コロナ禍の展示会で中小企業が成果を出す方法

フリーランスWebライターの志水です。過去にものづくりエンジニアをしていた経験を活かし、技術系記事のライティングやインフォグラフィック制作をしています。

本記事は、動画のまとめ記事です。テーマは、コロナが落ち着いてきて復活しつつあるリアル展示会についてです。

コロナ前後でリアル展示会にどのような変化があったのか、コロナ禍におけるリアル展示会出店成功のポイントについて詳しく説明いたします。

【講師】清永健一(きよながけんいち)
展示会営業®コンサルタント。中小企業診断士。(株)展示会営業マーケティング 代表取締役。奈良生まれ、東京在住。

神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。展示会やオンライン展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにそのノウハウを伝えている。

動画はこちらから

展示会という営業手法について

日本で展示会がどれくらい開催されているかご存知でしょうか。実は、大規模なもので年間800件ほど開催されています。つまり1日に2件ほど、大規模な展示会が開催されているということになります。ではなぜ、これほど多くの展示会が開催されているのでしょうか。中小企業にとっての展示会の重要性を解説していきます。

中小企業にとっての展示会

消費材を扱う企業の場合はWebを使った営業が可能であり、全国に拠点を持ち営業マンが何人もいる企業の場合はプッシュ型の営業が可能です。

しかし、産業材や中間材(部品)など、スペックインを前提とする商材を扱う中小企業の場合は、これら営業手法での顧客獲得は難しくなります。そこで非常に有効な営業手法が、展示会です。産業材や中間材(部品)を扱う中小企業にとって、展示会での営業は必要不可欠なのです。こういった理由から、多くの展示会が細分化されて開催されています。

展示会の良さ

細分化された展示会に来場する方は、具体的な課題をもった方が多いです。よって、中小企業にとっては効率が良く、効果も出やすい営業手法になります。

さらに、展示会という営業手法の特性上、

  • お金をかければ成果が出る
  • 人が多くいれば成果が出る

というものではないため、知恵と工夫によって中小企業でも大企業を凌駕できる可能性がある点も展示会の良さです。

コロナ前後の展示会の「変化」

ここからは、コロナ前後の展示会の変化に焦点を当てて解説していきます。

来場者減少でのプラスの効果

2020年3〜8月までは大規模な展示会がストップしていましたが、その後再開され、コロナ禍前と比較すると来場者は4割ほどになりました。

コロナ禍以前の展示会では、真剣味の薄い人も展示会に来場していました。つまり、“冷やかしのお客さんをどう捌くか”が裏テーマとしてあったのです。

しかし、来場者が4割に減少してからは、課題を抱えている方ばかりになりました。この変化により、“良いお客さんを少ない出展者で迎える”というおいしい状態になったのです。

ちなみに、2021年10月頃から来場者数は回復傾向で、現在はコロナ禍前と比較し、7割ほどに落ち着いています。

来場者の歩くスピード

もうひとつ、コロナ前後の展示会の変化として顕著なのが来場者の歩くスピードです。展示会への参加ハードルが上がった分、来場者は欲しい情報をしっかりキャッチして帰ろうという意識になっているため、歩くスピードがゆっくりになっています。

この変化に有効なのがブース前でセミナーを行うという手法です。顧客の課題解決が可能であるかをしっかり伝えることができるので、リード獲得に繋がりやすくなります。

展示会業界の今後の「展望」

リアル展示会、オンライン展示会といった選択肢が出てくる中で、今後の展示会業界はどのようになっていくのでしょうか。

リアルとオンラインのハイブリッド

今後の展示会はリアルとオンラインが合体した手法になっていくと考えられます。例えば、リアル展示会を3日間行い、その前後3ヶ月間はオンライン展示会を行うといった、リアルとオンラインそれぞれの特性を活かした手法を取り入れていく必要がでてくるでしょう。

リアル展示会の重要性

オンライン展示会は一定の信頼関係を前提として進めるべきものであり、企業と顧客のリアルな接点が必ず必要です。例えば、自社商品の動作性などをオンラインのみで全て見せることは難しいかと思います。さらに高額な商品をオンラインの場だけで契約するのも顧客にとってハードルが高いですよね。

