BtoB企業のSNS活用事例12選と成功の秘訣

テクノポートの廣常です。ソーシャルメディアの利用者数増加に伴い、SNSを活用してマーケティングを行う企業が増えてきました。

SNSマーケティングを成功させるためには、運用前に目的とターゲットを決めておく必要があります。本記事では、BtoB企業、特に製造業のSNSの活用事例も交えて、SNSマーケティングを成功させるためのポイントを紹介します。

BtoB製造業におけるSNSマーケティング事情

SNSマーケティングとは、TwitterやInstagramのいったSNSを活用したマーケティングのことを指します。

SNSマーケティングを導入する企業は増加傾向にあり、株式会社Faber Companyの調査によると、BtoB企業で最も活用されているSNSはYouTubeであるといわれています。他にも主流として扱われているTwitter、Instagramと併せて、BtoB製造業での活用事例をご紹介します。

BtoB製造業のSNS事例① YouTube

石井精工様(金型設計・製造)

石井精工様は、ゴム金型からゴム成形品の製造まで行うBtoB企業です。公式YouTubeチャンネルでは、金属加工に関する解説や、機械加工のノウハウが動画で公開されています。町工場ならではの商品開発についても注目です。

YouTubeチャンネルURL:https://www.youtube.com/channel/UCkzzDcOkhixAz93gzT5bITA/featured

アルビテクノロジー様(工作機械の代理店販売)

アルビテクノロジー様は、工作機械の代理店販売や加工技術コンサルティングなどを行っています。YouTubeチャンネルでは、主力製品であるHyperMILL(CADCAMソフトウェア)の機能や使い方の動画を投稿しており、細かい操作方法を視覚的に理解できます。

YouTubeチャンネルURL:https://www.youtube.com/channel/UCRDx5UZocpOXhUOIjY74z7g

MIRAI-LABO様(省エネ技術の研究開発)

MIRAI-LABO様は、CO2削減に関するシステムや省エネ型LEDなど、最先端の省エネ技術を研究・開発しています。YouTubeチャンネルでは、自社製品の紹介や環境用語の解説動画などを投稿。動画には随所にユーモアが盛り込まれており、視聴者を飽きさせない工夫がされています。

YouTubeチャンネルURL:https://www.youtube.com/channel/UClmM1ota5-amRlDjYAcqk8g

榊原工機様(部品加工)

榊原工機様は工作機械の部品加工を中心に、金属製品や部品の加工を行っています。You Tubeチャンネルでは会社の説明をはじめ、機械加工の様子を動画で公開。旋盤や測定器の使用用途なども動画で分かりやすく解説しています。

YouTubeチャンネルURL:https://www.youtube.com/channel/UCIhktvNTeTej8hJeoeKHvXQ

YouTube活用のポイント

自社製品や技術を紹介する上でYouTubeは最適なプラットフォームです。例えば、加工の様子を文章から読み取るのは難しいですが、動画であれば視覚的に理解しやすくなります。製造業でYouTubeチャンネルを持っている企業はまだ少なく、動画の検索上位を狙えるチャンスでもあります。

製造業のYouTube活用事例については、以下もご参考ください。

BtoB製造業のSNS事例② Twitter

木村鋳造所様(鋳造)

木村鋳造所様は発泡スチロール模型や、3Dプリンタを使用した鋳物を製造する企業です。TwitterとFacebookを運用しており、発泡スチロール模型の写真、製造工程、イベント情報など幅広く情報発信をしています。Twitter上では、他企業やTwitterユーザーとのコミュニケーションを積極的にはかっています。

TwitterURL:https://twitter.com/KimuraFoundry

栗原精機様(金属加工)

栗原精機様は、金属の精密切削加工を得意とするBtoB製造メーカーです。Twitter、Instagramを運用しており、SNSマーケティングに注力。社長自らが発信しているTwitterアカウントが存在し、「おやっさん」との愛称で親しまれています。

栗原社長はTwitterを通じて採用活動にも成功しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

TwitterURL(公式):https://twitter.com/KURIHARASEIKI
TwitterURL(栗原社長):https://twitter.com/krige09

