ホームページライティングのすべて。重要性や具体的なやり方・外注料金の相場を解説

こんにちは、テクノポートの卜部です。ホームページにおけるライティングが重要視されるのは、問い合わせや商品の販売数に影響があるからです。しかし、具体的にどのような技術が必要かわからず悩んでいる方は多いでしょう。

そこで今回は、ホームページ制作に必要なライティングスキルや書き方のコツを徹底解説します。ぜひこの記事を参考に、ホームページライティングの重要性を理解し、制作の参考にしてください。

ホームページライティングとは?

ホームページは、ユーザーに自社の情報や魅力を伝えるために作成します。ユーザーが目にするコンテンツのほとんどは、テキストと図です。そのため、効果的なホームページにするにはライティング技術が必要になるわけです。

おもなスキルと特徴は以下の3つです。

ホームページに必要なライティング技術 特徴
Webライティング 明快で読者の悩みをいち早く解決する文章を書くための技術。新聞のように網羅的に情報を伝える文章とは違う技術が求められる。
コピーライティング 文章だけで読者をひきつけ、熱意や魅力を伝えることで印象を残すことを目的とした技術。キャッチコピーのような短文だけでなく、長い文章にも使われている。
セールスライティング 商品やサービスの購入を決意してもらうための技術。興味のある人の背中を押すために使用する。ほかにも、問い合わせや無料サンプル・資料請求の訴求にも活用されている。

ホームページを読み進めるきっかけを作り、思惑通りの行動を促すために3つの技術を組み合わせて文章を書いていきます。

ホームページにおいてライティングが重要な理由

ホームページにおけるライティング技術が重要なのは、自社の利益に直結するからです。具体的な効果を見ていきましょう。

問い合わせ増加が期待できる

ライティングのしっかりしているホームページでは、商品やサービスへの問い合わせ増加が期待できます。

サイトが以下のような構造になっているからです。

  • ユーザーにとっての利益が一目でわかる
  • ストレスなく会社概要や特徴が理解できる
  • 商品の購入や問い合わせがスムーズにできる

ホームページには目的をもったユーザーが訪問してきます。自社が目的達成の助けになることを簡潔に伝えられれば、好印象を抱いてもらえるでしょう。商品やサービスだけでなく、人材募集にも応用できます。

ユーザー体験(UX)が向上する

テキストによる情報がわかりやすいホームページでは、ユーザー体験の向上が期待できます。読みやすくて親切なサイトだと認識してもらえれば、読者の満足度が向上し、信頼性が高まるでしょう。

ライティングスキルには、文字装飾や別のコンテンツへの誘導といった技術も含まれています。ユーザーが知りたい情報にアクセスしやすくなるため、心地よさを感じてもらえるわけです。

SEOの評価向上が期待できる

オウンドメディアを運営し、ユーザーの役に立つ情報をわかりやすくまとめて発信することでSEO評価の向上が期待できます。

特定のキーワードでGoogle検索の上位に表示できれば、自社に関連した悩みを抱えている人をホームページへ誘導できます。このように、まだ自社の商品やサービスを知らない「潜在顧客」と呼ばれる人たちを集客し、知ってもらえるきっかけを生み出だすことが期待できます。

ホームページライティングのやり方を5ステップで解説

ここからは具体的なライティングのやり方を解説します。ぜひ以下の内容を参考に実践してみてください。

ステップ1:キーワードの選定

商品やサービスに価値を感じてもらえる人が検索しそうなキーワードを選定しましょう。キーワードを含めながらユーザーの知りたい情報を入れていきます。本質は読者の悩みを解決していく点であることは忘れないでください。

ツールは無料のGoogleキーワードプランナーで十分です。やみくもに選定するのではなく、ホームページとの関連度の高さやライバルに勝てるかどうかを調査しながら進めましょう。

ステップ2:見出しの作成

本に見出しがあるように、Webサイトでも見出しを設定して概要を伝える必要があります。

Webサイトでは見出しタグ(hタグ)を設定し、検索エンジンに正しく認識してもらいます。大見出し(h1タグ)から始まり、中見出し(h2タグ)でテーマごとに内容をまとめましょう。

中見出しをさらに細かく分類する場合は小見出し(h3タグ)を使って、1見出し1テーマで解説してください。

大見出し(h1)と中見出し(h2)にはできる限りキーワードを含めて、SEO評価の向上を狙っていくことが重要です。

ステップ3:本文の作成

忙しいユーザーのために結論から書いていきましょう。Webサイトは無料で読める上に、無数に存在するため、知りたい情報がないと判断されればすぐに離脱されます。

以下の文章の型を参考にすると、体系的な文章が書けますよ。

文章の型 特徴
PERP法 結論、理由、具体例、再結論で伝えたいことをまとめる
SDS法 要点、詳細、要点の順で端的に情報を伝える
BEAFの法則 ベネフィット、証拠、競合優位性、特徴の順で魅力を伝える

ユーザーのことを考えて、専門用語はできるだけ使わないことも大切です。もし使う場合はなら補足説明を入れましょう。

ステップ4:図解の挿入

文章で説明しにくいものは、積極的に図解を入れてください。スペースをある程度自由に使えるというWebサイトのメリットを活用しましょう。

ちなみに画像は、テキストの約7倍の情報量があるといわれています。

端的で情報密度の高い文章を入れることによって、わかりやすい図解にしましょう。

ステップ5:シンプルかつ見やすい装飾

Webサイトでは適宜装飾を入れるのがおすすめです。新聞のように文字で埋め尽くされたページは、わかりにくいうえにユーザーを疲れさせてしまうからです。

見出しの文字を大きくしたり、装飾したりすることで区切りがわかりやすくなります。行間にある程度の余白を持たせるのも効果的です。

「読みやすくて親切」と思ってもらえるホームページにしましょう。

成果につながるホームページライティングのコツ3選

ユーザーに読んでもらえるホームページにするコツを3つ紹介します。すぐにできる内容なので、ぜひ取り入れてみてください。

1.ユーザーの検索意図を把握する

ビジネス目的でWebサイトを回遊しているユーザーは、問題解決の手段を探しています。そこで、自社のターゲットが「どういう悩みを抱えているのか」を理解することに力を入れましょう。

そうすれば、どんな情報を伝えれば魅力的に感じてもらえるかが把握できます。

2.ユーザーの悩みを解決できる構成にする

構成とは、見出しのみを抜き出したものです。「何をどのような順番で伝えればユーザーの問題を解決できるか」を考えましょう。

ポイントは以下の2つです。

  • 顕在ニーズ:ユーザーが解決したい悩み
  • 潜在ニーズ:悩みが解消したあとに役立つ情報

まずは顕在ニーズに回答し、その上で潜在ニーズを解説する構成を組み立てましょう。

3.明確な訴求をする

ホームページで会社案内や情報提供をするだけでは、本来の目的を達成できません。成約や問い合わせを獲得するには、適切な場所でしっかり売り込みをする必要があります。

「問い合わせをしたい」と思ってくれそうなタイミングで、無料相談や見積もり依頼などを訴求してください。

ホームページライティングはプロに任せるのがおすすめ

ホームページのライティングにはスキルやコツが必要なので、ハードルの高さを感じている人も多いでしょう。自社のやり方が効果的なのか疑問に思う人もいるかもしれません。

そういうときはプロに任せるのも選択肢のひとつです。ホームページライティングの勘所を知っている専門家にお願いすれば、効率よく制作してもらえます。社内リソースを使うよりもコスト削減が期待できますよ。

ホームページライティングを依頼する料金の目安

ホームページライティングを依頼する料金の目安は以下のとおりです。

  • 制作会社:3万円〜15万円/1P
  • クラウドソーシング:5,000円〜5万円/1P

コストを最も重要視するなら、クラウドソーシングがおすすめです。安心して取引を進めたいのであれば、一定の人材を抱えている制作会社に依頼したほうが無難でしょう。

ホームページライティングを依頼するときの注意点

外部に依頼することによるデメリットも存在します。

とくに以下の3点には注意が必要です。

  • 高すぎる専門性が求められると対応できない
  • 必ず結果が出るものではない
  • 商品やサービスが市場のニーズに合致しているかが前提になる

技術者へのインタビューや記事制作時のすり合わせで、外注先をサポートすることも必要でしょう。一緒にコンテンツを作り上げていく姿勢が重要になります。

またホームページへの問い合わせは、ライティングさえよければ増えるわけではありません。会社全体のマーケティング戦略のひとつとして設計していきましょう。

まとめ:製造業のホームページライティングならテクノポートへご依頼ください

ホームページライティングを効果的にするには専門のスキルが必要です。ライティングスキルがあれば、さらに魅力的な内容に仕上がるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、自社のホームページを見直してみてください。

なお、テクノポートでは製造業に特化したホームページ制作の実績が多数あります。製造業に精通した人材や専門ライターを抱えている点が他社とは違う強みです。

製造業のホームページ集客でお悩みの方も、社内でしか対応できないとあきらめていた方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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技術ライティングを外注するときに気をつけること~5W1Hをはっきり伝えよう

テクノポート、技術ライティング事業部の佐々木です。前回は自分でライティングをする人に向けて、技術を伝えるために気をつけることやポイントを書きました。しかし、さまざまな理由から、自分ではなく社内の他の人やクラウドソーシングサービス、コンテンツ作成サービスなどに、ライティングを依頼する人も多いでしょう。今回は、ライティングを依頼する際に気をつけるといいことについてお伝えします。

ちゃんと伝わらなければちゃんとしたものは仕上がってこない

「自社サイトにオリジナルコンテンツを載せたいが、自分では文章を書くことになれていないから外注したい」「自分で書いていたが、思ったより大変なので次は外注したい」と考える担当者さんがまず調べるのは、クラウドソーシングサービスでしょうか。あるいはコンテンツ制作サービスを提供している会社にお願いすることもあるでしょう。

しかしながら、そうしてアウトソーシングによって上がってきたコンテンツを見てみたら思っていたものと全然違う、という経験がある担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。コンテンツをアウトソーシングする際には、書いてほしいことが書き手にきちんと伝わることが大事です。自分でライティングをするなら書きながら集めていけばいい資料やデータでも、アウトソーシングなら依頼するときにそろえておかなくてはなりません。自分でライティングをするよりもちゃんとした準備が必要です。またそうして準備する資料は、その内容が外部の書き手に間違いなく伝わるものでなくてはなりません。

これがうまくできないと、書き手の理解度や解釈によってはできあがったコンテンツに満足できず、何度も修正を繰り返すことになったり、別の書き手にお願いしなくてはならなくなったりします。

どうすれば書き手にうまく伝わるか

小学校の国語の時間に「5W1H」について教わったことはありませんか。5W1Hとは、文章(特に誰かに説明する文章)を書く際のポイントです。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(だれが)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ、どうして)
  • How(どのように)

これはそのまま、コンテンツ作成のポイントにもなります。例えば新製品についての紹介や、事例などのコンテンツを作る場合を想像してみるとお分かりいただけると思います。

技術に関するコンテンツの場合は、そうした資料が、社外の人にも通じる言葉になっているかも大事です。どんな業種にも言えることではありますが、製造業の中でだけ通じる専門用語や、その会社内でだけ通じる単語では、いくら丁寧に書かれていても、書き手が理解できない可能性があります。結果として間違った表記になったり、その部分のコンテンツを書いてもらえなかったりします。書き手は通常、自分が理解できないことは書けない(書かない)のです。

そうはいっても、専門用語を使わずに説明するのは難しい場合もあるでしょう。そんなときは、専門用語に注釈をつけたり、文章だけでなく図版を入れたりすることを考えましょう。そうしてつけた注釈は、他のコンテンツを依頼するときにも使えますし、分かりやすい図版は、書き手に説明するためだけでなく、書いてもらうコンテンツのなかでも使えるので、無駄にはなりません。適切な説明に適切な図版が加わると、読み手の理解度はぐっと高まります。

まとめ

自分でライティングをする場合でもアウトソーシングする場合でも、準備すべきものはほとんど変わりません。「コンテンツを書く」部分を自分がやるか他の人がやるかということなので当然と言えば当然ですね。きちんと内容が伝わる資料やデータを用意すれば、アウトソーシングでできあがったコンテンツが思ったものと違う、という事態は避けられるでしょうし、書き手が内容をよく理解できることでコンテンツの仕上がりはよりよいものになるでしょう。

うちの製品や技術の説明を分かりやすく説明すること自体が難しい、そのための時間がない場合は、業界や技術に詳しい書き手にライティングを依頼することで、手間をいくらか省略できます。

技術ライティング事業紹介

テクノポートでは、製造業の現場経験や工業に関しての知見を持つライターによる技術系企業のためのコンテンツ制作サービスを展開しています。

専門的な内容も含めて技術を正しく理解し、製造業のターゲットにきちんと伝わるコンテンツを制作できることが、他のコンテンツ作成サービスにはないテクノポートの技術ライティング事業の強みです。デジタルマーケティングのノウハウと合わせ、新規顧客獲得や技術の用途開発を目的としたWebマーケティングを支援します。

技術系ライターによる製造業のためのコンテンツ制作支援

「モノカク」を運営するテクノポートでは「技術をマーケティングする」という事業理念のもと、新規顧客獲得や技術の用途開発を目的としたWebマーケティングの支援を行っております。
Webマーケティングを推進するためのコンテンツ制作にリソースが不足していませんか?当サービスでは、技術用語の分かる専門性の高いライターが貴社のコンテンツ制作をご支援します。

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技術を伝えるためのライティング~構成を考え論理的に伝えることを意識しよう

初めまして。テクノポート、技術ライティング事業部の佐々木です。テクノポートに加わる前は主にIT/技術系のフリーランスライター、さらにそれ以前はIT系のWebメディアで編集者をしていました。この記事では、事例記事やホワイトペーパーの執筆・編集に携わってきた経験から、技術を伝えるためのライティングについてお伝えします。

Keyboard Image

1.構成(記事の組み立て)はしっかりと

技術を伝えるための文章に限ったことではありませんが、誰かに事柄を伝えるための文章で大事なことは、伝えたい方に最後まで読んでもらうことです。技術系の文章の場合は、技術や製品、サービスなどを探している方が読むことが多いと考えられます。そうした人に最後まで離脱せずに読んでもらうためには、納得しながら読み進めてもらうことが基本だと思います。そこで重要なのが読者の理解を意識した文章構成です。

2.記事構成の考え方

自社の技術を伝える記事(ホワイトペーパー)の構成の一例を考えてみます。本来の順序としては、その記事を誰に伝えたいのか、どういう読者か、というところから考えるべきですが、ここでは”自社に課題を抱えていて、それを解決する技術を探している(技術が分かる)方”と想定します。

【タイトル】

読者に最もアピールしたいことを簡潔に書きます。伝えたいことがいくつもあったとしても詰め込みすぎないほうが印象に残ります。誰に何を伝えたいかを吟味しましょう。

【リード(本文に含める場合もあります)】

導入として市場の背景や、課題に触れるなど、想定する読者の共感を得られるような内容を書きましょう。

【本文】

市場背景や想定読者が抱えているだろう困りごと/課題から書きましょう。リードで取り上げている場合は、リードよりも詳しく丁寧に伝えます。ここで書く困りごと/課題は記事で紹介する技術で解決できるものという前提です。

冒頭に書いた困りごと/課題を解決する方法/手段(技術、製品、サービス)について書きます。いきなり「弊社のこの技術で解決できます」とするのではなく、自社以外の一般的なものも含めていくつかの選択肢があることを示し、それぞれの内容やメリットデメリットを説明した上で、弊社の技術なら解決できますという形のほうが納得されやすいでしょう。ただし、自社技術の優位性を説明するために、他社技術をあからさまにおとしめるような記述は避けましょう。

解決する方法や手段についての文章は、読者に「そのとおりだな」と納得してもらわなければなりません。そのためには強引な我田引水は避け、論理的な説明を心がけてください。ある前提条件の下で優位性があるという場合もあると思いますが、それはきちんと説明しましょう。その上で、その技術の採用事例を付け加えるのも効果的です。

3.まとめ

ご紹介した構成はあくまでも一例です。

市場背景や課題の説明→解決の選択肢→自社技術紹介→優位性や事例の紹介という流れはオーソドックスなものですが、文章のうまい下手ではなく、論理の破綻なく書けていれば納得しながら最後まで読み進めてもらえるでしょう。その上で、文章による説明を補強する資料(表、図版など)を加えれば、読者により伝わる記事になります。

4.技術ライティング事業紹介

テクノポートでは、製造業の現場経験や工業に関しての知見を持つライターによる技術系企業のためのコンテンツ制作サービスを展開しています。

専門的な内容も含めて技術を正しく理解し、製造業のターゲットにきちんと伝わるコンテンツを制作できることが、他のコンテンツ作成サービスにはないテクノポートの技術ライティング事業の強みです。デジタルマーケティングのノウハウと合わせ、新規顧客獲得や技術の用途開発を目的としたWebマーケティングを支援します。

