「朝」「オス」「無関心」岩合光昭氏が伝授するネコ写真をうまく撮るためのコツ――『カラー新版 ネコを撮る』

動物の写真は、わたしたちの心をなごませてくれます。ネコ写真が与えてくれる「癒し」は圧倒的です。TwitterやInstagramに投稿されたものが、何万リツイートや何万いいねを集めています。

 

カラー新版 ネコを撮る』(岩合光昭・著/朝日新聞出版・刊)という本があります。動物写真の第一人者による、ネコ写真をうまく撮影するためのコツや心がけを紹介します。

 

 

「朝」を狙う

朝、ネコは朝日を浴びに出てくる
これこそがネコ撮影のポイント。お日様が出てくるときが、ネコの活動の開始でもある。朝日が差し込むところに、ネコはいると考えていい。

(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)

 

著者の岩合さんは、日の出(朝4時半〜6時半)からカメラを持って出かけます。そして朝10時前には、いったん撤収します。太陽が高くなれば、陰影が短くなるからです。

 

そして、ヒトが活動を始めれば空気中に塵(ちり)や埃(ほこり)が混じります。透明感のあるシャープネスなネコ写真を撮るためには、まさに「早起きは三文の徳」というわけです。

 

岩合さんのアドバイスどおり、早朝に出かけてみたところ……見つけました!
ある企業の従業員向けの駐車場に、5〜6匹のネコたちがたまっていました。出勤前の広い駐車スペースにて、野良ネコたちが寝ころんだり追いかけっこをしていたり。眼福でした。

 

 

「オス」を狙う

モデルネコに適しているのは圧倒的にオスだからだ。オスは習性として、自分の身体を見せたがり、自分の存在をアピールしたがる。(中略)声をかけたときに「え、オレのこと?」と、こちらを睨まず興味を示すのなら、しめたものだ。

(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)

 

たしかに、路上でネコと出会ったとき、太っていたり、ひょうきんな顔つきをしたネコのほうが、すぐに逃げないような気がします。写真を撮りやすい、カメラを構えても逃げにくいのはオスだそうです。

 

【オス猫の特徴】
・体が大きい
・額(ひたい)の幅が広い
・骨格がしっかりしている
・足が太い

 

メスの猫は警戒心が強い傾向にあります。お母さんネコならば、なおさらです。こちらが一歩近づいたとき、ネコがすこしでも身構えるモーションを見せたときは、いさぎよく諦めましょう。

 

ネコの写真を撮るためにカメラを構えても、すぐに逃げられてしまう……。ネコに警戒されないためのコツを紹介します。

あえて「無関心」をよそおう

あなたがネコを見つけるよりも先に、ネコはあなたをしっかり見定めている、と言ったら驚くだろうか。(中略)このヒトは大丈夫、そうネコが判断したときに、あなたの側に近づいてくるし、写真を撮らせてくれる。

(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)

 

鷹の目(ホークアイ)は、けっして獲物を見逃さない、観察力のするどさをあらわす言い回しです。猫の目(キャッツアイ)だって負けていません。

 

ネコは、刹那のあいだに、あなたの人柄や危険性を見抜きます。本書『ネコを撮る』の著者いわく、ネコは「ネコに対する敬意」すらも感じ取ります。たかがネコという気持ちでいる撮影者には、けっしてベストショットを撮らせてくれません。

 

 

すべての出会いがシャッターチャンス!

カメラレンズに顔を向けてくれない。お尻や背中を向けられてしまう。ネコを撮影するときのお悩みあるあるです。

 

シャッターチャンスは1日に何回もあるわけではないし、1週間の取材でもおそらくシャッターチャンスは、2回か3回あるかないかだ。(中略)1週間のうちの5日目や6日目まで何も撮れなくて今回の取材はダメだと思うことがほとんどなのだ。

(『カラー新版 ネコを撮る』から引用)

 

ネコ写真のプロフェッショナル、日本有数の動物写真家でさえ、1週間で2〜3枚しかベストショットを撮影することができないそうです。

 

動物写真は「静止画」ですが、生きて動いている「一瞬」を切り取ったものです。ネコが動くのは当たりまえですから、ピンぼけや構図を気にせずに、愛情のおもむくままにシャッターボタンを押しましょう。

 

本書『カラー新版 ネコを撮る』には、100枚を超えるネコ写真がオールカラーで収録されています。ネコ撮影のノウハウを学べるだけでなく、何度も読み返せるネコ写真集としてもオススメです。お試しください。

 

【書籍紹介】

カラー新版 ネコを撮る

著者: 岩合光昭
発行:朝日新聞出版

岩合光昭さんのねこ写真の原点、ロングセラー『ネコを撮る』をオールカラーに。モデルねこの探し方、機嫌の取り方、決定的瞬間のシャッターチャンス……。岩合さんのねこ写真の秘密に迫る。傑作をオールカラーで楽しめる待望の新版で、新作も一部所収する。

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アップデートで人工知能技術「ThinQ AI」に対応!LG V30+ L-01Kとプロのワザでスマホでもココまで撮れる!

今年1月に発売されたドコモV30+ L-01Kがアップデートを行い、人工知能「ThinQ AI」に対応。カメラに新たな頭脳が加わったことで、どんな写真が撮れるのか。プロカメラマンの永山昌克さんに試してもらった。

 

カメラマン・永山昌克さん
撮影業のほか、カメラに関する記事を執筆。近ごろ進化が目覚ましいスマホカメラにも興味津々。

 

V30+ L-01Kのオフィシャルサイトはこちら

 

カメラマンの仕事が減る!? 超実践的AI性能を実感

「V30+ L-01K」のAIカメラの賢さには驚かされました」と語るのは、プロカメラマンの永山さん。

 

「子どもや料理、風景、花などを撮ってみましたが、いずれもAIが被写体を自動的に認識&分析。押すだけのフルオートにもかかわらず、被写体の存在感を高めるような色と明るさに仕上げてくれます。露出や色の設定といった、従来は撮影者が判断しなければならなかった部分をAIに任せることで、そのぶん構図やシャッターチャンスに意識を集中できますね」

 

操作面ではAIが何を認識したかが画面に文字表示される点が気に入ったという。「確実に分析しているという安心感と、未来のカメラのようなワクワク感が味わえます」

 

 

【シチュエーション 1】

屋外の人物撮影

一般的なスマホでは、木陰で人物を撮ると肌が緑かぶりしたり、顔が暗く写ったりしがち。だがV30+のAIカメラなら心配無用。顔を認識したうえで、健康的で生き生きとした肌の色に仕上げてくれた。しかもレンズが明るいのでブレもない。

 

●一般的なスマホで撮影

 

●V30+ L-01Kで撮影 

【V30+ L-01Kのココがポイント!】人物の顔を認識して生き生きした色に!

