日: 2023年3月20日
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製造業の営業活動の課題解決|手法から事例まで徹底解説|モノカク
テクノポートの井上です。製造業にとって新規営業、顧客の開拓は不可欠なものですが、営業が得意な会社は少ないものです。本記事では、製造業における営業活動の課題を解決するための情報を網羅的に解説します。
製造業における新規営業の必要性
原価低減協力による利益率低下のリスク軽減
既存顧客との取引においては、原価低減協力により、利益率が低下することがあります。新規顧客の獲得により、顧客数を増やし、リスクを分散することで、原価低減協力のリスクを軽減することができます。
現場の思考力向上
決まった仕事を続けると作業化してしまい、現場の思考力が低下することがあります。新しい顧客からの依頼に対応することで、現場のスキル向上や知識の習得が促進されます。また、新しいプロジェクトに取り組むことで、現場のアイデアや創造性が向上することが期待できます。
仕事の波の緩和
製造業では、仕事の波が激しく、需要の変動に対応する必要があります。新しい顧客を獲得することで、需要の変動リスクを軽減し、収益を安定化させることができます。
イノベーションの創出
新しい市場では、既存のビジネスモデルでは対応できないニーズが存在するため、より効率的かつ柔軟性のあるビジネスモデルが求められます。新規顧客との取引を通じて、新しいビジネスモデルのアイデアを得ることができ、それがイノベーションの創出につながります。
受託製造業の営業活動が難しい理由
受託加工という業態の特性(タイミング)
受託製造業は、他社の要望に応じて生産を行うため、需要があって初めて仕事を請け負えます。そのため、需要が不安定であることが多く、需要予測が困難であり、生産ラインの調整やスタッフの配置にも影響を与えます。このような業態の特性から、新規顧客開拓に時間がかかることがあります。
自社製品と比べてPRしづらい
受託製造業では、自社が製造する製品よりも、製品の完成品の外観や品質が注目されるため、その製品の良し悪しは、受託先の企業に左右されます。そのため、製品の良し悪しを訴求することが難しく、他社との差別化が困難な場合があります。
営業+技術ができる人が少ない
受託製造業では、製品の外観や品質に加え、製造プロセスに関する技術力が求められます。また、営業と技術を併せ持った人材が少ないことも、営業活動を難しくしています。そのため、受託製造業では、技術力と営業力を併せ持った人材を確保し、トレーニングすることが重要です。
設備稼働力という限界値がある
受託製造業では、製造ラインの稼働率を最大限に保ちながら、生産効率を高めることが求められます。しかし、需要が不安定であることが多く、生産効率を常に最大化することができない場合があります。また、いくら受注案件が多くても、設備の稼働が100%を超えることはないように、稼働力には限界があり、それに合わせ受注案件をコントロール必要があります。
製造業の営業とマーケティングの違いって?
営業と関係性の高いマーケティングというお話も出てくるかと思います。その違いについて少しだけ触れます。
営業は企業と顧客の直接的な関係を築き、技術・製品・サービスを販売することに焦点を置いています。一方で、マーケティングは、市場全体に対して技術・製品・サービスを提供するための企画・戦略を考えることに重点が置かれています。
少しかみ砕いた説明にすると、営業は個別の顧客にどう買ってもらうかの短期的な話で、マーケティングは技術や製品を買ってもらいやすくするには、という仕組みを作る長期的な話です。
両方の役割が重要であり、営業とマーケティングが協力し合いながら、企業のビジネスを成功に導いていくことが求められます。
製造業の営業戦略の立案から実施まで
新規営業を行うためには、戦略の立案が必要になります。主な流れは以下の通りです。
目標設定
まず、企業が達成したい営業目標を明確に設定します。目標は、売上高、利益率、新規顧客獲得数、既存顧客の売上拡大など、企業にとって重要な指標に基づいて設定されます。
市場調査
次に、ターゲット市場に対する調査を行います。市場規模、競合情報、ニーズやトレンドなどを分析し、企業の製品やサービスが市場においてどのように受け入れられるかを把握します。
ターゲット設定:市場調査を元に、企業が取り組むべきターゲットを設定します。ターゲットは、地域、業界、顧客セグメントなど、企業のビジネスモデルや戦略に応じて定められます。
提供価値
ターゲットに対してどのようなメッセージを伝えるかを考えます。企業の製品やサービスがどのような価値を提供するかを明確にし、競合優位性をアピールするためのメッセージを構築します。
