WEBサイト制作者・担当の方へ 危険なメタタグ

中小企業専門の弁理士の亀山です。開業して約300社の中小企業様・個人事業主様のご相談を受けてまいりました。さて、今回は、Webサイトの保有者、制作者や管理者に対して、大事なお話があります。それは、メタタグも使い方によっては、商標権侵害になってしまう点です。

とあるお客様との会話

お客様:自社のWEBサイトを刷新しましたので、ご覧ください。

かめやま:おお!こちらですね。

お客様:はい!SEO対策もしているため、キーワード「ABC」の検索結果で、弊社WEBサイトが上位に表示されます。

かめやま:本当だ!・・・ん?検索結果に表示される文章にあるキーワード「XYZ」って大丈夫ですか?確か、他社の登録商標だったと思うのですが・・・

お客様:商標登録かどうかはわかりませんが、”惹きの良いキーワードの方がクリックしやすくなるかな~”と思ったので・・・あれ?このままだと、何かまずいですか?

かめやま:「XYZ」が他社の登録商標の場合、この表示が商標権侵害の対象となってしまいます。結果、損害賠償請求や差止の対象となりますし、悪質な場合には刑事罰にもなります。

お客様:キーワード「XYZ」ってどう直せばよいのですか?

かめやま:おそらく、貴社WEBサイトの「メタタグ」で定義されている部分だと思います。すぐに直せる部分なので、制作会社に一早く連絡したほうが良いです。

お客様:あれ?制作時、制作会社は「XYZ」のリスクについて何も言わなかったな・・・

かめやま:おそらく、制作会社は、商標の知識がないと思うので仕方ないと思います。

お客様:承知しました。ということは、うちの商標登録「あいう」が検索結果に表示されるように他社が無断でメタタグに設定した場合には、訴えられるのですか?

かめやま:指定商品・指定役務が同一または類似であれば、商標権侵害になるので、訴えることもできます。

お客様:そうなんですね。私も、他社がうちの登録商標を使用していないかチェックしてみようかな~

かめやま:それもよいですが、まずはご自身のご商売を前に進めることが先だと思いますよ。

メタタグに商標権の効力が及んでしまう場合も

検索結果に表示されるページの説明部分は、ディスクリプションメタタグ(*1)で設定できます。

*1 <meta name=”description”content=” ・・・で始まる部分です。

自社のWEBサイトのクリック率向上のために、ディスクリプションメタタグを重要視されている方も多いと思います。

しかしながら、判例(「クルマの110番」事件 大阪地判 平成17年12月8日判時1934号109頁)によれば、以下のように述べられています。

「一般に、事業者が、その役務に関してインターネット上にウェブサイトを開設した際のページの表示は、その役務に関する広告であるということができるから、インターネットの検索サイトにおいて表示される当該ページの説明についても、(中略)その役務に関する広告であるというべきであり、(以下省略)」

これをわかりやすく言うと、「検索エンジンの検索結果としてWEBサイトのURL近傍に表示されるページの説明は、広告表示であるから、商標としての使用行為となる」となります。

このため、

  • WEBサイトのディスクリプションメタタグに設定されたキーワードが他人の登録商標と同一または類似である
  • 当該WEBサイトの商品またはサービスが、登録商標の指定商品または指定役務と同一または類似である

場合には、当該キーワードの使用は商標権侵害となります。

商標権侵害のペナルティ

ライバル企業が、あなたのWEBサイトを見て、メタタグによる他社の登録商標の表示を発見した場合、商標権侵害を根拠とする警告書が、内容証明郵便にてあなたの会社へ郵送されてくることになります。

侵害行為となる名称(商標)は、継続して使用できません。もちろん、特許権等のようなライセンスも可能ですが、商標権の場合には、権利者側のブランドイメージの棄損につながるため、ライセンスを許可する場合は少ないです。したがって、名称変更をせざるを得ない場合がほとんどです。結果としては、チラシ制作やパッケージ制作は0からやり直しになりますし、PR活動(プレスリリースや宣伝広告)も0からやり直しになります。

このように、ライバル企業の商標権の侵害行為によって、新しい商材によるビジネスが困難になるばかりか、これまでに投じた時間やコストの回収ができなくなってしまいます。すなわち、他社の商標権の侵害行為は、あなたの事業、ひいてはあなたの会社の存続に直結します。

警告書を無視したらどうなる?

