Webマーケティングコンサルティングにより技術や製品の魅力を引き出す

自社サービスのWebマーケティングコンサルティングの宣伝

テクノポートの井上です。今回は自社サービスのWebマーケティングコンサルティングについて紹介と、そもそもWebマーケティングコンサルティングとは何なのかを説明いたします。

弊社の行っているWebマーケティングコンサルティングは、基本戦略の企画立案段階から、実行戦略となるWebマーケティングまでをトータルサポートするサービスです。

  • 「自社の保有技術や製品がどんな市場に合うかわからない」
  • 「特殊な技術を開発したけれど、どのような用途で活用できるかわからない」
  • 「既存市場で一定のシェアを獲得している技術の、新たな活用用途を見出したい」

など、自社の技術や製品の魅力を最大限に引き出し、効果的にPRをしたいというお客様に最適です。

テクノポートの強み
  1. 業界特化により業界知識を持ち、商流を理解し、業界に適した戦略の立案が可能
  2. Webを活用したスピーディーで正確な市場調査、競合調査が可能
  3. 成果を出すためのWebマーケティングノウハウが豊富
  4. Webマーケティングによる実行施策につなげ、細かくPDCAを回し正解に近づけていく
    (場合によっては戦略レベルも見直す)

以上のようにテクノポートでは、モノづくり業界の技術や製品PRのために、企画だけでなく、施策実行支援まで行います。お客様とともに目的の達成のために伴走する会社です。

自社で持っている技術や製品をもっとうまく世の中にPRしたいという企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

ご相談はこちら

ここからは、一般的にWebコンサルティングとはどのようなものかを紹介します。

Webコンサルティングとは

Webコンサルティングとは、Webに関するあらゆる課題解決を通じて、集客や売上促進といった最終的な目標達成をサポートする業務のことです。ここで重要なのは、クライアント企業が設定した目標を実際に達成するための戦略を立てることです。どんなに効果が期待できる施策であっても、企業側がそれを実行できなければ意味がありません。

企業が持つビジネスのメリット・デメリットをよく理解し、競合との比較検討や、顧客ニーズの分析を重ねたうえで、実行可能な施策を提案する必要があります。

Webマーケティングとの違い

Webコンサルティングと混同されやすいのがWebマーケティングですが、WebコンサルティングとWebマーケティングでは、業務への関わり方が大きく異なります。Webコンサルティングは、客観的な立場から企業の目標達成に向けたアドバイスを提供します。これに対してWebマーケティングは、当事者として適切な施策を実行し、目標を達成していきます。Webコンサルティングによって提案された目標達成のための道筋をもとに、適切なWeb手法を選定し、実行するのがWebマーケティングの役目です。

Webコンサルティングの業務範囲

Webコンサルティングとは、企業が目標を達成するために、Webに関するあらゆる課題解決を提案することです。従ってWebコンサルティングの業務範囲は非常に広く、クライアントとなる企業の状況によって、その内容は多岐にわたります。ここでは具体的な業務内容をいくつかご紹介します。

企業の課題や現状を理解する

クライアント企業にとっての課題は、クライアント自身でも正しく把握できていない場合が多いといえます。まずは丁寧なヒアリングによって一つ一つの問題点をあぶり出し、理解していくことが重要です。

また、施策を実行する際には、実際に企業が実行可能な施策であるかどうかがポイントとなります。クライアントとの密なコミュニケーションによって、クライアント企業を取り巻く環境についてもよく理解する必要があります。

Web戦略の策定

クライアント企業の課題を理解したうえで、顧客ニーズや競合など入念な分析を行い、適切なWeb戦略を策定していきます。具体的には、下記のように、課題や目的に合わせてあらゆる施策を提案していきます。

  • 集客を増やしたい:SEO対策、Web広告
  • 成約率を上げたい:Webサイト改善
  • リピート率を上げたい:メールマガジン、LINE

Web施策の実行

策定したWeb戦略に沿って、施策を実行していきます。Webコンサルティングにおける施策というとWebマーケティング(集客)ばかりに注目しがちですが、対応領域はそれだけではありません。Webコンサルティングによって対応するべき業務には、リード獲得などの集客支援のほか、実際に販売するための営業支援、さらに集客後のクロスセルやアップセルといった顧客管理なども含まれます。

クライアント企業がどんな目標を達成したいかによって、Webコンサルティングで行うべき施策・業務は無数に存在するといえます。

どんな課題を解決してくれる?

