[MOM3129]仙台育英FW吉田健太(2年)_少ないチャンスを決めきる…切り札の矜持

値千金の決勝点を決めた仙台育英高FW吉田健太(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 仙台育英高1-0高川学園高 等々力]

 1回戦に続いて後半から出場した仙台育英高(宮城)FW吉田健太(2年)が、鮮やかな決勝弾をもたらした。

 FW中山陸(3年)とFW佐藤遼(1年)がツートップの先発を占めている中、「負けてらんない」と発奮。「選手権は夢の舞台なので、自分もそのピッチに立って点が決められたらいい」とチャンスを待っていた。

 両チームともに前半はシュートゼロ。そんな状況を打破するべく、城福敬監督は動いた。「中山陸のヘディングの強さがもっと活きたらなと思っていたんですけど、セカンドボールをほとんど向こうに拾われていたので、スピードのある吉田」を後半開始と同時にピッチに送り込んだ。

 途中出場ということでチャンスが限られていることは吉田本人が自覚している。後半29分にはペナルティエリアで絶好のチャンスを得たが、シュートは浮いてしまい枠を捉えきれず。「1本のチャンスを決めきれなくて悔しい」。ピッチで頭を抱えて悔しがった。

 それでも背番号13は、ストライカーの仕事をやってのける。「チームを信じて、みんながつないでくれたボールは最後、必ず僕のところにくると思っていた」。MF豊倉博斗(2年)のクロスを、ヘディングでゴールに流した。「(シュートを)外したときに力んでいるとわかったので、自分に『落ち着け』と言い聞かせた」。吉田にとっては「ヘディングシュートはあまりないです」というめずらしいゴールだった。

 何人かを城福敬監督が名指しで挙げるほど、調子を落としている選手がいる中、吉田は「コンディションを整えている」と好調ぶりをうかがわせる。「チームの流れが悪かったら良くして、チームの流れが良かったらそのまま継続してできるように。なおかつ点を取れたらいいかなと思います」。自らの役割に徹するFWは、次戦・日大藤沢戦でもそのときを待つ。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

「全国で勝つことが宿命」伊室新監督の下で“復活”四日市中央工高が逆転勝ちで2回戦突破

2戦連発MF森夢真が決勝点を決めた(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 高校選手権2回戦 松本国際1-2四日市中央工 フクアリ]

 第98回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が2日に行われ、フクダ電子アリーナの第2試合では四日市中央工高(三重)が松本国際高(長野)に2-1で逆転勝ちした。3日の3回戦では日章学園高(宮崎)と対戦する。

「本来の四中工の姿を必ずお見せしたいと思います!」。試合を終えた伊室陽介監督は興奮ぎみに場内インタビューを終えた。

 本来の四中工の姿。過去優勝1回、準優勝3回を誇る名門だが、近年は建て替え前の最後の国立開催となった13年度の4強以来、出れば初戦敗退、出場すら叶わない年が続いた。

 そんな“四中工再建”を託されて今季より監督に就任したのが伊室監督だ。伊室監督は帝京高と同校優勝だった91年度大会メンバーの一員。小倉隆史氏、中西永輔氏、中田一三氏、のいわゆる“四中工三羽烏”と同期だ。

 昨年は地元開催だったインターハイの出場を逃す屈辱。冬の選手権では秋田商に県勢14年ぶり勝利を献上した。かつての栄光を知る指揮官はそんなチームの立て直しを託された。

 すると今季はインターハイに4年ぶりに出場。三重県リーグを制して進出したプリンスリーグ東海参入戦では、3年ぶりの復帰を勝ち取った。「全国に出て満足するようなチームではない。常に勝ち続けないといけない」。伝統エースナンバー17番を背負うFW田口裕也(3年)がチームの思いを代弁する。

 新生・四中工、復活の四中工をアピールするためにもここで敗れるわけにはいかなかった。前半20分にFW小林丈太郎(3年)に許した失点によって前半を1点ビハインドで折り返すが、後半2分にMF宮木優一(2年)のロングパスで裏に抜けた田口がGKとの1対1を制して同点に追いつく。さらに同26分には10番MF森夢真(3年)が鮮やかなミドルシュートを蹴り込み、試合をひっくり返した。

 何よりも感じさせるのは自信。ここ数年の四中工にはなかったものだ。田口も「0-1ならまだやれるなと思ったし、試合中も負けることは全く考えなかった」と自信を持ってプレーしていたことを明かす。「いろいろ弱体化とか、古豪とか言われるけど、僕たちの代で止めたい。全国大会の舞台で勝つことは四中工の宿命だと思うし、ここまで築いてくれた伝統を守らないといけないと思っています」。

 勢いに乗れば強い。「有り難いことに、勝てば勝つほどに風が吹いてくる」。伊室監督が感じる「伝統校の武器」を誇りにしながら、完全復活へと向かう。

(取材・文 児玉幸洋)
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レアル、マネの代理人と接触…獲得に向けて本腰か

サディオ・マネ獲得に動く
 レアル・マドリーリバプールに所属するセネガル代表FWサディオ・マネ(27)に関心を寄せているようだ。スペイン『アス』が伝えている。

 マネはメス、ザルツブルク、サウサンプトンを経て、2016年夏にリバプールに加入。昨季はプレミアリーグ得点王に輝くだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)制覇に大きく貢献。マネとエジプト代表FWモハメド・サラー、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノの3トップは世界屈指の破壊力を誇っている。

 フランスメディア『Le10Sport』によれば、レアルは以前からマネに興味を示しており、ジネディーヌ・ジダン監督が獲得を熱望しているとのこと。今夏に放出の可能性があるウェールズ代表FWガレス・ベイルの代替選手として注目しており、すでにマネの代理人とも接触したという。

 なお、マネは2023年6月までリバプールと契約を結んでいる。

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DF牧野スーパークリア。終盤も冷静で集中力高かった富山一

富山一高の最終ラインの中心、牧野奏太はスーパークリアも
[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

 富山一高(富山)は、インターハイ決勝の後半アディショナルタイムに桐光学園高(神奈川)に決勝点を許して準優勝。甘さが出て悔しい思いをした経験から、選手たちは練習でも最後の5分を大事にしてトレーニングしてきた。その成果もあってか、この日は攻め続けられている中でも集中力は切れず。1-0で守り切った。

 大塚一朗監督とともに指揮を執る加納靖典コーチは、「落ち着いてやれたと思う」と評価。ここぞの場面での集中力も高かった。後半23分には右クロスのこぼれ球に反応した神村学園高左SB下川床勇斗(2年)が強烈な左足シュート。抑えの利いた一撃はGKの横を抜けかけたが、クロスがこぼれた瞬間にバックステップを踏んでいたDF牧野奏太(3年)が右足に当ててクリアした。

 加納コーチも「ビックリしました」というスーパークリア。後半はカウンターから決定機を作りながら、決め切ることができずに天を仰ぐようなシーンもあった富山一だが、GK中村純四郎(3年)や牧野中心に我慢強く守ったことも勝因だった。

 ゲーム主将のMF高木俊希(3年)は「冷静に。ずっとボールを回されていたので、ボール持てないから慌てることなく、気持ちは集中してできていたと思います」と胸を張る。3回戦では、ボールを握られても集中する力と、最後まで集中する力も武器に前回王者・青森山田高に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

空中戦で観客沸かせた尚志15歳DFチェイス・アンリ「点を取れる選手になりたい」

途中出場で全国デビューを果たした尚志高DFチェイス・アンリ
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志高0-0(PK3-4)徳島市立高 駒沢]

 自慢の空中戦が炸裂するたび、駒沢の観衆は大いに沸き立った。尚志高DFチェイス・アンリ(1年)は全国デビュー戦の試合後、0-0で迎えたPK戦での敗北に「点を取れる選手になりたい」と覚悟を語った。

 0-0で迎えた後半20分、ベンチに控えていた期待のルーキーがセンターバックの一角に送り込まれた。「サッカーは学年とか関係なく、自分が出たら思い切りやらないと意味がない。そこを意識していた」。モチベーションは「点を取りたい」。セットプレーやパワープレーでチャンスを伺うつもりだった。

 しかし、相手のロングボールを後方で豪快に競り合う場面こそあれど、なかなか敵陣に入っていける場面はなかった。「センバ(センターバック)も楽しかったけど、FWで出たかった」。0-0で迎えたPK戦に敗れた試合後、そんな本音も口にした15歳は「自分はヘディングを持っているから、CKとかで点を取れる選手になりたい」と野望を語った。

 今大会を負傷のため登録外となっていたエースFW染野唯月(3年)は報道陣の取材に「1〜2年生はこの経験を糧に来年に向けて全国制覇を目標に頑張って欲しい」と期待を示した。そんな先輩の思いをアンリも受け継ぐ構えだ。「来年、再来年で優勝するため、3年生が負けたぶんまでしっかりやらないといけない」。その決意は残り2年間のピッチで表現する。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

「はるく」「れおん」に注目!全中優勝世代、日章学園高1年生レギュラーが市船撃破に貢献

MF葭岡遥来(左)とFW木脇蓮苑
[1.2 高校選手権2回戦 日章学園0-0(PK7-6)市立船橋 フクアリ]

 MF葭岡遥来(よしおか・はるく)とFW木脇蓮苑(きわき・れおん)。大会注目校の市立船橋を初戦で破った日章学園高のスタメンには、2人の1年生が名前を連ねている。

 2人は昨年度、全国中学校サッカー大会で日章学園を11年ぶりの日本一に導いた主力メンバー。高校に進学してからも葭岡は背番号7、木脇は同11を背負って、堂々としたプレーを披露している。

 市船戦でも張り詰めた空気の中で行われたPK戦で、木脇が5人目、葭岡が6人目のキッカーを任された。いずれも失敗したら終わりという状況下で、しっかりとした力強いシュートを蹴り込んだ。

 チームメイトも2人の堂々としたプレーぶりに感謝する。主将DF阿部稜汰(3年)は2人について、「自信を持ってプレーしてくれている」と評価。「判断がいいですし、いい緊張感でチームのプラスになるようなプレーをしてくれている」と信頼を語った。

 しかし2人は反省点も多かったと話す。木脇はミドルシュートなどを積極的に狙おうと思っていたが、なかなか思うようにいかなかったという。「明日は絶対に点を取りたいと思います」。

 葭岡は「メンバー外になった3年生の想いも背負って戦いたい」と気合を入れ直す。1年生で背番号7。奇しくも昨年夏の全中で破った相手である青森山田にいた今大会の注目ルーキーとして話題になっているMF松木玖生と同じだ。

 葭岡も「絶対に負けたくない」と意識を強めると、「山田とやることになったら絶対に勝ちたいと思います」と力強く話した。
 
(取材・文 児玉幸洋)
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丸岡はシュート1本完敗…エースFW田海主将「プロになることが恩返し」

丸岡高FW田海寧生(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 全国高校選手権2回戦 丸岡高0-3静岡学園高 駒沢]

 イメージは帝京長岡高——。高円宮杯プリンスリーグ北信越で1勝1敗の戦績だった大会優勝候補を思い出し、細かいパスワークとドリブルを武器とする静岡学園高に挑んだ丸岡高だったが、終わってみればシュート1本での0-3という完敗だった。小阪康弘監督は「前半を0-1で終えていれば……」と唇をかんだ。

 前半2分に相手アタッカーの強烈なドリブル突破を受けて失点。その後は相手の川口修監督も「ウチの出足が遅かったというより、相手が速かった」と舌を巻くプレッシングで中盤を締めたものの、40+2分の失点が勝負を分けた。警戒していたはずのMF松村優太(3年)にサイドを破られ、クロスから入った追加点。指揮官も「速かったですね……」と振り返るしかなかった。

 1回戦ではフィジカルを活かしてパワフルな攻撃を仕掛けてくる長崎総合科学大附高に3-2で逆転勝利し、2回戦で挑んだのは一転してテクニック系の静岡学園。「やっぱり1回戦と両極端というか、ウチの選手らはそこの対応ができなかったなと思いました」(小阪)。プリンスリーグの対戦イメージより、2日前の成功体験に殉じる結果となってしまった。

 前線で孤立しながらも存在感を放っていたFW田海寧生(3年)も「静学はうまいけど帝長(帝京長岡)と似ていると思ったので、相手が嫌がることをもっと80分間通して徹底する力があればスコアが違っていた」と相手対策に悔い。「奪ってから早く前線に送ること、良い守備から良い攻撃をもっと徹底できれば……」と肩を落とした。

 背番号10はエース兼主将として信頼してくれた指揮官に報いるためにも、この悔しさを次のステージに活かしていく構えだ。「高校3年間、小阪先生のもとでやれて自分も成長できたし、大学4年間頑張ってプロになることが恩返しだと思うので、そこを常に頭に入れて、先生を喜ばせる結果を届けない」。進学先は関東の強豪私立大。「入学までいい準備をして、4月からスタメン争いできる力を付けたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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[MOM3128]日章学園GK清原寛斗(2年)_夏の負けで守護神奪われた“努力のPK要員”

[MOM3128]日章学園GK清原寛斗(2年)_夏の負けで守護神奪われた“努力のPK要員”
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 高校選手権2回戦 日章学園0-0(PK7-6)市立船橋 フクアリ]

 夏のインターハイでは初戦となった2回戦の西京高戦をPK戦で落としていた日章学園高だが、冬は市立船橋高を逆にPK戦で下してみせた。

 夏の敗戦が活きた。インターハイの西京戦では、試合終了間際の失点によってPK戦に突入。さらにPK戦では一本も止めることが出来ずに敗れていた。当時、試合を通してゴールを守っていたのが、GK清原寛斗(2年)だった。

 清原にとって、この敗戦は更なる試練を生んでいた。同大会を終えるとレギュラーをはく奪。GK福山智仁(3年)に守護神の座を明け渡していた。

 1つしかないポジションを取り返すことは容易なことではない。そこで信頼を取り戻すために、考えたのが「武器を作ろう」ということ。力を入れたのが、信頼を失うきっかけとなったPKに取り組むことだった。

 そのために様々なことに取り組んだ。昨年度までの守護神の小原司さん(大阪体育大)にアドバイスを求めたこともあった。「威圧感を出す努力をしました」。結果、“PK戦専用のGK”として早稲田一男監督の信頼を回復させることに成功した。

 早稲田監督は清原について、「最近は大人しい選手が多いけど、少しやんちゃで勝負師のような性格。思い切りのいい読みをする」と評価する。“PK要員”にはもってこいということだ。

「先生にも言われていた気持ちで最後、片手一本で止めることが出来ました。3年生と代わったので、想いを背負ってプレーしようと思っていました。今まで頑張ってきたことが出せたと思います!」

(取材・文 児玉幸洋)
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守備のキーマンMF高木「いかに使わせずに外に追い出すか」。“14ゾーン”消した富山一が1-0勝利

守備面での奮闘光る富山一高MF高木俊希
[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

 3バックと3ボランチで“14ゾーン”を消した。富山一高(富山)は2回戦でポゼッションを得意とする神村学園高(鹿児島)と対戦。前半16分にMF高木俊希(3年)の左CKからDF丸山以祐(3年)が頭で決めた1点を守り切った。

 富山一は3バックと2人のWBが最終ラインを固め、その前方で3ボランチが中央のスペースを消していた。失点後から神村学園はボールを握る時間を増やしていたが、富山一は12月中旬のプレミアリーグプレーオフで東海王者のJFAアカデミー福島U-18や横浜FCユースというボールを繋ぐチームと対戦済み。「(プレミアリーグプレーオフで)上手いチームと対戦してどうやって守備をやっていくか頭に入っていた」(大塚一朗監督)というチームは、慌てることなく守り抜いた。

 大塚監督は「スペインとイタリアが対戦して、イタリアが勝つようなイメージ。自分たちが三角形になって、その外でボールを回させるのはいいと。“14ゾーン”のところに入ってきたやつをしっかりと奪って、それをカウンターに繋げられば」という。

“14ゾーン”とはピッチを18分割した際の自陣中央のゾーンを指す。大塚監督によると、サッカーの得点の9割はそのゾーンを通過。「そこを通過させなければ失点しない」という狙いから富山一はそのゾーンに3バックと3ボランチを配置し、そのスペースを最小限にしている。

 神村学園は攻撃時にアンカーのMF軸丸広大主将(3年)と右SB中島吏九(3年)、左SB下川床勇斗(2年)が並ぶ形で攻撃を組み立てていたが、軸丸は「崩しきれなかったので、相手の方が上だった」。“14ゾーン”への縦パスを富山一MF高木俊希(3年)に狙われるなど、ボールを失い、カウンターを受ける回数が増えてしまっていた。

 富山一にとって戦術上のキーマンは3ボランチの中央に位置する高木だ。アグレッシブに前に出てボールを刈り取ることが特長。この日はインターセプトしていた一方で出た背後のスペースを活用される時間帯もあった。だが、アウトオブプレーになった際などにDFの選手たちと出るタイミングを確認しながら修正。「相手は中盤の人数が多いので、中から攻めたいという意図は分かっていたので、そこで中を閉めて外へ追い出すというのは作戦通りだった」。相手を外へ追い出し、高木はそこにもプレッシャーに行ってクロスの精度を下げていた。また、そして中央で粘り強く弾き返すなど、狙い通りの守り。高木はボールを支配されても慌てず、集中して守り切ったことを喜んだ。

 ゲーム主将を務める10番は、“14ゾーン”を埋めるのは自分の役割だと考えている。「“14ゾーン”をいかに使わせずに外に追い出すかが鍵だと思います。そこのポジションを埋めないのは自分だし、“14ゾーン”を警戒しないといけない」。3回戦の対戦相手は、6ゴールで初戦突破した青森山田高(青森)。サイド攻撃やセットプレーでも強みを持つ前回王者からも狙いを持ってボールを奪い、カウンターやセットプレーで仕留める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

市立船橋無念のPK負け…湘南内定DF畑大雅「切り替えるまでに少し時間がかかる」

市立船橋はPK戦で敗れた
[1.2 高校選手権2回戦 日章学園0-0(PK7-6)市立船橋 フクアリ]

 チームを率いて初の選手権の舞台だったが、「比較的落ち着いていた」と心境を振り返る。しかしチームはスコアレスで突入したPK戦の末に敗戦。就任一年目の波多秀吾監督に率いられた市立船橋高は、初戦で姿を消すことになった。

 上手く対応されてしまった。エースFW鈴木唯人が徹底マークに遭うことは分かっていたが、それでもチャンスは作れていた。特に後半はサイド攻撃が機能しだし、DF畑大雅(3年/湘南内定)、DF木内拓海(2年)の両SBが高い位置に顔を出すことで、決定機を演出し続けた。

 しかしあと一歩、ゴールネットを揺らすという作業が出来なかった。ただ波多監督は「選手はよくやってくれたと思います」とイレブンを最後までかばった。「選手権は高校生にとって夢の舞台。出場することによって人生が変わる選手もいる。これからもそういう選手をサポートする存在でありたいと思います」。

 今年もJリーグ内定選手2人を抱えての出場になっていた。鈴木が封じられた中で、畑は右サイドで相手の脅威となり続けた。マッチアップしたDF阿部稜汰(3年)も「分析していた以上だった」と脱帽の突破力で会場を沸かせた。

 だが勝利に結びつかなければ意味がないことは本人たちが一番分かっている。「最後にこんな情けないゲーム。今年のチームを象徴していたと思います」と消え入りそうな声で話した畑。「正直、切り替えるまでに少し時間がかかると思うけど、来年湘南で開幕スタメンに絡んでいくことが、波多先生や関わってくれたコーチへの恩返しになると思って頑張っていきたいです」と声を絞り出した。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

インターハイ初戦PK負けからの猛特訓が実った!日章学園が難敵市立船橋をPK撃破!!

