Honda eに乗ってきました。最小回転半径4.3mの実力を迷路のようなコースで試乗

いよいよ10月末にリリースされるHonda初の市販電気自動車「Honda e」に試乗するチャンスが巡ってきました。ホンダが横浜に用意した特設会場は全長800m、コース幅は3.5m。白く綺麗な段ボールを積み重ねまるで道幅の狭い教習所のようでした。試乗コースが屋内というのはEVならではのこと。ゼロ・エミッションだからこそ可能としています。

 

Honda eはデザイナーの遊び心が溢れている

最初に、ボディサイズのおさらい。軽自動車クラスのようにすら感じられるHonda eのスリーサイズは、全長×全幅×高さ=3895×1750×1510mm。Honda Fitより100mm短く55mm幅広で5mm低く、乗車定員4名の5ドアハッチバックです。ホイールベースは2530mmとなります。ここで特筆すべきなのがHonda eの最小回転半径の小ささです。わずか4.3mという数値はホイールベース2520mmのN-BOXでも4.5m〜4.7mなのですから、いかに小回りが効くかが分かります。

↑シティコミューターとしてたっぷりなサイズ感と街を和ませるデザインには思わず名前を付けたくなるペットのような存在

 

コース上のクルマに乗り込む前に、本田技研工業の広報担当三橋文章主任にHonda eの概要説明を受け基本的なことを教えていただき、三橋氏から渡されたFind Honda e Challengeカードの出題を解きます。個性的なHonda eはアイコン化されていて、サイドビューのシルエットがクルマの前後に3か所、隠されているのだそう。そして、市販車全てにこのアイコンが隠されているのだそうです。これはぜひ、皆さんもHonda eを見かけたら探してみてください。かなり小さなアイコンですが必ず入っています。Honda eのデザイナーとのコミュニケーションともいえる部分です。

↑当日配布されたFind Honda e Challengeカード

 

登録されたスマートフォンがキーの代わりに

Honda eでは自前のスマートフォンに専用アプリ(Hondaリモート操作)をダウンロードし登録することでスマートキー機能を持たせることが可能です。そのスマホを携帯し、ドアに近づくと自動的にドアノブがポップアップし、ノブを引けばロックが解除されスムーズに乗り込むことができます。Honda eではそこで終わりではなく、国産車初で、エンジンの始動までが可能となりました。いつものように部屋からスマホを携帯してクルマに近寄ればドアが開けられ、エンジンの始動までできるのです。さらにオーディオやエアコンのコントロールも可能なので、例えば暑い夏の日、お出かけ時には、家でHonda eの充電をしている状態で電力負荷の大きいエアコンの初期作動をさせることができます。乗り込み時に快適な室内環境を作っておけるだけでなく、走行用の電力の確保もできるのです。

↑国産車で初めてパワーオンまで行うことを可能としました

 

さて、いよいよHonda eに乗り込みました。私のように規格外に大きな体型でも十分に受け入れてくれる室内はブラック、グレイ、効果的なアクセントに用いられるブラウン、木目の色合いが基調の落ち着いた雰囲気です。家のリビングからの延長のようなイメージで、日常の生活の中でそのまま自然にHonda eがいる感覚です。それがシームレスということなのです。

↑シンプルで心安らぐリビングのような空間。パネルには、リビングテーブルのようなぬくもりを感じる自然な風合いのウッド調パネルを採用しています

 

インテリアでまず目を引くのが車室幅一杯に広がっている5連のモニターです。左右外側のモニターにはドアミラー代わりのサイドカメラミラーシステムからの映像がクリアに映し出されます。ドライバーの目線から見て自然なレイアウトのため、後方視界の違和感や不安はなく良い感じ。荒天時も雨の雫がカメラに付着しない設計になっていること、雨粒の付いたガラスを通して外のミラーを見る必要がないので、クリアな後方視界が期待できそうです。

↑中央には、12.3インチのスクリーンを2画面並べた「ワイドスクリーン Honda CONNECT ディスプレー」を配置。運転席や助手席でそれぞれ表示機能を選択できます

 

↑クラウドAIによる音声認識と情報提供をおこなう「Hondaパーソナルアシスタント」を搭載。「OK, Honda」と呼びかけることで、音声認識によりリアルタイムの情報を提供してくれます。オリジナルキャラクターがなんとも言えずポップ

 

↑カメラで捉えた映像はインストルメントパネル左右に配置した6インチモニターに映し出されます。サイドカメラミラーシステムは、170万画素の高精細カメラ

 

↑ドアミラーのかわりにサイドカメラミラーシステムを採用。これが車幅減に少し貢献し、狭い路地での心配も減ります

 

迷路コースを難なくクリアする理由

エンジンがかかり、Dボタンを押すことで走行可能となります。アクセルペダルを踏み込めば通常のクルマ同様に前進。このコースでは走り始めるとすぐに最初の直角カーブが迫ります。クルマの四隅に気を配りますが、モニターでの内側の確認にも、ハンドルの切れる感じにも違和感はなく静かにすっと曲がります。きついと思っていた狭い直角カーブもスルスルとスムーズにクリア。最小回転半径4.3mを実現させる裏にはEV専用設計のシャーシの恩恵があります。

 

ガソリンエンジン、ハイブリッドカーはシャーシレイアウトのベースをガソリン車のものとしているのがほとんどです。対して、Honda eは当初からEV。重量物のバッテリーは低重心化し、もしもの事故の衝撃から守るためにフロア下に敷き詰められるようにレイアウトされました。当初考えられていた前輪駆動から発想を変更。駆動輪を後ろにし、モーターもリアマウントにすることで、フロントにスペースの余裕をつくりました。通常のガソリン車よりも構造材の間隔を短くし、フロントサスペンション部に有効なスペースを生みました。

↑車両の床下にはバッテリーを格納する薄型IPU(インテリジェント・パワー・ユニット)を配置

 

そうして有効なスペースを利用してよく切れるステアリング機構となったHonda eが生まれました。しかしこのままではハンドルを切る量(=回転量)が増えてしまいます。Honda eでは可変ギアレシオを使い、小蛇角の時と大きくハンドルを切る時のステアリングギア比が変わりロック トゥ ロックは3.1回転で不自然さのないステアリング機構を生み出しています。地味な部分かもしれませんがHonda eの実用的な走りの魅力を大きく上げる機構といえるでしょう。

↑RR(リアモーター・リアドライブ)が可能にした大きく切れるステアリングにより、最小回転半径4.3mに

 

Honda e Advanceの高トルクと大パワー

Honda eにはベーシックグレードのHonda eとハイパワーグレードHonda e Advanceの2種類があります。今回試乗したのはハイパワー版のAdvanceでした。最高出力は113kW(154PS)と最大トルクが315N・m(32.1kgf・m)はこのコースでその実力を試すことはできませんでしたが、小回りがきくHonda eとこのコースに慣れてくると、かなり思い切った走りができるようになってきます。アクセルを深く踏み込むとレスポンスよく高トルクが発生され、見た目の可愛さを遥かに超えた加速をします。ノーマルモードとスポーツモードの実力はまた別の機会に広い道で試してみたいと思いました。

↑リアにはコンパクトかつ大出力のモーターを配置しています

 

Honda eは減速時にも楽しいドライビングを提供。通常のAT車のようなアクセル、ブレーキの2ペダル運転とシングルペダル運転の選択ができます。その選択もボタンを押すだけで完了。アクセルペダルを離すだけで減速が行われます。ハンドルの奥にあるパドル式の減速セレクターによってブレーキの効き具合を3段階にコントロールできます。これによりアクセルワークに集中できるスポーティーなドライビングが可能なことを確認することができました。

↑シングルペダルコントロールによって、加減速の切り替えをスムーズに行えます

 

ドライバーだけでなく同乗者を退屈させない

出先での充電時やドライブ中もHonda eはドライバーだけでなく、同乗者も退屈させません。5面のHonda Connectディスプレーは充電中にも走行中にも助手席の同乗者にも扱いやすく使用が可能です。また、ナビの情報など左右のモニターの情報を簡単にドライバーにも見やすく提供することができます。今回の迷路試乗では『街なかベスト』な乗り味の確認がメインでした。Honda eにはまだまだ魅力的なコンテンツが沢山あります。別のシーンでも試してみたいと感じました。その魅力が十分にあることは確かです。

 

Honda e 451万円(税込)/Honda e Advance  495万円(税込)

試乗車SPEC【Advance】●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm●車両重量:1540kg●モーター:交流同期電動機●最高出力:113kW(154PS)/3497〜10000rpm●最大トルク:315N・m(32.1kgf-m)/0〜2000 rpm●一充電走行距離WLTCモード:259km●交流電力量消費率WLTCモード:138Wh/km

 

 

撮影/野田楊次郎

 

 

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京セラのEVコンセプトカー「Moeye」詳細。クラシカルな中に秘められた超最先端を解説

京セラは9月29日、独自デバイスを数多く搭載したコンセプトカー「Moeye(モアイ)」を発表しました。京セラは2018年にトミーカイラZZをベースとしたスポーツEVコンセプトカーを開発しましたが、このモアイはそれに続く第二弾となります。

↑京セラが「驚きと快適をもたらす未来のコクピット」を表現するために作成したコンセプトカー「Moeye(モアイ)」

 

外観はクラシック、だけど車室空間は最先端!

2020年は1月にソニーがCES2020で「VISION-S」を発表して注目を浴びましたが、このモアイの場合も京セラが培ってきた車載向け技術を対外的にアピールするショーケースとしての役割を担います。京セラは自動運転化やMaaSの普及が進むなかで、車室内空間の重要性に着目。驚きと快適をもたらす未来のコクピットを完全オリジナルデザインで開発したということです。

 

コンセプトカー「モアイ」イメージビデオ

 

披露されたモアイは突き出たフロントグリルと丸形ヘッドライトを組み合わせ、ボディラインは緩やかな曲線へとつなぎ、それは一見するとクラシックカーのようにも見えます。しかし、このデザインを手がけたFortmareiの石丸竜平氏によれば、開発テーマは「時間を駆け抜けるデザイン」とし、そのスタイルには連綿と続く自動車の歴史における過去、現在、未来とリンクする流れが含まれているのだといいます。

↑光学迷彩技術は前部6つのカメラで前方を捉える映像がベースとなる

 

↑モアイのリアビューは初期のシトロエン「2CV」を彷彿させ、そこに曲線を加えた個性的なデザインとなった

 

ドアを開けるとそこは一転、未来的な空間が広がっています。居心地が良さそうなファブリック仕立てのシートが並び、左右に伸びたダッシュボードはメーターもハンドルもありません。それはまさしく自動運転時代の新たな乗り物として提案するもので、クラシカルな外観とはかけ離れた雰囲気を作り上げていたと言えるでしょう。

↑自然光に近い、生体に優しい光を作り出す独自の「LED照明 CERAPHIC(セラフィック)」で車内を照らした

 

説明会では、京セラの執行役員上席 研究開発本部長 稲垣正祥氏が登壇してモアイの開発コンセプトを紹介しました。業界で注目されているCASEを採り上げ、時代はその方向に進む流れとなっていると認める一方で、「クルマを単なる移動する箱として捉えたくない」想いがあることを告白。

 

そこでモアイを開発するに当たってテーマとしたのが「人間の五感のから味覚を除いた視覚/触覚/聴覚/嗅覚の4つの感覚」を直に感じて楽しむ移動空間だったのです。

 

その中で最も注目される“視覚”の技術が、独自の光学迷彩技術を用いる技術です。これは東京大学 先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授と協働して実現したもので、コクピットの一部を透明化してドライバーの視野を拡大することが可能。

 

運転席に座った時、ダッシュボードから下が見えないのは当たり前ですよね? そこで6台のカメラで前方を撮影し、その様子を3Dプロジェクターでダッシュボードに投影します。周辺の風景を合わせ込むことで、あたかもダッシュボードから下が透明化したように見えるようになるわけです。

↑カメラで捉えた映像は3D画像処理し、その映像を表示するとドライバーはあたかも前方が透けているかのように見える

 

↑車内天井にはダッシュボードに投影する3Dプロジェクターが搭載されている

 

まさに本来なら死角となる部分を映像技術によって“見える化”する画期的な手法と言えますが、課題もあります。それは映像として再現できるまで0.15秒かかということです。つまり、これは現実よりも0.15秒遅れて投影されるわけで、仮に高速で走行していればとても間に合いません。そのため、今後は遅延を限りなくゼロに近づけていく必要があるのです。

 

ただ、駐車するときなら低速ですから現状でも遅延はそれほど気にならないと思いますし、むしろ、周辺をより広く確認できるようになることは大きなメリットを生み出すでしょう。

 

他にも“視覚”に関して、京セラ独自の4つの技術が投入されました。フロントウインドウにオリジナルキャラ“モビすけ”を浮かび上がらせる「空中ディスプレイ」は、ナビゲーション案内などを通してドライバーと様々なやり取りを行うロボット的な役割を果たします。自然光に近い、生体に優しい光を作り出す独自の「LED照明 CERAPHIC(セラフィック)」や、京セラ製「京都オパール(人工オパール)」をドアの内面とセンターコンソールに装飾したのも注目です。

 

コンセプトカー「モアイ」光学迷彩技術

 

↑「LED照明 CERAPHIC(セラフィック)」は気分に合わせた多彩な照明で車内を照らせる

 

↑「LED照明 CERAPHIC(セラフィック)」で照らされて光り輝く「京都オパール(人工オパール)」

 

そして、“触覚”には操作した指先に振動が伝わる「HAPTIVITY(ハプティビティ)」が使われ、“嗅覚”として搭載されたのが車室内に5種類の豊かな香り・匂いを噴射させる「アロマ芳香器」です。また、“聴覚”には「ピエゾ素子振動スピーカー」を搭載。薄型である特徴を活かし、ダッシュボードやヘッドレストにも内蔵することで一体感のあるサウンドを提供します。いずれも京セラ独自の技術として紹介されているものです。

↑指先に振動が伝わる「HAPTIVITY(ハプティビティ)」で操作し、音声は極薄型の「ピエゾ素子振動板」で再生される

 

京セラはモアイが2つめのコンセプトカーになりますが、初代のコンセプトカーと違って残念ながら実際に走行することはできません。その理由は自動運転やMaaSが少しずつ現実のものになっていくとした時、京セラとしてどの分野に力を入れるかを想定した答えがこのコンセプトカーに込められているからなのです。つまり、モアイは車室内空間をいかに魅力的に表現するか、そこに注力するためにあえてコンセプトカーとして走る機能は搭載しなかったというわけです。

 

初代コンセプトカーのイメージビデオで、朝陽を受けながら京都の山岳路を疾走する姿は強烈な印象として今も記憶に残っています。コンセプトカーであっても走ることで初めて分かることも多いはず。第3弾はぜひ走るコンセプトカーで京セラの技術力を見せて欲しいと思います。

↑説明会に登壇した、東京大学 先端科学技術研究センター 稲見昌彦教授(左)、京セラ株式会社 執行役員上席 研究開発本部長 稲垣正祥氏(中央)、株式会社Fortmarei 代表取締役社長 石丸竜平氏(右)

 

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7世代目のBMW「5シリーズ」発売。 新たなプレミアムスポーツのベンチマーク

BMW7世代目5シリーズが9月28日に発表。時代やビジネスシーン、そしてリーダー自身も変化が求められている未曾有のコロナ禍の中、「変わる準備は出来ていますか?」という投げかけと共に、披露されました。

 

次世代リーダーにこそ相応しい

ニュー5シリーズは、セダンおよびツーリングモデルが発売。ガソリン車とディーゼル車があり、気になる価格は678万円〜1319万円(税込)。PHEV車は4モデルあり、一番リーズナブルな「530e Luxury Edition Joy+」で815万円(税込)となります。

 

ボディサイズは全長4975mm、全幅1870mm、全高1485mmで、2975mmのロングホイールベースにより余裕のある後席室内空間を実現。一方で、ロングホイールベース化は狭い道などでの取り回しに影響が出ます。これに対し新型モデルでは、「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」を標準装備。後輪も向きを変える4輪操舵システムによって、取り回しの不安を払拭しています。

↑ニュー5シリーズのコンセプトを語るクリスチャン・ヴィードマン社長。幅と高さを増した大型のキドニーグリルに対して、2つのU字型(オプション装備の場合はL字型)のデイランニングライトを内蔵する細身に仕立てられたヘッドライトが特徴

責任者が語るデザイン

今回の5シリーズではフロントとリアのデザインを一新し、より贅沢なインテリアと最新のコネクティビティを備えています。一言で言えば存在感が増し、表情豊かになり、以前にも増して現代的にデザインがアップデートされたといったところでしょうか。

↑ツーリングモデルとM Sportセダンの間に立つのがデザイン責任者のドマゴイ・ジュケッチ氏

 

新しいキドニーグリルは、よりシャープな輪郭によってさらに幅が広がり、一層際立つ形に。そして、今回のフェイスリフトのハイライトはBMWレーザーライト ヘッドライト。L字型に鋭く前方を見据え、モダンな顔つきを作っているのです。もちろん、見た目だけではなく、その照射能力は従来のLEDヘッドライトの約2倍に相当する最長650m(ハイビーム時)にも及びます。

↑PHEVモデル530e M Sportパッケージ。最高出力はガソリンエンジンとモーターを合計すると294PSを発揮します

 

↑新デザインのBMW Individual 20インチホイールはダイナミックでアグレッシブさを感じさせます

 

また、大胆でモダンに組み合わされたリアコンビネーションランプも目を引くポイントです。一見クラシックなL字型のテールランプですが、大胆でモダンに組み合わされ、立体的にボディから現れています。ブラックの部分は強いコントラストを生み、リアシェイプを引き締めています。

↑「立体的にボディから現れる」と表現されたリアコンビネーションランプ

 

PHEVの530eをセダンに設定

プラグインハイブリッドシステムを採用した530eは、エンジンとモーター間がダイレクトに結ばれ、BMWの高い制御技術でお互いのパワーを無駄にすることなく、滑らかで効率の良い走りを実現させました。さらに特徴的なのが530eのバッテリー搭載位置。

 

約100kgの重量物であるバッテリーを極力車体の中央に収めるため、従来ガソリンタンクのあった後席下のスペースにバッテリーをレイアウトし、ガソリンタンクをトランク下に移設しました。これによって重量バランスの最適化が図られ、重心を下げ、重厚でスポーティーな走りを実現したのです。

↑充電用コネクターは左フロントフェンダー後ろのリッド内にあります

 

エンジンはエンジンルームの一番奥、車体の中心近くに収められています。これによりノーズ先端を軽くし、俊敏な動きを実現。さらに、車体の重心をドライバー席と近くすることで車との一体感を感じ、ドライビングの際に車が自分の手足のように動く感覚を味わえるようにレイアウトされています。セダンとは思えないスポーティーな走りが楽しめます。

 

ドライビングアシストシステムの標準装備

安全装備も見ていきましょう。3眼カメラと高性能レーダーを用いた運転支援技術「BMWドライビング アシストプロフェッショナル」を標準装備。20m、120m、300mの地点を3つの距離認識カメラで同時にとらえ、毎秒約2兆5000億回の解析能力を誇る最先端のプロセッサが高い危険予知性能と正確なレーンキープ性能を発揮します。これにより、高速走行時でもドライバーはハンドルに手を添えているだけでよく、ドライブ時の疲労を大幅に軽減させます。

 

さらに、渋滞時にはハンドルから手を離すことが可能なハンズオフ機能を備えています。これでBMWの3シリーズ以上の量販モデルすべてに標準装備が実現されました。高い安全技術を標準装備化することでより高次な運転支援技術の普及へとつなげていく。BMWは日本市場において、運転支援技術のリーダーであることを自負しているというメッセージを発信しています。

↑三眼カメラとレーダーにより異なる距離を同時に検知し危険予測します

 

ガジェットとの連携で面白いのが、AppleとBMWで共同開発されたiPhoneをクルマのデジタルキーとする技術。これによりiPhoneを持ってドアノブにかざせばドアが開き、スマートに乗り込むことができます。そして、そのiPhoneをセンターコンソールに置くことでキーとして認識。エンジンスタートが可能となります。普段通りにiPhoneを持っていれば、キーを探すことなくクルマに乗り込み発進が可能となるのです。日常生活からドライビングにスマートな移行ができるのです。

↑いつものiPhoneをデジタルキーとして使用することが可能

 

快適性と実用性も十分

5シリーズはエアベンチレーションやマッサージシートを選択可能。また、ツーリングモデルはラゲッジ・コンパートメント・パッケージの初採用により、ラゲッジルームの容量を通常の570Lから、リアシートを完全に倒すことなく最大10L広げられます。リアシートを完全に倒せば、ラゲッジルーム容量は1700Lに拡大されます。

↑ステッチを施し上質な質感を感じられる、エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・シート

 

↑エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・シートは、巧みの技による手の込んだ衣装となっています

サステナビリティなモビリティを実現する

BMWは2020年からは、世界中の生産拠点に供給される電力の100%がグリーン電力となります。さらに、自動車メーカーとして唯一、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスに選定。このため、2020年5月に「Edition Joy+」と呼ばれる新たなグレードをラインナップ設定し、環境に優しく、魅力的な価格のモデルの提供をスタートしています。

これらの点を踏まえると、環境への配慮とスポーティーな走りの高次元バランスこそBMWニュー5シリーズの大きな特徴といえます。まさしく5シリーズは、次世代のリーダーに向けて発信されたものといえるでしょう。

 

 

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令和時代の速いだけではなくテクノロジーも超絶モノスゴい!【スーパーカー名鑑】(後編)

その名のとおり、“スーパー”なスタイリングや動力性能を備えるスーパーカーは、クルマ好きたちの心を魅了し、憧れの対象として存在している。最新技術を搭載し、芸術品のようなデザインをまとった、現代の最新スーパーカーを見ていこう。

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

解説&採点

自動車評論家

永福ランプ(清水草一)

スーパーカーは人類の夢である!
本誌連載のほか、様々な媒体で活躍中のベテラン評論家。これまでに購入した49台のクルマのなかには、フェラーリやランボルギーニも含まれ、オーナーならではのリアルな意見を持つ。

 

【SUPER CAR 07】Mercedes-Benz[メルセデス・ベンツ]

ラグジュアリーブランドの代名詞的存在。だが同社のスーパースポーツも世界トップクラスの性能を誇り、その名声は世界中に知れ渡っている。

 

電子デバイス満載の高性能スポーツ

メルセデス・ベンツ

AMG GT

1698万円〜2426万円

アルミを多用したスペースフレーム構造のボディや理想的な前後重量配分などを持つ、2シーターのフラッグシップスポーツモデル。クーペモデルに加えて、オープンモデルの「ロードスター」もラインナップされている。

SPEC【S】●全長×全幅×全高:4545×1940×1290mm●パワーユニット:4.0LV型8気筒ツインターボエンジン●最高出力:522PS/6250rpm●駆動方式:FR●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

静粛性を確保するソフトトップを採用

クーペから2年遅れで日本導入となった「ロードスター」。軽量かつ静粛性の高いソフトトップを備える。

 

<永福’s Check>

エンジンは圧倒的な獰猛さで、高級車の面影はみじんもない。それでいてかなりの大きさのトランクがあり、実用性が高い。

 

子会社がアレンジするスーパースポーツモデル

メルセデス・ベンツを作るダイムラー社は、世界最古の自動車メーカー。自動車の歴史そのものと言ってもいい。メルセデスと言えば高級セダンの代名詞だが、子会社のAMGが手掛けるスポーツモデルは、スーパーカー級の性能を持っている。AMG GTの想定ライバルはあくまでポルシェで、フェラーリやランボルギーニではないが、ルックスはどちらかといえばスーパーカーに近い。

 

AMGエンジンは、アストンマーティンの一部モデルにも搭載されるなど、スーパーカーの世界になくてはならない存在になっている。

 

[OTHER MODEL]

究極のラグジュアリースポーツ

Sクラスクーペ

1566万円〜2899万円

フラッグシップサルーン「Sクラス」をベースとする2ドアモデルで、豪華な装備が満載される。搭載エンジンは3.0LV6と4.0LV8のツインターボ。

 

【SUPER CAR 08】Audi[アウディ]

知的でクールなイメージのアウディのルーツは、モータースポーツで活躍してきたテクノロジーメーカー。その技術を生かしてR8が誕生した。

 

ハイテクスポーツがクルマの未来をアピール

アウディ

R8

3001万円〜3146万円

同ブランドのフラッグシップ・スーパースポーツとして、2006年にデビュー。販売面でも成功を収めて、2016年に現行型となる2代目モデルが登場した。「ASF」と呼ばれる特別なボディ構造や、フルタイム4WDシステムが搭載されている。

SPEC【V10パフォーマンス 5.2FSIクワトロ】●全長×全幅×全高:4430×1940×1240mm●パワーユニット:5.2LV型10気筒エンジン●最高出力:620PS/8000rpm●駆動方式:4WD●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

軽量かつ丈夫な車体設計のオープンモデル

オープントップモデル「スパイダー」も、素材にアルミやカーボンが用いられて、軽量化されている。

 

コックピット風の運転席まわり

運転席を囲うようにデザインされたインテリア。まるで飛行機のコックピットのようだ。

 

<永福’s Check>

初代R8はデザインでスーパーカー界に衝撃を与えたが、現在の2代目モデルは初代と見分けが困難なほどソックリ。斬新かつ知的である。

 

 

味付けのまったく異なるランボルギーニの兄弟車

アウディはかつて、「ドイツの農夫が乗るクルマ」などと言われたが、高級路線に転じて大成功し、ランボルギーニの親会社になった。その高い技術力を生かして、ランボルギーニ車の開発にも大いに力を貸している。アウディブランドのR8は、実はランボルギーニ・ウラカンの兄弟車なのだ。

 

ただしウラカンとR8とでは、乗り味はかなり異なる。荒々しい雄牛であるウラカンに対して、R8は知的でエレガント。性能はほぼ同等だ。兄弟車であっても、ブランドイメージによって明確に棲み分けがなされている。

 

【SUPER CAR 09】Aston Martin[アストンマーティン]

英国に端を発する名門ラグジュアリースポーツブランドで、世界トップクラスの性能を備える。映画「007」シリーズでジェームス・ボンドが駆る英国製スポーツカーだ。

 

高性能と快適性を両立したハイパフォーマンスGT

アストンマーティン

DBSスーパーレッジェーラ

3573万600円〜3801万5400円

現在のアストンマーティンにおけるフラッグシップクーペ&オープン(ヴォランテ)モデル。フロントに搭載される5.2LV12ツインターボエンジンは、725PSを発揮。伸びやかで美しいスタイリングながら、各所に空力への配慮も見られる。

SPEC【クーペ】●全長×全幅×全高:4712×1968×1280mm●パワーユニット:5.2LV型12気筒ツインターボエンジン●最高出力:725PS/6500rpm●駆動方式:FR●最高速度:340km/h

 

<This is SUPER!>

オープンでも美しさを追求

「ヴォランテ」と呼ばれるオープンモデルも設定。屋根を開けた状態でも美を追求するアストンマーティンらしい、スキのないデザインだ。

 

洗練されたインテリアデザイン

インテリアは英国車らしいしつらえで、高級感とスポーティさが同居している。「DB11」とは細かな部分が異なるデザインになっている。

 

<永福’s Check>

アストンマーティンはどのモデルもデザインが似ていて見分けが難しいが、どれも現代的で美しい。スペック的に現在最もスーパーなモデルがDBSで、725馬力のV12ターボには驚愕だ。

 

英国の名門ブランドは美麗なスタイルが信条

アストンマーティンと言えばボンドカー。ジェームズ・ボンドの故国・イギリスが生んだ超名門ブランドだ。一時は長い低迷期にあったが、フォード傘下入りをきっかけに経営の近代化に成功。その後オーナー企業は次々と変わったが、工場の刷新や最新技術の導入などによって、スーパーカーブランドとして完全に蘇った。

 

同ブランド最大の武器はデザインにある。洗練の極致にある美しいクーペボディは、フェラーリのようなハデさを嫌う、静かなる富裕層の支持を得ている。

 

もちろんパフォーマンスも素晴らしいが、それよりも度肝を抜かれるのは、インテリアのエレガントさだ。フェラーリが新興成金なら、アストンマーティンは貴族。あくまで上品に上質に、しつらえで勝負する。アストンマーティンに乗った後でフェラーリを見ると、どこかオモチャ的に見えてしまうから不思議である。

 

[OTHER MODEL]

大きなボディに大出力エンジンを搭載

DB11

2363万円〜2770万円

DBSスーパーレッジェーラとベース車体を共有する大型クーペ&オープン(ヴォランテ)モデルで、V8&V12エンジンを搭載する。アグレッシブな外観のハイパフォーマンスグレード「AMR」も設定される。

 

軽快に走るピュアスポーツモデル

ヴァンテージ

1913万円〜2159万円

同社ではエントリーモデル的な位置付けのクーペ&オープン(ロードスター)モデル。4.0LV8ツインターボエンジンをフロントに搭載し、リアタイヤを駆動する。クーペモデルにはMTの設定もある。

 

【SUPER CAR 10】McLaren[マクラーレン]

F1のコンストラクターとして有名なマクラーレンだが、2009年以降、本格的にロードカー部門を設立。F1の最新技術を搭載したスーパーカーを送り出している。

 

スーパーカーを熟知したメーカーが放つ快速GT

マクラーレン

GT

2645万円

従来の「スポーツ」や「スーパー」シリーズとは異なる、新ラインとして誕生したグランドツーリングカー。高い走行性能を備えつつ、長い道中も快適に乗り続けられるよう設計され、ゴルフバッグが積載可能な広いトランクや、段差を乗り越えるための車高調整機能などを備えている。

SPEC●全長×全幅×全高:4683×2095×1213mm●パワーユニット:4.0LV型8気筒ツインターボエンジン●最高出力:620PS/7500rpm●駆動方式:MR●最高速度:326km/h

 

<This is SUPER!>

走らせるための場所はシンプル

インテリアはいたってシンプルで華美な装飾などは見られない。装備類も必要最小限でまとめられており、これは、ただ「走ること」を目的に開発されたマクラーレンのモデルに一貫している。

 

スーパーカーメーカーの自負

ドアは上方へ開く「ディヘドラルドア」を採用。マクラーレンでは全モデルに同タイプのドアが採用され、この機構こそ多くの人から注目されるべき「スーパーカー」であると自負している。

 

<永福’s Check>

クルマでツーリング(旅)に出るためには、荷物を積む必要がある。そこで同車では、ピュアスポーツの720Sをベースとしながら、エンジンの上にまでラゲージ(荷室)が設けられている。

 

約10年の間に数多くのモデルをラインナップ

マクラーレンもフェラーリ同様、F1レースを戦うためのレーシングチームだ。かつて常勝を誇った「マクラーレン・ホンダ」や、それに乗って戦ったアイルトン・セナの名前を知らない者はいないだろう。

 

フェラーリは誕生直後に市販車の生産を始めたが、マクラーレンが本格的に市販車の生産に乗り出したのは、いまからわずか11年前だ。にもかかわらず、早くもスーパーカーの世界で確固たる地位を築いている。スーパーカーの世界では、レースでの実績がブランド力に及ぼす影響は大きいのである。

 

マクラーレンのクルマ作りは、基本的にレーシングカー作りである。つまり、何よりも速さが重要。速く走るために何が必要かを突き詰めているため、レーサーからの評価が非常に高い。

 

ただし、一般ユーザーの要望は、必ずしも速さ第一ではない。マクラーレンはわずか11年間でそのことを賢く学び、サーキット専用の限定モデルをリリースしつつ、一般的なモデルを「スーパーシリーズ(速さ重視)」と「スポーツシリーズ(快適性重視)」に分け、拡充を図ってきた。

 

昨年はそこに、「グランドツアラー(GT)」も加わって、モデル数はさらに増えた。今後も、他メーカーより早い間隔でニューモデルをリリースしていくに違いない。

 

[OTHER MODEL]

十分スーパーなエントリーモデル

540C

2454万円

「スポーツ」シリーズのなかでもエントリーモデルに位置するスポーツクーペ。エントリーモデルとは言いつつも、最高速度は320km/hで、上方へ開くディヘラルドアも採用されており、しっかりスーパーカーらしさを備えている。

 

ツーリングも得意なスポーツモデル

570GT

2862万円

「スポーツ」シリーズに属するモデルで、今年デビューした「GT」的な性格を持つハッチバック。570Sとほぼ同等のスポーティな走行性能を備えていながら、シート後方には荷物の収納場所がしっかり確保されている。

 

スポーツシリーズのスポーツ仕様

570S

2721万円〜2952万円

エントリーレンジである「スポーツ」シリーズのスタンダードモデル。570PSを発揮する3.8LV8ツインターボエンジンをミッドシップ搭載する。オープンモデルの「スパイダー」もラインナップされている。最高速度は328km/h。

 

動力性能を高めた「スポーツ」モデル

600LT

3055万円〜3286万円

「スポーツ」シリーズのトップエンドモデル。570Sをベースとしながら、軽量化やエンジンの強化が図られ、スポーツ性能を高めている。クーペモデルに加えて、電動ハードトップを備えたオープンモデルの「スパイダー」もラインナップ。

 

独特のスタイルを持つスーパースポーツ

720S

3461万円〜3858万円

「スーパー」シリーズに属するモデルで、全体的にエッジの効いた、どのライバルにも似ていないスタイリング。ヘッドライトとエアインテークがまとまった近未来的なフロントデザインも特徴的だ。オープンモデル「スパイダー」も設定。

 

【SUPER CAR 11】LOTUS[ロータス]

エランやヨーロッパなど、小型スポーツの開発を得意としてきた英国ブランド。現在はエリーゼ、エキシージ、エヴォーラなどを販売する。

 

得意の運動性能が磨かれたGTスポーツ

ロータス

エヴォーラ

1397万〜1536万7000円

同社らしからぬ豪華さを備えた4人乗りクーペで、オール新設計でデビューしてから約10年販売されているロングセラーモデル。エンジンはトヨタ製の3.5LV6がミッドシップ搭載される。「GT410」は走行性能を高めた最新グレード。

SPEC【GT410】●全長×全幅×全高:4390×1850×1240mm●3.5LV型6気筒スーパーチャージャーエンジン●最高出力:416PS/7000rpm●駆動方式:MR●最高速度:305km/h(MT)

 

<This is SUPER!>

必要最小限のゴージャスさ

皮張りながらストイックな雰囲気のインテリア。内外装をコーディネイトするカラーパッケージも設定。

 

<永福’s Check>

トヨタ製V6エンジンは決してスポーティではないが、それにスーパーチャージャーを追加した。操縦性はロータスらしく秀逸。

 

レースから市販車販売へ小型スーパーカーで成功

ロータスはもともとレーシングカーメーカー。創業者のコーリン・チャップマンの独創的なアイデアによって、レースで奇跡的な好成績を残してきた。

 

市販車に関しては、優れたシャーシ(車体骨格)を設計し、そこに他社のエンジンを積むのが伝統だ。現在は、トヨタが製造したエンジンを独自にチューニングして搭載している。

 

また、軽い車体に小さなエンジンを積み、操縦性で大パワーのスーパーカーを打ち負かすのもまた伝統である。パワーではなく「技」で勝つ。それがロータスの真骨頂なのだ。

 

[OTHER MODEL]

公道向けのレースカー

エキシージ

990万円〜1760万円

同社の最小モデル「エリーゼ」をベースに軽量化し、レース用パーツが装着された。ハードなチューニングが施されたレース仕様のスポーツクーペだ。

 

【SUPER CAR 12】HONDA[ホンダ]

「フェラーリに影響を与えた初めての国産スーパーカー」と言われた初代の登場は1990年。30年が経ち、現行型はハイブリッドカーに。

 

日本初のスーパーカーはハイブリッドで走りを強化

ホンダ

NSX 2420万円

デビューから4年が経過した国産スーパースポーツカー。3.5LV6エンジンに3基のモーターを組み合わせた「SPORT HYBRID SH-AWD」が搭載される。2018年に、サスペンションや各種電子制御の見直しが図られた。

SPEC●全長×全幅×全高:4490×1940×1215mm●3.5LV型6気筒ツインターボエンジン+モーター●エンジン最高出力:507PS/6500〜7500rpm●駆動方式:4WD

 

<This is SUPER!>

ボディ後方が盛り上がるスーパーカーらしい形状

ミッドシップモデルらしいエレガントなサイドシルエット。カーボンパーツも各所に使用される。

 

2種類のパワーソースを協調制御して走行する

エンジンに加えて3基のモーターをパワーユニットとして使用することで、出力特性をさらに強化。

 

<永福’s Check>

アメリカホンダ主導で開発されたため、スタイリングにアメリカ人の好みが濃厚に反映されている。初代モデルと違いオリジナリティには欠ける。

 

挑戦的な社風は変わらず、いまもNSXは世界に挑む

創業者の本田宗一郎氏は、まだ四輪車を作り始めたばかりの時期に、いきなりF1に参戦した。そんなチャレンジングな歴史を持つからこそ、同社は軽自動車からスタートしながら、スーパーカーにまで手を伸ばしたのである。

 

ただ、ホンダは量産大衆車メーカー。スーパーカーのようなブランドビジネスのノウハウはなく、初代NSXは歴史に名を残しつつ苦戦した。しかし現在、そのNSXの2代目が登場している。しかも革新的ハイブリッドスーパーカーである。その意気や善し。称賛しないわけにはいかない。

 

【SUPER CAR 13】NISSAN[日産]

いまも「技術の日産」と言われる同社が、威信をかけて開発を続けてきた。国産最強スポーツカーは、世界のライバルと肩を並べる存在に成長した。

 

スーパーカーとしては独創的な形と実用性の高さ

日産

GT-R

1082万8400円〜2420万円

スカイラインの派生車だった従来モデルから、単独車種「GT-R」として2007年に誕生。フロントのボディ中央寄りに搭載された3.8LV6ツインターボエンジンのパワーを、日産独自の4WDシステム「アテーサET-S」でしっかりと路面へ伝える。

SPEC【NISMO】●全長×全幅×全高:4690×1895×1370mm●パワーユニット:3.8LV型6気筒ツインターボエンジン●最高出力:600PS/6800rpm●駆動方式:4WD●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>運転に集中できるドライバー中心の設計

「スカイライン」時代のイメージを色濃く残すインパネデザイン。目的別に区分けされ、操作性は抜群だ。

 

長い年月の間に多くの特別仕様を設定

特別仕様車も数多く設定されてきたが、「GT-R50 by イタルデザイン」は1億円超えの値が付けられた。

 

<永福’s Check>

2020年モデルの登場で、その走行性能は完成の極みに達し、すさまじい速さと快適性を両立することに成功した。まもなく消滅するのが実に惜しい。

 

日産が追求してきた独自のスーパーカーの形

日産GT-Rは日本の宝。現代の戦艦大和である。ルーツはスカイラインGT-Rにあり、歴史をたどれば60年代にまでさかのぼる。そこには、日産が国産メーカーとして、海外勢と果敢に戦ってきた歴史がある。

 

そして現在のGT-Rは、13年前、スーパーカーに肩を並べる性能を引っ提げて登場した。現在でも欧州製スーパーカーへのレジスタンスとして、全世界で根強い人気を誇っている。

 

ただ、そのGT-Rも、規制の波に揉まれて2年後には消滅する。次期GT-Rの登場を祈ろう。

 

【SUPER CAR 14】LEXUS[レクサス]

国産メーカーで唯一国内展開をしている高級ブランド「レクサス」のフラッグシップスポーツカーがLC。価格やスタイリングはスーパーカー級だ。

 

2種類のパワーユニットを設定するハイパワークーペ

レクサス

LC

1350万円〜1500万円

レクサスのラグジュアリー性を体現する2ドアクーペ。5.0LV8エンジンと、3.5LV6エンジンベースのハイブリッドシステム、2種類のパワーユニットを設定する。オープンモデルの「コンバーチブル」も追加された。

SPEC【LC500】●全長×全幅×全高:4770×1920×1345mm●パワーユニット:5.0LV型8気筒エンジン●最高出力:477PS/7100rpm●駆動方式:FR●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

オープン仕様の追加でさらに選択肢を広げる

今年6月にコンバーチブルモデルを追加。フルオープン状態ではソフトトップが完全収納される。

 

10速ATで滑らかな走行フィーリングを実現

フロントに搭載される5.0LV8エンジンには10速ATが組み合わされ、スムーズな加速を実現する。

 

<永福’s Check>

V8エンジンのフィーリングはすばらしい。車体の重さもあってスーパーカーとしての性能は低めだが、実用性は抜群だ。

 

ブランドのイメージをリードするスポーツモデル

レクサスはトヨタの高級車ブランド。一口に高級車ブランドと言うが、大衆メーカーからのし上がってそれを成立させるのはウルトラ難しい。しかしトヨタは成功した。あっぱれである。

 

高級ブランドには、高級スポーツモデルの存在が欠かせない。そこでトヨタは、レクサスブランドでLF-Aを開発したが、500台限定にとどまった。その後登場したLCは、メルセデスでいえばSLやSクラスクーペのような存在。性能はスーパーではないが、手軽なスーパーカー的モデルとして、富裕層に受け入れられている。

 

 

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Amazonが初めて出した車用のアレクサ「Amazon Echo Auto」、その実力を本音レビュー

Amazonは9月30日、車内用「Amazon Echo Auto(以下:Echo Auto)」の発表会をオンラインにて開催しました。そこでは、騒音の多い車内で入力した音声を認識する工夫や今後の機能強化などについて具体的な利用シーンを交えて紹介されました。 ここではEcho Autoとはどんなものなのか、その姿に迫ります。

 

どんなクルマも運転席から声で操作できるようになる

Amazon Echoはすでに家庭用向けに発売されていますが、Echo Autoはその車載版として初めて登場しました。スマートフォンとEcho Autoがワイヤレスで連携し、スマホを介してEcho Autoがインターネットにアクセスする仕組みです。これにより「アレクサ」と呼びかければ、運転中であってもユーザーのリクエストに応えてくれるのです。