Webコンサルティングが扱う課題は、クライアント企業の目的や状況によって様々です。

  • Webサイトからの問い合わせを成約につなげたい
  • SNSの運用方法を改善し集客を増やしたい
  • リピート率を上げたい

など具体的な課題に応えることはもちろんですが、

  • 集客を上げたいが何をしたらよいかわからない
  • Webサイトをどのように活用したらよいかわからない
  • 自社の体制に合った施策、方向性がわからない

といった抽象的な悩みを抱える企業への対応も、Webコンサルティングの仕事です。

Webコンサルティングの費用相場

Webコンサルティングの費用は、業務範囲が広いことから内容によっても差があります。改善点や施策内容についてアドバイスを受けるのみの場合は5万円~10万円程度、施策実行までを依頼する場合は月額10万円〜50万円程度が相場のようです。(サイト規模にもよりますが、弊社では月額3万円~10万円程度でWeb施策の実行、解析、改善を行っております)また、依頼の専門性が高くなるにつれて、コンサルティング費用も高額になる場合が多く、上記はあくまで最低限必要な金額と捉えておくとよいでしょう。

Webコンサルティングを依頼する際の注意点

Webコンサルティングは費用や時間がそれなりにかかるため、依頼する際にはあらかじめ以下のような注意点を確認しておくことをおすすめします。

自社の課題を整理する

Webコンサルティングには課題を明確化することも業務に含まれています。しかし、すでに課題が整理されていれば自社で解決できる場合もあり、Webコンサルティングにかかる費用や時間を大きく抑えることができます。

依頼内容を明確化する

効率よく施策を進めるためには、どこまでをWebコンサルティングに依頼し、どこまでを自社で行うかを明確にすることが有効です。また、依頼の際には「売上を30%上げたい」、「成約率を2倍に増やしたい」など、目標を数値化することが理想です。具体的な数値目標があることで、より自社にマッチした提案を受けやすくなります。

受け身ではなく積極的に関与する

Webコンサルティングによって提案される内容が、必ずしも自社にマッチした施策とは限りません。また、コンサルタントから受けるのはあくまで「助言」と捉えるべきであり、行う施策に対して最終的な責任を持つのは自社です。ディスカッションの段階から積極的な意見交換を心がけることで、コンサルタントのやる気も向上し、情報や提案の幅も広がっていきます。

Webコンサルティング会社を選ぶ際の3つのポイント

それでは、実際にWebコンサルティング会社を選ぶ際にはどのような点に注意するべきか、3つのポイントをご紹介します。

1.ビジネスの課題や目的とサービスの強みがマッチしているか(広告運用・SEO対策・WEBサイト制作など)

Webコンサルティング会社にはそれぞれ得意とする領域があります。そのため、自社課題とサービスの強みがマッチしている会社に依頼することが重要です。

例えば、自社課題の解決策としては「Webサイト制作」が最適であるにも関わらず、Webコンサルティング会社の得意領域である「広告運用」によって施策が進められてしまうといったミスマッチは回避しなくてはいけません。

2.自社の規模と費用感が合致しているか

どんなに実績や信頼性があるWebコンサルティング会社であっても、自社の規模と費用感が合致していなければ依頼するべきではありません。

Webコンサルティングにかけられる費用を明確にしたうえで、自社の規模に合う会社を選定することが大切です。

3.自社の事業と同業種・同規模の企業での事例・実績があるか

Webコンサルティング会社を選ぶうえで、実績は最も重要なポイントです。

規模感はもちろん、同業種や同じ悩みを抱える企業に対する実績があるかどうかも必ず確認が必要です。また、具体的にどのような施策・サポートを提供しているかも併せて確認しておくとよいでしょう。

