
日: 2020年5月26日
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ものづくりの課題を解決する3つの型
こんにちは、マスターブラックベルトの津吉です。
皆さんは毎日様々な課題に直面されてものづくりに励んでいることと思われます。ところで皆さんは日々のものづくりに関する課題をどのように解決していますか?試行錯誤の繰り返しでしょうか?それとも手順を踏んで問題を解決しているのでしょうか。これまでも何度かこの場をお借りして、リーンシックスシグマについて触れてきましたが、ここで改めてものづくりの課題を解決するフレームワークとして取り上げたいと思います。
ものづくりには課題を解決する最適な型
ものづくりには課題を解決する最適な型があります。型は“手順”と言っても良いかもしれません。また型は武道における流儀のようなものです。そしてどのような場合にどの型を使うかは、対戦相手次第です。ものづくりの対戦相手とその対策手法には次の3つの型があります。
図1 ものづくりの3つの型(フレームワーク)
型1: 対戦相手とその対策手法: 既存製品や既存プロセスの問題解決で使うシックスシグマのDMAIC
- Define
- Measure
- Analyze
- Improve
- Control
型2: 対戦相手とその対策手法: 新規製品開発や新規プロセス開発で使うDFSS:Design for Six Sigma のDMADOV
- Define
- Measure
- Analyze
- Design
- Optimize
- Verify
型3: 対戦相手とその対策手法: 既存プロセスの問題解決で使うリーンのPDCA
- Plan
- Do
- Check
- Act
図2: 問題解決のための3つのフレームワーク
型1: シックスシグマ
シックスシグマの誕生は今から30年ほど前1980年台のアメリカまで遡ります。当時のアメリカは製品の品質面などで日本に大きく後れをとっていました。そこで日本に追いつくために日本のものづくりを調べました。
しかし、日本のものづくりの現場で普通に行われていたようなことが、文化や言葉の違いからか、当時のアメリカ人にはなかなか理解することができませんでした。そこでアメリカ人は日本のものづくりを徹底的に研究し、科学的思考と組み合わせながら誰でも理解できるような形で「ものづくりの手法(考え方や手順)」を型として体系化していきました。そこで誕生したものがシックスシグマという型です。
シックスシグマは問題解決を一つのプロジェクトとしてとらえて、(Define)問題の定義から始め、(Measure)それを測定し、(Analyze)分析し、(Improve)改善策を施し、(Control)改善が定着したかどうかを管理するという5つのフェーズ(DMAIC)を取ります。
型2: DFSS(Design for Six Sigma)
シックスシグマは既存の製品の問題を解決する場合やその製造プロセスの改善にはある程度有効でしたが、既存の製品やプロセスに改善を加えるため、その成果には限度がありました。その限度を打ち破るためには新しい製品や新しいプロセスを設計する必要があります。
新しい製品やプロセスには狙った目標(ターゲット)があります。その新しい目標を達成するための開発のために使われる手法(型)がDFSS(Design for Six Sigma)という型でした。シックスシグマのDMAICと同様に、DFSSは(Define)問題の定義から始め、(Measure)それを測定し、(Analyze)分析し、(Design)新しいプロセスや製品を設計し、(Optimize)新しい設計を最適化し、最後に(Verify)新しい設計を確認するという6つのフェーズDMADOVを取ります
型3: リーン
1980年代にアメリカ・マサチューセッツ工科大学で日本の自動差産業の生産方式が研究されました。特に徹底的に生産過程の無駄を省いたトヨタ生産方式が研究され、この徹底的に無駄を省いたトヨタ生産方式(型)のことをリーン方式と呼びました。
そしてジャストインタイム方式(JIS)やカンバン方式など、リーン生産方式は工業的な生産活動に関連する改善・改革に関するモデルとなりました。
図3: Six SigmやDFSS、Lean を使う企業
既存のプロセスの改善で用いられるリーンは(Plan)計画(Do)実行(check)チェック(Act)実施というフェーズをプロジェクトごとに行います。シックスシグマやDFSS、リーンは、問題(ものづくり)を一つのプロジェクトとしてとらえて、一つずつ解決していくフレームワーク(型)として現在では多くの企業で使われています。
問題解決のフレームワークを使うメリット
最適でかつ定型的なツール類をDMAICやDMADOV、またはPDCAの各フェーズごとに使うことで、問題解決の精度が上ります。また一つの問題対策を一つのプロジェクトとして捉えるため、プロジェクトの完了数が即ち問題を解決した数と考えることができるだけでなく、問題解決に掛かった費用や日数などの管理もできるようになります。
リーンシックスシグマやDFSS、リーンには様々な問題解決の方法やツール類、統計処理方法などが予め用意されているので、それに当てはめて使うことで、比較的簡単に問題解決の精度があがり期待した結果が得られるだけでなく、企業経営にプラスの面をもたらします。
問題解決のフレームワークを使うデメリット
解決策がおおよそ分かっている状態で、上記のような問題解決のフレームワークを使うと、余計に時間がかかってしまうという問題があります。分かりきった結果を求めるために、余計なツール類を使って余計なデータを取得し、それを分析することは時間や手間の浪費になります。そのような場合は “Just Do It”というように対策をさっさと施してしまう方が早いでしょう。
またリーンシックスシグマやDFSS、リーンを使う場合、ブラックベルトやグリーンベルトなど専門のスタッフが企業内にいることが望ましいため、専門スタッフの教育が必要になります。そのような人員の確保や教育が企業にとっては難しかったり、または負担となったりする場合があります。
専門スタッフの確保が難しかったり、フレームワークの教育が悪かったりする場合は、費用と時間ばかりかかって肝心の問題が解決されないという問題があります。これらを解決するためには企業が経営戦略の一環としてとして、専門スタッフの教育を含め問題解決のフレームワークを本気になって導入する必要があります。
スピードが決め手に
経営環境が目まぐるしく変化する現在では、問題を解決するスピードが重要です。シックスシグマやDFSS、リーンを使って他社よりも早く各フェーズを回し、問題を解決することが企業存続のためにますます重要になるでしょう。