よってリアルな接点の場は必要不可欠であり、そのため手法としてリアル展示会は非常に有効です。

展示会で成功するための「戦略」

ここからは、展示会出展を成功させるためのポイントを解説していきたいと思います。

スルーされるブースの特徴

何が展示されているのか一目でわからないブースはスルーされます。「ワンブース、ワンアイテム、ワンターゲット」という考え方が非常に重要です。さまざまな商品がある場合、きっかけとなる一つの商品を押し出すようにしましょう。

よくある失敗

よくある失敗のひとつに「なんでもやります!」というやり方があります。これでは、来場者側に自社がどう役立てるかを考えさせ、委ねる状態になっています。

展示会で必要なのは、「自社の技術を使ってこういうことをやりました!」「相手にこんな貢献をしました」といった顧客のベネフィットを伝える見せ方です。

​​展示会前にしておくべきこと

展示会をして終わりではありません。展示会前に次につながる作戦を立てるということが重要です。ホットな見込み客の中にも「今すぐ客」と「そのうち客」がいます。「そのうち客」にがんがん訪問して営業するのは効果的とは言えません。

「そのうち客」には、メールや動画を送るといったオンライン展示会的な施策を取ることで、相手のタイミングで買ってもらうのが得策です。

「今すぐ客」を逃さないフォローの仕組みと、「そのうち客」に忘れられないようにする長期フォローの仕組みを作っておくようにしましょう。

まとめ

展示会は、コロナ禍においても大変有効な営業手法です。リアルとオンラインをうまく使いながら受注までもっていく活動が非常に重要になってきています。

これから展示会を控えている出展者の方にとって、本記事が売上拡大につながる参考情報となれば幸いです。

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オンライン展示会のプロに聞く、製造業のための「オンラインセミナーで3倍受注する鉄則」

テクノポートの廣常です。2021年8月20日(金)に、弊社にて「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」というオンラインセミナーを開催しました。

近年、自社の認知度向上や新規顧客獲得の場としてオンラインセミナーを活用する企業も増えてきています。しかし、いざ自社で開催するとなると「どのように進めていけばわからない」とお困りの製造業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

現に、こちらの調査結果では地方BtoB企業の83.6%がオンラインセミナーの開催に至っておらず、その理由として「自社事業との相性が悪いと感じる」(35.9%)、「知識や経験がない」(20.7%)、「運営のノウハウがない」(19.6%)といった点が挙げられています。

そこで今回、「展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家」としてご活躍中の 株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様をお招きし、製造業のためのオンラインセミナー開催ノウハウ・受注を獲得するコツを伺いました。

今回はそちらのセミナーの内容を一部抜粋してご紹介いたします。

講師紹介

株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様

株式会社展示会営業マーケティング代表取締役。中小企業診断士。
奈良生まれ、東京在住。展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家。中小企業への売上サポート実績は1,300社を超える。展示会活用やオンライン営業に関して、テレビ等出演のほか、行政、公益法人、金融機関などで講演多数。著書の『中小企業の「DX」営業マニュアル ~「オンライン展示会」をきっかけにしたスムーズな営業改革術』他7作は、いずれもAmazon部門1位。

セミナー概要

オンラインセミナーをやるべき理由とは?

「コロナ禍の今だからこそ、営業時には心の距離を『密』にしましょう!」と軽快なトークから講演が始まりました。冒頭、清永さんは企業がオンラインセミナーを開催すべき理由の一つを「新規顧客との接点を持ちやすいから」だと話します。

「いきなりお問い合わせをするのはハードルが高いが、セミナーであれば…」と気軽に参加できるため、多数の見込み客と接点を持つチャンスとなります。オンラインのため、見込み客側が視聴する際の環境やエリアなども問いません。リアルの展示会よりもはるかに幅広いお客様とつながることができる、絶好の機会となります。