相手方の主張が正しいにも関わらず、警告書を無視して侵害行為を継続した場合には、刑事罰の対象となります。商標権侵害の場合における刑事罰は、以下の通りです。

  • 個人の場合:10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(両方が科される場合もあります。)
  • 法人の場合:法人に対して3億円の罰金。行為者には、個人と同じペナルティが課されます。

よって、専門家に相談せずに、警告書を無視することは、とてもお勧めできません。

まとめ

  1. メタタグにキーワードを使用する行為が、商標権侵害となる場合がある。
  2. メタタグに使用したいキーワードには、他人の商標登録であるか否かのチェックが必要である。
  3. メタタグに使用できるキーワードは、商標権が発生しないキーワード(普通名称や記述的な単語)を選ぶようがよい。
  4. 自社で積極的に使用したいキーワードがある場合には、それを商標登録することも一考です。

なお、メタタグに表示するキーワードが、商標権が発生しないキーワード(普通名称や記述的な単語)であるか否かは専門知識が必要なため、安心してキーワード設定したい方は、一度、専門家にご相談ください。

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

中小企業専門の弁理士の亀山です。開業して約300社の中小企業様・個人事業主様のご相談を受けてまいりました。今回は、クラウドファンディングを行う際、気を付けて欲しい点についてお話したいと思います。

とある特許相談にて

お客様:今回の便利グッズ「財布」は、特許が取れるでしょうか?

かめやま:便利グッズ「財布」のポイントは、こことここですね。まずは、この2点について、先行技術調査とクリアランス調査を済ませておきましょう。

お客様:ああ、そういえば、前回の発明品のときもやりましたね。今回も調査をお願いします。

かめやま:かしこまりました。調査の結果が出るまでしばらくお待ちください。

かめやま:ところで、前回の発明品「万能キッチンハサミ」の販売計画はどうなっていますか?特許出願を済ませて半年くらい経つと思うのですが・・・

お客様:あれですね! まずは、クラウドファンディングをやろうと思っています!

かめやま:なるほど。今回のアイデアは消費者向け商品。クラウドファンディングは、マーケティングリサーチの側面もあるので良い方法ですね。ところで、いつ頃申し込むのですか?

お客様:もう申し込みは完了しています!!1か月後には掲載される予定ですので、現在、ページのデザイン制作をしているところなんですよ~

かめやま:あらら・・・

お客様:え?? 何かまずかったですか?前回の発明は、調査を済ませているので、他人の特許権は問題なかったはずですよね?

かめやま:それはそうなのですが・・・クラウドファンディングをする際には、特許権以外にもチェックポイントがあるんです。

特許権以外にチェックすべき点(1) 商品名

お客様:特許権以外に何をチェックする必要があるのですか?

かめやま:まずは、クラウドファンディングの規約を見せてください。ほら、ここに「第三者の商標権、著作権、特許権などの知的財産権等を侵害する行為をおこなってならないこと」と書いてありますよね?

お客様:本当だ。特許権の他に、商標権や著作権もあるのですね。

かめやま:まずは、商標権ですね。現在の原稿をみると、この商品名は○○ですね。この商品名○○は、もう確定ですか?

お客様:はい。クラウドファンディングの運営にも届けています。

かめやま:おぉぅ・・・万が一、届け出た商品名を変更するとどうなります?

お客様:うぅ。変更届を出さないとマズいですね。最悪、一から原稿を作り直しになるので。掲載が1か月遅れてしまいます。

かめやま:確かに1か月の遅れは痛いです。しかし、この商品名の使用が、他人の商標権を侵害していたら、この商品名を使用できなくなるので、それこそ問題です。まずは、この商品名を使用してよいかの調査をしましょう。万が一、侵害している場合は、名称変更、そして、掲載が1か月遅れることを覚悟してください。

お客様:それでは困ります!ここまで準備していたのが水の泡になってしまいます!

