健康のバロメーターを仕事中にさりげなく測定できる! 次世代血圧計はなんと腕時計に搭載

1月9日から12日まで、米ネバダ州ラスベガスで家電製品を中心とした展示会「CES 2018 (Consumer Electronics Show)」が開催されました。その中でオムロン ヘルスケアが、コンセプトモデルとして2点の製品を展示。

 

健康診断でよく見る上腕部にベルトをぐるりと巻き、空気を送り込みながら測定するのが当たり前だった血圧計を、なんと手首に巻いたままいつでも血圧を測定できるようにする腕時計型のウェアラブルデバイス「HEARTGUIDE」と、血圧と同時に心電を測定できる「OMRON BLOOD PRESURE MONITOR + EKG」です。まだ開発中とのことでしたが、実機を前にその機能や開発の目的などを伺ってきました。

↑毎年、年明けに開催されている展示会「CES」↑毎年、年明けに開催されている展示会「CES」

 

↑オムロンヘルスケアのブース↑オムロン ヘルスケアのブース

 

「HEARTGUIDE」で就寝中も自動的に血圧が測れるようになる!

「HEARTGUIDE」は、ふだんは腕時計や活動量計として使いながら、必要に応じて気軽に血圧も測れるウェアラブルデバイスです。

↑「HEARTGUIDE」↑「HEARTGUIDE」

 

見やすいディスプレイを備えた腕時計のようなデザインで、従来の手首式の血圧計からは想像できないほどコンパクト。ボタンを押して任意のタイミングで血圧測定ができるだけでなく、タイマー設定による自動測定も可能で、夜間、寝ている間にも自動的に血圧が測れるというのが大きな特徴です。

 

活動量計としては、歩数や移動距離、消費カロリー、睡眠のトラッキングなどができるほか、メールやメッセージ、着信などスマートフォンと連携した通知機能を備えており、サイドボタンを押すと表示が切りかわります。

↑歩数や消費カロリーも分かります↑歩数や消費カロリーも分かります

 

↑睡眠時間のトラッキングも可能↑睡眠時間のトラッキングも可能

 

↑スマートフォンからの通知も表示できます↑スマートフォンからの通知も表示できます

 

血圧の測定方法は従来の血圧計と同じで、バンドの内側に空気を送り込み、手首を圧迫して計測します。血圧の測定時間は1分ほど。精度を保つため、測定時は手首を心臓と同じ高さに合わせます。

 

タイマー機能は就寝中の測定を前提にしているとのこと。就寝中は横になっているので、心臓と手がだいたい同じ高さにあり、測定条件としては理想的だそうです。

↑測定中の様子。手首を心臓の高さに合わせることで精度を保ちます↑測定中の様子。手首を心臓の高さに合わせることで精度を保ちます

 

測定結果が正常ならディスプレイに緑色の円が表示され、問題があると判定されると赤い円になります。Bluetoothでスマートフォンと連携し、各種データはアプリで管理できます。

 

充電方法は未定ですが、バッテリーは1日10回測定したとして1週間はもつだろうとのこと。

 

担当者によれば、これまでは安定して測るためにある程度バンドに幅が必要でしたが、腕時計並みのバンド幅の中に入れ込んでおり、その技術がオムロンならではなのだとか。また、このサイズでFDAの認可をとったものはまだないとしています。着け心地は良好のようで、就寝中に測定がはじまっても起きてしまうことはないそうです。

↑こちらは従来の手首型の血圧計↑こちらは従来の手首型の血圧計

 

↑そんな血圧計が、腕時計サイズになりました↑そんな血圧計が、腕時計サイズになりました

 

↑バンド幅が大幅に細くなっています↑バンド幅が大幅に細くなっています

 

家族と共有したくなるかもしれませんが、本機は1人1台が前提です。なぜなら日常生活の中でひとりひとりの血圧の変動をトラッキングし、リスクを探し、大病を未然に防ぐのが目的だからです。

 

「HEARTGUIDE」はまず米国での発売を目標にしており、価格は未定。血圧計として販売を予定しているため、現在FDAの認可待ちとのことで、今年中にできればとしています。日本での発売も視野にいれていますが、薬事法の認可後となるとのことです。

↑判定結果は数値周りの円の色でわかります。赤は警告。日本と米国では基準が異なり、米国のガイドラインでは下が80を超えると高血圧と判定されるとのこと↑判定結果は数値周りの円の色でわかります。赤は警告。日本と米国では基準が異なり、米国のガイドラインでは下が80を超えると高血圧と判定されるとのこと

 

「BLOOD PRESURE MONITOR + EKG」で血圧と不整脈を同時にチェックできるようになる!

一方の「BLOOD PRESURE MONITOR + EKG」は据え置き型の血圧測定器です。

↑「BLOOD PRESURE MONITOR + EKG」↑「BLOOD PRESURE MONITOR + EKG」

 

血圧の測定には腕を使い、方法も従来通り。ただし、本体の両脇に電極がついており、指を添えると血圧を測りながら一緒に心電が測定できるというもの。電極の位置などデザインは変わる可能性があるようです。

 

不整脈と高血圧の両方を持っている人が脳梗塞や心筋梗塞を発症する確率は、高血圧だけの人よりもさらに高いとのことで、血圧と同時に心電を測ることで、不整脈がないかどうかを検知する目的があります。

 

心電の測定に要する時間は約30秒で、結果はアプリ上で確認します。問題があると判定されると、血圧と心電の履歴が医者に送信され、適切な診断を仰げるようになるといいます。

 

こちらも現在FDAに申請中で、2018年度春の発売を目指しています。

↑血圧を測りながら心電を測定)↑血圧を測りながら心電を測定

 

