競合サイトの簡単なチェック方法

テクノポートの永井です。製品や技術を販売する上で、重要なことの一つに競合調査があります。競合調査をすることで、競合が提供する製品やサービスの強みと弱点を把握し、自社のマーケティングを有利に進められます。これは製品やサービスだけではなく、Webサイトでも同様のことが言えます。今回はWebサイトの競合調査について、基礎から応用までしっかりとお伝えしていきます。

競合サイトをチェックする理由

はじめに競合サイトをチェックする理由について解説します。

自社の立ち位置を明確にする

ほとんどの市場では、自社がその市場を独占することは難しく、大抵は他社との競争を通じて市場を分け合う状況になります。そして自社が目指すのはシェアの拡大になり、シェアを拡大するためには競合に勝たなければなりません。

競争相手に対抗するためには、自社製品の価格、品質、機能、サービス、ブランド力など、お客様にとって魅力的な要素が他社製品と比較してどのように優れているかを明確に示すことが重要になります。

つまり、競合は自社の製品の善し悪しを決めるための比較対象となります。

競合と比較することで、自社の製品がどのように差別化されているのかを理解できるようになり、自社の立ち位置が明確になります。そして、その中で出てきた強みをお客様に対して効果的にアピールすることで販売力が向上し、その結果シェアを拡大できるようになります。

もし競合調査をしなければ、自社の強みを知ることもできず、結果としてお客様へのアピールが弱くなってしまいます。そのため、マーケティングにおいて競合調査は非常に重要です。

マーケティングの質を高められる

マーケティングの戦略を考える際、SWATや3C分析などさまざまな手法を検討します。その手法の中で重要とされているのが市場と競合です。

市場、つまりお客様が何を求めているのか検討し、それに対して競合がどのような製品やサービスを展開しているのか把握する。その上で、自社の製品をどのように訴求すると競争相手に対して優位に立ち、お客様の関心を引きつけることができるのかを予測することで、市場シェアを拡大する戦略を立てます。

競争相手を理解することは戦略の品質を向上させ、結果として市場シェアの拡大可能性を高めます

リアル競合とWeb競合の違い

これまで競合と伝えてきましたが、競合には大きく2種類あります。一つが「リアルな競合」で、もう一つが「Web上での競合」です。

リアル競合は、競合と聞いて名前が上がるところです。実際に比較対象されるケースが多く、お客様から競合の名前が出るときもあると思いますので、調査するのは比較的簡単です。一方でWeb競合は見つけるのが難しく、意識していない企業も多いと思います。

Web競合は定義が難しいのですが、ここではGoogleで自社の強みを含むキーワードで検索したときに、検索結果の上位に表示される企業をWeb競合とします。

お客様が製品やサービスを探しているとき、既存取引先で解決できる場合とできない場合があります。できる場合は既存取引先に依頼しますが、できない場合は新規で企業を探します。そして、そのときの方法の多くが「インターネットでの検索」です。

ネット検索は下記の手順で行われます。

  1. 解決できる企業を見つけるためのキーワードで検索をかける。
  2. 検索結果の上位から数社をピックアップする。
  3. サイトの内容を確認し、2〜3社に絞って問い合わせをする。
  4. 実際に打ち合わせをして、可能そうであれば発注する。

ネット検索でお客様とつながるためには、検索結果の上位に表示され、かつ内容を認められなければなりません。つまり、そこには「競合」が存在するのです。

特殊な技術や製品など、市場が小さく競合数も少ない場合は、リアル競合しか見る必要はありませんが、汎用的な技術や製品の場合はWeb競合も想定したマーケティング戦略が必要になります。

そして、今回はWeb競合の調べ方について、簡単な方法から応用までご紹介します。

競合サイトのチェック方法(簡易編)

Googleで検索でWeb競合を見つける

まずはWeb競合を見つける必要があります。

Web競合の定義は、下記の通りです。

自社の強みを含むキーワードで検索したときに、検索結果の上位に表示される企業

具体的には

  • 大物 切削加工
  • 難削材加工
  • プラスチック 試作
  • 銅 プレス加工
  • 無線 デジタルトルクレンチ
  • PTFE めっき
  • 鋳物 加工
  • 筐体 組み立て
  • 原反 スリット加工
  • 産業用 インクジェットヘッド
  • 集光レンズ
  • マテリアルスキャン
  • ガラス入り樹脂 成形
  • エアーノズル 省エネ
  • 高精度 オペアンプ

