空気清浄機は「高いヤツ」以外もオススメ! 家電のプロがパナ、シャープの最新モデルをユーザー目線でガイドした

いよいよ本格的な花粉の季節が近づいてきました。ぜひ花粉除去に効果的な空気清浄機を導入して、せめて室内だけでも快適に過ごしたいですよね。前編ではIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏に空気清浄機の選択の最重要ポイント「邪魔に感じないこと」を教えてもらいました。第2回となる今回は、より花粉対策に重点を置いた製品や、環境に合わせて選びたいユニークな製品などを紹介していきます!

 

教えてくれるのはこの人!

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安蔵靖志(あんぞう・やすし)
IT・家電ジャーナリスト。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演中。その他ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっています。

 

とにかく花粉を取るなら、吸引口が床に近いパナソニックのF-VXP90が優位

――これからの季節、やはり気になるのは花粉です。「とにかく花粉を取ること」にこだわった場合、気になる製品は何でしょうか。

 

安蔵 甲乙付けがたい部分ではありますが、花粉除去でいえば、パナソニックの加湿空気清浄機 F-VXP90が優位な印象を受けますね。本機は空気の吸引口(吸い込み口)が本体下部にあるため、花粉対策には有利に働きます。なぜなら、花粉は空気中の粒子ではかなり重たい部類。あまりふわふわ舞い続けず、床に落ちやすいため、吸引口が床に近ければ、それだけ花粉を吸い込みやすいというわけです。

 

さらに、F-VXP90は2方向に風を吹き出す「ダブルフローツインルーバー」を搭載。その名も「ダブルフロー 花粉撃退気流」を室内に作って、床上の花粉を効率よく吸引してくれます。床上の花粉を取るなら掃除機でもいいですが、毎日何度も掃除機を掛けられる人はいない。そう考えると、「ダブルフロー 花粉撃退気流」は、やはり魅力的な機能です。

 

――F-VXP90は適用畳数も~40畳とかなり広いです。

 

安蔵 8畳を浄化する目安時間は約7分、最大加湿量は1時間あたり870mlと、かなり優秀です。ただ、一般家庭には少々オーバースペック気味なので、価格と性能のバランスを見て、適用畳数~31畳の「F-VXP70」や~25畳の「F-PXP55」を選んでみても良いでしょう。

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パナソニック
加湿空気清浄機 F-VXP90
実売価格6万8610円

 

 

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パナソニック

加湿空気清浄機 F-VXP70
実売価格5万8270円

 

 

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パナソニック

加湿空気清浄機 F-VXP55
実売価格4万8483円

F-VXP90とF-VXP70は、「ナノイー」の10倍の量のOHラジカルを生成する微粒子イオン「ナノイーX」を搭載。花粉だけでなく、アレル物質やPM2.5などの有害物質、さらにはタバコ臭やペット臭といったニオイ対策にも効果があります。下部吸い込み口が大きく開口し、床上30cmを強力吸引するメガキャッチフォルムも採用。「ナノイー」搭載モデルのF-VXP55には、就寝前と起床前にしっかり運転して、就寝中は静音運転する「寝室モード」を装備しています。各モデルともスマホ連携には非対応。

 

【パナソニック機のスペック比較】

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シャープは環境や目的に合わせたバリエーションの豊富さが魅力

――パナソニックのナノイーが出てくると、シャープのプラズマクラスターはどうなんだろう……と感じてしまいますが、こちらはいかがですか?

 

安蔵 シャープはラインナップが豊富なのが魅力ですね。家庭環境や部屋の構造などに合った適切なソリューションが選べます。プラズマクラスター濃度が従来の倍になった「プラズマクラスターNEXT」を搭載する最上位の「KI-HP100」は、機能は最強クラスです。ただ、本体はやや大きいですし、適用畳数~46畳で価格は約12万円と、いささか大仰な製品ですね。今年はプラズマクラスターNEXTをもう少し下位のモデルにまで広げて小型化した製品の登場を期待したいです。

 

――となると、狙い目はそれ以下の機種ということになるでしょうか。

 