↑9月30日より日本でも発売となった「Amazon Echo Auto」。4980円(税込)

 

↑スマートフォンのAlexaアプリを介してAlexaと対話。Alexaの応答や音楽は車のスピーカーから聞こえます。写真はEcho Autoの設定画面を示したスマートフォンとEcho Auto

 

発表会でアマゾンジャパンのAlexaインターナショナル ゼネラルマネージャー大木 聡氏は、「TVドラマや映画の『スタートレック』をイメージしていただくのがベスト。私たちはこのスタートレックをインスパイアしてAmazon Echoを開発した」と説明。スタートレックでは宇宙船のクルーが宇宙船エンタープライズと自然言語でやり取りをしますが、「この世界観こそがAmazon Echoで実現したいところだった」(大木氏)と述べました。

↑発表会でEcho Autoの説明を行ったアマゾンジャパンのAlexaインターナショナルゼネラルマネージャー大木 聡氏

 

また、これを実現するにあたって重要な技術要素についても紹介してくれました。それが8つのマイクアレイの搭載です。大木氏は「このマイクはビームフォーミングと呼ばれる技術を実現するために搭載したが、ここには他にも学習を重ねることで近くにある声と遠くにある声を区別できる機能も実装した」ということです。これがノイズが多い車内でも認識率を高めることにつながったのですね。

↑Amazon Echo Auto本体の仕様。上面には8つのマイクをビルトインし、この装備が認識率を高めている

 

続いて、家庭用アレクサを使った利用例を説明した後、いよいよEcho Autoについての具体的な説明となりました。そこではビジネスシーンやファミリーでのEcho Autoの利用シーンを紹介するイメージビデオが披露され、アレクサが車内においても自然言語を理解して応えるシーンが紹介されました。挨拶に対して反応する様子をはじめ、音楽を楽しみ、スケジュールを確認し、さらに目的地付近の天気予報をチェックしたりする様子がすべて音声でやり取りできるので、運転中でも安全に操作できるのです。

↑ビジネスシーンでの用途を説明するビデオの一コマ

 

↑週末の家族でのドライブで利用するシーンも紹介された

 

Amazon Echo Auto ビジネス編

 

Amazon Echo Auto ファミリー編

 

大木氏はこのビデオから「2030年以降は車内でのインターフェイスが間違いなく音声が主役となっている」と説明。家庭で使ったアレクサの便利さが車内でもそのまま使えることのメリットを強調しました。

 

ただ、最後のQ&Aでは、米国では実現しているガソリンスタンドでの支払いなどの機能が日本仕様では非搭載であることも明かし、今後は日本も含め、最終的にはグローバルで同じ機能を持たせられるようにしたいと述べました。

 

また、アレクサは常にユーザーのそばに存在し、いつでもリクエストに応えられることがベースとなるとも。それは家の中だけでなく車内であっても同じ環境で使えることが理想であり、その実現に向けて最適化していくということです。

 

車載環境で実現することの難しさはあるものの、ウェイクワードの便利さについてはBMWやセレンスなどからも賛同を獲得。今はその普及に向けてアライアンス「Voice Interoperability Initiative」を結成したことも紹介されました。

↑多くのカーオーディオでもアレクサとの連携機能が搭載されるようになった

 

↑アレクサは今後発売される予定の日産「アリア」にも採用が決まっている

 

装着方法は簡単! やはり音声操作は快適だった

さて、今回発表されたEcho Autoを実際に購入して使ってみました。本体サイズはW85×D47×H13.28mmと手の中にも収まりそうなコンパクトさ。想像以上に小さくコンパクトです。本体上部には8つのマイクをビルトインされていることも分かりました。

↑Echo Autoのパッケージ

 

↑Echo Autoのパッケージに含まれたパーツ。右下がエアベントマウント。左下のシガーライターアダプターはUSB2端子が備わる

 

使い方はカーオーディオとBluetoothやミニステレオピンジャック経由で接続することから始まります。接続方法はスマホアプリで表示されるので手順に従っていけばOK。Bluetoothの接続も難しくはありません。およそ5分ほどで接続は完了しました。その簡単さは拍子抜けするほどです。

↑接続設定はスマートフォンのアレクサアプリを使って行う。セットアップするデバイスから「Amazon Echo」を選び、続いて「Echo Auto」を選んでいく。Echo Autoの取り付け方も選択しておく

 

本体への給電はUSB端子から行うものとし、それに活用するUSB端子付きシガーライターアダプターを付属しています。また、クルマへの取り付けは付属のエアベントマウントを使うか、エアベントへの取り付けが難しい場合はダッシュボード上などに直接貼り付けて利用することになります。今回は軽乗用車であるダイハツ・ムーヴに取り付けてみましたが、エアコンのエアベントへの取り付けは叶わず、後者の取り付け方法となりました。

↑ダイハツ・ムーヴにはダッシュボードの上に直付けして取り付けた。軽いので両面テープで十分固定できる

 

↑付属のエアベントマウントを使って取り付けた例。ルーバーが太めだと付かないことが多いようだ

 

試用感は想像以上に快適でした。基本的には大木氏の説明通り、家庭用のアレクサと同等の対応となりますが、音声で操作することの快適さが際立つのです。音楽を聴きたい時は「アレクサ、○○の曲かけて」と言えば、それだけでAmazon Musicから対象が絞り込まれて再生されます。スケジュールはあらかじめGoogleカレンダーなどとの連携が必要になりますが、「明日の予定は?」と呼びかけるだけです。つい、何ができるかいろいろと試してみたくなります。

↑アレクサは4つのカテゴリーで人々を便利にする

 

大木氏によれば「現段階では家庭で利用していたアレクサをそのまま車内へ持ち込んだフェーズに過ぎない。ユーザーの希望に応じて機能の拡張を果たしていく」と説明。つまり、今回のEcho Autoはアレクサを活用する第一歩に過ぎないと言うわけなのです。それはたとえばカーオーディオに限らず、クルマのキーの開閉やエンジンの始動といったことも可能になっていく可能性も十分考えられます。米国でも圧倒的支持を得ているアレクサだけに、今後の発展に向けて大いに期待したいところです。

 

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令和時代の速いだけではなくテクノロジーも超絶モノスゴい!【スーパーカー名鑑】(前編)

その名のとおり、“スーパー”なスタイリングや動力性能を備えるスーパーカーは、クルマ好きたちの心を魅了し、憧れの対象として存在している。最新技術を搭載し、芸術品のようなデザインをまとった、現代の最新スーパーカーを見ていこう。

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

#ハイパワー

#スタイリッシュ

#1000万円オーバー

#2ドアクーペ&オープン

#スポーティ

#限定車ではない

 

解説&採点

自動車評論家

永福ランプ(清水草一)

スーパーカーは人類の夢である!
本誌連載のほか、様々な媒体で活躍中のベテラン評論家。これまでに購入した49台のクルマのなかには、フェラーリやランボルギーニも含まれ、オーナーならではのリアルな意見を持つ。

 

勲章かファッションか? 現代のスーパーカー事情

スーパーカーとは、「他人より圧倒的に速く走りたい」という幻想を物体化したものだ。

 

人類誕生以来、より多くの獲物を得るために、高速移動は最大級の力だった。最初は足の速い者が勝ち、続いて馬などの動物に乗る者が勝ち、それが自動車となった。その自動車において、物理的にも視覚的にも飛び抜けた速さを実現してくれるであろう乗り物。それがスーパーカーなのである。

 

しかし現在、人類のスピードへの情熱は急激に冷めている。これ以上速く走っても何の意味もないことが明白になったからだ。

 

現在のスーパーカーは、それがかつて与えてくれた獲物の幻想を振りまくための、単なる勲章に近づいているが、なぜか需要は、年を追うごとに増加している。

 

かつてスーパーカーは、イタリア人にしか作れないと言われ、イタリアの独占産業だったが、グローバル化の波はここでも例外ではなく、ドイツ人もイギリス人もそして日本人も、スーパーカーの開発に乗り出している。スーパーカーは、買う者だけでなく作る者にも、大きな勲章をもたらしてくれるからだ。

 

ところで、現代のスーパーカーは、本当に単なる勲章、あるいはファッションなのか。

 

否である。

 

乗ってみればわかるはずだ。スーパーカーがやはり人類の夢であることを。他人より速く走れるという事実が、それがたとえ可能性に過ぎなくても、本能的な快楽をもたらしてくれることを。スピードというものは、現実ではなく可能性というだけでも、麻薬的な快感なのだ。

 

ただ、スーパーカーは、基本的には見て楽しむものだと考えている。スーパーカーは、買うには高価すぎても、見るだけでも楽しめるように作られている。だからこそスーパーカーなのだ。

 

いまもイベントには多数の入場者が!

↑清水氏主催の「大乗フェラーリミーティング」には、オーナーだけでなく、毎年大勢のスーパーカーファンが集結する

 

【SUPER CAR 01】Ferrari[フェラーリ]

「レースのため」に生まれたスーパーカーブランドは、いまも世界の注目の的。ファンの欲望を満たすためにラインナップは増えたが、根幹にあるものは揺るがない。

 

歴代V8モデルへの敬意が込められた傑作

フェラーリ

F8トリブート

3305万円

488GTBの後継車にして、8気筒ミッドシップシリーズの最新モデル。車名は過去のV8モデルへの敬意を表し、様々な意匠も受け継いでいる。2019年に日本導入が始まったばかりで、まだ公道で見られる機会はほとんどないが、スパイダーモデルもすでにスタンバイ中だ。

SPEC●全長×全幅×全高:4611×1979×1206mm●パワーユニット:3.9LV8ターボエンジン●最高出力:720PS/8000rpm●駆動方式:MR●最高速度:340km/h

 

<This is SUPER!>

華麗で開放的なオープンモデル

「F8トリブート」のオープンバージョンとして、約半年遅れで2019年9月に発表されたのが「F8スパイダー」。各種性能はクーペと同等で、電動リトラクタブルハードトップが搭載される。

 

エレクトロニクスと伝統が融合した形

F1レベルで空力性能が追求されたデザインは、フェラーリ社内のデザインチームによるもの。かつてのV8シリーズに搭載されていた、リアの丸型4灯式ランプが採用されている。

 

強化された心臓をボディ中央に搭載

ミッド(車体中央)に搭載されるV型8気筒ターボエンジンは、伝統の赤いヘッドカバーを装着し、先代モデルの488より強力な、最高出力720PS、最大トルク770Nmを発揮。ターボながら息継ぎを感じさせないスムーズな加速を実現する。

 

<永福’s Check>

458イタリアをベースに、V8エンジンをターボ化したのが488GTBだが、それをさらに進化させた。デザインは空気力学に基づいたもので、とてつもない速さと操作性を両立させている。

 

F1を戦うメーカーの主役はミッドシップ

フェラーリはクルマの女王。スーパーカー界の頂点に君臨する太陽神である。

 

そのルーツはレースにあり、簡単に言えば、「F1を戦うためのレーシングチームが、資金稼ぎのために市販車も作り始めた」というのが発端だ。市販車をPRするためにレースに参戦している一般的な自動車メーカーとは、そもそも立脚点が違う。だからこそ、世界中から段違いの尊敬を集めているのである。

 

そんなフェラーリも、現在は近代的なビジネスモデルを導入。プレミアム性を維持しつつ販売の拡大を図ったことで、生産台数は年間1万台を超えた。これは、20年前の2倍以上だ。

 

販売台数拡大のため、ラインナップも充実させている。かつては12気筒と8気筒、大小2モデルというのが定番だったが、現在は6モデル(+限定モデル)。なかでもポルトフィーノとローマは、気軽に乗れるFR(フロントエンジン・リアドライブ)の2+2オープン&クーペで、「富裕層の奥様のお買い物用フェラーリ」とも言われる。

 

が、フェラーリの魂はあくまでレースにある。つまり本当の本気モデルは、エンジンを車体中央(運転席の後方)に置く、2人乗りのミッドシップモデルのみ。現行車でいえば、F8トリブートこそ正統な姿だ。

 

[OTHER MODEL]

従来モデルのハイスペック版

488ピスタ

4012万円

2018年に発表された488のハイパフォーマンスバージョン。各所にカーボンパーツを採用して大幅に軽量化されたほか、出力の向上や、空力性能の見直しなども図られ、走りのダイナミックさがレーシングカーレベルにまで引き上げられている。

 

快適なグランドツーリングモデル

ポルトフィーノ

2576万円

3.9LV8ターボエンジンをフロントに搭載した4シーターオープンモデル。電動開閉機能を持つハードトップを備え、排気音を変化させることも可能で、スポーティなクーペの走りと優雅なオープンカーの走りをどちらも楽しめる。

 

最高の性能を備えたフラッグシップ

812スーパーファスト

3910万円

現在のフェラーリの量産車におけるフラッグシップモデルで、最高出力800PSを誇る6.5LV型12気筒エンジンを搭載する。電動パワステや車体電子制御システムなど、数多くのハイテクデバイスも採用され、圧倒的な走行性能を実現している。

 

COMING SOON…

古都の名を冠された美麗クーペ「ローマ」誕生!

2020年に日本で発表されたばかりのフェラーリ最新モデル。フェラーリらしいハイパフォーマンス性能を備えながら、エレガントなデザインが採用された4人乗りクーペモデルで、1950〜60年代のローマで見られた世界観を現代的に造形化した。2021年以降の納車が予定されている。

 

【SUPER CAR 02】Lamborghini[ランボルギーニ]

名車「カウンタック」を生み出した、知名度ナンバーワンブランド。現在V12エンジンとV10エンジンの2車種をラインナップする。

 

後輪駆動も選べるV10モデル

ランボルギーニ

ウラカン

2653万9635円〜3611万362円

現代のランボルギーニでは4WDモデルが主流だが、「RWD」と銘打たれた最新シリーズは後輪駆動。上はオープンモデルの「RWD スパイダー」で、クーペと同じ最高出力610PSを発揮する5.2LV10エンジンが搭載されている。

SPEC【RWD スパイダー】●全長×全幅×全高:4520×1933×1165mm●パワーユニット:5.2LV10エンジン●640hp/8000rpm●駆動方式:MR●最高速度:325km/h

 

<This is SUPER!>

後輪駆動仕様の追加で、より軽快な走りを実現

クーペの後輪駆動モデル「ウラカンEVO RWD」。4WDモデルとは異なる外観デザインが施されている。

 

<永福’s Check>

V10エンジンを積むランボルギーニの「小さいほう」だが、トータルの性能ではアヴェンタドールをしのぐピュアスポーツだ。

 

スーパーカーの王様はビジネス的にも大成功

ランボルギーニはスーパーカーの王様。スーパーカー=ランボルギーニと言ってもいい。創業者は、所有していたフェラーリへの不満から自分自身でスーパーカーを作ってやろうと考え、フェラーリからも多くの技術者を引き抜いて、それを実現したというから驚きだ。

 

現在、スーパーSUV「ウルス」が絶好調で、販売台数でもフェラーリに迫っているが、まもなくアヴェンタドールもフルチェンジし、ハイブリッドスーパーカーに生まれ変わる。もはやスーパーカーも、ハイブリッドでないと生き残れない時代はすぐそこまで来ている。

 

[OTHER MODEL]

不動の人気を誇る名車の現代版

アヴェンタドール

5033万3653円〜6285万7448円

カウンタックの系譜を受け継ぐフラッグシップモデルで、V12エンジンが搭載されている。「S」と「SVJ」、それぞれにクーペとオープンモデルが設定される。

 

【SUPER CAR 03】MASERATI[マセラティ]

エレガントな雰囲気を持つラグジュアリーブランド。グラントゥーリズモの生産は終了し、注目はプロトタイプが公開された次期型に集まる。

 

新型スーパースポーツの最新イメージ!

↑次期型グラントゥーリズモとされる「MC20」のティーザー写真が公開された。「MC」は「マセラティ コルセ」、「20」は「2020年」の意味だ

 

すでに一部発表された新型スーパーモデルの姿

フェラーリやランボルギーニとは趣の異なる、気品あふれるイタリアの伝統的ブランドとして高い人気を誇るのがマセラティだ。現在は、イタリア最大の自動車会社であるフィアットの傘下としてFCAグループに属している。

 

同社のスーパーカーといえば、2ドアクーペ&オープンのグラントゥーリズモだが、昨年末で生産終了。現在、日本では在庫のみの販売となっている。

 

気になる次期型モデルに関して、マセラティは今春、今年9月の正式発表が予定されている新型スーパースポーツカー「MC20」の写真(上)を一部公開した。

 

プロトタイプということでカムフラージュが貼り付けられており、デザインは判別しづらいが、エアインテーク(空気取入口)がドア後方に位置することなどから、ミッドシップである可能性が高い。そうなれば、さらに一段階上のスポーツ性能も期待される。

 

新規オーダーはすでに終了

2007年の発表以来、世界中で販売されてきたグラントゥーリズモだが、すでに日本ではオーダーストップとなっている。

 

最後の1台はオークションで

最後の特別限定車「グランフィナーレ」。購入はオークション制で入札された。

 

【SUPER CAR 04】CHEVROLET[シボレー]

アメリカで生まれたスポーツカーは、ハイパワーやビッグボディを特徴とする。長い歴史を持つシボレーのハイパフォーマンスモデル、コルベットはその代表格だ。

 

看板車種のミッドシップ化は、同社の歴史を揺るがす大革命

シボレー

コルベット

1180万円〜1400万円(予定)

世界最大の自動車メーカー「GM」のサブブランド「シボレー」が送り出すスーパースポーツカー。新型は8代目となり、歴代モデルで初めてエンジンをミッドシップ搭載。1月の東京オートサロンで実車が日本初公開され、予約受付が開始された。

SPEC●全長×全幅×全高:4630×1934×1234mm●パワーユニット:6.2LV8エンジン●最高出力:495PS/6450rpm●駆動方式:MR●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

トレンドに沿った「見えるエンジン」

新型に合わせて新開発された6.2LV型8気筒エンジンは、リアウインドウ越しに眺めることができる。パフォーマンス向上のため、従来のフロントではなく車体後方に搭載されることに。

 

伝統を大切にして従来ファンも納得

2代目モデルからずっと引き継いできたリアの4灯ライトは新型でも採用。リアデザインも迫力が増している。

 

気持ちを高揚させるコックピット的配置

ドライバーを包み込むコックピットのようなインテリアのデザイン。従来モデルのイメージが引き継がれている。

 

実用性を疎かにしないアメ車らしい合理的設計

エンジンをミッドマウント化するも、ボディ後端にはトランクを設置。写真で見る限りゴルフバッグも収納可能だ。

 

<永福’s Check>

新型コルベットは、ミッドシップとされたことで、見た目も性能もまるでフェラーリのようになったが、価格は1180万円からと、フェラーリの半額以下。そう考えると超お買い得である。

 

伝統を守りながら革新的な変化を実践

シボレーはアメリカでは「シェビー」と呼ばれ、広く親しまれているGMの一ブランドだが、アメリカ唯一のスーパーカーともいうべきコルベットを持つ、特別なブランドでもある。

 

コルベットは、アメリカの魂を守るべく、フロントに積まれたローテクなOHV大排気量エンジンにV8重低音を奏でさせて、後輪を駆動するのがお約束だった。

 

ところが今年発表された新型は、欧州のスーパーカー同様、エンジンを車体中央(運転席後方)に置くミッドシップに大変身。ボディ形状がフェラーリのようになり、速さでもフェラーリやランボルギーニとガチで戦う準備を整えた。

 

ただしエンジンは、相変わらずローテクなOHV。「デロデロデロ〜」というアメリカンV8サウンドをキープしている。守るべき伝統を持つことは、スーパーカーにとって必須事項なのである。

 

【SUPER CAR 05】PORSCHE[ポルシェ]

伝統を守りつつ最新モデルをアップデートし続けるドイツの雄。緻密なスポーツマシンでありながら、実用性の高さも備え、いつの時代もトップクラスの人気を誇る。

 

伝統を守りつつ前進し続ける、高精度なジャーマンスポーツ

ポルシェ

911

1398万円〜3180万円

ポルシェの代名詞的なモデル「911」は、丸型ライトやボディ後方に搭載される水平対向エンジンなどの特徴を受け継いできた普遍的なスポーツクーペ。ハイパフォーマンスグレード「ターボS」(上写真)は、今春から予約受注が開始された。

SPEC【ターボS】●全長×全幅×全高:4535×1900×1303mm●パワーユニット:3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジン●最高出力:650PS/6750rpm●駆動方式:RR●最高速度:330km/h

 

<This is SUPER!>

快適性が損なわれないオープンモデル

スポーツモデルとしてスタンダードなボディ形状である「クーペ」と「カブリオレ」に加え、乗員の上部分のルーフのみ電動開閉する「タルガ」もラインナップ。

 

RRの駆動方式と美麗なルーフライン

リアにエンジンを搭載し、リア駆動する「RR」は、911の伝統のひとつ。同時に、ボディ後端までなだらかなラインを描くリアスタイルも911の特徴となっている。

 

<永福’s Check>

圧倒的な動力性能とスーパーカーらしからぬ操縦性。911はいつの時代も911。パッと見、旧型と見分けるのすら難しいが、中身は確実に前進を続けている。それがポルシェ911の真髄なのだ。

 

スーパーカーらしからぬ実用性の高さを備える

ポルシェがスーパーカーであるか否かは、昔からマニアの間で議論されてきたが、現在では「911の上位&限定モデルは間違いなくスーパーカー」というあたりで決着を見た。

 

911がスーパーカーではないと言われる最大の理由は、そこそこの実用性を持っていることにある。狭いながらも後席があり、子どもや荷物を載せるのに便利。それでいて本格的な速さを持つ、究極の実用スポーツカーなのだ。

 

新型911はまだ出たばかりで、本物のスーパーカーと言えるグレードの登場はこれからだが、通常モデルでもその速さは間違いなくスペシャルだ。

 

なにしろポルシェには、妥協というものがない。作り込みの精度は、スーパーカーの本場・イタリアとはひと味違う。ポルシェはスーパーカーでなくても、ポルシェであればいいのである。それが長年多くのファンを虜にする理由だ。

 

[OTHER MODEL]

4気筒エンジンをミッドシップ搭載

718ケイマン

740万6668〜885万926円

911の弟分として2005年に誕生した2シータースポーツクーペが「ケイマン」。2016年に登場した現行型では「718」のサブネームが付く。4気筒ターボエンジンをミッドシップ搭載し、軽快な走りを堪能できる。

 

オープンドライブを満喫できる小型モデル

718ボクスター

780万3890〜924万8148円

ケイマンに先駆けて1996年にデビューしたのが、2シーターオープンモデルの「ボクスター」だ。現行型は4代目となり、ケイマン同様、「718」が付いた。オープンエアを堪能できる、軽量コンパクトなモデルだ。

 

【SUPER CAR 06】BMW[ビー・エム・ダブリュー]

ラグジュアリーブランドのなかで、最も“走り”のイメージが強いのがBMW。フラッグシップたる2ドアモデルは、スーパーカー級の走行性能を持つ。

 

気品あふれるラグジュアリーGT

BMW

8シリーズクーペ

1193万円〜2444万円

2018年に日本導入が開始された、同ブランドのフラッグシップクーペ&オープンモデル。ベースモデル登場後、ディーゼル搭載モデル、ハイパフォーマンスな「M」モデル、さらに今春には直列6気筒エンジン搭載モデルも追加されている。

SPEC【M850i xDriveクーペ】●全長×全幅×全高:4855×1900×1345mm●パワーユニット:4.4LV型8気筒ツインターボエンジン●最高出力:530PS/5500rpm●駆動方式:4WD●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

4人乗りで実用性も高く、快適なドライブも実現

後席には2人乗りシートを備える。快適なクルージングも可能で、他のスーパーカーとは一線を画す実用性の高さを誇る。

 

スポーティな走行性能とオープンの開放感を両立

クーペモデルに加え、オープントップを備えた「カブリオレ」もラインナップ。卓越した走行性能に加え、優雅さを備える。

 

<永福’s Check>

さすがにボディが大きくて重いので、ピュアスポーツカーではないが、最上位の「M8」は、スーパーカーと呼ぶにふさわしい。

 

近未来型ハイブリッドスポーツ

BMW

i8

2135万〜2276万円

近未来的なスタイルのボディに革新的なプラグ・イン・ハイブリッドシステムを搭載する、スーパーカーの未来像ともいえるクーペ&オープンモデル。モーターのみで30km以上の走行が可能。今春で生産が終了し、現在は在庫のみの販売。

SPEC【クーペ】●全長×全幅×全高:4690×1940×1300mm●パワーユニット:1.5L直列3気筒エンジン+モーター●エンジン最高出力:231PS/5800rpm●駆動方式:4WD●最高速度:非公表

 

<This is SUPER!>

ドアの開閉だけでスーパーカー感抜群

BMWが「シザー・ドア」と呼ぶ左右のドアは、上方へ開くタイプ。ドア素材にはカーボン強化樹脂が採用されている。

 

オープン状態でも強烈なスタイリング

オープンモデルの「ロードスター」もラインナップ。シート後方の2つのエアダムが、効果的に空力調整する。

 

<永福’s Check>

3気筒の1.5Lと聞くと「えっ!?」となるが、モーターの出力が強力なのでかなり速い。デザインは今でもスーパーカーの頂点級だ。

 

未来を見据えた開発技術でスーパーモデルを生み出す

BMWをスーパーカーメーカーだと考える人は皆無だが、性能やデザインを見れば、スーパーカー級のモデルは存在する。

 

BMWとは、「バイエルンエンジン製造会社」の略で、昔からエンジンに命を懸けている。「シルキー6」と呼ばれる、絹のように滑らかな直列6気筒エンジンがその代表だが、BMWのV8ツインターボエンジンには荒々しいまでのパワー感があり、スーパーカーに十分肩を並べている。

 

一方では電動化にも力を入れており、効率を極めるべく3気筒エンジンの開発にも熱心だ。どこから見てもスーパーカー級にカッコいいi8は、3気筒エンジンを持つプラグ・イン・ハイブリッド車。時代に先駆けすぎたせいであまり売れなかったが、新しい提案だった。スーパーカーはある意味恐竜のような存在だが、BMWはそこで先を行っている。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

【最速インプレ】車内が「Wi-Fi繋ぎ放題」になる「車載用Wi-Fiルーター」がカロッツェリアから登場。使い勝手は? どんな人に向いてる?

昨秋、カロッツェリアのフラッグシップ、サイバーナビの新機能は衝撃だった。NTTドコモの車両用通信サービス「docomo in Car Connect」に対応。定額でLTE通信が使い放題に。クルマの中で、YouTubeや映像系サブスクを観たり、PCを広げて仕事ができたりと、自宅やオフィスと変わらない空間を構築できるようになったのだ。

 

↑今夏、筆者もサイバーナビを使ってクルマからリモートワークをしてみた

 

特に、新型コロナウイルスの感染拡大を経た今春以降はクルマのあり方が激変。「おうち時間」ならぬ「くるま時間」を充実させるデバイスとして唯一無二の価値を提供しているプロダクトだ。

 

とはいえ、純正カーナビしか付けられない車両が、特に新車では増えているし、カーナビを新しく買い直すという選択肢がない人もいるはず。サイバーナビを導入するという敷居の高さはあったのだ。

 

そんな人がいることをカロッツェリアはしっかりと把握して、次の、そしてまたもや画期的な手を打ってきてくれた。それが今回紹介する車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」。発売前に触る機会を得られたので、ファーストインプレッションをお届けしていこう。

 

【今回紹介する商品】

カロッツェリア

車載用Wi-Fiルーター DCT-WR100D

12月発売予定

希望小売価格2万7500円(税込)

 

シガーソケットさえあれば、車内がWi-Fi使い放題に

まず概要をお伝えしていこう。本商品はサイバーナビ同様、「docomo in Car Connect」に対応したデバイス。タブレット菓子のケースほどの小さな本体をセンターコンソールやインパネ周辺に固定。付属の電源ケーブルをシガーソケットに挿す。そして開通設定をすると、その日からNTTドコモのLTE回線が使い放題になる。カーナビではなく、車載用のWi-Fiルーターなのだ。

 

対応車種はシガーソケットがある乗用車なら基本的にOK。新型車だろうが旧車だろうが、どんなクルマもWi-Fi機能を持たせることが可能だ。もちろん、カーナビにWi-Fi接続機能があるモデルの場合、カロッツェリア製品でなくても接続できる。

 

手順はギャラリー形式でまとめたが、機器類が苦手な人でも迷うことなく設定できる内容だった。

【手順ギャラリー(画像をタップすると閲覧できます】

 

さて、1点だけ。本商品、「車載用」を謳うだけあり、動作条件は理解しておく必要がある。下記にテキストと図でまとめてみた。

・走行中は無制限で回線を利用可能(青の部分)

・エンジンスタートから30分間までは回線を利用可能(水色の部分)

・停車後エンジンオンであれば、1時間までは回線利用可能(水色の部分)

・停車中の利用時間が経過するとエンジンオンでも利用不可(ピンク色の部分)

 

要は、走行中は無制限、停車中は一定の制限時間があるということ。実際の利用実態に即した内容にもなっている。

 

確かに、エンジンをスタートして目的地を設定したり、荷物を積み込んだりしても30分以内には出発するだろうし、PA/SAやコンビニで同乗者を乗せたままトイレ休憩や買い物をしても1時間以内には必ず出発する。不便を感じることはないはずだ。

 

スマホつなぎ放題だけじゃない魅力

さて、この車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」、実際にどんな使い方ができるのか。もちろん、スマホをWi-Fi接続して通信し放題、というのが筆頭に挙がるのだが、それだけではない。4点ほど試してみたので紹介していこう。ちなみに、様々なケースや場所で通信してみたが、NTTドコモのLTE回線のため、移動中でも通信はまったくストレスなく使えたというのを先にお伝えしておこう。

 

①HDMIケーブルでスマホの映像をナビやディスプレイオーディオに出力

HDMIケーブルが挿せるカーナビやディスプレイオーディオを持っている人にまず楽しんでもらいたいのがこの方法。スマホと本商品をWi-Fi接続し、HDMIケーブルでスマホとカーナビやディスプレイオーディオをつなぐ。これによって、Netflixなどの映像サブスクサービスをスマホ画面でなく大きな画面で楽しむことができる。また、AmazonのFire TV StickをナビやディスプレイオーディオとHDMI接続すれば、Amazonプライム・ビデオの映像を視聴可能だ。

 

個人的におすすめなのが、スマホとWi-Fi接続はしつつ、スマホとナビやディスプレイオーディオとはBluetoothで接続する方法(上写真)。この方法は映像こそ表示されないが、音はカーオーディオから出るので音はバッチリいい。

 

なぜこれがおすすめなのか? 最近は、オンラインライブなどのアーティストのライブ配信が増えている。多くのライブは生配信後、1週間程度はアーカイブ配信をしているので、配信当日は自宅でしっかりと観て聴く、その後1週間は余韻に浸りながらドライブ中に音を聴くといった楽しみ方ができるのだ。

 

というのは今風の楽しみ方であるが、「運転中は画面が見られないから映像はいらないんだけど、動画の音はいい音で聴きたいんだよね」という人にジャストの使い方と言えるだろう。

 

②後席でもエンタメ映像や音楽を楽しむ

スマホやFire TV StickをHDMI接続して映像サービスを楽しめることは①で説明したが、これは前席だけの特権ではない。後席にプライベートモニターやフリップダウンモニターを設置すれば、後席でも様々なエンタメソースを視聴可能だ。渋滞で同乗者や子どもたちが退屈しても安心というやつである。

 

なお、プライベートモニター自体にもHDMIケーブル端子が用意されているので、スマホやFire TV Stickを接続すれば、後席で単独で映像を楽しむことも可能。飛行機のモニターのように自分の好きなコンテンツで時間を過ごせるのだ。

 

昨今のアウトドア&キャンプがブームになっており、クルマで移動する時間が長くなっていると感じる。そして、withコロナの時代においては安心・安全の観点からクルマ移動が重視されていくはずで、乗車時間は長くなっていくと予想している。そんなときにクルマに乗っている時間も有効活用したいという人にはうってつけだ。

 

③タブレットやゲーム機などをつなげて遊ぶ

カーナビや後席モニターなどを導入するのはちょっと大掛かりという人でも、すでに持っている端末をWi-Fi接続すれば、あっという間にエンタメ空間に変わるのが、本商品のいいところ。最近の映像コンテンツは本体内にデータをダウンロードして持ち運びできるのが一般的だが、事前に準備し忘れるのが人の性である。また、最近のゲーム機は通信接続を前提としたタイトルも多い。子どもがクルマの中でFortnite(大人気のシューターゲーム)をやりたいと駄々をこねてもパケットを気にすることなく、ゲームを遊ばせることができる。

 

④短時間のPC作業や移動しながらオンラインミーティングをする

①〜③はオフの使い方がメインだが、④ではオンの使い方も紹介したい。本商品はPCやスマホがつなぎ放題(接続端末は最大5台)なので、仕事もできてしまう。先ほども述べたように、利用条件があるので、丸一日同じ場所で作業するには適さないが、クルマ移動を伴う働き方をしている人にはおすすめ。

 

取引先の訪問を終えて、ちょっとした事務作業を車内で行ったり、次の訪問先の移動時間に音声のみのオンライン会議を行ったり。会社支給のモバイルルーターがあればいいが、自前のスマホでテザリングしている方も少なからず多いと聞く。

 

あとは、これから拡大が見込まれるワーケション。パートナーや友人たちと出かけつつ、同乗メンバーは通信使い放題なので移動中に仕事ができる。クルマ酔いする人は厳しいし、「そこまでしてワーケションしたい?」という人もいるかもしれないが、選択肢の拡大としておすすめしていきたい。

 

クルマを持たない人でも持つ価値がある一台

ここまで、本商品の概要および使い方の例を紹介してきたが、あくまでクルマを持っている人を前提とした内容であった。が、この商品が素晴らしいと思うのは、クルマを持っていない人でも買うべき意味があるという点だ。

 

例えば、カーシェアを契約している人や、たまのクルマ利用はもっぱらレンタカーという人。この商品はシガーソケットさえあれば利用できるので、クルマを使うときに車内に持ち込んで接続すれば、環境を構築できる。週末の日帰り旅行や帰省の際に使えば、余計な通信費を抑えることが可能だ。

 

これまで車内でWi-Fi環境を構築しようと思うと、自前のスマホをテザリングする以外では、モバイルルーターが一番の解決方法であった。もちろん、モバイルルーターもデバイスとしては有効な手段ではあるが、契約が結構手間。解約手続きもかなりしんどいと個人的には思う。その点、この商品は買い切りで接続設定もdアカウントがあれば、すぐに使える。

 

この商品によって、カロッツェリアは「クルマをオンライン化する」を身近なレベルで実現している。本格的なナビゲーションおよびオーディオ環境と併せて使いたい人はサイバーナビを、オンライン環境に特化して構築したい人は本商品を、といったように自分に合った形で選択できるようになったのだ。

 

今後、MaaSといったモビリティの大変革が次々と起こっていくが、移動の手段だけでなく、クルマでの移動中の質を高めるという点で、カロッツェリアのオンライン化商品は非常に価値があるといえるだろう。

新世代「アイサイト」の進化に感動! 新型レヴォーグで「プリクラッシュブレーキ」を実体験レポート

10月15日に正式デビューする新型「レヴォーグ」。その目玉は何と言っても最新版「アイサイト」搭載でしょう。すでに始まっている先行予約では、半数以上が「アイサイトX」をオプションとして装備していると伝えられており、新世代アイサイトに対するユーザーの期待値はとても高いことが窺えます。その新世代アイサイトのプリクラッシュブレーキを先行体験する機会がありました。今回はその体験レポートをお届けしたいと思います。

↑新型「レヴォーグ」GT-H(左)とSTI Sport(右)

 

【関連記事】
新世代の「アイサイトX」は何がすごいのか? 「新型レヴォーグ」で体験した安全運転支援システムの最前線

 

プリクラッシュブレーキに追加された2つの機能

スバルは2030年に死亡事故をゼロにするとの目標を立てています。そのために、まず事故につながらないための技術としてアイサイトを実装。そのアイサイトも今回で4世代目に突入しています。新世代アイサイトでは、オプションで機能を大幅に拡充する「アイサイトX」を用意したことに注目が集まっていますが、実はそのベースとなるアイサイトの進化も目を見張るものがあります。それがプリクラッシュブレーキに追加された新機能です。

↑新型「レヴォーグ」 GT-H

 

プリクラッシュブレーキといえば大半が正面にある障害物への衝突を回避・軽減する機能を指します。しかし、新世代アイサイトでは“前側方プリクラッシュブレーキ”と“前側方警戒アシスト”の搭載により、出会い頭の衝突に対するプリクラッシュブレーキを搭載したのです。この実現は2つの新たな技術によってもたらされています。

 

一つはアイサイトの視野角拡大で、二つめは左右側方の障害物を捉える77GHzミリ波レーダーの追加です。この二重のサポートで側方より迫ってくるクルマを早期に捉えて警告。さらに、衝突の可能性が高まっているのに進行を続けると自動的にブレーキを作動させます。これによって交差する車両との衝突回避/軽減を行うのです。

 

体験では新世代アイサイトを搭載した2台の新型レヴォーグを使って行われました。無線で合図を送るともう一台の新型レヴォーグが見通しの悪い交差点へ接近。自車がそろそろと交差点へと進入すると、近づいた新型レヴォーグを検知して警報音でそれを報知したのです。通常ならここで停止して事なきを得ますが、体験ではわざと進行を継続。すると今度は交差点から出る前に、強制的にブレーキがかかって衝突を回避したのです。

↑新世代「アイサイト」ではカメラの視野角拡大とミリ波レーダーを併用することで出会い頭での衝突を回避することを可能にした

 

↑左側方から車両が近づいていることを検知。まずは軽いアラーム音と共に、メーター内とカーナビ画面上(丸印)で知らせてくれる

 

↑左側方からの車両と衝突の危険があるとシステムが判断すると、激しいアラーム音と共に自動的にブレーキ制御が入る。停止後にブレーキを踏むとアラーム音は消える仕組みだ

 

このデモはこれだけにはとどまりませんでした。右折時に横断歩道を渡っている歩行者に対してもプリクラッシュブレーキを動作させたのです。交差点で右折をしようとして待っていたとき、交差するクルマが停止して行かせてくれることがあります。譲られた方としては、その感謝に応えようと急いで右折しようとしますよね。しかし、その先には同じように車が止まってくれたことで横断しようとしていた歩行者がいる可能性もあります。もし、この歩行者に気付かなければそれこそ大変な事態に陥ります。新しいアイサイトではこうしたシーンでも歩行者を認識して衝突を回避・軽減してくれるのです。

↑新世代アイサイトが歩行者を検知して自動的にブレーキ制御を作動させた時の様子。歩行者の動きも予測して認識できる

 

↑歩行者の存在をアイサイトが検知したとき、車内では警報と共に「前方注意」のアイコンをメーター内に表示してブレーキを自動的に作動させる

 

新機能“前側方プリクラッシュブレーキ”と“前側方警戒アシスト”

 

ただ、すべてのシーンで対応できるわけではありません。認識できるのはあくまでセンサーが人として認識した場合のみ。歩行者の場合は身長が1m未満の子供や腰の曲がった老人などは認識しにくいようで、もっと言えば傘を差していたりすると形状認識がどうしても難しくなってしまうそうです。システムに100%頼りっきりになるのではなく、これはあくまでドライバーのミスをサポートしてくれるシステムなのです。

 

この体験を終え、一連のシステムの開発に関わった方にお話を聞くこともできました。それによると、このプリクラッシュブレーキを実現するにあたっては従来のシステムでは対応できなかったというのです。それが従来の負圧式のブレーキブースターではなく「電動ブレーキブースター」を採用したことです。

 

シャシー設計部の佐藤 司さんは「今までのブレーキでは反応速度や制動力で限界があった。新世代アイサイトでは、交差点での出会い頭の事故や歩行者との衝突を避けることを目標としており、従来の負圧を利用したブースターでは満足できる性能が発揮できない。コストは上がるけれどもこの実現のために敢えて採用した」と、採用に至った経緯を明かしてくれました。

↑交差点でのプリクラッシュブレーキを実現するため、コストアップになっても電動ブレーキブースター(左)搭載に踏み切ったと話すシャシー設計部の佐藤 司さん

 

実はガソリン車でプリクラッシュブレーキを動作させる際は、ESC(横滑り防止装置)を使って制動力を発生させています。直線路では時間的にもわずかに余裕があって対応できますが、交差点では制動に必要な距離が短いことから素早い対応が欠かせません。しかし、負圧を発生しない電動車では電動ブレーキブースターが採用されていますが、ガソリン車などでは一部高級車で採用されるのみでした。とはいえ、センシングで認知できても事故につながらないようにしなければ意味がなくなります。新世代アイサイトではこの搭載がコストアップにつながっても、あえてこの採用を決めたというわけです。

↑運転席側ボンネット内に設置された電動ブレーキブースター。佐藤さんによれば負圧式と比べて形状が複雑で設置場所を生み出すのに苦労したそうだ

 

プリクラッシュブレーキを実際に体験

そして、最後のデモとして用意されたのが、「ぶつからないクルマ」としてアイサイトの存在を一躍知らしめたプリクラッシュブレーキの体験会です。この日は渋滞の最後尾を検知して自動停止するケースを想定して実施されました。新世代アイサイトではぶつからずに停止できる速度域を従来の50km/hから60km/hに引き上げていますが、それを実際に体験するものです。一般的に停止できるまでの制動距離は速度に2乗に比例して長くなりますから、多くのクルマがぶつからないで停止できる速度域を30km/h前後としていることを踏まえれば、この実力は相当なものであると言えます。

 

体験は新型レヴォーグが60km/hまでフル加速し、念のため、オーバーライドを防止するために指定された位置でアクセルを離してデモは進められました。同乗デモでは助手席に乗車して体験。ドライバーからは「仮想車両までノーブレーキで突っ込みますので、カバンなど手荷物はしっかり掴んでいて下さいね」と念押しされてスタートしました。

