カーボンニュートラルと中小製造業

テクノポートの小林です。今回は、最近耳にすることが非常に多くなったカーボンニュートラルについて、中小製造業としてどうとらえるべきか、個人的な見解を含め紹介します。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルは、炭素中立とも呼ばれ、環境と気候への影響を最小限に抑える目的で、炭素排出量と炭素吸収量を均衡させることを意味します。具体的には、ある組織や個人が生み出す炭素排出量(二酸化炭素や他の温室効果ガスの排出)を減少させ、同時に炭素吸収活動(例:森林の植林や二酸化炭素の吸収に貢献するプロジェクト)を通じて排出量を相殺し、最終的にプラスマイナスゼロの炭素排出状態にすることを指します。カーボンニュートラルを達成することは、気候変動への対処と持続可能な未来への貢献になるとして重要視されています。

カーボンニュートラル

引用元:環境省:脱炭素ポータル https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

よく耳にする言葉としてSDGsがありますが、カーボンニュートラルの概念と取り組みは、SDGsの一部としても位置づけられています。なぜならSDGsの達成には、環境への負荷を減少させ、気候変動を抑制する必要があるためです。

カーボンニュートラルを目指す背景と経緯

気候変動への懸念

20世紀から21世紀にかけて、科学的な研究が進み、地球温暖化と気候変動が深刻な問題であることが明らかになりました。温室効果ガスの排出(特に二酸化炭素)が増加し、気温上昇、極端な気象、海面上昇、生態系への影響などが顕著になりました。これらの現象は、環境、社会、経済への脅威として広く認識され、カーボンニュートラルを目指す必要性が強調されました。

国際的な合意 パリ協定

2015年に国際連合で採択されたパリ協定は、気候変動に対処するための国際的な合意であり、温室効果ガスの排出削減に関する具体的な目標を設定しました。多くの国が、自国の温室効果ガス排出を削減し、最終的にはカーボンニュートラルを達成することに合意しました。この実現に向けて、世界が取り組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げているところです。

日本政府としての目標設定

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

各企業の流れ

これを受け、企業としても単に利益を追求するだけでなく、持続可能性を考慮し、社会的な責任を果たすことが重要という認識を強く持ち、積極的に取り組む企業が増えています。この方針は「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility, CSR)」や「持続可能な経営(Sustainable Business)」などとして知られています。

この流れは大手企業を中心に進行しており、サプライチェーンの中に組み込まれている中小製造業にも協力要請が徐々に出始めています。

グリーン調達とは

グリーン調達とは、企業などが原材料や部品、資材、サービスなどをサプライヤから調達する際に環境負荷の小さいものを優先的に選ぶ取り組みのことです。このような環境に配慮した調達に積極的に取り組むことで、環境負荷を抑えた製品開発を促すことができ、環境問題の改善につながります。

サプライヤーにとってのグリーン調達

グリーン調達を行うことで、納入先企業の事業戦略や、環境に関する要求に沿った対応が可能になります。そのため、納入先企業から信頼を獲得し、安定的・長期的な事業機会の獲得やリスク回避につなげることができるため、必要な取り組みであるといえます。

さてここで、環境負荷の小さいものとはどのような評価をするのでしょうか?

  • 環境に配慮した原材料
  • リサイクル材
  • 環境負荷の低い生産方法
  • 廃棄物の少ない製法 など

素材の製造工程や、部品加工時の温室効果ガス排出の少ないもの、エネルギー効率の高い製造方法などが考えられます。素材に関する排出量は数値化できるかもしれませんが、部品加工時の数値を想定することは、中小製造業には今まで経験がないことです。サプライヤー企業として、カーボンニュートラルに寄与するためには、現状使っているカーボンの排出量を正しく計算することが必要になります。それができなければ、排出量削減やエネルギー効率向上などの目標を立てることができません。そこで、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必須となるわけです。

DXによる現状把握と課題

DXを通じて、企業は現状を把握し、持続可能な戦略の策定と実行に向けて重要な情報を収集し、効率化を実現できます。しかし、そのためにはデータの正確性や信頼制、データ収集のコスト、第三者による透明性と認証などさまざまな問題が存在します。どの範囲をどの程度まで計測すればよいのか、手探りな企業も多いのが現状です。

このテーマを中小製造業としてどうとらえるのか?

このテーマには取り組むことのメリット・デメリットがあり、「今すぐ始めたほうがよい」と断言することはできません。ここではまず、取り組まないことのリスクについて説明します。

今後取り組まないことによるリスク

顧客ロスのリスク:

顧客やパートナー企業は、環境への貢献を重視し、持続可能な企業との取引を優先する傾向が強くなり、サプライチェーンの選定から外れる可能性が出てきます。

競争力の低下:

環境に配慮の低い製品やサービスを提供する企業は、ユーザーからの信頼を失うリスクがあります。環境に対する配慮を欠いた企業は、競争力の低下やブランド価値の減少につながる可能性があります。

エネルギーコストの増加:

カーボン排出を減少させない企業は、エネルギーコストが増加する可能性があります。多くの国や地域が化石燃料に対する税金や規制を導入しており、高炭素のプロセスは高コストにつながります。

人材採用と維持の困難:

カーボンニュートラルを目指さない企業は、環境に配慮のある若い世代の従業員を引き寄せるのが難しくなる恐れがあります。また、既存の従業員が環境に配慮の低いビジネスモデルに不満を抱く可能性も考えられます。

資金調達が難しくなる:

脱炭素化への取り組みを評価基準として重視する金融機関で、低金利融資や特別な融資メニューなどの優遇が受けられない可能性が出てきます。

上記の内容を裏返したものが主なチャンスと言え、取り組むメリットとなります。

先駆けて取り組むことで、企業の行動の指標となりやすく、ノウハウも蓄積できます。中小製造業の方が、大手に比べ取り組む領域が少ないため、スモールスタートができる環境です。その取り組みで蓄積したノウハウをもとに、カーボンニュートラルを企業に導入するための支援サービスなど、新たなビジネスを生み出せるかもしれません。プレス加工業の会社で先駆けて自社のIoTに取り組んだことでノウハウを蓄積し、新事業としてIoTの導入支援サービスを立ち上げた会社もあります。

取り組むデメリット

短期的な観点で見れば、利益を生み出す取り組みではないことが一番のデメリットと言えます。もちろんDXによる見える化やエネルギーコストの削減などで原価低減には寄与できるかもしれませんが、初期段階ではコストが先行します。また、その具体的な進め方も企業によって事情は異なり、明確な手法として確立できているとは言えません。

取り組んだほうがよいのはわかるけれども、「どうすればよいかわからない」もしくは「コストがかかるので明確な要望があるまでは待機」と考える企業は多いと思います。ただ、SDGsよりもより具体的な数値で示されるカーボンニュートラルの取り組みは、製造業にとって必須となる可能性が高いように見えます。この問題に関する準備を少しずつでも進め、リスクを回避し、チャンスとして取り込める組織が求められているのではないでしょうか?

