60年代の米国向けモデルを復刻! ファン垂涎の「スーパーカブ」を解説

誰もが知っているバイク、スーパーカブ。昨年シリーズ累計生産台数1億台を突破した伝説的なシリーズです。今年はそんなスーパーカブ60年目の誕生日。そこでホンダから、ビジネスライクなイメージを覆す記念モデルが登場します。バイク好きもそうでない人も、要注目です!

 

【教えてくれた人】

フリーライター

並木政孝さん

モーター誌編集長を経てフリーに。幼いころ父親がスーパーカブに乗っていたため、特に思い入れが強いです。

 

ビジネスイメージを払拭した所有欲を満たせる一台

スーパーカブといえば、そば店の出前や郵便配達など“はたらくバイク”のイメージが強いです。しかし、1960年代の米国輸出向けモデルCA100をモチーフとしたこの60周年記念車は、ビジネスライクなイメージとはかけ離れたカジュアルでポップなデザインが特徴。目を引く個性的なカラーリングに、クロームメッキのエンブレムやパイピングシートを配することで特別感を演出し、所有欲を満たしてくれます。

 

スーパーカブならではの魅力である燃費性能や静粛性、耐久性は、本車でも高い水準で実現。デザインと使い勝手を両立するため、記念モデルでありながら、日常の足として乗り回したくなる一台です。

 

 

ホンダ

スーパーカブ5060周年アニバーサリー

24万3000

11月22日発売(受注は10月31日まで)

シリーズ誕生60周年記念モデル。1963年に米国で話題を呼んだ広告のイラストをモチーフとします。マグナレッドを主体としたボディに、ツートーン仕様のシートやブラックのリアキャリアなど、特別なカラーリングが施されました。

SPEC●全長×全幅×全高:1860×695×1040㎜●車両重量:96㎏●パワーユニット:49cc空冷4ストロークOHC単気筒●最高出力:3.7PS(2.7kW)/5500rpm●最大トルク:0.39㎏-m(3.8Nm)/5500rpm●総排気量:49cc●始動方式:セルフ式(キック式併設)●燃料タンク:容量4.3ℓ●WMTCモード:燃費69.4km/ℓ

 

↑同社が米国で展開した「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のポスター。老若男女(犬も!)をユーザーとして描くことで、大衆性を訴求しました

 

【ココがプロ推し!】

誰でもパーソナルに使える“快楽性”が魅力

60周年記念車のモチーフとなったCA100は、1960年代当時の米国ではびこっていた「バイク乗り=アウトロー」というネガティブなイメージを払拭したモデル。どんなユーザーでもパーソナルに乗りこなすことができる “快楽性”が魅力です。

 

↑クロームメッキエンブレムをはじめ、独自の意匠が随所に配されています。ファンならずとも購買意欲をかき立てられます

 

 

【スーパーカブの歴史をおさらい】

スーパーカブは昨年、シリーズ累計生産台数1億台突破というモーター史に残る金字塔を打ち建てました。偉大な歴史を彩った名車の数々を振り返ります。

 

【その1】1958年発売

スーパーカブ C100

発売当時価格5万5000円

初代モデル。低床バックボーン式フレームや空冷4ストロークOHVエンジンなどを備える画期的なバイクでした。

 

 

【その2】1983年発売

スーパーカブ50 スーパーカスタム

発売当時価格14万4000円

圧巻の低燃費180㎞/ℓを達成。空気抵抗をできる限り小さくするデザインで燃費性能を徹底追求しました。

 

 

【その3】1991年発売

スーパーカブ50 スタンダード

発売当時価格14万5000円

機械式フューエルメーターを採用するなど機能が充実。サイドカバーとレッグシールドを白色で統一しました。

 

 

【その4】2007年発売

スーパーカブ50 スタンダード

発売当時価格20万4750円

二重構造のチューブに、パンク防止液を封入した独自のタフアップチューブを標準装備。エンジンも大幅改良されました。

 

 

【その5】2017年発売

スーパーカブ50

23万2200円

フロントに初代を彷彿とさせるロゴを配置した現行モデル。ヘッドライトはシリーズで初めてLEDを採用しました。

バイクファンは一生に一度行って欲しい! オーストラリアのフィリップ島で繰り広げられるGPと同島の魅力

オーストラリアのビクトリア州にあるフィリップ島。メルボルンから、東へ車で2時間ほど行ったところにあり、本土とは大橋でつながっています。この島はコビトペンギンの生息地として知られると同時にモーターサイクルファンにとっては見逃せないグランプリ会場にもなっています。10月に開催が決まっている2018年のグランプリ。フィリップ島の魅力と併せて、グランプリの詳細をお伝えします。

