世界の最新ITトレンドから見えた、2019年モバイルガジェットの注力点

8月31日〜9月5日にドイツ・ベルリンで開催された、世界最大級の家電展示会「IFA 2018」に行ってきました。白物家電やオーディオ製品が主役のイベントですが、スマートフォンの出展も多く、ソニーモバイル、シャープ、モトローラなど、新モデルを発表するメーカーも。

 

スマホはこれからどのように進化していくのか? IFAで注目を集めたモデルを紹介しつつ、ひと足早く2019年を展望。ハード、OS、通信の3つの視点から見ていきたいと思います。

 

 

【ハード編】ディスプレイの主役は有機ELに

IFA 2018において、最も注目を集めていたスマホは、ソニーモバイルが発表した「Xperia XZ3」でしょう。同社初の有機ELディスプレイを搭載し、画面アスペクト比は18:9で6インチ、解像度はクアッドHD(2880×1440ドット)というハイエンド仕様。

 

↑ソニーモバイルが発表したXperia XZ3。日本発売が予告されており、大手キャリアが秋冬モデルとして発売する可能性が高い

 

Xperia XZ3の有機ELディスプレイは、ソニー製のテレビ「ブラビア」で培った高画質化技術を採用していることがアドバンテージ。従来の液晶ディスプレイ搭載モデルよりも精細で鮮やかな色を表示できるといいます。HDR表示に対応していることもセールスポイント。

 

↑1920万画素のカメラで撮影した花火の動画を再生。黒が締まって表示されることも有機ELの特徴

 

↑デザインはXperia XZ2の流れを汲んでいるが、より薄く、持ちやすくなった

 

かつては “液晶のシャープ” と呼ばれることもあったシャープも、有機ELディスプレイ搭載モデルを参考出展した。まだ、製品名はなく、スペックも公表されていないが、筆者がプロトタイプを見た限りでは、画面サイズは6インチ相当で、上部にはノッチもあった。

 

↑今年、ヨーロッパのスマホ市場に再参入してシャープが参考出展した有機ELディスプレイ搭載モデル。年内の発売が予定されている

 

↑背面にFeliCaマークがあり、日本で発売される可能性はきわめて高い

 

シャープ製の有機ELディスプレイ搭載モデルは、表面に緩やかなカーブが施されていることが特徴。これは、同社が液晶ディスプレイで培った「フリーフォームディスプレイ」技術を生かしたもので、フレームを細くするメリットが得られます。

 

↑シャープ独自の「フリーフォームディスプレイ」技術により、ディスプレイ全体にカーブを施している

 

アップル、サムスン、ファーウェイなど主要なグローバルメーカーは、すでにハイエンドモデルに有機ELディスプレイを採用しています。有機ELはバックライトを要しないので、黒い背景の画面ではほとんど電力を消費しません。スマホの省電力化に貢献し、同時にアプリの仕様にも変化を及ぼすのではないかと予想しています。

 

【ブランド】増加が予想される「Android One」の魅力をあらためて

モトローラは、IFA 2018にて新モデル「motorola one」と「motorola one power」を発表しました。これらは、同社が初めて「Android One」としてリリースするモデル。

 

Android Oneは、Googleが主に新興国向けに展開するブランドです。Androidの純正OSを搭載し、発売から18か月間のOSアップデートを保証し、毎月セキュリティーアップデートが行われます。日本ではワイモバイルが取り扱っており、シャープ、京セラ、HTCが端末を供給。

 

motorola oneは、5.9インチのHD+ディスプレイを搭載し、1300万画素+200万画素のデュアルカメラや指紋センサーも備えるイマドキの仕様。ヨーロッパを含む世界での発売を予定しており、ヨーロッパでの販売価格は299ユーロ(約3万9000円)。高コスパモデルといえるでしょう。

 

↑画面アスペクト比が19:9の縦長ディスプレイを搭載し、上部にはノッチもある。流行のデザインを採用している

 

なお、motorola one plusは、インド市場向けモデルで、約6.2インチのフルHD+ディスプレイや1600万画素+500万画素のデュアルカメラなど、スペックはmotorola oneを上回ります。また、5000mAhの大容量バッテリーがアドバンテージ。

 

↑ミドルハイ仕様のmotorola one plusはインドで発売予定

 

LGは、フラッグシップ「LG G7 ThinQ」の派生モデルとして、「LG G7 One」を発表。これも「Android One」ブランドを冠するモデルです。

 

