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世界の製造業⑯「台湾」
テクノポートの稲垣です。今回は「台湾の製造業」を紹介します。
台湾は、新型コロナウイルスへの対応で世界的に注目を集めました。その成果の一つとして、台湾中央銀行は2020年の経済成長率を前年比2.58%と発表し、新型コロナウイルスによるマイナス成長に苦しむ諸外国とは対照的な結果を示しました。
2020年の台湾の経済成長を支えた要因として、台湾が誇るIT産業の成長が挙げられます。今回はそのIT産業を筆頭に、世界の最先端産業の中心的存在になりつつある台湾の製造業を日本企業の目線から掘り下げていきます。
基本情報
- 正式名称:中華民国・台湾(Republic of China, Taiwan)
- 首都:台北(Taipei)
- 元首:蔡英文 総統(2016年5月~)
- 通貨:ニュー台湾ドル(1ニュー台湾ドル= 3.75円 ※2021年2月14日時点)
- 人口:約2,357万人
- 面積:約3.6万km2
- 公用語:北京語、台湾語
- 宗教:仏教、道教、キリスト教、その他
- 平均寿命:男 77.7歳、女 84.2歳
参考資料
[1] 台湾の基本情報|地球の歩き方
[2] 基本情報|台湾観光ガイド|阪神交通社
[3] 台湾人の平均寿命 昨年は男性77.7歳、女性84.2歳 | 社会 | 中央社フォーカス台湾
産業構造
まずは台湾の産業構造の調査結果を紹介します。下の図は台湾の国内総生産(GDP)における製造業の占める割合の遷移を示したグラフです。
データ引用元:Economic Indicators – Department of Statistics
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 2016年まで製造業がGDPに占める割合は増加傾向であったが、その後は減少が続く(サービス関連業の急成長が要因)
- 2019年の調査では、サービス関連業はGDPの約62.7%を占める
現状
- 製造業に従事する労働者の割合は約35%(サービス関連業は全体の59.8%の労働力を占める)
- 2019年の外国から台湾への観光者数は過去最高の1,184万人を記録し台湾経済の根幹になっている
今後
- 台湾社会の今後予測される課題として、高齢化社会や少子化、中国本土との再統合問題などが挙げられる
- 新型コロナウイルスによる経済への影響が弱まると同時に、諸外国への輸出と国内消費が増加し、経済の回復が加速する見通し
参考資料
[4] Taiwan Economy – GDP Inflation CPI and Interest Rate
[5] Economic and Political Overview – Nordea Trade Portal
[6] Taiwanese Market : Main sectorsECONOMY
[7] Taiwan.gov.twThe economic context of Taiwan
製造業全体
次に、台湾の製造業の調査結果を紹介します。下の図は、台湾の製造業のGDPの年成長率の遷移を示すグラフです。
データ引用元:Economic Indicators – Department of Statistics
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 2012年から製造業の市場規模は成長が続く
- 鉄鋼業、化学工業、機械加工が製造業全体のGDPの約半分を占める
現状
- 情報電子産業の2020年の成長率は9.90%
- 半導体、コンピューター、スマートフォン産業では世界トップクラスの製造力を有する
今後
- 2021年の台湾製造業の成長率は4.75%になる見通し
- 情報電子産業は2021年から年成長率3.55%のスピードで成長する見通し(5G技術、AI関連産業、コンピューター産業の成長が主な要因)
参考資料
[8] Taiwan’s manufacturing sector forecast to grow 4.75% in 2021
[9] Focus TaiwanThe economic context of Taiwan – Economic and Political Overview – Nordea Trade Portal