 

コビトペンギンの生息地

(出典:Visit Victoria / Phillip Island Nature Park)

 

フィリップ島はコビトペンギンの生育地として、観光スポットの一つになっています。コビトペンギンは昼間餌を探して海に出かけるのですが、日が暮れると海から上がり海岸の砂丘に作られた巣に戻ります。群れをなして、よちよち歩く姿――「ペンギンパレード」――を見るために、たくさんの観光客がやって来るのです。

(出典:Visit Victoria / Underground viewing at the penguin parade, Phillip Island)

 

コビトペンギンが見られるのは日没後。冬場は寒いながらも日暮れが早いので、待ち時間も短いですが、夏は夜の10時近くにならないと日が暮れません。そのため、ペンギンも海から上がってこないので、見学の際は時間調整が必要。見学には一般席以外に、地下にあるコビトペンギンと同じ目線で見学できるガラス張りの特別エリアもあります。席のタイプにより、料金は$26.20~$67.50となっています。

 

モーターサイクルファンの聖地

(出典:Visit Victoria / Australian Motorcycle Grand Prix)

 

そんなフィリップ島のもう一つの魅力、それは島内に作られたモーターサイクルのサーキットで行われるレースです。ここでは国内外の大会やイベントが開かれるので、フィリップ島サーキットはモーターサイクルファンの聖地とも言われています。

 

1956年にオープンしたフィリップ島サーキットはバス海峡に面したエリアに位置しており、美しい海を背景に繰り広げられるレースは、フィリップ島ならではのエキサイティングなイベントになっています。

(出典:Visit Victoria / Australian Motorcycle Grand Prix)

 

モーターサイクルファンにとって見逃せないのが、毎年開かれるモーターサイクルのグランプリ。今年の開催日程は10/26~28日となっており、すでにチケット販売も始まっていてます(オンラインで購入可能)。チケットには1日券と3日券の2種類があり、価格は$60~$1695。日数と見学席タイプにより価格が異なります。

 

この大会ではバイクのサイズによって異なる3種類のレースが展開されます。そのなかでも、グランプリは1000cc4ストロークのマシンで競うメインのレースで、出場ライダーは24人。スペインから9人、イタリアから5人、その他イギリスやドイツなどから参加します。日本からは中上貴晶がホンダに乗って出場予定。

 

レースでは、まず練習が4回行われてから予選、そしてさらにウォームアップ後、本レースになります。グランプリの賞金は残念ながら公表されていません。ただ、グランプリより下位レベルのレース「Moto2」の賞金をみると3000ユーロ(約38万円)になっているので、グランプリの賞金はこれを超える額になっていることは確かでしょう。

その他の見どころ

コアラ保護センター

(出典:Visit Victoria / Koala Conservation Centre)

 

コアラ保護センターはフィリップ島の中央付近にあります。センター内には「ボードウォーク(木と木を結ぶ高架歩行帯)」が設置されているので、コアラの生息を高みから観察することができます。

 

エコボートツアー

(出典:Visit Victoria / Seal Rock – Phillip Island)

 

エコボートツアーはボートに乗って、フィリップ島に生息する野生のアザラシを見る90分のツアーです。

 

チャーチヒル島ヘリテッジファーム

(出典:Visit Victoria / Churchhill Island)

 

チャーチヒル島はフィリップ島と陸続きの島ですが、ここには歴史の長い農場があり、羊の毛刈り見学や馬車など、オーストラリアの農場体験を楽しむことができます。

 

このように、たくさんの見どころがあるフィリップ島。モーターサイクルファンのみならず、動物好きの人や家族連れなど、だれにでも楽しめるこの島は、一度は行ってみる価値があると思います。旅行計画のなかに、このフィリップ島も入れてみるのはいかがでしょうか。

「モンキー」の復活が待ちきれない人のための基本情報おさらい

半世紀近く愛され続け、昨年8月にその歴史に一度幕を下ろした「ホンダ モンキー」。伝説の名機が、7月12日に125ccへとパワーアップを遂げて復活します。ここでは、そんな大注目のモデルを改めて紹介します。

 

遊び心のあるデザインはそのままで125ccにパワーアップして復活!