LG G7 Oneは、CPUにSnapdragon 835を採用し、6.1インチのクアッドHD+(3120×1440ドット)ディスプレイを搭載するなど、Android Oneとしては珍しいハイスペックモデル。左側面にGoogleボタンを搭載し、ワンタッチでGoogleアシスタントを起動したり、Googleレンズを起動して、カメラで写して情報検索できることが特徴です。

 

↑ハイエンド仕様で、IP68の防水・防塵にも対応したLG G7 One。日本発売は未定

 

↑メインカメラは1600万画素。指紋センサーを搭載し、顔認証にも対応している

 

現在、日本では販売していないノキアも、Googleと “がっぷり四つ” の態勢だ。IFA 2018のブースは、さほど広くはなかったが、Android Oneモデルを中心に展示していました。ヨーロッパでは発売済みの「Nokia 7 plus」は6インチのフルHDディスプレイを搭載するミドルハイモデル。

 

↑ノキアはAndroid Oneモデルのラインナップを強化中

 

↑6インチの大画面ディスプレイを搭載するNokia 7 plus。ヨーロッパでは399ユーロ(約5万2000円)。日本発売の予定はないそうだ

 

↑背面には1200万画素のデュアルカメラ(広角+望遠)を搭載

 

ほかにも、日本では馴染みのない端末メーカーのブースでもAndroid Oneモデルを見かけました。GoogleがAndroidブランドの強化に力を入れていることの現れでしょう。

 

Googleは10月9日に新製品発表イベントを予定しており、そこで自社ブランドのスマホ「Pixel 3」シリーズが発表され、日本でも発売されるのではないかと噂されています。AndroidはiOSと並ぶOSではありますが、これまでは「アップル、サムスン、ファーウェイ……」と、端末メーカーが市場を牽引している印象が先行していました。しかし、2019年は「アップル vs Google」という構図が、より鮮明になっていくかもしれません。

 

ファーウェイ、ルーター内蔵スマートスピーカーを発表。通信端末の新たな流れ?

ファーウェイは、Consumer Business GroupのCEO、リチャード・ユー氏がIFA 2018の基調講演に登壇。講演タイトルは「The Ultimate Power of AI」で、AI専用プロセッサーを内蔵する新しいSoC「Kirin 980」を発表しました。

 

Kirin 980は “世界初の7nmプロセスのモバイルAIチップセット” として発表されましたが、9月12日(日本時間は9月13日未明)に、アップルが7nmプロセスの「A12 Bionic」を搭載するiPhoneの新モデルを発表したので、実際に商用モデルに搭載されるのはアップルが世界初となります。

 

アップルは「AI」という言葉は使っていませんが、Kirin 980と同じく、AI関連のデータ処理に優れた「ニューラルエンジン」を搭載しています。クアルコムの最新チップセット「Snapdragon 845」もAIの性能を強化していることを謳っており、スマホの進化にAIは欠かせないものになりそう。

 

↑ファーウェイの最新チップ「Kirin 980」を搭載する「HUAWEI Mate 20」シリーズが、10月16日に発表されることが予告された

 

↑世界的なヒットとなったHUAWEI P20/P20 Proの新色も発表された。日本発売は未定

 

↑イタリアの職人が手がけたというHUAWEI P20 Proのレザーモデルも発表。価格は999ユーロ(約13万円)で、日本発売は未定

 

そんななか、ファーウェイが新しいデバイスとして発表したのが「HUAWEI AI Cube」。Amazon Alexaを搭載するスマートスピーカーなのですが、4G LTEの通信機能を備え、さらにWi-Fiルーターとしても使えるというスグレモノ。4つのマイクを内蔵しているため、音声認識の精度が高いこともアピールしていました。

 

↑販売地域や価格は未定。日本での展開も期待したい

 

日本でも、じわじわと普及しつつあるスマートスピーカー。4Gルーター機能を備えたHUAWEI AI Cubeは、ブロードバンド回線を導入していない環境でも利用でき、省スペースにもつながりそう。次世代のスマートスピーカーとして、今度の動向にも注目したいです。

デザイン重視でセレクト! カフェで使いたいスタイリッシュなノートPC5選

プライベートで使うノートパソコンは、やはりデザインで選びたいもの。オシャレなカフェで広げても、違和感のないスタイリッシュさが欠かせません。そこで今回は、持ち運びに適した軽量コンパクトなノートパソコン5選をご紹介。ディスプレイを360度可動させ、タブレットとして使えるパソコンもピックアップしています。ノートパソコンを様々な場所で使いたいと考えている人は、ぜひチェックしてみて下さい。

 

その1.