売り込み・商材説明はNG。「教える」ことに徹する

では、実際にはどのようにオンラインセミナーを実施すべきなのでしょうか。鉄則の一つとして、セミナーでは「教える」ことに徹するべき、と清永さんは述べます。

セミナーの参加者は、何かを知りたい・学びたいがために来ていることがほとんどです。そのため、自社の売り込みはもちろんのこと、商材の機能説明もNG。

「自社の商材によって顧客のどういった課題が解決できるか?」を考えた上で、セミナー内では参加者の課題(自社の商材で解決できるもの)を明確化するお手伝いをする。そこまでがセミナーの担う役割であり、明確化に至るまでに必要な情報や参加者の現状、改善点を「教える」ことが重要となります。

「断られる理由」を洗い出し、セミナー内でフォロー

講演内ではオンラインセミナーを開催するにあたっての手順も解説いただきました。

個人的に、特に印象に残ったのは下記のお話でした。

セミナー後のフォロー面談(営業活動)内で想定される、見込み客の懸念点や自社の商材が断られてしまう理由を洗い出す。そこで挙がってきた内容をセミナー内でフォローすべき。

対面での営業活動においても、顧客が抱えている課題や自社の商材に対する懸念点などに対してやり取りを交わすことがあるかと思います。ただ、商談中にそれら全てに対応することは難しいのではないでしょうか。

一方オンラインセミナーは、伝えたい内容をこちらのシナリオ通りに話せる良い機会です。「断られる理由」から逆算して話す内容を決め、セミナーの段階で見込み客の疑問・想定し得る懸念などをできる限り払拭しておく。これが後の営業活動の円滑化につながるのだ、と清永さんは話します。

オンラインならではのマナーや作法に注意

オンラインセミナーでは、オンラインならではのマナー、作法にももちろん注意する必要があります。

セミナー講演中、スピーカーは小さい画面枠で表示されていることが多いかと思います。話を聞いている参加者の集中力が切れないよう、そういった小さい画面枠でも身振り手振りを大きくして話すことが大事です。オンラインセミナーの場合、主催者側から参加者の顔や反応が見えないことも多いため、特に意識して対策しなければ見落としてしまう箇所かもしれません。

また、参加者にとっても得られる情報は画面やスピーカーを通じた映像、音声のみとなってしまいます。限られた状況下でも良い印象を与えられるよう、カメラの位置や照明など、細かい点にも配慮する必要があります。

まとめ

以上、2021年8月20日(金)に開催したオンラインセミナー「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」の内容を一部ご紹介しました。

  • オンラインセミナーは新規顧客との接点を増やすのに効果的
  • セミナー内では「教える」を徹底し、参加者の課題を明確化。売り込み・商材説明はNG
  • 「自社の商材が断られる理由、参加者の懸念点」をセミナー内で払拭すべき
  • オンラインならではのマナー、作法にも注意

こういったノウハウはセミナーのみに限らず、オンライン展示会やオンライン会議ツールを利用した商談など、あらゆる「オンライン」の場で活用できるかと思います。自社にてオンラインセミナーの開催を検討されている方、オンライン展示会での効果的な魅せ方を知りたい方はぜひ清永さんにご相談ください。

▶︎ 展示会営業ちゃんねる_清永健一公式
清永さんが運営されているYouTubeチャンネルです。リアル展示会のレポートやオンライン展示会・商談のコツに関する動画が盛りだくさんです。ぜひこちらもご覧ください。

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コロナ時代のオンライン展示会フォローを考察!失敗しないためにやるべきこととは?

マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、コロナ禍をきっかけに様変わりする展示会について取り上げます。

コロナ禍の影響で、展示会出展が制限され、オンラインへの切り替え/併用の動きが進みつつあります。まだまだ戸惑う声は多いですが、この1年試行錯誤され、オンライン配信も徐々に慣れてきた方が多いようです。

オンライン開催により場所の制約が外れたことで、「従来よりも集客できている」という声もちらほら聞こえます。特に、遠方から気軽に参加者できるメリットは大きいです。「Afterコロナでもオンライン展示会を継続してほしい」という声は大きくなりつつあるようです。一方、「リストだけは増えたけど、どうフォローしていいのかわからない」と悩む企業も多いという話を聞きます。

