総勢150名「シモキタ園藝部」が下北沢の植物とまちの新しい関係を育て中。鉢植え、野原など、暮らしと共にあるグリーンがあちこちに

小田急電鉄は東北沢駅~世田谷代田駅間の地上に生まれた1.7kmのエリアを「下北線路街」として整備してきました。2022年5月に全面開業して1年。個性的なショップが並ぶ商店街は雑木に囲まれ、駅前には土管のある空き地や草が茂る原っぱも! かつての“サブカルのまち・下北”から記憶がアップデートされていないならば、その変わりように驚くかもしれません。そんな下北沢で、いま、街の緑の維持管理を行っているのが、地域コミュニティ「シモキタ園藝部」です。

下北線路街の緑のコンセプトづくりと「シモキタ園藝部」の企画と立ち上げに携わった、株式会社フォルク代表のランドスケープ・デザイナー三島由樹さんに、下北沢に生まれた新しい街の緑について伺いました。

街の人が鉢植えを持ち寄り緑を育む「下北線路街空き地」

三島さんは、東京やアメリカでランドスケープデザインを学び、帰国後は大学で研究と教育に携わりました。その後、2015年に設立した株式会社フォルクで、ランドスケープデザインと街づくりのプロジェクトに携わってきました。小田急電鉄から依頼を受けて下北線路街の計画に携わっていたUDS株式会社から、「ランドスケープデザインのコンセプトを一緒に考えてほしい」とお願いされ、2018年から下北沢のまちづくりに関わることになりました。

最初に緑の場所づくりをしたのは、「下北線路街空き地」です。冒頭の写真の土管が印象的な「下北線路街空き地」は、「みんなでつくる自由な遊び場」がコンセプトの屋外イベントスペース。小田急線下北沢駅東口から、下北沢交番方面へ徒歩4分のところにあります。

「下北線路街空き地」入口を入ると、街の人が持ち寄った鉢植えが出迎えてくれる(画像提供/フォルク)

「下北線路街空き地」入口を入ると、街の人が持ち寄った鉢植が出迎えてくれる(画像提供/フォルク)

イベントに訪れた人は、草花に触れあえる楽しみもある(画像提供/フォルク)

イベントに訪れた人は、草花に触れあえる楽しみもある(画像提供/フォルク)

入口を入ると、右手に「空き地カフェ&バー」、「空き地キッチン」、左手にはイベント時にキッチンカーの並ぶエリアがあります。中央にあるレンタルスペースAは、土管のある芝生エリアで、ステージがあり、屋外映画上映会やサウナ体験会などさまざまなイベントを開催。レンタルスペースBでは頻繁にマルシェが行われています。

右から、入口、飲食スペース、レンタルスペースA、レンタルスペースBに分かれている(画像提供/フォルク)

右から、入口、飲食スペース、レンタルスペースA、レンタルスペースBに分かれている(画像提供/フォルク)

芝生エリアでは、ライブやフェス、縁日などさまざまなイベントが催される(画像提供/フォルク)

芝生エリアでは、ライブやフェス、縁日などさまざまなイベントが催される(画像提供/フォルク)

最近見かけるおしゃれなイベントスペースかと思いきや、ミミズコンポストがあったり、鉢植えの並んだ棚があったり……。ただのイベント会場とはちょっと違うことがわかります。

「棚にたくさん並んでいる鉢植えは、下北沢の街の人が持ち寄ったもの。下北線路街で皆で緑を育てていったり、緑を通じて交流する仕組みづくりの試みは、ここからスタートしました」(三島さん)

緑の少なかった下北沢に現代の雑木林「シモキタマチバヤシ」をつくる

そもそも再開発前の下北沢の街は緑が少なく、小田急電鉄には、「再開発が行われる時には緑をたくさんつくってほしい」という地元の声が寄せられていたそうです。そこで、下北線路街全体の緑のコンセプトとして三島さんたちが提案したのが、「シモキタマチバヤシ」でした。

「開発で生まれるグリーンは、『美しい緑』『かっこいい緑』であることが多いですが、触っちゃいけない緑が多いですよね。下北線路街の緑のコンセプトは、言ってみれば現代の都市における雑木林みたいな感じです。下北沢も昔は雑木林がたくさんあったそうです。人が植物を暮らしに役立てていた、人と植物が共に支え合って生きていた時代があったんですね。植物が少なくなってしまった下北沢という街に、人と植物が関わり合う新しい文化をつくろうという意味を込めました」(三島さん)

下北線路街にできた商店街「BONUS TRACK」は、あちこちに株立ちの木々が葉を揺らし、道を歩くと、雑木林を通り抜けていくようです。

野山に生えるような木々をできるだけ自然樹形で管理しているから、本物の林の中にいるみたい(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

野山に生えるような木々をできるだけ自然樹形で管理しているから、本物の林の中にいるみたい(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

下北沢駅南西口エリアの植栽は、大きな石のある築山が見所。石に座って草木を感じてもいい(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

下北沢駅南西口エリアの植栽は、大きな石のある築山が見所。石に座って草木を感じてもいい(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

「『下北線路街空き地』ができ、これから下北線路街の中にたくさん緑が生まれていく中で、緑をどうやって管理していくか。普通だったら小田急電鉄さんの関連会社が植栽の維持管理をしますが、現代の雑木林みたいな人の暮らしに役立つような緑をつくっていくのであれば、緑を必要とする人が街の緑を育てていくやり方の方がいいんじゃないかと。そこで、緑を育て、活用するコミュニティづくりを提案しました」(三島さん)

関連記事:
・下北沢は開発でどう変貌した? 全長1.7km「下北線路街」がすごかった!
・「サブカルのシモキタ」開発で再注目。熱気と個性が下北沢に戻ってきた!

地域の緑をみんなでつくり育てていく「シモキタ園藝部」

小田急電鉄の賛同を得て、2019年秋からワークショップを始め、2020年春にシモキタ園藝部の前身である下北線路街園藝部を発足。人が苗木を土に植え込む形に由来する「藝」という字をあえて使いました。コミュニティのミッションは、緑を通じた循環型地域社会の担い手となること。メンバーは、駅にポスターを張ったりSNSで一般公募しましたが、最初に集まったのは、20名ほどでした。

2019年に駅に張られた下北線路街第1回目の園芸ワークショップのチラシ(画像提供/フォルク)

2019年に駅に張られた下北線路街第1回目の園芸ワークショップのチラシ(画像提供/フォルク)

「半年間、ワークショップを開催しながらどんなコミュニティにしていきたいか、一人一人がそこで何がやりたいかを話し合うことから始めました。用意した企画に乗ってもらうんじゃなくて、皆で園藝部の企画をゼロからつくっていったのです」(三島さん)

その後、2021年に法人化され、シモキタ園藝部という名称に。小田急電鉄から委託され、世田谷区の北沢、代沢、代田地域を主なフィールドに、街の植栽管理を行っています。雑草や剪定後の枝や葉を廃棄するのではなく、コンポストを使ったり、剪定枝をリースとして提供するなど、なるべくゴミを出さずにすべてを循環させる取り組みをはじめました。

植物や様々な生き物と触れ合える、住宅街の中の原っぱ「シモキタのはら広場」

その後、2022年4月、下北沢駅のすぐ近くに、シモキタ園藝部の拠点がオープン。事務所である「こや」、ワイルドティーと天然ハチミツの店「ちゃや」、そして「シモキタのはら広場」ができました。コンセプトは、循環をつくる街の圃場です。憩いの場所であると同時に、土や枝葉の回収や育苗を行い、植物の循環をつくり出す場所。広場にはワイルドフラワーが咲き、虫たちが集まり、動植物が混然一体となって、街の中に原っぱが生まれました。

住宅街に出現した原っぱにもともと住んでいた地元の人も驚いた(画像提供/フォルク)

住宅街に出現した原っぱにもともと住んでいた地元の人も驚いた(画像提供/フォルク)

種を蒔いた草花が入り混じって共存している(画像提供/フォルク)

種を蒔いた草花が入り混じって共存している(画像提供/フォルク)

園藝部の拠点と広場づくりは、園藝部のコミュニティメンバーと連携し、一緒に議論してつくっていきました。地域コミュニティであるシモキタ園藝部を、どう運営していくか? ただのボランティアでなく事業として経営していけるか? 今では、一人一人の興味をもとに様々な事業が立ち上げられています。コンポストをつくるキットの商品化が進行中だったり、養蜂の事業、緑の担い手を育てるシモキタ園藝學校という人材育成事業も行っています。

落ち葉・雑草コンポスト。草刈りや剪定で出た枝葉に、コーヒーパルプなどを加え、堆肥をつくり、土に還す(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

落ち葉・雑草コンポスト。草刈りや剪定で出た枝葉に、コーヒーパルプなどを加え、堆肥をつくり、土に還す(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

下北線路街や下北の住宅地からミツバチが集めた蜂蜜「シモキタハニー」が、新しい世田谷土産に(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

下北線路街や下北の住宅地からミツバチが集めた蜂蜜「シモキタハニー」が、新しい世田谷土産に(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

ほかには、「古樹屋」という下北沢らしいネーミングのビジネスも。洋服の古着屋の植物版で、街の人が育てきれなくなってしまった植木や鉢植えを引き取って、仕立て直し、新しい引き取り手にマッチングしています。

古樹屋に並べられた植物は、枝が曲がったり、ひょろっと伸びすぎていたり。それがむしろ味なのは、古着と同じ(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

古樹屋に並べられた植物は、枝が曲がったり、ひょろっと伸びすぎていたり。それがむしろ味なのは、古着と同じ(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

「緑を誰かの所有物ではなく、地域のコモンズ、地域で共に生きるパートナーとしてみてほしいんです。街の緑は、自治体だったり、個人だったり、誰かのものになりがちなんですけど、緑は、人間だけでなく全ての生き物が生きていく上で不可欠な存在なんだという意識を持ってもいいのではないかと思うんです。『古樹屋』は園藝部の事業ですが、金額は買い手の人につけてもらうんですよ。子どもはお小遣いで、園藝部の活動を応援したい人は、普通のお店で買うよりも高く出してくださるとか。植物をたくさん売って稼ぐことが目的ではなくて、植物は街で生きる全て誰もにとって欠かせないパートナーなのだというこれからの新しい社会をつくるためにやっている事業というイメージです」(三島さん)

シモキタのはら広場も、見た目の美しさではなく、いかに街の人がいきいきと活動する場所になるかにフォーカスし、住宅街の中の静かな原っぱをつくっていこうとしています。「こんな雑草だらけでいいのか」という声もたまにあるそうですが、「街中にワイルドな野原をつくってくれてありがとう」「子ども達をこういう所で遊ばせたかった!」という声が多いそうです。夏休みには、子ども達が虫取り網を持ってうろうろしている光景が毎日のように見られたそうです。

緑が増えるにつれて、下北沢の街の人にも変化が。20名から始まったシモキタ園藝部のコミュニティメンバーの数は大人から子どもまでの地元の人やプロの造園家など約150人ほどに増え、一人一人のやりたいことを事業の企画にして、みんなで少しずつ実現しています。街の風景が変わるだけでなく、街の緑に対してアクティブに関わる人がどんどん増えているのです。

シモキタ園藝學校の授業風景。1年間の講座終了後には、園藝部認定の「エコガーデナー」になれる(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

シモキタ園藝學校の授業風景。1年間の講座終了後には、園藝部認定の「エコガーデナー」になれる(画像提供/一般社団法人シモキタ園藝部)

「植物は手入れが必要ですが、手間のかかることを面白くして、楽しみながら緑に関わる人を増やしていきたい」と三島さん。新たに生まれた緑の空間が、下北の街にインパクトを与え、ビジネスやイベントが生まれる場所になっています。昔からある街の緑を引き継ぎ、育て、新しいものを生み出す緑の街づくり。学生時代、古着を買いに通った下北沢を久しぶりに訪れてみたくなりました。

●取材協力
・株式会社フォルク
・シモキタ園藝部
・下北線路街空き地

住宅購入者の関心が高いワードはやはり【フラット35】、「住宅ローン減税」!購入時に知るべき制度も解説

リクルートが「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」を公表した。この調査では、住宅の購入や建築を検討するうえで、知っておきたい制度などについての理解・関心度も聞いている。その結果、理解・関心度の高いワードの多くが、住宅ローンや減税に関するものだということが分かった。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)公表/リクルート

住宅購入・建築検討者は一戸建て派が多数を占める

調査は、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」32%、「中古一戸建て」29%、「新築マンション」32%、「中古マンション」26%、「(現在住む家の)リフォーム」15%となっている。「一戸建てか、マンションか」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が63%、「マンション派」が22%と、一戸建て派が多数を占める結果となった。

また、検討している物件に、「永住する」と考えているのは45%、「将来的に売却を検討している」のは24%、「将来的に賃借を検討している」のは5%だった。

過半数が名前も内容も知っている、【フラット35】、「リノベーション」、「住宅ローン減税」

この調査では、「税制・優遇制度などへの理解・関心」について、詳しく聞いている。聞いた税制・優遇制度は、「今後創設予定の税制・優遇制度」、「住宅購入に関する税制・優遇制度」、「住宅購入に関する金利・補助金」、「物件の構造・仕様、取引、他に関するもの」に大別され、それぞれ複数項目を聞いている。

その項目の中で、「言葉も内容も知っている」と回答した割合(以降は、「認知度」と表記)の多いものを挙げてみよう。

■認知度の高い項目(上位10項目)

順位制度名等認知度1【フラット35】75%2リノベーション63%3住宅ローン減税※56%4【フラット35 S】46%4空き家バンク46%6固定資産税の減額措置45%6スマートハウス45%8贈与税の特例42%9認定長期優良住宅41%10住宅リフォームの減税制度40%※住宅ローン減税については、さらに細かく聞いているが、順位としては省略した。
リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

認知度の上位には、住宅ローンと減税に関するものが多く入っているのが目立つ。ローンと税金は多くの人に関係するだけに、認知度が高くなっているのだろう。ちなみに、認知度が低かったのは、「BELS」(23%)や「安心R住宅」(25%)だった。

【フラット35】と「住宅ローン減税」のどこまで知っている?

この調査では、回答者に対して言葉とその内容について説明文を提示し、そのうえで、知っているかどうか聞いている。その説明について、紹介しておこう。

まず、1位の【フラット35】と4位の【フラット35 S】。

【フラット35】全期間固定金利の住宅ローンである【フラット35】において、2023年4月よりすべての住宅について、省エネ基準への適合を求める制度の見直しが行われる。【フラット35 S】一定の基準を満たした住宅を取得する場合、一般の住宅より金利を引き下げる制度。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】だが、ポイントは、2023年4月以降は省エネ基準に適合していないと利用できないことだ。金利を引き下げる優遇制度である【フラット35 S】は、すでにZEHなど省エネ性の高い住宅ほど金利が優遇される仕組みに変わっている。

2位の「住宅ローン減税」については、「返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除」と概要を説明しており、認知度は56%になっている。実は、調査ではさらに細かく聞いている。

【住宅ローン減税×環境性能】環境性能の優れた住宅では、減税の対象となる借入限度額が上乗せになる。【住宅ローン減税×中古OK】新耐震基準適合住宅(1982年以降に建築された住宅と定義)であれば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×増改築OK】自宅の増改築でも基準を満たせば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×新築床面積】2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、床面積が40平米以上50平米未満でも適用される。(それより以前は床面積50平米以上で適用対象)【住宅ローン減税×耐震改修】新耐震基準を満たさない中古でも、取得後一定期間内に耐震改修して基準を満たせば、住宅ローンが適用される。

いずれについても、認知度は46%~51%と高く、住宅ローン減税については細かい適用条件まで理解している人が多いことがわかる。

リノベーションなど認知度の高いワードを再確認

以下、上位に挙がった項目について、説明していこう。

リノベーション既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること。空き家バンク地方自治体が、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したい方に紹介する制度。空き家対策の一つとして注目されている。固定資産税の減額措置2024年3月末までに新築住宅を取得した場合、固定資産税が3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額される。スマートハウス太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、家庭内におけるエネルギー消費を最適化する住宅。贈与税の特例住宅取得等資金として、子や孫が親や祖父母から贈与を受ける場合、通常の住宅で500万円、省エネ等住宅で1000万円まで贈与税が非課税になる。認定長期優良住宅耐震、省エネ、耐久性などに優れた住宅である長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減される。(住宅ローン減税では借入限度額が上乗せされる)住宅リフォームの減税制度耐震改修、バリアフリー対応、省エネ対応、三世代同居対応、長期優良住宅化対応の工事を行うと所得税等の控除がある。リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

少し補足説明をしておこう。
「リノベーション」については明確な定義がないのだが、住宅業界では一般的に、劣化した部分を建築当時の水準に改修するだけでなく、今の生活に合うように機能を引き上げる改修を行うことをいう。そのため、大規模な改修工事になることが多い。

「空き家バンク」は、かつては自治体ごとに公開しているホームページを見に行くしかなく、使いづらいものだったが、いまは民間の不動産ポータルサイトによって統一した内容で全国の空き家が探せるようになっている。

「スマートハウス」は、一般的にHEMS (home energy management system) と呼ばれる住宅のエネルギー管理システムで、家庭の電気などのエネルギーを一元的に管理する住宅のこと。IT技術を活用した住宅としてはほかに、IoT住宅(アイオーティー住宅。インターネットで住宅設備や家電などをつなげてコントロールできる住宅)などもある。IT技術によって、今後も多くのものがホームネットワークでつながり、安心安全や健康などの住生活の向上も期待されている。

ほかは、主に減税に関する項目が上位に挙がった。いずれも期限付きの減税制度となっている。期限がくると延長されるか、縮小されるか、終了するかになるので、注意が必要だ。

知っておきたい「新築住宅の省エネ基準適合義務化」と「インスペクション」

最後に、認知度が高くはなかったが、知っておきたい項目について紹介したい。それは「2025年新築住宅の省エネ基準適合義務化」(26%)と「インスペクション(建物状況調査)」(32%)だ。

新築住宅、特に一戸建てのような小規模な建築物にも、省エネ基準への適合が義務化されることになっている。適合義務化は、2030年までにZEH水準まで引き上げる予定となっている。こうした新築住宅への義務化によって、既存の住宅と省エネ性能に開きができる点も押さえておきたい。

「インスペクション」(32%)はもっと認知度が高いと思っていたので、少し意外に思った。中古住宅の売買において、宅地建物取引業者は、建物状況調査の事業者をあっせんするかどうかや、対象の住宅が建物状況調査を行っているかどうかなどを伝えることになっている。建物の状態はしっかり把握しておきたいものなので、認知度が上がることを期待したい。

さて、説明文が簡単に記載されていたとしても、「言葉も内容も知っている」というレベルは人それぞれだろう。何となく分かっているというレベルから、適用条件や期限まで正確に把握しているレベルまでさまざまある。実際に制度を利用しようとするときには、正確に理解していることが求められるので、この機会にぜひ各制度への理解を深めてほしい。

●関連サイト
リクルート「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)

若い頃住んでたアパート(現代版)

所在地:板橋区若木
6万2,000円 / 18.63平米
東武東上線「上板橋」駅 徒歩11分

2014年に建築家の手により一棟丸ごとリノベーションをされたこの物件。建築家の手にかかると、いわゆる築古の木賃アパートもこんな風に生まれ変わってしまうのです。



天井を抜いて小屋裏現しにすることで、20平米弱の空間とは思えない開放感のある室内。本来は下地材として使用する構造用合板 ... 続き>>>.
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凸凹な空間

所在地:川崎市宮前区鷺沼
13万7,000円 / 42.88平米
東急田園都市線「鷺沼」駅 徒歩2分

駅近のデザイナーズ物件のご紹介です。



グレー基調でシンプルな形態が特徴的なこちらの建物は築14年目ですがそれを感じさせないほど、共用部を含めてキレイに清掃が行き届いています。



今回募集の物件は5階建ての5階部分、ペイントハウスのような贅沢な住戸です。室内は構造の梁を上手に利用 ... 続き>>>.
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横浜でキメる

所在地:横浜市西区北幸
15万円 / 42.8平米
東急東横線・湘南新宿ライン・東海道線「横浜」駅 徒歩10分

横浜駅西口から徒歩10分。



ビル群を抜け、運河沿いをゆく頃には、ぽっかりと見える空に気持ちも少しゆるみます。そこにすっきりと決まったこの建物。



室内は連続した大きな開口部から差し込む光を、ナラの無垢フローリングが受け止めて、スタイリッシュでありながら優しい表情。天井が高めで仕 ... 続き>>>.
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惹かれるアプローチ -1LDK-

所在地:大田区山王
15万円 / 54.45平米
京浜東北線「大森」駅 徒歩10分

山王の住宅街に一際目を引く建物が。コンクリート平板と砂利の引き込まれるようなアプローチに、ポツポツと配置された石が雰囲気をつくっています。奥に進むと爽やかな芝の中庭が広がり、入口とのコントラストが素敵です。



今回のお部屋はゆったりした広さの1LDK。3方角部屋で、窓が多いのが魅 ... 続き>>>.
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にやける誤算

所在地:世田谷区羽根木
15万円 / 46.79平米
井の頭線「東松原」駅 徒歩6分

羽根木の閑静な住宅街に溶けこんだ一見普通の戸建。玄関を入ってすぐに現れる階段を上がり室内へ。嬉しい誤算に思わずにやけました。



剝き出しにされた梁と柱に、一番高いところで3メートルを超す天高。ガラス戸で空間を仕切ることで建物の奥行きが活かされていて、実際の面積以上に開放感がありま ... 続き>>>.
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心地いい組み合わせに浮かれて

所在地:目黒区中根
13万5,000円 / 44.47平米
東急東横線「都立大学」駅 徒歩8分

緑が茂るウッドテラスと、ガラスブロックの壁が生み出す光。心地のいい組み合わせに気分が浮かれてしまいます。



シンボルツリーが突き抜けたテラスには驚き。日差しの強い夏の日でも、木陰でゆっくりとくつろげるのが魅力的です。窓が大きいので、テラスは室内からでもしっかりと見えます。



南側 ... 続き>>>.
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美術館のような

所在地:新宿区二十騎町
19万円 / 50.55平米
東西線「神楽坂」駅 徒歩10分

architecture WORKSHOPによる、美術館のような端正なデザインの集合住宅。



玄関がある前面部分は大きなガラス張りで、吹き抜けの高さは約4.6mという規格外の高さ。水が流れる共用部や、橋を渡る玄関までのアプローチを目の当たりにすると、これから住宅に入室するとは思え ... 続き>>>.
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びっくりビッグなバトンタッチ!

所在地:神奈川県川崎市高津区溝口
88万円(税込) / 281.6平米
東急田園都市線・東急大井町線「高津」駅 徒歩3分

大きめのオフィスをお探しだった方へ!都心から離れるという選択ができるなら、こんなにビッグで良い雰囲気に整えられたオフィスを引き継ぐことができるチャンスです。



これまでコワーキングスペースとして利用されてきた大空間。うれしいことに、空間に合うようチョイスされたり造作されたデスクや ... 続き>>>.
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住みひらく、ガモウの村【戸建タイプ】

所在地:埼玉県越谷市蒲生茜町
18万円 / 57.97平米
東武伊勢崎線「蒲生」駅 徒歩5分

アーティスト、フリーランスの方が集まる集落や村をテーマにした集合住宅。住みながら仕事をしたり、趣味を生かした生活をしたい方のための賃貸物件です。



カフェやショップなど、入居者の趣味や生業が外にひらかれ、和気あいあいと賑わう景色があるのは、埼玉県越谷市の蒲生(がもう)という場所に ... 続き>>>.
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100年先の社会を考えた大家さんが、ご近所や友人みんなの力をあわせて小さな家をつくる理由。人の力で大槌を上げ下ろし地固めする伝統構法・石場建ての現場にヨイトマケが響く 世田谷区

都会のなかにある農地が、ある日、マンションや駐車場となっているのを見かけたことはありませんか? 日本全体で人口が減り始めているのに、どんどん住宅をつくって大丈夫なのだろうか、他人事ながら心配になる人もいることでしょう。そんな都市や住まいのあり方に一石を投じるプロジェクトが、世田谷区大蔵の「三年鳴かず飛ばず」です。しかも石場建てという昔ながらの工法を使うとか。開催された「ヨイトマケ」ワークショップの様子とともにご紹介します。

はじまりは相続と都市計画道路の建設。分断された土地をどうする?

都市部はもちろん、地方であっても、農家さんの家の跡地や農地がアパートや駐車場に変わっていくのは珍しい光景ではありません。背景には、
(1)土地所有者が農業だけで生計をたてるのは厳しく、現金収入の必要がある
(2)相続税を含めた納税のため、土地を売却して現金化する必要がある
(3)不動産会社は建物を建設し、金融機関は融資をし、活用をすすめたい
(4)建物を建てることで固定資産税を減らしたい
といった背景があり、アパートや駐車場建設が積極的にすすめられてきました。

人口が増え続けた高度成長期であれば、この方法は有効でしたが、時代は変わり、地方はもちろん、都市部でも人が減り始めています。すると、駅から距離のある物件、バス便などの物件はたちまち不人気となり、空室となってしまいます。このプロジェクトの仕掛人である安藤勝信さんは、そんな入居者募集に苦労する祖父母の姿を見てきました。

今回のプロジェクト仕掛人であり、施主でもある安藤勝信さん(写真撮影/片山貴博)

今回のプロジェクト仕掛人であり、施主でもある安藤勝信さん(写真撮影/片山貴博)

「この周辺は1950年代の人口増加にともない団地建設の計画があり、都市農家だった私の家族は団地開発に明け渡し、結果農地がバラバラに点在した経緯があります。単独で農業ができない面積になってしまった家族は残地に事業として賃貸住宅を建てていったのですが、徐々に時代のニーズに遅れ空室を増やしていきました。
都市農家は、ある時はこれからは住宅や道路が必要だと言われ、ある時は農地は大切だから守れと、時代に翻弄されてきたのです」

畑とその奥は道路予定地(写真撮影/片山貴博)

畑とその奥は道路予定地(写真撮影/片山貴博)

祖父母がなくなったあと、安藤さんは土地や不動産事業を引き継ぐことになりましたが、その土地はすでに都市計画道路予定地として収用が決定されていました。祖父母が住んでいた建物は取り壊しとなるほか、継承した土地も2つに分断されることに。冒頭に紹介したように、定番であれば、「アパート建設」か「駐車場」ですが、安藤さんはそうは考えませんでした。

100年続く風景をつくるにはどうしたらいい? 答えは時代とともに「変われる家」

「母屋を壊したときに、建物をつくった当時のいろいろなものが出てきて、長い間置物だと思っていた物の後ろに“初代のお家の大黒柱の一部”と彫ってあるものがありました。現代の住宅は、30~40年経ったら取り壊して建てるサイクルになりがちですが、昔のひとの時間軸は個人を超えた100年スパンのものなのだと気がつきました。
とはいえ、これから先、人口も減るし、時代はもっと大きく変わっていく。不確定な世の中で大きくて立派で、変わらないものをつくることにも一定の不安やリスクを感じていました。では変えずに守るのではなく変えながら守ろうと。世代や周辺の風景の変化にあわせて、その時代を生きる人が変えていったらいい、変えながら守っていくしかない。そんな計画を立てました」と安藤さん。

そもそも安藤さんは、アパートをコンバージョン(用途変更)して、デイサービス施設にしたり、賃貸の1室をシェアスペースにしたりして認知症の人を見守るといった、新しい賃貸のあり方を模索してきました。

関連記事:
・高齢の母が住む賃貸の1室がシェアスペースに? 住人の交流や見守りはじまる
・駅遠の土地が人気賃貸に! 住人が主役になる相続の公募アイデアって?

そのため、以前から知り合いだったビオフォルム環境デザイン室と一緒にプロジェクトをつくり、1カ所を「長屋プロジェクト」、1カ所を「小屋プロジェクト」とする計画を立てました。長屋プロジェクトは、子育て世代向けの賃貸シェアハウス。1階は地域にひらいているので、気軽にいろんな人が立ち寄れて、子育てや暮らし、毎日のできごとをシェアできます。名前の通り、昔ながらの「長屋」に現代の快適さを組み込んで懐かしくも新しい暮らしを思い描いています。

建築模型図。中央に道路があり、右奥が「長屋プロジェクト」、画面の左手前が「小屋プロジェクト」(写真撮影/片山貴博)

建築模型図。中央に道路があり、右奥が「長屋プロジェクト」、画面の左手前が「小屋プロジェクト」(写真撮影/片山貴博)

そして、かつて安藤さんの祖父母宅があった場所に計画されているのが、「小屋プロジェクト」です。左上にシェアスペース機能のある真四角なお家(母屋)、隣接する小屋はまず1棟つくり、今後3棟程度を少しずつつくっていきます。この母屋、子どもたちと環境教育活動をしている地域住民が引越してくる予定。住人みずからが住みびらきをすることで、シェアスペース兼1階は地域の人や子どもたちが集える場所となる予定です。

画面の右奥に建てられているのが、母屋。1階は地域にひらかれた場所になります(写真撮影/片山貴博)

画面の右奥に建てられているのが、母屋。1階は地域にひらかれた場所になります(写真撮影/片山貴博)

母屋の脇には、4棟の小屋が建つ予定です。一方はトイレ・キッチン付きで、主にシングルの住まいとして使われます。可変・移動が可能なので、将来、小屋が不要になっても移動ができるほか、ユニット設計なので増築も可能です。小さく建てて、空いた敷地に緑や畑をのこす。まさに「変えながら守る設計」になっているんです。ちなみに最初の住人は高齢一人暮らしの女性が住む予定です。

大蔵小屋図面

一方で、小屋であっても住まいですから、地面と建物をつなぐ「基礎」はつくらなくてはいけません。一般的には一戸建てをつくる場合、コンクリートで基礎を打設し、建物と基礎はしっかりとつながっています。が、この現代の工法では、家の移動や可変は難しくなりますし、取り壊す時にも時間・手間がかかります。もちろん、環境への負荷は少なくはありません。

そこで、小屋の基礎を昔ながらの「石場建て」という工法を用いることにしたのです。寺社仏閣、あるいは民家園などに残る家を思い浮かべてもらうとわかりますが、みな立派な石の上に柱を建てる伝統構法の「石場建て」で建てられています。石の上に柱を載せている構造になるので、移動や増改築も容易です。しかも建物と石をどかせば畑や森に戻すことができる。環境への負荷も少なく、都市農業との組み合わせも良い。そんなメリットを考え、今回、「石場建て」のうえに「小屋」をつくることになったのです。伝統的な工法と現代の技術がミックスされた小屋の家、というわけです。

すべては人の暮らしと信頼から。建物や約束はあとからついてくる

「石場建て」にはもうひとつのメリットがあります。それは、地域の共同作業になるということ。石の基礎をつくる「ヨイトマケ」はごく平たくいうと、約100kgの重しで、基礎になる石を大地に打ち据えていく作業です。作業自体は単純ですが、人手と労力が必要になります。そのため、昔は “ヨイトマケ”の歌にあわせて縄でひっぱり、打ち据えていく重労働だったといいます。安藤さんは、昔の重労働も、今となっては地域の人たちの参加と交流の機会と考え、2023年3月のある土曜・日曜、このワークショップ形式で「ヨイトマケ」を開催することに。

石場建てと歌で作業する「ヨイトマケ」を告知する看板。コミュニティアーティストによるイラストが目を引きます(写真撮影/片山貴博)

石場建てと歌で作業する「ヨイトマケ」を告知する看板。コミュニティアーティストによるイラストが目を引きます(写真撮影/片山貴博)

当日、参加者は安藤さんの知人や友人、近隣の住民とビオフォルム環境デザイン室の友人知人、合計100名が集まりました。SNSなどで広く参加者を募るのではなく、「プロジェクトに関心を持ってくださる地域内外の知人友人と散歩ついでにふらっと寄ってくれる地域の方々」にしぼったそう。「同じマルシェに行くのなら、ただ美味しいものを買って帰るより、知り合いがいたほうが楽しくすごせたりしますよね」と安藤さんは例えます。

今回、石場建ての指揮を執るのは、伝統構法を行う杢巧舎(もっこうしゃ)。コンクリートの基礎が当たり前になった今、「石場建て」ができる貴重な工務店です。

参加者はそれぞれ好きな食べ物を持ち寄り、各自あいさつをしながら談笑していました。自然に交流できる仕掛けをつくるあたり、安藤さんの気配りが光ります。「あの◯◯さん、お会いしたかったんです」「初めまして」といいながら会話がはずんでいました。

肝心のヨイトマケの作業ですが、各日の朝からはじまり、昼ごはんやおのおの歓談をしながら、夕方まで、計2日間で行われました。会話ははずんでいますが、一歩間違えば事故になりかねないことから、作業がはじまるとどこかピリッとした緊張感が漂います。これは、棟梁の声のなせる技でしょう。

ヨイトマケで地固めする石は約30カ所。おもりは100kgほどで、数え唄にあわせながら、みんなで綱をひいていきます(写真撮影/片山貴博)

ヨイトマケで地固めする石は約30カ所。おもりは100kgほどで、数え唄にあわせながら、みんなで綱をひいていきます(写真撮影/片山貴博)