原点にして頂点! スタイリッシュさを追求し続ける「MacBook」


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Apple
MacBook MNYH2J/A
楽天市場実売価格 13万9980円

洗練されたデザイン、軽量薄型、優れた操作性の全てを兼ね備えた「MacBook」。その薄くて軽いボディを最大限に活かすため、内部の部品一つひとつに至るまで入念に設計されています。最大の特徴は、一般的なパソコンに搭載されている冷却ファンを必要としない仕様。わずか5ワットの電力でプロセッサが駆動するので、発生する熱が多くありません。また冷却ファン非搭載により、ほとんど音を立てずに動きます。

 

<注目ポイント>
・発生する熱が少ない冷却ファン非搭載設計
・5ワットの電力でプロセッサが駆動する静音仕様
・バッテリー持続時間は最大10時間
さらに内部スペースを余すところなく活用できるよう、本体の輪郭にフィットする革新的なバッテリーを開発。最大10時間という驚異的なバッテリー持続時間が実現されました。もちろんキーボードやタッチトラックパッドにもこだわりの技術が施されているので、持ち運びに特化した薄型パソコンとは思えないほど快適な使用感を味わえます。

 

その2.

Surface史上最軽量デザインのタブレットパソコン決定版!


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マイクロソフト
Surface Go MCZ-00014
楽天市場実売価格 8万1080円

スタイリッシュなデザインに加え、重さ約522g、薄さ8.3mmのコンパクトな軽量ボディを誇る「Surface Go」。タブレットとして活用できるのはもちろん、専用キーボードやマウスを駆使すればラップトップに早変わりします。“いつでもどこへいても”やりたいことを実現するため、「Office デスクトップアプリケーション」が利用できる仕様。

 

<注目ポイント>
・「Office デスクトップアプリケーション」が使えるタブレットパソコン
・重さ約522g、薄さ8.3mmのコンパクトな軽量ボディ
・本体には165度まで角度調節できるキックスタンドを搭載
本体には165度まで角度調節できるキックスタンドが搭載され、快適な角度で動画視聴などを楽しめます。また筆圧や傾きに対応している専用のタッチペンなら、まるでノートに鉛筆で書いているような繊細な表現が可能。場所を選ばず本格的な作業をするのに最適なデバイスですよ。ちなみにキーボード、マウス、タッチペンは別売なので注意しましょう。

 

その3.

ジオメトリックデザインによる洗練されたデザイン


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HP
ENVY 13 x360
楽天市場実売価格 8万6500円~

アルミニウムボディによって軽量薄型化を実現したスタイリッシュなノートパソコンです。ディスプレイを反対側に折りたためるタブレットモードに対応し、画面タッチでの操作も可能。約1.31kgの重量を誇り、薄さも15.0mmしかないので、様々な場所やシーンでマルチな活躍を見せてくれるはず。

 

<注目ポイント>
・アルミニウムボディを採用したノートパソコン
・タブレットモードにも対応
・ダマスカス鋼の模様をあしらった目を引くデザイン
本体の一部分には、高級な包丁やナイフに使われるダマスカス鋼の模様をあしらっています。さらにスピーカーグリルやディスプレイとキーボードを繋ぐヒンジ部は、ジオメトリック(幾何学的)デザインを採用。人の目につくところで使用すれば、洗練されたフォルムで注目を集めそうですね。

 

その4.

オシャレなだけじゃない! 様々な便利機能を搭載したハイスペックパソコン


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Lenovo
YOGA 720
楽天市場実売価格 7万1993円

ベゼルの狭い12.5型の液晶を搭載した、どこにでも持ち運びたくなるコンパクトボディのノートパソコン。ダイヤモンドカットによるエッジデザインに加え、アルミアルマイト仕上げの美しいプラチナカラーを採用しています。

 

<注目ポイント>
・ベゼルの狭い12.5型の液晶を搭載
・アルミアルマイト仕上げの美しいプラチナカラー
・高音質の「Harman」製ステレオスピーカーを装備
本体には高音質の「Harman」製ステレオスピーカーが装備され、動画や音楽をクリアなサウンドで楽しめます。持ち運びに適した仕様にかかわらず、使いやすさなど細部にまでこだわったスペックが特徴。DisplayPort出力機能つきの「USB Type-C」ポートを使えば、外部ディスプレイにも簡単に接続できます。

 

その5.

