなのが、本人確認がAmazon Go のようにアプリ上で行うのではなく、生体認証で行われていること。事前に登録された生体情報と決済情報を活用することで、携帯を出すまでもなく、ただ手をかざすだけで全てが完了する。 結果、入店から購買までの工数がさらに短縮されている。 生体認証の他、声で扱えるAlexaやSiriなど、生体情報とオンラインデータを活用するサービスが年々と増えている。レジレスコンビニのように、物がさらに不要になるだけではなく、時には手すら使わなくて良いという新たな利便性が生まれる。 また、こういった生体情報をうまく取り込むことで、障害のある方など幅広い方に使いやすいサービスを作ることができる。 4. Sephora US Store and App 化粧品小売店のSephoraでは、IKEA同様オンラインと実店舗の連携が良く、シームレスな購買体験にを提供している。 まず入店した際には、アプリの位置情報データから入店している店舗を割り出し、当日行われているサービスなど店舗の詳しい情報がアプリに反映される。 また、バーコードをスキャンすると、レビューやプロダクトのハイライトの他、入店している店舗での在庫も確認ができる。 また、アプリ以外にも店舗内ではテクノロジーをふんだんに活用している。例えば店員がiPadを駆使して肌を分析することで、カスタマーのスキントーンにあった化粧品を紹介ができるなど、パーソナライズされた購買体験を提供している。 同時に、Sephoraの最大の強みは充実した顧客体験が店舗だけに留まらないことである。購入後、アプリ上のコミュニティを通し、プロダクトに関する質問をしたり、他の人の参考メイクや、Sephoraが出しているチュートリアル動画が見られたりする。 こういった参加型コンテンツを提供することで、プロダクトへの満足度やSephoraとの関係を購入後も持続させている。 Beauty Insider ProgramというロイヤリティプログラムもSephora客にとっての大きな魅力の一つだ。誕生日に一つ商品が無料プレゼントされたり、イベントに招待するなどさらなるエンゲージメントにつなげている。 このように店内から購入後まで上手く統一されているため、Sephoraを長期的に使い続ける客が多い。また、アプリの他にもイベントやコミュニティから豊富な行動データもとれるため、さらなるパーソナライズやサービスの改善につながっている。 最後に 4つの事例からわかるように、OMOを通して利便性が上がるという観点は重要である。だが、最も重要なのは、オンラインオフライン両方の両方の顧客データを取得し、やり取り出来る仕組みを確立することで、顧客像への理解が深まっていることだ。 結果、顧客像がより立体的になり、ひとりひとりに合ったサービス体験を提供することができるようになる。モノの価値以上に体験が重視されていく中、OMOの極意をビジネスに取り入れていくことは、今後サービスの成長に重要なポイントとなる。 ビートラックスは、時代の変化や最新トレンドを分析し、そのニーズにあったUXを提供するサービス開発やその支援を多く手がけてきた。ユーザーを理解し、彼らの課題を中心としたサービス開発にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

丸井、角川、楽天登壇/DX、健康経営、働き方改革を解説9月1日無料開催

日本ビジネスプレスは9月1日、オンラインセミナー「第7回ワークスタイル改革~生産性を高め、イノベーションを創発する!経営戦略としてのワークスタイル改革~」を開催する。 <経営戦略としてのワークスタイル改革を解説> 新型コ […]
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スーパーカブとコンコルドから学ぶイノベーションの真髄とは

突然ですが「コンコルドという飛行機を知っていますか?」 数多くのオーディエンスの前でこの質問をしてきた。そろそろこのネタも古くなってきているので、封印しようかとも思っているが…。 そして、これまで聞いた人の2/3ほどが知っていると答えた。 「では、実際に乗ったことある方はいらっしゃいますか?」 の質問に対しては累計1,000人以上に聞いた結果、たったの一人だった。これはどういうことか?そう、知名度はあっても実際のユーザーがかなり少ないということ。 ちなみに、実際に乗ったのは年配の方で、以前にIBMで働かれている時にNYからロンドンへの出張で会社が予約してくれたとのこと。 現代の旅客機の倍のスピードが出る夢の飛行機 そもそもコンコルドとは、世界最高峰の技術を集めた超音速ジェット機である。何がすごいかって、40年以上前の1976年から飛び始めたにもかかわらず、そのスピードは音速の倍のマッハ2.0。これは、現在の一般的な旅客機の2倍のスピードが出ていたことになる。 ということは、単純に考えると移動時間も半分になる。片道約10時間も掛かるサンフランシスコ – 東京が5時間程度で移動できるのだ。これは乗りたい… 飛んでさえいれば。 誰もが乗りたくなる世界最高のジェット機 コンコルドがすごいのはスピードだけではない。世界の忙しいエリートビジネスマンをターゲットに設計されたその機内は、なんと全席がファーストクラス。 専用のラウンジに加え、専属シェフによる機内食メニューや飲み物が提供される。まさに全てが世界最高。誰もが一度は乗ってみたいと思う、最高の飛行機である。いやー、乗ってみたい。 デザインもめっちゃカッコ良い そして、機体のデザインもかなり美しい。鋭いクチバシが斜めに伸びて、翼は流れるような流線型。左右のエンジンは箱型のハウジングに収められ、まさに未来的な雰囲気を醸し出している。 さぞ空力を極限まで考慮してデザインされたんだろうなー、とデザイナー目線でも憧れるプロダクトになっている。見た目も最高。 誰も求めない世界最高のプロダクト この最高で素晴らしい飛行機は、イギリスとフランスが共同開発。両国からの大きな期待と優秀な人員、そして多額の予算がつぎ込まれた。 そして世界最高の技術とデザイン、顧客サービスを提供するコンコルドは… 失敗した。 そう、これだけ最高だらけの、みんなが乗りたくなる、夢のような旅客機飛行機が今は飛んでいない。非常に残念。 なぜか? 複数の要因があったようだが、最も深刻だった理由は、 「人気がなくて、採算が合わないから」 である。 250機生産すれば採算が取れるはずだったのが、実際は20機しか製造されなかったのだ。そもそも、航空会社からのオーダー量が絶対的に少なすぎた。簡単にいうと、十分な需要がなかった。 それにより、全く採算が合わず、巨額の損失を生み出し、2003年をもって全ての路線が終了した。 誰もが利用したい夢のようなプロダクトなのになぜ?と思うかもしれない。 では、こう聞かれたらどう思うだろうか? 「航空券の値段が通常の10倍」 そう。それを聞いた瞬間、乗りたい!、って言ってたくせに実際に乗る人はごく僅か。ちなみに、僕も同じ反応。 言い換えると、そこまでの十分なユーザーニーズがなかったことで、失敗に終わった。 デザインも技術もサービスも世界最高レベル。でも誰も求めない。そんなプロダクトを作ってしまった教訓として、「コンコルド現象」は今日でも、プロダクト開発、ビジネス戦略、そして、サービスデザインにおける重要な教訓が隠されている。 コンコルドの失敗から学ぶスペック至上主義の危険性 世界で最も売れた乗り物とは? このコンコルドと全く”逆” の運命をたどったプロダクトがある。日本が世界に誇る「スーパーカブ」がそれである。1958年の販売開始以来、世界中で愛されまくってる。 これまでの累計販売台数は一億台以上。世界で最も売れた乗り物としてギネスブックにも載っている。ミスチルのCD総売り上げ枚数が6,000万枚であることを考えても、その凄さは理解できるだろう。 そして、スーパーカブに関しても冒頭と同じ質問を1,000人以上に投げかけたところ、ほぼ100%の人がその存在を知っており、過半数の人が実際に乗ったことがあると答えた。 知名度、ユーザー数ともにバツグンに高い。 コンコルドと真逆のプロダクト スーパーカブが何がすごいかって、テクノロジー的には全然すごくないところ。エンジンは50ccで非力だし、速いスピードが出るわけでもない。特筆すべき斬新なデザインが施されているわけでもない。 でもそこが良い。 むしろコンコルドが達成しようとしていた「世界最高峰のなになに」を追い求めなかったことが素晴らしい。 それにもかかわらず世界最高レベルでユーザーに愛されている。 その素晴らしさは、ディスカバリーチャンネルの番組「Greatest Ever Motorcycles」でも他のバイクを差し置いて、堂々第一位を達成している。 みんなが求めるローテクモビリティ スーパーカブは技術的に先進的なわけでもないし、高級感もない。しかし、そのローテクさには訳がある。 スーパーカブの凄さ 安い 軽い 壊れにくい 燃費が良い 片手で運転できる 扱いやすい 誰でも乗れる 構造がシンプル 長持ちする そう、全てはユーザーのニーズを最優先した結果、生み出されたスペックなのだ。言い換えると、技術やデザインよりもユーザーに喜んでもらうことを最優先した。 その結果、世界で最もユーザーフレンドリーな乗り物が生み出され、現代でも世界で売れ続けている。 テクノロジーがすごいわけではないのに、世界一革新的なバイクなのだ。 ユーザーに喜んでもらうことだけを追求 このスーパーカブの広告を見ていただきたい。発売当時のもので、左側が日本国内向け、右がアメリカ向けになる。どちらもユーザーが喜ぶプロダクトであることが伝わってくるだろう。 ソバの配達員である息子が元気で仕事をしている。おしゃれしてヨットハーバーを愛しの恋人と走り抜ける。 これをみてもわかる通り、常に主役はユーザーであり、プロダクトは主役に喜んでもらうための役割に徹している。決してスペック自慢はしない。 ちなみに、アメリカの広告には “You meet the nicest people on a Honda” のキャッチが採用されている。それまで不良のイメージの強かったバイクに対し、スーパーカブは老若男女が乗りたくなる、フレンドリーな乗り物として、バイクの概念すら塗り替えてしまったのだ。 イノベーションとはこういうことだ。 本田技術研究所が本当に研究しているのは? どのようにしたら、こんなにも素晴らしいプロダクトを生み出すことができるのだろうか? その秘密はこのプロダクトの生みの親の一言に隠されている。 スーパーカブを開発、製造したHondaの正式な社名は本田技術研究所。本田技研と呼ばれることも多い。その名前からして、さぞ技術力を追求しているんだろうと感じる。 しかし、創業者の本田 宗一郎氏は生前下記のように語っている。 「研究所は技術を研究しているのではない。”どういうものが人に好かれるか” を研究しているのです。」 え?という感じがするが、納得できる。ユーザーのニーズをとことん追求し、そのニーズに合致したプロダクトを作り出した。そして、”日本を世界へ” の夢を実現した。 デザイン思考の元ネタはIDEOでもd.schoolでもない そう、その考え方こそがデザイン思考の真髄であり、ユーザー中心デザインそのものである。 最近スタートアップを中心に持てはやされているこれらのデザイン手法の多くは、ここ数十年の間にアメリカ西海岸中心に生み出されたような雰囲気があるが、実はそれよりもっと以前から日本に存在している。 というかむしろ、戦後の日本企業のほとんどがそのマインドセットでものづくりをしてきた。 Hondaだけではなく、SONYも松下もTOYOTAも他の企業も全て、世界で大ヒットを生み出した当時の日本企業は、戦後に暮らす人々の不便の解決を最優先に、より良い生活を届けるために、デザイン思考を、ユーザー中心デザインを、リーンスタートアップを無意識のうちに採用していた。 現代のシリコンバレーで採用されているメソッドのそのほとんどが、日本企業のノウハウを体系化し、見栄え良くパッケージ化たものにすぎない。 イノベーションを生み出すマインドセットは、我々日本人のDNAに深く刻み込まれているのだ。 お客様第一主義とユーザー中心デザインの違い

