カテゴリー: デジタルマーケティング
東京海上日動あんしん生命保険、顧客の声を高度に分析するAIモデルを開発 | IT Leaders
顧客体験向上のカギは「コンテンツサプライチェーン」、コンテンツ中心の顧客戦略を描く | IT Leaders
JALカード、AIバーチャル顧客同士の会話から販促DMのターゲットを抽出、購買率が3%向上 | IT Leaders
セレッソ大阪のヨドコウ桜スタジアム、エッジAIカメラで来客者属性などを把握する実証実験 | IT Leaders
ローソン、店舗開店時の宣伝予算配分をAIで算出、「DNP販促最適化AI」を活用 | IT Leaders
プロダクトアナリティクスの効果と事例─顧客体験分析が示す改善のヒント | IT Leaders
拡大が続くデジタルマーケティング市場、AIが後押しして2024年は3443億円規模に─矢野経済研究所 | IT Leaders
NSSOL、小売向けオムニチャネル販売管理「Microsoft Dynamics 365 Commerce」を販売 | IT Leaders
NEC、生成AIでマーケティング施策を立案する「BestMove」を2024年内に提供 | IT Leaders
2022年度のMA市場は前年度比14.7%増、B2Cマーケティング製品が牽引─ITR | IT Leaders
竹中工務店、AIとBIMを用いた「人流シミュレーションシステム」を開発 | IT Leaders
中小企業の活用が進み、国内デジタルマーケティング市場の拡大が続く─矢野経済研究所 | IT Leaders
クアルトリクス、インタビュー映像から発言者の感情を分析する新機能「Video Feedback」 | IT Leaders
中小製造業にこそデータ活用を|よくある課題と対策、事例を紹介
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、中小製造業におけるデータ活用をテーマに取り上げます。そもそもなぜデータ活用が必要なのか、そして中小製造業におけるデータ活用の課題やその対策方法、成功している企業の事例などを解説していきます。
中小製造業のデータ活用はなぜ必要か
中小企業にとってデジタル化(DX)とデータ活用は不可分の関係です。デジタル化によって得られるデータを適切に活用することで、業務効率化と競争力の向上が可能となります。以下では、DXとデータ活用の重要性と具体的なメリットについて解説します。
中小製造業のデジタル化
一般的に、中小製造業はヒト・モノ・カネの観点でデジタル化が難しいというイメージがあります。しかし、実際はそんなことはありません。むしろ、だからこそデジタル化が有効といえます。
中小製造業には予算やリソースに制約がありますが、デジタル化による効率化や他社との差別化は有効です。中小製造業の組織は複雑ではなく、意思決定が迅速に行えるため、むしろ大企業よりもデジタル化の導入や変更がスムーズに進められます。デジタル化によって業務効率化や自動化が実現し、時間とコストの削減が可能となります。さらに、地理的制約から解放されることで、オンライン販売などを通じてグローバルな顧客層にリーチできます。政府も中小企業のデジタル化を支援するための施策を進めており、その波に乗ることでさらなる成長が期待できます。
DXとデータ活用
こうしたデジタル化を進める上で欠かせないのが、データ活用です。デジタルツールやセンサーによって収集されるデータは、貴重な情報源となります。そのデータを適切に分析し、活用することで多くのメリットが得られます。
例えば、生産ラインの情報収集や異常検知により、ラインの稼働率や作業効率を向上させることができます。これにより、生産能力の最適化やコスト削減が実現します。また、製品の品質予測やトレーサビリティの向上により、不良品のリスクが軽減でき、信頼性の向上を図ることが可能になります。
さらに、顧客の購買行動データを活用することで、ニーズや嗜好の把握が可能となります。これにより、顧客に合わせた個別マーケティングや新たな付加価値サービスの提供ができるようになります。顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティの獲得につながるでしょう。
デジタル化とデータ活用は、中小製造業にとって大きなチャンスです。データを活用することで、効率化や品質向上、顧客満足度の向上など多くのメリットを享受できます。中小企業だからこそ、積極的にデジタル化とデータ活用を推進し、成長につなげていきたいものです。
中小製造業のデータ活用の課題
コロナ禍を契機に中小企業のデジタル化・データ分析は進展したといえますが、一方でデータ活用の課題も浮き彫りになっています。ここでは、中小製造業が直面するデータ活用の課題を4点ほどあげて説明します。
ITリテラシーが低い
一般に、中小企業は大企業に比べてIT知識や人材が不足しています。情報システム部門などの専門部署もなく、他部門の人間が兼任することが多い傾向です。そのため、担当者は本業務に手いっぱいであり、情報収集が後回しになることがあります。また、大企業と比べてベンダーとのつながりが薄く、最新情報を入手する機会が少ないことも課題です。
リソース/予算が足りない
多くの中小企業はIT予算を十分に割けていません。さらに、社内にIT専門人材が不足しているか、まったくいない場合もあります。ITへのリソースや予算を割く必要性に対する認識が希薄な企業も多く、コロナ禍においてもその状況は改善されていません。
セキュリティ問題
中小企業ではネットやクラウド環境が脆弱な傾向があり、外部からの攻撃や情報漏洩のリスクが懸念されます。個人情報や企業間取引などの機密情報の適切な管理が難しい状況です。
心理的ハードル
デジタル化を考える際、大規模なIoTシステムの導入や紙データを完全に置き換えるといった、大掛かりな取り組みを想像してしまいがちな方もいます。また、お金をかけずにスモールスタートする方法に気づいていない担当者も少なくありません。さらに、「そもそも中小企業には関係のない話だ」と思い込んでしまう企業も存在します。
中小製造業がデータ活用を進めるためには、これらの課題に対処する必要があります。従業員教育、予算配分の見直し、セキュリティ対策の強化、そして心理的ハードルを乗り越えるための啓もう活動や成功事例の共有が必要です。
なお、データ活用のアプローチはひとつではなく、自身の課題やリソースに合わせていくつものやり方を検討できます。外部の専門知識や技術を活用することも有益です。
中小製造業ができるデータ活用の対策
中小製造業がデータ活用に取り組むための対策として、次のようなものがあげられます。
政府や自治体の支援制度を活用する
中小企業向けの助成金や技術支援サービスなどを提供している政府や自治体の支援制度を利用しましょう。例えば、中小企業庁の「ミラサポ」や「中小企業向けAI導入ガイドブック」などの情報を活用できます。
外部企業との連携をはかる
ITベンダーや他の企業が提供しているデータ活用の事例やサービス情報を積極的に収集しましょう。関東経済産業局のサイトなどでベンダーの製品やサービスを検索できます。
社内担当者ができる対策を行う
以下のステップを検討することで、社内の担当者自身がデータ活用に取り組めます。
- データソースや項目の定義を行い、利用可能なデータ源と必要なデータ項目の把握
- 定義したデータを定期的に収集する方法の検討、並びに自動化
- 収集したデータを整理・加工し、可視化や分析
- 分析結果に基づく改善策や新たなサービスの提案の検討
例えば、分析結果に基づく改善策としては、工程別の歩留まりの分解や装置のメンテナンス状態との相関関係の分析などが考えられます。
データ活用に使えるツール
無料で使えるデータ活用ツールも存在します。例えば、Googleの「スプレッドシート」はExcelと同等の機能を持ち、Web上でデータ管理ができます。Microsoftの「Power BI」はデータ分析や可視化が可能なツールです。また、ZapierやMatrixFlowなども異なるアプリケーションやサービスを組み合わせてデータの転送やタスクの自動化ができるツールです。無料版や機能制限付きのプランも提供されています。
これらの対策を講じることで、中小製造業でも手軽にデータ活用に取り組めます。データの力を最大限に活かし、効率化や競争力の強化につなげましょう。
中小製造業のデータ活用事例
ここでは、中小製造業のデータ活用事例を紹介します。
事例1)株式会社今野製作所
今野製作所は油圧機器や板金加工を手掛ける製造業です。同社は、ベテランの熟練技能者の技能をどう継承するかの問題を抱えていました。そこでIoTを活用し、Tig溶接熟練技能をデジタル化する溶接技能訓練支援システムを導入しました。熟練者の模範データを生産現場で活用することで、作業者の技能レベルの客観的な評価が可能となっています。その結果、時間の短縮と作業者間の技量のバラツキの減少が実現しました。
事例2)株式会社山口製作所
山口製作所は金属プレス加工を手掛ける企業です。同社が抱えていた課題は、加工作業のコスト削減や顧客への製品トレーサビリティ、多様な提案への対応をどうするかといったものでした。その対策として、株式会社KMCが提供するIoTツール「Σ軍師」を導入し、生産設備の稼働状況に関するデータを取得しました。これにより、過去の受注情報や製造にかかる情報を探す手間が削減され、工作機械の稼動状況を顧客に開示できるようになり、製品製造のトレーサビリティの観点で他社との差別化が図られました。なお同社では、「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」を活用しています。
事例3)株式会社ヤマナカゴーキン
ヤマナカゴーキンは鍛造金型の製造業で、「冷間鍛造」という技術を持っています。同社の主要顧客は自動車メーカーで、電気自動車(EV)化による業務縮小リスクがありました。そこで、冷間鍛造の用途拡大と付加価値製品の販売を目指し、IoT製品の新規事業立ち上げを検討しました。具体的には、海外ベンチャー企業であるコンセンシス社と提携し、ボルトに接続したケーブルからPC上にデータを蓄積する仕組みを構築しました。これにより、新規事業として新しいIoT製品「ピエゾボルト」を製造・販売することができました。
また、同社では、製品化したピエゾボルトからの測定データを自社金型の製造にも活用しています。将来的には、設備の異常検知や保全などの新しいサービス提供も視野に入れるとのことです。
これらの事例は、中小製造業がデータ活用を通じて課題解決や業績向上に取り組んだ成功例です。データの収集・分析・活用によって、生産性向上や品質管理の向上、新たなビジネスモデルの創出など、さまざまなメリットが得られることがわかります。これらの事例を参考にしながら、自社の課題に合ったデータ活用の取り組みを進めることが重要です。
まとめ
今回は中小製造業とデータ活用をテーマにとりあげました。中小製造業にとってデジタル化とデータ活用は重要です。デジタル化によって業務効率化や競争力の向上が可能となり、データ活用によって生産能力の最適化や顧客ニーズに対応できます。
一方、中小製造業がデータ活用に取り組むにはいくつかの課題を解決する必要があります。本記事では、代表的な4つの課題(ITリテラシーの低さ、リソース・予算、セキュリティ、心理的ハードル)をあげました。これらの課題に対処するためには、政府や外部企業の支援を活用し、従業員教育やセキュリティ対策の強化が求められます。
今は、政府や自治体の支援制度も充実してきているので、最大限に活用して取り組むとよいでしょう。無料で使えるデータ活用ツールも存在するため、まずはスモールスタートで着手してみてはいかがでしょうか?中小企業のデータ活用事例もネット上にたくさん公開されています。本記事でもいくつか紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひご相談ください。
The post 中小製造業にこそデータ活用を|よくある課題と対策、事例を紹介 first appeared on モノカク.
製造業における成功事例から学ぶ、効果的なビジネスモデル8選
テクノポートの渡部です。中小の製造業の事業形態として「下請けからの脱却」ということが騒がれ始めてかなりの年月が経ちますが、今までのやり方で進めていても進展は少ないと感じている経営者も少なくないと思います。また、現状の人材難ではうまくやらないと人材も採れなくなってきています。これからの時代を生き残っていくために、これからの製造業のビジネスモデルについて、成功事例を交えながら考えてみたいと思います。
ビジネスモデルを明確にしておくこと
会社のビジネスモデルを明確にしておくことは、成長し続けるために戦略的な方向性を確保するための重要なステップです。なんとなくの経営を続けていても先のステップにはなかなか進めません。
先のステップは企業規模を拡大させるだけではありません。今の従業員の生活を守っていくために、安定した経営で会社を長く継続させていくことを目指すというのも、立派な経営方針です。
どちらにしても、会社が向かっていく方向性を決めておくことは、これからの経営を考える上でも、社員のモチベーションを保つという点においても重要な意味を持ちます。
成功しているビジネスモデル8選
いきなり今後の自社のビジネスモデルを考えるのも難しいと思います。そこで、成功していると有名な会社や、弊社でお付き合いのある会社の成功事例をもとに、参考になるビジネスモデルを紹介します。
1:自社の技術と向き合い、既存市場を拡大させる
自社の強みやコア技術を活用して、既存の市場を拡大したり、新たなニッチな市場を開拓したりするビジネスモデルは、最もスタンダードかもしれません。これには、自社の技術を何か発展させるという考えではなくて、その技術の根本の部分を見つめ直し、どのように市場に周知させるかについての戦略が必要です。
ビジネスモデル成功事例:井山工作所有限会社
井山工作所有限会社は静岡県で複雑形状の鋳物加工をしている会社です。機械加工の中でも「複雑形状の鋳物」、しかも素材も主に「FC系」と絞ってWebマーケティングをすることで既存市場での売り上げを拡大させています。
詳しくはこちら
2:ターゲットを広げて、顧客を増やす
ビジネスモデルの改革として、新しい市場や顧客層に製品やサービスを提供する方法です。新たな市場への展開には、自社の技術、製品やサービスを適応させる必要があります。これには、新しいターゲットに対して市場調査や競合分析などのマーケティング戦略の立案が不可欠となります。
ビジネスモデル成功事例:株式会社富士産業
株式会社富士産業は、自社の主業務である鋼材販売のPRも残しつつ、新たに事業展開していた製作金物をWebサイト上では全面的にPRしました。狙っていた設計事務所やデザイン会社などから引き合いを獲得しており、製作金物の事業部がうまくいくことで主業務である材料販売の事業も伸びています。
詳しくはこちら
3:自社製品の開発でメーカーへの道を開拓する
企業が自社の製品を開発し、メーカーとしての第一歩を踏み出すことも、新たなビジネスモデルの一つです。製品開発には市場調査、製品設計、製造、マーケティングなどの各ステップを計画的に進める必要があります。
ビジネスモデル成功事例:株式会社日翔工業
株式会社日翔工業は、自社のスパッタリング技術を応用し、チタンをナノ単位でコーティングすることによって唯一無二の光沢を放つグラスを制作しています。クラウドファンディングを何度も成功させ、さまざまなメディアにも取り上げられています。
詳しくはこちら
4:デジタルを積極的に取り入れて経営革新を進める
デジタル化は現代のビジネスモデルに不可欠な要素であり、製造業でも例外ではありません。デジタル化を推進するDXの動きは以前からありましたが、コロナ禍以降その動きはさらに加速しています。デジタル技術を活用して業務プロセスを効率化したり、顧客体験を向上したり、新しいビジネスモデルを生み出す一つのきっかけになります。中には自社の業務効率改善のために始めたデジタル化のシステムをパッケージ化して販売することで、新たなビジネスモデルを形成した会社もあります。
ビジネスモデル成功事例:旭鉄工株式会社
旭鉄工株式会社はIoTを積極的に活用することで生産性を大幅に改善し、労務費を年間4億円節減することに成功しました。そのノウハウをそのまま詰め込んだシステムをパッケージ化し、200社以上の会社に導入されています。
詳しくはこちら
5:他社と協業することで事業の幅を広げる
1社だけで今後のビジネスモデルを構築することが難しい場合、他の企業や組織との連携を深めることで、新たな市場へのアクセスや共同開発、コスト削減などを模索するビジネスモデルを目指すこともあります。近年ではSNS等の発達により、他社とつながりやすくなっており、自社だけではできないことも、他社と協業することで新たな事業を生み出すことができます。
ビジネスモデル成功事例:京都試作ネット
京都試作ネットは2001年の設立された、合計で30社以上からなる「試作に特化したソリューション提供サービス」を専門とするサイトです。「試作に特化したソリューション提供サービス」を専門として、クライアントからの課題解決に取り組んでおり、今では「ものづくり」だけでなく、その先の活動に向けていろいろと事業展開をしています。
詳しくはこちら
6:異業種とのコラボレーションで新たな事業をスタートさせる
京都試作ネットのように製造業との協業ではなく、異業種と組むことによって、共同で新しい製品やサービスを開発するアプローチもあります。たとえば、製造業がIT企業と協力することで、スマートファクトリーやIoT(モノのインターネット)を活用した製品開発などが可能になります。異業種とのパートナーシップは、既存の事業領域を超えて新たな市場を開拓するのに有用な手段であり、新たなビジネスモデルが生まれるきっかけにもなります。
ビジネスモデル成功事例:株式会社中村製作所
株式会社中村製作所は、リーマンショックで売り上げが大幅に落ちてしまう中、自動車メーカーや大学、飲食業など多様な業界・業種が集う展示会に出展しました。そこからつながった外部のプロダクトデザイナーと手を組むことで、新たなブランドを生み出し、今では自社ブランドとしてさまざまな自社製品を生み出しています。
詳しくはこちら
7:M&Aによる事業拡大と事業譲渡
M&A(合併・買収)は、企業が新しい市場に参入したり、新たな技術や資源を獲得したり、競争力を強化したりできるビジネスモデルです。これにより、ものづくりの枠にとらわれず、新しいビジネス領域へ進出できます。しかし、M&Aは大きな投資を伴うため、適切な計画と実施が必要です。また、逆に後継者問題で悩んでいる場合は、M&Aを受けて事業そのものを譲渡し、自社技術を後世に残していくという方法もあります。
ビジネスモデル成功事例:株式会社セイワホールディングス
株式会社セイワホールディングスは、事業承継を通じて後継者不足の課題を解決し、製造業のネットワークを作ることで、顧客に対しての幅広い提案と新しい価値提供に挑戦しています。すでにグループ会社に10社あり、世界で一番働きやすい町工場ネットワークの形成を目指しています。
詳しくはこちら
8:海外展開しグローバル企業を目指す
海外に進出することで、新たな市場や顧客へのアクセスが可能になり、ビジネスが拡大するビジネスモデルです。海外市場にビジネスのチャンスを広げる場合、異なる文化やニーズを持つ消費者からフィードバックを得ることができ、それにより製品やサービスを改善するチャンスにもなることがあります。ただし、海外進出にはつきものである言語や文化、法制度の違いなどの困難を乗り越えるためには、十分な準備とリソースが必要です。
ビジネスモデル成功事例:東京鋲螺工機株式会社
東京鋲螺工機株式会社は、微細なタップタイトねじの金型を手がける企業です。Webサイトは日本語以外に英語や中国語にも対応しており、さまざまなサイトから被リンクを獲得することで、日本語だけでなく英語でも検索上位にランキングされるようになっています。また、展示会など自社を海外に向けて露出する機会を増やし、中国、アメリカ、台湾など、どんどん海外の企業との取引を増やしています。
詳しくはこちら
まとめ
いかがだったしょうか。将来のためにビジネスモデルを確立させると一口に言っても、そのモデルは無数にあります。今回紹介した成功しているビジネスモデルはあくまでも一例ですが、自社の今後のビジネスモデルの参考になるものがあれば、幸いです。
The post 製造業における成功事例から学ぶ、効果的なビジネスモデル8選 first appeared on モノカク.
コンタクトセンターの通話音声データを活用して顧客体験を高めるSI─NTT Com | IT Leaders
「疲弊するマーケターたちを救え」─AIとコンテンツサプライチェーンが生む顧客体験と従業員体験の向上 | IT Leaders
中小製造業が知っておきたい!ChatGPTの使い方と業務活用方法
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、中小製造業におけるChatGPTの活用方法をテーマに取り上げます。注目度の高いChatGPTですが、具体的にどんなことができるのか、企業においてどんな使い方があるのかを、具体例も交えてお話しします。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能(AI)チャットボットで、人との自然な対話が可能です。OpenAIはAI開発研究所で、2015年にサム・アルトマンとTeslaのCEOであるイーロン・マスクが共同設立しました。
ChatGPTは、Transformerと呼ばれる学習モデルを使用した深層強化学習型のAIで、生成系AIとも呼ばれます。人間がAIの回答を評価し、それを元にAIが強化学習を行います。囲碁で人間に勝ったAlphaGoも深層強化学習で有名です。
ChatGPTは、発表されてからわずか40日で1,000万人以上の使用者を獲得し、公開からわずか2か月(2023年2月2日)で月間活動ユーザー数(MAU)1億人を突破しました。これは、インターネットが登場して以来、最も急速に成長したMAUの増加率です。
ChatGPTでできること・できないこと
ChatGPTは、自然言語処理を行うAIで、多言語の文章生成や翻訳などさまざまなことができます。ただし、ChatGPTには得意な分野と苦手な分野があります。ここでは、ChatGPTでできることとできないことを整理しておきます。
できること
以下は、ChatGPTが得意とする分野です。
- 文章生成と翻訳:ChatGPTは、多言語で文章を生成できます。また、機械翻訳のレベルではありますが、自然な表現で翻訳可能です。
- 質問応答:ChatGPTは、ユーザーのフリーな質問に対して、対話形式で回答できます。自然言語処理により、より自然な質疑応答が可能です。
- 文章要約:ChatGPTは、長い文章を要約できます。また、文法的な誤りを修正することや、表現を言い換えることもできます。
- 校正:ChatGPTは、文章の文法的な誤りを修正できます。
- 表現の言い換え:ChatGPTは、対象にあわせた言い換えを提供できます。例えば、小学生にもわかる言葉などに言い換えることができます。
- テキスト分類:ChatGPTは、文章をカテゴリやトピックに分類できます。大量のテキストデータを扱う場合に役立ちます。
- プログラミング:ChatGPTは、プログラムに関する質問に答えることができます。コードのアイデアや、デバッグのヒントを出すことが可能です。
- アプリケーションとの統合:ChatGPTはAPIとして利用可能で、他のアプリケーションと組み合わせて使うことができます。
できないこと
以下は、ChatGPTが苦手な分野です。
- 経験や感情の理解:ChatGPTは表層的な情報しか処理できないため、人間の感情や経験に対する適切な返答を提供できません。
- 専門知識:ChatGPTは汎用的な自然言語処理モデルであり、特定分野の高度な専門知識を持ちません。
- 画像/音声処理:ChatGPTはテキストベースの自然言語処理モデルであり、画像や音声などの非テキストデータを処理することはできません。
- クリエイティブ性:ChatGPTは自然言語生成を行うAIですが、創造性や感性的な判断は持ちません。
- 正確性:ChatGPTは訓練データに基づく自然言語処理モデルであるため、回答を誤ることがあります。特にあまり有名でない事実に関しては、誤った情報が提供される可能性があります。
- 完璧な翻訳:ChatGPTは多言語の文章生成や翻訳ができますが、完全に正確な翻訳を保証することはできません。
ChatGPTの使い方とコツ
ここでは、製造業の現場で担当者が使えるChatGPTの使い方をご紹介します。
製品開発
ChatGPTは製品のアイデア出しや整理を行う際、補助ツールとして活用できます。製品の設計や素材選定にも応用可能です。例えば、ChatGPTに製品の特徴や性能、使用目的を教えることで、より効率的な設計や素材選定を行えます。
マーケティング
ChatGPTは、自社の製品やサービスの広告宣伝活動にも役立ちます。例えば商品サービスの宣伝をしたい場合、宣伝の目的やゴールを伝えることで、宣伝方法や媒体に関するヒントを教えてくれます。
また、ブログ記事やSNSの投稿文、営業資料を生成可能です。SEO対策やアンケートの分析にも活用できます。
カスタマーサポート
自社製品やサービスに関するカスタマーサポートへの応用展開も可能です。チャットボットなどの自動応答で、お客様からの質問に対して回答できます。お客様向けのFAQのネタ出しにも使えます。
ChatGPTは定性データの整理・分類も得意なので、お客様の声の分析にも活用可能です。
生産管理/品質管理
ChatGPTは工場の生産データの解析にも使えます。製品の欠陥率や不良品の原因などをデータ分析し、生産プロセスの改善に役立てられます。生産データの解析にあたっては、センサーで得られた温度や振動データなど、工場内の情報をChatGPT側にインプットする必要があります。データ収集を効率化するために、収集データを自動取得するマクロを組むこともできます。なお、有償版のChatGPTであれば画像データも扱えます。
ChatGPTは文章の自動生成が可能なので、各種マニュアルや手順書などを作る際にも役立ちます。
使い方のコツ
このように、ChatGPTは製造業の各種業務をサポートする便利な機能が揃っていますが、使い方によってはあまり多くの示唆を得られないこともあり、うまく使いこなすにはコツが必要です。
具体的には、質問の仕方を工夫する必要があります。ChatGPTでは、抽象度の高い質問をした場合、回答も一般的なものしか得られません。より具体的な答えを引き出すには、質問の目的や対象、コンセプトなど、前提条件を詳しくインプットする必要があります。
また、ChatGPTから出てきた答えを受け、さらに質問を重ねることで期待する答えに近づけることが可能です。
なお、ChatGPTの回答は間違っていることもあるため、回答をそのまま使うことはおすすめできません。ユーザー自身が回答の正誤を判断できる知識が必要になります。
ChatGPTの活用例
ここでは、業務に応用できるChatGPT活用例を紹介します。実際に質問した内容の回答とChatGPTの回答をスクリーンショットで画像化していますので、ChatGPTを活用する際の参考にしていただければと思います。
【製品開発の活用例】製品開発の素材ネタ出し
製品開発の素材選定を行うにあたり、ChatGPTでそのアイデア出しを行うことができます。そこで、人気商品の開発事例として公開されていた「コクのあるマヨネーズ開発(*1)」のお題にもあった、調味料の素材について、ChatGPTに答えを求めたらどうなるかを試してみました。
*1:https://j-net21.smrj.go.jp/special/popularfoods/2014032601.html
実際の開発現場にどの程度役に立つかは判断が難しいですが、アイデアが浮かばなくて困っている場合の壁打ちとしては使えるのではないでしょうか。
【マーケティング活用例】SEO対策記事
これは、本記事の企画の参考として試しにChatGPTに質問してみたもので、「製造業をターゲットにしたChatGPTの記事のテーマと記事タイトルを書いてもらう」というものです。
ChatGPTに複数候補を挙げてもらい、そこから最適なものをChatGPTに選んでもらうという使い方をしています。また、なぜそれを選んだかの理由もChatGPTに回答してもらいました。
【カスタマーサポートの活用例】不具合対応のFAQネタ出し
不具合対応の想定問答として、マウスを例にChatGPTにネタ出ししてもらったものです。今回の例は簡易的な質問を投げているだけなので、実際にはもう少し情報をインプットして行う必要があります。
逆に、このレベルの質問だと、この程度しか答えが得られないことがわかるので、そのあたりも参考にしてください。
まとめ
今回は中小製造業においてChatGPTを活用する方法について、どのような使い方ができそうか、ChatGPTでできることをご紹介しました。製品の開発からマーケティング、品質管理に至るまで、応用範囲は広いようです。
ただし、具体的な示唆を得るためには、質問の仕方を工夫する必要があります。業務にChatGPTを活用する場合、目的や答えを引き出すために必要な事前情報を整理することが求められます。また、正しい答えが得られるとは限らないため、利用者は正誤を判断できる知識も必要です。
活用の仕方によっては、複数の質問を繰り返し、答えをブラッシュアップさせる必要がある場合もあります。また、内容によっては人間が行う方が効率的な部分もあるため、どの部分にChatGPTを活用し、どこに人間の手を加えるかを探っておくことをおすすめします。
テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひご相談ください。
The post 中小製造業が知っておきたい!ChatGPTの使い方と業務活用方法 first appeared on モノカク.
【化学メーカー向け】デジタルマーケティングで自社製品の魅力をうまく伝えるには
テクノポートの廣常です。製造業におけるデジタルマーケティングの活用は、日々進展しています。どの業種においてもマーケティングの流れや施策は大きく変わりませんが、扱う商材や商流によって、それぞれ異なる特徴が見られます。
この記事では化学メーカーに特化し、デジタルマーケティングの概要や成功のためのポイントを紹介します。
化学メーカーにおけるデジタルマーケティング
そもそもデジタルマーケティングとは、Webサイト、メール、SNSなどのあらゆるデジタル媒体から得られるデータを活用し、自社製品が売れる仕組みを構築することを指します。Webサイトを中心としたマーケティング活動のことを指す「Webマーケティング」よりも広い意味合いで用いられます。
専門的かつ、ニーズが多岐に渡る化学業界において、自社とマッチする新規顧客の開拓や会社のイメージづくりは容易ではありません。ですが、デジタルマーケティングを駆使すれば、リアル(対人)での活動よりも労力とコストを抑えながら、これらの課題を解決できる可能性が十分にあります。
デジタルマーケティングについて、より詳しく知りたい方は以下をぜひご覧ください。

化学メーカーならではのデジタルマーケティングのメリット
自社の素材・製品の可能性が広がる
化学メーカーにとってのデジタルマーケティングは、自社の素材・製品の可能性が広がるという観点でも非常に効果的です。
化学メーカーはあらゆるモノの土台となる原料や中間製品を扱うことが多く、商材の可能性(用途)が広いため、マーケティング活動において「誰に」「何を」伝えるべきかを細かく絞りきれない場合もあるかと思います。
また、新素材・製品の場合は、自社で想定しきれていない用途を発掘するため、あえて訴求先を特定の業界に限定させたくないケースも考えられます。
そのため、広い業界・分野の中から自社で直接見込み顧客を探し出しアプローチをする、プッシュ型の営業活動・情報発信よりも、デジタルマーケティングを活用して集客〜問い合わせ獲得までの仕組みを構築し、自社商材を必要とする顧客自身から問い合わせが来るのを待つ方が効率的です。
また、これにより自社では想定していなかった顧客や用途での問い合わせなど、ビジネスチャンスの拡大も期待できます。
化学メーカーがデジタルマーケティングを行う目的
化学メーカーがマーケティングを行う目的として、以下の3つが考えられます。
1. 顧客獲得
2. 認知度・イメージの向上
3. 新用途開拓
1. 顧客獲得
化学メーカーがデジタルマーケティングを行う目的として、第一に考えられるのは「顧客獲得」です。
今までは展示会や対人営業活動をメインに行っていたものの、以下のような課題を抱え、デジタルマーケティングの導入を検討し始めるケースがよく見受けられます。
<化学メーカーの顧客獲得における課題>
- かつてはパイオニアとして自社の商材が高い市場シェアを占めていたが、競合他社の台頭によりシェアが下がってきているため奪回したい
- 既存顧客からの売上が徐々に減ってきており、新規顧客獲得の必要性に迫られている
- 展示会など既存の顧客獲得手法だけでは目標とする顧客獲得数を達成できていない
2. 認知度・イメージの向上
次に考えられるのは「認知度・イメージの向上」です。
化学メーカーの中でも、特に川上・川中の工程を担う場合、最終製品として日々目に触れる機会もないため、社名や製品の知名度が低い傾向にあります。
そのため、「自社が何を作っている会社かを知ってもらいたい」「『〇〇材といえば自社』というイメージづくりをしたい」など、認知度・イメージの向上を目的にデジタルマーケティングを活用することが考えられます。
3. 新用途開拓
最後に挙げるのが「新用途開拓」です。
新素材や製品を開発できたものの、明確な用途が定まっていない(見つけきれていない)といった場合もあるかと思います。
そういった状況にも、デジタルマーケティングを活用して情報を発信することで、協業パートナーとの出会いや新たな用途を開発できる可能性があります。
化学メーカーのデジタルマーケティング上の課題
前述のような目的をもってマーケティングを進めるものの、化学メーカーならではの障壁がいくつか考えられます。
1. 商材の特徴、機能を理解してもらいにくい
2. 他社との差別化がしにくい
3. 新規開発品の訴求が難しい
1. 商材の特徴、機能を理解してもらいにくい
原料や誘導品を製造されている場合に特に当てはまる課題ですが、専門的な分野であるため「商材の特徴、機能を理解してもらいにくい」といった恐れがあります。
例えば素材の品番や関連情報をただ列挙しただけでは、同業者には理解されても、ターゲットとなる中間・最終製品メーカーにせっかくの製品の魅力が伝わらない場合があります。商材の見せ方にも工夫が必要です。
デザイナーや一般消費者など、製造業界以外に向けて訴求したい場合は、なおさら見せ方への工夫が問われます。
2. 他社と品質面での差別化がしにくい
扱われている商材が基礎化学品や汎用的な素材である場合、品質や機能で差がつかず、他社との差別化がしにくいケースがあるかと思います。
見込み顧客は問い合わせ前に念入りにWeb等で情報収集を行い、複数の競合他社を比較した上で企業を選定し、問い合わせを行います。この場において、たとえ品質や機能面で差がなくとも自社を選んでもらえるよう、異なった切り口での訴求や、Webサイトの内容・仕様を工夫することが重要です。
3. 新規開発品の訴求が難しい
前の項目でも少し触れましたが、新素材・製品を開発した場合、採用実績等がまだ足りず、自社内でも用途を模索途中だという状況も考えられます。その場合、マーケティング活動において重要な「誰に」「何を」発信していいかが分からない、もしくはあえて限定せず、広く問い合わせが欲しいといったケースが想定されます。
この場合には、業界や用途を絞らずとも自社の商材を必要としている見込み顧客に情報が届くよう、集客媒体や手法、切り口を検討する必要があります。
化学メーカーがデジタルマーケティングで自社製品の魅力をうまく伝えるには【目的別】
ここまで、化学メーカーにおけるデジタルマーケティングの効果や目的、課題を述べてきました。「自社製品を効果的に訴求しにくい」「差別化が難しい」といった傾向を踏まえた上で、具体的な施策例をマーケティングの目的別にご紹介します。
1. 目的=顧客獲得の場合
顧客獲得を目的とした場合、考えられる施策は下記の通りです。
① 製品に特化したサイトの立ち上げ
特に訴求したい製品については、別途その製品に特化したWebサイトの立ち上げが効果的です。サイトではデザイン性を重視するよりも、自社以外の人にも分かってもらえるよう、製品の特長を噛み砕いて訴求する必要があります。
サイトに掲載する効果的なコンテンツ例としては下記が挙げられます。
コンテンツ例:製品用途、特長、顧客事例、試作事例
また、特に原料や誘導品を扱われている化学メーカー様の場合は、素材をそのまま載せてもいまいち製品化のイメージをつかんでもらえない恐れがあります。
- 他の一般的な素材との比較実験データを示す
- 原料そのままではなく、試作品を例示し製品化のイメージをもたせる(顧客との実例がない場合は自社で内製)
- 動画やイラストによって視覚的に訴求する
などと、見せ方にも工夫が必要です。
② 機能性・用途・課題を軸とする集客(SEO・広告)
よく弊社宛に、「自社サイトや製品に特化したサイトも保有しているものの、社名や製品名検索でしか流入がない」といったお困りごとをご相談いただくことがあります。
もちろん流入があることは良いことですが、
社名や製品名でしか流入がない = 自社を認知していない見込み顧客には情報が届いていない
という状況だと言えます。
顧客獲得の機会を増やすためには、この「自社を認知していない見込み顧客」に向けても訴求をする必要があります。
ここで、具体的な社名や製品名まで想起できていない見込み顧客が製品を検索する際には、「自身が求めている製品の機能性や用途」「抱えている課題」を軸にして検索をすると考えられます。
そのため、機能性・用途・課題での検索がされた際に自社サイトを上位に表示させ、集客ができるようSEO対策やオンライン広告を導入することをおすすめします。
- SEO対策について

- オンライン広告について

③ 製品スペック以外での差別化
扱われている商材が基礎化学品や汎用的な素材で、品質や機能で差がつかない場合、それら以外の訴求要素を探し出し、差別化する必要があります。
サイトに掲載する効果的なコンテンツ例としては、下記が挙げられます。
コンテンツ例:二次加工技術、低コスト、量産性、短納期、研究体制、工場立地
また、自社の訴求内容とは別にWebサイトの利便性を向上させるのも一つです。自社が保有する素材を分かりやすく整理したり、顧客のニーズに合わせた検索機能などを設けることによって、雑然と情報が並んでいるサイトよりも優位に立てる可能性があります。
④ 見込み顧客との接点増加(ホワイトペーパー・サンプル品・ウェビナー)
情報収集段階の見込み顧客にとって、いきなり問い合わせをするのはハードルが高いものです。そのため、問い合わせ以外でも見込み顧客と接触できるよう、接点増加のための施策を導入することも効果的です。
< 接点増加のための施策例 >
- DL資料の設置:自社製品に関するホワイトペーパーを制作し、ダウンロードさせる
- サンプル品の提供:テストピースや試作品を承る旨を目立つ位置に掲載
- ウェビナーの開催:自社製品に関する知識や採用事例の紹介、質問への回答など
2. 目的=認知度・イメージの向上の場合
認知度・イメージの向上を目的とした場合、考えられる施策は下記の通りです。
① 長期的な情報発信(SNS・広告・メルマガ)
自社の認知度や好印象は、一朝一夕で作り上げられるものではありません。SNSや広告、メールマガジンなど、ターゲットが日々目にする媒体を活用し、自社の取り組みや製品への想いを長期的に発信していきます。
特にSNSに関しては、一般消費者やデザイナーなど別ジャンルのユーザーと気軽に触れ合える良い機会となります。対企業だけでなく、普段とは異なる層のユーザーと接点を持つことで、自社製品の思わぬ活用方法が見つかったり、エンドユーザー側から「〇〇社の素材が使われた製品を使いたい」と逆に要望を受けられたりする可能性もあります。
② ブランディングを意識したコンテンツ制作
「自社をどんな会社だと思ってもらいたいか(例:環境に配慮、人々の健康に貢献、・・)」を固めた上で、感性に訴える内容に特化したコンテンツを制作します。企業イメージに関わる部分のため、顧客獲得を狙う場合とは打って変わって、デザイン性も重要となります。
効果的なコンテンツ例:自社の理念、製品が出来上がるまでの裏話、研究者の思い、社会貢献性
3. 目的=新用途開拓の場合
新用途開拓を目的とした場合には、施策に取り組む前に、まず自社素材や製品を改めて棚卸しし、機能はどのようなものか、どのような課題を解決できるかといったことを洗い出した上で施策内容を検討することをおすすめします。
弊社ではこのように用途開発をねらいとしたマーケティング活動を「用途開発マーケティング」と称し、関連記事を複数用意しております。詳しくは下記をご覧ください。
- 用途開発マーケティングとは

まとめ
当記事では化学メーカーにおけるデジタルマーケティングの概要や具体的な施策例を紹介しました。商材の特性上、マーケティングを行う上での障壁はあるものの、自社製品の可能性を広げるという点で、デジタルマーケティングは非常に相性の良い活動だと考えます。せっかくの自社商材の魅力を効果的に伝えられるよう、ぜひ活用されることをおすすめします。
また、弊社テクノポートでは製造業に特化したマーケティング支援を行っております。どのように自社製品を訴求していけばいいかお悩みの方は、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。
The post 【化学メーカー向け】デジタルマーケティングで自社製品の魅力をうまく伝えるには first appeared on モノカク.
【専門家が解説】製造業デジタルマーケティング完全ガイド
テクノポートの徳山です。当記事では製造業者がデジタルマーケティングを成功させるための基本的な考え方、進め方、戦略事例や施策の解説を行います。デジタルマーケティングをこれから本格的に始めようと考えている方、なかなか成果が出なくてお悩みの方はぜひご覧ください。
製造業におけるデジタルマーケティングとは
新規の見込顧客との接点を創ることが難しい製造業者にとって、デジタルマーケティングという手法は新規顧客獲得のための大きな武器となります。また、新規見込顧客の獲得だけではなく、技術や製品の新たな用途を見出すためのテストマーケティング的な使い方や、自社が属する専門領域内でのブランディングの確立など、製造業がデジタルマーケティングを駆使することでさまざまな効果を生み出すことができます。
その反面、一般的なデジタルマーケティングのノウハウや事例はBtoC分野に偏っており、製造業にとって有益な情報を入手することは難しく、誤った施策を行っている製造業者も少なくありません。デジタルマーケティングと一口に言っても、実施する施策は多岐に渡るため、自社のマーケティング課題や目的に合わせ、実施する施策を取捨選択する必要があります。また、施策を成功させるためには専門的な知識を得る必要があるなど、成功させるためのハードルは高いと言えます。
デジタルマーケティングを成功させるポイント
製造業がデジタルマーケティングを成功させるためのポイントは以下のとおりです。
購買タイミングをつかむこと
製造業の中でもBtoB取引を行っている分野では、ターゲットとなる法人顧客の多くが決められた予算計画のもと、計画的に購買活動を行います。BtoBにおいては、一般消費者のように顧客が一時的な感情で衝動買いすることは考えにくいのです。そのため、テレアポや飛び込み営業といったプッシュ営業を行ったとしても、見込顧客の購買タイミングと合わなければ検討に至ることはほとんどありません。
つまり、製造業が実践するBtoBマーケティングでは、見込顧客の購買行動を理解し、購買タイミングをつかむことが必要となり、ここがBtoCマーケティングとの最も大きな違いと言えます。そして、「見込顧客の購買フローのどの段階の見込顧客と接点を持つことが最適なのか」は、ターゲット顧客の業態や、自社のマーケティング戦略により異なるので注意が必要です。
購買タイミングのつかみ方については、後述するデジタルマーケティングの進め方の「ペルソナの設定」と「カスタマージャーニーの作成」で解説しますので、そちらをご覧ください。
マーケティング目的に合った施策を採用すること
一口にデジタルマーケティングに取り組むと言っても、施策や得られる効果は多岐に渡ります。期待する効果を得るためには、デジタルマーケティングによりどのような価値を得たいのか、どのようなマーケティング課題を解決したいのかを整理したうえで、どの施策を実施すべきかを検討していく必要があります。ここを見誤ってしまうと、間違った施策を採用してしまい、期待する成果を得ることができなくなります。
デジタルマーケティングで解決できる製造業のマーケティング課題
課題といってピンと来ない方は、まずはどのような見込顧客を獲得したいかを明確にすることが重要です。商談に持ち込める見込顧客なら誰でもいいのか、営業リソースが限られているので確度の高い見込顧客だけが欲しいのか、今までとは違う分野の見込顧客を獲得したいのかなど、自社と相性の良い見込顧客はどのような相手なのかを明確にしてみてください。
デジタルマーケティングでどのような課題を解決できるのかについて詳細を知りたい方は、以下記事をご覧ください。

関係部門が一丸となり連携すること
マーケティング活動のゴールは営業活動を不要にすることとも言われますが、高額な商材を扱い、失敗した場合のリスクが大きいBtoB製造業の分野において、対人による営業活動が不要になることは考えにくいです。
そのため、デジタルマーケティングの成果を挙げることにおいては、営業部門との連携が必要不可欠となります。しかし、マーケティング部門はより多くの見込顧客獲得を目指すのに対し、営業部門はより受注確度の高い見込顧客獲得をマーケティング部門に望むなど、利益が相反することが多いです。ここでお互いの利益を譲歩できないと、部門間の対立が生まれるため、両者共通の目標を作るなどして、全体のバランスを考える必要があります。
さらに製造業(規格品を販売するメーカーを除く)の場合、営業部門が獲得した商談を受注するためには、技術(開発・製造)部門との連携が必須となります。そのため、マーケティング、営業、技術部門が一丸となって取り組まないと、どこかで歪みが生じてしまいます。このことから、組織マネジメントの要素もデジタルマーケティング成功の大きな要因となります。
技術者にマーケティング活動への参加を促したいとお考えの方は、以下の記事が参考になるかと思いますので、ご覧ください。

デジタルマーケティングの進め方
次に、デジタルマーケティングの進め方について、詳しく解説していきます。
1.ペルソナを決める
ペルソナとは、自社が展開する製品・サービスを購入するユーザー像のことです。「誰に向けて」「どのように訴求するか」を明確にするために策定されます。製造業がペルソナを考える場合、購入決定するユーザーが1人ではないこと、購買するまでの期間が長いことを考慮しなければならず、BtoCとは考え方が大きく異なるため注意が必要です。
ペルソナと作るメリット
- 関係部門におけるメンバーのベクトル合わせができる
- 施策の一貫性を担保できる
- 組織全体で顧客理解が進み、顧客に寄り添った施策提案ができる
ペルソナを決めることの一般的な目的は、デジタルマーケティング施策の整合性を保つことですが、BtoBマーケティングの場合は、「社内での共通認識を作り足並みを揃える」という目的もあります。なぜなら先述したとおり、製造業がデジタルマーケティングで受注を獲得するには、関係部門の連携が必要となるためです。そのため、関係部門でペルソナの共通認識を持つことがとても重要になります。
ペルソナ作成の流れ
- バリュープロポジションを決める
- 対象となる顧客を決める
- 対象顧客の情報を収集する
- 情報を整理する
製造業の場合、最終的に「企業規模」「業種」「役割/役職」「課題/ニーズ」「実現したいこと」あたりの情報がまとまっていればOKです。ただし、ペルソナの解像度を上げすぎると、設定したペルソナ以外に情報が届きづらくなるため、マーケティング目的によって解像度を調整する必要があるでしょう。
ペルソナの作り方について、詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

2.購買フローをカスタマージャーニーに落とし込む
カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスを認知してから購入/利用するまでの一連のプロセスのことです。
カスタマージャーニーを作成するメリット
- 関係部門におけるメンバーのベクトル合わせができる
- 顧客の状態にあった最適なアプローチができる
- プロセスごとに進捗や達成度を可視化できる
カスタマージャーニーも、関係部門で共通認識を作るために最適なツールとして利用できます。カスタマージャーニーで設定した見込顧客の購買ステップごとに施策を考えたり、KPIを設定して管理できたりする点も大きなメリットとなるでしょう。
カスタマージャーニーマップの作り方
- ペルソナを設定する
- フェーズ(購買ステップ)を設定する
- タッチポイントを洗い出し選定する
- 行動・感情を整理する
- マップに落とし込む
カスタマージャーニーマップを作るうえで最も大事になるのは、いかにリアリティーのあるフェーズ(購買ステップ)を設定できるかです。なぜなら、ここで決めたフェーズを軸にして、どの段階の見込顧客をターゲットとするかを決め、施策の選定を行う必要があるためです。フェーズを設定したら各購買ステップに合わせてタッチポイントや見込顧客の行動・感情を整理していきます。タッチポイントに関しては、オンラインだけでなくオフライン(専門誌や展示会など)も含めてまとめておくとよいでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成例
カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方は以下もご覧ください。

3.マーケティング課題を踏まえ、施策を選定する
次に、具体的な施策を検討していきます。カスタマージャーニーマップと現状抱えているマーケティング課題とを見比べながら施策を検討していきます。製造業のデジタルマーケティングで解決できる課題としては、以下のものが挙げられます。
- 新規顧客獲得単価を下げたい
- 技術の用途開発を行いたい
- 技術・製品をブランディングしたい
- 保有リードを顧客化したい
- 既存顧客を効率的にフォローしたい
抱えているマーケティング課題の解決につながる施策を実施しないと、期待する効果を十分に得られない可能性が高くなってしまいます。それぞれのマーケティング課題に対し、具体的にどのような施策を選定すればよいかについては、以下の記事をご覧ください。

4.施策を実行する
前ステップで選定した施策を実行していきます。具体的な施策に関しては、後述する「デジタルマーケティングの施策例」で解説しますので、そちらをご覧ください。
デジタルマーケティングの戦略事例
ここでは弊社顧客のデジタルマーケティングの戦略事例をご紹介します。
効率的な新規顧客獲得活動を実現
出典:スペック・ジャパン
デジタルマーケティング戦略
- マグネットポンプの中でも自社の得意領域に絞った相性の良い見込顧客を開拓する
- 製品の購買基準が定まっていない、購買フローの早い段階に位置する見込顧客を獲得することで、競合他社との相見積もりを避ける
- 市場における認知度向上
施策の内容
- 「マグネットポンプ」といったビッグキーワードではなく、「水封式真空ポンプ」など自社が得意とする領域の製品名キーワードを中心にSEO対策を実施
- 購買フローにおける「技術課題を解決するための情報種集を行っている段階」の見込顧客からの流入が増えるよう、FAQコンテンツを活用したSEO対策を実施
- 幅広い視点からWebコンテンツを制作することで、多くの見込顧客にWebサイトへ足を運んでもらい、市場における認知度を向上させた
成果
自社と相性の良く、質の高い見込顧客の獲得に成功。「このような用途で使いたいのだけど、それに適した製品ありますか?」「このような仕様・条件に適した製品ありますか?」といった、購買基準が明確になっていない段階の見込顧客からの問い合わせを獲得することで、営業による受注率が向上しました。
技術の新たな用途開発につなげる
出典:NISSHA
デジタルマーケティング戦略
- 自動車業界向けに開発された摩擦・せん断力センサーを、他の有望な分野へ用途展開させる
- 新規見込顧客の獲得だけではなく、該当技術の新たな用途候補のアイディア収集を目指す
施策の内容
- Webコンテンツを多角的な視点から制作するために、MFTフレームワークで技術を棚卸しを実施
- 技術紹介を行うためのオウンドメディアを構築
- 多方面の技術者へ技術を知ってもらうために、SEOを目的としたWebコンテンツの制作やWeb広告を実施
- アクセスデータと問い合わせ内容を分析し、用途仮説の立案・検証を繰り返す
成果
技術マーケティングにより、自動車業界以外の有望な用途としてロボット業界を見出し、当業界向けの技術開発を本格展開するに至りました。
保有リードの確保
出典:荒川技研
デジタルマーケティング戦略
- ニッチな材料名を中心にキーワード対策することで、競合他社との競争を避けながらリードを効率的に獲得する
- KPIをリード獲得数に設定し、まずは保有リードをできる限り増やす
- 保有したリードをメールマガジンなどで育成し案件化していく、Webに掲載するコンテンツをメールマガジンに二次利用することでコストを抑える
施策の内容
- 小ロット・試作をメインとするユーザーにターゲットを絞り、どのようなタイミングやキーワードで検索をするのかをカスタマージャーニーマップにまとめる
- 難加工となる樹脂材質などを中心にSEO対策を実施することで、効率的に新規サプライヤーを探す発注企業を開拓
- 加工に詳しくない人にも興味を持ってもらえるように、並行してコンテンツマーケティングおよびメールマガジンにて樹脂加工初心者に対して有益な情報提供を行う
成果
問い合わせは毎日のように来る状態。リードの獲得が急増しただけでなく、アクリル可視化などの狙った得意領域での顧客獲得にも成功しました。受注率は決して高くありませんが、一度商談した見込顧客は価格感なども伝わっているため、メールマガジンなどをきっかけに再商談となった際の受注が効率的に行えています。
デジタルマーケティングの施策例
デジタルマーケティングの施策は「リード獲得」と「リード育成」に大きく分かれます。リード獲得は、オンライン上で技術や製品の認知度を高めることで、問い合わせの獲得や資料をダウンロードしてもらうまでの活動です。リード育成は、獲得したリードに対し有益な情報を届けることで、技術や製品への関心度を高め商談へとつなげる活動です。
製造業がデジタルマーケティングにより活用できる施策をいくつかまとめてみました。
認知拡大し、リードを獲得するのための施策
SEO対策
SEO対策とは、Google、Yahoo!、Bingといった検索エンジンを使いユーザーが検索活動を行った際に、検索結果の上位に自社のWebサイトを表示させるためのページ作りのテクニックになります。購買フローが長く、慎重に情報収集を行うユーザーが顧客対象となる製造業にとって、検索エンジンによる情報収集は最も王道的な手段です。そのため、デジタルマーケティングにおける手法の中でも最も高い成果を出すことができる手段と言えます。
製造業がSEO対策を実施するメリットは以下となります。
- SEO対策により獲得するユーザーは問い合わせ率が高い
- 一度対策してしまえば、効果が長期間続く
- 対策するキーワードを工夫することで、どの購買ステップのユーザーを獲得するかをコントロールしやすい
効果的なSEO対策の進め方については、以下の記事をご覧ください。

オンライン広告
オンライン広告とは、ネット上の各種媒体に出稿する広告のことを指します。媒体別に見ると、以下のような種類が挙げられます。
①専門メディア(記事内やサイト上に広告を表示)
・ニュースサイト
・製造業系オウンドメディア
②検索エンジン(検索結果や関連媒体に広告を表示)
・Google
・Yahoo!
・Microsoft(Bing)
③SNS(SNS上に広告を表示)
・Facebook
・Twitter
・Instagram
・YouTube
製造業がオンライン広告を実施するメリットは以下となります。
- 短期間で成果が出る
- 検索エンジンだけでは獲得できない潜在的なユーザーを獲得できる
以下の記事では、オンライン広告の中でも最も汎用性の高いGoogle広告を中心に解説しています。

SNS(YouTube含む)マーケティング
SNSマーケティングは、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用したマーケティングです。
一般的にBtoB企業よりもBtoC企業のほうがSNSマーケティングに向いていると言われています。理由として、BtoBでの取り引きの場合、製品や技術を購入した企業がSNSでレビューを投稿するケースは多くないということが挙げられます。
そのため、BtoB企業がSNSマーケティングを行う際は、短期的な成果を求めず(新規顧客獲得を目指す場合は時間がかかる)、長い期間をかけて自社技術・製品のブランドを向上させるために使用するというスタンスが求められます。新規顧客獲得よりもリクルート(採用活動)との相性が良いので、ご紹介した施策の中では優先順位が高いものではありません。
BtoB製造業のSNS運用法について、以下の記事にて解説していますのでご覧ください。

YouTubeの活用に関しては、これから情報収集の手段としてBtoBでも広く使われる可能性が高いと考えられます。まだまだ活用事例は少ないですが、以下記事にBtoB製造業のYouTube活用事例をまとめていますので、ご覧ください。

技術・製品比較サイトへの掲載
技術・製品比較サイトとは、複数社の技術や製品を掲載している情報サイトのことです。購買フロー後半の見込顧客が情報収集の際に使用する傾向があるため、情報サイト内で自社の情報をしっかりと露出することができれば、多くのリード獲得を期待できる施策となります。
製造業が掲載を検討できそうなサイトは以下のとおりです。
リードを育成し、商談化するための施策
メールマガジン
メールマガジンとは、自社で保有するリードに向けて定期的に配信するメールのことで、顧客との関係構築や自社製品の認知度向上、醸成目的で活用されます。購買タイミングをつかみづらい製造業のマーケティング活動において、メールによって定期的に情報発信することで、そのタイミングをとらえることはとても効果的なマーケティング手法となります。
メールマガジンは、その先のコンテンツへの流入を促すことで、ウェビナーへの参加、資料のダウンロード、無料相談などのコンバージョン獲得につなげます。もちろん、メルマガから直接獲得することもできますが、そこまでの導線を強化する役割の方が強いといえるでしょう。
以下の記事では、メールマガジンの設計方法、作り方、ネタの探し方について解説していますので、ぜひご覧ください。

ホワイトペーパー
ホワイトペーパーはWebサイトやメールマガジンに設置され、ダウンロードを求める形で提供されるのが一般的です。すでにあるリストの顧客に対して有益な情報を届け、資料請求や商談につなげるためにも活用されます。
今回はリード育成の手段としてご紹介していますが、リード獲得のきっかけとなるダウンロード資料として活用することも可能です。集客手段とはなりませんので、SEO対策やオンライン広告などを使って集客した見込顧客をリード化する役割として活用ください。
リード育成として活用する場合は、獲得したリードにホワイトペーパーを定期的に届けることで、商談化率を上げることが可能です。
ホワイトペーパーの役割、種類、成功のポイントについて、以下の記事にて解説していますのでご覧ください。

