アクセス解析を可視化できるLookerStudioの使い方

こんにちは、テクノポートの渡部です。

今年の6月末でユニバーサルアナリティクスのデータ取得が終了し、完全にGA4への移行が完了したアクセス解析ですが、うまくGA4のデータを確認できていますでしょうか?見られるデータが変わり、管理画面も大幅に変わったので、管理画面で必要な情報を見づらくなったと感じている人もいるのではないでしょうか?今日はそんなGA4のデータをわかりやすく可視化できるツールである、LookerStudioについて解説します。

LookerStudioとは?

LookerStudioとは、Googleが提供しているデータを視覚化し、カスタムダッシュボードとレポートを作成するためのクラウドベースのビジュアルデータ分析ツールです。これを使うことで、GA4のデータを円グラフや線グラフ、見やすい表などにまとめることができます。また、期間設定もカスタムすることで、閲覧時に自動的に一定期間のデータを表示してくれる優れもので、時系列で定期的にレポートを見るアクセス解析と非常に親和性が高いツールです。

GA4の設定について

LookerStudioでアクセス解析をするにはまず、GA4の設定が必要です。GA4側でLookerStudioとの連携の設定をする必要はありませんが、まずアクセス解析のデータを取得できる状態にしておく必要があります。

GA4の初期設定については、下記の記事を参考にしてください。

UAからのアカウントの追加方法

LookerStudioの設定について

まずはLookerStudioにアクセスします。

https://lookerstudio.google.com/

Googleのアカウントが必要になりますが、無料で利用できます。メインビジュアルの下部にある「USE IT FOR FREE」から利用を開始します。

空のレポートを追加する

上部にある「空のレポートを追加する」を選ぶと、最初にどのデータソースを使用するかの選択が出ますので、最初に設定したGA4を選んで追加します。

また、サーチコンソールの設定もしている場合は、ここで一緒にサーチコンソールのデータも接続しておくといいと思います。

データを可視化する

1、タイトルと期間設定をする

まず最初にタイトルを設定します。上部のコントロールパネルからテキストや、図表などを選択して挿入できるので、各ページにわかりやすいタイトルを入れておきます。また、アクセス解析はどの期間のデータなのかが重要なので、「コントロールを追加」から期間を設定しておくと、その期間のアクセスデータを表示してくれます。設定方法も「先月」や「過去3か月分」といった設定ができます。アクセスした日付に応じて、最新のデータを表示することができるので便利です。

2、データを視覚化

初期設定が完了したら、グラフや表を作成します。アクセスの推移がどれくらいあるのかについてのデータは、時系列のグラフを使うと簡単にアクセス推移のグラフを作ることができます。

右側の欄にGA4のデータを選ぶところ(オレンジ枠)がありますので、見たいデータの項目をディメンション(グリーン枠)と指標枠(ブルー枠)にドラッグ&ドロップしていくだけでグラフが完成します。他のグラフを使うときも同様ですが、ディメンションが横軸、指標が縦軸のデータになります。

各ページに期間内にどれくらいのアクセスがあったかについては、一番上にある表を使うとわかりやすい表を作成できます。縦軸横軸ではないので、グラフと少し仕様が違いますが、基本的にはディメンションごとに指標の数値がどれくらいあるのかの表を作ることができます。

また、サーチコンソールのデータ連携もしている場合は、データをGA4からサーチコンソールのデータに切り替えることで、サーチコンソールのデータも表にして同じレポート内にまとめることができます。

3、共有と公開

作成したレポートは、共有設定でgoogleアカウントを招待すれば、直接データにアクセスできるようにもなりますし、1枚のシートは横向きのA4サイズになっているので、PDF化して印刷するには丁度良くなっています。

まとめ

今日ご紹介した時系列グラフや、表の他にもアクセスの比率を可視化する円グラフも作ることができますし、細かく設定をすれば自社に必要なデータをわかりやすく可視化することができます。GA4の管理画面や、探索レポートよりもわかりやすくアクセス解析を可視化できますので、ぜひ一度LookerStudioとの連携に挑戦してみてください。

サンプルのモノカクのアクセスレポートを下記からダウンロードできますので、気になった方はダウンロードしてみてください。

モノカクGA4レポートダウンロード

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これだけ設定しておけばOK!製造業WebサイトのGA4・探索レポート設定