 

【プロのワザ!】

色と明るさはAIカメラが自動で最適にしてくれる。そこで、アングルをレンズ前に葉っぱが入るよう調整。前ボケが生じて写真に奥行きが出た。

 

 

【シチュエーション 2】

室内の料理撮影

料理や食材の撮影が難しいのは、室内照明の影響で色がくすんだり濁ったりやすいため。だが、V30+のAIカメラは「果物」や「黒バック」といった細かいシーンや状況まで自動で認識。果物をクリアで鮮やかな色合いで撮影できている。

 

●一般的なスマホで撮影

 

●V30+ L-01Kで撮影 

【V30+ L-01Kのココがポイント!】室内照明に影響されずクリアな色味で再現!

 

【プロのワザ!】

V30+の優れた接写性能を生かし、さらに近寄ることでボリューム感を出した。また霧吹きで水滴をつけて、果物のみずみずしさを強調している。

 

 

人工知能技術「ThinQ AI」対応でなにが変わった?

1.被写体をAIが自動で分析する進化系オート

画面内の被写体をAIが分析し、「人」や「食べ物」「都市」など8つのカテゴリーに適したモードが自動選択される。さらに、シーンに応じて各種設定を最適化してくれる。

 

 

2.商品の類似画像を即座に検索できる!

Qカメラの「フォト検索」機能を使うと、撮った直後に画像サイトPinterestへつながって、類似画像の検索を行うことができる。名前のわからない商品の判別などに役立つ。

 

 

3.暗い場面も明るく撮れるモードが追加!

新機能ブライトモードでは、4つの画素を1つとして処理するセンサービニング技術を駆使。受光面積が広がり、暗所でもフラッシュなしで低ノイズの写真を撮影できる。

 

 

NTTドコモ
V30+ L-01K
LG製

F1.6という明るさを誇る標準レンズに加え、画角120度という超広角レンズを搭載したAndroidスマホ。約6インチの大画面ながら手になじむ薄型軽量デザインも魅力だ。

アップデートで人工知能技術「ThinQ AI」に対応!LG V30+ L-01Kとプロのワザでスマホでもココまで撮れる!

今年1月に発売されたドコモV30+ L-01Kがアップデートを行い、人工知能「ThinQ AI」に対応。カメラに新たな頭脳が加わったことで、どんな写真が撮れるのか。プロカメラマンの永山昌克さんに試してもらった。

 

カメラマン・永山昌克さん
撮影業のほか、カメラに関する記事を執筆。近ごろ進化が目覚ましいスマホカメラにも興味津々。

 

V30+ L-01Kのオフィシャルサイトはこちら

 

カメラマンの仕事が減る!? 超実践的AI性能を実感

「V30+ L-01K」のAIカメラの賢さには驚かされました」と語るのは、プロカメラマンの永山さん。

 

「子どもや料理、風景、花などを撮ってみましたが、いずれもAIが被写体を自動的に認識&分析。押すだけのフルオートにもかかわらず、被写体の存在感を高めるような色と明るさに仕上げてくれます。露出や色の設定といった、従来は撮影者が判断しなければならなかった部分をAIに任せることで、そのぶん構図やシャッターチャンスに意識を集中できますね」

 

操作面ではAIが何を認識したかが画面に文字表示される点が気に入ったという。「確実に分析しているという安心感と、未来のカメラのようなワクワク感が味わえます」

 

 

【シチュエーション 1】

屋外の人物撮影

一般的なスマホでは、木陰で人物を撮ると肌が緑かぶりしたり、顔が暗く写ったりしがち。だがV30+のAIカメラなら心配無用。顔を認識したうえで、健康的で生き生きとした肌の色に仕上げてくれた。しかもレンズが明るいのでブレもない。

 

●一般的なスマホで撮影

 

●V30+ L-01Kで撮影 

【V30+ L-01Kのココがポイント!】人物の顔を認識して生き生きした色に!

 

【プロのワザ!】

色と明るさはAIカメラが自動で最適にしてくれる。そこで、アングルをレンズ前に葉っぱが入るよう調整。前ボケが生じて写真に奥行きが出た。

 

 

【シチュエーション 2】

室内の料理撮影

料理や食材の撮影が難しいのは、室内照明の影響で色がくすんだり濁ったりやすいため。だが、V30+のAIカメラは「果物」や「黒バック」といった細かいシーンや状況まで自動で認識。果物をクリアで鮮やかな色合いで撮影できている。

 

●一般的なスマホで撮影

 

●V30+ L-01Kで撮影 

【V30+ L-01Kのココがポイント!】室内照明に影響されずクリアな色味で再現!

 

【プロのワザ!】

V30+の優れた接写性能を生かし、さらに近寄ることでボリューム感を出した。また霧吹きで水滴をつけて、果物のみずみずしさを強調している。

 

 

人工知能技術「ThinQ AI」対応でなにが変わった?

1.被写体をAIが自動で分析する進化系オート

画面内の被写体をAIが分析し、「人」や「食べ物」「都市」など8つのカテゴリーに適したモードが自動選択される。さらに、シーンに応じて各種設定を最適化してくれる。

 

 

2.商品の類似画像を即座に検索できる!

Qカメラの「フォト検索」機能を使うと、撮った直後に画像サイトPinterestへつながって、類似画像の検索を行うことができる。名前のわからない商品の判別などに役立つ。

 

 

3.暗い場面も明るく撮れるモードが追加!

新機能ブライトモードでは、4つの画素を1つとして処理するセンサービニング技術を駆使。受光面積が広がり、暗所でもフラッシュなしで低ノイズの写真を撮影できる。

 

 

NTTドコモ
V30+ L-01K
LG製

F1.6という明るさを誇る標準レンズに加え、画角120度という超広角レンズを搭載したAndroidスマホ。約6インチの大画面ながら手になじむ薄型軽量デザインも魅力だ。

夏らしい印象的な写真に仕上げる現像のポイントは「緑」だ!――『CAPA 2018年7月号』

梅雨が明けると、夏本番。毎年夏になると、いろいろなところへ撮影に出かけたりする。やはり夏らしい景色を撮影すると、色鮮やかな「夏らしい」写真に仕上げたくなる。

 

 

Lightroom Classic CCでベルビア調に現像するには

最近のデジカメは、色鮮やかに映す「風景」や「鮮やか」といったモードがあるが、どことなくデジタル臭さが残る。やはりRAWファイルで撮影して自分で現像処理をしたほうが、狙った鮮やかさになるはずだ。

 

CAPA 2018年7月号』(CAPA編集部・編/学研プラス・刊)に「夏風景を“印象的”な色に仕上げるRAW現像テクニック」という記事が掲載されている。この記事では、RAW現像ソフト「Lightroom Classic CC」を使って、ポジフィルムの「ベルビア」調にする方法を解説している。

