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VCに関してもっと早く知っておきたかったリアルな実態

スターツアップエコシステムを語る上で、絶対に外すことにできない存在。それがVCだろう。VCとは、ベンチャーキャピタリストの略で、資金を集め、ファンドを作り、スタートアップに投資を行い、そこからリターンを獲得するのが主な仕事。どうしても、このVCという人たちの本来の役割が意外と知られていないことが多い。 起業家や起業家に憧れる人たちがVCに対して抱くキラキラなイメージと、実際の現場には大きなギャップがあると感じられる。 参考: なぜVCはいつも偉そうなのか 下記は、アメリカで連続起業家として活動しているAaron Dininによるポスト”What I Wish Someone Had Told Me About Venture Capitalists”を日本語にしたもの。彼の起業家としての学びの一つとして、VCとは、投資のゴール、そして彼らとの関わり方などがわかりやすく説明されている。 アメリカの起業家が学んだVCの実態 私はシリアルアントレプレナーであることもあり、起業してから最初の10年ぐらいはVCに対して大きな憧れを持っていた。まるで有名人に対してのように彼らのTwitterをフォローし、著名なVCが登壇するイベントに出席し、Andreesen、Sequoia、Benchmarkなどの著名VCとのミーティングを他の起業家に自慢したりした。 もちろん投資はしてくれなかったが、上記のようなVCとのミーティングに漕ぎ着けられただけで、自分の会社の存在価値が証明された気になっていた。 しかし、後に私はVCの目的を完全に勘違いしていたことに気づく。そしてそれが、長い間資金調達がうまくいかなかった原因ともなっていた。 VCはロックスターだと思っていたという勘違い おそらくスタートアップとVCとの関係性について誤解している人は私だけではないと思う。ある意味、若い起業家は取り巻く環境で、VCをちゃんと理解するよりも、崇拝するように仕掛けられている。 テクノロジー系のメディアには資金調達に関する見出しが踊り、成功者として称える。そして、スタートアップの価値を、世の中に対するインパクト (例: 1万人の子供の命を救った) よりも、評価額 (例: 巨大なユニコーン誕生) で測る。カンファレンスやイベントでは、VCや資金調達に成功した起業家達がステージを飾る。 そんな環境の中で、スタートアップの創業者達は、いつの間にかユーザーの課題解決よりも、投資家が求めることを中心に戦略を立てるようになっていく。 VCをもっとちゃんと理解してほしい この記事を通じて私は、自分がVCから投資を受ける側であるスタートアップの起業家になりたての頃に教えて欲しかった、VCの真の目的とその実態について説明できればと思っている。 それにより、これから起業家になる人たちに対して、1. VCとの正しい関わり方、2. そもそもVCから投資を受けるべきか、を理解してもらえればと思う。 なぜVCが存在しているのか? 起業家目線からは、どうしてもVCは「スタートアップを支援する存在」だと思いがちである。究極的には、VCはスタートアップに投資し、その成長を助ける。それにより、彼らは「創業者達の成功を支援するのが最終目的」のように見えてしまう。 しかし、VCの最終目的がスタートアップの成功と考えること自体が、VCの本当の目的を理解しにくくさせているのも事実だ。 VCは投資機関として、投資家や組織のお金をより幅広く投資することを担っている。したがって、VCの最終ゴールは起業家の夢を実現することではない。彼らの最終目標は投資家に対してより多くのリターンを還元することだ。 上記のポイントはは、起業家がVCに対して持つイメージと、VCの実態とのギャップを埋めるためにも、しっかりと理解しておくの事がかなり重要。 VCが成功するために、投資ターゲットとなるスタートアップは、下記に対して大きなポテンシャルを持っている必要がある。 投資額よりも何倍も大きな評価額を生み出す 他の会社に買収されるか上場するといったエクジットを通じて、投資ファンドに対してリターンを提供する ベンチャーファンドの仕組み これから紹介するのは、VCのビジネスモデルの基本を理解してもらうために、自分の生徒に説明する際にも利用する、極端にシンプル化にしたアナロジーである。完璧ではないが、基本的な理解を得るためには十分だと思う。 例えば10億円のベンチャーファンド (投資向けのお金) があったとする。そのお金を株式市場に投資すると、おそらく10%ぐらいのリターンは得られる。VCはそれよりも多いリターンを目指すのが仕事。 VCはその10億円のファンドを活用し、スタートアップに投資することで、”市場に勝つ”ことを目指す。今回の例では、シンプルにその10億円を10分割し、一口1億円で10社への投資を行うことにする。 一般的にアメリカのVC界では、投資した会社の50%からはリターンを期待できない。投資したお金は紙切れになってしまう。残りの5社のうち4社からは投資した額と同等のリターンを期待する。今回の例だと、この時点でリターンは4億となる。 ということは、現時点で9社からのリターンは4億で、全体投資額の40%しか戻ってきていない。全然ダメだ。しかし、まだ1社残っている。その10番目の会社が”ホームラン”を打つ。大成功したことで、投資額に対して10倍のリターンを出す。すなわち1億が10億に化ける。 これらを合算すると、当初の10億の投資は、合計14億のリターンを生み出した。40%のリターンをファンドにお金を入れてくれた人たちに分配することが可能になる。なかなかおいしい仕組みと思うだろうか?でも、現実はもうちょい複雑である。 持ち株率、希薄化、追加出資 上記の例では、投資した1億の資金がいとも簡単に10億のリターンを出したと仮定している。文字で書くと簡単そうに思えるかもしれないが、実際のにそれを実現しようとすると、なかなか難しい。どうやったら1,000円が10,000円に化けるかを想像してみると、その難しさが実感できるかもしれない。「ユニコーン」と呼ばれるスタートアップが、実存しない動物に例えられる理由も理解できる。 では、どのようなプロセスで1億が10億のリターンを出すに至るかをもう少し説明してみたい。 話を単純にするために、最初に投資した時点で、他にそのスタートアップには投資家がいないと仮定する。そして、1億を投資する代わりに会社の25%の株式を取得したとする。(念のために説明すると、この投資を受けた場合、その会社は、プレで3億、ポストで4億の評価額となる。) この時点で10倍のリターンを生み出すためには、その会社が40億で買収される必要がある。(40億で買収されれば、その25%が10億になるので。) 残念ながら、現実はのVCやスタートアップの世界では、ほぼそうならない。当初4億の評価額を受けた会社が40億で売却されるまで、全く追加出資を受けずに済むことは、まれであるからだ。 多くの場合は、それまでに何度か追加出資を受けることになる。おそらく12ヶ月以内に (願わくば) 当初よりも高い評価額で。追加で出資を受ける場合、既存の株主は、新規の投資家のために自身の持ち株を目減りさせる必要がある。これを希薄化と呼ぶ。 今回のケースでは、当初投資側が4億の評価額の会社の25%を所有していたが、その会社に追加出資を獲得する新規投資家の取り分を与えるために、その25%の持ち株率が下がってしまう。 例えば、この会社が評価額8億 (プレ) で2億の追加出資を受けた場合は、ポストの評価額が10億になる。その場合の創業者、既存投資家、新規投資家の持ち株率は下記のように変化する。 創業者: 60% (75%からダウン) 既存投資家: 20% (25%からダウン) 新規投資家: 20% 追加出資をした新規投資家に20%を渡すために、創業者と既存投資家の持ち株率が下がってしまった。しかし、評価額が10億になったため、その20%の価値は2億になり、当初の4億の25%である、1億の倍の価値になったことになる。これをわかりやすくリスト化すると: 創業時: 評価額4億 創業者: 75%: 3億 投資家: 25%: 1億 追加出資獲得時: 評価額10億 創業者: 60%: 6億 既存投資家: 20%: 2億 新規投資家: 20%: 2億 なかなかイケてるだろう? VCが元々3億の評価額の会社に1億を出資したことで、追加出資を受けた時点で、その評価額は10億にまで膨れ上がった。実に6億も増えたことになる。VCの投資分も1億から2億へと、倍になった。 ここで、当初のゴールである1億の投資を10億にまで増やすことを考えてみよう。持ち株率が20%になったので、そも目標を達成するには、当初の40億より10億多い、50億で会社が買収される必要が出てきた。 念のため、この追加出資の概念について補足する。今回の仮想VCのモデルでは、10億のファンドを10社に投資しただけであったが、現実のVCは、投資した会社の中で優良だと思われるところに、その後も追加で出資することが珍しくない。そうすることで、持ち株比率の希薄化を避けるのだ。 ややこしい追加出資やリターンの細かな説明や計算ロジックはここまでにする。基本的な計算式は変わらない。追加出資が行われた場合は、売却額を上げる必要があるということ。 VCが投資したくなる会社の特徴 ここまでじっくり読んでくれたか、軽く飛ばし読みしたかはわからないが、その仕組みがわかれば、おそらくVCが投資するスタートアップには一定の特徴があることに気づいただろう。VCが投資対象として評価するのは、おのずと急激に大幅成長が見込める会社になってくる。 一方で、そのような急成長を期待できる会社は限られてくる。起業家としてVCからの投資を求める前に、そもそも彼らが求めるタイプの会社であるかどうか、そして創業者としてそれを達成する能力があるかをを自問して欲しい。 1億円は大きなお金のように感じるかもしれないが、VCにおけるリターンのロジックは変わらない。受け取る金額に限らず、スタートアップは何倍ものリターンを出すことが求められる。 今回の例では、1億を投資し、その会社に対してプラス6億の”価値”を生み出した。言い換えると、600%のROIを達成したことになる。株式市場への投資が平均10%程度のROIである事と、それ世界のトップ企業からのリターンの平均である事を理解していただきたい。 それを踏まえると、VCがスタートアップに求めるリターンの大きさが理解できると思う。トップクラスの大企業でも毎年10%の成長を達成する程度であるのに対し、スタートアップは何百倍ものリターンを求められるのだ。まさにハイリスクハイリターン。多くのスタートアップが失敗に終わるのも理解できる。同時にスタートアップを成功させる難易度の高さもわかっただろう。 VC自身も起業家である 投資を受けたスタートアップに求められるリターンの高さはハンパないが、VCが背負うプレッシャーも尋常ではない。なんせ、預かったお金を使って株式投資よりも大きなリターンを生み出す事を期待されているのだから。 そのゴールを実現するために、VCの人たちはリスクの高いスタートアップ投資を通じて、最終的にポジティブなROIを生み出さなければならない。ほぼ不可能に近いぐらいの難易度である。VCの約半数は失敗し、45%はトントンのリターンで終わるのもうなずける。 自分もスタートアップを始めた頃は、VCの仕事がこんなにも大変だとは全く知らなかった。てっきり、VCは業界におけるロックスターであり、気に入ったスタートアップにさくっと何億も投資する。まるで、アッシャーがジャステ・ビーバーを”発掘”したように、起業家を一晩にして成功に導いてくれる存在だと思っていた。 そんな夢を見てた頃の自分は、起業家と言うよりも、VCの前でピッチをしまくるパフォーマーだった。彼らの投資対象になるようなビジネスモデルを理解してもらうよりも、自分のピッチスキルとプロダクトがクールであることばかりをアピールしていた。 今から考えると、VCに対してピッチのスキルを認めてもらったり、プロダクトを好きになってもらう事は、投資をしてもらう事とは全く別の軸であった。彼らは、ピッチの素晴らしさを期待しているわけではなく、自分たちの投資モデルに最も適した会社を探していたのだ。なぜなら、彼らも自分たちのプロダクトをピッチをしなければならないから。 VCもピッチをする責任がある […]