テクノポートの徳山です。Google Analyticsの新バージョンであるGA4への完全移行期間が2023年6月末と迫っていますが、移行の準備はお済みでしょうか?旧バージョンであるUniversal Analytics (UA)と見た目も機能もガラリと変わってしまい、戸惑っている方も多いと思います。

そこで今回は、製造業Webサイトが最低限行っておきたいGA4の探索レポート設定方法についてご紹介します。なお、GA4の基礎知識について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

GA4の探索レポートとは

GA4の探索レポートは、取得したさまざまなデータを掛け合わせたり、絞り込んだりして深掘りを行うためのレポートを簡単に作成できる機能です。GA4ではレポートフォーマットがいくつか準備されており、そのフォーマットをベースに探索レポートを作成することにより、ユーザーの行動や傾向を詳細に理解することにつながります。

例えば、ランディングページ(ユーザーが最初に閲覧したページ)とアクセスユーザー数やコンバージョン数を掛け合わせれば、どのページから流入したユーザーがどれぐらいの母数で、コンバージョンに到達したユーザーがどのぐらいの割合なのかが一目で分かるレポートを作ることができます。

※コンバージョンとは、特定の目的やアクションを達成することを指します。具体的には、Webサイトに訪れたユーザーが、コンタクトフォームから問い合わせや、資料ダウンロードを行うことがコンバージョンの例です。

探索レポートは視覚的で、ドラッグ&ドロップでレポートを作り上げることができます。しかし、掛け合わせることができるデータ(指標)の種類が多く、また一目では何のデータなのかがわかりづらいため、初めてレポートを作成する際に困惑した方も多いのではないでしょうか。

探索レポート活用のポイント

製造業者がGA4の探索レポートを活用するポイントとして、以下の2点が重要であると筆者は考えます。

1. 必要なデータだけに焦点を絞る

製造業者がGA4を活用する際に難しさを感じる理由として、Webサイトを解析する上で「いらない機能が多すぎる」ことが挙げられます。GA4では、ユーザー属性(例えば、地域、年齢、性別など)や時間帯別のアクセス数などもデータ取得できます。こうしたデータはBtoCのWebサイトでは役にたつかもしれませんが、BtoBのWebサイトを解析するうえで必要なデータの種類は限られています。そのため、ある程度着目するデータに焦点を絞って分析を進める必要があります。

2.コンバージョンしたユーザーに焦点を当てる

弊社ではこれまでに数多くの製造業Webサイトの解析を行ってきましたが、最も効果が出やすい解析方法は「コンバージョンしたユーザーに焦点を当てた分析を行うこと」です。コンバージョンしたユーザーはどのチャネル(検索エンジン、広告、SNSなど)から流入してきたのか、最初に閲覧したページはどこか、どのようなページを遷移してコンバージョンに至ったのか、といった具合にコンバージョンしたユーザーを起点にデータを解析し、改善につなげていきます。

以上のポイントを踏まえれば、自ずと作成する探索レポートは見やすくシンプルなものとなります。いくら複雑にデータを掛け合わせたレポートを作成したとしても、そこから改善につなげることができなければ意味がありません。製造業者がGA4を活用する初期の段階では、上記ポイントに従ったシンプルなアクセス解析から始めることをおすすめします。

探索レポート例

前述した活用ポイントを踏まえたうえで、おすすめの探索レポート例をいくつかご紹介します。

事前準備

コンバージョンしたユーザーを中心に分析を行うため、まずはコンバージョンしたユーザーのデータを取得できるよう準備をしておく必要があります。管理画面左下の管理メニューから「イベント」を選択し、以下の手順で設定をお願いします。

イベントから「イベントを作成」をクリック

パラメータの設定を行う

カスタムイベント名は自由に記載して大丈夫です。
一つ目の「一致する条件」には以下を設定してください。
パラメータ:event_name
演算子:次と等しい
値:page_view

二つ目の条件として以下を設定します。
page_location
演算子:次と等しい
値:問い合わせ完了時に表示されるページのURL

上記が完了すると、既存のイベントに加えて、設定したイベントが表示されるようになります。右側に「コンバージョンとしてマークを付ける」がありますので、設定したイベントをチェックするようにしてください。これで事前準備は完了です。

