ペットとアトリエ暮らし【大きい区画】-新築-

所在地:文京区根津
18万2,000円 / 47.67~48.71平米
千代田線「根津」駅 徒歩5分

勾配天井の吹き抜けは、一番高いところで約3.5m!対角の窓を開けると気持ち良い風が、すっと部屋を通り抜ける、出来上がったばかりの4棟の2階建てテラスハウス。



国産木材を使用した、無垢のフローリングや建具、波打った板張りの天井など、経年変化を楽しめる本物の材料を使っているところも ... 続き>>>.
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心安らぐほっこり戸建て

所在地:杉並区和泉
13万円 / 50.36平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩6分

ほっこり二人暮らしにいかがでしょう?青い瓦屋根がチャーミングな、小さめ戸建てをご紹介。



間取りは2LDK。2階の洋室は寝室と仕事部屋という使い方になるでしょうか。リモートで会議がある日も階を分けて仕事が出来るので、お互いの音もあまり気にならず良さそうです。もしくは、小さいお子さ ... 続き>>>.
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屋上に暮らす

所在地:大田区北嶺町
17万7,000円 / 60.67平米
東急池上線「御嶽山」駅 徒歩4分

ほのぼのとした雰囲気のまちの、小さなマンションの屋上。共用ではなく専用です。近くに高い建物がないため、周りの視線を気にせず思う存分日光浴が出来るし、眺望も抜けていて、心地いいです。小型犬・猫が1匹まで飼育可能で、ペットにとっては走り回ることのできるうれしい空間ではないでしょうか? ... 続き>>>.
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やさしい緑とゴツゴツリノベ

所在地:杉並区高円寺南
11万円 / 27.39平米
中央線・東西線「中野」駅 徒歩8分

共用庭の緑が見えてすっきり爽やか。質感にこだわり、すてきにリノベーションされたワンルームをご紹介。



白く塗装された天井と壁はゴツゴツと。ステンレスのキッチンでクールな雰囲気を出しつつも、庭の緑と足場板を使った床のおかげで温かくやさしい印象を受けます。ちなみに足場板の床は荒々しい ... 続き>>>.
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風と光の開放感

所在地:世田谷区下馬
28万円 / 62.57平米
東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅 徒歩15分

風と光が気持ちよく通り抜けるコーポラティブハウスの一角を賃貸で。開放的な空間で爽やかな暮らしが叶いそうな予感がします。



とにかく特徴的なのは窓の多さ!奥行きを深くすることで緩やかに空間を区切り、3面に大きく取られた窓からしっかり光が入ります。なんと浴室までガラス張りの開放感です ... 続き>>>.
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△に詰め込まれたロマン

所在地:渋谷区本町
11万円 / 27.81平米
京王新線「幡ヶ谷」駅 徒歩10分

◆賃料下がりました◆ 



”さんかくはうす”と命名された素敵な戸建てのご紹介。



元靴店を住まいにするため、2014年に構造補強も含めてスケルトンから思いきり気持ちよくリノベーションしました。



制約の多い三角形の狭小空間を立体的に活用するため、天井をなくし、ロフトを含め4層の床 ... 続き>>>.
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二人暮らしの理想形

所在地:新宿区新小川町
22万5,000円 / 59.92平米
東西線「飯田橋」駅/有楽町線「飯田橋」駅/南北線「飯田橋」駅/都営大江戸線「飯田橋」駅/中央線「飯田橋」駅 徒歩10分

理想型、とタイトルでご紹介するためにはまず、担当である僕が心からそう思えていなければなりません。日々色んな物件をご紹介させて頂いてますが、二人暮らしだった頃の自分が住みたいとしたらまさにこんな部屋!とグサグサに刺さってしまった物件をご紹介します。



建築関係のお仕事を本業とするオ ... 続き>>>.
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「家賃だけでお店が持てる」! 夢を叶えた3人のユニーク賃貸暮らし

コロナ禍の影響で、副業や、テレワークが普及しつつある昨今、住まいと職場がともにある“職住融合”な暮らしに興味を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、住まいの中にお店も持てる賃貸物件「ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace」(東京都練馬区)でお店を始めた3人にインタビュー。別にも仕事を持ちながら、本業や副業として夢を叶えた、その暮らしぶりを拝見しました。
自分の店を持ちたい! ゆる~く夢を叶えた「はと工房。」 

東京都練馬区の住宅街の一角に建つ「ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace」(以下、欅の音terrace)は、住まいと生業(商い)が一体となった職住融合の住まいです。かつて日本の住まいでよく見られた軒先が店舗、奥が住居という暮らし方を現代版にアップデートし、築38年の鉄骨造2階建てアパートを、2018年、リノベーションして誕生しました。1階は店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」、2階は商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の全13戸。よりお店感が強い1階、不定期で営業する店舗やギャラリーがある2階というとイメージがつかめるかもしれません。

店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」の1階の間取り。軒先が店舗、奥が住居。画像提供/つばめ舎建築設計)

店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」の1階の間取り。軒先が店舗、奥が住居。画像提供/つばめ舎建築設計)

商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の2階の間取り(画像提供/つばめ舎建築設計)

商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の2階の間取り(画像提供/つばめ舎建築設計)

まず1階の「はと工房。」さんを訪れてみました。フェルトでつくったバッジやヘアゴム、雑貨などを販売しているほか、クリームソーダやこどもアイス、コーヒーやホットサンドなどの軽食もあり、子どもも大人もうれしい雑貨屋さんです。近所にあったらぜったいうれしい、こんなお店……。

見るからに楽しそうな店構えの「はと工房。」さん(写真撮影/片山貴博)

見るからに楽しそうな店構えの「はと工房。」さん(写真撮影/片山貴博)

ユーモアたっぷり手芸作品が並んでいます(写真撮影/片山貴博)

ユーモアたっぷり手芸作品が並んでいます(写真撮影/片山貴博)

クリームソーダは300円。めっちゃかわいい(写真撮影/片山貴博)

クリームソーダは300円。めっちゃかわいい(写真撮影/片山貴博)

「もともと手芸をずっとやってきていて作品をイベントやネットで販売をしていたんですが、どうしてもお店がやりたくて。でも、お店を持つのはお金も手間もかかる。それに私はとても面倒くさがり屋だから、出勤したくなくなると思っていたんです。そんなときに、店舗+住居というものがあると知ったんです。これなら家だから面倒くさくならないし!かかるのは家賃だけだし!と思ってはじめました。賃貸だから、成り立たなかったら引越せばいい!って。最初は自分の好きな街から動きたくなかったんですが、いざ引越してきたら『まあ楽しい!!!』と思いながら生活しています」と、はと工房。店主(30代女性)は話します。

お店のディスプレイも手づくり(写真撮影/片山貴博)

お店のディスプレイも手づくり(写真撮影/片山貴博)

店内の天井にはカラーボールが250個も吊るしてあります(写真撮影/片山貴博)

店内の天井にはカラーボールが250個も吊るしてあります(写真撮影/片山貴博)

長年の夢である「お店」を叶えた店主(写真撮影/片山貴博)

長年の夢である「お店」を叶えた店主(写真撮影/片山貴博)

始まる前から「家とお店が別だと出勤したくなくなる」や「成り立たなかったら引越せばいい」などと、考えるあたりがとてもリアルです!! 引越してからの一番の変化は、“ご近所づきあい”だとか。

「東京での一人暮らしだと、ご近所づきあいはほとんどないですよね。ここの欅の音terraceは入居1カ月後のタイミングで入居者が集まる食事会があって、みんなでご飯を食べてすぐになじみました。コロナが流行する前は、共同のシェアスペースでたこ焼きとか、チーズフォンデュとか、焼き肉とか、プロジェクターでライブ映像を観たりといったゆるいパーティーを毎週のようにしている感じです。飲んで帰ってきて、10秒で家に着けるってサイコーじゃないですか。友だちと仲良くなって一緒に暮らしている感じです。一人になりたいときは家にいればいいだけなので、気が楽です」

(写真提供/はと工房。)

(写真提供/はと工房。)

ああ、大人が夢を叶え、のびやかに暮らしているってそれだけで楽しそうでいいですね。人間関係が重くなく心地よいのが、やはり一番なのかもしれません。こうした職住融合の住まい、楽しそうですが、向いていない人はいるのでしょうか。

「仕事と暮らしのオン・オフを入れたいという人は向かないと思います。あと、駄菓子を販売していて思ったのですが、ほとんど利益が出ない(笑)。家賃などはもう一つの別の仕事でまかなっている感じです」といい、二足三足のわらじを履いていることがメリットになっている様子。とにかく無理せず、力まず、やりたい延長上で商いを始めてみる。「はと工房。」さんはそんな暮らしをしているようです。

自分やつくり手のペースで暮らしを彩るものを届けたい「ちゃらっぽこ」

次に訪れたのは2階にある「ちゃらっぽこ」さんです。こちらは日本各地の暮らしの雑貨を集めたお店で、器や染織物などが並んでいます。アート作品もよいですが、日々使うもの、暮らしから生まれた手仕事の品って、本当に心を豊かにしますよね。店舗は2019年に誕生し、現在は不定期で営業中。オープン日は看板が下がっているので、ひと目で分かるようになっています。でも、なぜ今、リアルな店舗なのでしょうか。

2階で「ちょこっとナリワイ」を営む「ちゃらっぽこ」さん。お店にならぶ商品も店主も「素敵」のひとことです(写真撮影/片山貴博)

2階で「ちょこっとナリワイ」を営む「ちゃらっぽこ」さん。お店にならぶ商品も店主も「素敵」のひとことです(写真撮影/片山貴博)

「もともとネットで店舗を構えていて、商品を実物で見たい、話を聞いてみたいという声を多くちょうだいしていました。どこかで実店舗をできたらいいなというときに、ここを知り、自分のペースで営業している感じです。実店舗という固定したくくりではなく、アトリエショップとして、あくまでも自分のペースとつくり手の製作ペースに合わせて営業できることが一番の魅力です」と話します。

「はと工房。」さんも言っていましたが、ここでかかるのは家賃のみです。固定費を最低限に抑えられることで、自分やつくり手のペースで商いができるというのは、大きなメリットといえるでしょう。もう一つ、暮らしの品を扱っていることならではの良さもあるようです。

ひとつずつ表情の異なる手編みのかご(写真撮影/片山貴博)

ひとつずつ表情の異なる手編みのかご(写真撮影/片山貴博)

店主の私物のこけしさんも愛らしい!(写真撮影/片山貴博)

店主の私物のこけしさんも愛らしい!(写真撮影/片山貴博)

「商品は基本的に自分で使ってみて、体感してから販売しています。だから、実際に自分が使用しているものの経年変化や使い方、シチュエーションなど、すぐにお客様の目の前で提案できるのは強みですね。店舗と同じ空間に私物や生活のものを取り入れることで、自分自身が心地よく過ごすことができます」

作家・ツキゾエハルさんのヘリンボーン スープマグは大きめのサイズで、具だくさんスープやたっぷりカフェオレなどを楽しむのにぴったり(写真提供/ちゃらっぽこ)

作家・ツキゾエハルさんのヘリンボーン スープマグは大きめのサイズで、具だくさんスープやたっぷりカフェオレなどを楽しむのにぴったり(写真提供/ちゃらっぽこ)

看板は店主お手製(写真提供/ちゃらっぽこ)

看板は店主お手製(写真提供/ちゃらっぽこ)

確かに店舗とはいえ、お部屋にお邪魔したような心地よさ、マネしたくなるようなセンスのよさ。インテリアとも一体になっているのは、扱っている商品の特性にも合っているのでしょう。また、コロナ禍以前では、全戸が一体となって地元の住民の方に喜んでもらえるようなイベントなどを企画するなど、集客力も高められるのも、魅力として感じていたそう。

一方で、注意点として教えてくれたのは、「はと工房。」さんと同様に、オン・オフの切り替えがつきにくいこと、決めごとや他の住居への配慮が必要となる点でした。集合住宅では、ほどよい温度感を保つための配慮は大なり小なり、必要なもの。ここでは住人同士、顔が見えるからこそ、より大切にしたいと思うのかもしれません。

“住み開き”を実践し、本を届ける「tsugubooks」

最後に訪れたのは、「個人で本をお届けする活動」をしている「tsugubooks」さん。そういえば、以前取材をした「読む団地」の選書にも携わっていらっしゃいました。 現在は新型コロナウイルスの影響もあり、自宅の一部を開ける活動を行っていませんが、もともとカフェや美容院の本棚を間借りし本を販売する「間借り本屋」をしていて、「欅の音terrace」は自宅の一部が、ちいさな本屋さんになっています。

本が並んでいるお部屋が目印ギャラリーのよう(写真撮影/片山貴博)

本が並んでいるお部屋が目印ギャラリーのよう(写真撮影/片山貴博)

背表紙を見ているだけでも楽しいですよね、本って(写真撮影/片山貴博)

背表紙を見ているだけでも楽しいですよね、本って(写真撮影/片山貴博)

今回は、取材で本屋さんにおじゃましましたが、ずらりとならんだ本を見ると、やっぱりいいなって思います。「tsugubooks」さんは「住み開き」を実践したいという思いでここで暮らすことになりました。でも、なぜ住み開きだったのでしょうか。

「社会人として働くようになって、一人暮らしをすると、家と会社との往復で地域とまったく接点を持たないんですよね。これじゃ良くないと思っていたところ、自宅の一部を開放して地域と交流する『住み開き』を知って、実践してみたくて。清澄白河に住んでいたころはオートロックの物件で自宅を地域に開けなかったので、カフェの本棚を借りて『間借り本屋』をしていました。この物件を知って、私が暮らしたかったのはココだ! と引越してくることにしました。住人同士も仲良く、今は漫画の貸し借りが流行っているんですよ(笑)」

同年代の女性が多いということもあり、まるで学校のような伸びやな環境で暮らしているとのこと。個人的には住み開きというと、とても活発な人・アクティブな人という先入観があったのですが、「tsugubooks」さんは、おだやかで、はじめましてですがここにいても良いよ、受け入れるよ、という優しい空気で迎えてくれました。

本棚の反対側の壁はキッチンになっています(写真撮影/片山貴博)

本棚の反対側の壁はキッチンになっています(写真撮影/片山貴博)

お店からは見えないようになっている居住スペース(写真撮影/片山貴博)

お店からは見えないようになっている居住スペース(写真撮影/片山貴博)

「商いと住まいが一体というと、特別な印象はあるかもしれませんが、それらは別々のものではないと思うんです。いいなと思う本を置いてみる。それを“いいね”と受け取ってくれる地域の人たちがいる。そうすると、こんな本も好きかも?とその人たちを思い浮かべて選書する。その繰り返しです。
本屋という商いをしているけど、自分だけなら出合えなかった本や物事を知ることができて、世界が少しずつ広がっている気がします。自身の本棚も住まいも少しずつ変わってきて豊かになっているのを感じます。商いと住まいはつながっているんです」(tsugubooks)さん。

「本も面白いけど、お客さんから聴くその本の感想がもっと面白いんです」tsugubooksさん(写真撮影/片山貴博)

「本も面白いけど、お客さんから聴くその本の感想がもっと面白いんです」tsugubooksさん(写真撮影/片山貴博)

なるほど、お店といっても暮らしと切り離されたものではなく、どちらも“自分”の延長にあると思うと、とても自然な流れなのかもしれません。

今回、ご登場いただいた3人は別にも仕事を持っており、本業、あるいは副業として“生業、商い”を成立させていますが、三者三様、魅力的な暮らし方・生き方をされています。また、本来、生きることと働くことに境目はなかったことを再発見しました。欅の音terraceは、練馬で後続のプロジェクトが予定されています。そこではどんな暮らしが実現して、どんな才能が花開くのか。今から楽しみで仕方がありません。

庭にはたくさんのみかんがなっていて、入居者におすそわけも(写真撮影/片山貴博)

庭にはたくさんのみかんがなっていて、入居者におすそわけも(写真撮影/片山貴博)

●取材協力
ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace

「家賃だけでお店が持てる」! 夢を叶えた3人のユニーク賃貸暮らし

コロナ禍の影響で、副業や、テレワークが普及しつつある昨今、住まいと職場がともにある“職住融合”な暮らしに興味を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、住まいの中にお店も持てる賃貸物件「ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace」(東京都練馬区)でお店を始めた3人にインタビュー。別にも仕事を持ちながら、本業や副業として夢を叶えた、その暮らしぶりを拝見しました。
自分の店を持ちたい! ゆる~く夢を叶えた「はと工房。」 

東京都練馬区の住宅街の一角に建つ「ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace」(以下、欅の音terrace)は、住まいと生業(商い)が一体となった職住融合の住まいです。かつて日本の住まいでよく見られた軒先が店舗、奥が住居という暮らし方を現代版にアップデートし、築38年の鉄骨造2階建てアパートを、2018年、リノベーションして誕生しました。1階は店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」、2階は商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の全13戸。よりお店感が強い1階、不定期で営業する店舗やギャラリーがある2階というとイメージがつかめるかもしれません。

店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」の1階の間取り。軒先が店舗、奥が住居。画像提供/つばめ舎建築設計)

店舗兼住宅の「しっかりナリワイ」の1階の間取り。軒先が店舗、奥が住居。画像提供/つばめ舎建築設計)

商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の2階の間取り(画像提供/つばめ舎建築設計)