大企業xスタートアップのオープンイノベーションをガンガン実現するDelta航空【CES 2020】

大企業がスタートアップとコラボし、新しい価値を生み出す。これは、多くの企業が目標に取り組んでおり、シリコンバレーに拠点を構える日本企業の最も重要なゴールの一つともなっている。
その一方で、実際の成功例は驚くほどに少ない。そもそも、多くのスタートアップは大企業との取り組みに興味がない。むしろ、めんどくさいとすら思われている。これは日本でもアメリカでも、ほぼ同じような状況である。
スタートアップが大企業に持つイメージ

スピードが遅い
偉そう
プロセスがめんどくさい
社員がポンコツ
できない理由を並べる…

最近のロゴが似通ってきている問題 – 第2弾

最近になってYahoo本社のロゴがまたアップデートされた。Yahoo! Japanのロゴはかなり長い間変更されていないのに。これはいかにも、変化スピードの速いシリコンバレーを象徴するようだ。なるべくゆっくり進むことが多い日本文化と比べてみても、企業の平均生存率が15%であるアメリカでは、”変化しない=死”を意味することもあり、ロゴのアップデートもかなり頻繁に行われる。

↑ 最近アップデートされたYahooのロゴ
時代の変化に合わせてロゴもアップデート
ではなぜロゴを変える必…

米国最新フィットネススタートアップ3選。キーワードは「自宅」

近年日本でもRIZAPのような期間集中型の肉体改造プログラムが注目を集めたり、ゴールドジムのようなフィットネスクラブが人気を呼んだりしているが、ここアメリカでもブティックジムや空中ヨガなどなど、新しいフィットネストレンドの入れ替わりは日本以上に目紛しい。 さらにサンフランシスコやシリコンバレー、ニューヨークといった大都市では、従来の健康関連サービスにテクノロジーを掛け合わせ、イノベーティブなヘルシーライフスタイルに貢献しようという動きが盛んになっている。 そこで今回は、健康 × テクノロジーの中でも、最近アメリカ市場を賑わせている「自宅エクササイズを可能にするスタートアップサービス」をご紹介したい。 関連記事:【医療テック×UX】スタートアップが変えた私達のヘルスケア体験 注目を集める「自宅エクササイズ × テクノロジー」分野 自宅用のエクササイズマシンが今、注目されている理由としては、エクササイズマシンがIoT商品へと姿を変えてきたということが挙げられる。それに伴い、AIを使った画期的な新機能なども加わり、業界に革新をもたらし始めたのだ。 IoTエクササイズマシンの市場規模は順調に成長しており、下の図からもその期待値の大きさを読み取ることが出来る。 Allied Market Researchの数値を元に図を作成 実に、2016年からの次の7年間で、市場成長率は5.7倍になると予想されている。2023年の市場規模は1.5兆円に到達する見込みだ。 昨年2018年には、ベンチャーキャピタリスト達が1年間で合計約2.4兆円もの額をフィットネス系のスタートアップに投資したことも明らかになり、過去最大のフィットネススタートアップブームが起こっているのだ。 自宅エクササイズスタートアップ3選 1. Peloton:登録者数既に50万人超え。フィットネス業界のネットフリックス 自宅用のエクササイズマシンといえば、フィットネスバイクが思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。Pelotonは、フィットネスバイクやランニングマシン、そして登録型のレッスン動画ストリーミングサービスを展開しているスタートアップである。 2012年にニューヨークで設立された。その後も順調に資金を調達し続け、今年2019年には遂にIPOも果たす予定だ。 Pelotonのフィットネスバイクとランニングマシーンには、大型のHDウォータープルーフタッチスクリーン(バイクは22インチ、ランニングマシーンは32インチ)が付いている。ユーザーは、このスクリーン上で提供されるPelotonのエクササイズプラットフォームから好きな動画を選択し、エクササイズを行う。 関連記事:「フェムテック」現代女性の健康を支える海外注目スタートアップ事例 充実したエクササイズコンテンツと徹底した管理機能が強み Pelotonが提供するストリーミングのコンテンツはとても豊富かつクオリティが高いもので、自社で抱えるトレーナーにより、フィットネスバイクやランニングマシーン用のものだけではなく、ヨガや重量を使った筋力トレーニングまで用意されている。その豊富なコンテンツ量から、「フィットネス界のネットフリックス」と呼ばれているのだ。 生放送のクラスに参加することもできるし、オンデマンドクラスもある。ユーザーはエクササイズの種類からクラスを選べることはもちろん、好きな音楽のジャンルから選択も可能。 インストラクターがその音楽に合わせて、トレーニングを支持してくれる。時にはインストラクターからの熱いメッセージでエクササイズのモチベーションを上げてくれるのだ。 Pelotonのオフィシャルサイトから転載 またこのタッチスクリーンからPelotonのアプリ上でエクササイズの管理をすることなども可能だ。心拍計も搭載されており、シンクすることも出来る。専用のアプリを使うことあらゆるデバイスからの確認も可能。 Pelotonのエクササイズ管理アプリ。オフィシャルサイトから転載 決して低価格ではないが、人気を呼び、さらなる注目が集まる 値段としては、フィットネスバイクが約24万円、ランニングマシーンが約46万円、そしてストリーミングサービスが月額約4000円と、決して安い値段ではない。(ちなみにPelotonのマシンなしで、エクササイズ動画の会員登録のみなら約2,000円で可能である。) しかし、Pelotonは2012年の設立から現在まで、40万台以上のフィットネスバイクを売り上げ、ストリーミングサービスの登録者はなんと50万人以上を達成している。ランニングマシーンの発売は去年の12月に開始したばかりで、販売台数は公開されていないが、好調を見込めると言う声が多い。 というのも、ランニングマシーン販売の数ヶ月前に、FacebookやNetflixなどの有名テック企業に投資を行ってきたTVCファンドから600億円の資金を獲得し、去年の第2四半期で推定企業価値が4.3兆円に膨れ上がったからである。潤沢な資金力とTVCファンドが見込んだ企業戦略で、Pelotonがいずれ市場を席巻するであろうと期待されている。 実は分割払いという購入方法もあり、頭金ゼロの年利率0%で、月額約6000円から自宅で始められる。まだ日本市場には上陸していないが、自宅でのフィットネスバイクの本格的なトレーニングが次のフィットネストレンドとなる日はすぐそこかもしれない。 2. Mirror:自宅フィットネスの常識を覆す、デザインも優れた鏡によるエクササイズ Mirrorはその名の通りミラー(鏡)を使った自宅フィットネを提供するニューヨーク出身のスタートアップである。昨年のクリスマスに、アメリカの著名な歌手であるアリシア・キーズが、息子からMirrorをプレゼントして貰った動画がソーシャルメディアにアップされたことを皮切りに、売り上げと注目度を一気に加速させた。 鏡とディスプレイが1つになっているというメリット 今では人気タレントのエレン・デジェネレスや女優のアリソン・ウィリアムズのようなセレブにまで愛用されるようになったりと、インフルエンサーの獲得にも成功している。 Mirroの光沢のある52インチの鏡は、内部にモニターが格納されており、フィットネスクラスを受講できるプラットフォームが見られるようになっている。 つまり、Mirrorの鏡自体がディスプレイとなり、フィットネスクラス動画を見ながらエクササイズができるということだ。さらにディスプレイは鏡でもあるため、自分のフォームを確認しながら運動できる。 また、カメラも設置されているため、遠隔にいるインストラクターが個人のフォームを確認し、アドバイスしたりすることも可能だ。 副社長のカイリー・コムスがニューヨークのショールームで見せたデモ。New York Timesから転載 上記の写真からも鏡の機能とスクリーンの機能が上手く両立されているのがよく分かる。ジムでもインストラクターの動きをみて、向かいの鏡で自分のフォームをみて、ということがあると思うが、それを自宅でそのままできるといったサービスだ。 なお、専用のアプリから操作が可能なので、鏡に指紋等が付着する心配もない。 もはや自宅におきたくなるデザイン Mirror最大の特徴の1つに、自宅におくエクササイズマシンとして、家のインテリアを全く邪魔しないデザインであるという点もあげられる。もはや鏡であり、見た目、スペースのどちらをとっても今までのエクササイズマシンの常識を覆していると言える。 普通の姿見鏡としてもスタイリッシュで、自宅のどこに置いても景観をそこねるものではない。Mirrorのオフィシャルサイトから転載 壁に掛けられるようにもなっており、スペースを取ることもない。Mirrorのオフィシャルサイトから転載 Mirrorのこのスタイリッシュなデザインは、ホテル業界からも受け入れられているほどだ。超一流のホテルで名高いThe Markは、一泊800万円以上もする最上階のスイートルームにMirrorを設置した。そのデザインや機能性は、ラグジュアリー家具としても注目が集まりつつある。 とはいえ、昨年9月から市場販売を開始したばかりのMirror。価格は日本円にして約16万円と、決して気軽に購入できるわけではないが、着実に市場シェアを拡大させている。 数ヶ月前には350億円を上回る推定企業価値をつけられたこともあり、業界内の知名度も急上昇。今後も目が離せないスタートアップだ。 3. Pivot:人工知能でフォーム矯正。次世代フィットネス Pivotは元々B2B向けにジムマシンを販売していたSmartSpotから派生したスタートアップである。商品の正式な販売はまだ始まっていないが、AIを駆使してトレーニングのフォームまで指導してくれるフィットネスマシンの開発は注目を集め、既に多額の出資金を獲得している。 TechCrunchより転載。実際にSmartspotを使っている様子。腕の角度や膝の角度が表示されている。 3Dセンサーとビッグデータに基づいたパーソナライズトレーニング Pivotの特徴の1つとなっているのが、前身のSmartSpotから得た100万回以上のエクササイズデータだ。SmartSpotは上の写真のように、3Dセンサーを搭載したフィットネスモニターで、重量等を使ったフリートレーニングのフォームの確認と矯正するためのデータを提示してくれるものだった。 この情報をマシンラーニングで分析し、BtoC向けへ精密度を格段に向上させたものがPivotである。この膨大なデータと優れた3Dセンサー技術から、エクササイズ中の姿勢や腕の角度まで、あらゆる部分を徹底的に分析し、リアルタイムで補正してくれる。 そして、心拍数や身長・体重などの情報と共に、Pivotに搭載されたAIが一人一人に最適化されたトレーニングを割り出すのだ。 Pivotのオフィシャルサイトから転載。 さらに、実際のクラスにオンラインで参加することも可能になるので、フォームのずれはインストラクターにも通知が直接送られる。それをもとに、インストラクターからの指導も自宅で受けられるようになるのだ。 そして、筋力トレーニングだけではなく、上記の写真のように激しい有酸素運動のようなレッスンもコンテンツの中に含まれる予定である。 Pivot一台で筋力増強プログラムからエクササイズ、そしてヨガなどのフィットネスまでカバーできるのだ。 AIを搭載させたフィットネスマシンは瞬く間に投資家達の間でも人気を博した。その中でもPivotは、Y-Combinatorを含む投資ファンドから18.5億円もの資金(経営初期の投資期間であるシリーズA投資ラウンド)を、2019年7月に調達したばかりだ。これからのPivotの成長から目が離せない。 関連記事:ナイキ・パタゴニア等に学ぶ、セルフマネジメントを促す組織体制 まとめ 今回紹介した自宅エクササイズマシンのIoT化は、自宅エクササイズの限界やエクササイズマシンのあり方を、テクノロジーの力を用いてディスラプトしつつある、格好の例ではないだろうか。 今までのエクササイズ事情と言えば、アメリカの都市部を中心に、フィットネスジムなど会員制ジムに登録しても、多忙ゆえ定期的にジムやレッスンに通えないことから、続かない、結局退会するということがとどのつまりだった。 しかしながら、エクササイズマシンのIoT化はそれを解消しつつある。インターネットの普及により、衣食住にまつわるあらゆるサービスのアクセスも非常に便利になった今、健康でさえも便利に手に入ることが消費者の需要となっているのだ。 この記事で紹介したように、フィットネスマシンもインターネットに繋がり、どこでも簡単に、自分の空いた時間でサービスを消費することが出来る時代がすぐそこまでやって来ているのである。 さらに、不便さを解消しただけでなく、モチベーションを上げてくれるようなコンテンツ・エクササイズプラットフォームや邪魔をしないデザインなど、利用者のか感情や体験に対しても工夫を凝らしていることがわかる。 時代の流れに合わせたビジネスの展開をすることは容易ではないが、それが出来るものが生き残れる厳しい世界でもある。我々btraxは市場調査、マーケティング、海外進出などを通して日本企業がトレンドの波に乗り、さらなる成長を遂げるための飛び石の役割を務めることをミッションとして掲げている。詳しくは公式サイトの問い合わせページよりお問い合わせいただきたい。   参考: Peloton exercise bikes became a $4 billion fitness start-up Peloton, the connected fitness company, has filed to go public 8 Things You Should Know Before Buying A Peloton Bike Cycling Startup […]