↑異常が見つかると医師にデータを送信。診断を仰げるようになるそうです↑異常が見つかると医師にデータを送信。診断を仰げるようになるそうです

 

自分が抱えるリスクを事前に知る

いずれの製品も、日々のコンディションを手軽にトラッキングすることで、心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ごうという狙いがあります。

 

担当者によれば、日本人の3人に1人は高血圧とのこと。その中の4割しか病院に行かず、さらにその中できちんと薬を服用して血圧を下げている人は15%程度と言われているそうです。とはいえ、血圧は1年に1回健康診断で測るか、気になっている人が家で測っているのが現状です。

 

しかし、昼間働いているときや、夜寝ているときも、本人が気づかないうちに高血圧になっている人が多いとのこと。特に睡眠時無呼吸症候群の方は、寝ている間に血圧が高くなっていることがあるそうです。高血圧は心筋梗塞や脳卒中の原因で、日本人の死因の上位を占めますが、日常的に血圧を測っていないので、自分に潜むリスクに気づきません。

 

オムロンには、血圧計のメーカーとしてもっと血圧を測りやすくすることで、心筋梗塞や脳卒中など、血圧に起因する病気のリスクに早く気づき、対策を打つことで未然に防いで欲しいという狙いがあります。今後は遺伝の情報や本人の病気の履歴などのデータとあわせて解析し、その人にあった細かい診断の提供につなげていきたいとのことで、今回の製品はそのための第一歩となります。

 

これまでのウェアエラブルデバイスといえば、活動を促すことで健康に導こうというものが中心でしたが、医療機器として体内の状態をトラッキングできるというのは新しい切り口。腕時計感覚で使える血圧計なら、意識せずとも血圧測定が可能になりそうです。朝と夜はボタンで、就寝中はタイマーで測定すれば、自分の健康状態が可視化できます。

 

オムロンヘルスケア 経営統括部 広報渉外部長の中島 智氏は、「脳梗塞や心筋梗塞のリスクを早期に発見し、治療につなげたい。いかに減らしていけるか、いかに防ぐかが次の課題です。まずは高血圧かどうかを健康診断だけなく、定期的に調べてほしい」と語りました。

運転中に消し忘れた自宅のエアコンをオフに――「AI音声アシスト」で訪れるクルマの“現実的な”未来

世界最大のIT家電ショーとして知られる「CES(セス)2018」が1月初旬、米国ラスベガスで開催された。近年は家電だけにとどまらず、電動化や自動運転といった最先端の自動車技術を披露する場としても世界的に注目を集めている。そんな「CES2018」で見た自動車の最新テクノロジーを追った。

↑4日間の開催で約20万人が集まる世界最大級のIT家電ショー「CES(セス)」。今年はCESが積み上げてきた51年の歴史の中で過去最大の開催規模となったという↑4日間の開催で約20万人が集まる世界最大級のIT家電ショー「CES(セス)」。今年はCESが積み上げてきた51年の歴史で過去最大の開催規模となったという

 

AI音声アシストがついに車載に

これまでCESに出展されてきた自動車の最先端分野は「自動運転」だった。数年前まで各社はこぞって自動運転に向けた可能性を訴え、そのコンセプトを競い合うフィーバーぶりだったのだ。しかし、一昨年あたりからその熱も冷め、より現実的な路線へと転換し始めた。たとえば、オートパーキングやラストワンマイルの機材、さらにはドライバーに対する様々なアシスト技術といった、より足元の先進技術を充実させる方向へと切り替わったのだ。そんななかで、CES2018で目立った出展が「AI音声アシスト」である。

 

クルマにとって最も使いやすいインターフェースは、これまでにも様々なアプローチが試みられてきた。ディスプレイのタッチパネルや、視線によるコマンド選択もそれらのひとつ。しかし、いずれも画面を視認しなければ操作はできないという問題を抱えていた。一方で、インターフェイスとしての優秀性を理解しながらも、その認識率が課題となって普及してこなかったのが音声認識だ。しかし、その問題はネット接続したクラウドでの処理によって解決の糸口が見えてきた。その最先端に位置するのが「AI音声アシスト」なのだ。

↑話題の中心はAI音声アシスタント。アマゾンのエコーを迎え撃つグーグルは「Google Assistant」専用ブースを用意し、Google Homeが当たるイベントも展開された↑話題の中心はAI音声アシスタント。AmazonのEchoを迎え撃つGoogleは「Google Assistant」専用ブースを用意し、Google Homeが当たるイベントも展開された

 

その急先鋒となっているのがGoogleやAmazon、Appleが提供しているAI音声アシストサービスだ。GoogleやAmazonのスマートスピーカーは、日本にも上陸したことで広く認知されているが、ここアメリカでは近年にない大ヒットを遂げているという。その理由は家庭にある家電をスマートスピーカー経由でコントロールできるから。たとえば照明器具やコンセント、エアコンのON/OFF、テレビの観たいチャンネルが音声操作によって即座に実行される。これらはスマートフォンと接続して外部からでもコントロールでき、それは鍵の解錠/施錠にまで及ぶ。つまり、「便利だから」スマートスピーカーは普及しているわけだ。

↑先行発売した「amazon echo」。音声での商品注文にも対応するなど、多彩な機能が高い支持を得る要因となっている↑先行発売した「Amazon echo」。音声での商品注文にも対応するなど、多彩な機能が高い支持を得る要因となっている

 

↑AI音声アシストで勢いを増している「Google Home」。Android端末との高い親和性が最大のポイントとなっている↑AI音声アシストで勢いを増している「Google Home」。Android端末との高い親和性が最大のポイントとなっている

 

