自衛隊の訓練中は脳内で「ガメラ2」を再生? ――激レアさんの自衛隊での日常がレアすぎる。

テレビ朝日「激レアさんをつれてきた。」で、「ただムッキムキになりたいだけでフランス外国人部隊に入った激レアさん」として出演し話題となった大仏見富士(おおふみ・とし)さん。彼の自衛隊時代の日常を描いた『自衛隊入隊日記 完全版』(学研プラス・刊)8月7日に発売された。自衛隊を経てフランスの外人部隊に入隊し、その後自伝エッセイの出版という、激レアな経歴をお持ちの大仏見さんにお話をうかがった。

 

 

工場のバイトから自衛隊へ

そもそもの始まりは、留学資金を貯めようとして始めたバイトだった。1日12時間、目の前に流れてくる部品に電動ドライバーでネジを留めていくという仕事だ。

 

「3Dグラフィックが全盛期だった時代、美術の短大で本格的に学んでからアメリカに留学しようと思っていました。そして、費用を貯めるのにとある工場でバイトを始めたんです。「1年に200万貯まる」なんて書かれていたんですが、実際は全然だめでした」

 

そういう生活が2年続いた頃のある日、大仏見さんは決断する。

 

「衣食住費も全部払ってくれますし、給料を全部小遣いにできるので自衛隊に行ってみようと。小学校の頃からさまざまな武道をやっていて、身体はできているので大丈夫かなと思いました。それがきっかけです。まず、お金を貯めるためでした」

 

決断したら、すぐに実行する。大仏見さんはとにかく、まず体が動くタイプの人のようだ。

 

「あまり深く考えません。とにかくやってみる。僕の根本的な人生の哲学は、「死ぬ間際に後悔する人生はいやだ」ということなんです。やりたいと思ったらやってみる。死ぬ間際に、あれやりたかったこれやりたかったって思いたくないんです」

 

教習用のクルマは20人乗りのトラック

人生を決定づけるような重大な決断の理由は、往々にして意外なほどあっけないのかもしれない。ともあれ、自衛隊生活が始まった。自衛隊という世界は当然ながら一般社会と違う側面がある。それを端的に示すエピソードを紹介しておきたい。

 

「自衛隊って教習所の基地があるんです。教官は資格を持った自衛官です。僕が人生で最初に運転したクルマは、後ろに20人くらい乗れるトラックでした。教習は全部これでやります。厳しくて大変でした。プラスチックのヘルメットをかぶって運転するんですが、坂道発進を失敗しようものなら、教官のシートの下にジャッキが置いてあって、それでいきなりヘルメットを叩かれます。

 

自衛隊特有の教習でトラックで道なき道を行く山道の運転もありました。もう、ひっくり返っちゃうようなものすごい角度の坂を降りろって言われるんです。あと、夜中にライトを消して運転ということもありましたね。本当に暗くて何も見えないところを走るんです。ちなみに教官は暗視ゴーグルを着けてました」

 

 

「ガメラ2 レギオン襲来」を脳内再生して乗り切る

もちろん、辛い訓練もあった。たとえば12時間ぶっ続けの行軍訓練。こんなに辛い訓練をどうやって乗り切ったのか?

 

「行軍は長い時間続くので、ヤバくなったら頭の中で映画をオープニングから再生します。それで現状を忘れられるんです。辛さを忘れて、今ある感覚を全部ゼロにしちゃうことができるので。12時間歩かなきゃならないんですが、その前に映画の見だめをしておいて、頭の中で6本くらい再生するんです。

 

行軍中は何も考えなくていいんで、ずーっと再生することが可能です。工場勤務の時もできていた気がします。だから12時間ネジを止めるだけの作業にも耐えられたんだと思います」

 

『自衛隊入隊日記 完全版』はビジュアルな文章が多い。その理由がわかったような気がした。ちなみに、本当に辛い時に再生したのはどんな種類の映画だったのだろうか。

 

「脳に入ってきやすいので特撮映画が好きですね。高校の時に『ゼイラム』(雨宮慶太・監督/1991年・公開)と出会って、特撮の道を目指そうと思ったくらいです。特撮好きになったのも「ゼイラム」がきっかけでした。僕のマスト作品は『ガメラ2 レギオン襲来』(金子修介・監督/1996年・公開)で、訓練中もよく脳内再生していました」

 

脳と体、それぞれの働きを分離させるという言い方が正しいだろうか。

 

「僕がなんで自衛隊の訓練に耐えられたかというと、何も考えないようにしたからです。無の境地というか。時間が解決してくれるだろうということです。どんなにつらい時でも時間は過ぎていくし、それで解決できるだろうという考え方です。あとはもう、何も考えない。そういうことをやって、どうにかこう、自衛隊でも褒められるような成績を残してきたということがあります」

 

自衛隊時代のエピソードについてはぜひとも本書を読んでいただきたい。「入隊初日は戦闘服への名札の縫いつけで流血騒ぎ」「トイレ掃除の後に待っていたのは恐怖の上長チェック」など、あまり知られていない自衛隊の日常が満載である。

 

 

フランス外人部隊への留学(?)と意外過ぎる帰国のきっかけ

 

そして、大仏見さんはここからさらなる驚異の選択をする。自衛隊を辞め、フランスの外人部隊への入隊を決心したのだ。

 

「自衛隊は、軍隊の色が薄いんです。本分は災害派遣で、周りの地域の人たちを助けることに重きを置いています。『本当の軍隊とは?』ってちょっと興味を持ち始めて、自衛隊とはやっぱり違うなと思いました。じゃあ自分が行ける軍隊ってなんだろうって考えていた時、同僚がフランスの外人部隊に行きたいと言っていて、フランス大使館から資料を取り寄せていたんです。それを見て、フランス語も学べるし行ってみようかなという気になりました」

 

そして、親には“留学”と言ってフランスに渡ってしまった。入隊した最初の4か月の訓練は自衛隊とは種類の違った辛さがあったという。

 

「体力というよりもメンタル面ですね。精神的にかなり追いつめられます。上官に罵倒されたり、ちょっと何かできないと仲間に笑われたりとか。お互いが協力し合うというスタイルではありません。自分がいかに強くなるかが大切な世界でした。自衛隊では、いわゆる共存共栄で仲間を大事にするという世界で生きてきたので、ギャップのすごさに悩まされましたね」

 

同僚は旧フランス領のアフリカ諸国の人たちが多かった。日本人も中国人もいたが、それぞれ目的は違ったようだ。

 

「割合としては、8割がアフリカから来た人たちです。アフリカ諸国とフランスの物価にものすごい差があるんです。軍は、正式には5年間いなければなりません。彼らは5年働くと、国に帰ったら家が2軒建つそうです。

 

外人部隊は5年間続けて辞めることができて、その時に永住権を手に入れられるんです。この永住権が目当ての人も多いですね。永住権を手に入れたら家族を呼び寄せて、フランスで商売を始めるんです。だから、そういう人は最初の4か月を終わると、なるべく体力を使わない部署である糧食班(食事を作る係)への配属を希望するんです

 

そして、外人部隊でも違和感が生まれる瞬間が訪れた。

 

「私が配属された駐屯地は、コートジボワールの大統領選挙に関連する平和維持活動のために多くの兵士が派遣された後でした。基地はほとんどガラガラで、やることと言ったら本当に雑用ばかりで、門番とか、偉い人が食事をするレストランのボーイもさせられました」

 

やがて疑問が生まれ、大きく膨れ上がっていく。

 

「基本的にはバイトみたいなことをさせられたので、これは何か違うな、と思ったんです。もちろん戦争したかったわけじゃありませんが…。で、そのゆるさもあって、こんな生活だったら日本に帰ったほうがいいんじゃないかなと思ったんです」

 

次のような情景、ちょっと想像してみていただきたい。もちろん舞台はフランスだ。

 

「ある週末、駐屯地の中を歩いていたら、どこかから『千と千尋の神隠し』のテーマが聞こえてきたんです。「呼んでいる~」って聞こえてきて、「フワァァー!! 誰が聞いてんのこれ?!」ってなりました。これは日本に帰れということに違いないと思ったんです。日本に帰って勉強し直して、やりたかったことをやらなきゃだめだ。そう言われているような気がしました」

 

大仏見さんは日本への帰国を決意して外人部隊を脱走する。その後、自衛隊とフランス外人部隊で貯めたお金でアメリカへ短期留学~日本に戻って専門学校へ入学と、振れ幅がありすぎる人生を送っていまに至っている。

 

 

あふれる自衛隊愛

波乱万丈な人生を送ってきた大仏見さんだが、そもそも自衛隊での経験を本にまとめようとした背景には、どんな思いがあるのか。

 

「自衛隊に関する情報は世間にほとんど出ていません。あったとしてもミリタリー図鑑みたいなものでしか知ることができません。自衛隊=戦争という極端な図式を思い浮かべる人がいますが、実際は入隊の動機も転職で困ってとか、そういう人が結構多かったりするといった、普通の人が普通に生活している世界でもあるという事実を伝えたかったことがあります」

 

自衛隊の意義に関しても、体験者ならではの言葉には独特の重みがある。

 

「私が横須賀の基地にいた時、行軍訓練で山まで歩いていくんですが、お年寄りの方々が通過する時に会釈してくださるんです。すごくありがたくて、それだけで頑張れたところもあります。国民の応援で力が発揮できるんです。辛い訓練もありますが、困っている人の力になれなければ自衛隊である意味がありません。自分の力がダイレクトに誰かのためになるという感覚がすごい馬力を生み出すんです」

 

そして今でも、自衛隊に対する愛情は尽きることがないようだ。

 

「自衛隊では、100%力を出し切った後さらに出すことができるんです。身近の誰かのためということです。日本は災害が多いので、そっちで頑張れる、誰かのためになれるということで、本当にエネルギーが生まれました。自衛隊では苦労した気持ちがしません。もちろん辛いっていうのはあるんですが、やり遂げられたっていう充実感が毎日あって。辞めた後悔ばかりしてます。いればよかったなって(笑)」

 

1日12時間シフトのネジ留めのバイトにしても、自衛隊や外人部隊への入隊にしても、大仏見さんはとにかく行動の人である。そういう人が脳内映画リピートを通して培ったリリックでビジュアルな文章で綴られたのが、『自衛隊入隊日記 完全版』。純粋で上質なエンターテインメントとして楽しめる1冊だ。

 

 

【書籍紹介】

自衛隊入隊日記 完全版

著者:ロボットマナブ、大仏見富士
発行:学研プラス

Kindleのベストセラーが新エピソード&描き下ろし4コマ漫画を加筆して完全版に! 読みやすくどこかやさしい文章が大好評! 工場勤務の22歳の若者が突如自衛隊に入隊、厳しくも愛にあふれる自衛官のリアルが感じられる自伝的青春小説

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アナウンサーから女優へ。母・野際陽子が娘へ遺した言葉とは

あの野際陽子さんを母に、千葉真一さんを父にもち、自身も役者として活躍する真瀬樹里さんにインタビュー。

 

“役者一家”と聞けば、とても華やかなイメージがあるものの、実際の家族関係はどうだったのか? 母親からどんな影響を受け、どんな言葉をかけられて育ったのか? 母・野際陽子さんの生涯と素顔を綴った著書を出版したいま、あらためて振り返って語ってもらいました。

女優 真瀬樹里さん

1994年に映画「シュート!」でデビュー。2004年にはクエンティン・タランティーノ監督の映画「キル・ビルVOL.1」に出演し、殺陣指導も行うなど映画界のアクションシーンに貢献。その後もテレビドラマ・映画・演劇などで活躍し、2017年10月にスタートしたテレビ朝日帯ドラマ劇場「トットちゃん!」では、母である野際陽子さん役として出演。野際陽子さんの生涯と素顔を綴った著書『母、野際陽子 81年のシナリオ』(朝日新聞出版)を出版。
https://twitter.com/jurimanase

 

役者一家に育ち、自然と役者を志した幼少期

「真瀬さんが書いた『母、野際陽子 81年のシナリオ』、読ませてもらいました。野際陽子さんって、クールで聡明な女性というイメージだったから、あまりの天然ぶりにビックリです!」

 

「私の母はとにかく、人を楽しませたい、笑わせたいという人。クールとはかけ離れた、ひょうきんな女性でした。トーク番組ではそういったひょうきんな一面も見せていましたが、視聴者の方からするとドラマで演じた母親のイメージが強いのでしょうか。役柄と実際の母を重ねると、コメディを演じているときのほうがずっと、素に近いくらいでした(笑)」

 

「本当にいろいろな役を演じていらっしゃいましたよね。 そんな名女優を母に持ち、父は名俳優の千葉真一さん。役者一家に育ったわけですから、真瀬さんが役者を目指したのも自然な流れだったんでしょうか?」

 

 

「物心がついたときから、将来の夢はずっと役者でした。幼いころから父や母に連れられて撮影現場にお邪魔して、芝居をいろいろ目にしていました。だから芸能界という華やかな世界への憧れというより、もっと素直に『役者って楽しそう! 私もやりたい!』という思いでしたね」

 

「親の背を見て子は育つ”なんて言葉があるけれど、真瀬さんが役者を目指したきっかけも、まさにその通りだったんですね」

 

「ところが、当時の母はそれに猛反対。私がどんなに強く『子役をやりたい!』と訴えても、『ダメ! 芝居を仕事にするのは高校を卒業してから』の一点張りでした。普段はひょうきんな母ですが、意志の強い女性でもあります。だから反発するなんて、もってのほか。5歳のときから、役者の道しか考えられないと思っていた私からすれば、抑圧されている感覚です。『どうして許してくれないの?』と思い悩み、その気持ちすら満足に伝えられない。泣いてばかりの思春期でしたね」

 

「ひとりの母として、学業を優先させたかったのかもしれませんね。私にも娘がいるから、野際さんの気持ちが分かる気がします。もちろん自分も子どものころは、お母さんに反発していたけれど(笑)」

 

「私が子どもだった当時は、子役がなかなか大成しない時代。今でこそ、子役からこの世界に入って成長し、大人の俳優になる方が多くいますが、当時は違いました。そこで母は、私の将来を思って『役者の仕事は高校卒業後から!』と言って、学業を優先するようにしてくれたのかもしれません。おっしゃる通り、親心からだったんですよね」

 

「そして真瀬さんは、大学在学中に役者デビュー。高校卒業後、すぐに夢を叶えたわけですね! デビューが決まったとき、野際さんはどんな言葉を掛けてくださったんですか?」

 

「特にお祝いの言葉はなく、『まずは現場を見てきなさい、経験を積んできなさい』とだけ(笑)。若いうちから仕事を始めることに反対していた母ですが、役者になりたいという夢そのものは応援してくれていました。私が中学・高校と所属していた演劇部の舞台についても、『台詞はこう発声しなさい』と実践的なアドバイスをくれましたし。そして、何より感謝しているのが、たくさんの習い事をさせてくれたことです」

 

 

「そうでしたね! バレエをはじめ、水泳にスキー、ピアノやエレクトーンにヴァイオリン、さらに書道も習っていたとか」

 

「実はそれも一部で、もっと多くの習い事をしていたんです。役者の仕事を禁じられていた幼い私にとって、習い事が心の拠り所でした。役者の養成所に入ると、歌や踊りのレッスンがありますが、『私は同じことを、もっと専門的に学べているんだ』『この頑張りが、いつか役者の仕事につながるに違いない』と、自分に言い聞かせていました。その結果、特技が多いということが私の特技と言えるようになりました(笑)。殺陣をやっていたことが『キル・ビル VOL.1』での殺陣指導や出演につながりましたし、もしピアニストの役が舞い込んだとしても、リアルに演じられる自信があります」

 

「小さいころの努力が、いつか仕事につながる。この言葉は、将来の夢が役者でなくとも言えることですね!」

 

ここまでのまとめ

役者をするお母さんの生き生きとした姿を見て育った真瀬さん。ところが、幼いころは子役活動を許されず、抑圧された子ども時代を過ごしたというのは意外でした。けれど、その子ども時代に頑張り続けた習い事が、真瀬さんの役者人生を今支えているとは、やはり何事も無駄にはなりませんね。

 

親が生き生きとした姿を見せること、そして習い事を続けることの大事さを学んだところで、ひとまずブレイクタイム。野際さんと真瀬さんの“母娘の恋バナ”から、野際さんの逝去から少し経った今だからこそ話せる秘話まで、つづきはGetNavi web本サイトで。

 

【書籍紹介】

『母、野際陽子 81年のシナリオ』真瀬樹里(朝日新聞出版)

 

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。今回はお母さんが「母として子どもにどう接するか」のヒントをもらうべく、野際陽子さんを母にもつ女優・真瀬樹里さんのもとを訪ねたようです。

参田家の人々とは……
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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カリスマモデルとして20年……今宿麻美に訪れた「子育て」による変化とは?