LINEはガラパゴス?世界のSNSデータからみる日本依存のリスク

日本で最もよく使われるSNSとして知られるLINEだが、実はここアメリカでは全くと言って良いほど使われていないということをご存知だろうか。 LINEの日本国内の月間アクティブユーザー(以下MAU: Monthly Active Usersの略)は約8,000万人なのに対し、アメリカ国内のMAUはなんとたったの357万人ほどである。これは人口割合でいうと、わずか1.1%程度に留まっている。 日本のスマートフォンユーザーは現在約7,722万人(2017年の日本総人口 x 2017年個人におけるスマートフォンの保有率より計算)。LINEのMAU8,000万人という数は、国内における全スマートフォンユーザー数よりも多い数字である。これは、ガラパゴスケータイやPCからLINEを使っている人もいるのが理由。とにかく国内では、LINEは驚異の普及率であることがわかるだろう。 一方で、アメリカのスマートフォンユーザーに対する普及率はたったの約1.34%という圧倒的な浸透率の差がある。 関連記事:「【アメリカでは誰もLINEを使わない?】国別にみる若者が使うアプリの違い5選」 ↑ SNSごとの日本国内とグローバルでのユーザー数と人口に対しての利用シェアの差 (参照: 日本からグローバルなプロダクトが生まれにくい5つの理由) ちなみに筆者もアメリカ留学時代に、ヨーロッパ、中東、南米、アフリカなど、世界各地の学生たちとLINEを交換しようと試みたことはあるが、大半の学生がLINEの存在自体すら知らなかった。代わりに使っていたのはFacebook MessengerやSnapchatだ。 日本では普及率が高く、世界では広まっていない。これは言い換えてみると、LINEは日本に依存するところが大きいということだ。 そこで今回は、LINEがいかに日本で普及しているのか、そして他の競合SNSと比べ、どの程度一国への依存度が高いのかということを紹介したい。ひいては、日本市場の今後を考えると、LINEの今の状態は、成長の限界とリスクが見えてくる。 ↑ 世界市場におけるSNS別アクティブユーザー数 日本で圧倒的な普及率・利用率を誇るLINE みなさんもご存知だとは思うが、LINEは日本国内で一番使われているSNSだ。 下記のグラフの通り、日本でのMAUを世界の競合SNSと比較しても、その違いは明らかである。MAU2位であるTwitterと大きく差が開いており、LINE一強という印象を受ける。 参照:「TechCrunch」、「Facebook News」、「MarkeZine」 LINE PayやLINE BRAINなど、日本におけるサービス拡大の様子からも、いかに日本を重要なマーケットとしているかが伺える。 事実、LINEにとって日本は売上的にもメインのマーケットだ。企業全体として、売上高は順調に伸びているのだが、その売上の内訳は日本国内からが75%を占めるまでになっている。 「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」から転載 言い換えれば、この状態は日本市場に依存しすぎているということ。そしてその日本市場というのは、今後少子高齢化・人口減少が進み、2050年にはGDP7位にまで下がると言われており、このマーケット1つに依存することはすなわち、成長の限界とリスクを示しているのである。 ちなみに日本国外のLINEユーザーとしては、タイ、台湾、インドネシアに多い。LINEユーザーの4割強は日本からではあるものの、これら3ヶ国だけでも同じくらいの割合でユーザーが根付いている。世界展開ができているようにも思えるが、どの国もFacebookに苦戦しており、日本市場ほど優位に立ててないのが実情だ。インドネシアに至っては、ここ2年の間にMAUが半減している。 ↑ 主要4ヶ国=日本、タイ、台湾、インドネシアがしめるLINEのMAU割合 参照:「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」、「uniad」のデータを元に図を作成 ↑ 主要3ヶ国の中でも、日本市場のみが、Facebookと圧倒的に差をつけて浸透していることがわかる 参照:「Digital 2019 Thailand (January 2019)」、「statista」、「Digital 2019 Taiwan」、「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」、「Digital 2019 Indonesia」のデータを元に図を作成 世界市場でみるとほとんど使われていないLINE では、世界規模でみたときに、どのようなソーシャルメディアが多く使われているのだろうか。世界のSNSユーザー統計データから、グローバル市場を見てみよう。 参照: 「Most famous social network sites worldwide as of April 2019, ranked by number of active users (in millions)」*Facebook Messenger除く ご覧いただいてわかる通り、ここにLINEの名前はなく、世界20位となっている。個人情報の取り扱いで多くの問題を起こしてきたFacebookだが、その人気を落とす事はなく未だに世界最大のSNSとして市場に君臨している。Facebookは23億2000万人という圧倒的なMAU数を誇っており、群を抜いた使用率でもあるのだ。 次にアメリカ国内でのSNS利用率をみる。 こちらにもトップ5位以内にLINEの名前はなく、11位となっている。 ちなみに日本ではFacebookの若者離れが囁かれているが、アメリカでは18歳から24歳のユーザーが全体の17%、25歳から34歳のユーザーが25%、そして35歳から44歳のユーザーが18%となっており、彼らが全体の56%を占めている。世界的に見ても、18歳から34歳の男女がMAUの約6割を占めており、Facebookのオーディエンスは若年層という傾向だ。 FacebookやInstagram、Twitterなど多くのSNSはアメリカの企業であるため、自国でのプレゼンスが高くなることはあるのかもしれない。それでも世界的に浸透しており、自国から遠く離れた、文化も全く異なる日本でも頭角を現しはじめているといったことは、LINEがまだできていない、「世界進出の成功例」ではないだろうか。。 さらに世界・アメリカ・日本の人口におけるSNS普及率をSNS別でみてみると、LINEがいかに日本依存しているかがより明確にお分かりいただけると思う。 補足:実際には、全世界の約66%しかスマートフォンを持っておらず、コンピューター普及率は約45%ほどだと言われているので、母数を全世界でにしたときに各SNSの普及率は基本的に低くなる。 やはり、LINEは日本国内で圧倒的な普及率を誇っている。ここまで市場ごとに差が開いているSNSは他にない。 一方で、LINE以外のSNSは1国のみに頼ることなく、日本や世界でも健闘をしている。特にTwitterは日本での浸透率も高い。実はカリフォルニア発祥のTwitterは、出身国であるアメリカ以上に、日本で絶大な人気を獲得している。また、Twitterはアメリカからの売上は約54%にとどまっており、残りは海外から獲得している。 Facebookも母国であるアメリカでの利用率が1番多いものの、LINEほどの差はない。彼らの収益率もアメリカ・カナダエリアからの収益は全体の半分以下となっている。どちらもLINEのように、売上の75%が1ヶ国からというようなことにはなっていない。 (Twitterの売上元割合 – 参照:2019 Q1 Selected Company Metrics) (Facebookの売上元割合 – 参照:Facebook Q4 2018 Report) 一国集中のLINEと世界に向かう競合SNS。成長率の差は明らかに 日本で圧倒的な利用率を誇るLINEと、自国を抜け出し、世界でも普及されてきている他の競合SNS。それぞれのマーケットの大きさから、当たり前の結果ではあるかもしれないが、それぞれ、MAUの伸び率には差が出てきている。上のグラフは、各SNSのリリースから毎年の月間アクティブユーザー数で表したものである。 LINEは他SNSより比較的若い方ではあるが、7年目の他のSNSをみてもその差は歴然。WhatsAppに関しては爆発的な成長が伺える。また、FacebookとInstagramの継続的な成長も見て取れる。 日本人気はレバレッジにならず、出遅れたLINEのアメリカ進出 とはいえ、LINEは世界市場に対して何もしていなかった訳ではない。2016年にはアメリカ市場にも進出をした。その際、アメリカ市場のニーズを正確に把握していなかったことや、広報体制もままなっていなかったことなどはIPOを行う前から批評の対象となっていた。 日本の「かわいい」を全面に押し出したメッセージアプリが現地の文化を超えてアメリカの消費者たちに浸透するのは難しいだろうといった予想が多かったのも事実である。 それに加え、LINEが最初に上場計画を出した2014年と、実際に上場を果たした2016年とでは市場の状況が一変してしまったというのも大きな要因の一つだったであろう。その2年の間にSNSは発展の一途を辿り、全世界のSNS市場が一斉に開拓されていったのだ。 例えば アメリカ国内で約6500万人しかいなかったFacebookユーザーが1億人を突破 全世界のFacebook messengerのMAUが2000万人から1億人へと激増 4300万人しかいなかったWhatsAppのMAUが1億人へと倍増 などの変化が顕著で、その後のLINEの成長に大きな足枷となったということは想像に易い。IPOこそ成功を収めたものの、サービスを現地に対応しきれず、既に市場を独占していた競合から上手く差別化できなかったといったところではないだろうか。 まとめ 日本では圧倒的存在感を見せるLINE。だが、経済が縮小傾向にある日本市場に依存するということは、その成長にも少なからず悪影響を受けることは当然だろう。 そしてLINEのように「日本だけで調子がよく、日本におけるサービス展開に注力し、さらに日本への依存度が増す」といった状況が当てはまる企業・サービスも多いのではないだろうか。 それに対して、世界市場では苦戦を強いられている。世界戦で勝ち抜くのは容易なことではないが、上記の点からすると、むしろこちらの方が企業成長・存続における重要課題のように思える。 そうなってくると、なぜ最初から世界をマーケットにしたサービス開発・改善をしないのか。たとえ日本を狙って日本で勝てても、成長の限界が見えている。LINEがたった2年の間もたついていたら、世界はあっという間に変わっていて、より厳しい状況となった。 関連記事:どんなに頑張ってもお前がカバー出来るのは世界の2% […]

