使う分だけ引き金引いてワンハンドでカット! ニチバンの良作を復刻した「プッシュカット」はやっぱり快適だった

愛用していた文房具が、いつの間にか店頭から姿を消している。おかしいな? と思って調べると、メーカーサイトの製品リストからも消えている───そう、廃番(または製造終了)だ。

 

困ったことに、愛用しているからにはそれなりの“使っている理由”があって、つまり他に代替品となるものがないケースが非常に多い。なので、「待って待って、困るよー」とオロオロし、小売店やネットショップで在庫を探し回り、「なんで廃番にした!」と怒りに声を荒げることになる。

 

当然のことながら、メーカーだって好きで廃番にするわけではない。部材の供給が難しくなったり、そもそも単純に売れていなかったり、などと理由は様々にあるだろう。これほど次々に新製品が出ているのだから、その陰で消えていく製品も出ざるを得ないのだ。仕方ないことなのだ。ギギギ……。

 

とはいえ、ごく稀なケースではあるが、「祝! 復刻!」なんてこともないではない。それも「ユーザーの声に押されて復刻」なんてことになれば、廃番を惜しむ声(というか、怨嗟の声)を挙げた甲斐もあったというもの。今回は、まさにそういう復刻を果たしたばかりのおめでたい製品を紹介したいと思う。

 

片手で切り貼りできて快適なテープカッターが復刻

2011年、ニチバンの「ナイスタック ハンドカッター」「メンディング テープハンドカッター」という製品が販売終了となったのをご存じだろうか?

 

これらは、片手でテープが切り貼りできる携帯型テープカッターとして非常に優秀だったのだが、海外生産における部材の安定供給が難しくなったことで、最終的に市場から姿を消してしまった。で、そのハンドカッターが2020年に復刻! という形で、このほど同社から再びの新発売となったのが、「プッシュカット」である。

ニチバン
左:マスキングテープ プッシュカット
右:ナイスタック プッシュカット
各1200円(税別)

 

当時のハンドカッターは商品名の通り、メンディングテープとナイスタック(両面テープ)にそれぞれ専用で対応したものだったが、新発売のプッシュカットは、メンディングテープの代わりにマスキングテープがラインナップ入りした。

 

これは、ハンドカッター販売時のユーザーがDIY・クラフトホビー系や、プロの塗装業者に多かったことを受けてのことだそう。なるほど、特にそのあたりの層から、復刻を願う声が強かったのかもしれない。

 

販売時には、緑のボディにマスキングテープ、赤のボディにナイスタックがそれぞれ装填されているが、機構的に専用ということではなく、どちらのテープでも使用可能だ。

 

↑レバーを引くたびに約12mmずつテープが出てくる機構。動作はスムーズで、テープ詰まりなどのトラブルもなし

 

使い方は簡単。まず本体下のレバーを引くと、内蔵されたテープが約12mmずつ、にょろっと外に飛び出してくる。

 

何度かレバーを引いて必要な長さになったら、上部のボタンをギュッと押し込む。するとテープ排出口内側の刃が降りて、カットできるという仕組みだ。もちろん、レバーを引くのが面倒なときは、にょろっと飛び出たテープ先端を手でぐいっと引き出してもOK。

↑テープを切るにはボタンをギュッと押し込む。テープ断面がギザギザせずフラットに切れるので、塗装マスキングに使いやすい

 

しかも、レバーを引く回数を揃えれば、常に同じ長さのテープを取り出すことが可能となる。これなら、広い面積に複数枚の両面テープを揃えて貼る、といった作業が簡単になるはず。

 

レバー1回12mmというのもなかなか絶妙で、両面テープで“点付け”をするための、小さな正方形に近いテープ片を量産するのがとてもラクなのである。特にナイスタックのような高品質両面テープは、剥離紙が頑丈で小さく切りにくいが、それがサクサク切れる。実際にやってみると、これは非常に快適だ。

↑テープ幅は15mmなので、レバー1回でカットすれば15×12mmのテープ片が量産できる

 

ハンドカッターシリーズからの最大の変更点は、刃を降ろしてのカットがボタンプッシュに変わったところだ。

 

従来は「本体上部のスライダを後ろに引いて切る」だったので、手の動きを考えれば、よりスムーズに使えるようになっている。旧モデルで30分ほどテープを連続して切ったときなどは、親指がクタクタに疲れたもので、少なくともボタンを押し込むほうがはるかに疲労は少なそうだ。

↑旧モデル(ハンドカッター)は、上部のスライダを親指で引いて切る仕組みだった。これ、長時間繰り返しているとけっこうつらい

 

テープの装填は、透明カバーをパカッと外して持ち上げ、引き出したテープを排出口に通しながらリールにセットする。

 

このとき、テープを排出口からはみ出すぐらいの長さに伸ばしておくと、扱いやすい。はみ出した分は、リールにセットしてから巻き取ればいいのだ。また、本体内部でテープが少したるむようにしておかないと、透明カバーをハメたときに干渉してしまうので、その点は要注意である。

↑透明カバーは真上に持ち上げれば簡単に外れる

 

↑再装填時は、写真のパーツにテープが干渉しないよう注意。このパーツの下をテープが通ることで、スムーズなテープ送りができるようになっている

 

ちなみにテープの詰め替えは、マスキングテープ・両面テープともにニチバンの推奨品を使うように、と注意書きにある。これは、本体のテープ送り出し性能がテープの粘着特性に左右されるため、構造が推奨品に最適化されているからだ。

 

とはいってもニチバンのテープだから、両面テープは言うに及ばず、マスキングテープも車両塗装にまで使える高品質な製品である。あえて送り出し性能を落としてまで非推奨品を使う必要はないと思う。

 

↑カット用ボタンに加えて、本体後部にセーフティーコード用の取付穴も追加された。この辺りは工事現場などで使う道具として重要なポイント

 

実は筆者も、従来品のハンドカッターをヘビーに使っていたので、久々に使ってあらためて「やっぱりいい製品だな」と感じた次第である。同じく以前使っていたという人には待望の復刻だろうし、初見の人にも用途がハマれば間違いなく便利なはずだ。ぜひ長く愛用してやってほしい。

 

 

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“潰れたガムテ”がこんなに便利なんて! ヤマト「アウトドアテープ」がキャンプでも災害時も活躍する理由

2020年7月の豪雨水害は、本当に大変なものだった。全国1府34県で、浸水や損壊を含めた住宅被害が1万8000軒以上、甚大な人的被害も発生した。被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。実のところ筆者も、佐賀県在住の知人から「近所で土砂崩れに巻き込まれかけた」という話を聞いて、ゾッとしたものだ。

 

こういう自然災害は、いつどこで発生するか分からない。せめて備えだけは、普段からしておくべきだろう。皆さんも、非常用持ち出し袋など防災セットの準備は万全だろうか? 10月は上陸するような強い勢力をもつ台風が頻発する時期なので、今回は、防災セットに入れておくと助かるかもしれない文房具を紹介しておきたい。

 

持ち運べるコンパクトな粘着テープが役に立つ

飲料水やライト、防災ラジオはもちろん防災セットのマストだが、意外と忘れてならないのが、粘着テープ(布ガムテープ)だ。

 

緊急時の止血や骨折時に添え木を固定したり、割れた窓をふさいだり、避難所でダンボールを組んでパーテーションを作ったり。あとは油性マジックで書き込んで伝言を貼ったり、名札代わりにしたり。とにかく応用範囲がものすごく広いのである。

 

ただ、容量が限られた持ち出し袋の中に入れておくには、ちょっとかさばる。そこでオススメなのが、ヤマトから7月に発売された「アウトドアテープ」だ。

ヤマト
アウトドアテープ(全8色)
各590円(税別)

 

なにがオススメかといえば、それは見ての通り、コンパクトな形状が、である。モノとしてはごく普通の布粘着テープだが、一般的な製品と比べるとこれほどコンパクトなのだ。

↑並べて置くと、25m巻の粘着テープが巨大に見えるほど

 

サイズは約70×50mmの平巻きで、厚みも15mmほど(実測値。公称18mm)と薄い。1~2巻くらいは無理なく防災セットの袋に詰め込んでおけるはず。重量も1つがたかだか50gほどだ。

 

従来の粘着テープも、押し潰して芯を抜いて……という手を加えればコンパクト化はできる(筆者もそうして備えていた)のだが、それでも一般的な25m巻は思ったほど平たくはなってくれない。「アウトドアテープ」は3m巻とかなり短いが、それでも緊急時に持っておけるか分からない25mよりも、確実に携帯できる3mのほうが価値があるのは間違いないだろう。

↑引き出す時はこんな感じ(これで80mm)。もちろん手でビリッとまっすぐ切れる

 

平巻きでちょっと面白いなと感じたのが、テープの取っかかりが見つけやすい、というところ。巻きの端で切ると決めておけば、次に使う際にもテープ端がすぐ見つかる。グルグルと芯を回しながら「どこから使えるのかな……」と探す手間がないのだ。

 

また、端から端まででだいたい70~80mmになるので、長さを把握しやすいのも面白い。これなら、梱包時にやたらと長くテープを出し過ぎて無駄にする、というミスも減らせるかもしれない。

↑ダンボールの梱包にももちろん活用できる。3mと短いので、あっという間に使い切ってしまうのだが……

 

もうひとつ、ありがたいのがパッケージ。ゴム系粘着剤のテープは裸のままで長期保管しておくと、側面に染み出した粘着剤に埃が付着しがちだし、そうなると粘着力も確実に低下する。

 

「アウトドアテープ」は、ジップ付きの密閉袋にパックされた状態で販売されているので、このまま保管しておけば、少なくとも埃の付着は防げるし、携帯するにしても粘着のベタベタが他のものに付いてしまう心配がない。いざという時に使えない! のが致命的な防災グッズとして、これはかなり重要なポイントと言えよう。

↑パッケージはそのまま密閉できる保存袋として使える。粘着のベタベタも気にせず携帯できるのだ

 

↑テープの上から、油性マーカーや鉛筆で書き込み可能。被災時は伝言を書いて貼っておくなどするといい

 

もちろん、防災用としてだけでなく、名前通りアウトドア……キャンプや登山用としても、携帯しておくと便利。テントやシュラフの穴をふさいだり、汚れた衣服を圧縮パッキングしたり、などなど使えるケースは多いのだ。

 

なにより、グラム単位で荷物を軽くしたい登山行において、コンパクト&軽量さは圧倒的な正義だ。

 

↑我が家の防災袋にもすでに備えてある。粘着テープはアレコレ応用が利くので、邪魔にならないなら持っていて損はないのだ

 

