海外向けGoogleリスティング広告の運用戦略を徹底解説

テクノポートの稲垣です。現在「海外Webマーケティング」のサービス責任者を務めています。

この記事では、海外向けのGoogleリスティング広告の運用戦略について、解説します。

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Google広告を選ぶメリット

まず数ある広告媒体の中でも、個人的にGoogle広告が優れていると思う点を紹介します。

1. 機械学習の精度の高さ

定量的にどこがどう優れているという議論はできませんが、やはりGoogle広告の機械学習の精度は、年々高まっていると感じます。

特に記事後半でも解説する「自動入札戦略」を適用し、一定の期間運用を続けることで、管理者側で細かくチェックをすることなく高い水準でコンバージョンを獲得してくれる印象があります。

この機械学習の精度の高さは、Googleに所属するエンジニアの技術力の高さはもちろん、世界中のGoogleユーザー、Google広告運用者から膨大なデータを集めれることが大きく関係していると考えます。(データ量が多ければ多いほど、学習のスピードも精度も高まるため)

また一昔前まで、無駄クリックが増えることで嫌煙されがちであった「部分一致」によるキーワード入札も、現在では自動入札戦略と組み合わせて使用することで効果が出やすいキーワードとGoogle公式でも推奨されています。

部分一致キーワードでスマート自動入札キャンペーンを促進する

部分一致キーワードは、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化、目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果など、スマート自動入札戦略と組み合わせて使用すると効果的です。

最適化を促進するためにマッチタイプで分割する必要はありません。検索語句ごとにオークションの入札単価が設定され、検索語句の有効性に合わせて入札単価が調整されます。部分一致キーワードを適用すると、機械学習による学習速度が高まるため、成長目標達成に役立つさらに多くのオークションを特定できます。部分一致キーワードの詳細

引用元:スマート自動入札について

2. 圧倒的なシェア

全世界における圧倒的なシェアもGoogleの大きな強みと言えます。

以下のグラフは、2023年4月における世界の検索エンジンのシェアを示したグラフです。

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

一目見てわかるように、Googleのシェアは圧倒的です。すなわち、Google広告を使用することで、Googleを使用する世界中のユーザーに対して広告を配信できます。

また利用者が多いということは、その分他の広告媒体よりデータが集まりやすいと言えます。例えば、自社の製品に対して興味関心のあるユーザに絞って広告を配信を行いたい場合、Google広告を利用することで、競合他社の広告配信結果などのGoogle内に溜まったデータを利用し、短い学習期間で精緻なターゲティングを行えます。

3. 高度な測定・分析が可能

広告の配信結果として得られるデータの観点からも、Google広告は優れていてると言えます。

例えば、以下の「オークション分析」という機能を利用することで、自社が出稿している広告が、競合の広告に対してどれだけの認知(インプレッション)を獲得できているか、というデータを確認できます。(これはYahoo!広告では利用できないデータです)

このデータを活用することで、競合他社の広告と比較した際に、自社の広告の配信状況を客観的に把握できます。

例えば、広告の配信を始めたが思ったよりもクリックが集まらない時に、現在インプレッションを多く獲得している競合の広告の見出し、ディスクリプション、ページの内容を確認し、広告の品質スコアを改善する際の参考として活用できます。

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海外向けGoogle広告配信時の戦略

これまでの運用経験を基に、海外向けにGoogle広告を利用し集客を行う場合のポイントを3つ紹介します。

1. キーワードの精査に最も時間をかける

これはSEO対策のキーワードの選定の記事でも解説しましたが、キーワードの選定に最も時間をかけることをおすすめします。

具体的な手順はその記事で既に解説しているため、ここではキーワードの選定時によくある失敗パターンを紹介します。(なお英語キーワードについての話です)

パターン1:BtoCキーワードを誤って選定

BtoB向けの製品・サービスを扱っている場合、自社製品の英語直訳がBtoC向けの別の製品を表すパターンです。

例えば、日本語「ストレーナー」という単語は、一般的に「プラント業界における配管の中に流れる異物を除去するための濾過装置」としての意味で使用されます。そのため、当該のキーワードを日本のGoogleで検索すると、以下のように、BtoB向けの配管の画像が検索結果として多く表示されます。

引用:ストレーナー – Google 検索

一方、ストレーナーの直訳にあたる英語「Strainer(s)」を、アメリカのGoogleで検索した結果が以下です。

引用:strainer – Google Search

検索結果からわかるように、「Strainer(s)」は家庭用の「こし器」に近い意味で一般的に使われている言葉だと推測できます。日本語の「ストレーナー」にもこのような意味で使用される場合もありますが、単語が持つニュアンスとしては、両者に違いがあることが分かります。

すなわち、日本語キーワードの「ストレーナー」をそのまま英訳し「Strainer(s)」というキーワードで広告出稿を行なってしまった場合、全く意図していない一般家庭のユーザーによって広告がクリックされてしまう可能性が生じます。これは特にカタカナ英語を直訳した際に生じやすいミスだと言えます。

パターン2:日本語にはない別の意味が存在

別のパターンとして、1つの単語が複数の意味を持つ場合にも注意が必要です。

例えば、”ag film”という英語には、以下の2つの解釈が存在します。

  1. Anti Glare Film(アンチグレア(=防眩)フィルム)
  2. Agricutural Film(生分解性プラスチックを使用した農業用フィルム)

一般的に日本語で「AGフィルム」という製品は、前者の「アンチグレアフィルム」という意味で使用されます。したがって後者の「農業用フィルム」という、意味は日本語にはない英語独自の解釈だと言えます。

この場合、仮に”ag film”というキーワードで広告出稿を行うと、日本語の「AGフィルム」を探すユーザーに加えて「農業用フィルム」を探すユーザーからもクリックが発生してしまう可能性が生じます。このようなケースは、今回の例のような略語が製品名に使用される場合、よく起こります。

これらの例で解説したように、英語キーワードの選定は安易な直訳に頼ってしまうと、ターゲット以外のユーザーにも広告がクリックされてしまい広告の費用対効果が悪化する可能性があります。

対策

対策方法は至ってシンプルで「徹底的にニュアンスを調べる」ことに尽きます。

私がよく使用する情報収集の方法は以下です。

  • Google検索:当該のキーワードで上位に表示されるサイトの内容、検索者が求める情報を調べる
  • 画像検索:当該のキーワードで画像検索を行い、上位に表示される画像から単語がもつ一般的なニュアンスを推測する
  • キーワード調査ツール:Ubersuggestなどの、キーワード調査ツールを使用し、特定のWebページが集客しているキーワードの情報を集める
  • Q&Aサイト:redditなどのQ&Aサイトにて、現地の技術者が回答している情報を参照
  • ChatGPT:キーワードのニュアンスの違いをダイレクトに質問

今回紹介した中でも、前者のような場合は、このような情報源を調べていくことで、製品を表す適当なキーワードが見つかります。

一方、後者のような場合、ピンポイントで特定の製品のみを表すキーワードを見つけられないことがあります。そのような場合は、掛け合わせキーワードを中心に選定する、広告見出し、説明文にて意味が一意に伝わるように工夫することで、無駄なクリックを抑えられます。

2. 地域別のデータを活用する

国内のGoogle広告でも同様ですが、特に海外では地域別のデータをうまく活用し、広告運用を行うことが重要です。

例えば、以下はアメリカ全土に向けて広告配信を行った際の、広告のクリック数の分布を示したヒートマップです。(円の大きさがクリック数の多さに比例しています)

こちらのヒートマップからわかるように、1つの広告を配信した場合でも、地域によってクリック数にはばらつきが生じます。また今回の例は「クリック数」でしたが、これは「広告のクリック率」「コンバージョン数(引き合いの数)」「コンバージョン率(引き合いの獲得率)」「クリック単価」「コンバージョン単価」などの指標にも、同じように州によってばらつきが生じます。

この要因について仮説を立て、検証を重ねることで、より広告の費用対効果を高められます。

例えば、ある州において広告のクリック数は多いものの、コンバージョン率が低い(=コンバージョン単価が高い)場合、その州において何かしら顧客が問い合わせをしにくい要因があるのではないかと予想します。(例:アメリカの中でもカリフォルニアにのみ販売拠点があり、ニューヨークに居住するユーザーからはコンバージョン率が低い、など)

このようにデータから予想した仮説をもとに、広告の配信設定を調整し、実施に効果が改善されるかを確かめます。この場合、コンバージョン率が低い州において、一時的に配信地域から除外し、全体のコンバージョン単価が改善するかどうか確かめる、といったイメージです。

3. 自動入札戦略の適用後はすぐに変更しない

これは細かい話ですが、Google広告においてキーワードを入札を機械学習を用いて自動化する「自動入札戦略」というものが存在します。(参照:自動入札戦略とは

この自動入札戦略は、適用後にすぐに効果を発揮するものではなく、適用後に一定の学習期間(約2週間)を経て徐々に精度が高まっていく、という特徴があります。したがって、一度自動入札戦略を適用してから大幅にクリック単価などの数値が上下した場合でも、まずは慌てることなく黙って様子を見る必要があります。

特に海外向けのGoogle広告においては、国内のそれよりもクリック単価が高くなりやすく、自動入札の適用後に急激に単価が上昇してしまうケースがあります。このような場合でも、慌てて戦略を変える前に、まず今が学習期間なのかどうか、ということを冷静に考え必要があります。

クリック単価については、国内よりも競合が多く、物価が高い国(例:アメリカ、ヨーロッパ)に対して広告配信を行う場合、特に高くなる傾向があります。

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まとめ

今回の記事では、海外向けのGoogle広告配信における戦略とポイントを解説しました。

この記事を含めて、私の執筆する記事ではノウハウの更新に応じて、随時内容を更新するので、定期的に見に来ていただけると幸いです。また弊社では、BtoB企業様向けに、海外リスティング広告運用代行サービスを行なっております。海外向け広告の企画設計から、実際の配信準備、配信後のデータ分析、改善提案まで丸ごとお任せいただけます。興味のある方は、無料相談からご連絡いただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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製造業のSEO記事を徹底解析

テクノポートの永井です。今回はSEOに強いWebサイトを紹介し、そのサイトがなぜSEOに強いのかを解析していきたいと思います。調査するSEOキーワードは「めっき」「機械加工」「放電加工」「ロストワックス」「プレス加工」の5つ。ぜひ参考にしてみてください。

対象キーワードのSEO記事を徹底解析

1.めっき(月間検索需要:14,800)|2022-11-10時点での検索結果

「めっき」は月間検索需要も多く、競合サイトもたくさんあるため、SEOはかなり難しいキーワードになります。その中で2位になっているのが「ヱビナ電化工業株式会社」のWebサイトです。Webサイトはこちら

SEOの分析をするときに大切なのは「Googleは何を考えているか?」を想像することです。想像するための材料として「Googleが評価しているサイト」である検索結果の上位数サイトをチェックしていきます。

「めっき」の場合、上位サイトすべてが「めっきとは?」という記事になっています。このことより「めっきで検索する人は、めっきとは何か知りたい」ということが想像できます。
すると、構成としては

  • めっきとは
  • めっきの歴史
  • めっきの種類
  • めっきの役割
  • めっきのメリット・デメリット

などを入れることが必須になってきます。さらに、上位5サイト中3サイトはめっき会社なので権威性も高くなっていそうです。

「めっき」で上位を狙う場合は、今の上位サイトと同じ情報を出しても、Googleから評価されない可能性が高いため、SEO戦略としては

  1. すべての情報を網羅した網羅系で攻める
  2. めっきに関する情報を複数ページ作る
  3. めっき以外の技術を掲載する

基本的には網羅系以外で上げるのは難しそうです。そのため、すべての情報を1ページに入れるか、複数ページに分けるのがいいでしょう。文字数としては1万〜2万字程度は想定する必要がありそうです。

5位のNISSHA株式会社は1ページの構成ですが、他のサイトはめっきに関する内容で複数ページ作っています。特に、2位のヱビナ電化工業株式会社は100ページ以上はありますので、検索結果の上位を狙うのは相当難しそうです。

