ユース取材ライター陣が推薦する選手権注目の11傑vol.1

森田氏が推薦するFW吉倉昇空(富山一高2年、左)
特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権注目の11傑』」

 ゲキサカでは12月30日に開幕する第98回全国高校サッカー選手権の注目選手を大特集。「選手権注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第1回は関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材する森田将義氏による11名です。

 森田将義氏「U-17ワールドカップで輝きを放ったFW西川潤(桐光学園高3年)とFW若月大和(桐生一高3年)が予選で涙を飲み、昨年度の選手権でその名を轟かせた尚志高のFW染野唯月(3年)も怪我のため、欠場が決定。今年の顔と言える選手の多くが不在となる今回の選手権は、新たなスターの誕生が待たれる大会と言えます。そこで、今回は今年観た選手の中から、ブレークしそうな2年生をピックアップしました。いずれも見る人を楽しませるストロングポイントを持った選手ばかりなので、彼らが羽ばたけるか実際に試合を観てもらえればと思います」

以下、森田氏が推薦する11名

GK安原哲平(愛工大名電高2年)
「将来性の高さを見込まれ、1年生の頃からゴールマウスを託される守護神。がっちりとした肉体の持ち主で、高い身体能力を活かしたシュートセーブが目を惹く。キック精度も高く、予選では選手権初出場の立役者となった」

DF田中誠太郎(高川学園高2年)
「本来は攻撃好きのMFだが、今年は現役時代にDFだった江本孝監督に人間性を高く買われて、CBとして奮闘。『持ち味の気持ちと身体を投げ出してでもシュートブロックするのを意識している』と話す通り、魂のこもった守りでゴール前に立ちはだかる」

DF中正司裕心(和歌山工高2年)
「平成元年以来となる選手権出場に大きく貢献したCB。上背はないが、身体能力が高く50m6秒台前半の速さと打点の高いヘディングで相手の攻撃をきっちり跳ね返す。大宅光監督の信頼も厚く、3バックを束ねるDFリーダーとして期待される」

DF平井駿助(興國高2年)
「186cmの高身長を活かし、エアバトルで無類の強さを誇るCB。2年生ながらも横浜FMの練習参加を経験したことで自信を掴み、夏以降は急成長。守備の要として、予選をわずか2失点で終える原動力となった」

DF田邉秀斗(静岡学園高2年)
「鹿島内定のMF松村優太(3年)を筆頭とした攻撃陣に注目が集まるが、今年は後方にも楽しみな選手がいる。競り合いの強さとスピードを備えたDFで、素材感はピカイチ。本職はCBだが、両足から繰り出す正確なフィードを買われ、今年は左右のSBを主戦場にする」

MF山田和樹(立正大淞南高2年)
「2歳上の兄・祐樹(現・びわこ成蹊スポーツ大)も立正大淞南のDFリーダーとして活躍。兄ほどの上背はないが、鋭い読みを活かしたボールハントは一目見れば、兄弟だと分かるほど瓜二つで、南健司監督は『予測力も遺伝するんだと学んだ』と口にする」

MF田中魁人(神戸弘陵高2年)
「豊富なスタミナと高い守備力が魅力のボランチ。ボールを奪ってからのシンプルな散らしで攻撃のリズムを作る。この一年、結果が出ずに苦しんだ神戸弘陵が選手権出場を果たせたのは、怪我から復帰した彼の存在が大きい」

MF鈴木嶺騎(鵬学園高2年)
「観る者を魅了する攻撃センスに長けた左利きのアタッカー。独特のリズムで繰り出すドリブルが持ち味で、相手にとって捕まえにくい小さな身体も駆使して、いとも簡単に相手DFを手玉にとる。全国大会初勝利のキーになる選手だ」

MF宮木優一(四日市中央工高2年)
「ルーキーイヤーから期待されてきたドリブラー。今季は判断の悪さを指摘され、Aチームに絡めずにいたが、ボランチを経験したことで意識が変化。予選ではパスを使いながら果敢にゴールへと迫り、『予選で一番成長した選手』と伊室陽介監督から高評価を受けた」