それ以前に、ここまでコンパクトならば、オフィスデスクの引き出しとか家庭のリビングとか、もうどこにでも置けるし、見た目にも邪魔じゃない。ただ、価格的にはいささか普段使いはしづらいので、やっぱり「いざというときにあって助かる」系のツールだとは思うのだが。

 

 

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カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ

カバンの中がカオス……という人は多いが、バッグインバッグを利用している人は意外なほど少ない。というより、そもそも“バッグインバッグ”という概念を知らない人すらいるのだ。

 

筆者も文房具ライターという仕事柄、「カバンの中が整理できなくて、必要なモノをすぐに取り出せない。なにかいい解決法はないか?」という質問をたまにもらうのだが、「バッグインバッグ使ってます?」と問い返すと、きょとんとされてしまうのだ。

 

だいたいが普段使いしているカバンというのは、あれこれ放り込めるようなサイズなのだが、だからといってそのまま野放図に放り込んでいたら、収集がつかなくなるのが当然。PCのデータを管理する場合だって、大量のファイルをそのまま一つのフォルダにしまわず、フォルダ内フォルダに分類して格納しているはず。ならば、カバンの中に小さなカバンを入れて整理収納すれば便利なのは、自明の理だろう。

 

とはいえ、バッグインバッグというのもなかなか奥深い世界で、どれがベストと言い切るのは難しい。だって、カバンの形や内寸もいろいろ、身についた使い方もいろいろ。これひとつあれば万人が快適、なんて製品があるはずはない。

 

そこで今回は、ひとまずバッグインバッグ初心者向けに、とりあえずこれを使っておけば快適! というものを紹介しよう。

 

帆布製の封筒型「フラッティワークス」はオールマイティに便利

カバンの収納で困りがちなのが、手帳やモバイルバッテリーなど、さほど厚みのないもの。多少ごちゃついたカバンの中にもスルッと入ってしまうが、取り出す時は探さないとなかなか出てこない。

 

なので、まずは厚みのないものをしっかり整理収納するのがポイント。そこで便利なのが、封筒型のシンプルなバッグインバッグなのだ。

キングジム
フラッティワークス A5ヨコ
1800円(税別)

 

↑メインのカバンの中で迷子になられると困る、というものをひとまとめに収納できる

 

キングジムから2020年6月に発売された「フラッティワークス」は、薄いケースをフラップで閉じるタイプの、まさに封筒型のベーシックなもの。もともとは、同型でPVC製の「フラッティ」シリーズが2017年に発売され人気となっていたが、今回はその上位版として帆布製の「ワークス」が仲間入り、という流れだ。

 

サイズ展開は、カードサイズ・A6・A5(タテ/ヨコ)・A4(タテ/ヨコ)の6タイプ。バッグインバッグは、あまり小さいようだとカバンの中で紛れて役に立たないので、個人的にはA5かA4がオススメである。普段使っているノートや手帳が入るものとして考えれば、サイズ選びに迷うことはまずないだろう。

↑筆者はノートや手帳などのサイズをA5で統一しているので、当然のようにA5版をチョイス。タテ/ヨコは使うカバンのタイプによって選べばOKだ。(リュックならタテが使いやすい)

 

シリーズ最大のポイントは、表面の透明ポケット。収納したものが外から見えるので、中に何が入っているかザックリ分かるし、中をゴソゴソ探るときも、光が入って明るいので探しやすい。

↑中に入れたものがほぼ素通しで見える透明ポケット。中身を取り出す際の“迷うことのなさ”は素晴らしい

 

さらには、収納したスマホを透明ポケットの上から操作できる(多少、操作性は落ちるが)というのも、けっこう便利。メールやLINEくらいなら取り出さずに対応可能で、これは使ってみるとなかなか快適である。

↑バッグに入れたままでスマホの地図が確認できたりも。移動中にスマホを出し入れするのは面倒くさいので助かる

 

ではなぜ、同じ透明ポケットを搭載しているのに上位版の「ワークス」がオススメなのか? というと、それはもう単純に収納力の問題である。

 

まずマチの厚みだが、同じA5サイズで比較すると「フラッティ」のマチ約20mmに対して「ワークス」は約35mm。厚みが15mm変われば収納力はそもそも大きく変わるし、なにより、入るモノ自体が違ってくる。例えばMacBookの電源アダプターは厚みが約28mmだが、「ワークス」ならこれぐらいすんなりと飲み込んでしまう。つまり、バッグインバッグとしての利便性に差が出るわけだ。

↑厚みのある電源アダプタも、マチにちょっと余裕を残して収納できる

 

内部は、間に内ポケット付きの仕切り板を挟んだ2室構造となっている。ごちゃっとした小物は見通しの良い前(透明ポケット)側のポケット、薄い紙モノなどは後ろ側のポケット、と使い分けると整理しやすいだろう。

 

仕切り板の内ポケットもよく考えられていて、バッグ全体の底部よりもやや浅めに作られている。収納したものが沈みすぎず、絶妙に取り出しやすいのだ。薄いバッグインバッグは指を入れてかき回すのも一苦労なので、そのあたりは非常によく考えられた仕様だと思う。

↑内ポケットはわざと浅い作り(赤の点線部分)になっている。ポケットの底まで指が届きやすいので、出し入れがラクだ。細かい気遣いだなぁ、と感心した

 

↑裏側にもポケットを供える。封筒や半折りにしたA4書類などを一時的にキープする

 

開閉はマグネットホックなので、フラップをただめくれば開いて、降ろせば閉まるというシンプルさ。いちいちボタンを閉めたりゴムをかけたりという手間がないのはありがたい。

 

バッグインバッグはカバンの中で開け閉めすることが多く、そこでなにか開閉に操作が必要なのは単純に使いづらい。かといってフタなしでは中身がこぼれ出る心配もあるし、これくらいシンプルな構造がちょうどいい。こういう点が、バッグインバッグ初心者に最適な使いやすさ・面倒のなさというわけだ。

 

↑フラップをかぶせるだけで、パチンと固定できるマグネットホック。磁力はさほど強くはないが、これで充分というレベル

 

もちろん、バッグインバッグとしてだけでなく、単体で携行できるサブバッグとしても実用的。帆布の手触りや質感もいい。どのような形で使っても役立たないシーンがない、と言えるほどなので、ぜひ使い倒してみてほしい。

 

 

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“色”の効果で文字に集中! 仕事や読書に取り入れたい「リーディングツール」2選

最近疲れがひどくなると、どうしても本が読めなくなる。疲労で集中力がガタ落ちするのか、文字を目で追えなくなってしまうのだ。だから誌面を眺めていても、ボーッと「なんか文字があるな」と感じるだけで、意味のある情報が脳に入ってこない。さらに、加齢による目のかすみがコンボで加わると、もうダメ。

 

実は先日も、新たに資料を何冊か読み込まないといけない仕事があったのだが、これが驚くほどに読み進められないのである。気が付くと惰性でページをめくっていて、ハッと慌てて戻っても、どこまで読んだかまったく記憶に残っていないのだ。

 

そうだ、こういうときに何か役に立つ文房具がどこかにあったような気がする! そこで自宅の文房具棚をゴソゴソとかき回して……ありましたよ、集中力が欠如した状態でも加齢で目がかすんでも、文字をきちんと意味を持って読み取れるようになる便利なツールが。

 

1.“色”で1行~1段落ずつ視線を集中させる

とは言っても、それほど大げさなものではない。一般的には“リーディングスリット”などと呼ばれている、色つきの樹脂板である。文房具店などで比較的見つけやすいのは、クロスボウジャパンの「魔法の定規」だろう。

クロスボウジャパン
魔法の定規 ワイド
650円(税別)

 

ポイントになるのは“視界の限定”効果である。この「魔法の定規」を誌面に載せると、ページの数行だけに色が付いた状態になる。すると、この色が付いた部分にだけ視点が集中するので、目が“上すべり”にしくく、ゆっくりと文字を追っていくことができるという仕掛け。

↑文章の上に置くと、「いまココを読んでいる」と常に確認できるため、集中が乱れにくい

 

そもそもリーディングスリットは、「ディスレクシア(dyslexia)」(理解力などに問題がないのに、文字の読み書き学習に困難がある障がい。識字障がい)の人が読書をするのに役立つ補助器具として、イギリスなどでは図書館にも置かれているツールなのだという。もちろん、筆者のように集中力が欠如して読書しにくい、なんて人にも役に立つ。

 

だいたいにおいて、文字が追えない・目が上すべりするという状態は、自分がいまページのどこを読んでいるのか見失っていることが多い。結果、読み飛ばしなどが多発してしまう。だから、常に「いまココ!」とハイライト表示されていれば、その部分に集中することができるのだ。

 

↑リーディングスリットあり/なしで比較すると、明らかに色がある方が目線が集中しやすい

 

使用時は、下線部分の1行を読んだら次へとスライドさせていく。1行ずつ動かすのが面倒であれば、数行から1段落をまとめてハイライトするタイプを使っても問題ない。なににせよ、自分の目がいま見ている場所を把握できるなら、それで充分なのだ。「魔法の定規」はガイドラインが印刷されているので、それを行に合わせて動かせば、さらに読みやすくなる。

 

また、色が付いていることで、白い紙よりも光の反射を抑えられるという効果もある。白地に黒の文字はコントラストが強いので、目が疲れやすいのだ。これもまた集中力を欠かす原因のひとつなので、そこをケアできるのはありがたい。

 

さらに色が付いていてもまだ眩しいようであれば、くるっと裏返して使うのもあり。裏面はマット加工されているので、より反射を抑えることができる。蛍光灯直下で本を読む場合は、こちらのほうが読みやすく感じた。

2. 加齢による読みづらさにはルーペが効く

次なる問題は、加齢で細かい文字が見づらい、という点。こちらはリーディングスリット機能付きの「カラーバールーペ」が便利だ。置いて使うタイプの棒形拡大鏡だが、その中央の1行分が色つきになっている、というもの。

共栄プラスチック
カラーバールーペ A5タイプ(150mm)
700円(税別)

 

全長は150mmで、四六判ハードカバーの1行がぴったり収まる。拡大倍率は2倍と控えめなので、周辺の行との違和感は少なく、かつ読んでいる行のハイライト感はしっかりと感じられる。なにより、文字が大きくなると圧倒的に目に優しく読みやすい。ぐっと気合いを入れて誌面に向かう必要がないので疲れにくいのだ。これは助かる。

↑上下の行も含めて2倍に拡大され、さらに中央部分は色つきでより強調される

 

ただし、カマボコ形のバールーペを1行ずつスライドさせていくのは、やや面倒くさい。ページをめくる際も、いちいち持ち上げてまた置いて、というのは少々手間だ。内容に集中できるようになるまでの助走用補助具として使うのが、ちょうどいいのかもしれない。

 

もうひとつ、1行だけのハイライトには“表組みが見やすい”という効果もある。

↑Excelの表を画面で見るときは拡大したりセルに色をつけたりできるが、ペーパーに出力した場合も1行ずつハイライトできるのは快適

 

似たような数字が延々と続く表を見るのは、集中していても段を飛ばしてしまうなどミスが出やすい。そういった場合も「カラーバールーペ」を使えば、1行ずつ丁寧に読んでいくことができ、ミスの危険性は間違いなく減らせるだろう。

 

老眼だの、集中力欠如だの、無縁だと感じている若い人でも、1本持っておくと便利なのではないだろうか。

 

 

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80年代のレジェンド文房具「チームデミ」が復活! 令和バージョンの進化ポイントとは?