ウェビナー
ウェビナーとは、オンライン上で行うセミナーのことを指します。オンラインミーティングをしたことがある人は多いと思いますが、オンラインミーティングは参加者全員が発言できるのに対し、ウェビナーは講師(ホスト)だけが話し、参加者がそれを視聴する形で行われることが一般的です。
場所に関係なく、インターネットがつながっている環境からであればどこからでも参加できるため、保有しているリードが全国各地に散らばっている場合などに、効率よく営業活動を行うことができます。
ウェビナーでリードを育成する場合は、なるべく少人数型の勉強会形式で行い、講師は自社社員が行うとよいでしょう。基本的に開催主体は自社1社で行い、メールや架電で個別に集客します。内容としては、自社製品やサービスを説明し、営業商談につながるコンテンツにすることが望ましいです。
ウェビナーのメリットや活用事例については以下の記事をご覧ください。

コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、見込顧客にとって価値のある情報を発信して、自社製品やサービスに興味をもってもらい、問い合わせや購入につなげるためのマーケティング手法です。これまでにご紹介した各手法のいずれにも活用できる横断的な概念となります。
製造業がコンテンツマーケティングに取り組む際の注意点は、コンテンツを届ける見込顧客が欲する情報が専門的になる場合が多いため、コンテンツ制作を外注する難易度が高い点です。また、専門領域において継続的に見込顧客が喜びそうなネタを考えることも難しいため、短期的な取り組みで終わってしまわないよう、しっかりと計画を立てる必要があります。
製造業がコンテンツマーケティングに取り組む場合に、準備すべきコンテンツや、コンテンツの種類における役割について、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マーケティングオートメーション
施策ではありませんが、最後にご紹介したいのがマーケティングオートメーションです。これまでにご紹介したさまざまな施策を包括的に管理することができるツールです。ユーザーのCookie情報をもとにWebサイトの閲覧履歴などを追うことができるため、マーケティング活動だけでなく、営業活動を効率的に行う際にも活用ができます。
以下の動画にてマーケティングオートメーションの基礎知識や事例をご紹介していますので、ご覧ください。
以上、製造業のためのデジタルマーケティング完全ガイドでした。
- デジタルマーケティングを始めたいけれど、どこから手をつければよいか分からない
- いろいろと施策を講じているがなかなか成果に結びつかない
- 一通りの成果は出せているが、さらに成果を伸ばしたい
とお悩みの方は、製造業専門のデジタルマーケティング支援会社として、これまでに1,000社を超える企業を支援した実績を持つテクノポートへご相談ください。
The post 【専門家が解説】製造業デジタルマーケティング完全ガイド first appeared on モノカク.
脱!御用聞 | 製造業の営業×ブランディング3つのステップ
- 「受注をとりたくて、また値引きしてしまった…」
- 「納期が厳しいが受けるしかない…」
- 「今回は苦しいけれど、きっと次につながるはず…」
このような営業結果が続いている場合は、「技術」と「価値」が結びついていない伝え方をしているのが、原因かもしれません。
こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
企業が抱える3つの課題
①御用聞き・下請け体制を続けている
長年続く大口顧客との契約。非常にありがたいものですが、もし、売上高占有率(構成比率)が20%以上の販売先が1社でもあるようであれば早急な改善が必要です。気候変動や世界情勢による先行きの見えない時代で、ある日突然契約を打ち切られる可能性があります。このようなリスク回避のためにも、御用聞き・下請け体制から提案型の営業スタイルにシフトしていきましょう。
②商談が商品紹介で終わっている
やっと漕ぎ着けた商談でも、顧客に自社商品を魅力的に感じてもらわなければ意味がありません。しかし、商談で自社商品やサービスの紹介で終わっているケースがあります。「買って欲しい」というのはこちらの都合であり、顧客が価値を感じて購入決定するのとは別物です。商談で話している内容が商品紹介だけになっていないか、一度確認してみましょう。
③顧客の真のニーズに触れていない
顧客がほしいのは、「技術」そのものではなく「成果」です。
あくまでも「技術」は手段のひとつです。顧客の本当の目的は、高い技術自体でははく、自社の売上や効率アップだということを忘れてはいけません。 だからこそ、クライアントに本当に響くのは、ビジネスの成果につながる「成果」の提案です。単に製造を請け負う会社としてではなく、自社のブランドから顧客のビジネスを支援するという商談が、一歩進んだこれからの営業のあり方なのです。
営業×ブランディングで解決する3つのステップ
Step.01:既存顧客・休眠顧客へのアプローチ
新規顧客へのアプローチは、既存顧客・休眠顧客に対して5倍のコストがかかると言われています。コストというのは広告などの販促費だけでなく、時間などの人的コストなども含まれます。そこで、効果的なのが既存顧客・休眠顧客へのアプローチです。契約が途切れてしまった既存・休眠顧客に対して伝えていない情報はないでしょうか?まだ伝えていない自社の取り組みや新製品を持ってアポイントを取ることで、取引を再開するきっかけを作ります。
Step.02:事例の言語化・数値化
顧客にとって購入決定の材料となるのが、「事例」です。事例というのは過去に行ってきた案件の中で具体的に引き合いに出すことのできることです。ここでポイントなのが、「言語化」と「数値化」です。まず、技術系企業の場合、自社の技術を当たり前のものと捉えてしまい、端折ってしまいがちな工程もきちんと言語化する習慣をつけましょう。さらに工程において、数値化できるものは徹底的に数字に落とし込みます。そうすることで顧客は、事例からあなたの会社の商品やサービスの効果やメリットを理解しやすくなるのです。
Step.03:顧客のビフォー・アフター
購入決定への意欲をアップさせるために、もう一つできることがあります。それは、Step.02の事例の言語化・数値化と併せて、顧客のビフォー・アフターを伝えることです。顧客のそもそもの悩みは何であるか、またその悩みが解決された顧客はどうなったのか。あなたの会社の商品やサービスの効果やメリットと、顧客にもたらす変化を一連のストーリーとして伝えることができるで、顧客の期待感が増すのです。
裏取りされても慌てない ブランディングで対等な関係を構築する
最後になりますが、営業活動に出る前に、自社のブランドが整えておくこともポイントです。なぜなら営業活動ではアポイントが取れた直後に商談というケースは少ないものです。そのため、相手はアポイント獲得から商談までの間に、あなたの会社や事業の情報、お客様の声などの情報を事前に収集する、「裏取り」をしています。絶対に受注を取りたい商談の前でも、裏取りにも慌てないように日頃からブランディング施策を行うことで、営業活動も効果的に行うことができます。
The post 脱!御用聞 | 製造業の営業×ブランディング3つのステップ first appeared on モノカク.
KPMG、営業・顧客サポート部門のDX推進支援コンサルティングを提供 | IT Leaders
製造業のポジショニング戦略/差別化を超える3つのポイント
「顧客からもっと選ばれるように、会社の認知活動をしよう!」
と意気込み、WEBサイトの作成や、SNSの立ち上げ、WEB広告の運用などに、思いつくまま費用を投じてしまっていないでしょうか?
こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
こういった活動も効果がないわけではありませんが、実はこれらの認知活動を始める前にやるべき事があります。それは、自社の業界における「ポジション」を定める事です。
顧客は、原材料だけでなく人件費のなどあらゆるコストが高騰する現代において、企業成長を支えてくれるビジネスパートナーを求めています。だからこそ会社の規模に関わらず、自社だけのニッチな領域を見つけ出し、自分たちが最も得意とする市場でシェア1位を目指す、効果的なブランディング戦略を用いる必要があります。
ポジション戦略をするメリット
ポジション戦略をすることのメリットは、競合他社を無くなる事です。自社だけしかいないニッチトップになることで得られるメリットについて詳しく3つの観点からお話しします。
①競合他社との差異が明確になる
競合他社の商品・サービスに目を配ることなく、独自の領域に対してより専門性を深めていくことが可能です。
②購入意欲が高い顧客からの問い合わせ
自社の専門性や、得意領域を明確に提示できるようになると、「○○の△△ならここに聞けば違いない」という、事前に下調べを済ませた顧客から問い合わせが来るようになります。
③顧客満足度が高まる
顧客自身が求めていた商品・サービスが、相談から依頼・納品まで受け続けることができるので、自然と顧客満足度が高まります。
独自ポジショニングを確立する3つのポイント
ニッチな領域を見つけ出すということは、自社が最も役に立つ場所(ポジション)を定めるということです。やり方としては、自社が影響を及ぼす範囲を「どの業界の」→「どの工程の」→「誰にとっての」というように、どんどんとピントを絞っていくイメージです。その上で、やってはいけない3つのポイントをご紹介します。
1.価格だけで勝負しない
価格だけを打ち出すことは、確立しようとしているポジションに競合他社の参入を許す要因になります。
2.技術力だけで勝負しない
技術力だけを打ち出すことも、競合他社の参入を許す要因になります。せっかく築いたポジションも、競合他社が最新の機械装置を導入した事によって、1位をすり替えられてしまうケースもあります。
3.なんでもできますと言わない
差異を明確にすることは、自社でやらない領域を明確にすることでもあります。新しい知識や技術を習得することは長期的にはメリットがありますが、短期的な視点では作業を効率化できず、コストがかさんだり、競合他社に負けてしまうことも考えられます。
技術力×顧客サービスで創る独自ポジション
先にも述べたように、顧客は企業成長を支えてくれるビジネスパートナーを求めています。だからこそ、自分たちの技術に固執することなく、技術に裏付けされた知見を持ってできる顧客サービスが新たな価値を生み出します。ただ作るだけではなく、顧客のビジネスに対して先回りした商品・サービスは技術力一本で勝負してきた中小企業であっても、短期間で技術力だけでなく顧客サービスの比重を増やして、価値を高めていくことは不可能ではありません。自社を客観的に調査し、他者との差異を明確にしたポジショニングによって、自社の強みを最大限に生かすことができるか考えてみましょう。
広域的な広告活動をするよりも、自社のポジションを明確にしてからブランディングや認知活動を集中的に行うことで、短期間で効果を得やすくなります。自社だけのニッチトップ領域を創り、経営に効果的な認知活動を行いましょう。
The post 製造業のポジショニング戦略/差別化を超える3つのポイント first appeared on モノカク.
BtoB製造業 メールマーケティングのコツ
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回はメールマーケティングをテーマにお話しします。
メールマーケティングは、BtoB製造業では有効度が高いマーケティング手法として知られています。しかし、本当の意味で有効性を実感できている企業はどのくらいあるのでしょうか?目的や目標があいまいのまま、いつの間にか担当者のノルマと化していて、担当者だけがネタ集めや配信業務に苦労しているという事態に陥ってはいないでしょうか?
今回は、そんなお困りの担当者や管理責任者の方に向けて、効果的なメールマーケティングを行うための設計方法やメールマガジン(メルマガ)の書き方について解説します。
BtoBのメルマガとは?何のために出すのか
BtoBのメルマガとは、企業の担当者に向けて定期的に配信するメールで、顧客との関係構築や自社製品の認知度向上、醸成目的で配信されています。通常は、メール配信スタンドやマーケティングオートメーション(MA)ツールを使って運用管理を行います。
配信形式として主に3種類あります。すべての対象に同じ内容のメールを送る一斉配信と、特定の条件に合致する対象者に送るセグメント配信、対象者一人一人に合わせて私信メールのように送る1to1配信です。
メルマガの役割・用途
メルマガの一番の役割は、ユーザー(顧客)との接点・関係性を維持することです。顧客に接触し関係性をもつのは営業の仕事のひとつでもありますが、営業訪問のタイミングが顧客の欲しいタイミングとは限りません。一方、メールであれば定期的に情報発信することでそのタイミングをとらえることができます。
ただし、メールの役割は、その先のコンテンツへの流入を促すことによるきっかけづくりの部分が大きいです。その上で、その先のコンテンツで問い合わせ・無料相談などのコンバージョン獲得につなげます。もちろん、メルマガから直接獲得することもできますが、そこまでの導線を強化する役割の方が強いといえるでしょう。
メルマガとSNS、どちらがよいか?
企業の担当者が受信するメールは非常に多いです。日々の業務のやり取りだけでも1日に何十通ものメールを処理しなければなりません。特に忙しいキーパーソンの場合、その数は膨大になり、業務目的以外のメールは埋もれてしまう可能性があります。
一方、SNSはリアルタイムに情報発信でき、拡散力もあります。初めての相手でも双方向で気軽にコミュニケーションをとることが可能です。昨今、SNSで情報収集を行うユーザーも増えており、情報発信はSNSだけで充分ではないか?という懐疑的な声も出ています。
しかしSNSにはデメリットもあります。次々と情報が切り替わってしまうため、SNS上で大量の情報を流し見るだけとなりがちです。その点、メルマガはメールボックスに情報が残り、数日前でも見てもらいやすいです。1通のメルマガを配信すると、数日間はサイトへのアクセスを増やすことができます。時には1週間以上前に打ったメールでも、コンバージョンにつながるケースもあります。
メルマガとSNSの特性を理解し、使い分けていいとこどりをするのが望ましいでしょう。
成果を出すメルマガの設計方法
メルマガの役割はユーザーとの関係性を維持し、その先のコンテンツに誘導することだと説明しました。では、メルマガに反応するユーザーを増やし、目的のコンテンツに対するアクセスを最大化するためにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、メルマガ設計を行う上で重要となる5つの観点(目的、ターゲット、コンテンツ、フォーマット、配信頻度)において、なにがポイントとなるかを解説します。また、運用にあたって用意しておいた方がよいものについてもお話しします。
目的
メルマガの目的は、企業の事業内容や方向性によって異なります。製品サービスの認知喚起がしたいのか、それとも自社製品を売り込みたいのかによってメルマガの施策も変える必要があります。そのため、事前に「何の目的で配信するか」を明確にすることが重要です。
なお、複数の異なる目的がある場合、それをひとつのメルマガで実現しようとすると、内容がブレてしまうリスクがあります。もし目的が複数ある場合は、メルマガをその目的別に分けて配信した方がよいでしょう。
ターゲット
メルマガ設計を行う際、読み手のターゲット像を明確にするのが望ましいです。一般的にBtoBの取引では、複数の担当者を経由して意思決定が行われますが、その担当者の業務内容や役割によって欲しい情報が異なります。そのため、ペルソナを設定し、ターゲットの業務上の課題やニーズを明文化しておくとよいでしょう。
ただし、ターゲットを絞りすぎると、配信対象がかなり限定されてしまうので注意が必要です。メルマガは少し広めのターゲットを想定し、浅く緩くつながるように心がけましょう。
コンテンツ
BtoB製造業のメルマガコンテンツは、自社の目的によって求められるコンテンツが異なってきます。一般的には、ホワイトペーパーやウェビナー案内、ブログや導入事例などいろいろありますが、目的に合っているかを意識して検討することをおすすめします。
例えば、顧客との関係構築がメインの場合、商品サービスの宣伝ばかりだとユーザーに嫌がられてしまうおそれがあります。普段はなるべく宣伝と無関係な情報発信を心がけるか、宣伝だと感じさせないよう内容を工夫するとよいでしょう。
一方、メルマガを営業機会のきっかけにしたい場合には、顧客に視点をあて、顧客の課題を解決するコンテンツや導入事例などを中心に盛り込むと有効です。特に顧客自身も気づいていないような潜在課題や欲求に応えるコンテンツは非常に効果が高く、セールスにつなげやすくなります。
なお、目的に合わせたコンテンツを用意するのが効果的であることを理解していながらも、コンテンツのネタを集めることが難しく、結果としてあるものの寄せ集めとなってしまっている企業も多いと思われます。ネタ集めに関しては、後で詳しく解説します。
フォーマット
メルマガのフォーマットには、HTMLとテキストという2種類の形式があります。現在では、読み手のメーラーにあわせ、どちらでも対応できるよう2種類用意するのが一般的です。
HTML形式のメールは、画像で視覚に訴えることができます。誘導したい部分の文字フォントやリンクボタンをより目立たせることで、効果的にアクションにつなげることが可能です。
一方、HTMLの準備は手間がかかります。現在は、コーディングの知識がなくても制作できるツールが出回っており、制作環境は改善していますが、受信者のメール環境によりレイアウトが崩れてしまうこともあります。PCとスマホで見え方も変わってきますので、あらかじめデザインをテンプレート化しておき、型に従って制作できるようにしておくとよいでしょう。
テンプレート化することで、メルマガ全体のイメージを統一する効果もありますので、ブランディングの観点でも有効です。
配信頻度
結論から言うと、配信頻度はあげた方がよいです。よくある質問として、「配信頻度をあげると嫌がられてしまうのでは」という話があります。ひと昔前には、配信頻度を減らすことを推奨する有識者の方もいましたが、今は逆に頻度が少ない方が問題視されます。配信停止を心配し頻度を下げることで、接触機会が減ってしまうからです。
一般的には週1回は配信するようにしておくとよいでしょう。読み手が欲しい情報なら毎日でも読みたいので、デイリー配信でも問題ありません。ただし、一方的な自社宣伝を毎日のように送るのは避けた方がよいでしょう。あくまで、ターゲットが欲しいであろう情報発信を心がけることが前提となります。
運用に必要なもの
メルマガの運用にあたって、自社のWebサイト側で準備しておきたいものとしては3つ あります。メルマガ登録用のランディングページ(LP)とサポートページ、プライバシーポリシーを記載したページです。
登録用LPには、メルマガの目的やターゲット、コンセプトがわかる内容を盛り込んでおくとよいでしょう。どんなユーザーのどんな課題/ニーズに応えるものなのかを明確にしておくことで、その内容に興味をもつユーザーの登録を促すことができます。
サポートページには、運用ルールや解約の手続き方法など購読者の疑問を解消する内容を記載することをおすすめします。事前に情報提供することで、ユーザーのストレスを軽減し、トラブル回避できるからです。ユーザーからの余計な問い合わせを減らす副次効果もあります。
なお、プライバシーポリシーは法規制対応のために必要です。自社ホームページと共通で用意しておく形でよいでしょう。
メルマガの構成要素
メルマガにおける個々メールの構成要素として、差出人名、件名、ヘッダー、本文、フッターがあります。ここでは、メルマガを制作する際、各要素において対策しておきたいポイントとなる事項や注意点などを整理しておきます。現在運用しているメルマガでも、意外と基本的なことが抜け落ちてしまっているものもあるので、この機会にチェックしてみてください。
差出人名
差出人名はユーザーがまず目にする重要な要素です。この名前のつけ方が閲覧率にも大きく影響するので、安易なネーミングはしないよう心がけましょう。
ちなみに、社名やサービスブランド名をつけているメルマガと、人の名前をつけているメルマガがありますが、どちらがよいのかは知名度によって変わってくるようです。知名度が高い場合は、差出人には社名をつけるとよく、そうでない場合は、担当者など個人名の方が刺さるといわれています。
件名
件名(タイトル名)は最も重要な構成要素です。メルマガが閲覧してもらえるかどうかは、件名にかかっているといっても過言ではありません。
件名にどんな内容を盛り込むべきかは、ターゲットユーザーにとって必要かどうかという視点が必要です。具体的には、ユーザーに有益な内容がより具体的に書かれていると、閲覧率が高くなる傾向があります。さらに独自性を感じさせる内容だと興味がもたれやすくなります。これは、Webサイトの記事タイトルを考えるときとほぼ同じ論理です。
なおタイトルに緊急性を出すことも有効で、ユーザーの行動を促しやすいと言われています。ただしこれは、乱用すると効果を失ってしまいます。ここぞという勝負時に使うことをおすすめします。
件名をつけるときの注意点としては、差出人名と被らないようにすることがあげられます。差出人も件名も同時にユーザーの目にふれることになるので、内容が被っているともったいないからです。また、文字数は30文字以内で考えるとよいでしょう。左から目に入るため、特に前半の15文字に重要なエッセンスをいれると効果的です。
ヘッダー
メールのヘッダー部分は、ユーザーに一番伝えたいことをもっていくとよいでしょう。この部分を読んでその下を読み進めるかどうかが決まるので、そのときのイチオシの内容をここに盛り込むことをおすすめします。
なお、誘導したいCall To Action(CTA)のリンクは、ヘッダーにいれておくと効果的です。
ヘッダーにおける注意点として、件名とのマッチングがあります。件名で伝えていることと、ヘッダーの話が全く違う内容の場合、離脱につながるのでミスマッチがないように気をつけましょう。
本文
メルマガの本文で気を付けるポイントは、コンテンツの順番です。
基本的には、伝えたい優先度の高い順に上から配置していきましょう。メールは上から読まれ、下に行くほど反応は鈍くなります。ただし、例外として「追記」コンテンツは読まれやすいです。また、冒頭に誘導文を設けることで下まで読まれやすくなります。人間の行動心理をうまく利用して作成してみてください。
コンテンツはあまり盛り込まない方がよいでしょう。ときどき大量のコンテンツを盛り込んであるメルマガを見かけますが、盛り込みすぎは効果的とはいえません。メインコンテンツは1つで充分で、テーマと無関係なコンテンツは削った方がよいでしょう。
なお、メルマガ本文中の文章は、一文はできるだけ短くした方が読みやすいです。3~ 4行で改行するように心がけましょう。
フッター
メールの一番下にあるフッターには、運営者情報や問い合わせ、購読解除の選択、プライバシーポリシー情報などを記載します。必ずしもフッターの位置でなくてもよいですが、運営者情報/購読解除の項目は特定電子メール法で定められている必須事項なので、どこかに書いておくようにしましょう。
メルマガ関係で遵守しておくべき法律は主に以下になります。
- メルマガ配信前に承諾をとっておく
- 送信者の問い合わせ先や配信解除する方法を明記する
- 購読者から自身の登録情報を聞かれたら情報開示する
メルマガのネタの探し方
ここでは、メルマガ担当者が一番頭を悩ませるといわれているネタの探し方についてご紹介します。ネタ作りに詰まっている方は参考にしてみてください。
ネタ探しの前にやるべきこと
メルマガでどんなネタを出すべきかを考える前にやるべきことがあります。それはスケジュールの作成です。期の節目などで配信テーマの大枠を決め、いつどんなメルマガを出すのか計画をたてておきましょう。メルマガのネタは、基本その計画に沿って考えていくことになります。
テーマは基本、メルマガの目的・ターゲットに合わせ、関連する事業/サービス部門から定期的に情報収集しておくとよいです。新製品のリリース計画や展示会の開催スケジュールなど会社にとって大きなイベントをおさえた上で、その内容に合わせて他のテーマを考えるとやりやすくなります。
スケジュールとテーマを決めたら、そのテーマに関する情報が定期的に入るような体制を整えておきましょう。具体的には、製品やイベントの担当部門から最新情報を入手できるように、各部署から情報をヒアリングするための打ち合わせの場や情報共有のグループチャットなどを設置しておくことです。そうすることで計画変更にも柔軟に対応できるようになります。
BtoBメルマガのネタ事例
スケジュールとテーマを決めたら、それにマッチするコンテンツを検討していきます。BtoBで有効なネタの事例として以下の6タイプがあります。
- 技術/製品紹介:自社の技術や製品サービスの情報
- ユーザー事例:お客様の製品導入事例
- イベント告知/お礼:展示会の案内や、出展品情報、開催後のレポート
- 業界動向:自社領域に関する業界情報や法規制・地政学に関する情報
- お役立ち情報: ユーザーが業務上必要な参考情報
- FAQ:企業からのよくある質問や、アンケート調査結果
自社技術や製品の紹介は、単に特徴が書いてあるだけの商品ページに促すだけだと自社宣伝の色が強くなるので注意しましょう。関係者の思いや開発に至った経緯などストーリー仕立てのコンテンツに誘導すると効果的です。コンテンツがない場合でも、ちょっとしたコメントをメルマガ本文に書いてあげるだけでも反応が変わるので試してみてください。
お役立ち情報は、ターゲットとなるユーザーが業務で使う可能性がある内容を盛り込むと効果的です。例えばユーザーが開発設計の技術者であれば、開発ツールやマニュアルの見方などがあげられます。業界の専門用語の解説も有効です。
FAQでは、メルマガを意見徴収のツールとして利用するのもよい方法です。メルマガの中でユーザーに問いかけをし、ユーザーから質問や意見を促すようにしましょう。その結果をメルマガのコンテンツにフィードバックすると、双方向のコミュニケーションが生まれます。
困ったときに使えるネタ探し術
メールの配信頻度をあげた方が効果的だという話をしましたが、自社製品のPRやイベント案内ばかりの内容になってしまうと逆効果です。とはいえ、毎回有益なネタを考える余裕はないかもしれません。そんなときにおすすめしたいのが以下の3つのポイントです。
- 日々自動的に更新される情報を活用する
- 少し古い情報を活用する
- 以前使ったネタを再利用する
担当者が何もしなくても、社内で日々蓄積されていく情報はネタに困ったときに使いやすいコンテンツです。例えば自社でブログを運営している場合、その情報を活用できます。また、カスタマーサポートにくる顧客の質問なども日々蓄積していく情報なので、コンテンツ化して活用するとよいでしょう。
過去の古いコンテンツも活用できます。技術の基礎知識はいつの時代でも使えるコンテンツです。また、製品に関する情報は古い製品でも有効です。製品の更新情報や利用しているユーザーが多い場合、むしろ喜ばれます。一方、トレンドやニュースなどの時事ネタはとりあげにくいので注意しましょう。
また、一度使ったネタの再利用も有効です。メルマガを全部見ている人はほぼいないため同じ情報でも、見せ方を変えるだけでなんどでも使うことができます。
まとめ
BtoB製造業のメルマガは、顧客との接点をゆるく保ち続けるために効果の高い手段です。定期的に情報発信することで顧客が自ら欲しいと思うタイミングをとらえることができます。
そのためには、自社がではなく、ターゲットが有益と思うであろう情報を高めの頻度で発信し続ける必要があります。件名やヘッダー部分にイチオシで伝えたいことを短く具体的に述べることでより反応を高めることができるでしょう。
メルマガのネタ探しは担当者にとって悩みのつきない問題ですが、自らが動かなくても自動的に集まる情報の引き出しをいくつか確保しておくとよいでしょう。時には過去のコンテンツを使いまわすことで、うまく乗り切ることができるはずです。
テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひご相談ください。
The post BtoB製造業 メールマーケティングのコツ first appeared on モノカク.
デジタルマーケティングで解決できる製造業の5つの課題
テクノポートの徳山です。今回はデジタルマーケティングで解決できる製造業の5つの課題について解説します。この記事を読んでいただくことで、「自社が抱えている課題をデジタルマーケティングによってどのように解決していけるのか」を理解していただくことができると思います。
一口にデジタルマーケティングといっても施策は多岐に渡ります。デジタルマーケティングの領域は下図のように非常に幅広く、どの施策を進めるのかによって得られる効果は変わってきます。本記事では、現在抱えているマーケティング課題に合わせて、採るべき最善の施策と、その施策をどのように進めていくことで課題解決につなげていくのかについて解説します。
デジタルマーケティングの領域と解決できる課題
課題1.新規顧客の獲得単価を下げる
マーケティング予算が限られる製造業にとって、新規顧客獲得に要する単価は可能な限り下げたいものです。ここでは、デジタルマーケティングにおけるさまざまな施策の中から、顧客獲得コストを最も引き下げたい場合に採るべき施策について解説します。
以下のような課題を持つ製造業者におすすめ
- 既存顧客からの売上が徐々に減ってきており、新規顧客獲得の必要性に迫られている
- マーケティング予算が限られており、なるべく効率よく新規顧客獲得を実現したい
- 展示会など既存の顧客獲得手法だけでは目標とする顧客獲得数を達成できない
新規顧客単価を下げるための手法
これからデジタルマーケティングに力を入れていく製造業は、明らかに後発となってしまうため、競合性の高い市場に身を置いても勝機を見出すことは難しいです。そんな状況下で成果を上げるためには「購買フロー後期段階のユーザーを狙う」ことが重要となります。
決められた予算の中で慎重に購買活動が行われるBtoBの顧客にとって、購買活動は以下のようなフローで行われるケースがほとんどです。効率的に新規顧客獲得を行いたい場合、購買フローの後期段階のユーザーにターゲットを絞り集客することができる、SEO対策やリスティング広告を中心にマーケティングを進めていくことをおすすめします。
新規顧客の獲得単価を下げる場合のアプローチ方法
- 他の営業手法よりも高い費用対効果を目指すために、なるべくターゲットを細かく絞る
- 購買フローの後期段階のユーザーが使用する検索キーワードにターゲットを絞り、対策を行う
- 具体的な施策としては、SEO対策やリスティング広告で購買フローの後期段階のユーザーへのアプローチ
課題2.ブランディングを向上させる
BtoBのビジネスモデルが中心の製造業にとって、自社の知名度を高める機会になかなか恵まれず、ブランディングに課題を置いている企業も少なくないと思います。ここでは、どうやって自社の知名度を上げ、自社のブランディングを高めるためにデジタルマーケティングを進めていけばいいのかについて解説します。
自社の知名度を上げるメリットとして、潜在顧客へのリーチが挙げられます。潜在的なニーズを持つユーザーのニーズが顕在化したタイミングで第一想起される会社になることができれば、中長期的に新規顧客獲得につなげることができます。
以下のような課題を持つ製造業者におすすめ
- 顕在ニーズを持つ見込顧客の獲得は十分にできている
- 顧客の母数を増やすために潜在見込顧客へのアプローチを行いたい
- 潜在見込顧客のニーズが顕在化したタイミングで第一想起される会社を目指したい(〇〇と言えば「△△(会社名)」という状況を作り出す)
ブランディングを高めるための手法
ブランディング(第一想起される会社)を目指すためのアプローチは課題1の「新規顧客の獲得単価を下げる」場合とは真逆となります。すぐに顧客化できる購買フロー後期段階のユーザーをターゲットとするのではなく、初期段階の「まだニーズが潜在的なユーザー」をターゲットに設定します。
潜在ユーザーが情報収集する際に役立ちそうなコンテンツを企画して情報発信することで、少しずつ自社の認知度を高め、いざ「ニーズが顕在化したタイミング」で第一想起される会社になることができれば、競合他社を出し抜き一番最初にお声がけいただけるでしょう。
自社のブランディングを高めたい場合のアプローチ方法
- 購買フローの初期段階のユーザーにターゲットを絞り、関心を持つコンテンツを企画・制作する
- コンテンツマーケティングやSNSマーケティングを使い情報を発信することで、ユーザーを囲い込む(資料DLなどでリード化したり、SNSのフォロワーにする)
- 囲い込んだユーザーにメルマガなど定期的な情報発信を行い、少しずつ自社の認知度を高めていく
課題3.技術の用途開発
同じ技術を同じ市場へ提供し続けると、市場の成熟化や競合企業の増加により、技術の提供価値がどうしても下がっていってしまいます。そのような状況を打破する手法として、既存技術を異なる市場へ展開する「技術の用途開発」があります。技術の用途開発をデジタルマーケティングの中で実現していくための手法について解説します。
以下のような課題を持つ製造業者におすすめ
- 特定の業界で一定以上のシェアを獲得している
- 同じ技術を同じ市場に提供し続けたことで技術の価値(売値)が下がっている
- 既存技術を違う分野へ用途開発を行い、技術を高く買ってもらいたいと考えている
技術の用途開発を実現するための手法
用途開発マーケティングの難しさは、一般的なマーケティングとは進め方が大きく異なる点にあります。一般的なマーケティングでは、初めに顧客ターゲット(ペルソナ)を設定することがほとんどです。しかし、このやり方だと確実にターゲットに情報が届きやすいというメリットはありますが、ターゲット外のユーザーには情報が届きづらく、あくまで自社で想定できている用途に開拓できる顧客が留まってしまいます。
自社でも想定できていない技術の用途ニーズを持つ顧客を開拓するには、さまざまな分野の技術者に満遍なく自社の技術を知ってもらう必要があります。そのためには、まず技術をMFTフレームワークなどを使い要素分解します。それからWebコンテンツを制作し情報発信することで、さまざまな角度から情報探索する技術者へ、満遍なく技術情報を知ってもらう機会を見出すことができます。
技術の用途開発を実現するためのアプローチ方法
- MFTフレームワークなどで技術を要素分解する
- 分解した要素ごとに検索需要を調査し対策する検索キーワードを決める
- 検索キーワードで上位表示できるようなコンテンツを制作
用途開発マーケティングについては以下の記事もご覧ください。

課題4.既存リードの掘り起こし(顧客化)
デジタルマーケティングが定着する前の製造業の顧客開拓手段として最も主流なのは「展示会の出展」でした。しかし、展示会で獲得できる名刺のうち、すぐに商談に持っていけるのは1割にも達しないというデータもあり、大半を顧客化できずに終わってしまうケースがほとんどです。
しかし、展示会の開催中もしくは会期終了直後に商談化できなかった見込顧客でも、展示会に来場した当時はニーズが潜在的であったものの、時間が経つにつれニーズが顕在化して商談化できる機会が訪れることがあります。そのようなタイミングを逃さずに既存リードを顧客化することも、デジタルマーケティングで実現できます。
以下のような課題を持つ製造業者におすすめ
- これまでに営業活動で獲得した名刺情報が活用できていない
- 展示会出展の費用対効果を最大化したい
- 所有しているリード情報を活用し新たな顧客を開拓したい
既存リードを顧客化するための手法
ニーズが潜在的なユーザーに対し、自社の製品・技術に興味を持ってもらい商談化するためには、ニーズが潜在的なユーザーへ役立つコンテンツやニーズを育成するようなコンテンツを制作し、定期的にメールマガジンなどで情報を配信していきます。
この際にマーケティングオートメーションを使えば、どのリードがメールマガジンを開封してくれたのか、製品紹介ページへアクセスしてくれたのか、資料をダウンロードしてくれたのかなどが可視化されスコアリングされます。スコアの高まったタイミングで営業マンから直接リードへアプローチを行えば、効率よく商談化することが可能です。
既存リードを顧客化するためのアプローチ方法
- マーケティングオートメーションツールを使い、名刺情報をデジタル化
- リードに対し定期的にメルマガなどで定期的に情報発信
- 資料ダウンロードやリードスコアが高まったタイミングで営業マンから直接アプローチ
課題5.既存顧客のフォロー
これまでにご紹介した課題は「新規顧客の獲得」に関わるものばかりでしたが、既存顧客からの取引量を最大化させるための手段としてもデジタルマーケティングは活用できます。社歴の長い製造業者ほど、営業の中心が既存顧客のフォローである場合も少なくないと思います。しかし、コロナ禍によって対面営業が難しくなり悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
そんな既存顧客フォローを効率化する手段として、デジタルマーケティングをどのように活用するのかについて解説します。
以下のような課題を持つ製造業者におすすめ
- 営業リソースが少なく既存顧客のフォローが十分にできていない
- 既存の顧客フォローの方法だと属人的で営業マンによる生産性の偏りが大きい
- コロナ禍になり、既存顧客への定期的な訪問フォローができなくなった
既存顧客のフォローをデジタル化するための手法
長年に渡り取引を行っている既存顧客であったとしても、自社が取り扱っている製品・技術すべてを知っているとは限りません。まずは自社の取り組みを幅広く認知してもらうためにもメールマガジンなどで定期的な情報発信を行いましょう。
既存顧客営業で大きな成果を挙げる営業マンの共通点として「顧客の買い気をつかむのが上手い」ということが挙げられるかと思いますが、これをマーケティングオートメーションツールの活用により実現していきます。
マーケティングオートメーションツールを使い、顧客の興味関心をスコアリングすることで、これまでは目に見えなかった顧客の買い気を可視化し、顧客フォローに要するコストを下げるとともに、営業マンによる生産性の偏りを減らすことができます。
メールマガジンなどで定期的な情報発信を行うとともに、ウェビナーを開催したり展示会出展などの告知をしたりして、直接コミュニケーションが取れる機会を作り出すのも効果的です。
既存顧客フォローをデジタル化するためのアプローチ方法
- マーケティングオートメーションツールを使い、顧客情報をデジタル化
- 既存顧客向けに定期的にメルマガなどで情報発信を行う
- 新製品・技術の資料をダウンロードしたタイミングやリードスコアが高まったタイミングで担当営業からフォロー
以上、参考になりましたでしょうか。テクノポートでは、お客様の課題に合わせて最適なデジタルマーケティング施策を考え、施策実行までお手伝いすることが可能です。今回の記事で取り上げた課題でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
The post デジタルマーケティングで解決できる製造業の5つの課題 first appeared on モノカク.
製造業にも効果的な 採用ブランディング
こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
「募集を出しているが、良い人材になかなか出会えない」と思いながらも、日々の業務が忙しく、なかなか採用活動を見直せない、という悩みを抱える企業の代表・採用担当者は少なくありません。今回は、自社の魅力を十分に伝え、採用したい人材を獲得するために重要な「採用ブランディング」の重要なポイント、またその手順やポイントについてお話ししていきます。
採用ブランディングとは
まず「採用ブランディング」とは、採用力を強化するために自社の“ブランド力”を高めることです。そして、ブランド力とは「相手から信用される力」です。高い技術や次世代の担い手への思いも発信することで初めて相手から理解されます。だからこそ自社の良い点を新卒者や中途採用希望者から信用される発信を意識的に行なっていく必要があるのです。
なぜ製造業にも採用ブランディングが必要なのか
採用ブランディングの最大の目的は「自社の事業戦略を共に進められる人材の採用」です。しかし、採用活動市場は、依然として求人数に対して民間企業就職希望者数のほうが少ない状況です。 少子高齢化による労働人口の減少、ライフワークバランスの見直しによる価値観は多様化が影響し、通年採用や転職が当たり前のこととなっています。
実際に2023年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の全国の民間企業の求人総数は、70.7万人であるのに対し、学生の民間企業就職希望者数は、44.9万。民間企業就職希望者数に対して、求人総数が25.8万人の超過需要であるという調査結果も出ています。
このような状況において、会社の規模は関係ありません。自社の事業戦略に必要な人材を獲得するために、企業は自社が就職希望者に対して“魅力的な働く場”であることを伝える必要があります。
そのために、「自社の理念や哲学」、「自社の製品やサービスが社会に与える影響」、「社内風土」「キャリアプラン」などを伝え、自社のブランド力を高めることが重要なのです。そしてこれらのメッセージが、自社の求める理想の人材に確実に届くよう、戦略的なタッチポイントを作ることが欠かせません。
製造業が採用ブランディングを行うメリット
製造業が採用ブランディングを行うのには大きく4つのメリットがあります。
- 企業規模に関係なく実施可能
- 自社が求める候補者を集めやすい
- 人材が定着しやすくなる
- 機会損失を防ぐ
採用ブランディングは企業の規模感は関係なく、最低限のコストで実施することができます。例えば自社の採用サイトとSNSを駆使するだけでも就職希望者に対するブランド力を高めることが可能です。また、採用活動がスムーズに進むことは、日々の業務に対する負担も減ります。他にも人的リソース管理がしやすくなるので、中期的な事業計画も立てやすくなるため、営業活動における機会損失を防ぐことにもつながります。
採用ブランディング実施方法
採用ブランディングで活用される代表的な発信手段として、採用サイトやSNSの活用が思い浮かぶかと思いますが、それらをスタートする前にやるべきことがあります。
STEP.01 現状の「タッチポイント」をチェック
まずは自社のブランド力の現状を理解するため、就職希望者が自社について調べられる接点「タッチポイント」を確認します。企業のホームページ、採用サイト、S N S、クチコミサイトなどから、現在の自社のイメージを確認します。
STEP.02 「誰に」「どんなメッセージを伝えるか」考える
採用ブランディングでは「自社の事業戦略を共に進められる人材の採用」にメッセージを届けることが重要です。そこで、自社にとってのペルソナ(理想的な人物の詳細)を設定し、その人物が企業で成したい感情的な欲求を言語化します。
【例】
- 〇〇がしたい!
- 〇〇と言われたい!
- 〇〇を思われたい!
- 〇〇に挑戦してみたい!
これらの感情的欲求を持つペルソナが、入社後活躍しているイメージが持てるかがペルソナ設定の重要なポイントです。
STEP.03 「採用サイト」「SNS」で情報発信
STEP.01.02ができたら、実際に採用サイトやSNSでメッセージを発信します。この際、採用サイトは豪華である必要はありませんが、デザインが企業のイメージに合っているか、就職希望者が見て自社に入社したいと思えるかを確認しましょう。
STEP.04 採用ブランディングについて自社の社員と情報をシェア
採用ブランディングを行うにあたって、自社の社員と情報を共有することも重要です。採用ブランディングでは自社の強み、これからの展望を明確にする作業でもあります。それらの情報を社員と共有することによって、企業風土の醸造にもつながります。
短期的・中期的な視点が重要
採用ブランディングで見落としてはいけないのが”スケジュール”です。採用活動は、今日発信したからといって早速明日から応募が来る、というものではありません。事業計画と照らし合わせて、短期的・中期的な視点で、発信の計画を立てることが重要です。しかし採用ブランディングは、多大なコストをかけなくても、正しい手順で実施することが可能です。ぜひ自社のブランド力を高める採用ブランディングを実践してみてください!
The post 製造業にも効果的な 採用ブランディング first appeared on モノカク.
サイトの文章を1クリックで平易な日本語に変換─「やさしい日本語」変換サービス | IT Leaders
製造業のための失敗しないD2C入門。D2Cにも種類があるのを知っていますか?
D2Cブランドには大きく分けて2つの型があります。これから話す2つの型の違いは、「顧客が得たい体験」です。この2つの正体を把握しておくことで、D2Cブランド立ち上げの失敗を未然に防ぐことができます。
こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
D2Cブランドは立ち上げだけでなく運営にも、時間・お金・マンパワーがかかります。だからこそ自社のブランドを長く愛されるブランド育てるための戦略を、始める前に理解しておくことが重要です。
【使い切る】デイリーブランド型D2C
ここで話すデイリーブランドとは、食品や日用品などの使って消えるような、いわゆる「消耗品」を指します。このデイリーブランド型のD2Cビジネスは、商品が顧客の生活の一部となって一人ひとりに何度も購入されることで成立します。
そして、顧客がデイリーブランド型のブランドに求めることは「快適な日常」です。そのため、サブスクリプションしやすい商品設計・商品訴求が重要です。
【デイリーブランド型に必要な商品設計・商品訴求】
- 買い続けられる価格設定
- 使い続けることで快適な生活を維持できる機能
- 買い続けることに面倒がない仕組み
【形が残る】スペシャリティブランド型D2C
ここで話すスペシャリティブランドとは、使用し続けても専門的な形や性能が残るものを指します。多くの製造業が挑戦しているのはこの型です。上記のデイリーブランドとは異なり、使い続けても無くならない性質があります。このカテゴリーでは機能性や耐久性に優れ、一般より高価格な商品が展開されています。
しかし機能性・耐久性に優れて長く使えるということは、言い換えるとなかなか買い換えないということでもあります。つまり、顧客が一度購入したら、次の商品の買い替えまで長く時間がかかるので、回転率が悪いため、ビジネスモデルとして考えたときに、一時的に大きな売り上げを上げられても、継続的な収益があげづらいことから、ブランド立ち上げに苦戦するケースが多いのです。顧客にとっても「特別な買い物をしたい」という願いがあります。そのため、スペシャリティな商品には、長く使ううちに“人に自慢したくなる仕掛け“が必要なのです。
【スペシャリティブランド型に必要な商品設計・商品訴求】
- 高価格でも買いたくなるブランドの世界観
- 思わず人に話したくなるスペックやデザイン
- 顧客との中長期的コミュニケーション
製造業のためのD2Cビジネスブランディング
1人の顧客が連続して購入するデイリーブランド型のサブスクビジネスと異なり、スペシャリティブランド型は1人のコアなファンが次のコアファンを呼び寄せるブランディングが重要です。イメージしやすいのは、あなた自身しよしているお気に入りの品物にまつわる、出会いと現在に至るエピソードです。少し高いかな?と思いながらもワクワクしながら購入した時の気持ち。そして今も気に入って使い続けているシーン。また、その様子を見た友人が「それいいね。」と声をかけてくれたことなどです。
スペシャリティブランド型は、まるで波紋のようにコアな商品をコアなファンが愛用し、コアな仲間が集まってくる仕組みづくりによって、買い替え需要が少ないスペシャリティブランドでも、上記の図のように、常に顧客が途絶えない導線設計をすることが可能になるのです。
まとめ
デイリーブランド型は、継続して購入される価格設定と機能、私して継続して購入したくなる発信時期と内容が重要です。一方スペシャリティブランド型は、使い続けられるスペックとアフターフォローの仕組み、そして長く使い続けたくなる特別感・ブランドの世界観の発信を心がけることが欠かせません。自社商品が、どちらのタイプかを見極めて、顧客に愛される商品設計・商品訴求を考えましょう。
The post 製造業のための失敗しないD2C入門。D2Cにも種類があるのを知っていますか? first appeared on モノカク.
製造業がマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入すべき理由
フリーランスWebライターの志水です。過去にものづくりエンジニアをしていた経験を活かし、技術系記事のライティングやインフォグラフィック制作をしています。
本記事は、動画のまとめ記事です。テーマは、「製造業がマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入すべき理由」です。
最近、マーケティングオートメーションツールを導入する企業が増えています。なぜ導入する企業が増えているのか、マーケティングオートメーションツールを導入するメリット、機能、使い方からその導入事例までを紹介していきたいと思います。
【講師】
カイロスマーケティング株式会社
コンサルタント 近藤裕美
【経歴】
新卒で人材系の企業に就職し、中小企業の新規開拓営業や求人広告制作、採用活動のフォローを担当。その後、マーケティングオートメーションKairos3を開発・販売するカイロスマーケティング株式会社にジョイン。
現在は、オウンドメディア【マケフリ】の記事執筆やメルマガ作成、セミナー運営などを中心としたマーケティング活動に取り組んでいる。
動画はこちらから
マーケティングオートメーションツールとは?