チャネル別評価レポート

ユーザーがどのチャネルから流入したかを見るためのレポートです。このレポートを見ることで、どのチャネルがユーザーの獲得に貢献しているのか、どのチャネルから流入したユーザーがコンバージョンしたのかを判別できます。

SEO対策、広告、SNSなど複数の集客施策を行っている企業であれば、チャネルごとの評価を行うことで、どのチャネルに注力すべきかの判断材料にできます。

当レポートの設定方法は以下のとおりです。

手法

自由形式を選択

行に設定する項目(ディメンション追加後に設定)

  • 最初のユーザーのデフォルトチャネル グループ
  • ユーザーの最初の参照元

列に設定する項目(指標追加後に設定)

  • 総ユーザー数
  • 新規ユーザー数
  • コンバージョン
  • ユーザーコンバージョン率

ランディングページレポート

ユーザーがどのページから流入したのかを見ることができるレポートです。このレポートを見ることで、どのページがユーザーの獲得に貢献しているのか、どのページから流入したユーザーがコンバージョンしたのかを判別できます。

コンテンツマーケティングで記事を量産している企業であれば、ページごとの評価を行うことで、どのような種類のページを増やせばコンバージョンが増えるかの判断材料にできます。

当レポートの設定方法は以下のとおりです。

手法

自由形式を選択

行に設定する項目(ディメンション追加後に設定)

  • ページタイトルとスクリーン名

列に設定する項目(指標追加後に設定)

  • 表示回数
  • 閲覧開始数
  • コンバージョン
  • ユーザーコンバージョン率

目標達成経路レポート

ユーザーがコンバージョンに到達するまでに、どのような経路をたどったのかを確認できるレポートです。ユーザーをスムーズにコンバージョンさせるための導線整理に役立てたり、コンバージョンしたユーザーが閲覧するページの傾向を分析したりすれば、これから増産していくべきコンテンツのヒントをつかむことができます。

当レポートの設定方法は以下のとおりです。

手法

  • 経路データ探索を選択

ステップの設定

  • はじめにレポート上部の「最初からやり直す」を押す
  • 終点>イベント名>設定したコンバージョン名を選択していく
  • 終点以前のステップを「ページタイトルとスクリーン名」に変更
  • ページタイトル名をクリックしていくと、目標達成に至るまでの経路がわかる

離脱ページ確認レポート

ユーザーがどのページで離脱してしまったのかを確認できるレポートです。このレポートは、閲覧開始数とセットで見ることが重要で、「閲覧開始数−離脱数」を見てみて、マイナス幅の大きいページを中心に改修を検討します。

注意してほしい点としては、閲覧開始数が多いページは必然的に離脱数が高くなる傾向があるため、絶対数で比較しないことです。また、問い合わせ完了ページなどは閲覧開始数−離脱数のマイナス幅が高くなるのは当然のことなので、良い離脱と悪い離脱を判別したうえでレポートを見る必要があります。

当レポートの設定方法は以下のとおりです。

手法

自由形式を選択

行に設定する項目(ディメンション追加後に設定)

  • ページタイトルとスクリーンクラス

列に設定する項目(指標追加後に設定)

  • 表示回数
  • 閲覧開始数
  • 離脱数
  • ユーザーあたりのビュー

まとめ

以上、製造業Webサイトが最低限行っておきたい探索レポートの設定方法についてご紹介しました。本文中にも書いたとおり、製造業Webサイトでは「コンバージョンしたユーザー」に焦点を当ててアクセス解析を行うことが有効です。小難しい分析を行う前に、まず試してみていただければ幸いです。

テクノポートでは、製造業のためのGA4運用支援サービスを行っています。自社だけでは運用ノウハウや人的リソースが足りない、といった課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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製造業のためのGA4活用講座 〜運用・設定編〜

こんにちは、テクノポートの渡部です。前回、製造業のためのGA4活用講座 〜戦略編〜でUAからGA4に切り替えについて、どのように変わるのか、同様な戦略を立てて解析を行っていけばいいのかについて解説しました。今回はその戦略に従ってGA4をどのように運用していけばいいのかについて解説します。

GA4の初期設定については、こちらの記事で解説していますので、まだ設定が完了していないという方は、こちらを参考にGA4の設定をしてみてください。

イベントとは?

