【化学メーカー向け】デジタルマーケティングで自社製品の魅力をうまく伝えるには

テクノポートの廣常です。製造業におけるデジタルマーケティングの活用は、日々進展しています。どの業種においてもマーケティングの流れや施策は大きく変わりませんが、扱う商材や商流によって、それぞれ異なる特徴が見られます。

この記事では化学メーカーに特化し、デジタルマーケティングの概要や成功のためのポイントを紹介します。

化学メーカーにおけるデジタルマーケティング

そもそもデジタルマーケティングとは、Webサイト、メール、SNSなどのあらゆるデジタル媒体から得られるデータを活用し、自社製品が売れる仕組みを構築することを指します。Webサイトを中心としたマーケティング活動のことを指す「Webマーケティング」よりも広い意味合いで用いられます。

専門的かつ、ニーズが多岐に渡る化学業界において、自社とマッチする新規顧客の開拓や会社のイメージづくりは容易ではありません。ですが、デジタルマーケティングを駆使すれば、リアル(対人)での活動よりも労力とコストを抑えながら、これらの課題を解決できる可能性が十分にあります。

デジタルマーケティングについて、より詳しく知りたい方は以下をぜひご覧ください。

化学メーカーならではのデジタルマーケティングのメリット

自社の素材・製品の可能性が広がる

化学メーカーにとってのデジタルマーケティングは、自社の素材・製品の可能性が広がるという観点でも非常に効果的です。

化学メーカーはあらゆるモノの土台となる原料や中間製品を扱うことが多く、商材の可能性(用途)が広いため、マーケティング活動において「誰に」「何を」伝えるべきかを細かく絞りきれない場合もあるかと思います。

また、新素材・製品の場合は、自社で想定しきれていない用途を発掘するため、あえて訴求先を特定の業界に限定させたくないケースも考えられます。

そのため、広い業界・分野の中から自社で直接見込み顧客を探し出しアプローチをする、プッシュ型の営業活動・情報発信よりも、デジタルマーケティングを活用して集客〜問い合わせ獲得までの仕組みを構築し、自社商材を必要とする顧客自身から問い合わせが来るのを待つ方が効率的です。

また、これにより自社では想定していなかった顧客や用途での問い合わせなど、ビジネスチャンスの拡大も期待できます。

化学メーカーがデジタルマーケティングを行う目的

化学メーカーがマーケティングを行う目的として、以下の3つが考えられます。

1. 顧客獲得
2. 認知度・イメージの向上
3. 新用途開拓

1. 顧客獲得

化学メーカーがデジタルマーケティングを行う目的として、第一に考えられるのは「顧客獲得」です。

今までは展示会や対人営業活動をメインに行っていたものの、以下のような課題を抱え、デジタルマーケティングの導入を検討し始めるケースがよく見受けられます。

<化学メーカーの顧客獲得における課題>

  • かつてはパイオニアとして自社の商材が高い市場シェアを占めていたが、競合他社の台頭によりシェアが下がってきているため奪回したい
  • 既存顧客からの売上が徐々に減ってきており、新規顧客獲得の必要性に迫られている
  • 展示会など既存の顧客獲得手法だけでは目標とする顧客獲得数を達成できていない

2. 認知度・イメージの向上

次に考えられるのは「認知度・イメージの向上」です。

化学メーカーの中でも、特に川上・川中の工程を担う場合、最終製品として日々目に触れる機会もないため、社名や製品の知名度が低い傾向にあります。

そのため、「自社が何を作っている会社かを知ってもらいたい」「『〇〇材といえば自社』というイメージづくりをしたい」など、認知度・イメージの向上を目的にデジタルマーケティングを活用することが考えられます。