LINEはガラパゴス?世界のSNSデータからみる日本依存のリスク

日本で最もよく使われるSNSとして知られるLINEだが、実はここアメリカでは全くと言って良いほど使われていないということをご存知だろうか。 LINEの日本国内の月間アクティブユーザー(以下MAU: Monthly Active Usersの略)は約8,000万人なのに対し、アメリカ国内のMAUはなんとたったの357万人ほどである。これは人口割合でいうと、わずか1.1%程度に留まっている。 日本のスマートフォンユーザーは現在約7,722万人(2017年の日本総人口 x 2017年個人におけるスマートフォンの保有率より計算)。LINEのMAU8,000万人という数は、国内における全スマートフォンユーザー数よりも多い数字である。これは、ガラパゴスケータイやPCからLINEを使っている人もいるのが理由。とにかく国内では、LINEは驚異の普及率であることがわかるだろう。 一方で、アメリカのスマートフォンユーザーに対する普及率はたったの約1.34%という圧倒的な浸透率の差がある。 関連記事:「【アメリカでは誰もLINEを使わない?】国別にみる若者が使うアプリの違い5選」 ↑ SNSごとの日本国内とグローバルでのユーザー数と人口に対しての利用シェアの差 (参照: 日本からグローバルなプロダクトが生まれにくい5つの理由) ちなみに筆者もアメリカ留学時代に、ヨーロッパ、中東、南米、アフリカなど、世界各地の学生たちとLINEを交換しようと試みたことはあるが、大半の学生がLINEの存在自体すら知らなかった。代わりに使っていたのはFacebook MessengerやSnapchatだ。 日本では普及率が高く、世界では広まっていない。これは言い換えてみると、LINEは日本に依存するところが大きいということだ。 そこで今回は、LINEがいかに日本で普及しているのか、そして他の競合SNSと比べ、どの程度一国への依存度が高いのかということを紹介したい。ひいては、日本市場の今後を考えると、LINEの今の状態は、成長の限界とリスクが見えてくる。 ↑ 世界市場におけるSNS別アクティブユーザー数 日本で圧倒的な普及率・利用率を誇るLINE みなさんもご存知だとは思うが、LINEは日本国内で一番使われているSNSだ。 下記のグラフの通り、日本でのMAUを世界の競合SNSと比較しても、その違いは明らかである。MAU2位であるTwitterと大きく差が開いており、LINE一強という印象を受ける。 参照:「TechCrunch」、「Facebook News」、「MarkeZine」 LINE PayやLINE BRAINなど、日本におけるサービス拡大の様子からも、いかに日本を重要なマーケットとしているかが伺える。 事実、LINEにとって日本は売上的にもメインのマーケットだ。企業全体として、売上高は順調に伸びているのだが、その売上の内訳は日本国内からが75%を占めるまでになっている。 「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」から転載 言い換えれば、この状態は日本市場に依存しすぎているということ。そしてその日本市場というのは、今後少子高齢化・人口減少が進み、2050年にはGDP7位にまで下がると言われており、このマーケット1つに依存することはすなわち、成長の限界とリスクを示しているのである。 ちなみに日本国外のLINEユーザーとしては、タイ、台湾、インドネシアに多い。LINEユーザーの4割強は日本からではあるものの、これら3ヶ国だけでも同じくらいの割合でユーザーが根付いている。世界展開ができているようにも思えるが、どの国もFacebookに苦戦しており、日本市場ほど優位に立ててないのが実情だ。インドネシアに至っては、ここ2年の間にMAUが半減している。 ↑ 主要4ヶ国=日本、タイ、台湾、インドネシアがしめるLINEのMAU割合 参照:「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」、「uniad」のデータを元に図を作成 ↑ 主要3ヶ国の中でも、日本市場のみが、Facebookと圧倒的に差をつけて浸透していることがわかる 参照:「Digital 2019 Thailand (January 2019)」、「statista」、「Digital 2019 Taiwan」、「LINE決算説明会(2019年第1四半期)」、「Digital 2019 Indonesia」のデータを元に図を作成 世界市場でみるとほとんど使われていないLINE では、世界規模でみたときに、どのようなソーシャルメディアが多く使われているのだろうか。世界のSNSユーザー統計データから、グローバル市場を見てみよう。 参照: 「Most famous social network sites worldwide as of April 2019, ranked by number of active users (in millions)」*Facebook Messenger除く ご覧いただいてわかる通り、ここにLINEの名前はなく、世界20位となっている。個人情報の取り扱いで多くの問題を起こしてきたFacebookだが、その人気を落とす事はなく未だに世界最大のSNSとして市場に君臨している。Facebookは23億2000万人という圧倒的なMAU数を誇っており、群を抜いた使用率でもあるのだ。 次にアメリカ国内でのSNS利用率をみる。 こちらにもトップ5位以内にLINEの名前はなく、11位となっている。 ちなみに日本ではFacebookの若者離れが囁かれているが、アメリカでは18歳から24歳のユーザーが全体の17%、25歳から34歳のユーザーが25%、そして35歳から44歳のユーザーが18%となっており、彼らが全体の56%を占めている。世界的に見ても、18歳から34歳の男女がMAUの約6割を占めており、Facebookのオーディエンスは若年層という傾向だ。 FacebookやInstagram、Twitterなど多くのSNSはアメリカの企業であるため、自国でのプレゼンスが高くなることはあるのかもしれない。それでも世界的に浸透しており、自国から遠く離れた、文化も全く異なる日本でも頭角を現しはじめているといったことは、LINEがまだできていない、「世界進出の成功例」ではないだろうか。。 さらに世界・アメリカ・日本の人口におけるSNS普及率をSNS別でみてみると、LINEがいかに日本依存しているかがより明確にお分かりいただけると思う。 補足:実際には、全世界の約66%しかスマートフォンを持っておらず、コンピューター普及率は約45%ほどだと言われているので、母数を全世界でにしたときに各SNSの普及率は基本的に低くなる。 やはり、LINEは日本国内で圧倒的な普及率を誇っている。ここまで市場ごとに差が開いているSNSは他にない。 一方で、LINE以外のSNSは1国のみに頼ることなく、日本や世界でも健闘をしている。特にTwitterは日本での浸透率も高い。実はカリフォルニア発祥のTwitterは、出身国であるアメリカ以上に、日本で絶大な人気を獲得している。また、Twitterはアメリカからの売上は約54%にとどまっており、残りは海外から獲得している。 Facebookも母国であるアメリカでの利用率が1番多いものの、LINEほどの差はない。彼らの収益率もアメリカ・カナダエリアからの収益は全体の半分以下となっている。どちらもLINEのように、売上の75%が1ヶ国からというようなことにはなっていない。 (Twitterの売上元割合 – 参照:2019 Q1 Selected Company Metrics) (Facebookの売上元割合 – 参照:Facebook Q4 2018 Report) 一国集中のLINEと世界に向かう競合SNS。成長率の差は明らかに 日本で圧倒的な利用率を誇るLINEと、自国を抜け出し、世界でも普及されてきている他の競合SNS。それぞれのマーケットの大きさから、当たり前の結果ではあるかもしれないが、それぞれ、MAUの伸び率には差が出てきている。上のグラフは、各SNSのリリースから毎年の月間アクティブユーザー数で表したものである。 LINEは他SNSより比較的若い方ではあるが、7年目の他のSNSをみてもその差は歴然。WhatsAppに関しては爆発的な成長が伺える。また、FacebookとInstagramの継続的な成長も見て取れる。 日本人気はレバレッジにならず、出遅れたLINEのアメリカ進出 とはいえ、LINEは世界市場に対して何もしていなかった訳ではない。2016年にはアメリカ市場にも進出をした。その際、アメリカ市場のニーズを正確に把握していなかったことや、広報体制もままなっていなかったことなどはIPOを行う前から批評の対象となっていた。 日本の「かわいい」を全面に押し出したメッセージアプリが現地の文化を超えてアメリカの消費者たちに浸透するのは難しいだろうといった予想が多かったのも事実である。 それに加え、LINEが最初に上場計画を出した2014年と、実際に上場を果たした2016年とでは市場の状況が一変してしまったというのも大きな要因の一つだったであろう。その2年の間にSNSは発展の一途を辿り、全世界のSNS市場が一斉に開拓されていったのだ。 例えば アメリカ国内で約6500万人しかいなかったFacebookユーザーが1億人を突破 全世界のFacebook messengerのMAUが2000万人から1億人へと激増 4300万人しかいなかったWhatsAppのMAUが1億人へと倍増 などの変化が顕著で、その後のLINEの成長に大きな足枷となったということは想像に易い。IPOこそ成功を収めたものの、サービスを現地に対応しきれず、既に市場を独占していた競合から上手く差別化できなかったといったところではないだろうか。 まとめ 日本では圧倒的存在感を見せるLINE。だが、経済が縮小傾向にある日本市場に依存するということは、その成長にも少なからず悪影響を受けることは当然だろう。 そしてLINEのように「日本だけで調子がよく、日本におけるサービス展開に注力し、さらに日本への依存度が増す」といった状況が当てはまる企業・サービスも多いのではないだろうか。 それに対して、世界市場では苦戦を強いられている。世界戦で勝ち抜くのは容易なことではないが、上記の点からすると、むしろこちらの方が企業成長・存続における重要課題のように思える。 そうなってくると、なぜ最初から世界をマーケットにしたサービス開発・改善をしないのか。たとえ日本を狙って日本で勝てても、成長の限界が見えている。LINEがたった2年の間もたついていたら、世界はあっという間に変わっていて、より厳しい状況となった。 関連記事:どんなに頑張ってもお前がカバー出来るのは世界の2% […]