スーパーカブとコンコルドから学ぶイノベーションの真髄とは

突然ですが「コンコルドという飛行機を知っていますか?」 数多くのオーディエンスの前でこの質問をしてきた。そろそろこのネタも古くなってきているので、封印しようかとも思っているが…。 そして、これまで聞いた人の2/3ほどが知っていると答えた。 「では、実際に乗ったことある方はいらっしゃいますか?」 の質問に対しては累計1,000人以上に聞いた結果、たったの一人だった。これはどういうことか?そう、知名度はあっても実際のユーザーがかなり少ないということ。 ちなみに、実際に乗ったのは年配の方で、以前にIBMで働かれている時にNYからロンドンへの出張で会社が予約してくれたとのこと。 現代の旅客機の倍のスピードが出る夢の飛行機 そもそもコンコルドとは、世界最高峰の技術を集めた超音速ジェット機である。何がすごいかって、40年以上前の1976年から飛び始めたにもかかわらず、そのスピードは音速の倍のマッハ2.0。これは、現在の一般的な旅客機の2倍のスピードが出ていたことになる。 ということは、単純に考えると移動時間も半分になる。片道約10時間も掛かるサンフランシスコ – 東京が5時間程度で移動できるのだ。これは乗りたい… 飛んでさえいれば。 誰もが乗りたくなる世界最高のジェット機 コンコルドがすごいのはスピードだけではない。世界の忙しいエリートビジネスマンをターゲットに設計されたその機内は、なんと全席がファーストクラス。 専用のラウンジに加え、専属シェフによる機内食メニューや飲み物が提供される。まさに全てが世界最高。誰もが一度は乗ってみたいと思う、最高の飛行機である。いやー、乗ってみたい。 デザインもめっちゃカッコ良い そして、機体のデザインもかなり美しい。鋭いクチバシが斜めに伸びて、翼は流れるような流線型。左右のエンジンは箱型のハウジングに収められ、まさに未来的な雰囲気を醸し出している。 さぞ空力を極限まで考慮してデザインされたんだろうなー、とデザイナー目線でも憧れるプロダクトになっている。見た目も最高。 誰も求めない世界最高のプロダクト この最高で素晴らしい飛行機は、イギリスとフランスが共同開発。両国からの大きな期待と優秀な人員、そして多額の予算がつぎ込まれた。 そして世界最高の技術とデザイン、顧客サービスを提供するコンコルドは… 失敗した。 そう、これだけ最高だらけの、みんなが乗りたくなる、夢のような旅客機飛行機が今は飛んでいない。非常に残念。 なぜか? 複数の要因があったようだが、最も深刻だった理由は、 「人気がなくて、採算が合わないから」 である。 250機生産すれば採算が取れるはずだったのが、実際は20機しか製造されなかったのだ。そもそも、航空会社からのオーダー量が絶対的に少なすぎた。簡単にいうと、十分な需要がなかった。 それにより、全く採算が合わず、巨額の損失を生み出し、2003年をもって全ての路線が終了した。 誰もが利用したい夢のようなプロダクトなのになぜ?と思うかもしれない。 では、こう聞かれたらどう思うだろうか? 「航空券の値段が通常の10倍」 そう。それを聞いた瞬間、乗りたい!、って言ってたくせに実際に乗る人はごく僅か。ちなみに、僕も同じ反応。 言い換えると、そこまでの十分なユーザーニーズがなかったことで、失敗に終わった。 デザインも技術もサービスも世界最高レベル。でも誰も求めない。そんなプロダクトを作ってしまった教訓として、「コンコルド現象」は今日でも、プロダクト開発、ビジネス戦略、そして、サービスデザインにおける重要な教訓が隠されている。 コンコルドの失敗から学ぶスペック至上主義の危険性 世界で最も売れた乗り物とは? このコンコルドと全く”逆” の運命をたどったプロダクトがある。日本が世界に誇る「スーパーカブ」がそれである。1958年の販売開始以来、世界中で愛されまくってる。 これまでの累計販売台数は一億台以上。世界で最も売れた乗り物としてギネスブックにも載っている。ミスチルのCD総売り上げ枚数が6,000万枚であることを考えても、その凄さは理解できるだろう。 そして、スーパーカブに関しても冒頭と同じ質問を1,000人以上に投げかけたところ、ほぼ100%の人がその存在を知っており、過半数の人が実際に乗ったことがあると答えた。 知名度、ユーザー数ともにバツグンに高い。 コンコルドと真逆のプロダクト スーパーカブが何がすごいかって、テクノロジー的には全然すごくないところ。エンジンは50ccで非力だし、速いスピードが出るわけでもない。特筆すべき斬新なデザインが施されているわけでもない。 でもそこが良い。 むしろコンコルドが達成しようとしていた「世界最高峰のなになに」を追い求めなかったことが素晴らしい。 それにもかかわらず世界最高レベルでユーザーに愛されている。 その素晴らしさは、ディスカバリーチャンネルの番組「Greatest Ever Motorcycles」でも他のバイクを差し置いて、堂々第一位を達成している。 みんなが求めるローテクモビリティ スーパーカブは技術的に先進的なわけでもないし、高級感もない。しかし、そのローテクさには訳がある。 スーパーカブの凄さ 安い 軽い 壊れにくい 燃費が良い 片手で運転できる 扱いやすい 誰でも乗れる 構造がシンプル 長持ちする そう、全てはユーザーのニーズを最優先した結果、生み出されたスペックなのだ。言い換えると、技術やデザインよりもユーザーに喜んでもらうことを最優先した。 その結果、世界で最もユーザーフレンドリーな乗り物が生み出され、現代でも世界で売れ続けている。 テクノロジーがすごいわけではないのに、世界一革新的なバイクなのだ。 ユーザーに喜んでもらうことだけを追求 このスーパーカブの広告を見ていただきたい。発売当時のもので、左側が日本国内向け、右がアメリカ向けになる。どちらもユーザーが喜ぶプロダクトであることが伝わってくるだろう。 ソバの配達員である息子が元気で仕事をしている。おしゃれしてヨットハーバーを愛しの恋人と走り抜ける。 これをみてもわかる通り、常に主役はユーザーであり、プロダクトは主役に喜んでもらうための役割に徹している。決してスペック自慢はしない。 ちなみに、アメリカの広告には “You meet the nicest people on a Honda” のキャッチが採用されている。それまで不良のイメージの強かったバイクに対し、スーパーカブは老若男女が乗りたくなる、フレンドリーな乗り物として、バイクの概念すら塗り替えてしまったのだ。 イノベーションとはこういうことだ。 本田技術研究所が本当に研究しているのは? どのようにしたら、こんなにも素晴らしいプロダクトを生み出すことができるのだろうか? その秘密はこのプロダクトの生みの親の一言に隠されている。 スーパーカブを開発、製造したHondaの正式な社名は本田技術研究所。本田技研と呼ばれることも多い。その名前からして、さぞ技術力を追求しているんだろうと感じる。 しかし、創業者の本田 宗一郎氏は生前下記のように語っている。 「研究所は技術を研究しているのではない。”どういうものが人に好かれるか” を研究しているのです。」 え?という感じがするが、納得できる。ユーザーのニーズをとことん追求し、そのニーズに合致したプロダクトを作り出した。そして、”日本を世界へ” の夢を実現した。 デザイン思考の元ネタはIDEOでもd.schoolでもない そう、その考え方こそがデザイン思考の真髄であり、ユーザー中心デザインそのものである。 最近スタートアップを中心に持てはやされているこれらのデザイン手法の多くは、ここ数十年の間にアメリカ西海岸中心に生み出されたような雰囲気があるが、実はそれよりもっと以前から日本に存在している。 というかむしろ、戦後の日本企業のほとんどがそのマインドセットでものづくりをしてきた。 Hondaだけではなく、SONYも松下もTOYOTAも他の企業も全て、世界で大ヒットを生み出した当時の日本企業は、戦後に暮らす人々の不便の解決を最優先に、より良い生活を届けるために、デザイン思考を、ユーザー中心デザインを、リーンスタートアップを無意識のうちに採用していた。 現代のシリコンバレーで採用されているメソッドのそのほとんどが、日本企業のノウハウを体系化し、見栄え良くパッケージ化たものにすぎない。 イノベーションを生み出すマインドセットは、我々日本人のDNAに深く刻み込まれているのだ。 お客様第一主義とユーザー中心デザインの違い

プロダクトの未来対応を実現するフューチャー・プルーフという概念

「フューチャー・プルーフ」という言葉を聞いてことはあろうだろうか?英語圏では結構頻繁に利用される単語である。意味としては、将来を予測し、将来の出来事による悪影響を最小限に抑えるための方法をデザイン・開発するプロセスのことを指す。 言い換えると、遠い将来まで価値を持ち続けることができること、つまり、そのプロダクトやビジネスモデルが陳腐化しないようにすることを意味する。 サービスデザインの領域においては、作り出すサービスやプロダクトが時代と共に消滅するのを防ぐための考え方。現時点でイノベーティブだと考えられているプロダクトでも、結構近い未来に陳腐化してしまう可能性が高いものも少なくはない。 なぜフューチャー・プルーフが重要なのか? サービスをデザインする時、ビジネスモデルを考える時、このフューチャープルーフの概念をしっかり理解し、未来対応することがとても重要になってくる。 その理由は、生み出されたサービスやプロダクトの寿命をなるべく長くし、ビジネスとしての価値を保護するのが目的である。 逆に、現時点のみ、もしくは短い時間軸だけで考えていると、リリースしても短時間で “死亡” してしまう可能性もある。 未来のビジネスを創出するための「未来予測」のすすめ ほぼ消滅したプロダクトとそろそろ消滅しそうなプロダクト 実際に時間の経過と共に陳腐化が進み、ほぼほぼその存在価値が無くなった、もしくはなくなりつつなるプロダクトを考えてみよう。 下記のプロダクトやサービスは、一時は多大なる人気がありながらも、現代では、他のソリューションの台頭により、絶滅寸前になっている。 ほぼ消滅したプロダクト ワープロ カセットテープ CDラジカセ 電報 今後なくなる可能性の高いプロダクト Fax タクシー テレビ番組 フィルムカメラ 現代における大企業の平均寿命は15年 – 生き残り戦略としてのイノベーション 事例1) 未来対応が全くできていなかったガラケー では、フューチャープルーフに失敗して例をいくつか見てみよう。一つ目はガラケー。恐らく多くの方が一度は使ったことがあるプロダクトだと思う。 スマホが普及し出す2010年代前までは、日本国内の携帯電話のほとんどがガラケーで、圧倒的なシェアを獲得していた。それに合わせ、各種家電メーカーがデバイスを製造、販売し、大きなモデルとなっていた。 同時に、ガラケーを取り巻く、imodeやEZ Webなどの携帯向けコンテンツや、ストラップに代表される周辺アクセサリーからの売り上げも多く、一大エコシステムが構成されていた。スマホが根こそぎ市場を破壊するまでは…。 そして、皆さんもご存知の通り、iPhoneとAndroidを中心としたスマホの普及に伴い、ガラケーのハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ、周辺アクセサリーなどの業界は破壊的なダメージを受け、衰退していった。 これは、未来対応を怠った一つの良い例だろう。 iPhoneを完全否定していた日本のユーザー達 現在で60%以上のシェアを誇るiPhoneが発表された際の日本の消費者の反応がある。当時は、ガラケーが標準的な携帯電話として利用されていた時代であり、ユーザーもガラケーとiPhoneを比べたことで、全く的外れな予想をしていた。 “ほとんどiPodに電話が付いただけじゃねぇかwwwww” “これは何をするための道具なの? 音楽を聴くため?電話をするためのもの? よく分からんな” “今触ってみたけどデカすぎワロタw これ片手操作してたら落とすだろうな GPSはいいわw 持て余しそうで欲しいとは思わないが” “正直インフラ整ってる日本じゃiPhoneなんて意味無いだろ 普通に国産携帯の方が性能良い。これ買うのなんてタッチにひかれた人間か音楽ケータイ(笑)大好き 人間だけだろうねwwww” “これを持つメリットが感じられない 音楽聴きたいならiPodでいいし電話メールは携帯でいいしWEBサイトにしても最近の携帯なら見れるだろ” “文字の打ちづらさがTouch並なら絶対買わない あれで携帯として使うのは無理あるだろ” “スイーツはデコ電出来ない機種には興味なさそう” “指で操作するから斬新に見えるけど 画像を任意の方向へズリズリと動かすのってグラブ&スクロールだし、 指でスッと弾いて次の画像を表示するのはスライドショーだし、 指を開いて画像をアップにするのって単なる拡大表示だから 普通のPDAで普通にできる作業なんだよな。” 出典: iPhoneが初めて発売された時の日本の反応 しかし、日本でのiPhoneのシェアは約70%で世界1位の普及率になっている事からもわかる通り、彼らの予想は大幅に外れ、ガラケーは消滅した。 ディスラプト (破壊) されるサービスに共通する4つの不満要素 事例2) パソコンの普及で消滅したワープロ ユーザーが未来対応を教えてくれないのに加え、実はプロダクトの提供側も、しばし盲点になりがちであるのがかなり厄介。 数十年前までワープロと言われるデバイスが存在していた。正式名称はワードプロセッサーで、文字を打つことに特化したプロダクト。 パソコンが主流になってきた現在において、ワープロはアプリケーションとして取り込まれ、ワープロ自体の存在価値はほぼなくなっている。ワープロが未来の変化に対応していたかったというもう一つの例。 しかしながら、ワープロが主流の当時においては、それを予想することが難しかったようだ。そして、多くの家電メーカーが当時絶好調のワープロの生産を続けていた。その様子は、1989年に行われた下記の雑誌の関連インタビューを見てもわかる。 一般ユーザーは未来予測をしてくれない フューチャー・プルーフを実現することが難しい理由の一つが、既存のプロダクトが基準となるため、ユーザーは未来を教えてくれないところにある。これは、iPhoneに対する当初の日本ユーザーの反応を見てもわかるだろう。 ヘンリー・フォードが自動車を発明した際にも、下記のように語っている。 「もし人々に何が欲しいかと聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう。」 したがって、未来に対応できるプロダクトを作るには、デザイナー達がじっくりと考えるしかない。 未来に起こる可能性のある主な変化 フューチャー・プルーフを行う際に気をつけておくべき未来に起こる可能性のある変化の種類を考えてみよう。簡単にリストしたでも、下記のような変化が考えられる。 テクノロジーの進化 (例: スマホ登場) 人々の生活の変化 (例: リーモーとワーク) デザイントレンドの変化 (例: モバイルファースト) 他企業のサービスの台頭 (例: 携帯メール vs LINE) 海外サービスの進出 (例: mixi vs Facebook) 規制の変化 (例: ガソリン車禁止) 安価な代替商品の登場 (例: ユニクロ登場) AppleやGoogleなどの有力企業が参入 (例: iTunes) これからのデザイナーが知っておくべき7つの変化 変化のスピードがどんどん速くなっている 現代においては、上記で紹介されている変化が複数が同時に発生することも少なくはない。また、恐ろしいことに、その変化のスピードはどんどん速くなっている。 こ異なる時代のプロダクトが、5,000万ユーザーを獲得するのに要した時間を紹介したい。例えば、飛行機の場合、5,000万人が利用するのには68年掛かった。自動車なら62年、電話なら50年だ。電力が5,000万人に行き渡るのにも50年かかっている。 それが、21世紀に入り、その大量のユーザーが利用するまでに掛かる時間 = […]