20年以上モデルとして第一線で活躍しながら、結婚と出産を経験した今宿麻美さん。昨年末に2人目のお子さんが生まれてからも、ずっとおしゃれで雰囲気が変わらず、いまだ女性たちにとって憧れの存在であり続けています。

 

そんな今宿さんが、子育てでの悩みや母親になったことで訪れた心境の変化について語ってくれました。

モデル 今宿麻美さん

1978年1月7日、宮崎県出身。18歳でモデルデビュー。ストリートファッションのアイコン的存在として国内外数々のファッション誌で活躍。2013年に結婚、2014年に第一子となる男児を出産、そして2017年12月に第二子となる男児を出産したばかり。ライフスタイルブック『今宿麻美のママライフ 39 Thank you』(祥伝社)では、ママとしての“今宿麻美”を余すところなく公開。夫婦で手掛けているファッションブランド「SEASONING」にも注目。
http://www.spacecraft.co.jp/imajuku_asami/

 

2人目の子どもが生まれて学んだこと

「今日は息子さんも来てくれたのね! 可愛いわね〜、うちの息子と年齢が近くて親近感が湧いちゃうわ。2人目の息子さんを出産されてからまだ3ヶ月ぐらいしか経ってないけれど、もう本格的にお仕事に復帰しているの?」

 

「そうですね。お仕事はいろいろお声掛けいただいていて、長男を出産したときも4ヶ月ぐらいで復帰しました。私自身、すぐに仕事復帰したいという気持ちだったので。モデルと母親、どちらもやることでオンオフのスイッチになるし、気持ちもリセットできるんです」

 

「上の息子さんは、今3歳で保育園に通っているそうだけど、おしゃべりが上手になってきて活発になってきているころよね。子どもが2人になって変わったことはあるかしら?」

 

「まだ出産したばかりなので、これからいろんな変化があると思うのですが、現実的なことでいうと、ゴミと洗濯物がめちゃくちゃ増えました(笑)。あと、長男のときよりもいろいろ赤ちゃんグッズを試すようになりましたね」

 

「あら、1人目でいろいろ買って試してみるというのはよく聞くけれど……。何か理由はあるのかしら??」

 

「長男のときに周りのママさんからいろいろと情報をもらったので、知識量が増えたことが理由です。試してみたいなと思うグッズが増えて、次男の時は便利そうなグッズはとりあえず試してみることにしました。あと、長男のときはバウンサー(赤ちゃんチェア)など、子育ての必須アイテムと聞いて買ったものが次男には合わなかったんですよ。やはり現役のママさんに聞くのが一番だなと実感したのも理由ですね」

 

「わかるわ! やっぱり実際に使ったママの感想が一番タメになるのよね。今宿さんはいつもキレイで怒るイメージなんてないけど、家の中で思わず「キー!」ってなることあるのかしら?」

 

「めちゃめちゃありますよー! 何が原因で怒ってるのかわからなくなるくらいです(笑)。でも、怒った後で冷静になってみると私自身反省することもあります。例えば次男が泣いているとき。私があたふたしてしまい、つい長男に話すときに強くなってしまうことも。「今日もガミガミ言いすぎたなぁ」と反省する毎日を繰り返してます」

 

「上の息子さんは、弟さんが生まれてから変化はあった?」

 

「弟の誕生はすごく喜んでくれたし、ふたりの触れ合いを見ていると癒やされます。次男を妊娠しているときに、先輩ママから「下の子を多少放ったらかしにしてでも、上の子に応えてあげるのが大事だよ」と聞いていたけど、そのときはあまり実感できなかったんです。でも、次男が生まれてから長男が赤ちゃん返りして……。そのときに「これか!」と戸惑いましたね。甘えてくるというより、反抗的な態度になることが多くて。今まで見たことのない長男の様子にびっくりして、受け入れるのが辛かったです。そのときのケアには、とても気を遣いました」

 

「そっか〜、きっと寂しくてママの気を引きたかったのね。では、子どもが生まれて自分が変わったなぁって思うことはあるかしら?」

 

「仕事への物理的なスタンスは変えざるを得なかったんですが、働くことのありがたみをこれまで以上に感じています。今までももちろん意識していたつもりですが、出産を経て自分が自由にできない時間ができたことで、感じ方が変わった気がします。こちらの都合で内容や時間の調整をしてもらったりすることが「特別なことでありがたい」ということを強く思うようになりました」

 

「子育てしながら働くというのは、周りの人たちに支えられてこそできるというのを実感するわよね。これから将来、子どもたちとやってみたいことはあるかしら?」

 

「まだまだ先の話ですけど……一緒にお酒を飲みたいですね!」

 

「素敵! うちもいつか娘や息子が成人したら一緒に飲みたい。あと15〜20年近くかかるけど、それを励みにすれば、子育ても頑張れる気がする!」

 

【前編のまとめ】

今宿さんも、世の中のママと同じようにバタバタ過ごしていることを知って安心! モデルとスタイリストとご夫婦ともに不規則になりがちな職業ながら、週末はできるだけ仕事の予定を入れないように意識しているのだとか。後編では、今宿さんの私服選びや妊娠中のファッションについてうかがいました。こちらもお楽しみに!

 

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお母さんが子育ての悩みを解消すべく、モデルの今宿麻美さんのもとを訪ねたようです。

 

参田家の人々とは……
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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質感だけで「さすが」と絶賛された空清のブランドは? 家電のプロが教える「置きたくなる」オススメ空気清浄機

花粉除去に効果的な空気清浄機を、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏にガイドしてもらう本企画。第1回では空気清浄機選びのポイントと、ダイキンのモデルについて語ってもらい、第2回では、パナソニック、シャープのラインナップについて語っていただきました。今回は、お手入れのしやすさやデザイン性にこだわったモデルを見ていきましょう!

 

教えてくれるのはこの人!

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安蔵靖志(あんぞう・やすし)
IT・家電ジャーナリスト。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演中。その他ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっています。

 

お手入れの手間を減らしたいなら日立がオススメ

――人によってこだわりたいポイントも変わってくると思います。たとえば、空気清浄機はお手入れが面倒という人も多いですよね。

 

安蔵 そうですね。その点、お手入れをラクにしたいという人に注目してほしいのが、日立のEP-NVG110です。こちらは、運転時間の積算48時間ごとに1回、プレフィルターにたまるゴミを「自動おそうじユニット」で自動的に取り除いてくれます。

 

取ったゴミは、抗菌処理を施したダストボックスに溜まり、年に1回捨てるだけでOK。とにかくお手軽です。今後、Wi-Fiを搭載して室内の空気の「見える化」に対応すれば、もっと高く評価したい製品ですね。なお、前回紹介したシャープのKI-HP100とKI-HX75も、フィルターの自動掃除に対応しています。

 

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日立

自動おそうじ クリエア EP-NVG110

実売価格6万2370円

背面両サイドから広面積で一気に吸い込む「ワイドスピード集じん」で8畳の部屋をわずか6分でキレイにします。さらに空気を斜めに吹き出すことで花粉を素早く集める「快速花粉気流」という機能も装備。同社従来比で約2.5倍の速度で花粉を集めます。通常の空清自動運転と比べ、PM2.5をスピード清浄する「PM2.5センシング」も搭載。本体カラーはシャンパンゴールドとブラウン。

 

日立 自動おそうじ クリエア EP-NVG110のスペック

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デザイン重視ならカドーも注目

――デザイン重視という点では、安蔵さんオススメのモデルがあるとか。

 

安蔵 はい。以前にも話しましたが、空気清浄機は、デザインで納得できないものを買ってはダメ。それが常に目に入るわけですから、ずっと後悔することになります。その意味で、カドーの「AP-C200」には注目してほしいですね。直径242mmの継ぎ目のないスリムな円柱形で、デザイン性は抜群。設置場所を取らず、カラーもブラック、ホワイト、シルバーの3色からインテリアに合うものが選べます。空気の状態が青、黄色、オレンジの3段階で表示されるのもわかりやすいですね。

 

メーカーによると、活性炭の優れた吸着力と、可視光で反応する光触媒技術によって、フィルターに付着した汚れを分解し、1年間はお手入れもせずに使い続けられるとのこと。デザイン重視で手間がかからない製品を探しているなら、ぜひ選択肢に入れてほしいです。

 

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カドー
AP-C200
実売価格5万2920円

ボディ全面に吸引口を設置し、360°どこからでも空気を吸い込み、キレイな空気を真上に送り出して拡散します。空気新型光触媒「フォトクレアシステム」を採用し、フィルターをセルフクリーニングすることで、フィルターの長寿命化を実現。フィルターは0.09μm以下のPM2.5もキャッチします。ブラック、ホワイト、シルバーの3色を用意。

 

【AP-C200のスペック】

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ほかにはない質感で、所有する喜びを感じさせるのがブルーエア

――デザインでいえば、スウェーデンのメーカー、ブルーエアのデザインに引かれる人も多いですね。

 

安蔵 ブルーエアはシンプルなフォルムのなかに、北欧らしさを感じさせるデザインが秀逸。とにかく、ボディの質感が極めて良い。部屋に置いているだけで満足できる、所有する喜びを感じさせる……そこまで思わせてくれるものはブルーエア以外ないんじゃないでしょうか。

 

――フォルムだけでなく、質感も重要なんですね。

 

安蔵 他社からもデザインの優れた製品が出て来るようになりましたが、それでも質感がプラスチックのようなものも多くて。それに比べると、見ているだけで触りたくなる質感は「さすが」の一言です。

 

――ブルーエアはラインアップも豊富ですが、どれを選べばいいでしょうか?

 

安蔵 広めのリビングやスモールオフィスに設置するなら、「Blueair Classic 480i」がオススメ。シンプルで大風量、ボディはスチールで質感も最高です。Wi-Fi内蔵で、スマホと連携して空気の見える化に対応しており、スマホから遠隔操作で運転も可能です。

 

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ブルーエア
Blueair Classic 480i
実売価格9万5760円

空気清浄スピードの速さに定評がある「Blueair Classic」シリーズのミドルレンジモデルです。高性能フィルター技術と粒子イオン化技術を組み合わせた特許技術「HEPASilent テクノロジー」を搭載。目の粗さの異なる3枚の素材を重ねて折り畳んだ独自開発のフィルターを採用しており、汚れの捕集力が高く、目詰まりしにくいのが特徴です。Wi-Fi機能を搭載し、専用アプリで屋内や屋外の空気環境をモニタリングできます。

 

安蔵 コスパが高いのは、「Blue by Blueair Blue Pure 221 Particle」。実売3万円台ながら適用畳数が~47畳まで対応します。ちょっと縦長のキューブ形状で、本体の下半分の全周から空気を吸って上部から吐き出します。操作は本体側面の中央に付いた「Blue」のロゴの入った丸いボタンに触れるだけと超シンプルです。子どもでも操作できますね。

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ブルーエア
Blue by Blueair

Blue Pure 221 Particle
実売価格3万540円

33㎝四方の角型ボディに高い空気清浄力を搭載。多層構造の筒型フィルターで360°集じんし、清浄な空気を大風量で上方に放出します。Wi-Fi機能とセンサーは非搭載。

 

――ブルーエアにはほかにも、グッドデザイン賞などを受賞した「Blueair Sense+」や、約2万円の「Blue Pure 411 Particle + Carbon」といったラインナップもあります。これらはどうですか?

 

安蔵 Blueair Sense+はシンプルで飽きのこないボタンレスのデザインで、6色で展開しているため、インテリアに合わせて選べます。また、Wi-Fi搭載で、エアーモニターの「Blueair Aware」(別売・実売価格2万4250円)との連携も可能。インテリア性にこだわりつつ、空気の見える化を堪能したい人にオススメです。

 

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ブルーエア
Blueair Sense+
実売価格4万7830円

スチール製の本体に強化ガラスを組み合わせたミニマルデザインで各国のデザイン賞を受賞。特許技術「HEPASilent テクノロジー」を搭載するほか、天面に手を滑らせて操作するモーションセンサーを採用します。Wi-Fi機能も搭載。カラバリはポラールホワイト、ウォームグレー、リーフグリーン、ミッドナイトブルー、ルビーレッド、グラファイトブラックを用意します。

 

安蔵 一方、Blue Pure 411 Particle + Carbonはコンパクトな円柱状で、カバーフィルターを気分やシーズンで着せ替えられるのがユニーク。低価格ですし、一人暮らしのワンルームに初めて導入するようなケースにはピッタリですね。友達が遊びに来た時の話のタネにもなりそうですし、贈り物にも良さそうです。ただ、ブルーエアはデザイン、機能とも優秀ですが、いずれも加湿機能を備えていないのが惜しい。でも、これだけオシャレなら、加湿器を別途用意してもいいかな、と思っちゃいますね(笑)。

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ブルーエア
Blue Pure 411Particle + Carbon
実売価格1万9440円

小型ボディに独自の粒子イオン化技術とフィルター技術を装備。360°吸引で花粉から生活臭まで強力に除去します。カラフルなプレフィルターは着せ替え交換できるのが特徴。

 

【ブルーエアラインナップのスペック】

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二台目需要に応えるダイソンのPure Hot+Cool Link

――このほか、ややユニークな立ち位置になりそうなのが、扇風機、ファンヒーター、空気清浄機の1台3役のダイソンの「Dyson Pure Hot+Cool Link」かと思います。こちらは、どう評価しますか?

 

安蔵 1台3役で設置スペースが節約できるのはいい。ただ、空気清浄機として評価するのは、少し違うかな…という気もします。メイン機能は温風も出る扇風機ですから、「扇風機一台分のスペースで暖房も空気清浄も利用できる」と捉えるべきですね。空気清浄機としての能力は今回紹介した他社製品と比べると、決して高くありませんが、「Dyson Link アプリ」で室内や地域の空気の状況が見えるので、モニターとして利用するのもアリだと思います。モニターとして使うなら、温風機能はありませんが、よりコンパクトかつ安価な「Dyson Pure Cool Link テーブルファン」(実売価格4万3470円)を導入するのもアリですね。

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ダイソン
Dyson Pure Hot+Cool Link
実売価格6万3530円

空気を浄化しながら、温風と涼風を送り出すことができる、通年で使用しやすいファンヒーター。HEPAフィルターを搭載し、0.1μmレベルの微細な粒子を99.95%まで除去できます。

 

安蔵 あるいは、空気の汚れがちょっと気になるけれど、そこまで悩んでいないという場合や、すでに空気清浄機やヒーターを一台持っていて、気流制御などの性能にやや不満があるので、組み合わせて使いたいと場合にもオススメ。部屋がL字型といった複雑な間取りの場合は空調に死角ができるケースが見受けられるので、そういう家庭に向いていると思います。その意味では、ヒーターなしの「Dyson Pure Cool Link タワーファン」(実売価格5万6540円)は、高さがあって風量も出るので、こちらを選んだほうがいいでしょう。

 

【ダイソン 空気清浄機能付ファンヒーター Dyson Pure Hot+Cool Linkのスペック】

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「デザイン」と「空気の見える化」を重視して、後悔しない選択を!

