続・東京インターナショナルギフトショー 町工場NOW! 出展レポート~成果報告対談編~

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

時の流れの速さは、年齢を重ねてさらに増してきたような気がしています。今年も残すところ。。。などという定型のご挨拶から、文章を書きだしたくなりますね。

というわけで、まずは、還暦にして初チャレンジ。ラジオのD.J.始めました、というご報告。番組名は、メタリックフライデー。製造業・ものづくり・町工場をつないで元気に!を合言葉に、FM川口から毎月第一金曜日、19時から一時間の生放送です。

お相手は、D.J.カルロスこと、株式会社メガワークスの永井社長。そして、FM川口の誇る人気D.J.金谷美奈子さん。番組の詳しいことは、番組ホームページがありますので、ご覧になってください。
https://metallic-friday.jimdosite.com/

次回の放送は12月4日となります。リスラジっていうアプリを使って、全国どこでもお聞きいただけますので、よかったら、聞いてみてください。

さてさて、先月もレポートさせてもらいましたが、10月7日からの3日間、東京ビッグサイトで開催されたギフトショー。今回は町工場NOW!エリア、MAKERS LINK共同出展した皆さんの成果報告を対談形式でお届けします。参加は、株式会社ブラスト工房の佐藤さん。株式会社グローバルテクノロジーの松岡さん。株式会社ワイ・エス・エムの八島さん、Pit-A-Pat(ピットアパット)の大井さん。そして、COOL MILLINGSを代表し、栗原。

栗原:皆さん、あらためまして、展示会3日間、お疲れさまでした。あれからもう1ヶ月が経ちますが、それぞれ、どんな成果が上がっているのか、お聞きしたいと思います。まず、今回が初めての展示会出展だった大井さん、いかがでしたか?

大井:今年はこんな状況の中、4月から創業してひとりで家にこもってデザインしていました。ギフトショーへ出展して反応を見るまでは、自分の作ったものが良いのか悪いのかすらわからず、暗いトンネルを歩いているようでしたが、ギフトショーを境に一気に景色が広がり、ご縁がつぎつぎに繋がっています。

栗原:具体的にはどんな案件がありましたか?

大井:いただいた名刺は46枚で、その内、10件、後日直接会って商談に至りました。仕事として稼働し始めているのは、その内、6件になります。2件は継続的に顧問デザイン契約を結んでいただきました。いま、一生懸命プランニングして製品を作っています。

栗原:それはすごい!

大井:これ以上の新規案件も新規顧客も断らないといけない状況で、まさにうれしい悲鳴です。

栗原:松岡さんもまだ起業されたばかりで、ご自身の会社としては初めての展示会でしたよね?

松岡:そうですね。ギフトショーは、具体的に商談につながるバイヤー様が多く、手ごたえは感じました。ただ、通販卸関係は上代と下代のバランスが大変難しく(厳しく)今後コンシューマー品をリリースするときには上代価格の決め方を考えるのが重要かと感じました。

栗原:具体的な数字を可能な範囲で教えていただけますか?

松岡:名刺交換数は37枚で、商談までいったのは7件。内、実際に販売した件数2件です。

栗原:おお!もう、2件も売れちゃったんですね!では、続いて、佐藤さん、いかがでしたか?

佐藤:私は、会場でチラシを130枚配りました。名刺は通販会社さんや卸売りの方など、23枚いただきました。そのうち、4社に見積もりをしてアフターフォローを継続中です。

栗原:そうそう、会場では、佐藤さんは地元、蕨のはっぴを着たりして、目立ってましたね。それが功を奏したのかな?(笑)

佐藤:1社、大手の通販カタログ雑誌とTVショッピングで常時商品を販売している会社と共同で、新商品開発をして販売をして行く方向で動いています。試作を始めていますので、今後具体的に詰めていく予定です。

栗原:佐藤さんもすごい!では、八島さんにお聞きしましょう。

八島:数字的には、名刺交換67枚で、商談は6件。都内の2店舗で、取り扱いをいただくということで進んでいます。あと、展示会後に4社の方に来社いただきました。特注照明案件の話や、フランスの企業との技術マッチングの話。伝統工芸と当社技術の組み合わせによる展開などなど。今後、面白くなっていきそうです。

栗原:さすが、YSMさん!最後にうちの報告もしておきますね。いただいた名刺の数、74枚。けっこう多かったですね。ただ、そのうち、商談に至った件数は、2件。うち1件は残念ながら今回は取引に至らず。もう一件は、継続して打ち合わせ中です。なにしろ、うちは、商材がひとつしかなかったので、その点、難しかったです。ただ、OEMや新規の商品開発の話につながっているので、成果としては上々と思ってます。うちにとっては、デザイン面をお手伝いいただいている眞鍋さんの存在が大きいです。もうすでに、次回のギフトショーに向かって、いっしょに走り出してます。

あと、皆さんに、全体としての感想などもお聞きしたいと思います。

佐藤:来場者は、真剣に商材を探している人がほとんどで、とても濃い内容の展示会であったように思います。ただ、「とにかく安く、とにかく目新しいもの」を探している人も多かったですね。逆に、ニッチなターゲットで、少量で高額商品の販売を考えている会社もある。うちは数量限定商品を前提にしているので、価格競争の外で展開できる可能性があるので、新規取引先として魅力を感じています。

八島:コロナ禍なので心配しましたが、来場者数は多かったと思います。また、本気で繋がろうと考えているバイヤーさんが多かったと感じました。そして今回ベストリノベーションアワードを頂けたことは大変励みになりました。

全員:おめでとうございます!

八島:ありがとうございます。今まで直接会ったことがなかった製造業のみなさんともリアルに会えることができたり、フランスの展示会に出展していた企業ともお話しすることが出来て、色々情報交換することができたのも展示会ならでは!だと感じました。またギフトショーには出展しようと思います!

大井:栗原さん、今回はお声がけいただいて本当にありがとうございました。皆さま、一緒に準備してイベントに挑めて本当に楽しかったです。勝手でございますが、「戦友」「仲間」だと感じております。今後とも末長く、よろしくお願いいたします。

栗原:大井さんにしっかりまとめていただいちゃいましたね!ありがとうございます。ギフトショー運営のビジネスガイド社の鈴木さんにもお礼を言いたいですね。もうとにかく、熱い!ぐいぐいと引っ張ってもらって、それが、それぞれの成果に結びついたと思います。

次回、2月の町工場NOW!には、もっと多くの仲間といっしょに出展しようと計画してます。MAKERS LINKのグループページでも発信していきますので、興味を持たれた方は、ぜひ、お問い合わせください。

最後にお知らせを。実は、今回をもって、こちらの連載は卒業させていたくことになりました。

「ものづくり経革広場」に月一回、ブログ記事を掲載いただくようになって、もう4年半になりますか。経営的、技術的な情報はいっさい書けないにもかかわらず、ずいぶんと長いこと好き勝手に散文を載せていただいてまいりました。応援してくださった方も、ちらほらとはいらっしゃいまして、ほんとうに感謝しております。

まあ、私自身は、相変わらず、会いに行ける町工場経営者として、あちこちに出没し続けますので、どこかで見かけましたら、気軽にお声掛けくださいませ。

あ、最後の最後に、テクノポートのなべちゃんこと、渡部さん。いつもばっちりと編集してくれて、ありがとうございました!今後も「いろいろと」よろしくね!

続・東京インターナショナルギフトショー 町工場NOW! 出展レポート~成果報告対談編~

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

時の流れの速さは、年齢を重ねてさらに増してきたような気がしています。今年も残すところ。。。などという定型のご挨拶から、文章を書きだしたくなりますね。

というわけで、まずは、還暦にして初チャレンジ。ラジオのD.J.始めました、というご報告。番組名は、メタリックフライデー。製造業・ものづくり・町工場をつないで元気に!を合言葉に、FM川口から毎月第一金曜日、19時から一時間の生放送です。

お相手は、D.J.カルロスこと、株式会社メガワークスの永井社長。そして、FM川口の誇る人気D.J.金谷美奈子さん。番組の詳しいことは、番組ホームページがありますので、ご覧になってください。
https://metallic-friday.jimdosite.com/

次回の放送は12月4日となります。リスラジっていうアプリを使って、全国どこでもお聞きいただけますので、よかったら、聞いてみてください。

さてさて、先月もレポートさせてもらいましたが、10月7日からの3日間、東京ビッグサイトで開催されたギフトショー。今回は町工場NOW!エリア、MAKERS LINK共同出展した皆さんの成果報告を対談形式でお届けします。参加は、株式会社ブラスト工房の佐藤さん。株式会社グローバルテクノロジーの松岡さん。株式会社ワイ・エス・エムの八島さん、Pit-A-Pat(ピットアパット)の大井さん。そして、COOL MILLINGSを代表し、栗原。

栗原:皆さん、あらためまして、展示会3日間、お疲れさまでした。あれからもう1ヶ月が経ちますが、それぞれ、どんな成果が上がっているのか、お聞きしたいと思います。まず、今回が初めての展示会出展だった大井さん、いかがでしたか?

大井:今年はこんな状況の中、4月から創業してひとりで家にこもってデザインしていました。ギフトショーへ出展して反応を見るまでは、自分の作ったものが良いのか悪いのかすらわからず、暗いトンネルを歩いているようでしたが、ギフトショーを境に一気に景色が広がり、ご縁がつぎつぎに繋がっています。

栗原:具体的にはどんな案件がありましたか?

大井:いただいた名刺は46枚で、その内、10件、後日直接会って商談に至りました。仕事として稼働し始めているのは、その内、6件になります。2件は継続的に顧問デザイン契約を結んでいただきました。いま、一生懸命プランニングして製品を作っています。

栗原:それはすごい!

大井:これ以上の新規案件も新規顧客も断らないといけない状況で、まさにうれしい悲鳴です。

栗原:松岡さんもまだ起業されたばかりで、ご自身の会社としては初めての展示会でしたよね?

松岡:そうですね。ギフトショーは、具体的に商談につながるバイヤー様が多く、手ごたえは感じました。ただ、通販卸関係は上代と下代のバランスが大変難しく(厳しく)今後コンシューマー品をリリースするときには上代価格の決め方を考えるのが重要かと感じました。

栗原:具体的な数字を可能な範囲で教えていただけますか?

松岡:名刺交換数は37枚で、商談までいったのは7件。内、実際に販売した件数2件です。

栗原:おお!もう、2件も売れちゃったんですね!では、続いて、佐藤さん、いかがでしたか?

佐藤:私は、会場でチラシを130枚配りました。名刺は通販会社さんや卸売りの方など、23枚いただきました。そのうち、4社に見積もりをしてアフターフォローを継続中です。

栗原:そうそう、会場では、佐藤さんは地元、蕨のはっぴを着たりして、目立ってましたね。それが功を奏したのかな?(笑)

佐藤:1社、大手の通販カタログ雑誌とTVショッピングで常時商品を販売している会社と共同で、新商品開発をして販売をして行く方向で動いています。試作を始めていますので、今後具体的に詰めていく予定です。

栗原:佐藤さんもすごい!では、八島さんにお聞きしましょう。

八島:数字的には、名刺交換67枚で、商談は6件。都内の2店舗で、取り扱いをいただくということで進んでいます。あと、展示会後に4社の方に来社いただきました。特注照明案件の話や、フランスの企業との技術マッチングの話。伝統工芸と当社技術の組み合わせによる展開などなど。今後、面白くなっていきそうです。

栗原:さすが、YSMさん!最後にうちの報告もしておきますね。いただいた名刺の数、74枚。けっこう多かったですね。ただ、そのうち、商談に至った件数は、2件。うち1件は残念ながら今回は取引に至らず。もう一件は、継続して打ち合わせ中です。なにしろ、うちは、商材がひとつしかなかったので、その点、難しかったです。ただ、OEMや新規の商品開発の話につながっているので、成果としては上々と思ってます。うちにとっては、デザイン面をお手伝いいただいている眞鍋さんの存在が大きいです。もうすでに、次回のギフトショーに向かって、いっしょに走り出してます。

あと、皆さんに、全体としての感想などもお聞きしたいと思います。

佐藤:来場者は、真剣に商材を探している人がほとんどで、とても濃い内容の展示会であったように思います。ただ、「とにかく安く、とにかく目新しいもの」を探している人も多かったですね。逆に、ニッチなターゲットで、少量で高額商品の販売を考えている会社もある。うちは数量限定商品を前提にしているので、価格競争の外で展開できる可能性があるので、新規取引先として魅力を感じています。

八島:コロナ禍なので心配しましたが、来場者数は多かったと思います。また、本気で繋がろうと考えているバイヤーさんが多かったと感じました。そして今回ベストリノベーションアワードを頂けたことは大変励みになりました。

全員:おめでとうございます!

八島:ありがとうございます。今まで直接会ったことがなかった製造業のみなさんともリアルに会えることができたり、フランスの展示会に出展していた企業ともお話しすることが出来て、色々情報交換することができたのも展示会ならでは!だと感じました。またギフトショーには出展しようと思います!

大井:栗原さん、今回はお声がけいただいて本当にありがとうございました。皆さま、一緒に準備してイベントに挑めて本当に楽しかったです。勝手でございますが、「戦友」「仲間」だと感じております。今後とも末長く、よろしくお願いいたします。

栗原:大井さんにしっかりまとめていただいちゃいましたね!ありがとうございます。ギフトショー運営のビジネスガイド社の鈴木さんにもお礼を言いたいですね。もうとにかく、熱い!ぐいぐいと引っ張ってもらって、それが、それぞれの成果に結びついたと思います。

次回、2月の町工場NOW!には、もっと多くの仲間といっしょに出展しようと計画してます。MAKERS LINKのグループページでも発信していきますので、興味を持たれた方は、ぜひ、お問い合わせください。

最後にお知らせを。実は、今回をもって、こちらの連載は卒業させていたくことになりました。

「ものづくり経革広場」に月一回、ブログ記事を掲載いただくようになって、もう4年半になりますか。経営的、技術的な情報はいっさい書けないにもかかわらず、ずいぶんと長いこと好き勝手に散文を載せていただいてまいりました。応援してくださった方も、ちらほらとはいらっしゃいまして、ほんとうに感謝しております。

まあ、私自身は、相変わらず、会いに行ける町工場経営者として、あちこちに出没し続けますので、どこかで見かけましたら、気軽にお声掛けくださいませ。

あ、最後の最後に、テクノポートのなべちゃんこと、渡部さん。いつもばっちりと編集してくれて、ありがとうございました!今後も「いろいろと」よろしくね!

東京インターナショナルギフトショー 町工場NOW! 出展レポート

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

文章を書くということ。ひと月に一回、こうして、いろいろな人の目に触れ、心に何かしらの痕跡を残すかもしれない、文章を書くこと。考えてみれば、ずいぶん大層なことを続けさせていただいてます。さて、モノカクのスタッフさんの寛容さに甘えて、今月も駄文を晒すことにします。

今日は、10月14日。この原稿が世に出る一週間前です。今日からさらに一週間さかのぼってみます。10月7日。東京ビッグサイトでの展示会の自社ブースに立っていました。長く自粛の期間を経て、やっと、この日を迎えられたという高揚感に浸っている自分の姿があります。

第90回東京インターナショナルギフトショー

ファッション、生活用品、雑貨などの商材を集めた、おそらく国内最大の見本市です。しかし、この規模と伝統を誇る一大展示会も、開催自体危ぶまれた今のこの状況下。誰もが不安と期待の入り混じった心もちで迎えた初日です。

ギフトショーの中に設けられた「町工場NOW!」というひとつのコーナー。その半分を占めるのが弊社を含む5社が集った「MAKERS LINK」ブースです。周りのLIFE×DESIGNに出展のハイセンスで華やかなブースに比べ、小さなスペースにギュッと、なんとも雑多な感じは否めませんが、そのかわり、賑やかに人目を集めてはおりました。

デザイン性の高いLED照明を世界に向けて発信し、すでに高い評価を得ている、株式会社ワイ・エス・エムの八島さん。

新しく会社を立ち上げたばかり、新しい生活スタイルにマッチする製品を精力的にアピールする株式会社グローバルテクノロジーの松岡さん。

サンドブラスト技術を極め、独創的な製品、サービスを展開する株式会社ブラスト工房の佐藤さん。

デザイン力と町工場の技術のコラボで、ユニークかつ素敵な商品を提案するPit-A-Pat(ピットアパット)の大井さん。

うちは、50年培った切削加工技術を基に、初めて生み出した唯一の自社製品を前面に。COOL MILLINGSを代表し、栗原。

個性豊かな5人の社長とその仲間たち。ビジネスの場所でありながら、どこかお祭り気分も隠せないそんな雰囲気が、訪れるお客さんの笑顔も引き出していたようにも思います。せっかく、時間と費用かけて、たくさんの方々に自社製品を見ていただいたので、大事なのはここから。いかに、本流の仕事につなげていけるかどうか。それぞれの個性が試されるわけですね。頑張りましょう!

ギフトショーは、年2回、行われます。次回は2021年2月3~5日の3日間、東京ビッグサイトです。ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKでは、この2月にも、町工場NOW!エリアに共同出展ブースを設けたいと思ってます。

2021年2月のギフトショー町工場NOW!

さあ、自社ブランド立ち上げ、自社製品開発、商品化を目指す、ものづくり町工場 の皆さん!2021年2月のギフトショー町工場NOW!出展を目標にしませんか?

今回、うちも初めて商材をひとつだけ持って、出てみましたが、予想をはるかに上回る手応え得られました。次回、ぜひ、ご一緒に!これから詳細を考えていきますので、MAKERS LINKのFacebookグループや、栗原のtwitterをチェックしてみてくださいね。ご興味ありましたら、メッセージでもけっこうです、ご一報くださいませ!

最期に、もう一つだけ、お知らせを

このブログにも何度か登場している、加工屋にしてロッカー、メガワークスの永井社長と二人でちょっとした企みを持っています。「製造業、ものづくり、町工場を繋いで盛り上げよう!」をテーマにしたラジオ番組を持つことになりました!埼玉は川口市のローカルFMですが、アプリを使ってどこでも聞いてもらえますし、YouTubeでの配信なんかも計画中です。

スタートは、11月6日。番組タイトルは、金曜日は金属の日にちなんで「メタリックFRIDAY!(仮)」毎月第一金曜日の19時から一時間。カルロス永井と町工場おやっさん栗原が、皆さんの耳元に出現いたします。どうぞ、お楽しみに!こちらも、FacebookやTwitterで、情報を流していくんで、要チェック、お願いします。

町工場栗原精機の徒然日記

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰、栗原のおやっさん・町工場栗原精機社長(この名前でTwitterやってます)です。

台風10号の被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。とくに九州地方はここのところ、災害が多く、コロナの影響も相まって、多くのものづくり企業の方々もご苦労が重なっているかと思います。まずはご自愛のほど、そのうえでご安全にお仕事を進められますことを。

それにしても、一ヶ月という期間に、こうもいろいろなことが起こるものかと思いますね。まさかの安倍首相の辞任発表があり、世の中は、後任首相は?と騒然としております。来月には、その新しい総理大臣の下、我々も未来を目指すことになっているんでよね。

お国もですが、埼玉の片隅の小さな町工場、我が栗原精機も、事業継承を進めながら、バタバタと日々を送っています。今回は、そんなわけで、手前味噌な話ばかり、いくつか並べさせていただきます。。。

企画開発チーム(仮称)

約50年に渡って、ほぼ100%請け負い仕事で工場を営んできた栗原精機ですが、世代交代の時期と世の中の移り様が重なっている今、会社としての成長のため、守り続けてきた殻を打ち破る必要があると考えました。

その具体策として、お客様のアイデアを実現する設計業務や、自社ブランド製品の開発販売までを視野に、社内に「企画開発チーム(仮称)」を設置します。栗原精機の次の50年を見据えたシフトアップです!

すでに新しい案件にも取り組み始めておりまして、うまくすれば、10月の展示会で具体的な製品の披露も?と目論んでおります。その展示会ですが、前回もお知らせしましたが、10月7日から3日間、東京ビッグサイトで開催の東京インターナショナル・ギフト「町工場NOW!」です。これには、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKとして出展いたしますが、先日、共同出展メンバーでの、はじめての打ち合わせを行いました。


写真、右から、デザイナーの眞鍋さん株式会社ブラスト工房の佐藤さん。株式会社グローバルテクノロジーの松岡さん。株式会社ワイ・エス・エムの八島さん、Pit-A-Pat(ピットアパット)の大井さん。そして、COOL MILLINGSを代表し、栗原。

正直、出展についてはギリギリまで迷いましたが、思いを同じくする仲間に集まってもらった以上、全力で結果を出したいと思います。そして、展示会を開催すること自体がなかなか厳しい状況下、ギフトショーを運営するビジネスガイド社担当者さんの、町工場NOW!への熱い思いにも、ぜひ、お応えしたいと考えています。

ぜひ、皆さん、ご注目の上、もし、可能であれば、会場に足をお運びください。
https://www.giftshow.co.jp/tigs/factorynow/index.htm

次。。。

9月4日の夜ですが、空き家再生と地域活性のオンラインコミュニティ「空き家レンジャー」さんが主催するオンライン【すなっく移住】のマスター役を務めさせていただきました。

テーマは「ものづくりの街、埼玉・川口で暮らす」。まあ、お酒の力を借りたせいもあって、かなり緩めに、参加者の皆さんとの雑談中心におしゃべりをさせてもらいました。

一応、テーマに沿って、江戸時代から鋳物の街として、栄えてきた川口の歴史や、前の東京オリンピックの際に国立競技場の聖火台を川口の鋳物職人が命を削って作り上げたというエピソードも。現在の川口の姿は、製造業、町工場の集結地でありながら、埼玉県にあって東京に隣接する便利さから、比較的若い世代が多く住む活気ある街となっているなんて話など、それなりに盛り上がったかと思います。

オンラインのイベントをさせてもらったのも初めてでしたが、なかなか新鮮で楽しかったです。その日の様子はFacebookで見られるようですので、もし、ご興味ありましたら、こちらで。

WEB CM動画に出演

そして、最後にお伝えしたいのは、メジャー企業の一押し商品の、WEB CM動画に出演させていただいたこと。

サントリー缶コーヒーBOSS「スピリットオブボス・働くことは、前を向くこと」

このキャッチコピーに込められた思いを伝えるべく、町工場を舞台に働くことをテーマとしたドキュメンタリー作品となっております。

「親子で、技術をつないでいく。」と題されたBOSS×栗原精機バージョンは、創業者の祖父から父へ、父から息子へと、時代が変わっても3代にわたって受け継がれる“ものづくりのスピリット”を象徴的に描いていただきました。

父である私と、息子が語っている場面は、それぞれ別々に収録されたもので、お互いがどんなことを話しているのか、作品が完成するまで知りませんでした。最後に私がぼそっと言っている言葉は、実は、撮影の合間の雑談中に言ったものなんですよね。うまく引き出された感があります。

約2分半の動画ですが、撮影は2日間に及び、映画?と思うよう大量かつ最新の撮影機材が持ち込まれて行われました。スタッフも監督さん以下、10数名。それでも、最小限の人数なのだそうで、撮影された映像はすぐさまリモートで送られて、編集や確認作業が同時進行していくという流れです。カメラやマイクなど力仕事も多く、汗だくで、ときよりピリピリしたムードも漂う様子は、これもまた、ものづくりの現場に違いないと思いました。

最後の撮影は、屋上で夕景をバックに、缶コーヒー片手に親子で談笑しているというシーンだったのですが、撮り終えたところで、お疲れ様の声がかかると、なんとも言えない達成感と連帯感みたいなものが自然と湧いてきましたね。

たまたまのご縁でお声掛けいただいたのですが、社員一同、ほんとうに貴重な経験を積ませてもらったと思います。もちろん、会社の知名度を上げるチャンスともなりました。この場をお借りして、関係の皆様に、感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました!

#アトツギ 新世代の可能性をSNSに見つけた!

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

いつもの夏とは違う「特別な夏」、いかがお過ごしですか?今年は長めのお盆休みをとった方も多かったかもしれません。うち(栗原精機)は、カレンダー通りの稼働にはしていましたが、ほんの一部の業界を除いて、仕事は相変わらず薄い状態です。私自身は、どこへ出かけるでもなく、ほぼステイホーム。遊びに来てくれる孫と水遊びの時間が唯一、夏らしいひとときでした。

SNS活用

さて、そんなわけで、少し持て余し気味の時間には、SNSを眺めていることが多かったですね。アカウントを作っただけで放ってあったTwitterも、ちょっと前に復活して、ちょいと積極的に書き込みなどしてみたりしました。

FacebookとInstagramは、これまでもけっこう頑張って使ってきましたが、Twitterは、やってみると、やっぱり面白い。フォロワーさんとのつながり感が強くって、お互いのリスペクトも感じられる場面にもたくさん遭遇しました。ネガティブなイメージを持っていて、ずっと敬遠してたのがちょっともったいなかった!

自己紹介がてら固定ツイートにしてみた下記の投稿には、思いのほかたくさんの反応(いいね!)をいただきました。年寄りがって嫌われちゃうかな?とも思いましたが、そうでもなく歓迎されてる(?)様子で、ちょっと安心。

#アトツギ

ハッシュタグ、#アトツギ をたどっていくと、たくさんの若い経営者or次期経営者に出会うことができます。ほんとにたくさんの若者が、まさしく事業継承の真っ最中、その奮闘ぶりを発信していて、正直、びっくりしました。彼らの中には一種の連帯感が生まれていることも分かります。

そんな中の、製造業、機械加工の会社を継がれれている何人かのひとをフォローさせてもらって、ときどきやりとりも。皆さん、とっても積極的で熱心で、会社経営のために情報吸収&発信を繰り返しています。例えば。。。

衰退といったキーワードばかり目立つ、日本の製造業ですが、いやいや、そんなことはない!厳しい時代であることは間違いないですが、そのぶん、しっかりとした次世代、アトツギたちがどんどん出現して、ガラリと世の中、変えていきますよ。私たちは、彼らの足を引っ張ることなく、確実にバトンを渡すために努力を惜しんじゃいけません。

原稿書いてる合間に、Facebookにも目をやると、もっとも有名なアトツギ三代目、由紀精密の大坪社長が、ちょうどこんな投稿を載せていました。すごく合点のいく内容だったので、引用掲載させていただきます。

<知ってもらうには?>

もう誰から聞いたか、何かを読んで知ったかすらも忘れてしまいましたが、人に何かを認知してもらうようになるには、同じ人に「三回」「別の媒体を介して」伝えることを意識しています。

公式Webサイト、SNS、展示会、メディア、口コミ、紹介、、、組み合わせはなんでもよいですが、例えば展示会でお会いした方が、「あ、このロゴどこかで見たことがある」と思ってくださっているとしたら、これがすでに二回目。そして、その時にはチャンスがなくても、その方がテレビを見ている時に由紀精密がたまたま出ていたら、「あ、知っている会社が出てる!」となり、この三回目でその会社がどういう会社か積極的に調べてくださったりして認知されます。

最近リリースしたアナログプレーヤーも、公式Webサイト、SNSでの告知、そしてプレスリリースをかけることでのメディアへの露出。もう一つ、リアルな体験として欠かせない試聴。この中には、自主的なPRだけでなく第三者評価が入るとなお良いですね。

こんなにアピールしているのに全然効果が出ない、と思ったときは、三回・別媒体から伝えられているかな?と考えて次のアクションにつなげています。

私たちものづくり企業はどうしても、設計・製造にかける時間に集中しがちですが、例えば浅岡さんの時計作りをみても、製造工程自体を詳細にSNSで伝えることが全体のブランディングに繋がりそこで多くのファンの心をつかんでいます。作る・伝えるをセットで、その背景にはストーリーがあるはずなので、そこが受け手の心に響くとよいですね。

思わず、何度、頷いたことか!なかなかリアルな場での営業活動がしにくい中、SNSの活用は必須であり、なお、様々なところでの情報発信をしていくことの大事さを、あらためて認識しました。

そして、最後にお知らせ

10月7日から3日間、東京インターナショナル・ギフト・ショー LIFE×DESIGN内で開催される「町工場NOW!」に、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKとして出展いたします。共同出展に名乗りを上げてくれた企業さんは以下の通り。

Pit-A-Pat(ピットアパット)
デザイン事務所。金属加工品、皮革製品、名刺制作サービスなど
http://pitapat-tokyo.com/

株式会社グローバルテクノロジー
電子機器の開発、試作、量産
http://www.globaltechnology.jp/index.html

株式会社ブラスト工房
ガラス彫刻を中心に金属の表面加工など
https://blastkoubou.co.jp/

株式会社ワイ・エス・エム
想いを形にして関わる人の未来を照らし続ける照明器具
http://www.ysm-products.jp/ja

COOL MILLINGS
日本の金属切削加工業の未来を拓く町工場軍団
https://coolmillings.jp/

正直、いま、展示会に出展するの?という迷いもありましたが、展示会ってもの自体を、様変わりさせるくらいの、なにかしらを生み出そうと、一歩、踏み出すことにしました。オンライン活用して、会場に足を運んだ人以外にも、それこそ、世界中に情報発信するビッグチャンスにしたいと思います!どうぞご期待ください!

https://www.giftshow.co.jp/tigs/factorynow

切削加工屋、メガワークス伊那工場訪問記

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

月一のルーチンでこの原稿を書かせてもらっていて、気づくと、自分自身の一ヶ月ごとの振り返りのきっかけになっているんですよね。ほんの短い期間なのですが、この一ヶ月にも、様々なことがあり、いろいろと考えさせられました。コロナ禍のこの不景気は、おそらく、回復という道は閉ざされたような気がしています。もちろん、業界、業種によって違いはあるのでしょうが、少なくとも多くの製造業、ものづくりに関わる人たちの様相は、過去にないほど厳しい状況だと思われます。

私自身も、大きな転換点に立っていると思いますし、重要な決断を下すタイミングにあることも承知しています。次の一ヶ月には、どんなことになっているのか。。。あ、ひとつだけ確実に変わっていることがあります。それは、私、栗原、年齢を一つ重ねて、ついに60代になっていること。(笑)

後継者のいない同業の会社

さて、先月の記事にも書かせてもらいましたが、切削加工屋集団、team COOL MILLINGS からの話題を。

メンバーの埼玉、吉川を拠点とするメガワークス株式会社、永井社長。後継者のいない同業の会社を引き継ぐという決断をしました。埼玉、伊奈町にあるその会社。30年以上にわたって技術を磨き続けてこられましたが、経営者も従業員である職人さんも高齢で、潮時と考えられていたそうです。しかし、取引のあった永井さんのぜひとも続けてほしいとの熱意に打たれ、ならばということで、設備も看板もすべてをそのまま譲るとおっしゃったとのこと。

7月の最初の土曜日。だいぶかたちが整ってきたという、その、メガワークス伊那工場を訪問してきました!

