カテゴリーアーカイブ: ブランディング

こんまりから学ぶグローバル進出3つのポイント

今週サンフランシスコの中心部に位置する大規模なイベント会場で、楽天が毎年主宰しているカンファレンス、Rakuten Optimismが開催された。代表の三木谷さんに加え、目玉ゲストとして、こんまりこと、近藤 麻理恵さんが出演した。
アメリカにおけるこんまりの人気は異常で、CBSの人気番組、The Late Show with Stephen Colbertをはじめとして、全国ネットのテレビ番組に複数出演したり、自身のNetflixチャンネルを提供したりもしている。そして、このイベントで最もオーディエ…

最近のロゴが似通ってきている問題 – 第2弾

最近になってYahoo本社のロゴがまたアップデートされた。Yahoo! Japanのロゴはかなり長い間変更されていないのに。これはいかにも、変化スピードの速いシリコンバレーを象徴するようだ。なるべくゆっくり進むことが多い日本文化と比べてみても、企業の平均生存率が15%であるアメリカでは、”変化しない=死”を意味することもあり、ロゴのアップデートもかなり頻繁に行われる。

↑ 最近アップデートされたYahooのロゴ
時代の変化に合わせてロゴもアップデート
ではなぜロゴを変える必…

ロゴにおけるデザインの重要性がわかるマッシュアップ例

以前に「君の名は」がテレビ放送された際に、そのストーリーに合わせて、提供企業のロゴが入れ替わるという演出がされていた。ロゴの色やデザインをそのままに、文字の部分だけを入れ替えている。一見すると入れ替わっていることすら気づかないぐらいのナチュラルさである。
これは、人間の目が「読む」ということよりも「見る」ことを優先していることから、デザインを「なんとなく」の雰囲気で受け取り、脳が理解していることがわかる。

↑ 「君の名は」でのスポンサー表示画面
このロゴを入れ替えは、デザイナーたちの間で「マッシュ…

ブランド価値を下げてしまう7つの落とし穴

最近活躍している企業やプロダクトは共通してブランディングを重要視している。
ブランディングの最終目的は「価値の向上」である。価値を上げる対象は、商品であったり、サービスであったり、企業だったり、人だったりもする。
ブランド資産は目に財務資料に載らない大きな価値
強いブランドは模倣不可能な「見えない価値」を得ることが可能となる。そしてそれは数字では計りにくいこの価値が実は大きな差別化要素となり、競争で優位に立つことで長期的に成功するためには欠かせない重要な資産となるのだ。
参考: 今さら人には聞きにく…

売れる商品・販促の「色」とは/ブランディングなど影響解説、7月23日

マーケティング研究協会は7月23日、「カラーマーケティング~他社との差別化を図る!「売れる」ための商品パッケージ・販促カラー戦略~」を開催する。 商品パッケージや販促物のカラーリング、その「色の決定」に根拠、説得力が重要 […]…

名刺の紙は重いほうがいい? 潜在意識に働きかける戦略的ビジネスデザイン

 筆者は数年前に『名刺デザイン心理』というセミナーを数か月間、数十人の方に向けて実施していた。これは、名刺のデザインをデザイン屋さんが作った「かっこいい」「かわいい」名刺から、本来の目的の「覚えてもらう名刺」にするための […]…