カーボンニュートラルの取り組みを行う中小企業の事例

最後に実際にカーボンニュートラルに取り組む板金企業の事例を紹介します。カーボンニュートラルを一つのチャンスをとらえ実践している企業さまですので、ご参考になれば幸いです。

カーボンニュートラルに取り組む中小製造業参照:https://www.sheetmetal.amada.co.jp/column/challenge/sheetmetal08/

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BtoB自社製品開発:事例研究(板金屋さんが作ったバリ取り機)

テクノポートの小林です。先日、弊社企画のセミナーにて、BtoB自社製品事業を立ち上げ、大きな成果を上げている株式会社エステーリンクの齋藤社長にお話を伺いました。お話の内容をもとに、新規事業成功の秘訣はどこにあるのか、分析と考察を紹介します。

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動画URL:こちら現在準備中です。しばらくお待ちください。
【オンラインセミナー】成功の秘訣は現場にあり!自社製品開発に成功した板金屋が語る裏話

事業紹介

株式会社エステーリンクは、新潟県燕三条にて板金加工及び集塵機の製造を行う会社です。17年ほど前にバリ取り機械「メタルエステ」を開発し、累計台数1600台を販売、現在では会社売上の半分を占めるまでに新規事業として成長させています。同事業を戦略的な視点で成功の要因がどこにあるのかを分析しました。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の事業の状況等を、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの項目で整理して、分析する一般的な手法です。

事例分析:SWOT分析

強み

  • 地元地域の強みとなる磨き技術
    スプーンやナイフを磨くような燕三条の磨き屋さんの意見をいただき、研磨効率を高めるための技術を取り入れる。
  • 集塵機で培った集塵技術
    バリ取りには集塵技術も重要で、部屋の中の空気を操る技術を、装置内の空気を操る技術につなげる。
  • フットワークの軽さとコミュニケーション能力
    話があれば全国どこでも飛んでいくフットワークの軽さとコミュニケーション能力
  • 改良のアドバイスをくれる既存顧客の存在
    同業者のネットワークから生まれる顧客と課題を共有し、共に製品開発・改良を続けるファンづくり。
  • バリ取りの課題を熟知している
    板金加工で困るバリ取り工程の課題は、自分たちの抱える課題でもあり、顧客の困っていることは言われずともわかっている。

弱み

  • 営業経験ゼロ
  • 装置を作る制御系の知識ゼロ
  • バリ取り装置メーカーとしての知名度ゼロ
    営業マンはおらず、営業経験もない、自分一人しかいない、設計のノウハウもなく、当然、メーカーとしての知名度もない状態。

機会

  • 自動化の流れ(製造業の人手不足)
    人の手から離れ自動化をさせる流れが増えてきているが、バリ取り工程に関してはまだそこまで普及していない。

脅威

  • 代替品としてのロボットメーカーの参入
    (開発当初の時期ではそこまで脅威とはなっていない)

クロスSWOT分析

事例分析:クロスSWOT分析

クロスSWOT分析は、SWOT分析で利用した4つの項目をそれぞれ掛け合わせることで、選択すべき戦略を明確にしていくことができる手法です。

非常に効果的な事業の仕組みができているように思えますが、この分析は現在の結果に対する分析のため、時系列が抜けています。最初から戦略的にすべてを組んだ上で事業を進めたのではなく、試行錯誤の中で少しずつ戦略を組み立てていったそうです。

提供価値と主な競争優位性については、以下のように想定できます。

提供価値

バリ取り装置によるバリ取り工程の自動化で省力化&コスト低減を実現
(金銭的なメリットもあるが、作業者の「バリ取りは大変」という作業者の負担を軽減もできる)(経営者にも現場作業者にも欲しいと思われる製品)

主な競争優位性

  1. 顧客以上にバリ取りの現場を熟知していること(確固たる自信)
  2. 大手の狙わない市場規模
  3. 地域の技術(燕三条の磨きの技術)を結集した独自の磨きノウハウを構築
  4. 自社の集塵技術をバリ取りに生かす

成功要因の考察

①自分が絶対欲しいと思えるものを作ったこと

一般消費者向けとは異なり、非常に限られた市場で勝負したこと。また、その中で本当に欲しい製品開発を行ったことが成功の秘訣だと考えます。同じ現場にいるユーザーからの賛同を得やすくなり、販売につながります。「そうそう、こういう製品があると助かるよね」という、その装置を導入することで「儲かる」より「助かる」製品開発が成功のヒントかもしれません。

また、齋藤社長のおっしゃっていた「我々はバリ取り現場でのかゆいところがわかる」という表現は、うまく言語化できないけど何となく困っている潜在的なニーズを解き明かし、解決する手段を製品に反映させているのだと感じました。そこまでわかるのは本業の板金事業があるからこそで、板金事業も続けていくとおっしゃっていました。

②必ず成し遂げるという熱意と行動力

熱意と行動力で、顧客を開拓し、協力してくれる仲間を増やし、周りを巻き込む

前述の通り、最初から戦略を立てて製品化をしたかというと、そうではなかったそうです。自社で困っているバリ取り工程を何とかしたい、そのため、売るための機械ではなく、「自社の困った」を解決するために開発した機械だったそうです。

ただ、同業者との話の中から、うちにも欲しいという声が何件か出てくる中で、「これはビジネスになるのでは?」というきっかけから製品化に踏み切ったそうです。

SWOT分析の「弱み」部分に記載しているように、何もノウハウがない状態からスタートした事業で、熱意と気合いでカバーしてきた面も多いとおっしゃっています。事業を走らせながら製品に改良を加え、知識やノウハウを吸収、仲間を増やし、成長させていったと言えます。

③自社の事業に合った展示会への出展

チャンスを逃さない、なんとしても事業を成功させるという覚悟

雑多な展示会に出展するのではなく、顧客が多く存在する展示会への出展が大きなターニングポイントになったとおっしゃっていました。同社の場合は、MF-TOKYO(プレス・板金・フォーミング・自動化・周辺機器)の国際展示会が製品が売れ始める大きなきっかけになったそうです。大きな展示会の出展にはそれなりの費用もかかるため、社長に直談判し、費用を捻出し取り組んだそうです。そのため、出展することで何かしらの成果を上げなければならない挑戦でした。
結果として、数多くの見込み顧客を獲得し、展示会終了後にはすぐに獲得した名刺のほとんどの会社に連絡をとり、訪問のアポを取り、全国どこでも訪問したそうです。

事業を成功させるためには、チャンスを生み出すきっかけと、事業を成功させるという覚悟が必要だと感じました。事業を成功させる自信があるかどうかよりも、「なんとしても成功させてやる」という覚悟と行動がチャンスをつかむのだと考えられます。

アナログな営業がすべてではなく、現在ではアナログとデジタルの両方を駆使し、さまざまな手法で非常に効率的なマーケティング手法を確立しています。

BtoBでの自社製品開発事業の事例分析を紹介しました。自社製品開発というと、一般消費者向けが多いですが、いま働いている現場にこそ、新しい事業の種が眠っているかも知れません。皆さんの新規事業開発の参考にしていただけましたら幸いです。