安蔵 はい。価格と性能のバランスから見ると、オススメは「KI-HX75」(適用畳数~約34畳)か「KI-HS50」(適用畳数~23畳・実売価格4万7400円)ですね。また、最初の10分間を最大風量で自動運転して、室内の空気を急速に浄化する「効果実感モード」に対応しており、帰宅直後の花粉除去にも有効です。前方向に集中的に高濃度プラズマクラスターを放出する「プラズマクラスターパワフルショット」も搭載しており、ソファやカーペットなど、ピンポイントでニオイまで取れるのは良いですね。

 

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シャープ
KI-HP100
実売価格11万9760円

 

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シャープ
KI-HX75
実売価格7万8710円

KI-HX75とKI-HS50は「プラズマクラスター25000」、KI-HP100はその2倍の濃度を放出する「プラズマクラスターNEXT」を搭載。「プラズマクラスターNEXT」は、「ストレスがたまりにくい」「集中を維持しやすい」環境を作ることを実証しました。各モデルとも、使い方を学習して成長するAIoTクラウドサービス「COCORO AIR」対応。KI-HP100とKI-HX75は、自動掃除パワーユニットに対応しています。

 

――シャープは、クラウドのAI(人工知能)と連携する機能、「COCORO AIR」(ココロエアー)を搭載するのもユニークですね。

 

安蔵 こちらはWi-Fi機能を標準搭載するKI-HP100およびKI-HX75とKI-HS50が対応しています。COCORO AIRで注目したいのは、「空気情報モニター」「おうちフィット」「消耗品モニター」という、使い勝手の良い機能が利用できる点です。

 

――こうして見ると、スマホ連携の面でシャープは充実していますね。

 

安蔵 今後、こうした情報の「見える化」は、必ず主流になってきます。国内メーカーとしては、この分野の先駆者となっている点は、大いに評価したいですね。

↑シャープの「COCORO Air」には、空気清浄機の搭載するセンサーとWi-Fi機能を利用して、スマートフォンで室内の空気環境を確認できる「空気情報モニター」などの機能を備えています↑室内の空気環境を確認できる「空気情報モニター」

 

特殊なニーズに応える「天井空清」「蚊取空清」も用意

――シャープは、1月にLEDシーリング一体型の「天井空清」を発売して話題となりました。

 

安蔵 こうしたユニークな製品を開発する点は、実にシャープらしいですね。ただ、こちらは加湿機能が付いておらず、対応畳数~14畳で、8畳の清浄目安時間が19分と空気清浄能力はそれほど高くない。2台めとして、あるいは床にモノを置きたくないといった、特殊なニーズに応えるものだと考えています。とはいえ、床の上に場所を取らず、置き場所を考えなくても良いのはメリット。電源が照明用のコンセントから取れるのは便利ですし、ロボット掃除機でこまめに掃除する人にはいいかもしれません。

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シャープ

天井空清 FP-AT3
実売価格9万7070円

業界初のLEDシーリングライト一体型空気清浄機。ペットや小さな子供のいたずらが気になる家庭でも安心して導入できます。部屋に温かさを演出するさくら色のLED照明も業界唯一です。

 

――シャープの変り種といえば、「蚊取空清」もありますね。

 

安蔵 蚊取空清 FU-GK50は、文字通り蚊が取れるのが最大の特徴。蚊の好む灯りと蚊取りシートで捕まえるので、赤ちゃんやペットがいるなど、殺虫剤を利用したくない環境でも安心して使えます。発売が2016年4月の製品なので、そろそろ次世代機の発表も期待したいところですね。

 

次回はお手入れのしやすさや、デザインにこだわった製品などを見ていきます!