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記事の作成は外注したほうが良い3つの理由と注意点

テクノポートの廣常です。

この記事では「自社サイトの記事を増やしたいが、ライティングのノウハウや社内のリソースが足りない」「記事作成を外注しようか迷っている」といった方に向けて、記事作成の外注をおすすめする3つの理由と注意点をお伝えします。

MarkeZineによる「マーケティングの課題とデジタル活用に関するアンケート調査」によると、2021年に最も予算が増えた施策はコンテンツマーケティング(情報メディア、ブログなどによる情報発信)であるという結果が出ています。

実際に、自社サイトでのブログ・コラム記事の導入、オウンドメディアの運営を始める製造業の方も徐々に増加してきています。このように個々の会社が情報発信する機会が増えている中で、記事の質というのも検索時の上位表示や自社のイメージアップなど、あらゆる点に影響する重要なポイントとなってきています。

とはいっても、本業が忙しく記事を作成する時間がない、記事を作成するノウハウがないなどとお困りの方も多くいらっしゃるかと思います。そこでおすすめするのが「記事作成を外注する」という手段です。

記事作成は外注したほうが良い3つの理由

なぜ記事作成を外注したほうがいいのか、3つの理由を解説します。

1.質の高い記事を継続して確保できる

自社の業界や技術について熟知していても、読者に伝わる文章としてうまく記事に落とし込むとなると、また異なるスキルが必要です。プロのライターに依頼することで、読みやすさや伝わりやすさにも配慮された質の高い記事が継続して得られるメリットがあります。

継続的に自社サイトを更新していくことで、会社としても活動的な印象を与えられるだけでなく、自社のファンとなったユーザーに繰り返し見にきてもらえるといった効果も期待できます。

また、近頃は製造業の現場経験のあるライターも増えてきています。そういった方に依頼すれば、ある程度専門的な内容の記事もスムーズに作成が可能となります。

2. SEO対策・マーケティング戦略を考慮した記事が得られる

「記事」とひとまとめに言っても、作成する目的によって構成や内容が変わります。例えば下記のような例が挙げられます。

  • 集客目的     :検索時に上位表示されるようSEO対策を重視
  • 問い合わせ獲得目的:自社の魅せ方や技術の訴求を重視

外注先によっては、記事作成の目的に合わせてこのようなSEO対策や市場分析、マーケティング戦略を提案してくれるところもあります。こういったところに依頼することで、サイトとしての質の向上につながるだけではなく、自社で内製するだけでは思い浮かばなかった視点、切り口での記事ができるかもしれません。

また、製造業の場合、業種によっても様々な記事タイプが考えられます。

  • 加工技術の基礎知識やノウハウを伝える記事 (主にサプライヤー)
  • 製品に関する知識や導入時に必要な情報、使用される業界の動向などを伝える記事(主にメーカー)
  • 自社技術を公開し新規の引き合い、用途開発を目的とする記事

闇雲に記事を作成するのではなく、自社の業種や目的にしっかりと沿った記事作成ができるとより効果的です。

3.(自社の)業務に専念できる

コンテンツの重要性はわかっていても、作成に割ける時間や人員が不足している会社は多いかと思います。外注してしまうことで社内工数を削減し、メインの業務への時間を確保できることも大きなメリットとなります。

外注時の注意点

ただ外注すればいいというわけではありません。どんな点に注意すべきかをお伝えします。

外注先に丸投げはNG

外注として費用が発生しているだけでなく、自社として記事を発信する以上、外注先に丸投げをすることはNGです。自社での事前準備とチェック体制を構築する必要があります。

記事を作成する目的、戦略の検討

自社にとってメリットのない記事が作成されてしまうのを避けるためにも、記事作成の目的や全体的な戦略の検討が必要です。
これらを事前に練った上でライターとすり合わせをしておかなければ、執筆後に方向性の相違が生じた場合、自社にとっても修正の手間がかかるだけではなく、ライターにも負担をかけてしまいます。

ライターの質の見極め

特にクラウドソーシングなどで個人に依頼する場合、ライターの質も様々であるため、実績の確認やテストライティングの依頼などから質を見極めることも重要です。執筆された文章を結局自社で大きく手直しするようでは、外注している意味がなくなってしまいます。

記事のチェック体制を構築

構成段階or初稿〜公開前のチェックも必要となります。誤字脱字だけではなく、自社の意図と合っているかどうか、自社技術の訴求内容に間違いはないかなど、様々な点を確認する必要があります。公開まで円滑に進めるためにも、こういったチェックができる体制を整えておくことが重要です。

記事=ただ増やせば良い というものではない

単に記事数自体を増やせば、サイトの上位表示や問い合わせにつながるわけではありません。前述のように、集客を狙うのであればSEO対策を重視した内容、問い合わせの獲得を狙うのであれば自社技術や強みを分かりやすく訴求する内容、というように、それぞれの目的に合わせた記事を作り上げていく必要があります。

質の高い記事を一度作成すれば、情報の鮮度を気にする必要はあるものの、財産として蓄積されていきます。記事数や中身のボリュームばかりに目を向けるのではなく、目的に沿った記事作成を1つ1つ積み上げていくことが重要です。

テーマによっては深い打ち合わせを

外注のライターはもちろん自社の人間ではないため、技術について広く浅く紹介する記事は書けたとしても、自社の技術を掘り下げた記事を書くことは難しいでしょう。

その場合は取材を受けるような形式で、ライターとの事前打ち合わせが必要となります。時間はかかりますが、一般的な内容だけでなくより技術的な内容に踏み込んだ記事を作成することは、他社との差別化にもつながります。

中長期的な目線をもつことが重要

記事公開後、集客効果が出る・自社のファンができる・問い合わせにつながるなど成果が出てくるには、一定の期間と記事数が必要です。公開直後に効果が出るわけではないことを念頭に置き、中長期的な目線を持つことが重要となります。

まとめ

記事作成を外注するメリット3点と注意点をご紹介しました。外注するといっても自社内で準備や検討すべき要素も多く、また効果もすぐには感じられないという点から、中長期的で地道な取り組みが問われます。

弊社では製造業に特化した記事作成、コンテンツマーケティングの支援を行っております。「どういった記事を作成すれば良いか」といった企画立案の部分から、構成作成、執筆、その後の効果測定から改善提案まで一貫して対応いたします。お気軽にご相談ください。

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トラブルを未然に防ぎたい! 記事外注あるある3選

テクノポートの菊地です。コンテンツマーケティングに取り組む企業が増える中で、ライターさんに記事を外注したものの思ったように進まない、うまくいかないという話をよく耳にします。この記事では、よくある3つの失敗と、予防策をご紹介します。

記事を外注してうまくいかないときのあるある3選

ライターと会社の板挟み

まず一つ目は、ライターの意見と社内の要望が異なってしまい、窓口となる担当者が板挟みになって疲弊してしまうケースです。特に記事作成後の修正時に発生します。特につらいと聞くのは、会社の意向とライターのポリシーがぶつかって、記事が校了しないまたはライターに修正してもらえないパターンです。

例えば、取材やヒアリングをして執筆する記事の場合、話し手が取材慣れしていないことでフランクに話しすぎてしまった部分をそのまま記事化し、ライターからは「お話しされてたことですよね」と言われ、会社からは「どうしてお金を払って書いてもらっているのに要望を聞いてもらえないのか」と言われる場合などがあります。

【対策】

  • 自社のチェック体制・フローを事前にライターに伝えておく
  • 取材の場合などは、取材が終わったタイミングで記事化NGな言動などをメモなどで良いのでライターに渡しておく
  • ライターのSNSなどを確認して日頃の言動や性格を下調べしてから依頼する

思ったような記事ができない

2つ目はなんだか思っていたものと違う…というぼんやりした失敗です。このケースは、大きく2つに分かれます。

1つは、具体的なイメージを共有できていないケースです。記事を受け取った担当者が思う場合は、担当者の方が忙しく、具体的なイメージを持てないまま「ライターにお任せすれば大丈夫だろう」と軽い気持ちで丸投げしている時によく起こります。上司から言われるときは、「コンテンツとかよくわからないから任せる!なんかあったら言ってくれ!」と丸投げされてしまっていたり、相談をしても「よくわからないからいい感じにやって」と放任されていたりする時です。

2つ目は、修正のフローで社内の色々な人が思い思いに修正指示を出した結果、記事そのものが明後日の方向にいくケースです。ライターと担当者の間で合意が取れていても、確認をしたりや決裁権をもつ社内の人物が企画の意図を理解せず細部にこだわる時に起こりがちです。極端な例ですが、高校生の関心を掴むためのコンテンツを作っていたはずが、専門誌に掲載する難しい話になるなどです。

【対策】

  • 他社や他業界のものでよいのでイメージ(文体や雰囲気など)に近いコンテンツのアウトプットを2〜3点ピックアップし、ライター・社内ともに共有しましょう。
    日頃からいいなと思うコンテンツをメモしておく、またWebメディアなどを見るようにするのもおすすめです。
  • 「なんでもいい」「お任せする」は禁止
    企業が予算を確保して行うのになんでもよいということはありえないので、「これがいい」または「こういうのは嫌だ・違う」からでもよいので一つずつ書き出して整理してみましょう。複数のコンテンツからどっちが良いかと考える方法もあります。
  • 社内でイエスマンにならない
    主旨に沿わない意見まで拾い上げない。必要な修正かどうかの線引きをしましょう。そのために、企画の趣旨や読者を明確にして、企画の段階で決裁や根回しをしておくのも安牌です。企画書を添えて説明をしてから修正を依頼できるとベストです。

送られてきた原稿のクオリティが低い

ライターから送られてきた原稿がそのまま掲載できるクオリティではなかったということもしばしば耳にします。事前にその人が書いた記事を確認すれば防ぐことができると思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。また、自分が書いた文章のセルフチェックには限界があるので第三者がチェックするほうが確実かもしれません。プロのライター同士でも「正しい日本語」の認識が異なることも少なくありません。原稿の校正作業や、複数のライターに依頼する場合の記事ごとの文体の統一は手間と時間がかかります。

【対策】

  • 生の原稿をみせてもらう
    事前にその人が書いた記事を確認すれば防げそうだと思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。
  • ブログやSNSの文章を見る
    個人で運営しているブログやSNSであれば、第三者の手が加わっていることは少ないので素の文章をみることができます。
  • クラウドソーシングでそのライターの仕事の評価を確認する
    あまり厳しい評価をしていることは見かけませんが、リピートの依頼があるかどうかなどで判断ができます。
  • 校正や編集者を用意する

まとめ

1回目で誰もが100%満足する、そのまま入稿できるような記事が叶うことはほとんどないと思います。要望や求めているポイントをすり合わせながら、一緒に記事を作っていく意識も必要です。事前に依頼したい内容や企画、フローが整理できていると回避できることはたくさんあるのでこちらの記事も参考にして、まずは自分たちの企画や体制を整理してみてください。

また、クラウドソーシングのプラットフォームやSNSは、ライターについての情報収集にも活用できます。ライターとして活躍ていきたい方もいれば、副業として月○円稼ぎたいという目的の一つでライターをしている方、自分の名前を出して有名になりたい方、裏方でいたい方などさまざまです。

コンテンツの依頼でうまくいかなかったことがある方は、次の依頼をする際に余裕があればライターに「こういうことがあって、大変だったんですよね」という話をしてみたり、相手に「困った案件のエピソード」を聞いてみるのもおすすめです。お互いにされたら嫌なことがわかります。

記事を外注する際の参考になれば幸いです。

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コンテンツマーケティングのアイディアの出し方法

こんにちは、テクノポートの永井です。アクセスを集めるために、コンテンツマーケティングを取り入れている企業も多くなってきました。

コンテンツマーケティングは、自社の技術を潜在顧客に知ってもらうためのマーケティング手法です。コンテンツマーケティングを成功させるためには、将来顧客となり得る方が気になっている情報を発信し続けていくことが大切です。情報を発信し続けるためには、多くの「ネタ」が必要になります。ネタを考えるのは意外と大変で、実際にコンテンツマーケティングを担当していて苦労されている方も多いのではないでしょうか。

今回はコンテンツマーケティングの「ネタ」を作るための方法を紹介します。

コンテンツマーケティングを成功させるためのポイント

ネタの出し方の前に、コンテンツマーケティングを成功させるポイントを紹介します。

コンテンツマーケティングの目的は潜在顧客のアクセスを稼ぎつつ、顧客のニーズが顕在化したときに改めてサイトを訪れてもらうことにあります。コンテンツマーケティングを成功させるためには、大きく2つのポイントがあります。

  1. 潜在顧客のアクセスを集めること
  2. 潜在顧客が知りたい情報を提供し、価値あるサイトとして認識してもらうこと

まずは「潜在顧客のアクセスをできるだけ多く稼ぐこと」です。そのためには需要の多いキーワードでのSEO対策が欠かせません。次に「潜在顧客が知りたい情報を提供すること」です。ニーズが顕在したときに再度訪れてもらうためには、質の高い情報を提供しているサイトとして認知してもらわなければなりません。そのためには一般的な情報だけではなく、Web上ではなかなか集められない情報なども掲載することが大切です。

ターゲットから考えるコンテンツマーケティングのアイデア出しの方法

コンテンツマーケティングには必ずターゲットが存在します。ターゲットを設定すると伝えるべき情報が見えてくるため、コンテンツのアイデアも出やすくなります。ここからは、ターゲットの設定からどのようにアイデアを出していくかを順に見ていきましょう。

1、ターゲットの設定

まずはターゲットを設定します。ターゲットごとに求める内容は異なるため、ターゲットはできるだけリアルな形に決めることが大切です。また、ターゲットは業界や職種で分けることをおすすめしています。

例えば、電池の開発者、自動車の燃料タンクの設計者など、ある程度具体的なほうがアイデア出しはしやすくなります。

2、ターゲットが置かれている状況を想定

次にターゲットの状況を想定します。研究フェーズなのか、開発フェーズなのか、それとも不具合改善フェーズなのかなどで分けます。ターゲットが情報探しているときの状況を想定することで、伝えるべき情報が明確になってきます。

基本的にはどのフェーズの場合も、今抱えている課題やそれに類似する情報を求めています。

3、ターゲットが求める情報を想定

次にターゲットが求める情報を想定します。これがコンテンツマーケティングのネタの元になります。

まずは何も見ずに、想像だけで洗い出しを行ってください。次に、Webサイトで探索をして、ターゲットが他にどのような情報を求めているか探してみてください。

情報を想定するときは、一人で考えるよりも複数人で考えたほうが多様なアイデアが出てきます。例えば、あるテーマを与えて、5人に10個アイデアを出してもらいます。他の人とかぶることもありますが、少なくとも30個はアイデアが出てきます。その中から相談し合うことで、一人では想定できなかったアイデアを出すことができます。

4、3の情報と自社の技術と紐付ける

最後に3で考えたものと自社の技術を紐付けます。コンテンツマーケティングの目的は自社の技術を潜在顧客に知ってもらうことなので、できれば自社の技術と紐付けをしましょう。潜在顧客が知りたい情報を提供し、価値あるサイトとして認識してもらうためには、自社のオリジナル情報を提供しなければなりません。製造業の場合、それは技術になります。

もちろん紐付けできなかった情報を掲載しても大丈夫ですが、できる限り紐付けできるように考えてみてください。最後に、各アイデアに対して仮タイトルをつけて完成です。

複数人で行えば、1時間程度で50個くらいのアイデアは出せるでしょう。

自社の技術から考えるコンテンツマーケティングのアイデア出しの方法

先ほどはターゲットを起点としましたが、ここでは自社の技術を起点としたアイデアの出し方を紹介します。

1、自社の技術の洗い出し

まずは自社技術の洗い出しを行います。洗い出しでは「自社で何が作れるのか」をどんどん出してみてください。

材質、大きさ、精度、品質管理方法など、普段行っていることを洗い出します。それらをまとめることで、何ができるかが具現化されます。

自社の技術の洗い出しの詳細はこちら:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/24081

2、他社の技術と比較したときの自社の技術の優位性を調査

次に、自社の技術が他社と比べてどれくらいのレベルにあるのかを把握します。調査方法はWebサイトが基本になります。もちろん展示会に行ってもいいのですが、都合よく開催されている展示会はまれですし、自身が展示会に行けるとは限りません。そのため、ネット検索を駆使して調査しましょう。

他社が強みとして押し出している部分と自社の技術とを比較して、優劣をつけていきます。勝っている部分はそのまま自社の強みになります。

3、自社の技術が使われている製品と理由を洗い出す

次に、自社の技術がどういった製品に、どういった理由で使われるかの洗い出しを行います。精度が求められるのか、コストなのか、品質なのか。もしくはどういった業界で使われているのか。

例えば、摩擦係数を小さくする効果があるめっき加工の場合、回転物体の潤滑材として、ねじのかじり防止として、肌触りの向上として……など、一つの技術でもさまざまな用途で使われています。

4、自社の技術を応用できる製品を想定

最後に、自社の技術を応用できる製品を想定します。あくまで想定のレベルで、実績がなくても大丈夫です。こちらから用途を決めることで、コンテンツが書きやすくなるため、できるだけ多くの用途を想定してみてください。

