カーボンニュートラルと中小製造業

テクノポートの小林です。今回は、最近耳にすることが非常に多くなったカーボンニュートラルについて、中小製造業としてどうとらえるべきか、個人的な見解を含め紹介します。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルは、炭素中立とも呼ばれ、環境と気候への影響を最小限に抑える目的で、炭素排出量と炭素吸収量を均衡させることを意味します。具体的には、ある組織や個人が生み出す炭素排出量(二酸化炭素や他の温室効果ガスの排出)を減少させ、同時に炭素吸収活動(例:森林の植林や二酸化炭素の吸収に貢献するプロジェクト)を通じて排出量を相殺し、最終的にプラスマイナスゼロの炭素排出状態にすることを指します。カーボンニュートラルを達成することは、気候変動への対処と持続可能な未来への貢献になるとして重要視されています。

カーボンニュートラル

引用元:環境省:脱炭素ポータル https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

よく耳にする言葉としてSDGsがありますが、カーボンニュートラルの概念と取り組みは、SDGsの一部としても位置づけられています。なぜならSDGsの達成には、環境への負荷を減少させ、気候変動を抑制する必要があるためです。

カーボンニュートラルを目指す背景と経緯

気候変動への懸念

20世紀から21世紀にかけて、科学的な研究が進み、地球温暖化と気候変動が深刻な問題であることが明らかになりました。温室効果ガスの排出(特に二酸化炭素)が増加し、気温上昇、極端な気象、海面上昇、生態系への影響などが顕著になりました。これらの現象は、環境、社会、経済への脅威として広く認識され、カーボンニュートラルを目指す必要性が強調されました。

国際的な合意 パリ協定

2015年に国際連合で採択されたパリ協定は、気候変動に対処するための国際的な合意であり、温室効果ガスの排出削減に関する具体的な目標を設定しました。多くの国が、自国の温室効果ガス排出を削減し、最終的にはカーボンニュートラルを達成することに合意しました。この実現に向けて、世界が取り組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げているところです。

日本政府としての目標設定

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

各企業の流れ

これを受け、企業としても単に利益を追求するだけでなく、持続可能性を考慮し、社会的な責任を果たすことが重要という認識を強く持ち、積極的に取り組む企業が増えています。この方針は「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility, CSR)」や「持続可能な経営(Sustainable Business)」などとして知られています。

この流れは大手企業を中心に進行しており、サプライチェーンの中に組み込まれている中小製造業にも協力要請が徐々に出始めています。

グリーン調達とは

グリーン調達とは、企業などが原材料や部品、資材、サービスなどをサプライヤから調達する際に環境負荷の小さいものを優先的に選ぶ取り組みのことです。このような環境に配慮した調達に積極的に取り組むことで、環境負荷を抑えた製品開発を促すことができ、環境問題の改善につながります。

サプライヤーにとってのグリーン調達

グリーン調達を行うことで、納入先企業の事業戦略や、環境に関する要求に沿った対応が可能になります。そのため、納入先企業から信頼を獲得し、安定的・長期的な事業機会の獲得やリスク回避につなげることができるため、必要な取り組みであるといえます。

さてここで、環境負荷の小さいものとはどのような評価をするのでしょうか?

  • 環境に配慮した原材料
  • リサイクル材
  • 環境負荷の低い生産方法
  • 廃棄物の少ない製法 など

素材の製造工程や、部品加工時の温室効果ガス排出の少ないもの、エネルギー効率の高い製造方法などが考えられます。素材に関する排出量は数値化できるかもしれませんが、部品加工時の数値を想定することは、中小製造業には今まで経験がないことです。サプライヤー企業として、カーボンニュートラルに寄与するためには、現状使っているカーボンの排出量を正しく計算することが必要になります。それができなければ、排出量削減やエネルギー効率向上などの目標を立てることができません。そこで、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必須となるわけです。

DXによる現状把握と課題

DXを通じて、企業は現状を把握し、持続可能な戦略の策定と実行に向けて重要な情報を収集し、効率化を実現できます。しかし、そのためにはデータの正確性や信頼制、データ収集のコスト、第三者による透明性と認証などさまざまな問題が存在します。どの範囲をどの程度まで計測すればよいのか、手探りな企業も多いのが現状です。

このテーマを中小製造業としてどうとらえるのか?