かめやま:しかし、仮に、権利者がこちらのサイトを見つけたらどうしますか?商標権侵害による差し止め請求によって、この商品名が使用停止となってしまいますから、どのみち、やり直しになると思います。今、商標調査を先送りして、日に日に大きくなる「やり直しの爆弾」を抱えて進むくらいなら、やり直しの範囲を「本日まで」としておいたほうが良いのではないでしょうか?

お客様:それもそうですね。あれ?ということは、クラウドファンディングを申し込む前に、商品名の相談も先生に済ませておいた方が良かったのですか?

かめやま:それがベストでした。私も、前回の発明品「万能キッチンハサミ」の先行技術調査のご依頼のときに、販売計画のところまで確認しておけばよかったですね。

お客様:いえいえ。あのときは、まだクラウドファンディングのアイデアもなかったときなので・・・まずは、商品名の調査を進めて下さい。

特許権以外にチェックすべき点(2) イラストや写真等

お客様:商標権のチェックはOKとして、著作権はどうすればよいのですか?

かめやま:現在の原稿をみると、ここのイラストや写真は、貴社のオリジナルですか?それとも誰かに制作依頼をしたものですか?

お客様:このイラストはA社のフリー素材です。こっちの写真はB社のフリー素材です。

かめやま:A社の利用規約をみると、クラウドファンディングにおける使用はOKそうですね。B社の方は、・・・くわしく書いていないですね。ちょっと怖いので、B社に問い合わせするか、A社の素材に差し替えた方が良いかもしれません。

お客様:この写真は、結構、気に入っているんですよね。こだわって選び抜いたものですし・・・

かめやま:お気持ちはわかります。しかし、著作権侵害となった場合には、商標権同様、結局やり直しになることを覚悟しないとなりません。後々のリスクを負ってまでその写真を使いたいですか?

お客様:わかりました。B社に問い合わせして、許可をもらいます。もしも、NGの場合には、A社のものに差し替えます。

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

その商品名は合法的に使用できますか?

商品名は、ほぼ間違いなく商標権の対象となります。そして、あなたが使用しようとしている商品名も、見知らぬ他人が商標権を持っている場合もあります。商標権侵害の場合には、権利者側のブランドイメージの棄損につながるため、ライセンスを許可する場合は少ないです。したがって、名称変更をせざるを得ない場合がほとんどです。そして、このような名称変更によるリスクを減らすためには、クラウドファンディングを申し込む前に、専門家に相談した方が良いでしょう。

その著作物は合法的に使用できますか?

イラストや写真も、ほぼ間違いなく著作権の対象となります。あなたが使用しようとしているイラストや写真にも、第三者の著作権の効力が及ぶ場合があります。著作権侵害の場合、差し替えとなる場合も多いですが、権利者の意向によっては、相当のライセンス料の支払い等の条件を前提に使用を許可してくれる場合もあります。このような著作権侵害のリスクを小さくするためには、デザイン制作会社へ依頼した場合には、業務委託契約書の中で著作権の処理が必要になりますし、フリー素材を使用する場合には、フリー素材の利用規約をよく読み、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

出品する商品の技術的アイデアやプロダクトデザインは合法的に使用できますか?

出品する商品の技術的アイデアやプロダクトデザインは、特許権や意匠権の対象となります。そして、特許権侵害や意匠権侵害の場合には、著作権侵害同様、クラウドファンディングの出品の中止、または、相当のライセンス料の支払い等の条件に出品を許可してくれる場合もあります。上述の「万能キッチンハサミ」のケースのように、事前にクリアランス調査を済ませていた場合はよいですが、クリアランス調査が未実施の場合には、他社の特許権侵害のリスクを把握する意味でも事前に進めた方が良いです。また、万が一、特許権侵害のリスクが高い場合には、特許権侵害のリスクが低くなるよう「どのような設計変更が望ましいか」を専門家と検討したほうがよいでしょう。

クラウドファンディングの規約を守っていますか?

どのクラウドファンディングでも利用規約があります。そして、その規約の中に、第三者の知的財産権を侵害しない旨を規定しています。かりに、あなたの商品や商品名等が他社の侵害品であることが判明すると、規約違反により、ページの削除などの対応を迫られる場合もあります。もちろん、クラウドファンディングの利用規約には、知的財産権以外についても触れられています。このため、クラウドファンディングを行う際には、後から規約違反といわれないように、申し込み時に利用規約をしっかりと理解しておきましょう。利用規約を読み込むのが大変な場合には、お近くの専門家に問い合わせして下さい。

専門家にはいつ相談すればよいのですか?