テクノポートの事例紹介

株式会社グリムファクトリー

自社の特殊技術をうまくPRすることで、新しい可能性が拓けた事例です。「剥がれない塗装印刷技術を持っているけれど、どうやってそれをPRすればよいか?どのような用途があるかわからない」という状態から、保有技術の機能性、魅せ方を考察、Web上でPRすることで問い合わせを呼び込み、そこからさらに利用用途の可能性を研究、さらにWebサイトを作りこむという流れにて、様々な問い合わせを呼び込むことに成功しています。

株式会社グリムファクトリーの事例に関する詳細はこちらのページからご覧になれます。

株式会社富士産業

Webマーケティングの切り口を変えて成功した事例です。具体的な取り組みは、新規事業である製作金物を全面に押し出した新しい切り口でのPRです。さらに競合他社と差別化した製作金物系のキーワード対策を盛り込みました。その結果、問い合わせ数が月数件から数十件へと急増。さらに、ターゲットにしていた設計事務所やデザイン会社からの引き合いもいただきました。

株式会社富士産業の事例に関する詳細はこちらのページからご覧になれます。

株式会社藤井製作所

既存のWebサイトを活用し、既存事業の内容を整理、強みとなる事業を特定し、メーカーからの大型の引き合いを呼び込み受注に成功した事例です。事業の中では、特に押出成形が競合の少ない領域だったため、押出成形を切り口に様々なコンテンツページを作りだし、毎月コンスタントに依頼引き合いを呼び込めるようになりました。

株式会社藤井製作所の事例に関する詳細はこちらのページからご覧になれます。

以上Webマーケティングコンサルティングについて紹介しました。参考にして頂けたら幸いです。

The post Webマーケティングコンサルティングにより技術や製品の魅力を引き出す first appeared on モノカク.

自社がどのような技術を持っているのか整理する方法

こんにちは、テクノポートの永井です。普段何気なく使っている技術ですが、あらためて整理するとなると意外と難しいものです。今回は、技術の洗い出し方法やMTFフレームワークなど、技術の整理方法についてまとめました。

技術とは何か?

技術を整理する前に、そもそも「技術」とは何でしょうか。広辞苑には、

  • 物事を巧みに行うわざ
  • 科学を実地に応用して自然の事物を改変・加工し、人間生活に役立てるわ

とあります。

製造業の場合、後者の意味で使われることがほとんどですが、「技術がある」という場合の「技術」には「他社と比較して」という意味も含まれています。そのため、ここでは「技術は何かを作ることに必要なもの、特に他者よりも秀でているもの」として話を進めます。

技術にはレベルがある

技術にはレベルがあります。例えば、ものを削る技術の場合、0.1mmの精度で削れるよりも、0.01mmの精度で削れる技術のほうが技術が高いと言われます。技術をPRする場合、このレベルがとても重要です。

そのため、技術を整理するときは、自社がどんな技術を持っているのかに加えて、自社の技術がどのレベルにあるのかも押さえる必要があります。

人によって求める技術のレイヤーは異なる

探す人の立場によって、技術のレイヤーは異なります。例えば、自動車の燃費向上を検討している人の場合、

  • 全体を見ている技術者:自動車の燃費を向上させる技術を探している
  • エンジンを見ている技術者:燃焼効率を向上させる技術を探している
  • 燃焼を見ている技術者:空燃比を理論空燃比にする技術

など、技術者の立場によって探している技術の具体性は変わってきます。そのため、技術を整理するときは、自社の技術がどのようなところで、どのように使われているかも押さえておく必要があります。

