【まるわかり】SEOに役立つ競合調査の方法 (テンプレ、ツール)

テクノポートの永井です。SEOをするには競合調査が大切です。競合がどのような構成で記事を作っているかを把握して、その上で競合と差別化するオリジナルのコンテンツを用意しなければSEOはうまくいきません。

今回の記事では、競合調査のポイントや調査に使えるツール、事例などを紹介します。SEOをするときにはぜひ参考にしてください。

SEOに競合調査が必要な理由

はじめにSEOになぜ競合調査が必要なのかを解説します。

SEOは勝負である

SEO(Search Engine Optimization)はGoogleなどの検索エンジンで上位に表示させるための方法です。世の中にはたくさんのサイトがあり、検索順位を決めているのはGoogleなどの検索エンジンです。

つまり、検索エンジン(Google)が審判を務めるゲームに勝つための方法がSEOになります。

勝負に勝つための情報収集が競合調査

勝負に勝つためにはルールの把握と競合の調査が大切です。SEOのルールは検索エンジンごとに違いますが、Googleは「検索者にとって有益な情報」であることが大きなポイントになります。このポイントに沿って「競合がどのような情報を掲載しているのか?」そして「その情報以上に有益な情報とは何になるのか?」というのを検討して、対策を立てていきます。

このゲームはあくまでも競合に勝つ、つまり1位になることが目的ですので、競合調査はしっかりと行ってください。

競合調査のポイント

競合調査のポイントを紹介します。

競合サイトを決める

競合を調査するためには、まず競合を決めなければなりません。競合はリアル業界での競合、ネット上での競合の2種類に分けられますが、SEOを検討する際は「ネット上での競合」を競合として決めてください

ネット上での競合を探す場合は簡単で、選定したSEOキーワードで検索したときの検索結果の1ページ目に出てくるサイト、だいたい10サイトを競合として決めれば大丈夫です。

競合サイトのターゲットを想像する

競合サイトが決まったら、次にターゲットを想像します。

Googleは検索者にとって有益な情報を掲載しているサイトを上位に表示させているのですが、ここで大きな疑問がでてきます。「検索者にとって有益な情報」とは何か?つまり、検索者が何を求めているのかを誰がどうやって判断しているのか?という疑問です。これは「ビッグデータを使ってGoogleが検索キーワードから想像している」ということになります。
このゲームの審判はGoogleなので、Googleが検索者のニーズを勝手に想像して、それに合致するサイトを上位に表示します。

SEOをする際は「Googleが検索者のニーズをどのように考えているのか?」ということを想定しなければなりません。ここで重要なのは検索者の真のニーズではなく、Googleの想定を理解することです。その方法は1つ、対象キーワードで検索することです。

このゲームは検索することで結果がすぐにわかります。つまり、Googleが高く評価しているサイトがどのサイトなのかが具体的に、しかも順位ごとにわかります。

この情報をもとに「Googleが想定している検索者のニーズ」を想像していきます。

まずは、競合と設定した10サイトのターゲットを想像し、Googleが想定している検索者のニーズを調査します。次に、自社の記事のターゲットを設定し、Googleのニーズとターゲットのニーズを合わせた記事を書いていきます。

競合サイトの構成を確認する

Googleから高評価を得るためには、競合サイトとの差別化が必要です。

Googleは検索者に「いい検索エンジン」として評価されることを目的としてるため、検索結果やその順位にはかなり気をつかっています。言い換えると、1ページ目に不要なサイトが出てきた場合、検索者は検索エンジンを乗り換える可能性があります。Googleはこれを避けたいんですね。

そこで、Googleは検索者にとって有益であろうサイトを複数出して、検索者に合致する確率を上げる方法をとります。そのため、同じ情報を掲載しているサイトは出さずに、情報の質が高いほうを1ページ目に掲載して、それ以外は2ページ目以降に掲載することが多くなります。