他社の商標権や著作権等の存在によって、商品名変更、設計変更やイラストの差し替えが発生するかもしれません。また、他社の特許権等によって商品の設計変更が必要になるかもしれません。名称変更や設計変更等によるやり直しを防ぐためには、クラウドファンディングに申し込む前に、お近くの専門家にご相談ください。万が一、申し込んでしまった場合には、できるだけ早く、お近くの専門家にご相談ください。

まとめ

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

  1. 商品名は合法的に使用できますか?(商標権侵害のチェック)
  2. ページに利用されるイラストや写真は合法的に使用できますか?(著作権侵害のチェック)
  3. その技術的アイデアやプロダクトデザインは合法的に使用できますか?(特許権侵害や意匠権侵害のチェック)
  4. クラウドファンディングの利用規約のチェック(利用規約違反とならないため)
  5. ご相談タイミングは、クラウドファンディングの申し込み前が望ましい(やり直し量を最小限に抑えるため)

どうする?無断転載をされたり、してしまったとき

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回はWebサイトにおけるトラブルの一つである、著作権にまつわる問題について解説します。

他社サイトの文章や写真をコピペして使うのは著作権法違反

企業がWebサイトを持つのが当たり前の時代になり、さらに近年ではオウンドメディアを構築する企業も増え、企業のWebサイトに記載される文章や写真の量も増えています。各社、よりよいコンテンツを増やし、サイトを訪れる人を増やす努力をしています。

そのような中で気になるのは、他社や他人の文章や写真を無断で使用してしまう、いわゆる「パクリ」の問題です。パクリやコピペの問題は、以前にキュレーションサイトなどの状況が指摘されました。

しかし実際には企業のサイトも無縁ではありません。個人ブログに掲載していた写真が大手旅行会社のサイトに無断利用されていたケースもあります。また、あるテーマで検索すると、複数の会社のサイトに全く同じ文章が掲載されているのを発見することもあります。

これらは全て著作権法違反です。他人の権利を侵害している状態ですから、訴訟に発展するケースもあります。実際に過去にいくつかの会社が著作権をめぐって訴えられています。また、仮に訴えられなかったとしても、知らないうちにネット上で悪い話題になっていわゆる炎上の元になったり、企業の信頼性を傷つけてしまうかもしれません。ですから、Webサイトに掲載する文章を作成する際には、作成者にも著作権などルールを学んでもらったり、あらかじめそのような知識を持っているプロに依頼しましょう。

自社のサイトの文章が無断転載されていたら、早急に手を打つ

無断転載は「してしまう」場合だけに注意しているのでは、不十分です。自社サイトの文章や写真が無断転載されている、いわゆる「パクられた」場合にも、注意を払いましょう。自社が文章などを作成した場合には、違反をしているのは相手側です。しかし第三者から見た場合、どちらがコピペを行ったのか判断がつきません。つまり本来は被害を受けている側なのに、信頼性に傷がついてしまう可能性があるのです。また過去には、自社で作成し、自社サイトに掲載していた写真が無料素材配布サイトなどに無断転載され、非常に多くの無断転載が行われたケースもあります。こうなってしまうと、もはや手がつけられません。そのため、万が一自社サイトの内容を無断転載しているものを発見した際は、早急に手を打ちましょう。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでは、違反している投稿から公式へ通報するフォームがあります。通報を通じて相手側に投降を削除してもらうことが可能です。

SNSではなく、他社のサイトなどで無断転載を発見してしまった場合には、相手側に連絡し、取り下げてもらうなどの対応が必要です。状況に応じて法務部や弁護士などに間に入ってもらうといいでしょう。

無断転載をされる前に手を打てればいいのですが、Web上に公開する場合、やはり完全に保護するのは困難です。神経質になりすぎる必要はありませんが、ときには自社サイト上の文章の一部をそのまま検索にかけてみたりするといいかもしれません。

