ビジネスマンこそ使うべき!「ルーズリーフバインダー」はスマートな大人のノートだった

【きだてたく文房具レビュー】大人こそ使いたいスマートなルーズリーフバインダー

文房具は、小学生から高校生時代と社会人以降で大きくラインナップが変わる、という傾向にある。

 

例えば筆記具でいえば、それまで鉛筆・シャープペンシルしか使わなかったのに、社会人になった途端にボールペン生活に切り替わった、とか。それ以外にも諸々と例はあるが、筆記具並に顕著なのが、ノート類ではないだろうか。

 

もっと端的に言うと「社会人になってからルーズリーフ使わなくなってない?」という話である。

↑筆記用ノート各種。社会人にはなぜかルーズリーフは不人気だ

 

紙の入れ替えや追加が容易だし、作業に合わせて罫線の有無や方眼を混在させるなど応用も利く。ルーズリーフは大人にとっても、なかなか優秀な存在なのである。

 

以前もこの連載で使いやすいルーズリーフ用紙とバインダーをおすすめしたことがあったが、今回はあらためて、社会人向けのルーズリーフバインダーを紹介したい。

 

「360度折り返せる」が社会人向けルーズリーフに欲しい機能

従来のルーズリーフバインダーが社会人にとって使いにくい存在だった理由のひとつに、折り返して使えない、ということがある。

 

他のクライアントとの打ち合わせ内容など、目の前のクライアントに見せたくない情報が前ページに書かれていたりすると、まさかドーンと見開いたまま、机に広げることもできないだろう。

 

そこで便利なのが、LIHIT LAB.(リヒトラブ)から発売されている「コンパクトバインダー」だ。

↑LIHIT LAB.「コンパクトバインダー」B5サイズ 40枚綴じタイプ(左)410円/100枚綴じタイプ(右)540円

 

↑360度折り返せる珍しいバインダー。表紙がワイドなので、ふせんやインデックスを貼っても外にはみ出しにくい

 

このコンパクトバインダーの最も大きな特徴が、360度折り返せる、ということ。

 

従来製品は背表紙側にベタ付けされたリングが干渉して折り返しができなかったところ、コンパクトバインダーは裏表紙側の中央に1軸で可動するリングを配置。これにより何の違和感もなく360度の折り返しが可能になっているのだ。

 

先に述べたような「見開きで机に置きたくない」という以外でも、カフェの狭い机でちょっと仕事をするといったシーンで360度折り返しは役に立つだろう。

↑一般的なバインダー(左)とコンパクトバインダー(右)のリング比較

 

リングは、底部のプッシュレバーをクイっと押し上げるだけできれいに開く。スリムなプラ製リング+中央の小さなバネ1本だけで、このオープン機構が実現されているのは、なかなか感心させられる。

 

これは、同社お得意の“ツイストリング機構”(開閉自在のリングノート用リング)がベースにあっての技術だと思う。

↑レバーを軽く押し上げると、リングが開く

 

↑つまんだまま指を滑らせて閉めると、パチパチとリングが噛み合っていく。ジップ袋を閉じる感覚とよく似ている

 

逆にリングを閉じる時は、リングを端からつまむようにして指を滑らせていく。従来の金属リング+板バネ機構のように、一気にバカッと閉じることはできないが、やり方に慣れれば特に面倒はないはず。

 

なにより、100枚綴じタイプでも本体重量は100g以下と、金属リングバインダーの1/3以下という軽さである。ただでさえ重くなりがちな社会人のカバン事情において、この軽さはかなりのアドバンテージになるのではないか。

もはやリングノート感覚のルーズリーフバインダー

いや、それでもまだ重い、というのであれば、もうこれしかない。コクヨ「スマートリングBiz」だ。

↑コクヨ「スマートリング Biz」B5サイズ 810円/A5サイズ788円

 

↑使い勝手もほぼ“リングノート”と同様なので、当然のように360度折り返しが可能

 

背表紙なしで、表紙・裏表紙とプラ製リングのみ、という思い切った構成は、もはやルーズリーフバインダーの最小構成限度だろう。見た目はほぼリングノートといった感じ。使い勝手もリングノート感覚で、当然のように360度折り返しが可能となっている。

↑レバーを押すとリングが開く。ちょっと強めに押し込むのがコツ

 

リングを開ける時は上部のプッシュレバーを押し込み、閉じる時はリングをどこか一か所をつまむだけで、全体が閉まるようになっている。

 

ただ、リング自体のかみ合わせがやや弱いのか、実際に使っているとカバンの中でごくたまにリングが外れていたり、紙が抜けていたりということがあった。この辺りは、リングが常に露出しているという構造上の問題もありそうだ。

↑閉じるときは、リングをどこか一か所つまむと全体が閉じる。クリック感が少なく、慣れないうちは「ちゃんと閉じたかな?」と不安になる

 

表紙は、書いた内容が外から透けて見えない不透明仕様。また裏表紙には、クリアホルダーのような書類ポケットと、名刺が挿し込んでおけるミニポケット付きになっている。この辺りの細かな作りは、「Biz」(コクヨ製品のビジネスモデルシリーズ)ならでは、といったところだろう。

↑裏表紙側には書類などが一時保管できる全面ポケットと、名刺用ポケット付き。あれば重宝する

 

本体重量は25枚収納タイプで約86g。収納枚数は「コンパクトバインダー」よりも少ないが、学生のように毎日がっつり板書を取るわけでもなし、これで充分ということもあり得る。むしろこの軽さの方が重要、ということならば、こちらを選んで間違いないだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

機能追求型と遊び追求型。多様化する最新ノートの振り幅が凄い!

