Webコンテンツ制作ガイド(種類、制作手順、事例を紹介)

テクノポートの徳山です。Webサイトの充実化を狙いWebコンテンツを作ろうと考え始めたものの、まだ具体的にどういったコンテンツを作るかまでは検討できていないケースがあると思います。

充実したWebコンテンツを作成する方法を知りたい方のために、Webコンテンツの種類や制作手順、そして活用方法について具体的な事例を含めて紹介していきます。

Webコンテンツの種類(目的別)

Webコンテンツとは、Webサイトに掲載されるテキスト、画像、動画などで構成され、ユーザーへ情報を分かりやすく伝えるために作成される情報のことです。

新規顧客獲得の観点から、Webコンテンツにはそれぞれ担うことができる役割(達成できる目的)があります。その役割とは次の3つです。

  1. 集客
  2. 訴求
  3. 新規リード獲得

新規顧客を獲得するためには、いずれかの役割を担うコンテンツだけでは足りません。それぞれの役割を把握して、それに合ったコンテンツを揃えたほうがWebコンテンツの効果は高くなります。それでは、役割別にコンテンツの種類を見ていきます。

「集客」コンテンツ

集客の段階では、お客様が探している商品やサービスの有益な情報を提供できるコンテンツを作成することで、まだ自社のことを知らないお客様を自社のWebサイトに誘導します。集客のために作成するコンテンツの種類は、テキストで作成する記事コンテンツと、データをイラストで表現したインフォグラフィック、製品の使い方などを動画にした動画コンテンツがあります。

ターゲットとなる潜在顧客は「とりあえず〇〇について知りたい」というような、今すぐに製品の購入を考えていない場合があります。このような顧客にリーチするためには、いきなり自社の製品についてコンテンツ化するのではなく、自社の存在を知ってもらうための会社概要や事業内容、製品やサービスに関する一般的な知識を記事化します。

例えば鋳物メーカーの場合、砂型やダイキャスト、ロストワックスなどの種類やメリットデメリット、鋳物不良の種類など、鋳物に関する知識を満足させるようなコンテンツにします。

それぞれの集客コンテンツの事例を紹介します。

記事コンテンツの事例:(ASTINAのコラム記事)

IoTのコンサルティング事業を運営するASTINAでは多数の技術コラムを掲載しています。IoTの知識に関する内容や導入事例を多数コラムに掲載することで、ユーザーがIoTを導入するメリットをイメージしやすいようなコンテンツになっています。

こちらのコンテンツはテクノポートがサポートし、SEO対策をして検索エンジンからのキーワード検索によるユーザーからのアクセス数を増やし集客につなげています。
ASTINAのSEO記事

インフォグラフィック

インフォグラフィックとはイラストや図表などを用いて情報やデータをわかりやすく伝える手法です。視覚は文字よりも6万倍速く処理されるといわれていますが、インフォグラフィックはその効果を活用したものです。直感的に情報が伝わり、文章だと理解が難しい内容も視覚的だと理解されやすくなります。

SNSの拡散や他Webページでの引用など、シェアされやすく、情報が広まり集客しやすいのが特徴です。テキストだけでは読むのが難しい内容は、イラスト化してユーザーの印象に残るコンテンツにしましょう。

インフォグラフィックの事例を2点紹介します。

京セラ

会社の事業内容を動画で紹介しているコンテンツです。動画は全てインフォグラフィックを使用しています。

経済産業省
経産省のインフォグラフィック

鉄鋼業や流通業など、さまざまな業界の統計データをインフォグラフィックでまとめています。

動画コンテンツ

データ通信の高速化で負担なく動画が閲覧できるようになったことや、スパートフォンの普及で動画を閲覧する機会が増えてきました。

そのため、動画コンテンツをサイトに挿入することで、動画検索を行うユーザーからの集客を狙う企業が増えてきました。Youtubeに投稿することによって、検索されるプラットフォームが増えるため、サイトへのアクセス数増加が期待できます。

ただし、全て動画コンテンツに変えるのではなく、記事コンテンツを充実させた上で、製品の使い方、製品の外観など、文章での説明が難しい場合に動画を活用するようにしましょう。

動画コンテンツの事例を紹介します。

アルビテクノロジー

アルビテクノロジーの動画工作機械、CAMを取り扱う商社のアルビテクノロジーは、サイトの背景動画やCAMの使用例を動画として掲載することで、魅力のあるサイトを構成しています。