技術の整理方法、3つのステップ

技術を整理する際には、以下の3つのステップを経ていきます。

  1. 自社の技術の洗い出しを行う
  2. その技術が他社と比べてどのレベルにあるのかを調査
  3. MFTフレームワークを使って技術の応用方法をまとめる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.技術の洗い出し

まずは社内の技術の洗い出しから始めます。「技術は何かを作ることに必要なもの」になるため、自社で加工できるものの一覧を作ります。例えば以下のような項目など、社内で加工できるものはすべて確認します。

  • 加工できる素材
  • 精度
  • 大きさ
  • 質量

プレス加工を例にすると、

鉄 t=0.1~3mm 500×500 交差0.01mm 幾何交差◯ 0.1 ロット数

など、できるだけ細かくまとめるようにしましょう。加工技術の多くは「精度」を問われます。そのため、交差や幾何公差についても可能な範囲で記載しておくことをおすすめします。

2.他社との技術比較

自社技術の洗い出しが終わったら、次は技術レベルの確認をします。他社と比べる方法は、展示会やインターネット検索、交流会、お客様に聞くなどさまざまです。インターネット検索を使えば、手軽に技術を見ることはできます。しかし、掲載情報に具体性がなかったり、技術が高いと言われている企業ほどWebに力を入れていなかったりするため、比較は難しくなるでしょう。

一方、展示会は実際に会場に行く手間はかかりますが、実際にものを見られることはもちろん、加工者と直接話せたり、一度で複数の企業を比較できたりと、効率よく技術を知ることができます。

どちらも一長一短ですので、まずはインターネットで調査して、不足情報があれば展示会に行ってみるのはいかがでしょうか。他社より秀でた技術が見つかれば、それがPRできる技術になります。

3.MTFフレームで技術の応用まとめ

最後にMTFフレームワークを使って、自社の技術が何に利用されているのかをまとめる方法をご紹介します。

MFTフレームワークについては過去の記事でも紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
MFTフレームワーク活用によるWebサイト企画で他社と差をつける

MFTとは、Market(市場)・Function(機能)・Technology(技術)の頭文字を取ったものです。新しい市場に参入するときなど、自社に足りない技術の洗い出しを行う際にMFTフレームワークを使います。

このフレームワークの便利なところは、技術と市場の結びつきだけではなく、その間に機能が入っていることです。MFTフレームワークを使うことで、技術を使う機能と、機能が必要な市場との関係性を簡単にまとめることができます。

上図のMFTフレームワークは市場からスタートしていますが、技術からスタートすることで、自社の技術が必要な機能とその市場の関係性を見つけることができます。これまでに調査してきた自社技術のレイヤーがMFTフレームに合わない場合は、下図のように項目を追加するなど工夫してみてください。

技術の応用先がわかることで、誰に何を伝えればよいのかが明確になるでしょう。

まとめ

このように技術を整理することで、技術をPRしたときに「誰に・何を」伝えればよいのかで迷うことはなくなります。自社の技術が整理できると、技術をマーケティングしやすくなるので、ぜひ挑戦してみてください。

他にも、Webサイト制作時における企画手法をまとめた記事もございますので、こちらもご参照ください。

テクノポートでは、技術や製品の情報を広く発信したいとお考えの企業のWebマーケティングを行っています。技術の伝え方についてお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。

技術者がマーケティングに参加したほうが良い3つの理由

こんにちは、テクノポートの永井です。

製品開発をするための「市場調査段階でのマーケティング会議」に技術者が参加することはよくありますが、新規顧客を開拓していく「販売段階でのマーケティング会議」に技術者が参加するケースは少ないと思います。しかし、販売段階でのマーケティング会議において、製品の受託加工や共同開発のようなターゲットが他社の技術者となる場合、自社の技術者がマーケティングに参加することで大きな効果を得ることができます。

今回は、自社の技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加するメリットについて紹介します。

技術者がマーケティングに消極的な理由

「技術を売るのであれば、技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加するのは当たり前だ」との考えもありますが、実情は技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加しているケースは少ないように思います。まずはその理由を技術者目線とマーケティング担当の目線で説明します。