1〜4で出た項目がすべてコンテンツになります。

アイデアを出すために使える2つの手法

アイデアを出す際に使う手法として、ここでは2つの手法をご紹介します。

1、カテゴリーマップ

カテゴリーマップは、ターゲット起点としてアイデアを出すときに使います。使い方は簡単で、ターゲット → 他ゲットの状況 → 探している情報 → テーマという具合に階層に分けてマップを作っていきます。

カテゴリーマップを作ることで、「誰にどのような情報を提供するのか」が明確になり、作るべきコンテンツが整理しやすくなります。

2、MFTフレームワーク

MFTとは、Market(市場)、Function(機能)、Technology(技術)の略です。市場と技術の間にある機能に着目することで、技術の活用が可能な市場を幅広く検討できるフレームワークのことで、技術を起点にアイデアを出すときに使えます。

詳しくはこちら:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/5528

まとめ

コンテンツマーケティングはアクセスを増やすのに有効な手段です。ただ、効果を出すためにはコンテンツを出し続けていかなければならず、コンテンツの質も重要になってきます。コンテンツを出し続けていくことは難しく、20個くらいでネタが尽きてしまう企業も少なくありません。

今回紹介した方法は1人ではなく、複数人で話し合いながら行うことで、短時間で数十個程度のアイデアが思い浮かびやすくなります。コンテンツでお悩みの方はぜひ試してみてください。

テクノポートは、製造業の特化したコンテンツマーケティングの支援も行っています。企画からサイト制作、コンテンツアイデア出しからコンテンツづくりまで一貫して対応できますので、お気軽にご相談ください。

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ライターを探す?会社に頼む? 記事制作を依頼するなら

テクノポートの菊地です。SEOコンテンツや社員インタビュー、顧客事例などを作りたいときに「社内では作れない」「あるいは質の良い記事が欲しいので外注したい」ということがあるかと思います。依頼前に考えておきたい「依頼内容」についてはこちらで紹介しています。どんな流れで記事制作をするかわからない、漠然としている方は先に依頼内容を整理するのがおすすめです。

今回は技術ライティングサービスを提供するなかで、伺ったあるいは感じた困りごとを、所感も交えながら記事制作の依頼先の選び方、注意点などをご紹介します。

会社に頼むか 個人に頼むか

依頼内容を整理すると、発注するときに必要な条件、つまり外注先に求めたいポイントが見えてくるでしょう。また、連絡のつく時間帯や稼働時間帯、打ち合わせの可否なども検討材料になります。例えば、平日の夜間帯と土日しか対応ができない相手に依頼する場合は、執務時間外に対応をするか、メールやチャット1往復するのに1日かかることを考慮する必要が出てきます。企業によっては、業務委託をする場合の条件(設立して何年以上や法人でないとダメ、手続きに必要な時間など)があるケースも少なくありません。事前に社内で確認しておくと安心です。

簡単に条件別に表にまとめたので、参考にしつつ読み進めてください。

費用 記事本数 品質 納期 執筆以外の業務
制作会社 記事費用+α 10本超も可 安定している
個人 記事費用のみ 個人差あり 個人差あり

出版社や編集プロダクション、制作会社に依頼する


「なにもわからない!」「手一杯でこれ以上業務が増やせない!」「丸投げしたい!」

こんな方には、出版社や編集プロダクションなどにまず依頼するのがおすすめです。マーケティングの企画立案や、SEOキーワードの選定、記事内容の提案なども対応できる企業が大半です。また、チームで対応することが多いため毎月10本、20本とボリュームがある場合も断られてしまうことは少ないでしょう。費用面では、初期費用や月額費用がかかることが多く、定額+記事本数に応じた費用で予算を抑える必要があります。会社ごとに得意な分野があるので、記事に求める効果や専門性などにあった会社を選ぶのがポイントです。

私が記事制作のご相談を受ける際には、依頼内容に加えて困っていることやそれまでに記事作成をしている場合は過去の失敗談、トラブルなども伺うようにしています。これはお客様の社内体制や施策に対しての理解度などを知る手がかりになり、スケジュール組みなどの参考にもなるからです。

いくつかの会社に相談をして、費用面でも提案の内容でも合う会社を見つけて発注するのが安心だといえます。

こんな場合におすすめ

  • よくわからないけど記事を作らなければいけなくなってしまった
  • 毎月複数本の記事を中長期的に継続して作りたい
  • できるだけ社内の工数を減らしたい
  • 企画・戦略の立案から相談したい
  • 編集や校正・校閲が必要
  • 記事内容の専門性が高い

個人に依頼する

個人のライターに依頼する場合は、クラウドソーシングのプラットフォームで探すかSNSや検索エンジンで探す、あるいは紹介してもらうなどの方法があります。かなり泥臭い方法にはなりますが、Webメディアで「こういう記事を書いてほしい」という記事を探して、執筆者の名前があればその人のSNSなどから直接依頼する方法もあります。

クラウドソーシングで探す

圧倒的に価格が抑えられるのが特徴です。予算に合わせて簡単に探すことができます。記事の本数が多い場合や専門性が高いテーマの場合は、依頼したい内容によって複数人探す必要がありますが、1本だけ単発で、または必要なタイミングで都度依頼できます。

SNSやインターネットで探す・募集する

執筆実績や文章などが確認しやすいのが特徴です。大手メディアで執筆しているようなライターの方は、編集プロダクション経由でないと受けていない場合や、多忙でスケジュールが合わないケースも少なくありません。

同じ価格でも成果物の品質がバラバラなので、初めて取り組むような場合は誰に頼んだら良いかの判断が難しい可能性があります。また、編集者が社内にいる場合や別途手配する場合を除いて「納品された記事の修正や確認などで思っていた以上に手間がかかった」という体験談も少なくありません。執筆実績や掲載実績などを確認する際に、納品先での修正や編集があったかなどを聞いてみる、または納品時点での原稿を見せてもらうのも一つの手段です。

こんな場合におすすめ

  • 社内にコンテンツ制作の経験者やノウハウがあり担当者のリソースに余裕がある
  • とにかく単価を抑えたい
  • 単発で依頼したい
  • 特定の人に頼みたい

まとめ

制作会社も個人のライターさんも様々なので、一概に会社に頼めば安心とも、クラウドソーシングはリスキーとも言えないのが正直なところです。名の知れた企業でも納期がルーズだったという話を聞くこともありますし、弊社で以前からお願いしている信頼できるクラウドソーシングのライターさんもいらっしゃいます。条件面で合う・合わないもあれば、文章の好き嫌いや相性などもあるので、求めている成果物のイメージが共有できるかというのも成否のポイントになるでしょう。

特に初めのうちは丁寧な打ち合わせ、擦り合わせを厭わないことが良質な記事へ繋がるのではないでしょうか。

【製造業必見】Webサイトを改善するためのアクセスデータの読み方

こんにちは、テクノポートの永井です。「アクセスデータは見られるけど、それを見てWebサイトをどう修正すればいいかわからない」という相談をよく受けます。

PV数、セッション数、滞在時間などなど。これらのデータが何を意味しているのかはわかるけど、そこから何をどうすればいいのか?これを導き出すためにはアクセスデータを「見る」のではなく「読む」必要があります。今回はWebサイトを改善するためのアクセスデータの読み方をご紹介します。

Webサイトの役割

はじめにWebサイトの役割を説明します。Webサイトの役割は、以下の2つです。

  • アクセスを集めること
  • 問い合わせにつなげること

問い合わせが入ったあとは直接営業できるため、それ以降は御社の営業努力になります。

Webサイトの改善とは?

Webサイトの改善方法は、Webサイトの役割に合わせて3つあります。

今回は、POINT1の新規訪問者が多く訪れるアクセス対策について紹介します。

Webサイト改善のための事前準備

Webサイトを改善するためには「サイト構成を知り、各ページに役割をつける」という事前準備が必要です。

ページに役割ができることで、初めてアクセスデータを活かせるようなります。先ほどのPOINTに合わせて、各ページに役割をつけてみてください。

アクセスデータについて

今回使うアクセスデータを紹介します。

  • アクセス数 :ページビュー数、セッション数(訪問者数)
  • 滞在時間 :Webサイトを見ていた時間
  • 直帰率 :1ページだけ見た人の割合
  • 検索キーワード:検索されたキーワード(クリック、表示回数)
  • 検索順位:該当キーワードでの検索順位
  • 離脱率:そのページで離脱した人の割合

アクセス数を集めるためアクセスデータの読み方と改善手順

アクセス数を集めるときに使うアクセスデータは、以下の5つになります。

  • アクセス数
  • 検索キーワード
  • 検索順位
  • 直帰率(ランディングページ)
  • 流入方法(organic、direct、paidなど)

これらは主に「サイトの改善前後の差異を調べる」ために使います。目標は以下の4つです。

  • 任意のページのアクセス数を増やす
  • 検索キーワードの順位を上げる
  • 直帰率を下げる
  • 流入方法をマルチにする

まずはページの改善方法、その後にアクセスデータの使い方を紹介します。

ステップ1 改善するページの選定

まず改善するページを選定します。

サイト構成の役割を決めるときに「このページはこのキーワードで上位表示したい」という内容を決めたと思いますが、そもそもそのキーワードの検索需要が多いのかどうかを確認します。

キーワードプランナーを使うと月間の検索ボリュームを調べられます。選定するキーワードの需要は、できれば100件/月程度はほしいところです。キーワードの検索ボリュームが小さい場合は、キーワードを選定し直すことも検討してください。

次に、自社のWebサイトの検索順位が何位なのかを確認します。確認方法はいろいろありますが、検索順位チェッカーなどを使うと簡単に調べられます。

検索順位がGoogleの検索結果の1ページ目に出る1~10位以内であれば問題ないので、別のキーワードで対策を行ってください。
11位以下の場合は改善が必要になるため、手順3に進んでください。

※ランディングページ:Googleの検索結果に表示されるページ(はじめに訪問されるページ)

最後にランディングページを確認します。ランディングページが想定したページであれば、そのページを改善しましょう。そうでない場合は、今のページを改善するか、もしくは想定したページを改善するか検討してください。どちらか迷ったときは、想定しページを改善することをおすすめします。

以上で、改善するページの選定が完了しました。

ステップ2 具体的な改善方法

改善すべきページが見つかったら、次に具体的な改善を行います。Webサイトの改善は情報の追加、削除が基本です。ターゲットが求める情報が適切に入っているコンテンツはGoogleからの評価が高くなり、上位に表示されるようになるため、必然的にアクセス数が増えます。

今回は「ターゲットが求める情報」の調べ方についてお伝えします。

1 対策キーワードで上位表示している他社サイトを調べる

検索エンジンで検索上位するための基準(検索アルゴリズム)は公表されていないため、まずは現在上位表示されているWebサイトを正解と考え、どのようなコンテンツを掲載しているか参考にしてください。

この際に留意するポイントは以下となります。

  • 情報をコピペなど、他社サイトのコンテンツを盗むようなことはしない
  • 上位表示しているWebページの特性(タイプ)をつかむ
  • どのぐらいのコンテンツ量(テキストの文字数)が必要か把握する

2 関連性の高いキーワード(キーフレーズ)を調べる

「キーワードプランナー」には、キーワードの検索需要に加え、該当キーワードと関連性の高いキーワード(キーフレーズ)を紹介してくれます。これらのキーワード(キーフレーズ)に関わるコンテンツをWebページに掲載することで、該当キーワードの検索順位も上がりやすくなります。

3 検索結果に表示されるサジェストキーワードを調べる

Googleでキーワード検索すると最下部に「〇〇に関連する検索キーワード」が表示されます。これはいわゆる「サジェストキーワード」というもので、検索キーワード+どのようなキーワードで他のユーザは検索する傾向がある、ということを検索エンジンが教えてくれるものです。サジェストキーワードにはユーザの検索意図(何を知りたいのか)が表れるので、どのようなコンテンツを掲載すべきか考える際の良い材料となります。

4 オリジナルの情報を入れる

一般的な情報以外にもオリジナルの情報を入れましょう。例えば、技術情報、品質管理方法、製品など貴社オリジナルの情報を入れてください。

例:長野サンコー様:https://www.naganosankoh.jp/drawing/

以上でアクセスを集めるための改善は完了になります。

アクセス数以外に改善すべき内容も確認

アクセス数を上げるページの役割は、以下の2点です。

  • 検索順位を上げてアクセス数を上げる
  • 訴求ページに誘導する

これまでは、アクセス数を上げるための改善方法についてお伝えしましたが「訴求ページに誘導する」ことも忘れてはいけません。訴求ページに誘導できているかどうかを確認するためには「直帰率」を見ます。直帰率が高い(80%以上)の場合は改善が必要になるので、必ずチェックしてください。

継続的に改善を行っていくことが大切

ページを改善するとアクセスデータに変化が見られるようになります。

  • アクセス数がどれくらい上昇したのか?(2〜3ヶ月)
  • 滞在時間は伸びたのか
  • 直帰率は下がったか?

などを確認して、修正。これを繰り返すことでWebサイトのレベルはどんどん上がっていきます。時間はかかりますが、改善を行うことで問い合わせは必ず増えていきますので、ぜひ挑戦してみてください。

記事作成を外注したい、依頼前に考えたい8つのこと

テクノポートの菊地です。Webを活用した営業・販促販促活動は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ますます需要が高まっています。弊社でも「メールマガジンを配信したいから文章を書いてほしい」「オウンドメディアの記事作成を外注したい」「社員インタビューを作成したい」など、記事作成のご相談が増えてきています。

文章を書くこととコンテンツ作りは同じだと思うかもしれませんが、実は異なります。

記事作成の外注先を探す前に、まず必要な工程をできる限り細かく考えてみましょう。文章を書く=執筆以外にも考えるべきことはたくさんあります。

依頼前に整理したい8つのこと

なにかを依頼するとき、「業務を具体的にすること」がスムーズに進める秘訣です。夕飯を作ることが調理だけでないように、「記事を書いてほしい」と考えた場合でも、必要なのは「執筆」だけではありません。お客様の体制などによっても異なりますが、弊社では下記のフローをベースに発注内容を整理しています。

①目的・戦略

その記事を作成する目的はなんでしょうか?そもそもどうして記事が必要なのでしょうか?ブランディングやマーケティング、認知向上など曖昧な目的ではなく、ターゲットや主旨をできるだけ明確にしましょう。目的が曖昧だと、企画や記事の方向性を決めることができません。最悪の場合、記事を作成した後に「なんだか違う気がする……」とやり直しが発生することもあります。

マーケティング施策の一つとして、オウンドメディアやメールマガジンの運用などをすることもあると思いますが、カスタマージャーニーマップなどを活用するのもおすすめです。

②企画

企画は大きく、施策全体の企画と記事単位の企画の2つに分かれます。また、企画のためにSEO調査やリサーチなどが必要になる場合もあります。記事単位の企画は、特に具体的に立案すると、外注時の擦り合わせがスムーズになります。例えば「製造業のマーケティングに興味のある人」をターゲットとした場合、初心者から上級者まで含むことができ、さらに製造業に勤めるマーケティング担当の人、兼任の人など、様々な人が考えられます。

この人たち全員の知識と関心に合わせた1本の記事を作るのは、なかなか難しいのではないでしょうか。「マーケティング会社に入社したばかりの人」や「製造業に勤めていて、マーケティングを兼任している営業担当者」のようにターゲットを絞っていくと、ユーザの悩みに沿った記事を企画しやすくなります。

あえて簡単にまとめると、「誰に」「何のために」「何を」伝えたいかです。また、記事の文字数、見出し、リードの有無なども大体でも良いので決めておきましょう。見積もりの金額を明確にするためです。

③構成

構成は記事の概要や方向性、タイトル、見出し、本文概要がわかるものです。依頼者と外注先の意思の擦り合わせをしたり、社内で方向性を決める場合に作成したりすると便利です。手間はかかりますが、記事が出来上がってからのやり直しや大幅な変更のリスクを防いでくれます。自分でブログを書く場合などは別ですが、依頼する・される場合で予算が確保できるのであれば、作成をおすすめしています。

④画像

記事内の写真やイラスト・図はどうしますか?何枚くらい必要ですか?インタビューなどで写真撮影が必要な場合は、誰が撮るのかも考えておきましょう。フリー素材や社内にある画像を使う場合も、画像の選定や取得の作業が必要です。外注する場合は、画像の縦横比率やデータの大きさなども明確にしておくと納品がスムーズになります。フリーの画像サイズが大きくて、納品後にすべてサイズを編集しなければいけないということも避けられます。

⑤執筆

どんな文章のイメージをしていますか?文章と一口に言っても様々です。トンマナ(トーン&マナー)やレギュレーションは決まっているでしょうか?なにも決まっていない状態から記事を作るのは大変なので、こんな雰囲気の記事です、と共有するのがおすすめです。ただ「です・ます調」か「だ・である調」か、だけで依頼することもできますが、見本の記事を見つけておくと、複数のライターさんに外注する場合にも文章の雰囲気のブレが防げます。Webメディアからピックアップしておくと共有する際に便利です。