これから上位表示を目指すのであれば、めっき以外の情報を掲載することも検討したほうがよいでしょう。検索者のニーズを「めっきを知りたい→表面処理を知りたい」に拡大解釈することで、他のサイト以上に網羅性の高いコンテンツを作れるようになります。もちろんGoogleがそれをどう解釈するかによりますが、現状は上位サイトのどれも同じような情報になっているため、他のサイトよりも価値があると判断してくれるかもしれません。

2.機械加工(月間検索需要:4,400)|2022-11-10時点での検索結果

「めっき」のときとは異なり、コーポレートサイト1つ、まとめサイト2つ、Wikipedia、indeedが上位に来る結果となりました。「めっき」の場合は上位5サイト中3サイトが専門企業サイトでしたが、「機械加工」では上位5位にそのようなサイトは存在していません。

株式会社エージェンシーアシストも商社という業態であるため、実質機械加工専門のコーポレートサイトは上位表示されていない結果となりました。

そのことを考慮すると、Googleは「検索者は機械加工について調べているが、機械加工の種類が多く1ページで完結できないため、機械加工関係のページが多いWebサイトを上位に表示する。ただ、転職ニーズもありそうなのでindeed、本もありそうなのでamazonも表示しておこう」と考えていると想定できます。

特に、meviyは機械加工のページ数も多く、さらに運営者がミスミグループであるため権威性も高く、1位を取れていると予想されます。

では、「機械加工」で上位表示させるためにはどうすればよいかというところですが、まず1ページだけで上げるのは難しそうです。そのため、複数ページを想定した網羅系にする必要があります

まず、「機械加工とは」という親記事を1本決めて、そこに子記事をくっつけることで上位表示はされると思います。子記事は「機械加工」に関するすべての情報ですね。例えば、加工の種類、精度、材料、使用環境、加工機械などになります。

短時間でここまでするのは難しいと思いますが、親記事を作ってから徐々に子記事を作っていくことで、長期的には上位をめざすことができると思います。

3.放電加工(月間検索需要:2,400)|2022-11-10時点での検索結果

こちらもおもしろい結果になりました。上位5サイトに放電加工の専門企業はおらず、まとめサイト4つ、Wikipediaという結果です。

内容は「放電加工とは」という「めっき」の検索結果と同じですが「めっき」の場合はめっき屋さんが多かったのに対し、「放電加工」では放電加工屋さんは上位5サイトにはいない結果となりました。

理由としては

  1. 放電加工屋さんがSEOをやっていない
  2. 放電加工屋さんのSEOが弱い

のどちらかかと思います。

そのため、Google的には「放電加工屋さんのWebサイトを出したいけれど、充実した情報を掲載しているところがないので、まとめ系サイトで情報が充実したサイトを上位に表示しよう」という考えになっていると予想されます。「めっき」の検索結果を見る限り、このような網羅系コンテンツは権威性が重視されると思われるため、実際に事業として放電加工を行っている企業のコンテンツがもっと上位にきてもいいのではないかと考えられます。

なので、放電加工屋さんはまっさきに「放電加工とは」系で、SEOを行ったほうがよいでしょう

放電加工を専門にしていない場合は、それ以上の網羅系で攻めるしかないでしょう。ただし、網羅系の場合は現在の上位サイトと競合し、かつ権威性でも差異が出ないため複数ページでのSEOをする必要があると考えられます。

4.ロストワックス(月間検索需要:2,900)|2022-11-10時点での検索結果

「ロストワックス」の検索結果は上位5位の中で、専門企業サイトが4つ、まとめ系が1つと専門企業のWebサイトが上位を占める形になりました。パターンでいうと「めっき」と同じようなパターンになります。コンテンツの内容はすべて「網羅系」でロストワックスの基礎知識の説明がほとんどです。その中でも1位となっている株式会社武杉製作所の網羅性は非常に高いと思われます。

ロストワックス専門企業が「ロストワックス」で上位に表示されるためには、株式会社武杉製作所よりも多くの情報を網羅する必要があります。1ページで難しい場合は複数ページ、複数ページでも検索順位が上がらない場合は、ロストワックスの代替となる技術などの紹介も有効になりますので、トライしてみてください。

5.プレス加工(月間検索需要:2,400)|2022-11-10時点での検索結果

「プレス加工」の検索結果は上位5位の中で、まとめサイト4つとWikipediaという結果でした。

パターンとしては「放電加工」と同じようなタイプになります。Googleとしては「プレス加工専門企業のサイトを上位表示させたいが、コンテンツが弱いのでまとめ系の記事を出している」という状況だと想定されます。そのため、プレス加工専門企業が「プレス加工」で検索上位を狙う場合は、「なるほど!機械加工入門」のような網羅系を書けば、10位以内には入ってこられると予想されます。ただ、「なるほど!機械加工入門」は株式会社キーエンスが運営しているもので、権威性もそれなりに高いと思われるので、1位を取るのは難しいかもしれません。

プレス加工は種類や方法、動力などいろいろとコンテンツは用意できると思います。弊社のYouTubeでもプレス加工の概要を紹介していますので、ぜひ見てください。

まとめ

今回は「めっき」「機械加工」「放電加工」「ロストワックス」「プレス加工」の5つのキーワードで検索したときの上位サイトの傾向と実際に上位に表示させるためにはどうすればいいかという内容を解説しました。

1単語の場合はほとんどが網羅系になりますので、どこまで網羅性の高い記事をかけるかが需要になってきます。そこで他社サイトを参考にするのもよいのですが、書籍なども参考にしてみてください。トコトンやさしいシリーズなどはかなりまとまっていますので、コンテンツ作りの参考になると思います。

トコトンやさしいシリーズ

テクノポートでは製造業系キーワードのSEOに特化したサービスも行っています。キーワード調査から記事作りまで一貫して対応できますので、お気軽にご相談ください。

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リスティング広告のアカウント構成(効果的な設計)

こんにちは、テクノポートの卜部です。今回のテーマは「リスティング広告のアカウント構成」に関してです。

リスティング広告を作成する際、アカウント構成を具体的にどうすればいいか分からず、戸惑ったことはないでしょうか。アカウント構成は案外複雑であり、知識がなければうまく運用することはできません。本記事では、実際にリスティング広告のアカウント構成の設計方法について解説します。

アカウント設計

キャンペーン、広告グループとは

キャンペーン、広告グループはともにリスティング広告のアカウント構成要素になっています。以下がそれぞれの特徴となっています。

キャンペーン

アカウントの配下に位置しており、各アカウントの中に複数作成することができます。また、設定できる代表的な項目は以下の9つになります。

  1. 日予算:1日あたりの予算のこと。
  2. 配信エリア:配信する地域のこと。都道府県や範囲で指定。
  3. 言語:設定する言語のこと。ターゲットに応じて選択。
  4. 配信日時:配信する日および時間のこと。
  5. ユーザー属性:ターゲットの性別、年齢、世帯収入が選択可能。
  6. 配信デバイス:配信するデバイスの割合のこと。
  7. 除外キーワード:広告配信をしないキーワードのこと。
  8. 入札単価:上限クリック単価のこと。
  9. 広告表示オプション:補足文を表示する機能のこと。

広告グループ

キャンペーンの配下に位置しており、各キャンペーンの中に複数作成することができます。また、設定できる代表的な項目は以下の4つになります。

  1. 広告文:サービスや商品の説明文およびそのタイトルのこと。
  2. キーワード:検索語句のこと。サービスや商品の特性などを指す。
  3. 表示URL:1と一緒に表示されるURLのこと。
  4. リンク先URL:広告をクリック時に飛ぶリンク先のURLのこと。

アカウント設計のフロー

アカウント構成は基本的にはキーワードの分類の仕方で決まります。キーワードの選定から分類までのフローは次の通りです。

1.キーワード調査・洗い出しを行う

まずは、キーワードをしっかりと調査し、洗い出す必要があります。思いつくままに洗い出しては抜け漏れが発生してしまうため、ここでは効果的な洗い出し方について、3つ紹介します。

メディア活用事例(自社サイト)

自社のサイト名・サービス・商品などに関連したキーワードを洗い出します。また、自社だけでなく、競合他社のサイトからヒントをもらいキーワードを洗い出すことも手です。

専門情報活用事例(専門書、専門家)

抜け漏れの少ない書籍を選びたいので、評価が高い、もしくはレビュー件数の多い専門書籍から洗い出すことが有効です。また、書籍のみならず専門家より直接意見を聞くことも手です。

ツール活用事例(キーワードプランナー)

キーワードプランナーを使用しキーワード検索すると、検索した用語のボリュームや競合がどの程度いるかなどの情報が表示されます。この情報を参考に、キーワードを洗い出します。

2.キーワードを分類する

次に、洗い出したキーワードの分類を行います。大きく以下の4つのタイプに分類され、この分類を理解していると、キーワードを選定する際に役に立ちます。ッグキーワード

ユーザーの検索数や検索時に表示されるコンテンツ数が多いキーワードを指します。非常に検索されやすいというメリットはありますが、その反面、競合が多いため、上位表示されるには膨大な時間がかかると言えます。例えば、「サッカー」が該当します。

情報収集キーワード

ユーザーが何かの情報を獲得するために用いるキーワードを指します。検索は流動的ですが、4つの分類の中では比較的割合の多いものであるため、重要なカテゴリーになります。例えば、「サッカー 上達方法」が該当します。

購入検討キーワード

ユーザーが何かを購入したい、もしくは、サービスを利用したいときに用いるキーワードを指します。ユーザーに購買意欲があるため、アクションを期待できますが、その反面、ビッグキーワード同様に競合が多いため、上位表示させるには一定の予算と運用改善が必要です。例えば、「江東区 サッカースクール」が該当します。

指名キーワード

自社の商品やサービスなどの名称(キーワード)を指します。購入検討キーワード同様に、ユーザーに購買意欲があるため、高確率でアクションを期待できますが、

指名検索されるには、対象となる商品やサービスの知名度が必要となります。例えば、「サッカーラン(サッカースクールの商標名)」が該当します。

3.分類したカテゴリーをキャンペーンと広告グループに割り振る

キーワードを分類することができたら、意味のまとまりでキャンペーンと広告グループに分けていきます。例えば以下のような分類にします。

キャンペーン(指名)
広告グループ(指名)KW:サッカーラン

キャンペーン(エリア)
広告グループ(江東区)KW:江東区 サッカースクール、江東区 サッカー教室
広告グループ(東京)KW:東京 サッカースクール、東京 サッカー教室

キャンペーン(情報収集)
広告グループ(関連)KW:サッカー 上達方法、サッカー 習いたい

キャンペーンと広告グループをうまく割り振るためには、双方の機能を理解している必要があります。キャンペーンは、予算配分を決定できる大分類であり、目的に応じて商品やサービスを取りまとめ、管理する場所です。

一方で、広告グループはキャンペーンの配下に存在する小分類であり、多種多様な要素が絡んでいますが、検索結果の表示スタイルや表示条件などを決定する場所です。このように、機能ごとに割り振り、最適化していきます。

キャンペーンの分け方

キャンペーンを分ける際に重要なのは、1日の予算額の優先順位をつけるまとまりにすることです。例えば指名と情報収集系のキャンペーンを分ける目的は、指名キャンペーンは予算を十分に配分しインプレッションシェアを100%に近づけることです。

逆に情報収集系のキャンペーンは、例えばインプレッションシェア50%を目標にするとそれ相応の予算配分が必要になります。

このように予算の配分を変える単位がキャンペーンだと考えておけば良いでしょう。

広告グループの分け方

広告グループは、キーワードの意味のまとまりと捉えます。広告グループはできるだけ分けない方が機械学習が進みますが、配信開始や停止の操作など運用管理上の工数も考える必要があります。

費用による分け方の違い

リスティング広告は予算の大小によって、選定に適するキーワードが異なります。つまり、想定予算とキーワードの量がうまくかみ合わなければ、成果に繋げることができません。おおよそのイメージとして、広告予算別のキーワード群は以下のようになります。