Marketing business concept on the virtual screen.
マーケティングオートメーションツールとは、商談見込みの高い顧客を発見するためのITツールです。マーケティング業務の効率化のみではなく、営業活動の効率化にもつなげていくことが可能です。
マーケティングオートメーションツールの機能
マーケティングオートメーションツールには、大きく分けて以下の4つの機能があります。
- 顧客と出会うための機能
・フォーム - 顧客情報を管理する機能
・タグ
・イベント管理 - 顧客と接触するための機能
・メール配信
・シナリオ配信
・セミナー運営 - 顧客の興味の度合いを判断する機能
・行動履歴
・スコアリング
これらの機能を使用することで、時間と手間をかけずに多くの顧客と接点を持つことができます。さらに、顧客の興味関心が高まったタイミングで営業活動につなげていくことが可能になります。
営業管理ツールとの違い
マーケティングオートメーションツールとよく比較されるものとして、SFAやCRMといった営業管理ツールがあげられます。
これらの違いですが、それぞれのツールが担当する営業活動が異なります。
営業管理ツールが担うのは、商談が生まれて契約してもらうまでのフェーズで、マーケティングオートメーションツールが担うのは、商談を生み出すまでのフェーズです。
導入する企業が増えている背景
ここからは、マーケティングオートメーションツールを導入する企業が増えている3つの背景を解説していきたいと思います。
過去の名刺がそのまま
展示会や営業活動で過去に顧客と名刺を交換したものの、活用できずに眠っているという課題を抱えた企業が多いです。
購買行動の変化
インターネットの普及により、買うという決断をするまでの期間が長くなっています。各自インターネットで情報収集をする時代であり、Web全体でのマーケティング戦略が必須となってきているという背景があります。
対面での営業ができなくなった
新型コロナウイルスの影響で、対面での営業が難しい状況になりました。これにより、各企業がデジタルマーケティングに軸足を置く必要性が出てきています。
Kairos3の特徴
カイロスマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーションツールである「Kairos3」の特徴について、解説します。
使いやすい画面
Kairos3は、シンプルなUI(ユーザーインターフェース)であり、直感的に操作しやすい設計になっています。マーケティングオートメーションツールを初めて導入する顧客や、ITツールが苦手な顧客でも、安心して導入することが可能です。
充実したサポート体制
電話対応や活用するためのミーティングなど、サポート体制に力を入れています。どのように使えば成果に繋がるのか悩んだ際に相談できる体制が整っています。
マーケティングオートメーションツールを導入するメリット
マーケティングオートメーションツールを導入することで、どのようなメリットが得られるのかを解説します。
いつ誰にアプローチすべきかわかる
スコアリングの機能を使用することで、顧客の興味の度合いを点数化することができるため、どの顧客が自社に興味を持っているのか一目でわかります。
これにより、いつ誰にアプローチすべきかが明確になり、営業活動の優先順位を正しくつけることができます。
どのようにアプローチすべきかわかる
顧客の行動履歴を元に、提案内容をよりパーソナライズができます。これにより、各顧客にどのようにアプローチすれば効果的かがわかり、結果として契約に結びつきやすい営業を行うことが可能です。
導入前の注意点
マーケティングオートメーションツールを導入する前に、注意点を確認しておきましょう。
自社Webサイトの構成
マーケティングオートメーションツールは自社のWebサイトを持つことで、多くの効果が期待できます。さらに、内容ごとにページを分ける構成にすることで、顧客の興味の範囲を推測しやすくなります。
導入しただけでOKではない
マーケティングオートメーションツールは、導入するだけですぐに成果がでる魔法のツールではなく、コツコツ継続することで効果を発揮します。例えばメルマガなど、一度送って終わりではなく、継続して配信していくことが重要です。
マーケティングオートメーションの成功事例
ここからは、マーケティングオートメーションツールを導入して、成功した企業の事例を紹介します。
メルマガから新規商談につなげた事例
食品添加物の開発販売を行う製造業の事例です。新規開拓で訪問営業をしていましたが、非効率だと課題に感じていたそうです。
そこで、マーケティングオートメーションツールを導入し、メルマガに営業担当者名を差し込んで毎月配信。顧客と営業担当者の接点を保つことが可能になりました。これにより、メルマガから返信40件、新規商談5件が生まれる成果につながったとのことです。
ウェビナーから商談・受注につなげた事例
食品原材料の製造・販売を行う製造業の事例です。コロナ禍で訪問や展示会ができなくなり、提案機会が減少していることを課題に感じていたそうです。
そこで、マーケティングオートメーションツールを使用し、ウェビナーの運営業務(集客メール、出欠管理、フォローアップ)を効率化。これにより、ウェビナーから商談・受注に繋がる流れを作ることができたとのことです。
スコア活用で問い合わせ数がUPした事例
最後は、精密板金加工事業を行う製造業の事例です。県外の顧客や新規顧客からの問い合わせがほぼないという状態を、課題に感じていたそうです。
そこで、マーケティングオートメーションツールを使用し、展示会で出会った顧客にメルマガを配信。スコアが高まった顧客には、電話でもアプローチを行いました。これにより、県外からの問い合わせ増加に繋がったとのことです。
これからマーケティングオートメーションを導入する方へ
マーケティングオートメーションツールは非常に多機能ですが、初めから色々な取り組みを始めようとすると、いっぱいいっぱいになりがちです。自社に必要な部分を小さく始めて、継続していくようにしましょう。
気負わずにマーケティング活動を楽しむ気持ちで始めていただけると幸いです。
The post 製造業がマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入すべき理由 first appeared on モノカク.
製造業がホワイトペーパーをマーケティングに活用する方法
こんにちは、製造業系ライターのよどはらです。ホワイトペーパーとは、自社製品の技術情報などが記載されている資料で、マーケティングに活用できます。
今回は、製造業向けのホワイトペーパーの活用方法について解説します。ホワイトペーパーをうまく使用し、是非、顧客獲得に繋げて下さい。
ホワイトペーパーとは
まず「ホワイトペーパーとは何か」「どのような目的で活用されるのか」を解説します。
ホワイトペーパーとは何か?
ホワイトペーパーとは、自社の製品やサービスに関する技術情報など、読者に有益な情報を提供する資料のことです。元は白書(white paper)という、政府や公的機関が発行する調査報告書を意味していましたが、そこから派生してマーケティング業界で使われるようになりました。
現在は主にBtoBマーケティングにおいて、企業がリード※獲得のために提供するダウンロード資料を指すことが多いようです。
※リードとは、名前、所属、連絡先が明らかになっている、将来的に自社の顧客になり得る「見込み客」の情報のことです。
ホワイトペーパーの目的
ホワイトペーパーの目的としては、以下のようなものがあります。
- リードを獲得すること
- リードに対してナーチャリングをすること
リードを獲得すること
ホワイトペーパーの代表的な目的はリードの獲得です。一般にホワイトペーパーをダウンロードするには、ユーザーの個人情報(名前や住所、メールアドレス)を入力する必要があります。
自社のホームページで製品やサービスを調べているユーザーは、元々何らかの興味を持っています。そのため、興味を引くようなホワイトペーパーがあれば、個人情報を入力する手間があってもダウンロードしてくれる人は多いでしょう。
つまりホワイトペーパーを活用することで、自社商材に興味を持つ人の情報を効率よく集められるわけです。
リードに対してナーチャリングをすること
ホワイトペーパーには、リードに対してナーチャリング(育成)をして、その人たちの購買意欲を高める目的もあります。
ホワイトペーパーによってリードを得られたら、メルマガやSNSなどを利用して、各種マーケティング施策を行えるようになります。メルマガの送付時にホワイトペーパーも配布することで、顧客との関係が深まり受注率が高まるでしょう。
また近年は、ユーザーがWebサイトやSNSを通じて能動的に情報を集める傾向にあるので、従来のプッシュ型の営業は効果が薄くなっているようです。そのためホワイトペーパーをはじめとする、潜在的なニーズを持ったリードをナーチャリングしていく手法が重要になっています。
ホワイトペーパーの種類
では、リードの獲得や育成の目的を達成するには、どのようなホワイトペーパーを用意すればいいのでしょうか? ここでは、その種類について解説します。
業界解説、用語集
近年は多くの企業が変革を迫られているので、最新のトレンドについてまとめられた、業界解説用の資料は有効です。業界のトレンドに自社製品をうまく絡めれば、製品やサービス導入の訴求もできます。
用語集は、業界でよく使われる用語の意味をまとめた資料で、製造業の情報を集めているユーザーにアプローチしたい場合などに役立ちます。ターゲットとなるユーザーは、これから業界知識を学んでいく状態だと予想されるため、初心者向けの易しい解説が望ましいです。
導入事例集
導入事例集には「製品やサービスを導入した同業他社が、どのような結果を得られたか」といった内容が記載されています。たとえば「NC工作機械を導入した加工業者では、生産効率がどのくらい改善したか」といったことです。
実際に導入してみてどう変わったかは、導入を検討する上で知っておきたい情報なのでダウンロードされやすいでしょう。しかし、導入企業への取材や実社名入りの掲載許可など、手間がかかるのがデメリットです。
カタログ情報
カタログは自社の製品やサービスをまとめた資料です。全体の概要や各製品の写真、特徴、型式、金額などが記載されています。
本来は営業資料として使われていましたが、最近はホワイトペーパーとしての公開もされています。導入を検討しているユーザーのために、常に最新の情報を反映しておくのがポイントです。
その他
他の種類としては、自社が開催するセミナーや展示会のレポートなどがあります。これは、セミナーや展示会で利用した資料をホワイトペーパーにしたもので、参加するかどうか迷っている人に参加を促せます。セミナーで使った資料よりも内容を充実させておくといいでしょう。
なお、製造業が活用しているホワイトペーパーの実例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ホワイトペーパーを配置する箇所
ホワイトペーパーを配置する箇所は、自社のWebサイトやランディングページなどが挙げられます。ここに資料請求のフォームを配置して、自由にダウンロードできるようにすれば、リード獲得につながります。
また、リードナーチャリングが目的の場合は、メルマガなどを送付する際にホワイトペーパーを添付するのも有効です。ユーザーが求めていそうなホワイトペーパーを一緒に送ることで、自社製品・サービスへの購買意欲を高められます。
ホワイトペーパーの作り方
ホワイトペーパーの作成は、自社で内製、または外注といった2通りのやり方があります。自社で作る場合、コストを抑えられたり細かい調整もできたりするので、基本的には内製化がおすすめです(※ホワイトペーパーの作り方について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください)。
しかし以下のような状況に当てはまるなら、外注化を検討するといいでしょう。
- 社内にホワイトペーパーを作成するノウハウがない
- ノウハウはあるが、作成に割ける費用やリソースがない
- 多少のノウハウはあるが、完成度に不安を感じる
なお、ホワイトペーパーの外注化を検討している方は、テクノポートの技術ライティングサービスがおすすめです。製造業を中心とする企業において1,000以上のメディアを構築してきた実績があり、最適なホワイトペーパーの企画・提案を行います。まずはお気軽にお問い合わせください。
The post 製造業がホワイトペーパーをマーケティングに活用する方法 first appeared on モノカク.
コロナ禍の営業ツールとして製造業もウェビナーに取り組む理由
フリーランスWebライターの志水です。過去にものづくりエンジニアをしていた経験を活かし、技術系記事のライティングやインフォグラフィック制作をしています。
今回は、製造業がウェビナーに取り組むべき理由について解説します。コロナ禍で顧客と直接会うことが制限される中、オンライン営業の重要性が増しています。
しかし、皆様の中には
- 「ウェビナーをどう活用すればよいかわからない…」
- 「製造業がウェビナーを導入するメリットって?」
- 「そもそもウェビナーってなに?」
とお悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そんな方はぜひ、本記事でオンライン営業のツールの一つであるウェビナーについて学んでいきましょう。
ウェビナーとは
ウェビナーとは、「ウェブ」と「セミナー」をかけ合わせた造語です。オンラインセミナーとも言い換えられます。オンライン上のセミナールームに参加者を集め、資料や講師を映像にうつしながら進めることが可能です。
コロナ禍で直接会って営業することが難しい中、新たな営業の手段として注目されています。
ウェビナーのメリット
では、ウェビナーを営業ツールとして導入することで、どのようなメリットが得られるのかを説明していきます。
製造業がウェビナーに取り組むメリット
メリット①:コストを削減できる
対面で講演会やセミナーを開催しようとした場合、会場を抑える費用や会場までの交通費などがかかり、コストがかさみます。ウェビナーであれば全てオンライン上で完結するため、手間や費用がかからず、大幅にコストを削減できます。
メリット②:新規リードを獲得できる
ウェビナーを活用すれば、会場の人数制限を考える必要がなく、さらに場所にも縛られずに参加してもらうことが可能です。これまではアプローチが難しかった層にリーチすることができ、企業にとって新規顧客の開拓に繋がります。
メリット③:難しい情報をわかりやすく伝えられる
資料だけでは伝えづらい製造業特有のノウハウを、映像と音声を使うことで正しくわかりやすく伝えることができます。例えば、リアルタイムで自社の機器の動作性を参加者に見せるといった使い方が可能です。質問もチャット感覚で気軽にできるため、双方向のコミュニケーションにより参加者の知見が深まりやすく、自社の商品やサービスの良さがしっかりと伝わります。
どのようなテーマでウェビナーを開催すればいいか
製造業が開催するとよいウェビナーのテーマですが、”自社が保有する商品やサービス、ノウハウを紹介する”ことをおすすめします。
自社の強みが伝わる内容にするのはもちろん、導入した場合の顧客のベネフィットを正しく伝えるようにしましょう。どのように業務に活かせるのか、具体的なイメージがわくことで、問い合わせに繋がりやすくなります。
ウェビナーを開催するツール
ウェビナーを開催するためのツールとして、「Zoom Webinar」を紹介します。
Zoom Webinar
Zoom Webinarには、Pro・Business・Enterpriseのプランがあります。無料プランのBasicもありますが、3人以上だと40分までと時間が限られてしまうため、ウェビナーに使用する際は、Pro以上のプランが必要です。
プラン | 価格(年額) | 価格(月額) | ライセンス数 |
---|---|---|---|
Pro | ¥20,100 | ¥2,000 | 1~9名 |
Business | ¥26,900 | ¥2,700 | 10~99名 |
Enterprise | ¥32,300 | 要問い合わせ | 50名以上 |
このどれかのプランを契約したのち、ウェビナーアドオンの追加契約をすることでウェビナー開催の準備が整います。
出席者数 | 価格(年額) |
---|---|
500名 | ¥92,800 |
1,000名 | ¥457,000 |
3,000名 | ¥1,330,600 |
5,000名 | ¥3,346,600 |
10,000名 | ¥8,722,600 |
10,000名以上 | 要問い合わせ |
気をつけるポイント
ウェビナーを開催する上で気をつけたいポイントを解説していきます。
集客
セミナーの内容が一方通行にならないよう注意しましょう。どうしても自社が伝えたい内容に偏ってしまいがちですが、顧客目線にたってコンテンツを作ることが重要です。
顧客が抱えている悩みはなにか、ヒアリングもしながら情報収集をしてコンテンツを組み立てていくと、結果的に集客に繋がるウェビナーとなるでしょう。
アフターフォロー
ウェビナーを開催して終わり、ではせっかくの集客の機会を逃してしまいます。開催後のフォローもしっかりと行いましょう。
サンクスメールやアンケート、商談のアポ取りなど開催後も参加者と繋がることが重要です。また、ウェビナー後に問い合わせをしたいと思った参加者のために、問い合わせの窓口がどこかはしっかりと明示しておくことも忘れないようにしましょう。
ウェビナーを活用してうまくいっている事例
株式会社松井製作所
出典:https://matsui.net/jp/
製造業で、ウェビナーを活用して成果をあげている企業として株式会社松井製作所を紹介します。株式会社松井製作所は、ウェビナーを実施し、新規リードの獲得に成功しています。
ウェビナーから商談化し、受注に至る案件も出てきています。ウェビナー開催後にはアンケートを回収して、営業が提案活動に活用もしているとのことです。
株式会社SCREENホールディングス
出典:https://www.hammock.jp/hpr/jirei/jirei_screen.html
主に半導体・液晶製造装置・印刷関連機器などを製造する株式会社SCREENホールディングスでは、セミナーの集客からアフターフォローまでを一元管理し、営業の見える化を行っています。これにより、見込み客リストを管理し、より有効な商談に繋がりやすい営業体制ができあがっているとのことです。
まとめ
ウェビナーはコロナ禍でテレワーク人口が増えた今、製造業もどんどん活用すべきです。自社の製品、サービスの魅力をより多くの人に届けられるよう、導入を検討してみましょう。
The post コロナ禍の営業ツールとして製造業もウェビナーに取り組む理由 first appeared on モノカク.
BtoB製造業におけるリスティング広告
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回はBtoB製造業におけるリスティング広告について、活用方法や分析ツールについて紹介します。
本記事では、BtoB製造業においてリスティング広告を検討する方に向けて、広告の手法や注意点、事例などを解説します。リスティング広告はWeb広告の中でも比較的取り組みやすいものなので、「Web広告に興味はあるけどまだ着手できていない」という方にもおすすめです。
リスティング広告の概要
リスティング広告とは、Web広告のひとつで、ユーザが検索するキーワードにあわせて検索結果の画面上に広告を出すものです。検索連動型広告ともいいます。検索画面上の一番上か一番下にテキストで表示されます。
リスティング広告の種類
代表的なものは、検索エンジンのGoogleとYahooの2種類です。これ以外にもいくつかありますが、まずはこの2つを押さえておけばよいでしょう。なお、Google/Yahooでは、検索パートナーとして連携している他社のものも利用可能です。
リスティング広告の効果
リスティング広告では、能動的に情報収集している顕在層に働きかけることができます。少額予算から始められ、比較的短期で成果をあげやすいのが特徴です。地域や曜日・時間帯、ターゲットの関心事など細かいセグメントに絞って配信できます。
リスティング広告の手法
リスティング広告は、比較的手軽に始められるのでゼロから自社で運用することも可能です。ここでは、自社で運用する際の始め方や費用、設定項目についてさらっと説明します。
自社ではなく、代理店に依頼するやり方もあります。どういう場合、代理店に向いているのか、代理店を選ぶ際のポイントについてもお話します。
リスティング広告の始め方
リスティング広告を自社で始めるには、まずGoogle/Yahooプラットフォームのアカウントを開設する必要があります。アカウントの登録は無料。登録すると広告管理ツールにアクセスできます。
管理ツールの使い方は、GoogleとYahooで少し異なりますが、基本設定項目は同じです。ターゲットユーザが情報収集すると想定される検索キーワードと、それに対して出稿する広告文を管理ツール上で設定すれば始められます。
必要な情報を管理ツールにセットすると、Google/Yahoo側がその広告に対し、掲載のポリシーを遵守しているかを審査します。承認がおりるとすぐに広告を配信できます。早ければ設定したその日のうちに配信が可能です。
リスティング広告の費用
リスティング広告はクリック課金方式です。クリックされなければ費用は発生しません。費用はクリック単価×クリック数で算出されます。1クリックあたりの相場は10円~数千円です。クリック単価は入札制で決まるため、人気度/競合の多さで変動します。
ターゲットの選定
BtoB商材の場合、商談化までの道のりが長く、複数の人間の意思決定を経てビジネスが成立することが多い傾向にあります。ターゲットは意思決定のどの段階の、誰に向けてのものかをよく検討したほうがよいでしょう。
Webでの情報収集は、意思決定プロセスの前段である場合が多く、それにあわせたターゲティングが有効といえます。また、リスティング広告の場合、実際に検討している顕在層を対象にすると成果につながりやすいといわれています。
キーワードの選定
リスティング広告のキーワードは、ターゲットのニーズを考えて選定しましょう。例えば、産業用ロボットの導入を検討している担当者は、「産業用ロボット 導入事例」のようなキーワードで情報収集している可能性がありますので、こうしたキーワードを管理ツールで設定するとよいでしょう。
なお、キーワードによっては、ターゲットでない人に広告が配信されるので注意が必要です。その場合、無関係の人間がクリックし、余計な広告費が発生してしまいます。
よくある失敗として、顕在層をターゲットにしているのに潜在層のキーワードを設定してしまうとうことがあげられます。例えば、先ほどの産業用ロボットの場合、「産業用ロボット 用途」というキーワードがあてはまるでしょう。こうしたキーワードでは、漠然と興味がある、これからこの分野を勉強したい潜在層が多く含まれているかもしれません。
代理店の存在
リスティング広告は他のWeb広告に比べて容易に始めやすく初心者でもとっつきやすいと言われています。一方、広告の専門知識は必要で、運用経験がないとなかなか成果があがらないことも多いです。社内に知見が全くない場合、代理店への委託であれば短期で成果があがりやすいでしょう。
代理店の場合、事業領域の知識が浅く、的外れなキーワードや広告文となってしまうこともあります。どのターゲットを狙いたいか、どんなニーズがあるかを担当者とすり合わせておきましょう。また、代理店を検討するときは、関連テーマでどの程度運用経験があるかを事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、代理店に依頼する場合の運用手数料は、広告費の10~20%程度が相場です。広告の出稿費用の規模によって手数料が変動することもあるので注意しましょう。
リスティング広告の事例
ここでは、リスティング広告の活用事例を紹介します。
リスティング広告のよいところは、検索することで他社の広告が見えることです。キーワードの候補が決まったら、そのキーワードを実際に検索窓に打ち込んでみましょう。どんな企業がどのように広告を出しているかを実際に確認できます。
例えば、「産業用ロボット 導入事例」というキーワードで検索すると、ロボットのシステムや部品を手掛けるメーカーの広告が上部に表示されます。
実際に他社の広告と、自社のキーワードや広告文を比較してみるのもよいでしょう。リスティング広告では、検索キーワードと広告文の関連性の高さや、ランディングページの利用のしやすさ、広告文との親和性がよいと上位に表示されます。特にターゲットユーザがドンピシャで検索するワードに対して常に上位に表示される他社広告はよく研究することをおすすめします。
まとめ
リスティング広告は、少額から始められて、ニーズが顕在化した情報収集中の顧客に有効な広告です。BtoB製造業におけるキーワードは業界特化の用語が多いため、関係者による情報収集が多く、見込み客が含まれている可能性が高いです。対面では直接アプローチできない未知の顕在層を効率よくアプローチできます。
広告はGoogle/Yahooのプラットフォームを活用し、無料で開設できます。管理ツールにキーワードと広告文を設定すれば配信できるので、経験が浅くても自社で運用しやすいです。検索キーワードと広告文、ランディングページとの親和性が高い内容を検討しましょう。なによりターゲットのニーズに寄り添った質の高いコンテンツが必要です。
テクノポートは製造業の現場経験・工業知識をもつ技術ライターがコンテンツの執筆を対応いたします。ぜひご相談ください。
The post BtoB製造業におけるリスティング広告 first appeared on モノカク.
製造業のマーケティングオートメーション成功事例
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。マーケティングオートメーションは効率的に受注するための仕組みです。BtoB製造業においても多くの企業が活用しています。今回は、マーケティングオートメーションを活用している製造業の事例を紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーションについて簡単に説明します。
言葉の定義、MAの重要性
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を効率化し生産性を高める仕組みです。マーケティングのさまざまな活動やユーザー行動を可視化できるためとても重要です。また、営業区と関連区が効率的にコミュニケーションをする機能もあります。例えば、まずインサイドセールスの部隊が広告を打つなどして、顧客の興味関心を高めます。その後、営業区に情報を渡して営業活動をしてもらうという使い方もできます。
マーケティングオートメーションツール
MAツールは、営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)システムを補うために開発されました。効率よくセールスを行えるツールですが、マーケティングに関する専門的な知識がないと使いこなしが難しいです。代表的な国産のMAツールは、Salesforceの「Pardot」や、Innovation & Co.の「List Finder」、カイロスマーケティングの「Kairos3」などです。
製造業での事例
MAツールをうまく活用している製造業の事例を紹介します。
シュナイダーエレクトリック
シュナイダーエレクトリックは、インフラ関連の電気製品やソリューションを提供するメーカーです。
従来は、社内にさまざまなITシステムやツールがあり複雑化していました。複数のシステムを一本化するためにMAを導入しました。MAによって統合されたので、顧客の情報を効率よく共有できるようになりました。また、営業活動の可視化もでき、各顧客に対して関連区とコミュニケーションを取ることができます。営業担当者が更新した情報をリアルタイムで上司が閲覧できるので、アドバイスや指示などのスピードが上がり業務効率化を実現しています。
荏原製作所
荏原製作所は、ポンプなど産業装置のメーカーです。
会社の規模を拡大するにつれて、営業担当者がそれぞれのやり方で活動をするようになっていたため、MAを活用しました。営業のやり方、ツールなどを統合して効率化を図っています。また、営業事務活動などもシステムを統合して仕事を標準化しています。例えば、営業担当者が見積書の作成などに多くの時間を割かないように、営業事務の担当者を設置して、MAツールで共有しています。営業担当者は見積書を作成するためにいったん会社に戻らなくてもよく、仕事の流れがスムーズになっています。
アンリツ
アンリツは、電気機器、計測器などを製造・販売するメーカーです。
従来は、顧客に対して必要なタイミングで情報をインプットできていませんでした。その解決策としてMAを導入しました。アンリツはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスそれぞれの活動を可視化し共有しています。例えば、メルマガ配信者のリストと営業区が持っている顧客リストを照らし合わせて、興味がありそうな顧客にコンタクトを取りやすくしています。経験の浅い若手であっても、MAツールでさまざまな顧客の情報を確認できます。そのデータをマーケティングや営業活動に活用しています。
ヒューテック
ヒューテックは、製造業向けの検査装置を製造・販売するメーカーです。
ヒューテックでは営業担当者が減ったため、マーケティングや営業活動を自動化して効率よく業務を進めなければなりませんでした。そこでMAを導入しました。展示会などで得たリード情報をすぐに関連区と共有したり、顧客のWEBページへのアクセス履歴を紐づけて見込み顧客を発掘したりしています。MAを活用して見込み顧客へアプローチし、新規商談獲得につなげています。
阿智精機
阿智精機は、食品製造の機械や治具、医療機器などの製造・販売を手がけています。
MA導入前は、販路拡大や展示会で得たリード情報をうまく活用できておらず、継続的な営業活動ができていませんでした。そこでMAを導入して、効率よくメルマガ配信をして顧客に情報を提供しています。MAツールを使って顧客のWEBページ閲覧数を一覧で管理したり、メルマガ開封率を可視化したりしています。顧客にコンタクトをとる際には、行動履歴から興味がある内容を確認しています。 あらかじめ顧客の興味を把握していれば、効果的な提案ができるので受注率が高まります。
まとめ
マーケティングオートメーションをうまく活用しているBtoB製造業の事例を紹介しました。ほかにもたくさんのBtoB製造業で導入されています。どの事例も営業活動を可視化して情報共有をすばやくし、効率よく業務を進める狙いがあります。その結果、受注率も上がるでしょう。BtoB製造業にとっても有効な仕組みなので、MAを活用してビジネス拡大を目指していきましょう。
The post 製造業のマーケティングオートメーション成功事例 first appeared on モノカク.
製造業でも有効!自社でウェビナーを開催するメリット
テレワークやオンライン会議など、遠隔的な働き方が普及するなか、従来の展示場や訪問営業とは違うアプローチでのコミュニケーション手法を模索する企業も多いのではないでしょうか。
今回は、顧客リストの獲得や商談化に効果的なウェビナーについて紹介します。
そもそもウェビナーとは
ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)をかけ合わせた言葉で、オンライン上で行うセミナーのことを指します。
オンラインミーティングをしたことがある人は多いと思いますが、オンラインミーティングは参加者全員が発言できるのに対し、ウェビナーは講師(ホスト)だけが話し、参加者がそれを視聴する形で行われます。
しかし、ウェビナーの参加者は見ているだけでなく、コメント欄での質問やアンケート回答など、使用するウェビナーツールの機能に応じて、発信や回答も可能です。
従来のセミナーとウェビナーとの違い
実際の会場で行われるセミナーとウェビナーにはどのような違いがあるでしょうか
会場でのセミナー | ウェビナー | |
---|---|---|
コスト | 会場費や運営人件費などがかかる | PCと講師のみで実施が可能 |
場所 | 特定の場所に来訪してもらう必要がある | どこからでも参加が可能 |
時間 | 特定の時間一回限りの開催 | 録画型であれば幅を持たせた期間で視聴が可能 |
臨場感 | 参加者の反応を直に感じられる | モニター越しのため臨場感は低い |
従来のセミナーに対してウェビナーは場所と時間の制約がゆるくなるため、参加のハードルが低くなることが特徴です。しかし、実際に同じ空間と時間を共有する会場でのセミナーに比べれば臨場感は低減します。
ウェビナーの形式
ウェビナーは、「ライブ配信」と「オンデマンド(録画)配信」の2つに分けられます。
ライブ配信
ライブ配信はリアルタイムで配信する形式で、参加者からの質問やアンケートを実施し、双方向的にコミュニケーションを取ることができます。
また、画面に映る参加者の反応を見ることもできるので、反応が悪ければその部分の内容を早めに切り上げたり、逆に反応が良ければ深堀したりすることも可能です。そのため、参加者の反応を見ながら内容を微調整したい方には、ライブ配信でのウェビナーがおすすめです。
オンデマンド配信
オンデマンド配信は録画した動画を配信する形式です。したがって、一度撮影した動画を何度も繰り返し利用できます。オンデマンド配信のメリットは、参加者が好きなタイミングで視聴できるため、ライブ配信よりも多くの層にアプローチできる点です。自社で行った研修などの動画をウェビナーに利用することで、ウェビナー主催側のコスト削減もできます。
ウェビナー施策のメリットとは
これまでは参加が難しかった方にリーチできる
オンラインでの開催という特性により、地域や時間などの垣根がなくなり、多くの方に参加してもらうことが可能です。場所を選ばず全国各地の方が参加できることは、従来型の特定会場でのセミナーにはないメリットです。
新規リード獲得数に大きなメリット
誰でもどこでも参加できるため、参加者数はリアルセミナーの5~10倍にまでになることがあります。新規リードを多く獲得できることがウェビナーの一番のメリットです。
リード育成=案件化目的でも効果あり
新規リードの獲得だけではなく、すでに保有しているリード(名刺などから)に対してウェビナーを開催することで、案件化を目的にできます。新製品の説明を少人数の参加者で行うことによって、既存顧客の興味を惹くこともできます。
ウェビナーの活用事例
ウェビナーの活用として松谷化学工業株式会社様の事例を紹介させていただきます。
https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation/showcase/matsutani
「初回のウェビナーで定員数を上回るお申込みがありました。」
この会社様はMA(マーケティング・オートメーション)ツールを使用して、登録フォーム作成、集客メールの配信、申込者の管理、アンケートフォーム作成を実施し、ウェビナーの開催を成功させています。
反響が大きかったことで、その後は定期的にウェビナーを開催しているとのことです。また、営業が接触できなかったキーパーソンがウェビナーに参加し、受注に至ったケースもありました。
BtoB製造業マーケティングにおけるウェビナーの位置づけ
顧客に知ってもらうことから受注にいたるまでの段階を、「認知」→「リード獲得」→「リード育成」→「商談」→「受注」としたときに、ウェビナーは「リード獲得」と「リード育成」の2つの目的で活用できます。
リード獲得のためのウェビナー
新規リード獲得のためのウェビナーは、大人数を招待するカンファレンス形式で行い、講師は外部の専門家や著名人にお願いすると効果的です。
開催主体も複数社共同で行い、広告やDMで集客し、参加者を増やすことを目的にして取り組みます。内容としては、業界トレンドや自社が保有するノウハウを紹介すると、広く興味を持つ方々に参加してもらえます。
リード育成のためのウェビナー
リード育成のためのウェビナーは、少人数型の勉強会形式で行い、講師は自社社員が行うと良いでしょう。
基本的に開催主体は自社1社で行い、メールや架電で個別に集客します。内容としては、自社製品やサービスを説明し、営業商談につながるコンテンツにすることが望ましいです。
ウェビナーの配信ツール
ウェビナーのツールにはさまざまありますが、おすすめはZoom(ズーム)です。機能面、認知度、価格の面で使い勝手が良いツールとなっています。料金プランなどは次の公式サイトをご確認ください。
Zoom ビデオ ウェビナー
https://explore.zoom.us/ja/products/webinar/
Zoomのメリットとデメリットを簡単にご説明します。
メリット
- Q&A、フォローメールなど、ウェビナー運営に必要な機能が豊富
- ブレイクアウトルーム機能でグループワークができる
- 氏名、メールアドレス、視聴持続時間など、視聴者データをCSV抽出できる
- 離脱されにくい
デメリット
- 参加者はアプリダウンロードが必要
- 映像の自由度が低い
- 有料
ウェビナー施策の流れ
ウェビナー実施の際には、「企画・準備」→「集客」→「開催」→「フォロー」→「商談化」という一連の流れをイメージして取り組みます。
企画から実施までには最低1ヶ月程度、ウェビナー開催から商談化には1~2週間の期間を見たほうが良いでしょう。商談が発生してから即受注ということは少ないため、受注までにはウェビナーの企画から最短でも2ヶ月程度はかかる計算になります。社内でウェビナーを企画する際には、開催して終わりではなく、案件受注までの全体のスケジュールを意識して社内説明・開催することが望ましいです。
質の高いウェビナーを企画するコツ
ウェビナーではコンテンツの魅力度が最重要課題ですが、次の2つに気をつけてコンテンツを検討します。
自分が言いたいことより、相手が知りたいことを
ウェビナーのコンテンツを考える際に、どうしても自社のアピールしたい技術や宣伝が思いつくかもしれませんがそれは一旦我慢です。
相手が知りたいことを軸にコンテンツを組み上げなければ、集客やその後の商談化が難しくなる可能性があります。
例えば、営業現場で聞く顧客が抱えている悩みや業務上の課題がどう解決するか、業務に活かせることなど、相手のメリットになるコンテンツにするように心がけましょう。
ターゲットに応じた内容を考える
自社のサービス内容に準じるターゲットを想定し、そのターゲットに応じてコンテンツを組み立てていきましょう。
例えば、ビジネス自体に関心を持つ層をターゲットにする場合は、売上・粗利・採用・投資などの切り口からコンテンツを考えます。マーケティングに関心を持つ層をターゲットにする場合は、マーケティングやプロダクト開発の切り口から考えます。
まとめ
ウェビナーはリアルセミナーより実施のハードルやコストが低く、定期開催も手軽にできます。働き方が変わった今、ウェビナーによりリードを獲得し、商談化へもつなげられます。
時代の変化に合わせてマーケティングの手法を変え、顧客の動向をいち早くキャッチしていくことが重要です。
The post 製造業でも有効!自社でウェビナーを開催するメリット first appeared on モノカク.
顧客の行動に合わせてコンテンツをパーソナライズする「Sitecore CDP/Personalize」を提供 | IT Leaders
製造業のBtoBブランディング。技術力が伝わり、成果が出る4つのステップ
ユーザーが加工技術やサービスの検索をする時、ブランディングを実施した企業としていない企業とでは、選ばれる確率に大きな差が生じます。自分たちにとって「まさにコレ!」と思えるサービスの存在は顧客にとって貴重です。顧客が他社比較などで悩まずにスムーズに「この会社に頼もう!」と思える企業の方が圧倒的に選ばれる可能性が高いものです。
そのためにブランディングを行い、他者とは違う自社の差別化ポイントを明確に発信することで、顧客の心を掴みます。
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
なぜ今製造業にブランディングが必要なのか?
ブランディングの鉄則「剣山と矢文」
アレもコレも得意です!ということは、顧客の心を剣山でチクチクと撫でるようなものです。なんだか色々感じるけれど印象に残らない発信をしてはもったいないのです。ラブレターを結んだ矢文のように「〇〇でお困りなら是非弊社へ!」と顧客の記憶に刺さるブランディングが必要なのです。
製造業がブランディングするメリット
ブランディングのメリットは新規顧客の獲得や売上拡大だけに留まりません。社外・社内にも大きな影響を及ぼします。
①価格競争に巻き込まれなくなる
競合他社との差別化ができるので、市場での競争において有利な立場に立てます。ターゲットと自社サービスの強みが定まっているので、相見積もりを取らずに値引き交渉のない取引が可能になります。
②顧客マッチ度が向上する
ブランディングの結果に得た、マッチ度の高い繋がりはLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の高い、末長くお付き合いができる関係を構築できます。「もっと安い企業を探す」というような顧客離れに悩まされることが減り、経営に安定をもたらします。
③社内のモチベーションが高まる
自社サービスのブランド力が上がることで、従業員の会社への関心度が高まります。今まで当たり前だった技術やサービスに誇りが持てるようになり、モチベーションが向上します。その結果、専門性の修練度の促進や、離職率の低下にもつながります。
休眠顧客を呼び起こす
ブランディングを行うことで、以前「もっと安い企業を探す」といって離れていった企業に対しても、改めてあなたの会社の技術力や丁寧な仕事を、思い出すきっかけを与えます。ブランディングは、価格だけでない仕事の価値を再認識してもらうチャンスを作るのです。
製造業ブランディング4つのステップ
製造業のブランディングを始めるには何をしたら良いのでしょう?今回の記事で、分かりやすく4つのステップで解説していきます。
自社の技術的強みを明確にする
さまざまな技術を保有する中で、多くの技術紹介をしたくなると思います。しかし、ブランディングではセンターピンとなる技術を打ち出すことが重要です。センターピントはボーリングの真ん中のピンのようなもので、「〇〇でお困りなら是非弊社へ!」と言える明確さが、競合他者を寄せ付けない矢文になります。
自社の本質的強みを見直す
あなたの会社がどのようなスタンスやポリシーを仕事に持って取り組んでいるでしょうか?どんな技術の向上も、行っているのは人間です。この仕事に対する姿勢こそが、今日の技術的強みを積み上げてきた裏付けになるのです。
顧客の悩みの本質を知る
技術的強みと本質的強みだけでもかなりの差別化が可能です。さらにそこで行って欲しいのが、あなたの会社の顧客の悩みは何がということです。ここで注意するべきなのは、コスト削減や技術力といった目先の悩みではありません。例えば「後工程まで考えてコスト削減になる方法が欲しい」「ベストな加工の相談からしたい」といった顧客が抱える課題の本質を明確にすることで、相見積もりを取られないブランディングができるのです。
自社のビジョンを発信する
自社の技術やサービスを続けていくために環境配慮・社員育成などの経営活動を通して、自社がどのような未来を作りたいのかビジョンを発信することです。それは、あなたの会社の中長期的視点を持った信頼できる会社としてLTVの高い顧客に関心が集まる流れを生み出します。
さいごに「逆ブランディング」に注意
検索の時代において、直感的に企業の強みが伝わらない発信状態を維持することは「逆ブランディング」です。なんとなく今まで企業サイトやSNSの運用をしていると、せっかく持っている高い技術や、丁寧な仕事が伝わらなくなってしまいます。それば非常に勿体無い状態です。これからを生き抜く製造業として、自社にブランディングをいう意識を取り入れることをお勧めします。まずは、自社の強みに改めて向き合うことから始めてみましょう。
The post 製造業のBtoBブランディング。技術力が伝わり、成果が出る4つのステップ first appeared on モノカク.
中小製造業が市場動向把握や経営の参考にできるさまざまな白書
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。
コロナ禍による社会情勢の変化やDXの推進など、ものづくり業界は急速に変化を続けています。経営戦略の立案やマーケティング施策の構築をするために、市場動向や経済の流れを把握したいと考えても、変化の速い状況では自社だけで的確な情報収集や分析を行うのは簡単ではありません。
効率よく市場動向や世の中の流れを理解し、さらに他社の取り組み事例などを把握するためには、中小企業庁や経済産業省などが発行している、さまざまな「白書」が参考になります。
この記事では、ものづくり業界に有用な白書として、「中小企業白書」「ものづくり白書」「オープンイノベーション白書」の3つについて解説します。
中小企業白書
中小企業白書(小規模企業白書)は、中小企業庁が毎年発行しています。中小企業庁のHPからダウンロードでき、経時的な変化を確認したい場合にも過去数年分の白書を見ることができます。
中小企業白書には、第一部に中小企業の動向として、経済の現状や雇用、リスクなどが取り上げられています。また、動向以外の部分は発行される年によってまとめ方が異なっており、2021年発行分では、労働生産性や開廃業の状況などの実態、企業のタイプごとに目指す政策の方向性や公的な支援の在り方が整理されています。
また、第二部はその年によって内容が大きく異なり、2020年版では「新たな価値を生み出す中小企業」として、付加価値の創出に向けた取り組みや適正な価格設定、取引関係の構築などが掲載されています。
また、2021年版では「危機を乗り越える力」として、財務基盤や感染症を踏まえた経営戦略やデジタル化、事業承継やM&Aなど、その年の社会情勢に応じた内容がまとめられています。
製造業だけでなくさまざまな業種の中小企業が置かれている現状や取り組みの方向性、具体的な取り組みが紹介されているため、参考になる情報が見つけられるでしょう。
概要がまとめられたものや章ごとにまとめられた電子データもダウンロードできるため、まずは目次を確認してポイントだけを掴むことが可能です。
ものづくり白書
ものづくり白書(製造基盤白書)は経済産業省が毎年発行している白書で、中小企業白書と同様に、経済産業省のHPで過去数年分の白書を確認することが可能です。
発行は経済産業省が行っていますが、ものづくりには経済産業省の管轄領域だけではなく幅広い領域が関わってくるため、厚生労働省と文部科学省が加わり3つの省が共同で製作しています。経済面だけでなく、幅広い観点でまとめられていることが分かります。
ものづくり白書は、「ものづくり基盤技術振興基本法」という法律に基づいて、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書としての位置づけになっています。そのため、掲載されている内容は、政府の施策とその結果に関する内容が中心です。
第1節には足元の状況として、製造業の業績動向や経営判断などが整理されています。また、第2節はその年の状況に応じて内容が大きく変わります。2021年版はコロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「レジリエンス(サプライチェーン強靭化)」「グリーン(カーボンニュートラル)」「デジタル」の3つの観点から官民の最新動向を分析しています。
オープンイノベーション白書
オープンイノベーション白書は、日本のイノベーション創出の現状と課題、日本企業のイノベーション実現に向けての方策の掲示を目的としています。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が策定しているもので、最新は2020年5月に策定された第三版です。
はじめにオープンイノベーションの重要性や変遷、各国・各業界におけるイノベーション創出の経緯が整理され、次に日本のオープンイノベーションの現状、日本と海外の取り組み事例、最後に課題や方策とNEDOの取り組みがまとめられています。
オープンイノベーションに取り組みたいと考えつつも、なかなか具体的な行動に着手できない場合には、具体的な手法や他の企業の取り組みを知ることができるため、参考になる資料となるでしょう。
約300ページとボリュームは大きいですが、概要版や各章ごとに分割されたPDFが準備されています。まずは概要版でポイントを掴み、必要と感じた部分だけ参照することで、効率よく情報収集ができるでしょう。
まとめ
2020年春以降、コロナ禍の影響により中小製造業を取り巻く環境は大きく変化しました。社会情勢は少しずつ落ち着いてはいますが、ものづくり業界に生じた変化は今後も継続し続けていくことが予想されます。
市場動向や経済の流れに加えて、他の企業の取り組みなどをさまざまな白書を通して把握することで、自社のWebマーケティングや経営施策に対する新たな気づきやアイディアを発見できる可能性があります。
自社単独では難しい情報収集などは、今回紹介したような白書をうまく活用して、スピードの速い業界の変化を乗り切っていきましょう。
The post 中小製造業が市場動向把握や経営の参考にできるさまざまな白書 first appeared on モノカク.
町工場プロダクツから踏み出す 町工場ブランド次の一歩
こんにちは。テクノポートの菊地です。2021年10月13日〜15日の3日間、東京ビックサイトで開催された『第92回東京インターナショナル・ギフトショー LIFE×DESIGN』に全国から集まった町工場26社が「町工場プロダクツ」として共同出展していたことはご存知でしょうか?町工場界隈のTwitterは、ギフトショー前から町工場プロダクツの話題で賑わっていました。
ギフトショーの出展を終え、今後の展開が気になる……ということで、町工場プロダクツ実行委員会委員長の眞鍋さんにお話を伺ってきました。
「町工場プロダクツ」とは
町工場プロダクツは、ものづくりコミュニティ「MAKERS LINK」から派生した新たな取り組み。オリジナル製品=プロダクツの開発/発表/販売を通じ町工場が元気になることを目的としています。
発起人はTwitter上で「おやっさん」としても知られている栗原稔さん(株式会社栗原精機 代表取締役社長 MAKERS LINK管理人)です。
実行委員長 眞鍋玲さん
デザイナー。REI DESIGN主宰。
今ギフトショー出展実行委員会委員長。栗原精機・栗原社長より町工場のギフトショー出展とりまとめを引き継ぎ2021年「町工場プロダクツ」を立ち上げる。町工場との協業で、もっと暮らしを楽しく豊かになることを目指し日々活動している。
https://www.reimanabedesign.com/
町工場プロダクツ ギフトショー出展を終えて
ー今回の町工場プロダクツはどれくらいの企業が参加していましたか?
26社ですね。募集をしたらすぐに手が上がった会社さんが20社くらいで、もう少しそのあと増えました。SNSで募集をしたらすぐに手が上がった会社さんが20社程度、コロナ禍もあり悩んだ末に出展を決めた方もおりそのあと徐々に増えていきました。
町工場プロダクツは共同出展なので、1社あたりの費用負担が少ないという出展のハードルの低さ特徴がです。単独出展の場合、法人しか申し込み出来ませんが共同出展では個人事業主も出展できます。一人親方でも町工場プロダクツでなら出展できます。
ー「町工場」の定義も曖昧というか人によって違いますよね。
「町工場」と謳っているのは、ギフトショーを主催しているビジネスガイド社の鈴木美朝さんが生み出した「町工場NOW」という企画エリアの名前からきています。グループ会社をもつような大きな会社の方も、一人親方も「町工場」として参加しています。今は、金属加工の会社さんが多いので若干メカメカしさ目立ちますが、実際は製本やペーパークラフトの会社さんも参加しています。今後も布、革など他の素材でも町工場であればと参加大歓迎と思っております。
ー初めての方も複数回出展したことのある方もいたと思いますが、自社製品を企画〜販売するのに皆がぶつかる壁ってありますか?
多いのが値つけ、価格設定ですね。今回出展する方には「売値を決めてきてください!」と口酸っぱく伝えました。展示会なので上代(売値)だけでなく下代(卸値)もバイヤーさんからは聞かれます。買取だったら〇〇%で、委託だったら〇〇%で、とハッキリ数値を言ってしまうやり方もあるとは思います。ですが私も町工場ブランドの商いに触れていく中で、意思を持って強気に攻めている町工場さんの存在も見かけます。一般的な相場にあわせるべきか下手に出るか強気に出るか、そこは腹の探り合いですよね。
物だけでなくて値段の見せ方も大事だよなと感じていたので、とりあえず売値だけは決めてもらうようにしました。とにかく大事なのは売値です。「いったいこれをいくらで市場にだすのか」を考えて、その値段を聞いたお客さんが「高い!」と思うのか「ちょうど良い」と思うのか、その感覚が一番大事と考えています。事前に相談があったところには率直に「高いと感じます。」と言うこともありました。もちろん手間はよくわかるので……気持ちはわかるのですが……。工法が譲れない場合は仕方ないこともありますし、もうちょっとここ変えたら価格抑えられませんか?みたいなプチアドバイスは言わせていただきました。
値段が決まってないと、出展しても商談ができなくてもったいないので。
ー全国から町工場が集まって、面白いこととかが起きましたか?
アトツギと呼ばれる若手経営者たちの動きには私自身も楽しませていただきました。忙しい合間を縫いつつSNSでじゃんじゃん拡散してくれました。彼らはとにかく早い。
愛知県から出展してくださった製缶メーカーの側島製罐さんは、意図せずギフトショーのタイミングでTwitterやニュースサイトでバズを起こしてしまい商談会会場でもSNSにヒーヒー言いながら楽しそうに商談会をこなしていました。こういうタイミングでチャンスを持ち込んでくるのは若手のパワーですね。
ギフトショーは展示会なので、BtoBではありますがtoCの商材なので今後リアル物販イベントなどを考えるとそう言った拡散力があるとオンライン/オフライン共に面白くなりそうだなと考えます。SNSで話題になっていれば、バイヤーさんの仕入れのきっかけにもなりますしOEMに派生する可能性が生まれます。つまりギフトショーの商談はB to B to Cですね。
ーやっぱり百貨店をはじめ小売店との商談が多いですか?
そうですね。でも中には新規の小売店を開拓したのが1割くらいで、開発案件が9割くらいの会社もありました。商品力がつき、コラボなどの実績がついてくると『この町工場とだったら開発がうまく進められそうだぞ』と見てくださる会社が明らかに増えてきますね。前はもっと、ぼんやりしたコラボというか「一緒に何かできたらいいですね〜」みたいな感じで時間が過ぎることが多かったと思います。今は「これ作れるならお願いしたい」みたいな感じで具体的な商談が多くて嬉しいですね。
ーそこが本願ですよね。
もちろん出展者さんによっては、百貨店さんや小売店に卸すことをメインに商談を進めているところもあります。百貨店側もSDGsなど時代性・ストーリ性のあるものを求めているので、商品開発の小回りが利く町工場ブランドは相性がいいですね。
ー町工場プロダクツをやって発見した町工場のあたらしい顔ってありましたか?
今回2度目の参加となった町工場さんの中には、商談中のふとした瞬間に職人の顔から商売人の顔になっていることに気がつきました。有限会社小沢製作所の小沢さんとかシマワの島口さんは、バイヤーさんとの話っぷりが前回に比べ明らかに流暢になっていました。もともと素質が十分にあったのですがその切り替り代わりに、委員長としては萌えましたね。若いから柔軟性があるのかもしれないですけど、スッと切り替えられて異業種に入っていけたり、わからないことをすぐ調べたりできるのは素晴らしいですよね。課題が見つかれば、解決に切り替えて進む姿が頼もしいなぁと感心しています。
中堅〜ベテラン層の出展社の方々は普段経営者として会社を切り盛りされている方がほとんどですがアウェーでも恐れず楽しもう、と自分を鼓舞して参加してくださっている姿が印象的でした。『いくつになってもチャレンジできる』マインドさえあれば何歳だって『初めての自社製品』にチャレンジし新しい世界に触れられるチャンスがあります。持病や足腰の痛みと戦いながら若手に負けじとなんとか頑張っておられました。
町工場プロダクツ 次の挑戦
ー町工場プロダクツとして、次のステップはもう考えていますか?
次は、せっかくBtoCの商材を作っているので、やっぱり直接お客さんに販売してほしいと考えています。催事やポップアップの引き合いをいくつかいただいており、2022年はリアルイベントを町工場プロダクツでやろうと計画しています。
ー身内とか知り合いじゃない、一般のお客さんの顔が見えてくると、新しいことが見えてきそうですよね。
もちろん大変なこととかもあると思いますけど、販売イベントをやると明らかに嬉しいことがいっぱい発生することが見えています。だって、目の前で自分たちの製品を気に入ってくれたお客さんと出会えて買ってもらう瞬間があるんですよ。すごく「認められたな」って感じられる瞬間です。それを直接体感するって、下請けの企業さんはなかなか経験したことがないので、やっぱりそれを体験してもらいたいです。多少のトラブルもあるかもしれないけど、それはそれで素直に受け止めて勉強してもらうことも大事です。小売店に卸したとき、実際に店頭ではそういうことをやってくれていることを知るのも、作る側として認識しておいたほうがいいと考えています。
ーそうですね。どうやって売られているのかとか、どこをお客さんが気にするのかって店頭じゃないと知れないこともあります。
自社ECを運営されている会社さんもいますが、実際に店頭に立って接客して販売するのとは全然違う空気です。あとは、厳しい経験もしてもらうことも大事かなとも考えます。まだまだ商品力が弱かったり、安定しなかったりするので、そこを体感してもらって、その課題に向き合ってもらいたいというのもあります。嬉しいことも、耳の痛いこともお客さんの生の反応を見て、聞いてほしいと考えています。
ーこれから益々大きくなっていくんですね、町工場プロダクツ。
大きく、というと、たくさんの町工場さんに参加してもらって嬉しい気持ちもありますけど、丁寧にこちらも関わっていきたいですし、育っていって欲しいので展示会なら今の体制なら今くらいの規模が精一杯です。メンバーは固定ではなく入れ替わり立ち替わりで挑戦してもらっても良いと考えています。実行委員会のメンバーも固定ではないです。その代わり、絶やさないことが大事だと思っています。
to C向けのリアルイベントでも、ギフトショーのような大規模展示会でもパッと盛り上がって終わっちゃったとならないようにするつもりです。TwitterやInstagramとかのアカウントを今回から立ち上げたのも、継続していく意思があったので作りました。特に物販イベントを開催したときに、店側からは集客力がと売り上げが求められるので、ちゃんと集客ができるように普段から発信し続けていきます。展示会は自分たちで発信をしなくても来場者がいるので賑わいはどうにか作れます。一方、催事や販売イベントは予算設定もあるので事前から宣伝やファンを大事にしながら実際に来てもらえるようにしていかないとですよね。なんだかひとつのお店みたいです。
私としては『町工場プロダクツ』の見せ方に関し、物産展の雰囲気を目指しました。物産展ってすごく人集まるじゃないですか。私も大好きです。今回のブースはスッキリ見せるというよりは、ガチャガチャっと賑わっている雰囲気が出るようにしたのですがそれを百貨店などの催事場にもそのまま持っていきたいです。物産展って、「寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!」の堅くない感じと、その地域に思い入れのある人が集まる感じがいいですよね。自分や両親、友達の出身地とか、旅行に行った思い出があるとか。そういう場所とか地名の持つ力みたいなのって結構大きいと考えます。それを町工場に置き換えて「これ〇〇県で作っています〜」、「俺も〇〇県出身!」みたいに盛り上がれたら自分の町のアピールにもなりますしね。今後は、よりそういう「物産展感」を強めていきたいと思っています。楽しみにしていてください。
町工場プロダクツ 出展者一覧
今回、各社が掲げた出展テーマと共にご紹介します。(順不同)
町工場 × 愉しむメタル
株式会社栗原精機(埼玉)
町工場 × 缶
側島製罐株式会社(愛知)
町工場 × アウトドア
八王子工材株式会社(東京)
町工場 × スピーカー
株式会社シマワ(東京)
町工場 × アウトドア
有限会社小沢製作所(東京)
町工場 × 茶筒
ハタノ製作所(東京)
町工場 × 昆虫ワールド
有限会社大竹製作所(埼玉)
町工場 × 贈りもの
株式会社三共(埼玉)
町工場 × アート
株式会社積誠庵(静岡)
町工場 × ワクワク♪
株式会社パーツ精工(埼玉)
町工場 × アウトドア
有限会社泉和鉄工所(大阪)
町工場 × Hobby
有限会社山脇バネ製作所(滋賀)
町工場 × ふたりキャンプ
株式会社松長鐵工(宮崎)
町工場 × レーザー
株式会社レーザックス(愛知)
町工場 × かやり
有限会社宮本工業(埼玉)
町工場 × 文具
株式会社藤沢製本(滋賀)
町工場 × コロナ対策
有限会社大高製作所(神奈川)
町工場 × ドリッパー
株式会社エムエスパートナーズ(神奈川)
町工場 × デザイン
Pit-A-Pat(東京)
町工場 × ペーパークラフト
W2SSTUDIO(埼玉)
町工場 × アウトドア
株式会社小沢製作所(東京)
町工場 × ケズリダシ雑貨
斉藤製作所(茨城)
町工場 × デザイン
ECBB株式会社(東京)
町工場 × 自空感
株式会社TEKNIA(愛知)
町工場 × 鉄のロジー
郡山テックブートキャンプ2021
福島県郡山市産業創出課
町工場 × デザイン彫刻
植木製作所(東京)
まとめ
各社さんのことが知りたい、今後が気になるという方は、町工場プロダクツのTwitterアカウントからまずはチェックしてみてください。
@machikoba_pro
コロナ禍を経て、オンラインの繋がりが強まったこともあり、さまざまな取り組みが行われるようになりました。地域や昔からの繋がりから、ぐっと手を伸ばせる相手が広がったと言い換えられるかもしれません。これからの町工場プロダクツをはじめとした、町工場の活躍が楽しみです。
The post 町工場プロダクツから踏み出す 町工場ブランド次の一歩 first appeared on モノカク.
Web広告のタイプ別費用相場と外注費
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回はWeb広告の費用相場や外注費をテーマに取り上げたいと思います。Web広告は、低額予算からはじめられることや、即効性があること、細かいターゲッティングができることなど様々なメリットがあります。特に予算がかけられない中小企業にとっては、むしろ大手よりも活用しやすいものといえるでしょう。
ただし、初めるにあたってハードルが高いのも事実です。Web広告の専門知識がなかったり、担当者をアサインするリソースがなかったりといった課題にぶち当たります。広告運用を外注するにしても、「なににどのくらいの費用をかけたらよいのか」と悩む担当者も少なくないかもしれません。
そこで、本記事では、広告の主なタイプ別の費用感と外注費について解説いたします。
タイプ別のWeb広告費
Web広告は、広告の種類と課金形態で費用が異なります。広告の種類としては、純広告、検索広告、動画広告、SNS広告などがあり、課金形態では、インプレッションや、クリックが発生する都度課金される方式や、PVや掲載を保証するものなどさまざまです。
主な広告の種類と課金形態について表にまとめておきます。
広告の種類 | 課金形態 | 価格相場 |
---|---|---|
純広告 | 期間保証型課金 インプレッション課金 |
期間保証型では、数万円~/週、インプレッション型では10円~/1000回 |
検索(リスティング)広告 | クリック課金 | 1クリックあたり10円~数千円 |
動画広告 | 再生課金 インプレッション課金 クリック課金 |
各々単価10円~数百円程度 |
アドネットワーク
(ディスプレイ)広告 |
クリック課金 | 1クリックあたり10円~数百円程度 |
SNS広告 | インプレッション課金 クリック課金 |
1クリック or 1000インプレッションあたり10円~数百円程度 |
メール広告 | 配信課金 | 1配信あたり5円~数十円程度 |
表1 主な広告の種類と課金形態
広告タイプによって、費用のかかり方が大きく異なります。以下に、主な広告タイプについて解説いたします。
純広告
純広告は特定のメディアが提供する広告枠を買い取るものです。課金方式には、広告配信期間を保証する「期間保証型」と広告の表示回数で課金する「インプレッション型」があります。金額相場は、期間保証型では、数万円~/週、インプレッション型では10円~/1000回となります。
検索(リスティング)広告
検索広告は、Googleなどの検索エンジンでユーザが検索するキーワードをトリガーに広告出稿されるものです。1クリックあたりいくらの費用がかかる「クリック単価制」となっており、広告が表示されただけでは費用は発生しないのが特徴です。検索キーワードのクリック単価は入札制となっており、人気度/競合度によって10円~数千円と幅があります。
動画広告
動画の再生途中などに流れる広告です。バナー広告のようにYouTubeサイトの右側に置かれるものもあります。動画広告の課金方式は、再生数、インプレッション、クリックの3種類です。再生数の場合、1回再生されるごとに課金となりますが、一定秒数経過しないと課金対象にならない仕組みです。例えばYouTubeの場合、30秒以上再生すると課金されます。
費用相場は、プラットフォームによりますが、おおむね10円~数百円程度です。
アドネットワーク(ディスプレイ)広告
アドネットワーク広告は、複数の広告媒体(Webサイト、SNS等)を集め広告配信ネットワークを作り、まとめて配信する広告手法です。多くの媒体で効率的に広告が出せる反面、意図していないサイトに広告が表示されることもあります。検索広告同様、クリック単価制で、金額相場は、1クリックあたり10円~数百円程度です。
SNS広告
SNS広告は、Twitter、Facebook、InstagramやTikTokの投稿フィードに表示するなどの方法で配信する広告です。SNSページの右側の固定場所に出るバナー広告タイプや動画広告など様々な手法があります。課金方式は、主にクリック課金型とインプレッション課金型の2種類。費用相場は1クリック、あるいは1000回表示で 10円~数百円程度になります。
メール広告
電子メールで広告を配信する手法です。メルマガのコンテンツ内に広告文を挿入するタイプと、1通丸ごと広告を配信するタイプの2種類あります。1通いくらの配信課金型で、1通あたりの費用は5円~数十円程度です。
Web広告の費用対効果
Web広告はたくさんの手法があり、選ぶ媒体によっても費用対効果は大きく異なります。
- ターゲットがどこにいて、どんな関心を持っているのか、
- ターゲットがどの検討ステージにいるか
狙いたいターゲットの状態に合わせて、どの媒体でどういう広告を打つか決めることで費用対効果が高くなります。ここでは、ターゲットが顕在層か、潜在層にわけて一般的に効果的な手法をご紹介します。
顕在層に働きかけ行動喚起したい場合
購入する商品を探している顕在層にアプローチしたい場合、一般的に効果が高いのが検索広告です。ユーザが商品を探す際に使うキーワードを対象に、購入を促すランディングページを用意することで費用対効果が高くなります。また、関連する商品コンテンツの閲覧者に対するリターゲティング広告も有効です。
潜在層に働きかけ行動喚起したい場合
商品を知らない、漠然とした関心しかない潜在層に働きかけたい場合、検索広告は効果的ではありません。まずターゲットの悩みや関心を掘り起こして気づいてもらうことが必要になります。
その場合、ターゲットがよく見るサイトやSNSが何かを事前に仮説をたてておくことが重要です。媒体がある特定のメディアなら、そのメディアへの純広告が有効になります。例えば、自動車関係の技術者や自動運転に興味がある人に対しては、彼らが常日頃読むであろう自動車エレクトロニクスやAI関係の専門メディアへの広告が有効となります。
一方、対象のニーズが漠然としている場合、記事広告などで問題提起するのも費用対効果が高い施策となります。メディアが不特定多数なら、アドネットワーク広告で関連するWebサイトに広告出稿するのも有効です。
Web広告を外注する場合の費用・効果
Web広告は専門知識が必要であり、運用工数もかかってしまいます。広告の最新手法やトレンドを常に押さえておく必要があり、自社内で運用が難しい場合もあるでしょう。そうした状況では、社内で検討するよりも、外部の広告会社に委託する方が短期で成果をあげやすいといえます。
外部に委託するメリットは、運用の手間が省けるだけではありません。広告会社は多くの企業を運用した実績があります。広告のノウハウもあり、最新のトレンドもおさえています。そのため、自社内で運用するよりも費用対効果が高くなる可能性があるのです。広告の運用だけでなく、コンテンツの制作までまとめて依頼できるのも魅力のひとつでしょう。
Web広告の外注費用
では、具体的にWeb広告を外注する場合、どのくらい費用が必要になるのでしょうか?Web広告では、個々の広告の運用代行だけを行うケースと、制作物まで含め企画から運用進行管理まで総合的に行う場合があります。
個々の運用代行の場合、費用相場は、広告費の20%が多いです。ただし、業者や広告運用金額によって異なり、中には10%程度で運用したり、定額制のサービスを実施したりしているところもあります。
コンテンツ制作物まで含め依頼する場合、別途コピーライティングやコーディング、バナー画像制作料金が上乗せされます。こうした制作物は、内容や業者によってまちまちです。例えば広告ランディングページの場合、10万円~数十万程度かかるでしょう。
外注に依頼する際、注意したいこと
一方、Web広告を外注することのデメリットもあります。ひとつは、外注頼みになってしまい自社にノウハウがたまらないことです。そのため、ずっと外注にお願いし続けなければならず、長期的にみると費用対効果が悪くなる可能性があります。
中には料金をかさ上げするために、不必要な提案を盛り込んでくる業者もいるかもしれません。自社にノウハウがないと、そうした提案の要不要を見極めることも困難になります。
もうひとつは、自社の製品サービス領域に対する専門性の問題です。外注先の中には、自社のビジネス領域について広告運用の実績が少ない企業もあります。その場合、運用担当者が業界や製品サービスへの知識がないことが多々あります。
その場合、適切でない広告クリエイティブで運用されてしまい、費用対効果が下がってしまうリスクがあります。自社のテーマでどの程度実績があるか確認しておくといいでしょう。
まとめ
Web広告は、広告の種類や課金形態としてさまざまなものがあります。効果的に広告を打つには、ターゲットや目的によって使い分ける必要があります。ターゲットの興味関心や検討ステージに合わせて、費用対効果の高い、広告手法・媒体を選ぶ必要があります。
Web広告の浅い企業の場合、自社で運用するには、担当者の専門知識やリソース不足など様々な課題もあります。外注を活用することで、ノウハウや最新トレンドを取り入れることができ、効率的に成果をあげやすくなるでしょう。
一方、外注に丸投げにしてしまうと、かえって費用対効果が悪くなるリスクもあります。運用会社の実績・専門領域をしっかり見た上で、外注任せにせず、自社でもしっかり検証できる体制を構築することが重要です。
The post Web広告のタイプ別費用相場と外注費 first appeared on モノカク.
SNSマーケティングの費用相場と外注費
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。製造業は自社製品の販売や採用マーケティングのためにSNSを活用できます。 これまでSNSマーケティングを活用してこなかった企業には、リーチできていなかったターゲットにも自社製品の情報を届けられるメリットがあります。しかしながら、初めてSNSマーケティングを実施する場合には、外注の費用がどの程度かかるのか事前に確認が必要です。今回の記事では、SNSマーケティングの外注費用相場と、運用する内容について解説します。
SNSマーケティングの費用相場
SNSマーケティングは、月額の運用費用がかかります。また、企業によっては、初期費用も必要です。
初期費用
SNSマーケティングの初期費用は20~30万円程度です。初期費用がかからない会社もあるので、事前に確認しましょう。
月額料金
価格帯に応じてサービス内容が異なります。主な価格帯と内容は以下の通りです。
- 10万円以下
定期的な記事の作成や投稿代行費用など、最低限の作業です。 - 10~30万円
定期的な記事作成や投稿に加えて、コメント返信、レポートなどが含まれます。 - 50万円以上
記事コンテンツの企画、記事作成、分析、レポート、定期ミーティング、SNS広告運用が含まれます。
SNSマーケティングはどんな作業に費用がかかる?
SNSマーケティングは各社さまざまな料金プランがあります。どのような内容が費用に含まれるかを詳しく紹介します。
初期費用に含まれる内容
- アカウント開設
Twitterの企業公式アカウントやFacebookのビジネスアカウントなどを開設します。 - 利用規約、ポリシー作成
SNSをどのように使うのか、禁止行為、個人情報の利用方法などを明記します。例えば、「LINEで商品の情報発信をする」など、使うSNSと発信する情報を記載します。 - 方針決定
記事のトンマナやターゲットのペルソナ、コンプライアンスなどを協議し、決定します。 - 目標値設定
KGI、KPI、ロードマップなどを決めます。例えば、「Twitterのインプレッション数を現状の50%向上させる」 などのように数値目標を決めます。 - コンテンツ企画
投稿する記事のコンテンツを企画します。 - 想定コメント問答集、炎上時の対応方針
コメントに返答するリストや炎上時の対応方針を決めます。 - 広告運用方針
SNS広告はTwitter、Facebook、LINE、Instagramのどれに出すのか、費用や期間などの方針を決めます。
月額料金に含まれる内容
- 定期投稿、記事作成、定期ミーティングなど
原稿案も外注先に任せるのか、自社で作成するのかで金額が変わってきます。また、月1回の定期ミーティングをして、インプレッション数やフォロワー数の分析結果などをレポートしてもらう場合は金額が上がるでしょう。他には定期的にコンテンツ企画会議などをする場合もあります。 - 写真、動画投稿
投稿記事に写真や動画を付けるかどうか、また写真の質によっても金額が変わります。 - 他ユーザーへのアクション
ペルソナに該当するユーザーをフォローしたり、フォロワーの投稿に「いいね」をしたりするサービスもあります。他の製造業の公式アカウントとコラボすることもあります。 - KPI保証オプション
目標フォロワー数やインプレッション数の達成を保証するオプションをつけることができます。
広告運用費用
SNS広告は、月額料金とは別に費用が必要になる場合があります。SNS広告とは、TwitterやFacebookのタイムラインや検索結果画面に出す広告です。定期投稿に加えてさらに多くのリード獲得を狙うときや、新製品発表のタイミングに合わせてプロモーションするときに広告を出します。
SNSマーケティングにいくらかけるか
SNSマーケティングにいくらかけるかは、どのように決めていけばいいのでしょうか。ポイントは以下の2点です。
目的を決める
まず、SNSマーケティングの目的を決めます。定期的な記事投稿は、長期的にコンテンツを閲覧していくことでファンになってもらえる可能性があります。その後、見込み顧客となり自社製品やサービスを購入してくれるかもしれません。一方、新製品リリースのタイミングで一気に集客したい、話題づくりがしたいなどであればSNS広告がおすすめです。
自社人材でできる範囲を決める
どのくらいの予算をかけるかについては、自社人材がどこまでできるかによっても変わってきます。企画案を出し、分析ができるならば、定期投稿、記事作成だけ依頼すればいいので安くできるでしょう。一方、分析やレポート、改善提案ミーティングなどをすべて任せるのであれば高くなってきます。まずは一番安いプランから始めてみて、途中で変更するのもいいでしょう。
まとめ
何を目的としてSNSマーケティングをするかによって運用内容は変わります。それに伴い、外注費用も変わってきます。定期投稿を依頼して、製品発売タイミングではSNS広告を出すなど、さまざまなやり方があるので事前に相談しましょう。目的と予算などを外注先と話し合い運用内容を決めることで、SNSマーケティングをより効果的に実行できるはずです。
The post SNSマーケティングの費用相場と外注費 first appeared on モノカク.
Webマーケティングへの社内理解が得られない理由とその対処法
技術・理学系ライターであり、特許翻訳者、技術リサーチャーとしても活動している太田です。近年、製造業の企業の中にもWebマーケティングを導入する企業が増えてきています。
自社技術に関連のあるオウンドメディアの作成、自社ホームページのコンテンツ充実、各種SNSの運用などにより、自社の知名度アップや外部からの問い合わせ増に成功している企業も多いようです。
一方、Webマーケティングの効果を知って「うちの会社にも導入したい!」と思っても、社内からの理解が得られず導入を進められない場合もあるでしょう。これまでWebを活用してこなかった企業でWebマーケティングを始めるのは、なかなかハードルが高いことです。
今回の記事では、「Webマーケティングの導入に関して社内理解が得られない主な理由」と「その対処法」をご紹介します。本記事を読んで実践すれば、社内でのWebマーケティング導入がスムーズに進むはずです。
「Webマーケティングの導入に関して社内理解が得られない理由」と「その対処法」
これからの時代には必須ともいえるWebマーケティング。なぜ社内での理解が得られないのでしょうか?その理由と対処法を以下に示します。
理由1:上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていない
会社によっては上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていないため、導入に踏み切れない場合があります。実際、BtoB企業のマーケティング担当者を対象とした調査では、Webを活用した顧客実施施策を実施する際に足りないものとして「上司・経営者の理解」が上位に挙がっています。
対処法1:製造業においてもWebが有力なツールとなっていることを伝える
上司や経営者を説得するには、製造業におけるWeb集客の有効性を伝えるのが効果的です。製造業の営業手段としては従来、対面型の展示会や訪問営業が主流でした。しかし新型コロナウイルスの流行でほとんどの展示会が中止となり、訪問営業もほぼ不可能に。その結果、Webで情報収集を行う顧客が増えてきています。
実際、BtoB製造業の営業担当者や販促担当者を対象に実施した調査では、「一番商談につながる割合が高いのはどこからの問い合わせか」という質問に対して58.0%の企業が「ホームページからの問い合わせ」と回答しています。また同調査によると、コロナ禍の影響で半数以上の企業がホームページの見直しを実施または予定しているようです。
このように、現在は製造業においてもWebの活用が必要不可欠です。この現状を上司や経営者に伝えるといいでしょう。
理由2:導入後の具体的なイメージが湧いていない
社内理解が得られない2つめの理由は、社内の人々がWebマーケティング導入後の変化を具体的にイメージできていないことです。
一般社員は通常、Webマーケティングに関する知識をほぼ持っていません。そのため、Webマーケティングにどの程度の効果があるかわからず、「導入しても意味がないのではないか」「他社では効果が得られたとしても、自社で効果が得られるとは限らないのではないか」と考えることもあるのです。
対処法2:Webマーケティングの基礎知識を伝えた上で、受注目標数や想定される成果を数値化して提示する
このような場合、Webマーケティング導入による変化を具体的に数値で示すのが効果的です。最初にWebマーケティングの基礎知識を説明した上で、自社で具体的に取ろうとしている施策(オウンドメディア構築、SNS運用など)を伝えます。その後、想定される成果(受注目標数、海外からの問い合わせ数、SNSのフォロワー数など)を数値化して提示しましょう。
根拠に基づいて具体的な数値を示せば、一般社員にWebマーケティングの成功イメージを伝えることができます。
数値化にあたっては、Webマーケティング会社の事例が役立ちます。「Webマーケティング 事例」などで検索するとさまざまな事例がヒットするので、参考にしてください。
理由3:コストを懸念している
Webマーケティングにかけるコストがなく、導入を渋られるケースもあります。確かに、新しいWebサイトを1から設計して作成する場合にはそれなりにコストがかかるのも事実です。
対処法3:スモールスタートとしてはじめる
コストが問題である場合に重要なのは、「スモールスタート」という考え方です。スモールスタートとは、「小さく始める」「まずはやってみる」ということ。新たな事業を開始する際、最初は機能やサービスを限定し、その後少しずつ規模を拡大していく方法です。Webマーケティングの場合は、いきなり新しいWebサイトを1から制作するのではなく、コンテンツマーケティングを導入したり一部製品ページだけを作成したりしてその効果を検証します。
費用的に可能な範囲から始めて、効果が得られたら少しずつ規模を拡大していきましょう。
理由4:(マーケティングを進めていくための)人員が不足している
Webマーケティングを行う人員が不足しているため、導入を進められないケースもあります。
Webマーケティングを行う際には、基礎知識の学習から実際の導入、サイトやコンテンツの管理など、必要な作業がたくさんあります。これらを既存の業務と並行するのは大変です。Webマーケティングを専門に担当する人材を採用する手もありますが、そこまで踏み切れない企業も多いでしょう。
対処法4:外注をうまく活用する
人員確保が難しい場合におすすめなのは、外注の活用です。マーケティング戦略の立案からWebサイトの設計~作成までを全て外注する手もあれば、記事やデザインなどサイトの一部だけを外注する手もあります。外注にあたっては、製造業Webページの制作経験がある業者に依頼するのがおすすめです。製造業の知識がない業者に頼んだ場合、自社の技術説明や専門用語の説明に時間がかかり、余計な手間が増えてしまう場合もあります。
また、得意分野や対応可能な範囲は外注先によりさまざまです。マーケティング戦略を立てるのが得意な業者もあれば、簡単なサイト制作しかできない会社もあります。外注する際には、外注先の実績を必ず確認しましょう。
まとめ
今回の記事では、Webマーケティングに対する社内理解が得られない主な理由を挙げ、それらの対処法を紹介しました。
理由1:上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていない
対処法1:製造業においてもWebが有力なツールとなっていることを伝える
理由2:導入後の具体的なイメージが湧いていない
対処法2:Webマーケティングの基礎知識を伝えた上で、受注目標数や想定される成果を数値化して提示する
理由3:コストを懸念している
対処法3:スモールスタートとしてはじめる
理由4:(マーケティングを進めていくための)人員が不足している
対処法4:外注をうまく活用する
新型コロナウイルスの流行も相まって、製造業におけるWebマーケティングの導入は急速に進んでいます。世の中の流れに取り残されずに会社を発展させるためにも、Webマーケティングの導入は非常に重要です。
今回ご紹介した対処法を参考に、ぜひ社内でのWebマーケティング導入を進めてみてください。
The post Webマーケティングへの社内理解が得られない理由とその対処法 first appeared on モノカク.
オンライン展示会のプロに聞く、製造業のための「オンラインセミナーで3倍受注する鉄則」
テクノポートの廣常です。2021年8月20日(金)に、弊社にて「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」というオンラインセミナーを開催しました。
近年、自社の認知度向上や新規顧客獲得の場としてオンラインセミナーを活用する企業も増えてきています。しかし、いざ自社で開催するとなると「どのように進めていけばわからない」とお困りの製造業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現に、こちらの調査結果では地方BtoB企業の83.6%がオンラインセミナーの開催に至っておらず、その理由として「自社事業との相性が悪いと感じる」(35.9%)、「知識や経験がない」(20.7%)、「運営のノウハウがない」(19.6%)といった点が挙げられています。
そこで今回、「展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家」としてご活躍中の 株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様をお招きし、製造業のためのオンラインセミナー開催ノウハウ・受注を獲得するコツを伺いました。
今回はそちらのセミナーの内容を一部抜粋してご紹介いたします。
講師紹介
株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様
株式会社展示会営業マーケティング代表取締役。中小企業診断士。
奈良生まれ、東京在住。展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家。中小企業への売上サポート実績は1,300社を超える。展示会活用やオンライン営業に関して、テレビ等出演のほか、行政、公益法人、金融機関などで講演多数。著書の『中小企業の「DX」営業マニュアル ~「オンライン展示会」をきっかけにしたスムーズな営業改革術』他7作は、いずれもAmazon部門1位。
セミナー概要
オンラインセミナーをやるべき理由とは?
「コロナ禍の今だからこそ、営業時には心の距離を『密』にしましょう!」と軽快なトークから講演が始まりました。冒頭、清永さんは企業がオンラインセミナーを開催すべき理由の一つを「新規顧客との接点を持ちやすいから」だと話します。
「いきなりお問い合わせをするのはハードルが高いが、セミナーであれば…」と気軽に参加できるため、多数の見込み客と接点を持つチャンスとなります。オンラインのため、見込み客側が視聴する際の環境やエリアなども問いません。リアルの展示会よりもはるかに幅広いお客様とつながることができる、絶好の機会となります。
売り込み・商材説明はNG。「教える」ことに徹する
では、実際にはどのようにオンラインセミナーを実施すべきなのでしょうか。鉄則の一つとして、セミナーでは「教える」ことに徹するべき、と清永さんは述べます。
セミナーの参加者は、何かを知りたい・学びたいがために来ていることがほとんどです。そのため、自社の売り込みはもちろんのこと、商材の機能説明もNG。
「自社の商材によって顧客のどういった課題が解決できるか?」を考えた上で、セミナー内では参加者の課題(自社の商材で解決できるもの)を明確化するお手伝いをする。そこまでがセミナーの担う役割であり、明確化に至るまでに必要な情報や参加者の現状、改善点を「教える」ことが重要となります。
「断られる理由」を洗い出し、セミナー内でフォロー
講演内ではオンラインセミナーを開催するにあたっての手順も解説いただきました。
個人的に、特に印象に残ったのは下記のお話でした。
セミナー後のフォロー面談(営業活動)内で想定される、見込み客の懸念点や自社の商材が断られてしまう理由を洗い出す。そこで挙がってきた内容をセミナー内でフォローすべき。
対面での営業活動においても、顧客が抱えている課題や自社の商材に対する懸念点などに対してやり取りを交わすことがあるかと思います。ただ、商談中にそれら全てに対応することは難しいのではないでしょうか。
一方オンラインセミナーは、伝えたい内容をこちらのシナリオ通りに話せる良い機会です。「断られる理由」から逆算して話す内容を決め、セミナーの段階で見込み客の疑問・想定し得る懸念などをできる限り払拭しておく。これが後の営業活動の円滑化につながるのだ、と清永さんは話します。
オンラインならではのマナーや作法に注意
オンラインセミナーでは、オンラインならではのマナー、作法にももちろん注意する必要があります。
セミナー講演中、スピーカーは小さい画面枠で表示されていることが多いかと思います。話を聞いている参加者の集中力が切れないよう、そういった小さい画面枠でも身振り手振りを大きくして話すことが大事です。オンラインセミナーの場合、主催者側から参加者の顔や反応が見えないことも多いため、特に意識して対策しなければ見落としてしまう箇所かもしれません。
また、参加者にとっても得られる情報は画面やスピーカーを通じた映像、音声のみとなってしまいます。限られた状況下でも良い印象を与えられるよう、カメラの位置や照明など、細かい点にも配慮する必要があります。
まとめ
以上、2021年8月20日(金)に開催したオンラインセミナー「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」の内容を一部ご紹介しました。
- オンラインセミナーは新規顧客との接点を増やすのに効果的
- セミナー内では「教える」を徹底し、参加者の課題を明確化。売り込み・商材説明はNG
- 「自社の商材が断られる理由、参加者の懸念点」をセミナー内で払拭すべき
- オンラインならではのマナー、作法にも注意
こういったノウハウはセミナーのみに限らず、オンライン展示会やオンライン会議ツールを利用した商談など、あらゆる「オンライン」の場で活用できるかと思います。自社にてオンラインセミナーの開催を検討されている方、オンライン展示会での効果的な魅せ方を知りたい方はぜひ清永さんにご相談ください。
▶︎ 展示会営業ちゃんねる_清永健一公式
清永さんが運営されているYouTubeチャンネルです。リアル展示会のレポートやオンライン展示会・商談のコツに関する動画が盛りだくさんです。ぜひこちらもご覧ください。
The post オンライン展示会のプロに聞く、製造業のための「オンラインセミナーで3倍受注する鉄則」 first appeared on モノカク.
コロナ禍で大きく変化したBtoBマーケティングの2021年最新トレンドを解説
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。
2020年以降、コロナ禍の影響によりBtoBマーケティングのトレンドは大きく変化しました。例えば、展示会などで直接コミュニケーションを取る機会が減少し、Webを用いたマーケティングに徐々にシフトしています。そして、その流れは2021年も継続しており、新たなトレンドとして定着しつつあります。そこでこの記事では、コロナ禍で大きく変化したBtoBマーケティングの2021年最新トレンドについて解説します。
コロナ禍による営業方法の変化
コロナ禍では、営業方法が大きく変化しました。代表的な事例を2つ紹介します。
1、商談のオンライン化
コロナ禍では緊急事態宣言などの発令により、感染リスクを低減するために対面での営業活動自粛が進んでいます。代替手段としてリモートでの営業活動が中心になり、商談もWeb会議システムを活用してのオンライン化が進められています。商談のオンライン化により、従来は貴重な情報共有の機会となっていた商談前後の雑談はなくなり、場の雰囲気や空気感を感じにくくなりました。これまでに比べて顧客との関係性を築くのが難しくなったことをデメリットだと感じる方は多いでしょう。
一方で、打ち合わせを行う場所への出張など、移動時間を大幅に短縮でき、資料の共有もデータ送付や画面共有で簡単に行えるようになりました。商談前後の準備や移動の時間を削減できるため、その時間を顧客とのコミュニケーションに活用できます。会社ごとに方針は異なるかもしれませんが、仮にコロナ禍が終息したとしても、オンライン化された商談は一定の割合で残るでしょう。
2、ウェビナーの普及
「ウェビナー」とはWebとセミナーが組み合わされて作られた造語で、インターネット上で行うセミナーのことです。コロナ禍により、展示会への出展や企業を訪問しての説明会を開催しにくくなり、BtoBの企業でもウェビナーの活用が進んでいます。
ウェビナーは、会場まで移動する時間が必要なく、また準備する側としても会場の確保や設営が不要です。また、プロジェクターに投影された資料が見にくかったり、説明の声が聞こえにくかったりといった問題もありません。録画した映像を繰り返し用いれば、同じ内容のセミナーを効率的に実施できます。
一方で、展示会であれば、自社が目的でなかったとしても、近くの企業を訪問したついでに自社を見てもらえる可能性がありました。しかしウェビナーの場合には、目的を持って訪問してもらう必要があるため、新たな顧客とのビジネスの機会が減ってしまいます。
BtoBマーケティング 2021年のトレンド
ここからは、BtoBマーケティングの2021年のトレンドを5つ解説します。
1、コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに役立つ情報を提供することで、自社サイトへのアクセスを獲得するとともに、ユーザーの支持を得る手段の一つです。製品の拡販や自社のコア技術を広めることを目的としており、今まではリーチできなかった潜在顧客をWebサイトへ集客したり、ユーザーのニーズを育成したりすることで、問い合わせの獲得やファン化につなげます。
効果が出るまでに時間がかかり、その間は地道にコンテンツを発信し続ける努力が必要です。そこを乗り切れば、ブランディングの確立に加えて、コンテンツ自体が貴重な財産になるといったメリットがあります。
BtoB向けのコンテンツマーケティングについて、詳しくはこちらの記事をご確認ください。
2、動画
展示会などの中止により、実際に製品やサービスを目の前で見てもらう機会は大幅に減少しています。Webサイトの文章だけでは伝わりにくい製品の魅力を少しでも多く伝えるために、動画の活用が広がっています。5Gのサービスが徐々に広がり始めていることで、動画市場全体の拡大も期待されており、動画制作を行える人材の増加や撮影機材、編集ツールの高性能化なども進んでいます。
各社さまざまな工夫を凝らしており、単にサービスや製品の特長を紹介するだけでなく、導入企業のインタビュー動画や課題を訴求する動画、自社商品の製造工程の動画などが製作されています。魅力的な技術動画の事例は、こちらの記事をご確認ください。
3、MA(マーケティングオートメーション)
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を可視化し、業務を自動化することで効率化を高め、生産性を向上させる取り組みです。これまでの事業活動で集めたリード(見込み客)に対して、再度アプローチをする方法としてMAに取り組む企業が増えています。
自動化を行う部分としては、リード情報の管理に加え、顧客に対するコミュニケーションがあります。MAは主にツールを活用して行いますが、ツールごとに特徴が大きく異なるため、どれを採用するかという選定が重要です。MAについて必要性やおすすめのツールについて知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
4、SNSマーケティング
BtoB企業の間でも、SNSを用いてブランディングを行う企業が増えてきています。SNSマーケティングはFacebook、Twitter、InstagramなどのSNSを活用することで、自社の情報をいち早くユーザーに発信できるといった利点があります。BtoCに比べると、BtoBのSNSマーケティングは効果が見えにくいですが、目的やターゲットを明確にしたうえで適したSNSを選択することで、効果につなげやすくなります。
具体的な発信内容としては、自社の技術、製品、サービスなどのアピールしたいポイントが挙げられます。それに加えて日常の様子を発信し、フォロワーの方に身近に感じてもらうことが効果的です。BtoB製造業のSNS活用法については、こちらの記事をご確認ください。
5、オフライン広告
テレビCMやタクシー広告などのオフライン広告は、アプローチをする対象が不特定多数であり、効果測定がしにくいといった点でBtoBマーケティングではあまり活用されていませんでした。しかし、近年はビッグデータの活用や収集したデータをAIを用いて分析することで、ターゲットの絞り込みができるようになり、マーケティング効率や効果測定の精度が向上しています。
契約までのプロセスに複数の人物が関わるBtoBマーケティングの場合、ブランド認知や信頼を高めるという目的に対して、オフライン広告は有効な選択肢の一つです。
まとめ
BtoBマーケティングは、コロナ禍の影響により対面での活動からオンラインの活用に大きく変化しました。2021年もその傾向は継続、拡大しています。BtoBマーケティングにおける2021年のトレンドとして5つの手法を紹介しましたが、それぞれ万能な手法ではなく、自社の状況や目的に応じて、適切な手法を選択する必要があります。
マーケティング手法の相談や具体的な施策について困りごとがある場合には、ぜひお気軽にテクノポートにご相談ください。
The post コロナ禍で大きく変化したBtoBマーケティングの2021年最新トレンドを解説 first appeared on モノカク.
BtoB製造業のデジタルマーケティング【成功事例あり】
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。デジタルマーケティングは、BtoB製造業が新たな顧客を獲得するために役立ちます。大小問わずさまざまなBtoB製造業が取り入れています。今回の記事では、デジタルマーケティングとは何か、メリットや手法、成功事例を紹介します。
デジタルマーケティングの基礎知識
定義
デジタルマーケティングとは、Webページ、スマホアプリ、メール、SNSなどのサービスから得られるデータを分析、活用してマーケティングを行う手法です。
Webマーケティングとの違い
WebマーケティングはWebサイトを中心としたマーケティングです。デジタルマーケティングは、Webサイトに加えてメール、SNSやアプリ、動画コンテンツ、製品のIoTデバイスなどからユーザー行動をデータとして取得し活用します。
BtoBとBtoCのデジタルマーケティングの違い
BtoBとBtoCのデジタルマーケティングについて、主な違いや特徴を紹介します。
ターゲット、商品
BtoBは企業をターゲットにしています。一方、BtoCは個人がターゲットです。BtoBの製品やサービスは、業務効率化のツールやアプリ、FA機器や工作機械など企業向けです。開発プロセスの途中で顧客と仕様を詰めていくケースもあり、顧客に合わせて柔軟に対応することもあります。
コンテンツ
BtoCにおいては、個人が購入を決定します。そのため、マーケティングとしては、流行や季節性、ブランド力などが重視されます。一方、BtoBの購入決定者は企業です。機能やスペックは、顧客が求めているものに合っているのか、またその根拠やロジックが問われます。技術解説やカスタマイズ情報などを提供し、顧客が正確に商品とサービスを理解できるほど購入に近づくでしょう。
デジタルマーケティングのメリット
デジタルマーケティングを実施する目的とそのメリットを説明します。
ユーザーのニーズを数値で分析する
商品ページの閲覧数、動画視聴数、SNSでの広告閲覧数などのデータから、ユーザーの興味関心を数値分析し、マーケティングに活かします。
ターゲットを明確化する
分析データの対象は主に性別、年齢、居住地などです。そのため、ターゲットを明確にできます。
素早い効果検証と改善
マーケティング施策の効果を素早く数値で検証できます。そして、検証データから次の施策を考えて改善できます。
デジタルマーケティングの手法と特徴
デジタルマーケティングはさまざまな手法があります。主な手法を紹介します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を掲載して、リード獲得やWebサイトへ集客する手法です。自社製品、サービスの宣伝ではなく、ユーザーの課題解決をコンテンツとして掲載します。コンテンツマーケティングでユーザーに情報を届けるためにはSEOが重要です。検索エンジンで上位表示されるキーワードを入れ込み、コンテンツを制作します。コンテンツは、オウンドメディア、ホワイトペーパー、ブログ、技術解説記事などさまざまです。 すぐに効果がでなくても、徐々に効果が出て資産となっていきます。
オンラインセミナー、オンラインデモ
オンラインセミナーはウェビナー(Webinar)ともいわれます。オンラインで自社製品や技術を紹介するセミナーを開いたり、機械が動作している状況を見せるためにオンラインデモを実施したりします。 移動や出張をせずに顧客とコミュニケーションを取れるうえに、一度に多人数に対して説明会やデモを実施できるのが特徴です。
Web広告
- リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページの上位部分に表示される広告です。 - リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度サイトを訪れた人に対して、他のWebサイトでも再度広告を出す手法です。 - SNS広告
SNS広告とは、FacebookやInstagram、Twitter、LINEなどに載せる広告です。SNSのタイムラインに流れてきます。 - 動画広告
YouTubeなどの動画コンテンツに差し込まれる広告を動画広告といいます。
SNS、動画マーケティング
SNSや動画で自社の紹介や技術、製品の紹介をするマーケティング手法です。Web広告と似ていますが、広告を挟むわけではありません。例えば、SNSで自社の加工機で作った製品を載せてみたり、YouTubeに自社製品の使い方を載せたりします。SNSは拡散効果があり、さまざまな人に情報を届けられるので新たな顧客層のリード獲得につながります。
デジタルマーケティングの成功事例
デジタルマーケティングを導入して成功している企業を紹介します。
サイエナジー株式会社
サイエナジーは、軟X線技術を活用したX線検査装置のメーカーです。リード獲得のために「X線検査装置」のほか、「噛み込み」「液漏れ」などといったキーワードでSEO対策を行いました。 また、リスティング広告を運用してWebから多くのリードを獲得しています。
株式会社 丸福繊維
