月別: 2020年10月
技術を蓄積するマニュアル作成2.使われ続けるマニュアル作り
現役エンジニアで製造業系ライターをしている一之瀬です。『技術は人に伝えられる形にして初めて技術と呼べる』をモットーにエンジニアの業務では、先行開発から量産開発まで幅広く関わりながらその技術を残す活動をしています。
この連載では、どうすれば使われ続けるマニュアルや作業手順書を効率的に作れるのかを、私の経験を元に紹介していきます。今回は「マニュアルが使われない理由とその対策」について実例を元に紹介します。
マニュアルが使われない理由と対策
せっかく時間をかけてマニュアルを作成しても、使ってもらえなければ作った意味がありません。マニュアルが使われなくなる理由としては、次のような点が挙げられます。
- マニュアルの情報が古い
- 記載されている手順がやりにくい
- マニュアルが行方不明
これらの課題に対して、私が自分の仕事を通して試した施策の中で効果的だったものを紹介します。
マニュアルの情報が古い
定期的にマニュアルが更新されていない場合、マニュアルに記載されている情報が古い場合があります。「最初はマニュアルを使っていたとしても、マニュアル通りにやっているはずなのに上手くいかないことがあり、原因を調べてみるとマニュアルが古かった」このような経験がある人も多いでしょう。
マニュアルに書いてあることは改めて確認し直さないため、マニュアル自体がミスを生み出すことになり、使われなくなっていきます。対策としては、マニュアルを更新する担当者と更新の時期を明確にすることが有効です。担当が明確になっていれば、マニュアルに関する修正情報が集約され、決められたタイミングで最新化されます。
随時更新でも良いですが、忙しくて更新されない場合もあるでしょう。マニュアルの内容によってタイミングは調整が必要ですが、更新が必要なタイミングを四半期ごと、半期ごとで設定しマニュアルを更新しましょう。
記載されている手順がやりにくい
同じ仕事であっても、人によってやり方が違うことがあります。マニュアルがあり、最初はマニュアルを見ながらやっていたはずなのに、自己流になってしまうのはなぜでしょうか?
マニュアルに記載されている手順通りにやった結果、手順を面倒に感じたり、簡単にこなせる方法を思いついたりすると、自己流のやり方で業務を進めます。
最初に作成する際にマニュアルのみでレビューするのではなく、マニュアルを見ながら実際に問題なくできるか作業をしてもらうのがおすすめです。実際に作業をする中で出た課題を作成中のマニュアルに反映しておけば、業務に支障が出るレベルで使いにくいことはないでしょう。さらにレベルアップするためには、担当者の元に情報が集まるようにマニュアル改善リストを作っておくことをおすすめします。
- マニュアルの修正ポイント
- 誰が記載したか(内容の詳細を確認するため)
- マニュアルに反映したかどうか
最低限、これらの項目が管理できれば十分なため書くのが面倒にならないように、簡単なフォーマットにするのがポイントです。
マニュアルが行方不明
特に、頻度が高くない業務を行うときのために作ったマニュアルで多い課題が、マニュアルを作ったはずなのに行方不明になってしまうことです。久々にこなす業務をマニュアル無しで、時間をかけて進めることになります。対策はシンプルで、すべてのマニュアルの置く場所を決めておくことです。できれば管理No.を付けて検索性をよくしたり、業務分野別にフォルダ分けをしておくと分かりやすいでしょう。