↑障害物をアイサイトが検知すると車内では、アラームと共にメーター内とカーナビ上に「前方注意」の警告が表示される

 

アッという間に速度は予定を超える65km/hにまで上昇。一瞬、これで大丈夫か? と思う気持ちをよそに目標物を見つけるとシステムは自動的に警報音を作動させ、ドライバーが対応しないでいると制動を効かせて急減速。さらに近づいたところでダメ押しともなる強力な制動力で無事に停止することができました。

↑時速60キロを超える速度でもぶつかることなく停止できた新型レヴォーグのプリクラッシュブレーキ

 

プリクラッシュブレーキの体験会

 

高速道路ではもっと速度域が高い可能性もありますが、警報を鳴動させることでドライバーに対して注意喚起ができるわけで、仮に間に合わずに最後尾の車両のぶつかってしまった場合でも速度を下げることでダメージを大きく引き下げられるのは間違いありません。

 

他にも新型レヴォーグでは、インプレッサにも採用された「歩行者保護エアバッグ」を標準で搭載しています。事故につながらない予防安全がアイサイトの役割ですが、それでも事故が避けられなかった時にそのダメージを最小限にとどめるべく徹底したこだわりをもって対応しているのです。“2030年の死亡事故ゼロ”を目指すスバルが新型レヴォーグでその目標に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。

↑インプレッサ、XVに続いて、新型レヴォーグにも歩行者保護用エアバッグが標準装備されている

 

↑助手席にはシートベルトの効果を高めるために座面にはエアバッグを組み込む。日本仕様では初採用となった

 
 

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はっきりと言える! これはストラーダ史上もっとも高画質なカーナビだ

パナソニックは、SDカーナビステーション「ストラーダ」の10V型有機ELディスプレイ搭載モデル「CN-F1X10BLD」「CN-F1X10LD」と、9V型WVGAディスプレイ搭載モデル「CN-F1D9VD」を10月中旬に発売します。有機ELディスプレイを車載用に採用する例は欧州車で見られますが、国内の市販ナビゲーションに採用したのはこれが初めて。そのポイントを内覧会で取材してきました。

 

有機ELディスプレイを採用

今回、上位機種となるCN-F1X10BLD、CN-F1X10LDの2機種は“F1X プレミアム10/有機EL”というロゴがあしらわれています。その理由はディスプレイに色再現性の高い有機ELパネルを採用したことで、ストラーダ史上もっとも高画質なカーナビとしたからです。

↑内覧会は東京・お台場にある「パナソニックセンター東京」で開催された。感染症対策のため、来場者は10人前後に限られた

 

有機ELは素子自体が発光するためバックライトが不要です。それが映像の基礎となる“漆黒の黒”を実現し、さらに「AGAR低反射フィルム」「エアレス構造」を採用することで映り込みを低減。これらが一般的な液晶ディスプレイをはるかに上回るコントラスト比をもたらしたのです。これが“プレミアム”たる所以です。

↑ストラーダの最新モデル“F1X プレミアム10”の最上位機種、CN-F1X10BLD。ブルーレイディスクが再生できる

 

実際にそのデモ映像を見ると驚きました。真っ暗な夜空を埋め尽くす提灯のムービーが見事なまでのリアルさで再現されていたのです。今までのストラーダでは夜空にどこか白っぽさがあって提灯が際立ちませんでした。有機ELパネルを採用した“F1X プレミアム10”では、HDの解像度とも相まって、提灯の一つひとつが鮮明に描かれています。これは一般的な液晶パネルと違って光の漏れをゼロにできるからこそ実現できたものであり、単に画面の大きさだけでなく、再現するクオリティにまでこだわった開発陣の意気込みが伝わってきました。

↑有機ELならではの特徴をいかんなく発揮し、漆黒の夜空に舞い上がる提灯の様子を鮮明に再現した。写真はCN-F1X10BLD

 

↑2019年モデル(下)と比較すれば黒の再現性が違うことが一目瞭然。黒浮きしないことで映像に締まり感が出ている

 

もちろん、2DINスペースさえあれば大半の車種に取り付けられる、F1シリーズの特徴はそのまま。今回は取り付け可能車種をさらに増やし、業界最多の430車種以上としました。ブルーレイなどの映像メディアもオプションのバックカメラもHD画質で表示できるなど、新たに装備した有機ELディスプレイをフルに活かす仕様となっているのです。

↑“F1X プレミアム10”の特徴を解説したパネル。漆黒の黒を再現した10V型ディスプレイは薄型化も実現し、同時に430車種以上に対応することも謳っている

 

バックライトが不要である有機ELディスプレイは、厚さ約4.7mmという驚きの薄さも実現しています。厚みがなくなると強度が不安になるものですが、外装フレームには軽量で高剛性なマグネシウムダイカストを採用し、内部をハニカム構造とすることで軽量化と強度確保を両立。アングル調整や左右15度に振ることができるディスプレイ部のヒンジの強度はそのままながら、耐振性を大幅に向上させているのです。画面が大きいとブレは気になるからここは重要ですね。

↑2019年モデルとの比較。バックライトの不要な有機ELを採用したことに加え、主要回路を本体側に移すことで最薄部で厚み4.7mmを実現した

 

↑有機ELを採用することでディスプレイ部の厚みは大幅に薄くすることができた。上が最新型で下が2019年モデル

 

ナビゲーションのプラットフォームは従来モデルを継承したものですが、ソフトウェアでのブラッシュアップはもちろん図られています。もっとも大きな機能アップが市街地図の収録エリアを全国津々浦々までシームレスに表示できるようにしたことでしょう。これにより収録エリアは従来の1295都市から1741都市へと拡大。

 

ほかにも方面案内標識のピクト表示の追加を行い、交差点拡大図で表示される残距離の拡大も図っています。これらは既にパナソニック「ゴリラ」でも実現した機能ですが、こうした細かな案内は不慣れな土地へ出掛けた時こそ役立つもの。高精度な測位能力を合わせ持つストラーダなら、そのメリットがより活かせるようになるでしょう。

↑一軒ごとの家形図を表示できる市街地図を全国にわたってシームレス表示。地図上で目標物から現在地が把握しやすくなる

 

↑方面案内標識に表記されているピクトグラム(アイコン)の表示にも対応。進路を把握するのに役立つ

 

ストラーダの伝統でもある安全・安心運転へのサポートも踏襲されています。一時停止や制限速度を知らせる機能を備え、生活道路区域の「ゾーン30」は色分けして音声と共に警告を発します。さらに重大事故を招く逆走に対しても高速道路のサービスエリアやパーキングエリアで、その行為を検知して警告も行います。

 

また、交通情報システム「VICS WIDE」にも対応しており、FM多重VICSを受信するだけで渋滞を避ける「スイテルート案内」を可能としました。目的地検索ではスマホにインストールした「NaviCon」を活用できるほか、カーナビと対話しながら目的地を設定できる音声認識能にも対応しています。

 

ハイレゾ音源を活かす回路設計の見直しも図られています。グランド・信号・パターン設計などの回路設計を見直した上で、低DCRチョークコイルを新規採用して音質を大きく改善。ノイズ対策としてもDSP/DAC専用アース線構造を追加してノイズの原因となる信号の回り込みを大幅に低減させています。これらによってもたらされた特に高域の音の広がりや音像定位感のアップは、ハイレゾ音源を再生する上で大きなメリットとなるでしょう。また、CN-F1X10BLD、CN-F1X10LDにはHDMI入力が新たに用意され、スマホや「Amazon Fire TV Stick」を接続して動画配信を楽しむことも可能になりました。

 

幅広い拡張性も大きな特徴!

新しいストラーダは、幅広い拡張性も大きな特徴です。CN-F1X10BLD、CN-F1X10LDには連携して使える前後2カメラドライブレコーダー「CA-DR03HTD」と、高画質リアビューカメラ「CY-RC500HD」を用意しました。

↑“F1X プレミアム10”と連携して使える前後2カメラドライブレコーダーCA-DR03HTD、実売予想価格5万5000円(税込)。200万画素CMOSでフルHD記録を可能にした

 

↑車載したCA-DR03HTDのフロントカメラ。上下方向に回転するので取り付けてからのアングル変更も自在だ

 

↑高画質リアビューカメラCY-RC500HD、実売予想価格2万4800円(税込)。カメラとしての能力は高くHD(ハイビジョン) 画質と広視野角(水平180°)のスペックを持つ

 

中でもCA-DR03HTDのイメージセンサーはフルHD規格に合わせた200万画素CMOSを採用し、カメラにはF1.4の明るいレンズを組み合わせています。画角も水平で117度と広く、万一のアクシデントを広範囲で捉えることができます。ナビ連動タイプならではの使い勝手の良さに加え、多人数乗車やフル積載で後方が見えにくいときのリアビューミラーとしても使えるのも見逃せません。

↑CA-DR03HTDは“F1X プレミアム10”と連携できることで、単独で使うドラレコにはない多くのメリットを生み出している

 

↑前後カメラで撮影した映像を“F1X プレミアム10”で再生し、撮影した位置情報をカーナビの地図上に展開できる

 

各機種ともすべてオープン価格ですが、実売予想価格は10V型HDディスプレイのブルーレイ対応機CN-F1X10BLDが21万円前後、10V型HDディスプレイでブルーレイ非対応機CN-F1X10LDが19万円前後、9V型WVGAディスプレイでブルーレイ非対応機CN-F1D9VDが12万円前後となっています。

 

なお、地図データ更新については3機種とも2023年12月15日(予定)までに全更新が1回無料で更新可能となっていますが、上位2機種だけは2か月に1度の部分更新も無料で付与されます(地点データは4か月ごとに更新)。

↑「ストラーダ」2020年モデルのラインナップ。2DINスペースにジャストに収まる7型ディスプレイのRA07シリーズも用意する

 

有機ELディスプレイの採用で、大画面としての真の魅力を実感できる新しいストラーダ。価格もその分だけ少々立派になってしまいましたが、それを超える満足感を味わえるのは間違いありません。ぜひ、店頭でそのクオリティを確かめてみて下さい。

 

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置くだけでスマホを高速充電! オウルテックの車載用充電ホルダー「OWL-CHQI02」

クルマを運転する際に、ナビアプリを使用したり、カーオーディオにワイヤレスで音楽を飛ばして再生したりと、スマートフォンを活用している方も多いのではないでしょうか。そんな方に使ってほしいのが、置くだけでスマホの充電が行える車載用充電ホルダーです。

 

オウルテックの「OWL-CHQI02」は、スマートフォンのセットを自動で行なえる車載用充電ホルダー。スマートフォンを置くと、自動的に固定用ホルダー(クランプ)が閉じてしっかりとホールドできます。また、取り外す時はタッチセンサーに触れるだけで自動的にホルダーが開くので着脱が簡単です。

↑オウルテック「OWL-CHQI02」(直販価格4980円)

 

本体に蓄電能力のあるスーパーキャパシターを内蔵しているため、エンジンを停止した後でも数回のホルダー開閉が行なえます。

 

また、Qi規格のワイヤレス充電に対応しており、Android製品は最大15W、iPhoneは最大7.5Wの急速充電が可能となっています(本機の利用には別売のシガーソケット用USB充電器が必要)。

●対応機種:iPhone SE(第2世代)、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro max、iPhone 11、iPhone XS Max、iPhone XS、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8 Plus、iPhone 8、Galaxy S9、Galaxy S9+、Galaxy S8、Galaxy S8+、Galaxy S7 Edge、そのほかAndroidのQi対応機種

※幅が65mm~90mmまでのスマートフォンで使用可能

 

設置は吸盤式で、ダッシュボードなどの平らな面にくっつけることができるほか、カーエアコンに挟んで設置するためのクリップも付属しています。

↑製品パッケージ

 

取り扱いは全国の量販店をはじめ、直販サイト「オウルテックダイレクト」でも販売中。直販価格は4980円です。

 

車内でスマホを活用することが多い方、また運転中にスマホの充電をしたい方は、手軽に設置できるオウルテックの車載用充電ホルダーを使ってみてはいかがでしょうか。

 

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10月8日なにかが起こる!? パイオニア「カロッツェリア」にティザーサイトがオープン

9月25日、パイオニアのカーナビ・カーAVブランド「カロッツェリア」のティザーサイトが登場しました。

 

同サイトには、地にOFF→ONというデザインがあしらわれ「あなたのクルマを、オンライン化する。」という意味深なメッセージとともに、「2020.10.08(Thu)」という日付があるので、この日に“なにか”が起こるはず。

 

パイオニアは昨秋、フラッグシップモデル「サイバーナビ」で、NTTドコモの車内向けインターネットサービス「docomo in Car Connect」に対応した、通信し放題の環境を構築しています。

 

そして、なにやら当媒体の編集長・山田が、“カーナビ伝道師”高山正寛氏と対談するらしい……?

 

10月8日まではあと約2週間。どんな情報が公開されるのか楽しみにしたいところです。

 

ティザーサイト:https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/brand_event/brand/online/

2代目「スズキ・ハスラー」濃厚インプレ! 初代を超える出来栄えか?

2014年の発売以来、6年間で約48万台を販売する大ヒット作となった「スズキ・ハスラー」が2代目へと進化しました。ライバルのダイハツが今年に入り「タフト」を投入。SUV+軽ワゴンのクロスオーバークラスは、今後覇権争いが激化しそうな風向きですがタフトを迎え撃つ「2代目ハスラー」の出来映えはいかに?

 

[今回紹介するクルマ]

スズキ/ハスラー

128万400円~179万800円

※試乗車:ハイブリッドX(2WD、2トーンカラー仕様車)156万2000円

※試乗車:ハイブリッドXターボ(4WD、2トーンカラー仕様車)179万800円

↑丸型2灯の特徴的なヘッドライトを筆頭とするディテールを先代から継承しつつ、外観は一層SUVらしさが強調される造形になりました

 

先代を受け継ぎつつ新鮮味もプラス!

ワゴンR級のユーティリティを実現しながらSUVらしい走破性を両立。それらをアイコニックなスタイリングでまとめた初代「ハスラー」は、軽自動車のクロスオーバー市場を活性化させる大ヒットとなりました。その現役時代における月販台数は、平均で6700~6800台。モデル末期ですら5000台水準をキープしていたと聞けば、軽ユーザーの支持がいかに絶大であったかが分かろうというもの。

 

実際、初代ハスラーがデビューした当時、すでに長野(の田舎)に居を移していた筆者も道行くハスラーの増殖ぶりに驚かされた記憶があります。また、先代ユーザーは女性が6割を占めていたそうですが、乗っている人の年齢層を幅広く感じたことも印象的。高齢とおぼしきご夫婦が、鮮やかなボディカラーの初代で颯爽と出かける姿をしばしば見かけたことは新鮮でもありました。

 

そんな人気作の後を受けて登場した2代目は、当然ながら初代のデザイン要素が色濃く引き継がれた外観に仕上げられています。軽規格、ということで3395mmの全長と1475mmの全幅は変わりませんが、ホイールベースは先代比で35mmプラスの2460mm。全高は15mm高い1680mmとなりましたが、丸目2灯のヘッドライトを筆頭に全体のイメージは先代そのまま。

 

とはいえ、決して変わり映えしないわけではありません。ルーフを後端まで延長し、ボンネットフードを高く持ち上げたシルエットはスクエアなイメージを強調。バンパーやフェンダー回りも良い意味でラギッドな造形とすることで、SUVらしさと新しさが巧みに演出されています。

 

リアピラーにクォーターウインドーを新設。2トーンカラー仕様では、ルーフだけでなくこの部分とリアウインドー下端までをボディ色と塗り分けている点も先代と大きく違うポイントです。この塗り分けは、リアクォーターやルーフなどがボディ本体と別パーツになる「ジープ・ラングラー」などに見られる手法ですが、タフなイメージの演出という点では確かに効果的です。

↑写真のボディカラーはデニムブルー×ガンメタリック。バリエーションはモノトーン5色、2トーン6色の合計11色。2トーンのルーフは、ボディカラーに応じてホワイトの組み合わせもあります

 

初代ハスラーが成功した要因として、その個性的な外観の貢献度が大であることは誰もが認めるところ。となれば、後を受ける2代目が初代のイメージを受け継ぐことは“商品”として必然でもあるわけですが、新鮮味の演出も必須。ヒット作の後継はこのあたりのさじ加減が難題で、クルマに限っても失敗例は数知れず。

 

その点、2代目ハスラーの外観は上出来といえるのでは? という印象でした。ちなみにSUVとしての機能も着実に進化していて、走破性に影響するフロントのアプローチアングル、リアのディパーチャーアングルは先代比でそれぞれ1度と4度向上した29度と50度となっています。

↑タイヤサイズは、全グレード共通で165/60R15。ホイールは「X」グレードが写真のアルミとなり、「G」グレードはスチールが標準となります

 

室内はSUVらしい力強さと華やかさを演出! 装備も充実ぶり

そんな外観と比較すると、室内はSUVらしさを強調するべく一層“攻めた”デザインになりました。インパネはメーター、オーディオ、助手席上部の収納部(アッパーボックス)にシンメトリーを意識させるカラーガーニッシュを組み合わせてタフな世界観を表現。ガーニッシュはボディカラーに応じて3色が用意され、華やかさを演出するのも容易です。シートカラーもブラックを基調としつつ、ガーニッシュと同じ3色のアクセントを揃えて遊び心がアピールされています。

↑インパネは、シンメトリーなイメージの3連カラーガーニッシュが印象的。カラーは写真のグレーイッシュホワイトのほかにバーミリオンオレンジ、デニムブルーとボディカラーに応じて組み合わせられます。収納スペースが豊富に設けられていることも魅力のひとつ

 

↑スピードメーターと組み合わせる4.2インチのディスプレイには、スズキ車初のカラー液晶を採用。走行データをはじめ、多彩な表示コンテンツが用意されています

 

↑フロントシートは、インパネのガーニッシュと同じく3色のアクセントカラーを用意。シートヒーターが標準で装備されることも嬉しいポイントです

 

元々広かった室内空間も、新世代骨格の採用やホイールベースの延長などで拡大されています。後席は着座位置が高くなったにもかかわらず頭上空間が拡大、前席も左右乗員間の距離が広くなりました。また、フロントガラス幅の拡大やリアクォーターウインドーの追加などで視界が良くなっていることも、ユーザー層が幅広い軽ワゴンとしては魅力的ポイントといえるでしょう。

↑後席は座る人の体格や荷物に応じたアレンジが可能なスライド機構付き。一番後方にセットすれば、余裕の足元スペースが捻出できます

 

↑シートバック背面には操作用ストラップが設けられ、後席のスライドが荷室側からでも可能です。荷室の床面と後席背面は汚れや水分を拭き取りやすい素材を採用。荷室左右には販売店アクセサリー用のユーティリティナット(合計6か所)に加え、電源ソケットも装備されています

 

↑後席を完全に畳めば、最大1140㎜の床面長となるスクエアな荷室が出現。床下には小物の収納に便利なラゲッジアンダーボックスも装備されています

 

最新モデルらしく、運転支援システムも充実しています。衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などがセットになった、「スズキ セーフティ サポート」は全車標準(ベースグレードのみ非装着車を設定)。新型ハスラーのパワーユニットは先代と同じく自然吸気とターボの2本立てですが、後者では全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線逸脱抑制機能がスズキの軽自動車で初採用されました。

 

また、対応するナビゲーションシステムと組み合わせればクルマを真上から俯瞰したような画像を映し出せる全方位モニターの装備も可能です(オプション)。

↑ターボ車には、スズキの軽自動車で初めて全車速追従機能付きのACC(アダプティブクルーズコントロール)が装備。同じくターボ車では運転支援機能のひとつとして車線逸脱抑制機能も標準で備わります(自然吸気は警報のみ)

 

このほか、SUVとしては先代から引き続いて4WD仕様に滑りやすい下り坂などで威力を発揮するヒルディセントコントロールを搭載。新型では、さらに雪道やアイスバーン路面での発進をサポートするスノーモードも新採用されました。新型ハスラーのボディは前述の通り秀逸な対地アングルを実現。最低地上高も180mmが確保されていますから、ジムニーが本領を発揮するような場所に踏み入れるのでもなければ悪路の走破性も十二分といえるでしょう。

↑4WDに装備されるヒルディセントコントロールやグリップコントロール、新機能となったスノーモードの操作はインパネ中央のスイッチを押すだけ

 

新開発の自然吸気エンジン採用。走りのパフォーマンスも進化!

新型ハスラーが搭載するパワーユニットは、前述の通り自然吸気とターボの2種。前者は、燃焼室形状をロングストローク化して燃料噴射インジェクターも気筒当たりでデュアル化。さらにクールドEGRを組み合わせるなどして、全方位的に高効率化された新開発ユニットが奢られました。

 

組み合わせるトランスミッションはどちらもCVTですが、こちらも先代より軽量化や高効率化を実現した新開発品となります。また、近年のスズキ車は電気モーター(ISG)が発進や低速時に駆動をサポートするマイルドHVがデフォになっていますが、新型ハスラーでは先代よりISGの出力が向上。容量こそ変わりませんが、リチウムイオンバッテリーの充放電効率を向上させたことでHV車としての機能が向上しています。

↑自然吸気エンジンはロングストローク化や燃焼室形状のコンパクト化、スズキの軽では初採用となるデュアルインジェクター(気筒当たり)やクールドEGRなどで一層の高効率化を実現。燃費は先代比で約7~8%向上したとのこと

 

↑ターボ仕様のエンジンは、新開発CVTなどとの組み合わせによって燃費性能が先代より約3~5%向上。ロングドライブを筆頭に、幅広い用途に使いたいユーザーにオススメ

 

その走りは、新型車らしく着実な進化を実感できる出来栄えでした。先代も軽ワゴンとしてはなんら不満のないパフォーマンスでしたが、新型ではアクセル操作に対する反応が一層リニアになり静粛性も向上。絶対的な動力性能で選ぶならターボ仕様ですが、日常的な使用環境なら自然吸気でも必要にして十分な動力性能です。

 

新世代プラットフォームのハーテクトや環状骨格構造のボディ、スズキ車で初となった構造用接着剤の採用などの効果か、走りの質感が向上していることも新型の魅力。フロントがストラット、リアはトーションビーム(4WDはI.T.L.=アイソレーテッド・トレーリング・リンク)というサスペションも、先代よりオンロード志向のセッティングとしたことで特に日常域では自然な身のこなしを実現しています。SUVとのクロスオーバーとはいえ、ハスラーは日常のアシという用途が主体の軽ワゴンのニーズに応えるクルマですから、新型の味付けは理にかなったものといえるでしょう。

↑写真は4WDのターボ仕様。絶対的な動力性能は自然吸気でも必要にして十分ですが、ターボなら余裕をもってSUVらしく使うことが可能です。ボディの剛性感や静粛性など、新型は走りの質感が向上していることも魅力的です

 

このように、先代が築いたキャラクターを継承しつつ軽クロスオーバー資質が着実に底上げされた新型ハスラー。とりあえず、ダイハツ・タフトを迎撃する備えは万全といえるのではないでしょうか。

 

SPEC【ハスラー・ハイブリッドX(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1680㎜●車両重量:820㎏●パワーユニット:657㏄直列3気筒DOHC●最高出力:49[2.6]PS/6500[1500]rpm●最大トルク:58[40]Nm/5000[100] rpm●WLTCモード燃費:25㎞/L

 

SPEC【ハスラー・ハイブリッドXターボ(4WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1680㎜●車両重量:880㎏●パワーユニット:658㏄直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:64[3.1]PS/6000[1000]rpm●最大トルク:98[50]Nm/3000[100]rpm●WLTCモード燃費:20.8㎞/L

 

撮影/宮越孝政

 

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Honda初のEV市販車「Honda e」は「かわいい」の中に最先端が宿る一台

いよいよHonda初の市販EV(電気自動車)、「Honda e(ホンダ イー)」が10月30日に発売されることが決定しました。日常ユースに特化したシームレスなモビリティとして登場したHonda e。そのかわいらしい雰囲気には実は開発者の熱い想いと先進技術が詰まっています。

↑Honda e 発表会でのHonda e開発責任者の一瀬智史氏。2019東京モーターショーで国内発表されました

 

人と社会とクルマのシームレスな関係

8月27日のプレス発表では開発責任者の一瀬智史氏が開発コンセプトを語りました。「未来のシームレスな生活パートナーとなるEV」であること。EVが活きるのは街なかだと考え、『街なかベスト』なEVを目指したこと。「他にはないユニークな魅力を持つ、本質を追究したEV」であること。これからの生活のあらゆるシームレス化に対応できるモビリティであること。クルマと社会、お気に入りの生活、行動、情報、あらゆるモノと繋がるのがこれからの世界です。これを「シームレスライフ」と呼び、それを創り上げるのがHonda eと位置づけたのです。

↑これまでのEV開発の発想を大きく転換したHonda e。サイズも佇まいも「街なかベスト」です。価格はHonda eが451万円、Honda e Advanceが495万円

 

これからのコンパクトカーのベンチマークとなるクルマ作りを意識しているのがHonda e。大胆にもEVでありながら航続距離を延ばすことをメインにしていません。航続距離を延ばすためにバッテリーを多く積むことでクルマは大型化し、重量も増してしまう。実際の街でのクルマの使用を考えると本当にこれがベストなのか? というところに立ち返り開発しています。それを端的に示すのが、長距離移動時は公共交通機関やハイブリッドカーを使用してもらおうという割り切り。これまでのEVの発想を変え、本当の合理性を追求しています。

↑デザインニュアンスにホンダを世界の自動車メーカーにした初代シビックのオマージュを感じさせます。街の人々を和ませるエクステリアデザイン

 

愛らしい顔のあるエクステリアデザイン

まずは特徴的な表情を持つ外観から見て行きましょう。ボディサイズは全長×全幅×高さが3895×1750×1510mmと、Honda Fitより100mm短く55mm幅広で5mm低いことになります。乗車定員は4名で5ドアハッチバックの形状。まさしく街なかベストなサイズです。余計なノイズを廃した機能的でシンプルなボディデザインとなっています。車幅内に収まったサイドカメラミラーシステムや手触りの良いガラスの充電リッドもデザインアクセントとしています。ちょっと恐面のクルマが多い中、Honda eは街を和ませることでしょう。

↑サイドカメラミラーシステム。駐車する時には側方下部も写します

 

↑ボディカラーは全7色

 

インテリアは自宅とシームレスに繋がるイメージ

通常の乗車時に加え、30分の急速充電時にも乗員が車内にいる時間があることも意識し、その時間を快適にしたいという想いと、室内はくつろげる家とのシームレスなイメージを形にしています。シックな色合いのシートやインテリアはリビングにいるかのよう。ブラウンのシートベルトやシートのタグもカラーアクセントとしてモダンな雰囲気を醸し出しています。リビングテーブルのようなウッド調のパネルの上に5つのモニター画面からなるワイドヴィジョンインストルメントパネルが室内幅一杯に広がります。スイッチ類は極力整理され、シンプルなデザインと人に優しい操作性を実現。

↑Honda eのインテリア。シンプルな中に沢山の先進機能が詰まっています

 

デザイン上のアクセントとなっているサイドカメラミラーシステムはこれまでのドアミラーに変わるシステムです。両サイドの6インチモニターにはそのシステムからの映像が映し出されます。これまでのドアミラーと違和感のない位置に配置され、ワイドで自然な映像は降雨時のミラーやガラスにつく雨滴の影響を受けることなくクリアに表示します。

 

センターに並ぶ2つの12.3インチの「ワイドスクリーンHonda CONNECTディスプレー」はドライバーだけでなく、助手席の同乗者も操作でき、それぞれに快適な表示機能を選択したり、左右のアプリを入れかえたりなど自在な操作性を実現。スマートフォンとの接続によって音楽アプリやエンターテイメントアプリを表示することも可能です。運転者、同乗者が共に快適で楽しい時間を過ごせそう。

↑HMI&AIの活用で多様な機能を誇るワイドスクリーンHonda CONNECTディスプレー

 

スマホをデジタルキーとして使用することも可能に

Honda eは、スマートフォンと連携して様々なコネクテッド機能を活用することができます。スマホから目的地をナビに送ったり、広い駐車場でクルマの位置が分からなくなった時に探したり、ドアロックの解除、充電リッドの開閉なども可能。さらに、遠隔エアコン操作にも対応しており、出発時間に合わせて車内の温度調整もできます。この機能は電力消費の大きいエアコンの最初の温度調整をプラグインの間に行うことで航続距離への影響もおさえる機能となっています。

 

また、専用のアプリをダウンロードすることでスマートフォンをデジタルキーとして使用することが可能に。スマートキー/スマートフォンを持ってクルマに近づくとフラットだったドアノブがポップアップします。シートに座りドアを閉めるとエンジンスタートまでを自動で行うことが可能。また、クラウドAIによる音声認識と情報提供を行う「Hondaパーソナルアシスト」を採用し、「OK,Honda」と呼びかけることで最新のリアルタイム情報を表示可能。シンプルに構成されたインストルメントパネルも含め、Honda eのHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)によって快適なドライブが可能となります。

 

優しい雰囲気だけじゃない高トルクモーターの走り

駆動モーターはアコードe:HEVの高トルクモーターを使用。Honda e専用設計の高剛性シャーシのセンターフロアにバッテリーを、モーターはリア荷室下にレイアウトしています。低重心で安定感があるだけでなく、フロントタイヤの切れ角も大きく取ることができ、4.3mという軽自動車以下の最小回転半径を実現し、タウンユースの助けになります。最大トルク315Nm(32.1kgf・m)の大トルクモーターを活用した走りはキビキビとしたものに。スポーツモードやアクセル操作のみの停止までコントロールできるシングルペダルモードなど、道路状況や走行状況に応じ、好みの運転スタイルを選ぶことができます。

↑コンパクトなボディに組み合わされるハイパワーモーターにより気持ちの良い走りを実現

 

Honda eには通常の「e」と17インチホイールなどを備えたハイパフォーマンスな「e Advance」の2つのグレードをラインナップ。「e」はフル充電での航続距離がWLTCモード値で283km。JCO8モード値で308km。「e Advance」の最大トルクは「e」と同じものの、「e」の最高出力が100kW(136PS)に対し113kW(154PS)と高出力な分、航続距離はそれぞれWLTCモード値で259km。JCO8モード値で274kmとなります。

 

家庭での200vでのフル充電には10.2時間。夕方充電を開始すると翌朝にはフル充電が終わっている状態となります。また、30分の急速充電では80%の充電が可能となり、202kmの走行が可能となります。街なかベストと銘うっていますが、急速充電をうまく活用することで遠距離の走行に対応できます。

↑ご家庭の200vでは10.2時間でフル充電が可能。災害時などはHonda eを電源とすることも可能

 

↑囲い線のある駐車場へのパーキングサポート、線のないスペースへのサポートを行います

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

「ルノー カングー漬けの日々」3つの使い方術で、QOLがとっても上がった話

ニューノーマルの時代に入って、月日が経つのが早い。PCに向かっていたら日が暮れているし、気づいたら1週間が終わっていたし、季節も夏が終わろうとしている。

 

もちろん、好きなアーティストがインスタライブをやったり、ご当地グルメを取り寄せてみたり、家の中を清潔に保ったり、これまでの生活にはなかったこと・できなかったことを楽しんでいるので充実している。

 

が、やはり生活がどこか平坦で単調なのだ。ほんの少し華やかさが欲しい。

 

そう考えたときに、クルマは改めていいツールじゃないかと思い始めた。プライベートな空間で「密」を避けられる。安全に移動できる。自宅の延長スペースとして、好みの空間にアレンジもできる。

 

経済的で、実用的で、彩りを与えてくれるクルマーーと考えたときに、真っ先に浮かんだのがルノーのカングーである。

 

【今回紹介するクルマ】

ルノー

カングー

264万7000円(ZEN EDC)

2列シートで5人乗りのミニバン形状の、正確にはステーションワゴン。パッチリとした目(ヘッドライト)に、車体表面の凹凸が少なく、近年のクルマの特徴であるドギツさがない造形で、万人に愛されるデザインが特徴。2016年からは6速AT(6EDC)と1.2L直噴ターボエンジンの組み合わせを用意。スムーズかつ爽快な走りと低燃費を実現している。

 

【車両のディテール紹介(画像をタップすると詳細が見られます)】

 

カングーは無条件に楽しいクルマだ。Instagramで「#カングー」を調べると、7.5万人ものフォロワーがいて、一人ひとり違った使い方をしていて、見ているだけで心が湧き立つ。単なるクルマではなく、自分らしさを表現するためのキャンバスに近い。

↑ルノージャポンのInstagramより引用。一般ユーザーが様々な楽しみ方をしていて、見ているだけで楽しくなる

 

「カングーのある暮らし」で矢のように流れていく日々に少しでも変化を。ということで、実際に3つの活用法を今回試してみた。実に様々な変化があり、カングーの良さもわかったので、それらをレポートしていこう。

 

【実践術01】カングーを仕事部屋にしてみると「自然の変化を感じるようになった」

私は月の約半分が在宅勤務で、そして自室がない。同じく在宅勤務が多い妻とリビングで仕事をしている。オンライン会議が重なる時は娘の部屋か、娘も自宅にいる場合は、洗面所で会議をしている。

 

たぶん、多くの在宅勤務者と同じように、自室が欲しい。そして、休日も含めると月の75%も自宅にいることになる。働く環境に変化があれば、少しは効率が上がるのではないか。

 

ということで、カングーを仕事部屋にしてみた。仕事部屋といっても、私はウェブ編集という業務上、PC、タブレット、リモートワーク用のマイク付きイヤホン、メモ帳とペン、タンブラーがあれば良い。これにゴミ入れ、そしてポータブル電源を持ち込めば完成だ。

↑在車勤務の様子

 

以下、カングーで「働く」ことで起こった変化をレポートしていこう。

 

まず、シートからすべてが手に届く範囲にあるので、集中を削ぐものたちが視界に入らなくなり、仕事効率がぐんと向上した。自宅で仕事すると、飲み物を取りにキッチンに行ったり、充電ケーブル挿すためにコンセントのところまで移動したり、と意外に立ったり座ったりを繰り返している。

 

それだけなら良いのだが、ウロウロしているときに床に落ちている髪の毛が気になって掃除したり、「洗濯物干さなきゃ」と思い立って洗面所に行ったり、家事をしているのか仕事をしているのかわからなくなる瞬間がある。

 

でも、クルマの中だとシートに座れば基本、動かない、動けない。自分の手の届く範囲ですべてを済ませられるので、集中力が削がれないのだ。

 

「それって、別にカングー以外のクルマにも言えることでしょ?」という指摘もあるだろう。その点、カングーには様々なアドバンテージがある。前席の頭上に広大な収納スペースが用意されているのだ。

 

PC作業でメモ帳やケーブル類が邪魔なときはここに入れておけばいい。上の写真のように手を伸ばせばすぐに取り出せるので、アクセス性が抜群。私は鼻炎持ちなので、ポケットティッシュではなくボックスティッシュを常備しておきたい派。そんな人にはぴったりすぎるスペースなのだ。

 

そもそも、カングーは商用モデル派生のクルマだ。フランス本国では様々な業種の貨物車として使われ、フランス郵政公社「La Poste」に採用されていることでも有名。つまり、「働く行為」と非常に親和性が高いモデルなのである。

 

ちなみに、さきほどの運転席で仕事している写真。PCを膝の上に載せているから、首が前に出て、背筋が曲がって体勢がキツそうと思った方、カングーは標準でフロントバックテーブルが採用されているから後席でも仕事が可能。

 

会社支給の12インチ前後のノートPCであれば十分に置けるので、リアシートであれば姿勢を正して仕事もできる。テーブル下にはファイル類を収納できるスペースもあるのでご安心を。

↑フロントバックテーブル。ドリンクも置ける

 

↑足元も広い。なんだったら足を組めるぐらい

 

また、後席頭上にも収納スペースがある。なので、前席で作業するときと同様、持ち物を入れておける。なお、3つのボックスのオススメ割り当ては、右が書類や手帳、中央が休憩用のお菓子類、左がお昼寝用のネックピローだ。クルマの中だと在宅勤務と違って布団の誘惑もなく、1時間も2時間も深い眠りに入ってしまうことがない。15分で頭をリフレッシュできるケースが多かったことだけ報告していこう。

↑後席頭上の収納スペース「3連式オーバーヘッドボックス」

 

カングーで在車勤務して仕事効率は上がったが、それ以上に上がったのが気分である。

 

自宅でずっと仕事をしていると外の変化に疎くなるし、在車勤務で駐車場や近隣のパーキングで仕事をしていてもいつかは飽きが来る。それが、たまに、知らない街の駐車場や、近いけど行ったことのなかったスポットに行くだけで気分が上がるし、新しい発見がある。地元の名店に出合うこともできる。カングーは小回りが効く(最小回転半径は5.4メートル)ので、「ちょっと行ってみよう」という衝動を遮らないクルマでもある。機会損失が少ないのだ。

 

さらに、外の変化に疎くなるといったが、在宅勤務の場合、空調が効いた快適な空間にいるので、日々の天気に無関心になる。人間、季節の移ろいを身体で感じられないと時が経つのが早い。カングーも快適な車内だけど、フロントガラスを打つ夕立の雨粒や、夏の終わりと秋の始まりを感じる風を五感で受け取っていると自然の変化を感じられ、何か日々が生き生きとしたものとして感じられる。カングーはそういった意味で、内と外を結ぶ優れた媒介者である。

 

【実践術02】カングーをキャンプサイトにしてみると「記録する行為が蘇った」

ニューノーマルの時代になって、家族と一緒にいる時間は増えたのだけど、家族とコミュニケーションしている時間が増えたかというと疑問だ。仕事をしているから、話しかけられても上の空だったり、オン/オフの切り替えがうまくいかずため息をついてばかりだったり。

 

そんなときには、いっそ場所を変えてしまうのだ得策だ。その点、キャンプやアウトドアはカングーの十八番である。というわけで、幾多の人がこすりまくった企画ではあるが、カングーでキャンプをしてみた。

 

↑今回はテント泊ではなく、コテージ泊を選択。そのため荷物も少ないが、テント泊でも余裕すぎるほど積載量がある

 

以下、カングーを「アウトドアのベース基地」にしたことで起こった変化をレポートしていこう。

 

まず、カングーは絵になる。キャンプ場でラゲッジに家族が腰掛けるだけでなんか幸せな家族の象徴的な構図になるし、クルマの横に立って記念撮影するだけで上質なライフスタイル感が味わえる。家族との思い出作りには最高の相棒なのである。

↑今回撮影したのは、富士五湖のひとつ西湖湖畔にある「PICA富士西湖」。山田家で年1回必ず利用する施設で自然豊かな環境で、カングーとの相性もバッチリ

 

これは私だけでないと思うのだが、先日、スマホの写真フォルダを見返したら、最近の写真が全然なかったのだ。あるのは、メモ用にとったウェブサイトのキャプチャーと、自宅での食事の写真。

 

外出がしにくい時代なので当たり前なのだが、矢のように時間が過ぎていくのも、ここに要因があるだろう。写真に撮りたいと思う、記憶に留めたい出来事が少なくなっているのだ。だから今回、カングーと一緒に過ごすことで、写真を撮るという行為と楽しさを思い出した次第だ。

 

カングーは車中泊ももちろん可能だ。最近、ワークとバケーションを組み合わせた「ワーケーション」という新しいオン・オフの過ごし方がよくピックアップされる。しかし、ワーケーションって意外とハードルがあるのだ。

 

ワーケーションは、金曜日の日中はワーク、金曜日の終業から日曜いっぱいをバケーションとするケースがいまのところ多いそうだが、そうすると木曜日の夜に前泊するか、金曜の早朝に出発するか、という選択肢になる。前泊すれば一泊分の宿泊費がかかるし、金曜日の朝出発するととにかくバタバタする。

 

そういった色んな悩み事もカングーなら解決する。木曜の夜は車中泊スポットに宿泊。金曜日の朝に余裕を持ってワーケーション先にチェックインすればよい。金曜午前にチェックインできない施設なら、そのまま在車勤務をすればいい。といった形で、非常に経済的だ。

 

カングーはATモデルが264万7000円〜、MTモデルが254万6000円〜と国産ミニバン並みの安さ。輸入車の競合モデルが300万円半ばに近い価格と考えると安い。この点も非常に経済的である。なお、9月10日からは2種類の特別仕様車が登場。

 

グレーのカラーリングがいかにも「道具」として使い倒せそうな「アシエ」は限定100台、カングーといえばこの色!という「ラ・ポスト」は限定200台で、ともに価格は通常モデルと同じで、ATが264万7000円、MTが254万6000円となっている。

 

車中泊の話が出たので室内のサイズに関してみていこう。

室内は助手席を倒した状態だとおよそ250センチ、前席を倒さなくても170センチの長さがあるので、多くの人が余裕で寝れるサイズだ。もちろん、フルフラット。室内の高さ1155ミリなので高さ方向の圧迫感もない。

 

2列目下に靴などを入れられるほか、後席頭上の3連式オーバーヘッドボックスもあるので収納もバッチリ。また、ここでもフロントバックテーブルが活躍してくれるので、小物類を置く場所に困らない。

 

室内の幅は1121ミリなので、大人2人と小学生までの子ども1人なら余裕を持って寝れるだろう。上の写真のようにアウトドア用のマットを持ち込めば実に快適だ。

 

今回のコテージ泊の際、私は朝方にカングーに移動してゴロゴロしていたが、観音バックドアから差し込む朝日のまぶしさで身体が目を覚ました。月並みな表現だが、何か尊い時間であった。

 

↑左右非対称の観音開きドア。珍しいギミックでこれだけでも選ぶ価値がある

 

↑ラゲッジまでの高さが低いので荷物の積み下ろしもしやすい。荷物が多くなりがちなキャンプでは重宝する設計だし、日々の買い物でもとてもラクだ

 

【実践術03】カングーを書斎にしてみたら「自分の残りの人生について考えるようになった」

書斎は、男の憧れだ。自分の好きなものを集めて、並べて、愛でて、自分の時間を過ごす。音楽好きの人ならアンプをつなげて楽器練習したり、プラモデル好きの人ならパーツを組み立てたり、読書好きな人は雰囲気のいいランプを立てて普段は読まない本を読んだり。

 

心が洗濯される感覚。こんがらがった自分がシンプルになる気持ちよさ。

 

書斎とは、自分自身を整理する空間だ。なんか抽象的な話をしているが、要は自分だけの部屋が欲しいのである(切実)。娘は自分の部屋があるのに、自分はないから、自分だけの空間が欲しいのだ。自分について振り返るスペースが必要なのだ。オフィスとしても寝室やリビングとしても活躍するカングーに書斎の役割を持たせたら、さらに幸せになれそうじゃないか。

 

というわけで、オフの時間や夜にカングーを走らせてみる、籠ってみる。以下、カングーで「一人ドライブしつつ書斎」にしたレポートしていこう。

 

カングーは、背が高いミニバン的な走行特性かと思うかもしれないが、意外に走る。コーナリングもふわふわ、ふらふらしない。むしろ、ステアリングを切るのが楽しい感覚だ。これは、重心が低く抑えられていることもあるし、ルノーらしい素直なハンドリンクが反映されているということも大きい。

 

家族や大量の荷物を載せていないとパワフルさも感じられる。エンジンは1.2Lの直噴ターボエンジンで115PSでスペックだけで考えると突出したものではないが、走っているときの気持ち良さは十二分に感じられる。

 

【車両のディテール写真02(画像をタップすると詳細が表示されます)】

 

で、夜、カングーに籠もってみたのだが、結構いい。そうそう、こういう空間が欲しかったのだ。ちなみに私がしたのは、超プライベートな話だが、四半世紀ぶりに小学校の先生に連絡を取る機会があり、手紙をしたためるという行為。自分の半生を振り返りながら、手書きで書くから独りになりたかったのだ。ちなみに、居心地の良さは【実践術02】で紹介した通りで、このときもフロントバックテーブルが大活躍した。

 

半生つながりでいうと、Instagramでカングー関連のハッシュタグを見ていて思ったのが、カングーオーナーには色んな人生が送っている人が多いということ。クルマは同じだけど、選んだ人生は本当に様々。

 

ペットとの生活を送っている人もいるし、自転車を載せて各地を2輪と4輪で走っている人もいるし、キッチンカーとして使っている人もいる――カングーのオーナーは自分が想うライフスタイルを実現している人が多いから、つい、自分が選ばなかった人生について考えることもできる。そして、こんな人生を送ってみたいなというアイデアももらえる。こういった「人生の指南役」を得られるのはカングーの特権だろう。

 

【まとめ】

今回は割と定番な3つの実践術にフォーカスして記事をお届けしたが、カングーの器はまだまだデカい。リモートワークがもっと普及が進めば、カングーをベースに日本各地を巡りながら仕事しながら旅をすることもできる。副業やダブルワークがもっと一般的になれば、カングーを店舗にして様々な場所を訪れてショップを開ける。

 

とにかく使い倒しているというのがカングーオーナーの特徴だし、使い倒すことで、行動範囲が広がり、新しい部屋ができ、日々にハリができる。withコロナの時代は今まで当たり前だったものが、リスクを回避しながら能動的に動いていかないとアクセスできない時代だ。カングーはそれに対応できる希少性の高いクルマだろう。

 

 

撮影/中田 悟 撮影協力/PICA富士西湖(山梨県)

最大3泊4日の「¥0 Car Rent」サービス。驚きのレンタル無料でマイカーのある生活をシミュレートできる大チャンス企画

BMW、レクサス、メルセデス・ベンツ、ポルシェなどの高級車をはじめ、さまざまな車種の中から最大3泊4日のカーレンタルが無料で可能という「0円カーレント」を体験してきました。冒頭にBMWやレクサス……と書きましたが、実はこのサービス、単に高価なクルマに無料で乗ろうということではありません。クルマとの生活を考え、モビリティと共にある「より良い生活」をシミュレートしてみよう! ということが大きな目的なのです。

↑東京駅と直結の行幸通り地下1階「マイカー・トライアル 東京ストア」店舗。0円でレンタカーできるなんて夢のよう、どんなサービスなのでしょうか?

