工場の熱中症対策2018

こんにちは、ものづくり経革広場の井上です。最近では温度調節ができている工場が増えてきましたが、暑い工場で働いている方もいらっしゃると思います。熱中症対策に使えそうなアイテムを調べましたのでご紹介します。(2015年に掲載したものから最新の物を追加しました。)

そもそも熱中症とは…

高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調整機能がうまく働かないことにより、体内に熱がたまり、筋肉痛や大量の発汗、さらには吐き気や倦怠感などの症状が現れ、重症になると意識障害などが起こる症状のことです。就寝中など室内など炎天下でなくても発症します。

熱中症予防のポイント

  • 暑さを避けることが大事
  • 適度な水分(ミネラル)補給
  • 十分な睡眠
  • 丈夫なからだづくり

ハイテク技術を使った熱中症対策

この1~2年で急激に増えてきたのが空調服です。

「空調服」とは服に付いた小型ファンで、服の中に外気を取り入れ、体の表面に大量の風を流すことにより、汗を気化させて、涼しく快適に過ごすことができる製品です。小さい頃に風呂上がりに服の中に扇風機の風を入れて涼んだ人も多いと思いますがそのイメージです。

原理的には昔からあったものですが、技術進化によりより軽く、安価に、長時間の利用ができるようになってきています。工場現場などでの利用がメインですが、最近ではおしゃれなデザインや、スリム化されたものが増えてきているため、レジャー関連にも利用者が増えているようです。将来的には酷暑が続く中、温度管理に加えて紫外線対策にもなる為、全身を空調服で覆った状態で出歩くのが普通になるかもしれませんね。近未来のSF映画にあるような世界です。

IoT関連の熱中症対策

社員の健康管理も含めたサービスが近年増えつつあります。

心拍数を計る衣料品(クラボウ)

建設・運送作業者の健康状態を把握し、熱中症にかかるリスクを推定するサービスとして提供しています。専用シャツ「スマートフィット」には電気を通す繊維が使われており、心拍数をシャツに取りつけた小型の通信端末に伝えます。測定した温度などとともにクラウドへ集め、熱中症にかかるリスクを自動解析してくれるというものです。

リストバンドによるバイタルチェックサービス(KDDI)

「+バイタルセンシング」は、作業員が装着するリストバンドによって周囲の温湿度や作業員の脈拍などを測定し、作業員ごとに熱中症の危険度を推定します。危険と判断した場合は、作業員本人や現場作業責任者、作業管理者にアラートを通知します。「+転倒検知」は、作業員が装着するベルトによって加速度などを測定する。作業員が作業中に転倒・転落した場合は、アラートを通知します。

リストバンドによるバイタルチェックサービス(NTTPCコミュニケーションズ)

IoTデバイスのリストバンド型バイタルセンサーを利用し、装着した作業員の脈拍数と現在地の情報をスマートフォン経由でクラウドに送信します。管理者はこの情報を参照することで、各作業員の健康状態などをリアルタイムに把握することができるようになります。

その他 手軽にできる熱中症対策 4アイテム

①クール速乾タオル

100%冷感繊維材質というハイテク技術を用いたクールタオルで、ひんやり感が長時間持続します。

②ネッククーラー

2

価格:1000円未満

水を含ますだけで冷感が長時間持続するネッククーラー。繰り返し使えるのでエコで経済的!ちなみに、首の付け根には太い血管が通っていて、首筋周りを冷やすと効果的に体温を冷やすことが出来ます。

③携帯型(首かけ)扇風機 マイファンモバイル

1

価格:1000円未満

友人が持っているのを実際使ってみました。涼しいのでおすすめです。ただ、動く仕事だと、ひもがくるくるまわったりしたりして、ちょっと使いづらい印象です。じっとしてる仕事なら良いと思います。

④冷感ヘルメットインナー

3

価格:2500円前後

上の2つに比べると少し値は張りますが、ヘルメットや帽子をかぶる必要のある現場が多い工場にはもってこいではないでしょうか?ちなみに、ゴルフの時に帽子の中に入れて使っている方もいらっしゃるようです。

水分(ミネラル)補給について

1.経口補水液

熱中症対策の基本中の基本となるのは、こまめな水分、塩分補給です。麦茶や冷水より、スポーツドリンクなら塩分・糖分を同時に摂取することができます。さらに効果的な水分の摂取方は、経口補水液です。脱水症状の際に水分だけではなく、電解質も多く失われてしまいます。これまでは点滴などで補給をしていましたが、経口補水液なら簡単に水分と電解質を補給することが可能です。どうやら売り切れの店舗が多いようです。

2.塩飴

4

価格:200円前後

言わずと知れた塩飴です。効果のほどは検証できないのでわかりませんが、熱中症の原理的には塩分補給は重要と言われてます。ちなみに、塩飴を袋全部(2~3g)食べてもカップラーメン1個の塩分(5g程度)より少ないので安心してください。ただ、高血圧症の方はご注意下さい。また、食べ過ぎは糖分のとりすぎ、虫歯にご注意が必要です。

熱中症対策・健康管理は会社として

健康管理は個人に任せてしまうと、お金をかけるのを嫌ったり、自分は大丈夫と過信する社員さんが出てくる可能性があります。貴重な人材の急な欠員は仕事にも大きな影響を及ぼします。高齢化も進んでいく中、仕事中の健康管理も非常に重要なテーマになってきていると思います。皆様の会社での暑さ対策、オススメがあればぜひぜひ共有して頂けたらと思います。

それでは夏の後半戦

張り切っていきましょう!!

補足資料

一日の食塩摂取量について
★健康な成人の場合の一日の食塩摂取量:
男性 : 8.0g未満  女性 : 7.0g未満
(2015年4月からの厚生労働省推奨食塩摂取量の目標量)
★高血圧の治療を要する人:
6g以下  (高血圧治療ガイドライン2014年版より)