「訴求」コンテンツ

訴求とは消費者に買う気を起こすよう訴えることです。自社Webサイトの存在を知ってもらったお客様に商品やサービスをアピールするコンテンツを準備します。ここでは製品を導入する事例や他社との差別化など、集客コンテンツと比較してより信頼性のある情報を提供する必要があります。

導入事例(事例:i Smart Technologies)

i Smart TechnologiesはIoTによる業務改善のコンサルティングを行っています。検査工程や製造工程の工数低減に関する事例が多数紹介されており、同じ課題を持ったユーザーに対して、IoTを活用した後の効果をイメージしてもらえるコンテンツになっています。
i Smart Technologiesの導入事例

製品や技術の強みを伝えるコンテンツ(事例:長野サンコー)

深絞りプレス加工を得意とする長野サンコーでは、既存のプレス加工機だけでは製造できない製品も製作できるように専用機を開発するなど、自社の強みをアピールしています。また、加工事例では加工形状が3Dモデルで確認でき、製品の完成イメージがわかりやすくなっています。
長野サンコーの強み

会社の信用力を上げるためのコンテンツ(事例:岸本工業)

岸本工業はプラスチックの精密加工を扱うメーカーです。会社の沿革や、得意とする精密板加工をストーリーにして文章化することで他の企業にはない、信用力が上がるコンテンツに仕上げています。
岸本工業のあゆみ

「新規リード獲得」コンテンツ

リードとは連絡先がわかる見込み顧客のことです。訴求コンテンツでユーザーに興味を持ってもらっても、ユーザーの連絡先が分からなければ、購買を決めるまでの継続的なアプローチが難しくなります。連絡先を入手し、こちらから定期的にアプローチできるようにするのが、新規リード獲得コンテンツの役割です。

カタログやパンフレット(事例:キーエンス)

キーエンスはFAに使用するセンサーを主に、さまざまな自社製品の機器を取り扱っているメーカーです。カタログやパンフレットの数が豊富で、Webサイトからダウンロードできます。ダウンロードの際にメールアドレスを入力することで新規リード獲得につなげています。

ユーザーがダウンロードした資料が特定できるので、ユーザーが何に困っていてどんな情報がほしいのか把握でき、効果的にアプローチできます。新規リードを獲得した後は定期的なメールマガジンの送信やパンフレットの郵送などで顧客とのつながりを意識させています。
キーエンスのホワイトペーパー

ホワイトペーパー(事例:ローム(TechWeb)

半導体メーカーのロームは、自社サイトの中に技術情報サイト「TechWeb」を運営しています。こちらのサイトではEMCの基礎やノイズ対策の基礎、インバータ部品の設計手法など、電子機器に関する技術情報についてまとめたPDFファイルのダウンロードが可能です。

同製品の導入を考えているが、まだその分野で勉強中のユーザーにとって、ダウンロードしたくなるようなコンテンツを制作しています。
ロームのホワイトペーパー

リサーチレポート

リサーチレポートは市場調査の結果をまとめたものです。リサーチ会社に依頼するので調査費は高くなりますが、信頼性が高く、ユーザーが個人情報を入力してまで欲しくなる有益なコンテンツです。

こちらもホワイトペーパー同様、PDFをサイトに掲載することで、リード獲得につなげることができるでしょう。リサーチレポートを使用している製造業の事例があまりないため、今後活用していくことで競合他社に対する新規リードへのリーチに差をつけることができます。

Webコンテンツ制作の手順

Webコンテンツの役割と種類について説明してきましたが、ここからWebコンテンツ制作の手順について説明します。

キーワードリサーチを行う

まず、自社の強みを分析し、顧客の検索意図をできるだけ絞って、キーワードを決めます。例えば「金型」だけではいろんな検索意図が想定され、競合サイト数が多くなります。検索上位を狙うのが厳しくなるだけではなく、検索上位に上がったとしても自社のターゲットに結びつかない可能性があります。「金型 射出成型 高精度」などもう少し具体的なキーワードを使用して自社の強みを求めているユーザーのアクセスを狙います。

一方、キーワードを限定しすぎると、検索需要が少なくなりサイトのアクセス数を稼ぐことができず、新規リード獲得が難しくなります。そこでGoogleが提供しているキーワードプランナーで検索需要を調べ、ある程度の検索需要が見込めるキーワードを選定していきます。検索需要の目安ですが、中小企業であれば100件以上あれば十分だと考えています。