1984年、文房具業界にひとつのレジェンドが誕生した。それがプラスの「チームデミ」だ。コンパクトなツールを、みっしりと密度高くケースに詰め込んだ文房具セットで、だいたい40代以上の人なら、名前は知らなくても、見れば「あー、あったあった」と思うんじゃないだろうか。

 

もともと、当時世界最小と謳われた超コンパクトステープラー「デミタス」が若いOLたちを中心に人気となったことで、じゃあそのデミタスを含めた文房具セットも作ったら売れそうだよね、といった流れで作られたのだが……これがまぁ「小さーい! かわいーい!」と、とんでもない大ブレイクを果たす。

↑36年前にモンスターヒットを飛ばした「チームデミ」(初代)

 

この時代は、乗用車でもホンダ「シティ」や日産「マーチ」など、小さくて密度感が高く機能的! という要素がウケていたこともあり、その流れにもピタッとはまったのだろう。

 

当時としてもそれほどお安くはない2800円という価格ながら、とにかく売れた。累計販売数650万個というから、まぁ文房具としてはバケモノである。テレビ・雑誌の懸賞品、企業ノベルティ、ゴルフコンペの景品としても大人気だったし、のちには怪しげなパチもんも大量に出回ったり……そういうエピソードも全部ひっくるめて、バブル景気前夜時代のアイコンとすら言える文房具である。

 

そして、このレジェンダリーな文房具セットが、令和のこの時代に復活したという。しかも、ただ懐かしいだけじゃない。現代の文房具トレンドをしっかり取り込んだ、最新アップデート版なのだ。

 

伝説の「チームデミ」、令和にリボーン!

どうもおじいちゃんの長話のような導入になってしまったが、しかたがない。我々昭和生まれにとっては、本当に象徴的な文房具なのだから。

 

それくらい思い入れの強い「チームデミ」だけに、生半可なリメイクでは話にならんぞ! と、これまた老人性の頑迷さを発揮してしまうのだが、さて、新しい「チームデミ」はどうだ?

(実は、2001年にも「チームデミ・ミュゼ」というリメイク版が出たが、個人的にはちょっと受け入れられなかった)


プラス
team-demi(チームデミ)
6000円(税別)
全4色展開。デザインはプロダクトデザイナーの深澤直人による。

 

↑さすが世界の深澤デザイン。余分な凹凸をそぎ落としたフラットさが目を引く

 

うん、見た目はとてもいい。チームデミのチームデミらしさとは、文房具の小ささに加えて、それぞれの形状にカットされたウレタンにピタッと収まる、あの収納の“専用感”も重要だと思う。

 

そういった意味では、これは正しくチームデミと言えるだろう。あるべき場所にあるべきものが収まっている様子は、見ているだけで心が安らぐ。ツール配置も旧チームデミをなぞるようになっており、懐かしさもひとしおだ。

↑新旧モデル比較。ケースはほぼ同寸で、ツールの配置も完全に一致

 

さらに面白いのは、収納スペースにマグネットが内蔵されており、文房具を近づけると、シュッ、カチャッ! と吸い込まれるように収まるところ。

 

まさに、先にも述べた収納の“専用感”を最大限に味わえる素晴らしい演出だし、収まるときの手応えも非常に気持ちいい。個人的にはもう初手のこれだけで「新しいチームデミ、最高!」と喜んでしまったくらいだ。

 

また、取り出す際にも工夫があって、キチッと収まった文房具の端を指で押すと反対側が浮くように、収納スペース内に段差が設けられている。この辺りはさすが、抜かりないなという感じ。

↑隙間なくピッタリ収まったツールも、端を押すとこの通り浮き上がる

 

ちなみに、収納ケースの開閉ヒンジも実はマグネットになっており、上下で分割が可能だ。使うモノが入っている側だけ持って移動して、終わったらまたくっつけてケースを閉める……といった使い方を想定しているのだろうか……ちょっと意味は分からない。

 

開けようとフタ側を持ち上げるだけでも勝手に分割してしまうので、単に開けにくいのである。ここは普通にヒンジで良かったんじゃないだろうか。

↑ヒンジにあたる部分にマグネットを内蔵し、上下で分割できるケース。普通に開け閉めしたいだけなのにうっかり分割されてしまったりして、やや面倒くさく感じた

旧「チームデミ」へのリスペクトと大胆なアップデートを両立

さて、いよいよ個々の中身についてなのだが……これがまた、入っているすべての文房具に語りたくなるポイントがあって、なかなか大変。例えばハサミだが、パッと見は旧版とほとんど同じだからといって侮ることなかれ。よく見ると刃がうっすらと弧を描いているのが分かるだろうか?

↑刃角が常に30度をキープして切れ味を確保する、ベルヌーイカーブ刃

 

これは、同社の「フィットカットカーブ」でお馴染みの、刃先までよく切れる“ベルヌーイカーブ刃”になっているのだ。つまり、新しい技術でしっかりアップデートされているわけで、こいつは単なる懐かしセットじゃないぞ、というプラスの意気込みがハッキリと感じられる。

 

メンディングテープカッターは、刃の下を指で押し込むとテープ端がピョコっと浮き上がるようになっている。新たにテープを切るときにカッター部に触れなくていいのは安全だし、なによりテープ端が浮くアクションが、地味にかわいい。

↑テープ端が浮き出す構造は、1986年に発売された後継機「チームデミ・プラクティス」に搭載されていたものと同じタイプ。手軽だが、けっこう効果的なアイデアだ

 

もうひとつの貼りモノである液体のりは、紙がシワになりにくいタイプ。ノズルもピンポイントに出せる細口ノズルなので、資料のちょい貼りや紙工作にも使いやすいだろう。また、フタには収納用のマグネットが入っているので、散らばったゼムクリップを拾い集めたりするのにも活用できる。

↑液体のりは細口ノズル。封かんなど事務作業にはあまり向かないが、細部に塗れるので個人的には嫌いじゃない

 

カッターナイフは、プラスが「オランテ」で開発したのと同タイプの、折らないカッター刃を採用。L刃と同じ厚み(0.5mm厚)の頑丈な刃なので、コンパクトなボディでも意外とブレずに安定したカットができるのがポイントだ。

 

また、刃は全面フッ素コートされているので、テープなどの粘着がベタつきにくい&錆びにくくて長持ちするのもありがたい。さらには、刃を1クリックだけ出した状態で、ボディ底部の傾斜を紙面に当てながら切ると1枚切りとして使える、という小ワザも初代から継承している。

↑切れ味が長持ちする“折らない刃”。刃厚があるため長めに出してもブレにくい

 

↑底面の傾斜を活用した1枚切り。カッターマットのない場所などでは重宝しそうだ

 

せっかくカッターが入っているんだから、ということなのか、10cm定規もアップデート。メモリの逆側にスチール板が入って、カッティング定規としても使えるようになった。むしろカッターとセットの定規がカッティング仕様になってないのはそもそも嬉しくないので、これが正解だと思う。

 

このスチールはもうひとつ、マグネットでケースに吸着させるための役割もあって、さらには収納時には定規自体が下部の小物入れスペースのフタを兼ねる構造になっている。これはなかなか上手いなー。

↑カッティング仕様の定規は、メモリには数字が入っておらず、中央の5cmだけマーキングされている。とてもシンプルなデザインだ

 

↑定規の下は小物スペースに。磁力に満ちた空間なので、ステープラー針やゼムクリップなど、金属製の小物は出し入れしづらいかもしれない

 

メジャーは1.2mの長さを測れるタイプ。旧版が1mタイプだったので、少し延長されたことになる。1mを測る際、ちょっと余裕があったほうが使いやすいので、これもありがたい。

 

引き出してみると、スルスルスル……と伸びる感触がとてもスムーズなのだが、これは内部に巻き付けドラムを搭載しているから。コンパクトな金属メジャーは、ただ単にメジャーを巻いて終端をケースに固定しているだけのものも多いが、それだと出し入れするたびにキシキシとした摩擦が発生しがち。やはり、スルスルと伸ばせるドラム式のほうが快適なのである。

↑均等な力でスルスル引き出せるドラム式メジャー。さすが100均などの安物とはモノが違う

 

旧版と、もっともフォルムが変わっているのが、ステープラーだろう。チームデミが生まれるきっかけでもある「デミタス」に対して、新型はやや大きく、全体的なデザインに揃ったフラットな外見になった。

 

おかげで、「デミタス」がかなり無理をして10号針を1連(50本)入れていたのが、スマートに収まるようになっている。綴じ能力は新旧ともコピー用紙10枚と変わらず、まぁこのサイズとしては充分に実用レベルではないだろうか。

↑旧版のデミタスは、ボディが小さすぎて後端から針がはみ出していたが、こちらは1連が無理なく収まるようになった

 

最後に、旧ケースでは「TEAM DEMI」というプレートが入っていた部分に、新たに携帯電話のSIMピンが追加された。これが文房具か、というと微妙だが……SIMを抜く以外にも、たまに時計のリセットとかメディアの強制イジェクトでこういう頑丈で細いピンが欲しくなるシーンもあるので、手元に揃っていると助かるのだ。

 

製品名プレート兼用で機能のあるものを入れときました、というサービス精神なのだろうか。これはこれで、ちょっと嬉しい。

↑SIMのイジェクトや小さなリセットボタン押しに使える、うれしいニューフェース

 

全体を眺めて感じたのは、まず旧「チームデミ」へのリスペクトが感じられるということ。ケース内の密度感ある配置や製品のシルエットなど、変える必要のない部分はきちんと踏襲しているのが、その証拠である。