丸福繊維は、コンシューマー向けに暑さ対策の帽子や日焼け防止用のフェイスマスクなどを製造・販売しています。ターゲットが検索するキーワードを選定してコンテンツマーケティングを行っています。 SEO対策を実施し、もとのターゲットであった一般消費者だけでなく企業からのアクセスも獲得しています。
NISSHA株式会社
NISSHAは、産業資材、フィルムデバイス、メディカルテクノロジー、情報コミュニケーションの事業を展開しているグローバルカンパニーです。リスティング広告やコンテンツマーケティングを運用し、問い合わせを10倍にした実績があります。 ターゲットを技術者に絞って専門的な技術紹介記事を掲載しており、マーケティング施策がうまく成功しています。
まとめ
デジタルマーケティングの紹介と成功事例について解説しました。BtoB製造業にとって、デジタルマーケティングの導入は新しい顧客獲得につながります。テクノポートではBtoB製造業のデジタルマーケティング導入を支援しています。お気軽にお問い合わせください。
The post BtoB製造業のデジタルマーケティング【成功事例あり】 first appeared on モノカク.
加熱する製造業のオンライン営業
製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。コロナ禍で直接お客様に会う機会が減り、営業や販促のやり方に悩んでいませんか?実際、対面式からWeb展示会やWeb会議、企業ホームページからの情報収集と製品導入までの営業プロセスは劇的に変化しています。この記事では、コロナ禍におけるオンライン営業の方法や顧客に伝えたい情報、今後強化したいマーケティングについて解説します。
コロナ禍による営業形態の変化
オンライン営業とは自社ホームページやメールマーケティング、外部広告などを通じて行うデジタルマーケティングのことです。コロナ禍により、オンライン営業のニーズは高まっています。
コロナ禍では自社ホームページの充実が求められています。なぜなら、コロナ禍では、営業・販促形態がリアルからWebへと変化しているからです。例えば、従来の技術展示会は感染防止のため、参加者は9割減少しています。さらに顧客も外出を控えており、直接会う時間が激減しているのです。このような中、アンケートによると5割以上の製造業界の営業・販促担当者は「自社ホームページからの製品の問い合わせ」が商談につながると答えています。
一方で製造業の社員に対する調査結果では、企業ホームページからの情報が製品導入検討の決め手と回答しています。また、6割以上の企業はコロナ禍の影響により、「ホームページの機能や内容の見直しを実施・予定」というような回答結果もあります。
つまり、コロナ禍により人と直接会う機会が減った結果、製品の営業形態はインターネットを通じたオンライン営業へと変化しているのです。
オンライン営業で顧客に伝えたい情報3選
コロナ禍における情報収集は展示会からホームページへと変化し、自社ホームページからの問い合わせが製品導入につながる可能性が一番です。では、ホームページのコンテンツ作りは、どのような情報が求められるのでしょうか。
導入事例のコンテンツ
ホームページには導入事例のコンテンツページは最重要です。これは商品検討時の最大の決め手になるためです。製造業社員に対するアンケートの結果、実に66%以上の人は実際の導入事例のコンテンツが製品導入の検討にあがる際の決定打と答えています。そのため、他社への実績がわかれば、自社への効果を見定められるでしょう。
製品の説明コンテンツ
製品の詳細説明も大切です。導入事例のコンテンツと同じく62%以上の人が製品導入の検討にあがると答えています。製品に対する説明が詳細であればあるほど、自社に活用できるか判断できるのでしょう。また、性能や価格の差といった他社との比較表は社内判断の助けになるとの調査結果も報告されています。これらのことから、製品の魅力や他社製品との差別化がホームページから理解できると導入検討へとつながることが読み取れます。一方で、製品の説明不足は検討から外れる要因です。自社に合っているかを判断しにくいからと考えられます。顧客に対して公開できる範囲での情報提供が鍵になるでしょう。
製品の導入・維持費
商品の検討時期では実費や維持費用など、運用面での定量的な費用も載せておきたい内容です。製品の検討から遠のく最大の理由が「実際にかかる金額が不明」と報告されています。製品導入や維持に発生する費用があいまいであると、社内における検討材料になりにくいためです。もちろん、ホームページに記載しきれない内容もあるでしょう。しかし、お客様に検討してもらうためには、定量的な情報の提供も必要です。
オンライン営業で強化したいマーケティング分野
2社の調査結果を基にすると、自社ホームページの機能更新や内容の充実がオンライン営業における鍵になります。また、製造業の社員の7割は、コロナ収束後もWebからの情報収集は製品導入検討の決定打になるとも回答しています。
これらのことを考慮すると、これからも製造業のオンライン営業は必要不可欠になるでしょう。
問い合わせ率を向上のために訴求力を高める施策
顧客に興味をもってもらうには、製品の付加価値の伝え方が大切です。そのためには、自社ホームページのコンテンツの充実が有効になります。例えば、文章による製品の詳細説明や事例紹介、動画コンテンツの提供が有効でしょう。自社製品の魅力が伝わるコンテンツ製作が重要です。
より多くの顧客に見てもらうための施策
アクセス解析ツールの導入やSEOも必要不可欠です。なぜなら、顧客に自社のコンテンツページを閲覧してもらわなければならないからです。そのためには、ホームページへの流入経路の把握や検索エンジンの上位に表示される工夫が求められます。もし、SNSからの流入が多いのであれば、SNS強化の戦略をたてられます。また、検索エンジンの表示順位が低ければ、SEOによる改善が見込まれます。このように、自社コンテンツを閲覧してもらう施策も実施していきましょう。
能動的にお客様に情報を発信する施策
メールマーケティングによる営業も効果的です。企業から積極的に製品の魅力を伝えられるからです。さらに見込み客の購買意欲をメールマガジンによる情報発信で育成できます。日頃からの情報発信は顧客との関係性の維持・向上となり、商談へとつながるものです。メールマーケティングは能動的に情報を発信できるため、顧客との良好な関係性を作り出す有効な手法になります。
まとめ
コロナ禍における製造業のオンライン営業について紹介しました。営業方式は対面からWebへと変化していく中、顧客が目を引くホームページやコンテンツ作り、購入につながる導線の構築など、オンラインでのマーケティング強化が急務になると予想されます。コロナ禍における緊急事態に対応するためにも、オンライン営業を強化してみてはいかがでしょうか。
参考URL
*1 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000225.000006978.html
*2 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000022054.html
The post 加熱する製造業のオンライン営業 first appeared on モノカク.
デジタルマーケティング担当者が押さえておきたい改正個人情報保護法とは?
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、来年施行される改正個人情報保護法について取り上げます。
個人情報保護法は、個人の権利・利益を保護するもので、取り扱い事業者が守るべき義務、違反時の罰則が定められています。海外ではEU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act)があり、近年個人の権利保護が強化されつつある状況です。
一方、日本は欧米と比べると規制対象が緩い傾向にありますが、方向性は基本的に同じです。国内の個人情報保護法は3年おきに見直されており、今度の改正法は2022年4月に施行されます。
本記事では、この法改正で何が変わるのか、またデジタルマーケティング活動を行う上で、法律がどう影響するのか、主な業務についてポイントをまとめてご紹介します。
2022年、個人情報保護法の改正で何が変わるのか?
今度の法改正で改正される大きなポイントとしては、規制対象の拡大です。従来は5,000件以下のリストを扱う中小事業者は外れていましたが、今回の改正で、全事業者が対象となります。例え数十件のリストでも法律が適用されるようになります。
ルールとして改正される内容は主に以下の5点です。
- 漏洩など報告の義務化
- 不適正な利用の禁止
- 個人情報の第三者提供の制限強化
- 海外の第三者への提供時の提供情報の拡充
- 仮名加工情報の創設
内容で注目されるポイントとして、3にあげた「個人情報の第三者提供の制限強化」があげられます。強化される部分として2つあります。
ひとつは、本人の事前同意(オプトアウト)の際の手続きが厳格化することです。従来は、同意を取る項目として、以下の4つがありました。
- 個人情報の第三者提供
- 提供項目
- 提供方法
- 本人が求めに応じ第三者への提供を停止
これが改正後は項目が追加され、「個人情報保護委員会への届け出」が義務として必要になります。
もうひとつは、個人情報の第三者提供を行う際に、本人の同意が必要になる範囲が拡大することです。従来、個人情報の扱いの対象から外れていたCookieや位置情報が個人情報として対象に入る場合があります。いわゆるCookie規制です。
Cookie規制については、欧米の動きにあわせた形になっていますが、Cookieがなんでもかんでも個人情報として規制の対象に入るわけではありません。具体的にどういったものが対象になるのでしょうか?これについては、次の章で広告業務を例としてご説明 します。
ポイント解説!デジタルマーケティングの何が変わるのか?
ここでは、主なデジタルマーケティング業務において、今回の法改正で何が変わるのか、どんなことに気を付けなければならないのか、ポイントを絞ってお伝えします。
WEB広告
WEB広告における注目すべき改正ポイントは、「Cookie規制の強化」です。先に述べたように、もともと国内ではCookieは個人情報の扱いから外れていました。しかし今回、部分的に規制の対象となり、Cookieレスに向けて進んでいきます。
国内のCookieレスに関する改正法については、個人情報の第三者提供を行う際、本人の同意が必要となる範囲が多少広がる程度でしょう 。例えば自社サイトに訪問した個人のCookie情報を第三者の個人データベースと照合してターゲッティングを行う場合、あらかじめ第三者企業における同意と、自社からの同意の両方が必要となります。
なお、Googleなどの大手ITプラットフォーム提供企業の自主規制の縛りが強いため、影響度はそちらの方が大きそうです。特に3rd party cookie廃止により、高精度なターゲッティング広告ができなくなるリスクがあります。
例えば、他サイトのアクセス履歴と個人情報を照合してターゲッティングすることは厳しくなるかもしれません。Google/YahooやSNS広告など自社サイト上で行う運用広告に対してはよいが、パブリックDMPやDSP広告については影響が大きくなるでしょう。
一部ではあるが、1st party cookieでも制限がかかってきます。例えば一度アクセスしたユーザをリターゲティングしたい場合、期間が経ってしまうと追跡しきれなくなるかもしれません。cookieの有効期間が短くなり、経路が特定しにくくなるためです。
メールマーケティング
先に述べたように、今回の個人情報保護法の改正では、5,000件未満のリストを扱う中小事業者が新たに対象となります。つまり、たとえ数十件のメルマガを配信する場合でも、法律が適用されるのです。それが今回の改正では一番大きいポイントになるでしょう。では、メルマガを配信する際、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?ここで改めてメールマーケティングに関する法律をおさらいしておきます。メールの場合、個人情報保護法と特定電子メール法の2種類の法律があり、遵守すべき法律は以下のとおりです 。
- 個人情報は本人の同意なしで第三者に開示できない
- 個人情報の利用目的の記載が必要
- 配信前に承諾が必要
- 送信者の問い合わせ先や配信解除する方法を明記する義務がある
- メルマガ受信者の登録情報(※)を記録しておく必要がある
※登録日や登録時にユーザが提供した情報
例えば、「配信前の承諾」について、よくある疑問として、「名刺交換した相手にメルマガを送っていいのか」というものがあります。基本的に営業活動やイベントなどを通じて名刺交換した相手のメールアドレスを配信対象にすることは可能です。ただし、本人が配信解除できるようにしておく義務がありますので注意しましょう。
顧客管理
通常、企業では、複数の異なるシステムが点在しています。メルマガなどの登録情報、イベントやセミナーへの申し込み、技術問い合わせなど、別々のツールで管理されていて、一元情報になっていない場合もあります。各々の管理ツールで同じユーザなのに登録時期の違いなどによって情報が食い違ってしまう可能性も十分に考えられます。
今回の改正では、ユーザから、自身の個人情報の開示要求や削除依頼を受けた場合、企業側が提示しなければならない情報、対応義務の範囲が拡大します。
この場合、ツールごとに問い合わせのあったユーザの情報を照会し、各々削除・修正しなければなりません。組織も担当者も異なるケースがあるため連携も大変です。こうした情報は一元管理しておき、煩雑にならないように体制を整備しておくことを推奨します。
今後のデジタルマーケティングの潮流
個人情報保護の法規制は今後も強化される方向性は変わらないでしょう。事業者横断のトラッキングはますます困難な時代になってくると考えられます。大手ITプラットフォームベンダーはこの1,2年で3rd party cookieへの対応を停止する動きを見せています。Googleも予定を1年遅らせてはいるものの、2023年には対応を辞めるとしています。
もちろん、ベンダー各社は個人を特定しない広告技術の開発を強化してくるでしょう。AI技術がもっと進化することで、今よりも効果的なWeb広告が打てるようになる技術が開発されるかもしれません。ですが、基本的には3rd party cookieの停止によって個人を追跡する高精度のターゲッティング広告は難しくなると考えて、今後の施策を検討したほうがよ いでしょう。
Web広告の場合、どうしてもプラットフォームを提供するベンダーの施策・方針に依存します。SNSにしても同じです。各ベンダーの動向をウォッチしていくことも必要ですが、自社でコントロールできることは何かを改めて考えてみたほうがよいかもしれません。
高精度のターゲッティングでニーズの高い顧客をピンポイントで狙い撃ちできなくなってくると、そうした顧客が情報を求めて自ら来訪したくなるコンテンツが重要になります。これからは、本当の意味でコンテンツが勝負となる時代が到来するでしょう。
それに伴い、集客に対する考え方も徐々に変化するでしょう。その場限りの集客施策より、集客した後の関係構築に力点を置き、生涯価値(LTV)をあげる方法を真剣に考えるフェーズに移っていくのかもしれません。
まとめ
日本の個人情報保護法は、欧米のGDPRやCCPAと同じ方向性で、近年個人の権利保護が強化されつつあります。2022年4月から施行される改正法では、規制対象が全事業者に拡大され、報告の義務化などの規制が強化されます。
改正法では、個人情報の第三者提供の制限範囲が拡大され、個人情報と第三者情報の紐づけを行う際のルールが厳格化されます。この際のポイントとして新たに浮上したキーワードが「Cookie規制」です。これは、世界的な規制の動きを受けたITプラットフォームベンダーが先行して対応しており、Web広告やメールマーケティングの業務に影響がでます。
こうした規制の動きを受け、従来行えていた事業者横断のトラッキングが厳しくなってくるでしょう。高精度なターゲッティングありきの集客施策に頼るのではなく、コンテンツを強化し、集客後の顧客生涯価値をあげるマーケティング施策の検討がより求められるでしょう。
スマホで簡単にできる動画の作り方【動画マーケティング入門】
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。BtoB製造業では、マーケティングに動画を活用する企業が増えてきています。スマホで撮影や編集も簡単にできるので、未経験者が動画を作るのは決して難しくありません。これまでに経験がなくても、動画マーケティングを気軽にスタートできます。
今回の記事では、スマホを使った動画の作り方を解説します。
スマホで動画をつくるために必要なもの
スマホで動画を作るために必要なものを紹介します。必須なものと、あるとさらによいものを紹介します。
必須なもの
- スマホ
Android、iPhoneどちらでも問題ありません。カメラで動画を撮影するのと編集に使います。 - 動画編集アプリ
Android、iPhoneともに無料のアプリがいくつかあります。例えば「CapCut」や「VN」、「iMovie」などを使うとよいでしょう。アプリによって機能が少し異なっているので事前に確認しましょう。例えば、動画作成可能な長さやBGMの挿入ができるかどうか、文字を入れられるかどうかや文字の配置、書体などです。
あると便利なもの
- 三脚
スマホを固定する三脚があると手が疲れません。また、動画に手ブレがあると視聴者は気分が悪くなってしまう可能性があります。視聴者に少しでも快適に見てもらえるよう工夫して、離脱につながる要素を少しでも減らしましょう。 - 照明
照明があると全体的に明るくでき、動画で見せたいものをはっきりと映せます。 - 無線ピンマイク
工場や作業場などのように周辺の音が大きい場所では、説明者は大きな声で話さないといけません。しかし、無線ピンマイクがあると小さな声であってもしっかりと音声を取り込めます。また、大きな装置全体を撮影するためにスマホが説明者から離れて設置されていても、音声をきれいに取り込めます。
スマホで動画を作成する手順
スマホで動画を作成する手順を、大きく4つにわけて解説します。
構想
どのようなことを話すのか、何を撮影するのかなど大まかな構成を考えておくと撮影がスムーズに進みます。1分程度の短い動画であっても、構成を考えて、さらに台本を作っておくとよいでしょう。台本通りにゆっくり話す場合、かかる時間は300文字で1分くらいです。BtoB製造業の場合は、動画のコンテンツは簡単な会社紹介や、自社の技術、製品紹介、製品を使ううえでのTipsなどです。
例えば、製品を実際に動かし、部品を加工している様子を見せてもよいでしょう。視聴者にとっては、どのような製品なのか、どんな動作をするのかを理解しやすくなります。
撮影
実際に顔を出して話す場合は、台本を見ている感じ(ぎこちなさ)が出ないように工夫が必要です。例えば、台本を見ながら話さずに、内容を確認してから話すようにしましょう。このときに台本とスマホの目線を分けておくとよいです。台本を見ている場面がはっきりと分かるので、編集するときにカットしやすくなります。
長時間の撮影をする場合は三脚を活用して映像のブレを少なくしましょう。また、大きな装置の内部を撮影するときには暗い場合があるので、照明を使うとよいでしょう。
編集
スマホのアプリを使って編集します。さまざまなタイプの動画がありますが、ここでは基本的な編集手順を紹介します。
- 動画取り込み
アプリに動画を取り込みます。複数の動画を取り込んでそれぞれをつなげたり、順番を入れ替えたりできます。 - カット編集
不要な部分をカットします。 - タイトル、テロップ挿入
動画のタイトルやテロップを入れます。テロップがあると説明者が何を言っているのか分かりやすいです。 - BGM挿入、アテレコ
音楽を動画に入れます。また、アテレコを入れて動画の説明ができます。 - 資料挿入
説明の補助としてパワポのページや図などを挿入できます。スマホで編集する場合は位置の調整が手間なので、全画面で挿入するとよいでしょう。
投稿
投稿前に動画の最終確認をします。カット箇所が不自然でないか、テロップや資料に間違いがないかなどを確認しましょう。また、外部に流出してはいけない技術情報や試作品などが写っていないか注意しましょう。YouTubeであればスマホのアプリから投稿できます。動画のサイズによっては少し時間がかかるかもしれません。また、短い動画であれば、YouTubeの「ショート動画機能」を使って簡単に投稿できます。
まとめ
スマホで簡単に動画を作る方法を紹介しました。必須なものはスマホとアプリだけなので気軽に始められます。一度やってみて、徐々にマイクや三脚をそろえていくのもよいでしょう。自社紹介、製品、技術の解説など何をターゲットに伝えたいのか考えて動画を作り、マーケティングのツールとして活用していきましょう。
事業承継後の経営をDXにより切り拓いた製造業の事例
製造業のように老舗企業が多い業界では、高齢化が進みIT化が遅れている中小企業が多くなっています。このような業界でDXを活用することは、インパクトの大きい経営革新につながる可能性を秘めています。
しかし、高齢化した企業ではDX推進を担える人材の採用や育成が難しいため、現実的には後継者に事業承継をする際に、後継者がDX推進を担うのがいいきっかけとなります。実際に、経営者の世代交代が第二創業と呼ばれるような経営革新を可能とし、企業を発展させた事例もあります。
DXを推進するためには、先代の経営者は後継者が若い時期に事業承継をするか、承継前でも後継者に対する権限移譲や従業員からの反発が出ないような環境づくりを進めることが重要です。
この記事では、事業承継後の経営をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって切り拓いた製造業の事例を紹介します。
DXとは?
DXはデジタルトランスフォーメーションの略称ですが、人によって解釈が異なる場合があります。参考までに、経済産業省のDX推進ガイドラインには、以下のように記載されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
多くの場合、このような定義で使われています。
DXが経営を切り拓くアイテムとなる3つの理由
DXが経営を切り拓くアイテムとなる可能性として、以下の3つが理由として考えられます。
1.従来事業からの転換や新たなビジネスの追加
経済産業省が発行している2021年版のものづくり白書では、さまざまな製造業がDXに取り組んでいることが紹介されています。DXを活用することで、従来から取り組んでいた事業を転換したり、新たなビジネスモデルを追加したりできる可能性があります。
従来から行っている製品の製造だけでなく、そこで収集・蓄積したデータ自体を販売したり、データを用いた新たなサービスを生み出したりできるでしょう。
2.業務効率化・生産性向上
自社工場内の設備やセンサーをネットワークに接続することで、さまざまな情報を得ることができます。このデータを活用することで、不良に気づくまでの時間を削減したり、設備同士を連動させたりすることができ、従業員の負荷軽減や生産性の向上につながるでしょう。
これらの取り組みによって従業員のワークライフバランスが向上すれば、モチベーション向上により自発的なスキルアップにつながることも期待できます。
3.ノウハウ蓄積・教育
製造業では、若い職人への技術・技能伝承が課題の一つとして挙げられます。DXを活用すれば、熟練した職人のノウハウや技術を、センサーを活用することでデータ化し、蓄積できます。
また、web会議システムなどを用いることで、技術の伝承が難しい遠隔地であってもノウハウを伝える機会を作ることができ、若い職人の能力向上が期待できるでしょう。
他にも、ディープラーニングなどのAIを導入することで、数値化・説明が難しかった加工条件を明確にし、再現性を高めたり、よりよい条件を発見したりできる可能性が考えられます。
DXにより経営を切り拓いた製造業とBtoBの事例
ここでは、DXにより経営を切り拓いた製造業とBtoBビジネスを行っている企業を3社紹介します。
旭鉄工株式会社
旭鉄工株式会社は、大手自動車メーカー向けの部品を製造する自動車部品サプライヤーです。
2016年に代表取締役社長に就任した木村社長は、ドイツや国内の中小企業視察を通し、国内では中小企業向けのIoTツールが不足していることに気づきました。
そこで、まずは自社向けに設備投資や人件費、工場スペースの拡張を抑制するためのシンプルな構成のIoTツールを開発しました。これを他社にも提供するために「i Smart Technologies」を新たに立ち上げています。
現在は自動車部品に加えて、他社向けにIoTツールの提供も続けています。
株式会社木幡計器製作所
木幡計器製作所は、圧力計の製作や販売を行う企業として1909年に創業された計測・制御機器の老舗メーカーです。
2013年に現在の社長である木幡巌氏が代表取締役社長に就任しました。当時は主力業界である圧力計市場全体が縮小傾向であったため、社内で募集した意見から、新たな取り組みとしてIoT圧力計を開発に取り組みます。
2017年には「先進的IoTプログラム支援事業」の支援を得て、後付けIoTセンサ・無線通信ユニットを開発。現在では、IoTに関する技術をいかして新たに医療機器事業にも進出しています。
株式会社大都
株式会社大都は1937年創業の総合商社でしたが、実質代表を務めるようになった山田岳人代表取締役社長(2011年~)によって、DIY市場のeコマースを主なビジネスとしています。
eコマースの導入拡大によって煩雑になったFAXなどの業務も、自社開発のツールを取引先にも導入してもらうことで、大幅な効率化を実現し、従業員の満足度を向上しました。
現在では、eコマース市場をより活性化させるために、DIY版のクックパッドのようなアプリを開発しています。DIYで何かを作りたいと考えた場合に、経験がなくてもアプリを参考にすれば作れるようにすることで、eコマースでの売り上げ拡大に貢献しています。
まとめ
中小製造業を取り巻く状況は年々厳しさを増しており、事業承継を考えるタイミングで会社をたたむ選択をする経営者も少なくありません。
しかし、事業承継のタイミングは「第二創業」とも呼ばれるような経営革新を起こす貴重な機会でもあります。経営革新を実現するアイテムとして、DXへの取り組みは重要な選択肢であり、実際にさまざまな企業がDXにより経営を切り拓いています。
さまざまな会社の事例を参考にし、自社の状況を改善する際にDXが使えないか、検討してみるといいでしょう。
中小製造業が自社製品を作るにあたっての心構えと社内への影響
こんにちは、テクノポートの渡部です。本日は先日行われたオンラインセミナー
自社商品開発先駆者インタビュー「クラウドファンディング成功の秘訣」
について、内容を一部要約して紹介したいと思います。前編についてはこちらに公開されていますので、お時間のある方は是非ご覧ください。
セミナータイトル
自社商品開発先駆者インタビュー「クラウドファンディング成功の秘訣」
セミナー概要
日時:2021年7月21日(水)13:00-14:00
場所:Web会議ツール「Zoom」でのオンライン開催
セミナー内容
- 自社商品開発のメリット、デメリット
- クラウドファンディングのメリット、デメリット
- 自社商品のマーケティングはどうすればいいのか?
インタビュアー
株式会社石井精工 石井 洋平 様 / 株式会社シマワ 島口 棟伍 様
自社商品開発をやろうと思ったきっかけとどのような道のりだったでしょうか?
石井様:仕事の中に面白みを持たせたいということと、前々から自社ブランドを持ちたいという思いはあったので、自分なりの良いタイミングだなと思ったところで始めました。候補となる協業できるような会社とコンタクトを重ねていく中で、相手にされない期間も長かったですが、地道に活動の途中でセメントプロデュースデザインと繋がることができました。自社にはない商品開発のノウハウを追っている会社だったので、そこから一気に販売前プロジェクトを進めることができました。
金型屋の仕事の場合、注文を受けてから加工をするというのが通常であるため、注文を受けない中で商品を作るということには社内からの反発もありましたが、形になっていく過程で社内の理解も得られ、実際に販売が形になっていくころには認めてもらえたという感覚がありました。
島口様:製造業の仕事だけでは景気の波に左右されることがあり、経営の多角化をしないといけないなとは以前から考えてはいました。たまたまコロナ禍で手が空いたこと、町工場の展示会の繋がりから自社商品開発を支援してくれるデザイナーと繋がれたことなどが重なり、一気に自社商品開発を進めることができました。
弊社の場合は、製品がスピーカーということもあり、面白がって背中を教えてくれたので、スムーズに進めることができました。
クラウドファンディングとの付き合い方について
石井様:私が挑戦したのは2016年でデザイナーからの提案で始めました。当時は返礼品としての意味合いの方が強いと感じていたんですが、マーケティング活動の一環として取り組もうという説明を頂き、確かにそれならテストマーケティングとしても使えるなと思って取り組みました。資金がそんなに捻出できない中で小さく始めるという観点から言うと、クラウドファンディングは中小製造業が自社商品の開発・販売を始めるのにすごく良いツールだと思います。
島口様:私が取り組んだのは最近で、もうクラウドファンディングというよりはマーケティング、メディアの一つとして活用するというのが一般的になっていました。資金を集めるという考え方よりは、活動の中で自社の商品の強みは何かという見つめ直しや、どの層に刺さるのかといったテストマーケティングの情報収集ができるという考え方の方が重要で、その情報はその後のマーケティング活動にすごく役立っています。
自社商品開発をしてよかった事
石井様:自社商品開発をで変わったことは品質管理の考え方ですね。これまでに自社が作っていた金型の場合、多少の傷がついていても、成型品が問題なければいいという考えがありましたが、今回製品ではなく商品の製作をしたことで、過剰品質まではいかなくても、社内の品質管理の意識はぐっと変わったと感じています。
島口様:今回の自社商品開発を進める中で同業他社の2代目、3代目の方々との人脈が広がったのはよかった事だと思います。今後、自社商品の機能拡張パーツを作りたいと名乗り出てくれた会社もあり、波及効果はいろんなところに出てきています。あとこれまではサプライヤーの要望に応えるという仕事に比べると、「楽しい」ということが大きいですね。
いかがでしたでしょうか?今回はインタビューさせて頂いた中の一部について要約をお伝えさせて頂きましたが、前編はYoutubeにてアーカイブを公開しておりますので、そちらをご覧いただけたらと思います。
引き続きオンラインセミナーは開催をしていく予定ですので、今後ともよろしくお願いします。
DtoCの立ち上げ期に必要なお金をかけない5つの施策
最近よく耳にするDtoCブランドですが、自社の技術を多くの人に知ってもらいながら、年間、数百万から数千万円の売り上げを上げている企業も少なくありません。
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
DtoCの持つ3つの役割
DtoCには大きく分けて3つの役割があります。
- 新しい売り上げの柱の構築
- 新規顧客への認知度向上
- 休眠顧客へのアプローチ
DtoCは新規の一般顧客の獲得に加え、商品リリースのニュースをきっかけに新規顧客への宣伝効果を産むことが可能です。さらにそのニュースを休眠顧客へのアプローチとしても活用することができるのです。このように会社にとって多角的に大きな効果を挙げられる可能性を秘めています。だからこそDtoCを成功に導くためには、まず小さくても確実にスタートを切れることが重要です。そのためには多額のお金をかけずに費用対効果の高い施策を知っていることは成功への確率を大きく左右するのです。
それでは早速、DtoCの立ち上げ期を後押しする お金をかけないでDtoCのスタートを切りやすくする5つの施策についてお話ししていきたいと思います。
①クラウドファンディングを行う
DtoCブランドを立ち上げる際にぜひ活用して欲しい施策の1つはクラウドファウンディングです。最近ではかなり認知度が高くなってきたこのシステムですが、通常のネット通販やECサイトでの買い物とは大きく違う点があります。それは応援購入という点です。顧客はその消費が持つ、ビジョンやバックグラウンドに共感をし、応援の気持ちをこめて購入しています。どんなに高機能でも、どんなにデザインが良くても想いに共感できない商品は購入につながりません。またクラウドファンディングは、製造業にとって今まで行ってこなかった「一般顧客のファンを作る」という流れを経験することもできます。
②SNSを運用する
DtoCブランドの認知度を上げる施策としてSNSの運用は欠かせません。その理由として、企業間であればホームページだけでよかったかもしれません。しかし、購買層である一般顧客が閲覧しやすい媒体に常に新しい情報をリリースする必要があるからです。また常時更新するSNSを自社のホームページとリンクさせることによってWEB上での検索されやすい環境を作ることにもつながります。
③読みもの系コンテンツを制作する
読みもの系コンテンツを制作することは、一般顧客が継続的なファンになっていく効果があります。手段としては自社のホームページ内でブログのように更新することもできますが、もっと気軽に無料のnoteやTwitterなどの媒体を利用することもオススメです。
バックグラウンドやこだわりの裏話などを知ることで、読み手とブランドとの関係をより深いものにすることができるからです。またWEB広告などを検討中の場合も、こういったコンテンツがあることによって、興味本位の検索からファンになる流れを増やすこともできます。
④プレスリリースを打つ
プレスリリースを発行することは、社会的大きな意味を持ちます。先にも述べたようにブランドにはバックグラウンドやビジョンが必要です。その要素を会社としてリリースすることで大きな信頼感を生み出すことができるのです。
新規法人顧客の獲得、休眠既存顧客へのアプローチとしても十分に活用することが可能です。
⑤アンバサダー制度を企画する
DtoCブランドタジ上げ時期は、自社の発信力だけでは拡散できる数に限りがあります。そこで活用して欲しいのはインスタグラムなどに一定のフォロワー数を有するアカウントを持つ人物のアンバサダー制度です。アンバサダー制度はブランドカテゴリーに興味のあるフォロワーたちへ一気に情報を届けることができます。またアンバサダーと一緒にブランドを育てていく過程を、フォロワーたちが追いかけていけることも、ブランドの長期的なファンづくりにおいて魅力的なのです。
DtoCはお金をかけずに売り上げを作る
今回ご紹介した5つの施策は、どれも大きなお金をかけずにできるものばかりだったと思います。
これらの施策は、DtoCブランドの立ち上げを必ず後押しするものになります。ブランドの立ち上げ時には多くのマンパワーを必要です。だからこそ、少ない費用で最大の費用対効果を上げていきましょう。
コロナ時代のオンライン展示会フォローを考察!失敗しないためにやるべきこととは?
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、コロナ禍をきっかけに様変わりする展示会について取り上げます。
コロナ禍の影響で、展示会出展が制限され、オンラインへの切り替え/併用の動きが進みつつあります。まだまだ戸惑う声は多いですが、この1年試行錯誤され、オンライン配信も徐々に慣れてきた方が多いようです。
オンライン開催により場所の制約が外れたことで、「従来よりも集客できている」という声もちらほら聞こえます。特に、遠方から気軽に参加者できるメリットは大きいです。「Afterコロナでもオンライン展示会を継続してほしい」という声は大きくなりつつあるようです。一方、「リストだけは増えたけど、どうフォローしていいのかわからない」と悩む企業も多いという話を聞きます。
そこで本記事では、改めて展示会のフォローの方法をふりかえり、課題と改善ポイントをまとめたいと思います。
展示会フォローの課題
ではなぜ、「リストが増えているのに」企業は悩んでいるのでしょうか?それには大きく2つの理由が考えられます。
ひとつは、オンライン展示会では、メールアドレスや企業名だけのデータばかりがたくさん集まってしまい、肝心のニーズが拾えないことです。リアルで出展する企業が減り、仮にブースを構えたとしてもパネル展示が多く、展示デモの機会が減っています。会場で実際に目で見る環境が失われたことで、製品サービスに対するリアルなニーズが獲得しにくくなっています。その結果、会話したこともない客のリストばかり集まってしまうのです。
もうひとつは、イベント後のフォロー体制が組織的に整備されていないことです。これは従来からの課題でしたが、顔の見えない相手が増えたことにより、問題がより大きくなったといえます。
展示会フォローでやるべきこと
ここでは、一般的な企業が実施している展示会フォローを紹介し、活用にあたって注意すべきポイントをお伝えします。
見積もり・問い合わせ対応
展示会では、ブースで興味をもった来場者からサンプルや見積書の依頼を受ける機会がたくさんあります。当然の話ですが、依頼されたサンプル・見積書の送付などは速やかに行うべきです。そして、これはどの企業でも行っていることですが、withコロナ時代ならではの注意点があります。
それは、対面コミュニケーションが制限されていることです。従来ならば、営業がサンプルを直接持参し、お客様からニーズをヒアリングし、関係構築を図ることができていました。しかし、今は直接訪問が難しくなっているため、顧客との接点がとりにくい状況です。
こういうとき、オンライン商談の活用を積極的に行いたいところです。ただ、サンプルを届けるという名目がたたないこともあり、展示会が終わって熱も冷めた状態でアポイントを取ってもうまくいかないかもしれません。
こういう場合は、できるだけ前もって組織的に準備しておくといいでしょう。そうすることで、例えば担当営業でなくても、対応者が依頼時にオンライン商談の予約を促すことも可能です。タイムリーなフォローにつながるでしょう。
お礼メールの送付
展示会終了後に、来場者へのお礼を実施している企業は多いです。対応の早い企業だと会期後翌日には送付されます。このメール送付の際、注意したいポイントが2つあります。それはタイミングとコンテンツです。
まず、タイミング。できるだけ早い方がよいのですが、問題はどうやって早くリスト化するかです。通常、外部業者に依頼すると時間がかかることが多いです。来場規模にもよりますが、会期中に社内で電子化する方法を考えておくことをおすすめします。今は、スマホで写真をとって管理できるツールも豊富にあります。無料でcsvにダウンロードし、ハウスリストにすぐ移植できるものもあるので便利です。
メールのコンテンツも重要です。情報を詰め込み過ぎず、シンプルに伝えるのがいいでしょう。単なる挨拶メールや売り込みだけの内容は避けた方がよいです。来場者の目的は情報収集なので、会場のナマの声を提供すると喜ばれます。とはいえスピード重視なので、制作に時間をかけられません。会期前に大枠の内容を決めておき、会場情報は部分的に使えばよいでしょう。
展示会特設サイト
出展内容の関連資料や動画をコンテンツにしてWEB上に特設サイトを設ける企業もここ最近増えています。カタログやリーフレットをダウンロードできるようにし、行動履歴をもとにフォローしている企業もあります。
このとき気を付けたいのは、来場者の流入経路です。流入経路は、オンラインとオフラインの2パターンあります。配布チラシなどの紙媒体は足跡が追いにくいため、QRコードやサイトのURL、検索キーワードを併記しておくといいでしょう。ただ、個人情報の獲得のために、過度に登録を促すと敬遠されるのでバランスには注意したいものです。
マイページなど会員サイトを活用して、顧客限定の情報を発信するのもよい方法です。マイページというと、コストがかかるイメージがありますが、現在はワードプレスのプラグインや、クラウドサービス活用で予算がなくても設置できます。コンテンツ制作リソースがなければ、顧客限定で見せている営業用の情報をデジタル化する手も有効です。
展示会フォローにおける注意点
従来のリアル会場での展示会の場合、来場者との接点は会話が中心でした。一方、オンライン展示会では、来場者のWEBサイト上の行動を閲覧履歴から追うことになります。
そのため、オンライン展示会を行う場合、従来以上に組織的行動とルール決めが重要になります。これは、リアルと併用する場合も同様。会場のリアルとネット上において、どういう行動をとる顧客を誰が・どうフォローするかを事前に決めておく必要があります。
そうすることで、担当営業でなくてもあらかじめ決めたルールをもとに、適確かつ迅速な営業フォローが可能になるのです。
一番重要なのは継続すること
展示会の目的は、「新規見込み客」を増やし、売上を拡大させることにあります。普段会えない見込み客にアプローチする場として、展示会はとても有効です。しかしながら、展示会の開催時期と顧客のニーズが発生する時期が一致するとは限りません。漠然とした興味はあったとしても、それが購買行動につながることはむしろ少ないといえるでしょう。
それにもかかわらず、一度話を聞いて、具体的なニーズが聞けないとその場で終わってしまう企業が多いようです。営業担当者からみると、いつ実需が期待できるのかわからない顧客をフォローするよりも、足元の需要が見えている顕在客に目が向いてしまうのは当然の話でしょう。しかしそこで接点が切れてしまうと、顧客のニーズが顕在化した際に気が付かず、せっかくの機会がムダになってしまいます。
だからこそ、一度つないだ接点を切らさずに、関係性を維持することが重要なのです。新製品の情報やお役立ち情報をデジタルの手段を使って発信し続けることで、ゆるく関係性を維持できます。できるだけ、顧客の関心テーマに沿ったパーソナライズコンテンツを発信しておくといいでしょう。そうすることで「顧客がその気になった」ときにタイムリーな提案ができるようになります。
まとめ
コロナ時代で展示会でもオンライン開催の動きが進んでいます。場所の制約が外れたことで利便性が増し、集客に寄与している一方、リアルなニーズの把握が難しい顔の見えない来場者が増えています。
こうした環境の変化を踏まえ、来場者へのフォローのやり方もデジタル接客をうまく活用することが求められます。フォローの手段としては、問い合わせ対応やお礼メール、フォロー用の特設サイトなどがあります。どれも基本的には従来のリアル展示会でも実施してきたことですが、従来に比べ、より組織的かつルール化されたフォロー施策が必要になっています。
展示会開催は手段であり、目的は営業活動の起点となる新しい接点の創出です。つながりを維持するための継続コミュニケーションがなにより重要になります。
テクノポートはこうしたデジタルコミュニケーション施策に関する様々なサポート活動を行っています。ぜひご相談ください。
製造業におけるAIの導入目的
製造業×AIをテーマとした連載の第5回は、前回の「製造業におけるAIの利用率と課題」に続き、AI白書2020の「企業におけるAI利用動向アンケート調査」から、製造業におけるAIの導入目的などに触れてていきたいと思います。
AI白書2020と注意点
本記事に掲載しているAI白書2020の調査内容について、「製造業におけるAIの利用率と課題」内に記載していますのでご確認ください。
調査結果について気を付けなければないないのが、調査対象期間が2019年であることです。
本のタイトルがAI白書2020であるため、2020年のデータであると勘違いしやすいですが、調査結果はあくまで2019年のものです。
そのため、新型コロナウイルスの影響を受けていないこと、約2年前のデータであることを気を付けなければなりません。AIの利活用は現在進行形で進んでおり、新型コロナウイルスの影響でAI含むDXが急速に進んだことから、現時点はAIはより企業にとって身近になっていると予想できます。
また、もう1つの注意点が、調査対象に小規模企業が含まれておらず、大企業の回答が多いことです。製造業は99%が中小企業であることから、こちらのデータは大企業中心の結果であることに気を付けなければなりません。
企業におけるAIの利用率
調査に回答した525社の、AIの利用率の結果が下記のグラフになります。
調査に回答した525社のうち、4.2%が「既に導入している」、4.8%が「現在実証実験(PoC)を行っている」、1.1%が「過去に検討・導入または実証実験(PoC)を行ったが現在は取り組んでいない」となっています。
AIの導入・検討に取り組んでいる会社は全体の約10%と、調査された2019年時点では低い結果となっています。
AI導入の効果
AIを「既に導入している」企業に、AI導入の効果を尋ねた結果が下記のグラフになります。
回答数が22社と少ないですが、3割程度が「期待通りの効果が出た」と満足されている一方で、9.1%が「どちらともいえない」、4.5%が「期待外れ」と回答されています。
2019年時点でAIを導入している企業の多くは、AIの第3次ブームの初期で導入されていると考えられ、まだまだ世の中にAIをビジネスとして活用するノウハウがない中で導入したことが、満足度が低い理由であると考えられます。また、AIを提供しているベンダー側にもまだまだノウハウが少なく、満足度が高くなかったのではと考えました。
4割以上の方が「導入したばかりのためまだ効果がわらない」と回答されており、こちらの結果がわかるAI白書2022が楽しみですね。
AIの導入目的(導入段階別)
AIを「既に導入している」、「現在実証実験(PoC)を行っている」、「検討/関心あり」と回答した企業に対して、AIの導入目的を尋ねた結果が下記のグラフになります。こちら複数回答ありの内容となっています。
「業務効率化による業務負担の軽減」が、すべてのグループで1位となっており、関心が高いことがわかります。AIの活用事例に関するニュースも、業務効率化というキーワードはよく出てきますね。
検討中/関心ありの企業におけるAIの導入目的(製造業)
AI導入について検討中/関心ありと回答した企業の中から、製造業(プロセス製造業および加工組立製造業)のAI導入目的を抜粋した結果が下記のグラフになります。こちら複数回答ありの内容となっています。
製造業においても「業務効率化による業務負担の軽減」は高いですが、業界特有の回答として「ヒューマンエラーの低減・撲滅」と「生産性向上(自動化・機械化の推進」が高いことがわかります。
検討したい/関心があるAI技術(製造業)
AI導入について検討中/関心ありと回答した企業の中から、製造業(プロセス製造業および加工組立製造業)の検討したい/関心があるAI技術を抜粋した結果が下記のグラフになります。こちら複数回答ありの内容となっています。
「ディープラーニング(深層学習)」と「データ分析技術」が高いですが、業界特有の回答として「画像認識(静止画処理)」、「画像認識(動画処理)」、「診断技術(異常、故障予知など)」が高いことがわかります。
AI検討中/関心ありの企業における将来的な導入時期
AI導入について検討中/関心ありと回答した企業に対して、将来的のAI導入時期を尋ねた結果が下記のグラフになります。
未定と回答した企業が6割と多いため、導入企業数が大きく増加することは、数年は起こらないかもしれませんね。
1年以内(202年中旬頃まで)、2年以内(2021年頃まで)と回答した企業は約2割で、この結果がAI白書2022で確認できますので、今から楽しみですね。
まとめ
2019年時点では、AI導入で「期待通りの効果が出た」と満足されている企業は少ないことがわかりました。
「導入したばかりのためまだ効果がわらない」と回答している企業も多く、AI導入は現在進行形で進んでいるため、AI白書2022では2019年とは違った結果が確認できそうで楽しみです。
製造業(プロセス製造業および加工組立製造業)のAI導入目的としては、「業務効率化による業務負担の軽減」、「ヒューマンエラーの低減・撲滅」、「生産性向上(自動化・機械化の推進」が高いことがわかりました。
製造業(プロセス製造業および加工組立製造業)の検討したい/関心があるAI技術としては、「画像認識(静止画処理)」、「画像認識(動画処理)」、「診断技術(異常、故障予知など)」が高いことがわかりました。
製造業におけるチャットボット活用事例
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。今回は、製造業におけるチャットボット活用事例を紹介します。
チャットボットとは
チャットボットとは、チャット(Chat)とボット(Bot)を組み合わせた言葉です。テキストや音声で自動応答するプログラムで、製品やサービスの問い合わせページによく設置されています。チャットボットの中ではLINEチャットボットがよく知られており、見たことがある人も多いでしょう。Web上の問い合わせページを開いたときに、右下にチャットボックスが出てくる場合が多いです。
チャットボットでできること
カスタマーサポートに活用して人件費削減
カスタマーサポートの電話対応は、お客様一人に対して一人のオペレーターが対応をします。一方、チャットボットは自動応答プログラムなので、同時に多数のお客様に対応できます。複雑な問い合わせのみオペレーターが対応することで、人件費削減につながります。
お待たせ時間短縮
お客様が電話の順番待ちをすることなく問題を解決できるので、満足度が向上します。
カスタマーボイス、問い合わせデータ蓄積
チャットボットは製品に対するお客様からの感想や、問い合わせデータを蓄積できます。そのため、製品やサービスの改善点などを把握しやすいです。どのような製品やサービスがお客様に求められているかわかるので、次世代の製品やサービス開発に活かせます。
24時間対応で機会損失を減らす
休日や夜間もチャットボットは稼動できます。そのため、問い合わせからカタログやホワイトペーパーへと誘導でき、リード獲得につながり、機会損失を減らせます。
社内ナレッジの検索に活用し、業務効率化
大きな企業では、社内のシステムが複雑であったり、ナレッジが膨大で情報検索をするのに時間がかかったりします。チャットボットで情報を検索するようにすれば、手間を減らして業務効率化できます。
製造業のチャットボット活用事例
製造業のチャットボット活用事例とその特徴を紹介します。
デンソー
株式会社デンソーは自動車部品のメーカーです。連結でおよそ17万人の社員がいる大企業です。製品設計ツールをはじめとするさまざまな社内システムの問い合わせに素早く対応するため、チャットボットを導入しています。時差に関係なくいつでもチャットボットが応答するので、社員は素早く情報を手に入れられます。また、世界中の社員が同じ情報を得ることで、共通理解が得られるので生産性が上がります。グローバル大企業に適した事例といえるでしょう。
オムロン
オムロン株式会社はFA機器やヘルスケア製品のメーカーです。ヘルスケア製品のカスタマーサポートにチャットボットを活用。ページ右下にチャットボックスが配置されていて、問い合わせを受け付けています。 キーワードを入力すると、よくある質問を表示します。
三菱重工工作機械
三菱重工工作機械株式会社は、工作機械のメーカーです。加工機の問い合わせ対応にチャットボットを使っています。チャットボットの回答に対して、GOODボタン・BADボタンで評価をつけることができます。また、フィードバックコメントも送信可能となっており、チャットボットに対する顧客の声を集めやすい設計になっています。改善しやすく設計されているチャットボットといえるでしょう。
チャットボットの作り方/サービスの選び方
チャットボットをゼロから自社で作るには、コーディングなどの専門知識が必要で、時間がかかります。導入コストをおさえ、短期間でチャットボットをつくる方法と、ポイントを紹介します。
導入、運用をサポートする会社に依頼
チャットボットの導入、運用をサポートする会社があります。中には製造業に納品している会社も。こうした会社に依頼すれば、コーディングなど専門知識や技術がなくてもチャットボットを導入できるでしょう。
導入時のポイント
チャットボットで解決したい課題を明確にする
チャットボットで何を解決したいか決めておきます。問い合わせ対応のオペレーターの数を減らしたい、お客様のリード情報をもっと獲得したいなど、できるだけ具体的に考えましょう。
チャットシナリオ設計
チャットでどのように質問対応するのか決めます。例えばカスタマーサポートの場合、製品やサービスのキーワードや質問などを事前に集めて、データを整備していきます。
複数の社員で検証
正しく動作するのか確認します。チャットボットの回答は、質問に対して適切かどうか、誘導したページが正しいかなどを検証します。一人の社員だけでなく、複数名で検証しましょう。
運用開始
チャットボットの運用を開始します。外注する場合は、運用中の調整方法などを確認しておきましょう。
まとめ
チャットボットは業務効率化、人件費削減、そしてお客様満足度向上に貢献できます。すでに製造業で活用している事例もあり、今後も拡大していくでしょう。自社でチャットボットを開発できない場合、サポートする会社に依頼する方法もあるので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
製造業におけるAIの利用率と課題
製造業×AIをテーマとした連載の第4回は、製造業のお客様がAIをどの程度利用しているか、またどのような課題をもっているかまとめてみました。AI白書2020の「企業におけるAI利用動向アンケート調査」から、製造業の現状を把握していきたいと思います。
AI白書2020の調査概要
下記がAI白書2020の調査目的および調査概要です。
調査目的
この調査は、民間企業など(事業者団体などを含む。以下、「企業」という)のAIの活用実態と課題を把握することを目的としている。
調査対象
経済産業省の情報処理実態調査で調査対象になっている68業種の中から7,000事業者を調査対象として、質問表を郵送にて送付した。回答は郵送及びWEB受付を併用(回収率7.7%)
調査対象期間
2019年7月24日~2019年9月9日
調査件数
541件(信頼水準95%としたときにの標本誤差は±4.21%)
留意点
調査対象企業に小規模企業は含まれていない。また、日本の産業統計と比較すると回答企業には大企業が多い。
ライターコメント
調査結果について気を付けなければないないのが、調査対象期間が2019年であることです。本のタイトルがAI白書2020であるため、2020年のデータであると勘違いしやすいですが、調査結果はあくまで2019年のものです。
そのため、新型コロナウイルスの影響を受けていないこと、約2年前のデータであることを気を付けなければなりません。AIの利活用は現在進行形で進んでおり、新型コロナウイルスの影響でAI含むDXが急速に進んだことから、現時点はAIはより企業にとって身近になっていると予想できます。
また、もう1つの注意点が、調査対象に小規模企業が含まれておらず、大企業の回答が多いことです。製造業は99%が中小企業であることから、こちらのデータは大企業中心の結果であることに気を付けなければなりません。筆者が運営する「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」にて、中小企業のAI戦略を紹介していますので、ご興味がある方はご覧ください。
回答企業の属性
調査に回答した企業の属性を理解することが、データの結果を確認する上で重要であるため、簡単にまとめてみました。
業種
調査に回答した540社の業種の構成は、下記のグラフの割合になっています。
調査に回答した540社のうち、24.1%がプロセス製造業、22%が加工組立製造業で、全体の46.1%が製造業となっています。AI白書における業種について、プロセス製造業は「食品、繊維、印刷、化学など」、加工組立製造業は「金属加工、機械、自動車、コンピュータなど」とされています。
売上高規模
調査に回答した541社の売上の構成は、下記のグラフの割合になっています。
50億円未満の企業が28.5%で他のグループより多いものの、それ以外は比較的まんべんなくデータがとれていることが分かります。
従業員数規模
調査に回答した540社の従業員数の構成は、下記のグラフの割合になっています。
3,000人以下の企業については、比較的まんべんなくデータがとれていることが分かります。
企業におけるAIの利用率
AIの利用率の結果が下記のグラフになります。
どの業界も、「関心はあるがまだ特に予定がない(緑色)」が高いです。
製造業(プロセス製造業+加工組立製造業)のAI利用は、金融業より遅れており、流通業より進んでいることがわかります。プロセス製造業と加工組立製造業では、AI利用の進捗はほとんど違いがありません。
AIを導入/検討する上での課題
企業におけるAIの利用率にて「検討中/関心あり」と回答した企業において、AIを導入検討するに当たっての課題が下記となります。こちら複数回答の結果となっています。
AIのついての理解不足が1位で、経営者や社内関係者の理解が得られないなどの回答もあり、こちらについてはプロジェクトを進める上でのAIリテラシー向上が必要であることがわかります。また、導入効果に対する不安や費用も上位に入っており、期間・費用も大きくなるAIプロジェクトに対して不安を持っている方が多いことがわかります。
まとめ
製造業(プロセス製造業+加工組立製造業)のAI利用率は、他の業界と比較すると、金融業より遅れており、流通業より進んでいることがわかりました。
AI白書2020の調査は2019年時点のものなので、最新のデータでどのように変化しているかが気になります。今のところAI白書2021の出版予定が公開されていないため、おそらくAI白書2022(調査期間は2021年)でわかると思います。
また、AI導入の課題については、AIリテラシーの向上、AIプロジェクトに対する納得と周囲の同意が必要であることがわかりました。これらは、AI技術を提供する会社に求められる要素であり、契約先を決める指標の1つとなります。
製造業がアカウントベースドマーケティングに取り組むべき理由とは?
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、近年注目されつつあるアカウントベースドマーケティングについて取り上げます。
アカウントベースドマーケティング(ABM)とは?
アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、B2B(BtoB)企業における代表的なマーケティング戦略のひとつです。あらかじめターゲットとなる企業を定義し、各々の企業にあった最適なアプローチをかけるもので、日本では古くから浸透している手法といえます。
一方、Webマーケティングの世界では、比較的新しい考え方です。従来のWebマーケティングでは、企業というより個人単位でフォローするアプローチが主体でした。しかし近年、企業情報連携ツールの高度化で、ABMがWebマーケティングでも注目されるようになっています。
製造業が今、取り組むべき理由
それでは、なぜ今ABMが注目されているのでしょうか?果たしてABMは製造業で取り組むべき施策なのでしょうか?
AMBが注目を集めた背景には、Webマーケティング、特にマーケティングオートメーション(MA)ツール活用におけるビジネス案件化での課題があると考えられます。ここ数年、日本でもMAツールを導入し、Webサイトに誘致した見込み客をツール活用してフォローする企業が増えてきました。
一方、ツールを導入してみたものの、「何も変わってない」という話もよく聞きます。例えば、獲得したリードが営業側で放置されてしまったり、一度はアプローチするものの、その後のコミュニケーションが継続しなかったりするものです。Web上の顧客行動は追えても、デジタルからアナログに活動が移行してから顧客行動が可視化できなくなることもよくあります。
なぜ、Web上の見込み客は放置されてしまうのでしょうか?これはそもそもターゲッティングが営業視点になっていないことが大きな原因です。「どこの馬のホネかわからない」企業、担当者にもかかわらず、Webに頻繁にアクセスしているという理由だけで「ホットリード」となってしまうことがあります。顧客になりえたとしても、ECサイトでディストリビューター(卸売業者)がフォローするような小口案件や、実験用のトライアルのケースも多いです。当然、営業の食指が動きません。営業サイドの目には、効率的な刈り取りのための仕組みどころか、かえって非効率を助長しているように映るわけです。
これらの問題は、営業とマーケティングの溝のような問題と言われていますが、要は営業視点でフォローすべき顧客が定義されていないことで起きている問題ともいえます。つまり、あらかじめターゲットを営業視点で定義してフォローすれば解決できるのです。ABMはまさにその解決策となる手法だといえます。
ABMで検討すべきこと
ここでは、Webを活用したABMで検討しておきたいことを3ステップでご紹介します。
- Step1:ターゲットを定義する
- Step2:顧客データを名寄せする
- Step3:顧客の行動を管理する
Step1:ターゲットを定義する
ABMで初めにやるべきことは、自社でターゲットとしたい「企業」、「人」、「ステータス」の定義です。ここで重要なのは、「営業側と事前に意見整合しておく」ことです。
まず「企業」については、自社のセールス対象となる顧客がWebでフォローすべき対象としてよいと思いますが、営業の方針によっては、対面だけで充分なものもあるかもしれません。一般的には、営業のマンパワーが不足していて非対面のサポートを営業側が必要としているかどうかの観点で選出しておくとよいとされています。
次に、「人」について定義すべきこととは、どういう部門・役割にいる人なのかという点です。これは、自社製品・サービスの選定にどういう部門が関わるのか、決定権は誰がもっているのかの視点が必要になります。
最後の「ステータス」は、購買プロセスにおけるターゲットの現在の段階を指します。つまり、情報収集段階なのか比較検討中なのか、はたまたほぼ決定しているかを定義しておくといいでしょう。
Step2:顧客データを名寄せする
ターゲットを決めたら次に、自社の顧客データ(ハウスリスト)のデータをきれいにし、名寄せを行った後で、必要な情報を付与します。社内で保有している顧客データは、ユーザー自身がWebサイトで登録した情報や、古い名刺情報などが混在しています。そのため、表記ゆれやデータの抜けなどが激しいです。M&Aなどで社名が変更になっていることも多々あります。
データの問題はそれだけではありません。例えば、同一人物が重複して登録されていたり、会社や部門単位でひとつのアドレスを使っていたりする場合もあります。
顧客データが何千件、何万件と大量に存在する場合、それをマニュアルで解決するのに膨大な時間がかかってしまいます。情報は日々変わっていくので、一度だけ整理すればよい話ではなく、定期的に更新する必要があります。こうした作業を効率よく行うには、「名寄せツール」や外部の専門業者への委託が必要です。
なお、外部業者に委託する場合、顧客データのボリュームを考慮して依頼するといいでしょう。なぜなら、料金は『基本料金+データ件数×1件当たりの単価』で決まるからです。仮に1件あたりの単価が数円単位でも、データ件数が数万件になると費用がかさんでしまいます。
予算を抑えたい場合は、全部ではなく絞って依頼することをおすすめします。例えば、何年も前に登録されたままアクセス履歴が全くないデータは依頼対象から外すという選択もありです。
Step3:顧客の行動を管理する
顧客データが整備されたら、後は日々ユーザーのWeb行動をチェックし、管理します。ユーザーがどう行動すると「ホット」なのか、どの状態になったらアプローチするのか、事前の定義に沿って活動します。
こうしたユーザーフォローに関する定義は、事前に営業と整合しておく必要があります。ただし、単にフォローするかどうかを決めておくだけでは不十分です。BtoB製造業では、1回のアプローチで商談化するものは少なく、ビジネスが成立するまで、ある程度長い期間がかかります。そのため、営業に引き渡した後も、見込み客の足跡を共有できる仕組みづくりが必要です。営業が連絡後、どうなったかわからなくなると成果の可視化ができず、組織的なフォローが行えなくなるからです。
例えば、営業フォローの結果、まだ検討段階に入ってない客はFtoFでフォローするよりWeb 活用した方が効率的かもしれません。また、マーケティングとセールスの相互フォローも必要になってきます。
従来、マーケティング部隊が育成した見込み客を営業がフォローするという図式がありました。一方、実際の客側の行動としては、対面と非対面の両方から同時進行で情報収集しているケースが多いです。そのため相互でフォローし合うことがより成果につながるのです。
実際に、「誰が」「どう」フォローするかについては、ターゲットの優先度に合わせて、事前にチャネルと方法論を決めておいた方がいいでしょう。その上で、コンタクトした結果をWebマーケティング側と共有し情報管理しておくのがベストです。
コンテンツで気を付けるべきポイント
ここまでで、ABMで検討すべきことを3ステップでお伝えしました。ターゲットや顧客情報管理はABMを行う上で大切なことです。しかし、それ以上に重要な肝となることがあります。それはコンテンツです。
コンテンツが顧客目線で作られていない場合、ターゲットをWebサイトに誘致し、行動を促すことはできません。典型的な悪い例としてあげられるのが、単なる自社商品の紹介だけをうたったもの。既に取引があり、その製品をピンポイントで探している顧客にはよいですが、その製品の存在を知らない、興味もない相手にとって必要な情報にはなりえません。
では、ターゲットを行動に促すコンテンツとはどんなものでしょうか?一般的には、ターゲットが「いま」抱えている課題やニーズが自社製品・サービスで解決できるコンテンツが望ましいと言われています。その最強のコンテンツが「事例解決型コンテンツ」です。
ただし、ひとくちに「事例解決型」といっても、制作するのはそう簡単ではありません。というのは、こうしたWebマーケティングのターゲットにしたいのは、新しい業界や応用用途の開拓だったり、新製品の拡販だったりするので、そもそも事例がないことが多いのです。こういうときは、インセンティブを付けて、テストマーケティングに付き合ってくれる会社を探すところから始めるといいでしょう。あるいは、仮説のもとに架空の事例を作るという手段もあります。
ABMは中小企業に向いているのか?
ABMのメリットとして、セールスの効率化がありますが、一方で、コンテンツ制作や顧客管理に膨大なリソース・費用がかかるのも事実です。ターゲットが明確でない場合、かえって無駄なフォローが増えることになってしまいます。
では、リソースが少なく、予算がかけられない中小企業にWebを活用したABMは向いていないのでしょうか?もし、現在の営業部隊のリソースで、顧客フォローが十分ならば、導入しなくてもいいかもしれません。しかしながら、リソース不足で営業活動に課題を抱えている中小企業には、有効な手法です。
対面営業の場合、見込み客に24時間365日フォローすることはできませんので、いつ顧客が検討し始めるのか、あたりをつけてフォローすることになります。顧客との関係性が構築途上であったり、営業リソースが不足していると、顧客の検討タイミングにタイミングよくアプローチするのは難しいでしょう。一方、Webの場合、顧客が欲するコンテンツさえ仕込んであれば、顧客の情報収集タイミングに合わせて、アプローチできます。
また、Webを活用したABMは、特定のキーアカウント向けでなく、未開拓の業種全体を攻略することも可能です。プログラマティックABMという1対多のアプローチ手法が有効です。担当者一人でもテクノロジーの力で、数百数千のアカウントを自動的にターゲッティング、パーソナライズが可能になります。
まとめ
アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、あらかじめターゲットとなる企業を定義し、各々の企業に合った最適なアプローチをかけるものです。営業視点でフォローすべき顧客をあらかじめ定義しておくため、従来MAツールを活用したWebマーケティングの課題だった営業連携上の課題が改善されます。
Webを活用したABMでは、まずターゲットを定義し、顧客データを整備して連携に必要な情報を付与します。セールスに渡す見込み客については、「誰が」「どう」フォローするか、ターゲットの優先度に合わせて、チャネルと方法論を決めておくのがよい方法です。その上で、コンタクトした結果をWebマーケティング側と共有し顧客の行動を管理しておくのがおすすめです。
テクノポートは製造業の「デジタルマーケティング」を導入・定着化していくための支援を行っています。ぜひご相談ください。
情報発信が取材に繋がる ハタノ製作所の「広報」を聞く
テクノポートの菊地です。2020年からのコロナ禍を経て、情報発信に積極的に取り組む企業が増えています。その傾向は製造業でも高まっており、ブログやオウンドメディア、SNS、プレスリリースなど様々な手段が用いられています。情報発信の目的は会社や方法によって異なると思いますが、今回は私が「広報」の視点で情報発信に工夫されていると感じていた、「ハタノ製作所」の波田野さんにお話を伺いました。
広報ってどういうこと?という方は、こちらの記事がおすすめです。
ハタノ製作所について
引用:ハタノ製作所Webサイト
ハタノ製作所は、東京都大田区京浜島に拠点を構える2020年10月に創業したばかりの町工場です。TIG溶接を主とした金属加工をおこなっていますが、特筆すべきは従来の溶接工の枠組みに捉われない様々な分野での活動、コラボレーションではないでしょうか。
地域のメディアに留まらず、NHKの首都圏ネットワークや美術手帖など数多くのメディア露出を叶えています。
【主なメディア実績】
NHK総合 首都圏ネットワーク「町工場 若手職人の挑戦」
首都圏ニュース 生活情報
美術手帖 「町工場とクリエイターの協働から生まれる「遊具」とは? 大森のKOCAで「ラウンドテーブル2020」が開催」
「KOCA」Youtubeチャンネル
代表 波田野哲二さん
1986年東京都大田区生まれ。工業高校卒業後、一般企業で5年、大田区の溶接工場で10年勤続を経てハタノ製作所を創業。TIG溶接を主とした金属加工を行い製造業の仕事に加え、デザイナー・アーティスト向けに金属製品の少量受注生産及び工場見学&溶接体験の受け入れを行なっている。デザイナーユニットYOCHIYAと協働し、溶接の繊細さを活かしたプロダクト「SUS 50A」を開発。おおたオープンファクトリーをはじめとした大田観光協会の各種イベントに積極的に協力をしている。町工場の若手職人を集めたコミュニティを作り、自身が主催する「#町工場LT」で要素技術の魅力を伝える活動を行っている。キャッチコピーは「人を繋ぐ溶接工」。
Twitter:@hatano_work
伺ったお話を5つの項目でご紹介していきます!
①広報活動に取り組んだ背景
現代美術家 金子未弥さんとの協働作品 ガードレールを溶接している
ーメディアに取り上げてもらおう、とか広報活動しようと感じたきっかけを教えてください。
実は、「広報をしないと」とか「メディアで取り上げてもらうために何かしよう」という狙いで情報発信に取り組んでいたわけではなくて。もともとは広報しようとかってイメージではなかったんです。
ーそうだったんですね。 Twitterを使ってらっしゃると思うのですが、いつから使っていますか?
2018年ですね。創業するよりも前に、閉鎖的な町工場から他の会社さんがどんなことをやっているのかとかを情報収集するためにTwitterをはじめました。最初は大田区の町工場の人です、みたいな匿名アカウントでしたね。とはいえ見るだけだとつまらないので、アットカマタさんの「おおたオープンファクトリー」とかそういうイベントがありますよとか信頼性のある発信をしながら、他の工場の方はどういうふうに思ってるのかなというのを知りたくて少しずつ交流をしていったというのがはじめです。
もちろんものづくりのことを広く色んな方に知ってほしいという気持ちもありますし、情報発信しないといけないとは思っています。
ー情報収集やコミュニケーションの手段としてTwitterを使っていたんですね。
そうですね。その時はまだ、独立する前だったというのもあって自分の会社の宣伝がしたいというよりは、個人として他の人のお話を聞きたいとか、どんなことをやっているか知りたいという感じでした。
ー先ほどの「広く知って欲しい」というのは製造業の人に限らずですか?
はい。製造業の方向けではなくて一般の方とかクリエイターの方とかに溶接やものづくりについて何か気付いてもらえるような発信の仕方をするように心がけてます。そういう意味では差別化しながら発信しているっていうんですかね。他の人がしないことをやるっていうのがあるので、それがうまくメディアの方々の目に留っているんじゃないかなと思ってます。
ー広報的ですね!波田野さんの投稿ってあまり宣伝ぽさがないですよね。製造業の方同士で専門的な話題で盛り上がったりするのはよく見かけますが、一般の人に知って欲しいというのはなにかきっかけがありましたか?
創業前になるんですけど、おおたオープンファクトリーというイベントに参加して工場見学で一般の方を受け入れたんですね。閉鎖的な町工場が当たり前だと思っていたんですけど、地域の方とか街づくりを学んでいる大学生とか、本当に色んな方が来てくれたんです。その時に僕が溶接しているのを見てた小さい男の子が「お兄さんかっこいい」って言ってくれたのがすごく嬉しくて。もっといろんな人に溶接に限らないんですけど、町工場の人や技術を知って欲しいと思ったんです。
②取材獲得のための工夫
ーいろんな人に知ってもらうためにメディア露出は良い手段だと思います。NHKなど取材を受けてこられてますが、「僕こういうことやってるんですけど、取材しませんか!」とかって連絡したりしてるんですか?
それが全部受け身で…。メディアの方からお声掛けいただいて、という感じですね。
ーうらやましい…。先ほどおっしゃっていた「広く知って欲しい」という情報発信の仕方が広報の要素なので、きっとそれが目に留まるんですね。
別に僕は世界一溶接がうまいわけではないので、その溶接工がどう生き残っていくかと考えたときに、他の人がやらない領域に手を伸ばしていくことと、相見積もりとかで同じ金額とクオリティの時に波田野にやって欲しいよねと思ってもらえるようにならないといけないとずっと思っていて。情報発信していたこととか、クリエイターさんとのものづくりとか色々取り組んできたことが見つけてもらえたり、KOCA(大田区のインキュベーション施設)のインタビューに喜んで出してもらったりとか。
ー差別化、とも言えますね。
あと、町工場さんってお客様の製品を扱っているので機密情報があったり、そもそもテレビとか出たくないと思っていたりする方もいると思うので断っちゃったりするかもしれないですよね。その点、僕は情報発信をするべきだと思ってますし、今のところ機密に触れるものもないので来ていただいた時に見せられるような準備はしてありますね。心構えと言いますか。これからはプレスリリースを書いたりもしていきたいので、勉強しているところです。
③取材やメディア露出で困ったこと
ーときどき、自分の発言が意図しない方向性で取り上げられてしまった、という話を耳にすることもあるのですが、取材を受けたことで困ったり嫌な思いをしたことってありますか?
全然ないんですよ。「幸せ!ボンビーガール」でクレープ食べてたっていじられるとか?笑
すごく皆さん私の気持ちを汲み取ってくれて、丁寧に報道してくれました。放送前も、どういう意図でその発言をしたかを誤解されないように何度も確認してくれたり。やろうとしていること自体がちょっと変わっていることというのもありますし、町工場が衰退しているとかネガティブな業界のイメージがある中で、何かやろうとしている人と取材していただいているので、最終的な着地点が明るい方向になっていて、そこに助けられている部分はあると思います。
④メディア露出をしてよかったこと
SUS 50A: 溶接の技術とビート(溶接跡)の色目の美しさを活かしたステンレス茶筒
ーTVやWebメディアに出てよかったこととか、反響も教えてください。
結構色々あって、まず、妻のご両親がNHK見てくれたんですけどすっごい喜んでくれました。あとは加工をお願いしている町工場の会長の奥様からも「NHK見ましたよ」って言っていただいたりとか。
ーいいですね。嬉しい。
NHKで取材していただいた時は社名とかは出なかったんですけど、名前で検索してくれたみたいで、直接の問い合わせが多かったですね。あと、メディア露出ではないんですけど「波田野さんいつもTwitter見てます!」って言われて驚いたらある企業の「中の人」でした。いや、ありがたいですね。
⑤今後のハタノ製作所
ーこれから出演したいメディアや取り組んでいきたいことはありますか?
そうですね…、一般の人向けに製造業や金属加工で新しく取り組んでいることを取り上げてもらえると嬉しいです。そもそも製造業を盛り上げないといけないし、素晴らしいと思っているイベントの紹介したり、イベントがなくても技術は伝えられるのでそういうのを発信したりはこれからもしていきたいですね。
広報のテーマで言うと、僕は「日本一話しかけやすい町工場の職人」を目指しているので声かけていただければ基本的には断らないようにと思っていたんですよ。ただ、一緒にステンレス茶筒に取り組んでいるクリエイターの方が、世界観とかブランディングとか含めてゆくゆくは世界に届けたいねと企画してくれていて、そういうことも考えると出す部分は選ばないといけないと改めて思いました。
WBSのディレクターの方が書いた本に、例えばバラエティとかに出てしまうと経済番組には呼ばれなくなってしまうと言うようなことが書かれていたのもありますね。Twitterの見せ方も気をつけているんですけど、メディアに出る時も同じようにブランディングとか考えていきたいです。
まとめ
今回は、広報や情報発信についてハタノ製作所の波田野さんにお話を伺いました。他の人がどう考えているか知りたい・情報収集がしたいというスタートや、製造業に関わる人に限らず広くたくさんの人に町工場のことを知って欲しいという気持ちは、PR(パブリックリレーション)そのものでした。製造業への考えやTwitterへの姿勢から趣味など、書ききれないほどたくさんのお話をお聞きしたので、また別の機会にお伝えできたらと思います。
波田野さん、ご協力いただきありがとうございました。
複数のSNSを掛け合わせたコンテンツマーケティング
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。
SNSを用いたマーケティングに注目が集まっており、導入を検討する企業が増えています。SNS運用は自社にも効果があるのか、どのSNSが自社に合っているのかを判断するのは簡単ではありません。
この記事では、各SNSの特徴に触れ、複数のSNSを掛け合わせたマーケティングにはどのようなメリット、デメリットがあるのかを解説します。
SNSとは
SNSはソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略称です。それぞれのSNSサービスにアカウントを登録した人同士が、ネットワーク上でコミュニケーションを取れるようになります。代表的なSNSとしては、TwitterやFacebook、Instagramなどです。
近年は、自社の認知度向上や顧客と直接コミュニケーションを取ることを目的として、製造業でもSNSのアカウントを作成し、積極的に取り組む企業が増えています。
主要なSNSごとのマーケティング戦略
主要なSNSについて、それぞれの特徴やマーケティング戦略を解説します。
Twitterは、匿名で活動するアカウントが多いのが特徴です。実際に利用しているアクティブユーザー数は、今回紹介するSNSの中でもっとも多いと言われています。また、リツイートやタグ付けなど、拡散力が大きい機能を備えているのも特徴の一つです。
企業での運用は、企業アカウントを作成して活動するイメージがあるかもしれません。しかしTwitterでは近年、企業アカウントよりも社員がそれぞれの実名アカウントで活動をすることが、マーケティングに効果的とされています。
具体的な投稿内容としては、企業っぽさが残る固い投稿になりすぎないように、日常生活におけるネタなどを交えながら、適度なゆるさがあるほうがよい反応を得られる傾向があります。
近年では、フリートやスペースなどの新機能が拡充され、今後はこれらの機能を上手く活用した活動が広がっていくと考えられています。
Facebookは、検索結果やおすすめに表示される際のアルゴリズム変更が頻繁に行われています。近年は、積極的に活動をしている一部のアカウントを除き、認知度を広げるために必要なおすすめに、企業アカウントは表示されにくくなっています。
以前は積極的にビジネス利用されていたため、個人事業主、経営者、中小企業の役職者などのアカウントは多くありました。その年齢層は比較的高めの傾向があります。
ほかのSNSにはない機能として、特定のメンバーで構成するFacebookグループを構築できる点は特徴的です。この機能を活用することで、目的や業種ごとに、地域の枠を超えた交流を生み出せます。また、広告出稿については他のSNSに比べて精度が高いため、狙い通りの効果が得られる傾向があります。
Instagramは、若年層や女性の個人ユーザーが多く、さまざまな企業から注目されているSNSです。ショッピング機能なども充実しているため、特にBtoCやDtoCの企業に多く活用されています。
画像や動画を中心とした交流を行うSNSなので、製造業ならではのコンテンツをうまく活用できれば、効果的なマーケティングにつながる可能性があります。また、クラウドファンディングや自社製品のアピールなどで活用しやすい点が特徴的です。
SNSを掛け合わせるメリット
複数のSNSを掛け合わせることで、大きな効果を得られる可能性があります。SNSを掛け合わせるメリットを確認しましょう。
相乗効果が得られる
複数のSNSを上手く活用することで、幅広い客層にアプローチが可能です。
コンテンツマーケティングと複数のSNSを掛け合わせる場合を考えます。コンテンツマーケティングでは、質の高いコンテンツを用意する必要がありますが、それを潜在顧客に届けるのは、SEOの活用をメインとする場合、少し時間がかかります。
複数のSNSを上手く活用することでネットワークを構築できれば、質の高いコンテンツをSEOよりも短時間で効率よく、多くの人の目に触れさせることが可能です。
幅広い層を集客できる
ここまで紹介してきたように、各SNSでは、利用しているユーザーや企業の層が異なります。複数のSNSを上手く活用することで、コミュニケーションが取れなかった層にも、アプローチができるようになります。
幅広い潜在顧客層を集客できるようになるため、SNSを複数運用することがビジネスの拡大につながる可能性があります。
SNSを掛け合わせるデメリット
SNSを掛け合わせることには大きなメリットがありますが、デメリットもあります。
運用コスト
各SNSプラットフォームは、それぞれの持つ特徴が大きく異なるため、投稿するコンテンツを使いまわすと逆効果になってしまう可能性があります。
同じネタでも、各SNSの特徴に合わせた見せ方や切り口にカスタマイズできれば問題ないですが、それには手間がかかります。本格的に取り組もうとすると、複数の人材が必要になり、かなりの人件費が必要です。
また、SNSを運用する目的や効果の評価方法について、明確に定めないまま運用を開始しているケースもあります。投入したコストに対する成果を評価しにくい点はデメリットの一つです。
SNS運用の仕組みの作り方
SNS運用の仕組みをどう作るか?という点も、SNSを活用する上で難しい課題です。
仮にルールを決めても、SNS側で頻繁にアルゴリズムの変化や新機能が追加されることで、ルールが当てはまらなくなるケースが多くあります。また、社内にSNSマーケティングを理解している人が少ないと、運用の目的が数値として分かりやすい「フォロワー数の増加」などになってしまい、業績に対する成果が得られない可能性もあります。
成果につながらないだけならまだしも、悪影響を与えたり炎上の火種になったりするアカウントになると、大きなリスクとなるでしょう。しかし、これを避けるような仕組みづくりは簡単ではありません。
成功事例やノウハウが少ない
BtoC向けや個人事業主向けのSNSマーケティングノウハウは豊富にありますが、BtoB向けのSNSマーケティングノウハウはあまり知られておらず、特に製造業の事例はほとんどありません。
本来であれば、導入当初はお手本を見つけ、上手く参考にしながら取り組んでいくのが一般的です。しかし、参考事例がないため、それぞれの目的に応じて手探りで運用をしていく必要があります。
まとめ
複数のSNSをうまく活用することで、多くの潜在顧客にアプローチできる可能性があります。それぞれのSNSが持つ特徴に合わせた振る舞いやコンテンツ作りをすることで、反響を得られやすくなるため、同じネタでもSNSに合わせたカスタマイズが必要です。複数のSNSを運用することと、コンテンツマーケティングの相性はよく、SNSはコンテンツを広めるための有効な集客手段となり得ます。
一方で、複数のSNSを運用することにはデメリットもあり、運用コストと得られる成果の関係や運用の仕組みづくりは、導入のハードルとなる場合があります。SNS運用を始める場合は、目的や効果測定の方法をきちんと定めることが重要です。
B2B製造業は活用すべき?Google広告のススメ
マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、Web広告と、その代表選手でもある「Google広告」について取り上げます。
昨今、どんな企業でもWebサイトを活用した見込み客の獲得に力を入れています。リレーションのある少数の顧客に対してのルート営業を主軸としていたB2B製造業でも例外ではありません。コロナ禍で非対面の営業スタイルが浸透したことや、環境の変化に備えて新しい市場、顧客を開拓する必要性が出たことで、
「自社製品をWEBサイトで紹介し、新たな見込み客を集めたい」
としてデジタルマーケティングの体制強化を図る企業も多いようです。実際、ウェビナーや動画コンテンツの活用を増やしたり、自社ブログやオウンドメディアを立ち上げたりするB2B企業がこの1-2年で一気に加速しています。
見込み客が集まらない
「未知の見込み客」へのアプローチは容易ではありません。新しいデジタルコンテンツが日々量産され、世の中にあふれている中、潜在顧客に気づいてもらうのは難しいでしょう。見込み客が集まらないと悩んでいる企業は多く、特に中小企業では顕著になっています。
中小企業の場合、もともとコンテンツマーケティングや広告宣伝にかけられる予算が少なく、専任の担当者がいないケースも珍しくありません。限られた予算の中でメディア広告を実施しても効果が得られない、効果が見えないことが多々あります。
今回は、限られたリソース・予算しかない中小企業でも有効なオンラインで未知の見込み客に働きかける方法について言及したいと思います。
未知の顧客に働きかける方法
オンラインで未知の見込み客に働きかける方法は、大きく2種類あります。ひとつはSEO対策、もうひとつはWeb広告です。
SEO対策
SEO対策は、ネット検索経由で情報収集をする未知の顧客にアプローチする方法です。ターゲットユーザは、「検索キーワード」にちなんだテーマに関心があって、情報収集しています。彼らが検索するキーワードからニーズを読み取って、そのニーズに即したコンテンツを提供することで、興味関心のあるユーザをサイトに誘導します。
この方法はニーズが顕在化したユーザの獲得に有効です。しかし、自社サイトが検索エンジンの上位に表示されなければ、多くののユーザを集客できません。サイト立上げから効果をあげるまでに時間がかかるのが難点です。また、Googleアルゴリズムの理解など専門知見が必要になります。
Web広告
一方、Web広告は、ネット上の各種媒体に広告を出稿するものです。広告媒体として、出版社が提供するオンラインメディアや、Google、Yahooなどの検索エンジン、Facebook、TwitterなどのSNSなどがあります。
かつては、B2B製造業の場合、専門メディアへのバナー広告やPR記事が主流でした。しかし、ここ数年、GoogleやYahooが提供する広告出稿サービスやSNS広告の普及が進んでいます。クリック課金型で費用対効果が見えやすく、少額予算でも始められるのが特徴です。
従来、こうしたクリック課金型の広告は、広告代理店、運用代行業者が行うことが一般的でした。しかし、最近ではAIの高度化などで専門知識がなくてもツールを使えるようになったため、企業の担当者が社内で運用するケースが増えています。
今回取り上げるGoogle広告も、代表的な広告出稿サービスのひとつです。
Google広告とは?
Google広告は、Googleが提供するサービスです。Google AdSenseというサイト運営者向けの広告配信サービスから、広告を世界中のWebサイトに表示させることができます。クリック課金型の広告で、リンクのクリックによって費用が発生します。
Google広告の費用はオークション形式で決まります。そのため、競合と広告の品質で掲載の優先度が変わります。広告は全部で5種類。検索連動型広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告、動画広告、アプリ広告です。
B2B製造業で主に使われる広告は以下の3種類です。
- 検索連動型広告(リスティング広告)
- ディスプレイ広告
- 動画広告
それぞれ、簡単に紹介します。
検索連動型広告(リスティング広告)
検索エンジンでユーザが検索するキーワードに関連する広告を検索結果の画面に表示するものです。広告は、検索窓のすぐ下か一番下に掲載されます。
能動的に情報収集しているユーザに対して表示されるので、目的やニーズが顕在化したターゲット層へのアプローチに適しています。また、ターゲットをさらに絞り込むことも可能です。地域や曜日、時間帯、ターゲットの興味関心などで絞り込みできます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)と呼ばれています。Googleと提携するWebサイトやアプリに配信される広告のことです。提携サイトのバナー枠で配信されます。静止画像、動画、テキスト形式で配信できます。
Google提携サイトは非常に多く、広い範囲のユーザに訴求できます。漠然としたニーズをもつ潜在層へのアプローチにも有効です。非常に詳細なターゲット設定が可能で、地域、年齢、性別はもちろん、家族構成や世帯年収、興味関心分野、購買意欲の高さ、サイトの閲覧履歴などから細かく指定できます。一度自社サイトに来訪したユーザに対してリマーケティングできるのもディスプレイ広告の特長です。
動画広告
YouTubeに掲載される広告です。「インストリーム」「ディスカバリー」「バンパー」「アウトストリーム」「マストヘッド」の5タイプあり、掲載場所や時間、課金方式が異なります。
YouTube広告は広告の目的によって配信すべきタイプが異なります。ブランディングや認知度アップに向いているのは、動画の中で再生されるインストリーム広告やバンパー広告です。一方、商品の比較検討や購買促進には、YouTube内の検索結果や関連動画の横に表示されるディスカバリー広告が向いています。
Google広告の活用事例
具体的にどんな広告が出稿されているのか、活用事例を紹介します。
B2B製造業におけるキーワードは、業界特化の用語が多く、基本、一般の個人が検索することはほとんどありません。そのワードで検索されている時点で、ほぼ関係者による情報収集ということになります。それが見込み客の可能性も高いです。つまり、その検索ワードに対して検索連動型広告を出稿することで、具体的に情報収集している顕在化した「未知の見込み客」に効率よくアプローチできます。
例えば、「協働ロボット」というキーワードで検索すると、以下のようにロボットメーカーや、部品メーカーの広告が上位にズラリと並びます。
検索連動型広告でも競合が多いキーワードだと、自社の広告を上位に表示させるために工夫が必要となります。Google広告はオークション形式ですが、単に入札単価をあげれば広告が上位に表示されるわけではありません。検索キーワードと広告文がどれだけ関連性が高いかや、リンク先のランディングページの利用のしやすさ、広告文との親和性なども影響します。
どのキーワードで広告を出稿するかは、Googleが提供している「キーワードプランナー」というツールで調査してから決めるといいでしょう。検索ボリュームや入札単価の範囲、競合がどれだけ多いかなどを調べることができます。
まとめ
Webサイトで未知の見込み客を集める方法として、Web広告は有効な手段です。Google広告は代表的なWeb広告のひとつです。広告は全部で5種類ありますが、B2Bでは、検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告がよく使われます。
中でも、少額から始められて、ニーズが顕在化した情報収集中の顧客に有効な広告が検索連動型広告です。B2B製造業におけるキーワードは、見込み客による可能性が高いので、効率よくアプローチできます。
Google広告はオークション形式ですが、単に入札単価をあげても広告が上位に表示されるわけではありません。検索キーワードと広告文、ランディングページとの親和性や使い勝手が影響します。ターゲットのニーズに寄り添った質の高いコンテンツが必要です。
テクノポートは製造業の現場経験・工業知識をもつ技術ライターがコンテンツの執筆を対応いたします。ぜひご相談ください。
noteを用いた企業の宣伝活動のやり方
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。noteはBtoB製造業のコンテンツマーケティングのプラットフォームとして活用できます。noteはSNSとも連携可能なサービスなので拡散効果が高く、これまでのマーケティングではリーチできなかった顧客とつながることが期待できるでしょう。今回は、BtoB製造業が、noteを新しいマーケティングツールとして活用する方法を紹介します。
noteとは
noteは2014年にサービスを開始したコンテンツ配信用のプラットフォームです。個人のクリエイターが多く使っていますが、企業アカウントも増えてきています。企業アカウントでは、事業紹介、商品説明、技術解説など掲載されているコンテンツ内容はさまざまです。
noteが注目される理由
ユーザー数の観点
noteの会員数は260万人、法人アカウントは1,600件あります。また、月間アクティブユーザー(MAU : Monthly Active Users)は6,300万人です。法人の総投稿数は1.8万件です。非常に多くのユーザーがいて活発です。
※いずれも2020年6月時点
他のSNSとの関係性
noteはTwitterやFacebookなどのSNSと連携できます。noteの記事にTwitterやFacebookのアイコンが表示されるので、記事を読んでくれた人が簡単にアクセスできます。また、noteの記事をTwitterやFacebookに共有することも可能です。誰かが自社noteの記事をTwitterでシェアすると、noteの記事へのリンクと、自社Twitterのアカウントがツイートされます。
ユーザーの集客
ユーザーを集めるためには導線が重要です。どんなによいコンテンツであっても届かなければば意味がありません。SNSのTwitterやFacebookは拡散効果が大きいので、連携することで重要な導線となります。また、noteの記事はカテゴリやハッシュタグで検索可能です。noteにはテクノロジーカテゴリーがあり、製造業、IT、ヘルスケアなどの技術紹介記事や取材記事などがあります。発信者は、同じ興味を持っている人にコンテンツを届けることも可能です。
「製造業」とか「工場」などのハッシュタグをつけることで、製造業に興味のある人に記事を届けやすくなります。すでに多数の記事が投稿されていて、例えば、「製造業」タグは1,546件、「工場」タグは963件の記事があります。
※いずれも2021年5月時点
オウンドメディアとして活用
noteは文章、音声、写真、動画などのコンテンツを投稿可能なので、企業はオウンドメディアとして活用できます。自社でオウンドメディアを準備するには、費用、工数が必要ですが、noteを使えば簡単に始められるでしょう。例えば、型抜き加工専門の工場である「有限会社精工パッキング」は型の説明などを投稿しています。また、パイプ曲げ、板金加工の「武州工業株式会社」は、自社サービスの説明、サービス適用効果などを記事にしています。
noteの宣伝活動の始め方
note登録方法
noteトップページの右上の「新規登録」からアカウント登録ができます。メールアドレスまたは、TwitterやFacebookのアカウントを使って登録可能です。
アカウントを設定する
メールアドレス登録の場合、ニックネーム、ID、メールアドレス、パスワードを入力しましょう。利用規約を確認して同意してから仮登録します。仮登録完了後、登録メールアドレス宛に、案内が送信され、本登録が完了します。
目的とターゲットを決める
noteを活用したマーケティングでは、記事の目的とターゲットを決めることが重要です。
記事の目的とターゲットの例
- 採用を目的、ターゲットは学生
製造業の魅力を伝える記事や、仕事内容、仕事の様子を書いて興味を引きつけましょう。 - 自社製品の宣伝を目的、ターゲットはベンダーの購買担当者
部品メーカーなどの場合、他社より安くて品質のよい製品のアピールをしてリード獲得を狙いましょう。
アカウント説明、記事タイトルの例
noteのアカウント説明や記事のタイトルに目的とターゲットを記載しておくと分かりやすいでしょう。例えば、「製造業の品質保証担当者向けに、省人化可能な外装部品外観自動検査技術を紹介します」というタイトルであれば、目的が自動検査技術の宣伝で、ターゲットが品質保証担当者と分かりやすいです。
noteへの導線を決める
TwitterやFacebookは連携しやすくて、拡散効果もあるためおすすめの導線です。オウンドメディアやnoteの記事は、自社や技術に興味を持ってくれている人がインターネットで検索してたどりついてくれます。そのため、ターゲットの検索アクションが必要です。一方、Twitterは、あるユーザーがシェアしてくれた時に、そのユーザーをフォローしている別の複数のユーザーのタイムラインにあがって、目に入ります。そのため、今までとは異なる層のターゲットにリーチできる可能性があります。
まとめ
noteを活用したマーケティングについて紹介しました。低コストでオウンドメディアとして活用できて、SNSとの連携から拡散効果も期待できます。BtoB製造業にとってnoteやSNSを活用したオンラインマーケティングは新しいターゲットへリーチするのに有効です。
デジタルマーケティングに関する記事はこちらにまとまっていますのでご参照ください。
リストマーケティングのやり方
製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。集客から販売の流れを仕組み化したくありませんか。集客から販売の流れを仕組み化する手法の一つに、リストマーケティングがあります。本記事では、リストマーケティングのメリット・デメリット、リストマーケティングの流れを解説します。
リストマーケティングとは
リストマーケティングとは、「リスト」と呼ばれる顧客情報に対して直接セールスをかける方法です。
リストマーケティングを最大限に活用できれば、顧客のライフタイムバリュー(取引開始から終了までにどれだけの利益を自社にもたらしたか)を最大化でき、収益向上につながります。
しかし、リストマーケティングを使いこなすには、それなりの知識と準備が必要です。
リストマーケティングのメリット
では、リストマーケティングのメリットについて紹介します。
一度に大人数の見込み客にセールスできる
一般的な広告とリストマーケティングの違いは、見込み客に対してセールスできる点です。
テレビのCMやYouTube動画の広告は、不特定多数に発信しています。その一方で、リストマーケティングは既に興味のある人に対して、商品サービスの紹介が可能です。例えば、数千人分のリストがあれば、メールで一斉に数千人に送れます。
低コストで運営できる
リストマーケティングは運営コストも削減できます。一般的な広告は不特定多数に発信するため、広告費用が発生します。しかし、リストマーケティングは見込み客がリストとしてまとめられています。あらためて集客する必要性も少なく、広告費用も節約でき、集客やセールスに割く時間コストも最小限にできるのです。
集客を仕組み化できる
最大のメリットは、セールスメールを自動化できる点です。メールマガジンでよくみられるステップメール(日時や間隔を指定して自動的にメールを送信すること)、ランディングページなどのセールスページやセールスレターを作れば、リストに対して自動的に必要な情報を提供できます。
そのため販売担当の方の負担が減り、他の仕事にも取り組めるのです。
リストマーケティングのデメリット
一方で、リストマーケティングのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
仕組みの構築まで時間がかかる
リストマーケティングは自動化プロセスまで構築すると、マーケティングには有効ですが、リストの収集や仕組みを作るまでが大変です。そのため、展示会や自社のHPを利用して顧客情報を集める作業が欠かせません。
売り込みが多すぎると敬遠される
過剰な売り込みが過ぎると顧客が離れる可能性もあります。例えば、訪問販売で押し売りされたら嫌な気分になりますよね。同様にリストマーケティングにおいても、必要以上のセールスは顧客離れが懸念されます。
リストの情報が漏れると会社の信頼が下がる
情報管理には細心の注意が必要です。万が一顧客の情報が漏れてしまうと、会社の信用問題になりかねません。顧客の情報を集めると同時に、個人情報も守る必要があります。
リストマーケティングの流れ
リストマーケティングの一般的な流れは集客→育成→販売です。それぞれ詳細を説明します。
Step1:集客
自社に興味のある顧客の情報を集めることは、リストマーケティングで一番大切な工程です。集客方法はさまざまで、展示会やTwitter・FacebookなどのSNS、自社HPへの問い合わせ情報などです。多くの人に認知してもらい、見込み客のリストを作成していきましょう。
Step2:育成
リストを集めた後は、自社の魅力を伝えましょう。せっかくリストを集めても、見込み客に商品・サービスの魅力を感じてもらえなければ、購入されません。自社HPのコンテンツ紹介やメルマガなどの情報発信を行い、自社の価値を積極的にアピールしていきましょう。
Step3:販売
自社の魅力を伝えた後は、いよいよ販売です。魅力的な情報を発信できていれば、顧客との間に信頼関係が生まれます。信頼関係を構築した後に販売活動を行いましょう。
まとめ
集客→育成→販売がリストマーケティングの一連の流れです。大変な思いをして集めたリストは、放置してしまったらもったいないです。リストを活用して、少しでも自社の利益を生み出しましょう。
「自社の製品・サービスの仕組みを変えたい」とお考えなら、一度リストマーケティング手法を検討してみてはいかがでしょうか。
AIをマーケティングに活用する4つの方法