作業中にくちずさむ数え歌。言葉遊びになっていて、遊び心を感じます(写真撮影/片山貴博)

作業中にくちずさむ数え歌。言葉遊びになっていて、遊び心を感じます(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

紐をひくのは全員で10人ほど。人数がいるので1人1人はそんなに力が必要ではありません(写真撮影/片山貴博)

紐をひくのは全員で10人ほど。人数がいるので1人1人はそんなに力が必要ではありません(写真撮影/片山貴博)

地域の老若男女、なかにはお子さんも参加していました(写真撮影/片山貴博)

地域の老若男女、なかにはお子さんも参加していました(写真撮影/片山貴博)

地固めした石、水平かどうか調べています(写真撮影/片山貴博)

地固めした石、水平かどうか調べています(写真撮影/片山貴博)

畑の片隅には、この土地の土からつくったアースオーブン(ピザ窯)も。このオーブンも移動可能です(写真撮影/片山貴博)

畑の片隅には、この土地の土からつくったアースオーブン(ピザ窯)も。このオーブンも移動可能です(写真撮影/片山貴博)

オーブンで焼かれたピザも来場者にふるまわれました。美味しい!(写真撮影/片山貴博)

オーブンで焼かれたピザも来場者にふるまわれました。美味しい!(写真撮影/片山貴博)

自分のできることやりたいことを持ち寄る。コーヒーをふるまってくれる人もいました(写真撮影/片山貴博)

自分のできることやりたいことを持ち寄る。コーヒーをふるまってくれる人もいました(写真撮影/片山貴博)

筆者もヨイトマケに参加しましたが、作業自体それほど力は必要としません。ただ、食事をして歌を歌いなら労働をしていると、なんともいえない高揚感と一体感が湧いてきます。参加しているみなさんも本当に楽しそうで、子どもも大人も、高齢の方も、みなさん飽きずに綱をひいていました。

実は、今回参加した近隣住民には工事の音を心配していた方がいたそうです。ところが、なんと当日、ヨイトマケ作業に飛び入り参加し、安藤さんや周辺のみなさんと交流を深めていました。工事を騒音、意見をクレームとみなすこともできますが、お互いの顔が見えることで関係性が生まれ、暮らしをつくる人同士だと思うと、見える風景が変わって見えるのかもしれません。

地域で活躍するコミュニティアーティストも参加し、ヨイトマケの様子をスケッチ。貴重な様子を残していきます(写真撮影/片山貴博)

地域で活躍するコミュニティアーティストも参加し、ヨイトマケの様子をスケッチ。貴重な様子を残していきます(写真撮影/片山貴博)

絵という形で、地域の記憶、記録を残していきたい、と話してくれました(写真撮影/片山貴博)

絵という形で、地域の記憶、記録を残していきたい、と話してくれました(写真撮影/片山貴博)

杢巧舎(もっこうしゃ)の棟梁による締めのあいさつ。不思議と背筋が伸びる気持ちになります(写真撮影/片山貴博)

杢巧舎(もっこうしゃ)の棟梁による締めのあいさつ。不思議と背筋が伸びる気持ちになります(写真撮影/片山貴博)

母屋に住む人、小屋に住む人1名はすでに決まってます。ただ、賃料はまだ未定で、契約書もまだだとか。何事も契約、契約という現代ルールを考えると、驚きしかありません。

「これまでにもいくつかのプロジェクトをやってきましたが、ひとの暮らしを先に、構造をあとにすることで関係性に流れが生まれて、続いていきます。今回設計のビオフォルム環境デザイン室さん、頼んでいないのに実物大のモックアップをつくったんです。やりたいひとがやりたいときにやりたいことができる。状況を上位下達でコントロールするよりも不確実な中でともに考える。そんなことを繰り返してきました」(安藤さん)

休日に労働したのに、なんともいえない達成感が湧いてきます。共同作業って尊いですね(写真撮影/片山貴博)

休日に労働したのに、なんともいえない達成感が湧いてきます。共同作業って尊いですね(写真撮影/片山貴博)

多くの住まいは条件で検索され契約したのちに、暮らしがはじまります。思いや暮らしの一部を共有することはありません。でも本来、人がいて地域の暮らしがあり、必要があるから家を建て、そして地域の人と家をつくる順番だったんだよな、と思い知らされます。

プロジェクト名の「三年鳴かず飛ばず」は、「将来の活躍に備えて行いを控え、三年間鳴かず飛ばずにいる鳥は、ひとたび飛ぶと天まで上がり、ひとたび鳴けば人を驚かす」という故事成語に由来します。あちこちで再開発が進む大都市東京にあって、この開発規模、戸数は小さなものかもしれません。人によっては「鳴かず飛ばず」、つまり、活躍することもなく、人から忘れられたようにみえることでしょう。ただ、日本の賃貸や住まいのあり方、100年後のまちづくりや開発に必要なものとは何か、とても大きな問いかけ、挑戦をしているのではないか、私にはそう思えてなりません。

●取材協力
ビオフォルム環境デザイン室
安藤勝信さん
三年鳴かず飛ばずプロジェクト

100年先の社会を考えた大家さんが、ご近所や友人みんなの力をあわせて小さな家をつくる理由。人の力で大槌を上げ下ろし地固めする伝統構法”石場建て”の現場にヨイトマケが響く 世田谷区

都会のなかにある農地が、ある日、マンションや駐車場となっているのを見かけたことはありませんか? 日本全体で人口が減り始めているのに、どんどん住宅をつくって大丈夫なのだろうか、他人事ながら心配になる人もいることでしょう。そんな都市や住まいのあり方に一石を投じるプロジェクトが、世田谷区大蔵の「三年鳴かず飛ばず」です。しかも石場建てという昔ながらの工法を使うとか。開催された「ヨイトマケ」ワークショップの様子とともにご紹介します。

はじまりは相続と都市計画道路の建設。分断された土地をどうする?

都市部はもちろん、地方であっても、農家さんの家の跡地や農地がアパートや駐車場に変わっていくのは珍しい光景ではありません。背景には、
(1)土地所有者が農業だけで生計をたてるのは厳しく、現金収入の必要がある
(2)相続税を含めた納税のため、土地を売却して現金化する必要がある
(3)不動産会社は建物を建設し、金融機関は融資をし、活用をすすめたい
(4)建物を建てることで固定資産税を減らしたい
といった背景があり、アパートや駐車場建設が積極的にすすめられてきました。

人口が増え続けた高度成長期であれば、この方法は有効でしたが、時代は変わり、地方はもちろん、都市部でも人が減り始めています。すると、駅から距離のある物件、バス便などの物件はたちまち不人気となり、空室となってしまいます。このプロジェクトの仕掛人である安藤勝信さんは、そんな入居者募集に苦労する祖父母の姿を見てきました。

今回のプロジェクト仕掛人であり、施主でもある安藤勝信さん(写真撮影/片山貴博)

今回のプロジェクト仕掛人であり、施主でもある安藤勝信さん(写真撮影/片山貴博)

「この周辺は1950年代の人口増加にともない団地建設の計画があり、都市農家だった私の家族は団地開発に明け渡し、結果農地がバラバラに点在した経緯があります。単独で農業ができない面積になってしまった家族は残地に事業として賃貸住宅を建てていったのですが、徐々に時代のニーズに遅れ空室を増やしていきました。
都市農家は、ある時はこれからは住宅や道路が必要だと言われ、ある時は農地は大切だから守れと、時代に翻弄されてきたのです」

畑とその奥は道路予定地(写真撮影/片山貴博)

畑とその奥は道路予定地(写真撮影/片山貴博)

祖父母がなくなったあと、安藤さんは土地や不動産事業を引き継ぐことになりましたが、その土地はすでに都市計画道路予定地として収用が決定されていました。祖父母が住んでいた建物は取り壊しとなるほか、継承した土地も2つに分断されることに。冒頭に紹介したように、定番であれば、「アパート建設」か「駐車場」ですが、安藤さんはそうは考えませんでした。

100年続く風景をつくるにはどうしたらいい? 答えは時代とともに「変われる家」

「母屋を壊したときに、建物をつくった当時のいろいろなものが出てきて、長い間置物だと思っていた物の後ろに“初代のお家の大黒柱の一部”と彫ってあるものがありました。現代の住宅は、30~40年経ったら取り壊して建てるサイクルになりがちですが、昔のひとの時間軸は個人を超えた100年スパンのものなのだと気がつきました。
とはいえ、これから先、人口も減るし、時代はもっと大きく変わっていく。不確定な世の中で大きくて立派で、変わらないものをつくることにも一定の不安やリスクを感じていました。では変えずに守るのではなく変えながら守ろうと。世代や周辺の風景の変化にあわせて、その時代を生きる人が変えていったらいい、変えながら守っていくしかない。そんな計画を立てました」と安藤さん。

そもそも安藤さんは、アパートをコンバージョン(用途変更)して、デイサービス施設にしたり、賃貸の1室をシェアスペースにしたりして認知症の人を見守るといった、新しい賃貸のあり方を模索してきました。

関連記事:
・高齢の母が住む賃貸の1室がシェアスペースに? 住人の交流や見守りはじまる
・駅遠の土地が人気賃貸に! 住人が主役になる相続の公募アイデアって?

そのため、以前から知り合いだったビオフォルム環境デザイン室と一緒にプロジェクトをつくり、1カ所を「長屋プロジェクト」、1カ所を「小屋プロジェクト」とする計画を立てました。長屋プロジェクトは、子育て世代向けの賃貸シェアハウス。1階は地域にひらいているので、気軽にいろんな人が立ち寄れて、子育てや暮らし、毎日のできごとをシェアできます。名前の通り、昔ながらの「長屋」に現代の快適さを組み込んで懐かしくも新しい暮らしを思い描いています。

建築模型図。中央に道路があり、右奥が「長屋プロジェクト」、画面の左手前が「小屋プロジェクト」(写真撮影/片山貴博)

建築模型図。中央に道路があり、右奥が「長屋プロジェクト」、画面の左手前が「小屋プロジェクト」(写真撮影/片山貴博)

そして、かつて安藤さんの祖父母宅があった場所に計画されているのが、「小屋プロジェクト」です。左上にシェアスペース機能のある真四角なお家(母屋)、隣接する小屋はまず1棟つくり、今後3棟程度を少しずつつくっていきます。この母屋、子どもたちと環境教育活動をしている地域住民が引越してくる予定。住人みずからが住みびらきをすることで、シェアスペース兼1階は地域の人や子どもたちが集える場所となる予定です。

画面の右奥に建てられているのが、母屋。1階は地域にひらかれた場所になります(写真撮影/片山貴博)

画面の右奥に建てられているのが、母屋。1階は地域にひらかれた場所になります(写真撮影/片山貴博)

母屋の脇には、4棟の小屋が建つ予定です。一方はトイレ・キッチン付きで、主にシングルの住まいとして使われます。可変・移動が可能なので、将来、小屋が不要になっても移動ができるほか、ユニット設計なので増築も可能です。小さく建てて、空いた敷地に緑や畑をのこす。まさに「変えながら守る設計」になっているんです。ちなみに最初の住人は高齢一人暮らしの女性が住む予定です。

大蔵小屋図面

一方で、小屋であっても住まいですから、地面と建物をつなぐ「基礎」はつくらなくてはいけません。一般的には一戸建てをつくる場合、コンクリートで基礎を打設し、建物と基礎はしっかりとつながっています。が、この現代の工法では、家の移動や可変は難しくなりますし、取り壊す時にも時間・手間がかかります。もちろん、環境への負荷は少なくはありません。

そこで、小屋の基礎を昔ながらの「石場建て」という工法を用いることにしたのです。寺社仏閣、あるいは民家園などに残る家を思い浮かべてもらうとわかりますが、みな立派な石の上に柱を建てる伝統構法の「石場建て」で建てられています。石の上に柱を載せている構造になるので、移動や増改築も容易です。しかも建物と石をどかせば畑や森に戻すことができる。環境への負荷も少なく、都市農業との組み合わせも良い。そんなメリットを考え、今回、「石場建て」のうえに「小屋」をつくることになったのです。伝統的な工法と現代の技術がミックスされた小屋の家、というわけです。

すべては人の暮らしと信頼から。建物や約束はあとからついてくる

「石場建て」にはもうひとつのメリットがあります。それは、地域の共同作業になるということ。石の基礎をつくる「ヨイトマケ」はごく平たくいうと、約100kgの重しで、基礎になる石を大地に打ち据えていく作業です。作業自体は単純ですが、人手と労力が必要になります。そのため、昔は “ヨイトマケ”の歌にあわせて縄でひっぱり、打ち据えていく重労働だったといいます。安藤さんは、昔の重労働も、今となっては地域の人たちの参加と交流の機会と考え、2023年3月のある土曜・日曜、このワークショップ形式で「ヨイトマケ」を開催することに。

石場建てと歌で作業する「ヨイトマケ」を告知する看板。コミュニティアーティストによるイラストが目を引きます(写真撮影/片山貴博)

石場建てと歌で作業する「ヨイトマケ」を告知する看板。コミュニティアーティストによるイラストが目を引きます(写真撮影/片山貴博)

当日、参加者は安藤さんの知人や友人、近隣の住民とビオフォルム環境デザイン室の友人知人、合計100名が集まりました。SNSなどで広く参加者を募るのではなく、「プロジェクトに関心を持ってくださる地域内外の知人友人と散歩ついでにふらっと寄ってくれる地域の方々」にしぼったそう。「同じマルシェに行くのなら、ただ美味しいものを買って帰るより、知り合いがいたほうが楽しくすごせたりしますよね」と安藤さんは例えます。

今回、石場建ての指揮を執るのは、伝統構法を行う杢巧舎(もっこうしゃ)。コンクリートの基礎が当たり前になった今、「石場建て」ができる貴重な工務店です。

参加者はそれぞれ好きな食べ物を持ち寄り、各自あいさつをしながら談笑していました。自然に交流できる仕掛けをつくるあたり、安藤さんの気配りが光ります。「あの◯◯さん、お会いしたかったんです」「初めまして」といいながら会話がはずんでいました。

肝心のヨイトマケの作業ですが、各日の朝からはじまり、昼ごはんやおのおの歓談をしながら、夕方まで、計2日間で行われました。会話ははずんでいますが、一歩間違えば事故になりかねないことから、作業がはじまるとどこかピリッとした緊張感が漂います。これは、棟梁の声のなせる技でしょう。

ヨイトマケで地固めする石は約30カ所。おもりは100kgほどで、数え唄にあわせながら、みんなで綱をひいていきます(写真撮影/片山貴博)

ヨイトマケで地固めする石は約30カ所。おもりは100kgほどで、数え唄にあわせながら、みんなで綱をひいていきます(写真撮影/片山貴博)

作業中にくちずさむ数え歌。言葉遊びになっていて、遊び心を感じます(写真撮影/片山貴博)

作業中にくちずさむ数え歌。言葉遊びになっていて、遊び心を感じます(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

紐をひくのは全員で10人ほど。人数がいるので1人1人はそんなに力が必要ではありません(写真撮影/片山貴博)

紐をひくのは全員で10人ほど。人数がいるので1人1人はそんなに力が必要ではありません(写真撮影/片山貴博)

地域の老若男女、なかにはお子さんも参加していました(写真撮影/片山貴博)

地域の老若男女、なかにはお子さんも参加していました(写真撮影/片山貴博)

地固めした石、水平かどうか調べています(写真撮影/片山貴博)

地固めした石、水平かどうか調べています(写真撮影/片山貴博)

畑の片隅には、この土地の土からつくったアースオーブン(ピザ窯)も。このオーブンも移動可能です(写真撮影/片山貴博)

畑の片隅には、この土地の土からつくったアースオーブン(ピザ窯)も。このオーブンも移動可能です(写真撮影/片山貴博)

オーブンで焼かれたピザも来場者にふるまわれました。美味しい!(写真撮影/片山貴博)

オーブンで焼かれたピザも来場者にふるまわれました。美味しい!(写真撮影/片山貴博)

自分のできることやりたいことを持ち寄る。コーヒーをふるまってくれる人もいました(写真撮影/片山貴博)

自分のできることやりたいことを持ち寄る。コーヒーをふるまってくれる人もいました(写真撮影/片山貴博)

筆者もヨイトマケに参加しましたが、作業自体それほど力は必要としません。ただ、食事をして歌を歌いなら労働をしていると、なんともいえない高揚感と一体感が湧いてきます。参加しているみなさんも本当に楽しそうで、子どもも大人も、高齢の方も、みなさん飽きずに綱をひいていました。

実は、今回参加した近隣住民には工事の音を心配していた方がいたそうです。ところが、なんと当日、ヨイトマケ作業に飛び入り参加し、安藤さんや周辺のみなさんと交流を深めていました。工事を騒音、意見をクレームとみなすこともできますが、お互いの顔が見えることで関係性が生まれ、暮らしをつくる人同士だと思うと、見える風景が変わって見えるのかもしれません。

地域で活躍するコミュニティアーティストも参加し、ヨイトマケの様子をスケッチ。貴重な様子を残していきます(写真撮影/片山貴博)

地域で活躍するコミュニティアーティストも参加し、ヨイトマケの様子をスケッチ。貴重な様子を残していきます(写真撮影/片山貴博)

絵という形で、地域の記憶、記録を残していきたい、と話してくれました(写真撮影/片山貴博)

絵という形で、地域の記憶、記録を残していきたい、と話してくれました(写真撮影/片山貴博)

杢巧舎(もっこうしゃ)の棟梁による締めのあいさつ。不思議と背筋が伸びる気持ちになります(写真撮影/片山貴博)

杢巧舎(もっこうしゃ)の棟梁による締めのあいさつ。不思議と背筋が伸びる気持ちになります(写真撮影/片山貴博)

母屋に住む人、小屋に住む人1名はすでに決まってます。ただ、賃料はまだ未定で、契約書もまだだとか。何事も契約、契約という現代ルールを考えると、驚きしかありません。

「これまでにもいくつかのプロジェクトをやってきましたが、ひとの暮らしを先に、構造をあとにすることで関係性に流れが生まれて、続いていきます。今回設計のビオフォルム環境デザイン室さん、頼んでいないのに実物大のモックアップをつくったんです。やりたいひとがやりたいときにやりたいことができる。状況を上位下達でコントロールするよりも不確実な中でともに考える。そんなことを繰り返してきました」(安藤さん)

休日に労働したのに、なんともいえない達成感が湧いてきます。共同作業って尊いですね(写真撮影/片山貴博)

休日に労働したのに、なんともいえない達成感が湧いてきます。共同作業って尊いですね(写真撮影/片山貴博)

多くの住まいは条件で検索され契約したのちに、暮らしがはじまります。思いや暮らしの一部を共有することはありません。でも本来、人がいて地域の暮らしがあり、必要があるから家を建て、そして地域の人と家をつくる順番だったんだよな、と思い知らされます。

プロジェクト名の「三年鳴かず飛ばず」は、「将来の活躍に備えて行いを控え、三年間鳴かず飛ばずにいる鳥は、ひとたび飛ぶと天まで上がり、ひとたび鳴けば人を驚かす」という故事成語に由来します。あちこちで再開発が進む大都市東京にあって、この開発規模、戸数は小さなものかもしれません。人によっては「鳴かず飛ばず」、つまり、活躍することもなく、人から忘れられたようにみえることでしょう。ただ、日本の賃貸や住まいのあり方、100年後のまちづくりや開発に必要なものとは何か、とても大きな問いかけ、挑戦をしているのではないか、私にはそう思えてなりません。

●取材協力
ビオフォルム環境デザイン室
安藤勝信さん
三年鳴かず飛ばずプロジェクト

ひとり暮らしにぴったりな

所在地:世田谷区宮坂
6万8,000円 / 23.46平米
世田谷線「宮の坂」駅 徒歩3分

レトロなマンションの3階でひとり暮らし。周辺は住宅街で何もないですが、その分のんびりとした環境です。



ベランダの外は戸建てが並び、3階からは少し抜けた眺めで、日の光もしっかりと入ってきます。



7畳の居室に収納はなく、キッチンの背面に押し入れがあります。その分居室側に家具を多め ... 続き>>>.
Posted in 未分類

夢に見た暮らし

所在地:杉並区井草
10万4,000円 / 41.53平米
西武新宿線「井荻」駅 徒歩3分

爽やかな風が抜ける部屋で、天井から吊るしたハンモックに揺られ読書をする。いつか夢に見た暮らしが出来そうな物件のご紹介です。



建物は2012年に建築家であるオーナー設計にて、全体をリノベーション。室内はもちろん、外壁や共用部も生まれ変わりました。今では2012年に植えた草木がいい ... 続き>>>.
Posted in 未分類

共働き夫婦が建てた67平米コンパクト平屋。エアコン1台で夏冬も家中快適なアメリカンハウス

家を建てるとなれば、かつては「2階建て3LDK以上」が一般的でしたが、最近では約70平米前後のコンパクトな平屋の需要が見られるようになりました。子どもが巣立ったのをきっかけに2LDK・約67平米の平屋を新築したTさんご夫妻の住まいの事例から、“コンパクト平屋”の魅力を探ります。

子育てを終えたのをきっかけに、夫婦2人の家づくりをスタート

賃貸住宅に住んでいたTさんご夫妻(夫30代・妻40代)は、お子さんが巣立ち、2人だけの生活になったのを機にマイホームを検討しはじめます。

大きな壁になったのは資金計画。2人は新築のために貯蓄してきたわけではなかったため、当初は「無理かもしれない」と思っていたそう。しかし偶然、依頼した建築会社が不動産業も営んでいたため、「夫の年齢であれば十分な融資が下りること」「収入に見合った予算の立て方」などのアドバイスを受け、家づくりが現実のものになります。

Tさんご夫妻(写真撮影/片山貴博)

Tさんご夫妻(写真撮影/片山貴博)

家を建てるにあたり、Tさん(妻)にはある譲れない思いがありました。

「私が思春期のとき、実家が2階建てで、2階の子ども部屋にこもりがちになっていました。それもあって、家のつくり次第で家族の過ごし方が変わることを、身をもって知っていたのです。現に子育て期間を過ごした賃貸アパートはワンフロアだったので、子どもたちと料理をしたり気さくに会話したり、コミュニケーションが取れて本当によかったなと。夫婦2人にはなりますが、こうした背景から“コンパクトな平屋”にすることは外せませんでした」

年齢を重ねて体が思うように動かなくなったとき、平屋であれば負担が少ないはず。また、夫は車いじりが大好きで、ガレージでメンテナンスをするほか、屋外で食事や庭づくりをしたいとも思っていました。建坪を抑えれば、庭のスペースを最大限に確保できる。さまざまな点で小サイズの平屋は理にかなっていたと言います。

妻の意見に夫は大賛成。
2年かけていくつかのエリアを見て回り、埼玉県内にある約120坪の土地を購入しました。

ブルーを利かせたリラックス感あふれるアメリカンハウスが完成

夫が元来、車好きだったことや、妻のインテリアの嗜好から“アメリカンハウス”に惹かれていた2人。2021年10月に2LDK・約67平米の平屋を完成させました。

本体価格1000万台前半。2LDK・約67平米。竣工年月2021年10月(画像提供/デザインハウス・エフ)

本体価格1000万台前半。2LDK・約67平米。竣工年月2021年10月(画像提供/デザインハウス・エフ)

アメリカンハウスの世界に忠実に屋根やポーチをデザインしたT邸。敷地は農地転用されたばかりで周辺が静かだったことが決め手に。植樹したヤシの木もこだわり。外構、ヤシの木の植樹はヤシの木を販売している会社「ザルゲートガーデン」に依頼(写真提供/Tさん)

アメリカンハウスの世界に忠実に屋根やポーチをデザインしたT邸。敷地は農地転用されたばかりで周辺が静かだったことが決め手に。植樹したヤシの木もこだわり。外構、ヤシの木の植樹はヤシの木を販売している会社「ザルゲートガーデン」に依頼(写真提供/Tさん)

照明もこだわり。夜は昼間と違った趣に(写真提供/Tさん)

照明もこだわり。夜は昼間と違った趣に(写真提供/Tさん)

「今まで子育てに忙しくて暮らしにあまり手をかけられなかったので、新居には理想を込めました」(妻)

室内はブルーや白の壁・ブラウンの床を基調にした明るく穏やかな空間。LDKを吹き抜けにし、窓を大きく取ったことで、ミニマムな平屋とは思えない開放感が広がります。
リビングのソファに腰掛けると、窓の外にはやさしく葉を揺らすヤシの木が。まるでアメリカ西海岸を訪れたかのようなムードです。

T邸では将来、体が思うように動かせなくなったときに備えて床をフラットにしていますが、部屋ごとに床に異なる素材を使い、アクセントウォールを取り入れるなどして、各スペースの印象が変わるようにしています(写真撮影/片山貴博)

T邸では将来、体が思うように動かせなくなったときに備えて床をフラットにしていますが、部屋ごとに床に異なる素材を使い、アクセントウォールを取り入れるなどして、各スペースの印象が変わるようにしています(写真撮影/片山貴博)

庭を望むリビングのソファは、とくに夫が気に入っている場所(写真撮影/片山貴博)

庭を望むリビングのソファは、とくに夫が気に入っている場所(写真撮影/片山貴博)

高低差をつけてバランスよく配された植物が、くつろぎのムードを演出。スペースごとの色調に合わせ、ダイニングには木製ブラインド、リビングにはブルーのカーテンを採用しました(写真撮影/片山貴博)

高低差をつけてバランスよく配された植物が、くつろぎのムードを演出。スペースごとの色調に合わせ、ダイニングには木製ブラインド、リビングにはブルーのカーテンを採用しました(写真撮影/片山貴博)

関連記事:2023年住宅トレンドは「平屋回帰」。コンパクト・耐震性・低コスト、今こそ見直される5つのメリットとは?

別々のことをしていても近くに感じられる心地よさは平屋ならでは

T邸では玄関に入るとすぐに洗面室・トイレ・脱衣室があります。とくに洗面室には直接、玄関からアクセスできる通路が設けられていて、帰ってきてすぐ手洗い・うがいをし、そのまま脱衣室で汚れた服から着替えることが可能。もちろん、LDKには掃き出し窓があるので、こちらからも屋外に気軽に行き来することが。
庭でたくさんの時間を過ごす2人ならではの間取りと動線です。

「家中を滞りなく動き回れるよう、2つの個室以外は極力、区切りをなくしました。どこでもつながりを感じられて、逃げ場がないのがよいところ。喧嘩しても、いつまでも口を利かないわけにはいきませんから(笑)」(妻)

「2階建てよりは関わりを持ちやすいと感じている」と語るご夫妻。
休日はソファでくつろぐ夫の傍らで、妻がダイニングのテーブル席で副業のアーティフィシャルフラワーの作品づくり。別々のことをしながらひとつの空間で過ごす心地よさを、この平屋に住むようになってますます実感していると言います。

玄関に入ると右手に洗面室への出入口とシューズクローク。向かいの2つのドアは、右がトイレで左が脱衣室。畑仕事などの後、LDKに入る前に汚れを落とせます(写真撮影/片山貴博)

玄関に入ると右手に洗面室への出入口とシューズクローク。向かいの2つのドアは、右がトイレで左が脱衣室。畑仕事などの後、LDKに入る前に汚れを落とせます(写真撮影/片山貴博)

身支度の時間が重なると洗面台が取り合いになるため、カウンターを長めに取って鏡を2人分配置。「玄関のすぐ近くに洗面台を配したプランは、とくにコロナ禍で役立ちました」(妻)(写真撮影/片山貴博)

身支度の時間が重なると洗面台が取り合いになるため、カウンターを長めに取って鏡を2人分配置。「玄関のすぐ近くに洗面台を配したプランは、とくにコロナ禍で役立ちました」(妻)(写真撮影/片山貴博)

風が強い日が多い地域のため、脱衣室(兼ランドリールーム)を広めにしてたくさん部屋干しをできるよう工夫(妻)(写真提供/デザインハウス・エフ)

風が強い日が多い地域のため、脱衣室(兼ランドリールーム)を広めにしてたくさん部屋干しをできるよう工夫(妻)(写真提供/デザインハウス・エフ)

アーティフィシャルフラワーの作品は、妻が試しに手づくりしたことから虜になり制作しているもの。将来は家のガレージで教室を開きたいと考えています(写真撮影/片山貴博)

アーティフィシャルフラワーの作品は、妻が試しに手づくりしたことから虜になり制作しているもの。将来は家のガレージで教室を開きたいと考えています(写真撮影/片山貴博)

作業部屋もつくりました(写真撮影/片山貴博)

作業部屋もつくりました(写真撮影/片山貴博)

屋内外をつなぐミニマムな平屋は、ご近所づき合いにも好影響

引越してきて約1年半、ドライガーデンに挑戦したり、庭で食事をしたり、自分たちらしく暮らしを満喫している2人。アメリカンハウスの外観が目を引くこともあってか、その光景を見てよく道行く人が声をかけてくれるのだそう。

「子どもがいないと地域に溶け込みにくいイメージがありましたが、そんなことはまったくなくて、BBQに飛び入りで参加してもらって仲良くなり、プライベートでご飯を食べに行ったり、古くから住むお年寄りに家庭菜園で育てた野菜をおすそ分けしてもらったり。豊かな交流を広げています」(夫)

庭から玄関・LDKそしてまた庭へ。屋内外を行き来しやすい“コンパクト平屋”だからこそ、人との距離が縮まっていく――。その好循環も、ここに住む魅力のひとつと言えるでしょう。

軒先には英字の標識を立てた愛らしいドライガーデンが。手前の花壇には、季節ごとに異なる花々を植えています(写真撮影/片山貴博)

軒先には英字の標識を立てた愛らしいドライガーデンが。手前の花壇には、季節ごとに異なる花々を植えています(写真撮影/片山貴博)

フラットな床で将来の備えも万全。一方で防犯対策は念入りに

Tさん(妻)は長年、看護師をしてきたことから、さまざまな介護の現場を見てきたそう。そのため「将来の万一のときに備えて」というのも、平屋を選んだ大きな理由です。仮に車椅子になったとき、平屋だと上り下りがない分、2階建てより負担が少ないと言えますが、床の段差をなくし、さらにスムーズに移動できるようこだわりました。

キッチンの壁は掃除しやすい人造大理石を採用。現在ゴミ箱を収めているカウンター下の空洞は、将来、車椅子を入れて座ったまま料理ができるようにするためのアイデア(写真撮影/片山貴博)

キッチンの壁は掃除しやすい人造大理石を採用。現在ゴミ箱を収めているカウンター下の空洞は、将来、車椅子を入れて座ったまま料理ができるようにするためのアイデア(写真撮影/片山貴博)

「過ごしやすさの話で言うと、エアコンはLDKに1台備えただけ。部屋数を最小限にとどめた分、光熱費を抑えられていますし、掃除もラクにできます。また、意図的に収納スペースを少なくし、ものを目に届きやすくし、管理しやすくする工夫もしました」(夫)

平屋のメリットを享受しているご夫妻ですが、懸念している点がひとつあると言います。

「『平屋は防犯面で気をつけた方がいい』と聞くため、セキュリティサービスに入るほか、窓に防犯フィルムを貼る、フェンスを装備するなどして対策を徹底しています」(夫)

平屋は今後の2人の暮らしを魅力的なものにする、ベストな選択

「屋外との一体感を得られ、家中を移動するときに負担が少なく、ご近所ともつき合いやすくて。これ以上ないくらい自然体でいられるのが、平屋のよさかなと。
今後はガレージとウッドデッキを完成させたいです」(夫)

「何か地域のために役立つことができたらとも考えている」と笑顔を見せる2人。
妻は、幸運にも迎えられた新しい日常をこう話します。

「思えば私の小さいころからの夢は、看護師になって平屋を建てることでした。それが実現したのは夫のおかげ。とても感謝しています。
今は子どもが手を離れ、時間的なゆとりができていますが、そのことと平屋とが融合し、いい状態で過ごせていると感じます。
リビングからヤシの木を眺めては、夫婦で『いいね、うちは』と話しているんです(笑)」(妻)

2人だけの生活になってたどり着いたTさんご夫妻の平屋。
自分たちらしい解である小さな住まいからは、予想を上回る幸せが生まれているようです。

あたたかい季節は週1・2回、庭に出て音楽やお酒を楽しんでいるご夫妻。「夜、家から見る庭があまりにきれいで、自宅にいることが信じられない気持ちになります」と話します(写真撮影/片山貴博)

あたたかい季節は週1・2回、庭に出て音楽やお酒を楽しんでいるご夫妻。「夜、家から見る庭があまりにきれいで、自宅にいることが信じられない気持ちになります」と話します(写真撮影/片山貴博)

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●取材協力
デザインハウス・エフ

世田谷区でも高齢者世帯増の波。区と地元の不動産会社が手を組み、安否確認、緊急搬送サービスなど入居後も切れ目ない支援に奔走

住宅確保が難しい人の住まい探しやその後の生活をサポートするため、行政をはじめ、NPO 法人や企業など、さまざまな団体・組織が連携をとりながら支援を行う動きが見えつつあります。問題に対して本質的な解決を行うためには、包括的なサポート、主体的なアプローチ、関係組織との連携は欠かせません。そこで各所で新しい動きが見られる東京都世田谷区の取り組みについて、連携する不動産会社の1社であるハウジングプラザの対応も含めて紹介します。