ホンダ

モンキー 125

39万9600円〜43万2000円

遊び心のあるデザインを踏襲しつつ、パワフルかつ扱いやすい125㏄エンジンを搭載したことで利便性と快適性がアップ。バネ下重量を軽減する倒立フロントフォークやディスクブレーキを採用し、安全性も確保されています。

SPEC●全長×全幅×全高:1710×755×1030㎜●車両重量:105㎏●パワーユニット:124㏄空冷4ストロークOHC単気筒エンジン●最高出力:9.4PS/7000rpm●最大トルク:1.1㎏-m/5250rpm●カタログ燃費:67.1㎞/ℓ

 

スタイルを踏襲しながら走行性能は革新的に進化

1967年に国内向け市販モデルが登場して以来、ホンダ・モンキーはクラシカルでキュートなフォルムと高い機動力で、若者を中心にヒット。原動機付き自転車の先駆けとして、約50年にわたって愛されてきました。昨年8月にその歴史に幕を下ろし、いまだ余韻も残るなか、125㏄にパワーアップしたモンキー 125が発表されました。

 

注目は、革新的に進化した走行性能。エンジンは空冷式の4ストローク単気筒に4速マニュアルトランスミッションを組み合わせ、痛快な走りを楽しめます。また、電子制御により理想的な燃焼をアシストする技術を採用し、効率の良いエンジンのパフォーマンスを実現。さらに、上位モデルのブレーキシステムには、高精度な制動を実現するABSを装備しています。

 

↑パールネビュラレッドとバナナイエローの2色展開。125ccとなりましたがレトロポップなデザインはそのままです

 

一方で、車両はやや大型化したものの、元々の魅力であるクラシカルなデザインを踏襲。ヘッドライトやフューエルタンク、サイドカバー、シートなどに見られる「モンキーらしさ」は健在で、オールドファンも納得できる仕上がりです。

 

運転には小型二輪免許が必要となりましたが、原付のように時速30㎞の速度制限や二段階右折を必要としない点は、特に都市部において大きなメリット。また、自家用車を所有する人なら「ファミリーバイク特約」を使えば、125㏄以下のバイクは格安の保険料で済むことも購入への追い風となります。

■今回のモンキーはここが進化!

その1「ヘッドライト」

クラシックスタイルでも最新のLEDを採用

独立した小型のヘッドライトケースはクラシカルなスタイルですが、LEDはロー/ハイビームの切り替えに対応する最新のものを採用。視認性を確保しています。

 

その2「タイヤ&ホイール」

快適さとキビキビとした走りを両立

“モンキーらしい”12インチの極太タイヤを、Y字スポークデザインのアルミキャストホイールにセット。快適な乗り心地でリラックスしながらも、キビキビした走りを楽しめます。

 

その3「フューエルタンク」

定番の台形デザインは容量を確保

丸みを帯びたユニークな台形デザインは、1967年のZ50Mから続く定番スタイル。ウイングマークをあしらったエンブレムが特徴です。容量は5.6ℓで、カタログ上は約376㎞走行可能となっています。

 

その4「シート」

厚さと広さを確保して座り心地は快適

125㏄となりましたが乗車定員は1名のままとしてデザインをキープ。タックロールデザインで厚みのあるクッションは座り心地が良く、座面の広さも魅力です。

 

その5「サスペンション」

最新技術の採用で快適な走りを実現

スチール製モノバックボーンフレームを基本に、倒立式のフロントフォークとツインリアショックを採用。路面への優れた追従性を実現し、様々なシーンで快適な走りを楽しめます。

 

その6「ブレーキ」

安心感のある安定した制動フィール

フロント・リアともに油圧式のディスクブレーキ。上級モデルでは、フロントのみABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を採用し、より安心感のある制動力を発揮できます。

 

その7「エンジン」

ストレスのない加速を実現する

125㏄となった空冷式4ストロークOHCエンジンは、単気筒ならではの広域に渡るトルクフルな出力特性で、ストレスのない加速を実現。痛快な走りと、経済性・環境性を両立します。

■知られザル、モンキーの進化の歴史

モンキーのルーツは、かつてホンダ系列の企業が運営していた遊園地・多摩テックの遊具にあります。60年近くにおよぶ進化の歴史をたどりました。

 

【1961年発売】子どもから人気を博した“始祖”

Z100

テーマパークの遊具として製造されたモンキーの“始祖”。5インチのタイヤをリジットフレームに搭載しています。子どもたちから絶大な人気を誇りました。

 

【1963年発売】道走行仕様は海外でヒット

CZ100

公道での走行に対応させたモデルチェンジ版。翌64年から行った海外への輸出販売が好評だったことから、国内向け仕様の開発が始まりました。

 