30万円(ターゲットは認知されている顕在層)

指名キーワード+業界の購入キーワード

50万円(ターットは顕在層+認知されていないが、興味関心がある準顕在層)

指名キーワード+業界の購入キーワード+業界の興味関心キーワード

100万円(ターゲットは準顕在層+認知されておらず興味関心もない潜在層)

指名キーワード+業界の購入キーワード+業界の興味関心キーワード+業界の類似キーワード

まとめ

本記事では、リスティング広告のアカウント構成について、基本的な設計方法を解説しました。

リスティング広告のアカウント構成要素はキャンペーンと広告グループがあり、それぞれの役割は異なります。その役割をしっかりと理解し、最適なアカウント設計ができなければ、リスティング広告でうまく成果を挙げることはできません。

とは言え、知識さえ身につけられればどなたでもアカウント設計は可能ですので、ぜひ本記事で記載したことをうまく活用して、実際に作成してみてください。

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英語SEO対策の基礎(英語キーワード選定方法・注意点)

テクノポートの稲垣です。現在「海外Webマーケティング事業」の責任者を務めています。

この記事では、英語でSEO対策を行う際の「キーワード選定の方法」を解説します。

全体像

基本的に、キーワード選定の流れは日本語も英語も同じです。ただ、海外SEO対策を行う場合、国内の日本語SEO対策とは異なる点が出てきます。

今回は、海外SEO対策を行う上で必要な作業の部分を中心に、4つのステップに分けて、キーワード選定の方法を解説します。

英語キーワード選定の進め方

STEP 1 目的を整理する

まず、SEO対策を行う目的を整理しましょう。ここで言う「目的」とは、SEO対策を行うこと自体の目的(=Webサイトへの集客)ではなく「マーケティング施策全体の中でのSEO対策が担う役割を整理する」というイメージです。

ここで設定した目的、およびSEO対策が担う役割が後々のキーワード選定の方向性を決定するため、重要な作業になります。SEO対策が担う役割を決める際は、以下の質問に答える形で設定するとよいと思います。

  • What:どんな製品・サービスを
  • Where:どの地域の
  • Who:どの顧客に
  • What Goal:どうしたいのか(拡販 or 認知拡大)

数あるマーケティング施策の中で、SEO対策という手法が選べている時点で「Why:なぜSEO対策か?」「How:どのような手法を選ぶか?」に対する疑問は整理されているため、ここでは上記の項目のみを明確にします。

例えば、以下のようなイメージです。

  • What:三次元測定機
  • Where:北米
  • Who:複雑形状の部品の検査を行う技術者
  • What Goal:製品の拡販

STEP 2 検索ユーザーの興味・関心を洗い出す

次に、キーワードを抜け漏れなく洗い出すための「切り口」を決定します。

ポイントは「抜け漏れなく」という部分です。キーワードを洗い出す際は、思いつくキーワードを片っ端からメモする、という方法もあります。この方法は手軽に始めることができる上に、それなりにキーワードが洗い出せるため悪くない方法だと言えます。ただ、本当に抜け漏れなくキーワードを洗い出せたのか、確認することができません。

そのため、キーワードを洗い出す際は、フレームワークを使うことをおすすめします。「フレームワーク」というのは、キーワードを洗い出す際に使用する「型」のようなものです。この「型」を使用することで、洗い出したキーワードに抜け漏れがないか、確認することができます。

ここでは例として、「ユーザーが製品を購入するに至るまでの流れ」という切り口からキーワードを洗い出します。例えば、部品の検査に用いられる「三次元測定機」と呼ばれる自動検査装置の導入を考えているユーザーの場合、以下の1〜3の購買の流れをたどることが予想されます。

No. 段階 興味・関心の例
1 技術課題の解決方法調査 ・複雑な形状の部品を高精度に自動で測れる機械はないのか?
・真円度を精度良く自動測定できる機械はないのか?
2 技術課題を解決できる製品の調査 ・三次元測定機はどのような機械?
・導入においてどんなメリット、デメリットがあるのか?
3 製品の比較検討 ・三次元測定機を扱っているメーカーは?
・それぞれの製品の特徴・違いは?

このように、検索ユーザーが抱える課題、興味・関心をフレームワークを使って洗い出します。

「製品」に関わるキーワードを洗い出す際のフレームワークは、以下の記事で詳しく解説されています。

「技術」に関わるキーワードを洗い出す際のフレームワークは、以下の記事で詳しく解説されています。

STEP 3 キーワードを洗い出す

次に、先のステップで洗い出したユーザーの興味・関心をもとに、彼らが検索時に使用するであろう検索キーワードを洗い出します。先と同じ例を使うと、以下のようになります。(「三次元測定機」は英語で”CMM(=Coordinate Measuring Machines)”と呼ばれます)

No. 興味・関心の例 検索キーワード
1 ・複雑な形状の部品を高精度に自動で測れる機械はないのか?
・真円度を精度良く自動測定できる機械はないのか?
・measure of shape, high precision measurement
・measure circularity
2 ・三次元測定機はどのような機械?
・導入においてどんなメリット、デメリットがあるのか?
・what is cmm
・advantages of cmm
3 ・三次元測定機を扱っているメーカーは?
・それぞれの製品の特徴・違いは?
・cmm manufacturers
・types of cmm, cmm price

この時「月平均検索ボリューム(当該のキーワードが月平均検索されている回数)」の大きさもメモしておきましょう。

月平均検索ボリュームは、以下の記事で紹介しているツールを使用することで、対象の地域を絞り込んだ結果も表示できます。

そのため、対象の地域が明確な場合は、その地域における英語キーワードの月平均検索ボリュームを調べましょう。

英語ならではの注意点

英語キーワードの洗い出しでは「海外で実際にどのようなキーワードが使用されているのか」を探し当てることが重要です。すなわち、日本語キーワードをそのまま英語訳したキーワードが、海外で一般的に用いられている表現だとは限らない、ということです。

そのため、英語キーワードの洗い出し作業を行う際は、日本語キーワードよりも「類語、言い換え、関連語、別の呼び方」を入念に調べる必要があります。

例えば、先の例で挙げた「三次元測定機」の英語圏での一般的な名称を調査する場合を考えます。私の場合、まずシンプルに「三次元測定機」の訳になりそうな英語を考えます。三次元=3d、測定機=measuring machines、なので「3d measuring machines」というキーワードが思いつきます。この段階では、機械翻訳を使用しても構いません。

次に、思いついた(or 機械翻訳した)キーワードを、キーワード調査ツール(例:Googleキーワードプランナー)に入力し、月平均検索ボリュームを調べます。この際、地域設定は指定なしで構いません。結果が出てきたら、キーワードと検索ボリュームをメモします。

次にメモをしたキーワードに、別の表現がないかを調査します。私の場合、まず自分で思いついたキーワードをアメリカのGoogleで検索します。(アメリカのGoogleはこちらのサイトからアクセスできます)

その際、検索キーワードが大きく間違っていなければ、イメージに近いサイトが複数見つかると思います。(実際の検索結果が以下になります)

検索結果を眺めてみると、どうやら”CMM(=Coordinate Measuring Machines)”という名称が一般的に使用されていそうだ、ということがわかります。試しに、1位のサイトを「Ubersuggest」というキーワード調査ツールを使って調査します。このツールを使うことで、当該のサイト(ページ)が上位にランクインしているキーワード一覧を調査することができます。

結果がこちらです。(アメリカの検索順位、検索ボリュームを検索ボリュームが多い順に表示、簡略化のため上位20位までを表示)

No キーワード 検索ボリューム 検索順位
1 cmm 27,100 2
2 cmm machine 3,600 1
3 coordinate measuring machine 1,000 2
4 cmm measurement 480 2
5 cmm m 480 15
6 cmm inspection 480 21
7 what is cmm 390 15
8 mitutoyo cmm 320 1
9 what is a cmm 260 68
10 measuring machine 210 1
11 portable cmm 210 53
12 what is a cmm machine 170 8
13 cmm measuring machine 110 1
14 cmm coordinate measuring machine 110 3
15 cmm for sale 110 20
16 cmm machine price 110 16
17 cmm manufacturers 110 21
18 portable cmm machines 110 24
19 cmm industries 110 56
20 cmm tool 90 1

この表を見ると「三次元測定機」は、”Coordinate Measuring Machines”(月平均検索ボリューム:1,000)というキーワードが、”3D Measuring Machines”(月平均検索ボリューム:20)よりも一般的に使用されているキーワードである、ということが定量的にわかります。この例は、検索ボリュームも大きくかなりわかりやすいですが、検索ボリュームが小さいニッチな製品に関しても、同様の手順が使えます。

英語は、日本語に比べて話者が多く、同じラテン語起源の言語(例:フランス語、スペイン語、イタリア語)由来の類語もたくさん存在するため、一般的に特定の製品の呼び方は日本語のそれよりも多くあります。また地域(例:アメリカとイギリス)によって呼び方が異なるキーワードも存在するため、上記のような調査作業が重要です。

STEP 4 キーワードを選定する

最後に、洗い出したキーワードからSEO対策を行うキーワードを選定します。

選定は以下の流れで行います。

  1. 「選定基準」を設ける
  2. キーワードを絞り込む

順に解説します。

1.「選定基準」を設ける

まず洗い出したキーワードを選ぶための選定基準を設定します。ここで、STEP1で策定したSEO対策の目的を使用します。

例えば、三次元測定機の例を使用すると、以下のような選定基準が考えられます。

  1. 対象の地域(北米)の検索ボリュームは十分存在するか?(需要はあるか?)
  2. 部品の検査を行う技術者が使うキーワードか?(ターゲットは的確か?、BtoC向けの検索結果ばかり表示されないか?)
  3. 製品の導入に関心のあるユーザーが使うキーワードか?(SEO対策の目的とユーザーの興味・関心は関連性が高いか?)

2. キーワードを絞り込む

最後に、選定基準をもとに洗い出したキーワードを絞り込みます。

上記の例の場合、まず1の選定基準でキーワードを絞り込みます。例えば、対象地域からの検索ボリュームの合計が50以上、というイメージです。この選定基準は、明確かつ絞り込みが容易であるため、最初に行います。

次に、2と3の選定基準でさらにキーワードを絞り込みます。この工程は、最も手間がかかる上に明確な選定基準がないため、選定作業に経験とセンスが求められます。

以上がキーワード選定の流れです。この後、SEO対策の方向性を決めて実際にページの作成に移ります。詳細は別記事で解説予定です。

まとめ

英語SEO対策における、キーワード選定の流れを解説しました。国内のSEO対策時との大きな違いは、ターゲット地域を定める必要があること、海外で実際に使われている表現を調べる必要があることだと思います。

今後の記事でも、海外SEO対策に役立つ情報を発信する予定です。海外SEO対策を任せられる業者をお探しでしたら、お気軽にテクノポート株式会社にお声がけいただければ嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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【網羅】SEOのキーワード選定方法(コツとツールの解説)

テクノポートの永井です。Web上で自社を知ってもらうための施策として、SEO対策は非常に効果的です。しかし、SEO対策に取り組んだ経験がない場合、どんなキーワードが最適なのかわからず、うまく選定できないといったお悩みもあるのではないでしょうか。

そこで、本記事ではSEOのキーワード選定の重要性や適切なキーワードの選定方法を解説します。合わせて、キーワードを選定する際に便利なツールもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

SEOキーワード選定の重要性

SEOはSearch Engine Optimizationの略で「検索エンジンへの最適化」を意味します。検索エンジンへの最適化とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンでユーザーに検索された際に、サイトを上位表示させるために行う施策のことです。

SEOにおけるキーワード選定とは、ユーザーに検索された時に上位表示したい単語や文章を選ぶことです。狙ったキーワードで上位表示されると、自社サイトへのアクセス数が増え、ターゲットにコンテンツを届けられるようになります。