製造業の主要産業
次に、台湾製造業の主要産業とそれぞれの分野における代表企業を紹介します。
※企業のリンクは日本法人がある企業は日本法人のものを使用しています。
①半導体産業
▶台湾セミコンダクター(TSMC)
- 本社:新竹市
- 事業内容:半導体素子の製造・販売
- 企業概要:世界最大の半導体受託生産企業として知られる。Apple社製品に搭載するチップの製造元であることでも知られており、5Gスマートフォンは高性能コンピューターの需要拡大に伴い事業規模を拡大している。
実績
- 半導体の受託生産:2020年第4四半期の世界シェアは55.6%で世界第1位
- 時価総額:2020年の時価総額は5,807億米ドルで世界第10位
参考資料
[9] TSMC – Wikipedia
[10] 台湾TSMC株が連日高値 時価総額は世界トップ10: 日本経済新聞
[11] 台湾TSMCが過去最高売上、5Gとリモートワーク拡大が追い風に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
②エレクトロニクス産業
▶鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.,)
- 本社:新北市
- 事業内容:電子機器の受託製造
- 企業概要:EMS(Electronics Manufacturing Service)の代表企業の一つ。Apple社製品の製造元であることでも知られており、品質の高い製品の製造技術に定評がある。Appleの他にSonyのPlayStation、任天堂のWii U、AmazonのXbox、AmazonのKindleの製造も請け負う。
実績
- 売上高:2019年の売上高は1,785億米ドルで世界第1位(EMS企業ランキング)
- 企業ランキング:2019年のForbsが選ぶ世界のトップ100デジタル企業ランキングで世界第25位
参考資料
[12] 今さら聞けない!シャープを買収するホンハイ(鴻海精密工業)がスゴい理由 ビジネスモデル解説:EMS(電子機器受託製造サービス)|ビジネス+IT
[13] 鴻海精密工業 – Wikipedia
[14] 世界EMS企業売上げランキング、台湾ホンハイがトップ 2位に大きく差 | 電波新聞デジタル
[15] Top 100 Digital Companies List
③プラスチック産業
▶台湾プラスチックグループ(Formosa Plastics Group)
- 本社:台北市
- 事業内容:石油化学製品の製造・販売
- 企業概要:台湾を代表する企業グループ4社(台塑石油化学、台湾化学繊維、南亜プラスチック、台湾プラスチック)を含めた複数の企業から成る。
実績
- ガラス繊維:2011年の世界生産能力は世界第1位
- テレフタル酸:2011年の生産量は世界第1位
参考資料
[16] 台湾プラスチックグループ – Wikipedia
[17] 交流_915号_02.indd
日本企業の進出状況
ここからは日本企業の視点から、台湾の製造業市場を調査した結果です。下の図は、台湾に進出した日本企業数(拠点数)の遷移を示したグラフです。
データ引用元:海外在留邦人数調査統計|外務省
グラフと関連データから以下のことが分かります。
- 台湾に進出する日本企業の数は2008年から2012年の間に急速に増加し、以後は横ばい傾向
- 進出日本企業の業種は卸売・小売業が最も多く全体の約半数、次いで製造業関連業、その他サービス関連業の順
現状
- 進出日本製造業の目的は大きく以下の3つに集約される。1. 輸出のための生産拠点、2. 台湾市場向けの生産拠点、3. 現地企業への部品供給
- テレワークや5G技術の需要が増加したことによる、現地エレクトロニクス企業への部品および材料の供給を行っている企業の業績は好調
今後
- 台湾政府の意向により、情報通信・デジタル産業は今後も拡大傾向が続くと予想されるため、高い技術力を持つ日系サプライヤー企業の需要は増加する見通し
- 台湾と日本の外交関係は良好であり、日本ブランドが受け入れやすい環境にあるため、今後も日系企業の進出候補として有力である見通し
参考資料
[18] 2009_02kihara.pdf