誰にでもわかるデザイン思考の基本

デザイン思考(英: Design Thinking)とは、一言で表現すると ユーザー視点でヒットする商品やサービスを作り出すためのマインドセット である。 目的はユーザーに愛され、ヒットするプロダクトを生み出すこと。それに対する考え方とアプローチになる。それ以上でも、それ以下でもない。 なので、デザイン思考の詳細を熟知していなくても、難しい理論がわかっていなくても、その目的が果たせればOK。 初心者でもデザイン思考が一瞬で理解できる もうすでに世の中には、デザイン思考に関する本や記事が多数溢れている。でも、ここはあえて初心者にも簡単にわかりやすく、今さら知りたくなるデザイン思考の基本を短時間で理解できるように解説してみたいと思う。 ここがちゃうねんデザイン思考。5つの違いを理解してモヤモヤを解決 なぜデザイン思考が注目されているのか? ヒットするサービスを生み出すのが目的であれば、必ずしもデザイン思考でなくても良いのではないか?むしろ、これまでもたくさんのヒット商品が世の中にあり、その全てがこのプロセスを活用したとは思えない。 その一方で、デジタル中心になり、時代の変化が速くなった現代においては、いち早くユーザーの潜在的ニーズを捉え、形にできた企業が成長しているのも事実。 サービスを作り出す際には、下記の図に表せられる3つのポイントの重なる部分を見つける。 以前までは、1. 技術的にできること, 2. ビジネス的に成り立つこと, 3. ユーザーが求める内容、の順番で検証していたが、技術的なハードルが下がり、多種多様なビジネスモデルが生み出されている現代では、その順番を逆に進める方がヒット商品に繋がりやすい。 それもあり、まずはユーザーの潜在ニーズを掴むことから始めるデザイン思考に注目が集まった。 デザイン思考を世界一シンプルに説明 であれば、可能な限り簡単に、短い時間で理解し、実践に移行した方が良い。理解するのに要する時間を減らし、実行する時間を増やしてもらいたい。 デザイン思考の全体像 一般的にデザイン思考として知られているのが、下記の図で表されるプロセス。 ちなみにこのプロセスは厳守する必要はなく、現場ではしょっちゅう行ったり来たりや、ステップをスキップしたりもする。なので、このプロセスはあくまで「意識する」程度で構わない。 では、それぞれのステップを紹介する。 1. Empathize: 共感・理解 デザイン思考の最初のプロセスである「Empathize (理解と共感)」では、実際にサービス・プロダクトを受け取るユーザーを理解・共感することを経て潜在的なニーズを掘り起こすことが目的。 ユーザーを客観的に見て「同情」するのではなく、深層心理をしっかり理解して共感するのが重要。 デザイン思考を学ぶ Part 2 – Empathize 理解と共感 2. Define: 定義・明確化 「Define(問題定義)」ではどのようなニーズがあるのかといった事を選定するプロセスで解決するニーズをクリアにするというのが目標。 そのニーズを考える際には、単純にユーザーが「これが欲しい」といったソリューションではなく、「この問題を解決したい」というニーズにフォーカスを当てるのが重要。例) 速い馬車ではなく、速く移動する手段 = 自動車 デザイン思考を学ぶ Part 3 – Define 問題定義 3. Ideate: アイディア発想 アイディエーションとは決して良いアイデアを出すことではなく、新しいアイデアを生み出していくクリエイティブなプロセスそのものを指す。「Ideate(アイディア発想)」の段階では、出来るだけ沢山のアイディアを出すことが最も重要になってくる。 アイディアを出すために、一般的にHMWと呼ばれる「私たちはどのようにしたら ____ を解決できるか」の提携文を利用することが多い。 アイディエーションとは?効率的に行うための5つのポイント 4. Prototype: プロトタイプ アイディアを形にすることで、文字や言葉で説明するよりも単純に、そして感覚的に理解しやすいものになる。それにより、これまで気付けなかった点に対する改善策を打ち立てやすくなる。 プロトタイプの種類は検証したい内容やメンバーの能力で様々で、ポストイットに書いたスケッチから、スライド、LP, 動くアプリ、寸劇まで、ユーザーテストに利用できれば形にこだわる必要はない。 デザイン思考を学ぶ Part 5 – Prototype 今さら人に聞けないプロトタイプの作り方 5. Test: テスト 「Test(テスト)」では、ユーザーから出来るだけ多く、そして細かいところまでフィードバックをもらうことが重要になってくる。その内容に応じて、根本的なアイディア自体や、詳細を調整していく。 ここで重要なのは、テストの目的は素直な反応を得ることで、反応がよくなかったからといって、サービスアイディアを必要とするユーザーを探し続けるのは間違い。テストの結果がかんばしくなければ、数ステップ前からやり直したり、サービスをボツにするのも全然アリ。 デザイン思考を学ぶ Part 6 – Test 効果的なフィードバックを出す秘訣 まとめ: デザイン思考をアクションに ヒット商品を生み出すためには、これまで説明してきたデザイン思考はあくまで参考として、アクションに移すこと。 アクションの部分が無ければ、全てがゼロになってしまう。どれだけ強い情熱を持っていても、検討の結果、見送ることにした場合、貴重な失敗する要因データも集まらない。 デザイン思考の利点は、うまくいかないアイディアを事前に察知することで、膨大なダメージを事前に防ぐことができる。実際の手痛い失敗例としては「コンコルドの事例」が挙げられる。 デザイン思考のプロセスだけでは革新的な製品が生まれない?説

エンジニアリングとデジタル ふたつのノウハウを持つ強みで新たな価値を生み出すコスタイン(英)

以前に紹介したエンジニアリング企業のビジネストランスフォーメーションは、工場やプラント建設というエンジアリング事業にITソリューションを組合せることで新たな価値を提供していたのに対し、今回コスタインは、ITソリューションの提供のみで事業を成立させているケースだった。この事業を支えるていたのは、培ってきた業界知見やエンジニアリングのノウハウに加えて、日々進化するデジタル技術の双方を理解する人材の存在だった。
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馬術競技から見たデータの持つ可能性 – Equiratings社が開いた新たな扉

馬術競技から見たデータの持つ可能性をご紹介します。競技面、運営面、ファンエンゲージメント面と様々な点において、国際馬術連盟(La Fédération équestre internationale:FEI)が主体となって、デジタル化を推し進めています。
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システム制約からの解放に向けて踏み切ったPayPal

PayPalは、現状に留まることなく、将来に渡りビジネスを成長させるためにシステム制約をいち早く排除することを目指し、あらゆるビジネスシーンに瞬時に対応する機動力を得るために、最新のスケールアウト構成への移行を推進すべく、SAPとGoogleの共同検証に取り組みました。
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データ経営を解説/トライアル、沖電気、京セラ登壇7月14日~16日無料開催

マイナビは7月14日~16日、オンラインセミナー「TECH+ EXPO 2021 Summer for データ活用 イノベーションのベースを創る」を開催する。 新型コロナウイルス感染拡大の影響は広範囲に及び、いまだ企業経 […]
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データ経営を解説/トライアル、沖電気、京セラ登壇7月14日~16日無料開催

マイナビは7月14日~16日、オンラインセミナー「TECH+ EXPO 2021 Summer for データ活用 イノベーションのベースを創る」を開催する。 新型コロナウイルス感染拡大の影響は広範囲に及び、いまだ企業経 […]
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これからのブランドはどんどん透明になっていく

皆さんは、最近のApple製品に “とある” 共通点があることに気づいただろうか? そう、あのロゴがかなり目立たなくなってきているのだ。例えば、以前は必ず画面の下の真ん中の目立つ場所にあったAppleのロゴが、最新のiMacにはない。なんか変な感じがする。 ステータスシンボルのAppleロゴが無い! 同様に、ヘッドフォンのAirPods Maxにもロゴが無い。 これまでのAppleであれば、Mac, iPhoneなどの製品には必ず目立つ箇所にロゴが掲載されていたり、場合によっては、ロゴが光る仕様にまでなっていた。 スタバでドヤリングと呼ばれるくらい、Appleのロゴがついた製品を持っていることが一つのステータスシンボルになっていた。 しかし、新しく発表される製品にはなぜか、あの美しいロゴが隠されている。結構なお値段の商品なのに。 ちなみに、Appleが買収したBeatsのヘッドフォンなどは、左右に大きく掲載されているロゴが人気を集め、その商品の大きな魅力になっていた。 パタゴニアもロゴの掲載を控え始めた 実は、商品に目立つようにロゴを表示しなくなったのは、Appleだけではない。人気アパレルブランドのパタゴニアも製品上のロゴ掲載を控えるようにし始めている。 よりサステイナブルなブランドを目指しているのが理由。 パタゴニアの発表によると、一つの製品をより長く着てもらうこよで、より環境に配慮した結果につなげる狙いがあるという。 同ブランドの調査では、ロゴが入ったシャツやコートは、他の人に譲る可能性が低くなったり、部屋着としてきる頻度も下がるという。結果として、製品をきてもらえる “寿命” が短くなってしまいがちだという。 ライフサイクルの長い服を着てもらうことは、持続可能な世の中を実現する第一歩になると考えた。 ロゴを掲載しなくなったことで、パタゴニアは、ある程度の経済的損失を被ることになるだろう。 この変化は、パタゴニアが短期の商業的な結果よりも、より長期的に社会に貢献できるブランドを目指している決意表明でもある。 全てのデザイナーが知っておくべきエシカルデザインとは ニューバランスもロゴなしスニーカーを発表 スティーブ・ジョブスが愛用したことで知られるスニーカーブランドのニューバランスも、最新のコレクションでトレードマークの “N” のロゴを取り除いたスニーカーを発表した。 同ブランドは、1906年のブランド誕生から1世紀以上となる歴史と伝統を祝し、毎年5月15日を「Grey Day」とし、「グレー」をモチーフにした商品を展開。 今年発表された「Grey Day Collection」のうち、限定モデルの “574 Un-N-Ding” には、両サイドに “N” のロゴが掲載されていない。 多くのD2Cブランドもロゴの表記が最小限 そういえば、新規参入が多いD2C系のブランドのその多くも、ロゴの表記がかなり控えめになっていることに気づく。EverlaneやAllbirdsのほとんどのプロダクトにはロゴが表記されていないし、メガネのWarby Parkerもかなり控えめな扱い。これらのD2Cブランドも、かなり “透明性” の高いブランドといえるだろう。 ロゴを掲載しない本当の狙い Appleやパタゴニアなどのトップブランドがロゴの掲載を控え始めている背景には、ブランドとしての透明性を高めたいという狙いがあると考えられる。 ネットを通じてさまざまな情報が直に得られる現代においては、ブランディングを行う際にも、より消費者に対して正直で、透明性の高い存在になる必要がある。 以前までは、”ブランドイメージ” を重視し、ロゴやデザインを通じてそのイメージづくりを行うのがブランディングの主な役割だったが、現在においては、それはもはや”まやかし”に近く、あまり通用しなくなってきた。 であれば、表面を取り繕うよりも、自分たちのバリューがより伝わるブランディングを行うことが、よりファンを増やすための正しい戦略になってくる。 言い換えると、より透明で、可視性の高いブランドが求められる。 ビートラックスがリブランディングにかけた思い – ギャップを埋めるために – 透明性の高いブランドとは? 透明性の高いブランドとは、一言で言えば、消費者に対して率直で正直であること。過度な広告や、自社に不利な事実をあえて隠さずに、素直に顧客と対話する姿勢のあるブランドである。 自分たちの歴史やビジョン、従業員に求めるバリューなどもクリアに伝えることで、顧客との信頼性が高くなる。 また、ネット経由の情報がリアルタイムで伝わる現代においては、ブランド発信の一方的なメッセージだけでは、ブランド構築は難しい。 例えば、社会的な問題に対して、自社の姿勢をしっかりと示し、より良い世の中のために自分たちがどのように貢献できるかを、ブランドとして体現する必要もある。 以前にNikeがBLMや人種問題に対してかなり積極的なメッセージングを発信したのも、透明性を上げる活動の一つである。 一人の男が4年前に放ったメッセージが今、世界を動かし始めた 完璧な人はいない。完璧なブランドもない。 ブランド施策を提供する際に、多くのクライアントはより “完璧” なイメージの構築を求める。しかし、実はそれは逆効果になることの方が多い。 というのも、現代においては企業のブランドも一人の人間のような存在で、顧客とブランドの関係もそれに近い。 完璧な人間が存在しないように、完璧なブランドも存在しない。むしろ、そのブランドの裏にある生々しいストーリーこそが、ユニークな価値になる。 自分の会社を追い出されたこと、倒産しかけたこと、短い余命を感じ、必死にイノベーションを生み出したこと。そんなストーリーがAppleを世界一のブランドに成長させた大きな要因だと思う。