右から、永井社長。同行の有木製作所、有木さん。栗原精機から、三代目、栗原匠。旋盤担当、岩本。私、栗原。

さすがに歴史を重ねた工場内には、もはや不要となったものも多く、その整理などは、少しずつ手作業で進めている様子です。古い機械ばかりが並んではいますが、永井イズムが少しずつ浸透して、効率よく仕事ができるようになっていました。じつは、永井社長が、まず、手を付けたのはトイレ。週末にひとりでぴかぴかに磨き上げて、週明けに社員さんが出勤して、びっくり!そんな行動で、皆さんの心を引き付けたようです。

自分の給料を下げてくれ

ある日、ベテランの社員さんから、自分の給料を下げてくれと申し入れがあったそうです。このエピソード、心打たれます。以下は、永井さん自身のSNS投稿から抜粋です。

昨日の終業時に一番年配の社員さんが話があると声をかけてきました。まさか退職の話?ドキドキしながら話を聞きました。雇用契約書を見せて自分の条件を下げてもらえないかとの話。上げてくれとは言われた事ありますが、下げてくれと言われたのは初めてだったのでビックリしました。

『自分はもう歳も70過ぎてこれから色々なことを学んで成長は出来ないと思います。50過ぎてマシニングを覚えてほぼ自己流のやり方しかできない。今の最先端の事はなかなかついていけないかもしれない、しかし、手を抜くとかそういう事はしないので心配しないでください。今まで通り頑張りますから、自分は前社長が廃業すると聞いてて廃業後は仕事が出来なくなると思っていました。しかし永井社長が引き継いでくれると聞いてまた仕事場に来ることが出来た。70過ぎて働きにこれる場所がある自分は幸せです。それだけで十分ですよ。これ以上の事は私の気が済まない』

というので、「わかりました、ありがとうございます。これからも一緒に頑張りましょう、私を助けてくださいね。」と受け入れました。本当に泣きそうになってしまいました。

こちらの工場では、試作品など、単品を短納期で収めることを得意としています。永井さんも、ベテラン職人の仕事の速さには、びっくりすると言っていました。メガワークス本社の方は、小型のマシニングセンターが主体ですので、全体として、かなり、仕事の幅が広がったと言えます。ここからは、社長の手腕にかかっていますね!

最後に

これも、永井さんご自身の言葉ですが。。。

メガワークスの経営指針書には企業使命が書いてあります。

【メガワークスの全ての基本は人です。働くということを通じて、人に愛されること、人に褒められること、人の役にたつこと、人から必要とされることを目指します。その為の場所の提供がメガワークスの使命です。】

まだまだ力の無い会社でM&Aなんてできるのか?と自問自答していましたが、事業を引き継いで本当に良かったと思います。コロナ禍で仕事は薄くこれから大変だと思いますが、社員さんの働く場を無くさない。そして、働く場の環境良くしていくことが自分のできることだと決意いたしました。

with コロナ?新しい生活様式?ものづくりはどこへ向かえばいいの?

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

全国に出されていた緊急事態宣言も解除され、日常生活も徐々に戻りつつあるというところなのでしょうか?いわゆる「新しい生活様式」が試される、というわけですね。私も実際のところ、未だに、ほぼ外出せず、仕事場と自宅の往復(といっても、会社の上階に住んでいるので実質、一歩も外へ出ず)の生活を送っています。

肝心の仕事の方はどうでしょう?私の会社でも、収め先が大手メーカーさんの仕事がほとんど止まったまま。社員の出勤も週休3日を継続中です。考えられる対策は順次打ってなんとか凌いでいますが、さて、いつまで持ちこたえられるか。。。

前回の記事には、Facebookグループ・MAKERS LINKで取ったアンケート結果を報告させていただきましたが、我々、中小、零細の製造業にとっては、ほんとうに厳しい状況が続いています。一ヶ月経った今ですが、現状は変わっていないのでは?
https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/21954

昨日は、中小企業支援機関・大阪産創館の方とリモートでお話をさせていただきました。製造業を覆っているこの不景気は、地域によって差があるのかどうか気になっていたのですが、やはり、関西圏でも状況は変わらないようですね。

さてさて、そんな中でも、モノカクの原稿を書かなくては。。。はて、いったい、何を題材にしたらよいのやら?いろいろと頭の中で、近頃あったことを巡らせていると、ちょっとしたいい話も、ぽつぽつと、やっぱり、あるもんです。今回の記事は、思いつくままに「いい話」ご紹介させていただこうと思います。

弊社の新規の仕事の話

まず、弊社の新規の仕事の話から。仲間内から依頼のあった仕事ですが、カメラ用の三脚をいろいろな用途に使うための「ネジアダプター」の製作をさせてもらいました。キャンプ、アウトドアの分野では、38explore というブランド名で、かなりの数のフォロアーを集める”カリスマ”さんの展開するアイテムなのです。

うちは、以前から、ラジコンカーや釣りのリールなど、ホビーの業界にパーツを提供させてもらっていた実績もあって、それが功を奏したかもしれません。今後も、こういう、よりユーザーに近い製品に力を注いでいきたいと思っているところです。

team COOL MILLINGS

このブログでも何回か宣伝させてもらってますが、金属切削加工屋軍団、team COOL MILLINGS のオフィシャルサイトを開設しました!

https://coolmillings.jp/

日本の金属切削加工業の未来を拓く町工場軍団。金属製品の「美しさ」を多くの人に届けたいという思いから、2020年、本格稼働開始。

このコピー、どうですか!気合入ってますよ!

その、COOL MILLINGS のメンバーでもある、埼玉、吉川を拠点とするメガワークス株式会社、永井社長。思い切った行動に打って出ました。もともと取引先であった会社の経営者が高齢のため工場を閉めると聞き、すべての設備と従業員さんを引き受ける決断をしたんです。

現状維持でさえ厳しいこの状況下、男気だけでできることじゃないですよ。もちろん悩んだろうし、計画を何度も練り直しただろうことは想像に難いです。でも、覚悟を決めて前進したことを称えずにはいられません。近いうちに工場をお訪ねして、詳しい話を聞いてきます。ここにもレポートを載せますから、ご期待ください。

縁というのも不思議なもの。たしか最初はネットで知ったんです。同じ地元川口で活動する、金属造形アーティストの犬塚晶久さん。口数少なく長髪の風貌で、すこし、近寄りがたい雰囲気も、いかにも、という感じの方ですが、なぜか、好きなんです、彼とお酒を酌み交わして語り合うのが。

その犬塚さんと、日本橋、コレド室町に店を構える「メタマテ」がコラボして、魅力的な新しい製品たちを生み出しました。私自身もメタマテさんとはただならぬ仲を自負していますんで、なんだか、身内のことのようにうれしいんです。こちらのプレスリリースに詳しいことが掲載されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000048481.html

由紀精密さんの話題

続いては、こちら、モノカクには2月に訪問記というかたちで紹介させていただいた、株式会社由紀精密さんの話題。https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/21212

ちょうど、この原稿の締め切り日(6月10日)にプレスリリースが届きました!なんというグッドタイミング!

エンジニアリングの観点で自社設計したピュアオーディオ向けアナログプレーヤーを販売開始。由紀精密の精密旋削加工技術にこだわり抜いて生まれました。(プレスリリースより)http://audio-yukiseimitsu.com

大坪社長のFacebookで、こんな投稿もされてます。

やっぱり、精密加工ができる。機械設計ができる。プロダクトデザインができる。Webサイトを作れる。広報ができる。海外にも発信できる。これらを、すごい経営が苦しくても自社内に持ち続けてきたことは、間違ってなかったと思う。そして、それに共感してくれる素晴らしい社員のみんなに支えられ、今私はとっても幸せです♪

いやあ、これぞ、ものづくり!自分の理想に、いかに近づくことができるのか!やっぱり実践する力でしょ!有無を言わせぬ、ものづくり!由紀精密さんには、私も、でっかい刺激をもらってます。

最後に自分の製品

こんな素晴らしい製品の紹介の後で、最後に自分の製品の宣伝をするのは、若干、恥ずかしくもありますが。。。

町工場発、切削加工工場の現場から直送!ジュラルミン削り出しテープカッターが、いよいよ、日本橋、コレド室町に店を構える「メタマテ」さんにて発売の運びとなりました。

アルミニウムの中でも強度に優れ、航空機や自動車などの構造材としても用いられるA2017ジュラルミン材から、刃の部分も含め一体削り出しで製作しており、丈夫で永くご愛用いただける逸品となっております。

メタマテさんについては、昨年の9月に記事を掲載させていただいてますので、ぜひ、合わせてご覧ください。https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/19947

さて、with コロナの時代、いったい、ものづくりはどこへ向かえばいいの?とため息交じりに原稿を書きはじめましたが、いろいろと話題を盛り込んでいるうちに、気持ちがかなり前向きに変わってきましたね!

確かな答えはどこにあるのか分かりませんが、”なにか”が見えてきた、そんな気がしてきました。皆さんはいかがですか?

緊急アンケート コロナ禍において業績は?

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。緊急事態宣言が解除されぬまま、また、原稿の締め切り日を迎えました。会いに行ける町工場社長として活動できる日が待ち遠しいところです。

コロナ禍にあって、皆さんのお仕事はどんな状況でしょうか?私の会社(金属加工業)も、得意先の工場が稼働停止した影響もあり、受注が激減、かなり厳しい状況となっています。そんな中、MAKERS LINKでは、広く情報を集めてみたいと思い、Facebookグループでアンケート調査を行ってみました。今回は、そのアンケートの集計結果をレポートとしてお届けします。

アンケートはweb上で行い、回答は30名の方にお寄せいただきました。まずは、回答いただいた皆さんの業種や事業規模についてお尋ねしました。

業種

いちばん多いのは、請け負い加工業で50%、続いてメーカーの30%でした。当然のことながら”ものづくり企業”がほとんどとなっています。

事業規模

事業規模については、従業員数20人以下が90%という結果。アンケートの主旨からか、やはり中小、小規模事業者からの回答が多かったのかなと思います。

コロナ禍による業況への影響について

業績が大きく下降したという回答が46.7%、同じくやや下降が40%と、合わせて約9割がコロナの影響が大変厳しいという結果となりました。

もう少し、詳しく見てみると、従業員数 20人以下の請け負い加工、14社のうち、大きく下降が5社。やや下降が8社。影響なしが1社。同じく従業員数 20人以下のメーカー、6社のうち、大きく下降が4社。やや下降が2社。となっており、小規模の事業者のほうが影響が大く、そのほかの業種でも同様の傾向があるようです。

コロナ感染対策

次に、どのようなコロナ感染対策をとっているのかお聞きしました。基本的な手洗い、うがい、マスク着用はもちろん、アルコール消毒や換気などを定期的に行っているという回答が、ほとんどの会社さんから寄せられました。そのほかには、通勤時間や方法を工夫されたり、営業外出の自粛など、それぞれに対策を講じられているようです。

また、景気後退に対する対策を実施されていれば、教えてください、との問いには、

  • 「休業と雇用調整助成金の交付を検討」
  • 「打つ手無しと言ったところです。兎に角今は、コロナ禍が終息を待つしかありません」

といった声のほか、

  • 「業務の幅を広げること、客先を増やすことに集中」
  • 「雇用安定助成金の準備、普段なかなか進捗していなかった自社商品の開発」
  • 「レギュラー仕事が減ってはいるものの、開発相談が多数来ているので、それらに細かく対応していっています。将来の準備をしていっているイメージですね。」
  • 「通常業務のスピード化 DMで情報提供。HPの更なる拡充」

など、前向きに回復への準備を進めているとの回答もありました。

個別の意見をいくつか

最後にお名前を公表しても良いという方からのご意見もいくつか。

有限会社中村電機 代表取締役 中村勝彦様

  • 「製造業の変革時期です。中小企業の協業や連携は必須です。もっともっと面白いことが出来れば良いですね」

万有鍛工株式会社 代表取締役 石田知己様

  • 「コロナウィルス禍を機に行き過ぎたグローバル経済からの決別を」

有限会社ロッキー化成 代表取締役 鎌田和明様

  • 「いつもためになる企画をありがとうございます。何とか皆んなでここを乗り越えていきましょう!」

松原工業株式会社 代表 吉田昭喜男様

  • 「日本国内のものづくりのPower UPが必要。その為の政策を」

全部は掲載できませんが、そのほか、有限会社大竹製作所様、株式会社TOKAI精工様、大谷技研様、メガワークス株式会社様、有限会社スズキ様、総新工業株式会社様、株式会社ワイ・エス・エム様、株式会社Piezo Sonic様、株式会社ブラスト工房様、有限会社寿山工業様、株式会社産業革新研究所様、株式会社甲信商工様、有限会社浅井製作所様、株式会社モリモト様、有限会社永進ゴム製作所様、有木製作所様、有限会社サンアーム工芸社様、有限会社 山崎精工様、株式会社ティアンドエスラボラトリ様、羽野樹脂工業様他より、ご回答、ご意見を頂戴いたしました。

皆さま、ご協力、ありがとうございました。

なお、アンケート結果についてのご意見やご質問などは、MAKERS LINK Facebookグループでディスカッションできればと思います。ぜひ、下記にご参加ください。

ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK

町工場ぶっちゃけ対談 vol.12 ~中小製造業の海外展開サポート DIAgate~

こんにちは!この1ヵ月どこにも行ってない、どなたにもお会いしてない町工場社長、栗原です。緊急事態宣言の真っただ中にいて、皆さん、いかがお過ごしですか?

実は。。。私、宣言の出される前日に、39度の熱を出し布団にくるまって、いわゆる家庭内隔離状態となっておりました。幸い、徐々に平熱に戻りそのほかには、これといった症状もなく、もうしばらく自宅にこもってテレワークを続けていれば大丈夫かな?という感じです。

おそらくは単に風邪ひいただけとは思うのですが、こういう時期ですからね。不安を抱えてぶるぶる震えておりました。実際に症状が重くなってしまった感染者の方には、本当に心からお見舞い申し上げます。合わせて、大変なご苦労をされている医療関係者の皆様にも、この場を借りて、エールを送らせていただきます。本当にご苦労様です、感謝申し上げます。

久しぶり町工場ぶっちゃけ対談

さて、今回の記事は、久しぶりの町工場ぶっちゃけ対談としてお送りするのですが、お相手は、Web活用経営株式会社 代表取締役の小野晴世さんです。小野さんには、MAKERS LINKの創成期にホームページ立ち上げでお力をお借りしておりました。それが2016年の3月です。ちなみに今のホームページは、モノカクのテクノポートさんにお願いしてリニューアルしました。

中小製造業のホームページ活用をサポートする事業をされてきた小野さんですが、DIAgateという、日本企業の海外展開を支援する事業を始められました。私自身、少しだけ、海外に目が向いていた時期だけにお話お聞きしたいと思っていたこともあり、お声掛けさせてもらいました。ほんとは、お目にかかってじっくりお話を、と思っていましたが、今はやりのZoom会議にて。。。

 

対談の冒頭は、やはり、コロナウイルスの影響についてから。。。

栗原:本来ならお会いしてお話したかったところなんですが、こんな時期ですので、不慣れなテレビ会議とさせていただきました。今日はよろしくお願いします。

小野:こちらこそです。よろしくお願いします。実際、コロナの影響って、製造業の皆さんのところではいかがですか?

栗原:今のところ、会社によって差があるかと思いますが、今はまだ忙しいと言っているところでも、この先、受注ストップなど確実に広がるでしょうね。コロナ不景気は間違いなく襲ってきますけど、要因ははっきりしてるので、それが無くなれば回復するでしょう。いつか分からないというのが大きな不安ではありますが。

小野:そうですか、動き出せば回復は早いと。

栗原:まあ、コロナうんぬんの前から景気は下降してましたけどね。

小野:そうですね、貿易摩擦などの影響ですね。

栗原:その辺の景気を悪くしていた要因が、逆にコロナのせいですっ飛んでしまって、回復後はイケイケになるんじゃないかと。というのは、楽観的過ぎますかね?

小野:うんうん、そうかもしれませんね。たしかにそうおっしゃる方、いらっしゃいますよ。

栗原:どっちにしても、そうなるまで粘れなければ負けなんで、まずは、粘り切る方法を考えないと。

小野:そうですね。どんなお考えなんですか?

コロナを乗り切る方法

栗原:父親の代から50年、この仕事してきて、大きな波も何度か経験しているので、リーマン含め、その経験からすると、仕事が暇になった時間の有効な使い方ってことになると思います。暇なときにいい準備ができるかどうかにかかってると思います。

小野:暇なときにいい準備ができるかどうか、いい言葉ですね。うんうん。

栗原:リーマンのときも、たまたま、新しい仕事にとりかかろうと思っていた矢先だったので、一か八かの設備投資もしてしまったんで、新規分野に打って出るための準備研究に時間を使いましたね。

小野:リーマンの直前に設備したんですか?

栗原:真っ只中に、ですね。はっきり覚えてますが、2009年1月25日に新しい機械が納入されました。

小野:それは、衝撃的な!

栗原:それが、その後の10年間のうちの稼ぎ頭になってくれたんですよね。ありがたいことに。技術的なことだけじゃなく、新分野への営業方法なんかも勉強しました。お金の余裕はなくなってしまいましたが、時間はたくさんあったので。

小野:リーマンの期間て、ほぼ1年だったんですよね。その間の研究と準備がその後につながったということですよね?体験談を聞けて心強いです。

栗原:まあ、うちの話はともかく、今日は、モノカクの記事のために対談をお願いしたわけでして、そろそろ、小野さんの事業についてお話聞かけせて下さい。

小野:ありがとうございます。

DIAgate

栗原:個人的にもいろいろとお聞きしたいこともあって、ですね。とくに、最近始められた海外との架け橋になろうという、DIAgateという事業ですね。私自身もいつかは海外に事業展開という展望を持ってはいたんですが、なかなかハードル越えられず半ばあきらめかけていたところだったので。そもそも、小野さん自身が製造業というか中小企業の支援事業を始められたきっかけというのは?

(引用元:DIAgate)

小野:一言でいえばご縁なんですけどね。私、大学を中退してフリーランスになって起業してるんですね。創業するときに何もバックグラウンドがないので、結果で勝負、評価してもらうしかないと思って、最初はネットショップの運営からスタートしました。インターネットでモノを売るサポートですね。そもそも「商品」が好きだったんです。商品の開発ストーリーですとか。

栗原:ほう、なるほど。

小野:最初の頃は農産物のご相談が多かったんです。日本中いろいろなところに伺って、現場を見に行ったりしたり。まだ、農産物の直販というのが難しい頃ではあったんですが。

栗原:へえ、そうだったんですか。。。

小野:製造業と出会ったのは、10年くらい前ですかね。興味の持ち方は同じだったんです。一般的な消費者でいると野菜も果物も買うだけじゃないですか、実際はその裏側にあるストーリーがすごく面白くて、私にとっては。商品、モノといっても、生産者、社長さん、その人の考え方が反映されてますよね。

栗原:うーん、たしかに、モノ自体にね。

小野:大学も工学系にいたんですが、モノの仕組みとか、どうできるのかとかということが元々好きだったんですね。やっぱり工場を見るのが本当に面白くて。そういうのを伝えたいなと思うのが、私の原動力ですね。

栗原:具体的には、企業がwebサイトを立ち上げるためのサポートという仕事、ということですよね。まだ、10年前くらいだと、中小の町工場クラスでちゃんとしたホームページ持ってるところ、まだ少なかったですかね?

ホームページの立ち位置

小野:そうですね。私も製造業のホームページ、どう作っていったらいいか、最初は分からなかったですね。モノの写真はアップするんですが、お客さんの見ているところはモノじゃなくて、加工のノウハウだったりするじゃないですか。自分は必要としているものが実現できる会社なのかどうか、そこを翻訳することが面白いなと。技術屋さんは自身の技術を誰にどんな風に使ってもらうことができるのか、そこを伝えることが苦手で、私の中では、実は、宝探し的な面白さがありました。

栗原:なるほど、なるほど。私たちの側から見ると、我々がお客さんに伝えたいのは技術情報だけだったんですね。このような設備を持っていてこのような加工が得意です。10年前くらいから、実は、これだけじゃ足らなくなってきたんですね。技術情報を伝えただけでは、そこから何が作れるのかイメージできない、分からないというお客さんも増えてきたんです。

小野:ああ、すごくわかります。

栗原:新しい分野の顧客開拓しようとすると、機械設備の説明や加工サンプルをお見せしても、いまひとつ手応えのある反応が返って来ないことが多くて。なので、シンプルに分かりやすいモノを作って、うちはこれが作れるんですが、いかがですか?という売り込み方をしないといけない。その辺から試行錯誤が始まったという感じですね。

小野:あ、そういうことですね。そこってポイントですね。よく聞く話として、日本の技術力が落ちたとか、そういうことと関係していますか。

栗原:無関係じゃないとは思いますが、それは価値観が変わってきたってことじゃないかと思っているんですよ。同じものが作れるのであれば価格は安いほうが良い、単純比較でね。ある時期に、業界でもリストラとかが行われて、物知りな中間管理の優秀な方がいなくなってしまったというケースも多かったと思います。価格以外の価値は見てもらい辛くなりました。

小野:それはちょっと悲しいですね。それが10年前くらいなんですね。

栗原:我々のほうも準備がなかったから、新規分野に打って出るとか顧客開発しなくちゃって、そうなってからやっと動き出したんです。それが展示会の出展だったり、ホームページの立ち上げだったり。それと、それまであまりなかったのが、横の連携だったと思うんです。ちょうどSNSとかも出始めて、製造業の現場の側も変わるチャンスだったのかも。

小野:そこで、MAKERS LINKなんですね。だんだんとホームページとかで注文をどんどん取ったりする製造業さん、成功例が出始めていましたね。そんなころですね。

栗原:ホームページをお手伝いする仕事というのも、やっぱりリアルにお会いしないとなかなか進まないものですよね?

ホームページ

小野:そうですね、何もない状態の方のほうが多いですので。事業内容や自社の強みが整理されていたり、なかなかないので、見に行ってお話を聞いて、というところからになりますね。

インターネットって地域を超えるじゃないですか、技術を持っている人が存在して、それを探している人が存在して、そこをつなぐ、とってもシンプルな話で、国内向けにはホームページだけで良かったかもしれません。DIAgateに関しては、それを海外にも広めようっていうことなんですよね。英語で情報発信してみて、日本の中で起きている中小製造業のできごとが、世界の中でどう受け止められるかってわからないですね。手法としては、インタビューして記事にして、海外の興味のありそうな人にアプローチしてみて、コミュニケーションを作って、より興味を持ってもらえそうなネタを探していく場が欲しいと思いました。製造業の中で起こっているストーリーを海外のメディアに紹介してみようと思っています。そこから、メイドインジャパンに求められているもの。例えば、日本の中小製造業の横の連携について興味を持っている国とか。探してみようと思ってます。

栗原:我々のレベルの会社だとなかなか海外との取り引きというのはハードル高くて、なかには、中国や東南アジアに自社工場を出している人もたくさんいますが、海外市場にものを売るっていう意味では、まだまだまだと思うんですよね。

小野:私もいくつか検証したいことがあるんですけど、DIAgateを使って数が少ない試作の案件を日本に持ってきたい、もちろん高単価で。そのような仕事を受けられるんじゃないかと思っているんです。

栗原:アリだと思います。大量生産のコスト勝負っていう仕事はやりたくないので、我々としては小回りの利くお客さんの一番欲しいものをピンポイントで作る、ダイレクトに。役目としてはそれが一番向いてるかなって思いますね。

小野:メディア作った後は、海外展示会とか、そういったことに進めていけたらって思っています。MAKERS LINK さんと一緒にできたらって。

栗原:いいですね!事業計画に入れておきましょう!

人材確保

小野:海外の研修生など、人材確保という面ではどうですか?実際、積極的に外国人の採用をしている中小企業もありますが。

栗原:研修生の受け入れは是非したいのですが、今に制度の下では、せっかく育てた人材との縁が、一定の期間で切れてしまうので、うちに限って言えば、今の段階ではお断りしている状態です。まずは、事業として海外展開が構築されていて、受け入れた研修生のその後の活躍の場も確保できているという状態を作るのが先という考えです。

小野:おお、では、その構想に是非とも加わらせてください。息子さんもいらっしゃることですし、少しずつでも進めていきましょうよ!社長!

栗原:うちだけじゃなくて、MAKERS LINKにも同じように考えている人もいると思うので、そういう人たちのためにも良い事例を作れたらいいですね。

小野:是非、協力させてください。まだ始まったばかりで事例はないんですが、3年間で20か国のメディアとタイアップするというのを目指していて、私がやりたいのは、中小企業さんが、DIAgateで情報発信したら、現地のメディアの人たちがそれを展開してそれを広めてくれる、というプラットフォームなんです。

栗原:なるほど。

小野:日本で英語のホームページを作っても、海外からのアクセスってホントに少ないんですよ。海外で検索してもほとんど出てこないんですね。なので、インターネットを使いながらも、人と人とのパイプで、コミュニケーションを作って行きたいんです。いずれは海外の方からの依頼で、日本の中小製造業を取材させていただく、というところまでもっていきたい。

栗原:我々が、よし、販路を海外に広げるぞ!と思って、まあ、相談に行ったり、セミナーに行ったり、いろいろ調べても、はい、こういう事例があって、こんな会社がこんなに成功を収めていますよって教えられるだけ。夢が膨らむのはいいのですが、一番知りたいのは、最初の一歩はどうやって、どこに向けて踏み出せばいいの?ってことだと思うんです。

小野:いいアドバイスありがとうございます。最初の一歩を手を携えていっしょに踏み出すサービス、参考にさせていただきます。

栗原:今日はお忙しい中、ありがとうございました。移動中だったんですよね?

小野:はい、駐車中の車の中です。Zoomいいですね!これから活用できそうです!また、よろしくお願いします。

【レビュー】中小製造業の未来を語りあう会

「こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!」と、いつもなら書き出すのですが、うーん、なんとなく、そう書きにくい。。。いや、ぜんぜん、お会いしますし、いろんな方とお話するの、大好きなんですけど、なんか、こう大きな声で言いにくい。世の中、この一ヵ月で、それこそ、妙な空気に包まれている感じです。

ウイルスの流行による病気も怖いですが、それよりも経済的な混乱、停滞による不況も、本当に怖いと思っています。ほんの一ヵ月前までは、そんな雰囲気には負けるものかと、遊びに出かけたり、飲みにも出歩いていたりしたのですが、さすがに、それは自粛せざるを得なくなりました。

ただ、そのおかげで、ぽっかりと時間ができたりして、世の中、落ち着いたら、あんなことやこんなこと、いろいろと考えを巡らせて楽しんでます。いいアイデアもぽこぽこと浮かんできて、ああ、はやくかたちにしたいな~、なんて。

中小製造業の未来を語りあう会(仮称)

さてさて、先月の記事の中で告知していた、由紀精密、大坪社長が発起人の「中小製造業の未来を語りあう会(仮称)」は、やはり、コロナウイルス流行の影響を考慮して、ウェブ配信に変更して開催となりました。2月24日当日、私も18:00の配信開始からびっちり3時間、パソコンの前を離れず、登壇者の皆さんのお話に耳を傾けておりました。この日、登壇されたのは、大坪さんと、Roland Bergerのグローバル共同代表兼日本法人、代表取締役である長島聡氏、経済産業省特許庁中小企業知財戦略総合支援調整官の西垣淳子氏、小川製作所取締役の小川真由氏。

冒頭の時間帯は、大坪さん自ら、由紀精密のお話から由紀ホールディングスで目指しているビジョンまで、たっぷりとお話されました。このあたりは、先月の私の記事にも書かせてもらったところも含まれていますので、よかったら、バックナンバー、ご覧くださいませ。→精密小径切削加工業の未来へ ~株式会社由紀精密 訪問記~

第二部からは、いよいよ、ゲストスピーカーのお三方を交えてのディスカッション。様々なデータを見ながらの見識の高い意見が次々に飛び出してきます。ふだん、町工場の現場での”べらんめい”口調に慣れきっている自分には、かなりハードル高め!はじめて目にする経済の専門用語(?)を、傍らのスマホで検索しながら、なんとか頑張ってついていくのが精いっぱい。はっきり言って、具体的な中身について、自分がここで紹介するのは、無理!

ってことで、しっかり簡潔にまとめられた記事がリリースされてるので、ぜひ、皆さん、こちらをお読みになってください!→モノづくりスペシャリストのための情報ポータル・MONOist

ここでは、私の中にいちばん印象に残った言葉を紹介するにとどめます。それは

コンセプトやイメージはあるがモノに落とし込めない『モノづくり知見のない顧客』を作るということが、モノづくり中小企業にとっての理想的な姿に近づく道だ。こうした顧客を作るのは大変だが、価格をたたかれることはない。

っていうところでです。

自分が常日頃考えていたことを、短い言葉で明確に表現してもらったという感覚です。たぶん、同じように製造業してる人たち、みんな頷いているんじゃなかろうかと。

読んでいただいた感想を、ぜひ、お聞かせいただきたいですね。「ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK」でぜひ、ディスカッションいたしましょう!

なお、Facebookのイベントページでは、まだ、当日配信された動画が見らるようなので、こちらもご覧になってみてください。https://www.facebook.com/events/2228861864081407/

ここから、次のお題に持っていくのは、やや強引か?

唐突ですがCOOL MILLINGS の活動報告です

金属切削加工業の仲間と立ち上げた COOL MILLINGS の活動報告です。プロデューサーとして迎えた、Studio16 ART & DESIGN・渡辺 リシアさんにの手によって、着実とブランド構築の作業が進んでいますよ~。

我々のチームとしてのコンセプトを再度、固めているところです。

「金属切削加工業の未来を拓く。
そのために。。。
切削加工で作られた金属製品の美しさカッコよさを多くの人に知ってもらう。
どうやって。。。
COOL MILLINGS をブランド化して、魅力ある製品を世に送り出すことによって」

さて、これを短い明確な言葉で表したいと思ってます。来月にはきっと、新しい、ちょーいい感じのコピーをお披露目できるかと思いますよ~

商品の方も、少しずつですが進化しつつあります。正式販売、第一弾は、ジュラルミンブロックからの削り出し「テープカッター」になります!4月販売開始目指して準備中です!

ブランド、商品についてのお問い合わせは、栗原まで直接。(現在、WEBサイト準備中!)Instagramもやってるので、よかったら、見てやってください!https://www.instagram.com/krige09/

最後は宣伝になってしまいましたが、大目に見てくださいね!