3. 新用途開拓

最後に挙げるのが「新用途開拓」です。

新素材や製品を開発できたものの、明確な用途が定まっていない(見つけきれていない)といった場合もあるかと思います。

そういった状況にも、デジタルマーケティングを活用して情報を発信することで、協業パートナーとの出会いや新たな用途を開発できる可能性があります。

化学メーカーのデジタルマーケティング上の課題

前述のような目的をもってマーケティングを進めるものの、化学メーカーならではの障壁がいくつか考えられます。

1. 商材の特徴、機能を理解してもらいにくい
2. 他社との差別化がしにくい
3. 新規開発品の訴求が難しい

1. 商材の特徴、機能を理解してもらいにくい

原料や誘導品を製造されている場合に特に当てはまる課題ですが、専門的な分野であるため「商材の特徴、機能を理解してもらいにくい」といった恐れがあります。

例えば素材の品番や関連情報をただ列挙しただけでは、同業者には理解されても、ターゲットとなる中間・最終製品メーカーにせっかくの製品の魅力が伝わらない場合があります。商材の見せ方にも工夫が必要です。

デザイナーや一般消費者など、製造業界以外に向けて訴求したい場合は、なおさら見せ方への工夫が問われます。

2. 他社と品質面での差別化がしにくい

扱われている商材が基礎化学品や汎用的な素材である場合、品質や機能で差がつかず、他社との差別化がしにくいケースがあるかと思います。

見込み顧客は問い合わせ前に念入りにWeb等で情報収集を行い、複数の競合他社を比較した上で企業を選定し、問い合わせを行います。この場において、たとえ品質や機能面で差がなくとも自社を選んでもらえるよう、異なった切り口での訴求や、Webサイトの内容・仕様を工夫することが重要です。

3. 新規開発品の訴求が難しい

前の項目でも少し触れましたが、新素材・製品を開発した場合、採用実績等がまだ足りず、自社内でも用途を模索途中だという状況も考えられます。その場合、マーケティング活動において重要な「誰に」「何を」発信していいかが分からない、もしくはあえて限定せず、広く問い合わせが欲しいといったケースが想定されます。

この場合には、業界や用途を絞らずとも自社の商材を必要としている見込み顧客に情報が届くよう、集客媒体や手法、切り口を検討する必要があります。

化学メーカーがデジタルマーケティングで自社製品の魅力をうまく伝えるには【目的別】

ここまで、化学メーカーにおけるデジタルマーケティングの効果や目的、課題を述べてきました。「自社製品を効果的に訴求しにくい」「差別化が難しい」といった傾向を踏まえた上で、具体的な施策例をマーケティングの目的別にご紹介します。

1. 目的=顧客獲得の場合

顧客獲得を目的とした場合、考えられる施策は下記の通りです。

① 製品に特化したサイトの立ち上げ

特に訴求したい製品については、別途その製品に特化したWebサイトの立ち上げが効果的です。サイトではデザイン性を重視するよりも、自社以外の人にも分かってもらえるよう、製品の特長を噛み砕いて訴求する必要があります。

サイトに掲載する効果的なコンテンツ例としては下記が挙げられます。

コンテンツ例:製品用途、特長、顧客事例、試作事例

また、特に原料や誘導品を扱われている化学メーカー様の場合は、素材をそのまま載せてもいまいち製品化のイメージをつかんでもらえない恐れがあります。

  • 他の一般的な素材との比較実験データを示す
  • 原料そのままではなく、試作品を例示し製品化のイメージをもたせる(顧客との実例がない場合は自社で内製)
  • 動画やイラストによって視覚的に訴求する

などと、見せ方にも工夫が必要です。

② 機能性・用途・課題を軸とする集客(SEO・広告)

よく弊社宛に、「自社サイトや製品に特化したサイトも保有しているものの、社名や製品名検索でしか流入がない」といったお困りごとをご相談いただくことがあります。

もちろん流入があることは良いことですが、
社名や製品名でしか流入がない = 自社を認知していない見込み顧客には情報が届いていない
という状況だと言えます。
顧客獲得の機会を増やすためには、この「自社を認知していない見込み顧客」に向けても訴求をする必要があります。