シンプルな施策ですが、確認する頻度が高いマニュアルと同じ置き場にあれば、マニュアルを探す際にまずそこを確認する癖がつきますのでおすすめです。
すべての対策を実践するのが難しい場合
ここまでマニュアルが使われ続けるための対策を紹介しました。実際には仕事が忙しく、すぐにすべての施策を取り入れることはできないかもしれません。
優先順位をつけて取り組む必要がある場合には、最初に「マニュアル改善リスト」を作成するのがおすすめです。すべてのマニュアルに関する改善要望を集約することで、個々のマニュアルとそのリストを確認すればすべて完結します。
後の施策は時間に余裕ができたときに取り組んでいけばよいでしょう。
使い続けられるマニュアルは更新されている
マニュアルが使われなくなる理由と、その対策について紹介しました。置き場がわかって情報が更新されていれば、マニュアルは使われ続けます。マニュアル改善リストは、マニュアル自体をきれいに直すものではありませんが、現状のマニュアルに対する改善点を確認できるので、セットで使えば更新されたマニュアルと同等の効果を発揮できます。
業務を効率よく進め、時間を生み出し、レベルアップしていくためのマニュアルが逆効果にならないように取り組んでいきましょう。
次回はマニュアルのテンプレート・フォーマットについて紹介します。
技術を蓄積するマニュアル作成2.使われ続けるマニュアル作り
現役エンジニアで製造業系ライターをしている一之瀬です。『技術は人に伝えられる形にして初めて技術と呼べる』をモットーにエンジニアの業務では、先行開発から量産開発まで幅広く関わりながらその技術を残す活動をしています。
この連載では、どうすれば使われ続けるマニュアルや作業手順書を効率的に作れるのかを、私の経験を元に紹介していきます。今回は「マニュアルが使われない理由とその対策」について実例を元に紹介します。
マニュアルが使われない理由と対策
せっかく時間をかけてマニュアルを作成しても、使ってもらえなければ作った意味がありません。マニュアルが使われなくなる理由としては、次のような点が挙げられます。
- マニュアルの情報が古い
- 記載されている手順がやりにくい
- マニュアルが行方不明
これらの課題に対して、私が自分の仕事を通して試した施策の中で効果的だったものを紹介します。
マニュアルの情報が古い
定期的にマニュアルが更新されていない場合、マニュアルに記載されている情報が古い場合があります。「最初はマニュアルを使っていたとしても、マニュアル通りにやっているはずなのに上手くいかないことがあり、原因を調べてみるとマニュアルが古かった」このような経験がある人も多いでしょう。
マニュアルに書いてあることは改めて確認し直さないため、マニュアル自体がミスを生み出すことになり、使われなくなっていきます。対策としては、マニュアルを更新する担当者と更新の時期を明確にすることが有効です。担当が明確になっていれば、マニュアルに関する修正情報が集約され、決められたタイミングで最新化されます。
随時更新でも良いですが、忙しくて更新されない場合もあるでしょう。マニュアルの内容によってタイミングは調整が必要ですが、更新が必要なタイミングを四半期ごと、半期ごとで設定しマニュアルを更新しましょう。
記載されている手順がやりにくい
同じ仕事であっても、人によってやり方が違うことがあります。マニュアルがあり、最初はマニュアルを見ながらやっていたはずなのに、自己流になってしまうのはなぜでしょうか?