このテーマには取り組むことのメリット・デメリットがあり、「今すぐ始めたほうがよい」と断言することはできません。ここではまず、取り組まないことのリスクについて説明します。

今後取り組まないことによるリスク

顧客ロスのリスク:

顧客やパートナー企業は、環境への貢献を重視し、持続可能な企業との取引を優先する傾向が強くなり、サプライチェーンの選定から外れる可能性が出てきます。

競争力の低下:

環境に配慮の低い製品やサービスを提供する企業は、ユーザーからの信頼を失うリスクがあります。環境に対する配慮を欠いた企業は、競争力の低下やブランド価値の減少につながる可能性があります。

エネルギーコストの増加:

カーボン排出を減少させない企業は、エネルギーコストが増加する可能性があります。多くの国や地域が化石燃料に対する税金や規制を導入しており、高炭素のプロセスは高コストにつながります。

人材採用と維持の困難:

カーボンニュートラルを目指さない企業は、環境に配慮のある若い世代の従業員を引き寄せるのが難しくなる恐れがあります。また、既存の従業員が環境に配慮の低いビジネスモデルに不満を抱く可能性も考えられます。

資金調達が難しくなる:

脱炭素化への取り組みを評価基準として重視する金融機関で、低金利融資や特別な融資メニューなどの優遇が受けられない可能性が出てきます。

上記の内容を裏返したものが主なチャンスと言え、取り組むメリットとなります。

先駆けて取り組むことで、企業の行動の指標となりやすく、ノウハウも蓄積できます。中小製造業の方が、大手に比べ取り組む領域が少ないため、スモールスタートができる環境です。その取り組みで蓄積したノウハウをもとに、カーボンニュートラルを企業に導入するための支援サービスなど、新たなビジネスを生み出せるかもしれません。プレス加工業の会社で先駆けて自社のIoTに取り組んだことでノウハウを蓄積し、新事業としてIoTの導入支援サービスを立ち上げた会社もあります。

取り組むデメリット

短期的な観点で見れば、利益を生み出す取り組みではないことが一番のデメリットと言えます。もちろんDXによる見える化やエネルギーコストの削減などで原価低減には寄与できるかもしれませんが、初期段階ではコストが先行します。また、その具体的な進め方も企業によって事情は異なり、明確な手法として確立できているとは言えません。

取り組んだほうがよいのはわかるけれども、「どうすればよいかわからない」もしくは「コストがかかるので明確な要望があるまでは待機」と考える企業は多いと思います。ただ、SDGsよりもより具体的な数値で示されるカーボンニュートラルの取り組みは、製造業にとって必須となる可能性が高いように見えます。この問題に関する準備を少しずつでも進め、リスクを回避し、チャンスとして取り込める組織が求められているのではないでしょうか?

カーボンニュートラルの取り組みを行う中小企業の事例

最後に実際にカーボンニュートラルに取り組む板金企業の事例を紹介します。カーボンニュートラルを一つのチャンスをとらえ実践している企業さまですので、ご参考になれば幸いです。

カーボンニュートラルに取り組む中小製造業参照:https://www.sheetmetal.amada.co.jp/column/challenge/sheetmetal08/

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BtoB自社製品開発:事例研究(板金屋さんが作ったバリ取り機)

テクノポートの小林です。先日、弊社企画のセミナーにて、BtoB自社製品事業を立ち上げ、大きな成果を上げている株式会社エステーリンクの齋藤社長にお話を伺いました。お話の内容をもとに、新規事業成功の秘訣はどこにあるのか、分析と考察を紹介します。

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【オンラインセミナー】成功の秘訣は現場にあり!自社製品開発に成功した板金屋が語る裏話

事業紹介

株式会社エステーリンクは、新潟県燕三条にて板金加工及び集塵機の製造を行う会社です。17年ほど前にバリ取り機械「メタルエステ」を開発し、累計台数1600台を販売、現在では会社売上の半分を占めるまでに新規事業として成長させています。同事業を戦略的な視点で成功の要因がどこにあるのかを分析しました。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の事業の状況等を、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの項目で整理して、分析する一般的な手法です。

事例分析:SWOT分析

強み

  • 地元地域の強みとなる磨き技術
    スプーンやナイフを磨くような燕三条の磨き屋さんの意見をいただき、研磨効率を高めるための技術を取り入れる。
  • 集塵機で培った集塵技術
    バリ取りには集塵技術も重要で、部屋の中の空気を操る技術を、装置内の空気を操る技術につなげる。
  • フットワークの軽さとコミュニケーション能力
    話があれば全国どこでも飛んでいくフットワークの軽さとコミュニケーション能力
  • 改良のアドバイスをくれる既存顧客の存在
    同業者のネットワークから生まれる顧客と課題を共有し、共に製品開発・改良を続けるファンづくり。
  • バリ取りの課題を熟知している
    板金加工で困るバリ取り工程の課題は、自分たちの抱える課題でもあり、顧客の困っていることは言われずともわかっている。

弱み

  • 営業経験ゼロ
  • 装置を作る制御系の知識ゼロ
  • バリ取り装置メーカーとしての知名度ゼロ
    営業マンはおらず、営業経験もない、自分一人しかいない、設計のノウハウもなく、当然、メーカーとしての知名度もない状態。