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ものづくり企業の成長戦略をバリューチェーンから考える

テクノポートの小林です。自社の成長戦略を考えるサプライヤー企業に向けて、バリューチェーン分析の価値を紹介します。

バリューチェーン分析の意義

バリューチェーンは、企業が商品やサービスを創造、開発、製造、販売する過程全体を、一連の活動としてとらえる枠組みです。このアプローチにより、企業は競争力を維持するために内部活動を最適化し、付加価値を創出する方法を理解できます。典型的な目標は、自社の各活動ごとのコストを明確にし、コスト削減戦略に活かすこと。もう一つの目標は、自社の強みと弱みを把握し、差別化戦略に結びつけることです。今回のアプローチは、これまでの手法とは異なります。顧客のバリューチェーンを分析することで、サプライヤー企業としてどのような価値提供が可能かを検討し、自社の成長戦略に組み込む手段です。

3つのアプローチでバリューチェーンを分析し、成長戦略を練る

①川上と川下を広げて提供価値を高める

バリューチェーンの上流や下流に進出し、提供価値を向上させる方法考えられます。

樹脂加工バリューチェーン

射出成形の会社の場合

試作段階からの案件獲得を目指す 量産段階で案件を獲得する場合、仕様変更や量産におけるコスト競争に巻き込まれることがあります。そのため、試作段階から案件を獲得することができれば、仕様の変更や量産へのスムーズな移行、顧客との信頼構築が可能です。また、価格競争にも立ち向かいやすい状態になります。試作系業者との連携を強化するか、試作に関連する設備の内製化に注力することで、この戦略を実行することができます。

試作加工業者の場合

製品の開発をトータルサポート 逆に、試作加工業者は量産を受けていない場合があります。この場合、試作段階で問題なく製品ができても、量産時に形状の不一致が発生することがあります。そのため、製品の開発をトータルでサポートし、付加価値を提供します。量産会社と提携し、試作から量産までのサポートを提供する戦略です。

②選択肢を広げる

現在、自社で行っている加工方法は何かの製品を作る際の手法の一つのはずです。ユーザーが必要な製品に対し、自社の加工方法が適切でない場合もあります。最適な手法を提案してこそ新しい価値提供が生まれるという考えのもと加工の選択肢を増やす戦略です。もちろん自社だけでは不足するものは協力工場のネットワーク構築が必要不可欠です。

樹脂試作切削業者の場合

多様な加工方法を提案 顧客が試作品を作成する場合、樹脂の切削は1つの手法ですが、他にも加工方法が存在します。ユーザーが適切な方法を選ぶ際、最適な加工方法が何かを検討します。そのため、自社での切削以外の加工方法にも知識を広げ、光造形や真空注型などさまざまな加工方法から最適な提案を行うことで、提供価値を高めることができます。ターゲットを製品開発者に設定した場合、自社の提供価値を「最高の切削加工品を提供することを突き詰める」だと、内部資源だけで決めてしまっては、顧客が本当に欲しいものが提供できない場合があります。

③ターゲットを変える

アプローチを切り替えてみましょう。まず、自社のターゲットを変更する方法です。バリューチェーンの中で自社の位置を見直し、顧客のニーズに合わせて適切な戦略を模索します。

材料問屋の場合

従来
材料問屋バリューチェーン
新規材料問屋バリューチェーン

顧客の対象を変える:加工業者→メーカー 通常、材料問屋は加工業者に材料を提供します。しかしこのアプローチでは付加価値の向上が難しく、価格競争に巻き込まれる可能性が高いです。そこで、加工業者が協力するメーカーにアプローチをかけ、材料販売に加えて加工の受託案件を獲得することで、加工業者と連携して付加価値を提供する流れを築くことができます。こうすることで、加工業者は自社の材料を購入し、同時に仕事を獲得するメリットが得られるようになります。ターゲットの変更により、他の材料問屋との差別化を図り、顧客に価値を届ける手法といえるでしょう。

プレス金型業者の場合

従来プレス金型バリューチェーン
新規プレス金型バリューチェーン

顧客の対象を変える:プレス加工業者→メーカー 売り型の金型業者にはプレス加工業者からの依頼が中心です。しかし、プレス加工業者が案件を持ってこない限り、新しい案件が得られません。そのため、メーカーに対して自社の金型でどのような製品を作れるかをPRすることで、メーカーから直接案件を獲得し、プレス加工業者に発注する流れを構築することで商機を広げることができます。この方法は一般的なビジネス拡大の方法とも言えます。

冷間鍛造の2次加工業者の場合

従来
鍛造業者バリューチェーン
新戦略鍛造業者バリューチェーン

顧客の対象を変える:鍛造業者→メーカー 前述した金型業者と同様に、発注元の鍛造業者に依存している状態です。メーカーが求める製品に焦点を当て、ネジやナットに特化したPRを行うことで、製品の上流工程での案件を獲得する戦略です。既存の事業ドメインでは難しいかもしれませんが、協力企業との協力で実現可能です。このケースでは、鍛造品の提供以上に、適切なネジやナットを試作段階から量産段階まで調整する価値があります。鍛造業者は自社の技術に固執することがあるため、他の加工手法を提案することが難しいことも考えられます。そのため、最適な加工手法を提案できることは大きな価値となります。

以上のように、自社の位置を明確にし、戦略の展開に有益な手法を検討することで、新たな価値を創出する可能性が広がります。ご参考にしていただければ幸いです。

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中小企業のWebマーケティングがなかなか進まない理由

テクノポートの小林です。近年、コロナ禍以降はとくに、中小製造業の中にもWebマーケティングを導入する企業が増えてきています。

中小企業の経営者の後継者や営業担当者がWebマーケティングの有用性を感じ「うちの会社にも導入したい!」と思っても、社内からの理解が得られず導入を進められないケースも多く見受けられます。今回は、Webマーケティングの遂行を妨げる要因と、それを乗り越えるための対処法について紹介します。

Webマーケティングの遂行を妨げる要因

中小企業のWebマーケティングを遂行を妨げる要因はなんでしょうか?その要因をしっかり理解することができれば、対策の糸口は見つかるはずです。

デジタルマーケティングへの理解の不足

中小企業の経営者層がデジタルマーケティングに関する知識や理解を持っていない場合、Webマーケティングを効果的に活用することは難しいです。「よくわからないものは取り入れない」、「業界で話題になっていたとしても、うちは独自にやっている」という考えを持っているのかもしれません。

伝統的なマーケティングへの執着

一部の中小企業は、伝統的なマーケティング手法に依存していることがあります。昔ながらの足を使った営業活動に固執し、新しいデジタルマーケティングの重要性に気づいてないのです。もちろん対面での営業も重要な営業手法ですが、他の可能性を否定してしまうことはもったいないことです。

