【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

東京の大衆酒場の名店を巡る企画の第1回。今回は、立石のもつ焼きの名店「宇ち多゛(うちだ)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

 

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。記念すべき第1回目の舞台は、大衆酒場の聖地・立石を代表するお店「宇ち多゛(うちだ)」です。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

行列の絶えない立石の名店「宇ち多゛」を、常連の「宇ち中」さんとともに訪問

同店は豚のもつ焼きと煮込みが絶品と評価が高く、「東京五大煮込み」の1軒にも数えられ、行列の絶えないお店となっています。また「うめ割り」なる名物ドリンクが「もつに合う」と大評判。さらに「酔っている人は入店NG」など独自ルールがあり、店内には独特の緊張感が漂っているとのウワサも。これはちょっと、いきなり一人で行くのは気が引ける……。というわけで、GetNavi web編集部の小林史於(こばやし・しお)は、同店のマニアとして有名なブロガー「宇ち中(うちちゅう)」さんに同行をお願いし、「宇ち多゛」を訪問。独自のルールや味わうべきメニューを教わりながら、その奥深いカルチャーを堪能していきます。

↑宇ち中さん(左)と小林史於(右)。宇ち中さんの本業はサラリーマン。ブログ「宇ち多゛中毒のページ」の管理人で、「宇ち多゛」を中心に、立石の大衆酒場の飲み歩き日記をつづっています

 

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行列に並ぶときは、周囲のお店や通行の邪魔にならないように

小林 宇ち中さん、今日はありがとうございます! すごく楽しみです!

 

宇ち中 今日はよろしくお願いします!

撮影日:9月12日

 

小林 うわー、すでにめちゃくちゃ並んでいますね。並んでいる間に、いろいろと教えてください! まずは、宇ち中さんがこちらに通い始めたきっかけは何ですか?

 

宇ち中 最初に来たのは2003年。青砥に住んでいる会社の先輩が連れていってくれたんです。もう、最初から衝撃を受けました。「アブラのタレ」と宝焼酎の「うめ割り」をいただいたとき、「このウマさはなんだろう?」と。当時はもつ2本で170円だったんですけど、「こんなにおいしいものがこの値段でいただけるんだ!」と、目からウロコで。翌週には一人で来てました(笑)。以来、週に3回は来ています。

 

小林 さすが師匠! 宇ち多゛中毒、略して「宇ち中」の名はダテではありませんね。さて、立石は大衆酒場の聖地と呼ばれていますが、その立石で「宇ち多゛」さんはどんな位置付けなんですか?

 

宇ち中 「大人のディ〇ニーランド」と呼ばれる立石のなかでも、ここ目当てで立石に来る方が多くて、宇ち多゛が休みだと、お客さんがほかのお店にはしごに来ないっていうくらい。ですから、立石を代表する有名店といって間違いないですね。

 

小林 なるほど、立石は街全体がアミューズメント施設であり、そのランドマーク的な存在が宇ち多゛であると(笑)。ちなみに、いまもすごい行列ですけど、待ち時間が少ないオススメの時間帯ってありますか?

 

宇ち中 口開け(開店)してから、次のお客に入れ替わる「2巡目以降」が狙い目。平日は17時以降が一番すいていると思います。土曜日なら11時ぐらい。土曜日だと、材料がなくなると12時半ごろには閉店してしまうので、注意が必要ですね。

 

小林 土曜日はそんなに早く閉まっちゃうんですか? それなら並ぶのも仕方ないですね。

 

宇ち中 ちなみに、並ぶときは通行の邪魔をしないように、列がふくらまないように気を付けるのが大事。隣や向かいのお店が営業準備しているときには邪魔にならないように並びましょう。状況に応じて、店員さんが「こうやって並んでね」と指示してくれることもあるので、それにならっていればOKです。

 

酔っている人は入店NG。「宇ち入り」ではカバンを前に抱えるべし

小林 おお、そうこうするうちに、入口に近づいてきましたよ。普通の店と違って、何だか緊張しますね。入店するときは、「どうぞ」と言われるまで待っていればいいんですか?

宇ち中 はい、店員さんから声がかかるまでは、勝手に入らない方がいいですね。あとは、カバンをかけている場合は入店の際に前に抱えるようにしてください。後ろにカバンを掛けていると、テーブルのお皿やほかのお客さんにぶつかることもあるので。

 

小林 なるほど、それはもっともなルールですね。そうそう、聞くところによると、「酔っている人は入店NG」というルールもあるとか。

 

宇ち中 そうなんです。つまり、「宇ち多゛」は、必ず「その日の一軒目」になるということですね。名物のうめ割りは「一人3杯まで」というルールもあります。あとは、しゃべってばかりだと「もういいんじゃない」とか、酔っぱらいそうだと、「これで最後にしようね」と店員さんに強めに言われることも。でも、当たりが強い感じはするんですが、実は、お客さんのことをしっかり見てオペレーションされている。その奥深さにハマる方は多いかもしれません。

↑入口ののれんの「お客様へのお願い」には「既にアルコール類を飲まれた方 ご遠慮ください」などの一文が

 

小林 なるほど。あ、いよいよ入店ですね。そういえば、「宇ち多゛」に入店することを「宇ち入り」っていうんですよね!

 

宇ち中 はい、「宇ち入り」の「宇」は「宇ち多゛」の「宇」で(笑)。

 

小林 忠臣蔵みたいでカッコイイ! ついに「宇ち入り」です! こんにちはー。

 

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宝焼酎をシロップで割る「うめ割り」と「ぶどう割り」がある

小林 やっぱり店内は緊張感がありますね……。空気がピンと張りつめている感じがします。

 

宇ち中 ええ。しゃべる声のトーンにも気を付けてくださいね。ほかのお客さんの注文が通らなくなっちゃうので。声が大きすぎると注意されますよ。

↑席に案内され、緊張のあまり表情が硬くなる小林(左)

 

小林 わかりました! まずは飲み物の注文からでいいんですか?

 

宇ち中 飲み物から注文して、飲み物を出してもらっているときに、一皿目のつまみを頼む感じですね。

 

小林 店内に貼られたメニューには「宝焼酎」とありますが、これがウワサに聞く「うめ割り」でしょうか?

 

宇ち中 そうですね。グラスに注いだ宝焼酎に、梅シロップを足してもらうのが「うめ割り」です。

 

小林 それにしても、宝焼酎がソフトドリンクと同じ200円(税込)とは……これは安い!

 

宇ち中 はい。感謝しかありません! 宝焼酎はほかに「ぶどう割り」も選べますよ。梅のシロップのほうがちょっと甘めで、ぶどうのほうはドライな感じです。最近は私はもっぱらうめ割りですね。エキスを多くしてもらいたいときは「甘め」、少なくするときは「辛め」とカスタムできます。

 

小林 宇ち中さんのお好みは?

 

宇ち中 僕は「辛め」。シロップは一滴とか、気休め程度ですね。でも、このシロップが一滴でも入ると、味がガラッと変わるんですよ。あ、内田専務がいらっしゃいましたね。

↑「宇ち多゛」の三代目・内田朋一郎専務

 

内田 飲み物どうする? うめ割りでいいかな?

 

小林 今日はよろしくお願いします! はい、ぜひうめ割りをお願いします……(うわぁ…内田さん、真顔だし目つきが鋭い。ちょっと怖いな……)

 

内田 どうぞ。

小林 ありがとうございます。うわ、グラスにたっぷり注がれるんですね!

 

宇ち中 量は、これで五勺(約90ml)くらい。あふれるのを入れると7勺(約126ml)くらいですね。口から迎えに行くのがよろしいかと。

↑宝焼酎のうめ割り。シロップによって薄く色づいています

 

小林 わかりました! では、いただきます!  ……ああ~ガツンと来るぅ~これはぶっ飛びますね!  焼酎はコクがあってキレも抜群。ふわっと来るシロップの甘酸っぱさがたまりませんね。これはウマイ!

↑うめ割りを迎えに行く小林(左)。ひと口飲んだ宇ち中さん(右)も目を閉じてその味に浸ります

 

もつ焼きのオーダーの基本は、部位+味付け+焼き方

↑壁に貼られたメニュー。おつまみはもつ焼き、煮込み、お新香。ドリンクは宝焼酎のほかにウイスキーやビール、清酒、ウーロン茶なども用意しています

 

小林 では、お酒が入って一息ついたところで、次はおつまみの注文の仕方を教えてください! 壁のメニュー表には「もつ焼き 二本 二○○」としか書いていないので……。

 

宇ち中 もつ焼きの注文の基本は、部位+味付け+焼き方です。もつ焼きの部位は「レバ(肝臓)」「シロ(大腸)」「ガツ(胃)」「アブラ(頬)」「ハツ(心臓)」「カシラ(頭)」「ナンコツ(軟骨)」と多彩です。味付けは「タレ」「塩」「味噌」「素焼き」があって、素焼きだけ「お酢」と言えば酢を入れてもらえます。酢を多くしたいときは「お酢たっぷり」でOK。あとは「よく焼き」とか「若焼き」といった焼き加減の好みがあれば伝えます。何も言わなければ「普通焼き」が出てきますね。若焼きよりレアな、「うんと若焼き」というのもありますよ。

 

小林 なるほど。例を挙げると、「レバ・タレ・よく焼き」「シロ・塩・若焼き」「ガツ・素焼き・うんと若焼き・お酢」といったオーダーですね。

 

宇ち中 ほかに、ボイルしただけの焼かないメニュー「生(なま)」もあります。そちらはもつ焼きにあったカシラがなくて、そのぶん「タン(舌)」「テッポウ(直腸)」「コブクロ(子宮)」があります。味付けは何も言わなければ「醤油」になり、「塩」にも変更できます。お酢はすべてに入れられますよ。オーダーは「タン生お酢」といった具合ですね。基本的にもつ焼きは同じ部位が2本で一皿。ただ、ボイルしただけの焼かないメニューは、「レバとシロで1本ずつ」と注文することもできます。

↑もつ焼きは2本で一皿が基本

 

小林 一度にオーダーするメニュー数はどれくらいがいいんですか?

 

宇ち中 テーブルがそう広くないので、あまり一度に多く注文しないほうがいいですね。焼きたてがおいしいですから、残り2切れぐらいになったときに次のもつ焼きを頼んで、食べ終わるころに次がちょうど出てくるタイミングがベストです。

 

小林 なるほど、勉強になります! ちなみに、宇ち中さんなら必ず頼む部位ってなんですか?

 

宇ち中 カシラがあれば、カシラを素焼きお酢で。あとはナンコツのタレも好きです。ボイルではレバボイルがオススメですよ。

 

「煮込み」は「白いとこ」か「黒いとこ」をオーダーできる

小林 ちなみに、今日はおつまみはお店のおまかせで出していただきます。さっそく看板メニューのひとつ、「煮込み」が来ましたね! 煮込みもオーダーでカスタムできるんですか?