キーワードの選定についてはこちらの記事を参考にしてください。

ターゲットリサーチを行う

狙いのキーワードで検索上位に掲載されているサイトから、どのようなターゲットに向けてコンテンツを制作しているか調べましょう。そのターゲットが自社の強みから導き出したターゲットと合致していれば、競合サイトのコンテンツがどのように作成されているか確認します。

金型の加工メーカーを探しているユーザーを想定した場合を例に紹介します。まだ金型のことをあまり知らないが金型の導入を検討しなければいけないユーザーをターゲットとする場合は、「金型とは」から始まる記事が記載されているのが理想です。

原価低減を検討しているユーザーをターゲットとする場合は、金型の導入による原価低減の効果を紹介した記事が記載されているなど、ターゲットの検索意図を満足する記事がどのように作成されているかチェックします。

コンテンツの構成を作成する

こちらも、検索上位に掲載されているサイトを参考にしながら、自社の強みがわかるようなサイトの構成にします。トップページは背景を動画にするなど、自社の強みが一目でわかるようなページにすると新規訪問者の認知度が広がりソーシャルメディアでの拡散につながりやすくなります。

次に、ターゲットが求めるコンテンツにたどり着きやすい導線の構成にします。例えば、これから製品開発を担当するが、部品の知識があまりない若手設計者については、技術コラム記事、○○加工方法のメリットデメリットなどの比較記事、ホワイトペーパーまでの導線を最適にします。

また、ある程度製品・加工技術の知識があり、購入したい製品が大体決めている生産技術担当者については、導入事例、製品仕様、カタログまでの導線を最適にします。このようにターゲットによって優先となるコンテンツの導線を考えていきます。

コンテンツを作成する

ここからいよいよコンテンツの作成に取り掛かるのですが、記事コンテンツについては1ページで1つの課題が解決するように書きます。読み手を引き付けるために課題と結論を先に書いて詳細を説明する記事にしましょう。

コンテンツを作成した後はユーザー目線で読み返します。ユーザーがどんな悩みを抱えているのか、悩みを解決するような記事になっているか、読みにくくページを離脱されてしまわないか、という視点でチェックしていきます。画像や動画で説明したほうがわかりやすい箇所は適宜挿入します。

Webコンテンツ制作後の活用方法

作成したコンテンツの活用方法について説明します。

集客コンテンツの活用方法

記事コンテンツ

記事コンテンツを作成して公開した後は、ターゲットキーワードで検索して表示されるかどうかチェックします。良いコンテンツを作っても検索して表示されない場合は、検索エンジンに認識(インデックス)されていない可能性があります。

Googleクローラーが、巡回して取得したコンテンツからキーワードを自動抽出し、検索インデックスに登録すると検索ができるようになります。Titleタグ、metaタグや見出し(hタグ)などのHTMLタグにターゲットキーワードが入っているかどうか、もう一度見直します。

また、検索して表示されるようになっても、検索上位に上がらない場合は、定期的に記事のリライトを行いコンテンツの内容を見直します。

リライトの方法は下記の記事を参考にしてください。

インフォグラフィック

インフォグラフィックは画像検索からの流入も見込めますが、基本的にはそれほど画像検索の頻度が多くないと思われるため、ニュースリリースやソーシャルメディアの活用などと併用します。情報がわかりやすくまとめられている画像は、ユーザーがスクロールを止めてじっくり見てくれるため、ページを離脱するまでの時間が長くなります。ユーザーに魅力をもたせるコンテンツとして有効活用しましょう。

動画コンテンツ

動画コンテンツは関連性の高いWebページに埋め込むことにより、テキスト、動画検索ともに検索エンジンの評価を高めることができます。Youtebeからの流入を図るために、動画のアップはYoutubeで行い、Webページで読み込みする形式がおすすめです。

動画コンテンツの活用方法については、こちらの記事を参考にしてください。

訴求コンテンツの活用方法

訴求コンテンツの役割はWebサイトに訪れたユーザーの購買意欲を高め、問い合わせ率を高めることです。集客コンテンツでサイトにランディングしたユーザーに対し、次に見てもらうコンテンツとして、訴求コンテンツとなる導入事例などへの導線を多く設置しましょう。

新規リード獲得コンテンツの活用方法

情報収集段階にいるユーザーは、購入が決まるまでのリードタイムが長く問い合わせにつながる可能性が低い傾向にあります。そこで、新規リード獲得コンテンツを活用して情報収集段階のユーザーの問い合わせ率を少しでも高め、ユーザーとの接点を高めていきます。