前回の記事で紹介したように、GA4ではイベント(ユーザーの行動)単位で分析を行う、という仕様に変更となりました。イベントとは、ウェブを閲覧しているユーザーが起こした何らかのアクションのことです。UAではページビュー数や平均ページ滞在時間などざっくりとした情報しか得られなかったのに対して、GA4ではそれらに加えて、ページを最下部までスクロールしたかどうか、設置してある外部へのリンクをクリックしたかどうかなど、より細かなユーザーの行動データを取得できるようになりました。

ウェブの解析で初期設定されている代表的なイベント

UAではこのようなイベントを計測するためには別途設定が必要でしたが、GA4では設定をしなくても計測できるようになっています。解析の際に使用する初期設定されている主なイベントをいくつか紹介します。

page_veiw

UAにおけるページビューにあたるイベント。そのページが読み込まれた回数。作成しているページがどれぐらい見られているかの最も代表的な指標。

session_start

ユーザーがウェブサイトを閲覧開始したときに計測されるイベント。どのユーザーもまずはここからイベントが始まることになる。

first_visit

ユーザーがウェブサイトを期間内に初めて訪問したときに計測されるイベント。先述の「session_start」も一緒に計測される。

user_engagement

これまでにあった平均滞在時間に代わるイベント。UAの場合、そのページと次のページの差分で表示されていたため、ドメイン内の次のページへの遷移がないと0秒になってしまうという欠点があった。一方、GA4はその問題点を解消し、1秒以上表示されると計測を開始し、ブラウザやタブを閉じても差分で計測されるため、実際の時間に近い値が取得できるようになった。値はイベントが起きた単純な数と時間で計測される。page_viewと比較し、乖離が大きい場合は、1秒以上表示されていないpage_viewが多いことになる。

scroll

ユーザーが各ページの最下部まで(基本は90%まで)初めてスクロールしたときに計測されるイベント。90%以外の比率でも計測できるが、Google Tag Managerとの連携設定が必要になる。作成したコンテンツが最後までしっかり閲覧されているかを把握できるようになった。

click

ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックしたときに計測されるイベント。UAの場合、他のサイトへのバナーやテキストリンクを設置し、どれくらいクリックされたかを計測するには、その先のUAのデータを見るしかなかったが、GA4ではリンク元のGA4で計測できるようになった。

file_download

ユーザーがファイル(通常の拡張子を持つファイル)に移動するリンクをクリックすると記録されるイベント。サイト内にPDFファイルを設置している場合、閲覧数を計測するには別途設定が必要だったが、GA4では初期設定されているイベントで計測できるようになった。代表的なファイルタイプは下記参照で、他にも一般的なファイルの拡張子は基本的に計測される。

[pdf][xlsx][docx][txt][csv][exe][zip][mov][mp4][mpeg][wmv][midi][mp3][wav]

自社のウェブサイトで必要なデータを取得するためのレポートを作成する

先述したイベント情報はGA4の管理画面から確認することができますが、GA4では探索レポートで作成しておくと、該当のデータを探すことなくすぐに確認できます。カスタムイベントなどでデフォルトで計測できるイベント以外のイベントを設定することもできますが、その設定を反映させるためには別途Google Tag Managerの連携が必要になる場合が多いです。今回は、GA4で設定だけで出力が可能なレポートを紹介します。

記事の質を確認する

自由形式のレポートで作成します。

セグメント

ユーザーセグメントでユーザー:organicを含む

※SEOで集客したユーザーに絞っていますが、全体でもいいと思います。

ディメンション

ページタイトルとスクリーンクラス、イベント名

指標

イベント数

に「ページタイトルとスクリーンクラス」、に「イベント名」、に「イベント数」を設定します。

コンテンツマーケティングをしていると、量産した記事のうち、どの記事の質が良いのかというのはなかなか視覚化しづらいものです。ただPV数が多いという理由だけでその記事の評価をするのではなく、しっかり読まれているかどうか、集客につながっているかどうかなど多角的に評価できるレポートです。

