「日本酒に合う料理」にはそんなセオリーが…! 体験イベントで知る「ペアリング」の喜び

8月4日、二子玉川の蔦屋家電2階のダイニングにて、日本酒ファンに向けて、新たな体験イベントが開催されました。その名も「吟醸酒と調理家電レシピの『完璧なペアリング』体験会」。麻布十番で人気のダイニング日本酒バー『赤星とくまがい』のオーナー、赤星慶太さんを講師に招いた体験イベントで、日本酒の吟醸酒と、これにピッタリ合う3品の料理を楽しむ体験会です。提供される料理の一部はパナソニックの最新調理家電「IHデイリーホットプレート」で調理されます。

 

幅広い年齢層の約30名がイベントに参加

体験会のテーマは、イベント名の通り、「吟醸酒と料理のペアリング」。酒好き、グルメ好きにとっては想像するだけで微笑んでしまうイベントです。しかも、コアな日本酒ファンに評価が高い「赤星とくまがい」が監修するとなれば、これはもう、行かねばなるまい! というわけで、歴史に残る猛暑の中、汗を拭きつつ駆け付けました。

 

イベントの会場は二子玉川の蔦屋家電。本棚や観葉植物が印象的に配置されたスタイリッシュな店内を通って、2階のダイニングへ。今回は1日2回の開催で、各30人ずつが参加します。開始時刻が近づくにつれて、30代くらいから60代くらいまで、幅広い年齢層が集まってきました。参加者は女性がやや多いようですね。

 

調理にはパナソニックの「IHデイリーホットプレート」を使用

また、会場が蔦屋家電ということもあって、体験会で提供する料理は、最新の調理家電「パナソニック IHデイリーホットプレート KZ-CX1」(8月1日発売・実売価格5万6520円)で調理されました。こちらは熱源が二つあり、プレートを外すとIH調理器としても使えるので、その名の通りテーブルの上に置いて毎日でも使うことができるといいます。

↑見た目もスリムなパナソニックのIHデイリーホットプレート

 

さらに、本イベントでは新しいブランド「双円」(そうえん)の酒器を使用。「双円」は気鋭のプロダクトデザイナー、鈴木 健氏が主導して立ち上げたもので、同じ販路、同じブランディングを異業種・異素材でシェアするという画期的な取り組みです。本イベントでは、千葉県のガラスメーカーSghr(スガハラ)のタンブラーが使用されました。

↑参加者が手にしているのが、「双円」のタンブラー。イベント終了後はお持ち帰り頂きました

 

アメリカで20年、日本酒を紹介してきた赤星慶太さんがナビゲート

さて、いよいよイベントのメイン、「無冠帝」と料理のペアリングのコーナーがスタート。日本酒コーディネーター兼ライターの馬渕信彦さんを進行役に、麻布十番の「赤星とくまがい」のオーナー、赤星慶太さんが日本酒と料理のペアリングについて解説します。

↑赤星慶太さん

 

ここで少々、ナビゲーターの赤星さんの紹介を。赤星さんは1998年、地酒のエクスポーターとして渡米。2009年に『Sake Bar KIRAKUYA』をプロデュースし、後に3店舗の酒ソムリエを歴任します。赤星さんは渡米中、ある女性から「この美味しい日本酒と料理に出会わなければ、私は一生、ジャンクフードと炭酸飲料で過ごしていたと思う。本当にありがとう」と涙ながらに感謝されたことが強く印象に残っているそう。以降もこの経験をモチベーションとして、日本酒と料理のペアリングの可能性を探り続け、2015年4月、自らのお店をオープンするため帰国。NYで出会ったシェフの熊谷道弘さんと『赤星とくまがい』を麻布十番にオープンしました。

 

「アメリカで20年、お酒を売る仕事をしてきて、飲み慣れていない人にお酒を伝えるために、料理とのペアリングを考えるようになりました。私が考えるペアリングの基本は『調味料で考えること』。たとえば、刺身にどの日本酒を合わせたらよいかとよく聞かれますが、醤油と合わせればいいんです」(赤星さん)

 

なるほど。お酒は食材ではなく、調味料で合わせるというのは初耳ですね。さて、「そろそろ美味しい匂いがしてきました」との馬渕さんの言葉の通り、ホットプレートで肉が焼けるいい匂いが漂ってきましたよ。

↑IHデイリーホットプレートで調理する「赤星とくまがい」のシェフ、熊谷道弘氏

 

高い志を秘めた菊水酒造の吟醸酒「無冠帝」

続いて、料理とペアリングするお酒のほうを紹介していきましょう。実は、本イベントを後援したのが新潟県・新発田市の菊水酒造。菊水といえば、鮮烈な風味のアルミ缶のワンカップ「ふなぐち菊水一番しぼり」や鋭い切れ味の「菊水の辛口」で有名ですが、今回の主役は吟醸酒の「無冠帝」です。

↑菊水酒造の「無冠帝」。参考価格は300mℓで544円(税抜)、700mℓで1190円(税抜)

 

本品は1983年に発売。「高品質のお酒をたくさんの方にお届けしたい」との高い志を持ち、酒銘に「無冠の帝王」の意味を込めたといいます。発売から35年、時代によって味やボトルのデザインは変わりましたが、この酒にかける「心意気」は今も変わっていないそう。

↑菊水酒造の長谷川洋平さん

 

菊水酒造の長谷川洋平さんによると、無冠帝を「日々を大切に生きる人々、生き方にこだわる人へのスタイリッシュなお酒」と表現。さらに、辛口で切れがよく、「香りや酸味は穏やかで料理をさりげなく引き立てるので、テーブルをきれいに演出するお酒」と語りました。お話を聞いているうちに、菊水酒造さんのこだわりがひしひしと伝わって来て、「無冠帝」とは実際にどんなお酒なのだろう? と、楽しみになってきます。

菊水「無冠帝」の公式サイトはコチラ

 

「無冠帝」に合うしょうがやおろしポン酢を使った3品の料理が登場

やがて、お皿に乗った料理が運ばれてきました! 料理は以下の3種類です。

【1】「トマトと水牛のモッツァレラ ガリ風味のカプレーゼ」(写真左奥)
【2】「カレー風味のハンバーグ」(写真右手前)
【3】「焼きマシュマロのベリーソースがけ」(写真右奥)

 

赤星さんが、上記3品の料理の狙いを、以下のように解説してくれました。

「『無冠帝』に一番合うと思ったのがしょうがです。しょうがとの相性がいいので、カプレーゼには甘酢漬けにしたガリを使いました。ハンバーグにはおろししょうがとカレーパウダーを入れています。家庭で試すなら、おろしポン酢がオススメ。『無冠帝』の最後の苦みがポイントで、大根と相性がいいんです。『焼きマシュマロのベリーソースがけ』は、マシュマロ、ヨーグルト、ブルーベリーを使用。ヨーグルトの乳酸と日本酒は相性がいいので、そのペアリングを味わってもらえたらうれしいです」

 

いよいよペアリングを実際に体験!

では、いよいよ実際に味わってみましょう。まずは、ブルーのボトルが涼やかな「無冠帝」単体で味わってみます。「無冠帝」が注がれたグラスを鼻に近付けてみると、上立ち香は穏やか。口に含むと、きりっとした味わいが印象的で、しっかりとした旨みがあります。含み香も爽やかですね。

↑料理を味わう参加者

 

続いて、「トマトと水牛のモッツァレラ ガリ風味のカプレーゼ」を味わいました。モッツレラチーズの味がふわりと口の中で広がったあとに、トマトとガリの酸味がじわり。その後に再び「無冠帝」を飲むと、最初より味が引き締まって美味しく感じました。おお、これぞペアリングの妙。料理によって日本酒の味が引き立つとはこういうことだったんですね。

 

参加者の間からも、「ホントだ、しょうがが合う!」という声が聞こえてきます。意表を突かれた素材のペアリングに、会場全体が赤星マジックの術中にはまってしまった模様。

 

続いて、「カレー風味のハンバーグ」を試してみましょう。鶏肉のハンバーグは意外にもガツンとした味わいです。しかし、「無冠帝」を飲みながらいただくと、料理のしつこさが和らぐのがよくわかります。焦げめが甘く感じられ、肉やたまねぎなど、素材のひとつひとつの風味がより美味しく感じられますね。「無冠帝」もすいすいと喉を通り、いくらでも飲めそうな気がしてきました。

↑絶妙なペアリングで、参加者のお酒も進みます

 

最後に「焼きマシュマロのベリーソースかけ」はどうでしょう? 合わせてみると、ヨーグルトとブルーベリーの酸味が「無冠帝」と混然一体となったかのような……。

 

生詰の香りをミントが引き立てる

さらに、赤星さんによると、マシュマロに添えたミントにも意味があるようです。

 

「『無冠帝』は『生詰(なまづめ)』の『吟醸』なので、香りがすっと上がって来るのがポイント。それをミントが引き立てているんです」

↑無冠帝の特徴を語る赤星さん

 

赤星さんが言う「生詰」とは、通常2回行う火入れ(加熱)を1回のみ行う日本酒の種類のこと。フレッシュな香りと味わいがしっかりと残り、かつ火入れによって味が安定します。「吟醸」とは、60%以下に精米したお米を使い、低温発酵させて手間をかけて造ったお酒で、華やかな香り、軽やかな酒質が特徴です。

 

ちなみに、火入れをしない生酒や、先述の生詰は管理が難しいのですが、実は、菊水酒造ではほとんどのお酒を生酒か生詰にすることにチャレンジしているそうです。ここでも、蔵元の味へのこだわりを感じますね。

↑「無冠帝」のラベルに注目。ラベル下部には「吟醸 生詰」の文字が

 

菊水「無冠帝」の公式サイトはコチラ

 

ペアリングの世界を知り、ますます日本酒が楽しくなった

こうして、1時間ほどでイベントは終了。イベント名にある通り、「無冠帝」と3種類の料理との「完璧なペアリング」を堪能させて頂きました。ほかにも、赤星さんは、「日本酒のペアリングでは酸を重視する。酸を覚えるため、毎日7種類の酸を水に溶かして飲んでいたら、次第に酸の違いがわかるようになった」「お酒を料理のソースに合わせれば失敗はない」「日本酒に氷をひとつ落とすと味が劇的に変わる」といった刺激的な知識や、すぐ使えるテクニックも披露してくれました。

「日本酒といえば塩辛」という昔ながらの考え方とはまったく違う世界を見せていただき、まさに、目からウロコが落ちる思い。実際、参加者からは、「ガリがこんなに日本酒と合うなんて知らなかった!」「日本酒と酸の関係が勉強になった。日本酒に合う料理を作るときは、ポン酢や大根おろしをうまく使いたい」「調味料として日本酒を考える、という点がすごく新鮮だった」「お酒と料理のペアリングを考えたことはなかったので、『なるほど』と思うことが多くて、楽しかった」…などなど、みなさん、興奮の面持ちで感動を語ってくれました。

 

【動画】イベント参加者の声

「日本酒と料理のペアリング」というテーマ自体への感心も高かったようで、「料理が味わえなくても話だけでも聞きたい」と、イベントに参加する方も多くいらっしゃいました。最新の調理家電や酒器に触れられた点も斬新で、モノ好きの好奇心も満たす内容。まさに一粒で何度でもおいしいイベントでした。思うに、これは後援が「無冠帝」だからこそ実現できたこと。発売35年であえてリニューアルに踏み切った「挑戦」の気概が、このような斬新なイベントを生んだのでしょう。

 

本イベントに触れたことで、日本酒の世界はまだまだ奥が深い……だから、楽しい。そんな思いを新たにしました。読者のみなさんもぜひ、本稿をきっかけに、日本酒の新たな楽しみ方を探してみてください。

撮影/我妻慶一

 

菊水「無冠帝」の公式サイトはコチラ

 

【「無冠帝」との完璧なペアリングが実現する3品のレシピはコチラ】

その1

トマトと水牛のモッツァレラ ガリ風味のカプレーゼ
■材料(一人前)
【A】
・ミニトマト:1/2個
・モッツァレラチーズ(小):1個
・ガリ:小1枚(約5g)
・大葉:1/2枚

・塩:適量
・こしょう:適量
・オリーブオイル:適量

■作り方
①【A】の材料を、モッツァレラチーズ、ガリ、大葉、ミニトマトの順に重ね、ピンまたは串を刺す。
②上から塩、こしょう、オリーブオイルをかける。

 

その2

カレー風味のハンバーグ
■材料(一人前)
・鶏もも肉(ひき肉):100g
・たまねぎ:50g
・舞茸:50g
・長芋:20g
・しょうが:5g
【A】
・塩:4g
・こしょう:2g
・卵:1/2個
・カレー粉:1g
・醤油:10㏄
・酒:5㏄
・みりん:5㏄
■作り方
①たまねぎ、舞茸をみじん切りにする。
②長芋、しょうがをすりおろす。
③鶏もも肉(ひき肉)と①と②をボールに入れ、【A】を加えて混ぜ合わせる。
④適量を手でこねて、ホットプレートで焼き上げる。

 

その3

焼きマシュマロのベリーソースがけ
■材料(一人前)
・マシュマロ:適量
・ヨーグルト:適量
【A】
・ブルーベリー:200g
・水:100cc
・白ワイン:30cc
・ レモン汁:10cc
・グラニュー糖:40g

■作り方
①【A】の材料を鍋で火にかけて、煮詰める。
②マシュマロの表面を、バーナーで焦がすように炙る。(※バーナーで炙る代わりに、ホットプレートで表面を焼いてもOK)
③マシュマロの上に①のソースをかけ、さらにヨーグルトをのせる。

日本酒は「ワイングラス」で飲むべき!その理由を赤坂の名店で聞いた

日本酒が「オジサンの飲みもの」だった時代はとうの昔。いまやヨーロッパの星付きレストランでオンリストされるなど、世界中から注目が集まっています。若くて革新的な作り手も増えてきて、どんどん洗練されてきた感のある日本酒は、実は「グラスで飲むとおいしい」のをご存知でしょうか?

 

オシャレで雰囲気がいいのもありますが、それだけではありません。そのメカニズムや味わい方について、日本酒をワイングラスで楽しめるお店、東京・赤坂の「れくら」を取材しました。

 

酒のチカラを引き出す!「ワイングラス×日本酒」の奥深さ

素材からこだわった和の酒肴と、全国の蔵元から厳選した日本酒を味わえる「れくら」。ほのかな灯りと和素材が生み出す大人のムードたっぷりで、ゆっくりと上質な時間を過ごせるお店です。

↑地下におりる階段にかかった提灯が目印

 

↑カウンター席

 

日本酒×ワイングラスの魅力について教えてくれたのは、店主の渡邊新之(しんじ)さん。蔵元や銘柄はもちろん、含まれている成分など科学的なアプローチにも余念のない、まさに求道者です。

↑「れくら」店主の渡邊さん。着流しに襷(たすき)掛けのスタイルがサマになっています

 

「おちょこやコップで飲むよりも、日本酒が本来持っている複雑な香りが“ふわっ”と開きます」と語る渡邊さん。ワイングラスで飲む最大の理由は“香り”にあるとか。いまでこそワイングラスで日本酒を提供するお店は少なくありませんが、渡邊さんはその先駆け。

 

「従来の“もっきり”(枡+コップに日本酒を注ぐ方法)では、香りがぜんぜん楽しめない…」と思ったのが、ワイングラスで提供しようと思ったきっかけとのこと。渡邊さんはかつてモルトバー(主にモルトウィスキーを扱うバー)で働いたキャリアもあり、だからこそ“香りを楽しむ”海外のお酒のスタイルを採り入れる発想が生まれたのかもしれません。

↑おそろしいほどの日本酒ラヴァー。お酒について語りだすと止まりません

 

「れくら」では、ワイングラスの名門「リーデル」製の日本酒専用グラスを使用。脚つきのグラスと、脚のないものを使い分けています。そのポイントとなるのは“温度”。

 

「うちでは酒質によって、ふたつの冷蔵庫を使い分けて保管しています。低いほうは0℃、もうひとつは5~8℃くらいですね」(渡邊さん)

 

脚つきのグラスは、低温度帯で保管されたお酒用。味わいや香りが華やかで、冷酒でおいしいお酒が中心。脚の部分を持つことで、手の温度がお酒に伝わりにくく、冷たさをキープすることができます。

↑リーデルの「大吟醸」という日本酒専用グラス。冷たい状態が続く、脚つきタイプです

 

いっぽう脚のないグラスは、少し高めの温度帯用。グラスを通して手の温度が伝わりやすく、それによって味や香りが開き、おいしくなるのだとか。こちらは濃醇でどっしりとした、うまみの強いタイプが中心。

↑こちらもリーデルで、「オー・トゥー・ゴー」という脚のないグラス。温度の違いによる味の変化も楽しめます

 

ちなみに、リーデルのワイングラスは、ブドウ品種に合わせた多彩なラインナップがあります。この「大吟醸」グラスの形状は、ワインでいうとリースリング(白ワインのブドウ品種のひとつ)に近いとのこと。フルーティな香りやキリッとした酸味があって、輪郭がはっきりしているリースリングのワインは、日本酒に似ている部分があるのでしょう。

 

グラス別オススメの銘柄をチェック

これからの季節にオススメの銘柄を渡邊さんに紹介してもらいました。まずは脚つきグラス編。華やかでフルーティな吟醸香のあるお酒がよく合うそうです。

↑左から「若波 Type FY2 純米吟醸」「醸し人九平次 雄町 純米大吟醸」「伯楽星 純米吟醸」

 

「れくら」では、料理は季節の旬を反映したおまかせコース(3800円、ご飯物付き4500円)が基本。そのなかから、料理とお酒のペアリング例を紹介します。

↑「炙り秋刀魚と焼き茄子のサラダ仕立て」。焼き茄子に炙った秋刀魚をのせて生海苔のソースで供する一品

 

↑“究極の食中酒”といわれる「伯楽星」でキュッと流して

 

続いては、うまみの強いタイプが映える、脚なしグラス編。製法で分類すれば、生酛(きもと)や山廃(やまはい)などもこちらです。

↑左から「勝駒 純米」「松の司 生酛純米酒」

 

和食が季節の旬を大切にするように、日本酒も春夏秋冬で味わいが変わります。夏酒のシーズンが終わり、秋は「ひやおろし」がおいしい時期。「ひやおろし」は、冬に仕込んだ酒がひと夏を越すことにより程よく熟成され、酒質が落ち着き味わいもやわらか。飲みやすく、初心者の方にもオススメです。

↑「鱧の焼きびたし」。二度目の旬を迎える鱧(ハモ)を焼きびたしにして、ウニをちらした一品

 

↑焼いたハモの香ばしい風味と、ウニの濃厚さにぴたりと寄り添う「勝駒」のまろやかなうまみが好愛称

 

今回はグラス日本酒の話がメインでしたが、「れくら」ではほかにも、日本酒の楽しみ方をさまざまな角度から教えてくれます。たとえば最近人気のスパークリング日本酒はシャンパングラスで提供したり、店内のお酒はすべてお燗でのオーダーもできたり。お酒のポテンシャルを発揮するように提案してくれつつ、ゲストの好みに合わせた対応もOKです。

↑れくらにはカウンターのほか、テーブル席や個室タイプのシートもあります

 

もっと粋に楽しむなら「日本酒はワイングラスで」。本当においしくなるので、ぜひ実践してみてください。「れくら」は赤坂駅から近いので、サカスへのお出かけやお仕事の帰りにもぴったりですよ。

 

 

【SHOP DATA】

れくら

住所:東京都港区赤坂2-14-31 ウインド赤坂ビルB1

アクセス:東京メトロ千代田線「赤坂駅」2番出口徒歩0秒

営業時間:月~金11:30~14:00(L.O.13:30)/17:30~23:30(L.O.22:30)、土17:00~23:00(L.O.22:00)

定休日:日、祝、年末年始

新潟「八海山」の蔵元がビールの新ブランドを発表! 41才独身、絶景のビール醸造所で我を忘れる 

金曜の午後。高台の窓辺から、ビールを片手に夏の風景を見渡す至福の時間(とき)。成功者となった筆者のプライベート…だったらいいのですが、単なる取材のワンシーンです。ここは、新潟県南魚沼市にある「猿倉山(さるくらやま)ビール醸造所」。銘酒「八海山」(はっかいさん)の醸造元・八海醸造が新たにオープンする施設です。

 

銘酒「八海山」の製造元が運営する、新ビール醸造所の取材見学会へ!