マニュアルに記載されている手順通りにやった結果、手順を面倒に感じたり、簡単にこなせる方法を思いついたりすると、自己流のやり方で業務を進めます。
最初に作成する際にマニュアルのみでレビューするのではなく、マニュアルを見ながら実際に問題なくできるか作業をしてもらうのがおすすめです。実際に作業をする中で出た課題を作成中のマニュアルに反映しておけば、業務に支障が出るレベルで使いにくいことはないでしょう。さらにレベルアップするためには、担当者の元に情報が集まるようにマニュアル改善リストを作っておくことをおすすめします。
- マニュアルの修正ポイント
- 誰が記載したか(内容の詳細を確認するため)
- マニュアルに反映したかどうか
最低限、これらの項目が管理できれば十分なため書くのが面倒にならないように、簡単なフォーマットにするのがポイントです。
マニュアルが行方不明
特に、頻度が高くない業務を行うときのために作ったマニュアルで多い課題が、マニュアルを作ったはずなのに行方不明になってしまうことです。久々にこなす業務をマニュアル無しで、時間をかけて進めることになります。対策はシンプルで、すべてのマニュアルの置く場所を決めておくことです。できれば管理No.を付けて検索性をよくしたり、業務分野別にフォルダ分けをしておくと分かりやすいでしょう。
シンプルな施策ですが、確認する頻度が高いマニュアルと同じ置き場にあれば、マニュアルを探す際にまずそこを確認する癖がつきますのでおすすめです。
すべての対策を実践するのが難しい場合
ここまでマニュアルが使われ続けるための対策を紹介しました。実際には仕事が忙しく、すぐにすべての施策を取り入れることはできないかもしれません。
優先順位をつけて取り組む必要がある場合には、最初に「マニュアル改善リスト」を作成するのがおすすめです。すべてのマニュアルに関する改善要望を集約することで、個々のマニュアルとそのリストを確認すればすべて完結します。
後の施策は時間に余裕ができたときに取り組んでいけばよいでしょう。
使い続けられるマニュアルは更新されている
マニュアルが使われなくなる理由と、その対策について紹介しました。置き場がわかって情報が更新されていれば、マニュアルは使われ続けます。マニュアル改善リストは、マニュアル自体をきれいに直すものではありませんが、現状のマニュアルに対する改善点を確認できるので、セットで使えば更新されたマニュアルと同等の効果を発揮できます。
業務を効率よく進め、時間を生み出し、レベルアップしていくためのマニュアルが逆効果にならないように取り組んでいきましょう。
次回はマニュアルのテンプレート・フォーマットについて紹介します。
コンテンツに対するSNS企業の免責、米FCCが法解釈を明確化へ
Arm版「Windows10」向けに「Microsoft Teams」のネイティブアプリがリリース
店舗の「好き」は企業の資産–「Yappli Summit 2020」で語られた、小売分野のDX
中国のスマートフォンメーカーOnePlusの共同創業者ペイ氏が退職明かす
中国のスマートフォンメーカーOnePlusの共同創業者ペイ氏が退職明かす
NEC、ノイズキャンセリングと耳音響認証を備えた完全ワイヤレスイヤホンを販売 | IT Leaders
グーグル、「検索」と「マップ」に米大統領選の投票場所を見つけやすくする機能
グーグル、「検索」と「マップ」に米大統領選の投票場所を見つけやすくする機能
Twitter、バイデン氏の息子めぐる記事リンクのブロック撤回
複数の防犯カメラ映像から同一人物を探索─富士通研究所がロバスト人物探索技術を開発 | IT Leaders
複数の防犯カメラ映像から同一人物を探索─富士通研究所がロバスト人物探索技術を開発 | IT Leaders
勝つための構えは、あるのか─DBIC活動からの触診と洞察[前編]:第4回 | IT Leaders
勝つための構えは、あるのか─DBIC活動からの触診と洞察[前編]:第4回 | IT Leaders
USB 3.0やデュアル4Kに対応–共同開発者が語る「Raspberry Pi 4はPC」の真意
「iPhone」がUSB-C対応になる日は来ないかもしれない
アーティスト「ゆず」のオンラインツアーが開催中–AR演出やアバター参加の取り組みも
「部長から経営層までの5割、テレワークにメリットを感じない」の意味
グーグル、鼻歌や口笛で楽曲を検索できるサービス–音程が多少外れても大丈夫
[ブックレビュー]上達への一歩–「英語を話したいなら、まずは日本語の話し方を変えなさい!」
親のかけたスマホ制限を自力で解除する子どもたち–逆に自分から「制限」する子も
KDDI、「iPhone 12」の発売に向け新戦略–若者向けの5G学割プランなど発表
アップル、新型「iPad Air」の予約受付を開始–10月23日に発売へ
日本橋大伝馬町各店で「べったら市」企画 開催中止惜しみ3密避けて独自に展開
JR西日本、「モバイルICOCA」を2023年春に提供へ–スマホで定期券などが購入可能に
JR西日本、「モバイルICOCA」を2023年春に提供へ–スマホで定期券などが購入可能に
ネットでサービスを売る「MOSH」、BASEなどから総額3億の資金調達
ネットでサービスを売る「MOSH」、BASEなどから総額3億の資金調達
