パコッ! のワンアクションでOK。中身に優先順位をつける高機能ペンケース

【きだてたく文房具レビュー】トレーの構造や本体の切り分けで収納した文房具に優先順位をつけるペンケース

新年度がスタートしてしばらく経つわけだが、異動やら配置換えで仕事環境が今までと変わってしまった、という方も結構おられるんじゃないだろうか。外回り中心から内勤になったとか、これまでフリーアドレス制だったのに固定デスクになった、とか。そういう環境の変化に合わせて替えるといい文房具が、ペンケースだ。

 

可搬性重視の軽いペンケース、狭い机で使いやすい立つペンケース系など、ペンケースは使う場所に合わせると作業効率がアップするものが多いのである。

 

今回は、そんな中でも使うシーンを絞って機能を向上させた「機能特化型ペンケース」を紹介したい。

 

文房具を“取っ替え引っ替え”使いたい人のためのペンケース

必要なものにすぐ手が届く、トレー変形タイプのペンケースは、いま文房具好きの間で密かに人気が高まっている。

 

一昨年ごろから流行した、いわゆる「立つペンケース」よりも面積が要るため場所は選ぶが、消しゴムやふせんなど小さなモノも探しやすいというメリットがある。

 

そんなトレー変形型でも、ちょっと変わったギミックで注目の製品が、カミオジャパンの「パコトレー」だ。

↑カミオジャパン「パコトレー」1620円

 

収納状態ではごく普通のポーチ型だが、ジッパーを開くと同時に中央部のポケットだけが持ち上がり、立体的な2段ペントレーになるという機能付き。

 

フルオープンにすると、底部に仕込まれた磁石同士がパコッとくっついて、開いたままの状態を維持する仕組みとなっている。(ただし、ポーチ状態でスチールデスクにパコトレーを置くと、この磁石が机面にくっついてしまうのがちょっと鬱陶しい)

↑ジッパーを全開にすると……

 

↑中央ポケットが持ち上がって、中の文房具が取り出しやすいように変形

 

必要なものにアクセスしやすいと言っても、実のところ、中の文房具全部にすぐ手が届く必要はない。例えば、いつも使っているペンと蛍光マーカー、ふせんだけすぐ使えれば、あとはまぁ入っていればいいや、程度だということもあるだろう。

 

パコトレーの2段トレーは、まさにそういう使い方向き。トレー型のアクセスの良さをさらに特化させ、中央ポケットに入っているレギュラー文房具数点に絞って、取り出しやすさをアップさせているのだ。

↑取り出しやすさに関して、かなり割り切った作りになっている

 

いつもの文房具を「どうぞお使いください」と捧げ持ってくれているようで気分もいいし、実際にアクセスもいい。

 

会議用と外出用を使い分けられるペンケース

社内で会議に出るならペン数本持てば充分だが、外出用にはもうちょっとしっかり装備を揃えておきたいもの。

 

社内外ともに移動が多いタイプの人だと、やはりひとつのペンケースで満足感を得るのは難しい。かといって複数のペンケースを備えておくのも大仰すぎる気がするし。

 

キングジムの「イッツイ フルオープンタイプ」はそういう人向きの、「使うシーンを絞らない」ことに機能を絞ったペンケースだ。

↑キングジム「イッツイ フルオープンタイプ」2138円

 

見た目は、手帳サイズの四角いペンケースにポケットが付いたような感じ。実はこのイッツイ、本体と小さなペンシースのふたつが一体化しているペンケースなのだ。

 

磁石でくっついているだけなので、分離するときは本体からペンシースをパコッと取るだけ。そして合体させるには同じ場所に戻すだけ。非常にシンプルなので、使い方に悩むということはまずないだろう。

↑本体と分離・合体が可能なペンシースの組み合わせ。日常的にはシースだけで充分、というシチュエーションも多い

 

ペンシースは、メインのボールペンと赤ペン、蛍光マーカーぐらいの組み合わせがちょうどいいぐらいの容量だ。

 

例えば社内の会議とか、上司に呼ばれたときなんかは、本体からこのペンシースをもぎ取って手帳と一緒に持てば、充分に対応可能だ。なにより荷物が少なくなるので、身軽に移動できるのがありがたい。

↑フルオープンにした本体。フルフラットになるので、必要なものが取り出しやすい

 

本体(大ペンケース)は、ジッパーを全開にすることでフラットに開口して、ペントレーとしても使えるようになっている。

 

開いた右側はペンを挿しておくペンポケットになっているが、せっかくのトレー型なので、ペンはそのままザラザラと放り込んでおいた方が使いやすいように思った。

 

左側は仕切り板で2段に仕切られており、定規やハサミ、カッターなどを収納するのに丁度いい感じ。また、板にはわりとしっかりした芯材が入っているので、ポケットに名刺やふせんなどを入れておいても曲がらず、安心感がある。

↑ホームセンターなどで売っている磁石シート(ちょっと強めがいい)を仕込んで、ノートカバーとも合体可能に

 

あと、これは小技的なものだが、社内でいつも使っているノートカバーのポケットに磁石シートを忍ばせることで、ペンシースとノートも一対で使用できるよう改造してみた。

 

キングジムの製品には、磁石内蔵タブで表紙を挟み込んでノートと一体化できるペンケースとして「ペンサム」がすでに存在するが、それよりも取り回しが良い感じで、なかなか使いやすい。

ただそうなってしまうと、本体とペンシースで「イッツイ(一対)」ではなくなってしまうので、改造版はなにか新しい名前を付けた方がいいかもしれない。本体とノートの都合のいい方にくっつく「コウモリ」、というのは語感が悪すぎるか……。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。