シリコンバレーの未来と日本企業への影響

変化の激しいシリコンバレーでも、ここ1年間ほどの変化は、これまででも最大級だったのではないだろうか、と個人的に感じる。 というのも、2010年ぐらいから2020年の初頭までの10年間は、多くの方々が日本からこの地を訪れ、GAFAやユニコーンを “視察” していた。 同様に、シリコンバレーにオフィスを出したり、駐在員を派遣する日本企業も多く、”シリコンバレーバブル”が半端なかった。 パンデミックで全てが一変 それが、新型コロナウィルスの広がりで、大きく変化した。まるで時間が止まったように、訪問が激減した。 それだけではなく、リモートワークが基本になり、日本に戻られる駐在されていた方も少なくはなくはない。明らかに日本企業とシリコンバレーとの関係性に大きな変化が訪れた。 地元の企業に与えた影響 このパンデミックによる影響は、地元のテクノロジー系の企業やスタートアップにも少なからず出ている。 まず、オフィスにほとんど来なくてもよくなったために、リモートワークの仕組みが急激に進んだ。それまでも充実していたツールが、より一層充実し、時間に加え、場所的にも自由な働き方により拍車がかかった。 その一方で、シェアリングエコノミーやコワーキングスペースなど、リアルとテクノロジーをつなげるサービスが一気に苦戦を強いられた。それに伴ってレイオフも結構発生した。 コロナの影響でアメリカのスタートアップではどのくらいレイオフが進んでいるのか 人々の生活に与えた影響 この変化は、ビジネスだけではなく、地元の人々にも少なからず影響を与えた。 まず良かったのが、家賃がかなり下がったこと。それまでは、一極集中型で、サンフランシスコ市内を中心に、1LDKの平均家賃が35万円と、世界トップレベルの家賃になっていた。 それが、1年間ほどで25-30%下がったとのデータもある。これは、リモートワークの普及で、近郊の街や他の州に引っ越すことが可能になったため。 また、通勤や通学が極端に減ったために、苦痛だった交通渋滞がほぼ無くなった。なので、自動運転もあんまり必要ないかな?とも感じる。 ニューノーマルが生み出す4つの意外な社会課題 これからのシリコンバレーはどうなっていく? さて、こんな激動の中でも、最近は良いニュースが増えてきている。なるべく群れない生活スタイルと、ワクチンの普及によって、パンデミックが収束し始めているのだ。 オフィスは再開し始め、街には人が増え、レストランのテラスが陽気な雰囲気で溢れかえっている。 では、このような状況の中が進む中で、シリコンバレーは今後どんな感じになっていくのだろうか? そもそもシリコンバレーって? 未来を考える前に、そもそも、ここ10年ぐらいでバズっていた”シリコンバレー”は何だったのか?おそらくそれは、地域の名称よりも、カルチャーやビジネスモデルだったんだろうと思う。 具体的には、世の中は必ず良くなる。自分たちが良くする。未来への期待に対して投資をする。皆んなから愛されるモノを作り出し、魔法を使ってお金を儲ける。 そんな感覚。 GAFAやユニコーンに代表される仕組み そのようなモデルが、GAFAやユニコーンと呼ばれるキーワードだろう。具体的には、テクノロジーを最大活用し、ユーザーにとことん喜んでもらえるサービスを作り出す。 とてつもなく多くのお金を集め、ユーザーを大量に獲得し、会社を急成長させる。その過程で巨額の赤字を出すが、未来への大きな期待を寄せた人々からの投資によってバイアウトかIPOまで駆け抜けるモデル。 ユニコーンの次はデカコーン エコシステムと呼ばれる巨大なマネーゲーム 実はこの仕組み、冷静に見てみるとかなり強烈。 というのも、IPO (上場) したテクノロジー系スタートアップのその多くが、それまでに利益を出していないからだ。しかしその一方で、その期待値に合わせ、評価額や株価がグングン上昇している。 実際、2020年のハイテクIPOのうち、利益が出たのは16%に過ぎない。 例えば、シリコンバレーの代表的なユニコーン企業だった、パランティアは2020年初頭のIPOの前年の売上は7億4300万ドル。それに対して5億7600万ドルの損失を計上していた。 Uberは2019年に上場したが、当時110億ドルの売上に対して30億ドル以上の営業損失を出していた。 同様に、DoorDashが上場したときは、末尾9カ月の収益が19億2,000万ドルで、それに対して1億4,900万ドルの純損失を計上ていた。 これらの企業の評価額はいずれも数百億ドルで、創業者や投資家は、会社の業績としては儲かっていないにも関わらず、企業価値の上昇に合わせ、大金持ちになっている。 ベンチャー企業とスタートアップの違い: スタートアップ企業と呼ばれる理由とは なんちゃってスタートアップも続出 そんな巨大なマネーマシーンとなったシリコンバレーでは、やったもん勝ちのノリで、多くのスタートアップが生み出され、そこに巨額の資金が投入された。 そんな中で、いくつかのスタートアップには、その実態が怪しいものあり、セラノスに代表されるような、いわゆる”なんちゃって系”もいくつか出てきたりもしていた。 それでも、結構な評価額を獲得し、上手に儲けた人も少なくはない。 ハッタリ系スタートアップ大賞 シリコンバレー 4.0? 実は、シリコンバレーでこのような仕組みが活発になったのは、2009年頃からのことで、そこに辿り着くには、何度かの”バージョンアップ”を重ねている。 軽く振り替えてってみると、 シリコンバレー1.0は、インテルに代表される半導体産業の時代 シリコンバレー2.0は、Apple, HPに代表される家庭用ハードウェア産業の時代 シリコンバレー3.0は、ドットコムバブルに代表されるWebサービス黎明期 そして、2009年から2019年の10年間が、スマホとソーシャルメディアに代表される、一攫千金型のシリコンバレー4.0である。 そして今、次の大きな変革がまた訪れようとしている。 世界を変えられなかった12のサービス ~第一次ドットコム時代のアイディア~ シリコンバレー 5.0 と日本企業への影響 やっとここで本題。これらのシリコンバレーに関する未来予測と、日本企業にとってどのような存在になっていくのかの話題だ。 “シリコンバレー”的カルチャーの変貌 注目される業界のシフト 優秀な人材獲得が加速する 日本との時差が広がる M&Aしやすくなる 1. “シリコンバレー”的カルチャーの変貌 これまで説明したように、ここ10年間ぐらいに見られたシリコンバレーのマネーゲーム型カルチャーがひと段落する。 GAFAに代表されるような、儲かりまくりのビッグテック企業や力を持ちすぎたプラットフォームも、プライバシーや法令遵守、そしてエシカルやウェルビーイングへの取り組みが進められ、利益第一主義からの脱却に進むかもしれない。 スタートアップで言えば、ユニコーンという言葉に代表されるような企業価値至上主義に陰りが見え始めている。未来への期待値をMAXまで高め、大量の資金調達を通じ、大赤字を出しながらも、半ば反則技でユーザーを集めまくるタイプのビジネスモデルはそろそろキツくなってくるだろう。 また、新しくスタートする企業の数は減るかもしれないが、中身がしっかりとある内容が増えると思われる。 デジタルウェルビーイングを実現する ”使わせない” デザインとは? 2. 注目される業界のシフト 世の中の変化に合わせ、ユーザーニーズも変わる。これからの時代は、両極端な二つのタイプの業界に注目が集まると考えられる。 まず一つ目は、オンラインでの人々の交流がより活発になることで、ゲームとコミュニケーションの融合が進む。それに合わせ、複数の人が同時に遊びながらコミュニケーションを行うことのできるサービスの人気がどんどん高まるだろう。 具体的には、Roblox, Among us, Discordなどがあげられる。 もう一つは、より人々の実生活の課題解決を目指した “地に足の着いた” サービス。具体的には、バイオテクノロジー、サプライチェーン・ロジスティクス、生産性、通信などの分野は、これまでのクラウド、ゲーム、輸送、暗号通貨などと同じような勢いで普及していく可能性がある。 それに連動し、レガシービジネスへのチャンスも広がる。デジタルだけではなく、物理的な世界で事業を展開する方法を知っていること、ブランドを構築・維持する方法を知っているマーケティングチームがいること、そして何より、法律の範囲内で複数のテリトリーで収益を上げる方法を知っているという企業には、大きな優位点がある。 これは皮肉にも、猫も杓子も”DX”を叫んでいる日本とは逆のベクトル。もともとデジタル中心だったのに対し、どのように物理的なビジネスモデルを補完できるかが重要になってくる。 【DX,リモート, メンタルケア】ニューノーマル時代に注目のスタートアップ25選 3. 優秀な人材獲得が加速する これまでは、シリコンバレーの会社で働くために、世界中の多くの優秀な人材がこの地に集まってきた。しかし、パンデミックの影響で、リモートでの勤務が可能になったため、異なる場所に住んでいる人でも、シリコンバレーの会社で働くことが可能になる。 特にアーリーステージのスタートアップは、高い住宅費用や物価をカバーできる賃金で、若くて優秀な人材を入社させることは不可能に近かった。 それが、より物価の安い都市や、場合によっては異なる国に住んでいる人でも働けるようになるのであれば、より優秀な人材を現実的なコストで獲得し、チームを編成することが可能になる。 奇しくも、パンデミックの広がりが逆説的にシリコンバレーを強くする結果となる。これにより、シリコンバレーの規模を地理的なクラスターではなく、ネットワーク的上に広がる、同じミッションをもった人たちの集まりになってくる。 Facebook、Twitterに学ぶ、DX時代の組織戦略・人材マネジメント 4. 日本との時差が広がる 冒頭の話の通り、現在までのところ、日本からシリコンバレーに来るハードルは高い状態。そうなってくると、現地が実際にどのような状況になっているのかを把握するのが、少し難しくなる。 これは、サービスのトレンドやテクノロジーに関する内部情報へのアクセスが下がるため、日本とシリコンバレーの”時差”が広がる結果に繋がる。 逆に考えると、現地にいるアドバンテージが今まで以上に高まり、1990年代後半のドットコムバブルのような、タイムマシーン型ビジネスモデルもバカにできない状態になるかもしれない。 シリコンバレーに来るならスーツは着ない事 5. M&Aしやすくなる そんな現地にいるからこそわかる事情の一つに、M&Aに関する変化がある。最近日本で会社を経営する友人が、アメリカの企業とのM&Aの話を進めている。 それまでも数年間模索していたが、コロナ前まではなかなか相手にしてくれなかったという。それが、パンデミックの広がりで、変化を求める企業も増えてきたのか、ここ一年ほどは、結構 […]

外資IT企業が福島で作る持続可能な世界とは|SAPの若手が語る新シリーズ「JUGEND」始動!