↑人気メニューの煮込み

 

宇ち中 できますよ。「白いとこ」といえば、シロ(大腸)の周りの部位やハツモト(心臓に近い大動脈)など、色が白い部分を中心に出してくれます。「黒いとこ」といえば、フワ(肺)やレバなどの黒い部位が中心。ありがたいことに、僕の場合は「白いとこ」が好きとわかって頂いているので、自然に「白いとこ」を出してもらっています。

 

小林 さすが常連さんですね!

 

宇ち中 品切れが近いときは、カスタムできない場合もありますが。開店直後ならだれでも部位の指定ができますし、開店時に入店すれば「ホネ(アゴ周辺)」という希少部位にありつけることも。このホネを食べるのはかなりハードルが高くて、土曜日は朝8時ぐらい、平日は12時半ぐらいに並んでいないと売り切れてしまうらしいですよ。

 

小林 うわあ、まさに幻のネタですね! ちなみに今日の煮込みは、「白いとこ」と「黒いとこ」のバランスはどうですか?

 

宇ち中 バランスが取れている感じですね。ハツモトもちゃんと入っていて僕好みです。

 

小林 いただきます! ああ、ウマイ……。コリッとしていたり、フワッとしていたり、部位による食感のメリハリが楽しい! もつにはまったく臭みがなくて、豊かな肉の旨みだけを感じます。煮汁も、何だろうこのまろやかさ……すごく奥深いです!

 

宇ち中 野菜やこんにゃくを一切使わず、もつと味噌だけで煮込んでいるからかな。独特なコクがあるんですよ。ここの初代は終戦後の1946(昭和21)年に「宇ち多゛」を始めたらしいんですが、戦争の前には銀座のレストランで働いていて、その調理法がルーツらしいんですよね。

 

小林 なるほど。この雑味のない味わいには、その技術が活きているのかもしれませんね。くぅ~っ、また味付けもちょっと濃いめだから、うめ割りが進む進む!

↑うめ割りを合わせて恍惚の表情を浮かべる小林

 

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もつ焼きはすべてが食感豊かでみずみずしく、臭みがない!

宇ち中 この煮込みが200円ですからね。本当に頭が下がります。あ、もつ焼きも来ましたよ。ガツの塩からどうぞ。

↑ガツ塩

 

小林 おぉ、なんと豊かな食感。身はみずみずしくコリコリとした食感で、噛むほどに旨みが染み出てきます。シャープな塩味がさらに味を引き立てる! こちらも臭みが一切なく、ただただウマいです!

 

内田 お次はタン生が出るよ。お醤油かけるね。お酢は大丈夫? 嫌いじゃない?

↑タン生お酢

 

小林 ぜひお酢はかけちゃってください。うわ、これもまた独特の食感。サクサクとしていて、肉の旨みが広がります! 醤油とお酢のパンチが効いて絶妙! お次はシロのタレですか……香ばしく焼かれていて、グッグッと弾力があって食べ応えがあります。肉自体にも甘味があって、甘めのタレとすごく合いますね。レバのタレは、プルップルで口いっぱいにコクが広がる! これを焼酎で迎え撃つと…うーん、たまらん!!

↑シロタレ

 

↑レバタレ

 

宇ち中 こんな感じで、気が付くとうめ割り3杯ぐらいスゥッといっちゃうんですよ。で、お次は、アブラの塩。

 

小林 これ、とんでもなくウマイですね! 表面はカリッ、サクッとしていて、中はトロッとしています。 噛むごとに脂の甘味がジュワッっと広がって、またこれがうめ割りに合う……幸せ……。

↑アブラ塩

 

↑もつのほかに「お新香」もあります。生姜の有無や増減がカスタム可能。基本の味付けは醤油ですが、醤油なしにしたりお酢を入れたりすることも可能です

 

独自のルールを決めたのは、お客さんに気持ちよく帰ってもらうため

小林 内田専務、全部おいしかったです! どれもこれも身がプリっとして、臭みもまったくなくてビックリしました。どうしてこんなにおいしいんですか?

 

内田 特別なことは何もしていないね。ほかの店は見たことないけど、処理も同じだと思うよ。オレはここの2階で生まれて、ずっとこの味で育ってきたから、ほかはよく知らないんだけど。

 

小林 いやいや、ご謙遜です。同じことをやっていて、この味が出るワケがない。自分もいろんな店でもつを食べるんですけど、全然違いました! …ところで内田専務、この機会におうかがいしたいんですが、なぜお店の独自のルールを作ったんですか?

内田 多くのお客さんに楽しく飲んでもらって、みんなに気持ちよく帰ってもらうにはどうしたらいいかを考えた結果。そのためにルールを決めて、オレもキャラクターを作り込もうと考えた。オレ、ふだんはこんなおっかねえ顔してないから。飲んできた人はダメ、3杯以上はやめてくれというルールも、飲み過ぎて人に迷惑を掛ける人が出ないようにするため。人に迷惑を掛けるのはダメだよ。隣の人に絡んだり、騒いだりするんじゃなくてさ、真摯にもつと焼酎に向かい合う。そういう時間があったっていいんじゃないか、って。

 

小林 なるほど。独自のルールも当たりの強いキャラも、すべてはより多くのお客さんに、気持ちよく過ごしてもらうため。もつと焼酎を純粋に楽しんでもらうためだったんですね!

 

内田 でも、ウチで飲めるようになっていたら、みんなどこへ行っても気持ちよく楽しめると思うんですよ。あと、ここで抑圧されて飲んでるとさ、「ごちそうさま」ってのれんをくぐったときに「この解放感がたまらない」という気持ちになる。そこまでを計算して、エンターテイメントとして成立させようとしているんだよ。

小林 そこまで考えてらっしゃったんですね。あと、店員さんの気配りもすごいです。煮込みのオーダーもそうですけど、常連さんのご希望にもかなり対応していらっしゃるみたいで。

 

内田 「今日もおいしかったね、また来よう」と思ってもらうためにはどうしたらいいか、考えるとそうなるよね。もちろん希望に添えないこともあるけど。座席もそう。彼(宇ち中さん)にも好きな席があるから、空いたらそこに移動してもらうから。

 

宇ち中 ええ、私はそこ(小林が座っている席)が好きでして。

 

小林 あ、そうなんですね! すみません、何だか光栄です。では、最後に内田さん、「宇ち多゛」初心者の方にアドバイスというか、メッセージはありますか?

内田 こういう雰囲気も大事だと思うけど、だからって偉そうな感じにはならないように気を付けているし、お客さんには愛を持って接したいと思っている。ただ、まあ初心者にはある程度、店のことを調べてから来てほしいね。そういうところから思い入れが出てくるから。まあ、これだけ並んでたら、何も知らずに並ぼうと思わないだろうけど。

 

宇ち中 でも内田さん、初めてのお客さんにも優しいんですよ。

 

小林 やっぱり、そこには「愛」があるんですね。そうじゃなければ、あれだけおいしいもつを、あの値段で出すわけがないですから。

 

内田 あと、立石にはコロッケ、餃子、漬物、寿司など、おいしくて安い持ち帰りフードの店がたくさんあるから。はしご酒もいいけど、ぜひお土産にどうぞ。

 

小林 わかりました! 内田専務、今日はとてもいい経験ができました。本当にありがとうございました!

↑お会計の際は、「お会計」と声をかけて、席で待っていればOK。お皿の数をカウントして会計するので、お皿は重ねておくのがベター。焼酎を飲んだ杯数は自己申告します。退店の際は、カバンを前に抱えるのを忘れずに

 

「共同体を一緒に回している」という意識でいると、気持ちよく楽しめる

小林 ごちそうさまでしたー!(のれんを出ながら)いやーおいしかった。宇ち中さん、最高でしたね!

 

宇ち中 やっぱり、ここで飲む焼酎が一番おいしいですね(しみじみ)。昔ながらの雰囲気もいいですし、背筋を伸ばして焼酎をいただくのがたまりません。また、焼酎が身体にスーッと入ってくると、仕事の疲れが抜けていくような気がして。

 

小林 いいですね~。焼酎とこの独特な雰囲気で、疲れがリセットされるわけですね。しかし、思えば不思議な空間でした。大衆酒場の特徴といえば「気を遣わないこと」だと思うんですが、「宇ち多゛」さんは、逆に緊張感があるという。

 

宇ち中 お店と客が対等な関係で、持ちつ持たれつというか、一体感がある。自分も「宇ち多゛」という共同体を一緒になって回している、という意識でいたほうが、気持ちよく楽しめると思うんですよ。客は「もてなしてもらって当たり前」ではなく、「この値段でこの味をいただける」という感謝が大事。僕は感謝しかないですね。

 

小林 おっしゃる通りです。驚くほどおいしいのに驚くほど安くて、これほど独特の空気を持つお店はないですよね。私もまたぜひ行きたいと思いますし、周りにも胸を張って「宇ち多゛」さんをオススメしようと思います! 宇ち中さん、本日はありがとうございました!

↑のれんをくぐり、緊張から解き放たれた瞬間もまた格別!

 

<取材協力>

宇ち多゛

住所:東京都葛飾区 立石仲見世商店街内

営業時間:月~金 14:00ごろ~19:30ごろ(L.O)ただし売切れ次第終了、土 10:30ごろ~13:30ごろ(L.O)ただし売切れ次第終了

定休日:日曜、祝日

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・宝焼酎

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

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↑監修はもちろん内田専務です!

 

パッケージはベースカラーに「宇ち多゛」の暖簾をイメージした黒エンジを用い、裏面で店舗をイメージしたイラストと同店の説明を掲載することで、その世界観を表現しています。「宇ち多゛」を訪れた人もそうでない人も、本品で同店の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

タカラ「焼酎ハイボール」<立石 宇ち多゛のうめ割り風>の紹介はこちら▼

https://www.takarashuzo.co.jp/news/2020/TS20-041.htm

 

撮影/我妻慶一

 

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気鋭の中華レストランでおいしく学ぶ! 「紹興酒と至福のペアリング」の噺【後編】

中国のお酒・紹興酒(しょうこうしゅ)の基礎を学ぶ企画。今回は、紹興酒に詳しい識者と飲食店のマネージャーにお話をうかがいながら、中華料理と紹興酒のペアリングを堪能します。

おうち時間が増えて中華料理をテイクアウト、あるいはデリバリーすることも増えたはず。そこで、この機に中華料理と相性のいい中国のお酒・紹興酒の楽しみ方を学ぼうというのが本企画です。

 

前編では歴史や製法、おすすめの飲み方などに触れていきましたが、後編となる今回は、都内の中華レストランを実際に訪れ、料理と紹興酒のペアリングを学んでいきます。今回のガイド役は「酒文化研究所」の山田聡昭(やまだ・としあき)さんと、中華レストラン「みこころ 無添加チャイナ935」の吉田正洋マネージャー。聞き手は紹興酒のビギナーであるGetNavi web編集部の小林史於(こばやし・しお)です。

↑酒文化研究所の山田聡昭さん。様々な媒体で連載をもつほか、『酒席に役立つ読む肴 サラリーマン酒白書』(紀伊国屋書店)など編集や執筆に携わった著書も多数

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

気鋭の中華レストランで中華料理と紹興酒のペアリングを学ぶ

今回、取材に協力してくれたお店は、2019年11月にオープンした神保町の「みこころ 無添加チャイナ935」。オーナーシェフの井上貴士さんは、「トゥーランドット游仙境(ゆうせんきょう)」に「銀座 芝蘭(チーラン)」と、上海・四川料理の名店を経たのちに本場四川の成都(チェントゥ)で修業。帰国後は広東料理の技も身に付けた名シェフです。マネージャーは、様々な中華の名店でサービスの極意を会得し、紹興酒への造詣も深い吉田正洋さん。この両者による気鋭のレストランだけあって、中華料理と紹興酒のペアリングの妙も存分に楽しめるはず。

↑JR御茶ノ水駅より徒歩約5分、東京メトロ・神保町駅より徒歩約6分に位置する「みこころ 無添加チャイナ935」。明治大学のはす向かいにあります

 

小林 山田さん、吉田マネージャー、本日はよろしくお願いします! 本場の中華料理と紹興酒がどんなマッチングを見せるか、楽しみで仕方ありません!