FW吉倉昇空(富山一高2年)
「夏以降スタメンの機会が増えた次期エース候補。スラリとした身長が目を惹くが、最大の特徴はドリブルで、スライドの大きな動きで相手守備の間をすり抜け、チャンスを生み出す。得点への貪欲さが増せば、ブレークの可能性は高い」

FW楠瀬海(高知高2年)
「50m6秒1の快速を活かし、相手エリアを果敢に仕掛ける点取り屋。スピードに乗ったドリブルからのシュートが持ち味で予選では、チーム得点王となった。全国では、『チームを勝たせるために少ないチャンスを決めきる力を身につけたい』と意気込む」

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
●【特設】高校選手権2019

出場校チーム紹介:筑陽学園高(福岡)

打倒・東福岡高を果たした筑陽学園高は11年ぶりの全国出場
第98回全国高校サッカー選手権

筑陽学園高(福岡)

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▼全国大会日程
1回戦 1-0 愛工大名電高(愛知)
[得点者]岩崎巧
2回戦 2-1 草津東高(滋賀)
[得点者]過能工太郎今田光
3回戦 0-1 徳島市立高(徳島)
■出場回数
11年ぶり3回目
■過去の最高成績
準優勝(03年度)
■その他、過去の主な全国大会成績
全国高校総体出場2回
■監督
青柳良久
■主将
GK野中友椰(3年)
■今季成績
[総体](県8強)
県準々決勝 2-3 飯塚高
[リーグ戦]
プリンスリーグ九州8位(3勝5分10敗)
[新人戦](県準優勝)
決勝 0-1 東福岡高
■予選成績
2回戦 4-1 八女高
準々決勝 1-0 飯塚高
準決勝 1-0(延長)九州国際大付高
決勝 1-0 東福岡高
■都道府県予選決勝布陣&決勝メモ
[4-4-2]

    岩崎巧  寺岡聖斗
過能工太郎         藤隆成
    古賀敬仁  栗尾瑠 
今田光          古賀健琉
    岡宗万  吉村颯真
       野中友椰
[決勝メモ] 
 東福岡高の連覇を6で止めた。過去4年のうち、3度決勝で敗れている東福岡との決勝は筑陽学園が狙い通りの試合運びを見せる。東福岡にボールを保持されたものの、縦に入ってくるボールに狙いを定めて奪い取ると、左SB今田光(3年)の攻撃参加など一気にカウンター。一方の東福岡は筑陽学園のペースに引き込まれて、攻めあぐねる形となった。東福岡は後半8分に怪我のためベンチスタートだった鹿島内定MF荒木遼太郎主将(3年)を投入し、その荒木がボールに絡む形で押し込んだが、シュートや仕掛けの積極性を欠いて攻めきることができない。一方の筑陽学園は後半15分に投入されたFW深松大雅(3年)が思い切りの良いシュートでチームを勢いづけると29分、強引な仕掛けから右クロスを上げきる。これをファーサイドのMF過能工太郎(3年)がゴールに叩き込んで先制点。筑陽学園はクロス対応の良さが光るGK野中友椰(3年)やCB吉村颯真(3年)を中心に東福岡をシュート2本に封じ、1-0で11年ぶりの優勝を果たした。