そして、CES2018ではその便利さが自動車の中にまで入り込み始めた。会場では各社がこぞって車内からコントロールするデモを展開しており、車内に乗り込んでそれを体験する姿があちこちで見ることができた。便利な機能だからそれが家だけでなくクルマでも使いたいと思うのは自然な姿。そんな単純明快な理由が車載でのAI音声アシスタント利用を推し進めているのだ。

 

運転しながら自宅の家電を声で操作

そのなかで注目だったのが、音声認識のソフトウェア開発を行っているニュアンス社(アメリカ)だ。同社はPCで使う音声認識ソフト「ドラゴン・スピーチ」を開発したことでも知られ、いまや世界中の大手自動車メーカーが同社の音声認識ソフトを使う、まさにこの分野でのトップメーカーでもある。同社はCES2018開催に合わせ、ラスベガス市内のホテルに特設会場を用意。ここで最先端のAI音声アシストを披露して見せた。

↑ニュアンス社は別ホテルで専用会場を用意。そこではAI音声アシスタントを使って遠隔操作する「Dragon Drive」のデモが披露された↑ニュアンス社は別ホテルで専用会場を用意。そこではAI音声アシスタントを使って遠隔操作する「Dragon Drive」のデモが披露された

 

なかでも注目だったのが、車内のドライバーの声を認識し、サーバーを介して自宅のスマートスピーカーをコントロールする技術だ。車内からコマンドを発するだけで「Amazon Alexa」や「Google Home」につながり、しかも複数のAI音声アシスタントを使い分けられる。そのため、運転中にアップルの「Siri」を使うスマートフォンに話しかけると、そのコマンドによって家にある様々なスマートスピーカーのコントロールを可能とする。もちろん、これもまた家のエアコンや照明のON/OFFを行い、鍵の施錠/解錠まで行える。つまり、ニュアンス社のシステムが多彩な音声アシストに対応するインターフェイスとしての役割を果たすわけだ。

↑外部からAI音声アシストを使い、家のエアコンや照明のON/OFFを行い、鍵の施錠/解錠まで実行。その端末は異なる音声アシストでも構わない↑外部からAI音声アシストを使い、家のエアコンや照明のON/OFFを行い、鍵の施錠/解錠まで実行。その端末は異なる音声アシストでも構わない

 

こうしたAI音声アシストをさっそく採用する自動車メーカーも現れている。トヨタは「CES 2018」に出展された「TOYOTA Concept-愛i」のオートモーティブアシスタントにニュアンス社の音声技術「Dragon Drive」を採用。Concept-愛i向けにカスタマイズしており、トヨタの感情推定エンジンとも連携するのだという。一方、ケンウッドは三菱自動車のエクリプスクロスに採用されたディスプレイオーディオを出展。会場内にはエクリプスクロスの実車を展示してグーグルアシスタントを使ったデモを行った。このディスプレイオーディオは、北米だけでなくグローバルでの展開になるそうで、日本で発売されるエクリプスクロスも同仕様になる予定だという。

↑三菱自動車の最新モデル「エクリプスクロス」に搭載されたディスプレイオーディオ。ケンウッドによるOEMで、CarPlayやAndroidAutoに対応する↑三菱自動車の最新モデル「エクリプスクロス」に搭載されたディスプレイオーディオ。ケンウッドによるOEMで、CarPlayやAndroidAutoに対応する

 

 

パナソニックはAmazonと共同開発した車載システムを公開した。最大のポイントはAlexaをオンラインだけでなく、オフラインでも使えるようにし、車内のエアコン調節や窓の開け閉め、音楽再生、道案内などができる新しい仕組みを取り入れたことだ。しかも驚いたことにパナソニックはこれをGoogleアシスタントでも同様な対応をして見せた。

 

 

また、世界有数の自動車部品サプライヤーであるコンチネンタル(ドイツ)もAmazon Alexaと連動した車載向けAI音声アシスタントを披露し、その使い勝手の良さを強調した。

↑世界有数の自動車部品サプライヤーコンチネンタル(ドイツ)が披露したAmazon Alexaと連動する車載向けAI音声アシスタント↑世界有数の自動車部品サプライヤーコンチネンタル(ドイツ)が披露したAmazon Alexaと連動する車載向けAI音声アシスタント

 

また、車載オーディオのOEMで知られるBoseが披露したのは、オーディオが大音量で鳴り響く車内でもドライバーの声だけを抽出できる技術「ClearVoice(クリアボイス)」。これはオーディオだけでなく、窓を開けた状態だったり、オープンカーでも効果があるという。音声アシストが普及すればするほどこうした技術の後押しは重要となっていく。究極のインターフェイスとして長いこと日の目を見てこなかった車載での音声認識がようやく花開き始めた。CES20108はそんな時代の変化を読み取ることができたショーとなったのだ。

↑Boseが公開した「ClearVoice」は、大音量の音楽を再生中でもドライバーの声を抽出できる新技術で、風切り音などにも対応できる↑Boseが公開した「ClearVoice」は、大音量の音楽を再生中でもドライバーの声を抽出できる新技術で、風切り音などにも対応できる

 

 

【CES 2018】防水・フルデジタル・AIアシスタント機能――2018年もワイヤレスオーディオの進化が止まらない!