また、「うちの業界は特殊だから」という理由で可能性にフタをしてしまう会社も多く存在します。

予算の制約

中小企業は、大企業に比べてマーケティング予算が限られています。Webマーケティングには広告費や専門的な支援を必要とする場合があり、予算の制約が進展を妨げる要因となることがあります。今まで営業をせずとも仕事を受注できていたため、営業に費用をかけることに消極的な傾向があります。また、見えないWebに関して費用をかけるのにはさらに消極的になる場合があります。「展示会には費用をかけて積極的に出展しているけれど、Webはぜんぜん」というケースも少なくありません。

リソース不足(運用体制)評価体制に問題

Webマーケティングは継続的な取り組みを必要とします。中小企業は従業員数や業務量が限られていることが多く、Webマーケティングに必要なリソースや時間を割く余裕がない場合があります。専属の人間を置くことはできず、どうしても片手間になりがちです。

評価体制に問題

実施者の人事評価も重要な問題です。せっかく成果を出しても実行者への適切な評価が得られず、モチベーションの低下、予算削減などにより思うように進まなくなることがあります。

成果測定の不足

効果測定は、実施したマーケティング活動の成果や効果を測定し、改善策を立てるために重要な要素です。やったことに対する成果を見える化させる仕組みがなければ、社内での評価や賛同を得ることができません。

Webマーケティングを遂行するための4つのポイント

上記の要因を踏まえた上で、遂行するためのポイントを紹介します。

経営者層にWebマーケティングの重要性の理解をいかに得るか?

何よりも大事なことは、ユーザーがどのように新規の会社を探しているかを経営者層に理解してもらうことです。ユーザーの行動心理を理解し、その上で自社がどうあるべきかを考えることで、自然とWebの重要性が理解してもらえるはずです。

そのためには、やはり数字や生の声を利用し、根拠に基づいた説明が効果的です。担当者の気持ちや意見ではなく、客観的な意見と根拠で説明します。例えば下記のようなアンケート調査を利用すると効果的です。

新規開拓

引用元:イントリックス株式会社

情報収集段階の手段として、Webを使うユーザーが圧倒的に多いことが証明されています。

ユーザーの行動心理に合わせ、自然と自社を認知してもらい引き合いを呼び込むことは、ユーザーにストレスを感じさせないユーザーファーストな営業と言えます。

Webマーケティングの効果的な実行手段の構築

重要性を理解してもらったところで次は、「じゃあどうやってやるの?」が経営者層の興味内容です。効果的な手段が提示できなければ、せっかく有用性を理解してもらえても賛同が得られません。

限られた予算の中で、いかに高い効果をあげられるかが課題となります。まずテコ入れすべきはWebサイトです。WebサイトはWebマーケティングの中核です。ユーザーフレンドリーなデザイン、SEO対策、モバイル対応など、Webサイトの最適化を行い、集客力の高いサイト構築が必要となります。

Webマーケティングに知見のある人材が社内にいるケースは少ないため、信頼できるWebマーケティング会社と一緒に進めることをおすすめします。事例などを踏まえて効果が期待できるようなイメージをいかに持たせるかが重要です。

実施効果の見える化:Webマーケティングの運用、評価体制の構築

実施効果をどうやって計測するかが次に知りたいポイントです。やりっぱなしが一番の問題です。以下のポイントを考慮して、適切な運用・評価体制を構築しましょう。

①データ収集と分析:

Web解析ツールやデータ収集手段を活用し、マーケティング活動の成果を定量的に評価します。Webサイトのトラフィック、コンバージョン率、離脱率などの指標を分析し、課題や改善点を洞察します。

②目標とKPIの設定:

マーケティングの目標を明確に設定し、それに基づいたキーパフォーマンスインディケーター(KPI)を定めます。KPIは成果を評価する指標であり、マーケティング活動の進捗状況を把握するための基準となります。

③定期的な評価と改善:

マーケティング活動の評価を定期的に行い、データに基づいた改善策を立てます。効果のある施策を継続し、効果の低い施策を見直すことで、効率的なマーケティング活動を実現します。

④成果の評価だけでなく、実行者への評価や運用体制について:

組織としてWebマーケティングをどう運用するかを議論しておくことも重要です。誰がどのように管理し、時間をどれぐらい費やすべきか、また、その成果に対して仕事としてどのように評価すべきかまでを考えておかなければ、「頑張って成果が出たのに、人事評価とは関係なかった」となると、社員のモチベーションの低下にもつながります。

④だけは担当者としての業務遂行のしやすさや立場を守るためにも重要です。会社組織全体としてWebマーケティングに取り組むことの理解を得ましょう。

Webマーケティング遂行にかかる費用に対しての理解

最後はかかる費用に対しての合意です。費用に関しての捉え方は会社によってまちまちのため、Webマーケティングに関する費用を安いと捉える会社もあれば、高いと捉える会社もあります。一般的な説明の道筋は下記の通りです。

  1. 新規開拓の重要性の理解
  2. そのために何をするか?新規開拓の手法の提示
  3. その中でWebがコストパフォーマンスに優れている点

ただ、それだけだと初めてWebマーケティングに取り組む方の腰は重いかもしれません。価値をどうやって理解してもらうかの話ですので、たとえ話をしてみるのもよいでしょう。

例えば、この業界は単発の新規取引ばかりでは手間ばかりで利益が出ない業態の会社が多いです。そのため、単発取引をいくつか受ける中で、1年間に1社でも継続取引ができる顧客がもしできるとすれば、どれぐらいの費用をかける価値がありますか?

会社や組織を巻き込むためには、論理的な話だけでなく、可能性や期待、ワクワク、情熱も最終的には必要になります。

Webマーケティングの遂行を妨げる要因と、それを乗り越えるための対処法について紹介しました。参考にしていただけましたら幸いです。

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中小製造業における新規営業の難しさを考える

テクノポートの小林です。今回は中小製造業の新規営業の難しさについて、業界の構造、技術営業の特徴を踏まえ紹介します。現状を理解することで、自社が行うべき施策の参考になれば幸いです。

中小製造業の新規開拓の必要性について

いまさら説明の必要性はないかもしれませんが、中小規模の製造業の新規開拓の必要性について、念のため説明します。

原価低減協力による利益率低下のリスク軽減

既存顧客との取引においては、原価低減協力により、利益率が低下することがあります。新規顧客の獲得により、顧客数を増やしてリスクを分散することで、原価低減協力のリスクを軽減できます。

現場の思考力向上

決まった仕事を続けると作業化してしまい、現場の思考力が低下することがあります。新しい顧客からの依頼に対応することで、現場のスキル向上や知識の習得が促進されます。また、新しいプロジェクトに取り組むことで、現場のアイデアや創造性の向上が期待できます。

仕事の波の緩和

製造業は仕事の波が激しく、需要の変動に対応する必要があります。新しい顧客を獲得することで、需要の変動リスクを軽減し、収益を安定化させることができます。

イノベーションの創出

新しい市場には、既存のビジネスモデルでは対応できないニーズが存在するため、より効率的かつ柔軟性のあるビジネスモデルが求められます。新規顧客との取引を通じて、新しいビジネスモデルのアイデアを得ることができ、それがイノベーションの創出につながります。