 

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シャープ
蚊取空清 FU-GK50
実売価格2万8660円

黒いボディやUVライト、蚊が隠れたがる小窓で蚊やコバエを誘い、空気清浄機の吸引力と強力な蚊取りシートでキャッチ。空気の汚れと一緒にうっとおしい蚊やコバエを取り除けます。

 

【シャープ機のスペック比較】

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どこまで濃くなるのか? プラクラ濃度が「NEXT」に突入したシャープ新エアコン&空清の驚くべき効果

冬は暖かく夏は涼しく、ムシムシもカサカサもせず、嫌なニオイもしない、静電気でパチっとくることもない、空気のきれいな部屋。一年中、そんな部屋に住んでいたら、家から出たくなくなってしまうかもしれませんね。シャープがこの冬提案する「プラズマクラスターエアコン Xシリーズ」と「プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HP100」は、そんな快適な室内を実現する新技術「プラズマクラスターNEXT」(※)を搭載しています。

※プラズマクラスター……+と-のプラズマクラスターイオンを発生させ、放出するシャープの独自技術。浮遊カビ菌の除菌、浮遊ウイルス・菌の作用を抑えるほか、静電気の抑制、消臭などの効果を持っています。一部では略して「プラクラ」と呼ばれることも

20171201-s2 (1)↑プラズマクラスターエアコン Xシリーズ(写真上)とプラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HP100(写真手前)

 

新たなユニットを搭載し、プラズマクラスターの濃度を倍増

プラズマクラスターエアコン Xシリーズは、この「プラズマクラスターNEXT」を搭載したのが、一番のポイント。風の吹き出し口の中央付近に、最新のイオン発生ユニットを搭載。このユニットには高濃度プラズマクラスターイオンを発生させる電極部が2つ備わっており、送風にプラズマクラスターが乗って、部屋の隅々まで充満する仕組み。冷暖房はもちろん、プラズマクラスターを室内に送るだけの運転も可能です。

20171201-s2 (2)↑プラズマクラスターエアコン Xシリーズ。検知した人のいるエリアに合わせて、風向・風量を自動制御。独自の「エアロダイナミックフォルム」によって、暖房時は人のいるエリアの足もとにしっかりと温風を送ります

 

なお、プラズマクラスターは自然界にあるのと同じ、プラスとマイナスのイオンによって空気を浄化しており、濃度が高いほど効果が得られます。新しい「プラズマクラスターNEXT」はプラズマクラスター濃度が1㎥あたり約5万個以上を実現。従来の「プラズマクラスター25000」は約2万5000個、「プラズマクラスター7000」は約7000個の濃度なので、一気に従来の倍の濃度まで高めることに成功しています。

↑プラズマクラスターユニットの変遷↑プラズマクラスターイオン発生ユニットの変遷。「プラズマクラスターNEXT」は、新開発の第10世代のユニット(右上)を採用しています

 

「感性アナライザ」でプラズマクラスターの新たな効果を実証

 

20171201-s2 (6)↑「ストレスがたまりにくい環境をつくる」「集中を維持しやすい環境をつくる」というプラズマクラスターの新たな効果を実証

 

「イヤイヤ、倍って言われても見えないし、本当に効き目なんてあるの?」

 

…そんな疑問はごもっとも。そこで、シャープでは「科学的に空気のキレイさを実証したい」との考えから、世界各国の第三者機関や大学の研究室などに調査を依頼して、プラズマクラスターの効果についてエビデンスを集めています。今回、プラズマクラスターNEXTをリリースするに当たり、慶應義塾大学の満倉靖恵准教授の協力を仰ぎました。

 

満倉准教授は、生体信号や音声、画像などから必要な情報を抽出する研究に従事しており、脳波を計測する「感性アナライザ」を開発。頭部に装着することで、人が緊張したりリラックスする無意識の感性の動きを計測できるようにしました。

 

今回、この装置を使って実証実験したところ、室内に入ったときのストレス度合いの低減、計算問題中の集中度合いの向上が見られたと言います。受験勉強中の学生のいる家庭など、これは気になる結果ですね。

 

また、別の実験データによれば、プラズマクラスターNEXTはプラズマクラスター25000に比べ、タバコの付着臭を取る消臭スピードが約1.3倍、静電気を抑える除電スピードが約4.5倍。プラズマクラスター7000と比べるとそれぞれ約2.6倍と約9倍にパワーアップ。さらにニオイの元となるニオイ原因菌の除去にも効果があることが判明しているといいます。