またタイトルの作成も依頼する場合は、掲載先の表示文字数を確認しておきましょう。PCとスマートフォンで表示できる文字数が違うこともあるので、ユーザに見せるべきキーワードが必ず表示されるようにするためです。
「わかりやすく簡単に解説!・・・」とタイトルが見切れてしまうともったいないですよね。

⑥校正・校閲

文章のチェックは誰が行いますか?クラウドソーシングなどでライターに執筆を依頼をした後に多い悩みが、「誤字脱字などのチェックが面倒くさい」「そのまま掲載できない」というものです。出版社や新聞社などの場合は、書く人と校正する人がそれぞれいます。新聞社では、書く人=記者はスピード重視で、「てにをは」は校正者が修正するので、そこまで注意しないこともあるようです。

ツールなどを使ってもセルフチェックには限界があるので、執筆者以外の確認は原則必要だと考えた方が良いでしょう。また、専門性の求められる記事の場合は、そもそも間違っていないかの確認(校閲作業)も必要になります。

⑦予算

記事作成を考えるときには1本いくら、と予算を考えるケースが大半です。しかし、企画や編集などが必要な場合は、初期費用や企画費やサービス利用料などが別途かかることがあります。依頼したい業務が多いほど、当然費用がかかります。また、取材や打ち合わせを対面で行う場合は、交通費も発生することが多いので考慮しましょう。

⑧スケジュール

仮でも良いので、記事の公開までのスケジュールを作成して伝えましょう。記事作成に至るまで、打ち合わせや調査、取材などの日程もおさえる必要があります。「○日に取材をして記事を書いてください」だけでは、納期がわかりません。また、社内での確認に時間がかかってしまうと、スケジュール通りにいかなくなることも考えられます。

まとめ

「記事作成」と考えたときにおさえておくポイントは意外と多く、自社で行うこととライターに依頼することの線引きは曖昧です。

だからこそ、依頼したい内容を整理しておくと発注後がスムーズになります。「ここまでやってくれるだろう」と一方的に期待し確認せずに依頼をすると、中断になったり追加で費用が発生したりということも少なくありません。弊社では、技術系企業のコンテンツマーケティングを戦略の企画・立案から記事作成、作図・校正までワンストップで支援しています。

技術コンテンツを作るための「型」を紹介 パート2

こんにちは、テクノポートの永井です。前回は技術コンテンツを作る上で役に立つ下記についてご紹介しました。前回の内容はこちら

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

技術軸によるコンテンツマーケティングなどを行う際に、前回の型だけでは不十分です。そこで、今回は前回紹介した型とは別の歴史型、比較型、上位互換型をご紹介します。

技術コンテンツの「型」とは

技術コンテンツの型は、技術を相手に伝えやすくするためのコンテンツを作る構成テンプレートです。

技術を軸としたコンテツマーケティングをする際に、技術的なコンテンツを量産しなければなりません。しかし、コンテンツを作るときは、内容、ターゲット、構成を決めるなど、簡単そうで実は時間がかかります。そこでコンテンツの構成をテンプレート化することで、技術コンテツを量産しやすくするために生まれたのが「型」です。

技術コンテンツの型、歴史型、比較型、上位互換型の紹介

前回紹介した図鑑型、課題解決型、論文型はこちら

歴史型

歴史型は過去の技術から最新技術まで、技術の歴史的背景とともに技術を伝える方法です。最近は技術も複雑化してきているため、ゼロから新技術を生み出すわけではなく、ベースとなる技術を改良して新技術を作ることが多くなっています。

歴史型は「◯◯とは」などの知識系コンテンツのSEO対策をしやすかったり、最後まで読んでもらいやすいといったメリットがあります。

歴史型の構成

  1. 概要
  2. 技術の歴史について
    技術的課題と解決した理由を必ず入れる
  3. 自社が課題を解決したのであれば詳細を説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:https://www.sansuisha.com/page29148/

比較型

比較型は技術の特長を伝えるときに使います。ターゲットが技術を選べるように類似技術とさまざまな比較を行います。
ターゲットが想定していなかった情報と合わせることで、技術の詳細に興味を持ってもらえる効果があります。

比較型の構成

  1. 概要
  2. 技術の紹介(何をするための技術なのか)
  3. 類似技術との比較
    (グラフなどを使って徹底的に)
  4. 自社の技術の優位性の説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ(サンプル品や評価試験の申込みなど)

参考
https://takagitokusyu.com/character
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201209-003/

上位互換型

上位互換型はこれまでの型とは違い、少し攻撃的な型です。自社の旧製品と新製品との比較や競合と比較することで、どちらかを選択させるときに使います。例えば、競合のサイトで◯◯可能という情報があった場合、自社のサイトではそれ以上のデータを掲載。業界でNo.1という情報があれば、ブランディングしやすいというメリットもあります。

上位互換型の構成

  1. 概要
  2. ターゲットが興味を持ち、かつ競合に勝っているデータを掲載
  3. できる理由 (エビデンスなど)
  4. 背中をひと押し
  5. お問い合わせ

参考:http://www.technomart-k.co.jp/mold/

コンテンツを制作する上で工夫すること

ストーリーラインからコンテツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうための工夫が必要にです。

工夫のポイント

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる。
    文章を読み続けてもらうために、他のサイトにはない独自の情報を紹介しましょう。
  2. 図や表、イラストを使う。
    文章量が多いと読み飛ばされてしまうので、図、表、イラストなど、視覚的な要素をしましょう。
  3. 太字やマーカーを入れ、ななめ読みでも内容が伝わるようにする。
    一言一句読んでもらえることは稀ですので、斜め読みでも理解したもらえるように工夫しましょう。
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする。
    項目ごとに見出しをつけて、読みやすくしましょう。見出しを見ただけで内容が把握できるのが望ましいです。

まとめ

技術コンテンツの「型」を使うことで、技術コンテンツを量産できるようになります。これからコンテンツマーケティングをする企業が増えてくるなか、型を使って一歩リードしていきましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

技術コンテンツを作るための「型」を紹介 パート2

こんにちは、テクノポートの永井です。前回は技術コンテンツを作る上で役に立つ下記についてご紹介しました。前回の内容はこちら

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

技術軸によるコンテンツマーケティングなどを行う際に、前回の型だけでは不十分です。そこで、今回は前回紹介した型とは別の歴史型、比較型、上位互換型をご紹介します。

技術コンテンツの「型」とは

技術コンテンツの型は、技術を相手に伝えやすくするためのコンテンツを作る構成テンプレートです。

技術を軸としたコンテツマーケティングをする際に、技術的なコンテンツを量産しなければなりません。しかし、コンテンツを作るときは、内容、ターゲット、構成を決めるなど、簡単そうで実は時間がかかります。そこでコンテンツの構成をテンプレート化することで、技術コンテツを量産しやすくするために生まれたのが「型」です。

技術コンテンツの型、歴史型、比較型、上位互換型の紹介

前回紹介した図鑑型、課題解決型、論文型はこちら

歴史型

歴史型は過去の技術から最新技術まで、技術の歴史的背景とともに技術を伝える方法です。最近は技術も複雑化してきているため、ゼロから新技術を生み出すわけではなく、ベースとなる技術を改良して新技術を作ることが多くなっています。

歴史型は「◯◯とは」などの知識系コンテンツのSEO対策をしやすかったり、最後まで読んでもらいやすいといったメリットがあります。

歴史型の構成

  1. 概要
  2. 技術の歴史について
    技術的課題と解決した理由を必ず入れる
  3. 自社が課題を解決したのであれば詳細を説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:https://www.sansuisha.com/page29148/

比較型

比較型は技術の特長を伝えるときに使います。ターゲットが技術を選べるように類似技術とさまざまな比較を行います。
ターゲットが想定していなかった情報と合わせることで、技術の詳細に興味を持ってもらえる効果があります。

比較型の構成

  1. 概要
  2. 技術の紹介(何をするための技術なのか)
  3. 類似技術との比較
    (グラフなどを使って徹底的に)
  4. 自社の技術の優位性の説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ(サンプル品や評価試験の申込みなど)

参考
https://takagitokusyu.com/character
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201209-003/

上位互換型

上位互換型はこれまでの型とは違い、少し攻撃的な型です。自社の旧製品と新製品との比較や競合と比較することで、どちらかを選択させるときに使います。例えば、競合のサイトで◯◯可能という情報があった場合、自社のサイトではそれ以上のデータを掲載。業界でNo.1という情報があれば、ブランディングしやすいというメリットもあります。

上位互換型の構成

  1. 概要
  2. ターゲットが興味を持ち、かつ競合に勝っているデータを掲載
  3. できる理由 (エビデンスなど)
  4. 背中をひと押し
  5. お問い合わせ

参考:http://www.technomart-k.co.jp/mold/

コンテンツを制作する上で工夫すること

ストーリーラインからコンテツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうための工夫が必要にです。

工夫のポイント

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる。
    文章を読み続けてもらうために、他のサイトにはない独自の情報を紹介しましょう。
  2. 図や表、イラストを使う。
    文章量が多いと読み飛ばされてしまうので、図、表、イラストなど、視覚的な要素をしましょう。
  3. 太字やマーカーを入れ、ななめ読みでも内容が伝わるようにする。
    一言一句読んでもらえることは稀ですので、斜め読みでも理解したもらえるように工夫しましょう。
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする。
    項目ごとに見出しをつけて、読みやすくしましょう。見出しを見ただけで内容が把握できるのが望ましいです。

まとめ

技術コンテンツの「型」を使うことで、技術コンテンツを量産できるようになります。これからコンテンツマーケティングをする企業が増えてくるなか、型を使って一歩リードしていきましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

技術コンテンツを作るための「型」を紹介

こんにちは、テクノポートの永井です。Webを使って技術マーケティングをするためには、ターゲットに自社の技術を理解してもらわなければなりません。しかし、コンテンツだけで技術を理解してもらうことは容易ではありません。

今回は技術コンテンツを作る上で役に立つ

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

をご紹介します。

技術を理解してもらうためのストーリーライン

技術コンテンツを作る目的は「ターゲットにコンテンツをすべて読んでもらい、自社の技術を理解してもらうこと」です。

そのためには

  1. 途中で飽きられてはいけない
  2. 難しすぎてはいけない
  3. 「自分に関係ない」と思われてはいけない

といった条件をクリアしなければなりません。

そこで役立つのが「ストーリーライン」です。ストーリーラインとは、話の流れのことです。うまく作れば、知識がなくこちらの技術に興味が薄い人にも、こちらの技術に興味を持ってもらえるようにマインドチェンジできるようになります。

気をつけるポイントは3つ

第一に、誰もが納得するところから話を始めることです。疑問点が生じた時点で読まれなくなる確率が上がるため、できるだけ疑問点が出ないところから始めてください。

第二に、コンテンツの中で知識レベルを揃えることです。読者の中には専門家もいれば、分野外の方もいます。話の内容がわからなくなった時点でそれ以上読まれなくなるため、詳しい説明をするときも、まず技術の概要や背景から始めるなど工夫するようにしましょう。

最後に、相手が問い合わせしたくなるような工夫をすることです。これによって問い合わせに繋がりやすくなります。

技術コンテンツを作る場合は、ストーリーラインも意識してみてください。

ターゲットのニーズの場合分けにはMFTフレームワーク

MFTとは、Market(市場)・Function(機能)・Technology(技術)の頭文字を取ったものです。新しい市場に参入するときなど、自社に足りない技術の洗い出しを行う際にMFTフレームワークを使います。

このフレームワークの便利なところは、技術と市場の結びつきだけではなく、その間に機能が入っていることです。MFTフレームワークを使うことで、技術を使う機能と、機能が必要な市場との関係性を簡単にまとめることができます。

実はMFTの各段階において、技術者が求める情報は異なります。そのため、技術コンテンツを作るときは、ターゲットの求めている技術がどういうものなのかを検討するためにMFTフレームワークを使います。

MFTフレームワークの詳細はこちらを参照ください。

技術コンテンツの作り方

文章を作るための基本的な流れを紹介します。

  1. 何を伝えたいのか決める(技術、スペックの違いなど)
  2. 誰に読んでもらいたいか決める(ターゲット|MFTフレームワーク)
  3. ターゲットの興味と技術を紐付ける(ストーリーライン)
  4. 1〜3を整理した上で構成を決める(型)
  5. 文章を書く
  6. 校正する

次に紹介する型を使うと構成を作りやすくなります。

構成に使える3つの型

1.図鑑型

図鑑型は、図鑑のように類似技術を並べた上で、自社技術のPRを行う手法です。

類似技術名でSEO対策ができるため、自社の技術を知らない企業にも有効です。ターゲットは幅広い技術を求めている研究開発、設計がメインになります。

図鑑型の構成

  1. 概要
  2. 類似技術と自社技術の詳細説明
  3. 自社技術の優位点の説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明(用途、展望など)
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:開発と実用化が進むxR 仮想世界で活躍するインターフェース技術を紹介

2.課題解決型

課題解決型は、ピンポイントの課題に対して、自社技術を提案するときに使います。

SEO対策は既知の技術名や課題名など、課題に関するもので行います。ターゲットは幅広く研究開発、設計、生技など、課題を抱えている技術者全般になります。この型の特徴はHOTリードや相談者を獲得しやすいことです。

ターゲットは明確な課題を抱えており、使えそうであればすぐに使いたいと考えているため、問い合わせに繋がりやすくなります。

課題解決型の構成

  1. 概要
  2. 課題の想起
  3. 既存技術で課題を解決できない理由
  4. 自社の技術の説明
  5. 使うことでどんなメリットがあるか
  6. 課題解決例
  7. まとめ
  8. お問い合わせ

参考:−30℃から50℃へ1分以内に急速加熱 NISSHA 透明フィルムヒーター

3.論文型

論文型は、既存技術の技術力を伝えたいときに有効です。

SEO対策は既知の技術名やその特長になり、専門家に見つけてもらうことが前提となります。そのため、ターゲットは研究開発、設計などがメインになります。この型を使うことで、自社の技術力の高さや技術の使い方などを伝えやすくなります。

論文型の構成

  1. 概要
  2. 一般的な技術と改善点(グラフなどを使って説明)
  3. その技術で何ができるようになったかの説明
  4. できるようになった理由 (エビデンスなど)
  5. 何が可能になるのか (用途例、展望など)
  6. まとめ
  7. お問い合わせ

参考:手袋入力も可能!進化する静電容量式タッチパネル

MFTフレームワークと型

MFTフレームワークはターゲットのニーズを整理するときに使い、型はニーズに合わせて、伝えたい内容を整理するときに使います。MFTフレームワークの各段階の技術者のニーズとしては、一般的に下記のような傾向があると言われています。

市場(Market)視点で技術探索する技術者:持っていない技術を自社で開発せず、開発済みの技術をそのまま取り入れようとするケースが多い

機能(Function)視点で技術探索する技術者:製品開発の途中で発生した技術課題の解決に向けて情報収集しているケースが多い

技術(Technology)視点で技術探索する技術者:該当技術に詳しい技術者が探すケースが多い

MFTフレームの各段階において、すべての型を使うことができますので、ターゲットのニーズを見極めた上でどの型を使うか判断してださい。

まとめ

ストーリーラインからコンテンツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうためには下記のような工夫も必要になります。

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる
  2. 図や表、イラストを使う
  3. 太字やマーカーを入れ、斜め読みでも内容が伝わるようにする
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする など
  5. タイトルとディスクリプションの文言

ストーリーラインやMFTフレームワーク、技術コンテンツの型を使うことで、しっかりとしたコンテンツが作りやすくなります。コンテンツの作り方で迷ったときは、ぜひ今回の記事の内容を試してみてください。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

技術翻訳時に気を付けなくてはいけないカタカナ文字

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。海外の顧客と取引をする際に自分の話している英語が通じているか、もしくはメールの内容が伝わっているか不安になることも多いと思います。カタカナ文字はそのまま英語として使っていいのかどうか迷うことも多いと思います。今回は翻訳の際にも注意が必要なカタカナ文字についてご紹介します。

現在、日常生活及びビジネスシーンにおいて様々なカタカナ文字が使われていますが、英語由来でないもの(パン、アンケート、アルバイトなど)、また日本独自の意味を持つ言葉(アイス、ジュース、マンションなど)、造語(NA、オートバイ、パソコンなど)など、そのまま英訳してはいけないものもたくさんあります。

最近は特にビジネスシーンでカタカナ言葉が使われることも多く、例えば

明日のミーティングのアジェンダを全員でディスカッションして決めましょう。その際コンセンサスをとりましょう。

なんて言われたりしたこともあるのではないでしょうか?今回は特にビジネスシーンや技術翻訳の際にそのまま使ってよいのか迷うカタカナ文字について検証したいと思います。

英語と日本語で全く使い方が異なるもの

(例)リフォーム、ピックアップ

リフォームという言葉はよく、日本では“家のリフォームをする”、“リフォームの費用、“リフォームのお見積り”などという意味で使われますが英語ではもっと固い表現として使われます。

(例)

“The official opposition party submitted a bill to introduce drug policy reform. They say that the money spent on attempting to enforce drug criminalization has not resulted in lower illegal drug production or consumption.”