機会

  • 自動化の流れ(製造業の人手不足)
    人の手から離れ自動化をさせる流れが増えてきているが、バリ取り工程に関してはまだそこまで普及していない。

脅威

  • 代替品としてのロボットメーカーの参入
    (開発当初の時期ではそこまで脅威とはなっていない)

クロスSWOT分析

事例分析:クロスSWOT分析

クロスSWOT分析は、SWOT分析で利用した4つの項目をそれぞれ掛け合わせることで、選択すべき戦略を明確にしていくことができる手法です。

非常に効果的な事業の仕組みができているように思えますが、この分析は現在の結果に対する分析のため、時系列が抜けています。最初から戦略的にすべてを組んだ上で事業を進めたのではなく、試行錯誤の中で少しずつ戦略を組み立てていったそうです。

提供価値と主な競争優位性については、以下のように想定できます。

提供価値

バリ取り装置によるバリ取り工程の自動化で省力化&コスト低減を実現
(金銭的なメリットもあるが、作業者の「バリ取りは大変」という作業者の負担を軽減もできる)(経営者にも現場作業者にも欲しいと思われる製品)

主な競争優位性

  1. 顧客以上にバリ取りの現場を熟知していること(確固たる自信)
  2. 大手の狙わない市場規模
  3. 地域の技術(燕三条の磨きの技術)を結集した独自の磨きノウハウを構築
  4. 自社の集塵技術をバリ取りに生かす

成功要因の考察

①自分が絶対欲しいと思えるものを作ったこと

一般消費者向けとは異なり、非常に限られた市場で勝負したこと。また、その中で本当に欲しい製品開発を行ったことが成功の秘訣だと考えます。同じ現場にいるユーザーからの賛同を得やすくなり、販売につながります。「そうそう、こういう製品があると助かるよね」という、その装置を導入することで「儲かる」より「助かる」製品開発が成功のヒントかもしれません。

また、齋藤社長のおっしゃっていた「我々はバリ取り現場でのかゆいところがわかる」という表現は、うまく言語化できないけど何となく困っている潜在的なニーズを解き明かし、解決する手段を製品に反映させているのだと感じました。そこまでわかるのは本業の板金事業があるからこそで、板金事業も続けていくとおっしゃっていました。

②必ず成し遂げるという熱意と行動力

熱意と行動力で、顧客を開拓し、協力してくれる仲間を増やし、周りを巻き込む

前述の通り、最初から戦略を立てて製品化をしたかというと、そうではなかったそうです。自社で困っているバリ取り工程を何とかしたい、そのため、売るための機械ではなく、「自社の困った」を解決するために開発した機械だったそうです。

ただ、同業者との話の中から、うちにも欲しいという声が何件か出てくる中で、「これはビジネスになるのでは?」というきっかけから製品化に踏み切ったそうです。

SWOT分析の「弱み」部分に記載しているように、何もノウハウがない状態からスタートした事業で、熱意と気合いでカバーしてきた面も多いとおっしゃっています。事業を走らせながら製品に改良を加え、知識やノウハウを吸収、仲間を増やし、成長させていったと言えます。

③自社の事業に合った展示会への出展

チャンスを逃さない、なんとしても事業を成功させるという覚悟

雑多な展示会に出展するのではなく、顧客が多く存在する展示会への出展が大きなターニングポイントになったとおっしゃっていました。同社の場合は、MF-TOKYO(プレス・板金・フォーミング・自動化・周辺機器)の国際展示会が製品が売れ始める大きなきっかけになったそうです。大きな展示会の出展にはそれなりの費用もかかるため、社長に直談判し、費用を捻出し取り組んだそうです。そのため、出展することで何かしらの成果を上げなければならない挑戦でした。
結果として、数多くの見込み顧客を獲得し、展示会終了後にはすぐに獲得した名刺のほとんどの会社に連絡をとり、訪問のアポを取り、全国どこでも訪問したそうです。

事業を成功させるためには、チャンスを生み出すきっかけと、事業を成功させるという覚悟が必要だと感じました。事業を成功させる自信があるかどうかよりも、「なんとしても成功させてやる」という覚悟と行動がチャンスをつかむのだと考えられます。

アナログな営業がすべてではなく、現在ではアナログとデジタルの両方を駆使し、さまざまな手法で非常に効率的なマーケティング手法を確立しています。

BtoBでの自社製品開発事業の事例分析を紹介しました。自社製品開発というと、一般消費者向けが多いですが、いま働いている現場にこそ、新しい事業の種が眠っているかも知れません。皆さんの新規事業開発の参考にしていただけましたら幸いです。