中小製造業の技術営業の難しさ

顧客:下請け構造による問題

顧客との関係性で受託加工という性質上の問題が考えられます。

①立場上、足元を見られやすい

案件を獲得しようとこちらからアプローチをかけても、そもそもメーカー側ではすでに頼んでいる加工業者が存在します。切り替えにはリスクが伴うため、何かしらのメリットでもない限り、新たな加工業者に依頼することはありません。そのため「大幅に安くなるなら考えるよ」程度で終わってしまいやすい現状があります。

②発注のタイミングが捉えづらい

既存業者で加工不可、キャパオーバー、不具合が起こった場合など、新規の加工業者を探すタイミングがイレギュラーで発生します。そのタイミングは密な連絡をとっていない限り、外部から知ることはできません。そのため、付き合いのない会社がそのタイミングを知ることはハードルが非常に高いと言えるでしょう。

③口コミ紹介で広がりづらい

すごく良いサービスを受けたり、良い製品を購入したりした際に、人は誰かに伝えたくなります。特に個人ではその性質が強いと言えます。しかし、ものづくりの業界では、「できれば自社の仕事を優先的に受けてもらいたい」という考えがあります。なぜなら設備的なキャパの限界があり、他の仕事を受けて、自社の仕事を受けてもらえなくなる恐れがあるためです。そのため、一般的な口コミ紹介は広がりにくく、大企業では同じ会社の他部署でさえ情報が共有されていないこともあります。

競合:技術の特性的な問題

自社製品販売と比べ技術は伝えづらい

製品というものは、なにかしらの用途で利用するために設計されています。そのため、利用上のメリット・デメリット、価格など説明する内容を顧客の利用シーンに合わせ提案できます。一方で、技術は用途が限定されず、同じ案件というものはほとんど存在せず、図面ごと、数量、納期によって提供できる価格が異なります。そのため、顧客が求めるものを探りながら、それに合わせたメリットの提供・提案をする必要があります。

他社技術との差別化がしづらい

加工業者の保有する設備は自社オリジナル加工機というものはほとんどなく、汎用性の高い工作機械を使って加工を行っています。そのため、保有する設備は最新式のもの、海外製のハイスペックマシンなどの特徴の機械はあるものの、ほとんど同じような加工機で多くの会社が競い合っています。

また、使い方も、工具や治具、加工条件などにノウハウはあるものの、ユーザーに競争優位性を説明できるような数字で提示することは非常に難しいと言えます。

自社:自社の保有するリソースの問題

技術知識と営業スキルを兼ね備えた営業人材が少ない

欲を言うなら、やはり工場の経験を積んだ営業人材が欲しいところです。単なる御用聞きではなく、図面を理解した上での提案や、やり取りがスムーズになるためです。ただ、そのような人材を新たに雇うことは非常にハードルが高く、社内で工場から営業へ転属させても、営業の向き不向きの問題もあります。

自社の保有する設備以上の案件は受けられない

どんなに良い案件があっても、自社の稼働が目いっぱいでは仕事を受けることはできません。需要があればあるだけ作れば良いというような製品販売側とは違った稼働力という制限があります。

もちろん協力工場との連携でカバーする手段もありますが、協力工場との良好な関係作り、協力工場の稼働状況なども把握する必要があります。

営業と工場とのコミュニケーションに障害が起きやすい

営業側が頑張って案件を獲得しても、工場側では稼働力の問題や、新しい案件への抵抗などから非協力的というケースはありがちなお話です。営業側と工場側の密な協力体制が案件受注率のアップには必要となります。

大手と比べ人手と費用に限りがある

こちらは言わずもがなです。

上記を理解した上で考える営業の成功要因

まず最初に取り組まなければならない課題は、下記の2つにあると考えます。

  • 相手のタイミングをいかに効率よくつかむか
  • 技術を必要とするユーザーにいかに自社を認知させるか

理由として、まずは案件がなければできるかどうか、どのようなメリットが出せるかなど、具体的な検討をすることができないからです。案件を獲得するには営業が必要というお話もありますが、今の時代はWebでも案件の相談を呼び込むことができます。

下記はWebを活用した情報収集から企業選定をしているアンケート事例です。Webを活用した情報収集は、製造業でも例外ではありません。

新規開拓出典:イントリックス社 製品選定時にWebサイトを利用する人が営業・展示会を超えて多数

また、Web活用が受託加工業と相性が良い点があります。主には下記の3点です。

①ユーザーの発注形態に合っている(発注側のタイミングをつかむことができる)

②相手から具体的な相談が来る(立場上の問題を解決)

③低コストで人のリソースに左右されず常に営業(PR)できる

中小製造業の営業活動の難しさについて紹介しました。自社の置かれている状況を理解した上で、自社なりの施策が立てられるよう参考にしていただければ幸いです。

弊社では製造業専門にWebを活用した新規開拓支援をしております。新規開拓についてお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

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サプライヤー(金属・樹脂加工業など)がホームページ制作する際の戦略の立て方

ホームページ制作において、戦略は非常に重要だと認識されている方は多いでしょう。しかし、「戦略の重要性はわかっても、具体的にどのように戦略を立て、それをホームページに反映させればよいかわからない」というお話をよく伺います。今回は、サプライヤー企業(金属加工や樹脂加工業など)のホームページ制作の際の戦略の立て方について説明します。

戦略策定のための事前準備

今後の戦略を立てるために、まずは自社が置かれている現状の分析が必要です。汎用性の高い3C分析がおすすめです。

3C分析(3C analysis)は、経営戦略やマーケティング戦略の立案において利用されるツールの一つです。3Cは、顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、自社(Company)の頭文字を取ったものです。

具体的な活用事例については、下記にて説明しています。

戦略策定のためのおすすめフレームワーク

現状の分析を行った上で自社のとるべき戦略を考えます。その際に活用できるフレームワークとして「アンゾフのマトリクス」があります。

アンゾフのマトリクスとは

アンゾフの事業拡大マトリクスは、市場と製品(サービス)を縦軸と横軸に配置した4つの象限から成るフレームワークです。縦軸は市場を「既存」と「新規」に、横軸は製品(サービス)を「既存」と「新規」に分けています。このマトリクスは、企業の成長戦略を多角的に考えるためのツールであり、経営戦略の検討に広く用いられています。

アンゾフのマトリクス

市場浸透戦略(Market Penetration):既存の市場で既存の製品を提供することに焦点を当てます。市場シェアの拡大や顧客の獲得を通じて、既存の製品の売り上げを増やします。

市場開拓戦略(Market Development):既存の製品を新しい市場に展開します。新しい顧客セグメントや地理的領域に進出し、既存の製品を新たな市場で販売します。

製品開発戦略(Product Development):既存の市場向けに新しい製品やサービスを開発します。既存の顧客に対して新しい選択肢を提供することで、市場の拡大と顧客満足度の向上を図ります。