驚異の27時間駆動を実現したスリム&ハードなノートパソコン


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LG
gram 13Z980-GR56J
楽天市場実売価格 11万4980円

軽量&スリムなコンパクトデザインと、ハードに使える耐久性を両立した「LG gram」。長時間使える72Whの大容量バッテリーを搭載し、最大27時間の駆動を可能にしました。またバッテリー切れの時も、急速充電でスピーディに対応。活躍のシーンを広げてくれるノートパソコンです。

 

<注目ポイント>
・コンパクトなデザインと耐久性を両立
・最大27時間駆動する大容量バッテリー
・メモリ&SSDスロットには各1本ずつ空きスロットを準備
もともと快適な操作性を実現したハイスペック仕様ですが、メモリ、SSDスロットには各1本ずつ空きスロットも準備されています。よりパフォーマンスを向上させる余地があるのはありがたいですよね。

 

※商品価格は、2018年9月14日時点の楽天市場の最安値を記載しています。

 

提供:楽天市場

さくっとdocomo withスマホの真実を教えます。「LG Style L-03K」編

ドコモのお得な新プラン「docomo with」の対象となる、個性的なdocomo withのスマートフォンをご紹介。今回は、docomo withきってのハイスペックモデルのLG Style L-03K。

 

 

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docomo withのなかではミドルクラスさながらの大画面ディスプレイを備えるなど、ワンランク上の性能を備えています。価格も頭ひとつ抜けており4万176円。しかし、docomo with対象外の端末と比べて安価なのは変わりありません。

 

デザイン・持ち心地

5.5インチの大画面ディスプレイを搭載しながら、横幅は5インチディスプレイとほぼ同じくらいの狭額縁を実現。背面にはなめらかな傾斜を持たせ、手にスポッと収まるような形状になっています。

 

↑ひと回り大きめの5.5インチディスプレイを搭載しながらも、手に収まる大きさになっている

 

↑背面に指紋センサーを搭載。やや上にあり、人によっては押しづらいと感じるかもしれません

 

↑側面フレームに近づくにつれて薄くなっていくデザインで、スペックの数値よりも薄く感じられます

 

コンパクトな設計ながら防水・防塵もしっかり対応し、タフネス性能も備えています。耐衝撃、耐振動、高温動作、低温動作など14項目について、MILスペックに準拠した試験で確認されています。

 

ディスプレイ・操作性

2018年のトレンドとなっている縦長ディスプレイを搭載。縦横比18:9で、Webサイトの記事やSNSのタイムラインを一度に多く表示できます。解像度はフルHD+となっています。

 

音にこだわっているのもこのスマホの特徴のひとつ。ハイレゾ音源の再生にも対応し、オーディオ出力用に高品質な「Hi-Fi Quad DAC」を搭載しており、大音量でも音割れしにくくクリアな音で再生できます。さらに「DTS:X 3D Surround」にも対応。ライブ音源や動画を臨場感のあるサラウンド音質で楽しめます。

 

↑ソフト面でもオーディオ機能が充実している

 

そのほか、ワンセグチューナーも搭載。ワンセグを視聴するためにはイヤホンや付属のケーブルを接続する必要があるので、実用性は今ひとつかもしれません。さらに、おサイフケータイもサポートしており、日本向けの独自機能を一通り備えていることになります。

 

チップセットこそミドルレンジ向けの「Snapdragon 450」ですが、メモリーは4GB、ストレージは64GBと、ハイエンドモデルに近い容量を搭載。軽量な3Dゲームならプレイできるスペックを備えます。ゲームプレイ時には「ゲームツール」を利用可能。画質を制限して動作を安定させたり、プレイ中の通知をオフにしたりすることで、さらに快適にプレイできます。

 

LTEの通信速度は下り最大262.5Mbpsに対応。この数値は規格上の最大速度ですが、実測値でも下り最大150Mbpsの他機種よりも安定して通信できます。

 

カメラ

背面カメラは1620万画素、インカメラは800万画素。撮影中に彩度をコントロールできる「食べ物」モードや、2~4枚撮影した写真を1枚にまとめる「グリッドショット」など、ちょっと珍しい撮影機能を搭載します。

 

↑陰影が強めに出て、荘厳な印象に仕上がっています

 

↑夜景は全体に明るく撮れますが、明るい看板は色飛びしていまっています

 

若干黄色に引っ張られている印象ですが、明るめに写っています

ハイエンド機と同等に長く愛用したい人&音楽再生を楽しむ人!