製造業×AIをテーマとした連載の第2回は、「AIをマーケティングに活用する4つの方法」について書きました。
AIをマーケティングに活用する方法は、4つあります。
- AIというテーマで取り上げてもらって認知向上につなげる
- AIシステムにユニークな名前をつけて興味関心を高める
- AIシステムによってマーケティング業務を自動化する
- AIを組み込むことで製品価値を向上させる
1、AIというテーマで取り上げてもらって認知向上につなげる
AIをマーケティングに活かすために、メディアにAIというテーマで取り上げてもらうことで、認知向上につなげることができます。この方法は、AI活用の全てのケースで実現することができます。
AIをテーマとしたプレスリリースを発信することで、多くの方に会社や製品、技術を認知させることができます。
自社HP内のニュースでは気づいてもらえる確率が低いため、PRTIMESなどのプレスリリース配信サービスを使用して広く拡散することで、多くの媒体への掲載が期待できます。この方法は、広告費用をほとんどかけずに認知度を向上させることができます。
AIの場合、AIの活用事例として取り上げてくれることも期待できます。AIに関する事例紹介サイトにはLeadge.aiなどがありますが、これらに掲載されることで、瞬間的なメディア掲載だけでなく、長期でAIの活用事例として露出することができます。AIの活用は現在進行形で進んでおり、顧客は事例を求めています。そのため、事例を探しているメディアが複数存在しています。
プレスリリース配信サービスなどを活用して、積極的にAIに関するニュースを発信しましょう。
2、AIシステムにユニークな名前をつけて興味関心を高める
AIをマーケティングに活かすために、AIシステムにユニークな名前をつけることで、顧客の興味関心を高めることができます。この方法は、AI活用の全てのケースで実現することができます。
有名な事例として、日本マイクロソフトが開発した会話ボットの「女子高生AI りんな(現在は元女子高生AI りんな)」があります。一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
AIは人に変わって業務を自動化することができますが、あたかも人のように動作することから名前やアイコンで擬人化されることが多いです。
株式会社ALBERTが提供するAI・画像認識サービスの「タクミノメ」は、キャッチ―で覚えやすいネーミングです。製造現場で働く匠の眼をもつ職人さんの技術がAI化されたとイメージ連想できます。
ちなみに、ネーミングにおいては、下記の要素が重要だとされています。(抜粋:ここからはじめる実践マーケティング入門 グロービス著)
- 短い
- 覚えやすい
- 言いやすい
- 悪い連想を起こさない
- 何を言おうとしているかが伝わる
- 商標登録できる
- 見た目も良い
- 戦略と整合性がとれている
上記の要素をクリアしつつ、ユニークな名前をAIシステムにつけて、興味関心を高めてみましょう。
3、AIシステムによってマーケティング業務を自動化する
AIをマーケティングに活かすために、AIシステムによってマーケティング業務を自動化し、業務を効率化することが可能です。マーケターの仕事の1つである、大量のデータから特徴を発見するような業務は、AIが得意な領域です。
テクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社が提供するNetBaseは、ソーシャルデータを自然言語処理(NLP)で解析し、様々な角度で分析を行うことできます。人では到底処理できないような膨大なソーシャルメディアデータをリアルタイムで分析することで、自社の評判調査や市場調査、需要予測が可能となっています。
マーケターは対応しなければいけない業務の範囲とボリュームが大きいことが多いため、定期的に発生する業務を自動化するメリットは大きいです。
マーケティング業務をAIで自動化できないか、検討してみましょう。
4、AIを組み込むことで製品価値を向上させる
AIをマーケティングに活かすために、AIを組み込んで製品価値を向上させることができます。AIが搭載されることで、製品の差別化ができたり、勝負の土俵を変えるゲームチェンジャになることができます。製品はハードウェア、ソフトウェアどちらであってもAI導入が可能です。
例えば、アルム株式会社が開発するARMCODE1は、切削加工の業務を自動化するソフトウェアです。加工物の形状を解析して最適な工具を選定し、加工条件設定や材料・工具セットの指示表示を自動化するなど、これまで人が行っていた業務が、AIによって自動化されています。
アルム株式会社のARMCODE1を事例としたAIシステム開発のノウハウが、タクミセンパイの「事例で学ぶ中小企業のAIシステム開発」で紹介されています。
ARMCODE1はAIによって、その他の自動化ソリューションとの差別化を実現しています。
自社の製品にAIを導入して差別化できないか、自社の業務をAIで自動化しつつサービスを外販できないか考えてみましょう。
まとめ
AIをマーケティングに活用する4つの方法を、事例をまじえて紹介いたしました。
紹介したAIをマーケティングに活用する4つの方法は、全て同時に実現することが可能です。全て同時に実現できている状態とは、自社のマーケティング業務を自動化し、そのサービスを外販し、サービスにユニークな名前をつけて、プレスリリースを発信することです。
全てを実現できているAIソリューションの事例を紹介します。大成建設株式会社は、AIを活用した設計支援システムに「AI設計部長」と命名し、設計技術データベースを適用することで従来の設計業務が大幅に効率化され、お客様に対して高付加価値な提案を迅速化かつ的確に実施することが可能としています。
AI活用を検討される場合は、4つの方法を全て同時に実現できるように取り組み、マーケティング効果を最大化しましょう。
YouTubeを利用した自社製品のPR法
フリーランス特許翻訳者であり、技術・理学系ライターとしても活動している太田です。近年、マーケティングにYouTubeを活用する企業が増えています。企業のホームページ内でYouTubeチャンネルへのリンクを見る機会も多いのではないでしょうか。YouTubeの活用は、個人・企業問わず確実に広がっています。
今回の記事では、製造業のマーケティングでYouTubeを活用するメリットや、YouTubeを用いたPR法のコツなどを解説します。
YouTubeとは
YouTubeは、全世界的な動画共有サイトです。誰でも動画を投稿でき、他人が投稿した動画を基本的には無料で視聴できます。
YouTube上では、世界中のあらゆる世代の人々が動画を投稿、視聴しています。最近では「テレビの代わりにYouTubeを見る」といった声まで聞かれます。YouTubeがテレビに代わるメディアとして台頭しつつあるともいえるでしょう。
YouTubeを用いてPRをする理由
YouTubeをマーケティングに利用した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットを3つご紹介します。
1.目で見てわかる
文章の場合、人はよほど気になったものしか読み進めない傾向があります。あなたにも、Webページの冒頭で興味を失い、別のページに移動した経験があるのではないでしょうか。
一方で動画の場合、画面を見ているだけである程度の内容が頭に入ってきます。文章を読む場合に比べて労力が少ないため、最後まで見てもらえる確率も上がるのです。
2.宣伝費用がほぼ無料
YouTubeでのチャンネル開設や動画投稿は、基本的には無料で行えます。そのため、宣伝費用はほぼ無料です。
もちろん、YouTubeには有料のプランもあります。有料プランでは、性別や年齢、住んでいる地域、興味・関心などをもとに、自社のターゲットとなりそうな層に対して自社の動画を効果的に宣伝することが可能です。
はじめてYouTubeチャンネルを解説する場合は、ひとまず無料プランから開始して、必要に応じて有料プランを検討するとよいでしょう。
3.利用者の幅が広い
YouTubeは今やGoogle検索に次ぐ大規模な検索プラットホームであり、全世界・全世代の人々が利用しています。そのため、YouTubeに動画を掲載すれば、さまざまな人々に動画を見てもらうことができるのです。
英語で動画を作成すれば、当然海外から問い合わせや引き合いが来る可能性もあるでしょう。戦略次第で、自社の情報を世界中に伝えられるのです。
YouTubeによるPR法、4つのコツ
それでは、具体的にどのような動画を投稿すればいいのでしょうか。ここでは、YouTubeにおけるPR法のコツを4つご紹介します。
1.製品の動作を見せる
製品の動作は文章や会話では伝わりにくいため、お客さまに実際に見てもらうのが一番です。しかし近年、コロナウイルスの流行により、お客さまに自社まで来てもらうのが難しくなりつつあります。
そこで使えるのがYouTubeです。YouTube上でお客さまに製品の動作を見ていただくことで、遠隔であっても自社の技術力や自社製品の魅力を伝えることができます。
動画中では、着目してほしい箇所にズームする、製品に関する補助的な解説を入れる、といった工夫も可能です。アイデア次第でわかりやすい動画を作ることができるでしょう。
2.加工の工程を見せる
受託加工を行う会社などの場合、自社の技術力をアピールするため、製品の加工工程を動画にするのも効果的です。
Swap lamp(スワップランプ)というYouTubeチャンネルでは、旋盤加工を中心としたさまざまな加工動画がアップロードされています。数百万回再生されている動画も少なくありません。また、動画のタイトルや説明を英語でも記載しているため、外国の方からのコメントも多く付いています。
Swap lampでは、仕事で行う作業とは異なる「エンターテインメント」としての動画も投稿されている点が特徴です。技術力をアピールするためのさまざまな工夫がみてとれます。
3.業界の話や、専門分野の話をレクチャーする
自社製品の販売を目的とした製品PR動画だけではなく、業界や専門分野の解説など、視聴者に役立つ動画の作成も効果的です。より幅広い視聴者に必要とされる動画を投稿することは、潜在顧客の獲得にもつながります。
4.社員に仕事のエピソードを話してもらう
社員へのインタビュー動画もおすすめです。「社内ではこんな仕事があって、このような姿勢で仕事に取り組んでいる」といった社員の具体的なエピソードを題材に、リアリティーのある動画を作成できます。このような動画により、自社の課題解決力もアピールできるはずです。
また、社員にフォーカスすることで、自社の社風やカルチャーが伝わりやすくなる点もメリットです。就職先を選ぶ際に社風やカルチャーを重視する人は多いので、このような動画は求職者へのアピールにもつながります。
まとめ
中小企業の経営者の中には、「仕事は紹介でとってくるからWebマーケティングは必要ない」と考える方もいるかもしれません。しかし、ここまでで述べたように、YouTubeを活用したマーケティングにはさまざまなメリットがあります。
自社の可能性を広げるためにも、YouTubeマーケティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。
信頼される会社は知っている SDGs・CSV・CSRの違い
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングを共創するC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
ウェブサイトにSDGs関連の記事は載せたほうがいいのか?
最近では、自社のホームページ更新を検討している経営者の方からこんな相談を受けます。
- 「SDGs関連のことって何かしら載せたほうがいいですか?」
- 「うちみたいな小さな会社がSDGsについて載せるのは、何だかおこがましいですよね?」
このようなホームページへのSDGs関連事項をいかに掲載するか、中小零細企業の経営者の方々からご質問が増えているのですが、まずは「SDGs関連のことって何かしら載せたほうがいいですか?」と言うご質問の結論からお答えします。結論は会社の規模に関わらず、ホームページはSDGsまで見通して構成するべきです。
昨今SDGsに関連するニュースを耳にしない日は無くなりましたね。SDGsまで見越した事業を拡大展開をしている公共事業や民間企業が様々なメディアで称賛の声を受けています。実際に帝国データバンクが2020年6月に全国1万1,275社を対象に行ったSDGsに関する企業の見解について調査結果でもSDGsの達成に貢献することによって、どのような企業価値の向上に役立つかと言う質問に対して、「企業好感度」に関して企業の 53.3%が「そう思う」と言う回答をしています。さらには、「社会的評価」 が50.4%で5割以上の結果を出し、SDGsに取り組むことによって、社外からの評価に好影響があると考える意見が強い結果が出ています。
おそらくあなたの会社でも「何か社会的に好印象に思ってもらえる事を始めないと…」と模索し始めているのではないでしょうか?しかしここで考えてみていただきたいことが1つあります。それは「社会的に好印象に思われる事」とはなんでしょう?漠然と「御社は素晴らしいことをしていますね!」とステークホルダーから評価される社会貢献を指すことが想像できますが、その行いは実に多岐にわたっています。例えば、活動を応援するNPO法人へ寄付や、早朝に行う地域のクリーン活動といったボランティア活動も実に素晴らしいことですよね。また、事業利益を得ることができる社会問題を解決する商品やサービスの展開や、社員の働きやすい環境づくりに取り組む事も重要な社会貢献の一環です。このように、社会貢献の範囲の広さに何から始めたら良いのかを、目標を定められずに困惑することもあるかもしれません。
そこで今回は、社会貢献のステージを表す言葉を明確にしていきたいと思います。
CSRとは
CSRとは、Corporate Social Responsibility の略称です。これは「企業の社会的責任」と訳され、本業とは関係のない取り組みによって、経営基盤を維持するための行動のことを指します。いわば「コスト」を伴い行うボランディアなのです。
CSVとは
CSVとは、Creating Shared Value の略称です。「共通価値の創造」と訳され、企業が社会課題に主体的に取り組み、商品やサービスとして社会に対して価値を創造することで、経済的な価値をも創造することを指します。CSRとの大きな違いは、CSVは企業の事業領域に関連性を持つ活動であることです。
SDGsとは
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193か国が持続可能な世界に向けて2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17カテゴリーからなる169の目標です。
指示されるSDGs視点で・CSV・CSR経営をする
上記の図のようにSDGs・CSV・CSRの違いを理解した社会貢献度の高い経営を行い、そしてその経営方針を発信することです。その理由は目の前にある5Gの時代は、“比較と検索の時代”だからです。この時代に同じ条件で検索され選ばれるのは社会貢献度の高い企業です。事業の強みを客観的に理解し、SDGs達成のためのCSV経営をウェブサイトをブランディング構築することだけが、2030年以降の持続可能な経営を可能にするのです。
アマゾンに出品する際に気を付けたいこと
中小企業専門の弁理士の亀山です。新型コロナウイルスの影響もあり、ECサイト出展に関するお問い合わせが増えています。今回は、アマゾンに出品する際、気を付けて欲しい点についてお話したいと思います。
出品方法は2つ
AMAZONへの出品方法は2つあります。
- 新規出品
- 相乗り出品
以降、それぞれの違いについて説明します。
新規出品のメリットとデメリット
アマゾンでは、原則、商品ページは1商品につき1ページというルールになっています。
このため、新規出品をしたい場合は、「セラーセントラルの商品登録」において、ご自身で新しい商品のページを作成する必要があります。新規出品のデメリットとしては、商品ページの作成が大変ですが、オリジナル商品を販売できる分、ライバルが少ないため、価格競争に陥りにくいです。
したがって、中長期的に見て収益力のある事業を構築しやすくなります。
さらに、新規出品では、Amazon Brand Registryを利用することができます。Amazon Brand Registryを利用すると以下のメリットが得られます。
- ストアページ(商品紹介用のLP)が作成・公開可能
- スポンサーブランド広告(Amazon.co.jp内における広告)が掲載可能
- 事前に商標権の保有を証明しているため、相乗りをしている同業他社の排除が容易
相乗り出品のメリットとデメリット
相乗り出品とは、既に作成されている商品ページに出品する方法です。商品ページの作成の手間がかからないというメリットがありますが、ライバルが多く、価格競争に陥りやすいです。したがって、中長期的に見て収益構造を構築しにくいです。
また、商品ページの修正もできませんし、オリジナル商品の販売にも向いていません。もちろん、Amazon Brand Registryも利用できませんので、そのメリット(上述)を受けることができません。
Amazon Brand Registryの利用のために必要なこと
Amazon Brand Registryのためには、商標登録が必要です。しかし、商標登録には時間がかかります。通常審査であれば約6か月ですが、1年近くかかるものもあります。また、商標登録は必ず取得できるとも限りません。使用しようとする商標が他社商標権に抵触するもの等である場合、商標登録を受けることができませんし、そもそも使用することもできません。新規出品をすでに始めている方はもちろんのこと、これから予定されている方は、Amazon Brand Registry のために商標登録の準備を早めにしたほうが良いです。
そして、使用予定の商標が、
- 合法的なものであるか否か
- 登録登録できるものであるか否か
を担保すべく、出願前の調査から始められたほうが良いと思います。
まとめ
- 出展方法は、新規出品と相乗り出品の2つある。
- オリジナル商品を出品をする場合は、新規出品が必要。
- 新規出品による宣伝力&ブランド力向上のためにはAmazon Brand Registryが必要。
- Amazon Brand Registryのためには、商標登録が必要。
- 商標登録の前に事前調査が必要。
「このビジネスオーナーですか?」Googleマイジビネスの登録の仕方とメリット
こんにちは、テクノポートの渡部です。Googleを使って検索した際に、下記のような検索結果とは違ったところに情報が表示されるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
これは「Googleマイビジネス」というもので、Googleが提供しているローカルビジネス登録サービスです。本日はこの「Googleマイビジネス」のメリットと、登録の仕方についてご説明します。
Googleマイビジネスのメリット
登録をするとさまざまなメリットがあるGoogleマイビジネスですが、SEOの観点からのメリット以外にもありますので、詳しくご説明します。
SEO観点
- 社名での指名検索時に、検索結果とは別にGoogleマイビジネスが表示される。
上記のキャプチャーのように通常の検索結果とは別に大きく表示されます。同一の会社名がある場合でも、効率的に自社のWebサイトへ集客が期待できます。
- ローカル検索時の集客力アップする。(地名+業種などで引っかかる可能性が上がる)
住所とカテゴリの登録ができます。検索時の位置情報から近くの会社のマイジビネスが表示されるので、特にスマホなどでの検索対策に有利に働きます。
- 検索結果の順位がなかなか上がらなくても、マイビジネスからの集客ができるようになる。
特に新規でWebサイトを作成した場合、社名検索でもなかなか検索結果に上がってこないことがあります。ただ、マイビジネスがすでに存在するということも考えられます。情報を登録しておくことで、マイビジネスからの集客が期待できます。
また、マイビジネスにはWebサイトのURLの登録が可能です。登録しておくと社名検索などの順位も比較的早く順位が上がってくる傾向にあります。
その他のメリット
- 写真の変更ができるため、ロゴマークなどの登録が可能
自らアップロードした画像をマイビジネスに登録ができます。登録をしていないとマップのストリートビューの写真などしか表示されません。会社の様子やロゴマークなどの画像を登録しておくと、そのマイビジネスが自社のものと特徴づけることができます。
- 口コミなどがある場合、口コミへ会社としての返信が可能
マイビジネスには口コミを登録できます。マイジビネスの登録をしておくと、返信時に「オーナーからの返信」と公式の返信をつけることができます。
- 社名の変更、住所の移転があった際に検索結果に素早く反映
事務所や工場の移転があった後に、お客様が旧住所のほうに行ってしまったという経験はありませんか。Googleマップの情報はマイビジネスの情報に準じているので、マイジビネスの情報を最新にしておくとそういったトラブルを防ぐことができます。
登録の仕方
「このビジネスオーナーですか?」をクリック
すでにGoogleによってマイジビネスが存在しているケースが大半かもしれません。登録の確認をする場合、自社のマイジビネスを探して「ビジネスオーナーですか?」のテキストをクリックします。
Googleのアカウントにログインしていない場合、ログインを求められます。その後「管理を開始」をクリックするとユーザー認証に移ります。
ユーザー認証
ユーザー認証には電話や郵送、有効ドメインの管理者と思われるメールアドレスでの認証などがありますが、電話認証が最も簡単です。指定の電話番号にGoogleから電話がかかってきますので、指定のコードを入力すれば認証完了です。
情報の編集
あらかじめGoogleによって情報が登録されていますが、下記のような情報を追加で登録ができます。
- 名前
- カテゴリ
- 場所(住所)
- 営業時間
- 連絡先
- Webサイト
- その他(開業日、写真など)
まとめ
登録してマイナスになることはなく、登録自体も5分程度で完了するような作業です。自社のマイジビネスの登録がお済みでない方は、ぜひGoogleマイビジネスに登録をしてみてください。
ビジネスマンなら知っておきたい、AIの基礎とよくある間違い
はじめまして。「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営し、切削工具および製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)・AIの情報を発信している服部です。
私の経歴について、簡単に紹介させていただきます。
バリ取りを自動化する工具を開発・製造・販売するメーカーにおいて、営業を5年、マーケティングを4年経験しました。製造業での経験を活かし、現在はAIスタートアップで営業として製造業のDXに取り組んでいます。
現場で見聞きした、製造業におけるDX・AIの最新情報をお伝えできればと思っております。
はじめに
2021年現在、AIに関するニュースを毎日目にするほど、AIが当たり前の世の中になりました。コロナの影響もあり、国がDXを推進したり、ソーシャルディスタンス対策としてのAI活用が注目されています。
製造業においても画像解析技術を使った検品など、AIに関するニュースを見ることが増えてきました。AIスタートアップに勤務する私も、製造業のお客様からの問い合わせが増えていることを肌で感じております。
AIに関するプレスリリースを打てば多くの媒体に掲載され、反響が非常に大きいことから、マーケティングの視点においても見逃せないテーマとなっています。そこで、製造業×AIをテーマに記事を書いていきたいと思います。
今回は、「AIの基礎」と「AIのよくある間違い」についてご紹介します。
AIの基礎
AIの基礎といっても、ビジネスマンとして知っておくべきことを中心に説明します。
AIは「Artificial Intelligence」の略称で、1960年ごろから研究が進み、2021年現在は第三次AIブームに位置します。2000年代初頭のディープラーニング(深層学習)の登場により、第三次AIブームに突入しました。
ただ、ディープラーニングはブームのキッカケに過ぎず、AIが実用的なものになったのは、データが容易に集められるようになったことと(IoTでビッグデータ収集など)、データの処理能力が向上したからです。
JCER(日本経済研究センター)が2019年3月に実施した「日本企業のAI・IoTの導入状況」調査より、製造業のAI導入率は11.2%となっております。2020年以降はコロナの影響もあり、AIの導入が進んで15~20%くらいになっているのではないかと予想しますが、まだ全体の1/5程度です。
AIと関連性の高いキーワードとしてIoT・データサイエンス・DXがあり、こちらについても簡単に説明します。
IoT
IoT(Internet of Things)は、モノのインターネットとも呼ばれています。インターネットに接続されていなかったモノが、サーバーやクラウドサービスに接続し、相互に情報を交換できるような仕組みのことです。この仕組みによってビックデータの取得が可能になり、集まったデータを活用するという流れで、第三次AIブームが起こりました。
DX
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、コロナ以降よく目にするようになりましたが、媒体によって定義が少し異なっています。2018年に経済産業省がまとめた「DX推進ガイドライン」を定義としている媒体が多いので、そちらを紹介します。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:経済産業省 DX推進ガイドライン
データサイエンス
データサイエンス(DSと略すこともあります)とは、データを軸として統計などの手法を用いて、ビジネスにおける新たな価値を発見する学問および学術分野のことです。1970年ごろから使われていた言葉ですが、ビックデータやAIの登場によって注目されました。データサイエンスに携わる人をデータサイエンティストといい、AIのテーマではこちらの方がキーワードとしてよく登場します。
IoT・DX・DS・AIの関係
IoT、DX、データサイエンス、AIの関係がわかるように、図で表してみました。
DXの手段としてIoT・データサイエンス・AIがあり、IoTによって集めたビックデータの活用としてデータサイエンスやAIがあります。
AIをビジネスで利用する際によくある5つの間違い
私自身も遭遇した、AIをビジネスで利用する際のよくある5つの間違いを紹介します。
- 現在のAIは全てディープラーニングである
- AIは人より精度の高いことができる
- AIは人が出せない答えを出せる
- AIは人の仕事を奪う
- AIは自動で学習して精度が上がる
現在のAIは全てディープラーニングである
第三次AIブームのキッカケとなったのは、ディープラーニングです。しかし、ディープラーニングは画像や音声、テキストを認識することができる技術であり、これらのデータを対象としたケースにおいては、今までのAIシステム以上の精度を出すことができます。しかし、すべてのデータにおいて万能というわけではありません。
ディープラーニング以外のマシンラーニング(機械学習)には、決定木、ランダムフォレスト、回帰分析など様々な手法があるのですが、現在もこれらの手法は現役で採用されています。AI、マシンラーニング(機械学習)、ディープラーニング(深層学習)の関係を下図にまとめてみました。
ちなみに、AIでどうにかしたいと相談受けた内容が、AIがなくても実現できるケースもあります。2021年現在、AIで課題を解決する手法は、ディープラーニングが全てではないことを知っていただければと思います。
AIは人より精度の高いことができる
AIを魔法のようなものと勘違いされている方が結構います。
機械学習は、大量のデータから高次元・複雑な法則を読み取ることが可能であり、人が今までやっていたことを自動化できます。魔法のようだとも言えますが、人より精度が高い結果を出せることはほとんどありません。
AIには学習というフェーズがあるのですが、例えば100点の学習データを使っても、90点くらいの結果が出るといった感じです。結果を出すまでの時間(スピード)に関しては、AIの方が優れているケースはあります。
AIは人を超えた万能なシステムにはなれないことを、知っていただければと思います。
AIは人が出せない答えを出せる
AIの出せる結果は、学習に用いたデータのあくまで延長となります。つまりは、学習データにない結果を出すことはほとんどの場合できません。あくまでAIは人とセットで成立する仕組みであり、AIがわからないことは人がサポートしなければなりません。
AIは人の仕事を奪う
こちらはAIが注目された初期によくメディアなどで取り上げられた間違いです。AIのシステムを構築する上で、どのような結果を出すべきかを指示し、その結果を評価できるのは人です。つまり、AIシステムを構築し、そのシステムを維持・向上させるのに、必ず人が必要になるのです。
また、AIは完璧なものを作り出すことはできないので、AIと人が共同する仕組みをつくることが理想的といえます。AIによって人が全く不要になることはなく、AIができる範囲の仕事を自動化し、人がAIの結果をチェックするような体制になることを知っていただければと思います。
AIは自動で学習して精度が上がる
AIは勝手に学習して賢くなるものだと思われている方が多いのですが、技術的に自動学習は可能ではありますが、実用性は低いです。その理由は、インプットされたデータが全て学習すべき質の高いデータであるとは限らないため、人がデータを選別した上で学習させないと、精度が落ちる可能性があるからです。そのため、AIシステムの運用が始まったあとも、しっかりAIのアウトプットを人が確認し、何を学習させるべきか都度判断してアップデートする必要があります。
まとめ
- 反響の大きさから、AIはマーケティングにおいても重要なテーマである
- ディープラーニングはブームのキッカケに過ぎず、AIが実用可能なものになった理由は、データが容易に集められるようになり、データの処理能力が向上したから
- 2019年3月時点で、製造業のAI導入率は11.2%
- DXの手段としてIoT・データサイエンス・AIがある
- ディープラーニング以外の手法も現役で利用されている
- 多くの場合、AIは人より高い精度を出すことができず、万能ではない
- AIはあくまで学習したデータの延長上の答えしか出せない
- AIが人の仕事を奪うことはなく、AIと人が共同する仕組みをつくることが理想形である
- AIは自動で学習することが可能であるが、実用的なレベルには達成していない
ビジネスマンなら知っておきたい、AIの基礎とよくある間違い
はじめまして。「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営し、切削工具および製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)・AIの情報を発信している服部です。
私の経歴について、簡単に紹介させていただきます。
バリ取りを自動化する工具を開発・製造・販売するメーカーにおいて、営業を5年、マーケティングを4年経験しました。製造業での経験を活かし、現在はAIスタートアップで営業として製造業のDXに取り組んでいます。
現場で見聞きした、製造業におけるDX・AIの最新情報をお伝えできればと思っております。
はじめに
2021年現在、AIに関するニュースを毎日目にするほど、AIが当たり前の世の中になりました。コロナの影響もあり、国がDXを推進したり、ソーシャルディスタンス対策としてのAI活用が注目されています。
製造業においても画像解析技術を使った検品など、AIに関するニュースを見ることが増えてきました。AIスタートアップに勤務する私も、製造業のお客様からの問い合わせが増えていることを肌で感じております。
AIに関するプレスリリースを打てば多くの媒体に掲載され、反響が非常に大きいことから、マーケティングの視点においても見逃せないテーマとなっています。そこで、製造業×AIをテーマに記事を書いていきたいと思います。
今回は、「AIの基礎」と「AIのよくある間違い」についてご紹介します。
AIの基礎
AIの基礎といっても、ビジネスマンとして知っておくべきことを中心に説明します。
AIは「Artificial Intelligence」の略称で、1960年ごろから研究が進み、2021年現在は第三次AIブームに位置します。2000年代初頭のディープラーニング(深層学習)の登場により、第三次AIブームに突入しました。
ただ、ディープラーニングはブームのキッカケに過ぎず、AIが実用的なものになったのは、データが容易に集められるようになったことと(IoTでビッグデータ収集など)、データの処理能力が向上したからです。
JCER(日本経済研究センター)が2019年3月に実施した「日本企業のAI・IoTの導入状況」調査より、製造業のAI導入率は11.2%となっております。2020年以降はコロナの影響もあり、AIの導入が進んで15~20%くらいになっているのではないかと予想しますが、まだ全体の1/5程度です。
AIと関連性の高いキーワードとしてIoT・データサイエンス・DXがあり、こちらについても簡単に説明します。
IoT
IoT(Internet of Things)は、モノのインターネットとも呼ばれています。インターネットに接続されていなかったモノが、サーバーやクラウドサービスに接続し、相互に情報を交換できるような仕組みのことです。この仕組みによってビックデータの取得が可能になり、集まったデータを活用するという流れで、第三次AIブームが起こりました。
DX
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、コロナ以降よく目にするようになりましたが、媒体によって定義が少し異なっています。2018年に経済産業省がまとめた「DX推進ガイドライン」を定義としている媒体が多いので、そちらを紹介します。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:経済産業省 DX推進ガイドライン
データサイエンス
データサイエンス(DSと略すこともあります)とは、データを軸として統計などの手法を用いて、ビジネスにおける新たな価値を発見する学問および学術分野のことです。1970年ごろから使われていた言葉ですが、ビックデータやAIの登場によって注目されました。データサイエンスに携わる人をデータサイエンティストといい、AIのテーマではこちらの方がキーワードとしてよく登場します。
IoT・DX・DS・AIの関係
IoT、DX、データサイエンス、AIの関係がわかるように、図で表してみました。
DXの手段としてIoT・データサイエンス・AIがあり、IoTによって集めたビックデータの活用としてデータサイエンスやAIがあります。
AIをビジネスで利用する際によくある5つの間違い
私自身も遭遇した、AIをビジネスで利用する際のよくある5つの間違いを紹介します。
- 現在のAIは全てディープラーニングである
- AIは人より精度の高いことができる
- AIは人が出せない答えを出せる
- AIは人の仕事を奪う
- AIは自動で学習して精度が上がる
現在のAIは全てディープラーニングである
第三次AIブームのキッカケとなったのは、ディープラーニングです。しかし、ディープラーニングは画像や音声、テキストを認識することができる技術であり、これらのデータを対象としたケースにおいては、今までのAIシステム以上の精度を出すことができます。しかし、すべてのデータにおいて万能というわけではありません。
ディープラーニング以外のマシンラーニング(機械学習)には、決定木、ランダムフォレスト、回帰分析など様々な手法があるのですが、現在もこれらの手法は現役で採用されています。AI、マシンラーニング(機械学習)、ディープラーニング(深層学習)の関係を下図にまとめてみました。
ちなみに、AIでどうにかしたいと相談受けた内容が、AIがなくても実現できるケースもあります。2021年現在、AIで課題を解決する手法は、ディープラーニングが全てではないことを知っていただければと思います。
AIは人より精度の高いことができる
AIを魔法のようなものと勘違いされている方が結構います。
機械学習は、大量のデータから高次元・複雑な法則を読み取ることが可能であり、人が今までやっていたことを自動化できます。魔法のようだとも言えますが、人より精度が高い結果を出せることはほとんどありません。
AIには学習というフェーズがあるのですが、例えば100点の学習データを使っても、90点くらいの結果が出るといった感じです。結果を出すまでの時間(スピード)に関しては、AIの方が優れているケースはあります。
AIは人を超えた万能なシステムにはなれないことを、知っていただければと思います。
AIは人が出せない答えを出せる
AIの出せる結果は、学習に用いたデータのあくまで延長となります。つまりは、学習データにない結果を出すことはほとんどの場合できません。あくまでAIは人とセットで成立する仕組みであり、AIがわからないことは人がサポートしなければなりません。
AIは人の仕事を奪う
こちらはAIが注目された初期によくメディアなどで取り上げられた間違いです。AIのシステムを構築する上で、どのような結果を出すべきかを指示し、その結果を評価できるのは人です。つまり、AIシステムを構築し、そのシステムを維持・向上させるのに、必ず人が必要になるのです。
また、AIは完璧なものを作り出すことはできないので、AIと人が共同する仕組みをつくることが理想的といえます。AIによって人が全く不要になることはなく、AIができる範囲の仕事を自動化し、人がAIの結果をチェックするような体制になることを知っていただければと思います。
AIは自動で学習して精度が上がる
AIは勝手に学習して賢くなるものだと思われている方が多いのですが、技術的に自動学習は可能ではありますが、実用性は低いです。その理由は、インプットされたデータが全て学習すべき質の高いデータであるとは限らないため、人がデータを選別した上で学習させないと、精度が落ちる可能性があるからです。そのため、AIシステムの運用が始まったあとも、しっかりAIのアウトプットを人が確認し、何を学習させるべきか都度判断してアップデートする必要があります。
まとめ
- 反響の大きさから、AIはマーケティングにおいても重要なテーマである
- ディープラーニングはブームのキッカケに過ぎず、AIが実用可能なものになった理由は、データが容易に集められるようになり、データの処理能力が向上したから
- 2019年3月時点で、製造業のAI導入率は11.2%
- DXの手段としてIoT・データサイエンス・AIがある
- ディープラーニング以外の手法も現役で利用されている
- 多くの場合、AIは人より高い精度を出すことができず、万能ではない
- AIはあくまで学習したデータの延長上の答えしか出せない
- AIが人の仕事を奪うことはなく、AIと人が共同する仕組みをつくることが理想形である
- AIは自動で学習することが可能であるが、実用的なレベルには達成していない
ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業5選
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。ホワイトペーパーは、技術情報を顧客に伝えることでマーケティングに活用できます。IT企業で多く使われていますが、BtoB製造業がホワイトペーパーを使うケースも増えてきました。今回は、ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業を紹介します。
BtoB製造業がホワイトペーパーを活用すべき理由
ホワイトペーパーはWebサイトへの集客やリード情報の獲得に有効です。多くの場合、製造業のお客様は解決したい課題があってWebで解決方法を調べます。ホワイトペーパーは課題と解決方法を示してくれているので、お客様にとっては大変役に立つアイテムです。ホワイトペーパーはメールアドレスや名前、会社名などを入力しないとダウンロードや閲覧できないようになっています。そこからリード情報を獲得でき、メール訴求などのマーケティングにも活用できます。
参考にしたいホワイトペーパー5選
ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業を5社紹介します。
1. 株式会社村田製作所
株式会社村田製作所は、コンデンサや圧電製品など、電子部品のメーカーです。自社ホームページに技術記事コーナーがあり、無料でさまざまな技術記事が読めます。ホワイトペーパーはダウンロードが必要です。例えば、ホワイトペーパーの「スマートシティ」は、概要部分は無料で読むことができて、続きはダウンロードする形になっています。概要で興味をひきつつ、ダウンロード時のリード情報獲得に繋がっています。
「スマートシティ」の構成は概要、世の中の動向、課題、解決方法、解決に貢献できる村田製作所の製品紹介となっています。課題解決型の分かりやすいホワイトペーパーといえるでしょう。
2. ローム株式会社
ローム株式会社は、半導体のメーカーです。各製品のページに技術情報があり、たくさんのホワイトペーパーをダウンロードできます。英語の記事もあり、海外のお客様もターゲットにしています。提供しているホワイトペーパーの一つである「SiCパワーデバイスと駆動ICを一括検証できる業界最先端のWebシミュレーションツール」は、タイトルだけで何ができるのかイメージできます。お客様は、ホワイトペーパーをダウンロードする前は中身を見ることができません。そのため、解決内容をイメージできるタイトルを設定するのはとても重要です。
本文の構成は概要、動向、課題、解決法と、製造業に適した内容になっていて、最後に自社製品の紹介をしています。
3. 株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、FA機器の総合メーカーです。コンテンツマーケティングに力をいれており、オウンドメディアの規模はとても大きく、ホワイトペーパーも豊富に提供されています。課題解決型の構成だけではなく、導入事例集やお客様の声などのホワイトペーパーもあります。
各製品カテゴリごとにいくつもホワイトペーパーがあり、多くのページビュー数が期待できそうです。資料は、図、表、グラフが多めで視覚的に分かりやすく作られています。
4. プロトラブズ合同会社
プロトラブズ合同会社は、射出成型や切削加工をする製造業です。オンデマンド対応を売りにしており、小ロットからの受注や短納期納品にも対応できます。自社ホームページにホワイトペーパーのページがあり、強みとしている技術を紹介しています。プロトラブズ合同会社のお客様は、小ロットの製品を調達したいと考えているメーカーの設計者や資材担当者です。ホワイトペーパーのタイトルもターゲットを意識しています。
例えば、「図解 樹脂部品設計 Vol 1」というタイトルは、設計者に役立つ内容が載っていることがタイトルから分かります。
5. オムロン株式会社
オムロン株式会社は、FA機器や電子機器、ヘルスケア製品などの総合メーカーです。ホワイトペーパーダウンロードコーナーでは、電子部品の基礎知識などをまとめた資料を掲載しています。「スイッチ」のホワイトペーパーは電子基板設計者をターゲットにしており、電子機器の基礎的な知識を分かりやすく載せています。
また、「センサ」のホワイトペーパーは、実際の活用事例を図とともに解説しています。ターゲットが自社のセンサを使ってどのようなソリューションを得られるかをイメージしやすい構成となっています。
まとめ
製造業のホワイトペーパーは、課題解決、最後に自社製品紹介という構成が多いです。ダウンロード形式なので、リード情報を獲得できるようになっています。また、ダウンロードをしてもらうためにタイトルや概要にも工夫を凝らし、ターゲットが誰で、どのような課題解決できるかを明確にしています。
テクノポートでは、ホワイトペーパーを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、ぜひご相談ください。
デジタルマーケティングに関する記事はこちらにまとまっていますのでご参照ください。
メールマーケティングの特徴と種類を解説
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。代表的なWebマーケティング手法の一つとして、メールマーケティングがあります。今回は、メールマーケティングの特徴や具体的な種類について解説します。
メールマーケティングとは
まずは、メールマーケティングの特徴やメールマーケティングに取り組む際に必要な準備について解説します。
メールマーケティングの特徴
メールマーケティングとは、配信したメールを通して見込み客の態度や行動を変化させ、自社の目的を達成できるように動いてもらうためのマーケティング手法です。
代表的なメールマーケティング手法には、ネット通販で購入した際に登録を促されるメールマガジンがあります。メールマガジン以外にも、ステップメールやセグメントメールなどがあり、目的に応じて使い分けられています。
メール配信サービスを利用する場合、一通当たりのコストはわずか数円に抑えられます。つまりメールマーケティングは、自社から積極的に見込み客に働きかけができるプッシュ型のアプローチでありながら、コストも抑えることができるのです。商品やサービスの購入につなげやすいため、費用対効果が高い点は大きな魅力です。
メールマーケティングに必要な準備
メールマーケティングを始めるためには、メールを配信する見込み客のメールアドレスと、配信するコンテンツの準備が必要です。メールアドレスは、名刺交換やお客様からの問い合わせ、自社で用意しているホワイトペーパーのダウンロード時に入力してもらう情報などから入手します。
実際にメールマーケティングを行うためには、単にメールアドレスを入手すればいいわけではなく、メールの配信を配信先に認めてもらう必要があります。メールアドレスを入手するタイミングで、併せて許可を得ておくとスムーズです。
メールマーケティングで配信するコンテンツは、マーケティングの目的や取り組む種類に応じて、複数のパターンを準備する必要があります。
メールマーケティングの種類
一言でメールマーケティングといっても、いくつかの種類があります。ここでは、代表的なものを4つ解説します。
1:メールマガジン
メールマガジンは、登録者全員に同じ内容のメールを同じタイミングで送信する点が特徴です。コンテンツとしては、扱っている商品やサービスの案内に加えて、お得なキャンペーンといった情報が一般的です。
似たような内容のメールを配信することが多くなるため、メールを送信しても開封されなくなる場合があります。せっかく配信しても読んでもらえない可能性が高くなる点が、デメリットだといえます。
メールマガジンを作成する際のコツや注意点などは、「メールマガジンの作り方」にまとめてあります。今後、取り組む予定の方はぜひ一度ご確認ください。
2:ステップメール
ステップメールは、メールを配信している見込み客のアクションに応じて、段階的に配信するメールです。見込み客の興味関心度を徐々に高めていくことを目的とします。たとえば、扱っている商品に関して知ってもらいたい内容について、順番を決めて1日置きに配信したり、商品を購入してくれそうな見込み客に対して、商品を購入した場合のメリットを説明したりと、さまざまな使われ方があります。
顧客の状況に応じて課題を解決できるようなストーリーのコンテンツを準備するには、ある程度の時間が必要です。さらに配信スケジュールの調整など、設定すべき項目が多く、メールマガジンに比べると準備に時間がかかります。
3:セグメントメール
セグメントメールは、ユーザーを年齢や性別などのセグメントに分け、対象となるセグメントごとに最適と考えられる情報を届けるメールです。セグメント分けの具体的な例としては、職業や住んでいる地域、性別、年齢などが挙げられます。
セグメントごとに異なるユーザーの興味関心に合わせた情報を届けやすいので、配信したメールの開封率や成約率向上につながりやすい点が魅力です。ただし、セグメントごとにコンテンツの準備が必要な点は、メールマガジンに比べると大変になります。
4:休眠発掘メール
休眠発掘メールは、すでにステップメールやセグメントメールなどを送信しているものの、一定期間アクションがない休眠顧客に対して働きかけることを目的としたメールです。
もう一度興味を持ってもらえるようにメールの差出人を変更したり、読みたくなるようなタイトルにしたりするなど、一工夫加えたメールを配信します。
まとめ
メールマーケティングは、低コストでありながら費用対効果の高いマーケティング施策の一つです。さまざまなメールマーケティング手法の中で、目的に応じた手法を選択することで、効果を高められます。メールマーケティングは魅力的なマーケティング手法ですが、配信するメールアドレスを集めるためのホワイトペーパー作成や配信戦略、コンテンツ作成にはノウハウが必要です。
テクノポートでは、メールマーケティング全般やコンテンツ作成のサポートを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
社員の仕事の質が上がる 会社理解度が高まるウェブサイトの作り方
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
今回は、社員が読み返したくなるサイトは会社を強くするという話をさせていただきます。消費者のライフスタイルの変容が大きい今、受注の件数や内容に変化が続いています。この変化が続くことは中小企業にとって売上の増減が左右されるだけではなく、社員のモチベーションも同時に左右されます。営業スタイルのリアル対面からオンラインへの移行や、生産作業のクオリティやスピードの変革期に伴い、今がウェブサイトを作り直すタイミングなのでは?と感じているならば、まず売上が上げるウェブサイトを目指すのはもちろんです。しかし、その1回目の新規取引を契約すると同時に、継続的な取引をしたくなる会社へとステージアップしておくことが重要です。
ウェブサイト目的は直近の売上増加だけではない
会社のウェブサイトをリニューアルする際に「社外に向けてもっと発信するものにしたい」とおっしゃる経営者の方が多くいらっしゃいます。そんな時私は「どうせでしたら、社外だけでなく社内に対しても影響力のあるウェブサイトの方が良くありませんか?」とお話しをしています。この話をすると、大概の経営者の方は目からうろこが取れたような顔をされますが、実際に担当者と話をするのは社員です。営業担当や製品作業担当が質問を受けた時、目の前の製品についてだけではなく、会社について同じレベル感で語れるとお客様から会社への信頼は強固なものとなります。
社内に対して影響力のあるウェブサイトは、経営者が考える会社にとっての本当のお客様像、そしてそのお客様たちの抱える課題は何であるかを社員たちと共有できる、日々の業務に反映できる強力な財産になるのです。
社員は「本当のお客さん」を知っているか?
経営者の視点からすると、社員が自ら学習してスキルを上げることや、目の前の見積書や設計図だけではなく、1年後や3年後を見込んだ取引を考えるようになって欲しいと考えるものです。しかし、社員にとって自分のスキルが上がる事自体に楽しみを見出すことは、実はなかなか難しいものなのです。「自分が頑張って何になるのだろう?」「課題が増えるのは大変だから嫌だな。」社員にとっての仕事とは、目の前の業務をクリアしていくことになってしまいがちです。
しかし、この負のループから抜け出す有効な方法があります。それは社員が自分のお客さんを知ることです。自分の仕事の目的が明確な場合、その目的に対してスキルを高めることは楽しいことになります。ちょうど中学生が部活の県大会優勝という目的に向けて自主練習やチーム練習に自ら進んで取り組むのと同じです。自分のした仕事が誰のためになるかという目的に対して「やりがい」を感じながらスキルアップする成長のループ生まれます。自社のお客様像とその課題をクリアにしたウェブサイトは、社員育成の観点からも、自分たちの会社の目的を日々目にできるツールとして重要な役割を果たすことができるのです。
社員が読み返したくなるサイトは会社を強くする
この記事を読んでいるあなたが、経営者としてウェブサイトのリニューアルを考えているなら、まず目の前の課題である新規顧客を獲得ができる事は大前提として捉え、一度契約をしたら長く付き合える企業づくりができるウェブサイトを目指しましょう。それは社員が会社に対する理解度、お客様に対する理解度を高め、能動的にスキルアップやお客様との関係構築する力を育てます。ウェブサイト作りは社外への発信だけではなく、社員育成という視点も持つ事で継続的な売り上げの向上を見込める生きた財産となり、会社を強くするカギになる事を覚えておきましょう。
なぜ、名刺のデジタル化が必要なのか
製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。「営業の効率化を図るために名刺情報を最大限活用したい」こんな悩みはありませんか。本記事ではデジタルマーケティングとしての名刺デジタル化の目的、名刺のデジタル化サービスの事例、手順を紹介します。
名刺のデジタル化
名刺のデジタル化とは、紙媒体である名刺情報をスマートフォンのカメラやスキャナーで読み取り、電子(デジタル)化することです。
デジタルマーケティングの一歩目は名刺情報
近年、「デジタル情報」を活用したデジタルマーケティングの重要性が増しています。なぜなら、顧客に向けて最適なタイミング、頻度で情報の提供が求められているからです。
デジタルマーケティングと聞くと、WebサイトやSNS、ECサイトとWeb上でのマーケティングを想像するかもしれません。しかし、製造業でも営業効率化のためにデジタルマーケティングのニーズは高まっています。
製造業がデジタルマーケティングに取り組むならば、名刺情報のデジタル化は欠かせません。その理由は顧客への案内メールや打合せ、商談のきっかけに名刺情報が必要不可欠だからです。
また、今後クラウドサービスの普及で、名刺管理ツールとSFA(*) / CRM(**) と連携の増加が予測されています。つまり、デジタルマーケティングに取り組む最初の一歩として、顧客情報である名刺のデジタル化が必須なのです。
*SFA( Sales Force Automationの略)
**CRM(Customer Relationship Managementの略)
営業効率を高める名刺デジタル化の3つのメリット
ここでは、名刺をデジタル化ソフトを紹介する前に、具体的なメリットを3つ紹介します。
メリット1:情報を組織で一括管理できる
名刺をデジタル化すると、組織での戦略的営業に取り組めます。その理由は顧客情報を組織のデータベースとして管理できるからです。紙の名刺は個人管理が多く、個人での営業が増えてしまいがちです。しかし、顧客データベースがあれば、それを基にした分析、解析に基づいた営業戦略に活かせます。
メリット2:検索やグルーピングが容易にできる
名刺を探す時間が短縮でき、生産性が向上します。なぜなら、データベースの検索機能に名前さえ入力してしまえば、ほんの数秒で顧客情報が表示されるからです。重要顧客をあらかじめグループ分けしていればその手間さえなくなります。
紙の情報ではきれいにファイリングしていても、目的の名刺を探すのに少なからず時間が必要です。しかし、データベース化されていれば、短時間で検索可能です。
メリット3:どこでも名刺情報を閲覧できる
出先で急に顧客の情報が必要になった状況でも、名刺をデジタル化していれば対処できます。近年の名刺デジタル化ソフトはクラウド上やアプリ上で管理されているからです。そのため、通信環境さえあればいつでもどこでもスマートフォンから名刺情報を閲覧できます。
名刺デジタル化サービス
ここからは、無料・有料の名刺デジタル化サービスを紹介します。
Wantedly people
Wantedly peopleは無料の名刺デジタル化サービスアプリです。
名刺管理機能
スマートフォンのカメラ機能を用いて、10枚まで同時に名刺をデジタル化します。名刺データベースから、名刺情報をアプリでいつでもどこでも閲覧可能です。
顧客管理機能
Wantedly peopleの連絡先を知っている場合、相手がプロフィールを更新するとアプリ上で確認できます。
セキュリティ機能
名刺情報は高い信頼性とセキュリティ水準を持つデータセンターで管理されています。
その他機能
着信時の名前表示、名刺データの移行、Excelへの書き出し機能も搭載しています。
Sansan
業界No.1、シェア80%以上を占める有料の法人向けクラウド名刺管理サービスです。
名刺管理機能
スキャナまたはスマートフォンを用いて名刺をデジタル化できます。面倒な名刺情報の入力や誤入力、重複入力を99.9%の精度で防ぐAI機能も充実しているのが特徴です。
顧客管理機能
人事異動の通知や顧客情報タグ付け、グルーピング機能も搭載しています。One to Oneメール機能やメール開封のクリック率も測定も可能です。
連携機能
外部サービス(OutlookやSalesforce)との連携が可能です。また、名刺情報を基にしたデータ分析をもとに、マーケティングの判断材料の獲得や、顧客情報の見える化で営業ロス削減による生産性向上に寄与します。
セキュリティ機能
2段階認証や端末の利用制限、ログの管理もできます。
ホットプロファイル
業界No.2のシェアを持つ有料の名刺デジタル化サービスです。ホットプロファイルは、名刺のスキャン情報をハンモックの担当オペレーターが名刺情報を入力しています。
名刺管理
名刺のデータ化や名刺情報の自動整理、人脈の可視化が可能です。
MA(マーケティングオートメーション)
リード管理やメール配信、Webのアクセス解析で見込み客を分析できます。
SFA(セールス・フォース・オートメーション)
営業活動の可視化や顧客情報の一元化で営業を効率化できます。
セキュリティ機能
経済産業省『クラウドセキュリティガイドライン』に準拠した運用体制で高いセキュリティ能力を持っています。
3Stepで簡単にできる名刺のデジタル化
名刺デジタル化には難しい手順はありません。たった3Stepで名刺をデジタル化できます。
Step1 名刺を集める、回収する
個人で名刺を管理している場合は、部や課単位で名刺を個人から回収しましょう。
Step2 名刺をスマートフォンのカメラやスキャナーでとる
名刺を回収したら、デジタル化作業に移ります。スキャナーの場合は同時に何枚も読み取り可能です。
Step3 目視でデータミスを確認する
最後に、デジタル化した内容を確認しましょう。なぜなら、AI機能が発達したとはいえ、誤植は起こりえるからです。目視で正しい情報が入力されているか最終確認しましょう。
Wantedly peopleによる実際の手順
では、実際にはどのように名刺をデジタル化するのでしょうか。Wantedly peopleを用いた例を紹介します。
①名刺を準備する(本記事では、著者の名刺を利用しています。)
②スマートフォンで名刺を撮る
Wantedly peopleを起動させると下のような画面になるため、名刺を準備しましょう。
名刺の準備ができ、カメラで写すと探索用の丸が表示されます。この状態で撮影すると名刺がアプリ上に保存されます。
③デジタル化された内容の正誤を確認する
デジタル化された名刺はアプリ上で確認できます。名刺に記載のある情報量によりますが、名前、会社名、部署、名刺の画像、電話番号、メールアドレス、会社の住所がデジタル化されます。この内容が正しく入力されていることを確認し、名刺のデジタル化は終了です。
まとめ
生産性の向上が求められる社会だからこそ、デジタルマーケティングには大きな可能性があります。その一歩目として名刺のデジタル化を始めてみませんか。名刺を管理するだけではなく、組織全体の効率化につながるはずです。
ホワイトペーパー(技術資料)の作り方
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。ホワイトペーパーは、顧客が課題解決できる技術を伝えることができ、リードの獲得など、マーケティングに活用できます。今回はホワイトペーパーの作り方を紹介します。
BtoB製造業におけるホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、もともとは政府や公的機関が発行する調査報告書です。現在は、企業が、自社の製品やサービスに関する技術情報などを記載した資料として使用されています。
ホワイトペーパーの内容は、サービス説明、ノウハウ共有、製品を使った課題解決方法などです。BtoB製造業におけるホワイトペーパーは、解決したい課題を示して、自社製品を使ったソリューションを載せている資料が多くなります。
企業は見込み顧客のWebサイトへの集客やリード情報を得るだけではなく、ホワイトペーパーから得た情報をもとに、アプローチやメール訴求などでのWebマーケティングに活用します。
ホワイトペーパーを作るときのポイント
ホワイトペーパーを作るときは以下のポイントが重要です。作成前に以下4つのポイントを押さえましょう。
ターゲットを決める
ホワイトペーパーを作るときはターゲットを明確にすることが大切です。記載する内容は業種によって変わります。金属加工業なのか、または、ベンダーなのか、それぞれに適した内容にしましょう。また、部署は設計部署なのか生産部署なのかもポイントです。
具体的な内容にする
ホワイトペーパーは、明確なテーマで具体的な内容であるほど顧客にとって理解しやすいでしょう。ポイントは、ホワイトペーパーごとにテーマを1つに絞ることです。例えば、「検査工程省人化」がテーマであれば、内容は「ラインで流れてくる部品を画像で読み取り、自動で寸法測定する技術の説明」などにするといいでしょう。顧客がどのように自社に適用できるかイメージしやすくなります。
ダウンロードしてもらえるタイトル
顧客がホワイトペーパーをダウンロードするかどうかはタイトルによって決まるため、とても重要な要素です。顧客がどのような課題を解決できるかわかるタイトルにしましょう。また、ターゲットをタイトルに含めることもおすすめです。例えば、「品質管理担当者の工数削減を可能にするAI画像検査装置」にするとターゲットと課題、解決法が明確になります。
課題と解決策を伝える構成にする
顧客の課題に対して、解決策をわかりやすく伝える構成でなければなりません。よく使われる構成が下記の通りです。
- 要約
背景と課題、どのように解決できるのかの概要を記載します。 - 課題
設定した課題の詳細を説明します。 - 解決策
どのような技術で課題が解決できるか説明します。 - 事例紹介
過去の課題解決事例を紹介します。 - 製品紹介
自社の製品、サービスなどを紹介します。
ホワイトペーパーを作るときの注意点
顧客にホワイトペーパーの内容をうまく伝えるために、以下の点に注意して作成しましょう。
専門的すぎてわかりにくくないか
ターゲットが自社製品や関連技術に詳しいとは限りません。そのため、専門用語を使いすぎずに、わかりやすい言葉で説明しましょう。
文字が多すぎないか
文字が多すぎると読みづらく、顧客が最後までホワイトペーパーを読まない可能性があります。適度に図やグラフを使用して、視覚的に相手に伝わる内容を心がけましょう。特に製造業の技術説明や商品紹介では、図やグラフを用いると理解しやすくなります。
製品の宣伝をしすぎていないか
ホワイトペーパーは、メインコンテンツを課題解決方法の説明にしましょう。宣伝は営業資料を使います。
ダウンロード後は修正できない
企業は、ホワイトペーパーをダウンロード形式にすることがほとんどです。お客様情報を入力した後にダウンロード可能とすることで、リード情報を得ることができます。ダウンロード後は内容を修正できないため、誤った情報を記載しないように注意しましょう。
まとめ
ホワイトペーパーは、顧客が課題を解決できるコンテンツにしましょう。適度に図やグラフを使い、わかりやすい言葉で説明しましょう。ホワイトペーパーはリードの獲得に有効で、B2B製造業のウェブマーケティングに活用できます。
テクノポートでは、ホワイトペーパーを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、ぜひご相談ください。
メールマガジンの作り方
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。Webマーケティング手法の一つとして、メールマーケティングがあります。今回は、メールマーケティングを代表する「メールマガジン」を作る目的や注意するポイントについて解説します。
メールマガジンとは?
メールマガジンとは、企業の担当者やWebサイトの運営者から、複数の購読希望者に対して一斉に配信されるメールです。メールマガジンの配信者は、自ら購読を希望して登録した読者にのみ配信できます。
マーケティングに用いる販促ツールとして、見込み客に対して積極的に働きかける「プッシュ型」のツールと興味を持ってくれた人を引き込む「プル型」のツールがあります。メールマガジンはプッシュ型のツールに該当します。
一般的にプッシュ型のツールは、プル型のツールに比べると1件当たりの経費が多くかかることが特徴です。しかし、メールマガジンの場合、プッシュ型でありながら1件当たりの費用を抑えられる点がメリットとして挙げられます。
メールマガジンの目的
メールマガジンの主な目的は、配信者が提供する製品の販売促進です。宣伝をするだけではなく、自社の製品に興味を持ってもらうために、読者への教育や啓蒙を行うことも目的の一つとしています。
メールマガジンを通して自社や業界に対する知識を身につけてもらい、自社のファンを増やしていくことで、売上の増加につなげられます。実際にメールマガジンを配信する場合には、配信方法や配信頻度、タイトル、メールマガジンに記載するコンテンツを入念に準備する必要があります。
メールマガジンに記載するといい内容
ここからは、メールマガジンの配信を始めるときに悩むことが多い、メールマガジンに記載する内容について紹介します。メールマガジンの内容としては、次の3点を書いていくといいでしょう。
1.新着情報
新製品の情報や業界動向の変化などは、読者のニーズが大きく、読んでもらえる可能性が高いです。
自社の新製品を紹介する場合には、製品の提供を開始するタイミングに合わせて、製品に関する基本的な情報をまとめるのがおすすめです。新製品に対する認知度を高められるでしょう。
2.技術的な解説
自社製品や業界に関する知識を深めてもらうためには、技術的な解説をコンテンツにするのが効果的です。
単に技術的な解説にとどまらず、その技術が読者にとってどのような影響、メリットがあるのかも、あわせて紹介できるといいでしょう。また、丁寧でわかりやすい解説を行うことで、読者からの信頼を得やすくなります。
3.編集後記
企業の公式メールマガジンというと、「真面目な内容を書くべき」と考えがちです。しかし、メルマガの読者の中には、メールマガジンを配信する担当者の人柄が伝わるような内容を楽しみにしている人もいます。
メールマガジンの最後に、編集後記として最近の出来事や新製品開発の裏話、会社の所在地近辺の情報などを発信してみるといいでしょう。こうすることで、読者とのつながりを継続しやすくなります。さらに、メールマガジンとして配信するコンテンツが、きれてしまうのを防げるといったメリットもあります。
メールマガジンを作る際の3つの注意点
メールマガジンを作る際には、次の3点に注意して作る必要があります。
1.魅力的なタイトルを設定する
配信するメールには、クリックしたくなるような魅力的なタイトルを設定する必要があります。いい内容のメールマガジンを作成したとしても、開封されずにゴミ箱行きになってしまっては意味がありません。
4U(Useful, Urgent, Ultra specific, Unique)の原則に当てはまるかどうか確認すると、読んでもらえるタイトルが作りやすくなるでしょう。4Uには、以下のような意味があります。
- Useful(有益性):このメールを読むことで、読者が受けるメリットが伝わるか?
- Urgent(緊急性):「今だけ」「期間限定」などの時間的な緊急性が表現されているか?
- Ultra Specific(超具体性):数字などの具体的な要素が含まれているか?
- Unique(独自性):ありきたりではなく、独自の表現になっているか?
このように、タイトルはメールマガジンを読んでもらうために重要な要素です。
2.製品を導入するメリットを伝える
製品の魅力を伝えたいとき、熱が入ってつい売り込みが多くなってしまいがちです。しかしメールマガジンの読者が知りたいのは、「製品を導入することでどのようなメリットがあるか」という点です。
製品の導入で、「読者のどのような課題をどう解決できるのか」を紹介するといいでしょう。
3.効果測定をしてPDCAを回す
メールマガジンの配信数が増えてくると、読者がどのようなアクションを取っているかのデータが集まります。開封率やクリック率、エラー率、配信直後のレスポンスなどを確認し、PDCAを回しましょう。
タイトルのつけ方や配信タイミング、リンク先ページのコンテンツなどを改善していくことで、効果的なメールマガジンが作成できるようになるはずです。
まとめ
メールマガジンは、マーケティングに用いる販促ツールの中でも、低コストで運用できるプッシュ型のツールです。
コンテンツとしては、新着の情報や技術的な解説に加えて、開発の裏話や最近の出来事など、担当者の人柄が伝わるような内容もおすすめです。配信したメールマガジンを読んでもらえるように、4Uに配慮したタイトルをつけ、製品の売り込みをしすぎないように注意しましょう。
テクノポートでは、効果的なメールマガジンの作り方やメールマーケティングに対する支援を行っています。メールマガジンを活用していきたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
BtoB製造業のSNS活用法
フリーランス特許翻訳者であり、技術・理学系ライターとしても活動している太田です。近年、SNSを利用して自社のブランディングを行う「SNSマーケティング」が広まっています。今回の記事では、BtoB製造業がSNSマーケティングを活用する方法について解説しますので、参考にしてみてください。
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングは、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用したマーケティングです。ユーザと相互的なコミュニケーションをとることができる、自社の情報をいち早くユーザに発信できるなどの点で、SNSマーケティングは非常に効果的な手法であるといえます。近年、SNSマーケティングを導入する企業が増えてきました。
BtoCとBtoBにおけるSNSマーケティングの違い
一般には、BtoB企業よりもBtoC企業のほうがSNSマーケティングに向いているといわれます。理由として、BtoC企業は一般ユーザ向けの製品を販売しており、製品を使ったユーザがSNSで口コミやレビューを投稿する機会が多いためです。製品の評判がSNSで広まりやすく、さらに親和性が高いと考えられます。
一方で、BtoBでの取り引きの場合、製品や技術を購入した企業がSNSでレビューを投稿するケースは多くありません。競合他社に生産効率を上げてほしくないといった理由があると考えられます。
BtoB企業がSNSで反響を出すには、さまざまな工夫が必要です。
BtoB企業がSNSマーケティングを成功させるには
それでは、BtoB企業がSNSマーケティングで効果を出すにはどのような対策が必要なのでしょうか。
1.目的を持つ
SNSマーケティングを行う際の目的を明確にしましょう。目的を設定し、達成するために注力すれば、より効率的にマーケティング効果を高めることが可能です。
SNSマーケティングの目的として、自社のブランディング、認知度向上、商品紹介、展示会やセミナーなどへの集客、採用、商品サポートなどが例に挙げられます。
2.ターゲットを明確にする
SNSで誰に向かって情報を発信するのか、ターゲットを設定しましょう。ターゲットを決めることで投稿内容に一貫性・統一性が出て、より効果的なコンテンツを作成できます。
可能であれば、ターゲットとして詳細なペルソナ(年齢、性別、職業、趣味など)を設定するといいでしょう。
3.目的やターゲットに合った最適なSNSを選択する
SNSにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なります。そのため、運用の目的やターゲットに合わせた適切なSNSを選択することが重要です。代表的なSNSの特徴を以下に示します。
Facebookは、全世界で最も多くのユーザをかかえる実名制のSNSです。グローバル展開を考えている企業はFacebookが第一の選択肢となるでしょう。
SNSとしてさまざまな機能がバランスよく搭載されている点、ビジネス用途で使用するユーザが多い点などが特徴です。そのため、Facebookひとつでビジネスに関する基本的なプロモーションを実行できます。
Twitterは、短文でリアルタイムにコミュニケーションをとるためのSNSです。Twitterの最大の特徴は、拡散性の高さです。「いいね!」や「リツイート」といった機能により、自分のフォロワーだけでなくフォロワーのフォロワー、さらにその先までも情報を届けることができます。
リアルタイム性もTwitterの大きな利点です。「不特定多数の人に今すぐ伝えたい!」という情報が多く発生する場合は、Twitterの利用が有効でしょう。
Instagramは、写真や動画といった視覚的な手段を用いて情報を伝えることができるSNSです。製造現場や社内の風景などを発信するにはInstagramが最適でしょう。
Instagramには「ストーリーズ」という機能が存在します。ストーリーズには「質問」「アンケート」「クイズ」といった機能があり、これらを用いてユーザとさまざまなコミュニケーションが可能です。
4.発信する内容を工夫する
発信内容の工夫も重要です。BtoB製造業ならではの魅力的な内容を発信しましょう。
製品、技術のPR
第一に挙げられるのは、自社製品や技術のPRです。自社の技術情報をSNSで多くの人に知ってもらうことで、新たな顧客獲得にもつながります。
日常
顧客企業の中には、製造現場や社内風景などを見たいといった要望も多くあります。これらの内容を発信して顧客企業の安心感や親近感を獲得すれば、製品の発注にもつながるでしょう。
展示会などのお知らせ
SNSを使えば、展示会などの情報を開催直前に再度アナウンスできます。その結果、より多くの参加者を集めることができるでしょう。
BtoB企業のSNSマーケティング成功事例
これからBtoBのSNSマーケティングを始めようとする企業は、他社の成功事例を参考にすることをおすすめします。ここでは、製造企業3社のSNSマーケティング成功事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
DENSO
(引用:DENSO Facebook)
DENSOは、自動車部品を製造するBtoBメーカーです。FacebookとInstagramを運営しています。
どちらのSNSでも、ニュースや技術紹介、社員紹介、イベント情報、プレスリリースといった内容を幅広く発信しています。特に社員紹介は、DENSOが社員を大切にしている様子が分かる魅力的なコンテンツです。
また、Facebookでは投稿内容の英訳も同時に掲載されており、グローバル展開を意識していることが分かります。
島津製作所
(引用:島津製作所 Twitter)
島津製作所は、精密機器や医療機器などを製造するBtoBメーカーです。FacebookとTwitterを運営しています。
どちらのSNSでも、最新トピックスやプレスリリース、社内風景、技術紹介などさまざまな内容を発信しています。自社HPの内容を紹介する投稿が多く、SNSを介して自社HPを多くのの人に見てほしいという思いが感じられます。
フセハツ工業
(引用:フセハツ工業 Facebook)
フセハツ工業は、さまざまなバネを製造しているバネの総合メーカーです。FacebookとTwitterを運営しています。
Facebookページには、「ばねとくらす」という一般ユーザにも親しみやすいタイトルがつけられています。バネの製造現場に関する動画をはじめ、フセハツ工業の日常風景が分かるようなコンテンツが特徴です。
Twitterでもバネの製造動画をはじめ、独自に開発したユニークなバネ製品の紹介といったユーザの興味を引く内容を発信しています。
まとめ
BtoB企業のSNSマーケティングには大きな可能性があります。目的やターゲットを適切に設定し、各SNSの特徴を活かした運用を行えば、大きな成果につながるはずです。
自社の可能性を広げるためにも、SNSマーケティングをはじめてみてはいかがでしょうか。
アフターコロナの製造業(サプライヤー)の営業活動について
テクノポートの井上です。以前、製造業の営業活動について紹介しましたが、コロナ禍以降、営業活動は大きく変わろうとしています。今回は、コロナ禍以降、どのような営業活動が有効になるのかを考察し紹介します。
製造業(サプライヤー)の営業の難しい点
自社製品を持つ企業と比べサプライヤー企業の営業は難しいと言われており、その理由は大きく3つ考えられます。
自社製品ではないため差別化が難しい
決まっている図面を正確に作るのがサプライヤーの役目です。
QCD(クオリティ・コスト・デリバリー)の中で、差別化を提案するケースが多くなります。安定した品質や期日内納品は差別化しづらいため、コストで既存の発注先を上回る魅力を出す提案になり、消耗戦ビジネスになりがちです。
もちろんVA・VE提案のように仕様変更の提案が理想ですが、製品の利用用途などの情報を得るには事前に関係構築が必要になります。
営業のタイミングが難しい
製造業界では基本的な発注先は決まっています。既存の発注先に不具合や不満がない限り、新たな発注先に切り替えることはなかなかありません。常により安く、早くて品質が良い発注先を探していますが、切り替え時にはさまざまなリスクもあるため慎重になります。
そのため、サプライヤー側が新規でアプローチをかけても、タイミングが合わず「機会があれば」で終わってしまうことが非常に多いでしょう。
口コミ・紹介で広めるのが難しい
他の業界と異なり、製造業界は口コミでの紹介が難しい傾向にあります。例えば美味しいラーメン屋さんがあって、そのラーメンの美味しさに感動したとします。みんなに知ってもらいたいと、知り合いに教えることも多いのではないでしょうか?
しかし、製造業の場合は同様にはいきません。旋盤加工で安くて技術の高い会社があったとして、多くの仕事がその会社に入ってしまうと、自社の仕事を受けてもらえなくなる可能性が出てきます。そのため、できれば情報は隠しておきたく、良い会社は自社で囲いこむ傾向があります。
営業手法の種類
現状、考えられる営業手法と特徴について紹介します。
営業手法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
紹介営業 |
|
|
飛び込み営業、テレアポなど |
|
|
専門雑誌・新聞などへの広告宣伝 |
|
|
展示会出展 |
|
|
オンライン展示会・商談会 |
|
|
Web広告 |
|
|
Webサイト活用 (SEO対策) |
|
|
SNSマーケティング |
|
|
メールマーケティング |
|
|
Webを活用した営業手法が以前と比べ増加傾向にあります。コロナ禍以降、直接の面談を避ける企業も増えており、従来の営業手法ができないと仰る会社も非常に多いのが現状です。そのため、非接触というキーワードでの営業手法に注力する企業が増えています。
製造業(サプライヤー)の営業活動のポイント
サプライヤーの営業活動が難しいポイントを踏まえ考慮した上で、これからの営業活動に必要なことは、「いかにニーズの生まれるタイミングを正確に捉えられるか」と言えます。
営業活動はタイミングが最重要課題
どんなに良い提案ができていもタイミングを逃せば、失注や長期検討で忘れられる可能性が高まります。逆にタイミングさえきっちり押さえていれば、検討候補に入り受注に至るケースが高まります。新規で取引が決まった際に「なぜ弊社に?」という質問をしてみると、「タイミングが良かった」と聞くことは多いかと思います。当然ですが、存在するすべての企業を精査して発注先を決めるわけではありません。
それほどタイミングが重要となるわけですが、それが生じる場面は、既存の発注先での不具合、不満、技術的な対応不可、廃業、キャパオーバーなどさまざまです。
タイミングを掴むには
では、どうすればそのタイミングを掴むことができるのでしょう?タイミングとはニーズが顕在化するタイミングです。しかし、「欲しい」「必要とする」タイミングは今ではない企業がほとんどです。
潜在的ニーズのある企業の顕在化するタイミングを捉えることが課題となります。そのタイミングを捉えるために必要な流れは以下の通りです。
- 潜在的なニーズのある企業に対し、自社を知ってもらう
- 定期的なアプローチにより、ニーズの掘り起こし、自社の認知度向上を行う
- ニーズが顕在化したときに相談をもらう
顕在的なニーズのある企業だけを探そうとすると、すぐに営業先は枯渇してしまいます。さまざまな営業活動にて潜在的なお客様となり得る情報を収集し、その情報をうまく活用し、中長期的なお客様につなげることが重要です。
サプライヤーの場合、自社が欲しいと思うタイミングで都合よく仕事が生まれるわけではありません。お客様が欲しい思えるように想起させ、タイミングがきたときに声をかけてもらう仕組みを作ることがサプライヤーの形態にも合ったやり方と言えます。
デジタルマーケティングという手法
上記のタイミングを効率よく掴むための手法がデジタルマーケティングと言われるものです。デジタルマーケティングとは、わかりやすく言うと情報の蓄積と活用によって顧客を獲得する方法です。さまざまなチャネル(Webサイト、展示会、Eメール、SNSなど)を通して得られるデータを活用することで、売れる仕組みを作ります。デジタルマーケティングの具体的な進め方については別記事で紹介しています。「デジタルマーケティングの進め方」
名刺交換で終わった企業、単発のお仕事で終わった企業、値段が合わず失注となった企業など、さまざまな顧客接点が作れている中、一度で終わってしまっているケースが多くあります。その情報をどう活用するかで今後の売上は大きく変わってきます。営業として、もちろん目先の商談、受注は最優先です。しかし、同様に中長期的な観点での情報収集とその活用を視野に入れ、仕事を獲得できる仕組みを作ることも重要です。
様々な営業活動により獲得したリードとの関係性を深めることで顧客化していくデジタルマーケティング。「モノカク」を運営するテクノポート株式会社では、技術系企業専門の「デジタルマーケティング」を導入・定着化していくための支援を行っています。ぜひ、参考にしてみてください。
FAQコンテンツの書き方
製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。FAQコンテンツは、カスタマーサポートやSEO対策として多くの企業に取り入れられています。今回はFAQコンテンツの役割や書き方だけでなく、上手く取り入れられている事例なども紹介します。
FAQとは
FAQは、よくある質問と回答をまとめたものです。英語の「Frequently Asked Questions」を略して、FAQといいます。企業によっては、想定される問い合わせに対して回答をまとめたFAQもあります。
FAQコンテンツの役割
FAQコンテンツの役割について紹介します。
掲載することで余計な問い合わせを防ぐ
FAQコンテンツを設置することで、問い合わせ対応業務を効率化できます。企業は自社製品やサービスのカスタマーサポートのために窓口を設置し、メールや電話で対応します。そのため、問い合わせ対応のために人員と工数が必要です。もし、お客様がFAQコンテンツを読んで悩みや不安を解決できれば、カスタマーサポート側の負担をが軽減し業務の効率化が可能です。
SEO対策
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンで上位に表示されるように対策することを言います。FAQコンテンツはSEO対策として有効です。FAQコンテンツをSEO対策することは、ページへのアクセスが増え、PV増加につながります。
リードの獲得
FAQコンテンツはリードの獲得にも有効です。FAQコンテンツに課題解決方法を載せると、興味をもったお客様がアクセスします。その結果、製品情報を閲覧するきっかけとなり、リードの獲得につながります。
FAQコンテンツに記載する質問内容
FAQコンテンツに記載するおすすめの内容を紹介します。
実際にホームページからきた問い合わせ
FAQコンテンツには、カスタマーサポートに問い合わせがあった内容を載せるといいでしょう。お客様からきた質問とその解決方法を載せることで、お客様が求めているコンテンツとなります。
営業担当者に質問される内容
営業担当者はお客様と接する機会が多く、日頃からわからないことの質問を受けています。営業担当者にヒアリングをしてFAQコンテンツを作成しましょう。主に以下の内容を記載することをおすすめします。
- 商品やサービスの特徴や仕様
- お客様価値、課題解決
- オプション情報
カスタマーサポートに質問される内容
カスタマーサポートも営業と同じく、お客様と接する機会が多くなっています。主に以下の内容です。
- 商品やサービスの使用方法
- 不具合発生時の対応
- メンテナンス方法
FAQコンテンツが上手く掲載されているサイト
FAQコンテンツが上手く掲載されている、BtoBの製造業を4社紹介します。
DMG森精機株式会社
DMG森精機株式会社は、切削型工作機械の総合メーカーです。FAQコンテンツには、操作方法や導入方法、周辺機の情報が多くあります。そのため、工作機械導入を検討するお客様に適したコンテンツです。
お客様の疑問に答えるだけでなく、導入事例や成功事例が画像でわかりやすく掲載されており、お客様の課題解決が可能なコンテンツとなっています。
株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、FA機器の総合メーカーです。コンテンツマーケティングを行っており、膨大なナレッジをオウンドメディアで展開しています。「マーキング学習塾」のFAQコンテンツは、レーザーマーカーの原理、活用法などです。
基礎知識を解説するコーナーがあり、SEOを意識したキーワードを使っています。例えば、レーザーマーカーとはなにかを検索すると、上位に表示されるように対策しています。解説にカタログのリンクもつけており、マーケティングにも活用しています。
ユナイテッド・プレシジョンテクノロジーズ株式会社
ユナイテッド・プレシジョンテクノロジーズ株式会社は、精密加工品のメーカーです。FAQコンテンツには、コスト、納期などお客様が知りたい情報が掲載されています。
また、「多数の穴をあけたい」「1個でも対応してほしい」など、お客様の要望をキーワードとしています。回答は、お客様が製品を使って課題解決できる内容です。お客様が製品に興味を持つだけでなく、リードの獲得にもつなげています。
オムロン株式会社
オムロン株式会社はFA機器や電子部品、ヘルスケア製品のメーカーです。オムロンはFAQコンテンツに、製品ラインナップの紹介と仕様、課題解決に対する回答などを載せています。
測定原理を図で解説しており、ユーザーが理解しやすい工夫がされていますFAQに関連商品へのリンクもつけており、サイト全体のPVアップとマーケティングを意識しています。
まとめ
FAQコンテンツは、お客様が自身で課題解決できる内容にするといいでしょう。それによって、企業はサポート業務の工数削減が可能です。また、FAQコンテンツは、SEO対策をすることで自社の宣伝となり、デジタルマーケティングとしても活用できます。
テクノポートでは、FAQコンテンツを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、一度ご相談ください。
「技術屋」がオンラインで顧客とつながる 新規顧客獲得のためのブランディング
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
技術屋がオンラインで顧客とつながるためには、スタートもゴールも自社の技術がいかに新規顧客にとっての新しい売り上げを作ることにいかに貢献できるか、そのための魅力ある発信をすることです。
コロナ以降、もともとオンライン化を進めてきた企業と、今までオンラインではなく紹介や展示会といった対面での営業に特化していた起業とで、新規案件の受注率に変化が起きています。これは本来ここ5年から10年ほどかけてゆっくり変化するはずだったオフライン営業からオンライン営業への移行がコロナの発生により、たった1年で起きてしまった、ということです。取引先担当者や新規顧客においても、移動の自粛や時間の短縮の中で、より着実に自分たちのビジネスをサポートしてくれる相棒となる企業を探さなくてはいけません。
そこでまず担当者はネット上で情報収集することから始めます。だからこそ準備が重要になります。あなたの会社を担当者に見つけてもらう準備、そしてあなたの会社に問い合わせしたくなる準備です。担当者に見つけてもらう準備として、まずオンラインの土台となるホームページの見直しやニュースリリースの発行です。ただしこれは担当者へ届くための発信の導入編に過ぎません。あなたの会社に実際に問い合わせしたくなる準備として、これから話す4つのポイントに注目してブランディングを始めてもらうとオンライン化も進めやすいでしょう。
①知らない事実を探すために「当たり前」を疑う
あなたの会社のオンライン化を始める前に行って欲しいことがあります。それは自社の「当たり前」を掘り起こすブランディングです。理由は、オンライン時代にではいかに”比較をされない発信”をしていくかが重要だからです。そのためにあなたの会社の当たり前の中に、自社の強みが蓄積されているからです。他人が知っていて自社では当たり前だと思っていたことが、見方を変えると実は最大の強みだったということもあるでしょう。日常的に行ってきた当たり前が多くの技術を支えています。とはいえ自分たちの当たり前ほど探しづらいものはないので、お客さんに聞く、ネット上の口コミから情報を得る、お客さんになりきる、といった他者の視点を取り入れることから始めることをお勧めします。
②技術だけでなく、実例を話す
お客さんの体験談は、新規顧客に対して何より大きな効果を生み出します。これは①で話したように、私たちも一般消費者として休日にネットショッピングをするとき、レビューを気にしますよね。その行動と同じです。新規取引先にまず問い合わせしてみるか否かをすでに取引がある実例から想像することができるようになります。製品やプロジェクトによって社外秘となる案件もあると思いますが、開示できる実例を開示することは、既存顧客との相互に応援できる関係を作ることにもつながります。
③コンセプトプロダクトのリリース
自社の技術をBtoC向け商品を企画生産してみるのも一つの手法です。ここでお話しすることは、「技術の見える化」です。最近ではクラウドファンディングといった手法もあります。自社の技術を実際に商品化することでキャッチーに目に止まる効果を存分に期待できます。そして何よりあなたの会社のチャレンジ精神に対して、ビジネスパートナーとしての興味や関心を寄せる大きな糸口となるでしょう。
④新規顧客が問い合わせやすいタッチポイントを設ける
①②③のステップで新規顧客があなたの会社に問い合わせしたくなるポイントを準備できたと思います。そこで最後に忘れてはいけないことが”問い合わせ方法のシンプル化”です。シンプルに問い合わせフォームを設けるだけでもいいですが、資料請求や担当からの返信方法など、”この後の流れを想像できる”タッチポイントを設けることで新規顧客の問い合わせへのハードルを下げることができます。
リアルで会えないオンライン上での「非接触営業」は、どれだけ新規顧客に興味・関心、そして何より期待感を抱いてもらうことができるかが重要となってきます。自社の技術が、いかに新規顧客の新しい売り上げを作ることに貢献できるか魅力ある発信をすることに尽きます。自社の魅力である技術と、それによって解決できる取引先の未来が、あなたの会社の本来の持っている価値をオンライン時代でも100%発揮できる方法です。
「技術屋」がオンラインで顧客とつながる 新規顧客獲得のためのブランディング
こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
技術屋がオンラインで顧客とつながるためには、スタートもゴールも自社の技術がいかに新規顧客にとっての新しい売り上げを作ることにいかに貢献できるか、そのための魅力ある発信をすることです。
コロナ以降、もともとオンライン化を進めてきた企業と、今までオンラインではなく紹介や展示会といった対面での営業に特化していた起業とで、新規案件の受注率に変化が起きています。これは本来ここ5年から10年ほどかけてゆっくり変化するはずだったオフライン営業からオンライン営業への移行がコロナの発生により、たった1年で起きてしまった、ということです。取引先担当者や新規顧客においても、移動の自粛や時間の短縮の中で、より着実に自分たちのビジネスをサポートしてくれる相棒となる企業を探さなくてはいけません。
そこでまず担当者はネット上で情報収集することから始めます。だからこそ準備が重要になります。あなたの会社を担当者に見つけてもらう準備、そしてあなたの会社に問い合わせしたくなる準備です。担当者に見つけてもらう準備として、まずオンラインの土台となるホームページの見直しやニュースリリースの発行です。ただしこれは担当者へ届くための発信の導入編に過ぎません。あなたの会社に実際に問い合わせしたくなる準備として、これから話す4つのポイントに注目してブランディングを始めてもらうとオンライン化も進めやすいでしょう。
①知らない事実を探すために「当たり前」を疑う
あなたの会社のオンライン化を始める前に行って欲しいことがあります。それは自社の「当たり前」を掘り起こすブランディングです。理由は、オンライン時代にではいかに”比較をされない発信”をしていくかが重要だからです。そのためにあなたの会社の当たり前の中に、自社の強みが蓄積されているからです。他人が知っていて自社では当たり前だと思っていたことが、見方を変えると実は最大の強みだったということもあるでしょう。日常的に行ってきた当たり前が多くの技術を支えています。とはいえ自分たちの当たり前ほど探しづらいものはないので、お客さんに聞く、ネット上の口コミから情報を得る、お客さんになりきる、といった他者の視点を取り入れることから始めることをお勧めします。
②技術だけでなく、実例を話す
お客さんの体験談は、新規顧客に対して何より大きな効果を生み出します。これは①で話したように、私たちも一般消費者として休日にネットショッピングをするとき、レビューを気にしますよね。その行動と同じです。新規取引先にまず問い合わせしてみるか否かをすでに取引がある実例から想像することができるようになります。製品やプロジェクトによって社外秘となる案件もあると思いますが、開示できる実例を開示することは、既存顧客との相互に応援できる関係を作ることにもつながります。
③コンセプトプロダクトのリリース
自社の技術をBtoC向け商品を企画生産してみるのも一つの手法です。ここでお話しすることは、「技術の見える化」です。最近ではクラウドファンディングといった手法もあります。自社の技術を実際に商品化することでキャッチーに目に止まる効果を存分に期待できます。そして何よりあなたの会社のチャレンジ精神に対して、ビジネスパートナーとしての興味や関心を寄せる大きな糸口となるでしょう。
④新規顧客が問い合わせやすいタッチポイントを設ける
①②③のステップで新規顧客があなたの会社に問い合わせしたくなるポイントを準備できたと思います。そこで最後に忘れてはいけないことが”問い合わせ方法のシンプル化”です。シンプルに問い合わせフォームを設けるだけでもいいですが、資料請求や担当からの返信方法など、”この後の流れを想像できる”タッチポイントを設けることで新規顧客の問い合わせへのハードルを下げることができます。
リアルで会えないオンライン上での「非接触営業」は、どれだけ新規顧客に興味・関心、そして何より期待感を抱いてもらうことができるかが重要となってきます。自社の技術が、いかに新規顧客の新しい売り上げを作ることに貢献できるか魅力ある発信をすることに尽きます。自社の魅力である技術と、それによって解決できる取引先の未来が、あなたの会社の本来の持っている価値をオンライン時代でも100%発揮できる方法です。
メディウェル、MAツール「Oracle Eloqua」を導入、求人問い合わせ件数が前年から4.5倍に | IT Leaders
「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」開催レポート
テクノポートの徳山です。2020年9月29日(火)に、弊社主催のオンラインセミナー「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」が開催されました。
コロナ禍となり、多くの展示会がオンライン化する中で、出展者はその変化にどのように対応していけばいいのか?そんな問いに答えていただくために展示会出展支援のスペシャリストである、株式会社展示会営業マーケティングの清永代表を講師としてお招きし、セミナーを開催いたしました。今回はそのセミナーの内容を掻い摘んでご紹介いたします。
講師:清永健一氏の紹介
展示会営業®コンサルタント。中小企業診断士。 株式会社展示会営業マーケティングの代表取締役。奈良生まれ、東京在住。 神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で 手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。 展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などに そのノウハウを伝えている。
自前オンライン展示会開催のススメ
セミナーで清永氏が強く勧めていたのが「自前オンライン展示会」の開催です。大手企業であればプライベート展示会は馴染みのある施策かも知れませんが、中小企業にとってはかなりハードルが高く感じてしまいます。特に「どのように来場者を確保すればよいのか」といったところで思考が停止してしまいがちです。
しかし、中小企業であれば大手企業ほどたくさんの来場者数を確保しなくても良いわけですし、オンラインでの開催であればコストもほとんど掛かりません。まずは失敗してもいいから行動してみましょう、と清永氏は言います。
自前オンライン展示会開催の手順
上記スライドは、自前オンライン展示会開催のための具体的な手順です。集客のために、2のプレスリリースを行う場合は、PR TIMESやアットプレスなどのプレスリリース配信サービスを利用することになるので、多少の費用はかかります。
過去に展示会出展した際に獲得した名刺など、一定数のリードを自社で保有している会社であれば、リードへオンライン展示会開催のお知らせを一斉告知するだけでそれなりに参加者が集まる場合があります。その場合は集客コストはゼロという形になります。
機能的ドメインで自社の魅力を伝える
次に清永氏が話していたのが、自社の魅力を物理的ドメインではなく機能的ドメインで伝える、ということです。合同オンライン展示会では、リアルの展示会とは違い、自社ブースへの呼び込みが行えないため、来場者が展示パネルの情報を見てアクセスしてくれるのを待つしかありません。
しかし、中小企業の場合、ネームバリューがないため、展示パネルに会社名を記載しても興味を持ってもらえる可能性が低いです。そこで、機能的ドメインを軸に自社の魅力を明文化し、展示パネルに記載することで興味を持ってもらえる可能性が高まる、ということです。
上記スライドは、物理的ドメインを機能的ドメインに転換した例です。個人的には「ネジ製造業」を「緩み撲滅業」と表現していたことに一笑いしてしまいました。ここでは多少ユニークな要素を入れるセンスの必要性も感じました。
1分紹介動画を作ってみる
オンライン展示会への出展機会が増えると、短い時間で自社の魅力を伝えなければならない場面が増えます。そのために「1分紹介動画」というものを作ってみることを清永氏は勧めています。
その際に、機能的ドメインによる自社の魅力を考える際に使用するコンセプトシートをもとに作ると効率的、ということでした。
こちらが出展コンセプトシートです。赤字で記載されているのは清永氏の会社の例です。
次に、自社の1分紹介動画を作ってみます。この際に、先ほど作成した出展コンセプトシートの順に従ってストーリーを考えると効率的とのことです。
さらに詳しく学びたい方は清永氏のYouTubeチャンネルへ!
オンライン展示会について、さらに詳しく学びたいという方は、清永氏のYouTubeチャンネルを是非ご覧ください。上述したようなオンライン展示会出展のノウハウをはじめとした動画が多数アップされています。
以上、2020年9月29日(火)に開催した「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」のご紹介でした。
これを機に合同オンライン展示会だけでなく、自前オンライン展示会の開催も検討してみてはいかがでしょうか。展示会出展支援のご要望があれば、是非清永氏へご相談ください。
ブラザー販売、顧客サービス基盤「Oracle CX Service」を稼働、顧客が疑問点を自己解決可能に | IT Leaders
SNSから投稿者の社会性や健康状態などのパーソナリティを推定─NICT研究 | IT Leaders
トランスコスモス、オンラインセミナーの集客やアフターサポートを支援するサービスを開始 | IT Leaders
水戸ホーリーホック、”観戦体験”の向上を目指し観客データを分析する実証実験、SAP Analytics Cloudを利用 | IT Leaders
富士通、監視カメラの画像解析によって街頭広告の効果を測定できる製品を販売 | IT Leaders
人気サービス/アプリに載る自社の情報を正しく管理する─Yextの利用メリットと仕組み | IT Leaders
展示会出展効果をデジタルマーケティングにより最大化する方法
テクノポートの徳山です。最近、製造業のお客様から昔よりも展示会の出展効果が落ちている、という声をよく聞きます。確かにインターネットによる情報収集が主流になりつつある中で、展示会の来場者は伸び悩んでいると言われています。
しかし、そんな状況下においても安定した成果を挙げている企業が多く存在します。そのような企業が取り組んでいる手段の一つが、展示会の出展とデジタルマーケティングを掛け合わせた施策です。
今回は、展示会で成果を挙げている企業が、展示会出展効果をデジタルマーケティングにより最大化するためにどのような行動を行っているかについてご紹介します。
※デジタルマーケティングの概要については下記記事をご参照ください。