【きだてたく文房具レビュー】機能性か遊び心か、両極端な2冊のノート

今年の春、『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)という書籍を出させてもらった。タイトルそのまま、この10年のうちに発売された文房具の中で、最も社会的に影響力のあった文房具は何か? を考える、ちょっと変わった内容の文房具本である。文房具に興味がある方なら興味深く読める本なので、ぜひご覧いただきたい。

 

で、そういった重要度とは別で、この10年でいちばん“多様化した文房具”ってなんだろう? と考えた時、まず思い浮かんだのは、紙のノートだ。

↑ノート多様進化のさきがけ、コクヨ「ドット入り罫線ノート」

 

ただ何かを書き留めるだけの紙を束ねた冊子として、長年使われていたノートだが、2000年代後半に東大合格者のノートを分析して作られた「ドット入り罫線ノート」(コクヨ)以降、ただ書くだけでなく、勉強しやすい・デジタル化しやすい・暗記しやすいなど、さまざまな局面に特化して使いやすくしたノートが、数多く生まれてきた。

 

まさにこの10年は、ノートにおけるカンブリア爆発の時代だったのだ。

 

……と、やたら大げさな書き出しになってしまったが、本稿でそんなマクロな話をするつもりはない。もうちょっとシュルシュルと視点を縮めて、その多様化したノートの最新アイテム2点を紹介したいだけなのである。

 

快適+検索性アップのソフトリングノート

2015年にコクヨから発売された「ソフトリングノート」は、リングノート最大の欠点である“筆記時に手がリングに乗り上げると痛い”という不快感を、ぷよぷよした柔らかな樹脂製リングで解決した、画期的な製品だった。

 

そのソフトリングノートがさらに進化し、紙面の検索性をアップさせたのが、発売されたばかりの最新版「ソフトリングノート Biz エッジタイトル」だ。

↑コクヨ「ソフトリングノート Biz エッジタイトル A5」横罫・5㎜方眼・ドット入り罫 各356円

 

「エッジタイトル」とは、コクヨが2009年に発売した特殊な罫線のこと。紙面をよく見ると、一般的なノートの上部にあるタイトル・日付記入用スペースが、紙面両サイドの縦方向に配置されている。つまり、ページのエッジ部分にタイトル欄があるから、エッジタイトルというわけだ。

↑ノート端(エッジ)のタイトル欄は、横罫とドット入り罫が7行ごとの区切りに入り、方眼はフリーとなっている。使いやすいほうをお好みで!

 

ノートに書き込みをする際に、1案件がきっちり1ページ単位で書ききれる、というのは実はかなりのレアケースである。逆に、会議の議事録をとろうとしたのに無駄話ばかりで、書き込んだのは結局数行だった、なんてことはよくあること。で、もったいないからそのページの続きにクライアントとの打ち合わせの内容をメモする、というのもよくあるだろう。

 

しかし、そのページのタイトル欄に「○月○日 営業会議議事録」なんて書き込んであったら、もう大変だ。打ち合わせの内容を思い出そうとページを繰っても、なかなか見つからない。

 

そこで便利なのが、エッジタイトルなのである。わずか数行の議事録のエッジ部分に「○月○日 営業会議議事録」、その直下から始まる打ち合わせメモの横には「▲月▲日 打ち合わせ」というように記入する。

↑タイトルの横には、蛍光マーカーをインデックス代わりに塗るスペースも。これでより検索性アップ

 

内容ごとのタイトルと日付がインデックスのように書き込めるわけで、これならページをペラペラめくるだけで、探している内容にすぐアクセスできるという仕組みだ。

 

快適さですでにファンの多いソフトリングノートに、検索性が高く使いやすいエッジタイトル罫がプラス。仕事用ノートはもはやこれ一択でOK、というレベルに進化した、究極にオススメのビジネスリングノートである。

 

インスタ映え抜群! 写真がメッセージカードにもなるSNS向けリングノート

対して、スガイワールドから発売された「吹き出しノート」は、仕事に便利とは口が曲がっても言えない特殊なノートだ。

 

なにが特殊かって、一目瞭然だろう。マンガの吹き出し型のダイカット紙を小さなリングで束ねた、特殊形状のリングノートなのだ。

↑スガイワールド「吹き出しノート」648円

 

このノートに何かメッセージを書き込んだら顔の横に構え、自撮りでパシャリ。すると、いかにも吹き出しでしゃべっているかのように見える写真の出来上がり。動画でもない限り、撮影時の音声は画像に記録できないが、この吹き出しノートならそれが目に見える写真として残せる、という寸法だ。

 

文章+画像が基本のTwitterやFacebookと違い、画像一発勝負の感があるInstagramなど写真系SNSでは、これがかなり強い。ザ・インスタ映えノートである。

↑人物に使うときは、吹き出しをややレンズ寄りに近づけるとサイズが合いやすい

 

もちろん人物だけでなく、犬や猫、はては無生物だろうとしゃべっている風に撮れるということで、これがまたInstagram向きのかわいい写真になるのだ。誕生日を祝うメッセージなどを書いて、可愛い猫なんかと一緒に撮ってプリントすれば、メッセージカードも自作できる。

↑我が家の愛猫、ジムさん。たまに、本当にこんなことを思っていそうで怖い

 

実際にあれこれ被写体を変えて撮ったことで気付いたのだが、とにかくノートのサイズ(ほぼB5サイズ)が絶妙だ。

 

人物がしゃべっている風に撮るにはやや小さいが、顔の少し前にノートを出してやれば、遠近法でいい感じに映る。対して雑貨などの小物の横に置くなどには大きすぎず、ベストなサイズ。つまり、吹き出しの遠近をつけにくい、置いた状態での撮影にちょうどいい。

 

どんな被写体と撮っても違和感がないのは、かなりよく考えられているなと驚いた。

↑これぐらいの小物と一緒に置いて撮るとベストマッチ。メルカリなど、ネットオークションとも相性がよさそうだ

 

ほぼ同時期に発売された2冊のノートだが、仕事に超便利なもの、仕事には使えないがコミュ力はやたら高まるもの、とまったく別方向の進化を遂げているのがお分かりいただけただろうか。

 

やたらと大きく広がった進化系統樹が、今後さらにどう分岐していくのか? ノートの多様進化は、たぶんまだまだ止まらないだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

これは盲点! 「壁の汚れ隠しテープ」が文具としても活躍するとは!