SAPジャパンの新人やインターン生を編集者とした情報媒体「SAP Japan 2023 Beyond JUGEND(ビヨンド・ユーゲント)」。今回は、福島県の会津若松市にある「SAP Innovation Field Fukushima」での取り組みについてです。外資IT企業であるSAPが、福島で作る「持続可能な世界」とは果たしてどんなものでしょうか。…

宅配のDX – Shypはなぜ失敗したのか? カスタマーファーストの盲点

2018年にとあるサービスがひっそりと終了した。それはとても便利で、革命的とも思える内容だった。そのサービス名はShyp。 多くのユーザーに愛される素晴らしいサービスでもなぜ終了してしまうのか?今回は、Shypのケースをもとに学んでいこう。 モバイルアプリから簡単発送 Shypのキャッチコピーは”We’ll take it from here (あとはお任せ)”、面倒な発送のプロセスを代行してくれるサービスである。 何かを発送したい時に、アイテムの写真を撮ってモバイルアプリ経由でアップするだけで、20分以内にピックアップに来てくれる。 それも、送る物の大きさや重さ、形に応じて最適なパッケージングを施し、各種ある配達業者から最も安い方法を自動的に選んでくれる。そしてなんと、梱包までもしてくれるのだ。 発送後はアプリ経由でトラッキング情報が表示され、完了通知まで届く。もしもの時のためは$1,000までの保険も自動的にカバーされる。 革新的に便利で、お得なサービス。まさに宅配における理想的なDXの完成形である。 実際にShypを利用してみた 以前にオンラインオークションのeBayで売ったときに利用してみたところ、本当に便利だった。 写真をアップするだけで発送料金が表示され、リクエストすると、Uberのような画面から、ピックアップに来る配達員のアイコンが表示され、到着したらアイテムをそのまま渡すだけ。 後日アプリ経由で発送完了の通知が届けられた。本当に”あとはお任せ”を実現する究極のユーザー体験を提供してくれた。 ラストワンマイルならぬ、ファーストワンマイルの課題を解決したサービスだった。 たった$5で発送時の手間を大幅改善 一回使っただけで、Shypの魅力に取り憑かれた。今までもオンラインで物を売ったことが何度かあるが、とにかく発送のプロセスが超めんどくさい。通常、考えられるステップは: 既存の発送プロセス: アイテムを入れる箱を探す 箱のサイズを図る アイテムの重さを図る 複数の配達業者から料金を調べる 荷物を梱包する 発送する荷物を業者の窓口に持っていく 料金を払う トラッキング番号をもらう トラッキング番号を買い手に送る ざっと考えただけでも上記の9つのプロセスが必要になる。それもあって、売りたいものがあっても、どうしても面倒な気持ちが勝ってしまい、放置することが多くなってしまう。 それをShypは下記のように簡易化することに成功した。 Shypを使ったプロセス: アイテムの写真をアプリにアップ 支払いと発送に関する情報を入力 配達員がピックアップにくる トラッキングが自動的に送られてくる 当時はデリバリー版Uberと期待されていた そんな発送における煩わしさ、いわゆるユーザーペインを解消したのがShypだった。ユーザーとしても、この手間がなくなるのなら、手数料の$5は安いと感じた。 これはまさに、タクシーの煩わしさを解決して、一気にユーザーを集めたUberっぽいサービス。現にShypは「デリバリー版Uber」と称された。 始まりはリーンなスタート Shypは2013年に2人のファウンダーによって、サンフランシスコでスタートした。 Kevin Gibbonは、それまでのeBayでの販売経験や、ShopAroundというローカル店舗の価格比較サービスを作り、アプリランキングのTop 100に入ったこともある。 もう一人のJack Smithは、スタートアップでのリードデザイナーの経験や、大企業でのデザインコンサルタントの経験を持っていた。 Shypの立ち上げ当初は、ガレージをオフィスにして、$2,000の予算でサイトを作り、ピックアップ業務も、ファウンダー自身がカーシェアを利用して行っていた。テスト的にまずはサンフランシスコ市内の一部の地域だけのサービス提供だった。 いわゆるリーンスタートアップの手法で始まった。 ゴールはユーザーの手間を省くこと Shypが目指したのは、究極の便利さ。それまでにもeBayがショッピング革命、PayPalが支払い革命を生み出し、Shypは配送革命を起こし、200年間あまり進歩していない業界のDisrupt (破壊) を狙った。 当時は、UberやAirbnbに代表されるオンデマンド型サービスが人気を集め始めていた。いかにしてユーザー体験をシンプルにしたサービスが作れるか。それこそが、サンフランシスコのスタートアップにおける共通のゴールになっていた。 その後も複雑な体験の改善は、破壊的イノベーションを生み出す要因の一つであり、現在でもあらゆる業界に求められている。 ディスラプト (破壊) されるサービスに共通する4つの不満要素 著名エンジェル投資家から210万ドルを調達し加速 サービスリリースと同年に、Shypの将来性に注目したTim FerrisとDavid Marcus、2名の著名エンジェル投資家から、合計210万ドルを調達した。 それをもとに、Shypはスタッフの採用を進める。 興味深いことに、優先した人材は宅配業界での経験の無い人たち。というのも、業界での経験が下手にあると、新しい発想に対して否定的になるだろうと、彼らは考えたのだ。 これまでの経験値よりも、課題解決に対するの情熱とポテンシャルを優先して人材採用を行った。 同時期にはTechCrunch, NY Timesなどのメジャーなメディアにも取り上げられ、大きな注目を集めた。 翌年には1,000万ドルをVCから調達。その後もKPCBから5,000万ドルの投資を受け、合計投資額は6,210万ドルにまで拡大。ニューヨークやシカゴにもサービス拡大するなど、全てが順風満帆かのように思えた。 潤沢な資金で成長フェーズへ突入し、大胆な決断を 2013年のスタートから2年後、着実に成長してしていた2015年、Shypより急激な成長を狙うためにいくつかの大きな決断を行った。 まずは、配達員を業務委託型から、正式な従業員に変更した。 通常、Uberに代表されるオンディマンド型サービスにおいては、配達員などのサービスを提供するスタッフは従業員ではなく、業務委託の形を取ることが多い。 福利厚生や失業手当、社会保障などの支払い義務が生じないため、従業員よりもコストが軽減できるのが理由である。 その点、Shypは配達員の待遇を改善し、業務委託型では提供できない研修にも参加してもらう意図があった。これは、オンデマンド系サービスとしては異例の判断だった。 この時点で、配達員以外の従業員数も245人になり、5倍の規模まで膨れ上がった。 ちなみにこのような急成長は、シリコンバレー界隈のスタートアップでは珍しくなく、綺麗なホッケースティックを実現していたとも言える。 ベンチャー企業とスタートアップの違い: スタートアップ企業と呼ばれる理由とは デザインにも力を入れ、リブランディングも行った この成長戦略の一つが、アプリのUIの継続的な改善と、リブランディングである。 Shypは、デザインが優れているサンフランシスコのスタートアップの中でも、デザイン性の高いサービスだった。そして、オンラインを中心とした広告キャンペーンも積極的に行っていた。 卓越したサービスには致命的な盲点が しかし実は、Shypには大きな盲点があった。 $5である。 そう、ユーザーから手数料として取っていた$5。$5をもらう代わりに、多くの手間が発生してた。 ユーザーによりシンプルな体験を提供するために、Shypはかなり多くのプロセスを行っていた。 まず、サイクリストやバンなどの配達員による物流ネットワークの確保。Shyp独自の段ボールカット機を使った梱包工程。そして、UPSやFedExといった配送業者への出荷。 これらをたったの$5で提供していた。それも、発送するアイテムの種類に関わらずにだ。消しゴムひとつでも、大型テレビでもも一律$5のお得な費用設定。 これはコストとして全く見合わないと、投資家も指摘していたらしい。 その一方で、最初のうちは殺到していたユーザーも、2年目に入り、その熱も少しずつ冷め始めた。 それでも、CEOはカスタマーファーストの視点から、拡大を続けた。 急成長を狙ったその矢先に… 強気の成長戦略とユーザー視点を推し進めていたShypだったが、当初予定していたマイアミへの進出を断念。その後、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスのオフィスを立て続けにクローズし、サンフランシスコのみのオペレーションに戻った。 その甲斐もあり、2017年の終わりには、利益率は1.5倍になった。それにも関わらず、3ヶ月後、ファウンダーのKevin GibbonはLinkedIn上でShypが終了することを投稿した。 そして、惜しまれながらも2018年の3月末にサービスを終了することとなった。 その後、Kevin Gibbonは、その失敗理由を下記のように分析している。 Shypが失敗した5つの要因 1. ターゲットユーザーを誤った スモールビジネス向けに展開した方が良いという投資家からのアドバイスがあったが、Shypは最後まで一般消費者向けにサービスを拡大していった。しかし、平均的な消費者は企業に比べてあまり物を出荷しないので、BtoCにおけるShypの成長には自ずと限界が訪れた。 打開策として、2016年にeBayとのコラボを始めたが、時すでに遅しだった。 2. 手数料が低すぎた 上記でもご紹介した通り、複数のプロセスと膨大な手間を掛けているにも関わらず、ユーザーへの手数料はたったの$5。当初は、FedEXやUPSなどの配送業者と値段を交渉し、マージンを稼ぐつもりだったが、あまり上手くいかなかった模様。 それに伴い、2016年にはアイテムの大きさに応じて手数料を変動させる仕組みを導入したが、こちらも時すでに遅し。 3. ユーザーを優先しすぎた […]

ENEOSの変革と新規事業開発の魅力とは?

「ENEOS」と聞いて読者の皆様はどういったイメージを持つでしょうか?
人によっては「ガソリンスタンド」をイメージするかもしれません。
実は今ENEOSは、従来の石油精製・販売事業から大きな変革を推し進めています。その変革を牽引している組織が今回のインタビュー先の「未来事業推進部」で、SAPが運営するオープンイノベーションラボ Inspired.Labにも入居頂いています。…

なぜ制約があった方が人はクリエイティブになれるのか?