営業プラン
営業プランを作成します。プランには、顧客接触数、新規顧客獲得数、売上目標、費用目標、営業活動予算、営業スケジュールなどが含まれます。
実施
営業プランを実施します。新規顧客獲得のためのセールスプロモーション、既存顧客のリレーションシップの維持や拡大のためのアフターサービスなど、各種の営業活動を実施します。
モニタリング・評価
営業プランの成果をモニタリングし、評価します。プランの実施状況を把握し、営業成果が目標に達しているかを検証し、必要に応じてプランの修正や改善を行います。
製造業の新規開拓手法紹介
具体的な営業手段として、現在ではWebや対面を含め様々な手法が存在しています。絶対的な一つの手法はなく、様々なアプローチ手法を組み合わせ、顧客に自社の情報を届けることが必要です。
下記の記事で具体的な営業の種類について紹介しています。

製造業における営業人材の育成
製造業にとって、営業人材の育成は大きなテーマの一つと言えます。どうしても属人的になりがちな業務をいかに組織として取り込んでいくかです。営業人材の育成における課題は以下の通りです。
技術力と営業力のバランスの取れた人材育成
製造業においては、技術力が高く、製品の品質や納期を確保することが重要です。しかし、同時に、営業力も必要不可欠です。製品を提供するだけではなく、顧客とのコミュニケーションやニーズの把握、提案力などが求められます。このため、技術力と営業力のバランスを取った人材の育成が必要です。
営業ノウハウの共有
営業職の中には、年齢や経験に応じて営業ノウハウを持ったベテラン社員がいます。しかし、そのノウハウが個人に独占されてしまうと、他の営業職員に共有されず、組織全体での営業力向上につながらないことがあります。このため、営業ノウハウを共有する仕組みを整える必要があります。
新しい営業手法への対応
デジタル化やSNSなどの発展により、営業手法も大きく変化しています。これに対応するため、従来の営業手法にとらわれず、新しい営業手法を取り入れることが必要です。また、従来の顧客との面談や電話での営業活動から、Web会議などのオンライン化にも対応する必要があります。
組織全体でのマーケティング力の向上
製造業においても、顧客ニーズの変化や市場の変化に対応するためには、マーケティング力が必要です。このため、営業職だけではなく、製造技術や品質管理、製品企画など、組織全体でマーケティング力を向上させることが求められます。組織全体のマーケティング力向上のためには、組織文化の変革や、マーケティングに関する教育研修の充実が必要です。
Webをどう営業に取り入れられるかは非常に重要なテーマ
以下は製造業のユーザーが製品探索をする際に、どのような媒体を利用するかのアンケートデータです。「既存の接点のある企業」や「展示会」を抜いて、Webを利用した情報収集が1位2位となっています。ユーザーがWebで探しているのであれば、受注側もWebでどうアプローチをするかを考えることが営業として重要と言えます。
引用:イントリックス社 製品選定時にWebサイトを利用する人が営業・展示会を超えて多数
営業成功事例紹介
以下の記事では受託加工業者がWebをうまく活用することで顧客を開拓した事例を紹介しています。

製造業における営業の今後の課題
最後に製造業における営業の今後の課題について紹介します。
グローバル市場での競争
グローバル市場での競争が激化し、価格競争が激しくなっているため、顧客からのニーズを正確に把握して、付加価値の高い製品を提供する必要がある。
デジタル技術の活用
インターネットやAIなどのデジタル技術の進化により、製造業における営業のあり方が変化している。これまでのような営業手法だけではなく、デジタル技術を活用した新しい営業手法を取り入れる必要がある。
グローバル化に対応する人材育成
グローバル市場に進出するためには、現地の文化や商習慣に精通した人材が必要である。企業は、グローバル化に対応した人材育成に力を入れる必要がある。
スピード感の重視
顧客からのニーズが急速に変化しているため、スピード感を持った営業活動が求められている。営業活動においては、スピーディな情報収集や対応が必要となる。
顧客との関係構築
製品の提供だけではなく、顧客との信頼関係を築くことが重要である。顧客のニーズに合わせたアフターサービスやフォローアップを行い、長期的な関係を構築することが求められている。
以上のように製造業の営業活動には課題が多くあり、これらの課題に対応するためには、営業戦略の見直しや新しい技術の活用、人材育成などが必要になると言えるでしょう。
参考にしていただけたら幸いです。
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