松浦製作所様(切削・微細加工)

松浦製作所様は、切削を中心とした高精度な加工を得意とする金属加工メーカーです。Twitterでは、加工品の写真が数多く掲載されているだけでなく、機械加工の様子も動画で公開されています。Twitterユーザーとの交流も積極的で、質問や相談も随時受け付けています。

TwitterURL:https://twitter.com/bisai_matsuura

フセハツ工業様(ばねの製造)

フセハツ工業様は、ばね製品を製造・試作を行っています。Twitterでは各種ばねの紹介と、ばねの製造過程が動画で掲載されています。投稿に反応してくれたTwitterユーザーのツイートを積極的にリツイートしている点が特徴的です。

TwitterURL:https://twitter.com/fhk2014_kk

Twitter活用のポイント

自社製品やイベント告知だけでなく、日常的な発信を混ぜることがTwitter活用のポイントです。日常の部分が垣間見えることで、Twitterユーザーは親近感を抱くようになります。また、他企業と積極的に交流することで、自分の会社を多くの人に知って貰えるチャンスにもなります。

BtoB製造業のSNS事例③ Instagram

HILLTOP様(機械加工)

HILLTOP様は自動車部品や航空機部品などの金属加工を行う加工メーカーです。Instagramをはじめ、5つのSNSを運用しています。Instagramでは加工部品の写真とともに、部品サイズ、材質、表面処理の有無などの情報が掲載されています。

InstagramURL:https://www.instagram.com/hilltop_corp/

富士産業様(金属加工)

富士産業様は、鉱物販売や工業製品の金属加工を得意とする加工メーカーです。Instagramでは、真鍮を中心とした加工品の写真や、実際の製造過程が動画で掲載されています。アクセサリーから焚き火台まで、加工品のラインナップが豊富です。

InstagramURL:https://www.instagram.com/fujisanngyo/

シマワ様(油圧部品製造)

シマワ様は、油圧部品や金属の精密部品加工を得意とする加工メーカーです。Instagramでは、自社製品であるスマートフォン用無電源スピーカー「oto」の写真を中心に掲載がされています。イベントへの出展も積極的に行っています。

InstagramURL:https://www.instagram.com/shimawa.inc/

ウノ・ファクトリー様(機械加工)

ウノ・ファクトリー様は大型正面盤を中心に機械加工全般、溶接、設計、検査、組立まで行う機械加工メーカーです。Instagramでは、機械加工の様子が動画で数多く掲載されており、求人募集も行っています。

InstagramURL:https://www.instagram.com/unof_3939/

Instagram活用のポイント

Instagramは写真や動画投稿が中心のSNSです。ユーザーへ視覚的に訴求できるため、BtoC向けの製品をアピールしたい場合に有用なツールといえるでしょう。その一方で、拡散力の弱さがデメリット。ハッシュタグを上手に活用して、多くの人の目に留まるように工夫が必要です。

SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングを行うメリットは以下の通りです。

リアルタイムで情報発信が可能

SNSの強みは情報発信をリアルタイムで行える点です。今伝えたい情報をスピーディーに発信・拡散ができるだけでなく、ユーザーへの反応にすぐに応えられます。

低コスト

SNSの運用には基本的にコストは掛かりません。コストを掛けることなく、マーケティング活動が可能なため、費用対効果の高いサービスといえます。

顧客とコミュニケーションができる

リアルタイムでコミュニケーションができるSNSは、顧客との関係を深めるのに便利なツールです。日常的な発信を混ぜることで、顧客に親近感・信頼感を持ってもらえます。

SNSマーケティングのデメリット

SNSマーケティングのデメリットは以下が考えられます。

炎上の危険性

SNSは正しい情報だけでなく、誤った情報も拡散され、炎上に繋がる場合があります。企業のイメージダウンだけでなく、ユーザの信用を失うおそれも。情報を発信する前に「誤った情報でないか」「人を不快にさせる内容になっていないか」を確認しましょう。