つまり、競合と同じ情報を出しつつ、さらに有益な情報を追加することで自社のサイトを上位に持ってきやすくなります。

だからこそ競合サイトの記事の構成確認が大切になってくるのです。

競合調査をした後

競合調査をした後は、いよいよ自社のサイトの構成を作り記事を書いていきます。記事の内容はおもに「網羅系」と「事例系」の2種類を使い分けます。網羅系の場合は構成を作る段階で、競合が出している一般的な情報をまとめて自社の記事に反映します。

事例系の場合は、まず事例の数を記載し、多めに事例の説明を入れます。検索キーワードによって網羅系がいいか、事例系がいいか変わってくるのでよく検討してみてください。

競合調査に役立つツール一覧

サービス サービスの内容
(サイトより抜粋)
費用 サービスURL
パスカル SEOツール・パスカルは、コンテンツマーケティング および SEOの大幅な作業効率化を実現する有料ツールです。時間のかかる競合サイトの分析を自動化。検索上位ページの傾向からコンテンツやタグの改善点を比較分析します。 有料(無料の体験版あり) https://www.pascaljp.com/
アナトミー プロフェッショナルが行う高度なSEO分析を、直観的な操作で視覚化するツールです。 有料(無料の体験版あり) https://siteanatomy.com/
ahrefs(エイチレフス) Ahrefs(エイチレフス)は世界で60万人が導入しているSEO分析ツールです。自社サイトだけでなくあらゆる競合サイトの被リンク分析(バックリンク)や検索エンジンの上位表示コンテンツ、想定流入キーワード、ソーシャルメディアの反応を把握することが可能です。 有料 https://ahrefs.com/ja
Majestic SEO 誰が自社ウェブサイトにリンクしているかを探す。
Majestic は、ウェブをマッピングして、市場を支配するために必要なリンク インテリジェンス データを提供します。SEO の有力ブランドによる受賞歴のあるデータをご活用ください。
有料 https://ja.majestic.com/
キーワードプランナー “適切なキーワードを選択
適切なキーワードを選ぶと、購入見込みの高いユーザーに広告が表示できます。Google 広告キーワード プランナーがキーワード選びをお手伝いします。”
有料(無料は機能制限) https://ads.google.com/
Ubersuggest ドメインかキーワードを入力するだけで、競合に勝てるSEO戦略を提供します。 有料(無料の体験版あり) https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/
GRC 検索順位チェックツール 有料 https://seopro.jp/grc/
SEARCH WRITE 知識がなくてもすぐに使えるSEOツール
SEARCH WRITE(サーチライト)は、SEO成果の可視化・分析・施策立案からタスク管理までを総合的にできるSEO対策支援ツールです。自社キーワードの分析からページ調査・競合分析までを1つのツールで。
有料 https://searchwrite.jp/
SimilarWeb ウェブサイト分析に使える、解析ツールや調査機能が勢揃い!サイトパフォーマンスを比較し、浅酌を分析し、市場シェアを拡大しましょう! 有料(無料の体験版あり) https://www.similarweb.com/ja/
Dockpit 競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン
Dockpit(ドックピット)は消費者のWeb行動ログデータをもとに、市場調査・ユーザー理解を実現します。直感的なダッシュボードで、誰でもカンタンに3C(自社・競合・市場)分析。短時間でデータドリブンなマーケティングを可能にします。
無料 https://www.valuesccg.com/dockpit/
Keywordmap Keywordmap(キーワードマップ)は、競合サイトの調査・分析に強みを持つSEO・コンテンツマーケティングツールです。ビッグデータに基づいたキーワード選定、コンテンツ制作、広告調査を実現し、あなたのWebマーケティングを支援します。 有料 https://keywordmap.jp/
SEMrush Semrushの日本公式サイト。SemrushはSEO、広告、SNS、コンテンツマーケティング、競合分析を実現するオールインワン競合分析ツールです。世界1000万人に愛用され、月額$119.95からと圧倒的なコストパフォーマンスで利用可能。 有料 https://semrush.jp/
Gyro-n SEO 検索順位チェックから競合分析、キーワード分析まで、SEO管理に必要な機能を網羅したSEOツール 有料 https://www.gyro-n.com/seo/
SE ranking 事業者、代理店、SEOスペシャリスト向けの順位チェックソフトウェア。マーケティング戦略に必須のSEOツール SE Rankingで監視、テスト、分析を実施。 有料 https://seranking.com/jp/
ラッコキーワード 無料で利用できるキーワードリサーチツール