【1967年発売】国内向け初の市販モデル

Z50M

国内の公道向けとして登場した初代市販モデル。初めて「モンキー」と名付けられました。5インチタイヤにリジッドサスという構成で、エンジンは50㏄です。

 

【1969年発売】車体が大型化しパワーアップ

Z50A

ハンドルの折りたたみ機構を継続しつつ、車体を大型化。タイヤサイズも8インチに拡大され、エンジン最高出力は2.6PSへとパワーアップしました。

 

【1970年発売】フロントフォークが脱着可能に

Z50Z

Z50Aがベースのマイナーチェンジモデル。フロントフォークが脱着式となり、リアブレーキが右ペダルへと変更されました。マフラーはアップタイプに。

 

【1978年発売】約30年に渡るロングセラーに

Z50J-I

ティアドロップ型5ℓ燃料タンクを搭載。発売以降、約30年に渡ってロングセラーモデルとして活躍します。同時期に兄弟モデルのゴリラが登場しました。

 

【2009年発売】排出ガス規制に対応した最後の小猿

JBH-AB27

07年に施行された排出ガス規制に適合させるため、約30年ぶりにフルモデルチェンジを果たした最後の“小猿”。17年夏に惜しまれつつ生産終了しました。

電動スクーターのシェアリングがわずか1週間で利用中止!「Lime」に一体何が起こった?

2018年5月、オアフ島ホノルルで電動スクーターのシェアリングサービスが始まりました。ホノルルでは約1年前に自転車シェアリングサービスが始まり、利用者が着実に増加しており、電動スクーターも自転車と同じように人々の間に定着するかと思われました。しかし、サービス開始から1週間たらずで、ホノルル市長が電動スクーターの利用者に罰金または拘留の罰則を課すことを発表したのです。

 

アメリカで拡大中のドックレスシェアリング「Lime」

今回、ホノルルで電動スクーターのシェアリングサービスを開始したのは、アメリカ生まれの「Lime(ライム)」。Limeは自転車と電動スクーターのシェアリングサービスを行っており、「ドックレス」であることが特徴。一般的な自転車シェアリングは、街中に自転車ステーションが設けられていて、利用者はそこで自転車を貸りたり返却したりします。

 

しかしLimeの場合は、借りるときのロックの解除も、返却時のロックも、専用アプリで行えるため、自転車ステーション(英語ではDock)がないのです。利用したいときは、アプリを使って自分の近くで空いている自転車がどこにあるかチェックして、乗り終わったら自分の好きな場所に駐車するだけというシステムです。

2017年に設立されたばかりの同社ですが、ロサンゼルス、シアトル、ワシントンDC、マイアミなど30以上の都市に進出。さらに大学のキャンパス内でも次々と採用され、アメリカのなかで一気に拡大しています。

 

サービス開始後すぐに利用中止へ

Limeがハワイで導入したのは、自転車ではなく電動スクーター。しかし、このサービスは、始まってからたった1週間ほどで「利用中止」に。その理由は、電動スクーターはモペッド(原付自動車)とみなされ、歩道に駐車することが法律で禁止されているからというものでした。

 

そのため、ホノルル市はすでに街中で利用されている約200台の電動スクーターのうち、100台あまりを没収。同社に対して、電動スクーターを歩道に停めた場合、所有者であるLimeであろうと、一般利用者であろうと、最大1000ドルの罰金または30日間拘留の罰則を課す考えであることを通達したのです。これを受けて、同社は電動スクーターのサービスを中止することを発表しました。

ホノルルのシェアリングサービスは今後どうなる?

ホノルルでは、ちょうど1年前に自転車シェアリングサービス「Biki(ビキ)」が始まったところ。30分3.50ドルの利用料金で、順調に利用者が増え、自転車ステーションの増設が計画されています。一方、Limeの電動スクーターの利用料金は、ロックを解除するのに1ドルで、1分あたり15セントが加算される仕組み。Bikiより安く、コンパクトな大きさで気軽に乗れるLimeの電動スクーターは、Bikiと同程度に利用者が拡大する可能性は十分あると言えるでしょう。

 

歩道などに停められているLimeの電動スクーターや自転車については、ホノルル以外の都市でも問題となっている場所があるようです。今回の中止は「一時的なもの」と発表したLimeは、市と協力しながらこの電動スクーターにそった規則の制定に期待しているようです。規制緩和とロビー活動が同社の今後の大きな課題と言えるかもしれません。