2019年2月20日(水)に弊社主催のセミナー「TECHNO-PORT TALK NIGHT」の第4回を行いました。
今回は株式会社浜野製作所の浜野社長に、書籍まで出され活躍されるようになった「新しい仕事を生み出し続ける町工場の秘密」について講演して頂きました。講演会に参加できなかった方にも浜野氏の考え方を知っていただくため、講演内容をまとめました。
1.浜野製作所の紹介
浜野製作所は東京都墨田区に本社を構え、板金・プレスを中心とした金属加工業を営み、区内外に幅広い製造ネットワークを築き、製品開発支援まで手がける会社です。
当初はプレス加工による量産品で、先代より引き継いだ浜野製作所は2000年に隣の家の火事から工場が全焼しています。工作機械もすべて失ったため、蹴っ飛ばしプレス2台を購入し近くの工場を借り、焼けた工場から金型を回収し磨き、加工を再スタートしたそうです。当時、社長と従業員1名の計2名から再スタートし、今では従業員約40名、優れた町工場として天皇陛下がご視察にいらっしゃるほどの企業に成長しました。
これほどの成長の要因は??
成功させるためには経営戦略がすごいのでは?と思っていたのですが、今回のお話はそうではありませんでした。もちろん儲かる仕組みを考えビジネスモデルを構築することも重要で、その仕組みを作ってらっしゃるのですが、それ以前のマインドの部分に成功の秘訣があるように感じました。どのような良い仕組みや戦略を作ってもそれを実行するのは人です。どんな姿勢で仕事に取り組んでいるか?その方向性と本気度に人を引きつける魅力を感じました。
浜野製作所の経営理念
浜野製作所の力の源はこの経営理念に現れています。2000年以降様々な苦労の中で、地域の皆様、お客様、スタッフから受けた恩とその感謝の念を忘れずに絶対に還元できる会社になる!!という決意表明が経営理念となっています。お客様に対しては決して裏切らない姿勢、地域の方々に協力したいと思っていただける姿勢、スタッフを大事にするという姿勢が込められた素敵な経営理念だと思います。その理念を掲げ、自らが先陣となり行動に移し、その理念に共感した従業員が集い同じ思いで行動する。そのため、浜野製作所には高学歴の人も多く在籍しています。前回のHILLTOPの山本副社長の講演の際にお聞きした「楽しくなければ仕事じゃない」という行動指針もそうでしたが、共感できる何かがあると大手も中小も関係なく人は集まるものだと感じました。
今回の講演で「普通の板金屋さんと浜野製作所の違い」は何かを考えると、ここが一番違うのではと思うポイントでした。掲げた理念を曲げずに社員一丸となって本気に取り組めるかどうかです。
その基盤を作りながら、何に対してどのように取り組むか?も重要です。取り組みについては数が多すぎて全てご紹介は難しいので良ければ浜野製作所HPをご覧ください ⇒浜野製作所HPはこちら
Garage Sumida(ガレージスミダ)
Garage Sumidaは、創業から40年以上にわたり墨田区で板金・プレスを中心とした金属加工業を営み、区内外に幅広い製造ネットワークを築き上げてきた株式会社浜野製作所が運営するものづくりの総合支援施設です。
電気自動車HOKUSAI
東京スカイツリーの開業に合わせ、墨田区、早稲田大学、弊社をはじめとする墨田区の中小企業の産学官連携より観光型都市の環境に配慮した次世代モビリティの開発を目指し、電気自動車プロジェクトがスタート。地元ゆかりの浮世絵師、葛飾北斎にちなんで「HOKUSAI」と命名されています。
深海探査艇 江戸っ子1号
町工場の夢を乗せる「江戸っ子1号」は、厳しい状況に置かれた中小企業の「下請け体質からの脱却」や「町工場に眠る技術の継承」を大きな目的としています。
アウトオブキッザニア
日本のモノづくりを支えてきた町・すみだの下町文化と伝統の技を体感する職人体験プログラムとして、墨田区版のキッザニアがスタートしました。
配財プロジェクト
地域産業の「廃材」を「配財」にかえ新たなビジネスモデルを創造するプロジェクトです。
最後に
今回のセミナーではすべての取り組みをご説明頂くには時間が足りず触りの部分のみでした。気になる方は書籍も出されているのでぜひそちらもご購読頂けたらと思います。
ちなみにAmazonでよく一緒に購入されている商品を見てみたら弊社が最近セミナーを開催した「HILLTOP様」と「吉原精工様」3点セットで購入されているようです(笑)3点セットで読み比べてみてはいかがでしょうか?