「日本式」ピッチあるある5つ:グローバルに通用するためのコツとは

イノベーションの支援をしているbtraxでは、日本企業のエースまたは起業家たちのスタートアップピッチ(主にスタートアップが投資家に向けて自分たちのビジネスアイデアを発表し、投資にこぎつけるためのプレゼンスタイルの売り込みを指す)を指導することが多々ある。
筆者もその指導者の一人であり、イノベーションブースターと言うプログラムを通じて、日本企業のエースたちにデザイン思考やリーンスタートアップの考え方を叩きこみ、短い時は2週間、長ければ8週間かけてスタートアップ風のビジネスプレゼン、ピッチを作らせ、指導…

シリコンバレーの次はシリコンアレー!NYの特徴と注目の理由

アメリカのスタートアップメッカはシリコンバレーだけではない。アメリカ東海岸はニューヨークを中心に広がる、シリコンアレーエリアにも注目してほしい。そこにはシリコンバレーとは異なる特徴と独自の成長がある。
シリコンアレーとは
シリコンアレー(以下SA)は、ニューヨークのスタートアップが盛況なエリアを表すニックネームである。西海岸の北カリフォルニアを中心に広がるシリコンバレー(半導体の素材、シリコンと谷・盆地のバレー)に対して、東海岸ではシリコン「アレー(路地・小道)」でスタートアップやテクノロジーの広が…

保険業界の常識を変える最新インシュアテックスタートアップ3選

生命保険や自動車保険など、保険は我々にとってとても身近なものであると同時に、検討から実際に使うまでのプロセスは複雑で、頭を抱えさせるものでもある。
保険はお金がかかるものだからこそ慎重に選びたいが、複雑であり、選んだ後もプランや支払いについて理解しきれず、損をした気分になる読者の方も多いのではないだろうか。
そんな悩みを解決するのが、インシュアテックのスタートアップだ。インシュアテックとはInsurance(保険)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、現在テクノロジーを活用した保険事業…

現代のスタートアップチーム構成における6つの役割とは

現代のスタートアップにおいて、どのようなチーム編成を行うのが良いのだろうか?組織と業務プロセスがしっかりと形成されている大企業と比べて、スタートアップのチームはかなり特殊である。
全員が攻めに徹する完全ぶっこみ型カミカゼチーム
そもそも、スタートアップとは「新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体」である。急成長を達成するには、じっくりと組織を醸成する余裕はない。
特に立ち上げ時からしばらくは、いわゆる「仕組み」というものはほ…

ブランド拡大に役立つシェアリング小売スペースという新しい選択肢

昨今、AmazonやShopify、ソーシャルメディアなどオンラインで商品を売るビジネスのためのツールが充実し、D2C(Direct to Consumer)をはじめ多くのデジタルネイティブブランドが勢いを増している。
そしてこれらのデジタルブランドはオンラインでのビジネスがある程度軌道に乗り始めると、オフライン・実店舗にも進出をする。実際、AWAY、Everlane、Warby Parkerなど多くのD2Cブランドが店舗拡大をしている。
こういったスタートアップD2Cは何百万ドルもの資金調達に成功…

食の多様性を支えるフードテック・スタートアップ3選

ヴィーガン、オーガニック、グルテンフリー等、食生活の多様性を表す言葉をここ数年でずいぶん見かけるようになった。btraxが本社を構えるサンフランシスコでもこれらの多様性に対応したスーパーやレストランは日常的に目にすることが多い。
そしてそれらの食生活を支える食品を供給する企業も数多く出てきた。今回は日本ではまだ馴染みの少ないこの「食の多様性」を支えるスタートアップについてご紹介したい。
ミレニアル世代による「健康」の新たな定義
ワシントンポスト紙の記事「我々の食生活に変化を及ぼすミレニアル世代の9つ…