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】黄みのあるノートにぴったりの“修正テープ”

最近、真っ白ではなく少し黄みがかったクリーム色の本文用紙を使った手帳やノートが、ずいぶん増えたと思いませんか?

 

手帳では、ロングセラーの「能率手帳ゴールド」や人気の「ほぼ日手帳weeks」にはクリーム色の本文用紙が使われていますし、ノートではLIFEの「ノーブルノート」やプラスの「Ca.Crea」などがそれ。かくいう私も、愛用している「ワタシメイド手帳」の用紙がクリーム色。感覚的には出回っている市販の手帳やノートの半数程度には、クリーム色の本文用紙が使われていると思います。

 

ですが、そんなクリーム色の用紙に関しては、かなり深刻な問題があります。世の中にはこんなにもたくさんクリーム色の手帳やノートを愛用している人がいるのに、なぜか「クリーム色」の修正ペンや修正テープが存在しないのです。

 

かつてはクリーム色の修正ペンや修正テープが販売されていたこともあるそうですが、現在では白よりは黄みがかっているものの、ほぼ白に近い「はがき用」、もしくは茶封筒などに近い色合いのものしか出回っていません。

 

この問題には私もずっと悩まされていて、上記のように何度もSNSでその悩みをつぶやいていました。

するとあの、消しゴムと修正テープで有名な「SEED(シード)」の公式Twitterさんが、こんなリプライをくださったのです!

 

なんと、シードから発売されているDIY用製品「壁の汚れ隠し(アイボリー)」が、クリーム色の用紙の修正にぴったりだと言うのです!

 

シードさんといえば、「修正テープ」を世界で初めて開発したことでも知られています。これは期待大です。

 

早速購入してみたところ、外見はまるで修正テープのような「壁の汚れ消し」。いや、むしろシードから発売されている修正テープ「てーぷっち」と全く同じ形状です。壁の汚れ隠しというより、修正テープそのものです。

 

早速、愛用の手帳で試してみました。

上が従来の白い修正テープで修正したもの、下が「壁の汚れ隠し(アイボリー)」で修正したものです。これはなかなか用紙の色に近い色です!

 

“クリーム色”とひと言で言っても、手帳やノートの種類によって色合いが微妙に異なってくるので、一概に「ぴったり」ということはできませんが、白よりもずっとしっくりくる色合いです。

 

もちろん使い勝手は修正テープと全く同じなので、手軽に持ち運んで使うことができ、上から文字を書くこともできますよ。

 

とにかく、「壁の汚れ隠し」とは盲点でした。文具好きの友人やインターネット上でも、私と同じような悩みを抱えている人たちをたくさん見てきましたが、そんなみなさんの救世主とも言える製品なのではないでしょうか。

 

クリーム色の手帳やノートを愛用している方は、ぜひ一度試してみてくださいね。

 

【商品情報】
シード「壁の汚れ隠し ベージュ(IVORY)」
オープン価格(実勢500円前後)
幅5㎜・長さ6m

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

暇つぶしかストレス解消か冒涜か!? 合法的に凶行に走れるクレイジーなノート

【きだてたく文房具レビュー】誰にも怒られることなく破壊行為を行えるノート

以前に、この連載で「いたずら書き専用ノート」というのを紹介したことがある。

 

要するに最初からちょっとしたモチーフが印刷されているため、真っ白い紙にゼロから落書きするよりもスタートの勢いがつけやすい(余計なお節介の含まれた)ノートである。

 

そもそも人間の脳というのは、退屈な状態に置かれると白昼夢(非現実的な空想)を見るようになる。そしてこれが脳の処理能力をかなり無駄に消費するらしいのだ。退屈だなと思った時は、いたずら書き程度の軽い作業を脳にさせておいた方がリソースを消費せず、結果的に集中力を発揮しやすくなるという脳科学の研究結果も出ているそうだ。

↑ただただいたずら書きを積み重ねる専用の、Discover 21「大人のための落書き帳」1296円

 

なるほど、落書きが脳にいいのはなんとなく分かった。じゃあもっといろいろとやれば、さらにいいんじゃないか? と考える人もいるだろう。

 

そういう人におすすめしたいのが、「WRECK THIS JOURNAL」(レック ディス ジャーナル:破壊日記)。その“いろいろやる”がちょっと行き過ぎというか、いたずら書きどころじゃない凶行を好き放題にやっていいノートなのである。

↑グラフィック社「 WRECK THIS JOUNAL 日本語版」1296円

 

なにがどう“行き過ぎ”かというと、このノートを開いてすぐのところにある「注意」の項目に、
・本書で遊ぶと体が汚れる。
・塗料や、その他のさまざまな異物まみれになる可能性がある。
・びしょぬれになることもあるし、大丈夫かな?と思うようなことをやるよう指示されたりもする。
……とあるぐらいだ。

 

まぁ、生半可なことではないだろうとは、お分かりいただけるだろう。

 

「WRECK THIS JOURNAL」は、各ページに行うべき凶行のテーマが指示されている。どのページから始めても良いとのことなので、まずランダムにめくって出たのが、これ。

↑「えんぴつで穴をあけろ!」……えっ、そんなことやっていいんすか

 

いきなりの物理破壊指令。

 

言われたとおりに鉛筆でグサグサと穴を開けるのだが、これがかなり気持ちがいい。単なる紙ではなく、きちんと製本されたノートに穴を開ける背徳感と爽快感はかなりのもの。そして恐ろしいことに、この背徳感すらもやがて完全に麻痺していく。

↑「線にそってビリビリ切ろう!」あっ、すごいやっちゃいけないことやってる!