なぜデジタルマーケティングの活用が必要なのか
展示会で成果を挙げている企業の多くが、なぜデジタルマーケティングに取り組んでいるのでしょうか?
それは、展示会で獲得する名刺(リード)のうち、すぐに商談化できる「今すぐ客」は数%程度で、10〜20%ほどが中長期的に商談化できる「これから客」、その他の大部分は商談化につながらない「ひやかし客」だからです。
「今すぐ客」は展示会場で商談のアポが取れたり、見積りの依頼をされたりするので、展示会終了後に後追いする必要はありません。
重要なのは「今すぐ客」よりもボリュームが圧倒的に多い「これから客」をいかに商談に持ち込み顧客化することになり、これが出来るかどうかで展示会の出展効果は大きく変わってきます。
そして「これから客」を効率よく顧客化するために必要なのがデジタルマーケティングなのです。
上図は以前の記事でもご紹介した「技術系企業の一般的な購買プロセス」です。獲得したリードがこの購買プロセスのどのフェーズにいるかをイメージしてみましょう。「今すぐ客」は③④のフェーズにいるリードで、これから客は①②のフェーズにいるリードと言えます。
デジタルマーケティングでは、技術課題に関して認識したばかりで、これから解決手段の探索を行う様なリードに対し、様々な情報を提供することでフェーズが進展させ、商談化へ繋げていくことになります。展示会の効果測定期間が長くなりますが、せっかく多額のコストを費やして出展するのであれば1社でも多くの顧客を獲得しましょう。
展示会出展後のデジタルマーケティングの進め方
名刺をデジタル化する
どのリードが「これから客」なのか明確に定義はできませんし、将来「ひやかし客」が「これから客」に変化することがあるかも知れませんので、展示会の時点で商談化できた「今すぐ客」を除き、すべての名刺情報をリードとしてデジタル化していきましょう。
ただし、リード数によって料金が変わるマーケティングオートメーションのサービスをお使いの方は、見込みの低いリードを加えるのに抵抗があるかと思います。その際は「これから客」のみ厳選してデジタル化しましょう。見極めのために来場者向けヒアリングシートなどを準備しておくと良いでしょう。
名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。個人的なお勧めは「Wantedly People」です。名刺をスマホで撮影するだけで、高精度のデジタル化ができます。名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」です。
デジタル化の具体的な方法は、以前に書いた「リード獲得の具体的手法」内のオフラインでのリードジェネレーションの段落をご参照ください。
リードナーチャリングする
労力をかけてデジタル化し、いつでも一斉メール配信が可能になったリードに対し、来場お礼メールでお終いにしないようにしましょう。労力はかかりますが、定期的に情報提供することでリードナーチャリングすることが重要です。
リードナーチャリングを行う理由は下記の2点です。
- 定期的にコミュニケーションを取ることで自社を忘れないようにする
- 様々な情報を提供することで購買プロセスの次フェーズへ進める
名刺情報をマーケティングオートメーションに取り込む際に、「2020年1月展示会」といったタグ情報を付加しておき、類似内容の展示会出展時に展示会案内のメールを送ったり、興味分野ごとにカテゴライズしておき、送付するメルマガの内容を変えたりすると、効率的にリードナーチャリングすることができます。
リードナーチャリングの具体的なコンテンツを紹介
リードナーチャリングするコンテンツには、メールマガジン、技術資料(ホワイトペーパー)、導入事例、FAQなどがあります。詳細は「リードナーチャリングのためのコンテンツ制作」をご参照ください。
スコアリングしてアプローチする
スコアリングとは、メールの開封、メールに記載してあったURLのクリック、特定のWebページの閲覧などがあった際に、マーケティングオートメーション上でそのリードを点数付けすることです。「これから客」に対し、一斉メールでコンテンツを定期配信しながらスコアリングしていきます。スコアがある程度溜まったリードから順番に、メール、電話、セミナーの勧誘などの手法で営業アプローチしていくことで、営業効率を上げていきます。
アプローチする際に、リードのWeb閲覧履歴などから興味分野を把握し、アプローチ時の営業トークに役立てることができるので、アプローチ前に必ずリードの活動履歴をチェックしておきましょう。
以上、参考になりましたでしょうか。展示会の成果が落ちていると展示会主催者側の責任にしても何も始まりません。自社で出来る努力を最大限行っていきましょう。まずは過去に出展した際に収集した名刺情報を引っ張り出してきてデジタル化すること、来場お礼メールを送って終わりにしていたリードに対し定期的な情報発信を行ってみること、その辺りから始めてみてはいかがでしょうか。
ご紹介したデジタルマーケティングのプロセスを遂行することで、展示会の出展効果が何倍にもアップするかも知れません。
キラーコンテンツとなる顧客事例の作り方
テクノポートの徳山です。連載しているデジタルマーケティングに関する記事ですが、今回はリードナーチャリングの中でも効果的なコンテンツである「顧客事例」の作り方についてご紹介します。デジタルマーケティングに関する過去記事はこちら:製造業のためのデジタルマーケティング
顧客事例はBtoBマーケティングにおいて最強のコンテンツ
顧客事例とは、自社製品(サービス)を導入し一定の成果を挙げた顧客のストーリーをまとめた記事コンテンツです。顧客が抱えていた課題、導入の決め手、導入後の効果などをインタビューやアンケート用紙などで情報を取得し、記事としてまとめたものです。弊社Webサイトにも顧客事例を掲載していますので、こちらもご参照ください。
導入事例:https://techport.co.jp/case/
BtoBマーケティングのでは、購買単価が高く購買決定者が複数人となる場合が多いです。導入後の失敗に対するリスクが高いBtoBマーケティングにおいて、顧客事例は信頼性の高いコンテンツとしてリードをナーチャリングするのに最適と言われています。特に加工技術や請負技術のように、目に見えない商材を扱っている技術系企業にとって、見込顧客へ利用イメージを膨らますことができる顧客事例は貴重なコンテンツと言えます。
また、BtoC商材とは違い、ネット上での口コミ情報が極端に少ないので、見込顧客にとって第三者の情報に頼ることができません。新聞や雑誌などのメディアに掲載されている情報が有効と言われていますが、メディアに掲載されるのはハードルが高く、自社でコントロールすることもできません。よって、自社の努力次第で増産していけるコンテンツとして顧客事例は最強のコンテンツと言えるのです。
顧客事例作成の流れ
取材先企業の選定
まずはどの顧客を事例としてコンテンツ化していくかを決めます。頼みやすい顧客から事例化していくのも良いですが、下記のような基準に従い選定していくことでより効果的な顧客事例を作成することができます。
- 著名な企業の事例と自分事化できる事例をまんべんなく
顧客事例集に著名な企業が掲載されていると信用力を高めますが、そのような企業ばかりだと導入の心理的ハードルが上がってしまったり、そもそもお願いできそうな顧客が少なかったりといったデメリットも存在します。そこで、著名な企業ばかりではなく、導入前に抱えていた課題や悩みなど、共感できるエピソードを持った顧客も事例化することで、見込顧客の心を動かすコンテンツとなります。 - 解決した課題と提供価値が合致している事例
顧客が抱えていた課題と、自社で想定していた提供価値(強み)が合致している事例をコンテンツ化することで、事例顧客に近い課題を持った見込顧客からの問合せを獲得することができます。そのような顧客は自社の提供価値を魅力に感じていただける可能性が高いので、受注率が高まるというメリットもあります。 - 業種や所在地域など、属性が偏らないようにする
属性が偏っていると、獲得できる問合せの幅も狭くなってしまいます。幅広く色々な分野からの見込顧客から受注を獲得したい場合は、属性が偏らないように注意しましょう。
上述した選定基準により優先順位を付けることは大事ですが、事例は数は多ければ多いほど良いので、あまり絞りすぎないようにしましょう。掲載数が増えてきたら、業種別や課題別など、閲覧ユーザが見やすいようにカテゴリ分けするなど、ユーザビリティにも注意を払いましょう。
取材交渉
製造業という業種柄、取材を受けてもらえないケースが多いので、どのように交渉すれば引き受けていただけるかを中心に解説します。
- ハードルを下げるためにあくまで「取材」という名目を使う
取材を断られる人の中で「成功事例の取材」という言葉を使う場合がありますが、「成功」という言葉を使うと答える側のハードルが上がってしまうので、「活用状況の取材」など、軽めのニュアンスで依頼すると良いでしょう。 - 取材を受けるメリット(特典や割引など)を付与する
インタビューを受けることによるメリットを与えることで承諾率を高める方法です。既存顧客であれば付属品やメンテナンスの割引を行ったり、見込顧客であれば受注する段階で割引を条件に導入後に取材を受けていただくことを条件にすると良いでしょう。 - 書面(事例依頼書)を用意する
書面を用意すると承諾率が下がるのではないかと思われがちですが、担当者の方が上司へ内容を説明しやすくなり、承諾スピードが上がることがあります。また、依頼書内に先方から質問されそうな項目(事例の利用範囲や必要準備など)を明記しておくことで、無駄な質疑応答が減ると共に、後々のトラブル防止にも繋がります。 - ロゴの掲載許可だけでもいただく
最悪、取材NGになってしまったとしても、導入企業としてロゴだけでも掲載許可をもらいましょう。
取材(インタビューと写真撮影)
顧客事例を作成する担当者の多くが取材の経験がない方ばかりだと思います。そのような場合は事前準備が大切となります。
- あらかじめヒアリングシートを用意しておく
事例記事の構成とヒアリングする内容は想定の上、ヒアリングシートなども準備しておきましょう。弊社が作成した顧客事例取材マニュアル(ヒアリングシート付き)をダウンロードし参考にしてみてください。 - 会話を録音できるようにしておく
ヒアリングシートを準備したからといって、全ての内容を書き留めることは難しいと思いますので、取材時に顧客へ了承を得た上で会話を録音しましょう。スマホがあれば録音できます。 - 写真はとにかく良いカメラでたくさんの枚数を撮る
正直なところ、Webサイトに掲載する写真であればスマホで画質は十分ですが、顧客の気分を害する恐れがありますので、それなりに良いカメラを準備しましょう。写真の腕に自信がない方はとにかくたくさんの枚数を撮り、後で選定するよう心がけましょう。どのような写真を撮ればよいかに関しては、弊社の顧客事例取材マニュアルを参考にしてみてください。
顧客事例コンテンツ執筆
最後にインタビューした内容を記事として文章化して完了です。注意点は下記となります。
- Webサイトに載せる場合と、メールマガジンで送る場合とでキャッチコピーは変える
Webサイトに掲載する場合はSEO対策を意識してください。キャッチコピー内に検索キーワードを含めると良いでしょう。メールマガジンのキャッチコピー(タイトル)は開封率を高めることを意識します。具体的には下記記事内のメールマガジンの段落をご覧ください。
参考記事:リードナーチャリングのためのコンテンツ制作 - 中身の構成は王道に従えばOK
記事の構成は「導入効果」→「導入前の課題」→「実際に使用した感想」→「まとめ」といった流れが分かりやすいと思います。基本的にはこの王道の流れで書けば問題ないと思います。 - なるべく顧客が語った言葉をそのまま使う
顧客が語った言葉そのままが他の顧客にも響く場合が多いです。変に脚色せずに顧客の言葉をそのまま文章にしましょう。変に脚色して「そこまで言っていない」と顧客に言われたら記事の書き直しが発生してしまう、というリスクもあります。
先方の確認を経て公開
必ず先方の確認を経てから公開します。事例依頼書を提出していれば良いですが、そうでない場合は利用用途を明確に伝えましょう。
顧客事例コンテンツの利用用途
せっかく作成した顧客事例なので、下記のような様々な用途で活用していきましょう。用途語の注意点とメリットは下記のとおりです。
Webサイトに掲載
Webサイトの顧客事例ページに掲載します。
注意点
キャッチコピー(タイトル)はSEO対策を意識しましょう。
メリット
SEO対策によりアクセス流入が増えます。特に同じ課題感を持った顧客や、似たような属性の顧客からの問合せが期待できます。
メールマガジンにて配布
メールマガジンのコンテンツの一つとして配信します。
注意点
キャッチコピー(タイトル)は開封率を高めることを意識しましょう。
メリット
保有しているリードのリードナーチャリングに活用できます。保有リードの課題感や属性が把握できている場合は、それに応じた顧客事例をコンテンツとして配信することでより効果は高まります。
パンフレットなど販促物に掲載
パンフレット、セールスシートなど、営業マンが持ち歩く販促物に掲載します。
注意点
Webのように不特定多数へ情報が拡散しにくいので、少し踏み込んだ内容を載せるのもありです。
メリット
クロージング時に最後のひと押しとなます。また、著名な企業の導入事例を強く推すことでその権威に頼ることができます。
セミナーなどで紹介
リードナーチャリングを目的としたセミナーなどで利用します。
注意点
セミナーで使用する場合、ハードルは高いですが動画で紹介できると高い効果が期待できます。
メリット
動画ならではの訴求力の高さと、動画を流すだけなのでプレゼンなどと違い、失敗がありません。
構成を変えて二次利用も積極的に
事例によっては、同じ顧客の事例でも解決した課題が複数ある場合などもあります。そういった場合は、見方を変えて違う切り口から事例を作り変えることでパターンを増やすのもありです。貴重なコンテンツなので、顧客に迷惑がかからないことを前提に、二次、三次利用を積極的に行いましょう。
リードナーチャリング以外のメリットも
リードナーチャリングを行うためのコンテンツの中でもハードルが高く、作成の手間もかかるため遠慮しがちな顧客事例だが、それはライバル企業も同じことです。むしろライバル企業と差をつけるためにも良いコンテンツとなることは間違いありません。
また、上述したメリット以外にも、営業マンのモチベーションアップや、新たな製品改良に繋がるなど、副次的な効果もあるので、会社全体で協力して積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
顧客事例作成マニュアルのダウンロードはこちら
リードナーチャリングの中でも効果的なコンテンツである「顧客事例」の作り方をまとめたマニュアルです。ヒアリングシートも付いていますので、印刷して客先へそのままお持ちいただける内容となっております(全7ページ)。
- 顧客事例記事の構成
- 写真撮影のポイント
- ヒアリングシート
リードナーチャリングのためのコンテンツ制作
テクノポートの徳山です。前回執筆した「リードナーチャリングの進め方」に続き、リードナーチャリングのコンテンツに関してご紹介します。
リードナーチャリングで具体的に行うことは、定期的にメールを送信したり、セミナーを開催するなど、様々なコミュニケーション手段によりリードと関係を繋ぐと共に、自社との関係性を深めていいくことです。
今回はナーチャリングを行う上で最も重要な「コンテンツ制作」に焦点を当て、事例なども含めて解説してます。
リードの育成具合に応じたコンテンツを企画する
リードが求めている情報は購買プロセスのフェーズによって異なります。購買フローの初期フェーズにいるリードは、自社の技術課題に対する解決策を模索している情報収集段階です。業界情報、技術課題に対する解決策としてどのような技術があるのか、といったように、リードが情報収集したいと考えている内容にフォーカスしてコンテンツを企画すると良いです。
その時に、より専門的な情報を発信することで、貴社がその分野のプロフェッショナルであり、頼ることができる存在、という印象を与えることができるとなお良いでしょう。
次からはリードナーチャリングのために使われるコンテンツ例と制作上の注意点などをご紹介します。
メールマガジン
メールマガジンは配信回数とコンテンツの質のバランスが重要
デジタルマーケティングという言葉が広まる前から、リードとの関係性をつなぐ手段としてメールマガジンは使われてきました。その分、取り組んでいる企業も多く、発信してもほとんど見られないとも言われています。また、メールマガジンというと必ず一定期間ごとに配信しなければならない、という呪縛に取り憑かれ、疲弊してしまうことがあることが多いです。
個人的には配信回数よりもコンテンツの質を重視すべきだと考えているので、コンテンツの質を担保できないのであれば配信回数を減らすことも検討すべきだと考えています。とは言え、配信が一向にないとリードが育たないし関係性が切れてしまう、というデメリットもありますので、配信回数とコンテンツの質のバランスを保つことを常に気をつけましょう。
配信回数とコンテンツの質がトレードオフの関係となるため、配信回数にこだわるあまり、内容がつまらないものになっては全く意味がないからです。
※ここでは自社で獲得した名刺情報などのリード情報を元に、定期的に一斉配信するメールの事をメールマガジンとします。
タイトルの付け方がとにかく重要
前述したように、多くの企業が取り組んでいる施策ですので、最近では開封される可能性すら低い、ということを前提に考えましょう。特にリードとの関係性が弱い段階だと「どこの企業から情報が届いたか」よりも「どのような役立つ情報が届いたか」の方が重要なため、タイトルの付け方一つでメールの開封率が大きく変わってきます。
タイトル付けの主な注意点
- 購買フローの前半にいるリードをターゲットとして意識する(ボリュームゾーンなので)
- リードに自分事だと感じてもらう
- 文字数を30文字までに抑える
メールマガジンの内容(コンテンツ)をどのようなものにするか
自社の技術・製品をPRするための情報発信だけでなく、業界情報や動向、技術の解説、技術の活用事例なども情報発信することを検討しましょう。特に購買フェーズの前半にいるリードをナーチャリングしていく上で必要となります。
メールマガジンのコンテンツはWebサイト内に掲載する
メールマガジンのコンテンツをWebサイト内に掲載することでインデックス数が増えアクセス流入の増加が期待でき、新たなリード獲得につなげることができます。また、コンテンツを再構築すればSEOに強いWebページの制作にも繋がるでしょう。
技術資料(ホワイトペーパー)
技術資料(ホワイトペーパー)とはどのようなものか
リードナーチャリングで使う技術資料(ホワイトペーパー)は、メールマガジンと同様、自社の技術・製品をPRするための資料だけでなく、業界情報(動向)、技術の解説書、論文なども作成することを検討しましょう。特に購買フェーズの前半にいるリードをナーチャリングしていく上で必要となります。
ナーチャリングするユーザの状況を想定して制作する
購買フローのどのフェーズにいるリード向けの情報なのかを考慮した上で制作すると良いでしょう。そうすることで資料を閲覧してもらえる可能性が高まると共に、どの資料を閲覧したかによってどのフェーズにいるリードなのか、どのような課題を抱えているリードなのか、といった仮設を立てることもできます。
資料の内容が簡潔に伝わる情報を与える
ダウンロードを誘導するためのページ(メール)において、技術資料には分かりやすいタイトル、内容が簡潔に伝わる目次、全体のボリューム(ページ数)などを掲載することで、自分にとって必要な資料かの判断が付くようになり、ダウンロード数の増加=より多くのリードのナーチャリングに繋がります。
導入事例
BtoBマーケティングにおいて導入事例は最強のコンテンツ
購買単価が高く、購買決定者が複数人となる場合が多く、導入後の失敗に対するリスクが高いBtoBマーケティングにおいて、導入事例は信頼性の高いコンテンツとしてリードをナーチャリングするのに最適です。
BtoC商材とは違い、ネット上での口コミ情報が極端に少ないので、メディアに掲載されている情報が有効と言われていますが、メディアに掲載されるのはハードルが高いですし、自社で増産していけるコンテンツとして導入事例は最強のコンテンツと言えます。
著名な企業の権威と身近な企業の親密感
導入事例にどのような企業が掲載されているとよいか?一見、著名な企業に多く掲載してもらった方が良いように思えますが、そのような企業ばかりだと導入ハードルが高く思えてしまいます(そのような企業だけターゲットの商材なら別ですが)。
「あんな著名な企業の導入実績があるのか!」といった信頼感と、「自社に近い課題が解決されている!」といった親密感が必要です。
最強のコンテンツなので二次利用は積極的に
前述したとおり、最強のコンテンツである導入事例を一回のメール配信などで終わらせてしまってはもったいないです。自社サイト内でWebページ化することはもちろん、営業マンが持ち歩くセールス資料や、PDFにしてダウンロード用のコンテンツにするなど、積極的に二次利用を行っていきましょう。
FAQコンテンツ
FAQコンテンツとは、Webサイトに掲載する「よくある質問」に掲載するコンテンツのことを指します。よくある質問の中でもリードのニーズに沿った情報を配信することでナーチャリングコンテンツとして利用ができます。
全社で協力してコンテンツを集めることが大事
FAQコンテンツは、お客様と接する様々な部門に協力して集める必要があります。営業パーソンであれば、見込顧客から商談時やメールで聞かれる質問、お客様サポートであれば、既存顧客から寄せられる問合せ内容を収集することができます。
各部署の日報から自動的にFAQコンテンツを抽出するなど、コンテンツの作成をいかに自動化できるかがポイントとなります。
ニーズの高いコンテンツをナーチャリングに利用
全社で協力して集めたコンテンツをまずはWebサイトに掲載し、アクセスログで定期的にアクセス情報を計測していきます。その中でユーザのニーズの高い(アクセス数の高い)コンテンツや、問合せに至るユーザが読むことが多いコンテンツを中心にリードへ配信していくと良いです。
そのため、Webサイトに掲載するFAQコンテンツは一つの質問に付き1ページ作成するなど、後々にアクセス計測しやすいような工夫が必要となります。
リードナーチャリングを行う際はコンテンツの質が重要
本記事をご覧いただき、リードナーチャリングを行う上で最も重要なことは「コンテンツ制作」であるということが分かっていただけたと思います。
リードに定期的な情報伝達を行う際に届くコンテンツに魅力がないとせっかく捕まえたリードがメルマガ解除になってしまったり、そのような行動にまで至らないとしても「この企業からのメールはつまらないから今後はスルー」というレッテルをはられてしまったり、リードへ定期的な情報を届ける、といったことを優先し過ぎて、コンテンツの質が下がってしまうようであれば、一度立ち止まって考え直してみましょう。
リード育成(リードナーチャリング)の進め方
テクノポートの徳山です。前回の記事「リード獲得(リードジェネレーション)の具体的手法」に続き、今回は獲得したリードを育成し受注につなげるために何をしていけばよいのか、その進め方についてご説明します。
※リードの意味をはじめデジタルマーケティングについてイチから知りたい方はこちらの記事をご覧ください(記事:製造業のためのデジタルマーケティング)。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、リードを育成し顧客化するための活動のことです。その目的はリードへ定期的なコミュニケーションを取ることで関係性を向上(エンゲージメント)させていき、最終的に受注することです。技術系企業が行うリードナーチャリングは、メルマガ送付、技術資料の提供、技術セミナーの開催などが主な活動となります。リードには「短期的に顧客化できるリード(今すぐ客)」と「中長期的に顧客化するリード(これから客)」の2種類あり、それぞれのリードにとって役立つ情報が異なることに注意が必要です。
リードナーチャリングが重要な4つの理由
①ボリュームゾーンである「これから客」との関係性を築ける
技術マーケティングにおいて、短期的に受注につながるリード(=今すぐ客)は全体のごく僅かです。Webマーケティングの戦略でそこだけにターゲットを絞ることは可能ですが、それでは十分な顧客獲得に繋がりません。逆に「今すぐ客」だけで受注量が十分だという会社はデジタルマーケティングに取り組む必要はないでしょう。受注量を最大化させるためには、ボリュームの多い「これから客」と関係構築が非常に重要です。
例えば「工業用CT市場」において「今すぐ客」と「これから客」がどのようなキーワードで検索するかの違いは下記の通りとなります。
キーワード調査に関しては、MFTフレームワークを使用するとうまくまとめることができます。規格化された製品を販売するメーカーの場合は、Market寄りのキーワードが「今すぐ客」、Technology寄りのキーワードが「これから客」に分類される場合が多く、受託型のビジネスを行う加工業者などは逆になることが多いです。
②「これから客」が比較検討段階に入った時に優位に立てる
これから客と早い段階で接点を持ち、関係を構築することで、いざ導入段階に入り他社と比較検討される際にその関係性が優位に働き、競合他社よりも貴社が選ばれる可能性が高まります。技術系企業の場合、検討の早い段階から相談レベルの問合せが入ることが多く、この段階から親切丁寧にリードと関係を築いておくことは、その後の受注確率を大きく向上させます。
③マーケティング活動の中で獲得した全てのリードを無駄にしない
マーケティングに力を入れている技術系企業であれば、専門展示会の出展をしたことがある企業がほとんどだと思います。しかし、展示会で獲得した名刺を適切に管理している企業は少ないのではないでしょうか。リードナーチャリングを行うことにより展示会をはじめ、様々なマーケティング活動の中で獲得したリードを無駄にせず、関係構築し、顧客化することに繋げることができます。
④技術の用途開発に繋がる
これから客は、自社で発生した技術課題に対し、どのような解決手段があるのかを探索しているフェーズにいる場合が多いです。そのフェーズに属するリードと接点を持ちコミュニケーションを取ることで、様々な情報を取得することができます。その情報が、自社技術がどのような分野で活用できるのか、どのような技術課題を抱えている技術者の役に立つのか、といった用途開発アイディアに繋がっていくことがあります。
リードナーチャリングの進め方
1、技術系企業における購買プロセスを把握する
リードが顧客化するまでのプロセスを考えておくことで、提供するコンテンツの内容が明確になってきます。技術系企業であれば下記のようなプロセスになる場合が多いと思いますが、業界・分野に応じて更に細かな購買プロセスを考えておくとよいでしょう。
①自社の技術課題の認知
社内で何らかの技術課題が発生。技術課題の原因や解決手段の探索をし始める。
②技術課題における解決手段の探索
発生した技術課題の解決手段を専門誌やインターネットにより調べる。インターネットであれば検索キーワードは技術課題や解決手段を使うことが多い。
- 検索キーワード、閲覧ページなどのデータをもとにしてリードが求めている技術課題に関する情報を定期的に配信すると良い。
- このフェーズのリードに対し、技術課題解決のプロフェショナルとして対応できるかが重要。
- この段階で問合せを行うリードに対しては、自社技術が最も良い解決手段なのかを見極めながら対応する必要がある。またビジネスになるまで少し時間がかかることがあるので辛抱強く付き合う。
③解決手段の比較検討
解決手段の探索を一通り行い、解決するための手段に目星をつけた段階。その手段(技術)を持っている会社の探索を行う。
- インターネットであれば検索キーワードは解決手段となる技術・製品名になる。
- このフェーズに属するリードはすぐに受注に至る可能性が高い。
- この時に②のフェーズでエンゲージがあるリードから比較検討フェーズを飛ばして受注できることがある。
④意思決定
購買先を決定する。
2、リードスコアリングを設定する
MA(マーケティング オートメーション)のスコアリング機能を使って、それぞれのリードが1で作成した購買プロセスのどの段階にいるのかをグループ分けしていきます。どのような行動を取ったリードをどのフェーズに属するリードなのか、独自の定義を決めていきます。
具体的には、下記のような行動を取ったリードにそれぞれ点数付けし、点数ごとにグループ分けしていくイメージです。
- 特定のWebページの閲覧 →1点
- メルマガの開封・回帰 →5点
- 技術資料のダウンロード →10点
- セミナーの参加 →15点
など
3、フェーズごとにコンテンツを配信する
2によって分けたリードグループごとにどのようなコンテンツを配信していくかを考えます。①②のフェーズにいるリードへは、業界情報や技術資料などの提供、③④のフェーズに入っているリードへは自社技術・製品のPRコンテンツや顧客事例などを配信すると良いでしょう。具体的にどのようなコンテンツを配信すべきなのか、に関してはまた別記事にて紹介する予定です。
4、最終フェーズに入ったリードへは直接営業する
最終フェーズに入ったリードへは営業担当から直接コンタクトします。技術系企業の場合、当フェーズに入るよりも前に問合せが入ることも多いですが、過去に接点のある企業に対しても、最終フェーズに入ったリードへは適切なフォローを行っていくことが大事です。
まとめ:技術マーケティングにおいてフェーズ②のリードを獲得することが重要
技術系企業のデジタルマーケティングにおいて、フェーズ③④の「今すぐ客」にターゲットを絞ると母数が少なすぎて十分な顧客獲得つながりません。よって、フェーズ①②の技術課題解決手段の探索を行っている「これから客」と早い段階で関係を作っていくことが重要となります。
技術マーケティングの場合、フェーズ①②がボリュームゾーンになるのと、②の時点で直接問合せを行うケースが多いので、対応に少し手間はかかるものの、このフェーズでリードとしっかり関係性を深めておくと顧客獲得に繋がりやすいです。関係性を深めるためにも、関係性が途絶えないようにするためにも、リードナーチャリングという行動が重要になるのです。
リード獲得(リードジェネレーション)の具体的手法
テクノポートの徳山です。前回の記事(製造業のためのデジタルマーケティング)に続き、今回はデジタルマーケティングの進めるための第一段階となるリードの獲得方法(リードジェネレーション)についてです。
※リードという言葉などの意味については前回記事をご覧ください。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動のことを言います。その方法は大きく分けてオンラインとオフラインとで分けられます。オンラインの場合は、オウンドメディアやソーシャルメディアなどで情報を発信することでユーザへリーチし、メルマガ登録やPDF資料ダウンロードなどでユーザの個人情報を入力してもらうことでリードを獲得します。オフラインの場合は、日々の営業活動やイベント・展示会などで収集した名刺情報をデジタルデータ化することでリードにします。
オンラインでのリードジェネレーション
自社で運営するWebサイトを活用し、新規顧客を獲得している会社は多いと思います。多くの場合は、SEO対策やリスティング広告によりアクセスユーザを増やすことで新規顧客の獲得へ繋げますが、BtoBマーケティングの場合、検索ボリュームが少ないのがネックとなってきます。
また、その中でもすぐに顧客化できるユーザ(今すぐ客)はごく一部です。そのため、中長期的に顧客になる可能性があるユーザ(これから客)をリードとして獲得し、育てていく必要があります。
オンラインでリードジェネレーションを推進する場合、具体的にどのような手法でリードを獲得するか、説明します。
オウンドメディアの運営
オウンドメディアという言葉を聞くと難しそうなイメージがありますが、要はWebサイトの運用によってリードを獲得する活動のことですので、現在運用しているコーポレートサイトでも、新しく設立する特設サイトでも、リードが獲得できればその形態は何でも構いません。
大切なことはサイト内でどのようなコンテンツを掲載するかです。コンテンツ掲載を行う上で重要なポイントは以下の2つとなってきます。
- 「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」にも読んでもらえるコンテンツを掲載する。
上述したようにユーザ数の限られる「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」を呼び込めるようなコンテンツを掲載する必要があります(両者の特徴と具体的なキーワード例を図で説明)。 - メルマガ登録や資料ダウンロードなどの窓口を準備する。
いわゆる「問合せフォーム」だけでは、今すぐ客からの問合せしか獲得できません。「そのうち客」から気軽に問合せを獲得できるような窓口(コンタクトフォーム)を別途用意します。そのコンタクトフォームの入力項目は、メールアドレス、会社名、所属、氏名だけに絞るなどして、ユーザの負担を下げる必要があります。
ソーシャルメディアの活用
業種にもよりますが、BtoBマーケティングで活用できるソーシャルメディアは、Facebook、Twitter、Instagramぐらいだと思います。中でも技術系企業のマーケティングであればFacebook一択で良いと思います。BtoCと違い、積極的にユーザが情報を拡散しないので、ユーザの情報拡散に期待するのではなく、Facebook広告を活用するなどしてターゲット属性に対し効率的に情報を届ける方がいいでしょう。
Facebook広告からオウンドメディアに誘導してもいいですが、資料ダウンロードをFacebook上で行えるようにすればそのままリード獲得へつなげることも可能です。
ソーシャルメディアの始め方については下記記事もご参照ください。「製造業におけるfacebookやtwitterの始め方」
メールマーケティングの活用
顧客になりそうな企業のWebサイトのコンタクトフォームへメールを送付し、リードを獲得する方法です。最近営業メールが増えたと感じる方も多いと思いますが、それだけデジタルマーケティングに注力している企業が増えたとも言えるでしょう。余りにもしつこいとブランド損失につながる可能性もありますので、その辺りを気にする方は避けたほうが良いかも知れません。
メールマーケティングでリードを獲得するポイントとしては、売り込みにならないように注意するところです。自社製品・技術のPRと営業の機会を求めるようなメールではなく、貴社に役立つ資料があるのでまずはダウンロードしてみてください、といったユーザのメリットを前面に押し出した内容であれば、リードを獲得できる可能性が高まります。
オフラインでのリードジェネレーション
製造業をはじめとした技術系企業であれば、オフラインでのリード獲得は展示会での名刺獲得が中心になるかと思います。それに加え、自社セミナーやイベントを開催している会社であれば、それらの活動の中で獲得した名刺がリード情報となります。
デジタルマーケティングでは名刺をリード情報としてデジタル管理し効率よく顧客化していくことが必要なので、ここでは名刺情報をデジタル化する方法を中心にお伝えします。
名刺情報をデジタル化する方法(自社でやる場合)
名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。一昔前だと名刺用のスキャナを購入していたと思いますが、今では名刺スキャンアプリを使うのが主流です。スマホさえ持っていれば誰でも名刺をデジタル化することができます。
個人的なお勧めは「Wantedly People」です。理由は3つあり、①OCR処理の精度が高い、②複数の名刺を同時にスキャンできる、③データのエクスポートが無料でできる、からです。あとはエクスポートしたデータをマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
名刺情報をデジタル化する方法(外注する場合)
名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」ですが、名刺情報のデジタル化といった軽作業であれば、募集してから1日で数十人の応募が来ますので、そこから信頼できそうな方を選べばOKです。
選定基準としては、コストが安いこと、過去の評価(実績)が高いこと、納期が早いかどうか、といった点です。Web上で機密保持契約なども結ぶことができますので、安心して発注することが可能です。あとはワーカーの方にまとめてもらった情報をマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
以上、デジタルマーケティングの第一歩である「リードジェネレーション」についてでした。次回は獲得したリードをどう育成していくか(リードナーチャリング)についてです。デジタルマーケティング推進にご興味のある方は気軽にご相談ください。
技術マーケティングの手法まとめ
テクノポートの永井です。BtoCやWebサービス系のBtoBマーケティングについては書籍やセミナーなどで多く紹介されていますが、技術系のBtoBマーケティングについての情報ほとんどありません。弊社は「技術をマーケティングする」を理念に、数多くの企業の技術マーケティングの支援を行っています。その経験を基に技術系マーケティングに必要と思われる考え方や手法について紹介いたします。
- 技術を持っているのに、伝え方がわからない。
- 自社の技術を使ってくれる企業を探している。
- 自社の技術を使って、新しい製品を生み出してほしい。
など、技術を売り込みたいと思った方は参考にしてください。
技術マーケティングとは
弊社が考える「技術マーケティング」の目的は、「保有技術を、既に使用されている領域ではなく、新しい領域へ用途展開することで、競合企業を出し抜き、技術探索者であるメーカーに技術を高く買ってもらうこと」だと考えています。
新しい技術を開発し続けることはもちろん大切ですが、コストがかかってしまいますし、主戦場としている市場自体が縮小している場合、新たな技術を開発しても投資効果が低くなってしまいます。それに対して、既存の技術を新たな分野へ売り込む手法であれば、分野によっては既存の市場とは比較にならないほどの単価で技術を買ってくれることもありますし、成長性の高い市場への参入機会にも繋がります。
よって、弊社では技術の用途開発を行い、技術をこれまで以上に高い価格で買ってもらうことを目的とする「技術マーケティング」の推進を様々な技術系企業に挑戦していただきたいと考えています。
自社技術の用途開発を提案するために準備すること
自社がどのような技術を持っているのか整理する
まずは自社がどのような技術を持っているのかを把握する必要があります。自社の保有技術を網羅的に整理し、他者にも理解できる表現にすることで、自社の技術についての理解度が増します。
- そもそも技術とは何か?
- 網羅的に洗い出すにはどうすれば良いかのか?
- 他者にもわかりやすく理解してもらう方法は?
などを把握することが必要となってきます。
技術をわかりやすく相手に伝える
自社の技術を知ったとしても、伝える努力をしなければ相手に理解してもらえません。「技術を伝える」ことは思っている以上に難しいものです。どれだけ自社の技術がすごいと言っても、別の業界の人には理解してもらえないケースがほとんどです。例えば、電子回路の設計者に機械加工の精度の話をしても伝わりづらいですし、機械加工の人に基盤設計の話をしても伝わりません。
だからこそ、技術者は他者にわかるように技術を伝える努力をしなければなりません。技術の伝え方には様々あります。
- グラフ
- 表
- 画像
- 実際のもの
技術を分かりやすく伝える手法については、下記記事をご参照ください。