――3回にわたって、各メーカーの主要モデルをひと通り見てきました。選び方について、もう一度「これだけは覚えておいてほしい」というところはどこでしょう。

 

安蔵 とにかく「邪魔にならないデザイン」が第一。室内に設置したときに邪魔に感じるデザインだと、時間が経つにつれて使わなくなってしまいます。一方、「空気が見える化」できるWi-Fi対応モデルは、効果が目に見えるので、使うモチベーションが続くのがメリット。この2つを重視しつつ、コストやお手入れの手間を加味して選びましょう。ぜひ、部屋にずっと置いて後悔しない製品を選んでください!

【2018保存版】今年の花粉はキケンです! 「花粉症の気象予報士」が最新予報と最強の空気清浄機「ブルーエア」をやさしくレクチャー

今年も花粉症の季節がやってきました。そこで今回は、花粉症およびハウスダストアレルギーに苦しむ気象予報士、元井美貴さんにお願いし、今年の花粉事情と花粉の性質を徹底的に解説してもらいます。さらに、花粉に悩む元井さんのために、GetNaviが自信を持ってオススメする空気清浄機、Blueair(ブルーエア)の「Blueair Classic 480i」を用意。世界基準CADR(後述)において、花粉除去でも最高値を記録した本機を実際に使ってもらい、その喜びを語ってもらいました!

 

教えてくれたのはこの人!

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気象予報士

元井美貴(もとい・みき)さん

東京都出身。青山学院大学在学中の2000年に気象予報士の資格を取得し、BS-i「キャンパスウェザー」で大学生お天気キャスターとしてデビュー。現在は、TBSテレビで気象解説を担当するほか、プロレス番組キャスターやプロレス解説としても活躍しています。天気をプロレス技で例える「プロレス天気予報」や、フラダンスで天気を表現する「フラダンス天気予報」など、趣味を生かした斬新な天気予報でも知られています。花粉症とハウスダストアレルギーに苦しんでおり、ブルーエアの空気清浄機には興味津々。

 

花粉除去といえばコレ!

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↑画像クリックで製品の公式サイトにジャンプします

Blueair

Blueair Classic 480i

世界的な空気清浄機専業ブランド、ブルーエアのミドルレンジモデル。目の粗さの異なる3枚の素材を重ねて折り畳んだ独自開発のフィルターを採用。フィルターは大小の汚れの捕集力が高く、目詰まりしにくいのが特徴です。Wi-Fi機能を搭載し、専用アプリで屋内や屋外の空気環境をモニタリングできます。

SPEC●適用床面積:〜33畳●最大風量:9.9㎡/分●運転音:32~52dB(A) ●フィルター交換目安:約6か月●センサー:PM2.5/VOC/温度/湿度●サイズ/質量:W500×H590×D275㎜/約14㎏

 

今年は花粉の「表年」で飛散量は去年の約2倍!

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――いよいよ花粉の季節がやってきました。元井さんご自身も花粉症とのことですが、どのような症状が出るのでしょうか?

 

元井 特に花粉が多い年は、ノドと鼻が辛いですね。涙が出て、全体的に顔がかゆくなるというか。元々ハウスダストアレルギーがあり、春先は花粉症で弱っているだけに、ハウスダストアレルギーも激しくなってしまいます。私にとって、春はいちばん体調を崩しやすい季節なんですね。だからこそ、今回、花粉に効くというブルーエアが使えるのをとても楽しみにしていて。実際使ってみたら、やっぱり良かったです!

 

――それは良かったです。今回用意したBlueair Classicは、世界的なブランド、ブルーエアのなかでも特に空気の浄化スピードが高いシリーズ。花粉対策にはこれ以上ないモデルですからね。その魅力はのちほど存分に語っていただくとして、まずは今年のスギ花粉の量から教えてください。

 

元井 残念ながら、今年の花粉は多くなりそうです。東京を例にとると、飛散量は去年の2倍になりそうですね。

 

――2倍ですか! なぜ今年は花粉の飛散が増えるのでしょうか。

 

元井 花粉が飛ぶ量は、前年の夏の気象条件に左右されるんです。夏の日照時間が長くて気温が高いほど、スギ花粉はたくさん作られます。そして、次のシーズンの春に大量に飛散するんですね。反対に、前年が冷夏だったり長雨だったりすると、次の春の飛散が少なくなります。業界では、花粉が多く飛ぶ年を「表年(おもてどし)」、少なく飛ぶ年を「裏年(うらどし)」と呼び、この「表」と「裏」が交互に繰り返されると言われています。

 

――では、今年は「表」だと……。

 

元井 はい。去年は「裏年」だったこともあり、今年は多くなりそうです。東京だけではなく、全国的にも昨年の2倍くらいの花粉が飛散すると言われています。

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スギ花粉のピークは3月だが、その後のヒノキ花粉にも注意すべし

――花粉症患者にとっては試練の年になりそうですね……。全国的に見ると、どの地域が多くなりそうですか?

 

元井 元々、関東甲信や東海、四国は花粉が多いんです。なかでも、近隣にスギ林が多く、地形や風向きなどの関係から、高知県や三重県などが飛んできやすい。今年はこれらの地域に加えて東北地方も多くなりそうですね。これも、昨年の夏の天気が良かったことに原因があります。

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――花粉のピークはいつごろになりそうですか?

 

元井 スギ花粉は3月いっぱいがピークです。ただし、東京は3月上旬から4月上旬までと、ピークが長く続くので注意してください。実は、スギ花粉が終わってからも安心はできません。これは、東海から西の地域を中心に、スギ花粉から1か月遅れでヒノキ花粉が飛散するため。ヒノキ花粉もスギと同様のアレルギーを引き起こし、お花見シーズンと重なるので、「桜の花粉症かな?」と勘違いする方もいらっしゃいます。スギ花粉のピークが終わっても、ゴールデンウィークくらいまでは注意が必要ですね。

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3つの条件が重なると花粉が多く飛ぶので要注意

――では、本格的なスギ花粉のピークを迎えたとして、花粉が多い日、少ない日があらかじめわかっていると、対策がとれるのでうれしいですよね。予想するにはどうしたらいいでしょうか?

 

元井 一定の気象条件が揃うと花粉が多く飛ぶので、その条件を知ることが大切です。花粉が多くなる条件は大きく3つ。①最高気温が高く②雨上がりの翌日で、③風が強く空気が乾燥しているとき。雨が降っていると、花粉が飛ばないので花粉症患者はラクなのですが、次の日、一気に気温が上がって風が強くなると、大量飛散につながります。そんな日は、ブルーエアをガンガン回して、しっかり花粉を除去したいところですね。

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――なるほど。雨の翌日は、ブルーエアでしっかり対策、というわけですね。では、1日のなかで、花粉が多く飛ぶ時間帯はありますか?

 

元井 特に「昼前後」「日が沈んだあと」は花粉が多く飛びます。まず気温が上昇し、杉林から飛んできた花粉が街に到達するのが昼前後。気温が上がると上昇気流が起こり、上空に舞い上がった花粉が落ちてくるのが日が沈んだあと、というわけです。

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花粉症ではない人でも花粉は浴びないほうがいい

――昼ごはんを食べに出て花粉を浴び、帰宅時にまた浴びる……。ビジネスマンは大変ですね。

 

元井 しかも、街に落ちてきた花粉は、アスファルトで吸収されず、どんどん降り積もっていくのがやっかいなんです。積もった花粉は風で巻き上がって、また降りてきて……という動きを繰り返す。それだけに、アスファルトが多く、風向きや地形から花粉が飛んで来やすい東京は、花粉を大量に浴びやすい環境にあるわけです。そして、花粉を浴び続けると、いままで症状がなかった人も花粉症になる可能性があるんです。

↑花粉のイメージ。花粉表面のトゲがアレルゲンとなります。花粉はアスファルト上だと地面に吸収されないため、降り積もった花粉は風で巻き上げられることになります↑花粉のイメージ。花粉はアスファルト上だと地面に吸収されないため、降り積もった花粉は風で巻き上げられることになります(画像出典:ゲッティイメージズ)

 

――えっ、花粉症になるか、ならないかは体質で決まるんじゃないんですか?

 

元井 よく、コップの水に例えられますね。少しずつコップにたまった水が、許容量を超えるとこぼれるのと同様、花粉に接する機会が一定レベルを超えると、いままで何ともなかった人が、ある日を境に花粉症の症状に苦しむ可能性があるわけです。実際、花粉症の患者は増えていて、2017年の3月のデータでは、東京でのスギ花粉症の患者さんは全体の48.8%。ほぼ半分にまで達しています。

 

――なるほど。「自分は花粉症じゃないから」という人も、花粉はなるべく浴びないほうがいいんですね。

 

元井 はい。そのためには、屋外では極力花粉を浴びないようにし、家の中ではブルーエアのような花粉除去力の高い空気清浄機を使って、家族にも花粉を浴びさせないように努力したいですね。

 

――ちなみに、「大気汚染が花粉症を悪化させる」といった説もあるようですが、その点はいかがでしょうか?

 

元井 環境省のデータによると、PM2.5のひとつであるディーゼル排気の粒子が、鼻などのアレルギー症状と目の結膜炎を悪化させたというデータがあります。花粉症と大気汚染の明確な関連はわかっていないとのことですが、PM2.5の濃度が高いときは、注意しないといけません。

 

――そういえば、PM2.5が増える時期は花粉の時期と同じですね。

 

元井 たしかに、同じ春先です。この時期、黄砂とともに偏西風に乗った大気汚染物質が大陸からやってきます。実際、この時期は日本海側でPM2.5の濃度が高くなるのがわかっています。その意味で、花粉とPM2.5の両方を除去できるブルーエアの空気清浄機は、花粉症を防ぐうえで有効な手段になってきますね。個人的には、ハウスダストアレルギーも防げるので、一石二鳥です。

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ブルーエアの空気清浄機は、これまでの空気清浄機とどう違う?

――さて、これまでのお話でもたびたび登場しましたが、今回は元井さんのために、GetNaviが自信を持ってオススメするブルーエアの「Blueair Classic(ブルーエア クラシック) 480i」を用意しました。こちらは、花粉を含むすべての対象物質で、空気浄化の世界基準「CADR」(※)の最高値を達成したブランド。とにかく、空気を浄化する性能が高いことで有名なんです。元井さんは、このブルーエアというブランドはご存じでしたか?

※CADR…Clean Air Delivery Rate(クリーンエア供給率)の略。米国家電製品協会(AHAM)が定めた、 空気清浄機が清浄な空気を供給する量を表す指標です。数値が高いほど、空気を浄化するスピードが速くなります

 

元井 はい。以前から気になっていたので、今回、実際に使うことができてうれしいです!

 

――使ってみて、これはスゴイ! と思った点はありましたか?

 

元井 とにかくパワフルな風に驚きました。キレイな空気が部屋の隅々までいきわたっていくのがわかります。これだけ風が強いと、花粉やハウスダストもしっかり引き寄せて、一気に吸い取ってくれそうですね。特に花粉は重いので、床に落ちる前に素早く吸引することが重要。その点、空気を浄化するスピードが極めて速いブルーエアを導入することは、花粉対策として理にかなっています。GetNaviさんがオススメするのも納得ですね。

 

あと、個人的には気分や用途に合わせて3段階で風量が調節できるのが気に入っています。それぞれの風量が絶妙で、たとえば、寝るときや仕事に集中したいときは、弱めの風にすれば音が気になりませんし、ふだんは中間の風量にしておけば常にそよ風が吹いているような心地良さ。そして最大風力で使うと、部屋の隅に置いていても、窓際のカーテンが揺れるくらいのパワフルな風に。窓を開けて換気したときのように、空気をリフレッシュすることができるのがうれしいです。

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↑↑本体に大型ファンを搭載し、室内全体の空気を豪快に循環させます。汚れた空気を側面から吸引し、フィルターで浄化した空気を側面から放出します

 

Blueair Classic 480iの公式サイトはコチラ

 

――ちなみに、元井さんは以前、別の空気清浄機を使っていたとき、不満が多かったとうかがいましたが……。

 

元井 5~6年くらい前、空気清浄機と加湿器が一緒になっていたものを買ったんですけど、こちらは加湿器の扱いが悪かったのか、使っているうちに異臭がしてきまして。空気清浄機なのに、イヤなニオイが広がっていくという惨事に……。それから使わなくなってしまったんです。

 

――加湿器のフィルターにカビや雑菌が増えたのが原因でしょうね。これは加湿機能付き空気清浄機の「あるある」です。

 

元井 あと、以前のモデルは、デザインがいかにも「家電です」といった印象で。寝ているときの「ボクは働いているよ」というアピールもスゴかった。ランプの点滅がずっと天井に反射しているのが気になって、ふせんを何枚も貼ってみたんですが、風と一緒に舞い上がってしまい……。

 

――イヤなニオイが広がって、夜も気になって寝付けない……と。それは災難でしたね(笑)。

 

室内になじむデザインとナイトモードがうれしい

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元井 その点、ブルーエアはさすが北欧(スウェーデン)のメーカー、デザインがすごくオシャレで。一見、空気清浄機に見えないから、オフィスにあっても家庭にあってもなじむというか。眠るときは光をOFFにすることもできるし、音を抑えてくれるナイトモードもある。ナイトモードが時間で指定できるのもありがたいですね。おかげで、夜は眠りに入りやすくなり、そのぶん朝の目覚めもよくなった気がします。

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↑操作パネルは直感的に使えるシンプルなデザイン。光量はアプリで調整できるうえ、フタを閉めれば光が漏れる心配もなし

 

――メンテナンスの面ではいかがですか? 6か月に一度、フィルターを交換するだけでOKとのことですが。

 

元井 以前に使っていたモデルは、掃除機でたまに吸うぐらいはできたんですが、中のものをどう交換していいかわからなくて。逆に、ブルーエアは「フィルターを替えるだけ」というのはわかりやすくて扱いやすいです。「フィルター交換まであと何日」とアプリで確認できるのもいいですね。

20180216-s1 (1)↑フィルターは背面からカンタンに取り出せます。

 

↑フィルターの構造。イオナイザーでウイルス、細菌、ハウスダストなどの有害物質をマイナスに帯電。プラスに帯電した目の粗さの異なる3層のフィルターでキャッチします。目詰まりを起こしにくく、風量も維持しながら、静音性と省エネにも貢献↑高性能フィルター技術と粒子イオン化技術を組み合わせた特許技術「HEPASilent® テクノロジー」を搭載。イオナイザーでウイルス、細菌、ハウスダストなどの有害物質をマイナスに帯電(中央)。プラスに帯電した目の粗さの異なる3層のフィルターでキャッチします(右)。目詰まりを起こしにくく、風量も維持しながら、静音性と省エネにも貢献

 

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屋外は気象予報士にまかせ、屋内はブルーエアにまかせてみては?

――いま、アプリの話が出てきましたが、アプリの使い勝手はどうでしたか?