 

↑「この本と一緒にシャワーを浴びよう」。浴びたあとにドライヤーで乾かすと、当然のようにゴワゴワに

 

「いっしょにシャワーを浴びろ」の指示あたりから、自分の中で数十年ずっと無意識のうちに持っていた、「本は大事に読もう」という規範が音を立てて崩れたように思う。

 

このノートは大事にしなくていいし、むしろ壊すためのものなのだから何をやってもOKなのだ。

↑「このページをゴシゴシこすろう」。はい喜んでー! 指でこするだけでは物足りないので、フリクションボールのラバーでゴリゴリと

 

↑「ページを縫おう」。濡れてゴワゴワの紙を縫うのは、かなり難易度が高いという経験を得た

 

↑「口にくわえたペンで文字を書け!!」が、意外と難しくて面白い。自分でも解読不能

 

これらの指示は「意味が分からない」と言われるかも知れないが、でもまだ比較的理解しやすい方なのだ。

 

例えばこれなんか、最初に見たときに内容が頭に全く入ってこなかったので、何度か読み返したくらい。

↑「この日記にひもをくくりつけ引きずりながらお散歩してね」……お前は何を言っているのだ

 

↑外は雨なんだけど、「晴れの日を選んで実行せよ」とも書いてなかったし

 

他にも、「このページを堆肥にしよう。朽ち果てる様子を観察!!」や「このページを無くそう(捨てるとかね)そして、その喪失感を受け止めよう」など、もはやノートに対する所行として考え得るレベルを超えた指示が満載。

↑開始から数日(濡れたのを乾燥させる時間も含む)の結果。まだまだこれから!

 

最終的に、10ページほど指示を実行しただけでこの有様。自分としては、これでもまだ破壊し足りないぐらいの心持ちである。

 

いたずら書きが脳にほど良い軽作業であるとしたら、これは明らかに破壊のための破壊であり、脳は「もっとひどいことしたい!」という思いで集中し続けている状態と言えよう。

 

ちなみにTwitterで「#wreckthisjournal」のタグを検索すると、世界中の破壊者の“WRECK THIS JOURNALいじめ”を確認することができる。こうやって公開するには、クリエイティビティの高い創造的破壊をカッコよくキメたいところではあるが、しかし自分の心の赴くままに、残虐かつ衝動的に破壊してしまうのも気持ちが良いもの。

 

とにかく好き放題にやっちゃうのが楽しいので、ぜひ破壊しまくってみてほしい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

これはクリエイティブなまな板だ! 自由な発想が広がる横置きノート

【ド腐れ文具野郎・古川 耕の文房具でモテるための100の方法】

No.070

コクヨ「ソフトリングノート<ビジネス>」
378円(A7)、432円(A6)、540円(B6)、648円(A5)、702円(セミB5)

手に当たっても気にならないソフトリングを採用。A7、A6、B6は5mm方眼罫のみ、A5とセミB5は5mm方眼罫と横罫の2タイプ。切り取れるミシン目入りの用紙は70枚入り。

 

ビジネスの場で使える横書き対応ノートで自由に書きながらモテる

「カジュアルビジネスノート」と筆者が勝手に命名しているジャンルがあります。モレスキンのような高級ノートではなく、かといって大学ノートほどカジュアルでもなく、仕事の場でも浮かないルックスを持ち、そして何より重要なのは、縦向きでも横向きでも自由に使えるよう無罫または方眼罫であること。その心は、文字でも絵でも図表でも、任意の場所から自由に書き始めたいから。つまり、時系列順に情報を整理するのではなく、横長の広い面で自在に発想を膨らませる「創造的まな板」としてのノートが「カジュアルビジネスノート」なのです。

このジャンルの嚆矢(こうし)となったマルマンの「ニーモシネ」発売から12年。最近、目を引く新製品が誕生しました。今年6月に発売されたコクヨの「ソフトリングノート<ビジネス>」は、リングが樹脂製で手当たり柔らかな同シリーズのビジネス版。5mm方眼罫にミシン目付きなので、1枚ごとに切り離して簡単にスキャンもできます。見た目もシンプルで良い。アピカの「ベイシス」も表紙からして横向き筆記を想定しており、こちらも発想ノート向き。PC・スマホ時代のノートとして、アイデア出しに煮詰まったらぜひ使ってみて下さい。

 

アピカ「ベイシス」
194円(セミB 5 )、151円(ハーフサイズ)

セミB5と、その横半分のハーフサイズの2サイズ展開。横罫、5mm方眼罫、無罫(ハーフサイズのみ)を揃える。罫線色はやさしい印象の薄いブルー。各30枚入り。

 

【プロフィール】
古川 耕
放送作家/ライター。TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」などを担当。

 

雑誌「GetNavi」で連載中

まるでスパイグッズ! さりげなく持ち歩きサッとメモれる“手ぶらメモセット”

【きだてたく文房具レビュー】IDフォルダさりげなく持ち歩けるメモセット

メモを取らなきゃ!という事態はそこかしこで起きうることなのに、常に備えをしている人は意外と少ない。

 

例えばトイレに行く途中で、すれ違った上司に呼び止められて「○○のミーティング、ちょっと別件入っちゃったんだけどさ。▲△日にリスケできるか先方に確認してみて」とか言われたとする。こんな時、取れる選択肢は、

1.自分の記憶力を信じてまずトイレにかけこむ
2.自分の膀胱力を信じてメモを取りに自席へ戻る

のふたつとなる。しかし、自分の記憶と膀胱、どちらも信頼しきれないという人もいるだろう。

 

そこでスマホでメモを取るという選択肢もあるが、いちいちメモアプリを起動して入力して、という手間を考えると、手書きの方が圧倒的に解決は早い。

 

要するに、普段から常にペンとメモを携帯してさえいれば、そんなあやふやな賭けに出ずに、

3.その場ですかさずメモを取ってからトイレに行く

という確実な行動が取れるのである。

 