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ものづくり企業の成長戦略をバリューチェーンから考える

テクノポートの小林です。自社の成長戦略を考えるサプライヤー企業に向けて、バリューチェーン分析の価値を紹介します。

バリューチェーン分析の意義

バリューチェーンは、企業が商品やサービスを創造、開発、製造、販売する過程全体を、一連の活動としてとらえる枠組みです。このアプローチにより、企業は競争力を維持するために内部活動を最適化し、付加価値を創出する方法を理解できます。典型的な目標は、自社の各活動ごとのコストを明確にし、コスト削減戦略に活かすこと。もう一つの目標は、自社の強みと弱みを把握し、差別化戦略に結びつけることです。今回のアプローチは、これまでの手法とは異なります。顧客のバリューチェーンを分析することで、サプライヤー企業としてどのような価値提供が可能かを検討し、自社の成長戦略に組み込む手段です。

3つのアプローチでバリューチェーンを分析し、成長戦略を練る

①川上と川下を広げて提供価値を高める

バリューチェーンの上流や下流に進出し、提供価値を向上させる方法考えられます。

樹脂加工バリューチェーン

射出成形の会社の場合

試作段階からの案件獲得を目指す 量産段階で案件を獲得する場合、仕様変更や量産におけるコスト競争に巻き込まれることがあります。そのため、試作段階から案件を獲得することができれば、仕様の変更や量産へのスムーズな移行、顧客との信頼構築が可能です。また、価格競争にも立ち向かいやすい状態になります。試作系業者との連携を強化するか、試作に関連する設備の内製化に注力することで、この戦略を実行することができます。

試作加工業者の場合

製品の開発をトータルサポート 逆に、試作加工業者は量産を受けていない場合があります。この場合、試作段階で問題なく製品ができても、量産時に形状の不一致が発生することがあります。そのため、製品の開発をトータルでサポートし、付加価値を提供します。量産会社と提携し、試作から量産までのサポートを提供する戦略です。

②選択肢を広げる

現在、自社で行っている加工方法は何かの製品を作る際の手法の一つのはずです。ユーザーが必要な製品に対し、自社の加工方法が適切でない場合もあります。最適な手法を提案してこそ新しい価値提供が生まれるという考えのもと加工の選択肢を増やす戦略です。もちろん自社だけでは不足するものは協力工場のネットワーク構築が必要不可欠です。

樹脂試作切削業者の場合

多様な加工方法を提案 顧客が試作品を作成する場合、樹脂の切削は1つの手法ですが、他にも加工方法が存在します。ユーザーが適切な方法を選ぶ際、最適な加工方法が何かを検討します。そのため、自社での切削以外の加工方法にも知識を広げ、光造形や真空注型などさまざまな加工方法から最適な提案を行うことで、提供価値を高めることができます。ターゲットを製品開発者に設定した場合、自社の提供価値を「最高の切削加工品を提供することを突き詰める」だと、内部資源だけで決めてしまっては、顧客が本当に欲しいものが提供できない場合があります。

③ターゲットを変える

アプローチを切り替えてみましょう。まず、自社のターゲットを変更する方法です。バリューチェーンの中で自社の位置を見直し、顧客のニーズに合わせて適切な戦略を模索します。

材料問屋の場合

従来
材料問屋バリューチェーン
新規材料問屋バリューチェーン

顧客の対象を変える:加工業者→メーカー 通常、材料問屋は加工業者に材料を提供します。しかしこのアプローチでは付加価値の向上が難しく、価格競争に巻き込まれる可能性が高いです。そこで、加工業者が協力するメーカーにアプローチをかけ、材料販売に加えて加工の受託案件を獲得することで、加工業者と連携して付加価値を提供する流れを築くことができます。こうすることで、加工業者は自社の材料を購入し、同時に仕事を獲得するメリットが得られるようになります。ターゲットの変更により、他の材料問屋との差別化を図り、顧客に価値を届ける手法といえるでしょう。

プレス金型業者の場合

従来プレス金型バリューチェーン
新規プレス金型バリューチェーン

顧客の対象を変える:プレス加工業者→メーカー 売り型の金型業者にはプレス加工業者からの依頼が中心です。しかし、プレス加工業者が案件を持ってこない限り、新しい案件が得られません。そのため、メーカーに対して自社の金型でどのような製品を作れるかをPRすることで、メーカーから直接案件を獲得し、プレス加工業者に発注する流れを構築することで商機を広げることができます。この方法は一般的なビジネス拡大の方法とも言えます。

冷間鍛造の2次加工業者の場合

従来
鍛造業者バリューチェーン
新戦略鍛造業者バリューチェーン

顧客の対象を変える:鍛造業者→メーカー 前述した金型業者と同様に、発注元の鍛造業者に依存している状態です。メーカーが求める製品に焦点を当て、ネジやナットに特化したPRを行うことで、製品の上流工程での案件を獲得する戦略です。既存の事業ドメインでは難しいかもしれませんが、協力企業との協力で実現可能です。このケースでは、鍛造品の提供以上に、適切なネジやナットを試作段階から量産段階まで調整する価値があります。鍛造業者は自社の技術に固執することがあるため、他の加工手法を提案することが難しいことも考えられます。そのため、最適な加工手法を提案できることは大きな価値となります。