商品やサービスを検索するユーザーの検索意図は購買フロー(図1)によって異なります。情報収集段階ではノウハウ系のホワイトペーパーの提供が有効で、購入検討段階では製品の用途や種類といった製品の詳しい情報を必要としています。購入比較段階では他社と差別化できる情報を提供することで、購入決定段階につなげることができます。購買フローにおける各段階のユーザーを想定して、それにあったコンテンツを準備できるとよいでしょう。

購買フロー図1.購買フロー

まとめ

Webコンテンツの種類と制作手順、活用方法について事例を含めて紹介しました。集客から新規リードの獲得まで顧客の求める情報を分析し、各Webコンテンツを拡充させていくことがコンテンツマーケティングの成功につながります。テクノポートではWebコンテンツの作成をサポートしています。Webコンテンツの作成にお困りの場合はテクノポートにご相談ください。

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コンテンツマーケティングの種類|製造業の事例とともに解説

テクノポートの徳山です。今回はコンテンツマーケティングの種類を製造業の事例とともに解説します。

コンテンツマーケティングとはユーザーにとって価値のある情報を発信して、自社製品やサービスに興味をもってもらい、問い合わせや購入につなげるためのマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングを始めたいが、どのようなコンテンツを作ればよいのか分からない。そのようなお悩みを解決するために、それぞれのコンテンツをどのような目的で作ればいいかわかりやすく説明します。

コンテンツマーケティングで取り扱うコンテンツの種類

コンテンツマーケティングの種類コンテンツの種類はWeb記事、ホワイトペーパー、メルマガなどさまざまな種類がありますが、次の3つの目的によって分類できます。

①Webサイトへの新規ユーザーを集客する

  • Web記事
  • インフォグラフィック
  • 動画

②新規リードを獲得する

  • ホワイトペーパー
  • リサーチレポート
  • ウェビナー(情報提供型)

③保有リードを育成し商談を獲得する

  • メルマガ
  • 導入事例
  • ウェビナー(サービス紹介型)

①Webサイトへの新規ユーザーを集客する

Web記事

まず、新規ユーザーに自社サイトを見つけてもらうために、SEO対策を行います。SEO対策をするキーワードを選定して検索上位のサイトをリサーチし、記事の構成を決め自社のオリジナルの情報を入れたコンテンツを作成します。

具体的なSEO対策は参考記事を確認してみてください。

事例:武杉製作所のロストワックス紹介ページ
武杉製作所
ロストワックス製法を得意とした鋳造メーカーの武杉製作所は、Web記事で自社の強みをわかりやすく紹介しています。ロストワックス製法のメリットや他の加工方法との比較をコンテンツに加えることで、顧客への工法転換を訴求し受注につなげています。

インフォグラフィック

インフォグラフィックとはイラストや図表などを用いて情報やデータをわかりやすく伝える手法です。

せっかく自社でアピールできる強みがあっても文字数だけで情報を網羅させると、記事を読むユーザーの負担となり、別のサイトに移ってしまう可能性があります。そこで、インフォグラフィックを活用することで、ユーザーの興味を引き、ページから離れないような工夫をします。

事例:YKKスナップファスナー株式会社
YKKのインフォグラフィック
YKKスナップファスナー株式会社は服に使用する金属製のスナップやボタンを製造・販売するメーカーです。ボタンの歴史に関するインフォグラフィックをWebサイトに掲載しています。ボタンの種類や使われていた地域など、文字だけでは伝わりづらい内容もイラストによって一目で理解できるようになっています。

動画

動画はインフォグラフィックと同様に、ユーザーの視覚に訴えかけられる有用なツールです。
製品の紹介や使い方を動画にする場合と、Webサイトの背景に動画を活用する場合があります。ユーザーへの伝わりやすさを上げ、ユーザーに印象を持たせるために活用できるコンテンツです。

製品の実演などはYoutubeで配信し、リンクをWebサイトに貼ることでYoutubeのチャンネルに登録したユーザーをWebサイトに引き込むことができ新規ユーザーを集客できることもあります。

動画の活用方法は参考記事を確認してみてください。

事例:石井精工のゴム金型YouTubeチャンネル
石井精工のYouTubeチャンネル
石井精工はゴム金型製造やゴム成形の行う製造業です。
Youtubeチャンネルを開設し、加工に関する業務改善の事例を紹介しています。
動画の時間は10分以内のものが多く、視聴者を飽きさせない範囲で有益な情報を提供しています。