↑↑プラズマクラスター濃度が高まったことで、さまざまな効果がパワーアップ

 

空気清浄機には不在時に集中的に稼動する「効果実感モード」を搭載

エアコンと同時に発表された加湿空気清浄機のKI-HP100にも、同様のプラズマクラスターNEXTを搭載しています。また、本機はデザインを一新したのも特徴。操作パネルを天面に配置し、現在選択できる操作が光ってタッチ操作ができるようになっています。

20171201-s2 (7)↑加湿空気清浄機 KI-HP100

 

ユニークなのは、前面のWi-Fiアイコンの左に搭載している人感センサーを利用した「効果実感モード」です。これまた、疑問が湧くネーミングですが、こちらは人の不在時にプラズマクラスターを集中的に放出し、帰宅時には消費電力、および運転音を抑えた運転に切り替えることで、帰宅時にキレイな空気が実感できるモード。花粉の季節でも、部屋に入れば「空気がキレイ!」と実感できるというわけ。

20171201-s2 (8)↑「効果実感モード」では雲に矢印がついたようなアイコンが点灯

 

テントウムシの羽根の形を模して風力をアップ

KI-HP100では、送風ファンの羽根形状を変更して風量の向上も図っています。シャープと言えば、自然界の技術を家電に応用するネイチャーテクノロジーでも知られています。

 

これまでも、アホウドリやトンボ、イルカやキノコなど、様々な動植物の構造が手本になった技術を開発してきましたが、今回の「新ネイチャーファン」は、テントウムシの前羽根の形状を応用。膨らんだ形状が空気の圧力差で揚力を生み、より早く高く上空へ飛んでいく力に着目し、新たなファンに採用したそうです。毎度よく見つけてくるものだと感心してしまいますね。

20171201-s2 (9)↑テントウムシの羽根形状を応用した「新ネイチャーファン」により、風量が約9%アップ。高濃度イオンを本体から強く押し出します

 

発表会の会場には新しいネイチャーファンと、従来のネイチャーファンが展示されていました。羽根の形状をよく見比べると1枚ごとの厚さが違うのがよく分かります。この変更で風量は約9%アップしたそうです。

↑新ネイチャーファン(左)と従来のネイチャーファン(右) ↑新ネイチャーファン(左)と従来のネイチャーファン(右)。よく見ると、新ネイチャーファンの羽根は内側の厚みが違います

 

同社クラウドサービスとAmazon Echoにも対応

今回のエアコンのXシリーズと加湿空気清浄機のKI-HP100は、無線LANに標準対応するのも特徴のひとつ。同社クラウドサービス「COCORO AIR」に接続すれば、人工知能がユーザーの使い方や好みを学習して、運転を自動で切り替えたり、状況に応じた使い方を音声でアドバイスしたり、スマートフォンアプリを通じて消耗品の交換時期を知らせたりしてくれます。

 

このほか、音声アシスタントサービス「Alexa」を搭載するスマートスピーカー「Amazon Echo」への対応も紹介されました。エアコンは12月以降発売の無線LAN内蔵モデル、空気清浄機は9月以降発売のAIoT(※)対応モデルで対応します。Amazon Echoを通じて音声で機能の操作や設定の確認などができ、エアコンは電源ON/OFF、風量・風向・室温の設定変更、現在の設定の確認などに対応。加湿空気清浄機は電源ON/OFF、モード変更、湿度の確認、現在の設定の確認などに対応します。

※AIoT…人口知能=AIと、モノのインターネット化=IoTを組み合わせたシャープの造語

20171201-s2 (11)↑中央の筒状のアイテムがスマートスピーカー「Amazon Echo」

 

エアコン、加湿空気清浄機とも、プラズマクラスターで空気を浄化し、リラックスしやすく集中力が増す環境が作れるのは魅力。さらに、両機ともに導入すると「エアコンの暖房ONで加湿空気清浄機が加湿運転を自動スタート」などの連携も可能になっています。新築や引っ越しで家電を一新する家庭などはぜひ注目したいですね。