アメリカのラスベガスで世界最大のエレクトロニクスショー「CES」が開催されました。アメリカでは以前からスポーツ・フィットネスへの意識が高いことから、ポータブルオーディオのワイヤレス化にはファンの関心も高く、人気に火が付いてからは一気に商品が充実してきたように感じます。特に左右独立の完全ワイヤレスイヤホンは、エレクトロニクスのショーが開催されているからでしょうか。街中に「AirPods」を身に着けている人があふれていました。今回はCESで見つけたワイヤレスモデルを中心としたイヤホン系新製品を振り返ってみたいと思います。

20180115-i01 (18)↑活況を呈したアイリバーのブース

 

ソニーの完全ワイヤレスイヤホン“第2弾”は防滴&ノイキャン

完全ワイヤレスイヤホンの注目株筆頭はソニーが発表した「WF-SP700N」です。WF-1000Xに続く第2弾はスポーツモデル。本体がIPX4相当の防滴・防汗仕様でデジタルノイズキャンセリング機能付の完全ワイヤレスイヤホンは世界初。価格は179ドル(約2万円)で、春頃にアメリカで発売。日本導入も予定されています。カラバリはパステル調の4色。

↑ソニーのGoogleアシスタントにも対応する完全ワイヤレスイヤホン「WF-SP700N」↑ソニーのGoogleアシスタントにも対応する完全ワイヤレスイヤホン「WF-SP700N」

 

↑↑コンパクトな充電機能付ケースに収納↑コンパクトな充電機能付ケースに収納

 

↑装着するとこんな感じのスタイルになる。頭を激しく振ってもイヤホンが耳から落ちない↑装着するとこんな感じのスタイルになる。頭を激しく振ってもイヤホンが耳から落ちない

 

デジタルノイキャンの機能を逆手にとって、マイクで周囲の音をモニタリングできる「アンビエントモード=外音取り込み」の機能はWF-1000Xと同様に「ボイス」と「ノーマル」を選択可能。スマホアプリ「Sony Headphones Connect」でどちらかに設定して、本体左側のボタンをクリックしてオン・オフを切り替えます。外音取り込みとイコライザー機能など、好みの値を設定しておいて、アプリから即座に設定値のオン・オフを切り替えられる「Quick Sound Settings」機能が追加されました。

↑アプリSony Headphones Connectでボタンの機能切替など設定できる↑アプリSony Headphones Connectでボタンの機能切替など設定できる

 

音質を会場でチェックしてみました。CESの会場はかなり賑やか、というかうるさいぐらいなので、本機のノイキャン機能とイヤーピースによるパッシブな消音効果の合わせ技がかなり高いことが確認できました。サウンドは低域に厚みがあって、音楽の輪郭線をしっかりと太く描くタイプで、身体を激しく動かすスポーツシーンに勢いを与えてくれそうな元気めな仕上がりでした。身に着けて頭を激しく振ってみてもイヤホンが簡単に外れてしまうことはありません。フィット感はWF-1000Xよりも優れていると感じました。オーディオコーデックの仕様はWF-1000Xと同じAAC/SBC対応で、アップスケーリング機能のDSEE HXは非搭載となっています。

 

本機のほかに、左右のイヤホンが有線ケーブルでつながる、いわゆる普通のワイヤレスイヤホン「WI-SP600N」やハウジングが半密閉タイプの「WI-SP500」もラインナップに加わります。このうちSP700NとSP600Nは、発売後に予定するソフトウェアアップデートでGoogleアシスタントが一発で呼び出せる連携機能が追加されます。左側ハウジングのボタンがGoogleアシスタントの起動ボタンになり、「OK Google」を発声しなくてもいいので、より気軽にボイスアシスタントと会話ができるかも。

 

オーディオテクニカから世界初のフルデジタルイヤホン

オーディオテクニカは2016年に発売したデジタルヘッドホン「ATH-DSR9BT」「ATH-DSR7BT」に続いて、今度はワイヤレスイヤホンタイプの“フルデジタルイヤホン”に要注目です。アメリカで発売される「ATH-DSR5BT」は価格が399ドル。「ピュア・デジタル・ドライブ」テクノロジーを搭載したフルデジタル伝送対応機です。

↑オーディオテクニカのフルデジタルイヤホン「ATH-DSR5BT」↑オーディオテクニカのフルデジタルイヤホン「ATH-DSR5BT」

 

BluetoothのオーディオコーデックはaptX HDに対応。アルミニウムのハウジングに9.8mmと8.8mmのダイナミック型ドライバーを乗せてプッシュプル駆動で動かします。小さな筐体なのにタイトで力強いサウンドを生み出せる秘密がここにあります。会場で実機の音も聴いてみましたが、非常にクリアで透明感あふれる中高域に、芯の力強さが光る低域とのコンビネーションがほかのワイヤレスイヤホンにない異彩を放っています。これはぜひ日本でも販売して欲しい!

↑ネックバンドに設けられたLEDランプの点灯で接続中コーデックの状態が判別できる↑ネックバンドに設けられたLEDランプの点灯で接続中コーデックの状態が判別できる

 

パイオニアとJVCから初の完全ワイヤレスイヤホン

パイオニアはブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「SE-C8TW」を展示していました。アメリカでの価格は99.99ドル。日本で発売されたら1.1万円前後になるのでしょうか。お手頃価格が魅力的な完全ワイヤレスイヤホンになりそうです。6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。コーデックはAAC/SBCに対応します。

↑パイオニアの完全ワイヤレスイヤホン「SE-C8TW」。お手頃価格も魅力的↑パイオニアの完全ワイヤレスイヤホン「SE-C8TW」。お手頃価格も魅力的

 

JVCも初の完全ワイヤレスイヤホンを発表しました。「HA-ET90BT」はスポーツタイプでIPX5相当の防滴仕様。イヤーピースの先端が360度曲がって耳穴にフィットする「ピボット・モーション・フィット」によって、身体を激しく動かしてもピタリとフィットします。カラバリはビビッド系の4色。万が一イヤホンが見つからない時に、スマホアプリに搭載した「Find」機能でイヤホンのアラーム音を鳴らしてLEDを点滅させて探せる機能も用意しています。アメリカでの販売価格は149.95ドル。

↑JVCの完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET90BT」↑JVCの完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET90BT」

 

↑4色のカラバリが揃う↑4色のカラバリが揃う

 