普段の装備にペンとメモを紛れ込ませる

ペンとメモのセットを常時携帯する、ということはつまり、普段からずっと身に付けているものにペンとメモをくっ付けておけばいいということ。ゼブラ「ペモ アイディー」は、その解決方法として「IDカードホルダーにペンとメモを内蔵すればいいんじゃない?」という提案である。

↑ゼブラ「ペモ アイディー」1080円

 

↑見た目はまったく普通の、首から提げるIDカードホルダー

 

普段着がスーツであれば、ジャケットにペンとメモを入れておくぐらいは可能。ただ、女性や私服系の男性はそうもいかない。また、いつどこでペンとメモが必要になるかは分からないので、とにかくいつも身に付けている必要がある。であれば、会社にいる間は基本的に首から下げているであろうIDカードホルダーを使うのは、悪くないアイデアだ。

↑常にペンとメモが手元にあれば、生活内のリスクは減らせるのだ

 

ホルダーをパカッと開くと、中はこのとおり。

↑ペンとメモを内蔵しているから「ペモ」。製品名の脱力具合はすごいが、機能は必要充分

 

カードサイズに収まるような平らな形の油性ボールペン(赤・黒)と付箋(大・小)がセットされている。ケースの端からペンを引き抜き、付箋にメモを取る、という作業がこれひとつで完了するわけだ。カードホルダーを台にして書けるので、場所も選ばない。

↑慣れるまでは握り方にちょっと違和感のある扁平ボールペン。とはいえ、ちょっとしたメモ書き程度なら問題なく書ける

 

大付箋が貼られたシートは、インデックスのついた仕切りになっている。ここはメモをとった付箋を一時的に収納しておくのにもいいし、名刺なら予備を2~3枚ストックしておくことも可能。いつもランチに使っているお店のサービス券などを入れておく、なんてのもアリだ。

 

ちょっとした紙片を紛失することなく確実にとっておけるのは、日常生活の上で意外と便利なのである。

↑急な来客にも便利な、予備名刺ストッカー

 

実はこのペモ アイディー、元々は1980年代にゼブラから発売されたカード型ペンセット「カーディー」がベースになっている。’80年代といえばシステム手帳がブームになったタイミングであり、そのシステム手帳のカードポケットに収納しておけるカード型文具も一緒にブームになった、という経歴がある。

↑’80年代に各メーカーから発売されていたカード型文具の数々。中央がゼブラ「カーディー」

 

残念ながら、システム手帳ブームの終焉とともにカード型文具の存在も消えてしまったのだが、そこから30年以上経った今、IDカードホルダーという新たな居場所を見つけ、カード型文具が実用ツールとして再評価されるようになったのは、面白いものだと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

3つの文房具を合体したら出来た。俺的最強ノートはこれだ!

【きだてたく文房具レビュー】お気に入りを半ば力技で合体した俺ノート

 

ここ数年で、ノートにこだわりを持つ人がグッと増えてきたように思う。

 

「デジタル全盛の時代にあえてアナログ筆記にこだわる」とか「やっぱり紙の手触りが好き」とか、理由はそれぞれあるようで、そのこだわりに応えるべく、メーカーも次々とサイズや紙質、綴じ方にこだわりのあるノートを発売してきた。

 

が、それでも「違う! 俺の欲しいノートはそうじゃないんだ!」という人がいる。メーカーも万人の欲求に応えられるわけではないので、そういうことも当然ありうるだろう。実は筆者も「俺の欲しいノートが市販されてない」というクチなのだけど、特に困ってはいない。だって、自分の欲しいノートを自分で作っちゃっているからだ。

 

ノートの自作と言っても、そんな大げさな話ではない。筆者の要求を満たすノートは、市販のツールと紙を組み合わせてしまえば、それなりに簡単に作れてしまうのだ。まず、その要求スペックを書き出してみよう。

・サイズ:A5サイズ
・綴じ方:タテ開きリング綴じ(紙の上辺をリングで束ねたもの)
・紙質:ペラい紙は好みではないので、ちょい厚手がいい
・紙面:5㎜方眼+日付欄があるとベター
・その他:軽いこと(100g以内がうれしい)

 

そんなに難しいことを言ってるつもりはないのに、これを市販品から探すと、見つからないのである。ただ、目安として、紙に関しては「まさにピッタリ」というものがある。

↑マルマン「ニーモシネ A5ノートパッド」594円

 

マルマン「ニーモシネ A5ノートパッド」は、まず紙面が特殊5㎜方眼罫。ページ内に日付+タイトル欄が入っており、これが日々のアイデア出し帳としてなかなか好ましい。

 

紙質もまさにほど良く厚手で、たまに万年筆など使っても裏抜けが少なく書きやすい。そして最もありがたいのが、パッド上辺のミシン目。ここから切り離すと、紙がちょうどA5正寸になるのである。

↑細かなミシン目が入っており、必要な分だけちぎり取れる

 

じゃあ、この切り離したA5の紙を自分で好きなように綴じ直せば、好みのノートができあがるのではないか、ということ。ということで次に出番となるのが、LIHIT LAB.(リヒトラブ)の「ワンサード 34穴パンチ」だ。

↑LIHIT LAB.「ワンサード 34穴パンチ」1万584円

 

これは「ワンサード」……つまりリングノートの国際基準である1/3インチ(8.47㎜)ピッチで、最大A4長辺34穴まで、連続する綴じ穴を開けてくれるパンチである。

↑A5紙の上辺をはさんでバン! と押せば、一気にリングノート用の17穴が開けられる

 

↑リングノートは穴のピッチが違うので、ルーズリーフバインダーでは使用できない

 

ただし、穴が多い分だけ同時穿孔枚数は5枚までと少なめ。必要なページ数分の穴を開けるため、ここだけちょっとチマチマとした作業が必要になる。

 

紙の準備ができたら、あとはリングで綴じるだけ。そこで最後に登場するのは、LIHIT LAB.「ツイストノート A6」だ。

↑LIHIT LAB.「ツイストノート A6」248円

 