逆に、キーワード選定が適切でないと、自社サイトにアクセスしてもらえず、問い合わせも増えないという結果になってしまいます。検索結果の1ページ目にサイトが表示されていないとアクセス数が増えないため、1ページ目に表示できるキーワード選定を行う必要があります。

問い合わせを増やす上でSEOキーワードの選定は非常に重要になってきますので、しっかりと検討した上でキーワードを選んでみてください。

SEOキーワード選定のよくある失敗

SEOキーワード選定のよくある失敗を紹介します。

最も多い失敗例はビッグキーワードのみを選定しているパターンです。ビッグキーワードとは、多くのユーザーから検索される、検索ボリュームの大きいキーワードのことです。例えば、「スマホ」「リフォーム」などがビッグキーワードにあたります。

ビッグキーワードで上位表示されれば一気にアクセス数を増やすことが可能ですが、競合サイトも多く、表示順位をあげる難易度は非常に高いといえます。そのため、ビッグキーワードばかりで対策してると順位が上げられず、アクセスが増えないということになってしまいます。

逆に、ニッチすぎるキーワードのみを選定することもよくある失敗の一つです。ニッチキーワードは自社との親和性が高く問い合わせに繋がりやすい傾向にありますが、検索需要がほとんどないことも多く選定には注意が必要です。

また、自社と親和性が薄いキーワードで対策を行うのもやめましょう。検索ボリュームがあったとしても、自社の事業と関連性が薄いと問い合わせには繋がりません。

問い合わせを増やすためには質と量が大切

サイトへの問い合わせを増やすための施策をみていきましょう。

量:検索需要が多いキーワードでアクセス数を増やす

サイトへのアクセス数を増やすには、需要のあるキーワードで上位表示させるコンテンツを積み上げていく必要があります。

検索キーワードには「需要」というものがあります。簡単にいうとそのキーワードで検索する人の数です。この需要のことを検索需要といい、◯◯回/月で表されることが多いため、月間検索数とも言われます。

例えば、「金属加工」というキーワードは月に8,100回、「チタン 加工」では月に720回調べられている場合、「金属加工」をキーワードに選定する方が多くのアクセスを集めることができます。

ただし、ビッグキーワードのみをキーワード選定してしまうと、上位表示の難易度があがるため、ちょうど良いキーワードを見つけることが大切です。

質:自社との親和性が高いキーワードで問い合わせの確率を上げる

自社のサービスと親和性の高いキーワードを選定することが重要です。

親和性とは自社の事業内容や強みとどれくらい合っているかどうかというもので、数値ではなく定性的な判断になります。

例えば、自社がチタン加工を得意としている場合、「金属 加工」で上位表示されるよりも、「チタン 加工」で上位表示されたほうが問い合わせに繋がりやすくなります。

ただし、親和性の高いキーワードはニッチなものになる可能性が高いため、検索需要が少なく多くのアクセスを集めることはできません。アクセスを集めるためにはコンテンツを増やす必要があります。

月間検索数と自社との親和性を考慮して、バランスよくキーワード選定することが大切です。

SEOキーワードを選定するための項目

SEOキーワードを選定する際に、意識すべき項目をみていきましょう。

目的を定める(ブランディング、コンバージョン、アクセス増加など)

まずは、自社サイトのSEO対策を行う目的を言語化しましょう。ほとんどの場合、SEO対策の目的はより多くのユーザーに自社のことを知ってもらい、問い合わせに繋げることです。

例えば、長期的なブランディングをしたい場合のキーワード、とりあえずアクセスを増やすためのキーワード、アクセスは少なくてもいいので問い合わせの質を上げるためのキーワードなど、目的によって選定するキーワードは変わってきます。

この目的を明確にしておかないと、「あれもしてみよう。これもしたい。」となんとなくのコンテンツ作りになり、結果アクセスの見込めないサイトになってしまいます。

最終的には網羅性の高いサイトをめざすにしても、今何が大切なのかをしっかりと決めましょう。

検索需要を数値で見る

キーワードには検索需要があり、SEO対策において非常に重要な項目です。検索需要とは、「キーワードの検索回数」を意味します。

  • 検索需要が多い→SEO対策が難しいけど、アクセスは集まりやすい
  • 検索需要が少ない→SEO対策は簡単だけど、アクセスは集まりにくい

というイメージです。ちなみに、検索需要が多いか少ないかの判断ですが、業界によって異なってくるため自社の業界でいろいろと調べてみて相対的に判断してみてください。特に、BtoBの場合は検索需要が少なくなる傾向にあります。検索需要の調べ方はページの最後に記載します。

候補とするキーワードが、月にどれくらいの回数検索されているのかを調べて把握するようにしましょう。

SEOの難易度(競合調査)を自分なりに把握する

SEO対策には難易度があります。難易度を確認するためにも、選定候補のキーワードで実際に検索し、上位表示された競合サイトを調査しましょう。

競合サイトがSEOに力を入れていたら、自社もよりSEOを意識する必要があり、それだけ難易度は高くなります。また、検索した際にあまりにもヒットする競合サイト数が多い場合も、同様に難易度は高いと言えるでしょう。

SEO難易度は「ページの文字数と質」で判断できます。選定候補のキーワードで検索し、上位の3サイトがどのような情報を出しているか、だいたい何文字くらいかなどを把握しておくといいでしょう。

検索結果の1ページ目に自社サイトが表示されないと、アクセス数を増やすことは難しいため、SEOの難易度チェックは必ず行うようにしましょう。

問い合わせの繋がりやすさを考慮する

自社の強みと合致するキーワードかどうかは、問い合わせへの繋がりやすさに影響します。競合調査をし、比較した上で優位性が発揮できるキーワードを選定することが重要です。

記事の書きやすさ

記事の書きやすさも評価軸の一つです。

まず社内で書ける内容かどうかが大きな基準になります。記事を外注する場合も最終的なチェックは社内で行うため、社内で判断できない内容になりそうなキーワードは除外しましょう。

また社内で書く場合でも記事を書くのは意外と時間がかかるため、本業が忙しいとなかなか進まないという問題もあります。

SEOキーワード選定手順

実際にSEOキーワードを選定する手順を解説します。

キーワードリスト選定の基準を決めてリストを作成

キーワードを選定する際には必ずリストを作りましょう。

リストはキーワードの選定基準を明確にするための項目から作ります。項目は、検索需要、競合数、SEO対策のし易さ、自社との親和性、記事の書きやすさなどにすれば問題ありません。最低でも検索需要と自社との親和性は必ず入れましょう。この2つがキーワード選定の基準になります。

SEOキーワードの洗い出し

リストの項目ができたら次にキーワードの洗い出しを行います。SEOキーワードの洗い出しは最も重要な工程です。キーワードは自然に見つかるのではなく、頑張って見つけなければなりません。

まずはターゲットの行動原理を理解し、ユーザーが検索するであろうキーワードを想定して、大まかな洗い出しを行います。できる限り多くのキーワードを洗い出すのが良いため、1人ではなく、複数人で行うのがおすすめです。

弊社はターゲットの行動原理を4つの段階で評価するようにしていますので、参考にしてみてください。
https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/26926

大体のキーワードを洗い出したら次に、想定していなかったキーワードを見つけるために、カテゴリー分けやツール、フレームワークを使っての洗い出しを行います。

  • カテゴリー(マインドマップ)
    キーワードを洗い出す前にカテゴリーから作る方法です。カテゴリーは何でも構いませんが、例えば「製品別」「業界別」「課題別」などで分けるとわかりやすくなります。
  • サジェストツール
    サジェストとは、ユーザーが検索窓にキーワードを入力した際に検索エンジン側が提案してくれる候補のことです。このサジェストを一括で取得できるツールがあり、活用することで効率的にキーワード候補を抽出可能です。
  • MFTフレームワーク
    Market(市場)、Function(機能)、Technoogy(技術)のそれぞれの観点で分析できるフレームワークです。
    詳細はこちら:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/5528

キーワードはどれだけ洗い出しても大丈夫です。最低でも50個以上は洗い出してください。

検索需要の確認

洗い出したキーワードの検索需要を確認しましょう。キーワードプランナーというGoogle公式のツールを使用することで、検索需要を確認することができます。検索需要が多いかどうかはリストを埋めてからになりますので、まずは一心不乱に検索需要を調査してください。

SEOの難易度確認(洗い出したキーワードで検索)

SEOの難易度は、洗い出したキーワードで実際に検索し、上位10サイト程度のタイトル、見出し、企業などを確認しましょう。大手企業が多い、AmazonやモノタロウなどECサイトが多い、まとめサイトが多い場合は難易度が高いキーワードと言えます。自社と同規模の企業でも検索上位に上がるのか、上げるためにはどういう情報を出せばいいのか、自社でその情報は用意できるのかなどを調べます。

SEOの難易度は数値で出せませんので、定性的な判断になってしまいます。調査を繰り返すことでSEO難易度が高いか低いかをある程度判断できるようになってきますので、まずは3段階くらいで評価してみてください。

また、洗い出したキーワードが多い場合はざくっとした調査でも大丈夫です。まずはリストを埋めることを優先しましょう。

問い合わせの繋がりやすさを確認

キーワードごとに、自社との関連性を3〜5段階くらいで評価しましょう。このとき、自社の強みが活きるかどうかも合わせて検討しましょう。

こちらも定量的な判断はできないので、だいたいで大丈夫です。

記事の書きやすさを確認

自社で書く場合は、選定したキーワードで記事が書けるかどうかを3段階で評価してみましょう。記事を書いて公開することが重要なので、書けそうなものから書いていくという方法でも問題ありません。

キーワードリストに優先度を記入

リストが完成したらリストの総合評価を行い、キーワードに優先順位をつけましょう。

SEOキーワード選定のコツ

SEOキーワードを選定する際のコツを解説します。

検索需要の低いものも積極的に選んで行く(ロングテールSEO)

キーワードの中には、「ロングテールキーワード」と呼ばれる、複合キーワードなどの検索需要が少ないキーワードがあります。

アクセス数は少なくとも、具体的なキーワードの方が問い合わせにつながる確率は高いため、ロングテールキーワードも積極的に選択するといいでしょう。

検索需要の高いものでも検索順位は上がる(ビッグキーワード狙い)

検索需要の高い、いわゆるビッグキーワードで上位表示を狙う場合は、基礎的な内容も掲載するというテクニックがあります。コンテンツの網羅性を意識して記事を書いていけば、検索順位は上がっていくでしょう。

ただし、上位表示させることは難しいので、ロングテールも狙いつつ、ビッグキーワードを狙うことをおすすめしています。

関係の薄いキーワードも捨てずに採用したほうがいい(長期ブランディング)

関連性が薄いキーワードであっても、ターゲットが同じであれば選定しても問題ありません。この場合、短期的な効果は見込めませんが、長期ブランディングとしては効果があります。

例えば、ステンレスの加工を得意としている場合でも「アルミ 加工」を選定するケースもあります。ターゲットが設計だった場合、「ステンレス 加工」のニーズも持っているかもしれませんし、将来的に出てくる可能性もあります。今は関係ないかもしれませんが長期的にみて関係が出てくる場合は、親和性の薄いキーワードを選定することもあります。

事例|SEOキーワード選定のリスト例

SEOキーワード選定のリスト例をお見せいたします。必ずしもこの表に準ずる必要はありませんが、参考として使っていただければと思います。まずはカテゴリーを分けてからキーワードは洗い出しを行いました。サジェストツールはラッコキーワードを使い、2つ以上の複合キーワードももれなく洗い出しを行っています。その上で、検索需要(キーワードプランナー)、競合数(Google)を数値で表し、製品との関連性を定性的に評価しています。