LG Style L-03Kは、docomo withの中では高価格なモデルになりますが、それに見合ったスペックや性能はしっかり備えています。スマートフォンを物持ちのいい人はこの機種を選ぶと、より長く使うことができるはずです。

 

また、オーディオ再生機能はLGのフラッグシップモデルとも共通で強みとするところ。他社のハイエンドモデルにも匹敵するポテンシャルを備えているので、音楽を楽しみたい人にも適しているでしょう。

CES 2018でみてきたスゴすぎ“AI”で確信! AI抜きの生活があり得なくなるワケ

1月9日〜12日に米ラスベガスで開催されたCES 2018。出展する多くの企業が「AI」というキーワードを掲げていました。AI(Artificial Intelligence=人工知能)は、クルマ、ロボットのみならずスマートデバイスや家電にも欠かせない技術に。しかし、形としては見えにくいものなので、何がどう便利になるのかがわかりにくいですよね。それを、わかりやすい形で展示し、来場者の注目を集めていたのがオムロンです。

 

進化した卓球コーチロボットは、反射神経抜群

初めてCESに出展したオムロンが、目玉として展示したのが「フォルフェウス(FORPHEUS)」。AIを搭載する卓球コーチロボットで、プレイヤー(人間)のレベルに合わせて、卓球のラリーが続くように、自動でラケットを操作するというもの。

 

↑来場者の注目を集めたAI搭載卓球ロボット「フォルフェウス」↑来場者の注目を集めたAI搭載卓球ロボット「フォルフェウス」

 

このフォルフェウスは、2013年10月に中国・北京で開催されたイベントで初公開され、その後、日本、インド、ドイツなどで公開。北米では今回が初公開で、性能を向上させた4号機が披露されました。

 

フォルフェウスはピン球の動きを検知する2つのカメラと、人の動きを検知するカメラを搭載し、対戦相手のレベルや球速、軌道などを予測。そして、ロボットアームに固定されたラケットで打ち返し、ラリーが続くように導くというものです。

 

↑卓球台の上にあるロボット本体の左右に搭載されたカメラで球の動きを3Dで捉えて、中央のカメラで人の動きを捉えて分析する↑卓球台の上にあるロボット本体の左右に搭載されたカメラで球の動きを3Dで捉えて、中央のカメラで人の動きを捉えて分析する

 

ポイントは、人に勝つことを目的とするロボットではないこと。対戦相手のレベルに合わせて反応するため、卓球初心者が相手の場合は、速度が遅い球を、相手が打ち返しやすい位置にレシーブ。実は、卓球がうまい人よりも苦手な人が相手の場合のほうが、予期せぬ方向に返球されるので、難しいアルゴリズムが用いられるそうです。

 

CESのオムロンブースでは、同社の開発メンバーがプレイヤーとなってデモンストレーションを披露したほか、来場者もフォルフェウスに対戦でき、その反応の速さに歓声が沸いていました。

 

↑ゲームが終わると、ゲームの分析がモニターに表示されていた↑ゲームが終わると、ゲームの分析がモニターに表示されていた

 

↑フォルフェイスは若い世代が中心となって開発している。開発チームの1人である小泉昌之氏↑フォルフェイスは若い世代が中心となって開発している。開発チームの1人である小泉昌之氏

 

なお、フォルフェウスは、オムロンが工業用ロボットの技術をアピールするために展示するもので、これ自体の販売は予定していないそうですが、「卓球コーチとして売ってほしい!」といった反響もあったようです。

 

↑2015年にアメリカの産業用ロボットメーカー・アデプト テクノロジー社を買収したオムロン。これは、ベルトコンベヤーにランダムに流れたきた製品をアームで反対側のベルトに運ぶロボット。こうした工業用ロボットも関心を集めていた↑2015年にアメリカの産業用ロボットメーカー・アデプト テクノロジー社を買収したオムロン。これは、ベルトコンベアにランダムに流れてきた製品をアームで反対側のベルトに運ぶロボット。こうした工業用ロボットも関心を集めていた

 

自動運転時代に向けた安全システムに業界が注目

オムロンは、さらに“眠気の予知システム”を発表し、注目を集めていました。ドライバーの眠気を感知する技術はすでに開発済みですが、今回の発表では、眠気を自覚する数分前に、その予兆を検知できることがポイント。運転中のクルマが微振動を続けており、それによってドライバーの頭が動くと、それとは反対方向に瞳孔が向き、バランスが保持されます。これを「前庭動眼反射」と言いますが、この反射がなくなる現象を見つける技術が開発されました。

 