ここで、具体的な社名や製品名まで想起できていない見込み顧客が製品を検索する際には、「自身が求めている製品の機能性や用途」「抱えている課題」を軸にして検索をすると考えられます。

そのため、機能性・用途・課題での検索がされた際に自社サイトを上位に表示させ、集客ができるようSEO対策やオンライン広告を導入することをおすすめします。

  • SEO対策について
  • オンライン広告について

③ 製品スペック以外での差別化

扱われている商材が基礎化学品や汎用的な素材で、品質や機能で差がつかない場合、それら以外の訴求要素を探し出し、差別化する必要があります。

サイトに掲載する効果的なコンテンツ例としては、下記が挙げられます。

コンテンツ例:二次加工技術、低コスト、量産性、短納期、研究体制、工場立地

また、自社の訴求内容とは別にWebサイトの利便性を向上させるのも一つです。自社が保有する素材を分かりやすく整理したり、顧客のニーズに合わせた検索機能などを設けることによって、雑然と情報が並んでいるサイトよりも優位に立てる可能性があります。

④ 見込み顧客との接点増加(ホワイトペーパー・サンプル品・ウェビナー)

情報収集段階の見込み顧客にとって、いきなり問い合わせをするのはハードルが高いものです。そのため、問い合わせ以外でも見込み顧客と接触できるよう、接点増加のための施策を導入することも効果的です。

< 接点増加のための施策例 >

  • DL資料の設置:自社製品に関するホワイトペーパーを制作し、ダウンロードさせる
  • サンプル品の提供:テストピースや試作品を承る旨を目立つ位置に掲載
  • ウェビナーの開催:自社製品に関する知識や採用事例の紹介、質問への回答など

2. 目的=認知度・イメージの向上の場合

認知度・イメージの向上を目的とした場合、考えられる施策は下記の通りです。

① 長期的な情報発信(SNS・広告・メルマガ)

自社の認知度や好印象は、一朝一夕で作り上げられるものではありません。SNSや広告、メールマガジンなど、ターゲットが日々目にする媒体を活用し、自社の取り組みや製品への想いを長期的に発信していきます。

特にSNSに関しては、一般消費者やデザイナーなど別ジャンルのユーザーと気軽に触れ合える良い機会となります。対企業だけでなく、普段とは異なる層のユーザーと接点を持つことで、自社製品の思わぬ活用方法が見つかったり、エンドユーザー側から「〇〇社の素材が使われた製品を使いたい」と逆に要望を受けられたりする可能性もあります。

② ブランディングを意識したコンテンツ制作

「自社をどんな会社だと思ってもらいたいか(例:環境に配慮、人々の健康に貢献、・・)」を固めた上で、感性に訴える内容に特化したコンテンツを制作します。企業イメージに関わる部分のため、顧客獲得を狙う場合とは打って変わって、デザイン性も重要となります。

効果的なコンテンツ例:自社の理念、製品が出来上がるまでの裏話、研究者の思い、社会貢献性

3. 目的=新用途開拓の場合

新用途開拓を目的とした場合には、施策に取り組む前に、まず自社素材や製品を改めて棚卸しし、機能はどのようなものか、どのような課題を解決できるかといったことを洗い出した上で施策内容を検討することをおすすめします。

弊社ではこのように用途開発をねらいとしたマーケティング活動を「用途開発マーケティング」と称し、関連記事を複数用意しております。詳しくは下記をご覧ください。

  • 用途開発マーケティングとは

用途開発マーケティング 関連記事一覧はこちら

まとめ

当記事では化学メーカーにおけるデジタルマーケティングの概要や具体的な施策例を紹介しました。商材の特性上、マーケティングを行う上での障壁はあるものの、自社製品の可能性を広げるという点で、デジタルマーケティングは非常に相性の良い活動だと考えます。せっかくの自社商材の魅力を効果的に伝えられるよう、ぜひ活用されることをおすすめします。