 

山田 よろしくお願いします。さて、早速ですが吉田マネージャー、今日はペアリングがテーマということで、どちらの紹興酒を選ばれましたか?

↑吉田正洋マネージャー。初めて店長を務めた中華レストランで、「何かでオンリーワンになりたい」という決意から紹興酒を極めようと思ったそう

 

吉田 紹興酒は、「塔牌」(とうはい)という銘柄を中心に用意しています。「塔牌」は、最も水の状態が良いとされる冬にだけ仕込んでいて、昔ながらの手造りで甕(かめ)仕込み、甕貯蔵にこだわっています。当店では、8年熟成、10年熟成、15年熟成と多彩な商品を用意していて、今回は、当店で最もスタンダードな8年ものの「塔牌」2012年<福(フータオ)>に合わせて料理をお楽しみいただこうかと。ちなみに<福(フータオ)>は、ボトルではなく甕入りのものから汲み出す“甕出し”を使っています。

↑同店で提供している15年の長期熟成を経た特撰紹興酒「塔牌」<陳十五年>(左)。“甕出し”の「塔牌」2012年<福(フータオ)>は、「塔牌 紹興酒」とプリントした専用のデキャンタ(右)に入れて提供しています

 

山田 “甕出し”は、開封してからの味の変化という面でも楽しみがありますよね。

 

吉田 ええ、おっしゃる通りです。その点も考慮して、当店の“甕出し”は、開けたての酸が立った状態でお出しすることはありません。半分ずつ別のボトルに移してあえて空気に触れさせ、一週間ほど置いておくことで、香りを際立たせるようにしています。

 

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手ごろな紹興酒で料理酒・飲用の兼用も

山田 なるほど、手がかかっていますね。ちなみに、ボトルに移すときには、甕の底に沈む澱(おり)も取り除くということですか?

 

吉田 澱も楽しみたいというお客様には、そのままの状態でお出しすることもありますが、基本的に澱は除いた状態で提供します。ただし、澱は旨みの塊でもあるので、当店では料理に活用していますね。

 

小林 それは興味深いです。例えば、どんな料理に使っているんですか?

 

吉田 場合によっては杏仁豆腐にかけることもありますが、基本的には食材を紹興酒漬けにするときに使います。活きたエビを漬けておく「酔っ払いエビ」や上海ガニがイメージしやすいかもしれませんね。

↑紹興酒に漬け込んだエビ

 

小林 なるほど。料理に使ったお酒と同じお酒を合わせると相性がいい、というのは聞いたことがあります! ならば、家庭で手始めに紹興酒を楽しむなら、手ごろな紹興酒を一本買って、料理酒と飲用の兼用で使うのもアリですか?

↑手ごろな1本として知られる「塔牌」花彫 <陳五年>

 

吉田 もちろんです。日本のご家庭でも、料理酒として紹興酒を常備している方はいらっしゃいますよね。まずはそこから気軽にペアリングを楽しんでいただくといいですよ。

 

小林 そうこうしているうちに、何やらおいしそうな香りがただよってきました。シェフの料理が完成したようです!

 

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酸味や辛味などの刺激を、紹興酒がまろやかにしてくれる

吉田 当店の定番である8年ものの「塔牌」<福(フータオ)>は汎用性が高く、前菜、副菜、メインと合わせやすいのが特徴です。本日はその魅力を存分に楽しめるよう、調理時に紹興酒を使った3品を井上シェフと考えてご用意しました。

↑オーナーシェフの井上貴士さん。四川料理を最も得意とし、そのほかの地方の中華や自身の独創性を生かした一皿も提供しています

 

小林 ありがとうございます! それでは、ここからは井上シェフも交えてお話をおうかがいしていきましょう。

 

山田 井上シェフ、さきほどのお話にもありましたが、「料理酒としての紹興酒」と、「お酒として味わうための紹興酒」のペアリング、そこに重点を置いたということでしょうか?

 

井上 そうですね。基本的には仕込みの段階で、紹興酒に食材を漬け込むといった使い方をしています。ただ、一緒に合わせる素材や調味料によって香りや味の広がり方、感じ方が変わってくると思いますよ。まずは、当店のランチや夜のコースなどでもよく提供している「よだれ鶏(蒸し鶏の麻辣ソース)」からお召し上がりください。

↑「よだれ鶏」は、日本でもポピュラーな四川料理の一皿。同店では濃淡2種類のラー油を使い分けて奥行きを演出。ニンニクやカシューナッツをトッピングしてアクセントにしています

 

山田 すごくおいしい!  お肉はしっとり柔らかく、鮮烈な香りとともにピリッとした刺激と絶妙なシビレ感があり、酸味や甘みも感じます。

 

井上 お口に合ってよかったです!「あべどり」という銘柄鶏のモモ肉をゆでて冷ましてから、ゆで汁と紹興酒と花椒(ホアジャオ)などを混ぜた塩水で半日以上漬けています。このマリネが味の決め手ですね。

 

山田 ペアリングのポイントとしては、酸味や辛味などの刺激のある要素を、紹興酒がキャッチしながら緩和させている点ですね。

 

小林 確かに! 紹興酒と合わせると、刺激がまろやかになって旨みがアップする印象です。四川料理のような刺激的な一皿に合わせるのも、ひとつのセオリーというわけですね。勉強になります!

 

山田 味付けとお酒の熟成のニュアンスが同じ方向性なので、その点でも考えられています。非常に心地よいマリアージュですね。

 

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香ばしさと旨みの強い料理が紹興酒と相性バツグン

吉田 では、次はシェフの独創性を生かした魚介の一皿、「巻き海老とホタテと桜海老の香り炒め」をどうぞ。

↑「巻き海老とホタテと桜海老の香り炒め」。エビとホタテは紹興酒で漬け、エビはそのまま、ホタテは片栗粉をまぶして揚げています

 

山田 香ばしい風味に圧倒されます。この香ばしさが紹興酒の熟成香と合いますね。エビにしみ込んだ紹興酒の風味も、口のなかで鮮やかに広がります。

 

小林 エビの紹興酒の風味と、これを迎える紹興酒が絶妙にマッチしています。このハーモニーは素晴らしい!

 

山田 魚介と野菜、それぞれの食感のメリハリも絶妙で、凝縮された旨みが印象的ですね。油とともに熱せられることで素材の魅力が前面に出ています。前編でも話しましたが、紹興酒は旨みの強い料理とも相性がいい。紹興酒の旨みと料理の旨みが重なって、相乗効果が生まれますから。これはその典型です。

 

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紹興酒の乳酸が料理の油っこさを切ってくれる

吉田 ありがとうございます。最後は「水煮牛肉」(スイジュウニュウロウ)をお召し上がりください。

↑濃厚な味わいが魅力の四川伝統の煮込み料理「水煮牛肉」

 

井上 お肉は国産牛のモモで、やはり下味に紹興酒を使っています。花椒は直接入れておらず、自家製の唐辛子粉に入れたものを使っているので、シビレはやや少なめ。ただ唐辛子粉のほかに自家製ラー油もたっぷり使っているので、辛さはしっかり感じられると思います。

 

山田 こちらは濃厚な味付けにとろみと辛味が加わり、極めて豊かな味わいですね。油もたっぷり使われていてこってりしていますが、紹興酒を飲むと口の中が適度にスッキリして、また次のひと口が食べたくなります。紹興酒の乳酸が油っこさを切ってくれている証拠ですね。

 

吉田 そうおっしゃっていただけるとうれしいです。また、この料理はとろみがあって温かいので、お酒を同じ程度に温めると、さらに親和性がアップするのでオススメですよ。一方で真逆のアプローチもあって、暑い季節はオンザロックの紹興酒を合わせてさっぱり楽しんで頂くのもいいと思います。

 

小林 なるほど。真夏は断然そのほうがいいですね!

 

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料理の味わいの濃淡に応じて、熟成期間を選ぶのもオススメ

吉田 あとは、料理の味が濃くなるほど、その旨みに負けないよう、熟成期間が長い紹興酒を合わせるのがオススメ。今回は「水煮牛肉」が最も濃厚に感じられたかと思うのですが、この味わいなら、より長く熟成させた紹興酒を合わせてもいいと思います。

↑店内には「塔牌」の長期熟成酒の華やかな甕が飾られていました

 

山田 中華のコース料理で考えると、前菜からメインに向かうにつれて、紹興酒の熟成年数を増やしていくのも手ですね。

 

吉田 おっしゃる通りです。序盤の軽めの料理には熟成年数が浅いものを、一方でメインの濃厚な一皿には熟成の深いものを選んだ方がマッチするでしょう。

 

小林 なるほど。吉田さん、井上さん、ありがとうございました。大変勉強になりました! 今回のペアリングで学んだことを簡単にまとめると、 紹興酒は、料理酒として紹興酒を使った料理と相性がいいこと、辛い料理やシビレのある料理をまろやかにしてくれること、香ばしい料理や旨みの強い料理に相性がいいこと、紹興酒の酸味が料理の油っこさを切ってくれること、料理の濃淡に応じた熟成年数を選ぶのがオススメ……といったところでしょうか。山田さん、こうしてみると、紹興酒はかなり万能なお酒なんですね。

 

山田 まったく、その通りですね。読者のみなさんも一度お試しいただいたら、その使い勝手の良さがわかるはず。「よく知らないから」と敬遠せずに、自宅でもお店でも、様々な料理に気軽に合わせてほしいです。 いやあ、それにしても、今日はすべておいしかった。ありがとうございました!