あらゆる人が気軽に相談できる場を。「住まいのサポートセンター」の開設

「SUUMO住みたい街ランキング首都圏版」(リクルート調査)の住みたい自治体ランキングでは2018年から先日発表された最新の2023年までずっと2位にランクインしていて、東京都23区の中でも人気の高い街の世田谷区。しかし、区内在住の高齢者の割合は、2020年が20.4%なのに対し2042年は24.2%になる見込みで、全国平均よりは低いものの、高齢化が進んでいます。高齢者のみの世帯も増加傾向にあり、ほかにも障がい者やひとり親など、住宅選びの際にサポートを必要としている人も多くいます。

世田谷区が行った2017年の調査によると、区内の高齢者数は増加傾向にあり、高齢者のみの世帯も同様に増える見込み(画像提供/世田谷区)

世田谷区が行った2017年の調査によると、区内の高齢者数は増加傾向にあり、高齢者のみの世帯も同様に増える見込み(画像提供/世田谷区)

一方で、このような住宅確保要配慮者に対し、賃貸物件のオーナーや管理会社が入居を拒むことも少なくありません。近隣住民等とトラブルが起きるのではないか、という不安や万が一の際の残置物処理の負担への懸念があるからです。区では、住宅の確保に配慮が必要な人向けに区営住宅も提供していますが、戸数には限りがあるため、民間の賃貸住宅を活用していくことが必要です。

このような状況を見越して、世田谷区では2007年4月に住まいの確保が困難な人を支援する「住まいのサポートセンター」を開設。民間の組織と協働して住宅の確保や入居を円滑に進めていくことを目指して、高齢者、障がいのある人、ひとり親世帯など住宅の確保に配慮が必要な人たちの支援を行っています。

センターが提供する「お部屋探しサポート」は、区と不動産店団体とが連携協定を結び、区内の民間賃貸住宅の空き室情報を提供する事業です。センターに来訪する人に約1時間、センターの職員と不動産会社の担当者が一緒に相談に乗り、物件探しや内覧の手配など、相談者のサポートにあたります。

住まいのサポートセンターは、企業やNPO法人と連携して、家探しに困っている人を支援する区の窓口。世田谷区在住の高齢者・障がい者・ひとり親世帯・LGBTQ・外国人が利用できる(画像提供/世田谷区)

住まいのサポートセンターは、企業やNPO法人と連携して、家探しに困っている人を支援する区の窓口。世田谷区在住の高齢者・障がい者・ひとり親世帯・LGBTQ・外国人が利用できる(画像提供/世田谷区)

世田谷区によると「相談者は、建物取り壊しのため立ち退きを余儀なくされたものの、高齢を理由に転居先が見つからない人や、体調を崩して働けなくなり、生活保護を受給するにあたって賃料の安い住宅に引越す必要が生じた人など、さまざま」だと言います。多様な背景を抱えながら住まいの確保に困難を感じる人が窓口を訪れ、2021年度は261名の人がお部屋探しサポートを利用したそうです。

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生活保護を受給する人の住まいの選択肢を広げた、地域の不動産会社ハウジングプラザの取り組み例

住まいサポートセンターで職員と一緒に窓口相談を担当する不動産会社の一つ、ハウジングプラザ 福祉事業部の波形孝治さんと小林慶子さんは、月に1回、3~4人の相談を受けています。区から「生活に困っている人に部屋を紹介してほしい」と相談を受けるようになったのがおよそ7~8年前。以来、ハウジングプラザでは住まい探しに困っている人、特に生活保護を受けている人への支援に注力するようになり、2021年8月に社内に福祉事業部を設置しました。

「当社では『入居を希望する全ての人のお部屋探しをお手伝いする』ことを不動産会社の社会的使命としています。同時に『困っている人のニーズに応える』ことは企業が収益を上げていくための当然の営業活動でもあります。福祉事業部を設置したことで、時間やノルマなどにとらわれず、より積極的な支援活動が可能となりました」(ハウジングプラザ波形さん)

ハウジングプラザ福祉事業部の小林さん(左)と波形さん(右)(画像提供/ハウジングプラザ)

ハウジングプラザ福祉事業部の小林さん(左)と波形さん(右)(画像提供/ハウジングプラザ)

相談に来る人は、これまでの経緯から心を閉ざしたり、メンタル的に疲れてしまったりしている人も多いといいます。

「オーナーさんに安心して入居者を迎え入れていただくためにも、ご相談を受ける際には『どのような事情で支援を必要としているのか』など、いろいろな話を伺いながら、一人ではなく私たちも一緒に住まい探しをしていくことを理解していただき、信頼しあえる関係を築いていくことを大切にしています」(ハウジングプラザ波形さん)

また、2021年12月からは家賃保証会社と業務提携して、生活保護を受けている人を対象とした独自の家賃保証プランを提供しているそうです。

「当社と業務提携をしている家賃保証会社と契約してもらうことで、生活保護を受けている人が入居審査を通る幅は大きく広がりました。区役所からの代理納付ができれば家賃保証会社の審査はほぼ通りますし、その仕組みによって家賃の未払いが発生するリスクをかなり減らすことができます」(ハウジングプラザ小林さん)

それでも、生活保護を受給している人が入居可能な物件はまだまだ少なく、1件ごとに入居を希望する人の背景や家賃保証会社の審査が通っていることを説明して、オーナーに働きかける努力は欠かせません。

問題は「入居困難」だけじゃない!「住んだ後」も必要になるサポート

住まいの確保が困難な人に必要なサポートは、住まい探しだけにとどまらず、入居中や入居後にも及びます。特に高齢者や障がいのある人は、住んだ後の生活においても支援の手が必要となるからです。

「物件が見つかったとしても、それで支援が終わりというわけではありません。その後も住まいサポートセンターの職員が相談された方に連絡し、住まい探しの状況確認や相談に乗るなど、アフターケアをしています」(世田谷区)

また、高齢者や障がいのある人の入居で不安視されるのが、孤立による事故や孤独死です。そこで世田谷区は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、公的なサービスの充実や支えあい活動など、住民や企業と協働した多様な取り組みを積極的に行なっています。

例えば、希望する高齢者や障がい者には、見守りサービスや救急通報システムを、認知症や障がいで福祉サービスの利用が困難な人にはサービスを利用するときの援助や日常的な金銭管理の支援サービスを提供しています。

高齢者の見守りサービスを提供するホームネットとの連携による「見まもっTELプラス」は、入居者の見守りと万が一のときの補償がセットとなったサービス。世田谷区はサービス利用者が要件を満たす場合には初回登録料を補助している(画像提供/世田谷区)

高齢者の見守りサービスを提供するホームネットとの連携による「見まもっTELプラス」は、入居者の見守りと万が一のときの補償がセットとなったサービス。世田谷区はサービス利用者が要件を満たす場合には初回登録料を補助している(画像提供/世田谷区)

これらの包括的なサポート体制は、住居の確保に配慮が必要な人への支援であるとともに、孤独死や死後の残置物処理、近隣住民等とのトラブルなどを懸念するオーナーや管理会社に対する配慮でもあるのだそう。

「入居中・退去後等のサービスを充実させ、居住支援事業を積極的に紹介することで、オーナーさんの不安を和らげ、住宅の確保に配慮が必要な方が入居を拒まれることを減らす一助となれば、と考えています」(世田谷区)

「みんなに安心できる住まいを」各分野のプロが連携しながら地域全体で支える

高齢者などが入居を拒まれない民間の賃貸住宅を増やすため、区では国のセーフティネット制度を活用して一定の条件を満たした住宅を“居住支援住宅”として認証し、オーナーに補助金を出しているそうです。

また、前述した「見守っTELプラス」などの高齢者の見守り・生活支援サービスの提供を行うホームネットとの包括連携協定も民間企業と連携した取り組みの一つ。一定の条件を満たす利用者には区が初期登録費用を全額補助しています。

さらに不動産会社やオーナーへの働きかけも欠かせません。住宅セーフティネット法に基づいて世田谷区が設置した居住支援協議会には2023年度から、都が指定するNPOや民間企業などの居住支援法人のうち、区内に拠点のある5法人と、協定を結んでいる1法人からなる6社が参画するように。専門的知見をもとにした意見をもらったり、居住支援協議会セミナーに登壇してもらったりしています。

「民間の賃貸住宅の活用には、不動産会社、オーナーさんたちの協力と理解をいただくことも欠かせません。居住支援協議会では、不動産団体やオーナーへ向けた情報提供なども積極的におこない、居住支援法人である民間組織の方が具体的にどんな取り組みをおこなっているのかを紹介してもらいました」(世田谷区)

各分野の専門家との連携も不可欠です。区役所内の福祉部門や生活困窮者自立相談支援センター「ぷらっとホーム世田谷」、地域包括支援センター「あんしんすこやかセンター」などの外部機関と連携して、互いの知識の向上のための講習会などを開催しながら包括的な支援を目指しています。

高齢者向けの見守りサービス。高齢福祉課や保健福祉課などの福祉部門をはじめ、さまざまな企業や団体と連携して、包括的な支援を行なっている(画像提供/世田谷区)

高齢者向けの見守りサービス。高齢福祉課や保健福祉課などの福祉部門をはじめ、さまざまな企業や団体と連携して、包括的な支援を行なっている(画像提供/世田谷区)

独自の補助金制度の設計など、事業者とともに「これから」をつくる

世田谷区にこれからの取り組みについて聞いたところ、第四次住宅整備方針の重点施策として上げているのは「居住支援の推進による安定的な住まいと暮らしの確保」だといいます。

その一例として、2013年に区が実施した「ひとり親家庭アンケート調査」で、回答者の約半数が「家計を圧迫している支出」として上げているのは「住居費」でした。

ひとり親世帯の家計を圧迫している費用

2013年に世田谷区が実施した「ひとり親家庭アンケート調査」では、家計を圧迫している費用として、住宅費が育児・教育費に次いで多くなっている(資料提供/世田谷区)

2013年に世田谷区が実施した「ひとり親家庭アンケート調査」では、家計を圧迫している費用として、住宅費が育児・教育費に次いで多くなっている(資料提供/世田谷区)

そこで区は、ひとり親世帯に対して対象となる住宅に転居する場合に、国の住宅セーフティネット制度を活用して家賃の一部を補助する「ひとり親家賃低廉化補助事業」を実施しています。また、対象住宅を増やす策として、制度に協力したオーナーに1戸あたり10万円の世田谷区独自の協力金制度を設けているそう。

家賃補助だけでなく、世田谷区は、ひとり親世帯家賃低廉化事業の対象住宅を増やす方策として、制度に協力した賃貸人に対する協力金制度を独自に設置している(資料提供/世田谷区)

家賃補助だけでなく、世田谷区は、ひとり親世帯家賃低廉化事業の対象住宅を増やす方策として、制度に協力した賃貸人に対する協力金制度を独自に設置している(資料提供/世田谷区)

「支援をさらに押し進めていくには、単独で行うのではなく、居住支援協議会の場で、区・不動産団体・オーナーさんの団体・居住支援法人などの協力を得て進めることが大切です。今後も居住支援法人などが提供するサービスの利用促進や効果的な支援策について連携しながら検討していきたい」と世田谷区はいいます。

住宅セーフティネット法によって、各地方自治体が住宅の確保に配慮が必要な人たちへの支援に試行錯誤する中、世田谷区は、民間との連携がうまくいっている例ではないでしょうか。

居住困難の問題を解決するには、オーナーや不動産会社も安心して取り組める状況をつくり出し、理解と協力を得ることが大事です。しかし民間でできること、行政だけでできることには、それぞれ限界があります。実際に現状に即した施策を進めていくには、行政が、住民からどのような居住支援を必要とされているかを知る努力と、支援を実施するために必要な知識やノウハウを民間と共有することに躊躇しない姿勢が大事だと感じました。

住まいの確保が困難な人への取り組みは、地方自治体によってもかなり違いがあります。自分の住む自治体の制度や取り組みに興味をもち、見直してみることも、これらの取り組みを推進する一つのきっかけになるかもしれません。

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●取材協力
・株式会社ハウジングプラザ福祉事業部
・世田谷区「住まいに関する支援」

渋谷の隠れ家 ビラモデルナ

所在地:渋谷区渋谷
20万9,000円(税込) / 35平米
山手線「渋谷」駅 徒歩7分

渋谷と表参道のちょうど中間に佇む、大人の隠れ家 ビラモデルナ。



竣工当時のモダンな設えやもてなしの気配が色濃く残り、その渋さをいまもなお保ち続ける姿は、ひととき渋谷にいることを忘れさせます。



ホテルのようなロビーや有人のフロントサービス、中庭のシンボルツリーとそれを見下ろす渡 ... 続き>>>.
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シンプル+断熱+余白=理想

所在地:世田谷区駒沢
6,380万~7,280万円(税込) / 70.8~87.76平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩9分

「デザイン性の高さをアピールする物件より、嫌なデザインがない物件の方がいい。」

「リノベーションしました!という個性的な間取りより、シンプルな間取りが好き。」

「築年の古い物件は、気密性が低そうなサッシの古さが気になって躊躇してしまう。」



こんなニーズやお悩みをお持ちの方にとっ ... 続き>>>.
Posted in 未分類

育休中の夫婦、0歳双子と北海道プチ移住! 移住体験住宅は畑付き、スーパー代わりの産直が充実。豊頃町の暮らしをレポート

長期の育児休業中に、移住体験の制度を活用して北海道へのプチ移住を果たした私たち夫婦&0歳双子男子。
約半年間の北海道暮らしでお世話になったのは、十勝エリアにある豊頃町(とよころちょう)、上士幌町(かみしほろちょう)という2つのまち。
人口がそれぞれ約3000人、5000人という規模が小さなまちですが、実際に暮らしてみると、都会とは全然違うあんなことやこんなこと。田舎暮らしを検討されている方には必見⁉な、実際暮らした目線で、地方の豊かさとリアルな暮らしをレポートします! 今回は、豊頃町編です。

写真撮影/小正茂樹

(写真撮影/小正茂樹)

関連記事育休中の双子パパ、家族で北海道プチ移住してみた! 半年暮らして見えてきた魅力と課題

北海道・十勝は大きい!そして雪は案外降らない!

みなさん、北海道と言えばどのようなことを思い浮かべるでしょうか。「のんびりした大平原」「夏は涼しく、冬は雪にまみれて身動きが取れない」「とにかく自然が多くて、温泉やグルメ三昧」などなど、さまざまなイメージがわくと思います。今回私が移住体験を行った北海道・十勝エリアの面積は約11,000平方kmで、東京都の約5倍。この広大な敷地におよそ35万人が暮らしていて、驚くのは、食料自給率。日本全体で約38%(カロリーベース)のなか、十勝エリアでは約1100%と言われています。およそ29倍です。まさに日本の食糧基地と言えるエリアとなります。

大平原地帯

十勝と言えば大平原地帯。大きな平野部を生かした大規模農業が盛んなエリアが多いです(写真撮影/小正茂樹)

一方で、誤解しがちなのが、気候。近年は北海道でも夏は最高気温が30度を超える日も珍しくなくなり、内陸部などでは35度を超えたり、日本の観測地点で1位の気温だったという日があったりするくらい。一方、冬については、「寒い」ことは間違いなく、1日中氷点下の日も少なくないのですが、実は、私たち家族が降り立った「十勝エリア」は、ほとんど雪が降らないエリア。雪への耐性がない都会暮らしの人にとっては過ごしやすいともいえると思います。
十勝エリアの気候の特徴としては、「晴天率が高い(いわゆる十勝晴れ)」「雪が少ない(年に数回ドカ雪が積もりますが……)」「寒暖の差が激しい」ということが挙げられます。晴れの確率が高く、雪が少ないのは、移住者からするとすごく助かる特徴かなと思います。ただし、路面凍結は当然ありますし、天気によっては地吹雪などで前が全く見えないホワイトアウトになることもあります。私も冬の凍結した道路を運転するのはあまり経験がなく、安全第一で移動していましたが、車を運転される方は、とにかく安全運転を心がけましょう。

真冬の十勝の夕暮れ時

真冬の十勝の夕暮れ時。辺り一面が真っ白で、空気が澄んでいて、とにかく凛としています。気温はすごく低いですが、晴れた日が多いため、心地よい風景を楽しめる日が多かったです(写真撮影/小正茂樹)

雪かきの様子

滞在中、2回だけドカ雪が降り、雪かきも。移住体験中に2回雪かきをする朝を体験出来たのはすごくテンションが上がると共に、冬の暮らしの厳しさを体感することが出来ました(写真撮影/小正茂樹)

また、田舎暮らしをするときに特に気になるのが、人間関係。私の個人的な感想としては、北海道、特に十勝エリアの方々は、明るく朗らかな方が多く、ご近所づきあいも付かず離れず、くらいの気持ち良い関係性になるのかな、と感じました。ゴミ出しの時のご挨拶、散歩のときの世間話、特にプライバシーに踏み込まれたと感じるようなこともなく、よくテレビなどで言われるご近所づきあいが大変、というようなことを感じることはない移住体験でした。
これには、十勝エリア特有の理由があるのかなとも思います。北海道は「屯田兵制」を活用した国主導の開拓の歴史がほとんど。しかし、実は十勝エリアだけは、当初民間の開拓から始まったと言われています。それが、今回私たちがお世話になった豊頃町の大津港エリアというところが起点になったそうです。開拓の歴史としては140年。十勝には、この「開拓者精神」というものが宿っているということで、「チャレンジ精神」に満ちあふれていると十勝にお住まいの方はよくおっしゃいます。新しいモノコトヒトに対しても、受け入れてくれる土壌があるんではないかと感じました。私の出身の大阪では、「やってみなはれ」文化という、とりあえずやってみたら、という考え方がありますが、根底の考え方は似ている気がします。これが、私が十勝エリアにウマが合う人が多い理由なのかもしれません。

豊頃町は十勝エリアの東側にある十勝開拓の祖のまち!

北海道に来て最初に滞在したのは、豊頃町(7月上旬~9月上旬)。豊頃町は、十勝エリアの東側に位置する人口約3000人ほどの小さなまち。北海道民でも、ここ!と指させる人はそこまで多くないかもしれません。とはいえ、海があり、汽水湖があり、十勝エリアを代表する河川「十勝川」の河口部分を有していて、森林面積は約6割。平地部には大規模農家さんが多く、100haを超える耕作面積を持つ農家さんも複数いらっしゃいます。また、海沿いの漁港もあるため、十勝では珍しく、農林水産業すべてがそろっており、十勝開拓の祖となる「大津港エリア」がある歴史あるまちでもあります。

大津港エリアにある開拓の記念碑。ここから十勝エリアの開拓140年の歴史が始まりました(写真撮影/小正茂樹)

大津港エリアにある開拓の記念碑。ここから十勝エリアの開拓140年の歴史が始まりました(写真撮影/小正茂樹)

観光資源としては、「ジュエリーアイス」と「ハルニレの木」という自然系のものが2つ。あと、グルメでは、「アメリカンドーナツ」が有名な「朝日堂」さんや、国道沿いの常連さんに愛されている「赤胴ラーメン」さん。暮らしてみると、面白いものはちょこちょこあるのですが、分かりやすい観光資源というのはそこまで多くないのが、あまり知られていない要因なのかもしれません。

十勝川河口部付近で見られるジュエリーアイス。真冬の一定期間しか見られないのですが、早朝から多くの観光客のみなさんが見学に来られています(写真撮影/小正茂樹)

十勝川河口部付近で見られるジュエリーアイス。真冬の一定期間しか見られないのですが、早朝から多くの観光客のみなさんが見学に来られています(写真撮影/小正茂樹)

移住体験住宅から1kmちょっとのところにあるハルニレの木。川沿いの抜け感のある景色のなか、大きな木が河川敷に。レストハウスでは写真家さんの四季折々のハルニレの木が展示されています(写真撮影/小正茂樹)

移住体験住宅から1kmちょっとのところにあるハルニレの木。川沿いの抜け感のある景色のなか、大きな木が河川敷に。レストハウスでは写真家さんの四季折々のハルニレの木が展示されています(写真撮影/小正茂樹)

また、私が暮らした移住体験住宅は、国道38号線から近く、JR豊頃駅も徒歩10分。そして、徒歩3分で北海道の生活インフラコンビニ「セイコーマート」があり、日常の生活は特に支障ありませんでした。また、色々と買い物に出かけるときは、車が必要なものの、渋滞が起こることはなく、買い物施設は車で20~30分、帯広空港にも30分程度、帯広市内のショッピングモールなどの大きな買い物施設にも40分程度で行くことができます。景色が良いところをドライブがてら行くことができたため、正直、そこまで不便を感じることはありませんでした。車の運転が好きな人なら、おすすめできる立地です。また、帯広空港から車で30分圏内というのは、首都圏との2拠点居住などを考えるうえでも大きなメリットになるのではないかなと感じました。

国道38号線沿いも気持ちいい風景が広がり、気持ち良いドライブを楽しめます(写真撮影/小正茂樹)

国道38号線沿いも気持ちいい風景が広がり、気持ち良いドライブを楽しめます(写真撮影/小正茂樹)

豊頃町での暮らし。家の居心地はもちろん、人があったかい!

豊頃町の移住担当窓口は、企画課さん。移動当日は2022年7月10日(日)で、選挙(我々は期日前投票してからフライト!)と重なっていたのですが、役場で到着をお待ちいただいて、無事鍵を受け取ることが出来ました。当日は日曜日ということもあり、対応いただけないかなと当初は近くで宿を取ろうと思っていましたが、宿泊代ももったいないからと休日対応をいただけました。幼い子ども達を連れての移動は極力ないほうがありがたく、すごくポイントが高かったです。

私たちは空路で北海道入りしましたが、大阪で使っていた車を会社の後輩たちが旅行がてらフェリーで北海道まで乗ってきてくれました。移動当日の夜、十勝の友人と共に記念撮影!(写真撮影/小正茂樹)

私たちは空路で北海道入りしましたが、大阪で使っていた車を会社の後輩たちが旅行がてらフェリーで北海道まで乗ってきてくれました。移動当日の夜、十勝の友人と共に記念撮影!(写真撮影/小正茂樹)

豊頃町役場のみなさんは、意見交換も兼ねて、歓迎会BBQを企画してくださいました。企画課のみなさん、本当にフレンドリーで、課長さん始め、フランクにお話が出来たのはありがたかったです。嬉しかったのは職員の方で双子の方がいらしたこと。双子の成長のあれこれを伺うことも出来て、まちのことはもちろん、豊頃町さんのあたたかさを存分に感じることができました!

豊頃町の高台にある茂岩山自然公園の一角にあるBBQハウスにて。大きさも複数あり、敷地内には宿泊できるバンガローと、友人を集めてのパーティなどにも使い勝手がよさそうでした(写真撮影/小正茂樹)

豊頃町の高台にある茂岩山自然公園の一角にあるBBQハウスにて。大きさも複数あり、敷地内には宿泊できるバンガローと、友人を集めてのパーティなどにも使い勝手がよさそうでした(写真撮影/小正茂樹)

そういえば、豊頃町に来て、まだ右往左往している頃、家に来てくださった方もいらっしゃいました。農家のKさんご家族。ちょうど僕が不在にしているタイミングだったのですが、お母さま、息子さんご夫婦&0歳児娘ちゃんがピンポーン! 豊頃町で地域おこし協力隊をされていた友人が気を利かせてくれて、我々家族を紹介してくださったのです。その後、改めて、お家の方にお招きいただき、焼肉(北海道で焼肉、というと屋外BBQのことを指すことが多い)パーティをしていただきました!!そこには、Kさんご家族4世代、お向かいの農家さんにイケメンエゾシカハンターまで、たくさんの方が集まってくださいました。ハンターさんにはその後、エゾシカ狩りに同行させていただいて、本当に人の繋がりには感謝です。

Kさん宅のガレージで。ガレージというか、ものすごく大きく天井の広いスペースで、音楽をかけながら、みんなでBBQ! Kさんは4世代が勢ぞろいして、にぎやかな食事を楽しめました(写真撮影/小正茂樹)

Kさん宅のガレージで。ガレージというか、ものすごく大きく天井の広いスペースで、音楽をかけながら、みんなでBBQ! Kさんは4世代が勢ぞろいして、にぎやかな食事を楽しめました(写真撮影/小正茂樹)

また、豊頃町の移住体験住宅は、とにかくキレイ! 築10年以上は経過しているものの、木のぬくもりがしっかり感じられると共に、1LDK100平米以上というすごく贅沢な一戸建てだったため、妻はもちろん、我が家に遊びに来てくれた友人・知人もみんなびっくりしていました。土間があり、暖炉があり、憧れののんびり郊外生活のイメージそのままで素晴らしい環境。大阪の狭い住宅で暮らしていた私たちは持て余すほどの状況でしたが、非常に気持ちよく生活することができました。また、夕方から夜にかけてはぐっと気温も下がり、寝苦しい夜とは全く無縁の生活が送れました。

吹き抜け空間で天井が高く、気持ちいい日差しが入ってきてくれるステキな移住体験住宅(写真撮影/小正茂樹)

吹き抜け空間で天井が高く、気持ちいい日差しが入ってきてくれるステキな移住体験住宅(写真撮影/小正茂樹)

ただし、要注意なのが、真夏の昼間。北海道もここ数年で一気に気温が高い日が増えてきているものの、まだ移住体験住宅の多くではエアコン設置ができていないのです。豊頃町も最高気温が30度を超える日も年間数日はあり、自由に外に出回りにくい0歳児双子を連れている我々は、結構困ったこともありました。町役場の方には、涼める場所をいくつもご紹介いただいて事なきを得ましたが、夏場の日中はどこか涼しい場所にお出かけした方がいい日もあるかと思います。それを差し引いたとしても、おしゃれですし、何せゆったりした空間が屋内外に広がっているので、妻とも、「こういう場所で暮らせるのはいいよねぇ」とよく話していました。夜になると涼しく過ごせて、窓を開けて寝ると寒いくらいで、ホンマに星がきれいでよく星空を眺めていました。

移住体験住宅2階にある寝室からの景色。朝起きると本当に気持ち良い景色が広がっていて、心地よく過ごせました(写真撮影/小正茂樹)

移住体験住宅2階にある寝室からの景色。朝起きると本当に気持ち良い景色が広がっていて、心地よく過ごせました(写真撮影/小正茂樹)

そして、屋外がのんびりしているだけではなく、なんと、この豊頃町の移住体験住宅は畑付き。それも、きちんとサポートもしてくださいます。サポートしてくださるおじさまが、すごく親切で、我が家の場合は、ほとんどおんぶに抱っこ。ほとんど収穫しかしてないので、偉そうなことは言えませんが、ジャガイモ、トウモロコシ、ズッキーニ、カボチャなどなど。とれたて新鮮な野菜たちが食卓に並んでいくのは本当に贅沢なひとときでした。

植え付けまでしてくださっていて、私の方は水やりと収穫だけで、畑仕事を満喫した良い気分を味わえました(笑)(写真撮影/小正茂樹)

植え付けまでしてくださっていて、私の方は水やりと収穫だけで、畑仕事を満喫した良い気分を味わえました(笑)(写真撮影/小正茂樹)

さらに、この住宅での思い出といえば、ホームパーティです。合計30名ほどの方にお越しいただいて、持ち寄りパーティをしました。遠くは東京、札幌から。近くは十勝エリアのあちこちや豊頃に住まわれている方々。お昼から夜まで、のんびりした空間で様々な人の交流ができて、楽しいひとときを共有できたのはすごくよかったです。十勝エリアにお住まいの方でも、豊頃町にはなかなか来ることがないという方も多かったのですが、このパーティでは、参加者の皆さん全員に、豊頃町の名物の切り干し大根をお土産に、地元でも人気の朝日堂のアメリカンドーナツなども準備して、豊頃町をしっかり楽しんでいただけるように工夫しました。

ホームパーティは基本屋外の広いお庭をメインに。友人が持ってきてくれたキャンプ用品が大活躍し、大人たちは飲み食べ、子どもたちはプールで遊んだり。心地よい空間で過ごせました(写真撮影/小正茂樹)

ホームパーティは基本屋外の広いお庭をメインに。友人が持ってきてくれたキャンプ用品が大活躍し、大人たちは飲み食べ、子どもたちはプールで遊んだり。心地よい空間で過ごせました(写真撮影/小正茂樹)

まちにスーパーがない! リアルな生活はどんな感じに?!

豊頃町には、実はスーパーがありません。と言われても、都会暮らしをしている人には徒歩圏内にスーパーがないということ自体あまりないでしょう。どこで買い物するんだろう。でも、その不安は行ってみてすぐに解消されました。その大きな理由としては、町内(移住体験住宅からは車で5分ほど)には「とよころ物産直売所」なる都会に住んでいる身としてはあり得ないたくさんの新鮮なお野菜が並んでいる産直市場があったこと。

国道38号線すぐ近くにある「とよころ物産直売所」。金・土・日の営業ですが、朝からどんどん車で買い物に来られるお客さんが。並びには、蕎麦屋さんや、アイスクリーム屋さんなども(写真撮影/小正茂樹)

国道38号線すぐ近くにある「とよころ物産直売所」。金・土・日の営業ですが、朝からどんどん車で買い物に来られるお客さんが。並びには、蕎麦屋さんや、アイスクリーム屋さんなども(写真撮影/小正茂樹)

豊頃町は大規模農家さんが多く、4大品目と呼ばれる、「小麦」「ジャガイモ」「豆類」「ビート」を大量につくられている農家さんがほとんど。そういった農家さんが家庭菜園(と都会の人が思うレベルではない広さのようですが)的につくったお野菜がいろいろ並んでいるのです。これがめっちゃおいしくて安い。金・土曜の品ぞろえがいいよ、とうわさで聞いたため、毎週、オープンすぐにお野菜を買いに行っていました。また、直売所がお休みのときや、お野菜以外のものは車で15~20分程度の隣町のスーパーに買い出しに行きます。

いろんなお野菜を毎週まとめてゲット! 季節限定(おおむね4月末~11月中旬の営業)の営業になりますが、イキイキとした採れたて野菜が並んでいて、選ぶのも楽しい(写真撮影/小正茂樹)

いろんなお野菜を毎週まとめてゲット! 季節限定(おおむね4月末~11月中旬の営業)の営業になりますが、イキイキとした採れたて野菜が並んでいて、選ぶのも楽しい(写真撮影/小正茂樹)

また、まちの中心部には、社会福祉協議会さんが経営されるカフェ「喫茶ふわり」もあり、すごくお世話になりました。スタッフの方々には双子のお世話もしてくださって、ゆっくりご飯&お茶ができる貴重な時間を過ごすこともできました。
更に、2022年8月下旬には、すっごいおしゃれなカフェ「B&B丘」さんもオープンし、10月には、地元ジビエ料理が楽しめる宿泊機能付きレストラン「エレゾエスプリ」もオープンしたそうで、どんどんおしゃれなお店もまちに生まれています。

豊頃町の中心地にある喫茶ふわり。のんびりした雰囲気でリーズナブルにご飯が食べられます(写真撮影/小正茂樹)

豊頃町の中心地にある喫茶ふわり。のんびりした雰囲気でリーズナブルにご飯が食べられます(写真撮影/小正茂樹)

B&B丘のガパオライス。お店の人がタイに長らくお住まいだっただけに本格的で美味!(写真撮影/小正茂樹)

B&B丘のガパオライス。お店の人がタイに長らくお住まいだっただけに本格的で美味!(写真撮影/小正茂樹)

すごくアットホーム感あるほっこり&手つかずの可能性がたくさんのまち!

2カ月の滞在となった豊頃町。空港からもほど近く、買い物施設は車で20分圏内にいくつもあり、車の運転をする方にとっては、まさに郊外ののんびり暮らし!が満喫できると感じました。
また、まだまだ6次産業化なども進んでおらず、まちにも、産業にも手つかずの可能性というのをたくさん感じました。豊頃団志なる男性の若手グループを農家さん、酪農家さん、役場職員などが集まってつくられていて、実は色々地域の活動をされる横のつながりもあったりします。町役場も若手の方が多くて、アットホーム感ある暮らしを楽しみながら、新しいモノコトづくりなどに興味がある方にはすごくお勧めなまちだと思います。
豊頃町に名残惜しさを感じながら、9月上旬からは同じ十勝エリアの北部にある上士幌町へ。果たして次なるまちの暮らしはどんなものになるのか。乞うご期待!