カテゴリーキーワード検索需要
(月間)
競合数ボリュームSEO対策の
難易度
製品との
関連性
製品名系配管部品160030300000
継手810016500000
ホース継手16008270000
ねじ込み継手10001750000
六角ホースニップル501300000
ホースジョイントニップル2601260000
六角ホースジョイント-2900000-
グリースニップル880591000
ホースバンド660015700000
変換ソケット2608620000
変換ニップル50983000
銅+プレス銅 プレス209070000
絞り 銅 プレス-893000-
銅 プレス 部品-73100000-
銅 端子 製造-3030000-
銅 プレス 加工204990000
プレス系プレス 加工190052300000
金属 プレス 加工32023300000
プレス 加工 絞り1102710000
プレス 絞り1105810000
プレス 部品11032700000
銅系製品名アースバー880611000000
ブスバー1600168000
バスバー1900475000
リード フレーム160025700000
分岐 バー9010800000
銅 バー88012300000
渡り バー5036200000

キーワード選定をプロに依頼するときは慎重に

キーワードの選定はSEOの知識が必要であるため、外部のプロに依頼しようという方もいるかと思います。ただし、技術系のコンテンツ作成を依頼する場合は、注意が必要です。

具体的には、以下の3つのことに注意して依頼を検討しましょう。

  • 自社の技術を理解できるか
  • 技術を読みやすい文章で表現できるか
  • 円滑なコミュニケーションが取れるか

テクノポートは技術系に特化したライティングサービスやコンテンツマーケティングのコンサルも行っていますので、お困りでしたら弊社にもご相談ください。

SEOキーワードの洗い出しに使えるツールの紹介

最後にキーワードの選定に便利なツールをご紹介します。

ラッコキーワード

ラッコキーワードはサジェストキーワードを取得できるツールです。サジェストキーワードとは、ユーザーが検索窓にキーワードを入力した際に検索エンジン側が提案してくれる候補のことです。

検索意図・コンテンツニーズの把握が効率的になるため、活用しましょう。フリープランで50回/日キーワード調査が可能です。

ラッコキーワード:https://related-keywords.com/

キーワードプランナー

キーワードプランナーとGoogle公式のツールで、Google広告を配信する際に、検索ボリュームや入札価格を調査することができます。Google広告を配信する方に向けたサービスですが、登録することで一部機能は無料で使用できます。

キーワードプランナー:https://ads.google.com/intl/ja_jp/getstarted/

サーチコンソール

Google Search Consoleは、Google 検索結果でのサイトの検索順位を分析、管理、改善するのに役立つ Google の無料サービスです。「どんなキーワードでの流入が多いのか」などを調査でき、ユーザーのニーズを理解するのに役立ちます。

サーチコンソール:https://search.google.com/search-console/welcome

競合サイト

自社サイトに加え、競合サイトのキーワード順位も取得し、比較しましょう。競合サイトよりも順位が低いキーワードを抽出することで、効果的な改善策を立てることができます。

まとめ

SEOにおけるキーワード選定は、テクニックやコツに加えてターゲットへの理解が必要です。本記事で解説したキーワード選定の手順に沿って、ぜひ自社サイトに最適なキーワードを見つけてみてください。

皆様のサイトが多くのユーザーの目に触れるための一助になれば幸いです。

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Webサイトを成功させるために必要なアクセス数獲得の基本

こんにちはテクノポートの永井です。

Webサイトから問い合わせを増やすためには、アクセス数を上げることが絶対条件です。今回はアクセス数を上げるための基本について紹介します。

アクセス数が必要な理由

アクセス数が必要な最大の理由は問い合わせの数と正の相関があるからです。つまり、アクセス数が増加すれば、問い合わせ数の増加も期待できます。そのため、問い合わせ数を増やすためにはアクセス数を増やさなければなりません。BtoBの場合、ただ単にアクセス数を増やせばいいというわけではなく、ターゲットからのアクセスを増やすことが大切です。

例えば、金属加工の量産の問い合わせを増やしたいのに、プラスチックの試作を探している人からのアスセスを増やすような努力をしても効果は見込めません。

ターゲットからのアクセス数を増やすためには、まずはアクセス数を上げるためのセオリーを知る必要があります。

アクセス数を上げるための基本

アクセス数を上げるためのセオリーについて紹介します。

流入は検索エンジン

ターゲットが貴社のサイトにアクセスする方法はいろいろありますが、最も多いのはGoogle、yahoo、Bingなどの「検索エンジン」からです。

アクセス数を上げるためには検索エンジンからどのようにして、貴社のサイトにアクセスするのかを理解する必要があります。

具体的にターゲットは下記のような行動を行います。

  • 行動1.検索するための検索エンジンのサイトに訪問する(Google、yahoo、Bingなど)
  • 行動2.検索窓にキーワード入力する(このキーワードを検索キーワードと言います)
  • 行動3.検索結果に表示されたサイトのタイトルを見て、どのページを見るか決める

ターゲットからアクセス数を増やすためには、この行動に対して自社のサイトが表示されるように対策をしていかなければなりません。

対策を行う上で行動1の検索エンジンについては、Googleを基本として対策すれば大丈夫です。YahooはGoogleと同じ検索システムを使用しており、BingはGoogleとyahooの利用者と比較するとかなり少なくなります。そのため、Googleの検索エンジンに的を絞っても問題ありません。

検索キーワードには需要がある

行動2において、検索窓に入力する検索キーワードには「検索ボリューム(検索需要)」というものが存在します。これは特に重要なので必ず意識してください。検索ボリュームは簡単にいうと「キーワードの検索回数」です。Googleのソフトを使うとそのキーワードが月にどれくらい検索されているのかを調べることができます。

例えば、「金属加工」は月に8,100回調べられていますが、「チタン 加工」は720回になります。つまり、検索回数が大きいキーワードで対策を行うほうがより多くのアクセスを集められるようになります。

ここで1つ注意点があります。検索回数が多いキーワードはSEO対策の難易度が上がるということです。

基本的に検索結果の1ページ目(10サイト程度)しかアクセスされません。検索順位を上げるための対策をSEO対策と呼びますが、検索回数の多いキーワードは各社がSEO対策を行ってくるため10位以内に入ることは難しく、必死で対策をしてもアクセスにつながらない可能性があります。

一方、検索回数の少ないキーワードは検索結果の上位に入ったとしても、アクセスが伸びないので、ちょうどよいキーワードを見つけることが大切です。

SEO対策を行う

SEO対策は「Search Engine Optimization」 の略で検索エンジン最適化、つまり検索結果で上位表示させるためのテクニックになります。SEO対策を行うためには、検索エンジン(ここではGoogle)がどのようなページを評価しているのかを知る必要があります。

Googleはその仕組みを公開していて、大きくは下記5つになります。

  • 検索クエリの意味(ユーザーがどんな情報を探しているか)
  • コンテンツの関連性(キーワードが入っているか)
  • コンテンツの質(専門性、権威性、信頼性)
  • Webサイトのユーザビリティ
  • コンテキストと設定(現在地、過去の検索履歴、検索設定など)

Googleの仕組みの詳細
https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks

簡単にいうと「検索者の検索意図(なぜ検索しているのか)を理解した上で、その疑問を解消するコンテンツを作る」ことが大切です。

SEO対策の詳細については弊社の別のコラムを参考にしてみてください。

SEO対策まとめ:https://keikakuhiroba-mfi.com/category/homepage/seo

ページを増やすこと

アクセスを増やすためにはページ数を増やすことも大切です。

例えば、1ページのアクセス数が月100件あったとすると、10ページのサイトは月1,000件、30ページのサイトは月3,000件のアクセスになります。もちろんSEO対策のやり方によってアクセス数は大きく関わってきますが、ページ数を増やすことには効果的です。

また、SEO対策は検索キーワードごとに行いますが、基本的に1つの検索キーワードで上位に表示させるためには、そのキーワードの専用ページが必要になります。

これを1ページ1キーワードの法則と言います。

例えば、金属加工、チタン加工、銅加工で上位表示させたい場合、1ページだけで対策することは難しく、金属加工専用ページ、チタン加工専用ページ、銅加工専用ページが必要になります。そのため、多種類の検索キーワードでSEO対策を行う場合、ページ数は必ず増えます。

基本的な内容も掲載する

これはSEO対策のテクニックになりますが、検索回数が多いキーワードで上位表示を狙う場合、基本的な内容も掲載しなければなりません。BtoBの場合、ある程度知識がある人がターゲットになり、そのターゲットは基本的な内容は求めていない可能性もあります。しかし、検索エンジンで上位表示させるようにするためには基本的な内容も掲載しなければなりません。

基本的な内容を掲載しても意味がない、技術を知らない企業と思われるといった懸念を抱える方もいますが、ターゲットは興味ないところは読み飛ばすのでそこまで気にする必要はありません。基本的な内容+自社のオリジナル情報をあわせて記載すれば大丈夫です。

まとめ

問い合わせを上げるためにはアクセス数を上げることが大切です。アクセス数を上げるためには、下記5つが重要になります。

  1. 流入は検索エンジンであることを意識する
  2. 検索キーワードの検索需要を知る
  3. SEO対策を行う
  4. ページを増やす
  5. 基本的な内容も掲載する

弊社テクノポートは製造業に特化したSEO対策も行っています。SEO対策でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

The post Webサイトを成功させるために必要なアクセス数獲得の基本 first appeared on モノカク.

SEO対策においてもっとも重要なキーワード選定について徹底解説

製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。

Web上で自社の存在を知ってもらう方法として、SEOは効果的な選択肢の一つです。「SEOではキーワード選定が重要」と言われることがありますが、SEOに取り組んだ経験がない場合には、キーワード選定が重要な理由やどのように選定すればいいかわからないことがあります。

そこでこの記事では、SEOでキーワード選定が重要な理由や実際に選定する手順を解説します。また、キーワード選定をする際に活用できるフレームワークやツールに加えて、SEO対策でキーワード選定がうまくいき、集客に成功した企業を紹介します。

現在SEO対策を検討していたり、キーワード選定に困っていたりする方に、ぜひ参考にしていただければと思います。

SEOにおけるキーワード選定とは?

SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字を取っており、「検索エンジン最適化」を意味します。検索エンジン最適化とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された際に、サイトを上位に表示させるためにさまざまな施策に取り組むことを指します。

キーワード選定とは、検索エンジンで特定の単語や文章が検索された際に、上位表示したい単語や文章を選定することです。適切なキーワードを選定することで、検索結果から自社サイトへの流入数が増え、新たなユーザーの獲得に繋がります。

キーワード選定が重要な理由

SEO対策においてキーワード選定はもっとも重要と言われます。その理由は、キーワード選定が適切でないと、検索エンジン経由での新たな顧客を獲得できないからです。自社の製品やサービスを検索エンジン経由で知ってもらう機会が失われるため、大きな影響があります。

誰も検索しないようなキーワードであれば無駄になってしまいますし、多くの企業が狙っているようなキーワードであれば、競争が激しくユーザーが見てくれるような検索順位を獲得できません。

検索数が多く、さらに上位表示を狙えるキーワードを選定することが、SEOで成功するための大きなポイントです。

キーワード選定を行う手順

キーワード選定を行う際には、まずターゲットの理解が重要です。どのようなターゲットに記事を届けたいかによって選択するキーワードが変わってきます。また、ターゲットの理解に加えて、自社の立ち位置や強みを明確にすると、キーワードの絞り込みができるでしょう。

次に、ターゲットの分析結果や自社の強みから、キーワードの候補を洗い出していきます。洗い出したキーワードはWeb上で検索を行い、関連するキーワードの調査などを行うといいでしょう。調査の過程で競合サイトを分析し、SEO対策を行うキーワードに優先順位をつけていきます。

このように取り組むことで、取り組むべきキーワードの選定を優先順位付けを行うことが可能です。

キーワード選定に活用できるフレームワーク

キーワード選定は闇雲に行ってもうまくいきません。キーワード選定に活用できるフレームワークとして、3C分析とMFT分析を紹介します。

3C分析

SEO対策を行う際には、自社の立ち位置を明確にすることが重要です。Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取って「3C分析」とよばれています。