 

ベルビアとは、鮮やかで深い色味のポジフィルムで、主に風景写真などに使われることが多い。それをデジタルで再現しようということだ。

 

 

ポイントは「緑」の設定にあり

大まかな流れは、まず標準的な色合いに設定し、そこから彩度をアップ。その後、赤、青、緑それぞれに色に対して「色相」「彩度」「輝度」を個別に調整していくというもの。その際、赤、青は鮮やかにするものの、「緑」は調整が異なる。

 

ポイントとなるのは「緑の作り方」だ。鮮やかにするのではなく、「シアン寄りの緑」を目指して「彩度」と「輝度」を下げ気味の調整を意識する。派手な赤と青に対して、緑で落ち着きを出すというイメージだ。

(『CAPA 2018年7月号』より引用)

 

赤、青、緑ともに彩度をアップしていくと、一見鮮やかな写真になるが、いかにも「デジタルの力で鮮やかにしてました!」という感じになってしまう。それを避けるために、あえて緑は地味めに調整することで、デジタルらしさを消すのがポイントということだ。

 

 

粒子を追加してフィルムの風合いを出す

このほか、フィルムっぽさを出すために粒子を追加するとよいとのこと。僕もこれは試してみたことがあるのだが、ちょうどいい感じにならなかった。これについては設定が載っていた。

 

デジタルっぽさを払拭する機能が、粒状感を出す「効果」パネルの「粒子」機能。「サイズ」と「粗さ」を最大にして粒立ちを大きくして、「適用量」で粒子の濃さを調整するのがコツ。軽く適用することで、デジタル特有の繊細で先鋭な画質を、あいまいで柔らかな描写にすることができる。

(『CAPA 2018年7月号』より引用)

 

ポイントは粒子のサイズと粗さを最大にすること。これは知らなかった。今度からはこれを試してみたいと思う。

 

 

 

平成最後の夏を印象的に残そう

デジタル一眼レフを使っている人のなかには、RAWで撮影して現像を楽しんでいる人もいることだろう。もし、Lightroom Classic CCを持っているのなら、以上の設定を試してみると、夏らしい鮮やかな写真に仕上げることができるはずだ。

 

また、他の現像ソフトでも設定の概念は一緒なので、同じような設定を試してみると役立つだろう。

 

平成最後の夏を、印象的な写真に残そう。

 

【書籍紹介】

CAPA 2018年7月号

著者:CAPA編集部
発行:学研プラス

デジタル一眼カメラや交換レンズ、周辺機材の最新情報が満載。豊富な作例とわかりやすいハード記事で、多くの一眼カメラファンの支持を集める。撮影テクニック記事やプロ写真家の作品紹介、充実したフォトコンテスト記事も人気。

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覚えるべきはコレだけ!! いますぐ使える料理&スイーツ撮影の「5つのキホン」をプロが解説

昨今はブログやインスタグラムなどのSNSに、料理やスイーツの写真をアップする人が増えている。その多くはスマートフォンで撮った写真だが、一眼カメラを使うと、より一層、美味しそうに写せるのだ。ここでは、スマホからさらにワンランクアップした料理&スイーツ写真を目指す、一眼カメラでの撮影テクニックを紹介しよう。

↑一眼カメラなら、高画質かつボケを生かした写真が撮れる
↑一眼カメラなら、高画質かつボケを生かした写真が撮れる

 

スマホとはここが違う! 一眼カメラのウリは「高画質&ボケ描写」

一眼カメラとスマホで撮った写真の大きな違いは、「画質」と「ボケ」だ。一眼カメラの撮像素子はスマホの何倍もある大きさなので、被写体の細部もシャープに写すことができる。被写体が細部まで描写されると、素材の質感や立体感、色合いなども美しく再現され、より美味しそうに写せるのだ。昨今のスマホのカメラもかなりシャープに写せるようになったが、画面サイズ以上に大きく拡大していくと、どうしても粗さを感じてしまう。

↑(左)スマホで撮影。スマホの画面上で見るとシャープに見えたが、拡大すると粗さを感じるほか、エビの質感もイマイチ。(右)一眼カメラで撮影。スマホと同じ条件だが、メインのエビはシャープに写り、前後の食材が大きくぼけているので、主役が明確。また、一眼カメラのほうが色や質感の面でも美味しそうに見える
↑(左)スマホで撮影。スマホの画面上で見るとシャープに見えたが、拡大すると粗さを感じるほか、エビの質感もイマイチ。(右)一眼カメラで撮影。スマホと同じ条件だが、メインのエビはシャープに写り、前後の食材が大きくぼけているので、主役が明確。また、一眼カメラのほうが色や質感の面でも美味しそうに見える

 

一眼カメラの撮像素子の大きさはボケにも関わってくる。料理写真で背景をぼかすメリットは、主役を目立たせることと立体的な描写が得られることにある。撮像素子が大きいほど、大きなボケが作りやすいのだ。

 

スマホでも背景をぼかすことは可能だが、クローズアップしないとボケは作れないし、雑誌で見るような大きなボケには程遠い。その点、一眼カメラはそれほどクローズアップにしなくても背景をぼかせるうえ、レンズの絞りを開けたり、焦点距離の長いレンズに変えたりすれば、よりぼかすことが可能だ。またボケ具合を細かく調整できるので、自由度の高い撮影が行える。

↑左の写真のようにフルーツタルトを斜めから撮影すると、背景が離れるので大きくぼける。これはスマホでも同様だが、一眼カメラだとボケの大きさが違う。また右のように真上から撮ると、ピントを合わせた部分と背景が近いのでぼけにくいが、一眼カメラならほんのりとぼかせる
↑左の写真のようにフルーツタルトを斜めから撮影すると、背景が離れるので大きくぼける。これはスマホでも同様だが、一眼カメラだとボケの大きさが違う。また右のように真上から撮ると、ピントを合わせた部分と背景が近いのでぼけにくいが、一眼カメラならほんのりとぼかせる

料理撮影、5つのキホン

(1)正確にピントを合わせる

(2)明るく写す

(3)外光の入る窓辺で撮る

(4)斜め上からのアングルで狙う

(5)料理を大きく捉える

 

一眼カメラ、スマホを問わず、料理撮影では上にあげた5つが基本となる。明るさや色合いはあとから加工をすればいくらでも変えられるが、ピンボケは救えない。料理のなかで主役に当たるものにしっかりとピントを合わせよう。また、料理が暗いとまずそうに見えるので、露出補正を行って明るさを調整する。写真映えするカフェ飯やスイーツなどは、見た目よりも少し明るいくらいのほうが美味しそうに見える。