関連記事育休中の双子パパ、家族で北海道プチ移住してみた! 半年暮らして見えてきた魅力と課題

●関連サイト
豊頃町移住計画ガイド
ジュエリーアイス
ハルニレの木
とよころ物産直売所
B&B丘

求ム!足袋蔵の再活用

所在地:埼玉県行田市佐間
19万8,000円(税込) / 132.48平米
高崎線「行田」駅 3.4㎞(車約9分)

推定築90年程。行田市の日本遺産構成文化財にも登録された、木造2階建ての足袋蔵。



もともと穂国足袋(ほこくたび)の商標で知られた、荒井八郎商店の足袋原料倉庫で、昭和初期に建設されたものと思われます。



荒井八郎商店の手を離れた後、この場所に曳家され、現在に至るようですが、もとも ... 続き>>>.
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下町+戸建でのんびり暮らし

所在地:荒川区荒川
14万3,000円 / 51.2平米
京成本線・千代田線「町屋」駅 徒歩5分

リノベーションにて生まれ変わった、小ぶりな戸建て。梁・壁・天井が全て白く塗装されたリビングが特徴の、2人暮らしにぴったりの物件です。



暗くなりがちな1階に寝室、バストイレ、比較的明るい2階にキッチン、リビングという気の利いた間取り。



窓が小さく奥行のあるつくりですが、梁がむき ... 続き>>>.
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甘く差し込んだ光

所在地:渋谷区上原
30万円 / 67.65平米
小田急線・「代々木上原」駅 徒歩8分

上原の地に立つ、目を引く姿のデザイナーズマンション。



今回ご紹介する部屋があるのは地下1階。白とナチュラルカラーのフローリングが明るい印象の、清潔感のある室内。間取りは2LDKで水まわりを中心に回遊性のある空間構成が特徴的。



リビングの大きな窓の外にはライトコート。日中は部屋 ... 続き>>>.
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表参道で切るスタート

所在地:渋谷区神宮前
23万1,000円(税込) / 50平米
銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅 徒歩7分

表参道駅を降りて「まい泉通り」を進み、少し路地を入ると、都会の喧騒が嘘だったように静かなエリアがあります。



そんな穴場的な立地に、オフィスを構えてみませんか。



内装はどちらかというと、普通の住居といった出立ち。大きく普通の物件と異なるのは、窓の大きさ。床から天井まで大きくとら ... 続き>>>.
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目黒のレトロでしずしずと。

所在地:目黒区三田
19万5,000円 / 64.23平米
山手線・南北線・都営三田線「目黒」駅 徒歩8分

さすがは築53年のマンション。しっとりと落ち着くこの空気感は、築の浅い建物にはない重みを感じます。



部屋は南西向きの角部屋で、窓面の多いリビング。ベランダからは涼しげな緑も見えて。内装はレトロなテイストが残ったままで、派手さのない気品のある雰囲気が漂っています。



水まわりは数 ... 続き>>>.
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中目黒に漂う気品

所在地:目黒区上目黒
17万9,000円 / 30.53平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩4分



美しく滑らかな素材の表情、モダンながらも温もりを十二分に感じられる空間に心を奪われました。



デザイン監修は、建築家の谷尻誠氏と吉田愛氏が率いる「SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd.」。なかなか普通の住宅では味わえない、気品漂うぜいたくな住み家のご紹介で ... 続き>>>.
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イエローで差す!

所在地:千代田区平河町
11万円(税込) / 35.51平米
半蔵門線「半蔵門」駅 徒歩1分

都心ど真ん中、皇居のほとり、半蔵門駅の地上出口から徒歩1分。

走れば傘いらずの便利な立地が、仕事に生かされるミニオフィスです。

駅近にこだわっていなかったとしても、駅近ってしみじみ便利なのねと、移動のたびに実感してしまうのは間違いないでしょう。



このあたりは古くからの屋敷町。○ ... 続き>>>.
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取捨選択の西荻ライフ

所在地:杉並区西荻北
11万5,000~11万9,000円 / 30.28平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩5分

デザイン性・新築・中央線沿線。

この3つが最優先事項の方にぜひご検討いただきたいお部屋です。



きっとこの世にパーフェクトな物件というものはありません。

絶対に譲れないことを決めて、それ以外の部分は目をつぶったり、自分を順応させていくことで心地よい暮らしがつくれるのだと思います。 ... 続き>>>.
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精神と時の部屋? in 神宮前

所在地:渋谷区神宮前
32万5,000円 / 67.27平米
銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅 徒歩8分

表参道・原宿・渋谷駅の真ん中にあります。

無機質な空間に大きな窓から光が差し込む、時が止まったような非日常感あふれるお部屋です。



躯体現しの壁・天井とモルタルの床、全面がグレーに統一されています。派手目なラグを敷いたり、ビンテージの家具をポツンと置くのも様になりそうです。



天 ... 続き>>>.
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小川せせらぐ縁側暮らし

所在地:新宿区上落合
9万9,000円 / 28.93平米
都営大江戸線・西武新宿線「中井」駅 徒歩2分

現代の東京とは思えない江戸情緒なお屋敷。

無垢材がたっぷり使われた室内と、川沿いの小さな縁側が魅力のお部屋です。



小さな商店街を一本入ったところにある3棟の黒い町屋。まるで料亭のような門構えは道ゆく人が足を止めるほどの存在感です。



扉を開けると玄関も和の趣。室内は無垢材がたっ ... 続き>>>.
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何はともあれ「広さ」という貴方へ

所在地:新宿区山吹町
30万円 / 150平米
有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩3分

広すぎて困るかもしれませんが、、、

何はともあれ、広さが必要な方もいるかもしれません。

細かいことは気にしない。とにかく広さが必要なんだ!という人にとっては、この立地でこの賃料は魅力的に映るはず。



神楽坂の商店街はもちろんですが、地味に盛り上がっている地蔵通り商店街のすぐ近くに ... 続き>>>.
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青春の日々、再び

所在地:目黒区上目黒
5,980万円 / 55.35平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩4分

<価格改訂>



中目黒駅へも代官山駅へも歩いてすぐにアクセスできる、願ってもない好立地に立つマンション。



食事に出かけたり、買い物に出かけたり、桜の花や新緑の緑を楽しめる目黒川沿いを散歩したりと、朝から夜までさまざまなワクワクが待っているこの街で、もう一度青春の日々を謳歌しませ ... 続き>>>.
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小屋裏で魅せる

所在地:目黒区原町
22万円(税込) / 47平米
東急目黒線「西小山」駅 徒歩2分

西小山駅から北西へつづく「西小山にこま通り商店街」沿いの物件をご紹介。築古の戸建てを生まれ変わらせ、小屋裏を見せた天高4mの空間は圧巻です。



商店街の十字路に立つこの建物。商店街に面した1階はバーになっていて、室内へは別の入り口があります。



1階は、9.94㎡の土間スペースと ... 続き>>>.
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西池袋の谷に住まう

所在地:豊島区西池袋
15万7,900円 / 65.97平米
山手線「池袋」駅 徒歩7分

「西池袋(ニシイケ)」のビル群にある「谷(バレイ)」という意味で「ニシイケバレイ 」と名付けられたこの場所は、飲食店やシェアキッチン、コワーキングスペースなど、多様な空間とサービスが集積する場所です。



その一角に立つのが、今回ご紹介する全84戸からなる14階建のマンション。4階 ... 続き>>>.
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ステキなスパイスをきかせて

所在地:港区南青山
19万9,000円 / 38.02平米
銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅 徒歩9分

空間を印象づけているのは、リビングと個室をつなぐ、ブルーのドアと窓。とってもチャーミングだけど全体的に甘すぎない、こだわり感じるリノベ物件です。



フローリングの床に、白塗装された壁面。リビング・キッチン・5.5帖の部屋の壁は、同じ白塗装でもそれぞれ素材感や表情が異なる、手の込ん ... 続き>>>.
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光と風が回遊する集合住宅

所在地:文京区本郷
9万5,000~10万5,000円 / 19.31~21平米
都営大江戸線・都営三田線「春日」駅 徒歩1分

ゆったりした共用スペースを備える、楽しげな集合住宅。室内は天井高3m超え、光と風が抜けていく気持ちいい物件です。



設計は「オンデザインパートナーズ」。2022年3月に竣工したばかりの建物です。



特徴としては、普通は「通行するだけ」の集合住宅の片廊下を、バルコニーと合わせること ... 続き>>>.
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中和されたリノベワンルーム

所在地:台東区浅草橋
13万2,000円 / 38.4平米
都営浅草線・総武線「浅草橋」駅 徒歩2分



空間に合わせてセレクトされた照明、ガス管のハンガーバーなど、インダストリアルな雰囲気に仕上げつつも、それらを中和するかのようなオリジナルの木製建具、タイルで一面を仕上げたキッチンなどが絶妙なバランスです。



室内は約38㎡の広々としたワンルーム。仕切りをなくしオープンな空間にす ... 続き>>>.
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ありがとう、木々たちよ

所在地:港区南青山
25万3,000円(税込) / 73.8平米
銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅 徒歩5分

窓の先は青山公園。南青山という大都会の中、室内からは額縁で切り取ったような圧巻のグリーンです。この恩恵にただただ感謝。



まばゆいほどの緑に圧倒されて、つい「わァッ…!」とちいかわのような声を上げてしまいました。青山公園は建物の北側に位置するため、日中はほぼずっと一定の明るさが見 ... 続き>>>.
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上から目線で

所在地:杉並区梅里
11万円 / 32.79平米
丸ノ内線「南阿佐ヶ谷」駅 徒歩5分

ベランダと廊下から見えるはるかな地平線。ここは最上階の13階、上から目線で暮らしましょう。



ベランダからは新宿の夜景、廊下からは富士山がよく見えました。空気の澄んだ冬だったら、もっと美しいに違いありません。



室内は塗装の白壁や、薄色の建具でナチュラルな雰囲気。L字になったワン ... 続き>>>.
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心躍るルーバル

所在地:渋谷区富ヶ谷
10万7,000円 / 18.9平米
千代田線「代々木公園」駅 徒歩1分

代々木公園の緑を眺める、部屋より広いルーフバルコニー。代々木公園駅から徒歩1分という立地も魅力です。



コンパクトなワンルームは、住居としてはもちろん、集中して仕事をする際の書斎や、東京に来た際の拠点としてもいかがでしょう?



室内からの眺望は代々木公園と反対向きですが、近距離に ... 続き>>>.
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規格外の気持ちよさ -広々ルーバル付き-

所在地:杉並区上井草
19万2,000円 / 54.45平米
西武新宿線「上井草」駅 徒歩7分

★4/29から5/2の間、内見可能!★



貸主さんのご親族がもともとは暮らしていた、最上階、ルーフバルコニー付きという特別な区間。ここをフルリノベーションして、新たに募集!



こんなお部屋あるのか!と感動する、規格外の気持ちよさが体感できる空間が待っていました。



まず特筆するの ... 続き>>>.
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新宿駅から電車で30分以内、家賃相場安い駅ランキング! 2023年版

東京都を代表する巨大ターミナル・新宿駅が、2023年2月にリクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2023(首都圏版)」にて住みたい街(駅)ランキングで5位に輝いた。同調査で「住みたい理由」として挙げられたのは、「魅力的な働く場や企業がある」「文化・娯楽施設が充実」「いろいろな場所に電車・バス移動で行きやすい」「大規模商業施設がある」など、働くにも遊ぶにも便利であり交通の利便性も高いという点だ。そんな便利で人気の街・新宿までアクセスしやすい、家賃相場が安い駅を調査してみた。駅から徒歩15分圏内にある、一人暮らし向け物件の家賃相場が安い駅を早速チェック!

新宿駅まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅TOP15(22駅)

順位/駅名/家賃相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 京王よみうりランド 5.5万円(京王相模原線/東京都稲城市/30分/1回)
2位 生田 5.6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
3位 読売ランド前 5.7万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
4位 西国分寺 5.9万円(JR中央線/東京都国分寺市/28分/1回)
5位 京王稲田堤 6.0万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
5位 朝霞 6.0万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/30分/1回)
5位 稲田堤 6.0万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
8位 田無 6.04万円(西武新宿線/東京都西東京市/28分/1回)
9位 百合ケ丘 6.1万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
10位 中野島 6.15万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
11位 京王多摩川 6.3万円(京王相模原線/東京都調布市/26分、1回)
11位 宿河原 6.3万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
11位 飛田給 6.3万円(京王線/東京都調布市/29分/1回)
14位 西調布 6.4万円(京王線/東京都調布市/30分/1回)
15位 久地 6.5万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/28分/1回)
15位 向ヶ丘遊園 6.5万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/19分/1回)
15位 和泉多摩川 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/22分/1回)
15位 国分寺 6.5万円(JR中央線/東京都国分寺市/23分/0回)
15位 戸田公園 6.5万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/23分/0回)
15位 東小金井 6.5万円(JR中央線/東京都小金井市/25分/0回)
15位 狛江 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/20分/1回)
15位 蕨 6.5万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/26分/1回)

関連記事:新宿駅まで電車で30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2023年版

1位の家賃相場は新宿の2分の1以下で5万円台!

JR各線をはじめ小田急線や京王線など、さまざまな路線が乗り入れる新宿駅。アクセス性が高いうえにビジネス街としても繁華街としても発展しており、この街に住めたらさぞかし便利だろう。ただ、ネックなのは人気の街だけあり家賃相場が高いこと……。今回の調査では、新宿駅の徒歩15分圏内にある一人暮らし向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場は12万円という結果に。そこで「新宿駅が最寄駅」とはいかなくても、新宿駅にアクセスしやすい30分圏内にある駅の家賃相場を調査、ランキングにしたものがこちらだ。

1位は東京都稲城市に位置する京王よみうりランド駅で、家賃相場は5万5000円だった。京王相模原線で調布駅に出て、京王線に乗り換えると新宿駅まで計約30分で到着する。3位・読売ランド前駅と名前が似ていて混同されがちだが両駅は直線距離で2km以上離れており、路線も異なる別の駅。レジャー施設「よみうりランド」を間に挟んで南側に3位の読売ランド前駅、北側にあるのが1位の京王よみうりランド駅だ。

よみうりランド(写真/PIXTA)

よみうりランド(写真/PIXTA)

そんな京王よみうりランド駅の周辺の様子を見てみると、駅南側はよみうりランドのほかに読売ジャイアンツの球場やゴルフ場、東京ヴェルディのサッカーグラウンドに利用されているため、住宅街は駅の北側が中心。駅から北に5分も歩くと、スーパーや100円ショップ、書店や衣料品店が入ったショッピングセンターへ。そのまま名産の果物直売所も点在するのどかな住宅街を北に進み、駅から15分ほど歩くとJR南武線・矢野口駅にたどり着く。周辺住民は行き先に応じて京王相模原線とJR南武線の2路線を利用できるわけだ。そして矢野口駅の北側には多摩川が流れ、河川敷は地域の憩いの場としてジョギングや散歩に利用されている。

続いて2位は神奈川県川崎市多摩区にある生田(いくた)駅で、家賃相場は5万6000円。小田急小田原線の通勤準急と快速急行を乗り継ぐと、新宿駅までは乗り換え1回・約25分。駅から徒歩10分ほどで明治大学の生田キャンパスに行けるほか、周辺には専修大学や聖マリアンナ医科大学のキャンパスもあるため、学生が住む街としても親しまれている。大型のショッピングビルがあるような繁華街ではないけれど、駅周辺には複数のコンビニやスーパー、ドラッグストアがあり、日用品や雑貨を扱うホームセンターも。日常遣いしやすいリーズナブルな飲食店がそろっている点も、一人暮らしには嬉しいところ。

生田緑地のばら園(写真/PIXTA)

生田緑地のばら園(写真/PIXTA)

生田駅から東南方面に10分ほど自転車を走らせると生田緑地へ。雑木林や湿地など貴重な自然が残され、初夏にはホタルも観察できるので、息抜きに訪れてもよさそう。ちなみに生田駅から下りで1駅目が3位・読売ランド前駅(家賃相場5万7000円)、2駅目が9位・百合ヶ丘駅(同6万1000円)という位置関係になっている。

新宿に加え「住みたい街(駅)」2位の吉祥寺にも好アクセスな駅も上位入り

上位には新宿駅まで乗り換え1回の駅が続くが、15位までくると国分寺駅のように乗り換え0回の駅もランクインした。国分寺駅は家賃相場6万5000円で、JR中央線の通勤特快に乗ると約23分で新宿駅へ。国分寺駅の1駅隣に位置する4位・西国分寺駅(家賃相場5万9000円)は乗り換え1回・約28分との調査結果になったが、これは通勤特快が停車しないため。新宿駅まで30分以内の到着を目指すとまず快速で国分寺駅へ行き、そこから通勤特快への乗り換えが必要となるのだ。とはいえ快速1本でも西国分寺駅から新宿駅まで約34分とその差6分。実際に暮らすならば、乗り換えずに1本で行くことになるだろう。

国分寺駅(写真/PIXTA)

国分寺駅(写真/PIXTA)

さて15位・国分寺駅はどんな街だろうか。駅南口側には9階建ての駅ビル「セレオ国分寺」が併設され、食料品からファッション、雑貨、レストランまで多彩なショップが営業中。そして北口側には西武国分寺線と西武多摩湖線の駅があり、駅前は賑やかな雰囲気。なかでも目を引くのはツインタワーだろう。これは半世紀も前に計画された再開発事業が実を結んだ再開発ビルで、2018年に誕生を迎えた。上層部は住居で、下層階が商業施設「cocobunji(ココブンジ) WEST」「cocobunji EAST」。ビル内には市の施設やショッピングモール「ミーツ国分寺」があり、飲食店からクリニックまで多彩な店舗が充実している。ほかにも駅周辺にはさまざまな商業施設が並び、緑豊かな公園「殿ヶ谷庭園」でほっと息抜きすることもできる。

ちなみに国分寺駅を通るJR中央線沿線には、「SUUMO住みたい街(駅)ランキング2023(首都圏版)」5位の新宿駅だけではなく、同ランキング2位の吉祥寺駅もある。吉祥寺駅は国分寺駅から新宿方面に5駅目で、家賃相場は今回の調査によると8万円。住みたい街上位に輝く新宿駅にも吉祥寺駅にもアクセスしやすいわりに両駅と比べて家賃相場が低く、駅周辺の商業施設も充実した国分寺駅は穴場の街と言えるかもしれない。

関連記事:「住みたい街ランキング2023」発表! 大宮と浦和で明暗、新宿が注目の理由とは?

さて、家賃相場が6万5000円の同額で8駅が並んだ15位からもう1駅、和泉多摩川(いずみたまがわ)駅をピックアップしよう。東京都狛江市に位置する和泉多摩川駅は小田急小田原線の駅であり、新宿駅までの所要時間は約22分でトップ15のうち3番目に早い。新宿駅に加えて小田急小田原線沿線の下北沢駅や、そこから京王井の頭線に乗り換えて4駅目の渋谷駅、さらに小田急小田原線と直通運転されている東京メトロ千代田線沿線の表参道駅などにもアクセスしやすいロケーションだ。

和泉多摩川駅(写真/PIXTA)

和泉多摩川駅(写真/PIXTA)

和泉多摩川駅の高架下にはスーパーやハンバーガー店があり、駅西口側には青果店やドラッグストア、ミニスーパーなどが並ぶ商店街も。2022年には駅南側にベンチなどを設置した広場が整備され、この春には緑地や公園がある多摩川河川敷へと続く緑道も誕生した。都内の人気の街にも楽に行けるうえ、日ごろは自然を身近に感じつつのんびり暮らせる点もこの街の魅力の一つだろう。

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ニューヨーク人情酒場へようこそ!これは、ブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事。
大都会の夜、一杯の酒から始まる人間模様。作者はこのお店で今お寿司を作っているよ。

漫画

週末のチャトはだいぶ変

漫画

ペルー人のチャト。基本は陽気ですが、週末になると奇妙なほどにテンションが高い時があります。
バチャータというのは、ドミニカ共和国発祥の非常に情熱的なダンス!男女ペアになって踊ります。
南米の人々は本当にダンスが大好き!理由を聞いたら、小さなころから当たり前のように毎日ダンスを踊って過ごすからなんだそう。年齢を問わず、家族の集まりの場でも必ずダンスの時間があるんだって!日本の片田舎で育った人間からしたら考えられないことですが、すごくおもしろいですね。
金曜にテンションを上げても、結局土日は働くのが料理人なのであんまり意味ないのでは?と思ったりもしたけど、まあ週末だしね!って感じで、みんなで仲良く飲みながら仕事することもあります。

ペルー人人情物語

漫画

ご紹介した通りに週末は変なテンションのチャト。しかし、たまにこういう優しいところを見せるので、憎むなんて絶対できません。
踊りながらもささやかに気を配ってくれていたのか!と感動しましたが、実際は単に私の機嫌が悪そうに見えたからアイスで元気出せや!という感じだったのかも?!それでもとってもうれしい。小さな優しさが職場を円滑にすることをチャトは身をもって教えてくれました。
昔から日本人の移民が多いこともあり、ペルー人のスタッフはみんな親日家の印象です。オーナー陣をふくめ、本当に優しいスタッフが多かった!
ペルー名物料理、セビーチェは元々日本からの移民が刺身を保管するために編み出したレシピなんだって!いつか行って本場の味を食べてみたいな。

メルが仕事をやめることになった

漫画

同僚のメルが急にフロリダに引っ越すことになりました。メルはコロンビア人ですが、フロリダは南米の人々から人気があります。南米からの移民がすごく多い土地柄、スペイン語がどこでも通じること、また美しい海があり、都市部ではパーティーカルチャーが盛んであることも理由なんだとか。物価や地価もNYより安いはず。一度旅行で行ったことがあるのですが、のんびりとしたとてもいいところでした。
それにしてもメルは「オタクにも優しいギャル」を体現するような女の子でしたね。アメリカの飲食業は入れ替わりがすごく激しく、一期一会の出会いだらけです。

ヤマモトレミ

作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。ブルックリンのレストランで週4で寿司ローラーをやっています。

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おはよう東京タワー

所在地:港区三田
18万9,000円 / 42.41平米
都営大江戸線「赤羽橋」駅 徒歩10分

部屋から見える東京タワー。ベランダと廊下からも見えるアイツに「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「おやすみ」。長い人生、そんな日々があってもいいと思います。



地方出身者なので、なんとなく東京タワーって好きなんですよね。タワーが目に入る物件に出会うととオッ、みたいな。また会っ ... 続き>>>.
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クセつよハンサム

所在地:港区白金台
60万円(税込) / 64.59平米
南北線・三田線「白金台」駅 徒歩4分

レストラン、ショールーム、トリミングサロン、事務所、なんでも来い!という豪気な大家さんが迎えてくれました。



「白金台」駅から徒歩4分。公園をよこ目に進むと、このハンサムな建物が見えてきます。立地と外観がめちゃくちゃステキなんですが、なかなかにクセが強い物件です。



もともと質屋 ... 続き>>>.
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王道を進む

所在地:渋谷区鉢山町
36万3,000円(税込) / 55.8平米
山手線「渋谷」駅 徒歩10分

何をしていても、どこを撮ってもキマっちゃう内装、外観。立地も含め、これを待っていました、としか言葉が出ません。



場所は鉢山町の交番からほど近く。都会の喧騒から離れ凛として建つ、レトロな建物の1階です。



この部屋だけに特別に設けられた玄関を抜けると目に入るのは、白塗装の高さ2. ... 続き>>>.
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淡い色味の異素材ワンルーム

所在地:江東区門前仲町
14万円 / 34.45平米
東西線・都営大江戸線「門前仲町」駅 徒歩1分

壁を設けず開放感はそのままに、床の素材や高低で空間が区切られています。大きな窓からのぞく景色もあって、気持ちよく過ごせそうな1フロア占有のお部屋です。



木、コンクリート、カーペット。お部屋にはさまざまな素材が使われていますが、どれも淡い色味で、尖りすぎず生活にうまく馴染んでいき ... 続き>>>.
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ほどほどだから良いのです

所在地:品川区平塚
10万8,000円 / 26.65平米
東急目黒線「武蔵小山」駅 徒歩11分

無垢材の床、タイル張りのキッチン、備え付けの収納など、ほどよい内装のシンプル1K。心地よく暮らせそうなお部屋です。



小さな空間をやりすぎず、やらなさすぎず、ほどよく手が加えられています。



玄関土間は全身鏡・壁掛けフック・造作棚は至れり尽くせりな仕様。

キッチンもコンパクトなが ... 続き>>>.
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進化するシェアする暮らし@蒲田

所在地:大田区西蒲田
9万2,000~17万3,000円 / 19.4~38.8平米
京浜東北線・東急池上線・東急多摩川線「蒲田」駅 徒歩6分

★ 2023年5月末までに成約の方に限り、礼金なし・フリーレント1ヵ月のキャンペーン中です ★



この物件は、いわゆる「シェアハウス」ではありません。「シェアハウス」というとお風呂やトレイを共用で使い、リビングでみんな集まってワイワイといったイメージでしょうか。



今回ご紹介する ... 続き>>>.
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”大家さんが変われば、まちが変わる”を横浜の住宅街の一画で体現する「753village(ななごーさんビレッジ)」/緑区中山

かつてのどかな村だった中山地区が「町」になったのは、昭和44年のこと。その後令和元年には町が廃止され「中山」という地区名だけが残った。神奈川県横浜市緑区中山。

いま穏やかな住宅街の一画、半径1km圏内ほどのエリアに、ここ数年、カフェやシェアハウス、交流スペースができ、人知れず「753village(ななごーさんビレッジ)」と呼ばれている。

人が人を呼び、そのまちに根付いていく。なぜいま、中山でそんな動きが起きているのだろう? いったいどんな人たちによる、どんな取り組みなのか? 移住して10年の関口春江さんにお話を伺ってきた。

(写真撮影/池田 礼)

(写真撮影/池田 礼)

屋根の上に草が生える建物。ここはいったい……?

JR横浜線と、横浜市営地下鉄グリーンライン(4号線)が乗り入れる中山駅から歩いて5分。駅の南を走る県道109号からさらに南に入ると、753villageの入口付近にあたる。曲がり角には『753通信』と書かれたイラストの地図が貼ってあった。いくつもの面白そうなスポットが記されている。

「753village」界隈のマップ

「753village」界隈のマップ

発酵をテーマにした古民家カフェ「菌カフェ753」。農園付き一戸建賃貸「なごみヒルズ」、もう20年以上続く多目的レンタルスペース「なごみ邸」、教室を開催できる「楽し舎(たのしや)」、販売拠点や実店舗を持たない人向けのチャレンジスペース「季楽荘」、絵画や写真、工芸などの展示スペース「Gallery N.」……

さらに歩を進めると、不思議な建物が目に入る。屋根の上に草が生えていて、面のガラス戸には大きな白い暖簾が揺れている。

これが最近オープンした「Co-coya」。シェアオフィスと貸アトリエと賃貸住宅の機能がぎゅっと入った建物で、染色や絵画などの作家の工房や、いざという時の地域住民のための避難所も兼ねている。

753villageは、この辺りの大家さんがチームの一員になり、空き家を活かしたカフェやシェアハウス、レンタルスペースを展開しているという。ほかの地域から訪れたシェフや、建築家、自主保育(※)の運営者などが「面白そう」と集まり、自発的にカフェを開いたり、マルシェを催したり。Co-coyaを運営する建築家の関口春江さんもその一人だ。

関口さんの話からは、関わる人たちがほどよい距離感で交流しながら、中山での暮らしを楽しむ様子が伝わってきた。

※自主保育/就学前の子どもたちを保育園や幼稚園に預けるのではなく、保護者同士が協力して子育てをしていく取り組み

753villageの入口付近に建つ「Co-coya」。屋根の野芝は断熱効果のほか、雨水貯蓄にもなる。手前は原っぱと休憩所のある「PARK753」(写真撮影/池田 礼)

753villageの入口付近に建つ「Co-coya」。屋根の野芝は断熱効果のほか、雨水貯蓄にもなる。手前は原っぱと休憩所のある「PARK753」(写真撮影/池田 礼)

古民家カフェに始まり、マルシェの開催へ

関口さんはCo-coyaの管理人であり、菌カフェの発起人の一人でもある。援農(※)をきっかけに中山の隣のまちに通うようになった。そこで出会った仲間とカフェを始めたのが中山地区との最初の関わりだ。

「菌カフェ」は、753villageの起点となった場所。たった一歩、店に足を踏み入れただけで、長年大切にされてきた場所だとわかった。

※援農/無償または最低賃金以下の謝礼や農産物を対価として、農家の農作業を住民らが手伝うもの

毎日11~16時で営業。今は食事メニューには、発酵を用いた多彩なドリンクやランチが提供される(写真撮影/池田 礼)

毎日11~16時で営業。今は食事メニューには、発酵を用いた多彩なドリンクやランチが提供される(写真撮影/池田 礼)

店内には果物などが置かれ、壁の棚にはびっしりスパイスの瓶が並んでいる。店の奥には大きなガラス窓に、アンティーク風の家具(写真撮影/池田 礼)

店内には果物などが置かれ、壁の棚にはびっしりスパイスの瓶が並んでいる。店の奥には大きなガラス窓に、アンティーク風の家具(写真撮影/池田 礼)

「もともとここは大家さんがカフェギャラリーをやっていた場所で、私たちが訪れた時は空き家になっていました。隣に住んでいたのが、当時一緒に援農していたシェフの辻さん。あまりに素敵な場所だったので、仲間うちで何かしたいねという話になったものの、みな本業があるし、毎月定額の家賃を払うのは厳しい。そこで大家さんと一緒に運営する形で、スモールスタートさせてほしいとお願いしたんです」

Co-coya管理人であり、753villageの中心的な人物の一人、関口春江さん(写真撮影/池田 礼)

Co-coya管理人であり、753villageの中心的な人物の一人、関口春江さん(写真撮影/池田 礼)

はじめは木金土の週3日だけ営業。まずはお店のことを知ってもらわなければと、店でマルシェを開催することになった。月に1回、手づくり小物の作家や、パン屋さんなどの出店があり、輪が広がりお客さんが増えていった。

コロナ禍以前に年2回開催していた大規模マルシェ、大753市の様子

コロナ禍以前に年2回開催していた大規模マルシェ、大753市の様子(753village提供)

コロナ以前に年2回開催していた大規模マルシェ、大753市の様子(753village提供)

Co-coyaのまねき市(753village提供)

Co-coyaのまねき市(753village提供)

大家さん次第で、まちはこれほど変わる

関口さんの話にたびたび登場するのが、753villageのほとんどの建物を所有する大家の齋藤好貴さんだ。初めて会った時、齋藤さんは関口さんたちにこんな話をしたのだそうだ。

「『50年後、100年後に、この中山をもっと魅力的にしたい。そのために土地を切り売りするんじゃなくて、まちの歴史や培ってきた空気感を残しながら利活用する方法がないか、ずっと考えている』んですって。そんな地主さん、私は会ったことないなと思いました」

齋藤さんは、鎌倉時代からここに暮らす地主の末裔で、昔から中山近辺の多くの土地を所有してきた。中山には、和風の家も洋風の家もあるが、比較的立派な家が多い。おのずと庭や街並みも落ち着いた、風格のあるものになった。

都市部では、家が空くとすぐに更地にして駐車場にしたり、マンションが建ったりする。だが齋藤さんは、空いた家の何軒かを積極的にギャラリーや、教室など、皆が使える場所にしてきた。

中山地区の一部の地主であり、753villageの建物の所有者である齋藤好貴さん(写真撮影/池田 礼)

中山地区の一部の地主であり、753villageの建物の所有者である齋藤好貴さん(写真撮影/池田 礼)

そのはじまりが、25年前に始まった、「なごみ邸」だ。大きな日本家屋を、サロンのような形で貸し出し、誰でも使える多目的スペースにした。
「当時から空き家は増えていくと言われていて。いくら都心に近くても、横浜であっても、空き家がどんどん使われなくなるのが予測できました。

じゃあ何ができるだろうと考えた時に、このまちに魅力を感じてもらえるような仕掛けをつくろうと。そうすれば自然と人が集まり、結果的に地主や家主も潤うんじゃないかと思ったんです」

齋藤さんのいうまちの魅力とは、交通の利便性や買い物のしやすさではない。
大事にしたかったのは人と人の縁。

「空いた建物や庭を生かして、この土地の雰囲気を味わって楽しく過ごしてもらう。それが人から人に伝わって、まちの評判につながればいい」と考えたのだ。

和室があり、窓が大きく庭が一望できる洋室あり(写真撮影/池田 礼)

和室があり、窓が大きく庭が一望できる洋室あり(写真撮影/池田 礼)

春には庭の桜が見事な花をつける。3月末から4月初期は、庭を一般開放している(写真撮影/池田 礼)

春には庭の桜が見事な花をつける。3月末から4月初期は、庭を一般開放している(写真撮影/池田 礼)

そして10年ほど前に現れたのが関口さんたちだった。関口さん自身も建築家で、新築を建てるのが仕事。楽しい仕事だけれど、空き家が増える中で新たに建て続ける矛盾も感じていた。ハコをつくるより、活用し続けるほうが大事なんじゃないかと考えるようになっていた。

齋藤さんは関口さんたちのカフェの提案を受け入れる。その後、マルシェが始まり、展示スペースなど展開も広がり。

関口さんたちは齋藤さんの「なごみ邸」の名をもじって、このエリアを「753village」と名付ける。
大家さん次第でまちはこれほど変わるのだと、気付いた。

「Co-coya」をまちの案内所に

2021年にはクラウドファンディングと横浜市の助成を得て、職住一体型の地域ステーション「Co-coya」がオープンする。

コロナの影響で753villageの活動がすべてストップした時に、この構想が生まれた。

「今のうちに次に向けての準備をしようと思ったんです。拠点が増えたので、わかりやすく案内するまちの入口、案内所をつくろうと。私たちのしてきた活動が、古くからの住民にもわかりやすいように見える化しようと考えました。子育て世代や世代間の交流を促す場所にもなったらいいなと思ったんです」(関口さん)