 

プラズマクラスターエアコン
Xシリーズ(6、8、10、12、14、18、20、23、26畳用)
●発売:2018年1月25日●実売想定価格:23万~37万円(税別)●室内機サイズ(全機共通):W798×D370×H295mm●室外機サイズ(全機共通):W800×D300×H630mm

 

プラズマクラスター加湿空気清浄機
KI-HP100
●発売:2018年1月25日●実売想定価格:13万円(税別)●サイズ/重量:W427×D371×H738mm/約17kg●空気清浄適用床面積:46畳(76㎡)まで●プラズマクラスター適用床面積の目安:約23畳(約38㎡)

なぜ空清は伸び悩んでいるのか? ダイキンが「市場低迷の要因」と「対策アイテム」を発表!

インフルエンザの季節がやってきました。通勤電車やオフィスの中でもマスク姿が目立つようになり、予防の意識が高まっています。空気が汚れ、乾燥が進むとウイルス感染症のリスクが高まる…ということで、家電メーカーからは空気清浄機と加湿器の発表会の案内がひっきりなしに届く今日このごろ。今回は、「ストリーマ」などの独自技術で定評のある空調機器メーカー、ダイキン工業の個別説明会に参加してきました。

 

買い替えユーザーをターゲットにタイプの異なるモデルを発売

↑左から「MCK70U」、「MCK55」、「MC55U」↑ダイキンが発売した空気清浄機のラインナップ。左から「MCK70U」「MCK55」「MC55U」

 

国内の空気清浄機市場は2012年をピークに下がり続けています。2012年は花粉の大飛散や、初めてPM2.5が報道されたことなどにより、メーカー各社が増産体制を敷いても需要に追い付かないほど、爆発的に売れました。一方で、メーカー各社はフィルター性能を高め、「10年間の交換不要」を謳ったがために、買い替えサイクルが伸びてしまうことに。それがここ数年間、市場が低迷している理由ですが、ここにきて2012年以前に購入したユーザーの買い替え需要が動き始めています。

↑空気清浄機ぼ国内市場は2012年をピークに右肩下がり。2017年は買い替え需要により若干プラスを予想↑空気清浄機ぼ国内市場は2012年をピークに右肩下がり。2017年は買い替え需要により若干プラスを予想

 

個室向け&空清のみのモデルで普及率アップを狙う

空気清浄機の需要が伸び悩んでいるもう一つの要因に、個室や単身世帯への普及の遅れがあります。

 

「一般世帯への普及率が42.4%なのに対して、単身世帯は25.1%。また、1世帯あたりの保有台数は1.34台となり、まだまだ個室への導入は進んでいません。個室や単身世帯の潜在ニーズはあるので、そこに合った製品を投入し、普及率を上げていきます」と、同社の桜田宇洋氏は語りました。

↑空調営業本部事業戦略室コンシューマー営業担当部長の桜田宇洋氏↑空調営業本部事業戦略室コンシューマー営業担当部長の桜田宇洋氏

 

↑空気清浄機の単身世帯への普及が進まず、ファミリー層でも保有台数はまだ平均1.34台↑空気清浄機の単身世帯への普及が進まず、ファミリー層でも保有台数はまだ平均1.34台

 

↑ダイキンでは、ファミリー層の買い替え、単体空清需要、個室ニーズに3つのラインアップで攻める↑ダイキンでは、ファミリー層の買い替え、標準空清(加湿機能のないもの)の需要、個室ニーズに対して3つのラインアップで攻めます

 

上記を踏まえ、投入したモデルのひとつが個室向けのスリムタワー型加湿機能搭載モデル「MCK55U」タイプ。加湿機能搭載ながら、設置面積は270×270mmと省スペースで、狭い個室やワンルームに置いても邪魔になりません。同時に、加湿機能がない「MC55U」も発売。両者とも11月17日から発売しています。

 

「空気清浄機購入者のうち8割が加湿機能タイプを選んでいますが、実はその中の28%は空清機能のみが欲しくて購入しています。空清単体モデルに満足できる機能・性能がないため、しかたなく高性能な加湿モデルを選んでいるのです」(桜田氏)。