そこで本記事では、改めて展示会のフォローの方法をふりかえり、課題と改善ポイントをまとめたいと思います。

展示会フォローの課題

ではなぜ、「リストが増えているのに」企業は悩んでいるのでしょうか?それには大きく2つの理由が考えられます。

ひとつは、オンライン展示会では、メールアドレスや企業名だけのデータばかりがたくさん集まってしまい、肝心のニーズが拾えないことです。リアルで出展する企業が減り、仮にブースを構えたとしてもパネル展示が多く、展示デモの機会が減っています。会場で実際に目で見る環境が失われたことで、製品サービスに対するリアルなニーズが獲得しにくくなっています。その結果、会話したこともない客のリストばかり集まってしまうのです。

もうひとつは、イベント後のフォロー体制が組織的に整備されていないことです。これは従来からの課題でしたが、顔の見えない相手が増えたことにより、問題がより大きくなったといえます。

展示会フォローでやるべきこと

ここでは、一般的な企業が実施している展示会フォローを紹介し、活用にあたって注意すべきポイントをお伝えします。

見積もり・問い合わせ対応

展示会では、ブースで興味をもった来場者からサンプルや見積書の依頼を受ける機会がたくさんあります。当然の話ですが、依頼されたサンプル・見積書の送付などは速やかに行うべきです。そして、これはどの企業でも行っていることですが、withコロナ時代ならではの注意点があります。

それは、対面コミュニケーションが制限されていることです。従来ならば、営業がサンプルを直接持参し、お客様からニーズをヒアリングし、関係構築を図ることができていました。しかし、今は直接訪問が難しくなっているため、顧客との接点がとりにくい状況です。

こういうとき、オンライン商談の活用を積極的に行いたいところです。ただ、サンプルを届けるという名目がたたないこともあり、展示会が終わって熱も冷めた状態でアポイントを取ってもうまくいかないかもしれません。

こういう場合は、できるだけ前もって組織的に準備しておくといいでしょう。そうすることで、例えば担当営業でなくても、対応者が依頼時にオンライン商談の予約を促すことも可能です。タイムリーなフォローにつながるでしょう。

お礼メールの送付

展示会終了後に、来場者へのお礼を実施している企業は多いです。対応の早い企業だと会期後翌日には送付されます。このメール送付の際、注意したいポイントが2つあります。それはタイミングとコンテンツです。

まず、タイミング。できるだけ早い方がよいのですが、問題はどうやって早くリスト化するかです。通常、外部業者に依頼すると時間がかかることが多いです。来場規模にもよりますが、会期中に社内で電子化する方法を考えておくことをおすすめします。今は、スマホで写真をとって管理できるツールも豊富にあります。無料でcsvにダウンロードし、ハウスリストにすぐ移植できるものもあるので便利です。

メールのコンテンツも重要です。情報を詰め込み過ぎず、シンプルに伝えるのがいいでしょう。単なる挨拶メールや売り込みだけの内容は避けた方がよいです。来場者の目的は情報収集なので、会場のナマの声を提供すると喜ばれます。とはいえスピード重視なので、制作に時間をかけられません。会期前に大枠の内容を決めておき、会場情報は部分的に使えばよいでしょう。

展示会特設サイト

出展内容の関連資料や動画をコンテンツにしてWEB上に特設サイトを設ける企業もここ最近増えています。カタログやリーフレットをダウンロードできるようにし、行動履歴をもとにフォローしている企業もあります。

このとき気を付けたいのは、来場者の流入経路です。流入経路は、オンラインとオフラインの2パターンあります。配布チラシなどの紙媒体は足跡が追いにくいため、QRコードやサイトのURL、検索キーワードを併記しておくといいでしょう。ただ、個人情報の獲得のために、過度に登録を促すと敬遠されるのでバランスには注意したいものです。

マイページなど会員サイトを活用して、顧客限定の情報を発信するのもよい方法です。マイページというと、コストがかかるイメージがありますが、現在はワードプレスのプラグインや、クラウドサービス活用で予算がなくても設置できます。コンテンツ制作リソースがなければ、顧客限定で見せている営業用の情報をデジタル化する手も有効です。