 

元井 本当に便利でした。リモコンを探してうろうろすることはありますが、スマホは常に持っているから、その場ですぐ操作できるのがうれしい。アプリで名前が付けられるので、親近感も湧きますね。私は「ブルー・デモン」(※)と名づけていたんですが、風量を上げるとゴオーっとすぐに反応してくれて。「ブルー・デモンくん、ちゃんと言うことを聞いてくれてるな」と、頼もしく思いました。

※ブルー・デモン……元井さんが愛してやまないメキシコのレジェンド覆面レスラー

20180216-s1 (2)↑Wi-FIと接続すると使用できる「Blueair Friend(ブルーエアフレンド)」アプリ。電源のON/OFFや風量の調節、パネル光量の調節などができます

 

――アプリだと、室内の様子もモニタリングできるんですよね。

 

元井 そうなんです。アプリで「PM2.5」として、PM2.5や花粉、ホコリを含む粒子の量が計測できますし、CO2が増えると窓を開けるよう、アラートで知らせてくれます。気象予報士としては、気温、湿度が見えるのもうれしいですね。外出先でも室内の様子がチェックできるので、小さなお子さんやペットがいる家庭も安心です。過去のデータが蓄積されていて、グラフになって表示されるのも素晴らしい。寝ている間の湿度などは気になりますから。

↑モニター画面。↑室内をモニターする画面。室内のPM2.5やVOC(ニオイ、揮発性有機化合物)、CO2、温度、湿度の変化をリアルタイムで確認できます。状況の変化をグラフで表示してくれるのも便利です

 

↑↑屋外の特定の場所を選び、空気の状況を表示させることも可能

 

――たしかに、ここまで手軽に屋内の様子がチェックできるようになると、すぐに対策が取れるので便利ですよね。

 

元井 そうですね。屋外の様子は、私たち気象予報士が「天気予報」として知らせることができます。ただ、屋内の様子は誰も予想ができません。だからこそ、屋内の状態が見えて、しっかり管理できるのはブルーエアの大きなメリット。家の外のことは私たち気象予報士にまかせていただき、家の中のことはブルーエアにまかせる……そんな役割分担があれば。日々を安心して過ごせるのではないでしょうか。花粉をきっかけに、室内環境を改めて見直してみるのもいいかもしれませんね。

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追加・削除された語句はどう選ばれた? 「広辞苑」10年ぶり大改訂の裏側を直撃インタビュー!

先月発売となった「広辞苑」第七版。10年ぶりの大改訂で新たに1万項目が追加されたことでも話題となっていますが、この10年と言えば、スマホやSNSが普及し、言葉も大きく変わった時代です。目まぐるしく変わっていったこの時代のなかで、「広辞苑」の制作現場ではどんな編集作業が行われていたのでしょうか。今回は「広辞苑」第七版の編集に携わった岩波書店の平木靖成さんに、辞典編集の実際をうかがいました。

20180215_y-koba2 (14)_R↑岩波書店・辞典編集部の副部長、平木靖成さん。「広辞苑」「岩波国語辞典」など、辞典の編集歴20年以上のすごいお方です

 

「広辞苑」は国語辞典ではない!?

――「広辞苑」は日本における辞典の代表ともいうべき存在ですが、ほかの国語辞典と比べてどんな違いがありますか?

平木靖成さん(以下:平木):まず、「ほかの国語辞典と比べて」とのご質問ですが、実は「広辞苑」は国語辞典ではありません。“国語辞典と百科事典を1冊に合わせた辞典”というのが、1955年にデビューした「広辞苑」のコンセプトです。単に言葉だけを扱うのではなく、事柄も扱うものなのです。

 

競合辞典を挙げるとするならば、「大辞泉」(小学館)や「大辞林」(三省堂)になります。これらはすべて、「広辞苑」と同じく国語+百科という体裁になっています。

 

――そういった競合辞典もあるなかで、「広辞苑」としての特徴はどういったところでしょうか?

平木:「広辞苑」は時代とともに語義変化があった場合に、(現代の意味からではなく)古くからある元々の意味から順に記載してます。ここがほかの辞典とは1番違っているところかなと思います。

 

――今回、10年ぶりに改訂された第七版が話題を呼んでいるわけですが、主にどんなところをアップデートされたのでしょうか?

平木:百科的な項目は、この10年の間の変化……つまり、研究が進んだり、法律が変わったり、市が合併して新しい市ができたりというところの反映が主な改訂になります。

 

もちろん、10年経ったからといってあまり変化をしなかった分野もあります。例えば、歴史ですが、そういった分野でもこれまで手薄だったところには、力を入れました。

 

一方、国語項目のほうは世の中で定着したと考えられる言葉、例えば「がっつり」「ちゃらい」「のりのり」などを収録しました。また、類義語の意味の違いの書きわけも今回の改訂の大きな柱です。例えば、「さする」と「なでる」の違いがすっきりわかるようになっています。

 

第七版の改訂は、第六版制作中から始まっていた!?

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――10年ぶりとなった今回の改訂は、いつ頃から着手されたのでしょうか?

平木:着手というのが何を指すかにもよりますが、辞典の業界では「辞典を出した直後から、次の改訂を始める」とよく言われます。今回で言えば、前回の第六版を作り終えたときに「ここが足りなかったから、次の第七版で力を入れよう」というようなことです。

 

しかし実際には、改訂版を出す前から次の課題は見つかっているものです。時間が足りないなどの理由で諦めざるを得なかったけれど、次の改訂の課題としてそれらは蓄積されていきます。そう考えると、改訂の着手は前回の改訂版を作っているときからすでに始まっているとも言えるのです。

 

――第六版を出す前から、というのは驚きました。では、改訂の実作業をスタートさせたのはいつ頃だったのでしょうか? また、特に大変だったのはどういった点でしょうか?

平木:チームとして立ち上げたのは、2013年からです。最初は14人のチームだったのですが、出たり入ったりがありつつ、最も多い時期には外部の校正者を含めて17人のチームになりました。

 

編集部員には担当分野を決めます。国語のほうはあまり細かくないのですが、百科のほうは460くらいのカテゴリがありました。当然、各編集部員にとって得意な分野が割り当てられることが多いのですが、ときには得意じゃない分野を受け持たなければいけないこともあります。そういう場合、人にもよりますが、きっと大変だったのではないかと思います(笑)。

 

「未来に定着するかどうか」を予測しながらの新語収録

――今回は新しい項目を約1万収録しています。こういった項目はどのようにして決められたのでしょうか?

平木:国語分野では、編集部員が日頃からメモしていたものや、読者の方からの「こんな言葉が入っていないから入れてほしい」という要望をずっと溜めておいて、編集会議で「何を収録して、何を収録しないか」を決め、最終的に国語の監修の先生に確認していただきました。

 

その際、掲載するかしないかの判断は「日本語として定着しているか」または「定着する可能性があるかどうか」……それだけです。

 

――「定着する可能性がある」という予知的な観点で収録する・しないを決めることもあるのですね。

平木:特に若者言葉や俗語というものは使われ方が不安定です。仮に、次の改訂が10年後だとして、その10年後までそのままで使われ続けているかどうかと考えた際、「今回は見送っておこうか」ということもあります。

 

一方、百科のほうは国語ほど難しくはない面があります。例えば、新しい法律ができたら、それはたぶん10年以上は使われていくものでしょうから、「未来の定着」の判断を比較的しやすいのです。

 

――今回の改訂で多く項目が追加された分野はありますか?

平木:料理・スポーツ・ポピュラー音楽・アニメなどの分野は重視しました。料理では「キーマカレー」「チュロス」とか、あとはワイン関係で「テロワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」とかを入れました。

 

「広辞苑」に限らず、辞典はもともと男性目線のものが多かったんです。しかし、例えば新聞でいう家庭欄で使われるような言葉、女性のほうがよく使う言葉もきちんと入れていく方向に変わってきています。

 

基本的に項目を減らさないなか、削除される語句とは?

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――改訂によって逆に削除する項目もあるのでしょうか?

平木:今回は数百項目くらいを減らしましたけれど、「広辞苑」は古語から扱っている辞典ですので、いまではあまり使われなくなった言葉だからといって削除しません。であっても、明治時代の小説を読むときには当時の旧制高校の学生言葉も入っていないといけないですし、バブル期の歌を聴くときには「ポケベル」の意味がわからないといけません。

 

ただ、そういったなかで改訂で落とす対象になりやすいのが、2つ以上の言葉が合わさってできた単純な「複合語」です。今回の改訂でいえば、「書留小包」という言葉を落としましたが、理由は「書留」と「小包」というそれぞれの言葉を引けば「書留小包」の意味もだいたいわかりますよね。同じような理由で「給水ポンプ」「基本値段」といった言葉も落としました。

 

一方、複合語でも、そこで新たな意味を生み出しているものは収録します。例えば「あの人」「あの川」「あの山」という言葉は載せないですが、「あの世」となったら、これは「死後の世界」という意味を持ちますから載せるという判断になります。

 

辞典編集者は「正しい言葉」ということを基本的に考えない!?

――最初の話に戻りますが、10年以上関わってきた改訂版が出たときのお気持ちはいかがでしたか?

平木:できあがって嬉しいと思ったことはあまりないんですよ。作っている過程は楽しいこともあるのですが、冒頭でもお話ししたように常に先々への課題が見つかりますし、いろいろなご意見やご要望を読者の方からいただきますので。

 

――ずっと言葉について考える仕事をされていると、例えば電車に乗っているときなどについ言葉が耳に入ってきて「その言葉の使い方、違うんだけどな」と思うような、職業病みたいなことはありませんか?

平木:「違うんだけどな」とはあまり思わないですね。「正しい言葉とは何か」を知りたい人は世の中に多くいますが、辞典編集者は「正しい言葉」ということは基本的に考えませんので。

 

――!?  どういうことですか?

平木:言葉は常に変化していくもので、使う人が多くなればなるほど、それがいわば正しくなっていくからです。昔は「うつくしい」の語義が、枕草子にあるように「かわいらしい」という意味だったけれども、いまは「ビューティフル」の意味で使わなければ意味が通じません。

 

助詞の使い方などにしても、明治時代は「服を着る」ことを意味して「服装する」と言っていたこともありました。ほかにも、「必死に働く」を「必死と働く」と言っていたり。

 

なので、何が正しくて、何が間違いであるのかというのは、時代ごとにどのような言葉や言い方が多く使われていて、いかに不自然に思われないかというだけなんです。ですから、普段生活の場で言葉に触れるときは、「違うんだけどな」という見方はなくて、「こういう言い方もするようになったんだな」という見方をすることが多いです。

 

――ありがとうございました!

 

果てしない数の言葉に触れ、その意味を追求しながらも、一方で時代に合わせた柔軟性も持っていないと成り立たない辞典編集の世界――。こういった制作側の思いをも感じながら「広辞苑」のページをめくってみたいものですね。

女装することの意味とは? 男の娘・大島 薫が語る男性の深層心理

女性と見まごうほどかわいらしい外見の大島 薫さん。工事もホルモンも一切なしの、れっきとした男性、いわゆる男の娘です。その大島さんは現在、同じ男の娘であるミシェルさんと恋愛中です。「2人が出会ったのは運命」と言い切る大島さんに、人と付き合うことの意味や、男性の深層心理についてお話ししてもらいました。

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大島薫さん(以下、大島):ミシェルはボクがずっと追い求めていた理想の男の娘なんですよ。だからミシェルと一緒に家でバカ話をしていると、子どものときに戻ったような感覚になるんですよね。ミシェルはミシェルで、男性性を押しつけられた幼少期と、両親の離婚による不信感を取り戻しているところなんです。ミシェルもボクといると子どものころに戻ったような感覚になるみたいです。

 

——先日、別の人から「無邪気に笑える恋はいい恋だ」って聞きました。まさにそれですね。

 

大島:誰でもみんな、子どものときに欲しかったけれど得られなかったものがたくさんあると思うんです。それらを捨てて諦めながら大人になっていくんですよね。でもほんとうに好きな人と一緒に生きていくって、欲しかったものを取り戻していくことだと思うんです。

人はみんな、いびつな欠けた形をしているんですよ。感情的だったりネガティブ思考の人って、欠けている部分が多いんだと思うんですが、それをいろんな出会いや経験をすることで、ちょっとずつ補って本来あるべきだった形に戻っていこうとしているんだと思うんです。

 

——シェル・シルヴァスタインの「ぼくを探しに」ですね。

 

大島:問題は、みんながみんな欠けているから、自分の欠けたところを補ってくれる人と出会えるかがわからないことですよね。同じところが欠けている人には自分の穴は埋めてもらえないし。だからそういう意味では、ボクがミシェルと出会えたことは運命だなと思えます。ボクもいろんなところが欠けていたけど、ミシェルと出会う前の恋愛で、彼らからちょっと補ってもらえたのかもしれないし、だからいまミシェルに補ってあげられてるのかもしれない。これが一番最初の恋愛だったらうまくいってないかもしれないですよね。

 

——恋愛の経験を積むって大事なことだと思います。

 

大島:かといってテキトーな人と付き合っても補ってはもらえないですけどね(笑)

 

——!……難しいですね。自分をさらけ出せる人とどれだけ深い付き合いができるかってことでしょうか。

 

大島:家にいるときはニャンニャン口調で甘えてくるみたいな男性はいますよね。それは信頼の置ける相手にだからできることです。でも多くの女性は「いやいや、出会ったころはそんなんじゃなかったよね。思ったより女々しいんだね」ってガックリすると思うんですよ。だから結局恋愛って、どっちが我慢するかになっちゃうんですよね。こっちの願望を押しつけるか、向こうの願望を叶えてあげるか。

 

——そう、いつも相手の都合のいいような付き合いになっているなという気持ちになるんですよね。

 

大島:でもそれを満たしてあげると、相手が回りまわって自分を満たしてくれる可能性もありますしね。好きなことをやらせておいて、飽きて満たされたときに戻ってきたら、今度は自分を満たしてくれようとするのかなと思ったりもするんですよ。

 

——満たされない思いというと、女装することもその表れでしょうか。

 

大島:そうですね。女の子みたいに甘えたい願望をもっている人が、男の見た目のままでは甘えられないから女装したりするわけですよね。「甘えたい」とか「可愛く見られたい」っていう願望がダイレクトに表れているのが女装なんですよね。女装癖まで行かなくても、ニャンニャン口調になるのもその表れと考えられます。

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——女装というのは、深層心理の表れなんですね。

 

大島:外見と中身は違うといっても、やっぱりかっこいい服を着ると振る舞いもかっこよくなるし、可愛い服を着ると振る舞いも可愛くなる。だから形も大事なんです。赤ちゃんプレイだって、赤ちゃん口調になればいいだけなのに、ガワも入るでしょ? 自分の気持ちを盛り上げるためにも必要なんです。

 

——男性たることに実はプレッシャーを感じている男性たちに、女装をすすめてみるのはどうでしょう? 

 

大島:いや、ボクが言うのもなんなんですけど、男でいるんだったら男であることを頑張ってほしいんですよね。そのほうがかっこいいし、そうできる人のほうが実は少ないから。

 

——確かに、いまは昔のような男気にあふれた人って少なそうです。年上お姉さん好きとかけっこういるし。

 

大島:最近、男でいようと努力している男性ってあまりいないと思うんですよ。それこそ「ワリカンでいいじゃん」みたいな。女の子を呼んでセックスして、終わったらピロートークもせず「帰っていいよ」みたいな。それは全然男らしくはないじゃないですか。

 

——クズ男らしい感じではありますね(笑)。

 

大島:「女の子はそこで帰してほしいと思ってないよ」って察しろよ男だったら!って思うんですよ。どんなに眠たくて面倒でも、腕枕の1つしとけばいいじゃんって。そういうのができてない人が多いけれど、それこそドア開けるだの椅子を引くだの、階段を先に行かせるだの、なんでもいいからそこから頑張れよって思うんですよね。

 

——そんな人がいたら絶対かっこいいと思うけど、大島さんはそこを目指さなかったんですか?

 

大島:いやいや、見た目がこうなだけでやってますよ。

 

——そこはもう「ガワから入る」問題じゃなくなっちゃったということですか?

 

大島:いまこの見た目だからそう思うってのもあります。「あー、今月厳しそうなのに頑張ってこの店払うんだ」なんて、可愛いなって思っちゃいますね。ちょっと自分を見てるようでもあって。ボクが男性に対して可愛いなって思う瞬間は、男であることにとらわれるところが垣間見えたときなんです。女性のほうはどうでしょう?

 

――自分のために頑張ってくれている男性を見るのは可愛いですね。純粋に嬉しいなって思います。確かに、男性として見栄を張らないのに、自分を大きく捉えてほしいという男性には魅力を感じないかもしれませんね。

 

見た目は女性だけど、中身は最上級に男らしかった大島さん。男とか女とか、そういう性別を乗り越えて、とにかくかっこかわいい人です。

 

そんな大島さんを作ってきた成り立ちと、ミシェルさんとの関係を描いた作品「男の娘どうし、恋愛中。」(宝島社)、大好評発売中です。

【男の娘・大島薫インタビュー】“極端な男性性”にとらわれた過去、そして現在は「頼りがいのある彼氏」!?