(訳:野党は薬物政策改革法案を提出しました。彼らは、麻薬を取締るために費やされたお金は、違法な麻薬の生産や消費の減少にはつながらなかったと主張しています。)

“Our company policy regarding sick days was reformed due to Covid-19.”

(訳:コロナウイルスにより、当社の病欠に関する規則が変更されました。)

ピックアップは “ピックアップ製品” や “ニュースでピックアップされた話題”などという意味で使われますが、英語を母国語とする人に“pick up product”と言っても拾ってきた製品なのかなと思われてしまいます。

Pick upを使った英文の例としては、以下のようになります。

“I have to leave early today so I can pick up my wife from the airport.”

(訳:今日は妻を空港に迎えに行きたいので早退します。)

“Order online, Pick up in store”

(訳:ネットで注文し、お店で受け取れます。)

英語と日本語で使い方が同じもの

(例)ラインアップ、シェア、コストパフォーマンス

ラインアップは“製品ラインアップ” 、“車種ラインアップ”などとして使われています。どちらもそのまま英語にでき、“product line-up”, “Vehicle line-up”と言うことができます。またよくウエブサイトなどでは “check out our line-up”と書いてあったりします。シェアはよくビジネスではマーケットシェア(Market Share)として使われます。意味は同じです。コストパフォーマンス(cost performance)も英語と意味は同じです。英語ではビジネスシーンで使われることが多く日常生活ではあまり使用しません。

(例)

“Company A’s parts are more expensive than Company B’s parts, but they offer better cost performance in the long run for our use case, so we always buy from Company A.”

(訳:A社の部品はB社の部品よりも高価ですが、我々の使用条件下では長期的には優れたコストパフォーマンスを発揮するため、いつもA社から購入しています。)

英語と日本語で使い方は同じだが別の意味もあるもの

(例)スペック

スペック(Spec)はスペシフィケーション(specification)の略です。スペックという単語もそのまま使用できることが多く、“パソコンのスペック”はそのまま “PC specs” と使うことができます。(パソコンもカタカナ言葉で英語ではPCになるので注意が必要です) また“製品スペック”もそのまま”Product specs”として使うことができます。(注:英語ではスペックは普通複数形で使用されることが多いので最後に“s”を付けています。)

日本語ではハイスペックな人というように人にも使うことができますが、英語では人に使用することができませんので注意が必要です。

いかがでしたでしょうか? この記事を参考にカタカナ言葉をうまく技術翻訳やビジネスに活かせるよう役立てていただければ幸いです。

製造業WebサイトのSEOライティングの進め方

テクノポートの徳山です。Webサイトを使って新規顧客獲得を行うために、検索エンジンからのアクセス流入を増やしたいとお考えの方へ、必ず知っておいていただきたいSEOライティングという手法があります。今回は製造業のWebサイトでSEOライティングを行う際の具体的な進め方についてご紹介します。

SEOライティングとは

SEOライティングとは、検索エンジンで上位表示を狙うためのライティング手法のことを言います。具体的には、事前に検索需要などを調査することで、読み手が求めている情報が何かを事前に調べたり、検索エンジンが読み込みやすく、評価を得られやすいWebページの造りを心がける、といったことを行っていくものです。

製造業と他業種で手法における大差はないのですが、製造業のWebサイトの場合、ターゲットが技術者など、専門性の高いユーザとなることが多いため、専門用語を駆使した専門性の高い記事作りが必要となるので、ライティングの難易度は比較的高くなります。

SEOライティングの進め方

SEOライティングの概要が分かったところで、具体的な進め方についてご説明します。

1、読み手を想定する

まずは、自社のWebサイトにどのような読み手がアクセスしてきてほしいかを考えます。
読み手を具体的に想定した上で、読み手がどのような検索キーワードを使う可能性があるかを考えます。

2、キーワード需要調査を行いSEOキーワードを選定する

キーワードプランナーなど検索需要を調べることのできるツールを使い、検索需要の高いキーワードを選定していきます。同じ意味の言葉でも呼び方によって検索需要が異なることがあるので、調査してなるべく検索需要が多いキーワードを選びましょう(ここで選定したキーワードをSEOキーワードと呼びます)。

例えば「樹脂成形」と「プラスチック成形」だと、後者のほうが検索需要が倍程度あります。同様のキーワードが他にも多くありますので、ご自身が普段使っている言葉だけにとらわれず、いくつかの言い回しを調べてみましょう。

ちなみに、Googleは微妙な表記揺れでは検索結果に変化はありません。例えば、三次元測定機と3次元測定機(算用数字と漢数字の違い)、三次元測定機と三次元測定器(使用する漢字の違い)など、これらのキーワードで検索しても検索結果はほとんど変わりません。よって、微妙な言葉の違いであれば気にする必要はありません。

3、執筆する記事のタイプを決める

次に、執筆する記事タイプを決めるために競合サイト調査を行います。競合サイト調査では、SEOキーワードで検索した際に表示される上位10サイトがどのようなWebページかを調べていきます。

検索上位表示されている競合サイトが、下記のどの記事タイプに当てはまるのかを調べてみましょう。記事タイプによって、記事の内容を変えたり、キーワード自体を見直したりする必要もあります。

記事タイプ①:製品紹介

メーカーのWebサイト内に掲載されているような、製品ラインナップページなど、製品紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:X線検査装置

記事タイプ②:技術紹介

加工業者のWebサイト内に掲載されているような、技術PRを行うための技術紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:チタン 微細加工

記事タイプ③:知識系コンテンツ

メーカー、加工業者問わず、「〇〇(専門用語)とは」といったコンテンツを含んだ解説ページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:自由鍛造

記事タイプ④:ネットショップ

Amazonやモノタロウなど、総合型ネットショップのWebページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:カシメ機

どの記事タイプが上位表示されやすいかを見極めた上で記事を作成していきましょう。ただし、記事タイプ④のWebページが上位を占めているキーワードは、非常にSEO難易度が高いので、SEOキーワードに選定することはあまりおすすめできません。記事タイプ①~③のどれかの検索結果になるように、SEOキーワードのフレーズの組み合わせ等を変更する必要があります。

4、執筆する記事に盛り込むネタを決める

SEOキーワードと関連性の高いキーワードを調査し、記事の構成づくりに反映させていきます。関連性の高いキーワードをなるべく記事内に多く取り入れることで、情報の網羅性が高まり、検索上位表示される可能性が高くなります。

関連性の高いキーワードを調査するためのお役立ちツールとして、共起語検索ツールラッコキーワードなどがありますので、ご活用ください。

5、ライティングを行う

4で収集したネタをもとに、どのような記事構成にするかを考えていきます。事前に構成を決め、各段落ごとにどのような情報を盛り込むかを決めた方が圧倒的にライティングの質とスピードがアップするのでおすすめです。参考までに弊社で使用している構成シートはこちらです。

ライティング構成シート

執筆する文字数に関してはキーワードのSEO難易度によって変わるので、面倒ですが参考として検索上位10サイトの掲載文字数を調べ、その平均文字数を超えられるよう、頑張りましょう。

6、Webページの制作を行う

最後にWebページを制作します。記事の内容が良いものであっても下記が行われていないと評価が低くなってしまいますので、注意しましょう。

  • METAタグ(title、description)にキーワードを含める
  • Hタグ(見出し)にキーワードを含める
  • 画像(ALT)にキーワードを含める

SEOライティングの成功事例

上述した内容でSEOライティングの具体的な進め方が分かったと思いますので、次に成功事例を見てみましょう。成功事例として取り上げるのは、コンテンツマーケティングで最も成功しているBtoB製造業と言われているキーエンスです。

ココが知りたい!形状測定

引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」

キーエンスは、「ココが知りたい!形状測定」や「静電気ドクター」など、数多くのオウンドメディアを運営しています。前者のサイトでは「形状測定」「平面度測定」「三次元測定」など、様々なキーワードで検索1位を獲得しています(2020年8月時点、当社調べ)。

今回は、キーエンスが運営するオウンドメディアに掲載されているWebページをSEOライティングの視点から分析してみます。例として、「平面度」(月間検索ボリューム2,900件:2020年7月実績 ※キーワードプランナー調べ)というキーワードで検索TOP表示している下記の記事を分析します。

平面度とは

引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」

一つ一つの記事のテキスト量はそれほど多くない

掲載されている記事の多くがテキスト量としてはそれほど多くありませんでした。上記ページに関しても、文字数は1,500文字に達しておらす、比較的少ないです(メインカラムに掲載されているテキスト量で計測)。

これは検索上位10サイトの平均値よりも少ない数字で、技術系キーワードは文字数よりも専門性の高さが重要なのかもしれません。

情報の網羅性が非常に高い

文字数は少ないのですが、調べてみると情報の網羅性は非常に高いことが分かります。少ないテキスト量の中で読み手が求めている情報をしっかり提供できていると言えます。情報の網羅性とは、SEOキーワード(平面度)と関連性の高いキーワードがどれだけ盛り込まれているか、ということです。

弊社がSEO対策を行う際に使用している「パスカル」という分析ツールを使った結果が下記です。こちらのツールを日常的に利用している弊社ですが、このような高得点が出ることはなかなかありません。

SEOコンテンツ分析結果↑コンテンツのスコアが満点に近い95.3点となっていますが、このテキスト量だとなかなか出ない評価です。

SEO情報の網羅性分析↑情報の網羅性に関しても最高評価の星5つとなっています。

サイト全体のインデックス数がとにかく多い

下記の通り、キーエンスのWebサイトは26,600ものインデックス数があり、3位以下のWebサイトを圧倒しています。

インデックス数順位

キーエンスはオウンドメディアを「keyence.co.jp」ドメイン傘下ですべて運営しているので、インデックス数がとにかく多いのが特徴です。このサイトボリュームが各WebページのSEO評価を押し上げていることは間違いありません。

※インデックス数とは、Google等の検索エンジンのクローラーがサイトにアクセスし、検索結果に表示する為に検索データベースに登録されたドメイン内のURL数を指します。

※1位が2つ表示されているのは「強調スニペット」としてWebページが表示されているためです。強調スニペットとは、下図のようにユーザーのキーワード検索に対して端的に回答している部分が、Google検索結果画面の最上部に強調して表示される仕組みのことです。

強調スニペットとは

以上、SEOライティングの進め方と、成功事例の分析をご紹介させていただきました。SEOライティングに関する知見は深まったでしょうか?考えることが多くハードルが高いかも知れませんが、できるところから始めていただければと思います。当記事が貴社のWebサイトの反響アップに役立てば幸いです。

どうする?無断転載をされたり、してしまったとき

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回はWebサイトにおけるトラブルの一つである、著作権にまつわる問題について解説します。

他社サイトの文章や写真をコピペして使うのは著作権法違反

企業がWebサイトを持つのが当たり前の時代になり、さらに近年ではオウンドメディアを構築する企業も増え、企業のWebサイトに記載される文章や写真の量も増えています。各社、よりよいコンテンツを増やし、サイトを訪れる人を増やす努力をしています。

そのような中で気になるのは、他社や他人の文章や写真を無断で使用してしまう、いわゆる「パクリ」の問題です。パクリやコピペの問題は、以前にキュレーションサイトなどの状況が指摘されました。

しかし実際には企業のサイトも無縁ではありません。個人ブログに掲載していた写真が大手旅行会社のサイトに無断利用されていたケースもあります。また、あるテーマで検索すると、複数の会社のサイトに全く同じ文章が掲載されているのを発見することもあります。

これらは全て著作権法違反です。他人の権利を侵害している状態ですから、訴訟に発展するケースもあります。実際に過去にいくつかの会社が著作権をめぐって訴えられています。また、仮に訴えられなかったとしても、知らないうちにネット上で悪い話題になっていわゆる炎上の元になったり、企業の信頼性を傷つけてしまうかもしれません。ですから、Webサイトに掲載する文章を作成する際には、作成者にも著作権などルールを学んでもらったり、あらかじめそのような知識を持っているプロに依頼しましょう。

自社のサイトの文章が無断転載されていたら、早急に手を打つ

無断転載は「してしまう」場合だけに注意しているのでは、不十分です。自社サイトの文章や写真が無断転載されている、いわゆる「パクられた」場合にも、注意を払いましょう。自社が文章などを作成した場合には、違反をしているのは相手側です。しかし第三者から見た場合、どちらがコピペを行ったのか判断がつきません。つまり本来は被害を受けている側なのに、信頼性に傷がついてしまう可能性があるのです。また過去には、自社で作成し、自社サイトに掲載していた写真が無料素材配布サイトなどに無断転載され、非常に多くの無断転載が行われたケースもあります。こうなってしまうと、もはや手がつけられません。そのため、万が一自社サイトの内容を無断転載しているものを発見した際は、早急に手を打ちましょう。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでは、違反している投稿から公式へ通報するフォームがあります。通報を通じて相手側に投降を削除してもらうことが可能です。

SNSではなく、他社のサイトなどで無断転載を発見してしまった場合には、相手側に連絡し、取り下げてもらうなどの対応が必要です。状況に応じて法務部や弁護士などに間に入ってもらうといいでしょう。

無断転載をされる前に手を打てればいいのですが、Web上に公開する場合、やはり完全に保護するのは困難です。神経質になりすぎる必要はありませんが、ときには自社サイト上の文章の一部をそのまま検索にかけてみたりするといいかもしれません。

もしも無断転載をしてしまったら、すぐに取り下げて謝罪する

無断転載に至る理由はさまざまです。社内での認識が甘かったり、作成を依頼した外部組織の認識が甘かったりする場合もあります。また画像配布サイトなどから入手した画像が、実は別の場所からの無断転載だったというケースもあります。しかし、どのような場合でも自社が無断転載をしてしまっていることに気づいたら、まずは掲載しているものを取り下げましょう。著作者や権利者から連絡を受けている場合には、誠実に対応してください。たとえ故意でなかったとしても、著作権を侵害しているのは事実ですので、素早く、正しい対応を行うのが最善の策になります。

仕事柄、さまざまな企業のサイトを見に行きますが、残念ながら無断転載を発見してしまうケースもそれなりの頻度であります。トラブルに発展する前に、正しい知識をもって自社のサイトを管理するようにしましょう。

今こそネットを使ってアピールを行うとき

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などの他、技術ライティングについて取り上げていきます。

今回は「今こそネットを使ってアピールを行うとき」です。

製造業はネットを使ったアピールが必要

「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない」と、以前「製造業における文書化によるアピールの大切さ」という記事内で書きました。「良いものならいつかは売れる」ということはなく、良い点を知ってもらわなければ、いつまでたっても売れることはありません。自身の持つ技術、製品、サービスなどについて、相手に届くように自らアピールする必要があります。

展示会に出展する、業界紙に広告を出す、営業の方が見込みのありそうなところを回って説明するといった、自社のアピール方法は従来からあります。ただし、これには人手、時間、手間などがかかり、中小の企業が継続的にやるのは大変です。また、コロナ禍の現在、展示会は開催されず、対面での営業も難しくなっています。新たな顧客を探して難局を乗り越えていかなければならない状況でありながら、自社でのアピールが苦手という企業が多い製造業においては、非常に厳しい状況といえます。

今こそネットを使ってのアピールを積極的に行うべきです。この記事を読んでいる読者の方は、もちろんネットは何らかの形で使われているはずです。もしあなたが、どこに売っているかよくわからないようなものを買いたいと思った時、最初にすることは何でしょうか?近くにいる詳しそうな人に聞くというのもあるかもしれませんが、今どき多くの人はネットで検索をして探します。

自社の素晴らしい製品も、高度な技術も、文字や画像や動画などの検索できるコンテンツにして紹介していなければ、知られる機会が限られます。いつでも、世界中のどこからでも見つけてもらえる可能性のあるネットでのアピール、デジタルマーケティングはこれからの製造業にとっては非常に重要になります。特に、人手や費用を多くかけられない中小の製造業にとって、強い味方となります。

どのような文書にすればよいか

ネットでのアピールのために必要なのは「技術や製品の文書化」です。技術や製品をアピールするためには、それを説明、紹介するためのコンテンツに使われる文書が必要となります。ネットに限らず、パンフレットでも、展示会で配布されるチラシでも、もちろん技術や製品の文書化は必要になります。ただ、同じ文書化でも、ネットの場合と、展示会などで使われる文書では、書く内容が変わってきます。

例えば、パンフレットやチラシなどでは、入れられる文字に限りがあり、写真や図などを入れる幅にも制限があります。そのため、製品概要や性能数値などの情報、製品をイメージするキャッチコピー的な短い文、写真、図表などが主になります。