技術者が販売段階でのマーケティング会議に消極的な理由

そもそも技術者の多くはマーケティングにあまり興味がありません。「我々の仕事は技術開発/製品開発で、仕事を取ってくるのは営業の仕事」という考えを持っている技術者も少なくないからです。

技術者に限ったことではありませんが、自分の仕事を限定し、それ以外は関わらない人も多くいます。そのため、販売段階でのマーケティング会議に参加してもらう場合はお願いベースではなく、仕事として依頼する必要があります。また、理系学部でマーケティングを積極的に教えている大学は少なく、あったとしても選択科目です。つまり、技術者はマーケティングの目的や方法など、マーケティングについての知識はあまりありません。さらに、お客様との窓口は営業が担当する事が多いため、技術者は必然的にターゲットとの接点が少なく、ターゲットが何を求めているのか深く把握できていません。

つまり、技術者が販売段階でのマーケティング会議に消極的な大きな理由は、

  • 自分の仕事ではない
  • 自分の得意分野ではない

と感じているからなのです。

そのため、技術者を販売段階でのマーケティング会議に参加させたい場合は

  • 仕事としてマーケティングをさせる。
  • マーケティングの基礎とメリットを理解してもらう。

が必要になります。

マーケティングを技術者に頼りたがらない理由

技術者が販売段階でのマーケティング会議に積極的に参加したがらないことの他にもう一つ、マーケティング担当が技術者を頼りたがらない風潮も少なからずあります。

技術情報を発信しようとした場合、技術者に意見を聞くことは大切です。ただ、技術者に説明を求めるとコア技術の説明はできるのですが、「その技術を使って何ができますか?」という質問には答えられない場合が多いです。そのため、「販売段階でのマーケティングに必要な技術情報」と「技術者から提供される技術情報」に差異が出てしまい、マーケティング担当者が技術者に相談しても意味がないと考えてしまいます。しかも、技術の事となると技術者が上から目線になるということもあります。マーケティング担当は技術を知らないから、教えてあげよう。」という考えの人とは、うまく意見交換ができないのは何となく想像がつくと思います。

また、技術情報の説明が専門的すぎる傾向もあります。普段から基礎知識を持った人と接している技術者は素人に説明する機会が少なく、マーケティング担当が説明に対して理解しきれないことも、技術者に相談したくない理由です。これらの問題は技術者を教育することで解決可能です。そのためには大きな改革が必要になりますが、技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加するメリットは大きいのでその理由について説明します。

技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加したほうが良い3つの理由

新規顧客のターゲットを技術者とした場合、「技術を知っている自社の技術者」と「お客様の気持ちを知っているマーケティング担当」が協力し合うことで、相乗効果が生まれます。今回はその中でも3つに絞って説明します。

技術者目線で技術情報を発信できる

技術者と意見交換する大きなメリットは「技術者目線の情報」を得られること「社内の技術情報」を把握できることです。技術者が知りたい情報は技術者が一番よく知っています。そのため、自社の技術を他社と差別化するためのポイントや見せ方など、技術者が知りたい情報については技術者に聞いたほうが的確です。

ただし、技術者の説明は細部にわたりがちで、そのまま資料を作成すると同業の技術者にしか伝わらない可能性があります。販売段階でのマーケティングの目的が「自社の技術を幅広い分野で使ってもらうこと」の場合は、マーケティング担当が技術を噛み砕いて、他業種の技術者にもわかるような資料を作る必要があります。

用途開発の提案力が広がる

用途開発は多くの技術系企業の課題です。用途開発は大雑把に言うと

  1. 自社の技術を知る
  2. 技術を活かせる製品を見つけること

が必要になります。詳しくはこちら:「自社の技術を使った用途開発の方法

自社の技術情報は技術者が提供し、技術を活かせる製品の調査はマーケティング担当がすることで新しい用途開発の発想が出やすくなります。例として、表情の変わる富士山の様なグラスを開発した株式会社日翔工業を紹介します。