開発用途を想定する
技術の用途開発は想像以上に難しく、技術を提示して待っているだけではなかなか成果につながりません。もちろん技術を求めているメーカーが見つけてくれる場合もありますが、時間がかかってしまいます。有効な手段としては「こちらから技術の用途開発を想定して提案する」ことです。
例えば、「自社の技術を使えば、既存の製品はこれくらいコンパクトになる」という想定をします。たとえ、その想定が間違っていたとしても、先方の技術者と直接話せる機会を得ることができます。
技術の用途を想定するための手法については下記記事をご参照ください。

自社技術を伝えるためのWebマーケティングについて
技術をより多くの人に広めるコンテンツマーケティングの手法
自社の技術を知り、伝え方の準備し、開発用途の想定ができたら、次は技術を発信する必要があります。技術を知ってもらう場所としては、TVCM、雑誌広告、学会の発表、直接会っての打ち合わせなどの方法もありますが、今回はWebを使った方法について説明します。
Webを使っての効果的な方法として「コンテンツマーケティング」があります。コンテンツマーケティングでは、技術をあらゆる角度から見直し、技術のスペックなどといった情報だけではなく、想定される利用用途や、技術が持つ機能的な情報などを多くWebコンテンツとして発信し、様々な分野の技術者に見てもらいましょうという考え方です。ただし、BotBの場合は一般的なアクセスを稼ぐだけのコンテンツマーケティングではなく、技術を知ってもらうための工夫が必要になります。
コンテンツマーケティングの手法に関しては下記記事に手法がまとまっていますので、ご参照ください。