一番仕事が “はかどる” のはどんな時?と聞かれたら、トップ3に必ず入るのが「移動中」と「滞在先」。飛行機や新幹線の中で仕事をしている時がもっとも効率が良い。また、設備が整っているオフィスよりも、出張先のホテルでの方が仕事がサクサク進むことも多い。 これは恐らく時間や場所の制約や、日常と異なる刺激があることで、集中力や創造力が高まってるからではないかと思う。 ブログは無理だけど、Twitterならサクサク書けちゃう現象 また、ブログは全然書く気にならないけど、Twitterぐらいならいつでも気楽に書ける気がする。 ブログは文字数の制限がない分、気後れしてしまう。その点Twitterは140文字の制限があるため、短い文章でも良いというルールのもと、文章を書くモチベーションが上がる。 これも、制約があるからこそモチベーションが上がるという、似たような状況なのではないか? 自由度が高すぎると動けなる 全く自由な状態に置かれると、無限の可能性に圧倒されてしまって、何もしないという状況も多い。 例えば、A4の紙を渡されて「何か作って」と言われても何から初めて良いかわからない。しかし、紙とクレヨンとハサミを渡して、「これを使って空を飛べるものを作って」とリクエストされれば、紙飛行機や、折り鶴や、蝶々など、いくつかのアイディアを思いつくことができる。 ある程度お題が決まっていて、制約がある方が動き出しやすく、発想しやすいのではないかと感じる。夏休みの宿題を直前までやらなくて良いのにも共通するだろう。また、選択肢が多いと、どれを選んで良いか分からず、選べなくなる状態にも通じる。 制約を与えると脳が活性化する どうやらこれは科学的にも実証されているらしく、一定の制約は脳力を高める効果があるという。 というのも、脳はなるべく少ないエネルギーで稼働するように作られており、通常はすぐに省エネで運用しようとする。そして、強制されない限り、ほとんど何も考えないことが多くなりがちとか。 言い換えると、放っておくと脳はすぐにだらける。ということらしい。それを刺激してあげるのが、何かしらの制約である。 そうすることで、はじめの一歩を踏み出し、そして頭をひねってユニークな発想を絞り出すようになる。制約があるからこそ、考えざるを得ない状態になって初めて脳は本気で動き始める。 制約と創造性の関係は、プレッシャーと動機の相関関係を示したヤーキーズ・ドットソン法則にも通じるところがあるだろう。 関連: ニュートンのイノベーションは隔離体験から生まれた テクノロジーに制限があるとスキルが高くなる そういえば、技術者で能力の高い人の多くは、制約の多い状態での下積みが重要な経験になっているという説がある。 例えば、パソコンのスペックが低かったり、ネットのスピードが遅かった時代のプログラマーは、プログラムの実行スピードを少しでも速くするために、一行でも少なくコードを書く方法を必死に生み出していた。 それにより、現代の恵まれた環境で書かれるプログラムよりも、よっぽどクリーンで効率的なプログラムが書けるという。その昔、メモ帳でHTMLコードを書いていた人は、スキルが高かったのも覚えている。 同じように、パソコンのHD容量の少なかった時代のデザイナーは、ファイルサイズを小さくするために、できるだけアンカーポイントを減らすデザイン手法や、少ない色数で表現する手法を編み出した。それが転じて、表現の幅が広がったという説がある。と、デザインスクールの先生が語っていた。 参考: ミニマルデザインのススメ – 基本知識と7つのヒント 制約こそがクリエイティビティーの起爆剤 そう、どうやら制約が多い方が、よりユニークな発想や手法を編み出しやすいようだ。言い換えると、クリエイティブなアイディアは制約が無いとなかなか出てこない。 意外かもしれないが、創造力を高めるには制約が不可欠になる。 成功しているクリエイティブな人たちは、制約は自分の努力を制限するものではなく、むしろ逆手にとり、飛躍させる原動力に変換させている。 参考: やりたいことが見つからない人にセルフ鎖国のススメ 制約があった方が良い理由 始めやすい スピードを上げられる 型にはまらない発想が思いつく 発想のリフレームをするようになる 与えられたものの最大活用方法を思いつく 関連: リフレーミングとは? – イノベーションの秘訣は問題へのアプローチの仕方にある 事例: 多くのイノベーションは制約から生み出されている 実際に新しい製品を発明や型破りな表現は多くの場合、数々の制約から生まれている。制約はさまざまな創造的な領域で役割を果たしていて、現代の最も革新的な創造的製品の多くに見られる。 では、実際に制約あったからこそ生み出された事例をいくつか見てみよう。 海外から来た人が仰天 – 機械式立体駐車場とカプセルホテル 日本にはかなりユニークな仕組みがいくつかあるが、海外から来た人がびっくりするのが、カプセルホテルと機械式立体駐車場。 これらは、場所の制限がある日本だからこそ生み出された仕組み。だだっ広いアメリカでは絶対に思いつかない発想である。 CGでは青春の空気感は伝わらないから – ポカリスエット 最近話題になったポカリスエットのCM。一見すると、かなり特殊なCGを使ってるのかな?と感じる。しかし、メイキング動画を見ると、極力物理的なセットと、リアルな動きでメッセージを伝えている。 技術的にも予算的にも利用でできただろうCGと特殊効果を最低限に抑えることで、青春の空気感がダイレクトに伝わってくる。 一部のグリーンスクリーンを除き、CGの利用を極力抑えたCM シンセサイザーは一切使っておりません – Queen ボヘミアン・ラプソディでお馴染みのQueenは、綺麗なメロディーラインとハーモニーで人気を集めたバンド。 彼らのサウンドは、同じ時代の他のロックバンドと比べてかなりユニーク。その秘密の一つが、とある制約にある。 デビュー初期の頃はその当時に普及していたシンセサイザーを利用する余裕がなかった。その代わり、ギターのサウンドや、コーラスを駆使することで、きらびやかな音色を実現した。 実際、Queenの初期の頃のアルバムの裏には”No Synthesizers! (シンセは使ってない)”と明記されている。 安易にシンセに頼らなかったことで、ブライアン・メイのユニークなギターサウンドと、唯一無二のコーラスハーモニーが生み出された。 スコッチの原材料が取れないことで発明されたお酒 – バーボン アメリカで作られるウィスキーの多くが、バーボンと呼ばれる。その起源は、ウイスキーの祖国であるスコットランドやアイルランドからアメリカに移住してきた人たちが、アメリカでも同様のお酒を作ろうとしていた事から始まる。 そこで、一つ大きな制約に直面することになった。アメリカでは、母国のウィスキーの主な原料である大麦があまり取れないのだ。 そこで頭をひねり、発想を転換した。そこから生み出されたのが、移民した地域の特産品であるトウモロコシを主原料としたウイスキー、バーボンである。現在では、スコッチと人気を二分するほどの存在になっている。 制約を逆手に取ったアーティスト – Phil Hansen 制限を最大のクリエイティビティーに変換したアーティストもいる。Phil Hansenは、自身の身体的ハンデを逆手に取り、ユニークな作品を数多く生み出している。 空手チョップだけで描いたブルース・リーの肖像画や、スタバのカップを利用した作品など。彼のTED Talkは一見の価値あり。 自身のハンデを活用してクリエイティブな作品を作り出すPhil Hansen ある意味本物よりもカッコ良い – ダンボルギーニ 高級スポーツカーとしてフェラーリと肩を並べるのがランボルギーニ。価格が数千万円もする事から、簡単には手が届かない。 これを宮城県の段ボール加工会社の6名が、仕事の合間をぬって段ボールで作ってしまった。もともとランボルギーニ好きの社長による「買えないなら、作っちゃえば?」という発想だ。 その完成度の高さが世界で話題になり、ついに本家のランボルギーニ社から連絡が届き、本物の車両と一緒に展示されるまでに。現在では、震災復興のシンボルとなっている。 関連: 社内イノベーションはこのように生まれた – ランボルギーニ ミウラ誕生秘話 コマ撮りがCGよりも不気味 – 初代ターミネーター 今でこそ大人気シリーズとなっているターミネーターだが、その第一作はかなり低予算のB級映画だった。しかし、初代の人気はシリーズの中でもトップレベル。 大きな理由の一つが、その映像のリアルさからくる怖さ。 予算の関係で、CGや特殊効果の利用が制限されていたため、ターミネーターの動きをコマ撮りで表現した。そのぎこちない動きが逆にロボットっぽく、独特の不気味さを実現した。 英語を”話さない”ことが強い個性に – こんまり アメリカで大人気のこんまりも、制約を上手に変換している。 彼女は以前は英語を話していたが、現在は、日本語+通訳で話すことが通例となっている。そして、それが意外と良い。日本語特有のキュート表現とトーンが、彼女らしさが前面に押し出し、ユニークな雰囲気を醸し出している。 苦手なことを無理してどうにかしようとするのではなく、自身のユニークさにフォーカスした良い例。 こんまりから学ぶグローバル進出3つのポイント 限られた文字数で複数のメッセージを込める […]

保守運用業務のニューノーマル! ~建設から保全まで全ての情報を一元管理~

石油や鉱物などの採掘産業、電気・ガスなどのエネルギー産業は、社会インフラを支える重要な産業です。こうした、かつては重厚長大とも言われた資本集約型産業の保守運用担当者は、新型コロナウイルス感染症の拡大による大きな制約を受けながらも、ニューノーマルに対応した業務の遂行を迫られています。…

新規サービスを検証する際に確認するべき15の項目

我々ビートラックスは、これ前に多くの企業やスタートアップ起業家に対して、サービス開発に対するコンサルティングを提供している。
その中でも、現在進行中の福岡市主催のグローバルチャレンジ、内閣府アクセレレーションプログラム、経産省による始動 Next Innovator、大企業向けサービスデザインワークショップなど、世界規模での展開を想定したサービスに対するセッションを通じ、累計250以上のサービスへのサポートを通じて、社内起業家やスタートアップが新規サービスを生み出す際に外したくないポイントを抑えるよ…

ヘルスケアのDX – Carbon Healthを試してみた【UX分析】

なぜアメリカではコロナの検診スピードが格段に速いのか? その秘密の一つが、デジタル技術を活用したテストプロセスに隠されている。今回UX分析の対象として試してみたのは、ヘルステック系のスタートアップ、Carbon Healthが提供するサービス。
このスタートアップは元々、遠隔医療に関する仕組みを提供していたが、新型コロナウィルスの拡大により、現在ではそれら加えて、サイト、アプリ、そして検査用のポップアップステーションを活用した検査を迅速に行っている。
アメリカでは誰でも無料でコロナ検査が可能
現在ア…

テスラの成功確率は10%だった – イーロン・マスクが語る無謀なビジネスを成功に導く5つの秘訣

ここ一年で最も躍進した企業の一つがTeslaだろう。2021年1月25日の時点で同社の株価は一年前の800%超を達成し、時価総額も8,000億ドル超えた。世界の企業全体でもFacebookの時価総額を抜き、現在世界7位の企業にまで成長している。それに伴い、同社CEOのイーロン・マスクは世界一の富豪となった。
1年間で急進したテスラの株価

Teslaの時価総額はTOYOTAの約3倍で自動車メーカーとしては世界一位。TOYOTA, VW, ダイムラー、GM, BMW, Volvo, Honda, Hy…

DXを推進する前に必要な5つのカルチャー変革

日本では企業のDX推進が急務とされているようだが、いまいちうまくできている感じがしない。それもそのはずで、DXの第一歩はテクノロジー導入ではなくて、カルチャー変革であるから。
例えば、まずは成功しているテクノロジー系スタートアップに共通している企業カルチャーを参考にし、実践するなどの取り組みがなければ、最近流行りのDXなんちゃらを実現するのは無理だろう。
イノベーティブな企業になるための5つのカルチャー変革
これまで日米の複数の大企業やスタートアップと仕事をしてみた結果、デジタルテクノロジーを活用し…

SAP Cloud Platform が実現した NLMK従業員の安全

リペツクという名の町がある。1703年、帝政ロシアのピョートル大帝は鉄鉱石の鉱床に近いこの町に、砲弾を作る鋳物工場を作るように命じた。その後、リペツクは冶金・金属工業・機械製造によって発展してきた。現在、コンビナートが立ち並ぶこの町には、ロシア最大の鉄鋼企業であるノヴォリペツク・スチール(NLMK)の本社がある。…

btrax CEOによる2021年のイノベーショントレンド予想

毎年行っているイノベーション予測の中で、おそらく今年が最も難しいだろう。というのも、2020年初に想定していた未来はパンデミックの襲来でその起動が大きく変わってしまったから。変化と混乱の中で、時代は大きく変化している。
この急速な変化と不確実性の中で、新しいニーズがどんどんと生み出され、それに対して求められるソリューションも山積み。この非現実的とも言える新しい日常生活で、今年こそは、今までにないほどイノベーションが求められる年になってくるだろう。
リモートワーク採用の加速から消費者の行動の変化まで、…