商品を飾れるディスプレイ窓のある「ちょこっとナリワイ」の2階の間取り(画像提供/つばめ舎建築設計)

まず1階の「はと工房。」さんを訪れてみました。フェルトでつくったバッジやヘアゴム、雑貨などを販売しているほか、クリームソーダやこどもアイス、コーヒーやホットサンドなどの軽食もあり、子どもも大人もうれしい雑貨屋さんです。近所にあったらぜったいうれしい、こんなお店……。

見るからに楽しそうな店構えの「はと工房。」さん(写真撮影/片山貴博)

見るからに楽しそうな店構えの「はと工房。」さん(写真撮影/片山貴博)

ユーモアたっぷり手芸作品が並んでいます(写真撮影/片山貴博)

ユーモアたっぷり手芸作品が並んでいます(写真撮影/片山貴博)

クリームソーダは300円。めっちゃかわいい(写真撮影/片山貴博)

クリームソーダは300円。めっちゃかわいい(写真撮影/片山貴博)

「もともと手芸をずっとやってきていて作品をイベントやネットで販売をしていたんですが、どうしてもお店がやりたくて。でも、お店を持つのはお金も手間もかかる。それに私はとても面倒くさがり屋だから、出勤したくなくなると思っていたんです。そんなときに、店舗+住居というものがあると知ったんです。これなら家だから面倒くさくならないし!かかるのは家賃だけだし!と思ってはじめました。賃貸だから、成り立たなかったら引越せばいい!って。最初は自分の好きな街から動きたくなかったんですが、いざ引越してきたら『まあ楽しい!!!』と思いながら生活しています」と、はと工房。店主(30代女性)は話します。

お店のディスプレイも手づくり(写真撮影/片山貴博)

お店のディスプレイも手づくり(写真撮影/片山貴博)

店内の天井にはカラーボールが250個も吊るしてあります(写真撮影/片山貴博)

店内の天井にはカラーボールが250個も吊るしてあります(写真撮影/片山貴博)

長年の夢である「お店」を叶えた店主(写真撮影/片山貴博)

長年の夢である「お店」を叶えた店主(写真撮影/片山貴博)

始まる前から「家とお店が別だと出勤したくなくなる」や「成り立たなかったら引越せばいい」などと、考えるあたりがとてもリアルです!! 引越してからの一番の変化は、“ご近所づきあい”だとか。

「東京での一人暮らしだと、ご近所づきあいはほとんどないですよね。ここの欅の音terraceは入居1カ月後のタイミングで入居者が集まる食事会があって、みんなでご飯を食べてすぐになじみました。コロナが流行する前は、共同のシェアスペースでたこ焼きとか、チーズフォンデュとか、焼き肉とか、プロジェクターでライブ映像を観たりといったゆるいパーティーを毎週のようにしている感じです。飲んで帰ってきて、10秒で家に着けるってサイコーじゃないですか。友だちと仲良くなって一緒に暮らしている感じです。一人になりたいときは家にいればいいだけなので、気が楽です」

(写真提供/はと工房。)

(写真提供/はと工房。)

ああ、大人が夢を叶え、のびやかに暮らしているってそれだけで楽しそうでいいですね。人間関係が重くなく心地よいのが、やはり一番なのかもしれません。こうした職住融合の住まい、楽しそうですが、向いていない人はいるのでしょうか。

「仕事と暮らしのオン・オフを入れたいという人は向かないと思います。あと、駄菓子を販売していて思ったのですが、ほとんど利益が出ない(笑)。家賃などはもう一つの別の仕事でまかなっている感じです」といい、二足三足のわらじを履いていることがメリットになっている様子。とにかく無理せず、力まず、やりたい延長上で商いを始めてみる。「はと工房。」さんはそんな暮らしをしているようです。

自分やつくり手のペースで暮らしを彩るものを届けたい「ちゃらっぽこ」

次に訪れたのは2階にある「ちゃらっぽこ」さんです。こちらは日本各地の暮らしの雑貨を集めたお店で、器や染織物などが並んでいます。アート作品もよいですが、日々使うもの、暮らしから生まれた手仕事の品って、本当に心を豊かにしますよね。店舗は2019年に誕生し、現在は不定期で営業中。オープン日は看板が下がっているので、ひと目で分かるようになっています。でも、なぜ今、リアルな店舗なのでしょうか。

2階で「ちょこっとナリワイ」を営む「ちゃらっぽこ」さん。お店にならぶ商品も店主も「素敵」のひとことです(写真撮影/片山貴博)

2階で「ちょこっとナリワイ」を営む「ちゃらっぽこ」さん。お店にならぶ商品も店主も「素敵」のひとことです(写真撮影/片山貴博)

「もともとネットで店舗を構えていて、商品を実物で見たい、話を聞いてみたいという声を多くちょうだいしていました。どこかで実店舗をできたらいいなというときに、ここを知り、自分のペースで営業している感じです。実店舗という固定したくくりではなく、アトリエショップとして、あくまでも自分のペースとつくり手の製作ペースに合わせて営業できることが一番の魅力です」と話します。

「はと工房。」さんも言っていましたが、ここでかかるのは家賃のみです。固定費を最低限に抑えられることで、自分やつくり手のペースで商いができるというのは、大きなメリットといえるでしょう。もう一つ、暮らしの品を扱っていることならではの良さもあるようです。

ひとつずつ表情の異なる手編みのかご(写真撮影/片山貴博)

ひとつずつ表情の異なる手編みのかご(写真撮影/片山貴博)

店主の私物のこけしさんも愛らしい!(写真撮影/片山貴博)

店主の私物のこけしさんも愛らしい!(写真撮影/片山貴博)

「商品は基本的に自分で使ってみて、体感してから販売しています。だから、実際に自分が使用しているものの経年変化や使い方、シチュエーションなど、すぐにお客様の目の前で提案できるのは強みですね。店舗と同じ空間に私物や生活のものを取り入れることで、自分自身が心地よく過ごすことができます」

作家・ツキゾエハルさんのヘリンボーン スープマグは大きめのサイズで、具だくさんスープやたっぷりカフェオレなどを楽しむのにぴったり(写真提供/ちゃらっぽこ)

作家・ツキゾエハルさんのヘリンボーン スープマグは大きめのサイズで、具だくさんスープやたっぷりカフェオレなどを楽しむのにぴったり(写真提供/ちゃらっぽこ)

看板は店主お手製(写真提供/ちゃらっぽこ)

看板は店主お手製(写真提供/ちゃらっぽこ)

確かに店舗とはいえ、お部屋にお邪魔したような心地よさ、マネしたくなるようなセンスのよさ。インテリアとも一体になっているのは、扱っている商品の特性にも合っているのでしょう。また、コロナ禍以前では、全戸が一体となって地元の住民の方に喜んでもらえるようなイベントなどを企画するなど、集客力も高められるのも、魅力として感じていたそう。

一方で、注意点として教えてくれたのは、「はと工房。」さんと同様に、オン・オフの切り替えがつきにくいこと、決めごとや他の住居への配慮が必要となる点でした。集合住宅では、ほどよい温度感を保つための配慮は大なり小なり、必要なもの。ここでは住人同士、顔が見えるからこそ、より大切にしたいと思うのかもしれません。

“住み開き”を実践し、本を届ける「tsugubooks」

最後に訪れたのは、「個人で本をお届けする活動」をしている「tsugubooks」さん。そういえば、以前取材をした「読む団地」の選書にも携わっていらっしゃいました。 現在は新型コロナウイルスの影響もあり、自宅の一部を開ける活動を行っていませんが、もともとカフェや美容院の本棚を間借りし本を販売する「間借り本屋」をしていて、「欅の音terrace」は自宅の一部が、ちいさな本屋さんになっています。

本が並んでいるお部屋が目印ギャラリーのよう(写真撮影/片山貴博)

本が並んでいるお部屋が目印ギャラリーのよう(写真撮影/片山貴博)

背表紙を見ているだけでも楽しいですよね、本って(写真撮影/片山貴博)

背表紙を見ているだけでも楽しいですよね、本って(写真撮影/片山貴博)

今回は、取材で本屋さんにおじゃましましたが、ずらりとならんだ本を見ると、やっぱりいいなって思います。「tsugubooks」さんは「住み開き」を実践したいという思いでここで暮らすことになりました。でも、なぜ住み開きだったのでしょうか。

「社会人として働くようになって、一人暮らしをすると、家と会社との往復で地域とまったく接点を持たないんですよね。これじゃ良くないと思っていたところ、自宅の一部を開放して地域と交流する『住み開き』を知って、実践してみたくて。清澄白河に住んでいたころはオートロックの物件で自宅を地域に開けなかったので、カフェの本棚を借りて『間借り本屋』をしていました。この物件を知って、私が暮らしたかったのはココだ! と引越してくることにしました。住人同士も仲良く、今は漫画の貸し借りが流行っているんですよ(笑)」

同年代の女性が多いということもあり、まるで学校のような伸びやな環境で暮らしているとのこと。個人的には住み開きというと、とても活発な人・アクティブな人という先入観があったのですが、「tsugubooks」さんは、おだやかで、はじめましてですがここにいても良いよ、受け入れるよ、という優しい空気で迎えてくれました。

本棚の反対側の壁はキッチンになっています(写真撮影/片山貴博)

本棚の反対側の壁はキッチンになっています(写真撮影/片山貴博)

お店からは見えないようになっている居住スペース(写真撮影/片山貴博)

お店からは見えないようになっている居住スペース(写真撮影/片山貴博)

「商いと住まいが一体というと、特別な印象はあるかもしれませんが、それらは別々のものではないと思うんです。いいなと思う本を置いてみる。それを“いいね”と受け取ってくれる地域の人たちがいる。そうすると、こんな本も好きかも?とその人たちを思い浮かべて選書する。その繰り返しです。
本屋という商いをしているけど、自分だけなら出合えなかった本や物事を知ることができて、世界が少しずつ広がっている気がします。自身の本棚も住まいも少しずつ変わってきて豊かになっているのを感じます。商いと住まいはつながっているんです」(tsugubooks)さん。

「本も面白いけど、お客さんから聴くその本の感想がもっと面白いんです」tsugubooksさん(写真撮影/片山貴博)

「本も面白いけど、お客さんから聴くその本の感想がもっと面白いんです」tsugubooksさん(写真撮影/片山貴博)

なるほど、お店といっても暮らしと切り離されたものではなく、どちらも“自分”の延長にあると思うと、とても自然な流れなのかもしれません。

今回、ご登場いただいた3人は別にも仕事を持っており、本業、あるいは副業として“生業、商い”を成立させていますが、三者三様、魅力的な暮らし方・生き方をされています。また、本来、生きることと働くことに境目はなかったことを再発見しました。欅の音terraceは、練馬で後続のプロジェクトが予定されています。そこではどんな暮らしが実現して、どんな才能が花開くのか。今から楽しみで仕方がありません。

庭にはたくさんのみかんがなっていて、入居者におすそわけも(写真撮影/片山貴博)

庭にはたくさんのみかんがなっていて、入居者におすそわけも(写真撮影/片山貴博)

●取材協力
ナリ間ノワプロジェクト 欅の音terrace

気持ちいい部屋 in 祐天寺

所在地:目黒区中町
11万5,000円 / 40平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩16分

気持ちいー!部屋に入るなり目に飛び込んで来た、ワイドなルーフバルコニーに思わず心が踊ってしまいました。



はじめにお伝えをしておくと、今回の区画は5階でエレベーターなし。階段でも問題ないという方向けの部屋です。



最上階の角部屋で、東と南の窓から明るい光が入る室内。視界を遮るもの ... 続き>>>.
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家族でつくった、心地よい部屋

所在地:豊島区池袋本町
3,420万円 / 68.58平米
東武東上線「下板橋」駅 徒歩5分

建築家の息子さんが設計を担当し、工務店を経営するお父さんが施工をする。家族でこだわって、ていねいにリノベーションされた一室をご紹介します。



もともとは、おばあさまが暮らしていたマンション。南向き角部屋のため日当たりが良く、目の前には大きな木々が植えられた神社の敷地があり、気持ち ... 続き>>>.
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恵比寿でいいとこどり

所在地:東京都渋谷区東
10万5,000~13万5,000円 / 13~18平米
山手線・日比谷線「恵比寿」駅 徒歩7分

賃貸物件とシェアハウスのハイブリット的物件です。

面積と賃料だけ見たら、「高い」の一言で片づけられてしまいまいそうですが、本物件には以下の内容が付いてきます。

・ロフト(5.5㎡)

・家具(写真参照)

・家電(写真参照)

・B1共用リビング使用権

・屋上使用権



ロフトに上る梯子 ... 続き>>>.
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彩を楽しむハーバルアパートメント 

所在地:八王子市天神町
4万6,000~4万7,000円 / 14.76~18.27平米
中央線「八王子」駅 徒歩10分

※女性限定です。 



ラベンダー・ローズ・ミント・ミモザ・・・さまざまなハーブの名前がついた、可愛らしい部屋の数々。ハーブを愛するオーナーの、ハーブを楽しめる家をつくりたいという思いと、職人さんの遊び心によって生まれ変わったアパートです。



今回ご紹介の部屋は、高い天井の「ミント ... 続き>>>.
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新築マンション購入で水害が心配! 入居前の防災対策が画期的【わがまち防災3】

2011年の東日本大震災、いわゆる「3・11」からちょうど10年。各地域で防災の取り組みが生まれ、取り組まれるようになった。いま「地域の防災」はどうなっているのだろうか。

第3回にご紹介するのは新築マンションの「イニシア日暮里テラス」「イニシア日暮里アベニュー」。防災対策に取り組む管理組合が発足するのは入居開始から約半年後だが、同マンションではディベロッパーが音頭を取って“まちとの共生”を含めた防災対策を進めている。果たして、その内容とは?
防災対策を担当する管理組合の発足を待たずに始動

「イニシア日暮里アベニュー」は2021年1月、「イニシア日暮里テラス」は2021年2月、それぞれ竣工した新築マンション。JR山手線・日暮里駅の東側の近接するエリアに建つ。

イニシア日暮里テラス 完成予想図(画像提供/コスモスイニシア)

イニシア日暮里テラス 完成予想図(画像提供/コスモスイニシア)

4駅8路線が利用可能で、日暮里の繊維街や下町情緒あふれる「夕焼けだんだん」も近い。計99戸は順調に販売が進み、「イニシア日暮里アベニュー」は2月から入居を開始しており、「イニシア日暮里テラス」は3月下旬から入居が始まる。

これまでも、ディベロッパーがマンション内に共用の備蓄倉庫を設けたり、各戸に防災グッズを配布したりといった事例はある。しかし、管理組合の発足を待たずに防災対策を進めるケースや地区防災計画の作成をディベロッパー主導で行うのは珍しい。

ディベロッパーは東京都港区に本社を置くコスモスイニシア。同物件を担当する田脇みさきさんに、今回の取り組みの背景を聞いた。

田脇みさきさん(写真提供/コスモスイニシア)

田脇みさきさん(写真提供/コスモスイニシア)

「モデルルームのご来場者様と接していると、頻発する未曾有の災害に対して不安視する声が多いんです。とくに、台風や豪雨による水害はハザードマップも公表されていて、2018年の西日本豪雨もハザードマップ通りに浸水したというニュースも目にしました」

荒川区のハザードマップ。「イニシア日暮里テラス」「イニシア日暮里アベニュー」は浸水深0.5m~3.0m未満(1階の床から1階の天井までつかる程度)想定地域(荒川区HPより)

荒川区のハザードマップ。「イニシア日暮里テラス」「イニシア日暮里アベニュー」は浸水深0.5m~3.0m未満(1階の床から1階の天井までつかる程度)想定地域(荒川区HPより)

とはいえ、マンションの購入を考えている人々は、こうした不安を漠然と抱えているしかない。その対策を明確に提示するのが、「イニシア日暮里テラス」「イニシア日暮里アベニュー」の取り組みの目的だという。

田脇さん自身も社内の防災セミナーに参加して防災に対する意識が変わった。「備えることの重要性は分かっているが、災害なんてそうそう身近に起こるものじゃない」。そう思っていたが、セミナーを通じて災害時の具体的な状況を学んだことによって、当事者意識が芽生えたそうだ。非常用ライトや簡易トイレも鞄に入れて持ち歩くようになった。

契約者向けの「防災セミナー」をオンラインで開催

では、「イニシア日暮里テラス」「イニシア日暮里アベニュー」の防災対策とはどのようなものか。まず、エントランスの共用部分には防災倉庫があり、そこには「簡易トイレ」「救急箱」「トランシーバー」「発電機」「カセットガス」「レインポンチョ」「備蓄ラジオ」などの防災備品が入っている。

百年防災社にも防災倉庫の中身をチェックしてもらい、準備を進めた(写真提供/コスモスイニシア)

百年防災社にも防災倉庫の中身をチェックしてもらい、準備を進めた(写真提供/コスモスイニシア)

さらに、揺れを感じるとセットした収納扉に自動でロックがかかり、収納スペースの中身が落ちてこないようにする「耐震ラッチ」や、地震の際にドアが変形して開かなくなることを避けるため、ドアに接触しないように枠が変形する「耐震枠」も各戸に導入している。

耐震ラッチ(写真提供/コスモスイニシア)

耐震ラッチ(写真提供/コスモスイニシア)