以上のように、自社の位置を明確にし、戦略の展開に有益な手法を検討することで、新たな価値を創出する可能性が広がります。ご参考にしていただければ幸いです。

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中小企業のWebマーケティングがなかなか進まない理由

テクノポートの小林です。近年、コロナ禍以降はとくに、中小製造業の中にもWebマーケティングを導入する企業が増えてきています。

中小企業の経営者の後継者や営業担当者がWebマーケティングの有用性を感じ「うちの会社にも導入したい!」と思っても、社内からの理解が得られず導入を進められないケースも多く見受けられます。今回は、Webマーケティングの遂行を妨げる要因と、それを乗り越えるための対処法について紹介します。

Webマーケティングの遂行を妨げる要因

中小企業のWebマーケティングを遂行を妨げる要因はなんでしょうか?その要因をしっかり理解することができれば、対策の糸口は見つかるはずです。

デジタルマーケティングへの理解の不足

中小企業の経営者層がデジタルマーケティングに関する知識や理解を持っていない場合、Webマーケティングを効果的に活用することは難しいです。「よくわからないものは取り入れない」、「業界で話題になっていたとしても、うちは独自にやっている」という考えを持っているのかもしれません。

伝統的なマーケティングへの執着

一部の中小企業は、伝統的なマーケティング手法に依存していることがあります。昔ながらの足を使った営業活動に固執し、新しいデジタルマーケティングの重要性に気づいてないのです。もちろん対面での営業も重要な営業手法ですが、他の可能性を否定してしまうことはもったいないことです。

また、「うちの業界は特殊だから」という理由で可能性にフタをしてしまう会社も多く存在します。

予算の制約

中小企業は、大企業に比べてマーケティング予算が限られています。Webマーケティングには広告費や専門的な支援を必要とする場合があり、予算の制約が進展を妨げる要因となることがあります。今まで営業をせずとも仕事を受注できていたため、営業に費用をかけることに消極的な傾向があります。また、見えないWebに関して費用をかけるのにはさらに消極的になる場合があります。「展示会には費用をかけて積極的に出展しているけれど、Webはぜんぜん」というケースも少なくありません。

リソース不足(運用体制)評価体制に問題

Webマーケティングは継続的な取り組みを必要とします。中小企業は従業員数や業務量が限られていることが多く、Webマーケティングに必要なリソースや時間を割く余裕がない場合があります。専属の人間を置くことはできず、どうしても片手間になりがちです。

評価体制に問題

実施者の人事評価も重要な問題です。せっかく成果を出しても実行者への適切な評価が得られず、モチベーションの低下、予算削減などにより思うように進まなくなることがあります。

成果測定の不足

効果測定は、実施したマーケティング活動の成果や効果を測定し、改善策を立てるために重要な要素です。やったことに対する成果を見える化させる仕組みがなければ、社内での評価や賛同を得ることができません。

Webマーケティングを遂行するための4つのポイント

上記の要因を踏まえた上で、遂行するためのポイントを紹介します。

経営者層にWebマーケティングの重要性の理解をいかに得るか?

何よりも大事なことは、ユーザーがどのように新規の会社を探しているかを経営者層に理解してもらうことです。ユーザーの行動心理を理解し、その上で自社がどうあるべきかを考えることで、自然とWebの重要性が理解してもらえるはずです。

そのためには、やはり数字や生の声を利用し、根拠に基づいた説明が効果的です。担当者の気持ちや意見ではなく、客観的な意見と根拠で説明します。例えば下記のようなアンケート調査を利用すると効果的です。

新規開拓

引用元:イントリックス株式会社

情報収集段階の手段として、Webを使うユーザーが圧倒的に多いことが証明されています。

ユーザーの行動心理に合わせ、自然と自社を認知してもらい引き合いを呼び込むことは、ユーザーにストレスを感じさせないユーザーファーストな営業と言えます。

Webマーケティングの効果的な実行手段の構築

重要性を理解してもらったところで次は、「じゃあどうやってやるの?」が経営者層の興味内容です。効果的な手段が提示できなければ、せっかく有用性を理解してもらえても賛同が得られません。

限られた予算の中で、いかに高い効果をあげられるかが課題となります。まずテコ入れすべきはWebサイトです。WebサイトはWebマーケティングの中核です。ユーザーフレンドリーなデザイン、SEO対策、モバイル対応など、Webサイトの最適化を行い、集客力の高いサイト構築が必要となります。

Webマーケティングに知見のある人材が社内にいるケースは少ないため、信頼できるWebマーケティング会社と一緒に進めることをおすすめします。事例などを踏まえて効果が期待できるようなイメージをいかに持たせるかが重要です。