多角化戦略(Diversification):新しい市場に新しい製品やサービスを導入します。これは最もリスクの高い戦略であり、企業は新しい市場や製品に関する知識や能力を獲得する必要があります。

それぞれの成長戦略は独自のリスクと機会を伴い、企業の状況や目標に応じて適切な戦略を選択することが重要です。

このツールを用い、加工業向けにどのような戦略があるかを説明します。

既存市場×既存サービス

既存の市場でどのように顧客を獲得するかについて組み立てる戦略です。Webマーケティングでは二つの戦略が考えられます。

市場浸透

既存市場に対し自社の認知度を向上させ、さらなる顧客獲得を目指す取り組みです。例えば、ロストワックス鋳造の会社が市場で自社を認知させるために「ロストワックス」というキーワードでSEO対策を打つようなやり方です。Webマーケティングは企業の規模の大きい小さいにかかわらず取り組むことができ、リスクが少なく済みます。

事例:株式会社武杉製作所

差別化集中

既存市場において、特定の狭い市場(特定のターゲット)を対象にし、製品やサービスの差別化によって競争優位性を構築する戦略です。ターゲットや自社の強み、特徴、競争優位性が明確になったときに採用されるべき戦略です。ユーザーに対しての訴求力も高く、付加価値の高い仕事を獲得できる可能性があります。ただし、ターゲット市場が極端に狭すぎると売上に貢献できない場合もあります。

事例:有限会社ユニバーサル

新規市場×既存サービス

保有する資源を活かし、新しい市場を開拓する手法です。

海外市場開拓

国内市場が縮小しているため、多くの企業が海外市場に注目しています。海外進出にはリスクが伴うため、Webマーケティングを活用して海外でPRし、海外の顧客を獲得する手法です。ただし、国内でのWebマーケティングがまだ十分に実施されていない場合、海外へのPRは成果を上げにくい可能性があります。ユーザーの視点に立ち、なぜ海外に仕事を依頼する必要があるのかを明確にすることが重要です。まずは自社の得意分野を見極め、それを確立することが重要です。

一般消費者やデザイン設計事務所などの製造業界以外の開拓

ターゲットを製造業以外に設定し、ユーザーの求めるニーズを定義しサービス提供をする戦略です。行っている事業は同じですが、市場を変えることで新たな需要を取り込むことができます。反面、ものづくりの一般知識がないユーザーとのやり取りは、従来の仕事よりも労力がかかります。その対応力や提供価値を新たに作る必要があります。

例:株式会社富士産業

他工法からの切り替え

自社の加工方法は、既存市場で受託する加工以外に、他の加工方法からの代替の手段になる可能性があります。切り替えの可能性のある製品や課題となる点を見つけ出し、顧客を獲得します。金属から樹脂への切り替えや、切削からプレスへの切り替えなどさまざまです。

既存市場×新サービス

既存市場に対して新しいサービスを提供する戦略です。しかし、受託加工を行っている会社が新サービス、といってもピンとこないかも知れません。例として、製品が出来上がるまでの価値連鎖を作り、自社のサービス提供領域を把握し、その前後や横に広げる余地がないかを考えることで、新たな価値提供ができます。

例えば、射出成形の会社が成形の案件を獲得する際に、量産段階では仕様変更もできないため、価格競争になりやすくなります。そのため、協力工場を活用し、試作段階からの案件を獲得できる仕組みを作ることで、試作から量産へのスムーズな移行ができる価値提供と、早い段階からの案件獲得による競争優位性を築くことができます。

また、試作切削の会社が設計開発部門をターゲットにする際には、切削だけでは最適な加工方法の提案ができません。そのため、協力会社を活用し、サービス提供範囲を広げ、試作の際に光造形や真空注型などの他工法も含めた検討を行うことで、顧客のニーズに応える手法も考えられます。

例:荒川技研株式会社

新規市場×新サービス

こちらの戦略でわかりやすいのは、自社製品を作って、一般消費者向けに販売する手法です。ただし、顧客も従来とは異なり、従来の営業とは異なる販売ノウハウが必要となるため、ハードルが高い戦略です。自社の成長として多角化は重要なテーマであり、意義のある取り組みです。しかし、弊社でもその成功パターンを研究していますが、Web上での効果的な手法はまだ確立できていません。

最後に

Webの利点は、一つの戦略に絞る必要がなく、複数の戦略を同時に進行できることです。継続的かつ多角的に自社をPRすることで、自社の価値を見つけ、適切な顧客を獲得できます。以上の情報が参考になれば幸いです。

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マーケティングとWebマーケティングの違いについて

テクノポートの井上です。今回はマーケティングとWebマーケティングの違いについて説明します。

マーケティングとは

マーケティングとは一言で説明すると、売れる仕組みを作ることです。「売り込みをしなくても自然に売れる状態を作ること」が目的です。マーケティングを実践するためには、ターゲットの選定、ターゲットのベネフィットを想定し、競争優位性のある自社の提供価値が何かを定義することが必要になります。

Webマーケティングとは

マーケティングとWebマーケティングの違い

Webマーケティングはマーケティング活動の一部です。「Webマーケティング」は、Webサイトを用いたマーケティング活動のことで、サイトを作成して、コンテンツを増やし、SEO・広告などを考え、商品の購入や問い合わせへとつなげていく施策です。

Webマーケティング戦略という言葉があるように「戦略」ですが、Webという実行手段をどう活用するかという戦術的な意味合いも含んでいます。

よく似たような言葉としてデジタルマーケティングがあります。WebマーケティングがWebに限定しているのに対し、デジタルマーケティングはWebにとどまらず、アプリやIoT、MAなど、さまざまなデジタルテクノロジーが対象となる手法です。Webもリアルも含めさまざまなデータを統合し、売れる仕組みを作ることを「デジタルマーケティング」と言います。

Webマーケティングの手法としては、主に下記が挙げられます。

  • SEO(検索エンジン最適化)
  • 広告
    リスティング広告
    バナー広告
    アドネットワーク広告
    アフィリエイト広告
    リターゲティング広告
    SNS広告
  • メールマガジン
  • SNS

Webマーケティングの重要性が年々高まっている

企業のマーケティング活動の中で、Webマーケティングの重要性が年々高まっています。その理由として、インターネットの普及による社会環境変化があります。インターネットの普及により、ECサイトやネットショッピングが一般的になり、Webマーケティングも急速に拡大しました。ユーザーが情報を集めるための手段は紙媒体などからWebが主流になり、販売側もそれに合わせ、自社をPRする場所はリアルからWebに移りつつあります。

昔は毎年の一大イベントだったモーターショーですが、最近は参加メーカーの減少や規模の縮小が見られるようになりました。その原因は、インターネットやSNSの影響と言われています。わざわざそこに行かなくても、情報が簡単に入手できてしまうためです。