また、弊社テクノポートでは製造業に特化したマーケティング支援を行っております。どのように自社製品を訴求していけばいいかお悩みの方は、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。

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メーカーのWebマーケティング戦略(素材・部品・完成品)

テクノポートの廣常です。今回は、メーカーがWebサイトを経由して顧客を獲得するために重要な、集客の切り口や他社と差別化する上でのポイントをご紹介します。こうしたWebマーケティング戦略は、各メーカーの取り扱う商材(素材・部品・完成品)によって傾向が異なるため、商材の種類別に分けて解説します。

※本記事では「メーカー」=部材や製品を自社で販売している会社として定義しています。

メーカーのWebマーケティングの流れ

メーカーは、取り扱っている商材別に以下の3つに分類することができます。

  • 素材メーカー
  • 部品メーカー
  • 最終製品メーカー

どのメーカーにおいても、大元となるWebマーケティングの手順自体は共通しています。その手順は以下の通りです。

<Webマーケティングの手順>

集客活動で集めた見込み顧客の母数に対し、最終的に商談、受注にたどり着く顧客の数は減ってくるため、上記のような形状で表現しています。

問い合わせ獲得後、受注に至るかどうかは各会社の営業活動や問い合わせの条件による部分が大きいため、Webサイト上で対策できる範囲としては「集客 → 訴求 → 問合せ獲得」までとなります。

今回の記事では、この範囲の中で要となる「集客」「訴求」の2ステップを掘り下げて紹介します。

集客:検索キーワードの選定が重要

ここでの集客とは「自社のWebサイトへアクセスを集めること」としますが、この集客工程において重要なのは検索キーワードの選定です。その理由を以下に説明します。

まず、製造業系企業が自社のWebサイトへアクセスを集めるために、よく行われる施策は以下の2点です。

  • SEO対策:特定のキーワードで検索された際、自然検索のエリアに自社サイトを上位に表示させる(無料)
  • リスティング広告:特定のキーワードで検索された際、広告欄のエリアに自社サイトの広告を表示させる(有料)

どちらの手段にも共通しているのは「検索キーワード」の存在です。

皆さんもWeb上で何か情報を探す場合、必ずと言っていいほどGoogleやYahoo!等の検索エンジンを使用するかと思います。これは企業や個人がメーカーを検索する場合も同様です。

情報を探す際には自社で抱える課題や製品に関する検索キーワードを打ち込むため、いったい自社製品がどのような切り口で検索されるのかを考え、顧客がそれを求めて検索した際に自社の情報を露出させる必要があります。

そのため、適切な検索キーワードを選定し、それらに対して施策を行わなければなりません。ここが重要かつ、難しいところでもあります。

今回の記事では、自社に当てはまる検索キーワードを具体的にイメージいただけるよう、メーカー種別に想定されるキーワードを列挙していきます。ですが、より漏れなく検討していくには顧客の購買フローに基づいて整理することをおすすめします。

情報収集から発注にいたるまでの顧客の状況、意図などを想像し、そこから検索キーワードを考えていくという流れです。

購買フローに基づくキーワードの探し方は以下に詳しく記載していますのでこちらもご覧ください。

「そもそもSEO対策・リスティング広告について詳細を知りたい」という方は、こちらをご覧ください。
■ SEO対策

■ リスティング広告

訴求:自社の差別化ポイントを明示する

集客活動によって獲得できたサイト訪問者に対して、次に必要なのが「訴求」です。

せっかく自社サイトを見に来てもらっても、内容に惹かれずにそのまま離脱されてしまうようでは意味がありません。この訴求工程でしっかりと自社の特長を伝え、問い合わせ獲得へとつなげていきます。

この時点で訪問者は複数の競合他社サイトを見て比較している可能性も考えられるため、自社製品を選んでもらえるよう、訴求内容では自社の差別化ポイントを明示する必要があります。

