コンテンツマーケティングの運用におけるポイントを解説

製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。

さまざまな業界でコンテンツマーケティングが注目を集めており、製造業でもコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきました。一方で、すでに取り組んでいる企業、これから取り組みたいと考えている企業の中には、コンテンツマーケティングの運用について、具体的に取り組むべき項目や失敗しないためにはどうすればいいか知りたい人もいるでしょう。

そこでこの記事では、コンテンツマーケティングの運用において、取り組む必要がある内容や注意点について解説します。コンテンツマーケティングの導入を検討している方や運用に困っている方は、参考にしていただけたらと思います。

コンテンツマーケティングの運用

コンテンツマーケティングとは、有益で説得力のあるコンテンツを発信することでターゲットを引き寄せ、知識を深め、考え方を知ってもらい、自社の顧客として獲得するマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングを運用していくためには、以下の項目に取り組む必要があります。それぞれの項目について、具体的な内容や取り組みのポイントを解説します。

  1. 目標(KPO)の設定
  2. 発信するコンテンツの企画
  3. コンテンツの作成、公開、拡散
  4. 効果測定と検証

1.目標(KPI)の設定

コンテンツマーケティングは、取り組み始めてからすぐに契約などの成果に繋がる施策ではないため、目標(KPI)の設定が難しいです。そこで、AIDMAやAISCESなどのフレームワークを用いて、ユーザーの行動段階ごとにKPIの設定をすると効果的です。

AIDMAは、「Attention:認知」「Interest:興味関心」「Desire:欲求」「Memory:記憶」「Action:行動」の頭文字を取ったもので、消費者が商品を知ってから購入するまでのプロセスを示したフレームワークです。

また、AISCEASはインターネット検索を考慮したフレームワークで、「Attention:認知」「Interest:興味・関心」「Search:検索」「Comparison:比較」「Examination:検討」「Action:行動」「Share:共有」の頭文字を取ったものです。

2.発信するコンテンツの企画

KPIの設定ができたら、選定したターゲットとKPIに対して、効果が見込めるコンテンツの企画を行います。コンテンツの企画は一つだけでなく、複数の企画を立案するのが一般的です。

企画段階で失敗してしまうと、コンテンツの作成や作成したコンテンツの拡散に時間と費用をかけてもKPIの達成には繋がりません。自社単独では、コンテンツの企画に関するノウハウがない場合には、外部の専門家に依頼することが効果的です。失敗のリスクを大きく減らせる可能性があります。

3.コンテンツの作成、公開、拡散

発信するコンテンツの企画が完成したら、自社内もしくは外注によりコンテンツの作成を行います。代表的なコンテンツとしては文章、動画、画像、イラストなどが挙げられます。これらを複数組み合わせたコンテンツも効果的です。

検索エンジン最適化(SEO)を考慮したコンテンツの作成を行うことで、自社を知らない見込み顧客にコンテンツを届けられる可能性があります。また、自社のSNSアカウントなどで拡散を行うことで、多くのユーザーにコンテンツを見てもらえるでしょう。

4.効果測定と検証

作成したコンテンツに対する効果測定と検証を行います。あらかじめ設定したKPIに対して、実際の状況がどうなっているのかを定量的に検証することが重要です。

AIDMAやAISCEASの観点でKPIを設定していれば、それぞれのステップごとに検証を行うことで、ボトルネックとなっている箇所やうまくいっている箇所を明確にできます。その結果をもとに、コンテンツの見直しや新たなコンテンツの企画に繋げられます。

コンテンツマーケティング運用時の課題と運用会社

実際にコンテンツマーケティングの運用を始めると、さまざまな課題が生じます。生じた課題を解決するためには、運用会社に相談をするのがおすすめです。

コンテンツマーケティング運用時の課題

コンテンツマーケティング運用における課題として代表的なものに、コンテンツ制作をする際の社内リソーセス不足や効果的な戦略の欠如、予算の制約、効果測定の難しさが挙げられます。

これらの課題はいずれも、外部のコンテンツマーケティング運用会社に協力を依頼することで、解消できる可能性が高くなります。

コンテンツマーケティングの運用会社

コンテンツマーケティングを運用会社と協力して行う場合、運用会社は慎重に選定する必要があります。コンテンツマーケティングを得意とする運用会社の中でも、BtoB向け、海外向け、動画活用などそれぞれ得意分野が異なるからです。

前評判だけで十分な調査をせずに運用会社を決定してしまうと、十分な効果を出せないことがあるため、自社の取り組みたい領域を得意としている運用会社を見つけましょう。

まとめ

コンテンツマーケティングの運用は、KPI設定、コンテンツ企画、コンテンツ作成と拡散、効果測定と検証という流れで進めていきます。それぞれの工程で、重要なポイントを抑えて取り組むことが重要です。

実際にコンテンツマーケティングに取り組むと、社内リソーセス不足や戦略立案、効果測定などに課題が生じることがあります。自社だけでは解決することが難しいため、運用会社など、外部の専門家に相談することをおすすめします。

テクノポートは、製造業向けのコンテンツマーケティングの実績が多数あります。コンテンツマーケティングの運用に関する豊富なノウハウも保有しているため、状況に応じた適切なサポートが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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事業承継後の経営をDXにより切り拓いた製造業の事例