 

そして、写真は光が重要だといわれているが、料理撮影に適する光は「やわらかい光」と「逆光」である。特に日中の窓から差し込む自然光がやわらかくておすすめだ。光が強いときはレースのカーテンで遮光したり、光が直接当たらない部屋の奥まで入ったりすれば光を弱くできる。さらに、逆光だと陰影によって立体感が出るほか、背景が明るくなって奥行きも出せる。

 

斜め上から狙うメリットも同様で、奥行きが出るので背景をぼかしやすい。ピントを合わせた主役がはっきりと写り、料理に立体感が出てくる。また、大きく捉えることで迫力が出て印象的に写る。カメラを近づけたり、スーミングしたりして、画面いっぱいにメインの料理を写してみよう。

 

色合いは素材重視か雰囲気重視かで決める

料理を美味しそうに撮るポイントとして忘れてはいけないのが色合いだ。色合いは光源によって変化する。日中の窓辺で撮影すれば光源は太陽だが、人工照明下では電球や蛍光灯、LEDと複数の光源があり、それらが混ざっていることもある。

 

料理本来の色を再現するにはホワイトバランス(以下、WB)を「オート」にするのが基本だが、機種によって補正後の仕上がりが違うので、まずは撮って確認するのがいちばんだ。おかしな色味と思ったら、WB「電球」やWB「蛍光灯」など、光源に合わせた設定にしてみよう。より詳細に色味を調整するには色温度設定が有効だ。

 

このほか、室内の雰囲気を生かした撮り方もおすすめだ。レストランでのディナーなどは、そのムーディー感を写真に盛り込むと印象的に仕上がる。この雰囲気を出すには、しっかり色味を補正してしまうよりも、少し赤みなどを残したほうが室内っぽく写る。WB「オート」で赤みが残る場合もあるが、「オート」で完全に白く補正されてしまう場合は、WB「太陽光(晴天)」や色温度設定を活用して好みの色合いを探っていきたい。

↑白い皿を見ると色の補正具合がよくわかる。機種によって差はあるが、ここではWB「オート」では完全に色味が補正されず、少し赤みが残った。ロウソクの温かみのある雰囲気が感じられて、ディナータイムらしい仕上がりになった
↑白い皿を見ると色の補正具合がよくわかる。機種によって差はあるが、ここではWB「オート」では完全に色味が補正されず、少し赤みが残った。ロウソクの温かみのある雰囲気が感じられて、ディナータイムらしい仕上がりになった

 

↑WB「電球」で撮ると赤みが完全に補正されて、白い皿が真っ白に写った。被写体本来の色が再現されている。料理の色を正しく写すには最適な結果だが、ロウソクの温かな雰囲気はあまり感じられない
↑WB「電球」で撮ると赤みが完全に補正されて、白い皿が真っ白に写った。被写体本来の色が再現されている。料理の色を正しく写すには最適な結果だが、ロウソクの温かな雰囲気はあまり感じられない

 

このほか、薄暗い室内での撮影では、カメラブレと高感度ノイズが大敵になる。ISOオートなら感度が自動的に上がってブレを抑えることができるが、高感度になると特有のノイズが発生する。感度が上がるほど画像がざらつき、色の冴えも失われるのだ。三脚を使用して低感度で撮るのが最も有効な手段だが、使えないレストランなどでは、手ブレしないぎりぎりの感度で撮影しよう。

 

逆光撮影での便利アイテム、レフ板を使おう

料理は半逆光気味に撮るのがいいが、ケーキなど立体的な被写体では手前側の暗さが目立ってしまう。そんなときはレフ板を使って、陰になった部分を明るくしよう。レフ板とは光を反射させるための写真用品で、板や布でできている。しかし、レストランでレフ板を広げるのは気が引けるという人もいるだろう。そんなときは、白い紙やおしぼり、紙ナプキンなどをレフ板代わりに使おう。色があると影響するので、必ず白い物を使うこと。

 

使い方は下の写真のように、光が入る方向と向かい合うようにレフ板を置くというのが基本。すると、入った光がレフ板に反射して、陰を照らすという具合だ。光が強いときは離して置き、弱いときは近づけるといった具合に距離で反射光の強弱を調整するといい。角度もいろいろ変えながら、ベストな位置を決める。あまり強く当てると不自然なので、レフ板を使ったのがわからないぐらいなのが理想だ。これは一眼カメラに限らず、スマホでも使えるテクニックなので、ぜひ試してほしい。

↑右から光が入ってくるので、その反対側にレフ板を置いた。レフ板に光が反射して、ケーキの手前側をほんのりと明るく照らしている
↑右から光が入ってくるので、その反対側にレフ板を置いた。レフ板に光が反射して、ケーキの手前側をほんのりと明るく照らしている

 

↑この2枚を比べると、レフ板の効果は一目瞭然。右はケーキの陰になった部分だけが明るくなっているのがわかるだろう。露出補正では写真全体が明るくなってしまうが、レフ板を使うとケーキの上部分や背景はそのままに、手前の側面だけを明るくすることができる
↑この2枚を比べると、レフ板の効果は一目瞭然。右はケーキの陰になった部分だけが明るくなっているのがわかるだろう。露出補正では写真全体が明るくなってしまうが、レフ板を使うとケーキの上部分や背景はそのままに、手前の側面だけを明るくすることができる

 

 

『花の新しい撮り方』――花ごとの撮影テクニックを身につけてひと味違う写真を!

そろそろゴールデンウィークが近い。この時期になると、いろいろな花が咲き始める。僕はデジカメのレビューなどをすることがあるので、この時期は大きな公園などに行き花を撮影することも多い。

 

 

 

念願のヒマワリ畑撮影にチャレンジしたものの……

ここ数年、なかなか実現しなかったことがあった。夏にヒマワリ畑に撮影に行くということだ。例年7月8月は忙しく、仕事をしていたらいつの間にかヒマワリの季節が終わっているということが続いていたのだ。

 

しかし、昨年(2017年)は夏が意外と暇だったので、ヒマワリ畑に撮影にでかけた。

 

そのとき思ったのが「ヒマワリの撮影って難しい……」ということ。いっぱいヒマワリは咲いているのだが、どう撮影すればいいのか、撮影すればするほどわからなくなってきたのだ。

 

晴天だったら、青空や入道雲と絡めて撮ればいいと思っていたのだが、撮影に出かけるときに限って曇り空。元々雨男なので、これはしょうがない。

 

しかし、曇り空の下でヒマワリを撮影しようとすると、どうも決まらない。いろいろ試行錯誤したのだが、ピンとこないのだ。

 