②新規リードを獲得する

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、自社の製品やサービスに関する技術情報など、読者に有益な情報を提供する資料のことです。ホワイトペーパーをダウンロードするためにユーザーの個人情報を入力してもらうことでリードを獲得する仕組みです。ホワイトペーパーは、獲得したリードのナーチャリング(育成)にも活用できます。

ホワイトペーパーの作り方や活用方法は参考記事を確認してみてください。

事例:キーエンス
キーエンスのホワイトペーパー
キーエンスは計測機器をはじめPLCや3Dプリンタなど製造業で必要とする製品を幅広く扱っており、それに関わる1000件以上のホワイトペーパーをWebサイトに掲載しています。機器の使用事例や導入事例、安全管理に関する知識など、サイトに訪問したユーザーの課題を解決できるようなコンテンツが豊富です。

リサーチレポート

新規リードを獲得する方法を考えるときに、マーケティング関連の企業が公開しているリサーチレポートが参考になります。リサーチレポートとは簡単に言うとアンケートの集計結果をまとめ、業界の動向を説明した記事です。

例えば、マーケライズでは製造業界の販促に関するデジタル化ついてまとめたものを以下のレポートで公開しています。

事例:製造業界の営業・販促におけるデジタル化に関する調査
マーケライズはマーケティングのコンサルティングを行っている企業です。リサーチレポートでは、2020年に調査した対象者の60.4%がオンライン展示会に出展していないと回答。オンライン出展した企業は費用をあまりかけずリードを獲得できたといった調査結果が記載されています。このことから、早期にオンライン展示会に出展することで、新規リードの早期獲得ができるのではないかと推察し次のアクションを起こすきっかけになります。

このように、マーケティングに関するリサーチレポートを参考に、リード獲得のアプローチ方法を考えていきます。

ウェビナー(情報提供型)

ウェビナーはオンラインで行うセミナーのことです。従来のセミナーに対して、ウェビナーでは場所と時間の制約がゆるくなるため、参加しやすいのが特徴です。質問やアンケートの回答が文字で入力できるようになったので、発言しにくいリアルのセミナーに代わり、顧客の反応が効率的に収集できるようになっています。

地域や時間などの垣根がなくなり、多くの方に参加してもらうことが可能になったため、参加者数がリアルセミナーの5~10倍になることがあります。セミナーの参加者が増えることで新規リードを獲得する機会が増えています。

ウェビナーの活用方法は参考記事を確認してみてください。

事例:松谷化学工業
松谷化学工業はでん紛素材や食物繊維などの製造・販売を行う食品原材料メーカーです。コロナ禍で客先訪問や展示会の機会がなくなったため「Kairos3」というMAツールを利用してウェビナーを立ち上げ、受注拡大につなげています。

③保有リードを育成し商談を獲得する

メルマガ

メールマガジンとは、企業の担当者やWebサイトの運営者から、購読を希望するためにメールアドレスを登録したユーザーに対して一斉に配信されるメールのことです。新製品の紹介や業界動向の変化、製品開発の裏話などを定期的に配信することで、保有リードは都度Webサイトの最新情報をチェックすることなく新着情報を受け取ることができます。顧客とのつながりを意識させ、自社の製品や業界に対する知識を見につけてもらうことでファンを増やし、購買につなげられます。

メールマガジンの活用方法は参考記事を確認してみてください。

事例:アマダ
アマダのメルマガ
アマダはタレットパンチやレーザー加工機のメーカーです。メルマガを月に2回配信しています。メルマガには製品の紹介だけではなく課題解決の事例や板金加工の基礎など、サイトだけでは知ることができないような情報を配信しています。

導入事例

導入事例とは自社製品を導入し一定の成果をあげた顧客のストーリーをまとめた記事コンテンツです。実際の事例を紹介しているので信頼性が高く、見込み客へ利用イメージを膨らませることができます。購買リスクが高いBtoBマーケティングにおいてリードをナーチャリングし商談につなげる最適なコンテンツです。

導入事例の活用方法は参考記事を確認してみてください。

事例:プロトラブズ
プロトラブズの導入事例
プロトラブズは射出成型や切削加工を受託製造する企業です。サイトには、多数の導入事例が紹介されています。寸法精度の実現やコスト削減の効果と共に、お客様の評判の良さが伝わる信頼性の高いコンテンツとなっています。