耐震枠の玄関ドア(画像提供/コスモスイニシア)

耐震枠の玄関ドア(画像提供/コスモスイニシア)

しかし、これは他社を含む従来のマンションでもやってきたこと。ここ独自の取り組みとはどのようなものだろうか。

「まず、昨年11月にご契約者様向けの『防災セミナー』をオンラインで開催しました。内容については地域の防災計画を作成する百年防災社様に監修を依頼しています」

19世帯、31人が参加したというセミナーの内容は「マンション防災〇×クイズ」「荒川区の被災想定」「マンション防災のポイント」「グループディスカッション」など。

被災想定に関しては、荒川区の地域防災計画による推測データを引用した。それによれば、冬の18時に震度6強の首都直下型地震が起きた場合の荒川区の被害は以下のようになる。

倒壊家屋7217棟、地震火災5521棟、停電率48.7%、断水率58.3%、通信不通15.1%、ガス支障率52.5%。さらに、荒川氾濫時は0.5~3mの浸水を想定している。

「マンションの場合は在宅避難が基本です。こうしたデータを踏まえて、7日分の食料・水、生活必需品の備蓄、電力などの確保の重要性をお伝えしました。グループディスカッションでは、4~5人のグループに別れていただき、セミナーの感想や在宅避難で取り組みたいことなどを共有しています」

さらに、マンション防災にあたっては「住民同士や地域とのつながり」が重要だということも入居予定の住民に訴えた。今後は、町内会とマンション住民が共同で地区防災計画も作成する予定だ。町内会の賛同はすでに得ており、あとは進めるだけ。作成会議は4月から始まるが、セミナー参加者の76.9%が「地区防災計画の作成に参加したい」と回答した。

まちとつながっておくことで助かる命がある

新たに街に入ってくる分譲マンションの住民、のちにマンション管理組合となる側が、元から住む町内会を巻き込んで防災対策を考える試みもなかなか珍しい。マンション住民は在宅避難が基本なのに、なぜ町内会とのつながりが重要なのだろう。

「例えば、行政から地域への支援物資はすべて避難所に届けられます。でも、マンションにお住まいの方はその情報を得る術がありません。それに、避難所を運営しているのが町会の役員の方が多く、特に切羽詰まった状況下では限られた物資をどうしても顔見知りに優先して渡したい心情が働くものです。日ごろから接点をつくっておかないと、足を運んだところで、『あなた、誰?』となってしまいます。大げさに言えば、町とつながっておくことで助かる命があるということです」

「イニシア日暮里テラス」の共用ラウンジイメージ写真(写真提供/コスモスイニシア)

「イニシア日暮里テラス」の共用ラウンジイメージ写真(写真提供/コスモスイニシア)

管理組合が発足後には「マンション防災マニュアル」の作成に取り掛かる予定だ。在宅避難となるマンションは住民同士の共助がより必要となる。その際の役割分担や初期行動について協議するという。

「この取り組みが成功したら、今後の新築マンションでも取り入れたい」と田脇さん。

まちとマンションがつながることで、防災対策の強度は大きく増すだろう。マンションの住民は災害時の安心材料を得られる。高齢化が進む町内会に若い住民が加わることは地域の活性化につながる。まちとマンションのあり方を考える良い事例となりそうだ。

●取材協力
イニシア日暮里プロジェクト(株式会社コスモスイニシア)
百年防災社

まったりゆったり暮らす家

所在地:世田谷区砧
15万6,000円 / 64.71平米
小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅 徒歩9分

夫婦でゆったり暮らすにも、子供と一緒に暮らすにもいい家だな。物件が立つ祖師ヶ谷大蔵周辺の、のんびりとした環境も相まって、素直にそんな思いが込み上げてきました。



ひとつひとつのスペースにしっかりと広さをもたせつつ、ゆるくつながった間取り。リビングに寝室、書斎、あるいは子供部屋と、 ... 続き>>>.
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レトロを楽しむ麻布十番

所在地:港区三田
12万5,000円 / 40平米
南北線「麻布十番」駅 徒歩5分

正面はドドンとオーストラリア大使館という場所にある、日向坂の中腹に立つマンションの3階。



共用部や室内に漂うレトロさがこの物件のチャームポイント。所々に古さは感じますが、うまく住みこなしてこのレトロ感を楽しむのはどうでしょう。



撮影日はあいにくの天気でしたが、晴れた日は南側の ... 続き>>>.
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「被災地の復興の記憶を風化させたくない」。『東北復興文庫』立ち上げ“本”に

東日本大震災の発生から約10年、東北の片隅で、地域の復興・再生に向けて地道に挑戦し闘い続けている人がいる。コワーキングスペースの運営やNPOの支援など行う一般社団法人グラニー・リデトの代表理事・桃生和成さんは、10年経った今だから語れる東北の復興後の事業のモデルやそこで得た知見を、全国の被災地復興に取り組む方々へ向けて伝えたいと、東北の復興をテーマにした出版レーベル「東北復興文庫」を立ち上げた。桃生さんと「東北復興文庫」第1弾の著者である亀山貴一(たかかず)さんに話を聞いた。
被災地の経験を残す出版レーベルを立ち上げた

東日本大震災の発生から約10年が経つ2021年2月13日、23時過ぎに福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、福島と宮城では最大震度6強の揺れを観測した。東日本大震災の余震とも伝えられ、SNSでは「東日本大震災の記憶が蘇った」「震災を忘れるな、という警告のように思った」という声がいくつも見られた。

記憶が風化しつつある東日本大震災から得た教訓、取り組みを次世代にしっかり残したい。そんな思いで出版レーベル「東北復興文庫」を立ち上げた桃生和成さんは、大学を卒業した2008年にNPO法人せんだい・みやぎNPOセンターに入職。多賀城市市民活動サポートセンターのスタッフを約8年間務める間に東日本大震災が発生。多賀城市は市の面積の約1/3が浸水し、250人が亡くなった。桃生さんは避難所の調査をしたり、市外・県外から来る支援のコーディネートやボランティア受け入れセンターのバックアップなど、震災復興に関わる仕事をしていた。

2016年に退職し、一般社団法人Granny Rideto(グラニー・リデト)を立ち上げる。Granny Ridetoは、桃生さんが好きな宮沢賢治が良く使っていたエスペラント語で「おばあちゃんの笑顔」、Grannyには「おせっかい」という意味もあり、「地域のおせっかいをしよう」という思いを込めた。

一般社団法人グラニー・リデト代表理事の桃生和成さん。宮城県で生まれ、3歳から18歳まで福島県いわき市で育ち、岩手大学に進み、東北の被災3県に住んで38年。「東北に貢献したい思いをずっと持っていた」という(写真撮影/佐藤由紀子)

一般社団法人グラニー・リデト代表理事の桃生和成さん。宮城県で生まれ、3歳から18歳まで福島県いわき市で育ち、岩手大学に進み、東北の被災3県に住んで38年。「東北に貢献したい思いをずっと持っていた」という(写真撮影/佐藤由紀子)

グラニー・リデトは、フードバンクの立ち上げのバックアップや、NPO法人の相談やサポート、フリーランスで働くクリエイターの新しい仕事をつくるなど、相談を受けて社会的意義があると判断したことを請け負う。また、宮城県宮城郡の「利府町まち・ひと・しごと創造ステーション tsumiki」、仙台市にあるシェア型複合施設「THE6」のディレクターとして施設運営にも関わる。

「出版事業はグラニー・リデトを立ち上げるときに、事業の柱として考えていました。震災直後は、震災の経験を記録した本も出版されましたが、8年、9年経つと少なくなり、また、商業的に売れないため大手出版社が発行するのは難しくなります。それでも、東北に生まれ育った者として、商業ベースではなく社会的に意味があると強く感じていて、いつか出版したいという想いは強くありました」

被災地と被災地をつないで復興のノウハウやスキルを発信したい

2016年ごろから構想があった東北の復興をテーマにした出版レーベルは2020年2月、クラウドファンディングを実施して形になった。「知り合いにも個別に声をかけて支援を頼みましたが、思いがけない人や、九州から北海道まで全国各地の方に支援をいただき、東北の動きに感心がある人がいるんだと分かりました」

経験談などはインターネットでも発信できるが、あえて印刷物、書籍化したのは、確実に長く残したいからだという。「Webでは記録が残っても発見されにくくなります。一方で書籍ならISBN(書籍出版物を識別するコード)を取れば国立国会図書館も含め図書館に納めることができ、100年先、200年先も残すことができます。単純に本が好きということもありましたけれどね。

東北には、震災復興のために事業を継続的に行っている人たちがたくさんいるのに、ノウハウやスキルが個人に蓄積されたままではもったいない、全国の被災地で同じような問題を抱えている人、復興を目指す人々に活用してほしいと立ち上げたのが『東北復興文庫』です。

コロナ禍の影響で計画通りにはいきませんでしたが、NPOの仕事を通じて全国各地の被災地ともネットワークができていたので、当初は、著者と一緒に本を抱えて九州の豪雨地帯や新潟の中越地震の被災地などへ行って、復興従事者の人たちとディスカッションをしながら本を販売しようと考えていました」

東北の被災地から全国の災害被災地へ。著者を選定する条件は「震災から約10年が経とうとしても何らかの形で取り組みを継続し、今後も持続する可能性があること。著者自身が印刷物の書籍をだしたことがない、の2点」とのこと(画像提供/グラニー・リデト)

東北の被災地から全国の災害被災地へ。著者を選定する条件は「震災から約10年が経とうとしても何らかの形で取り組みを継続し、今後も持続する可能性があること。著者自身が印刷物の書籍をだしたことがない、の2点」とのこと(画像提供/グラニー・リデト)

被災地で起こりうる課題を現場からリアルに

1冊目の本「豊かな浜の暮らしを未来へつなぐ -蛤浜再生プロジェクト-」は、石巻市蛤浜(はまぐりはま)でカフェ「はまぐり堂」などの事業を展開している、一般社団法人はまのね・代表理事の亀山貴一さんの、東日本大震災の発生から約9年間の取り組みをまとめた本だ。

築100年の亀山さんの持ち家を協力者とともに改装したはまぐり堂の店内。現在は、コロナ禍のためオンラインショップでお菓子や鹿の皮のアクセサリーの販売などを行っている(画像提供/亀山貴一さん)

築100年の亀山さんの持ち家を協力者とともに改装したはまぐり堂の店内。現在は、コロナ禍のためオンラインショップでお菓子や鹿の皮のアクセサリーの販売などを行っている(画像提供/亀山貴一さん)

「亀山さんのことは以前から知っていて、活動に注目していましたし、はまぐり堂に行ったこともありました。宮城県の震災復興関係では名前の通った方ですが、亀山さん自身の言葉で語られた記録がなかったので、3、4年前から声をかけていました」と桃生さん。

桃生さんが亀山さんに書いてほしかったのは、復興活動を進める上で表に出にくい、報道されない現実、課題だった。

「僕が復興支援事業に従事していたときから感じていた違和感、課題があり、例えば、たくさんの補助金・助成金が投入されても資金が途切れたら事業ができなくなったり、お店を開いてメディアに注目されるのはありがたくても、人が来過ぎて地元の人たちのストレスになったり、地元の人がお店に足を運べなくなったり。そういったことがあると、本末転倒です。

蛤浜は災害危険区域に指定され住宅は建てられません。亀山さんは『人口は少なくても、地域資源を活かした産業で交流人口を増やし、まちを活性化したい。まずはバラバラになった地元の方が集まりお茶を飲みながら集える場所を提供したい、外部にまちの魅力を発信する場所としてカフェをつくろう』と考えたのです。自己資金では足りなかったので寄付金や助成金にエントリーしましたが、災害危険区域であることや費用対効果の面で実現が難しいだろうと助成金が下りませんでした。

当初やろうとしていたことと違う方向に進んだり、助成金が下りないなどは、どこの被災地でも起こりうることだと思いますが、なかなか拾いきれない話だと思います。亀山さんがどう乗り切ったのかなどをぜひ書いてほしいと思いました」

桃生さん、亀山さん、編集者らで何度もやりとりしながら書籍をまとめあげた(写真提供/グラニー・リデト)

桃生さん、亀山さん、編集者らで何度もやりとりしながら書籍をまとめあげた(写真提供/グラニー・リデト)

壊滅的な被害の中、一人で始めた「蛤浜再生プロジェクト」石巻市の東の先端、牡鹿半島の付け根にある蛤浜全景。蛤浜は豊かな山と海にかこまれた小さな集落だ(画像提供/亀山貴一さん)

石巻市の東の先端、牡鹿半島の付け根にある蛤浜全景。蛤浜は豊かな山と海にかこまれた小さな集落だ(画像提供/亀山貴一さん)

亀山さんは生まれてから高校2年まで、石巻市の小さな集落、蛤浜で暮らし、その後は街なかに引越した。同級生は地元を離れることが多いなか、亀山さんは大好きな蛤浜に戻り宮城県水産高校で教員として働き、結婚後もそのまま蛤浜で妻と暮らしていたが、大震災で妊娠中の妻と親族3人を亡くした。震災前は9世帯が住んでいたまちは、震災後はわずか3世帯になり、建物も集会所と民家が4戸残るのみという壊滅的な被害を受けた。

亀山貴一さん。「この9年間、新しいことに取り組み、常に突っ走っていましたが、震災から10年、コロナ禍もあり、執筆が一つの区切りになりました」(画像提供/亀山貴一さん)

亀山貴一さん。「この9年間、新しいことに取り組み、常に突っ走っていましたが、震災から10年、コロナ禍もあり、執筆が一つの区切りになりました」(画像提供/亀山貴一さん)

震災後、亀山さんは「もうここには住めない」と再び市内に引越したが、1年後に漁業に熱い思いを持つ区長さんと話をしたことで「震災前にあった豊かな暮らしを後世に残していきたい」「ボランティアの方々に支援してもらうばかりでなく、自分も地域のために何かしたい」という想いが沸き起こり、2012年にたった一人で蛤浜再生プロジェクトを立ち上げた。

当時、亀山さんは持続可能な浜をつくりたいと、一枚の絵を描いた。カフェでコミュニティを育むのはもちろん、浜で獲れた季節の食材を提供するレストラン、浜の暮らしを体験できる宿、海に親しむためのマリンレジャーや自然学校、ギャラリーなどをつくり、交流人口を増やすことを目指した。その絵を基に地区を離れた住民や浜の出身者、行政やNPO、大学などたくさんの人に自ら会いに行って話をしたという。また、FacebookなどSNSで情報を拡散すると、ボランティアや応援してくれる人が増えた。

震災1、2年目は瓦礫も片付かない状態だったが、いい仲間やボランティア、支援してくれる人との出会いがあり、瓦礫撤去作業は一段落した。震災から丸2年経った3月、人が集まる場所、コミュニティの基点として「はまぐり堂」をオープン。「はまぐり堂」は、たくさんの人の応援の証であり、復興のシンボルのひとつとして形になることでさらに応援する人が増えて、次のステップが広がった。そして、自然学校の開催、海の結婚式など、この浜ならではの魅力を活かしたイベントや地域資源を有効活用した狩猟、山林再生、漁業、観光プログラムなど、できることを増やしていった。

石巻市では鹿が急増し猟友会に頼るだけでは駆除が追いつかない、捕獲しても処理できないという問題を抱えていた。はまぐり堂では、2014年ごろから、鹿肉を使ったカレーを提供(写真)、人気メニューとなっている。副業として猟を始め、スタッフや地元の作家が鹿革の小物などに加工して販売(画像提供/亀山貴一さん)

石巻市では鹿が急増し猟友会に頼るだけでは駆除が追いつかない、捕獲しても処理できないという問題を抱えていた。はまぐり堂では、2014年ごろから、鹿肉を使ったカレーを提供(写真)、人気メニューとなっている。副業として猟を始め、スタッフや地元の作家が鹿革の小物などに加工して販売(画像提供/亀山貴一さん)

本を読んで分かるのは、亀山さんが事業を展開する上で、たくさんの人の協力や支援があったことだ。自分の構想を周りの人にも語り、多くの人に声をかけている。

「やはりカフェを開業できたのは、人との出会いやつながりが大きいです。諦めずに熱意とビジョンを持つと、協力者が自然と集まってくると感じています。本でも、感謝を伝えたくて、一部の方の個人名や企業名を入れましたが、名前を書ききれないほどたくさんの人にお世話になり、全員の名前を挙げられなかったのが心苦しいです。

補助金や助成金が得られず、資金が少なかったため、築100年の自分の持ち家をカフェに改装することにしましたが、その分、家族や地元の人、震災後に出会った方が寄付をしてくれたり、設計事務所の方、大工さん、ボランティアといった多くの人が知恵や労力を手注いでくれて、改装することができたのも結果的に良かったと思います」と亀山さん。

本の第5章の「交流人口から関係人口へ」と、最終章の桃生さんと亀山さんの対談では、震災後5年以降の取り組みや、振り返って思うこと、情報を伝える難しさなど、復興事業に取り組む方の参考になる内容だ。

東北だからこそできることから、東北の新しい価値を見出す

2020年10月、クラウドファンディングの協力者に本を発送。2020年12月には仙台市内の書店でトークイベントを行った。

参加者からは「はまぐり堂はオシャレなカフェだと思っていたら、オープンまで紆余曲折があったんだ」といった声も。「身近な人には、はまぐり堂を立ち上げた背景や開業までの過程などを深く理解してもらえるようになりましたが、まだまだ届けきれていません。震災から10年で何ができて何ができていないか、11年目にどうすればいいか、そういう議論をもっと活発に行いたい」と桃生さん。