【2019年】btraxが注目する8のスタートアップ

freshtraxでは毎年初めにbtraxが注目するスタートアップを紹介している。昨年は金融、医療、アグリカルチャー、小売がホットな分野とされ、【2018年】注目を浴びた4つのテック分野とスタートアップまとめで各分野のスタートアップを取り上げた。 2019年も引き続き同様の分野で多くのスタートアップが出てくると思われるが、今回は保険テック(インシュラテック)やフェムテック、D2Cといったbtraxが今最も注目している領域にもフォーカスを当て、急成長を遂げているアメリカのスタートアップを8つ紹介していきたい。 Shippo:Eコマースの中小企業向け、配送支援プラットフォーム Lia:世界初”トイレに流せる”妊娠検査薬 Care/of:自分に合ったサプリメントを購入できるサブスクリプションサービス Zesty.ai:自然災害のリスクや被害状況をリアルタイムで映し出す Billie:女性の権利を尊重する女性用カミソリのD2Cブランド MealPal:外食コストを抑えるサブスクリプションサービス The Wing:女性起業家を支援するコワーキングスペース Wonolo:地元密着型の雇用支援プラットフォーム 1. Shippo:Eコマースの中小企業向け、配送支援プラットフォーム Shippoのダッシュボード(Shippoの公式サイトより引用) Shippo(シッポ)はEコマース企業の配送業務を支援するスタートアップだ。彼らはその中でもビジネスの規模がまだ小さいEコマースの中小企業または個人事業主をターゲットに配送コストを抑えるためのサービスを提供している。 通常配送ボリュームが少ない企業は送料が高くついてしまうが、ShippoはFedExやUPS、DHLなど50以上もの配送業者とパートナーシップを結んでいるため、中小企業や個人事業主でも送料のディスカウントを受けることができる。 Eコマース企業はShopifyやMagentoなどのプラットフォームにShippoを連動させるだけで、配送に関わるすべての作業を自動化することが可能。 Shippoを利用すると配送プロセスや送料の比較、ラベルの作成、配送、トラッキング、配送通知、返品作業などを全て一括で行うことができる。そのためEコマース企業はオーダーが入った後手間をかけずに素早く商品を発送することが可能だ。 【注目する理由】 ここ数年で、店舗を持たず自社運営のECサイトで製品を販売するモデルD2C(Direct to Consumer)の流れが一気に加速している。今後はShippoのようなD2Cブランドを支えるスタートアップの存在がますます大きくなると予想される。 Shippoは2017年にシリーズBで2,000万ドルを調達し、現時点ではShippoを利用するEコマース企業は35,000社あり、毎月15,000もの配送が行われている。現在サンフランシスコを拠点に、アメリカ、カナダ、イギリスに展開しているが、今後は他のヨーロッパ諸国にも展開していく予定だ。 2. Lia:世界初”トイレに流せる”妊娠検査薬 Liaの妊娠検査薬(画像はLiaの公式Facebookページより引用) Lia(リア)は世界で初めて生み出されたトイレにも流せる妊娠検査薬。通常、妊娠検査薬はプラスチックで作られ、年間およそ2,000万個も廃棄処分されているが、Liaは100%紙製なのでエコフレンドリーな製品だ。 しかしLiaを開発した理由は地球に優しい妊娠テストツールを作るためだけではない。多くの女性がテスト結果を見た後、妊娠検査薬をトイレットペーパーに包んだ状態でトイレを出て、そのままゴミ箱に捨てる傾向がある。 これは家族や家事ヘルパー、同居人や家を訪問した友人に知られたくないという心理から出る行動であり、Liaはサステイナブルな妊娠検査薬で廃棄物を出さないこと、そして女性が妊娠に対してフラストレーションを持たないようにしてあげること、を目的に開発されたのだ。 【注目する理由】 Liaはオーガニック素材でできているが、テスト結果の正確性は99%と従来の妊娠検査薬と変わらない。 過去30年間自宅での妊娠検査においてイノベーションが起きていないという事実から、昨年はFast Company’s 2018 World Changing Ideas Awardsのヘルス部門で優勝し、現在多くのVCが破壊的イノベーションを生み出したLiaに注目している。 3. Care/of:自分に合ったサプリメントを購入できるパーソナライズ型サブスクリプションサービス Care/ofのアプリ画面(画像はApple storeより引用) 自分の健康状態に合わせてカスタマイズしたサプリメントを購入できるサプリメント専用のサブスクリプションサービス。ユーザーはCare/of(ケア・オブ)に登録する際に表示される質問に答えるだけで自分に最適なサプリメントを調合してもらうことができ、毎月購入することが可能。 通常サプリメントと聞くと自らリサーチして薬局やコンビニで購入する、または薬局に行き薬剤師と相談して購入するケースが多いと思うが、Care/ofはサプリメントの購入プロセス自体をオンラインでシンプルかつ楽しくするUX設計を実現した。 筆者も実際にCare/ofの質問に答えてみたが、まるで人間と話しているかのようなインタラクションと可愛らしいビジュアルで、従来感じやすい「質問に答えないといけない義務感や退屈さ」ではなく「自ら質問に答えたくなる気持ち、ワクワク感」を感じた。 質問の仕方がとても可愛らしく、答えていて楽しくなるインタラクション また、ただのサブスクリプションサービスではなくアプリを通してサプリメントを毎日ちゃんと摂取しているかどうかがビジュアルで分かるトラッキング機能やポイント機能がついているので、サプリメントを摂取する体験自体も楽しくなるような設計がされている。 【注目する理由】 注目するポイントは、Care/ofが設計したUXが従来のサプリメントの購入体験を覆し、楽しく快適な体験を生み出したことだろう。 もちろん購入体験だけではなく、様々なユーザーのニーズが配慮されている点も特徴的だ。例えば、女性ユーザーの場合だと「妊娠を検討中」「妊娠中」「授乳中」などの女性ならではのフェーズも事前に選択できる。 生活スタイルが多様化しているからこそ、このようなパーソナライズ型サービスがユーザーから指示されているのだと思う。 4. Zesty.ai:自然災害のリスクや被害状況をリアルタイムで映し出す Zesty.aiが提供するソフトウェアのイメージ画像(画像は公式ブログより引用) Zesty.aiは、昨年のPlug and Play’s Summer Summitで「2018年でもっともイノベーティブな保険テックのスタートアップ」と表彰され、最近シリーズAで1,300万ドルを調達したばかりの注目の保険テックスタートアップだ。 彼らは損害被害をより正確に査定するためにAIを活用した独自のAPIを開発。通常、火災や地震、洪水などの自然災害のリスクを見積もる際、データが正確である確率は50%と言われている。しかしZesty.aiはAIを導入することで、正確なデータに基づいた自然災害のリスク測定を行うことができる。 【注目する理由】 注目する理由にZesty.ai特有のリアルタイム予測が挙げられる。 ドローンや人工衛星から撮影した映像で自宅の周りに火事の原因になるような植林がどのくらいあるのか、洪水が起きたらどのくらいの水量になるのかなどの予測をリアルタイムでチェックすることができる。 また、自然災害が起きた後に災害が起きた場所や自宅の被害状況も確認することができるので、保険会社にとってはインスペクションにかける人件費をカットできるだけではなく、ユーザーに対して適切な損害保険費用を支払うことができる。 5. Billie:女性の権利を尊重する女性用カミソリのD2Cブランド Billieのスターターキット(画像は公式ウェブサイトより引用) Billie(ビリー)は女性ユーザーをターゲットにしたカミソリのサブスクリプションサービスを提供。女性版Dollar Shave Clubといったところ。 アメリカでは女性用カミソリの価格は$20前後と男性用カミソリよりも比較的高めの値段設定だ。そこに目をつけたBillieは低価格、高品質、そしてスタイリッシュなカミソリを開発し、$9という良心的な価格で販売している。 カミソリ以外にもボディークリームやボディーローションも販売しており、全てパラベン、トキシン、硫酸、グルテンが含まれていない製品なので、健康志向の女性ユーザーに注目されている。 2017年にローンチした際最初の11ヶ月間だけで65,000人のオーガニックフォロワー数を獲得。セリーナ・ウィリアムズをはじめセレブリティーからも大きな支持を得ているが、その理由の一つに「Building a future. For women」というソーシャルミッションが挙げられる。 【注目する理由】 Billieに注目した理由は、女性ユーザーが抱えているセンシティブな悩みをしっかりキャッチして、それをブランドストーリーに取り入れているところだ。 カミソリのブランドではあるが「女性だからといって体毛を剃る必要は一切ない。カミソリが必要だと感じた時だけBillieを使ってほしい」というメッセージを発信しているのだ。これまで社会的に女性は体毛を剃るべきという風潮があったが、Billieはその固定概念に疑問を感じて女性の権利を尊重する必要性があることを訴えかけている。 そのため、彼らのプロモーションビデオには女性が脇毛やすね毛といった体毛を恥じることなく露出している映像が映し出されている。このオーセンティックなビジュアルとメッセージに共感し勇気づけられるユーザーがBillieの支持者となっているようだ。 6. MealPal:外食コストを抑えるサブスクリプションサービス MealPalのアプリ画面(画像はApple storeより引用) MealPalはランチ(またはディナー)のメニューをサブスクリプション式で事前に購入できるサービスだ。 イノベーションが生まれ続けるサンフランシスコの生活とはでも少し紹介しているが、サンフランシスコのレストランでは通常ランチ代が$10〜$15かかるが、MealPalを使うとランチ1回あたりにつき約$6と安く済ませることが可能。 サンフランシスコでは、飲食店が忙しくなるランチタイムはどこも行列ができてしまう。しかしMealPalで事前にアプリで”ランチメニューを購入”しておけば、あとは当日にお店でピックアップするだけ。 メニューの種類や量を選択できるのはもちろんのこと、ベジタリアンやヴィーガンなど食事制限があるユーザーにも対応している。 【注目する理由】 MealPalユーザーの80%が友人または会社の同僚からの口コミでサービスを利用しており、btraxのスタッフも何名かMealPalを愛用している。 アメリカではミレニアル世代を中心に健康志向な人たちが増えているそうだ。よって「外食コストを抑えつつも、ジャンクフードなどではなく健康的なものを食べたい」というユーザーのニーズをMealPalは見事に実現しているのだ。 MealPalは現在アメリカ、ヨーロッパ、アジアで4,000の飲食店と提携しており、今後も提携先の飲食店を増やしていく予定だ。 7. The Wing:女性起業家を支援するコワーキングスペース The Wingの室内 The Wing(ザ・ウィング)は、19世紀に起きた女性解放運動にインスパイアされた2人の女性起業家によって生み出された女性専用のコワーキングスペース。 ピンクなどの鮮やかな色、おしゃれな家具やミーティングルームといった内装が特徴的なThe Wingだが、この内装を手掛けているのも女性建築家だ。会議室の名前は女性の権利を訴えた誇るべき女性リーダー達の名前からとっているなど、女性起業家たちをインスパイアする要素がたくさん詰め込まれている。 アメリカではWeWorkをはじめ様々なコワーキングスペースが存在しているが、The Wingでは従来設置されているカフェやキッチンスペース、ミーティングルームの他に化粧室やシャワールーム、授乳室、そして子供を預けることのできるスペースまで完備されている。これが女性起業家たちから強く支持されている理由のひとつでもある。 【注目する理由】 The Wingに注目した理由の一つに独自のコミュニティ形成が挙げられる。1つはゲストを招いたイベントを定期的に開催していること。過去にはヒラリー・クリントンやジェニファー・ローレンスなど著名人たちが女性の活躍に対する思いを語っている。 もう1つは、オリジナルのアイテムをオンラインストアで販売し、The Wingのコアファンを生み出していること。販売されているTシャツやキーチェーン、マグカップにはどれも「Girls Doing […]