A5短辺=A6長辺なので、このA6用の17リングが、先ほど開けた穴にぴたりとハマるという寸法である。

↑左ページを左上に、右ページを右下に同時に引くことでリングが開く。リーフの差し替え・追加が可能でしかも軽量と、言うことのないシステムだ

 

自由に開閉できるプラ製ツイストリングを使って、欲しいだけ紙を綴じてしまえば理想のノートが完成する。ノート自体の重量も、綴じるページ枚数で調整すれば良し。

 

ちなみに元々A6ノートに使われていた紙は、卓上用メモとして再利用している。

↑パンチで17穴を開けた用紙をリングでまとめる。表紙・裏表紙はニーモシネのものを切り取って、こちらもパンチ

 

そもそもこのツイストリングは、市販のリングノートを分解して綴じ直すこともできるため、応用力が非常に高い。今まで使っていたノートから必要なページを抜き出して再利用するなど、リングノートがルーズリーフ感覚で使えるようになるのだ。金属製のダブルリングより軽量なのもありがたい。

↑俺のニーモシネツイスト、略して「俺モシネ・ツイスト」の完成形。ページ数を調整して重量も100g以内に収めた

 

筆者の場合、リングノートのリングに手が乗り上げる感じが嫌い=タテ開きが理想、2冊タイプのノートカバーに収納するので、できるだけ軽い方がいい=ツイストリングで枚数調整可能、というポイントが、これで解決できたというわけだ。

↑ノートカバーに収めた状態。2冊使いだと片側がタテ開きの方が使いやすい

 

ノートの好み・使い方は人それぞれなので、なかなか“理想の一冊”に出会うのは難しいもの。ならば、あるものを組み合わせて好みの環境を作るのも文房具の楽しみ方のひとつだ。

 

「暗いと不平をいうよりも、すすんで明かりをつけましょう」(マザー・テレサ愛の言葉 より)の精神である。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

文房具を駆使してインフルエンサー!? “インスタ映え”に効力を発揮するノートがあったとは

【きだてたく文房具レビュー】いいね!がもらえる名脇役ノート

 

今年の新語・流行語大賞は「インスタ映え」だそうで、たしかに去年から今年にかけて、どこに行ってもよく耳にしていた気はする。

 

「Instagram(インスタグラム)」と聞くと、おっさんは「若い女子のすることだろう」と避けがちかもしれないが、要するに“スマホで写真を撮ってSNSにアップする”というだけの話である。ラテアートやらふわふわなパンケーキの写真をインスタに載せるか、飲み会で出た豪華刺し盛りの写真をFacebookに投稿するか、ぐらいの話であって、やってることに大差はない。

 

今やスマホ(ガラケーでも)を持っていながら写真を撮らない人なんて、かなり少数派に属するはずで、だいたいはなんだかんだで1日1枚ぐらいは撮っているんではなかろうか。で、どうせ撮るならちょっとでも、人に見せた時に「いい写真だね」と言ってもらえるような見栄えの良い写真を撮りたい、というのが人情だろう。そんな人間の欲求にピンポイントで応えるノートというのがあるので、紹介したい。

 

つまり今回は、ノートの紙質とかそういうのは一切抜きで、撮影に便利なパーツだけの話である。

 

影を飛ばしてくっきり明るい写真を撮れるノート

↑M-PLAN「レフ板のついたリングノート」A5サイズ 540円↑M-PLAN「レフ板のついたリングノート」A5サイズ 540円

 

M-PLANから12月に発売される「レフ板のついたリングノート」は、A5サイズの5㎜方眼リングノートに、名前の通りレフ板を備えたもの。

 

写真に興味のない人にはピンとこないかも知れないが、実はこの“レフ板”というのが、写真をきれいに見栄え良く撮るのに必須といっていいほど重要なのだ。

↑ノートの後ろに銀色のレフ板が見開きで付属している↑ノートの後ろに銀色のレフ板が見開きで付属している

 

このノート、後ろ側に銀色のメタリックボードが付いており、これが簡易的ながらレフ板として機能する。

 

ノートにレフ板が付いている意味というのは、特にない。ただ、スマホでちょっとした写真を撮るためにわざわざレフ板を持ち歩くよりは、いつものノートについでにレフ板が付いている、という方がお得でうれしいというものだろう。

 

↑こちらがレフ板なしの写真(iPhone7のカメラで撮影)↑こちらがレフ板なしの写真(iPhone7のカメラで撮影)

 

↑こちらはレフ板ありの写真。トレーラー側面がくっきり明るくなっているのが分かる↑こちらはレフ板ありの写真。トレーラー側面がくっきり明るくなっているのが分かる

 

これを被写体のそば、上から見て影ができている側に置いてやることで、光を反射して明るく撮影することができる、というわけ。(この辺の理屈は、説明し始めるとキリがないので、興味のある方はレフ板・ライティングなどのワードで検索してください)

↑実際の撮影風景。照明の反対側に置いて影を消すのが基本的な使い方だ↑実際の撮影風景。照明の反対側に置いて影を消すのが基本的な使い方だ

 

レフ板を使う時は見開き状態にして立ててもいいし、ノートの裏表紙台紙がスタンドになっているので、これで支えて立ててもいい。スマホは両手で支えつつシャッターボタンを押すのが安定した撮影姿勢なので、いちいちレフ板に片手をふさがれないのはありがたい。

↑台紙はこのようにスタンドとして使用できる↑台紙はこのようにスタンドとして使用できる

 

実際には「がっつり実用」というレベルには満たない、オマケ程度の性能だ。しかし、あれば便利なレフ板がノートのオマケとしてついていると考えれば、それだけでも常備する価値はあるかも知れない。

 

知る人ぞ知る使い方、黒背景のノート

もうひとつ、オフィシャルでは「写真撮影に便利」とはひと言も謳われていないが、実は知る人ぞ知る小物撮影にちょっと便利なノート、というのも存在する。

 