JBLのスポーツイヤホンがさらに充実

JBLからはワイヤレスイヤホンの新製品が一気に登場しますが、なかでもスポーツタイプの新シリーズ“Endurance”に加わるMP3音楽プレーヤー搭載の「JBL Endurance DIVE」に要注目です。ワイヤレスイヤホンの本体に音楽プレーヤー機能まで搭載している製品は便利なのに意外に数が多くありません。でもジョギングの時などはスマホやプレーヤーを別途持って走らなくてよいので、あるととても便利なんですよね。本体は防水仕様でリモコンはタッチセンサー式。イヤーハンガータイプのイヤホンは、装着する時にイヤホンと接触している箇所を離す時に自動で電源がオンになり、使い終わって装着し直せば電源がオフになります。連続音楽再生は8時間。高速チャージにも対応しています。

↑JBLのスポーツイヤホンの新シリーズ「Endurance」から、MP3プレーヤー機能を内蔵する「JBL Endurance DIVE」↑JBLのスポーツイヤホンの新シリーズ「Endurance」から、MP3プレーヤー機能を内蔵する「JBL Endurance DIVE」

 

↑イヤーフックを接触しているケーブルから外すと電源がオンになる↑イヤーフックを接触しているケーブルから外すと電源がオンになる

 

もうひとつのネックバンドタイプで心拍センサーを乗せた「JBL REFLECT FIT」も楽しみな新製品。女性のアスリートも身に着けた時にしっかりとしたフィット感が得られるように、ネックバンドのフィットを少しタイトめに、本体も小さめにデザインしています。首元でぶらつく煩わしさがないので、どちらかといえばスポーツシーンで使いづらかったネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンに革命を起こすかも。

↑ネックバンドを小さくコンパクトにした「JBL REFLECT FIT」↑ネックバンドを小さくコンパクトにした「JBL REFLECT FIT」

 

ゼンハイザーからお手頃価格のBTイヤホン

ゼンハイザーは99.95ドルのシンプルなワイヤレスイヤホン「CX 6.00 BT」を発表しました。昨年発売された「MOMENTUM Free」のように、イヤーピースは小さめにして、両側のケーブルにコントローラーとマイク、バッテリーボックスを設けて装着時の負荷を分散させたライトウェイトデザインが特徴です。低遅延性能が特徴のaptX LLのコーデックをサポートしているので、動画再生も快適に楽しめそう。

↑ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「CX 6.00 BT」↑ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「CX 6.00 BT」

 

LGもGoogleアシスタント搭載イヤホンを発表

LGエレクトロニクスはGoogleアシスタントを搭載する「LG TONE Platinum SE/HBS-1110」を出展していました。ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンで、BA型とダイナミック型のハイブリッド方式のイヤホンです。連続音楽再生時間は10時間。本体のボタンをクリックしてGoogleアシスタントを起動。ブースではスマホ「LG V30」のグーグル翻訳機能と連携した日本語から英語へのリアルタイム翻訳機能が体験できました。

↑Googleアシスタント機能を搭載した「LG TONE Platinum SE」↑Googleアシスタント機能を搭載した「LG TONE Platinum SE」

 

K-POPのSMエンターテインメントがアイリバーと新ブランド「Astell&ASPR」を立ち上げ

K-POPを中心とした良作コンテンツを多数手がけてきた音楽レーベルのSMエンターテインメントが、Astell&Kernを展開するアイリバーとタッグを組んで新しい音楽ブランド「Astell&ASPR(アステル・アンド・アスパイア)」を立ち上げました。CESの会場で、日本でもポータブルオーディオファンには“馴染みの顔”であるアイリバー社のCEO、ジェームス・リー氏に新しいブランドで今後どんなことに挑戦していくのか訊ねてみました。

↑CESでデビューしたSMエンターテインメントとアイリバーがタッグを組んだブランド「Astell&ASPR」↑CESでデビューしたSMエンターテインメントとアイリバーがタッグを組んだブランド「Astell&ASPR」

 

↑アイリバーのジェームス・リー社長↑アイリバーのジェームス・リー社長

 

「これまでオーディオはハードやソフトの技術革新を土台に発展してきました。コンテンツのスペシャリストであるSMエンターテインメントと組むことによって、アートや音楽の“世界観”からインスパイアされたオーディオであったり、音楽を楽しむためのコンテンツプレーヤーをアイリバーのテクノロジーをベースに形にしていきたいと考えています。SMエンターテインメントに所属する人気アーティストとのコラボモデルは一つの企画として構想しています。あるいは先日ACTIVOというブランドに搭載されたAstell&Kernのテラトンというオーディオ向けのシステムモジュールを活用することで、Astell&ASPRオリジナルの音楽プレーヤーもスピード感を活かした開発ができそうです」(ジェームス社長)

 

タッグを組むSMエンターテインメントはAstell&ASPRブランドからアパレル、アクセサリーなどのファッションアイテムをプロデュースしながら、様々な角度から音楽を盛り上げていくそうです。ブランドをお披露目する機会となったCESの会場にはAstell&KernのKANNやポタアンのXB10、イヤホンのMichelleをベースにしたオリジナルカラーリングのプロトタイプが並んでいました。これから本格始動後にどんな製品やサービスが誕生するのか楽しみです。

↑XB10とMichelleのAstell&ASPRオリジナルモデルのイメージ↑XB10とMichelleのAstell&ASPRオリジナルモデルのイメージ

 