 

電車やバスなどの公共交通機関網の発達した都市部では日常生活でクルマの必要性を感じない人々が増えてきました。大人達は「若者のクルマ離れ」などと言いますが、若者としてはクルマを生活のメインに考える必要がなくなっただけで、便利な生活、憧れる生活のスタイルが変化したということです。クルマが無い生活が当たり前になっているというだけのことです。

↑今回お話をうかがった0円カーレント ガリバーグループを運営するIDOMのサービス担当=東海林 知貴氏。(撮影のためマスクを外して頂きました)サービス、クルマについて精通しているコンシェルジュ

 

クルマ不要の生活にインパクトあるシミュレーション

このサービスを運営するIDOMは本企画を通し、最近では当たり前だと思っていた「クルマ不要の生活」に対し、「車のある生活」を気軽にシミュレートすることを可能にしたのです。3泊4日ですが実際の生活の中でクルマを使用し、その有効性や楽しさを気軽に味わうことができます。

↑0円カーレントはSUVやセダン、ミニバン、軽自動車など様々なタイプの車両、50車種から選べます

 

ではクルマの借り方を通し、もう少し分かりやすくこの0円カーレントサービスに迫ってみましょう。まず事前にストアで相談する方法と、LINEで相談する方法があります。

↑来店するとコンシェルジュが希望や質問にこたえてくれます

 

●ストアで相談の流れ

1.マイカー・トライアル 東京ストアに来店

2.コンシェルジュと相談しながら乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

●LINEで相談の流れ

1.0円カーレント LINEを友達登録(“0円カーレント”で検索)

2.LINE上でコンシェルジュと相談の上、乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

という2つの方法が大きな流れとなります。このサービスの利用にあたっては、マイカー・トライアル LINEの友達登録が必要となります。

↑クルマの利用日はコンシェルジュが諸手続きを丁寧に行い、質問にも的確に答えてくれます。キーを受け取り、いよいよ出発です

 

↑駐車場のマイカー・トライアル NORELのプレートの前にあるのが対象車種。返却時には同じ番号の場所にクルマを戻します

 

↑今回はトヨタのコンパクトSUV、C-HRを貸りて「マイカーのある生活」をシミュレートしました

 

コロナ禍による新たなマイカーシミュレート

IDOMのサービス担当東海林さんが言うには、「本サービスは3月26日に一度始まったのですが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりわずか3日間で営業を停止する結果となってしまいました。しかし、時が過ぎるにつれ、公共交通機関よりも他者との接触の少ないマイカーでの通勤や子どもたちの送り迎え、しばらく会えなかった家族や仲間との時間を過ごすことのできる「マイカーのある生活」を実感し、見直してもらえると考え、サービスの再開に踏み切りました。withコロナにおけるこれからの安全で快適なライフスタイルを考える機会として多くの皆様にこのサービスを体験してもらっています」。コロナ禍になってマイカーの存在が再認識され、「マイカーのある生活」にファミリー層だけでなく注目が集まるようになったのです。

 

さて、クルマを借りたら一気にロングドライブに出かけてみたいものですが、コロナ禍真っ只中の現在です。せっかくの機会に恵まれましたが遠出は控え、都内での買い物とプチツーリングにとどめました。ハイブリッドカー、トヨタC-HRは約20km/Lと好燃費。エンジンとモーターの切り替わりがスムーズなのに加え、CVTの無段階変速によってスムーズで気持の良い走りを味わえました。クリーンな室内、コンパクトなボディに余裕のあるトルクで乗り始めてすぐに「マイカーのある生活」のイメージが膨らんでいきました。

↑夏の熱帯夜。東京プチツーリング。取り回しも楽な「ちょうどいい」サイズで快適に都心の街を走り抜けました

 

↑一般的なレンタカーとは違い、「わ」ナンバーではありません

 

↑翌日は首都高速を使い高速移動。道を選ばず胸のすく加速感が印象的でした

 

↑体験レポートでは1泊2日でお借りしました。翌日夕方にガソリンを満タンにして丸の内の駐車場に返却

 

↑返却時は通常のレンタカーのように傷などがないかチェックを受けます。問題がなければそのまま終了。車両はすぐに洗車、消毒、クリーニングが行われ、次の体験者は気持ちよく使用することができます

 

第二弾にも期待

0円カーレント キャンペーンはコロナ禍の中に始まり、その中で終了を迎えてしまいます。しかし、今回のサービスはマイカーを生活に取り入れるきっかけ作りに大きく貢献した事でしょう。0円カーレント終了後にも継続してサブスク制のマイカーライフ入門サービス マイカー・トライアルが行われています。1か月から5か月まではレンタカーとして、それ以降の期間の場合はリースとしての契約となります。

 

このサービスの大きな特徴は、一時的にマイカーが欲しい方、マイカーを検討したい方/選び方が分からない方、頻繁にレンタカーを利用する方にとって魅力的なサービスとなっています。例えば、購入を希望するクルマを1か月利用して判断したり、翌月には別のクルマを使用し試してみたりするなどという利用方法もあります。このようなマイカーの使用方法が新たな「マイカーのある生活」を生み出していくのだと思います。

 

「NOREL」のサービスではクルマだけでなく短期間で利用できる駐車場の確保など、ユーザーに優しいサービスの充実を図っています。NORELの盛り上がりが第二、第三のキャンペーンに繋がっていくことになります。あなたもマイカーのある生活をシミュレートしてみませんか。

 

本サービスの詳細はマイカー・トライアル公式サイトをご参照ください。

※0円カーレントは大好評のサービスで期間もあとわずかのため、希望に添えない場合があることを了承ください。また、使用中の駐車場代、燃料代などはユーザーの負担となります。車両返却時まで3万円の預り金を預かります。当サービスの利用は一人一回限りとなります。

 

■マイカー・トライアル 東京ストア

住所:東京都千代田区丸の内1丁目5-1 行幸通り地下1F 新丸ビル前
営業時間:10:00~19:00 (クルマ返却時間は相談可能)※水曜日は休館
期間:2020年9月16日まで ※最終受付は9月12日18:30まで

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

最大3泊4日の「¥0 Car Rent」サービス。驚きのレンタル無料でマイカーのある生活をシミュレートできる大チャンス企画

BMW、レクサス、メルセデス・ベンツ、ポルシェなどの高級車をはじめ、さまざまな車種の中から最大3泊4日のカーレンタルが無料で可能という「0円カーレント」を体験してきました。冒頭にBMWやレクサス……と書きましたが、実はこのサービス、単に高価なクルマに無料で乗ろうということではありません。クルマとの生活を考え、モビリティと共にある「より良い生活」をシミュレートしてみよう! ということが大きな目的なのです。

↑東京駅と直結の行幸通り地下1階「マイカー・トライアル 東京ストア」店舗。0円でレンタカーできるなんて夢のよう、どんなサービスなのでしょうか?

 

電車やバスなどの公共交通機関網の発達した都市部では日常生活でクルマの必要性を感じない人々が増えてきました。大人達は「若者のクルマ離れ」などと言いますが、若者としてはクルマを生活のメインに考える必要がなくなっただけで、便利な生活、憧れる生活のスタイルが変化したということです。クルマが無い生活が当たり前になっているというだけのことです。

↑今回お話をうかがった0円カーレント ガリバーグループを運営するIDOMのサービス担当=東海林 知貴氏。(撮影のためマスクを外して頂きました)サービス、クルマについて精通しているコンシェルジュ

 

クルマ不要の生活にインパクトあるシミュレーション

このサービスを運営するIDOMは本企画を通し、最近では当たり前だと思っていた「クルマ不要の生活」に対し、「車のある生活」を気軽にシミュレートすることを可能にしたのです。3泊4日ですが実際の生活の中でクルマを使用し、その有効性や楽しさを気軽に味わうことができます。

↑0円カーレントはSUVやセダン、ミニバン、軽自動車など様々なタイプの車両、50車種から選べます

 

ではクルマの借り方を通し、もう少し分かりやすくこの0円カーレントサービスに迫ってみましょう。まず事前にストアで相談する方法と、LINEで相談する方法があります。

↑来店するとコンシェルジュが希望や質問にこたえてくれます

 

●ストアで相談の流れ

1.マイカー・トライアル 東京ストアに来店

2.コンシェルジュと相談しながら乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

●LINEで相談の流れ

1.0円カーレント LINEを友達登録(“0円カーレント”で検索)

2.LINE上でコンシェルジュと相談の上、乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

という2つの方法が大きな流れとなります。このサービスの利用にあたっては、マイカー・トライアル LINEの友達登録が必要となります。

↑クルマの利用日はコンシェルジュが諸手続きを丁寧に行い、質問にも的確に答えてくれます。キーを受け取り、いよいよ出発です

 

↑駐車場のマイカー・トライアル NORELのプレートの前にあるのが対象車種。返却時には同じ番号の場所にクルマを戻します

 

↑今回はトヨタのコンパクトSUV、C-HRを貸りて「マイカーのある生活」をシミュレートしました

 

コロナ禍による新たなマイカーシミュレート

IDOMのサービス担当東海林さんが言うには、「本サービスは3月26日に一度始まったのですが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりわずか3日間で営業を停止する結果となってしまいました。しかし、時が過ぎるにつれ、公共交通機関よりも他者との接触の少ないマイカーでの通勤や子どもたちの送り迎え、しばらく会えなかった家族や仲間との時間を過ごすことのできる「マイカーのある生活」を実感し、見直してもらえると考え、サービスの再開に踏み切りました。withコロナにおけるこれからの安全で快適なライフスタイルを考える機会として多くの皆様にこのサービスを体験してもらっています」。コロナ禍になってマイカーの存在が再認識され、「マイカーのある生活」にファミリー層だけでなく注目が集まるようになったのです。

 

さて、クルマを借りたら一気にロングドライブに出かけてみたいものですが、コロナ禍真っ只中の現在です。せっかくの機会に恵まれましたが遠出は控え、都内での買い物とプチツーリングにとどめました。ハイブリッドカー、トヨタC-HRは約20km/Lと好燃費。エンジンとモーターの切り替わりがスムーズなのに加え、CVTの無段階変速によってスムーズで気持の良い走りを味わえました。クリーンな室内、コンパクトなボディに余裕のあるトルクで乗り始めてすぐに「マイカーのある生活」のイメージが膨らんでいきました。

↑夏の熱帯夜。東京プチツーリング。取り回しも楽な「ちょうどいい」サイズで快適に都心の街を走り抜けました

 

↑一般的なレンタカーとは違い、「わ」ナンバーではありません

 

↑翌日は首都高速を使い高速移動。道を選ばず胸のすく加速感が印象的でした

 

↑体験レポートでは1泊2日でお借りしました。翌日夕方にガソリンを満タンにして丸の内の駐車場に返却

 

↑返却時は通常のレンタカーのように傷などがないかチェックを受けます。問題がなければそのまま終了。車両はすぐに洗車、消毒、クリーニングが行われ、次の体験者は気持ちよく使用することができます

 

第二弾にも期待

0円カーレント キャンペーンはコロナ禍の中に始まり、その中で終了を迎えてしまいます。しかし、今回のサービスはマイカーを生活に取り入れるきっかけ作りに大きく貢献した事でしょう。0円カーレント終了後にも継続してサブスク制のマイカーライフ入門サービス マイカー・トライアルが行われています。1か月から5か月まではレンタカーとして、それ以降の期間の場合はリースとしての契約となります。

 

このサービスの大きな特徴は、一時的にマイカーが欲しい方、マイカーを検討したい方/選び方が分からない方、頻繁にレンタカーを利用する方にとって魅力的なサービスとなっています。例えば、購入を希望するクルマを1か月利用して判断したり、翌月には別のクルマを使用し試してみたりするなどという利用方法もあります。このようなマイカーの使用方法が新たな「マイカーのある生活」を生み出していくのだと思います。

 

「NOREL」のサービスではクルマだけでなく短期間で利用できる駐車場の確保など、ユーザーに優しいサービスの充実を図っています。NORELの盛り上がりが第二、第三のキャンペーンに繋がっていくことになります。あなたもマイカーのある生活をシミュレートしてみませんか。

 

本サービスの詳細はマイカー・トライアル公式サイトをご参照ください。

※0円カーレントは大好評のサービスで期間もあとわずかのため、希望に添えない場合があることを了承ください。また、使用中の駐車場代、燃料代などはユーザーの負担となります。車両返却時まで3万円の預り金を預かります。当サービスの利用は一人一回限りとなります。

 

■マイカー・トライアル 東京ストア

住所:東京都千代田区丸の内1丁目5-1 行幸通り地下1F 新丸ビル前
営業時間:10:00~19:00 (クルマ返却時間は相談可能)※水曜日は休館
期間:2020年9月16日まで ※最終受付は9月12日18:30まで

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

最大3泊4日の「¥0 Car Rent」サービス。驚きのレンタル無料でマイカーのある生活をシミュレートできる大チャンス企画

BMW、レクサス、メルセデス・ベンツ、ポルシェなどの高級車をはじめ、さまざまな車種の中から最大3泊4日のカーレンタルが無料で可能という「0円カーレント」を体験してきました。冒頭にBMWやレクサス……と書きましたが、実はこのサービス、単に高価なクルマに無料で乗ろうということではありません。クルマとの生活を考え、モビリティと共にある「より良い生活」をシミュレートしてみよう! ということが大きな目的なのです。

↑東京駅と直結の行幸通り地下1階「マイカー・トライアル 東京ストア」店舗。0円でレンタカーできるなんて夢のよう、どんなサービスなのでしょうか?

 

電車やバスなどの公共交通機関網の発達した都市部では日常生活でクルマの必要性を感じない人々が増えてきました。大人達は「若者のクルマ離れ」などと言いますが、若者としてはクルマを生活のメインに考える必要がなくなっただけで、便利な生活、憧れる生活のスタイルが変化したということです。クルマが無い生活が当たり前になっているというだけのことです。

↑今回お話をうかがった0円カーレント ガリバーグループを運営するIDOMのサービス担当=東海林 知貴氏。(撮影のためマスクを外して頂きました)サービス、クルマについて精通しているコンシェルジュ

 

クルマ不要の生活にインパクトあるシミュレーション

このサービスを運営するIDOMは本企画を通し、最近では当たり前だと思っていた「クルマ不要の生活」に対し、「車のある生活」を気軽にシミュレートすることを可能にしたのです。3泊4日ですが実際の生活の中でクルマを使用し、その有効性や楽しさを気軽に味わうことができます。

↑0円カーレントはSUVやセダン、ミニバン、軽自動車など様々なタイプの車両、50車種から選べます

 

ではクルマの借り方を通し、もう少し分かりやすくこの0円カーレントサービスに迫ってみましょう。まず事前にストアで相談する方法と、LINEで相談する方法があります。

↑来店するとコンシェルジュが希望や質問にこたえてくれます

 

●ストアで相談の流れ

1.マイカー・トライアル 東京ストアに来店

2.コンシェルジュと相談しながら乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

●LINEで相談の流れ

1.0円カーレント LINEを友達登録(“0円カーレント”で検索)

2.LINE上でコンシェルジュと相談の上、乗りたいクルマと利用日を決定

3.利用日に東京・丸ノ内のマイカー・トライアル 東京ストアに来店

4.クルマの鍵を受け取り、利用開始

 

という2つの方法が大きな流れとなります。このサービスの利用にあたっては、マイカー・トライアル LINEの友達登録が必要となります。

↑クルマの利用日はコンシェルジュが諸手続きを丁寧に行い、質問にも的確に答えてくれます。キーを受け取り、いよいよ出発です

 

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↑今回はトヨタのコンパクトSUV、C-HRを貸りて「マイカーのある生活」をシミュレートしました

 

コロナ禍による新たなマイカーシミュレート

IDOMのサービス担当東海林さんが言うには、「本サービスは3月26日に一度始まったのですが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりわずか3日間で営業を停止する結果となってしまいました。しかし、時が過ぎるにつれ、公共交通機関よりも他者との接触の少ないマイカーでの通勤や子どもたちの送り迎え、しばらく会えなかった家族や仲間との時間を過ごすことのできる「マイカーのある生活」を実感し、見直してもらえると考え、サービスの再開に踏み切りました。withコロナにおけるこれからの安全で快適なライフスタイルを考える機会として多くの皆様にこのサービスを体験してもらっています」。コロナ禍になってマイカーの存在が再認識され、「マイカーのある生活」にファミリー層だけでなく注目が集まるようになったのです。

 

さて、クルマを借りたら一気にロングドライブに出かけてみたいものですが、コロナ禍真っ只中の現在です。せっかくの機会に恵まれましたが遠出は控え、都内での買い物とプチツーリングにとどめました。ハイブリッドカー、トヨタC-HRは約20km/Lと好燃費。エンジンとモーターの切り替わりがスムーズなのに加え、CVTの無段階変速によってスムーズで気持の良い走りを味わえました。クリーンな室内、コンパクトなボディに余裕のあるトルクで乗り始めてすぐに「マイカーのある生活」のイメージが膨らんでいきました。

↑夏の熱帯夜。東京プチツーリング。取り回しも楽な「ちょうどいい」サイズで快適に都心の街を走り抜けました

 

↑一般的なレンタカーとは違い、「わ」ナンバーではありません

 

↑翌日は首都高速を使い高速移動。道を選ばず胸のすく加速感が印象的でした

 

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↑返却時は通常のレンタカーのように傷などがないかチェックを受けます。問題がなければそのまま終了。車両はすぐに洗車、消毒、クリーニングが行われ、次の体験者は気持ちよく使用することができます

 

第二弾にも期待

0円カーレント キャンペーンはコロナ禍の中に始まり、その中で終了を迎えてしまいます。しかし、今回のサービスはマイカーを生活に取り入れるきっかけ作りに大きく貢献した事でしょう。0円カーレント終了後にも継続してサブスク制のマイカーライフ入門サービス マイカー・トライアルが行われています。1か月から5か月まではレンタカーとして、それ以降の期間の場合はリースとしての契約となります。

 

このサービスの大きな特徴は、一時的にマイカーが欲しい方、マイカーを検討したい方/選び方が分からない方、頻繁にレンタカーを利用する方にとって魅力的なサービスとなっています。例えば、購入を希望するクルマを1か月利用して判断したり、翌月には別のクルマを使用し試してみたりするなどという利用方法もあります。このようなマイカーの使用方法が新たな「マイカーのある生活」を生み出していくのだと思います。

 

「NOREL」のサービスではクルマだけでなく短期間で利用できる駐車場の確保など、ユーザーに優しいサービスの充実を図っています。NORELの盛り上がりが第二、第三のキャンペーンに繋がっていくことになります。あなたもマイカーのある生活をシミュレートしてみませんか。

 

本サービスの詳細はマイカー・トライアル公式サイトをご参照ください。

※0円カーレントは大好評のサービスで期間もあとわずかのため、希望に添えない場合があることを了承ください。また、使用中の駐車場代、燃料代などはユーザーの負担となります。車両返却時まで3万円の預り金を預かります。当サービスの利用は一人一回限りとなります。

 

■マイカー・トライアル 東京ストア

住所:東京都千代田区丸の内1丁目5-1 行幸通り地下1F 新丸ビル前
営業時間:10:00~19:00 (クルマ返却時間は相談可能)※水曜日は休館
期間:2020年9月16日まで ※最終受付は9月12日18:30まで

 

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新世代の「アイサイトX」は何がすごいのか? 「新型レヴォーグ」で体験した安全運転支援システムの最前線

スバルは8月20日、新型「レヴォーグ」の先行予約を開始。6年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型レヴォーグの正式な発表日は10月15日が予定されています。今回は先進安全運転支援システム(ADAS)で大幅な進化を遂げた新世代「EyeSight(アイサイト)」をプロトタイプの事前試乗会で体験して参りました。

↑新型レヴォーグの最上位グレード「STI Sport EX」

 

新型レヴォーグの進化レベルは?

まずは新型レヴォーグの概要を紹介しましょう。ボディサイズは全長4755×全幅1795×全高1500mmで、現行よりも65mm長く、15mm幅広くなりました。それでいて、立体駐車場にも収まるなど国内の使用環境に十分配慮したサイズとなっています。全体にエッジが効いたデザインで身をまとい、立体的なフロントグリルからフェンダーは斬新さを伝えながら新世代レヴォーグであることを実感させてくれます。

 

ラインナップされたエンジンは新開発の水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボのみとなりました。最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmを発生し、トランスミッションは新開発のリニアトロニックCVT、駆動方式は4WDを採用します。ラインナップは、基本グレードである「GT」「GT-H」「STI Sport」の3モデルに加え、「アイサイトX」を標準搭載した「GT EX」「GT-H EX」「STI Sport EX」の計6モデルを用意。

 

ダッシュボードはセンターに11.6インチのタテ型ディスプレイを配置し、わずかに高めにシフトしたことで包まれ感を演出。センターコンソールと両サイドのアームレストは素材を合わせ込み、シート表皮はグレードごとに違えても質感を重視した造り込みがされており、その質感は間違いなくクラス随一と断言していいでしょう。しかも、シートは単に座り心地だけにとどまらず、長時間座っていても姿勢が崩れにくくする工夫もされているとのこと。

↑11.6インチ大型ディスプレイを中心に先進的な印象が伝わってくる

 

↑内装の統一感は細部までに及び、質感か確実にレベルアップ

 

先進安全運転支援システム新世代「アイサイト」を体験

そして、ここからが今日の本題。新世代「アイサイト」についてです。本システムでは、広角化したステレオカメラに加えて、フロントバンパー左右に77GHzミリ波レーダー、電動ブレーキブースターを組み合わせたスバル初のシステム。これにより、右折時の対向車、左折時の横断歩行者、横断自転車との衝突回避を新たにサポートできるようになったのです。

↑新型レヴォーグに搭載された新世代アイサイト。スウェーデンのVeoneer社製ステレオカメラを初採用

 

↑新世代アイサイトのコントロール部。右並び中段がメインスイッチ

 

さらに、約80km/h以下では「プリクラッシュステアリングアシスト」がブレーキ制御に加えて操舵制御も行って衝突回避をサポート。前側方から車両が近づくと警報を発してブレーキ制御を行う前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストもスバルとして初めて搭載しました。また、「リヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」では、斜め側方から近づく車両に対して音と表示で警告しつつ、それでもなお車線変更をしようとすると、電動パワーステアリングが元の車線に押し戻す力強くアシストします。

 

新型レヴォーグではこれらの機能を全グレードに標準で装備。スバルの安全思想がしっかりと反映されたと言っていいでしょう。

 

加えて新型レヴォーグでは「アイサイトX」と呼ばれる+35万円のオプションも用意しています。準天頂衛星「みちびき」やGPSから得られる情報と3D高精度地図データを利用することで、より高度な運転支援機能が上乗せされるパッケージです。その中にはナビ機能など3つの表示モードを備えるフル液晶パネルメーターも含まれます。しかし、中でももっともインパクトある機能と言えるのが“渋滞時ハンズオフアシスト”でしょう。これは約50km/h以下の渋滞時になるとステアリングから手を離しても先行車に自動追従する機能です。

↑オプションの「アイサイトX」で装備される12.3インチのフル液晶メーター

 

使ってみればその時の快適さは格別なものでした。停止しても10分以内なら先行車に追従して発進してハンズオフ走行が再開。渋滞時だけなの? と思う人もいるでしょうが、渋滞中こそ運転のストレスはたまりやすいわけで、その低減にこの機能は大きな効果を発揮するのは間違いありません。ただ、スマートフォンを操作するなどして、視線を前方から外すとこの機能は解除されてしまいます。この機能は自動運転を実現したのではなく、あくまで運転の責任がドライバーにある自動運転レベル2のカテゴリーに入るものだからです。

↑「渋滞時ハンズオフアシスト」では、前方を見ている限り50km/h以下でハンズオフで走行できる

 

↑渋滞時ハンズオフアシスト走行時のメーター内表示。左下のアイコンでドライバーの視線を捉えていることが分かる

 

3D高精度マップには料金所や道路カーブの情報まで収録されており、衛星で測位した高精度な位置情報とリンクして、この時の制御も自動化しました。試乗会では料金所に見立てた場所を用意していましたが、ここに近づくとメーター内にその表示を出して約20km/hまで自動的に減速していきます。カーブでは同じようにカーブがあることを示すアイコンを表示した後、そのコーナーに応じて最適かつ安全な速度で走行するということです。

↑料金所として設定した場所では、メーター内にそれを表示して自動的に最適な速度に減速していく

 

アイサイトXでは、24GHzのマイクロ波レーダーを使った「アクティブレーンチェンジアシスト」も搭載されました。ドライバーがレーンチェンジをしようとウインカーを操作すると、レーダーが斜め後方の車両の存在を検知。システムが安全と判断すると自動的にレーンチェンジへと移行します。この時ドライバーはステアリングに軽く手を添えておけばOK。レーンチェンジが完了すればウインカーは自動的に停止します。このメリットは公道でぜひ試してみたいですね。

↑「アクティブレーンチェンジアシスト」はアイサイトXに装備。70km/h~120km/hの車速域で利用できる

 

↑アクティブレーンチェンジアシストの作動状況はメーター内にCGで反映される

 

見逃せないのが「ドライバー異常時対応システム」の搭載です。これはダッシュボード中央上部に備えられた赤外線カメラでドライバーの表情を捉え、一定時間、顔の向きがそれたり、ステアリングから手を離し続けたりしていると(ハンズオフ走行時を除く)音と表示で警告を発し、それでもドライバーが反応しない場合には緩やかに減速しながらハザードランプを点灯。約30km/hにまで減速するとホーンまでも断続的に鳴らして周囲に異常を知らせ、停止に至るというものです。

 

ここで注目すべきが停止する場所で、この機能では路肩に寄せることはせず、そのまま同じ車線上で停止します。理由は道路状況を把握できてないまま路肩に寄せたり、車線を跨ぐとなれば危険性はむしろ高くなってしまうからです。そのため、このモードに入ってもカーブでは減速したままで停止せず、車線を維持しながら走行を継続。先が見通せる直線路に入ってから停止する仕様としています。後続車の追突を最小限に抑えながら、ドライバーの異常を知らせる最良の対応を果たしたというわけです。

 

「ドライバー異常時対応システム」の動作状況

 

これまでADASは事故に対する機能アップを中心として続けられてきました。それが新世代アイサイトでは、“X”でドライバー自身に発生するかもしれない異常にまで対応するようになったのです。ドライバーに異常が発生すれば別の事故を誘発する可能性は高く、2030年までに死亡事故ゼロを目指しているスバルにとっては、この問題を避けて通るわけには行かなかったのでしょう。先進技術で着実に安全性を高めているスバルの動向には今後も目が離せそうにありません。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

新世代の「アイサイトX」は何がすごいのか? 「新型レヴォーグ」で体験した安全運転支援システムの最前線

スバルは8月20日、新型「レヴォーグ」の先行予約を開始。6年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型レヴォーグの正式な発表日は10月15日が予定されています。今回は先進安全運転支援システム(ADAS)で大幅な進化を遂げた新世代「EyeSight(アイサイト)」をプロトタイプの事前試乗会で体験して参りました。

↑新型レヴォーグの最上位グレード「STI Sport EX」

 

新型レヴォーグの進化レベルは?

まずは新型レヴォーグの概要を紹介しましょう。ボディサイズは全長4755×全幅1795×全高1500mmで、現行よりも65mm長く、15mm幅広くなりました。それでいて、立体駐車場にも収まるなど国内の使用環境に十分配慮したサイズとなっています。全体にエッジが効いたデザインで身をまとい、立体的なフロントグリルからフェンダーは斬新さを伝えながら新世代レヴォーグであることを実感させてくれます。

 

ラインナップされたエンジンは新開発の水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボのみとなりました。最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmを発生し、トランスミッションは新開発のリニアトロニックCVT、駆動方式は4WDを採用します。ラインナップは、基本グレードである「GT」「GT-H」「STI Sport」の3モデルに加え、「アイサイトX」を標準搭載した「GT EX」「GT-H EX」「STI Sport EX」の計6モデルを用意。

 

ダッシュボードはセンターに11.6インチのタテ型ディスプレイを配置し、わずかに高めにシフトしたことで包まれ感を演出。センターコンソールと両サイドのアームレストは素材を合わせ込み、シート表皮はグレードごとに違えても質感を重視した造り込みがされており、その質感は間違いなくクラス随一と断言していいでしょう。しかも、シートは単に座り心地だけにとどまらず、長時間座っていても姿勢が崩れにくくする工夫もされているとのこと。

↑11.6インチ大型ディスプレイを中心に先進的な印象が伝わってくる

 

↑内装の統一感は細部までに及び、質感か確実にレベルアップ

 

先進安全運転支援システム新世代「アイサイト」を体験

そして、ここからが今日の本題。新世代「アイサイト」についてです。本システムでは、広角化したステレオカメラに加えて、フロントバンパー左右に77GHzミリ波レーダー、電動ブレーキブースターを組み合わせたスバル初のシステム。これにより、右折時の対向車、左折時の横断歩行者、横断自転車との衝突回避を新たにサポートできるようになったのです。

↑新型レヴォーグに搭載された新世代アイサイト。スウェーデンのVeoneer社製ステレオカメラを初採用

 

↑新世代アイサイトのコントロール部。右並び中段がメインスイッチ

 

さらに、約80km/h以下では「プリクラッシュステアリングアシスト」がブレーキ制御に加えて操舵制御も行って衝突回避をサポート。前側方から車両が近づくと警報を発してブレーキ制御を行う前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストもスバルとして初めて搭載しました。また、「リヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」では、斜め側方から近づく車両に対して音と表示で警告しつつ、それでもなお車線変更をしようとすると、電動パワーステアリングが元の車線に押し戻す力強くアシストします。

 

新型レヴォーグではこれらの機能を全グレードに標準で装備。スバルの安全思想がしっかりと反映されたと言っていいでしょう。

 

加えて新型レヴォーグでは「アイサイトX」と呼ばれる+35万円のオプションも用意しています。準天頂衛星「みちびき」やGPSから得られる情報と3D高精度地図データを利用することで、より高度な運転支援機能が上乗せされるパッケージです。その中にはナビ機能など3つの表示モードを備えるフル液晶パネルメーターも含まれます。しかし、中でももっともインパクトある機能と言えるのが“渋滞時ハンズオフアシスト”でしょう。これは約50km/h以下の渋滞時になるとステアリングから手を離しても先行車に自動追従する機能です。

↑オプションの「アイサイトX」で装備される12.3インチのフル液晶メーター

 

使ってみればその時の快適さは格別なものでした。停止しても10分以内なら先行車に追従して発進してハンズオフ走行が再開。渋滞時だけなの? と思う人もいるでしょうが、渋滞中こそ運転のストレスはたまりやすいわけで、その低減にこの機能は大きな効果を発揮するのは間違いありません。ただ、スマートフォンを操作するなどして、視線を前方から外すとこの機能は解除されてしまいます。この機能は自動運転を実現したのではなく、あくまで運転の責任がドライバーにある自動運転レベル2のカテゴリーに入るものだからです。

↑「渋滞時ハンズオフアシスト」では、前方を見ている限り50km/h以下でハンズオフで走行できる

 

↑渋滞時ハンズオフアシスト走行時のメーター内表示。左下のアイコンでドライバーの視線を捉えていることが分かる

 

3D高精度マップには料金所や道路カーブの情報まで収録されており、衛星で測位した高精度な位置情報とリンクして、この時の制御も自動化しました。試乗会では料金所に見立てた場所を用意していましたが、ここに近づくとメーター内にその表示を出して約20km/hまで自動的に減速していきます。カーブでは同じようにカーブがあることを示すアイコンを表示した後、そのコーナーに応じて最適かつ安全な速度で走行するということです。

↑料金所として設定した場所では、メーター内にそれを表示して自動的に最適な速度に減速していく

 

アイサイトXでは、24GHzのマイクロ波レーダーを使った「アクティブレーンチェンジアシスト」も搭載されました。ドライバーがレーンチェンジをしようとウインカーを操作すると、レーダーが斜め後方の車両の存在を検知。システムが安全と判断すると自動的にレーンチェンジへと移行します。この時ドライバーはステアリングに軽く手を添えておけばOK。レーンチェンジが完了すればウインカーは自動的に停止します。このメリットは公道でぜひ試してみたいですね。

↑「アクティブレーンチェンジアシスト」はアイサイトXに装備。70km/h~120km/hの車速域で利用できる

 

↑アクティブレーンチェンジアシストの作動状況はメーター内にCGで反映される

 

見逃せないのが「ドライバー異常時対応システム」の搭載です。これはダッシュボード中央上部に備えられた赤外線カメラでドライバーの表情を捉え、一定時間、顔の向きがそれたり、ステアリングから手を離し続けたりしていると(ハンズオフ走行時を除く)音と表示で警告を発し、それでもドライバーが反応しない場合には緩やかに減速しながらハザードランプを点灯。約30km/hにまで減速するとホーンまでも断続的に鳴らして周囲に異常を知らせ、停止に至るというものです。

 

ここで注目すべきが停止する場所で、この機能では路肩に寄せることはせず、そのまま同じ車線上で停止します。理由は道路状況を把握できてないまま路肩に寄せたり、車線を跨ぐとなれば危険性はむしろ高くなってしまうからです。そのため、このモードに入ってもカーブでは減速したままで停止せず、車線を維持しながら走行を継続。先が見通せる直線路に入ってから停止する仕様としています。後続車の追突を最小限に抑えながら、ドライバーの異常を知らせる最良の対応を果たしたというわけです。

 

「ドライバー異常時対応システム」の動作状況

 

これまでADASは事故に対する機能アップを中心として続けられてきました。それが新世代アイサイトでは、“X”でドライバー自身に発生するかもしれない異常にまで対応するようになったのです。ドライバーに異常が発生すれば別の事故を誘発する可能性は高く、2030年までに死亡事故ゼロを目指しているスバルにとっては、この問題を避けて通るわけには行かなかったのでしょう。先進技術で着実に安全性を高めているスバルの動向には今後も目が離せそうにありません。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

新世代の「アイサイトX」は何がすごいのか? 「新型レヴォーグ」で体験した安全運転支援システムの最前線

スバルは8月20日、新型「レヴォーグ」の先行予約を開始。6年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型レヴォーグの正式な発表日は10月15日が予定されています。今回は先進安全運転支援システム(ADAS)で大幅な進化を遂げた新世代「EyeSight(アイサイト)」をプロトタイプの事前試乗会で体験して参りました。

↑新型レヴォーグの最上位グレード「STI Sport EX」

 

新型レヴォーグの進化レベルは?