これから失われる仕事と求められ続ける3つの能力

2020年が百年に一回あるかないかの時代の変還期であったことは間違い無いだろう。それまでのテクノロジーの進化で生活スタイルに少しずつ変化は訪れていたが、今回のパンデミックの影響はそれまでの10年以上の大きなシフトを世の中に生み出した。 1年間で10年分成長したEC市場 例えば、eコマースひとつとってみても、Stay homeでオンラインでオーダーする機会が増えたことにより、全体の買い物におけるECの占める率が格段に増大した。 アメリカ国内に関する統計を見てみると、新型コロナウィルスが広がり、人々の生活に影響が出始めた2020年4月までの統計だけでも、実にその成長率は10%を超えている。それまでの年間成長率が2%以下であったことを考えると、驚異的な伸びである。 2020年だけでeコマースは10年分の成長を成し遂げた コロナの影響で時代の変化が加速 今年に入って、おそらく多くの方々がリモートワークを経験したと思われる。また、感染予防のために、ミーティングをオンラインで行ったり、出張を控えたりするのが一般的になってきている。 また、これまでの業務形態に対して何らかの変化を強いられたケースや、業務そのものが消滅したケース、場合によっては会社ごと無くなってしまうこともあっただろう。 仕事内容にも大きなシフトが これまでもネットやAIの発達などでさまざまな職業に変化が生まれていた。それに加えDXの普及もあり、今年1年間だけでも相当な種類の仕事に影響が生まれた。また、今後の影響も考えて、コロナの影響、時代の変化、テクノロジーの進化のキラーコンボによって多くの仕事に影響が出ると考えられる。 米国労働省による失業保険に関する統計によると、下記の業界に大きな影響が出ている。 コロナの影響で失われた仕事の割合 宿泊業: 42.3%↓ スポーツ・芸能: 45.5%↓ 家具屋: 46.3%↓ レストラン・バー: 48.1%↓ 映画撮影・サウンド収録: 48.3%↓ 歯科医院: 53.3%↓ ランドリー・クリーニング: 53.5%↓ アパレル店舗: 58.9%↓ 遊園地・カジノ: 59.9%↓ 観光に関する搬送業: 62.1%↓ おそらく下記のような仕事はしばらくの間必要とされないか、ニーズが格段に低下する。もしくは、今後存在しなくなっているかもしれない。 レジ係 銀行の窓口 飛び込み営業 旅行エージェント イベントプランナー アパレルショップ店員 ウェイトレス・ウェイター 15年後にあなたの職業が存在している可能性 ここで紹介した調査データがある。アメリカの調査期間が、既存の職業の20年後における生存率を割り出した。その結果による職業と15年後のに機械に奪われる可能性に関する調査結果を幾つか紹介する。 現在の職業が15年後に機械に奪われる可能性: プログラマー: 48.1% ソフトウェアエンジニア: 4.2% 家政婦: 68.8% ウェイター/ウェイトレス: 93.7% バーテン: 76.8% 調理師: 96.3% シェフ: 10.1% 経理: 97.6% 経理部長: 6.9% 単純作業の仕事内容は消える可能性が高い これをみてもわかる通り、その仕事内容によって20年後もその職業が存在するかどうかが大きく異なる。例えば、機械化率96.3%の調理師と93.7%のウェイターが示すのは、15年後の世の中の多くのレストランが全自動になっていると言う事である。その一方で、メニューを考案したり、調理方法を決めるシェフは自動化される可能性が低い。 同じく単純作業が仕事の経理の仕事は97.6%の確率で機械に奪われると予想されているのに対し、経理部長という人とのコミュニケーションを必要とされるマネージャー職を機械が行える可能性は7%も無い。これは、人間だからこそ出来るタイプの仕事だからであろう。 ユーザーの立場に立って設計や仕様決めを行うソフトウェアエンジニアの仕事はほぼ機械に奪われる可能性が無い (4.2%)に対して,ある程度単純作業となるプログラマーの仕事は50%弱の可能性で今後自動化が進む。 新しく生み出される仕事も 自動化に関するテクノロジーが進む事で無くなる仕事があると同時に、新しい仕事も生み出されると予測される。 マッキンゼーの調査によると、新たに創出される仕事の7割は「人間的な仕事」が占めている。直感的な意思決定、創造的な成果、芸術的なデザイン、顧客や取引先との複雑な交渉。企業にとって多くの価値創造は人間にしかできない仕事によって支えられている。 時代の変化でこれから生まれる8のデザイナー職 今後も普遍的に必要とされる3つの能力 では、どのようなスキルを身につければこれからも人工知能等の機械に仕事を奪われないのであろうか。現在の企業内での仕事内容は、管理された組織の中で正しい答えに辿り着く為の正確な単純作業や、精密な作業が求められて来たタスクが多く存在する。 しかし、そのような仕事は上記のデータを見ても分かる通り、近い将来ほぼ確実に賃金の安い地域にアウトソースされるか、機械にとってかわられることで消滅してしまう可能性が非常に高い。 その一方で、これから紹介する3つのスキルはどれだけテクノロジーが進化し、時代が変化してても人間にしか出来ない内容であると思う。 1. クリエイティブ 0から1を作り出すこと。これは機械には出来ない。AIは過去のデータを元に未来を予測することは出来るが、全く新しいものを作り出すのは人間にしか出来ない。デザイナーやエンジニア等のクリエイティブな仕事はこれからもどんどん必要とされていく一方であろう。特に今回のコロナに代表されるようなVUCAの時代においてはクリエイティブは最も重要なスキルの一つになってくる。 0から1を生み出すクリエイティブな能力の構成要素は Curiosity(探求心) Empathy(共感) Imagine(発想) Create(創作) Play(遊び) Share(共有) Reflect(内省) 関連記事: 2020年から最大の企業資産はクリエイティブ人材になる 2. リーダーシップ 優れたビジョンを掲げ、卓越したコミニュケーション能力で人々を導いて行く存在。相手の気持ちに共感し、人間との心の通じたやりとりができるそのスキルは自動化が進む現代こそ一層求められている。人間がロボットのリーダーに従って心が一つになる時代は恐らくしばらくは来ないだろう。 人々を正しい方向に進めるリーダーの存在価値としては: 相手に共感する 何よりもまず方向性を決める ビジョンを共有する 相手のために尽くす 周りをインスパイアする 心の支えとなる 関連記事: 偉大なリーダーによる100の名言から読み取った5つの「コミュニケーションの秘訣」 3. 起業家精神 機械は基本的には起業しない。むしろ絶対にしないだろう。交渉力、ビジネスセンス、問題解決能力が求められるのが起業的スキルである。その点においてはテクノロジーがどんなに進化しても、新しいプロダクトやビジネスを通じ社会を変えて行く起業家は世の中にとって今後もより一層必要とされるだろう。 挑戦を恐れない ユーザー視点で物事を考える 長期的なスパンと大きなスケールで考える すぐに諦めないしぶとさ 暖かいハートと冷酷な判断 壮大な夢と現実的な実行プラン 関連記事: Youはなぜ面倒な起業家なんかに? […]

デザイン思考のファシリテーターは、なぜポストイットを使わせるのか

『デザイン思考のワークショップ』と聞くと、複数の大人たちが壁一面に並べられたポストイットに向き合う姿を想像する人は少なくないだろう。実際、btraxで実施する研修の様子を写真で振り返ろうとすると、思考の経緯を記録するために撮影した“ポストイットだらけの絵面”が大半を占める。
“design thinking workshop”とGoogleで画像検索すると、ポストイットを使用しているシーンがよく目につく.
しかし、なぜ『デザイン思考』のファシリテーターは、ワークショップの参加者にポストイットを使わせ…

Googleによるスタートアップ買収と事業シナジー事例8選

大企業がスタートアップを買収して事業シナジーを生み出す。いわゆる戦略的買収のシナリオは珍しくない。しかし、買収後に期待された結果がしっかりと出るのはかなり珍しい。 というのも、買収した大企業と、されたスタートアップとの企業カルチャーの違いでスタッフがごっそりやめてしまうことが後を絶たず、予想したほどの結果につながらないことが多いからだ。 スタートアップ買収名人Google そんな中で、スタートアップのM&Aが最も盛んに行われているシリコンバレーを代表するGoogle (Alphabet社)は、買収した後の事業への組み込みが非常に上手い。 「作れないなら買っちゃえば」という合言葉の元、自社サービスの創出方法の1つとして、スタートアップの戦略的買収を大きな軸としている。 2001年から現在までGoogleが買収した企業数は240以上にものぼる。 これまでのGoogleによる買収額ランキング 平均で1.5週間に1社を買収 Googleの決断スピードは凄まじく速い。例えば2014年の1年間では、同社は実に35社の企業を買収している。これは平均すると1.5週間に1社のペース。約10日間の間に1つの会社がGoogleのものとなっていることになる。 社内の買収チームでは、ある一定の金額までであれば上司に相談しなくても担当者レベルで買収の決定が出来るようになっており、それぞれのディールに費やすスピードアップに対しての意識とプロセスが徹底されている。 こうすることで新しいテクノロジーや人材、サービスの獲得、そして競合を減らすことを可能にしている。 日本がシリコンバレーに100倍の差を付けられている1つの事 多くの人気サービスへ繋がった買収例 現在では多くのユーザーに利用されてるGoogleのサービスのその多くは、実は元々他のスタートアップが展開していたもので、Googleが買収したことで事業シナジーが生み出された結果である。 具体的には下記の3つの方法でシナジーを生み出している Googleが保有する技術やユーザーベースと連動し、単独のサービスとして育てる 既存のサービス内に実装することでその精度を上げる 複数のスタートアップを組み合わせて新規サービスを生み出す そんなイノベーションの種となった8つのスタートアップ買収事例を紹介する。 Android → 世界一のモバイルOSに YouTube → 世界一の動画プラットフォームに Postini  → Gmailに実装 Waze  → Mapsに実装 Applied Semantics  → AdSenseに実装 Urchin → Analyticsの前身 Where 2 → Mapsに実装 Keyhole  → Mapsに実装 Android 買収時期: 2005年 買収金額: 5000万ドル Googleの最も成功したM&Aと言われているのが、2005年のAndroidの買収。元Appleの社員によってスタートした創立2年ほどの小さなスタートアップを買収したことが、その後のスマホ市場におけるGoogleの運命を大きく動かした。 Androidは元々はデジカメ向けのOSを開発していたが、Googleが買収後、3年間を費やしモバイル向けのOS開発を進めた。iPhone発表の1年後の2008年に一般リリースを行った。現在は世界で最も利用されているOSになっている それを考慮すると5000万ドルはかなり破格の金額だろう。 YouTube 買収時期: 2006年 買収金額: 16.5億ドル 当時はかなり狂ってると言われていたのが、YouTubeの買収。創立1.5年ほどの小さなビデオシェアリングサービスに対して16.5億ドルもの大金を叩いて獲得したのだから。 実際、後日GoogleはYouTube買収がかなり割高の金額であったことを認めている。そもそも、YouTubeにアップされている多くの動画は権利問題を抱えていたし、その他のヒットコンテンツは猫の動画ばかりであった。そしてビジネス的にも大赤字のサービス。 しかし、長期的にみるとビデオプラットフォームのニーズは高まる一方だと判断。加えて、自社で開発していたGoogle Videoが鳴かず飛ばずだったこともあり、同じ動画プラットホームとしてYouTubeを買収する判断は正しかったと言える。 現在YouTubeはもちろん動画プラットフォームとしてはダントツ。検索エンジンとしても世界で2番目に利用されている。2019年の同プラットフォームの売り上げは150億ドルに達している。 Postini 買収時期: 2007年 買収金額: 約6.25億ドル 現在ではメールサービスの代表であるGmailが普及した理由の一つが、迷惑メールの仕分け精度の高さだろう。その仕組みの裏にはPostiniが開発したシステムが隠されていた。 それまでの無料メールサービスの多くは受信ボックスが迷惑メールで埋め尽くされており、ユーザーはうんざりしていた。そんな時期に「使えるメール」をキャッチコピーに掲げたGmailは後発だったが、かなり使えるサービスで一気にユーザーが増えた。 元々企業向けにメールやメッセージ系サービスのセキュリティやコンプライアンス保護の仕組みを提供していたPostiniのシステムをGmailに導入し、その精度を格段にアップさせたことも大きな要因。 当時はその買収額が高すぎるとの批判もあったが、結果的にはGmailが業界ダントツのメールサービスに成長し、その何倍もの価値を生み出している。 Waze 買収時期: 2013年 買収金額: 約11億ドル Googleによるこれまでの企業買収金額のTop5にランクインしているのがソーシャルマッピングアプリを提供しているWaze。Wazeは、シリコンバレーの本社と、イスラエルの開発拠点を通じてユーザーからのリアルタイム情報をもとに、交通情報とルート表示の仕組みを提供するサービスを提供。 Google Mapnに対してWazeのコンテンツを追加することにより、モバイルデバイスを中心に、ユーザー同士によるコンテンツによる交通情報のリアルタイム表示が可能になった。 また、UberやLyftなどのライドシェアサービスにも広く利用され、サービス向上に大きく貢献している。今後は自動運転技術との連動も期待されているサービスとなっている。 Applied Semantics 買収時期: 2003年 買収金額: 1.02億ドル Google自体がまだまだ駆け出しの検索エンジンサービス会社だった2003年に、サンタモニカのとある無名スタートアップを買収した。Applied Semanticsと呼ばれるそのスタートアップは、オンライン広告に関するソフトウェアを開発していた。 その地味さからこの買収はあまり知られていないかもしれないが、実はGoogleのコアビジネスモデルに対して多大なる貢献をしている。 この買収により、AdSenseサービスにおけるコンテンツに対する広告表示の精度を格段にアップさせ、Overtureに代表される競合に対して大きな差をつけることに成功した。 Urchin Software 買収時期: 2005年 買収金額: 約3000万ドル 現在では多くのWebサイトに導入されているアクセス解析サービスのGoogle Analyticsは、2005年にGoogleが買収したUrchinというサービスが元になっている。 その当時のアクセス解析はサーバーのログを可視化し、グラフとして表示される仕組みが代表的で、その中でもホスティング会社やISPが提供するパッケージに同封されていたUrchinが使いやすかった。 この解析サービスと検索データを組み合わせることで、現在ではアクセス解析のデフォルトサービスとして利用されているGoogle Analyticsが生み出された。それを考えると3000万ドルの買収額は決して高くない。 Where 2 Technologies 買収時期: 2004年 買収金額: 非公開 Google系のサービスの中でも最も身近なGoogle Mapが生まれた背景には、2つのスタートアップの買収がある。下記に紹介するKayholeと、オーストラリアのWhere 2だ。 Where 2は元々パソコン向けのダウンロード型アプリケーションを開発していたが、Googleのファウンダー、 […]

