製造業のSEOキーワードを3つの切り口から発掘する方法

テクノポートの徳山です。製造業でもWebを使った新規顧客獲得が一般的となり、Web上での競争が一昔前よりも激化しています。そのため、SEO対策を行う際にも、誰もが思いつくようなキーワードでは検索上位表示させることが難しくなってきています。

本記事では、部品加工業を行う製造業がニッチなSEOキーワードをどのように見つけていけばよいのかを解説します。ニッチなキーワードの活用により同業者との競争を避け、発注者に自社のWebサイトを見つけやすくすることを目指します。この記事を通じて、読者が自社に最適なSEOキーワードを見つける手助けとなることを願っています。

製造業が対策するSEOキーワードの切り口は3つ

まずは製造業がSEO対策する際に最も効果が出やすいキーワードの切り口と、各切り口におけるキーワードの調査方法を解説します。

加工系キーワードの調査方法

製造業が最初に頭に思い浮かべるキーワードとしては「加工系キーワード」が多いのではないでしょうか。自社の事業内容を紹介する際、取り扱っている加工名を使用することが多いため、SEO対策を行う際にもはじめに思い浮かぶことが多いキーワードです。

発注者も加工系キーワードで発注先を探すことが多いため、加工系のキーワードは検索ボリュームが大きいものが多く、検索上位表示できれば多くの問い合わせを獲得することができます。しかし、誰もが思い浮かぶキーワードなだけあって、自社のWebサイトで対策するキーワードとして取り入れる企業が多く、競争過多になりやすいキーワードでもあります。競争を避けるためには、検索ボリュームが少なくてもなるべくニッチなキーワードを発掘できるかがポイントとなります。

調査方法1:抽象化・具体化

一つ目の調査方法は「抽象化・具体化」です。自社の事業内容を説明するために思い浮かんだ加工法を切り口に、その言葉を抽象化・具体化することでキーワードを広げていきます。具体化を行えば行うほど、キーワードはニッチなものになっていきますので、競争を避けたい方はできる限りニッチなキーワードを見つけましょう。

調査方法2:前後の工程を見る

抽象化・具体化によりリストアップした加工系のキーワードに対して、前工程・後工程へ広げることでキーワード候補を増やすことができます。さらに、前工程・後工程の各業務を抽象化・具体化することでキーワード候補はさらに増えます。

材質系キーワードの調査方法

次に思い浮かべる人が多いキーワードが「材質系キーワード」ではないでしょうか。特に特殊な材料などを加工している製造業者は、それが自社の特長となるため、SEO対策するキーワードとして採用している人も多いでしょう。

材質系キーワードは加工系キーワードよりも競争が穏やかな場合が多いですが、「ステンレス加工」や「チタン加工」などといった誰もが思いつくようなキーワードは競争過多になっており、検索上位表示が難しくなっています。こちらも、競争を避けるために、検索ボリュームが少なくてもなるべくニッチなキーワードを発掘できるかがポイントとなります。

調査方法 抽象化・具体化

材質系キーワードの調査方法も「抽象化・具体化」が有効です。抽象化する際は、材料の持つ特徴や機能に着目すると新たなキーワードの発見につながります。具体化する際は、材料の種類を細かく深掘りするとともに、一般名だけでなく、通称名やメーカーが付けた名称も考慮する必要があります。(そちらの名前で呼ばれているケースもあるため)

製品系キーワードの調査方法

3つの切り口の中で最も競争が激しくないのが「製品系キーワード」です。製品といっても最終製品ではなく、「シャフト」や「マニホールド」といった部材をイメージしてください。

部材名単体のキーワードだと「部材を購入したい」という検索需要になりますが、部材名+加工というキーワードにすることで「部材に使われている部品加工ができる業者を探している」という検索需要となり、SEO対策するキーワードとして採用する余地が生まれます。

他2つの切り口と比べると検索ボリュームの少ないキーワードが多いですが、競争を避けるという意味では十分に希望を満たす場合が多いため、調査してみることをおすすめします。

調査方法1:抽象化・具体化

製品系キーワードでもまずは抽象化・具体化を行ってみましょう。自動車のシャフト加工を行っている企業であれば、自動車部品加工(抽象化)、ドライブシャフト加工(具体化)といった具合です。

ただし、製品系キーワードは抽象化・具体化だけでは多くのキーワード発見につながりにくいため、調査方法2も行うことをおすすめします。

調査方法2:類似製品を調査→画像検索をする

同じシャフトでも使われている業界や分野によって呼称が変わることがあります。それぞれの業界・分野で使われているシャフト名をGoogleで画像検索し、自社で加工できそうなものをピックアップします。この際にChatGPTを活用すると効率的なので、ぜひお試しください。

以上、部品加工業がSEOキーワードをどのように見つけていけばよいのかについて解説しました。検索需要がないキーワードを選定しても意味がありませんので、リストアップしたキーワードは、検索需要があるか・ないかを調べたうえで選定しましょう。キーワードの選定方法についてはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:製造業のためのSEO対策・完全ガイド(サプライヤー・メーカー向け)

テクノポートでは、製造業のSEO対策において豊富な経験と実績を持っています。SEO対策でお困りの企業様はお気軽にご相談いただければ幸いです。

The post 製造業のSEOキーワードを3つの切り口から発掘する方法 first appeared on モノカク.