日章学園高がPK戦を制した(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 高校選手権2回戦 日章学園0-0(PK7-6)市立船橋 フクアリ]

 第98回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が2日に行われ、フクダ電子アリーナの第1試合では日章学園高(宮崎)が市立船橋高(千葉)を0-0から突入したPK戦を7-6で制し、3回戦に進出した。3日の3回戦では四日市中央工高(三重)と対戦する。

 地元・市立船橋高の初陣を観ようと、フクダ電子アリーナに詰めかけた観衆は実に1万1214人。市船のチャンス、ピンチの一つひとつに会場が沸き立つ異様な雰囲気の中で試合が行われた。しかし日章学園のイレブンは“人生初の経験”に驚きながらも、観客が多すぎたことで逆に開き直ることも出来ていたという。

 とにかく我慢の試合になった。予想通り市船がボールを支配してゲームを進めるが、中盤で持たせてもゴール前で決定的な場面を作らせることはない。逆に前半30分、FW鈴木陽介(3年)がドリブルで持ち込んでシュートを放つ。チャンスこそ少なかったが、強敵に臆することなく立ち向かった。

 市船も後半、右SBの畑大雅(3年)がより高い位置を保つようになったことで、攻撃に幅が出てくる。ただ21分、22分の連続した突破からのクロスが中とわずかに合わなかったこともあり、得点には結びつかない。後半35分からは主将MF町田雄亮(3年)を下げてまでして、4バックから3バックに変更。さらに両サイドを高い位置にやることで前線に厚みを持たせたが、スコアを動かすことは出来なかった。

 延長戦なしのPK戦に突入。先に仕掛けていたのは日章学園だった。試合終了直前に守護神の福山智仁(3年)に代えて、GK清原寛斗(2年)を投入。昨夏のインターハイで悔しい初戦PK戦負けを知るGKに交代して、“リベンジの舞台”に向かわせていた。

 そして互いに譲らず、7人目まで突入したPK戦。そこで清原が魅せることになる。FW松谷昂輝(3年)のキックに対し、右に飛んだ清原が枠外へと弾き出す。「気持ちで止めました」。その瞬間、雄たけびを上げながら大きくガッツポーズ。直後に蹴ったDF濱松凜(3年)がPKを決めた瞬間、応援席方向に駆けて行ったイレブンによって、歓喜の輪が作られた。

 タフなゲームに早稲田一男監督も疲れ切った表情で取材エリアに現れると、「どうしても格上の相手なので、守備意識を高めないといけなかった。本来のチーム力は出せなかったかもしれないけど、それだけ相手が強かったということ」とまずは相手を称えた。

 PKについては、夏のインターハイ敗退後、特に力を入れて取り組んできたという。普通に蹴るPKの練習はもちろん、GKに蹴る方向を言ってから蹴る“申告PK”で心を鍛えて、大会に臨んでいた。主将DF阿部稜汰(3年)も「この大会の前に東京に入ってからも毎日PKの練習をしていた。だからみんな自信を持って蹴れていた」と胸を張って答えた。

 市船との組み合わせが決まった段階で、ここが大きな関門となることは分かっていた。それだけにイレブンは達成感がある。ただここで満足するつもりはない。連戦との戦いでもある選手権。次戦は明日にやってくる。阿部主将は強調する。「自分たちの目標は市船に勝つことではない。あくまでも日本一になること。いい勢いに乗れると思うので壊さないようにしたい。次の試合も必ず勝ちたいと思います」。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

途中出場のFW吉田健太が決勝点!高川学園をゼロで抑えた仙台育英、15年ぶり3回戦へ

今大会初完封の仙台育英高が16強へ(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 仙台育英高1-0高川学園高 等々力]

 出場した3大会連続で選手権の2回戦で敗れている仙台育英高(宮城)にとって、3回戦進出は04年度以来15年越しのタスクだ。そして、高川学園高(山口)にとってもまた2回戦のカベに苦しんでおり、3回戦に進出すれば07年度以来12年ぶりとなる。

「重苦しい空気の中ではじまった」。仙台育英の城福敬監督は、そう感じ取っていた。実際、互いにシュートゼロで前半の40分は終了。ハーフタイム、城福監督は早くも交代枠を使う。「中山陸のヘディングの強さがもっと活きたらなと思っていたんですけど、セカンドボールをほとんど向こうに拾われていたので、スピードのある吉田(健太)」と、2年生FWの起用に踏み切る。

 後半に入ってスペースが広がりオープンな展開に。互いにドリブルでの突破が目立つにようになるが、アタッキングサードに入ってからのパス精度を欠いて決定機までには至らない。「1点取られたら取り返す力はあるのかなという不安は少しありました」と吐露した城福監督は、「とにかくゼロ(無失点)」を意識していたという。仙台育英はセンターバックのDF中川原樹(3年)が1回戦で退場処分となって出場停止に。代わってDF大塚俊輝(1年)を抜擢し、さらに足の状況が思わしくないDF内山恵達(2年)を休養させ、DF角田一期(3年)を起用。4バックのうち半分を入れ替えざるを得ない苦しい状況だったが、思惑どおりゴールを与えることなく時計の針は進んでいった。

 この試合最初の決定機を迎えたのは、途中出場の仙台育英FW吉田健太(2年)。後半29分に同じく途中出場のFW山口蓮(3年)の突破から、こぼれ球を狙ったがゴールマウスをとらえることはできなかった。それでもその3分後、MF豊倉博斗(2年)が左サイドからゴール前に放り込むと、吉田は頭でコースを狙いすます。「あまりない」というヘディングシュートで均衡を破ると、これが決勝点となった。

 5分に及ぶアディショナルタイムも含めて攻める高川学園だったが、最後までゴールを陥れることはできず、試合終了の笛とともに白と水色のユニフォームのイレブンはその場に崩れ落ちた。「決めきれれば……」と主将のMF内田裕也(3年)は声を振り絞った。

「強いよ」。続く3回戦で対戦する日大藤沢高(神奈川)の印象を語った城福監督だが、「選手権は何が起こるかわからない。優勝候補と言われた強豪チームもいくつか負けている。前評判とかだけでは簡単にはいかない」と意欲を見せ、「体を当てて、身を挺して、戦いをすると勝負はどちらに転ぶかわからないという話を(選手に)した」と明日の決戦を見据えた。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3125]國學院久我山GK村上健(2年)_“どうぞどうぞ”の最終キッカー「みんな『お前が蹴れ』と(笑)」守護神がPKを止めて決めてヒーローに!

勝利のヒーローとなった國學院久我山高GK村上健(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 大役は直前に決まった。勝利が懸かった7人目のPKキッカー。「みんなから『お前が蹴れ』って言われました(笑)」。國學院久我山高(東京B)のGK村上健(2年)が左足で放ったシュートは、相手GKに触られながらもゴール左へ。PKストップも見せた2年生守護神が攻守で見せ場を作り、チームを3回戦に導いた。

 前半から看板のパスサッカーで主導権を握っていた國學院久我山だが、トラブルが起きたのは後半11分。センターバックのDF加納直樹(3年)が裏へ抜け出そうとした専修大北上高(岩手)のFW阿部耀仁(2年)を倒して止め、2枚目のイエローカードで退場を命じられた。

 國學院久我山は10人となった後も攻撃の姿勢を貫き、カウンターのピンチも懸命にしのいで0-0でPK戦へ。「(フィールド選手が)PKまでつないでくれたことに感謝して、ここで自分が止めないと今日は何もできないまま負けてしまうと思ったので、自分が絶対に止めてやろうと思いました」。チームメイトの頑張りにGKの村上が応える。

 先攻の専修大北上3人目のキッカー、MF福浦瑠星(3年)のシュートコースを読み、左に飛んで見事にストップしてみせた。しかし、後攻の國學院久我山5人目のDF河原大輔(3年)が止められ、PK4-4でサドンデスへ。両チームの6人目が成功し、PK5-5で7人目を迎えると、専修大北上DF那須永翔(3年)のシュートはクロスバーの上に外れる。3年生を中心に選手間でキッカーを決めていた國學院久我山の7人目は、村上に託された。

 勝利が懸かる7人目のキッカーを巡っては、選手たちで譲り合うようなシーンもあり、のちに清水恭孝監督が「(7人目は譲り合っていた?)そうですね。多分、(ともに2年生の)大窟(陽平)も田中(琢人)も蹴りたくないと、村上に蹴らせたと思います(笑)」と冗談まじりに語っている。

「(相手の)7人目が蹴り終わった後に、みんなから『お前が蹴れ』って言われて、その時に決まりました(笑)。本当は一番最後に蹴ると思っていたので、いきなり言われてビックリはしたんですけど、最後のキッカーを任されたので絶対に決めてやろうと思いました」(村上)

 緊張を感じつつも、「あまり考えちゃうと力んで思ったコースに蹴れないと思ったので、とにかく無心で自分たちが後攻とか先攻とか関係なしに、ただ1本蹴ろうという気持ちで蹴りました」という村上。ただ、突然の大役に蹴るコースのことまで考える余裕はなく、打ったシュートが相手GKの手に触れて一瞬ヒヤリとした。

「いきなり自分がキッカーって言われてボールを置くまでコースまでは考えてなかったので、甘いコースにはなってしまったんですけど、決められてよかったです(笑)」

 12月30日の開幕戦・前原高(沖縄)戦(8-0)のド派手なゴールラッシュから一転し、2回戦はスコアレスからPK戦を制しての辛勝。「全国なのでああいう勝ち方だけではなく、こういう苦戦も強いられるのは前から分かっていたので、これで決してネガティブにならずに前向きに挑もうと思います」。今回の経験もプラスにとらえて次の戦いに臨む。

 3回戦の相手は昌平高(埼玉)に決まった。國學院久我山と同じくパスワークを武器とし、個々のスキルも高い。「攻撃陣のドリブルが本当にすごいチームだなという印象があって、自分たちの代の須藤直輝(2年)くんが1人でディフェンスラインを打開する力を持っている」。相手の攻撃力を警戒する村上は「(チームが攻め込まれて)あまり自分が止める場面が多いのは良くないですけど、それでも最後の砦として、少しでもチームに貢献できたらなと思います」と活躍を誓った。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3126]徳島市立GK米田世波(3年)_全球読み通り!“PK4連勝”GKの本音「一番は点を取って勝ってほしい」

徳島市立高GK米田世波(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志高0-0(PK3-4)徳島市立高 駒沢]

 夏の勝ちパターンを支えた“PK専用GK”が、冬の大舞台でも輝きを放った。相手のペナルティキック2本をストップした徳島市立高GK米田世波(3年)は「気持ち良かった。完全にタイミングが合っていたので」と“してやったり”の表情を浮かべた。

 今夏のインターハイは3連勝で8強入り。勝利はいずれも0-0で迎えたPK戦を制したものだったが、そこで名を馳せたのが米田だった。正守護神には背番号1を着ける万能GK中川真(3年)が君臨するものの、同点の試合終了間際には毎回背番号17の米田と交代するという流れ。1回戦からの3試合で出番を得た控えGKは、3試合で合計5本のキックをストップした。

 もっともそんな米田も今大会、PK専用GKという立場さえ確約されたものではなかった。河野博幸監督は振り返る。「こっち来る前まであまりPKも調子が良くなくて、中川で行こうと思っていたけど、昨日の感じを見ると米田かなと」。元日の練習を終えるまでは、夏の必勝ルーティーンに手を加えることも考えていたという。

 それは米田自身も感づいていた。「若干はしたっすね。ちょっと調子悪かったので」。それでも「昨日の練習で最後に確認した時にちょっとは戻ってきた感じがした。自信はあったので調子が悪くても本番は止められると思っていたし、そこは気にしなかった」と真摯に準備を進めてきていたようだ。

 そうして迎えた選手権初戦の2回戦、夏同様に0-0で試合が進んでいくと、米田は後半35分過ぎにウォーミングアップのペースを上げた。「夏があってからの冬なので、実績があった上で試合に出ることができる。負けたらアカンなと思っていた」。後半40+2分、緑のユニフォームに身を包んだ背番号17が満を持してピッチに入った。

 この日のPK戦は不利とされる後攻。そのうえ夏に3度のPK戦をこなしていることもあり、相手ベンチからはデータを共有する様子も見られた。それでも「クセとかないんで、気にしなかった」ときっぱり。それどころか「楽しもうと思って。今までしてきたことに自信を持って出た」と気持ちを昂らせながら決戦に向かった。

 相手のキックは5本。すべてが読み通りのコースだった。「今日はめっちゃ見えていた。相手の動きをよく見ている」。3本目までは伸ばした手の先をボールが通過していったが、4本目と5本目はドンピシャのセーブ。「みんなPKとか考えず、試合に出た人が頑張ってくれた。一生懸命に走ってくれたからPKに繋がった」。殊勲の控えGKは試合後、仲間への感謝を語った。

 米田はかつて、中川の厚い壁に阻まれる中で「うますぎるんで…」と退部を考えたこともあったという。それでも「普段はめっちゃ仲が良い。サッカーの時はお互い高め合う感じのライバル」という相棒と切磋琢磨する道を選び、「お互いに長所があって、伸ばしてきたんで」と誇れる関係性となってこの大舞台にたどり着いた。

 だからこそ、自身の活躍のためだけにPK戦を待ち望むという発想はなく、中川がピッチに立ったまま勝利してほしいという気持ちさえあるという。「PKで勝つことは嬉しいけど、僕としてはなんだろう……。PKが来たら来たでいいですけど、やっぱり一番は点を取って勝ってほしいっていうのがあるんです。後ろがゼロで抑えて。次はそれを期待しています(笑)」。奇跡のようなPK戦4連勝は肩肘張らない“2番手”によって支えられていた。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3127]鵬学園GK前原瑞穂(3年)_京都橘相手に「神がかった」守護神、スランプだったPKも連続ストップ!!