↑眠気の予兆を検出するシステムを搭載してシミュレーター↑眠気の予兆を検出するシステムを搭載してシミュレーター

 

↑1台のカメラでドライバーの目の部分をマッピングし、居眠り運転を未然に防ぐように導く↑1台のカメラでドライバーの目の部分をマッピングし、居眠り運転を未然に防ぐように導く

 

今回のCESでは、自動車メーカーを中心に自動運転に関する展示も目立ちましたが、オムロンが開発したこの技術には、自動車メーカーや車載メーカーからのひっきりなしの問い合わせがあり、対応に追われたとのこと。眠気の予兆を感知した場合の対策として、冷気をあてる、シートを動かすなど、複数の方法が考えられるようですが、自動運転時代に向けて、大いに役立つ機能になりそうです。

 

オムロンの展示を見て感じたのは、どちらの技術も「AI」と呼べるが、そのベースとして「ディープ・ラーニング(充分なデータ量に基づく機械学習)」があるということ。最近、あちこちで「AI」という言葉を耳にしますが、“AIは一日にして成らず”ですね。

 

LGエレクトロニクスは新しいAIプラットフォームを導入

総合家電メーカー・LGエレクトロニクスも「AI」で注目を集めていました。同社は、CES 2018の開幕に合わせて「ThinQ(シンキュー)」という新しいAIプラットフォームを発表しました。

 

↑CES 2018に合わせて開催したプレスカンファレンスで「ThinQ」を発表↑CES 2018に合わせて開催したプレスカンファレンスで「ThinQ」を発表

 

LGエレクトロニクスは従来から独自のディープ・ラーニング技術を取り入れたスマート家電を手がけていますが、今回発表した「ThinQ」は、それをより発展させて、テレビを含め、あらゆる製品を音声操作に対応させていこうというもの。ThinQに対応する製品は、現段階ではLG製品だけですが、プラットフォームをオープンにすることで、他社製品と連携させていく計画があることも発表されました。

 

↑ThinQをコントロールできるスマートロボット「CLOi(クロイ)」↑ThinQをコントロールできるスマートロボット「CLOi(クロイ)」

 

↑二層式の洗濯機・乾燥機もAI対応↑二層式の洗濯機・乾燥機もAI対応

 

↑おなじみのディスプレイ付き冷蔵庫は、ディプスプレイから料理の情報を得られたり、家族との連絡にも使える↑おなじみのディスプレイ付き冷蔵庫は、ディプスプレイから料理の情報を得られたり、家族との連絡にも使えたりする

 

↑有機ELテレビの最新モデルも発表された。これは77インチの壁掛けタイプ↑有機ELテレビの最新モデルも発表された。これは77インチの壁掛けタイプ

 

↑液晶テレビの画質を向上させるための新しいプロセッサ「α9」も発表↑液晶テレビの画質を向上させるための新しいプロセッサ「α9」も発表

 

↑「α9」により、斜めから見ても色の歪みがなくなり、鮮明な画質が得られるという↑「α9」により、斜めから見ても色の歪みがなくなり、鮮明な画質が得られるという

 

ThinQだけでは世界的な広がりを見込みにくいためか、GoogleアシスタントやAmazon Alexaと連携することもアピールされました。LGブースで展示されていた製品には、Googleアシスタントを搭載する製品も多く、日本のユーザーにとっては、そちらのほうが、わかりやすく導入できそうです。

 

↑Googleアシスタントを内蔵するスマートスピーカー「LG ThinQ Speaker」も発売予定↑Googleアシスタントを内蔵するスマートスピーカー「LG ThinQ Speaker」も発売予定

 

↑ディスプレイ付きのスマートスピーカー「LG ThinQ View」も出店↑ディスプレイ付きのスマートスピーカー「LG ThinQ View」も出展

 

高額にもかかわらずヒットしたホームクリーニング機「LG Styler」など、日本でも注目度が高まっているLG製品。ThinQによる、さらなる使い勝手の向上に注目しましょう。

 

↑説明員が質問攻めにあっていた「LG styler」↑説明員が質問攻めにあっていた「LG Styler」

 

↑空港などでの導入が見込まれる業務用の運搬ロボットも出展されていた↑空港などでの導入が見込まれる業務用の運搬ロボットも出展されていた

 

↑ひときわ注目を集めていた、有機ELの曲面ディスプレイを用いた展示↑ひときわ注目を集めていた、有機ELの曲面ディスプレイを用いた展示

 