シュアからUSB Type-C・96/24のDAC内蔵デジタルケーブル

SHURE(シュア)は昨年のCESで発表した、SEシリーズなどMMCXタイプのイヤホンと互換性のあるLightningデジタルケーブル「RMCE-LTG」に続いて、今年はUSB Type-Cの端子を乗せた新製品「RMCE-USB」を発売します。米シュアのマット・エングストロム氏は「最近はサムスンやソニーのフラグシップスマホなど、特にハイレゾ対応の上位クラスのモデルにUSB Type-C端子からのオーディオ出力に対応するスマホが増えてきました。MacBook ProなどUSB Type-Cを搭載するノートPCにつないで、96kHz/24bit対応の内蔵DACで軽快にハイレゾ再生を楽しめるのも本機の魅力になると思います。」と語っていました。本機のほかにも、4月に開催される“ヘッドフォン祭り”には大型の新製品も持って、お馴染みのシーン・サリバン氏とふたりで東京に駆けつけてくれるそうです。

↑シュアのUSB Type-C端子を搭載するデジタルケーブル「RMCE-USB↑シュアのUSB Type-C端子を搭載するデジタルケーブル「RMCE-USB」

 

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オーデジーの平面型イヤホンに北米限定のライトモデル

アメリカのオーディオブランドAudeze(オーデジー)は、昨年発売した平面型イヤホンのフラグシップモデル「LCDi4」に加え、今度は北米だけで、販売チャンネルも自社Webサイトとアマゾンに限定して展開する「LCD-LX」を出展していました。ホワイトにブルーのアクセントをコンビにした鮮やかな色合いを特徴としています。「ベースの実力はiSINE10相当。Lightning接続のCIPHERケーブルは別売オプションで展開する」(スタッフ談)という、とにかく平面型イヤホンの魅力を多くのポータブルオーディオファンが手軽に楽しめるように低価格化を徹底した入門機ということです。

↑オーデジーの平面型イヤホンのエントリーモデル「LCD-LX」はアメリカで販売チャンネルも限定して発売される↑オーデジーの平面型イヤホンのエントリーモデル「LCD-LX」はアメリカで販売チャンネルも限定して発売される

 

先にレポートした【ハイエンド編】と合わせて、今年もCESのポータブルオーディオが活況を呈していたことを十分にお伝えできたでしょうか。今回ご報告した新製品が日本に上陸する日が今からとても楽しみです。

 

【CES 2018】10万円超は当たり前! 人気オーディオメーカーの最高級モデルが続々登場

アメリカのラスベガスでは、世界最大のエレクトロニクスショー「CES」が開催されています。今年のイベントはAIアシスタントの話題で持ちきりですが、ポータブルオーディオも負けていません。ゼンハイザーやAKGのフラグシップモデルなど、ハイエンド系の注目製品を一気にご紹介していきましょう。

 

ゼンハイザー 密閉型のフラグシップモデル「HD 820」

2009年に発売されたゼンハイザーのフラグシップヘッドホン「HD 800」は、いまは珍しくなくなった10万円を超える“高級ヘッドホン”の先駆者であり、レジェンド的なモデル。2016年には本機のエンハンスモデルである「HD 800 S」が発売され、2018年には本機のドライバーユニットをベースにした、密閉型フラグシップモデルの「HD 820」が登場します。アメリカの販売価格は2399.95ドル(約26万円)になります。アメリカでの発売時期は初夏ぐらいになる見込みです。

↑ゼンハイザーの密閉型フラグシップヘッドホン「HD 820」↑ゼンハイザーの密閉型フラグシップヘッドホン「HD 820」

 

HD 800 Sのサウンドをそのまま密閉型にしたというヘッドホンは、ハウジングに強化ガラスをカーブさせたカバーを採用。イヤーカップ内部の音の響きをコントロールしています。ブースで実機を試聴してみたところ、高解像で力強く開放的なサウンドを楽しむことができました。聴感上のバランスがフラットでありながら、すべての帯域の音が鮮やかに聴こえてきます。ゼンハイザーの担当者によれば、音質はまだ最終段階まで仕上がっていないとのこと。発売される頃にはどんなスゴい音が聴けるのでしょうか。とても楽しみです。

↑内側に向かって緩やかにカーブしたガラスカバーを採用している↑内側に向かって緩やかにカーブしたガラスカバーを採用している

 

AKGから最上位Nシリーズのフラグシップイヤホン「N5005」

AKGが現在展開するラインナップの中でも最上位ラインのNシリーズに、トップエンドのイヤホン「N5005」が発表されました。アメリカでの販売価格は999.95ドル。ハーマンインターナショナルの担当者に日本国内での展開を尋ねたところ、発売時期は3月頃、価格は10万円前後で検討しているそうです。なお本機が発売された後も、現在のフラグシップである「K3003」は販売を継続します。

↑AKGのフラグシップイヤホン「K5005」↑AKGのフラグシップイヤホン「K5005」

 

9.2mmのダイナミック型とクアッドBA型という4ウェイ・5ドライバー構成。5つもドライバーが入っているのにハウジングがとても小さく、ふだんはN30を愛用している筆者が身に着けてみても違和感を感じないほど装着感は良好でした。ブラッククロームの仕上げもスタイリッシュ。

 

サウンドは現在最上位の「N40」の華やかな中高域の雰囲気をそのままに、透明度の高い中低域を厚み、クオリティともに一段とリッチにしたような感覚です。ボーカルの鮮明な定位と立体感に圧倒されました。

↑持参したAK70 MkIIでN5005のサウンドをチェックした↑持参したAK70 MkIIでN5005のサウンドをチェックした

 

試聴の機会が限られていたので、N40やN30にも搭載されているアコースティックチューニングフィルターは「リファレンスサウンド」で聴いていますが、フィルターはN40よりもさらに1種類多い「Bass Boost/Reference Sound/Semi-High Boost/High Boost」の4種類を同梱しています。

↑ノズルの先端に取り付けるフィルターは4種類を同梱↑ノズルの先端に取り付けるフィルターは4種類を同梱

 