[19] 台湾への主な日系企業の進出状況を教えてください。 | 台湾に関する Q&A / コラム | 台湾の市場調査ならヤッパン号
台湾に進出した日本企業
有限会社 サンヨー精工
▶基本情報
- 本社:東京都大田区
- 従業員数:20人
- 事業内容:精密樹脂成形金型の設計・制作
▶概要
プラスチック射出成形およびプラスチック精密金型の制作・生産を行う企業。研究開発にも力を入れており、2色樹脂成形(色違いの2色の樹脂を成形する技術)など、自社独自の技術を多く保有する。台湾の樹脂成形および金型の生産工場と提携しており、現地で量産品を安価に生産できる体制を構築。台湾での生産は日本人従業員1人で行っている。
株式会社 関プレス
▶基本情報
- 本社:茨城県日立市
- 従業員数:85人
- 事業内容:金型プレス加工
▶概要
金型の設計および制作を行う企業。取引先は自動車関連業をはじめ多岐にわたる。グローバル展開する日本企業の部品供給需要に対応するために台湾(桃園)、ベトナム(ハノイ)に事務所を構え、海外での部品調達ネットワークを構築している。上記の国の他に香港・中国の企業と業務提携を行っており、アジア圏における事業拡大を積極的に行っている。
株式会社 英田エンジニアリング
▶基本情報
- 本社:岡山県美作市
- 従業員数:135人
- 事業内容:冷間ロール成形・造管機、無人駐車場・駐車管理システムの開発・製造・販売
▶概要
フォーミングロール(金型)の生産をはじめ、冷間ロール成形機・造管機、およびIT技術を駆使したコインパーキングシステムの開発・製造を行う。中国に現地法人を持っており、中国で製造した商品の輸入を行っていたが、為替の変動により利益を圧迫したため、台湾での現地販売を決断する。現地での販売はパートナー企業を通じて行っている。
参考資料
[20] 株式会社英田エンジニアリング:ジェトロの支援を受け、少ない手間と短い時間で、海外に進出できました | ジェトロ活用事例 – ジェトロ
まとめ
今回は台湾の製造業と産業構造を日本企業の視点から調査しました。結果を以下にまとめます。
- 産業構造を調査した結果:造業がGDPに占める割合は近年減少傾向、観光業をはじめとするサービス関連業の成長が著しい
- 製造業全体を調査した結果:製造業の規模自体は拡大傾向(特に情報電子産業は5G技術、コンピューター産業の需要拡大を受け、安定した成長を続けている)
- 日本企業の進出状況を調査した結果:台湾に進出する日本企業の数は近年ほぼ同じ数で推移
- 台湾に進出した日本企業を調査した結果:今回紹介した企業は現地企業とパートナー関係を築き、現地での生産・販売、または現地日本企業への部品の調達を行なっている
今回の内容が、台湾進出を視野に入れている方の参考になれば幸いです。
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マーケティングオートメーションまとめ
フリーランス・マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、近年国内の製造業での導入が進んでいる「マーケティングオートメーション」を取り上げます。
本記事では、製造業が導入すべき理由や、主なツール、業種別のおすすめなどをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
マーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を可視化し、業務を自動化することで効率化を高め生産性を向上させるものです。見込み客(リード)の情報を管理し、コミュニケーションによって興味関心を高め、購買の確度を高めて営業に引き渡す仕組みを構築します。リード情報の管理とコミュニケーションの自動化を行う、さまざまなデジタルツールが増えてきました。
製造業が取り組むべき理由
マーケティングオートメーションが日本で導入されはじめたのは、2010年に入ってからです。当初はIT企業を中心に導入されていましたが、ここ5〜6年の間に製造業でも浸透しつつあります。製造業の間で一般に普及されるようになった背景には、インターネットの普及によって、顧客の購買行動が変化したことがあります。
購買行動の変化としては主に2点。ひとつは情報収集方法です。従来、B2Bの領域では、製品やサービスの情報は、営業から提供されることが一般的でした。当時インターネットはありましたが、掲載されている情報はかなり限定的で最新情報を得ることは困難でした。