AI同士の連携も含めて、生活にさらなる広がりを予見させられたCES 2018。AIは日本国内でも、昨年に引き続き必ず注目されるキーワードになると思われます。これだけの発展を見せているAIは、もう生活に欠かせない存在になるのかもしれませんね。

2017年、家電のプロがこの9アイテムに「衝撃」と「笑撃」を受けたワケ

日々、多くの製品に触れている家電の専門家は、ちょっとやそっとの製品では驚くことはないはず。そんな彼らが2017年に「衝撃を受けたアイテム」とは何なのか……みなさんも、知りたいとは思いませんか? そこで今回は、業界に精通する家電のプロ・戸井田園子さんに「衝撃を受けた家電」を挙げてもらい、どんな部分に衝撃を受けたのかを語ってもらいます。番外編では、ユニークさが際立つ「笑撃」家電と、「2018年に期待したい家電」もピックアップ。以下で一気にチェックしていきましょう!

 

【今回のガイド】

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。年末の振り返り企画でも、多数のメディアに登場しています。

 

衝撃を受けた家電その1

「見た目のインパクトも、肉が回るシーンも衝撃的!」(戸井田)

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パナソニック

ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100

実売価格5万1230円

肉を360°回転させて焼くことができ、柔らかでジューシーなかたまり肉が焼けます。遠近赤外線ダブル加熱、低速回転機構、温度制御の3つのテクノロジーで肉を美味しく調理。グリル以外に燻製器・オーブン・トースターの機能を搭載し、1台4役のマルチユースで活躍してくれます。

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【ココが衝撃的!】

「見た目のインパクトも、肉が回るシーンも衝撃的! 『肉が回るのを見ると、誰でもテンションが上がる』という新たな発見もありました。調理過程でここまで楽しませてくれるとは……。久々にパナソニックの勢いを実感できたアイテムです!」(戸井田さん)

 

衝撃を受けた家電その2

「“どこを乾かしているか”を光で明確化した効果は絶大」(戸井田)

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三菱電機

サラリ MJ-120MX

実売価格4万3090円

「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載した衣類乾燥除湿機。赤外線・温度・湿度の3つのセンサーを搭載して、洗濯物の状態を検知します。また、濡れている場所を検知して緑色のサーチライトで照らし、重点的に風を送る「光ガイド」が特徴的。

【ココが衝撃的!】

「独自の技術『ムーブアイ』で“見える化”を実現したのが衝撃的! どこを乾燥しているかを光で明確化した効果は絶大です。この機能を搭載したのは、『ムーブアイ』のセンサー技術に自信があるからこそ。除湿機でも高い技術力を証明したことで、さらに信頼感がアップしました!」(戸井田さん)

 

衝撃を受けた家電その3

「洗剤の自動投入搭載はまさに“IoTの申し子”」(戸井田)

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パナソニック

ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX9800

実売価格37万2570円

最適な洗剤の量を自動で計量し投入する「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能が売りのドラム洗濯乾燥機。液体洗剤約870mℓ、柔軟剤約580mℓをあらかじめ入れておけるタンクを備え、洗剤を投入する手間が省けます。アプリで洗濯終了時刻を出先で設定・変更することも可能。

【ココが衝撃的!】

「洗剤の自動投入機能、ついに出た~という感じで大注目! IoT(※)化したことで、洗剤の情報が常に更新されていくのも素晴らしい。まさに『IoTの申し子』といった製品です」

※IoT……モノのインターネット(Internet of Things)の略。あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、制御が可能になる状態

 

衝撃を受けた家電その4

「『衣類を着るたびにリフレッシュする』いままでにない新発想!」(戸井田)

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LG

Styler スチームウォッシュ&ドライ S3RER

実売価格21万3840円

衣類の気になるニオイ・シワ・ホコリ・花粉を自宅で簡単にケアできる新家電。クローゼットに服をかけると、独自技術でスチームを循環させてニオイを取り、ハンガーラックを振動させることで衣類のホコリや花粉もふるい落としてくれます。

【ココが衝撃的!】

「いままでにない新発想の衣類ケアに衝撃を受けました! 庫内に蒸気を充満させることで、ホコリやニオイ、皮脂汚れなどを除去する仕組みは秀逸。『衣類を着るたびにリフレッシュする』という発想は、キレイ好きな日本人にも親和性があります。今後の定番家電になる予感!」(戸井田さん)

 

衝撃を受けた家電その5

「メーカーの心意気に打たれた! 話題性、見た目、実力が揃った力作」(戸井田)