3C分析では、自社と顧客、競合との関係を分析することで、業界の中の自社の立ち位置、顧客として狙うべき場所やその際に競合となる企業を明確にできます。

キーワード選定をする上では、顧客から求められており、競合企業がなるべく少ない所を狙うために、3C分析が活用できます。

3C分析の活用について詳しく知りたい場合には、以下の記事をご覧ください。

自社の強みに気づける3C分析の進め方

MFT分析

製造業が生き残り拡大していくためには、既存の市場だけでなく自社の持つ技術を活かせる新たな市場を見つけ、そこに向けたSEO対策を行うことも重要です。この場合、Market(市場)、Function(機能)、Technoogy(技術)のそれぞれの観点で分析できるMFT分析が有効です。

技術者が技術探索をする場合、技術者の立場によって選択するキーワードは変わります。MFT分析によって、M視点、F視点、T視点のそれぞれで技術探索をする技術者向けのキーワードを導くことが可能です。

MFT分析の活用について詳しく知りたい場合には、以下の記事をご参照ください。

MFTフレームワーク活用による技術マーケティングの進め方

キーワード選定に活用できる3つのツール

ここからは、精度の高いキーワード選定を効率的に行うことが可能なツールについて紹介します。

1.キーワードプランナー

キーワード選定を行う際には、Google広告を配信する際に利用するGoogle AdWordsのキーワードプランナーを活用できます。SEO対策したいキーワードを打ち込むことで、過去にどの程度の検索ボリュームがあったかを確認可能です。

広告出稿をしていない場合には、だいたいの数値しか表示されません。精度を高めるためには、少額でも広告配信をする必要があります。どの程度の精度が必要かによって、判断するといいでしょう。

2.サジェストツール

サジェストとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを打ち込む際に、検索エンジン側が提案してくれる候補のことです。実際に候補で出てくるキーワードで検索をしている人が一定数以上いるため、効果的なキーワードになる可能性があります。

さまざまな検索エンジンのサジェストを一括で取得してくれるようなツールがあり、それをサジェストツールとよびます。サジェストツールがあれば、効率的にキーワードの候補を抽出できます。

3.パスカル

パスカルは、株式会社オロパスが提供しているSEOツールです。SEOコンサルティングを行っている同社の社内ツールとして開発されたもので、社外のユーザーも使用できるように有料で提供しています。

高品質なSEOディレクションをデータに基づいて誰でも行えることを目指して開発されているため、社内の調整を数値に基づいて行いたい場合などに特に有用です。

上位表示されるページの共通点や上位表示するための具体的な改善点、必要なコンテンツなどの情報が得られます。

製造業ホームページにおいてキーワード選定を成功させるポイント

製造業が自社のホームページやオウンドメディア向けに、キーワード選定を成功させるには重要なポイントが3つあります。

一つ目はアクセスが稼げるキーワードか、二つ目はコンバージョン(問い合わせ)に繋がるユーザーが検索するキーワードか、三つ目は自社の強みと合致するかです。

これらのポイントを押さえたキーワード選定を行うためには、それぞれのポイントに対してKPIを設定することが重要です。設定したKPIを分析することで、選定したキーワードが適切だったか、改善すべきキーワードなのかを判別できます。

キーワード選定に成功し集客に繋がった事例

ここからは、テクノポートがサポートしたお客様の中で、キーワード選定に成功し集客に繋がった事例を3社紹介します。

同和鍛造株式会社

同和鍛造株式会社からは、もともと同社のホームページをリニューアルしたいという問い合わせをいただきました。そこで弊社では、自社技術をホームページの中でしっかりアピールすることにより、アクセスを集めることを検討しました。

分析の結果、検索需要が多いにもかかわらず競合がそれほど多くなかった「大型鍛造」「自由鍛造」「フリー鍛造」といったキーワードを選定し、上位表示を狙いました。

いずれのキーワードも狙い通りに5位以内に表示できたことで、検索エンジンからの集客に大きく貢献しています。

司フエルト商事株式会社

司フエルト商事株式会社は、提案型の商社ですが、提案営業は確度が低く営業効率が悪い点を課題として認識していました。そこで、自社のホームページで集客することを検討します。

フェルトの素材や業界ではなく、フェルトが持つ機能性で分け、機能名×フェルトのキーワードで記事を制作することで、集客に成功しました。

現在は、従来の用途とは異なる自社商品の多用途開発に繋がるような問い合わせも増えており、課題だった営業効率も大幅に向上しています。

株式会社小羽皮革

株式会社小羽皮革は、下請けの業務比率が高かったため、下請けを脱却するためにWebマーケティングの取り組みを開始しました。同社の分析を行った結果、同社の強みと親和性の高いブランド皮革製品分野をターゲットに取り組みました。

キーワード選定の結果、ブランド名を含むキーワードの検索需要が多いことがわかり、その分野で上位表示されるように対策を行いました。

また、検索ユーザーの特性について検討をしたところ、信用力の高いWebサイト作りが必要と考えられました。自社サイトでユーザーに信頼してもらえるような情報を掲載することでアピールに成功し、依頼に繋がっています。

まとめ

SEO対策におけるキーワード選定は、狙いとしたユーザーに自社を知ってもらい、魅力を感じてもらうために必要不可欠であり、とても重要な取り組みです。

効果的なキーワード選定を行うためには、3C分析やMFT分析などのフレームワークを活用するのが効果的です。また、効率よくキーワード選定を行うためには、サジェストツールなどを活用するといいでしょう。

実際にキーワード選定を行うことで、製造業や商社などで狙った顧客が増加すると共に、従来の用途ではなく新しい用途開発に繋がるような問い合わせにも繋がることが考えられます。

SEO対策におけるキーワード選定についてお困りの方は、テクノポートがサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

The post SEO対策においてもっとも重要なキーワード選定について徹底解説 first appeared on モノカク.

【メーカーのWeb担当者必見】SEO対策キーワードの見つけ方

こんにちは、テクノポートの永井です。今回はメーカーのWeb担当者様向けにSEO対策用キーワードの見つけ方を紹介します。

最近、コンテンツマーケティングを取り入れる企業が増えてきました。コンテンツマーケティングは「自社の技術を潜在顧客に知ってもらうためのマーケティング手法」のことです。お客様に対して有益な情報を提供することで、自社の認知度を上げて問い合わせを増やすことが目的になります。

コンテンツマーケティングはお客様の課題(検索キーワード)を想定して、SEO対策を施したコンテンツを増やしていくことが大切です。とはいえ、この検索キーワードを見つけることは意外と大変です。よくある失敗が、手当たり次第にキーワードを入れたコンテンツを作っていくことです。この方法ではアクセスも集まらず、自社の強みを訴求できていないことがほとんどです。

自社にあった適切なキーワードを見つけるためには、ターゲットを理解することが重要ですので、本記事ではターゲットの行動を細分化し、それに合わせたキーワードの見つけ方を紹介していきます。

キーワードを探す前にターゲットを理解

キーワードは「ターゲットが検索するときに使う言葉」になるため、ターゲットの行動を理解できていないと適切なキーワードを見つけることはできません。

弊社はターゲットを購買フローによって4段階に分け、各段階において検索キーワードを検討するようにしています。

  1. 情報収集段階:課題を解決する方法を探している
  2. 購入検討段階:課題を解決できる製品を探している
  3. 購入比較段階:課題を解決できる製品を比較している
  4. 購入決定段階:購入する製品を決めている

第1段階:情報収集段階

情報収集段階のユーザーは、課題を解決する方法を探しています。課題が具体的に見えていて、それを解決する方法を探している段階ですので、課題を中心にした幅広いキーワードで検索している可能性があります。

例えば「ボルト、ネジの締め忘れ」「大物 自動搬送」「摩擦 軽減」などがあります。自社の製品で解決できそうな課題を想定して、SEO対策用キーワードの候補としてまとめておきましょう。

第2段階:購入検討段階

購入検討段階のユーザーは、解決できる具体的な製品の情報を探している段階。自社の課題に対する解決策にあたりをつけて、それを解決するための具体的な製品を探しています。そのため、製品名や技術名などのキーワードで検索している可能性があります。

例えば「デジタルトルクレンチ」「触覚センサー」「3Dプリンタ」などになります。

第3段階:購入比較段階

購入比較段階のユーザーは、課題を解決できる製品を比較している段階。製品はある程度絞っていますが、スペックなどで検索してみて漏れがないかを確認するため、「製品名+求める性能」で調べる可能性があります。

例えば「デジタルトルクレンチ 無線」「デジタルトルクレンチ PLC連携」「触覚センサー ロボット用」などになります。

第4段階:購入決定段階

購入検討段階のユーザーはすでに購入品は決まっていて、最後の購入手続きのために具体的な製品名や社名で検索しています。この段階はターゲットではありませんが、ターゲットが購入検討段階のに入る前に自社の製品を知ってもらうことが大切です。

SEO対策キーワードの見つけ方

次にキーワードの見つけ方の紹介です。キーワードの見つけ方は、想定キーワードの洗い出し、Webや競合のサイトで関連キーワードを調査します。最後に、キーワードに優先度をつけてSEO対策キーワードを決めていきます。

ターゲットの購買段階ごとに想定キーワードを洗い出し

まずはターゲットが検索するであろうキーワードを想定して、大まかな洗い出しを行います。洗い出し方はなんでも大丈夫です。マインドマップなどを使って関連するキーワードをまとめていくと、洗い出しやすくなります。

ここで洗い出したキーワードがキーワード調査のベースになりますので、できる限り多くキーワードを出してください。一人ではなく複数人で洗い出しを行うことで、より多くのキーワードを出すことができます。

図 マインドマップ

Webを使って関連キーワードを調査

次に、Webを使って関連キーワードの調査を行います。関連キーワードの調査は、想定していなかったキーワードの洗い出しとターゲットが何を求めているのかを予想するために行います。

Webサイトは下記を使えば十分です。

検索エンジン(Googleやヤフーのサジェストキーワード)
ラッコキーワード:https://related-keywords.com/
キーワードプランナーの関連キーワード 使い方:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/23889
Googleのサーチコンソール 使い方:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/24291

用途開発を想定しているときは、技術名などでも検索をしてみたり、CINIIJ-GLOBALなどで論文を調べてみるのもいいと思います。


サジェストキーワード

競合のサイトを調査

次に競合サイトを確認します。競合サイトが行っているキーワード対策は必ず行ったほうがいいので、よくチェックしましょう。具体的なチェック方法はありませんが、ページ全体を読み対策しているキーワードを予想しましょう。見るところはページのタイトルと見出しです。

また、 想定したキーワードで実際に検索してみて、競合がどのような見出しで出てくるかも確認するといいでしょう。

キーワードに優先順をつける

最後に、洗い出したキーワードに優先順位をつけていきます。つけ方は下記の3要素のバランスを見て行いましょう。

  1. 検索キーワードの需要が多い(キーワードプランナーで確認)
  2. 自社とマッチングする可能性が高い(自社との親和性)
  3. SEO対策がしやすいもの(競合調査で判断)

アクセス数を増やすためには、検索需要が多いほうがいいのですが、検索需要が多いと競合数も多くなり、SEO対策が難しくなります。また、検索キーワードも抽象化しやすいため、自社との親和性がなくなってしまいます。そのため、これら3つのバランスを考慮してキーワードを選んでいってください。

キーワードを選ぶときのポイント

ビッグキーワードとスモールキーワード両方を選ぶ

ビッグキーワードは検索需要が多いキーワードのことで、SEO対策はかなり難しくなります。ビッグキーワードはSEO対策しても上位表示されない可能性が高いため、敬遠されがちです。しかし上位表示されたときのアクセス数はかなり多くなるので、諦めずにビッグキーワードも狙っていきましょう。

スモールキーワードは検索需要は少ないのですが、自社との親和性が高いキーワードになります。アクセスは多くなりませんが、SEO対策しやすく、問い合わせにも繋がりやすいメリットがあります。

例えば、

  • デジタルトルクレンチ(検索需要1,900件/月) → ビッグキーワード
  • ボルト 締め忘れ防止(検索需要30件/月) → スモールキーワード

ビッグキーワードは上位表示に時間がかかりますが、スモールキーワードは比較的早く表示されるようになります。問い合わせを増やすためには、スモールキーワードを軸にして、ビックキーワードを数個対策するとバランスよく対策ができるようになります。