トークイベントの模様。「同級生や同級生のお母さんも来てくれて、激励の言葉をかけてくれました」と亀山さん(画像提供/亀山貴一さん)

トークイベントの模様。「同級生や同級生のお母さんも来てくれて、激励の言葉をかけてくれました」と亀山さん(画像提供/亀山貴一さん)

「亀山さんはいい仲間に出会えていますが、共感する人が集まるのは、強烈なリーダーシップがあるからではなく、秘めた強い思いを持っているからだと思います。先が見えない、予測がつかない時代に求められる、環境に適合する柔軟さ、しなやかさを持っています。

東北は東京などの大きな経済圏のことを踏襲するやり方ではうまくいかないと思います。東北人の血が流れている自分は、東北だからこそできること、東京にないものをどうつくっていくかを意識しています。それを実践している亀山さんは、同世代として尊敬しています」と桃生さん。

グラニー・リデトでは、インターネットラジオで、震災後に生まれた知恵や技術などを共有するプログラム「10年目を聞くラジオ」を月1回配信し、震災10年目の手記を募集している。「震災から10年を節目と捉えるか、通過点と捉えるか、いろいろだと思います。僕は今後も東北に住み続けて震災の跡に寄り添いながら、東北に新しい価値を見出すことをやっていきたい」(桃生さん)

『東北復興文庫』の第1弾、「豊かな浜の暮らしを未来へつなぐ -蛤浜再生プロジェクト-」を、鉛筆を手に
読んだ。心に響いた箇所には鉛筆で線を引き、後で読み返したいところには付箋を貼った。本棚に置いて、本棚にその本があることを見て安心し、必要なときにまた手に取って読み返したいと思った。本が好きな人には分かる、書籍ならではの楽しみかもしれない。

『東北復興文庫』は、全部で5冊発行する計画。2冊目は2020年度中に発行予定だ。
災害から立ち上がろうとする人たちのヒントや希望がぎっしりと詰まった同書は、復興事業に関わらない人にとっても、立ち止まって自分の足元を見直し「人生で何が大切か」「何のために生きるのか」「どう生きるか」を考えさせられる貴重な本を、ぜひ手に取ってほしいと思う。

●取材協力
一般社団法人 Granny Rideto
東北復興文庫
浜の暮らしのはまぐり堂

愛する地元は自分たちで守る! 防災エキスパートの育成が亀有で始まる【わがまち防災2】

2011年の東日本大震災、いわゆる「3・11」からちょうど10年。このタイミングで「地域の防災」をテーマに具体的な活動事例を取材した。

第2回にご紹介するのは「亀有共助プロジェクト」。これは、葛飾区亀有エリアでアロマや健康や育児に関する講座を主宰していた小西昭美さん(37歳)が“防災エキスパートパパ・ママ”を育成しようと立ち上げたものだ。

本格的なスタートは今年の4月になるという。今回は、そんな小西さんに亀有への愛と「防災の輪」の広げ方について聞いた。

ママ向けの講座を始めたのは「子どもが大好きだったから」

今回のプロジェクトのテーマは100%、「防災」。小西さんは亀有エリアのママたちに向けてアロマや環境に関する講座を開いていたが、同時に多くの人から防災に対する不安の声も聞いていた。

小西さんがママたちを対象とした講座を始めたのは、「子どもが大好きだったから」。独身時代に「子育てアドバイザー」の資格を取るほどの情熱で、当時も子どもができた今も、人生のテーマは「子どもの発達と親子関係」だという。

西亀有にあるGreenroom&Kitchen茶々というカフェスペースで開催していたアロマ講座の様子(画像提供/亀有共助プロジェクト)

西亀有にあるGreenroom&Kitchen茶々というカフェスペースで開催していたアロマ講座の様子(画像提供/亀有共助プロジェクト)

そんなタイミングで出会ったのが、前回の記事にも登場した百年防災社代表の葛西優香さん(34歳)だ。地域の防災計画を推進する、いわば“防災のプロ”だ。

葛西さんは、かつしかFMの『かつぼうそなえチャオ!』という防災番組のパーソナリティーを務めている。この番組に小西さんが出演したのは昨年7月。

「番組の最後に、葛飾区民がリレー形式で感想を話す『防災の輪』という枠があって、私のお友達からバトンが回ってきたんです。それがきっかけで葛西さんと防災トークをするようになり、防災は地域との連携が大事だなと感じるようになりました」

ラジオで防災のプロとしてトーク中の葛西さん(画像提供/百年防災社)

ラジオで防災のプロとしてトーク中の葛西さん(画像提供/百年防災社)

避難所を運営するカードゲームを体験して気付いたこと

その後2020年12月に、小西さんは百年防災社が開発中のカードゲームの会に誘われた。

「内容は、みんなで協力し合って避難所を運営するというもの。まず、鍵がないのでいろんなツテをたどって町内会の会長から鍵を受け取るところから始まり、押し寄せる避難者に対応するんです。みなさんと一緒に頭をフル回転させてとても楽しかったです。同時に、地域や町内会と連携する『共助』の重要性にも気付かされました。その日のうちに『亀有deみんなで守る共助』というLINEグループをつくり、自分たちにできることは何かと考え始めることになりました」

カードゲームは今年の4月末に完成予定(画像提供/百年防災社)

カードゲームは今年の4月末に完成予定(画像提供/百年防災社)

自分たちにできること――それは例えば、備蓄。小西さんの防災に対する意識は高いものの、まだいざというときの備蓄態勢は整っていない。今後、葛西さんの備蓄品を参考にしながら買いそろえたいという。

現在の防災備蓄は水、食料、簡易トイレのみ(画像提供/亀有共助プロジェクト)

現在の防災備蓄は水、食料、簡易トイレのみ(画像提供/亀有共助プロジェクト)

一方、防災の専門家である葛西さんは「いつも鞄に入れて持ち歩くもの(ヘッドライト、ビニール袋、トイレ、マウスピース、非常笛など)」、「車での移動が多いので車載用」、「逃げる際のリュック(背負って走れる重さ)」と、いつ災害が起きても対応できる万全の態勢を取っている。

こちらは「鞄に入れて持ち歩く防災グッズ」(画像提供/百年防災社)

こちらは「鞄に入れて持ち歩く防災グッズ」(画像提供/百年防災社)

葛西さんとの出会いを機に、防災活動は地域との繋がりが大事だと気付いた小西さん。近い将来、地元の町会に入るつもりだ。

愛する町だからこそ、防災への意識を高めておきたい

小西さんは、地元・亀有を愛している。

「妊娠したタイミングで引越してきたんですが、本当に子育てがしやすい。遊具が充実している公園が近くにいっぱいあって、スーパーに行けば、素材にこだわったちょっと意識の高い商品が並んでいます(笑)」

亀有を代表する商店街「ゆうろーど」(画像/PIXTA)

亀有を代表する商店街「ゆうろーど」(画像/PIXTA)

災害時の広域避難所にも指定されている上千葉砂原公園(画像/PIXTA)

災害時の広域避難所にも指定されている上千葉砂原公園(画像/PIXTA)

お隣の足立区だが「お散歩圏内」の大谷田南公園(画像/PIXTA)

お隣の足立区だが「お散歩圏内」の大谷田南公園(画像/PIXTA)

また、同じエリアで出会ったパパ・ママたちは、自然派の子育て、現在の政治、そして防災について熱心に語り合える貴重な存在だ。

「防災について言えば、それぞれが問題意識を持って考えていましたが、それらを繋げる場所がなかった。さっきのLINEグループもそうですが、まずは顔見知りになっておくことが重要だと思います」

全講座を受講した人は「防災エキスパートパパ・ママ」に認定

4月からは「自助力」「共助力」という2つのテーマでさまざまな防災講座を開催する予定だ。申し込みは先着順で、密を避けるために1回あたり会場に5名ずつという制限も設けた。

ここに「公助力(行政との連携)」も加わる予定だ(画像提供/亀有共助プロジェクト)

ここに「公助力(行政との連携)」も加わる予定だ(画像提供/亀有共助プロジェクト)

小西さんの専門分野であるアロマ講座も(画像提供/亀有共助プロジェクト)

小西さんの専門分野であるアロマ講座も(画像提供/亀有共助プロジェクト)

「ママたちに向けてアロマ講座をやってきた経験から、例えば避難所でアロマを体験してもらえれば傷や火傷に対応できたり、除菌もできますし、リラックス効果もあるので、感情の切り替えもできる。6月から8月にかけて予定している講座は、そのシミュレーションなんです」

防災の準備に必要な備蓄品について知ることから始まり、最終的には町会や地域の高齢者も一緒になって避難所運営を学ぶプログラムとなっている。

1年をかけて全講座を受講した人は「防災エキスパートパパ・ママ」に認定。ここで培った「自助力」「共助力」のノウハウは別のパパ・ママたちに伝えられるとともに、そこからさらに拡散してゆく。

「テーマ縁」で形成されるパパ・ママ友コミュニティ

小西さんとともに講座を企画する百年防災社の葛西さんは言う。

(画像提供/亀有共助プロジェクト)

(画像提供/亀有共助プロジェクト)

「近所のコミュニティ、すなわち縁が生まれる背景には、地縁、テーマ縁、血縁、学校縁があると思います。小西さんの『亀有共助プロジェクト』は、まさに防災というテーマでつながる“テーマ縁”で形成されるパパ・ママ友コミュニティですね」

アロマ縁、環境縁、そして葛西さんのラジオに出演したことを機に生まれた防災縁。各エリアにいるというパパ・ママ友コミュニティに加えて、今後、町会との繋がりも深くなれば防災講座もより深く、実践的になるだろう。

いろんな縁を結んでいた小西さん。それが、結果的に地域を守る防災につながろうとしている。ちょっとした縁をきっかけに起こした行動から新しい防災の芽が生まれる。これは、どの地域にも起こり得ることかもしれない。

●取材協力
亀有共助プロジェクト
百年防災社

梅ヶ丘大家のメゾネット

所在地:世田谷区松原
21万円 / 112.98平米
小田急線「梅ヶ丘」駅 徒歩7分

青と白の外観が可愛らしいレトロマンションの4・5階に、オーナーが住んでいたメゾネットタイプの部屋があります。



内装はどこも白と木の落ち着いた雰囲気。玄関にはステンドグラスがきらり。



16.5畳の広々としたリビングには、備え付けのテレビ台がどっしり構えています。2面採光で、日当 ... 続き>>>.
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ほっこり2DK。目の前は畑

所在地:世田谷区弦巻
9万8,000円 / 40平米
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩7分

静かな住宅街に立つ小さなマンション。部屋が南を向いていて、目の前が畑で近くに建物がないため、日当たりがよく風も通る。窓からは緑も見える。和やかな雰囲気が魅力的です。



間取りは2DK。白い壁紙にフロアシートでシンプルな内装ですが、清潔感があって、前述した通り部屋の環境がいい。日中 ... 続き>>>.
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すてきな間借り -新築-

所在地:川崎多摩区栗谷
6万9,000円 / 19.04平米
小田急線「生田」駅 徒歩8分

今年の3月に出来たばかりの建築家の自邸。その離れ的な、賃貸部分でのんびり暮らしてみませんか。



山小屋をイメージしてデザインされた空間は、天井高約4.8mと、なかなか普通の賃貸住宅では味わえない高さです。



通りからの視界を遮りながら、光や風を取り込めるように設計されたオーナーこ ... 続き>>>.
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海抜0m地帯に住む親だから。助け合える地域のつながりづくりを【わがまち防災1】

2011年の東日本大震災、「3・11」からちょうど10年。各地域で防災の取り組みが生まれ、取り組まれるようになった。いま「地域の防災」はどうなっているのだろうか。

第1回に紹介するのは「ハハモコモひろば」。東京の葛飾区を中心に江戸川区、江東区と広いエリアで親子コミュニティを形成している。いずれも海抜0m地帯ゆえ、防災意識が高いパパ・ママが多い。今回は、代表のナオさん(42歳)にいざというときに周りの人と助け合う“共助”にもつながる、知り合いづくりの取り組みについて聞いた。

3・11で困ったのは乳児用のミルクをつくるための水問題

「3・11といえば、金町浄水場の水道水から1kmあたり210ベクレルという高い放射性ヨウ素が出たんです。それまで、乳児のミルクをつくるのに水道水を使っていたんですが、当時は焦ってミネラルウォーターを探し回りました」

葛飾区、江戸川区、江東区の全域に給水する金町浄水場(画像提供/pixta)

葛飾区、江戸川区、江東区の全域に給水する金町浄水場(画像提供/pixta)

区が備蓄していた水を配布したり、西日本の親戚が送ってくれたりと、結果的には何とか乗り切った。しかし、災害に備えること、そしていざというときに助け合えるような知り合いを日ごろからご近所でつくっておくことの重要性を知った経験だったという。

その知り合いづくりのきっかけになればと、ナオさんは地域でやっているイベントに参加してみることにした。

「ハハモコモひろば」の前身は2009年に発足した「母の会」である。ナオさんは2010年に出産したタイミングで、保健所が主催する乳児の会に出席。そこで知り合ったママさんに「母の会」の存在を教えてもらい、さまざまなイベントに参加するようになった。
「母の会」は2015年に『ハハモコモひろば』に名称を変更し、2012年からスタッフ加入したナオさんが昨年から代表を務めている。

オンラインで人気だった「おうちプレようちえん」2012年、「母の会」時代に開催したクリスマスイベント(写真提供/ハハモコモひろば)

2012年、「母の会」時代に開催したクリスマスイベント(写真提供/ハハモコモひろば)

「主な活動内容は、ママ向けや親子向けの教室を開催したり、親子で楽しめるワークショップを集めたフェスのようなイベントを行ったりしています。文字どおり、“母も子も”楽しめるイベントが多く、もちろんパパさんも参加可能です」

スタッフとイベント参加者(画像提供/ハハモコモひろば)

スタッフとイベント参加者(画像提供/ハハモコモひろば)

内容は必ずしも防災につながることばかりではなく、地域の防災に重要なのは、“いざ”というときに助け合えるように関係性を高めておくこと。そのため、コロナ禍でもオンラインイベントを途切れさせることはなかった。

昨今は会議やミーテイング、保育園・幼稚園の説明会、塾の保護者会などもオンラインツールのZoomで行われているが、使い方が分からないというママも多い。そんなママたちと楽しくお喋りをしながら「Zoomの使い方」をやさしく教えるイベントだ。

2020年4月から「Zoom」を使ってさまざまなオンライン講座を開催

2020年4月から「Zoom」を使ってさまざまなオンライン講座を開催

また、2020年6月からZoomを使って毎月開催している「おうちプレようちえん」。2~3歳の子どもが入園前に体験する「プレ幼稚園」の雰囲気を家で体験してもらおうと、幼稚園ママのスタッフと元保育士のママで企画したものだ。

子どもの名前を呼んで出席も取る「おうちプレようちえん」(画像提供/ハハモコモひろば)

子どもの名前を呼んで出席も取る「おうちプレようちえん」(画像提供/ハハモコモひろば)

「スタッフは、“年齢がバラバラ”“子どもの学校も別々”“同じ町内に住んでいるわけでもない”と、本来であれば出会わなかったかもしれない人達。奇跡的な繋がりだと思っています。地域やパパ・ママたちに何か貢献したい!という、共通の思いを持って参加しているので、時には本気でディスカッションすることもあります。大人になって出会えた“最高の仲間”だと思います」(ナオさん)

葛飾区は防災イベントに若いパパ・ママを呼び込みたかった

こうしたゆるやかなつながりづくりのなかで、防災の講座やイベントも行っている。

2016年からは葛飾区と組んで「パパママ防災講座」「パパママ水害講座」などを実施してきた。ナオさんが「かつしかFM」の番組に出演したことをきっかけで危機管理課の職員と繋がったという。

「予想に反して防災意識が高いパパさんは多くて、『パパママ水害講座』もパパさんしか参加しなかった年があります」

2018年に行った「パパママ水害講座」の様子(写真提供/ハハモコモひろば)

2018年に行った「パパママ水害講座」の様子(写真提供/ハハモコモひろば)

「葛飾区としては防災イベントに年配の方は来るけど、子育て中のパパ・ママ世代がなかなか来てくれないという悩みがあったようです。こちらも防災や水害時の対応に関する区の取り組みを聞きたかったので、需要と供給がちょうどマッチしました」

葛飾区、江戸川区、江東区の多くは海抜0m地帯。豪雨の際の水害が気になるところだ。

「2019年の台風(令和元年東日本台風)の時は避難したスタッフもいました。パパママ水害講座で、避難の考え方を葛飾区危機管理課の方に教えていただいていたので、自治体からの情報を確認しながら判断することができました」

荒川が氾濫すると葛飾区の西部地域に水が流れ込む(画像提供/葛飾区)

荒川が氾濫すると葛飾区の西部地域に水が流れ込む(画像提供/葛飾区)