実施効果の見える化:Webマーケティングの運用、評価体制の構築

実施効果をどうやって計測するかが次に知りたいポイントです。やりっぱなしが一番の問題です。以下のポイントを考慮して、適切な運用・評価体制を構築しましょう。

①データ収集と分析:

Web解析ツールやデータ収集手段を活用し、マーケティング活動の成果を定量的に評価します。Webサイトのトラフィック、コンバージョン率、離脱率などの指標を分析し、課題や改善点を洞察します。

②目標とKPIの設定:

マーケティングの目標を明確に設定し、それに基づいたキーパフォーマンスインディケーター(KPI)を定めます。KPIは成果を評価する指標であり、マーケティング活動の進捗状況を把握するための基準となります。

③定期的な評価と改善:

マーケティング活動の評価を定期的に行い、データに基づいた改善策を立てます。効果のある施策を継続し、効果の低い施策を見直すことで、効率的なマーケティング活動を実現します。

④成果の評価だけでなく、実行者への評価や運用体制について:

組織としてWebマーケティングをどう運用するかを議論しておくことも重要です。誰がどのように管理し、時間をどれぐらい費やすべきか、また、その成果に対して仕事としてどのように評価すべきかまでを考えておかなければ、「頑張って成果が出たのに、人事評価とは関係なかった」となると、社員のモチベーションの低下にもつながります。

④だけは担当者としての業務遂行のしやすさや立場を守るためにも重要です。会社組織全体としてWebマーケティングに取り組むことの理解を得ましょう。

Webマーケティング遂行にかかる費用に対しての理解

最後はかかる費用に対しての合意です。費用に関しての捉え方は会社によってまちまちのため、Webマーケティングに関する費用を安いと捉える会社もあれば、高いと捉える会社もあります。一般的な説明の道筋は下記の通りです。

  1. 新規開拓の重要性の理解
  2. そのために何をするか?新規開拓の手法の提示
  3. その中でWebがコストパフォーマンスに優れている点

ただ、それだけだと初めてWebマーケティングに取り組む方の腰は重いかもしれません。価値をどうやって理解してもらうかの話ですので、たとえ話をしてみるのもよいでしょう。

例えば、この業界は単発の新規取引ばかりでは手間ばかりで利益が出ない業態の会社が多いです。そのため、単発取引をいくつか受ける中で、1年間に1社でも継続取引ができる顧客がもしできるとすれば、どれぐらいの費用をかける価値がありますか?

会社や組織を巻き込むためには、論理的な話だけでなく、可能性や期待、ワクワク、情熱も最終的には必要になります。

Webマーケティングの遂行を妨げる要因と、それを乗り越えるための対処法について紹介しました。参考にしていただけましたら幸いです。

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中小製造業における新規営業の難しさを考える

テクノポートの小林です。今回は中小製造業の新規営業の難しさについて、業界の構造、技術営業の特徴を踏まえ紹介します。現状を理解することで、自社が行うべき施策の参考になれば幸いです。

中小製造業の新規開拓の必要性について

いまさら説明の必要性はないかもしれませんが、中小規模の製造業の新規開拓の必要性について、念のため説明します。

原価低減協力による利益率低下のリスク軽減

既存顧客との取引においては、原価低減協力により、利益率が低下することがあります。新規顧客の獲得により、顧客数を増やしてリスクを分散することで、原価低減協力のリスクを軽減できます。

現場の思考力向上

決まった仕事を続けると作業化してしまい、現場の思考力が低下することがあります。新しい顧客からの依頼に対応することで、現場のスキル向上や知識の習得が促進されます。また、新しいプロジェクトに取り組むことで、現場のアイデアや創造性の向上が期待できます。

仕事の波の緩和

製造業は仕事の波が激しく、需要の変動に対応する必要があります。新しい顧客を獲得することで、需要の変動リスクを軽減し、収益を安定化させることができます。

イノベーションの創出

新しい市場には、既存のビジネスモデルでは対応できないニーズが存在するため、より効率的かつ柔軟性のあるビジネスモデルが求められます。新規顧客との取引を通じて、新しいビジネスモデルのアイデアを得ることができ、それがイノベーションの創出につながります。

中小製造業の技術営業の難しさ

顧客:下請け構造による問題

顧客との関係性で受託加工という性質上の問題が考えられます。

①立場上、足元を見られやすい

案件を獲得しようとこちらからアプローチをかけても、そもそもメーカー側ではすでに頼んでいる加工業者が存在します。切り替えにはリスクが伴うため、何かしらのメリットでもない限り、新たな加工業者に依頼することはありません。そのため「大幅に安くなるなら考えるよ」程度で終わってしまいやすい現状があります。