LGBTプライド月間に知っておきたいインクルーシブマーケティング

時代の変化とともにマーケティングに求められる効果とその内容に大きな変化が生まれてきている。 例えば、あなたが家庭用食器洗剤ブランドの広告ビジュアルを考えていたとして、どのようなシーンをイメージして作るだろうか。 もし台所にいる女性を想定していたら、あなたのマーケティング手法は時代にあっていない可能性がある。なぜなら、現代において台所に立つのは必ずしも女性とは限らないからである。 (あなたのマーケティングは時代遅れかもしれない。画像転載元) ダイバーシティー実現にはマイノリティへの配慮を ダイバーシティという言葉が様々なところで使われるようになった一方で、マイノリティへの配慮が足りていない制度やコンテンツ、発言をいまだによく見かけるのではないだろうか。 著名人による差別的発言、企業と従業員の間で起こる性的蔑視、人種について嘲笑する動画など、これらの問題や報道を他人事のように感じている人さえ、無意識的に排他的な発言や行動をしているかも知れないのである。 企業にとっても必須事項 現状がどうであれ、ダイバーシティを受け入れることは、企業にとって「オプション」ではなく「マスト」であるということだけは言える。企業としてマイノリティーを考慮できていないと、信頼や評判は落ち、消費者や従業員、ステークホルダーはみるみる離れ、企業存続を揺るがせかねない。 ここアメリカでは、日本よりもダイバーシティが一般的であり複雑だ。ゆえに先進的な取り組みが多いのも事実。そしてこのような多様性を受け入れる姿勢・理解を自社のマーケティング活動に反映させようというインクルーシブマーケティングがすでに広がりつつある。 上の写真はサンフランシスコのプライドパレードの様子。毎年6月はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダーの頭文字からなる造語。最近ではクエスチョニングやクィアのQが最後につくことも)を啓発するプライド月間となっている。ここサンフランシスコは主要都市の1つとして、6月はLGBTQを表すレインボーの旗がメインストリートに掲げられる。(写真転載元) 流行と捉えるべきではない、インクルーシブマーケティングとは インクルーシブマーケティングとはダイバーシティ(多様性)を受け入れ、それを考慮し、マーケティング活動へ反映させることだ。ダイバーシティーがインクルードされている(含まれている、受容されている)マーケティングである。 これにより、マイノリティとされる人たちが、自分たちも企業のサービス対象に含まれているという自覚を持てるようになるのだ。 そもそもインクルーシブマーケティングを理解するにはダイバーシティを理解する必要がある。 「【2019年】絶対おさえておくべき、4つのマーケティングトレンド」でも説明している通り、ダイバーシティとは人種、性別、年齢に限ったことではない。宗教や障害、性自認、食習慣(ビーガン、ベジタリアンなど)、体型など、個人を成形するあらゆる点が含まれる。 (Airbnbが2017年のアメフト決勝戦で流した広告キャンペーン。画像転載元) これは当たり前のことのように聞こえるかも知れないが、人口の98%を日本国籍保持者が占める日本では、なかなか身近には感じにくいことだと思う。日本が相当ダイバーシティの低い国であるということを自覚しておく必要がある。さもなくば、無意識に排他的なマーケティングをしかねない。 次に、今までの固定概念を疑っていく必要がある。先に質問した、家庭用食器洗剤を使うのが女性だ、というような固定概念だ。現在では働き方や性に関して多様化しているため、「家庭用食器洗剤ユーザー=女性」と強く押し出してしまうのは排他的ともなる。 顧客管理アプリケーションを開発・販売するセールスフォースは職場におけるダイバーシティやインクルージョンの価値についてオンライン学習ツールを提供している(日本語での受講も可能で、単元ごとに受けやすくなっているのぜひ社内で受けてみてほしい)。 ここでは受講者のダイバーシティに関する固定観念に問いかけるようなコンテンツもある。 (これらを改めて想像すると、ステレオタイプに気づくことができる。転載・加工した画像はこちらのサイトから) インクルーシブマーケティングを取り入れているアメリカ企業 アメリカでは、既存企業が自分たちの社風やマーケティング活動にダイバーシティを反映していこうとする動きも盛んだが、最近ではダイバーシティをメインのミッションにあげるブランドも出てきており、インクルーシブマーケティングやインクルーシブな商品開発のお手本となっている。 以下は該当するブランドの一例だ。 1. 世界の歌姫リアーナが始めたコスメブランド:Fenty Beauty Fenty Beautyは世界的R&Bシンガーのリアーナが2017年に創業したコスメブランド。インクルーシブな商品展開が売りで、ファンデーションのカラーバリエーションは50以上にもなる。 既存のコスメブランドのファンデーションなどのカラーラインアップ対応範囲が、実際のユーザーである有色人種を含む全ての女性層とギャップがあることを感じ、Fenty Beautyの立ち上げに至ったという。Fentyはリアーナの苗字からきている。 リアーナはコスメブランドのMACとも過去にコラボしており、業界への関心を示してきたが、今回は初のソロでのブランドだ。ルイヴィトンやディオールを運営するLVMHの傘下であるKendo Holdingsという美容ブランドインキュベーターと共同で商品開発などを行っている。 なんとブランドローンチの1ヶ月目から7,200万ドル(約72億円)の売上があったという。 もちろん、彼女の歌手としての知名度があったことも影響しているが、インクルーシビティへの徹底ぶりも人気の理由だ。以下のウェブサイト商品ページを見ていただければわかる通り、カラーバリエーションの数が非常に幅広い。色を表す言葉もLightからDeep(Lightの反対Darkではなく)にしている点も考えられている。 メイクで顔に凹凸を作るためのハイライトと呼ばれる化粧品もカラーバリエーション豊富だ。 もちろん、ソーシャルメディアやビデオコンテンツもインクルーシブマーケティングを意識したものとなっている。 リアーナはコスメブランド以外にもSavage X Fentyというランジェリーブランドも展開しており、こちらも様々な体型にあった商品が揃う。さらに2019年にはファッションブランドも開始すると発表されており、インクルーシブマーケティングにおいて彼女の動向は今後も注目だ。 2. ユーザーの声に耳を傾けるコスメブランド:Glossier こちらもミレニアルを中心に人気が高い、コスメD2C(Direct to Consumer)ブランドだ。ユーザーのフィードバックを積極的に商品に反映してきたことも人気の理由だ。ファンデーションのカラーバリエーションも豊富で、ウェブサイトに載せている試し塗りサンプルの様子も様々な肌の色で表現されている。 またGlossierのインスタグラムには度々男性のユーザーの写真が投稿される。必ずしも化粧をしている訳ではなく、日焼け止めやスキンケアなどGlossierの商品を使っているユーザーの写真だ。 ブランドカラーがピンクなだけに女性感が強いGlossierだが、そんな彼らが積極的に男性ユーザーのコンテンツを発信しているのは非常に興味深い。ユーザーの声を聞いている彼らだからこそ、素早くこのような発信ができたのではないだろうか。化粧品は女性だけが使うもの、という考え方は過去のものになりつつある。 3. ファッションのさらなる可能性を見せたアパレルD2C:Tread by Everlane Tread by Everlaneはサステイナビリティとトランスペアレンシーを追求するアパレルD2CのEverlaneがローンチしたスニーカーブランドだ。2019年春に発売が開始されると、瞬く間に話題になり、Everlaneの実店舗には長蛇の列ができた。 究極のエコスニーカーを目指しており、ソールの部分に使われている素材は94%リサイクルプラスチックを採用している。もちろん価格についてもその内訳を公開し、透明性を高めている。 そんなTread by Everlaneの広告に、先進的とも言えるインクルーシブマーケティングを見かけた。それが以下の広告だ。 ただでさえ義足のモデルというのは珍しいのに、義足がブランドのスタイルとマッチしていて驚いた。マイノリティを無理やり起用するのではなく、むしろクールにファッションやビジュアルに落とし込んでいて非常に参考になる。 筆者がこれを見かけたのはソーシャルメディア広告であった。自社の顔ともなる広告にインクルーシブマーケティングを取り入れているあたり、Everlaneがどれほどインクルーシビティを重視しているかがわかる。 4. 子供にこそインクルーシビティを伝えたい:バービー(マテル) 玩具メーカーのマテルは、2019年車椅子や義足のバービー人形の発売を発表した。以前から肌の色や体型などは多様性を受け入れた商品展開をしていたが、今回は身体障害者も含まれている。 マテルはバービー人形が創業から提供してきた美やファッションの多角的な視点を見せていきたいとしている。人形用の車椅子デザインはUCLA Mattel子供病院と協同してデザインされたものというこだわりぶり。 さらにマテルは2015年、女性であろうがどの職種にでもなれるというメッセージを謳った「Imagine The Possibilities(可能性を創造しよう)」というタイトルのバービー動画広告を公開し、話題になった。 大学教授、獣医、アメリカンフットボールのコーチなど、小さな女の子たちがその職業に扮して大人たちに支持・指導している(大人たちのリアクションは全てノンフィクション)。 バービー人形を使って遊んだどんな業界、職業も、性別関係なく誰もがなることができる、そんなメッセージがある。 玩具は小さい頃から触れるものだから、ダイバーシティへの理解や感覚を教えるのに非常に重要な接点だ。マテルは先陣を切って、インクルーシブマーケティングを行っている企業の一つだ。 5. デートの形一つとっても様々:Dating Around(邦題:5ファースト・デート) 動画ストリーミングサービスのNetfixオリジナルコンテンツである。これはマーケティング活動ではない(もしかしたらマーケティング活動かもしれない)が、非常に多様性が盛り込まれている内容だ。 これは「6人の独身男女がそれぞれ5度のブラインド・デートに挑戦し、ときめきや気まずさを体験しながら、初めて会った5人のうち、2回目のデートの相手を1人だけ選ぶ」というリアリティー番組だ。 初回2エピソードは1人の男性が5人の女性とデートをするというものと、1人の女性が5人の男性とデートするというものだった。しかしながら3エピソード目からは同性同士のデートや結婚経験もあるシニアのデートなど、非常に多様な角度でそれぞれのストーリーが展開された。 正直筆者も番組タイトルからは想像していなかった展開もあり、自分にも無意識の偏見があったのかもしれないという思いはあった。また、全てのセッティングに自分が置き換えられる訳ではないが、色々な形のデートがあるということは非常に興味深いし、コンテンツとして非常に見応えのあるものだった。 Netflixは社会問題に対する動画コンテンツも多く制作、配信しており、ダイバーシティを意識した番組はこれが初めてではない。インクルーシブマーケティングは商品そのものがインクルーシブでないことには始まらない。 その点、Netflixの商品(コンテンツ)はインクルーシブであり、社会への問題提起をしており、なおかつエンターテイメントとして楽しめるものを生み出していくことに非常に長けていると言える。 6. btrax事例(大手靴下ブランド) btraxの過去クライアントでもインクルーシブマーケティングはアメリカ市場で成功するための重要項目だという位置付けだ。 例えばアメリカ市場向け、バレンタインキャンペーンでは必ずしも「男性から女性にプレゼントをあげる」訳ではないという点を考慮してターゲット、メッセージ、ビジュアルを作っていった。アメリカのバレンタインは男性から女性にプレゼントを送るという習慣はあるものの、カップルのあり方が、女性同士の場合もあるし、男性同士の場合もあるからだ。 ゆえに女性だけが好むと思われる、女性しか使えないもの、ガーリーすぎるもの、をプレゼントの提案として取り扱うのも注意である。 また、ウェブサイトやソーシャルメディアなどで使うモデルは、一般的に日本企業が海外のモデルと聞いて想像する「細身、白人、金髪」に偏らないように様々な人種を採用した。 まとめ このような新しい概念はマーケティング活動に反映させることがゴールではない。それよりも、今までのステレオタイプが染み付いた思考を変えることに意味がある。その思考がインクルーシブマーケティングとなって世に広がっていくというのが理想だ。 現在皆さんのビジネスが海外向けに展開している・いないに関わらず、日本でも働き方といった面で多様になっていたり、海外からの人が増えていたりと、インクルーシブマーケティングの重要性は間違いなく高まっている(もっとも今後のビジネス拡大をしていく場合、海外は無視できない)。 会社としての歴史が長く、日本的・保守的・伝統的だという点に当てはまる企業は特に自分たちだけで変わろうというのは難しくなるが、変われない訳ではない。ぜひ先進的なインクルーシブマーケティングを行っているアメリカ市場に注目していただきたい。 そしてbtraxオフィスのあるサンフランシスコではダイバーシティやインクルーシブなブランドが特に進み、受け入れられている。btraxではこのようなトレンドのリサーチと発信だけでなく、トレンドを踏まえたサービス開発からマーケティング支援まで包括的なグローバルビジネス支援を行っている。ご興味がある方はこちらよりぜひお気軽にお問い合わせください。 参考: FENTY BEAUTY BY RIHANNA (HARBEY NICHOLS)