【レビュー】中小製造業の未来を語りあう会

「こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!」と、いつもなら書き出すのですが、うーん、なんとなく、そう書きにくい。。。いや、ぜんぜん、お会いしますし、いろんな方とお話するの、大好きなんですけど、なんか、こう大きな声で言いにくい。世の中、この一ヵ月で、それこそ、妙な空気に包まれている感じです。

ウイルスの流行による病気も怖いですが、それよりも経済的な混乱、停滞による不況も、本当に怖いと思っています。ほんの一ヵ月前までは、そんな雰囲気には負けるものかと、遊びに出かけたり、飲みにも出歩いていたりしたのですが、さすがに、それは自粛せざるを得なくなりました。

ただ、そのおかげで、ぽっかりと時間ができたりして、世の中、落ち着いたら、あんなことやこんなこと、いろいろと考えを巡らせて楽しんでます。いいアイデアもぽこぽこと浮かんできて、ああ、はやくかたちにしたいな~、なんて。

中小製造業の未来を語りあう会(仮称)

さてさて、先月の記事の中で告知していた、由紀精密、大坪社長が発起人の「中小製造業の未来を語りあう会(仮称)」は、やはり、コロナウイルス流行の影響を考慮して、ウェブ配信に変更して開催となりました。2月24日当日、私も18:00の配信開始からびっちり3時間、パソコンの前を離れず、登壇者の皆さんのお話に耳を傾けておりました。この日、登壇されたのは、大坪さんと、Roland Bergerのグローバル共同代表兼日本法人、代表取締役である長島聡氏、経済産業省特許庁中小企業知財戦略総合支援調整官の西垣淳子氏、小川製作所取締役の小川真由氏。

冒頭の時間帯は、大坪さん自ら、由紀精密のお話から由紀ホールディングスで目指しているビジョンまで、たっぷりとお話されました。このあたりは、先月の私の記事にも書かせてもらったところも含まれていますので、よかったら、バックナンバー、ご覧くださいませ。→精密小径切削加工業の未来へ ~株式会社由紀精密 訪問記~

第二部からは、いよいよ、ゲストスピーカーのお三方を交えてのディスカッション。様々なデータを見ながらの見識の高い意見が次々に飛び出してきます。ふだん、町工場の現場での”べらんめい”口調に慣れきっている自分には、かなりハードル高め!はじめて目にする経済の専門用語(?)を、傍らのスマホで検索しながら、なんとか頑張ってついていくのが精いっぱい。はっきり言って、具体的な中身について、自分がここで紹介するのは、無理!

ってことで、しっかり簡潔にまとめられた記事がリリースされてるので、ぜひ、皆さん、こちらをお読みになってください!→モノづくりスペシャリストのための情報ポータル・MONOist

ここでは、私の中にいちばん印象に残った言葉を紹介するにとどめます。それは

コンセプトやイメージはあるがモノに落とし込めない『モノづくり知見のない顧客』を作るということが、モノづくり中小企業にとっての理想的な姿に近づく道だ。こうした顧客を作るのは大変だが、価格をたたかれることはない。

っていうところでです。

自分が常日頃考えていたことを、短い言葉で明確に表現してもらったという感覚です。たぶん、同じように製造業してる人たち、みんな頷いているんじゃなかろうかと。

読んでいただいた感想を、ぜひ、お聞かせいただきたいですね。「ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK」でぜひ、ディスカッションいたしましょう!

なお、Facebookのイベントページでは、まだ、当日配信された動画が見らるようなので、こちらもご覧になってみてください。https://www.facebook.com/events/2228861864081407/

ここから、次のお題に持っていくのは、やや強引か?

唐突ですがCOOL MILLINGS の活動報告です

金属切削加工業の仲間と立ち上げた COOL MILLINGS の活動報告です。プロデューサーとして迎えた、Studio16 ART & DESIGN・渡辺 リシアさんにの手によって、着実とブランド構築の作業が進んでいますよ~。

我々のチームとしてのコンセプトを再度、固めているところです。

「金属切削加工業の未来を拓く。
そのために。。。
切削加工で作られた金属製品の美しさカッコよさを多くの人に知ってもらう。
どうやって。。。
COOL MILLINGS をブランド化して、魅力ある製品を世に送り出すことによって」

さて、これを短い明確な言葉で表したいと思ってます。来月にはきっと、新しい、ちょーいい感じのコピーをお披露目できるかと思いますよ~

商品の方も、少しずつですが進化しつつあります。正式販売、第一弾は、ジュラルミンブロックからの削り出し「テープカッター」になります!4月販売開始目指して準備中です!

ブランド、商品についてのお問い合わせは、栗原まで直接。(現在、WEBサイト準備中!)Instagramもやってるので、よかったら、見てやってください!https://www.instagram.com/krige09/

最後は宣伝になってしまいましたが、大目に見てくださいね!

精密小径切削加工業の未来へ ~株式会社由紀精密 訪問記~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

2月も半ばを過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きますね。それに、なんだかいろいろ、世間も騒がしく落ち着きません。早く気持ちよく春を迎えたいって心境です。

彩の国ビジネスアリーナ

そんなさ中ではありますが、ここのところ、私たち製造業界隈は、各地で展示会、イベントなどが、目白押し。ちょっとしたにぎわいを見せていました。埼玉でも、1月29、30日に「彩の国ビジネスアリーナ」が開催され、うち(栗原精機)も小さいながらブースを構えて、金属加工の製品サンプルなどを展示して、行き交うお客様にPRをしてきました。

先月、本格稼働しますよ!ってお知らせした、金属切削加工屋集団「COOL MILLINGS」の製品たちもたくさんの方々にご覧いただきました。なかなかの手応えも感じましたんで、さらに推し進めていきます!

さてさて、私たちもその一角にいる金属加工業界ですが、扱う素材、大きさ、工法など、様々で、もちろん工場の規模なんかも職人一人の工房から大企業の巨大工場まであって、たぶん、世界中を探しても、同じ工場なんて一つもないと思います。そんな中にあって、うち(栗原精機)の属する分類はといえば、切削加工、旋盤加工、精密、複雑形状、比較的小さな部品の量産、主に非鉄金属、などなどと枝葉に分かれていった、その先っちょみたいな工場ってことになります。

で、自分の知る限りでは、いちばん、同業として近いのが、神奈川県茅ケ崎市の株式会社由紀精密さんってことになろうかと。あ、いやいや、うちなんて、まだまだ肩を並べるレベルにはないですよ!ただ、使っている機械の種類だったり、創業からの生い立ちも含めて、共通点が非常に多いというのは事実なんです。

株式会社由紀精密

由紀精密さんといえば、ものづくりに関わる方であれば、ほぼ、皆さんご存知かもしれません。2017年のことですが、現在の天皇陛下、当時の皇太子殿下が、茅ケ崎までご視察にいらっしゃったというほどの、日本を代表する会社なんです。

社長の大坪正人さんは、三代目。創業は正人さんのお爺様で、1950年と言いますから、ちょうど70年前ということになりますね。スタートは小さなネジ工場だったそうです。ちなみにうち(栗原精機)は、1968年に私の父親が小さな卓上旋盤を中古で買って仕事を始めたのが最初です。日本が高度成長期を迎えていた頃でしょうか。由紀精密さんは正人さんのお父様が二代目として、機械もだんだんと自動化されて生産性も高まり、それぞれ、数年のうちに、家内工業から本格的な工場を稼働するようになっていったんですね。

大きな転機はバブル崩壊でしょうか。大量生産、大量消費の時代が終わり、私たちのような町工場であっても、独自の技術や得意分野など、時代を生き抜く術を磨いていなくては、あっという間に淘汰されてしまう、厳しい現実に直面することになります。

日本経済が低迷期に入った中、そうやってなんとか生き延びてた我々に、次に襲い掛かってきたのは、言わずと知れたリーマンショック!2008年から2009年にかけてのこの時期、多くの中小製造業者が、また、消えていきました。

大坪さんが由紀精密に入社されたのは2006年、30歳のときと伺っています。そのリーマンショックの2~3年前ってことになりますか。最初に取り組んだのは、これまでの精密部品加工に加え、メーカーや研究機関からの難しい要望に応えられるようにと、機械設計部門を立ち上げたことだったそうです。そのころ、私はすでに二代目社長として奮闘していました。まだ40代半ば。一職人として機械に向かってバリバリと働いていました。まだ、おそらく設備面でも従業員数でもだいたい同じくらいの規模だったのではと思います。どん底を味わったという経験も同じだったはずです。

由紀精密の名が大きくクローズアップされるようになったのは、設計部門での開発力と加工技術が一体のものとなっていった時期と重なります。2011年、世界最大規模の航空宇宙機器見本市であるパリ航空ショーに初出展。同じ加工業界にいて、かねがね噂は耳にしていましたが、このあたりからの躍進ぶりは驚愕でした。まさに、研究開発型町工場として、その名を世界に知らしめたと言えます。また、同じ茅ケ崎の工業団地の企業とグループを作り活動をしていたことも話題となっていました。それは単なる同業組合などとは全く違い、経営面での情報共有や共同して海外への販路展開を行うなど、時代の先端を突き進んでいく姿勢には驚かされました。

その後の飛躍的な成長については、ここに改めて紹介するまでもありませんが、世界中の大手メーカーや宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと取引するに至っています。2017年には由紀ホールディングスを設立して、専門分野で高い技術をもちつつ、事業承継などに悩みを抱える中小製造業をグループ化し、さらなる発展強化へと導く事業も行っています。

一方株式会社栗原精機

一方、私も自社の持つ技術だけで会社を成長させることに限界を感じていましたし、得意先と下請けというの関係性の中で生かされている状況からも、何とか抜け出したいという思いも持っていました。そこで行きついた先が、ものづくりに関わる人たちの横のつながりを作ろうという考えだったわけです。5年、6年かかりましたが、MAKERS LINKがいくらか、その役割を果たし始めているといったところです。

こうやって並べて紹介させてもらうのは、ほんとに、おこがましいというか、お恥ずかしい限りなんですが、うち(栗原精機)も世代交代を間近に控えて、三代目候補として昨年の4月に入社した長男ともども、大坪社長はじめ、由紀精密のスタッフの皆さんとは親しくさせていただいております。お会いするたびに新しい発見があり、勉強になりますし、なんといっても、元気をいただいています。

実は先日も、新しい設備をされたとお聞きして、さっそく工場をお訪ねして見せていただきました。

新しく導入されていたのは、シチズンマシナリー社、R04と、スター精密社、SR20-IVの2台の自動旋盤。医療機器や高級腕時計などの分野に求められる、超小径精密部品の量産加工に力を発揮する機械です。現在の主力の5軸複合加工機やNC自動旋盤などと相まって、幅広いニーズに応えるラインナップとなったという印象を受けました。

さらに、工場内の生産管理システムとして積極的にIoTを活用されているということで、これも勉強になりましたね。IoTに関しては「工場にデジタルの眼を」とうたう、ファクトリー・サイエンティストという人材育成の取り組みをも行っているとか。詳しくはこちら

日本の中小製造業を未来へと導く先駆者、由紀精密、大坪社長、いやはや、ほんとに、お世辞抜きにすごいなって思っちゃいます。ただね、機械や加工の話をしてるときは、無邪気に目が輝いていて、同じ仕事の仲間って感じもするんですよ。(大坪さんが私と息子の間に入って記念写真)

次に大坪さんとお会いするのは、この原稿が投稿されたすぐあとってことになりそうです。大坪さん自身が発起人となって開催する「中小製造業の未来を語りあう会(仮称)」という催しがあるのですが、その人脈の広さから、あっという間に参加希望者が集まって、これまたびっくり!ここでまた、どんなお話が聞けるのか、いまからワクワクです。来月、その報告も書きたいと思いますので、皆さんも楽しみにしていてください。

最後にお知らせをひとつ

2月26日から28日の三日間、第24回機械要素技術展が開催されます。例年と違い会場が幕張メッセとなっています。行く予定にされている方は、お間違いないように!

由紀精密さんも出展されるとのこと(ブース番号15-5)ですので、この機会にぜひ、その技術力に触れてみてください。展示会の詳しい情報は下記をご覧ください。(なお、今回は栗原精機/MAKERS LINK の出展はありません)

金属切削加工屋集団「COOL MILLINGS」2020 いよいよ本格稼働!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

2020年のスタート、皆さんはどうお過ごしですか?昨年末には刺激的な出来事がたくさんあった反作用か、新年は、仕事始めからすでに半月経っていますが、どうもまだ本調子でないような(苦笑)。そんな、私、栗原ではございますが、今年も一年、よろしくお付き合いいただければ幸いです。

もうすぐ、丸7年

さて、ものづくりを語り合う場としてのコミュニティとして、Facebookグループ「MAKERS LINK」を立ち上げてから、早いもので、もうすぐ、丸7年が経とうとしています。

メンバーの数は、1500人を超えてなお、少しずつですが、増えて続けております。投稿されている内容を見ても、新しく加わった方の新鮮な情報が毎日のようにアップされていて、とても刺激的です。一方で、管理人である私を含め、古株連中の他愛もない会話も、それはそれで、場を和ませるよい効果をもたらしていたりもします。

そもそも、7年前に、グループを作るにあたって主に声をかけたのが、自分の身近な同業他社の社長たちでした。ものづくりのフィールドは大手メーカーだけのものだったのが、SNSの広がりをきっかけに、個人のアイデア、情熱が新しい製品を生み出す時代に入るんだって!そんな時代に俺たち請け負い加工屋はどうやって生き抜いていけばいいんだ?って熱く真剣に話す場としての、MAKERS LINKだったわけです。

MAKERS LINK自体は、あっという間に、加工屋親爺の輪を超えて、ものづくりに興味関心ある皆さんのコミュニティに成長しましたが、そもそもの加工屋たちは、確かな腕と最新のマシンを武器に、現代日本の請け負い町工場が置かれた現状に風穴を開けるべく技術屋集団を立ち上げ。それが「金属切削加工屋集団 COOL MILLINGS」というわけです。

金属切削加工屋集団 COOL MILLINGS

モノカクにも、もう何度も書いているので、すでにお馴染みかもしれませんが、あらためて、メンバーを紹介させていただきます。

写真、右から、

  • メガワークス株式会社 永井 義昭 (マシニング加工/埼玉県吉川市)
  • 有限会社アキモト・パーツ 秋元 勝実 (自動旋盤加工/埼玉県さいたま市)
  • 有限会社有木製作所 有木 久治 (マシニング加工/埼玉県草加市)
  • 株式会社栗原精機 栗原 稔 (自動旋盤加工、マシニング加工/埼玉県川口市)

合言葉として標榜するのは、

町工場[street factory]から
素敵カッコいい[cool designs]
削り出し製品[millings]を

つまり、金属加工製品を単なる部品から、商品として魅力ある最終製品にまで高めようとの意気込みなんです。金属を削って、モノを作ることに関しては、まあ、それなりのキャリアを持つメンバーたちです。これまでも、それなりに面白いものを作ってきました。

新メンバーの加入

そして、さらに、2020年、ここに、ブランディングプロデューサーとして、Studio16 ART & DESIGN・渡辺 リシアさんに加わってもらうことになりました!
https://studio16.co/

写真は、打ち合わせに来社いただいたときのもの

渡辺さんとは、もうずいぶん前になりますが、自分の出展する展示会にたまたま立ち寄っていただいたのがご縁でしたが、昨年、Studio16さんが手掛けた「最高の釣り車・X-TRAIL FISHING PRO」のプロジェクトに削り出しの銘版を提供させていただき、グッと親密な関係になりました。
https://xtrail-fishingpro.com/

まずは、しっかりとブランドコンセプトを固めて、WEBを立ち上げて、皆さんに製品をお届けできるようにしたいと思います。7年越しでようやく本格的にスタートする「COOL MILLINGS」にぜひぜひご期待ください。

COOL MILLINGS の情報は、随時、Facebookグループ「MAKERS LINK」に投稿していきますので、チェックしてみてください!

トークイベント「ものづくりやってみナイト」を開催しました

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

いやあ、早いもので、2019年も残りわずかですよ!今年もいろいろなことがありました。流行語大賞は「ONE TEAM」だそうです。もう、ほんとに、ラグビーワールドカップすごいことになって、まさしく一生に一度の年となりましたね。あ、そうそう、引き続き募集してます、講演依頼。ラグビー普及のためだったら、全国どこへでも参りますので、ぜひ、お声掛けください。ラグビーとビジネスを結ぶようなテーマでもお話させていただきます。ぜひ、お問い合わせを!(MAKERS LINKまで)

ものづくりやってみナイト

さて、先月、告知をしましたが、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKでは、11月29日、渋谷は道玄坂、百軒店にある隠れ家的な店「SHIBUYA+BAr」で、トークイベント「ものづくりやってみナイト」を開催しました。「夢はものづくりで起業!アイデアはある、作り方を知りたい!あともう一歩で製品ができそう!なんて人」に、ぜひ、参加してほしいと呼びかけたところ、13名の方にお集まりいただきました。スタッフ側も合わせると20人にもなって、こじんまりした店内は、椅子をどかして全員に立ってもらうスタイルに。その密度の濃さが、より一体感を生んだのでしょうか、ほんとに、活発な意見交換の場になりました。

製造業の現場で働く人からの投げかけ。

  • 働き方改革や慢性的な人手不足から、工場の仕事は自動化が進んでいる。しかし、人の仕事を残すべきなのかどうか?
  • 自動化を進める過程で、製造業の若者はやる気をそがれているのでは?
  • 一方で、自動化できる仕事をずっと人がやっている必要があるの?
  • 人のやる仕事はロボットに取られて減っていき、それ以外のことに発展させられるのって10年修行して1割程度の人だけになると言われている
  • ということは、10年後には今の仕事の9割はなくなるの?
  • あくまで、いまのままではってことで、仕事の意味や質自体は変わっていくでしょう。
  • 逆に、今まで仕事できなかった人たち(身障者など)が仕事しやすい社会になる!
  • 労働力としての仕事から、感性で新しいものを生み出していくのは人の役割に。五感のうち、ひとつでも秀でているものを磨いて、それで、ものづくりの業界で活躍していくことが大事ですね。

ほかにも、ひとりの投げかけに、どんどんと意見が出てくる時間が続いて、いやいや、ほんとに熱い夜となりました。正直、目論見とはすこし違う流れにはなったのですが、この日が初対面という人がほとんどであったにもかかわらず、こんなに熱気を帯びた論議が展開されることになるとは、驚きでした。

今回、場所を提供してくださったSHIBUYA+BArのオーナー、Tetsu-law(てつろう)さん。実は映像制作のプロでもあります。お店はお酒を出すバーでもあり、スタジオでもあるという場所なんです。

イベント終了後

そのTetsu-lawさんが、イベント終了後にFacebookのタイムラインに残した言葉がこちら。

震災以降「今」を残すのを意識し始め
素晴らしい熱量に心動かされ
iPhoneでも映像を撮り始める。

昨日は夜中に映像を並べたくなった。
大切なものが一部始終映ってるわけではない
会話も何を言ってるか分からないかもしれない
確実に熱い人たちが想いをもってその場にいた。

ワイワイ飲んでた中、問いを投げかけたら
対話が始まった。
その対話が面白く、撮影し始めてた。

よろしければ動画もどうぞ。(この動画はイベントの前にスタッフ間の会話を記録したものです)

そして、こちらは、今回のイベントを共催してくれたロケットメイカーズ、田村早苗さんの投稿です。当日の熱は、ここでも伝わってきますね。

ものづくりやってみナイトvol.1ありがとうございました!!!大成功。
私が栗原さんと半年前に出会わなかったら、このイベントはなかったと思います。不思議です。

人と人が出会い、想いを共有する。
一緒に何かして、何かが生まれる。

ものづくりの事から発展して、五感や本能の話まで議論が及び、個人的にもなかなか好きな場になりました。飲みながら、あつい議論が飛び交いました。

ロケットメイカーズ×メイカーズリンク
これからも色々と仕掛けていきますので、宜しくお願いします。

ロケットファクトリー

ということで、最後に、ロケットメイカーズさんが仕掛けるクラウドファンディング事業をご紹介。その名も「ロケットファクトリー」。キャッチコピーは「地方、中小・ベンチャー企業の新しい挑戦の成功確率を高める!クラウドファンディングプラットフォーム」たしかに中小ものづくり企業へのサポートに特化していて、大きな期待が持てます!

温めていた第1号のプロジェクトは・・・

  • 東京下町の消防ベンチャーから「投げる革命的消火剤」
  • 北海道の老舗エコベンチャーから「燃費上げる燃料兼エンジンオイル添加剤」
  • 親子スタートアップから、「虫が湧かない“魔法の土”」
  • スーツ業界50年の集大成「シルクと西陣織のスーツ」

どれも、面白い視点から新製品を生み出した魅力あるプロジェクトになってますね。ぜひ、サイトを開いて、じっくりと内容をご覧になってください。

じつは、自分も、永年温めてきたアイデアをいよいよカタチにと動き出したので、近いうちにロケットファクトリーから、プロジェクト展開しますから!乞うご期待です!

会いに行ける町工場社長、今月もあちこちで!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

ちまたでは「ラグビーロス」なんて言葉がささやかれておりますね。それだけ、ワールドカップの影響が大きかったということなのでしょうか?私、栗原は、ラグビー関係者として、全国規模で広がった盛り上がりを文化にまで昇華させる責務を負っていまして、そんなあ~「ラグビーロス」なんて、やめてください!って感じです。

はい。ということで、ラグビー普及のためだったら、全国どこへでも参りますので、ぜひ、お声掛けください。ラグビーとビジネスを結ぶようなテーマでもお話させていただきます。ぜひ、お問い合わせを!(MAKERS LINKまで

最近の活動報告から

さてさて、本題に入ります。今回は、ここ最近、行ったいろいろな活動報告ということで、進めさせていただきます。

まず、渋谷ヒカリエで10月23日から3日間にわたって開催されたイベント「LINK to CREATIVE」について。このイベントは、ファッション業界の老舗展示会「PLUG IN」の企画展として昨年に続いて行われたもので、様々な業種、技術、素材をファッションへとつなぐことをテーマに、MAKERS LINKのメンバーでもある(株)マナブデザインがプロデュース、全国から優れた技術を持った企業12社が集結しました。

コンセプト通り「つながり」を重視した展示で、来場されたお客様はもちろん、出展者同士の連携も生まれた点はとても有意義だったと感じています。もし、今後もこのイベントが続くのであれば、その「つながり」から生まれた製品、商品、サービスなどの事業がひとつでも多く世に出たらって思いますね。期待は大きいです!

次は、10月25日からの3日間開催された「川口市市産品フェア2019」について。埼玉にあって、東京に隣接する地域性から古くから鋳物、機械などの産業が栄えた川口市。近年は都市開発も進んで人口も増加、新しい街へと変貌しつつあります。そこで、地域に根差した産業と新しい市民との交流の場として、このイベントが開催されてきました。

今年は開催一日目に大雨に見舞われてしまいましたが、二日目、三日目は土日ということもあり、たいへん多くの来場者があり、大いに盛り上がりました。

中でも「全日本製造業コマ大戦、川口市市産品フェア2019場所」は、G2南関東ブロックとして世界大会予選に位置付けられたこともあり、超本気モード、町工場の技術と意地が激しくぶつかり合う白熱の対戦が続きました。

ただし、うち(栗原精機)を含む、埼玉の加工屋集団「COOL MILLINGS」はですね、初参戦というプレッシャーからか、ほんとに不甲斐ない成績となってしまいました。うーん、悔しい!来年のリベンジを誓います!

なお、世界コマ大戦2020は、2020年2月22日、横浜で開催となります。詳しくはhttps://world.komataisen.com/で。

そうそう、10月24日には「第6回 TECHNO-PORT TALK NIGHT」にも行ってきました!由紀精密、大坪社長の貴重なお話を聞けて良かったです。こちらの詳しいレポートは、こちらでどうぞ!

うちの三代目(予定)の長男も質問コーナーに登壇させてもらいました。

11月に入り、8日、9日の2日間は「第3回 川口オープンファクトリー」が開催となりました。この10年ほどの間に日本全国に広がりを見せているオープンファクトリーの輪ですが、有名どころでは、東京の大田区や墨田区、台東区、新潟の燕三条などなど、相当な集客力がある一大イベントとなっています。

普段は見ることができない工場を見学できるチャンスとあって、川口でも人気が上がってきています。とくに「ぐるっとモノWaZa」とネーミングされたバスツアーは、募集定員に対して7倍ほどの倍率だったとか。うち(栗原精機)もそのツアーに組み込んでいただいて、たくさんのお客様にご来場いただきました。

実は、この「ぐるっとモノWaZa」は、とってもお得感ある企画でして、ツアーで回る工場の技術を集めて製作された製品をお土産としてお持ち帰りいただけるという特典もついていました。完全オリジナルで、参加者しか手にできないものですからね、とっても貴重です。

ぐるっとモノWaZa参画企業は、下記の7社。

山伸マテリアル株式会社 切断加工にビックリ!!工場内は圧巻の「ステンレスのデパート」
フジテック株式会社 金属のR曲げ加工のエキスパート!日本一の技術をその目に!
株式会社栗原精機 熟練の職人技術と最新の科学技術との超融合!真摯に見つめるミクロの世界
株式会社大泉工場 「地球を笑顔で満たす」企業で、笑顔になれるランチタイム
株式会社かねよし イノベーションが止まらない!正確無比・唯一無二のレーザー加工!
株式会社新光ステンレス研磨 ステンレスが表情を変える研磨の魅力をご堪能あれ!
株式会社マエダ オールマイティでオンリーワン!ココで生まれた製品が街のあちこちで生きている

11月13日からは、東京ビッグサイト青海展示場で開催された「産業交流展2019」への出展です。ほぼ毎回、こちらの展示会には出展を続けてきましたが、今回は川口商工会議所のメンバーとして、ブースの一角への展示となりました。正直に言って、来場者数には不満が残るものでしたね。せっかく3日間、時間と労力をつぎ込むのですから、そもそも、お客さんが来てくれないのではちょっと。まあ、ただ、いい話もないわけではないので、少ないチャンスをちゃんとモノにしたいと思います。

というわけで、いろいろと動き回って、たくさんの人とお会いした1ヵ月だったわけですが、最後に、もうひとつ。MAKERS LINKが主催する交流会を予定しています。はい、ここから、告知です。

告知

11月29日、渋谷は道玄坂、百軒店にある隠れ家的な店「SHIBUYA+BAr」で、小さなトークイベントをします。「夢はものづくりで起業!アイデアはある、作り方を知りたい!あともう一歩で製品ができそう!なんて人」に、ぜひ、参加してほしいと思っています。詳しくは、Facebookにイベントページを作っているので、ぜひ、そちらをご覧ください。こちらをクリック!https://www.facebook.com/events/425742241314163/

製造業、ものづくり界隈で活躍中!注目の女性たち

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

この度の台風の被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。私の住んでいる埼玉県でも、もの凄い風雨に襲われ、付近の河川の増水の情報に避難の判断を迫られるという状況にありました。幸いにして、こちらの地域では大きな被害を出さずに済んだのですが、その後の各地のニュースには、本当に心を痛めております。

そんな中、横浜国際総合競技場で行われたラグビーワールドカップ、日本対スコットランド戦。大きな感動と興奮を生んだ背景に、その開催にあたっては、様々な思いや葛藤があったとのこと。ここで紹介するに相応しいかどうか分かりませんが、「イギリス人記者が描いたスコットランド戦の記事が美しく、詩的で、素晴らしい記事だったので是非読んでほしい」と題された記事を、もし、よかったらご覧になってみてください。

さて、今回は、製造業、ものづくり界隈で、私、栗原が注目している女性の活動を紹介したいと思います。

一人目

まず、一人目は、私と同じ埼玉・川口を拠点として事業を展開している、NANASE株式会社、代表の石田七瀬さん。出会いはまだ彼女が大手自動車関連企業で資材担当をされていたころ。自身の仕事のため積極的に動いていらっしゃいました。その前向きさ、熱心さが、一企業の中では収まりつかなくなるほど大きくなって(あ、これは、私の勝手な印象ですが)、いよいよ独立して起業に至ったという、バイタリティにあふれた方です。

そのNANASEさん、10月25~27日に開催される川口市市産品フェアで「ものづくりラリー」と題したイベントを実行することに。これは、この企画に参加している様々な企業ブースで、いろいろなパーツを集めて、ひとつの作品を作り上げようっていう、子ども向けのワークショップです。

写真はご自宅でリハーサルの様子?とっても楽しそうなんで、うち(栗原精機)も参加させてもらうことに!超レアな金属切削加工部品を提供しちゃいますよ~。

二人目

続いてご紹介したいのは、職人ラボラトリーという事業を展開されている大後 裕子さん。

うちを訪ねてくださったときに撮った写真です。町工場の職人技を次世代に継承したいとの思いから、たくさんの子どもたちに工場の現場を見てもらう、いや、ただ見学するだけじゃなく自ら”取材”を通して、より深く体験をしてもらおうという主旨が素晴らしい企画です。”取材”を受ける側の職人さんの表情も、すごく良いんですよね~。

ぜひぜひ、YouTubeでその動画を見てみてください。
https://www.youtube.com/channel/UC28mmEwYmKcJNXZ1Qx_HVig

さらに「日本の職人技の現場を、たくさんの子どもたちに見せてあげたい!」との意気込みから、ポータルサイト開設のためにクラウドファンディングをスタートさせたとのこと。こちらも、ぜひ、ご覧になってみてください。
https://camp-fire.jp/projects/view/175108

大後さんとは、工場見学だけじゃなくて、面白い企画をいっしょに立ち上げられたらって思っています。具体的な内容はまだ内緒ですけどね!近いうちに、女性のためのものづくりコミュニティ、MAKERS LINK and’s で相談をはじめようと思ってます。ぜひ、チェックしてみてください!

三人目

最後にもう一人!このモノカクではおなじみですかね?アフリカ、ケニアを拠点に活動中の山口遥さん。対談記事を掲載させてもらったのは、もう2年前ですね!こちらで記事を見れます。

彼女が今盛んに広げようと頑張っているのが、自然素材(サイザル麻)を100%使用したかごバッグ。ケニアからの直輸入販売です。現地のママたちによって受け継がれてきた伝統的な手編みで、一つ一つ丹精込めて手作りしており、職人さんたちが最後の仕上げをしてくれているものだそうです。こちらのサイトで販売されてます。

このサイザル麻のかごバック、10月23日から3日間、渋谷ヒカリエで開催のファッション展示会「PLUG IN/Link to Creative」MAKERS LINKブースにて展示販売いたします。栗原も初日、二日目にはブースにいる予定ですので、ぜひ、足をお運びください。

さて、ここまで、3人の女性を取り上げさせてもらいました。一昔前まで、製造業の現場とは縁遠い存在だった女性ですけど、いまや、そのセンスとパワーを存分に発揮してもらう必要性を、ひしひしと感じているところです。

それともう一人

そうそう、町工場っていえば、町工場親善大使!羽田詩織さん!彼女との対談記事も、ぜひ、また読み返してみてください。記事はこちらです。

ほかにももっと紹介したい女性はたくさんいるんですが、また、機会を設けたいと思っています。

3D力向上

もうひとつ、女性の活躍のためのキーポイントになるんじゃないかって思っているのが「3D力向上」じゃないかなって思ってます。ただ、元々、男性中心なものづくりの世界なので、女性の進出には、見えない壁が確かにありますね。 で、ひとつの解決策として、女性の側が3DCADなどのスキルを身につけることで、グッとその距離を縮められるのではって考えているんです。で、よし!ってことで、実は、女性限定のFusion360のセミナー開催を企画検討中してます。来年、早々にも実現出来たらいいなって思ってるんで、来月には具体的なお知らせができるかも?注目してください!