そこで『花の新しい撮り方』(CAPA編集部・編/学研プラス・刊)を読んでみた。この本は、花の種類別に撮影方法が詳しく掲載されている。花の撮影について何の知識も持っていない僕のような人にとっては、とてもありがたい。もちろんヒマワリの項目もある。そこに曇天時の撮影について書かれていた。

 

 

曇天時のヒマワリ撮影は望遠レンズで寄ったり引いたり

曇天時は、どうやってヒマワリを撮影したらいいのだろうか。

曇天時は離れた所から望遠レンズでスケール感や広がりを生かしたり、近づいて花をアップにしたりするとヒマワリの存在感が引き出される。

(『花の新しい撮り方』より引用)

要は、空をあまり入れずにアップで撮るか、ヒマワリ畑全体を撮影するのがいいようだ。

 

僕が撮影した写真から、それらしいのを選んでみた。

多分これは失敗だ。曇天なのに空が画面に多く入ってしまっている。

 

これはヒマワリにかなり近づいており、背景にもヒマワリをぼかして入れており、曇り空をあまり画面に入れていないので、まあまあというところだ。

 

これはカメラをかなり上から構えて撮影し、空が入らないように撮影したカット。ヒマワリ畑のボリューム感が出せていると思う。

 

 

晴天時は空を積極的に入れていこう

一方、晴天時の場合は青空を大きく入れて撮影すると、夏らしさが強調されるようだ。場合によっては、太陽も画面に入れてしまい、夏の強い光を表現するという構図もいいようだ。

 

ただヒマワリを撮影するだけでも、かなりいろいろなテクニックがある。もちろん、あじさいや菜の花、桜、コスモスなどにもそれぞれテクニックがある。

 

実は、僕はコスモスの撮影をするのが好きなので、この本を読んで秋のコスモス撮影に向けて予習をしておこうと思う。もう去年までの僕とは違う、と思う。

 

 

【書籍紹介】

花の新しい撮り方

著者:CAPA編集部(編)
発行:学研プラス

花は四季を通じて身近にある人気の被写体。その花を上手に撮るための基礎知識として、三脚やマクロレンズなどの機材から、ホワイトバランスや絞りなどカメラの各種設定を解説。さらに様々な花や撮影状況に合わせた上手な撮り方をわかりやすく紹介していく。

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「CAPA 4月号」――カメラ任せから脱却するワンランク上の撮影技術をゲットせよ!

4月に入り、暖かくなってきた。例年ならば、たいていこのくらいの時期に、カメラ片手に花や風景などの写真を撮りにでかけているのだが、今年はなんだか忙しく、プライベートで写真を撮っている時間があまりない。

 

春の被写体といえば、やはり「花」だろう。桜や菜の花などを見ると、ついつい写真を撮りたくなってしまう。

 

 

花の写真のポイントは2つ

写真には、構図や光の加減、露出、色などのさまざまな要素が絡んでくるが、花の写真の場合とても気になるのが、やはり「色」だ。

 

目の前で美しく咲いている花を、できるだけそのままの印象で残しておきたい。そう思って撮影するのだが、どうしてもカメラの設定に引っ張られて、ちょっと自分が思っているのと違う感じになってしまう。そんな風に思っている人は多いかもしれない。

 

そこで、『CAPA 4月号』(学研プラス・刊)に「極上の花風景」という特集があったので読んでみた。花の撮影に役立つレンズ選びやフィルターワークなどについて解説されているが、ほほうと思ったのが、色に関するカメラの設定の部分だ。ポイントは2つ。「コントラスト」と「ホワイトバランス」だ。

 

 

「コントラスト」の設定で鮮やかながらも落ち着いた色味に

カメラの設定に「スタンダード」や「風景」といった仕上がり設定がある。花を撮るときは色鮮やかにしたいため、「風景」を選ぶことが多いかもしれない。しかし、それでは花本来の色味や階調が失われてしまう可能性がある。特に赤系の色は飽和しやすい。

 

だからといって「スタンダード」では物足りない。そういうときには「コントラスト」の設定を見直してみるといいようだ。

 

コントラストや彩度を少し下げるなど、オリジナル設定を作ってカメラに登録しておけば、より自分好みの作風に仕上げられる。仕上がり設定で色味を変えることは好ましくないが、コントラストを変えるだけでも色の印象は大きく変わるので、とことんこだわりたいポイントである。

(『CAPA 4月号』より引用)

仕上がり設定を「風景」にすると、若干色が派手目になる。そこでコントラストを下げることで、発色を若干抑えめにすることができるということだ。どうしても色の設定ばかり気になってしまうが、実はコントラストの設定が重要なようだ。

 

 

「ホワイトバランス」で花の持つ色を引き出す

もうひとつが「ホワイトバランス」だ。通常はカメラにお任せの「オート」にしておけばいいと思いがちだが、どうもそうではないようだ。

太陽の下で撮影する限り「太陽光」を基本としたい。晴れていても、曇りや雨でも現場の光を反映した花色を引き出すことができる

(『CAPA 4月号』より引用)

ホワイトバランスをオートに設定すると、カメラが適切と思われるホワイトバ ランスに調整してしまうため、その場の印象とは違う色になってしまうことがある。それを避けるために、屋外では常に「太陽光」に固定。そうすることで、実際に見た色に近い色が再現できるというわけだ。

 

なお、その場合に緑かぶりが発生することがある。そのときにはオートを試してみるといい結果になることがあるという。

 

 

「カメラにお任せ」からの脱却で写真がさらにおもしろくなる

最近のデジタルカメラは優秀。それほど気にしなければ、カメラにお任せできれいな写真が撮れる。

 

しかし、それではほんとうの写真のおもしろさ、カメラのおもしろさには気付かないかもしれない。カメラに搭載されたたくさんの機能を全部使いこなす必要はないが、今回紹介したような、「コントラスト」や「ホワイトバランス」などの設定を覚えておけば、今までよりもワンランク上の撮影ができるようになるだろう。

 

さあ、週末はカメラを持って、お出かけしませんか?