②発注のタイミングが捉えづらい

既存業者で加工不可、キャパオーバー、不具合が起こった場合など、新規の加工業者を探すタイミングがイレギュラーで発生します。そのタイミングは密な連絡をとっていない限り、外部から知ることはできません。そのため、付き合いのない会社がそのタイミングを知ることはハードルが非常に高いと言えるでしょう。

③口コミ紹介で広がりづらい

すごく良いサービスを受けたり、良い製品を購入したりした際に、人は誰かに伝えたくなります。特に個人ではその性質が強いと言えます。しかし、ものづくりの業界では、「できれば自社の仕事を優先的に受けてもらいたい」という考えがあります。なぜなら設備的なキャパの限界があり、他の仕事を受けて、自社の仕事を受けてもらえなくなる恐れがあるためです。そのため、一般的な口コミ紹介は広がりにくく、大企業では同じ会社の他部署でさえ情報が共有されていないこともあります。

競合:技術の特性的な問題

自社製品販売と比べ技術は伝えづらい

製品というものは、なにかしらの用途で利用するために設計されています。そのため、利用上のメリット・デメリット、価格など説明する内容を顧客の利用シーンに合わせ提案できます。一方で、技術は用途が限定されず、同じ案件というものはほとんど存在せず、図面ごと、数量、納期によって提供できる価格が異なります。そのため、顧客が求めるものを探りながら、それに合わせたメリットの提供・提案をする必要があります。

他社技術との差別化がしづらい

加工業者の保有する設備は自社オリジナル加工機というものはほとんどなく、汎用性の高い工作機械を使って加工を行っています。そのため、保有する設備は最新式のもの、海外製のハイスペックマシンなどの特徴の機械はあるものの、ほとんど同じような加工機で多くの会社が競い合っています。

また、使い方も、工具や治具、加工条件などにノウハウはあるものの、ユーザーに競争優位性を説明できるような数字で提示することは非常に難しいと言えます。

自社:自社の保有するリソースの問題

技術知識と営業スキルを兼ね備えた営業人材が少ない

欲を言うなら、やはり工場の経験を積んだ営業人材が欲しいところです。単なる御用聞きではなく、図面を理解した上での提案や、やり取りがスムーズになるためです。ただ、そのような人材を新たに雇うことは非常にハードルが高く、社内で工場から営業へ転属させても、営業の向き不向きの問題もあります。

自社の保有する設備以上の案件は受けられない

どんなに良い案件があっても、自社の稼働が目いっぱいでは仕事を受けることはできません。需要があればあるだけ作れば良いというような製品販売側とは違った稼働力という制限があります。

もちろん協力工場との連携でカバーする手段もありますが、協力工場との良好な関係作り、協力工場の稼働状況なども把握する必要があります。

営業と工場とのコミュニケーションに障害が起きやすい

営業側が頑張って案件を獲得しても、工場側では稼働力の問題や、新しい案件への抵抗などから非協力的というケースはありがちなお話です。営業側と工場側の密な協力体制が案件受注率のアップには必要となります。

大手と比べ人手と費用に限りがある

こちらは言わずもがなです。

上記を理解した上で考える営業の成功要因

まず最初に取り組まなければならない課題は、下記の2つにあると考えます。

  • 相手のタイミングをいかに効率よくつかむか
  • 技術を必要とするユーザーにいかに自社を認知させるか

理由として、まずは案件がなければできるかどうか、どのようなメリットが出せるかなど、具体的な検討をすることができないからです。案件を獲得するには営業が必要というお話もありますが、今の時代はWebでも案件の相談を呼び込むことができます。

下記はWebを活用した情報収集から企業選定をしているアンケート事例です。Webを活用した情報収集は、製造業でも例外ではありません。

新規開拓出典:イントリックス社 製品選定時にWebサイトを利用する人が営業・展示会を超えて多数

また、Web活用が受託加工業と相性が良い点があります。主には下記の3点です。

①ユーザーの発注形態に合っている(発注側のタイミングをつかむことができる)

②相手から具体的な相談が来る(立場上の問題を解決)

③低コストで人のリソースに左右されず常に営業(PR)できる

中小製造業の営業活動の難しさについて紹介しました。自社の置かれている状況を理解した上で、自社なりの施策が立てられるよう参考にしていただければ幸いです。

弊社では製造業専門にWebを活用した新規開拓支援をしております。新規開拓についてお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

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数百社の新規取引先開拓に成功。得意領域を見出し訴求力アップ【荒川技研株式会社】

試作加工を主とした樹脂切削業、荒川技研株式会社の事例を紹介します。

会社情報

会社名 荒川技研株式会社
担当者名 代表取締役 荒川 昇士様
事業内容 プラスチック加工
サイトURL https://a-giken.co.jp/
導入サービス Webサイト制作、Webコンサルティング