ネットの場合、基本的に文字は制限なく入れられます。図や動画も各種入れられます。そのため、製品概要や性能数値も細かく記載できます。開発までのストーリーや、実際に利用した人の感想なども入れて、読者に対し、魅力的な情報を多く届けることが可能です。ただし、ネットの場合、あまり長い文章では、読むのを途中で止めてしまい、逆に何も伝わらなくなることもあります。その情報にあった適度な長さや内容で書くことや、文章の構成、ページデザインなども重要になってきます。

また、文書は読ませたい相手によって内容の深さが異なってきます。製造業における技術や製品の文書化においては、読ませたい相手が本職のエンジニア、決定権者層、学生の他、子供向けまで幅広くあります。その技術を正しく理解したうえで、相手に合わせて変えていくことが必要です。

誰でも!読みやすい文章になる6ヶ条

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回は、理系で特に文章の勉強もしたことがなかった私が、ライターとして働いていく中で気づいた、ちょっと上手に見える文章を書くコツをお伝えします。

文章を整える6ヶ条

読みやすく整った文章を書くのに必要なのは、次の6つです。

  1. 短く言い切る
  2. 語尾をそろえる
  3. 主語は文章のはじめに出す
  4. 修飾語と被修飾語はくっつける
  5. 同じ単語を連用しない
  6. 箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

文章には読みやすい文章と読みにくい文章があります。書いてある意味は分かる、日本語として間違っているわけでもない、それなのに読みやすい文章と読みにくい文章に分かれるポイントは、この6つが守られているかどうかです。ここでは、NG事例も混ぜながら、このポイントを順に解説していきます。

短く言い切る

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことですから、気心の知れた相手と言葉で話すような、察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「。」を打ち、適当な長さで文を切ったほうが、読みやすい文章になります。子供のときに習ったように「、」を一拍「。」を二拍として、書いた文を音読してみましょう。適度に息継ぎができるくらいが、ほどよい長さの文章の目安です。

語尾をそろえる

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことだ。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しない。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「~です。~ます。」で終わる文章を丁寧型といいます。一方で「~だ。~である。」で終わる文章は言い切り型といいます。一つの文章の中ではどちらかに統一しましょう。

主語は文章のはじめに出す

NG例

鋼の組織を変化させ強度を得るために行われる熱処理は、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

修正例

熱処理は、鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

文章は前から後ろに読んでいきます。そのため、話題の主体になる主語が最初にあった方が「何についての話か」を理解した上で読み進められるのです。この例は熱処理についての話ですから「熱処理」を文頭に出します。

修飾語と被修飾語はくっつける

NG例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、大きく歯車の寿命に影響を及ぼす。

修正例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

修飾語とは「かざる言葉」被修飾語とは「かざられる言葉」です。この文では「大きく(おおきな)」が修飾語で「影響を及ぼす」が被修飾語になります。修飾語と被修飾語の関係が分かりやすいように、2つの言葉は近くにおきます。

同じ単語を連用しない

NG例

三分割で文章を書く方法は、小学校で文章を書くときから、企業の広告用の文章を書くときまで、幅広く使えます。

修正例

三分割で文章を書く方法は、小学校の作文から、企業の広告用の文章まで、幅広く使えます。

解説

同じ単語が並ぶのは、間違いではありませんが、読みにくさにつながります。意味が分かりにくくならない範囲で省略したり、別の単語に置き換える工夫をします。例えば「文章を書く『こと』は」のように、あまり意味のない「こと」を無意識に使ってしまうケースが多いので、注意するといいでしょう。

箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

NG例

電池の耐久時間をテストした結果は、製品Aでは3時間、製品Bでは2.5時間、製品Cでは3.5時間でした。

修正例

電池の耐久時間テスト結果(単位:時間)

解説

工業、製造業の世界では、数値の比較も多くなります。また構造や仕組みなど、図のが分かりやすい場合も少なくありません。文章に頼ろうとしすぎず、図や表、箇条書きなどを活用し、シンプルに表現するといいでしょう。

3つ目~5つ目に挙げた内容は、NG例であっても、日本語として間違った表現ではありません。しかし、このような細かい部分に気を付けると、より読みやすく整った文章になります。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

誰でも!読みやすい文章になる6ヶ条

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回は、理系で特に文章の勉強もしたことがなかった私が、ライターとして働いていく中で気づいた、ちょっと上手に見える文章を書くコツをお伝えします。

文章を整える6ヶ条

読みやすく整った文章を書くのに必要なのは、次の6つです。

  1. 短く言い切る
  2. 語尾をそろえる
  3. 主語は文章のはじめに出す
  4. 修飾語と被修飾語はくっつける
  5. 同じ単語を連用しない
  6. 箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

文章には読みやすい文章と読みにくい文章があります。書いてある意味は分かる、日本語として間違っているわけでもない、それなのに読みやすい文章と読みにくい文章に分かれるポイントは、この6つが守られているかどうかです。ここでは、NG事例も混ぜながら、このポイントを順に解説していきます。

短く言い切る

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことですから、気心の知れた相手と言葉で話すような、察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「。」を打ち、適当な長さで文を切ったほうが、読みやすい文章になります。子供のときに習ったように「、」を一拍「。」を二拍として、書いた文を音読してみましょう。適度に息継ぎができるくらいが、ほどよい長さの文章の目安です。

語尾をそろえる

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことだ。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しない。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「~です。~ます。」で終わる文章を丁寧型といいます。一方で「~だ。~である。」で終わる文章は言い切り型といいます。一つの文章の中ではどちらかに統一しましょう。

主語は文章のはじめに出す

NG例

鋼の組織を変化させ強度を得るために行われる熱処理は、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

修正例

熱処理は、鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

文章は前から後ろに読んでいきます。そのため、話題の主体になる主語が最初にあった方が「何についての話か」を理解した上で読み進められるのです。この例は熱処理についての話ですから「熱処理」を文頭に出します。

修飾語と被修飾語はくっつける

NG例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、大きく歯車の寿命に影響を及ぼす。

修正例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

修飾語とは「かざる言葉」被修飾語とは「かざられる言葉」です。この文では「大きく(おおきな)」が修飾語で「影響を及ぼす」が被修飾語になります。修飾語と被修飾語の関係が分かりやすいように、2つの言葉は近くにおきます。

同じ単語を連用しない

NG例

三分割で文章を書く方法は、小学校で文章を書くときから、企業の広告用の文章を書くときまで、幅広く使えます。

修正例

三分割で文章を書く方法は、小学校の作文から、企業の広告用の文章まで、幅広く使えます。

解説

同じ単語が並ぶのは、間違いではありませんが、読みにくさにつながります。意味が分かりにくくならない範囲で省略したり、別の単語に置き換える工夫をします。例えば「文章を書く『こと』は」のように、あまり意味のない「こと」を無意識に使ってしまうケースが多いので、注意するといいでしょう。

箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

NG例

電池の耐久時間をテストした結果は、製品Aでは3時間、製品Bでは2.5時間、製品Cでは3.5時間でした。

修正例

電池の耐久時間テスト結果(単位:時間)

解説

工業、製造業の世界では、数値の比較も多くなります。また構造や仕組みなど、図のが分かりやすい場合も少なくありません。文章に頼ろうとしすぎず、図や表、箇条書きなどを活用し、シンプルに表現するといいでしょう。

3つ目~5つ目に挙げた内容は、NG例であっても、日本語として間違った表現ではありません。しかし、このような細かい部分に気を付けると、より読みやすく整った文章になります。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

技術系ライティングサービスの価格感

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は技術系ライティングサービスの価格感についてです。

技術系ライティングサービスをリリース

製造業向けのライティングを専門に受ける窓口「技術系ライティングサービス」が正式にリリースされました。

テクノポートの技術系ライティングサービス

例えば、自社のホームページに載せる製品紹介や技術紹介用の文書。展示会で配布するチラシ、掲示するパネルに載せる文書。リクルートパンフレット向けの文書。メルマガ用コンテンツの執筆。専門誌への寄稿する記事の執筆。こういった、製造業における様々なライティング事案を自社内でやるには、人も時間も足りません。外部に頼んだとしても、技術的なことや、現場の事情をよく理解しているライターでなければ、ライティングは困難です。

このサービスでは、製造業の現場経験者や工業の知識を持つライターが、製造業向けのコンテンツを作成します。専門としていた分野外であっても、基礎的な工業の知識を持っているので、素早く内容を理解し、ライティングまで行うことができます。現場を経験している者ならば、製品を選ぶエンジニアが、どのような情報が欲しいのか、注目するポイントはどこであるのかがわかるので、その点を中心にライティングが行えます。

製造業は素晴らしい技術や良い製品を持っていても、それをアピールすることが苦手です。アピールするためには、相手に伝わりやすく技術や製品を文書化する必要があります。技術系ライティングサービスでは、このような貴社のライティングの困り事を解決していきます。

技術系ライティングサービスの価格感

実際に技術系ライティングサービスを利用するにあたって、一番気になるところは「どのぐらいの料金で書いてもらえるのか」という点だと思います。工数や材料によって価格が変わるように、ライティングサービスも作業量や内容の深さで変わってきます。そのため、案件ごとに見積もる形になりますが、おおよその目安的なものは出せるので、以下に幾つか例を挙げておきます。

〇広告、パンフレット、メルマガコンテンツなどの短いライトな案件

月に数回送るメルマガや展示会向けのチラシなど、文字数にして700~1,000字程度の短いコンテンツの作成の場合の料金例です。

例えば、展示会の際に配布するチラシへ掲載する製品の解説文を1,000字程度にまとめるとします。取材、撮影はなく、資料の提供と共に、特にアピールしたい点を幾つか挙げていただく。それを元に文書の作成のみを行い、レイアウトなどは自社で行う場合。この条件ならば1件20,000円でお引き受けできます。

同様に、企画案を元に、700~1,000字程度のメルマガコンテンツを作成する場合も20,000円でお引き受けできます。企画案を提出するところからの場合は、別途企画料が追加されます。取材がある場合も同様に追加料金が発生します。

〇自社技術や製品紹介などのWeb向けのコンテンツ、リクルート向けコンテンツなど通常のボリュームの案件

自社技術や製品紹介などのWeb向けのコンテンツ、オウンドメディアコンテンツ、リクルート向けコンテンツ、専門誌への寄稿など。文字ボリュームにして2,000字から3,000字前後の通常コンテンツの場合の料金例です。

取材が無く、資料を受け取り3,000字程度のコンテンツにまとめる。このような執筆のみの案件ならば40,000円でお引き受けできます。現場担当者にヒアリングをして3,000字程度のコンテンツにまとめる場合ならば、ヒアリング取材の追加料金として20,000円がかかり、合計60,000円となります。これにライターがコンパクトカメラ程度の機材を使い、Web向けの簡単な写真を撮影して記事に使用する場合は、撮影費20,000円が追加されて80,000円からお引き受けできます。

専門誌へ寄稿する原稿のように専門性、技術的に高度なものの場合は、原稿料があがります。3,000字程度のボリュームのものならば50,000円からお引き受けできます。

〇長いコンテンツの作成、多くの資料を必要とする案件

4,000字を越えてくるような特に長い記事の作成の場合は、60,000円からお引き受けできます。また、コンテンツ作成のために調査が必要な場合は、別途調査費がかかります。調査費は調査にかかる時間や量により変わりますが、追加料金として10,000円からで対応します。

技術系ライティングサービスの料金は各案件ごとに見積もりますので、お気軽にお問い合わせください。

技術系ライターが行う書き分け

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は技術系ライターが行う書き分けについてです。

技術系ライターだからできること

前回の記事で技術系ライターが受けるライティング案件の例を幾つか挙げました。

前回の記事はこちら:「製造業における文書化によるアピールの大切さ

この記事の中で「ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書く」と説明しました。製造業における技術や製品の文書化において、技術系ライターの必要性はこの部分にあります。

技術を説明するには、その技術を理解している必要があります。工業の基本的な知識、製造業における経験がなければ、その技術を理解するのに多くの時間が必要になります。技術系ライターは、もともとその技術や製品を利用していたり、知っていたりする場合が多く、速やかに理解できます。また、専門外であっても、基本的な工業的な知識を持っているので、理解に時間がかかりません。問題なく説明がおこなえます。

技術をかみ砕いて伝える

技術や製品を伝えたい相手は様々です。技術者なのか、技術はそれほど詳しくない決定権者なのか。技術的なことがわからない文系の学生かもしれません。また、子供向けのコンテンツという場合もあります。技術系ライターは、技術を理解した上で、それぞれの人に合わせて説明する深さを変えて書き分けることができます。

例えば、金属加工をおこなっている会社があったとします。技術者にアピールするために書くのならば、加工できる素材やサイズ。対応できる表面処理や加工方法の他、加工実績や価格感、納期など。具体的に技術者が欲しいと思う情報を書きます。専門用語もそのまま使い、必要な情報を過不足なく入れていきます。

これが、技術がわからない就職活動中の文系の学生だと大きく変わります。企業情報を研究しているはずなので、金属を加工して何らかの部品や装置を作っている会社ということは理解しています。しかし、どのように加工しているのか。どのぐらい精密な加工ができて、それがどれほど凄いことなのかを理解しているかとなると難しくなります。専門用語を書いても全く伝わらないので、簡単に説明する必要があります。

例えば、「プレス金型」といえば、技術者ならそれで何をするのか、どのように使われて、どうやって作られているか、説明しなくても理解できます。これが学生向きならば「つくりたい形に金属を曲げたり、打ち抜いたりする道具」のように別の言葉で書き換えます。さらに子供向きならば「金属は強い力をかけると曲がって元にもどらなくなる」という、金属の特性あたりから説明することになります。金属加工を理解した上で、金属加工について対象にあわせて深さを変えて書き分ける。製造業向けのコンテンツにおいて、これが速やかにできるのが技術系ライターと通常のライターの違う点です。

製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターは、自社の技術や製品をアピールするために大いに役立ちます。近く、製造業向けのライティングを専門に受ける窓口ができる予定です。

書くことによって製造業を盛り上げていきますので、詳細が決まりましたら、またご連絡させて頂きます。

製造業向け「伝わる文章の書き方講座(4/4)」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、社長挨拶の代筆から、技術紹介、助成金の申請書などなど、さまざまな文章を書いてきました。その経験を元に、製造業に特化した「伝わる文章の書き方」を全4回にわたってご紹介します。

第4回目は「目的別、文章の型の紹介 Part2」です。前回までは、文章を書くための準備や文章を書くテクニックをはじめ、紹介記事と活動報告、2つの目的に使える文章の型をお伝えしてきました。最終回の今回も、その他の目的に合わせた文章の型をご紹介します。

1.知識共有記事は最初にテーマを明らかにせよ(製品の選び方、技術の基礎知識)

企業が提供する製品やサービスの選び方、製品やその周辺技術の基礎知識を伝えたいときには、次の型が使えます。

  1. テーマ(何についての文章なのか)
  2. 理由、知識の詳細
  3. 結論
  4. 締めの一言

大切なのは、最初に「何について伝えたいか」を述べることです。この記事でも、冒頭で「文章の書き方」のなかでも「目的に合わせた文章の型」について伝えると述べています。近年では学校の授業でも、単元の目的を明らかにしてから授業を進めるところもあるようです。先に目的を述べておくことで、そのあとの文章が頭に入りやすい効果があるといわれています。

1つの文章にたくさんの知識を詰め込もうとすると文章が長く、分かりにくくなりますので、1つの文章には多くても3つの項目が入る程度にまとめましょう。3の結論までで終わっても大丈夫ですが「製品選びの際にはこの内容を参考にしてみてください」など、締めの一言があると、教科書的でない温かみが出てくるので、Web上の記事などではよく使われています。

2.主張から書く(ブログ・コラム等)

会社の情報を外に発信するためのブログやコラムに使える文章の型は次のようになります。

  1. 主張
  2. 理由
  3. 具体例の提示
  4. 結論(主張を再度繰り返す)

短めのコラムなどは1と2だけでも大丈夫です。一方でオウンドメディアなど、ある程度の文章量が必要な場合には4までを書くといいでしょう。ポイントは先に主張を述べることです。ブログやコラムは内容も自由度が高い分、書き方に迷うケースも多いかもしれません。しかし、この型を基本に自分に合った展開を見つけてしまえば、考えたことを文章に落とし込むフローが作りやすくなります。

オウンドメディアなどで固定の読者を獲得したい場合には、口調や締めの言葉、テーマの切り口などに特色を出してみるのも一つの手です。第2回でもお伝えした通り、不正解がない当たり障りのない表現に逃げず、一歩踏み込んだ表現をすることで、読み物としての質が格段に向上するでしょう。

3.結論と理由のみを端的に述べよ(申請書類等)

助成金や補助金などの申請書類で必要な文章の型はこれだけです。

  1. 結論
  2. 理由

申請書類で大切なのは、さらっと流し読みをしても内容が理解できることです。そのため、結論と理由のみのシンプルな構成にするといいでしょう。多くの場合、審査を行う人は短期間に大量の申請書を読む必要に迫られていますので、結論や理由が見えにくい文章は不利になります。文章として当たり前ではありますが、主語を明確にし、正しく伝わる文章を書きましょう。