調査したいキーワードを入力すると一瞬でキーワードリサーチに必要な情報を収集してくれる

マーケティングや記事・動画などのコンテンツ設計に役立つツールです!

無料(一部有料) https://related-keywords.com/

競合調査事例

競合調査例(2022-10-18)
キーワード:プレス加工

結論:競合の情報量が多く、差別化が難しいため「プレス加工」で上位表示は難しい。

Googleの想定ターゲットがプレス加工を知らない人になっていると予想できることから、「◯◯とは系」の内容を入れることは必要。ただし、それだけだと競合に勝てないので、プラスαの情報として「事例」「動画」などを入れることで自社の情報優位性を上げることが大切になります。

検索
順位
サイト カテゴリー 想定ターゲット タイトル 見出し(抜粋)
1 キャディ株式会社 ◯◯とは系 プレス加工を知らない人 プレス加工とは?特徴・種類・加工法・製品例を詳しく解説
  • プレス加工とは加工物を圧着して行う加工のこと
  • プレス加工の特徴と他の加工との違い
  • プレス加工の主な種類
  • プレス加工で使われる用語
  • プレス加工を用いて作られる製品
  • プレス加工で必要とされる金型とは
2 株式会社キーエンス ◯◯とは系 プレス加工を知らない人 プレス加工 | 塑性(そせい)加工 | なるほど!機械加工入門 | キーエンス
  • プレス加工とは
  • プレス加工の種類
  • 金型とプレス加工方式の種類
  • プレス加工と板金加工の違い
  • プレス加工機の種類
  • プレス加工の被加工材と金型材
  • プレス加工の不良
3 wikipedia ◯◯とは系 プレス加工を知らない人 プレス加工 – Wikipedia
  • プレス加工
4 ものづくりエンジニアのための「はじめの工作機械」 ◯◯とは系 プレス加工を知らない人 プレス加工とは?代表的なプレス加工法とプレス加工工程・事例
  • プレス加工ってどんな加工?
  • プレス加工のメリットとデメリット
  • プレス加工の種類について
  • プレス加工と鍛造の違い
  • プレス加工による製品の例
  • プレスで使用される材料「ブランク」「定尺材」について
  • ブランクの素材について
  • プレス加工工程の種類について
  • プレス加工の後工程
  • プレス加工とは?まとめ
5 工場タイムズ ◯◯とは系
他の加工との比較系
プレス加工を知らない人 プレス加工とは? 板金加工との違いとメリット・デメリット
  • プレス加工とは
  • プレス加工で成形される製品例
  • 加工方法の種類
  • プレス金型の種類
  • 板金や鍛造加工との違い
  • プレス加工のメリットとは
  • プレス加工のデメリットとは
  • プレス加工の仕事内容
6 mitsuri ◯◯とは系 プレス加工を知らない人 プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!
  • プレス加工とは
  • プレス加工の仕組み・工程について
  • プレス加工における金型ついて
  • 金型の種類
  • プレス加工の種類
  • プレス加工と板金加工との違い
  • プレス加工のメリット・デメリット
  • プレス加工製品事例
  • プレス加工で用いられる金属について
  • プレス加工を一流の板金加工業者に発注しませんか?
7 有限会社 川田製作所 ◯◯とは系
事例
プレス加工を知らない人 金属プレス加工の種類とは?代表的な種類と加工事例を紹介
  • 金属プレス加工とは
  • 金属プレス加工の種類
  • プレス加工で起きやすい不良
  • 金属プレス加工で生産できるもの