3.5mmアンバランス端子のほか、2.5mmバランス端子のリケーブルを同梱。本体側はMMCX。本機をワイヤレスイヤホンとしても楽しめるようにBluetooth対応のドングルケーブルも付いてきます。ワイヤレス再生は最長8時間対応。キャリングケースや多種イヤーチップも同梱されてきます。豊富な同梱品と音楽再生の実力を考えれば、プレミアムグレードのイヤホンのなかではかなりコストパフォーマンスの高さが感じられるイヤホンです。

↑2.5mmバランスイヤホンケーブルとBluetoothリスニング用のケーブルが付属する↑2.5mmバランスイヤホンケーブルとBluetoothリスニング用のケーブルが付属する

 

ユーザーに合わせてカスタマイズできるベイヤーのテスラヘッドホン

ベイヤーダイナミックは独自の高磁力テスラドライバーを搭載したハイレゾヘッドホン「AMIRON HOME」のワイヤレスバージョン、「AMIRON WIRELESS」の試作機をCESに展示しました。ベイヤーダイナミックの担当者は「まだコンセプト段階の製品なので価格や発売時期は未定」と語っていましたが、かなり最終製品に近いレベルまで作り込まれていました。

↑ベイヤーダイナミックの「AMIRON WIRELESS」↑ベイヤーダイナミックの「AMIRON WIRELESS」

 

ワイヤレスオーディオのコーデックはハイレゾグレードのaptX HDや、低遅延なaptX LL、iOSデバイスとの組み合わせに最適なAACをサポートしています。同担当者によれば「ピュアオーディオのリスニングだけでなく、様々なホームエンターテインメントをこれ1本で楽しめるようにしたかった」ため、様々なコーデックに対応したのだといいます。なおケーブルによる有線リスニングはハイレゾ対応です。

 

会場でiPhoneにワイヤレスでつなぎ、つないでラテンジャズの楽曲を聴くことができました。抜けが良く立体的な空間、シャープな音像の再現力に、さすがテスラドライバーならではの余裕が感じられます。右側のイヤーカップがタッチセンサーリモコンになっていて、音楽再生やハンズフリー通話のコントロールも快適。日本で発売されたテスラドライバー搭載ヘッドホン「AVENTHO WIRELESS」も対応しているスマホアプリ「MIY(Make it yours)」を使って、ヘッドホンによる音の聴こえ方をユーザーの聴覚に合わせてパーソナライズすることも可能です。

↑イヤーカップの外側がタッチセンサーリモコンになっている↑イヤーカップの外側がタッチセンサーリモコンになっている

 

B&Oのノイキャン+ワイヤレスヘッドホンがアップデート

北欧デンマークのオーディオブランド、B&Oのヘッドホンのフラグシップモデルが最新モデルにアップデートされました。なお、ブランドの名前もB&O PLAYから、ホームオーディオ製品と徐々に統一しながら元のルーツである「B&O」へ切り替わるそうです。

 

現行のフラグシップモデルからアラウンドイヤーの「H9」は「H9i」に、オンイヤーの「H8」が「H8i」に生まれ変わります。「i」のアルファベットには「individual(個性)」などの意味が込められているそうです。本体色はブラックとナチュラルの2種類。H9iが499ドル(約5万5000円)、H8iが399ドル(約4万4000円)になります。日本での発売も来月頃に実現しそうです。

↑B&OのH9i↑B&OのH9i

 

↑オンイヤータイプのH8i↑オンイヤータイプのH8i

 

デザインはディティールをブラッシュアップして、イヤーカップをスリムに、ハウジングの外形を少しだけ大きくしています。イヤーカップの内側の容積にゆとりを持たせて密閉性も高めました。

 

H8に搭載されていたタッチパネルコントローラーはH8iではボタンタイプのリモコンに変更され、機能をオンにすると一時的に再生中の音楽をストップして外の音を取り込む「トランスペアレンシーモード」が追加されています。

 

H9iは前機種と同じようにタッチパネルコントローラーを設けています。充電式のバッテリーパックを着脱できるようにしています。またイヤーパッドも着脱交換ができるので、経年劣化にも強く、長く愛用できるヘッドホンです。

 

本体にはノイキャン用に2つ、クリアなハンズフリー通話用に2つのマイクを乗せています。CESの会場で試聴してみたところ、ノイズキャンセリング機能は周囲に大きな音で鳴っている音楽も聞こえなくなるほどの効果。サウンドはH8/H9のナチュラルバランスから、やや中低域の力強さを加えてメリハリの効いた音に仕上げているようでした。

 

ヘッドホンのほかにも、現在国内でも販売好調の完全ワイヤレスイヤホン「E8」の限定カラーバリエーションモデルが展示されていました。価格や発売時期は未定ですが、アパレルやインテリア系のショップなど通常とは異なる販路で展開されるそうです。オールブラック、オールホワイトの艶やかな色合いが物欲を刺激します。

↑E8のオールブラック↑E8のオールブラック

 

↑こちらはオールホワイト↑こちらはオールホワイト

 

ほかにもJBLからは、最上位シリーズの「EVEREST」にGoogleアシスタントを搭載するワイヤレスヘッドホンとイヤホンが発売されます。ラインナップはヘッドホンがアラウンドイヤーの「JBL EVEREST 710GA」とオンイヤーの「JBL EVEREST 310GA」。イヤホンが「JBL EVEREST 110GA」になります。ヘッドホンは右側イヤーカップの表側にセンサーが内蔵されていて、手を触れた状態で音声コマンドを入力すると答えを返してくれます。

↑JBLがGoogleアシスタント搭載ヘッドホンとイヤホンを3機種発売↑JBLがGoogleアシスタント搭載ヘッドホンとイヤホンを3機種発売

 