行政と協働しようとする姿勢に“防災のプロ”も注目

防災に関する情報を発信し続けている“防災のプロ”、百年防災社。代表の葛西優香さん(34歳)も「ハハモコモひろば」の活動に注目している。

「さまざまな防災講座を設けるとともに、行政と積極的に関わって協働しようとする姿勢も感度が高いと思います。代表のナオさんは思いついたことをすべて行動に移す推進力を持っており、その後も地域と積極的に繋がっていくパパ・ママさんたちを輩出してきたコミュニティですね」

ナオさんたちは、先日も葛飾区主催の「(女性のための防災講座」災害時のトイレ・衛生対策」に広報協力したうえで、講座にも参加した。自宅に災害時用の簡易トイレはあるが使ったことはない。実際に使用してみることで、具体的なイメージができたという。

「災害時のトイレ・衛生対策」(画像提供/葛飾区)

「災害時のトイレ・衛生対策」(画像提供/葛飾区)

こうした活動を通じて、ナオさんをはじめ、参加者のママさんたちの防災意識はさらに高まっていった。防災対策に関する知識も養われたという。

例えば、実際に、ナオさんも簡易トイレ以外に「非常食はローリングストック法で備蓄」「上着は、普段から防水力のあるレインウェアにする」「外でバッテリーが切れたときのために、携帯電話は2台持ちにしてモバイルバッテリーも常に持ち歩く」などの防災態勢を整えた。

簡易トイレもそうだが、トイレットペーパーも備蓄しておくに越したことはない。ナオさん宅では、通常より数倍長い「長巻きトイレットペーパー」を何ロールか常備している。昨年、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で店からトイレットペーパーが消えたときも、とくに困らなかったそうだ。

これらの商品は生協などで買っている(画像提供/ハハモコモひろば)

これらの商品は生協などで買っている(画像提供/ハハモコモひろば)

長く続けるコツは「自分たちが楽しむ」こと

実は、こうした地域コミュニティは「できては消え、できては消え」ていくそうだ。長く続けるコツをナオさんに聞いた。

「コミュニティをつくるのは簡単ですが、継続させるのが難しい。一番大事なのは、自分たちが楽しむことを忘れず、やりたいことをやるということじゃないでしょうか。例えば、ママたちの間で流行しているハンドメイド講座があっても、私たちがピンとこなかったときには、無理に手を出しませんでした。スタッフはみんなボランティアでやっていて、本業もあったり、子育てもしているママです。楽しさを失ってしまうとバランスが崩れて続かないと思います」

ナオさんたちの活動の軸は「ママたちを元気づけたい!」という思い。さまざまなイベントを通じてママたちが元気になり、地域が活性化し、そして防災意識が高まる。この好循環が、心地よいコミュニティづくりへとつながっている。

防災をメインとしていなくても、こうしたつながりづくりが結果的に地域の防災につながる。自分の住む街にどんな自治会や地域のコミュニティがあるか、見直してみてもいいかもしれない。

●取材協力
ハハモコモひろば
百年防災社

2021年の「住みたい街」、埼玉県が大躍進!コロナ禍で目覚めた地元愛?

リクルート住まいカンパニーでは、 関東圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の7000人が回答した「SUUMO住みたい街ランキング2021 関東版」を発表した。調査時期が2021年1月のコロナ禍であるが、ランキングに変動はあったのだろうか?【今週の住活トピック】
「SUUMO住みたい街ランキング2021 関東版」を発表/リクルート住まいカンパニーコロナ禍の住みたい街ランキング2021は、「横浜」が無敵の強さを見せる

さて、2021年の住みたい街(駅)ランキングの結果は、1位「横浜」、2位「恵比寿」、3位「吉祥寺」とTOP3は4年続けて同じ顔触れとなり、安定した人気を誇る結果となった。なかでも、横浜は各世代・各ライフステージから幅広い支持を集め、得点で2位以下を大きく突き放す強さを見せた。

住みたい街(駅)総合ランキングトップ20(関東全体/3つの限定回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

住みたい街(駅)総合ランキングトップ20(関東全体/3つの限定回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

コロナ下の調査ということで、筆者はランキングに変動があるかどうか気になっていた。というのも、コロナ下では郊外の街に人気が出ているという話題が多く、郊外の街で躍進があるのではないかと思っていたからだ。

しかし、ランキング上位に大きな顔ぶれの変動はなかった。複数路線が利用できるターミナル駅が上位に並び、にぎわいや利便性の高い街が顔をそろえたという印象だ。とはいえ、今回のランキングで注目したい点もある。近年着実に順位を上げている「さいたま新都心」や20位以内に躍り出た「舞浜」、「桜木町」など、埼玉県や千葉県、神奈川県の人気の街が、ランキングを上げている点だ。前年20位以内からランキングを下げたのは、「二子玉川」と「赤羽」なので、3県の人気の街が東京都の街を抑えたわけだ。

ほかに、2020年では得点60点未満のためにランキング圏外だった街で、2021年にランキングに入った街にも注目したい。85位の「逗子・葉山」、116位の「志木」、129位の「本郷三丁目」、132位の横浜「山手」、136位の「大森」、138位の「根津」、141位の「聖蹟桜ヶ丘」、同「ふじみ野」、147位の「朝霞台」、150位の「西日暮里」、155位の「ユーカリが丘」、160位の「蒲田」、同「中央林間」、163位の「武蔵小金井」、170位の「菊名」だ。

広域での知名度がやや低くちょっと地味な印象があるが、住み心地がよい街が見直され、数多くランキングに入ってきたということだろう。ちなみに、新駅「高輪ゲートウェイ」は64位だった。

自虐で知られる埼玉県の街が、住み心地のよさで躍進の気配

前年のランキングでは、「大宮」、「浦和」、「さいたま新都心」のさいたま市中核エリアの躍進が注目された。2021年でも、さいたま市中核エリアの躍進が続いたことに加え、33位の「和光市」、34位の「川口」、44位の「所沢」が過去最高順位を記録するなど、埼玉県勢が大躍進を見せた。

SUUMO編集長・池本洋一さんがランキングの記者発表会で説明したところによると、1都4県全体や埼玉県民から「埼玉票」が集まったからだという。特に注目したいのは、これまでは自県以外に投票していた埼玉県民が、自県にこれまでより多く投票したことだ。

埼玉県民が自県に投票した比率を見ると、過去4年で最高の55.4%に達している。その一方で、東京都民が自都に投票した比率は過去4年で最低の84.0%だった。埼玉県民が自県を見直して投票したのに対して、東京都民の票は他県に流れたというわけだ。

自県から自県への投票を集計した比率(出典:リクルート住まいカンパニー)

自県から自県への投票を集計した比率(出典:リクルート住まいカンパニー)

さらに、池本さんの分析によると、「その街を魅力的だと思う」項目で、浦和やさいたま新都心、川越では「街の住民がその街のことを好きそう」が、さいたま新都心や和光市では「人からうらやましがられそう」が、上昇したが、これらの項目は埼玉県民が東京都の街を選ぶ際に上位になる項目だという。

つまり、以前は東京都の街に憧れとして感じていた魅力を自県の街に感じるようになった、といった変化が起きて、自県の街に投票したと考えられるわけだ。

地元に長く滞在し、改めて住み心地のよさを感じるなど、コロナ禍による変化という側面もあるのかもしれない。埼玉県といえば、過激な「埼玉ディスり」で話題を呼んだ映画『翔んで埼玉』が思い浮かぶ。タモリが「ダサイタマ」という表現を広めたのに始まり、筆者の好きな落語でも三遊亭円丈師匠が「悲しみは埼玉に向けて」という新作落語を作ったりと、自虐ネタで知られる埼玉だが、どうやら埼玉県民は、自県をリスペクトするようになったようだ。

コロナ禍を受けて「理想的な街」に求めるのは、医療施設の充実

また、ランキングでは「今後の注目される街」も発表され、「錦糸町(東京都墨田区)」、「聖蹟桜ヶ丘(東京都多摩市)」、元住吉(神奈川県川崎市中原区)」となった。

これらの街が上位に選ばれたのは、コロナ禍の変化が関係している。「新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、回答者にとっての理想的な街の条件が変化した度合い」を「とても意識するようになった」~「ほとんど意識しなくなった」の5段階評価で尋ね、「とても意識するようになった」と「やや意識するようになった」の回答率の合計で、理想的な街の条件のランキングを行ったところ、次のような結果になった。

コロナ影響による「理想的な街」への意識変化TOP10(関東全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

コロナ影響による「理想的な街」への意識変化TOP10(関東全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

1位は病院や診療所などの「医療施設の充実」だ。コロナ感染者が入院できずに、自宅療養を強いられた事例が多かったことなどが影響しているのだろう。次に、「一回の外出で複数の用事を済ませられる」、「歩ける範囲で日常のものはひととおり揃う」、「徒歩や自転車での移動が快適だ」など、地域の暮らしの利便性を重視する項目も上位に挙がった。一方、憧れ系の項目は下位になった。

なお、記者発表会では、俳優の磯村勇斗さんやタレントの若槻千夏さんも登壇した。緑の丸っこいSUUMOくんも応援に表れ、いつも緑のネクタイをしている池本さんに色を添えるように、ゲストの二人も緑のファッションでご登場。

埼玉県出身の若槻さんは、「大宮が目黒の上に来た」、「ランキングに埼玉の多くの街が入っている」と埼玉躍進に喜びを見せた。また、今住んでいる「渋谷」の魅力についても語った。一方、磯村さんは井の頭公園や美味しいカレー屋がある「吉祥寺」に注目し、「スーパーが近くにあるか」「落ち着けるカフェがあるか」などを住みたい街の条件にしていると語った。

また、サウナアンバサダーをしている磯村さんには、池本さんが自然豊かでグランピングもできる「飯能」をおススメしていた。

さて、2021年のランキングの結果は、前年のランキングと大きく変わったという印象はあまり受けなかった。しかし、コロナ禍というまれな事態を経験したわれわれは、間違いなく今後住む街を選ぶ際の見方を変えるだろう。これからのランキングにそれが表れるのかどうか、来年のランキングにも注目したい。

団地×リノベ×高円寺

所在地:杉並区高円寺北
13万4,000円 / 52.04平米
中央線「高円寺」駅 徒歩7分

気になるキーワードが並ぶ住まいの紹介です。

場所といい、昔懐かしい建物といい、刷新された室内といい、絶妙なバランス感を気に入ってくれる方も多いのではないでしょうか。



舞台は高円寺、元社宅だったしっぶい団地をテーマに、設計を担当したのはR不動産の馬場正尊率いるOpenA。2棟ある ... 続き>>>.
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そのままで始めよう!

所在地:千代田区東神田
18万1,500円(税込) / 42.07平米
総武快速線「馬喰町」駅 徒歩2分

内装費をなるべくかけずに、いい雰囲気の店を始めたい。そんな都合の良い話あるわけないよなーなんて、諦めかけていた方。諦めるのはまだ早いです!



車庫だったスペースの天井を抜き、床のPタイルを剥がして、クリア塗装をかけてと、現テナントが倉庫っぽさを残しながら、シンプルに内装を整えて店 ... 続き>>>.
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豊かな庭木に心癒されて

所在地:世田谷区瀬田
8万円 / 37.19平米
東急田園都市線「用賀」駅 徒歩15分

大きい窓からは敷地の庭と向かいのお寺の緑ビュー。晴れた日には青空もしっかり見える、渋くてかわいいマンションの一室をご紹介。



庭は大家であるおばあさんがていねいにつくりあげたもので、愛がつまっています。桜、梅、カエデの他さまざまな草木が植えられており四季の移ろう景色を堪能できます ... 続き>>>.
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天高自慢の改装戸建て

所在地:世田谷区若林
14万円 / 45.6平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩15分

築36年の戸建をガッツリ改装したのが約3年前。天井の高い空間と渋くまとめられた浴室が自慢です。



場所は淡島通りから100m程度離れた静かな住宅地。旗竿状の敷地に戸建が2つ並んでて、向かって右側が募集区画です。



2階は天井を抜いて小屋裏現し。天井高は高いところで約4.3m。キッ ... 続き>>>.
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風抜けるすみか

所在地:渋谷区南平台町
26万円 / 66.17平米
山手線「渋谷」駅 徒歩8分

渋谷駅からほど近い、レトロなマンションの5階。バルコニーがぽこぽこと特徴的な形をしたクリーム色の外観がかわいらしくて目を引きます。



室内はフルリフォーム済みで清潔感あり。普通といえば普通なんですが、嫌な感じがしないきれいさ、というのはうれしいポイントではないでしょうか。



風が ... 続き>>>.
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赤坂で悠々と

所在地:港区赤坂
26万8,000円 / 73.25平米
千代田線「赤坂」駅 徒歩9分

薬研坂の中腹に、ずしりとそびえたつレトロなマンション。赤茶色のレンガの外観から、威厳ある雰囲気が漂っています。そんなマンションの雰囲気もさることながら、その中でもスカッと抜けた眺望が気持ち良い7階の部屋のご紹介。



間取りは1LDK。約19.5畳のリビングダイニングと約10畳の洋 ... 続き>>>.
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相棒との日々

所在地:目黒区中町
11万円 / 31.2平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩15分

相棒と暮らす皆さま、お待たせしました!猫は2匹まで、犬は小型犬1匹まで飼育可能。1階に住む愛犬家のオーナーをはじめ、住人の方も動物を飼っている人が多く、人間も動物も、のびのびと暮らせる環境が魅力。



部屋は窓が大きくて明るく、気持ちいい空間。風もよく通るので、夏もエアコンいらずな ... 続き>>>.
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戸建てアジトで住む働く

所在地:新宿区上落合
22万円 / 51.33平米
東西線「落合」駅 徒歩7分

天井高はなんと4.8m!広々とした吹抜け空間に、壁一面にどーんと広がるガラス窓。開放感溢れる小さな戸建てをアジトにしませんか?



大通りから一本入った閑静な住宅街の中、隠れるようにヒョコっと地面から頭が飛び出た小さな戸建てが立っています。パーキングを通りぬけ、階段を下りたところが ... 続き>>>.
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南青山、どっしり立つレトロビル

所在地:港区南青山
41万8,000円(税込) / 81.2平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩5分

外苑西通りから南に入ってすぐの坂道沿いにどっしり立つレトロビル。ほんのりピンクがかったグレーの外壁が上品でかわいらしいです。



募集区画は2階で80㎡越え。1フロアに1区画なので構造上窓がしっかりあって、室内には自然光と風が程よく抜けます。また専用のトイレなどは階段部分にあるため ... 続き>>>.
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なんだかそそるこの姿

所在地:渋谷区代々木
19万8,000円(税込) / 49.58平米
山手線「代々木」駅 徒歩4分

タイル張りのかわいらしい立ち姿、大きな木と草花が生えるちょっとした前庭に、なんだかそそられるビルの1階オフィスをご紹介。



室内はタイルカーペットに白の壁紙とシンプルなオフィス仕様ですが、建物のかわいさと、外からちらりと見える雰囲気を生かせば、いい感じになると思います。また改装は ... 続き>>>.
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ほっこり西荻暮らし

所在地:杉並区西荻北
13万5,000円 / 41平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩5分

この部屋を訪れたあと、なんだかふと『西荻夫婦』を思い出しました。



数年前にリノベーションされてますが、決してつくり込みすぎず、少し力の抜けた感じが、ほっこりした西荻の街に似合う一室。



フロアにはこの住戸のみなので、独立性が高いのと、窓が多いのが嬉しいです。開放的なリビングで、 ... 続き>>>.
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素材を育むくらし

所在地:台東区元浅草
9万2,000円 / 29.59平米
銀座線「田原町」駅 徒歩5分

2018年にフルリノベーションされた空間。ただ手を加えたというわけではなく、時とともに変化を楽しみながら暮らしたくなるような物件です。



中でもかすかにピンク色をした桜の無垢フローリングと、築40年以上経つ古いコンクリートをいかした天井や壁は、暮らしていくうちにどんどんいい味わい ... 続き>>>.
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楽しげなバスルーム

所在地:世田谷区北沢
8万5,000円 / 19.95平米
井の頭線「池ノ上」駅 徒歩3分

部屋に向かってガラス窓があいた浴室が印象的。昼間にお風呂でも入ったら、かなり気持ちよさそうです。



コンパクトなワンルームですが、この浴室のおかげで、体感の広さも増しているような気がします。浴室内に植物などをたくさん吊り下げて、部屋からみても、入浴していても楽しめるようにすると楽 ... 続き>>>.
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芝に浮いたアジト

所在地:新宿区新宿
8万7,000円 / 27.6平米
副都心線・都営大江戸線「東新宿」駅 徒歩4分

バルコニーに出ると芝に浮いたかのような、ちょっと楽しげな位置取りを味わえるアジトのご紹介。



始めに言っときますけど建物も室内も結構ジャンクです。キッチンはなくて(ガス栓はある)、浴槽もなくシャワーのみで洗濯機はバルコニーに置いてください。



サッシ等の建具もガタついたり、開きづ ... 続き>>>.
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東山になじみ、暮らす

所在地:目黒区東山
15万5,000円 / 50.22平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩5分

東山の丘に立つレトロマンション。今回は南向きの良い区画が5階に出ました。



欲をいえば、もう1、2階上だったらなー、と思いましたが、すかっと抜けた眺望を確認して一安心。バルコニーからちょっと顔を出して東を向けば公園の緑が広がり、心が和みます。



間取りは渋い3DK。二人暮らしだっ ... 続き>>>.
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代々木の杜を思いのままに

所在地:渋谷区代々木
33万円 / 95.9平米
小田急線「代々木八幡」駅 徒歩7分

代々木の緑に囲まれた、歴史あるマンション。6階からの眺めはぜいたくで、南には代々木八幡、東には代々木公園の緑を望めます。



バルコニーから手の届きそうな距離にある敷地内の木々。東面いっぱいに広がる窓は、まるで端から端まで緑で埋め尽くされているよう。風で葉が揺れるたびに、目を癒やし ... 続き>>>.
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都心の隠れ家

所在地:新宿区荒木町
36万円 / 70.38平米
都営新宿線「曙橋」駅 徒歩5分

都心のど真ん中、隠れ家のような戸建てにはぜいたくな気持ちよさが詰まっていました。立地よし、こだわりの建物で、住むも働くも叶えられちゃいます。



物件が位置するのは荒木町。そのすり鉢地形から、都心にありながらも風情ある路地の風景が残る町です。趣のある飲食店も数多く軒を連ねます。



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イチョウの木と暮らす

所在地:杉並区上荻
12万5,000円 / 56.7平米
中央線・丸ノ内線「荻窪」駅 徒歩12分

大きな大きな、イチョウの木と並んで立つ、こぢんまりとしたサイズのかわいい戸建て。現在は葉が落ちていますが、庭木の緑がこれからモサモサになるのが楽しみです。



つくりは1LDK。1階は約9.5畳の部屋ですが、大きな窓と庭のおかげで、ずいぶん広く感じます。西側が道路に面していますが、 ... 続き>>>.
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陽気な古ビル最上階

所在地:中野区中野
12万円 / 50平米
中央線・東西線「中野」駅 徒歩5分

古ビルの最上階にある、約20畳の居室のある1K。1フロア1戸のため日当たりがよく気持ちのいい室内、遠くまで抜けた眺望のおかげで、とても開放感を感じます。



はじめに注意点として、エレベーターなしの5階です。



用途は住居と事務所。ビルの1階と2階にも店舗が入っています。



間取り ... 続き>>>.
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すっきり、さっぱり!