これからもっともっと、前出の女性のためのものづくりコミュニティ、MAKERS LINK and’s を活用していくんで、皆さん、ぜひ、覗いてみてくださいね。(ただし、男性の投稿は厳禁とさせてもらってます)

本家、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK も引き続きよろしくお願いいたします。

町工場ぶっちゃけ対談 vol.12 ~meta mate オープン直前!特別対談~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

秋ですね~。いろいろと楽しみが待っている秋ですが、今年は、なんといってもラグビーワールドカップです!4年に一度じゃない、一生に一度だ!ですよ(笑)もちろん、ラグビーだけじゃない。この秋、ものづくり界にも、見逃しちゃいけないイベントが目白押しです。各地でオープンファクトリーや展示会など、たくさん開催されます。ちょっと目についたものだけでも・・・。詳しい情報は各リンク先をご覧ください。

9月27日(金)グランドオープン

そんなこんなで、大忙しのものづくり界隈ですが、とくに我々、金属加工に携わる者たちにとって外せないビッグニュースがあります!

2019年9月27日(金)、COREDO室町テラス2F「誠品生活日本橋」内に、meta mate 1号店 グランドオープン!meta mate (メタマテ)は、広島県福山市の精密鋳造部品メーカー、株式会社キャステムさんが、アイアンカフェに続いて展開する「金属という熱が伝わりやすい素材を通して人から人へ温かい思いを届ける」をコンセプトとしたメタルギフト・ワークショップのお店です。

今回は、その開店準備に奔走中のお三方、店長の戸田有紀さん、General manager(店長のお目付け役?)の長瀬友行さん、そして紅一点は、プロジェクトメンバーとしてデザイン面を担当されている、眞鍋玲さんにお話をいろいろと伺ってきたので、対談形式でお届けしたいと思います。

アイアンカフェからメタマテへ

栗原:では、まずは、アイアンカフェからメタマテへのいきさつをお聞きしたいと思います。

戸田:アイアンカフェは、キャステムとして初めてのお店で、新たなチャレンジの3年間でした。その3年間の経験をもとに、さらに、新しい場所で新しいコンセプトですべてをアップデートして生まれ変わるのが、メタマテです。

長瀬:もともと”カフェ”をやりたかったわけではないですからね。製造業のキャステムとしては、B to Bの仕事だけに頼ることの危機感は常に持っていて、そこで、まだまだ攻めていない市場である、B to Cへの足掛かりという役目が、アイアンカフェにはあったわけです。一般のお客様向けの商品をただ作って売るだけじゃなくて、お客さん自身の潜在的なニーズを調査しながら製品づくりに活かしていく。ものづくりの相談のできるカフェだったらニーズを引き出せるという考えからです。

栗原:でも、目的を果たしたとはいえ、そのアイアンカフェが無くなってしまったのは。。。自分にとって、とっても居心地がいい場所だったんですよ。ご存知だと思いますが(笑)

長瀬:コンセプト自体は素晴らしいと今でも思ってますよ。できることならまた復活させたいと思うくらい。ただ、会社として、3年間という期限の中で、との結論です。ここからは、メタマテで、もっとお客さんにコミットしたサービスを展開していこうということです。

栗原:私も同じ製造業の中にいて、B to Cの難しさは痛感しているんですよね。町工場の連中、みんなやるけど、遊びで終わる。本格的にやろうとするとなかなかね。ここをビジネスにまで高めようっていう決断には、勇気、覚悟がそうとう必要だったんじゃないかって思います。

長瀬:たしかにハードルは高いと考えていて、個人のお客さんの求めているものと、企業対企業で求められるものとが、違いすぎる。そこに迷っている人って多いんじゃないかな?そこで、ちゃんとビジネスに落とし込むには、どうしたらいいのか、すごく考え抜きました。で、最終的に、ギフトショップに特化したオーダーメイド、メタマテというところにいきついたわけです。

栗原:まさに、自分は迷ってます(笑)。迷っているというか、あえてリスク背負ってそこの壁を越えようとはなかなか思わないなあ。

長瀬:越えた先の利益もそこまで期待できないって、まあ、そう考えますよね。

道楽とビジネス

栗原:言っちゃなんですけど、我々から見たら、アイアンカフェも道楽に見えてたわけですよ。キャステムっていう後ろ盾があってのことだし。あんな秋葉原の素敵な場所に、カフェを開くなんて、夢みたいなもんだし。ただね、そこをやめてまで、販売のお店にシフトするって、その話を聞いた時には、正直、びっくりしましたよ。

長瀬:ぼくらに課せられたミッションっていうのは「ブランドを作る」ってことだったんです。で、まず、そのブランドってなんなんだってところから、ディスカッション重ねました。製造業のネットワーク発信で、金属のいいモノを売っていく、金属特化の雑貨屋さん。これ、ブランドになるんじゃ?というところから走り始めたんです。

分かりやすく言うと無印良品の金属版というようなイメージで。半年走った中で、少しずつ分かってきたことは、大量生産、大量消費の時代から、モノがいらないのにモノを作っているような、モノ余りの時代になった今。無印良品の金属版ビジネスモデルも、それこそ、儲けにならない道楽に終わっちゃうんじゃないかってこと。

そこからさらに、世の中に認められて事業として成立するものを本気で考えた結果が、人の気持ち、ギフトシーンに合わせた商品コンセプト、贈られてうれしい、贈ってうれしいというような、人の思いに寄り添うものの価値は、きっとどんな時代でも変わらないだろう、というところでした。

金属の熱伝導性から「熱を伝える素材でひとの温かい思いを届ける」をブランドコンセプトにと考えたんです。もちろん、ビジネスとして収益化するには高いハードルが待っていると思いますが、それは、これからしっかり答えを出していきますよ。

栗原:そうですよね。ある程度はスタートしてからわかることですね、結果は。それでも、相当に綿密な計画は立てているわけでしょ?

長瀬:計画を立てる上で大変だったのは、製造業の考え方をいったんわきに置いて、販売、マーケティングの思考に切り替えることでしたね。モノを売るっていうのは、こういうことなんだなっていうところまで。道楽とは言われない、事業として成立するモデル、余ってる機械と材料で作って売るっていうものじゃなくて(笑)

栗原:この話を聞くのは、正直、初めてではないので、メタメテの目指すところは理解できているつもりです。ただ、最初に聞いたときは、頭の中に?マークがいっぱいでしたよ。そのぶん、今はね、ものすごく期待値が上がっている。だって我々製造業の人間が、ずっと無理ってあきらめていた領域に、いよいよ乗り込んで行くんですよ。やっぱり、結果は出してほしい。同じものづくりに生きる者としてね。

長瀬:製造業の人にとって壁って、一番最後の出口のところ。出口のところをキチンと考えれば、ビジネスとして成り立つってことを、まず、キャステムが示したいと思ってます。ものづくりの可能性を広げたいですね。製造業が自ら仕事を作っていくいうことの、ひとつの答えになっていくと思ってます。

栗原:そこが一番のポイントですね。製造業も仕事を待ってるだけの時代はとうに終わっている。今までは縦のつながりの中だけで仕事をしてきたけど、世の中、激変しました。我々、この10年くらいの間、生き延びるために、ほんとにもがき続けて、その結果、たくさんの横のつながりができました。その中にあって、キャステムさんが製造業が目指すべき新しい道の一つを見つけ出し、切り開いてくれるっていう期待は大きいです。仕事を自ら作っていく。キーワードですね。

長瀬:キャステムの場合は、20数年前、危機を経験してます。ゼロどころかマイナスからの再スタート。よそがやらない仕事を何とか確保して事業を続け、成長してきました。なので、仕事に対して待ちではなく積極的に、というのが身に染みて、やがてそれが強みになりました。その感覚を持った経営者が成功を目指す事業ですからね。

戸田:その社長が選んだ人材が長瀬さんだったわけですし!

長瀬:まあ、社長からは、何ゆうても、こいつは大丈夫って思われてるんでしょう(笑)

メタマテとは?

栗原:では、ここからは、具体的に新しいお店、メタマテのことをお聞きしたいと思います。

戸田:金属素材というものにこだわりますが、商材はいわゆる雑貨。商品は思いを届けるためにギフト化する。ラッピングやレーザーマーキングでの名入れサービスがそれです。プラス、オーダーメイド。お店で受け付けてから工場で製作する商品です。お客様のご要望を聞いてカタチにします。

栗原:オーダーメイドのサービスは、お客さんの希望を聞いて、ゼロから作り上げるものになるんですか?

戸田:今までの事例などをカタログ化して、予算も含めて、より分かりやすいサービスにしたいと思ってます。まとめると、コンテンツとしてラインナップしているのは、ワークショップ、物品販売、ギフトサービス、オーダーメイド。それと商業施設としては全く新しいサービスになりますが、3Dの全身スキャナー。頭の先から足先までを、素早く3Dデータ化して、オリジナルのフィギュアが作れたり、様々な展開が可能です。

栗原:3Dの全身スキャナー!それは、お店の目玉になりますね!

眞鍋:いわゆる作家さん、アーティストさんの作品の販売にも力を入れてます。とくにオープン後の最初の一ヵ月は、15人の作家さんにスポットを当てて、大々的に展開します!

戸田:メーカーさんの製品とのコントラストも興味深いです。同じ金属製品でも趣がけっこう違うものです。

栗原:15人の作家さんたちと出会われたきっかけって、何かあったんですか?キャステムさんも製造業としてやってこられたわけで、少し、いままでの流れとは違いますよね?

眞鍋:メタマテは、金属の製品を扱ううえで、商品のセレクトにも力を注いでいます。メタマテに来ていただく理由付けのひとつとして、魅力ある作家さんが揃っているというところも重要な要素です。作家さんたちとの出会いは、インスタだったりします。私個人の思い入れもあって、アイアンカフェの最後の時期に作家さんの作品を集めたイベントを企画してみたんです。動き出してから、ひとりひとり交渉して。結果として十分な手応えもあって、これは行けるなって!

栗原:我々、主に工業製品を手掛ける製造業なので、いわゆる作品というものに関する感覚が鈍いんですけど…。

眞鍋:私は美大出身なんで、むしろ、こちらのほうが主戦場と言えるんですよね。素材をメタルに限定したのは初めてですけど。実は、このあと半年分の作家さんも控えていて。オープニングは15名でにぎやかに、そのあとは、4~5名ずつ、月ごとに紹介していきます。

栗原:お話聞いて、アート系の作品、製品というものに興味が湧き始めてきました。

眞鍋:作家さんたちのほうも、工場に興味を持たれてる人、多いですよ。

栗原:話が脱線しちゃうんですけど、自分の地元の川口で、芸大出身の女性アーティストさんと町工場のコラボが進行中だったりします。きっかけは、卒業製作の大きな作品を作るのに、川口の工場が協力したっていうことなんですが。

戸田:アート作品でも工場で生産されたものでも、丁寧に作り込まれたという価値があれば、大量生産のものとは一線を画すと思います。メタマテでは、それを買う人のライフスタイルに合わせた提案ができます。人と人の間の温かいものを届けるギフトとして。

栗原:なるほど。作家さんたちにとっても、メタマテの店頭に自分の作品が置かれることが、ステータスになってきますね。

眞鍋:ただ、作品のクオリティは、日本橋という立地ということもありますし、厳しく見ていきます。作家さんの作るものは、あこがれるもの。買いたいという気持ちになるのは、その作家さんへの想いの部分が大きいです。それに相応しいものを選ぶ仕事はとても大事だって思ってます。

栗原:まだまだ、作家としてはこれからって若い人たちの、目標の場になるといいですね。MAKERS LINKの事業の中でも、目指せメタマテ出品みたいな応援、出来たらいいな。

長瀬:若手のいいアイデアをカタチにできて販売までできる環境。キャステムの社内ではできてます。それを外に広げたものが、MAKERS LINKの事業でできるかもしれませんね。

「体験を売る」というコンセプト

眞鍋:ワークショップの話もしたいです。私たちがテナントとして出店する”誠品生活”の特長でもあるんですけど「体験を売る」というコンセプト。私たちもアイアンカフェ時代に培ったワークショップを、さらにグレードアップさせて拡大展開します。作家さんにも参加してもらいますし、私もデザイナーとして関わっていきます。

長瀬:チャレンジではあるんですけど、ワークショップだからといって、安いものではなくて、ちゃんと商品の価値にコミットしようと考えています。高いクオリティのものを自分の手で作る喜び。自分で金属の製品を作ったという経験、感動はなかなか味わえないですから。

眞鍋:ワークショップはいろいろな方向性に広げていけたらって思います。趣味的なものから本格的な、もっと工業色の強いものまで、タップとダイスでネジ切りからアクセサリーを作るとか(笑)

栗原:我々からしたら、日常の仕事だけどなあ。タップ、ダイスの作業が一般の人に体験してもらうと、それが楽しいって思われるのかあ(笑)

眞鍋:あと、もう一つ。メタメテのプライベートブランドも。第一弾として、精密板金で作ったギフトボックスを企画中です。シンプルにギフト、メタメテを具現化するには、まず、金属製の箱を作りたいって。ほんとはもっともっといろいろやりたいんですけど。今のところ開店準備のほうが優先で。ゆくゆくは切削のものもぜひ!私、大好きなんで。(笑)

栗原:あ、ちょっと作って持ってきたんで、これ、メタマテの商品として売り込ませてください!(笑)さてさて、話は尽きないんですけど、時間の限りはあるので、今日はこのへんで。とにかく、お店の大成功を願っています。頑張ってくださいね!では、最後にみんなで写真撮りましょう。

続・この夏、生まれ変わる栗原精機~KURIHARA factory REBORN PROJECT~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

夏も終わりに近づいて、どことなく寂しい気持ちになっていませんか?不思議と子供のころを思い出したり。夏休みが残り少なくなって、ため息をついたりしていた、あのころ。で、この2019年の夏は、皆さんは、どのように過ごされましたか?9連休を取られた方も多かったんじゃないでしょうか?

弊社(栗原精機)は、通常は機械の稼働を優先して計画を立てたりすることが多いのですが、今年は、完全に稼働を停止しての夏季休業としました。ただしです!KURIHARA factory REBORN PROJECT と称した、工場内の機械レイアウト変更と新規設備導入の準備活動(先月の原稿でも書いたので、覚えていらっしゃる方もいる?)の推進期間に充てたので、実質上は、ほぼ毎日出勤だったんです。

生まれ変わる工場

おかげさまで、計画通りにすっかり工場が生まれ変わることができました。いや~、頑張った甲斐があったというものです。ビフォー・アフターの写真を見てください!床全面をペイントして見違えるほど明るくなりましたよ~。まあ、素人施工なので、塗むらやはみ出しはご愛敬!

今回の活動プロジェクトでは、稼働率の落ちた数台の旧来のマシンを撤去したのですが、その中に、3年半前に亡くなった先代(私の父親)の愛機もありました。

長年にわたって会社の基盤となって活躍してくれた機械ですし、その傍らにはいつも父の姿があった、思いの詰まった機械です。NC旋盤として先駆け的で、歴史的な価値もあるんじゃないかとの思いもあり、遺す道を画策しましたが、諸事情あり、やはり手放すことになりました。運び出される様子は、しっかりと映像に残しましたが、やはり一抹の寂しさは・・・

さて、そんな悲喜こもごもあった機械の移設の仕事ですが、同じ埼玉、川口で社長同士顔なじみでもある、株式会社戸塚重量さんにお願いしました。仕事の依頼は今回が初めてでしたが、ちまたの評判の良い戸塚さん。打ち合わせの時点からスタッフさんが、的確な下見をされていたので、安心して当日を迎えました。

今までの経験からすると、重量物運送業の皆さんは、かなりのベテラン揃いというイメージだったのですが、戸塚重量さんは、全員、若い!しかも、チームワーク抜群で、テキパキと素早く動く動く!しかし、かといって仕事が荒っぽいわけじゃなく、きめ細かく丁寧なんです!動きに無駄がないからそう見えるのかも。常日頃の準備の良さが、現場で活きているっていうのが良くわかります。

一仕事終えて、記念写真。紺のユニフォームが戸塚重量さん。青シャツは栗原精機のスタッフです。

金子社長(写真、右から二人目、ポーズを決めてる)、まだ若いけど、会社に対する熱い思いがちゃんと社員に伝わっていて、すごく良い会社を作っているって思います。経営者として尊敬します。まだまだ自分も勉強しなくちゃ!そんな戸塚重量さんのおかげもあって、準備も完璧に、新規設備導入の8月20日を迎えることができました。

新しい機械

新しく導入したのは、オークマ社製、MULTUS B250IIという機械です。NC旋盤とマシニングセンターの機能が一台に集約された、いわゆる複合加工機というものになります。もともと、割と小さめで複雑形状の切削加工を得意としてきた栗原精機ですが、この新しい機械の導入によって、さらに高精度に、さらに生産性を高めて、お客様のニーズによりマッチした製品を提供できるようになります。

機械にご興味のある方は、メーカーのPR動画をどうぞ!その高性能ぶりをぜひご覧ください。

栗原精機のホームページでは、加工サンプルの写真も載せています。よかったら、こちらもご覧くださいませ。

最後にこの夏の想い出をひとつ、ご報告。

スペイン、バルセロナで同じ機械加工の仕事をしているというご一行様が、工場見学にお越しくださいました。ちょっとしたつながりはあったのですが、そもそものきっかけは、インスタグラムに投稿した写真を見て興味を持ってくれたからなんですよね~。なんだかうれしかったです!

この夏、生まれ変わる栗原精機~KURIHARA factory REBORN PROJECT~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

皆さん、元気ですか!太陽ギラギラ!今年も暑ーーーい夏がやってきました!なんて、原稿書いてる時点(7/17)では、まだまだ梅雨明けの気配もなく、ほんとにあと1週間で夏になるの?って感じなのですが…。

KURIHARA factory REBORN PROJECT

まあ、そんなこんなではありますが、今年も間違いなく夏はやってきます。そして、2019年、暑い季節に、私ども、栗原精機は熱く熱く宣言します!生まれ変わる!と。名付けて、KURIHARA factory REBORN PROJECT と称して、その活動を開始しました。社内では略してKRPを合言葉に、新生、栗原精機の第三次創業を目指しています。

具体的には、8月下旬に新規機械設備を導入するのを機に、工場内のレイアウトも大幅に変更。より機動力を高めて、迅速にかつ的確に、お客様のニーズにお応えしていこうという主旨です。

ここのところ、我々、金属加工業界には、厳しい空気が流れ込んでいて、景気低迷、受注減、売り上げダウン?なんて言葉が飛び交っているんですが、いやいや、こういうときこそ、新しいことにチャレンジできる、チャンス到来と受けとめております。まあ、若干の強がりも入っていますが、前向きに積極的に動いていこうと思っております。

GIVE AND GIVE

さて、いわゆるメイカーズムーブメントに触発されて立ち上げた「ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK」の活動も、おおむね6年が経過しました。おかげさまで、Facebookグループに登録いただいているメンバーは、1380人を超え、連日、たくさんの投稿でとても盛り上がっております。

しかし、そのグループの説明文が、いささか時代にそぐわないなあという気がしてまいりまして、全面書き換えをしてみようかと・・・。原案ですが、皆さん、ちょっと見てもらえますか?

2012年頃に起こった、新たなる産業革命、MAKERSムーブメント。あれから、それなりの年月が経ちましたが、本当に製造業、ものづくりの世界は変わったのでしょうか?確かに新しい製法も生まれた一方、職人の熟練の技から生み出される製品にこそ、価値を見出すひとも増えているような気がします。変わったとすれば、多様な世界になったってことなのでしょうか?

そんな時代だから、必要不可欠なものとして、コミュニティがあるんだ。そんな思いから、MAKERS LINKはこれからも、ものづくりの輪を広げる活動を続けていこうと考えています。で、その想いを実現するために、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKは「GIVE AND GIVE」という思考を提唱します。自ら発信(GIVE)した情報は、新たな発信(GIVE)を生み、そこからさらに発信(GIVE)の輪を広げていく。ぐるーっと回って、気づいたら、いつの間にかTAKEが生まれて戻ってくるという発想です。相互的な関係性しか生まないGIVE AND TATE。それでは実現できない「輪を作って広げていく」それが、GIVE AND GIVEです。

どうですか?これが、新しい説明文です。伝わったかなあ?もし、興味を持っていただけたら、ぜひ、FacebookグループのMAKERS LINKを見に来てください。

ちなみに、GIVE AND GIVE って言葉は、HERO X radio で聞いて、あ!これはいい!使わせてもらおうっと思ったんですよ。気になる方は、こちらで視聴できるのでぜひ!

各種イベント情報

今回は、話題がころころと変わります!

うち(栗原精機)が拠点を置いているのは、埼玉県川口市。江戸時代から金属の鋳造、鋳物を主要な産業として栄えたとされています。現在でも、様々な加工技術を持った町工場が集積した、ものづくりの街です。

その川口、一方で東京に隣接しているという地域性もあり、年々、人口も増え、比較的若い世代が多く住んでいるエリアでもあります。そこで、ものづくりの街という特性をもっと市民の方々に知ってもらって、さらに活気あふれる街づくりを行っていこうという機運が高まっています。

その一つが、川口市が主催する「市産品フェア」というイベントです。今年は10月25日から3日間の開催で、期間中には、川口市内の企業を中心に、事業のPRや特産品の販売ブースが出展して大いに盛り上がります。詳しくはこちらをご覧ください。

このイベントの目玉企画の一つが「全国製造業コマ大戦・川口市市産品フェア2019場所」です。コマ大戦はご存じの方も多いと思いますが、技術自慢の町工場が、情熱をこめて作った直径2cmの小さなコマで、真剣勝負を繰り広げる、文字通り、戦いの場なんです。

https://www.komataisen.com/

この大会に、なんと、team COOL MILLINGS が参加を目論んでいます!(COOL MILLINGS ってなに?って方は、こちらをご参照ください)初出場とはいえ、金属加工プロ集団のプライドにかけても負けるわけにはいきません!いったいどんなコマを作って大戦に向かうのか、乞うご期待です!(自らハードル上げちゃいます)

※写真は、ねじなめんなよ!でおなじみの浅井さんを顧問として迎えての作戦会議の模様

そうそう、ものづくりの街、川口を盛り上げるための企画はほかにもあります。川口商工会議所が主催する「オープンファクトリー」が、令和元年11月8日(金)・9日(土)の2日間、開催されます。普段は公開していない工場もこの機会には見学出来たり、職人さんと直接話ができたり、さらに、ものづくり体験ができたりと、ものづくり川口の魅力を存分に知っていただけるかと思います。ぜひぜひ、参加してみてくださいね。

https://kawaopen.jimdofree.com/

なんだか、今回は、まとまりのない文章になってしまいました。(あ、いつものこと?)

それでも、まだお知らせしたいことがいっぱいありすぎて。。。FacebookやInstagramでもどんどん発信しているので、もしよかったら、フォローしてやってくださいね。

最後にもうひとつ。ずっと温め続けている「MAKERS Bank」構想。新製品開発の資金調達と協力者を集める、とっても良い方法だと自負しているんですが、なかなかカタチにできずにいたんですが、もしかしたら、実現に向けて動き出せるかも!良い出会いがありました。期待してください!

ではまた来月(^o^)

町工場の3代目、由紀精密大坪社長に学ぶ

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

毎月、原稿の書き出しに、季節の様子をよく使いますが、たったひと月でその移り変わりを実感します。先月はあんなに清々しい気候だったのに、今月は、もう梅雨の真っただ中です。今日は少し暗い事務所でパソコンに向かっています。

さて、3代目候補として我が社(栗原精機)に入社した長男、匠(たくみ)との親子対談を記事にしたのは、4月のことです。おかげさまで、お会いする皆さんに、「良かったね」、「おめでとう」とお声掛けいただきます。息子の入社にあたっては、正直、葛藤もあったのですが、今となって、自分自身も本当に良かった、ありがたいことと実感しています。(記事はこちらでお読みいただけます)

町工場3代目経営者が描く、ものづくり中小企業の成長戦略

しかし、中小、零細製造業の後継者問題が大きく取沙汰される昨今、跡継ぎがいるというだけで注目されるという現実に、少し考えを新たにしなくてはいけないのでは?とも思えてきました。そんな折にお誘いをいただいたのが「町工場3代目経営者が描く、ものづくり中小企業の成長戦略」と題されたセミナーです。講師は、あの、株式会社由紀精密の大坪正人さん!これはもう、息子ともども、勉強させてもらわないわけにはいきません!

6月7日、会場は銀座。雨降る中でしたが、気持ちが若干高ぶりすぎたのか、ずいぶんと早くに到着。一番乗りを果たしました(笑)

ものづくりに関わる皆さんなら、株式会社由紀精密さん、ご存知だと思います。神奈川県茅ケ崎市の金属切削加工、従業員数は50名弱の中小企業ですが、その加工技術は航空宇宙産業から先端医療分野にまで高い評価を受け、いまや、世界中の企業と取引をする、言ってみればリアル「下町ロケット」。天皇陛下も皇太子時代に視察されたという超優良企業です!(詳しくはちら

実は、精密切削加工といえば、うち(栗原精機)も全くの同業なんですよね。1950年代に創業された由紀精密さんに遅れること10年ちょっと。その後の歩みはほとんどいっしょです。日本の経済発展に乗って、通信分野の部品加工で一時代を築いた後は、バブル崩壊やリーマンショックなど、荒波に翻弄されて明日をも知れぬ経験を幾度も味わいました。

私は2代目社長として、なんとか会社を維持するのが精一杯。一方、大坪さんはどん底の時期に3代目として家業に戻り、ご本人もおっしゃっていましたが、想像以上の苦難からの巻き返し、今や日本を代表する企業にまで至るストーリーは、ほんとうにドラマティックで、いやいや、ほんとにすごいなあと唸ってしまいました。

自社の技術を新しい分野に展開しようと、開発部門を社内に立ち上げて研究開発型の工場に転換、さらに、町工場レベルではなかなかハードルの高い広報分野にも人材を置き、ネットや展示会を通じて、その存在感を大きくしていったんですね。まあ、新しい仕事をとるなら、飛び込みでもと、いわゆる営業に力を注ぎそうなところを、さすがに発想が違うなと。もっと深く知りたいって方は、大坪さんが日刊工業新聞に連載されていた「町工場 三代目奮闘記」をぜひお読みになってください。映画かドラマになってもおかしくない話ですよ!

また、講演そのものが、普通のそれとは趣を異に、参加者からの質問に答えながらだったり、いくつかのお題から聞きたい話を多数決とったりという進行だったこともあり、由紀精密ヒストリーから、一昨年設立された由紀ホールディングスのこれからの展望に至るまで、え?そこまで話しちゃうの?って聞いてるほうがびっくりするほどのエピソードも飛び出して、めちゃくちゃ面白くて、かつ、勉強になりました。

とくに今回、セミナーの主催が日本ファミリービジネスアドバイザー協会(以下、FBAA)という団体であったということもあり、創業のおじい様から、先代社長のお父様のことなど、大坪家のちょっと変わった(?)家族愛の話が聞けたのはラッキーだったかも!席を並べて拝聴していたうちの息子も、身を乗り出して聞き入っていました。

栗原精機の3代目は何を思うか

ちょっと、ここで、いっしょにセミナーに参加した我が息子、匠に感想を聞いてみましょうかね!

栗原 匠です。今年の4月に栗原精機に入社しました。これからたまにこのブログにも出没しますので宜しくお願いします!

さて、参加した感想ということですが、仕事に就いたばかりで、右も左もわからない自分にとって今回のセミナーは大変勉強になることばかりでした。由紀精密の大坪社長には、以前からお話を伺いたいと思っていました。というのも精密切削加工の3代目という自分とほぼ同じ境遇で、どん底から世界中の企業と取引をするまでに至った経緯や取組に興味津々だったからです。

実際に話を聞いてホールディングス化についてなど視点が違うなぁ、本当にすごいなぁと関心しきりで。一方で実際に会社を立て直した具体的な事例や社長として心掛けていることなどは今後の栗原精機に活かせることもたくさんありました。

さて、話は前後してしまいますが、このセミナーに誘ってくれたのは、こちらモノカクでおなじみ、テクノポート徳山社長なんですが、徳山さん、FBAAの会員で、フェローとしてその運営にもあたっているとのこと。今回は、また、特別な計らいで、我々親子もセミナー後の懇親会にも参加させてもらいました。ここで西川理事長はじめFBAAの皆さんに伺ったお話は、今後の自社の経営に大きなヒントとなりました。

普段はあまり考えてはいなかったのですが、ファミリービジネスという経営形態の優位性を意識して、より良い方向へ向かえるように歩みを進めていこうと思った次第です。

後継者がいるということ

幸いにして、うちには後継者がいてくれて、正直、胸をなでおろしているところなんですが、それだけではなくて、会社としての価値なり評価なりが高まったなという実感もあります。(はい、お察しのとおり、取引銀行さんは押し並べて喜んでくださっていますよ~)

もちろん、家業は長男が継ぐなんて風習(?)は古い考えですけど、会社を永続的に存続させようとするのであれば、身内を後継者にという選択肢を持っておくことは重要かもしれません。今のご時世、その可能性を持っているというだけでも、会社は大きなアドバンテージを得ることになるんですよね。なので、うちの仕事、息子に継がせるのはどうかなあ、なんてお悩みの社長さん、ぜひ、前向きな気持ちになってほしいと思います。あ、ただね、よし!お前!跡継ぎやれ!って迫っちゃだめですよ!そこは、ほら、うまくことを進めないと。

うーん、なんとか、うちを成功事例にまでもっていくことができたら、もしかしたら、ものづくり日本を下支えする同志に勇気を与えられるかも!なんて思ってます。全国の同じ悩み抱える町工場の皆さんに説いて歩こうかしら。まあ、ちょっと高ぶりすぎですが、ほんと、少しでも世のためになればって。

今後、MAKERS LINKでも中小零細町工場の後継者問題や人材確保、育成のテーマも掲げていくので、ぜひ、ご意見交え、Facebookのグループページへ投稿、コメントをしてください。ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKでお待ちしています!

町工場たいけん・えんにち!その6 参加してきました!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

えんにち!その6

新緑の5月。いい季節ですね!初夏の横浜、日曜日。恒例の「町工場たいけん・えんにち!その6」に参加してきました。会場はおなじみの株式会社ニットーさん。ここに、10個のブースが並んで、こどもコマ大戦や3Dプリンター塗り絵など、子どもたちが大喜びのワークショップがたくさん繰り広げられました。

MAKERS LINKのブースでは、事前にグループページで参加者を募集。ツムタハウスさんの羊毛フェルトのワークショップと、物販には、旋盤やさん、COOL MILLINGSの金属加工製品や、ケニアのママさんたちが手造りのサイザルかごバックなど、応募のあった製品をテーブルにぎっしりと並べて、紹介させてもらいました。

たくさんのお客さんが朝から行列をつくって開門を待っているほど、すっかりその人気が定着した「えんにち!」ですが、主催者の羽田詩織さんはじめ、運営スタッフの皆さんの努力には、ほんとに頭の下がる思いです。MAKERS LINKでも、こんな、たくさんの人から愛されるイベントを作っていけたらなって思います。

近々、詩織さんと会えるのは、6月20日、インターモールド名古屋の会場みたいですよ!お出かけの際には、ぜひ、声をかけてあげてください!