マルマンの『Mnemosyne(ニーモシネ)』リングノートがそれだ。

↑マルマン「Mnemosyne(ニーモシネ)」A5リングノート(方眼/無地/7㎜罫)594円↑マルマン「Mnemosyne(ニーモシネ)」A5リングノート(方眼/無地/7㎜罫)594円

 

ニーモシネといえば、文房具好きの間では書き味の良い高品質紙を使ったノートとして有名だ。しかし、今回のような撮影用途で便利なのは、紙の方ではない。リングノートの表紙裏面が、背景の黒バックとしてなかなか有能なのだ。

↑表紙裏面は何の印刷もない、ただ黒一色のボードとして使える↑表紙裏面は何の印刷もない、ただ黒一色のボードとして使える

 

表紙板の裏面は何の装飾もない黒一色。プラ製なのでアップで撮影しても紙の繊維が目立つことはない。しかもうっすらと梨地になっているので、周りの光がペカペカと極端に反射することもない。

↑撮影時は上に被写体を置いて撮るだけ↑撮影時は上に被写体を置いて撮るだけ

 

↑黒バックは被写体がくっきりと浮かび上がるので、見せたい部分をしっかり見せられる↑黒バックは被写体がくっきりと浮かび上がるので、見せたい部分をしっかり見せられる

 

↑A5サイズは、これぐらいの小物の撮影にちょうど良いサイズ感↑A5サイズは、これぐらいの小物の撮影にちょうど良いサイズ感

 

例えば文房具など小物の写真を撮ってSNSにアップする時など、この程よい黒バックが重宝するのである。

 

机の上にダイレクトに置いて撮ると、気付かぬうちに埃や汚れが写り込んでしまったり、変な反射光でみっともない写真になってしまうこともままあること。そういう時に、サッとニーモシネの表紙裏を敷いてやるだけで、グッと締まったいい写真になったりするのである。

 

ニーモシネ、そもそもノートとしても優秀であることだし、いざという時に備えてこちらも1冊、どうだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

書く・見る・綴じる・持ち歩くがシームレスにつながる。断言、「PLOTTER」はノートの完成形である

大人がもつべきノートとは、いったいどんなものだろう?

 

学生時代、学習帳から罫線の細い綴じノート、あるいはルーズリーフへ移行した私たちは、社会人になってまた綴じノートを使っている。しかし、綴じノートは選択肢が豊富だがページの入れ替えも追加もできないし、とはいえルーズリーフでは、ページの入れ替えは自在でもバラバラに散逸する可能性が高い。

 

「そういった観点から、1985年に日本に上陸した“システム手帳”は90年代を席巻し、バブル期の象徴ともされました。便利なため、今でもそのまま使い続けている方はたくさんいらっしゃいます」と話すのは、システム手帳の代表的なブランド「ノックスブレイン」を手がけてきた斎藤崇之さん。ただし、システム手帳はツールが多く煩雑になりがちで、以降新たなユーザーはそれほど増えていない。

 

そこで、ノート、ルーズリーフ、システム手帳が持つそれぞれのいいとこ取りをすることで、システム手帳の「ノックスブレイン」とは異なる、まったく新しい価値をもつツールとして今秋登場したのが、「PLOTTER(プロッター)」である。「なにかに邪魔をされることなく思考を巡らせ、AIにはできない“ひらめき”を大切にできる。そんなツールを目指しました」(斎藤さん)

 

「PLOTTER」も一見システム手帳のように、バインダーを軸にツールを自由にピックアップし構築していく。ではなにが違うのか? ラインナップから確認してみよう。

シンプルに徹しながら機能を凝縮したツール

まずは、バインダー。2015年、「ノックスブレイン」から「ルフト」というレザーバインダーが登場した。本体の一枚革、リフィルを綴じるリング、それを固定するバックプレートというわずか3パーツからできており、平らに開き綴じると薄く、真鍮製のバックプレートが背表紙にデザイン性を与えた「ルフト」は、従来のシステム手帳にないコンセプトが支持され、大ヒットとなった。今回の「PLOTTER」は、バインダーにこの「ルフト」を継承し、革の種類やサイズを増やして、あらためて軸に据えている。“ナローサイズ”と名付けられた細長い独自サイズも「PLOTTER」のラインナップに加えられた。

20171030wadafumiko001

6穴リングレザーバインダー

プエブロ 1万800円〜1万9440円/ホースヘアー 8640円〜1万4040円/シュリンク 7560円〜1万2960

皮革はイタリアンショルダーレザーの「プエブロ」、タンニンレザーに微細なエンボス加工を施した「ホースヘアー」、シボを施した「シュリンク」の3種類。とくに「プエブロ」は秀逸。ハイブランドにも卸しているイタリアの名門タンナーによる革で、ショルダーレザーを微細な針を植えた剣山のような金属タワシで丁寧にこすることで、やや起毛した状態に仕上げてあり、使い込むほどに色濃くつやが増していく。もっともエイジングを楽しめる革だ。それぞれA5、バイブル、ナロー、ミニの4サイズをそろえ、カラーは「プエブロ」が4色、「ホースヘアー」が3色、「シュリンク」が5色をラインナップする。

 

続いて、“ノート”部分となるリフィル。

20171030wadafumiko002

20171030wadafumiko003

リフィルメモパッド

無地 518円〜691円/2mm方眼 518円〜691円/6mm罫線 518円〜691円/ToDoリスト 453円〜648

ドローイングペーパー 604円〜712円(A5・バイブルサイズのみ)

“ルーズリーフ”特有のバラバラになりがちなページを天ノリで固め、必要な分だけ切り離せるパッドタイプで、バインダーに挟むほか、ノートのように単体でも持ち出せるのが特徴だ。「ドローイングペーパー」を除いて、「PLOTTER」のために開発されたオリジナル用紙を採用しており、クリームがかった紙色が目にやさしく、薄いが万年筆で書き込んでも裏抜けしにくい。

 