【2018年】注目を浴びた4つのテック分野とスタートアップまとめ

2018年も多くの方にfreshtraxの記事を読んでいただいた。これまでは様々な業界に関するスタートアップやUX、デザイン、マーケティングのトレンドを紹介してきたが、その中でも特に多く読まれた記事や話題になった記事など、注目を集めた分野があった。 それがフィンテック、小売テック、医療テック、アグリテックの4つで、これらの分野が日本でも徐々に浸透してきたことの表れではないだろうか。 そこで今回は2018年記事総集編として、2018年に多く読まれた記事の分野と、その中で注目されたスタートアップを改めて紹介する。 関連記事:【2018年】btraxが注目する10のスタートアップ 注目分野① フィンテック フィンテックは金融(ファイナンス)とテクノロジーの領域のことである。大手銀行や政府の金融機関など、長く存在してきた企業や組織、規制など、かなり複雑性と困難が強いられる分野とも言われる。 しかしながらユーザーが抱えている問題の多くは共通しており、サービスがスタートすると爆発的に広がっていく例も多い。 iPhoneやiPadにレジ機能を持たせるデバイス(ソフトウェア)であるSquareや個人間送金サービスのVenmoなどが代表例ではないだろうか。 freshtraxで今年取り上げた記事では新たな個人間送金サービスが注目を浴びた。2017年6月にスタートしたばかりのZelleというスタートアップである。 セキュリティ面が安心の個人送金アプリZelle Zelleはサービス開始当初から30以上のアメリカ国内金融機関とパートナーを結んだことで話題を呼んだ。世界的に広がりつつあるキャッシュレス決済の中、それをさらに後押しする勢いだ。 また、Zelle独自のアプリからだけではなく、各銀行が運営する口座管理アプリやWebサービスを通してアカウントの設定と送金サービスの利用ができる。 筆者も使ったことがあるが、新たにアプリのダウンロードをする必要はなく、あくまでも既に持っている自分の銀行のアプリの延長でZelleに登録して使用するといった流れであった。 たとえばアメリカの大手銀行であるバンク・オブ・アメリカの利用者のうち、すでに300万人がZelleを利用しており、未だに利用者は増え続けている。 既存の個人間送金サービスであるVenmoやCash Appなどとの違いは2つある。1つは送金処理が即座にされること、もう1つは大手銀行ともパートナーシップを結んでいるというセキュリティー面での安心感だ。 (ZelleのUI。公式サイトより転載) 特に後者に関しては今までのサービスに関するトラブルなどからユーザーが敏感になっている点だ。日本も金銭に関わるセキュリティーへの関心は特に高い。こういった理由からもこの記事に注目が集まったのではないだろうか。 サンフランシスコで生活しているとVenmoは欠かせないアプリの一つになっており、「I’ll Venmo you(Venmoするね=Venmoで送金するね)」といったようにVenmoが動詞化しているほどだが、近いうちにZelleも同じように使われるかもしれない。 取り上げた記事:アメリカで話題の個人間送金サービス Zelle(ゼル)とは 注目分野② 小売テック サンフランシスコにもとうとうAmazon Goがオープンしたように、2018年はAI導入のレジレスストアなど小売テックが盛り上がった1年だったと言える。 freshtraxでも、AmazonといったEコマース小売からウォルマートやクローガーといった大手小売など小売業界の変革について紹介した「小売業界の敵はAmazonではない? これからの小売が知っておくべき課題」記事が多く読まれたが、その中でも注目されたのはリアルタイム商品棚管理のtraxだ。 リアルタイム在庫管理や商品分析を行うtrax traxはAI技術とカメラを駆使して、陳列した商品の状態や商品ブランドシェア率、品切れ、一度手に取ったが戻した商品のデータなどの情報を把握して分析する技術を扱う。 これにより在庫管理プロセスの改善だけでなく、分析の結果を効果的な商品陳列や商品のパッケージデザインの改善に役立てることができるのだ。 実際に同社のツールを導入したCoca-Cola Hellenic社では在庫を63%削減することに成功。他にも、P&Gやネスレなどの大手商品ブランド会社を顧客にしている。 お店の商品陳列用の棚をスマートフォンやタブレット端末で写真を取るだけで、そのデータをクラウドからレポートとして小売業者やメーカーにリアルタイム配信することができる。 Eコマースでの買い物が広がる一方で、新しい技術を取り入れた実店舗を拡大する小売ブランドが増えてきた。このようなユーザーにとって必要なテクノロジーを駆使した新しい買い物体験で勝負する動きは今後も注目である。 注目分野③ 医療テック 今年はユーザーの医療体験を変える様々なスタートアップや、フェムテックと呼ばれる女性に特化したヘルスケアテックを紹介した。その中でも話題になったのは唾液からDNA検査をし、自分の先祖やルーツを調べることができるサービスだ。 戸籍制度がなく、移民も多いアメリカにおいて、ニーズの多いサービスなのだ。入国記録や移民記録、婚姻記録に兵役記録に至るまで様々なデータを活用し、家系を辿っていく。 自分の先祖やルーツを調べてくれる23andMeとAncestory 23andMeも同様のサービスで、btraxスタッフや筆者の知人も試したくらい身近なサービスだ。アメリカには移民や混血の人が多いため、自分が一体どこの国にルーツがありそれがどのくらい割合を占めているのか気になることはよくあるようだ。 また、健康面や体の特徴などの情報もわかるので医者に見せて健康管理に役立てることもできるのだ。 (サンプルレポートより転載) Ancestryも同様のサービスを行っている。彼らは会社として「自分たちのルーツなどを知ることが人とのつながりを大切にすることにつながる」ということを謳っている。 彼らのこのような思いはオフィスにも反映されていて、オフィスの壁にはAncestryの検査によって判明した先祖の写真と社員の写真が飾られているという。 取り上げた記事:ブランド戦略 × オフィスデザイン ー 成功事例に見る企業ブランド構築手法 注目分野④ アグリテック 世界的な人口増加に伴い、今後より多くの食料が必要になると言われている中、農業とテクノロジーの分野であるアグリテックへの注目が高まっている。 アグリテックには作物や酪農の管理システムや農業の自動化、アーバンファーミングなど多岐に渡ったサービスが存在する。 その中でもインドア・ファーミングとして過去最大の投資額を調達し、ソフトバンクの孫正義会長も2億ドルの投資をしたことでも知られるPlentyはアグリテック業界内でもすでに有名だ。 健康的で十分な食の供給実現を目指すPlenty Plentyは生産性の高い水耕栽培を実現させたバーティカル・ファーミングを行うスタートアップ。多くのバーティカル・ファーミングの取り組みでは、水平に設置されたトレーを使用して栽培を行うが、Plentyでは独自に設計されたポール状のタワーで栽培を行う。 (こちらのウェブサイトより転載) このタワーが壁のように並べられ、今までの農業のやり方と比較すると同じ面積で350倍の生産ができるようになったのだ。 ちなみにPlentyの技術で作られた野菜はサンフランシスコにオープンしたばかりのロボットハンバーガーレストランであるCreatorで販売されている。 アグリテックと食品ロボットという業界の異なるスタートアップがコラボレーションして食体験を豊かにしていくというのはシリコンバレーのマインドセットと通じるものがあるように思う。 番外編:ペットテック!? まだ馴染みは少ないもの注目されつつある分野 番外編では先に紹介したテック業界ほど浸透はまだしてないもの、注目を集めつつあるペットテックを勝手に取り上げる。 付け加えておくと 2018年のCESでも紹介され、freshtraxの「2018年のIT動向を読み解く7つのキーワード」記事でも注目された分野である。 アメリカのペット市場は大きい。2017年、ペット関連商品市場はアメリカだけで690億ドルの支出があったという(世界全体で約1090億ドル)。 ペットテック分野だけでみても、2017年には約3億ドルの投資があり、5年前よりも3倍以増えている。 ペット用の肥満問題に挑むPetrics 米国では自宅で飼われている犬や猫の数は8,000万匹ほどいるとされているが、犬においては約6割が肥満というデータがある。肥満の問題は人間だけではなかったのだ。 この事態の解決に挑むのがペット用スマートベッド・ウェアラブルデバイスのスタートアップ、Petricsだ。Petricsのスマートベッドは、ペットがベッドの上に乗ると運動量や体重といった健康状態を把握することができる。 また、ウェアラブルデバイスもペットの首輪などにつけてそれぞれアプリと連動して使用すると健康状態に合った食事量や運動量を知ることができる。効果的なダイエットが可能になるというわけだ。 (Petricsのベッドとウェアラブルデバイス。こちらのウェブサイトより転載。) このサービスはペットテックとくくってみたが、飼い主にとってはペットの医療テックと思えるくらい重要なのではないだろうか。 ちなみにミレニアル世代はペットを所有する割合が一番多い世代だ。実際サンフランシスコでは20-30代とみられる人がペットを連れている姿をよく見かけるし、ペットOKのオフィスも少なくない。スタートアップが生み出すペットテックを必要としている人、犬、猫は確かに多そうである。 まとめ 様々な業界がテクノロジーと掛け合わされて〇〇テックと呼ばれるようになって久しい。バスワードになって有名になり、最新鋭のテクノロジーが注目されることも多いが、それを使うユーザーがいてここで紹介したスタートアップのように広まっていくことを忘れないでほしい。 どのスタートアップもただ技術を作って売り出した訳ではない。ユーザーの問題があったからそこに最新テクノロジーを使って解決策、より良い体験を提供していったのだ。 2019年はどのような〇〇テックが出てくるか、今から楽しみである。ユーザーの抱えている問題をみていくとその予測のヒントが隠されているかもしれない。 参考: Should You Use Venmo, Zelle or Cash App? Everything You Need to Know About the Hottest Mobile Payment Apps Trax raises $125 million to bring computer vision insights to retailers’ shelves Billionaires make […]