お引越し、リニューアルしたばかりの町工場たいけん・えんにち!ホームページは、こちら!
https://matikojo-enniti.j-ka.net/

羽田詩織さんとは、以前に対談した記事があるので、よかったら、そちらも読んでみてくださいね!
https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/17453

IRONCAFeの移転

そして、その対談の場所に使わせてもらったのが、秋葉原、2k540のアイアンカフェさんでした。

実はIRONCAFeさん、5月7日をもって営業を終了しました。そして2019年秋、メタルギフト&ワークショップのお店『meta mate(メタマテ)』に生まれ変わって、日本橋、コレド室町テラス2F『誠品生活日本橋』内にOPENすることに!

”熱がよく伝わる金属という素材を通じて、人から人へあたたかい想いを届ける”をコンセプトとしたギフト&ワークショップの店舗とのこと。行きつけのカフェが無くなってしまったのはとても悲しいのですが、新しいお店には新たな期待感がいっぱいです。MAKERS LINKとしても、ぜひとも、いろいろと関わらせてもらえたらって思っています。

詳しいことは、こちらプレスリリースをご覧ください!

最後にお知らせ

そんな悲喜こもごもな5月でしたが、ここで、MAKERS LINKよりお知らせを!

Facebookに「ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK」を立ち上げたのは、2013年の3月ですから、もう丸6年を経過してるんですね。メンバー数も1,300人を超え、相変わらずわいわいとにぎやかに運営しています。立ち上げ当初の、まだ人数の少ない頃は、しょっちゅう飲み会してましたねぇ~。

この頃は、展示会やイベントなどでメンバーの皆さんとお会いする機会が多いのですが、久しぶりに、大宴会でも開いて、わーーっと楽しくやってもいいかな?なんて気持ちが湧いてきました!

まだ、詳細はなにも決まってはいませんが、夏の終わりごろに「MAKERS LINK 大交流会(仮称)」を東京都内の会場を確保して開催したいと考えています。皆さん、楽しみにしていてください。もし、できたら、定期的に各地で交流会イベントをやっていけたら、とも思っています。どんどんと、ものづくり仲間の輪を広げていきますよ!

いろいろと決まってきたら、ホームページおよびFacebookのグループページで発表していきますので、情報をお見逃しなく!

MAKERS LINK ホームページ https://maker-s.link/
ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK https://www.facebook.com/groups/makerslink/

町工場ぶっちゃけ対談 vol.11 ~特別編・栗原親子対談~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

春爛漫、皆様いかがお過ごしですか?うちの職場では3月の最後の土曜日にお花見を敢行!都内足立区の舎人公園は満開ちょっと手前ってところでしたが、気持ちよく桜の花を愛でて参りました。もちろん、宴会も盛り上がりました!

そんなちょっと浮かれ気味の株式会社栗原精機ですが、4月1日に新しいスタッフを迎え入れました。実は、私の長男なんです。大学卒業後は全くの畑違いの道に進んでいたのですが、本人の強い意志の元、家業を継ぐべく帰ってきました。

今回の町工場ぶっちゃけ対談は、特別編として、親子対談をお送りしたいと思います。なんだか、内輪話をおおやけに披露するみたいでお恥ずかしいのですが。昨今、後継者不足で廃業を余儀なくされる町工場が多いというこの状況での中で、うちの親子関係が、ひとつの実例として、少しは世の中のお役に立てれば。。。。

ではここからは、進行役をダイレクトメールサービス「たより」の後藤天美さんにお願いして、話を進めてまいりましょう。

ここから、聞き手・執筆は後藤天美さん

2019年、平成も残りわずか。桜が舞う中、発表された新元号は「令和」。行ってきました、聴いてきました!「会いに行ける町工場社長栗原さん」とのものづくり対談、第11弾。今回は、特別編?番外編?栗原精機重大ニュース発表の巻でございます。

対談場所は、ぎりぎり川口市、ほとんど草加市という場所に位置する(株)栗原精機。今回の対談のお相手は、栗原さんのご子息、栗原匠(たくみ)さん。町工場ぶっちゃけ対談初の親子対談。なんとなんと、この4月から栗原精機にご入社!ということは。。

前職の退職から栗原精機への入社まで

―たくみさんは、確かリーガルコーポレーションにお勤めだったのでは。イケメン若手社員として、雑誌でも特集されてましたよね。

匠:はい、この4月から正式入社になりました。前職はリーガルにいました。確かに、雑誌には掲載されました(笑)

―4月から栗原精機に!いろんなことを聞きたいですが、リーガルって、あの靴のリーガルですよね。超有名な。前職では、どんなお仕事をされていたんですか??

匠:ずっと、アパレルというか、ファッション業界にはとても興味があって。リーガルの靴も大好きだったので。アルバイトからそのままリーガルに入社しました。最初は販売、渋谷の店舗に異動してからは、販売の他に、商品の企画開発に携わったり、あとは広報活動もやっていましたね。

栗原:渋谷のショップは、リーガルのコンセプトブランドをカタチにしたというか、他の店舗とはちょっと趣が違うんだよね。

匠:まず、店舗で企画開発を行うこと自体なかったですからね。自分の声がカタチになったり、自分が動くことで売上を伸ばしていくことができたり、それはそれで、すごく楽しかったです。

―そんな、メインでご活躍をされていて(しかも渋谷のブランドショップで)『これから!!』という時期に、リーガルを退社されたってことですか??…栗原精機に入社をされたのも、事業継承を意識されてのこととか?

匠:実はですね、事業継承はずっと僕の頭の中にはあったんです。30歳を前に、リーガルの渋谷の店舗で、企画開発をして、売り上げを伸ばして、そんな自信と実感が、栗原精機へ行こう!!という決断に向けての背中を押したというか。

栗原:匠は、平成元年生まれで。4月に新元号が発表されて、5月から令和元年。なんとも、これも運命的というか。

―栗原さんは、匠さんから栗原精機に入社するって聞いた時、やっぱりガッツポーズでしたか??

栗原:ガッツポーズはしないけど(笑)。いや、匠が会社のことを考えてくれているんだなぁ、とは、ずっと感じていて。嬉しいのは嬉しいよ、そりゃ。でも実際は、いろんな葛藤の中で、4月を迎えました。会社も厳しい時期もあったし、これからだって、順風満帆とはいかないだろうし、本当にこれで良いのか??と、思うこともありますよ。

匠:先代が亡くなったということもあって、会社を継いでいこうという決意を固めましたね。実は、亡くなる前に、先代と二人で飲みに行って。『どんなカタチであっても、栗原精機を残したい』と、想いを託されていて。

栗原:え??飲み行ったの?親父と?二人で?どこにー??

匠:あそこ、ほら、近所の○○(お店の名前)

栗原:へっぇーーーー

―栗原さん、ご存じなかったんですか??

栗原:いや、後日談で、そんな話は聞いてたけど。お店の場所まで聞いてないし、俺は親父と二人で飲んだことないし(笑)

―なんと(笑)。お母様は?どんな反応されましたか?

匠:母には、リーガルに就職したときから、ずっと栗原精機の跡を継ぐから、とは、話していたんです。どんな形でも応援するから、とはずっと言われてました。

栗原:何かね、そっち(奥サマ)とは、俺より頻繁に話してたみたいよ。

―笑笑。でも、栗原さん、匠さんが後継者として帰ってきてくれて、もう万歳三唱ですね。

栗原:いやいやいや。勤め人では抱えることのない、社員、仕事、借金、諸々。リスクを背負わせてしまうことへの不安というか。さっきも話したように、これで本当に良いのか?と思っている自分と、心の奥底では嬉しい!のガッツポーズをとっている自分と、なんか不思議なカンジですよ。

―やっぱり、嬉しいんじゃないですか!素直じゃないなぁ。

栗原:そりゃ嬉しいって。でも、一番うれしかったのは、匠が後継者として栗原精機に帰ってくるよって、会社の幹部である専務と常務に伝えた時、二人がすごく喜んでくれた瞬間。と同時にホッとしたともいうか。幹部に反対されたらどうしよう、とか、実はドキドキしてたから(笑)

栗原精機のこれから

―匠さんという若い力が会社に帰ってくることで、会社の未来が見えてきたってカンジですかね?

栗原:そうだね、新しい命が吹き込まれるっていうか。そこから、社員さんや取引先、関係先の皆さんに、匠の話をお伝えして。みんな喜んでくれたよね。

匠:実は3月からちょうちょく会社には来ていました。有給をとって。。。今までいた世界とはまるっきり違うし、わからないことだらけです。専務や常務や、僕が子供のころから可愛がってもらっているので、なんだか照れるというか、違和感もあって(笑)

―4月になって、改めて正式に社員になって、後継者として皆さんの前に立たれたときは、どんなカンジでしたか?

匠:社員のみんなや、関係する方々と、今栗原精機として行っている一つ一つの作業をもっとより良くしていかなければならない、という実感が湧いてきました。

栗原:経営者としての勉強も積んで、一本立ちしてもらわないとね。いずれは一人でやっていかなくちゃならない。

―メイカーズリンクの運営者として、全国的にも有名な栗原さんですが。。。

栗原:メイカーズリンクの、ものづくり全体を盛り上げていこうって活動の必要性も含めて、理解してほしいとは思ってますよ。『ものづくり』が、この国からなくならないように!

―ものづくりへの心意気、ここがないと、人も集まらないですもんね。

栗原:人が集まる場づくりであったり、ものづくりをアピールしていくこと、心意気も大事だし、何より母体、土台となる栗原精機を任せられる存在ができたということは、今後の大きな力になりますよ。

―今のこの世の中で、この栗原精機のこれからの事業継承への道というのは、匠さんが考えているよりも影響は大きいと感じます。

栗原:事業継承、後継者に悩んでいる方たちに、栗原精機の姿をみてもらって、勇気を与えられるような会社にしていきたいよね。

―最後になりますが、匠さんがこれからの栗原精機の未来をどう考えているか、教えてください。

匠:自営から企業へ、会社としての仕組みや組織はとても大切だと思っています。商売をするからには、栗原精機で働いていて良かった!と思ってもらえる会社に成長させたい。僕が一企業の中にいたからこそわかること、それは、若い人が将来、未来に夢を持っていない、ということなんです。それじゃ、ダメだろう、社員さんの幸せこそが、会社の宝になるはずと強く感じています。そんな会社の未来をつくっていきたいですね。

栗原:この先、必ず苦しい時期もあるだろうと思うけど、今の志を忘れずにて欲しいねぇ。

―うーーん、素敵ですねぇ。。

栗原:でもまぁ、若い人に託す決断ができた!ということ。ここが何をおいても、一番の幸せなんだろうなぁ、と、今日話していて思いますね。

―前職での広報経験も、匠さんの強みですね!

匠:ブランドを広めるための活動、これが、今後栗原精機で生かせていけるんじゃないかと。任せてほしいです。

栗原:その経験は、この製造業界では思いもつかないようなアイディアが生み出せるはずだから、とっても期待してますよ。

番外編親子対談、いかがでしたか??事業継承に悩むすべての中小企業の経営者さんにとって、勇気をもらえる内容だったのではないでしょうか。「若い人に託す決断」私は、この言葉が一番心に残りました。町工場社長のものづくり対談、次はいずこへ??そしていつかな??(笑)

ここから再び文章は栗原

さて、いかがでしたか?事業継承の話になると、スポットは後継者がいるかいないかに当たりがちです。よく統計調査に現れる後継者のいない中小企業は6割とか7割とか。でも、ちょっと見方を変えたらどうでしょうか?後継者がいない、イコール、その会社の仕事が世の中に本当は必要ではない?かもしれない。ちょっと乱暴な言い方ですが、必要とされる仕事なら、事業として成り立つはずだし、事業として成り立つなら、社長の息子でなくたって、後を継ぐ人は必ず現れると思うんですよね。

ちょっと持論展開みたいになっちゃいますが、問題は、人材がいない云々以前の、仕事が、事業が継続されていく価値があるかどうか、だと。。。こう言っちゃうと、まるでうちにはその価値があるし、だから後継者もいるんだぞって自慢みたいですが、先代から50年、頑なに守ってきたものと柔軟に取り入れた新しいものと、まあ、それなりに苦労と紆余曲折を経て、今があるんだって自負はしてます。でもって、なお、「この国のものづくり」がもっと盛り上がるようにって、ほんとに微力ですけどね、あと、もうちょっと頑張ろうって、本当に全部を息子に引き継ぐまではって、そう思っています。

MAKERS LINK ホームページ、リニューアルのお知らせ!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!いや~、春ですね~。皆さんのところでは、もう桜、咲いていますか?うちの職場では、月末に花見の予定ですが、そのころにはもう散ってしまっていないか、ちょっと心配!

それにしても、月日の経つのは早いもので、メイカーズリンクの会社を設立して、もうすぐ1年になります。ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK自体は、立ち上げてからおおむね6年が経過していますが、その管理をするための会社が、合同会社メイカーズリンクってことになります。

ホームページリニューアルオープン

その1周年を記念してってわけでもないのですが、このたび、ホームページを一新!本日(2019/3/20)、リニューアルオープンいたしました!

みなさん、ぜひぜひ、見てみてください!
https://maker-s.link/

どうです?デザインも洗練されて、カッコいいでしょ?

内容、機能面も充実していますよ!では、順を追って紹介させてもらいます!まずは「MAKERS LINKとは」のページです。ここには、私、栗原が、MAKERS LINKを立ち上げるに至った経緯や、その基本方針などをコンパクトに書いています。そもそもMAKERS LINKって何なの?って気になる方は、こちらをぜひご覧くださいませ。

トップページの中盤には、Informationがあります。ここには、活動報告やお知らせなどが随時更新されていきますので、要チェックですよ!

MAKERSLINKに参加する/メンバーに登録する

次に、MAKERS LINKに参加する方法について。ひとつめは、Facebookでの参加。これはこの6年に渡って盛り上げてきたコミュニティへの参加ということになります。製造業のプロ、デザイナー・クリエイターからハンドクラフトを趣味としている方まで、ものづくりに関心のある方なら、どなたでも参加可能ですので、気軽にFacebookからお入りください!

そして、もうひとつ。実は、こちらが今回のホームページリニュアルの目玉なんですが!「メンバーに登録する」です。登録ページを開いて、必要事項を入力してもらうと、データベースに登録される仕組みとなっています。で、データベースに情報があると、あとで紹介する「相談先を探す」から検索されるようになります。MAKERS LINKをお仕事、ビジネスの入り口として活用いただく、これが第一歩になります。(以前のホームページにもデータベースがありましたが、今回、機能をより強化するためにリセットしてます。旧データベースに登録していたかたも、ぜひ、改めてご登録ください。)

相談先を探す

そしてそして、その「相談先を探す」についてですが、ものづくりについて、加工依頼やアドバイスを受けたいときなど、MAKERS LINKのメンバーからピンポイントで探すことができます。

さらにですよ!機能強化の最大のポイントは、自分自身でうまく相談先が探せない場合や、技術の知識がおぼつかないなあというときの味方として「モノマド」と連携にあります。モノマドとは、ものづくり経革広場を運営するテクノポート株式会社が展開するサプライヤー無料探索代行サービスです。これにより、コミュニティ上だけでは得られなかった、より詳しい情報を得られるようになりました。ぜひ、皆さんのお仕事に活用してください!

では、最後の告知をひとつ

ものづくり、町工場好き(?)には、もうおなじみの「町工場たいけん★えんにち!」が、5月11日、横浜で開催されます。ここにMAKERS LINKとして出展することが決定しました!ついては、いっしょに盛り上げてくれるメンバーを大募集します!詳しいことは、Facebookのグループページや今回リニューアルしたホームページで随時お知らせしていくので、お見逃しなく!

こちらをチェック! → https://www.facebook.com/groups/makerslink/

解禁?「川口アート&ファクトリー」構想!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

2月も残すところあとわずか、春はもうそこまで来ているはずですよね?いやあ、それにしても寒い寒い(この原稿書いている2/11、関東地方でも雪がちらつく天気です)。巷ではインフルエンザが大流行。わが社でも感染者が出て、社員がなかなか全員揃わないという事態になっています。皆さんのところではいかがですか?

さてさて、そんな中ではありますが、2019年、私、栗原、いきなりのスタートダッシュをかましていますよ!

まずは、展示会出展ご報告から

1月30、31日と、さいたまスーパーアリーナで開催された「彩の国ビジネスアリーナ」。ここに、川口市の「i-mono、i-wazaブランド」認定企業の一員として、川口商工会議所ブースの一角に出展をさせていただきました。この展示会、埼玉県の地元企業を中心に約600社が集まる大イベントです。ただ、やっぱり、地域の結びつきが強いってこともあり、全体の雰囲気は、とてもフレンドリーで、ビジネスの最前線というよりは、お祭り色のほうが勝っている?そのぶん、出展していて楽しかったですね。

続いて、その翌週、2月6〜8日は、東京ビッグサイトで開催の「機械要素技術展」でした。この展示会、機械系製造業の専門展示会としては、日本最大級を謳っていまして、例年ですと6月に開催されています。私たちもMAKERS LINKとしてブースを出していたわけですが、今回は、この「ものづくり経革広場」を運営するテクノポートさんのブースにテーブルをお借りしました。

実は、テクノポートさんとは、このブログの連載だけじゃなくて、とっても深い間柄にありまして。ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKと、テクノポートさんの工場紹介サービス「モノマド」との間で連携をしていこうと、いま、サイト構築の真っ最中なんです!

その共同事業については、まだ、詳しくお伝え出来ませんが、私のところのような製造業者と、大手メーカーさんから製品づくりされている個人の方まで、ものづくりの工場を必要とされている方々とを確実にスピーディーに結ぶサービスになる予定です。今回は、その事業のスタートに向け、とても意味深い出展となりました。

新しいプロジェクト

で、ここからは、また別の、これから新しく展開しようとしているプロジェクトについて、ちょっとだけ紹介します。

プロジェクトの名前、まだ仮称ではありますが、「川口アート&ファクトリー」と言います。ことの発端は、懸谷直弓(かけやなゆ)さんという女性アーティストの野望なんですが、あ、懸谷さんのことは、昨年9月の記事で紹介させてもらっていますので、ぜひこちらご覧ください。

記事中にもある懸谷さんの作品製作にあたって、川口の町工場が全面的に協力をしたという縁で、芸術家、アーティストあるいは、デザイナー、クリエイターといった人たちと、ものづくり、製造業、町工場をダイレクトに結んで、川口を美術と技術の融合の街にしてしまおう!というプロジェクトなんです。

現在、これに参画している企業は、川口市に拠点を置くものづくり4社。

まずは、お互いの技術を知るための相互工場見学会を敢行。同じ地域で長年ものづくりに携わってきたものの、あらためて、それぞれの技術の奥深さや可能性に触れて、気持ちも新たになりました。

これから、プロジェクトは、具体的にどんな活動を行っていくのか、地域の公的機関として川口商工会議所にも加わってもらい、計画を立てていきます。川口へ行けば、想いはカタチになる!川口は若い才能を開花させる街。新しい感性に触れることで、工場も人も元気に明るくなって、街も活気に満ちる!壮大な夢かもしれないけど、取り組む価値は十分にあると思います。

具体的なイベント企画などが決まったら、順次お知らせしていきますので、ぜひ、ご注目ください!もちろん、川口以外の地域からの参加も大歓迎です!

最後に、懸谷さんからの熱いメッセージを!

私は美術家として活動しており、縁があって川口の工場の方と繋がることができました。現在は、工場の中のアトリエで仕事をしながら作品制作を進めています。 工場の方と関わっていく中で、ものづくりの現場で若者が働きたがらなったり、技術が海外へどんどん流出していく問題を知りました。このままだと「メイドインジャパン」の国際的な良い認識が薄れて無くなってしまう事に、私は切実な危機を感じました。

そこで、アーティストである私だからこそ出来ることがあるのではないか、と考えて生まれたのが「川口アート&ファクトリー」です。 元々ものづくりに深く関心があるアーティストやデザイナーが、製作の現場とリンクしやくすなれば、働きながらスキルも向上し、アイデアを直接活かすことができます。 工場の既成の商品や技術に対しても新しい発展性を見出すきっかけとなり、工場や技術自体に魅力を感じればそのまま継承者ともなり得ます。

日本は小さな島国ですから、ものづくりのプロフェッショナルが強く結びついて、商品としても美術品としてもクオリティーの高いものをつくる、欲張った質を追求できると考えています。 アートと商業は両端のものであるという考え方もありますが、だからこそ、引き合わせることに大きな価値とインパクトと魅力があります。

「川口アート&ファクトリー」が、他の地域でも応用できる日本文化のモデルケースとなり、海外からも注目され、世界中の人がクオリティーの高いものを求めて集まるようにしていきます。そのためには、あらゆるエネルギーを集中させる必要があります。この活動に少しでも興味を持っていただけたなら、どの様なご意見も伝えてほしいです。そして是非、私たちと繋がってください!

■ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK → ホームページFacebookグループ

町工場ぶっちゃけ対談 vol.10

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!2019年、皆さん、どんなスタートを切りましたか?我が家では、普段は離れて暮らす子どもたちも元旦には集合して、にぎやかにのんびりと過ごしました。なにしろ、初めて孫のいる正月ですからね、笑顔の絶えない、かけがえのない時間でした。

会社のほうは、カレンダーのめぐり合わせもあり、7日が仕事初め、いきなりのフル稼働です。もっとも、工場は一部の機械を年末年始の休み中も停めることなく稼働させてはいたのですが…。いやいや、仕事があっての町工場ですから、ほんとに、ありがたいことです。

さて、今回は、そんな希望に満ちた新しい年のスタートにふさわしく、素敵な若手経営者の方とじっくりとお話する機会がありましたので、その模様を、ぶっちゃけ対談第10弾として、お届けします。対談のお相手をいただいたのは、株式会社RDS、代表取締役の杉原行里(すぎはらあんり)さん。高校からイギリスに留学、そのまま大学に進んでデザインを学ばれたという経歴の持ち主です。会社はお父様が創業されていたのですが、病に倒れた後をお母様が引き継いでおられました。行里さんは2008年に入社、昨年、36歳で代表取締役に就任されました。

同社は、カーボン成型の技術を基に、モータースポーツ、航空宇宙、医療福祉の分野で、デザインから設計、製作まで完結させる先行開発を主たる事業とされています。

2013年にグッドデザイン賞を受賞されたドライカーボン製松葉づえを初めて展示会で拝見した時は、正直、驚きました。奇をてらったところは一切なく、あくまで使う人のためにあるデザイン。ただ、カーボンという素材の持つ美しさなのでしょうか、見とれてしまったのを覚えています。

 

このデザインを手がけたという行里さんと、じっくりとお話してみたいという願いがかなったのが、この対談というわけなんです。また、杉原さんにはもう一つ、WEBメディア「HERO X」編集長という顔があります。障がい者、健常者という枠を超えた「世界で一番、ボーダーレスなメディア」を掲げたHERO Xは、メディカル、テクノロジー、スポーツという3つのキーワードで、積極的な情報発信を展開しています。

すこし、前置きが長くなりましたが、ここから対談のスタートです。対談部分の執筆は、フリーライターの長井杏奈さんにお願いしました。それでは、お楽しみください!

のどかな寄居の町の中に現れたのは、ログハウスのようなオフィス

みなさん初めまして、フリーライターの長井杏奈です。2016年夏にフリーになって以来、ライターと司会という二足の草鞋を履きながら活動しています。学生時代に埼玉県草加市に住んでいたことからご縁があり、栗原さんとも色々な活動でお世話になっています。今回は、「町工場ぶっちゃけ対談」にお邪魔します!

ホームタウン草加から車で一時間半、のどかな寄居の町の中に現れたのは、ログハウスのようなオフィス。まさかこんなおしゃれな建物が迎えてくれるとは思わず、うっかりお隣の工場の駐車場に車を停めそうになりながらも、対談スタート!まずはRDSさんの事業について伺いました。

多角的な事業を行う株式会社RDS

杉:RDSは、多角的な事業を行っています。もともとデザインは得意だから、デザイン事業は勿論のこと、それから機械設計や構造解析ですね。一般的なCADに入っているものだけではなくて、今流行っているトポロジー解析とか。あとは、空力解析。簡易のものですが、風洞実験機も入っています。そういうものをやりながら、様々なところから解析をしていこうと。

栗:なるほど。

杉:社会的に取り上げられやすいものや、必要としているものにフォーカスすると、義足とか。東大と一緒に開発しているものもあります。クレイモデルは、車一台を粘土で削っちゃったりして。次に3Dプリンター事業。粉末造形やFDMなど、様々な3Dプリンターが入っています。明日ちょうど入るのが、ワークサイズが1m×1m×1mという巨大なもの。

栗:明日とは、すごいタイミング。

杉:はい。(笑)次に、モーションキャプチャー事業。これは映画とかゲームでよく使われますが、僕たちは人間工学的にどういう風な人間の動きがされているのかというのを調べたくて使っています。

栗:うん、うん。

杉:RDSはもうモータースポーツ事業はやめたのと言われるけど、そんなことはなくて。高齢者の方が増えていく未来を迎える中で、モータースポーツ事業などで培っている技術をいかに応用するか考えていました。その一つがパラリンピックだったり、パーソナルモビリティだったり。これは完全なる自負というかうぬぼれかもしれないですが、僕らの技術は最先端にあると思っています。

栗:そうだね。

杉:だからこそ、その技術をどう応用するか。この応用という言葉がすごくひっかかるというか、日本語は難しいなと思うんですけど。イメージで行くと、アイロボット社に近いかなと。もともと地雷探査機の会社だったのが、地雷を見つける代わりに、ゴミを見つける機械を作った。機能を省いていって、できたものです。

栗:でも今ちょっとなるほどと思ったのは、「省いていく」というのはシンプルに良いものにたどり着く道筋かな。色んなものをくっつけていくと、逆にブレていく気がする。

杉:それから、ベアブリックとコラボしたとき、だいたいの社員は、「そんなの意味ない」と言いました。100万円のおもちゃなんて買わないと。それに対し、「いやいや、そんなことないよ」というところから始まって。次に、ドライカーボン松葉づえ。

栗:RDSさんといえばこれ、というもの。グッドデザイン金賞を獲った。

杉:結構もう時間が経っていますが。笑

栗:何年前ですか。

杉:もう6年前です。金賞を獲りました。そもそも僕らが福祉分野を始めるきっかけになったのは、2011年の寺崎さんという方からの一通のメールでした。その方はたくさん自分でお金を貯金されて、松葉杖を作ってくださいと連絡されてきて。ただ、ものを作ってデザイン設計から最後までやるとなると、試作が入って、この流れは100万では出来ない。

栗:もちろん。

杉:でも僕は、いつか医療福祉に携わりたいと思っていたので、モニター契約してもらいました。お金はいらないから、とことん付き合ってくれと。彼は「RDSの松葉杖を使ってから、隠そう隠そうとしていた人生から、見せよう見せようとする人生に変わった」と言ってくれました。これまでの一番の問題は、個人所有を目的としたプロダクトが少なかったことです。

栗:要は、かっこよくない。

杉:そういうデザインに、情緒を付与し選択肢の余白を広げようということで。そしてこれを見たパラリンピアの森井大輝選手が訪ねてきた。そこからパラリンピックへの取り組みが始まりました。2013年のことです。

栗:じゃあもう、松葉杖で。

杉:彼は松葉杖を使いませんが、あの技術と心意気みたいなもの感じてくれて。

栗:これが本当にきっかけになって発展したと。

杉:今、森選手にはシーティングや部品を、CFRPや3Dプリンターでギアを提供しています。埼玉出身で深谷出身の、5つのメダルを獲得した取った村岡桃佳選手のギアの多くはRDSで提供しています。夏目堅司選手に関しては、フレームからフルで作っています。

HEROXというメディアが伝えるもの

杉:パラリンピア選手のために研究を続けているうちに、選手たち自身が、使っている道具のサイズがあってないのを知らないと気づきました。これは今までの人たちが悪いのではなくて、技術が介入されていなかった。これって、栗原さんとか僕らとか、ものづくりをやっている人からすると、ちょっとギャップがありますよね。そのギャップをどう埋めようかということで、HEROXが生まれました。

http://hero-x.jp/

栗:めちゃくちゃかっこいいじゃないですか。

杉:ありがとうございます。(笑)ハンディキャップの話をするのではなく、そこに隠された技術やテクノロジーが、いかに自分事化していくかということを伝えられるかが大切だと思っています。色々な研究を一過性のものにしないためには、メディアをもって伝えた方が面白いんじゃないかというのが、HEROXを立ち上げた第一の理由です。

栗:いいね、メディアで伝える。

杉:眼鏡をしている人はハンディキャップ、という認識はないですよね。昔は眼鏡をかけているといじられませんでした?

栗:数が少なかったからね。

杉:そう、マイノリティ・マジョリティの関係性なんですよね。2019年には、伊達眼鏡している人すらいる。ファッションとしての選択肢が付与されたことによって、おしゃれなものになっていった。これは良い事例だなと思っています。そういうものもHEROXの中で自分事化したいんです。いつか、歩けなくなる日は必ず来る。そのときに、自分はどういうものが欲しいかを伝えきれていないといけないよねということで、HEROXを立ち上げました。

栗:やっていることが、昔自分が考えていたことと少し似ている。でも、全然レベルが違うから、最近ちょっとジェラシーを感じている(笑)。でもものづくりという共通項があるじゃない。スポーツもそうだし、メディアを使い始めたというのもそう。自分で作るというのはすごい。

杉:2020年を契機に、オリンピック・パラリンピックを通過点として、僕らはどんな未来を迎えたいのだろうと。そのときにこういうメディアがあっても面白いんじゃないかなと思ったのと同時に、そう思ってくれている人が結構多いんです。

栗:メディアをやることは絶対正解だと思う。レベルが違う話をするから恥ずかしいんだけど……。昔、地域で子供たちを集めてラグビーのチームを作りたいと思った。そのころちょうど、メールマガジンとかが出始めてきて。お金かけずに自分でもできるからやってみたら、少しずつ読んでいく人も増えて、「これメディアじゃん」と思った。当時、地域広報をやっているとか、紙媒体のメディアをやっている人に声をかけて、メルマガと紙のメディアをくっつけて地域の情報サービスをやりましょうと。こっちはラグビーチームを作りたい、でもまずはメディアを作って、そこに人が集まって来たら、小出しに、するという考えでやった。これがそこそこ上手くいった。

杉:今よくSNSに載せてらっしゃるのがチームですよね。

栗:そうそう。ラーメンブームが始まったころだから、好きでもないのに草加のラーメン屋さんに取材に行って勝手にランキングとかつけて配信したら、まあまあ人気になった。

杉:SNSとかYoutubeの先駆けかも。

オンリーワンって本当に価値あるもの?