PKを連続で2本止めたGK前原瑞穂(3年)がMOM(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 鵬学園高1-1 PK4-3京都橘高 オリプリ]

 インハイ4強・京都橘撃破の立役者だ。PK2本を阻止したGK前原瑞穂(3年)が鵬学園高(石川)に全国初勝利をもたらした。前半からダイナミックなファインセーブを続け、前半19分、前半34分にFW梅村脩斗(3年)の決定的なシュートを弾き出した。「勝てる雰囲気しか感じなかった」と仲間を信じ、劇的な同点劇からPK戦を迎えた。

 集中力は研ぎ澄まされていた。相手の助走を見極めた前原は先行・京都橘のキッカー1人目を完全に読み切り、左に横っ飛びしてかき出した。続く2人目のキックも読みが当たり、今度は逆方向に飛んで阻止し、2人連続のストップ。PK4-3で競り勝ち、鵬学園を3回戦に導いた。

 小・中学生まで得意だったというPK戦は、高校に入ってからストップ率が低下。県予選のPK戦では後輩の“PK専門GK”に交代する試合もあったという。しかし、そんなスランプを感じさせない大一番での華々しいパフォーマンス。全国を意識して積み上げてきた努力が実り、勝負強さを発揮した。

 この試合は序盤から当たっていただけに、「迷いなく送り出した。PKもいけるなと思いました」と赤地信彦。その期待に応えるように、2本をストップした前原を「神がかってましたね。今日のゲームは神がかっていた。あんなにPKを止めたのを初めて見ました」と手放しで称えた。

 殊勲の守護神は栃木県の出身。「中学の終わりくらいに、県外で自分が成長して高校サッカーの全国大会に出て活躍するという目標を立てた。自分たちが歴史を変えようと思って来ました」。星稜高を倒す目標を掲げ、縁があった鵬学園に進学。名門撃破を成し遂げて全国への道を切り拓くと、今度は歴史を塗り替える選手権初勝利を挙げた。

「栃木から石川にきて、親にも迷惑をかけてきた。絶対に全国大会に出て、親に恩返しをすると決めていた。その中で強い相手に勝って勝ち進めたのは嬉しいです」。千葉県のゼットエーオリプリスタジアムに駆けつけた両親に見守られる中、ヒーローになった。

 次戦の相手は奇しくも矢板中央高(栃木)に決まった。もちろん、栃木を出た時から意識してきた相手だ。「今日みたいなプレーをして、失点しないことが目標。PKになったらしっかり止めて勝ち上がりたい」。描いた未来を現実に変えた強心臓の守護神は、続くチャレンジに向けて闘志を燃やした。

(取材・文 佐藤亜希子)
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[MOM3121]筑陽学園DF今田光(3年)_オーバーラップにロングスローにシュート!攻撃センス溢れる左SB

決勝点を挙げた今田光(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 草津東1-2筑陽学園 味フィ西]

 草津東高(滋賀)は筑陽学園高(福岡)のサイド攻撃を警戒していた。「9番・過能工太郎(3年)、19番・藤隆成(3年)の両サイドにかかるSBのオーバーラップ。10番・寺岡聖斗(3年)をきっかけに長いボールが入ってくると、うちはバランスが崩れるかなと思っていたので蹴らせないように、そしてサイドで数的不利にならないように」(草津東・牛馬哲郎監督)。

 その目論見はある程度当たったといっていい。筑陽学園の青柳良久監督も「1回戦ではできていたサイド攻撃がガードされていた」と認める。

 しかし、筑陽学園の両SBはサイドのオーバーラップだけが得意なわけではなかった。右SB古賀健琉(3年)はプレスキッカーも務め、後半13分には右CKからのグラウンダーのボールに合わせ強烈なシュートを放っている。左SB今田光(3年)も、前半にゴール正面からあわやというミドルシュートを放った。加えて2人ともロングスローができる。アシスト役としてもフィニッシャーとしても攻撃の重要なオプションになっていた。

 その2人が輝いたのが後半37分。FKのキッカーとして古賀がゴール前に入れ、跳ね返ってきたボールを右サイドから持ち込み、相手DFを股抜きで抜き去り、マイナスのパスを供給。これをゴール中央で待ち構えていた今田が右足でシュート。ヒットしたとは言い難いが「コースにいってくれた」ボールは草津東ゴールの右隅へ。じりじりと押し込んでいた筑陽学園の攻撃のリズムを結実させる決勝ゴールだった。

「まだまだ、みんなと1試合でも多く試合がしたい。今日は前半受けに回ったサッカーをしてしまったので、次はしっかり自分たちのよさを出した積極的なサッカーをしていきたいです」(今田)。

 難しい試合の勝利をたぐり寄せた右足。勝てば勝つほど相手からの警戒度は高まるが、この試合の反省点である「積極性」を前面に出して超えていけるか。筑陽学園が躍進するキーポイントはここにある。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

出場3回全て2回戦越え!筑陽学園が両SBによるアシスト&ゴールで草津東に逆転勝利

筑陽学園が逆転で3回戦へ(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 草津東1-2筑陽学園 味フィ西]

 筑陽学園高(福岡)が試合終盤に決勝ゴールを奪い逆転勝利。前回出場の第87回大会と同じく3回戦へ駒を進めた。草津東高(滋賀)は幸先よく先制し、組織的な守備も機能したが、ギリギリの攻防に敗れた形となった。

 筑陽学園の青柳良久監督が「ボール際に行けなかったため、試合の入りが悪くなった」と振り返る。とはいえ、それでも勢いのあるボール際の寄せに草津東も自由にできない。

 草津東の牛場哲郎監督は「筑陽学園さんのサイド攻撃、縦への速い攻撃をだいぶ削れたと思う。その分析したことを実践してくれたことは評価したい。組織で守ることを体現してくれた。ボールは持てるが、シュートが少なかった。相手陣でプレーできる時間帯があったぶん、それを活かしきれなかった」と言う。守備はスカウティングが機能。攻守の切り替えの早さも随所に見せたが、球際の厳しさに苦戦したというところか。

 先制点は草津東のセットプレーからだった。前半25分、左CKのボールをキャプテンのFW渡邉颯太(3年)が右足で合わせ、均衡状態を破る。初戦に続くゴールだったが「嬉しかったけど、気を引き締めないとやられると思ってました」と圧力を肌で感じていたようだ。

 そして時間が経つごとに筑陽学園の圧力が増す。前半残り5分あたりから寄せがさらに激しくなり、39分に左サイドからPA内でボールを受けたFW岩崎巧(2年)が倒されてPKを獲得。これをFW過能工太郎(3年)がきっちり決め、同点で折り返した。

「同点に追いついたのは大きかった。いつもだったら失点後バタバタしてるのが今シーズンでしたが、子どもたちが修正できているのではないかと」(青柳監督)

 後半も前半同様に膠着した状態が続く。しかし、草津東の体力が落ちてきたか、徐々に筑陽学園がフィニッシュまでたどり着くように。しかし、草津東GK長澤輝(3年)の好セーブもあってスコアが動かないまま終盤に入った。

 勝負を決めたのは筑陽学園両SBだ。後半37分、右SB古賀健琉(3年)が自らFKを蹴って跳ね返されたボールを拾ってドリブルで粘る。右サイドのエンドライン際で相手DFをはがすと、グラウンダーでマイナスに折り返し、左SB今田光(3年)が合わせてゴール。流れが偏らない難しい試合に終止符を打った。

 草津東は、過去2大会連続初戦で青森山田高(青森)と当たり、0-5、0-6で大敗してきた。その過去を払拭する1回戦勝利を経ての2回戦進出だった。「ちょうど1年前の今日から全国で勝つためにチームを作ってきた。正直悔しいです」と牛馬監督。しかし、全国で戦う意識を根付かせ階段をひとつ登ったことは事実だ。

 一方、筑陽学園は選手権3回目の出場で全て2回戦を突破。「一戦一戦、戦うだけ」と青柳監督は言うが、選手権での強さはこれもまた事実。3日の徳島市立高(徳島)との3回戦に勝てば、「選手権に強い筑陽学園」のイメージはますます強くなる。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

注目初出場校・興國は初戦敗退。下を向かず、「伸び率を一番上げられる相手」から得たことを今後へ

いずれもJ1クラブが注目する興國高の2年生GK田川知樹と2年生FW樺山諒乃介。全国で得た経験を飛躍に繋げる
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 注目の初出場校・興國高(大阪)の内野智章監督は「長い目で見たら興國にとって最高。ここから伸び率を一番上げられる相手やった」と評し、初陣で昌平高(埼玉)と対戦できたことについて感謝した。

 近年、連続で複数のJリーガーを輩出し、今年はOBのFW古橋亨梧(神戸)が日本代表初選出。「育成チーム」として先に名を上げた興國がついに全国初出場を決め、注目される中で初戦を迎えた。

 前半は後方から正確にボールを動かし、クロスまで持ち込んだり、MF下村和暉(3年)の落としにU-17日本代表候補FW樺山諒乃介(2年)が走り込むシーンなどがあった。なかなか相手のダブルボランチの背中を取ることができないなど思うような展開に持って行くことはできなかったが、守備時のポジショニングなどタスクを実行して0-0ターン。だが、後半立ち上がりに自陣PAでボールを奪い返されて先制されると、11分にもビルドアップでのミスを突かれて0-2と突き放された。

 後半はMF南拓都(2年)のドリブル突破から樺山が左足シュートを放つシーンもあったが、シュート計2本で無得点。内野監督は何人からの選手が冷静さを欠いて前のめりになってしまったことを残念がった。

 一方で「(相手のキック技術の高さに選手から『マジか?』と声が聞こえたり)戦略的に蹴らしているけれど、相手の方が技術が上だった。(昌平は)この舞台でやれる最高の相手じゃないですか。(何となく勝ってしまうのではなく)こっち(敗戦)の方が彼らは上手くなる」とコメント。大阪、関西では体感できないような質を持つ関東の技巧派・昌平との対戦、そして敗戦が選手たちの才能を引き伸ばすと分析していた。

 樺山や前半にビッグセーブを見せたGK田川知樹(2年)、U-17日本代表FW杉浦力斗(2年)ら攻守にタレント揃う2年生は来年の躍進を誓う。樺山は「ここで(昌平に)火をつけてもらった。これからの細かいところの練習とか変えていく必要性を感じました。(試合後のロッカールームではみんな) 『来年やったろう!』と言っていた。どこが来ようが圧倒したい」と力を込めた。

 また、田川は「シュートシーンも多く作られましたし、1対1の強さがまだまだ足りなかったと感じて、僕はまだ2年なのであのレベルに到達して次は倒したい。きょうのことは絶対に忘れないでしょうし、高めないといけない部分がはっきりと分かったのでそこに向かって頑張ります。(1年で昌平を)越えます。(個人的には)シュートストップやクロスのところをまた磨いてこの舞台に帰ってきたい」と意気込んだ。注目対決で敗れて初戦敗退。だが、感情的になるつもりはない。才能たちは下を向くことなく全国で体感したことを冷静に分析し、個人、チームの飛躍に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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[MOM3124]静岡学園MF小山尚紀(3年)_プライドと進化の2発「静学に来た時はドリブルだけの選手だった」

静岡学園高MF小山尚紀(3年)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 丸岡高0-3静岡学園高 駒沢]

 切れ味鋭いドリブル突破に加え、クロスに飛び込むパターンも披露。静岡学園高の左サイドを担うMF小山尚紀(3年)が前半の2ゴールで勝利を手繰り寄せた。「中3の時に練習試合をして、ショートパスとドリブルのサッカーに魅了された」。滋賀県からやってきた技術自慢の18歳がサッカー王国に日本一を取り戻す構えだ。

 前半2分、まずは武器としてきたドリブルで魅せた。起点となったのは同じ滋賀セゾンFC出身のDF西谷大世(3年)。「中学時代からチームメートなので。タイセは非常にキックがうまく足もとがあるので、走り出したらスルーパスが出るかなと思った」。相手の中盤ブロックをフリーランでかわすと、あとはDFを抜き去るだけだった。

「細かく触りながらどんどん前進していくのが特長」。そう自己分析するドリブルの性質はスピード系というよりテクニック系。このシーンでも相手DFが目の前にいたが、正確なタッチと加速でかわし切り、最後はGKのいないコースへ冷静に決めた。「セゾンの時からドリブルにはプライドを持ってやっているので、誰にも負けたくない」という矜恃も見える1点目だった。

 2点目は前半アディショナルタイム2分、今度は進化を示す一発となった。右サイドを駆け上がったMF松村優太のクロスに対し、ゴール前に飛び込んで合わせた形。「セゾンから静学に来たときはドリブルだけの選手だった。その中で点を取らないと周りからも評価されないし、指導者からもよく言われていたので、いろんな形で点を取れるように練習していた」。そんな鍛錬の成果を全国の舞台で見せつけた。

「自分が点を取ればチームの勝利が自ずと近づいてくるので、ゴールでチームに貢献したい」。そう語る背番号14は今大会3点目。鹿島アントラーズ加入が決まっている松村に世間の注目が集まっている中で、それ以上とも言える目覚ましいパフォーマンスを見せている。

 それでも松村へのリスペクトは欠かさない。「いつも優太はすごいなと思うし、優太が行けているときは自分も行けないとダメだなと思っている。この大会は優太がすごくマークにつかれていて、自分はあんまりつかれていない気がするので申し訳ないというか、ありがたいというか…」。今後も右サイドの10番に警戒が集まる限り、小山の量産体制は止められそうにない。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3123]日大藤沢DF吉本武(3年)_「手綱を握っていてもゴール前に」、超攻撃的SBが1G1A

選手権を楽しんでいるという日大藤沢高の左SB吉本武((写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 日大藤沢高3-1広島皆実高 等々力]

 左右のサイドバックが高い位置をとって攻撃の起点になる。さらに、ゴール前に切り込んで得点にも絡む。元来攻撃的な選手である、左SB吉本武(3年)と右SB岡田怜(3年)は、日大藤沢高(神奈川)の攻撃サッカーに欠かせない存在だ。

「攻撃に関しては水を得た魚」。この日、1ゴール1アシストの活躍を見せた吉本を佐藤輝勝監督は形容する。「守備はちょっと苦手な部分がありますけど、うちは良いところを伸ばす」のが、指揮官の方針だ。その特性を「手綱を握っていてもゴール前に行っちゃう」と冗談交じりに評した。

 得点のシーンでもサイドバックらしからぬプレーが見られた。FW平田直輝(3年)がペナルティエリア内でシュートモーションに入っても吉本は足を止めず、ゴール前に突進する。平田のシュートは力なくゴールに向かったところを、吉本がコントロール。「直輝のシュートのこぼれ球を狙おうと思っていたので、つめていてよかったです」。そのままボールをさらい、GKまでかわして無人のゴールに流し入れた。「冷静でした」と巧みなゴールを振り返って、吉本は笑みをこぼした。

 さらに、広島皆実を突き放すゴールも背番号5の左足が起点となった。左サイドを突破すると、中央をしっかりと見てからファーサイドのFW平田直輝(3年)へ、「練習であそこにくれとすごい言われる」ピンポイントクロスを送る。「相手のGKの肩らへんを狙いました」(平田)というシュートは、クロスバーに当たりながらゴールネットに吸い込まれた。

「もともと中盤をやっていた」吉本は日大藤沢1年生のときにサイドバックにコンバート。ドイツ代表として100試合以上に出場し、両サイドバックに加えてボランチもこなす「(フィリップ・)ラームをよく見ろと言われた」。個人的には「(アンドリュー・)ロバートソンあたりを意識しています」と、昨季11アシストを記録したリパプールが誇る攻撃的左サイドバックの名前を挙げた。

「持久力は自信がある」という吉本だが、3-1となった後にお役御免となった。「クリスマスのときに風邪を引いちゃって……。試合中も咳がすごくて」とコンディションに難があったことを明かす。「今日は見せていないですけど、キックが自分の持ち味なので、一発の展開はこれから見せていこうと考えています」。超攻撃的SBが真価を発揮するのはこれからだ。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3122]今治東FW高瀨太聖(2年)_まず2ゴール!!県大会得点王から選手権得点王へ

高瀨太聖があいさつ代わりの2ゴール(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 山形中央0-2今治東 味フィ西]

 愛媛県大会得点王として選手権に乗り込んできた今治東中等教育学校(愛媛)のFW高瀨太聖(2年)。予選後は左太もも裏に張りがあったものの、この日に備えてきっちり仕上げてきた。「試合に入るまでは緊張がありましたが、いざ始まってみると身体が軽く感じられました」。

 本人にそこまで自覚はなかったものの、チームとしての緊張は隠しきれない立ち上がりだった。その硬さをほぐすゴールが前半24分に生まれた。「6番の尾上哲史(3年)選手からボールが来て、最初ちょっと入りすぎたんですけどすぐにポジションを取り直して。自分らしく一瞬のタイミングで相手を外せたので、いい感じでゴールできました」。

 2点目も尾上のボールから。「尾上選手からのボールを合わせるだけだったので、俺はなにもしてないです」
 先輩とはいえチームメイトを「6番の尾上選手」と言うあたり、メディア向けに丁寧にしゃべってくれているのか、まだ緊張しているのか、はたまた自然体なのか、いまいち読み取れない。このあたりに個性がうかがえる。

「尾上選手とは普段から練習していたので、ここに来ていい感じになって。自分も出したり、出してくれたり。あと、今日は長井季也(3年)選手から背後に出してくれるパスがあまりなかったので、明日はそれがひとつの起点になると思います」。

 得点に対しては貪欲だ。「県で得点王になるより全国で得点王になりたい。明日は背後をしっかりとって自分が起点となってクロスの入るタイミングなど、一発で決めたいです」。

 岡田メソッドは学校を離れたところでも学んでいた。「岡田さんからはU-16のFC今治のトレセンに参加させてもらって、タイミングや技術をひとつひとつ教わりました。いつもは土のグラウンドで練習してますが、芝のグラウンドを用意してくれたり、ボールも用意してくれたり環境面でも助けられました」。

 成長したと思う点は背後の取り方、ボールの収め方、クロスの入り方。これらは今治東に来てから身につけた。「最初は技術とかもなくて一から監督に教えられて。最初はダメ出しもよくされましたが、最近はいい感じでコミュニケーションとれてやれてます」。

 全国の舞台でゴールを挙げた感想は?の質問の時だけ顔がほころんだ。「会場のワーっていう歓声がいつもと違う感じだったので、まだあの歓声を浴びたいので明日もまた決めたいです」。

 2020年初戦を「いい感じ」で乗り切った高瀨。谷謙吾監督も「自主練でやってきた成果」とこの試合のゴールを喜ぶ。選手権得点王へまず2点。真価は次の試合で問われる。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

“岡田メソッド”を引っ提げ山形中央を攻略!今治東が選手権初出場で初勝利

今治東が初出場初勝利(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 山形中央0-2今治東 味フィ西]

 選手権初出場となる今治東中等教育学校(愛媛)が、堅守が持ち味の山形中央高(山形)を攻略して前後半1点ずつを挙げての勝利。静岡学園高(静岡)との3回戦へ進んだ。

 今治市にある高校からは初めての選手権出場。「初めてこの場所にきて前半は硬かった。私の想像を超える緊張感があったんだと思います。そのなかで立ち上がり、DF大谷一真(3年)を中心に持ちこたえた中で、徐々に挽回できたことが先制点につながったと思っています」(今治東・谷謙吾監督)。

 立ち上がりこそ硬さが見られたものの、時間が経つにつれ、徐々に形を作っていった今治東。前半24分、左サイドからFW尾上哲史(3年)のクロスをFW{高瀨太聖(2年)が反転してDFをはずし、右足を振り抜いてゴール。この先制点が今治東にとっては緊張の硬さをほぐすことにつながった。一方、山形中央にとっては、粘りの堅守が破られたことで少なからぬ動揺がもたらされたかもしれない。

「先制の場面はよかったが、ほかの部分でもたもたしていたところがあったのでハーフタイムに修正しました。後半の入りはよかったと思います」(今治東・谷監督)。後半に入ると今治東の前線からのプレスが効き始める。執拗なチェイシング、数的優位を作ってボールホルダーを囲むなど、山形中央に自由を与えない。

 さらに、相手の出方に柔軟に対応したバリエーション豊かな攻めも展開するように。すると後半15分、高瀨と尾上がボールをつないで、最後に高瀨が左足でシュートしてゴール。貴重な追加点を挙げた。結局守っては山形中央のシュートを試合通じて1本に抑え、効果的な得点もあって2-0で勝利。見事、選手権初勝利を記録した。