見た目は美女だけど中身は100%男性な男の娘・大島 薫さん。このたび、同じ男の娘であるミシェルさんとの関係を綴った新刊コミック「男の娘どうし恋愛中。」(大島 薫、ふみふみこ)を上梓しました。それがあまりに愛に満ちているうえ、ジェンダー問題を問いかける作品だったんです。読んだあと、いてもたってもいられなくなり、大島 薫さんにお話を聞きに行ってきました。

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――大島さんは男の娘になる前、いわゆる「男」だったのですよね?

 

大島 薫さん(以下、大島):そうです。めちゃくちゃ“男”でした。ボクはすごく“極端な男性性”にとらわれて生きてきたんです。両親からはものすごく「男らしく」と言われて育ったし。子どものころから、母親がクルマに乗るときはドアを開けるよう父親に教えられましたしね。そういう環境もあって「カバンを持つなんてダサい、ジーパンのポケットに財布だけ入れて出掛けるのが男だ!」とか、「鏡の前に立ってキメキメで服を選ぶのは情けない、そこら辺にかけてある服をサッと着て出掛けるのが男っぽい!」とかね。

 

——申し訳ないですが、そういう男性のこだわりは、女性にはまったく響かないです(むしろどうでもいい……)。

 

大島:男性だから男らしい、女性だから女らしいということはないですよね。人それぞれ個性があります。だけど男は「男だ!」ってこだわっているうちは、男でいられるんですよ。そのこだわりがなくなると見栄も張らなくなるし、努力をしなくなってどんどん男としてのアイデンティティは失われていくと思うんです。で、ボクはそういうしがらみから脱却しようと思って、今この見た目なんですけど。

 

——ずいぶん思い切った脱却ですよね、でも「男の娘どうし恋愛中。」のミシェルさんとの関係を読むと、大島さんはめちゃくちゃ「頼りがいのあるかっこいい彼氏」です。

 

大島:ミシェルはボクと違って「女の子として見られたい」「可愛いと言われたい」という気持ちが強いんです。ボク自身もそういう時期があったから、ミシェルが女でありたいという気持ちがあるなら、それは叶えてあげたいんです。だからボクが彼女を女性として愛する男性でいないといけないと思ってるんですよ。ほかの男性と比べても「この人が一番魅力的だな」って思ってもらえる行動を取るようにしていますね。

 

——聞けば聞くほど彼氏に欲しいかっこよさです。

 

大島:だから基本的に彼女に支払いをさせたことはないです。それにデートの途中で「ちょっと待って、足りないから降ろしてくるわ!」ってATMに駆け寄るっていうのはダサいですよね。ボクがもし女性の立場で「2件目に行きたいな」と思ったときに「じゃあお金下ろしてくるよ」って言われたら「あ、無理させちゃったかな」って思うじゃないですか。だから最初から「これ、一晩じゃ絶対使わないでしょ!」っていう額を持っていきます。「これぐらいは普通に持ち歩いてるよ」って示しておかないと、相手も気軽に誘いにくくなりますよね。お金を払わせることに気を遣ってしまうようになるし。

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——でもそれは、大島さんが高給を稼いでいるからこそできるのでは……?

 

大島:そんなことないですよ。ボクは自分ひとりなら月に20万もいらないなと思っているんです。だけどミシェルがこの先、なにか望んだときに叶えてあげたいと思うから、もっと稼ぐ必要があるなと思い直しました。だからそれまでやらなかった仕事も受けるようにして、何でもトライをするようになったら、前の3倍くらいに収入が増えました。

 

——“男性として”がんばることはデメリットではないのですね。それに気を遣わせない気遣いは、男性と女性、両方の経験があるからこそわかることでしょうか?

 

大島:そうかもしれないですね。ボクは相手が求める満たしてほしいこと、言ってほしい言葉がわかるほうだと思います。特にミシェルに関しては同じ男の娘なのでよくわかるかな。例えば女性の友達に「お前、ホントに男みたいだな」って言ったとしますよね。でも意外と女性って悪い気がしなかったりするじゃないですか。異性ではなく友達としてちゃんと見てくれていると感じたりして。

 

——わかります、女という色眼鏡で見る前に、気を許してくれている感じがして私は嬉しいです。

 

大島:彼氏にそう言われたとしても、仲の良さの証だったりしますよね。「男みたい」という言葉には、フランクに接することができる相手という意味があると思うんですけど、それをミシェルやボクに言ってしまうと、ちょっと意味が違ってくるじゃないですか。ある意味そう思うことはミシェルを女性扱いしていないことにも繋がってしまうんだけど、そういう微妙な感情は、ボクが誰よりも理解しなくちゃいけないんですよね。

 

――著書には、ミシェルさんのトラウマも書かれていますね。複雑な家庭環境のなかで「男らしくいなきゃ」「期待に応えなきゃ」というプレッシャーがすごくあったのかなと感じました。

 

大島:そうですね。ミシェルも「お兄ちゃんなんだから泣かないの」と言われて育ってきて、男のときは全然泣かない人だったようです。お母さんや妹さんはわりとよく泣く人で「そんなことでなんで泣いてんの?」と思っていたようです。いまは自分のほうが泣き虫で、この本も読む度に泣いてる(笑)。小さいころから「男は泣かないもの」と教えられて、それが染み付いていただけなんですよね。女性の見た目になって女性扱いされることで自分の感情が解放されつつあって、泣きたいときに泣けるようになってきたんじゃないかな。

 

――それはいいことなのでしょうか?

 

大島:泣きたいときに素直に泣けることは、幸せなんじゃないかな。ミシェルと同じように「男らしさ、女らしさ」にとらわれている人たちは多いのではないかと思います。でも「女の子だから泣いていい」と考えるのはよくないと思っています。何かができないことやしないことを女性性のせいにするのは、人として魅力に欠けますね。

 

――女だから、男だからどうしなければいけないというのがそもそも違うということですね。

 

大島:この本に「薫ちゃんがずっと私のこと好きかどうかなんてわかんないじゃん!」というミシェルのセリフがあるんです。確かにそうだけど、ボクは恋愛ってそういうものじゃないの?と思うんですよ。でも親が離婚したという人に話を聞くと、すごくミシェルの気持ちに共感するんです。恋愛に対して根強い不信感があるみたいなんですね。でもそれをずっと抱えていくのは辛いことです。だからこの本のテーマは、ボクやミシェルが男性性を押しつけられた幼少期を取り戻し、離婚による不信感を取り戻していく「過去からの脱却」なんです。

 

――お話ありがとうございました。

 

大島さんは、ミシェルさんと付き合い始めたころ、会ったあとに必ずメモを取っていたとか。どんな食べ物が好き・嫌いといった、ふとした会話のなかで得た情報を書き込んで、忘れないようにしていたんだそうです。「この話、前にしたよね、覚えてないんだ?」ってことがあると、めちゃくちゃ興ざめですよね。大島さんの気遣いは目まいがするほど羨ましいです!

 

中身は驚くほど頼りがいのある大島さん。自信がとらわれていた「男らしさ」「男としてのプライド」をすっかり脱ぎ去ったからこそ、小さなことにはこだわらないし、人として寛容なのでしょう。視野の広さや、作品からにじみ出る愛情の深さも、大島さんの魅力です。

 

「男の娘どうしの恋愛って、どんな感じなの?」「というかぶっちゃけ、どうやってするの?」みたいな下世話な興味からこの作品を読む人も多いかもしれません。もちろん、そういった好奇心もしっかり満たされますが(笑)、それだけではなく、男性性、女性性、家族、恋愛……いろんな問題を突きつけられます。それが、ふみふみこさんのかわいらしい絵柄で、時にはコミカルに語られます。

 

間違いなく、2017年のベスト5に入るコミックです。

プロレスラーの「海外武者修行」って何なの? 「凱旋帰国」直後の話題のタッグSHO&YOH選手に聞いてみた!

新日本プロレスのイケメンタッグとして、急速に知名度を上げつつあるSHO選手とYOH選手。メキシコ、アメリカ遠征から凱旋帰国した2017年10月の両国国技館大会で、タッグチーム「ROPPONGI 3K」(ロッポンギスリーケー)として電撃デビューを果たし、初のIWGP Jr.タッグ王者に輝きました。残念ながら、2018年1月4日の東京ドーム大会では外国人タッグのヤング・バックスに敗れてベルトを手放したものの、これまでの戦いぶりは、今後の活躍を大いに期待させる内容。今回は、そんなSHO選手とYOH選手に下積み時代から海外遠征、凱旋帰国までのお話をうかがうことで、お二人が何を学び、何を目指しているかを明らかにしていきます!

 

PROFILE

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SHO(左)

1989年8月27日生まれ。愛媛県宇和島市出身。173㎝、93㎏。高校時代にレスリングを始め、徳山大学に進学。レスリングでは副主将を務め、全日本大学グレコローマン選手権で7位、全日本学生選手権グレコローマンスタイル3位、西日本学生選手権フリースタイル準優勝など、数々の成績を残す。2012年に新日本プロレスに入門を果たし、同年の11月に渡辺高章戦でデビュー。2016年1月、同期のYOHと共にメキシコCMLL、アメリカROHに遠征。凱旋帰国となった2017年10月の両国国技館大会で、ロッキー・ロメロ率いる「ROPPONGI 3K」として、YOHとタッグを組みIWGP Jr.タッグ王座を獲得。所属ユニットはCHAOS(ケイオス)。趣味は筋トレ、釣り、ゲーム、サバゲー。

SHO選手のツイッターはコチラ

 

YOH(右)

1988年6月25日生まれ。宮城県栗原市出身。171.5㎝、85㎏。両親の影響を受け、幼いころからプロレスに興味を抱き、中学1年生の頃からプロレスラーを志すようになる。高校、大学ではレスリング部に所属し、卒業後にプロレス学校を経て2012年の入門テストに合格。同年、渡辺高章戦で待望のデビューを果たす。2016年1月、同期のSHOと共にメキシコCMLLへ遠征。その後、アメリカへと渡りROHで活躍。2017年10月の日両国国技館大会で、ロッキー・ロメロ率いる「ROPPONGI 3K」として、SHOとタッグを組みIWGPJr.タッグ王座を奪取。所属ユニットはCHAOS(ケイオス)。趣味は音楽鑑賞。THE BLUE HEARTS、銀杏BOYZ、HUSKING BEEなどを愛するパンクな一面も持つ。

YOH選手のツイッターはコチラ

 

憧れの選手との出会いによってプロレスラーを目指す

――まずはお二人がプロレスラーを目指したきっかけを教えてください!

 

SHO 高校生の頃、レスリングに入部するとプロレス好きの後輩がいて、その影響を受けたのが始まりでした。大学に入るとプロレスラーになるか、教員免許を取るか悩んでいたのですが……。棚橋弘至選手のサイン会で「プロレスラーを目指してます」とお話をすると、その当時に憧れていた棚橋選手から「待ってるよ!」と声を掛けてもらって。その瞬間、将来の目標は「プロレスラー」に決まりました(笑)。

20180115-s3 (2)↑SHO選手

 

YOH 僕は父親がプロレスの大ファンで、子どものころからプロレスが身近にあったことがきっかけですね。土曜の深夜に放送していた「ワールドプロレスリング」を毎週録画して、日曜の朝から一緒に観ていたのをいまでも覚えています。当時はまだ幼稚園の頃で「闘魂三銃士」が全盛の時代。リングで大活躍する武藤(敬司)選手を見て「カッコイイなぁ」と思っていました。そして、中学一年生のときに「プロレスのリングに立ってみたい。きっと気持ちいいんだろうなぁ」と考えるようになり、本気でプロレスラーを目指すようになりました。いま思えば父親の「英才教育」ですね(笑)。でも、プロレス好きの父親に「プロレスラーになる」と言ったら本気で驚いていました。そのとき、「お前本気か? なれるものならなってみろ!」と笑われて、闘志に火がついた形です。

20180115-s3 (6)↑YOH選手

 

下積み時代は相撲の世界に通じる厳しさがある

――新日本プロレスに入門し、練習生として過ごしたお二人ですが、下積み時代にはどんなことをしたのでしょうか?

 

YOH 入門した練習生は必ず専用の寮に入り、寮生活が義務付けられます。基本的には寮内の仕事をしつつ午前中に練習をして、午後は夜中の11時ごろまで雑用ですね。

 

SHO 練習や雑用よりも厳しかったのは、デビューするまでの寮生活が「外出禁止」だったこと。

 

YOH 僕たちはデビューまでに9か月掛かりましたから、かなり辛かった(笑)。デビューしてからも食事の当番や先輩レスラーの付き人、会場でのセコンド業務と、遊んでいるヒマはありませんでした。

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SHO 新日本プロレスの基本は、相撲のしきたりがベースになっています。力道山さんの時代から相撲の習慣が受け継がれていて、「新弟子」と呼ばれる下積み時代は相撲の世界と共通した厳しさがありますね。ホント、何度も辞めようと思いました(笑)。

 

「海外遠征」とは、一人前になるための卒業試験のようなもの

――プロレスでは、「海外遠征(または海外武者修行)ののち、凱旋帰国」といったフレーズをよく耳にするのですが、これはどういうものなのでしょうか?

 

SHO 新日本プロレスではヤングライオン(新日本プロレスの若手選手のこと)を経験したら、海外に送り出されるのが代々のならわしになっています。海外遠征は、一人前になるための卒業試験みたいなもの。俺たちも若手としての区切りを着けるため、必死になって海外遠征を目指しました。

 

YOH 海外に行くことは、自分の将来を探すための貴重な経験ですからね。でも当時、僕たちの下の後輩が入門してこなかったので、寮を出るまでの修業期間は約4年もかかりました。

 

――えっ、下が入ってこないと、寮を出られないわけですか?

 

SHO そうなんです。いや、長かった~(笑)。

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――新日本プロレスと関係の深いメキシコのプロレス団体「CMLL」とアメリカの団体「ROH」へと武者修行に行ったとのことですが、海外で一緒に生活するなかで、ケンカすることはなかったのですか?

 

YOH 僕たちは入門テストも入門日もまったく同じ同期。練習生時代から常に一緒にいたこともあってか、ケンカをしたことは一度もありませんでした。

 

SHO YOHさんの方が1歳年上と言うこともあり、上手にリードしてくれる感じですね。いまでも会話は敬語90%、タメ口10%(笑)。

 

YOH 敬語は使っても、気は遣ってくれないけどね……(笑)。でも、同じ歳だったら、ここまでうまく行ってなかったと思いますよ。

 

SHO このベストな関係は、俺が年上でもダメだったでしょうね。

 

メキシコでは試合のために往復14時間かけたことも

――ちなみに、武者修行には自分のスタイルを決めてから海外に向かうとうかがったのですが、お二人もスタイルを決めていたのでしょうか?

 

YOH 常に同期として行動をともにしていたので、スタイルとしては「タッグ」ということだけは決めていました。

 

SHO 海外には数多くのタッグチームがいるので、試合を重ねることで学ぶことも多いのでは? と漠然と考えていたんです。

20180115-s3-25↑連携技を決めるYOH選手とSHO選手 ©新日本プロレス

 

――メキシコのCMLLとアメリカのROHで試合をしていたお二人ですが、その違いを教えてください。

 

SHO メキシコは「ルチャリブレ」と呼ばれる、空中技を多用する独特のメキシカンプロレスがメインになるのですが、プロレスが文化として定着しているので、練習環境としてはかなり充実していました。

 

YOH メキシコは自分たちには合っていましたね。CMLLは常設の会場を5つくらい持っていて、そこをサーキットするような感じでした。

 

SHO 会場を回る日程が決まっていて、たとえば、火曜日はバスで7時間くらいかけて会場に行き、試合をして、そのまま7時間かけて帰ってくるのがお決まりでした。

 

――かなりハードなスケジュールですね。辛くはなかったのですか?