まとめ

競合調査の必要性や、ポイント、役に立つツールや事例を紹介しました。SEOをして検索上位に表示させるには競合調査が大切です。SEOのために本記事で紹介したツールをぜひ活用してください。

テクノポートでは、お客様のホームページリニューアルやSEOなどを支援できます。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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BtoB製造業のカスタマージャーニーマップについて考える

マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回はカスタマージャーニーをテーマにお話しします。カスタマージャーニーを作るメリットや具体的な作り方、BtoB製造業における注意点などについて解説します。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスを認知してから購入/利用するまでの一連のプロセスのことです。その顧客がたどるプロセスを旅路に見立てジャーニーとしています。旅路における顧客とサービスの接点や顧客の行動心理などを整理して可視化したものがカスタマージャーニーマップになります。

カスタマージャーニーマップは、顧客の状況や自社施策をまとめたマーケティングの設計図のようなものです。マーケティング活動に活用することで、顧客が必要なタイミングに、必要な情報が届けることができ、購入を促すことができます。

カスタマージャーニーを作成するメリット

企業がカスタマージャーニーを作成するメリットはいろいろありますが、ここではBtoB製造業に対するメリットとして、主に3つのポイントを解説します。

組織全体でベクトル合わせができる

BtoBでは、受注に至るまでにBtoCよりも多くのメンバーが関わります。カスタマージャーニーマップを作成することで、すべての組織で共通認識が生まれ、同じ目標に対して同じ方向を向いて活動できます。個々の担当者の思い込みが排除できるので、個人の力量に依存しない組織全体での最適化が図れる。

顧客の状態にあった最適なアプローチができる

カスタマージャーニーマップを活用すると、顧客側の行動心理を時系列で追跡することができます。そのため顧客の「今」の状態にあわせて最善の施策を打つことが可能になり、購買促進や顧客満足度の向上につながります。

プロセスごとに進捗や達成度を可視化できる

カスタマージャーニーにおける各プロセス・施策ごとにプロセスの達成度を可視化できます。そのため、顧客がどの段階でどういう成果がでているのか、どういう課題があるかが明確になります。これは組織の中でも管理しやすく、PDCAを素早く回すことが可能です。どの施策に先に実施すべきなのかの優先順位付けを行うのにも役立ちます。

カスタマージャーニーマップを継続的に活用することで、ノウハウが組織で蓄積されていきます。ブラッシュアップしつづけることで大きなビジネス成果を得ることができます。

BtoB製造業のカスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップは、BtoBでもBtoCでも概ね共通の手順にて作ります。ここでは、一般的な作り方を5段階のステップでご紹介します。各ステップにおいて、BtoBならではのポイントも説明します。

1、ペルソナを設定する

まず、ターゲットとなる顧客の人物像を明確にします。顧客というと企業全体でとらえてしまう方もいらっしゃいますが、ここでは企業の中の個人が対象です。ただし、個人は企業を代表して動くのが前提となります。BtoB製造業の場合、企業内の複数の人・組織を経て購買に至るので、各役割におけるキーパーソンにフォーカスするのがよいでしょう。

ターゲットが複数いる場合、別々にペルソナを設定することになります。BtoBの場合、業務上の悩みや仕事スタイル・嗜好性を見た方がよいでしょう。顧客にヒアリングをし、それを拠り所に作成することが望ましいです。

2フェーズを設定する

次に、認知から受注に至るまでの顧客の行動フェーズを設定します。通常、購買行動モデルを参考に当てはめて考えていきます。BtoB製造業の一般的な購買行動モデルとして、ASICA(アシカ)*1があります。