 

<取材協力>

みこころ 無添加チャイナ935

住所:東京都千代田区神田小川町3-22 細野ビル 2F

営業時間:11:00~14:00(L.O.)、17:00~23:00(L.O.21:00)

定休日:日曜、祝日

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・紹興酒「塔牌」(とうはい)
https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/

 

・紹興酒「塔牌」花彫 <陳五年> 600ml

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=2275

 

・紹興酒「塔牌」 2012年<福(フータオ)>5L甕

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=3208

 

・紹興酒「塔牌」2012年 <福(フータオ)>9L甕

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=3209

 

・特撰紹興酒「塔牌」<陳十五年> 500ml壷

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=2270

 

撮影/我妻慶一

 

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【ラ飲みの名店】これほど使い勝手のいい店があるか? 新宿駅近の老舗「石の家」に街中華の理想を見た

ラーメン店でお酒を楽しむ、通称「ラ飲み」。本稿は、お酒をより深く楽しむための情報サイト「酒噺」(さかばなし)とコラボし、この「ラ飲み」にスポットを当てた企画である。案内人は、GetNavi本誌でラーメン連載を持つミュージシャン、サニーデイ・サービスの田中 貴さん。本稿では「ラ飲み」でオススメの店を行脚しつつ、「ラ飲み」の楽しみ方や珠玉のラーメンを紹介していただく。今回は、全6回となる連載の第4弾をお届け。

「ラ飲みの名店」連載一覧はコチラ

 

【プロフィール】

田中 貴(たなか・たかし)

サニーデイ・サービスのベーシスト。日本全国を食べ歩くラーメン好きとしても知られ、TVや雑誌などでそのマニアぶりを発揮することも多い。2019年にはグルメ誌「食楽」で表紙を飾った。

 

バンドは3月13日に通算13作目となるニューアルバム「いいね!」をリリース。エレキギター・ベース・ドラムという最小限のバンドアンサンブルに立ち帰り、自身たちのルーツたる音楽性を詰め込んだ傑作が誕生した。ライブはドライブイン形式のイベントとして「山中湖交流プラザ きらら」で開催される、「DRIVE IN LIVE “PARKED”」の初日、9月26日に出演が決定。また、カーネーション、岸田繁(くるり)とのライブ音源集「お~い えんけん!ちゃんとやってるよ!2020セッション」が10月21日にCDとLP盤でリリースされる。

 

街中華は何人かで飲みに行くときの有力な選択肢のひとつ

今回訪問したのは、新宿駅の東南口からすぐの場所にある「石の家」(いしのいえ)。昨今注目が集まっている街中華(町中華)カテゴリーのお店だ。田中さんはラーメン専門店だけではなく街中華にも詳しい。そんな田中さんが、数ある名店のなかから「石の家」を選んだ理由は、名物メニューがあり、多くの人が足を運べる立地だからだという。また、「麺や 七彩」の阪田博昭さんをはじめ、田中さんと仲のいい有名ラーメン店主のなかにも「石の家」のファンは多いのだとか。

↑「石の家」の入口。裏路地に入ってすぐの、地下のネオンが目印だ

 

入店して料理を待つ間、田中さんにとって、街中華とはどんな存在なのか、街中華でラ飲みを楽しむ魅力などについて教えてもらった。

 

「街の中華屋さんと聞いて一般的にイメージされるのは、日本風にアレンジされた中華料理を出すお店ですよね。オムライスやカレーなどの洋食からカツ丼などの食堂メニューまで出す、住宅地の駅近くに必ずあるタイプの店。それらとは違うタイプで、中国の方が厨房にいらっしゃる、本場の味を出すお店というのもあります。格式高い本格的な中国料理店とは違い、庶民的なスタイルで古くから続く店が、都心にはまだいくつか残っています。どちらのタイプの店にもいえるのは、安くてボリュームがあるということ。数人で、何品も頼んでワイワイやるのが楽しいですね。もちろん、麺料理も豊富にあるので、一軒でシメのラーメンまでいけちゃいます」(田中さん)

 

「いい街中華」は「おっちゃん世代が集まる店」であることが多い

ただ、最近人気が出てきたとはいえ、街中華は公開されている情報量がラーメン店に比べて多くはない。いい店は、どうやって探せばいいのだろうか。

 

「まず、長く続いている店は間違いないですよ。新宿とか渋谷とか、若者が多くてお店の移り変わりも激しいなかにも、オッチャンがたむろしている古くからの店はあるものです。そういう店は、まあ安くてウマい店ですね。オッチャンたち全てが食にこだわっている人ばかりではないですが、人生経験を積んだ先輩たちが選ぶ店には、何かしら意味があります。あとは、オリジナリティ溢れる名物料理があること。『いい店』と『名店』の違いは、これがあるかないかに尽きます」(田中さん)

↑近所の年配のご夫婦が営む深夜営業の中華の「いい店」が突然閉店し、途方に暮れていると語る田中さん

 

田中さんがお話しした条件の通り、「石の家」もこの界隈屈指の老舗であり、近くの「ウインズ新宿」に通うベテラン勝負師たちが足しげく訪れるお店。ファンであることを公言している著名人も多いのだという。

 

「酔貝」をはじめ、酒が進む「間違いのない前菜」が登場

やがて、一品目の「酔貝(すいがい)」が到着。街中華としてはやや珍しい本格派で、しかも台湾料理である。カンタンに言えばシジミのニンニク醤油老酒漬けで、絶妙な火加減でレアな食感に仕上げたシジミを、自家製のタレで約2時間漬け込んだ人気の前菜だ。

 

「ニンニクと紹興酒が効いた味付け。ガツンときますね! シジミの身が大きめなのは珍しい。肝臓にもいいような気がして酒が進みます(笑)」(田中さん)

↑「酔貝 ハーフ」400円(通常サイズは750円) ※お酒の画像はイメージ。店舗でも取り扱いなし(以下同)

 

ちなみに、ふだん料理をオーダーする流れについて田中さんに聞いてみると、「『石の家』の場合、まず飲み物と一緒に、このシジミとか腸詰といった前菜を頼みますね。台湾系の料理があるのも、ここの魅力です。そのあとは、酒に合う炒め物や揚げ物や、流れにまかせて……といった感じですね」と教えてくれた。そうこうするうちに、「焼餃子」と「腸詰」が到着。

 

「焼餃子が庶民的な料理として一般に普及したのは戦後からですが、ここはそのころから珉珉などと並んで有名だったそうで、古川緑波(ふるかわ・ろっぱ)の随筆にも『石の家』の名が出てきます。ロッパも食べた餃子を、建物は変われど同じ場所で食べていると思うとロマンを感じますね。僕が上京したころは、この新宿駅の南側も闇市の名残ある街並みでしたが、ずいぶん変わりました。さかさクラゲと呼ばれた連れ込み旅館や、生コン工場なんてのも数年前まであって、ゴチャゴチャした感じが魅力的だったんですが……」(田中さん)

↑手前は、「酔貝」と並ぶ人気の台湾料理「腸詰」700円。「焼餃子(6個)」400円は、キャベツ、白菜、ニラを豚ひき肉と合わせ、にんにくとしょうがを効かせた間違いのないおいしさ

 

「石の家」の名は、創業者が採石建材店と懇意にしていたことに由来

ここで、店の由来について二代目オーナーの金井由美子さんに話を聞いてみた。創業は昭和29(1954)年。当初は現在のように地下ではなく、2階に座敷を備えた建物だったそう。店名は、創業者が近隣の採石建材店と懇意にしていたことに由来。その後昭和59(1984)年に改築され、現在は金井さんの娘さんが三代目として同店を営んでいる。

↑二代目オーナーの金井由美子さんと。新宿周辺の昔話に花が咲く

 

いまでこそ新宿駅の東南口は整備されて都会的な雰囲気に変わったが、昭和のころは「新宿西口思い出横丁」のような、ディープな雰囲気だったとか。駅前に並ぶ屋台のなかには台湾料理店があり、その店主が「石の家」の常連だったことからレシピを教わり、同店でも台湾料理を提供するようになったという。

 

おかずにもつまみにもなる炒め物&揚げ物が到着

続いて、ご飯のおかずにもつまみにもなる炒め物と揚げ物をオーダー。街中華の定番である「木須肉(ムースーロー=キクラゲ、卵、豚肉炒め)」は、濃い味付けに仕上げた同店伝統の一皿だ。一方、「イカとセロリ炒め」は、セロリの上品な香りとコリっとした食感が絶妙。豚肉とピーマンの天ぷらを盛り合わせた「肉の天ぷら」は、山椒や八角をほんのり効かせてスパイシーに仕上げているのが特徴だ。

↑「木須肉(ムースーロー)」850円(手前)、「イカとセロリ炒め」900円(左奥)、「肉の天ぷら」850円(右奥)

 

「このムースーローは、ジャズピアニスト・山下洋輔さんのエッセイにちょいちょい出てくるもんだから、上京前から憧れの一品でした(笑)。イカとセロリの炒め物も、こういう中華屋さんの定番ですね。酒にもよく合います。肉天って関西ではポピュラーで、僕も子どものころから好物なんです。東京ではほとんど見かけないので、ここに来たら必ず注文しますね」(田中さん)

 

名物の「やきそば」は、焼きうどんのような太麺が醍醐味

そして、いよいよ麺料理へ。オーナーの金井さんによると、創業時のメニューは餃子と焼きそばとタンメンの3つだけだったそう。これらは、メニューが増えたいまでも同店を代表する人気料理だ。そのなかから、まずは開店当初50円だったという「やきそば」から頼んでみよう。

↑創業当時の味を伝える「やきそば(太麺・しょうゆ味)」550円。細麺ではなく太麺で、ソース味ではなくしょうゆ味だ。しょうゆ、塩、うまみ調味料などで味付け、ゴマ油が効いているのがポイント

 

「この焼きそばが『石の家』の名物なんです。うどんのような太麺が、ブヨンブヨンの食感でたまらない。量も多いので、数人でつまむのにもってこい。この焼きそばは、ファストフード店が普及する前には、安くてウマくて腹一杯になると学生に大人気だったそう。何年か前に、『石の家』で数十年働いてた方とこの近くの飲み屋で出会いまして、当時の話をいろいろうかがいました(笑)」(田中さん)

 

焼きそばの麺の量は、200gとボリューム満点。麺類は昔からずっと同じ製麺所に特注しているという。ちなみに、餃子はかつて皮が自家製だったが、いまはこの製麺所に作ってもらっているとのこと。

↑紹興酒も一緒に飲み始めた田中さん。焼きそばや炒め物をつまみにお酒が進みます

 

タンメンは野菜の旨みがしっかり効いていて深みのある味

そして最後はタンメンを注文。同店には通常のタンメンと、昔ながらの太麺タイプの2種があり、今回はやはり後者をチョイス。味の軸となるのは、鶏と豚のガラを中心に前日から約8時間炊いたスープで、タンメンの場合はこれに野菜などの甘味が加わる。

↑「太麺タンメン」750円。スープが白濁していないあっさり系だが、奥深いふくよかなうまみがあって飲み干したくなるウマさ

 

「中華屋さんでは、ベーシックなラーメンよりもタンメンなどを頼むのがベター。こういうお店のスープは、基本的に全ての料理のベースに使うよう仕込まれています。なので、シンプルなラーメンはラーメン専門店と比べると物足りなく感じることが多い。そして、中華屋さんの醍醐味といえば、豪快に鍋を振って作る炒め物。それぞれの野菜への火の通し加減など、技術にはっきり差が出る調理法。これを堪能できる、タンメンや、もやしそばなどのあんかけ系がおすすめです。その点、『石の家』はさすがですね。ベースのスープもしっかりしつつ、さらに炒め煮した野菜の旨みがしっかり出ていて素晴らしい。ニンニクも強めにきいてて、ん〜こりゃウマい。そして、唯一無二のブヨブヨ麺。たまらんね」(田中さん)

↑つるりとした太麺と野菜の旨みが溶け込んだスープの相性はバツグン!