アメリカの大手ブランドから学ぶビデオマーケティング事例3選

みなさんがネット上で最近見たコンテンツはどのようなものだっただろうか。YouTubeのゲームの実況やメイクアップ講座、SNSに流れてくるレシピ動画、Netflixでドラマや映画を見たり、ネットの記事に添付された動画広告を見たりと、オンライン上で動画を全く見ない日はないと言っても過言ではない程、私たちの周りにはすでに動画コンテンツが溢れている。 また、日本では2019年に本格導入が予定されている5Gの通信システムにより、動画を用いたコンテンツの広がりはさらに加速するとも言われている。 ほぼ毎日新しい動画がネットにアップロードされ、動画が溢れ返った近年、企業はただ動画コンテンツを作成・配信するだけでなく、動画を活用してどのような効果的なマーケティングを行えるかが鍵となる。以前【2019年】絶対おさえておくべき、4つのマーケティングトレンドでもご紹介した通り、2019年は動画を使ったマーケティングの中でも、「ユーザーとつながる」ための動画配信がトレンドとして注目だ。 そこで今回は、ユーザーと繋がるだけでなくユーザーの心を掴み、さらに関係性を構築/強化した動画マーケティングの事例を紹介する。この記事が今後の動画マーケティング戦略の参考になれば幸いだ。 関連記事:広告を超えたバイラル動画を活用 – 海外ブランドキャンペーン事例 海外最新動画マーケティングトレンド事例3選 1. リアルタイムのライブ配信動画で熱気を伝えて盛り上げる:Disney ライブ配信動画は、今この瞬間何が起こっているのかを伝えるには最適なコンテンツだ。 アメリカのザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下ディズニー)は、映画プレミアイベントのライブ情報をFacebook上で発信し、ファンの心を掴んだ。 この動画は2016年にディズニーが公開した当時の最新映画「ジャングルブック」のワールドプレミアの映像で、本来現場にいないとみられないようなキャストのレッドカーペットでの様子や、インタビューを映し、ファンがその様子をリアルタイムで視聴できる特別な体験を提供した。 レポーターの女性の後ろにはAirbnbの看板が見えるが、この映画プレミアはAirbnbとも提携していた。映画のような雰囲気を再現するため、会場がAirbnbの提供するツリーハウスで行われていたのだ。 このFacebookのライブストリームは1時間半ほどありの動画にも関わらず、現時点で9.8万回再生されていることからもおり、反響を得られたは大きかったことがわかる。 このように、リアルタイムで起こっているイベントをファンとシェアすることで、映画の公開を楽しみにするファンの心を掴んだ動画プロモーションであった。 2. 役立つ+楽しい+クリエイティブなInstagramストーリー:Lowe’s アメリカのホームセンターLowe’sは、自社の提供する住宅用品を用いたEdutainment(エデュケーション/教育とエンターテイメント/娯楽を掛け合わせた言葉で、「楽しくてためになる」という意味)動画を公開した。しかしただの動画配信ではなく、Instagramストーリーズの特徴を利用して、イノベーティブかつクリエイティブなやり方で顧客とのエンゲージを高めた。 ユーザーと繋がる動画マーケティングにおいてInstagramのストーリーズの重要度は増すばかりだ。InstagramストーリーズのDAU (1日当たりのアクティブユーザー)は、2019年で全世界5億人を突破し、リリースされた2016年から増え続けている。 (引用元:statista) ここでInstagramストーリーズの特徴をおさらいする。Instagramストーリーズとは1つの投稿につき最長15秒の動画、もしくは画像を24時間限定で流すことができる。投稿(ストーリー)をアーカイブ保存すれば、24時間たっても消えずに、プロフィール画面に残すことができる機能もついている。すぐに消えてしまうことから気軽に投稿できることや限定感のあるコンテンツをあげられることも人気の理由だ。 Lowe’sのInstagramストーリーズでは、小さな部屋の模様替えDIY(Do It Yourself:自分でモノを作ること)の手順をシェアしている。小さなスペースがどれだけ簡単に素敵で機能的な部屋にDIYできるかを見せるビデオだ。 この動画はInstagramストーリーズの特徴をいかし、今まで誰も見たことのないような工夫をした。それは、DIYをしている様子を、1秒に満たないほどの非常に短い動画に複数に分けて投稿した点だ。これにより、ストーリーをみる視聴者は短い動画の集まりを35秒ほどみるだけでDIYの手順が一通りわかってしまう。 また、通常なら早送り・巻き戻し機能のないInstagramストーリーだが、Lowe’sのシェアした動画はコマが多く一つ一つの動画が短いことで、DIYの過程の一部を確認したい時にわざわざ最初から動画をもう一度再生せずに、指で画面をタップして好きなところで動画を停止して確認できるようになっている。Lowe’sが行ったInstagramハックと言える。 使い方や完成のイメージがしにくい住宅用品も、テンポよく動画で見せることでLowe’sはオーディエンスとのエンゲージを高めたと言える(このストーリーを投稿したYoutube動画ですら約5万回の再生がされている)。もちろん、Lowe’sが提供するDIYハックの良さも楽しくわかりやすく伝えるということができた。 関連記事:ミレニアル世代を引きつける“SNSを駆使した分散型コンテンツ“とは 3. ファンの心をつかむ特別映像・舞台裏の公開:Netflix 映像ストリーミングサービスを提供するNetflixは、IGTVを用いてNetflixドラマのファンに特別感を与えるような映像を提供した。 IGTVは、先ほどの例にも出てきたInstagramの機能の1つで、ストーリーズと同様、モバイル視聴を前提とした縦長フォーマットのプラットフォームである。ストーリーズと異なるのはライブ視聴が可能で、最大60分の動画をアーカイブとして保存、表示できるという仕組みになっている。 動画のリンク こちらの動画はNetflixに登録していない人には全くわけのわからない動画だ。なんと、この男性が60分間ただただハンバーガーを食べる様子を写しただけの動画である。 この動画の何が特別かというと、実はこの男性、Netflixが配信する人気ミステリードラマ「リバーデイル」に出演する人気俳優Cole Sprouseなのだ。リバーデイルはアメリカのティーンエイジャーに大人気のドラマで、昨年度のティーンチョイスアワードでは12ノミネートを獲得し、主要な賞を総なめにしたほどである。 またColeは同アワードで”Choice Male Hottie”「ホットな男性賞」を獲得し、ドラマ内でも特に女性人気が高いキャラクターだ。さらに彼のキャリアは俳優、モデル、フォトグラファーなど多彩な才能を持ち合わせており女性人気が高い。 ハンバーガーを食べながらわざとカッコつけるような姿をみせるColeの動画は、ファンにとっては需要の高い動画で、かつドラマのファンが見ても、ドラマ内の出演者の本当の姿を見て好感を持てるような動画だ。 NetflixはColeがハンバーガーを60分間食べる映像の他にも、同ドラマの出演者たちによる特別映像や、他の人気ドラマの舞台裏もIGTV上で配信しており、ファンにはたまらない特別感のある映像で既存のファンとの関係性を強めようとした新しい動画の活用方法をした。 関連記事:【デジタル広告最新トレンド2018】今米国で起きている4つの現象 まとめ 2019年の5Gの導入により、一層加速するとされる動画を用いたマーケティング。しかしながら、だからと言ってとにかく動画を活用しようという安易な考えをするのではなく、すでに世の中は動画で溢れ、飽和状態になるという現状を捉え、何のために動画マーケティングを行うのかという目的をしっかりと認識することが必要だ。 この際に、ユーザーとのつながりを構築し、ユーザー視点になって作った動画がひとつ、鍵となる。 事業やブランドが海外展開を行う際も、動画マーケティングの最新のトレンドを活用し、提供する商品やサービスのユーザーを把握することで、より現地で効果的なプロモーション、マーケティングを行うことが可能になるだろう。 btraxでは、ユーザー視点を元にした海外展開におけるマーケティングノウハウを提供している。今回ご紹介したようなプロモーション活動だけではなく、プロダクトマーケットフィットの仮説・検証からウェブサイトの構築を含むブランド認知のためのマーケティング戦略立案も一貫して行っているので、ご興味をお持ちの方は、お気軽にこちらまでご連絡いただきたい。 参考 17 Brands Effectively Using Instagram Live & Facebook Live Lowe’s Hacked Instagram Stories With Fun Microvideos of DIY Jobs in Tiny Vertical Rooms Ten examples of brands already CRUSHING IT on IGTV with Vertical Video

ブランド拡大に役立つシェアリング小売スペースという新しい選択肢

昨今、AmazonやShopify、ソーシャルメディアなどオンラインで商品を売るビジネスのためのツールが充実し、D2C(Direct to Consumer)をはじめ多くのデジタルネイティブブランドが勢いを増している。
そしてこれらのデジタルブランドはオンラインでのビジネスがある程度軌道に乗り始めると、オフライン・実店舗にも進出をする。実際、AWAY、Everlane、Warby Parkerなど多くのD2Cブランドが店舗拡大をしている。
こういったスタートアップD2Cは何百万ドルもの資金調達に成功…