問い合わせをした人がどの様な経路をたどったかレポート

経路データ探索のレポートを作成します。セグメントなどは特に設定しなくても構いません。

に「総ユーザー数」を設定。

一度「最初からやり直す」をクリックし、終点にお問い合わせのページを設定します。

お問い合わせのページにどのページから遷移してきたかが分かるため、コンバージョンにつながる前にどの経路をたどっているのか、また、直にお問い合わせにつながりやすいのはどのページなのかがわかります。

チャネル別評価レポート

自由形式のレポートで作成します。

ディメンション

セッションのデフォルトチャンネル

指標

総ユーザー数、新規ユーザー数、直帰率、セッションあたりの平均エンゲージメント時間、エンゲージメント率

に「セッションのデフォルトチャンネル」、に指標で設定した5つを設定します。

集客チャネル別のユーザー数だけでなく、それぞれの集客チャネルでどのような傾向があるのかを見ることができます。この中にあるエンゲージメントとは、そのページで何らかのアクションがあると「エンゲージメントがあった」と計測されます。直帰率の逆数になるので、どちらか好きな方を参考にしていただく形で構いません。

GA4と上手く付き合ってより詳しいアクセス解析を

GA4のアクセス解析の手法が変わって戸惑っている方も多いかと思いますが、探索レポートを使いこなすことができれば、これまでよりもより詳しくウェブサイトのアクセス解析を行えます。テクノポートでは2023年7月までにGA4への移行作業を円滑に行うための「GA4導入および運用支援のサービス」も行っておりますので、ご用命の方はお気軽にご連絡ください。

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製造業のためのGA4活用講座 〜戦略編〜

テクノポートの徳山です。各方面でアナウンスがあるので皆さんご存知かと思いますが、Googleアナリティクスは、次世代のアナリティクスであるGA4への完全移行が決定しました。既存のGoogleアナリティクスは2023年6月末で使えなくなるため、2023年7月1日までにGA4への切り替えを行う必要があります。

そこで今回は、GA4をBtoB製造業のWebサイトでどのように活用していけばよいのかについて解説します。なお、本記事はGA4活用のための戦略の立て方やKPIの設定方法について解説します。具体的なGA4での設定方法などについては、後日アップ予定の「運用編」の記事をご覧ください。

既存のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)とGA4の違いを理解しよう

まずは既存のGoogleアナリティクスであるユニバーサルアナリティクス(以下、UA)とGA4の違いについて解説します。

GA4で新たにできるようになったこと

GA4で新たにできるようになったことは以下のとおりです。

  • 同じユーザーがアプリとウェブをまたいだ場合でもデータを計測できるようになった
    →BtoB製造業でアプリの運用を行っている企業はほとんどいないため、恩恵はないと思われます。
  • Googleの機械学習による予測機能蓄積したデータを分析することで、ユーザーの今後の行動を予測し「購入の可能性」「離脱の可能性」「収益予測」が計測できるようになった
    →GA4のAIがどれほどの予測精度が出せるのかについては、現時点においてまだ分からない状況のため、何とも言えないところです。
  • プライバシーを重視したデータ収集として、GA4は国際的なデータ規制を準拠したツールになった
    →こちらはサードパーティCookieの廃止の流れを考慮し、今後はCookieではなく、Googleシグナルという独自の個人認証の方法を採るとのことです。これによりGoogleアナリティクスで表示されるデータの精度が悪くなることが予測されます。

GA4とUAの違い

次に、GA4とUAの違いについて解説します。

分析単位の変更

GA4とUAの最も大きな変更点として、分析単位の変更が挙げられます。UAでは、訪問やページ単位で分析を行っていましたが、GA4ではイベント(ユーザーの行動)単位で分析を行う、という仕様に変更となりました。

これまでUAでは、最初に閲覧したページだけWebページを見てWebサイトを離脱してしまったユーザーをすべて直帰ユーザーとして評価していました。

そのため、以下の1・2どちらのユーザーも直帰ユーザーとして同等に評価するしかありませんでした。

  1. Webページを開いて一瞬で閉じたユーザー
  2. 最後までスクロールして記事をじっくり読み、設置してある動画を10分見て、最終的にWebページ内に設置している資料をダウンロードしたユーザー

しかし、これらのユーザーを同じ評価にすることは間違っているとの考え方から、分析単位の変更が行われました。これに伴い、これまでは重要視していた「直帰率」という指標はデフォルトの設定では見られなくなりました。