 

YOH バスの中ではいつも爆睡でしたから(笑)。

 

SHO 移動の時には地元のルチャドール(ルチャリブレの男性プロレスラー)と話をするのも楽しかった。今となっては良い思い出ですね。

 

メキシコでの練習方法は「ぶっつけ本番」

――では、アメリカのROHはどうでしたか?

 

YOH ROHでは平均して月に2~3試合くらいしか出場できなかったのですが、ヤング・バックス、モーターシティ・マシンガンズなどのトップクラスのタッグが多かったので、試合自体は楽しかった。コテコテのアメリカンプロレスも僕たちにとっては良い勉強になりました。

20180115-s3-24↑現在は日本で活躍するヤング・バックスと対戦するYOH選手(左)とSHO選手(右) ©新日本プロレス

 

SHO ただ、ROHでは試合数が少なかったので、休みの日はメキシコに練習するために通うことも多かったです。ROHでも、もっと試合がしたかったですね……。

 

――練習では、どんなことをしていたんですか?

 

YOH アメリカでは筋トレなどが中心だったのですが、メキシコでは、現役のプロレスラーに技を習っていました。教え方も独特で、高いところからいきなり「飛んでみろ」と言われる(笑)。それは怖いですよ。でも、やってみると何とかなるものです。ぶっつけ本番だと、集中力も高まりますしね。

 

――CMLLのルチャリブレとROHのアメリカンプロレスでは、どちらの経験が役に立っていますか?

 

SHO メキシコとアメリカのプロレスはまったく別物なので、どちらも経験して良かったと思います。

 

YOH 僕たちのようにタッグで戦うプロレスラーにとっては、対戦相手に合わせてスタイルを使い分けることが大きな武器になりますからね。引き出しを増やすことで、試合の流れを変えることができる。その経験値を増やしてくれた海外遠征は、大きなターニングポイントだったことは間違いありません。

 

――ちなみに、メキシコとアメリカでは、どちらが肌に合いましたか?

 

SHO 完全にメキシコです。とにかく人が優しくて陽気な性格ですから、ホームシックになることはありませんでした。

 

YOH でも、メキシコ人って、平気でウソをつくんですよ(笑)! 自分から食事に誘ったのに約束の場所に来ないとか。道を聞くと、その場所を知らないのに「向こうだ」って指をさすんです。でも、そのウソには悪意がないんですね。楽しませようとか、困っているヤツを助けようと思ってウソが出ちゃうらしい(笑)。

 

――それも困ったものですね(笑)。

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SHO選手は「技術」、YOH選手は「華やかさ」を追求

――メキシコとアメリカの海外武者修行中で、自分たちのスタイルが固まってきたのはいつごろですか?

 

YOH 正直な話、タッグとしてのスタイルが見えてきたのが2017年の6月くらい。メキシコやアメリカで試合を続けながら、迷走し続けていたというのが本音です。

 

SHO YOHさんと話し合って、タッグパートナーとして同じ目標を持ちながらも、それぞれが違った色を出すことが俺たちのスタイルになるんじゃないかと……。俺の場合はパワー重視で戦うスタイルを目指していたのですが、それだけでは他の選手と差別化はできません。MMA(総合格闘技)でも戦えるようなテクニックを身に着けるため、アメリカ修行時代には、柔術の達人でもあるダニエル・グレイシーに教えを請いました。

 

YOH 僕の場合は、SHOが技術的な部分を追い求めていることを知っていたので、それとは対照的に、「華やかさ」を突き詰めて行こうと決めました。

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――具体的には、どんなスタイルなのですか?

 

YOH 僕の憧れは今でも闘魂三銃士時代の武藤選手。ですから自分のプロレス哲学の中には蹴りや関節技は入っていません。僕が求めるのは、ひとつひとつの動きだったり、技と技の間(ま)の取り方だったり、所作の華麗さでお客さんを盛り上げて行きたい。最近のプロレスは技を数多く繰り出すことが主流になっていますが、もっと「技」を大切に使うべきだと考えています。古典的な技であっても、もっと華麗にアレンジできれば会場を盛り上げることができると信じています。SHOとは真逆の部分に磨きを掛けることが、僕が求めるスタイル。目指すべき道は、子どものころに憧れた「プロレスの原点」の違いなのかもしれませんね。

 

SHO その個性の違いがリング上でシンクロする。俺は、それがタッグとしての強みになると信じています。

 

タッグならではの魅力を伝えていきたい

↑↑カニのポーズ(後述)をとるSHO選手とYOH選手

 

――では、今後の目標を教えてください!

 

YOH 今の新日本ではオカダ・カズチカ選手を頂点にしたヘビー級の戦いが注目を集めていますが、ボクたちが戦う「ジュニアヘビー級」という階級をもっと盛り上げていきたい。観戦しているファンのみなさんと同じような身長の選手たちが戦う姿に共感してもらえたら。

 

SHO でも、そこにはプロレスラーとしての憧れを感じてもらえるハイレベルな戦いは欠かせません。実際、学生のころには「体の小さいお前がプロレスラーになれるワケがない」って言われていましたから。そんな俺がプロレスラーになれたのだから、本気でこの世界を目指している人たちに勇気を与えられたらなと思います。

 

YOH 僕の目標は、ジュニアヘビー級の試合が大会のメインを飾ること。新日本のマットに新しい伝説を作り上げることが僕たち「ROPPONGI 3K」に課せられた使命だと考えています。僕たちも所属するユニット「CHAOS」(ケイオス)には、邪道選手、外道選手のようなお手本にするべきタッグもいるので、まずはそこを目指すことが必要ですね。

 

SHO タッグを組んで戦う格闘技はプロレスだけ。その面白さ、迫力に興奮してもらえたら最高ですね。格闘技の新しい形として俺たちROPPONGI 3Kが盛り上げていきます!

 

――最後に、プロレスファンだけでなく、プロレスに興味を持ち始めた人たちに対してROPPONGI 3Kの魅力と見どころを教えてください。

 

SHO ROPPONGI 3Kならではのコンビネーションと技のキレを見て欲しい。展開の早さと激しい攻防に、きっと興奮してもらえるはずです。テレビでも楽しんでもらえると思いますが、実際に会場に足を運んでもらえればうれしいですね。

 

YOH パワー担当のSHOと、頭脳派の僕のコンビネーションは必見です(笑)。特に高い位置から相手の顔をマットに叩きつける必殺技「3K」(スリーケー)に注目してください。コンビで繰り出す技はシンプルですが、見応えがあると思います。

 

SHO 決め技の前に行う「カニのポーズ」も一緒にチェックしてほしいですね。このポーズが必殺技の合図。このときは、カニのように横にしか歩けなくなります(笑)。

 

YOH とにかく一度、会場で観戦して欲しいです。僕たちの試合を生で見てシビれてください!

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――今回のインタビューで目立ったのは、パワフルでお茶目なSHO選手、知的な印象のYOH選手の絶妙なコンビネーション。試合だけでなく、日常的に深い信頼関係が築かれていることが強く伝わってきました。このチームワークの良さを活かして、これからも新日本プロレスで大暴れしてくれることでしょう。ジュニアヘビー級タッグ王座のチャンピオンベルトを奪い返す日は、そう遠くはなさそうです。

 

【SHO&YOH選手が出場する大会情報はコチラ】

NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2018

2018年1月19日(金) OPEN 17:30/START 18:30
2018年1月21日(土) OPEN 17:30/START 18:30
2018年1月22日(月) OPEN 17:30/START 18:30

東京・後楽園ホール
https://www.tokyo-dome.co.jp/hall/

イベント特設サイトはコチラ

家電のプロが「もっとも勢いがある」と感じたメーカーは? 2017年「注目の家電」と「業界の流れ」を振り返る!

2017年も各社からさまざまな家電製品が登場しました。なかでも、家電のプロの目から見て、いったいどんなアイテムが印象に残ったのでしょうか。前編では、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏に調理家電について語っていただきました。後編となる今回は、調理家電以外で注目したアイテムや、2017年の業界の流れについてお話を聞いていきましょう!

 

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安蔵靖志(あんぞう・やすし)

IT・家電ジャーナリスト。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演中。その他ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっています。

 

パワー、持続力ともに高い「コードレスキャニスター掃除機」がいよいよ出てきた

――2017年、調理家電以外で「これは!」と思ったものはありますか?

 

安蔵 いよいよ出てきたな! と思ったのは、シャープと東芝から相次いで登場したコードレスキャニスターのクリーナーです。実は以前にも発売されたことがあったのですが、当時はパワーとバッテリー容量がいまひとつなのに、価格も安くなかったので普及しませんでした。今回、シャープと東芝から出た製品は、パワー、バッテリーともしっかり確保されていて、実用性は十分です。

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シャープ

コードレスキャニスター掃除機

RACTIVE Air(ラクティブ エア) EC-AP700

実売価格6万9480円

紙パック式のコードレスキャニスター掃除機。本体質量1.8kg、標準質量2.9kgの軽量ボディが特徴です。着脱式のバッテリーを採用し、予備バッテリーを用意すれば連続して運転できます(自動モードで約30分×バッテリー2個=約60分)。バッテリーパックは本体と離れた場所で充電が可能。サイクロン式の「EC-AS700」もあります。

 

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東芝

コードレスキャニスター VC-NXS1

実売価格10万9190円

独自開発のモーターにより、強力な吸引力を実現。自走式のパワーヘッドで、スイスイお掃除できます。標準モードで最長約60分の運転が可能。裏表のない二面式の本体も特徴。また、大容量のダストカップを装備したダストステーションが付属しているので、本体のダストカップのゴミ捨てが不要です。

 

――今回は普及すると思われますか?

 

安蔵 訴求の仕方次第ですね。コードレスキャニスターで裾野を広げるためには、新しモノ好きのユーザーに訴求するだけでなく、高齢者を含めたマジョリティに訴えねばなりません。そのためには、今までのキャニスターと同じ使い勝手を実現して、高齢者でも迷わず使えるようにし、なおかつ充電は「充電台に置くだけ」というシンプルさが求められます。シャープも東芝もここはクリアしているので、あとは「いかに認知を広げるか」ということではないでしょうか。

 

ロボット掃除機ではパナソニックのRULOが他社と差別化できていた

――ロボット掃除機市場はいかがでしょうか。

 

安蔵 色々と出ましたが、どれか1台を選ぶならパナソニックの「RULO(ルーロ)」を推します。

 

――あ、センサーを増やした新モデルでしたよね。

 

安蔵 はい。特に上位モデルのMC-RS800は、人工知能も搭載して、マッピングしながら間取りを学習して効率よく掃除します。このマッピングが面白いんですよ。一度間取りをマッピングすれば、スマートフォンの専用アプリから「エリア指定モード」を利用して、掃除してほしくない場所を指定できるんです。例えばペットがいる家庭なら、エサの置き場所を指定すれば、そこを避けて掃除してくれます。ルンバの場合はバーチャルウォールという機材を設置する必要がありますし、その他のメーカーでは、磁気テープを貼る必要があることも。磁気テープだと、さすがにリビングの見栄えがね……。その点、RULOならリビングに余計なモノを置くことなく、除外エリアを指定できます。これは、大きな差別化ができているポイントですね。

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パナソニック

RULO MC-RS800

実売価格12万9220円

独自の三角形状を採用し、部屋の隅のゴミにも強いのが特徴です。新機種ではレーザー、超音波、赤外線の3種類の障害物検知センサーを搭載し、壁や障害物にぶつからないようにお掃除。スマートフォンからの操作にも対応します。

 

エアコンではアイリスオーヤマのWi-Fi搭載が衝撃的

――空調関連ではいかがでしょう。印象的な製品はありましたか?

 

安蔵 ユニークさという意味では、日立の凍結洗浄エアコンは印象的ですね。なかなか真似できないだと思います。しかし、なんといってもエアコンで衝撃的だったのは、新規参入したアイリスオーヤマがWi-Fiを標準搭載したこと。パナソニックやシャープも最上位のシリーズでは無線LANを内蔵していますが、アイリスオーヤマは8万~10万円台の低価格帯でWi-Fi搭載を実現し、業界を震撼させました。

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日立

ステンレス・クリーン 白くまくん

プレミアムXシリーズ
実売価格税込30万230円(※14畳タイプRAS-X40H2)

熱交換器の自動お掃除機能「凍結洗浄」は、熱交換器をいったん凍らせて霜を蓄え、一気に溶かすことで、従来取り除くのが難しかったホコリやカビを洗い流す新方式。エアコン内部をキレイにして清潔な空気を送り出します。[くらしカメラ AI]で部屋を検知し、人がいない時間を選んで自動で洗浄するのも特徴。

 

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アイリスオーヤマ

IRW-2817C(10畳用)

実売価格10万7780円

Wi-Fiと人感センサーを標準搭載し、屋外からのスマートフォンでの遠隔操作を実現したルームエアコンです。低価格とWi-Fi搭載で大きな注目を集めましたが、現在は販売終了。

 

安蔵 エアコンを遠隔操作しようという動きは2012年ごろからあったのですが、当時は法律の問題で電源ONができず、普及に弾みがつきませんでした。法改正を受けて、各社とも電源オンに対応するようになったのですが、これまでずっと「オプション(別売)対応」でした。そこにアイリスオーヤマが先陣を切ってWi-Fiを標準搭載し、パナソニックとシャープが続いた形です。パナソニックとシャープは最上位モデルのみですが、来年は下位モデルにまで広げて欲しいところですね。もちろん、他のメーカーも追随してくるでしょう。

 

――遠隔操作とは、それほど便利なものなんですか?

 

安蔵 もちろん。できたほうが誰にとっても便利です。家に帰る前に部屋を涼しくしておきたい、あるいは暖かくしておきたいとは誰しも思うでしょう。ましてやペットを飼っていると、春先の気温が落ち着かない時期などは「暑くて苦しんでいないかな……」などと心配してしまいます。この心配がなくなるだけでも、導入する価値がありますね。個人宅だけでなく、アパートやマンションなどの集合住宅に導入すれば、賃貸物件のアピールポイントの1つになるはずです。ペット可の賃貸物件とは、特に相性がいいのではないでしょうか。

 

もうひとつ、遠隔操作といえば、洗剤と柔軟剤を自動投入するパナソニックの洗濯機が良かった。こちらもスマホとの連携が可能なうえ、洗剤の量を自動で計量してくれるので、帰宅時間に合わせて洗濯が終了するよう、スマホで設定できるようになっています。

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パナソニック

ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX9800

実売価格35万3620円

液体合成洗剤や柔軟剤をあらかじめ入れておけるタンクを搭載し、洗濯の際は最適な量を計算してタンクから自動で投入。手間が省けて洗剤の入れすぎなどもなくなります。外出先からスマートフォンで洗濯の仕上がり時間などを設定可能。

 

2017年は「見える化」の機運が高まった

――空気清浄機の分野ではいかがでしょう。

 

安蔵 これは、家電業界全体にも言えるのですが、2017年は「見える化」の機運が高まってきた印象があります。そもそも、空気清浄機というものは、本当に効いているのかがわかりづらい。メーカーもその点に配慮して、例えば運転状況が屋外からスマホで確認できるようにし、スマホアプリで空気の状況を示すことで、空気清浄機の効果を見せる……といった形で「見える化」を進めてきた印象ですね。ダイキン、シャープ、ダイソン、ブルーエアなどがこれに対応していますが、例えばダイキンの加湿空気清浄機「MCK70U」は、PM2.5、ホコリ、ニオイの3種類の汚れを6段階のレベルで「見える化」しています。今後はパナソニックなども当然対応してくるでしょう。

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ダイキン

MCK70U

実売価格5万7070円

独自のストリーマ技術を強化し、有害ガスの分解スピードや脱臭性能が2倍になりました。0.3μmの微小な粒子を99.97%除去するTAFUフィルターを新たに搭載。ルームエアコンと同じアプリで、スマートフォンから室内の空気を見える化。遠隔操作も可能です。

↑ダイキンのアプリ画面↑ダイキンのアプリ画面

 

安蔵 「見える化」という意味では、「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載した三菱電機の衣類乾燥除湿機「サラリ」が抜群に良かった。衣類乾燥除湿機では「一択」と言っていいと思います。

 

――「一択」ですか! どこがそんなにいいんでしょうか?