 

前菜からシメまで、お酒の進む絶品料理が良心的な価格で楽しめる。おまけに立地は抜群で、昼夜通しで営業していて、定休日もないという使い勝手のよさ。多くの人に時代を超えて愛されるというのも納得だ。こうした素晴らしい店が時代に飲み込まれずに残っていること自体、もはや奇跡と言っていいだろう。新宿は数々の老舗や名酒場が存在する街だが、東南口の「石の家」も、必ず覚えておくべき名店といえる。

撮影/黒飛光樹(TK.c)

 

【SHOP DATA】

石の家

住所:東京都新宿区新宿3-35-4 ユーコービル中地下

アクセス:JRほか「新宿駅」東南口徒歩3分

営業時間:月~土11:30~23:50(L.O.23:00)、日祝11:30~22:50(L.O.22:00)

※営業時間は変更の可能性があります

定休日:なし

 

人に話したくなるお酒のお役立ち情報やうんちくを知りたい方は、酒噺へ!

 

撮影/黒飛光樹(TK.c)

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

紹興酒って何? どうやって飲む? いまさら聞けない「紹興酒の基本」の噺

長い歴史を持つ中国のお酒・紹興酒(しょうこうしゅ)。今回は、初心者でも家飲みで気軽に楽しめるよう、識者を招いて紹興酒の魅力と基礎知識を教えてもらいます。

 

餃子に麻婆豆腐、エビチリにチンジャオロースー……中華料理は、すでに我々の食生活には欠かせない存在となっています。特に今はおうち時間が増えて、中華料理のデリバリーや惣菜をつまみにして飲んでいる人も多いでしょう。そこで注目したいのが、「中華料理に合う」と言われる紹興酒。ただし、聞いたことはあるけれど、どんな飲み方をしたらいいかわからない、そもそもどんなお酒か、わからないので手が出せない……という人は少なくないはず。

そこで今回は、興味はあるものの紹興酒についてはあまり知らないGetNavi web編集部の小林史於(こばやし・しお)が、酒文化研究所の山田聡昭(やまだ・としあき)さんをガイドに招き、紹興酒の基礎を教えてもらいます。前編では、紹興酒の定義や製法、飲み方など、いまさら聞けない「きほんのき」を伝授してもらいます。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

↑今回、紹興酒のガイド役をお願いした山田聡昭さん。様々な媒体で連載をもつほか、『酒席に役立つ読む肴 サラリーマン酒白書』(紀伊国屋書店)など編集や執筆に携わった著書も多数

 

もち米の醸造酒を熟成させた老酒のうち、紹興市で造られたものが「紹興酒」

取材に協力してくれた山田聡昭さんは、「酒文化研究所」の設立メンバーであり、かつては情報誌「さけ通信」の編集長を務めるなど、お酒全般に造詣が深い人物。紹興酒の醸造現場を取材した経験もある、紹興酒の達人でもあります。さっそく、「紹興酒とは何か?」というところから解説していただきましょう。

↑今回は、伝統的な製法で造られる「塔牌(とうはい)」という銘柄を例に挙げてレクチャー

 

小林 本日はよろしくお願いします! 基本的すぎて恐縮ですが、紹興酒って何でしょうか。まずは、定義から教えてください!

 

山田 大きな分類でいえば、紹興酒は醸造酒(※)です。日本酒やワイン、ビールなどと同じ部類ですね。中国では穀物の醸造酒を黄酒(ホワンチュウ)と呼び、なかでも長期熟成させたものを老酒(ラオチュウ)と呼びます。もち米を原料とした老酒の一種が紹興酒。浙江省(せっこうしょう)の紹興市で造られた老酒のみ「紹興酒」と名乗ることができます。

※醸造酒……穀類・果実などの原料を、酵母によりアルコール発酵させて造ったお酒(日本酒・ワインなど)

↑紹興酒のふるさと・紹興市の風景。紹興市は湖沼が多く、水路が発達しています

 

小林 へえ、「紹興」って地名だったんですね。中国のどのあたりにあるんですか?

 

山田 紹興市は、上海から南西にクルマで2~3時間くらいの位置にあります。産地でブランド化している中国のお酒は紹興酒ぐらいでしょうね。スパークリングワインでいえば、シャンパーニュ(同地方で造られたものしかシャンパーニュと名乗れない)のようなものです。ちなみに紹興での酒造りの歴史は古く、2400年以上前の春秋時代には、紹興で盛んに酒造りが行われていたと推測されています。

 

小林 2400年前! 春秋時代といえば、マンガ「キングダム」の時代(戦国時代)のさらに前ですよね。これはロマンがある! でも、それだけ昔から酒造りが続いてきたってことは、紹興はかなり酒造りに適した場所、ということになりませんか?

 

山田 そうですね。紹興は中国屈指の水郷地帯で、紹興酒は名水として知られる鑒湖(かんこ・鑑湖と表記することもある)の水を使うのが絶対条件のひとつです。この水の良さは大きなポイントです。

↑会稽山脈系の伏流水が涌き出る鑒湖

 

↑鑒湖の水は、もち米の洗浄や浸漬(米に水をしみ込ませること)をはじめ、仕込み全般に使われます

 

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原料と製法は? 日本酒との違いに注目して解説

小林 では、続いて紹興酒の原料や製法について教えてください。日本酒と同様、お米を使っているということで、日本酒と比べて解説してもらえるとうれしいです!

山田 日本酒はうるち米を使いますが、紹興酒の原料は、より粘り気のあるもち米ですね。そして、両者とも米のデンプンを糖に変える工程(糖化)を踏まないと、アルコール発酵ができない。だから、日本酒も紹興酒も、米を糖化させる麹(こうじ)というカビの一種を使うのですが、日本酒と紹興酒では麹の種類が違います。日本酒では米に「黄麹」(きこうじ)というカビを繁殖させた米麹を使うことが多いですが、紹興酒の場合は麦にクモノスカビという系統のカビを繁殖させた麦麹を使います

 

小林 なるほど。日本酒と同じで米を糖化させる作業は必要だけど、使う麹の種類が違うんですね。

 

山田 そうなんです。さらに紹興酒は麦麹で米のデンプンを糖化させつつ、酵母などを含んだ酒薬(しゅやく)というものを加えてアルコール発酵させる。これが、紹興酒の仕込みの概要です。仕込みの方法は、糖化とアルコール発酵を一つの容器で同時に行う「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」で、その点は日本酒と共通ですね。ちなみに、近年の仕込みではステンレスタンクを使うことも多いですが、「塔牌」のような伝統製法の紹興酒は甕(かめ)で仕込みます。甕で二段階の自然発酵を行い、搾って原酒と酒粕に分けたら、今度は貯蔵用の小さな甕に詰めて長期熟成を行います。

↑伝統製法を守る「塔牌」の仕込み。職人たちは気候やもろみの温度、発酵の進み具合などを見ながら、長い棒を操って甕の中をかくはんします

 

↑貯蔵用の小さな甕にお酒を詰めたら、ハスの葉や油紙、竹の皮などで密閉して外気が浸透しないようにします

 

小林 うわあ、手が込んでいますね。いったいどれぐらい熟成させるんですか?

 

山田 3年や5年といったものから、8年、10年、15年、あるいはそれ以上とじっくり寝かせるものまで多種多様。かつて紹興では、娘が生まれたのを機に、父が紹興酒の甕を地中に埋めて娘が嫁ぐ日に振る舞ったことから、紹興酒は「花彫酒」(はなほりしゅ・かちょうしゅ)という別称で呼ばれることもあります。現在ではこの「花彫酒」が、長期熟成酒の愛称として使われることもありますね。この熟成の長さに応じた味わいの変化が、紹興酒の面白さでもあるわけです。日本酒の場合、3年以上の熟成を行うことはまれですから、そこも大きな違いですね。

↑「塔牌」の貯蔵庫。天井が高く、常に一定の温度に保たれた環境で甕を3~4段に積み重ねて貯蔵。年に一度、場所を入れ替えながら熟成させます

 

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軽快な味わいの5年ものをロックですっきり楽しむ

小林 紹興酒とは何なのか、とてもよくわかりました。 次は飲み方について教えてください!

 

山田 では、日本でもポピュラーな「塔牌」(とうはい)というブランドを使って、飲み方を紹介していきましょう。

小林 この赤いラベルに塔のマークが入った紹興酒は見たことあります! 居酒屋やスーパー、コンビニなどでもよく見かけますね。

 

山田 「塔牌」は日本での流通量が多いですからね。今でも伝統製法にこだわっていて、水質が最も安定する冬季にのみ仕込んでいるからか、紹興酒のなかでもクリアな味わい。初心者にもオススメです。まずは、何も入れずに常温で飲んでみてください。

↑紹興酒「塔牌」花彫 <陳五年>

 

小林 …ああ、これはウマイですね! 甘みや複雑な旨み、酸味が調和していてまろやかです。それでいてしつこさはなく、透明感もある……。熟成のせいなのか、独特の香味もあるんですね。

 

山田 おっしゃる通り、<陳五年>は5年の熟成を経ていて、深みのある味わいです。紹興酒のなかでも特に長期熟成させるものは「陳年」の名称が付けられるのですが、「塔牌」はすべてが「陳年」なんです。ちなみに「陳五年」とは、5年熟成酒をメインに4年ものや6年ものなどをブレンドして、加重平均で5年以上のものに付けられる酒齢のこと。若くて力強い酒や、年数を経て落ち着いた酒を巧みにブレンドすることも、おいしさの秘訣です。では、続いて5年以上の熟成酒だけを使用した<純五年>という銘柄をオン・ザ・ロックで試してみてください。

↑5年以上の陳年原酒のみを詰めた紹興酒「塔牌」<純五年>プレミアムをロックでいただきます

 

小林 ではひと口。あっ! ロックでほどよく冷えたからか、コクがありながらすっきりした味わいになりました! 飲み方のイチオシはロックなんですか?