清酒の「八海山」といえば、1980年代の地酒ブームで全国にその名を轟かせ、以降は「淡麗辛口」(※)の代表格として地酒ファンに愛されています。その蔵元・八海醸造は現在、塩麹や麹ぽん酢などの調味料をはじめ、日本酒を使った洋菓子、スキンケア製品など、酒造りから派生する製品を積極的に製造・販売。近年は「麹だけでつくったあまさけ」を大ヒットさせ、酒蔵としては異例の成長を続けている企業です。

※淡麗辛口…甘味と酸味が少なく、さっぱりしている日本酒の味を表す言葉

↑清酒「八海山」の特別本醸造

 

そしてこの夏、八海醸造は、自らプロデュースした観光施設「魚沼の里」において、新たに「猿倉山ビール醸造所」をオープンさせ、地ビールの新ブランドを発表するとのこと。筆者は5年間、居酒屋で働いていた際、「八海山泉ビール」を扱っていたこともあり、それがいったいどう変わるのかは興味深いところです。また、八海醸造の好調ぶりを支えるものとは何なのか、自分なりに肌で感じてみたい……そんな思いもあり、新ビール醸造所の取材見学会に参加すべく、一路、魚沼に飛ぶことに致しました。

 

建物の傾斜と斜面の勾配を合わせ、自然環境との一体感を表現

ビール醸造所のある「魚沼の里」は、上越新幹線の浦佐駅からタクシーで15分、在来線の六日町駅からタクシー10分の場所に位置しています。筆者は浦佐駅からプレス向けに用意されたバスに乗り、「魚沼の里」に到着。やっぱり空気が違いますね。あたりには夏草のニオイがただよい、どこからかカナカナカナ……とひぐらしの音が聞こえてきます。「下から見える醸造所を、ぜひ撮影してください。下からが一番キレイなんです!」と広報さんがおっしゃるので、右手に茂る豊かな杉林を見ながら、しばらくアスファルトの坂道を登ることに。

おお「猿倉山ビール醸造所」が見えてきましたね。深緑の山を背景に建つ三角形の建物…確かに、これは印象深いです。下から見上げると、まるで1枚の洋画のような収まりのいい景観……これは計算し尽くされた気配がぷんぷんします。

 

実際、建物を設計した鹿島建設の星野時彦さんに話を聞いたところ、建築と地形の調和を目指したそうで、「建物の傾斜を斜面の勾配に合わせてひとつの山のように見せ、自然環境がそのままデザインになったような一体感を表現したかった」と話してくれました。ちなみに、星野さんは冬の醸造所もお気に入りだそうで、「雪にすっぽり埋まり、雪と一体になった姿を見てほしい」とのことです。なんだか訪れるのは大変そうなイメージですが、みなさんも機会があれば、ぜひ。

↑星野さんがスマホで見せてくれた醸造所の冬の姿

 

こんなにゆったりした配置で大丈夫? 店内の開放感がありすぎて少々心配に

中に入ってみると、カウンターの奥、ガラス張りの向こうのスペースに銀色の巨大なタンクが並んでいる様子が飛びこんできて、ああ、私はビール醸造所に来たのだな……という実感が湧いてきます。一方、タンクの反対側には、高さ3mはありそうな大きな窓があり、抜群の採光とパノラマビューを両立。天井は極めて高く、冷暖房費が大変そう…とこちらが心配になるほど。

 

少々色ムラがあるコンクリートの床の上には木製の家具が点在し、明るい色の木目のカウンターと相まって、モダンで温かな雰囲気が感じられます。しかし……なんと贅沢な空間の使い方でしょう。各テーブルの間隔がおかしい(広すぎ)です。特に飲食店はシビアに客席の間隔を詰めて利益率を上げるといいますが、こんなにゆったりした配置で大丈夫なのでしょうか?

 

ビール製造20年目を迎え、従来の製造設備を「魚沼の里」に集約

やがて、スピーチのために八海醸造の南雲二郎社長がマイクを持って登場。洗いざらしのシャツに色あせたジーンズというラフな姿からは、従来の蔵元はもちろん、通常の社長のイメージとはほど遠く、「ほかと同じにはならないぞ」という同社の気概を表しているようです。

 

「ビールの醸造所を造ったのは、平成10年(98年)のこと。なぜビールを作ったかというと、日本酒メーカーには『ほかのアルコール飲料を作ってみたい』という思いがどこかにあるんですよ。それが、規制緩和で(年間最低醸造量)60KL以上造れば、ビールメーカーになれるということになった。『だったら作ろうじゃないか』ということで始めたんです。

 

そして今年、ちょうどビールを造り始めて20年目を迎え、醸造設備が老朽化していまして。そろそろ改修する時期に来ていましたし、このまま150KLほどしか造れない設備だけでやっていると、需要期に思う存分売ることができない。そこで、日本酒や焼酎、その他アルコール飲料を造っている『魚沼の里』にアルコール事業を集約しようと。訪れた方に楽しみながら感じてもらえるビールメーカーになろうじゃないか、ということで、今回この建物と設備を増設したわけでございます」

 

ゆったり過ごしてもらうことで「品質以上の品質」を感じてもらいたい

この醸造所の移転により、醸造量は約150KLから約300KLに増えたとのこと。ただし、醸造所を作ったのは、単なる増産のためだけではないと南雲社長は語ります。

 

「もちろん、外に売っていくことが本業になるわけですけれど、やはりお客さまに製造の現場に来ていただいて、商品の質を確かめてもらうのも重要。どうせ飲んでもらうなら、ゆったりと充実した時間を過ごしながら飲んでいただきたい。そのほうが、『品質以上の品質』を感じてもらえる可能性があるわけで」

さらに南雲社長は、この場所に醸造所を作ろうと思った理由を語りはじめました。

 

「実はここは元々、南魚沼市のヘリポートだったんですよ。平らに整地されていて、よく空いた時間にここから魚沼盆地を眺めていました。ここから西へ目をやると、魚沼盆地の六日町がほとんど見渡せるんです。そういう特徴のある場所で、我々が造ったビールをソファにゆったりと座って飲んでもらいたいと思って。ここを作るとき、上ってくるのも大変なのに、大丈夫ですか? などと言われましたが、何か特徴的なことをやるには犠牲がいる。都会の人が、毎日の生活から解放されて、豊かな気持ちになって楽しんで帰ってもらいたい。その思いで、この高台に醸造所を作りました」

 

なるほど、あれほど間隔を空けた席の配置は、客にゆったり過ごしてもらい、疲れた心を癒してほしい、という願いが表れたものだったのですね。もうひとつ、これだけの環境でビールを味わえば、いやおうなく美味しく感じるはず。さきほどの南雲社長の言葉を借りれば、「品質以上の品質」を感じるわけで、製品のイメージアップにつながることは間違いありません。

 

新ブランド「ライディーンビール」の3種類を実際に試飲

さて、続いて、ビールの新ブランドのお披露目です。新ブランドの名は「RYDEEN BEER(ライディーンビール)」。その名を聞いた瞬間、YMOの楽曲「ライディーン」の電子音が脳内で流れ始めましたが、もちろんそちらは無関係。ブランド名は仕込み水の水源「雷電様の清水」に由来しているとのこと。

ライディーンビールのラインナップは「ヴァイツェン」「アルト」「ピルスナー」「IPA」の4種類。すべて330mℓで460円(税抜)。今後は季節の商品もいくつか投入していくといいます。

 

取材見学会では、9月末発売予定の「ピルスナー」を除いた3種類のビールを実際に味わうことができました。まずは、下くちびるを上の歯でしっかりと噛み締めて発音したい「ヴァイツェン」から。ほのかな甘み、爽やかな微炭酸に小麦の香り……キレイでのどごしが良く、ひっかかりがまるでありません。乾杯酒には最高ですね。

↑キレイな黄金色の「ヴァイツェン」

 

こはく色が目を引く「アルト」は、ローストした麦芽を使用したビール。アタックで心地よい甘みを感じますが、ボディは意外にライト。するする飲めるので、こちらを1杯目に選んでもバッチリですね。わずかにコーヒーを思わせるようなコクと酸味、無ろ過ならではのまろやかさも感じられます。

↑ライディーンビールの「アルト」

 

もうひとつ、緑色のラベルの「IPA」は、「ライディーンビール」になって追加された新商品とのこと。「IPA」とは「インディア・ペールエール」の略で、18世紀末、イギリスからインドへどうしたら腐らせずに送れるか?……との課題をクリアすべく、アルコール度を高め、防腐効果のあるホップを大量に入れたのが始まりだといいます。そんな「IPA」は、目が覚めるようなインパクト。なんという強いアロマか。そして、なんと鮮烈で心地よい苦みであることか……!

↑強いインパクトを持つ「IPA」。ギョーザやエスニック料理など、クセの強いものにも合いそうです

 

これらのビールは、醸造所の中央にある「猿倉山ビールバー」で、できたてを生ビールで味わうことができます(1杯430mℓで600円)。その生ビールを筆者は「味を伝えるため」との使命感から(途中からはただ飲みたいから)、決して少なくない量のおかわりをさせて頂きました。試飲を通して感じたライディーンビールの印象は、非常にキレイな味わいだったということ。爽やかで軽快、清澄。まるで山の冷たい清水を手ですくって飲んでいるような……フレッシュで生命力のある味わいでした。

↑生ビールを注ぐ「猿倉山ビールバー」のスタッフ

 

↑醸造所の奥はガラス張りになっており、ビール製造場のタンクが見えるようになっています

 

リカーショップやベーカリーも併設し、「4大エンタメ」が同施設で完結する

「猿倉山ビールバー」では、地元の食材を取り入れた料理も用意しています。雪ひかりポークを使ったホットドッグ(600円)や、黒埼(くろさき)茶豆(490円)、ソーセージ盛り合わせ(1500円)など。また、同バーを運営する企業「ロストアンドファウンド」がジェラート店を展開していることもあり、地元で生産される八色(やいろ)すいかやプラムなど、季節のフルーツを使った使ったジェラート(420円~)も提供しています。

 

このほか、醸造所の中にはウイスキーやジンなどの蒸留酒を中心とした「リカーショップ猿倉山」や「さとやベーカリー」も併設。酒と食、景観とおみやげという観光の4大エンタメが、すべてこの醸造所で完結するというわけですね。

しかしこの醸造所、建物といい、空間プロデュースといい、ビールや料理を含め、オシャレなのに軽薄な印象がなく、ホンモノ感があります。それぞれの分野のプロがしっかり作りこんでいるな……といった印象。その道のプロを巻き込んで、上手に分業できる点も同社の強みなのでしょう。

↑左から猿倉山ビールバーの運営元「ロストアンドファウンド」の覺張(がくはり)雄介氏、さとやベーカリーの運営元「ブランドゥブラン」の佐藤浩一氏、八海醸造の南雲二郎社長、鹿島建設の星野時彦氏

 

到着から2時間あまり、日が陰り始めたころに「猿倉山ビール醸造所」の取材見学会は終了。いやあ、楽しかった。お酒を飲みながら、絶景を前にボーっとする……何と幸せな時間なのでしょう。日ごろカサカサに乾いていた心が、うるおいを取り戻していくのがわかります。すでに同醸造所は7月20日にオープンしているので、みなさんもぜひ、訪れてみては。ちなみに、ビールを飲むからクルマで来られないのは痛いよねぇ…という方のために。八海醸造では8月11~15日、18、19日、25、26日は六日町駅と浦佐駅から無料シャトルバスを運行するそうです。どうせなら猛暑を逆手に、冷たーいできたてビールを存分に楽しんでみてはいかがでしょう。

 

呑んで歩いてみつけた。超インドア女子が告げる「ゆるくも大きな決意」とは…!「ほろ酔い道草学概論」第五話

日本各地には、現地を訪れないとわからない魅力というものがございます。地酒もそんな魅力のひとつ。本連載は、お酒好きOLコンビが地酒に酔って道草を食いながら、土地に根付く不思議な魅力に触れていくショートストーリーです。

 

↑好奇心旺盛な秋川千穂(前)と、何かとパワフルで酒呑みな会社の先輩・正宗さん(奥)。「上諏訪街道 呑みあるき」では諏訪五蔵の美酒を堪能しつつ、酔いで開放的になった人々の様子に幸せを感じました

 

思い切って正宗を遠出に誘った千穂ですが、大勢の人で賑わう飲み歩きイベントで彼女とはぐれてしまうアクシデントに! 酔いも覚める緊急事態の最中、千穂の心にはある思いが…。

 

前のお話はこちら/連載一覧はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今回の一献】

信州舞姫 純米吟醸生酒/舞姫(舞姫酒造)

 

 

他の諏訪五蔵と同じく、霧ヶ峰の伏流水を使用した生酒。お米は、長野県で酒造りに広く使われる酒造好適米のひとつ「美山錦」を使用しています。スッキリと軽快な味わいを追求し、華やかな香りとフルーティーな味わいも兼ね備えた生酒です。実売価格は637円。

 

 

純米吟醸 麗人/麗人(麗人酒造)

 

 

長野県産の酒造好適米だけで醸した、麗人自慢の純米吟醸酒。生酒特有の香りや味わいを色濃く残しており、フルーティーな香りと爽やかながらお米由来の旨みと甘みが同時に楽しめます。常温、もしくは冷やでの飲み方がおすすめ。実売価格は572円/1728円/3240円(300ml/720ml/1800ml)。

 

舞姫、麗人ともに前回ご紹介した「呑みあるき」で楽しめる諏訪五蔵に名を連ねる蔵元。リニューアルされる「秋の呑みあるき」で、是非その味を試してみて頂きたいです!

 

諏訪湖間欠泉センターについて

前回の「上諏訪街道 呑みあるき」が行われている諏訪街道からは駅の反対側になりますが、諏訪湖もぜひ訪れてほしいスポットです。のどかな住宅街を抜けて広がる湖の眺望はもちろん、間欠泉センターなど地域ならではの楽しみがあります。

 

残念ながら2人は間欠泉を見れませんでしたが、諏訪湖の間欠泉は、昭和58年に噴出した当時は高さ50メートルという世界2位までの高さも誇った立派な間欠泉なのです(現在の噴出高は5メートルほど)!

 

時は経ち、次第に間欠泉の自噴間隔が長引くようになり、やがて自噴が止まってしまいましたが、現在はコンプレッサーで圧縮空気を送り、上部の冷えた温泉を取り除くことで、人工的に間欠泉を噴出させています規定の時間内であれば、噴出される間欠泉を観れますのでお越しの際はぜひ!

 

諏訪湖間欠泉センター

■営業日:年中無休

■営業時間:9時~18時/9時~17時(4月~9月/10月~3月)

■入館料:無料(団体での利用時は、要事前連絡)

■交通:JR中央線上諏訪駅より徒歩13分、中央道諏訪ICより車で18分

■間欠泉噴出時間:9時30分、11時、12時30分、14時、15時30分、17時(17時の噴出は4月~9月のみ)

■電話番号:0266-52-8282

 

 

あと忘れてはいけないのが、諏訪湖間欠泉センター名物の温泉卵づくり! 千穂が手製のものを「偽者」と言うほどの味…気になりますよね? 温泉卵づくりは、9月30日までは17時の間欠泉噴出後、17時30分まで体験可能。10月1日からはセンターが17時閉館となるため、16時30分まで体験できます。

 

初めてのお泊り旅を経験した千穂と正宗。ちょっとだけ心境の変化があったのかなかったのかはわかりませんが、次回からさらに二人の道草学は発展していきそうです!

 

連載一覧はこちら

 

(参考文献)

●日本の湖沼と渓谷 6(長野:諏訪湖・上高地とアルプス渓谷)/発行:ぎょうせい

●諏訪市の文化財/著:諏訪市文化財専門審議会 発行:諏訪市教育委員会

●信州地名の由来を歩く/著:谷川彰英 発行:ベストセラーズ

 

(取材協力)

諏訪市経済部観光課

飲み歩きの概念が変わる!? 諏訪の日本酒イベントでOLが楽しみすぎた結果…「ほろ酔い道草学概論」第四話

日本各地には、現地を訪れないとわからない魅力というものがある。地酒もそんな魅力のひとつ。本連載は、お酒好きOLコンビが日本各地で道草を食いながら、その土地ならではの美酒に酔うショートストーリーです。

 

↑好奇心旺盛な秋川千穂(左)と、何かとパワフルで酒呑みな会社の先輩・正宗さん

 

前のお話はこちら/連載一覧はこちら

 

「引きこもりだけど好奇心旺盛」という、なんともややこしい気質の主人公・千穂ですが、今回は冒頭から思いがけない行動に出ていますよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気になる続きは、8月3日(金)公開予定!!