また申請書類を書く際には、会社の沿革や同業他社との比較など、自社や組織の紹介も必要になるケースがあります。その際には、前回にお伝えした紹介記事の型を参考にしてみてください。

製造業向け、文章の書き方講座はこれで最後になります。文章が必要になる様々なシーンで、この講座を参考にしてみてください。

製造業に特化した技術系ライターが依頼される仕事

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は文書化による技術系ライターが受けるライティング案件についてです。

工業製造業系ライターとは

前回の記事で「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない。」ということで、製造業では技術や製品の文書化が必要であることを書きました。

製造業における文書化によるアピールの大切さ

私はかつて光ファイバーや半導体関係の装置の設計、機械系の特許に関わる仕事をやっていました。その時の知識と経験を活かし、工業製造業系ライターを名乗ってライター活動をしています。

技術や製品の文書化が必要とわかっていても、やはり実際に書くとなると簡単にはいきません。時間もかかるし、それを行う人もいない。小さな会社になればその傾向は強まります。そんな訳で、私のところには大小様々な製造業の会社からライティングの依頼が入ります。その内容も多岐に渡ります。幾つか紹介していきます。

書くことで製造業を盛り上げる

自社の特徴、自社製品、技術の紹介、解説

この依頼は一番多いかもしれません。自社の強みや歴史、持っている技術、他社との違いなどを特設ページで紹介したい。製品の開発経緯や技術的に困難だった点、他との優位性を紹介する、またはそれをエンジニアが語るような記事を作りたい。客先導入事例をインタビュー形式で紹介したい。製品の特長や性能を紹介するホワイトペーパーを作りたい。展示会で配布するパンフレット、掲示するパネル用の文章。そんな感じのコンテンツのライティングです。

ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書くことになります。技術全体を理解して書くことはもちろん、それをより簡潔にわかりやすく書くことも求められます。

就職活動の学生に向けた自社紹介

最近結構多いのがこの依頼。学生に向けた自社の製品や技術、取り組みなどを紹介するコンテンツです。ネットだけでなく、会社説明会の際に配布するパンフレット用というのもあります。理系の学生ならば専門的な用語も大丈夫なのですが、技術系の業務以外の採用では文系の学生に自社を説明する必要があります。BtoBの会社だと、就職活動をするまで名前すら知らなかったなんてこともあり、多くの場合、業務内容を広く、文系の学生でもわかるように書くことが求められます。

専門誌への寄稿文

各業界には専門誌があります。その編集部から、自社の製品、技術の特長を紹介する記事の執筆依頼が入ることがあります。担当技術者は忙しいし、記事を書いたこともないのでできない。広報もニュースリリースならいいが、雑誌に載る記事となると難しい。では外注でとなるのですが、通常のライターだと技術的なところが全く分からないし、理解するのにも時間がかかる。技術系の記事を書いているライターに依頼がきます。

オウンドメディアに掲載する記事の執筆

自社の業界動向の紹介や、基礎的な技術解説などの記事の執筆依頼です。エンジニア向けの専門的なものから、学生や子供向けまで内容は様々です。最近はやや減少傾向にあります。

その他

この他、社長挨拶の代筆、助成金の申請書用に使う自社製品の説明文執筆なんて依頼もあります。製造業に関わる様々なライティング案件の依頼がきます。もちろん、工業やテクノロジー系のメディアに掲載される、ライター名が記載される記事も定期的に書いています。しかし、上記のような、企業から発信されるライター名の出ない記事の数が圧倒的に多いです。

製造業は書くことに困っています。そんなライティングの困りごとを、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、まとめて引き受ける窓口を近いうちに作れればと考えています。書くことによって製造業を盛り上げていきます。

製造業に特化した技術系ライターが依頼される仕事

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は文書化による技術系ライターが受けるライティング案件についてです。

工業製造業系ライターとは

前回の記事で「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない。」ということで、製造業では技術や製品の文書化が必要であることを書きました。

製造業における文書化によるアピールの大切さ

私はかつて光ファイバーや半導体関係の装置の設計、機械系の特許に関わる仕事をやっていました。その時の知識と経験を活かし、工業製造業系ライターを名乗ってライター活動をしています。

技術や製品の文書化が必要とわかっていても、やはり実際に書くとなると簡単にはいきません。時間もかかるし、それを行う人もいない。小さな会社になればその傾向は強まります。そんな訳で、私のところには大小様々な製造業の会社からライティングの依頼が入ります。その内容も多岐に渡ります。幾つか紹介していきます。

書くことで製造業を盛り上げる

自社の特徴、自社製品、技術の紹介、解説

この依頼は一番多いかもしれません。自社の強みや歴史、持っている技術、他社との違いなどを特設ページで紹介したい。製品の開発経緯や技術的に困難だった点、他との優位性を紹介する、またはそれをエンジニアが語るような記事を作りたい。客先導入事例をインタビュー形式で紹介したい。製品の特長や性能を紹介するホワイトペーパーを作りたい。展示会で配布するパンフレット、掲示するパネル用の文章。そんな感じのコンテンツのライティングです。

ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書くことになります。技術全体を理解して書くことはもちろん、それをより簡潔にわかりやすく書くことも求められます。

就職活動の学生に向けた自社紹介

最近結構多いのがこの依頼。学生に向けた自社の製品や技術、取り組みなどを紹介するコンテンツです。ネットだけでなく、会社説明会の際に配布するパンフレット用というのもあります。理系の学生ならば専門的な用語も大丈夫なのですが、技術系の業務以外の採用では文系の学生に自社を説明する必要があります。BtoBの会社だと、就職活動をするまで名前すら知らなかったなんてこともあり、多くの場合、業務内容を広く、文系の学生でもわかるように書くことが求められます。

専門誌への寄稿文

各業界には専門誌があります。その編集部から、自社の製品、技術の特長を紹介する記事の執筆依頼が入ることがあります。担当技術者は忙しいし、記事を書いたこともないのでできない。広報もニュースリリースならいいが、雑誌に載る記事となると難しい。では外注でとなるのですが、通常のライターだと技術的なところが全く分からないし、理解するのにも時間がかかる。技術系の記事を書いているライターに依頼がきます。

オウンドメディアに掲載する記事の執筆

自社の業界動向の紹介や、基礎的な技術解説などの記事の執筆依頼です。エンジニア向けの専門的なものから、学生や子供向けまで内容は様々です。最近はやや減少傾向にあります。

その他

この他、社長挨拶の代筆、助成金の申請書用に使う自社製品の説明文執筆なんて依頼もあります。製造業に関わる様々なライティング案件の依頼がきます。もちろん、工業やテクノロジー系のメディアに掲載される、ライター名が記載される記事も定期的に書いています。しかし、上記のような、企業から発信されるライター名の出ない記事の数が圧倒的に多いです。

製造業は書くことに困っています。そんなライティングの困りごとを、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、まとめて引き受ける窓口を近いうちに作れればと考えています。書くことによって製造業を盛り上げていきます。

製造業向け「伝わる文章の書き方講座(3/4)」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、社長挨拶の代筆から、技術紹介、助成金の申請書などなど、さまざまな文章を書いてきました。その経験を元に、製造業に特化した「伝わる文章の書き方」を全4回にわたってご紹介します。

目的別、文章の型の紹介

第3回目は「目的別、文章の型の紹介」です。前回までは文章を書くための準備や、ちょっとしたテクニックについてお伝えしてきました。その中で、文章には目的ごとに型があり、目的に合わせた型に沿って書くと文章が書きやすいことに触れました。そこで今回は、目的ごとの文章の型をご紹介します。

1、紹介記事は事実と特徴を手短に述べよ(ホワイトペーパー・製品紹介等)

ホワイトペーパーや製品紹介など、企業がもつ技術について伝えたい文章の型は次のようになります。

  1. それは何か(何の会社か)
  2. 何に使うのか(何ができる会社か)
  3. (他社や旧製品に比べて)どこが、どう素晴らしいのか
  4. 3によって何が可能になるのか

ポイントは事実を淡々と伝えることと、特徴を端的に伝えることです。このときに注意しなければならないのは「新たな価値観を創造する」や「最先端の技術が拓く未来」のような、カッコいいけれど実体のない言葉に逃げないこと。第2回でもお伝えしましたが、このような言葉からは何の事実も分かりません。

機密などの問題もあり、表現が難しい場合もあるとは思いますが、自社の良さを伝えるためにも、一歩踏み込んだ内容を盛り込みましょう。また、他社や旧製品との比較も大切です。よほど唯一無二のサービスであれば問題はありませんが、多くの企業では競合他社との競争に勝たなくてはなりません。類似サービスや製品、旧製品との比較を入れ、自社の優位性を伝えましょう。

またこのときに言葉に頼りすぎると、文章だけが長くなる可能性があります。図や表、写真も併用しながら、分かりやすく表現しましょう。

2、活動報告は5W1Hを意識せよ(導入事例や展示会レポート)

タブレット

技術や機械、システムの導入事例や、展示会への出展の様子を伝えるときには、次のような型が使えます。

  1. いつ、どこで、行ったか
  2. 何のために行ったか
  3. 何をやったのか
  4. どんな結果が出たのか

当たり前のように思えますが、どこかが抜けると伝わらなくなるのが活動報告の特徴です。伝え漏れが出ないよう、型にそって情報を整理しましょう。また意外と失念しがちなのが、1の、いつ、どこで行ったかを書くことです。特に実施した年(年号)は抜けがちです。

Web上の記事であっても、印刷される記事であっても、何かの拍子に数年前のものが見返される可能性は少なくありません。記事内で紹介されている活動報告が新しいものなのか、古いものなのか、すぐに判別できるようにするためにも、実施日の表記は年からスタートさせるといいでしょう。特に展示会の場合、同じ名前の展示会が数年おきに同じ都市で開催されるケースも多いですから、年号の表記は大切になります。

また実施された(する予定の)場所を伝える際には、必ず都道府県から記載しましょう。仮に県庁所在地であったとしても、市町村の場所は遠方の人には分からないものです。また「丸の内」のように、国内に複数の同じ名前の地名がある場合もあります。正確さを求めるためにも、都道府県を書き忘れないようにしましょう。

次回はライティング技術シリーズの最終回。製品の選び方やコラム、申請書などの文章の型をお伝えします。

製造業における文書化によるアピールの大切さ

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は製造業における文書化によるアピールの大切さについてです。

アピールしなければ誰からも選ばれない

「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない。」製造業に限らず、どの業界でも言える話ですが、自身の持つ技術、製品、サービスなどについて、自らアピールすることは意外と行われていません。製造業は、特にアピールが弱い、自社でアピールすることが苦手という企業が多い業界と言えます。

「良いものならいつかは売れる」と言われることもあります。それは、偶然にも良いところに気づいてくれた人が、別の人に良いところをアピールしてくれたお陰と言えるでしょう。何もアピールしていないのに製品を選んでもらえるなんて、町一番の不良が雨に濡れながら捨てられた子犬を拾っているところを、たまたま見られて恋に落ちるようなもの。そんな都合のいい話は、平成を飛び越して昭和のマンガかドラマの世界です。ハッキリと、分かりやすく、良いところをお客様に伝えなければ、その製品を選んでもらえる可能性は非常に低くなります。

では、製造業においては、どのようにアピールしたらいいのか。昔からよく行われているものには、展示会に出展する、業界紙に広告を出すなどがあります。どれもそれなりに効果はありますが、費用や人手、時間、手間などがかなりかかり、小さな企業が大掛かりに、なおかつ継続的にやるのは難しい方法です。また、かなりの費用をかけてやったものの、あまり効果が得られない場合もあります。他にも、営業の方が見込みのありそうなところを回って説明する方法もありますが、既存のお客様ではなく新規顧客開拓となると簡単にはいきません。

ネットを使ったアピール

今の時代はネットを使ったアピールが効果的です。かつては、何か必要な部品を探したいと思った時は、部屋の奥にある書棚に行って、分厚いカタログをめくって調べることがありました。ちょっと変わった加工を行いたいと思った時は、出入りの営業の人や、協力工場の社長に電話して、こんな加工ができる工場を知らないか聞いたものです。しかし、今はまずネットで検索をかけるエンジニアがほとんどです。ネットで探して、希望のものと同じ物があればそれを選択。近い物があれば、こういうのは無いか、こういう事は出来ないかと、メールか問い合わせフォームから質問。それでも見つからなければSNSで知っていそうな知り合いに質問。そんな感じで、万事ネットで事が進んでいきます。

ネットでのアピールは、特設サイトをつくってプロモーションを打つなんてことをすればもちろん凄い費用がかかります。しかし、製品の特長や性能、詳細仕様、使用例、価格など、エンジニアの知りたい最小限の情報がしっかり記載されている程度であれば、費用も更新の手間もそこまではかかりません。特殊な技術や製品であるほど、検索で探される機会が多くなります。広告を出すとしても、ターゲット層に対してピンポイントに広告を出すことも可能です。小さな企業ほど、ネットを活用したアピールが使いやすく、費用も抑えられて効果的です。

技術、製品を文書化して説明する

今の世の中、ネットでのアピールが使いやすく効果的ではあるのですが、そのためには1つやらなくてはならないことがあります。それが技術や製品の文書化です。

ネットのコンテンツには文字、写真、動画などがあります。技術や製品をアピールするためには、それを説明、紹介するためのコンテンツに使われる文書が必要となります。そのための技術や製品の文書化が必要なのです。写真や動画なら文字はいらないのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもありません。写真や動画さえ見れば、その性能やサイズ、他との相違点などまでわかれば文字は必要ないでしょう。そのあたりは文字や数字で表さなければ伝わりません。写真につくキャプションも、動画のなかのナレーションも、元々は文字です。文字では伝わりきらないものもあり、コンテンツにおいて写真や動画も重要ですが、技術や製品の文書化はコンテンツ作りの第一歩です。

では、技術や製品の文書化ですが、どのように書いたらいいのか。いままで当サイトでは製造業向けの文章の書き方や、Web記事の完読率を上げるテクニックなど、書く方法について取り上げてきました。

製造業向け「伝わる文章の書き方講座(1/4)」

紙媒体とは違うWeb記事の完読率を上げる3つのテクニック

書くことも一つの技術なので、これを読めばただちに技術や製品の文書化ができるかというと、そうではありません。これらの情報を元に何度も書いて、トレーニングする必要があります。製品を作る方に忙しくて手が回らないし、それをやれる人もいないというのももちろん分かります。しかし、新規顧客や新たな販路の開拓には、技術や製品の文書化は欠かせません。今後検討すべき課題の一つです。

製造業向け「伝わる文章の書き方講座(2/4)」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、社長挨拶の代筆から、技術紹介、助成金の申請書などなど、さまざまな文章を書いてきました。その経験を元に、製造業に特化した「伝わる文章の書き方」を全4回にわたってご紹介します。

第2回目は「今すぐ使える、文章を書くためのテクニック」です。前回、文章を書くための準備についてでは、事前にターゲットを絞ることや、伝えたい情報を整理しておく必要性を述べました。準備が済んだらいよいよ文章を書くわけですが、今回は書く前に知っておくといい、ちょっとしたテクニックをお伝えします。

1、不正解がない言葉に逃げず、踏み込んで表現せよ

製造業でありがちな表現に「新たな価値観を創造する」や「最先端の技術が拓く未来」のようなものがあります。カッコイイですし、何かすごそうな気がします。しかしこれらの言葉から何が分かりますか?