栗:一時期オンリーワンというのが流行った。でもよくよく考えると、うちしかできないなんじゃなくて、うちしかやらないだけなんじゃないかと。要は、真似してこないということは、真似する価値がないくらいの。そんなに素晴らしい技術だったり、そういうことだったら、お金持ちだったり資本力があるところが必ずやるよねと。

杉:やるでしょう。(笑)

栗:真似されないのは、チヤホヤされているだけで、大した価値がないんじゃないか。あいつがやっておけばいいくらいのレベルというか。

杉:なんか、わかりますその気持ちは。

栗:ただ、おやじが生きているときはそんなことは言えなかった。みんなそうやって、匠の技とか言って、うちのおやじのことをすごく持ち上げてくれていて。それが実際に商売になっていたから。おやじが他界してから、本来だったら匠の技で仕事をしていたからつぶれないとおかしいんだけど、つぶれない。だから、大丈夫。70過ぎたおじいちゃんじゃないと作れないものなんて、そんなに世の中には求められてはいなくて、ちゃんと置き換えできる。

メーカーズバンクの立ち上げ

杉:よくブログで書かれているじゃないですか。メーカーズバンクとか。

栗:それをわかりやすく実践できる方法は何かないかと、会う人会う人にずっと投げているが、なかなか進まないというか。ただ考えとしては、クラウドファウンディングにイマイチピンと来てないところがあるから、もうちょっと直接投資にしたい。

杉:クラウドファウンディングを運営している友人が、クラウドファンディングは宣伝ツールだと。

栗:そうなっちゃってる。

杉:開発資金だけを集めるというのは、中々難しいですよね。資金がショートしますから。7割か8割まで出来て、残りを。

栗:むしろそこまでいってないと、クラウドファウンディングはできない。

杉:広告としてとらえて、多くの人に共感してもらうためのものが、クラウドファウンディングだったりすると思います。

栗:クラウドファウンディングって、あともうちょいのところまで行ってないとできない。とってもいい考えやアイディアがあるのに、資金が集まらないからスタートすらできないというのがもったいない。

杉:テーマを一個決めたらどうですか。

栗:何かいっこやればいいんだよな、とは思っている。

杉:同じテーマで5チームくらいあったら、いい意味で競争真理を煽る意味でも。

栗:実際に具体的な事例を作れる土俵を作ると、動くかなとは思っている。

杉:メーカーズバンク、楽しみです。

栗:なんとかやっていきたい。

杉:会社を立ち上げたんですよね。

栗:合同会社メイカーズリンクを立ち上げた。要は、もう一人の思いだけではきつくなってきたから。せっかくやり始めたことだし、自分自身も年齢を考える時期に来ているし。一年、二年の話ではないが、どうせやっていくならこっちの事業もちゃんとできるようにしたいなと。

杉原さん、栗原さん、それぞれのリーマンショック

栗:もともとお父さんが会社を経営されていたわけだけど、継ぐ気はなかったの?

杉:あったっちゃ、あったんでしょうね。向こうの芸大でプロダクトデザインをやっていましたし。ただ、反骨精神というか。

栗:わかります、わかります。

杉:承認欲求に近いけど、認めてもらうには同じ土俵で戦っても、と。必ず創業者の方がすごいじゃないですか。それは間違いないと思う。ちょっと、自分にもっと力をつけて箔をつけたうえで、勝負しに行こうかなと思っていた矢先に、父が亡くなって。僕が大学生の時です。

栗:まだ学生の時に。

杉:ちょうど大学四年の時。そこからあっちで仕事をして。僕が入ったのは、2008年。ちょうどリーマンショックの時。

栗:2008年だと、モロだね。うちはリーマンの前年までものすごく良くて、さあこれからという時に、ちょうど新しい機械を発注した。でも、状況が状況になって。キャンセルしようかと思ったけど、もうその時点で全然仕事がなかったのよ。だから、どうせつぶれるなら、最後に機械を買ってからにしようと思った。

杉:最新機械を。

栗:借金は、もういくらか増えても大して変わらないし。せっかく買いたくて楽しみにしてたから、やめるのをやーめたと。

杉:良い決断でしたね。僕のリーマンの経験は、ちょっと栗原さんと違っていて。リーマンの前を知らないんです。だから過去の売上を見ると、どうやってここまで上がるのか、意味が分からなかった。(笑)僕はどん底からのスタートだから、上るしかなかった。そこから一度も落ちたことがないという。それを経験して、また大きくなるのかなとは思います。

経営者として仕事を引き継ぐということ

栗:うちももうすぐ自分の息子に引き継ごうと思っていて。自分の経験は父親がやっている延長線上で色んなことを決めてきてしまった。途中反発もしたが。でもなんだろう、やっぱり自分の父親をそのままに超えることはできない。

杉:息子さんおめでとうございます。確かに親父との勝負は分が悪いですよね。(笑)尊敬しているから勝負になりにくいというか。ま、大変ですよね。

栗:大変だということが、どれだけ伝えられるか。

杉:僕の考えで、サラリーマンが良いとか悪いとかではなく、経営者の子供は、自分の生まれ育った環境が当たり前に感じる。他の人がすごく時間をかけて養っていくものを、僕らは生まれた時から見ているから、自然と持っているんじゃないかと思いますよ。そういう意味では大丈夫なんじゃないですか。

栗:言葉として大変だぞとか責任重大だぞと言っても、そんなことはわかっていると言うに決まっている。

杉:一番は人間関係じゃないですか?

栗:それも伝えている。父親として何が伝えられるんだと思ったら、仕事には直接関係してない人脈とか。あとはやっていることを見るしかない。実際自分は、父親から何も教わらなかった。

杉:仕事に関しては、直接僕も教わらなかったですね。人付き合いや生き方は教わりましたけど。

栗:うちに息子が来たからといって、機械の技術を教えても仕方ないと思う。

杉:それは僕も思います。栗原さんが現役なのに、二人で同じ方向行くよりは、体力ガンガン使って外に行って新しいものを吸収する方が良いですね。

栗:自分が若い経営者で駆け出しのころ、父親が教えてくれないから、外で会社の経営のことを教わった。周りに良い先輩がいて色んなことを教えてくれたが、だんだんいなくなってきた。自分がそういう立場になってきたけど、偉そうに言うのは性に合わないから、面白いと思う人に会いに行って、色んなことを聞いて。

杉:僕らも、本当に色んな人に助けてもらいながら。100年先の未来を作るのは難しいので、一歩先の未来を出せるように。何事もチャレンジ。あたかも経験したような脳内操作に負けないように。失敗したことないのにイメージがついたりとか、人からの話で。

栗:否定からはいる人もいる。

杉:常に肯定から入って、やってみなきゃわからないと思えば、何事も出来るようになる。

栗:やってみなきゃわからないなら、やらないという選択はないと思う。でもやらないという選択肢を選ぶ人が多い。

杉:勇気ある決断かもしれないが、とはいえ飲み会の席で愚痴ばかり言うのは好きじゃない。夢のある話の方が心がほっこりして翌日の活力になるというか。言霊として返ってくるから、前向きなことを心がけながら。

栗:今度はちょっと、お酒を飲みましょう。

杉:ぜひぜひ。

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対談を終えて

いかがでしたか?杉原さんとは親子ほどの年の差があるんですが、話がはずんで、とても楽しい時間を過ごすことができました。それは、思うに、杉原さんの好奇心旺盛なところによるところが大きかったのかも。私のMAKERS LINKでの活動のことや、やりたいこと、やろうとしてることを、ほんとよく知ってくれていて、それだけでも、めちゃくちゃうれしかったです!

最後に約束したこと、ぜひ、実現したい。お酒飲んで、ラグビーの話もミニ四駆の話も、時間気にせず語り合えたらって思います。実は、この対談の前後に、杉原さん、ラジオ番組にゲスト出演されていていたんですよね。電波通じて流れてくる話、あ、この前、じかに聞いたぞ!なんて、一人、興奮していました。深夜にもかかわらず(苦笑)

番組のホームページには、その様子がブログで紹介されていますので、ぜひ、こちらもチェックしてみてください。
文化百貨店 FM YOKOHAMA 84.7 CULTURE DEPARTMENT
https://seitaro-design.com/radio/

■株式会社RDS http://www.rds-design.jp/
■HERO X http://hero-x.jp/
■ものづくりのコミュニティ・MAKERS LINK http://maker-s.link/
■未来志向型若手経営者グループ 草加リンク https://www.facebook.com/soka.rinc/
長井安奈さんは、草加リンクのメンバーです!

【特別編】クリスマスの想い出

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

え?もう、2018年終わっちゃうんですか?あっという間に12月ですよ!自分、今年は、孫が生まれて初めてのクリスマスを迎えます。ずいぶん久しぶりに、デパートのおもちゃ売り場に出かけてみたり、なんだか、ちょっと浮足立っています(笑)

そうそう、クリスマスといえば、30数年前のあの日のことを思い出します。バブル景気はまだ訪れていませんでしたが、イブの夜、若いカップルが、高級レストランを競って予約する、なんてことが定着し始めていました、そんなころの話です。

ここから、ちょっと、ショートストーリーを…

1985年12月24日。

朝、出勤の身支度に時間をかけた。悩んだ末に決めた服装は、コムサデモードの肩幅の広いジャケット。小さな襟のドレスシャツに、紺の無地の細いネクタイ。髪は短く刈り上げて、もみあげも極端に短い。そのくせ、前髪だけは長く額に流している。チェッカーズのフミヤに似ていると言われて、その気になっていたのだ。

仕事はいつもより捗った。定時。デスクで煙草を吸う課長に頭を下げると、一目散でロッカールームへ。作業着から朝と同じ格好に戻ると、足首に届きそうな長さのトレンチコートを羽織り、肩にはソックスと色を合わせた赤いセーターをマフラー代わりに乗せる。会社の玄関を出て、待ち合わせ場所に急いだ。遅刻は許されない。やっとの思いで予約を入れた赤坂のフレンチレストラン。二部制のため、決められた時間に食事を終えなくてはならないシステムらしい。

待ち合わせの相手とは、翌年の秋の結婚が決まっている。独身最後のクリスマスイブは、ちょっと背伸びをしてでも、ビシッと決めなくてはならない、そんな気になっていた。

彼女のヘアスタイルは、自分好みのソバージュ。羽織ったコートは、いかにも銀行勤めらしい地味なものだったが、その下は、細かい花柄のスカート丈が長いワンピース。前回のデートで、なじみのデザイナーズブランドの店に出向いて買ったものだ。予約の時間にはなんとか間に合った。彼女をエスコートし、店の入り口でコートを預けると、JUNですね!と店員が微笑む。

電子内視鏡の開発競争

自分は、医療用内視鏡の専門メーカー、株式会社町田製作所に勤める駆け出しの技術者だった。当時はまだ、内視鏡はファイバースコープと呼ばれており、その名の通り、ガラス繊維を束ねた光学式が主流だったが、超小型CCDカメラを先端部に仕込んだ電子内視鏡の開発を、各メーカーが挙ってスタートさせていた時期である。

町田製作所は、従業員100名ほどの中小企業。業界ライバルには、オリンパスをはじめとする、名だたる光学メーカーが名を連ねており、会社の規模では大きく水をあけられ、自社の力だけでは開発競争に勝ち残るのは難しい状況にあったはずだ。そこに触手を伸ばしてきたのは、他の医療機器の分野では巨大メーカーである東芝。町田製作所には、以前に超音波内視鏡の開発に技術協力をした経緯もあり、白羽の矢を立て、電子機器メーカーとしての優位性を武器に、内視鏡分野でもトップシェアを狙うべく本格的な参入を決めたのだ。

東芝は、医療機器の製造拠点、那須工場に精鋭の技術者を集め、開発チームを作った。総勢は、町田製作所の全社員数とほぼ同じという規模。一方の町田製作所。社長は、技術提供ではなく、あくまで共同開発であり、内視鏡の老舗メーカーとして、町田ブランド製品を世に送り出すのだと、全社員を前に胸を張った。しかし、その実務に当たる製造部開発課は、課長の宮城と自分という、たった二人の体制である。

開発が始まってからこの半年間、まさに不眠不休で、開けても暮れても設計、試作テスト、また図面描きと、徹夜続きの日々が続いた。上司と部下という間柄ではあったが、宮城とはウマが合う。図面描きの作業中は、斜めに立ち上がる製図板越しに目を合わせずとも、他愛もない話をしながら、ひたすら、製図ペンを走らせ続けていた。

実は、彼女との出会いも、宮城課長が飲み会に何人かの地元の後輩を呼んだのがきっかけだった。仕事中にも、おい、その後どうした?などとにやけ顔で聞いてきたりした。そんなことだったので、忙しい最中にも、クリスマスデートのために、今日だけは早く帰らせてほしいと切り出すのに、それほどの抵抗はなかった。

ディナーの後は

急かされるようにしてディナーは終わり、思わず動悸が激しくなるような金額の支払いを済ませ、店を出たところで、彼女にごめんと告げた。怒った顔の彼女をその場に残して、会社へ戻る。駒込駅から少し歩けば、静かな街並みに入り込む。六義園のレンガ塀沿いの小道に入ると、自然と小走りに。高級マンションに挟まれた小さな建物の前で、2階の窓に明かりがあることを確かめる。

宮城は、戻ってきた自分を見ても驚きもせず、いつものように、どうだった?楽しんできたか?と、にやけ顔で聞く。自分は、ワインのテイスティングでドキドキしたとか、メインのステーキの肉は、柔らかくて美味かったけど、ずいぶん小さかったとか、と照れ笑いで返す。いつの間にか、いつもの位置について、いつも通りの作業をし始め、そのまま朝を迎えた。

その後、東芝製の電子内視鏡は、華々しくデビューを果たす。しかし、町田製作所の名がその冠につくことはなかった。共同開発を謳ったプロジェクトだったが、一年近くの間、夜を徹して書き上げた大量の図面は、1枚いくらという計算のもと、東芝へ売られたのだ。そして、一気に競争が激化した内視鏡業界ではあったが、結果としては、どのメーカーもオリンパスの牙城を崩すには至らず、威信をかけたはずの東芝は、撤退を余儀なくされる。

数年ののち、町田製作所は、独自の技術力で特殊仕様の医療機器開発で盛り返す。宮城はその分野でも手腕を発揮したが、自分はすでに退職し、家業を継ぐ道を選んでいた。

ずいぶん昔の記憶に頼って、散文を書いてみました。事実と違う部分もあるかもしれません。数少ない、自分の関わった、ものづくりの歴史のほんの端くれの話です。おかしなところがあっても、失笑に伏していただければ幸いです。

それでは、皆さん、良いお年をお迎えください。

町工場ぶっちゃけ対談 vol.9

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

季節は、もう、晩秋なんていう頃なんでしょうか?長い夜はしみじみと落ち着いて、愛読書のページをめくり…。なんて、優雅な生活とは程遠い栗原は、この秋、あちこちのイベント、展示会にと飛び回っております。(苦笑)

実は、今も、ビッグサイトの展示会(新価値創造展)のブースで、この原稿の仕上げをしてるところです(汗)

さてさて、そんなわけで今回は、同じように忙しい忙しいばかり言っている「同志」に声をかけて、特攻対談をしてきました!渋谷ヒカリエで開催されたアパレル業界の展示会「プラグイン」に新たな風を吹き込むべく企画された「Link to CREATIVE」をプロデュースしたデザイナー、高橋学氏!

今回も進行役をダイレクトメールサービス「たより」の後藤天美さんにお願いしました。いったいどんな話になったのかな?

(ここから、聞き手・執筆は後藤天美さん)

栗原さんとは、何やらムフフな間柄のマナブさん

ご無沙汰してます!お久しぶりです!(*^_^*)

ほぼ1年ぶり、、、の対談場所は、「茅場町」駅から徒歩3分。ノスタルジックな雰囲気なオフィスビルの、5階!(階段で(^_^;))オフィスのドアをくぐると、様々な企業とコラボした作品がお出迎え。マナブデザイン株式会社 代表取締役 高橋学氏。

我が栗原さんとは、何やらムフフな間柄のマナブさん。企業のプロダクトデザインを担当するサラリーマン時代を経て、独立。今やものづくりをする製造業の方たちにはなくてはならない存在で、企業もヒトもモノもつなげちゃう、プロデュースしちゃう、プロダクトデザイナーさんなのです。

ーまずはお決まりの質問から。栗原さんとの出会いはいつごろですか?

学:まだ勤め人だった頃、独立する前だと思います。6,7年前の機械要素展だったでしょうか??

栗:あー、機械要素技術展に栗原精機で単独出展したときだったかな。初めて出会ったのが。

学:会場をぐるぐるまわっていて、栗原精機の前を通り過ぎて、行きかけて、数歩そのまま下がって、立ち止まったんですよ(笑)。漫画のように。

栗:そうだったけ。その頃はまだデザイン事務所勤めだったけ?仕事の関係で来てたんだっけ。

学:そうですね、デザイン事務所に勤務してましたねぇ。デザイナー…っていっても、その頃はまだ、デザイナーがモノをつくる時代ではなかったので。ほんと、デザインワークが主流でしたけど。

栗:そうだったね、学くんが、栗原精機のブースに目をとめてくれたのは、ブースデザインだったって言われたっけ。あのとき、業者がつくる通り一遍のパッケージデザインじゃなくて、栗原精機のブランドカラーでオリジナルで作っちゃったんだよね。黒だったから、どうかな、とも思ったんだけど。

学:その暗さが目を引いたんです。黒い世界の中にミニ四駆やラジコンの金属部品が光ってて、他の出展社さんと印象が違ってました。

栗:デザイナーが目をとめるブースつくっちゃったんだ、俺(笑)。

ーその頃、メーカーズリンクってもうできてたんですか?

学:できてましたよー。僕ね、立ち上げのメンバーじゃないんですよ。一番最初にいなかったんです(笑)。僕が存在を知った頃には、もう4,50名集まってたような。

栗:最初いなかったんだっけー。そっか、別の川口つながりで再会して、川口の焼き鳥屋さんで深酒をして、それで二人の仲が深まったようだったような…。

学:ずいぶん深酒した記憶があります(笑)。先輩が町工場の方とモノづくりをされていて、どうしたらそんなことができるんだろう?と思っていた3か月後に、栗原さんとビッグサイトで再会しましたね。

ものづくりの世界に入ったきっかけ

ー学さんがものづくりの世界に入ったきっかけの出会いですか??

栗:町工場がデザイナーを起用する、ということがあまりない時代でね。デザイナーと知り合いたいなぁ、仲よくなりなたいなぁ、という、俺の欲求が引き合わせたのかも。

学:デザイナーホイホイに引っかかってしまいました(笑)。いつも仲良くしてくれるものつくりに関わる仲間のつながりは、元をただせば栗原さんとの出会いからはじまったんですね。

栗:話は戻るけど、メーカーズリンクの立ち上げにはいなかったんだね。意外だけど。

学:本格的に関わりはじめたのが、3年前のメーカーズリンクのブースデザインですよ。

栗:その頃は、メーカーズリンクが会社になるとは思わなかったよね。出展者を募ろうっていう事業は立ち上がっていたけど。

ー共同出展ですか??

栗:だいたいね、共同出展だとあんまりうまくいかないんだよなぁ。『展示会のパッケージ』って制約が多いからさ。

学:あのとき、みんなわちゃわちゃでしたよね。で、結果、お金がかかちゃって、大変なことになっちゃいましたもんね(笑)

栗:そうそう、展示会ブースのノウハウって大事…

学:以来、展示会ブースを任せてもらって。でも毎回、やりきれないこと、やりたかったことはたくさんあるんですよね。

大躍進の秘密

ー学さんのご活躍の話は、巷でたくさん聞くんですよ。大躍進の秘密って??

学:えー(笑)。去年くらいからすごく忙しくなりましたけど・・・

栗:うん、マナブデザイン、忙しいよねって、聞くようになった。短い期間でステップ踏んで、着実に成果だしてきたよね。

学:独立直後は住んでいたアパートの一室に、机がわりのミカン箱にとノートパソコンを置くことから始めましたからね(笑)

栗:で、今や茅場町のオフィスビル。

学:エレベーターはないですけど(笑)

栗:うん、それはいかんよね(笑)

学:いろんなプロダクトに関わってきて、自分の中にノウハウをつめてきたんですよね。失敗もたくさんありましたけど。

栗:まぁ、失敗も今となっては良い授業料だね。

学:『まずやってみよう!』という心構えは常に大事にしてます!

Link to CREATIVE

―渋谷のヒカリエで展示会やりましたよね?(※ファッション展示会『PLUG IN』の派生プロジェクト「Link to CREATIVE」)

栗:あれだけの出展社が集まったのも、マナブデザインのアクティブさがあったからだよね?

学:去年の年末に大阪で開催された250人もクリエイターを集めた大宴会に、主催の方から誘われて行ってきました。ものすごく楽しかったのに残念ながら今年(2018年)は開催しないと聞いて、それなら東京でやりたいな?って。たくさん人を集めて面白いことをやりたい、この想いが実を結んで生まれた展示会なんです。

―へーーー。

学:PLUG INは『つながる、つなげる、広がる』というコンセプトの展示会なんですけど、アパレルの業界にものづくりの人たちをつなげたらどんな化学反応が起きるだろ
う??なんていう発想から、企画をつくりました。

栗:普通に考えたら、ものづくりとアパレルなんて、つながらないけどね。

学:そうなんですよ。でも自分にはものづくりのプロが集まるメーカーズリンクというプラットフォームがそばにあったんですね。ものづくりとアパレル業界をどうつなげたら化学反応を起こせるかな、というトコロに頭を悩ませました。また身内のお祭りにはしたくない思いもありました。そこで思いついたのが『異業種コラボレーション』なんです。

栗:前からね、話としては少しずつでていたけど、この渋谷の展示会がきっかけで、いろんなモノが動いた感はあるよね。俺も知らないトコロで、あいつとあいつがつながってる、みないな(笑)

学:この半年間、振り返ろうと思っても時間が足りないくらい(笑)。これから何かを始めたいと思っている人を押し出そうと思ってたら、ネームバリューのある会社さんも名乗りをあげてくれて。いつかこの人と一緒にものづくりをしたい!と、思っている方たちとも一緒にできたことが大きいですよね。

栗:直感的に、おもしろいことが起きるって思ったよね。会社の中に抱えているものを出したいと思っている人たちとつながれたよね。

学:誰かがきっかけをつくらないと生まれない、新しいものづくりも誕生したと思います。マナブデザインがコネクターになってできたアイテムもたくさんあり、デザイナーの役割はデザインするだけではなく、コネクターの役割も担える実感を持てたことがうれしいです。

栗:メーカーズリンクは企業と企業の潤滑油の存在としてありたい。ずっとそういってきているけど、それも、まさしくそういうこと。ココから発注するモノが生まれてくるね。

学:頭の中にメーカーズリンクがいつも存在してるんです。だから今回の展示会もLink to CREATIVEにしたんですよ。

栗:うん、それはちょっとうれしかったよねー。はやり言葉じゃなく、LINKを使ってくれてることがね。

学:いろんな方の思いがや努力が重なってできあがったアイテムを販売やものづくりの展開につなげられればいいなと思います。ひとりではできないことを一緒に作り上げてくれた、たくさんの仲間の存在も財産だと思いました。今回出展・協賛・運営に携わっていただいたみなさんには、心から感謝しています。

栗:動き出す前の、あーじゃない、こーじゃない、を、なかなか乗り越えられないんだよね。今回は、そういうものを乗り越えてできたものでしょ。

学:商品をつくるためではなく、コラボして新しいものをつくりだす、この1点をぶれずに貫きました。

栗:作り手、ものづくり手側としては、本当に「カタチ」になるのかわからないと、動けないことも多いのよ。指示(図面化)されたものでないとつくれない世界。が、図面から抜け出してつくる世界へと動く機会にはなったと思う。

学:僕らが考えていたメリット以上の成果も上がっているんですね。今回関わってくれたすべての方に感謝してます。もう泣いちゃいたいくらい。

今後の野望

ー今後の展望というか、野望というか、聞かせてもらってもいいですか?

学:メーカーズリンクはものづくりのプラットフォーム。Link to CREATIVEも新しいプラットフォームになれるように、あらゆる業種全体と新しい連携をつくっていくことで、自分たちが知らなかったその先の世界を見つけにいけたらいいな、と。

栗:今回渋谷だったけど、大阪、北海道、九州、全国でやっていけたら面白いね。

学:そうなんですよ!そしてものづくりにこだわらず、販売も面白いかも。もう、メーカーズリンクにつながる企画が頭の中でもりだくさんで(笑)。

栗:ただの展示会、では、終わらせない。ここからだね。まぁ、7年前はこんなこと想像すらできなかったよね。小さいことでも、きちんと継続できてよかった。

学:あと、今回はじめて運営側に立ってみて、表からは見えない運営ならではの大変な世界を知ることができました。栗原さんのご苦労を垣間見た感じです。

栗:運営するとなると、底知れぬ苦労もあるからねーー。でも、今後がとても楽しみ。これだけのこと、まぁ、ふつう、なかなかやれないもんだよ。

学:自分の中では、まだまだなんですけど。

栗:マナブデザインは人と企業とものづくりとリンクをしていくことを目指しているわけだから。今、終わっちゃったら困るじゃない。これから、まだまだ、だよね。

学:がんばりますよーーー!

師弟関係のような、ライバルのような、旧知の仲のような、お二人の不思議で優しい関係性を感じた時間でした。メーカーズリンクが、業種業態、人を超えて、様々なカタチでつながるプラットフォームになるのも、もうすぐですね。私もまだ知らない未知の世界に繋げてもらおう!高橋さん、ありがとうございました。

それにしても、栗原さん、5階まで階段で上がるのって、キツかったですねー(笑)次回の、町工場社長栗原さんのものづくり対談、お楽しみに!次回があるのか??栗原社長の「ものづくり対談旅」次は、いずこへ。。

大阪の皆さんの前で、MAKERS LINKのお話を

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!いま、ほんとにいい季節ですね!味覚の秋、読書の秋、仕事の秋?(苦笑)自分にとっては、そうですね、10月、11月は、イベント目白押しの秋って感じでしょうか!この原稿を書いてる今週も、スケジュールは満杯です。

というわけで、まずは、告知から。

前回もお知らせしましたが、10月24日から26日の3日間は、チームCOOL MILLINGSとして、渋谷ヒカリエで開催される、ファッション業界の展示会「PLAG IN/異業種20社によるコ・クリエイション企画展」に出展します!はたしてどんな結果になるか…。

詳しい情報を下記から入手して、ぜひ、お越しくださいませ。→PLUG IN公式ページ
異業種20社によるコ・クリエイション企画展 Link to Creative

続いて、川口市産品フェア出展のお知らせ。栗原の地元、埼玉県川口市で、10月26日から28日まで開催されます。こちらは、市民の皆さんに川口の産業について広く知ってもらおうという主旨のイベントですが、土日にはたくさんの楽しい催しも企画されていますし、飲食のお店もたくさん出展します。うち(栗原精機)は、i-waza(いいわざ)ブランド認定を受けた企業として、出展。ブースは、特設大型テント内になります。切削加工のアクセサリーやレーザーカッターで作った切り絵栞などを販売しますので、ぜひ、遊びに来てください。もちろん、市外の方も大歓迎です!

川口市産品フェア2018

最近の活動

最近、自分の記事は、告知やお知らせがやたら多くて、ちょっと恐縮なんですが。それも、MAKERS LINKの活動について、話を聞きたいということで、いろいろな方、いろいろなところからお声掛けいただけているという証なのかな?とも思っていまして、ほんとうにありがたいことです。先日も、大阪の大阪産業創造館(サンソウカン)さんの「ものづくりビジネスセミナー」に登壇させていただきましたので、今回の記事はそのときのレポートとしてお届けしたいと思います。

新幹線で大阪へ出向いたのは、10月11日(木曜日)、まったく土地勘のないところで、若干の不安を抱えつつ、新大阪から地下鉄に乗り栄筋本町へ。地上に出てみると、高層ビルが立ち並ぶオフィス街、ん?東京とぜんぜん変わらいない。スマホのマップを頼りに歩き始めると、ほどなく目的地に到着。

会場に着くと、お招きいただいた産創館の志岐さんが待っていてくれました。実は志岐さんとはこの日が初対面。お声掛けいただいてからFacebookでつながったりして、すでにお友達感覚で違和感なくお土産交換など(笑)

しかし、パソコンの準備など整え、参加者の皆さんが集まりだすと、うまく話せるか不安になってきました。何しろ、場所は大阪です!どこかにお笑いのネタとか仕込んでおかないと…、なんて余計なことまで考えてしまうのですが、むしろ、すべった時の反応のほうが怖いか、とか、なんか妙な緊張感が高まって、たぶん顔に出ていたと思います。お話しさせてもらったのは「つながりで、ものづくりの可能性を大きく拡大!メイカーズリンクの革命に学ぶ」というテーマでした。

まずは、自己紹介で自社で加工している製品の紹介と、これまでの変遷を。それに絡めて、最初の切り口として「日本のものづくりを取り巻く現状」についてお話しさせてもらいました。とはいっても、自分自身は経済のことやら景気の動向について専門知識があるわけではないので、自身が体験してきた「景気の波にのまれる様」を包み隠さず披露しました。

実際、自分の周りでも、リーマンショックのころには、同業の町工場は廃業が相次いで、ずいぶんと淘汰されてしまった印象があります。その後、生き残ったところも、中国をはじめとする海外勢の台頭に苦しめられたり、IT、IoT、AIなどの発達に取り残されて脱落していったりと、なかなか厳しい現実と日々向き合っている状況があります。

話の中では、金属加工の職人として50年、3年前に他界した自分の父親のエピソードもはさんでみました。会社の経営には頓着せずに、ずっと機械に向かい続けた父親でしたが、やっぱり、仕事が好きだったろうし、それが生き甲斐でもあったと思います。

二代目社長となった自分も、その血を間違いなく継いでいて、ものづくりにかける情熱は負けていないと自負していますが、さて、父親ほどに、その仕事に没頭して生き甲斐と感じられる域に達しているかというと、違うんですね、どこか。

それは、お客様、得意先との関係性であったり、技術が進歩するにつれて、逆に腕を発揮する機会が減っていたり、どこか、面白みに欠ける?達成感が薄い?工場の中の空気もなんとなくぎくしゃくした雰囲気が漂っているような。うーん…

「ものづくりは、本来、もっと楽しい仕事じゃなかったのか?」

これが、キーワードです。次に、MAKERS LINK発足の経緯についてお話ししました。実は、ここのブログ記事を初めて書かせていただいたときの内容がまさしくそれなので、よかったら、こちらをご参考までに。きっかけは、2012年の年末に出会った「MAKERS」という本。製造業、ものづくりの世界に革命がおこる、おこっていると書いてあり、悶々とした自分の思いは、もしかしたら、この革命で晴れる日が来るのかもしれない。いてもたってもいられずに行動に移した結果が、MAKERS LINKだってことなんですけどね。

工場の現場で、失われつつある、大事な要素、つまり、楽しいはずの仕事。それが、不思議なもので、ネットやSNSの世界に改めて築かれていく。MAKERS LINKもその一翼を、もしかしたら、担えるのかもって、そんな考えを持つようになったんですね。MAKERS LINKから発信していく情報やアイデアがつながりを生んで、そのつながりが、またさらに新しいものづくりのかたちを生み出していく。これこそが、ものづくりのだいご味だし、面白さだし、やりがいだと思います。

ものづくりの世界に、わくわく、楽しい、夢を取り戻したい!