ラック、「サプライチェーンリスク評価サービス」を提供、調査票と外部評価で脆弱性を評価 | IT Leaders
NEC、テレワークに適したヒアラブルデバイス–クラウドファンディングで先行予約販売
プラネックス、ラズパイ・Jetsonを外部から遠隔操作できる「Cloud Pi 2」
日本ラッド、Excelファイルを介してデータを集計できるクラウドサービス「集計名人アタボー5」 | IT Leaders
グリーンカルチャー、植物肉の生パティを発売へ–畜肉の「おいしさ」を再現
ポラール、スマートウォッチ「Polar Vantage V2」–胸ストラップ型心拍センサーとの連動も
衛星データから「駐車場向けスペース」を自動検出–3社が語る駐車場ビジネスのDX最前線
レノボ、「Googleアシスタント」搭載のスマート時計「Smart Clock Essential」を発売
富士通、店舗内で商品をスマホで読み取るだけで買い物が完結するクラウドサービス「Brainforce ウォークスルーチェックアウト」を提供 | IT Leaders
犬型ロボット「Spot」、鉱山を歩く動画が公開–危険な現場での活躍に期待
「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」開催レポート
テクノポートの徳山です。2020年9月29日(火)に、弊社主催のオンラインセミナー「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」が開催されました。
コロナ禍となり、多くの展示会がオンライン化する中で、出展者はその変化にどのように対応していけばいいのか?そんな問いに答えていただくために展示会出展支援のスペシャリストである、株式会社展示会営業マーケティングの清永代表を講師としてお招きし、セミナーを開催いたしました。今回はそのセミナーの内容を掻い摘んでご紹介いたします。
講師:清永健一氏の紹介
展示会営業®コンサルタント。中小企業診断士。 株式会社展示会営業マーケティングの代表取締役。奈良生まれ、東京在住。 神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で 手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。 展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などに そのノウハウを伝えている。
自前オンライン展示会開催のススメ
セミナーで清永氏が強く勧めていたのが「自前オンライン展示会」の開催です。大手企業であればプライベート展示会は馴染みのある施策かも知れませんが、中小企業にとってはかなりハードルが高く感じてしまいます。特に「どのように来場者を確保すればよいのか」といったところで思考が停止してしまいがちです。
しかし、中小企業であれば大手企業ほどたくさんの来場者数を確保しなくても良いわけですし、オンラインでの開催であればコストもほとんど掛かりません。まずは失敗してもいいから行動してみましょう、と清永氏は言います。
自前オンライン展示会開催の手順
上記スライドは、自前オンライン展示会開催のための具体的な手順です。集客のために、2のプレスリリースを行う場合は、PR TIMESやアットプレスなどのプレスリリース配信サービスを利用することになるので、多少の費用はかかります。
過去に展示会出展した際に獲得した名刺など、一定数のリードを自社で保有している会社であれば、リードへオンライン展示会開催のお知らせを一斉告知するだけでそれなりに参加者が集まる場合があります。その場合は集客コストはゼロという形になります。
機能的ドメインで自社の魅力を伝える
次に清永氏が話していたのが、自社の魅力を物理的ドメインではなく機能的ドメインで伝える、ということです。合同オンライン展示会では、リアルの展示会とは違い、自社ブースへの呼び込みが行えないため、来場者が展示パネルの情報を見てアクセスしてくれるのを待つしかありません。
しかし、中小企業の場合、ネームバリューがないため、展示パネルに会社名を記載しても興味を持ってもらえる可能性が低いです。そこで、機能的ドメインを軸に自社の魅力を明文化し、展示パネルに記載することで興味を持ってもらえる可能性が高まる、ということです。
上記スライドは、物理的ドメインを機能的ドメインに転換した例です。個人的には「ネジ製造業」を「緩み撲滅業」と表現していたことに一笑いしてしまいました。ここでは多少ユニークな要素を入れるセンスの必要性も感じました。
1分紹介動画を作ってみる
オンライン展示会への出展機会が増えると、短い時間で自社の魅力を伝えなければならない場面が増えます。そのために「1分紹介動画」というものを作ってみることを清永氏は勧めています。
その際に、機能的ドメインによる自社の魅力を考える際に使用するコンセプトシートをもとに作ると効率的、ということでした。
こちらが出展コンセプトシートです。赤字で記載されているのは清永氏の会社の例です。
次に、自社の1分紹介動画を作ってみます。この際に、先ほど作成した出展コンセプトシートの順に従ってストーリーを考えると効率的とのことです。
さらに詳しく学びたい方は清永氏のYouTubeチャンネルへ!