など、1〜2単語を組み合わせて検索し、その検索結果の上位に表示されるのがWeb競合になります。また、検索キーワードを変えると競合も変わりますので、できる限りさまざまなキーワードで検索してみてください。

また、検索結果の上位に自社サイトが表示されない場合、お客様から自社を見つけてもらえないため、上位に表示されるようにWebサイトを修正する必要があります。この上位表示対策のことをSEOといいます。詳細は下記ページをご覧ください。

参考記事

製造業のためのSEO対策・完全ガイド

サイト全体のデザインやボリュームを見る

では、競合サイトが決まったら実際にそのサイトにアクセスしてみてください。

はじめに行うのが、サイト全体のデザインの確認です。お知らせのところにサイトのリニューアル時期などがあったら、そこもチェックしてみてください。

ここで確認したいのが「競合がWebに力を入れているかどうか」です。

競合がWebサイトに力を入れていない場合、Webサイトのデザインは古く、情報も更新していない場合があります。このような場合は安心して見守りましょう(ただし、貴社がWebサイトを入れていない場合、力を入れることをおすすめします)。

注意すべきは競合がWebサイトに力を入れている場合です。サイトのリニューアルも数年以内で、更新頻度も高く、情報も盛りだくさんで、パッと見の印象も良い場合は警戒しなければなりません。

キャッチコピーを確認

競合がWebサイトに力を入れていると判断した場合、まず確認するのはキャッチコピーです。

キャッチコピーには主に下記の2種類があります。

  • 志系キャッチコピー:会社が目指したいものを表す
  • 強み系キャッチコピー:自社の強みを表現する

他にも採用系キャッチコピーなどもありますが、ここでは関係がないため、この2種類に絞ります。

志系キャッチコピーは、多角的な事業を行っている大手企業などが使うことが多いキャッチコピーです。

志系キャッチコピーの例

  • THE POWER OF DREAM
  • Invented for life
  • Eat Well, Live Well.

志系キャッチコピーは企業のイメージや目指す先、実現したい世界感などを伝えるのには向いていますが、自社の強みを表すのには少し抽象的になりすぎてしまいます。

そこで、出てくるのが強み系キャッチコピーです。

強み系キャッチコピーの例

  • 絞り加工技術のパイオニアとして「できない」を「カタチ」に変える
  • 次世代鋳造模型DXモールド-ダイモール式3Dプリント鋳造模型-
  • 世界トップレベルの三次元画像測定機

強み系キャッチコピーの場合、キャッチコピーを見ただけでその企業が何を得意としているのかわかります。

お客様がサイトを探す際、このキャッチコピーは記憶に残りやすいです。そのため、Webサイトの目的が新規お客様開拓をすることであれば、キャッチコピーは強み系キャッチコピーにしたほうがよいでしょう。

そして、もし競合企業がこの強み系キャッチコピーを使っており、更にその強みが自社とバッティングする場合は注意が必要です。

強みを確認

Webサイトの全体感を見て、キャッチコピーを確認したら、次に強みを確認します。強みはWebサイトのメニューで確認します。メニューに「強み」「特徴」という項目がありますので、まずはそのページを確認します。

確認のポイントは技術を強みとしているのか、サービスを強みとしているのかです。技術を強みとしている場合、具体的にどのような技術なのかを数字で確認します。例えば、精度、大きさ、材質、複雑さ、製品の機能などです。また、技術を強みにしている場合は技術専用のページを作っていることが多いため、そちらも合わせて確認します。

次に、サービスを強みとしている場合です。例えば、短納期、低コスト、高品質などです。確認するのはそのサービスができる根拠、エビデンスです。短納期を実現するために何を行っているのか、品質を改善するために何を行っているのか、そういったエビデンスがきちんと掲載されている場合は、Web上での強い競合になる可能性が高くなります。

また、自社の技術やサービスと比較して、どこが勝っていて、どこが劣ってるのかも確認しましょう。

SEOに力を入れているかどうかの確認

最後に、SEOに力を入れているかどうかを確認します。

SEOに力を入れている場合、大体「コラム」「ブログ」「技術まとめ」みたいなものがメニューにありますので、そこを確認します。

確認内容は、記事の本数と内容です。記事の本数が30本以上ある場合は、SEOに力を入れている可能性が高くなります。特に記事内に目次があって、文字数が2000字以上で、「◯◯とは」という見出しがあれば、SEOを行っている可能性が高いです。