「13年ぶりの出場ということに意識はありました。1勝して喜んでほしかった」と山形中央の羽角哲弘監督は悔しい表情。山形県勢としては第85回大会に羽黒高が勝利して以来13連敗。選手権でのゴールもこれで9大会連続ゼロ。1勝すること、そして1ゴールを挙げることの重圧は年々高まっているのかもしれない。

 一方で、愛媛県も過去3大会初戦敗退&無得点という苦しい時期を過ごしてきた。この苦境を脱するきっかけになったのが、2019年にJ3昇格を決めたFC今治の存在だ。元日本代表監督の岡田武史氏が代表取締役会長を務め、クラブで作られたメソッドを地元に展開。コーチが巡回し、そのメソッドの浸透をはかってきた。

 今治東もその教えを受けている。「岡田さんが来られてからコーチが巡回してくださるのでコミュニケーションをとってきました。大体の流れは我々も学習できて新鮮ですし、ありがたいです。よく“守破離”という言葉を使うのですが、その“守”の部分を徹底して伝えていただいています。育成年代の基本、主にサポートや守備といったところです」。

 この日は岡田氏も試合を観戦。谷監督の功績を讃えつつ、「ひとつの成果だと勝手に思っている。全国で結果を出すことでインパクトを与えてほしい」とコメント。地域でひとつのサッカーの「型」を作り上げようとしてる新たな試みが、この試合でお披露目されたことは間違いない。次は名門・静岡学園との1戦。「失うものはない」と繰り返した谷監督。どのような試合展開になるか、注目だ。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

数的優位の29分間を生かせず…初出場の専大北上、2回戦敗退も「十分やれることを示してくれた」

PK戦の末に敗れた専修大北上高(岩手)
[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 1人多い状況で29分間を戦った。しかし、専修大北上高(岩手)はPK戦の末、國學院久我山高に敗れた。チームを率いる小原昭弘監督は、「もっと上に連れていってあげたかった」と悔しさを滲ませた。

 前半をスコアレスで折り返すと、後半11分に抜け出そうとしたFW阿部耀仁(2年)がDF加納直樹(3年)のファウルを誘う。2度目の警告を受けた加納は退場し、専修大北上は数的優位に立った。当然、「一つ取りに行こうと話した」と1人多い状況を生かしてゴールを狙いに行った。

 しかし、フィニッシュまで持ち込めない。交代カードを使って流れを変えようとしたが、「なかなかうまく回らなかった」。試合終盤には1人少ない國學院久我山に押し込まれた。GK高橋諒朋(3年)の好セーブでしのいでPK戦へと持ち込んだが、数的優位を生かして前後半の80分間で勝負を決められなかった。

 そして7人目までもつれ込んだPK戦では、2人が失敗して5-6で敗れた。「自信を持って選んだ選手たち。そこは仕方ない。1人多くなったのに選手たちが受け身になってしまったので、こちらのアプローチの仕方が悪かったと思う」と反省を口にした。

 初出場ながらも、31日の1回戦・龍谷戦で3-1の勝利を収めた。「一つ勝って十分やれることを示してくれた部分は、選手たちが努力してきた結果。これをスタンダードにして、より高みを目指せるチームにしていきたい」。歴史的な白星をきっかけに、さらなる進化を遂げて再び全国の舞台に戻ってくる。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

「思った以上に相手のスキルが高かった」6年ぶり出場の熊本国府は初の初戦敗退

ボールを追う熊本国府DF松元俊介(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 帝京長岡高 3-0 熊本国府高 ニッパツ]

 6年ぶり3度目の全国選手権は初の初戦敗退に終わった。熊本国府高(熊本)はJ内定者3人を擁する帝京長岡高(新潟)に0-3の完敗。佐藤光治監督は「思った以上に相手のスキルが高く、落ち着きや判断の部分も想定はしていたが、ゴール前で耐える時間が長かった」と振り返った。

 シュート数だけを見れば5本対8本と大きな差はなかった。しかし、狙っていたセットプレーのチャンスを生かせず、無得点。佐藤監督は「要所要所で決定機を決めてくるチームとワンチャンスで決められないチームの差が出た」と唇を噛んだ。

 シュート0本に終わった1トップのFW久野海静(3年)が「ヘディングや対人で競り勝つことはできたけど、シュートまで持ち込むことができなくて申し訳ない」と悔やめば、DF松元俊介(3年)は「前半を無失点に抑えて後半勝負に出たかったけど、(前半で2失点して)悔しい。(帝京長岡は)中央の崩しがうまくてマークに付け切れなかった。3人目の動きに付いていけなかった」とうなだれた。

 この日のスタメンのうち5人を2年生が占めた。佐藤監督は「全国大会に連続で出る形をつくらないと、次の子供たちにつながらない。1、2年生は全国大会の雰囲気を分かったと思うけど、次の年も(出場権を)取らないと意味がない」と力を込める。熊本県予選決勝で大津を破り、6年ぶりにつかんだ全国切符。熊本連覇を目指す後輩たちへ、久野は「自分たちは引退するけど、2年生も半分いる。来年もこのステージに立てるように頑張ってほしい」とエールを送った。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

食中毒に見舞われた広島皆実、指揮官はイレブン称える「動揺したかもしれないけどプラスに変えてくれた」

反撃及ばず、広島皆実高は2回戦で敗退(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 日大藤沢高3-1広島皆実高 等々力]

 08年度に全国高校サッカー選手権制覇を遂げている広島皆実高(広島)だが、直近4大会は初戦敗退と苦しんでいる。6年ぶりの初戦突破を期するチームに、衝撃が走った。

 12月31日の夜、広島皆実のサッカー部員44名が食中毒になり、病院に搬送されたことが各メディアで報じられた。選手権のメンバーに登録されている選手は、食中毒症状が出たところとは別の場所にいたため、日大藤沢戦のメンバーが組めないという事態には至らなかったが、精神的な影響は避けられなかった。

 仲本洋平監督によると、「昨日(1日)の段階では2人入院」していたといい、42名の部員は宿舎で日大藤沢戦を見守ることに。等々力競技場のスタンドで応援していたのは「サッカー部以外の生徒、サッカー部は3年生で引退した生徒」だった。日大藤沢が地元・神奈川県での試合ということもあってホームのような雰囲気になったが、広島皆実スタンドからの声援は最後までイレブンの背中を押した。

 試合は2点先行される苦しい展開となったが、10番を背負うMF田中博貴(3年)のドリブル突破などで盛り返していく。「うちのペースに少しずつなったかなと思います。前半の終わりから後半の立ち上がりにかけて」(仲本監督)。後半5分にはFW岡本拓海(3年)がPKを沈め、反撃ムードが高まっていたが、日大藤沢にダメ押し弾を許してしまった。「もう1点取られて、向こうのほうが上手だったと思う」。

 同校として15回目の選手権を戦い終えた指揮官は、「生徒の体調が回復することを祈りつつ、我々が勝つことがBチームのためだという思いを生徒も持ってくれているので。動揺した部分もあるかもしれないですけど、これをプラスに変えてやりきってくれたとは思います」と戦い抜いたイレブンを称えた。

 日本一を掲げる日大藤沢の印象を「広島県にはないチーム」と評した仲本監督は、「年間を通して、常に全国を意識するというか。1人1人の成長をもっとさせていきたい」とレベルアップを誓っていた。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

食中毒に見舞われた広島皆実、指揮官はイレブン称える「動揺したかもしれないけどプラスに変えてくれた」

反撃及ばず、広島皆実高は2回戦で敗退(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 日大藤沢高3-1広島皆実高 等々力]

 08年度に全国高校サッカー選手権制覇を遂げている広島皆実高(広島)だが、優勝した年を最後に、6大会連続で初戦敗退と苦しんでいる。11年ぶりの初戦突破を期するチームに、衝撃が走った。

 12月31日の夜、広島皆実のサッカー部員44名が食中毒になり、病院に搬送されたことが各メディアで報じられた。選手権のメンバーに登録されている選手は、食中毒症状が出たところとは別の場所にいたため、日大藤沢戦のメンバーが組めないという事態には至らなかったが、精神的な影響は避けられなかった。

 仲本洋平監督によると、「昨日(1日)の段階では2人入院」していたといい、42名の部員は宿舎で日大藤沢戦を見守ることに。等々力競技場のスタンドで応援していたのは「サッカー部以外の生徒、サッカー部は3年生で引退した生徒」だった。日大藤沢が地元・神奈川県での試合ということもあってホームのような雰囲気になったが、広島皆実スタンドからの声援は最後までイレブンの背中を押した。

 試合は2点先行される苦しい展開となったが、10番を背負うMF田中博貴(3年)のドリブル突破などで盛り返していく。「うちのペースに少しずつなったかなと思います。前半の終わりから後半の立ち上がりにかけて」(仲本監督)。後半5分にはFW岡本拓海(3年)がPKを沈め、反撃ムードが高まっていたが、日大藤沢にダメ押し弾を許してしまった。「もう1点取られて、向こうのほうが上手だったと思う」。

 同校として15回目の選手権を戦い終えた指揮官は、「生徒の体調が回復することを祈りつつ、我々が勝つことがBチームのためだという思いを生徒も持ってくれているので。動揺した部分もあるかもしれないですけど、これをプラスに変えてやりきってくれたとは思います」と戦い抜いたイレブンを称えた。

 日本一を掲げる日大藤沢の印象を「広島県にはないチーム」と評した仲本監督は、「年間を通して、常に全国を意識するというか。1人1人の成長をもっとさせていきたい」とレベルアップを誓っていた。

(取材・文 奥山典幸)
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[MOM3120]帝京長岡FW晴山岬(3年)_「1日100本」のノルマ課したヘディングでまず一発

1ゴール1アシストの帝京長岡FW晴山岬(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 帝京長岡高 3-0 熊本国府高 ニッパツ]

 前回大会でも4ゴールを記録したU-18日本代表FWがきっちり仕事を果たした。帝京長岡高(新潟)は1-0の前半25分、MF本田翔英(3年)のパスをFW晴山岬(3年、町田内定)がワンタッチで絶妙なスルーパス。PA内に飛び出したMF谷内田哲平(3年、京都内定)がGKもかわして左足で無人のゴールに流し込んだ。

「出せば決めてくれると思った。ワンタッチでいいイメージで出せた」という晴山の鮮やかなアシスト。さらに後半28分、MF田中克幸(3年)がPA右手前から左足で上げたクロスにフリーで飛び込み、ダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。

「田中からいいボールが上がってくると思っていた。ヘディングの練習は1日100本ぐらいやっていた。ヘディングであんまり点を取れていなかったので、全国で取れて良かった」

 8強入りした昨年度大会。当時2年生だった晴山は1回戦の高知戦(6-0)でハットトリックを達成し、2回戦の旭川実戦(2-2、PK17-16)でも1ゴールを決めた。今季のプリンスリーグ北信越では17ゴールで得点王にも輝き、卒業後はJ2町田に入団する。

「多少の緊張感もあったけど、点を取れたのはいい意味で力が抜けるというか、いい形で大会に入れたと思う」。最終学年で臨む最後の選手権。明日3日の3回戦では、U-18日本代表でともにプレーした経験もあるDF田平起也(3年、C大阪内定)擁する神戸弘陵(兵庫)と対戦する。「次はセンターバックに田平がいる。一緒に代表でもやっているし、そこに対して自分がどれだけやれるかがカギだと思う」と意気込んだ。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3120]帝京長岡FW晴山岬(3年)_「1日100本」のノルマ課したヘディングでまず一発

1ゴール1アシストの帝京長岡FW晴山岬(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 帝京長岡高 3-0 熊本国府高 ニッパツ]

 前回大会でも4ゴールを記録したU-18日本代表FWがきっちり仕事を果たした。帝京長岡高(新潟)は1-0の前半25分、MF本田翔英(3年)のパスをFW晴山岬(3年、町田内定)がワンタッチで絶妙なスルーパス。PA内に飛び出したMF谷内田哲平(3年、京都内定)がGKもかわして左足で無人のゴールに流し込んだ。

「出せば決めてくれると思った。ワンタッチでいいイメージで出せた」という晴山の鮮やかなアシスト。さらに後半28分、MF田中克幸(3年)がPA右手前から左足で上げたクロスにフリーで飛び込み、ダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。

「田中からいいボールが上がってくると思っていた。ヘディングの練習は1日100本ぐらいやっていた。ヘディングであんまり点を取れていなかったので、全国で取れて良かった」

 8強入りした昨年度大会。当時2年生だった晴山は1回戦の高知戦(6-0)でハットトリックを達成し、2回戦の旭川実戦(2-2、PK17-16)でも1ゴールを決めた。今季のプリンスリーグ北信越では17ゴールで得点王にも輝き、卒業後はJ2町田に入団する。

「多少の緊張感もあったけど、点を取れたのはいい意味で力が抜けるというか、いい形で大会に入れたと思う」。最終学年で臨む最後の選手権。明日3日の3回戦では、U-18日本代表でともにプレーした経験もあるDF田平起也(3年、C大阪内定)擁する神戸弘陵(兵庫)と対戦する。「次はセンターバックに田平がいる。一緒に代表でもやっているし、そこに対して自分がどれだけやれるかがカギだと思う」と意気込んだ。

(取材・文 西山紘平)
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指揮官も「脱帽」のスーパーミドルから鮮やか3発!!J内定3人擁する帝京長岡が初戦突破

圧巻ミドルで先制点を奪った帝京長岡MF田中克幸(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 帝京長岡高 3-0 熊本国府高 ニッパツ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合では帝京長岡高(新潟)が熊本国府高(熊本)に3-0で快勝した。

 J内定者3人を擁する帝京長岡が初戦から力を見せた。前半19分、左サイドのMF本田翔英(3年)がマイナスに戻し、PA左手前からMF田中克幸(3年)が左足を振り抜く。アウトにかけた豪快なミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。

 これには帝京長岡の古沢徹監督も「田中のシュートは脱帽です」と賛辞を惜しまない。「GKが少し前に出ていたのもあって、あの位置はシュートレンジ。アウトにかけてスーパーなゴールだった。あれで落ち着いた」という貴重な先制点だった。

 これで勢いに乗った帝京長岡は前半25分、本田のパスをFW晴山岬(3年、町田内定)がワンタッチで絶妙なスルーパス。PA内に飛び出したMF谷内田哲平(3年、京都内定)は前に出てきたGKを冷静にかわし、左足で無人のゴールに流し込んだ。

 鮮やかなパス回しから完璧に崩し切っての追加点。2点リードで折り返した後半も攻撃的なサッカーを貫いた。後半16分には2人を同時交代。MF鈴木遼平(3年)、MF中村太一(1年)というフレッシュな選手を投入し、3点目を狙った。そして迎えた後半28分、PA右手前から田中が左足でピンポイントクロス。フリーになった晴山がダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。

 3-0と突き放すと、守ってもDF吉田晴稀(3年、愛媛内定)ら守備陣が最後まで集中力を保ち、完封勝利。前回大会8強の帝京長岡が危なげなく初戦を突破した。タレントぞろいの個性派集団が目指すは同校初の4強、さらには日本一。連戦となる明日3日の3回戦では神戸弘陵(兵庫)と対戦する。

(取材・文 西山紘平)
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指揮官も「脱帽」のスーパーミドルから鮮やか3発!!J内定3人擁する帝京長岡が初戦突破

圧巻ミドルで先制点を奪った帝京長岡MF田中克幸(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 帝京長岡高 3-0 熊本国府高 ニッパツ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第2試合では帝京長岡高(新潟)が熊本国府高(熊本)に3-0で快勝した。

 J内定者3人を擁する帝京長岡が初戦から力を見せた。前半19分、左サイドのMF本田翔英(3年)がマイナスに戻し、PA左手前からMF田中克幸(3年)が左足を振り抜く。アウトにかけた豪快なミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。

 これには帝京長岡の古沢徹監督も「田中のシュートは脱帽です」と賛辞を惜しまない。「GKが少し前に出ていたのもあって、あの位置はシュートレンジ。アウトにかけてスーパーなゴールだった。あれで落ち着いた」という貴重な先制点だった。

 これで勢いに乗った帝京長岡は前半25分、本田のパスをFW晴山岬(3年、町田内定)がワンタッチで絶妙なスルーパス。PA内に飛び出したMF谷内田哲平(3年、京都内定)は前に出てきたGKを冷静にかわし、左足で無人のゴールに流し込んだ。

 鮮やかなパス回しから完璧に崩し切っての追加点。2点リードで折り返した後半も攻撃的なサッカーを貫いた。後半16分には2人を同時交代。MF鈴木遼平(3年)、MF中村太一(1年)というフレッシュな選手を投入し、3点目を狙った。そして迎えた後半28分、PA右手前から田中が左足でピンポイントクロス。フリーになった晴山がダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。

 3-0と突き放すと、守ってもDF吉田晴稀(3年、愛媛内定)ら守備陣が最後まで集中力を保ち、完封勝利。前回大会8強の帝京長岡が危なげなく初戦を突破した。タレントぞろいの個性派集団が目指すは同校初の4強、さらには日本一。連戦となる明日3日の3回戦では神戸弘陵(兵庫)と対戦する。

(取材・文 西山紘平)
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明秀日立は3枚替えで怒涛の反撃も…途中出場で2発の1年生FW根本「来年は全国のテッペンを」

途中出場で2得点を挙げた明秀日立のFW根本琳生(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 メッセージは明確だった。0-2とされた明秀日立高(茨城)の萬場努監督は後半10分に一挙3枚替え。ポジション変更も含めて3トップを総入れ替えし、FW海老原拓弥(2年)、FW根本琳生(1年)、FW藤原裕也(3年)が最前線に並んだ。

「これで攻めるしかないぞということを伝えたかった」という萬場監督の狙いはすぐに奏功する。2分後の後半12分、藤原のパスから海老原が右サイドを抜け出し、ゴール前にクロス。これを根本がヘディングで捉え、途中出場の3人が絡んで1点を返した。