技術者に興味を持ってもらうためのコンテンツ作成方法
メーカーの設計者は「すぐに使える技術」を求めています。そのために、研究レベルではなく、開発レベルの技術を事例など具体的な例を上げて伝える方法が効果的です。
事例といっても、具体的なものを見せるだけではなく、性能面の比較も必要になります。例えば、工業メッキを売り込みたい場合は、画像を見せてもあまり意味がなく、グラフや表を多用して「数値」で技術を見せる必要があります。
そして何よりターゲットとする技術者のレベルに応じた技術文書を書くスキルが必要不可欠です。技術者に対し、効果的な技術コンテンツを作成する「技術ライディング」の手法については、下記記事にまとめてありますので、ご参照ください。

技術者がマーケティングに参加することで、自社のレベルはぐんと上がる
技術をマーケティングするためには、技術者の協力は必須になる
一般的にマーケティングはマーケティング部門や営業部門の仕事だと思われていますが、BtoBのビジネスを行っている企業、特に技術系企業の場合は技術者もマーケティングに参加したほうが良いと考えています。
技術者は技術についての詳細を知っていますし、顧客が求めている情報に対して技術的な回答をすることができるからです。技術者がマーケティングに参加することで、技術マーケティングのレベルがぐんと上がり、開発用途などの発想も多岐にわたるようになります。ただ、技術者の場合、話が技術だけに進みがちになるので、顧客に近い立場にいる人(営業やマーケティング部門)の視点も加えることは大切です。
技術者をマーケティング活動に参画させるメリットに関してまとめた記事がございますので、こちらもご参照ください。

技術マーケティングの手法についてご理解いただけましたでしょうか?弊社では数多くの技術系企業の技術マーケティングを支援した実績がございます。技術マーケティングでお困りの方はお気軽にご相談ください。
デジタルマーケティングの進め方(BtoB製造業・メーカー向け)
テクノポートの徳山です。ここ最近、弊社にもデジタルマーケティングの相談が少しずつ増えてきました。そこで、製造業を中心とした技術系企業がデジタルマーケティングを成功させるためのポイントを「モノカク」で紹介していきます。一記事では書ききれないため、テーマごとに記事を分けて書いていきますが、今回は概要編だと捉えて読んでいただければ幸いです。
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、獲得したリード(※)をデジタルツールを活用して育成し、リードの購買意欲を可視化することでクロージングの優先順位をつけ、効率よく顧客化していくための一連の流れのことをいいます。BtoBマーケティングにおいて非常に有効な手法として数年前から注目を集めています。
※リードとは、名前、所属、連絡先が明らかになっている、将来的に自社の顧客になり得る「人」の情報のことです。
デジタルマーケティングの進め方
デジタルマーケティングの基本的な流れは、リード獲得(リードジェネレーション)、リード育成(リードナーチャリング)、クロージング(リードスコアリングして効率的に顧客化していく)の3STEPです。この一連の流れをMA(マーケティングオートメーション)などのITツールを活用し一元管理します。専門用語が多いので、一つずつ解説していきます。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動のことを言います。その方法は大きく分けてオンラインとオフラインとで分けられます。オンラインの場合は、オウンドメディアやソーシャルメディアなどで情報を発信することでユーザへリーチし、メルマガ登録やPDF資料ダウンロードなどでユーザの個人情報を入力してもらうことでリードを獲得します。オフラインの場合は、日々の営業活動やイベント・展示会などで収集した名刺情報をデジタルデータ化することでリードにします。
オンラインでのリードジェネレーション
自社で運営するWebサイトを活用し、新規顧客を獲得している会社は多いと思います。多くの場合は、SEO対策やリスティング広告によりアクセスユーザを増やすことで新規顧客の獲得へ繋げますが、BtoBマーケティングの場合、検索ボリュームが少ないのがネックとなってきます。
また、その中でもすぐに顧客化できるユーザ(今すぐ客)はごく一部です。そのため、中長期的に顧客になる可能性があるユーザ(これから客)をリードとして獲得し、育てていく必要があります。
オンラインでリードジェネレーションを推進する場合、具体的にどのような手法でリードを獲得するか、説明します。
オウンドメディアの運営
オウンドメディアという言葉を聞くと難しそうなイメージがありますが、要はWebサイトの運用によってリードを獲得する活動のことですので、現在運用しているコーポレートサイトでも、新しく設立する特設サイトでも、リードが獲得できればその形態は何でも構いません。
大切なことはサイト内でどのようなコンテンツを掲載するかです。コンテンツ掲載を行う上で重要なポイントは以下の2つとなってきます。
- 「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」にも読んでもらえるコンテンツを掲載する。
上述したようにユーザ数の限られる「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」を呼び込めるようなコンテンツを掲載する必要があります(両者の特徴と具体的なキーワード例を図で説明)。 - メルマガ登録や資料ダウンロードなどの窓口を準備する。
いわゆる「問合せフォーム」だけでは、今すぐ客からの問合せしか獲得できません。「そのうち客」から気軽に問合せを獲得できるような窓口(コンタクトフォーム)を別途用意します。そのコンタクトフォームの入力項目は、メールアドレス、会社名、所属、氏名だけに絞るなどして、ユーザの負担を下げる必要があります。
ソーシャルメディアの活用
業種にもよりますが、BtoBマーケティングで活用できるソーシャルメディアは、Facebook、Twitter、Instagramぐらいだと思います。中でも技術系企業のマーケティングであればFacebook一択で良いと思います。BtoCと違い、積極的にユーザが情報を拡散しないので、ユーザの情報拡散に期待するのではなく、Facebook広告を活用するなどしてターゲット属性に対し効率的に情報を届ける方がいいでしょう。
Facebook広告からオウンドメディアに誘導してもいいですが、資料ダウンロードをFacebook上で行えるようにすればそのままリード獲得へつなげることも可能です。
ソーシャルメディアの始め方については下記記事もご参照ください。

メールマーケティングの活用
顧客になりそうな企業のWebサイトのコンタクトフォームへメールを送付し、リードを獲得する方法です。最近営業メールが増えたと感じる方も多いと思いますが、それだけデジタルマーケティングに注力している企業が増えたとも言えるでしょう。余りにもしつこいとブランド損失につながる可能性もありますので、その辺りを気にする方は避けたほうが良いかも知れません。
メールマーケティングでリードを獲得するポイントとしては、売り込みにならないように注意するところです。自社製品・技術のPRと営業の機会を求めるようなメールではなく、貴社に役立つ資料があるのでまずはダウンロードしてみてください、といったユーザのメリットを前面に押し出した内容であれば、リードを獲得できる可能性が高まります。
リードジェネレーションの方法については下記記事もご参照ください。

オフラインでのリードジェネレーション
製造業をはじめとした技術系企業であれば、オフラインでのリード獲得は展示会での名刺獲得が中心になるかと思います。それに加え、自社セミナーやイベントを開催している会社であれば、それらの活動の中で獲得した名刺がリード情報となります。
デジタルマーケティングでは名刺をリード情報としてデジタル管理し効率よく顧客化していくことが必要なので、ここでは名刺情報をデジタル化する方法を中心にお伝えします。
名刺情報をデジタル化する方法(自社でやる場合)
名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。一昔前だと名刺用のスキャナを購入していたと思いますが、今では名刺スキャンアプリを使うのが主流です。スマホさえ持っていれば誰でも名刺をデジタル化することができます。
個人的なお勧めは「Wantedly People」です。理由は3つあり、①OCR処理の精度が高い、②複数の名刺を同時にスキャンできる、③データのエクスポートが無料でできる、からです。あとはエクスポートしたデータをマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
名刺情報をデジタル化する方法(外注する場合)
名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」ですが、名刺情報のデジタル化といった軽作業であれば、募集してから1日で数十人の応募が来ますので、そこから信頼できそうな方を選べばOKです。
選定基準としては、コストが安いこと、過去の評価(実績)が高いこと、納期が早いかどうか、といった点です。Web上で機密保持契約なども結ぶことができますので、安心して発注することが可能です。あとはワーカーの方にまとめてもらった情報をマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードを育成し顧客化するための活動のことです。その目的はリードへ定期的なコミュニケーションを取ることで関係性を向上(エンゲージメント)させていき、最終的に受注することです。技術系企業が行うリードナーチャリングは、メルマガ送付、技術資料の提供、技術セミナーの開催などが主な活動となります。リードには「短期的に顧客化できるリード(今すぐ客)」と「中長期的に顧客化するリード(これから客)」の2種類あり、それぞれのリードにとって役立つ情報が異なることに注意が必要です。
リードナーチャリングが重要な4つの理由
①ボリュームゾーンである「これから客」との関係性を築ける
技術マーケティングにおいて、短期的に受注につながるリード(=今すぐ客)は全体のごく僅かです。Webマーケティングの戦略でそこだけにターゲットを絞ることは可能ですが、それでは十分な顧客獲得に繋がりません。逆に「今すぐ客」だけで受注量が十分だという会社はデジタルマーケティングに取り組む必要はないでしょう。受注量を最大化させるためには、ボリュームの多い「これから客」と関係構築が非常に重要です。
例えば「工業用CT市場」において「今すぐ客」と「これから客」がどのようなキーワードで検索するかの違いは下記の通りとなります。
キーワード調査に関しては、MFTフレームワークを使用するとうまくまとめることができます。規格化された製品を販売するメーカーの場合は、Market寄りのキーワードが「今すぐ客」、Technology寄りのキーワードが「これから客」に分類される場合が多く、受託型のビジネスを行う加工業者などは逆になることが多いです。
②「これから客」が比較検討段階に入った時に優位に立てる
これから客と早い段階で接点を持ち、関係を構築することで、いざ導入段階に入り他社と比較検討される際にその関係性が優位に働き、競合他社よりも貴社が選ばれる可能性が高まります。技術系企業の場合、検討の早い段階から相談レベルの問合せが入ることが多く、この段階から親切丁寧にリードと関係を築いておくことは、その後の受注確率を大きく向上させます。
③マーケティング活動の中で獲得した全てのリードを無駄にしない
マーケティングに力を入れている技術系企業であれば、専門展示会の出展をしたことがある企業がほとんどだと思います。しかし、展示会で獲得した名刺を適切に管理している企業は少ないのではないでしょうか。リードナーチャリングを行うことにより展示会をはじめ、様々なマーケティング活動の中で獲得したリードを無駄にせず、関係構築し、顧客化することに繋げることができます。
④技術の用途開発に繋がる
これから客は、自社で発生した技術課題に対し、どのような解決手段があるのかを探索しているフェーズにいる場合が多いです。そのフェーズに属するリードと接点を持ちコミュニケーションを取ることで、様々な情報を取得することができます。その情報が、自社技術がどのような分野で活用できるのか、どのような技術課題を抱えている技術者の役に立つのか、といった用途開発アイディアに繋がっていくことがあります。
リードナーチャリングの進め方
1、技術系企業における購買プロセスを把握する
リードが顧客化するまでのプロセスを考えておくことで、提供するコンテンツの内容が明確になってきます。技術系企業であれば下記のようなプロセスになる場合が多いと思いますが、業界・分野に応じて更に細かな購買プロセスを考えておくとよいでしょう。
①自社の技術課題の認知
社内で何らかの技術課題が発生。技術課題の原因や解決手段の探索をし始める。
②技術課題における解決手段の探索
発生した技術課題の解決手段を専門誌やインターネットにより調べる。インターネットであれば検索キーワードは技術課題や解決手段を使うことが多い。
- 検索キーワード、閲覧ページなどのデータをもとにしてリードが求めている技術課題に関する情報を定期的に配信すると良い。
- このフェーズのリードに対し、技術課題解決のプロフェショナルとして対応できるかが重要。
- この段階で問合せを行うリードに対しては、自社技術が最も良い解決手段なのかを見極めながら対応する必要がある。またビジネスになるまで少し時間がかかることがあるので辛抱強く付き合う。
③解決手段の比較検討
解決手段の探索を一通り行い、解決するための手段に目星をつけた段階。その手段(技術)を持っている会社の探索を行う。
- インターネットであれば検索キーワードは解決手段となる技術・製品名になる。
- このフェーズに属するリードはすぐに受注に至る可能性が高い。
- この時に②のフェーズでエンゲージがあるリードから比較検討フェーズを飛ばして受注できることがある。
④意思決定
購買先を決定する。
2、リードスコアリングを設定する
MA(マーケティング オートメーション)のスコアリング機能を使って、それぞれのリードが1で作成した購買プロセスのどの段階にいるのかをグループ分けしていきます。どのような行動を取ったリードをどのフェーズに属するリードなのか、独自の定義を決めていきます。
具体的には、下記のような行動を取ったリードにそれぞれ点数付けし、点数ごとにグループ分けしていくイメージです。
- 特定のWebページの閲覧 →1点
- メルマガの開封・回帰 →5点
- 技術資料のダウンロード →10点
- セミナーの参加 →15点
など
3、フェーズごとにコンテンツを配信する
2によって分けたリードグループごとにどのようなコンテンツを配信していくかを考えます。①②のフェーズにいるリードへは、業界情報や技術資料などの提供、③④のフェーズに入っているリードへは自社技術・製品のPRコンテンツや顧客事例などを配信すると良いでしょう。具体的にどのようなコンテンツを配信すべきなのか、に関してはまた別記事にて紹介する予定です。
4、最終フェーズに入ったリードへは直接営業する
最終フェーズに入ったリードへは営業担当から直接コンタクトします。技術系企業の場合、当フェーズに入るよりも前に問合せが入ることも多いですが、過去に接点のある企業に対しても、最終フェーズに入ったリードへは適切なフォローを行っていくことが大事です。
リードナーチャリングのためのコンテンツ制作
リードの育成具合に応じたコンテンツを企画する
リードが求めている情報は購買プロセスのフェーズによって異なります。購買フローの初期フェーズにいるリードは、自社の技術課題に対する解決策を模索している情報収集段階です。業界情報、技術課題に対する解決策としてどのような技術があるのか、といったように、リードが情報収集したいと考えている内容にフォーカスしてコンテンツを企画すると良いです。
その時に、より専門的な情報を発信することで、貴社がその分野のプロフェッショナルであり、頼ることができる存在、という印象を与えることができるとなお良いでしょう。
次からはリードナーチャリングのために使われるコンテンツ例と制作上の注意点などをご紹介します。
メールマガジン
メールマガジンは配信回数とコンテンツの質のバランスが重要
デジタルマーケティングという言葉が広まる前から、リードとの関係性をつなぐ手段としてメールマガジンは使われてきました。その分、取り組んでいる企業も多く、発信してもほとんど見られないとも言われています。また、メールマガジンというと必ず一定期間ごとに配信しなければならない、という呪縛に取り憑かれ、疲弊してしまうことがあることが多いです。
個人的には配信回数よりもコンテンツの質を重視すべきだと考えているので、コンテンツの質を担保できないのであれば配信回数を減らすことも検討すべきだと考えています。とは言え、配信が一向にないとリードが育たないし関係性が切れてしまう、というデメリットもありますので、配信回数とコンテンツの質のバランスを保つことを常に気をつけましょう。
配信回数とコンテンツの質がトレードオフの関係となるため、配信回数にこだわるあまり、内容がつまらないものになっては全く意味がないからです。
※ここでは自社で獲得した名刺情報などのリード情報を元に、定期的に一斉配信するメールの事をメールマガジンとします。
タイトルの付け方がとにかく重要
前述したように、多くの企業が取り組んでいる施策ですので、最近では開封される可能性すら低い、ということを前提に考えましょう。特にリードとの関係性が弱い段階だと「どこの企業から情報が届いたか」よりも「どのような役立つ情報が届いたか」の方が重要なため、タイトルの付け方一つでメールの開封率が大きく変わってきます。
タイトル付けの主な注意点
- 購買フローの前半にいるリードをターゲットとして意識する(ボリュームゾーンなので)
- リードに自分事だと感じてもらう
- 文字数を30文字までに抑える
メールマガジンの内容(コンテンツ)をどのようなものにするか
自社の技術・製品をPRするための情報発信だけでなく、業界情報や動向、技術の解説、技術の活用事例なども情報発信することを検討しましょう。特に購買フェーズの前半にいるリードをナーチャリングしていく上で必要となります。
メールマガジンのコンテンツはWebサイト内に掲載する
メールマガジンのコンテンツをWebサイト内に掲載することでインデックス数が増えアクセス流入の増加が期待でき、新たなリード獲得につなげることができます。また、コンテンツを再構築すればSEOに強いWebページの制作にも繋がるでしょう。
技術資料(ホワイトペーパー)
技術資料(ホワイトペーパー)とはどのようなものか
リードナーチャリングで使う技術資料(ホワイトペーパー)は、メールマガジンと同様、自社の技術・製品をPRするための資料だけでなく、業界情報(動向)、技術の解説書、論文なども作成することを検討しましょう。特に購買フェーズの前半にいるリードをナーチャリングしていく上で必要となります。
ナーチャリングするユーザの状況を想定して制作する
購買フローのどのフェーズにいるリード向けの情報なのかを考慮した上で制作すると良いでしょう。そうすることで資料を閲覧してもらえる可能性が高まると共に、どの資料を閲覧したかによってどのフェーズにいるリードなのか、どのような課題を抱えているリードなのか、といった仮設を立てることもできます。
資料の内容が簡潔に伝わる情報を与える
ダウンロードを誘導するためのページ(メール)において、技術資料には分かりやすいタイトル、内容が簡潔に伝わる目次、全体のボリューム(ページ数)などを掲載することで、自分にとって必要な資料かの判断が付くようになり、ダウンロード数の増加=より多くのリードのナーチャリングに繋がります。
導入事例
BtoBマーケティングにおいて導入事例は最強のコンテンツ
購買単価が高く、購買決定者が複数人となる場合が多く、導入後の失敗に対するリスクが高いBtoBマーケティングにおいて、導入事例は信頼性の高いコンテンツとしてリードをナーチャリングするのに最適です。
BtoC商材とは違い、ネット上での口コミ情報が極端に少ないので、メディアに掲載されている情報が有効と言われていますが、メディアに掲載されるのはハードルが高いですし、自社で増産していけるコンテンツとして導入事例は最強のコンテンツと言えます。
著名な企業の権威と身近な企業の親密感
導入事例にどのような企業が掲載されているとよいか?一見、著名な企業に多く掲載してもらった方が良いように思えますが、そのような企業ばかりだと導入ハードルが高く思えてしまいます(そのような企業だけターゲットの商材なら別ですが)。
「あんな著名な企業の導入実績があるのか!」といった信頼感と、「自社に近い課題が解決されている!」といった親密感が必要です。
最強のコンテンツなので二次利用は積極的に
前述したとおり、最強のコンテンツである導入事例を一回のメール配信などで終わらせてしまってはもったいないです。自社サイト内でWebページ化することはもちろん、営業マンが持ち歩くセールス資料や、PDFにしてダウンロード用のコンテンツにするなど、積極的に二次利用を行っていきましょう。
導入事例の作成方法に関しては下記記事もご参照ください。

FAQコンテンツ
FAQコンテンツとは、Webサイトに掲載する「よくある質問」に掲載するコンテンツのことを指します。よくある質問の中でもリードのニーズに沿った情報を配信することでナーチャリングコンテンツとして利用ができます。
全社で協力してコンテンツを集めることが大事
FAQコンテンツは、お客様と接する様々な部門に協力して集める必要があります。営業パーソンであれば、見込顧客から商談時やメールで聞かれる質問、お客様サポートであれば、既存顧客から寄せられる問合せ内容を収集することができます。
各部署の日報から自動的にFAQコンテンツを抽出するなど、コンテンツの作成をいかに自動化できるかがポイントとなります。
ニーズの高いコンテンツをナーチャリングに利用
全社で協力して集めたコンテンツをまずはWebサイトに掲載し、アクセスログで定期的にアクセス情報を計測していきます。その中でユーザのニーズの高い(アクセス数の高い)コンテンツや、問合せに至るユーザが読むことが多いコンテンツを中心にリードへ配信していくと良いです。
そのため、Webサイトに掲載するFAQコンテンツは一つの質問に付き1ページ作成するなど、後々にアクセス計測しやすいような工夫が必要となります。
リードナーチャリングを行う際はコンテンツの質が重要
本記事をご覧いただき、リードナーチャリングを行う上で最も重要なことは「コンテンツ制作」であるということが分かっていただけたと思います。
リードに定期的な情報伝達を行う際に届くコンテンツに魅力がないとせっかく捕まえたリードがメルマガ解除になってしまったり、そのような行動にまで至らないとしても「この企業からのメールはつまらないから今後はスルー」というレッテルをはられてしまったり、リードへ定期的な情報を届ける、といったことを優先し過ぎて、コンテンツの質が下がってしまうようであれば、一度立ち止まって考え直してみましょう。
展示会の出展効果をデジタルマーケティングの力で最大化する
なぜデジタルマーケティングの活用が必要なのか
展示会で成果を挙げている企業の多くが、なぜデジタルマーケティングに取り組んでいるのでしょうか?
それは、展示会で獲得する名刺(リード)のうち、すぐに商談化できる「今すぐ客」は数%程度で、10〜20%ほどが中長期的に商談化できる「これから客」、その他の大部分は商談化につながらない「ひやかし客」だからです。
「今すぐ客」は展示会場で商談のアポが取れたり、見積りの依頼をされたりするので、展示会終了後に後追いする必要はありません。
重要なのは「今すぐ客」よりもボリュームが圧倒的に多い「これから客」をいかに商談に持ち込み顧客化することになり、これが出来るかどうかで展示会の出展効果は大きく変わってきます。
そして「これから客」を効率よく顧客化するために必要なのがデジタルマーケティングなのです。
上図は以前の記事でもご紹介した「技術系企業の一般的な購買プロセス」です。獲得したリードがこの購買プロセスのどのフェーズにいるかをイメージしてみましょう。「今すぐ客」は③④のフェーズにいるリードで、これから客は①②のフェーズにいるリードと言えます。
デジタルマーケティングでは、技術課題に関して認識したばかりで、これから解決手段の探索を行う様なリードに対し、様々な情報を提供することでフェーズが進展させ、商談化へ繋げていくことになります。展示会の効果測定期間が長くなりますが、せっかく多額のコストを費やして出展するのであれば1社でも多くの顧客を獲得しましょう。
展示会出展後のデジタルマーケティングの進め方
名刺をデジタル化する
どのリードが「これから客」なのか明確に定義はできませんし、将来「ひやかし客」が「これから客」に変化することがあるかも知れませんので、展示会の時点で商談化できた「今すぐ客」を除き、すべての名刺情報をリードとしてデジタル化していきましょう。
ただし、リード数によって料金が変わるマーケティングオートメーションのサービスをお使いの方は、見込みの低いリードを加えるのに抵抗があるかと思います。その際は「これから客」のみ厳選してデジタル化しましょう。見極めのために来場者向けヒアリングシートなどを準備しておくと良いでしょう。
名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。個人的なお勧めは「Wantedly People」です。名刺をスマホで撮影するだけで、高精度のデジタル化ができます。名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」です。
デジタル化の具体的な方法は、以前に書いた「リード獲得の具体的手法」内のオフラインでのリードジェネレーションの段落をご参照ください。
リードナーチャリングする
労力をかけてデジタル化し、いつでも一斉メール配信が可能になったリードに対し、来場お礼メールでお終いにしないようにしましょう。労力はかかりますが、定期的に情報提供することでリードナーチャリングすることが重要です。
リードナーチャリングを行う理由は下記の2点です。
- 定期的にコミュニケーションを取ることで自社を忘れないようにする
- 様々な情報を提供することで購買プロセスの次フェーズへ進める
名刺情報をマーケティングオートメーションに取り込む際に、「2020年1月展示会」といったタグ情報を付加しておき、類似内容の展示会出展時に展示会案内のメールを送ったり、興味分野ごとにカテゴライズしておき、送付するメルマガの内容を変えたりすると、効率的にリードナーチャリングすることができます。
リードナーチャリングの具体的なコンテンツを紹介
リードナーチャリングするコンテンツには、メールマガジン、技術資料(ホワイトペーパー)、導入事例、FAQなどがあります。詳細は「リードナーチャリングのためのコンテンツ制作」をご参照ください。
スコアリングしてアプローチする
スコアリングとは、メールの開封、メールに記載してあったURLのクリック、特定のWebページの閲覧などがあった際に、マーケティングオートメーション上でそのリードを点数付けすることです。「これから客」に対し、一斉メールでコンテンツを定期配信しながらスコアリングしていきます。スコアがある程度溜まったリードから順番に、メール、電話、セミナーの勧誘などの手法で営業アプローチしていくことで、営業効率を上げていきます。
アプローチする際に、リードのWeb閲覧履歴などから興味分野を把握し、アプローチ時の営業トークに役立てることができるので、アプローチ前に必ずリードの活動履歴をチェックしておきましょう。