Co-coyaの建物へ入ると、まず天井の高い広い土間と大きな机の置かれたコワーキングスペースがある。向かって左には、防災の観点から電気やガスが止まっても薪で沸かせるお風呂があり、その奥はパンの焼ける工房。さらに扉の向こうには井戸があり、何かあった際の水の供給ができるようになっている。

薪で暖をとることができるように、あえて薪ストーブ。左手のお風呂も薪風呂(写真撮影/池田 礼)

薪で暖をとることができるように、あえて薪ストーブ。左手のお風呂も薪風呂(写真撮影/池田 礼)

「ここの構想を話して共感してくれたパティシエの子や、今2階に住んでいる画家、陶芸家さんとはマルシェを通じて知り合いました。共感型投資といいますか。彼女たちが間借りしてくれたおかげで、一緒にこの場所をつくってきたような関係なんです」

Co-coyaの奥のスペースには、井戸がある(写真撮影/池田 礼)

Co-coyaの奥のスペースには、井戸がある(写真撮影/池田 礼)

初めて訪れる人にも安心して立ち寄ってもらえるよう、通りに面した入口は上から下までガラス張りに。関口さん自身も、普段はここで仕事をしている。

福祉の拠点「レモンの庭」

菌カフェのすぐそばには、「レモンの庭」と名付けられた、多世代交流施設もある。これも齋藤さんが新しく建てた賃貸の家を、一般社団法人フラットガーデンが借りて、開催しているものだ。横浜市の介護予防生活支援サービス補助事業でもある。

訪れた日、中へお邪魔すると、若い人からお年寄りまで、集まった女性たちが思い思いに好きな縫いものをしていた。この日行われていたのは「ぬいものカフェ」。参加者同士おしゃべりや笑い声が絶えなかった(写真撮影/池田 礼)

訪れた日、中へお邪魔すると、若い人からお年寄りまで、集まった女性たちが思い思いに好きな縫いものをしていた。この日行われていたのは「ぬいものカフェ」。参加者同士おしゃべりや笑い声が絶えなかった(写真撮影/池田 礼)

フラットガーデンの阿久津さんが、教えてくれる。

「ここは月曜と水曜から土曜日の10時から15時まで開いていて。ほかにも編み物を楽しむ『ニットカフェ』や、餃子づくりやパンづくりを教わる『レモンの学校』、初心者歓迎で子どもからお年寄りまでともに楽しむ健康麻雀『麻雀 はじめの一歩』など、いろんなプログラムがあって参加費は500円。

女性はおしゃべり好きも多いので、こうして集まってわいわいやるんですが、男性は話すのが苦手な方も多いので、2階で健康麻雀もやっています。終わってから下でお茶飲んだりするうちに次第に打ち解けるんですよね」

「ぬいものカフェ」で各自が好きな縫い物をして楽しんでいる様子。子どもから、赤ちゃん連れのお母さん、高齢者まで、誰でも立ち寄ることができ、日によってはランチも提供(写真撮影/池田 礼)

「ぬいものカフェ」で各自が好きな縫い物をして楽しんでいる様子。子どもから、赤ちゃん連れのお母さん、高齢者まで、誰でも立ち寄ることができ、日によってはランチも提供(写真撮影/池田 礼)

健康麻雀のようす(写真撮影/池田 礼)

健康麻雀のようす(写真撮影/池田 礼)

2階へ上がってみると、麻雀には若い人や女性の参加者もいてみんな楽しそうだ。

「多世代交流」とひと口に言うのは簡単だが、一人暮らしのお年寄りや、家族以外の誰かと時を過ごしたい、心を通わせたい人たちにとって、ここは想像以上に大切な場所なのかもしれない。

時間をかけてできたこと

そんな風に少しずつ、外の人と地元住民がつながり、縁が紡がれていく。大きくは「コミュニティが広がっている」と言えるのだろうが、個人から見ると、友達や知り合いが増えて、近所に話相手が増えることになるのだろう。

何気ないことのようで、人が生来求めている、そして都市部の多くでは失われた切実な願いを叶えてくれているのかもしれない。最後に、関口さんは大切なことを教えてくれた。

「ここまでくるには年月がかかっているんです。私たちも、移住してもう10年になりますし、齋藤さんとも、毎月お家賃を手渡ししながら少しずつ関係性を築いてきたので。その間こちらも人間性を見られていたと思うし、私たちも齋藤さんのことを少しずつ理解して。周囲の人たちとも同じように。10年かけて今の関係性があります」

(写真撮影/池田 礼)

(写真撮影/池田 礼)

土地をもつ大家さんと、外から入ったクリエイティブな人たちが出会って新しい動きが生まれる。そこでいい関係性が育てば、地元に根付き、変わらないまちの魅力になっていくのかもしれない。これから10年後の753villageがどうなるのか、楽しみだなと思った。

●取材協力
753village

雑司が谷鬼子母神の空気

所在地:豊島区雑司が谷
13万4,000円 / 41.66平米
副都心線「雑司が谷」駅 徒歩1分

東京の下町の中でも大好きな空気が流れる場所。

「雑司が谷鬼子母神」

その空気は、鬼子母神表参道入口から始まります。

参道のキアズマ珈琲で休憩してからお参りするのが定番です。



参道入口から徒歩1分の物件のご紹介です。

全室メゾネットタイプのお部屋になります。



天井高く、日当たり ... 続き>>>.
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Z世代は「新築」「一戸建て」がお好き? 駅からの近さより広さ重視の結果に

パナソニック ホームズが、若年者(Z世代)を含む住宅購入検討層や将来的な購入検討層を対象に、「住まいに対する意向調査」を実施した。そのなかでも特に「結婚と住まいの意向についてのアンケート」(リリース資料の図7~13が対象)を中心に、Z世代ならでは住まい観について見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「住まいに対する意向調査」を実施/パナソニック ホームズ

Z世代は一戸建てのマイホームがお好き?

この調査では、住宅購入の潜在的もしくは将来の顧客層と考えられる、15歳から49歳の独身男女に、「結婚したらどこに住みたいか」を聞いている。その結果は、圧倒的に「一戸建ての購入」を選んだ人が多数を占めた。とりわけZ世代(この調査では15歳から25歳と定義)では、他の年齢層が4割ちょっとであるのに対して56.0%が、一戸建ての購入を選んでいる。

図 7 結婚したらどこに住みたいですか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

どの種類の住宅に住みたいかを聞いた調査は過去にも多くあり、賃貸より購入、マンションより一戸建てが多いのが一般的だ。しかし、Z世代では一戸建ての購入を希望する人が極めて多いという点が大きな特徴といえるだろう。

次に、「住宅を購入するとしたら、何を優先するか」を聞いたところ、どの年齢層でも、1位が「立地が良い」、2位が「ローンの返済に無理がない」、3位が「新築であること」、4位が「資産価値があること」となった。

図 8 住宅を購入するとしたら、何を優先しますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

ただし、他の年齢層と違い、Z世代で目立つのが、「新築であること」の比率の高さだ。2位の「ローンの返済に無理がない」(24.9%)とほぼ同等に「新築であること」(24.2%)を選んでいるのだ。

Z世代などの若年層は「新築」住宅がお好き?

実は、同時期に公表された、リクルートの「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)でも、似たような傾向が見られた。リクルートの調査は、過去1年以内に住宅の購入・建築やリフォームを検討した20歳から69歳の男女を対象にしている。独身に限っていないこと、より住宅への関心が高い層であるといった違いがあることを前提としてほしい。

こちらの調査では、ストレートに新築が良いか中古が良いかを聞いている。その結果、新築派が全体で68%になっているが、20代で見ると「ぜったい新築」が35%と新築への意向が他の年齢層より高いことが分かる。

新築・中古意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

どちらの調査結果を見ても、若年層ほど「新築派」が多数を占めている。理由が確認できないのでよく分からないが、かつては若年層ほど新築へのこだわりが弱く、古着文化などに見られる中古を上手に活用するといった傾向が見られたのだが、今はそうではないことがはっきりした結果だ。

Z世代などの若年層は「近さ」よりも「広さ」を選ぶ?

さて、パナソニック ホームズの調査結果に戻ろう。「住宅を購入しようとして、費用が足りなかったら」という質問で選んだ選択肢も年齢層によって違いが見られた。年齢が高くなるほど、購入をあきらめて賃貸にすることを選ぶ比率が高くなる。一方、Z世代で顕著なのが「遠くにしても良い」という選択だ。他の年齢層では、「狭くしても良い」のほうが「遠くにしても良い」を上回っているが、Z世代だけは狭さよりも遠くを選んでいるのが大きな特徴だ。

図 9 住宅を購入しようとして、費用が足りなかったらどうしますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

この傾向は、リクルートの調査結果でも見られる。こちらはストレートに、広さか駅からの距離かを聞いているが、若い年齢層ほど、駅からの距離派が減って、広さを優先する傾向が強くうかがえる。

広さ・駅からの距離の意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

パナソニック ホームズでは、Z世代が、費用が不足していれば遠くても狭くても良いので、新築の一戸建てを購入したいという傾向がうかがえることから、「自分の時間やプライベートを大切にするとされるZ世代は、心地よく快適に過ごせて、共同住宅と比べて比較的近隣に気を使わなくて良い空間を新築一戸建てに求めているのかも知れない」と分析している。

一方、リクルートのSUUMO副編集長の笠松美香さんは「Z世代は、親元で暮らしている人も多く、自分で住まい探しを経験した人は他の世代に比べて少ないと推察されます。どうしても住まいのイメージが実家や友人・親戚の家などの生活感あふれるタイプと、メディアやSNSで見かけるピカピカでおしゃれなものと両極端なイメージになっているのではないでしょうか。だとすると、『新築じゃない家はキレイじゃない』と思いこんでしまっている人も多いのではないかと思いました。中古物件もリフォームすれば新築のような見た目になることを、住まい探しの経験を積んでいくほど認知していくので、年齢が上がっていくことで、中古でもキレイにできるし安い、といったようにコストと天秤にかけて許容していく層が増えていくのではないでしょうか。住まいは一生必要なものだけに、個人の住まい観も、一生アップデートされていくものだと思います」などと考察していただけるとうれしい。

パナソニック ホームズの調査対象である、独身のZ世代(15~25歳)はまだ具体的に住宅の購入を検討している人は少ないと思うが、リクルートが調査した20代でも似たような傾向が見られた。ということは、これから先に住宅購入を検討する世代では、新築志向、広さ志向が強いということは考慮すべき点だ。

一方、これまでは中古住宅をリノベーションして再販する事業者が少なかったが、取り組みを強化する事業者が増えている。新築ではないが、リノベーションによって新築並みの中古一戸建てが増えれば、若年層の有効な選択肢になるのではないだろうか。

●関連サイト
パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」

壁一面に「好き」を並べて -ロフト付き-

所在地:杉並区和泉
9万2,000円 / 18.63平米
京王線・井の頭線「明大前」駅 徒歩10分

青空を見上げる、印象的なハイサイドライト。天井が高く開放的で、ロフトも明るくて気持ちがいい。



内装はシナ材と白の組み合わせが、ナチュラルでかわいいデザイン。壁一面を棚にできるようレールが配置され、好きなものをたくさん並べられるようになっています。ハンガーパイプの金物もあり、洋服 ... 続き>>>.
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光と緑を全身に

所在地:杉並区桃井
8万8,000円 / 32平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩17分

大きな窓が、額縁のように季節を切り取ってくれます。光と緑を何より大切にしたい方に届いてほしい物件です。



隣にある「桃井原っぱ公園」に植えられた木々。特にこの季節は生き生きと輝いていました。これを部屋から眺められるくらしは豊かである。ときっぱり言い切ってしまってもいいでしょう。

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愛着のバトン – 南東角部屋 –

所在地:渋谷区渋谷
29万5,000円 / 65.57平米
山手線「渋谷」駅 徒歩3分

「渋谷キャスト」裏の角地に立つ、白いタイル張りレトロマンションの最上階。



このマンションに対して、まるで子を思う親のような愛情を持つ素敵なオーナーが、ていねいにリノベーションして暮らした部屋。渋谷という立地にもかかわらず、バルコニーの先には「美竹公園」を望み、とてもおだやかで、 ... 続き>>>.
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倉庫+αな美しき空間

所在地:東京都目黑区目黑
25万円(税込) / 100平米
山手線・南北線・東急目黒線・都営三田線「目黒」駅 徒歩12分

天井が高く、白色に統一された空間。

制限が多いですが、条件さえあえば面白く使える物件だと思います。



まずご注意いただきたいのは、あくまでも倉庫です。

雰囲気よく改装されていながら、倉庫なんです。

住宅街の中にありますので、不特定多数の人の出入りは厳禁となります。



前の入居者さ ... 続き>>>.
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世界の名建築を訪ねて。巨石の彫刻が躍る韓国の人気デパート「クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)」/ソウル市

世界中の建築を訪問してきた建築ジャーナリスト淵上正幸が、世界最先端の建築を紹介する連載5回目。今回は、韓国・ソウル南部にある“デパート”「クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)」(設計:クリス・ヴァン・ドゥイン/OMA)を紹介する。

驚愕的ファサードで魅了する最新の韓国デパート「クァンギョ・ガレリア」

韓国は隣国の中国ほどではないにしても、アジアでは著名海外建築家のデザイン作品が多い国である。例えばレム・コールハース(オランダ)が率いるOMA(Office for Metropolitan Architecture)がデザインした「ソウル国立大学美術館」を筆頭に、ザハ・ハディド(英)の「東大門デザイン・プラザ」、ジャン・ヌーヴェル(仏)の「サムスン美術館 Leeum」、MVRDV(オランダ)の「ソウル・スカイ・ガーデンズ」など、日本と比較したらそうそうたる世界の著名建築家の作品が非常に多いのだ。

今回OMAのパートナーのひとり、クリス・ヴァン・ドゥインがデザインした「クァンギョ・ガレリア(光教ガレリア)」は、1970年代に韓国で初めて生まれた大規模デパートであるガレリアの支店である。以来同デパートは韓国の小売市場において、先端を疾走する大手デパートに成長してきた。今回の新店舗はソウル南部にあるニュータウンのクァンギョ地区に完成した国内6番目の支店で、同社の最大規模のデパートとなった。

クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)

(Photo by Hong Sung Jun)

レム・コールハースによるOMAの建築デザインは、非常に多様性があることは世界的に知られた事実であり、全世界にユニークな建築を数多く展開してきた。そうした作品群のなかでも、今回クァンギョに完成した作品は、ビックリもののデザインだ。建物はまさに奇想なデザインをまとった巨大な岩石の彫刻といった印象である。都市のワン・ブロックを占める巨大な矩形の岩石を切り出したような外壁に、切子面状のガラス開口部が、蛇のようにくねって外壁に取り付いているといった特異な外観である。この強烈なアイデンティティーの表現は、OMAデザインの中でも異色中の異色と言える代物であろう。

“自然”にインスパイアされた建築は、市民の視覚的な拠り所に

クァンギョ・ニュータウンの中心街の大通りに位置するこの建物は、新興のアーバン・ディベロップメント(都市開発)による特有の高層集合住宅タワー群に囲まれている。「クァンギョ・ガレリア」のファサードは、自然石のような素材をモザイク状に張り巡らせた不思議な表情に驚かされる。そのような自然的ファサードと、蛇のように曲がりくねるガラス開口部が、異様なシナジー効果(相乗効果)を発揮して人々を驚愕させる。それは近隣にあるクァンギョ・レイクパーク(光教湖水公園)における自然を参照したデザインなのだ。

クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)

(Photo by Hong Sung Jun)

建物はそのクァンギョ・レイクパークと、林立する高層集合住宅タワー群のちょうど中間あたりに位置している。建物の外壁を覆うストーン・ファサードのようなテクスチャーが、レイクパークにある岩壁などの自然を喚起させると同時に、クァンギョ市民の自然に対する視覚的な拠り所となっている。

建物は地下1階・地上12階建ての大きなデパートである。外壁を取り巻く長い開口部は、1階から徐々に上昇しながら建物をループ状に取り巻いて行き、文化的なアクティビティもできるルーフ・ガーデンに至る。つまりこの開口部の内部は来客用のパブリック・ループ(回廊)となっており、クァンギョの街並みを楽しみながら、自分の目指す売り場へと至ることができるデザインとなっている。パブリック・ループの途中には、特にコーナー部分には、レスト・スペース、エキシビションやパフォーミング・スペースが設けられており、買い物客は休息したり、展示を見たり、パフォーマンスをしたりすることができる。

クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)

(Photo by Hong Sung Jun)

クリス・ヴァン・ドゥインが意図したデザイン・ポイントは、「ショッピングとカルチャー」、「都市と自然」という二項対立的なものをミックスすることで、ショッピングの予測可能性をはるかに超えた場所としてのデパートである「クァンギョ・ガレリア」が、市民に親しまれることであった。そのように単なるショッピングではなく、付加価値を加味して、ショッピングというアクティビティをさらなる高次元へと進化させていく狙いが見事に成功しているデパート・デザインである。

クァンギョ・ガレリア(Galleria in Gwanggyo)

(Photo by Hong Sung Jun)

日本にもある! OMAパートナーによるデザイン「虎ノ門ヒルズ・ステーション・タワー」

設計を担当したOMAのクリス・ヴァン・ドゥインはデルフト工科大学でマスターを取得した。1996年にOMAに参加し、2014年にパートナーになった逸材。OMAの代表作のひとつである北京の「CCTV(中国中央電視台本部ビル)」をはじめとする主にアジアの作品を担当してきたが、「ユニヴァーサル・スタジオ・ロサンゼルス」「プラダ・ニューヨーク&ロサンゼルス・ストアーズ」などアメリカ作品をも担当。近年では「モスクワ現代ガレージ美術館」(2015)、「ミラノ・プラダ財団」(2015)、「アレクシ・ド・トクビル図書館」(2017)なども手掛けたシャープなセンスをもつパートナーである。
なお現在OMAには8名のパートナーがおり、ロッテルダムの本社以外の世界各地に赴任して活動している。日本人唯一のパートナーである重松象平氏はニューヨークにおり、アメリカを担当しているが、現在「虎ノ門ヒルズ・ステーション・タワー」のデザインにもタッチしている。

●関連サイト
クアンギョ・ガレリア
OMA

新宿駅まで電車で30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2023年版

日本屈指の商業エリアでありビジネス街でもある新宿駅。2023年2月にリクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2023(首都圏版)」では見事、5位にランクインした。そして新宿駅の周辺は現在「次世代のターミナル」を目指す大規模再開発が進行中でもあり、今後はさらなる発展が見込まれている。今回は、そんな新宿駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場が安い駅を調査。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれの価格相場が安い駅ランキングをご紹介しよう。

新宿駅まで電車で30分以内にある価格相場が安い駅TOP10

【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 志村三丁目 2180万円(都営三田線/東京都板橋区/28分/1回)
2位 氷川台 2199万円(東京メトロ有楽町線/東京都練馬区/18分/1回)
3位 浜田山 2235万円(京王井の頭線/東京都杉並区/18分/1回)
4位 川口 2344万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/21分/1回)
5位 上板橋 2425万円(東武東上線/東京都板橋区/21分/1回)
6位 田無 2430万円(西武新宿線/東京都西東京市/29分/1回)
7位 ときわ台 2485万円(東武東上線/東京都板橋区/20分/1回)
8位 西川口 2499万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/23分/1回)
9位 府中 2635万円(京王線/東京都府中市/28分/0回)
10位 西馬込 2649万円(都営浅草線/東京都大田区/28分/1回)

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 読売ランド前 2850万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
2位 京王稲田堤 2935万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
3位 百合ケ丘 3185万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
4位 稲田堤 3235万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
5位 北戸田 3280万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/27分/0回)
6位 久地 3480万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/28分/1回)
6位 戸田 3480万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/25分/0回)
6位 生田 3480万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
6位 飛田給 3480万円(京王線/東京都調布市/29分/1回)
10位 朝霞 3530万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/30分/1回)

「シングル向け」TOP3には新宿・池袋・渋谷まで各20分以内の駅も

東京都と新宿区が策定した「新宿グランドターミナル」構想に基づき、新宿駅に乗り入れる鉄道各社などによる再整備が進められている新宿駅。「住みたい街」5位に輝く街でもあり、その人気は今後ますます高まりそう。しかし駅周辺は商業施設やオフィスビルが多く、住宅の数はさほど多くはない。駅から徒歩15分圏内にある中古マンションの価格相場も今回の調査時点では、シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)が4680万円、カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)が8430万円となっており、気軽に手が出せる物件ではない様子。しかし新宿駅から電車で30分圏内にまで選択肢を広げると、価格相場はグッと下がるようだ。

新宿から30分圏内にある「シングル向け」中古マンションの価格相場が最も安かった駅は、東京都板橋区の都営三田線・志村三丁目駅。価格相場は2180万円で、新宿駅よりも2500万円ダウン! 新宿駅までは、まず都営三田線で新板橋駅に出て、徒歩で向かう板橋駅からJR埼京線に乗り換えると計約28分だ。都営三田線沿線にはビジネス街として知られる神保町駅や大手町駅、日比谷駅、JR山手線に乗り換え可能な巣鴨駅がある点も魅力の一つだろう。

志村三丁目駅付近の様子(写真/PIXTA)

志村三丁目駅付近の様子(写真/PIXTA)

1位・志村三丁目駅の近くには幹線道路の環八と国道17号の交差点があり、両沿道を中心に商業施設が立ち並ぶ。環八に面した駅前の「志村ショッピングセンター」にはスーパーと家電量販店、インテリア用品店があるため日常の買い物は大抵ここで済ませられそう。そこから徒歩5分ほどの交差点付近には「MEGA ドン・キホーテ」、さらに7~8分歩くとスーパーにホームセンター、「ユニクロ」や「無印良品」などが集まったショッピングモール「セブンタウン小豆沢」もある。また、志村三丁目駅は都営三田線にしては珍しく地下ではなく地上を走る区間に位置し、線路高架下部分はコンビニや飲食店が並ぶ商店街「メトロ―ド志村三丁目」として利用されている。その隣接地には2023年5月末に「メトロ―ド志村三丁目 Ⅱ」が完成予定なので、どんなテナントが入るのか楽しみだ。

2位は東京メトロ有楽町線・氷川台駅で価格相場は2199万円。東京都練馬区に位置し、氷川台駅から4駅・約9分の池袋駅でJR埼京線に乗り換えると新宿駅まで計約18分だ。東京メトロの有楽町線のほかに副都心線も通っており、渋谷駅までは通勤急行に乗って約20分。東京の3大繁華街とも言われる新宿・池袋・渋谷すべてに20分以内で行くことができるのだ。氷川台駅自体の周辺は繁華街ではなく静かな住宅地。スーパーやドラッグストア、コンビニなどの商店は駅前に集中している。飲食店の数は多いというほどではないが、ファミレスや定食店、ハンバーガーや牛丼のチェーン店など、日常遣いしやすい店舗が駅周辺に揃っている。

氷川台駅周辺(写真/PIXTA)

氷川台駅周辺(写真/PIXTA)

3位は東京都杉並区にある京王井の頭線・浜田山駅で、価格相場は2235万円。京王井の頭線で渋谷方面に3駅目の明大前駅から京王線の急行に乗り換えると、新宿駅まで計約18分。明大前駅で降りずにそのまま京王井の頭線に乗っていると、下北沢駅や渋谷駅にも1本で行くことができる。浜田山駅は線路の北側にしか入口がなく、駅の南北を結ぶ踏切が朝夕のラッシュ時間帯はなかなか開かないことが問題視されてきた。しかしついに南口入口や南北自由通路の整備が始まり、2024年度中には完成予定だそう。そんな駅周辺には複数の商店街が広がり、スーパーはもちろん食品関係や生活雑貨の個人商店も軒を連ねている。飲食店も豊富で、チェーン店だけではなく個性的な店舗も多いので食べ歩きが楽しそうだ。

浜田山駅(写真/PIXTA)

浜田山駅(写真/PIXTA)

「カップル・ファミリー向け」TOP10中5駅は都県境の狭い範囲に集中

続いて「カップル・ファミリー向け」(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを見ていこう。1位は神奈川県川崎市多摩区にある、小田急小田原線・読売ランド前駅で価格相場は2850万円。新宿駅までは乗り換えずに行くことも可能だが、早さを求めるなら登戸駅で小田急小田原線の快速急行に乗り換えると約27分で到着する。駅の北側には森に包まれた日本女子大学の広大な敷地が広がっている。ただ、2021年に同大学の全学部が都内の目白キャンパスに移転・統合されたため、現在もこの敷地内で学んでいるのは付属中学・高校の学生のみに。大学施設の跡地がどう活用されるのか気になるところだ。

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

そんな日本女子大学の敷地を囲むように住宅地があり、駅南側には昔ながらの商店街も。スーパーやドラッグストアのほか、鮮魚店やベーカリー、ドイツ製法の自家製ソーセージが人気の精肉店などが並んでいる。駅周辺には保育園や幼稚園も点在し、徒歩10分ほどの場所には市立の小中学校もあるので子育て世代にも選ばれている様子。また、駅からバスで10分ほど北へ向かうと駅名にもなったレジャー施設「よみうりランド」へ。敷地内には各種アトラクションをはじめ夏季営業のプール、温浴施設もあるので、休日のお出かけ先として活躍しそう。そしてレジャー施設の隣接地には「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」の建設計画が進行中。水族館一体型の球場となるそうで、読売ジャイアンツの新球場は2025年3月、水族館は2026年度中にオープンする予定だ。

2位は京王相模原線・京王稲田堤駅で価格相場は2935万円。1位と同じ神奈川県川崎市多摩区に位置し、読売ランド前駅北側の日本女子大学の敷地を越え、さらに北へ向かうと京王稲田堤駅がある。両駅間は直線距離なら2kmほどだ。そんな京王稲田堤駅から通勤時間帯に新宿駅まで最短所要時間の約28分で行くには、京王相模原線の区間急行と特急を乗り継ぐため「乗り換え1回」としたが、特急1本でも新宿駅まで約30分で行くことが可能だ。

京王稲田堤駅の駅前の様子(写真/PIXTA)

京王稲田堤駅の駅前の様子(写真/PIXTA)

京王稲田堤駅の南口前にはスーパーがあり、ドラッグストアや農産物直売所、飲食店などが並ぶ商店街を抜けて東へ5分ほど歩くと4位にランクインしたJR南武線・稲田堤駅(価格相場3235万円)へ。こちらの駅前にも商店街がある。また、駅南側を通る府中街道沿いには家族で利用しやすい飲食店や多摩区の出張所が点在し、暮らしやすそうな街並みだ。駅の北口から7分ほど北へ歩くと多摩川の河川敷に出る。春は桜、夏はせせらぎや児童プールでの水遊びができる多摩川沿いの市営「稲田公園」は、子ども連れで訪れても楽しいだろう。この京王稲田堤駅は神奈川県および川崎市で最北の駅でもあり、多摩川を越えた北側は東京都調布市だ。

2位・京王稲田堤駅と4位・稲田堤駅は歩ける近さに位置していたが、実は3位・百合ヶ丘駅と6位・生田駅も1位・読売ランド前駅の両隣という近接した位置関係。そして前述のように読売ランド前駅と京王稲田堤駅は2kmほどしか離れていない。つまりこの5駅は近い範囲に集中しているわけだ。5駅ともに、東京と神奈川を隔てて流れる多摩川のほど近く。住所としては神奈川県川崎市だけれど新宿駅まで30分以内で行けるほど都心部に出やすく、その割に周辺には生田緑地をはじめとした自然を身近に感じられるスポットも残されている。そして、新宿駅(価格相場8430万円)に比べて2分の1以下の予算で住まいが探せる点も魅力だろう。「新宿駅までアクセスしやすい街」というと都内に目を向けがちだが、日ごろは東京都外ののんびりと子育てできる街で暮らし、必要に応じて便利な電車網を活用してサッと新宿へ……という暮らし方もよさそうだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/3~2023/2
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年2月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

緑に寄り添う住まい【事務所可】

所在地:目黒区下目黒
13万7,000円 / 31平米
山手線・南北線・東急目黒線「目黒」駅 徒歩6分

窓の先にモサモサと広がる一面の緑!目黒駅近くという立地ながらも、緑豊かな景色や鳥のさえずりが楽しめて、本当にここは目黒なのかと疑いたくなるような環境です。



豊かな緑の正体は、ホテル雅叙園とマンションの間に広がる敷地の木々。道路からは見えず、人も通れない、部屋に入らなければわから ... 続き>>>.
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バランスの取れたひとり暮らし部屋

所在地:世田谷区経堂
11万6,000円 / 29.72平米
小田急線「経堂」駅 徒歩10分

経堂の静かな住宅街にある、ちょっと変わったつくりのマンション。

2階に共用廊下と玄関があって、そこから階段で1階や3階へ続くというつくり。



今回ご紹介の部屋は、その中で数部屋しかない2階の1LDKのお部屋。引戸で仕切ることができますが、開け放って広いワンルームで使用してもいいと ... 続き>>>.
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古き良き90年代を思い出す【最上階】

所在地:目黒区中町
29万円 / 81.69平米
山手線・南北線・都営三田線「目黒」駅 バス5分 「目黒消防署」バス停 徒歩3分

爽やかな色が目を引く古いマンション。目黒通りに面し、1・2階にアンティークの家具を扱う店舗が入居しています。



共用部や室内、他のお部屋の玄関扉に貼られたステッカーなど、随所に1967年築の建物らしい雰囲気があります。個人的にはレトロでいい感じ。



そんな建物の最上階の1室が今回 ... 続き>>>.
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サウナ付き賃貸・築100年超は当たり前!? 念願のフィンランドに移住した『北欧こじらせ日記』作者chikaさんが語る異文化住宅事情

「週末北欧部」として、ブログやSNSで北欧への愛を長年発信し続けてきたchikaさん。フィンランドで働くため日本で寿司職人になり、実際に移住するまでの道のりをつづっているコミックエッセイ『北欧こじらせ日記』(世界文化社)は、2022年秋にドラマ化している。

昨年4月、ついに念願のフィンランド生活をスタートしたchikaさんに、フィンランドの居住環境や暮らしについてお聞きした。

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

週末北欧部 chikaさん
フィンランドが好き過ぎて12年以上通い続け、ディープな楽しみ方を味わいつくした自他ともに認めるフィンランドオタク。移住のために会社員生活のかたわら寿司職人の修行を始め、ついに2022年春に移住。モットーは「とりあえずやってみる」。好きなものは水辺、猫、酒、一人旅。著書に『マイフィンランドルーティン100』(ワニブックス)、『北欧こじらせ日記』(世界文化社)、『世界ともだち部』(講談社)など。

自分らしく働くための「寿司職人」という選択肢

北欧やフィンランドへの愛を漫画で描き、インターネットで発信する週末北欧部・chikaさん。これまで北欧の魅力を多くの人に届けてきた。フィンランドとの出合いのきっかけは何だったのだろう。

「私の誕生日がクリスマスであることからずっと憧れていたサンタさんに会うため、20歳のときに一人旅で初めてフィンランドを訪れたんです。そこで『いつかこの国に住みたい!』と強烈な一目惚れをし、以来1年に1回は必ずフィンランドに通うようになりました」

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

大学卒業後は北欧音楽に関連する会社で働き、その後日本で北欧カフェを開くことを目指して、会社員をしながら休日にカフェでアルバイトをしていた。そんな生活を続けるうちに、「どうせ苦労するなら一番好きな場所で苦労しよう」とフィンランドで生活する方法を探し始めた。

見つけたのは、日本人歓迎の寿司職人の求人だった。会社員をしながら寿司学校やお店で約2年間修行したのち、2022年4月、13年越しの思いとともにフィンランドへ移住した。

日本での修行時代にchikaさんが握ったお寿司(画像提供/週末北欧部chika)

日本での修行時代にchikaさんが握ったお寿司(画像提供/週末北欧部chika)

「寿司はフィンランドの人たちにもよく食べられていて、日本人シェフは本場の味を知っていることから重宝されているようです。寿司職人は、私らしさを活かして喜んでもらえる仕事だと思いました。フィンランドのレストランとはビデオ通話で面接を行い、採用されたことで就労ビザが得られることになり移住が決定、フィンランドに渡った3日後あたりには仕事が始まりました」

フィンランドに住むために寿司職人になる。一見奇抜な決断だが、「好きな場所で自分らしく働きたい」と考え続けたchikaさんにとっては必然的な選択だったのだと思えた。そんなchikaさんに、フィンランドの住宅事情や現地での暮らしづくりの過程を話してもらった。

都心でも自然が身近なヘルシンキヘルシンキの街並み(画像提供/週末北欧部chika)

ヘルシンキの街並み(画像提供/週末北欧部chika)