しかし、現在は多くの情報をネットで収集できるようになりました。企業のメルマガに登録すれば最新の製品や技術情報を定期的に入手できます。第一線のエンジニアが登壇するセミナーも常時開催されています。開発製品のデモさえ動画で閲覧できるのです。そのため購買担当者は、営業から直接情報をヒアリングする必要が薄れてしまいました。
その結果、営業がアプローチする前に水面下で検討を進めている傾向が強くなっています。CSO Insightsの調査によると、企業の購買担当者の約7割は営業される前に製品の検討段階を終えており、半数がなにを買うか特定しています。つまり、営業が連絡した時には「もうある程度決めてしまっている」ので、巻き返しが難しいのです。
もうひとつの変化は、企業の開発管理体制にあります。製品企画の検討プロセスが複雑になり、マネジメントがトップダウン型からボトムアップ型に切り替わっていることです。
従来のトップダウン型では、キーマンは製品開発の主導する立場でした。営業はキーマンとの関係性を構築できていればその企業の製品開発の情報やニーズをがっちり押さえられていました。
一方、ボトムアップ型の体制では、キーマンは中核製品には深く関与しますが、派生製品の詳細までは目が届きにくい傾向にあります。こうした製品の選定には、営業と日ごろ接点がない実務担当者が担当します。そのためキーマンを押さえているだけでは、ニーズを拾いきれなくなってしまうのです。
マーケティングオートメーションツール
マーケティング業務を自動化するツールの大半は、アメリカが発祥地です。もともとは、営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)システムを補完するものとして開発されました。効率的にセールスを行うためのツールとして、米国内ではかなり早い段階で普及しました。そうした経緯もあり、ツールは米系のITベンダーのものが多くなっています。
一方、高度な専門知識がないと使いこなすのが難しく、有料のベンダーサポートを前提とするものも少なくありません。さらに、言語の壁もあります。現在は、使い勝手のよい国産のMAツールも製品化されています。ツールを使う目的・方針を明確化した上で選定するといいでしょう。
ここでは、B2Bの製造業で実績のある国内外の主なツールを紹介します。
Kairos3 (カイロスマーケティング株式会社)
引用:https://www.kairosmarketing.net/
Kairos3は、初期費用は1万円、月々6,000円から始められる国産マーケティングオートメーションツールです(*)。ユーザーの使い勝手を第一に開発されており、マニュアル一体型で直感的にわかる画面設計になっています。
Webサイトに計測タグを埋め込めば、即日利用も可能です。サポート費用は無料です。手軽に導入でき、すぐに使えるツールとしておすすめです。
*) 2021年4月より月額費用の最低価格が15,000円に価格改定される予定です。
List Finder(株式会社Innovation & Co.)
引用:https://promote.list-finder.jp/
List Finderは、B2Bに特化した国産マーケティングオートメーションツールです。月額3万9,800円からという低価格で、リード管理、メール配信、LP作成、見込み客の評価、営業連携までの基本的機能をカバーしています。シンプルで使いやすい操作性と、無料サポートが魅力です。名刺管理ツールのSanSanやSFDCとの連携もできます。
Salesforce Pardot(株式会社セールスフォース・ドットコム)
引用:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/features/marketing-automation-software/
Salesforce Pardotは、顧客管理(CRM)システムのトップベンダーによるマーケティングオートメーションツールです。営業支援や顧客管理など他ツール間のシームレスな連携とデータの統合管理に強みがあります。
メールなどのマーケティング施策に対する投資対効果(ROI)を分析でき、営業活動全体を評価してプロセスのボトルネックを明らかにするライフサイクルレポートなど、マネジメント機能が充実しています。