事例と紐づけできるキーワードを選ぶ

事例をそのままスモールキーワードのSEO対策コンテンツにすることをおすすめしています。事例はお客様の個別の課題解決をした実績になるため、自社との親和性も非常に高く、訴求力も上がります。事例を書くときはタイトルや見出しに課題例などを入れることで、自然とスモールキワードのSEO対策ができますので、事例を作り際はその辺りを意識して作るといいでしょう。

例:お客様の声:https://www.adrec-jp.com/voice

まとめ

キーワードの見つけ方は、想定キーワードの洗い出し、Webや競合のサイトで関連キーワードを調査します。最後に、キーワードに優先度をつけてSEO対策キーワードを決めていきます。そのためには、まずはターゲットの行動を理解ことから始めてください。ターゲットを理解した上で、キーワードの洗い出しを行うことで、適切なキーワードを見つけやすくなります。

SEO対策に関するさらに詳しい情報は下記の記事で紹介しています。SEO対策・完全ガイド(BtoB製造業・メーカー向け)

こちらの記事もぜひ確認してみてください。

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サプライヤー企業のWebマーケティングにおける顧客ターゲットの絞り方

テクノポートの徳山です。これまで数多くのサプライヤー企業のWebマーケティングを支援してきましたが、顧客ターゲットの絞り方一つで成果に大きな差が出ることが多いと感じています。初めてWebマーケティングに取り組もうと考えている方が、第一歩の成果を挙げる際に最も重要なポイントとなると言っても過言ではありません。

今回は「顧客ターゲットの絞り方」について、具体的な手法を事例とともに解説します。

なぜターゲットを絞る必要があるのか

ターゲットを絞ったほうが良いとされる理由の一つに、オンラインユーザ(特にBtoB)は目的を明確に持って行動するため、自身の目的が確実に達成される選択肢を選ぶことが多い、ということが挙げられます。

そのため、オンラインの世界では何でも取り扱っているような百貨店スタイルよりも、専門性の高い専門店スタイルのWebサイトのほうが好まれます。つまり、オンラインの世界では「何でもできます」と謳うのは「何もできません」と言っているのと同じとなってしまう、ということです。

例えば、溶接加工を外注したいと考えている発注者がいたとします。A社は「溶接加工専門」、B社は「板金加工から組立て・溶接まで何でもお任せ」と謳っていた場合、発注者に好まれやすいのはA社となります。

これは専門性の高い業者のほうが「品質が高そう」「コストが安そう」などといった印象を自然と与えることができるためです。

ターゲットを絞ると比較検討された際に選ばれる

3Cの視点でちょうど良いターゲットに絞る

顧客ターゲットを絞る際のポイントは以下の3つです。

  1. 顧客の需要がそれなりにある市場を選ぶこと(顧客視点)
  2. 自社の強みが十分に活きる市場を選ぶこと(自社視点)
  3. 競合企業が少ない市場を選ぶこと(競合視点)

つまり、顧客(Costomer)、自社(Company)、競合(Competitor)の3Cの視点で考えることが重要です。とりわけ初めてWebマーケティングに取り組むサプライヤー企業にとっては「顧客の需要がそれなりにある市場」を選ぶのがよいでしょう。なぜなら、いきなり大きな市場を狙ってしまうと、それに対する競合サイトが多く新参者は埋もれてしまう可能性が高くなってしまいます。

それよりも、まずは小さな市場でも良いので、自社の強みが活きる相性のよい市場を見つけ出したほうが成果が出る可能性が高くなります。

“オンライン営業版”3C分析を活用する

ここからは、“オンライン営業版”3C分析の手法を用いた顧客ターゲットの絞り方についてご紹介します。オンライン営業版の3C分析は、一般的な3C分析と違い、インターネット上で取得できる情報をもとに進めます。そのため、情報が集まりやすく、非常に効率的な方法と言えます。

オンライン版3C分析

自社分析

自社分析では、一般的な3C分析と同じように、自社の強みは何かを洗い出したり、強みの根拠となる経営資源は何か(設備、職人、ノウハウなど)、といった情報を整理したりします。

市場・顧客分析

ターゲット顧客のニーズや発注先の選定基準、インターネットで新規発注先を探す際の動機などを考えます。ターゲット顧客が使いそうな「キーワード」の検索需要をキーワードプランナーで調べることで、そのデータを一般的な3C分析における「市場規模」の代わりとして使用していきましょう。

キーワードプランナー↑Google広告のアカウントがあれば使用できる「キーワードプランナー」を使えば、対策したいと考えているキーワードの検索需要を簡単に調べることができます。

競合分析

市場・顧客分析で使用した検索キーワードを使いGoogle検索した際に上位表示する企業と自社を見比べます。オンライン上で競合となる企業の情報であれば、未上場の会社であっても簡単にWebサイトから情報収集できます。

また、検索した際の検索HIT数を「競合数」、競合企業のWebサイトのインデックス数を「競合の競争力」と見立てることで、その市場がどれほどの寡占状況にあるのかを把握できます。

競合サイト数

↑Google検索した際に表示される検索HIT数を競合企業数として考えます。

インデックス数↑競合サイトのインデックス数の調べ方は上図のとおりです。インデックス数が大きいWebサイトが多く上位表示するようなキーワードは、SEO難易度が高く、検索上位表示させることが難しいので、なるべく避けるようにしましょう。

情報が整理できたら、3つのポイントに従い全体のバランスを見ていきます。

  1. 顧客の需要がそれなりにある市場を選ぶこと(顧客視点)
    →キーワードの検索需要はそれなりにあるか。はじめに中小企業が狙う規模感としては、月間の検索ボリュームが3桁台あれば十分です。
  2. 自社の強みが十分に活きる市場を選ぶこと(自社視点)
    →選定したキーワードで検索する顧客のニーズを思い浮かべ、自社の強みと相性が良いかどうかを検討します。
  3. 競合企業が少ない市場を選ぶこと(競合視点)
    →検索HIT数や競合サイトのインデックス数は少なければ少ないに越したことはありません。なるべく競合企業が少ない市場を選びましょう。

いくつかの市場を想定したうえで、1〜3をチェックし、最もバランスの良さそうな市場を選定し、ターゲットとしていきましょう。

顧客ターゲットの絞り込みパターン

3C分析による分析手法をご紹介しましたが、どのような観点から顧客ターゲットを絞り込むかについてはセンスが問われるところです。ここでは、秀逸な顧客ターゲットの絞り込みを行い、大きな成果を挙げている企業の事例をパターン別にご紹介します。

特定の“材料“で絞るパターン(ティケイワイプロダクツ)

TKYプロダクツ

機械加工業を営むティケイワイプロダクツは、5軸マシニングセンタをはじめとした多種多様な設備を有しており、どのような形状の金属部品でも加工が可能な会社です。

これだけ豊富な設備を有していると「なんでも削れます」と謳いたくなるところですが、たまたま加工経験の多かった材料であった低膨張熱材「ノビナイト」の加工にターゲットを絞り、単価の高い引合いを多く獲得することに成功しています。

「ノビナイト」や「ノビナイト加工」は検索需要の少ないキーワードですが、競合サイト数が圧倒的に少ないことから、短期間で検索上位表示を達成しました。

TKYプロダクツ

Webサイトでは、ターゲットユーザが抱えている「初めて加工する材料だから知らないことが多い」や「高価な材料なので失敗するわけにはいかない」といった不安に着目しました。

ノビナイト材の特性や、豊富な加工実績を紹介することで高い専門性をアピールすることで、ユーザへ安心感を与えています。

特定の“技術”で絞るパターン(昭和電器)

昭和電器

昭和電器は、樹脂金型設計・製造〜成形まで一貫でできることがウリの中堅のサプライヤー企業です。同社のWebサイトでは、競争の激しい「樹脂加工」市場全体を狙うのではなく「金属の樹脂化による軽量化技術」に焦点を当て、ターゲットを絞り込んでいます。

キーワード対策では、金属から樹脂へ材質転換をする際によく使われる「PPS材」周辺のキーワードに目をつけ、対策を行いました。その結果、多くのユーザからのアクセスを獲得することに成功し、軽量化ニーズの高い業界から量産案件の相談が寄せられ、多くのリード獲得に成功しています。

昭和電器

金属製品を樹脂化することは発注者であるメーカーにとっても未経験であることが多いため、あらかじめメリット・デメリットになる点を知りたいというニーズや、試作から量産化まで一貫対応してくれる会社に頼みたい、といったニーズに応えられるようなコンテンツをWebサイト上に掲載しています。

特定の“業界”で絞るパターン(星製作所)

星製作所

筐体製造を中心とした板金加工業を営む星製作所では、IT業界における板金筐体製造分野(サーバ筐体など)にターゲットを絞り成功を収めています。

筐体業界の中でも「製造」に関する知識の低いサーバ筐体業界に目をつけることで、それまで長年付き合ってきた業界の取引先とは比較にならないほどの高利益率の仕事の獲得を実現しています。

星製作所

同社が運営する「板金ケース.com」はユーザが求めるインタフェースにとことんこだわって設計がされています。ターゲットはIT業界のユーザとなるため、製造業界と違い、できるだけWeb上でコミュニケーションを完結したい、製造業の職人と話すのは苦手、といったニーズを持っています。

そのため、セミオーダー形式を取り入れ、なるべくWeb上でのやり取りだけで発注が完結できるようにしています。そのようなターゲットに適したインタフェースがユーザから評価され、多くの新規顧客獲得につながっているそうです。

特定の“ニーズ”で絞るパターン(共栄精機)

共栄精機

精密板金加工業を営む共栄精機は、「とにかく早く欲しい」という超短納期ニーズを持ったユーザにターゲットを絞り成功を収めています。

Webマーケティングへの取り組みは15年近くに渡り、取り組みを開始した頃は競合となるWebサイト数は少なかったのですが、競合他社が徐々にオンライン営業に取り組みだし、競争が激しくなる中で、会社として特徴を出してく必要性に迫られます。

そこで自社の強みと顧客のニーズが合致するという観点から、顧客の「早くほしい」というニーズに着目し、Webサイトをリニューアルしました。

顧客にニーズに合わせるために営業体制と生産体制を刷新。「見積り最短5分」を掲げるなど、超短納期で製品を製造・提供できる仕組みを作り上げています。

共栄精機

ターゲットユーザはとにかく急いでいるため、受注可否および見積り金額を早く知りたいといったニーズを持っています。そのようなターゲットユーザの期待に応えるため「1時間以内にほとんどの見積もり回答ができる」を実現しました。

これを実現するために、外注費をも社内で見積ってしまう体制や、一発で顧客が求めるベストプライスを提示できるノウハウをも構築していることろが同社の最大の強みとなっています。

まとめ

以上、顧客ターゲットの絞り方がWebマーケティングの成否を分けることをお分かりいただけましたでしょうか。顧客ターゲットを絞る際は、“オンライン営業版”3C分析を活用し、ちょうど良いターゲットを見つけましょう。

また、いくつかの企業の事例のように、ターゲットユーザが求めるものに合わせ、Webサイトのコンテンツ掲載するとともに、ユーザインタフェースを工夫することも大事です。

さらには、Webマーケティングは問い合わせを獲得した後の営業対応も大事です。戦略に一貫性を持たせるために、問い合わせ後の営業対応も努力して磨きましょう。

海外市場調査方法:調査結果の評価、まとめ

テクノポートの稲垣です。今回は前々回「海外市場調査方法:検索需要調査、競合調査」と前回「海外市場調査方法:ドメインとサーバー」の記事で得られた調査結果を基に分かったことをまとめます。

今回のまとめで述べる結論は普遍的なものではなく、あくまでも今回の調査結果の範囲から演繹される結論です。ですので、自社で調査を行った際に結果を評価する一つの見方として参考にしていただければ幸いです。

前回までの記事で紹介した調査結果をまとめた表を下に示します。詳しい調査の方法、内容は前回、前々回の記事を参照してください。

I列目から右側にまとめた競合企業の情報は、ドイツのGoogleで英語キーワードで検索を行った際に検索結果1位に表示される企業の情報を記録したものです。

検索需要調査

  • 目的:有効なSEO対策キーワードを模索
  • 調査対象:海外でのキーワード検索需要

結果

  1. 第一言語の月間検索数は同じキーワードの場合、英語の3倍から50倍
  2. 第一言語で検索した際、検索結果1ページ目に表示されるっ競合サイトの数は1~2企業多い(例外有り)

まとめ

  1. 第一言語での検索は検索需要、競合サイト数ともに多い
  2. 英語での検索は検索需要、競合サイト数ともに少ない

ドメイン調査

  • 目的:ドメインの優越調査(検索順位とドメインの設置場所に相関関係はあるのか?)
  • 調査内容:海外の競合企業のドメインと所在地(MYIP.MSを用いて海外の競合企業のドメインとドメイン設置場所を調査)

結果

  1. 検索順位1位に表示された全ての企業の一般トップレベルドメインは会社を表す「.com」が使用されている
  2. 検索順位1位に表示された企業全てがドイツ以外に所在する企業

補足情報(一般トップレベルドメインとは?)