SNS担当者への負担

新たにSNS運用を取り入れた企業にとっては、運用が負担になることもあります。1人に負担が掛からないように、2人体制で運用するなど工夫が必要です。SNSを運用してもフォロワーが増加しなかったり、売上に繋がらない場合は、SNS運用代行サービスの利用がおすすめです。

SNSマーケティングの重要性

ソーシャルメディアの利用者数が増えたいま、BtoC企業だけでなく、BtoB企業でもSNSマーケティングが重要になってきます。

SNS利用者・利用時間の急拡大

ソーシャルメディアの普及は急速に進んでおり、利用者数は2021年で8,149万人、2024年末には約8,388万人にまで到達すると推測されています。ソーシャルメディアの利用者数増加により、SNSに費やす時間が増加していくと考えられます。
(参考:2022年度SNS利用動向に関する調査

購買プロセスの変化

これまでの情報収集は検索エンジンが中心でしたが、ソーシャルメディアの普及により、情報収集がSNS上で行われることが増えてきました。毎日SNSで大量の情報が流れてくる中、ユーザーは話題になっているコンテンツに興味を持ちます。「口コミ」「共感」から購買段階へ移行する流れが高まっています。

顧客との関係性強化

ソーシャルメディアは、顧客との関係性を深めるのに非常に有用なツールです。「1対1」のコミュニケーションを意識することで、顧客との関係性を深められます。さらに、普段関わりのない業界とも繋がることで、新たなビジネスチャンスを得られることも。

SNSマーケティング成功の秘訣

SNSマーケティングを成功させるためには、ただ何となくアカウントを運用すれば良いわけではありません。運用前にしっかりと戦略を立てることが重要です。

目的・ターゲットの設定

SNSマーケティングの目的は、自社のブランディング、認知度向上、採用など企業によって異なります。明確な目的を設定した上で、達成するために注力すれば、効率的にマーケティング効果を高められます。

継続的な更新体制の確保

SNSマーケティングの効果を発揮するためには、一定の頻度で投稿する必要があります。無理なくSNSの運用をするためには、複数人で運用するか外注する方法がおすすめ。複数人で運用する場合は、発信する情報に偏りが出ないように注意が必要です。

各SNSの特性を活かした活動

運用の目的やターゲットに合わせて、適切なSNSを選択しましょう。SNSの機能をバランス良く使いたい場合にはFacebook、拡散性の高さを求めるならTwitter。画像や動画を使って情報発信したい場合には、InstagramやYouTubeがおすすめです。

双方向のコミュニケーション

一方的な発信をするだけでなく、積極的に他社と関わりを持つことで、自社の認知度向上に繋げられます。また、ユーザーとの関係性が深まれば、自社の製品やサービスを口コミとして広げてくれる可能性も。

まとめ

明確な目的とターゲットを設定した上で、SNSマーケティングを行うことで大きな成果に繋がります。また、それぞれのSNSの特徴を理解した上で、使い分けて運用すると効果的です。自社の可能性を広げるためにも、SNSマーケティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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【BtoB】メーカーが今YouTubeを始めるべき3つの理由

こんにちは、テクノポートの永井です。テレワークが普及したことで動画を見る機会が増えてきました。特にYouTubeはコロナ前と比較して使用者が劇的に増えています。

YouTubeの動画配信は娯楽やBtoC向けと思われていますが、それに限らずBtoBに対してもYouTubeの活用が本格的に始まろうとしています。例えば、技術のPRにYouTubeを取り入れている企業や自社商品のプレゼンをアップしている企業も増えてきています。この流れは今後さらに活性化すると予想されます。

今回の記事では、「なぜBtoBがYouTubeなのか?」「なぜ取り組んだ方がいいのか?」について紹介していきます。

動画コンテンツを積極的に使っていくことで、自社のブランディングを強化していきましょう!