 

 

【書籍紹介】

CAPA 2018年4月号

著者:CAPA編集部
発行:学研プラス

デジタル一眼カメラや交換レンズ、周辺機材の最新情報が満載。豊富な作例とわかりやすいハード記事で、多くの一眼カメラファンの支持を集める。撮影テクニック記事やプロ写真家の作品紹介、充実したフォトコンテスト記事も人気。

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【紅葉撮影の超実践!!】紅葉を見かけたらコレを思い出すべし! 4つの実例でポイントをマルッと解説

2017年の紅葉シーズンがやってきた。今年こそ、一眼カメラできれいな紅葉を撮ろうではないか! ここまで、紅葉撮影に必要な機材とカメラ設定、そして最適な天候&光、露出の選択を紹介してきた。最後は4つの実例を見ながら、ここまで学んできたことをトータル的に解説する。

↑「これで万全! 風景写真家が教える、紅葉を鮮やかに撮る方法-機材&カメラ設定編-」、「-天候&露出編-」はコチラ

 

【実践1】

紅葉を前景に取り入れて、彩りと奥行きを出す

↑焦点距離26ミリ 絞り優先オート(F16 1/40秒) ISO200 WB:晴天↑焦点距離26ミリ 絞り優先オート(F16 1/40秒) ISO200 WB:晴天

 

形のよい山容を生かしつつ、ナナカマドを入れて秋の湖水風景として撮影した。赤く色づいたナナカマドを前景に捉えることで、紅葉の彩りが強くなるだけでなく、風景としての奥行きや広がりが生まれる。

 

このように広角レンズで広い風景を撮影するときは、手前のモチーフに近づくことが重要だ。モチーフに近づいて大きく見せると、画面に核となるポイントを作ることができ、作品の存在感が増す。この場所でナナカマドを入れずに撮影すると、下の写真のように平面的、かつ単調な写真になってしまう。

↑山と紅葉をシンメトリー構図で捉えたが、平面的で単調な印象である。シンメトリーが生きるほどの造形美はなく、何かポイントになるものが欲しい↑山と紅葉をシンメトリー構図で捉えたが、平面的で単調な印象である。シンメトリーが生きるほどの造形美はなく、何かポイントになるものがほしい

 

さらに、このとき山のピークを画面の右に配置し、ナナカマドを左側に見せることで、画面内でモチーフが片寄らないようにフレーミングしている。山とナナカマドが左右にバランスよく見えるポジション選びも欠かせない。

 

もし水面を生かしてシンメトリー構図を作りたいなら、広角ではなく望遠レンズで切り取るといい。広角で広く撮ると、木々のひとつひとつが小さくなって平面的になりがちだが、望遠なら映り込んだ木々の造形美を生かせる。

 

【実践2】

ホワイトバランス「曇天」とプラス1補正で、明るく鮮やかな紅葉写真に

↑焦点距離20ミリ 絞り優先オート(F8 1/2.5秒) プラス1補正 ISO200 WB:曇天↑焦点距離20ミリ 絞り優先オート(F8 1/2.5秒) プラス1補正 ISO200 WB:曇天

 

紅葉の色を狙いどおりに引き出すには、ホワイトバランス(WB)の設定が重要だ。紅葉撮影では、WB「オート」にすると色が濁ったり、色味が片寄ったりするので注意したい。WB「太陽光(晴天)」にすることで、紅葉の自然な色味を引き出せる。

 

ただし、「太陽光」モードは現場の光を反映させられる設定がゆえに、曇天や雨天時には青みがかって、紅葉の色が弱くなってしまうことがある。それが曇天や雨天らしさとなればよいのだが、紅葉の色をストレートに引き出したいときには不向きである。ここでは、曇天や雨天時に紅葉の暖かみのある色を生かすために、「曇天」モードにして撮影した。

 

さらに、曇り空を背景に見上げて紅葉を撮影しているので、明るい曇り空の影響によって露出がアンダーにならないよう、プラス1補正している。また、薄暗い森のなかでシャッター速度が遅くなると判断し、三脚を使用。これらの設定と準備によって、曇天だったがシャープかつ、華やかな黄葉の色彩を捉えることができた。

↑こちらは、WB「晴天」で補正なし(±0)で撮影したもの。曇り空に影響されて黄葉は暗く沈み、WB「晴天」なので曇天特有の青みがのってしまっている↑こちらは、WB「晴天」で補正なし(±0)で撮影したもの。曇り空に影響されて黄葉は暗く沈み、WB「晴天」なので曇天特有の青みがのってしまっている

 

【実践3】

空と紅葉の露出差を埋めて、空の階調を引き出す

↑焦点距離38ミリ 絞り優先オート(F16 1/2.5秒) マイナス0.3補正 ISO100 WB:晴天↑焦点距離38ミリ 絞り優先オート(F16 1/2.5秒) マイナス0.3補正 ISO100 WB:晴天

 

朝日・夕日に染まる紅葉は光による効果が加わってドラマチックだ。順光や斜光を受ける紅葉は比較的均一な光なので問題ないが、朝焼けや夕空を背景にした逆光の場合は、明暗差が大きいので撮影が難しい。

 

紅葉に対して背景の朝焼け空(または夕空)のほうが明るいため、紅葉に露出を合わせれば空は露出オーバーになり、空に露出を合わせれば紅葉が露出アンダーになってしまう。このように明暗差が大きいと、階調補正機能だけでは対応できない。

 

大きな明暗差がある場面では、上部がND(光量のみを少なくするフィルター)、下部が透明になっているハーフNDフィルター(下写真)が役に立つ。NDと透明部の境界がグラデーションになっており、境目が目立ちづらいソフトタイプと呼ばれるものがおすすめだ。ND部が朝焼け空に重なるように位置を調整して撮影すれば、上の写真のように朝焼け空と紅葉をどちらも自然な明るさで仕上げられる。

↑ハーフNDフィルターを上下させて、空と紅葉の境目にハーフNDのグラデーション部分がくるように調整する。位置が悪いと不自然な濃淡ができてしまうので要注意↑ハーフNDフィルターを上下させて、空と紅葉の境目にハーフNDのグラデーション部分がくるように調整する。位置が悪いと不自然な濃淡ができてしまうので要注意

 

【実践4】

紅葉のライトアップは、三脚を使って低感度で撮る

↑焦点距離22ミリ 絞り優先オート(F8 2秒) ISO400 WB:5000K↑焦点距離22ミリ 絞り優先オート(F8 2秒) ISO400 WB:5000K

 

紅葉のライトアップは昼間とは違った幻想的な美しさがある。ISO800前後に感度アップしても、シャッター速度は数秒から10秒近くになってしまうので、ブレを防ぐための三脚とレリーズは欠かせない。

 

無風状態なら望遠レンズでアップにすることも可能だが、広角や標準レンズで風景的に狙ったり、上の写真のようにシルエットになった紅葉の樹形を生かしたりするような撮り方がおすすめだ。

 

空が美しい青色に染まる薄暮の時間帯が、紅葉ライトアップ撮影のベストタイムである。日没後30分から1時間が目安だ。この時間帯は闇夜の漆黒の空とは違って、紅葉ライトアップを爽やかなイメージに仕上げられるという魅力がある。

 

この際、強い光源があると露出がアンダーになりやすいので、露出を何段階かばらして撮影しておくとよいだろう。周囲が暗く、背面モニターが通常よりも明るく見えるため、モニターで適正露出と思っても、実際にはアンダーということもあるのだ。

 