 

それでも、新たにアップデートすべき部分は大胆に変更されており、これは「文房具型のマスコットではなく、ちゃんとした実用品なんです」という、メーカーとしての主張とも言える。

 

昭和への郷愁だけで買うのももちろんアリなのだが、でもこれは間違いなく、令和に作られた最新の実用文房具なのだ。

 

もちろん、フルサイズの文房具の方が使いやすいのは分かるのだが、それでも、ただかわいいとか懐かしいで終わらないぜ? というプラスの本気は感じ取ってあげてほしい。コロナ禍の続く昨今、オフィスでも文房具は共有せずに「自分専用を携帯する」のは、重要なことと言えるかもしれないし。

 

 

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「ISOT(国際文具・紙製品展)2020」で気を吐いた注目文房具たち

毎年夏にビッグサイトで開催されている国際文具・紙製品展、通称“ISOT”は、国内で最も注目度の高い文房具の展示会である。第31回となる今年は、コロナ禍のために開催自体危ぶまれたのだが、延期を経て、なんとかこの9月2日~4日という会期で無事に開催される運びとなった。

 

ただ、やはり出展メーカー数は大幅減。さらに海外ブースもゼロということで、例年と比べてもかなりコンパクトなイベントになってしまったのは、仕方のないところだろう。

↑会場ゲートの様子。検温や消毒など、感染予防にはかなり注意を払っている印象。もちろん、会場内はマスク着用必須だ

 

それでも、他の展示会が軒並みリモート開催となっていたところに、ようやくのリアル展示会である。筆者としても、テンション高めでいろいろと注目の新製品を見つけてきたので、ご覧いただきたい。

 

1. 紙を自由に綴じられる新型ノート

まず興味を惹かれたのが、印刷会社の研恒社が新たに立ち上げたノートブランド 「PageBase(ページベース)」の「Slide Note」である。

 

“リングレスなルーズリーフ”を謳うこのノートは、金属クリップを用いたスライド式で、リング穴のない紙も、自由自在に挟んでノート化できるのが最大のポイントだ。

↑PageBase「Slide Note」(2020年12月発売予定)。サイズはA4・B5・A5の3タイプが準備されていた

 

ノートのノド側(綴じられている側)にあるプラスチック製のフレームを、グイッと引いてスライドさせることによって、2個の金属クリップが開放。これで紙の抜き差しが自由に行えるようになり、フレームを戻せば、綴じた状態となる。

 

仕組みは、書類などを挟んでまとめる金具スライドクリップとほぼ同様のものだが、それをノートとしてまとめるために使う発想は新しい。(金属クリップを使わないレールファイルなどは、これに近い使い方も可能だ)

↑用紙の追加や編集をしたいときは、左端のフレームをつまんでジャキッと引けばOK。リングなどよりもずっと手軽だ

 

ノート用紙は、専用のオリジナル用紙オーダーシステム「Paper&Print」を通して、紙や罫線などを自在にカスタマイズできる、というのも面白い。方眼や横罫の罫幅なども選択可能なので、既存の製品にはなかったようなオリジナルノートも構成可能だ。

 

さらに、プリントアウトされた資料や他から切り離したメモなども、ノートと一体に綴じることができるので、ファイル兼用ノートとしてかなり運用幅の広い使い方ができそうだ。ちょっとページが足りない……なんて時は、手近なコピー用紙を挟んでしまえばそれで済む。

↑専用用紙は、様々な幅の横罫や方眼が自由に選択できるのも特徴の一つ

 

ただ、現状で出展されていたプロトタイプ(発売は年末の予定)を触ってみた感触としては、現状では綴じ枚数が少ないときのクリップ力不足や、スライドパーツが硬すぎてややページが開きにくいなどの課題は感じた。

 

それがいずれ解決されるようであれば、もしかしたら新しいノートのジャンルとしてちょっと面白い広まり方をするかもしれない。個人的には期待大の製品である。

 

2. バスで自分の絵を飾ればアーティスト気分?

もうひとつ紙モノで面白かったのは、店舗の紙什器やディスプレイのメーカー、太陽マークの「Fravas」。Frame(額)+Canvas(キャンバス)でFravasというネーミングである。

↑太陽マーク「Fravas」(販売サイトは現在準備中)。サイズは仕上がりB5とB6がラインナップ

 

ベースとなる部分に絵を描いて、あとは箱状になるように組み立てれば、キャンバス風のアートボードが完成するというもの。

 

例えば、子どもが画用紙に描いた絵を部屋に貼って飾ろうか、なんてシーンは家庭でもよくあることだろう。そういう場合、だいたいは画用紙をそのまま画びょうやテープで壁面に貼るだけになりがちだが、それだとあまり見栄えがしない。とはいえ、額装までするのは大げさだし……。

↑組み上げると厚みのあるキャンバス風に。これだけで飾る際の見栄えが大きく違ってくる

 

ところが、描いた絵がキャンバスのような厚みのあるボードになるだけで、不思議とアートっぽさが大幅アップ。見た目もグッと立派になるのである。これは子どもに限らず、大人もテンション上がること間違いなしである。

 

組み立ては切り取り線から切り出して、折った部分を付属の両面テープで固定するだけとかなり簡単だ。ハサミやカッター、のりなどのツール類は一切不要。飾る場合も、裏面に壁掛け用の穴があるので、画びょうや壁面フックにひっかけるだけでいいし、スタンドを組んで装着すれば立てて飾るのもOK。至れり尽くせりだ。

↑壁面にかける場合は穴にひっかけて、立てるならスタンドを装着する

 

紙自体はかなり厚手でしっかりとしているので、クレヨンでも貼り絵でも画材を選ばず、どうとでも使えそう。ただ、ザラッとした“目”の感じられる紙質は、水彩や色鉛筆画だと風合いが出て相性が良さそうだ。なにより、平面で展開図状態の紙に描いてから組むので、最初から厚みのあるカンバスよりも描きやすいのがいい。

 

仕組みは非常にシンプルだが、手軽にアーティスト気分を味わうにはなかなか面白い画材だと思う。

 

3. パキッと折って寝かせるとツールスタンドになるペンケース

主にバッグなどのOEMを手がける高波クリエイトが、自社ブランドとして発売しているオフィスツールブランド offistaの新製品として紹介していたのが、「Paccy(パッチー) スタンドペンケース」だ。

↑高波クリエイト「Paccy スタンドペンケース」

 

なんとなく牛乳パックを思わせる四角柱のセミハードタイプペンケースで、基本的にはジッパーを開けてから真後ろに折るようにフタを倒せば、自立型のペンスタンドとして使うことができるというもの。

 

それだけだと「あー、なんかそういうの、もういっぱい出てるよねー」くらいの印象なのだが、これが面白いのは、寝かせて使うことも想定されているというところ。

↑フタをパキッと折り曲げた状態。背面にマグネットを内蔵しているので、くっつけるだけで固定が完了

 

そして、開けたフタ側を下になるようにして横倒しにすると、ほどよく角度がついたツールスタンド風に早変わり。

↑寝かせれば、中身が取り出しやすい角度のついたツールスタンドになる

 

この角度+横倒し状態のおかげで中の閲覧性も高まるし、試しに触ってみた感じでは、筆記具の出し入れが立てた時よりもスムーズだ。自立型ペンケースの難所である消しゴムなどの小物は、フタ裏のメッシュポケットに収納するように作られている。

 

↑巾着袋みたいな自立型ペンケース「Me:kuruto」

 

ちなみに、同メーカーの製品としては、昨年のISOTで展示されていた「Me:kuruto(メクルト)」も、個人的にちょっとお気に入り。もし店頭で見かけることがあれば、これも手に取ってみて欲しい。

 

こちらは、本体を上からクルッとめくり降ろすと自立するスタンドペンケースなのだが、巾着袋のようにヒモで口を絞って閉める機構が、かなりユニーク。和小物っぽいシルエットで、かわいいのだ。

 

4. 描いて消せるシリコンメモがさらにシリーズ拡大

コスモテックの書いて消せるシリコン製メモ「wemo」は、腕に巻くバンドタイプや、 ノートPCなどに貼れるパッドタイプなど、すでに様々なシリーズが出ているが、今回はさらに新展開。

 

「さほど重要でないメモはサッと消しちゃおうぜ」という方向性を押し進めた「wemo Stock & Flow」シリーズと、情報をタグ付けする「wemo TAG」シリーズの2つ(どちらも非シリコン)が新たに紹介されていた。

↑一時的な情報の書き込みを前提にした「wemo Stock & Flow」シリーズ(2020年12月発売予定)

 

「wemo Stock & Flow」は、ベースにPP合成紙……おなじみユポ紙などと同じ、ポリプロピレン製の樹脂ペーパーを使い、フリクションボールなどで書き込んだものを、消しゴムでこすったり水拭きしたりして消せるような仕様となっている。

 

なぜフリクション推奨かというと、おそらく紙面への浸透性の問題だろう。実際、熱で消すのではなくインクそのものを表面から拭き取っていたし。最終的にはゲルボールペン全般に対応できるようにしたいんだけど……という話も、現地で耳にした。

↑手帳の表紙裏などに貼ってフリーメモとして使うシールタイプ(方眼の部分)。消しゴムやウェットティッシュでこすれば、書き込みがきれいに消せる

 

このシリーズで面白かったのは、シールタイプ。こちらは手帳やノートの表紙裏に貼って、何度も書き消しできるメモスペースとして使えるというもの。聞き取った電話番号やメールアドレスを一時的にメモるなど、再利用する確率の低い情報はここに書いて、いらなくなったらすぐ消して、というのが主な活用になるだろう。

 

このシールタイプ自体も貼り剥がしができるので、手帳を乗り替える際にはこれも一緒に連れて行くことができる。

↑モノに情報をタグづけするのに向いた「wemo TAG」シリーズ。(2021年3月発売予定)

 

↑油性マーカーの書き込みも消しゴムでサッと消せるので、何度でも再利用可能

 

「wemo TAG」は、ポリカーボネート製のハードタグ。油性マーカーなどで書き込み、再利用するときは消しゴムで消せるシリーズだ。

 

貼れるプレートはファイルボックスに貼って分類整理などに。フックで引っかけられるタグは、観葉植物の名前を書いて鉢にぶら下げたり、スナックでボトルキープするのに使ったりするのもありだろう。

 

ほんのちょっとした情報を掲示するのに最適といった感じで、用途の幅はかなり広そうである。

 

 

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ラベリングでタスク管理だと!? キングジムの新テプラ「MARK」が暮らしを助けるガジェット化

ちょっと前まではオフィスにしかなかったツールが、最近じわじわと家庭に進出しつつあるのをご存知だろうか? 本棚にあるファイルにラベルシールを貼るための、あの“ラベルライター”がいま、ホームユースとしてかなりの人気アイテムとなっているのだ。

 

なかでも、ラベルライターの代名詞ともなっている「テプラ」(キングジム)は、女性をターゲットにした「ガーリーテプラ」シリーズや、ローコストな感熱ラベルの「テプラLite」シリーズなど、かなり早くから家庭へ入り込むのを狙っていた感が高い。

 

実は家庭内には、ラベルを貼ると便利な場所というのが意外と多い。キッチンのスパイスラック然り。押し入れの衣服収納然り。趣味のコレクション整理にもマストだし、子どもの持ち物に貼る大量のお名前シールだって、テプラがあれば手間がグッと減らせる。

 

要するに、ラベルライターがあれば生活のクオリティ爆上げ、が期待できるのだ。

 

そこで「じゃあウチでも導入してみるか」となった場合だが、まず検討してみてほしいのが、2020年10月に発売されるテプラ最新機種である。

 

「MARK」は“ご家庭テプラ”のベストチョイス!