 1年生の根本はこの日が全国大会初出場。投入直後のゴールで1-2とし、「もう1点取れば自分たちの流れになるし、勝てると思った」と、その後も怒涛の猛攻を見せたが、後半23分、海老原の右クロスに合わせたFW長谷川涼平(3年)のヘディングシュートが左ポストを直撃するなど、あと一歩のところで同点ゴールを奪えなかった。

 すると後半33分にPKで痛恨の3失点目。後半アディショナルタイムに再び海老原のパスから根本がゴールネットを揺らし、2-3と追い上げたが、あと一歩及ばなかった。「自分がチームを勝たせられなかった」。意地の2ゴールも勝利に結びつかなかった根本は試合後、号泣。キャプテンのMF大山晟那(3年)から「途中から入ってきて、よくやってくれた」と声をかけられると、さらに涙があふれ出た。

 FW長谷川皓哉(1年)、MF中沢駿斗(1年)という2人の1年生がスタメンに名を連ね、2年生もスタメンにMF中熊岳琉(2年)、MF石橋衡(2年)、FW楠原秀翔(2年)の3人いた。途中出場で2得点の根本が1年生、2アシストの海老原は2年生。この経験を来年度以降につなげていく土壌はある。県予選決勝でも途中出場で決勝点を決めていた根本は「まずスタメンになって、全国のてっぺんを取りたい。来年も再来年も得点王を狙っていきたい」と涙を拭いた。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

明秀日立は3枚替えで怒涛の反撃も…途中出場で2発の1年生FW根本「来年は全国のテッペンを」

途中出場で2得点を挙げた明秀日立のFW根本琳生(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 メッセージは明確だった。0-2とされた明秀日立高(茨城)の萬場努監督は後半10分に一挙3枚替え。ポジション変更も含めて3トップを総入れ替えし、FW海老原拓弥(2年)、FW根本琳生(1年)、FW藤原裕也(3年)が最前線に並んだ。

「これで攻めるしかないぞということを伝えたかった」という萬場監督の狙いはすぐに奏功する。2分後の後半12分、藤原のパスから海老原が右サイドを抜け出し、ゴール前にクロス。これを根本がヘディングで捉え、途中出場の3人が絡んで1点を返した。

 1年生の根本はこの日が全国大会初出場。投入直後のゴールで1-2とし、「もう1点取れば自分たちの流れになるし、勝てると思った」と、その後も怒涛の猛攻を見せたが、後半23分、海老原の右クロスに合わせたFW長谷川涼平(3年)のヘディングシュートが左ポストを直撃するなど、あと一歩のところで同点ゴールを奪えなかった。

 すると後半33分にPKで痛恨の3失点目。後半アディショナルタイムに再び海老原のパスから根本がゴールネットを揺らし、2-3と追い上げたが、あと一歩及ばなかった。「自分がチームを勝たせられなかった」。意地の2ゴールも勝利に結びつかなかった根本は試合後、号泣。キャプテンのMF大山晟那(3年)から「途中から入ってきて、よくやってくれた」と声をかけられると、さらに涙があふれ出た。

 FW長谷川皓哉(1年)、MF中沢駿斗(1年)という2人の1年生がスタメンに名を連ね、2年生もスタメンにMF中熊岳琉(2年)、MF石橋衡(2年)、FW楠原秀翔(2年)の3人いた。途中出場で2得点の根本が1年生、2アシストの海老原は2年生。この経験を来年度以降につなげていく土壌はある。県予選決勝でも途中出場で決勝点を決めていた根本は「まずスタメンになって、全国のてっぺんを取りたい。来年も再来年も得点王を狙っていきたい」と涙を拭いた。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

「どこもやっていない」魅惑の攻撃サッカー、日大藤沢が広島皆実に快勝

3得点で好発進の日大藤沢高(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 日大藤沢高3-1広島皆実高 等々力]

 地元・神奈川県代表の日大藤沢高は、「全校応援」でホームの雰囲気をつくりだし、立ち上がりから自分たちのリズムをつくる。攻撃時はアンカーのMF植木颯(1年)がセンターバックの間に落ちてビルドアップし、 MF植村洋斗(3年)とMF斉藤夏(2年)が組み立ててサイドにスペースができたところを突破力のあるDF岡田怜(3年)とDF吉本武(3年)の両サイドバックが突いた。クリスマスツリーと称される4-3-2-1の布陣で、「どこもやっていないサッカーをやろう」と指揮官が試行してきたサッカーだ。

 前半14分にはゲームメイカーの植村からのパスを受けたFW成定真生也(3年)が、ミドルレンジから左足を一閃、日大藤沢が先制する。その6分後には、ゴール前まで顔を出していた左サイドバックの吉本が、混戦から抜け出すと、相手GKを巧みなタッチでかわしてゴールに流し込んだ。

 広島皆実高(広島)もボランチの10番、MF田中博貴(3年)を中心にテクニックのある選手が揃い、ドリブルとショートパスを交えて組み立てようとする。しかし、日大藤沢は攻守の切り替えが早く、4-3-2-1の「3」に入った植村、斉藤、植木が早めに相手を潰し、「3列目の守備が今日のキーになる」という指揮官の期待に見事に応えた。「外も中もよくハードワークしてがんばってくれた」と佐藤輝勝監督は表情を崩した。

 後半に入ると広島皆実はFW岡本拓海(3年)がPKを成功させて1点を返す。神奈川県予選の5試合を無失点できていた日大藤沢の守備網を破り、反撃の機運が高まったが、続くゴールは日大藤沢が挙げる。左サイドを突破した吉本がファーサイドのFW平田直輝(3年)へピンポイントクロス。「角度はなかった」(平田)という状況で、背番号9はヘディングでねじ込んだ。

 5年ぶりの選手権初戦を3-1で快勝した佐藤監督は「神奈川を突破するのに5年かかりました。神奈川を突破するということは全国で優勝するチャンスがあると思っている」とコメント。神奈川県予選決勝で下した桐光学園は、今夏のインターハイで優勝しており、日本一は現実的な目標といえるだろう。敗れた広島皆実の仲本洋平監督は「日本一のチームに勝ってきているので。広島県にはないチームだったなと思いました」とゲームを振り返った。

 今年度の神奈川県予選決勝は前年度より19日遅い11月30日に行われたため、選手権出場が決まってからの準備で苦労があったと指揮官は明かす。「練習試合とか相手がいなかったんですけど、サッカーのつながりって素晴らしくて、試合をやらせてもらったり、宿舎も無理を言ってお願いしてやっと泊まれたり。サポートしてくれる方や支えてくれる人がいての勝利」。感謝を胸に、日大藤沢は明日3日に仙台育英高(宮城)との3回戦に臨む。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

「どこもやっていない」魅惑の攻撃サッカー、日大藤沢が広島皆実に快勝

3得点で好発進の日大藤沢高(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 日大藤沢高3-1広島皆実高 等々力]

 地元・神奈川県代表の日大藤沢高は、「全校応援」でホームの雰囲気をつくりだし、立ち上がりから自分たちのリズムをつくる。攻撃時はアンカーのMF植木颯(1年)がセンターバックの間に落ちてビルドアップし、 MF植村洋斗(3年)とMF斉藤夏(2年)が組み立ててサイドにスペースができたところを突破力のあるDF岡田怜(3年)とDF吉本武(3年)の両サイドバックが突いた。クリスマスツリーと称される4-3-2-1の布陣で、「どこもやっていないサッカーをやろう」と指揮官が試行してきたサッカーだ。

 前半14分にはゲームメイカーの植村からのパスを受けたFW成定真生也(3年)が、ミドルレンジから左足を一閃、日大藤沢が先制する。その6分後には、ゴール前まで顔を出していた左サイドバックの吉本が、混戦から抜け出すと、相手GKを巧みなタッチでかわしてゴールに流し込んだ。

 広島皆実高(広島)もボランチの10番、MF田中博貴(3年)を中心にテクニックのある選手が揃い、ドリブルとショートパスを交えて組み立てようとする。しかし、日大藤沢は攻守の切り替えが早く、4-3-2-1の「3」に入った植村、斉藤、植木が早めに相手を潰し、「3列目の守備が今日のキーになる」という指揮官の期待に見事に応えた。「外も中もよくハードワークしてがんばってくれた」と佐藤輝勝監督は表情を崩した。

 後半に入ると広島皆実はFW岡本拓海(3年)がPKを成功させて1点を返す。神奈川県予選の5試合を無失点できていた日大藤沢の守備網を破り、反撃の機運が高まったが、続くゴールは日大藤沢が挙げる。左サイドを突破した吉本がファーサイドのFW平田直輝(3年)へピンポイントクロス。「角度はなかった」(平田)という状況で、背番号9はヘディングでねじ込んだ。

 5年ぶりの選手権初戦を3-1で快勝した佐藤監督は「神奈川を突破するのに5年かかりました。神奈川を突破するということは全国で優勝するチャンスがあると思っている」とコメント。神奈川県予選決勝で下した桐光学園は、今夏のインターハイで優勝しており、日本一は現実的な目標といえるだろう。敗れた広島皆実の仲本洋平監督は「日本一のチームに勝ってきているので。広島県にはないチームだったなと思いました」とゲームを振り返った。

 今年度の神奈川県予選決勝は前年度より19日遅い11月30日に行われたため、選手権出場が決まってからの準備で苦労があったと指揮官は明かす。「練習試合とか相手がいなかったんですけど、サッカーのつながりって素晴らしくて、試合をやらせてもらったり、宿舎も無理を言ってお願いしてやっと泊まれたり。サポートしてくれる方や支えてくれる人がいての勝利」。感謝を胸に、日大藤沢は明日3日に仙台育英高(宮城)との3回戦に臨む。

(取材・文 奥山典幸)
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インハイ4強・京都橘が初戦敗退の波乱…“プラン”奏功の鵬学園、同点劇からPK戦制し全国初勝利!!

鵬学園がPK戦の末に京都橘を打ち破った(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 鵬学園高1-1 PK4-3京都橘高 オリプリ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ゼットエーオリプリスタジアムの第1試合は鵬学園高(石川)と京都橘高(京都)が対戦した。夏のインターハイ4強の京都橘が初戦敗退の波乱。鵬学園は後半40分、途中出場のFW坂本健太(3年)が起死回生の同点弾を挙げ、土壇場の同点劇から1-1でPK戦に突入すると、GK前原瑞穂(3年)が連続ストップ。PK4-3で勝利し、全国初勝利を挙げた。あす3日の3回戦は矢板中央高(栃木)と対戦する。

 鵬学園は“京都橘対策”として4-3-3のフォーメーションを採用した。前線で起点となるFW梅津倖風(3年)らに配給するダブルボランチのMF佐藤陽太(3年)とMF志知遼大(3年)を封じる策。同点ゴールを挙げた坂本は「今年のチームは相手に合わせてフォーメーションを変えたり、対応ができる。いろんな戦術があるのが自分たちの持ち味。今回もそれがハマったと思います」と胸を張った。

 京都橘はそうした対策に苦しみつつも、多彩な崩しから連続でチャンスを迎え、前半8本のシュートを放つ。“梅・梅コンビ”として注目された梅津のポストプレーからFW梅村脩斗(3年)が決定的なミドルシュートを打てば、佐藤が機を見て前線に飛び出し、梅村とのワンツーで崩した。

 攻める京都橘、耐える鵬学園という構図で試合は進む。前半38分には左サイドから高速ドリブルで潜り込むレフティーMF高木大輝(3年)が鋭い切り返しで打開。梅村が3度目の決定機を迎えたが、シュートは惜しくも右ポストを叩いた。

 鵬学園は押し込まれながらもGK前原がビッグセーブを連発し、アンカーを担ったMF河村怜皇(3年)が最終ラインに落ちた5バックのブロックで跳ね返す。守備に重心を置いてカウンターから好機を伺い、前半36分にはスルーパスで抜け出したMF永田貫太(3年)がカットインからフィニッシュに持ち込んだ。

 スコアレスで前半を折り返すと、京都橘がセットプレーから試合を動かした。後半13分、高木が右CKを蹴り込むと、GKが弾いたこぼれ球をDF松本永遠(3年)が右足で蹴り込んだ。前半からの攻勢が実った先制ゴールとなった。

 鵬学園は1点ビハインドとなったが、「負ける雰囲気がなかった」とGK前原が振り返るように、焦らずにチャンスを狙う。次々に交代カードを切り、MF鈴木嶺騎(2年)や坂本がピッチに入る。ラスト10分、FW判治海斗(2年)の投入で4-4-2にスイッチし、最後の猛攻に出ると、終了間際にドラマが待っていた。

 後半40分、パスワークで切り崩した鵬学園はDF須藤芹彩(3年)が斜めにスルーパスを出し、FW前田瑞季(3年)がワンタッチでつなぐ。密集を抜けた坂本が左足を振り抜くと、豪快なシュートがネットに突き刺さった。値千金の同点ゴール。土壇場で1-1に持ち込み、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 先行・京都橘のキッカー1人目を読み切ったGK前原は左に飛んで弾き出すと、後攻・鵬学園も1人目のコースが甘いキックをGK中村青(2年)が冷静に止める。すると、GK前原は続く2人目も逆方向に飛んで阻止し、2人連続のストップ。キッカー2人目から連続で成功した鵬学園がPK4-3で京都橘を撃破した。

「県予選でPK戦が多かったので、スタッフも慣れていました。PK練習も死ぬほどやってきたので」と鵬学園・赤地信彦監督。県予選は準々決勝・金沢高戦で0-0からPK7-6、準決勝・遊学館高戦も2-2からPK10-9で勝利を挙げていた経験値が生きた。鵬学園は歴史を塗り替える選手権初勝利。「プラン通りです」と頷いた赤地監督は慢心なく3回戦を見据え、「駆け上がりますよ。次で負けたら意味がない。一緒にやってきた選手たちを信じています」と力を込めた。

 夏のインハイで過去最高成績の3位と躍進を遂げた京都橘は今大会、上位進出が期待されたが、初戦敗退の波乱に見舞われた。京都府代表としても5年連続の初戦敗退。「最後の5分を逃げ切れなかった。したたかに時間を使っても良かった」と米澤一成監督。梅村は「後半相手が上がって、自分たちが受け身になったのが敗因」と悔しさをにじませた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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[MOM3119]神戸弘陵MF沖吉大夢(3年)_「10番失格」からの奪還…恩師に報いる2戦3発

2得点を挙げた神戸弘陵のMF沖吉大夢(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 背番号10にふさわしい活躍を見せている。神戸弘陵高(兵庫)のMF沖吉大夢(3年)が2ゴール。直接FKを決めた1回戦の秋田商戦(○3-2)に続く2戦連発で今大会早くも3得点となった。

 まずは前半14分、右サイドからMF兼田拓実(3年)がマイナス気味にグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだMF谷晃希(3年)、MF田中祉同(1年)がいずれも空振り。それでもファーサイドに詰めた沖吉がPA外から利き足とは反対の左足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。

「いいところに転がってきて、自分は左足でも蹴れるので、左で打つことは迷わなかった。ミートだけを考えて、いい感じで当たってくれた」。後半4分に2-0とリードを広げてからは明秀日立の反撃を受け、後半12分に失点。さらに怒涛の猛攻を受けたが、ギリギリのところで同点ゴールを許さず、逆に後半33分、神戸弘陵に大きなチャンスが訪れた。

 MF田中祉同(1年)のスルーパスに反応した途中出場のMF徳弘匠(2年)がPA内で切り返したところを倒され、PKを獲得。ここでキッカーを務めたのが沖吉だった。相手に流れが傾いていた中で2点差に突き放す絶好機。プレッシャーもかかる場面だったが、ど真ん中に蹴り込み、3-1と勝利を決定づけた。

 延長戦にもつれ込んだ兵庫県予選決勝の県立西宮戦。延長後半に沖吉が決めたPKで全国の切符をつかんでいた。「予選の決勝で右に蹴っていたので、右は読まれると思って、真ん中に蹴った」。主審の笛が鳴ってからしばらく間を置いて蹴ったが、「注目してほしいし、(蹴るのを)待ったら周りが静かになるかなと思って。予選のときは静かになったけど、今日はあんまり静かにならなかったので、ちょっと待ってすぐに蹴った」と度胸満点だった。

 今大会では10番を背負う沖吉だが、県予選では背番号7だった。「(予選で10番を付けた)吉田(翔貴)の方が点を決めていて、僕の10番で結果が出ていなかった。僕の解釈では“10番失格”だったという思いです」と当時を振り返る。それでも県予選のパフォーマンスもあり、全国では再び背番号10に袖を通すことになった。

「また10番をもらうときに監督から特に話はなかったけど、この背番号で絶対にやってやるぞと。(OBの)江坂(任)選手や谷監督も付けていた番号なので重みを感じている」。そう話す沖吉について谷純一監督は「弘陵で10番を付けるのは勝負を決める選手。予選からそういうゴールを決めてくれているし、背番号に見合った活躍を見せてくれている」と絶対の信頼を寄せる。

「人と違うのが好きな性格」という沖吉は卒業後、アメリカの大学に留学する意思を固めている。一方で恩義に報いたいという義理人情に厚い一面もある。ヴィッセル神戸U-15出身の沖吉は進学先として県外の高校も考えていたという。ところが、神戸弘陵のオープンキャンパスを訪れた際、谷監督から直接、「お前と一緒に全国に出たい」と口説かれ、進学を決めた経緯がある。

 93年度大会で8強入りしている神戸弘陵だが、谷監督が就任した05年以降は13年度大会(2回戦敗退)、15年度大会(2回戦から登場し3回戦敗退)といずれも1勝止まりだった。「谷監督は全国で2回勝ったことがなかった。3度目の正直で勝てたことは良かったけど、僕らはまだまだ満足していない」と沖吉。2勝しただけで恩返しになるとは考えていない。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3119]神戸弘陵MF沖吉大夢(3年)_「10番失格」からの奪還…恩師に報いる2戦3発