 

安蔵 「光ガイド」という機能がいい。これは、濡れた部分だけ検知して緑色の光で照らし、重点的に温風を当ててくれる機能です。これがあるだけで、「ちゃんと働いてくれているな」と、確認できるので、安心感がまるで違います。発想が面白いうえに理に適っている、という極めて良いプロダクトですね。また、フィリップスの電動ハブラシは、スマホと連携して正しく磨けているか、コーチングできるものが出ています。こちらも「見える化」のひとつと言えるでしょう。

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三菱電機

サラリ MJ-120MX

実売価格4万3090円

経済的なコンプレッサー方式を採用する衣類乾燥除湿機。約180cmのワイド送風で、洗濯物を一気に乾燥できます。温度、湿度、赤外線センサーを用いて乾き残りを見つけ、緑色の「光ガイド」を照射しながら集中乾燥します。

↑除湿をスタートしてから約5分ほど経過すると、濡れた箇所だけ検知して重点的に送風するのが特徴だ↑除湿をスタートしてから約5分ほど経過すると、濡れた箇所だけ検知して緑色の光で照らし、重点的に送風します

 

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フィリップス

sonicare(ソニッケアー) HX9964/55

実売価格3万8880円

4種類の高性能ブラシヘッドを備えた電動ハブラシ。スマートフォンの専用アプリで歯磨きをリアルタイムに追跡し、きちんと磨けているかどうかをセンサーでチェックします。

 

メーカーで「勢いがあるな」と感じたのはパナソニックとシャープ

――ちなみに、2017年、安蔵さんが「勢いがあるな」と感じたメーカーはどこですか?

 

安蔵 まずはパナソニックですね。先述の「ロティーサリーグリル&スモーク」「洗剤を自動投入する洗濯機」をはじめ、創業100周年で気合いの入った商品が数多く発表されました。私は毎週、家電を紹介するラジオ番組をやっているんですが、面白いモノを立て続けに出すものだから、紹介したいのがパナばかりになってしまって。こんなに続けて大丈夫か……と思ったこともあります。

↑前編でも紹介したパナソニックのパナソニック ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100(実売価格5万1230円)↑前編でも紹介したパナソニックのパナソニックの「ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100」(実売価格5万1230円)。かたまり肉を回転させて焼くことができるほか、オーブン、トースター、燻製器としても使用可能

 

もうひとつ際立っていたのが、実はシャープだと感じています。もともと、どん底の時期に「蚊取空清」や「ロボホン」などのチャレンジングな商品を出していましたが、これは凄いことですよ。2017年も、そのチャレンジ精神は健在。先述のコードレスキャニスター掃除機のほか、冷蔵庫の分野では大容量の500Lクラスで左右どちらでも開く「どっちもドア」を実現したモデルや、AIoT(※)に対応したモデルを開発しています。どっちもドア&AIoTモデルが出なかったのはちょっと残念でしたが、いずれ開発されるでしょう。また、効果は床置きの方がいい部分もあるとは思いますが、発想の面では天井に取り付けることで邪魔にならないLEDシーリングライト付きの空気清浄機、「天井空清」も面白いですね。さらに勢いのあったメーカーの次点を挙げるとすれば、低価格でWi-Fi搭載エアコンを出したアイリスオーヤマでしょう。

AIoT……AI(人工知能)とIoT(モノがインターネットを通じてクラウドやサーバーに接続され、情報をやりとりすること)を組み合わせたシャープの造語。単なるIoTではなく、ユーザーの好みを学習して提案するなどが可能となります

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シャープ

SJ-GX50D

実売価格30万5680円

クラウドサービス「COCORO KITCHEN」に対応したAIoT冷蔵庫。献立や食品保存方法などを教えてくれます。チルドルーム内を清潔に保つ高密閉構造の「プラズマクラスターうるおいチルド」を新採用。

 

――では最後に、2018年の家電がどのように進化していくか、予想をお願いします!

 

安蔵 意外性に欠けると思いますが、やはり期待したいのは家電のスマート化。いま、スマートスピーカーは一部のギークが楽しんでいるだけですが、できることが増えると魅力も増していきます。メーカーには、他社が対応したら自社も……というのではなく、「何が何でも対応してやろう」くらいの意気込みで対応してほしいです。極端な話をすれば、情報をやりとりするインターフェイスさえしっかり作っておけば、アプリの開発やアップデートはある程度「後追い」でもできるはず。そんなイメージで、開発スピードをどんどん上げていってほしいですね。

 

――魅力的な調理家電が数多く登場し、「遠隔操作」「見える化」などがキーワードとなった2017年。2018年も、「何だコレ!」と、我々の度肝を抜くような、斬新な家電に登場してほしいところ。みなさんもぜひ、新たなアイテムの登場に期待してみてください!

 

2017年の注目の調理家電を紹介した前編はコチラ

創業者の問いかけに一人だけ手を挙げた若き天才時計師の告白ーーフレデリック・コンスタント社マスターウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏インタビュー【後編】

テンプの動きが文字盤側から楽しめる「オープンハート」の設計を世界で初めて考案するなど、フレデリック・コンスタントは創業30年ほどで数多くの偉業を成し遂げてきました。こうした躍進を2002年から支えてきたのが、“ブランドの頭脳”ピム・コースラグ氏。フレデリック・コンスタント躍進の原動力となっている彼が初来日したタイミングで、話を聞くことができました。

 

前編はこちら

 

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インスピレーションの源は「手の届くラグジュアリー」

−−フレデリック・コンスタント初の自社製ムーブメントCal.FC-910は、2004年に発表されました。その後も様々な自社製ムーブメントを手がけていますが、何があなたの意欲的な開発を支えているのでしょうか?

 

フレデリック・コンスタントの自社ムーブメントの開発は、常にブランドのコンセプトである「Accessible Luxury(手の届くラグジュアリー)」に基づいています。私たちの製品価格帯で自社製ムーブメントを搭載することは、それだけで価値あることだと思いますし、これをさらに発展させることもまた自然な流れでしょう。

 

↑フレデリック・コンスタント社マスターウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏↑フレデリック・コンスタント社マスターウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏

 

 

FC-910や、その後に開発したFC-700は、発展させることを前提に設計したベースムーブとなっています。これらは、カレンダーウオッチからトゥールビヨン、永久カレンダーに、新作となるフライバック クロノグラフまで、様々な可能性を秘めているのです。

 

↑ムーンフェイズとポインターデイト、24時間計を備えたFC-945搭載のハートビート マニュファクチュール。文字盤とケースが完全に調和したデザインは、すべてピム氏の狙い通り↑ムーンフェイズとポインターデイト、24時間計を備えたFC-945搭載のハートビート マニュファクチュール。文字盤とケースが完全に調和したデザインは、すべてピム氏の狙い通り

 

 

開発に際して難しいことは、ただ一つ。どのようにしてフレデリック・コンスタントの価格帯に落とし込むか。という点だけですね。永久カレンダーをピーターからオーダーをされたときは、本当に途方にくれましたよ(笑)。

 

この難題に対して私が考えた解決策は、ムーブメントに永久カレンダーモジュールを加える設計でした。結果、価格を抑える(注:スリムライン パーペチュアルカレンダー マニュファクチュールは129万6000円)ことができただけでなく、合理的な設計で修理もしやすいというメリットも生まれました。これは他社製の永久カレンダーウオッチとは、一線を画す特徴だと言えます。

 

 

−−フライバック クロノグラフも、他ブランドの自社製ムーブメント搭載機と比べて現実的な価格となっています。これもやはりモジュール方式の設計のメリットなのでしょうか?

 

その通りです。フライバック クロノグラフではよりモジュールのパーツ点数を減らすことができました。その技術的成果で、特許も取得しています。

 

私たちが取得した特許技術は、リセットハンマーに関する事柄です。従来のコラムホイール式クロノグラフは、スタート・ストップ・リセットのすべてをコラムホイールを介して行っていました。対して新作のフライバック クロノグラフ マニュファクチュールが搭載するFC-760は、4時側のリセットボタンが直接リセットハンマーとクラッチギアに作用するようになっています。

 

↑スタート・ストップのみを制御するコラムホイールは、シンプルな星型を採用。このようにパーツの加工をシンプルにすることも、価格の抑制につながっている↑スタート・ストップのみを制御するコラムホイールは、シンプルな星型を採用。このようにパーツの加工をシンプルにすることも、価格の抑制につながっている

 

 

このムーブメントは60秒積算と30分積算の計測機能を持つクロノグラフですが、リセットハンマーは3股に分かれています。1つめは30分積算、2つめは60秒積算、そして3つめは動力を伝達するクラッチギアを切り離す役割を持っているのです。

 

この「ダイレクトフライバックハンマー」は、屈強な男性が押しても華奢な女性がリセットボタンを押しても壊れず正確に動作するようハンマーの設計を変え、トライ&エラーを繰り返しながらレバーの弾性の最適値を模索しました。壊してしまったプロトタイプは、30ぐらいはあるでしょうか(笑)。

 

無駄と思われるかもしれませんが、机上で計算を続けるより早いですし、信頼の置けるものが出来上がったと思います。

 

 

創業者の先見の明は時計師選びにも発揮されていた

創業者ピーター・スタース氏は、オープンハートからスイス初のスマートウオッチまで、様々な取り組みをいち早く行ってきた人物ですが、まさか人を見る目にまで優れていたとは驚きです。というのも実はピム・コースラグ氏は、フレデリック・コンスタントの価格では作りきれなかったムーブメントを、アトリエ ド モナコという別ブランドで発表しています。こちらはかなりの高級時計ですが、ピム氏がやりたいことを本気でやればジュネーブ・シールだって取得できてしまうわけです。

 

逆説的ですが、超高級時計を作るだけの知識と経験を持った人物が「手の届くラグジュアリー」というコンセプトを基に作り上げたものがフレデリック・コンスタントのマニュファクチュールコレクションというわけです。

 

フレデリック・コンスタントの時計が、ユニークでハイクオリティな理由も納得ですね。

 

フレデリック・コンスタント公式サイト https://frederiqueconstant.com/ja/

Ateliers deMonaco http://ateliers-demonaco.com/

 

 

 

スマートスピーカーとは何が違う? 人工知能を手にした「スマートホーム」がもたらす生活

ここ最近、「スマートスピーカー」と呼ばれる製品への注目が高まってきている。スマートスピーカーとは、音声で照明をコントロールしたり、楽曲やビデオを流してくれたり、天気予報や最新ニュースを教えてくれたりする“賢いスピーカー”のことを指す。もっとも、スピーカー自体が賢いというより、インターネットで接続した先にあるAI(人工知能)が、わたしたちの発する言葉を解析し、コマンドを出すのだ。

 

では、「スマートホーム」はどうだろうか。さらに、スマートホームが人工知能を手に入れると生活はどのように変わるのだろうか。2016年12月からスマートホームを手がけてきた投資不動産ディベロップメント事業会社インヴァランス代表取締役 小暮学氏と、米 Brain of Things(以下、BoT)CEO アシュトシュ・サクセナ氏に話をうかがった。

20171215_y-koba11 (1)↑Brain of Things アシュトシュ・アシュトシュ氏とインヴァランス 小暮学氏

 

完全なスマートホームが“不完全”だった理由

まず、スマートホームとはどのようなものなのだろうか。簡単にいえば、室内にある照明器具、エアコン、給湯器などのデバイスを、IoT技術によりスマートフォンでコントロールする仕組みを備えた家のことである。

 

インヴァランスでは、自社のそのIoTシステムを「alyssa.(アリッサ)」と名付け、同名のスマートフォンアプリで操作できるようにした。「これまでの家づくりは数百年もの間、地震や火事、水害などに持ちこたえられるように構造を強くしたり、お風呂やキッチン周りなどの設備を充実させたりと、ハード面での改良に重点を置いてきました。インヴァランスではその次の段階として、ユーザーエクスペリエンスの部分が重視されるべき、と考え、IoTを住まいに組み込むことにしました」と、システム開発の経緯を小暮氏は説明する。

20171215_y-koba11 (1)↑IoTを利用して外出先でもスマートフォンから室内の機器をコントロールできるようにした「alyssa.」システムの専用アプリ

 

alyssa.がスマートスピーカーやほかのスマートホームと決定的に異なる点は、建物の建築設計から携わる会社が提供している、ということ。構造を無視して、ガス器具など火を扱う器具のコントロールシステムを後付けすることは建築基準法上難しいが、それを熟知しているデベロッパーのインヴァランスだからこそ、外出先からガス給湯器を扱うシステムも載せられるのだ。

 

このようにスマートホームとしては完璧ともいえるシステムを構築した小暮氏だが、「これでは不十分だ」と言う。「スマートホームともてはやしても、結局家の中にあるスイッチをスマホで持ち出せるようにしただけ。スマホと家をつなげた単なる“コネクティッドホーム”に過ぎず、自分たちで操作しないといけないためスマートとは言えない。それらを自動化した、本当の“スマートさ”のために、AIは必須なのです」。

 

そのように考えていたところ、AIにおける博士号を取得したアシュトシュ氏率いるAI開発ベンチャー企業BoTのプロダクトに触れ、BoTと提携。2015年に完成していた、居住者の生活パターンを学習してより快適に過ごせるAIスマートホームシステム「CASPAR(キャスパー)」を同社のスマートホームに組み込むことにしたのだ。

 

スマートホームがAIを手にすることで生じる変化とは?