 

山田 いえ、飲み方は何でもいいんですよ。ただ、熟成の度合いや季節、料理に応じて合わせると、より楽しめると思います。今回の<純五年>はそれ以上の熟成期間の紹興酒よりも軽快な味なので、ロックのように爽やかな飲み方がよく合うと思いまして。

 

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ぬる燗のほか常温をワイングラスで楽しむのもオススメ

小林 なるほど、勉強になります! あれ、日本酒の徳利がありますけど、次は燗ですか?

↑白い甕が特徴の紹興酒「塔牌」2010年<福(フータオ)>を燗でいただきます

 

山田 はい、今回は40℃くらいに温めてみました。日本酒でいうぬる燗くらいですね。お酒は2010年に醸造した陳年原酒のみを使用したヴィンテージ紹興酒の<福(フータオ)>です。

 

小林 ああ、これもウマイ……じんわり染み渡るおいしさです!

 

山田 紹興酒は乳酸が多く、乳酸は温めると味わいがふくらむんです。温め方は、湯せんでも電子レンジでもいいですよ。

 

小林 熟成が深いからか、まろやかさや上品な酸味がより際立っていますね。

 

山田 熟成感が増すことで、カラメルのような心地いい風味がより豊かになり、味のやわらかさや厚みもアップするんです。さあ、次はさらにリッチな「塔牌」の<陳十五年>を飲んでみてください。こちらは飲み口がすぼまった大きめのワイングラスで、香りを逃さず楽しむのがオススメです。

↑15年の長期熟成を経た特撰紹興酒「塔牌」<陳十五年>

 

小林 ああ……なんというエレガントな香りでしょう。確かに、常温でワイングラスだと香りが際立ちます。味は繊細で軽やか、上品で芳醇……舌触りも滑らかで、すいすい飲めます。これはウマイ!

 

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暑い季節は中国茶割りや炭酸割りでゴクゴク飲むのもよし

山田 あとは、暑い季節だとソフトドリンクで割ってゴクゴク飲むのもいいと思います。例えばジャスミン茶やウーロン茶などの中国茶割りはいかがでしょう。

 

小林 紹興酒の甘味や酸味に、自然な香りや渋味が加わって、これもいいですね! アルコール度数が下がってグッと飲みやすくなりますし、さっぱり飲めるので、濃厚な料理によく合いそうです。

↑紹興酒をジャスミン茶で割っても美味しい!

 

山田 あとは炭酸割りも面白いですよ。町中華や居酒屋でも「チャイナハイボール」の名称でよく見かけるようになりました。

 

小林 こうしてみると、紹興酒って常温でも、冷たくしても、温めても、割っても楽しめるスゴいお酒なんですね! ちなみに、氷砂糖やザラメを加えて飲むというやり方もあると聞いたのですが、これはどうなんですか?

 

山田 ああ、それはかつて質の悪いお酒を飲みやすくするためにした方法ですね。これが正しい飲み方だと勘違いされている方が多いかもしれませんが、しっかりした紹興酒なら、本来の味を損なうのでオススメしません。

 

小林 なるほど、そうでしたか! 知らなければ、中華料理店で頼んでしまったかもしれません。

 

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紹興酒は油を使った料理や旨みの強い料理によく合う

小林 では、最後にもうひとつ、紹興酒はどんな料理と合うんでしょうか。

 

山田 中華料理をはじめ、油を使った料理にはよく合いますね。紹興酒の乳酸が油っこさを切ってくれますから。発酵食品や発酵調味料との相性も抜群です。あとは、旨みの強い料理。紹興酒の旨みと料理の旨みが重なって、相乗効果が生まれます。

 

小林 ああ、いいですね! 料理とのペアリングも試してみたい! そういえば、だんだんお腹がすいてきました……。

 

山田 では、紹興酒にこだわった中華料理店があるので、これからそこに行きませんか? 紹興酒を実際に料理と合わせたら、もっと美味しく感じると思いますよ。

 

小林 いいですね! ぜひ行きましょう!

 

……ということで、次回は山田さんとともに中華料理店で実地研修。「紹興酒と料理とのペアリング」について、紹興酒に詳しい飲食店のマネージャーにお話をうかがいながら、料理とのペアリングを堪能します。お楽しみに!

 

記事に登場したお酒はこちら▼

・紹興酒「塔牌」花彫 <陳五年> 600ml

https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/lineup/index.htm#item_01

 

・紹興酒「塔牌」<純五年>プレミアム 500ml(販売ルート限定)

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=3140

 

・紹興酒「塔牌」2010年<福(フータオ)> 500ml

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=3144

 

・特撰紹興酒「塔牌」<陳十五年> 500ml

https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/lineup/index.htm#item_11

 

撮影/我妻慶一

 

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達人が伝授!「アウトドア飲み」が劇的に楽しくなる3つの方法の噺

アウトドアやキャンプで楽しむお酒はまた格別。 大自然のなか、火照った身体によく冷えたチューハイなどのお酒を飲む幸せが忘れられない……という方も多いはず。ただ、いざ乾杯となってお酒がぬる~くなっていたら、その幸せも半減してしまいますよね。アウトドアは設備が限られているだけに、家庭で飲むときとは違った工夫が必要になります。そこで今回は、アウトドアの達人・菅井志門さんに協力を依頼し、⼭梨県白州にある菅井さんのプライベートキャンプ場「日向山ベース」を訪ねました。菅井さんに実践を交えて「アウトドアで美味しく飲むための方法」を紹介していただきます!

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

【教えてくれたのはこの人!】

↑菅井志門さん。野遊び好きな父親の影響でアウトドアにハマり、若いころから自転車・バイク旅行・登山などに没頭。いままでは年30泊はキャンプをして過ごしていましたが、現在は山梨県の山林を購入し、プライベートキャンプ場として整備する作業に励んでいます

 

方法その1

クーラーボックスでお酒を“キンキン”に冷やす

お酒を冷やすとき、クーラーボックスの使い方を工夫すると劇的な効果が得られます。なお、2020年の夏は猛暑が予想されていることもあって、お酒は冷えているほうが美味しく感じるはず。というわけで今回は、適度な冷気を長持ちさせるのではなく、クーラーボックスで“キンキン”に冷やす方法を教えてもらいます。

 

「まず第一に、外からの温かい空気を徹底的に遮断することを考えましょう。具体的には、地熱が伝わらないよう、キッチンラックなどを使ってクーラーボックスを地面から浮かせること。もうひとつは、内壁を保冷剤でぐるりと囲むようにして置くことです」(菅井さん)

↑地熱を防ぐために市販のキッチンラックを活用。写真はニトリの「折りたたみ式 キッチンラックNT 積み重ね棚」(Lサイズ・税込523円)を2個使用しています

 

↑クーラーボックスの内壁に沿うように保冷剤を配置。ちなみに、菅井さんオススメの保冷剤は、ロゴスの「倍速凍結 氷点下パック」(写真・税込1078円~)

 

加えて、氷が長持ちするよう、クーラーボックスに水は入れず、氷は袋のまま入れるのがオススメとのこと。また、冷気は下に落ちていくので、氷はドリンクの上を覆うように置くのがポイントです。

 

「あとは、クーラーボックスの中に100円ショップなどで買える銀マットをかぶせておけば完璧。開閉したときに、冷気が逃げるのを防ぐことができます。特に子どもがいる場合、意味なくフタを開けたり閉めたりしますからね(笑)」(菅井さん)

 

小一時間後、クーラーボックスのドリンクを触ってみると、たしかによく冷えている! これなら最高の状態でお酒が楽しめますね。

↑氷は袋のままドリンクの上を覆うように載せましょう

 

↑100円ショップなどで購入した銀マットを、クーラーボックスの大きさに合うようカットしてかぶせれば完璧!

そのほかのクーラーボックスの賢い使い方はコチラ

 

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方法その2

おいしく飲むためのアイテムを選ぶ

せっかくクーラーボックスでお酒を冷やしたのだから、その冷たさをキープしたいもの。また、美味しく飲むにはおつまみが美味しそうに見えるのも重要、ということで、ここでは缶用の保冷グッズと雰囲気を高める食器を紹介していただきます。

 

「1杯目のお酒は、乾杯の雰囲気を楽しむためにもグラスで飲みたいところ。アウトドア用として壊れにくくおしゃれなグラスも発売されているので、チェックしてみてください。一方で、2杯目以降は飲むスピードが落ちて缶がぬるくなり、ぬるいと美味しくないからお酒が進まない……という悪循環に陥りがち。それを防ぐために、断熱性のある素材で缶を覆い、温まるのを防ぐ保冷缶ホルダーや缶クージーといったアイテムが便利です」(菅井さん)

↑アウトドア飲みには割れにくくてオシャレなグラスがぴったり。写真左は「ソフトランスタンブラー(4pcs)」(4個入り・税込2035円)、右は「割れないワイングラス with ポータブルケース」(税込2189円)で、ボウル部と軸の部分を取り外してコンパクトに収納できます(グラスはともにロゴス)。どちらも素材は透明なプラスチックの一種を使用しており、薄くても割れにくいのが特徴です

 

↑真空断熱構造で缶ドリンクの温度を保つサーモスの「保冷缶ホルダー JCB-352」(参考価格 税込1628円)。カラーバリエーションは4色(写真はブラックとライムグリーン)

 

↑写真左~中央はパタゴニアのクージー3種(税込各990円)。右はイケアの「アンフォード 缶ホルダー」(2ピース・税込399円)

 

続いて、おつまみを美味しそうに見せてくれるアイテムを教えてもらいましょう。

 

「ぜひ『食器としても使える調理道具』を使ってみてください。アウトドアならではの豪快さやシズル感が高まりますよ。その点、ニトリのスキレットやイケアのまな板は、価格も手ごろで見栄えも文句なし。荷物を減らし、洗い物を減らして環境を守るという意味でもオススメです」(菅井さん)

↑「ニトスキ」の愛称で知られるニトリの「スキレット鍋」(税込499円~)。蓄熱性が高いのが特徴で、オーブンでも使用できます。写真の料理はプチトマトとオクラのアヒージョ

 

↑卓上に置いても絵になるイケアのまな板。ゴムノキ製「プロップメット まな板」(写真手前・税込1699円)、竹製の「リムフォルサ まな板」(左奥・税込1999円)は、食材を切ったときの肉汁やドリップが溝にたまるので便利。「オストビット サービングプレート」(右奥・税込999円)は取っ手付きで移動がラク

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方法その3

美味しいおつまみをほったらかしで作る

大のお酒好きで、アウトドアの料理は「お酒に合うかどうか」で決めるという菅井さん。最後に、アウトドアならではの美味しいおつまみの作り方を教えてもらいましょう!