GA4は「イベント」単位で計測

前述した理由により、GA4ではユーザーの行動をイベント単位で計測する仕様になりました。UAでもユーザー単位の評価を行うために、クリックやページのスクロールを計測するためのイベントを設定することは可能でしたが、Googleタグマネジャーの導入や測定のためのコードを書くなど、実装難易度が高いというハードルがありました。

GA4では、デフォルトの機能として計測できる「イベント」が多く実装されていたため、ユーザー単位の分析や改善の難易度が大きく下がりました。

その代わり、UAでは何となく計測できていたデータが、GA4では「どのような行動を取ったユーザーを評価すべきか」といった戦略を持ち、GA4内でさまざまな設定を行わないと、改善につながるデータ測定につなげられなくなりました。

GA4の設定を戦略的に行うための流れ

それでは次に、GA4の設定を戦略的に行うためにどのような手順で準備を進めていけばよいのかについて解説していきます。

KGIを決める

まずはKGI(Key Goal Indicator)を決めていきます。KGIとは、ビジネスゴールを定量的に示した指標のことです。どのような指標をKGIに設定すべきかについてですが、BtoB製造業のWebサイトであればほとんどの場合は「コンタクトフォームの送信数」や「資料のダウンロード数」になるのではないでしょうか。

他には、会員登録機能のあるWebサイトであれば「会員登録数」、サービスサイトに送客するためのオウンドメディアを運用している場合では、「オウンドメディアへの送客数」をKGIに設定するのがよいと思います。

KGIを達成するための施策を考える

KGIが決まったら、次にKGI達成のための施策を洗い出していきます。例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 質の高い記事を量産しユーザーの満足度を高める
  • KGI達成の貢献度が高い集客チャネルにリソースを集中投下する
  • 導線を整理しユーザビリティを高める

施策案を洗い出したら、施策を評価し実際に実施する施策の選定を行いましょう。評価は以下の視点で行うことをお勧めします。

  • KGI達成に貢献するか
  • 改善によって施策のパフォーマンスが上がるか
  • 効果測定できるかどうか

施策ごとの評価方法やKPIを決める

KPI(Key Performance Indicator)とは、KGIを達成するための重要な業績評価の指標のことです。前ステップで採用された施策を評価するための指標をKPIとして管理していきます。

例えば、「質の高い記事を量産しユーザーの満足度を高める」施策であれば、KPIとして読了率(スクロール率)を設定するのがよいでしょう。また、質の高い記事=集客力の高い記事と定義するのであれば、検索エンジンからの流入数(閲覧開始数)をKPIに設定してもよいと思います。

この後にGA4で設定を行う作業がありますので、GA4で計測できるデータをKPIに設定しましょう。KPIが複雑でGA4を管理する手間がかかりすぎる場合などもあるので、その辺りも注意したうえでKPIの設定を行ってください。

GA4でデータが取れるように設定する

最後に、GA4で欲しいデータを取得できるよう設定していきます。具体的にイベントの内容をセグメント分けして、探索レポートを活用しKPIを視覚的に評価しやすいよう設定していきます。

これらの設定方法に関しては、別記事(運用編)で解説する予定です。

以上、BtoB製造業がGA4を活用するための戦略の立て方についてご紹介しました。テクノポートでは2023年7月までにGA4への移行作業を円滑に行うための「GA4導入および運用支援のサービス」も行っておりますので、ご用命の方はお気軽にご連絡ください。

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今更聞けない Googleアナリティクスでチェックするポイント

製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。
GoogleアナリティクスはWebサイトのアクセス状況を把握するために有効なツールです。Googleアナリティクスをうまく活用できれば、Webマーケティングを成功に近づけることができます。
今回の記事では、Googleアナリティクスの使い方やデータの見方、チェックすべきポイントを紹介します。

アナリティクスとは

アナリティクスはGoogleが提供するWebサイトのアクセス状況を分析できるツールです。アナリティクスでは、ユーザーの属性や訪問ページ、広告の効果などさまざまな指標を分析できます。

最初にやるべきこと

アナリティクスの導入の仕方や、どんな設定をすべきか解説します。

アナリティクスの導入の仕方

以下の手順でアナリティクスを導入します。

1.Googleアカウント登録
2.アカウント名、プロパティ名を設定し、通貨などを選びます。
3.「詳細オプションを表示」をクリックし、「ユニバーサルアナリティクスの作成」をクリック
4.ウェブサイトのURLを入力
5.ビジネス規模と利用目的を選択
6.規約に同意