所在地:目黒区中町
11万円 / 33.3平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩17分

シンプルな内装と大きく取られた窓。すっきりさっぱり、居心地の良さがアピールポイント。



基本的にリビングと洋室はつなげておくのが広く使えて良さそうですが、引き戸で仕切ることも可能。引き戸は厚みがあり、しっかりと空間を分けたい場合にも向いていると思います。



照明は賃貸物件でよくあ ... 続き>>>.
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重みと深みを感じる

所在地:渋谷区神泉町
14万円(税込) / 38.47平米
井の頭線「神泉」駅 徒歩1分

場所は神泉駅から徒歩1分、気品と重厚感が伝わってくる大きな建物がどっしりと構えています。



室内は壁紙の色が特徴的で、灰色がかったブルー。落ち着いた雰囲気で集中力が高まりそうです。床はフローリングです。



障子で窓側と玄関側をやんわりと分けてあります、作業スペースを分けるいいアク ... 続き>>>.
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池尻ニコイチの白いほう

所在地:世田谷区池尻
12万円 / 39.8平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩10分

目黒川緑道沿いに立つ、形の似た二つのマンションをご存知でしょうか。いつも「あれはニコイチだなあ」と思いながら緑道を通っています。今回はその左側の白い彼のご紹介。



高台に立っていて、眺望がスカーっと抜けているのが大きな魅力。エレベーターなしの4階の部屋なので階段の上り下りは疲れま ... 続き>>>.
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心地よい住まいを高輪に

所在地:港区高輪
15万5,000円 / 50.75平米
都営浅草線・京急本線「泉岳寺」駅 徒歩5分

日当りの良さと抜けた眺望が魅力。ふたり暮らしをするのにちょうど良さそうな間取りと収納量です。



キッチンは広く取られていますが、決まった冷蔵庫置き場がありません。柱とコンロの間のスペースが幅1.2mあるので、冷蔵庫の背面を壁に向けてぎりぎり置けるかなといった感じです。冷蔵庫を置く ... 続き>>>.
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広尾でリノベ済み住居を

所在地:渋谷区広尾
19万4,000円 / 53.16平米
日比谷線「広尾」駅 徒歩5分

「広尾散歩通り商店街」近くのマンション。配管をあえて見せるようにデザインされた共用部、室内は木の建具や、古い扉、コンクリートがむき出しになった壁などが風合いよく、いいものを残す形でリノベーションされています。



東側と西側に背の高いマンションがあるため、洋室は少し暗めですが、LD ... 続き>>>.
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お店を持てる賃貸暮らし! コロナ禍でテレワーク以外も職住融合進む

新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業も増え、“住まいで働く”人も増えている今、「住居と仕事」の一体化も進んでいるようです。それも、コワーキングスペースやシェアオフィス付きだけではなく、“自分のお店が持てる”賃貸物件に注目が集まっているというのです。どのような特徴があるのでしょうか。「b.e.park祖師ヶ谷大蔵」「THE GUILD IKONOBE NOISE」「ナリ間ノワ プロジェクト 欅の音terrace」の3つの物件を取材しました。
横浜や世田谷に続々と職住融合の住まいが誕生している

1階などに商業施設がテナントとして入り、上層に賃貸物件がある建物は珍しくありませんが、このところ、増えているのが住まいと仕事場が一体となった住まいです。これは、住まいを借りた人がテナントにもなり、お店を経営できるというもので、職住融合という働き方でもあり、今注目を集めている暮らし方です。

2020年10月には「b.e.park祖師ヶ谷大蔵」(東京都世田谷区)、2020年12月に「THE GUILD IKONOBE NOISE」(横浜市都筑区)が次々に誕生するなど、こういった賃貸物件が少しずつ話題にのぼっています。

「b.e.park祖師ヶ谷大蔵」(写真提供/ジェクトワン)

「b.e.park祖師ヶ谷大蔵」(写真提供/ジェクトワン)

「THE GUILD IKONOBE NOISE」(写真提供/桃山建設)

「THE GUILD IKONOBE NOISE」(写真提供/桃山建設)

その背景に共通してあるのは、「地域を盛り上げたい」という思いです。今まで賃貸での一人暮らし、二人暮らしでは、地域と交流することはほとんどなく、「地域を知らない」「干渉しない」で生きていけました。一方で、住まいと仕事場所が離れてしまうことで、本来の人の暮らしにあった「にぎわい」「つながり」が生まれることはありません。新型コロナウイルスの影響で地元での暮らしと働き方の関係を見直す人が増えている今、その受け皿として職住融合の住まいが話題になっているのかもしれません。

才能ある人が集い、街に憩いの場を生み出す

「b.e.park祖師ヶ谷大蔵」は、カフェが少なく、地元の人が滞在して話すような場所が足りないことから生まれた「地域密着の複合型交流シェアハウス」です。以前は社宅や住宅として使われていた築60年の鉄筋コンクリート造の建物を、地域の拠点として生まれ変わらせました。居住者はシェアハウスで暮らしつつ、1階の飲食スペースの運営に携わることで、地域に広く開かれた店にしていこうとしています。

1階にできたダイニングバー。「緑豊かな街の公園」をイメージしているそう(写真提供/ジェクトワン)

1階にできたダイニングバー。「緑豊かな街の公園」をイメージしているそう(写真提供/ジェクトワン)

住人に染色家がいるため、2020年11月に「染色イベント」を開催したそう(写真提供/ジェクトワン)

住人に染色家がいるため、2020年11月に「染色イベント」を開催したそう(写真提供/ジェクトワン)

シェアハウスエリア。個室はいたってシンプルで暮らしやすい(写真提供/ジェクトワン)

シェアハウスエリア。個室はいたってシンプルで暮らしやすい(写真提供/ジェクトワン)

暮らしているのは、教育劇団の運営者、染色アーティスト、ライター、グルテンフリーの料理を提供する料理研究家など、さまざまな表現を仕事とする人たち。

この物件の再生・企画に携わった空き家再生事業を手掛けるジェクトワンの布川朋美さんとb.e.parkを運営するスペリアルの荻野智希さんは「コロナウイルス流行の影響で、飲食店の営業や人を招いてのワークショップ、食事会などのイベントなど、思うようにいかないことのほうが多いですが、地域住民や大家さんからもすごく評判がよくて、建物の再生だけでなく、地域の活性化にもつながっていると思います」と今後に期待を寄せます。

今後は、染め物イベントのほかに、若者支援イベント、詩集の制作、絵本の交換、グルテンフリーの料理教室など、住人それぞれのスキルをいかしたイベントを開催予定だとか。才能が集っているだけに、多様な企画ができるのも強みといえるでしょう。

住む人&働く人が増えると、地域がおもしろく、豊かになる

祖師ヶ谷大蔵はいわゆる住宅街ですが、横浜市都筑区にできた「THE GUILD IKONOBE NOISE」は工場や倉庫の多い、工場エリアに誕生した職住融合の物件です。周囲は工場が多いため、実は「住まい」として不向き、ともいわれる地域です。

木製の建具が目印(写真提供/桃山建設)

木製の建具が目印(写真提供/桃山建設)

プロジェクトメンバーと。一つの物件ができることで、街が変わっていく気配がします(写真提供/桃山建設)

プロジェクトメンバーと。一つの物件ができることで、街が変わっていく気配がします(写真提供/桃山建設)

建物内部には土間があり、さまざまな用途に使えるのも魅力的(写真提供/桃山建設)

建物内部には土間があり、さまざまな用途に使えるのも魅力的(写真提供/桃山建設)

「建物は築40年超で、以前、私たち桃山建設が木材倉庫や木工加工場として使っていた場所です。今回、リノベーションでものづくりや小商いもできる土間のある住居、仕事場としても使えるシェアキッチンスペース、まちに開くショップを誘致するテナント機能を設けました。工場でもあるのでシェア工具を備え付けていて、当社で出る端材を利用してDIYができますし、みなで盛り上げていけたら」と話すのは、桃山建設の専務取締役川岸憲一さん。このプロジェクトの責任者です。建物は2020年12月に無事に完成し、現在はテナントや入居者を探して、いっしょにお店を開き、街を盛り上げる人を探している最中だとか。

「今まで、賃貸に住んでいる人と地域の人はなかなか交流が生まれなかったでしょう。でも、できたら飲食店を誘致して、住んでいる人やここを訪れた人に“楽しい!”“おもしろい!”“いいね!”が生まれる場にしたい、そうすると地域が変わっていくでしょう」とその狙いを話します。

また、工場が多いために、「音出しがOKな場所」であることを強みとして捉えています。
「人と生活すると感じる雑音や煩わしさ(ノイズ)がうまれるでしょう。でも、ちょっとしたノイズって必要だと思うんですよね。ノイズをおもしろいと思えるような人と、一緒にこのまちを盛り上げていきたいですね」(川岸さん)

職住融合の現代アップデートは、まだまだ始まったばかり

現在のこうした職住が融合した物件が増えてきた背景には、なんといっても2018年、東京都練馬区にできた「ナリ間ノワ プロジェクト 欅の音terrace」(以下、欅の音terrace)の成功を抜きにして語ることはできません。「欅の音terrace」は、住んでいる人がさまざまな店舗を構える、店舗と住まい融合が一体化した建物で、デザイン面、建築面、地域活性化など、さまざまな側面から注目を集めています。

「欅の音terrace」(写真撮影/片山貴博)

「欅の音terrace」(写真撮影/片山貴博)

一見すると店舗ですが、奥は居住空間が広がっています(写真撮影/片山貴博)

一見すると店舗ですが、奥は居住空間が広がっています(写真撮影/片山貴博)

このプロジェクトを手掛けた一級建築士事務所・つばめ舎建築設計のみなさん、大家さんから相談を受け、企画から不動産の募集などに携わったスタジオ伝伝の藤沢百合さんも、今改めて「職住融合」の暮らしに手応えを感じていると言います。

「コロナ禍でテレワークをする人が増えるなどして、職住融合が進む追い風となり、”住まいで自分のペースで働ける“という新しいライフスタイルに惹かれる人が増えていると感じます。ただ、建物を所有して仕事をはじめようとすると、どうしてもハードルが高くなるでしょう。賃貸であれば、初期投資も少なくて済み、自分たちのペースで働けますから」とつばめ舎建築設計の永井雅子さん。

左から、若林拓哉さん(つばめ舎建築設計パートナー/ウミネコアーキ代表)、永井雅子さん(つばめ舎建築設計共同代表)、藤沢百合さん(スタジオ伝伝)、根岸龍介さん(つばめ舎建築設計共同代表)(写真撮影/片山貴博)

左から、若林拓哉さん(つばめ舎建築設計パートナー/ウミネコアーキ代表)、永井雅子さん(つばめ舎建築設計共同代表)、藤沢百合さん(スタジオ伝伝)、根岸龍介さん(つばめ舎建築設計共同代表)(写真撮影/片山貴博)

また、郡上八幡と東京に拠点を持っている藤沢さんは、「そもそも、ナリワイ(仕事)と暮らしが一体化した建物って、昔は当たり前だったんです。今でも郡上八幡には道路に面する前の建物が店舗になっていて、中庭を挟んだ奥の建物に住まいがあるという町家の形式の建物が珍しくありません。『欅の音terrace』は、それを現代のアパートに当てはめた形です」と続けます。

なるほど、確かに職住が分離するのが当たり前になったのは、戦後からです。70年の間ですっかり住まいと暮らしの常識が変わってしまったんですね。

「リノベーション前の欅の音terraceは、2DKのよくあるアパートで、独身、または二人暮らし向けの住まいでした。藤沢さんが話したように、職住融合って日本の暮らしに馴染んだ形なんです。それを今どきに合うように最適化している感じです。まだまだ始まったばかりなので、“可能性”ばかり。やり方はひとつじゃないので、もっと増えていくのではないでしょうか」(つばめ舎建築設計・根岸龍介さん)

そもそもですが、会社員として企業に所属して働くスタイルが変わりつつある今、暮らしの箱である住まいもどんどん変わっていくことでしょう。現在はきっとその先駆けの時期であり、「兆し」の段階かもしれません。土地を所有することにこだわるよりも、ゆるやかに活用して働き、地域も人生も豊かになる。そんな住まい方・暮らし方が広がればいいなと思います。

●取材協力
ジェクトワン
スペリアル
THE GUILD IKONOBE NOISE
ナリ間ノワ プロジェクト 欅の音terrace

剥き出しミニマル空間

所在地:世田谷区瀬田
9万円 / 28.24平米
東急田園都市線「用賀」駅 徒歩10分

古いマンション一棟をリノベーションし、天井剥き出し、とにかくシンプルに削ぎ落とした天井の高さが特徴のミニマル空間。



パッと見はいわゆるデザイナーズ物件の括りに入るかと思いますが、お風呂・トイレがガラス張りで内側にカーテンレールがあるタイプなので、ご自身でシャワーカーテンなどで目 ... 続き>>>.
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ホテルライクなオフィス

所在地:世田谷区北沢
20万6,800円(税込) / 36.58平米
小田急線・井の頭線「下北沢」駅 徒歩1分

こちらの物件は以前小さめなマンションの1階部分の店舗でした。その後テナントの退去に伴い、ホテルライクな内装に改修して、民泊として運用してきました。



駅徒歩1分の立地とシンプルで整ったこの内装であれば、このままでも気に入っていただける方がいるはず!ということで、事務所として募集し ... 続き>>>.
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住宅ローン金利や株価から考察、2021年の住宅市場傾向は?

足元の住宅市場は非常に好調です。2020年春の緊急事態宣言で半減した取引も、6月になると急回復。その後は新築・中古・マンション・一戸建てともに堅調といっていいでしょう。1991年のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック時と今回が異なるのは何より「物件価格下落がなかったこと」です。かつて起きた金融システム破綻のような状況下では、販売不振を受けた新築マンションや一戸建ての事業者が手持ちの物件を数千万単位で大幅に価格を下げて投げ売る、といった事態が相次ぎました。しかしそれでも持ちこたえることはできず、多数の事業者が破綻に追い込まれたのです。それに釣られるように中古市場も取引数の減少を伴いながら成約価格も大幅に下落しました。
コロナ渦でも、超低金利の住宅ローンのおかげで順調な住宅市場

コロナ禍を受けて、日本においては他国のようにロックダウンといった厳しい措置は講じられず、緊急事態宣言による比較的緩やかな政策がとられ、その期間も1カ月強と比較的短期間に終わったことで、閉鎖していたモデルルームも中古住宅販売も程なく再開。そこに積極的な財政出動や金融緩和、そして何より住宅ローンが超低金利であることなどが奏功し、大きな歪を生み出すことはなく市場はすっかりもとに戻ったどころか「駅前」「駅近」「大規模」「タワー」といったワードに代表されるマンションなどはむしろ順調です。

2021年2月時点の住宅ローン金利は固定で0.84%(ARUHIスーパーフラット6S)、変動で0.38%(住信SBIネット銀行)、3年固定に至っては0.58%(auじぶん銀行)などと、目を疑うような金利水準。それもこれも2012年12月の民主党から自民党への政権交代以降、アベノミクス・黒田バズーカと名付けられた財政出動や金融緩和、コロナ以降は世界的な金融緩和策で、アベノミクス以前は2.475%だった変動金利が2%以上も低下したのです。

毎月の住宅ローン支払額が15万円の場合、かつての2.475%(借入期間35年・元利均等返済)なら借入可能額は約4200万円ですが、0.38%では約5900万円と、なんと1700万円も多く借りられるのです。この低金利効果が現在の住宅市場にもたらす影響は計り知れないものがあります。さらには住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を使えば、ローン残高の1%が10年間(現在は特例で13年)還元される仕組みもあります。

またコロナ後は都市郊外の新築・中古一戸建ての取引が堅調。これは、主に現在2DKや#DKといった賃貸住宅に住んでいる方が、4LDKの住宅を求めるといった一次取得層の動きが顕著ですが、都市郊外では2000万~3000万円台で一戸建て購入が可能です。仮に3000万円を変動金利(期間35年)で借りた場合、月々の支払いは約7.6万円。住宅ローン控除を組み合わせれば実質的な支払額は5万円台に低下するため、近隣で賃貸住宅を借りているより買ったほうがお得ということになるケースが多いためです。もちろん購入には初期的な諸経費や毎年の固定資産税、経年による修繕費などがかかるものの、低金利が住宅への向き合い方を大きくシフトさせていることは明らかです。

東京都心ではもう一段の価格上昇もあり得る?