10月1日発売のテプラPRO「SR-MK1 MARK」(以下、MARK)は、Bluetooth接続のみのコンパクト&シンプルなテプラである。

 

従来にもBluetoothでスマホと接続可能なテプラ「SR5500P」があったが、この「MARK」はUSB接続なども省いた、PROシリーズ初のスマホ専用機ということになる。

キングジム
ラベルプリンター「テプラ」PRO
SR-MK1「MARK」
1万5000円(税別)

 

デザインは「ボールサインノック」や「オピニ使い分けボールペン」など文房具も数多く手がけているプロダクトデザイナー、柴田文江氏によるもの。

 

オフィス用のルックスではないのはもちろん、従来の「ガーリーテプラ」シリーズのファニー過ぎる“女性だけを狙いました感”もない。いかにも家庭にあるべき、生活用ツールという佇まいである。これなら、リビングやキッチンなど、自宅のどこにあっても違和感はなさそうだ。

↑電池は本体底部に。別売りのACアダプタでも給電は可能だ

 

駆動は基本的に単3形乾電池6本。先にも述べた通り、接続はBluetoothのみなので、完全ワイヤレスでどこでも場所を選ばず使うことができる仕様だ。

 

この辺りの手軽さは、同じく“ご家庭用テプラ”として人気の「テプラLite LR30」でも体感したが、ラベルを作ろう! と考えてから実際に貼り終わるまでのスピード感に直結しているように思う。家庭用は絶対に完全ワイヤレスがラクだ。

キングジムの“スマホ「テプラ」”と専用テープをレビュー!アプリでサクサク操作でき片付けがはかどる
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ただ、「テプラLite LR30」と大きく違うのが、「MARK」はテプラPROシリーズであるということ。つまり、感熱シールではなく、すでに膨大なラインナップがある既存のPROテープカートリッジを使うことができるわけ。

↑対応カートリッジはテープ幅4mm~24mm。リボンやアイロン転写など、特殊な物にももちろん対応している

 

また、Liteの感熱シールはコストが安くて導入しやすいが、印字が約1年ほどしかもたないというのが大きなデメリット。長く掲示しておきたいラベルには、やはりPROテープを使うのが正解だ。

↑ひと目見て分かる通り、キーボードもなにもない。ラベル作成から印刷設定まで、すべてを専用アプリで行う

 

「MARK」でもうひとつ気になるのは、熱転写用のサーマルヘッドだ。写真やイラストなどを美しくプリントするために、シリーズ最上位機種と同等の高解像度360dpiヘッドを搭載しているのである。これまでのラベルのイラストといえば、ドットが目立つ荒いもの……というイメージが強かったが、それらとは確実に一線を画すクオリティでの出力が可能となっている。

 

画像は、アプリ側からjpg、pngが出力できるので、例えば家族やペットの写真、店舗のロゴマークなど、いろいろなものをラベルにインサートして使えるのだ。

 

それ以外の性能(印字速度やカット機能)は同価格帯の普及機とほぼ変わらないので、逆に「よくぞ高精細ヘッドを搭載してくれた」という感じではある。

↑特別に同じデータを360dpiと180dpiのサーマルヘッドで出力したもの。当たり前だけど、その差は歴然

 

ただ、欠点……というほどでもないのかもしれないが、Bluetooth接続で少し疑問に思う部分はあった。スマホ本体側の設定でBluetoothのペアリングを行ったあと、さらにアプリ側からも印刷前に接続ボタンを押す必要があるのだ。

 

なぜそんな手間が必要なのかはよく分からないが、とにかく毎回これは面倒だ。キングジム製品は無線をつかむのがイマイチ下手……というのはもはや負の伝統とも言えるのだが、もしかしたらそのあたりを確実に解消するための仕様かもしれない。実際、このダブル接続の成果なのか、今のところラベル作成中に接続が勝手に切れたりといったトラブルは体験していない(従来機はたまにあって、イライラしたのだ)。

 

画期的なインターフェース「Hello」アプリ

これまで、テプラをスマホから印字する場合は「TEPRA LINK」というアプリを使用していたが、「MARK」ではインターフェースとして専用アプリ「Hello」(Android/iOS)のみを使用する。その結果、ラベル作成の流れがこれまでとまったく違ったものになっている。

 

正直に言うと、むしろ本体よりもこの「Hello」が、今回の新テプラ最大のキモと言っていいだろう。

↑「Hello」と「TEPRA LINK」の画面。これが同じ製品シリーズのインターフェースとは、信じられない

 

「Hello」を起動してまず現れるのは、「TEPRA LINK」のような文字入力画面ではなく、キッチン/リビング/お名前付け/洗面・バス……といった、シーンごとに分けてズラズラっと並べたInstagram風のオシャレな写真。これはラベルテンプレートのカタログ画面で、写真は「このラベルを貼るとこんな感じになるよ」というイメージ画像なのである。

 

つまり、写真を見て「あー、調味料入れにはこのラベルを使えばおしゃれになるのか」と想像できるし、気になったものを選んで印字すれば、そのまま実際に自分の暮らしに取り入れられるというわけだ。

 

テプラを買ったはいいけど、どう使ったらいいか分からないとか、期待していたほどおしゃれにラベルが作れない……なんてがっかりしたり宝の持ち腐れとなってしまうのを、これなら解消できるはず。

↑ローンチ時点でのテンプレート数は200種以上。さらに今後も増えていくという

 

写真を選択すると、テンプレートの拡大画像とおすすめの用途、おすすめのテープ幅が表示される。ここで作成ボタンを押すと、いよいよ文字入力へと進むのだが、その前にもうひとつ、作成モードの選択がある。

 

モードは「クイック作成」「一括作成」「こだわり作成」の3つ(テンプレートによっては選べないものもある)。クイック作成はラベルのメイン文字だけを書き換えるもので、非常に簡単。初心者はまずこれだけで充分に使えるだろう。

↑一括作成モードは、同じテンプレートのラベルをまとめて出力可能。今までになかった機能だが、これは便利!

 

「一括作成」は、例えば調味料ラベルであれば、同じフレームで中の表記だけ砂糖・塩・小麦粉などと書き換えたものを、一括してプリントアウトできるモード。見た目の揃ったラベルがまとめて作れるので、これはすごくありがたい。

 

最後の「こだわり作成」は従来テプラの入力に近く、テンプレート内のフレームやフォント、文字サイズなども自由に加工できるようになっている。

↑次々と出力されるラベル。印字速度は、最近の上位機種で慣れた身としては「ちょっとのんびりしてるな」と感じる程度

 

各モードで文字を入力したら、あとは印字ボタンを押すだけ。「MARK」から出力→オートカットされて、ラベルの出来上がりだ。

 

一応、テンプレートにはそれぞれおすすめのテープ幅があるのだが、印字時には現在本体内にセットされているテープ幅を検知して、サイズが違った場合は「そのまま出力するか」を確認してくれる。そのままでOKした場合は、セットされたテープ幅に合わせて拡大・縮小も自動で行ってくれる親切設計である。コレ、意外と重要な機能だ。

↑調味料ラックがオシャレかつ分かりやすくなって嬉しい(たまに小麦粉と片栗粉を間違えてたから)

注目すべき新機能「タイムラベル」とは?

もうひとつ、「Hello」の重要な新機能が「タイムラベル」機能。これは、出力したラベルに日時や曜日を紐付けし、設定したタイミングでスマホにアラーム表示を出すことができるというものだ。(現状、試用中のベータ版では曜日設定は不可だが、ローンチまでには対応するという)

↑ラベルに日時を紐づけておけば、手作り総菜の消費期限が通知で届く

 

例えば、ゴミ箱に貼る「可燃ごみ」ラベルに「毎週火曜・金曜」、「びん・缶・ペットボトル」ラベルに「毎週水曜」を設定することで、それぞれの曜日になるとアプリから通知が来て教えてくれるという仕組み。これなら、ラベル自体に「可燃ゴミ=毎週火・金」のように余分な情報を入れなくても済むので、見栄えがゴチャつかずスッキリだ。

 

SNSでもよく話題になる「テプラのラベルをベタベタ貼るとダサい」問題を解決するひとつのアイデアとして、これはなかなか面白い。情報を周知するのには向かないが、備忘ラベルとして役立つだろう。

 

結論。「MARK」+「Hello」はテプラの歴史を変えるかも!

さて、実際に使ってみた感想としては、とにかくアプリ「Hello」の斬新さが際立っている。「MARK」がスマホ専用ということで、インターフェースはこのアプリのみ。つまり「Hello」の使い勝手がそのまま「MARK」の評価につながるわけで、当然ながらキングジム側もかなり練り込んできたな、という印象は受けた。

 

なによりラベルは多彩なテンプレートから作る前提なので、いきなり文字の編集に入れる「TEPRA LINK」とは挙動も発想も全くの別物だ。その点では、以前からテプラを使っているユーザーには受け入れづらい部分も多いかもしれない。筆者も最初に触れたときはかなりギョッとしたし。

↑「Hello」は、作成画面をピンチアウトで拡大できるので、小さなラベルのデザインも操作しやすい。これも「TEPRA LINK」ではできなかったので、ささいながら助かる

 

逆に、本機から初めてテプラを使う人にとっては、カタログ形式で作りたいラベルを選べるのはとても簡単だし、親切な設計だと思う。

 

というか、アプリ上でおしゃれな写真を見ながら「このラベル作ってみたい!」「これも貼ると便利かも!」など考えるのが、とても楽しいのである。テプラを作るのにワクワクするって、そんな体験、今までにしたことがない。

 

テプラをホームユースで広めるためには、これは間違いなく大正解なやり方だろう。もしかしたら、「Hello」の登場は、長いテプラの歴史の中でもかなり重要なターニングポイントになるんじゃないだろうか。

 

そんな「Hello」が提唱するテープの楽しみを受けて出力できる能力を持つのが「MARK」というわけで、この組み合わせはかなりすごいぞ。家庭でラベリングをやってみたい、興味があるというなら、間違いなく導入すべき逸品だ。なにより、発売から30年を超えるロングセラーシリーズの歴史が変わる瞬間に立ち会うチャンスなんて、そうそうあるものでもないだろう。

 

 

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立つペンケースの新種に死角なし! レイメイ藤井「デテクールペンケース」の斜めに出てくーるケースが自宅ノマドを救う!