 

【今回の一献】

 

銀撰真澄/真澄(宮坂醸造)

 

 

1600年代から続く伝統ある蔵元「真澄」。その名声を築き上げたロングセラーな一本です。杜氏が「ザ・真澄」と言い切るほどに信州では定番の日常酒となっています。香り穏やかでのどごしはスッキリとしているため、日本酒に慣れていない方でもおいしく飲めるはず。イベントでは樽酒として出され、特別な風味と香りが加えられた一献が楽しめます。

 

「上諏訪街道呑みあるき」イベントについて

 

↑「上諏訪街道 呑みあるき」イベントの様子

 

千穂と正宗さんが参加したのは、この春に行われた「春の呑みあるき」。作中でも描かれているように、長野県周辺だけでなく都内近郊からも多くの人が集まり、飲み歩きを自由に楽しむ光景が広がります。

 

宮坂醸造までの甲州街道沿いで「呑みあるき」は行われています。

 

同イベントは「秋の呑みあるき」と題し、10月6日・7日の2日間にわたって開催を予定! 次回は今までとは仕組みを変更されるとのこと。主な変更点はからご確認ください。

 

「秋の呑みあるき」イベント仕組み変更についてのお知らせ

 

秋の空気や味わいを楽しみながら、五蔵の魅力たっぷりなお酒で酔い歩く…。本編でも描かれていた、そんな特別な多幸感にあふれる時にぜひ触れてみてください。

 

(イベント主催/問い合わせ)

企画:上諏訪街道21

主催:呑みあるき実行委員会

共催:長野日報社

問い合わせ先:kikaku@masumi.co.jp

 

連載一覧はこちら

これで無料? 行かない理由が見当たらない…! 吟醸酒と調理家電レシピの「完璧なペアリング」体験会を二子玉川 蔦屋家電で開催

調理家電と日本酒が大好きなGetNavi webの読者に、ぜひお伝えしたい! 8月4日(土)、二子玉川 蔦屋家電2階のダイニングにて、「菊水酒造『無冠帝』×麻布十番『赤星とくまがい』 吟醸酒と調理家電レシピの『完璧なペアリング』体験会」が開催されます。

 

菊水の吟醸酒「無冠帝」と、調理家電で作る「完璧な相性」の3品が楽しめる

こちらは新潟県・新発田市の「菊水酒造」と、東京・麻布十番の創作料理店「赤星とくまがい」のコラボイベントです。菊水酒造といえば、缶入りの「ふなぐち菊水一番しぼり」や「菊水の辛口」でおなじみの新潟の蔵元で、発売35周年を迎えた吟醸酒「無冠帝」をリニューアルしたことで話題。一方、赤星とくまがいといえば、ニューヨークで日本酒と料理の「ペアリング」を提案してきた店主がオープンしたお店で、いまや予約が取れない人気店となっています。先述の「ペアリング」とは、「この一皿にはこの一杯!」といった具合に、料理とお酒が互いに極限まで高めあう組み合わせのこと。いわば、唯一無二のマッチングであり、「マリアージュ」よりも強い意味で使われます。

↑菊水の吟醸酒「無冠帝」

 

↑赤星とくまがいのオーナー赤星慶太さん

 

今回のイベントは、「無冠帝」とともに、完璧なペアリングを実現した3品の料理を、解説つきで楽しんでいただくというのがその内容。しかも、3品の調理には蔦屋家電でも買えるパナソニックの最新調理家電を使用しているので、調理家電の購入の検討にも活用頂けます。さらに、予約された参加者にはもれなく「無冠帝」のボトルに加え、気鋭のプロダクトデザイナーがデザインを手掛けた話題のブランド「双円」の酒器をプレゼント致します。

 

蔦屋家電のオシャレなスペースのなかで、日本酒と調理家電、ペアリングが楽しく学べたうえ、豪華なプレゼント付き。しかも無料……。これでは参加しない理由が見当たりませんね。なお、試飲&試食会は13時~および15時~の全2回で、各回25名限定です。下記サイトの応募フォームからぜひご応募を。予約できなかった方も、14:00~および16:00~、どなたでも参加できる「無冠帝」の試飲会も実施致します(プレゼントはございません)。ぜひご参加ください!

応募フォームはコチラ

↑イベント会場となる蔦屋家電のダイニング

 

「世界一の日本酒」が決まったので、覚えて帰って! 「SAKE COMPETITION 2018」結果速報

「SAKE COMPETITION(サケコンペティション) 」は、市販酒を対象とした世界最大規模の日本酒コンペ。2012年からスタートし、今年で7回目。日本酒の総出品数は約455蔵から1772点を数え、 前回の記録1730点を更新。事実上の「世界一の日本酒」を決める大会となっています。審査される部門は、純米大吟醸部門、純米吟醸部門、純米酒部門、吟醸部門、Super Premium部門(※)、発泡清酒部門、ラベルデザイン部門に、新設された「海外出品酒部門」を加えた合計8部門。

※720mlで税抜1万円以上、1800mlで税抜1万5000円以上のもの

出品酒は、ラベルを隠した完全なブラインドで審査されるのが特徴。技術指導者、有識者、蔵元のなかから選抜された審査員(予審の審査員は37名、決審の審査員は41名、発泡清酒部門の審査員は15名)の採点を集計したものが結果となります。つまり、結果を見れば「プロ中のプロ、数十名が選んだ『絶対に外れのないお酒』がわかる」というわけです。6月11日(月)、その結果がザ・ペニンシュラ東京で行われた表彰式で発表されました。以下で一気に見ていきましょう。

↑審査の様子。出品酒はすべて銀色のフィルムが張られ、銘柄がわからないようになっています

 

福島・寫楽の地元銘柄がサプライズでトップに!

【純米酒部門】

GOLD 10点/SILVER 36点/予審通過 166点/部門出品数 456点

↑1位を受賞した宮泉銘醸の社長、宮森義弘さん

 

1位 福島県会津若松市 宮泉銘醸株式会社
會津宮泉(アイヅミヤイズミ) 純米酒

2位 宮城県大崎市 株式会社新澤醸造店
あたごのまつ 特別純米 冷卸(ヒヤオロシ)

3位 宮城県白石市 蔵王酒造株式会社
蔵王 K(ザオウ ケー) 純米酒

4位 栃木県さくら市 株式会社せんきん
クラシック仙禽 無垢(センキン ムク)

5位 福島県会津若松市 宮泉銘醸株式会社
寫楽(シャラク) 純米酒

6位 京都府京都市 松本酒造株式会社
澤屋(サワヤ)まつもと 守破離 山田錦(シュハリ  ヤマダニシキ)

7位 山口県萩市 株式会社澄川酒造場
東洋美人 特別純米(トウヨウビジン)

8位 滋賀県甲賀市 笑四季酒造株式会社
笑四季(エミシキ) センセーション 白ラベル

9位 福島県河沼郡 合資会社廣木酒造本店

飛露喜(ヒロキ) 純米

10位 広島県呉市 宝剣酒造株式会社
宝剣(ホウケン) 純米酒

 

三重・作の強さが目立ち、山口・東洋美人の健闘も光る

【純米吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 44点/予審通過 178点/部門出品数 534点

1位 三重県鈴鹿市 清水清三郎商店株式会社
作 恵乃智(ザク メグミノトモ)

2位 山口県萩市 株式会社澄川酒造場
東洋美人(トウヨウビジン) 純米吟醸 一歩(イッポ) 山田錦

3位 山口県萩市 株式会社澄川酒造場
東洋美人(トウヨウビジン) 純米吟醸 50

4位 福島県会津若松市 名倉山酒造株式会社
善き哉(ヨキカナ)

5位 栃木県宇都宮市 株式会社虎屋本店
七水 55(シチスイ ゴーゴー)

6位 高知県香美郡 株式会社アリサワ
文佳人 吟の夢(ブンカジン ギンノユメ) 純米吟醸

7位 岩手県盛岡市 赤武酒造株式会社
AKABU(アカブ) 純米吟醸 愛山(アイヤマ)

8位 三重県鈴鹿市 清水清三郎商店株式会社
作 雅乃智 雄町(ザク ミヤビノトモ オマチ)

9位 山形県鶴岡市 冨士酒造株式会社
栄光冨士(エイコウフジ) 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯(ナマチョ)

10位 岩手県盛岡市 赤武酒造株式会社
AKABU(アカブ) 純米吟醸 雄町(オマチ)

 

岩手を代表する地酒が貫禄を見せ、ここでも作の2本がランクイン

【純米大吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 35点/予審通過 156点/部門出品数 445点

1位 岩手県二戸市 株式会社南部美人
南部美人(ナンブビジン) 純米大吟醸

2位 茨城県石岡市 合資会社廣瀬商店
SEN(セン)
3位 三重県鈴鹿市 清水清三郎商店株式会社
作 雅乃智 中取り(ザク ミヤビノトモ ナカドリ)

4位 三重県鈴鹿市 清水清三郎商店株式会社
作 朝日米(ザク アサヒマイ)

5位 岩手県盛岡市 赤武酒造株式会社
AKABU(アカブ) 純米大吟醸 極上ノ斬(ゴクジョウノキレ)

6位 群馬県前橋市 株式会社町田酒造店
町田酒造35 プレミアム 純米大吟醸

7位 茨城県石岡市 府中誉株式会社
渡舟(ワタリブネ) 純米大吟醸 斗壜取り(トビンドリ)

8位 栃木県小山市 小林酒造株式会社
鳳凰美田 赤判(ホウオウビデン アカバン)

9位 茨城県結城市 結城酒造株式会社
結ゆい(ムスビユイ) 純米大吟醸 雫酒(シズクザケ)

10位 愛媛県西条市 石鎚酒造株式会社
石鎚(イシヅチ) 純米大吟醸

 

昨年より出品を始めた岡山の新星、極聖が1位に
【吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 10点/予審通過 69点/部門出品数 198点

1位 岡山県岡山市 宮下酒造株式会社
極聖(キワミヒジリ) 大吟醸

2位 兵庫県神戸市 株式会社神戸酒心館
福寿 超特撰(フクジュ チョウトクセン) 大吟醸

3位 栃木県芳賀郡 株式会社外池酒造店
燦爛(サンラン) 大吟醸 雫酒(シズクザケ)

4位 山口県萩市 株式会社澄川酒造場
東洋美人(トウヨウビジン) 大吟醸 山田錦 中取り

5位 京都府京都市 月桂冠株式会社
伝匠月桂冠 大吟醸(デンショ ゲッケイカン)

6位 福島県岩瀬郡 松崎酒造店
廣戸川(ヒロトガワ) 大吟醸

7位 栃木県芳賀市 株式会社外池酒造店
燦爛(サンラン) 大吟醸

8位 宮城県加美郡 株式会社山和酒造店
わしが國(クニ) 大吟醸 雫搾り斗瓶取り(シズクシボリ トビンドリ)

9位 群馬県前橋市 株式会社町田酒造店
町田酒造35 MAX(マックス) 大吟醸

10位 愛媛県西条市 石鎚酒造株式会社
石鎚 真精(シンセイ)大吟醸 袋吊り雫酒(フクロツリ シズクサケ)

 

栃木の「変わった蔵」が高級酒部門で栄冠を掴む

【SUPER PREMIUM部門】

GOLD 3点/SILVER 2点/部門出品数 48点

1位 栃木県さくら市 株式会社せんきん
醸(カモス)

2位 兵庫県神戸市 白鶴酒造株式会社
白鶴 超特撰 天空(ハクツル チョウトクセン テンクウ) 純米大吟醸 白鶴錦(ハクツルニシキ)

3位 秋田県潟上市 小玉醸造株式会社
太平山(タイヘイザン) 純米大吟醸 天巧(テンコウ) 20

 

南部美人が昨年に続いて2年連続で受賞

【スパークリング部門】

GOLD 3点/SILVER 5点/部門出品数 74点

1位 岩手県二戸市 株式会社南部美人
南部美人 (ナンブビジン)あわさけスパークリング

2位 広島県廿日市市 中国醸造株式会社
一代 弥山(イチダイ ミセン) スパークリング

3位 大分県玖珠郡 八鹿酒造株式会社
八鹿(ヤツシカ) スパークリング Niji

 

【総評】

実力のある蔵元の地元銘柄に注目

2014年大会では、「寫樂(しゃらく)」で純米酒部門、純米吟醸部門の1位を獲得し、一躍スターとなった宮泉銘醸。2016年、2017年と10位入賞を逃していましたが、今年は純米部門で1位に返り咲き。しかも、「寫樂」ではなく、やや辛口に仕上げたという地元銘柄「會津宮泉(あいづみやいずみ)」での受賞となり、会場の大きなどよめきを呼びました。なお、吟醸部門3位、7位に入賞した外池酒造店も、首都圏向けの銘柄「望bo:」ではなく、地元銘柄の「燦爛(さんらん)」での入賞です。つまり、実力のある蔵元であれば、どれを飲んでも旨いことを示しており、これをきっかけに実力蔵の地元銘柄に光が当たることになるかもしれません。

 

安定感を見せたのが三重県の作と岩手の南部美人

安定感を見せたのは、三重の「作(ざく)」と岩手の「南部美人」。作は昨年、純米の1位、2位の獲得をはじめ、純米吟醸で4位と8位を受賞し、大きな話題となりました。今年も純米吟醸の1位と8位、純米大吟醸の3位と4位に入るなど、抜群の安定感。すでに入手困難になりつつある銘柄ですが、今回の受賞でその流れに拍車がかかりそうです。

↑「作」の蔵元の清水慎一郎さん(左)と内山智広杜氏(右) ※写真は昨年のもの

 

極聖とAKABUが知名度を上げていく予感

注目の銘柄は、吟醸部門1位の極聖(きわみひじり)。2017年から本コンペに出品を始めたという新参ながら、2017年はSUPER PREMIUM 部門で2位、吟醸部門で8位に入っており、今回は2年目にして吟醸部門のトップに輝くことになりました。受賞した3作は大吟醸あるいは純米大吟醸で、今後も高級酒の名手として注目されていくことでしょう。

 

さらに、蔵の実力が問われる純米吟醸部門で、複数受賞した銘柄も注目です。ひとつは、純米部門7位、純米吟醸2位、3位、吟醸部門で4位に輝いた東洋美人。もうひとつは、純米吟醸で7位、10位、純米大吟醸で5位に入ったAKABU(アカブ)です。東洋美人は、地酒ファンの間では押しも押されぬ人気銘柄である一方、AKABUは、20代半ばの杜氏、古舘龍之介さんを筆頭に、若手が中心となって醸す蔵。都内飲食店でも見かけることが多くなっていましたが、今回の複数入賞により、今後、さらに知名度が上がるのは間違いありません。

↑AKABUの純米吟醸

 

SUPER PREMIUM部門の株式会社せんきんは、他のお酒とはひと味違う、甘酸っぱい濃厚な酸味が特徴の「仙禽(せんきん)」の銘柄で、地酒ファンにはよく知られた蔵元。今回受賞した「醸」は、山田錦、亀ノ尾、雄町という3種類の酒米を贅沢に磨いて使用したといい、どんな味かまったく想像できないのが興味深いところ。

 

品質競走が激化し、有名銘柄がしのぎを削る時代に

今回の「SAKE COMPETITION 2018」を総じてみると、実力のある蔵元がしっかり受賞したといった印象。「十四代」「磯自慢」「獺祭」「開運」といった有名銘柄のGOLD入賞はありませんでしたが、次点にあたるSILVER部門にはこれらの銘柄がひしめいていて、いかに近年の日本酒レベルが向上したのかがよくわかる結果となっています。さらに、SUPER PREMIUM部門2位の「白鶴」、吟醸部門5位の「月桂冠」が入賞するなど、資本を生かした灘・伏見の銘柄も加わり、さらに品質競走が激化してきた印象。ユーザーとしては選択肢が増えてうれしい限りです。なにはともあれ、プロがお墨付きを与えた銘柄の数々、みなさんもいち早く楽しんでみてください!

その他の部門

【海外出品酒部門】

GOLD 1点/SILVER 2点/部門出品数 17点
1位 アメリカ Arizona Sake LLC
Junmai Ginjo Nama

SILVER カナダ Ontario Spring Water Sake Company
Izumi Namanama

SILVER カナダ Ontario Spring Water Sake Company
Izumi Shiboritate

 

【ラベルデザイン部門】

GOLD 10点/SILVER 6点/部門出品数 152点

1位 兵庫県加西市 富久錦株式会社
新緑の播磨路(シンリョクノハリマジ)

2位 山口県阿武町阿武町 阿武の鶴酒造合資会社
純米吟醸酒 名聲希四海(メイセイキシカイ)

3位 佐賀県伊万里市 古伊万里酒造有限会社
monochrome+(モノクローム プラス)

4位 福岡県三井郡 株式会社みいの寿
三井の寿(ミイノコトブキ) 純米大吟醸 三井神力(ミイシンリキ)

5位 愛知県常滑市 澤田酒造株式会社
白老 自然栽培米 純米酒(ハクロウ シゼンサイバイマイ ジュンマイシュ)

6位 新潟県長岡市 越銘醸株式会社
山城屋(ヤマシロヤ)

7位 山口県阿武町 阿武の鶴酒造合資会社
阿武の鶴(アブノツル) 点と線(テントセン)

8位 茨城県石岡市  府中誉株式会社
太平海 純米吟醸 雄町 1314(タイヘイカイ ジュンマイギンジョウ オマチ イチサンイチヨン)

9位 福島県東白川郡 株式会社矢澤酒造
純米大吟醸 白孔雀(ジュンマイダイギンジョウ シロクジャク)

10位 新潟県新潟市 峰乃白梅酒造株式会社
峰乃白梅 KING OF MODERN LIGHT純米吟醸 無濾過生原酒(ミネノハクバイ キング オブ モダン ライトジュンマイギンジョウ ムロカナマゲンシュ)

 

「日本酒の流れ」が変わった!? 世界一を決める「SAKE COMPETITION 2018」で審査員に見えてきたこと

今年も、事実上の世界一の日本酒を決めるコンペティション「SAKE COMPETITION(サケコンペティション) 2018」が開催されます。本コンペは一般の消費者がお店で手に取れる「市販酒」のトップを決めるために、2012年からスタート。審査は全国の日本酒の技術指導にあたる方や、推薦された蔵元など、プロ中のプロがブラインドできき酒を行って決めるため、銘柄の知名度は一切関係なし。ひたすら味わいのみが審査対象という、このうえなくフェアなコンペです。

↑昨年の「SAKE COMPETITION 2017」表彰式

 

同コンペは年々参加する蔵も増えてきたうえ、受賞によりスターダムに駆け上がった銘柄が誕生し、部門で1位に輝いた銘柄はいち早く品切れとなるなど、市場に与える影響も大きくなってきました。今回は、そんな「SAKE COMPETITION 2018」の審査の第一段階となる予審会が5月16日に行われましたので、その様子をレポートしていきます。

 

「真剣勝負」の緊張感が漂う審査会場

↑予審会の様子

 

今回の出品数は、455蔵総出品数1772点で、過去最多の出品数を記録しました。審査される部門は、これまでの純米大吟醸部門、純米吟醸部門、純米酒部門、吟醸部門、Super Premium部門(720mlで税抜1万円以上、1800mlで税抜1万5000円以上)、ラベルデザイン部門の7部門に加え、新設された「海外出品酒部門」を合わせた合計8部門。5月16日の予審で決審へ進むお酒を絞り込み、5月18日の決審で最終的な順位を決めます。なお、予審の審査員は37名、決審の審査員は41名(発泡清酒部門の審査員は15名)。各審査員がそれぞれのお酒に1(最高点)~5(最低点)点の間で点数をつけ、それを集計したものが結果となります。

 

今回取材した予審会の会場は、体育館ほどの広さ。中には長テーブルが等間隔で置かれ、その上には4合瓶サイズの酒瓶がズラリ。酒瓶はすべて銀色のフィルムで覆われており、酒銘は一切確認できないので、必然的にブラインドの審査となります。全国から集められた審査員は、チェックシートを片手に一定のリズムで粛々と出品酒をきき(※)、テーブルからテーブルへと移動しながら、点数をつけていきます。審査員同士の私語は一切なく、声を立てることすらはばかられるような緊張感が漂っていました。

※酒をきく(唎く)……お酒の品質を判定すること

↑すべての酒瓶は銀色のフィルムで覆われ、酒銘が隠されています

 

会場には「海外出品酒部門」に参加したカナダの蔵元も

さて、そんななかでキャッチしたのが、「海外出品酒部門」に出品する蔵元の一人。カナダ・トロントで「泉(IZUMI)」という銘柄を手がける、「Ontario Spring Water Sake Company」の蔵元、Ken Valvur さんです。

↑Ken Valvur さん

 

Kenさんの「Ontario Spring Water Sake Company」は北米東部の最初の醸造所。オンタリオ州のおいしい湧き水を仕込み水に使用し、「真澄」で知られる宮坂醸造(長野県)などのアドバイスを受けながら、2011年に醸造をスタート。現在は、トロントの高級レストランで提供されています。ご本人にお話を聞いてみると、目指している味わいは、「甘味と酸味のバランスのよさ」とのこと。「私たちのお酒は、カナダ人にとって親しみやすい白ワインのような、フルーティで甘みを感じる酒質を狙っています。かなり受け入れられるようになってきたので、現在少しずつドライなタイプも増やしているところです」と、カナダならではのアプローチを話してくれました。果たして海外で醸されたお酒は日本の審査員の目にどう映るのか、Kenさんの蔵の成績とともに「海外出品酒部門」の結果に注目していきたいところです。

審査員が評価される大会でもある

↑廣木健司さん(写真は昨年のもの)。今年の「飛露喜 特別純米」にはドライでシャープな印象をプラスしたいと話してくれました

 

先に述べたように、確かなきき酒の力を持つ日本酒業界の精鋭たちが審査員を務める本コンペ。予審会では、スター銘柄「飛露喜(ひろき)」を醸す、廣木健司(ひろき・けんじ)さんに少しだけお話を聞くことができました。廣木さんは本コンペについて「今後の日本酒の潮流を作る、日本酒の未来が見える、それだけ大きな大会。審査員の質もしっかり担保されており、その意味では、審査員も評価されているコンペともいえます」と話してくれました。

 

第1回から審査員を努める広島「宝剣」の土井鉄也氏にインタビュー

↑土井鉄也さん

 

そんなプロ中のプロのみが参加を許される審査員のなかで、第1回大会から名を連ねているのが、「呉(くれ)のドイテツ」こと宝剣酒造の蔵元、土井鉄也(どい・てつや)さんです。広島は呉市の銘酒「宝剣」(ほうけん)といえば、広島産の酒米、八反錦(はったんにしき)を使った、やわらかくキレのあるお酒で有名。土井さん自身は、かつて伝説の不良として知られ、家業を継いだのちに20代の若さで「全国きき酒選手権大会」で全国優勝を果たすという濃い目のキャラクター。そんな土井さんにとって、「SAKE COMPETITION」とはどのようなものなのか、お話をうかがいました。

 

「きき酒は舌だけで行うと思われがちですが、実は頭もものすごく使います。1(最高点)~5(最低点)点の間で点数つけていきますが、ひとつひとつのジャッジをきちんと記憶して、自分の中の審査の基準がブレないように心がけています。何百種類もきいていると、例え0.1ずつずれていったとしても、終わる頃には大幅に基準がずれてしまう。ですから、即座に判断することも大事ですが、引っかかったら、面倒くさがらずもう一度きくのも重要。そうやって、細かく修正しながらきいています。ひょっとしたら、私のジャッジで造り手の人生が変わるかもしれないですから。そこを意識して、『自分の酒以上に真剣にきかねば』という気持ちで取り組んでいます」(土井さん)

 

「エレガントで派手さのあるお酒」から「キレイな甘さを感じるお酒」へ

↑Super Premium部門に出品されていた「宝剣」の純米大吟醸。つまり、土井さんは審査する側であり、審査される側でもあるわけです

 

――審査員としても参加している土井さんにとって、このコンペはどのような意義があるのでしょう?