もしも無断転載をしてしまったら、すぐに取り下げて謝罪する

無断転載に至る理由はさまざまです。社内での認識が甘かったり、作成を依頼した外部組織の認識が甘かったりする場合もあります。また画像配布サイトなどから入手した画像が、実は別の場所からの無断転載だったというケースもあります。しかし、どのような場合でも自社が無断転載をしてしまっていることに気づいたら、まずは掲載しているものを取り下げましょう。著作者や権利者から連絡を受けている場合には、誠実に対応してください。たとえ故意でなかったとしても、著作権を侵害しているのは事実ですので、素早く、正しい対応を行うのが最善の策になります。

仕事柄、さまざまな企業のサイトを見に行きますが、残念ながら無断転載を発見してしまうケースもそれなりの頻度であります。トラブルに発展する前に、正しい知識をもって自社のサイトを管理するようにしましょう。

テレビ画面や新聞誌面の投稿はNG!SNSでよく見るキケンな行為

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。近年では知名度アップやつながりを作るためにSNSを活用する企業も増えてきました。しかし楽しく手軽なSNSでも、守らなければならないルールがあります。

テレビ画面を写真に撮ってアップしない

自社がテレビに取り上げられたり、自社製品がドラマなどの小物として使用された場合、ついついそれを宣伝したくなりますね。実際にテレビで取り上げられた事実は、宣伝として高い効果を持ちます。しかし、テレビ画面を写真に撮ったり、キャプチャしたものをSNSにアップしてはいけません。テレビに流れる映像は著作物ですので、著作権法違反に該当します。

例外的に、引用という形でテレビなどの映像を使用する方法はあります。例えばテレビの1シーンについて、それを題材として持論を展開したり、製品を紹介する際などです。あくまでも自分の発信が主であり、テレビの画像はテーマに対する資料として扱われる場合には、引用の範囲であると認められる場合もあります。しかし特にTwitterなど、SNSでは論じる言葉の長さにも限界があります。ですから、引用という形にするのが難しい可能性もあります。テレビで紹介されるのは誇らしいことで、SNSなどに上げたくなる気持ちは分かるのですが、画面の写真や動画は基本的にはSNSにアップしないようにしましょう。一方、社員食堂の様子を映した写真に、偶然テレビが映り込む程度であれば、あまり問題はありません。

新聞や雑誌の誌面もSNSにアップしてはいけない

とくにFacebookではよく見るのですが、新聞や雑誌の誌面の写真もSNSに上げてはいけません。私的利用といって、自分自身の記念などとして写真に撮っておく分には構わないのですが、SNSなどに投稿するのは私的利用の範囲を超えてしまいます。そのため、基本的には許可されていません。しかし新聞の場合、テレビとは異なり、利用申請が可能です。自社のウェブサイトやブログなどに、メディア掲載実績として載せたい場合などは、掲載された新聞社に問い合わせ、利用申請を行うといいでしょう。

SNS上で流行るネタにも注意

とくにTwitterでは、マンガの1シーンの吹き出しに別の言葉を入れて面白さを競うような、いわゆるネタ遊びが流行ることがあります。他にも海外映画の歌唱シーンに合わせて、全く違う字幕をあてるネタや、アニメなどのワンシーンを切り取り、それにコメントを加える形で笑いを取りにいくネタも少なくありません。しかし残念なことに、その多くは著作権の侵害に当たるものです。いくつかのケースにおいては、流行状況を楽しんだ作者が特別に許可を出しているものもあります。しかし、丁寧なリサーチをしないと、それが本当に許可されたものか否かは分かりません。

人気のアカウントになるためには、日々の投稿だけでなく、その時々の話題にすかさず乗るスピード感や、ユーモアを感じる投稿、他のユーザーとの気楽なやりとりが欠かせません。近年ではTwitterの企業アカウントでも、そのような特徴を備え、多くのフォロワーを獲得しているケースも多く見られます。

しかし人気のネタだからといって、著作権を侵害した投稿を行えば、企業としてのモラルを疑われ、信頼を落としてしまいます。乗っていいネタと乗るべきではないネタを見極める選球眼を持ちましょう。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどございましたら、お気軽にお問合せください。