動画を見る、動画を作る環境が整った

まずは動画を見る、そして作る環境が整ったことを紹介します。これまで社内で音を出せなかったため、動画を作るメリットはあまりありませんでしたが、テレワークの普及で環境が劇的に変わりました。また、動画を作るコストも低下したことで、動画を量産できる環境が整ったのです。

1、社内で音が出せる環境が整った

テレワークによって最も変化が起こったのが、オンライン会議の普及です。オンライン会議の普及により各自がイヤホンを持つようになりました。これにより社内でも音を出せる環境が整いました。これまでBtoB向けの動画は「フルテロップ」が基本でした。社内では音が出せないため、音がなくても商品が伝わるように動画を工夫しなければなりませんでした。

音のない動画は魅力に欠けるため、ユーザーに見続けてもらうことは難しいといった問題がありました。これについては特に解決策もなく、動画を使うメリットはあまり感じられませんでした。

しかし、社内で音を出せる環境が整ったことで、動画に音を入れられるようになったのです!これにより、動画を使って自社の強みを紹介することがより容易にできるようになりました。

2、画制作の環境が整った

スマホや使いやすい動画編集ソフトが出てきたことで、素人でも動画を簡単に作成できるようになりました。これまで動画制作といえば、プロのクリエーターさんに依頼するなど時間とコストをかけていたと思います。もちろんクオリティーの高い動画はプロにお任せする必要がありますが、簡単な動画だったら自分たちでも制作できるようになりました。

YouTubeの普及によりユーザーが「素人が作った動画を見る」ことに慣れ、動画のクオリティーはそこまで重視されなくなったことも大きな変化と言えます。

メーカーが今YouTubeを始めるべき3つの理由

次にYouTubeを始めるべき理由を3点紹介します。YouTubeはWebサイトのページ内に動画を埋め込むことができ、動画とテキストセットで掲載可能になるため訴求力が上がります。ただ、動画をWebサイト内に入れることはYouTubeではなくてもできるため、今回は「なぜYouTubeがいいのか」に着目して紹介します。

1、動画の解析ができるようになる

YouTubeを使うと動画が解析できるようになります。例えば再生回数や平均視聴時間、平均再生率、離脱した場所、年齢と性別などを見ることができます。これにより、動画の良し悪しをデータで判断することができ、PDCAを回せるようになります。

例えば、スタートから1分で離脱されている場合は前半の内容を変えることを検討したり、製品ごとに動画を作れば、どの製品がどれくらい注目されているかを分析したりできます。BtoBの場合、チャンネル登録は期待できませんが(※1)、データを活用できるのは大きなメリットになります。

※1 社内では個人アカウントにログインしないため、チャンネル登録の可能性は低いと考えられます。

2、低コストで制作可能

YouTubeにはクオリティーの高い動画だけではなく、素人が編集した動画も受け入れてくれる文化があります。動画制作をプロに委託する場合、動画1本作るための費用は数十万〜数百万円、納品までに数ヶ月かかります。「文字や言葉では伝わりづらい技術も動画を使えば簡単に伝えられるのに、費用が高い」といった悩みを抱えている中小企業は多かったかと思います。

しかし、YouTubeレベルの動画であれば費用を数万〜数十万円と1/10に、納期も1ヶ月以内に抑えることも可能です。また、カメラと動画編集ソフトがあれば社内で作ることもできるため、費用や納期はさらに抑えることができます。

3、動画だけで宣伝効果が得られる

YouTubeにアップした動画はYouTube上に残るため、YouTubeでの検索やレコメンド機能によって再生回数はどんどん増えていきます。再生回数が増えるということは、それだけ自社の認知度が上がったということになるため、YouTubeに掲載しているだけで宣伝効果があることになります。

再生回数を増やすためには

  • 動画の本数を増やす
  • 質の高い動画を作る(データ解析で可能)
  • 他社とコラボする

など、さまざまな方法があります。他社とコラボのハードルは高いですが、チャンネル登録数が多いところとコラボできたときの宣伝効果は絶大です。そのためには、自社のYouTubeチャンネルを作る必要がありますので、ぜひ作ってみてください。

3、YouTubeを取り入れている企業

3−1、株式会社イワタツール

Webサイト:https://www.iwatatool.co.jp/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCV4G12YCxRcrn7um_qb8VAg

なんとか重工さんとのコラボや自社製品の紹介などさまざまな取り組みをされています。岩田社長がメインで動画を作っています。

3−2、株式会社アドレック

Webサイト:https://www.adrec-jp.com/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCgGnNLmPZOmA6fHWDW9zUFg