Webマーケティングのメリット

Webマーケティングのメリットは以下の通りです。

高い効果が見込める

ユーザーの探索フィールドがWebのため、そのフィールドでPRすることは、必然的に結びつく可能性が高くなると言えます。

他の手法に比べコストが安い

展示会、直接の営業、雑誌広告などと比べ、圧倒的に低コストですぐに始めることができます。

戦略が立てやすい

キーワード調査を使った需要調査、他社Webサイト分析による競合調査など、リアルで行うと非常に時間とコストがかかる部分が、Webでは数値として簡単に分析可能です。そのため3C分析からの戦略が立てやすくなります。

効果測定がしやすい

問い合わせにつながったかどうかだけではなく、問い合わせにつながる前のユーザーの行動の分析も容易にでき、さまざまな数値で効果測定が可能です。

Webマーケティングを行う上での注意点

前述の通りWebマーケティングはマーケティングの一部です。ECサイトとは違いBtoBの場合、Webだけで営業活動が完結することはなく、マーケティング活動との連動が重要です。

Webマーケティングでは顧客接点を多く設け、商談のきっかけを多く作ることはできます。しかし、実際にそれが受注に結びついたか?事業に合った問い合わせか?など、営業体制や、訴求内容と会社の提供価値がマッチしているかなど、Webだけでは分析できません。最後のクロージングまで分析し、それをもとに再度Web上に施策として反映させていく必要があります。また、場合によってはその分析結果をもとに、マーケティング戦略自体を見直す必要もあります。

最近では扱うためのデータが年々多くなっているため、効率よく、リアルのマーケティングとWebマーケティングを連動させるためにデジタルマーケティングが注目されています。

Webマーケティングで成果が出た次のステップでは、多く獲得できた顧客接点をその時だけで終わらせないための仕組みが必要となります。それがデジタルマーケティングです。

マーケティングとデジタルマーケティング、Webマーケティングの違いについて説明しました。参考にしていただけたら幸いです。

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中小製造業、3つのWebマーケティング戦略2022

テクノポートの井上です。今回は受託加工を主とした中小製造業が、Webマーケティングを行う際の戦略について紹介します。

Webにおけるマーケティング戦略とは

マーケティングとは顧客を獲得するための仕組みを作ることです。「だれに」「何を」「どのように」訴求をするか?を決めることができれば大枠の戦略を立てることができます。戦略は対象とするユーザーに対し訴求力を高めることができ、Webサイトの構成や掲載内容にブレない軸を作るためにも重要です。Web上で考える際には、従来の戦略とは異なるポイントもありますので、それも含め説明します。

3つのWebマーケティング戦略

弊社では製造業界で数千社に及ぶ会社のWebマーケティング施策を立ててきました。施策には共通項が出てきますので、そこから導き出された3つの代表的な戦略を紹介します。

中小製造業Webマーケティング戦略2022

領域特化戦略

既存市場の得意領域に特化する戦略です。

一般的な戦略は市場調査を行い、市場を細分化し、攻める市場を特定、顧客のニーズを想定し、他社との差別化と競争優位性を確立させる戦略をとります。

ただ、受託加工の場合、自社でできる加工であれば市場を特定しないケースが多く、そこまでの独自性を持った技術を持つ会社は稀です。そのため、まずは自社の加工領域を細分化して、訴求ポイントを探し、できることを明確化させる戦略を弊社では推奨しています。

加工製品・材質・加工サイズ・加工方法・加工技術などさまざまな切り口で分析を行い、得意領域のキーワードで対策し問い合わせを呼び込む手法です。顧客にその加工ができることを認知させられるかが、顧客獲得の大きな分かれ目になるためです。

市場の細分化から組み立てる手法は下記にて詳しく説明しています。

「サプライヤー企業の実践的なWebマーケティング手法」

市場拡大戦略

他の加工方法の市場から需要を生み出す戦略です。

自社の所属する加工市場では、コスト競争になりやすく、市場も限られていることから、加工自体の魅力を他市場にも広め、自社の置かれている市場自体の拡大、及び他市場からの顧客獲得を狙います。

ユーザーが必要とする部品を検討する際には数量、精度、コストなど多くの要素から、最適な工法を選択しています。例えば、金属の切削加工で行っていたものが、本当はプレスや鋳造+2次加工で行ったほうが低コストでできる場合があります。

つまり、従来の工法と他の工法を比較することで、自社の加工領域の優位性をより深く知ってもらうことができます。ものづくり業界に所属している顧客であっても、加工技術一つひとつを正確に理解している方は意外にも少ないです。特に認知度の低い加工方法(加工方法の特徴や優位性が理解されていない)場合に有効な手法です。

コンテンツ 候補例

  • ◯◯加工とは?
  • ◯◯加工のメリット・デメリット
  • ◯◯の利用用途
  • ◯◯の△△と比較した際の違い  など

ここでのポイントは自社を売り込むのではなく、加工自体の魅力やメリット・デメリットを公平な立場で情報提供することです。なんでも自社の持つ加工が優位なように見える内容は、かえって顧客に疑われやすくなるため、公平な立場での情報提供を心がける必要があります。また、その提供する情報が一般的な加工情報なのか?自社独自が持つ特徴なのかも切り分けます。

市場浸透戦略

自社の行っている加工領域にて自社の認知度を上げ、「◯◯加工と言えば△△会社」という認識を顧客に持たせ、早い段階で相談を呼び込む戦略です。

全方位戦略に近いため、大企業がとる作戦ではと思われるかもしれません。しかし、Web上では、「会社が大きいから」「上場している」という理由で上位表示されるわけではありません。検索キーワードに対して適切な答えを用意できれば、どんな会社でも上位に表示される可能性があります。また、検索する側のユーザーは検索ページを何ページも開いて探すことはなく、対応できそうな会社を数社選定し、連絡を入れます。つまり早い段階で自社HPが認知されれば、問い合わせを呼び込むチャンスを格段に増やすことができます。

その方法として、自社の所属する加工領域のビッグキーワードを狙う作戦です。

キーワード 候補例

切削加工/マシニング加工/旋盤加工/プレス加工/板金加工 など

ただ、この作戦の難点は競合も多いため検索上位に上げづらいこと、また、上位に上がっても自社の差別化はできていないため、相見積もりが多くなる可能性があることです。

まとめ

中小製造業が実行できる、3つのWebマーケティング戦略について紹介しました。ちなみにどの戦略を選べば良いかというと、答えは全部です。なぜなら、Webサイトのページやコンテンツづくりに制限はないため、戦略ごとにページを作成し訴求できます。

手当たり次第にコンテンツを用意するのではなく、何のために何を用意するのかを明確にすることが重要です。その上で優先順位をつけ、コンテンツが用意できるところから、順次進めていくのがよいでしょう。もちろん資金やかける労力が必要になりますが、Webの良いところは、低コストですぐに実行でき、大きな成果が期待できることです。

Webサイト企画の参考にしていただければ幸いです。

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中小製造業の生き残り戦略を小規模企業が考える際のポイント2022

テクノポートの井上です。中小製造業の今後の事業戦略として、3つの戦略がよく取り上げられています。「海外展開」「R&Dへのシフト」「自社製品開発」の3つです。時代の流れとして理解はできます。ただ、中堅規模中心の事業戦略に見えてしまい、数名〜数十名規模の会社が取り組むにはハードルが高いと感じている方は多いのではないでしょうか?