こうした自社の差別化ポイントをいきなり挙げるのは難しいかもしれません。弊社でWebマーケティングのお手伝いをさせていただく際も、「自社製品独自の強みはすぐに思い浮かばない」とおっしゃる方もよくいらっしゃいます。

たとえ製品自体が秀でた特長を持っていなかったとしても、顧客に提供できるサービスなど、製品以外の要素を掛け合わせることで自社独自の強みが必ず出てきます。自社製品のスペック以外にも、顧客・競合などの他の観点から製品を見直すことをおすすめします。

顧客

  • 顧客にとって自社の製品にはどういったメリットが考えられるか
  • よくいただく問い合わせ内容(顧客の課題)はどんな傾向のものが多いか
  • (顧客が)他社で断られたが、自社に依頼が来て対応できた案件はないか

競合

  • 競合製品と比べて優位な点は無いか
  • 製品以外に、QCD面、デモ機提供等サービス面で他社に勝てる点はないか

また、製品の詳細を社内の設計者に改めて確認することも効果的です。どういった意図で製品を設計・開発したのかを確認することで、顧客の課題や言及すべき訴求内容が見えてきます。

※メーカーのWebマーケティングは、マーケティング担当者だけではなく社内の技術者を巻き込むことでより成果を出すことができます。以下の記事もご覧ください。

Webマーケティングにおける検索キーワードの選定、・自社の差別化ポイントを明示することの重要性をおさえた上で、次は取り扱う商材の種類別に詳細の集客・訴求方法を見ていきます。

素材メーカー

ゴムやガラス、化学素材、紙などといった素材を製造する素材メーカー。素材は製品を形成するための大元であるため、汎用性が高く、想定されるターゲットも様々です。自社で想定しきれていない用途もあるかもしれません。

集客キーワード

素材が持つ広い可能性を活かし、あらゆる切り口から集客できるようにキーワードを検討していきます。

ターゲットが使うと想定されるキーワードの種類

  • 素材名
  • 基礎知識系
  • 機能性
  • 用途
  • 他素材との比較
  • メーカー探索

例:PEEK樹脂のメーカーを探している場合

  • 素材名:PEEK
  • 基礎知識系:樹脂 種類、PEEKとは
  • 機能性:高耐熱性 素材
  • 用途:ギヤ 樹脂 材料
  • 他素材との比較:PEEK PEKK 違い
  • メーカー探索:エンプラ メーカー、PEEK樹脂 メーカー

自社の製品名を認知していない方にも情報が届くよう、上記のように様々な観点のキーワードで自社サイトを露出させることが大切です。

訴求内容(特異な素材の場合)

独自の機能性を有している、特許を取得しているなど、既に素材として大きな強みがある場合は差別化が容易です。その強みを軸に、サイトに訪れた技術者に対して伝わりやすい訴求をしていきましょう。

訴求のためにサイトに掲載したい内容

<素材関連>

  • 素材の特長
  • グレード、提供可能な形状の種類
  • 類似素材との比較実験データ
  • 想定用途、採用事例

<素材以外>

  • サンプル品の提供(特異な素材を扱うことへのハードルを下げるため)
  • 研究体制

訴求内容(一般的な素材の場合)

一方、他社でも多く取り扱いがあるような、一般的な素材の場合は差別化が難しい場合があります。その際には自社のサービスや取引実績など他の面を訴求し、強みを補強します。

訴求のためにサイトに掲載したい内容

<素材関連>

  • グレード、提供可能な形状の種類
  • 異素材との比較実験データ(同素材と戦うのは厳しいため、異素材を例に挙げて代替提案をする)
  • 想定用途、採用事例

<素材以外>

  • 取引実績
  • 品質管理体制(検査体制、トレーサビリティなど)
  • 納品形態(追加工、組み立てなど)