SEOに力を入れると、検索結果の上位に表示されるようになります。検索結果の上位にいればいるほどアクセスは増え、10位よりも順位が低い場合ほとんど見られなくなります。

つまり、SEOに力を入れている競合の数が多ければ多いほど、自社のサイトの順位は下がり、結果お客様からアクセスされなくなります。

そのため、競合がSEOに力を入れている場合は、自社もSEOに力を入れなければならなくなります

Web競合を簡易的に調査する場合は、こういった内容を調べていきます。大切なのはざっと見た感じで信用できる企業かどうかを確認した上で、強みや訴求内容を自社と比較することです。

競合サイトのチェック方法(上級編)

ページ数の調査

まず競合サイトの規模を見るために具体的なページ数を調査します。

ページ数が多いサイトは集客力も高く、さらにSEOに力を入れている可能性も高いため強いサイトになります。ページ数を知ることで、自社のサイトの規模をどこまで大きくする必要があるかなどの目安にします。

Googleの検索ボックスに「site:(調べたいドメイン名)」を入力するとページ数が出てきますので、一度確認してみてください。

流入キーワードの調査

次に、流入キーワードの調査を行います。

どういったキーワードで流入してくるのが多いのかを確認することで、SEO対策すべきキーワードを洗い出します。

つまり、検索結果で自社サイトを競合サイトよりも上に表示させることで、競合サイトの流入数(アクセス数)が下がります。もちろん大幅に下げることはできませんが、一つでも順位を下げることができれば、自社はお客様との接点が増え、競合は接点が減ることになるため、新規お客様を獲得しやすくなります。

1つのキーワードでは効果は薄いですが、複数のキーワードでこの対策をすることで、長期的に大きな効果を生み出すことができます。

ツールの参考サイト

競合サイト分析ツールの紹介

被リンクの調査

次に被リンクの調査です。被リンクとは、他社サイトに掲載された自社サイトのリンクのことをいいます。被リンクが多いとSEOが強くなったり、アクセス数が増えたりする一因になります。

ここで調べたいのは、まとめサイトなどに競合のサイトが載っているかどうかです。信頼性の高いまとめサイトの場合、そこを起点に問い合わせにつながる可能性があります。そのため、競合サイトが掲載されているまとめサイトに自社の掲載を依頼するようにします。これにより、まとめサイトからの流入を増やせるメリットと、競合サイトへの流入を減らせるメリットがあります。

調べ方は有料のツールがあります。

ツールの参考サイト

競合サイト分析ツールの紹介

リード獲得ページの調査

最後に、リード獲得ページの調査を行います。

リード獲得ページはお問い合わせ以外にも、資料ダウンロードなどがあります。資料ダウンロードでダウンロードした人に後追いでメールを送り、コンタクトを取ることで営業の機会を増やし、受注につなげます。

そのため、競合がどのような資料を作っているのかを調査して、自社も同様の資料を作ったり、もしくはさらに深い情報を入れて競合と同じだけリード情報が集まるようにしたりします。できれば、競合の資料をダウンロードしてみてください。

自社サイトへフィードバック

以上を踏まえた上で、競合の調査結果を自社サイトにフィードバックしていきます。

具体的には

  • 完全リニューアル
  • キャッチコピーの変更
  • 訴求ページの変更or追加
  • 強みページの変更
  • SEO用のコラムの追加
  • 資料ダウンロードの追加

などになります。どれも費用はかかるため、できるところからスタートしていくことをおすすめいたします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。競合の調査を行い、その結果を自社サイトへ反映することにより、競合に流れていた顧客を自社へと取り込む可能性が高まるでしょう。今回は簡単な方法と少し難しい方法を紹介しました。テクノポートでは製造業専門でWebマーケティングを行っていますので、Webのことでお困りでしたらいつでもご相談ください。

参考ページ

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インパクトよりもわかりやすさ。メインビジュアルの構成要素

こんにちは。テクノポートの渡部です。ホームページ制作をする際にまず作るのがTOPページですが、その中でも最も重要なコンテンツが「メインビジュアル」です。弊社が開発をしているWordPressのテーマのデモサイトでいうと下記の部分です。

本日はこのメインビジュアルを作成する際に重要な事と、どういった構成にすればいいのかについて解説します。

ダメな例

構成を説明する前に、メインビジュアルを構成する際にダメだと思う例から紹介します。

会社の外観写真や近隣の風景画像

立派な社屋、自然との融和などを見せたい気持ちはわかりますが、ユーザーはそこあまり興味はありません。興味があるのは御社は何ができて、何が強みで、自社の課題を解決できるかどうかです。