 

「審査員として参加すると、世の中のお酒の流れというのが手に取るようにわかる。2、3年までは、甘さが引き立ち、エレガントで派手さのあるお酒が多かった印象。でも、いまは香りも控えめになり、甘みも抑え気味で、キレイな甘さを感じるようになりました。一方、蔵元という立場から見たら、いかに世の中の流れに流されず、自分のお酒を貫くことができるか、ここ数年、すごく考えさせられました。もちろん、酒造りの筋は決めていますが、時代の流れも気にしないとダメ。そのうえで、いまは自分が好きな食中酒を貫いている自負がありますね。このコンペに参加することで、自分自身の酒造りを振り返る、いい機会をもらっている気がします」(土井さん)

 

「酒本来の香り」か「あってはならない香り」かを見極めるのが重要

――では、審査の際に心がけていることはありますか?

 

「審査員も人間なので、好みというものがあります。僕の場合、基準を3点に決めて、少しクセのある酒を4点にしています。重要なのは、そのクセが、『酒が持つ本来の香り』なのか、それとも酒造りの道具によってついた、『あってはならない香り』なのかを見極めます。例えば、粕の香りだったら、4点でよしとする。明らかに道具由来の香りは5点。味わい全体の話でいえば、バランスを重視していますね」(土井さん)

――さきほど、お酒の「甘味」についてのお話が出ましたが、最近のお酒の傾向として、「酸」もキーワードのひとつになっているように思います。土井さんは、日本酒の酸についてはどのように評価されていますか?

 

「そこも全体のバランスだと思います。酸が浮く…つまり、芯が細く、酸のみが際立ったらダメですが、甘味がきちんとあって、調和が取れていればOKだと思っています。一方、自分自身の酒(宝剣)は辛口で、ほどよい甘さを感じる味。自分は食べるのも飲むのも好きなので、長く飲める酒がいい。家では自分の酒だけを飲んで、常にどういう状態か確認しています。その代わり、外ではよそのお酒を飲んで勉強させてもらっていますね」(土井さん)

 

「もう一杯」と飲みたくなる酒をブレずに造っていく

――いま、酒造りがひと段落したところで、少し気が早いかもしれませんが、次のお酒造りに向けて考えていることはありますか?

「この5年、継続的に設備投資をしてきて、昨年は甑(こしき・米の蒸し器のこと)を新調しました。皆さんの家でも炊飯器を変えたら、ごはんの味って変わりますよね。酒造りにとっても、甑を変えると酒米の蒸し上がりが変わるため、非常に重要です。昨シーズンは新しくしてから7か月使用しましたが、微妙な操作で蒸気の出し方も変わりますし、その期間だけでは甑の特徴を見極めるのは無理。仕込みが終わったいま、やっと状態が見極められるようになりました。だからこそ、来年はいっそういい酒が造れると思います。特に、お客様がお代わりをしてくださるようなお酒が造れたらいいですね。『もう一杯』と飲みたくなるような酒を、これからもブレずに造っていきます」(土井さん)

 

「僕のお酒はあまり派手な酒じゃないから」と、控えめに語る土井さん。いえいえ、その実直な味わいは、「呉のドイテツここにあり」と確かな存在感で、飲み手を魅了しています。さて、そんな土井さんが「造り手の人生を変えるかもしれない」「真剣勝負で取り組んだ」と語る「SAKE COMPETITION 2018」。審査の結果やいかに? 運命の結果発表は6月11日(月)。果たして、栄冠はどの蔵に輝き、どのような日本酒のトレンドが生まれるのか。固唾を飲んで見守りましょう!

若き蔵人を改心させた日本酒作りの歴史に、酒好きOLじんわり感動。「ほろ酔い道草学概論」第三話

日本各地には、現地を訪れないとわからない魅力というものがございます。地酒もそんな魅力のひとつ。本連載は、お酒好きOLコンビが地酒に酔って道草を食いながら、土地に根付く不思議な魅力に触れていくショートストーリーです。

 

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自然あふれる東北から上京してきた千穂は、東京に住みながらもその土地に興味を抱いてきたようです。しかし、なかなか彼女の好奇心は満たされないようで…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【今回の一献】

屋守(おくのかみ)

 

 

豊島屋酒造を守り続けていく強い気持ちと、日本酒を通じて関わる人たちの役に立ち繁栄を守るような作品を醸し続ける思いから銘名。限りなく手作業重視の小仕込を行い、「香りよく優しい味わい」をコンセプトに醸し、全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っており、その深い味わいは手間隙をかけてこそのものと言えるでしょう。

 

こぼれ話ですが、屋守(おくのかみ)がヤモリと呼ばれるようになった発端について、豊島屋酒造さんから伺いました。もともと屋守をストレ-トに読まれる事が多かったそう。その後、少しではあるもののどちらからの読みでも東京の日本酒だと認識されていったことから、ヤモリ絵をご友人に描いてもらい立派なアイコンとしたそうです。

 

このお話、豊島屋酒造の酒蔵見学に行けば実際の土蔵を見ながら聞けちゃうかも。お酒作りに精魂を込めて励んでいる職人さんたちの想いや、また酒蔵に集う人々の熱気を体感するのにも見学は大変おすすめです!

 

(取り扱い酒蔵)

豊島屋酒造

●住所:東京都東村山市久米川町3-14-10

●電話番号:042-391-0601

 

 

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やっぱり、日本酒は面白い! 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で出合った「驚きのお酒」5選

いまや和食以外の料理店でもペアリングを推奨され、海外への輸出も盛んな日本酒。ゆえに、日本伝統の酒器ではなく、ワイングラスに注がれるケースも少なくありません。そんな観点から開催されているのが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」。8回目となる今回は、263蔵から過去最高の901点が出品され、最高金賞46点、金賞236点が選考されました。今回は同アワード2018の入賞酒お披露目会に参加し、その様子をレポートしていきます。

会場には、アワードで金賞・最高金賞を受賞した84の蔵元の日本酒がズラリ。ワイングラスで飲むということから、受賞酒には洗練されたテイストのものが多いというイメージを抱いていましたが、フルーティなタイプから旨みの豊かなどっしり系など、実に多種多様な銘柄が揃っていました。以下では、印象に残った5つの酒造とその銘酒を、造り手のインタビューとともに紹介します!

↑会場となった虎ノ門ヒルズのホールには、多数の日本酒ファンが来場。注目度の高さがうかがえました

 

注目の日本酒その1

アメリカの超高級レストランからのオファーもある希少な純米大吟醸「蔵光」

↑「蔵光」 菊水酒造株式会社(新潟県) 1万800円/750ml

 

大吟醸部門で最高金賞に輝いたのは、285の出品数のなかでわずか15点。なかでも、特にレアだといえるのが、菊水酒造の純米大吟醸「蔵光(くらみつ)」。ふくよかなボディに華やかさが際立つ贅沢な味わいです。数量限定の希少なお酒で、目立った宣伝活動をしていないにもかかわらず、クチコミで支持が広がっているとのこと。聞けば、生産の半分は輸出していて、アメリカの超高級レストランからのオファーも多く、「アメリカでこういうお酒を見かけたけど、本当に菊水さんの商品?」と問い合わせを受けることもあるそうです。国内では、取扱店は限られているものの、都内のある百貨店では、1店で年間数百本ものオーダーが入る例もあるのだとか。

 

造りの大きな特徴は、原料米に魚沼産コシヒカリを100%使っている点。ただ、これは挑戦ともいうべき至難の技だといいます。なぜなら、飯米であるコシヒカリは、日本酒用に作られている酒米よりも小粒で、しかも精米歩合を23%まで磨き上げているため、酒造りに大切な米の中心部「心白」も極小に。さらには水を吸うスピードが速くなるので、吸水の時間には通常以上に神経を研ぎ澄ませなければいけません。

↑23%まで磨いた魚沼産のコシヒカリの見本。ご覧の通り、極めて小さな粒になるまで削られています

 

「蔵光」は「ここまでやるか」という異次元のこだわりを貫いた成果

では、そんな貴重なお酒にはどのような思いが込められているのか、菊水酒造の安達厚子さんに聞いてみました。

↑菊水酒造 営業部の安達厚子さん

 

「『蔵光』というのは創業の地、蔵光村に由来。二度にわたる水害でその地を離れることになったのですが、原点に立ち返る当社の意思と姿勢が酒銘に込められています。それだけに特別な一本になっており、当社が130年以上で培った知見と技をつぎ込んでチャレンジしました。原料に酒米の王者・山田錦を使わず、新潟県が誇るブランド飯米・魚沼産のコシヒカリを使ったことも、当社の進取の精神の現れ。『ここまでやるか』という異次元のこだわりを貫いた結果です。華やかな香りをワイングラスで楽しんでいただくことも想定していたので、今回、名誉な賞をいただけて喜びもひとしおですね。ちなみに、ボトルに映し出された一筋の光は、菊水の酒造りに対する一点の想いが大きな灯りとなり、上昇していくイメージを表しています。人生を照らす光のように、慶事や人生の節目を祝う特別な日に選んでいただけたら」(安達さん)

↑同じく菊水の「無冠帝 吟醸 生詰」は720mlで1190円。心地よい旨みとキレのよさが共存するバランスの取れたお酒で、こちらもワイングラスがよく合うお酒といえます

 

注目の日本酒その2

ひとくちで「旨い」とうなる絶妙な味わい「燦爛 純米大吟醸 原酒」

↑「燦爛 純米大吟醸 原酒」 株式会社外池酒造店(栃木県) 3399円/720ml

 

次に取り上げるのは、「蔵光」と同様、大吟醸部門で最高金賞を受賞した「燦爛(さんらん) 純米大吟醸 原酒」。本品を醸した栃木県の外池(とのいけ)酒造店は、首都圏中心の特約店に卸す「望bo: 」という銘柄で評価が高まりつつあり、国内最大の日本酒コンペ「SAKE COMPETITION 2016」では純米吟醸部門の2位を獲得した実力蔵です。「燦爛 純米大吟醸 原酒」は、「酒米の王様」といえる山田錦を45%まで磨いて使用しており、一見、王道の大吟醸に見えますが、実は、使用米の95%が栃木県産(※)という地元愛のあふれる一本。澄み切ったボディのなかに鮮烈なインパクトが光る絶妙な味の構成で、ひとくちで「旨い」とうなる味わいです。

※山田錦の名産地としては兵庫県が著名

 

これからも「味」で日本酒の付加価値を作っていきたい

受賞作について、今年38歳になるという同社の杜氏、小野 誠さんにお話を聞いてみました。

 

「地元ではこの燦爛という銘柄がメイン。こちらは県内産の山田錦を使った思い入れのある1本で、飲んだ瞬間においしさが伝わる、あえてわかりやすい酒で勝負しました。造りで心がけているのは、『掃除の徹底』です。お酒にあってはならない香り、『オフフレーバー』を防ぐために掃除は重要。酵母が出す純粋な香りを守るため、布を湯釜で殺菌するなどの基本的な作業が重要になってくるんです」

↑左から、外池酒造店の杜氏・小野 誠さんと、醸造課頭の神田晃道さん。小野さんが持っているのはプレミアム純米部門で金賞に輝いた「望bo: 純米吟醸 無濾過生原酒」1769円/720ml

 

なるほど、そういえば入手困難酒の代表格、「而今(じこん)」の杜氏さんも「蔵の清潔さが大切」とおしゃっていました。地味ですが、こうした基本がもっとも大切なのですね。ちなみに、せっかく現役の杜氏さんがいらっしゃっているので、ワインなどに比べて日本酒が「手間がかかる割に利益が少なすぎる」と言われる現状について聞いてみました。

 

「日本酒はお父さんが晩酌に飲むイメージがあり、付加価値をつけるのが難しいのが現状。しかし、並行複発酵を行う日本酒は、明らかに単発酵のワインに比べて手間ひまがかかっています。ですから、日本酒の価値がもう少し認められてもいいという思いはあります。その点、今回の受賞作は1本3000円超と高価。だからこそ、飲んだ人に『失敗した…』とは思わせたくないですし、『この味なら、全然高くないよ!』と言われる味を目指して造りました。もちろん、手が届かない価格のものばかりではいけませんが、これからも『味』で日本酒の付加価値を作っていけたらと思っています」

※並行複発酵……デンプンの糖化と糖のアルコール発酵を同一容器で行う方式。果汁に糖が含まれ、発酵のみを行う(単発酵)ワインと比べて複雑で手間のかかる工程となります

 

注目の日本酒その3

ライチを思わせる個性的なスパークリング「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」

次は、スパークリングSAKE部門で最高金賞に輝いた一本を紹介。ちなみにこの部門の最高金賞は、入賞率4.6%と今回最も狭き門でした。紹介する蔵元は、ネーミング的にも個性のある福島県の人気(にんき)酒造です。聞けばこちらは、アワードのスパークリングSAKE部門の常連。今回は、最高金賞受賞の「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」と、2014~2017年で4年連続最高金賞に輝いた「Rice Magic人気一スパークリングレッド」を紹介します。

↑左が「Rice Magic人気一スパークリングレッド」、右が「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」。人気酒造株式会社(福島県) ともに823円/300ml

 

どちらも、芳醇な甘味がありながら、酸も効いていてバランスの良い仕上がり。「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」は、口に含んだ瞬間、「ライチか!?」と錯覚させるような、個性的な風味がありました。シャンパンの製法として知られる「瓶内二次発酵」ならではのきめ細かな泡も秀逸。ボトルのデザインもかわいらしいので、女性にプレゼントしたら喜ばれそうです。

↑人気酒造株式会社の田畑俊哉さん

 

「両方とも添加物は一切使用せず、米と米こうじのみで発酵させたナチュラルな仕上がりが特徴です。やわらかく、やさしい味で飲みやすいと思いますよ。レッドのほうは、黒米を使っているから色味が赤くなるんです。紅白で縁起もいいということで、贈り物に選んでいただくことも多いですね」(田畑さん)

 

注目の日本酒その4

こだわりの自社栽培米で醸した軽やかなお酒「竹林 かろやか 大瀞」

続いて紹介するのは、プレミアム純米部門で最高金賞を受賞した一本「竹林 かろやか 大瀞(おおとろ)」。こちらも入賞率が5.3%という厳しいジャッジのなかから選ばれた名作です。こちらを醸した蔵は、米作りに並々ならぬこだわりを持つ岡山県の丸本酒造。

↑左から2本目が、最高金賞を受賞した「竹林 かろやか 大瀞(おおとろ)」1836円/720ml。隣は「竹林 ふかまり 純米」1296円/720ml。ともに丸本酒造株式会社(岡山県)

 

受賞作は、「かろやか」の名前の通り、「水か?」と驚くほど口当たりは極めて軽やか。華やかな吟醸香とほのかな甘みを持ち、余韻にはまろやかさが残る絶妙な味わいでした。

↑満面の笑みとアニメ声が印象に残る丸本酒造の高橋芙美さん

 

「とにかく、日本酒で米本来の旨みをダイレクトにお伝えしたいですね。当社では、すべての酒を社員自ら栽培した山田錦で造ります。山田錦は低農薬で稲本来の力を引き出す『三黄造り』という農法で栽培。また、掛米と麹米(※)で田んぼをわけ、それぞれ最適な方法で育てています。掛米は繊維がぎゅっと詰まった米が最適。麹米は菌糸が食い込めるよう、スカスカな米質のほうが良いので、それに応じて作り分けているんですね。ちなみに、ワイングラスはお酒の温度が上がりにくいですし、口元が広くて薄いので、お酒の味がよくわかります。ぜひ、このお酒もワイングラスで楽しんでみてください!」(高橋さん)

※掛米……もろみ(かゆ状のお酒のもと)に投入されるお米のこと。もろみを増量するときに使われます ※麹米……麹菌を繁殖させ、米麹の元になるお米のこと

 

注目の日本酒その5

「思いっきり味を乗せてみよう」と生酒のまま1年寝かせた「御園竹 蔵内生熟成」

最後は、最高金賞ではない金賞ながらも、個人的に印象深かった一本をご紹介。主催者のひとりに「これは本当に変わっている」と教えてもらった長野県・武重本家酒造の「御園竹(みそのたけ) 蔵内生熟成」です。

↑右が「御園竹 蔵内生熟成」1231円/720ml、その隣は熟成させる前の「御園竹 濃醇旨口生酛原酒無濾過生酒」で1188円/720ml。ともに武重本家酒造株式会社(長野県)

 

その特徴は、加水しない原酒ならではのアルコール度数19%というパワフルな飲みごたえと、濃厚な甘味と旨み。そして生酒のまま1年間寝かせたことによる、何ともいえない熟成香とトロリとした口当たり。苦味すら感じるクセのある味わいですが、ワイングラスで飲むと一層ハマりそうです。

↑武重本家酒造株式会社の武重有正さん

 

「濃いでしょう? 通常のお酒と違い、実験的に思いっきり味を乗せてみよう、と造ったのがこれ。生酛造り(※)の酒は本来、熟成がゆっくりなので、熟成が進むよう、蔵のなかで生酒を常温で1年寝かせてみました。味はしっかりしているんですが、実は悪いニオイの『生老香(なまひねか)』も出ていて、ワイングラスだとそれがよくわかります。アルコール度数も高いですし、好き嫌いは分かれるでしょうが、熟成酒マニアの方にはぜひ飲んでいただきたいですね」(武重さん)

※生酛(きもと)造り……伝統的な造りの手法で、酵母を雑菌や微生物から守る乳酸菌を自然界から取り込む方法。濃淳な旨みと酸がある本格的な味わいの酒になります

 

贅を尽くした大吟醸から、唯一無二のスパークリング、クセが強すぎるお酒まで。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では、個性豊かなお酒との出会いがあり、大いに興奮させていただきました。みなさんも、今後の同アワードに注目するともともに、今回紹介したお酒を見つけたら、ぜひワイングラスで楽しんでみてください!