ただし、商材によっては、一般的な購買行動モデルにあてはめにくいものもあります。また、BtoBの場合、担当役割によっても行動が異なることです。購買行動モデルに囚われず、ビジネス形態や、自社の目的にあわせて設定してみてください。

*1)BtoBの購買行動モデル ASICA(アシカ):

    • Assignment(課題)
    • Solution(解決)
    • Inspection(検証)
    • Consent(承認)
    • Action(行動)

3、タッチポイントを洗い出す

このステップでは、自社と顧客の接点となるポイントを考えます。BtoBの場合、受注に至るプロセスがパタン化されているため、そのパタンに沿って洗い出していくとよいでしょう。

タッチポイントと併せて、接触するメディアなどの媒体が何かも一緒に考えていきます。

タッチポイントを考える際の注意点として、今現在の活動において、どこにどういう接点があるかも見た上で検討するとよいでしょう。現状を無視して、理想を追い求めてしまうと絵に描いた餅となってしまい、実際の施策にうまく落とし込めないことがあるためです。

なお、複数ペルソナがある場合は、それぞれに対して別々にタッチポイントを考えます。同じ企業でも役割担当によりタッチポイントが異なるからです。

4行動・感情を整理する

ペルソナがどの段階でどんなアクションを行い、どんな心理状態なのかを考えます。例えば、課題解決に向け情報収集をしたい場合、ネット検索で関心の高いテーマのサイトを閲覧したり、展示会に足を運んだりします。比較検討の段階では、候補となる製品のデモ動画を視聴したり、サンプルを取り寄せたりします。

こうした行動やその際の感情は、基本、③で洗い出した個々のタッチポイントに対して考えていきますが、そのタッチポイントに限らず、その接点の前後の行動にあたる周辺までみていくとよいでしょう。顧客へのアンケートやヒアリングを活用し、多角的な視点で顧客行動を見ていくことが必要です。

5、マップに落とし込む

最後に、①~④の結果を実際のマップに落とし込んでいきます。マップの横軸には、時系列にフェーズを並べます。縦軸には、タッチポイントと媒体チャネル、行動、感情、そしてアプローチ施策を置いていきます。

わかりやすくするために、グラフなどを用いてビジュアル化してもよいでしょう。

カスタマージャーニーマップを作る上で押さえるべき5つのポイント

ここでは、カスタマージャーニーマップを実際に作る上で、BtoB製造業として注意しておきたい事項について説明します。

対象と目的は明確化されているか?            

カスタマージャーニーマップに限らず、計画立案時によく言われていることですが、手段が目的にならないようにするということはとても重要です。マップを作ることが目的にならないように注意しましょう。

また、ペルソナの対象はできるだけ具体的に設定した方がよいです。抽象的な設定をしてしまうと、対象がぼやけてイメージしづらくなります。

顧客視点で考えられているか?

顧客視点が重要ということは誰もが認識する当たり前の話になりますが、考えられていないケースが少なくありません。それは、顧客視点といいながら、自社にとっての理想像や、担当者の思い込みになっているケースが多々あるからです。

顧客視点で考えるには、営業やカスタマーサポートなど顧客と日頃接点をもつ担当者を巻き込むことが必要です。顧客自身が実際に述べた意見を拾うようにし、自社担当者が考える想像上の顧客イメージを盛り込んでしまわないよう気をつけましょう。

優先順位はつけられているか?

カスタマージャーニーを検討する際には、目的やゴールに対する優先順位を常に意識することが重要です。

理想を追いすぎてしまって現実とかけ離れたものができあがってしまわないよう、現状を見ながら検討していきましょう。なんでもかんでも緻密に考えすぎてしまうと冒頭で述べた手段が目的化してしまうことになりかねません。

フェーズごとにKPI設定されているか?           