中小製造業が知っておきたい!ChatGPTの使い方と業務活用方法

マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、中小製造業におけるChatGPTの活用方法をテーマに取り上げます。注目度の高いChatGPTですが、具体的にどんなことができるのか、企業においてどんな使い方があるのかを、具体例も交えてお話しします。

ChatGPTとは?

ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能(AI)チャットボットで、人との自然な対話が可能です。OpenAIはAI開発研究所で、2015年にサム・アルトマンとTeslaのCEOであるイーロン・マスクが共同設立しました。

ChatGPTは、Transformerと呼ばれる学習モデルを使用した深層強化学習型のAIで、生成系AIとも呼ばれます。人間がAIの回答を評価し、それを元にAIが強化学習を行います。囲碁で人間に勝ったAlphaGoも深層強化学習で有名です。

ChatGPTは、発表されてからわずか40日で1,000万人以上の使用者を獲得し、公開からわずか2か月(2023年2月2日)で月間活動ユーザー数(MAU)1億人を突破しました。これは、インターネットが登場して以来、最も急速に成長したMAUの増加率です。

ChatGPTでできること・できないこと

ChatGPTは、自然言語処理を行うAIで、多言語の文章生成や翻訳などさまざまなことができます。ただし、ChatGPTには得意な分野と苦手な分野があります。ここでは、ChatGPTでできることとできないことを整理しておきます。

できること

以下は、ChatGPTが得意とする分野です。

  • 文章生成と翻訳:ChatGPTは、多言語で文章を生成できます。また、機械翻訳のレベルではありますが、自然な表現で翻訳可能です。
  • 質問応答:ChatGPTは、ユーザーのフリーな質問に対して、対話形式で回答できます。自然言語処理により、より自然な質疑応答が可能です。
  • 文章要約:ChatGPTは、長い文章を要約できます。また、文法的な誤りを修正することや、表現を言い換えることもできます。
  • 校正:ChatGPTは、文章の文法的な誤りを修正できます。
  • 表現の言い換え:ChatGPTは、対象にあわせた言い換えを提供できます。例えば、小学生にもわかる言葉などに言い換えることができます。
  • テキスト分類:ChatGPTは、文章をカテゴリやトピックに分類できます。大量のテキストデータを扱う場合に役立ちます。
  • プログラミング:ChatGPTは、プログラムに関する質問に答えることができます。コードのアイデアや、デバッグのヒントを出すことが可能です。
  • アプリケーションとの統合:ChatGPTはAPIとして利用可能で、他のアプリケーションと組み合わせて使うことができます。 

できないこと

以下は、ChatGPTが苦手な分野です。

  • 経験や感情の理解:ChatGPTは表層的な情報しか処理できないため、人間の感情や経験に対する適切な返答を提供できません。
  • 専門知識:ChatGPTは汎用的な自然言語処理モデルであり、特定分野の高度な専門知識を持ちません。
  • 画像/音声処理:ChatGPTはテキストベースの自然言語処理モデルであり、画像や音声などの非テキストデータを処理することはできません。
  • クリエイティブ性:ChatGPTは自然言語生成を行うAIですが、創造性や感性的な判断は持ちません。
  • 正確性:ChatGPTは訓練データに基づく自然言語処理モデルであるため、回答を誤ることがあります。特にあまり有名でない事実に関しては、誤った情報が提供される可能性があります。
  • 完璧な翻訳:ChatGPTは多言語の文章生成や翻訳ができますが、完全に正確な翻訳を保証することはできません。

ChatGPTの使い方とコツ

ここでは、製造業の現場で担当者が使えるChatGPTの使い方をご紹介します。

製品開発

ChatGPTは製品のアイデア出しや整理を行う際、補助ツールとして活用できます。製品の設計や素材選定にも応用可能です。例えば、ChatGPTに製品の特徴や性能、使用目的を教えることで、より効率的な設計や素材選定を行えます。

