ホワイトペーパー(技術資料)の作り方

製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。ホワイトペーパーは、顧客が課題解決できる技術を伝えることができ、リードの獲得など、マーケティングに活用できます。今回はホワイトペーパーの作り方を紹介します。

BtoB製造業におけるホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーとは、もともとは政府や公的機関が発行する調査報告書です。現在は、企業が、自社の製品やサービスに関する技術情報などを記載した資料として使用されています。

ホワイトペーパーの内容は、サービス説明、ノウハウ共有、製品を使った課題解決方法などです。BtoB製造業におけるホワイトペーパーは、解決したい課題を示して、自社製品を使ったソリューションを載せている資料が多くなります。

企業は見込み顧客のWebサイトへの集客やリード情報を得るだけではなく、ホワイトペーパーから得た情報をもとに、アプローチやメール訴求などでのWebマーケティングに活用します。

ホワイトペーパーを作るときのポイント

ホワイトペーパーを作るときは以下のポイントが重要です。作成前に以下4つのポイントを押さえましょう。

ターゲットを決める

ホワイトペーパーを作るときはターゲットを明確にすることが大切です。記載する内容は業種によって変わります。金属加工業なのか、または、ベンダーなのか、それぞれに適した内容にしましょう。また、部署は設計部署なのか生産部署なのかもポイントです。

具体的な内容にする

ホワイトペーパーは、明確なテーマで具体的な内容であるほど顧客にとって理解しやすいでしょう。ポイントは、ホワイトペーパーごとにテーマを1つに絞ることです。例えば、「検査工程省人化」がテーマであれば、内容は「ラインで流れてくる部品を画像で読み取り、自動で寸法測定する技術の説明」などにするといいでしょう。顧客がどのように自社に適用できるかイメージしやすくなります。

ダウンロードしてもらえるタイトル

顧客がホワイトペーパーをダウンロードするかどうかはタイトルによって決まるため、とても重要な要素です。顧客がどのような課題を解決できるかわかるタイトルにしましょう。また、ターゲットをタイトルに含めることもおすすめです。例えば、「品質管理担当者の工数削減を可能にするAI画像検査装置」にするとターゲットと課題、解決法が明確になります。

課題と解決策を伝える構成にする

顧客の課題に対して、解決策をわかりやすく伝える構成でなければなりません。よく使われる構成が下記の通りです。

  1. 要約
    背景と課題、どのように解決できるのかの概要を記載します。
  2. 課題
    設定した課題の詳細を説明します。
  3. 解決策
    どのような技術で課題が解決できるか説明します。
  4. 事例紹介
    過去の課題解決事例を紹介します。
  5. 製品紹介
    自社の製品、サービスなどを紹介します。

ホワイトペーパーを作るときの注意点

顧客にホワイトペーパーの内容をうまく伝えるために、以下の点に注意して作成しましょう。

専門的すぎてわかりにくくないか

ターゲットが自社製品や関連技術に詳しいとは限りません。そのため、専門用語を使いすぎずに、わかりやすい言葉で説明しましょう。

文字が多すぎないか

文字が多すぎると読みづらく、顧客が最後までホワイトペーパーを読まない可能性があります。適度に図やグラフを使用して、視覚的に相手に伝わる内容を心がけましょう。特に製造業の技術説明や商品紹介では、図やグラフを用いると理解しやすくなります。

製品の宣伝をしすぎていないか

ホワイトペーパーは、メインコンテンツを課題解決方法の説明にしましょう。宣伝は営業資料を使います。

ダウンロード後は修正できない

企業は、ホワイトペーパーをダウンロード形式にすることがほとんどです。お客様情報を入力した後にダウンロード可能とすることで、リード情報を得ることができます。ダウンロード後は内容を修正できないため、誤った情報を記載しないように注意しましょう。

まとめ

ホワイトペーパーは、顧客が課題を解決できるコンテンツにしましょう。適度に図やグラフを使い、わかりやすい言葉で説明しましょう。ホワイトペーパーはリードの獲得に有効で、B2B製造業のウェブマーケティングに活用できます。

テクノポートでは、ホワイトペーパーを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、ぜひご相談ください。

FAQコンテンツの書き方

製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。FAQコンテンツは、カスタマーサポートやSEO対策として多くの企業に取り入れられています。今回はFAQコンテンツの役割や書き方だけでなく、上手く取り入れられている事例なども紹介します。