部品メーカー

電子部品・樹脂部品など、製品を形づくる部品を製造する部品メーカー。素材よりも用途が限られてくるため、自社のターゲットを想定しやすいという特徴があります。

集客キーワード

部品となると材質や機能性のほか、製品としての精度も問われるようになります。顧客がどういった課題を抱えているか想像しながら、キーワードを検討していきます。

ターゲットが使うと想定されるキーワードの種類

  • 部品名
  • 材質
  • 機能性
  • 精度
  • 形状
  • 用途
  • メーカー探索

例:ギヤメーカーを探している場合

  • 部品名:ギヤ
  • 材質:ギヤ 樹脂
  • 機能性:ギヤ 耐久性
  • 精度:ギヤ m0.2
  • 形状:ギヤ インボリュート
  • 用途:自動車用 ギヤ
  • メーカー探索:ギヤ メーカー

訴求内容(特注製造がメインの場合)

特注製造がメインの場合、「どんな製品を製造できるか」といった生産能力に関する訴求が必要となります。

訴求のためにサイトに掲載したい内容

<部品関連>

  • 対応可能な加工精度、材質、サイズ、ロット数
  • 加工技術
  • 製造事例

<部品以外>

  • 納期、コストメリット
  • VAVE提案事例
  • 取引実績
  • 品質管理体制(検査体制、トレーサビリティなど)

訴求内容(規格品製造がメインの場合)

規格品製造がメインの場合、同じ部品を扱っている会社と機能性や仕様で差を付けられず、差別化が難しい場合があります。この場合には部品スペック以外の自社の特徴を掲載し、強みを補強します。

訴求のためにサイトに掲載したい内容

<部品関連>

  • 取り扱い製品のラインナップ
  • 対応可能なロット数
  • 製造事例

<部品以外>

  • 納期、コストメリット
  • VAVE提案事例
  • 取引実績
  • 品質管理体制(検査体制、トレーサビリティなど)

また、訴求内容とは違った観点になりますが、自社の取り扱い部品が多岐にわたる場合は、Webサイトの利便性を向上させることも効果的です。分かりやすい導線設計や、検索機能などを実装し製品を探しやすくすることでユーザーの目に付きやすくなり、雑然と情報が並んでいる競合サイトより優位に立てる可能性があります。

最終製品メーカー

自動車、電子機器、工作機械など完成品を製造する最終製品メーカー。素材や部品と比べて、最も用途が明確でターゲットが定まっているため、そのターゲットに向けて適切に内容を伝えることが重要です。

集客キーワード

最終製品に対し、ユーザーが抱える課題や要望は多岐に渡ります。想定されるキーワードの種類も様々です。

ターゲットが使うと想定されるキーワードの種類

  • 製品名
  • 用途
  • 機能性
  • 形状
  • 比較
  • メーカー探索

例:ディスプレイメーカーを探している場合

  • 製品名:ディスプレイ
  • 用途:車載用 ディスプレイ
  • 機能性:ディスプレイ
  • 形状:ディスプレイ 薄型
  • 比較:ディスプレイ TN VA 違い
  • メーカー探索:ディスプレイ メーカー

訴求内容

最終製品となると、問い合わせが来るのは以下の2タイプが考えられます。

  • 実際にその製品を使用したいユーザー
  • その製品を活かし、協業や新製品の開発を考えているパートナー企業

製品を使うことでユーザーが得られる価値や、購入前の懸念を払拭するような内容、あるいは自社の製品企画・開発能力などを押し出していき、訴求していきましょう。

<製品関連>

  • 製品スペック
  • 課題解決事例

<製品以外>

  • 生産体制(設備、拠点数等)
  • アフターフォロー(定期メンテナンス等)
  • 品質管理体制(検査体制、トレーサビリティなど)
  • デモ機等貸出サービス(購入へのハードルを下げるため)
  • 企画、開発能力

まとめ

商材別(素材・部品・完成品)に、メーカーのWebマーケティングにおいて重要な「集客」と「訴求」の工程を掘り下げて紹介いたしました。Webサイトを通じた顧客獲得を狙う際の参考となれば幸いです。

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