世界一の日本酒を決める「SAKE COMPETITION 2018」去年とはココが違う!

「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)」 実行委員会は、世界最多出品酒数を誇り、日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION 2018」の開催を決定しました。「SAKE COMPETITION」は「ブランドによらず消費者が本当においしい日本酒にもっと巡り会えるよう、 新しい基準を示したい」という理念のもと2012年から始まりました。そのため市販酒のみが対象となっており、審査方法は完全に銘柄を隠し、酒の中身のみで競うことに徹底し、どんなブランドでも1位を獲るチャンスがあるコンペティションです。

↑昨年の「SAKE COMPETITION 2017」表彰式

 

「海外出品酒部門」を新設し、授賞パーティが一般参加可能に

昨年の「SAKE COMPETITION 2017」は参加蔵数、約453蔵(海外蔵:7場)、出品酒は1730点を超える世界最大規模。事実上の「世界一の日本酒」を決めるコンペとなっています。市販酒のみを対象に、この規模で審査するコンペはほかにはなく、年々注目度は上がってきています。例年1位を獲得した日本酒は、即日完売し全国から問い合わせが殺到。 地元の人にしか知られていないような地酒でも、全国的な知名度を獲得し、一躍脚光を浴びる大きなチャンスとなっています。

↑2017年の各部門の受賞酒。左からラベルデザイン部門「越後鶴亀 越王 純米大吟醸」(株式会社越後鶴亀/新潟県)、発泡清酒(スパークリング)部門「南部美人 あわさけ スパークリング」(株式会社南部美人/岩手県)、純米酒部門「作 穂乃智」(清水清三郎商店株式会社/三重県)、吟醸部門「来福 大吟醸 雫」(来福酒造株式会社/茨城県)、純米吟醸部門「土佐しらぎく 純米吟醸 山田錦」(有限会社仙頭酒造/高知県)、純米大吟醸部門「開運 純米大吟醸」(株式会社土井酒造場/静岡県)、Super Premium部門「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」

 

今年は海外からの出品酒のみで構成される「海外出品酒部門」を新設。2017年の「純米酒部門」 「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「吟醸部門」「Super Premium部門」「ラベルデザイン部門」 「(発泡清酒)スパークリング」と合わせて、全8部門での審査を行います。審査は5月16日~5月18日にかけて行われ、 6月11日の表彰式にて受賞作が発表となります。ちなみに、「Super Premium部門」「ラベルデザイン部門」は、元サッカー日本代表の中田英寿氏の発案により、設立されたものです。

 

また、本年より、授賞パーティが一般参加できるようになった点に注目です。 授賞パーティでは、ザ・ペニンシュラ東京の24階レストラン「Peter」を貸切とし、ブッフェスタイルのディナーを実施。SAKECOMPETITION2018の上位入賞酒100種類以上の日本酒を用意し、日本酒との相性を考えたスペシャルディナーとともに楽しめる形になっています。ディナーのチケット価格は2万1600円とかなりのものですが、世界最高峰の日本酒が一度に楽しめるまたとないチャンス。思い切って参加してみてはいかがでしょうか。

↑授賞パーティが行われる「Pater」内観

 

【授賞パーティチケット情報】

◆日時:6月11日(月)授賞パーティ(19:00~21:30予定)
◆会場:ザ・ペニンシュラ東京24階レストラン:「Peter」
◆発売期間:4月27日(金)~ 5月25日(金)まで
◆チケット金額:2万1600円(税込)
◆住所:東京千代田区有楽町1-8-1 24階
◆アクセス:日比谷線・千代田線・三田線
「日比谷駅」地下通路 A6 ・A7出口直結

新橋で地酒を無限呑み!? 酔いどれは大都会の夜景に何を想う「ほろ酔い道草学概論」第二話

日本各地には、現地を訪れないとわからない魅力というものがございます。地酒もそんな魅力の一つ。本連載は、お酒好きOLコンビが地酒に酔って道草を食いながら土地に根付く、不思議な魅力に触れていくショートストーリーです。

 

第一話はこちら

 

前回、会社の先輩・正宗(まさむね)さんに誘われ、初めて酒蔵に行き日本酒の味を知ったOL・秋川千穂。普段は引きこもりがちな彼女は、いつも通り花金もスルーして直帰するようですが…?

 

 

 

 

 

 

【今回の一献】

「辛口ばっか飲んでんじゃねーよ」シリーズ「酒くらい甘くたっていいじゃない 世知辛い世の中だもの」

 

 

KURANDでは一般的に流通していない、全国各地の小さな(だけども、こだわりと情熱をもった)酒蔵で作られた銘柄が取り扱われています。なかには、KURANDと蔵元がともにコンセプトの設計や企画を行い生まれた銘柄もあります。そんな一本である本品は、1840年から続く埼玉県の石井酒造が贈る「辛口ばっか飲んでんじゃねぇよ」シリーズのひとつ。蔵元の「辛口ばかりが日本酒じゃない! 甘口でもうまい酒があるんだ!」という思いが込められたその味は、口当たりはとってもフルーティーだけど、しっかりとしたお米の旨味を含んだ余韻が味わえます。

 

店舗内では初めての方でも呑みやすいものから、なかなかお目にかかれない通な一品まで約100種類の日本酒が、時間無制限で飲み放題! 千穂と正宗さんが訪れた新橋店をはじめ、関東を中心に全国で8店舗が展開されていますので、ぜひみなさんも道草がてら行ってみてください。

 

(取り扱い店舗)

●KURAND SAKE MARKET 新橋店

●住所:東京都港区新橋2-3-7 菊豊ビル3F

●電話番号:03-6268-8858

●営業時間:平日17:00-23:00(22:45ラストオーダー)、土日祝12:00-16:00/17:00-23:00(15:30/22:45ラストオーダー)、年中無休

 

第一話はこちら

ハイテク起業家精神を酒で味わう! シリコンバレーで愛される日本酒「セコイヤ酒」とは?

空前のラーメンブームが続くアメリカ。ここサンフランシスコでもラーメンはシリコンバレーの食文化として一大ジャンルを確立しているといっても過言ではありません。以前、著者がTwitterやUber、AirBnBなどで働く友人たちに誘われて行った夕食会の場所もラーメン・ダイニングの人気店でした。しかし、このような席で必ず話題になるのはラーメンではなく、「SAKE(酒)」なのです。

 

地産地消へのこだわり

↑ティスティングできる生酒3種(左からNAMA、GENSHU、NIGORI)

 

酒は酒でも、サンフランシスコの人々に特に愛されているのが「セコイヤ酒(Sequoia Sake)」。これは初のサンフランシスコ産の日本酒なのです。この町では地産地消がクールで、本銘柄もうたうのも「Made Local, Drink Local」。従って、人気を集めるのも極めて自然な流れだといえます。

 

日本酒は主原料となる米と水選びが極めて重要です。地産地消を大切にするセコイヤ酒が使う米は、カリフォルニアの州都であるサクラメント産のカルローズ。その「食用米」はカリフォルニア州で生産量が最も多く、広く出回っているのですが、実は昔「酒米種」のDNAと間違ってかけあわされてしまったという歴史があります。しかし、この偶然が功を奏し、酒米種の味が改良。カルローズは「酒米」としても使えるようになりました。

 

とはいえ、創業当初は米農家や業者との交渉が非常に大変だったそう。「無名酒造のうえに注文ロット数が少なく、さらにお米の味やレベルもバラバラで、いい日本酒の特徴である『安定した味』を作り続けることが非常に困難だった」とセコイヤ酒を夫婦で作るジェイクさんとノリコさんは言います。

水はヨセミテ国立公園の麓からサンフランシスコへ流れてきているものをフィルタリングして使用。この水をカルローズに加え、セコイヤ酒はサンフランシスコ市内で丁寧に醸造されます。

夫婦二人三脚で道を開く

この酒造は夫婦経営です。ジェイクさんはシリコンバレーのテクノロジー企業に勤務。さぞかし投資家などを巻き込んだ大掛かりなビジネス展開計画をしていたのかと思いきや、奥様のノリコさんとの二人三脚で事業を立ち上げ、あえて家族経営を選んだそうです。その理由について尋ねると、「外野から口出しされずに、自分たちの理想とする日本酒づくりを徹底的かつ自由に追求したかったから」とジェイクさんは言います。

 

2年間の試行錯誤を経てついに販売となったとき、アメリカではちょうどラーメンブームがさらに勢いを増していたところでした。そこで積極的に人気ラーメン店や和食レストランに商品を置いてもらうように営業を展開。次第に口コミでアメリカ人のファンが増えていったそうです。

 

「日本ではラーメンにはビールが多いですが、こちらのアメリカ人やサンフランシスコに訪れる観光客が、話題のラーメン屋をくぐるときは『やっぱりSAKEだね』というモードになるのです。日本酒の販売量が減少気味の日本に比べ、世界では和食やラーメンブームの背景を受けて日本酒はアツいんです!」とノリコさんは語気強く語ってくれました。

 

地ビールやバーボン樽とのコラボでイノベーションを起こす!

信念を曲げずに日本酒を作り続けていくことで、アメリカの生酒ファンの心を掴み、ついにはサンフランシスコ界隈やシリコンバレーを代表する日本酒にまで成長していったセコイヤ酒。その成功によって、カリフォルニアの契約農家からお米を安定供給してもらえるようになり、長年課題だった「味のばらつき」も解消されました。

 

その一方、ご夫婦は面白いことにチャレンジし続けています。新鋭の地ビール・クラフトビール醸造所のベアボトルビールとコラボして、酒ビールの「HALF SAMURAI」の開発に協力。つい最近では、アメリカならではの「バーボンウィスキー樽で熟成した酒(Bourbon Barrel-aged sake)」も売り出し始めました。

 

ほしいものがなければ自分で作る。小さく始めつつも夢は大きく。こだわりは貫く。そして、近隣のコミュニティや異業種との交流を通じてイノベーションを生み出す――。セコイヤ酒を作るご夫婦が持つこのようなスピリットからは、アメリカのハイテク起業家が連想されます。セコイヤ酒も「シリコンバレー流のモノづくり」の1つなのかもしれません。

「安すぎる日本酒」で本当にいいのか!? 「1本1万7800円」驚きの値付けに隠されたメッセージ

クラウドファンディングサイト「Makuake」の運営元、(株)マクアケの広報さんからメールが届きました。どうやら日本酒に関するクラウドファンディングのPRのようです。

 

日本酒の!注目プロジェクトがありご連絡させて頂きました」

 

なんで日本酒の! が太字なんだろう……。勢いだけは伝わってきます。いったい、どんなプロジェクトなんでしょう?

 

高付加価値ブランド「SAKE100」の1本を数量限定で先行発売

(画像出典:Makuake公式サイト)

 

「国内最大の日本酒専門メディア『SAKE TIMES』を運営するClear Inc.が手掛ける”100年先にも色褪せることのない日本酒の魅力”を提供する新しい日本酒ブランド『SAKE100』。今回のプロジェクトは、そんな『SAKE100』の第1弾商品となる『百光 -byakko-』を数量限定で先行発売するというプロジェクトです」

 

へえ。壮大なビジョンですね。あ、「SAKE100」の読み方は「サケひゃく」でも「サケワンハンドレッド」じゃなくて、「サケハンドレッド」なんですね。

 

「『百光』が目指したのは、誰もが納得できる上質な味わいの到達点。国内随一の酒造技術をもつ山形県・楯の川酒造とともに、【720ml/1万7800円(※送料込み)】という価格に足る、世界水準の価値をもつ日本酒を完全数量限定で製造します」

↑百光のボトル

 

1万7800円! 高っ! ……しかし、楯の川酒造というのは、渋いセレクトです。こちらは、「楯野川(たてのかわ)」という銘柄を出していて、地酒ファンにとっては名の知られた存在。筆者は以前、「清流」という純米大吟醸を頂きました。アルコール度は14%台で、通常より1~2%抑えたものだったのですが、どこまでも軽快でキレイな酒質。にもかかわらず、味の物足りなさはまったくなく、大変キメ細かな味わいでした。……ああ、また飲みたいです。

 

18%という驚きの精米歩合で酒造好適米を使用

続いて広報さんは、「百光」の精米歩合に言及しました。

 

「味わいを実現するためのキーファクトが「18%」という精米歩合。(小林さんならわかってくださると思います、この価値を!)」

 

確かに、精米歩合18%とはすごい……。ちなみに、精米歩合(せいまいぶあい)とは、米を削った割合のこと。精米歩合が高い(数値が低い)ほど香り高く、すっきりした味わいになります。通常は、精米歩合60%(=米の40%を削ったもの)でも高級酒に入るのですが、それが18%(=82%削る)とは……。いまは「獺祭」の「純米大吟醸 磨き二割三分」(精米歩合23%)が高級酒として有名ですが、さらにその上を行く精米歩合ですね。

↑お米の表面を磨いた状態。心白(しんぱく)という白くやわらかい部分が露出し、小さな球状になります

 

「また、『百光』に使用する原料米は、すべて契約栽培でつくられた山形県産の酒米・出羽燦々。農薬をつかわず、手間暇をかけて育てあげた安心の有機栽培米…」

 

出羽燦々(でわさんさん)は、山形県を代表する酒造好適米。しかも栽培が難しい酒米を有機栽培とは……。さらに、広報さんのメールはプロジェクト誕生の核心へ。

 

高付加価値市場を拡大し、日本酒全体の商品価値を高める

「また、何故こんな高価な日本酒をつくるのか? というSAKE100の裏に隠された想いも必見です。日本酒の商品群を見渡すと、高価格市場が未成熟であることは、日本酒市場が抱えている課題です。嗜好品としての需要が国内外問わず高まっていく状況で、いかに高いレベルのスタンダードをつくっていけるか。それが日本酒市場を”次の時代”へと運ぶキーポイントであり『SAKE100』のミッションです。(新聞でも「日本酒は安すぎる?」という記事がありました)」

 

なるほど、プロジェクトの理念として、日本酒の高付加価値市場を拡大することで、日本酒全体の商品価値を高めたいということですね。…確かに、「日本酒が安すぎる」といわれるのは納得です。あれだけ手間ひまをかけて造っているのに、蔵元の利益が少なすぎるのでは……。そういえば、筆者が和食居酒屋で働いていたころ、先輩が「ワインならボトル1本3000円くらいは普通。だが、日本酒だといくら旨くてもその値段では売れない」と話していたのを聞いたことがあります。「日本人が、日本酒の価値を一番わかっていないのや」とも。たしかに、先述の「楯野川 清流」も、あのクオリティで、しかも純米大吟醸で、1.8ℓ3000円を切っていたしなぁ……。

 

と、ここにきて、いくつかの疑問が湧いてきました。もはや酒造産業が「趣味」や「ボランティア」と呼ばれるほど、多くの蔵元が利益率の低さにあえいでいます。そこに目をつぶって、我々は、おいしい日本酒を「いいとこどり」するだけで良いのでしょうか? 本当に努力をしている人、良いモノが正しく報われない現状……真の日本酒ファンであるならば、身銭を切ってでも抗うべきでは……? この「SAKE100」プロジェクトは、そんな日本酒ファンの問題意識を形にしたプロジェクトなのでしょう。720mℓ1万7800円~という驚きの価格をつけることで、「このままでいいのか?」と訴えているようにも思えます。

 

果たして、価格に見合うだけの価値があるのか? といった点は大いに気になりますが、〝日本酒の価値を高めて正しく報われる時代を作りたい”という願いには強く賛同したいところ。筆者も、本プロジェクトの存在を伝えることで、少しでも多くの方に日本酒の課題を知っていただければ…そして、少しでもユーザーの意識が変わる助けになれば…と願っている次第です。

【4月30日まで】話が違うじゃない! 11日間連続の「激アツ日本酒イベント」に、仕事を放り出して行ってみた

やるべき仕事を眠らせて、ギロッポンのズーヒル(六本木ヒルズ)にやって参りました! その目的は、こちらのアリーナで開催されている日本酒イベント、「CRAFT SAKE WEEK(クラフトサケウィーク) at ROPPONGI HILLS2018」に参加するため。こちらはサッカー元日本代表で、近年は日本文化を積極的に発信している、「ヒデ」こと中田英寿さんがプロデュースしたイベント。会場に出店している蔵元と直接コミュニケーションを取りながら、様々な日本酒を味わえるという内容です。

 

4月20日(金)から4月30日(月)にわたって開催され、日替わりで10蔵、11日間で合計110蔵が出店します(開催時間は12:00~21:00)。この日は、「中国・四国の日」ということで、同地域の蔵元、10蔵が参加するとのこと。

 

購入したコインと引き換えに10蔵の日本酒が楽しめるイベント

↑上から見た会場。約500本の竹の回廊が取り囲んでいます

 

筆者が到着した時間は19時半ごろ。18時ごろに近くを通りかかったという同僚からは、「そんなに人いなかったよ」と聞いていたのですが、話が違う! 会場は人、人、人で埋め尽くされています。スーツを着た男性客が多いですが、女性客も多いですね。女性のみのグループも多く見受けられます。一方で筆者のようなおじさんの一人客もちらほら。六本木という場所柄、外国人の方も多く訪れているようです。

↑コインで料理を購入できるレストランも出店

 

よく見ると、会場の造りも凝っています。会場をぐるりと青竹が囲み、和の雰囲気を演出しています。テーブルも木の温もりが生きていて、こちらも好印象。頭上には「CRAFT SAKE WEEK」と書かれた提灯、でしょうか。

酒器と飲食用コイン11枚がセットになった「CRAFT SAKE スターターセット」(3500円)を手に入れたら、さっそくお酒を求めて日本酒提供カウンターへ。カウンターにはコインの枚数が明示された日本酒の瓶が冷やされており、コインを渡して酒器に注いでもらう仕組み。

↑日本酒を提供するカウンター

 

↑三芳菊の「ラグジュアリー 残骸」。5つの米を使った異なる大吟醸をブレンドしたもの。ラベルは社長の意向とのことですが、ちょっと意味がわかりません

 

カウンターでは蔵元の個性が楽しめる高級酒を提供

提供されているお酒は、基本的に純米吟醸以上の高級酒で、1杯の相場はコイン3枚~6枚程度。1杯の量は1合の3分の1くらいでしょうか。筆者は、山口県の貴(たか)からスタートし、島根県の月山(がっさん)、高知県の文佳人(ぶんかじん)、愛媛県の三芳菊(みよしぎく)、岡山県の竹林(ちくりん)の順で飲ませていただきました。どれもこれも、舌が喜ぶ美味しさ。文佳人は土佐酒らしいさっぱりした味わい、三芳菊はリッチな甘みが際立つなど、それぞれの蔵元の個性も出ていて面白いです。

↑スターターセットでもらえる酒器(右上)は、1819 年創業の歴史をもつ「石塚硝子」の槌目盃(みぞれ仕上げ)を使用。この盃がパスの役目を果たしており、盃を持っていれば期間中は何度でもイベントに参加できます

 

↑テーブルを回る売り子さんのような方もいらっしゃいます。ハリーポッターのような格好で、「月山」を手に回っていたこちらの方は、唎酒師の資格を持っていて知識はバッチリ

 

提供カウンターでは蔵元と交流できるケースも

蔵元と交流できるのもポイント。筆者の場合は、コイン6枚もする「竹林」の純米大吟醸「たおやか」を飲んだ際、ブースにいたおじさまに、「何で高いんですか?」と、だいぶ間抜けな質問をしてしまいました。すると、「こちらは精米歩合が35%。精米歩合が下がると、格段に造りが難しくなるんです。隣にある精米歩合50%の純米吟醸(コイン3枚)と比べると価格は倍以上なので、実はこっちのほうがオトクです」と丁寧にお答えいただきました。お名前は丸本さんとのことでしたので、多分社長さんなのでしょう(「竹林」の製造元は丸本酒造)。また、余談ですが、「貴」のお酒を注いでいたお兄さんがまた男前で、隣の二人組の女子が「ねえ、どう? あの人」「カッコイイー」とザワついていました。

↑自社栽培の山田錦を35%まで磨いて醸した純米大吟醸「竹林 たおやか」。いつまでも飲んでいたい…と思う、やさしくキレイな味わい

 

↑日本酒の提供ブースにて。デブの筆者よりも、真後ろの「貴」のブースのお兄さんに注目してください

 

今後も有名銘柄が出店する激アツな日が続く

イベントに参加して、やっぱり日本酒は楽しいお酒なのだな、と改めて感じました。実際、あるカップルの女性は、「これおいし~、さっきよりも好き!」と輝くような笑顔で彼氏に話し掛けていましたし、隣で飲んでいたOLのグループは「明日も来ようね~」と実に楽しそう。筆者も「竹林」を飲んだときは、おいしすぎて思わず笑ってしまいました。いや~、日本酒って、本当にいいものですね!