ウェビナー(サービス紹介型)

先に説明した情報提供型のウェビナーは新規リード獲得のための大勢に向けたセミナーに近いイメージですが、こちらでは既に保有できたリードに対して、具体的な商談を進めるための個別打ち合わせに近いイメージです。はじめに企画したウェビナーでアンケートをとったお客様に対して個別にフォローしていき、具体的な解決案を提案することで商談成立につなげます。

コンテンツの特徴に応じた役割を担わせるのがポイント

ユーザーが購入を決断するまでには以下の4つの購買フローを踏むといわれています。(図1)

  1. 情報収集段階
  2. 購入検討段階
  3. 購入比較段階
  4. 購入決定段階

購買フロー

図1.購買フロー

ユーザーの購買フローに当てはめ、各コンテンツの役割を考えてみると、どのようなコンテンツを制作すればよいかイメージが湧きやすくなります。

「情報収集段階」のユーザーをWebサイトへ集客できる

①の「Webサイトへ新規ユーザーを集客する」ためのコンテンツは、購買フローにおける1.情報収集段階のユーザーをWebサイトへ集客する役割を担います。1.情報収集段階のユーザーはニーズが潜在的なユーザーなので、他のマーケティング手法では開拓が難しい層になりますが、コンテンツマーケティングであれば効率的な集客が可能です。

Webサイトへ集客したユーザーを早期にリード化できる

1.情報収集段階のユーザーは購買フローの序盤に位置するため、問合せを獲得(リード化)するまでに時間がかかるのが難点です。しかし、②の「新規リードを獲得する」ためのコンテンツをうまく活用することでリード化することが可能になります。当段階のユーザーは、まだ競合他社と接触する前の場合が多いのが大きなメリットです。

競合他社よりも先んじてリードと商談をすることができる

競合他社と接触する前のリードに対して、③の「保有リードを育成し商談を獲得する」コンテンツを活用し、上手くリードとコミュニケーションを取ることで、他社よりも先んじて商談を行うことができます。リードと早期に関係性を築くことができることは営業的に大きな利点となり、うまくいけば競合他社と接触させないまま顧客化できるケースもあります。

まとめ

コンテンツマーケティングについて、新規ユーザーを獲得して、メールアドレスの登録による新規リードの獲得を行い、リードの育成による商談を獲得するまでのそれぞれの段階に当てはめて、制作するコンテンツの種類と事例を紹介しました。

購買フローに当てはめてコンテンツをうまく活用することができれば、ユーザーが競合他社と接触する前に顧客化できる可能性があります。さまざまな導入事例やお客様の声をコンテンツ化することで、新規ユーザーの課題を先回りして解決できる情報を提供できるようにしていきましょう。

テクノポートでは、リードの獲得から商談につなげるまでの各種コンテンツの作り方やコンテンツ作成の支援を行っています。コンテンツマーケティングの活用を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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リード獲得(リードジェネレーション)の具体的手法

テクノポートの徳山です。前回の記事(製造業のためのデジタルマーケティング)に続き、今回はデジタルマーケティングの進めるための第一段階となるリードの獲得方法(リードジェネレーション)についてです。

※リードという言葉などの意味については前回記事をご覧ください。

リードジェネレーションとは

リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動のことを言います。その方法は大きく分けてオンラインとオフラインとで分けられます。オンラインの場合は、オウンドメディアやソーシャルメディアなどで情報を発信することでユーザへリーチし、メルマガ登録やPDF資料ダウンロードなどでユーザの個人情報を入力してもらうことでリードを獲得します。オフラインの場合は、日々の営業活動やイベント・展示会などで収集した名刺情報をデジタルデータ化することでリードにします。

オンラインでのリードジェネレーション

自社で運営するWebサイトを活用し、新規顧客を獲得している会社は多いと思います。多くの場合は、SEO対策やリスティング広告によりアクセスユーザを増やすことで新規顧客の獲得へ繋げますが、BtoBマーケティングの場合、検索ボリュームが少ないのがネックとなってきます。

また、その中でもすぐに顧客化できるユーザ(今すぐ客)はごく一部です。そのため、中長期的に顧客になる可能性があるユーザ(これから客)をリードとして獲得し、育てていく必要があります。