【紅葉シーズン到来!】紅葉で「曇り」だったらどうする? 天候別・キレイな紅葉の撮り方

2017年の紅葉シーズンがやってきた。今年こそ、一眼カメラできれいな紅葉を撮ろうではないか! こちらの記事で紅葉撮影に必要な機材とカメラの設定をチェックしたら、次は最適な天候と光線状態、そして露出の選択を紹介しよう。天候や光によって、狙い方や露出の選択は変わってくる。

↑「これで万全! 風景写真家が教える、紅葉を鮮やかに撮る方法とは?-機材&カメラ設定編-」はコチラ

 

【天候&光①】晴天時は光線状態の見極めが大事

紅葉の鮮やかさを狙うなら、光の効果で輝きが増す晴天がベスト。ただし、晴天時は光線状態によって紅葉の見え方は変わるので、その見極めが大事だ。

 

太陽を背にした順光は、被写体に影が出にくく、平面的になりやすいので、あまり紅葉撮影には適さない。広い風景を狙うなら、適度な影によって立体感が出る斜光やサイド光が最適だ。サイド光では紅葉の色が艶やかになり、PLフィルターを使うと深みのある青空も表現できる。

↑サイドからの光によって、山の斜面に陰影ができている。サイド光は平面の写真で風景を立体的に描き出せるため、広い風景を撮るのに適した光だ↑サイドからの光によって、山の斜面に陰影ができている。サイド光は平面の写真で風景を立体的に描き出せるため、広い風景を撮るのに適した光だ

 

太陽を正面にした逆光は、透過光により紅葉の鮮やかな色を引き出せ、紅葉をアップで狙うのに適している。この際、紅葉を画面いっぱいに捉えるならプラス補正、暗い背景が多ければマイナス補正が必要になる。

 

逆光時は、レンズに直接太陽光が当たることでゴーストが出やすいので要注意。フードだけでは防ぎきれないときは、厚紙などを利用してレンズに当たる不要な光をカットすることで、クリアな紅葉写真に仕上げることができる。

↑逆光を受けた紅葉の鮮やかな色を狙う。日陰の背景を選ぶことで明暗のメリハリが生まれ、紅葉が引き立ち、インパクトのある姿で捉えられた↑逆光を受けた紅葉の鮮やかな色を狙う。日陰の背景を選ぶことで明暗のメリハリが生まれ、紅葉が引き立ち、インパクトのある姿で捉えられた

 

【天候&光②】曇天時は空をフレームアウトしよう

曇天時は、晴天時のような強い影が出ないので、紅葉本来の色を引き出しやすい。鮮やかさはないが、紅葉が持つ繊細な色あいを表現できる。

 

これを生かすには、曇り空を画面に入れないこと。白い空を入れてしまうと、その空間によって間の抜けた印象になってしまう。曇天時は広い風景として撮ることは諦めて、やわらかな光を生かして切り取りやクローズアップに徹しよう。

↑曇天の拡散光により、強い影が出ることなく、カエデの優しい質感を捉えることができた。紅葉といっても橙、緑、黄など、赤以外にもさまざまな色を持っていることが伝わってくる↑曇天の拡散光により、強い影が出ることなく、カエデの優しい質感を捉えることができた。紅葉といっても橙、緑、黄など、赤以外にもさまざまな色を持っていることが伝わってくる

 

【天候&光③】雨天時はPLフィルターでテカリを取り除く

雨天時は、葉が雨にぬれることで紅葉の艶やかさが一段と映えるようになる。しかし、曇天時以上にテカリが強く、白っぽく写りがち。PLフィルターでテカリを取り除くことで、深みのある色を引き出そう。

 

アップめに捉えることで水滴を生かし、雨らしさを引き出すのもおすすめだ。雨天時の撮影は億劫になりがちだが、独自性を出せるチャンス。三脚に傘を取り付けるホルダーなどを活用すると、比較的快適に撮影できる。

↑雨にぬれたカエデを200ミリ相当の望遠レンズで切り取る。PLフィルターを使うことで、艶やかな赤色を捉えられた↑雨にぬれたカエデを200ミリ相当の望遠レンズで切り取る。PLフィルターを使うことで、艶やかな赤色を捉えられた

 

【露出】紅葉の深みを出すときはマイナス補正、空が背景になるときはプラス補正をする

特に曇天時の紅葉は、露出補正なしで撮ると色が浅くなりがちだ。マイナス補正すると全体の濃度が上がり、色の深みを引き出すことができる。この際、マイナス0.3~0.7補正ぐらいを目安とするとよいだろう。

 

これは赤色の紅葉に有効な方法ではあるが、イチョウなどの黄葉ではマイナス補正で濁りが出やすくなるので不適である。黄葉の場合はプラス補正で華やかに仕上げるのがよく似合う

 

また晴天時の逆光で、背景が暗い場合もマイナス補正が必要になるシーンだ。背景が暗いと露出計が暗い被写体と判断するため、露出補正をしないと紅葉が露出オーバーになってしまう。

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↑上の写真は露出補正をしていない、「±0」の状態。下の写真はマイナス0.7補正したもの。補正なしだと紅葉の色が出ておらず、浅い橙色だ。マイナス0.7補正すると深みのある橙色に仕上げることができた↑上の写真は露出補正をしていない、「±0」の状態。下の写真はマイナス0.7補正したもの。補正なしだと紅葉の色が出ておらず、浅い橙色だ。マイナス0.7補正すると深みのある橙色に仕上げることができる

 

天候に関わらず、空を背景に紅葉を撮影するときは、露出がアンダーになりやすいのでプラス補正が必要だ。青空を背景にしたときは補正なしで適正になることもあるが、多くの場合、プラス補正すると明るく爽やかな雰囲気を引き出せる。必要な補正量はプラス0.3~0.7補正程度なので大きな失敗をすることは少なく、RAW現像でも対応できる。

 

そして特に注意したいのが、曇り空を背景にして紅葉を見上げるように撮影するときだ。曇り空は見た目には暗いが、紅葉との明暗差は大きく、露出補正をしないと紅葉がかなりアンダーになってしまう。プラス1程度の補正ではなく、プラス2~3補正が必要になることもあるので、撮影後のモニターチェックは欠かせない。

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↑上の写真は露出補正をしていない、「±0」の状態。下の写真はプラス1.3補正したもの。曇り空を背景にしてブナの黄葉を撮影すると、補正なしではかなり暗く写ってしまった。プラス1.3補正すると明るく爽やかになった↑上の写真は露出補正をしていない、「±0」の状態。下の写真はプラス1.3補正したもの。曇り空を背景にしてブナの黄葉を撮影すると、補正なしではかなり暗く写ってしまった。プラス1.3補正すると明るく爽やかになる

 