MOM:FW深松大雅(3年)
「怪我乗り越えたドリブラーが決勝アシスト」

■予選取材記者(編集部・吉田)チーム紹介
守備成長。打倒・東福岡果たして選手権へ
 全国初出場だった03年度大会で桐蔭学園高(神奈川)や鹿児島実高(鹿児島)を撃破。86年度の東海大一高(静岡)と国見高(長崎)以来となる初出場での決勝進出を果たした。2度目の出場だった08年度大会でも2勝し、10年のインターハイ初出場時もベスト8。今回、3回目の出場となる選手権だが、激戦区・福岡を制した筑陽学園には上位進出の期待がかかる。
 県予選決勝では13年から6年連続で福岡3冠を続けていた“絶対王者”東福岡に1-0で勝利。東福岡同様にJリーグ内定選手を擁した九州国際大付高、飯塚高にも1-0で勝ち切った。プリンスリーグ九州では18試合でリーグ最多の37失点。粘ることもできずに失点しまうケースが多かったという。それでも、一人ひとりが戦うこと、1対1で絶対に負けないということから意識して改善することに成功。青柳良久監督は「プリンスリーグを通じて失点が多かったけれど、この大会では止めれたというのがこの子たちの成長かなと思います」と語り、GK野中友椰主将(3年)も「この大会では最後まで身体を張って、粘ってどんなシュートでも身体に当ててという守備ができたと思うので、良くなったなと思います」と認めていた。怪我から復帰したCB岡宗万(3年)やDFリーダーのCB吉村颯真(3年)、バランサーのMF栗尾瑠(3年)を中心とした守備面での成長が打倒・東福岡、福岡制覇の原動力になったことは間違いない。
 一方の攻撃面ではMF古賀敬仁(3年)の配球や左SB今田光(3年)の攻撃参加などから前線にボールを繋ぎ、ゴールに貪欲なFW寺岡聖斗(3年)や俊足FW過能工太郎(3年)、“切り札”FW深松大雅(3年)がゴールを狙う。12月4日の県予選決勝から全国大会まで準備期間は出場48校中最も少ないが、攻守両面でさらにレベルアップさせて11年ぶりの選手権に臨む。
■県予選取材記者(編集部・吉田)注目選手
熱いリーダーは実力派守護神
GK野中友椰(3年)
「チームメートから『熱い』と評されるリーダーは、ゴール前での存在感ある実力派GKだ。東福岡戦の終盤は相手のクロスに判断良く飛び出して対応。シュート反応の良さも堅守・筑陽の支えとなっている」

高さに自信持つDFリーダー
DF吉村颯真(3年)
「責任感を持ってゴールを守るDFリーダーは、空中戦の強さが特長。予選は堅守で貢献した一方、無得点に終わったことを悔しがり『(選手権までに攻撃面を)磨いていきたい』」と誓った

打倒・ヒガシの立て役者
MF過能工太郎(3年)
「スピードを武器とするサイドアタッカーは、県予選決勝で東福岡から決勝点。筑陽OBで兄の大貴(現日本体育大)のリベンジを果たし、次は全国でのゴールを狙う」

■過去の全国大会成績
【08年度 第87回(3回戦敗退)】
1回戦 1-0 富山一高(富山)
2回戦 3-0 日章学園高(宮崎)
3回戦 0-0(PK2-4)四日市中央工高(三重)
【03年度 第72回(準優勝)】
2回戦 4-1 桐蔭学園高(神奈川)
3回戦 4-3 丸岡高(福井)
準々決勝 3-2 岐阜工高(岐阜)
準決勝 2-1 鹿児島実高(鹿児島)
決勝 0-6 国見高(長崎)
■登録メンバーリスト
1 GK 野中友椰(3年)
2 DF 今田光(3年)
3 DF 益永望光(3年)
4 DF 吉村颯真(3年)
5 DF 大塚剣士(2年)
6 DF 古賀健琉(3年)
7 MF 古賀敬仁(3年)
8 MF 笹隈隼人(3年)
9 FW 過能工太郎(3年)
10 FW 寺岡聖斗(3年)
11 FW 深松大雅(3年)
12 FW 岩崎巧(2年)
13 FW 大嶋遥人(2年)
14 MF 栗尾瑠(3年)
15 DF 牟田愁平(3年)
16 DF 船原零央(2年)
17 GK 井本匡哉(3年)
18 DF 岡宗万(3年)
19 MF 藤隆成(3年)
20 MF 橋本懐舞(3年)
21 DF 長濱昇太朗(2年)
22 MF 綿貫功輝(2年)
23 FW 重広滉太(3年)
24 MF 南部空我(3年)
25 GK 江口武蔵(3年)
26 DF 中島翼(2年)
27 DF 安永凌(3年)
28 MF 麻生優心(3年)
29 FW 大久保駿(3年)
30 MF 楢原奏洋(3年)
▼関連リンク
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