株式会社日翔工業は半導体やタッチパネルメーカー向けにスパッタリング加工技術を提供しているのですが、日常使う製品にこの技術を使いたいとずっと考えていました。そんなとき営業部長がお客様から一言がきかっかけで、スパッタリング加工でグラスにチタンをコーティングすることで「色の反射で表情が変わるグラス」の開発を始めることになりました。

このとき、指揮をとったのは営業部長です。営業部長は市場調査をし、この製品が世に出れば絶対に売れるという自信を持っていました。技術部は営業部長を信じて3年も間ずっと研究開発を続け、やっとの思いで製品を完成させました。いまではそのグラスは世界中の人々に使われています。詳しくはこちら:「毎日表情の変わる富士山の様なグラスで素敵なひと時を~株式会社日翔工業/SunFly~

このようにマーケティング担当(ここでは営業部長)と技術部が力を合わせることで、新しい発想が生まれてきます。

顧客目線を持った技術者の育成ができる

最後に、技術者がマーケティングに参加することで、顧客目線を持った技術者を育成でき、将来的に企業の技術開発力が向上することについて紹介します。「技術 = 顧客価値・収益」です。どれだけ優れた技術を持っていたとしても、それを人々が求める製品に使用できなければ収益は上がりません。

製品開発の場合は常に技術的な課題が出てくるため、技術者はその課題だけに向き合いがちですが、実際は「顧客目線をもった技術開発」が必要になります。そのため、技術者を販売段階でのマーケティング会議に参加させることで、市場が何を求めているのかを考える機会を与えることができるようになります。

技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加することで、技術のみ固着した技術者でなく、顧客価値を考えられる技術者が増え、結果として技術開発の幅が広がり、企業として強くなるという流れができます。詳しくは谷地氏の「技術者のためのマーケティング」をご覧ください。

まとめ

技術者が販売段階でのマーケティング会議に参加することで、技術情報の発信力は格段に高まるだけではなく、企業として価値の高い技術開発ができるようになります。また、最近ではダイソンやパナソニックなどの家電製品、化粧品などでも化学式を使った具体的な根拠を説明したりするなど、BtoCの世界でも技術的な情報を掲載する広告も増えてきましたことから、技術者のマーケティングへの参加は今後も求められてくると思います。

実際に技術者に販売段階でのマーケティング会議に参加してもらうためには、数々のハードルがあると思いますが、是非挑戦してみてください。

技術をわかりやすく相手に伝える方法について

テクノポートの永井です。

より多くの人に自社の技術を認知させて、特徴を理解してもらい、そして必要と感じてもらうためには伝えるための工夫が必要です。今回は「その技術の伝え方」についてまとめましたので、参考にしていただければと思います。

技術を伝える難しさ

技術の伝え方を紹介する前に、技術の伝えることの難しさについて共有したいと思います。

そもそも「技術を理解した」というのはどういう状態でしょうか?私は自分の立場(経営、設計、品質保証、購買など)において「その技術が使えるかどうかを判断できる状態」のことだと思います。ではなぜ相手に技術を伝え、理解してもらうことが難しいのでしょうか?その理由は大きく3つ考えられます。

1.相手の立場によって求める情報が異なる

例えば、経営者であれば技術を使って得られるベネフィットやメリットの情報を求め、設計者であれば具体的なスペックを知りたいと思っているため、伝えたい相手によって伝え方を変えないといけません。

2.相手が技術を理解するだけの基礎知識を持っていない場合がある

ほとんどの人が専門分野以外の技術については知識を持っていないため、技術を理解してもらうための道筋を立てなければなりません。

3.技術の細かな説明だけでは、技術によって得られる機能価値を想像してもらえない

相手はその技術を自社の製品に利用したときにの「機能価値」を知りたいと思っているにも関わらず、伝える側は専門用語を多用し、不必要なほどの詳細を伝えがちです。どれだけ高い技術でも、機能価値を想像できなければ、相手は聞く耳を持ってくれません。