レポートを出す期間を設定

レポートを出す期間は、デフォルトでは1日単位で過去1週間分になっています。分析したい任意の期間(1ヵ月、3ヵ月、半年、1年など)に変更します。

見るべき項目

アナリティクスの何を見て分析すればいいのか、基本的な指標を紹介します。 「ユーザーサマリー」と「目標サマリー」の画面で確認できます。

アクセス数

アクセス数は、Webサイトにどのくらいのユーザーが訪問したかを示しています。サイトを訪問した数はセッション数といい、同じユーザーであっても時間をおいて訪問したら、セッション数は2となります。
訪問した人数はユーザー数で確認できます。

どこからの流入か


集客のチャネルでは、流入経路を確認できます。ユーザーは検索エンジンや、広告、SNSなどさまざまな経路で訪問します。
集客のチャネルでは流入の種類を分類して表示されるのが特徴です。

・organic search
自然検索といわれ、GoogleやYahooなどの検索エンジンの結果からの流入です。 SEO対策の効果を測るために適した指標です。

・direct
Chromeなどのブラウザのブックマークや、直接URLを入力しての訪問です。その他、社内SNSからの流入や、メールの署名欄からのリンクなどが挙げられます。

・referal
別のサイトに貼られているリンクからの流入です。 どのようなサイトに貼られたリンクから流入が増えているのかを分析し、掲載するコンテンツやキーワードを考えていきます。

・social
TwitterなどのSNSからの流入です。 各SNSからの流入数やセッション数、ページビューも確認できます。
流入数が少ないSNSが分かるので、投稿を増やしたり、コンテンツを追加したりするなどして対策しましょう。

ランディングページ


ランディングページは、ユーザーが最初にアクセスしてきたページです。アナリティクスでは、サイト内のどのページに最初にアクセスしたか、その回数などを確認できます。
ランディングページはサイトに興味を持ってもらうために重要なページです。
いい情報がなかったり、見にくいページだったりすると、ユーザーはランディングページから離脱してしまいます。これを「直帰」といい、その割合を直帰率といいます。
直帰率が高い場合は、ランディングページの改善をして、見やすくしたり、使いやすくします。

ページ


サイト内の各ページのユーザー数を確認できます。
最も見られているページの更新をすると多くのユーザーに情報を届けることができます。

その他に見ることができる項目

基本は、アクセス数や流入経路をまずは分析します。その他に参考となる指標を紹介します。

アクセスの媒体

どんなデバイスを使ってアクセスしているのかを分析できます。PCなのかスマホなのか、その比率を知ることができます。

アクセスの場所

地域をみることで都道府県別のアクセス数をみることができます。

設定していれば見ることができる項目

他にも設定していれば見ることができる項目があります。Webマーケティングの分析に役に立つ項目を紹介します。

イベント

イベントとは、ユーザーがサイト内で起こす行動です。
イベントを設定していると、技術資料のPDFをダウンロードしたかどうかやリンクのクリック数も計測できます。

コンバージョン

目標サマリーではコンバージョン数を確認できます。商品を購入したかどうか、会員登録してくれたかどうかなど、Webマーケティングの目的といえる指標なのでこまめにチェックしましょう。

全てを見る必要はない

アナリティクスでは多くのデータを取ることができます。しかしながら、最初から全てのデータを見ても活用の仕方が分からない場合が多いです。
まずは、アクセス数や流入経路などの基本的なデータの確認からはじめましょう。慣れてきたら、考察のために詳しくデータを見ていき、Webサイトの改善をしていきます。

アナリティクスは2023年7月にサービス終了

アナリティクスは2023年7月に終了予定で、その後は新しい解析ツールである「GA4(Googleアナリティクス4)」に切り替わります。
GA4はSNSや埋め込み動画などの分析も可能な解析ツールで、アナリティクスから大きく変わっています。

まとめ

アナリティクスでチェックするポイントについて解説しました。Webマーケティングを行ううえでアナリティクスは必須のツールです。
更新したコンテンツの効果を分析し、改善していくことができます。
まずは基本的な項目から使い始めて、必要に応じて分析する指標を増やしていくといいでしょう。