 

CRAFT SAKE WEEKでは、以降も魅力的な蔵元が日替わりで登場するとのこと。今後の日程で個人的にアツいと思うのは、4月29日(日)の「SAKE COMPETITIONの日」。こちらは、事実上の世界一の日本酒を決めるコンペ、SAKE COMPETITIONで各部門の1位に輝いた蔵元が集結します。もうひとつ、激アツなのが4月30日(月)の「チーム十四代の日」。入手困難酒の代表、「十四代(じゅうよんだい)」と「而今(じこん)」のほか、「鳳凰美田(ほうおうびでん)」「東洋美人(とうようびじん)」など、評価の高い蔵元も出店します。今回、参加した印象だと19時以降は特に混みそうなので、混雑を避けるなら、それ以前の早めの時間帯を狙って行ったほうがよさそう。ぜひこの機会を逃さず、楽しいお酒との出会いを楽しんでみてください。

「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2018」開催概要

日時: 2018 年4 月20 日(金)~30 日(月・祝) 11 日間 各日12:00~21:00 L.O. 20:30
場所: 六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木6 丁目10-1)
参加蔵数: 各日10 蔵 計110 蔵
レストラン数: 延べ15 店
料金: CRAFT SAKE スターターセット 3500 円(酒器グラス+飲食用コイン11 枚)
料金: 追加コイン 1500 円セット(飲食用コイン10 枚)、3000 円セット(飲食用コイン22 枚)、5000 円セット(飲食用コイン38 枚)
※2 回目以降の来場の際は、酒器グラスを持参いただくと、追加コインの購入のみで楽しめます

絶妙な「味の距離感」に、杯が止まらないよ! 菊水の日本酒「無冠帝」を無冠の中年が試した実感

「私は純米酒しか飲まない」という方。…もったいないと思います。なぜ、美酒と出合う機会を自ら限定してしまうのでしょう。一番安い普通酒でも、本醸造でも(もちろん吟醸でも大吟醸でも)美味しいものがたくさんあるのに……。ちなみに、これら「純米」とついていない種類のお酒は、醸造アルコール(サトウキビなどを原料にした蒸留酒)を添加したお酒です。サラリとした酒質になるメリットがあって、それはそれで素晴らしい個性だと思うのです。

 

クリアな飲み口のなか、新潟酒らしい滑らかな旨みが顔を出す

今回紹介する菊水「無冠帝 吟醸 生詰」(新潟県)もそんな個性が出たお酒。酒銘は地位や名誉にこだわらず、高い志を持つ「無冠の帝王」になぞらえての命名だそう。1983 年に誕生したお酒を今年の3月20日にリニューアルしたとのことで、蔵元さんがモニター用として送ってくださいました。そして、41才独身の筆者もまた、地位・名誉とは無縁の“完全な無冠”であり、夜はわびしい部屋の帝王であることに違いなし。己の孤独を重ねつつ、いち日本酒ファンとして、本品を興味深く楽しませて頂きました。

 

ただの「水」にならないよう、「生詰」で絶妙なチューニングを施した

この「無冠帝」、個人的に気に入ったのは、おしゃれな外見とは裏腹に、昔ながらの辛口の良さを持っている点。口に入れた瞬間は水のようなクリアなのですが、一瞬ののち、ふわっと「サケ」らしい滑らかな旨みが立つのです。その感触を確かめたくて、ついつい杯を重ねてしまう……第一印象はそんなイメージでした。

 

ちなみに、酒銘のあとに表記されている「生詰(なまづめ)」というのは、少しでも生の風味を残す目的で、通常、2回の火入れ(加熱処理)を行うところを1回に減らしたお酒のこと。1回目の貯蔵前の火入れは行い、2回目の瓶詰め前の火入れは行いません。こちらは、瓶詰め前に1回だけ火入れを行う「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」に比べて、落ち着いた印象になるとのこと。なるほど、「無冠帝」も同様、落ち着いた酒質のなかに一瞬米の旨みが見えるのは、この「生詰」の成果でもあるのでしょう。ギリギリまで旨みと香りを抑えつつ、没個性の「水」にならないよう、絶妙なチューニングが施されていると感じました。価格は300mℓ544円、720mℓで1190円…価格だけを見ると毎日飲むには厳しいか……。ただ、精米歩合55%、手間ひまのかかる吟醸造りということを考えれば、コスパは悪くありません。

 

ビール代わりの一杯めとして使える軽快な味わい

では、本品を料理と合わせてみたらどうでしょうか? いつもの「必殺・一人鶏つくねもやし鍋」で相性を試してみました。普段は「一杯目はビール(正確には発泡酒)」と決まっており、ちょっと試したらすぐ発泡酒に戻ろう…と考えて、今回は「無冠帝」でスタート。こちらのアルコール度数は15度と通常の日本酒と同様ですが、1杯めに飲んでも重く感じることなく、意外にも進みます。淡い米の甘みがつくねともやしの旨みを受け止めて、あと味をスっと流すイメージ。受け止めて、流す……受け止めて、流す……わかってるスナックのママとの会話のような、絶妙な距離感がちょうどいい……。気づけば「無冠帝」だけでつくね鍋を完食しそうになりました。1杯めはビールじゃなくてこっちでもいいかも。これくらい軽快だと、食前酒にもぴったりだと思いました。

 

また後日、ホワイトソースのグラタンと合わせてみたところ、意外にも相性が良かったです。この方向なら、シチューやビーフストロガノフなどにも合いそう。他方、エビチリと合わせてみたところ、その酸味や油っこさにはやや合わないか……。酒質が穏やかで自然なので、このトーンに合った手作り料理が合うのかな~と感じました。なお、刺身や寿司、サラダや軽い前菜などには当たり前のように合うでしょう。

 

これからの季節は常に冷蔵庫で冷えていてほしい

正直、筆者は鮮やかな味が好み。菊水でいえば、生原酒「ふなぐち」のような濃芳なものが好みです。本来は淡麗なお酒は好みではないのですが、この「無冠帝」は悪くないと思いました。日本酒ならではの良さもうまく出しつつ、あざとさや妙なひっかかりは一切ないので、安心して身をゆだねられます。その証拠に、酒の減り方の早いこと早いこと…内緒で小人が飲んでいるのかと思ったほど。ほどよく冷やすと透明感が際立ちますし、淡いブルーのボトルが涼やかなので、暑くなったらよりおいしく感じるのも間違いなし。こんなお酒が冷蔵庫で待っていてくれたなら、わびしい部屋で過ごす夜もちょっぴり楽しくなりそう……本品は、そんな想像をさせてくれる1本でした。

【新連載】おんな2人が初めて知る、日本酒と寄り道の魔力「ほろ酔い道草学概論」第1話

日々の楽しみはお酒――! この想いは万国共通ではないでしょうか? ビールに焼酎、サワー、カクテル…さまざまなお酒がありますが、日本人ならやっぱり日本酒! 全国で約2万種もの銘柄が存在すると言われている日本酒の魅力は、作られている土地そのものの魅力と言えるかも。

 

本連載は、そんな日本のお酒と土地について、おんな二人練り歩き知っていく、ほんわかストーリーをお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今回の一献】

吟醸 新しぼり

↑吟醸 新しぼり。実売価格は1800mlが2700円、720mlが1350円

 

1月下旬に出荷する、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」で醸した新酒。香り立つ清楚な香りと凝縮された米の旨みのバランスが魅力の生酒です。千穂もそのフレッシュさに驚いていましたが、特に搾りたてはのどごしも爽やかで飲みやすさが特徴です。

 

澤乃井のお酒について補足すると、実は千穂と正宗さんは春の少し手前、2月3日の節分に澤乃井を訪れています。澤乃井では節分に「節分祭」というイベントを開催していて、作中に出てくる「銀印」と「大辛口」の熱燗は、節分祭の特別メニューになります。千穂の日本酒初体験はずいぶんスペシャルなものになったはず。

 

↑通常、澤乃井園では熱燗は「オカンビン」という瓶で出しています

 

(取り扱い酒蔵)

澤乃井(小澤酒造)

●住所:東京都青梅市沢井2-770

●電話番号:0428-78-8215

 

取材協力/青梅市郷土博物館

呑むだけじゃもったいない!? いつもの料理をワンランクアップする“日本酒の使いこなし術”が話題

1月23日放送の「あさイチ」では“日本酒”について特集。「調味料」として日本酒を使いこなす技が紹介され、「さっそく試してみたい!」と話題になっている。

出典画像:「あさイチ」公式サイトより出典画像:「あさイチ」公式サイトより

 

日本で古くから愛されてきた「いり酒」

まず番組で取り上げたのは、日本酒で作る万能調味料「いり酒」。作り方はとっても簡単で、日本酒、かつお節、昆布、梅干しを鍋に入れ、5分煮込んだら1晩寝かすだけででき上がり。ポイントは、塩分18%以上のしょっぱい梅干しを使うこと。かつお節や昆布から出るうまみにより深みが出て、とてもおいしくなるんだそう。

 

スタジオで実際に試飲した近藤芳正は「おいしい! 生まれてきてよかった!」と大絶賛。視聴者からは「簡単だし作ってみたい」「見るからにうまいやつやん」など興味を示す声が上がっている。

 

素材本来の味を生かしてくれる「いり酒」は、煮物や焼き物、お吸い物などさまざまな料理に活用可能。さらに、ごま油やオリーブオイル、マヨネーズなどコクのある調味料を足して使うのもおススメ。チャーハンやパスタといった和食以外の料理にもよく合うので、気になる人はぜひ試してみては?

 

食品の解凍にも使える!?

また、番組では日本酒を使った食品の解凍術を紹介。ネット上では「冷凍したご飯をチンしたらなんか変なにおいがする…」「おかずを冷凍すると油が酸化したにおいがする」といった声が見られるように、冷凍庫特有のイヤ~なにおいに悩まされている人も多いはず。

 

そんなお悩みを解決してくれるのが日本酒。電子レンジで温める5分前に日本酒をふりかけるだけで、イヤなにおいを消してくれるんだとか。かける量はティースプーン1杯分の日本酒で、ご飯なら茶碗1杯分、惣菜なら小皿1皿分が目安。ラップはふんわりとかけて隙間を作れば、においの成分を逃がしやすくなるので覚えておくとGOOD。

 

ちなみに揚げ物類を温めるときは、スプレーなどで日本酒を料理全体にふりかけ、ラップをせずにすぐ温めればカラッとした食感に。実際に試した視聴者からは「これ本当にカリカリするからみんなやってみて!」との声が上がっていた。

 

他にもネット上では「日本酒でゼリー作ると大人の味でおいしい」「日本酒とだしのみで作る鍋が冬の定番」などアイデアレシピが盛りだくさん。日本酒は銘柄によってさまざまな味があるので、自分好みの日本酒で作ってみるのも楽しいかもしれない。

呑むだけじゃもったいない!? いつもの料理をワンランクアップする“日本酒の使いこなし術”が話題

1月23日放送の「あさイチ」では“日本酒”について特集。「調味料」として日本酒を使いこなす技が紹介され、「さっそく試してみたい!」と話題になっている。

出典画像:「あさイチ」公式サイトより出典画像:「あさイチ」公式サイトより

 

日本で古くから愛されてきた「いり酒」

まず番組で取り上げたのは、日本酒で作る万能調味料「いり酒」。作り方はとっても簡単で、日本酒、かつお節、昆布、梅干しを鍋に入れ、5分煮込んだら1晩寝かすだけででき上がり。ポイントは、塩分18%以上のしょっぱい梅干しを使うこと。かつお節や昆布から出るうまみにより深みが出て、とてもおいしくなるんだそう。

 

スタジオで実際に試飲した近藤芳正は「おいしい! 生まれてきてよかった!」と大絶賛。視聴者からは「簡単だし作ってみたい」「見るからにうまいやつやん」など興味を示す声が上がっている。

 

素材本来の味を生かしてくれる「いり酒」は、煮物や焼き物、お吸い物などさまざまな料理に活用可能。さらに、ごま油やオリーブオイル、マヨネーズなどコクのある調味料を足して使うのもおススメ。チャーハンやパスタといった和食以外の料理にもよく合うので、気になる人はぜひ試してみては?

 

食品の解凍にも使える!?

また、番組では日本酒を使った食品の解凍術を紹介。ネット上では「冷凍したご飯をチンしたらなんか変なにおいがする…」「おかずを冷凍すると油が酸化したにおいがする」といった声が見られるように、冷凍庫特有のイヤ~なにおいに悩まされている人も多いはず。

 

そんなお悩みを解決してくれるのが日本酒。電子レンジで温める5分前に日本酒をふりかけるだけで、イヤなにおいを消してくれるんだとか。かける量はティースプーン1杯分の日本酒で、ご飯なら茶碗1杯分、惣菜なら小皿1皿分が目安。ラップはふんわりとかけて隙間を作れば、においの成分を逃がしやすくなるので覚えておくとGOOD。

 

ちなみに揚げ物類を温めるときは、スプレーなどで日本酒を料理全体にふりかけ、ラップをせずにすぐ温めればカラッとした食感に。実際に試した視聴者からは「これ本当にカリカリするからみんなやってみて!」との声が上がっていた。

 

他にもネット上では「日本酒でゼリー作ると大人の味でおいしい」「日本酒とだしのみで作る鍋が冬の定番」などアイデアレシピが盛りだくさん。日本酒は銘柄によってさまざまな味があるので、自分好みの日本酒で作ってみるのも楽しいかもしれない。

安定のサンコー・クオリティ! ネーミングも心に響く「宝箱のような」ワインセラー

サンコーといえば、多彩なアイデア商品を発売することで知られていますが、「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」「楽でごめん寝 うつぶせエアピロー」「かがまないお風呂用電動ブラシ『フロキレー』」など、「そのままだな!」と思わせつつ、クスっとくるネーミングでも有名です。そして、今回の新商品のネーミングもまた秀逸。その名は「場所を選ばない横置きワインセラー 俺のワイン WINECL02」です。価格は1万4800円(税込)。

 

趣味の品を詰め込みたいコンパクトなワインセラー「俺のワイン」

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本機は、ワインボトルが8本収納できる横置き型のコンパクトなワインセラーです。W410×H270×D495mmと、電子レンジ並みの大きさしかないので、冷蔵庫の上などのデッドスペースやラック、テーブルなどにも置けるので置き場所に困りません。

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使い方は、タッチパネルを操作して、庫内温度を設定するだけとカンタン。温度は8~18℃まで設定できるので様々なワインに対応できます。ライト付きなので、暗い場所だった場合も、ドアを開けずにラベルが視認できるのが便利(ライトは10分で自動消灯)。フレームレスでフルフラットなガラス扉を採用したシンプルなデザインで、インテリアとしても優秀です。なお、扉ガラスには、紫外線カットコーティングを施し、光によるワインの劣化を防いでくれます。

↑↑ボタンを押せばライトが点灯

 

↑操作パネル。温度表示は摂氏と華氏で切り替えが可能です↑操作パネル。温度表示は摂氏と華氏で切り替えが可能です

 

冷却システムはペルチェ方式を採用。冷蔵庫などのコンプレッサー式に比べて騒音が少なく低振動のため、リビングや寝室などにも設置できます。

↑ワインだけでなく、4号瓶の日本酒も収納できます↑ワインだけでなく、4号瓶の日本酒も収納できます

 

↑チョコレートやチーズを入れておけば、ちょうどいい硬さに↑チョコレートやチーズを入れておけば、ちょうどいい硬さに

 

それにしても、どこかのレストランにありそうですが、製品名の「俺のワイン」とは言いえて妙。それほど多くの容量は必要ない、コンパクトで、個人的に楽しむぶんが入ればいいんだ……というニーズをうまく捉えています。さらに、日本酒の4号瓶も入りますし、内部の棚を取り外して様々な瓶を収納することも可能。おつまみ用のチョコやチーズも入るとあって、まさに金庫のような、宝箱のような、「俺だけのワインセラー」として使えますね。みなさんも、趣味の品をたっぷりと詰めこんで、毎晩、コレをのぞく楽しみを味わってみては?

20180126-s3-(23)

サンコー

場所を選ばない横置きワインセラー 俺のワイン WINECL02

●サイズ/質量:W410×H270×D495mm/約8.3kg●内部寸法:W330×H190×D320mm●温度設定:8~18℃●消費電力:65W(電気代24時間使用で約30円)●コード長:1.9m

 

 

日本酒をさらにおいしく飲むために手びねりで「マイぐい呑み」を作ろう!

私は日本酒が好きなので、お猪口や、ぐい呑みをいくつか集めています。骨董品店やフリーマーケットで気に入ったものをみつけて、買いあさってしまうこともしばしば。そんなとき、近所のスーパーで見つけた陶芸教室の貼り紙が気になってしまいました。

 

そうだ、自分で作った器を使ってお酒を飲んだら、どんなにおいしいだろう! 妄想がどんどん膨らんできます。

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初心者でもチャレンジできる陶芸

とはいえ、私は生まれつき不器用ですから、陶芸なんて一回もやったことがありません。私でもチャレンジできるのでしょうか。少し不安な気持ちで手にしたのが、陶芸の入門書『基礎からわかる はじめての陶芸』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)です。

 

本書には、誰でもマスターできる陶芸のいろはやテクニックが満載です。“ぐい呑み”の作り方ももちろん載っています。なにやら、初心者でも気軽に作れるそうなので、最初の一作におすすめの器のようです。

 

 

ロクロなしでもできる、手びねりのススメ

陶芸はぐるぐる回るロクロという器械に粘土をのせて、作るイメージがあります。テレビの旅番組で芸能人が回すのに失敗して、いびつな器を作っている、あれです。なんだか扱うのが難しそう。

 

けれども、ご安心あれ! ロクロなしでも作品は作れるのです。

 

その手法が“手びねり”という技法です。指先や手のひらを使って粘土の形を整えるため、形は少しいびつになるかもしれませんが、それはむしろ“味”というもの。ぎこちなさがあふれる器も手作りの陶芸ならではの魅力といえるでしょう。

 

 

玉作りをマスターしてから成型へ!