 

「焼肉なら家でもできますが、せっかくアウトドアを楽しむなら、いつもとちょっと違う料理をやってみたくないですか? とはいえ、手間がかかって遊ぶ時間やくつろぐ時間が無くなるのは考えもの。そこで、本格的に見えるのに、ほったらかしでできるおつまみを2つ紹介します。ひとつは『かんたんローストポーク』。もうひとつはダッチオーブンを使った『かんたん無水ローストチキン』。どちらも基本的に放っておけばOKですし、何よりお酒に合うんです(笑)」(菅井さん)

 

「かんたんローストポーク」は、肩ロースや豚バラなどのかたまり肉の表面をフライパンなどでよく焼き、アルミホイルとラップ、ビニール袋で包んで沸騰させた鍋のお湯に投入。この状態で放っておけば完成します。肉を温める時間は約1時間が目安ですが、しっかり火が通るよう、最初は保温する時間をやや長めにとって様子を見るのがオススメです。

↑肉の表面をよく焼きます。肉には事前に塩こしょう、すりおろしにんにく(チューブで可)をすりこんで最低1~2時間、できれば半日ほど置いて味をなじませておくとうまみがアップします

 

↑アルミホイル、ラップの順で肉を包み、ビニール袋を二重にかぶせて口をしばった状態で、沸騰させて火を止めたお湯に投入。鍋のお湯の量は、あとでこぼれないよう鍋の半分くらいを目安に

 

↑鍋ごと新聞紙で包んで保温。新聞紙の上からシャツや毛布をかければよりベター

 

↑完成! 先述のイケアのまな板の上で切り分けました

 

一方、「かんたん無水ローストチキン」は、ダッチオーブンに半分に切ったじゃがいもとたまねぎ、乱切りのにんじんを投入すれば準備OK。野菜の上に鶏肉(むね肉でも、もも肉でも可)をのせてフタをし、加熱すれば完成です。加熱時間の目安は約1時間ですが、環境にもよるので、最初はそれよりやや長めに加熱して様子を見るのがオススメ。野菜の水分で調理するため、水を入れる必要はありません。

↑今回使用したのはSOTOのステンレスダッチオーブン(8インチ・税込1万9800円~)。鋳鉄製のダッチオーブンと違って使い始めの慣らし作業(シーズニング)や調理後に油を塗る手間が不要です

 

↑味付けは鶏肉に市販のハーブソルトをすりこんだだけ。肉が鍋肌に当たって焦げ付かないよう、ダッチオーブンにオリーブオイルを薄く塗って、たまねぎを鍋の内壁を囲むように配置するのがポイント

 

↑フタの上に石を置くと、圧力が逃げないのでオススメ

 

↑「かんたん無水ローストチキン」が完成!

 

できあがった2つの料理を、キンキンに冷えたお酒とともに頂いてみました。いや~、やっぱり最高です! 「かんたんローストポーク」は、しっとりしていてジューシー。かつ豚肉のうまみとにんにくのパンチ力が相まって、とにかくお酒が進みます!

↑完成した「かんたんローストポーク」はお酒を呼ぶ味。薬味はわさびやゆずこしょうがオススメ

 

「かんたん無水ローストチキン」は、薄味なのに素材の味そのものがしっかりと出ていて、こちらもやみつきになります。今回、鶏のもも肉とむね肉を両方使ってみたのですが、もも肉はとろっとろのぷるっぷるで口のなかでとけていき、むね肉はしっとり柔らかく仕上がっていて、やさしい肉のうまみが感じられます。

 

驚いたのは、野菜のウマさ。にんじん、じゃがいもが鶏の肉汁を吸ってうまみとみずみずしさが増幅され、ひとつの料理として完成されています。そして、すべての食材には燻製に似た香ばしさがついていて、これがまたお酒を呼ぶ! キンキンに冷えたお酒と合わせれば、それだけでもう幸せです!

↑「かんたん無水ローストチキン」は素材のうまみが存分に楽しめます

そのほかのカンタンおつまみはコチラ

 

「太陽の下で、風を感じながらご飯を食べる。星の下、たき火を囲んで酒盛りをする……これは人間の原点。だからこそ、人間を内側から活性化させてくれるんです」と、アウトドアの魅力を語る菅井さん。たしかに、目に沁みるような緑のなか、鳥のさえずりを聞きながらお酒を楽しむ時間は、かけがえのない癒しになります。みなさんもぜひ、大切な人と最高の「アウトドア飲み」を味わってみてください。

 

記事に登場したお酒はこちら▼

・全量芋焼酎「一刻者ハイボール」

https://www.ikkomon.jp/highball.htm

 

・松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒

https://shirakabegura-mio.jp/

 

・タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>

https://shochu-hiball.jp/

 

・タカラcanチューハイ<レモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/

 

・寶「極上レモンサワー」<丸おろしレモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/gokujo_lemonsour/

 

撮影/和田清志

 

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「まず第一に、外からの温かい空気を徹底的に遮断することを考えましょう。具体的には、地熱が伝わらないよう、キッチンラックなどを使ってクーラーボックスを地面から浮かせること。もうひとつは、内壁を保冷剤でぐるりと囲むようにして置くことです」(菅井さん)

↑地熱を防ぐために市販のキッチンラックを活用。写真はニトリの「折りたたみ式 キッチンラックNT 積み重ね棚」(Lサイズ・税込523円)を2個使用しています

 

↑クーラーボックスの内壁に沿うように保冷剤を配置。ちなみに、菅井さんオススメの保冷剤は、ロゴスの「倍速凍結 氷点下パック」(写真・税込1078円~)

 

加えて、氷が長持ちするよう、クーラーボックスに水は入れず、氷は袋のまま入れるのがオススメとのこと。また、冷気は下に落ちていくので、氷はドリンクの上を覆うように置くのがポイントです。

 

「あとは、クーラーボックスの中に100円ショップなどで買える銀マットをかぶせておけば完璧。開閉したときに、冷気が逃げるのを防ぐことができます。特に子どもがいる場合、意味なくフタを開けたり閉めたりしますからね(笑)」(菅井さん)

 

小一時間後、クーラーボックスのドリンクを触ってみると、たしかによく冷えている! これなら最高の状態でお酒が楽しめますね。

↑氷は袋のままドリンクの上を覆うように載せましょう

 

↑100円ショップなどで購入した銀マットを、クーラーボックスの大きさに合うようカットしてかぶせれば完璧!

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「1杯目のお酒は、乾杯の雰囲気を楽しむためにもグラスで飲みたいところ。アウトドア用として壊れにくくおしゃれなグラスも発売されているので、チェックしてみてください。一方で、2杯目以降は飲むスピードが落ちて缶がぬるくなり、ぬるいと美味しくないからお酒が進まない……という悪循環に陥りがち。それを防ぐために、断熱性のある素材で缶を覆い、温まるのを防ぐ保冷缶ホルダーや缶クージーといったアイテムが便利です」(菅井さん)

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美味しいおつまみをほったらかしで作る

大のお酒好きで、アウトドアの料理は「お酒に合うかどうか」で決めるという菅井さん。最後に、アウトドアならではの美味しいおつまみの作り方を教えてもらいましょう!

 

「焼肉なら家でもできますが、せっかくアウトドアを楽しむなら、いつもとちょっと違う料理をやってみたくないですか? とはいえ、手間がかかって遊ぶ時間やくつろぐ時間が無くなるのは考えもの。そこで、本格的に見えるのに、ほったらかしでできるおつまみを2つ紹介します。ひとつは『かんたんローストポーク』。もうひとつはダッチオーブンを使った『かんたん無水ローストチキン』。どちらも基本的に放っておけばOKですし、何よりお酒に合うんです(笑)」(菅井さん)

 

「かんたんローストポーク」は、肩ロースや豚バラなどのかたまり肉の表面をフライパンなどでよく焼き、アルミホイルとラップ、ビニール袋で包んで沸騰させた鍋のお湯に投入。この状態で放っておけば完成します。肉を温める時間は約1時間が目安ですが、しっかり火が通るよう、最初は保温する時間をやや長めにとって様子を見るのがオススメです。

↑肉の表面をよく焼きます。肉には事前に塩こしょう、すりおろしにんにく(チューブで可)をすりこんで最低1~2時間、できれば半日ほど置いて味をなじませておくとうまみがアップします

 

↑アルミホイル、ラップの順で肉を包み、ビニール袋を二重にかぶせて口をしばった状態で、沸騰させて火を止めたお湯に投入。鍋のお湯の量は、あとでこぼれないよう鍋の半分くらいを目安に

 

↑鍋ごと新聞紙で包んで保温。新聞紙の上からシャツや毛布をかければよりベター

 

↑完成! 先述のイケアのまな板の上で切り分けました

 

一方、「かんたん無水ローストチキン」は、ダッチオーブンに半分に切ったじゃがいもとたまねぎ、乱切りのにんじんを投入すれば準備OK。野菜の上に鶏肉(むね肉でも、もも肉でも可)をのせてフタをし、加熱すれば完成です。加熱時間の目安は約1時間ですが、環境にもよるので、最初はそれよりやや長めに加熱して様子を見るのがオススメ。野菜の水分で調理するため、水を入れる必要はありません。

↑今回使用したのはSOTOのステンレスダッチオーブン(8インチ・税込1万9800円~)。鋳鉄製のダッチオーブンと違って使い始めの慣らし作業(シーズニング)や調理後に油を塗る手間が不要です

 

↑味付けは鶏肉に市販のハーブソルトをすりこんだだけ。肉が鍋肌に当たって焦げ付かないよう、ダッチオーブンにオリーブオイルを薄く塗って、たまねぎを鍋の内壁を囲むように配置するのがポイント

 

↑フタの上に石を置くと、圧力が逃げないのでオススメ

 

↑「かんたん無水ローストチキン」が完成!

 

できあがった2つの料理を、キンキンに冷えたお酒とともに頂いてみました。いや~、やっぱり最高です! 「かんたんローストポーク」は、しっとりしていてジューシー。かつ豚肉のうまみとにんにくのパンチ力が相まって、とにかくお酒が進みます!

↑完成した「かんたんローストポーク」はお酒を呼ぶ味。薬味はわさびやゆずこしょうがオススメ

 

「かんたん無水ローストチキン」は、薄味なのに素材の味そのものがしっかりと出ていて、こちらもやみつきになります。今回、鶏のもも肉とむね肉を両方使ってみたのですが、もも肉はとろっとろのぷるっぷるで口のなかでとけていき、むね肉はしっとり柔らかく仕上がっていて、やさしい肉のうまみが感じられます。

 

驚いたのは、野菜のウマさ。にんじん、じゃがいもが鶏の肉汁を吸ってうまみとみずみずしさが増幅され、ひとつの料理として完成されています。そして、すべての食材には燻製に似た香ばしさがついていて、これがまたお酒を呼ぶ! キンキンに冷えたお酒と合わせれば、それだけでもう幸せです!