ところでこうした動きは全国的なものではなく、上述した都市部や都市郊外、地方の一部といった限定的なものといえます。国土交通省が発表した2020年の新設住宅着工戸数は、前年比9.9%減の81万5340戸と4年連続の減少。人口減少・世帯数減少といったファンダメンタルズ(基礎的要因)には変化はなく、住宅市場全体のパイは年々小さくなっているのです。この傾向は今後30年程度、2050年くらいまで続く見込みです。

東京都心3区(千代田・中央・港区)・5区(3区に加え目黒・品川区)などの中古マンション成約平米単価が日経平均株価と見事に連動していることはこれまでに何度か指摘してきましたが、3万円を超える現行の株価水準を前提とすると、もう一弾の価格上昇もあり得る情勢です。

(資料:東日本不動産流通機構 / 東京証券取引所)

(資料:東日本不動産流通機構 / 東京証券取引所)

ただしこのように見事に連動するのは、都心部や都市郊外の利便性が高いところに限定され、その波及効果は駅から離れるごとに、あるいは都心から離れるごとに薄れていきます。都心3区の中古マンション成約平米単価は、民主党から自民党への政権交代以降およそ1.9倍になりましたが、埼玉県は1.4倍程度、神奈川・千葉県は1.3倍程度にとどまります。

今後の趨勢は結局、株価動向と、前述した金利動向次第ということになりますが、日銀の姿勢に大きな変更がない限り、当面の株価は上昇基調。金利は低位安定が継続すると見込まれることから、2021年を通じた住宅市場は全体として取引は減少するものの、都心部や都市部を中心に堅調が見込まれるといったところでしょう。

(資料:東日本不動産流通機構)

(資料:東日本不動産流通機構)

壊滅的な打撃は受けなかったものの、このところ各地で地震が頻発しています。また春になると海面温度が上昇し、台風や線状降水帯などによる大雨の可能性もあります。こうした災害リスクも踏まえながら、慎重な住宅選びを行ってください。

合板×合板×合板

所在地:豊島区長崎
14万7,000円 / 46.5~50平米
西武池袋線「東長崎」駅 徒歩3分

八百屋さん、魚屋さん、お惣菜屋さんなど昭和の懐かしい雰囲気を色濃く残す商店街のある街、東長崎にあるマンションが生まれ変わりました。



1階には東長崎駅前のカフェ、MIAMIAを運営する設計事務所araが入居者としてオフィスを構え、道路と建物の間に設けたベンチスペースのある前庭では ... 続き>>>.
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普通だけど普通じゃない和室

所在地:豊島区長崎
6万6,000円 / 24.3平米
西武池袋線「東長崎」駅 徒歩3分

多分、現地に来ていただけたら伝わるはずです、この感覚。



畳の6畳間の1K、と言われてもそそられないと思いますが、この和室、二面に大きな窓があるため入った瞬間明るくて、ファーストインプレッションがなんとも気持ちいいんです。



2021年3月にリノベーションしたばかりの空間は、既存 ... 続き>>>.
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高輪山荘

所在地:港区高輪
45万円 / 91.06平米
山手線・東海道線・京浜東北線・横須賀線・京急本線「品川」駅 徒歩9分

ため息が出るような、という言葉を用いても、この物件ならば許されるはず。



リビングの幅一杯にワイドに開けた窓から見えるのは、隣接する高輪公園の豊かな借景。撮影時はあいにくの雨でしたが、ご覧の通りの見事な紅葉!四季の移り変わりが、日々の暮らしの中にあるのはとても贅沢だと思います。

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クラフト的オフィス空間

所在地:目黒区上目黒
19万円(税込) / 49.71平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩2分

目黒川沿いのレトロマンションに潜んでいた、クラフト感あふれる面白い空間。



まるで山小屋のように壁面や梁は木材で覆われ、大容量の棚まで備え付け。天井は抜いて白く塗装。配管とコンクリートがむき出しになっていて男らしい印象です。



また部屋の端には天井、壁、床が全て真っ白な部分もあり ... 続き>>>.
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裏路地のアジト

所在地:渋谷区神宮前
17万8,182円 / 45平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩10分

★賃料下がりました★



個性的な店舗やデザイン系の事務所が点在するディープエリア、神宮前二丁目。



原宿へも青山へもアクセスできるけれど、どこからも程よく距離感があるゆえ、肩の力が抜けた空気感が妙に落ち着くスポットです。



そんな場所の裏路地にある建物の一室が今回の部屋。オリジナ ... 続き>>>.
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コロナ禍の2020年、自宅を売りたい人は増えたのか?売却したい理由とは?

リクルート住まいカンパニーが、2回目の緊急事態宣言が発令される直前である2020年12月に、居住用不動産の売却を検討し、情報収集や不動産会社への問い合わせ、査定依頼、売却の実施など何らかの行動を取った人にアンケートを実施した。売却を検討または実施した人の意識は、新型コロナの感染拡大でどう変わったのだろう?【今週の住活トピック】
「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」を公表/リクルート住まいカンパニーコロナ感染拡大で不動産の売却にどんな影響があった?

まず先に、アンケート結果のうちコロナウイルスの影響についての結論を紹介しよう。

●コロナ感染拡大によって、売却を検討するに際して、「抑制」や「促進」、「条件変更」など何らかの影響があった人は7割超に上る
●コロナ感染拡大が売却検討の「促進」になった人では、その理由に感染拡大の影響が具体的な形で見られる
●売却を検討・実施した人が、売却に際して不満に感じることは「価格の妥当性」がトップ
●コロナウイルス感染の影響を受けた2020年は、前年よりも不動産の売却を検討する人が少なかった

居住用の不動産の売却を検討する際に、どういった影響があったかを聞いたところ、「影響は特になかった」と回答したのは26.7%だった。大半の人は、後押しになったなど「促進」されたり、中止や様子見をしたなど「抑制」されたり、売却希望価格を変えたなど「条件変更」をしたりと、なんらかの影響を受けていた。

同社が2020年11月に公表した「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」(調査時期は2020年8~9月)で、住宅の購入や建築を検討している人に同じような質問をしている。今回のアンケートと同じ首都圏の結果を見ると、購入・建築検討者では「影響はない」という回答が41%だったことと比べると、売る側の26.7%という回答は少ない(つまり何らかの影響を受けた人が多い)という印象を受ける。

また、「抑制」や「促進」の理由を見ると、「抑制」の理由では「外部との接触を避けたい」、「不要不急だから」といった感染そのものを避ける動きもあるが、「希望する価格で売れなさそうだから」といった停滞ムードによるものもあった。さらに、「しなければいけないことが増えた」や「時間がない」など、今はそれどころではないといった様子がうかがえる回答も多い。

コロナ感染拡大が検討の「抑制」になった理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

コロナ感染拡大が検討の「抑制」になった理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

次に「促進」された理由では、「もっと住みやすい住まいに住み替えたいから」、「自分の価値観や考え方が変わったから」、「テレワークに適した環境に住み替えたいから」など、コロナ感染拡大の影響がポジティブな形で表れている。特に、感染拡大が強く懸念されるようになった2020年4月以降に検討を始めた人ほど、その傾向が強く見られる。一方で、「すぐにお金にする必要が生じたから」や「ローンの支払いが困難になったから」など、ネガティブな影響で売却を検討せざるを得なくなった人も相当数いる。感染拡大の影響はさまざまな形で表れているようだ。

コロナ感染拡大が検討の「促進」になった理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

コロナ感染拡大が検討の「促進」になった理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

不動産売却の際の不満は、価格の妥当性が分からないこと

さて、売却を抑制された人の理由で「希望する価格で売れなさそうだから」というものがあった。この背景として、実際に査定を依頼して提示された額を見て希望価格で売れなさそうと思ったのか、停滞ムードからなんとなく高く売れなさそうと感じたのかは定かではない。

とはいえ、不動産売却の際に最も不満に感じるのは、「価格」のようだ。調査結果では、「売り出し価格」と「価格査定」の妥当性に対する不満が上位に挙がった。

売却検討・実施における不満(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

売却検討・実施における不満(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」より転載)

では、「価格査定」と「売り出し価格」とは、それぞれどのように決まるのだろうか。

まず、価格査定による査定額とは、多くの場合、類似物件の過去の成約事例を集めて、成約した時期の違いや物件の属性の違い(方位や駅距離など)によって価格を調整し、媒介を依頼される契約期間の3カ月以内に売れるであろうと算定された額だ。

ただし、実際に複数社に価格査定を依頼してみると、提示される額にかなりバラツキがあることも多い。これには、いくつか理由が考えられる。

まず、その店舗の得意エリアかどうかという違いがある。対象物件のあるエリアで、実際に売買を成立させた事例を多く持っていたり、購入希望者の相談を多く受けていたりすれば、そのエリアの事情に詳しくなるのでより的確な額を提示できる。次に、査定額を出す担当者の経験の違いなどから、過去の成約事例から物件の属性(広さや最寄駅からの距離、方位、築年数など)データだけを見て、算定してしまう場合もある。実際には、その地域で人気のある場所や人気のマンションだった場合は相場より高く売れるし、管理の良いマンションであれば同じ築年数でも高く売れるということがあるからだ。

また残念ながら、高い査定額を出した方が媒介を依頼されると考えて、実際の査定額よりも高い額を提示する場合もあるので注意が必要だ。

それに対して売り出し価格は、一般的には査定額と売主の希望額の間で設定されることが多い。早く売りたい事情がある場合などは、査定額に近い額で売り出す必要があるし、時間がかかっても高く売りたいと考えるなら希望額に近い額で売り出すのがよいだろう。

適切な売り出し価格でないと、見学者が表れなかったり、内見はあっても先に進まなかったりということになりかねない。つまりは、査定額が適切であること、不動産会社が適切な助言をすることが、スムーズな売却には不可欠ということだ。

そのためには、価格査定の提示額だけでなく、その額を提示した具体的な根拠を聞いたり、そのエリアの詳しい市況を聞いたりして、信頼できる不動産会社かどうかを見極める必要がある。

最後に、売却を検討する人の多さについて確認しておこう。これまでの調査結果はすべて、居住用不動産の売却を「主体的に検討した」621人が調査対象だが、調査対象者すべてに、売却を検討した月と検討を終了した月を聞いて、その間を検討月と見て分析した結果だ。

同社では「売却検討者の出現率」という表現をしているが、四半期ごとに2020年と2019年を比べると、2020年のほうが前年よりも、出現率が0.4~0.7ポイント低くなっている。つまり、コロナ下の2020年は前年よりも、売却を検討した人が少ないという傾向が見られた。

売ろうとしている人が少ないということを、市場が活性化していないと見るのか、競争相手が少ないので売りやすいと見るのかは、人それぞれだろう。筆者は、需要がそれほど縮小していない状況なので、売ろうとしている人が少ない(供給が少ない)ほうが、売るには有利ではないかと思う。

いいね!に溢れた新生活

所在地:中野区上高田
9万4,000~9万7,000円 / 29.6平米
西武新宿線「新井薬師前」駅 徒歩4分

一棟リノベーションを終えて、春を目前にようやく紹介できるおすすめのワンルーム! 東京R不動産を運営する我々スピーク社が、オーナーと共に会話を重ねて企画し、設計までを担当させてもらいました。



手前味噌ですが、完成した部屋を見て素直に感じたのは、暮らしのイメージがみるみる沸いてくる ... 続き>>>.
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ギャップが売りの下北レトロ

所在地:世田谷区大原
14万5,000円 / 54.55平米
井の頭線「下北沢」駅 徒歩11分

パッと見はレトロ、中はきれい。そんなギャップが心をくすぐる戸建てです。



2015年にリフォームされ、フローリングや建具、キッチン、水回りなどを新規交換。古めかしさを感じさせない内装に生まれ変わりました。



リビングはしっかりとくつろげそうな広さで、その横には和室、そして2階に寝 ... 続き>>>.
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建築家が育った家

所在地:東京都東大和市桜が丘
9万8,000円 / 81.82平米
西武拝島線・多摩モノレール「玉川上水」駅 徒歩12分

空気がきれいなところで子供を育てたいと思った芸術家の夫婦と、ちいさな男の子2人の4人家族が、30年前に暮らしていた家。R不動産が仲良くさせてもらっている建築家さんが、幼少期に暮らしていた家です。



4人の特徴的な暮らしが想像できる、ユニークなつくりの戸建て。その特徴を順番に説明を ... 続き>>>.
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巨大なキャンバス-天高4.1m-

所在地:世田谷区上用賀
14万8,000円 / 46.4平米
東急田園都市線「用賀」駅 徒歩9分

天井が高い部屋をお探しだった方、お待たせしました!



ちょうど部屋の中央に位置する空間は、一番高いところで約4.1mにもなる天井高。まるで巨大なキャンバスのような迫力ある壁面は、上部の窓から優しい光が差し込み、絵や写真を飾れば、愛おしい日常のワンシーンが作り込めそうです。



魅力 ... 続き>>>.
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ほっこり、かわいく暮らす

所在地:足立区梅田
2,800万円 / 62.42平米
東武伊勢崎線「西新井」駅 徒歩10分

ぬくもりのある無垢材やパステルカラーの塗装がかわいらしい内装。売主さんが5年前にリノベーションしてつくった空間です。



リビングに小上がり、廊下にデスクスペース、加えて個室が2つと、居場所がたくさんつくられた間取りが特徴的。



玄関の土間スペースが広くつくられ、ベビーカーやアウト ... 続き>>>.
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あなどれない木造! マンションもオフィスビルも建てられる最新事情

全国47都道府県の木材を軒庇(のきひさし)に使用した新国立競技場など話題の建築を引き合いにだすまでもなく、昔から日本では家を建てる際に「木」が使われてきた。その多くは3階建てまでだが、最近は技術的な進化で中高層の木造住宅も建築されるようになってきた。こうした背景には何があるのか? 国土交通省の一重(ひとえ) 喬一郎さんに話を伺いながら、木造住宅・木造建築の最新事情をさぐった。
実は燃えにくく、地震にも強い!?木造住宅

童話『三匹の子豚』ではオオカミにあっという間に壊されてしまった“木の家”だが、世界で最も古い木造建築物は、607年に建てられた法隆寺の五重塔だ。子豚の次男は、正確には“木の枝”を集めてちゃちゃっと建てたから、文字どおり“木っ端みじん”にされたのであって、きちんと建てて、メンテナンスさえ怠らなければ1400年以上も長持ちするのだ。

法隆寺(写真/PIXTA)

法隆寺(写真/PIXTA)

「そもそも日本は国土の約7割が森林に覆われています」と一重さん。そのため木の家は昔から私たちにとって身近な存在だった。今でもそれは変わらないようで「国土交通省がまとめた令和元年度の『建築着工統計』によると、3階建て以下の住宅のうち、木造は実に82.5%を占めています。また内閣府の『森林と生活に関する世論調査(令和元年)』でも、『新たに住宅を建てたり、買ったりする場合、どんな住宅を選びたいか?』という問いに対し、73.6%が木造住宅を建てたいと回答しています」。つまり、私たちは木の家が大好きなのだ。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

それを示すように21世紀に入ってからは古民家が見直されるようになってきたし、無垢(むく)の床材が流行ったり、木のフィトンチッド(木が発散する物質で、消臭や抗菌、リラックス効果があると言われている)が注目を集めるようになった。

一方で「木造は燃えやすい」とか「地震に弱い」と思われていたのも事実。けれど、一昔以前と比べて、木造建築の技術は飛躍的に進歩している。

たしかに木は燃えるが、燃えた部分が炭化層となり、酸素供給を阻むことで燃え進みにくくなる。この性質を活かし、「準耐火建築物」では、一定の厚みを増した上で木の柱や梁を“現し”(=燃えしろ設計)にすることが可能である。防火地域内では、一般の住宅でも3階建て以上か、延べ面積100平米を超えるものは、これまで「耐火建築物」とする必要があったが、平成30年の法改正により石膏ボードなどで覆わずに、燃えしろ設計で木造住宅を建築することができるようになっている。

さらに古くは漆喰壁など、昔から “防耐火技術”の研究が絶え間なく続けられ、現在は難燃薬剤の注入や、不燃材を内部に埋め込み木の柱や梁をつくる技術なども開発されている。

また耐震性に関しては、木造だろうと鉄筋コンクリート造であろうと、現在の耐震基準を満たすことが求められている。つまり、基準を満たしている住宅は、構造種別とは関係なく、すべからく一定以上の耐震性があるということだ。実際「2016年に起きた熊本地震の悉皆調査によれば、2000年に改正された基準を満たして建てられた木造の住宅は一部の特殊なものを除き全てが倒壊を免れており、約6割が無被害でした。さらに、耐震性のレベルを示す耐震等級で、最も高い耐震等級3の住宅はほとんどが無被害であったため、被災後も安全に住み続けられることができると考えられます」

そもそも木は、鉄やコンクリートと比べて、「軽い割に強い」素材だ。加えて、最近は「CLTなどの新しい素材の開発や、木材と木材を強固に繋いで耐震性を高める要となる金具の開発などによって、木造でも高層建築物が建てられるようになってきています」という。

CLT(直交集成板)パネル(写真提供/国土交通省)

CLT(直交集成板)パネル(写真提供/国土交通省)

ちなみにCLTとはヨーロッパで生まれた技術で、繊維方向が直交するように積み重ねて接着した集成パネルのこと。そのため大木を必要とせず、また節の多い木でも使えるため、木材を有効に活用できるというメリットがある。また厚みや強度があるので、構造を支える壁や床として使用できる。

鉄筋コンクリート造と組みあわせれば高層建築物も可能!