オンラインでリードジェネレーションを推進する場合、具体的にどのような手法でリードを獲得するか、説明します。

オウンドメディアの運営

オウンドメディアという言葉を聞くと難しそうなイメージがありますが、要はWebサイトの運用によってリードを獲得する活動のことですので、現在運用しているコーポレートサイトでも、新しく設立する特設サイトでも、リードが獲得できればその形態は何でも構いません。

大切なことはサイト内でどのようなコンテンツを掲載するかです。コンテンツ掲載を行う上で重要なポイントは以下の2つとなってきます。

  1. 「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」にも読んでもらえるコンテンツを掲載する。
    上述したようにユーザ数の限られる「今すぐ客」だけでなく「そのうち客」を呼び込めるようなコンテンツを掲載する必要があります(両者の特徴と具体的なキーワード例を図で説明)。
  2. メルマガ登録や資料ダウンロードなどの窓口を準備する。
    いわゆる「問合せフォーム」だけでは、今すぐ客からの問合せしか獲得できません。「そのうち客」から気軽に問合せを獲得できるような窓口(コンタクトフォーム)を別途用意します。そのコンタクトフォームの入力項目は、メールアドレス、会社名、所属、氏名だけに絞るなどして、ユーザの負担を下げる必要があります。

ソーシャルメディアの活用

業種にもよりますが、BtoBマーケティングで活用できるソーシャルメディアは、Facebook、Twitter、Instagramぐらいだと思います。中でも技術系企業のマーケティングであればFacebook一択で良いと思います。BtoCと違い、積極的にユーザが情報を拡散しないので、ユーザの情報拡散に期待するのではなく、Facebook広告を活用するなどしてターゲット属性に対し効率的に情報を届ける方がいいでしょう。

Facebook広告からオウンドメディアに誘導してもいいですが、資料ダウンロードをFacebook上で行えるようにすればそのままリード獲得へつなげることも可能です。

ソーシャルメディアの始め方については下記記事もご参照ください。「製造業におけるfacebookやtwitterの始め方」

メールマーケティングの活用

顧客になりそうな企業のWebサイトのコンタクトフォームへメールを送付し、リードを獲得する方法です。最近営業メールが増えたと感じる方も多いと思いますが、それだけデジタルマーケティングに注力している企業が増えたとも言えるでしょう。余りにもしつこいとブランド損失につながる可能性もありますので、その辺りを気にする方は避けたほうが良いかも知れません。

メールマーケティングでリードを獲得するポイントとしては、売り込みにならないように注意するところです。自社製品・技術のPRと営業の機会を求めるようなメールではなく、貴社に役立つ資料があるのでまずはダウンロードしてみてください、といったユーザのメリットを前面に押し出した内容であれば、リードを獲得できる可能性が高まります。

オフラインでのリードジェネレーション

製造業をはじめとした技術系企業であれば、オフラインでのリード獲得は展示会での名刺獲得が中心になるかと思います。それに加え、自社セミナーやイベントを開催している会社であれば、それらの活動の中で獲得した名刺がリード情報となります。

デジタルマーケティングでは名刺をリード情報としてデジタル管理し効率よく顧客化していくことが必要なので、ここでは名刺情報をデジタル化する方法を中心にお伝えします。

名刺情報をデジタル化する方法(自社でやる場合)

名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。一昔前だと名刺用のスキャナを購入していたと思いますが、今では名刺スキャンアプリを使うのが主流です。スマホさえ持っていれば誰でも名刺をデジタル化することができます。

個人的なお勧めは「Wantedly People」です。理由は3つあり、①OCR処理の精度が高い、②複数の名刺を同時にスキャンできる、③データのエクスポートが無料でできる、からです。あとはエクスポートしたデータをマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。

名刺情報をデジタル化する方法(外注する場合)

名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」ですが、名刺情報のデジタル化といった軽作業であれば、募集してから1日で数十人の応募が来ますので、そこから信頼できそうな方を選べばOKです。

選定基準としては、コストが安いこと、過去の評価(実績)が高いこと、納期が早いかどうか、といった点です。Web上で機密保持契約なども結ぶことができますので、安心して発注することが可能です。あとはワーカーの方にまとめてもらった情報をマーケティングオートメーションにインポートすればOKです。

 

以上、デジタルマーケティングの第一歩である「リードジェネレーション」についてでした。次回は獲得したリードをどう育成していくか(リードナーチャリング)についてです。デジタルマーケティング推進にご興味のある方は気軽にご相談ください。