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ドウシシャ

SOLUNA 焼き芋メーカー Bake Free WFS-100/SFW-100

実売価格9590円

焼き芋を手軽に作れる焼き芋メーカー。焼き芋型のプレートにサツマイモをセットすると、上下からしっかり包み込んで焼き上げ、約40分で甘みの強い焼き芋が出来上がります。付け替えられる平面プレートも付属しており、焼き魚やホットサンドなどにも対応しています。

【ココが衝撃的!】

「見た目のインパクトとネーミングセンス、この製品を出すメーカーの心意気に打たれました。実際に焼き芋を焼いてみたら、とっても美味しかったことにまたまた衝撃! 焼き芋以外の調理もできるし、デザインも良く、価格も手頃。話題性、見た目、実力が揃ったなかなかの力作。久々に痛快な製品でした」(戸井田さん)

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衝撃を受けた家電その6

「家庭用で『焙煎』、しかも頒布会形式のビジネスモデルが新しい!」(戸井田)

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パナソニック

The Roast

焙煎機本体価格10万8000円+GREEN BEANS(生豆2種または3種コース、12か月の定期頒布契約)生豆2種コース 4104円/月、生豆3種コース 5940円/月

豆の特長を引き出すための温度・時間・風量制御に優れたコンパクトな家庭用熱風式焙煎機。専用スペシャルティ豆と、世界チャンピオンの焙煎士が作成した焙煎プロファイルが12か月分がセットになっています。スマホと連携し、豆の情報や焙煎プロファイルも確認できます。

【ココが衝撃的!】

「家庭用で『焙煎』にフィーチャーした点が新しい! スマホ連携によってトレーサビリティが確保され、適正な焙煎方法がわかるのも魅力。頒布会形式(※)のビジネルモデルもユニークです」(戸井田さん)

※頒布会……会費を払っている会員に向けて、商品を定期的に届ける販売方法

 

番外編① 2017年「笑撃」を受けた家電はコレ!

「笑撃」を受けた家電その1

「卵かけご飯にここまでするか……と笑わせてもらいました」(戸井田)

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タカラトミーアーツ

究極のTKG

実売価格3400円

究極の卵かけご飯を作れる調理器具。生卵をセットして上部のボタンを叩くと殻にヒビが入り、ホルダーボタンを押すと卵が割れて白身と黄身が分離します。白身は高速でかくはんされフワフワの状態に。フワフワの白身の上に黄身を乗せるとフワとろの卵かけご飯が完成します。

【ココが「笑」撃的!】

「見ての通り、こんなもの作るんだ! という笑撃です。卵かけご飯にここまでするか……と笑わせてもらいました(笑)」(戸井田さん)

 

「笑撃」を受けた家電その2

「見た目からしてユニーク。でも実用性もあるのはさすが」(戸井田)

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パナソニック

脱臭ハンガー MS-DH100

実売価格1万9550円

ニオイや花粉を抑制するOHラジカルをたっぷり含む微粒子イオン「ナノイー X」を発生させ、衣類に付着したニオイ・花粉に効果を発揮する脱臭ハンガー。衣類をかけて電源を入れると8つの吹出口から「ナノイー X」が吹き出し、繊維の奥まで入り込んでニオイを減少させます。

【ココが「笑」撃的!】

「見た目からしてユニーク。パナソニックやるなーーと、こちらも笑える一品でした。とはいえ、実用性もあるのがさすがパナ」(戸井田さん)

 

番外編② 2018年に期待したい家電はコレ!

「久々に作り手の熱量を感じた良い製品。発売が待ち遠しい!」(戸井田)

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長谷園×siroca

かまどさん電気 SR-E111

実売予想価格7万9800円(税抜・2018年3月9日発売予定)

ヒットしている伊賀焼の炊飯土鍋「かまどさん」の窯元「長谷園」と、新鋭家電メーカー「シロカ」が共同開発した電気炊飯器。熱源感知センサーを鍋底に埋め込むなどで「かまどさん」を炊飯器に組み込むことに成功。1300Wの出力で直火と同じ環境を再現し、「かまどさん」の実力を最大限に引き出します。

【ココが「笑」撃的!】

「伝統と技術を守る窯元と、常に新しい製品を目指す家電メーカーも『ものづくり』に対する熱い思いは一緒。お互いを認め合うことでこの製品が生まれたんだなぁ……と実感しました。土鍋炊飯が手軽にできるだけでなく、『食卓を囲むことの大事さ』が伝わり、久々に作り手の熱量を感じた良い製品。3月の発売が待ち遠しいです!」(戸井田さん)