カスタマージャーニーを考える際には、各フェーズ、タッチポイントごとにKPIを設定することが望ましいです。最終目的からの逆引き設計でKPIを考えていくとよいでしょう。

目的は、KPIの管理ではなく、PDCAを回してビジネスを改善することです。そこを見失わないようにしましょう。

作って終わりになっていないか?       

カスタマージャーニーマップは作って終わりではありません。実際に活用しながら課題を見つけ改善していくことが求められます。

顧客の行動を観察し、マップとあわない部分はどこか洗い出しましょう。顧客と直接接点がある営業やカスタマーサポートの部門から定期的に意見を吸い上げる仕組みを構築しておくことが肝要です。課題がどこにあるのかを検証し、タッチポイントやチャネル、施策を追加変更してPDCAを回していきましょう。

カスタマージャーニーに役立つツール

ここでは、カスタマージャーニーマップを作成する際に、役立つツールを3つ紹介します。

KARTE

株式会社プレイドが提供するカスタマージャーニーを分析・可視化するツールで、サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析可能です。 カスタマージャーニーは、訪問者がWebサイトに訪れた理由を蓄積された情報からの推測により作成できます。

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Salesforce Marketing Cloud

株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するMarketing Automation(MA)ツールです。カスタマージャーニーマップは、MAツール内の「Journey Builder」でカスタマージャーニーマップを作成できます。またSalesforce向けの「GetFeedback」を使用すると、カスタマージャーニーの重要なタッチポイントで、自動的に顧客フィードバックを収集できます。

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AD EBiS

株式会社イルグルムが提供するアクセス解析ツールで、媒体・デバイスを横断したデータ取得が可能で、すべての流入チャネルを統合管理できます。カスタマージャーニー分析機能が搭載されており、「施策にどのくらい寄与したか」や「接触者と非接触者の違い」を比較検証できます。

詳細はこちら

カスタマージャーニーマップは、無料で使えるテンプレートが各社から提供されています。検索ワードで「カスタマージャーニーマップ テンプレート」と入力すると提供しているサイトが見つかるので、作成に慣れていない方は参考にしてみてください。

まとめ

カスタマージャーニーマップは、顧客の製品認知から購入に至るまでの旅路を可視化したもので、顧客接点・行動心理、施策をまとめたマーケティングの設計図です。このマップを組織全体で活用することで、組織全体で共通のゴールに向かって最適化が図れ、顧客起点でマーケティング活動が行えるようになります。

カスタマージャーニーマップは、対象となるペルソナの設計から始まり、顧客の購買行動に従って、顧客接点や行動心理を整理しながら作成していきます。BtoB製造業の場合、商材によってパタン化された流れがあるので、自社の現状を各フローで整理しながら作成するとよいでしょう。カスタマージャーニーマップはあくまでもマーケティング活動全体を改善するための手段のひとつです。手段が目的にならないよう気をつけたいものです。

カスタマージャーニーは、MAツールやアクセス解析ツールなどを活用して自動的に可視化・分析することができます。また、カスタマージャーニーマップのテンプレートもいろいろ出回っています。これらのツールを活用することで効率化を図れます。

テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひご相談ください。

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課題別IoTツール・サービス事例集1:センサの選び方・使い方がわからない

こんにちは、盛岡在住IT系ライターの宮田文机です。2020年4月まで『IoT導入事例ファイル』と題し、スマホ・ビーコン・ロボットなど活用ツールもしくはデータ活用・ノウハウ共有・品質管理・新ビジネス創出など目的別に、参考にしたいIoT/AI導入事例をご紹介してきました。

IoT導入に着手しようというとき、まず立ちはだかるのが“自社にノウハウがない”という壁です。データの取得、見える化、制御、AIによる自動化といったスマートファクトリー化の各フェーズに、自社に合った機器の選定やシステム構築といったハードルが存在します。そこで本シリーズでは、IoT化の各段階でよくある課題にあったツール・サービスをフラットな目線からまとめて解説いたします。

初回のテーマは「センサの選び方・使い方がわからない」。機器からのデータ収集に欠かせないセンサの導入・活用をサポートしてくれるツール・サービスをご紹介します。

センサの選び方・使い方はセンサ万別?