まずは新型レヴォーグの概要を紹介しましょう。ボディサイズは全長4755×全幅1795×全高1500mmで、現行よりも65mm長く、15mm幅広くなりました。それでいて、立体駐車場にも収まるなど国内の使用環境に十分配慮したサイズとなっています。全体にエッジが効いたデザインで身をまとい、立体的なフロントグリルからフェンダーは斬新さを伝えながら新世代レヴォーグであることを実感させてくれます。

 

ラインナップされたエンジンは新開発の水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボのみとなりました。最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmを発生し、トランスミッションは新開発のリニアトロニックCVT、駆動方式は4WDを採用します。ラインナップは、基本グレードである「GT」「GT-H」「STI Sport」の3モデルに加え、「アイサイトX」を標準搭載した「GT EX」「GT-H EX」「STI Sport EX」の計6モデルを用意。

 

ダッシュボードはセンターに11.6インチのタテ型ディスプレイを配置し、わずかに高めにシフトしたことで包まれ感を演出。センターコンソールと両サイドのアームレストは素材を合わせ込み、シート表皮はグレードごとに違えても質感を重視した造り込みがされており、その質感は間違いなくクラス随一と断言していいでしょう。しかも、シートは単に座り心地だけにとどまらず、長時間座っていても姿勢が崩れにくくする工夫もされているとのこと。

↑11.6インチ大型ディスプレイを中心に先進的な印象が伝わってくる

 

↑内装の統一感は細部までに及び、質感か確実にレベルアップ

 

先進安全運転支援システム新世代「アイサイト」を体験

そして、ここからが今日の本題。新世代「アイサイト」についてです。本システムでは、広角化したステレオカメラに加えて、フロントバンパー左右に77GHzミリ波レーダー、電動ブレーキブースターを組み合わせたスバル初のシステム。これにより、右折時の対向車、左折時の横断歩行者、横断自転車との衝突回避を新たにサポートできるようになったのです。

↑新型レヴォーグに搭載された新世代アイサイト。スウェーデンのVeoneer社製ステレオカメラを初採用

 

↑新世代アイサイトのコントロール部。右並び中段がメインスイッチ

 

さらに、約80km/h以下では「プリクラッシュステアリングアシスト」がブレーキ制御に加えて操舵制御も行って衝突回避をサポート。前側方から車両が近づくと警報を発してブレーキ制御を行う前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストもスバルとして初めて搭載しました。また、「リヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」では、斜め側方から近づく車両に対して音と表示で警告しつつ、それでもなお車線変更をしようとすると、電動パワーステアリングが元の車線に押し戻す力強くアシストします。

 

新型レヴォーグではこれらの機能を全グレードに標準で装備。スバルの安全思想がしっかりと反映されたと言っていいでしょう。

 

加えて新型レヴォーグでは「アイサイトX」と呼ばれる+35万円のオプションも用意しています。準天頂衛星「みちびき」やGPSから得られる情報と3D高精度地図データを利用することで、より高度な運転支援機能が上乗せされるパッケージです。その中にはナビ機能など3つの表示モードを備えるフル液晶パネルメーターも含まれます。しかし、中でももっともインパクトある機能と言えるのが“渋滞時ハンズオフアシスト”でしょう。これは約50km/h以下の渋滞時になるとステアリングから手を離しても先行車に自動追従する機能です。

↑オプションの「アイサイトX」で装備される12.3インチのフル液晶メーター

 

使ってみればその時の快適さは格別なものでした。停止しても10分以内なら先行車に追従して発進してハンズオフ走行が再開。渋滞時だけなの? と思う人もいるでしょうが、渋滞中こそ運転のストレスはたまりやすいわけで、その低減にこの機能は大きな効果を発揮するのは間違いありません。ただ、スマートフォンを操作するなどして、視線を前方から外すとこの機能は解除されてしまいます。この機能は自動運転を実現したのではなく、あくまで運転の責任がドライバーにある自動運転レベル2のカテゴリーに入るものだからです。

↑「渋滞時ハンズオフアシスト」では、前方を見ている限り50km/h以下でハンズオフで走行できる

 

↑渋滞時ハンズオフアシスト走行時のメーター内表示。左下のアイコンでドライバーの視線を捉えていることが分かる

 

3D高精度マップには料金所や道路カーブの情報まで収録されており、衛星で測位した高精度な位置情報とリンクして、この時の制御も自動化しました。試乗会では料金所に見立てた場所を用意していましたが、ここに近づくとメーター内にその表示を出して約20km/hまで自動的に減速していきます。カーブでは同じようにカーブがあることを示すアイコンを表示した後、そのコーナーに応じて最適かつ安全な速度で走行するということです。

↑料金所として設定した場所では、メーター内にそれを表示して自動的に最適な速度に減速していく

 

アイサイトXでは、24GHzのマイクロ波レーダーを使った「アクティブレーンチェンジアシスト」も搭載されました。ドライバーがレーンチェンジをしようとウインカーを操作すると、レーダーが斜め後方の車両の存在を検知。システムが安全と判断すると自動的にレーンチェンジへと移行します。この時ドライバーはステアリングに軽く手を添えておけばOK。レーンチェンジが完了すればウインカーは自動的に停止します。このメリットは公道でぜひ試してみたいですね。

↑「アクティブレーンチェンジアシスト」はアイサイトXに装備。70km/h~120km/hの車速域で利用できる

 

↑アクティブレーンチェンジアシストの作動状況はメーター内にCGで反映される

 

見逃せないのが「ドライバー異常時対応システム」の搭載です。これはダッシュボード中央上部に備えられた赤外線カメラでドライバーの表情を捉え、一定時間、顔の向きがそれたり、ステアリングから手を離し続けたりしていると(ハンズオフ走行時を除く)音と表示で警告を発し、それでもドライバーが反応しない場合には緩やかに減速しながらハザードランプを点灯。約30km/hにまで減速するとホーンまでも断続的に鳴らして周囲に異常を知らせ、停止に至るというものです。

 

ここで注目すべきが停止する場所で、この機能では路肩に寄せることはせず、そのまま同じ車線上で停止します。理由は道路状況を把握できてないまま路肩に寄せたり、車線を跨ぐとなれば危険性はむしろ高くなってしまうからです。そのため、このモードに入ってもカーブでは減速したままで停止せず、車線を維持しながら走行を継続。先が見通せる直線路に入ってから停止する仕様としています。後続車の追突を最小限に抑えながら、ドライバーの異常を知らせる最良の対応を果たしたというわけです。

 

「ドライバー異常時対応システム」の動作状況

 

これまでADASは事故に対する機能アップを中心として続けられてきました。それが新世代アイサイトでは、“X”でドライバー自身に発生するかもしれない異常にまで対応するようになったのです。ドライバーに異常が発生すれば別の事故を誘発する可能性は高く、2030年までに死亡事故ゼロを目指しているスバルにとっては、この問題を避けて通るわけには行かなかったのでしょう。先進技術で着実に安全性を高めているスバルの動向には今後も目が離せそうにありません。

 

 

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ドラレコの配線って素人でもできるもの? オウルテックの「最新3カメモデル」で設置してみたら1人でも15分でできた

たびたびニュースで取り上げられる自動車の煽り運転や、運転中のトラブル。そこで必ずといっていいほど使われるのは、ドライブレコーダーの映像です。予期せぬトラブルに巻き込まれないためにも、クルマをお持ちの方なら絶対設置しておきたい必需品といえるのではないでしょうか。

 

しかし、ドライブレコーダーをクルマの前後に取り付けるのは配線が複雑になったりすることもあるので、取り付けを業者に依頼する方も多いかもしれません。でも実は、ドライブレコーダーの取り付けは誰でも簡単に行えます。今回は、市販のドライブレコーダーを自力で車内に設置することにチャレンジしてみました。

 

協力頂いたのは、PC・スマホ周辺機器からカー用品まで幅広いジャンルの製品を扱うメーカーのOwltech(オウルテック)さん。同社の社用車をお借りし、最新の3カメラドライブレコーダー「OWL-DR803FG-3C」を設置します。

↑ドライブレコーダーの取り付けにお借りしたオウルテックの社用車。トリコロールカラーが目を引きます

 

この「OWL-DR803FG-3C」は、3つのカメラでクルマの前方・後方・車内の映像を同時に録画できることが最大の特徴。運転中の様々なトラブルをしっかり映像に残すことができます。

↑3カメラドライブレコーダー「OWL-DR803FG-3C」(直販価格3万6080円)。左がリア用、右がフロント/車内用

 

↑車内カメラはフロントカメラの反対側に搭載されています

 

しかも、すべてのカメラがフルHD以上の高解像度なので、クルマのナンバープレートなども確認可能(解像度はフロント2560×1440ドット、リア・車内1920×1080ドット)。さらに、ソニー製のCMOSイメージセンサー「STARVIS」を採用しており、夕暮れどきや夜間でもノイズが少なく明るい画質で撮ることができます。

 

車内用カメラは赤外線対応なので、暗い夜道やトンネルの中では自動で赤外線モードに切り替わり、白黒の映像を録画してくれます。夜間のトラブル時も安心して使えますね。

 

初めてでも簡単に取り付けられる!

さっそく取り付けていきましょう。まずはフロント/車内カメラを、フロントガラスの邪魔にならない位置に設置します。カメラのブランケットには粘着テープがついているので、場所を決めたら貼るだけでOK。

↑ブラケットの粘着テープをフロントガラスに貼ります

 

続いて、シガーソケットから給電するための電源コードを設置します。コードは車内の内装のすきまに埋め込むようにして隠しながらとり回していきましょう。下まで来たら、フロアカーペットの下を通して、運転の邪魔にならないようにします。

↑電源ケーブルを内装のすきまに隠すようにして這わせていきます

 

↑下まで来たらフロアマットの下を通していきます

 

↑シガーソケットに挿します。このソケットにはUSB端子もついているので、スマホなどの充電も可能

 

ディスプレイの電源がつくことを確認したら、次はリアカメラの設置。なるべくバックミラーを見たときに邪魔にならない位置に取り付けましょう。こちらもブランケットに粘着テープがついているので、簡単に設置できます。

 

リアカメラを設置したら、フロント/車内カメラに電源供給用のケーブルをつなぎます。このリアカメラ用の電源ケーブルは8mもの長さがあるので、ワンボックスカーやミニバンなどの大きな車種でも大丈夫。余ってしまう場合は、束ねて邪魔にならない場所にしまっておきましょう。

↑リアカメラ用ケーブルは8mの長さがあるので、ワゴン車でも大丈夫。内装に埋め込みながら後部まで這わせましょう

 

リアカメラに電源ケーブルを接続したら、ディスプレイを見ながら、カメラの向きを調整します。バックドアのガラス部分に取り付ける場合は、何度もバックドアを開け閉めしているうちにリアカメラがズレやすいので、説明書を参考にブラケットの固定用ネジをキツめに締めておくとよいでしょう。

 

最後に車内カメラの向きを調整します。車内カメラはフロントカメラの反対側についているので、ディスプレイを見ながらカメラの向きを調整します。

 

これで取り付けは完了! 実際に作業してみると、わずか15分程度で作業が終わりました。自分でドライブレコーダーを取り付けるのは大変そう……と思っていましたが、これなら1人でも簡単に設置できますね。

 

なお、オウルテックでは、すでにフロントのドライブレコーダーを設置済みの方が、リアだけ追加したい場合に最適なモニターレスタイプのドライブレコーダー「OWL-DR901W」もラインナップしています。こちらはWi-Fiでスマホとワイヤレス接続し、スマホから操作や映像の確認、録画映像のダウンロードなどが行えるため、より手軽に使うことができます。リアカメラの増設をしたいとお考えの方は、こちらもチェックしてみて下さい。

↑モニターレスの「OWL-DR901W」(直販価格1万5180円)はリアカメラの増設にもオススメ

 

さっそくドライブレコーダーの性能をチェック!

ということで、設置したばかりのドライブレコーダーの性能を試すため、オウルテックさんの社用車でちょっとしたドライブへ出かけてみましょう。茅ケ崎を経由して三浦海岸まで134号線の海沿いの道をドライブします。

 

この「OWL-DR803FG-3C」にはGPSが内蔵されているので、専用ビューワー「Cardvr Player A」を使って再生すれば、走ったルートを後からMAP上で確認することもできます。アプリはオウルテックの製品情報ページからダウンロード可能です。

↑「Cardvr Player A」での再生画面。3カメラの映像とGPSの位置情報を確認できます

 

ドライブ中に記録された映像を確認してみると、どのカメラが画角が広く、前後だけでなく歩道や隣の車線などもしっかり映っています。もちろんフルHD以上の解像度なので、前後のクルマのナンバーもバッチリ確認可能。これなら、万が一の事故の際にも証拠映像として活用できそうです。

 

【各カメラの映像はこちらから(一部画像加工しています)】

また、ディスプレイに本体上部の操作ボタンの位置が表示されるUIになったことで、ボタンの位置を覚えなくても操作がしやすくなっており、瞬時にカメラの切り替えなどもできるように。例えば駐車時にリアカメラに切り替えれば、補助的に後方の確認が行えます。

↑ボタンの位置がディスプレイに表示されるので、ボタンを見ずとも操作ができます

 

さて、ドライブの最終目的地は、神奈川県・三浦海岸に店を構える「南風COFFEE」さん。こちらはプロサッカーチーム「横浜F・マリノス」のファン(通称・マリサポ)のあいだで有名なお店なのだとか。

 

三浦海岸へ向かう道中で、神奈川県民なら誰でも知っているというビーカープリンで有名な「マーロウ」の本店に立ち寄り、名物のビーカープリンをテイクアウト。クルマに乗せていた冷凍冷蔵庫「ICECO」で冷やして、ドライブのお土産にします。

↑「マーロウ」のビーカープリンをテイクアウト(写真はマーロウECサイトのもの)

 

↑ICECOに入れて持ち帰ります

 

このICECOはAC電源か車載シガーソケットから給電可能なのですが、ポータブル電源を組み合わせることで、屋外やキャンプなどでも使うことができます。ちなみに、バッテリー容量100,500mAhの「LPBL100501」で、ICECOの冷蔵モードが約5時間半使用できました。このICECOがあれば、お刺身などの生モノも冷たいまま持ち帰ることができますね。

↑約5時間半も冷たさをキープしてくれました

 

「マーロウ」を後にしてしばらく走ると、「南風COFFEE」に到着! こちらの「南風COFFEE」は、京浜急行「三浦海岸駅」からクルマで5分ほどの場所にあるカフェ。コーヒーやデザートのほか、カレーやホットドッグなどの軽食も楽しめます。営業時間は11時~18時で、火曜定休。

↑三浦海岸にある「南風COFFEE」

 

↑木のぬくもりを感じられるおしゃれな店内

 

店の目前には三浦海岸があり、店内からもその景色を見ることができます。……しかし、残念ながら今年はコロナ感染予防のため、神奈川県内の海水浴場はすべて閉鎖中。そのため、ビーチには人影もまばらです。

↑残念ながら目の前の海にはフェンスが。海水浴場が開設されていないため、駐車場が閉鎖されているのだそう

 

こちらの店長はマリサポのあいだでも知られた方で、来店時にマリサポであることを伝えてトリコロールメンバーズの会員証などを提示すると、トリコロールカラーのカップを使ってコーヒーを出してくれるなどの限定サービスを受けられます。

↑こちらはマリサポ限定の裏メニュー・トリコロールカラーのかき氷

 

店内にはマリサポの方が来店したときに書き込める思い出ノートも。マリサポの方はもちろん、そうでない方も、三浦海岸へお越しの際はぜひ立ち寄ってみて下さい。

 

南風COFFEE

住所:神奈川県三浦市南下浦町菊名25(京急三浦海岸駅より徒歩約15分)

営業時間:11時~18時(火曜定休)

TEL: 090-4168-6983(営業時間内のみ)

URL:https://m.facebook.com/minamikazecoffee/

 

ということで、ドライブレコーダーの設置は無事成功! 運転中の映像は、事故やトラブル時だけでなく、ドライブの思い出として残すこともできます。まだ自家用車にドライブレコーダーを設置していない方は、ぜひご自分で取り付けに挑戦してみてはいかがでしょうか? また、古くなったドライブレコーダーを、鮮明な映像が記録できる最新のものに取り換えてみてもいいですね。

 

協力:オウルテック、南風COFFEE

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

 

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噂のソニーEVコンセプト「VISION-S」に同乗試乗してみた!

ソニーは今年1月、米国ラスベガスで開催されたIT家電ショー「CES 2020」に4人乗りのEVコンセプト「VISION-S」を出展し、大きな注目を浴びました。その際、「次年度中に公道での実証実験を予定」とも説明されていましたが、それから8か月。その車両がついに日本国内で報道関係者に公開され、試乗体験もできることになったのです。

↑ソニー本社の敷地内を走るEVコンセプト「VISION-S」

 

「VISION-S」は実車化されるのか?

VISION-Sのボディサイズは、全長4895×全幅1900×全高1450mmとなっていて、ホイールベースは3000mmとメルセデスベンツ「Sクラス」並み。車格としてはかなりハイクラスを意識した造りとも言えます。パワートレーンは200kWのモーターを前後にそれぞれ1基ずつ配置した4WDのEVで、乗車定員は2+2の4名。フロントシート前方には横長の大型ディスプレイを配置し、タッチ操作や音声認識を活用することで、直観的な操作で様々なエンタテイメント系コンテンツを楽しめます。

↑完全独立の2+2の4人乗り。それぞれが独立してエンタテイメントが楽しめる

 

また、ソニーが競争領域としているセンサーも数多く搭載しました。車内外の人や物体を検知・認識して高度な運転支援を実現するために、車載向けCMOSイメージセンサーをはじめ合計33個を配置。特にセンサーの一つであるLiDARは自動運転の実現に向けて今後の普及が期待されているもので、ソニーとしてもこのVISION-Sを通してこの分野に新参入することをCES 2020で明らかにしています。

↑ソニーが新規参入するLiDARはフロントグリル内にその一つが装着されていた

 

このVISION-S、製造を担当したのは、自動車部品の大手サプライヤーであるマグナ・インターナショナルの子会社である「マグナ・シュタイア」です。この会社は委託に応じて自動車の開発や組み立てソリューションを提供しており、トヨタの「GRスープラ」もここで開発・製造されたことでも知られます。ソニーはオリジナルのデザインを反映させながら、ここに製造を委託することで公道走行を目指す初のEVコンセプトを開発したのです。

↑パワートレーン系はマグナ・シュタイアが用意するプラットフォームを活用したという

 

では、ソニーがVISION-S EVコンセプトを開発した目的はどこにあるのでしょうか。ソニーの執行役員 AIロボティクスビジネス担当の川西 泉さんは、「センサーでクルマの安全性を担保するには厳しい条件をクリアしなければなりません。VISION-Sを投入することで、実際にクルマを走らせてそのメカニズムを知っていくことが(ソニーにとって)メリットとなるのです」とコメントしました。つまり、VISION-Sでデバイスの信頼性を高めることで、自動車メーカーやサプライヤーなどへ自社技術をソニーとしてアピールしやすくなる。そんな思いがVISION-Sには込められているとみていいでしょう。

↑VISION-Sの統括責任者であるソニーの執行役員 AIロボティクスビジネス担当 川西 泉さん

 

さて、VISION-Sの体験会は、東京・品川にあるソニー本社の敷地内で行われました。車両を前にまず説明されたのはVISION-Sのデザインテーマ。その最大のポイントは、ボディから車内に至るまですべてが「OVAL(楕円)」で統一されているということです。たとえば、フロントグリルを中心にリアコンビランプにまで至るイルミラインは、スマホでドアロックを開閉すると同時に光が走る仕組みとなっていて、収納式ドアハンドルもそれに応じて動作します。このボディ全体を光のOVALで取り囲むことはソニーのデザイナーのこだわりだったそうです。

 

スマホでドアロックを解除すると、ボディ全体を包むイルミラインの光が走る

 

車内に入ってもOVALデザインのコンセプトは広がります。左右に広がるダッシュボードにはパノラミックスクリーンと呼ばれる高精細ディスプレイが乗員を包み込むようにレイアウト。各表示は必要に応じて左右へ移動してカスタマイズでき、目的地までのルート設定を助手席側でしたい時でも指先で左右へ画面をフリックすればOKです。また、走行中に動画コンテンツを見たいときでも、運転席からは見えにくい助手席側へとその映像を移動させられるのです。

↑VISION-Sの前席周り。車内は高品質感が隅々から伝わってくる造り込みがされていた

 

↑ルームミラーを含めミラーはすべてデジタル化され、夜間でも明るくして視認性を高めている

 

前席周囲ではダッシュボードのディスプレイが乗員を取り囲むように配置されている

 

オーディオについても車載用として初めて実装した「360 Reality Audio」がサウンドとしてOVALを表現しています。特にこの技術で驚くのは単なるサラウンドではなく、臨場感を伴いながらボーカルや楽器など演奏者の存在を明確にしていることです。しかも、これは各シートごとに再現されますから、乗員すべてが同じ条件で音楽を楽しめるのです。かつてソニーはウォークマンで音楽を聴くスタイルを変えたように、ソニーは再びドライブ中の音楽の聴き方を変えようとしているのではないでしょうか。

↑家庭用のサウンドボードやヘッドホンなどで展開する「360 Reality Audio」を車載用として初搭載した

 

そして、いよいよ試乗。この日はナンバーが取得できていないためにソニー本社の敷地内で実施されました。走行した場所は石畳が続いており、走る条件としてはプロトタイプの車両には少々きつい条件。それでもVISION-SはEVらしくスムーズにスタートし、ステアリングを切ってもしっかりとした感じが伝わってきました。一方で、ドアを閉める音や走行中に各所から響いてくるギシギシ音はプロトタイプであることを実感させましたが、内装の造り込みは半端じゃなく上質。それだけでの居心地の良さを感じさせてくれるものでした。

↑天井はガラスルーフが天井全体に広がり、車内の色彩とも相まってかなり明るい雰囲気だ

 

これまで世の中にないものを数多く生み出してソニーは多くのユーザーを魅了してきました。それだけに、ソニーに対して期待する声は大きく、「このクルマなら欲しい!」という人もいるのではないでしょうか。そう思って川西さんに訊ねると「今のところ販売予定はない」と残念な返事。ただ、プロトタイプを発表したことで自動車メーカーや自動車部品サプライヤーから問い合わせは数多く、ソニーの技術に対する期待値がかなり高いことは実感している様子です。

↑プロトタイプとはいえ、フルEVであることでスムーズに発進して敷地内を周回した

 

わずか数分ではあったが、日本国内でVISION-Sの初同乗試乗

 

そして最後に川西さんからは新たな情報がもたらされました。それはVISION-Sはこの1台で終わるのではなく、日米欧で公道試乗するために試作車両をマグナ・シュタイアに追加で依頼済みだというのです。VISION-Sを単なる思いつきではなく、真剣にクルマに関わり続けていく。川西さんの話からはそんな力強いソニーの思いを感じ取ることができました。ソニーが得意とするIT技術を結集し、21世紀に相応しい、アッと驚くようなクルマが登場することを期待したいと思います。

 

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ケンウッド初の360°ドラレコ「DRV-C750」(プロト版)をレビュー! あおり運転対策に使えるか?

社会問題化している“あおり運転”。そんな不安に答えてくれるとして人気急上昇中なのが「360°撮影対応型」ドラレコです。このタイプのドラレコは既に各社から登場していますが、ケンウッドも満を持してついに「DRV-C750」で初参入。8月下旬に発売することになりました。今回はそのプロトタイプのインプレッションレポートをお届けします。

↑ケンウッド初の360°撮影対応ドラレコ「DRV-C750」、実売想定価格4万3010円(税込)。ガラス面に密着させて取り付けるため、走行中のブレもほとんど発生しない

 

運転中、駐車中、クルマのまわり前後左右360°見守ります

360°撮影対応ドラレコは、超広角レンズを下向きにセットすることで、一台で前方・左右に加え、車室内から後方の録画が可能。そのため、併走車による幅寄せをはじめ、万一発生してしまった車内でのトラブルに対しても映像で捉えることができるのです。まさに昨今のあおり運転対策として、活用価値が一気に高まっているのがこのタイプのドラレコと言えるでしょう。

 

とはいえ、念頭に置くべき注意点もあります。1枚のセンサーですべての撮影領域をカバーするため、一部分を切り出すと当然ながら粗い画像となります。ケンウッドが発売するDRV-C750はこうした弱点を、同社が培ってきた映像技術で克服。360°撮影をしても十分な解像度と画質を確保できるドラレコとしているのです。

↑DRV-C750の本体サイズは、W74mm×H86.1mm×D32mm。画面はモニター上で2分割表示した状態。右側には本体右サイドにあるスイッチに対応したアイコンが表示される

 

テストでは、DRV-C750を運転席側に取り付けることにしました。なぜかと言うと、一般的にドラレコは視界を妨げないようルームミラー裏側に取り付けることが多いのですが、360°撮影対応であれば運転席の様子も捉えられるようにしないと意味がないからです。ただ、車両によってはルームミラーなどが邪魔になってしまう可能性もあり、少なくともその辺りを考慮して、前方向と左右はきちんと撮影範囲に収まるよう、取り付けることに気をつけたいですね。

 

車両に取り付けたDRV-C750本体は、360°撮影対応ドラレコという割にかなりコンパクト。取り付けるアタッチメントが本体をガラス面に直付けするような格好となっており、これが全体をコンパクトに見せるのに効果を発揮しているのでしょう。さらにこのスタイルだと走行中のブレも抑えられますから、ダブルでメリットをもたらしていると言えます。

 

本体は2.4型モニターを備えた一体型で、カメラ部は本体下に水平360°を撮影する専用カメラを装備。撮影モードは360°を一画面に映し出す「ラウンドモード」のほか、前方から左右を低歪率で再現する「パノラマモード」、クルマの前後を上下2分割の「前後2分割」、クルマの前後左右を4分割する「前後左右4分割(マルチアングル)」の4モードです。どの表示がベストなのか迷うところですが、個人的には通常は前後2分割モードにしておき、必要に応じて「PinP(Picture in Picture)」でリアカメラを挿入するのがベストな使い方のように思えました。

↑ラウンドモードでは周囲を1枚の映像で表現できる

 

↑パノラマモードでは前方向と左右、車内を捉えられる

 

↑2分割モードでは前方向をパノラマで撮影し、車内と左右+後方を捉える

 

↑4分割モードでは前方向と車内、左方向/右後方の映像を分割表示する

 

このモニター上の表示、各モードは本体右サイドにあるスイッチで切り替えられますが、記録そのものはメニューで設定した録画モードが反映されます。ただ発売までにリリースされる専用アプリを使えば、パソコン上で各モードに切り替えが可能ということです。

↑DRV-C750のメインメニュー。全部で2ページしかなく、階層も浅いので分かりやすい

 

各設定は右サイドに並んだスイッチによって行います。メニューはケンウッドらしい分かりやすい構成となっており、階層も深くないので各種設定で迷うことは少ないと思います。静止画撮影ボタンや手動撮影(イベント撮影)ボタンも右側面にあり、思いついたときにすぐに押せるのは使いやすかったですね。またデフォルトでは、ディスプレイがONになると設定したモードで撮影した映像がモニターされますが、設定をOFFにすることも可能です。

↑DRV-C750の操作スイッチがある右側面。上からメニュー(電源は長押し)/画面切替/静止画撮影/手動イベント録画の各スイッチ

 

撮影した映像は「DRV-C750」だけでなく、パソコンのWindows Media Playerでも撮影したモードで再生できます。パソコン上で再生してみると、その画質の良さに驚かされました。とにかくその映像が自然なのです。正確には鮮明さという観点では前後2カメラのドラレコよりは劣ります。しかし、発色もきちんとしており、メリハリもあって目で見た雰囲気とそれほど変わらずに再現できていたのです。

↑パノラマモード表示中に手動でイベント記録。スイッチを押した5秒前とその後15秒間の映像を上書きされないフォルダに保存される

 

360°撮影対応ドラレコらしく、前方だけでなく左右もしっかりと捉え、車内は多少暗くなっても十分な明るさで映し出していました。解像度も先行車が遠く離れていなければナンバーもしっかりと視認できるレベル。ただ、この状態では後方の様子はほぼ確認することはできません。そこで、本機では別売りでリアカメラ「CMOS-DR750」を用意しました。

↑別売りのリアカメラ「CMOS-DR750」、実売想定価格1万1440円(税込)。リアガラスのスモーク処理に対応する「スモーク・シースルー」機能を備えた

 

このカメラは、リアガラスのスモーク処理に対応する「スモーク・シースルー」機能を備えており、このカメラを組み合わせることで、後方から左右に回ってくる車両の動きまでもつぶさに撮影できるようになるのです。カメラとしても低ノイズであることで、テストの結果、夜間であってもクリアに後方を撮影できていることが確認できました。

↑リアカメラCMOS-DR750でスモークガラス越しに撮影

※写真はナンバー部に一部加工しております。

 

テストにお借りした機材はプロトタイプであるため、「画質や機能面で不安定さがあるかもしれない」という条件が付いていました。しかし、トラブルはほとんどなく、何よりもこの画質の良さに360°撮影対応ドラレコに対する見方が大きく変わったというのが正直な感想。DRV-C750は“あおり運転”対策というだけでなく、日々の思い出を記録するドラレコとしてもドライブをしっかりとサポートしてくれることでしょう。

 

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新施設「ニッサン パビリオン」は楽しい? 5つの「近未来」を解説

日産自動車は、10月23日まで、同社が描く未来のモビリティ社会をインタラクティブに体感できる、体験型エンターテインメント施設「ニッサン パビリオン」を期間限定で、横浜みなとみらい21地区にオープン。夏休みに子どもと行くには持ってこいの遊び場だろうと思い、乗り物担当編集部員・野田が行ってきました。

 

日産が描く近未来の暮らしを体感

ニッサン パビリオンでは、日産自動車の電動化・自動運転化など、「ニッサン インテリジェント モビリティ」が描く未来のモビリティ社会を、さまざまな体験コンテンツを通じて来場者に届けるスポット。

 

コンセプトは「人間の可能性を拡張する」で、技術のイノベーションを通じて日産が描く近未来の暮らしを、「エンターテインメント」「アート」「メディア」など各種コンテンツ、インスタレーション制作で活躍するクリエイターの視点や解釈により具現化しています。ニッサン パビリオン内の5つのコンテンツを簡単に紹介します。

↑敷地面積は約1万メートル。幅広い中庭には、リーフやアイスクリーム移動販売車のコンセプトカー(e-NV200)、GT-Rなどが並びます

 

【その1】日産 アリア展示・乗車体験

パビリオン内に入ると、まず目に入るのが7月15日に披露した、新型クロスオーバーEV「アリア」。事前予約制ですが、アリアに乗って敷地内の専用路を同乗体験をすることもできます。

↑アリアのボディサイズは全長4595mm、全幅1850mm、全高1655mm

 

↑アリアの横に透明のパネルが置かれた「ARIYA Virtual Display」。ジェスチャーで操作することで、アリアに搭載された技術を確認することができます

 

【その2】THE THEATER

「ザ シアター」は、幅32m×高さ6mの4Kプロジェクション大型スクリーンと、ソニーのハプティクス技術(触覚提示技術)による振動する床などを活用し、迫力の空間でクルマの先進技術を感じられるエンターテイメントショーです。

 

実際に日産 アリアが劇場内に入ってきて、実車と映像がリンクする「ARIYA SHOW(アリア ショー)」。100%電動フォーミュラーカーに乗って、レースさながらに世界の都市を駆け巡るバーチャルライドアクション「FOMULA E THE RIDE(フォーミュラ E ザ ライド)」。見えないものを可視化する日産の新技術I2Vを駆使し、大阪なおみ選手の200km/hのサーブを打ち返し、ラリーを繰り広げる「NAOMI BEATS(ナオミ ビーツ)」といった、3つの最新のエンタメが楽しめます。

↑アリアショーは、まるで本当に街を走り抜けているような臨場感がありました

 

↑フォーミュラ E ザ ライドは手元にあるコントローラーでコースを選択でき、床も振動したりと、大迫力のレースゲームを体感できます

 

↑ナオミ ビーツは事前予約制ですが、お客さんもゲームに参加できます。見ているだけでも、プレイヤーたちの楽しさが伝わってきました

 

【その3】THE LIFE

THE LIFEコーナーでは家族や恋人をテーマに、「プロパイロット」をはじめとした先進運転支援技術が可能にする未来を描いた2本のショートムービーを上映。そのうちの1本は、大ヒットアニメ「君の名は。」をはじめ多くの新海誠監督作品を手掛けたプロデューサー・伊藤耕一郎氏による「コネクテッド・ファミリー」。約6分半のアニメです。

↑クルマがつなぐ未来の家族物語。上映中、ストーリーの展開に合わせて、照明の色が変化します

 

【その4】THE CITY

THE CITYコーナーでは日産自動車が目指す、交通事故のない社会。そして、クルマに乗っている時も乗っていない時も、クルマと街がより便利につながる社会。その両方の実現に必要なセンシング技術や、クルマからエネルギーや情報が行き渡る様子をモチーフにしたアート空間を体験できます。ビジュアルデザインスタジオWOWがデジタルインスタレーション作品に仕上げました。

↑衝突を回避する「センシング技術」を、特殊なレーザーで擬似体験できます。人が通るとレーザーが自然と避けていきました

 

【その5】 NISSAN CHAYA CAFE

最後に紹介するのは、日産が目指すエネルギーのエコシステム「Nissan Energy(ニッサン エナジー)」を導入した「NISSAN CHAYA CAFE(ニッサン チャヤ カフェ)」。カフェ内では、運転支援技術「プロパイロット」を応用した無人給仕ロボット「プロパイロットウエイター」が料理を運んでくれます。

 

さらに、パナソニックと共同開発した、お皿のICチップに反応してカロリーなどエネルギー情報がアニメーションでテーブル天板に流れる「インタラクティブテーブル」など。食事だけでなく目でも楽しめるハイテク体験でお客さんをおもてなしします。

↑水耕栽培で育った野菜や日産ビールなど、オリジナルメニューを用意。さらに日産ロゴをあしらったオリジナルグッズも販売しています

 

↑無骨な見た目のプロパイロットウエイター。withコロナの現代社会では、非接触のありがたみもあります

 

↑食事のカロリーを電力に変換して表示してくれるインタラクティブテーブル。テーブルに置くだけでスマホを充電できるワイヤレス充電機能も備えています

 

またパビリオンでは、カフェの屋根に設置された太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを「リーフ」に蓄電し、そのリーフに溜めた電力をカフェの一部の電力として使用しています。

↑リーフのリユースバッテリーも活用することで、安定的な電力供給を可能にしています

 

ニッサン パビリオンは見て、感じて、ワクワクする、子どもから大人まで幅広いお客さんが楽しめる施設でした。昨年の「東京モーターショー2019」では、トヨタがモビリティメーカーだというメッセージが感じ取れました。対して日産は、この施設で先進技術からアプローチし、未来の人々の暮らしを豊かにするメーカーへと変化していくという意気込みなのでしょう。しかし、この施設が期間限定なんて勿体ないですよ日産!

住所:220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい6-2-1
オープン期間:2020年8月1日〜10月23日
営業時間:平日11:00~19:00、土日祝10:00〜19:00
料金:無料
休館日:不定期

 

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SUV界のバランスを変えるか!? VWがクロスオーバーSUV「T-Roc」を解説

2020年7月15日、ついにフォルクスワーゲン(VW)のクロスオーバーSUV新型「T-Roc(ティーロック)」が発表となりました。世界的な新型コロナ禍によるロックダウンなどがあり、当初の計画より遅れての発表です。

ステージ上にはVWの新ロゴと4グレードのT-Rocが置かれ、ティル・シェアCEOのプレゼンテーションが始まりました。「T-Rocの登場によって、VWのSUVラインナップが完成となりました。T-RocはクロスオーバーSUVの新機軸となっていくものだと考えています。日本のSUVマーケットの約3/4を占めるのがスモール/コンパクトセグメントであり、VWとしてもそこに焦点をあてました」。

↑シンプルに整理されたVW新ロゴを使用しての新車発表は今回が初となりました

 

「VWのSUV3兄弟の一番大きな『ティグアン』は2017年にデビューし、ラインナップの80%がクリーンディーゼルである「TDI」となっています。それにより、今回のT-Rocでもクリーンディーゼル車とすることに決めました。また、これまでのVWのお客様と新たなお客様の双方に満足してもらえるよう、ダイナミックで多才なSUVとコンパクトで俊敏なハッチバックの長所を組み合わせています。もちろん、そのハッチバックというのは世界のハッチバックのベンチマークとなっている「ゴルフ」に他なりません。そして、T-Rocでは4つのグレードを設け幅広いニーズにお応えします」と、ティル・シェアCEOは語りました。

↑日本のSUVマーケットの状況。約75%がスモール、コンパクトSUVとのこと。T-RocはVWのSUV「T-Cross」と「Tiguan」の間に当てはまるボディサイズです

 

さらに「全長4240mm(TDI R Lineは4250mm)、全幅1825mm、全高1590mm、ホイールベースが2590mmとなり、最小回転半径が5.0mとなっています。まさに日本の道路に『丁度いい』という印象を持ってもらえるでしょう。SUVならではの高い着座位置と広い視界の快適さを味わってみて下さい。きっとその安心感を感じてもらえると思います」と、ティル・シェアCEOは続けました。自信に満ちたCEOのプレゼンテーションのあとは、もう少し近寄ってT-Rocを見てみましょう。

↑左からT-Roc「TDI Sport」、「TDI Style Design Package」、「TDI R-Line」。All My T-Roc! VW新ロゴと共に

 

T-Rocの4つの特徴【その1】エクステリアデザイン&ボディカラー

ヘッドライトと一体となったフロントグリルやヘッドライトの下にLEDのデイタイムライトを装備したフロントデザインは、T-Rocの特徴のひとつ。大型エアインテークとアンダーボディガード、リアディフューザーによりSUVらしい力強さを表現し、クロームのウィンドウトリムはロングルーフの流麗なクーペをイメージ。さらにツートンのボディカラーでは全高を低く見せる視覚的効果を生み、スポーティな印象を与えます。T-Rocは、オンでもオフでもスタイリッシュに乗ることができるデザインが魅力でしょう。

↑都会的に洗練されたT-Rocのスタイリッシュなデザイン。独特の形状のバンパーをもつTDI R LINEのみ、全長が10mm長くなります

  

↑TDI SportのLEDヘッドライト

 

↑LEDデイタイムランニングライト

 

↑流麗な曲線を描くリアビュー。TDI R-Lineグレードでは専用のフロント&リアバンパー、サイドスカート、リアスポイラーを装着しています

 

用意されているグレードはTDI Style、TDI Style Design Package、TDI Sport、TDI R-Lineの4つ。

↑ベーシックなTDI Style

 

↑ホワイト/ブラックのルーフカラーを選べるTDI Style Design Package

 

↑18インチアルミホイールの採用などスポーティグレードのTDI Sport

 

↑19インチアルミホイールに加え、アダプティブシャシーコントロールによる乗り心地調整機能を備えたTDI R-Line

 

ボディカラーは9色の基本バリエーションがあるだけでなく、グレードによってはブラック、ホワイトのルーフカラーを追加料金なしで選択することができます。2トーンボディはVWのSUVでは初めての採用となり、ポップな色合い、シックな色合いが用意されていて、色を選ぶ楽しみも味わうことができます。

↑カラーバリエーションの基本は9色。それに加えグレードによっては、ホワイトかブラックのルーフカラーが選べます

 

T-Rocの4つの特徴【その2】Golf以上のユーティリティ

インテリアは2590mmのロングホイールベースを活かし、乗員5人に対し十分な室内空間を提供。各種メーター類を水平に配置することで、運転中の視線移動を少なく自然に行えるよう設計されています。また、VW純正インフォテインメントシステムの「ディスカバープロ」とデジタルメータークラスター「アクティブインフォディスプレイ」により、インテリアの洗練度がアップ! ハンドル右のスポーク部にあるボタンで、アクティブインフォディスプレイに表示する情報を選択できます。メーター、カーナビ、車両の情報などをあらかじめ設定することで欲しい情報が見やすい場所に表示できるのです。

↑ステアリングホイールの右スポーク部分にファンクション切り替えスイッチがあります

 

↑アクティブインフォディスプレイに車両情報とナビを映したところ

 

↑スピードメーター、タコメーターとカーナビの画面を同時に表示できます

 

TDI Design Packageではエクステリアデザインに合わせ、ブルー、イエローのインテリアカラーを選ぶことが可能です。同色のデコラティブパネル、シートのステッチが与えられます。

↑イエローのデコラティブパネルを装着したTDI Design Package

 

ラゲッジスペースの容量は5人乗車時で445L。後席をすべて折り畳んだ時には最大1290Lと、このクラストップレベルの容量となります。ちなみに、その容量は同社のゴルフ以上。

↑たっぷりの収納力を発揮し、オンタイムもオフタイムも充実させます

 

通常時はラゲッジスペースが少々上げ底になっていますが、リアシートを畳んだ時にフロアがフルフラットになります。さらに、フロアを低く下げるとリアシートを倒さなくてもラゲッジスペースがたっぷりと増えます。デイリーユースはもとより、週末に家族や仲間と共に出かける時にも充分なラゲッジスペースが用意されているのです。

↑リアシートを倒した時は、ラゲッジスペースのフロアを上げ底状にするとフラットな荷室となります

 

↑5人乗車時でもラゲッジルームの床を一段下げればこれだけの収納できます

 

T-Rocの4つの特徴【その3】ドライバビリティ

そして3つめの特徴は、走りです。高効率な4気筒2L、TDIクリーンディーゼルエンジンによる走りは、ロングドライブも快適。エンジンの最高出力は110kW(150PS)/3500-4000rpm、最大トルクが340Nm(34.7kgm)/1750-3000rpmとなります。

 

最高出力、最大トルクの発生回転域が広く、クリーンディーゼルならではの余裕のある走りと高い経済性の両立をはかっています。組み合わされるトランスミッションは7速のDSGです。

↑クリーンディーゼル2.0L TDIエンジンと2.0L TDIエンジンの性能曲線

 

なお、燃料消費率はJCO8モードで19.5km/Lで、WLTCの高速道路モードでは21.0km/Lです。

 

T-Rocの4つの特徴【その4】全グレード標準の上位予防安全装備

最後、4つめの特徴は予防安全装備です。MQBプラットフォームにより、今まで上位機種に採用されている充実した予防安全装備が全グレードに用意されました。全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)や、車線の逸脱防止などをサポートするLane Assist(レーンキープアシストシステム)を標準装備。これによって快適で安全な運転が実現しました。

 

近年では、車内の人の安全だけでなく、車外の人に対する「対人安全性」が重要視されています。VWでは歩行者などの人を検知するシステムにカメラではなくレーダーを用いて、雨や夜の視界の悪い時に人を見つけやすい特徴があります。このような上位機種に使用されていた安全装備がクラスを超えて充実しているのもT-Rocの特徴ですね。

↑ACC作動イメージ。上級車種と同等の予防安全装備が充実しています

 

いかがでしょう、オールマイティに使える丁度良いSUV。VW T-Rocのイメージは掴めたでしょうか? 平日は街での生活を豊かにしてくれるT-Roc。スポーティで都会的なデザイン、そのコンパクトなボディと日本の道でも扱いやすい操作性によって週末には街を出ることが楽しみになります。

 

気になる各グレードの販売価格(すべて税込)はTDI Styleが384万9000円、TDI Style Design Packageが405万9000円、TDI Sportが419万9000円、TDI R-Lineが453万9000円となります。

↑各グレード別の外観イメージ

 

 

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新型LSの進化点とは? 日本が誇るフラッグシップセダンの新時代

2020年7月7日、LEXUSのフラッグシップモデル「LS」のニューモデルが世界初公開となりました。日本での発売は2020年初冬を予定しています。

 

LSは1989年のデビュー以来、30年以上にわたりLEXUSのフラッグシップを守。圧倒的な静粛性と快適性は乗ったことがある人なら納得いただけるはず。今回のニューモデルでもその静粛性と乗り心地の大幅な向上がはかられています。そして、単に静かに快適になったというだけではないのがLEXUSの進化であり深化なのです。

 

日本ならではの美意識を具現化

ますは新型LSの外観の主な変更点から見ていきましょう。新色の銀影(ぎんえい)ラスターは、時の移ろいや環境の変化の中で美しいと感じられる「月の道」をモチーフにしています。これは、満月前後の数日に見られる月明かりが海面上で細長い道となり、照らされた波のゆらぎのグラデーションが人を魅了する神秘的な自然現象です。ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じる深い陰影感を演出しています。

 

アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術を用い実現したフラッグシップに相応しい新色となります。粒子感を感じさせない滑らかな質感は周囲の僅かな光を繊細にとらえ、様々な表情を見せる上質で特別なシルバーとなりました。

 

この新色だけでなく、新デザインでLEXUSのLを意識させる3眼ランプユニット。そして、そのクリアランスランプの下にはブレードスキャンAHSを搭載し、厚みのあるヘッドランプ形状により鋭く新しい表情を作っています。特徴的なスピンドルグリルのメッシュカラーはダークメタリックに変更され、よりフォーマルなシーンに配慮した上品さを表現しています。

 

リアスタイルはコンビネーションランプ内のメッキモールをピアノブラックに変更して厚みを感じるランプ形状としました。

 

Fスポーツではサブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることでワイドなスタンスを強調させています。専用色のスピンドルグリルや20インチホイールなどのアイテムなどの採用でスポーティなイメージを際立たせました。

 

続いて、インテリア。

 

外観に合わせコーディネートされ、オーナメントに西陣や箔を新規に設定しています。西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きはまさに「月の道」。12.3インチのワイドディスプレイとスマートフォンを連携させることで画面操作、音声操作が可能なタッチディスプレイを採用しています。ハンドルとセンターコンソールのスイッチ類を黒で統一し、視認性の向上と端正な印象の演出をしています。そして使用頻度の高いシートヒーターやステアリングヒーターの操作画面表示スイッチをセンターコンソールに追加するなど、細かな操作性の向上にも抜かりがありません。

 

Lexus Driving Signatureの深化、上質な走りの追求

新型LSの走行性についてはどうなのでしょうか? LEXUSのフラッグシップモデルには人の感性を大切にし、進化させることが求められます。ドアをあけ、シートに触れ、座ったときに感じる上質感、安心感。LEXUSの世界はそこから始まっています。今回のモデルチェンジでシート表皮の縫い位置をより深い位置に変更し、ウレタンパッドに低反発素材を採用するなど、細やかに「人」の印象の向上を目指し他進化をしています。

 

シャーシ側では新たにAVSソレノイドを開発し、可変減衰力により減衰力の最適化が計られています。さらにランフラットタイヤの剛性とスタビライザーバーの剛性バランスの見直し、エンジンマウント内のオリフィス変更による減衰特性の変更など、振動の吸収と新たなシートの座り心地がもたらす快適性は筆舌に尽くしがたいものです。ドライバーズシート、それ以外のシートそのどこに座っても感じることのできる「落ち着いた上質」こそがLSの世界といえます。

 

ハイブリッド車のLS500hの加速時のバッテリーアシスト量を見直し、使用頻度の多い走行領域での加速時にパワーアシスト量を増加しています。発進加速時のエンジン回転数も低減させ、余裕を感じさせながら静粛性を増す絶妙なセッティングが施されています。また、ガソリンエンジン車のLS500では使用頻度の多い走行領域でのトルクの立ち上がりを向上させ、加速時のパフォーマンスを大きく向上させています。

 

そのトルク特性の変化によって、シフトスケジュールをより効率よく見直すことに成功しました。各ギアでの加速領域の拡大に伴い、加速時の余計なシフトダウン頻度を低減しています。LS500h、LS500共にANC(Active Noise Control)/ESE(Engine Sound Enhancement)のチューニングの変更による静粛性の違いには驚かされるはずです。

 

LEXUS Teammateって何?