自社で撮影していないフリー画像

写真のクオリティに自信が無いからと著作権フリーの画像を使うと、汎用的なイメージにはなってしまうので、没個性なホームページになってしまいます。見た目は確かに整いますが、印象には残りづらいです。

大量のスライド

伝えたい事や、商品のラインナップが多く、5個以上のスライドを使ってしまうと、4枚目以降は見られる可能性がぐっと下がります。企画段階で的を絞れていないということが問題なので、自社の強みの的を絞り多くても3枚ぐらいまでに抑えましょう。

メインビジュアルに必要な構成要素

ダメな例を記載したことでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、必要な構成ポイントは下記の3つです。

  1. 何を加工、製作しているか一目でわかること
  2. 自社の強みとするポイントがわかること
  3. 伝えたい事を補完するキャッチコピー

基本的はこの3つになります。具体的には下記の様な事に気をつけて作成をして頂けたらと思います。

1、何を加工、製作しているか一目でわかる写真

機械加工の会社であれば、切削中の加工写真や、切削加工されたとわかる製品の写真、装置製造の会社であれば、代表的な装置の写真がわかりやすいです。板金加工の会社であれば、タレパン、ベンダー、プレスと色々ありますが、レーザー加工中の写真があれば、板金加工であることを伝えるとともに、火花によるインパクトを追加できます。

2、自社の強みとするポイントがわかる写真

精密な加工を強みとして押し出すのであれば、それがわかる製品の写真。品質保証体制であれば検査中の人々の写真などがわかりやすいです。

写真に関しては、上記2つが同じになることもあれば、別々になることもあると思うので、1枚にまとめてもいいですし、数枚(多くても3枚程度)に分けてスライドさせてもいいと思います。

3、伝えたい事を補完するキャッチコピー

技術を伝える場合も、自社の強みを伝える場合も写真に添えてキャッチコピーはメインビジュアルの中に入れておきましょう。キャッチコピーについてもわかりやすさを追求したほうがいいので、作り方についてはこちらを参照してください。

弊社制作の事例

株式会社協友製作所

引用元:株式会社協友製作所

摩擦攪拌接合という希少な加工をアピールするための加工時の写真と、それによって提供できる価値をキャッチコピーで補完しています。

株式会社ソーケン

引用元:株式会社ソーケン

「的はずれな問い合わせや相見積もりはいらない。技術的に本当に困っている会社からのみ問い合わせが欲しい」という要望がありました。そのために、訪れた方ユーザーが、ここなら安く頼めそうだとは思われない、ここだったら技術に自信のある会社だから頼めるかも?という期待感を持たせるためのキャッチコピー、画像を制作及びサイトづくりをしています。そして期待通りの効果を実現しています。

メインビジュアルの作成に一番重要なのはコンセプトの設定です。誰に何を伝えたいかを決め、それを表すために、メインビジュアル及び、キャッチコピーがあります。弊社ではホームページ制作において、メインビジュアルの作成前のコンセプトの決定から携わらせて頂いており、弊社開発のテーマを購入の方にはメインビジュアルの作成も承っています。ホームページの制作にお困りの方は是非ご相談下さい。

顧客に刺さるキャッチコピーとストーリーの作り方

こんにちは、少し前になりますが、先日BtoBマーケティングに関してのセミナーに参加してきましたので、その中でも特に参考になったキャッチコピーとストーリーの作り方について、皆様にシェアしたいと思います。

キャッチコピーとストーリー

BtoBのサイトを設計する際にキャッチコピーとストーリーは非常に重要な要素になります。キャッチコピーは顧客の心をつかむもの、ストーリーは自社の強みを効果的にわかりやすく伝えるものです。キャッチコピーはサイトに大きく載せることも多く、作成に頭を悩ませている方も多いかと思いますが、ストーリーを考えたことはないかもしれませんので、今回是非考えてみてください。