IoTのスタート地点は工場からのデータ収集です。

データを取得するには人間でいう五感の役割を果たすセンサを設置しなければなりません。しかし、センサの選別はなかなか骨が折れる作業。そもそも温度センサ、振動センサ、光センサ、画像センサ、加速度センサなどセンサ自体にさまざまな種類が存在し、そのなかでも価格や仕様、機能に差異があるからです。

またセンサから得たデータを活用するには、情報を集約するためのシステムを構築する必要も生じます。

そこでベンダー・サービスの力を借りる機会が訪れます。各ベンダーがパッケージソリューションやコンサルティングを提供していますが、そのなかでも「センサの選定・設置・情報収集」のフェーズで役立つ例を見ていきましょう。

事例1:センシングに長けたIoTプラットフォーム「FASTIO」

エコモット株式会社のFASTIOは、IoTデータの収集・管理に強みを持つIoTプラットフォームです。IoTへの注目の高まりとともに多くのベンダーがIoTプラットフォームを提供し始めました。そのなかでも「FASTIO」はセンシング(センサによる情報の計測・数値化)に長けており、2,000種類以上のラインナップから最適なセンサを選び、シームレスにデータの収集を始めることができます。

【活用事例】

機器に設置した振動センサーからデータを収集し、モバイルネットワークを通してクラウドサーバー上に保存。機械の劣化診断やメンテナンスに生かすことを可能にした。

事例2:さまざまな機器・センサをつなげられる汎用型情報収集装置「Σ軍師」

株式会社KMCのΣ軍師は、さまざまな機器・センサからデータを収集することができる汎用型の情報収集装置です。古い機械やメーカーの異なる設備、後付けの振動センサー・過負荷センサーなどからも情報を収集し、工場内すべての加工機をネットワーク化できるのがその大きな特徴。同メーカーの情報管理ツール「電子カルテ」と連携させればよりデータ活用は捗ることになるといいます。

【活用事例】

金型プレス加工を主とする工場において生産設備の稼働状況データを機器の種類を問わずに取得。生産管理システムで用いるデータの収集を容易にした。

事例3:センサの選定フェーズからサポートが受けられる「予知保全導入支援サービス」

株式会社マクニカはIoTサポートと定常的に設備の異常状態を把握し、メンテナンスを行う「予知保全導入支援サービス」を合わせたソリューションを展開しています。同サービスは機器に適したセンサの選定サポートに始まり、その後の稼働状況の監視やデータ分析、AIアルゴリズムの構築まで一気通貫で行います。

【活用事例】

油圧ポンプの故障を事前に予測するシステムを構築したい、という要望を受けて最適なセンサの選定からシステム構築までサポート。突発故障の予防による生産性向上に寄与した。

事例4:データの可視化環境がそのまま提供される「NEC IoT センサデータ可視化サービス」

NECソリューションイノベータが提供する「NEC IoT センサデータ可視化サービス」は、温度・湿度・気圧・UV・加速度・照度・地磁気の7種類のデータを取得できるマルチセンサーと電流センサーを用いて、作業場内の環境・稼働状況を見える化できるサービスです。ハードウェア・ソフトウェアから回線までまとめて提供される手軽さがポイントです。

【活用事例】

なし(2020年4月1日開始のサービスのため)

まとめ

IoTのスタート段階であるセンサの選定・設置フェーズで悩んでいる方に向けて、4つのツール・サービスをご紹介しました。センサの選定・設置はIoTの初めの一歩です。試行錯誤はつきものですが、各種サポートを活用することでスムーズに導入を進められるかもしれません。今回紹介したもの以外にも自社に適したものはないか、壁にぶつかった際はぜひ探してみてください。