「私が住んでいるのは首都のヘルシンキで、日本から来た人はここに居住することが多いと思います。フィンランド南部の海に面する都市で、森や湖などの自然も身近にあり心地良い街です。公用語はフィンランド語ですが9割以上の人が英語も話せるので、私も英語を使って生活しています。北部に行くほどフィンランド語しか通じない場面が増えますね」

正規でアパートを借りるには、現地の銀行口座が必要。口座開設に時間がかかるため、最初はAirbnbで小さなワンルームを借りて1カ月ほど過ごしたという。ただ、長期滞在向けの部屋ではないため、家具や光熱費などを含めても1泊7,000円とどうしても割高になってしまう。

「このアパートに居続けることは金額的に難しいと考えていたところ、10年来のフィンランド人の友達がちょうどワーケーションで空けることになった家を3カ月ほど貸してもらえることになりました。かつて年1回のフィンランド通いをしていたころにも滞在したことがあり、フィンランドにある『第二の家』だと思っていたので、すごくありがたいタイミングです。その家で暮らしているときにやっと口座が開設でき、ついに物件探しがスタートしました」

パーソナルサウナや都心部と家賃の関係、一人暮らしの新居に求めた条件とはヘルシンキの水辺。フィンランドには湖が多い(画像提供/週末北欧部chika)

ヘルシンキの水辺。フィンランドには湖が多い(画像提供/週末北欧部chika)

「ヘルシンキの中心部で水辺に近い好きなエリアがあったので、そこに住むことは決めていました。物件は、休日も料理ができるようにキッチンが広いところで、家賃はお給料の30%を目安に。フィンランドではほとんどのアパートに住民共用のサウナが付いているのですが、理想をいえば部屋にパーソナルサウナがあればいいなと思っていました」

そういえばフィンランドはサウナ発祥の地だった。パーソナルサウナがある物件は主に築浅だったり家賃がその分高くなったりと条件は厳しくなるらしいが、それでもアパートにサウナが標準装備されているのはさすが本場だ。

「日本のように一人暮らし用の賃貸物件は多いです。金銭的な理由でルームシェアをする人もいますが、フィンランド人はパーソナルスペースを大切にする人が多いので、独身の場合は一人暮らしが基本ですね。家賃は都心の人気エリアだと10~15万円で、都心から電車で30分ほど離れると半額ぐらいになります。日本だと東京駅から30分離れた程度では家賃が半分になることはないと思いますが、そこで差が出やすいのはヘルシンキの特徴かもしれません」

ヘルシンキの街並み(画像提供/週末北欧部chika)

ヘルシンキの街並み(画像提供/週末北欧部chika)

「私が物件を探し始めた秋ごろは、フィンランドでちょうど学校の新年度が始まるシーズンでした。入学を控えた学生たちが部屋を探す時期だから、条件の良い物件はすぐに埋まってしまい……。そんなときに、友達のご家族が代々管理しているアパートに空きが出て、借りられることになったんです。パーソナルサウナがないこと以外は全て私の求める条件が叶っていました」

再び友達を通じた物件との出合いだ。こう聞くとたまたま運に救われているように思えるかもしれないが、chikaさんは日本で生活しながらフィンランドを愛する日々の中で、インターネットを使って幅広い交友関係を築いてきた。「大好きなフィンランドで生活したい」という気持ちがたくさんの人に伝わっていたからこそ、このような出合いが巡ってきたのだろうと感じる。

雪国としての暖房設備やシャワールームの工夫

chikaさんのお部屋の写真とともに、フィンランドの住宅のポイントを教えてもらった。まず注目したいのは、1年を通して気温がマイナス6度~17度という寒冷地ならではの暖房機能だ。

大きい湯たんぽのような「セントラルヒーティング」。料金は家賃に含まれる(画像提供/週末北欧部chika)

大きい湯たんぽのような「セントラルヒーティング」。料金は家賃に含まれる(画像提供/週末北欧部chika)

二重窓と、その間に設置されているブラインド。かつてフィンランドはカーテン文化だったが、今はほとんどの家がブラインドを採用しているという(画像提供/週末北欧部chika)

二重窓と、その間に設置されているブラインド。かつてフィンランドはカーテン文化だったが、今はほとんどの家がブラインドを採用しているという(画像提供/週末北欧部chika)

「セントラルヒーティングという、アパートのボイラーで沸かしたお湯を循環させる設備で部屋を暖めます。触ってもやけどしないくらいの温度で、タオルなどを置いて乾かすこともできるんですよ。シャワー室とトイレは床暖房になっていて、それ以外の暖房設備はこのセントラルヒーティングだけですが、外がマイナス気温だとしても室温は常に20~22度を保てています。断熱性を高めるための二重窓は間にブラインドが入っていて、窓を開けずに操作できます」

内部にお湯が流れているポール。シャワー室は床暖房になっており、使用後はすぐに水気を切れる(画像提供/週末北欧部chika)

内部にお湯が流れているポール。シャワー室は床暖房になっており、使用後はすぐに水気を切れる(画像提供/週末北欧部chika)

「シャワー室にもセントラルヒーティングと同じくお湯が循環しているポールがあって、タオルやシーツを干せます。でもこれに掛けなくても、フィンランドは湿度がとても低いので部屋干しだけでパリパリに乾くんです。アパート共用のサウナは予約制で、申請しておいた時間にプライベートで使えます」

雪国らしい設備の数々。いつでも部屋干しができるのはうらやましいと思っていたら、「冬のフィンランドで外干しをすると凍っちゃいます」とのことだった。それぞれの気候に応じた生活スタイルがある。

築100年以上、リノベーションで長く住まう水切りを兼ねた食器棚。「フィンランドのイノベーションとも称されますが、発祥については諸説あるようです」とchikaさん(画像提供/週末北欧部chika)

水切りを兼ねた食器棚。「フィンランドのイノベーションとも称されますが、発祥については諸説あるようです」とchikaさん(画像提供/週末北欧部chika)

リノベーションされたばかりの広いキッチンには、洗濯機・食洗機・オーブンが並ぶ。フィンランドの住宅はオール電化が一般的(画像提供/週末北欧部chika)

リノベーションされたばかりの広いキッチンには、洗濯機・食洗機・オーブンが並ぶ。フィンランドの住宅はオール電化が一般的(画像提供/週末北欧部chika)

「食器棚は収納と水切りを兼ねる構造になっていて、共働きの多いフィンランドではこのような家事の効率化も文化の一つになっています。また、多くの賃貸では冷蔵庫・オーブン・食洗機・洗濯機が備え付けで、大型家電を運ぶ必要がないので、引越しの際にはレンタカーを借りて家族や友達同士で手伝います」

そんなchikaさんの住むアパートは、築100年を超えているという。

「日本だと築100年はすごいと感じるかもしれませんが、周りはほとんど築100年の家ばかりです。ヨーロッパには『古いものほど価値がある』という考え方があって、取り壊さずに適宜リノベーションしつつ使っていく文化があります。私のアパートも1年前にリノベーションしたばかりなので、キッチンやシャワールームがきれいで、玄関の鍵もカードでタッチすれば開くようなものになっています」

リノベーションされている古い物件でも水道管は動かしづらく、昔の文化の名残で洗濯機が地下室に置かれている場合も多いという。地下にあるタイプの洗濯機は予約制で、「仕事休みの朝6時にしか洗濯機の予約が空いていないこともあって不便」とのこと。室内に洗濯機が備え付けの物件は人気になりやすく、chikaさんも物件選びで重視したポイントだった。

玄関にはマットを敷いて靴を脱ぐためのスペースをつくる(画像提供/週末北欧部chika)

玄関にはマットを敷いて靴を脱ぐためのスペースをつくる(画像提供/週末北欧部chika)

「日本との共通点として、フィンランドでも室内では靴を脱ぎます。ただ、玄関の境はないので、マットを自分で設置して玄関っぽい空間をつくるのが少し違うところですね。郵便物は薄いものしか家に届けられなくて、荷物類は近くの郵便局まで取りに行きます。雪がある季節はソリを使えば楽ですが、雪がない季節は少し大変です」

このほかにも、「各住民に個別の倉庫が用意されている」「古い物件ほど天井が高い(理由は不明)」などの特徴を教えていただいた。古い建物をリノベーションしていくからこそ、住宅としての機能がかなり整備された形になっているのがフィンランドの賃貸物件の特徴なのかもしれないと感じた。

お気に入りポイントは、北欧ならではの大きな窓フィンランド人もお墨付きの明るさをもたらしてくれる窓(画像提供/週末北欧部chika)

フィンランド人もお墨付きの明るさをもたらしてくれる窓(画像提供/週末北欧部chika)

「一番のお気に入りは、明るく光を取り込める窓です。フィンランドは日照時間が短いため日差しの入り具合が重視されていて、遊びに来た友達もみんな『明るいね!』と言ってくれます」

設定した時間に流せるラジオ。コマーシャルの入らない国営放送を聞くことが多いという(画像提供/週末北欧部chika)

設定した時間に流せるラジオ。コマーシャルの入らない国営放送を聞くことが多いという(画像提供/週末北欧部chika)

「大通り沿いは交通量やお店も多くにぎやかですが、私の家は表通りからは少し外れて静かで、都心でありながら自然も近い場所です。朝はコーヒーを淹れて、窓から入る日を浴びながら飲むのがルーティーンになっています。最近は友達の勧めでラジオを買って、目覚まし代わりに流れてくるラジオを聞きながら、しばらくはスマホを見ずに過ごすのがすごく良いんです」

想像するだけでうっとりするような時間の過ごし方である。そんなアパートに住む住民同士での交流などはあるのだろうか。

「交流といえるほどのものはなく、会ったらあいさつをする、という感じですね。フィンランドで暮らす人はシャイなところも日本人と結構似ていて、例えば『同じ階の誰かがエレベーターに乗ろうとしているから、その人がいなくなるまで玄関で待っていよう』とか、『一緒にエレベーターに乗った人が同じ階に降りようとしていると気まずい』みたいな考え方をするんです。もちろん人によっては社交的に生活していて、ご近所同士で仲良くなってホームパーティーをしている友人もいます(笑)」

エレベーターの話は痛いほど共感できる「あるある」で驚いた。あの意味のない時間をフィンランドの人も経験していると思うと、なんだか親近感が湧いてくる。

大好きな場所で暮らすようになっても、サードプレイスは必要だったchikaさんのお気に入りの島。「カフェもあって、夏場は毎週のように通うサードプレイスとなっています。冬は図書館に行くことが多いです」とchikaさん。夏のヘルシンキは23時まで太陽が沈まないため、20時ころまで日向ぼっこできるという。(画像提供/週末北欧部chika)

chikaさんのお気に入りの島。「カフェもあって、夏場は毎週のように通うサードプレイスとなっています。冬は図書館に行くことが多いです」とchikaさん。夏のヘルシンキは23時まで太陽が沈まないため、20時ころまで日向ぼっこできるという。(画像提供/週末北欧部chika)

念願のフィンランド生活を全力で楽しんでいるchikaさんだが、日本からの単身移住生活を成り立たせるのはそう簡単なことではなかったようだ。未知の生活をうまく楽しむための心持ちやコツを聞いてみた。

「気持ちの面では、『準備はネガティブに、やるときはポジティブに』をモットーに、大好きな国に行くけど期待はしないということを大切にしていました。何かが起こったとしても『予想よりは大丈夫だった』と思える意識は忘れないようにしています」

「テクニックとしては、気持ちを切り替えられるサードプレイス(第三の居場所)を持つことが大事です。日本にいたころは職場と家以外のサードプレイスをいくつか持っていて、フィンランドもその一つでしたが、実際に暮らすようになってからは『フィンランドという好きな場所の中でもサードプレイスを持つ必要があるんだ』と気づきました。ヘルシンキは歩ける距離に小さい島が点在していて、その中のお気に入りの島を夏のサードプレイスとしています。休みの日のお昼過ぎに出かけて、屋台でソフトクリームとコーヒーを買い、お気に入りの木陰にピクニックシートを敷いて気が済むまで滞在します。本を読んだり、日記を書いたり、少し寝たり。時間を気にしないで過ごせる場所です」

大好きでも期待しすぎず、暮らしの中の居場所を増やすこと。フィンランド、ひいては海外への移住に限らず、新たな環境で生活するために必要な心構えだと感じた。

憧れの地で探し求める理想の生活入居当時のchikaさん宅(画像提供/週末北欧部chika)

入居当時のchikaさん宅(画像提供/週末北欧部chika)

最後に、今後のフィンランド生活での抱負を聞いてみた。

「今の家も当初は『ここは誰の家なんだろう』という感覚で落ち着けなかったのですが、最近は帰ってきたらほっとできる『自分の家』になってきました。私は『いつかフィンランドに移住する』と思い続けていたので、日本にいるときからずっと仮住まいのような気持ちで、大きな買い物ができなかったり猫を飼いたくても飼えなかったりして。自分が本当に欲しいものも分からなくなっていると感じていました。これからは寿司職人の仕事と描く仕事とのワークライフバランスも含めて暮らしを整えながら、自分がどんな生活をしていきたいのかを見つめていけたらいいなと思っています」

自分の住みたい場所に住む、という目標を叶えるためにじっくりと時間をかけてきたchikaさん。「フィンランドの生活がいつまでも続くとは思わないで、まずは3年間を区切りに頑張ってみるつもりです。がむしゃらに過ごした1年目を踏まえて、2年目、3年目をより濃く過ごせたら」とも話してくれた。

chikaさんにとってのフィンランドのような場所とは、きっとそう簡単に出合えるものではない。だからこそ、「ここに住みたい」という思いが生まれたときには、自分の気持ちを信じて行動する必要があると感じた。

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

週末北欧部chika『北欧こじらせ日記 移住決定編』(世界文化社)より

●取材協力
週末北欧部 chikaさん
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『北欧こじらせ日記』(世界文化社)

blue blue blue

所在地:新宿区早稲田鶴巻町
13万円 / 34.01平米
有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩5分

こんなに建物からパワーをもらったことがあっただろうか。エネルギーを感じるマンションです。



遠くからも気になる外観、近づくにつれて質の良いビルディングに目を奪われます。周囲で圧倒的に異質な空気を放っています。



ファサードと共用部デザインは、建築家・原広司氏。オーナーさんのセンス ... 続き>>>.
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斬新な暮らしに挑戦!

所在地:中野区南台
10万円 / 27.64平米
京王新線「幡ヶ谷」駅 徒歩15分

遊びゴコロある間取りをどう使うか?想像力を刺激される空間です。



扉を開けると黒いタイル敷きの広いエントランススペース。その中央にらせん階段がどーんと。斬新なデザインの空間が待っています。



このエントランススペースは、テレワーク用の仕事スペースによさそう。自転車など趣味のものを ... 続き>>>.
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好みの世界観

所在地:目黒区三田
15万円 / 36.67平米
山手線・南北線・都営三田線「目黒」駅 徒歩10分

色使いや雰囲気が、いい塩梅で個人的に好みの雰囲気。



一つひとつの表情が違うブルーグレーのタイルと合板で造作したキッチン。床はアカシアの無垢フローリング。壁は白の塗装仕上げ。取っ手やタオルハンガーは鉄製。所々に和室の名残を生かすデザインがあって。



レトロで温かな色合いと、大人な ... 続き>>>.
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丘の上、空に届きそうな戸建

所在地:横浜市港北区篠原北
6,000万円 / 88.16平米(建物) 100平米(敷地)
横浜線・東急東横線「菊名」駅 徒歩9分

自然好きなご夫婦の住まい。丘の上に立ち、気持ちのいい見晴らしが素敵な戸建て。週末はアウトドアによく出かけられる、お二人ならではのこだわりが随所に散りばめられているのが特徴です。



1階には大きな車が置ける駐車場。その脇には物置。車のタイヤや、アウトドア用品などが置けます。



玄関 ... 続き>>>.
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迫り来る曲線

所在地:文京区湯島
19万円 / 43.28平米
千代田線「湯島」駅 徒歩3分

造形にこだわり感じるインパクトあるお部屋です。

住居はもちろん、住居兼事務所としての利用も可能です。



キューブを積み重ねたような外観が印象的な集合住宅。

共用廊下は半円のアーチ状になっており、非日常感が漂います。



お部屋のデザインも独創的で、とにかく曲線が多いのです。

インパ ... 続き>>>.
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癖ある部屋で暮らす働く

所在地:中野区東中野
10万9,000円 / 32.43平米
都営大江戸線・中央総武線「東中野」駅 徒歩7分

ガラス張りの浴室、大理石の広い土間。

あなたはこの個性を愛せますか?



東中野の小さな商店街にあるこちらの物件。ガラス張りの外観はなかなか存在感があります。



玄関扉を開けるとといきなり土間。約5.8畳でなかなか広いです。

床は白い大理石(少し年季が入っていますがそれも味というこ ... 続き>>>.
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憧れの平屋暮らし

所在地:横浜市南区弘明寺町
10万5,000円 / 59平米
京急本線「弘明寺」駅 徒歩3分

駅から程近く、小道と長めの階段を上がった丘の上に建つ平屋。前面通路は車の侵入こそできませんが、緑いっぱいで、見晴らしが良く、気持ち良い風が抜けます。



建物正面は玄関ドアとそのまわり一部が木張りになっていて、アクセントとして効いています。



室内に入ると、ほっこり系の内装が目に飛 ... 続き>>>.
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公園前物販店舗の再々出航!【分割賃貸】

所在地:中央区新川
14万8,500円(税込) / 34.6平米
東西線・日比谷線「茅場町」駅 徒歩6分

隣は緑多めの公園、1階にはテイクアウトもできる「THE BURGER SHOP do」、2階はテーラーとギャラリーが入居。そんなビルの3階にある、物販店舗または事務所で使える物件です。



茅場町駅から徒歩6分とアクセスも良く、駅から物件までの間には雰囲気の良い飲食店や古本屋など、 ... 続き>>>.
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森の中のオアシス -特大テラスつき-

所在地:杉並区上井草
14万円 / 52.25平米
西武新宿線「上井草」駅 徒歩7分

大きな木々が茂り、周囲から一際目を引く一角。緑に埋もれるように建つ築45年の建物が、大規模なリノベーションを経て、「こんな賃貸住宅あるのか・・・!」と思わせてくれる空間になっていました。



敷地にある、あふれるような木々たちを生かしながら、明るく気持ちのいい空間に生まれ変わってい ... 続き>>>.
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森の中のオアシス -家庭菜園つき-

所在地:杉並区上井草
13万5,000円 / 52.25平米
西武新宿線「上井草」駅 徒歩7分

大きな木々が茂り、周囲から一際目を引く一角。緑に埋もれるように建つ築45年の建物が、大規模なリノベーションを経て、「こんな賃貸住宅あるのか・・・!」と思わせてくれる空間になっていました。



敷地にある、あふれるような木々たちを生かしながら、気持ちのいい空間に生まれ変わっています。 ... 続き>>>.
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2023年住宅トレンドは「平屋回帰」。コンパクト・耐震性・低コスト、今こそ見直される5つのメリットとは?

一戸建てのマイホームといえば、2階建て、3LDK以上というのがこれまでの既定路線。いま、家族のあり方やライフスタイルの多様化にともない、70平米前後までのコンパクトな平屋が今需要を伸ばしています。ミニマムな広さと価格で自分らしい平屋暮らしを楽しむ人たちの声をもとに、マイホームの選択肢として注目が高まる「コンパクト平屋」の魅力を探ります。

なぜ今、コンパクト平屋が人気なのか

ここ数年、住宅資材や土地価格の高騰で、従来よりもコストダウンした住宅が関心を集めるようになりました。また、子育てファミリー世帯から、単身や高齢者夫婦、ひとり親世帯(シングルファーザー・シングルマザー)といった多様な世帯が増えたことにより、住宅ニーズも変化してきています。さらに、災害で資産を失うことや、終活、実家じまいなどでモノを多く持つことへの課題に直面し、“ミニマルな暮らし”が注目されています。
そうした背景から、年々需要を伸ばしているのが、コンパクトな平屋です。新しいマイホームの選択肢として、平屋住まいを選んだ方たちの事例取材を進めると、平屋が支持される5つのポイントが見えてきました。

平屋が支持される5つのポイント
1 上層階の重さがかからず、地震に強い構造がつくりやすい
2 施工コストが安く、購入できる人の幅が広がった
3 ランニングコストが安く、高性能な家が実現できる
4 アメリカンテイスト、ログハウスなど、デザインバリエーションの増加
5 ミニマリスト、終活など、モノを持たない暮らしへのシフト

それでは、具体的に見ていきましょう。

ポイント1 熊本地震以降、地震に強い平屋の需要が急増

熊本地震以降、全国と比較して熊本での平屋の需要が急増したことは、平屋の耐震性に着目する人が増えたことを物語っています。

2016年、震度6と震度7を立て続けに観測した熊本では、木造2階建て住宅の1階部分が上階に押し潰される形での倒壊が数多く見られました。こうした経験から、再建築や新築の際需要が増加したのが、シンプルで安定した構造の平屋の住まいでした。

全国と熊本の平屋棟数・着工割合

2016年以降、全国と比較して、熊本の平屋の割合が増加したことがわかります(データ/国土交通省より)

熊本県熊本市の工務店、グッドハート株式会社の営業・宮本紬麦さんにお話をうかがうと、「熊本地震から5年以上経っても、震災後の家づくりとしてやはり耐震性を気にかける方は多い印象です。当社で2022年度に完工した26棟のうち、10棟が平屋でした。セールスポイントであるローコストや自由設計という点にまず着目して来られる方からも、耐震性能の話は確実に出てきます」
地震に強い構造がつくりやすいということが、平屋を選ぶ大きな理由のひとつになっているようです。

外観と内観

(写真提供/グッドハート)

平屋が耐震性に優れているのは、バランスが取りやすい安定した構造であること、また建物の重心が低いため揺れにくいことが挙げられます。家にかかる重量という点でも、2階建て以上の建物と比べて軽いことから、倒壊のリスクは軽減されるといえます。
加えて、玄関や窓から屋外に逃げやすいという点も、平屋のメリットでしょう。

子どもが巣立ったのを機に、2階建ての家からリフォーム済み中古の平屋に移り住んだSさん夫妻(栃木県・夫60歳、妻52歳)。以前は福島県にお住まいで、東日本大震災で大きな地震も経験しています。「前の家では小さな地震でも2階にいると揺さぶられるように感じることがありましたが、平屋に住んでからはそこまでの揺れを感じたことがありません。いざ大きな地震や火災が起きても、足腰に負担をかけずすぐに外に逃げ出せると思うと、安心感があります」と言います。

中古の平屋をリフォーム

中古の平屋をリフォームし、夫妻と愛犬で第二の人生を楽しんでいるSさん宅(写真撮影/masaru tsurumi)

関連記事:50代から始めた終活でコンパクト平屋を選択。家事ラク・地震対策・老後の充実が決め手、築42年がリフォームで大変身

ポイント2 施工コストが低いから、多くの人の手に届きやすい

一般的に、階段や2階トイレの確保、建築中の足場代などがより必要な2階建て住宅と比べ、施工コストが抑えられる平屋。太陽光発電、高断熱といった機能性を追求しつつ、70平米前後で1500万円を切るローコスト新築住宅も登場しています。手元に老後資金を残したいシニア世帯や、住宅ローンの借入額に不安を感じていたシングル世帯、ひとり親世帯など、さまざまな人に手が届きやすい価格帯といえます。

夫と2人、マンションから住み替えたRinさん(千葉県・50代)の平屋は、約60平米で建築費は1600万円台。子どもが就職し、教育費がかからなくなったタイミングでの購入でした。「夫が住宅ローンを組める年齢だったので、10年で完済する予定で住宅ローンを組みました」と話します。

Rinさん宅

夫と二人暮らしをしているRinさん宅。面積は以前のマンションより2割ほど小さくなりました(写真提供/Rinさん)

関連記事:50代人気ブロガーRinさんがコンパクト平屋に住み替えた理由。暮らしのサイズダウンで夫婦円満に

前出のSさん夫妻(栃木県・夫60歳、妻52歳)は、老後を見据えた終活のひとつとして平屋での暮らしを選択。「平均寿命である80歳まで、住むのは20年。手元にもお金を残しておきたかったし、金銭面では無理をしないでおこうと思いました」と、元の家の売却金額をスライドして支払いに充て、住宅ローンを組まずに購入しました。

Sさん夫妻

平屋で、愛犬と一緒に二人暮らししているSさん夫妻(写真撮影/masaru tsurumi)

両親の介護を終え、実家で一人暮らしをしていたTさん(埼玉県・60代)は、実家の敷地の半分を売却し、その資金で65平米の平屋を新築しました。「必要最低限のほどよいサイズで、シンプルなつくりが気に入っています。女性単身で『家を建てるなんて無理』と思われるかもしれませんが、私にもできました」。庭では家庭菜園を楽しみ、広いウッドデッキは地域の憩いの場にもなっています。

自宅の敷地に平屋を新築したTさん。愛猫と一緒に一人暮らしを満喫しています(写真撮影/片山貴博)

関連記事:実家じまい跡に65平米コンパクト平屋を新築。家事ラク&ご近所づきあい増え60代ひとり暮らしを満喫

ポイント3 ランニングコストが安く、高性能な家に住める

この1年余りでエネルギー高に直面し、ランニングコストを下げたいという希望も高まってきました。コンパクトな平屋は冷暖房効率が高く、家中の温度を一定にしやすいのが特徴。高齢になるほど心配なヒートショック対策にもなります。また、同じ床面積の2階建てと比較して平屋は屋根面積が大きいため、より多くの太陽光パネルを設置することができます。発電効率がよく、メンテナンスがしやすいことも、注目したいポイントです。

80代の母と同居するため、2階建ての実家を約50平米の平屋に建て替えたHさん(千葉県)。「冬は朝起きる前に1時間ほどエアコンをつけておき、日中は灯油ストーブとリビングのホットカーペットだけ。廊下もないので、家中の温度差はほとんどありません」と、気密性の高いコンパクト平屋の快適さを実感しているそうです。

Hさん宅

モダンな土間キッチンのあるHさん宅。格子戸で仕切れる和室を母との2人の寝室に(写真提供/木のすまい工房)

関連記事:2階建て実家をコンパクト平屋に建て替え。高齢の母が過ごしやすい動線、高断熱に娘も満足

子どもが社会人になり独立、夫婦二人暮らしになるにあたり、67平米の平屋を新築したTさん(埼玉県・夫30代、妻40代)は、「小さい住まいは断熱性能がとてもよく、夏も冬もエアコン1台で快適に過ごせました」。電気料金が値上がりしても、使用電力が以前より少なく済んだため、電気代は抑えられたといいます。

Tさん宅

Tさん宅にはエアコンがリビングに1台のみ(写真撮影/片山貴博)

夫婦二人暮らしの久保田さん(群馬県・40代)の住まいは、約73平米、2LDKの平屋。「エアコンは3室に設置してありますが、この冬はリビングにある24畳用のエアコンだけ稼働させて、十分暖かかった。寝室に入ったときも寒さは感じませんでした」と言います。屋根には太陽光パネルを搭載。「今後メンテナンスが必要になったときも、足場が最小限で済むから費用は抑えられるはず」と話します。

久保田さん夫妻

開放的なリビングでストレスなくのびのび暮らす久保田さん夫妻(写真撮影/片山貴博)

関連記事:40代共働き夫婦、群馬県の約70平米コンパクト平屋を選択。メダカ池やBBQテラスも計画中で趣味が充実

ポイント4 アウトドア風などデザインのバリエーションも豊富に

カリフォルニアの風を感じるようなガレージ付きのアメリカンスタイルの家に、ぬくもりあふれるログハウスなど、コンパクトな平屋にも多彩なデザインが続々登場。好みや趣味によりフィットした、豊かな暮らしが叶います。テレワーク用の部屋やアウトドアなど趣味を楽しむ拠点として、敷地内に建てる“離れ”感覚のタイニーハウスも人気が高まっています。

前出のTさん夫妻(埼玉県・夫30代、妻40代)は、車をメンテナンスできる大きなガレージがほしいと、67平米のアメリカンハウスの平屋に住み替えました。「西海岸をイメージした、吹き抜けのある白いリビングが気に入っています。庭にはドライガーデンと、季節の花を植えた花壇を作りました。のんびり庭いじりしたり、デッキでお酒を飲んだりする時間が楽しいです」

Tさん夫妻

庭にガレージを建てるのが目標と話すTさん(夫)(写真撮影/片山貴博)

自宅の敷地内に約10平米のログハウスをセルフビルドした桑原さん(長野県・40代)は、10代のときから集めていたビンテージ雑貨や自転車、バイクなどを並べ、趣味の空間をつくり上げました。「6畳だけの空間は、湯船みたいな“おこもり感”もあり、サッシを開け放てばデッキの先につながる庭が見渡せて、視界が広がり開放感もあります」。ログのぬくもりも心地いい、秘密基地のようなサードプレイス平屋です。

桑原さんの小屋

ログ小屋のキットを購入してセルフビルドした桑原さんの小屋。薪ストーブもあります(撮影/窪田真一)

関連記事:10平米以下のタイニーハウス(小屋)の使い道。大人の秘密基地や、住みながら車で日本一周も! ステキすぎる実例を紹介

ポイント5 ミニマリスト、終活など、ものを持たない暮らしが実現

終活や実家じまいなどを通じて、ものを多く持つことで見えてくる課題にふれ、この先はシンプルに暮らしたいと考える人が増えてきました。コンパクトな平屋の住まいは、余計なものを持たないミニマム志向の暮らしにマッチします。

約60平米の平屋に住む前出のRinさん(千葉県・50代)はこう言います。「収納は、扇風機のような季節家電が入るくらいの奥行きがあれば十分。洋服も若いときほど多くなくていい。クロゼットもパントリーも、何があるか一目でわかるように収納しています」。必要なものだけを厳選し、家事動線を整えた小さな平屋暮らしでは、家事ストレスが減って夫婦仲も円満になったそうです。

キッチンとパントリー

写真右はキッチン横のパントリー。奥行きが浅く、全部見渡せるので、何があるのか忘れません(写真提供/Rinさん)

母娘2人で暮らす前出のHさん(千葉県)は、実家を約50平米の平屋に建て替えるのを機に、ものをすっきりと処分。「実家は使っていないものであふれていました。今の家に持ってきたのは本当に必要なものだけ。収納場所も限られていますが、手の届く範囲に収納できて、どこに何があるかきちんと把握できています」

Hさん宅

2階建ての実家を平屋に建て替えたHさん宅。ものを減らしてすっきり暮らしています(写真提供/木のすまい工房)

ライフスタイルの変化に合わせて、ものを減らし、スムーズな動線で快適に心地よく暮らす。地震に強く、広さも価格もミニマム。そんなコンパクト平屋は、世代を問わず、これからの理想の住まいとして、ますます広がりを見せていきそうです。

●関連ページ
「SUUMOトレンド発表会 2023」プレスリリース
PDF

●取材協力
・グッドハート株式会社/ペンギンホーム
・株式会社カチタス
・Rinさん ブログ「Rinのシンプルライフ」
・ヒロ建工
・木のすまい工房
・古川工務店
・ケイアイスター不動産株式会社
・BESS(株式会社アールシーコア)

「美」を追求した住処

所在地:千代田区一番町
80万円 / 139.53平米
半蔵門線「半蔵門」駅 徒歩4分

千鳥ヶ淵公園を望むヴィンテージマンション。その一室が、建築設計事務所によるリノベーションで、質の高い空間へ生まれ変わっていました。



内装デザインは「SAKUMAESHIMA」。



淡い色の無垢材と柔らかなオフホワイトの塗装で仕上げた内装。窓際には、障子紙のような布を張った建具が ... 続き>>>.
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前の入居者さん、ありがとう【DIY可】

所在地:杉並区善福寺
7万円 / 27平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩12分

丁寧にDIYされた小さな空間を引き継いでみませんか。

前の入居者さんが改装した現状から、さらに手を加えることも可能。もちろん、原状回復義務がないのも嬉しいポイントですね。



西荻一番街を抜けた先にある年季の入ったアパートの一室。玄関扉を開けるとガラッと雰囲気が変わります。



壁の ... 続き>>>.
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ゼロにしてはじめよう【DIY可】

所在地:杉並区善福寺
10万5,000円 / 39.7平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩12分

西荻一番街を抜けた先にあるあなただけの秘密基地。

DIY可能なだけでなく、原状回復義務がないのはレアかもしれません。



というわけで、前の入居者さんのDIYがそのまま残っています。

壁紙やフロアシートは簡易的に貼り付けてあるだけ。前の入居者さんがDIYで仕上げた感じが強いので、い ... 続き>>>.
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マホガニーの執務室

所在地:文京区春日
15万4,000円(税込) / 34.31平米
都営大江戸線・都営三田線「春日」駅 徒歩9分

◆ 賃料が下がりました! ◆



ヴィンテージマンション特有の、味わいのある佇まいと、直木賞作家である川口松太郎による「家の美は心の美を作る」という書が掲げられた凛とするエントランスで有名な、川口アパートメント。



昨年から続く大規模修繕工事を間もなく終え、住環境が刷新されるマンシ ... 続き>>>.
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冷たさとぬくもりと