展示会フォローにおける注意点

従来のリアル会場での展示会の場合、来場者との接点は会話が中心でした。一方、オンライン展示会では、来場者のWEBサイト上の行動を閲覧履歴から追うことになります。

そのため、オンライン展示会を行う場合、従来以上に組織的行動とルール決めが重要になります。これは、リアルと併用する場合も同様。会場のリアルとネット上において、どういう行動をとる顧客を誰が・どうフォローするかを事前に決めておく必要があります。

そうすることで、担当営業でなくてもあらかじめ決めたルールをもとに、適確かつ迅速な営業フォローが可能になるのです。

一番重要なのは継続すること

展示会の目的は、「新規見込み客」を増やし、売上を拡大させることにあります。普段会えない見込み客にアプローチする場として、展示会はとても有効です。しかしながら、展示会の開催時期と顧客のニーズが発生する時期が一致するとは限りません。漠然とした興味はあったとしても、それが購買行動につながることはむしろ少ないといえるでしょう。

それにもかかわらず、一度話を聞いて、具体的なニーズが聞けないとその場で終わってしまう企業が多いようです。営業担当者からみると、いつ実需が期待できるのかわからない顧客をフォローするよりも、足元の需要が見えている顕在客に目が向いてしまうのは当然の話でしょう。しかしそこで接点が切れてしまうと、顧客のニーズが顕在化した際に気が付かず、せっかくの機会がムダになってしまいます。

だからこそ、一度つないだ接点を切らさずに、関係性を維持することが重要なのです。新製品の情報やお役立ち情報をデジタルの手段を使って発信し続けることで、ゆるく関係性を維持できます。できるだけ、顧客の関心テーマに沿ったパーソナライズコンテンツを発信しておくといいでしょう。そうすることで「顧客がその気になった」ときにタイムリーな提案ができるようになります。

まとめ

コロナ時代で展示会でもオンライン開催の動きが進んでいます。場所の制約が外れたことで利便性が増し、集客に寄与している一方、リアルなニーズの把握が難しい顔の見えない来場者が増えています。

こうした環境の変化を踏まえ、来場者へのフォローのやり方もデジタル接客をうまく活用することが求められます。フォローの手段としては、問い合わせ対応やお礼メール、フォロー用の特設サイトなどがあります。どれも基本的には従来のリアル展示会でも実施してきたことですが、従来に比べ、より組織的かつルール化されたフォロー施策が必要になっています。

展示会開催は手段であり、目的は営業活動の起点となる新しい接点の創出です。つながりを維持するための継続コミュニケーションがなにより重要になります。

テクノポートはこうしたデジタルコミュニケーション施策に関する様々なサポート活動を行っています。ぜひご相談ください。

オンライン展示会の良さを検証「TECHNO-FRONTIER」に参加しました

テクノポートの井上です。展示会に代わる新たな営業手段として、今急速に注目を集めているのがオンライン(バーチャル)展示会です。その先駆けとして、9/8~9/18に「TECHNO-FRONTIER」がオンライン展示会として開催されました。今回は実際に参加した体験をもとにオンライン展示会について考察しました。

従来の展示会とオンライン展示会の違い

展示会の良い点は、多くの会社の製品を手に取って見ることができ、対面での会話ができることだと思います。反面、情報収集に関してはWebを通じた手段の方が、より多くの情報を入手することができます。では、そのメリット、デメリットをオンライン展示会に切り替えた場合に、どのように機能するのでしょうか?