人の感性に寄り添った最新の高度運転支援技術を「LEXUS Teammate」と呼びます。これはクルマが人から運転を奪うのでも、人に取って代わるのでもなく、『人とクルマが気持ちの通った仲間のようにお互いを高め合い。共に走る』というトヨタ自動車独自の「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されています。特にLEXUS TeammateではPerceptive(高い認識性能)、Intelligent(知能化)、Interactive(ドライバーとクルマの対話)、Reliable(信頼性)、Upgradable(ソフトウェア・アップデート)という5つの技術的特徴を備えています。

 

最新の高度運転支援技術によって、ドライバー監視のもと、高速道路などの自動車専用道路での運転において実際の交通状況に応じて車載システムが認知、判断、操作を適切に支援します。車線・車間維持、分岐やレーンチェンジ、追い越しなどをスムーズに実現します。ドライバーに信頼される安全優先の運転操作を追求し、アクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放され、長時間の運転における疲労軽減が可能となります。それによってより周辺に注意を払った安全な運転を可能としているのです。

 

また、最新の駐車支援技術によって駐車場でのハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジに至るまでの全操作を車輌が支援します。カメラと超音波センサーによる全周囲監視と俯瞰絵像による切り返し位置や目標駐車位置を常に表示して安全/安心でスムーズな駐車を実現しています。

 

他にも、2019年8月にマイナーチェンジしたRXで世界初採用したブレードスキャンAHSを初採用。対向車や先行車を眩惑させることなく適切な配光を行い、ハイビームの広い照射範囲で歩行者や標識の認識を可能としました。さらに高解像度で大型なデジタルインナーミラーを採用し、後方の視認性も向上させています。

 

初代LSから追求してきたものは一貫して変わらない

最後にLEXUS International 佐藤 恒治社長からのメッセージを紹介しておきましょう。

 

「LSは、フラッグシップとしてイノベーションを追求し、常にお客様に新しい技術や価値を提供してまいりました。今回発表した新型の開発においては、初代から一貫して突き詰めてきた静粛性と乗り心地をさらに進化させ、高度運転支援技術Lexus Teammateの採用により、安全かつ安心なこれまでにない移動体験を目指しました。ドライバーは、アクセルやブレーキ、そしてハンドル操作などによる疲労が低減され、より運転に集中できるようになります。またクルマとドライバーの関係を熟知した自動車会社だからこそ出来る、敏腕ドライバーが運転しているような乗り心地を実現した運転支援と、クルマとドライバーが対話し、常にお互いの状況を正しく把握できるHMI(Human Machine Interface)が安心をもたらします。さらに、その開発を突き詰める過程では車両の基本性能も飛躍的に向上し、進化を果たしました。LEXUSは、これからも人間中心の考えのもと挑戦を続け、お客様お一人お一人のライフスタイルを豊かにする体験をお届けして参ります」。

 

人の感性と上質なハードとのコラボレーションを具現化している新型LEXUS LS。人間とクルマのよりよい関係に期待が持て、その発売が待たれます。

 

 

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新型LSの進化点とは? 日本が誇るフラッグシップセダンの新時代

2020年7月7日、LEXUSのフラッグシップモデル「LS」のニューモデルが世界初公開となりました。日本での発売は2020年初冬を予定しています。

 

LSは1989年のデビュー以来、30年以上にわたりLEXUSのフラッグシップを守。圧倒的な静粛性と快適性は乗ったことがある人なら納得いただけるはず。今回のニューモデルでもその静粛性と乗り心地の大幅な向上がはかられています。そして、単に静かに快適になったというだけではないのがLEXUSの進化であり深化なのです。

 

日本ならではの美意識を具現化

ますは新型LSの外観の主な変更点から見ていきましょう。新色の銀影(ぎんえい)ラスターは、時の移ろいや環境の変化の中で美しいと感じられる「月の道」をモチーフにしています。これは、満月前後の数日に見られる月明かりが海面上で細長い道となり、照らされた波のゆらぎのグラデーションが人を魅了する神秘的な自然現象です。ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じる深い陰影感を演出しています。

 

アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術を用い実現したフラッグシップに相応しい新色となります。粒子感を感じさせない滑らかな質感は周囲の僅かな光を繊細にとらえ、様々な表情を見せる上質で特別なシルバーとなりました。

 

この新色だけでなく、新デザインでLEXUSのLを意識させる3眼ランプユニット。そして、そのクリアランスランプの下にはブレードスキャンAHSを搭載し、厚みのあるヘッドランプ形状により鋭く新しい表情を作っています。特徴的なスピンドルグリルのメッシュカラーはダークメタリックに変更され、よりフォーマルなシーンに配慮した上品さを表現しています。

 

リアスタイルはコンビネーションランプ内のメッキモールをピアノブラックに変更して厚みを感じるランプ形状としました。

 

Fスポーツではサブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることでワイドなスタンスを強調させています。専用色のスピンドルグリルや20インチホイールなどのアイテムなどの採用でスポーティなイメージを際立たせました。

 

続いて、インテリア。

 

外観に合わせコーディネートされ、オーナメントに西陣や箔を新規に設定しています。西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きはまさに「月の道」。12.3インチのワイドディスプレイとスマートフォンを連携させることで画面操作、音声操作が可能なタッチディスプレイを採用しています。ハンドルとセンターコンソールのスイッチ類を黒で統一し、視認性の向上と端正な印象の演出をしています。そして使用頻度の高いシートヒーターやステアリングヒーターの操作画面表示スイッチをセンターコンソールに追加するなど、細かな操作性の向上にも抜かりがありません。

 

Lexus Driving Signatureの深化、上質な走りの追求

新型LSの走行性についてはどうなのでしょうか? LEXUSのフラッグシップモデルには人の感性を大切にし、進化させることが求められます。ドアをあけ、シートに触れ、座ったときに感じる上質感、安心感。LEXUSの世界はそこから始まっています。今回のモデルチェンジでシート表皮の縫い位置をより深い位置に変更し、ウレタンパッドに低反発素材を採用するなど、細やかに「人」の印象の向上を目指し他進化をしています。

 

シャーシ側では新たにAVSソレノイドを開発し、可変減衰力により減衰力の最適化が計られています。さらにランフラットタイヤの剛性とスタビライザーバーの剛性バランスの見直し、エンジンマウント内のオリフィス変更による減衰特性の変更など、振動の吸収と新たなシートの座り心地がもたらす快適性は筆舌に尽くしがたいものです。ドライバーズシート、それ以外のシートそのどこに座っても感じることのできる「落ち着いた上質」こそがLSの世界といえます。

 

ハイブリッド車のLS500hの加速時のバッテリーアシスト量を見直し、使用頻度の多い走行領域での加速時にパワーアシスト量を増加しています。発進加速時のエンジン回転数も低減させ、余裕を感じさせながら静粛性を増す絶妙なセッティングが施されています。また、ガソリンエンジン車のLS500では使用頻度の多い走行領域でのトルクの立ち上がりを向上させ、加速時のパフォーマンスを大きく向上させています。

 

そのトルク特性の変化によって、シフトスケジュールをより効率よく見直すことに成功しました。各ギアでの加速領域の拡大に伴い、加速時の余計なシフトダウン頻度を低減しています。LS500h、LS500共にANC(Active Noise Control)/ESE(Engine Sound Enhancement)のチューニングの変更による静粛性の違いには驚かされるはずです。

 

LEXUS Teammateって何?

人の感性に寄り添った最新の高度運転支援技術を「LEXUS Teammate」と呼びます。これはクルマが人から運転を奪うのでも、人に取って代わるのでもなく、『人とクルマが気持ちの通った仲間のようにお互いを高め合い。共に走る』というトヨタ自動車独自の「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されています。特にLEXUS TeammateではPerceptive(高い認識性能)、Intelligent(知能化)、Interactive(ドライバーとクルマの対話)、Reliable(信頼性)、Upgradable(ソフトウェア・アップデート)という5つの技術的特徴を備えています。

 

最新の高度運転支援技術によって、ドライバー監視のもと、高速道路などの自動車専用道路での運転において実際の交通状況に応じて車載システムが認知、判断、操作を適切に支援します。車線・車間維持、分岐やレーンチェンジ、追い越しなどをスムーズに実現します。ドライバーに信頼される安全優先の運転操作を追求し、アクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放され、長時間の運転における疲労軽減が可能となります。それによってより周辺に注意を払った安全な運転を可能としているのです。

 

また、最新の駐車支援技術によって駐車場でのハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジに至るまでの全操作を車輌が支援します。カメラと超音波センサーによる全周囲監視と俯瞰絵像による切り返し位置や目標駐車位置を常に表示して安全/安心でスムーズな駐車を実現しています。

 

他にも、2019年8月にマイナーチェンジしたRXで世界初採用したブレードスキャンAHSを初採用。対向車や先行車を眩惑させることなく適切な配光を行い、ハイビームの広い照射範囲で歩行者や標識の認識を可能としました。さらに高解像度で大型なデジタルインナーミラーを採用し、後方の視認性も向上させています。

 

初代LSから追求してきたものは一貫して変わらない

最後にLEXUS International 佐藤 恒治社長からのメッセージを紹介しておきましょう。

 

「LSは、フラッグシップとしてイノベーションを追求し、常にお客様に新しい技術や価値を提供してまいりました。今回発表した新型の開発においては、初代から一貫して突き詰めてきた静粛性と乗り心地をさらに進化させ、高度運転支援技術Lexus Teammateの採用により、安全かつ安心なこれまでにない移動体験を目指しました。ドライバーは、アクセルやブレーキ、そしてハンドル操作などによる疲労が低減され、より運転に集中できるようになります。またクルマとドライバーの関係を熟知した自動車会社だからこそ出来る、敏腕ドライバーが運転しているような乗り心地を実現した運転支援と、クルマとドライバーが対話し、常にお互いの状況を正しく把握できるHMI(Human Machine Interface)が安心をもたらします。さらに、その開発を突き詰める過程では車両の基本性能も飛躍的に向上し、進化を果たしました。LEXUSは、これからも人間中心の考えのもと挑戦を続け、お客様お一人お一人のライフスタイルを豊かにする体験をお届けして参ります」。

 

人の感性と上質なハードとのコラボレーションを具現化している新型LEXUS LS。人間とクルマのよりよい関係に期待が持て、その発売が待たれます。

 

 

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三菱ふそうの燃料電池トラックのプロトタイプ「eCanter F-Cell」を試乗。その詳細は?

昨年開催された「東京モーターショー2019」で、三菱ふそうトラック・バスは燃料電池小型トラックのコンセプトモデル『Vision F-CELL』を発表し、大きな注目を浴びました。今年3月にはこの車両を2020年代後半にも量産化することを発表。量産を目指して製作したプロトタイプ『eCanter F-Cell(以下:F-Cell)』も公開し、いよいよ商用車でも水素を燃料とする燃料電池車(FCV)が動き出すスケジュールを明らかにしたのです。その詳細について、試乗レポートも合わせてお届けします。

↑三菱ふそうが3月に発表したプロトタイプ『eCanter F-Cell』。2029年までの量産を目指して製作している

 

プロトタイプeCanter F-Cellが登場!

F-Cellが担う最大の目的は、燃料電池のパワーを利用することで、電動トラック『eCanter』で課題だった航続距離の問題を解決することです。eCanterは2017年に小型電気トラックとして発表しており、すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中です。しかし、航続距離は100km程度にとどまり、搭載バッテリーの重さにより、積載量はディーゼルトラックよりも減ってしまっていました。F-Cellはこの課題を解決する使命を担って開発されたのです。

↑すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中という「eCanter」(左)と並んだ「eCanter F-Cell」(右手前)

 

三菱ふそうが明らかにしたところでは、F-Cellには3本の水素タンクを搭載し、目指す航続距離は300km。実にeCanterの3倍もの航続距離を確保し、しかも最大積載量はディーゼルCanterと同等を達成できています(目標値)。そして、使い勝手も良好。水素の充填に要する時間は5~10分程度で済み、eCanterのように長時間にわたる充電時間は不要となるからです。搭載したリチウムイオン電池の容量は40kWhで、システム全体の最高出力は135kW。eCanterと同等のパワーを発揮しながら、それを上回る使い勝手の良さを実現しているのがF-Cellなのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellは、航続距離300kmを目標に開発。eCanterと同等の動力性能と積載量を目指した

 

↑市販されているeCanterとeCanter F-Cellの比較。航続距離を3倍にしつつ、充電(充填)時間を大幅に減らし、積載量もディーゼルと同等にした

 

試乗会の会場となったのは川崎市にある三菱ふそう事業所でした。会場にはF-Cellと、その比較試乗のためにeCanterが並んで用意されていました。既に市販されているeCanterは街を走るディーゼルCanterとほとんど違いが分かりませんが、F-CellはコンセプトモデルということもあってヘッドライトをLED化し、全体を専用のデカールシートでデザインされ、明らかに別モノということが分かります。

↑専用デカールシールで身をまとったeCanter F-Cell。ヘッドライトをLED化することで斬新さをアピール

 

↑プロトタイプeCanter F-Cellのリアビュー。カーゴスペースを犠牲にしていないのが大きなメリット

 

撮影していると、F-Cellの車体には「Re-Fire」のロゴマークがあることに気付きました。Re-Fireといえば、中国の独立系燃料電池サプライヤーで、世界有数の燃料電池システム開発会社であるカナダのバラード社と技術提携によって成長した会社。F-CellはこのRe-Fire製の燃料電池システムで動作することになっていたのです。

↑燃料電池システムとして搭載した「Re-Fire」のロゴマークがカーゴスペースの左サイドに貼られていた

 

この採用について開発者に伺うと、「あくまで東京モーターショーへの出展に間に合わせるためにRe-Fire製システムを採用したのであって、量産化を前提としているたわけではない」とのこと。ならばどうしてグループ内のダイムラー製のシステムは採用しなかったのでしょうか。「ダイムラーは乗用車向け車両で手いっぱいの状況で、製作期間やコストを踏まえ既成システムで展開できるRe-Fire製を採用することにした」とのことでした。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの燃料電池システムは、既製のRe-Fire製を採用。そのためシステムのコンパクト化が課題となった

 

いよいよ2台を試乗してみた!

試乗はまずeCanterから行いました。踏み込んだ瞬間から力強いトルクでスタート!荷物を積んでいない状態とはいえ、その後もスムーズに加速していきます。ディーゼル車でも十分なトルク感は感じますが、振動も音もなく加速する様は従来の小型トラックのイメージを大きく覆すものです。まさにEVならではの走りだったと言えるでしょう。

 

続いて、いよいよF-Cellの試乗です。スタート時の力強さはeCanterとほぼ同じ感覚でした。が、その後が続きません。後ろから何かで引っ張られているような感じがして加速が伸びていかないのです。加速時に発生するエアコンプレッサーの音も気になりました。プロトタイプである以上、完成度は当然ながら低いのは仕方がないでしょうけど、走りや快適性でeCanterとの違いは明らかだったのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの運転席周り。基本的にeCanterをベースとするが、シフトレバーは専用

 

試乗後、この印象をF-Cell開発者にぶつけてみると意外な回答が返ってきました。「F-Cellはプロトタイプと言うこともあり、ベースを量産車になる前のeCanterのものを使っている。それだけにコンポーネントのバージョンが古いので、制御がうまくできていないところもある」というのでした。なんと、F-CellはeCanterよりも古い仕様がベースとなっていたのです。開発者いわく、「正直言えば、燃料電池システムの開発にはきわめて高度な技術が要求される。今後はプロトタイプで得た知見を活かして(自社の)技術レベルを上げていきたい」と、量産に向けた意気込みを語っていました。

 

となると、気になるのは量産に向けた動きです。親会社であるダイムラーは将来的なビジョンとして、2029年までには燃料電池車を量産し、2039年までには販売をゼロエミッション車だけにすると発表しています。そのロードマップに従って三菱ふそうが発表したのがeCanter F-Cellでもあるわけです。

 

その中でポイントとなるのは積載量に影響を与えない燃料電池システムの開発です。開発者は「現状でも電池はフレーム内に収まっており、カーゴスペースを犠牲にはしていない。ただ、燃料電池システムのコンパクト化を進めることでタンクの増設が可能になり、航続距離の延長にもメリットが生まれる」と話します。また、調達先も必ずしもダイムラーだけにこだわっていないとも言います。「現状でダイムラーが用意しているのはタンクが太過ぎて4つ入れるのは難しい。システムのコンパクト化を行うなら、グループ外からの調達も視野に入れている」ということでした。

↑量産に当たっては燃料電池システムのコンパクト化により、燃料タンクをプロトタイプの3つから4つに増やす考え

 

↑水素の充填口はカーゴスペースの右サイドに用意。eCanter F-Cellのおおよそのスペックも記載されていた

 

今、世界中で燃料電池システムへの関心が急速に高まっています。少し前まではほとんど関心を示していなかったドイツまでも1兆円を超える巨額の水素投資の下、官民を挙げて燃料電池システムに本腰を入れ始めています。三菱ふそうがF-Cellの量産を目指す2029年以降、世界は燃料電池システムを巡って熱き戦いが展開されているのかも知れません。

 

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三菱ふそうの燃料電池トラックのプロトタイプ「eCanter F-Cell」を試乗。その詳細は?

昨年開催された「東京モーターショー2019」で、三菱ふそうトラック・バスは燃料電池小型トラックのコンセプトモデル『Vision F-CELL』を発表し、大きな注目を浴びました。今年3月にはこの車両を2020年代後半にも量産化することを発表。量産を目指して製作したプロトタイプ『eCanter F-Cell(以下:F-Cell)』も公開し、いよいよ商用車でも水素を燃料とする燃料電池車(FCV)が動き出すスケジュールを明らかにしたのです。その詳細について、試乗レポートも合わせてお届けします。

↑三菱ふそうが3月に発表したプロトタイプ『eCanter F-Cell』。2029年までの量産を目指して製作している

 

プロトタイプeCanter F-Cellが登場!

F-Cellが担う最大の目的は、燃料電池のパワーを利用することで、電動トラック『eCanter』で課題だった航続距離の問題を解決することです。eCanterは2017年に小型電気トラックとして発表しており、すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中です。しかし、航続距離は100km程度にとどまり、搭載バッテリーの重さにより、積載量はディーゼルトラックよりも減ってしまっていました。F-Cellはこの課題を解決する使命を担って開発されたのです。

↑すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中という「eCanter」(左)と並んだ「eCanter F-Cell」(右手前)

 

三菱ふそうが明らかにしたところでは、F-Cellには3本の水素タンクを搭載し、目指す航続距離は300km。実にeCanterの3倍もの航続距離を確保し、しかも最大積載量はディーゼルCanterと同等を達成できています(目標値)。そして、使い勝手も良好。水素の充填に要する時間は5~10分程度で済み、eCanterのように長時間にわたる充電時間は不要となるからです。搭載したリチウムイオン電池の容量は40kWhで、システム全体の最高出力は135kW。eCanterと同等のパワーを発揮しながら、それを上回る使い勝手の良さを実現しているのがF-Cellなのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellは、航続距離300kmを目標に開発。eCanterと同等の動力性能と積載量を目指した

 

↑市販されているeCanterとeCanter F-Cellの比較。航続距離を3倍にしつつ、充電(充填)時間を大幅に減らし、積載量もディーゼルと同等にした

 

試乗会の会場となったのは川崎市にある三菱ふそう事業所でした。会場にはF-Cellと、その比較試乗のためにeCanterが並んで用意されていました。既に市販されているeCanterは街を走るディーゼルCanterとほとんど違いが分かりませんが、F-CellはコンセプトモデルということもあってヘッドライトをLED化し、全体を専用のデカールシートでデザインされ、明らかに別モノということが分かります。

↑専用デカールシールで身をまとったeCanter F-Cell。ヘッドライトをLED化することで斬新さをアピール

 

↑プロトタイプeCanter F-Cellのリアビュー。カーゴスペースを犠牲にしていないのが大きなメリット

 

撮影していると、F-Cellの車体には「Re-Fire」のロゴマークがあることに気付きました。Re-Fireといえば、中国の独立系燃料電池サプライヤーで、世界有数の燃料電池システム開発会社であるカナダのバラード社と技術提携によって成長した会社。F-CellはこのRe-Fire製の燃料電池システムで動作することになっていたのです。

↑燃料電池システムとして搭載した「Re-Fire」のロゴマークがカーゴスペースの左サイドに貼られていた

 

この採用について開発者に伺うと、「あくまで東京モーターショーへの出展に間に合わせるためにRe-Fire製システムを採用したのであって、量産化を前提としているたわけではない」とのこと。ならばどうしてグループ内のダイムラー製のシステムは採用しなかったのでしょうか。「ダイムラーは乗用車向け車両で手いっぱいの状況で、製作期間やコストを踏まえ既成システムで展開できるRe-Fire製を採用することにした」とのことでした。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの燃料電池システムは、既製のRe-Fire製を採用。そのためシステムのコンパクト化が課題となった

 

いよいよ2台を試乗してみた!

試乗はまずeCanterから行いました。踏み込んだ瞬間から力強いトルクでスタート!荷物を積んでいない状態とはいえ、その後もスムーズに加速していきます。ディーゼル車でも十分なトルク感は感じますが、振動も音もなく加速する様は従来の小型トラックのイメージを大きく覆すものです。まさにEVならではの走りだったと言えるでしょう。

 

続いて、いよいよF-Cellの試乗です。スタート時の力強さはeCanterとほぼ同じ感覚でした。が、その後が続きません。後ろから何かで引っ張られているような感じがして加速が伸びていかないのです。加速時に発生するエアコンプレッサーの音も気になりました。プロトタイプである以上、完成度は当然ながら低いのは仕方がないでしょうけど、走りや快適性でeCanterとの違いは明らかだったのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの運転席周り。基本的にeCanterをベースとするが、シフトレバーは専用

 

試乗後、この印象をF-Cell開発者にぶつけてみると意外な回答が返ってきました。「F-Cellはプロトタイプと言うこともあり、ベースを量産車になる前のeCanterのものを使っている。それだけにコンポーネントのバージョンが古いので、制御がうまくできていないところもある」というのでした。なんと、F-CellはeCanterよりも古い仕様がベースとなっていたのです。開発者いわく、「正直言えば、燃料電池システムの開発にはきわめて高度な技術が要求される。今後はプロトタイプで得た知見を活かして(自社の)技術レベルを上げていきたい」と、量産に向けた意気込みを語っていました。

 

となると、気になるのは量産に向けた動きです。親会社であるダイムラーは将来的なビジョンとして、2029年までには燃料電池車を量産し、2039年までには販売をゼロエミッション車だけにすると発表しています。そのロードマップに従って三菱ふそうが発表したのがeCanter F-Cellでもあるわけです。

 

その中でポイントとなるのは積載量に影響を与えない燃料電池システムの開発です。開発者は「現状でも電池はフレーム内に収まっており、カーゴスペースを犠牲にはしていない。ただ、燃料電池システムのコンパクト化を進めることでタンクの増設が可能になり、航続距離の延長にもメリットが生まれる」と話します。また、調達先も必ずしもダイムラーだけにこだわっていないとも言います。「現状でダイムラーが用意しているのはタンクが太過ぎて4つ入れるのは難しい。システムのコンパクト化を行うなら、グループ外からの調達も視野に入れている」ということでした。

↑量産に当たっては燃料電池システムのコンパクト化により、燃料タンクをプロトタイプの3つから4つに増やす考え

 

↑水素の充填口はカーゴスペースの右サイドに用意。eCanter F-Cellのおおよそのスペックも記載されていた

 

今、世界中で燃料電池システムへの関心が急速に高まっています。少し前まではほとんど関心を示していなかったドイツまでも1兆円を超える巨額の水素投資の下、官民を挙げて燃料電池システムに本腰を入れ始めています。三菱ふそうがF-Cellの量産を目指す2029年以降、世界は燃料電池システムを巡って熱き戦いが展開されているのかも知れません。

 

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三菱ふそうの燃料電池トラックのプロトタイプ「eCanter F-Cell」を試乗。その詳細は?

昨年開催された「東京モーターショー2019」で、三菱ふそうトラック・バスは燃料電池小型トラックのコンセプトモデル『Vision F-CELL』を発表し、大きな注目を浴びました。今年3月にはこの車両を2020年代後半にも量産化することを発表。量産を目指して製作したプロトタイプ『eCanter F-Cell(以下:F-Cell)』も公開し、いよいよ商用車でも水素を燃料とする燃料電池車(FCV)が動き出すスケジュールを明らかにしたのです。その詳細について、試乗レポートも合わせてお届けします。

↑三菱ふそうが3月に発表したプロトタイプ『eCanter F-Cell』。2029年までの量産を目指して製作している

 

プロトタイプeCanter F-Cellが登場!

F-Cellが担う最大の目的は、燃料電池のパワーを利用することで、電動トラック『eCanter』で課題だった航続距離の問題を解決することです。eCanterは2017年に小型電気トラックとして発表しており、すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中です。しかし、航続距離は100km程度にとどまり、搭載バッテリーの重さにより、積載量はディーゼルトラックよりも減ってしまっていました。F-Cellはこの課題を解決する使命を担って開発されたのです。

↑すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が既に稼働中という「eCanter」(左)と並んだ「eCanter F-Cell」(右手前)

 

三菱ふそうが明らかにしたところでは、F-Cellには3本の水素タンクを搭載し、目指す航続距離は300km。実にeCanterの3倍もの航続距離を確保し、しかも最大積載量はディーゼルCanterと同等を達成できています(目標値)。そして、使い勝手も良好。水素の充填に要する時間は5~10分程度で済み、eCanterのように長時間にわたる充電時間は不要となるからです。搭載したリチウムイオン電池の容量は40kWhで、システム全体の最高出力は135kW。eCanterと同等のパワーを発揮しながら、それを上回る使い勝手の良さを実現しているのがF-Cellなのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellは、航続距離300kmを目標に開発。eCanterと同等の動力性能と積載量を目指した

 

↑市販されているeCanterとeCanter F-Cellの比較。航続距離を3倍にしつつ、充電(充填)時間を大幅に減らし、積載量もディーゼルと同等にした

 

試乗会の会場となったのは川崎市にある三菱ふそう事業所でした。会場にはF-Cellと、その比較試乗のためにeCanterが並んで用意されていました。既に市販されているeCanterは街を走るディーゼルCanterとほとんど違いが分かりませんが、F-CellはコンセプトモデルということもあってヘッドライトをLED化し、全体を専用のデカールシートでデザインされ、明らかに別モノということが分かります。

↑専用デカールシールで身をまとったeCanter F-Cell。ヘッドライトをLED化することで斬新さをアピール

 

↑プロトタイプeCanter F-Cellのリアビュー。カーゴスペースを犠牲にしていないのが大きなメリット

 

撮影していると、F-Cellの車体には「Re-Fire」のロゴマークがあることに気付きました。Re-Fireといえば、中国の独立系燃料電池サプライヤーで、世界有数の燃料電池システム開発会社であるカナダのバラード社と技術提携によって成長した会社。F-CellはこのRe-Fire製の燃料電池システムで動作することになっていたのです。

↑燃料電池システムとして搭載した「Re-Fire」のロゴマークがカーゴスペースの左サイドに貼られていた

 

この採用について開発者に伺うと、「あくまで東京モーターショーへの出展に間に合わせるためにRe-Fire製システムを採用したのであって、量産化を前提としているたわけではない」とのこと。ならばどうしてグループ内のダイムラー製のシステムは採用しなかったのでしょうか。「ダイムラーは乗用車向け車両で手いっぱいの状況で、製作期間やコストを踏まえ既成システムで展開できるRe-Fire製を採用することにした」とのことでした。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの燃料電池システムは、既製のRe-Fire製を採用。そのためシステムのコンパクト化が課題となった

 

いよいよ2台を試乗してみた!

試乗はまずeCanterから行いました。踏み込んだ瞬間から力強いトルクでスタート!荷物を積んでいない状態とはいえ、その後もスムーズに加速していきます。ディーゼル車でも十分なトルク感は感じますが、振動も音もなく加速する様は従来の小型トラックのイメージを大きく覆すものです。まさにEVならではの走りだったと言えるでしょう。

 

続いて、いよいよF-Cellの試乗です。スタート時の力強さはeCanterとほぼ同じ感覚でした。が、その後が続きません。後ろから何かで引っ張られているような感じがして加速が伸びていかないのです。加速時に発生するエアコンプレッサーの音も気になりました。プロトタイプである以上、完成度は当然ながら低いのは仕方がないでしょうけど、走りや快適性でeCanterとの違いは明らかだったのです。

↑プロトタイプeCanter F-Cellの運転席周り。基本的にeCanterをベースとするが、シフトレバーは専用

 

試乗後、この印象をF-Cell開発者にぶつけてみると意外な回答が返ってきました。「F-Cellはプロトタイプと言うこともあり、ベースを量産車になる前のeCanterのものを使っている。それだけにコンポーネントのバージョンが古いので、制御がうまくできていないところもある」というのでした。なんと、F-CellはeCanterよりも古い仕様がベースとなっていたのです。開発者いわく、「正直言えば、燃料電池システムの開発にはきわめて高度な技術が要求される。今後はプロトタイプで得た知見を活かして(自社の)技術レベルを上げていきたい」と、量産に向けた意気込みを語っていました。

 

となると、気になるのは量産に向けた動きです。親会社であるダイムラーは将来的なビジョンとして、2029年までには燃料電池車を量産し、2039年までには販売をゼロエミッション車だけにすると発表しています。そのロードマップに従って三菱ふそうが発表したのがeCanter F-Cellでもあるわけです。

 

その中でポイントとなるのは積載量に影響を与えない燃料電池システムの開発です。開発者は「現状でも電池はフレーム内に収まっており、カーゴスペースを犠牲にはしていない。ただ、燃料電池システムのコンパクト化を進めることでタンクの増設が可能になり、航続距離の延長にもメリットが生まれる」と話します。また、調達先も必ずしもダイムラーだけにこだわっていないとも言います。「現状でダイムラーが用意しているのはタンクが太過ぎて4つ入れるのは難しい。システムのコンパクト化を行うなら、グループ外からの調達も視野に入れている」ということでした。

↑量産に当たっては燃料電池システムのコンパクト化により、燃料タンクをプロトタイプの3つから4つに増やす考え

 

↑水素の充填口はカーゴスペースの右サイドに用意。eCanter F-Cellのおおよそのスペックも記載されていた

 

今、世界中で燃料電池システムへの関心が急速に高まっています。少し前まではほとんど関心を示していなかったドイツまでも1兆円を超える巨額の水素投資の下、官民を挙げて燃料電池システムに本腰を入れ始めています。三菱ふそうがF-Cellの量産を目指す2029年以降、世界は燃料電池システムを巡って熱き戦いが展開されているのかも知れません。

 

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孤軍奮闘のPND、パナソニック・ゴリラの最新作「CN-G1400VD」をインプレ! 根強い人気がわかる実力機だった

ポータブル型ナビと言えば、ひと昔前、一世を風靡したカーナビゲーションですが、今やスマートフォンに押されてすっかり姿を見なくなってしまいました。しかし、その中でも孤軍奮闘しているのがパナソニック「ゴリラ」です。ゴリラが誕生したのは今から25年前のこと。当時は旧三洋電機が販売していましたが、その流れは今、パナソニックに引き継がれ、累計出荷台数は529万台を突破。今もなお根強い人気を保ち続けているというわけです。

↑2020年型『ゴリラ』の最上位モデル「CN-G1400VD」(実売価格6万9800円)。他にFM-VICS非対応/地図更新なしの7V型モデル「CN-G740D」(実売価格5万8630円)と、同5V型モデル「CN-G540D」(実売価格4万1930円)をラインナップする

 

そこまでやるか!!の市街地カバーエリア拡大と、3年に一度の“全地図更新”機能

そのゴリラが今年、魅力的な進化を遂げました。その最大のポイントは、市街地図のカバーエリアを全国100%にまで広げたことです。これまでもゴリラは市街地図を1295都市で実現していましたが、2020年モデルではこれを全国すべてを対象とした1741都市へと拡大。カーナビで初めて、都市部だけでなく全国津々浦々、どこまで行っても建物の形状や土地の様子までも確認できるようになったのです。

↑2020年モデルでは家の形状が一軒ごとにわかる市街地図を全国の街へ広げた

 

もう一つは、上位機に無料搭載されてきた地図更新を3年に一度の全更新までもサポートしたことです。これまでも3年間にわたって2か月に一度、差分更新することができましたが、今回はそれに加えて、3年間に一度だけ“全地図更新”もサポートすることになったのです。これにより、3年の無料更新期限が近づいたところで全地図更新を行えば、そこから先も新しい地図データの下でゴリラを使い続けられるわけです。

 

今回のテストはダイハツ・ムーブのダッシュボードの上に取り付け、東京都内~千葉市周辺を往復して実施しました。

 

取り付けはとても簡単です。付属する電源ケーブルをシガーライターソケットに差し込み、FM-VICS用アンテナを本体に接続します。次に、付属の取付用プレートをダッシュボード上に貼り、ここに本体に取り付けた吸盤式スタンドを装着すればOKです。これだけでゴリラならではのGジャイロや、トリプル衛星による高精度測位が行われるのです。おそらく15分もあれば誰でも取り付けられるのではないでしょうか。

↑電源はシガーライターソケットから取るだけ。他にクルマと接続するものがないので、誰でも簡単に取り付けられる

 

目的地は多彩なカテゴリーから絞り込んで設定。操作に小気味よく反応するので、使っていてストレスはほとんど感じないでしょう。スマホのように音声入力することはできませんが、50音入力は知っている名称の一部を入れれば候補がリスト表示されます。

 

さらに目的地を設定する際に「周辺検索」「ガイドブック」を選べ、ガイドブックではJTBが監修した「るるぶDATA」を呼び出すことが可能。本体にはバッテリーも内蔵されていますから、出かけた先のホテル内で通信環境に左右されず周辺の見どころを簡単に探せます。これもゴリラならではの魅力なのです。

↑JTBが提供する「るるぶDATA」を収録。目的地設定時に簡単に周辺のガイド情報が呼び出せる

 

↑ワンセグTVにも対応。バッテリーも内蔵しているので、外へ持ち出して視聴することもできる

 

目的地を設定すると、ルートは条件別に最大5ルートまで候補を表示できます。通常は「自動」で選んでおけば間違いはないでしょう。ゴリラが案内するルートは安心して任せられるほどレベルが高く、スマホナビのような「?」が付くような案内をすることはほとんどありません。

 

さらに、FM-VICSで受信した「VICS-WIDE」による渋滞情報も反映する「スイテルート案内」が機能するので、交通状況の変化にもその都度対応してくれます。テスト中も何度もルート変更を提案し、そこにはどのぐらい時間を短縮できるのかも表示されていました。

↑方面案内の表示にも対応。進むべき方向も描かれているので安心して従える

 

↑FM-VICSで提供される「VICS-WIDE」に対応。一般道での旅行時間情報に基づき、目的地に早く着く「スイテルート」を案内する

 

↑「スイテルート」を反映したときの画面。ピンクの旧ルートに比べ、イエローの新ルートは距離も短くなり、目的地に6分早く到着することを示している

 

きめ細かい交通規制案内も魅力的!