FAQとは

FAQは、よくある質問と回答をまとめたものです。英語の「Frequently Asked Questions」を略して、FAQといいます。企業によっては、想定される問い合わせに対して回答をまとめたFAQもあります。

FAQコンテンツの役割

FAQコンテンツの役割について紹介します。

掲載することで余計な問い合わせを防ぐ

FAQコンテンツを設置することで、問い合わせ対応業務を効率化できます。企業は自社製品やサービスのカスタマーサポートのために窓口を設置し、メールや電話で対応します。そのため、問い合わせ対応のために人員と工数が必要です。もし、お客様がFAQコンテンツを読んで悩みや不安を解決できれば、カスタマーサポート側の負担をが軽減し業務の効率化が可能です。

SEO対策

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンで上位に表示されるように対策することを言います。FAQコンテンツはSEO対策として有効です。FAQコンテンツをSEO対策することは、ページへのアクセスが増え、PV増加につながります。

リードの獲得

FAQコンテンツはリードの獲得にも有効です。FAQコンテンツに課題解決方法を載せると、興味をもったお客様がアクセスします。その結果、製品情報を閲覧するきっかけとなり、リードの獲得につながります。

FAQコンテンツに記載する質問内容

FAQコンテンツに記載するおすすめの内容を紹介します。

実際にホームページからきた問い合わせ

FAQコンテンツには、カスタマーサポートに問い合わせがあった内容を載せるといいでしょう。お客様からきた質問とその解決方法を載せることで、お客様が求めているコンテンツとなります。

営業担当者に質問される内容

営業担当者はお客様と接する機会が多く、日頃からわからないことの質問を受けています。営業担当者にヒアリングをしてFAQコンテンツを作成しましょう。主に以下の内容を記載することをおすすめします。

  • 商品やサービスの特徴や仕様
  • お客様価値、課題解決
  • オプション情報

カスタマーサポートに質問される内容

カスタマーサポートも営業と同じく、お客様と接する機会が多くなっています。主に以下の内容です。

  • 商品やサービスの使用方法
  • 不具合発生時の対応
  • メンテナンス方法

FAQコンテンツが上手く掲載されているサイト

FAQコンテンツが上手く掲載されている、BtoBの製造業を4社紹介します。

DMG森精機株式会社

DMG森精機株式会社は、切削型工作機械の総合メーカーです。FAQコンテンツには、操作方法や導入方法、周辺機の情報が多くあります。そのため、工作機械導入を検討するお客様に適したコンテンツです。

お客様の疑問に答えるだけでなく、導入事例や成功事例が画像でわかりやすく掲載されており、お客様の課題解決が可能なコンテンツとなっています。

株式会社キーエンス

株式会社キーエンスは、FA機器の総合メーカーです。コンテンツマーケティングを行っており、膨大なナレッジをオウンドメディアで展開しています。「マーキング学習塾」のFAQコンテンツは、レーザーマーカーの原理、活用法などです。

基礎知識を解説するコーナーがあり、SEOを意識したキーワードを使っています。例えば、レーザーマーカーとはなにかを検索すると、上位に表示されるように対策しています。解説にカタログのリンクもつけており、マーケティングにも活用しています。

ユナイテッド・プレシジョンテクノロジーズ株式会社

ユナイテッド・プレシジョンテクノロジーズ株式会社は、精密加工品のメーカーです。FAQコンテンツには、コスト、納期などお客様が知りたい情報が掲載されています。

また、「多数の穴をあけたい」「1個でも対応してほしい」など、お客様の要望をキーワードとしています。回答は、お客様が製品を使って課題解決できる内容です。お客様が製品に興味を持つだけでなく、リードの獲得にもつなげています。

オムロン株式会社

オムロン株式会社はFA機器や電子部品、ヘルスケア製品のメーカーです。オムロンはFAQコンテンツに、製品ラインナップの紹介と仕様、課題解決に対する回答などを載せています。

測定原理を図で解説しており、ユーザーが理解しやすい工夫がされていますFAQに関連商品へのリンクもつけており、サイト全体のPVアップとマーケティングを意識しています。

まとめ

FAQコンテンツは、お客様が自身で課題解決できる内容にするといいでしょう。それによって、企業はサポート業務の工数削減が可能です。また、FAQコンテンツは、SEO対策をすることで自社の宣伝となり、デジタルマーケティングとしても活用できます。

テクノポートでは、FAQコンテンツを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、一度ご相談ください。