以上のような理由で、技術を伝えることは難しくなってしまいます。だからこそ、わかりやすく伝えるためには工夫をしなければなりません。

技術をわかりやすく相手に伝えるために

ターゲットを決める

技術を伝えるときには、まずはターゲット(伝える相手)を決めましょう。ターゲットを決める時には仕事内容で分けることで「相手にどのような技術の基礎があり、どのような情報を求めているのか」を想像しやすくなります。

例えば下記の様な分け方です。

  • 同分野の開発者
  • 他分野の開発者
  • 品質管理担当者
  • 購買担当者
  • 生産技術担当者
  • 研究者
  • 一般の人

同分野の開発者であれば専門用語を多用して、自社の技術を高いレベルで伝えることができますし、他分野の開発者でれば基礎から伝える必要はありますが、大まかな説明でも理解してもらえます。

他にも、品質管理担当者であれば品質を改善するための情報、購買であればコストを削減するための情報、生産技術であれば工数を削減するための情報などを求めていることが想像できます。

伝える情報を整理する

ターゲットが決まったら次は「理解してもらいたい技術」の内容を整理します。ここでポイントになるのは、相手が求めているものは「現在の課題を解決するための情報」ということです。ターゲットによって技術の詳細を求めているのか、それとも技術によって得られるベネフィットなのかは異なるため、情報を整理する前にターゲットが抱える課題を洗い出してください。

例えば、ターゲットが抱える課題の一例として

  • 設計     :製品の小型化
  • 品質保証担当者:量産品の品質の改善
  • 購買担当者  :製造コストの削減
  • 生産技術担当者:製造工数の削減
  • 経営者    :自社のブランド力向上、販売数の拡大

などがあります。このような課題をもとに、自社の技術がターゲットに対してどのような恩恵をもたらすのかを整理してみてください。

技術の伝え方

技術を視覚化する

技術を伝える際に有効な手段の一つが技術を視覚化することです。視覚化方法は様々ありますが、

  • グラフ
  • 画像
  • 動画
  • 現物

が一般的です。

パラメータを変化させることで性能が変化する場合はグラフを、内部構造など視覚化することでわかりやすくなる場合は図を、技術を使用した事例を見せたい場合は画像や動画を使うなど、伝えたいターゲットや技術内容によって最適な方法を選んでください。

視覚化方法 向いている技術 注意点
グラフ 状況の変化において技術差が出る技術 条件を明確に示す
縦軸、横軸の単位を記載する
従来品と比較ができるようにする
どれほど効果があるのかの説明文を入れる
最高値、最低値などが物をいう技術 従来技術との差異も数値で示す。
内部構造など視覚化することでわかりやすくなる技術 図のクオリティを上げる
画像 色や表面のキレイさなどで技術差がわかる技術
肉眼では見ないものの可視化が必要な技術
画像のクオリティを上げる
画像の中に注釈など入れる
動画 動作や音などで技術差がわかる技術 短くまとめる
現物 画面では分からない触覚を感じるこで差異が分かる技術 その場で試せるように工夫する

技術を使って得られる機能価値を提案する

技術を使って何を得られるのかをこちらから具体的に提案することで、ベネフィットが伝わりやすくなります。

例えば、

  • 落としても割れないスマホを作れます。
  • 耐久年数を2倍にできます。
  • 製品の大きさを今の80%にできます。

などです。経営者や技術開発長などのスペックよりもベネフィットを重視する方に有効な手段です。

技術の根拠や実績を説明する

自社が技術を持っていることを誰が見ても理解できるように、技術の根拠を示すことも大切です。特許や論文などの第三者から評価された内容があればベストですが、取引のある企業や設備など一般的な情報でも構いません。