ミッションを売れ! 薄利多売から抜け出すためのD2C戦略とは

D2C(Direct to Consumer。直販型)ブランドは小売業界からだけでなく、スタートアップ界隈からも注目を集め続けてきた。彼らは独自のビジネスモデルを採用しているという点だけでなく、その商品やブランディングについても注目されており、freshtraxでも幾度となく紹介してきた。
このような注目を集める一方で、D2Cブランドは既存のマーケットから集客獲得と増え続ける振興D2Cブランドとの競争も激化している為、D2Cとして成功し続けることは簡単な道のりではない。商品の改善、ブランディングの確…

ミレニアル世代を引きつける“SNSを駆使した分散型コンテンツ“とは

皆さんは普段SNSを使う中でタイムライン上に流れてくるチュートリアル動画や時事ニュース、最新グッツの紹介、可愛い動物の動画などにふと気を留めたことはないだろうか?   昨今、このようにSNSに向けたコンテンツを配信するメディアが急増し、「分散型メディア」と呼ばれている。分散型メディアとは、ウェブサイトが主体であった従来のオンラインメディアとは異なり、他のプラットフォーム(主に複数のSNS)を用いて情報を発信するメディアのことを指す。 日本では、bouncy, C CHANNEL, Tasty japanなどが有名な分散型メディアとして挙げられる。 このような分散型メディアの人気の背景には、ユーザーの行動やニーズの変化が挙げられる。以下はSNSでニュースをチェックするユーザーの傾向を示したデータだ。 アメリカの成人の68%がSNSでニュースをチェックすると回答。またそのうちの20%は「頻繁に」そうしていると答えた(Pew Reserch Center) 74%のTwitter利用者、32%のYouTube利用者、29%のSnapchat利用者がそれぞれの媒体からニュースをチェックしている(Pew Reserch Center) 47%のユーザーが1週間の間に、ニュース目当てでFacebookを開いたと回答(Digital News Report 2017) また、74%が1日に最低一回はFacebookをチェックすると回答(Pew Reserch Center) 1週間の間に使用したSNSの割合(At all)とニュースをチェックするために使用したSNSの割合(For news): Disital News Report 2017 SNSを用いたニュースの入手が近年急増中: Digital News Report 2017 これらのデータを見てもわかる通り、ニュースを見るプラットフォームが徐々にマスメディアからSNSにシフトしているようだ。それではなぜこのような分散型メディアが多くのユーザーに受け入れられているのだろうか。今回は、分散型メディアが注目を浴びる2つの理由と活用事例をご紹介したい。 分散型メディアが好まれる2つの理由と企業事例 1. 分散型メディアは“動画の時代”に最適なタッチポイントとなる btraxに参画した澤円が語る「日本企業が今すぐ改めるべき習慣」でご紹介した通り、世界に存在するデータのうち、直近2年で生まれたデータの割合は90%だという。 世界中で情報が溢れてしまっているため、ユーザーはより良い情報を素早くゲットしたいと感じるようになった。そのため、読ませるテキストベースのコンテンツよりも瞬時に内容がわかる動画コンテンツの方が好まれる傾向にある。 世界中で情報が溢れてしまっているため、ユーザーはより良い情報を素早くゲットしたいと感じるようになった。そのため、読ませるテキストベースのコンテンツよりも瞬時に内容がわかる動画コンテンツの方が好まれる傾向にある。 実際に、1分の動画は180万語に匹敵するといったデータや、テキストと画像だけの投稿よりも動画コンテンツの方が12倍シェアされやすいというデータも公表されている。 また、5Gの導入により、これからは外出先で通信制限を気にすることなく気軽に動画コンテンツを見ることができるようになるといわれている。【2019年】絶対おさえておくべき、4つのマーケティングトレンドで紹介した通り、動画を活用したコンテンツの勢いはより一層増していくだろう。 なお、分散型メディアは通常のオンラインメディアとは異なり、ユーザーにエンゲージしやすい動画を活用することで、情報に敏感なミレニアル層に広くリーチできる。これからは動画の時代とも言われているので、いかにユニークかつ共感性を生むような動画コンテンツを配信できるかがポイントとなるだろう。分散型メディアの事例として、NOW THISをご紹介したい。 【事例1】NOW THIS:動画コンテンツを駆使した次世代メディア (画像はNOW THISのFacebookから引用) 分散型メディアで有名なのはNOW THIS というアメリカのメディアだ。NOW THISは、Instagram, Facebook, Twitter, YouTube, Snapchatの5つのプラットフォームを使って、政治や時事など話題のトピックをおよそ1分の動画をシェアすることで情報を発信するメディアだ。 NOW THISは以前、自社のウェブサイトにて大胆なキャッチフレーズを公表していた。“Homepage. Even the word sounds old. Today the news lives where you live.”(ホームページ。もうその言葉すらダサい。今は人がいる場所にニュースがある時代だ。) ホームページにホームページの自虐を載せるという大胆な手法がうけて話題となったが、このメッセージがまさに分散型メディアの姿を表しているといっても過言ではない。 NOW THISは数々のトピックを扱っているが、トピックによってアカウントを複数保持し使い分けているのも特徴だ。例えば、NOW THISのInstagramアカウントは時事ネタを広く扱ったメインのアカウント@nowthisnewsから、最新テクノロジーを紹介する@nowthisfuture、エンターテイメントトピックを扱う@nowthispop、女性の社会進出やフェミニストなどのトピックを扱う@nowthisherなど、FacebookやTwitterも合わせて10個以上もの異なるトピックを扱うアカウントを運営している。 そしてNOW THISの最大の特徴は、ほとんどすべてのコンテンツが動画であることだ。NOW THISのキャッチフレーズが”Stories that move” という言葉の通り、「感動させる(move)ストーリー / 動く(move)ストーリー」の2通りの意味を含んでいる。 動画コンテンツを制作するメリットは、ユーザーの興味・関心によって動画のテーマを分けることで、ユーザーに刺さる情報を提供できることだ。動画は政治系、面白動画系、テクノロジー系など、チームに分かれて制作が行われている。そのため、視聴者はわかりやすく、より正確な情報を含んだコンテンツを享受することができるのだ。 2. それぞれのSNSの特徴を捉え、ユーザーの関心テーマに沿った情報を提供 従来のオンラインメディアは、能動的に情報を得るためのものだった。情報はすべてウェブサイト上にあるため、ウェブサイトを訪問しない限りそのメディアがどんな情報を発信しているのかがわからない。 加えてSNSの台頭によりプラットフォームの種類が急増し、いたるところに情報が溢れかえるようになった。これによりウェブサイトを訪れるまでのカスタマージャーニーが複雑になったことから、ユーザーが普段使うSNSも上手く活用して「情報が自然に入る」状態を作り出すことが必要となったのだ。 それぞれのSNSの特徴を捉えたコンテンツとは SNSは、それぞれに特徴がある。例えばInstagramだったら、ビジュアル重視なので、画質はもちろんのこと画像や動画に込められたストーリーに気を配る必要がある。Twitterは”つぶやく”ことが本来の目的なので、限られた文字数の中でどれだけシンプルにメッセージを発信できるかが重要だ。FacebookはTwitterやInstagramとは逆で、文字や画像に制限がないことから、自分でコンテンツをカスタマイズして好きな情報を発信できる。 これらの特徴を生かしきれていないと、ユーザーの目を引くことができず、インプレッション数が落ちてしまう原因となりかねないのだ。 例えばInstagramに投稿する際、シンプルな写真とともに長文のキャプションを載せても、文章の内容の良し悪しにかかわらず目に留めてもらえないのは言うまでもない。情報を享受する側に立ったとき、自分が伝えたい情報が見やすく、受け取る相手のストレスがないということはいたって重要だ。 多岐にわたるSNSアプリの中で、ユーザーは分散している。どのアプリをどれくらい見るかも年齢や性別、生活リズムにより異なるのだ。そのため、同じ情報をそれぞれのSNSに合わせて分散して提供する方が、多くのユーザーに情報が届くのである。ユーザーからしたら、SNSでフォローするだけで「探さないでも勝手に現れるコンテンツ」となるわけである。 【事例2】BuzzFeed:可愛い動物の画像から時事ネタまで、幅広いコンテンツをSNSで発信 (画像はBuzzFeed JapanのFacebookから引用) BuzzFeedも、初期から人気の分散型メディアの一つだ。「猫のGIF画像から政治トピックまで」と言われるほど幅広いコンテンツを、様々なSNS上で発信している。 中でもBuzzFeedの特徴は、SNSの違いを生かしたコンテンツ作りだ。BuzzFeedが扱うトピックは様々だが、それぞれのSNSの特徴を生かしてコンテンツの発信の仕方を変えている。 例えば、Facebookでは、BuzzFeedのホームページに載っている記事へのリンクとともに、短い意見や感想、面白いフレーズなど投稿者のコメントを添えて投稿している。Facebookでリンクを開くと、Facebook上でそのページが起動されるため、一読し終えた後に読者がコメント欄に感想を書くことが多い。これによりインプレッション数が増えるのだ。 また、YouTubeでは幅広い話題を扱う動画コンテンツを発信しており、シリーズ化している。Instagramではおもわず笑ってしまうような話題の面白いツイートを画像で紹介し、コメント欄には笑った顔の絵文字やコメントが多く寄せられている。 このように、発信するコンテンツを統一せず、SNSによって形式を変えて、それぞれのSNSユーザーが楽しめる情報を発信する点がBuzzFeedの特徴だ。 まとめ 分散型メディアは、SNSでニュースをチェックするといったユーザーの行動やニーズの変化を背景に成長していった。情報があふれ返る近年、動画やSNSの特徴を生かしたコンテンツ提供がユーザーの心をつかんでいる。 今回は分散型メディアの例をご紹介したが、これらのメディアの戦略を一言でまとめると、「ユーザーのいるところにユーザーが本当に求めるものを提供する」ということだ。これは、PRの戦略を練る上でも重要なUXの視点である。 btraxではUXを考慮したマーケティング、新規事業開発メソッドを提供している。ご興味をお持ちの方は、是非お問い合わせを。