では、実際の最新木造住宅とはどんなものがあるのか。

(写真提供/三井ホーム)

(写真提供/三井ホーム)

「例えば東京都千代田区に三井ホームが建てた木造(ツーバイフォー構法)4階建て住宅は、『防火地域』『4階建て』『狭小』という3つもの課題をクリアして、3世代が暮らせるような造りになっています」。『防火地域』と『4階建て』は最新の木造技術を使って、隣家との間が狭くて足場の組めない『狭小』では独自の「建て起こし工法」と呼ばれる方法を使って、4階建てを実現した。

また神奈川県横浜市で大林組が「仮称OYプロジェクト」として建築を計画しているのは「木造軸組構法による11階建ての研修所です」。柱と梁の接合部分に「十字型剛接合プレファブユニット」という技術を採用し、高層化を実現している。

高層純木造耐火建築物「仮称OYプロジェクト」(画像提供/大林組)

高層純木造耐火建築物「仮称OYプロジェクト」(画像提供/大林組)

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と組みあわせる方法でも、もっと高い“木の家”を建てることも可能だ。2020年9月に、三井不動産と竹中工務店は東京都中央区日本橋において、木造高層建築物として国内最大・最高層となる木造賃貸オフィスビル計画の検討に着手したと発表した。構造は「ハイブリッド木造」とされ、規模は地上17階・高さ約70m・延べ面積約26000平米になるという。今後、詳細の検討を勧め、2023年着工・2025年竣工を目指すとしている。

(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

このように木造建築の高層化は着々と進んでいるのだ。

竹中工務店は木造技術を多く採用した12階建ての単身者向け社宅「フラッツ ウッズ 木場」も手掛けている(写真提供/竹中工務店)

竹中工務店は木造技術を多く採用した12階建ての単身者向け社宅「フラッツ ウッズ 木場」も手掛けている(写真提供/竹中工務店)

(写真提供/竹中工務店)

(写真提供/竹中工務店)

“木”は日本にとって貴重な天然資源

それにしても、いくら日本人が「木が好き」だといっても、なぜ近年こうした高層化プロジェクトが続々と生まれているのか。それには「天然資源が乏しい日本にとって、森林は他国よりも豊富にある、貴重な資源」であることが関係している。

昔から日本は森林が豊富だと思う人は多いだろうが、実は日本の長い歴史の中では、森林伐採と植林の歴史を繰り返してきている。日本人にとって木は最も身近な材料ゆえ、森林乱伐が幾度となく行われてきたのだ。あまりにも乱伐が進んだため676年に天武天皇が伐採禁止令を出したほどである。

太平洋戦争の終戦直後は、現在よりも荒廃した国土で、統計が取られ始めた昭和41年(1966年)時点では、人工林の資源量は現在の約3分の1ほどだった。しかし戦後の植林や間伐などに手入れにより順調に日本の国土では豊かな森林資源がはぐくまれ「最近10年では年平均で約8100立米の『森林資源ストック』が増え続けています」という。

約8100立方メートルとは、平成30年(2018年)の木材需要量とほぼ同等。つまり普通に木を使っていても、1年間分の需要量に相当する“ストック”が毎年増え続けているというわけだ。これを秒単位でみると、9秒で家一軒分の木材が増えているという計算になる。

(写真提供/国土交通省)

(写真提供/国土交通省)

「そこで木材をもっと積極的に利用してもらおうと、国としてさまざまな施策を行っています」。その一つが、中高層の木造建築物の振興施策だ。「3階建て以下の低層住宅の82.5%は木造ですが、オフィスや店舗などの「非住宅」は3階建て以下の低層であっても木造は15.7%、4階建て以上では、住宅、非住宅ともに木造はほとんどありません。そのため木造のシェアを伸ばせる余地の多い、非住宅や、4階建て以上の木造住宅を増やすためにさまざまな施策を行っています」。先述した4階建て木造住宅やOYプロジェクトは、いずれも「木造先導プロジェクト」として国が費用の一部を支援している。

こうした資金面の支援だけではなく「先進的な木造建築を建てられる人材の育成にも力を入れています」という。例えばCLTをはじめとした先進技術の知識やノウハウの共有を目的に、欲しい情報がすぐに見られるようにしたポータルサイトの整備、開設に向けた準備を進めている。

木造住宅で生活の質も高められる

一方で、木造住宅の割合が高い3階建て以下の低層住宅だが、「生活の質をより向上させるための住宅や、長年にわたって住み続けられる住宅を増やすための取り組みも行っています」。例えば一定の省エネ基準や耐久性、耐震基準などを満たした「長期優良住宅」に対する税制優遇はその一例だが、「事業者別にみると、年間1万戸以上供給する大手事業者が建てる住宅のほとんどは長期優良住宅なのですが、年間50戸未満の中小事業者の場合、平成28年度の数字でみても12.6%と、まだまだ少ないという現状です」

1・2階がRC造(鉄筋コンクリート造)、2~5階が木造の集合住宅「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

1・2階がRC造(鉄筋コンクリート造)、2~5階が木造の集合住宅「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

年間50戸未満の中小事業者の多くは、地元に密着して活動していることが多い。そこで地域の中小工務店や建築事務所、原木供給者、製材事業者などがグループを形成して補助金を申請できる「地域型住宅グリーン化事業」が用意された。例えばグループで長期優良住宅を建てると一戸につき最大110万円、省エネルギー性の高いゼロエネルギー住宅なら最大140万円といったように、各種補助金を受け取ることができる。こうした補助金制度を活用してもらうことで、木造住宅を建てようとする人々の「生活の質の向上や、長年にわたって住み続ける」ことを支援しようというものだ。

先述したように3階建て以下の低層住宅のほとんどは木造住宅。しかもこの10年間というレンジで見ると、その割合はじわじわと上昇している。だから木造住宅を増やすという意味では、ここまでの施策は必要ないのだが、「原木供給者や製材事業者など、地方には林業に関連する産業が多いので、こうした施策で地域が活性化することも目的としています」。それゆえ中小工務店単体ではなく、グループでの申請というわけなのだ。

森林という貴重な資源が豊富な日本で、豊かな暮らしを得るために、木材を上手に活用する。しかも木材はCO2を貯め込んだ材料のため、50年、100年と長きにわたり使われる建築物の材料としては、とてもエコな資源だ。木材を上手く使い、都市や地方を問わず生活の質を向上させるというのは、日本の風土に合った暮らし方だと言えそうだ。

●取材協力
国土交通省

パーク&リバーサイド

所在地:杉並区和泉
16万円 / 68.82平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩12分

なんだろう、この心落ち着く感覚は。



そっと自分の心に耳を傾けると、いろんなワケが聴こえてきました。



まずは周辺の環境。建物の目の前を神田川が流れ、その先には小さな公園で楽しそうに遊ぶ、大人や子供たち。川沿いをジョギングしている人や、犬の散歩をしている人もいて、その様子は実にお ... 続き>>>.
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臆せず和めるシェアリビング

所在地:台東区今戸
5万8,000円 / 9.3平米
銀座線・都営浅草線・東武伊勢崎線「浅草」駅 徒歩17分

ドキドキそわそわ、それもシェアハウスの楽しいスタートですが、浅草にあるこのシェアハウスは、臆することなく初日から一気に和めそうなくったり感が、気楽であり頼もしくもありました。



年季の入った家屋が醸し出す渋みに加えて、10年以上続いてきたシェアハウスでこその、飾らぬ生活感がちゃん ... 続き>>>.
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「横浜駅」まで60分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2021年版

日本初の国際貿易港の一つとして1859年に開港して以来、発展してきた港町・横浜。2020年には「ニュウマン横浜」をはじめ、JR横浜駅周辺に新スポットが続々と誕生するなど、今なお進化を続けている。そんな横浜駅の近くに住めたら便利だろうな……と中古マンションの価格相場(間取り3K、3DK、3LDKタイプ(2sLDKを含む)以上)を調べてみると、5080万円とやはりお手ごろとは言いがたい。テレワークが浸透しつつあるということもふまえて、横浜駅から60分圏内の駅にまで範囲を広げ、価格相場はどれほど変わるのかを調査してみた。カップル・ファミリー向けの同条件で中古マンションの価格相場が安かった駅、トップ10をご紹介しよう。●横浜駅まで60分以内の価格相場が安い駅TOP10
順位/駅名/価格相場(沿線/駅所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 座間 1439.5万円(小田急小田原線/神奈川県座間市/36分/1回)
2位 鶴巻温泉 1440万円(小田急小田原線/神奈川県秦野市/49分/1回)
3位 桜ヶ丘 1589万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/26分/1回)
4位 京急久里浜 1665万円(京急久里浜線/神奈川県横須賀市/36分/0回)
5位 衣笠 1675万円 JR横須賀線/神奈川県横須賀市/48分/0回)
6位 愛甲石田 1680万円(小田急小田原線/神奈川県厚木市/41分/1回)
7位 久里浜 1690万円(JR横須賀線/神奈川県横須賀市/43分/0回)
8位 かしわ台 1780万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/29分/1回)
9位 YRP野比 1880万円(京急久里浜線/神奈川県横須賀市/39分/0回)
9位 京急田浦 1880万円(京急本線/神奈川県横須賀市/27分/1回)

1位は横浜駅よりも価格相場が3600万円以上も低い結果に!

横浜駅から60分圏内にある、間取り「3K、3DK、3LDKタイプ(2sLDKを含む)以上」の中古マンションの価格相場が最も安かったのは小田急小田原線・座間駅。価格相場は1439.5万円で、横浜駅の3分の1以下だった。横浜駅に向かうにはまず1駅隣の海老名駅に行き、そこから相鉄本線に乗れば約36分でたどり着く。座間駅と同じ小田急小田原線の2位・鶴巻温泉駅と6位・愛甲石田駅も横浜駅へのルートは同様で、海老名駅で相鉄本線に乗り換えて横浜駅に向かう。また、この3駅ともに新宿駅まで小田急小田原線1本で行くことができる点も魅力だ。

座間駅(写真/PIXTA)

座間駅(写真/PIXTA)

1位・座間駅が位置する神奈川県座間市は湧水の里でもあり、市内の10カ所以上で湧水が湧き出ている。この水に恵まれた地勢ゆえに座間市は首都圏域では珍しく、地下水を水道水の主水源にしているのだとか。ミネラル豊富な地下水由来の水道水でつくるごはんは、おいしさひとしおだろう。また、駅周辺には自然も残されている。駅から徒歩10分ほどの「県立座間谷戸山公園」には野鳥が訪れる池や雑木林をめぐるように散策道が整備され、休日の息抜きにぴったりだ。自然ばかりじゃなく、駅前にはスーパーやドラッグストアもあり、生活する環境としても申し分ない。プレイルームや赤ちゃんコーナーを備えた子育て支援センターが駅前にあるのも、小さな子がいる家庭にとっては心強いだろう。

県立座間谷戸山公園(写真/PIXTA)

県立座間谷戸山公園(写真/PIXTA)

2位は小田急小田原線・鶴巻温泉駅で、価格相場は1位から微増の1440万円。神奈川県秦野市に位置する駅周辺には駅名通りに温泉が湧いており、温泉宿や日帰り温泉施設が点在している。公営の日帰り温泉施設「鶴巻温泉 弘法の里湯」は、秦野市民ならば割引価格で利用できるのがうれしいところ。また、駅の東側には田園が、駅北側の「神奈川県立いせはら塔の山緑地公園」周辺には雑木林や果樹園、水田が織りなすのどかな景観が広がっており、のんびり暮らすにはよさそうだ。駅周辺には暮らしを支えるスーパーやドラッグストアも。そして前述の通り、横浜駅までは乗り換え1回、新宿駅までは乗り換えせずに1本で行ける便利な立地でもある。

3位は小田急江ノ島線・桜ヶ丘駅で価格相場は1589万円。1駅隣の大和駅から相鉄本線に乗り換えると、トップ10の駅のうちで最短の約26分で横浜駅に到着する。駅周辺には複数のスーパーが点在しており、住民の多さがうかがえる。駅から15分ほど歩くと、一年中利用できる温水プールや、機材レンタルや食材セットの注文も可能なバーベキュー場を備えた「引地台公園」へ。駅周辺は桜名所としても知られており、この公園もお花見スポットの一つ。例年は春になると桜の下でバーベキューができることでも人気だ。

県央部から三浦半島まで選択肢は多彩

トップ3はいずれも横浜駅の西方に位置する駅だったが、横浜駅の南方にあたる横須賀市の駅もトップ10に5駅ランクインしている。そのうち最も価格相場が安いのは、4位の京急久里浜線・京急久里浜駅だ。京急本線直通の列車に乗れば、乗り換えせずに横浜駅に行くことができる。ちなみに7位のJR横須賀線・久里浜駅までは歩いて5分少々なので、周辺住民は必要に応じて2路線を使い分けることが可能だ。

そんな4位・京急久里浜駅には駅直結のショッピングセンター「ウィング久里浜」があり、スーパーや総菜店から「ユニクロ」などのファッションや雑貨のショップ、レストランなどが6フロアにわたって軒を連ねている。駅から東南方向へ5分ほど歩けば「イオン久里浜店」もあり、買い物する場所にはこと欠かない。イオンを通り過ぎ、さらに東南方向に歩いていくと、かつてペリー提督が上陸した久里浜港。港の近くにはペリー記念館もある公園や、砂浜が広がる久里浜海岸も。港の西側、駅から徒歩15分ほどの場所にはアスレチック場や屋外ボルダリング、花畑などを備えた広大な公園「くりはま花の国」もあり、日常生活を送るにも休日を楽しむにもぴったりな街と言えるだろう。

久里浜港(写真/PIXTA)

久里浜港(写真/PIXTA)

9位の京急久里浜線・YRP野比駅は4位・京急久里浜駅の1駅隣に位置し、アルファベットが入る珍しい駅名に目を引かれる。「YRP」とは国際的な電波・情報通信技術研究開発拠点である「横須賀リサーチパーク」のことで、駅の北西方面に同施設が開業した翌年の1998年に駅名が「野比」から「YRP野比」に改名されたそう。駅前には京急ストアがあるほか、飲食店や生花店、ベーカリーなど40軒ほどの店舗が連なる商店街が広がっている。商店街を抜けて南下すると、そこは野比海岸。海岸沿いには遊歩道が整備され、海の向こうにかすむ房総半島を眺めつつ散策する癒やしのひと時が過ごせる。

さて、「1位の座間駅の価格相場は横浜駅の3分の1以下」と述べたが、ランキングを振り返ってみると実は1位どころか7位・久里浜駅までの駅はいずれも価格相場が横浜駅の3分の1以下という調査結果となっていた。8位~9位の価格相場も、横浜駅よりも3200万円~3300万円も低い。トップ10にランクインした駅と横浜駅を比べると、商業施設の豊富さや賑やかさ、東京都心部へのアクセスのよさという面では横浜駅に軍配が上がるだろう。しかし自然の豊かさやのどかな暮らしに価値を置くなら、トップ10の駅のほうが適しているのではなかろうか。

テレワークという働き方が広まり、都市部一極集中の生活スタイルが見直されつつある昨今。横浜駅にひんぱんに行く必要がなく、たまの休日に出かけるくらいなら、横浜駅から30分~50分ほど離れたトップ10の駅に住まいを構えるのも選択肢としてアリだろう。そうすることで3200万円も住宅購入費が浮き、そのぶんをほかに使えると考えれば、なおさら魅力的な選択肢にも思えてくる。「横浜駅などの中心都市部に住むのが一番だ」という価値観を知らず知らずのうちに抱いていたとしても、「現在の自分の暮らしにとって、本当にそれが一番なのか?」ともう一度見直してみるのもいいかもしれない。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている横浜駅まで電車で60分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ、間取り3K、3DK、3LDKタイプ(2sLDKを含む)以上
【データ抽出期間】2020/8~2020/10
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2020年11月30日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載