HubSpot (ハブスポット社)
HubSpotは、2005年に開発されたインバウンドマーケティングのプラットフォームです。リード獲得からセールスまでのマーケティングファネルを一括で管理できます。顧客管理ツール「HubSpot CRM」と営業支援ツール「HubSpot Sales Hub」ももっており、ひとつでセールスマーケティングの全プロセスを統合管理できるのが特徴です。リード管理と簡単なメールコミュニケーション機能は無料で使えるので、中小企業でも導入しやすいでしょう。
業種ごとのおすすめツール
見込み客のリアルタイムの行動に合わせ、インテリジェントなコミュニケーションを可能にする高機能で魅力的なツールはたくさんあります。しかし、高度すぎてツールを使いこなせず、費用だけかかってしまうケースも珍しくありません。
例えば、マーケティングオートメーションで営業活動を効率化する上で重要な施策のひとつである「営業の名刺情報のデジタル化」。やり方次第ではかなり重い問題になります。
見込み客(リード)情報は、名刺情報とメルマガ登録データなどのハウスリストを統合管理する必要があります。しかし、このデータ管理の精度を追求すると、かなりの労力とお金がかかってしまいます。
個人が登録するデータは、各自が思い思いに入力しており、正確ではありません。データ統合による重複を除く「名寄せ」が必要です。情報は、漢字、平仮名、カタカナ、ローマ字が混在し、略称が使われることもあります。
例えば、先に挙げたベンダーの名前ひとつとっても、「株式会社セールスフセールスフォース・ドットコム」とフォームに登録せず、「セールスフォース」や「Salesforce」と登録するかもしれません。同じ社名なのに、10種類以上の別の会社が見かけ上存在することもよくあります。
これをひとつの社名に統合する作業は容易なことではありません。組織名の変更はよくありますし、M&Aで社名が変わることさえあります。何十万件のデータをリアルタイムで精査して統合していくのは非現実的です。
営業情報ツールを使う目的・方針を明確化した上で、最適なツール選定をする必要があります。目的は業種・業態によってある程度傾向が分かれてきます。ここでは、業種別にどんなツールがおすすめかを紹介します。
加工業
加工業の場合、多くの顧客を少ないリソースで対応しなければならないケースがあります。常時取引がある顧客はよいかもしれませんが、休眠顧客の掘り起こしはマンパワーが必要です。
こうした休眠顧客に向けた施策としては、メルマガなど定期情報発信で信頼関係を構築することが有効です。また、オウンドメディア上で、顧客が必要なときに資料請求や問い合わせを促すプル型の仕掛けを設ける手段もあります。
実際に実施している企業もたくさんありますので、今の延長上で活用できるでしょう。営業側は顧客の方からのアクションをトリガーとして効率的に業務を行えます。
現在はどのMAツールでもそうした機能はあります。複数商材・拠点での運用や、自社CRMシステムとのデータ連携など、複雑な連携が必要でないなら導入は簡単です。知識がなくても操作できるものを検討するのがいいでしょう。
メーカー
BtoB製造業では、潜在顧客に対する将来の種まきと、既存顧客の刈り取り効率化や顧客満足度の向上でコンテンツマーケティングが行われています。複数の製品、サービス、地域ごとの拠点があり、それらの間で相互連携しなければならないケースも多々あります。営業、マーケティング、開発事業部など関係部門間の調整だけでも一大業務です。
また既存の顧客管理システムとの統合まで視野に入れて検討しなければならないこともあるでしょう。そうなると、高度なデータ統合管理とシステム間連携が必須になります。
業態や規模、目的にもよりますので、一概にひとくくりにして語るのは適切ではないかもしれません。もし上記のような要素がある場合には、営業管理システムとの連携に強く、サポート体制が充実したベンダーを選定することをおすすめします。
商社
商社では、近年個々のコンポーネンツの単品売りから、システム化・パッケージ化したソリューション提案型の営業へと舵を切っている傾向があります。顧客が抱える課題に対して、「モノ」だけでなく付加価値として「機能・サービス」を売らなければならない時代になったと考えられるでしょう。