手びねりの器づくりは、まず、粘土を玉形に丸める作業からはじまります。これを“玉作り”といいます。粘土を両手でキャッチボールをするように丸めて、きれいな球形に丸めていくのですが、なんだか子どものころの粘土遊びのようで、楽しくなります。

 

続いて、玉作りを終えた粘土を器状に成型します。このときのポイントは、厚みをなるべく均一にすること。そして、指の腹やなめし皮などを使って、丁寧に縁をならしていきます。器の縁は舌が触れる部分なので、なめらかに仕上げたいですね。

 

最後に高台をきれいに削って、完成です。なんだ、意外に簡単にできそうです!

 

 

自分が気に入る器を作ろう

本書を読んで、苦手かもと感じていた陶芸が身近に感じられました。無理にきれいに作ろうとしなくてもいいのです。そして、他人が見て美しいと思う器より、自分がいかに気に入る器を作るかが重要といえます。そんな器なら愛着もわきますし、使って楽しめるのではないでしょうか。

 

私が求めているのはもちろん、晩酌がおいしくなる器です。極上の一杯のために、さっそく陶芸教室の門をたたいてみることにします!

 

 

【著書紹介】

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基礎からわかる はじめての陶芸

著者:学研パブリッシング(編)
出版社:学研プラス

手びねりやロクロでの成形から、釉薬の使い方や絵付け、焼成まで、陶芸のイロハを豊富な写真やイラストで解説した入門書。初心者が陥りやすい失敗例や上手な解決方法といったノウハウの他に、窯元や釉薬など役立つデータも満載する。陶芸ビギナー必携の一冊。

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バレンタインの「見せチョコ」にどう? あの「獺祭」を使い、世界的パティシエが仕上げた「チョコの日本代表」が登場!

世界的パティシエ・ショコラティエである辻口博啓(つじぐち・ひろのぶ)氏の和スイーツブランド「和楽紅屋(わらくべにや)」では、季節限定のチョコレート「獺祭抹茶トリュフ」を発売します。販売期間は1月中旬~2月中旬(数量限定のため在庫無くなり次第終了)で、2個入(800円・税込)から16個入り(5400円)まで7種類を用意。

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「獺祭抹茶トリュフ」とは、その名の通り、日本酒の「獺祭」(だっさい)純米大吟醸〈磨き二割三分〉と宇治抹茶をかけ合わせたトリュフチョコレート。「獺祭」は、あまりの人気にプレミア価格で売られることが多く、蔵元が「お願いです、高く買わないでください」と新聞広告を出して話題になったばかりです。その純米大吟醸〈磨き二割三分〉は、山田錦という高級酒米を23%まで削って使用し、雑味を徹底的に取り除いたもの。華やかな香りと甘みを感じたあと、上質な余韻を残してキレイに切れるのが特徴です。

↑獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分↑チョコに使われた「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」

 

この獺祭〈磨き二割三分〉と酒粕、宇治抹茶(西尾の抹茶・名古屋高島屋限定)を使って、この「獺祭抹茶トリュフ」をプロデュースしたのが、「世界一」との呼び声も高い辻口博啓氏です。辻口氏は世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ」のショコラ品評会では、5年連続(2013~2017年)で最高評価を獲得。また、2015年には「インターナショナルチョコレートアワーズ世界大会」のチョコレートバー部門で金賞を受賞しています。

20180118-s2 (2)↑辻口博啓氏

 

そんな辻口氏と獺祭がタッグを組んだ「獺祭抹茶トリュフ」は、さながらチョコレートの日本代表。なめらかな口あたりと余韻を楽しめるとのことで、実際、昨年開催された「サロンデュショコラ パリ2017」でも大好評を博したそうです。「バレンタインデーに特別なチョコを届けたい」という方はもちろん、チョコをもらう予定はないが、見栄は張りたいという方、「見せチョコ」として検討してみてはいかがでしょうか。

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新年会に向け「おいしい日本酒」と「注目トピック」を3分でチェック! 2017年「日本酒」カテゴリPVランキング

年末年始には、日本酒を楽しんだという方も多いはず。さらに、これから新年会シーズンを迎え、熱燗も身体にしみる季節だけに、改めて美味しい日本酒を知りたいとは思いませんか? 実はGetNavi webでは、「日本酒」が隠れた人気コンテンツ。2017年のアクセスランキングを見れば、昨年はどんなトピックがあり、どんな銘柄を注目を集めたのかが一目瞭然です。外れのないネットショップや、押さえるべき日本酒のキホンなど、耳より情報も網羅しているので、ぜひ見ていってくださいね。

 

10位

「高くてまずい酒」に別れを告げる! “すべらない”日本酒ネットショップ ベスト10

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2016年4月公開以来、長く読まれている記事。日本酒の品揃えでは折り紙つきの全国のネットショップ10店を厳選して紹介しています。「はせがわ酒店 オンライン店」「YOKOHAMA KIMIJIMAYA ONLINE SHOP」など、関東屈指のショップから、大阪や九州に店舗を置くショップも網羅。日本酒の主な取り扱い銘柄と、扱っている銘柄数などを明記しているのも特徴です。

記事の詳細はコチラ

 

9位

日本酒業界の巨人「はせがわ酒店」では、いま何が売れている? 売上ランキングトップ10を大発表!!

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2016/9/8UP

2016年9月の公開から読まれ続けている記事です。表参道ヒルズ、東京駅グランスタ、東京スカイツリーなど、話題のスポットに出店を果たした有名店「はせがわ酒店」。その麻布十番店の売上ランキングトップ10の日本酒を、同店マネージャーのレコメンドともに紹介しました。1位が山口県の獺祭、2位が秋田県の新政、3位が静岡県の磯自慢と、上位にはそうそうたる顔ぶれが並んでいます。

記事の詳細はコチラ

 

8位

【5分で覚える日本酒】十四代、飛露喜に次ぐスターといえばコレ! スイスイ飲める三重県の銘酒4選

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2017/5/7UP

三重県で注目の日本酒を紹介した記事。現在、次世代のスターとして注目され、入手困難となっている而今(じこん)を蔵元コメント入りで紹介するほか、事実上の世界一の日本酒を決めるコンペ「SAKE COMPETITION 2017」で上位に多数の入賞を果たし、話題となった作(ざく)などを紹介しています。

記事の詳細はコチラ

 

7位

飲食店経営の酒豪プロレスラーが「本気で店に置きたい日本酒」は? 一升約2000円の日本酒レビュー10本ノック!

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2017/3/12UP

飲食店を経営し、酒豪としても知られる新日本プロレスの矢野 通選手による日本酒のレビュー記事。一升約2000円のリーズナブルな日本酒を10本集め、お気に入りを見つけてもらいます。さすがは頭脳派レスラー、ユーモアを交えながら的確に味を表現していく姿が印象に残る記事です。試飲の結果、冷酒では「澤屋まつもと 守破離(しゅはり)」、燗酒では「長珍(ちょうちん) 本醸造」がもっともお気に入りという結果となりました。

記事の詳細はコチラ

 

6位

「世界一の日本酒」が決定! 今年はなぜかガンダムファンが喜ぶ結果に?「SAKE COMPETITION 2017」結果速報

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2017/6/5UP

事実上の世界一の日本酒を決めるコンペ「SAKE COMPETITION 2017」の結果を同日に伝えた速報記事。純米酒、純米吟醸、純米大吟醸、吟醸、Super Premium、発泡清酒の6カテゴリの上位入賞銘柄を伝えました。注目は、純米酒部門でワンツーを決め、純米吟醸でも4位、8位に入った作(ざく)。一方で人気銘柄の十四代、飛露喜、伯楽星なども各カテゴリで手堅くランクインしています。

記事の詳細はコチラ

 

5位

「マジか…」日本酒ファンが絶句する大ニュース! あの「酒づくりの神」がクラウドファンディングで電撃復帰

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2017/11/16UP

日本酒ファンの間で「名人」として知られる杜氏(※)、農口尚彦(のぐち・なおひこ)氏が、クラウドファンディングサイト「Makuake」のプロジェクトで電撃復帰した驚きを伝える内容。ちなみに、同プロジェクトは1月7日現在、追加のコースも含めて全てのコースを完売。目標金額の2070%を達成しています。

※杜氏(とうじ)…酒造りの職人を束ねるリーダーのこと

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4位

世界一おいしい日本酒が決定! あのメジャー銘柄が落ち無名の蔵がトップに立つ波乱アリ!!

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2016/7/30UP

2016年7月の公開から長く読まれている記事で、日本酒コンペ「SAKE COMPETITION 2016」の結果を伝える内容。磯自慢、寫楽(しゃらく)、獺祭などの有名銘柄が上位入賞を逃し、但馬、愛友など、知名度の低い銘柄が上位に挙がったサプライズをレポートしました。

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3位

【5分で覚える日本酒】初心者はこれさえ覚えればOK! 酒どころ・東北地方で絶対押さえるべき銘柄ベスト10

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2017/3/25UP

酒どころとして知られる東北地方の代表的な銘柄を紹介。新政、伯楽星、十四代、会津娘、飛露喜といった日本酒ファンの評価が高い銘柄は、蔵元のインタビューも掲載しています。合わせて、AKABU(あかぶ)、廣戸川(ひろとがわ)といった若手が醸す注目の銘柄もピックアップ。

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2位

獺祭、十四代、而今――日本酒の流れを変えた歴史的な銘酒6選

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2016/5/15 UP

十四代や飛露喜、獺祭など、現代の日本酒の流れに大きな影響を与えた6銘柄をガイドしたもの。蔵元コメントとともに代表的な1本を紹介しており、2016年5月のアップから読まれ続けています。

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1位

大吟醸と吟醸の違いが言えますか? 日本酒の種類がわかるたった2つのポイントとは?

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2016/5/8 UP

大吟醸や吟醸、純米、本醸造などの日本酒の種類の違いを、「醸造アルコール」と「精米歩合」の2点に着目して解説。①醸造アルコールを添加していないものには「純米」がつき、②低温発酵を行う吟醸造りのうち、精米歩合で60%以下だと「吟醸」、50%以下は「大吟醸」と説明しています。また、本醸造では〆張鶴、純米大吟醸では獺祭の1本を紹介するなど、各カテゴリで旬の銘柄も合わせて紹介しました。こちらも2016年5月の公開から、長くアクセスを集めている記事です。

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これは「ワインに着せるタイムマシン」だ! わずか数分で長期熟成の効果を生む「超音波デキャンタ」販売スタート

海外製品の日本展開の支援などを行うハンズエイドは、超音波技術によってワインやウィスキー、日本酒を数分で熟成させる「Sonic Decanter」(ソニック デキャンタ)を、12月18日、イノベ部公式ストアにて一般販売を開始しました。色はブラックとホワイトの2種。価格は3万4800円(税込)。小売店店頭では来春から順次発売します。

 

超音波の力でワインやウィスキー、日本酒を柔らかな味わいに!

20171218-s2 (4)↑ホワイト(左)、ブラック(右)。サイズは幅16.5×奥行17×高さ38cm

 

本機を使うと、ワインは長い年月をかけた熟成したワインのように、ウィスキーは長期熟成したようなまろやかさになるとのこと。2016年、クラウドファンディングサイト「MAKUAKE」にて600%もの支援を達成しましたが、海外での需要に生産が追いつかず、1年越しに日本発売が実現しました。

 

本機が採用するのは、空気と触れさせ酸化を促す、従来のデキャンティング(デキャンタージュ)とは全く逆のアプローチ。超音波の振動により、細かい気泡でワインを攪拌(かくはん)することによって、酸素を抜く効果を実現しました。その結果、ワインを劣化させることなく、わずか20分でワインそのものの味や、舌触り、香りを格段に良くするといいます。具体的には、防腐剤として使用される二酸化硫黄(SO2)の減少、ph値の減少、アントシアニンの減少、揮発酸(VA)の減少の4つが科学的に証明したとのこと。このほか、同社はタンニンを和らげ、アントシアニン、エステル、ポリフェノールの化学構造を改良すると説明しています。

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Sonic Decanterは、ワイン以外のお酒にも使用できます。例えば、ウィスキーであれば角が立っていた味も長期熟成したようなまろやかさに。日本酒であれば口当たりが滑らかになり、いままで燗(かん)をしないと飲みづらかった固い日本酒も、冷酒のまま柔らかな口当たりに変えることができます。

 

使い方は、本体に冷水を入れてワインを本体に差し込み、赤ワインか白ワインのボタンを選ぶだけ。赤ワインは20分、白ワインは15分で熟成効果が出るとのこと。日本酒やウィスキーは、5~20分程度、好みの時間で調整すればOKだといいます。

↑時間を設定して赤か白のボタンを押せばOK↑時間を設定して赤か白のボタンを押せばOK

 

それにしても、長期熟成の効果をわずか数分~数十分で得られるというのは驚きですね。「時を縮める」という意味では、小さなタイムマシンのような存在といえるかもしれません。とはいえ、3万4800円と価格が安くはないゆえに、「試してみないと購入に踏み切れない」という人は多いはず。そんな方は、「Bar 霞町 嵐」(西麻布)、「Bar Eterna」(銀座)の2つの協力店舗でその効果が試せるというので、まずはそちらを訪れてみてはいかがでしょう。

↑ウィスキーにも利用可能↑ウィスキーにも利用可能

 

 

 

これは「ワインに着せるタイムマシン」だ! わずか数分で長期熟成の効果を生む「超音波デキャンタ」販売スタート

海外製品の日本展開の支援などを行うハンズエイドは、超音波技術によってワインやウィスキー、日本酒を数分で熟成させる「Sonic Decanter」(ソニック デキャンタ)を、12月18日、イノベ部公式ストアにて一般販売を開始しました。色はブラックとホワイトの2種。価格は3万4800円(税込)。小売店店頭では来春から順次発売します。

 

超音波の力でワインやウィスキー、日本酒を柔らかな味わいに!

20171218-s2 (4)↑ホワイト(左)、ブラック(右)。サイズは幅16.5×奥行17×高さ38cm

 

本機を使うと、ワインは長い年月をかけた熟成したワインのように、ウィスキーは長期熟成したようなまろやかさになるとのこと。2016年、クラウドファンディングサイト「MAKUAKE」にて600%もの支援を達成しましたが、海外での需要に生産が追いつかず、1年越しに日本発売が実現しました。

 

本機が採用するのは、空気と触れさせ酸化を促す、従来のデキャンティング(デキャンタージュ)とは全く逆のアプローチ。超音波の振動により、細かい気泡でワインを攪拌(かくはん)することによって、酸素を抜く効果を実現しました。その結果、ワインを劣化させることなく、わずか20分でワインそのものの味や、舌触り、香りを格段に良くするといいます。具体的には、防腐剤として使用される二酸化硫黄(SO2)の減少、ph値の減少、アントシアニンの減少、揮発酸(VA)の減少の4つが科学的に証明したとのこと。このほか、同社はタンニンを和らげ、アントシアニン、エステル、ポリフェノールの化学構造を改良すると説明しています。

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Sonic Decanterは、ワイン以外のお酒にも使用できます。例えば、ウィスキーであれば角が立っていた味も長期熟成したようなまろやかさに。日本酒であれば口当たりが滑らかになり、いままで燗(かん)をしないと飲みづらかった固い日本酒も、冷酒のまま柔らかな口当たりに変えることができます。

 

使い方は、本体に冷水を入れてワインを本体に差し込み、赤ワインか白ワインのボタンを選ぶだけ。赤ワインは20分、白ワインは15分で熟成効果が出るとのこと。日本酒やウィスキーは、5~20分程度、好みの時間で調整すればOKだといいます。

↑時間を設定して赤か白のボタンを押せばOK↑時間を設定して赤か白のボタンを押せばOK

 

それにしても、長期熟成の効果をわずか数分~数十分で得られるというのは驚きですね。「時を縮める」という意味では、小さなタイムマシンのような存在といえるかもしれません。とはいえ、3万4800円と価格が安くはないゆえに、「試してみないと購入に踏み切れない」という人は多いはず。そんな方は、「Bar 霞町 嵐」(西麻布)、「Bar Eterna」(銀座)の2つの協力店舗でその効果が試せるというので、まずはそちらを訪れてみてはいかがでしょう。

↑ウィスキーにも利用可能↑ウィスキーにも利用可能

 

 

 

成城石井は「和おつまみ」の宝庫だ! 日本酒・焼酎のアテになるものランキング

「ちょっといいことがあった日や、逆に少しだけ悲しいことがあった日などは、いつもよりもワンランク上のお酒を用意して、“プチ贅沢晩酌”というのはいかがでしょう?」というテーマで3回にわたって成城石井の「ビールに合うおつまみベスト3」、「ワインに合うおつまみベスト3」「紅茶にぴったりのスイーツベスト3」を紹介しましたが、今回は日本酒&焼酎に合う和のおつまみ編。寒さが増してくるこの時期、日本酒の熱燗や焼酎のお湯割りが進む上質な3品を紹介します。

 

【3位】磯のくるみ

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第3位は「磯のくるみ」です。成城石井でこのネーミングを見かけて「何だろう?」と思って手に取ったのがきっかけです。簡単に説明すると、小魚の佃煮にくるみを混ぜたもの。「海で取れる珍しいくるみ」というわけではないのがちょっと残念ですが、食べてみると佃煮とくるみがベストマッチ! 小魚の佃煮だけでは飽きてしまうところを、くるみの香ばしさとサクッとした食感がアクセントになっていて、あと一口でやめようと思っても、いつの間にかつまんでいる中毒性のあるお酒のあてです。

 

小魚とナッツの相性の良さは、アーモンド小魚という定番のおつまみでも実証済みですよね。その佃煮版と思ってもらえば想像しやすいでしょうか。上品な味のぎんぽ白魚の佃煮とたっぷりのくるみのほか、川海老やゴマの風味も効いています。これをちびちびやりながら、焼酎のお湯割りを飲むなんて最高です。

20171113_ashida_02↑くるみがたっぷり! 甘さは控えめで上品な味です

 

 

【2位】出雲おでん

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第2位は「出雲おでん」です。おでんパックやおでん種の種類も豊富な成城石井。プライベートブランド「desica」からも「和風だし香る7種具材のごろごろおでん」が発売されていますが、「おでんの練り物が好き」という人にはこの「出雲おでん」がオススメです。

 

魚の練り物は3種類。イトヨリダイやトビウオ入りの「ちくわ」、境港産アジの「つみれ」、「のどぐろ入り天」とかなり豪華。ちくわはふにゃっとせず歯応えがあり、魚の味がちゃんとします。のどぐろ入り天はプリッとした食感で、自然の甘みとうまさを感じます。この練り物が主役……と思いきや、少し小ぶりの大根を食べると、これがビックリ、めちゃくちゃ美味しい! あごだしが中まで染みていて絶品です。二人前入っていてお得感があるのもポイント。化学調味料も無添加です。

20171113_ashida_04↑具材は全6種類。1パックに二人分、計12品とたっぷり入っています

 

 

【1位】博多あごおとし 日本酒仕込

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第1位は辛子明太子の「博多あごおとし 日本酒仕込」です。「博多あごおとし」は、「博多まるきた水産」の農林水産大臣賞を受賞した明太子ブランド。こちらの商品は、老舗造り酒屋の蔵人が醸した日本酒と、北海道産昆布・焼津産鰹の合わせだしを加えて風味をプラスした「日本酒仕込み」になっています。

 

税込で700円ほどと酒の肴としては高級品ですが、ぷっくりとしていて見た目からも品質の良さと美味しさが伝わってきます。皮の弾力もちょうど良く、箸でちぎって口に運ぶと、中のねっとりとした感覚とプチッとした粒感の両方を味わえます。しかも、明太子の旨みのあとに日本酒のすっきりとした爽やかな風味が広がり、生臭さはゼロ。そして最後にはピリッとした辛みとコクのある旨みの余韻が長く続きます。
辛口の日本酒でキリッといくと、両方が引き立て合って晩酌はエンドレス。ほんの少し醤油を垂らして、締めの明太子茶漬けもたまりません!