TECHNO-FRONTIERとは

オンライン展示会

引用:TECHNO-FRONTIER バーチャル展示会2020

TECHNO-FRONTIER は、モータ/電源/センサなどの要素技術をはじめ、製品設計に関する幅広い製品・技術の展示と、最新技術動向が学べるシンポジウムが同時開催するオンライン展示会です。毎年、幕張メッセにて開催されていましたが、現状のコロナ禍の影響により、今年はオンラインに切り替わりました。

例年400~500社が出展していたことから比べると、120社程度と今年の出展社は少ないようです。展示会場を押さえ出展準備を計画していたところに、急遽オンラインに切り替えたのですから、仕方ない部分はあると思います。むしろコロナ禍により製造業のPRの場が少ない中、このようなPRの場を迅速に作って頂いたことは大変ありがたいことだと思います。

開催期間が長いのはオンライン展示会の特徴のようです。今回の展示会は9/8~9/18(土日含まず)、本日までの計8日間の開催です。

参加してできること

基本的には以下の2つです。

講演・セミナーの視聴

毎日4コマ(計32コマ)の講演が組まれています。ひとつの講演が30~40分ほどですべて無料で視聴できます。

各出展ブースへの訪問

各ブースへの訪問でできることは下記の内容です。各会社によって、対応項目は若干異なりました。

  • オンライン商談
  • 展示サービスの資料/動画の閲覧
  • 企業情報の閲覧
  • 資料ダウンロード
  • アンケート
  • お問い合わせフォーム
  • お気に入り追加

残念ながら、チャット機能は無く、オンライン商談については、その場で商談できるというものではなく、予約をとって後日という流れでした。

良かった点

  • 移動の手間無し、すぐに参加、何度でも参加できる
  • 気になる講演を選んで、気軽に参加できる
  • 必要な情報のみをじっくり見られる
  • コロナ感染の心配無し

特に講演はこれからはオンラインで良いのでは?と思うぐらい気軽に参加することができました。途中参加、途中退出も可能です。必要なところだけ聞くということもできます。

気になる点

  • 実物を手に取ることができない
  • その場での商談、雑談ができない
  • 臨場感や人が集まっている製品に注目する等、自分の目的以外から気付きを得る機会が少ない

通常の展示会に慣れているせいで、展示会に来たという感じはせず、当たり前ですがWebを閲覧しているという感覚です。通常のHP等の閲覧と何が違うのか?というと少し違いがわからなくなりますが、様々な企業を横断的に閲覧できるという利点があると思います。ただ、その場合に展示会である必要があるのか?技術を横断的に見れるポータルサイトでも良いのでは?という新たな疑問が生まれ、オンライン展示会の立ち位置がまだはっきりしない気がしました。

実物を手にとることができないという点についてはどうしてもクリアにならないと思いますが、下記の2点が満たされていれば、オンライン展示会の優位性が出るのではと考えます。

  1. リアルタイムで情報交換できる(チャット機能等の搭載)
  2. 横断的に技術を調べられる(技術ベースでの検索システムの導入)

最後に

コロナ禍でなかなか展示会に出展しづらい、そもそも展示会が開催されない、出展しても来客が見込めないかもしれないという状況が続いていますが、従来の展示会自体のあり方を考えるタイミングに来ているとも言えます。

例えば、有名な話では2019年の東京モーターショーでは、アウディ、ポルシェ、ボルボ、BMWなど海外ブランドのほぼ撤退しました。SNS等のメディアの台頭により、行かなくても情報を入手できる時代が来ており、費用対効果の面を見直す企業が増えているためです。

反面、オンライン展示会では合理的に感じる一方、出展する側、参加する側、どちらも目的意識を持った参加でないと意味が無いものになります。例えば、参加する側は、目的が無くとも眺めている中で新しい気付きや発見があったり、出展社側も近くのブースに挨拶するところから商談が生まれたり、というような偶発性が無いのがオンラインです。

一長一短がありますので、うまくどちらも組み合わせた展示会が今後は期待されていると思います。以上、オンライン展示会「TECHNO-FRONTIER」に参加しての考察でした。出展社側目線での考察はまたの機会できればと思います。

最後になりますが、今回の様なオンライン展示会にご興味がある方に向けた無料セミナーのご案内です。

セミナータイトル:オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則

~ウィズコロナでも新規顧客を獲得する方法とは?~

日時:2020年9月29日(火)13:30~14:30

セミナー詳細URL:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/seminar/23030

ご興味ある方はお気軽にご参加ください。