まだまだ未熟者の自分ですけど、人さまの前で、こうやってお話しする機会をいただくことで、これまでやってきたことの振り返りとこれから目指していく先を明確にすることができて、ほんとうにありがたいです。

おおむね、こんな内容で約1時間半、しゃべらせていただいたんですが、セミナーおわりで、進行役の志岐さんが、参加にみなさんにアンケートのお願いをする際に、きょうはちょっと笑いが少なかったという意見が多そうですが…、と言われた言葉が胸に突き刺さったまま、産創館をあとにすることになりました。余談ですが、その日の夜、MAKER LINK仲間に「これぞ!大阪」を満喫させていただいて、大満足しましたよ~!

大阪、ちょっと怖かったけど、大好きになりました(笑)

MAKERS LINK的、ものづくり製作委員会方式のすすめ その1

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!どんなに暑い夏でも終わりが来るんですね。すっかり秋めいてきた今日この頃…。さあ、仕事もプライベートもなにかと忙しくなりそうな季節です。気合い入れていくぞ!(笑)

ということで、今回は、まず告知を…

前回もお知らせしましたが、10月11日、大阪産業創造館(サンソウカン)さんの「ものづくりビジネスセミナー」に登壇させていただくことになりました。MAKERS LINKの活動についてお話をさせてもらいます。皆さん、よかったら、遊びに来てください!詳しくは、下記の産創館さんのサイトをご覧ください。

【ものづくりビジネスセミナー】
「つながり」でものづくりの可能性を大きく拡大!メイカーズリンクの革命に学ぶ

続いて、報告を…

9月4日から4日間にわたり、東京ビッグサイトで開催された「ギフトショー」に、川口商工会議所の一員として出展をしてきました。いつもの、製造業、ものづくりの世界とは、ぜんぜん違う雰囲気のなか、若干の戸惑いはありましたが、製品、商品を企画販売をされる立場のお客さんがたくさんいらっしゃって、いろいろとお話をさせてもらいました。観点、視点が異なると、同じものを見ても、その価値がまったく違ってくるんだってこと、あらためて認識しました。今後の活動に活かせそうです!

そのギフトショーでは、たくさんの出会いがありましたが、もっともびっくりな人は、実は、同じブース内に立ってた女性だったんです。新光ステンレス研磨さんが手掛ける、アルミ板を使ったタイル「AL-tile(アルタイル)」のデザインを担当された懸谷直弓さん。3年間のOL生活を経ての芸大卒!上野公園に卒業制作の巨大カーソルなるものが展示されているというアーティストなんです!彼女自身が、MAKERS LINKのグループページに自己紹介記事を投稿してますので、ぜひぜひ、チェックしてみてください!

https://www.facebook.com/groups/makerslink/

「AL-tile」は、新しい研磨技術の特長を最大限生かした、美しいタイルです。金属製タイルという新しい分野を開拓していこうという意気込みも素晴らしい!

やっと、本題に…

私、栗原がFacebookで投稿したのを見た方もいらっしゃるかもしれませんが…

「あちこちで言ったり、書いたりしてるので、あ、あれねって思う人も、ちょっとはいるかもですが…。ものづくり製作委員会方式と、MAKERS BANK構想をやる!宣言!いちおう、2年計画で、カタチにしたいって考えています。巻き込まれたい人、歓迎します(^◇^;)」

こちらのブログにも、この構想については書かせてもらってるので、よかったら、下記のバックナンバーを見てみてください。→https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/17342

映画のづくりの世界では、主人公を演じる俳優の技量がヒット作になるかどうかの大きなカギになりますね。もちろん、わきを固める役者の存在感も。ものづくりの世界ではどうかな?例えば、製品の良しあしを左右する大きなファクターが、技術力という場合もありますよね。主役の俳優は、メインのパーツを製造する加工屋かもしれない。

素晴らしい原作があって、一流の監督がメガホンをとる、さて、配役は…。この映画のイメージにぴったりな、しかも演技力に申し分のない、そんな俳優を見つけ出さなくては!

今まで世になかった新しい製品のアイデアがあり、才能あふれるデザイナーが商品化を手掛けることに。さて、しかし、コンセプト通りの製品をつくるためには、かなりの技術力を持った加工工場に依頼をしなくては!

ちょっと無理やりかもしれませんが、工程としては同じかな、と。

写真は、悪役紹介の俳優さんたち?いや、どんな難しい役柄でもこなして見せるベテラン俳優のごとく、切削加工の腕に長けた町工場の経営者たち、COOL MILLINGSの面々です。

MAKERS LINKには、たくさんのメンバーがいて、中には、相当の腕を持った加工屋もいたりします。さらに、その中でも気心知れて、地域的にも近いところにいる仲間に絞り込んでグループを組んだのが、チームCOOL MILLINGSです。映画で言うなら、個性派俳優だけを集めた芸能プロダクション?アイドルのような華やかさはありませんが、見た人の心にしみる名作となるべき作品には、欠かせない名優ぞろいです。

つまり…

ものづくりの世界でも、新しいものを生み出していく仕組みとして、映画製作のような方法が有効なんじゃないかと…。どうも、やっぱり、自分の文章の拙さを感じてしまう…。いくつかの実績を積んでいけば、ああ、そういうことだったのね、栗原の言いたいことは…。と伝わる日が来るかと、そのための、2年間と考えて、じわじわとやっていこうと思ってます。ふう…

あ、そうだ、最後にもう一つ、告知。

チームCOOL MILLINGSとして、なんと、渋谷ヒカリエで開催される、ファッション業界の展示会「PLAG IN」に出展します!
合言葉は、

  • GO FASHION!
  • GO COOL MILLINGS!
  • GO METAL PROSECCING!

ギフトショーでも、あれだけの異次元空間だったのに、渋谷?ヒカリエ?ファッション業界?いったいどんな化学反応が起こるのか?予想もつきませんが、まあ、とにかく、アピールしてきますよ!金属の、削り出しの、カッコよさ!

実は、我々の信頼するディレクター役「マナブデザイン」が大きな役割を持った展示会なんです。詳しいことは公式サイトで情報収集してみてください!

http://www.senken-ex.com/plugin/

ものづくり製作委員会方式の記事は、おいおい、書いていこうと思っています。次に原稿書くときは、もうちょっと、頭ン中の整理がついていると思います(汗)

MAKERS LINK的、この夏のご報告

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

なんだかんだいっても、夏の終わりには、どことなくさみしさがありますね。7月中からの猛暑にはじまり、豪雨や台風の被害も大きかった…。今年の夏の記憶は、ずっと残りそうです。

さて、そんな暑いさなかに、名古屋に行ってきました。ちょうど台風20号と待ち合わせをしたかのようなスケジュールでしたが、楽しみにしていたMAKERS LINKの仲間との会合でしたので、エイ!ヤ!とばかりに強行!(苦笑)

手羽先に味噌カツ、名古屋グルメを満喫しながら、新しいコミュニティづくりについて、いろいろと意見交換。その内容は、後ほど…。楽しい名古屋の夜を過ごした翌日は、少し足を延ばして、愛知県内の加工屋さんを2軒ほど訪問してきました。

インスタに載せられた美しい加工品の数々

まずは、豊橋市の株式会社タケパーツファクトリーさん。こちら、うち(栗原精機)と同業の金属切削加工の工場です。荒川武社長とはこの日が初対面。知り合ったきっかけは、実はインスタグラムなんです!インスタに載せられた写真は、実に美しい加工品の数々。会社のロゴマークもカッコいい!センス抜群の社長にぜひお会いしたいと思って、ダイレクトメッセージを送って押しかけたという次第です。

ぜひ、こちらをチェック!https://www.instagram.com/take_parts_factory/

会社の規模はうちと同じくらいですかね、旋盤加工を中心にやられているというところも同じです。ただし、タケパーツファクトリーさんは高い技術力を活かして難削材に特化しています。地域の違いはありますが、お互い、自ら現場にも立つ町工場社長同士、加工屋談議が盛り上がりました。

#金曜日は金属の日

次におじゃましたのは、豊川市の株式会社加藤数物さん。

町中からは少し離れた、のどかな景色の中にその工場がありました。クルマを停めて、会社の入り口はどこかな?ときょろきょろしていたら、遠いところお越しいただいて!と、女性の方にお声掛けいただきました。あとで聞いたら、工場長さんでした!もう、この時点で、なんてすばらしい会社!と思っちゃいました。

お仕事は主に自動車部品の製造。10数台あるプレス機でどんどんどかどかと生産されていて、けっしてスマートな業種とは言い難いのですが、素敵なロゴマークがとっても似合う明るい工場という印象を持ちました。

社名の数物(すうぶつ)は、数学、物理に由来するそう。教材の製造で創業したのは、なんと1932年!86年の歴史を誇っています。す、すごい!

そんな加藤数物さんとの出会いは、横浜で開催された「えんにち!」です。トントントントンと木槌でかわいいスプーンをつくるワークショップが大人気!固いプレス工場のイメージとは違って、木製の台を使ったり、なんとも楽しそうな雰囲気づくりに惹かれました。(えんにち!については、以前書かせてもらったこちらの記事を。)

そこここにセンスの良さを感じさせる、4代目社長にたぶんなられるだろう、取締役の加藤昌平さんと奥様の志保里さん。お二人の活動がきっと会社の雰囲気を作られているんでしょうね。ほんとに様々なイベントに参加されたり、工場見学を実施されたりと、見習いたいところがたくさんありました!

あ、そうそう、インスタグラムのハッシュタグ「#金曜日は金属の日」は、加藤数物さんが発祥ですよ!ぜひ、インスタ、チェックしてみてください!https://www.instagram.com/katosuubutsu/

さてさて話は戻って、今回、名古屋まで出向いて作戦会議を決行したのは、じつは、このためでした!

MAKERS LINK and’s

ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKでは、新しい試みとして、ものづくりに関わる女性のためのグループを開設しました!その名も、MAKERS LINK and’s(メイカーズリンク・あんず)!

深い意味はないのですが、andはプラスα的な、と、あんずは、ピンクの花が女性らしいのと、果物として実になるっていうのも、いいなっていう…。まあ、語呂合わせですけど(^-^;

本家MAKERS LINKと同様に、MAKERS LINK and’sも、あくまで、コミュニケーションの場であり、潤滑油であり、つなぎ役にすぎませんが、女性ならではの感性、センスといったものが、ぶつかり合う(?)ことで、面白い、素敵な新しい何かを生み出すパワーとなるんじゃないかと密かに期待しています。

ものづくり大好き女子も、がっつり現場女子も、デザインなどでものづくりに関わるクリエイターも、普通の主婦でも学生さんでも、ものづくりに関心興味のある女性なら、だれでも参加いただけます!(男性も閲覧はできます)
https://www.facebook.com/groups/2037002369644601/

告知

最後に告知を。10月に大阪産業創造館(サンソウカン)さんで、MAKERS LINKのお話をさせてもらうことになりました!関西方面の皆さん!よかったら、遊びに来てください!詳しくは、下記の産創館さんのサイトをご覧ください。

【ものづくりビジネスセミナー】

「つながり」でものづくりの可能性を大きく拡大!メイカーズリンクの革命に学ぶ

MAKERS LINK 機械要素技術展2018 出展レポート

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

それにしても、連日の猛暑で、体力気力が失われています。初老の域に入った身としては、ほんとうにつらい…。いやいや、西日本豪雨の影響で、大変な思いをされている方々を思ったら、そんな泣き言、許されませんね。遅ればせながら、被害にあわれた皆様方には、心よりお見舞い申し上げます。

インスタグラムで拝見したのですが、同業の加工屋さんの浸水してしまった工場の写真。写っている機械の様子から、腰の高さほどまで水が押し寄せたことが分かります。添えられたコメントには、仕事ができなくなってしまうという不安が書かれていて、胸が締め付けられる思いがしました。

後日の投稿では、愛着の機械を一台一台、復旧作業され、祈るように電源を入れ、動き出す様子をアップされていました。激励のコメント以外、何も支援のできない自分ですが、スマホに映る画像に、なんだか目頭が熱くなってしまいました。

この1年くらいの間に、取引先でもなく、お会いしたこともない、でも、同じ仕事を生業とする人たちとたくさんつながりました。自分も自社の工場で撮った写真に「#(ハッシュタグ)金曜日は金属の日」などと付けて発信しています。ちょっと金曜日が楽しみで、被写体探して、工場の中をスマホ片手にうろうろしたりして。こんな形で、ものづくりの輪が広がるっていうのも、いいことだと思いませんか?

機械要素技術展、MAKERS LINK共同出展

さて、ここからは、6月20日から三日間にわたって開催された「機械要素技術展、MAKERS LINK共同出展」のレポートをお届けします。

何はともあれ、ブースに駆けつけてくれた皆さんの写真をご覧ください。たくさんの仲間に来てもらって、ほんとうに幸せでした!あまりにバタバタとしていたため、写真撮れなかったり、満足にお話もできていない方も多々いらっしゃって、この場をお借りして、ごめんなさいです。

展示会全体への来場者数は、主催者発表で88,679人とのこと。日本最大級の製造業界展示会といわれるだけのことはあります。熱気にあふれ、大いに盛り上がった三日間でした。

また、今回、いっしょに出展くれた仲間たちにも感謝します。

株式会社ティアンドエス ラボラトリ、株式会社栗原精機、第一ガスケット工業株式会社、株式会社イータクス、 テクノポート株式会社、マナブデザイン株式会社、株式会社日本クロス圧延、株式会社応用技術研究所、株式会社佐藤製作所、有限会社小林製作所、株式会社モリモト、切削加工グループCOOL MILLINGS(以上、11社+1グループ、敬称略)

写真の一番右端、ちょっとはにかんだ笑顔(?)の佐藤製作所の佐藤修哉さん。会社として初めての展示会出展ということで、思うところもたくさんあったようです。ご自身のブログに、そのあたり書かれていますので、ぜひ、ご覧ください。(株)佐藤製作所三代目日記

そしてもうひとつ…

会期中日の6月21日に開催された『第2回ものづくりNAKAMA大交流会』には、東京、大阪、京都、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、宮城、ケニア(?)から、なんと80名の参加者が集まりました!この交流会でもたくさんの方と名刺交換をさせていただきました。いやはや、それにしても、主催者として手腕を発揮された、NCネットワーク新潟の川田社長、もう尊敬します!

MAKERS LINKにとって、一年のうちでいちばんのビッグイベントですが、一出展企業としての株式会社栗原精機にとっても、新規案件を獲得する唯一の場となっています。おかげさまで、今年も、新しい仕事の問い合わせをたくさん頂戴しています。これもまた「つながり」ですね!

MAKERS LINKは今年も機械要素技術展に出てます!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!梅雨時は憂鬱な気分になりがちですけど、こんなときこそ、あえて、ちょっとお出かけなんていかがです?東京ビッグサイトまで行ったら、いいことあるかも(笑)

【MAKERS LINK的推薦図書】

今日はまず、おなじみ、enmono三木康司さんの最新刊「True Innovation」が届きましたので、紹介させていただきますね!副題は「禅的対話で社員の意識を変えた」です。まずページをめくると、プロローグには「イノベーションという言葉にウンザリの人へ」と、ここにも、ちょっと気になるタイトルがつけられています。

「イノベーション…。うちの会社にもイノベーション推進事業部が設置されたっけ。あれ、ちゃんと結果出してんのかな?そもそも、イノベーションってなんだよ?いまさら聞けないか。カタカナのビジネスワードって意識高くって、正直よくわからないし。」ん?で、トゥルー・イノベーションって?え?なになに?「禅的」対話で意識を変えるって?

なかなかビジネス書ではお目にかからないような単語に、若干の戸惑いを感じながらも、読み進めていくと、氏が企業したenmono社が掲げる「ワクワクするモノづくりで世界が元気になる」へと、自然に理解が進んでいく…。

三木さんとは、幾度となくお目にかかっていて、あ、そのときはいつも傍らに、技術担当取締役をされている宇都宮茂さんがいらっしゃいますけど…。お二人の風貌からなのか、醸し出される雰囲気が、こう、なんというか、どこか、ふわーっと穏やかに包み込まれる感じで…。ガツガツとしたビジネスとしてのものづくりの世界とは、一線を画した世界にいつの間にか引き込まれていきます。

実際、ものづくりをワクワクするって表現しちゃうところなんかは、自分も堅苦しいことが苦手なたちだってこともあって、この感じ、勝手ながら、すごーく共感しちゃうんですよね。

というわけで、ものづくりで元気になりたい人に、栗原から、おすすめの一冊です!

展示会出展情報

さて…。今日(6月20日)は、この本を片手に電車に揺られ、東京ビッグサイトの展示会場にやってきました。はい!そうなんです!本日より3日間(6/20~22)は、第22回機械要素技術展にMAKERS LINKとしてブースを構えて、出展なんです!

展示会の詳細情報はこちらで!http://www.mtech-tokyo.jp/

機械要素技術展は言わずと知れた、製造業の国内最大級の展示会で、会場はビッグサイト全館にわたります。そんな大きな展示会ですので、我々も埋没しないように、シャレたデザインのブースで個性を発揮していますよ!イメージ図、見てください!

MAKERS LINKとしての合同出展も今回で3回目となります。今年はさらに規模も大きく、ものづくりに関連する様々な技術やサービスも有する11社+1グループの仲間たちが参加し、皆様のお越しをお待ちしております。

ではここで、今回出展する仲間たちを紹介します!

埼玉県八潮市、レーザー彫刻、株式会社 ティアンドエス ラボラトリ http://www.t-lab.co.jp/
埼玉県川口市、金属切削、株式会社 栗原精機 http://www.kurihara-seiki.co.jp/
埼玉県草加市、樹脂切削、第一ガスケット工業株式会社 http://www.daiichi-gk.co.jp/
神奈川県横浜市、IoT導入・機械商社、株式会社 イータクス http://www.e-tacs.net/
東京都江東区、無料で協力工場探し、テクノポート株式会社 http://www.techport.co.jp/
東京都中央区、プロダクトデザイン、マナブデザイン株式会社 http://mnbd.co.jp/
千葉県茂原市、耐摩耗表面処理、株式会社 日本クロス圧延 http://www.atuen.com/
静岡県湖西市、工業デザイン・機械設計、株式会社 応用技術研究所 http://www.digitalcreation-s.com/
東京都目黒区、銀ロウ付け、株式会社 佐藤製作所 http://sato-ss.co.jp/
栃木県鹿沼市、切削加工・プレス加工、有限会社 小林製作所 http://www.ksx.jp/
茨城県境町、ばね製造、株式会社 モリモト http://bane-morimoto.jp/
埼玉県川口市、草加市、吉川市、さいたま市、切削加工グループ・COOL MILLINGS

今年もほんとに個性的で素敵なメンバーがそろいました。お越しの際には、ぜひ、すべての出展社をご覧ください。きっと新しい発見や出会いが待っています!もちろん、栗原にも会いに来てくださいね!

では、最後に、告知を一つ。

こちらももうおなじみですね、IRONCAFe(アイアンカフェ)さんの週替わりイベント。6/20からは、いよいよChuzo weekになります!詳しいことは、Facebookのイベントページから、ぜひ!

町工場ぶっちゃけ対談 vol.8 ~特別企画・ライブ版~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

ごく一部の方にはご好評いただいている「町工場ぶっちゃけ対談」シリーズですが、なんと、公開の場でやっちゃいました!題して「町工場ぶっちゃけ対談~加工屋おやじ大集合・収拾不可能?言いたい放題トーク!」(笑)

もうおなじみのIRONCAFe(アイアンカフェ)さん主催のイベントで、切削加工を題材にしたトークショーに出演させていただくことになり、どうせなら、というノリで提案したところ、快諾していただき、実現に至りました。今回は、その様子をこちらの読者の方にもお伝えしたいと思います。

司会進行は、大学時代に落研でしゃべりを磨いたというIRONCAFeの戸田有紀さん。トークショーは乾杯からスタートです。

改めて自己紹介

戸田:では、さっそく栗原さん、自己紹介からお願いします。

栗原:皆さん、あらためまして、こんばんは!今日はしばらくの間、町工場おやじの「ぶっちゃけトーク」にお付き合いください。では、まず、自己紹介を簡単に…。会社は、株式会社栗原精機。父親が創業、旋盤、マシニングセンターなどを使って金属加工一筋、50年ほどやっております。一口に金属加工といっても様々ありますが、うちは、どちらかというと、サイズが小さくて、ちょっと複雑な形のものにを得意としてます。

戸田:それと、もう一つの顔もありますね。

栗原:はい、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、MAKERS LINKという、ものづくりをテーマとしたコミュニティをやっていまして、その運営管理のための新しい会社、合同会社メイカーズリンクを、一ヵ月ほど前に立ち上げました。こちらの代表も務めています。

戸田:ありがとうございます。それでは、きょうは、ぶっちゃけトークなんで、いろいろぶっちゃたお話、お願いします!

栗原:先代は、二年半ほど前に亡くなったのですが、まあ、この父親がいろいろとエピソード残してますんで、そのあたりから。写真を1分ほどの動画にまとめたので、見ていただけますか…

戸田:いかにも職人といった感じのお父様ですね。

栗原:仕事してるかお酒飲んでるか、たまにゴルフには行ってましたが。まあ、根っからの職人でした。後先考えずに仕事ばっかり。経営のことはそっちのけで、目の前の機械を動かして何か作ることに熱中してました。職人らしく(?)、いつも、たばこの煙は絶やさず、結果、肺がん患って…

戸田:仕事が好きだったんですよね?お父さんが会社を立ち上げるきっかけというのはあったんですか?

栗原:いわゆる戦後ですね、昭和20年代です。中学出て、千葉の田舎から就職のために東京で働き始めて、縁あって池袋の町工場に住み込みで。あ、ここが私の母親の実家なんですけどね…

戸田:あ、なるほど(笑)

栗原:のれん分けで独立して、田端の中古屋さんで機械一台買って、埼玉に買った小さな家の軒先で工場を始めたわけです。で、いくらか仕事が増えてきて、ある日、二間しかない家を半分、つぶして工場にしちゃった。その日から、一家四人が四畳半での生活ですよ。枕の先、ふすまの向こうで機械が動いている、そんな環境で育ちました。

戸田:後先考えず?

栗原:そう。でも時代がよかったんですかね。自分が小学校高学年の頃には引っ越しして、本格的な工場も建てて、高価な機械を買って…。また、工場建て直して、機械増やしてって、そのたびにお袋と衝突してましたよ。

戸田:見境なくとか、後先考えずって、今日のテーマになりそうですね。ぶっちゃけ話、ほかにもありますか?

栗原:まあ、結局、そんな好き勝手な人生、死ぬまで続けましたね。入院先の病院から、外出許可とってはうちに帰ってきては仕事をしてましたよ。亡くなった後、病室を片付けていたら引き出しから図面が出てきてびっくりしました。母親は、手紙の一つも出てくるかと思ってたのに、苦労かけたねの一言くらい書いた…

戸田:仕事、人生そのものですね。いい話じゃないですか?

栗原:いや、笑い話ですよ。おふくろ、まじで怒ってましたから(笑)

軽いノリで

戸田:で、今日は、加工屋おやじ大集合とタイトルにある通り、そんな見境ない方たちが集まっているというわけですよね?

栗原:はい、MAKERS LINKで活動する中で、親しくしている同じ埼玉の加工屋で、COOL MILLINGSっていうチームを結成したんで、今日はそのメンバーに来てもらっています。

戸田:では、栗原さんからさっそくご紹介いただけますか。

栗原:メンバーは、アキモトパーツの秋元さん、有木製作所の有木さん、きょうは所用で欠席ですが、メガワークスの永井さん、と私です。で、ここに、デザイナーの高橋さん(マナブデザイン)にも加わってもらいました。

戸田:COOL MILLINGSのコンセプトというか目的って?

栗原:コンセプトは、かっこいい加工屋を目指す!です。普段、我々、請け負っている仕事は機械の中に入って普通には目に触れないものばかりなんです。でもね、その仕事ぶりや加工して作った金属製品をカッコいいと言ってもらえることがあるんですよね。金属のカッコよさ、金属が好きっていう人が世の中には一定数いるみたいなんです。

戸田:え?どこにいるんですか?(笑)

栗原:世界中に!だってね、切削加工で作った部品を写真に撮ってSNSに載せると、たくさんいいね!がつくし。実際、今日このイベントのために作った製品を、わざわざ買いに来た方もいらっしゃいましたよ!

戸田:あ、でもトークは聞かずに帰られちゃったんですか?

栗原:製品には惹かれたんだけど、それを作っているおじさんには興味がなかったのかな?(笑)。でもさ、このお店(アイアンカフェ)だって、無機質な金属でかためて、すごいオシャレな雰囲気で人気じゃないですか!

戸田:もっと言ってください(笑)。さて、では、チーム作るぞって集められた、秋元さん、有木さんは、どんな思いで参加されたんですか?

秋元:いや、栗原さんから特に説明ないまま、居酒屋に集合かかって、行ってみたら、今日からチームだぞ、みたいな。

有木:自分も、やっぱり、飲み会のつもりで、軽いノリで(笑)

戸田:そんな?軽いノリで?でも、しっかりといっしょに商品開発とかやられているじゃないですか!そこはやっぱり、デザイナーとして、高橋さんがまとめ役?

高橋:いや、軽いノリで(笑)。いやいや、ノリだけじゃなくて、デザインしたものがカタチになる、これ、すごく重要なことで、それが実現できるっていうのはありがたいし素晴らしいです。

戸田:それにしても、メンツは個性的ですてきですね!

栗原:いや、メンツは厳選してますよ!腕もだけど、気が合うっていうのがすごく大事。

秋元:軽いノリで、すぐ集まれるし(笑)。

栗原:気が合う仲間が、それぞれの得意な技術を持ち寄って、付加価値の高い製品を世に出していこう。デザイナーの高橋さんがデザイン、みんなで分担して加工して製品化もやっていこう、それが、切削加工屋チーム、COOL MILLINGSなんです。俺たち、ちょっと表に出ていくぜ!ってね。

戸田:今日お持ちいただいた製品について、これは秋元さんの、ですね?

秋元:はい、チタンの削り出しのアクセサリーと爪楊枝です。チタンて加工がちょっと厄介なんで、これを得意にしているというのをアピールするのに作ってみました。

合同会社メイカーズリンク

戸田:みんなで一つの作品を作り上げていくっていう感じなんですかね?

栗原:いいこと言ってくれた!ちょっと映画製作の手法というか、映画って制作委員会をつくって、たとえば、制作会社のほかにテレビ局だったりグッズにかかわる会社とか、それぞれ関係する会社が出資しあって一本の作品を作り上げますよね。それに近い方法をものづくりでもできないかな?っていう発想はあります。

戸田:では、合同会社メイカーズリンクは芸能プロダクション?

栗原:近いね!町工場はそれぞれ個性派の役者で、デザイナーは演出家?言い出しっぺはプロデューサーになるんですけど。

戸田:軽いノリで始めた割には、すごい壮大ですね

栗原:かっちりとした事業として、たとえば、事業計画書をしっかり作ってからスタート、では、なかなか動き出せない。軽いノリで、まずはやってみようだと、案外スムーズに製品が出来上がるところまでいけるって面もありますよ。でも、仕事、ビジネスだから、お金の面はしっかりとやっていく必要があって、そのためには、会社が必要だってことですね。

海外支部(?)の方々

戸田:さて、先ほどから、画面にはフランスですか?外国のようですが?

栗原:はい、MAKERS LINKには海外でがんばってるメンバーもいます。フランスで加工屋さんをやっている石塚さんをまず紹介します。この人も、まあ、破天荒ですよね。神奈川・茅ケ崎で、やっぱりお父さんから引き継いだ工場を営んでいたんですけどね。茅ケ崎のグループでフランスの展示会に打って出たことをきっかけに、ついに、海を渡ってしまいました。

戸田:ご家族は反対しなかったんですかね?

栗原:いや、逆に、奥さんが、フランスだったら行きたいって言ったそうです。(笑)。

戸田:あと、ケニアにもメンバーがいるってお聞きしましたが…

栗原:そう、いるんですよ。しかも女性ですよ!ご両親に成り代わって、私も反対したんですけどね!実は、いま、ちょうど日本に一時帰国中で、きょうはここに来てもらったんで、紹介します。山口遥さんです。

戸田:栗原ブロックももろともせず、ケニアに行ってしまった山口さん!

山口:ケニアで美容オイルとスーパーフードを扱う事業をしている山口です。よろしくお願いします。

栗原:切削加工とは直接的には関係ないんですけど、山口さんが前職のときに、会社のホームページを立ち上げる仕事を担当してくれて。

山口:製造業の経営者の方にたくさんお会いしていくうちに、自分も起業したいって気持ちになりました。

戸田:それにしても、すごいな!で、日本にはいつ帰ってこられたんですか?

山口:今週の水曜日です。一ヵ月くらい滞在して、商品のパッケージなどを作り上げたいと思っています。

栗原:MAKERS LINKのネットワークをぜひ活用してください!

結局、1時間の予定のトークは、大いに盛り上がって、30分ほど延長。その後、ほとんどのお客さんがお店に残って、加工談議に花を咲かせていました。

いやはや、好き勝手にしゃべったことを、文字に起こす作業は大変です!だいぶ端折ったし、オブラートにも包みました。(苦笑)

さて、最後に告知を

5/30(水) 〜 6/1(金)に東京ビッグサイトで開催の「スマートファクトリー Japan 2018」で行われるパネルディスカッションに、パネリストとして登壇させていただくことになりました。テーマは、中堅中小製造業のスマートものづくりを取り巻く環境について、とのこと。末端町工場のおやじがスマート?大丈夫かな~

日時は、5月30日(水) 13:00〜14:30となっております。ご興味ある方はぜひ、お越しください。http://biz.nikkan.co.jp/eve/smart-factory/

同じく東京ビッグサイトでは、6月20日から3日間にわたり、機械要素技術展が開催となります。今年も、MAKERS LINKからは11社+1グループで共同出展いたします!こちらにもぜひ、足を運んでくださいね!

http://www.mtech-tokyo.jp/

町工場ぶっちゃけ対談 vol.7

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

まずは、大事なお知らせから。前回のブログでも告知しましたが…。平成30年4月13日、大安吉日、合同会社メイカーズリンクを設立いたしました!コミュニティ運営・ものづくりサポート・イベント事業を三本柱に、事業展開していくことになります。どうぞ、皆様、よろしくお願いいたします!

さて、今回は久しぶりに人気シリーズ(?)「町工場ぶっちゃけ対談」をお送りいたします。今回も進行役をダイレクトメールサービス「たより」の後藤天美さんにお願いしました。

町工場といえば、もうおなじみのあの方

ゲストは、町工場といえば、もうおなじみのあの方…、満を持しての登場です!ではでは、お楽しみください!