自社の技術を紹介するためにYouTubeを利用しています。YouTubeはWebサイトへの埋め込みのために使っているため、チャンネルとしての活動はあまり行っていません。自社の技術をプレゼンする動画を作るなど、YouTubeならではの表現方法を取り入れています。

3−3、日本サポートシステム

Webサイト:https://jss1.jp/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCW_eFVcbgLz8Sf8fKXuYnoQ

天野社長とゲストスピーカーとの対談をメインに活動されています。チャンネル登録数も5.34万人(2022年1月2日時点)と非常に多く、製造業関係では最大のチャンネルになっています。

まとめ

BtoBの中でも動画を使ったコンテンツはこれからどんどん増えてきます。​​YouTubeを使えば、Webサイトへの動画の埋め込みができることはもちろん、

  1. 動画の分析が可能
  2. 低コストの動画でもOK
  3. 動画の宣伝効果が得られる

といったメリットもあります。これから動画を始める場合は、ぜひYouTubeを活用してみてください。

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BtoB製造業のYouTube活用事例5選

フリーランス特許翻訳者であり、技術・理学系ライターとしても活動している太田です。

近年、マーケティングに動画を活用する企業が増えています。配信プラットフォームとして主に使用されるのは、全世界的な動画共有サイト「YouTube」です。BtoB製造業の中にも、YouTubeで自社のPRを行う企業が増えてきています。

今回の記事では、BtoB製造業がYouTubeを活用すべき理由を解説したうえで、YouTubeでの動画PRに成功している企業を5つご紹介します。

BtoB製造業がYouTubeを活用すべき3つの理由

YouTubeを用いた動画配信は、BtoB製造業のマーケティングに効果的です。理由は以下の3つです。

①動作や加工工程をわかりやすく伝えられる

BtoB製造業では、自社PRのために製品の動作加工工程を見せることが重要です。動作や加工工程は文章では伝わりにくく、動画との相性がいい領域だといえます。

製品の動作や加工工程の動画を世界的な動画プラットフォームであるYouTubeに投稿すれば、自社の技術や魅力をより効果的にPRできるはずです。

②信頼性の高い情報を伝えられる

多くの企業は製品のPRに写真を使用しています。しかし写真では、製品のかなめである動作を見せることができません。さらに、写真は色や明るさなどをかんたんに加工できます。加工により製品を魅力的に「飾る」ことは可能ですが、情報の信頼性は落ちてしまいます。

動画は写真とは異なり、動作を見せるためのものです。また、動画は加工がしづらい(加工により動作をよりよく見せるのが難しい)ので、製品自体の姿を見せることができます。情報の信頼性という点で、動画は写真よりも優れているといえるでしょう。

高付加価値商品を扱うBtoB製造業の場合、顧客との信頼関係を構築できるかどうかが成約の鍵です。この点からも、動画を活用した情報提供が効果的なのです。

③競合が少ない

BtoB製造業において、YouTubeへの動画投稿に力を入れている企業はまだ少ないのが現状です。そのため、早いうちに参入すれば製造業の分野で動画検索の上位を狙える可能性があります。

検索してまで動画を見に来る顧客は、製品に対して高い関心を持っているはずです。そのため、検索で上位表示されれば有望な潜在顧客に対して効果的にアピールできます。

BtoB製造業のYouTube活用事例5選

ここからは、実際にYouTubeを活用しているBtoB製造業の事例をご紹介します。

①アルビテクノロジー

(引用:アルビテクノロジー YouTube)

アルビテクノロジーは、工作機械の代理店販売や加工技術コンサルティングなどを行う企業です。YouTubeチャンネルでは、主力製品であるHyperMILL(CADCAMソフトウェア)の機能や使い方に関する動画を主に投稿しています。

ソフトウェアの使い方を説明するには、実際の操作画面を見せるのが一番。動画にすることで、文章では伝わりにくい細かな操作方法を効果的に説明しています。

②日新精器

(引用:日新精器 YouTube)