【2019年】絶対おさえておくべき、4つのマーケティングトレンド

2019年がスタートし、本格的に来年度のマーケティング計画に取り組む、もしくは最終の見直しに入った会社は多いだろう。 新しいソーシャルメディア、サービス、キャンペーンが日々登場し、マーケティング業界は目まぐるしく変化をし続けている。一方、マーケティングのトレンドは、突如現れるというよりも、徐々にその傾向が見てくるというのが通例だ。 そこで2018年に顕著に現れてきた、絶対に外すことができない4つのマーケティングのキードレンドと、それらに対して2019年に取り組むべきことについてまとめてみた。統計データも多数紹介しているので、上司やクライアントへの提案資料作成の際の参考にして頂ければ幸いだ。 1. 動画(オーガニック・広告) 動画を使ったマーケティングの台頭については、ここ数年ずっと言われて続けているが、2019年もその勢いはより一層加速することが予想される。今まで動画マーケティングに本腰を入れていなかった企業も、もはや動画を無視することができなくなるだろう。 IGTVの登場とTikTok 2018年の動画マーケティングのハイライトといえば、instagramのスタンドアローン動画プラットフォームIGTVの登場と中国発の動画投稿アプリTikTokの大流行だ。 Instagram Story(Source: instagram) IGTVはモバイルデバイスからの視聴に特化した、縦型の長時間の動画に対応したプラットフォーム。Instagram Storyは15秒までの動画しか投稿できないのに対して、IGTVでは最大で10分の動画投稿が可能になった。(フォロワーが多いアカウントや公式アカウントなら最大60分の動画投稿が可能) TikTokは中高生を中心に人気の動画投稿アプリで、リップシンキング(音楽に合わせて口パクで歌っているように見せるパフォーマンス)やダンスなどの動画が投稿されている。 数字で見る動画マーケティングトレンド 一般的なアメリカの消費者は平均で毎日1.5時間の動画コンテンツを視聴する(Wyzowl) 2020年までに、インターネットのトラフィックの80%以上がオンライン動画の視聴になる(Cisco) ライブ動画市場規模は、2016年302億ドルに対して、2021年までに700億ドルまで拡大する見込み(Research and Market) 2018年6月の時点でInstagram StoryのDAUは、全世界4億人で、2016年から増え続けている instagram storyのデイリーアクティブユーザーの変遷(Source: Statista) 2019年に取り組むべきは、ユーザーと繋がるための動画配信 Online Publisher Associationによると、80%のユーザーは、過去30日に視聴した動画の内容を覚えているという。オーガニックの動画コンテンツの配信はもちろん、動画広告にも積極的に取り組む必要があるだろう。特に、Instagram Story, Facebook Story, IGTV, snapchatなど縦型動画フォーマットも増えてきていることを考えると、モバイル視聴を前提とし、かつメディアの特性にあった動画コンテンツの制作が必要となる。 また、企業に透明性を求める動きや、FOMO(Fear of Mission Out、重要なイベントを見逃してしまうことを恐れる感情)、リアルなつながりへのニーズから、ライブ動画に対する人気も見落すことはできない。リアルタイムでユーザーからの質問に答えたり、商品のライブデモ、イベントの「舞台裏」を公開したりするなど、その時しか見ることができない、限定感のあるコンテンツ制作に取り組みたい。 加えて、一対一ののパーソナルな動画の活用にもチャレンジしたい。Eメールや電話ではなく、クライアント一人ひとりに合った動画コンテンツを届けることで、より深いエンゲージメントを得ることが期待される。クライアントの疑問に対して動画で説明するのでも良いし、感謝の気持ちを伝える手段としても有効だ。 btraxでも弊社主催のイベント「DESIGN for Innovation 2018」にお越し頂いたクライアント一人ひとりに、CEOのBrandonとデザインディレクターJensenからお礼のメッセージ動画をお送りしたところ、非常に好評を頂いた。 2. オーディオメディア この数年でオーディオメディアが充実しているが、この傾向は2019年も続くことが予想されている。ニールセンの調査によると2018年第二期四半期の時点で、アメリカの24%の家庭がスマートスピーカーを保有しており、そのうちの4割が1台以上持っているという。 ポッドキャストやボイシーなど、耳で楽しむコンテンツが充実 2018年の6月、ついにGoogleがスタンドアローンのポッドキャストアプリ『Google Podcast』を発表した。このアプリは、Google アシスタントと連動しているので、Googleアシスタントが搭載されたすべてのデバイスでコンテンツを聞くことが可能だ。例えば、スマートフォンで通勤中に聞いていたポッドキャストの続きを、自宅に帰ってリビングルームのGoogle Homeスピーカーで聞くことができる。 今までもGoogle Play Store経由やサードパーティーのアプリを使って聞くことは可能であったが、Androidデバイスにおけるポッドキャスト環境はAppleデバイスほど整ったものではなかった。このGoogle公式アプリによって、世界のスマートフォン市場の8割を占めるAndroidユーザーが快適にポッドキャストを楽しむ環境が整った。 日本では、「声のブログ」として知られる音声メディアVoicyが今年の2月に2800万円の資金調達を行った。ポッドキャストは誰でも配信することができるのに対して、現在Voicyでチャンネルを持つことができるユーザーは、審査に通った人のみとなっている。また、Googleアシスタント及び、Amazonアレクサへのコンテンツ配信も行っており、スマートスピーカーを使ってVoicyのコンテンツを楽しむことができる。 数字で見るアメリカの音声メディアトレンド 18歳以上の16%、人数にして約3900万人がスマートスピーカーを保有している(Edison Research) 58%の消費者が、過去12か月に音声検索を使い身近なお店についての情報を調べている (BrightLocal) 46%の音声検索ユーザーは、身近なお店を検索するのに日常的に音声検索を使用している (BrightLocal) 2020年までに検索の30%が音声検索に置き換えられる(Gartner) スマートスピーカーを保有する71%が、以前より頻繁に音声コンテンツを楽しむようになった(Edison Research) 月間のポッドキャストリスナーは、2019年には8,700万人、2021年には1.12億人に達する(Activate Tech & Media Report in 2018) 2019年に取り組むべきは、目的に合った音声メディア選び 多くのユーザーが日常的に音声検索を利用していることは、音声検索を意識したコンテンツ作りを行う必要性を意味する。 SEO専門会社Yoastによると、ウェブサイト上のコンテンツを制作する際に5W+1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識することが必要だという。なぜなら、ユーザーが音声検索を行う際には、キーワードではなく話し言葉、すなわちフレーズで検索を行うからだ。例えば、近くのコーヒーショップをテキスト検索する場合は、「コーヒー 渋谷(地名)」というキーワードを使用する。その一方で、音声検索は、「渋谷にあるコーヒーショップはどこ?」とフレーズで検索する。 加えて、耳で楽しむための音声コンテンツをどのように提供するのが、自社の目的を達成するのに最適であるか見極める必要がある。特に、ポッドキャストはリスナーのエンゲージメントの高さ、ニッチなユーザーにリーチをできることから、新しい広告メディアとして注目されている。 また、自社オリジナルのポッドキャスト番組を制作する動きも盛んだ。デートアプリのTinderや、D2CマットレスブランドのCasper、オフィス用チャットアプリのSlack、Eコマースプラットフォームを提供するShopifyのポッドキャスト番組は、番組そのものが広告であるにもかかわらず、人気の番組となっている。 3. ダイバーシティー・インクルージョン メッセージを伝えるには、消費者に「自分ごと」としてメッセージを捉えてもらう必要がある。マーケティングキャンペーンにおいて多様性を取り入れることが、ここ数年重要視されており、その傾向は2019年も続くことが予想されている。 インクルージョン・マーケティングの広がり ダイバーシティーとは、必ずしも人種や性別、年齢のことだけではない。宗教や食事制限、体型、健康状況、性的志向、コミュニティーなど、消費者が持つ様々な価値観やバックグラウンド、究極的には彼・彼女たち一人ひとりの個性を意味する。 これらを企業の活動(商品開発やマーケティング、採用活動に至るまで)に含めていくことを、インクルージョン(「Inclution」は「含める」の意味)といい、この考え方を採用したマーケティング手法のことを、インクルーシブマーケティングを言う。 障害のある女性をモデルに起用した女性用下着ブランドaerie 女性用インナーウエアブランドのaerieは今年、様々な健康状態にある女性や障害を持つ女性をブランドのモデルとして起用した。 同ブランドは、多くの企業に先駆け、画像にレタッチを一切加えていない、多様な体型・人種のモデルを起用した、Body Positiviy(ありのままの自分を受け行ける)を支援する『#AerieReal』キャンペーンを2014年から実施している。最近ではEverlaneやThirdLoveなどインナーウエアを展開するブランドの多くがaerieに追随しているが、aerieはさらに先を行った。 多種多様な女性を起用した #aerieReal キャンペーンビジュアル (source: aerie) 2018年の#AerieRealキャンペーンでは、インスリンポンプを背中につけた糖尿病を患う女性、車椅子に乗った女性、皮膚の色が抜け白い斑点ができる皮膚疾患、尋常性白斑を持つ女性などが起用されている。 ステレオタイプは、ビジネスに悪影響を与える インクルーシブネスを支持する機運が高まってきている今、特定の属性に対するステレオタイプをマーケティングキャンペーンに反映させてしまうと、大炎上する恐れがある。日本でも某飲料メーカーが、同社商品のユーザー女性像をシニカルに描いたキャンペーンを行い、顧客を馬鹿にしている、と多くの批判の声が上がった。 また無意識のうちに、特定の属性に対するバイアスをかけたマーケティングキャンペーンは多数存在している。とある調査によると、映画やテレビ番組にネガティブなステレオタイプが使われていると感じた場合、66%の女性が観るのを止めると回答している。 数字でみる広告におけるステレオタイプ 広告におけるジェンダーバイアスを調べるために、2006年から2016年のカンヌライオンズフィルム及びフィルムクラフト部門における受賞作及び、最終候補に選ばれた英語の2,000作品を分析した共同調査は、下記のような非常に興味深い結果を示している。 広告内で起用される女性キャラクターの数は、男性の約3/1。2006年から2016年の調査機関においてその数字は、ほぼ変わらず 男性キャラクターのみを描いた広告は、全体の25%であるのに対して、女性のそれはたったの5% 男性キャラクターがセリフを話す時間は、女性のそれの約3倍 「Power(力・権力)」や「Achievement(功績)」に関する内容は、男性キャラクターによってより多く語られている 女性が語るセリフには、男性のセリフより若干簡単な語彙が使用されている 広告における男女の差 (source:Geena […]