先日、仕事関係の知人(テレワーク中)とビデオ会議をしていたときの話。彼が、15分おきぐらいの頻度で「すいません、ちょっと場所変えます」と言っては、ノートPCを抱えてちょっと歩いて別のところに落ち着く、という行動を繰り返すのである。背後はずっとバーチャル背景なので、何が起きているのかこちらからでは分かりづらいのだが、後ろから聞こえてくる声や物音でなんとなく見当はついた。家の中で子どもが動き回るのに合わせて、居場所を転々と追われているようだ。

 

詳しく聞くと、自宅内のかろうじて仕事道具が広げられる場所3拠点をぐるぐるとローテーションしているとのこと。そのたびにPCや資料、文房具を抱えて動かねばならず、それがなかなかのストレスだとも……。

 

うーん、そりゃキツそうだ。我が家は子どもがいないので、場所の取り合いと言えば猫2匹と椅子の占有権を争うぐらいが関の山。もちろんこちらが勝つことはないので、結局は猫に居場所を追われてスゴスゴと仕事できるスペースを探して移動するんだけど。

 

子どもにせよ猫にせよ、場所争いに勝てないのは確定事項。ならば次にすべきは、自宅内移動をスムーズにする方策を探ることだろう。となれば、最新の機能性ペンケースが役に立ちそうなので、紹介しておきたい。

 

移動式文房具スタンドとしてはかどるペンケース

レイメイ藤井から2020年9月に発売となった「デテクールペンケース」(以下、デテクール)は、自宅内の狭い場所をウロウロ移動する“家ノマド”(なんて悲しい響きだろう……)に最適なペンケースである。

レイメイ藤井
デテクールペンケース
1700円(税別)

 

形状としては、もはやペンケースの形としてひとつ基本形ともなりつつある、自立するスタンドタイプ。立たせたままで使えるので、まずは狭い場所でも使いやすいという点がメリットだ。

 

使う際にはダブルファスナーを下端から上端までグイーッと一気に引き上げる。

↑ハンドルをつまんで引き上げると、2つのファスナーが開く

 

すると開口部の細長いフタがペローンと浮くので、それを持ち上げて裏面にペタリ。フタ先端とケース裏は磁石でくっつくようになっているので、これで邪魔にならないように固定ができるわけだ。

↑開いたフタは、裏側の下端に内蔵磁石でペタッと固定

 

↑収納部を手前に引き出すと、このとおりペンスタンドに変形

 

あとは、ケース内部に前後に2分割された収納部があるので、それを前に引き出すように倒すと……約30度に傾いたペンスタンドが出来上がる。こちら側に文房具の端部を差し出すような形になっているので、従来のペン立てよりも文房具の出し入れはスムーズなのである。

 

収納量としては、普通のペンであれば前後合わせて20本程度。見た目のサイズからすると少し少なめな気もするが、まず不満はないだろう。さらに上側にポケットも備えており、ここには消しゴムや付箋などの小物を収めておける。ちょっとしたスペースだが、こういう部分もあると便利なのだ。

 

↑手前にせり出しているだけでも、出し入れのしやすさは大幅にアップ。視認性も良好で、使いたいものにスッと手が届く

 

↑上部のポケットは消しゴム1個プラスアルファ程度のサイズ。ないよりはだいぶマシだが、できれば小物収納はもう少し欲しかった

 

似たような形状では、据置型の「ツールスタンド」(カール事務器)があるが、あれも同様に、収納が傾いているのが使いやすいのである。具体的には、机に肘を突いた姿勢でも中身が取り出せるし、さらに戻すときもナナメにポイッと投げ込めるのがラク。ツールスタンドは筆者もデスクに置いて愛用しているが、そのラクさをペンケースでも体感できるようになったのは、かなり嬉しい。

↑デスクで愛用中のツールスタンド(右)。このナナメせり出しタイプは個人的にかなり好みだ

 

家の中で移動しなきゃならない場合は、出してあった文房具をポイポイと投げ込んで、ファスナーを閉める。そうしたらあとは上部のタブを指にひっかけてサッと移動、という流れだ。もちろん他の自立型ペンケースでも同様のことはできるが、展開時の使いやすさで言えば、かなり優秀だと言えるだろう。

 

↑家の中での持ち運びに地味に便利だったタブ。こういう細かい気遣いが施されていると嬉しい

 

収納がナナメになることで倒れやすくなっていないか? と思ったのだが、使ってみるとこれはまったくの杞憂。ケース全体、および収納部に硬い芯が入っているため、かなりガッチリとした安定感がある。そのため、収納をナナメにしても倒れそうな気配はまるでなかった。わざと倒そうとしない限り、普通に使う分にはまず転倒の心配は不要だ。

↑多少は前重心っぽくなるけど、安定性にはなんの問題もなし

 

気になったのは、そのサイズ。高さ195×幅95×厚み65mmとかなり大きめなので、カバンに入れて持ち運ぶにはちょっと躊躇する。さらに全体が硬くて変形しないのも、携帯には不向きだ(もちろん常時携帯しても問題はないけど)。

 

つまりこれは、「家の中やオフィス内で移動運用しやすい文房具スタンド」として使うのが正解なんだと思う。まさに、子どもや猫に居場所を追われる家ノマドの推奨装備なのである。

 

移動の手間を避けようがないのであれば、せめて腰を下ろした時間だけでも快適に作業ができたほうがありがたい。ということで、同じ悲しみを背負った大人は、試してみてほしい。使いやすさはホント、間違いないから。

 

 

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芯の尖り具合から見た目までシャープなシャープナー登場!「ブラックウィング」の鉛筆削りは大人にこそふさわしい

小学生のザ・筆記具といえば、鉛筆である。昔は「HB」が標準の硬さだったのが、最近は子どもの筆圧が概して低下していることもあり「2B」が標準になっている、など、ちょっとした違いはあるけれど、それでも鉛筆が小学生の必須ツールであることに変わりはない。

 

それなのに、いささか不遇じゃないだろうか、鉛筆。

 

例えば、これを読んでくださっている読者諸氏の中で、この半年以内に鉛筆を使った覚えがある方が、いったいどれくらいいるだろう。確かに、芯は簡単に折れるし、そうなると削らなきゃいけなくてゴミも出る。ペンケースの中は汚れる。書き込みは消しゴムで消せるため、確実性がない。社会人の筆記具としては、マイナス要素だらけだ。

 

正直に言うと、筆者も堂々と鉛筆の味方をできるほど普段使いしているわけではなかったのだが。ところが、実はここしばらく、メモなどの日常筆記は、ほぼ鉛筆で書いている。なぜかというと、話は簡単。“使いたい鉛筆削り”があるからなのだ。

 

思わず削りたくなるハイクラス・シャープナー

その鉛筆削りというのは、カリフォルニアシーダープロダクツの「BLACKWING(ブラックウィング) ワンステップシャープナー」。

 

文房具好きの方なら、BLACKWINGという名前に覚えがあるかも知れない。元はアメリカのエバーハード・ファーバー社が作っていた鉛筆ブランドで、愛用者の中にはウォルト・ディズニーやジョン・スタインベック、クインシー・ジョーンズなどのレジェンドが名を連ねていることでも有名だ。

 

エバーハード・ファーバー社は、1987年に吸収合併などのゴタゴタで一度は消滅してしまったのだが、2010年にカリフォルニアシーダープロダクツ社(鉛筆用木材のサプライヤー)がBLACKWINGブランドを復刻させて、現在に至る。

 

「ワンステップシャープナー」は、そのBLACKWINGの名を冠してこのほど発売された鉛筆削り、というわけだ。

カリフォルニアシーダープロダクツ
パロミノ
BLACKWING ワンステップシャープナー
3400円(税別)

 

↑ずっしりしたボディには、ニス引きでロゴが施されている。これもまたシブくてかっこいい

 

ご覧の通り、ソリッドなボディの美しさが、第1のポイント。鉛筆をイメージしたアルミ削り出しの六角柱ボディに、ローレット加工を施した円筒部という組み合わせは高級感バリバリで、金属の質感が好きな人にはなんともグッとくるはず。

 

もちろんお値段も、たかが鉛筆削り1つで3400円+消費税というなかなかのもの。だから、基本的に店頭で見つけても、買うつもりがないならみだりに手に取らないほうがいいだろう。これを握ったときのどっしりとした手応えに、壮絶に所有欲をくすぐられて「うわー、これ欲しい!」と思わされてしまうからだ。

 

続いて第2のポイントだが、これは実際に削った鉛筆を見ると分かりやすい。

↑鉛筆を挿し込んでグリグリと回すと……

 

↑この通り、先端が弓なりに反った超シャープな形状に削り上がる

 

削り上がった芯から木肌にかけてがやたらとシャープで、さらに木肌部分がわずかに弓なりのカーブを描いているのが見て取れるだろう。これによって芯が安定して細長く削り出せる上、さらに芯先の視界も良くなるというメリットがあるのだ。

 

鉛筆で絵を描く人などは、ナイフでわざわざこういう削り方をすることもあるが、少なくとも手回しの削り器で弓なりの削りができる製品は、ほとんどないはずだ。(カール事務器の「エンゼル5 ロイヤル」など、機械式のハイクラス削り器であれば存在する)

↑従来(上)との比較。芯の細さ・長さもはっきりと違う

 

なぜこういう削り方ができるのか? というと、秘密はボディ内の刃にある。ローレット加工の固定具を外して刃を取り出してみると……ネジで固定された刃が、わずかにカーブしているのだ。

↑刃も微妙にカーブした特殊なもの。替え刃の有無は現時点では不明だが、交換はできそうだ

 