日新精器は、冷間圧造向けの超硬金型を設計、製作する企業です。同社はYouTubeのほかにFacebookやTwitterも運用するなど、SNSを活用したマーケティングに力を入れています。

YouTubeチャンネルでは、冷間圧造をはじめとするさまざまな加工技術を、アニメーションでわかりやすく解説しています。BtoB製造業でここまで手の込んだアニメーション動画を作成している事例は珍しいといえるでしょう。

③MIRAI-LABO

(引用:MIRAI-LABO YouTube)

MIRAI-LABOは、CO2削減に関するシステムや省エネ型LEDなど、最先端の省エネ技術を研究・開発している企業です。

YouTubeチャンネルでは、自社製品の紹介動画や環境用語の解説動画などを投稿しています。動画にはさまざまなユーモアが盛り込まれており、見る人を飽きさせない工夫がなされています。

④ギケン

(引用:ギケン YouTube)

ギケンは、バリの出ないドリル(ハイブリッドドリル)の販売、切削工具の再研磨や新品加工、製作などを行う企業です。

YouTubeチャンネルでは、主力製品であるハイブリッドドリルを用いた加工動画を主に投稿しています。ドリルで眼鏡に孔をあけるといった、視聴者の興味を引く面白い企画動画も盛り込まれています。

⑤武田金型製作所

(引用:武田金型製作所 YouTube)

武田金型製作所は、金型の設計や製作などを行う企業です。

YouTubeチャンネルでは、金型の加工風景や社員インタビューなどのほか、自社の技術力を伝えるために作製した金属、「マジックメタル」の紹介動画を投稿しています。

同社はYouTubeのほかにFacebookとTwitterも運用しており、SNSマーケティングに力を入れている様子がうかがえます。

まとめ

今回の記事では、YouTubeを活用しているBtoB製造業を5社紹介しました。

  1. アルビテクノロジー
    • 業務内容:工作機械の代理店販売や加工技術コンサルティング
    • YouTubeチャンネルの特徴:主力製品であるHyperMILL(CADCAMソフトウェア)の機能や使い方に関する動画を主に投稿
  2. 日新精器
    • 業務内容:冷間圧造向けの超硬金型を設計、制作
    • YouTubeチャンネルの特徴:冷間圧造をはじめとするさまざまな加工技術をアニメーションでわかりやすく解説
  3. MIRAI-LABO
    • 業務内容:最先端の省エネ技術の研究・開発
    • YouTubeチャンネルの特徴:自社製品の紹介動画や環境用語の解説動画などを投稿
  4. ギケン
    • 業務内容:ハイブリッドドリルの販売、切削工具の再研磨や新品加工、製作
    • YouTubeチャンネルの特徴:主力製品であるハイブリッドドリルを用いた加工動画を主に投稿
  5. 武田金型製作所
    • 業務内容:金型の設計や製作
    • YouTubeチャンネルの特徴:金型の加工風景や社員インタビューなどのほか、自社の技術力を伝えるために作製した金属、「マジックメタル」の紹介動画を投稿

上記の事例を見てわかるように、BtoB製造業が自社の魅力や技術をアピールするうえで、動画は非常に効果的です。

自社の可能性を広げるためにも、この機会にYouTubeを始めてみてはいかがでしょうか。

YouTubeを利用した自社製品のPR法

フリーランス特許翻訳者であり、技術・理学系ライターとしても活動している太田です。近年、マーケティングにYouTubeを活用する企業が増えています。企業のホームページ内でYouTubeチャンネルへのリンクを見る機会も多いのではないでしょうか。YouTubeの活用は、個人・企業問わず確実に広がっています。

今回の記事では、製造業のマーケティングでYouTubeを活用するメリットや、YouTubeを用いたPR法のコツなどを解説します。

YouTubeとは

YouTubeは、全世界的な動画共有サイトです。誰でも動画を投稿でき、他人が投稿した動画を基本的には無料で視聴できます。

YouTube上では、世界中のあらゆる世代の人々が動画を投稿、視聴しています。最近では「テレビの代わりにYouTubeを見る」といった声まで聞かれます。YouTubeがテレビに代わるメディアとして台頭しつつあるともいえるでしょう。