そうした時代に求められるのは、顧客の潜在ニーズをあらゆる角度から情報収集することです。そして、段階的に確度を上げていくための柔軟なマーケティング・キャンペーン設計が必要になります。
こうした用途では、動的セグメンテーション・キャンペーン機能を兼ね備えたツールがいいでしょう。様々なセグメント、検討プロセスにあるユーザーを動的にセグメンテーションし、働きかけることが有効と考えられます。
例えば、個人情報が取得できていない「未知」のユーザーに対しアプローチすることで、思わぬ潜在ニーズを発見できるかもしれません。また、WEBサイトの回遊行動やイベント参加状況などいろいろな確度から追跡し、自動的に最適なキャンペーンを割り当てられる機能があると効率的にユーザーを次の段階に誘導できます。
まとめ
マーケティングオートメーションツールは、営業業務の効率化や潜在顧客の確度見極めの可視化ツールとして有用です。ただし、導入には時間とお金がかかります。目的とゴールを明確にしない状態で安易にツールを導入してしまうと、本来の目的である業務の効率化につながらず、逆に非効率になってしまうこともあります。
あれもこれもと手を出さず、まずは「なにがやりたいのか」をよく見極めてから検討することをおすすめします。
テクノポートではコンテンツマーケティング支援の一環として、ツール活用のアドバイスも行っています。お気軽にご相談ください。
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なぜ、名刺のデジタル化が必要なのか
製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。「営業の効率化を図るために名刺情報を最大限活用したい」こんな悩みはありませんか。本記事ではデジタルマーケティングとしての名刺デジタル化の目的、名刺のデジタル化サービスの事例、手順を紹介します。
名刺のデジタル化
名刺のデジタル化とは、紙媒体である名刺情報をスマートフォンのカメラやスキャナーで読み取り、電子(デジタル)化することです。
デジタルマーケティングの一歩目は名刺情報
近年、「デジタル情報」を活用したデジタルマーケティングの重要性が増しています。なぜなら、顧客に向けて最適なタイミング、頻度で情報の提供が求められているからです。
デジタルマーケティングと聞くと、WebサイトやSNS、ECサイトとWeb上でのマーケティングを想像するかもしれません。しかし、製造業でも営業効率化のためにデジタルマーケティングのニーズは高まっています。
製造業がデジタルマーケティングに取り組むならば、名刺情報のデジタル化は欠かせません。その理由は顧客への案内メールや打合せ、商談のきっかけに名刺情報が必要不可欠だからです。
また、今後クラウドサービスの普及で、名刺管理ツールとSFA(*) / CRM(**) と連携の増加が予測されています。つまり、デジタルマーケティングに取り組む最初の一歩として、顧客情報である名刺のデジタル化が必須なのです。
*SFA( Sales Force Automationの略)
**CRM(Customer Relationship Managementの略)
営業効率を高める名刺デジタル化の3つのメリット
ここでは、名刺をデジタル化ソフトを紹介する前に、具体的なメリットを3つ紹介します。
メリット1:情報を組織で一括管理できる
名刺をデジタル化すると、組織での戦略的営業に取り組めます。その理由は顧客情報を組織のデータベースとして管理できるからです。紙の名刺は個人管理が多く、個人での営業が増えてしまいがちです。しかし、顧客データベースがあれば、それを基にした分析、解析に基づいた営業戦略に活かせます。
メリット2:検索やグルーピングが容易にできる
名刺を探す時間が短縮でき、生産性が向上します。なぜなら、データベースの検索機能に名前さえ入力してしまえば、ほんの数秒で顧客情報が表示されるからです。重要顧客をあらかじめグループ分けしていればその手間さえなくなります。
紙の情報ではきれいにファイリングしていても、目的の名刺を探すのに少なからず時間が必要です。しかし、データベース化されていれば、短時間で検索可能です。
メリット3:どこでも名刺情報を閲覧できる