キャッチコピーの作り方

まずキャッチコピーについてですが、弊社としても以前に紹介をしているので、こちらも参考にして頂き、重要なポイントを2つだけ紹介させて頂きます。

×抽象的、〇具体的

心に残るフレーズでオシャレなものをと考えがちですが、BtoBのマーケティングの場合はできるだけ具体的な文言を使った方がわかりやすいです。

  • 抽象的な例:精密な機械加工
  • 具体的な例:複雑形状鋳物の機械加工

×機能訴求、〇課題解決

また、キャッチコピーに押し出したい機能のフレーズを使いたくなりますが、それよりも顧客目線に立った課題解決型のキャッチコピーの方が心に刺さります。

  • 機能訴求の例:設計から加工、表面処理まで一貫生産
  • 課題解決の例:別々に発注する必要がなく、窓口一つですべて対応

上記の2つが満たされていればオシャレな文言でなくても顧客の心に残るキャッチコピーになります。

ストーリーの作り方

製造業のホームページには「自社の強み」といったページが構成されていることがあります。いわゆるこれがストーリーと呼ばれるものになりますが、下記の流れで構成されているものです。

  1. 問題提起
  2. 結果
  3. 実証
  4. 信頼
  5. 安心

の順番です。

「自社の強み」ページにこの中の実証の部分だけが書かれているページを見かけますが、それでは見た人に「だから何なの?」と思われてしまうことがあります。しっかりとした納得のいくストーリーをこちらから提示する必要があります。具体的に見ていきましょう。

1、問題提起

いきなりですが、最重要ポイントです。自社の強みが最大限生きるような状況を洗い出し、問題提起を考えてみてください。ここでは例として、自社の強みを「単品、小ロット対応とする会社」を想定してみます。その場合、下記の様な文面です。

  • 1個から対応してくれる会社が見つからない。
  • テストのために小ロットで数種類製作しなければならない。
  • ロットが少なすぎて金型を起こすにはコストが合わない。

といった文面です。ここでのチェックポイントは、実際に依頼する側の気持ちに立って、その人が実際に直面してそうな内容にすることです。あくまでの顧客目線で考えてください。

2、結果

上記の問題提起に対して、自社が解決できる内容を端的に表現します。上記の例で言えば、

  • 「試作専門の体制だから、1個、小ロット大歓迎でお受けします。」

といった感じです。自社を選んでもらった際に顧客にもたらすメリットをダイレクトに伝えるような文面で、別途作成したキャッチコピーとも内容が相違しないように気をつけてください。

3、実証

実証の部分は、上記の結果を出すための理由です。具体的な数字などを用いて最初の問題提起に対しての回答をする感じです。

  • 弊社の受注の約80%のロットが1個単位
  • 試作専門20年以上のノウハウで種類違いの製作にも難なく対応
  • 自社独自の金型レス化技術により、小ロットでも対応可能

といった形です。「自社の強み」のページでここを大々的にアピールしている会社がありますが、それが顧客の問題を解決できなければ顧客には刺さりません。

4、信頼

ここまでくれば、あとは自社の技術の実績を知ってもらうだけです。製造業のサイトの場合は実際の加工実績がこの役割を果たします。今回の例の様に単品・小ロットを打ち出すのであれば加工実績の詳細に、ロット数を入れることも考えてみてください。これは量産を打ち出す時にも使える手法です。

5、安心

BtoBのマーケティングの場合、一般的にはホームページを見て初めてその会社を知ったということも珍しくありません。会社情報にはしっかりとした情報を掲載するとともに、取引先に大手の名前があるとより安心感を与えることができます。会社情報のページの内容に関してはこちらでも紹介していますので参考にしてください。

ストーリーを作っておくことのメリット

ストーリーを作っておくと下記様なメリットがあります。

分かりにくい自社の技術をわかりやすく伝えることができる。

価格や、わかりやすい機能などで勝負できないBtoBの場合は、このストーリーを作っておくことで、自社の強みをわかりやすく顧客に伝えることができます。また場合によっては、競合他社との比較検討にもならずに、自社に仕事の依頼が来ることもあります。

ストーリーだけで営業になる。

BtoBの場合は、営業担当がいないところで協議されることも多いので、ストーリーをしっかり作っておけば、それだけで自社を理解してもらえることになります。

一貫性のあるマーケティングができる。

あれもこれも、と事業範囲全体をアピールしようとしがちですが、このストーリーを作っておくことで、自社の強みを最大限活かせるようになります。また、パンフレット、展示会出展などにも反映させることで一貫性のあるマーケティングができます。

 

いかがだったでしょうか?キャッチコピーについてはサイト制作時に作る方も多いと思いますが、ストーリーに関しては、作ったことがない方も多いのではないでしょうか?これまでにストーリーを作ったことがない方は、自社のサイトに掲載するかしないかは別として、一度作成してみる事をお勧めします。