JBLのほかにもソニーが発売中のヘッドホン・イヤホン「1000X」シリーズがソフトウェアのアップデートによってGoogleアシスタント機能を内蔵することも発表されています。今年は同様にAIアシスタント対応のポータブルオーディオが一気に増えそうです。

↑ソニーも現行のWM-1000XM2、WI-1000X、WF-1000XがGoogleアシスタント対応になる↑ソニーも現行のWM-1000XM2、WI-1000X、WF-1000XがGoogleアシスタント対応になる

 

もう外国語の勉強はいらない!? LINEのNAVERが「リアルタイム翻訳機能」を備えたAIイヤホンを発表

米国・ラスベガスでは現地時間1月8日から、毎年開催される大規模なエレクトロニクスショー「CES」が開幕されています。CESには全世界からあらゆるエレクトロニクスが集結し、今後のトレンドとなる技術や製品にいち早く触れることができます。今回は、開催前日の7日に行われたプレイベントで、注目のAIアシスタントを搭載した面白い完全ワイヤレスイヤホンの新製品を見つけたので、早速レポートしたいと思います。

 

複数のAIアシスタントに対応したマルチAIイヤホン

CES Unveiledと呼ばれるプレイベントに出展したJabraは、日本国内でも発売されている完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite Sport」に続くラインナップを広げてきました。今度の新しいモデル「Jabra Elite 65t」はアマゾンのAlexa、グーグルのGoogleアシスタント、そしてアップルのSiriにマルチ対応した“AIイヤホン”です。本体に4つの高精度マイクを内蔵して、音声による操作でAmazon Music Unlimitedの音楽ストリーミングを再生したり、天気やWeb情報の検索ができるようになるそうです。

↑Jabraが発売するAlexa/Googleアシスタント/Siriに対応する完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 65t」↑Jabraが発売するAlexa/Googleアシスタント/Siriに対応する完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 65t」

 

↑3つのAIアシスタントに対応するとパッケージにも魅力をうたっている↑4つのAIアシスタントに対応するとパッケージでもうたっている

 

心拍センサーを省略したことで、価格がよりリーズナブルになっています。防水性能を高めた「Jabra Elite 65t Active」が189ドル、通常版の65tが169ドル。本体単体で5時間の連続音楽再生を楽しむことができて、充電器兼用のケースを合わせて使えば最長15時間も連続して音楽リスニングを楽しむことができます。左右イヤホンの間は安定した接続性能を実現するNFMIをJabra Elite Sportと同様に採用しました。

↑IP65相当の防滴・防塵性能を実現した「Jabra Elite 65t Active」↑IP65相当の防滴・防塵性能を実現した「Jabra Elite 65t Active」

 

↑左右の本体に合わせて4基のマイクを乗せて音声コマンドを正確に認識する↑左右の本体に合わせて4基のマイクを乗せて音声コマンドを正確に認識する

 

アメリカでの発売時期は1月。日本でも3月の導入を予定しているそうなので期待したいですね。

 

LINEのNAVERからは翻訳機能を搭載したAIイヤホンが登場

もうひとつのAIイヤホンは、韓国のNAVERが出展した「MARS」。こちらは日本でも発売されているスマートスピーカー「WAVE」「Clova Friends」が採用するAIアシスタント「Clova」の搭載を予定しています。

↑NAVERが完全ワイヤレスイヤホン「MARS」を発表↑NAVERが完全ワイヤレスイヤホン「MARS」を発表

 

20180109-i01 (6)↑丸みのあるデザイン

 

イヤホンとして音楽を聴くことは勿論できるのですが、本機がウリに掲げているのは「リアルタイム外国語翻訳」の機能です。左のイヤホンでユーザーの声をピックアップして、右のイヤホンを会話の相手に着けてもらうと指定した言語に素速く翻訳された音声が伝わるという夢のような機能を実装する予定です。ノズルにマイクユニットを乗せて、ユーザーが話した声を正確にピックアップする「InnerMicテクノロジー」を搭載しています。

↑見た目には普通の完全ワイヤレスイヤホンだが、リアルタイム処理ができる外国語翻訳機能を搭載した。アプリには翻訳の履歴が表示される↑見た目には普通の完全ワイヤレスイヤホンだが、リアルタイム処理ができる外国語翻訳機能を搭載した。アプリには翻訳の履歴が表示される

 

デモンストレーションでは英語から日本語へのリアルタイム翻訳も披露していました。「Hello>こんにちは」程度の短い単語によるデモだったので、長文はできるようになるのでしょうか? とスタッフに訊ねたところ、発売時には問題なくできるようになりますという力強い答えが返ってきました。

 

発売時期は今のところ今年の第三四半期(=秋以降)が見込まれているそうです。Clovaに対応するということは韓国だけでなく、日本も発売地域に含まれていることを示唆しているのでしょう。正式発表に期待です。NAVERのスタッフはアメリカやヨーロッパなど、LINEやClovaがメジャーでない地域にはAlexaやGoogleアシスタントで同様のことを実現できるAIイヤホンを発売したいとコメントしていました。

 

12月には日本でもボーズがGoogleアシスタントを内蔵する「QuietComfort 35 II」を発売し、ドイツのヒアラブル製品のスタートアップであるBragiが商品化したAlexa搭載の完全ワイヤレスイヤホン「The Dash Pro」も上陸しました。AIアシスタントを搭載するエレクトロニクス機器といえばいまのところスマートスピーカーが真っ先に思い浮かびますが、本来カレンダーの予定を確かめたり、自分だけが好きなアーティストの曲などプライベートな情報は他人に知られることなく扱いたいものです。音が外に漏れないイヤホンとAIアシスタントの相性は本来スピーカーよりも良さそうにも思います。今年は色んな家電機器が「AI対応」を競い合うようになるのか楽しみです。