なるほど、このカーブした特殊な刃で削られるのだから、鉛筆の木肌も同様のカーブになるという仕組みである。

 

一見すると、なぁんだってギミックだが、普通に考えれば刃のカーブした部分に削る圧力が集中しそうだし、これで均等に削るのはなかなか難しいはず。製品化にあたっては、刃の微妙な角度や当たる位置など、かなり繊細に考えられているのではないだろうか。

 

ただし、そういった部分でなにか負担があるのか、それとも単に刃の鋭さの問題なのか、削り上がりはやや木肌が荒れているようにも感じられる。このあたりの仕上がりに関しては、裏を返せば、国産の鉛筆削りが完成度高すぎ! ということでもあるのだが。

↑中心からズレた位置にある挿し込み口

 

ちょっと気になったのは、鉛筆の挿し込み口が、中央からかなり偏心して配置されていること。

 

これはおそらく刃の真上に空間を空けて、削りカスをスムーズにボディ内に排出し、溜め込めるようになっているのだと思われる。カーブ刃は普通よりも削りカスが詰まりやすいように感じたので、それを少しでも軽減させるように、配慮されているのかもしれない。

↑削りカスをスムーズに排出するためのスペースを稼ぐための工夫だろうか

 

ともあれ、それ自体の質感の高さに加えて、削り上がりの面白さまであるのだから、「使ってみたい!」となるのも当然だろう。

 

決して「コスパに優れている」とも「機能的に超優秀」とも言えないが、それでも、文房具好きならばチェックしておくべき製品だと思う。なにより、「この鉛筆削りを使ってみたいから、久しぶりに鉛筆でなにか書いてみるか」というのも悪くないんじゃないかな、と。いや、格好良さにクラッと来てつい買っちゃった自分を弁護するわけではないんだが。

 

 

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ミニサイズなのに「最強モデル」出た! 社会人も常備すべきコクヨのテープのり「ドットライナープチプラス」

「テープのり」のメジャーなブランドといえば、やはりコクヨの「ドットライナー」、トンボ鉛筆の「ピット」、プラスの「ノリノ」の3ブランドだろう。大雑把に個人的な印象を言えば、ラインナップが多彩なドットライナー、粘着力のピット、安定性のノリノ、という感じ。

 

テープのり選びで迷ったときは、さしあたってこの3大ブランドのどれかを買っておけば安心……とはいえ、各社とも特徴のある製品を出しているため、意外にも選ぶのが難しいジャンルである。

↑テープのりの3大ブランドといえば、これ。左からトンボ鉛筆の「ピット」、コクヨの「ドットライナー」、プラスの「ノリノ」

 

実際のところ、「テープのり、どれを買ったらいいのか問題」を抱えている人はかなり多いのではないだろうか? 「自分の使い方に合ったものを」なんて言われたとしても、よく分からないし……。

 

だが、ただひとつ、ペンケースに入れてテープのりを持ち運びたいという需要に対してなら、今のところ明確な解答があると思う。ドットライナーシリーズの小さいものを買えばいいのだ。

 

ペンケースに入れて持ち歩くなら「プチモア」が答えだ

コクヨの「ドットライナープチプラス」は、ほぼ“消しゴム並み”というシリーズ最小のコンパクトさで、粘着力やのり切れが良く、テープ長も10mあって、さらにヘッドを密閉するスライド式キャップつき。つまり、携帯用としてはほぼ文句なしの優等生だ。

 

事実、日常的にテープのりを持ち歩く中学生~大学生の間での人気は非常に高い。そして筆者も、普段からペンケースに入れる用はこれ、と決めている。そこへ、そのプチプラスの最新バージョンとしてこのほど登場したのが、「ドットライナープチモア」である。

コクヨ
ドットライナープチモア
210円(税別)/テープ10m

 

↑消しゴムとほぼ同サイズで、ペンケースの負担になりにくいコンパクトさ

 

早速、どこが最強なのか、詳しく見ていこう。

使い進むほどに実感する引きの軽さ

プチプラスと新しいプチモア、並べて見てもどう変わったのかよく分からない。だが、実際にテープを引き比べると「あれあれあれ?」と驚いた。プチモア、やたらとテープが軽くスルスルスルスルーッと引けるのだ。

 

メーカーのコクヨによれば、内部ギア周りの設計を見直し、走行荷重(ヘッドを転がした際の抵抗)を大幅に軽減した、とのこと。誰が試しても確実に実感できるレベルで軽くなっているのは、なかなか凄い。

↑スルスル……と軽く引けるのがはっきり体感できる。テープカートリッジの使い終わり頃になると、従来との差はさらに大きくなる

 

テープのりは構造上、テープが減って使い終わりに近づくほど走行荷重が増えるのだが、プチモアはその増え幅も控えめ。試しに両方を10m使い切るまで引いてみたが、なるほど、こりゃ確かに別物だわーというレベルで、プチモアが軽い! 擬音にすると、ギリギリギリVSスルスルスル、という感じなのだ。

 

ケースの中を透かしてみると、なるほど、プチプラスにはなかった厚みのあるギアが、巻き取りリール(使い終わったテープが巻き取られる方)に見て取れた。おそらくこれが設計変更の一部なのだろう。ただ、その分だけ本体ケースがかすかに膨らみ、さらにテープ幅も7mm→6mmに変更されている。

↑新発売のプチモア(上)と、従来のプチプラス(下)。プチモアのほうがキャップがやや大きいことを除けば、パッと見には違いが分からないのだが……
↑真横から見ると、内部構造の変更のためか、プチプラスの方が約1mmほど厚いのが分かる

 

とはいえ、そこを変更するだけの価値はあるとメーカー側も判断したのだろう。テープ幅の減少も、極めて短い長さだと粘着力に差も出てしまうが、プリントをノートに貼るなど長く引いて使うならば、ほとんど問題にならないはず。

 

地味に助かるキャップの「スライドロック機構」

個人的にもうひとつ、諸手を挙げて「コクヨよくやった!」といいたい改良点がある。それが、ヘッドキャップの変更だ。

 

プチプラス・プチモアともにフルカバータイプのスライド式キャップが付いているのだが、プチモアには新たにスライドロック機構が追加されたのである。

↑プチプラスのスライドキャップは、指を乗せたまま作業をするとズルズルと下ってきて、ヘッドに当たる。新しいスライドロックはヘビーユーザーほど嬉しいはずだ

 

↑スライダー後端を上から押すと、ロック解除。片手でスムーズに操作できて、かつ意図せずには解除できないというのが優秀

 

前のプチプラスは、スライダー部に親指を乗せて引いていると、力が入った瞬間にスルッとスライダーが動いて、キャップがヘッドに当たってしまうことがあった。これは、優等生であるプチプラス唯一の欠点とすら言える問題で、これまでにも何度かイライラした覚えがある。

 

ところがロック機構があれば、スライダー後端に上から力を加えない限り、ビクともしない。これは圧倒的に便利!

 

このスライドロック追加だけでも、プチモアに買い替える価値は十分にあると思う。というか、ペンケースで持ち歩くテープのりの完全解とすら言えるかもしれない。

 

↑ちなみにラインナップには、かわいい柄入り(ハート/スター/フラワー)テープバージョンも。ただしテープ長は10m→8mと少なめ

 

最後に、「ドットライナー」シリーズからプチモアと同時にリリースされた、もうひとつ注目のテープのりを紹介したい。

13mロングテープでもコンパクトな携帯テープのり

もうひとつ、プチモアと同時にリリースされたのが「ドットライナースモール」。ボディサイズはプチ系よりは一回り大きいが、それでも十分コンパクト。ペンケース用としても問題ないサイズと言えるだろう。

コクヨ
ドットライナースモール
250円(税別)/テープ13m

 

このスモールの売りは、搭載テープが13mとかなり長くなっている点。使い切りテープのりのテープといえば、だいたいコンパクトなもので8m~10m。感覚的には、10mあればたっぷり使えるなと思えるぐらいだ。13mともなれば、気分的にも余裕で使えるはず。さらに価格も250円(税別)となれば、コスパ的にも相当ありがたい。

↑こちらもスライドロック付き。引きも軽く快適だ

 

加えて、プチモアと同様の走行荷重低減ギアとスライドロックキャップまで搭載。ペンケースに多少余裕があるなら、スモールを選ぶというのも選択肢としてありだと思う。

 

 

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アナログで書き取りデジタルで管理! 語学学習を“一本化”したスマートペン「NUBO Rosetta」

個人的な嗜好というか弱点というか、とにかく“スマートペン”“デジタルペン”と呼ばれる物に弱い。ネットなどでそう銘打たれた製品を見つけると、確実に「ほほう」と目が吸い寄せられるし、持っていない物であればほぼ自動的に買ってしまう。もともとデジタルガジェットが大好きで、文房具も大好きなわけだから、好物+好物ということは、つまりスマートペンとはカツカレーとかチーズインハンバーグみたいな感じだな、と思ってもらえばいいだろう。

 

そもそも、スマホに次いで常時携帯性が高く、かつ手元に握る機会の多い筆記具に機能をプラスして便利にしよう、という発想はとても正しいのだ。正しいなら、買っても損はしないはず(!?)。というわけで今回は、クラウドファンディングサイトで見つけて、また自動的(衝動的)に買ってしまったスマートペンを紹介しようと思う。

 

語学学習はデジタルペンにおまかせ!