出先で急に顧客の情報が必要になった状況でも、名刺をデジタル化していれば対処できます。近年の名刺デジタル化ソフトはクラウド上やアプリ上で管理されているからです。そのため、通信環境さえあればいつでもどこでもスマートフォンから名刺情報を閲覧できます。
名刺デジタル化サービス
ここからは、無料・有料の名刺デジタル化サービスを紹介します。
Wantedly people
Wantedly peopleは無料の名刺デジタル化サービスアプリです。
名刺管理機能
スマートフォンのカメラ機能を用いて、10枚まで同時に名刺をデジタル化します。名刺データベースから、名刺情報をアプリでいつでもどこでも閲覧可能です。
顧客管理機能
Wantedly peopleの連絡先を知っている場合、相手がプロフィールを更新するとアプリ上で確認できます。
セキュリティ機能
名刺情報は高い信頼性とセキュリティ水準を持つデータセンターで管理されています。
その他機能
着信時の名前表示、名刺データの移行、Excelへの書き出し機能も搭載しています。
Sansan
業界No.1、シェア80%以上を占める有料の法人向けクラウド名刺管理サービスです。
名刺管理機能
スキャナまたはスマートフォンを用いて名刺をデジタル化できます。面倒な名刺情報の入力や誤入力、重複入力を99.9%の精度で防ぐAI機能も充実しているのが特徴です。
顧客管理機能
人事異動の通知や顧客情報タグ付け、グルーピング機能も搭載しています。One to Oneメール機能やメール開封のクリック率も測定も可能です。
連携機能
外部サービス(OutlookやSalesforce)との連携が可能です。また、名刺情報を基にしたデータ分析をもとに、マーケティングの判断材料の獲得や、顧客情報の見える化で営業ロス削減による生産性向上に寄与します。
セキュリティ機能
2段階認証や端末の利用制限、ログの管理もできます。
ホットプロファイル
業界No.2のシェアを持つ有料の名刺デジタル化サービスです。ホットプロファイルは、名刺のスキャン情報をハンモックの担当オペレーターが名刺情報を入力しています。
名刺管理
名刺のデータ化や名刺情報の自動整理、人脈の可視化が可能です。
MA(マーケティングオートメーション)
リード管理やメール配信、Webのアクセス解析で見込み客を分析できます。
SFA(セールス・フォース・オートメーション)
営業活動の可視化や顧客情報の一元化で営業を効率化できます。
セキュリティ機能
経済産業省『クラウドセキュリティガイドライン』に準拠した運用体制で高いセキュリティ能力を持っています。
3Stepで簡単にできる名刺のデジタル化
名刺デジタル化には難しい手順はありません。たった3Stepで名刺をデジタル化できます。
Step1 名刺を集める、回収する
個人で名刺を管理している場合は、部や課単位で名刺を個人から回収しましょう。
Step2 名刺をスマートフォンのカメラやスキャナーでとる
名刺を回収したら、デジタル化作業に移ります。スキャナーの場合は同時に何枚も読み取り可能です。
Step3 目視でデータミスを確認する
最後に、デジタル化した内容を確認しましょう。なぜなら、AI機能が発達したとはいえ、誤植は起こりえるからです。目視で正しい情報が入力されているか最終確認しましょう。
Wantedly peopleによる実際の手順
では、実際にはどのように名刺をデジタル化するのでしょうか。Wantedly peopleを用いた例を紹介します。
①名刺を準備する(本記事では、著者の名刺を利用しています。)
②スマートフォンで名刺を撮る
Wantedly peopleを起動させると下のような画面になるため、名刺を準備しましょう。
名刺の準備ができ、カメラで写すと探索用の丸が表示されます。この状態で撮影すると名刺がアプリ上に保存されます。
③デジタル化された内容の正誤を確認する
デジタル化された名刺はアプリ上で確認できます。名刺に記載のある情報量によりますが、名前、会社名、部署、名刺の画像、電話番号、メールアドレス、会社の住所がデジタル化されます。この内容が正しく入力されていることを確認し、名刺のデジタル化は終了です。
まとめ
生産性の向上が求められる社会だからこそ、デジタルマーケティングには大きな可能性があります。その一歩目として名刺のデジタル化を始めてみませんか。名刺を管理するだけではなく、組織全体の効率化につながるはずです。