またリフィルには、スケジュール管理のシリーズも用意されている。

20171030wadafumiko004

リフィル2018年版月間ブロック 561円〜972

リフィル2018年版週間レフト式 1080円〜1944

「2mm方眼」をベースに、見開きでブロックタイプのマンスリー/レフト式のウィークリーをレイアウト。ムーンフェイズや六曜を表示するほか、バイオリズムなどを記入できる欄も盛り込むなど、限られたスペースに日々の情報を最大限効率的にまとめられるよう、綿密に計算されている。こちらもオリジナル用紙を採用。1枚ずつ単ページで構成されているので、必要な期間の分だけ持ち歩ける。

 

20171030wadafumiko005↑「リフィルメモパッド」は角を丸くトリミング。これによってルーズリーフでありながら単体の“ノート”としての顔が現れた

 

書き込まれ、パッドから切り離されたこれらのリフィルをまとめるのが「プロジェクトマネージャー」だ。

20171030wadafumiko006

プロジェクトマネージャー 453円〜648

オレンジやマスタードといった鮮やかな色と、ホワイトやグレーなどシックな色をアソートしたペーパーフォルダーのリフィル。表側にはタイトルやメモ、メンバー名を書ける欄が、内側にはプロジェクトの進捗を管理できるガントチャートがプリントされている。

 

さらにこの「プロジェクトマネージャー」やリフィルをストックできるのが、「リフィルストレージ」。

20171030wadafumiko007

リフィルストレージ 2160円〜2808

2本の留め具にリフィルの穴を差し込み固定。リフィルなら約300枚が綴じられる収納量をもっている。スナップボタンで留められ、リフィルの出し入れが簡単でありながら、リフィルをしっかりホールドしてくれる。

 

また、リフィルのラインナップとして、便利なアクセサリーツールがある。その一部を紹介する。

20171030wadafumiko008

20171030wadafumiko009

アクセサリーツール

バンドリフター 1188円〜1296円/本革ペンホルダーリフター 1188円〜1296円/スケール下敷 432円〜496

バインダー機能をサポートし、ユーザーのクリエイティビティを刺激するツール。バインダーをホールドするバンドが付いた「バンドリフター」には世界時差表と度量衡表を、ペンを留められる「本革ペンホルダーリフター」にはカリグラフィーの見本と偉人の名言を使った文字級数表を、「スケール下敷」にはスケールや分度器を凝縮してレイアウトした。

 

※価格はすべて税込

 

PLOTTERオフィシャルホームページ
www.plotter-japan.com

PLOTTERオンラインストア
www.plotter-japan.net

 

あらゆる瞬間に“クリエイティビティ”は訪れる

ブランドコンセプトは「創造力で未来を切り拓く人のために」。「PLOTTER」というブランド名自体が、PLOT+ERで“計画する人・主催する人・構想する人”を示している。このツールが、ユーザーのクリエイティブワークをアシストするという意味だ。

 

「この“クリエイティブワーク”とは、いわゆる“クリエーター”だけのものではありません」と前出の斎藤さんは説明する。デザイナーや建築家などはもちろんだが、例えば会社員や主婦の仕事にも、“クリエイティビティ”は必要であり、あくまですべてのひとを対象としたツールであるというのが趣旨だという。

 

そこで一例として、GetNavi webの編集部員ならどんなシーンで活用できるのかを探るべく、早速使ってみた。

 

【オフィスで……】

ミーティング中にタスクをピックアップする

↑参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「To Do List」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる

参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「ToDoリスト」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる。

 

デスクでプロジェクトごとにメモをまとめる

↑今週のタスクを書き出した「To Do List」と企画のラフスケッチを描いた「2mm Grid」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ

今週のタスクを書き出した「ToDoリスト」と企画のラフスケッチを描いた「2mm罫線」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ。

 

まとめたノートを資料としてファイルする

↑完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる

完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる。

 

バインダーごと持って外出する

↑素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ

素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ。

 

取引先の会議室でスケジュールを書き込む

↑ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように昨日は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、恥ずかしくないのもうれしい

ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように機能は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、印象が良いのがうれしい。

 

【休日に……】

家でアイデアのソースを書き留める

↑注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm Grid」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる

注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm方眼」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる。

 

レシピやアイデアを閲覧しやすくまとめる

↑仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる

仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる。

 

メモがある程度溜まったらストレージへ移動する

↑アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたいのだが、「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい

アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたい。「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい。

 

家やカフェでくつろぎながらメモをチェックする

↑出かける際に持ち歩いて恥ずかしくない上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」は無垢の真鍮で適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる

出かける際にいつも持ち歩きたくなる上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」はアンティークゴールドで適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる。

 

このようにビジネスシーンで、プライベート空間で、使い道は違っても「PLOTTER」の同じアイテムが、それぞれの思考を巡らすシーンにフィットした。ひらめきをそのまま書き留めたい、情報をすぐに確認したい、しかもスマートに使いこなしたい。これらをシームレスにつなぐことで、さらに新たな創造性が刺激される。そんなモノ発信の好循環が生まれそうだ。

20171030wadafumiko019

 

ちなみに、レザーバインダーに始まりリフィル、プロジェクトマネージャーへとつながっていくラインナップは、あくまで今回のローンチ時のベースとなるもの。レザーバインダーを起点として、あらゆる“PLOTTER”のためのクリエイティブツールが今後、さまざま創られていくというから楽しみだ。

 

昨今、“大人の”とか“プレミアム”とか、そんな耳障りのいい形容詞を冠しただけの“ちょっとオシャレな”文房具があふれている。そんななかで「PLOTTER」は、シンプルだが品質の良さ、使い勝手の良さを随所に感じさせる本質的なデザインと作りをもっている。

 

見ればわかるし、使えば実感できるはずだ。ノートでありルーズリーフでもあり、またシステム手帳でもある。「PLOTTER」とは、いわば究極の“道具”なのだ。

 

撮影/湯浅立志(Y2)