「NUBO Rosetta」は、クラウドファンディングサイトMakuakeで発売された、語学学習に特化した韓国発のスマートペンだ。(※現在、Makuakeでのプロジェクトは終了しています)

Tesollo inc.
NUBO Rosetta
6395円(予価・税別)

 

軸には小さな表示ディスプレイ(スペック表によると有機EL)を搭載し、それ以外はスイッチ類なども見えない。スマートペンとしてはかなりシンプルな構成と言える。また、外国語は、英語のほか、スペイン語・フランス語・ドイツ語・韓国語に対応、また常用漢字も収録している。

 

ペンに表示された単語をペンで書き取って暗記

キャップを外して握ると自動で電源オンとなり、ディスプレイに「NUBO」の表示が出る。これで準備は完了。

 

あとは人差し指で先端側から後ろに向けてフリックすると、単語がディスプレイに流れて表示される。これを書き取ることで、単語帳を見るだけよりも確実に記憶へ定着させよう、という学習メソッドだ。

↑先端側(Aの辺り)から後ろ側(Bの辺り)に向けてフリックすると、英単語が表示される。Aの辺りを2回タップ、ペン自体を振る操作でも同様に操作できるが、その場合は少し精度が悪いように感じた
↑ディスプレイに次々と英単語と発音記号が表示されるので、それをこのペンですかさず書き取って、記憶に定着させる仕組み

 

初期設定では1分に1ワードが表示されるので、これを次々に覚えていこう(設定は後述のアプリで変更可能)。

 

内蔵する英単語は、英語初級(899語)・中級1(600語)・中級2(550語)・上級1(700語)・上級2(665語)・ビジネス英語(452語)の計3866語。さらに、アプリから自分で単語を入力したり、csvで単語帳データをまとめてインストールしたりすることも可能となっている。

 

もし単語が分からなければ、もう一度先端から後ろへフリック。すると和訳が表示される。逆に、もうこれは知っている・覚えたという単語ならば、後ろ側から先端に向けてフリックすると、「erase a word」と表示されて単語帳データから消去される。消去されなかった単語は「まだ覚えていない」という判断がされ、表示頻度がアップするという仕組みだ。

↑単語が表示されているうちに、再フリックで和訳を表示する

 

↑「もう覚えた」という単語は逆方向フリックで消去すると、もう表示されなくなる

 

これらの操作が、全てペンから手を離すことなく指先だけでできる、というのは、なかなか面白いギミックだ。

 

ところで、面白いのはさておき、この時点で感じたのは「単語が流れるスピードが少し早いんじゃないか」ということ。筆者がそもそも英語が苦手だから、ということもあるだろうが、単語がスーッとディスプレイに流れていくのについていけず、慌てるケースがわりとあったのだ。覚えてない単語は頻度を上げて表示されるので問題ないのかもしれないが、そこはちょっと気になるなと感じた。できれば、プレイバックないしは直前の単語を再表示する機能は欲しかったと思う。

 

↑充電はマイクロUSBをペン軸後端に接続。満充電までは50分で、約15時間の連続使用が可能
↑ペンリフィルは一般的なD1規格なので、自分の好みの書き味のものに差し替えられる

 

タイマー式勉強法を取り入れられるタイマー機能付き

また、単語表示以外にもうひとつ、基本的なツールとしてタイマー機能がある。先端から後ろへ素早く2回フリックすると、タイマーが起動。分数を設定したら軸の先端側をタップでカウントダウンがスタートし、終了すると振動で知らせてくれる仕組みだ。

 

勉強する時間を区切って集中するには、有効だろう。アラーム音がなく振動だけで知らせるのも、図書館など静かな場所で使うにはもってこいだ。

 

ただ、フリックの感度がちょっと微妙なこともあって、単語表示のために1回フリックしたのに表示されず、再フリックしたらタイマーが起動した、なんてことも。これでは逆に集中力が途切れてしまうので、できればタイマー起動アクションをややこしくないよう変えるなどの改善があると嬉しい。

 

アプリを使って学習の進捗を管理

専用アプリ「NUBO」をスマホにインストールすれば、ペンとはBluetooth接続で単語データを共有できるため、移動中などペンを使えない環境下では、アプリでまだ覚えていない単語を再チェックすることも可能。

↑アプリと連携する事で、単語データや学習時間の可視化など、できることがグッと増える

 

また、トータルの学習時間をグラフで表示したり、単語帳のセッティング(英単語以外に、前述のとおりフランス語・ドイツ語・韓国語・スペイン語・日本語漢字が設定可能)、メモ帳、D-DAY(学習を始めた日など区切りとなる日)設定などもできるようになっている。

 

↑NUBOペン側で憶えられなかった単語はアプリで再確認。電車での移動中などにも勉強が進められる

 

ただ、アプリの機能で気になったのは、メモ機能だ。アラーム付きで、入力した内容を設定した時間にペン側に表示することができる、とサイトの説明にあって、それは便利そうだなと思ったのだが……現状では何を入力しても、アラームが鳴ると同時に「メモを確認してください」と出るだけ。あれ? ToDo管理にも使えそうだと感じていた機能だけに、この不備はちょっともったいない。

↑製品サイトによれば、メモに入力した内容が表示できる、となっていたが……。このあたりはバージョンアップで解決されることを期待したい

 

スマートペンというジャンル自体、まだまだこれからのものなので、機能的に微妙な点がちょこちょこ見受けられるというのも、現時点では“スマートペンあるある”なのかもしれない。正直、今回のNUBO Rosettaも、これまでお読みいただければ分かるとおり、パーフェクトな製品とは言い難い。

 

しかし、アナログに手書きすることによる記憶定着と、デジタルな学習管理の相性の良さは確かにあると思う。つまり、メソッドとしては間違っていないのだ。おそらく、今後も改良され続けていけば、「勉強するならスマートペンがベスト」なんて未来もあるはずだ。そんな未来を感じたくて、人柱上等な新し物好き、スマートペン好きの同志諸君には、ひっそりとオススメしておきたい。

 

 

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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

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水性ボールペンにようやく脚光!? 油性やゲルにない書き味がパイロット「Vコーンノック」

ボールペンのインクは、ざっくりと「油性」「水性」「ゲル」の3つに分類される、ということはご存知だろうか?(実は、厳密にはゲルも水性インクに含まれるのだが、ここではあえて別に分類しておく。)

 

ただ現状では、なめらかな低粘度油性インクを擁する「油性」派と、若年層に人気でサラサラとした書き味の「ゲル」派に人気が二分されているのが実情。「水性」は人気がない……というか、一般的には認知している人の方が少ないのではないかというほど落ち込んでいるのである。

 

もちろん、それには理由がある。まず、液体状の水性インクは乾燥に弱いため、キャップ式にならざるをえないというのは大きい。日本人はノック式が大好きなので、キャップ式というだけで避けられてしまうのだ。また、インクがだくだくと出るため、紙によっては染みてにじんだり裏抜けしたり、というのも避けられがちな要因のひとつだろう。

 

しかし、だ。水性ボールペン、そういうことで嫌っちゃうにはもったいないように思うのだ。まず、インク粘度が低いため、筆記中のかすれがほぼゼロなのは魅力だ。ペン先が紙に触れている限り、インクは紙に出続けるため、走り書きなどをする場合は最強の確実性を発揮する。

 

だくだくとインクが出るというのも、欠点になる反面、筆圧をかけなくともサラサラと書ける、気持ちの良い書き味につながっていると言える。この書き味の特殊性は、もはや官能的ともいえるほどで、実のところ、水性ボールペンしか愛せないという熱烈な水性信者も存在するほどだ。

 

そこで今回は、うっとりする書き心地を持つ水性ボールペンの新作を紹介しようと思う。

 

名筆「Vコーン」の流れを汲むノック式水性ボールペン「Vコーンノック」

水性ボールペンのなかでも、特に最高傑作と名高いのが、パイロット「Vコーン」。液体インクがダイレクトに封入された直液式で、たっぷり過ぎるインクフローは、水性ボールペンの魅力を堪能するのにベストな1本と言える。

 

とはいえ、構造的にキャップ式なのはいかんともしがたく、今や知る人ぞ知るボールペン、的な地位に甘んじているのは残念だ。

 

そこで、その現状を覆すべく発売されたのが、なんとノック式構造に生まれ変わった最新作「Vコーンノック」である。

パイロット
Vコーンノック
(0.5・0.7㎜ 黒・青・赤)
各150円(税別)

 

Vコーンの名を冠するからには、当然のようにリフィルは直液式。たっぷりと充填された濃く鮮やかなインクが、ペン先から嬉しいほどにだくだくと紙へと供給される。どれほど早書きしようが、かすれやスキップが起きることが想像できないつゆだくっぷりだ。

 

もちろん、紙によっては当たり前ににじむし、描線もボール径からすれば太くなる。だが、そんなのは水面をすべるが如きサラサラサラァァァァ……という爽快な書き味の前には、「だからなに?」って感じ。にじむのが嫌なら、油性でもゲルでも使ってればいいじゃん、という話なのだ。

↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ
↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ

 

この書き味がワンノックで味わえるというのが、Vコーンノックの最大のポイント。内蔵したバネでボールを押し上げることで、先端にフタをして非筆記時の乾燥を防ぐ構造で、ノック式でもドライアップしない水性ボールペンを実現しているのだ。

 

ちなみに、見た目が同社の「フリクションボールノック」によく似ているため、筆者は最初、うっかりクリップ部を押しそうになってしまった。ノックノブは軸後端にあるので、お間違いなく。

↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ
↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ

 

インクも、Vコーンとは異なる、ノック式専用に開発されたものとなっている。

 

実はVコーンは、水性染料インクながら、一度乾くと強固な耐水性を持っていた。だが、Vコーンノックは「うーん、水性染料だからこんなもんだよね」レベルで水濡れに弱い。Vコーンの耐水性は大きなポイントだっただけに、そこはちょっと残念なところだ。

↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる
↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる

 

……と、ここまで読んで「ノック式のVコーンでインクに耐水性がないペンって、今までになかった?」と気づいた人がいただろうか? いたとしたら、かなりの水性マニアだろう。

 

そう、あったのだ。最初の方で水性ボールペンの最新作なんて書いたけど、実はこのVコーンノック、2008年に発売されたノック式水性ボールペン「VボールRT」のリニューアル版なのである。

↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ
↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ

 

分解してみると、上の写真のようにリフィルも「LVKRF-10」となっており、VボールRTと同型。つまり、見た目と名前を変えただけ、ということになる。

 

VボールRTは、日本初のノック式水性ボールペンとして発売されたのだが、折悪いことにその頃のボールペン業界は、「ジェットストリーム」と「フリクションボール」が大ブームとなっていたのだ。

 

結局のところ、低粘度油性インクと消せるゲルインクの快進撃に巻き込まれるかたちで、VボールRTは認知されないまま存在感を薄くしていった……という感じだろうか。なんともタイミングの悪いことである。

 

ひるがえって2020年。いまや、低粘度油性インクもフリクションインクもすっかり一般化し、それに合わせてユーザーの筆記具リテラシーも大きく上がった。水性ボールペンを改めて再評価する下地もできてきたように思う。そこでパイロットも「今こそVボールRT(改めVコーンノック)にもう一度チャンスを!」と判断をしたのではないか。

 

12年前に発売されたものとはいえ、油性やゲルに慣れきった手には、かなり斬新な書き味が体験できるはずだ。速乾性や耐水性ではかなわないが、水性ならではの早書きへの追随性といったメリットもある。

 

とくに「今まで水性ボールペンって使ったことないわ」という人には、新たな選択肢として試してみてもらいたい。だくだくとインクが染みるあの感じにハマる可能性、それなりにありそうだぞ。

 

↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ ↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ ↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる ↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ

 

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