20171113_ashida_06↑辛子明太子といっても辛さは控えめで、旨みのほうを強く感じます。もちろん白いご飯も進みます!

この日本酒セラー、本気(マジ)だ! ギリギリの低温「-5℃」を実現する「MIYABINO」は機能も価格もケタ違い

アルテクナ(本社:東京都大田区)は、完全オーダーメイドの日本酒専用セラー「MIYABINO(ミヤビノ)」を発売します。本機の特徴は、従来のセラーには無かったマイナスの温度帯で厳密な温度管理ができること。日本酒の味を変えないためには、凍るおそれのないギリギリの低温管理(※)が理想とされており、その点、本機は-5℃~20℃の範囲で1℃単位で設定が可能。理想的な日本酒の保存温度とされる-5℃~2℃をキープでき、デリケートな生酒の長期保存も可能となっています。庫内温度は本体上部の操作パネルに表示。温度の選択も同パネルを使って簡単に行えます。

※日本酒は-10℃前後で凍りはじめます

 

-5℃~20℃の範囲で1℃単位の厳密な温度管理ができる!

↑オプション仕様の268K-S 左)、スタンダードモデルの268K-N(右)↑オプション仕様の268K-S(左)、スタンダードモデルの268K-N(右)

 

さらに、2部屋のモデルを選択した場合、各部屋で独立した温度制御が可能です。右の部屋では温度帯が高めの火入れのお酒、左の部屋では温度が低い生酒と使い分けることが可能なほか、右は日本酒、左はワインといった使い方をしてもOKです。

↑操作パネル↑庫内の温度を表示する操作パネル

 

もちろん、酒の劣化を防ぐための必要な機能もしっかりと装備。ガラスにはオリジナルの複層真空ガラスを使用し、内壁材には注入式発泡ウレタンを使用して断熱性を向上させています。ガラスはUVカットの機能を備えており、酒を劣化させる紫外線も防止。内装材には抗菌処理を施してあるので、開封後の酒の保管も安心です。さらに、扉が一定時間開いた状態が続くとアラートで知らせてくれるため、閉め忘れの心配もいりません。

↑中棚は25mm間隔で高さ調節が可能。瓶の種類や収納本数に合わせてレイアウト変更ができます。ワインボトルを寝かせ収納すればワインの保存もできます。↑中棚は25mm間隔で高さ調節が可能。瓶の種類や本数に合わせてレイアウト変更ができます。ワインボトルを寝かせて収納することもできます

 

なお、オーダーごとに設計を行うため、サイズ、部屋数、外装仕上げはユーザーの好み応じて選択できます。フロントパネルの材質、組子の柄はサンプルより選択可能で、外装はオーダーを受けてから職人が一点一点を丁寧に仕上げます。

 

ちなみに、本機を開発したアルテクナは、元サッカー日本代表で、日本酒の魅力を広く発信している中田英寿さんが主導した世界初の日本酒セラー開発プロジェクトにおいて、そのプロトタイプ(試作機)を手掛けた企業です。「世界のナカタ」のお眼鏡にかなった技術力、プロトタイプで培った経験を活かして、最高のクオリティに仕上げてきたと見ていいでしょう。

↑同社が手掛けたプロトタイプ。↑同社が手掛けたプロトタイプ(左)と、プロジェクトを主導した中田英寿氏(右)

 

さて、気になるお値段は、なんと219万5000円~(参考価格)。クルマ一台が余裕で買える価格ということで、なかなか購入できる人はいないと思いますが……大切なお酒を最高の状態で保存できるうえ、自分だけのオリジナル熟成酒を作って特別な日に楽しむ、といった使い方が可能です。日本酒を愛するエグゼクティブや、付加価値を追求する飲食店は検討の対象に、そうでない人は話のタネにしてみてはいかがでしょうか。

 

MIYABINO

268K-N(スタンダードモデル)

●参考価格219万5000円~●サイズ/質量:W675×D650×H1650mm/200kg●有効内容積:280ℓ●収容目安:一升瓶36本、4合瓶94本●温度制御範囲:-5℃~20℃

「マジか…」日本酒ファンが絶句する大ニュース! あの「酒づくりの神」がクラウドファンディングで電撃復帰

「日本酒好きには見逃せないプロジェクトが開始致しましたのでご連絡です!」

クラウドファンディングサイト「Makuake」の運営元、(株)マクアケの広報さんからこんな見出しのメールが届きました。

 

イヤイヤ、見逃せないことなんて、そうそうあるわけが…

「本日つい先ほどより、『酒づくりの神様』の異名を持つ、農口尚彦氏(84)が最前線に復帰し…」

 

……マジか。

農口尚彦(のぐち・なおひこ)氏といえば、確かに日本酒ファンの間で神格化されている「能登杜氏四天王(のととうじしてんのう)」のひとり。27歳で「菊姫」の杜氏(※)に就任して同ブランドの名を不動のものとし、「現代の名工」や「黄綬褒章」なども受賞した伝説の人物です。2010年に放送されたNHKのドキュメント「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、麹を食べ続けたため40代で歯がすべて溶けてしまった…という衝撃のエピソードを披露していました。

※杜氏(とうじ)…酒造りの職人を束ねるリーダーのこと

20171116-s4 (1)↑農口尚彦さん

 

ちなみに、筆者は「菊姫」退職後の鹿野酒造(銘柄:常きげん)時代の農口さんに会いに行き、自分のなかでこれを一生の宝としていました。当時を思い返してみると、農口さんの透明感のある表情が印象に残っています。筆者が「これだけ味がしっかりしていてもキレがいんですね…」と試飲の感想を述べると、農口さんは薄く笑みを浮かべながら「のどにモタつく酒は造りがヘタ。しっかりとキレる酒にするのが杜氏の腕のみせどころ」と語ってくれました(うろ覚えですが)。その後はその年の造りの話になり、「日本酒度(※)が思っていたのと違う」「日本酒度が、日本酒度が…」と、うわごとのようにつぶやいていたのを覚えています。

※:日本酒度…日本酒の糖の含有量を推測するための単位。日本酒の甘い、辛いを判断する指標になります

 

…たしか、農口さんは2015年に引退したと聞いていましたが……そうか、復帰したのか!

 

マクアケさんからのメールの続きを読むと、農口さんは、「夢や情熱を持った若者と共に酒づくりを行いたい」という熱い想いで復帰を決意。新しく建設した酒蔵「農口尚彦研究所」で7人の若者とともに酒づくりを再開し、そこで一番最初に醸造した酒を、いち早く「Makuake」の支援者に届けるというプロジェクトがスタートしたそうです。

↑↑農口さんと7人の蔵人。アメリカ・オレゴン州出身の蔵人(左)の姿も

 

さて、農口さんの代表作といえば、「山廃吟醸」(やまはいぎんじょう)、通称「山吟」(やまぎん)が有名です。こちらは、独特の酸味が楽しめる昔ながらの「山廃造り」と、米を磨いて低温発酵させる「吟醸造り」を組み合わせ、コクと透明感を両立したもの。かつて筆者が口にしたときは、その完成度の高さに脱帽するしかありませんでした。…さて、Makuakeのラインナップはどうだ…?

 

サイトを見てみると、ラインナップは「本醸造酒」「山廃純米酒」「山廃吟醸酒」の3種類。…やっぱり「山吟」あるじゃない! 価格は「本醸造酒」で720ml×2本で5500円~、例の「山吟」が720ml×2本で7500円~と決して安くはないが、これは日本酒ファンなら絶対ほしい。1秒後に飲食店の買い占めがあってもおかしくないレベルです。筆者も、いつもなら「みなさんもぜひ」と締めるのですが、日本酒ファンとして自分の胸だけにとどめておきたい…という思いもあり、幅広い人に知ってほしくもある、という…とにかく複雑な気持ちです。

↑↑左から本醸造酒、山廃純米酒、山廃吟醸酒

とんでもない快挙だ! 世界的なデザインコンペで新潟の地酒が1位を獲得

新潟県の麒麟山酒造(東蒲原郡阿賀町)による日本酒が、世界的なパッケージデザインコンペティション「ペントアワード 2017」において、飲料部門・最高位のプラチナ賞を受賞しました。「ペントアワード」は2007年1月の創設された、世界で最も権威があるとされるパッケージデザインのコンペティションです。

 

毎年、世界中から応募作品が寄せられ、著名なデザイナーや大手企業のパッケージデザインディレクターからなる12名の国際審査員によって審査されます。 審査は55種類以上のカテゴリーで行われ、そのなかから飲料、食品、ボディ、ラグジュアリー、その他の主要5部門それぞれにプラチナ、金、銀、銅の各賞を授与。さらに全体の最優秀作品としてダイヤモンド賞1点が選ばれます。

 

シンプルなデザインが評価され飲料部門の1位を獲得

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今回受賞したのは、麒麟山酒造が製造する長期熟成吟醸原酒「紅葉 金(もみじ きん)」。パッケージデザインでは、シリーズが持つ味と背景を直感的に伝えるため、木々が色づくように旨みが増すイメージを表現。ふだん日本酒を飲まない層にもアピールすべく、紅葉を一枚配しただけのシンプルなデザインとしたところ、「ペントアワード」の国際審査員にも高く評価されました。デザインを担当したのは新潟市のデザイン事務所・フレームの代表取締役、石川竜太氏。

 

受賞した「紅葉 金」は、歴代の杜氏が3代にわたって守り続けた熟成酒で、2016年11月に1000本限定で特別販売されたもの。その酒質は、二十年以上の長い熟成を経て淡い琥珀色となり、蜜のような芳醇さとまろやかな酸味を併せ持つ、奥深い味わいだといいます。ぜひ味わってみたいところですが、本品は特別蔵出し商品のため2017年は販売しないとのこと。販売する際は、そのつどアナウンスするといいます。

20171110-s2 (3)↑ペンドアワードのプラチナ賞を受賞した「紅葉 金」

 

なお、麒麟山酒造は、使用する9割以上の米を地元・阿賀町産の米でまかない、酒の劣化を防ぐために述床面積2000㎡の貯蔵棟を建設するなど、先進的な取り組みで注目を集めている蔵。新潟の淡麗辛口(※)の魅力を広く伝えことにも注力しており、受賞はその活動の一部が実を結んだ形です。今後、より注目を集めるのは間違いなく、全国の蔵元の良いモデルケースになるという意味でも、日本酒界全体への好影響が期待できそうです。

※淡麗辛口…甘味と酸味が少なく、さっぱりしている日本酒の味を表す言葉

20170919-s3-1-1↑麒麟山のレギュラー酒のラインナップ。こちらも受賞酒と同じく石川氏によるデザイン

 

麒麟山酒造では常浪川の伏流水を仕込み水として使用し↑麒麟山酒造がその伏流水を仕込み水として使用する常浪川の風景

 

日本酒ブームの影で増加する酒蔵の廃業――「買収」という「ポジティブな手法」が蔵元を救う

多数のメディアで日本酒が特集される昨今、業界全体が盛り上がっているようにも見えますが、残念なことに廃業を余儀なくされた酒蔵は年々増えています。累積赤字、跡継ぎ不在、その理由はさまざま。現在も存続の危機にある酒蔵は少なくありません。南アルプスの麓の自然環境と良質な水に恵まれた土地で、地元の酒米を使った「今錦」を醸してきた米澤酒造も、そんな蔵のひとつでした。

 

トヨタ社長も注目する年商約200億円の企業が地方酒蔵を子会社化

「造り酒屋は村の大切な伝統であり、文化です」。そんな想いを持った企業が、米澤酒造の再生に名乗りを上げます。2014年、地元企業の伊那食品工業が米澤酒造を子会社化。伊那食品工業は、寒天の家庭用ブランド「かんてんぱぱ」などを展開する食品メーカーです。国内市場のシェアは約80%で年商約200億、1958年の創業以来48年間増収増益を達成してきた、長野県が誇る超優良企業です。

↑記者会見で熱い想いを話す、伊那食品工業株式会社取締役会長の塚越 寛さん。塚越さんが説く「年輪経営」は、日本を代表する企業「トヨタ」の豊田章男社長が注目し、各グループ会社のトップにその理念を学ぶように指示したことでも有名です↑記者会見で熱い想いを話す、伊那食品工業株式会社取締役会長の塚越 寛さん。塚越さんが説く「年輪経営」は、日本を代表する企業「トヨタ」の豊田章男社長が注目し、各グループ会社のトップにその理念を学ぶように指示したことでも有名です

 

存続の危機にある酒蔵を再生しようとする動きは、いまや珍しくありません。複数の酒蔵を子会社化してグループ経営するケース、大手酒蔵が地酒蔵を買い取るケース、異業種から酒蔵経営に乗り出すケースなど、経緯や目的はさまざまです。酒蔵経営をしたいからといって新たに酒造免許を取得するのは困難なこともあり、この先「酒蔵買収」は日本酒業界のひとつの流れになるでしょう。その現状を知るために、「米澤酒造酒蔵全面リニューアル」に向けた記者見学会に参加してきました。

 

素晴らしい景観と文化を残すために造り酒屋を守る

明治40年に創業した米澤酒造が蔵を構えるのは、長野県上伊那郡にある中川村。「日本で最も美しい村」連合に加盟する、南信州・伊那谷のほぼ真ん中にある小さな村です。村の真ん中を天竜川が蛇行するように流れ、この蛇行と山脈の隆起によって形成された「河岸段丘」という特異な地形が中川村の風景。キノコ、野菜、ジビエ、そしてお米など、豊富な特産物に恵まれています。伊那食品工業が米澤酒造を子会社化した最大の目的は、この中川村の観光資源を守るため。「造り酒屋は観光資源」と、伊那食品工業株式会社取締役会長の塚越 寛さんは言います。

↑中川村の風景↑中川村の風景

 

米澤酒造のラインナップには、定番の「今錦」ブランドのほかに、数量限定酒「おたまじゃくし」があります。このお酒は、中川村の飯沼地区の棚田だけで生産された酒造好適米「美山錦」を100%使用。地域を巻き込みながら、村民と酒蔵が一体となり、田植えから稲刈りまでを行なっています。減少しつつある日本の原風景、棚田。この素晴らしい景観と文化を残すために醸されてきたお酒が「おたまじゃくし」です。地域を守る、地域の雇用を守る。それは、かつて造り酒屋が担っていた使命でした。この「おたまじゃくし」の取り組みが、会長の塚越 寛さんが言った「造り酒屋は観光資源」という言葉の真意です。

↑↑米澤酒造のラインナップ

 

↑田んぼとアルプスが調和する飯沼棚田。ここで村人と蔵人が育てた美山錦を使って醸す酒が「おたまじゃくし」です。地域と醸す酒。正真正銘の地酒です↑田んぼとアルプスが調和する飯沼棚田。ここで村人と蔵人が育てた美山錦を使って醸す酒が「おたまじゃくし」です。地域と醸す酒。正真正銘の地酒です

 

子会社化により、最新設備が整ったまったく新しい酒蔵に変貌

米澤酒造が伊那食品工業の子会社になったことで、蔵や酒はどう変わるのか。蔵見学で目の当たりにした現実は、想像をはるかに超えていました。「いい酒にはいい設備が必要」という考えのもと、伊那食品の寒天作りで培った氷温設備、最新の瓶詰機械などを導入。食品会社が指導する徹底した衛生管理のもと、米澤酒造はまったく新しい酒蔵として生まれ変わりました。製麹室も新設され、リニューアルというよりも「新蔵が建った」という表現のほうが的確かもしれません。蔵内の空調管理も徹底され、仕込み蔵、槽場、瓶詰場すべてにおいて低温環境を実現。火入れのラインには超高額機械「パストライザー」を導入するなど、お酒に負担をかけずに高い品質をキープするための設備が整っています。今後、従来の「今錦」よりもフレッシュ感を残した酒質に変化していくことは明確。長野県を代表する「真澄」から新杜氏を迎え、完全新設備のもと29BY(平成29年酒造年度)から新生「今錦」がスタートします。

↑近代設備を備えた↑近代設備を備えた蔵の内部

 

↑↑火入れの工程

 

ただし、大半の設備が一新されましたが、槽搾り(ふなしぼり)製法だけは踏襲。ゆっくりと上から圧力をかけて搾るので、お酒に負担がかからず、きれいな酒質に仕上がります。米澤酒造では、全量をこの槽搾りで造っています。棚田米を使った「おたまじゃくし」の取り組みを含め、中川村の酒蔵として守り続けてきた本質は変えず、新たに変化を重ねていく「不易流行」というスタンスを、生まれ変わった米澤酒造から強烈に感じました。

↑槽搾りの光景。発酵した醪を布袋に入れ、ひとつひとつ槽の中に並べ、ゆっくりと上から圧力をかけて搾る方法。手間がかかるため、この方法で搾る蔵は全国的に減っています↑槽搾りの光景。発酵した醪を布袋に入れ、ひとつひとつ槽の中に並べ、ゆっくりと上から圧力をかけて搾る方法。手間がかかるため、この方法で搾る蔵は全国的に減っています

 

単なる酒蔵から中川村の観光拠点へ

「酒蔵買収」と聞くと、何やらネガティブに感じる人も多いと思います。かくいう筆者もそうでした。でも、「中川村の観光資源を守るため」という伊那食品の大義を理解して物事を見つめると、非常にポジティブなことばかりです。今後、大手食品会社の研究機関を利用することで、発酵食品としての日本酒の魅力を科学的に実証していくことも可能でしょう。そういったデータをもとにした酒造りも、新生「今錦」に期待したいアプローチのひとつです。また、2017年11月下旬には日本酒造りの様子を見学(事前予約制・無料)できる観光蔵としてオープン予定。江戸から明治期に作られた徳利250本をディスプレイした店舗で、お酒の購入も可能に。単なる酒蔵ではなく、地元アーティストの作品や特産品も販売し、中川村の観光拠点として訴求していくそう。飯沼地区の棚田がある「日本で最も美しい村」の景観や文化を、未来のために維持・発展させていくことが、米澤酒造の夢。キャンプ場も温泉もある中川村に足を運び、その風景を前に、地元の食材と共に「今錦」や「おたまじゃくし」をいただく。それが極上においしい、地酒の味わい方です。

↑田んぼとアルプスが調和する飯沼棚田。ここで村人と蔵人が育てた美山錦を使って醸す酒が「おたまじゃくし」です。地域と醸す酒。正真正銘の地酒です