オンライン展示会について、さらに詳しく学びたいという方は、清永氏のYouTubeチャンネルを是非ご覧ください。上述したようなオンライン展示会出展のノウハウをはじめとした動画が多数アップされています。
以上、2020年9月29日(火)に開催した「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」のご紹介でした。
これを機に合同オンライン展示会だけでなく、自前オンライン展示会の開催も検討してみてはいかがでしょうか。展示会出展支援のご要望があれば、是非清永氏へご相談ください。
「PlayStation 5」、ボイスチャットの録音送信で嫌がらせを報告可能に
「iPhone 12」、フランスだけ「EarPods」同梱に
なぜニューノーマル時代に「ゼロトラストモデル」が求められるのか
グーグル検索、気になる曲をハミングすると曲名を教えてくれる新機能
セゾン情報システムズ、調達・購買クラウド「SAP Ariba」と会計システムを連携させる検証済みSIサービスを提供 | IT Leaders
ソニー、裸眼で立体視できるディスプレイ–4K15.6インチで触れられるようなリアル感
オージス総研、「オフィス宅ふぁいる便」を刷新、初期容量を1GBから10GBに拡張 | IT Leaders
NTTデータ数理システム、データ分析ソフト「Visual Mining Studio」をクラウドで提供 | IT Leaders
アマゾンのプライムデー、大幅に延期されるも好調な結果に
「ハングアウト」から「Google Chat」への移行、2021年に開始へ
カメラがさらに進化した「iPhone 12 Pro Max」–プロ写真家が期待する理由
カメラがさらに進化した「iPhone 12 Pro Max」–プロ写真家が期待する理由
YouTube、個人やグループを攻撃する陰謀論の動画を禁止
YouTube、個人やグループを攻撃する陰謀論の動画を禁止
第二のN高となる「S高」がつくば市に開校–授業にVRデバイスを本格導入したコースも
ソニーのカメラをウェブカム化する公式ソフトにMac版が登場
AI・遠隔診療を活用した「スマートクリニック」をベトナムに開業–メドリング
クックパッド、アプリ内に送料無料の買い物機能–東京都・神奈川県の一部地域から
セガ、約20年ぶりに最新プリクラ機「fiz(フィズ)」–撮影データのダウンロードも
NDRベンダーの米ExtraHopが日本市場に注力、2021年Q1に日本法人設立 | IT Leaders
Square、無料のEC作成サービスを日本で提供開始–テイクアウトやPOSアプリ連携に対応
頬の動きをカメラ付きイヤホンで撮影し、推測した表情をアバターへ反映–コーネル大学
渋谷区とWeWork Japan、スタートアップ支援や新時代の働き方に向けて相互連携
4足歩行ロボ「Spot」とドローンを組み合わせて建築現場の3D写真マップを製作–DroneDeploy
「Apple Arcade」、iPhoneなどの購入者は3カ月無料に–米国で
ビットキーとオカムラが働き方と働く場をDXする「Work x D」開始
医薬品、医療機器の広告規制対応業務をAIで効率化――KPMG | IT Leaders
トヨタ自動車、豊田通商、デンソー、給与システムの共通基盤を構築、約15万人が対象 | IT Leaders
TIS、アジャイル開発を定着させるサービスを強化、仮説検証ワークショップを提供 | IT Leaders
バンナム、現実世界の地図情報を活用したスマホゲーム「PAC-MAN GEO」を配信
ソフトバンク、日本通運と物流DXの新会社「MeeTruck」を設立–第1弾は配車支援
JCB、みずほ銀行、富士通、エンドユーザーのID情報を相互に運用する実証実験を開始 | IT Leaders
グーグルとサムソナイト、肩ひもタッチでスマホ操作可能なバックパックを発売