今回は小規模企業(数名〜数十名)が考える、3つの事業戦略のポイントについて紹介いたします。

中小製造業生き残り戦略

中小製造業の3つの事業戦略

海外展開

人口減少により消費の拡大が期待しづらい国内市場を考えると、今後、製造業の海外進出はますます増えていくと予想されます。一方で、円安の急激な進行や海外の人件費の上昇により、家電・自動車メーカーの一部で、国内生産へ回帰する兆しも一部あります。

ここで考えるポイントは2つです。

  1. 「市場としての海外」をどう取り入れるか?
  2. 「競合としての海外」とどう競うのか?

1.「市場としての海外」をどう取り入れるか?

メーカーの進出する国に共に海外進出し現地調達できる体制を整える方法があります。ただ、相当な労力と費用がかかること、メーカーが他の国へ移動や、撤退するなどの相当なリスクがあります。他にも、海外市場とのかかわり方は複数ありますので、下記記事を参照ください。

【製造業】海外進出する5つの方法・進出方法の選び方(メリット・デメリットも解説)

最初のステップとしてのおすすめは、進出はせず、Webマーケティングにて海外市場へのテストマーケティングを行うことです。理由は、リスクが少なく、市場調査ができるからです。その中で本当に取引拡大したい市場や国が出てくれば、次のステップへ進む流れが良いと考えます。

2.「競合としての海外」とどう競うのか?

日本を除くアジア諸国のコスト競争力は非常に高く、「量産になったとたんに海外へ持っていかれた」というお話しもよく聞きます。もちろん、自社で海外工場を保有すれば良いのですが、なによりも初期投資コストが高いです。また、人件費の高騰、人材の定着化、加工ノウハウの共有など中長期的な運営には課題が多く存在し、中小製造業にはリスクが高いように思えます。

最初のステップとしてのおすすめは、信頼できる海外の協力工場を作り、海外生産にも対応できる体制を作ることです。国内の需要の中には、「コストを抑えたい、けれども海外に直接頼むのはやりとりやトラブル対応が大変」と考える会社が存在します。量産でのコスト競争力を確保しつつ、品質の担保を国内で行うことで付加価値をつけることができます。

R&Dへのシフト(ファブレス化)

「開発」「設計」「研究」といった生産の前工程を重視する傾向や、企業が国内拠点にR&D(研究開発)や高付加価値品の生産といった、より高度な機能を持たせようとする流れがあります。ファブレスメーカーと呼ばれるような工場を持たないメーカーや、商社的な機能で工場を持たないサプライヤー企業のような会社も増えてきています。

たしかに合理的な流れですが、中小製造業が国内で生き残りを考える際に、経営者がこの流れをそのまま受け入れるのはかなり難しいのではないでしょうか?

「ファブレスにすることで会社は生き残った。売上は好調。しかし、国内工場はなくなり、国内雇用は減少」

という結果を良しとせず、会社としての成長・存続と同時に国内での雇用創出を責務とする経営者も多いでしょう。他にも「やっぱり現場が好き」という方や、「設備がもったいない」という方もいると思います。また、数十名規模の会社で研究開発部門を持っている会社はなかなかいないのが現状です。

そのため、研究開発やファブレスを考えるというよりも、このテーマで中小製造業が考えるべきポイントは2つです。

  1. 製品開発の上流でいかに案件を獲得できるようにするか
  2. 社内外問わず上流からの受注体制を構築し、それを含めたPRができるか

1.製品開発の上流でいかに案件を獲得できるようにするか

自社で研究開発・製品開発ができなくても、その分野に携わることはできます。製品開発の上流段階に食い込むことで売上を確保することが必要になってきていると考えます。例えば、量産メインの会社が仕事を獲得するためには、量産を検討しているユーザーの案件を獲得するのではなく、量産になる前段階からの案件をいかに早く獲得できるかです。

なぜなら、製品開発の早い段階から入り、必要に応じてVA・VE提案をしつつ量産まで持っていくことができれば、量産検討段階でノウハウの共有ができており競争優位性を持つことができ、他社へ流れづらい良い案件となるからです。

逆に、量産段階の案件は「いかにコストを抑え安定品質で作るか」がテーマです。コストが大きなウェイトを占めるため、必然的に海外工場も視野に入ってきます。その段階から案件を獲得しようとしても良い案件にはなりません。

半導体ではファブレスメーカーとファウンドリーメーカーが存在するように、分業制をとったファウンドリーメーカーは今後も需要があるはずです。製品の機能性や仕様はファブレスが考え、それを作るノウハウや設備をファウンドリーが持ちます。作るノウハウとは、機構、量産のしやすさ、コスト低減方法など製品を効率よく実現させるためのノウハウです。

「製品開発の早い段階からメーカー側と量産ノウハウを共有し、ものづくりを進めよう」という作戦です。

2.社内外問わず上流からの受注体制を構築し、それを含めたPRができるか

量産の会社が今まで行っていなかった試作加工、設計、デザインを始めるのは、必要とするノウハウや設備が異なるためハードルが高いです。そのため、まずはレスポンスの良い会社で信頼できる協力会社が必要になります。

また、製品開発の上流段階からの相談対応が可能なことをアピールする必要があります。協力会社に事前に相談しPR材料の用意の協力をしていただくとよいでしょう。案件獲得できれば協力会社に依頼ができるので、先方としても悪い話ではないはずです。

自社製品開発

自社製品開発というと、一般消費者向けの製品を考える会社が多いと思いますが、中長期的な売上に繋がるまでにはハードルが高いと言えます。なぜなら、今まで行ってきていない商品に関する販売網や、マーケティングが必要で、それは受託加工がメインだった製造業とは真逆の領域だからです。昨今は商品のライフサイクルも非常に短くなっているため、ヒット商品を生み続ける必要もあります。

ただ、もちろん今後必要となるノウハウのため、少しずつその力を蓄えることは必須です。他にも波及して本業につながる良い効果が生まれたケースもあります。

もう少し、現在行っている仕事につなげやすい形を考えると、セミオーダーのユニットやパッケージ化が考えられます。いくつか例を紹介します。

事例紹介

表面処理会社

板金加工屋さんから仕事を受注していた表面処理会社がセミオーダー筐体設計製作販売
板金加工屋さんへ加工は依頼する(商流を変化)

金属の押出成形の会社

製品としてよく作っていたヒートシンクの特注品製造販売
押出成形以外の加工方法は協力会社へ依頼(商流を変化)

自動機設計製作の会社

注文の多い自動機を規格化し自社製品として販売

ネジ追加工の会社

特注ネジの販売
ネジ製造は今まで仕事を頂いていたネジ製造会社へ依頼(商流を変化)

以上3つの戦略を小規模企業(数名〜数十名)が考える際のポイントについて紹介しました。参考にしていただけたら幸いです。

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