【2018年】ストーリー性を重視したブランド構築事例4選

ブランドを構成する要素として挙げられるのは機能性、デザイン性、ストーリー性と言われているが、近年その中でもストーリー性が力を持ち始めている。
機能性やデザイン性に関して良い商品はすでに世の中に溢れていたり、すぐに他社に真似されたりする中で、ストーリー性はそのブランド固有のものである分、カスタマ―が感じる価値も無二のものとして捉えられるからだ。それは情緒価値、すなわち情緒的な付加価値とも言えるものだ。
そこで今回は、2018年にご紹介したブランドのなかで、ストーリーを共有し情緒価値をうまく伝えた事例を…

ヤマハとコニカミノルタが語る「経営におけるデザインの役割」とは【DFI2018】

btraxでは毎年デザインと経営の融合をテーマにしたカンファレンスDESIGN for Innovationを開催し、3年目となる今年は10月11日(木)にFiNC有楽町にて行われた。
当日は様々な切り口でデザインと経営に関する基調講演やパネルディスカッションが行われたのだが、その中の一つではヤマハ発動機の長屋明浩氏とコニカミノルタの平賀明子氏をゲストスピーカーとしてお招きし、日々経営やビジネスに対してどのようにデザインの価値を取り入れているのかお話を伺った。
お二人ともデザイナー出身でありながら執…