所在地:渋谷区笹塚
15万5,000円 / 40.86平米
京王線「笹塚」駅 徒歩2分

棚の木の質感と、壁や天井のコンクリートの質感の対比にクラクラ。好きです、この冷たさと温かさが混ざり合った質感。



床は無垢フローリングで手触りがよく、ほっこりと優しい感触。天井はざっくりとワイルドな印象。



玄関から室内まで続いている壁際の棚は、備え付けのものと、キャスターで可動 ... 続き>>>.
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実家じまい跡に65平米コンパクト平屋を新築。家事ラク&ご近所づきあい増え60代ひとり暮らしを満喫

一戸建てマイホームといえば「2階建て3LDK以上」が一般的でしたが、70平米前後の平屋が少しずつ需要を伸ばしています。実家の土地を相続したのをきっかけに、60代で家を建てることにしたTさんもそのひとり。「家との出合いに感謝している」と話すTさんの、約65平米・2LDKの家づくりストーリーを通して“コンパクト平屋”の可能性に迫ります。

実家の土地を相続したのを機に、単身で家を建てることを計画

都会でひとり暮らしをしてきたTさん(60代・女性)は、約20年前、両親の介護をするために埼玉県郊外の故郷にUターン。その後、15年ほど実家で生活しますが、両親を見送ったことで50代後半のときに再びひとり暮らしになります。
まずTさんを悩ませたのは、実家が立つ広大な土地にかかる、多額の相続税でした。悩んだ末、土地の半分を売って税金の負担を軽くするのがベストだと判断。次に浮かんだのは、「これからの住まい方をどうするか」ということだったと言います。

T邸の敷地は旗竿地。庭は外部から視線が届きにくい位置にあるため、プライベート感が漂います(写真撮影/片山貴博)

T邸の敷地は旗竿地。庭は外部から視線が届きにくい位置にあるため、プライベート感が漂います(写真撮影/片山貴博)

「実家は私が中学生のころに両親が建てたもので、築50年近く経っていたため、断熱性や耐震面で不安がありました。一戸建てであることは気に入っていましたが、110平米もあるため、広過ぎてひとりだと使いづらくて。以前から『人生の後半は豊かな暮らしがしたい』と思っていたこともあり、土地を売却し、手元に残った資金で新しい家に住み替えようと思い立ちました」(Tさん)

Tさんにはマンションを購入して都心に住む選択肢もありましたが、相続した土地に新築することを考えます。それも“コンパクトな平屋”にすることが大前提でした。

「集合住宅だとどうしても、コミュニティと疎遠になりがちではないでしょうか。うちの家族は昔から近所づき合いが大好きだったので、近隣の方が気軽に遊びにきてくれる家にしたかったですし、自然に親しみがあったため、地面に近い暮らしをして、家庭菜園を楽しみたいとも思いました。幼いころから慣れ親しんだ敷地に、ひとりで住むのにほどよいサイズの平屋を建てるのが、一番、好ましかったのです」(Tさん)

建築会社との出合いで問題が解決し、家づくりが現実に

とはいえ「ひとりで家を建てるなんて、無理に違いない」とTさんは当初、家づくりに及び腰だったそう。しかし、建築会社の担当者に話を聞いてもらうなかで「私にもできるかも」と思うようになったと言います。

「ネックになったのは費用面です。というのも相続した不動産は、実家の敷地部分と、そこに隣接する野菜畑。野菜畑のほうが、日当たりが良かったので、そちらに建てたかったのですが、建築資金を得るには『売り先行』で実家側の土地を売却しなければならず、そうなると、住んでいる実家をすぐに出ていかなくてはいけません。それを建築会社の担当者に打ち明けたところ、『うちで不動産事業もしているので、土地を買い取りますよ』と、買主になることで資金面の融通をつけてくれることになったのです」(Tさん)

そうしてTさんは、建築会社と工事請負契約を結び、以降4カ月ほど打ち合わせを重ね、プランを詰めていきます。

間取り図

Tさんの平屋は2LDK・65平米。北側の個室は主に収納に使っていて、クローゼットを大きめにつくってもらいました。

「照明ひとつを選ぶにしても、実際どんな空間になるかは、なかなかイメージできません。それをひとりで決めなくてはならないので、想像力が限界に達するほど大変でした。それでも乗り越えられたのは、建築会社が家族のように親身になってくれたおかげです」(Tさん)

「年を重ねるほど気力も体力も衰える」と感じていたTさんは、「60歳を目途に完成させよう」という強い気持ちで話を進めていったと話します。

ほどよいサイズの平屋で、良好な近所づき合いと自然を満喫

そうして約1年半前に竣工したのが、約65平米・2LDKの平屋です。

アメリカ・西海岸の住宅を思わせる、下見板張りの平屋。玄関とひとつながりにしたカバードポーチが、くつろいだ雰囲気を醸し出します(写真撮影/片山貴博)

アメリカ・西海岸の住宅を思わせる、下見板張りの平屋。玄関とひとつながりにしたカバードポーチが、くつろいだ雰囲気を醸し出します(写真撮影/片山貴博)

LDKは吹抜け、約27平米、17畳弱のゆったりした空間。リビングの延長には約10平米のカバードポーチ(屋根つきのウッドデッキ)が配置されていて、近所の人たちとの格好の交流スペースになっています。

ウッドデッキは屋根つきなので、雨天でも活躍。「道路から見えるためか、近隣の方が気軽に遊びにきてくれるようになりました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

ウッドデッキは屋根つきなので、雨天でも活躍。「道路から見えるためか、近隣の方が気軽に遊びにきてくれるようになりました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

勾配させた屋根裏を現しにしているため、LDKは開放感がいっぱい。無垢の木の梁が、あたたかなムードを加えます(写真撮影/片山貴博)

勾配させた屋根裏を現しにしているため、LDKは開放感がいっぱい。無垢の木の梁が、あたたかなムードを加えます(写真撮影/片山貴博)

キッチンの一角に仏壇を設置。「日常で自然と接することができ、いつも一緒にいる気持ちになれるので、一番いい場所におさまりました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

キッチンの一角に仏壇を設置。「日常で自然と接することができ、いつも一緒にいる気持ちになれるので、一番いい場所におさまりました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

「『人とつながりを持ち、自然とも触れ合いたい』という思いから、ウッドデッキと窓のサイズを大きくしました。自然をダイレクトに感じられるのはもちろんですが、不思議と若いご家族にも立ち寄ってもらえるようになって。お友だちが増えたのは、とても嬉しい変化です」(Tさん)

掃除が断然ラクになるミニマムサイズの平屋は、この先の強い見方

T邸の扉はすべて“上吊りタイプ”のため、床にはレールがなく、すみずみまでフラット。「ひとり暮らしに3つは多すぎる」と個室は2つにとどめ、上り下りが必要になるロフトなどは一切設けませんでした。

扉はすべて、敷居が不要な上吊りタイプ。「リビングの床をコンクリートにすることもできましたが、足が冷えると思い、無垢の床で統一しました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

扉はすべて、敷居が不要な上吊りタイプ。「リビングの床をコンクリートにすることもできましたが、足が冷えると思い、無垢の床で統一しました」(Tさん)(写真撮影/片山貴博)

「最初はLDKと寝室があれば十分だと思ったのですが、やはり荷物専用の部屋が必要だと思い2LDKに。もしこれがファミリー世帯だったら、少しでも部屋を広く使ったり、いろいろな造作を設けたくなったりしたでしょう。でも私にはこれが最適でした」(Tさん)

「ひとり暮らしならではのシンプルで使い勝手のいいつくりが気に入っている」とTさん。
「必要最小限の広さであること」「生活のなかで上下の移動がないこと」「床に段差のないこと」により、格段の暮らしやすさが生まれていると話します。

「床が平坦だと掃除がしやすくて、気がついたときにサッと掃除機をかけられます。ミニマムな平屋だけにキッチン・バスルーム・トイレが近くにまとまり、少ない移動で用事が済むのもよいです。
年上の先輩から『年々、動くのが面倒になるよ』と聞きますし、実際、階段から落ちてケガをする80代の方の話を耳にします。この先の体への負担を考えても、正解だったと思いますね」(Tさん)

洗面スペースはあえて扉を設けず、トイレや洗面室も、開け放てるよう引き戸にして広さを確保。洗面室・洗濯スペース・トイレが行き来しやすいつくりになっています(写真撮影/片山貴博)

洗面スペースはあえて扉を設けず、トイレや洗面室も、開け放てるよう引き戸にして広さを確保。洗面室・洗濯スペース・トイレが行き来しやすいつくりになっています(写真撮影/片山貴博)

玄関は、廊下とLDKの2方向からアクセスが可能。廊下側の通路にはシューズクロークがあり、靴や鞄を置いたり、出がけにサッとコートを羽織ったりできます(写真撮影/片山貴博)

玄関は、廊下とLDKの2方向からアクセスが可能。廊下側の通路にはシューズクロークがあり、靴や鞄を置いたり、出がけにサッとコートを羽織ったりできます(写真撮影/片山貴博)

強固な構造により耐震等級3をクリア。冷暖房費の削減にも成功

メリットが見られる平屋ですが、「耐震面でも理に適っている」と話すのは、設計を担当したヒロ建工の淺見貴寅(あさみ・たかとも)さんです。

「もちろんほかの建物でも耐震性は出せますが、平屋だと2階以上の住居に比べて上部からかかる負荷が少ない分、強固につくりやすいといえます。65平米のT邸は面積の都合上、減税の対象となる『長期優良住宅』の対象外で、認定を受けられませんでしたが、『耐震等級3』はその条件を優に満たしています。そのため『住宅性能評価書』を取得することで高品質な住宅であることを証明し、減税措置を受けられるようにしました」(淺見さん)

断熱面では、断熱材を専任の大工が施工するほか、第三者機関による品質チェックを入れて精度を徹底したと言います。

「家全体が魔法瓶のように冷気・暖気を逃さないため、年中、快適に過ごせます。冷暖房費が思ったよりかからないことに驚きました」(Tさん)

優れた断熱性能によりLDKは年中、快適。ここではヨガにDIYにと趣味にいそしみます(写真撮影/片山貴博)

優れた断熱性能によりLDKは年中、快適。ここではヨガにDIYにと趣味にいそしみます(写真撮影/片山貴博)

快適な平屋でオフは趣味に没頭。かけがえない家との出合いに感謝

現在はマイペースに週3回だけ仕事をしているTさん。たっぷりある自由時間はDIYで家具にペイントしたり、ヨガにいそしんだり、自分らしく過ごすことに使っています。

家を建ててから「全部、自分でつくる」という意識が芽生えたTさん。カラフルな箪笥やスツールは、愛着ある実家の家具をペイントしたもの(写真撮影/片山貴博)

家を建ててから「全部、自分でつくる」という意識が芽生えたTさん。カラフルな箪笥やスツールは、愛着ある実家の家具をペイントしたもの(写真撮影/片山貴博)

軒先に小さな花々を植えるための花壇をDIY。庭では木を植えたり、夏に野菜を育てたりして楽しむ予定(写真撮影/片山貴博)

軒先に小さな花々を植えるための花壇をDIY。庭では木を植えたり、夏に野菜を育てたりして楽しむ予定(写真撮影/片山貴博)

「この家にいると旅先のコテージを訪れたようにリラックスできて、『毎日、わが家にいたい』『早く帰りたい』という気持ちになるのです。つくづく人だけでなく“家”にも出合いがあるのだと実感。とても幸せな気持ちで暮らしています」(Tさん)

「コンパクトな平屋はシニアにこそおすすめ」とTさんは続けます。

「とくに女性だと『家を建てるなんて無理』と思われるかもしれませんが、私にもできました。参考にしてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません」(Tさん)

都会での生活に両親の介護にと、人生のさまざまな経験を経てたどり着いた平屋という選択。充実した暮らしぶりが、新たなひとり暮らしのあり方としての可能性を物語っていました。

●取材協力
ヒロ建工

ほのぼの暮らし

所在地:世田谷区駒沢
10万円 / 42.9平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩7分

ほのぼのと、二人暮らし?ゆったり一人暮らし?そんな生活が目に浮かびます。



敷地内の植栽が好印象なレトロマンション。

今回ご紹介するのはいい塩梅にレトロが残った角部屋。



南向きのリビングには穏やかな日差しが入り、寝室の窓を開ければ緑道の緑ビュー。この広さにしてはたくさん配置され ... 続き>>>.
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いま北千住でシェアハウスがアツい! 海外協力隊・アート・共同書店などおもしろ住人がつながるまちづくり、仕掛け人はR65山本遼さん

北千住(東京都足立区)の街に面白いシェアハウスが増えているという。アーティストが集う「アサヒ荘」、JICA海外協力隊らが集う「チョイふるハウス北千住」……。シェアハウスを運営するのは65歳以上向けの賃貸情報サイトを運営するR65不動産の代表として不動産業界では知られる山本遼さんです。実は山本さんは、自らも特定の家を持たず場所を転々としながら生活するシェアハウスホッパーという側面も持っています。身軽に住みたい場所に住めて住民同士の交流が魅力の暮らし方です。さらに、共同書店も運営。それらを通じて、北千住にどのような新しい関係が生まれているのでしょうか。シェアハウスと共同書店「編境」を訪ねました。

山本さん。65歳以上向けの賃貸情報サイトを運営する「R65不動産」の代表でありながら、自ら賃貸するシェアハウスを転々として暮らす(写真撮影/片山貴博)

山本さん。65歳以上向けの賃貸情報サイトを運営する「R65不動産」の代表でありながら、自ら賃貸するシェアハウスを転々として暮らす(写真撮影/片山貴博)

山本さんの街づくりは、自分ひとりで決めず皆で考えながらつくり上げていくスタイル(写真撮影/片山貴博)

山本さんの街づくりは、自分ひとりで決めず皆で考えながらつくり上げていくスタイル(写真撮影/片山貴博)

海外協力隊らが住むシェアハウス「チョイふるハウス北千住」

JR常磐線北千住駅の改札を出ると目の前に大型ファッションビル。しかし、駅の近くには、庶民的な宿場町通り商店街が。少し歩くと、お団子屋さんや八百屋さん……生活を支える小さな商店街もあります。通り抜け禁止の看板がある路地もあちこちに。この街に、山本さんが運営する5棟のシェアハウスと共同書店「編境」、が点在しています。5棟のシェアハウスは、R65不動産で借り上げ、契約や賃貸費用の回収を行い、管理人は住民が務めています。

駅に近い宿場町通り商店街。個性的な飲食店や銭湯がある(写真撮影/片山貴博)

駅に近い宿場町通り商店街。個性的な飲食店や銭湯がある(写真撮影/片山貴博)

住宅街の曲がりくねった路地に山本さんが運営する5棟のシェアハウスのひとつ「チョイふるハウス北千住」はありました。ここは、海外協力隊や国際支援に関心のある人が集うシェアハウスです。

迎えてくれたのは、管理人の栗野泰成さん。栗野さんも、海外協力隊としてエチオピアで2年間、情操教育やスポーツ教育の普及活動に携わった経験があります。「チョイふるハウス北千住」の立ち上げから運営に至るまで行っています。

海外から持ち帰ったお土産が飾られた玄関(写真撮影/片山貴博)

海外から持ち帰ったお土産が飾られた玄関(写真撮影/片山貴博)

「もともと国際協力に関心のある人たちを集めるコンセプトのシェアハウスをやってみたかった」という栗野さん。栗野さん自身、当時は、シェアハウスを転々として暮らしていたシェアハウスホッパーでした。つくば市に住んでいたころ、山本さんのTwitter投稿を見て北千住に興味を持ちました。「ショウガナイズ北千住」というシェアハウスで、コンセプトは、新陳代謝。なんと半年ごとに家賃が5000円ずつ値上がりすることがあらかじめ決まっていて、退去を促す不動産会社の経営面からはあり得ないシステムです。

「この人面白いなあと。面白い人の周りには面白い人が集まるので、すぐにDMを送って入居しました。それが5年前。海外協力隊のためのシェアハウスをつくりたいと山本さんに話したら、やってみたらと物件を紹介してくれたんです。『ショウガナイズ北千住』の家賃が値上がるのに追い立てられながら(笑)、シェアハウスを立ち上げ、ぼくも引越しました」(栗野さん)

開業するとすぐにコロナ禍になり、海外に派遣された隊員が緊急帰国することになりました。3カ月で帰国を余儀なくされた人も。日本に戻って来ても家がないので困るだろうと、栗野さんはTwitterでシェアハウスを告知。緊急性、ニーズがあり、隊員に一時的な住まいを提供できました。その後も国際協力や栗野さんが携わる子ども支援の活動に関心のある人たちが集まるシェアハウスとして認知されるようになったのです。

スパイスやハーブを使ったカレーづくり、アメ横で購入した面白い食材を使って料理をつくる会など、さまざまなイベントがシェアキッチンで催され、住民やその友人でにぎわう(写真撮影/片山貴博)

スパイスやハーブを使ったカレーづくり、アメ横で購入した面白い食材を使って料理をつくる会など、さまざまなイベントがシェアキッチンで催され、住民やその友人でにぎわう(写真撮影/片山貴博)

「現在の住民は5人。海外協力隊でケニアに行っていた人や、子ども支援の活動に長年携わっているフリーター、海洋ゴミの問題に取り組むNPOの理事などです。人を助けたいという思いでつながっているので、話が盛り上がるし、交友関係も広がります」(栗野さん)

縛られず行きたい場所へすぐ行けるシェアハウスホッパーという選択

取材当日、シェアハウスの共用スペース(畳スペース)でテレワークをしていた西山大貴さんと成田彩花さんに、住み心地や住んで良かったことを伺いました。

シェアキッチン横の畳スペースで談笑する成田さん(左)と西山さん(右)。「今どんな仕事しているの?」お互いの仕事に興味津々(写真撮影/片山貴博)

シェアキッチン横の畳スペースで談笑する成田さん(左)と西山さん(右)。「今どんな仕事しているの?」お互いの仕事に興味津々(写真撮影/片山貴博)

途上国の農村開発に携わる西山さんは、「チョイふるハウス北千住」が5カ所目のシェアハウス。北千住の別のシェアハウスから引越してきました。「海外協力隊経験者が集まっているので、住みながら、海外の情報が入って来ますし、自分が活動する国以外の支援者とつながれるのが良さですね」といいます。

WEBマーケティングの仕事をしている成田さんは、大学時代からシェアハウス暮らしで、「チョイふるハウス北千住」は10カ所目。「アサヒ荘」のアートイベントに遊びに行き、ここを知りました。

「国際協力に興味があったのですが、今の仕事では経験者となかなか知り合う機会がなくて。実際に活動している人とつながれるのが嬉しいです」(成田さん)

部屋の中で目につくのは布団とスーツケースひとつだけ。いつでも行きたい所へ行くため荷物は最小限(写真撮影/片山貴博)

部屋の中で目につくのは布団とスーツケースひとつだけ。いつでも行きたい所へ行くため荷物は最小限(写真撮影/片山貴博)

管理人として特別なことは何もしていないという栗野さん。2021年2月に貧困の子ども支援の一般社団法人チョイふるを立ち上げました。「チョイふる」は、choicefullの略。生まれた環境で選択肢が限られてしまう子どもたちに、食事や居場所を提供し、親の生活相談を行っています。住人がボランティアに参加してくれたり、クラウドファンディングを応援してくれたり、人のつながりに助けられていると言います。

「集客的には入れ替わりが激しいので、大変な面はあります。4カ月ほどで退去する人が多いんです。成田さんも去年の12月に入居して4月にはカンボジアへ行くために退去しますしね。でも、抜けたり入ったりが多いからこそ、面白い人がどんどん集まって関係が広がっていく。日本に帰国したときの一時滞在の場所として今後も使ってもらえるといいんじゃないかな」(栗野さん)

海外の伝統工芸の絵が廊下に飾られていた(写真撮影/片山貴博)

海外の伝統工芸の絵が廊下に飾られていた(写真撮影/片山貴博)

シェアハウスや共同書店「編境」で街の中に街をつくる

北千住の街の中にコンセプトの異なる5つのシェアハウスをつくった理由を山本さんにたずねるため、共同書店「編境」に伺いました。共同書店とは、本を売りたい人(棚主)で売り場(棚)をシェアするタイプの書店。古い一軒家を改装したお店は、通り過ぎても気づかないくらいです。ところが、扉を開けると、どこか懐かしい本屋さん。椅子もあって、つい長居をしてしまいそう。

一見、書店とわからない「編境」。オープンするのはお店番がいるときだけ。開いているときに来た人はラッキー(写真撮影/片山貴博)

一見、書店とわからない「編境」。オープンするのはお店番がいるときだけ。開いているときに来た人はラッキー(写真撮影/片山貴博)

椅子がいくつもあるので、子どもが絵本を読みふけることも(写真撮影/片山貴博)

椅子がいくつもあるので、子どもが絵本を読みふけることも(写真撮影/片山貴博)

本の売れ行きを左右する自筆のポップから棚主の人柄を感じる。「積読(つんどく)書店」と名付け、読まなかった本を販売(写真撮影/片山貴博)

本の売れ行きを左右する自筆のポップから棚主の人柄を感じる。「積読(つんどく)書店」と名付け、読まなかった本を販売(写真撮影/片山貴博)

なぜシェアハウスや共同書店を運営しているのでしょう?

「シェアハウスも、共同書店も街に仕事以外のつながりをつくれないか、そんな思いで始めました」と山本さん。

山本さんが北千住の街に関わるようになったのは、65歳以上向けの不動産サイト「R65不動産」の事業を法人化した2016年ころ。北千住にある中古住宅を活用してほしいと依頼を受け、以前運営したことのあるシェアハウスを北千住にもつくろうと考えました。シェアハウスは、当時、騒音問題や、部屋をきれいに使ってくれないのではというネガティブなイメージが大家さんにあり、別のエリアで経営したときは、周囲の風当たりが強かったと山本さん。

「でも、北千住の人たちは、『若い人で集まってるの? 楽しそうだね』と受け入れてくれました。東京芸大(東京藝術大学)千住キャンパスがあって街に学生やアーティスト、クリエイターが多く、もともと挑戦を受け入れてくれる街なんです。北千住は、今、バズワード的に盛り上がっていて、若い人が外からどんどん入ってきますが、再開発が進んで家賃の値上がりが著しく、だんだん窮屈な街になってきているなあと感じていました」(山本さん)

そこで、山本さんが考えたのは、街の中に1km圏内くらいの嗜好が近い人同士でつながる小さな街をつくること。その拠点となるのが、シェアハウスでした。運営するシェアハウスはそれぞれコンセプトが異なり、入居者のタイプも違います。

アーティストが集う「アサヒ荘」(画像提供/R65不動産)

アーティストが集う「アサヒ荘」(画像提供/R65不動産)

アサヒ荘のイベント時の1枚。とっても楽しそう!(画像提供/R65不動産)

アサヒ荘のイベント時の1枚。とっても楽しそう!(画像提供/R65不動産)

「賃貸住宅は住民同士が過度に干渉しない良さがありますがが、趣味や嗜好が近い人でつながるのも面白いんじゃないかと思ったんです。北千住ではありませんが、世田谷ではじめたのが、日替わり店長が開く『スナックニューショーイン』です。コロナ禍で閉店しましたが、世田谷の街に住んでいる劇作家、ライター、デザイナー、学生が店長になってくれました。ご近所の人との関わりって面倒くさいんだけど、つながりたい人とつながりたいっていう欲はすごくあるんだなと実感したんです。喋らなくてできるもので、北千住でやるなら何がいいだろう? と考えた末に生まれたのが、共同書店『偏境』でした」(山本さん)

「スナックニューショーイン」。店長の友人や知人が集いにぎわった(画像提供/R65不動産)

「スナックニューショーイン」。店長の友人や知人が集いにぎわった(画像提供/R65不動産)

共同書店には、40名(2023年3月末現在)の棚主がリンゴ箱や木箱に選りすぐりの本を販売しています。棚主は、この街に住むアーティストや近くにある芸大の関係者、近所の人などさまざま。ポップを読むだけで楽しい気持ちになります。

棚主ひとりに木の棚やりんご箱ひとつ。皆でブックフェアも。訪れた3月のテーマは「旅立ち」(写真撮影/片山貴博)

棚主ひとりに木の棚やりんご箱ひとつ。皆でブックフェアも。訪れた3月のテーマは「旅立ち」(写真撮影/片山貴博)

山本さんの棚。「自分の頭の中を見られているようでちょっと恥ずかしい」(写真撮影/片山貴博)

山本さんの棚。「自分の頭の中を見られているようでちょっと恥ずかしい」(写真撮影/片山貴博)

見せたいけど売りたくない本も並んでいる。売れないように高値をつけるけど、そういう本に限って売れてしまう(写真撮影/片山貴博)

見せたいけど売りたくない本も並んでいる。売れないように高値をつけるけど、そういう本に限って売れてしまう(写真撮影/片山貴博)

年代問わず挑戦を応援する場所をつくっていきたい

シェアハウス、共同書店、今後予定しているギャラリーすべてを束ねるコンセプトはあるのでしょうか。

「あえてつくっていないんです。同じコンセプトだとつまらなくなるし、ぼくを嫌いな人は入って来にくくなる。シェアハウスで、コンセプトを決めたのは、『ショウガナイズ北千住』だけ。ぼくは、5棟のシェアハウスのいずれかに住んでいますが、満室になるとほかのシェアハウスへ移ります。一緒に住んでいると住民のやりたいことを応援するきっかけになるので楽しいですよ」(山本さん)

R65不動産の収入源は、賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸するサブリースによるもの。共同書店での収益にはこだわっていないといいます。

「共同書店は、一つの棚がひと月で3000円。1回お店番をすると1000円安くなるので、学生は月3回店番をして無料で使っている人もいます。シェアハウスもサブリースです。若い人で始めたい人はけっこういるのですが、自分でゼロからだとハードルが高いんです。初期費用は中古物件でも100万円以上、空き部屋が出ると賃貸料が持ち出しになるので無理になる。大家さんから見てみてもよくわからない人がシェアハウスをするのは受け入れられない。ぼくらが会社として間に入ることで実現できます」(山本さん)

大義名分はなく、「ぼくらの楽しいことをしているだけ」と山本さん(写真撮影/片山貴博)

大義名分はなく、「ぼくらの楽しいことをしているだけ」と山本さん(写真撮影/片山貴博)

インテリア小物にもセンスが光る。現在、「編境」の2階にギャラリーを企画中(写真撮影/片山貴博)

インテリア小物にもセンスが光る。現在、「編境」の2階にギャラリーを企画中(写真撮影/片山貴博)

R65不動産は、65歳以上の入居希望者に物件を紹介する事業がメイン。ゆくゆくは、年齢に関係なく挑戦できる場所を北千住に増やしたいと考えています。

「だんだん5棟のシェアハウスそれぞれが村のようになってきました。一棟で6人ほど住民がいるので全員で32人。住民の友人で遊びに来る人も含めると80人を超えて関わり合っています。80人いれば、小さい飲食店が成り立つ購買力がある。月に一回ひとり3000円で飲みに行けば、24万円になりますから」

北千住の拠点全部をひっくるめて、オンラインでもリアルでもつながれる仮想の街「北千住浪漫シティ」をつくるのが山本さんの今の夢。浪漫は、挑戦を意味しています。

「祖母が76歳まで自営の薬局で働いていて元気だったんですよ。背筋が伸びて接客してる姿がすごくかっこよくて。そういう挑戦ができる小さな場所をつくっていきたいです」(山本さん)

点在するシェアハウスが拠点となり、つながりあって、街の中の小さな街へ。「北千住に来ると、夢が叶う」。受け入れる文化と新しい挑戦が、街の可能性を広げています。

●取材協力
R65不動産

手ざわりある暮らし

所在地:中野区中央
14万円 / 44.27平米
丸ノ内線・都営大江戸線「中野坂上」駅 徒歩5分

料理して、食べて、お風呂はいって、眠る。

そんな日常を大切にしたいあなたへおすすめしたいお部屋です。



キッチンはIHコンロが4口!何品も同時に調理できちゃいます。

ステンレスキッチンで外観はすっきりしていますが、背後に棚が備えられていて食器をしまったり調理器具を置くことも可能。 ... 続き>>>.
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スカイツリーのぞく和モダン2LDK

所在地:台東区浅草橋
22万円 / 61.14平米
都営浅草線・総武線「浅草橋」駅 徒歩5分

癖のない空間に和のテイストを加えた遊び心ある空間。

シンプルで使いやすく、広々と気持ちよいお部屋です。



最寄り駅は浅草橋駅。今もなおさまざまなお店が増えている蔵前にも徒歩10分程度でアクセス可能。

蔵前は土日になると混雑するので、平日にふらっと遊びに行ける立地なのは重宝しそうで ... 続き>>>.
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隠れパークサイド

所在地:世田谷区駒沢
12万9,000円 / 45.85平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩6分

素朴ながらも、楽しい暮らしのイメージがふつふつとわいてくる家。



緑豊かでどこか平和な空気感がただよう駒沢公園まで、歩いて3分ほどという好立地に、ポカポカと太陽の光が差し込む室内。おまけに部屋から小さな公園の木々の緑が見えると来れば、自ずと心が踊り出すのは僕だけでしょうか。



間 ... 続き>>>.
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ノコギリ屋根の家

所在地:横浜市神奈川区片倉
10万9,000円 / 33.22平米
横浜市営地下鉄ブルーライン「片倉町」駅 徒歩5分

住宅街の一角、ジグザグのノコギリ屋根が特徴的な物件をご紹介します。



住戸はメゾネットタイプで上階の屋根が三角形。それが連棟式になっているので、ノコギリ屋根の外観になっています。



室内はコンクリートのパキッとした質感と、木の柔らかい表情がちょうど良い具合に混ざっています。



下 ... 続き>>>.
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らせんに魅せられて

所在地:横浜市神奈川区入江
21万4,000円 / 82.8平米
横浜線「大口」駅 徒歩6分

3駅にそれぞれ歩いて約6分、利便性の高い小ぶりなデザイナーズ物件を発見しました。



交通量の多い国道に近い物件ですが、防音対策がしっかりしているので、室内に入るとほとんど音が気にならず、驚きました。



室内はメゾネットタイプで、白が基調になっています。LDKは2層分の吹き抜けと大 ... 続き>>>.
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40代共働き夫婦、群馬県の約70平米コンパクト平屋を選択。メダカ池やBBQテラスも計画中で趣味が充実

自分のライフスタイルに合った暮らしを実現できると、家選びの際に平屋を選ぶ人たちが増えています。40代の久保田さん夫妻も、家を新築する際、迷わず決めたのが平屋の一戸建てでした。タイルのテラスから庭とつながる、約22坪(約73平米)のコンパクトな家。その住み心地と、「多くの人に平屋をすすめたい」という理由をうかがいました。

2階はなくていい。コンパクトなワンフロアが理想

群馬県在住の久保田さん夫妻がお住まいなのは、22坪のコンパクトな平屋の家です。以前住んでいたのも、同程度の広さの平屋の賃貸住宅だったというご夫妻。「趣味で飼っているメダカが増えてしまって、今1000~2000匹くらいいるんです。以前の賃貸の家は古く、庭もなかったので、メダカの水槽を置ける庭付きの家に住み替えよう、と思ったのがきっかけでした」(久保田さん夫)

メダカがみるみる増えてしまったのが住み替えのきっかけだったといいます。庭先に置いたプレハブの小屋には、メダカに関連する道具がいっぱい(写真撮影/片山貴博)

メダカがみるみる増えてしまったのが住み替えのきっかけだったといいます。庭先に置いたプレハブの小屋には、メダカに関連する道具がいっぱい(写真撮影/片山貴博)

当初、中古の2階建ての家を見学したおふたり。そこは1階にキッチン、リビングと1部屋、2階に2部屋ある間取りでした。「内覧して、正直、2階はいらないなと思いました。ずっとふたり暮らしだから、部屋数があっても使わないですし。何十年か先、足腰が弱ってきたら、きっと2階には行かなくなって物置になってしまいそう。それなら、ワンフロアでコンパクトな平屋がいいなと思ったのです」(久保田さん妻)

その後、スマホで家探しをしていたところ、近所でモデルハウスを販売するという情報を見つけました。
「見学してみて、ひと目惚れ。廊下もない平屋のワンフロアで、吹き抜けで家中が明るく、住みやすそうだなと感じました。ロフトがあって、なんだか遊び心もあるなぁと」(妻)
ただ、その家は予算に合わなかったこと、完成品ゆえ仕様や色などが選べなかったため、改めて新築を依頼。土地探しから始めました。

22坪、2LDK。南側に3室ある、明るく開放的な住まい

ほどなくして、おふたりの仕事先から近い住宅地に約83.4坪の土地を見つけ、840万円で購入しました。「建物は、17坪、19坪、24坪、27坪の4つのプランのうち、19坪プランを選びました。ただ、住宅ローンは【フラット35】を使いたかったのですが、22坪以上でないと適用にならないとのこと。だけど24坪プランではうちには部屋が多すぎる。そこで相談して、19坪プランの居室部分を3坪分広げるかたちで、22坪の家を建てることにしたのです」(夫)

間取りは、いくつか用意されていたパターンのうち、3室が南に面した2LDKを選択。価格は1000万円台前半でした。

黒×茶色の外壁がシックな平屋。屋根にはソーラーパネルを設置しています。庭の右側、カバーをかけているのがメダカの水槽(写真撮影/片山貴博)