きめ細かな交通規制の案内もゴリラならではの魅力です。一時停止に始まり、速度規制や合流案内、急カーブ、踏切案内、指定方向が禁止案内など、実に多彩な規制を画面上に音声案内を伴いながらポップアップ。交通規制を守るべきなのは言うまでもありませんが、初めての土地へ出掛けた時などは周囲に気を取られてつい見落としがちになります。そんな時でもこの案内があれば大いに助かるというわけです。一軒ずつ家の形や一方通行までがわかる市街地図は50mスケール以下で表示できます。12mスケールでは歩道の状況まで分かります。

↑各種交通規制や注意喚起に役立つ道路標識を、音声と共に画面上にポップアップして知らせる

 

↑渋滞情報は過去の統計情報(白抜きの渋滞情報)も反映される※CN-G1400VDのみ

 

また、高速道路では逆走に対してもしっかりサポートします。サービス/パーキングエリアで休んだ後に走り出すと画面上には「逆走注意アラーム」が音声と画面上で注意してくれるのです。それでも合流部まで進んで逆走を始めたら、アイコンと音声でそれを警告します。テストではさすがに再現は不可能でしたが、スタート時の注意アラームについては確認できました。逆走が社会問題化している現在、この機能の搭載は特に判断が鈍りがちな高齢者にとってもメリットは大きいと思います。

↑高速道路のサービスエリアやパーキングエリアで休憩した後、出発すると逆走のアラートが音声と共に案内される

 

↑高速道路など自動車専用道路の分岐点に近づくと、車線や方面案内までも正確に描いて進行方向ガイドする

 

測位精度はどうでしょうか。ビルが建て込んだ銀座周辺を走ってみましたが、位置がずれることは一度もありませんでした。エンジンを切って再スタートする時でも正確に位置を憶えていて、ここでも問題なし。ただ、地下駐車場に入ってエンジンを切り、再び地上へ出たときは正しい位置を示すのに1分程度かかりました。それでもクルマの向きはかなり早い段階で認識してくれ、どの方角に向かっているかは把握できました。

↑政令指定都市の主要交差点では、周囲の状況を正確に描く3Dビューで進行方向を案内。路面のカラー舗装まで描かれている

 

一方、道路の高低差は思ったほど正確ではありませんでした。首都高と一般道が重なる場所で正確に認識できたのは、今回のテストでも数回程度。インダッシュ型ナビのような精度は発揮できないようです。ただ、ゴリラにはこんな時に役立つ「道路切替」ボタンが用意されていて、これを押せばワンタッチで並行している道路に切り替えてくれます。

 

このボタンはデフォルトではメニュー内に用意されてますが、「G-LAUNCHER」ボタン内に設定しておくとより便利に使えると思います。ゴリラは高精度を追求する人にとっては能力的にも不足を感じるでしょう。かといって、停止すると自車位置が不安定になるスマホを使うよりははるかに安心できるとも言えます。

↑首都高など、都市高速の入口では3Dビューで入口を案内して進行方向をガイドする

 

↑並行する道路は正確に反映されないときはメニュー内にある「道路切替」を押せばいい。「G-LAUNCHER」内に設定すると便利だ

 

では、このゴリラはどんな人におすすめなのでしょうか。最適と思えるのが、すでにダッシュボードにオーディオなどが搭載されていて、これを交換せずに簡単にナビを追加したいという人です。運転に不安をおぼえ始めた高齢者などにも、ゴリラのきめ細かな規制案内が役立つでしょう。

 

一方、車速パルスを取ることができない旧車に乗っている人にとっても貴重なナビとなるはずです。全国津々浦々まで市街地図表示を実現し、交通規制までサポートすることで、分かりやすさと安心・安全をもたらした新型ゴリラ。ポータブル型ナビとして見逃せない一台となることは間違いありません。

 

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【中年名車図鑑|日産VWサンタナ】販売こそ低調だったが、日産にとっては大きな収穫だった

1980年代前半に大きな問題となった日本と欧米間での自動車の貿易摩擦。国際戦略に力を入れていた日産自動車は、その対応策として西ドイツのフォルクスワーゲン社と協力関係を樹立し、同社のフラッグシップセダンであるサンタナのノックダウン生産を実施する――。今回は初の和製フォルクスワーゲン車として1984年にデビューした「日産VWサンタナ」の話題で一席。

【Vol.87 日産VWサンタナ】

厳しい排出ガス規制と石油ショックを何とか克服した日本の自動車メーカーは、来るべき1980年代に向けて海外市場への本格進出に力を入れ始める。なかでもこの分野での先駆メーカーといえる日産自動車の戦略は、群を抜いて精力的だった。陣頭指揮を執ったのは、1977年に社長に就任していた石原俊氏で、経済マスコミでは同氏のことを“輸出の石原”と称した。

 

■日産自動車の貿易摩擦への対応策

一方、ここで重大な事態が発生する。日本車の進出によって、欧米の自動車メーカーの自国シェアが大幅に減ったのである。同時に、日本市場での輸入車に対する閉鎖性が大きくクローズアップされるようになった。この状況は徐々に深刻になり、やがて時の政府を巻き込んだ自動車の“貿易摩擦”として大問題となる。

 

このままでは海外市場での事業拡大に大きな支障が出る――。日産自動車の首脳陣は様々な議論を重ね、1980年12月には欧州向けの対策プランを実施する。そのプランとは、西ドイツ(現ドイツ)のフォルクスワーゲンAGとの「国際貿易上の問題解決に積極的に貢献することを目的として、全般的な協力関係を樹立する」という合意だった。そして翌81年9月には、日本でフォルクスワーゲン車のノックダウン生産を行い、販売も日産のディーラーが手がける契約を結ぶこととなった。

 

■ノックダウン生産に選ばれた車種はVWのフラッグシップセダン

日産VWサンタナは80年代の貿易摩擦緩和のため誕生した。生産は日本国内で行うノックダウン方式、販売も日産ディーラーが行った。日本仕様として5ナンバーサイズに収まるようアレンジが施された

 

日本でノックダウン生産するクルマを決める際、日産は自社の車種ラインアップになるべくバッティングしないフォルクスワーゲン車を検討する。選ばれたのは、1981年に欧州デビューしていた同社のフラッグシップセダンである「サンタナ(SANTANA)」だった。

 

日産の開発陣はサンタナを日本仕様に仕立てるにあたり、5ナンバーサイズに収めるためにサイドモールを薄型にするなどして1690mmのボディ幅とする(全長×全高は4545×1395mm、ホイールベースは2550mm)。さらに、日本の法規に則したヘッドライトやサイドマーカー、交通環境に応じた導入口の広いラジエターグリルなどを装着した。ハンドル位置は右。駆動レイアウトはFFで、縦置きに積まれるエンジンはアウディの設計によるJ型1994cc直列5気筒OHC(110ps)、フォルクスワーゲン設計のJN型1780cc直列4気筒OHC(100ps)、そしてCY型1588cc直列4気筒ディーゼルターボ(72ps)の3タイプを用意する。5速MTおよび3速ATのトランスミッションやラック&ピニオン式のステアリングギアなどの主要部品も、フォルクスワーゲン社から供給を受けた。また、エクイップメントに関しては本国でオプション設定の快適装備品をふんだんに盛り込んだ。

 

1984年2月、神奈川県の座間工場に設けた専用ラインで生産され、M30の型式を取得した「日産VWサンタナ」が市場デビューを果たす。グレード展開はJ型エンジンを積むXi5とGi5、JN型エンジン搭載車のGiとLi、CY型エンジン搭載車のGtとLtという計6グレードを設定。トランスミッションはガソリン仕様が5速MTと3速AT、ディーゼル仕様が5速MTだけを組み合わせていた。ちなみに、サンタナの新車記者発表会の席では、当時フォルクスワーゲン車の輸入・販売権を持っていたヤナセも同席。日産のサニー店系列とヤナセの直営店の2体制で日本生産のサンタナを売る旨がアナウンスされた(後にプリンス店系列も販売に加わる)。

 

■販売台数は伸びなかったものの――

バブル景気前夜の日本において、サンタナの質実剛健なインテリアは地味に映った。同クラスのハイテク満載の国産車と比べると割高感があり、販売は苦戦した

 

貿易摩擦の打開策、そして初の和製フォルクスワーゲン車でもあったサンタナは、大きな注目を集めて日本の市場に迎えられる。自動車マスコミからも、高いボディ剛性を芯に据えたしっかりとした乗り心地やハンドリングなどが高く評価された。

 

しかし、実際に蓋を開けてみるとサンタナの販売成績は予想外に伸びなかった。1980年代中盤といえばバブル景気の助走期。日本車はハイテクが積極的に採用され、品質も大きく向上していた。そんな状況下で、サンタナの地味なルックスや質素なインテリア、数値上で見劣りするエンジンスペック、さらに同クラスの国産車に比べて割高な価格設定などが、ユーザーの購入欲を刺激しなかったのである。受け入れたのはドイツ流の固めの足回りが好きで、質実剛健の内外装に惹かれたコアなファンにとどまった。

 

日産はテコ入れ策として、サンタナのラインアップ拡充を実施する。1985年5月には専用セッティングの足回りやスポーツシートなどを装着するXi5アウトバーンを追加。1987年1月にはマイナーチェンジを敢行し、内外装の意匠変更を図った。同時に、Xi5アウトバーンには1994cc直列5気筒DOHCエンジン(140ps)が採用される。1988年1月にはXi5をベースに専用の内外装パーツを組み込んだマイスターベルクを300台限定でリリースした。

 

ところで、日産VWサンタナの広告展開およびグレード名は、当時ドイツ車への憧れが日本の一般ユーザーに広がり始めていたことから、ドイツ・カラーを色濃く打ち出す戦略をとっていた。広告でのキャッチコピーは“アウトバーンから日本の道へ”“ロマンティック街道から”“ドイツの光と風”など。また、デビュー当初は「ドイツの“香り”プレゼント」と称してドイツ産ワインのプレゼント企画も実施した。グレード名には「Xi5アウトバーン」や「マイスターベルク」といったネーミングを採用。Xi5アウトバーン登場時のCMでは、あえてドイツ語でスペック表記を映し出していた。

当時、ドイツ車への憧れが日本ユーザーに広がりはじめていたタイミング。サンタナはドイツ色を強く押し出したPR戦略をとった

 

さまざまな改良を施していった和製サンタナ。しかし、販売成績が大きく回復することはなく、そのうちに貿易摩擦の問題も現地生産化などによって次第に改善され、1988年末にはフォルクスワーゲン社との提携も解消される。そしてサンタナのノックダウン生産は中止となり、販売も1990年中には終了した。

 

販売成績の面では低調に終わった日産VWサンタナ。しかし、日産にとって高いロイヤリティを払ったことは決して無駄にはならなかった。当時の開発スタッフによると、「ドイツ流のクルマ造りを細部にわたって学べた。また、ドイツ車に対する日産の強みも把握できた」という。その結果は、以後に登場する日産車のボディ剛性の出し方や足回りのセッティングなどに存分に活かされたのである。

 

【著者プロフィール】
大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

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【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

【中年名車図鑑|マツダ・ユーノス500】日本では評価されなかった「世界で最も美しいサルーン」

好景気で盛り上がる1980年代終盤の日本。各自動車メーカーはディーラー網の強化と車種展開の拡大を積極的に推進する。マツダは1989年に新販売チャンネルのユーノス系列ディーラーをオープン。ロードスターや高級スペシャルティカーなどに続き、スタイリッシュな4ドアセダンを1992年に発売した――。今回は“時を超えて輝く品質”を徹底追求した新世代スタイリッシュサルーンの「ユーノス500」で一席。

【Vol.86 マツダ・ユーノス500】

マツダが1989年4月に設立した新販売チャンネルの「ユーノス」系列店では、上質かつ斬新なキャラクターのクルマを販売することが経営上の方針とされた。1990年代初頭にはライトウェイトスポーツのロードスターに輸入車のシトロエン、3ローターエンジンを搭載する高級スペシャルティのコスモ、リトラクタブルライトを配したハッチバック車の100、サッシュレス4ドアハードトップの300、スポーティなハッチバッククーペのプレッソなど、多様なカテゴリーで個性的なモデルをラインアップする。一方、量販が期待できる車種、すなわち“4ドアセダン”に関しては、まだユーノス・ブランド車が用意されていなかった。真打のセダンモデルはどのような形で登場するのか――そんな市場の期待を裏切らないよう、開発陣は懸命にユーノス版セダンの企画を推し進めた。

 

■ユーノス・ブランドにふさわしいセダンモデルの開発

1989年4月に設立した新販売チャンネル「ユーノス」の4ドアセダンとして開発。“いつまでも色あせない価値”をコンセプトに3次曲面を多用した流麗なプロポーションをまとった

 

ユーノスの4ドアセダンでは、“いつまでも色あせない価値”の創出を開発テーマに掲げる。基本骨格については、マツダの新世代ミドルクラス車であるクロノス(1991年10月デビュー)のものを流用。一方、スタイリングに関しては3次曲面を多用した流麗なプロポーションを構築したうえで、ボディの段差や隙間を極少かつ均一に整えた精緻な造り込みを実施する。また、いつまでも美しい艶めきを保ち続ける高機能ハイレフコート塗装を全ボディカラーで採用した。内包するインテリアについても、高品質かつ高機能な空間を演出する。インパネはラウンディッシュで広がり感のある造形でアレンジ。空調パネルをセンター上部に張り出して設置した点も目新しかった。装備面にも抜かりはなく、フルオートエアコンや新イルミネーテッドエントリーシステム、スイングピロー機構付きシート、後席格納式センターアームレストなどを設定。最上級グレードには本革地のシート/ステアリング/シフトノブ/パーキングブレーキレバーや電動ガラスサンルーフを採用した。

 

高品質の追求は走りに関しても貫かれる。搭載エンジンは可変共鳴過給システムのVRISを組み込んだ高性能V6DOHCの2機種で、KF-ZE型1995cc・V型6気筒DOHC24V(160ps)とK8-ZE型1844cc・V型6気筒DOHC24V(140ps)を設定。組み合わせるトランスミッションにはホールドモード機構付き電子制御4速ATと5速MTを用意する。前後ストラット式の足回りについては専用チューニングを実施。とくに高速ツーリングの快適性を高めるようにアレンジした。

 

■“10年色あせぬ価値”を謳って登場

ボディサイズが全長4545×全幅1695×全高1350mmと5ナンバー規格だったことも話題に。カーデザイン界では「小型クラスにおいて世界で最も美しいサルーン」と評された

 

ユーノス・ブランド期待の4ドアセダンは、「ユーノス500」(CA型)の車名で1992年1月に市場デビューを果たす。キャッチフレーズは“10年色あせぬ価値”で、グレードは上位から20G/20F-SV/20F/18Dで構成。個性的なスタイリングや高品質なハイレフコート塗装のほか、ボディサイズを全長4545×全幅1695×全高1350mmの5ナンバー規格に収めた(基本骨格を共用するクロノスやアンフィニMS-6は全長4695×全幅1770mmの3ナンバーサイズ)ことも注目を集めた。

 

当時のカーデザイン界では、「小型クラスにおいて世界で最も美しいサルーン」と評されたユーノス500。しかし、販売成績はデビュー当初を除いて振るわなかった。ユーザーの目がレクリエーショナルビークル(RV)に移っていた、上質で個性的なルックスに仕上がっていたもののデザイン自体のアクがやや強すぎた、V6エンジンの割には回転フィールのスムーズさに欠けた、ユーノス+数字の車名ではユーザーがクルマをイメージしにくかった――要因は色々と挙げられた。

 

■ベーシック仕様とスポーツモデルの追加

ラウンディッシュで広がり感のあるインパネ。空調パネルをセンター上部に張り出して設置したデザインもユニークだ

 

販売成績のアップを目指して、開発陣はユーノス500の様々な改良とラインアップの変更を実施していく。1993年1月にはオフブラックのレザー内装やリアスポイラーを備えた20F-Xを、1993年5月には装備アイテムを充実させた20Fスペシャルを追加設定。1994年3月にはマイナーチェンジを実施し、内外装の一部意匠変更のほかにFP-DE型1839cc直列4気筒DOHC16Vエンジン(115ps)搭載のエントリーグレードや専用ハードチューンサスペンションおよびアドバンA407タイヤ+15インチアルミ等を組み込んだスポーティ仕様の20GT-iの設定などを行った。

 

高品質サルーンとしての商品価値の引き上げを多様なアプローチで敢行していったユーノス500。しかし、販売は低迷が続き、しかもマツダ本体の経営悪化が深刻化してきたことから、結果的にユーノス500の国内販売は1995年いっぱいで中止されてしまう。一方、ユーノス500の欧州市場向けである「クセドス6(Xedos 6)」の販売は継続。高評価を得ながら1999年までリリースされた。マツダが追求した“色あせぬ価値”は、日本よりも欧州で広く認められたのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

【中年名車図鑑|第1世代・スバル・インプレッサWRX】スバリストたちに愛され、育てられた高性能スポーツセダン

海外モータースポーツへの本格参戦に際し、世界ラリー選手権(WRC)のフィールドを選択した富士重工業。独創的な技術で勝負する同社は、1992年になると新しいホモロゲーションモデルを市場に放った――。今回は新世代ハードトップセダンのインプレッサをベースに開発した「WRX」グレードの第1世代(1992~2000年)で一席。

【Vol.85 第1世代・スバル・インプレッサWRX】

富士重工業(現SUBARU)は軽自動車のヴィヴィオから小型車のレガシィへのスムーズな上級移行の形成を目指し、1992年10月に新しい中間車となる「インプレッサ(IMPREZA)」発表、翌11月に発売する。シリーズ展開はサッシュレス4ドアのセダン(GC型)およびスポーツセダンのWRX(GC8型)とコンパクトなラゲッジを備えたスポーツワゴン(GF型)で構成した。

 

■走りの性能を徹底的に磨いた最強スポーツセダンのWRX

WRXの第1世代は1992年に登場した。リアスポイラー、サイド&リアアンダースカート、大径フォグランプがシリーズ最強の存在感を主張する

 

シリーズの最強版で、かつWRCグループAのホモロゲーションモデルとなるWRXは、ロードカーバージョンのWRXとコンペティション仕様のWRXタイプRAを設定する。搭載エンジンには大容量高速型の水冷ターボチャージャーやダイレクトプッシュ式バルブ駆動、5ベアリングクランクシャフト、クローズドデッキシリンダーブロックなどを組み込んだオールアルミ合金製のEJ20型1994cc水平対向4気筒DOHC16Vインタークーラーターボを採用。パワー&トルクは240ps/31.0kg・mを発生した。組み合わせるトランスミッションには、油圧レリーズ式プルタイプのクラッチを導入したうえでギア比を最適化した5速MTをセット。駆動機構にはビスカスLSD付センターデフ式フルタイム4WDを採用し、リアにもビスカスLSDを装備する。フロントをL型ロワアームのストラット、リアをデュアルリンクのストラットで構成したサスペンションはアームやブッシュ類を強化するとともに、ダンパーおよびスプリングにハードタイプを装着。ボディは曲げとねじれともに剛性を引き上げ、同時にアルミ製フロントフードを導入するなどして効果的に軽量化を図った。ボディサイズは全長4340×全幅1690×全高1405mm/ホイールベース2520mmに設定する。制動機構にはフロントにローター厚24mm/制動有効半径228mmの2ポットベンチレーテッドディスクを、リアに同18mm/230mmのベンチレーテッドディスクをセット。専用の内外装パーツとしてリアスポイラーやサイド&リアアンダースカート、大径フォグランプ、205/55R15タイヤ+6JJ×15軽量アルミホイール、ナルディ製本革巻きステアリング&シフトノブ、バケットシートなども装備した。

 

富士重工業が大きな期待を込めて市場に送り出した新しい中間車の高性能グレードのWRX系は、走りを重視するスバリストたちから絶大な支持を集める。この勢いを維持しようと、開発陣は精力的にWRXの改良とラインアップの拡充を図っていく。1993年10月の一部改良(Bタイプ)ではスポーツワゴンにも高性能モデルのWRXグレードを設定。このときターボエンジンとATが組み合わされ、駆動機構にはVTD-4WDを採用した。

 

■STiバージョンの登場

WRX専用装備として、ナルディのステアリング&シフトノブ、バケットシートを用意

 

WRC制覇を目指した富士重工業の開発陣、さらに同社のモータースポーツ部門であるSTI(スバルテクニカインターナショナル)は、WRXの改良を矢継ぎ早に実施していく。まず1994年1月には、ハイパフォーマンスモデルの「WRX STi」がデビュー。EJ20ターボエンジンはファインチューニングが敢行され、鍛造ピストンや専用ECU、軽量化したハイドロリックラッシュアジャスター、インタークーラーウォータースプレイ&専用ノズルなどを採用した。さらに排気系にはSTi/フジツボ製のΦ101.6mm大径マフラーを組み込む。得られたパワー&トルクは250ps/31.5kg・m。加速性能とアクセルレスポンスも従来ユニットを大きく凌いだ。さらに1994年10月になるとインプレッサのマイナーチェンジ(Cタイプ)が実施され、セダンWRX系のEJ20ターボエンジンの最高出力は260psにまで引き上がる。また翌月には、競技用ベース車のWRX-RA STiが登場。専用タイプのECUにシリンダーヘッド、ナトリウム封入排気バルブおよび中空吸気バルブ、ダクト部強化型インタークーラーなどで武装し、ターボの過給圧も高めたEJ20ターボは、275psの強力パワーを発生した。

 

WRXの進化は、まだまだ続く。1995年8月にはWRX STiのバージョンⅡがデビュー。1996年9月になると“全性能モデルチェンジ”と称したインプレッサのビッグマイナーチェンジ(Dタイプ)が行われ、同時にWRX STiはバージョンⅢに発展した。全性能モデルチェンジを遂げたWRX系には、“BOXER MASTER-4”と名づけた新しいターボ付きEJ20型エンジンが搭載される。ターボチャージャーの大型化やインタークーラーのサイズアップおよびコアの水平置き化、新ピストンの採用、過給圧アップに対応したメタルガスケットの装着などを実施し、パワー&トルクはついに280ps/33.5kg・mに達した。また、WRX STiバージョンⅢは専用大容量タービンの採用や最大過給圧の引き上げなどによって最大トルクが35.0kg・mにアップ。足回りのセッティング変更も行い、操縦安定性を向上させた。さらに1997年9月には、一部改良を実施してEタイプに移行。WRX STiはバージョンⅣとなり、EJ20ターボエンジンの最大トルクは36.0kg・mにまで引き上がった。

 

■WRカーのロードバージョンを設定

400台限定、500万円で売り出された「22B-STi Version」はわずか2日で完売

 

WRCは1997年シーズンに従来のグループAからWRカーに移行する。このシーズン、マニュファクチャラーズチャンピオンに輝いたのは、インプレッサWRCで参戦したスバル・ワールドラリーチームだった。一方でスバリストたちからは、ちょっとした不満の声も聞かれた。インプレッサWRCと直結するロードバージョンがない――。その意見は、もちろん富士重工業およびSTIの耳に入っていた。最終的に富士重工業は、STI主導でインプレッサWRCのロードバージョンを開発する旨を決断。しかも、徹底して高性能化を図る方針を打ち出した。

 

まずボディに関しては、2ドアクーペ用をベースに大型のブリスターフェンダーを装備してワイド化を図る。組み付けには高田工業の協力を仰ぎ、同社のラインにおいて半ば手作業で溶接を行った。ボディカラーには、インプレッサWRC専用色のソニックブルーマイカを採用する。内包するインテリアでは、シートやドアトリムをボディ色とコーディネートしたブルー系で、インパネをインプレッサWRCと同イメージのマットブラックタイプでまとめた。搭載エンジンはEJ20系のボアを92.0→96.9mmに拡大したうえで、各部のセッティングを変更したEJ22改(2212cc水平対向4気筒DOHC16Vインタークーラーターボ)を採用する。パワー&トルクは280ps/37.0kg・mを発生。サスペンションには専用チューニングのビルシュタイン製倒立式ダンパーとアイバッハ製コイルスプリングをセットした。

 

インプレッサWRCのロードバージョンは、「22B-STi Version」のネーミングを冠して1998年3月に市場デビューを果たす。販売台数は400台限定。車両価格は500万円と高価だったが、その人気は凄まじく、わずか2日で完売した。

 

■モデル末期にSTIコンプリートカーのS201を発売

1998年9月にはマイナーチェンジが行われ、Fタイプへと切り替わる。搭載エンジンは新設計のシリンダーブロックおよびヘッドを採用した“BOXER PHASE Ⅱ”に換装。WRX系には新タイプの倒立式ストラットサスペンションをセットした。WRX STiはバージョンⅤへと進化。WRカータイプの大型リアスポイラーやスポーツABSなどを新規に設定した。さらに1999年9月になると、一部改良でGタイプに移行する。WRX系では空力特性の向上を狙った外装の仕様変更や新16インチアルミホイールの設定などを実施。バージョンⅥとなったWRX STiは、リアスポイラーの翼断面形状の刷新やリアクォーターガラスの薄板化による軽量化、クラッチスタートシステムの採用(MT車)などを行った。2000年4月にはGC8型インプレッサをベースにSTIがコンプリートで仕立てた「S201 STI version」が300台限定で発売される。搭載エンジンは専用スポーツECUを組み込むと同時に吸排気系を変更したEJ20ターボで、パワー&トルクは300ps/36.0kg・mを発生。専用装備として車高調整式強化サスペンションやリア・フルピローラテラルリンクおよびトレーリングリンク、フロントヘリカルLSD、エアロバンパー、ダブルウィングリアスポイラーなどを設定した。

 

2000年8月になるとインプレッサはついに全面改良を実施し、2代目となるGD/GG型系に移行する。じっくりと手間をかけて進化していった初代のGC/GF型系。とくにラリーのベース車となったGC8型のWRXシリーズは、1990年代の高性能スポーツセダンの代表格に昇華したのである。

 

■WRCにおいて3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得

インプレッサはWRCで快進撃を続け、グループAカーとWRカーの両カテゴリーでチャンピオンマシンに昇りつめた

 

最後に、第1世代のインプレッサWRXのWRCにおける戦績を紹介しよう。インプレッサWRXがWRCのグループAに参戦したのは、1993年8月開催の1000湖ラリーから。ここでA.バタネン選手がいきなり2位に入るという好成績を成し遂げる。1994年シーズンではC.マクレー選手とC.サインツ選手、R.バーンズ選手らがメインドライバーに起用され、シーズン3勝、マニュファクチャラーズ2位を達成した。そして1995年シーズンでは前年と同様にC.マクレー選手やC.サインツ選手、R.バーンズ選手らがステアリングを握り、シーズン5勝でマニュファクチャラーズタイトルを獲得。さらに、C.マクレー選手がドライバーズチャンピオンに輝いた。1996年シーズンになるとC.マクレー選手やK.エリクソン選手、P.リアッティ選手などを擁し、年間3勝をあげて2年連続のマニュファクチャラーズタイトルの栄冠に輝く。また、改造範囲を最小限に抑えたグループNでもインプレッサWRXは大活躍した。

 

1997年シーズンになると、トップカテゴリーはWRカーに移行する。この新舞台にスバル・ワールドラリーチームは、新開発のインプレッサWRCで参戦した。戦績は見事なもので、第1戦のモンテカルロでP.リアッティ選手が、第2戦のスウェディッシュでK.エリクソン選手が、第3戦のサファリでC.マクレー選手が、第6戦のツール・ド・コルスでC.マクレー選手が、第9戦のニュージーランドでK.エリクソン選手が、第12戦のサンレモと第13戦のオーストラリア、第14戦のRACでC.マクレー選手が優勝を果たし、年間8勝の好成績でマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いた。ちなみに、スバル・ワールドラリーチームが同タイトルを獲得したのは、この年で3年連続。つまり、インプレッサはグループAカーとWRカーの両カテゴリーでチャンピオンマシンに昇りつめたのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

【中年名車図鑑|第1世代・三菱ランサー・エボリューション】絶えず戦闘力を“進化”させてきた「武闘派セダン」

ワールドワイドなモータースポーツへの参戦に際し、ラリーの舞台を主軸に据えた三菱自動車工業。持ち前の高い技術力で勝負を挑む同社は、1992年になると新世代のホモロゲーションモデルとなる「ランサー・エボリューション」を発売した――。今回は第1世代のCD9A/CE9A型“ランエボⅠ~Ⅲ”の話題で一席。

【Vol.84 第1世代・三菱ランサー・エボリューション】

海外モータースポーツへの挑戦で世界ラリー選手権(WRC)を主戦場に選んだ三菱自動車工業および傘下のラリーアートは、1988年からギャランVR-4を駆ってWRCに参戦。徐々に戦闘力を上げていき、1989年シーズンの1000湖ラリーとRACラリー、1990年シーズンのコートジボアール・ラリー、1991年シーズンのスウェディッシュ・ラリーとコートジボアール・ラリー、1992年シーズンのコートジボアール・ラリーで総合優勝を達成した。勢いに乗る三菱自工。一方で開発現場では、ギャランVR-4に代わる新しいラリーモデルの企画を鋭意推し進める。そして、1992年9月にWRCグループAのホモロゲーションモデルとなる「ランサー・エボリューション」(CD9A型)を発表。グレード展開は、標準仕様のGSRエボリューションとコンペティション仕様のRSエボリューションを設定した。

 

■4代目ランサーをベースにホモロゲーションモデルを開発

1992年に登場したランサー・エボリューション、通称“エボⅠ”。250ps/6000rpm、31.5kg・m/3000rpmと2Lクラス最強を誇った

 

キモとなる搭載エンジンは、ギャランVR-4に採用していたターボ付きの4G63型1997cc直列4気筒DOHC16Vをベースユニットとして選択し、各部の徹底チューニングを図る。圧縮比は8.5にまで引き上げたうえで、ピストンやコンドロッド等の軽量化を実施。4バルブDOHCのヘッド回りでは、ナトリウム封入中空排気バルブを組み込んだ。また、ターボチャージャーには横470×縦256×厚65mmという大容量のインタークーラーをセットし、過給効率の向上を成し遂げる。ほかにも、専用チューニングの電子制御燃料噴射システム(ECIマルチ)や圧力検出型カルマン渦式エアフローセンサー、ローラロッカアーム、オートラッシュアジャスター、空冷式オイルクーラーなどを組み込んでエンジンの高性能化と耐久性のアップを図った。得られたパワー&トルクは250ps/6000rpm、31.5kg・m/3000rpmと2Lクラス最強を誇る。組み合わせるトランスミッションは2/3/4速をクロスレシオ化すると同時に、2速にダブルコーンシンクロを、3/4/5速にサイズアップしたシンクロ機構を導入した専用の5速MTを設定。駆動システムにはVCU(ビスカスカップリング)&センターデフ方式のフルタイム4WDを採用した。

 

ボディやシャシーの強化にも抜かりはない。ボディはベース車比でねじり剛性を約20%引き上げ、同時にアルミ製フロントフードを装着するなどして効果的な軽量化を達成。前マクファーソンストラット/後マルチリンクのサスペンションは各部の取付剛性をアップさせるとともに、専用セッティングのダンパー&スプリングの採用やピロボールの拡大展開(各アーム6カ所)などを実施した。エクステリアについては専用デザインのグリル一体型バンパーやサイドエアダム、リア大型エアスポイラーなどで武装。ボディサイズは全長4310×全幅1695×全高1395mm/ホイールベース2500mmに設定する。インテリアではレカロ製バケットシートにモモ製本革巻きステアリング、本革巻きシフトノブといったスポーツアイテムを標準で装備した。

 

■“進化”を宿命づけられたランエボ

94年登場の“エボⅡ”。最高出力は従来比で+10psをマーク。5速MTのローギアード化で加速性能にさらなる磨きをかけた

 

1994年1月になると、改良版のランサー・エボリューション、通称“エボⅡ”(CE9A型)が登場する。4G63型エンジンはマフラーの排圧を低減し、同時にターボチャージャーの過給圧を増大。また、吸気バルブと排気バルブのリフト量を増やし、バルブ開口面積を拡大させた。さらに、ピストン形状の改良やターボチャージャー本体の材質の見直し、エアインテークおよびアウトレットの容量アップなどを実施する。これらの改良の結果、最高出力は従来比で+10psの260ps/6000rpmを達成(31.5kg・m/3000rpmの最大トルクは同数値)。組み合わせる5速MTのローギアード化も図り、加速性能はさらなる高次元に至った。また、シャシー面ではホイールベースとトレッドの拡大に加え、ボディ剛性を大きくアップさせる。さらに、制動性能やトラクション性能も着実に向上させた。

 

ランエボの進化は、さらに続く。1995年1月になると、再度の改良版となるエボリューションⅢ、通称“エボⅢ”(CE9A型)が市場デビューを果たした。ターボ付き4G63型エンジンの最高出力は270ps/6250rpmにまでアップ(最大トルクは同数値)。主要変更ポイントは排気系パイプの外径拡大やターボチャージャーのコンプレッサーホイール形状の最適化、圧縮比の引き上げ(8.5→9.0)などで、主に高回転域での出力向上を狙った改良が施された。また、インタークーラーについては放熱量を高める目的で大容量化(470×256×65mm)を行い、同時にインナーフィンを細かく最適に配列。本体カラーは外熱を吸収しにくいシルバー色とした。組み合わせる5速MTにも改良を加える。第1・2速のギア比はローギアード化を実施。加えて、2~4速のギア比をエンジン出力特性に合わせてクロスレシオに設定する。同時に、2~4速にはダブルコーンシンクロを採用した。駆動メカニズムについては、いっそうの熟成と耐久性の向上を図ったVCU&センターデフ方式フルタイム4WDを採用する。加えて、ホイールの空転を防いで駆動力を確実に路面に伝えるリア1.5WAY機械式リミテッドスリップデフを組み込んだ。

大型エアダム、大型リアスポを装着した“エボⅢ”。最高出力は270ps/6250rpmまでアップした

 

エボⅢは、従来型以上に空力性能に磨きをかけたことも特徴だった。フロントバンパーは形状そのものを見直したうえで、バンパーエクステンションも大型化してダウンフォースを向上。同時に、インタークーラーやオイルクーラーの冷却性を高めるとともに、ブレーキ冷却エアダクトとトランスファー冷却スリットを新たに設置した。また、大型サイドエアダムを加えてフロア下への空気侵入を防ぎ、不要な揚力を抑制する。リア部ではスポイラーとウィッカーを大型化したことがトピック。リア揚力を抑え、後輪の接地性および操縦安定性を引き上げた。一方でボディについては、軽量かつ高剛性を誇る従来の特性をさらに補強。シャシーに関しては、前後サスのアーム類および支持部を効果的に強化し、同時にダンパー減衰力およびバネ定数の最適化を図った。

 

■WRCにおける第1世代ランエボの戦績

“エボⅢ”のインテリア。momoステアリング、レカロシートを装備

 

ランサー・エボリューションは1993年開催のラリー・モンテカルロにおいてWRC初陣を飾る。当初は苦戦を強いられるものの、緻密かつ徹底した改良によって徐々に戦闘力がアップ。1995年シーズンのスウェディッシュ・ラリーでは、エボⅡを駆るK.エリクソン選手がランエボ・シリーズでの初優勝を飾った。

 

続くランエボⅢは、1995年シーズン途中の第4戦ツール・ド・コルスにおいてWRCへの本格デビューを果たす。このレースでは早くも総合3位に入り、その後APRC(アジア・パシフィックラリー選手権)を兼ねたWRCオーストラリア・ラリーで総合優勝を達成した。結果として同シーズンでは、マニュファクチャラーズで2位、ドライバーズで3位(K.エリクソン選手)の好成績をあげる。続く1996年シーズンになると、熟成が進んだエボⅢが大活躍。スウェディッシュ・ラリーやサファリ・サリー、アルゼンチン・ラリー、1000湖ラリー、オーストラリア・ラリーで総合優勝を果たした。その結果、マニュファクチャラーズでは2位、ドライバーズではT.マキネン選手が初のチャンピオンに輝く。ちなみに、APRCでは1995年と1996年に2年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得。ドライバーズでは1995年にK.エリクソン選手がチャンピオンに、1996年にはR.バーンズ選手が2位に入るという好成績を成し遂げた。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

【中年名車図鑑|2代目・日産キャラバン】アウトドア好きスタッフが生み出した乗用1BOXの先駆け

1970年代に入って徐々に浸透し始めた日本のアウトドアレジャーによって、ユーザーは多人数での移動を1台でまかなえるクルマを求めるようになった。日産自動車はその回答として、乗用1BOXカーの刷新を画策。1980年には同社の旗艦1BOXカーであるキャラバンおよびホーミーの全面改良を敢行した――。今回は本格的な乗用1BOXの先駆モデルであり、念願のトヨタ車超えをも成し遂げたE23型系2代目キャラバン(と3代目ホーミー)の話題で一席。

【Vol.83 2代目・日産キャラバン】

モータリゼーションの発展と道路交通網の整備とともに浸透した1970年代の日本のアウトドアレジャーは、ユーザーのクルマに対する要求性能に変化をもたらすようになる。単なる郊外への移動手段から、荷物がたくさん積めて、その積み下ろしが楽で、しかも多くの人間が乗車できるモデルが求められるようになったのだ。さらに、レジャーユースにふさわしいおしゃれなスタイリングや居住空間の快適性も、より重視されはじめる。この市場動向にいち早く気づき、新たな1BOXカーの企画作りに勤しんだのは、日産自動車の開発陣だった。当時の日産スタッフによると、「あの頃の開発陣は、クルマを使って海や山やモータースポーツに出かける趣味人がとても多かった。開発・生産拠点の神奈川県は、どこの遊び場所に行くのにも近かったので。だから、アウトドアレジャーにふさわしい1BOXカーの企画には、とても熱心に取り組んだ」という。アウトドアレジャーの遊びが大好きという開発陣の特性と開発・生産拠点の地の利が、新しい1BOXモデル、具体的には旗艦1BOXカーの新型キャラバンおよび兄弟車のホーミーを造り出すバックボーンとなったのである。

 

■アウトドア好きスタッフの「ほしい」を詰め込んだ

直線基調のフォルムに、シャープなベルトラインや新造形のグリル、大型化したウィンドウを採用。大開口のサンルーフも外観上のアクセントとなった

 

1980年代に向けた新しいキャラバンを企画するに当たり、開発陣はまず経験則を踏まえて「ほしい装備」や「所有して楽しくなる内外装」を検討する。そして、居住性の向上、運転疲労の軽減、利便性のアップ、機能的で遊び心も備えたデザインの構築、安全性の向上などを商品テーマに掲げた。また、ユーザーの多様な使用パターンを鑑み、豊富な車種ラインアップを設定する方針も打ち出した。

 

エクステリアに関しては、従来型のキャラバンで好評だった機能美あふれる直線基調のフォルムをベースに、シャープなベルトラインや新造形のグリル、大型化したウィンドウなどを採用し、現代的で調和のとれた外装を演出する。アウトドアレジャーにふさわしいクルマであることを強調するために、明るいカラーの専用デカールも用意した。また、680×1000mmの開口面積を確保した電動サンルーフを開発し、乗員の開放感を高めるとともに外観上のアクセントとしても昇華させる。ボディサイズは全長4350(長尺バン4690)×全幅1690×全高1925~1950(ハイルーフ2220)mmに設定した。

 

インテリアについては、荷室寸法の拡大やドア開口部の大型化で積載性および乗降性の向上を図ったほか、運転席から荷室への移動が可能なウォークスルー機構を採用して乗員の利便性を引き上げる。さらに、固定フックの設定(バン)や回転対座シートの装着(コーチ)、最後部座席のシート折りたたみ機構の採用、フロントエアコン/リアクーラーの設定、マイクロバスの全車ハイルーフ化などを実施し、多目的車としての実用性と快適性を高めた。また、開発陣はシート表地の素材や柄、クッション厚にもこだわり、乗用車に匹敵する見栄えと座り心地を実現した。

 

メカニズムに関しては、従来のワンボックスカーで見落とされがちだった「運転のしやすさ」を鑑みた改良が実施される。具体的には、パワーステアリングの設定やオートマチック車の拡大展開、運転席のリクライニング機構と120mmのシートスライド機構の採用、ウィンドウ面積の拡大、セーフティウィンドウ(助手席側ドアの視認用の小窓)の装着などを敢行した。また、サスペンションは一般的な1BOXカーと同様のフロント・ウィッシュボーン/トーションバー、リア・縦置き半楕円リーフを踏襲するが、乗り心地とハンドリングを重視した入念なチューニングが施される。ホイールベースは2350(長尺バン2690)mmに設定した。さらに、ブレーキにはバンの一部車種を除いてフロントベンチレーテッドディスクと9インチ大型マスターバックを採用し、制動性の向上と踏力の軽減を図る。搭載エンジンはZ20型1952cc直列4気筒OHC(105ps)、H20型1982cc直列4気筒OHV(92ps)、J16型1567cc直列4気筒OHV(80ps)のガソリンユニットとSD22型2164cc直列4気筒OHVディーゼル(65ps)を設定し、このうち乗用ユースのワゴンモデルにはZ20型とSD22型が組み込まれた。

 

■ワイドな車種展開で市場デビュー

パワーステアリングの設定やオートマチック車の拡大展開で「運転のしやすさ」を追求した

 

1980年代に向けた新しい1BOXカーは、E23型系キャラバンおよびホーミーとして1980年8月に市場デビューを果たす。車種展開はワゴンモデルのコーチ(9~10人乗り)、ロングボディで15人乗りのマイクロバス、商用モデルのライトバン/ハイルーフバン/ルートバンをラインアップ。グレード展開はDXを基準車として、廉価版のCT、上級仕様のGL、高級モデルのSGLを用意し、エンジンやトランスミッションなどの組み合わせによって計55グレードものワイドバリエーションを設定した。また、日産モーター店系列から販売されるキャラバンと日産プリンス店系列で売られるホーミーでは、フロントグリルやエンブレムなどの一部装備で差異化を図った。

回転対座式のシートは多人数乗車の1BOXならではの機構としてユーザーに喜ばれた

 

市場に放たれたE23型系キャラバンおよびホーミーは、従来の1BOXカーとは明確に異なる見栄えの良さや充実した装備、さらに乗用車に匹敵する快適な走りなどで大好評を博す。当時のコーチのユーザーによると、「これほど快適な乗り心地で、しかも運転しやすい1BOXカーは70年代にはなかった。回転対座の機構も、友人や家族にとても喜ばれた」という。また、トランスポーターとして活用していたハイルーフバンのユーザーは、「積載性のよさに加え、ウォークスルー機構がとても便利だった」そうだ。さらに、キャラバンとホーミーは当時のクルマ文化の流行のひとつだった“バニング”のベース車としても用いられ、部品メーカーからは様々なドレスアップパーツが発売された。ちなみに、バニング(Vanning)は元々アメリカの西海岸で1960年代から流行ったピックアップ/バン・ベースのカスタム手法(当初はピックアップが主流で“Truckin’”などとも呼ばれた)で、若者たちがこぞって趣向を凝らした内外装に仕立てる。日本では1970年代ごろから徐々に発展。日産のキャラバンやトヨタのハイエースなどをベースに、外装にはエアロパーツと派手な塗装、内装にはレザー表地のソファーや豪華なオーディオなどを組み込んで個性を競った。並行輸入されたシボレーやダッジのバンも、バニングのベース車として人気を集めた。

 

■車種ラインアップと機能装備のさらなる拡充

1983年のマイナーチェンジで角形4灯式のヘッドライトを採用

 

従来の1BOXカー・ファンだけではなく、一般的な乗用車やボンネットバンのユーザーからも大注目を集めたE23型系キャラバンとホーミーは、デビューから間もなくして最大のライバルであるトヨタ自動車のハイエースの販売台数を抜き去り、クラスのトップシェアに君臨する。他カテゴリーではなかなか達成できなかったトヨタ車超えを、1BOXカーのセグメントでついに実現したのだ。

 

この勢いを維持しようと、日産の開発陣はキャラバンおよびホーミーの改良とラインアップの拡充を次々と実施していく。まず1981年7月には、充実装備の特別仕様車を発売。同年10月の第24回東京モーターショーでは、1BOXカーの新提案形である「キャラバン・フレグラント」と「ホーミーRV」を参考出品した。1982年5月にはマイナーチェンジを実施。コーチのディーゼルエンジンがLD20T型1952cc直列4気筒OHCターボに換装され、またコーチのトランスミッションのフロアシフト化や新グレードの7人乗り仕様(2列目にキャプテンシートを装着)の設定などを敢行する。同時に、バンのディーゼルエンジン(SD22型→SD23型)とガソリンエンジン(H20型→Z18S/Z20S型)の変更も行われた。

 

1983年4月になると、内外装をメインとした仕様変更が実施される。フロントグリルはより豪華な演出がなされ、さらにコーチSGL系には角型4灯式ヘッドライトを装着。SGLとGLの中間に位置する新グレードのFLも加わった。1985年に入ると、1月にバンモデルのラインアップ拡大や安全装備の強化を図り、5月には8人乗りのキャラバン「SGLシルクロードリミテッド」とホーミー「SGLアビィロード」を発売した。

 

■約6年の長寿命を全うする

4年サイクルのフルモデルチェンジが一般的だった当時の日本の自動車業界のなかにあって、E23型系キャラバンおよびホーミーは、6年1カ月もの長きに渡って販売され続ける。そして1986年9月にはE24型系のニューモデルが登場するが、ライバル車の成長などもあって、デビュー時のE23型系ほどの高い人気は獲得できなかった。

 

本格的な乗用1BOXカーの先駆モデルであり、念願のトヨタ車超えをも達成したE23型系キャラバンとホーミー。日本の自動車史では隠れがちな出来事ではあるが、その偉大なる業績は1980年代の日産自動車にとって欠くことのできないトピックなのである。

 

【著者プロフィール】
大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

日産「セレナ e-POWER」が売れる本質って?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、今年の上半期に最も売れたミニバン・日産セレナの人気を牽引するe-POWERモデルの本質を分析してみました。

 

【登場人物】

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年になってペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も発売中。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

 

【今回のクルマ】日産 セレナ e-POWER

SPEC【ハイウェイスターV】●全長×全幅×全高:4770×1740×1865㎜●車両重量:1760㎏●パワーユニット:モーター+1198㏄直列3気筒DOHCエンジン●エンジン最高出力:84PS(62kW)/6000rpm●エンジン最大トルク:10.5㎏-m(103Nm)/3200〜5200rpm●JC08モード燃費:26.2㎞/ℓ●243万5400円〜382万1040円