D2Cブランドに学ぶブランド認知向上に効果的なキャンペーン事例4選

日々D2C(Direct to Consumer)に特化した企業が興隆し、ユーザーに対しクリエイティブなアプローチをかけることでマーケットの割合を高めている。freshtraxでは過去何度かD2Cに関する記事を取り上げているが、今回はD2Cだからこそ実現できるユーザーとの密な関係構築とユーザーを引きつけるのに効果的なキャンペーンについて触れたいと思う。 関連記事:アパレル業界を席巻する新勢力 – Direct to Consumer (D2C) で成功した7つのブランド ユーザーの意識や購買行動の変化がD2Cブランドの支持に繋がっている? なぜD2Cブランドは店舗を持たないのにも関わらずユーザーから支持されるのか。それは、ユーザーの意識や購買行動の変化に関係がある。 インターネットを通じて情報にアクセスしやすくなったことで、ユーザーは商品やサービスに関する情報に対して敏感になっている。そのため、最近の傾向としてユーザーはブラントに対して透明性や信頼性を求めるようになったのだ。 仲買人を設けないD2Cブランドは、製造から販売までを一貫して行う。よって、ユーザーの手に届くまでの過程の透明性や、情報開示による信頼性をユーザーに感じてもらうことができる。実際に、リサーチ会社Forrester Reserchの調査によると、76%のD2Cブランドが予想通りかそれ以上の売上収益をあげているということがわかった。 もちろん変化したのはユーザーの意識だけではない。以前に比べ購買プロセスも大きく変わり、ユーザーは購買前・購買中・購買後全ての段階において良いユーザー体験を求めるようになったのだ。例えば、決済方法が少ないことやホームページの更新頻度が少ないことはは企業への信頼度が下がる要因になる。そのため企業は、ユーザーとの直接的な関係においてユーザーの思考や行動がどのようにビジネスに関係するかを常に把握しておく必要があるのだ。 このようにD2Cは企画・製造から販売までを一貫して行うことから様々なニーズに素早く対応することができるので、ユーザーからも大きな支持を得られるのだろう。 認知度を向上するベストなタイミングとは? ユーザーに関心を持ってもらうためにはブランドの認知度を向上する必要がある。その為にできる施策の一つとして、キャンペーンの実施が挙げられる。アメリカでは様々な種類のキャンペーンがあるが、中でもホリデーや季節イベントを利用したキャンペーンはユーザーを引きつける最高のタイミングと言っても過言ではない。 なぜなら、ホリデーや季節イベントがある時期はユーザーが一番新しいアイディアや商品、サービスに興味を持つタイミングだからだ。北米では毎年ホリデーの間にセールが開催されることが多く、全米小売業協会の試算では2017年に比べ2018年の休日の小売売上高は4.3%から4.8%上回るのではないかと見込まれている。 もちろん休日だけでなく季節のイベントにおいてもセールが開かれることは多く、以下に挙げるのがプロモーションに効果的なホリデー・イベントである。 ・Black Friday(ブラック・フライデー) 最近日本でも少しづつその名を聞くようになったブラック・フライデー。ブラック・フライデーは、アメリカで毎年11月の第4木曜日に催される「感謝祭」の翌日の金曜日のことで、この日はアメリカでは年末商戦の初日かつ最大の山場となる日と位置づけられている。ブラック・フライデーの由来は、あらゆるビジネスが利益を出し、赤字から黒字に変えてしまうという意味合いからきている。 2016年の調査によると、13億7400万人ものユーザーのうち74%がブラック・フライデーに買い物をすると回答した。もはや感謝祭の伝統の一つになりかけているといっても過言ではない。 ・Back to School(バック・トゥー・スクール) 日本では社会人や学生にとって春が新年度なのに対し、アメリカでは、夏と秋の季節の変わり目が新年度の開始を意味する。学生は新しい洋服や文房具を新調したい、そして大人は秋向けの洋服を買い替えたい時期なので、様々なセールがこの時期に行われている。 2017年には、アメリカ全土における小中高校・大学への進学、進級の準備にかける消耗品費用の総額が8260億ドルにも上ると推定された。これは、2016年の7580億ドルと比べ10%の上昇である。 ・クリスマス アメリカではクリスマスになると家族が集いプレゼント交換をしたり、友人や恋人と過ごすことが多い。そのため、全米小売業協会によると2018年のクリスマスでは、国内消費者一人当たり平均700ドルの出費をすると予測されている。これはアメリカ全体で4,670億ドルもの売上になるということだ。 それではD2Cブランドはどのようにこれらのイベントを活用して、ブランドの認知度や売上を増加させているのだろうか?以下では、4つのD2Cブランドによるキャンペーン事例を紹介したい。 ホリデーや季節イベントを活用したキャンペーン事例4選 1.Thirdlove(サード・ラブ) Thirdloveは、2013年にHeidi ZakとDave Spectorによってサンフランシスコで設立された女性向けの下着ブランドだ。現在は「全ての女性に合った商品を提供する」という理念の基、オンラインのみで商品を展開している。 2017年にThirdloveは、”12 Days of Gifting”(ギフトの12日間)といったキャンペーンを打ち出した。これは、クリスマスまでの12日間毎日抽選で異なる商品がプレゼントされるといったキャンペーンである。”12 Days of Gifting”は、友人や恋人に贈るクリスマスのギフトとしては人気のあるアイディアだが、ビジネスとしてこのようなキャンペーンを打ち出した会社は少ない。 12日間毎日商品がSNSで紹介され、以下の3ステップを行うことで投稿へのインプレッション増加、フォロワー増加、そしてギフトを無料でプレゼントすることによるブランドのイメージアップを成功させた。 ①投稿を「いいね!」する ②SNSアカウントをフォローする ③コメント欄にギフトを送りたい友人のアカウント名を投稿する また、クリスマス用のプレゼント選びに迷うユーザーに対して、オススメの商品をブログで提案するといった取り組みもあって、既存のユーザーだけでなく潜在顧客にもブランドの良い印象を与えることに成功した。 このキャンペーンを行う前は、インスタグラムの各投稿における「いいね!」数が250から1,000に止まっていたのに対し、このキャンペーンが始まってから最初の投稿には、14,600もの「いいね!」があり、キャンペーン全体を通して高い数値を打ち出している。クリスマスとSNSを上手く活用しユーザーとの交流を図ることで、ブランドへのロイヤリティを高めることに成功したのだ。 2.Frank and Oak(フランク・アンド・オーク) Frank and Oakはモントリオールに本社を置く衣料品店。2012年にEthan SongとHicham Ratnanによって立ち上げられ、設立当初からグローバル展開をしている。企業理念には「男女ともにおしゃれな衣服を安く提供すること」を掲げている。 Frank and Oakはクリスマスにキャンペーンを行ったのだが、他のブランドとは違った施策を行った。“And”コレクションと呼ばれる衣服の販売を筆頭に、インクルージョン(一人ひとりが異なる存在として受け入れられ、その違いが活かされること)、平等そしてダイバーシティに焦点を置いたキャンペーンをクリスマスの数週間前に始めたのだ。 (画像は公式ウェブサイトより引用) 具体的な取り組みとしては、”And”という文字がプリントされたユニセックスの衣服を販売し、ユーザーがこのコレクションから衣料品を購入した場合、そのうちの5ドルが人権擁護を目的とした教育プログラムに寄付されるといったプロジェクトを行った。 Frank and Oakはこの季節をキャンペーンに上手く活用し、「coming together(一体となる/団結する) 」というテーマの基、人と違うことに誇りを持つことが重要だというメッセージを発信した。このキャンペーンを通して、寄付や啓蒙といった社会貢献を行うと同時に、Frank and Oakを知らなかった潜在顧客に関心を持ってもらうことができた。 3.Glossier(グロッシアー) Glossierはニューヨークに本社を置く化粧品ブランドで、2010年にEmily Weissによって設立された。実店舗はアメリカ国内に数店舗だけ存在し、ポップアップストアも出店されている。 「メイクアップをファッションのようにパーソナライズする」というミッションを掲げるGlossierは、2017年9月に異なる体型や職業を持つ女性5人を紹介する”Body Hero Campaign”を実施。 体型のコンプレックスを持ちがちな女子学生に対して、ポジティブなマインドを持ってもらいたいという思いから、バック・トゥ・スクールの時期にキャンペーンを行った。このキャンペーンは開始直後1週間で3万3千ドルの利益をだし、5千人ものユーザーがハッシュタグ#BodyHeroを使い、Glossierのブランド認知が一気に向上したのだ。 (画像は公式ウェブサイトより引用) また、Glossierはブラック・フライデーも上手く活用している。2017年のブラック・フライデーでは送料無料のキャンペーンが1週間続いて行われ、2016年に実施した3日間のキャペーンに比べ、期間を大幅に延長した。このキャンペーンは一般的なブラック・フライデーのセール時期よりも一足先に開始され、他のブランドよりも早く宣伝することで、認知度の確保、また顧客の予算の確保が可能となったのだ。 4.Warby Parker(ワービー・パーカー) Warby Parkerはアイウェアアクセサリーの店舗で、ニューヨークに本社を置いている。2010年にNeil Blumenthal、Andrew Hunt、David Gilboa、そしてJeffrey Raiderによって設立されアメリカとカナダの各地に店舗を展開している。 (画像は公式ウェブサイトより引用) Warby Parkerは他のブランドとは少し異なったキャンペーンを打ち出した。休日やその他のイベントを利用するのではなく、2017年に起こった大きなイベントを自社ブランドの認知度をあげる絶好の機会にしたのだ。その大きなイベントとは日食である。 2017年の日食はアメリカで最後に日食が起こってから実に99年ぶりの大イベントだったので大きく注目された。皆さんご存知だとは思うが日食とは月が太陽と重なり、完全に見えなくなる現象である。Warby Parkerはこれをユーザーにリーチする最適な機会だと考え、日食イベントのコミュニティに参加した。 (画像は公式ウェブサイトより引用) 日食の1週間前から、潜在顧客と既存のユーザーに対して安全に日食を鑑賞し十分に楽しむための知恵をSNS等でシェアした。この行動は、企業がユーザーを気にかけ価値のある情報を提供していることを示し、信頼を得るための絶好の機会となった。また同社は当日、日食を見に行きたいと思っている人達が集って共に日食を楽しむことのできるイベントも開催した。 彼らは国内のコミュニティすべてに対し大きなファンベースを作り上げ、ブランドの認知とイメージ向上を成し遂げた。このイベントの会場の一つでもあるテネシー州のナッシュビルでは、100人弱の参加者が集まり無料で日食用メガネを配布するなどした。これによりWarby Parkerは、企業が顧客と直接関わり合えるコミュニティを作り上げることに成功した。 最後に 冒頭でもお伝えしたが、ユーザーの意識や購買行動の変化に伴い今後ブランドは彼らのニーズや関心を素早く察知して、行動に起こすことが重要となる。アメリカではオンラインでの買い物が主流になっているので今回紹介したようなD2Cブランドの存在も大きくなっているのだろう。今後も引き続きD2Cブランドの動向に着目していきたい。 btraxではユーザーのインサイトに基づいたD2Cブランドのグローバル進出をサポートしている。今回ご紹介したようなユーザー獲得のためのプロモーション活動だけではなく、ウェブサイトの構築を含むブランド認知のためのマーケティング戦略立案も一貫して行っているので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせを。

【ユーザーと商品開発】海外の「共創」成功事例

我々は、自社商品への愛が強すぎるが故に、時にユーザーが本当に求めているものを見失ってしまうことがある。技術力の結晶であるはずの商品なのに、なぜか売れない。特に、日本では成功しているのに、海外ではいまいちユーザーの反応が悪 […]

エイベックスが新社屋で起こすイノベーション【加藤信介氏インタビュー#2】

エイベックスの加藤信介さんへのインタビュー記事後編。(前編はこちら)今回は新社屋で起こっているコラボレーションとそこから見える新たな課題について話を聞いた。 社員 × 社員のコラボレーション 社員同士で効率の良い働き方が […]

D2Cブランドに学ぶウェブサイトに必要な3つのUX要素とは

今やあらゆるビジネスにとってオンラインストアは欠かせない販売チャネルとなった。むしろオンラインストアはもはや実店舗をもつブラントがサブ的に持ち始める販売チャネルではなく、主流の販売チャネルになりつつあると言える。 このよ […]

企業文化を保つためにAirbnbが取り組んだオフィス拡張計画とは?