製造業のように老舗企業が多い業界では、高齢化が進みIT化が遅れている中小企業が多くなっています。このような業界でDXを活用することは、インパクトの大きい経営革新につながる可能性を秘めています。

しかし、高齢化した企業ではDX推進を担える人材の採用や育成が難しいため、現実的には後継者に事業承継をする際に、後継者がDX推進を担うのがいいきっかけとなります。実際に、経営者の世代交代が第二創業と呼ばれるような経営革新を可能とし、企業を発展させた事例もあります。

DXを推進するためには、先代の経営者は後継者が若い時期に事業承継をするか、承継前でも後継者に対する権限移譲や従業員からの反発が出ないような環境づくりを進めることが重要です。

この記事では、事業承継後の経営をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって切り拓いた製造業の事例を紹介します。

DXとは?

DXはデジタルトランスフォーメーションの略称ですが、人によって解釈が異なる場合があります。参考までに、経済産業省のDX推進ガイドラインには、以下のように記載されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

多くの場合、このような定義で使われています。

DXが経営を切り拓くアイテムとなる3つの理由

DXが経営を切り拓くアイテムとなる可能性として、以下の3つが理由として考えられます。

1.従来事業からの転換や新たなビジネスの追加

経済産業省が発行している2021年版のものづくり白書では、さまざまな製造業がDXに取り組んでいることが紹介されています。DXを活用することで、従来から取り組んでいた事業を転換したり、新たなビジネスモデルを追加したりできる可能性があります。

従来から行っている製品の製造だけでなく、そこで収集・蓄積したデータ自体を販売したり、データを用いた新たなサービスを生み出したりできるでしょう。

2.業務効率化・生産性向上

自社工場内の設備やセンサーをネットワークに接続することで、さまざまな情報を得ることができます。このデータを活用することで、不良に気づくまでの時間を削減したり、設備同士を連動させたりすることができ、従業員の負荷軽減や生産性の向上につながるでしょう。

これらの取り組みによって従業員のワークライフバランスが向上すれば、モチベーション向上により自発的なスキルアップにつながることも期待できます。

3.ノウハウ蓄積・教育

製造業では、若い職人への技術・技能伝承が課題の一つとして挙げられます。DXを活用すれば、熟練した職人のノウハウや技術を、センサーを活用することでデータ化し、蓄積できます。

また、web会議システムなどを用いることで、技術の伝承が難しい遠隔地であってもノウハウを伝える機会を作ることができ、若い職人の能力向上が期待できるでしょう。

他にも、ディープラーニングなどのAIを導入することで、数値化・説明が難しかった加工条件を明確にし、再現性を高めたり、よりよい条件を発見したりできる可能性が考えられます。

DXにより経営を切り拓いた製造業とBtoBの事例

ここでは、DXにより経営を切り拓いた製造業とBtoBビジネスを行っている企業を3社紹介します。

旭鉄工株式会社

旭鉄工株式会社は、大手自動車メーカー向けの部品を製造する自動車部品サプライヤーです。

2016年に代表取締役社長に就任した木村社長は、ドイツや国内の中小企業視察を通し、国内では中小企業向けのIoTツールが不足していることに気づきました。

そこで、まずは自社向けに設備投資や人件費、工場スペースの拡張を抑制するためのシンプルな構成のIoTツールを開発しました。これを他社にも提供するために「i Smart Technologies」を新たに立ち上げています。

現在は自動車部品に加えて、他社向けにIoTツールの提供も続けています。

株式会社木幡計器製作所

木幡計器製作所は、圧力計の製作や販売を行う企業として1909年に創業された計測・制御機器の老舗メーカーです。

2013年に現在の社長である木幡巌氏が代表取締役社長に就任しました。当時は主力業界である圧力計市場全体が縮小傾向であったため、社内で募集した意見から、新たな取り組みとしてIoT圧力計を開発に取り組みます。

2017年には「先進的IoTプログラム支援事業」の支援を得て、後付けIoTセンサ・無線通信ユニットを開発。現在では、IoTに関する技術をいかして新たに医療機器事業にも進出しています。

株式会社大都

株式会社大都は1937年創業の総合商社でしたが、実質代表を務めるようになった山田岳人代表取締役社長(2011年~)によって、DIY市場のeコマースを主なビジネスとしています。

eコマースの導入拡大によって煩雑になったFAXなどの業務も、自社開発のツールを取引先にも導入してもらうことで、大幅な効率化を実現し、従業員の満足度を向上しました。

現在では、eコマース市場をより活性化させるために、DIY版のクックパッドのようなアプリを開発しています。DIYで何かを作りたいと考えた場合に、経験がなくてもアプリを参考にすれば作れるようにすることで、eコマースでの売り上げ拡大に貢献しています。

まとめ

中小製造業を取り巻く状況は年々厳しさを増しており、事業承継を考えるタイミングで会社をたたむ選択をする経営者も少なくありません。

しかし、事業承継のタイミングは「第二創業」とも呼ばれるような経営革新を起こす貴重な機会でもあります。経営革新を実現するアイテムとして、DXへの取り組みは重要な選択肢であり、実際にさまざまな企業がDXにより経営を切り拓いています。

さまざまな会社の事例を参考にし、自社の状況を改善する際にDXが使えないか、検討してみるといいでしょう。