(ここから、聞き手・執筆は後藤天美さん)

2018年最初の対談を華やかに飾ってくれたのは、声優、司会、歌手としても幅広く活躍されている羽田詩織さん。町工場親善大使としての顔も持つ、今や町工場の社長さんのアイドル的存在!キラキラ笑顔に、おばちゃんだって思わず顔もニヤけちゃいますよねぇ。

対談場所は、前回に引き続き「ものづくりの街」2k540にある、IRONCAFe。鋳造プロダクトに囲まれたギャラリーカフェは、変わらず雰囲気が素敵です。

まずは、詩織さんに栞のプレゼント...おやじギャグか(笑)。ご存知、栗原productsレザーカッターを駆使したあの「和紙の切り絵」の栞デス。女性に人気のこの栞で、詩織さんのココロをつかむなんて、栗原さんやる~~~(*^_^*)

というわけで、毎度のことながら、なんとなくの雑談から対談がスタート!

羽田:この切り絵の栞、以前買ったことがあります。たしか、池袋サンシャインで展示会があったとき!

栗原:あ、そうでした、思い出した。としまものづくりメッセです。2014年の春頃だったかなぁ。あの展示会、物販もできるってことで、一度だけ出展したんですよね。

天美:じゃあ、お二人の出会いは、そこなんですね?

羽田:そうだと思うなぁ。そのころ、ちょうど町工場さんが大好きになり始めたところで、展示会に行けば、きっと素敵なものに出逢えるって思って出かけたんです。そこで初めてお目にかかりましたよね??

栗原:だんだん思い出してきたけど(笑)、たしか、落合さん(※1)からファクショナリーの製品も預かっていて...羽田さん、落合さんに会いに来たんだよね?そういえば(笑)

羽田:はい!金属の削り出しの定規を見て、感激しましたーー!

天美:羽田さん、でもそもそも、声優さんなのに、なんでそんなに町工場が好きになってしまったんですか?

栗原:製造業の家庭に育ったわけでもないんだよね?

羽田:きっかけは『全日本製造業コマ大戦』でしたね。埼玉でキャラクターグッズの打ち合わせの際に、革製品をつくっていらっしゃる、八潮の中村さん(通称:Jさん)(※2)とお会いしまして

天美:Jさん??

栗原:へーーー。意外な人の名前がココで出てきたなぁ

羽田:天美さん、中村さんご存知なんですか??びっくり(笑)その中村さんのお誘いで同友会(中小企業家同友会)っていうところの集まりに出かけて。そこで、緑川さん(通称:おかしら)(※3)とも出会ったんです。

天美:おかしらーーーーー

羽田:緑川さんもご存じなんですか?お二人とも有名人なんですねぇ。

栗原:まぁ、同友会つながりなんだよね(笑)。あぁ、それでコマ大戦につながっていったわけなんだね。

羽田:日本橋三越劇場で発足式のイベントがあるから、司会をやってって、お誘いいただきました。これがきかっけで、ものづくり界の皆さんと、たくさん知り合うことができたんです。

栗原:偶然っていう面もあるけれど、羽田さんの行動力が生んだ必然って思えるね。検索してみると、このイベントは2013年4月に行われてるんだよね。自分がMAKERS LINKを立ち上げたのもほぼ同時期だから、ちょっと運命的なモノを感じてしまいます(笑)

声優という仕事と製造業という仕事

天美:出会いもタイミングも、すべてが必然なんですねー。いいなぁ、そういう出会い。。あ、でも、羽田さんは本業は声優ですよね。いつ頃から、声優の仕事をしたいって思ってたんですか?

羽田:子供のころから憧れていましたー!

天美:あーー、うちの娘も言ってた時期あるなぁ。

羽田:ふふ。そういうの聞くとうれしいですね。私は両親との約束で、大学は行って。在学中にアルバイトしながら養成所に行ってました。大学卒業時に事務所に所属できてなかったので、そのまま就職してOLもやりながら、養成所に通ってましたね。とりあえずお金稼ごうと思って(笑)。

栗原:そうなんだ、どうもアイドルや声優になっているコたちって、どこか危ういカンジを受けるんだけど(^_^;)。羽田さんはちゃんと経験を積んだ大人ってわけだ!

羽田:単純に保険かけてただけですよ(笑)専門学校を卒業しただけで、事務所に所属しただけで『はい、私声優です』って言っても、実際には仕事は来ません。基礎的な技術は当たり前として、そこからは個人の力。セルフプロデュースをして、自分でアピールできないと。待っててもお仕事の方から来てくれない。

天美:うわーーー。大変な世界なんだねぇ。。。

栗原:なんか、製造業も同じだなぁ。自分には技術(技能)があるってだけで満足しちゃって、本当にそれを活かした仕事(社会に貢献できているって意味でだけど)が、できているんだろうかって、思うことあるな。

羽田:う~ん。町工場の皆さんは、まだまだ何かを誰かに伝えるってことが、苦手なのかな?と感じることが多いです。

栗原:BtoBの世界に甘んじているケース大ですね。

羽田:どんな世界だって、最後のお客様はC(個人)ですからね!

天美:伝えるって、本当に難しいですよね。どうやって自分から情報を発信したらよいかも、実はよくわかっていないというか(笑)。伝えてるつもりで、伝わってない、みたいな。

栗原:そういうことも含めてね。やっぱり、自ら発信する力が必要だって思うわけですよ。自分はSNSを使ってコミュニティをつくって、それを実践しているつもりなんだけど。コマ大戦の緑川さんや、隅田の浜野さん(※4)や、下町ボブスレーの皆さんや、他にも各地にたくさんの人がいて、いろんな活動がされていますよね。

羽田:私が初めて工場に足を踏み入れたのは、メタルDIY(※5)という、工場の屋根裏に空いている機械を置いて、一般人向けに金属加工ができるスペースを設けた、横浜の関東精密さんでした。もう、常識をぶち壊されましたーーー!知らないことだらけ!ビッグショック!いつも身近にある、あれもこれも、こんなふうにつくられていたんだ!すごい!!って。

栗原:いわゆる普通の人と、我々のようなものづくりを生業にしてる者って、ずいぶん違うんですよね。本当はすごくつながりがあるのに。

羽田:私には、製造業の言語を翻訳して、一般の方々に伝えることができるのかなって思ってます。町工場さんに行って知った感動を、もっともっと、たくさんの人に伝えたいなって。もう使命なのかもしれない(笑)

えんにち!

栗原:それで羽田さん自身も動き出すわけだ。えんにち!

天美:えんにち!って、お祭りみたいですね。なんか楽しそう。

羽田:そうなんです(*^_^*)。町工場さんを身近に感じてもらうには?、すごさを伝える為には?と考え抜いて、えんにち!のスタイルになりました。製造業は一社で完結しません。その製造過程を疑似体験して欲しくて、他ブースの作品や素材の持ち込みをOKにしています!そして、金属も樹脂も、法人も個人も関係なく出展できて、交流が生まれる。地域の活性化も目指せるでしょうし、逆に地域も関係なく、ボーダーレスなモノづくりを体験できる!「町工場たいけん!」を目指してます!ここでも会場をご提供くださっているニットーの藤澤さんほか、もう名前を挙げきれないほどの町工場の皆さんにご協力いただいていて。本当に感謝しています。

栗原:えんにち!にも参加させていただきましたけど。すごーく楽しかったし、いい経験ができました。一般の人、お子さんやそのご家族と、自分のつくったモノを通して会話が弾んだり、直接製品を買ってもらったり。

町工場やものづくりの話になると、ますます瞳がキラキラして、たくさんの想いをたくさんの笑顔で語ってくれた羽田さん。アイドル、ではなく、一人の「人」としての魅力を存分にうかがい知ることができ、もう私も、すっかりファンになってしまいました。

羽田:何も知らない向こう岸の人を、こっちの製造業の世界へ連れてくる。こんなに面白いんだよ!見てみて!って。私がお話しする「声」を通して、その架け橋になれたら良いなと思ってます。えんにち!には、そのチャレンジの1つ。少しずつでも、ふつうの人と町工場の皆さんとの距離を縮めていけたらうれしいです!

あ、しまった、色紙がない。。とっても失礼ですが、ノートにサインを、なんてお願いも、キラキラ笑顔で応えてくれました。

羽田さんの今後の声優としてのご活躍、また、ものづくり親善大使として、町工場の皆さんの想いがたくさん響くよう、応援してます!!

栗原さんも、羽田さんとのツーショット写真、いつもよりも、表情がとっても柔らかいようにしみじみと思いつつ。。。にやけてるワケではないですよね(笑)次の対談、どこかな、誰かな。お楽しみにしてくださいね!

というわけで、異色対談(?)、いかがでしたか?いつも明るく元気な町工場親善大使、羽田詩織さん!実は、じっくりとお話しするのはこれが初めてでした。ここには書けない裏話もたくさんしてくれましたよ。ほんと楽しい時間でした。

※1 落合孝明さん プロダクトブランド ファクショナリー
※2 中村忠裕さん ジェイクラフトマン
※3 緑川賢司さん 全日本製造業コマ対戦
※4 浜野慶一さん 株式会社浜野製作所
※5 杉田 勇さん メタルDIY

対談の中でも話題となっていた「えんにち!」ですが、次回は、4月28日(土)、横浜市の(株)ニットーの駐車場にて​開催されます。羽田詩織さんに会いに、皆さん、ぜひ、お出かけください!詳しくは、えんにち!ホームページで。

さらに告知は続きます。

今回の対談にも使わせていただいたIRONCAFeでは、今年4月からイベントが目白押しです!

現在開催中の「Spring has come ~バネが来た~」に続き、5/10から「Iron Week “Press”」、5/17から「Iron Week “Sessaku”」、5/24から「NEJI week」など、金属加工をテーマとした展示やグッズ販売、さらにトークショーなどが行われます。

ちなみに、”SESSAKU(切削)”は、私、栗原がメインパーソナリティーを務めさせていただきます。よかったら、足を運んでみてください!詳しくは、IRONCAFe(アイアンカフェ)のFacebookをご覧ください。

2018年、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKはこうなる!~その3~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!桜も満開!春爛漫!ですね!って、ほんとはこの原稿を書いてる本日、雪は降るし、真冬のような寒さ…。実感がわいていません!(苦笑)

去年のことですが、目黒川沿いの洒落たカフェでお茶をしてたら、やっぱり突然の雪にびっくり!という経験をしました。そのときに、思い浮かんだのが、来年の桜の咲くころに、このお店を借りて、盛大なパーティーをしたいなってこと。まあ、その思惑通りにはいきませんでしたが、実は、この春、MAKERS LINKは大きな大きな一歩を踏み出すことになりました!詳しいことは、最後のほうに書きますので、順序良く読んでいってください!

では、いつものように告知から

4月15日(土)、埼玉は八潮にて「ワークショップ840」というイベントが開催されます。全国製造業Tシャツコンテスト、ものづくりワークショップ、町工場オリジナルグッズ販売などの企画が盛りだくさん!楽しい催しになりそうです!詳しくは…
https://sato316.wixsite.com/ws840

続いて、おなじみ、IRON CAFe(アイアンカフェ)さんのイベント情報です。4月5日(木)から、バネ製造会社「五光発條株式会社」とのコラボレーションイベント「Spring has come ~バネが来た~」を開催!しゃれか?って感じですが、春だからスプリングというわけですね!
https://www.ironcafe.jp/news
https://www.facebook.com/events/167132014067720/

ものづくりサポート

ということで、ここから本題です!前々回、前回に続き、MAKERS LINKが今年やっていこうと考えていることのお話、その締めくくり。

MAKERS LINKの三つの事業分野。

  1. コミュニティ運営
  2. ものづくりサポート
  3. イベント事業

このうち、3のイベント事業についてと、MAKERS LINKのメイン事業とも言える2のコミュニティ運営について、を2回に分けて詳しく書かせていただきました。よかったら、バックナンバーを探して読んでみてくださいね!

さて、最後に残った「ものづくりサポート」なんですが、具体的にどんなことを考えているのか、やろうとしているのか、まとめてみたいと思います。MAKERS LINKでは、これまでも、ものづくりについての相談事などに無料でお応えするような事業をやってきました。実際、いくつかの案件は、アイデアから商品化までいった事例もあります。

ただ、無料の範囲内では「こんなアイデアがあるんだけど、どうやって作ったらいいの?」というような方に、その道のプロをご紹介する、というくらいのところが限界なんですね。コミュニティには、1,200人を超えるメンバーがいて、それぞれが何かしら、ものづくりに関わりを持っているのですが、これを有効に繋げているかというと、少し、物足りないなという気がしています。

いまのところ、フェイスブックグループでのやり取りが中心なので、もっときちんとした仕組みを作って、本格的なものづくり支援ができるようになったらって思いが強くありました。

もちろん、ものづくりを事業として成り立たせるためには「資金」の話を抜きにはできません。お金がかからないコミュニティとして続けてきたMAKERS LINKが、このハードルを越えるべきかどうか、すごく悩んでのですが、いや、ほんとに考えて考えて、考え抜いて、結論を出しました。

MAKERS Bank構想

それが、MAKERS Bank構想なんです。(今までも、ちょいちょい話しているので、あ、あれね!て人もいるかも)

もう少し、具体的な言葉にすると、ものづくりの世界に映画の制作委員会方式を持ち込むってことになります。例えを映画ににすると分かりやすいんです。新しい映画を作る企画があったとします。映画製作には相当なお金と技術が必要になります。なので、言い出しっぺの熱意だけでは実現できないわけで、制作委員会なるものを組織します。映画製作会社、配給会社などのほか、テレビ局や商品販売の会社などがそのメンバーになります。

公開された映画がヒット作となれば、テレビ局は放映権を持てますし、グッズ販売やそのほかのタイアップの事業などでも大きな利益が出る可能性があるので、その利権を確保するために直接、映画に関係していないような会社も、そこに加わってくるわけです。ただし、映画は必ずしもヒットするとは限らず、失敗に終わることもあります。そのときに、制作会社だけでリスクを背負っていたらたいへんです。制作委員会方式なら、最悪、痛み分けで済むので、思い切って、いい映画を作るぞ!ってことに集中できます。

ものづくりにこの方式を持ち込むと…。

すごくいい製品アイデアを思いついたAさん。さっそく、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKに投げかけます。MAKERS LINKはプロデューサーとして、製造、販売、広報などを担当する企業を選定します。各企業は出資をすることで、この製品がヒットしたときに確実に利益を確保できるように利権を確保します。集まった資金を管理するのが、MAKERS Bankです。

いままで、新製品開発のアイデアが出てきたときに、資金の出所があいまいなケースが多くて、トラブルになったり、せっかくの案件が立ち消えになったり。世に出してみて、残念ながらあまり売れなかったというのなら、反省もできるし、場合によってはあきらめもつきますが、そこにまで到達できないのは悲しすぎますね。

製造業の立場で言えば、少なくともモノを作った対価はいただかなくては、生活が成り立ちません。売れなかったから、作った代金はお支払いできません、というのでは困ってしまいます。

なかなかうまく説明できないのですが、最低限、モノが出来上がる資金は確保して、作った人にはきちんと対価を払えて、宣伝や販売を仕事としてやった人も持ち出しはなく、世に打って出るところまでは、きちんとカタチにしたい。そのうえで、もちろんヒット商品になれば、みんな万歳ですが、残念ながら、失敗作に終わっても、出資したお金のその責任範囲で、それ以上のリスクは負わないような仕組みを作りたいんです。

そんなうまいこといくか!って声が聞こえてきそうですけど、MAKERS Bankが機能すれば…

そこで…、やっぱりこれだけのことをやろうとすると、実体のない任意団体では、無理だという結論に達しまして、すごく考えたんです。考え抜いて、よし!会社を作ろう!と。

4月13日、大安吉日、合同会社メイカーズリンク、設立の予定です!(あくまで予定です)

2018年のMAKERS LINKにご期待ください!

あ、最後にもうひとつ、お知らせしたいことが!MAKERS LINK Tシャツ、作ります!ロゴだけの超シンプルな、白Tシャツですが…


もし、欲しい人いたら、買ってください!
↓ここで(^-^;

https://cdq.shopselect.net/

2018年、ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKはこうなる!~その2~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

今回はいきなり、告知から!

3月3日(金)、世田谷ものづくり学校で開催される「Make Network Party 2018春」のお知らせです。今回のテーマは、~ものを「売る」ノウハウを共有しよう~ということで、私も「おっ!」って思いました。すごく大事なテーマですよね!参加の申し込み方法など、詳しくは主催のMake Network Japanまで。フェイスブックからはこちらを。https://www.facebook.com/events/2002415973363254/

続いて…。

秋葉原のとっても素敵なものづくりのお店が集まる商業施設「2k540」にあるIRONCAFe(アイアンカフェ)。みなさん、もうおなじみですね!こちらで、3月15日(木)に開催のイベント「Slack学ばナイト」のお知らせです。

皆さんはSlackって使ってます?ビジネスシーンでは定番となりつつある(もうなってる?)コミュニケーションツールってことなんですけど…。

いまさら?っていう人も多いと思いますが、私みたいに乗り遅れてる人のための、とっかかりイベントを開催することになりました。軽く飲みながらという気軽なスタイルですので、よかったら、仕事帰りにお立ち寄りくださいませ。

詳しくは、下記のフェイスブックのイベントページをご覧ください。https://www.facebook.com/events/342096779624885/

さてさて、そろそろ本題に…。

前回に続き、MAKERS LINKが今年やっていこうと考えていることをお話していこうと思います。

まずは、おさらいで、MAKERS LINKの3つの事業分野をご紹介。

  1. コミュニティ運営
  2. ものづくりサポート
  3. イベント事業

このうち、前回は3のイベント事業について掘り下げて書かせてもらいました。機械要素技術展への共同出展やそのほかのイベントを計画してますよ!っていうお話で。

で、今回は、MAKERS LINKのメイン事業ともいえる「コミュニティ運営」について。

もちろん、フェイスブックグループ「ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK」はこれまで通りです。ものづくりに関わる、関心のある方ならどなたでも参加いただけるよう、なるべく敷居を低く気軽な雰囲気を保って運営していきます。さらにさらに、もっとメンバーが増えていくように頑張っていきたいと思ってますので、皆さんもぜひご参加&お仲間をお誘い、お願いします。

さらには…、今年は新しいコミュニティの立ち上げも計画しています。開かれた場所での楽しい会話から、ビジネスに発展していくケースもけっこうあるのですが、話が進めば、やはり限定された間柄の人たちでより深く、という場も必要になると思うんです。

せっかくMAKERS LINKをきっかけに発展しそうな案件なら、もう少し、MAKERS LINKがフォローできるようになっていればって考えるようになりました。まあ、自分自身が金属加工業なので、そこをベースにした共同体を、まずは立ち上げます。

その名も、COOL MILLINGS!(クールミーリングス・かっこいい加工屋たち)

すでに、ちょいちょいといろんなところに露出はしているので、ああ、聞いたことあるって人もいてくれるかな?

現在のメンバーは、下記のとおり。

  • 有限会社アキモト・パーツ 秋元 勝実
  • 有限会社有木製作所 有木 久治
  • メガワークス株式会社 永井 義昭
  • 有限会社ケイアイエム 栗原 稔(私のもう一つの顔?)
  • マナブデザイン株式会社 高橋 学(デザイナー・アドバイザー)
  • 株式会社NVT 名取 昂志(コミュニティマネージャー)

具体的にどんな活動をしていくかというと、ターミナルQというツールを使って、切削加工の技術情報交換や共同受注等。これだけでは今までもいろんな形のものがあったと思いますが、COOL MILLINGSは新規開発製品の立ち上げにも積極的に関わっていくことを視野に入れています。もちろん、自らも、金属の持つ魅力を前面に押し出した、チョーカッコいい製品も生み出していきます!

COOL MILLINGSの活動が軌道に乗ったあかつきには、加工分野をもっと広げて、どんな案件でも対応できるようなグループに育てられればと思っています。ここに「モノマド」を連携させれば、製造業の最強ネットワークができるんじゃないの?って考えてもいます!

あとですね、コミュニティ事業はいろんな形態や連携が考えられると思うんです。すでに交流のあるMAKE NETWORK JAPANさんやものづくりドットコムさんなどとも、あ、もちろん「ものづくり経革広場」も!それぞれのコミュニティとしての特徴を活かしつつ、良い関係を続けていきたいですね。

ということで、次回も引き続きMAKERS LINKの事業について、その3は、ものづくり支援事業の構想を発表しちゃいます。ものづくりの世界では、なかなか実現できていない(と思われる)新しい試みになる?期待してくださいね!

町工場ぶっちゃけ対談 vol.6

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

あっという間に、2017年もあとわずか!慌ただしい年の瀬ですが、みなさん、いかがお過ごしですか?私は例年のごとく、忘年会続きのこのひと月をなんとか風邪もひかずに乗り切れそうです。それにしてもいろいろと忙しくてくたびれました~(自分で忙しくしてるんだろって?うん、確かに…)

ということで、いろいろあった中から、こちらをご報告。

工場マルシェ

11月25、26日と、代官山T-siteGardenGalleryにて開催された「工場マルシェ」。これは、町工場が自分たちの技術を使って作り出したオリジナルの製品を展示、販売するというイベントです。しかし、集まった企業のレベルが半端ない!その中でもひときわ目を引く文房具ブランド「Factionery」の中に、実は弊社の作ったペンスタンドが置かれておりました!

おしゃれーな代官山の蔦屋さんで、自分が手掛けた商品をお客様が買ってくれた現場を目撃!いや~、うれしかったですねぇ~。自社製品開発熱に火が着きました!

えんにち!in 840

12月3日、日曜日。埼玉は八潮市の商業施設、フレスポ八潮で開催された「えんにち!in 840」に参加してきました!当日は八潮市に拠点を置く中小製造業者を中心に、遠くは横浜からの参戦も含め、各社の特色を活かした子ども向けのワークショップを展開しました。うちは、オリジナルノート作りをおよそ50人のお子ちゃまたちといっしょに楽しんじゃいました!全体ではなんと1500人の来場があったとか!


その様子はぜひ、こちらでご覧ください。https://www.facebook.com/enniti840/

町工場ぶっちゃけ対談スタート

さてさて、そろそろ本題に。今回も好評につき(?)、町工場ぶっちゃけ対談をお送りします!今回も進行役をダイレクトメールサービス「たより」の後藤天美さんにお願いしました。日本の町工場の未来を拓く(かもしれない)すんごい方との、ぶっちゃけトークをぜひお楽しみくださいね!

(ここから、聞き手・執筆は後藤さん)

2018年の足音もそこまで聞こえてきそうな師走に、行ってきました、聴いてきました(*^_^*)

対談場所は、「ものづくりの街」2K540にある、IRONCAFe。鋳造プロダクトに囲まれたギャラリーカフェで、お会いしたのは、株式会社A(エイス)代表取締役 山田歩氏。大学在学中にあの有名な「鳥人間コンテスト」に、製作スタッフとして参加。そのときに技術指導で出会った町工場の職人さんたちの職人技に感銘を受け、ものづくりに携わる事業で会社を設立。知る人ぞ知る、ものづくりの概念を変えちゃうかもしれない、めちゃくちゃ大きな可能性を秘めた、若き経営者です。

wemakeとは?

ー名刺に書いてある、wemake…って、なんですか??

山田:身内に町工場経営者がいるわけではないんですが、起業するにあたって、様々な町工場に訪問させていただいて感じたのは、町工場の持つ強みは大手企業の下請け以外のところにもあるのではないかということ。大手企業では生産できない、小ロットだけれども確かにその製品を強く欲する人がいるような市場でこそ、町工場の良さが活きるのではないか。そういう状況をずっとみていて、インターネット上でものづくりをマッチングしようと。それまで、開発したらまず売ってみないと商品が世に出るものかどうかわからない、という待ちのものづくりから、企業とエンドユーザーを巻き込んだ「共創による価値創造プロセス」を視点にいれた、メーカーとクリエイターを繋ぐプラットフォーム事業です。

栗原:実際、wemakeは、大手企業とのプロジェクトが成功事例として、あるんだよね。で、山田さんは、次にその事業で得たスキルを駆使して、中小企業製造業者を巻き込んだ新事業開発に着手してるの。それが、wemake labなんです。

山田:実際、第一弾が動いていまして。全国の1000社くらいの企業の中から、下請けではなく、商品開発に意欲的な町工場、リテラシーのしっかりされている会社を4社。時代を担う町工場の社長さん方にご協力いただきました。

栗原:メーカーと、クリエイターと商品開発をして、売り先とかは?販売先、それも自分たちで開発するの?

山田:商品開発のチームに、セレクトショップのバイヤーの方に入っていただいて、プロジェクトを進めています。そこが、国や行政の「マッチング事業」といわれるものとの、違いかな。あとは、成功報酬なので、1年以内に商品化をしないとお金にならない。スピード感が違いますよね。そこも大きな違いです。

改めてお二人の出会い

ーすみません、お話の途中で。これは、まず聞いておかないと(笑)恒例の質問、と言っちゃなんですが、お二人の出会いをお聞かせください。

栗原:まだ、メンバーが4、5人くらいだった頃の、メーカーズリンクのイベント(飲み会)だったよね?

山田:そうですね、まだ立ち上げられた頃じゃなかったかな。

栗原:顔見知り数人集めて始めたメイカーズリンクに、初めて山田さんが、知らないところから参加してくれたの(笑)会って話をしたら、メイカーズリンクで、できたらいいなぁ、ってこと、すでにやっちゃっててさ。あ、これはもう、彼らにお任せしようって、すぐさま思ったね。

山田:それまでも、町工場の社長さんたちとの交流はあったんですけど。その、メーカーズリンクに参加されてた方たちは、商品開発に対して積極的でしたよね 。いいご縁ができたなぁ、と。

栗原:みんな、ただただ、酔っ払ってたけどね(笑)

製造業のマーケティング

栗原:話はちょっと変わるけどね、映画製作のプロセスが、ものづくりの世界にトレースされればいいかな、と、思ったりするわけ。映画をつくる人×映画を売る人。製作委員会っていうのかな。この仕組みが、ものづくりにも重要だと思うんだよね。

山田:それ、わかります。日本の技術でできた商品って、もっともっと売れてもいいんじゃないかな。でも、世界的に有名なセレクトショップから引き受けがあっても、本業の売り上げに匹敵するほどではない、それが今のものづくりの現状なんです。

栗原:メーカー側で言えば、本事業と、商品開発の製品づくりのバランスもうまくないというか。スケジュール管理がなってないからね。

山田:中小企業の経営者の方々の視点は、ものすごく高い。けれど、社内、現場との温度差があったり、 ていうのも事実ですしね。開発が進まないというか・・・。

ーそれに、「マーケティングが苦手」って言われるじゃないですか。中小企業って。

山田:マーケティングって、自分の得意分野で勝負をする、その場所と方法をみつけること。絶対にやった方が良い結果につながりやすいと考えています。だから、次の第二弾のwemake labのプロジェクトでは、メーカー×クリエイター×バイヤーの関わり方を見直そうかと思ってます。

栗原:なるほどね、期限を決めるって、なかなか作り手側には難しいなぁ。時間があるときに、とか思っちゃうからね。大事だね、そこは。

山田:自分たちがつくりたいものをつくる!では、これだけモノがあふれている中では埋もれてしまうんですよ。下請けを脱却する=マーケティング目線での製品づくり。ここを意識していかないといけないのではないかと感じています。

栗原:メーカー側も『あそび』の範囲からでないとね。自社売り上げに匹敵する「自社製品」をつくろう!という意識が大事かな。

山田:マーケティングを理解している人が、製品づくりの指揮を執る。そんなケースもあってもいいと思っているんです。

栗原:営業しなくても、仕事はとれる。製造業は、そういう時代が長く続いていたからね。慣例というか。まぁ、ある時をさかいに、黙ってても仕事がくるって時代じゃなくなっちゃったんだよね。そこから、展示会もホームページも、その他もろもろ、考え方が変わってきたかなぁ。

山田:皆さんの努力が報われるよう、常に模索しています。

ーお二人って、頻繁にお会いされているんですか?なんか話が、めちゃくちゃ盛り上がってて。

栗原:wemake labが始まってから、山田さんにまた、ちょくちょく会うようになってきたかな。

山田:ハードウェアのスタートアップの人から、メーカーズリンクって注目されているんですよ。そういうニーズを求めて登録している人がいるってことを、メーカー側が認識していないのがもったいないかな、と。本当に、いろんな可能性を秘めているコミュニティなんですよ。

栗原:そこは、俺気づいてなかったかも(笑)そうなの??じゃあ、せっかくだから、リアルに会うイベント作った方がいいかな。

山田:中小企業の技術って、注目されているんですよ。そこに、当の本人の、中小企業の社長さんたちが気づいていない(笑)本当に、もったいない。

栗原:(苦笑)

山田:いろんなコミュニティがあるせいで、登録しただけで満足!という方も多いと思うんですよね。なんにしても、運営側のメッセージがこれからは重要にはなるでしょうね。

ー山田さんって、本当にものづくりがお好きなんですね。

栗原:そうなんだよね、ものづくりをする側に、いつも「尊敬の念」を持って接してくれるんだ。そこが、山田さんを信頼できる一番のことかな。

山田:技術や製品に「提案」する、それができるのが、日本の町工場の皆さんの凄さなんです。

栗原:でも、売れるものをつくれない(笑)売れるお墨付きって、どうすればできるのかな。

山田:売れるって、本当に小さなきっかけだったりするんですよね。つくってみてから、どう?ではなくて、「売れる領域」に売れるものを投入する。僕たちにものづくりのスキルはないけど、そこをサポートしていく力があるんです。

栗原:つくる能力、技術はあるのに、何をつくったらいいのかわからない、ってのも、現状かな。

山田:アイディアを、デザイナーに関わらず幅広く集めてみる。

栗原:いいねぇ、あとは、出資の仕方とか、資金繰りとか、山田君、なんかいい方法考えて、教えてよ(笑)

山田:全部ですか??なかなかハードですねぇ(笑)

これからの事

栗原:あとは、人と人をつなぐコミュニケーションが大事よね。

山田:そうですね、それから、製品に対して関わる人が「意気投合」する。基本ですけど。これ、大事です。

栗原:今後の展望は?

山田:プロジェクトチームに、プロデューサー、マーケッターをつけて、「売れる」ものづくりを目指していきたいですね。少ないマーケティングコストで、世界に発信できるものづくりチームをつくっていければなぁ、と。

栗原:1社ごと、1プロジェクトごとのマッチングをしてもらえるって、本当にありがたいよね

山田:あとは、メーカーさんのカウンセリングを徹底的に。「本当は、何がしたいの?」って

栗原:あ、それ、重要。すごくいいね。

ー山田さん、ものづくりの世界だけにいるのは、もったいない、というか、もっと世に出てもらいたいです。サービス業の、今までにはないプロデュース事業も、ぜひ展開してください!

山田:笑笑

 

山田社長の発想と感性、視点が、斬新なようで実は緻密だったり、ご自身の経験から得られている積み上げられたデータによるプロデュース事業であったり、若き才能に脱帽するばかりでした。何より、町工場愛、ものづくり愛がハンパない。愛がなくちゃ、大きくて楽しい仕事はできないよな、と。
第2弾のwemake lab、大大大注目ですね!

栗原社長、山田社長、ありがとうございました。栗原社長の「ものづくり対談旅」次は、いずこへ。。

“作り手”と”買い手”をつなぐ商品開発プロジェクト WemakeLab

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