 

そこでダイキンでは、10年ぶりに空清単体モデル「MC55U」を発売することに。「MC55U」は「MCK55U」の加湿機能のみを取り外したものなので、設置面積は同じですが、高さが200mm低い500mmになっています。コンパクトなので、本棚やタンスの上にも設置可能です。

20171020_y-koba33-8_R↑MCK55U

 

↑MC55U↑MC55U

 

最上位機種は「ツインストリーマ」で従来比2倍の脱臭性能を実現

また、買い替えユーザーをターゲットに、高機能なリビング向け加湿搭載モデル「MCK70U」も11月17日から発売しました。

20171020_y-koba33-15_R↑MCK70U

 

「ダイキンの空気清浄ユーザーの多くが、脱臭性能を評価してダイキンを選んでいます。一般的な空清は活性炭フィルターで脱臭していますが、飽和状態になるとそれ以上のニオイ成分を吸着できなくなるし、熱を加えると逆にニオイを放出するという欠点がある。当社のモデルは、ストリーマで臭いを分解し、常にフィルターを再生しているので脱臭性能が低下しません。新製品ではその強みをより強化し、従来比2倍の脱臭性能を実現しました」(桜田氏)

 

先述の「ストリーマ」とは、プラズマ放電の一種「ストリーマ放電」によって生じた高速電子が空気中の窒素や酸素と衝突・合体してOHラジカルなど分解力を持つ4つの分解素を生成。これがニオイ分子や花粉を分解したり、有害物質を抑制したりするもの。ダイキンの空清では、このストリーマを脱臭フィルターやHEPAフィルターに照射しているのです。

↑ストリーマの仕組み↑ストリーマの仕組み。ストリーマ放電によってOHラジカル、酸素ラジカル、レイキ酸素、レイキ窒素などの4つの分解素を作ります

 

「MCK70U」では、従来の2倍のストリーマユニット「ツインストリーマユニット」を搭載しました。これにより脱臭性能と有害物質の分解スピードが2倍となり、フィルターの除菌も半分の時間でできるようになりました。

↑右が従来モデルに搭載されているストリーマユニット、左が「MCK70U」に搭載したツインストリーマユニット↑右が従来モデルに搭載されていたストリーマユニット、左が「MCK70U」に搭載したツインストリーマユニット

 

ハスの繊維を使用し汚れが広がらない「TAFU」フィルターを新採用

さらに今回、ダイキンは新しいフィルターも開発しました。従来の静電HEPA(ヘパ)フィルターの場合、フィルターに汚れが付着するとフィルターの繊維上に汚れが広がり、フィルターの静電力が徐々に低下し、汚れが捕集できなくなってしまうそうです。フィルターの初期性能を100とした場合、10年後には50%に半減してしまうとか。ダイキンは静電HEPAフィルター+電気集じん方式を採用しているモデルもあり、こちらは汚れ自体を帯電させてフィルターに吸着させるので、フィルター性能の低下は防ぐことができ、10年後でもフィルター性能は70%程度に抑えることができます。ただ、静電力が強いため汚れも多くなり、メンテナンスが大変というデメリットがありました。

 

その点、今回「MCK70U」に採用した新型フィルター「TAFU(タフ)」にはHEPAと同じ静電フィルターながら、素材にロータス(蓮)繊維を使用。蓮の繊維は撥水性・撥油性があるので、付着した汚れが広がらず、フィルターの静電力が落ちないとのこと。メンテナンスも不要で、10年後のフィルター性能は72%と電気集じん式より若干高くなっています。

↑HEPAフィルターとTAFUフィルターの見た目は全く同じ↑TAFUフィルター(左)とHEPAフィルター(右)の見た目は全く同じ

 

↑従来のフィルター方式と新TAFUフィルターの違い。TAFUフィルターは経年劣化が少なく、メンテナンス不要とメリットが大きいです↑従来のフィルター方式と新TAFUフィルターの違い。TAFUフィルターは経年劣化が少なく、メンテナンス不要とメリットが大きいです