2得点を挙げた神戸弘陵のMF沖吉大夢(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 背番号10にふさわしい活躍を見せている。神戸弘陵高(兵庫)のMF沖吉大夢(3年)が2ゴール。直接FKを決めた1回戦の秋田商戦(○3-2)に続く2戦連発で今大会早くも3得点となった。

 まずは前半14分、右サイドからMF兼田拓実(3年)がマイナス気味にグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだMF谷晃希(3年)、MF田中祉同(1年)がいずれも空振り。それでもファーサイドに詰めた沖吉がPA外から利き足とは反対の左足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。

「いいところに転がってきて、自分は左足でも蹴れるので、左で打つことは迷わなかった。ミートだけを考えて、いい感じで当たってくれた」。後半4分に2-0とリードを広げてからは明秀日立の反撃を受け、後半12分に失点。さらに怒涛の猛攻を受けたが、ギリギリのところで同点ゴールを許さず、逆に後半33分、神戸弘陵に大きなチャンスが訪れた。

 MF田中祉同(1年)のスルーパスに反応した途中出場のMF徳弘匠(2年)がPA内で切り返したところを倒され、PKを獲得。ここでキッカーを務めたのが沖吉だった。相手に流れが傾いていた中で2点差に突き放す絶好機。プレッシャーもかかる場面だったが、ど真ん中に蹴り込み、3-1と勝利を決定づけた。

 延長戦にもつれ込んだ兵庫県予選決勝の県立西宮戦。延長後半に沖吉が決めたPKで全国の切符をつかんでいた。「予選の決勝で右に蹴っていたので、右は読まれると思って、真ん中に蹴った」。主審の笛が鳴ってからしばらく間を置いて蹴ったが、「注目してほしいし、(蹴るのを)待ったら周りが静かになるかなと思って。予選のときは静かになったけど、今日はあんまり静かにならなかったので、ちょっと待ってすぐに蹴った」と度胸満点だった。

 今大会では10番を背負う沖吉だが、県予選では背番号7だった。「(予選で10番を付けた)吉田(翔貴)の方が点を決めていて、僕の10番で結果が出ていなかった。僕の解釈では“10番失格”だったという思いです」と当時を振り返る。それでも県予選のパフォーマンスもあり、全国では再び背番号10に袖を通すことになった。

「また10番をもらうときに監督から特に話はなかったけど、この背番号で絶対にやってやるぞと。(OBの)江坂(任)選手や谷監督も付けていた番号なので重みを感じている」。そう話す沖吉について谷純一監督は「弘陵で10番を付けるのは勝負を決める選手。予選からそういうゴールを決めてくれているし、背番号に見合った活躍を見せてくれている」と絶対の信頼を寄せる。

「人と違うのが好きな性格」という沖吉は卒業後、アメリカの大学に留学する意思を固めている。一方で恩義に報いたいという義理人情に厚い一面もある。ヴィッセル神戸U-15出身の沖吉は進学先として県外の高校も考えていたという。ところが、神戸弘陵のオープンキャンパスを訪れた際、谷監督から直接、「お前と一緒に全国に出たい」と口説かれ、進学を決めた経緯がある。

 93年度大会で8強入りしている神戸弘陵だが、谷監督が就任した05年以降は13年度大会(2回戦敗退)、15年度大会(2回戦から登場し3回戦敗退)といずれも1勝止まりだった。「谷監督は全国で2回勝ったことがなかった。3度目の正直で勝てたことは良かったけど、僕らはまだまだ満足していない」と沖吉。2勝しただけで恩返しになるとは考えていない。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

最後の冬はスタンドで終幕…尚志FW染野唯月「アントラーズに入る前に優勝したかった」

報道陣の取材に対応する尚志高FW染野唯月(3年=写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志高0-0(PK3-4)徳島市立高 駒沢]

 世代屈指のストライカーの高校サッカー生活が幕を閉じた。腰椎分離症の影響で大会登録メンバー外だった尚志高FW染野唯月が試合後、報道陣の取材に対応。「出ていれば……というのはない。尚志としては誰かがいなくても勝てるところを証明したかった」と仲間に想いを寄せた。

 シード権を獲得していた尚志はこの2回戦が初戦。チームはエース不在を跳ね除ける意気込みで挑んだが、徳島市立高の固い守備ブロックを崩すことができず、シュートは合計3本に終わった。0-0で迎えたPK戦では、2人のキックが相手GKに阻まれ敗戦。前回ベスト4入りを果たした優勝候補の冬はあっけなく終わった。

 前回大会では準決勝の青森山田高戦でハットトリックを記録するなど大ブレイクを果たしたものの、最後の冬をスタンドから声援を送る形で過ごした染野。試合後には「負けてしまったので自分も含めて悔しい」とチームメートの気持ちを代弁するかのように感想を述べた。

 大会前にはベンチ入りする選択もあり得たが、代わりにメンバー入りする仲間のため、そして裏方としてチームを支えるという覚悟を込めて登録外の意思を固めていた。「自分は出ないとなった時から気持ちは何も変わらない」。その決断に後悔はない。それどころか「サポートできる部分はあったし、逆に良かったと思う」と気丈に振る舞った。

 日本一の夢は後輩に託した。「選手権の難しさがわかったので、1〜2年生はこの経験を糧に来年に向けて全国制覇を目標に頑張って欲しい」。そして自身は今季無冠に終わった鹿島アントラーズへ。「アントラーズに入る前に優勝を持っていきたかったけど、それができなかったので、自分が試合に出て鹿島にタイトルを取る。自分の力を証明する場でもあるので、1年目から泥臭くチャレンジしたい」。新たな常勝軍団を築いていく覚悟を口にした。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

最後の冬はスタンドで終幕…尚志FW染野唯月「アントラーズに入る前に優勝したかった」

報道陣の取材に対応する尚志高FW染野唯月(3年=写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志高0-0(PK3-4)徳島市立高 駒沢]

 世代屈指のストライカーの高校サッカー生活が幕を閉じた。腰椎分離症の影響で大会登録メンバー外だった尚志高FW染野唯月が試合後、報道陣の取材に対応。「出ていれば……というのはない。尚志としては誰かがいなくても勝てるところを証明したかった」と仲間に想いを寄せた。

 シード権を獲得していた尚志はこの2回戦が初戦。チームはエース不在を跳ね除ける意気込みで挑んだが、徳島市立高の固い守備ブロックを崩すことができず、シュートは合計3本に終わった。0-0で迎えたPK戦では、2人のキックが相手GKに阻まれ敗戦。前回ベスト4入りを果たした優勝候補の冬はあっけなく終わった。

 前回大会では準決勝の青森山田高戦でハットトリックを記録するなど大ブレイクを果たしたものの、最後の冬をスタンドから声援を送る形で過ごした染野。試合後には「負けてしまったので自分も含めて悔しい」とチームメートの気持ちを代弁するかのように感想を述べた。

 大会前にはベンチ入りする選択もあり得たが、代わりにメンバー入りする仲間のため、そして裏方としてチームを支えるという覚悟を込めて登録外の意思を固めていた。「自分は出ないとなった時から気持ちは何も変わらない」。その決断に後悔はない。それどころか「サポートできる部分はあったし、逆に良かったと思う」と気丈に振る舞った。

 日本一の夢は後輩に託した。「選手権の難しさがわかったので、1〜2年生はこの経験を糧に来年に向けて全国制覇を目標に頑張って欲しい」。そして自身は今季無冠に終わった鹿島アントラーズへ。「アントラーズに入る前に優勝を持っていきたかったけど、それができなかったので、自分が試合に出て鹿島にタイトルを取る。自分の力を証明する場でもあるので、1年目から泥臭くチャレンジしたい」。新たな常勝軍団を築いていく覚悟を口にした。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

神戸の天皇杯Vに「勢いもらえた」神戸弘陵が茨城代表の明秀日立下し3回戦へ

2点目を決めた神戸弘陵FW松野隼輝(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第1試合では神戸弘陵高(兵庫)が明秀日立高(茨城)に3-2で勝利した。明日3日の3回戦では帝京長岡(新潟)と対戦する。

 神戸弘陵は昨年12月31日の1回戦・秋田商戦(○3-2)で負傷交代したFW吉田翔貴(3年)に代わってMF谷晃希(3年)が4-2-3-1のトップ下で今大会初先発。FW松野隼輝(2年)が1トップで起用された。一方の明秀日立は1回戦・高知戦(○1-0)と同じスタメン。試合は静かな立ち上がりを見せたが、神戸弘陵が前半14分に先制した。

 右サイドからMF兼田拓実(3年)がマイナス気味にグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだ谷、MF田中祉同(1年)がいずれも空振り。それでもファーサイドから詰めていたMF沖吉大夢(3年)がPA外から左足を振り抜き、豪快にゴールネットに突き刺した。沖吉は直接FKを決めた秋田商戦に続いて2戦連発。背番号10のひと振りで均衡を破った。

 明秀日立は前半19分、FW楠原秀翔(2年)が遠めから左足ミドルを狙うが、攻撃は単発。試合の主導権を握る神戸弘陵は前半25分、再び右サイドの兼田がアーリークロスを放り込み、松野がダイビングヘッドで合わせたが、GK友野沖翔(3年)の好セーブに阻まれた。

 1-0で折り返した後半も神戸弘陵のペースで進む。後半2分、沖吉からのスルーパスに反応した兼田が右足を振り抜くが、DF塙啓太(3年)が体を投げ出してシュートブロックした。すると直後の4分、沖吉からパスを受けた田中祉が鋭い切り返しで一人かわし、中央から右足で強烈なミドルシュート。GKが前に弾いたところに松野が詰め、左足で蹴り込んだ。

 2点を追う展開となった明秀日立は後半8分、楠原の左クロスからセカンドボールをMF石橋衡(2年)が右足ダイレクトボレーで狙うが、相手のブロックに阻まれる。同10分には一挙に3人を交代。その2分後、入ったばかりの3人で1点を奪った。FW藤原裕也(3年)のパスから右サイドを抜け出したFW海老原拓弥(2年)のクロスにFW根本琳生(1年)が頭で合わせる追撃ヘッド。1-2と1点差に追い上げた。

 勢いに乗る明秀日立はセットプレーを何度も獲得し、塙の高い精度のキックから同点ゴールを狙う。後半21分には塙のロングフィードを海老原が胸トラップからフィニッシュまで持ち込むが、GK大月耀平(2年)がセーブ。同23分、海老原の右クロスにファーサイドのFW長谷川涼平(3年)が頭で合わせたが、惜しくも左ポストを直撃した。

 怒涛の猛攻を見せた明秀日立だが、2点目が遠い。すると神戸弘陵は後半33分、田中祉のスルーパスに反応した途中出場のMF徳弘匠(2年)がPA内で切り返したところをDF鎌上翔平(3年)に倒され、PKを獲得。これを沖吉が落ち着いてゴール中央に蹴り込み、3-1と勝利を決定づけた。

 明秀日立も後半アディショナルタイムに根本が2得点目となる追撃ゴールを決めたが、反撃もここまで。3-2で逃げ切った神戸弘陵が3回戦進出を決めた。元日には天皇杯決勝でヴィッセル神戸が鹿島アントラーズに勝利し、クラブ悲願の初タイトルを獲得したばかり。この日2得点の沖吉ら神戸U-15出身の選手もいる神戸弘陵が、鹿島の下部組織出身選手を数多くそろえる明秀日立を破ったことにもなった。

 前日練習後、神戸弘陵の選手たちは宿舎で天皇杯決勝をテレビ観戦。神戸の優勝に刺激を受けたという沖吉が「そのおかげで2点取れたんじゃないかと思っている」と言えば、谷監督も「その勢いももらえたのかな。ヴィッセルが勝って、うちも勝てて良かった」と笑みをこぼした。

(取材・文 西山紘平)
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神戸の天皇杯Vに「勢いもらえた」神戸弘陵が茨城代表の明秀日立下し3回戦へ

2点目を決めた神戸弘陵FW松野隼輝(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 神戸弘陵高 3-2 明秀日立高 ニッパツ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場の第1試合では神戸弘陵高(兵庫)が明秀日立高(茨城)に3-2で勝利した。明日3日の3回戦では帝京長岡(新潟)と対戦する。

 神戸弘陵は昨年12月31日の1回戦・秋田商戦(○3-2)で負傷交代したFW吉田翔貴(3年)に代わってMF谷晃希(3年)が4-2-3-1のトップ下で今大会初先発。FW松野隼輝(2年)が1トップで起用された。一方の明秀日立は1回戦・高知戦(○1-0)と同じスタメン。試合は静かな立ち上がりを見せたが、神戸弘陵が前半14分に先制した。

 右サイドからMF兼田拓実(3年)がマイナス気味にグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだ谷、MF田中祉同(1年)がいずれも空振り。それでもファーサイドから詰めていたMF沖吉大夢(3年)がPA外から左足を振り抜き、豪快にゴールネットに突き刺した。沖吉は直接FKを決めた秋田商戦に続いて2戦連発。背番号10のひと振りで均衡を破った。

 明秀日立は前半19分、FW楠原秀翔(2年)が遠めから左足ミドルを狙うが、攻撃は単発。試合の主導権を握る神戸弘陵は前半25分、再び右サイドの兼田がアーリークロスを放り込み、松野がダイビングヘッドで合わせたが、GK友野沖翔(3年)の好セーブに阻まれた。

 1-0で折り返した後半も神戸弘陵のペースで進む。後半2分、沖吉からのスルーパスに反応した兼田が右足を振り抜くが、DF塙啓太(3年)が体を投げ出してシュートブロックした。すると直後の4分、沖吉からパスを受けた田中祉が鋭い切り返しで一人かわし、中央から右足で強烈なミドルシュート。GKが前に弾いたところに松野が詰め、左足で蹴り込んだ。

 2点を追う展開となった明秀日立は後半8分、楠原の左クロスからセカンドボールをMF石橋衡(2年)が右足ダイレクトボレーで狙うが、相手のブロックに阻まれる。同10分には一挙に3人を交代。その2分後、入ったばかりの3人で1点を奪った。FW藤原裕也(3年)のパスから右サイドを抜け出したFW海老原拓弥(2年)のクロスにFW根本琳生(1年)が頭で合わせる追撃ヘッド。1-2と1点差に追い上げた。

 勢いに乗る明秀日立はセットプレーを何度も獲得し、塙の高い精度のキックから同点ゴールを狙う。後半21分には塙のロングフィードを海老原が胸トラップからフィニッシュまで持ち込むが、GK大月耀平(2年)がセーブ。同23分、海老原の右クロスにファーサイドのFW長谷川涼平(3年)が頭で合わせたが、惜しくも左ポストを直撃した。

 怒涛の猛攻を見せた明秀日立だが、2点目が遠い。すると神戸弘陵は後半33分、田中祉のスルーパスに反応した途中出場のMF徳弘匠(2年)がPA内で切り返したところをDF鎌上翔平(3年)に倒され、PKを獲得。これを沖吉が落ち着いてゴール中央に蹴り込み、3-1と勝利を決定づけた。

 明秀日立も後半アディショナルタイムに根本が2得点目となる追撃ゴールを決めたが、反撃もここまで。3-2で逃げ切った神戸弘陵が3回戦進出を決めた。元日には天皇杯決勝でヴィッセル神戸が鹿島アントラーズに勝利し、クラブ悲願の初タイトルを獲得したばかり。この日2得点の沖吉ら神戸U-15出身の選手もいる神戸弘陵が、鹿島の下部組織出身選手を数多くそろえる明秀日立を破ったことにもなった。

 前日練習後、神戸弘陵の選手たちは宿舎で天皇杯決勝をテレビ観戦。神戸の優勝に刺激を受けたという沖吉が「そのおかげで2点取れたんじゃないかと思っている」と言えば、谷監督も「その勢いももらえたのかな。ヴィッセルが勝って、うちも勝てて良かった」と笑みをこぼした。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

ドアの隙間から見た仲間の雄姿…國學院久我山DF加納直樹「涙をこらえられなかった」

國學院久我山高DF加納直樹(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 提示されたのは、この日2枚目となったイエローカード。退場となった國學院久我山高DF加納直樹(3年)はピッチを後にする。ロッカールームへと引き上げると、「絶対に勝ってくれる」とチームの勝利を祈った。

 後半11分だった。「ルーズなボールで相手が触るか、自分で触るかだった」。ルーズボールに反応した加納と専修大北上高FW阿部耀仁(2年)が交錯。すると、主審が加納にイエローカードを提示する。前半20分に警告を受けていた加納にとって、この試合2枚目のイエローカード。退場となった。

「何も考えられなかったし、チームの皆に迷惑を掛けると思った」

 だが、試合が終わったわけではなかった。ピッチ上には残された10人の仲間がいる。ロッカールームに下がった自分にできることは、「10人になっても絶対に勝ってくれる」と仲間を信じることだった。

「退場して仲間の雄姿をロッカールームから見ていた」。ロッカールームからは「ピッチ全部は見えなかった」が、「ドアの隙間から見ていた」と限られた視界と「歓声で何となく」状況を確認した。仲間たちは数的不利に陥りながらも、試合終盤には猛攻をかけた。後半33分にFW山下貴之(3年)、同35分にMF大窟陽平(2年)、同40分にFW戸坂隼人(3年)がフィニッシュに持ち込んだように、勝利への執念を見せた。

 前後半の80分間で勝負を決めることはできなかったが、PK戦ではGK村上健(2年)の活躍もあり、6-5で制して3回戦へと駒を進めた。

 ドアの隙間から見つめた後半の29分間。PK戦は心境的に「見ることができなくて、ただ祈っていた」ようだが、大きな歓声で勝利を確信した。「勝ったと分かった時には涙をこらえることができなかった。仲間を誇りに思うし、感謝したい」。次戦は出場停止となるため、加納がピッチに復帰するにはチームが準々決勝に駒を進めなければならない。「仲間を信じる」だけでなく、「皆のケアの手伝いをして良い準備をしてもらいたい」と自身がすべきことをして、チームを後押しする。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