FANTAS funding、マンション開発ファンドを組成–タイムラプス動画とVRパースで透明性を追求
不動産投資「体験」で将来の顧客を開拓–Relicが語る不動産投資型クラウドファンディングの価値
Snapの「Lens Studio」、アップデートで早くも「iPhone 12 Pro」のLiDARに対応
Facebook、再生可能エネルギーの貯蔵研究をAIで支援する「Open Catalyst Project」
世界の製造業⑫「ロシア」
テクノポートの稲垣です。今回は世界の製造業ヨーロッパ編の第五弾として「ロシアの製造業」を紹介します。
世界最大の国土を有するロシアですが、東南アジアに比べ日本製造業企業の進出先として候補に挙がることは多くないと思います。しかし、2020年1月の調査によると、在ロシア日系企業の68%が2019年の営業利益見通しを黒字と回答しています。同データからも分かるように、ロシア市場は日本企業にとって利益の見込める市場であると言えます。
今回は、そんなロシア製造業を日本企業の視点から掘り下げていきたいと思います。
基本情報
- 正式名称:ロシア連邦(Russian Federation)
- 首都:モスクワ(Moscow)
- 大統領:ウラジーミル・プーチン(2000年5月~2008年5月、2012年5月~)
- 首相:ミハイル・ミシュスティン(2020年1月~)
- 通貨:ロシア・ルーブル(1ロシア・ルーブル=1.37円 ※2020年10月2日時点)
- 人口:約1億4680万人
- 面積:約1710万km2
- 公用語:ロシア語
- 宗教:ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教
- 平均寿命:男67.5歳、女77.6歳
経済の特徴
強み
- 天然資源:世界銀行の推定によると、ロシアが有する天然資源の価値は75兆USドル(天然ガス、木材、鉱物等)
- 経済安定性:公口座(政府の資金)と外部口座が強固であるため、外部からの障害による影響を受けにくい
- 市場規模:ロシアの名目GDPは1.64兆円(世界で11番目に大きい市場規模)
- 変動相場性:ロシア・ルーブルの為替レートが固定されていないため、外部環境に柔軟に対応することができる
弱み
- 人口変動:人口は1993年まで単調増加していたがその後は増加、減少を繰り返す
- インフラ未整備:2018年の調査によるとインフラ整備度ランキング世界61位(投資の不足が主な原因)
- 技術力:外国の技術への依存度が高い(アメリカとヨーロッパ諸国によりオフショア開発を阻害されているため)
産業構造
まずはロシアの産業構造の調査結果を紹介します。下の図はロシアの国内総生産(GDP)における各経済部門の占める割合の遷移を示したグラフです。
データ引用元:Russia : Sectoral composition of the economy of Russia| TheGolobalEconomy.com
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 製造業と農業が減少傾向、サービス業が増加傾向
- 世界のGDPの1.96%を占める(世界第12位)
現状
- 製造業のGDPは前年比10%マイナス成長見通し(新型コロナウイルスの影響により、鉱業と輸送車両分野で深刻な打撃を受けたため)
- 天然ガスによる収益はGDPの3.7%、天然資源による収入がGDPの15.5%を占める
今後
- 2021年のGDPは2.7%の上昇、2022年のGDPは3.1%の上昇見通し(2022年に新型コロナウイルスの影響から完全に回復する予想)
- 2020年から2022年にかけて、原油価格の下落により政府の予算が赤字に転じる見通し
製造業全体
次にロシアの製造業の調査結果を紹介します。下の図はロシアの製造業が生み出す付加価値の遷移を示したグラフです。(縦軸は10億U.Sドル)