 

↑水滴を垂らしてみると、HEPAはじわーっと広がるが、TAFUは水玉を弾いている↑水滴を垂らしてみると、HEPAフィルターは水がじわーっと広がりますが(左)、TAFUフィルターは水玉を弾きます(右)

 

さらに、Wi-Fi機能を採用し、スマートフォン接続機能も搭載しました。部屋のPM2.5とホコリ、汚れを6段階でスマホ画面に表示するほか、1日および1週間の積算グラフを表示し、いつ、どのタイミングで部屋が汚れるかが把握できます。スマホから空気清浄機本体のオン/オフ、コース設定が外出先からもコントロールでき、加湿タンクの給水タイミングも通知。ただし、いま話題のスマートスピーカーにはまだ対応していません。

 

意外に知られていないのが残念! ダイキン空清の2つのメリット

「意外に知られていないのですが、ダイキンの加湿空清のこだわりは、加湿運転時も空気清浄能力が落ちないこと。他社のモデルには2割ほど空清能力が落ちるものがありますが、当社は加湿時も空清時も能力は変わりません。さらに、加湿時の風が冷たくないのも大きな特徴。ダブルパスミキシング方式を採用しており、2つの空気経路から加湿された空気と室温そのままの空気を混ぜるので、吹き出し温度は室温のマイナス3°程度で済むんです」(桜田氏)

 

冬場はずっと加湿機能をONにすることもあるので、加湿時に空気清浄能力が落ちない点は魅力。また、部屋が潤ったとしても、寒くなるのは困りものなので、「加湿時も空気清浄能力が落ちない」「風が冷たくない」という2つのメリットは、意外に重要なのがわかります。

 

新モデルはすべて「ストリーマ+イオン放出」のダブル方式を採用

ちなみに、ダイキンの空気清浄機は、空気を吸い込んで分解するストリーマ方式と、イオン放出系の「アクティブプラズマイオン」のダブル方式を採用。上記の3モデルもすべてダブル方式です。加湿タイプは、加湿フィルターと加湿水もストリーマで除菌しているのが特徴です。放出系のアクティブプラズマイオンはシャープの「プラズマクラスター」やパナソニックのナノイーに比べると知名度が低いのが悩みの種。その点について桜田部長は、「有害物質を確実にスピーディに分解・除去できるのはストリーマ方式。ただ、空間やカーテン等に染み付いたものにはアクティブプラズマイオンが有効です。ダブル方式はダイキンの強みなので、新しいTAFUフィルターとともに、今シーズンはもっと強くアピールしていきたい」と意気込みを語りました。

 

空気は我々が24時間365日、常に吸い続けているもの。特に喚気がしづらい冬こそ、空気の質には十分に注意したいところです。その点、ダイキンのダブル方式による空気清浄能力、脱臭力は魅力的ですね。

↑ダイキンはストリーマと放出イオンのダブル方式↑ダイキンはストリーマと放出イオンのダブル方式

 

【SPEC】

MCK55U(スリムタワー型加湿機能搭載モデル)

●実売想定価格:4万8800円(税別)●サイズ/質量:W270×H700×D270mm/9.5kg●タンク容量:約2.7L●適用床面積:空気清浄運転時が25畳まで、加湿空気清浄運転時の空気清浄が25畳まで、加湿は木造が8.5畳まで、プレハブが14畳まで

MC55U(加湿機能非搭載コンパクトモデル)

●実売想定価格:3万8800円(税別)●サイズ:W270×H500×D270mm/8.5kg●タンク容量:約2.7L●適用床面積:空気清浄運転時が29畳まで

MCK70U(リビング向け加湿搭載モデル)

●実売想定価格:5万2800円(税別)●サイズ/質量:W395×H600×D287mm/12.5kg●タンク容量:約3.6L●適用床面積:空気清浄運転時が31畳まで、加湿空気清浄運転時の空気清浄が31畳まで、加湿が木造11畳まで・プレハブ18畳まで