黒×茶色の外壁がシックな平屋。屋根にはソーラーパネルを設置しています。庭の右側、カバーをかけているのがメダカの水槽(写真撮影/片山貴博)

ずらりと並んだメダカの水槽(写真撮影/片山貴博)

ずらりと並んだメダカの水槽(写真撮影/片山貴博)

玄関ドアは明るいブルー。玄関ホールから居室につながり、廊下はありません(写真撮影/片山貴博)

玄関ドアは明るいブルー。玄関ホールから居室につながり、廊下はありません(写真撮影/片山貴博)

玄関脇はアウトドアグッズなどがしまえる土間状の収納スペース。ここにもメダカの鉢が(写真撮影/片山貴博)

玄関脇はアウトドアグッズなどがしまえる土間状の収納スペース。ここにもメダカの鉢が(写真撮影/片山貴博)

完成した住まいは、玄関ホールから洋室とLDKにつながっていて、リビングの奥に和室、キッチンの先に洗面脱衣室と浴室。廊下がなく、無駄なくまとまった間取りです。
「コンパクトなんだけど、キッチンも広いし、脱衣所もゆったりしていて着替えるのも楽です。洋室は寝室として使っていて、和室は今のところなにも置いたりせず、親や友人が泊まりにきたときに使えたらいいかなと思っています」(妻)

客間として使う予定の和室。物干しポール(オプション)もあり、室内干しもここで(写真撮影/片山貴博)

客間として使う予定の和室。物干しポール(オプション)もあり、室内干しもここで(写真撮影/片山貴博)

洗面脱衣所もゆったり広々(写真撮影/片山貴博)

洗面脱衣所もゆったり広々(写真撮影/片山貴博)

コンパクトだからとにかく家事が楽!のびやかな天井高は平屋ならでは。ロフトもプラスしました。テーブルを置かず、ダイニングスペースを広く使っています(写真撮影/片山貴博)

のびやかな天井高は平屋ならでは。ロフトもプラスしました。テーブルを置かず、ダイニングスペースを広く使っています(写真撮影/片山貴博)

当初のプランより広げたというLDKは18.5畳(30.63平米)とゆったり。天井が高く、オプションで2畳ほどのロフトもプラスしたそう。「実家ではロフトが自分の部屋だったので。でも、下で事足りてしまうし、ハシゴの上り下りが大変なので、今は使っていません」(夫)
壁紙の色は用意されていた3タイプから白ベースのカラーを選んだこともあり、明るくすっきり、広々と感じます。

白を基調にしたキッチン。リビングからカウンターの手元が見えないのですっきり(写真撮影/片山貴博)

白を基調にしたキッチン。リビングからカウンターの手元が見えないのですっきり(写真撮影/片山貴博)

「天井が高いのは憧れでした。以前住んでいた賃貸と広さはそんなに変わらないのに、おかげでここは開放的だなと感じます。ダイニングテーブルを置くと動線の邪魔になりそうだったので、食事はリビングのテーブルで。それもあって空間が広々と使えています。収納スペースも限られているけど、本当に使うものだけにして、すっきりさせています。いちばん気に入っているのは、家事が楽なところ。特に掃除は、お互い仕事をしているので週末に掃除機をかける程度ですが、10分もかからないで終わってしまうのがうれしい」と久保田さん(妻)は笑います。

シンプルな洋室はふたりの寝室に(写真撮影/片山貴博)

シンプルな洋室はふたりの寝室に(写真撮影/片山貴博)

動線も無駄がありませんよね。
「そこも便利だと感じています。うちの実家は3階建てで、私の部屋は3階にあったので、忘れ物をするといちいち3階まで階段を上がって取りに行かないといけなくて、それが本当に大変でした。今は車に乗ってから、『あ、アレ忘れた』と家に取りに戻っても、探すのは1階だけだからささっと(笑)。とても楽ちんです」(妻)
家の中の温度差がないのもよかった点。各部屋にエアコンは設置してありますが、この冬はリビングにある24畳用のエアコンのみ稼働させ、家中快適に過ごせたといいます。

休日はリビングでひたすらごろごろ

ふたりともテレビを見るのが大好きで、リビングのソファでまったり、お酒を飲みながら過ごすのがなによりの楽しみだといいます。
「せっかく庭もあるので、これから活用していきたいですね。先日、暖かい日に七輪を出して焼肉をしたんです。春にはBBQするのもいいな」と妻。

ソファでテレビを見ながら過ごすのが楽しみというふたり(写真撮影/片山貴博)

ソファでテレビを見ながら過ごすのが楽しみというふたり(写真撮影/片山貴博)

夫は「以前鯉を飼っていた知人が、ひょうたん型の大きな生簀をくれたので、庭に置いてメダカを放したんです。ここに屋根を付けたり、自然池みたいにしたい」と夢がふくらみます。
両親が遊びに来たときも、「ここはふたりにちょうどいい広さだね!」と絶賛したという住まい。ストレスなくのびのび過ごしているおふたりの姿が印象的でした。

大きな生簀にたくさんのメダカが。いずれは屋根も付ける予定(写真撮影/片山貴博)

大きな生簀にたくさんのメダカが。いずれは屋根も付ける予定(写真撮影/片山貴博)

久保田さんがこの家で暮らして半年ほど。今後どんな方に平屋ライフをおすすめしたいですか?
「もう、みんなにすすめたいです。土地が狭いとどうしてもスペースが足りず2階建て、3階建てになってしまうと思うんですけど、ある程度土地の広さがあれば、平屋ってとても便利ですよ、と伝えたいです。普段の家事も、メンテナンスや将来的にリフォームするのも楽だと思います。うちは屋根に太陽光発電をのせているんですが、いつか劣化して交換するときも、2階建てより平屋の方が便利ですよね」(妻)

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

ふたり世帯、シニア世帯のニーズを捉えるコンパクト平屋

平屋商品に注力するIKI株式会社(ケイアイスター不動産グループ)によると、平屋の販売数は年々増加傾向にあるといいます。特に契約者の割合が高いのは、夫婦/パートナーとのふたり世帯、次いでシニアで、年齢でいうと40~50代の関心を集めているようです。

まさしく久保田さん夫妻のように、ふたり世帯からの注目が高まる平屋暮らし。一戸建てといえば、部屋数を確保した2階建てをイメージしがちですが、自分たちの暮らし方によりフィットした、シンプルでミニマルな平屋、そんな選択肢も定着しつつあるのだなと実感しました。

●取材協力
ケイアイスター不動産株式会社
規格型平屋注文住宅IKI(イキ)
※ひら家IKIは、ケイアイスター不動産グループのIKI株式会社が販売する商品です

「家以上」の場所【新築】

所在地:山梨県北杜市大泉町西井出
25万円 / 59.61平米
JR小海線「甲斐大泉駅」 徒歩14分

山梨県北杜市に位置する、広葉樹の森の中。約1,000㎡弱の広大な敷地に、木々と調和するように佇み、店舗・アトリエ等で併用可能な新築戸建が完成しました。



個人的に最近注目しているエリアのひとつに、山梨県北杜市があります。長野と県境を接する位置にあり、名山に囲まれたその土地は、個性 ... 続き>>>.
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緩急のついたメゾネット

所在地:杉並区浜田山
5,380万円 / 64.53平米
井の頭線「浜田山」駅 徒歩2分

■価格が下がりました!■



2013年に建てられた、浜田山駅徒歩2分のコーポラティブハウス。1階と2階のメゾネット区画のご紹介です。



入り口は2階、玄関入ってすぐの廊下両脇には、ウォークインクローゼットと収納棚がついています。その奥が洗面と浴室、さらに奥が寝室です。



そう、帰 ... 続き>>>.
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効果的な光のコントロール

所在地:渋谷区広尾
122万4,000円(税込) / 269.3平米
山手線・日比谷線「恵比寿」駅 徒歩7分

浅く広く、とも言うでしょうか。天井がちょっと低めです。それでもこの広さは魅力的。どうデスクを配置しても50台くらいは余裕で置けそうです。都心近くで、余裕のあるサイズのオフィスをお探しの方、いらっしゃいませんか。



メインの部屋自体は北向きですが、2面がガラス張りなので暗い印象はな ... 続き>>>.
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そびえ立つ名作 – 緑が見える部屋 –

所在地:文京区関口
11万円 / 37.1平米
有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩5分

嗚呼、なんて素晴らしき立ち姿。いわずと知れたヴィンテージ、目白台ハウス。



騒音とは無縁な緑豊かな環境にあり、大きな窓からは一面の緑。新鮮な風が入り、とても気持ちがいいです。



内装はフローリングに白い壁紙、年季を感じる照明。ぱっと見た印象はシンプルですが、見る方によってはやや古 ... 続き>>>.
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優しさ溢れる木賃アパート

所在地:三鷹市下連雀
6万8,000円 / 22.5平米
中央線・井の頭線「吉祥寺」駅 バス10分 「下連雀」バス停 徒歩1分

住んでわかる、この部屋にこめられた設計者の優しさ。あったらいいな、と思う場所に収納がある。しかもちゃんと使い勝手も考えられている部屋のご紹介です。



建物は昔ながらの木賃アパート。道路から路地状のアプローチの脇に植えられた花が好印象です。



部屋はそのアパートの1階で、小さい庭も ... 続き>>>.
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フレキシブルかつコンパクトなワンルーム

所在地:横浜市神奈川区入江
10万4,900円 / 34.3平米
横浜線「大口」駅 徒歩6分

大口駅・新子安駅・子安駅の三つの駅から歩いて約6分。横浜線と京浜東北線、京急線と3路線が利用でき、東京や神奈川の主要エリアへのアクセスにも便利な場所に、小ぶりなデザイナーズを発見しました。



交通量の多い国道に近い物件なので、車の音を心配したのですが、防音がしっかりしているので室 ... 続き>>>.
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50代から始めた終活でコンパクト平屋を選択。家事ラク・地震対策・老後の充実が決め手、築42年がリフォームで大変身

70平米前後までのコンパクトな平屋が、新しいマイホームの選択肢として、じわじわと需要を伸ばしている。子どもが巣立ったあとのシニア世帯の住まいとして、多彩な価値観をもつファミリー世帯の成長の場として、趣味や余暇をたのしむ一人暮らしの個性を表現する場として……。住人の属性や選択の理由もさまざまだ。ここでは、6LDKの戸建てを売却し、県外の平屋に移り住んだシニア世帯を取材した。

両親の介護を経験し、老後を見据えて転居を計画

夫が50代半ば、妻は40代のころに、「自分たちの老後を見据えて終活を始めた」と話すSさん夫妻(夫60歳、妻52歳)。約2年前からコンパクトな平屋を検討していたという。

もともとの住まいがあったのは福島県中部の市。結婚当初に新築した2階建て6LDKの日本家屋に36年間住み、夫の両親と同居しながら、子どもを2人育てた。現在は子ども達が独立し、親は高齢者向け施設へ入居したので、夫妻と愛犬との生活。
「両親を自宅で介護していたころは、金銭面も体力面も大変でした」と振り返る。

「これまで両親の世話した苦労があるからこそ、自分たちは、県外で暮らしている息子や娘に面倒をかけないようにしようと決めました」

そんななか、まず平屋を検討した理由は、「年齢的に2階へ上がるのが億劫になり、コンパクトに暮らしたいと思ったから」。もとの家の2階には3部屋とクローゼットがあったが、子どもが巣立ち、どの部屋も物置同様となって、荷物がホコリをかぶっていたのが気になった。

第二の人生を歩む引越し先には、娘夫婦が住む栃木県那須塩原市を選んだ。「息子は東京に住んでいますが、自分たちは都会に住みたいとは思わなくて……。栃木なら、東京からでも、車や新幹線で来やすい距離ですから、親族が集まりやすいなと思いました」

和室4室と勝手口付きの食堂があった平屋を中古で購入。開放的なLDKがある現代的な住まいへリフォームした(写真撮影/masaru tsurumi)

和室4室と勝手口付きの食堂があった平屋を中古で購入。開放的なLDKがある現代的な住まいへリフォームした(写真撮影/masaru tsurumi)

リフォーム後はリビングに(写真はリフォーム前)(写真提供/カチタス)

リフォーム後はリビングに(写真はリフォーム前)(写真提供/カチタス)

30軒紹介されても、条件に合う平屋が見つからない

Sさん夫妻は平屋の中古物件に候補を絞り、現地のメーカーや不動産業者に依頼した。

「金額面で無理はしないでおこうと、価格は土地込みで1000万円から1500万円くらいを考えていました。今60歳で、平均寿命である80歳まで20年しか住まないのですから、そこで無理をしていい家に住んでも仕方がない。手元にもお金を残したかったので」とにこやかに話す。
並行して、住んでいた一戸建ての売却を地元の不動産業者に依頼した。

しかし、平屋の物件は思った以上に見つからなかったという。立地や価格面で候補となる家は約30軒見学したが、どれも2階建てだった。

「現地の不動産会社さんから、『実際には平屋の空き家もあるけれど、家庭の事情などで売りに出されていない』と聞きました。途中で1軒だけ平屋を紹介されたのですが、敷地が狭く、駐車場が1台分だけ。夫婦ともに通勤するためすでに車を2台持っているし、娘が車で遊びに来るので、3台分は欲しいと思って、断りました」

平屋探しを始めてから1年が経過した。
「あまりに見つからないので、2階建てに住んで、1階部分だけを平屋のように使おうか?」と考え始めていた。

日当たりのいい南側は、LDKに隣接した和室に。ゴロンとくつろげるのがいいところ(写真撮影/masaru tsurumi)

日当たりのいい南側は、LDKに隣接した和室に。ゴロンとくつろげるのがいいところ(写真撮影/masaru tsurumi)

リフォーム内容と金額の打ち合わせを経て、契約へ

現在の物件を紹介したのは、群馬県に本社を置き、全国120店舗以上ある拠点で中古住宅を買取り、リフォームして販売する会社だった。

「やっと出てきた平屋で、『やった!』と思いました。それも、娘夫婦の家と車で10分たらずの立地で、駐車場が4台分に部屋が4部屋。ほどよいサイズ感だと思いました。ただ、リフォーム前の段階で見学したので、内装が古く庭が荒れていて、『うわっ、汚いな』とも思いましたが(笑)」

(画像提供/カチタス)

(画像提供/カチタス)

この平屋は築42年、71.21平米の3LDKだった。空き家状態で同社が買い取ったので、中の家具などはそのままで、仏壇まで残っていたという。会社が買い取って荷物を整理した後に連絡があり、Sさんが見学した。

「その後会社からリフォームについての打ち合わせがあり、『だいたいこのようなリフォームをしてこれくらいの金額になりますが買いますか?』と。それを聞いて、ここに決めますと話しました」と夫。一昨年の10月に平屋購入の契約をした。

「2022年の2月か3月ごろに引き渡しの予定でしたが、昨今の世界情勢から建材の搬入が先延ばしになり、引き渡しは昨年の5月の連休明けでした。銀行でお金のやり取りをして、荷物を積んで、鍵を持ってすぐに入居しました」

慌しくなったのは、時を同じくして、福島県にある自宅の購入希望者が現れたからだった。

「急だったけれど、これを逃すといつ売れるか分からないので、夫婦2人で引越しの作業をしました。平屋の手付金を払ってから1週間で前の家が売れるというタイミングだったので、引越し会社も呼べず、すべて自分たちで行い、バタバタでした。ただ、家が売れる前から、終活として荷物の整理を少しずつ始めていたので、引き渡し時には何も残っていない状態にできました」

金額面は、元の家を売却した金額が平屋の値段とほぼ同じだったことから、そのままスライドして支払うことができた。

コンパクトな住まいなのでコミュニケーションが取りやすく、和やかな雰囲気(写真撮影/masaru tsurumi)

コンパクトな住まいなのでコミュニケーションが取りやすく、和やかな雰囲気(写真撮影/masaru tsurumi)

和室2室を日当たりのいいLDKへ大幅リフォーム

とはいえ、6人家族時代からある36年分の荷物を、軽トラックで何往復もして運ぶのは大変だったという。

「まだ着られる洋服はリサイクルショップへ。鉄屑は鉄の業者さんに持っていき、できるものは千円くらいだとしても換金しました。物を捨てるのにもお金がかかりますから」と、Sさん夫妻は合理的かつ行動的。

「昔の家なので、湯呑みなどの食器類や座布団、布団なども多かったですね。処分した布団だけで2tトラック1台分ありました。タンスは全部処分して、軽くて中身が見やすいプラスチックケースに変えました。持ち物は半分以下に減らして引越しましたが、こっちに来てから、やっぱりいらないと思って捨てたものもあります」。処分した荷物は軽トラック2台分になった。

購入した平屋は、畳の和室4つに食堂付きという造りだったが、間取りを変更して大幅にリフォーム。会社から提案されたプランをベースに、Sさん夫妻も意見を出した。

「大きな変更は、キッチンの形をI型からL型に変更してもらったことです。これによりキッチンの作業スペースが広がり、リビングに開放感が生まれました。壁になる予定だったリビングと和室の間を取っ払って、和室と一体型のLDKにしてもらったんです。この間取り変更は大正解。もともと設置してもらう予定だったI型のシステムキッチンですと私たちの生活動線では作業スペースが足りないと感じ、さらに出入りがしにくくなりそうでしたから。また、会社がもともと予定していたリフォームは、元食堂の勝手口を防犯面の観点から塞ぎ、そこにトイレをつくるというものでした。リフォーム後の間取りは、キッチンだけでなく玄関やトイレの位置までパーフェクトです」

新設したトイレに窓をつけることは妻が、浴室の壁の一面と洗面所にモダンなブラウンのシートを使用することなどは二人で提案した。

L字型のシステムキッチンに、ダイニングとの間仕切りと収納を兼ねてカラーボックスを設置(写真撮影/masaru tsurumi)

L字型のシステムキッチンに、ダイニングとの間仕切りと収納を兼ねてカラーボックスを設置(写真撮影/masaru tsurumi)

リフォーム前のキッチン(写真提供/カチタス)

リフォーム前のキッチン(写真提供/カチタス)

コンパクトな暮らしに加え、日当たりと静けさを手に入れた

生活が変わった部分は、「最近、階段を上っていないこと」と話す夫。2階に上がらなくていいのは本当にラクですね」と、平屋の良さをしみじみと話す。

「住まいがコンパクトなので動きやすく、足の運びがいいですね。家の真ん中に押入れを造ったので、その周りをぐるりと1周すれば、LDKも水回りも玄関もあり、動くことや片付けが億劫ではなくなりました。また以前は、地震の際に2階にいると、揺れを大きく感じることがありましたが、こちらに引越してからは、まだ感じたことがありません。これも平屋の良さかもしれません」

廊下沿いに押入れと物入れがあり、クローゼットとして使用。周囲をぐるりと回遊できる(写真撮影/masaru tsurumi)

廊下沿いに押入れと物入れがあり、クローゼットとして使用。周囲をぐるりと回遊できる(写真撮影/masaru tsurumi)

また、「ここは静かで日当たりがいい」と口をそろえる二人。
「以前の住まいは、建てたころは静かな場所でしたが、新興住宅地になってしまい、集合住宅が300棟くらい建ちました。庭の前にも家があり、私たちの暮らしにとっては騒がしかったんです。また、最近建てられた住宅は背が高いので、私たちの2階建てには、南側からの日が当たらなくなってしまって。今は一日中、日が当たりっぱなしで嬉しいです」
愛犬も家の中を走り回っている。

娘夫婦以外、知り合いがいない県に移り住んだが、近所付き合いもうまくいっているという。
「ご近所さんが自家製の野菜を分けてくれるなど、仲良くしてもらっていますね。ここでは、自分たちは若い方なんです」と笑う。
また、Sさん夫妻は引越してから共に転職し、自宅から車で15分ほどの職場にそれぞれ通い、地域に馴染んでいる。

娘夫婦も頻繁に遊びにくるという。
「いくら準備をしたって、歳を取れば少なからず身内に迷惑をかけることになるけれど、遠くで迷惑をかけるよりは、近い距離で迷惑をかけた方が、精神的にも金銭的にも楽ですね」

周辺には行楽地があり、今後も楽しみが増えたという。
「ここまで忙しかったので、まだあまり出かけていないけれど、温泉なども近いので、夫婦でこれからの生活を満喫したいですね。住まいの計画としては、庭をいじって変えていきたいと思います。愛犬のためのドッグランと、幅2mくらいのウッドデッキを造りたいという計画があります」

「こちらに移り住んでから、白髪を染めるのをやめました」と自然体な夫と、共に夫の両親を介護した盟友でもある妻。平屋で愛犬との静かな暮らしを楽しむ(写真撮影/masaru tsurumi)

「こちらに移り住んでから、白髪を染めるのをやめました」と自然体な夫と、共に夫の両親を介護した盟友でもある妻。平屋で愛犬との静かな暮らしを楽しむ(写真撮影/masaru tsurumi)

シニアが平屋ライフを楽しむには……

Sさん夫妻に、シニアが充実した平屋ライフを送るコツを聞いてみた。
「やはり、早くから『何歳でこうする』というプランを立てておくといいと思います。私たちは、次は墓地を買って自分たちのお墓を建てる計画があり、お葬式のことも話し合っています。また、『どちらかが1人になったらホームに入ろう』とも決めています。歳をとると、一日一日が速いもの。予定を立てずにダラダラと過ごしてしまうと、周りの人に迷惑をかけることになりかねません。何より、計画を立てておくことで、自分たちが安心して暮らすことができます」

コンパクトな平屋暮らしは、年配者2人などのシニア世帯にはピッタリだと話す夫。
「平屋は、シニア世帯にすごくおすすめです。いざ、火災や地震があった時も、足腰に負担をかけず、すぐに外に逃げ出せますから。また、病気などで万が一という状態のときに、救急車が家の前まで付けられることもいいですね。例えば、一分一秒を争う脳梗塞のように、体が動かせないような状況の時に、2階から大人を担架に乗せて降ろすのは、大変だと思います。私たちにとってはあらゆる面で、安心して暮らすことができるのが、コンパクトな平屋です」

4台分ある駐車場。度々遊びに来る娘夫婦をはじめ、来客がある時も安心。お手製のドッグランを造る計画もある(写真撮影/masaru tsurumi)

4台分ある駐車場。度々遊びに来る娘夫婦をはじめ、来客がある時も安心。お手製のドッグランを造る計画もある(写真撮影/masaru tsurumi)

まだまだ現役の50代前後で「終活」に取り掛かり、荷物を処分して一戸建てを売り、県外の平屋に住み替え、転職もしているSさん夫妻の鮮やかな人生設計に脱帽。

71.21平米の3LDKなら、マンション住まいとあまり変わらない。その上、生活音をあまり気にしなくてもよく、ドアを開けたらすぐ庭や駐車場という一戸建ての良さが付いてくるのは魅力的だと思う。

誰でも歳をとるのだから、なるべく暮らしをコンパクトにして、毎日を楽しみたい。それにはやはり事前の計画が大事……! 2人の若々しくスッキリとした表情に、考えさせられることが多かった。

●取材協力
株式会社カチタス

Z世代の一人暮らしの特徴って? 重要なのは家賃、インテリアは”映える”韓国風がトレンド

Z世代(1995年以降生まれの若年層)を対象としたシンクタンク組織「Z総研」が、Z世代の女性を対象とした「一人暮らし」に関する意識調査を行った。それによると、Z世代の女性の約8割が一人暮らしをしたいと思っているという。そこで、Z世代の一人暮らしの特徴を見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」を発表/N.D.Promotion

Z世代の多くが「一人暮らしをしてみたい」、重視するのは「家賃」と回答

Z世代が研究の対象となるのは、彼らが生まれた時からデジタルデバイスやインターネット、SNSといった環境が身近にあった「デジタル・ネイティブ世代」で、これまでの世代とはその特徴が異なるからだ。

さて、Z総研が全国のZ世代の女性301人に「一人暮らしをしてみたいと思うか」と聞いたところ、「現在している」が6.6%、「してみたい」が80.4%で、「してみたくない」の13.0%を大きく上回った。

物件を探す際に重視したい条件としては、「家賃」がダントツの82.4%で、次いで、「最寄り駅からの距離」(32.6%)、「間取り」(28.6%)となった。以前に別の調査で、一人暮らしのZ世代に同様の質問をした結果でも、家賃がダントツで、交通アクセスと間取りが並んだので、やはりなによりも「家賃重視」なのだ。

“映え”を気にするZ世代ならでは!賃貸アプリに内装の写真の多さを求める

一人暮らしの物件を探す際には、賃貸アプリを使うのだろうが、「何を求めるか」にZ世代女子の特徴が表れた。回答結果は次のようなものだ。

賃貸アプリ(サイト)に求めることはなんですか?

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

通常は不動産のポータルサイトに、「掲載物件が多い」(62.1%)ことを求める。テレビCMでも掲載数ナンバーワンなどとアナウンスしているのは、そのためだろう。検索サイトなので、もちろん検索のしやすさ、例えば「細かく条件設定できる」(51.5%)ことなども重視される。ところが、それらを上回って最多だったのが「内装の写真の豊富さ」(75.4%)だ。やはり“映え”を気にする世代ならではのことだ。

当サイトで、「コロナ禍でインテリアへの関心が高まる!20代から50代まで幅広い層がインスタを参考に」 という記事を書いたが、20代以下はインテリアへのこだわりが強く、インテリアの参考にするのは圧倒的に「Instagram」で、次いで「YouTube」だった。インテリアのこだわりが、室内の画像情報を重視することにつながっているのだろう。

インテリアにこだわるけど、落ち着いた色合いを好む

さて、この調査で筆者が最も印象に残ったのが、「一人暮らしの理想のインテリアテイスト」を質問した結果だ。筆者の記憶をたどると、インテリアで根強い人気のテイストは、「北欧風」だ。北欧のスウェーデン発祥の家具メーカー「IKEA」の人気が高いのはそのためだ!と思っていた。

ところが、Z世代の回答を見て驚いた。「北欧」はわずか2.0%。「シンプル」(36.5%)と「韓国風」(26.9%)の人気が極めて高いのだ。

一人暮らしの理想のインテリアテイストを教えてください

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

Z総研によると、「ホワイト基調のふわふわした女の子みたいな部屋が理想。YouTubeでインフルエンサーのお部屋紹介動画を見るのも好きで、実際に同じインテリアを購入した」(18歳/高校3年生)、「木の素材が好きでウッド調でシンプルなお洒落カフェのようなお部屋にしたい。自分好みにDIYするのも興味がある」(16歳/高校1年生)といったコメントがあったという。

「韓国風」ってどんなテイストなのだ?

ところで、「韓国風」とはどんなテイストなのだろうか? 「中国風」や「アジアンテイスト」などはわかる。が、「韓国風」とはどんなものかよくわからなかったので、SUUMO編集部のZ世代の編集者に聞いてみた。

彼女によると、「韓国風インテリアは、主に白やアイボリー、素材はウッドなどを基調としているため、あまり派手さはないものの、形状などが個性的で女性が好むアイテムが多い印象」だという。

それを聞いて自宅を見回すと、ダークブラウンの家具が多い。仕事用に最近購入した、無印良品の引き出しボックスだけがアイボリーだ。時代に遅れないように、韓国風をもっと意識しようと思う筆者だった。

ちなみに、「一人暮らしする際に買いたい憧れのインテリアブランド」については、「Francfranc」(38.5%)と「IKEA」(34.9%)の人気が高く、次いで「無印良品」(12.0%)や「ニトリ」(7.6%)となった。いずれも、豪華なインテリアではなくナチュラルなインテリアで、リーズナブルなブランドが多く挙がったのが特徴だ。

一人暮らしする際に買いたい憧れのインテリアブランドはありますか?

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

IKEAといえば、北欧テイストではないのか?と思い、インターネットで「IKEA」×「韓国風」で検索してみると、IKEAの韓国風インテリア事例が出るわ出るわ。ほかの組み合わせでも同様で、どのブランドも韓国風を意識してインテリアの商品開発を行っているようだ。

さて、Z世代はデジタルネイティブで、SNS映えを気にする世代である一方、日本の好景気を知らない堅実な世代でもある。一人暮らしをするにしても、無理のない家賃を意識し、シンプルでリーズナブルなインテリアではありながら、自分の個性が表現できるものを選んで購入するといった像が浮かび上がる。

近年は、コロナ禍の影響で自宅にいる時間も長くなっている。Z世代それぞれにとって居心地の良い住まいを選んで、快適な一人暮らしをしてほしいものだ。

●関連サイト
N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」

生まれ変わった戸建て

所在地:品川区戸越
22万9,000円 / 107.36平米
都営浅草線「戸越 」駅 徒歩3分

古い戸建ての天井を大胆に抜いて整え、天井高約3.3mの開放的なリビングに仕上がりました。白を基調とした空間に、美しく経年変化したむき出しの梁や柱が、ピリリと空間を引き立てる良いスパイス。



東京一長い、戸越銀座商店街から近くの路地奥に、ひっそりと立っているこの戸建て。周辺は住宅が ... 続き>>>.
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生まれ変わった戸建て

所在地:品川区戸越
22万9,000円 / 107.36平米
都営浅草線「戸越 」駅 徒歩3分

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東京一長い、戸越銀座商店街から近くの路地奥に、ひっそりと立っているこの戸建て。周辺は住宅が ... 続き>>>.
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恵比寿に拠点を持とう!

所在地:渋谷区東
7,980万円 / 59.82平米
山手線・JR線「恵比寿」駅 徒歩4分

駅から徒歩4分。事務所利用が可能なマンションの1室です。

お部屋は10年程前にオーナーさんが改装した状態。間取りを広々としたワンルームに、内装は一部躯体を表しにしたシンプルなデザインに改装しています。



物件は恵比寿が最寄りですが、住所は渋谷区東です。マンションの1階には店舗があ ... 続き>>>.
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恵比寿に拠点を持とう!

所在地:渋谷区東
7,980万円 / 59.82平米
山手線・JR線「恵比寿」駅 徒歩4分

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土間が広がる、アトリエ付き住居

所在地:墨田区江東橋
17万円 / 51.24平米
半蔵門線・新宿線「住吉」 徒歩6分

★賃料が下がりました★



部屋の約1/3が広い土間になった一室。アトリエ使いや仕事スペースとして使うことを想定した間取りになっています。



玄関から土間が続くようなデザイン。黒く塗られた土間で、土足利用しても汚れづらいような仕様になっています。壁に貼られたブリックタイルも印象的で ... 続き>>>.
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南青山、ヴィンテージの改装素材

所在地:港区南青山
7,800万円 / 53.46平米
 

表参道徒歩6分という立地ながら、穏やかな空気が流れ、古き良き味わいを感じるマンション。大きな中庭をもつこのマンションは通り沿いからも眺められるので、ご存じの方も多いかと。



今回はセミスケルトンの状態の一室を売買で募集。ご自身で好みの空間を一から作ってもらえるようになっています。 ... 続き>>>.
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光り輝く角の部屋

所在地:目黒区駒場
35万円 / 74.17平米
井の頭線「神泉」駅 徒歩7分

神泉駅と駒場東大前駅のちょうど間くらい。高台に立つレトロなマンションにて、すてきな内装がきらりと光る角部屋を見つけました。



二面の窓から明るい光が入り、なんとも気持ちが良いリビング。窓を開ければ高台の風が通り抜けていき、晴れた日には富士山まで見えるそう。床はナチュラルで良い色味 ... 続き>>>.
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ほっとする祐天寺レトロ

所在地:目黒区祐天寺
7万6,000円 / 25平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩3分

祐天寺駅徒歩3分のレトロマンション。薄緑のタイル張りがレトロ好きにはたまらない外観です。オーナー曰く「外観の写真を撮ってもいいですか?」と道ゆく人が声をかけてくることもあるようです。



レトロな質感は室内にも健在。木板貼りの天井は、この部屋が和室だった時代の名残です。窓は南向きで ... 続き>>>.
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羨ましい、この気持ちよさ

所在地:目黒区駒場
16万5,000円 / 45.54平米
小田急線・千代田線「代々木上原」駅 徒歩12分

窓が多く開放感に溢れた部屋から見えるのは遠くまで広がる青空と、隣の大学の緑。もちろん日当たりも良好で、ただただ一言「気持ちいい」。



この部屋で最も気持ちがいいのはルーフバルコニーでしょう。晴れている日は毎日でも、ここで食事やティータイムを楽しみたいです。植物を育てるのもいいです ... 続き>>>.
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木の質感が好き

所在地:横浜市戸塚区戸塚町
5万5,000円 / 29.16平米
湘南新宿ライン・東海道線・横浜市営地下鉄ブルーライン「戸塚」駅 バス7分 「法務局前」バス停 徒歩2分

駅から少し遠い住宅街の一角に立つ軽量鉄骨造のアパート、少し前に柔らかな空間にリノベーションされた物件をご紹介します。



建築家によるリノベーションは床に出雲杉の無垢材、壁に土佐漆喰(しっくい)や杉材を使うなど、素材にこだわりを感じます。



床・天井・壁と木を多く使っていますが、決 ... 続き>>>.
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