出典:荒川技研株式会社

抱えていた課題

20年前とかなり早い段階からWebサイトを作ってPRされていましたが、期待するようなお問い合わせはありませんでした。地元のHP屋さんに頼んでいたため、お問い合わせを増やすための提案というのは特になく、Webサイトがただ存在する状態でした。

以前はお得意様に大きなメーカーもあり危機感はなかったそうなのですが、車はEVになり燃料系がなくなり、アミューズメントも衰退の兆しがあるなど、将来のリスクが予想できたため、本腰を入れて営業をしようと考えていたそうです。営業をするためにWebサイトの重要性はわかっていたものの、どうすればいいかわからない状態でした。

実施施策

荒川技研株式会社は、切削・真空注型・光造形と樹脂に関して、外注も含め幅広い加工対応ができる会社です。「樹脂加工なら試作から量産までなんでもできること」が自社の強みである反面、得意領域が見えづらくなっていることがわかりました。そのため、まずはターゲットとする領域を絞り、自社の立ち位置を確立させることが必要と考えました。

樹脂試作にターゲットを絞り「プラスチック試作の専門工場」というキャッチフレーズで訴求することを決めました。試作を必要とするターゲットが探してくるであろうキーワード(試作系、加工方法別、材質別、業界別など)を洗い出し、求める情報に対し個別にページを設けて訴求することで、細かな需要を集められるよう設計しました。

Webサイトの公開後には多くの情報が集まります。アクセスの分析、お問い合わせ状況のヒアリングなどから、さまざまな取り組みを行いました。反応が良かった分野に対しては、さらにその分野を伸ばすには何ができるかお客様と一緒に考えます。コンテンツ強化だけでなく、設備投資と同時並行に、さらなるPR強化を行いました。

例えばアクリルの可視化分野の場合、透過具合が肌感覚になってしまうというネックもあり、「より安心してご依頼頂くにはどうすればいいのか」と考えました。このような視点から、可視化度合いを測定するヘーズメーターと呼ばれる装置を導入。結果、今では同社の得意分野の1つと呼べるまでの領域となり、多くのお客様からご相談を頂いています。

導入効果

導入効果は数えきれない多くの業界・業種の方とお取引ができるようになりました。取引先は、大学、研究機関、航空機、医療、建築デザイン会社、展示会など、業界・業種はまちまちです。

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ターゲットを明確に絞ることで、確度の高い問合せを呼び込むことに成功【株式会社モリセ精工】

セラミック材質を中心とした精密加工業を行っている株式会社モリセ精工様のWebマーケティング事例をご紹介します。

会社情報

会社名 株式会社モリセ精工
担当者名 代表取締役 森瀬様
事業内容 精密部品加工
サイトURL http://www.morise.co.jp/
導入サービス Webサイト制作、Webコンサルティング

モリセ精工

出典:株式会社モリセ精工

抱えていた課題

新規顧客は増やしたいと考えていましたが、窓口を叩いての営業が苦手意識をお持ちでした。求められていない会社へ訪問しても、すでに依頼している外注先がいるわけで、結局価格勝負になってしまうからです。

秘匿性の高い部門がお客様なので、なおさらハードルは高いです。また、製品のようなありものを売る商売ではないため、プッシュでの営業は合わないとお考えでした。

実施施策

同社は、精密研磨、研削を得意とする精密部品加工業者です。ホームページを制作にあたり、加工技術、加工設備をPRすることももちろん重要ですが、ターゲットが「研究開発部門」と明確に決まっていたため、ターゲットが求めるものを軸にサイト企画することが重要と捉えました。

例えば、ファーストビューでは、加工内容や技術ではなく、だれがお客様かが伝わるキャッチコピーを作成。キーワード対策、サイト構成は「試作、テスト、試験片、難削材」など、研究開発者が抱える課題に合わせて制作しました。

「研磨加工」「切削加工」「5軸加工」など、保有する設備・技術からキーワードを設定し訴求することもできましたが、ターゲットがぼやけてしまうため、「自社のアピールポイント」よりも、「誰に届けるか」を優先して企画しました。

切削・研磨の領域であれば、より多くの会社がお客様になる可能性がありますが、競合も多く差別化が難しくなります。ターゲットを明確に絞り、それに合わせ、付加価値の高い複合的なサービス提供をしているのが同社の強みであり、ホームページでも打ち出すべきポイントでもありました。

導入効果

  • 問い合わせ増
  • 受注率アップ
  • 狙ったターゲットからの受注獲得

全く来なかったホームページからの問い合わせが、リニューアル後は週2~3件ほどのペースで来ているそうです。受注率は3割程度と以前に比べ大幅に上がり、狙っていた秘匿性の高い大手研究開発部門からの問い合わせも来ており、リニューアルした手応えを強く感じていただいています。

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