2018年に消滅したメガスタートアップ25社

今年も多くのスタートアップが生まれ消えていった。倒産した企業の中でも企業の評価額 (バリュエーション)と資金の調達学が大きい25社をPitchBook提供のデータをもとにリストアップしてみた。 その中の3社は創立から20年以上も経っている企業や、一時は優良スタートアップとしてかなりの注目を集めたサービスもある。 特に今年は、ハッタリ系スタートアップとして有名になったセラノスをはじめに、ヘルスケア系が目立っており、リスト内では実に7社を数える。 それでは、評価額と調達額の規模をベースに、2018に消滅したスタートアップ25社をカウントダウン形式でお届けする。 25. SDCmaterials 業種: 自動車産業向けナノテクノロジー 設立年: 2004 評価額 (max時): 4800万ドル 合計調達額: 2600万ドル 24. Senzari 業種: 音楽/エンタメ系データテクノロジー 設立年: 2010 評価額 (max時): 5200万ドル 合計調達額: 1300万ドル 23. Industrial Origami 業種: 産業用マテリアル製造 設立年: 2003 評価額 (max時): 5800万ドル 合計調達額: 4100万ドル 22. Claritas Genomics 業種: 遺伝子テスト 設立年: 2013 評価額 (max時): 6000万ドル 合計調達額: 3900万ドル 21. Apprenda 業種: クラウド型ディベロッパー向けソフトウェア 設立年: 2007 評価額 (max時): 9000万ドル 合計調達額: 5600万ドル 20. Innovari 業種: エネルギープラットフォーム 設立年: 2011 評価額 (max時): 9400万ドル 合計調達額: 1200万ドル 19. DataTorrent 業種: ストリーミング用データフォーム 設立年: 2012 評価額 (max時): 9600万ドル 合計調達額: 2400万ドル 18. Rennovia 業種: バイオテクノロジー/化学 設立年: 2009 評価額 (max時): 9900万ドル 合計調達額: 6900万ドル 17. Navdy 業種: 自動車向けヘッドアップディスプレイ 設立年: 2012 評価額 (max時): 1億ドル 合計調達額: 8000万ドル 16. EZhome 業種: サブスクリプション型雑草処理サービス […]

Amazon Go型の無人レジ店舗の普及を目指す2つのスタートアップ企業

以前の記事「AmazonGoの仕組みは脅威となるか?サンフランシスコ店へ行ってみた」で紹介したように、実はAmazon Goストアがサンフランシスコに展開する以前に、2社のスタートアップがすでにレジレス店舗の試験的なデモ店舗をサンフランシスコ市内で展開していた。
サンフランシスコに突如現れたレジレス店舗
Amazonが3年という短い期間で3000店舗ほどまでに拡大を計画しているレジレス店舗であるが、その台頭により、レジレス店舗ひいてはその技術やIot、AIを活用し、小売業界の革新を目指しているスター…

freshtraxがレポートに!シリコンバレー / サンフランシスコのトレンドレポートサービス開始

サンフランシスコ・シリコンバレーの様々な業界における最新トレンドをリサーチしてお届けしているfreshtrax。他のメディアと違う大きな特徴は、常に「ユーザー体験」に注目している点で、様々な業界において新たなテクノロジーやサービスが「ユーザーの生活や体験をどう変えたか」をお伝えしてきました。こうした通常のテクノロジー紹介に留まらない点がご好評をいただき、「業界ごとに内容をまとめて欲しい」「社内外向けのプレゼン資料に活用したい」という声をいただくようになりました。 そこで、btraxではサンフランシスコ・シリコンバレーのトレンド情報をレポート形式で毎月お届けするサービスを始めました。年間契約いただくと、毎月異なる業界のトレンドをパワーポイントあるいはPDF形式でお届けします。 テーマ一覧 D2C(Direct to Consumer) 医療テック フェムテック 食品・アグリテック フィンテック ロジテック シェアリングエコノミー アパレル 自動車 保険 広告 組織イノベーション 1.D2C(Direct to Consumer) ブランドがユーザーに自社サイトでのみ商品を販売するDirect to Consumer。日本でも最近アパレル業界を中心に注目を集めていますが、いち早くD2Cに注目しトレンド情報を発信してきたbtraxが、業界図と注目ポイントをわかりやすく解説します。 2.医療テック 「医療テック」というと、主に病院で医師に使われるテクノロジーを想像しがちですが、サンフランシスコでは患者の医療体験を上げるようなテクノロジーが一般人の生活にも浸透しつつあります。この回ではそんな体験向上を実現する注目スタートアップを紹介します。 3.フェムテック 今後500億ドル市場にまで拡大すると予想されている、女性の健康管理に特化したフェムテック。女性が社会の半分を支えている今、その女性をサポートする分野として大注目されています。 4.食品・アグリテック 日本でも多くの人が関心を寄せる「食」。肥満、食品廃棄、遺伝子組み換え、農薬問題等、アメリカの食にまつわる問題が数えきれない中、それらを解決しようとするスタートアップもまた多く出てきています。 5.フィンテック ともすればテクノロジーばかりが注目されがちなフィンテック。btraxでは「ユーザーの体験」にフォーカスし、いかにユーザーのお金を管理する体験が変わったかをご紹介します。 6.ロジテック 在庫管理、POS、配送、カスタマー対応等、小売業界でもAI・ロボットの活用が進んでいます。この回ではそんなテクノロジーが実現するスムーズな買い物体験をご紹介します。 7.シェアリングエコノミー シェアオフィス、シェアカー、シェアサイクル等、今やサンフランシスコ市民の生活を支えていると言っても過言ではないシェアリングエコノミー。スタートアップの紹介だけでなく、この新しい形態が根付いた背景についても解説します。 8.アパレル アパレル業界でも大きな変革が起こっています。ミレニアル世代を中心に製品のファッション性自体に加え、サステナビリティや透明性等も求められ始めているなか、新しい価値を提案するブランドをご紹介します。 9.自動車 自動運転、ドライブレコーダー、シェアカー、空飛ぶタクシー、自動車メーカー以外の参入等、変化のスピードが速い自動車業界。この回ではそんな業界を支えるスタートアップや新たな取り組みをする大企業を取り上げます。 10.保険 日本同様、アメリカでも保険業界は長らく保守的でしたが、その業界の常識を破るさまざまなスタートアップが台頭しています。この回ではそんな保険業界とスタートアップをご紹介します。 11.広告 すでに従来型のマス広告が昔ほどの効果をもたらさないことは知られていますが、サンフランシスコではどのような広告で人が動くのでしょうか?現代消費者の特徴とそれをうまくとらえた広告事例をお伝えします。 12.組織イノベーション チーフ・イノベーション・オフィサーやイノベーション・ラボ等、イノベーションを生むための組織変革が世界中で起こっています。この回では日本企業のヒントになりそうな事例を中心に、イノベーションを生む組織とは何か解説します。 サンプルは無料! 気になった方にはまず無料でサンプルをお届けします。下記のフォームからお気軽にお問合せを。 ※テーマ・内容は予告なしに変更になる可能性があります。

フェムテックが取り組むセクシャルウェルネス改善と女性社会進出

フェムテックと聞いて、女性だけの関心ごとだと捉える方は多いかもしれない。 しかし女性の社会進出が当たり前になっている現在、女性特有の問題を解決するテクノロジーにはもはや社会全体にとってプラスになるものであり、男性だからと […]

イノベーションが生まれ続けるサンフランシスコの生活とは

皆さんはサンフランシスコに住む人々の生活を明確に描けるだろうか?どのように生活し、どのように仕事しているか、想像できるだろうか。今回は、我々サンフランシスコで働く人の生活の中に浸透しているテクノロジーを、衣食住(仕事)という切り口で紹介し、サンフランシスコがイノベーションを生み出し続ける街である所以をお伝えしたいと思う。

衣:便利なだけではないオンラインファッションブランドの魅力
食:オンラインサービスを使った方がより便利でお得という価値が確実に広まりつつある
住(働く):サンフラン…

イノベーションの力でアメリカを健康に!フード系スタートアップの活躍

「スタートアップ」という言葉がだいぶ浸透し、日本でもアントレプレナー向けのミートアップや起業家を育成するようなプログラムや施設が増えてきた。そんな今だからこそ改めて触れておきたい点がある。

それは成功している多くのスタートアップは問題を解決するために生まれてきたということだ。ユーザーの理解から始まり、問題を特定をし、新しい価値のあるソリューションを提供し続けることで急成長を成し遂げてきたのである。

関連記事:今さら聞けないリーンスタートアップの基本

こういったスタートアップのなか…

ミレニアル世代のマインドセットを捉えて成功したスタートアップ事例

資産運用会社であるAlliance Bernsteinのアナリストによると、2018年の今年にミレニアル世代(1980-2004年ごろ生まれ)の購買力は、ベビーブーマー世代を超えると見られている。

そのため、ミレニアル世代のマインドセットを理解することが世の中のマインドセットの変化を捉えるために重要だと言える。

特に食習慣は顕著にマインドセットの変化が現れやすく、他の世代とも比較しやすい。現にミレニアル世代の食習慣に関するマインドセットは今のフード業界のトレンドの要因となっている。

小売業界の敵はAmazonではない? これからの小売が知っておくべき課題

小売業は現在、変革期に差し掛かっている。おそらくここ数年で大きな変化が訪れる産業の一つである。

その証拠として、実店舗型の小売業者の経営破綻、店舗閉鎖が相次いている。それらはEコマースやデジタルの普及が影響を与えていることは明らかだが、消費者が実店舗よりもAmazonなどのEコマースを選んだとは単純に言い切れないのである。
Eコマースは小売業界の売上高のほんの一部でしかない
実際に、NRF(全米小売協会)が毎年出している全米の小売業界の売上高ランキング2017年版によると、上位10社が

時代の岐路に立つ自動車業界を大きく変革させる9つのスタートアップ

ここ数年で最も大きな変化が訪れる産業の一つが自動車業界だろう。btraxでも複数の自動車ブランドに対して次世代のユーザー体験の設計や、新たな事業づくりに関する取り組みを提供させていただいているが、今後数年は自動車産業にとって、今までにない規模でのパラダイムシフトが起こることに確信を得ている。
業界を取り巻く3つの大きな変化
20世紀の代表的な産業とも言える自動車はしばらくリニアな成長が続いていたが、ここにきて下記の3つのファクターにより、かなり大きな変革が訪れようとしている。

自動運転テ…