データ引用元:Russia : Manufacturing value added| TheGolobalEconomy.com
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 2016年以降、製造業が生み出す付加価値は増加が続く
- 2019年の製造業が生み出す付加価値額は2兆225億ドル(世界第8位)
現状
- 製造業のPMI(Purchasing Managers’ Index:購買担当者景気指数)は2020年5月に31.3を記録するも、翌月以降急速に回復し2020年8月に51.1を記録
- 2020年の製造業の生産高は現在も減少傾向が続く(2020年8月の生産高は前月比-8.0%)
今後
- 2020年のGDPは前年比-4.5%が達成可能である見通し(消費者主導型分野の回復、国家主導型製造業の落ち込み等が要因)
- 専門家によると、2020年の製造業の生産高は4.7%の減少見通し(2021年は3.4%の増加見通し)
日本企業の進出状況
ここからは日本企業の視点からロシアの製造業市場を調査した結果です。下の図はロシアに進出した日本企業数(拠点数)の遷移を示したグラフです。
データ引用元:海外在留邦人数調査統計|外務省
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 2015年以降、450社付近で停滞
- 日本人商工会議所は「モスクワ・ジャパンクラブ(法人会員数191社)」と「サンクトペテルブルク日本商工会」がある
現状
- 2016年の調査によると、製造業は進出企業の43.0%を占める
- 2016年の調査によると、進出企業の64.7%がモスクワ州に拠点を設けている
今後
- 2020年6月の調査によると、2021年以降もロシア市場で事業を継続する在ロシア日系企業は約8割
- 2020年6月の調査によると、事業の拡大を図る在ロシア日系企業の数は約半減
ロシアに進出した日本製造業企業
フラット合成株式会社
▶基本情報
- 本社:北海道札幌市
- 従業員数:20人(海外駐在1名含む)
- 事業内容:プラスチック素材の製造・販売
▶概要
プラスチック製品の製造、プラスチック素材の販売を行う企業。1989年にロシアにサケ・マス人工増殖孵化機器の輸出を開始し、2012年に同地域に事務所を設立。同社は、人工孵化機器のプラスチック製容器の製造に加え、養殖の成功率を高める技術の提供も行う。現在は、ロシア政府の方針によりサケマスの孵化施設の建設が盛んであるサハリン州で販路を拡大。
株式会社ニッコー
▶基本情報
- 本社:北海道釧路市
- 従業員数:96人
- 事業内容:食品加工機械設備の製造・販売
▶概要
食品加工ロボットシステムの企画から製造・販売まで手掛ける企業。ホタテ貝加工機をはじめとする水産加工機械を主軸商品に、2009年ロシア企業との販売代理店契約を締結。「顧客ニーズに対応したものづくり」を基本軸に装置改良を行い、海外パートナー企業との信頼関係を構築。
和同産業株式会社
▶基本情報
- 本社:岩手県花巻市
- 従業員数:256人
- 事業内容:草刈り機、除雪機器、農業機械の製造・販売
▶概要
中・大型除雪機器の国内生産台数トップ企業。2017年秋にジェトロが主催する日露中小企業交流会への参加を機に、2018年に同社初の国際展示会への出展。同年にロシア現地企業とのパートナー契約を締結。現在は、製品購入後のサポート体制構築と海外各地で部品供給先の確保に力を入れている。
まとめ
今回はロシアの製造業と産業構造を日本企業の視点から調査しました。調査の結果、国家主導型製造業は新型コロナウイルスの影響により大きな落ち込みを記録し、回復に時間を要している印象を受けます。
今回紹介したロシアに進出した日本製造業企業はいずれも、ロシアの地理的特徴を上手く利用し自社の製品を販売していることが分かります。今回の内容がロシア進出に関心のある方の参考になれば幸いです。