紅葉撮影における最適な天候&光と、露出の選択はわかっただろうか。次回は、ここまで学んできたことをトータル的に解説する実践編だ。より紅葉が映える構図や紅葉ライトアップなどの撮り方を紹介する。

 

【最終回答】プロ直伝「紅葉を鮮やかに撮る」機材&カメラ設定の超基本

2017年の紅葉シーズンがやってきた。今年こそ、一眼カメラできれいな紅葉を撮ろうではないか! 撮影に出掛ける前に、まずは必要な機材とカメラの設定をチェックしよう。

↑曇天なら、深い色の紅葉が狙える↑曇天なら、深い色の紅葉が狙える

 

【機材】軽装備でも撮影は可能だが、PLフィルターは必需品

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紅葉撮影の初心者なら、まずは一眼カメラと標準ズームレンズ1本を用意しよう。標準ズームの画角は肉眼で見たときの視野に近いため、神社仏閣や庭園、公園などの箱庭的な紅葉風景を、目で見たときの印象に近く捉えることができる。また、比較的コンパクトな製品が多いので、登山や旅行に持っていくのにもおすすめだ。

 

山岳エリアなど広々とした紅葉風景を狙うには、広角レンズと望遠レンズが欲しくなる。広角レンズは広がりや遠近感を生かした撮影を楽しめるが、あれもこれもと欲張ってフレーミングすると散漫になりやすい。主役となる紅葉に近づいて、大きく捉えることを意識しよう。

 

遠くのものを引き寄せられる望遠レンズは、紅葉の迫力ある姿を捉えるのに有効だ。紅葉の樹形を生かしたり、鮮やかな部分を切り取ったりすることができる。

↑妙義山の岩峰を背景にして、紅葉したカエデを広角レンズで見上げるアングルで撮影。広い画角により、空や木々の広がりが生きている↑妙義山の岩峰を背景にして、紅葉したカエデを超広角レンズ(17ミリ相当)で見上げるアングルで撮影。広い画角により、空や木々の広がりが生きている

 

↑逆光線に輝くカラマツを望遠レンズで切り取る。望遠レンズの圧縮効果によって背景の山並みが引き寄せられ、黄葉の木々のボリューム感も出せた↑逆光線に輝くカラマツを、望遠ズームレンズの135ミリ相当で切り取る。望遠レンズの圧縮効果によって背景の山並みが引き寄せられ、黄葉の木々のボリューム感も出せた

 

紅葉についた水滴や霜をまとって色づいた落葉などをアップにするならマクロレンズの出番。しかし、軽装で出掛けたいのであれば、これは省いてもいいだろう。マクロレンズはステップアップのつもりで挑戦してみてほしい。

 

そして、紅葉の鮮やかさや青空の深さを引き出すのに欠かせないのがPLフィルターである。紅葉の表面反射を取り除くことで、紅葉の深みのある色を表現できる。曇天や雨天時にも白い空を映して紅葉は白くテカリがちなので、晴天時以外でも積極的に使用したい。その際は、ファインダーをのぞきながらフィルター枠を回転させ、効果を調整しながら使うこと。

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↑上はPLフィルター未使用、下は使用した写真。PLフィルターを使うことで青空に深みが増しただけでなく、紅葉の鮮やかさもアップしている↑上はPLフィルター未使用、下は使用した写真。PLフィルターを使うことで紅葉の鮮やかさがアップした

 

晴天時の紅葉は光も強くて、手持ち撮影でも対応できるが、曇天や雨天時は暗くなりがちなので三脚が欲しい。PCで画面全体を見ていると問題なくても、拡大してみるとブレやピンボケに気づくことは多い。特に朝夕やライトアップ下の撮影では、ブレを防ぐための三脚とレリーズは必須だ。

 

【カメラ設定】鮮やかな色、繊細な描写を引き出す設定にしよう

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紅葉撮影では絞り優先オートで絞りの効果を生かすとよいだろう。葉のアップなどでボケを生かすなら絞りF2.8~5.6、広大な景色の前景から背景までシャープに捉えるならF8~16程度まで絞り込みたい。

 

手持ち撮影では手ブレが心配だが、1/125秒以上のシャッター速度ならひとまず安心だ。ただし、望遠レンズは手ブレしやすいので、できれば三脚を使いたい。三脚使用時は一眼ならではの最高画質を得られるISO100やISO200にセットし、手持ちならISO400やISO800に感度を上げてシャッター速度を稼ぐといい。

 

ホワイトバランス(WB)は「太陽光(晴天)」モードにして、現場の色や光など臨場感を引き出す。日中の自然な色合いだけでなく、朝夕の赤い光や日陰の青みを帯びた色など、光の効果を生かせる。ただ曇天や雨天時に紅葉の色が青みを帯びてしまうときは、「曇天」モードで暖かみのある色調にしよう。

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↑上はWB「太陽光(晴天)」、下はWB「曇天」で撮影。曇りの日はWB「太陽光(晴天)」で撮るとやや青みを帯びた色合いになりやすい。そこで、WB「曇天」にして撮影。黄葉の深みのある黄色を出すことができた↑上はWB「太陽光(晴天)」、下はWB「曇天」で撮影。曇りの日はWB「太陽光(晴天)」で撮るとやや青みを帯びた色合いになりやすい。WB「曇天」にして撮影すると、黄葉の深みのある黄色を引き出すことができる

 

仕上がり設定は、適度なコントラストと鮮やかさでメリハリのある描写となる「風景」モードがおすすめだ。ただし、紅葉をアップにすると鮮やかすぎることも多いため、そうした場合は「スタンダード」や「ニュートラル」で優しい色合いと滑らかな階調を捉えたい。

 

さらに、空が白とびしたり、影になった紅葉がつぶれて黒くなったりしてしまうのを防ぐために、階調補正機能は通常「オート」にしておこう。明暗差が強すぎる逆光シーンなどでは、「強め」や「より強め」に変更するようにしたい。

 

ピント合わせは、パンフォーカス撮影なら画面の中央付近にピントを合わせて絞り込めばよいが、紅葉をアップにするときは主役の紅葉にしっかりとピントを合わること。設定は、ピンポイントに測距点を選べる「1点AF」と、静止した被写体を撮るのに向く「AF-S(シングルAF)」がベターだ。

↑WB「太陽光(晴天)」で、色濁りのない青空と目で見たイメージに近い紅葉の色を捉える。仕上がり設定は「風景」モードにして、紅葉の鮮やかさを引き出した。↑WB「太陽光(晴天)」で、色濁りのない青空と目で見たイメージに近い紅葉の色を捉える。仕上がり設定は「風景」モードにして、紅葉の鮮やかさを引き出した

 

紅葉撮影における機材とカメラ設定がわかったところで、次回は最適な天候&光と露出を解説する。