 

ブレーキをほとんど踏まずに走れて楽しいと、一般ユーザーにも人気

安ド「殿! 日産のe-POWERシリーズ、売れてるみたいですね」

永福「うむ。ガソリンエンジンで発電してモーターで走る、シリーズハイブリッドというシステムだが、大変よく売れている」

安ド「トヨタのハイブリッドとは構造が違うんですね!」

永福「トヨタのハイブリッドは、エンジンとモーターの動力を合体して走るが、日産のe-POWERは、エンジンは発電することに徹し、モーターのみで走るわけだ」

安ド「それと売れ行きとは関係あるんでしょうか」

永福「あるらしい」

安ド「それはどんなワケで?」

永福「日産のe-POWERはモーターだけで走るので、回生ブレーキの効きをうんと強くできる。ガソリン車でいうエンジンブレーキだ。アクセルを離すだけでかなりブレーキがかかり、ブレーキペダルを踏む必要があまりない」

安ド「ワンペダルドライブというヤツですね!」

永福「ブレーキをほとんど踏まずに走れて楽しいと、一般ユーザーにもウケているようだ」

安ド「“ひと踏みぼれ”というヤツですね!」

永福「知っておるではないか」

安ド「知ってました! でも、モーター駆動でも走っていて違和感がないので、普通の人は言わなきゃモーターで走っているとわからないんじゃないですか?」

永福「回生ブレーキが強くかかるECOモードでは違いは歴然だが、ノーマルモードでは、音の静かなミニバンだなぁくらいの、自然な感じだ」

安ド「ECOモードとノーマルモード、どっちがいいんでしょう」

永福「一般道ではECOモード、高速道路ではノーマルモードがいい。高速道路でECOモードだと、アクセル操作に敏感に反応しすぎて、疲れてしまうのだ」

安ド「僕も高速道路ではノーマルで走りました!」

永福「ただし、高速道路で『プロパイロット』を使う場合は、ECOモードでOKだ」

安ド「『プロパイロット』というのは、日産の自動運転技術ですね!」

永福「自動運転とまではとても言えず、アダプティブ・クルーズ・コントロール+α程度だな。しかし、クルマまかせで前車に追従して走るときは、エンジンブレーキが強力にかかったほうが、速度をコントロールしやすいのだ」

安ド「なるほど!」

永福「総合的に見ると、セレナe-POWERは、ミニバンのなかではなかなか良いな」

安ド「僕もそう思いました! ライバル車と比べて走りに安定感があって、乗り心地も良かったです」

永福「しかし、ミニバンというヤツは決して安くない」

安ド「おいくらでしたっけ?」

永福「試乗車は、車両本体が約340万円。オプションは約80万円」

安ド「400万円オーバーですね! 実燃費は16㎞/ℓ以上でしたが」

永福「うーむ、焼け石に水だな」

 

 

【注目パーツ01】リアサイドスポイラー

低燃費に貢献するルーフ後端形状

ルーフの後端には両端がウネウネしたスポイラー(羽根)が付けられています。小さなウネウネですが、スポイラーは空力性能を向上させるためのアイテムですから、これも燃費性能の向上に少しは貢献しているのかもしれません。

 

 

【注目パーツ02】フロントブルーグリル

エコなイメージのブルーライン

フロント面積のうち大きな割合を占めるグリルには、ブルーのアクセントラインが施されています。内装にも各所にブルーのアクセントが採用されていて、これがエコなイメージと先進性を高める役割を果たしています。

 

 

【注目パーツ03】ハーフバックドア

上部だけ開けられるから便利

ミニバンのバックドアは巨大なので、開ける際に後方に気を使う必要があります。しかしセレナは上部だけ開けることが可能なので、全面を開けるのに比べてスペースを気にせずOK。軽いので力も小さくて済みます。

 

 

【注目パーツ04】15インチエアロアルミホイール

専用デザインで先進性アピール

不思議な紋様をあしらわれたホイールは、e-POWER専用装備。シルバーの面と黒の面を織り交ぜつつ、風切り線をつけることで、先進性とスピード感を感じさせるデザインに仕上がっています。知ってる人が見ればe-POWERだとすぐわかるはず。

 

 

【注目パーツ05】セカンドキャプテンシート

リラックスできる快適仕様

e-POWER専用装備として、2列目にはロングスライドが可能でアームレストもついたキャプテンシートが採用されています。セレナは室内スペースでもミニバントップクラスですが、このシートなら、さらにリラックスして乗れます。

 

 

【注目パーツ06】ヘッドレスト

ミニバン後席の閉塞感を打破

これは3列目シートからの眺めですが、気になるのは1、2列目シートのすべてのヘッドレストに穴が開いていること。その理由は、少しでも乗員に開放感を感じさせるためだとか。もちろん座面も高めに設定されています。

 

 

【注目パーツ07】スマートアップサードシート

できるだけ窓を隠さない設計

ミニバンの3列目シートは前倒し式や床下収納など様々なアレンジ方法がありますが、セレナは側面跳ね上げ式を採用しています。ただし、跳ね上げてもサイドのガラスをほとんど隠さない設計で、運転時の視界を妨げません。

 

 

【注目パーツ08】キャップレス給油口

手を汚さずに給油できる

フタを開けると中にはキャップのない給油口があります。これは日産としては初採用なんだとか。セルフガソリンスタンドが全盛の昨今ですし、給油時に手を汚したくないというドライバーからは、好評に違いありません。

 

 

【注目パーツ09】プロパイロット

“条件付き”自動運転システム

プロパイロットは、高速道路の同一車線内において、アクセルやブレーキ、ステアリングをクルマが自動操作してくれるシステム。セットすればアクセルやブレーキはほぼ自動ですが、ステアリングはあくまで補助です。

 

 

【これぞ感動の細部だ】e-POWER

ワンペダルのみの操作で加速から減速まで自在に走れる

エンジンで発電した電力を用いてモーターで駆動するのがe-POWERシステムです。モーターならではの強い制動力を持つ回生ブレーキの特徴を利用して、アクセルペダルの踏み戻しだけで、加速も減速もできてしまいます。一昨年にノートで初採用されましたが、ミニバンでもその魅力は健在。トルク感のあるEVらしい走りを味わえます。

 

 

撮影/池之平昌信

今月の乗ってよかったクルマ3台ーーCX-3に、クラリティPHEVに、ポロGTI

本記事では、プロが最近乗って良かったと思ったモデルを厳選して、コンパクトにお届けします。今回は、マツダのクロスオーバーSUV、CX-3の大幅改良モデルをフィーチャー。そのほか、ホンダの燃料電池車に追加されたプラグイン・ハイブリッドや、人気のフォルクスワーゲン ポロのスポーティモデルGTIと、多彩なラインナップを試乗して紹介します!

 

 

その1

エンジンを一新して快適な走りを手に入れた

マツダ CX-3

(SUV)

SPEC【XD Lパッケージ(4WD/AT)】●全長×全幅×全高:4275×1765×1550㎜●車両重量:1370㎏●パワーユニット:1756㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:116PS/4000rpm●最大トルク:27.5㎏-m/1600〜2600rpm●WLTCモード燃費:19.0㎞/ℓ

乗り心地が滑らかになりエンジンの力強さもアップ

CX-3は2015年に登場以来、早くも4回目のアップデートとなりました。今回の改良では初めて内外装のデザインをリニューアルしたことも話題となりましたが、注目したいのは何といってもエンジンが一新された点です。本車の主力となるディーゼルターボエンジンは、排気量1.5ℓから1.8ℓに拡大。さらに、昨年追加された2ℓガソリンエンジンも改良されています。足まわりの仕様変更、専用タイヤの採用、シート構造の見直しなどもあり、より快適な走りを手に入れました。

 

今回は、ディーゼルとガソリンの両方に試乗しましたが、いずれも従来モデルからの進化を実感できました。乗り心地は格段に滑らかになり、エンジンは日常域における力強さが大幅にアップしています。また、フロント/リアドアの外板や、リアドアガラスを厚くしたことで、静粛性を高めたのも好印象。スタイリッシュな外観のクルマという印象が強かったCX–3は、走りの質感と快適性が向上して、一層魅力的なモデルとなりました。

 

【注目ポイント01】操縦性はスポーティ

新開発タイヤの採用や足回りの仕様変更などの効果で、従来モデルと比べて乗り心地が格段に滑らかになりました。その一方で、持ち前のスポーティな操縦性は損なわれていません。

 

【注目ポイント02】質感も使い勝手も向上

室内では、前席の構造材が変更されたほか、パーキングブレーキを電動化したことでセンターコンソールのデザインを一新。質感に加えて使い勝手も向上しています。

 

【注目ポイント03】ディーゼルは1.8ℓターボに

ディーゼルエンジン(上)は、実用燃費の向上を図り1.8ℓに拡大。2ℓガソリン(下)も燃焼室や冷却まわりなど、細部を磨いて全域のトルク向上と燃費改善を実現しました。

 

 

その2

EV航続距離はPHEVのなかでもトップ

ホンダ

クラリティ PHEV

(セダン)

SPEC【EX】●全長×全幅×全高:4915×1875×1480㎜●車両重量:1850㎏●パワーユニット:1496㏄直列4気筒DOHC+モーター●エンジン最高出力:105PS/5500rpm●エンジン最大トルク:13.7㎏-m/5000rpm●モーター最高出力:184PS/5000〜6000rpm●モーター最大トルク:32.1㎏-m/0〜2000rpm●WLTCモード燃費:24.2㎞/ℓ●EV航続距離:101㎞

 

FCV仕様をはるかに凌ぐユーザビリティを獲得した

珍しいFCV(燃料電池車)として知られるホンダ クラリティに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)仕様が追加されました。そのシステムはガソリンエンジンに電気モーター、総電力量17kWhのバッテリーを組み合わせたものですが、最大の魅力はEV走行時の“アシの長さ”。JC08モードよりリアルに近いとされるWLTCモードで101㎞という航続距離は、数あるPHEVのなかでもトップの性能なのです。

 

実際に試乗すると、満充電時のEV走行はやはり最高でした。日常的な使用環境ならエンジンの出番はなく、室内は常に静粛。水素充填の不便さが否めないFCVに対して、本車が大きなメリットを持つことは間違いありません。

 

【注目ポイント01】室内はくつろぎ感をアピール

充電&給油口の開閉スイッチが3つもあるのはPHEVならではですが、室内の作りは基本的にFCVと同じ。バッテリーは床下に搭載されるが、室内空間の広さは十分です。

 

【注目ポイント02】容量はFCVより大幅にアップ

FCV仕様は巨大な水素タンクにスペースを取られてしまいますが、PHEVでは512ℓもの荷室容量を実現。後席が分割可倒式となるため、長尺な荷物の積載も可能です。

 

 

その3

パワフルな走りは“ホットハッチ”に相応しい

フォルクスワーゲン ポロ GTI

(ハッチバック)

SPEC●全長×全幅×全高:4075×1750×1440㎜●車両重量:1290㎏●パワーユニット:1984㏄直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:200PS/4400〜6000rpm●最大トルク:32.6㎏-m/1500〜4350rpm●JC08モード燃費:16.1㎞/ℓ

 

ボディサイズに見合わない重厚な乗り心地を味わえた

フォルクスワーゲンの高性能なスポーツモデルに与えられる伝統ある称号「GTI」を冠したポロが、日本に上陸しました。エンジンはゴルフGTIと共通の2ℓターボを採用し、最高200馬力&最高トルク32.6㎏-mのパワーを備えています。全長約4mのコンパクトボディでこれを実現したのは圧巻で、“ホットハッチ”に相応しい性能でしょう。

 

パワフルではあるものの、ドライビングフィールに粗さはありません。わずか1500rpmで最大トルクに到達するエンジンは、日常域での扱いやすさも感じさせました。引き締まった乗り心地は上々で、ボディサイズに見合わない重厚感をも味わえるほど。速いだけでなく、ちょっと贅沢なコンパクトカーとして、オススメしたい一台です。

 

【注目ポイント01】エンジンはゴルフ譲りの2ℓ

ポロGTIで初採用となる2ℓターボエンジンは、ゴルフ用がベース。先代に対して出力が8馬力、トルクは7.1㎏-m向上しています。ミッションはツインクラッチの新世代ATです。

 

【注目ポイント02】チェック柄シートなどを継承

GTIの伝統でもあるチェック柄のシートファブリックや、トリムパネルをはじめとするレッドのアクセントで、室内はスポーティな装いになります。快適装備も充実しています。

 

文/小野泰治 写真/宮門秀行

ホームセンターで見つけてしまった「愛車がピカピカになる洗車グッズ」集

快適なドライブには、キレイなボディが必要。セルフ洗車派は、一度ホームセンターの洗車グッズを試してみてください。専門店より低価格で購入できるうえ、専門的にも負けない品揃えを誇っています。

 

その1

濡れたボディも大丈夫!二度拭き不要の時短ワックス

コメリ

NEW簡単ワックススプレー

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洗車後のボディとガラスにスプレーし、拭き上げるだけでワックスがけが完了する。洗車後の濡れた状態のボディにも使用でき、二度拭き不要。従来品より撥水力がパワーアップしています。【ボディ・ガラス用ワックス】【全色対応】【撥水】

その2

モコモコの泡が車をやさしくキレイに洗浄!

コメリ

たっぷりの泡で汚れを落とすカーシャンプー 2ℓ

298

豊富できめ細やかな泡と優れた洗浄力でボディをすっきり洗えるカーシャンプー。25倍に希釈して使用します。全色対応だから車の色を気にせず使えて便利。水滴じみを防ぐイオンキレート剤も配合。【ボディの汚れ】【ボディ・タイヤ用洗剤】【全色対応】【水あか防止】

 

その3

汚れが気になったときに水に濡らして拭くだけ

コメリ

水だけで汚れスッキリミトン KW-14

498

洗剤なしで汚れを落とすことのできるミトン型クロス。凹凸加工のマイクロファイバーが頑固な汚れをしっかりかき出します。【ボディ・ガラス用クロス】【洗剤不要】

 

その4

艶と撥水効果を与えるお手軽クロス

DCMホールディングス

水なし洗車ワックスシート L-PS015

429

拭くだけで洗車とワックスがけの両方を行える使い捨てクロス。汚れを落とすだけでなく、艶出しと撥水コーティングを施せます。12枚入り。【ボディ用クロス】【全色対応】【撥水】

 

 

その5

傷を消して艶を出すレスキューセット

コメリ

傷ケシ艶出しセット

698円

ボディのすり傷を消して艶を出す修理セット。磨きやすいネルクロスが2枚付属している。研磨剤でこすって傷を消したあと、ワックス成分を配合した艶出し剤で磨けばきれいなボディが復活します。【傷修理セット】【全色対応】

 

 

その6

泡がじっくり浸透し変色と劣化も防止

コメリ

タイヤワックス KH05

298円

1本でタイヤの洗浄とワックスがけを行えます。スプレーすると泡がじっくりと浸透し、タイヤの変色や劣化を防ぎながら、艶を与えます。【タイヤの洗浄&ワックス】

 

 

その7

トリプルシリコンで約1か月雨を弾く!

コーナン

ウインドガラス撥水剤

ビューコート KFJ07-1778

321

ガラスに塗り込み固く絞ったタオルで拭くと撥水コーティングできます。トリプルシリコンを配合していて、1回塗ると30〜45日間雨を弾きます。【ガラス用撥水剤】

 

【→併用すると効果アップ!】

洗浄力と撥水力が抜群で視界良好!

コーナン

撥水型ウインド ウォッシャー液

2ℓ KT07-8168

375

頑固な窓の汚れを落としながら撥水効果をもたらすウォッシャー液。ビューコートと併用すると、撥水効果がより長持ちします。【ウォッシャー液】

 

 

その8

用途に合わせて自在に変えられるホースノズル

コメリ

伸縮パターンノズル

角度自在

1980円

使用目的に合わせて伸縮するノズル。ヘッドの角度を自在に変えられて、ルーフの上も車体の下も立ったままラクに洗うことができます。ノズルの水形は用途に応じて選べます。

 

その9

素早くたっぷり水を吸う大判クロス

DCMホールディングス

吸水クロス L-EM005

ビッグサイズ

950円

スポンジ加工を施したクロス。タオルのように繊維がくっつくことがなく、ひとふきでしっかり吸収します。55㎝×30㎝のビッグサイズで3枚入り。

 

その10

洗いにくい部分にしっかりフィットし汚れをかき出す!

コーナン

LIFELEX 隙間すっきり

スポンジ KOT07-8451

321円

ドアノブやスライドレールなど狭い隙間にもフィットする凹凸面があるスポンジ。握りやすいように中心がくびれています。

 

その11

Z字型に歪曲した柄が洗いやすさのカギ!

カインズ

ルーフもラクに洗える柄付きスポンジ

1480円

Z字型で持ち手の位置が下がった洗いやすい柄付きスポンジ。スポンジ部分を柄からはずしホースとつなげば、水を流しながら洗車もできます。

 

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カー用品店、顔負け。ホムセンで見つかる「気配りカーグッズ」集

快適なドライブには、心地よく過ごせる車内空間が必須。ここでは、ニオイ対策アイテムから、隙間を生かした収納トレイまで。あなたの愛車を快適空間に変える気配り商品をホームセンターで探してピックアップしました。

 

その1

エアコンの風でドリンクの飲みごろ温度をキープ!

コメリ

コンパクトドリンクホルダー

498

エアコンの送風口に付けるコンパクト設計のドリンクホルダー。吹き出し口にクリップを差し込むだけの簡単装着。エアコンの風によってドリンクを保冷・保温できるのがうれしいです。

 

↑スマホ置きにもなります

 

その2

隙間に差し込むだけで収納スペースを確保!

カインズ

すきまトレイ 2個入り

398

座席とコンソールの間をはじめとした車内の隙間を収納スペースに変えられます。隙間に差し込むだけなので、状況に合わせて簡単に設置場所を変えられます。汚れたら水洗いも可能です。

その3

手ごろな価格なのに香りが上質だから大人気

コーナン

クリップ式 芳香剤

213円

エアコンの吹き出し口に付けるクリップ一体型の芳香剤。コスパの良さに反し、上質な香りがするとして人気です。消臭剤も配合しています。スカッシュ、ムスク、クリアミストの3種類。

 

その4

携帯灰皿にもなるセパレート型の灰皿

カインズ

携帯灰皿にもなるボトルアッシュ

980

ふたとボディが分かれる灰皿。ふた部分は単体で携帯灰皿として使え、車の中ではボディに付けてドリンクホルダーに収まる置き型灰皿になります。ふたとボディはマグネットでくっつきます。

 

その5

長時間のドライブをシートから快適にする!

コーナン

メッシュ腰当て

KOF07-6254 ビーズ付

538

運転席のシートにセットする腰当て。腰にぴったりフィットする立体カーブと通気性抜群の蒸れにくいメッシュ素材で、長時間のドライブも快適です。ビーズの心地よい刺激が腰と背中の疲れを癒してくれます。

 

その6

座席の下から空気を変える陰の立役者

 

DCMホールディングス

シート下消臭剤

537

ゴミが少なく環境にやさしいエコパック仕様の消臭剤。座席の下に置くと車内の空気を良い香りにしてくれます。銀イオン配合で、不快なニオイを防止。効果が2、3か月持続します。

 

その6

ダッシュボードに貼り付く便利なシート

コメリ

すべり止めシート

498

ダッシュボードの上に敷くだけで小物置き場を作れるシート。置いた物が滑らないようにしっかりホールドします。必要なサイズにカットでき、汚れたら水洗いも可能。衝撃吸収効果もあります。

 

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自動車評論家に衝撃走る! 「シングルタイヤ」が日本のベビーカーに革命を起こす

モータージャーナリストの私には、2歳の長男と6か月長女がいます。長男はそろそろベビーカーを卒業し、かわってこれから長女が使う機会が増えていきますが、思えばベビーカーというのは、それなりに長い期間を毎日のように使うもの。

 

わが家は、メインで使う妻の要望で、ネットの情報を参考にしながら、とにかく軽いベビーカーを選びました。妻はこのバギーに対してあまり不満もなく、軽くてよいと感じている様子。しかし、筆者は、職業柄か、4つのタイヤが付いているものならなんでも走りを分析したくなります。わが家のベビーカーについても、走行性能についてはいろいろ思うところもありました。たしかに軽い点では重宝しているものの、走行性能については不満を覚える点も多々あります。そんな折、今回ピジョンのベビーカーを取材することができたのですが、もしこれから述べる話をもっと前に知っていたら、迷わずピジョンのベビーカーを選んだのにと少し悔しく思っています。

 

ベビーカーのタイヤってどうなっているの?

↑シングルタイヤ(左)とダブルタイヤ

 

「Runfee」や「Bingle」をはじめ、ピジョンのベビーカーの最大のポイントは「シングルタイヤ」を採用していること。そして、シングルタイヤは「走行性」に優れていることが特徴です。ベビーカーにダブルタイヤとシングルタイヤがあることは、普段、街中で見かけてなんとなく認識していましたが、両者の間に大きな違いがあることはまったく知りませんでした。そこが、ピジョン開発本部の主任研究員である加藤義之さん(写真下)からお話を伺って思い知らされた点です。

日本製のベビーカーではダブルタイヤが多い一方、海外製品ではシングルタイヤが主流。それぞれ一長一短あります。シングルタイヤは走行性能において優れていますが、どうしても重くなりがち。対するダブルタイヤは軽くできる反面、走行性能に劣ります。

 

また、工業製品というのは生産上どうしてもある程度のバラツキが生じるものですが、しっかり走らせるためにはシングルタイヤのほうが高い精度が求められるのに対して、ダブルタイヤは「ごまかし」が利くとのこと。さらには、車体の骨格や車輪の取り付け部の剛性や角度の設計など、シングルタイヤのほうがはるかにシビアだそうなのです。このような理由でシングルタイヤのほうが作るのが難しくなっていますが、それでも、走行性能を重視する地域、特に欧州ではシングルタイヤが主流。対照的に、日本では軽さが一番に求められるうえ、色やデザインの可愛らしさでベビーカーは選ばれています。

走りのよさを追求するとは、まさしく筆者の専門分野である自動車に通じる話。最近では日本車もレベルアップして、欧州車とりわけドイツ車との差というのは、かつてよりもだいぶ小さくなったように感じていますが、欧州では走りが重視されるのに対して、日本ではそれがなおざりにされているというような話は、まさしくクルマの世界でもよく耳にしてきました。そしてベビーカーの世界でも、欧州の人は走りのよさを求める傾向が強く、それに応えるべく、これから述べるとおり走りの面で有利なシングルタイヤが一般的となっているのです。

 

「ベビーカーの使用期間は一般的に3年です。それなりに長い期間使うものになるので、軽さやデザインなどで選ぶ方も多くいらっしゃいますが、そうした表面的なものだけではなく、ちょっと視点を変えて、使いやすさを基準にして選んでいただいたほうがよいのかなと思っています。競合他社と差別化を図るのはなかなか難しいところですが、そこで私たちが着目したのがシングルタイヤです」(加藤さん)

 

開発にあたって加藤さんは最初、とにかく数多くの競合ベビーカーを試し、特に海外の製品をたくさん押して歩いたと言います。すると、シングルタイヤを採用した海外製品が概ね押しやすかったのに対して、ダブルタイヤを備えた日本製は押しにくいうえ、作りが粗いと感じるようになりました。

↑Runfee RA8

 

「ベビーカーは海外と日本では棲み分けが全然違います。日本製は剛性感に乏しく、ぐらつきがあったりして、押しにくく感じたものばかりで、単に運べればよいと考えているように見受けられたものが少なくありませんでした。それはママさんにとっても赤ちゃんにとっても好ましくない状況でしょう。しかし、海外製のものは非常に重いので、日本市場におけるニーズとかけ離れています。どうやったらこのような壁を打破できるのかと考えていました」(加藤さん)

 

ちょっとクルマに乗せて目的地まで移動するなど、ベビーカーを頻繁に畳んだり開いたりせざるをえないような場面が多々ある日本では、むろん軽いに越したことはありません。日本では軽さが重視されることにも、それなりの理由があるわけです。

 

そこで加藤さんはRunfeeを開発するにあたって、海外製と日本製の優れたところを掛け合わせると面白いものができるのではないかと考え、シングルタイヤながらも日本市場にマッチするように軽さを追求する方針を打ち出しました。

「シングルタイヤにすると走行性能が改善するのはよいけれど、普通にやると絶対に重くなるというのは当初から分かっていました。よくタイヤの数が減る分軽くなると思われがちなのですが、シングルタイヤを成立させるための構造面のことを考えると、実際にはその逆。そこでタイヤの代わりに躯体や車体の部分、赤ちゃんを乗せる部分で重量をできる限り落としました」と加藤さんは言います。

 

他社のシングルタイヤ製品は8kg台のものが多く、10kgを超える製品も多々見受けられるのに対し、Runfee RA8の重量は5.3kgと圧倒的に軽くなっています。また、Runfee RA8をダブルタイヤと比較してみても、ピジョンの「PATTAN」が4.7kgなので、両者の差は小さいといえるでしょう。シングルタイヤでこれほど軽量で押しやすいベビーカーというのは、現状では唯一ピジョンのランフィだけと加藤さんは胸を張ります。

クルマの技術をベビーカーの開発に持ち込んだ

実は、加藤さんは前職で自動車関連の開発に携わっていたという経歴の持ち主。ベビーカーの走行性の向上を図るために参考にしたのは、やはりクルマだったそうです。そこでまず、走りの要素を「直進安定性」、「段差乗り越え性」、「振動吸収性」、「転回操作性」、「転回安定性」、「静粛性」の6項目に分解し、クルマの走りを意識しつつ開発を進めました。また、シングルタイヤの優位性を確かなものとすべく、加藤さんはCAE解析(コンピューター技術を活用して製品の設計や開発をシミュレーションすること)やタイヤメーカー出身の大学教授らの力を借りたと言います。

 

構成する部品の強度や剛性、取り付けの角度などは綿密に計算されたうえで決められたもので、それぞれに意味があります。シングルタイヤとダブルタイヤでは車輪の数が違うだけでなく、部品の取り付け方や接続の構造もまったく異なり、入力の伝わり方も違ってきます。一般的なダブルタイヤの衝撃吸収構造はあまり凝ったものにはならないのに対し、スイング式のサスペンションを持つランフィでは上下だけでなく前方からの力も吸収。さらに、軽くてクッション性に優れる中空構造のタイヤが振動を巧みに吸収してくれます。

また、タイヤの外径が大きいほうが段差を乗り越える際の踏破性が高まります。外径18cmのタイヤを採用したRunfee RA8も、段差の乗り越えやすさについては、すでに多くのユーザーから高く評価されています。

走りにおけるシングルタイヤとダブルタイヤの最大の違いは、タイヤの接地点にあります。荷重のかかり方からして、ダブルタイヤの場合はパイプからくる軸とタイヤ同士の軸が離れているので、実は常に横に細かく揺れるような動き方をします。ところがシングルタイヤでは構造的に同軸上なので、タイヤの横ブレは絶対的に少ないゆえに、不快な振動が減少されます。

実際に試してみると、まさしく目からウロコ! 同じ条件の場所でシングルタイヤと押し比べてみたところ、その違いは歴然としていることがよく分かりました。シングルタイヤのほうが思った通り素直な動き方をします。これは、よくクルマの走りを表現するときに用いる“意のままのハンドリング”そのもの。狙ったとおりにラインをトレースしていけるので、これなら狭い場所を通らざるをえないような状況でも押しやすく、苦になりません。

一方、ダブルタイヤは、直進時の据わりも悪ければ方向性も定まりにくいです。その理由は4か所それぞれで両輪がバラバラに動いてしまうから。2輪ずつあるならより安定するような気がするところですが、実際にはそんなことはありません。安定感は車幅の広さで決まるものであって、タイヤの数の問題ではないのですね。

シングルタイヤが静かなことをご存知?

シングルタイヤのメリットはそれだけではありません。前述したように、振動と密接に関わってくるのが「音」。音の発生するメカニズムにはいくつかの要素がありますが、そのなかで最も大きく影響するのが振動です。

 

ダブルタイヤの場合はキャスターの軸とタイヤの軸が離れていることから、どうしても不規則な動きを常にしていることになります。実は片方のタイヤが上がってはもどり、次に別のほうが上がって下がり、片方だけ上がって下がるなどといったような動きを細かく繰り返していて、それが音になっているのです。

 

これはダブルタイヤ特有の現象で、シングルタイヤではそのような動き方はしないので、振動が圧倒的に少なく、その結果、静粛性も向上します。特に荒れた路面では音の違いが顕著。「ダブルタイヤのベビーカーを押してくると、ダブルタイヤだとすぐ分かります(笑)」と加藤さんは言います。

 

実際にどれぐらい違うのでしょうか? 詳しく測ってみると全然違います。専門の測定メーカーとのコラボレーションにより、ブロック敷きの路面で「ランフィRA8」とダブルタイヤのベビーカーを押したときのタイヤ近傍に設置したマイクラウドネスの結果はこの通り。平滑面において、実に約3分の1も走行音が静かであることがわかりました。シングルタイヤは条件が悪くなるほど優位になると加藤さんは言います。

このように静粛性にも優れることが明らかなので、「シングルタイヤは音も静かだ」ということをもっと伝えていきたいと加藤さんは強調します。

 

「ピジョンが競合他社さんと差別化できる要素として、シングルタイヤによる走りやすさという価値はあると自負しています。軽さももちろん大事だし、見た目の好みもあると思いますが、ママさんが使うことを考えると、ベビーカーを選ぶときにはもっといろいろな着眼点を持っていただいて、そのなかでもぜひ走行性能というものをもっと意識していただき、さらに音という部分にも目を向けていただけると幸いです。そうした走行性能に優れたベビーカーを選ぶと、より快適に子育てしていただけることをもっと伝えていきたいと思います」

 

日本のベビーカーにイノベーションを

そんなわけで冒頭でもお伝えしたとおり、いろいろお話をうかがって、もしもいま私がベビーカーを選ぶとしたら絶対にピジョンのランフィだと強く思ったわけです。筆者だけでなく、シングルタイヤはよいものだということが幅広く理解されると、いずれは日本でも走りのよさで選ぶことがベビーカーの常識となるかもしれません。

 

それにはまず少しでも多くのユーザーによさを実感してもらうことが大事。ピジョンではクルマの試乗会のように、「シングルタイヤ走行体験会」を全国各地で実施し、店頭の段差や疑似ロードを設定したスペースで実感してもらえる機会を設けているので、関心がある方はぜひ足を運んでみることをおすすめします。

 

走行体験会詳細はコチラ

 

テクノロジーの集合体である自動車に比べると、ベビーカーの進化というのはずっとゆっくりであることには違いありませんが、まさしくこうした取り組みからブレークスルーが始まるのではないだろうかと思います。ピジョンのシングルタイヤには、日本のベビーカーに変革をもたらすことを感じさせるだけのインパクトがありました。

 

【中年名車図鑑|ダイハツ・リーザ・スパイダー】「平成ABCトリオ」と同時期にデビューした超希少オープン

ダイハツの新世代スペシャルティ軽カーとして、1986年に市場デビューを果たしたリーザ。同車は1990年に新規格に移行し、翌91年にはユニークなオープンボディ仕様が追加される――。今回は平成ABCトリオと同時期にデビューし、往年のコンパーノ・スパイダーに倣って車名がつけられたダイハツ製軽自動車の超希少モデル、「リーザ・スパイダー」の話で一席。

【Vol.82 ダイハツ・リーザ・スパイダー】

軽自動車の個性化とハイパワー化が一気に進んだ1980年代後半の日本の自動車市場。この状況下でダイハツ工業は軽自動車のさらなる車種強化を図り、1986年12月にはミラ/クオーレに続く乗用軽シリーズの「リーザ」をデビューさせた。

モナ・リザのように“多くの人々に愛される”魅力的なクルマとの願いを込めて命名されたリーザ(Leeza)は、パーソナルユースをメインとした3ドアハッチバック車で、“エアロヘミサイクル”と呼ぶ半球形のクーペ風スタイリングに前席重視の室内レイアウトを採用する。また、電動ドアミラーやAM/FM電子チューナーといったクラス初の快適アイテムも装備した。車両タイプはL100S型系のセダンとL100V型系のバンを用意し、販売の主力には維持費の安いバンを据える。搭載エンジンはEB型系547cc直列3気筒OHCの自然吸気(32ps)とターボ仕様(50ps)の2機種を設定した。

 

リーザはその後、1989年1月にEFIの燃料供給装置を採用したターボ付きEB26型エンジン(64ps)を搭載するTR-ZZ EFIを追加し、同年中には特別仕様車のケンドーン/クラブスポーツをリリースする。そして、1990年8月になって軽自動車の新規格に対応したマイナーチェンジを行い、EF-HL型系659cc直列3気筒OHCエンジン(50ps)を積み込み、ボディも大型化したL111S型系に移行。キャッチコピーに“CRAFTSMANSHIP”“ダイハツしか作れない”と冠し、車種展開も大きく見直された。最大の特徴は、従来型では限定モデルのグレード名として使われたネーミングがカタログモデルに発展したことで、マイナーチェンジ以後はスポーティモデルが「OXY」(オキシー)、女性ユーザーをターゲットに据えた充実装備のモデルが「ChaCha」(チャチャ)を名乗るようになる。同時に、スタンダード仕様は「R」のグレード名に変更された。また、このマイナーチェンジではバン仕様が廃止され、セダンモデルに一本化される。物品税の廃止および消費税の導入などに伴う軽ボンネットバンの税制上のメリットが大幅に失われたための処置だった。

 

■参考出品時は4シーターオープン

専用ボディで開発された「平成ABCトリオ」とは異なり、「既存車のオープンボディ化」の手法をとった

 

市場ニーズに即したリーザの改良を着実に図る一方、ダイハツの開発陣は同車のスペシャルティ度をさらに引き上げる企画を打ち出す。“オープンボディ”の採用だ。1980年代終盤、軽自動車をリリースする各メーカーは後にバブル景気といわれる好況を背景に、スペシャルティ度満点の新型軽カーの開発に勤しんでいた。ホンダはミッドシップ・オープンスポーツのビートを、スズキはハードトップ/Tバールーフ/タルガ/フルオープンに変身するFRスポーツのカプチーノを、マツダはガルウィングドアを組み込んだミッドシップスポーツのオートザムAZ-1を企画する。これらのモデルは専用ボディを採用するまっさらな新型車として開発されるが、一方のダイハツは既存車のオープンボディ化という方策をとった。

 

オープンカーのリーザは、まず1989年開催の第28回東京モーターショーに参考出品される。車名は往年のコンパーノのオープン仕様に倣って「スパイダー」のサブネームが付けられた。このモデルは福岡のコーチビルダーが製作したもので、スポーツグレードのTR-ZZをベースとする。ハッチバックのルーフはAピラー以降を大胆にカット。そこに補強のためのドア三角窓フレームと折りたたみ式の幌を装着し、室内レイアウトはベース車と同じ4シーターのままとしていた。

ベルトラインのリアスポイラーやカラードバンパー、専用デカール、アルミホイールなどを装着

 

スポーティに演出されたショーモデルのリーザ・スパイダーは、現実的なフルオープン軽自動車として観客の注目を集める。当時のスタッフによると、「ちょっと見では展示車の完成度がかなり高かったため、多くの来場者がすぐに市販されると思ったようです。だから販売時期や価格を尋ねる人が予想以上に多かった」という。これに自信を深めたダイハツの首脳陣は、リーザ・スパイダーの市販化にゴーサインを出した。

 

■2シーターオープンに改良されて市場デビュー

既存車のオープンボディ化のため、ボディ剛性の確保と幌の設計に苦労した。人工皮革のプリセーム地バケットシートやモモ製本革巻きステアリングを装備

 

市販版のリーザ・スパイダーは、新規格モデルをベースとすることが決定される。オープン化に当たっては、幌の収納性やボディ後部の剛性確保を検討した結果、2シーターに変更。また、ボディ補強に伴う重量増(市販時の車重は730~740kg)に対応するため、搭載エンジンはEF-JL型659cc直列3気筒OHC12Vインタークーラーターボ(64ps/9.4kg・m)に1本化し、トランスミッションには5速MTと3速ATを組み合わせた。前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアームの懸架機構にも専用セッティングを施し、滑らかでバランスのいい走りを実現した。

 

オープン化に当たって開発陣が苦労したのは、やはりボディ剛性の確保と幌の設計だった。ボディについてはフロアやドア、さらにコクピットまわりを可能な範囲で補強。幌に関しては防水性と格納操作性(手動開閉式)、デザイン性などを踏まえながら開発していく。とくに防水性能では、開発の最終段階までシールゴムの形状チューニングを繰り返した。

 

開発陣は内外装の演出にもこだわる。エクステリアではベルトラインのリアスポイラーやカラードバンパー、専用デカール、アルミホイールなどを装着。ボディサイズは全長×全幅×全高3295×1395×1345mm/ホイールベース2140mmとする。内包するインテリアでは、人工皮革のプリセーム地バケットシートやモモ製本革巻きステアリングといったスポーティなアイテムを標準で装備した。

 

当初リーザ・スパイダーは改造自動車扱いで発売することを予定していたが、役所から「指定自動車扱いにするように」という指導があり、急遽認証車両を製作して公式試験を受ける。これにパスしたのが1991年9月。その2カ月後の11月には、L111SKの型式をつけてついに発売にこぎつけた。

 

苦労を重ねた末に市場に放たれたリーザ・スパイダー。しかし、軽のオープンスポーツとしてはホンダ・ビートやスズキ・カプチーノの陰に隠れ、また走行性能の面でもクローズド時の幌のバタつきやボディの剛性不足が指摘されてしまう。結果的にリーザ・スパイダーは1992年に生産を中止。リーザの実質的な後継モデルとなるオプティではオープン仕様が設定されず、ダイハツ製オープン軽カーの再登場は2002年6月発表のコペンまで待たなければならなかったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

日本で生み出される廃タイヤは年間1億本近く――「リトレッドタイヤ」が解決する?

みなさんは「リトレッドタイヤ」ってご存知ですか? タイヤは使っているうちに摩耗し、スリップサインが出たら交換。そして廃棄されるというのが一般的ですよね。日本自動車タイヤ協会によれば、こうして生み出された廃タイヤは年間8300万本、廃車に伴う廃タイヤを含めると9700万本にも達するそうです。なんと日本だけで1億本近くが廃棄されているんですね。そんななかで登場したのがリトレッドタイヤなんです。

 

名前の由来は次のとおり。タイヤが路面に設置する面を“トレッド(Tread)”と呼びますが、これに“リ(Re)”を付けたもの。つまり、タイヤとしての機能を復元して再利用(リユース)するタイヤのことなのです。そのため、別名「更生タイヤ」とも呼ばれています。

 

リトレッドタイヤを早くから利用していたのは飛行機です。飛行機が着陸する際の速度は270km/h近いと言われ、数十トンもの機体をタイヤが一手に受け止めて停止させます。このとき、タイヤは機体の速度に一致するまでスリップすることとなり、摩擦によって白煙が上がるわけです。

↑着陸時に上がる白煙。飛行機にはリトレッドタイヤが早くから使われていた

 

当然ながらこのとき、タイヤは激しく摩耗しますが、その耐用回数は約500回! とはいえ、いずれは耐用回数に到達します。かといって、そのたびにタイヤを廃棄していたのでは環境にも悪影響を与えることになります。そこで、交換時期がきたらリトレッドタイヤとして再利用することが考えられたわけです。

 

ではリトレッドタイヤはどうやって作られるのでしょうか。そんな疑問を持っていた矢先、日本ミシュランタイヤのトラックやバスなど商用車向けリトレッドタイヤを製造している現場を見学できる貴重な機会を得ました。場所は新潟県糸魚川市。ここでは日本ミシュランタイヤの顧客が使用済みとしたタイヤを回収して、リトレッドタイヤとして再利用しています。これによって新品を新たに購入するよりもコストも下がって環境にも優しい、そんなリユースの流れを作り出そうと取り組んでいるのがこの工場なのです。

↑積み上げられた摩耗したタイヤはすべて契約した顧客から回収したもの

 

タイヤを再利用するうえで日本ミシュランタイヤが柱としているのが「ミシュラン3R」コンセプトです。「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」の頭文字を取ったもので、「リデュース」はロングライフ性能の向上でタイヤの負担を軽減し、「リユース」で摩耗したタイヤの溝を掘り直して寿命を延ばしつつ安全性を向上させます。さらに「リサイクル」となるのがタイヤにトレッドを貼り直して再利用する(リトレッド)となるわけです。

↑ミシュラン3Rは、「リグルーブ」「リトレッド」を活用することで、タイヤ経費を削減するとともに、廃棄物の削減や省資源化、CO2排出量削減に貢献する

 

↑ミシュランが提供する「3R」コンセプトのソリューション

 

↑最初に摩耗したタイヤは専用の工具で溝を作り出す「リグルーブ」で対応する

 

日本ミシュランタイヤが商用車向けに提供しているタイヤは、あらかじめこの再利用を前提とした造りとなっており、そのためトレッド面は摩耗したトレッド面を削れるだけの厚みが与えられている構造となっています。日本ミシュランタイヤのリトレッドタイヤはこの段階からスタートしているのです。

↑ミシュランのタイヤはリグルーブやリトレッドに適した構造体を備えているのが特徴となっている

リトレッドタイヤはいかにしてできる? 生産工程をチェック【動画アリ】

工場を訪れてまず目にするのが山となった使用済みタイヤです。そのタイヤはまずしっかりと洗浄され、そのうえで超音波ウルトラソニックを使うシアログラフィ検査機にかけて部材の剥離がないかをチェック。さらにこの検査機によって通ったものをベテランの検査員が目と触診でもう一度チェックします。以前はこの目視だけだったとのことですが、シアログラフィの導入により「検索漏れは大幅に減った」(