テクノポートではサイトの分析やSEO対策など、さまざまな角度からお客様のWebマーケティングを支援できます。気になる方はお気軽にご相談ください。

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2020年10月にGA4にアップデートされたgoogleアナリティクスの設定方法

こんにちは、テクノポートの渡部です。少し前のことになりますが2020年10月にGoogleアナリティクスが大幅にアップデートされ、試用版が続けられていたGA4が正式にリリースとなりました。管理→プロパティ→GA4 へのアップグレードと自分からアップデートしないといけないため、手間がかかりますので、現状のまま使っている人も多いかと思いますが、今回は、今後移行が進んでいくと思われるGA4についてと設定の仕方について解説します。

GA4のアップデートの内容

GA4アップデートにおける機能の変更点は大きく分けて3点。AIによる機械学習の機能やプライバシー問題に対応するなど、より現代のマーケティングに特化した機能が特徴です。

アプリとWebのクロスプラットフォーム分析

昨今、自社の情報を発信するプラットフォームとして、Webサイトだけでなく専用のアプリを開発するケースが多くなってきました。GA4ではアプリとWebにおけるユーザー行動データを統合し、デバイスやチャネルをまたいで複雑化するカスタマージャーニーを一元的に分析できます。

機械学習による成果改善のための予測とアクション

膨大なアクセスデータを元にAIが機械学習し、アクセスに大きな変動があった場合には、より効果的な広告を出稿できるような提案がGoogleからお知らせとして届くようになりました。

プライバシーファースト

プライバシー規制の強化で、必要となるユーザーデータの保護に対応しています。「Google シグナル」の活用により、ユーザーのインサイトを把握するための信頼性の高い環境が実現しました。

実際に変更してアクセスデータを見ると、管理画面が以前のバージョンと異なるものになっています。これまでのアクセス解析の見方に慣れていた人には、必要な情報を探すのにはかなり戸惑うかもしれません。

追加の仕方、戻し方

すでにGoogleアナリティクスを導入している方は、アップデートを実行することでGA4を使用できます。以前使用していたプロパティを選択することで、従来のアナリティクスに戻すことが可能です。

追加の仕方

まずはプロパティ画面からGA4へアップデートを選択します。

  • タグマネージャーを利用の場合は、Googleタグマネージャーのタグ追加から、タグタイプ「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択し、「測定ID」にGA4のIDを追加すると計測が開始されます。
  • グローバルサイトタグの場合は、タグをコピーしてヘッダーの中に埋め込みます。

戻し方

プロパティの選択画面から、元のアナリティクスのプロパティを選択すれば、以前使用していたデータを閲覧できます。GA4追加後、すべてが切り替わったように見えますが、現状のアナリティクスに加えて新たにGA4のプロパティを追加しただけなので、戻すのも比較的容易です。

新規追加の方法

これから新たにGoogleアナリティクスを導入する場合には注意が必要です。新規に追加する場合、自動的にGA4が選択されるようになっています。そのまま設定を進めてしまうと従来のアナリティクスが設定されず、GA4のみが設定されてしまいます。最初は従来のGoogleアナリティクスを使用するのがおすすめです。下記の手順から設定してみてください。

1、プロパティ名、国、通貨を選び、「詳細オプションを非表示」をクリックして詳細オプションを表示させます。

2、「ユニバーサルアナリティクスプロパティの作成」の右側のバーをONにし、ウェブサイトのURLを入力します。GA4のプロパティも作成する場合は、両方作成するにチェックを入れましょう。

GA4に変えるべきか?

新しくなったGA4は「Webとアプリとの双方向のアクセス」や、「Google広告との連携による効率アップ」が主なアップデートの目的です。主にBtoBで、Webサイト運営だけで、広告運用も考えていないという方は従来のアナリティクスで問題ないかもしれません。

ただ、今後はGA4が主流になる可能性があるので、備えあれば憂いなしです。アクセスに関しては、設定後にデータがたまるようになっています。従来のアナリティクスを使用しながら、データの取得を徐々に始めていくのがおすすめです。GA4に関しては運用が始まったばかりなので、有用なデータの使い方がわかりましたらまたお知らせします。