スタートアップがひしめく街、サンフランシスコにはユニークなオフィスが多く存在する。

その中でもここ1年で特に大きな注目を浴びているのが、民泊サービスを中心に提供するAirbnbである。今回は彼らが2017年7月にオープンした、14,000ft²(約1,300m²)に及ぶ新社屋の中身をご紹介する。

注目するのは999 Brannanという場所にあるオフィス。その住所からわかる通り、1ブロック離れた888 Brannanに建つ本社ビルの拡張プロジェクトとしてデザインが施された。

これは…

サンフランシスコのUXデザイナーが語る UXの基本とこれからのトレンド【btrax Voice #9 Mimi Yu】

btrax社員の生の声をお届けする「btrax voice」シリーズ。

今回のインタビューは、btraxのサンフランシスコオフィスで活躍するUXデザイナーのMimi Yuさんです。今回は彼女がデザイナーになるまでの道のりや、彼女の考える最新のデザイントレンド、また彼女が今後どのようにデザインの世界で成長し続けていきたいかについて語ってもらいました。

関連記事:2018年にUXデザインを取り巻く7つの変化
Who is Mimi?

Mimi Yu
役職:UX Designer…

D2Cブランドに学ぶ!カスタマーと繋がる開封体験デザイン

人の第一印象は、最初の10秒以内で決まると言われているが、これはブランド体験においても同じである。オフラインの世界に実店舗を持つブランドであれば、店舗空間全体を利用し、カスタマーが店に足を踏み入れた瞬間に彼らをブランドの世界観に浸らせることができる。

一方、店舗を持たないD2Cブランドにとって、オフラインにおけるカスタマーの最初のタッチポイントは、カスタマーサポートに問い合わせる時でも、プロダクトを初めて使う時でもない。それは、配達された箱を開ける瞬間だ。

「どうせ捨てられてしまうものに…

アパレル業界の未来を紐解く6つの最新トレンド 【後編】

今までの常識が塗り替えられるような「イノベーション」が様々な業界で起こると予想されている時代において、ファッション業界はどのような歴史を刻んでいくことになるのだろうか。
前半の記事ではそれを紐解く手がかりになりそうなトピックとして、「ウェアラブルデバイス」・「実店舗」・「ラグジュアリー」という3つの言葉が再定義されることについて言及した。

後半となるこの記事では、ファッション業界が抱えている問題について注目したい。労働搾取や大量廃棄といったこの業界が長らく解決出来ずに抱え込んでいるものから、…

【最近アメリカで話題】ブランド認知に効果的なポッドキャスト広告とは

「Good morning, Google!」筆者の1日は、この一言で始まる。今日のニュースと天気予報、購読中のポッドキャストの最新のエピソードを聞きながら、仕事に行くための身支度をする。そして、オーディオブックを聞きながら、サンフランシスコ市内の職場に向かう。

今、音声メディアが再注目されている。かつては、ラジオがほぼ唯一の音声メディアであったが、今では音楽ストリーミングサービス、ポッドキャスト、オーディオブックなど、様々な選択肢が存在する。
なぜ今、音声メディアが再注目されているのか?

アパレル業界の未来を紐解く6つの現象 【前編】

音楽や映画と並び、ファッションは「時代を映す鏡」としての役割を担ってきた。川久保玲氏や山本耀司氏がパリコレデビューし全身真っ黒のカラス族が現れたのは80年代であり、藤原ヒロシ氏らによって裏原系と呼ばれるジャンルが誕生したのは90年代だ。「A BATHING APE / アベイシングエイプ」や「NUMBER (N)INE / ナンバーナイン」などの人気ブランドが次々と誕生し、国内のファッション業界に最も活気があった時代ともいえる。

そんなファッション業界は2000年代に大きな転換期を迎えることに…

経験価値マーケティング【入門編】消費者の思い出に残るブランド体験を

経験価値マーケティング(Experiential Marketing)とは、インタラクティブなブランド体験を通して消費者との関係性を構築するマーケティング手法である。

従来のマーケティングが一方的にブランドや商品のベネフィットを幅広いオーディエンスに向けて発信するのに対し、経験価値マーケティングはブランドやプロダクトのコアバリューが凝縮されたオフライン空間の中で、消費者と一対一のパーソナルなコミュニケーションを行うことに焦点を当てている。

そして、忘れられないブランド体験を提供し、消費者…

ユーザーの心を掴むヒントは“ハイパー・パーソナライゼーション“にあり

Googleによると、過去2年間でモバイル上でのGoogle検索内において”Best”という単語がなんと80%も増加したという。

またアクセンチュアによると、アメリカとイギリスにて1,500人のユーザーを対象に行った調査でユーザーの75%はパーソナライズされた情報やコンテンツを提供してくれるブランドから商品を購入する傾向にあることがわかってきた。

この2つのレポート結果から言えることは、ユーザーがオンラインで買い物をする際、購入前にベストなものをリサーチすることが当たり前になった、そして…

最近のスタートアップのロゴのスタイルが似通ってきている問題について

お気に入りのスタートアップやサービスのロゴがいつの間にか変わっている。このような事が最近増えている。少し前までであれば、「ロゴのリデザイン ー なぜGapが失敗しAirbnbが受け入れられたのか」でも見られるように、ロゴの変更やリブランディングは一つのトピックとして、多くの人たちからの反響が得られていた。

しかし、最近ではなぜか”しれっと”変わっているケースが後を絶たない。それも新しいロゴのデザインが”ある一定の”共通パターンをなぞっていて、特にロゴタイプの部分はどのロゴもかなり似通ってきてい…

アパレル業界が挑む新たな変革 – 消費者がブランドに求める“透明性”とは?

ハイウエストスキニージーンズ - $95
従来の小売価格 - $225

アメリカのDirect to Consumer (D2C)系ファッションブランドで、最近よく見かけるようになったこの表記。D2Cとは、自社で企画、製造した製品を実店舗や小売店を介さずに、自社のオンラインストアのみで販売するビジネスモデルである。

削減した中間コストや小売マージンを販売価格に反映させることで、消費者は高品質の商品を従来価格の約半額もしくはそれ以上で購入することができるというわけだ。

(画像転…

サンフランシスコのデザイン会社から見た中国企業の優位性

”中国製品”と聞いてどのようなイメージを持つだろうか?恐らく日本製品よりも性能が低く、デザイン性も劣っていると感じる人は少なくはないだろう。その一方で、世界的な視点で見てみると意外とそうでもないことに気づく。

例えば、アメリカに住んでいると、電化製品を中心に様々なプロダクトが中国製であることが多いことに加え、Made in Chinaだけではなく、いわゆる”中国ブランド”も多く、その評価も決して低くはない事を日々感じる。

一昔前だったら日本製であることが一つのブランドになり得たのであるが…

世界4大IT企業“GAFA”に学ぶ次世代の働き方 (前編) -コーポレートキャンパスの実態を探る

仕事の作業スペースに留まらず、生活に必要なほぼすべての機能を広大な敷地に内包するコーポレートキャンパス。

スポーツ設備や娯楽施設、カフェテリア、ヘルスケア施設に移動手段となる通勤バス等をすべて無料で社員に提供し、カジュアルな格好に自由な就労時間という環境を整えたこの「キャンパス型オフィス」は、今日のワークスペースの中でも最高レベルの施設だろう。

今回はそんなコーポレートキャンパスについて、前後編の2部作にわたってお送りする。世界の大企業が社員の働き方改善のために取り入れたワークプレイスと…