ドアの隙間から見た仲間の雄姿…國學院久我山DF加納直樹「涙をこらえられなかった」

國學院久我山高DF加納直樹(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 提示されたのは、この日2枚目となったイエローカード。退場となった國學院久我山高DF加納直樹(3年)はピッチを後にする。ロッカールームへと引き上げると、「絶対に勝ってくれる」とチームの勝利を祈った。

 後半11分だった。「ルーズなボールで相手が触るか、自分で触るかだった」。ルーズボールに反応した加納と専修大北上高FW阿部耀仁(2年)が交錯。すると、主審が加納にイエローカードを提示する。前半20分に警告を受けていた加納にとって、この試合2枚目のイエローカード。退場となった。

「何も考えられなかったし、チームの皆に迷惑を掛けると思った」

 だが、試合が終わったわけではなかった。ピッチ上には残された10人の仲間がいる。ロッカールームに下がった自分にできることは、「10人になっても絶対に勝ってくれる」と仲間を信じることだった。

「退場して仲間の雄姿をロッカールームから見ていた」。ロッカールームからは「ピッチ全部は見えなかった」が、「ドアの隙間から見ていた」と限られた視界と「歓声で何となく」状況を確認した。仲間たちは数的不利に陥りながらも、試合終盤には猛攻をかけた。後半33分にFW山下貴之(3年)、同35分にMF大窟陽平(2年)、同40分にFW戸坂隼人(3年)がフィニッシュに持ち込んだように、勝利への執念を見せた。

 前後半の80分間で勝負を決めることはできなかったが、PK戦ではGK村上健(2年)の活躍もあり、6-5で制して3回戦へと駒を進めた。

 ドアの隙間から見つめた後半の29分間。PK戦は心境的に「見ることができなくて、ただ祈っていた」ようだが、大きな歓声で勝利を確信した。「勝ったと分かった時には涙をこらえることができなかった。仲間を誇りに思うし、感謝したい」。次戦は出場停止となるため、加納がピッチに復帰するにはチームが準々決勝に駒を進めなければならない。「仲間を信じる」だけでなく、「皆のケアの手伝いをして良い準備をしてもらいたい」と自身がすべきことをして、チームを後押しする。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

守備の成長示して興國を被シュート2本で完封も、昌平CB西澤「守備にフォーカスされなくてもいい」

昌平高CB西澤寧晟はベンチから「パーフェクト」と評される守備
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 その技術力と攻撃力に定評のある昌平高(埼玉)だが、U-17日本代表FW杉浦力斗(2年)やU-17日本代表候補FW樺山諒乃介(2年)ら攻撃タレントを擁した「注目の初出場校」興國高(大阪)をシュート2本に封じて完封勝利。藤島崇之監督は「攻撃のところをフォーカスしてやって行こうと言っていましたけれども、ウチは今年、ディフェンスがよくなってきているので、そう言った意味で奪い方とか連動性を持って相手を見ながら判断できたのかなと思います」と評価していた。

 前線から変化を加えながらのプレッシング、中盤で奪い取る部分、そして最終ラインの安定感も光る試合だった。特にCB西澤寧晟(3年)はSB背後のスペースへ抜け出してくる相手FWを封鎖。1対1の間合いの良さ、ハードワークで牽引する西澤については村松明人コーチも「(ベンチでも言っていたが、)パーフェクト。アイツはやられない」と絶賛していた。

 西澤は「あそこの対人とか1対1は得意としているところだったし、絶対に負けたくなかったので、ちゃんと抑えることができて良かったです。(興國に)上手い選手がいることは分かっていたんですけれども、昌平にも上手い選手がいっぱいいるので特にそんなに心配はしていませんでした」。普段の練習では昌平のテクニシャンたちと対峙。それ以上の攻撃をしてくるチームは少ないが、この日も普段築いたイメージを越えてくるモノはなかったようだ。

 守備の成長を見せつけた試合となったが、西澤は「自分的には守備にフォーカスされなくてもいいと思っている」。西澤とCB柳澤直成(3年)、左SB大竹琉生(3年)、右SB 柳田亘輝(3年)のDFラインやGK 牧之瀬皓太(3年)がフォーカスされることが少ない。だが、西澤は自分たちが好守で取り上げられることよりも、チームが攻撃的な自分たちの試合をして勝つことを目標に掲げる。

「自分とかバックラインの選手が目立つことがないのが理想だと思っています」。だからこそ、3回戦でも未然にピンチを防いで勝利に貢献する意気込みだ。この日、前半の課題を修正することに成功し、自信を得た昌平DF陣が國學院久我山高との3回戦でも後方からチームを支えて勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

守備の成長示して興國を被シュート2本で完封も、昌平CB西澤「守備にフォーカスされなくてもいい」

昌平高CB西澤寧晟はベンチから「パーフェクト」と評される守備
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 その技術力と攻撃力に定評のある昌平高(埼玉)だが、U-17日本代表FW杉浦力斗(2年)やU-17日本代表候補FW樺山諒乃介(2年)ら攻撃タレントを擁した「注目の初出場校」興國高(大阪)をシュート2本に封じて完封勝利。藤島崇之監督は「攻撃のところをフォーカスしてやって行こうと言っていましたけれども、ウチは今年、ディフェンスがよくなってきているので、そう言った意味で奪い方とか連動性を持って相手を見ながら判断できたのかなと思います」と評価していた。

 前線から変化を加えながらのプレッシング、中盤で奪い取る部分、そして最終ラインの安定感も光る試合だった。特にCB西澤寧晟(3年)はSB背後のスペースへ抜け出してくる相手FWを封鎖。1対1の間合いの良さ、ハードワークで牽引する西澤については村松明人コーチも「(ベンチでも言っていたが、)パーフェクト。アイツはやられない」と絶賛していた。

 西澤は「あそこの対人とか1対1は得意としているところだったし、絶対に負けたくなかったので、ちゃんと抑えることができて良かったです。(興國に)上手い選手がいることは分かっていたんですけれども、昌平にも上手い選手がいっぱいいるので特にそんなに心配はしていませんでした」。普段の練習では昌平のテクニシャンたちと対峙。それ以上の攻撃をしてくるチームは少ないが、この日も普段築いたイメージを越えてくるモノはなかったようだ。

 守備の成長を見せつけた試合となったが、西澤は「自分的には守備にフォーカスされなくてもいいと思っている」。西澤とCB柳澤直成(3年)、左SB大竹琉生(3年)、右SB 柳田亘輝(3年)のDFラインやGK 牧之瀬皓太(3年)がフォーカスされることが少ない。だが、西澤は自分たちが好守で取り上げられることよりも、チームが攻撃的な自分たちの試合をして勝つことを目標に掲げる。

「自分とかバックラインの選手が目立つことがないのが理想だと思っています」。だからこそ、3回戦でも未然にピンチを防いで勝利に貢献する意気込みだ。この日、前半の課題を修正することに成功し、自信を得た昌平DF陣が國學院久我山高との3回戦でも後方からチームを支えて勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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今季4度目の0-0→PK戦…冬の徳島市立も必勝パターン炸裂! 指揮官「でも1点取ってほしい」

PK戦での勝利に沸く徳島市立高の選手たち
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志高0-0(PK3-4)徳島市立高 駒沢]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を各地で行い、駒沢陸上競技場の第2試合は尚志高(福島)と徳島市立高(徳島)が対戦した。規定の80分間を0-0で終えて迎えたPK戦は徳島市立が4-3で勝利。筑陽学園高(福岡)との3回戦に歩みを進めた。

 夏のインターハイ4強の尚志と、同8強の徳島市立による強豪対決。互いに初戦となったビッグマッチを制したのは夏の“勝ちパターン”を継続させた徳島市立だった。インハイでは1回戦から3回戦まで、全て0-0で迎えたPK戦を3連勝。そんな勝負強さを冬の大舞台でも発揮し、エースFW染野唯月(3年)を負傷で欠いた尚志を初戦敗退に追いやった。

 試合はボールを握る尚志に対し、ロングボールを有効に使ってカウンターを狙う徳島市立という構図。そこでやや優勢を保った徳島市立は前半36分、右サイドを崩したMF大野龍功(2年)を起点にDF川人太陽(3年)が惜しいシュート。またこのプレーで得た右CKから、DF渡邉浩章(3年)のヘディングシュートも尚志ゴールを襲った。

 一方、丁寧にボールをつなぐも危険なプレーが繰り出せない尚志は後半6分、トップ下のMF松島武虎(3年)に代わり、染野の9番を受け継ぐFW阿部要門(2年)を投入。すると9分、インハイ得点王のFW山内大空(3年)が敵陣の混戦の中でタメをつくり、MF今井聖士(3年)の惜しい左足シュートにつなげた。

 徐々に主導権を奪った尚志は後半13分にMF黒田陸斗(2年)、20分にDFチェイス・アンリ(1年)も起用し、さらにギアを上げていく。22分には、MF小池陸斗(3年)のFKがこぼれたところにDF五十嵐聖己(2年)が反応。強烈なシュートが徳島市立ゴールを襲ったが、距離を詰めていた守備陣の身体に当たってボールは枠を外れた。

 GK中川真(3年)、DF田内悠貴(3年)らを中心にしぶとく守る徳島市立は後半34分、平の突破で作ったチャンスに阿部がミドルシュートで仕上げを試みるも、左足はミートせず大きく枠外。そのままスコアは動かず、アディショナルタイムには中川に代わってGK米田世波(3年)を投入し、インハイ3連勝と無類の強さを誇るPK戦に持ち込んだ。

 先攻は尚志。1人目の山内、2人目の吉田奨(3年)が揃って成功し、徳島市立にプレッシャーをかける。一方、徳島市立は1人目のMF阿部夏己(3年)が成功したものの、2人目に立った川人のキックがGK鈴木康洋(3年)に止められ窮地に。そこで輝きを放ったのがインハイでも輝いた“PK専用GK”だった。

 米田は止めることができなかった3人目までキックも、全てボールと同じ方向に反応。その読みを活かすと、4人目と5人目のキックを立て続けにセーブ。3人目と4人目が読まれながらも成功していた徳島市立は最後に田内が落ち着いて決め、今年度全国大会でのPK戦成績を驚異の4勝無敗とし、過去最高タイ3回戦進出を決めた。

 試合後、徳島市立の河野博幸監督は「運がいいだけ。練習もしていない。夏はあれだけPKをさせていただいたので、その経験が活きていると思う。あんなに緊張感がある中で何回も蹴ることないんでね」と苦笑い。「でも1点取って欲しいです。そのために練習しているので…」と0-0という試合運びには満足していない様子を見せる。

 5-4-1の固い守備ブロック戦術が「どんなにいい試合をしても負けたら次がない」というトーナメント仕様であることはたしかだ。しかし、普段のトレーニングで取り組んでいるのは「ボールを奪ってからもう一本前に」という攻撃の出方。指揮官は「この子たちも次のステージで戦うのが目標なので……」と述べつつも、規定の80分間での勝利を求めている。

 なにより駆け引きを擁するPK戦では、キッカーが数をこなすほど対策されるという難しさもある。実際、この日も指揮官はそうした兆候を感じ取っていた様子。「相手も研究されていたのでね。ベンチからも指示が出ていたし、3回もPKやっていれば見られている」(河野監督)。キッカーが「読まれていてもバチッと蹴ってくれた」ことで事なきを得たが、できれば80分間での勝利に近づきたいところだ。

 そんな徳島市立の目標は史上最高のベスト8。OBの河野監督が在籍中には高円宮杯全日本ユース選手権で日本一に輝くなど黄金世代が続いていたが、選手権ではいずれも3回戦敗退。「まだ選手権でエイトがない。僕らの時も3年連続3回戦だったので、次の時も粘ってナンボで行きたい」。今後も無失点は継続しつつ、次戦こそは得点を奪っての勝利を目指す。

(取材・文 竹内達也)
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メッシがついに“サッカーの王様”超え!? 偉大な記録まであと25得点

リオネル・メッシの“ペレ超え”迫る
 2020年、バルセロナに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(32)が“サッカーの王様”超えを目指す。

 クラブ公式サイトによると、メッシは1つのチームでの最多得点王に近づいているという。現在、その記録を持つのはサッカーの王様である元ブラジル代表FWのペレ氏。彼はサントスで643ゴールをマークしている。

 2004年にトップチームデビューを果たしたメッシは、ここまでバルセロナで618ゴールを記録。“ペレ超え”まで、あと25ゴールと迫っている。

 32歳のメッシは、リーガ・エスパニョーラで3シーズン連続得点王に輝くなど、その得点力は衰えを知らず、昨年12月には史上最多となる6度目のバロンドールを受賞。現在もリーガ・エスパニョーラで得点ランキング首位につけており、ペレ氏の記録更新は時間の問題とみられている。

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浦和内定MFが見せ付けた“格”…青森山田MF武田英寿、初戦2ゴールと躍動

鮮やかなループシュートを沈めた青森山田高MF武田英寿(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 青森山田高 6-0 米子北高 NACK]

 2連覇を狙うチームのキャプテン。背番号10を背負う大黒柱。そして、J1浦和加入内定が発表されている。今大会の注目選手の一人である青森山田高MF武田英寿(3年)は、初戦からその実力を見せ付けた。

 まずは先制点の起点となる。前半36分、右サイドでボールを受けると、相手選手が激しく寄せてくる。これを逆手に取った。フリーでサポートに入ったMF高橋祐翔(3年)を視野に捉えると、相手の間を通すパス。高橋のクロスをMF松木玖生(1年)がヘディングで叩き込み、先制点となるゴールが生まれた。

「やはり、武田のところで3枚くらいのマークで囲まれるシーンがあったが、彼のマークが厳しくなることを利用して取れた一点だった。そういう意味では有効な攻撃だったと思う」(黒田剛監督)。警戒された中でもきっちりと仕事をこなした。

 そして、後半開始早々の1分には自らゴールを陥れる。相手選手のミスを見逃さずにボールを奪取すると独走。「時間があった」とGKの動きを見極めると、鮮やかなループシュートを沈めてチーム2点目を奪取した。その後も積極的にボールに絡んで攻撃にリズムをもたらし、後半アディショナルタイムにはPKをきっちりと沈めて、6-0の大勝スタートに大きく貢献した。

 自身にとって、高校ラストの大会。「集大成として優勝し、これまで支えてもらった方々に恩返しできるように頑張りたい」とチームの先頭に立ち、頂点だけを見据える。

(取材・文 折戸岳彦)
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「敗因は自分のミス」…大分内定の米子北DF高橋祐翔、悔しさ残した高校ラストマッチ

ともにプロに進む青森山田MF武田英寿と健闘を称え合う米子北高DF高橋祐翔(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.2 選手権2回戦 青森山田高 6-0 米子北高 NACK]

 悲しさよりも悔しさが勝った。試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間、米子北DF高橋祐翔(3年)の高校サッカーは幕を閉じることになった。

 相手は前回王者・青森山田。「自分たちのイメージの中で、どれだけやれるか全然想像できなかった」と試合に臨むと、序盤はハードワークで相手から自由を奪い取った。前線から激しくプレッシャーをかけてプレーに制限をかけ、ロングボールは高橋らがきっちり打ち返して簡単にはPA内への侵入を許さず。前半36分にクロスの流れから先制点を献上したが、焦りはなかった。

「前半は0-0、0-1でも良いという話でやっていた。前半の最後に点を取られたけど、0-1で折り返せたので自分たちのゲームプラン通り。前半は自分たちが思ったよりもやれている感じがあった」

 後半に反撃に出たかったが、予期せぬミスから追加点を奪われてしまう。後半開始早々の1分、味方のパスを受けようとした高橋が「後ろに下がったら、踵が引っかかって転んでしまった」とまさかの転倒。こぼれ球をMF武田英寿に拾われると、鮮やかなループシュートを沈められてしまった。この得点で勢いに乗った青森山田に同20分、同22分、同28分と立て続けにネットを揺らされる。立て直すことができずに後半アディショナルタイムにはPKも決められ、0-6の敗戦で大会から姿を消すことになった。

「悲しいという感情よりも悔しさの方が大きい。やれている感じがあったのに、自分のミスで…。自分のミスから2点目を奪われてしまったことが、今回の敗因だと思っている。あれがなければ、自分たちはもっと良い戦いができたはず」

 高校ラストマッチは悔しさの残る試合となった。しかし、高橋のサッカー人生は続いていく。今後は大分に加入して、プロサッカー選手として歩み始める。「自分がプロの世界で活躍することが、今まで支えて下さった方々への恩返しになると思っている。現実的に少し難しいとは思うけど、一日一日の練習を大切にして、開幕戦からスタートで出るような強い気持ちを持って頑張りたい」。味わった悔しさはプロの世界で晴らしたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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“1試合3点”のミッション継続!「攻撃は最大の防御」で連続完封! 鹿島内定MF松村擁する静岡学園が3回戦へ

完封での2連勝を飾ったMF松村優太(写真中央)擁する静岡学園高(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 全国高校選手権2回戦 丸岡高0-3静岡学園高 駒沢]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を各地で行い、駒沢陸上競技場の第1試合は丸岡高(福井)と静岡学園高(静岡)が対戦した。静岡学園が攻めては目標としている3得点を奪い、守れば相手をシュート1本に抑えて2試合連続での無失点を達成し、3-0で完勝。3日の3回戦では今治東中等教育学校(愛媛)と対戦する。

 互いに4-2-3-1のシステムで、1回戦と同じスターティングメンバーを並べた両チーム。立ち上がりはハイボールをFW田海寧生(3年)に集める丸岡が押し込む場面もあったが、先に試合を動かしたのは静岡学園だった。前半2分、DF野尻惇人(3年)の縦パスを受けたMF小山尚紀(3年)が左サイドからのドリブルで対面のDFを振り切り、勢いに乗ったまま右足シュートを突き刺した。