YouTubeを用いてPRをする理由

YouTubeをマーケティングに利用した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットを3つご紹介します。

1.目で見てわかる

文章の場合、人はよほど気になったものしか読み進めない傾向があります。あなたにも、Webページの冒頭で興味を失い、別のページに移動した経験があるのではないでしょうか。

一方で動画の場合、画面を見ているだけである程度の内容が頭に入ってきます。文章を読む場合に比べて労力が少ないため、最後まで見てもらえる確率も上がるのです。

2.宣伝費用がほぼ無料

YouTubeでのチャンネル開設や動画投稿は、基本的には無料で行えます。そのため、宣伝費用はほぼ無料です。

もちろん、YouTubeには有料のプランもあります。有料プランでは、性別や年齢、住んでいる地域、興味・関心などをもとに、自社のターゲットとなりそうな層に対して自社の動画を効果的に宣伝することが可能です。

はじめてYouTubeチャンネルを解説する場合は、ひとまず無料プランから開始して、必要に応じて有料プランを検討するとよいでしょう。

3.利用者の幅が広い

YouTubeは今やGoogle検索に次ぐ大規模な検索プラットホームであり、全世界・全世代の人々が利用しています。そのため、YouTubeに動画を掲載すれば、さまざまな人々に動画を見てもらうことができるのです。

英語で動画を作成すれば、当然海外から問い合わせや引き合いが来る可能性もあるでしょう。戦略次第で、自社の情報を世界中に伝えられるのです。

YouTubeによるPR法、4つのコツ

それでは、具体的にどのような動画を投稿すればいいのでしょうか。ここでは、YouTubeにおけるPR法のコツを4つご紹介します。

1.製品の動作を見せる

製品の動作は文章や会話では伝わりにくいため、お客さまに実際に見てもらうのが一番です。しかし近年、コロナウイルスの流行により、お客さまに自社まで来てもらうのが難しくなりつつあります。

そこで使えるのがYouTubeです。YouTube上でお客さまに製品の動作を見ていただくことで、遠隔であっても自社の技術力や自社製品の魅力を伝えることができます。

動画中では、着目してほしい箇所にズームする、製品に関する補助的な解説を入れる、といった工夫も可能です。アイデア次第でわかりやすい動画を作ることができるでしょう。

2.加工の工程を見せる

受託加工を行う会社などの場合、自社の技術力をアピールするため、製品の加工工程を動画にするのも効果的です。

Swap lamp(スワップランプ)というYouTubeチャンネルでは、旋盤加工を中心としたさまざまな加工動画がアップロードされています。数百万回再生されている動画も少なくありません。また、動画のタイトルや説明を英語でも記載しているため、外国の方からのコメントも多く付いています。

Swap lampでは、仕事で行う作業とは異なる「エンターテインメント」としての動画も投稿されている点が特徴です。技術力をアピールするためのさまざまな工夫がみてとれます。

3.業界の話や、専門分野の話をレクチャーする

自社製品の販売を目的とした製品PR動画だけではなく、業界や専門分野の解説など、視聴者に役立つ動画の作成も効果的です。より幅広い視聴者に必要とされる動画を投稿することは、潜在顧客の獲得にもつながります。

4.社員に仕事のエピソードを話してもらう

社員へのインタビュー動画もおすすめです。「社内ではこんな仕事があって、このような姿勢で仕事に取り組んでいる」といった社員の具体的なエピソードを題材に、リアリティーのある動画を作成できます。このような動画により、自社の課題解決力もアピールできるはずです。

また、社員にフォーカスすることで、自社の社風やカルチャーが伝わりやすくなる点もメリットです。就職先を選ぶ際に社風やカルチャーを重視する人は多いので、このような動画は求職者へのアピールにもつながります。

まとめ

中小企業の経営者の中には、「仕事は紹介でとってくるからWebマーケティングは必要ない」と考える方もいるかもしれません。しかし、ここまでで述べたように、YouTubeを活用したマーケティングにはさまざまなメリットがあります。

自社の可能性を広げるためにも、YouTubeマーケティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。