↑「かんたん無水ローストチキン」は素材のうまみが存分に楽しめます

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「太陽の下で、風を感じながらご飯を食べる。星の下、たき火を囲んで酒盛りをする……これは人間の原点。だからこそ、人間を内側から活性化させてくれるんです」と、アウトドアの魅力を語る菅井さん。たしかに、目に沁みるような緑のなか、鳥のさえずりを聞きながらお酒を楽しむ時間は、かけがえのない癒しになります。みなさんもぜひ、大切な人と最高の「アウトドア飲み」を味わってみてください。

 

記事に登場したお酒はこちら▼

・全量芋焼酎「一刻者ハイボール」

https://www.ikkomon.jp/highball.htm

 

・松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒

https://shirakabegura-mio.jp/

 

・タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>

https://shochu-hiball.jp/

 

・タカラcanチューハイ<レモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/

 

・寶「極上レモンサワー」<丸おろしレモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/gokujo_lemonsour/

 

撮影/和田清志

 

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※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

【教えてくれたのはこの人!】

↑菅井志門さん。野遊び好きな父親の影響でアウトドアにハマり、若いころから自転車・バイク旅行・登山などに没頭。いままでは年30泊はキャンプをして過ごしていましたが、現在は山梨県の山林を購入し、プライベートキャンプ場として整備する作業に励んでいます

 

方法その1

クーラーボックスでお酒を“キンキン”に冷やす

お酒を冷やすとき、クーラーボックスの使い方を工夫すると劇的な効果が得られます。なお、2020年の夏は猛暑が予想されていることもあって、お酒は冷えているほうが美味しく感じるはず。というわけで今回は、適度な冷気を長持ちさせるのではなく、クーラーボックスで“キンキン”に冷やす方法を教えてもらいます。

 

「まず第一に、外からの温かい空気を徹底的に遮断することを考えましょう。具体的には、地熱が伝わらないよう、キッチンラックなどを使ってクーラーボックスを地面から浮かせること。もうひとつは、内壁を保冷剤でぐるりと囲むようにして置くことです」(菅井さん)

↑地熱を防ぐために市販のキッチンラックを活用。写真はニトリの「折りたたみ式 キッチンラックNT 積み重ね棚」(Lサイズ・税込523円)を2個使用しています

 

↑クーラーボックスの内壁に沿うように保冷剤を配置。ちなみに、菅井さんオススメの保冷剤は、ロゴスの「倍速凍結 氷点下パック」(写真・税込1078円~)

 

加えて、氷が長持ちするよう、クーラーボックスに水は入れず、氷は袋のまま入れるのがオススメとのこと。また、冷気は下に落ちていくので、氷はドリンクの上を覆うように置くのがポイントです。

 

「あとは、クーラーボックスの中に100円ショップなどで買える銀マットをかぶせておけば完璧。開閉したときに、冷気が逃げるのを防ぐことができます。特に子どもがいる場合、意味なくフタを開けたり閉めたりしますからね(笑)」(菅井さん)

 

小一時間後、クーラーボックスのドリンクを触ってみると、たしかによく冷えている! これなら最高の状態でお酒が楽しめますね。

↑氷は袋のままドリンクの上を覆うように載せましょう

 

↑100円ショップなどで購入した銀マットを、クーラーボックスの大きさに合うようカットしてかぶせれば完璧!

そのほかのクーラーボックスの賢い使い方はコチラ

 

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方法その2

おいしく飲むためのアイテムを選ぶ

せっかくクーラーボックスでお酒を冷やしたのだから、その冷たさをキープしたいもの。また、美味しく飲むにはおつまみが美味しそうに見えるのも重要、ということで、ここでは缶用の保冷グッズと雰囲気を高める食器を紹介していただきます。

 

「1杯目のお酒は、乾杯の雰囲気を楽しむためにもグラスで飲みたいところ。アウトドア用として壊れにくくおしゃれなグラスも発売されているので、チェックしてみてください。一方で、2杯目以降は飲むスピードが落ちて缶がぬるくなり、ぬるいと美味しくないからお酒が進まない……という悪循環に陥りがち。それを防ぐために、断熱性のある素材で缶を覆い、温まるのを防ぐ保冷缶ホルダーや缶クージーといったアイテムが便利です」(菅井さん)

↑アウトドア飲みには割れにくくてオシャレなグラスがぴったり。写真左は「ソフトランスタンブラー(4pcs)」(4個入り・税込2035円)、右は「割れないワイングラス with ポータブルケース」(税込2189円)で、ボウル部と軸の部分を取り外してコンパクトに収納できます(グラスはともにロゴス)。どちらも素材は透明なプラスチックの一種を使用しており、薄くても割れにくいのが特徴です

 

↑真空断熱構造で缶ドリンクの温度を保つサーモスの「保冷缶ホルダー JCB-352」(参考価格 税込1628円)。カラーバリエーションは4色(写真はブラックとライムグリーン)

 

↑写真左~中央はパタゴニアのクージー3種(税込各990円)。右はイケアの「アンフォード 缶ホルダー」(2ピース・税込399円)

 

続いて、おつまみを美味しそうに見せてくれるアイテムを教えてもらいましょう。

 

「ぜひ『食器としても使える調理道具』を使ってみてください。アウトドアならではの豪快さやシズル感が高まりますよ。その点、ニトリのスキレットやイケアのまな板は、価格も手ごろで見栄えも文句なし。荷物を減らし、洗い物を減らして環境を守るという意味でもオススメです」(菅井さん)

↑「ニトスキ」の愛称で知られるニトリの「スキレット鍋」(税込499円~)。蓄熱性が高いのが特徴で、オーブンでも使用できます。写真の料理はプチトマトとオクラのアヒージョ

 

↑卓上に置いても絵になるイケアのまな板。ゴムノキ製「プロップメット まな板」(写真手前・税込1699円)、竹製の「リムフォルサ まな板」(左奥・税込1999円)は、食材を切ったときの肉汁やドリップが溝にたまるので便利。「オストビット サービングプレート」(右奥・税込999円)は取っ手付きで移動がラク

そのほかのオススメアイテムはコチラ

 

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方法その3

美味しいおつまみをほったらかしで作る

大のお酒好きで、アウトドアの料理は「お酒に合うかどうか」で決めるという菅井さん。最後に、アウトドアならではの美味しいおつまみの作り方を教えてもらいましょう!

 

「焼肉なら家でもできますが、せっかくアウトドアを楽しむなら、いつもとちょっと違う料理をやってみたくないですか? とはいえ、手間がかかって遊ぶ時間やくつろぐ時間が無くなるのは考えもの。そこで、本格的に見えるのに、ほったらかしでできるおつまみを2つ紹介します。ひとつは『かんたんローストポーク』。もうひとつはダッチオーブンを使った『かんたん無水ローストチキン』。どちらも基本的に放っておけばOKですし、何よりお酒に合うんです(笑)」(菅井さん)

 

「かんたんローストポーク」は、肩ロースや豚バラなどのかたまり肉の表面をフライパンなどでよく焼き、アルミホイルとラップ、ビニール袋で包んで沸騰させた鍋のお湯に投入。この状態で放っておけば完成します。肉を温める時間は約1時間が目安ですが、しっかり火が通るよう、最初は保温する時間をやや長めにとって様子を見るのがオススメです。

↑肉の表面をよく焼きます。肉には事前に塩こしょう、すりおろしにんにく(チューブで可)をすりこんで最低1~2時間、できれば半日ほど置いて味をなじませておくとうまみがアップします

 

↑アルミホイル、ラップの順で肉を包み、ビニール袋を二重にかぶせて口をしばった状態で、沸騰させて火を止めたお湯に投入。鍋のお湯の量は、あとでこぼれないよう鍋の半分くらいを目安に

 

↑鍋ごと新聞紙で包んで保温。新聞紙の上からシャツや毛布をかければよりベター

 

↑完成! 先述のイケアのまな板の上で切り分けました

 

一方、「かんたん無水ローストチキン」は、ダッチオーブンに半分に切ったじゃがいもとたまねぎ、乱切りのにんじんを投入すれば準備OK。野菜の上に鶏肉(むね肉でも、もも肉でも可)をのせてフタをし、加熱すれば完成です。加熱時間の目安は約1時間ですが、環境にもよるので、最初はそれよりやや長めに加熱して様子を見るのがオススメ。野菜の水分で調理するため、水を入れる必要はありません。

↑今回使用したのはSOTOのステンレスダッチオーブン(8インチ・税込1万9800円~)。鋳鉄製のダッチオーブンと違って使い始めの慣らし作業(シーズニング)や調理後に油を塗る手間が不要です

 

↑味付けは鶏肉に市販のハーブソルトをすりこんだだけ。肉が鍋肌に当たって焦げ付かないよう、ダッチオーブンにオリーブオイルを薄く塗って、たまねぎを鍋の内壁を囲むように配置するのがポイント

 

↑フタの上に石を置くと、圧力が逃げないのでオススメ

 

↑「かんたん無水ローストチキン」が完成!

 

できあがった2つの料理を、キンキンに冷えたお酒とともに頂いてみました。いや~、やっぱり最高です! 「かんたんローストポーク」は、しっとりしていてジューシー。かつ豚肉のうまみとにんにくのパンチ力が相まって、とにかくお酒が進みます!

↑完成した「かんたんローストポーク」はお酒を呼ぶ味。薬味はわさびやゆずこしょうがオススメ

 

「かんたん無水ローストチキン」は、薄味なのに素材の味そのものがしっかりと出ていて、こちらもやみつきになります。今回、鶏のもも肉とむね肉を両方使ってみたのですが、もも肉はとろっとろのぷるっぷるで口のなかでとけていき、むね肉はしっとり柔らかく仕上がっていて、やさしい肉のうまみが感じられます。

 

驚いたのは、野菜のウマさ。にんじん、じゃがいもが鶏の肉汁を吸ってうまみとみずみずしさが増幅され、ひとつの料理として完成されています。そして、すべての食材には燻製に似た香ばしさがついていて、これがまたお酒を呼ぶ! キンキンに冷えたお酒と合わせれば、それだけでもう幸せです!

↑「かんたん無水ローストチキン」は素材のうまみが存分に楽しめます

そのほかのカンタンおつまみはコチラ

 

「太陽の下で、風を感じながらご飯を食べる。星の下、たき火を囲んで酒盛りをする……これは人間の原点。だからこそ、人間を内側から活性化させてくれるんです」と、アウトドアの魅力を語る菅井さん。たしかに、目に沁みるような緑のなか、鳥のさえずりを聞きながらお酒を楽しむ時間は、かけがえのない癒しになります。みなさんもぜひ、大切な人と最高の「アウトドア飲み」を味わってみてください。

 

記事に登場したお酒はこちら▼

・全量芋焼酎「一刻者ハイボール」

https://www.ikkomon.jp/highball.htm

 

・松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒

https://shirakabegura-mio.jp/

 

・タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>

https://shochu-hiball.jp/

 

・タカラcanチューハイ<レモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/

 

・寶「極上レモンサワー」<丸おろしレモン>

https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/gokujo_lemonsour/

 

撮影/和田清志

 

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