特に、量産技術を求めている大手企業は、相手企業が持っている技術の信憑性、品質管理能力、量産能力、不具合時の対応力などの総合的な力を見極めるために「大手企業との取引実績がある」ことを求める傾向にあります。

まとめ

技術を伝えることは思っている以上に難しいことですが、ターゲットを決め、情報を整理し、見せ方を工夫することで、伝えやすくすることは可能です。

技術を伝えるためには、試作品の製作費用、実験用のサンプル費用、資料作成に要する工数などのコストがかかります。それでも、新規顧客を開拓するためには技術をわかりやすく相手に伝えられることが必要になるため、ぜひチャレンジしてください。

顧客に届く「自社技術の凄さ」

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。ホームページやパンフレット製作のため、製造業を中心とした様々な企業で取材を行ってきました。それらの経験を元に、顧客に「自社技術の凄さ」を伝えるための、より効果的なアピール方法をお伝えします。

効率的なアピールとは、顧客が知りたい情報を提供すること

どれだけ素晴らしい技術があっても、ニーズのあるところに響かなければ効果的なアピールにはなりません。たとえば素晴らしい曲芸を目にしても、拍手を送って終わりになってしまうことがほとんどです。もちろんアーティストの路上ライブのように、知名度を上げてることで素晴らしさに気づいてもらう方法もあります。しかし製造業の場合、この方法で成功できるのはBtoCが主流であるなど、限られた条件がそろっているときだけです。興味や関心がない層よりは、すでにニーズのある層をターゲットにアピールしていくほうが効果的といえるでしょう。すでにニーズがある層が目にするものとして考えられるのが、ホームページやパンフレットです。自社技術の凄さを伝えるためには、それらを見ている顧客が知りたい情報を確実に提供することが大切です。

そして顧客が知りたいことは大きく分けて次の2つになります。

  1. どんな問題が解決できるのか
  2. 他社との差

それぞれの場合について詳しく解説していきましょう。

 

「どんな問題が解決できるのか」を伝える

「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という有名な言葉があります。この考え方が適用されるのが顧客が1の「どんな問題が解決できるのか」を知りたがっている場合です。例えば顧客がライン上で不良品を正確に見つける方法や、騒音、衝撃などの問題に直面し、それを解決できる製品を欲しがっているとき、欲しいのは「製品」ではなく、「問題が解決されたという結果」であるということです。

つまりこのとき顧客が欲しがっているものは、その製品を使えば問題が解決できるだろうという確信です。ですから、どんな問題が、どのように解決できるのかという情報を提供することが大切になります。具体的には、活用事例や実績、導入ストーリーなどを分かりやすく伝えるといいでしょう。

 

「他社との差」を伝える

上記の「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」の反論として「ドリルを買う人が欲しいのはかっこいいドリルだ」という冗談があります。あくまで冗談として扱われる言葉ではありますが、実は意外と的を射ている言葉でもあります。穴が欲しいのは確かだが、様々な手段の中からドリルを使うのが適していると既に知っており、ドリルを扱うことに難しさを感じないのであれば「かっこいいドリルが欲しい」と考えることもできます。つまり、問題解決の手段をすでに熟知しており、その中から最良の手段を選びたいと考えている場合です。

このときに顧客が欲しがっている情報は、他社との差や他の類似商品との差です。どんな部分がどのように違うのか、図や数など値を交えて、具体的に伝えるといいでしょう。このときに大切なのは、自社をアピールしたいという部分だけに注目しすぎないことです。視点を広く持ち、他社や他の類似品に比べてどうであるかを、客観的に見つめなおしてみてください。

まとめ

情報を発信する場合に大切なのは「情報の受け手から見てどう見えるか」ということです。ここに書いたことは決してむずかしいことではなく、当然だと思われるかもしれません。しかし「凄さを伝えよう」と前のめりになればなるほど、忘れがちになってしまう部分でもあります。自分が伝えたいことを少しわきによけ、顧客がどんな情報を求めているかに目を向けてみることが、効果的なアピールの第一歩になるでしょう。