  • 一般トップレベルドメイン(=gTLD(generic Top Level Domain))は「.com」「.net」「.org」などの、全世界の方が登録・取得できるドメインのことを指します。

まとめ

  1. 検索順位に表示される企業にターゲット国の国別トップレベルドメイン(ドイツの場合「http://www.〇〇〇.de」)を使用している企業はない
  2. 英語キーワードで検索を行った場合、ターゲット国以外に所在する企業が検索順位に表示されやすい

補足情報(国別トップレベルドメインとは?)

  • 国別トップレベルドメイン(=ccTLD(country code Top Level Domain)」は、国や地域ごとに割り当てられたドメインのことを指します。例えば、日本の国別トップレベルドメインは「.jp」、アメリカの場合「.us」になります。

サーバー調査

  • 目的:サーバーの優越調査(海外で検索する時に、検索順位とサーバーの設置場所に相関関係はあるのか?)
  • 調査内容:海外の競合企業のサーバー設置場所の把握(MYIP.MSを用いて海外の競合企業のサーバーとサーバー設置場所を調査)

結果

  1. 検索順位1位に表示された企業のサーバーの所在地は全てドイツ以外の国
  2. サーバーのトップレベルドメインには、「.com(会社)」、「.net(ネットワークに関する企業)」「.nl(オランダの国別トップレベルドメイン)」が使われている

まとめ

・検索順位上位に表示される企業にターゲット国のサーバーを使用している企業はない

補足情報(サーバー設置場所と検索順位の関係)

今回の調査結果では、サーバー設置場所と検索順位の結果に相関関係はありませんでした。しかし、一般にWebサイトが自国のサーバーを使用することで検索エンジンの評価が上がり、検索結果上位に表示されやすいと言われています。

理由は、サイトの表示速度にあります。自国のサーバーを使用しているWebサイトは外国のサーバーを使用しているWebサイトより表示速度が速いため、検索エンジンからの評価が上がります。加えて、表示速度が早いと読み手の離脱も減少することも検索結果に良い影響を与えます。

そのため、海外SEOをする場合にはAWS(Amazon Web Services:Amazon.comが提供するクラウドコンピューティングサービス)のようなクラウドサービスの活用が推奨されています。なぜなら、クラウドサービスは世界中いずれの国にも対応でき、国ごとにサーバー契約をする必要がないので、検索エンジンの評価を保ちつつ、海外Webサイトを運営できるためです。

まとめ

今回の記事では、Googleキーワードプランナーを用いて行った検索需要調査の結果、MYIP.MSを用いて行ったドメイン調査、サーバー調査の結果をまとめました。

細かい結果については過去の記事を参照してください。

海外の市場調査と聞くと難しそうな印象を受けますが、今回紹介した方法を用いることで簡単にかつ無料で海外の競合企業、ドメイン、サーバーの調査を行うことが可能です。今回の内容が海外進出に関心のある方の参考になれば幸いです。

海外市場調査の方法:ドメインとサーバー

テクノポートの稲垣です。今回は前回の記事で紹介した海外の競合調査の方法の続きを説明します。具体的には、MYIP.MSというフリーサイトを利用して海外の競合企業の所在地とサーバー設置位置を把握する方法を紹介します。

前回の記事同様、今回の記事で紹介する方法は全て無料でできる方法なので、海外進出に関心のある方は一度自身でお試しください。

ドメイン調査の概要

ドメインとは、ホームページのアドレス「http://www.〇〇〇.com」の「〇〇〇.com」の文字列のことを指します。 ドメインとはインターネットの住所のようなもので、現実の住所に重複したものが存在しないように、ドメインにも重複したものは存在しません。

【目的】ドメインの優越調査

  • 海外で検索する時に、検索順位とドメインの設置場所に相関関係はあるのか?

【調査内容】海外の競合企業のドメインと所在地

  • MYIP.MSを用いて海外の競合企業のドメインとドメイン設置場所を調査

Step 5 ドメイン調査

このステップでは、海外の競合企業のURLを利用して同企業のドメインとドメインの設置場所を調査します。今回も前回の記事同様に例を用いて説明します。前回の記事で競合調査まで終えた時点で、下図に示すような表が完成していると思います。

今回は例として、キーワード “Blechverarbeitung”(日本語:板金加工)を例に使用します。まず、ドイツのGoogle検索で”Blechverarbeitung”を検索し、検索結果一ページ目に表示される競合企業のWebサイトのURLをコピーします。(今回の例では、広告に表示される企業は除外しています。)

次にMYIP.MSを開き、コピーしたURLを検索欄にペーストし、Whois Lookupをクリックします。クリックするとした図のような画面が表示されます。

ドメインは1行目の”Hosting Info For Website”に、ドメインの設置場所11行目の”Hosting Country”にそれぞれ表示されます。この2つの情報を表に記録します。

サーバー調査の概要

サーバーとはWebサイトのデータをオンライン上に置くためのコンピュータのことを指します。

【目的】サーバーの優越調査

  • 海外で検索する時に、検索順位とサーバーの設置場所に相関関係はあるのか?

【調査内容】海外の競合企業のサーバー設置場所の把握

  • MYIP.MSを用いて海外の競合企業のサーバーとサーバー設置場所を調査

Step 6 ドメイン調査

このステップでは、海外の競合企業のURLを利用して同企業のサーバー名とサーバーの設置場所を調査します。

先ほど同様にMYIP.MSを開き、コピーしたURLを検索欄にペーストし、Whois Lookupをクリックし先ほどと同様の画面を表示させます。

まず、最下行の”Website Nameservers”の欄に表示されるサーバー名を表にコピー&ペーストします。次に、サーバー名をクリックするとした図のような画面が表示されます。

左の列3行目の”Country”欄に表示される国名がサーバー設置場所を示しているので、この部分を表に記録して終了です。

まとめ

今回紹介した方法を用いることで、専門業者に依頼することなく自社で海外の競合企業の所在地とサーバー設置場所を把握することができます。次回は、海外の競合企業の所在国、サーバー設置場所の調査方法について説明します。次回は前回と今回の記事の内容のまとめとして、得られたデータの見方、分かることなどを説明します。

海外の市場調査方法:検索需要調査、競合調査①

テクノポートの稲垣です。今回から3回にわたって、Googleを利用した海外の競合企業を調査する方法を説明します。第1回目の今回は、Google広告を使った検索需要調査の方法、世界各国のGoogleを利用した競合調査の方法を紹介します。今回紹介する方法は無料でできる方法なので、海外進出に少しでも関心のある方は一度自身でお試しください。

検索需要調査の概要

  • 調査対象:海外でのキーワード検索需要
  • 目的:自社にとって有効なSEO対策キーワードを模索

Step 1 キーワード選定

このステップでは、SEO対策として使用する日本語キーワードを選定します。キーワード選定の詳しい方法は「製造業ホームページのSEO ~対策キーワード選定3つのポイント~」を参照して下さい。

Step 2 キーワード翻訳

このステップでは、選定したキーワードを翻訳し表に配置します。今回の例では、

  1. 板金加工
  2. 精密板金
  3. レーザー加工
  4. 曲げ加工
  5. 溶接加工

の5つのキーワードについて調査を行います。

まず、選定した日本語キーワードと調査する国名を下図のように表に配置します。今回は例としてドイツを対象国に設定します。

次に、調査対象キーワードを調査対象国の第一言語(例の場合ドイツ語)と英語に翻訳し表に配置します。今回の例ではDeepL翻訳を用いて翻訳しました。

翻訳を第一言語と英語の2種類行う理由は、第一言語で国内の検索需要、英語で国外の検索需要を調べるためです。

Step 3 検索需要調査

このステップでは、Google広告のキーワードプランナーというツールを用いてキーワードの検索需要を調べます。キーワードプランナーとはキーワードの検索ボリューム、競合の多さなどを調べることができるツールです。今回の例では、それぞれのキーワードの月間検索ボリューム(1カ月あたりでキーワードが検索された回数)を調べます。

それでは具体的な方法を説明します。まず、Google広告の「ツールと設定」からキーワードプランナーを検索します。

次に、「新しいキーワードを見つける」を選択します。選択するとした図のような画面が表示されます。

この画面が表示されたら、Step 2で翻訳したキーワードをコピーし、検索スペースにペーストします。次に、検索スペース右下に表示されているロケーションマーク(上図では日本と表示)をクリックするとした図のような画面が表示されます。今回の例ではドイツを調査対象国として選択し、保存ボタンをクリックします。

これで準備は完了です。ここまで完了すれば、下図のような画面になると思います。

最後に、左下の結果を表示をクリックします。すると結果画面の下部に次のような表示がでます。

今回の例で取得すべきデータである2列目の月間平均検索ボリュームを表に記録します。

今回の例では、Google広告を出しているアカウントを使用したため、月間平均検索ボリュームが数値(最大有効数字3桁)まで表示されます。Google広告を出していないアカウントの場合は、数値ではなく範囲(10~100、100~1000、1000~1万、1万~10万)で表示されるという違いがあります。

競合調査の概要

  • 調査対象:狙ったキーワードに対して検索で上位に出てくる競合企業
  • 目的:競合企業に勝るためには、どのような対策が必要になるかを探る

Step 4 競合調査

競合調査では、選定したキーワードそれぞれの検索結果に表示される競合企業の数を把握するプロセスです。このプロセスで重要になるのは、調査対象国のGoogleを利用して検索するということです。

例えば、日本の大手自動車メーカーの一つであるTOYOTAを日本のGoogleで検索すると、下図のような検索結果が表示されます。

一方で、ドイツのGoogleを使って同じくTOYOTAを検索すると、下図のような検索結果が表示されます。

検索結果から分かるように、日本のGoogleではTOYOTAの日本法人、ドイツのGoogleではTOYOTAのドイツ法人が検索トップに表示されます。つまり、ドイツで国内の競合企業を調査したければ、ドイツのGoogleを使用して競合調査をする必要があると分かります。

それでは具体的な方法を説明します。上の例で説明したように対象国における競合企業の数を調査するためには、対象国のGoogleを使用する必要があるため「世界各国のGoogle検索ページ」から対象国のGoogleを開きます。

次に、調査するキーワードを一つ選択し対象国のGoogleで検索します。今回の例では、Blechverarbeitung(日本語:板金加工)を例に使用します。

あとは、検索結果1ページ目に表示されるサイトをすべて開き、企業のサイトでないものは除外し、競合企業の数を数えます。すべてのキーワードについて競合企業の数を下図のように表にまとめれば終了です。

まとめ

今回紹介したように「Google広告」や「世界各国のGoogle検索」を利用することで、誰でも海外の競合企業調査を行うことができます。加えて、今回紹介した方法を用いることで、専門業者に依頼する前に調べられる情報はご自身で調査し、不足する情報を業者に補ってもらうということもできます。次回は、海外の競合企業の所在国、サーバー設置場所の調査方法について説明します。