正直に言いましょう、何も分かりません。

必要なのは「何をどうするか」が分かることです。この場合ならば、新たな価値観や最先端の技術が生み出す未来はどういうものなのか。例えば「車の長距離運転は疲れるという常識を、自動運転システムで打ち破る」とか「まるでその場にいるように、クリアな音声が聞こえるWeb会議」など、どんな技術で何ができるのか、具体的な例も交えて実のある情報を伝えましょう。

このような言葉が出てくる原因は、情報の削りすぎです。第1回でお伝えした情報の整理が不十分で、伝えたい内容が明確になっていないため、何となく耳ざわりがよく何も間違っていない表現に落ち着いてしまうのです。例えばテレビのCMのように、とにかく短時間で社名を印象づけたいときには有効かもしれませんが、Webサイトやパンフレットなど伝えるための時間が十分にある場所では、実情に踏み込んだ言葉で伝えましょう。

2、少しだけ見栄を張れ

文章を書くときに言葉が思い浮かばない原因は、思いつく言葉の数の少なさです。文章を書くためには語彙力を伸ばせといわれがちですが、普通に生活し、普通に仕事をしている大人であれば、一般的な語句はすでに習得しているはずです。古風な時代小説を書こうとしているわけではありませんから、無理に知っている単語を増やす必要はありません。しかし、外に向けた文章を書くときは日常会話に比べ、たくさんの単語や言葉を使う必要があります。つまり文字としてアウトプットする習慣がついてしまえば、言葉はいくらでも思い浮かぶようになるのです。

とはいえ今から訓練し、習慣をつける時間はありません。そこでおすすめなのが、少しだけ見栄を張る方法です。例えば「鍛造用加熱炉」よりは「大きな鍛造用加熱炉」の方が伝わりますし「1,000tを超える鋼の塊を加熱する鍛造用加熱炉」と書いたほうが迫力が伝わります。どれくらいすごいのか、どれくらい売れているのか、少しだけ見栄を張るつもりで書いてみると、様子を表す言葉が思いつきやすくなります。

3、1回で伝えるテーマは少なくせよ

文章が書けない悩みの1つが「伝えたいことが上手くまとまらない」です。これは1つの文章にいくつもテーマを盛り込もうとするから起こります。例えば「昨日の出来事」で文章を書こうとすると悩みますが「昨日の夕食のメニューの内容と感想」であれば書きやすいと感じませんか?昨日の出来事と考えると、食べたものの話や人と会った話など様々なテーマが出てきて、頭の中がまとまらなくなってしまうからです。テーマが絞れていればいるほど、文章は書きやすくなります。第1回でもお伝えした通りまずはきちんと情報を整理し、テーマがいくつもある場合には、段落や章、ページを分けるなど、1つの文章の中に無理に押し込まないようにしましょう。慣れないうちは1つの文章には1つのテーマだと考えていいでしょう。

今回は文章を書くテクニックについてお伝えしましたが、こうしてみると第1回でお伝えした文章を書く準備がいかに大切かが分かりやすいのではないでしょうか。テクニックや型はあれど、文章は準備が9割。しっかりとターゲットを分析し、情報を整理しましょう。

次回は目的ごとの型についてお伝えします。

製造業向け「伝わる文章の書き方講座(1/4)」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、社長挨拶の代筆から、技術紹介、助成金の申請書などなど、さまざまな文章を書いてきました。その経験を元に、製造業に特化した「伝わる文章の書き方」を全4回にわたってご紹介します。

第1回目:「文章を書くための準備」

何かを書こうと思って、いきなり冒頭からスラスラと書ける人はいません。プロのライターでも、多くの時間を事前準備に費やします。何の準備もなく書きはじめ、まるで話すように書き続けているとすれば、それは頭の中で十分に「ネタ」が練れているときです。準備を抜きに文章を書くのは、まず不可能と思っていいでしょう。「文章を書くための準備」は次の3つです。

1、ターゲットを絞り、分析せよ

以前のシリーズでもお伝えしましたが、まずターゲット、つまり読む人がどんな人かを絞らなければ文章は書けません。例えば同じ分野の専門家に向けた文章ならば「VF20の精密加工が可能」と書けば伝わります。しかし一般の人や、違う分野の人には伝わりません。「とても固い金属に非常に細かい加工をすることができます。」と書かなければ、何を言いたいのか分からないでしょう。しかし逆にその表現では、専門家にとっては、どれくらい硬いどんな素材を、どれくらいの精度で加工できるのかが伝わりません。ターゲットが変われば、表現の仕方も伝えたいことも変わります。誰に何のために何を伝えるのか、そしてそのターゲットにはどうすれば伝わるのかを考えましょう。

2.情報を整理せよ

ターゲットが絞れたら、次は情報の取捨選択です。次から次へと伝えたいことが出てきてしまう人もいれば、何を伝えたらいいか全く思いつかない人もいます。情報が多すぎる場合には削り、少なすぎる場合には増やさなければいけません。しかし考え方は同じです。それは「ターゲットにとって必要な情報」という目線です。

例えば、新製品の紹介でも、従来機種とは異なる新機能について知りたいのか、製品の使い方や用途が知りたいのかは、ターゲットによって変わります。新規購入希望の人に新機能ばかりアピールしても伝わりませんし、機種のアップグレードを望んでいる人に用途を説明してもあまり意味がないからです。書こうとしている文章で何を伝えたいのかをしっかりと整理すれば、文章の流れもおのずと決まってくるのではないでしょうか。

3.目的ごとの「型」を知ろう

学生時代の国語の学習では、文章の基本は起承転結だと教わります。起承転結というのは文章の「型」です。型に沿って文章を書くと、伝わりやすく読みやすい文章になるのです。とはいえ、すべての文章が起承転結で書かれている訳ではありません。実は文章の「型」にはたくさんの種類があるのです。製造業のホームページ活用などで多く出てくる文章には、下記のようなものがあります。

  • 紹介記事(ホワイトぺーパーや製品紹介)
  • 活動報告(導入事例や展示会レポート)
  • 知識伝授記事(製品の選び方や関連技術の基礎知識)
  • 一般向けPR(ブログやコラム)

また少し雰囲気は変わりますが

  • 申請書類(助成金や補助金などの会社PRや設備の説明)

も多いのではないでしょうか。

書こうとしている文章が、これらのうちどれに該当するかを考えてみましょう。もし合致する項目がなくても、おおよその方向性で決めてみてください。該当する、あるいは近い型に沿って書くことで、慣れない人でも簡単に伝わる文章が書けるようになります。

次回は今すぐ使える、文章を書くためのテクニックをお伝えします。

顧客に届く「自社技術の凄さ」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。ホームページやパンフレット製作のため、製造業を中心とした様々な企業で取材を行ってきました。それらの経験を元に、顧客に「自社技術の凄さ」を伝えるための、より効果的なアピール方法をお伝えします。

効率的なアピールとは、顧客が知りたい情報を提供すること

どれだけ素晴らしい技術があっても、ニーズのあるところに響かなければ効果的なアピールにはなりません。たとえば素晴らしい曲芸を目にしても、拍手を送って終わりになってしまうことがほとんどです。もちろんアーティストの路上ライブのように、知名度を上げてることで素晴らしさに気づいてもらう方法もあります。しかし製造業の場合、この方法で成功できるのはBtoCが主流であるなど、限られた条件がそろっているときだけです。興味や関心がない層よりは、すでにニーズのある層をターゲットにアピールしていくほうが効果的といえるでしょう。すでにニーズがある層が目にするものとして考えられるのが、ホームページやパンフレットです。自社技術の凄さを伝えるためには、それらを見ている顧客が知りたい情報を確実に提供することが大切です。

そして顧客が知りたいことは大きく分けて次の2つになります。

  1. どんな問題が解決できるのか
  2. 他社との差

それぞれの場合について詳しく解説していきましょう。

 

「どんな問題が解決できるのか」を伝える

「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という有名な言葉があります。この考え方が適用されるのが顧客が1の「どんな問題が解決できるのか」を知りたがっている場合です。例えば顧客がライン上で不良品を正確に見つける方法や、騒音、衝撃などの問題に直面し、それを解決できる製品を欲しがっているとき、欲しいのは「製品」ではなく、「問題が解決されたという結果」であるということです。

つまりこのとき顧客が欲しがっているものは、その製品を使えば問題が解決できるだろうという確信です。ですから、どんな問題が、どのように解決できるのかという情報を提供することが大切になります。具体的には、活用事例や実績、導入ストーリーなどを分かりやすく伝えるといいでしょう。

 

「他社との差」を伝える

上記の「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」の反論として「ドリルを買う人が欲しいのはかっこいいドリルだ」という冗談があります。あくまで冗談として扱われる言葉ではありますが、実は意外と的を射ている言葉でもあります。穴が欲しいのは確かだが、様々な手段の中からドリルを使うのが適していると既に知っており、ドリルを扱うことに難しさを感じないのであれば「かっこいいドリルが欲しい」と考えることもできます。つまり、問題解決の手段をすでに熟知しており、その中から最良の手段を選びたいと考えている場合です。

このときに顧客が欲しがっている情報は、他社との差や他の類似商品との差です。どんな部分がどのように違うのか、図や数など値を交えて、具体的に伝えるといいでしょう。このときに大切なのは、自社をアピールしたいという部分だけに注目しすぎないことです。視点を広く持ち、他社や他の類似品に比べてどうであるかを、客観的に見つめなおしてみてください。

まとめ

情報を発信する場合に大切なのは「情報の受け手から見てどう見えるか」ということです。ここに書いたことは決してむずかしいことではなく、当然だと思われるかもしれません。しかし「凄さを伝えよう」と前のめりになればなるほど、忘れがちになってしまう部分でもあります。自分が伝えたいことを少しわきによけ、顧客がどんな情報を求めているかに目を向けてみることが、効果的なアピールの第一歩になるでしょう。

求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。大手の求人サイトや、各企業の採用ページの制作のため製造業を中心に様々な企業で取材を行っています。今回はその経験を元に、求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法をご紹介します。

1.求職者が本当に知りたいこと

求職者が知りたいことは、その仕事に就いた後の生活です。求職者へのアピールというと、まず最初に仕事のやりがいを思い浮かべる人も多いと思います。確かにやりがいのある仕事は、労働へのモチベーションにつながりますので、やりがいは大切です。ですが、やりがいや情熱だけで働き続けるのはとても難しいことです。さらに昨今では「ブラック企業」や「やりがい搾取」などの言葉もあります。精神論ばかりを先行させ、過酷な労働を強いる企業が少なからず存在するため、求職者は安心して働ける企業を求めているのです。働くことは生きることですから、これも当然といえば当然です。

このような事情から、求職者が知りたい大事なポイントは、応募しようとしている企業で働いている人がどのように生活しているのかになっているのです。

2.仕事に就いた後の生活とは

では求職者が知りたがる、その仕事に就いた後の生活とは一体どういうものなのでしょうか。簡単に言うとキャリアプランです。キャリアプランには大きく分けて次の3つのフェーズが存在します。

  • 仕事を覚える過程
  • 自力で仕事を進めていく過程
  • 昇進プラン

このフェーズを意識しながら伝えることで、仕事に就いた後の生活を求職者が年単位で想像することができるようになります。

続いて各フェーズで伝えるといい内容を紹介していきましょう。

仕事を覚える過程では、研修の有無や期間、業務を進めながら覚えていくのであれば指導係の有無などを具体的に伝えることが必要です。例えば「人事部での3日間の座学研修のあと、配属先で先輩と一緒に業務を進めながら必要な知識を覚えていきます」や「詳細なマニュアルが用意されているので、それに従って仕事をしながら覚えていきます」などのように表現するといいでしょう。

自力で仕事を進めていく過程では、仕事の流れや数年先の先輩の生活の様子を伝えます。例えば仕事の受注から完了までの流れや一日の仕事の流れ、先輩の仕事の内容や一日のタイムスケジュールを紹介するといいでしょう。

昇進プランも重要です。リーダーなどへの昇格や出張、赴任などの有無、給与などの具体的な数値は、就業後の生活をイメージする大切なポイントになります。業種によっては独立開業への道の有無なども明記するといいでしょう。

3.仕事のやりがいをアピールする方法

求職者が知りたいのポイントとして仕事に就いた後の生活を挙げましたが、仕事のやりがいをアピールすることも、もちろん大切です。仕事に興味を持ってもらったり、熱意のある人に来てもらうためには、やりがいのアピールを欠かすことができません。しかし仕事のやりがいは、他社との差別化がとても難しいという特徴があります。なぜなら、どの会社も力を入れてアピールしてくるからです。また、例えば「有名自動車メーカーにおさめる部品を作っている」や「お客様に感謝される」など、似たような業種が数多くあるケースもあります。そのような中で、自社の仕事のやりがいをアピールするために必要なのは、マクロとミクロの2つの視点です。

マクロの視点とは、その仕事を通じて社会にどのように貢献するかです。「人々の安全を守る」とか「世界中に部品が届く」など、目を引くフレーズが出やすい部分でもあります。例えば自社製品の使われ方やシェア率などを示し、なぜそう言えるのか具体的な根拠を伝えることで、より明確な強みになります。

続いてミクロの視点です。ミクロの視点を一言で表現するのであれば自己効力感という言葉になります。会社としてではなく、その会社に属する個人として何ができるのかを伝えます。残念なことにミクロ視点でのやりがいをアピールできている企業はあまり多くありません。つまりミクロ視点でのやりがいアピールは、他社との差別化が図れる部分であるともいえます。例えば「機材の運搬方法をこのように工夫して予算を何万円から何万円に抑えた」や「こんな機械を扱えることでお客様からこんな感謝をされた」など、具体的な体験を交えてアピールしてみてください。

まとめ

近年は「個の時代」が到来しているといわれています。かつてのように「お国のために」「社会のために」という滅私奉公的な意識は薄れ「社会の中の個人として、いかに生きるか」が注目されている時代です。新卒をはじめとする若い層にも、このような個人としての意識が浸透しつつあります。ですから自社の良さをアピールする際にも、会社としてどうであるかに加え、そこに所属する個人はどうであるかにフォーカスすることが大切になります。社内のメンバーをよく観察し、個人としてどうであるかを見ていくことで、求職者の心にひびく言葉を見つけることができるでしょう。

伝わる「自社の強み」「自社技術のすごさ」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業を中心に企業のHP制作や、採用ページ制作に携わっていると自社の魅力をアピールする方法に悩む声をよく聞きます。そこで今回は、実際の取材の経験などを元に「自社の強み」や「自社技術のすごさ」を伝える方法をご紹介します。

ステップ1【ターゲットは誰か?】

当たり前のように思われるかもしれません。しかし「誰に伝えたいか?」によって、強みの切り口や表現方法は大きく変わります。伝えたい相手がぼやけてしまうと、伝えたいことが伝わらなくなってしまう恐れがあります。ですので、伝えたい相手を、目的・ターゲットの属性、ターゲットの知識などでおよそ8通りに分類します。

まず最初の分類は目的です。自社の強みや技術をアピールする場合、顧客の獲得か人材の獲得が目的であることがほとんどです。しかし、どちらが目的かでアピールの方法が大きく変わります。目的がはっきりしたら、次はターゲットの属性で分類していきます。そして最後がターゲットに専門知識があるかどうかです。これを図にすると次のようになります。

①には製品開発のために部品を探しているようなエンジニアなどが該当します。②は製造業向けの製品を購入する購買担当者などです。③と④は、実際に製品を使用する人が該当します。⑤は機械科や電気科などの特定の学科を卒業した学生の採用を行う場合が該当します。

ステップ2【ターゲットごとの切り口】

ターゲットが決まったら、より強く訴えかける切り口を探します。ステップ1での分類に従って、どのような切り口から自社の魅力にアプローチするかを考えます。

①顧客獲得→BtoB→専門家の場合

十分に知識を持っている人がターゲットですから、具体的な根拠を示すことがアピールになります。販売実績や対応事例、製品のスペックなど、具体的で分かりやすい数値を交えてアピールしましょう。

②顧客獲得→BtoB→非専門家の場合

基本的なアピールは①のときと同様になりますが、サポート充実や品質保証制度など、ソフト面の強みもアピールしていくことで、より効果的なアピールになるでしょう。

③顧客獲得→BtoC→リピーターの場合

既に自社製品を知っている人がターゲットですので、他社の類似商品との差異や、便利なサポート、併用して使うと便利な商品の紹介などに重点をおくといいでしょう。

④顧客獲得→BtoC→新規顧客の場合

自社の製品やサービスによって、どんな問題が解決できるか、何ができるかを具体的に表現するといいでしょう。原理などの難しい部分よりも、成果や事例を分かりやすくアピールすると、より効果的です。

⑤人材採用→新卒採用→特定の学科卒の場合

新卒採用の場合、働くことに対するイメージがまだ薄いこともあります。自社では何をしているのか、どうやってやっているのかを具体的に表現することが大切です。その仕事を通してどのように社会に貢献しているかや、将来的な展望などもぜひ伝えておきたいポイントです。

⑥人材採用→新卒採用→卒業学科は問わないの場合

基本的には⑤と同様になりますが、どのようにして業務の知識を身につけていくかなど、キャリアプランを具体的に提示することで、安心して働ける環境をアピールすることができるでしょう。

⑦人材採用→中途採用→同業種からの転職の場合

同業他社と比較して自社の優れている点などをアピールすると効果的です。特に待遇面やキャリアプランなどの面で、具体例を示しながらアピールすることで説得力が増すでしょう。

⑧人材採用→中途採用→異業種からの転職の場合

⑦の場合と似ていますが、⑥のときと同様、業務の知識を身につけていくための教育プランなどを具体的に説明するといいでしょう。

ステップ3【強みの伝え方】

自社の強みをアピールするためには、自社の技術や自社のサービスを第三者目線から見直すことが大切です。その際に最も重要になるのは、その優れた技術によって何ができるようになるかを具体的に伝えることです。すばらしい技術があっても、数値的なスペックのみを並べただけで伝わる相手は、多くはいません。ほとんどの場合、相手が求めているのは「優れた技術・強みによって何が可能になるか」という情報です。「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という有名な言葉が示す通り、情報を求めている人が欲しているのは「どう優れているか」の情報ではなく「それによって何ができるか」であることを意識してみると、第三者目線をイメージしやすくなると思います。

ターゲットごとに分類したアピール方法を参考に、何を提供できるのかを具体的に考えてみることで「自社の強み」や「自社技術のすごさ」がターゲットに刺さるものになるでしょう。