マーケティング

ChatGPTは、自社の製品やサービスの広告宣伝活動にも役立ちます。例えば商品サービスの宣伝をしたい場合、宣伝の目的やゴールを伝えることで、宣伝方法や媒体に関するヒントを教えてくれます。

また、ブログ記事やSNSの投稿文、営業資料を生成可能です。SEO対策やアンケートの分析にも活用できます。

カスタマーサポート

自社製品やサービスに関するカスタマーサポートへの応用展開も可能です。チャットボットなどの自動応答で、お客様からの質問に対して回答できます。お客様向けのFAQのネタ出しにも使えます。

ChatGPTは定性データの整理・分類も得意なので、お客様の声の分析にも活用可能です。

生産管理/品質管理

ChatGPTは工場の生産データの解析にも使えます。製品の欠陥率や不良品の原因などをデータ分析し、生産プロセスの改善に役立てられます。生産データの解析にあたっては、センサーで得られた温度や振動データなど、工場内の情報をChatGPT側にインプットする必要があります。データ収集を効率化するために、収集データを自動取得するマクロを組むこともできます。なお、有償版のChatGPTであれば画像データも扱えます。

ChatGPTは文章の自動生成が可能なので、各種マニュアルや手順書などを作る際にも役立ちます。

使い方のコツ

このように、ChatGPTは製造業の各種業務をサポートする便利な機能が揃っていますが、使い方によってはあまり多くの示唆を得られないこともあり、うまく使いこなすにはコツが必要です。

具体的には、質問の仕方を工夫する必要があります。ChatGPTでは、抽象度の高い質問をした場合、回答も一般的なものしか得られません。より具体的な答えを引き出すには、質問の目的や対象、コンセプトなど、前提条件を詳しくインプットする必要があります。

また、ChatGPTから出てきた答えを受け、さらに質問を重ねることで期待する答えに近づけることが可能です。

なお、ChatGPTの回答は間違っていることもあるため、回答をそのまま使うことはおすすめできません。ユーザー自身が回答の正誤を判断できる知識が必要になります。

ChatGPTの活用例

ここでは、業務に応用できるChatGPT活用例を紹介します。実際に質問した内容の回答とChatGPTの回答をスクリーンショットで画像化していますので、ChatGPTを活用する際の参考にしていただければと思います。

【製品開発の活用例】製品開発の素材ネタ出し

製品開発の素材選定を行うにあたり、ChatGPTでそのアイデア出しを行うことができます。そこで、人気商品の開発事例として公開されていた「コクのあるマヨネーズ開発(*1)」のお題にもあった、調味料の素材について、ChatGPTに答えを求めたらどうなるかを試してみました。

*1:https://j-net21.smrj.go.jp/special/popularfoods/2014032601.html

実際の開発現場にどの程度役に立つかは判断が難しいですが、アイデアが浮かばなくて困っている場合の壁打ちとしては使えるのではないでしょうか。

【マーケティング活用例】SEO対策記事

これは、本記事の企画の参考として試しにChatGPTに質問してみたもので、「製造業をターゲットにしたChatGPTの記事のテーマと記事タイトルを書いてもらう」というものです。

ChatGPTに複数候補を挙げてもらい、そこから最適なものをChatGPTに選んでもらうという使い方をしています。また、なぜそれを選んだかの理由もChatGPTに回答してもらいました。

【カスタマーサポートの活用例】不具合対応のFAQネタ出し

不具合対応の想定問答として、マウスを例にChatGPTにネタ出ししてもらったものです。今回の例は簡易的な質問を投げているだけなので、実際にはもう少し情報をインプットして行う必要があります。

逆に、このレベルの質問だと、この程度しか答えが得られないことがわかるので、そのあたりも参考にしてください。

まとめ

今回は中小製造業においてChatGPTを活用する方法について、どのような使い方ができそうか、ChatGPTでできることをご紹介しました。製品の開発からマーケティング、品質管理に至るまで、応用範囲は広いようです。

ただし、具体的な示唆を得るためには、質問の仕方を工夫する必要があります。業務にChatGPTを活用する場合、目的や答えを引き出すために必要な事前情報を整理することが求められます。また、正しい答えが得られるとは限らないため、利用者は正誤を判断できる知識も必要です。

活用の仕方によっては、複数の質問を繰り返し、答えをブラッシュアップさせる必要がある場合もあります。また、内容によっては人間が行う方が効率的な部分もあるため、どの部分にChatGPTを活用し、どこに人間の手を加えるかを探っておくことをおすすめします。

テクノポートは製造業のWebマーケティングを支援する各種コンサルティングサービスをご用意しています。お困りの際は、ぜひご相談ください。

The post 中小製造業が知っておきたい!ChatGPTの使い方と業務活用方法 first appeared on モノカク.