XR市場の未来予測:XRが変える3つの分野

オンラインの次はVRミーティング 汎用性の高いVRトレーニングは研修を効率化 XR技術がコロナ禍・ニューノーマルの医療現場を救う 最近Oculusのスタンドアローン型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」や、MR(Mixed Reality)技術を使用して、現実の空間内でレースゲームを楽しめる「マリオカートライブホームサーキット」などの登場でXR界隈が盛り上がってる。 しかし、今のところ大きく話題になるのはゲームやエンターテイメント分野でのサービスが多く、我々の生活を大きく変えるような、生活に密着したサービスは登場していない。しかし、XR技術は、既に多くの分野で使われ始めており、近い将来にXR市場はコロナ禍でも大きく成長すると見込まれている。 ここでXRについて、おさらいをしておこう。仮想現実技術は、主にVR(Virtual reality: 仮想現実), AR(Augmented reality: 拡張現実), MR(Mixed Reality: 複合現実)として分類され、そしてそれらをまとめてXRと呼ばれている。 既にいくつかのXRサービスは将来的に大きく普及する兆しが見えてきている。そこで今後、どういった分野でXRサービスが普及し、我々の生活に定着するのか考えていきたい。 1. VRミーティング ご存知の通り、新型コロナウィルスの影響でGoogle MeetsやZoomなどによるオンラインミーティングは多くの企業で導入されており、もはやオンラインミーティングは一般化したと言える。 しかし、オンラインミーティングは便利ではあるが、対面でのミーティングに比べると、相手とのコミュニケーションを十分に再現できているとは言えず、オンラインでは効率が悪くなると考えている人も多い。そういったニーズに答えてくれるのが、VRミーティングだ。 新型コロナの影響で、オンラインミーティングは定着し、ビジネスに欠かせないツールとなった。その次に来るのがVRミーティングだと注目されており、多くのサービスが登場してきている。 VRミーティングには、オンラインでのミーティングでは感じられない人と人が対面している感覚を再現することができる点に加えて、現実では不可能な、空間に3Dオブジェクトを設置できるという強みがある。 例えば、参考資料として簡単に車の3Dモデルを用意でき、ミーティング中に車の外観や色を変えるなども可能だ。VRヘッドセットがなくてもスマートフォンだけで参加できるサービスも登場してきており、VRミーティングが普及する下地は十分に整っていると言えるだろう。 VRヘッドセット不要なVRミーティング Spatialはニューヨークのスタートアップで、VR/AR技術を用いたVRミーティングサービスを提供している。2020年の1月には1400万ドルの資金調達に成功している。 バーチャル空間の中では、各個人の「アバター」を介し、現実での対面時と同じように身振り手振りを交えながら会話し、時には文章や図形を書いたり、バーチャル空間上でプレゼンテーションをすることもできる。 また、現実では不可能な、会議の資料としてモックアップのような3Dオブジェクトを空間に出現させたり、空間に付箋を貼ったりすることも可能だ。 Spatialのサービスはヘッドセットの使用を前提としてはいるが、スマートフォンさえあれば誰でもすぐにミーティングに参加することができる。また、Spatialのサービスは無料プランも用意されており、こういったハードルの低さがSpatialの強みであり、まずは試してみたいという人にお勧めだ。 Spatialのバーチャル・ミーティングの様子 2. VRトレーニング 従業員の教育コストの増加は常に経営者を悩ませている。技術の発展と共に習得しないといけないスキルやツールが増え、取り扱うサービスは複雑になっていく一方だ。そして、コンプライアンス等の倫理教育も必要だ。 Harvard Business Reviewによると、全世界で3,500億ドル以上が人材開発のトレーニングに費やされているがそのコストに見合った効果は出ていないという。 70%の従業員が仕事に必要なスキルを習得しておらず、さらにトレーニング学んだ新しいスキルを仕事に応用できている従業員は、わずか12%とのこと。また、トレーニングによってパフォーマンスが大幅に向上したと考えている回答者はわずか25%に過ぎないという調査結果もある。 これは納得できる話だ。膨大な量のテキストブック、パワーポイントのような資料や研修動画では、短時間でのトレーニングは難しく、結果として、満足できる研修の効果は見られず実際の現場で先輩社員などに指示を受けながら時間をかけて技能を身につけていくという企業が多いだろう。 しかし、VRトレーニングでは、仮想空間上での研修を自身の体験として身に付けることができ、従来のトレーニングに比べて短時間での高い効果が期待されている。 VRトレーニングは、旅客機パイロット向けのフライトシミュレーターに例えられることがある。基本的な研修内容から特殊な状況下での訓練まで多種多様なトレーニングを受けることができる。 近い将来に、VRトレーニングがより充実したトレーニングを提供できるようになれば、フライトシミュレーターのように、研修を受けた時間が業務経験の一部として評価されるだろう。 また、VRの没入感は1対1でトレーナーから研修を受けているのに近い感覚を得ることができる。トレーナーは自動音声の研修プログラムだけでなく、遠隔地にいる専門家が担うこともできる。 急成長するXR市場の展望と活用サービス事例7選 汎用的なVRトレーニングプラットフォーム シリコンバレーに拠点を置くStrivrは2015年に創立されたVR技術を用いたトレーニング・プラットフォームをサービスとする企業だ。既に、米大手のスーパーマーケットチェーンのウォルマートやBMWなどでVRトレーニングの実績がある。 特にウォルマートでは2017年から積極的にVRトレーニングの導入を進めている。、17,000台以上のヘッドセットが導入され、140万人以上の従業員がVRトレーニングを受けており、トレーニングを受けた従業員のうち70%が高いパフォーマンスを発揮している。 トレーニング内容には、繁忙期となるブラックフライデーの擬似体験も含まれており、重要なイベント日に従業員を備えさせるのにも効果的だという。 またStrivrのサービスにはアメリカン・フットボールを始めとしたスポーツでのVRトレーニングもあり、ニューイングランド・ペイトリオッツをはじめとしたNFLのプロチームにもサービスを提供するなど幅広い分野でVRトレーニングが普及している。 WalmartではVRトレーニングが高い効果を発揮している 3. XR医療 医療分野でも、XR技術の貢献が期待できる。例えば、医療従事者がXR技術を用いて、患部や臓器などの3Dモデルを活用することで、より精度の高い診断ができると期待されている。 また手術の計画作成やリハーサルにVRを用いることで、その精度の向上をすることができ、手術時にはARで患部の拡大画像を重ねて見えるようにするなど、XR技術を活用した医療現場の発展に貢献する研究も進められている。 患者側は、VRを通じて治療方法やケアプランを説明されることでより理解を深めることができる。また、リハビリ治療にVRを取り入れることで、効果的な治療が期待されている。 従来のリハビリ治療は、しばしば退屈で困難なものになりがちだったが、VRではスポーツやビデオゲームを題材にしたケアプランを提供することができ、患者の状態に合わせて日々のタスクを調整することも可能だ。さらに、VRの没入感は筋肉だけでなく認知力の向上にも役立つといわれており、これは神経回路の早期回復の効果も期待できる。 将来的には、病院に行き治療を受ける際にVRヘッドセットを装着するようなことも一般化するかもしれない。 VRによる手術リハーサルプラットフォーム Surgical Theaterはロサンゼルスの医療VRベンチャー企業だ。Surgical TheaterはVR技術による外科手術のリハーサルプラットフォーム提供している。これは手術計画の作成に役立つだけでなく、患者も一緒にシミュレーションを体験することができ、VRシナリオを見ることで、その手術の過程や効果を共有することができる。 また、新型コロナウイルスの医療従事者向けにVRデータを無料で公開しており、ウィルスが肺にどのような影響を与えるかなどをVR空間上で、360°どの方向からでも見ることがきる。 Surgical TheaterのVRモデル。新型コロナウイルスが肺に与える影響を立体的に見ることができる コロナ対策にも活躍する医療向けVRトレーニング 医療向けVRトレーニングは、新型コロナウイルスの対策にも役立っている。Shiftは医療機関向けのVRトレーニングサービスを提供しているオレゴン州のスタートアップ企業だ。彼らは、新型コロナウイルスの流行を受けて、新型コロナの医療従事者向けのVRトレーニングを無料で提供している。 Shiftによる新型コロナウイルス対策向けのVRトレーニング VRでリハビリ治療をサポート Neuro Rehab VRはマシン・ラーニングを取り入れたVR体験を通じてリハビリ治療を行うサービスを提供している。患者の状態やリハビリの進捗など様々なデータを分析し、トレーニング内容にフィードバックする。 そして患者に状況に合わせて、最適なトレーニングプランを提供できるという。そしてVR体験はゲーム的な楽しさをリハビリ治療にもたらすことができ、患者が治療を継続するモチベーションを保つ効果も期待されている。 Neuro Rehab VRのVRを用いたリハビリ治療 【DX,リモート, メンタルケア】ニューノーマル時代に注目のスタートアップ25選 まとめ 2016年ごろは「Oculus Rift」や「PSVR」の登場などでAR/VRが話題になったが、ライフスタイルを変える変革はなかった。しかし、水面下ではXRで何が出来るの研究が進んでおり、AppleのARKitやGoogleのARCoreのようなスマートフォン向けのAR開発環境など、手軽にXR技術を試せる環境も整備され続けてきた。 そして、最近では手頃な価格のVRヘッドセットやスマートフォンのARアプリも次々と登場し、XRは徐々に身近になってきている。 また、ゲームやエンターテイメントだけでなく、より実用的なXRサービスも次々と開始されている。また、XR技術で必要な高速かつ膨大な通信が必要な点も、5Gネットワークにより解消されると言われている。著者の個人的な予想では、2021年にはXRが生活の一部になるようなイノベーションが起きるのではないかと期待している。 DXを推進する5Gが実現する5つの未来 btraxでは、XRのような最新のテクノロジートレンドの動向を考慮してクライアントの方々と共にイノベーションを起こすべく、日々取り組んでいる。興味があるという方はお気軽に問い合わせを。 参考記事 Where Companies Go Wrong with Learning and Development How VR is Transforming the Way We Train Associates Surgical Theater Responds to COVID-19 Pandemic with […]

プロセスマイニングとは何か?

「プロセスマイニング」という言葉をご存じでしょうか。これは業務改善手法のひとつであり、欧州で2010年代に入りその考え方が広まり始め、近年グローバル企業での積極的な活用事例が公表されています。残念ながら、日本では海外の先進動向に敏感なコンサルティング会社等一部の先を除いて、多くの企業で「プロセスマイニング」についてはまだあまり認知されていないのが現状です。しかし、日本国内でも本年6月に一般社団法人プロセスマイニング協会が設立され、プロセスマイニング関連事例を取り扱った書籍も発行される等、注目度が増し…

ベルックス(VELUX)社が選ばれ続ける理由

コロナ渦での企業の取り組み記事が多くなったころ、何げなく目に止まったのが、建設資材メーカーのベルックス(VELUX)社でした。と言うのも、今まで建設業のデジタルトランスフォーメション例をいくつか取り上げてきましたが、彼らのデジタルツイン構想の実現には、同時にそのバリューチェーン上の企業のデジタル成熟度も推進する必要があることに気付かされました。そのため、建設資材サプライヤー(選ばれる側)である彼らの取り組みを通じて、協働できるパートナーのキーワードを探してみようと思います。…