アシュトシュ氏は、「CASPARを組み込んだスマートホームはインテリジェントパートナーになり得る」と言う。そして、なぜスマートスピーカーだけでは足りないのか? という質問に次のように答えた。

 

「自動車の自動運転のことを考えてほしい。実際に運転するには道路状況を確認しつつ、アクセルやブレーキ、ウィンカーやハンドルなどの操作をする必要がある。もし、これらをすべて音声でコントロールする必要があるとしたら、コマンドを出し切れるだろうか。その必要をなくすために開発されているのが自動運転のAIなのである。

同じように、家の中でコントロールしたいものは、オン/オフの切り替えだけでなく、明るさや温度など微妙に調整の必要なものがある。例えば、『映画を見たい』という場合、ディスプレイをオンにするだけでなく、カーテンを閉め、照明を少し暗くする、といった具合だ。『テレビつけて』『東側のカーテン閉めて』『少し暗くして』とすべて指示するのは大変だろう。自分だったらこうするだろう、というようなことをひとつの音声コントロールで、いわば行間を読んで先回りしてやってくれるのがCASPARのようなAI、インテリジェントパートナーなのだ」

20171215_y-koba11 (2)↑「CASPAR.AI」のマイク・スピーカー。住人は明確な指示がある場合、「CASPAR」と呼びかけるが、大抵の場合は室内各所に設置したセンサーが住人の行動を把握し、例えば、廊下を通ってトイレに行けば明かりをつけるなど、自動的に機器をコントロールする

 

最新技術を駆使したスマートホームが高齢者の自立を支援

来るべき高齢化社会に向けてもAIを組み込んだスマートホームは重要になってくる、とアシュトシュ氏は言う。

 

「もちろん、音声コントロールはスマートスピーカーやスマートホームにとって、なくてはならないものだが、それは機能の一部にすぎない。もしベッドから起き上がろうとしたとき、またはトイレに入ったときに意識を失い倒れてしまったら、声を出して助けを呼べるだろうか。CASPARなら、部屋の各所に設けたセンサーと連動しているため、住人の動作や発する音から状況を解析し、助けを呼ぶことができる。高齢者が介護施設ではなく、自分の力で生活するのに不安がないようにするのもインテリジェントパートナーの役割であるといえよう」

20171215_y-koba11 (3)↑CASPARを組み込んだ高齢者向け住まいの実験。実際にセンサーが感知するのは熱(人がどこにいるのか)や音声などだけだが、それでも行動は把握できる。ここでは住人がベッドの上で咳き込んでおり、音声センサー(右下)がそれを拾い、右上のグラフには「Coughing(咳)」と表示。咳が何度も続くようであれば、看護師が駆けつける仕組みになっている

 

実は、米国でも一人暮らしの高齢者をどのように支援するのか、といった課題を抱えているという。普通の人にとって簡単なことでも、高齢者にとっては就寝前に明かりやガスコンロの火を確認して消すといったことは難しい場合もある。そのため火災のリスクも高まっているのだ。

 

そのような課題に取り組むべくBoTは、2018年の完成に向けて米カリフォルニアに130棟の高齢者向けアパートを建設中。完成すれば、介護施設に移り住まずとも、一人暮らしをしていくことが可能になるという。

20171215_y-koba11 (4)↑部屋の各所に設置したセンサーが、住人の行動を把握。指定時刻に薬を飲む行動を取っていないようであれば、「まだ薬を飲んでいません」と服薬を促す

 

建設中の高齢者向け住宅には、異変が起きたときすぐ駆けつけられるよう担当者が24時間常駐するが、「将来的には『介護ロボット』がその役割を担えるよう、ロボティクス分野の開発もすでに行っている」とアシュトシュ氏。スタンフォード大学で博士号を取った際のロボティクス関連知識を生かし、6年後をめどに実現を目指しているという。

 

さらに、朝起きる時刻や自宅での学習時間、歯磨きなど子どもが達成すべき目標をサポートするサービスも開発中だという。「毎朝、決まった時刻に子どもたちを起こし、もちろんスヌーズ機能もつけ、歯を磨いたり勉強したりしなかったら親にレポートするといった機能もつけます」とアシュトシュ氏は笑う。
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わたしたちが子どものころに思い描いていたマンガの世界のような未来が、もうすぐそこまでやって来ているのかもしれない。

プロレスラー内藤哲也「カラ回りの人」から「人気沸騰」に至ったワケ「リスクを考えなくなった瞬間、流れが変わった」

内藤哲也選手は、新日本プロレスでいま大ブレイク中のプロレスラー。新日本のトップスター、棚橋弘至選手と対戦した際も、棚橋コールをかき消すほどの大声援を集めるまでに成長。リーダーを務めるユニット、「LOS INGOBERNABLES de JAPON」(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)はプロレスファンの絶大な支持を集めており、試合後に観客と行う「デ・ハポン」の大合唱は、その日、もっとも盛り上がるポイントのひとつとなりました。

 

同ユニットのグッズもバカ売れで、その勢いは、かつて大ブームを巻き起こしたユニット「nWo」に匹敵すると言われるほど。内藤選手自身、8月の「G1 CLIMAX 27」で優勝し、新日本プロレス最大のイベント、1月4日の東京ドーム大会で、IWGPヘビー級王座に挑戦することも決定しています。

↑挑戦権利書を手にする内藤選手↑挑戦権利書を手にする内藤選手

 

と、いま人気絶頂の内藤選手ですが、11月5日放映のアメトーク「プロレス大好き芸人」でも触れられていた通り、かつてベビーフェイス(※)だったころはブーイングの嵐だったそう。それがいま、なぜこれほどまでに人気を集めるに至ったのでしょうか。1.4東京ドーム大会への意気込みとともに、本人にじっくり聞いていきましょう!

※ベビーフェイス…善玉レスラーのこと。ヒール(悪役)に対応する存在。

 

PROFILE

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内藤哲也(ないとう・てつや)

1982年6月22日生まれ、東京都足立区出身。身長180cm、体重102kg。00年より5年間、アニマル浜口ジムにて基礎を学ぶ。05年、新日本プロレス公開入門テストに合格し、06年に宇和野貴史戦でデビュー。08年、裕次郎(現:高橋裕二郎)とNO LIMITを結成。第22代IWGP Jr.タッグ王者に就く。その後はヘビー級に転向し、10年にIWGPタッグ王者。12年には右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負い、長期欠場を余儀なくされる。13年「G1 CLIMAX 23」にてG1初優勝を果たすも、ファン投票の結果、翌年の1.4東京ドーム大会メインイベンターの座を明け渡す屈辱を味わう。15年5月のメキシコ遠征の際、現地でラ・ソンブラやルーシュらのユニット“LOS INGOBERNABLES”(ロス・インゴベルナブレス)に加入。メキシコから帰国後の同年11月、ユニット“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”を結成する。17年8月、東京・両国国技館大会「G1 CLIMAX 27」優勝決定戦で、ケニー・オメガを撃破。4年ぶり2度目の優勝を果たし、18年1.4東京ドーム大会メインイベントでのIWGPヘビー級王座挑戦権を獲得。宿敵のオカダ・カズチカに挑む。得意技は「デスティーノ」。決めゼリフは「トランキーロ」。

内藤選手のツイッターはコチラ

 

メキシコに行くまでは自分の人気の無さを実感していた

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――現在、圧倒的な支持を得ている内藤選手ですが、ここ1年の人気の高まりはご自身でも感じますか?

 

内藤 それは感じますね。会場でも、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを身につけてるお客様が、全国どこの会場に行っても多いですし。いま、新日本プロレスで入場時に、名前のコールが起きるのは僕だけです。それが東京だけじゃなくて、地方に行っても起こるんです。だから「支持されてるんだな」というのは毎試合、感じています。

 

――人気に火が付いたと実感されたのはいつ頃ですか?

 

内藤 僕の転機はメキシコでロス・インゴベルナブレスというユニットに加入した2015年5月ですね。それまでは自分でいうのもなんですけど、まあ人気がなかった(笑)。

 

――当時、ご自身でも実感されていたんですか?

 

内藤 感じていました。元々、棚橋(弘至)選手、中邑(真輔)選手がいて、次は内藤だと言われていた時代があって、僕もそうなると思ってたんです。でも2012年の1月、オカダ(・カズチカ)が帰国して、一気に抜かれてしまった。そこから2015年までの3年間は、この状況がどうしたら覆えせるのか、自分でもわからないまま、なんとなくプロレスをしていた時期ですね。

↑第65代IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ選手  ©新日本プロレス↑現IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ選手  ©新日本プロレス

 

ファンの反応を気にしすぎてカラ回りする悪循環に陥る

――2014年の1.4東京ドーム大会では、ファン投票によるメインイベンター降格という悔しさも味わいました。そんななか、2015年にメキシコへ行かれたんですよね。

 

内藤 思い悩んでメキシコに渡ったんです。向こうで当時、すごく勢いのあった「ロス・インゴベルナブレス」というユニットに誘われて。彼らがやっていたプロレスは、まわりの目を一切気にせず、自分たちが表現したいことをそのままリング上で表現するというスタイル。そのイキイキとした姿を見たときに、「せっかく海外に来たんだし、自分もまわりを気にせず、やりたいプロレスを表現してみよう」と思ったんです。

 

――それまでは、やりたいプロレスができていなかったんですか?

 

内藤 僕はずっと、まわりの目を気にしながらプロレスをしていました。「いま、これが求められてるから、こうしたらウケるだろう」と考えて、動きやマイクパフォーマンスをやっていました。お客様ありきというか、いつもお客様の反応を気にしながらプロレスをした結果、逆にウケないという悪循環に陥ってたんです。

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――気持ちだけがカラ回りしていて、お客さんがついてこなかったというか……。

 

内藤 はい。それがメキシコで、彼らに混ざって気にせずにやってみたら、歓声も起きるし、ブーイングも起きる。そこにすごく充実感を感じて。

 

――ちなみに、内藤選手がよく口にする「トランキーロ」も、現地の経験からきているんですよね。

 

内藤 そうなんです。メキシコで彼らのスタイルに合わせて試合したときに、とにかく楽しくて楽しくて。僕がどんどん前に出ていっちゃうんで、仲間に「内藤、トランキーロ!」ってよく言われてて。「落ち着いて」とか、「冷静に」という意味の言葉なんですけどね。その言葉が頭にずっと残っていて、日本に帰ってきてから、ぽろっと出たのが始まりなんです。

 

メキシコで掴んだプロレスを貫いたらビックリするぐらい伝わった

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――なるほど。「トランキーロ」は、「プロレスが楽しくてたまらない」という経験から生まれた言葉なんですね。

 

内藤 はい。僕はメキシコでプロレスの楽しさを再認識して、「これをメキシコだけで終わせるのはもったいない」と思ったんです。「これを日本でもやってみよう。伝わらなかったら、もうプロレスラーとして終わるかも知れないけど、試してみよう」という覚悟で帰国しました。

 

――日本に戻って来られてからは、メキシコで掴んだやり方を日本で貫いたんですか。

 

内藤 はい。やりたいようにやって、思っていることを言うことにしました。そうすると、ビックリするぐらい伝わったんです。いままで僕の思いなんか、ぜんぜん伝わらなかったのに。「表現の仕方、伝え方をちょっと変えただけで、こんなにも反応が違うのか」と思いました。15年の6月に帰ってきて、その年の10月に両国で棚橋選手と戦ったころからお客様の反応も変わった。そのあと、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成して、そこからですね。日本で「プロレスが楽しいな」と感じるようになったのは。

↑ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバー。後方左からSANADA選手、BUSHI選手、EVIL選手、手前左から髙橋ヒロム選手、内藤選手 ©新日本プロレス↑ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバー。後方左からSANADA選手、BUSHI選手、EVIL選手、手前左から髙橋ヒロム選手、内藤選手 ©新日本プロレス

 

「手のひら返しかよ!」ファンを「お客様」と呼ぶ複雑な心境とは?

――ちなみに、内藤選手はいつもインタビューなどでファンを「お客様」と呼びますよね。それはどうしてなんですか?

 

内藤 メキシコに行く以前はいつもブーイングを受けてたんですけど、それが15年の10月ごろからいきなり歓声に変わったんです。だから、最初は「手のひら返しかよ!」と思いました(笑)。そういう皮肉も込めて「お客様」と言い始めたんです。でも、それだけじゃないのもわかっていて。僕も昔からプロレスファンでしたから、「いい試合を作り上げるのは、リング上のレスラーだけではムリだ」ということを知っています。プロレスの雰囲気は会場に来ていただいている方、全員で作るものだと思うので、その感謝の意味も込めて。皮肉半分、感謝の気持ち半分で、「お客様」と言うようにしているんです。

 

――内藤選手といえば、会社批判だったり、オーナー批判だったりと、歯に衣着せない発言も注目されていますが、メキシコのロス・インゴベルナブレスもそういった部分があるんですか?

 

内藤 いいえ。その辺りは、僕のオリジナルですね。

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――振り返ってみると、ご自身でも「言い過ぎたかな」と思うこともありますか?

 

内藤 結構、ギリギリでしたね(笑)。でも、思ってることをため込んでもしょうがないですから。言ってよかったと思うし、そのときの自分があったから、いま、これだけの支持につながっているのかな、と。

 

――とはいえ、物事をはっきり言うことって、なかなか難しいですよね。上の人に睨まれるかもしれないし、言ったからには責任を持ってやらなきゃいけない、とか……。その辺りはいかがでしょうか?

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内藤 もちろんリスクはあるんですけど、思っているだけじゃ、なにも伝わらないですからね。「踏み出す勇気」こそ、共感してもらえるいちばんの方法だと思うんです。口に出したり、行動で示さないと。迷っている人には、「伝えたいならリスクは恐れずに踏み出せよ」と言いたいです。

 

――内藤選手はそうすることで変わることができた、と……。

 

内藤 そうですね。僕もそれまでは自分の本音をさらけ出せず、リスクを考えながら動いていました。だからやることなすこと全部ダメだったんですが、最後の最後の賭けでうまく流れを掴むことができた。リスクを考えなくなった瞬間、流れが変わったんです。

 

オカダ選手には「焦らせてみろよ」と言いたい

――さて、新日本プロレス最大のイベント、1.4東京ドーム大会が近づいてきました。対戦相手であるIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ選手についてはどんな印象をお持ちですか?

 

内藤 僕は一度、IWGPヘビー級王座を巻きましたけど、彼はもう1年以上、ベルトを巻き続けているわけで。偶然で防衛できるほど簡単なベルトではないので、力がある選手なのは間違いない。でも、かつて、オカダ・カズチカは、僕にとって、どうしたら彼と並べられるのか、考えても考えても答えが出ないほど巨大な存在だった。それが今は、彼の姿を見てもなにも焦らなくなってしまった。彼が小さくなったのか、僕が大きくなったのかわかりませんが。ムリだとは思うんですけど、かつての僕が焦らされたオカダ・カズチカが、1月4日、僕の前に立っていてくれたらうれしいですね。

20171129-s2-(10)↑オカダ・カズチカ選手(左)と内藤選手による1.4東京ドーム大会の記者会見 ©新日本プロレス

 

――「焦んなよ」ではなく「焦らせてみろよ」というわけですね(笑)。ちなみに、これまで内藤選手は、インターコンチネンタル王座のベルトを破壊するなど、ベルトを雑に扱うイメージがあるんですが、IWGPヘビー級王座のベルトを奪取できたら、どのように扱いますか?

 

内藤 …逆に、僕がベルトを取ったらどうすると思いますか?

 

――うーん、どうでしょう……。やっぱり今回も雑に扱うような気が…いや、意外に大切にするかもしれないし……。

 

内藤 そう、それ! いまの時間ですよ! その「考える時間」がプロレスファンにとって最も楽しい時間であり、最も贅沢な時間ですよね。1月4日までまだ時間がありますから、それまで「内藤がベルトを取ったら、どうするんだろう?」ってことを予想しながら楽しんでほしいです。その答えは、もちろん…「トランキーロ! あっせんなよ」

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メキシコ遠征を機に、周囲を気にせず、リスクを恐れないことで人生が変わったという内藤選手。1.4東京ドーム大会では、ついに夢に見たメインイベンターを務めます。きっとこの大舞台でも、やりたい放題の試合を見せてくれるはず。みなさんもぜひ「お客様」として参加し、内藤選手とともに、忘れられない試合を作ってみてはいかがでしょう。

撮影/黒飛光樹(TK.c)

 

【内藤選手がメインを務める試合情報はコチラ】

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WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム

2018年1月4日(木)@東京ドーム
OPEN 15:30/START 17:00

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毎年恒例、国内最大のプロレス興行 イッテンヨン東京ドーム大会の開催が今年も決定! メインカードは、王者のオカダ・カズチカに『G1 CLIMAX 27』覇者の内藤哲也が挑戦するIWGPヘビー級選手権。

 

東京ドームにおけるオカダvs内藤戦といえば、2014年1月4日にもIWGPヘビー級選手権が実現しているが、当時行われた“ファン投票”によって中邑真輔vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル選手権に敗れて、実質的なセミファイナルに降格した経緯がある。

 

そこから、4年。
両国のメイン終了後に、内藤が「2018年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合は、オカダ・カズチカvs内藤哲也でよろしいでしょうか?」とファンにアピールすると大歓声が巻き起こったように、新日本プロレスの雌雄を決する両者による“ビッグカード”となって、オカダvs内藤によるタイトル戦が再び激突する。

 

オカダは昨年6月に大阪城ホールで内藤からIWGPヘビー王座を奪還して以来、なんと破竹の8連続防衛を記録中。どの試合でも壮絶な好勝負を残してきた“超人”オカダにとって、“最大の挑戦者”となる内藤をどう迎え撃つのか?

 

一方の内藤は、昨年6月のIWGPヘビーから陥落以降は、IWGPインターコンチネンタル王座を保持していたものの、常にIWGPヘビーを意識した発言を繰り返しており、今回は待望の再挑戦となる。因縁の両者による、因縁の舞台での再激突。新日本プロレスの流れを左右する大注目の一戦となりそうだ。