 1回戦に続いて先制点を与えてしまった丸岡。それでもここから一挙に反撃に出る。前半11分、ペナルティエリア右脇からのFKをMF田島優也(3年)が狙って左CKを得ると、田島のキックを飯田晃明(2年)がヘッド。13分の右CKでは田島がインスイングのボールで直接狙った。しかし、いずれもGK野知滉平(2年)の好セーブに遭い、得点を奪うことはできなかった。

 すると前半20分過ぎからは再び静岡学園のペースが続く。小山のボレーシュートやDF中谷颯辰(3年)のヘッド、FW岩本悠輝(3年)のカットインシュートで次々と好機を迎えると、アディショナルタイム2分にMF浅倉廉(3年)の縦パスから鹿島内定MF松村優太(3年)が右サイドを突破。クロスに合わせた小山がワンタッチで決め、今大会3点目でリードを2点に広げた。

 後半も細かいパス回しとサイドの突破力で崩しにかかる静岡学園に対し、丸岡が田海のポストプレーで打開を試みるという構図。そこで優位に立った静岡学園は22分、ペナルティエリア際まで侵入した浅倉が強烈なミドルシュートを狙うと、GK倉持一輝(3年)に弾かれたボールを岩本が押し込み、勝負を決める3点目を奪った。

 なおも勢いを止めない静岡学園は後半26分、左サイドからカットインした小山がファウルを誘ってペナルティエリア際でFKを獲得。目の前に味方を立たせた壁の隙間を小山が自ら狙ったが、ボールは惜しくも右へと外れた。小山は34分にも華麗なターンからゴールに迫り、局面打開力の高さを試合を通じて見せつけた。

 3点ビハインドの丸岡は最終盤、GK倉持を最前線に上げつつDF遠藤悠生(3年)のロングスローなどで一矢報いようとする。しかし、最後までシュートもつなげることができず、3点差のままタイムアップの笛。静岡学園が2試合連続での完封勝利で、5年ぶりの3回戦進出を果たした。

 試合後、静岡学園の川口修監督は「1試合3点取ろうという目標でやっているので、そこはうまくいって良かった」と得点力には手応え。それでも、中盤で相手のプレッシングに苦しんだことについて「研究されていた。ボールを持てないし、はがせなかった」と厳しい表情を浮かべ、「ウチの出足が遅かったというより、相手が速かった」と振り返る。

 もっとも、相手のプレッシングが中盤中央に集中したことで松村、小山の両サイドハーフがフリーになる機会が増えたとも言える。「来てくれたほうがワイドの武器が活きる」と自信ものぞかせた指揮官はそのメリットを前向きに受け止めつつ、「中盤で握りつつ、真ん中からもワイドからも行けるように、もっと攻撃のバリエーションを出していきたい」と改善点を語った。

 また連続無失点の守備面は「とにかくボールを常に握りながら、攻撃は最大の防御という形でやっている。ボールを握って、カウンターで攻められる回数を減らす」という狙いだが、「ある程度は表現できているが、まだ不用意なミスからカウンターを受けている」と満足はなし。6-0、3-0という理想的な勝ち上がりにも浮かれることなく、まずは前回出場した14年度と同じ8強がかかる次戦に挑む。

(取材・文 竹内達也)
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興國の注目FW樺山も「やっぱりスーパー」「ヤバい」と絶賛。昌平エースMF須藤が上手さで上回り、先制弾も!

後半6分、先制ゴールを喜ぶ昌平高MF須藤直輝(右)
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 試合終了後、握手をかわす際、昌平高の10番MF須藤直輝(2年)は興國高の10番FW樺山諒乃介(2年)から「オマエはやっぱりスーパーだな」と声を掛けられたのだという。2人はともに昨年3月のU-17日本代表候補合宿に選出され、今回の対戦前から連絡を取り合っていたという間柄。須藤はそのライバルを驚かすようなプレー、そしてゴールでチームを勝利へ導いた。

 須藤は序盤から「そこへ潜り込むか?」というようなコース取りのドリブルで相手守備網へ切れ込んで行ったり、キープ力、抜け出しからのシュートでも怖い存在に。だが、前半終了間際には勝負に行くべきところで引いてしまい、ハーフタイムには「(バイタルエリア、PAから)いかにドリブルで上手く仕掛けられるか。思い切って彼ができるチャレンジをしていけば相手が嫌なんじゃないかと思って話をしました」と藤島崇之監督からアドバイスを受けた。

 この言葉を受けた、須藤がアグレッシブな仕掛けからゴールをこじ開ける。後半開始直後の6分、PA内右寄りの位置でMF小川優介(2年)をサポートする形でボールを奪うと、ゴール方向へ向かう動きから強引にシュート。そして、こぼれ球を左足でゴールへねじ込んだ。

 須藤は高校サッカー選手権に憧れて、大宮ジュニアユースから高体連の昌平へ進学。「今までで一番嬉しいというか、ずっと夢見ていた舞台だったのでゴールを決められたことは素直に嬉しかったですし、地元でたくさんの人が応援に来てくれるというのは言われていたので、その人たちに恩を返せたのは良かった」と微笑んだ。

 エースとしての仕事をして勝利に貢献。樺山はその須藤を「ヤバいやつ」と絶賛していた。関西で言えば樺山は1ランク抜きん出たアタッカー。だが、その樺山にして須藤は「タイプが違う」と舌を巻くレベルだったようだ。

「負けたくないという意識は持ってやっていたんですけれども、今は(須藤)直輝の方が上手いです。仲が良いのでアイツがボールを持ったらずっと『はよ奪ってくれ』と思っていたんですけれども、アイツは奪われないです。自分よりも楽しんでいた」と賛辞の連続。自身のプレーで西の注目エースの心に火をつけた須藤は、ここで満足せずにもっと活躍する考えだ。

 守備でも貢献していた須藤だが、この日の自身のプレーについては「60点」と厳し目の評価。「もっとゴールにかかわれたというのと、1点じゃ足りない」という昌平の2年生エースが、國學院久我山高との3回戦ではより相手を驚かすような動きをしてチームを再び勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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[MOM3118]富山一DF丸山以祐(3年)_“総体準Vの夏”以来のヘディング弾

富山一高DF丸山以祐(3年)が決勝ヘディング弾
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

 富山一高の大塚一朗監督が「先手を取って、0点に抑えてっていうのがうちのパターン」と語っていた通りの“ウノゼロ”の勝利となった。決勝点を挙げたのはDF丸山以祐(3年)。前半16分に左CKのボールを頭で叩き込み、神村学園高のゴールに突き刺した。

 正確には「頭に当たって、肩に当たりました」と明かす丸山。ヘディングシュートは得意と言えるものではないと控えめに語る。前半16分、MF高木俊希(3年)が左CKを蹴り上げると、PA内の丸山は冷静に相手選手のチェックを観察。そして隙を見つけると「頭で行こうと決めていました」とニアサイドに飛び込み、ヘディングシュートをねじ込んだ。

 狙い通りの先制点は「チームがいい方向に流れを持っていけるので、この試合を通してよかった」と自身でも評価。富山一はその後持ち味の堅さを発揮し、丸山も5バックの一角として守備力を見せつける。前半27分にはフィジカルを生かし、神村学園FW寺田聡(2年)を体で阻んでピンチを切り抜けた。その後も最終ラインを崩すことなく、相手の縦パスをカットするなど精力的に動き続け、80分間を耐え抜いた。

 完封勝利は「みんなのおかげ」。よって自分の出来に関しては完封よりも得点について挙げる。「自分が点を決めて試合を決められたので、そっちのほうがよかった」と笑みをこぼした。

 丸山のヘディングシュートでの得点は、準優勝に終わった2019年夏のインターハイ以来になる。インターハイ準々決勝・徳島市立高戦(○3-1)で、丸山は右CKから相手GKがはじいたところを頭で押し込み、先制点を挙げた。4強進出を果たした富山一はその勢いのまま決勝に進出。しかし桐光学園高との死闘は、0-0で迎えた後半アディショナルタイムの失点で終戦した。決勝での敗戦について「一瞬で優勝がこぼれ落ちた」と思い返し、「隙を見せずに練習から気を抜かずにやるように」と再び頂点を目指す努力を重ねてきた。

 選手権予選の準々決勝・高岡一高戦(○1-0)では、0-0のままインターハイ決勝と似た試合展開に。「夏の決勝を思い出せ。隙を見せるな」と声を掛け合い続けて接戦を制し、準決勝、決勝では2試合連続で5-0と大勝。夏の悔しさをバネにして、5年連続の選手権出場を手にした。

 2回戦を勝ち進んだ富山一は、明日の3回戦で前回王者・青森山田高(青森)と相まみえる。丸山は「全体的に自分たちより優っているチーム」と敵を認めつつも、当然負けるつもりはまったくない。「先発スタートの11人だけじゃなくて、ベンチにいるメンバーやサポートに回るメンバー、みんなが一丸になって挑めば勝てる」。夏に掴みそこねた優勝のために、臆すことなど何もない。目の前の大きな壁を一つひとつ切り崩していく。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3117]青森山田MF松木玖生(1年)_「柴崎岳よりも肝が据わっている」スーパールーキー

先制点を決めた青森山田高MF松木玖生(写真協力=高校サッカー年鑑)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 青森山田高 6-0 米子北高 NACK]

 指揮官も認める肝が据わった1年生だ。初の選手権の舞台でも動じなかった。青森山田高MF松木玖生(1年)は、2連覇を狙うチームの今大会初ゴールを奪取。勢いをもたらした。

 前半36分だった。右サイドでMF武田英寿(3年)からボールを呼び込んだMF後藤健太(3年)がクロスを送ると、猛然と走り込んできたのが松木だ。「良い感じでサイドで基点を作ってもらった。ゴール前に1枚入っていたけど、自分が入ることでさらに得点を挙げるチャンスが増えると思った」。勢い良くボールに飛び込むと、ドンピシャのタイミングでヘッドで合わせてネットに突き刺した。

「思い切って入って行った結果がゴールにつながった」。この得点で勢いに乗って後半を迎えると攻撃陣が爆発。40分の間に5点を積み重ね、6-0の大勝を収めたチームは2連覇に向けて好スタートを切った。

 入学前のフェスティバルから名門・青森山田の先発を堂々と務めてきたスーパールーキー。黒田剛監督も「肝が据わっている」と評する。「学年は関係ない。柴崎(岳)も1年生の頃に試合に出ていたけど、あれよりも肝が据わっている。体も柴崎よりも早く出きてきたし、攻守ともにすごく貢献している印象。物怖じしない彼の性格が全面的に出せていると思うし、積極的に行っているところが点につながっている」。

 初めての選手権にも動じなかった。「いつものプレーができたと思うし、あんまり変わらない1試合で、特に選手権というイメージはなかった」と普段通りにプレー。プレミアリーグEASTで18戦中16試合に出場したように、1年間試合に出続けたことで「自信をもってやれている」と胸を張る。

 選手権初戦でゴールを奪った男は、昨年12月15日に行われたプレミアリーグファイナル名古屋U-18戦で決勝ゴールをマークしていた。その時のゴールをきっかけに、「自分的にもっと点を取りたい気持ちが高まっている」とゴールへの強い欲が生まれ始めた。「学年は関係ない。得点に絡んで、よりチームに貢献したい」と次戦以降もどん欲にゴールを狙っていく。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

後半に誤算も…“美学”貫いた國學院久我山、PK戦で専修大北上を下して昌平の待つ3回戦へ

PK戦を制した國學院久我山高(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 第98回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に行われた。NACK5スタジアム大宮では専修大北上高(岩手)と國學院久我山高(東京B)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、國學院久我山がPK6-5で勝利を収めた。3回戦は3日に開催され、浦和駒場スタジアムで昌平高(埼玉)と顔を合わせる。

 立ち上がりはボールを握る國學院久我山が攻勢をかけるが、FW山本航生(3年)がGKと1対1の決定機を逃すなど、チャンスを生かせず。徐々に専修大北上が押し返す展開となる。特に左サイドハーフに入ったMF菊地竜空(3年)が個人技が光り、巧みなドリブルからパンチ力のあるシュートでゴールを強襲。しかし、GK村上健(2年)の好セーブもあり、スコアレスで前半を終えた。

 後半序盤も國學院久我山がボールを支配して相手の守備を崩しにかかる中、後半11分に隙を突いて裏へ抜け出そうとした専修大北上FW阿部耀仁(2年)をDF加納直樹(3年)が倒し、2枚目のイエローカードで退場となってしまう。國學院久我山は同15分、ハーフタイム明けからDF保野友裕(3年)に代わって投入されていたDF茅野恵大(3年)を下げ、センターバックとしてDF河原大輔(3年)をピッチに送り出した。

 数的優位で勢いづいた専修大北上は、鋭い動き出しを見せるFW菅原新(3年)やFW千田舜(3年)にボールが入るようになり、相手の背後を突いた攻撃でゴールに迫る。一方、10人となった國學院久我山だが、「防戦一方でPKで勝ち上がるよりも、1点なんとか取って勝ち上がりたかった」(清水恭孝監督)と、伝統のパス回しを軸とした“美しく勝つ”サッカーはブレない。

 後半32分、國學院久我山のFW戸坂隼人(3年)が左足で正確なロングパスを送ると、受けたFW山下貴之(3年)がPA内左から左足でシュート。しかし、枠に飛ばせない。その後も攻撃の姿勢を貫き、終盤にはMF大窟陽平(2年)や戸坂がチャンスを迎えるなど、最後まで得点の匂いを感じさせたが、互いにゴールを奪えずに0-0で後半終了のホイッスルが吹かれた。

 PK戦は5人目を終えて4-4と決着がつかず、5-5で迎えた7人目で先攻の専修大北上DF那須永翔(3年)が失敗する。勝利が懸かる國學院久我山の7人目キッカーを任されたのはGK村上。左足でゴール左を狙ったシュートはGK高橋諒朋(3年)に触られながらもネットを揺らし、國學院久我山がPK6-5で激闘を制した。

(取材・文 阿部哲也)
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清水、2選手との契約更新も発表

エウシーニョと六平光成との契約更新
 清水エスパルスは2日、MF六平光成(28)とDFエウシーニョ(30)との契約更新を発表した。

 2013年に中央大から加入して以降、清水一筋の六平は、今季リーグ戦24試合に出場。昨年、川崎Fから加入したエウシーニョは、リーグ戦27試合4得点を記録した。

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[MOM3116]昌平MF柴圭汰(2年)_「できない訳じゃない」“守備職人”が自信得て、攻撃面でも存在感

中盤で攻守に存在感を放った昌平高MF柴圭汰
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 注目カードとなった興國高(大阪)との初戦。昌平高(埼玉)はともに身長160cm台と小柄なMF柴圭汰(2年)とMF小川優介(2年)のダブルボランチのプレーが光った。藤島崇之監督も「予測と反応という部分でいうと、彼らはチームの中心として良い仕事をしてくれているので、そういう意味では今日はそこがもうひとつ大きな勝因だったと思います」とコメント。そして、指揮官は迷った末に柴をマン・オブ・ザ・マッチに指名した。

 守備能力が高く、名字から文字って“芝刈り機“の異名を持つ柴は、登録162cm、55kgと登録メンバーで最も小柄。だが、「相手が上手いし、デカくなるほど自分が『ボールを奪ってやろう』という気持ちが増すので、凄くそういった選手とやるのは楽しみです」という柴は、この日も相手の懐に潜り込んでボールを奪うなど貢献していた。

 身体能力の高い選手ではないが、読みの速さと献身性は一級品。この日は対戦相手に世代屈指のドリブラー、FW樺山諒乃介(2年)がいたことも闘志を燃やす要因になっていたようだ。

「(樺山は)本当に日本の高校生でも凄い上手いレベルだと思うので、自分がどれだけできるのか凄く楽しみにしていた」。興國は樺山をはじめ、攻撃タレントが多数。その中で柴は自分一人で奪い取れなくても、ポジショニング良く相手の攻撃を遅らせ、味方とともにボールを奪い取っていた。

 加えて、印象的だったのが、攻撃面での進化だ。埼玉県予選時に比べて明らかにボールを触り、ドリブルする回数が増えている。これまでならばあっさりと味方にパスしていたような状況でもボールを離さずに相手DFを剥がしに行っていたほか、正確なサイドチェンジを1本、2本とサイドにつけるなど、攻撃時でもゲームメーカーの小川と変わらぬ存在感を見せていた。

 藤島監督は「自信持っちゃったみたいで(微笑)。(選手は)『あれ、やれるな』と思った時にチャレンジしだすので、逆に今までチャレンジしないでビクビクしながらやっていたのが『あれ、行けるな』と思い切ってやっていましたね」と分析する。

 その言葉通り、本人は攻撃面での自信を持ち始めているのだという。「自分はあまりみんなと比べて上手くないと思っているんですけれども、そんなに『できない訳じゃない』と思ったので、ある程度自分のところでもタメを作れるようになってきていますし、攻撃に少しネガティブなところも持っていたんですけれども、今はネガティブな部分もなくなってきたので、もっと攻撃に磨きをかけていきたいです」。相手をいなしてキープすることなどあまり見せなかったMFが今、これまで以上に攻撃面でも堂々とプレーしている。

 本人は試合を重ねるごとに自身の成長を実感している模様。それだけに、「もっと成長するために勝って一戦一戦戦っていきたい」。“守備職人”から攻守の中心に姿を変えつつある小柄なボランチは、次戦も勝利に貢献して、また進化を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3116]昌平MF柴圭汰(2年)_「できない訳じゃない」“守備職人”が自信得て、攻撃面でも存在感

中盤で攻守に存在感を放った昌平高MF柴圭汰
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 注目カードとなった興國高(大阪)との初戦。昌平高(埼玉)はともに身長160cm台と小柄なMF柴圭汰(2年)とMF小川優介(2年)のダブルボランチのプレーが光った。藤島崇之監督も「予測と反応という部分でいうと、彼らはチームの中心として良い仕事をしてくれているので、そういう意味では今日はそこがもうひとつ大きな勝因だったと思います」とコメント。そして、指揮官は迷った末に柴をマン・オブ・ザ・マッチに指名した。

 守備能力が高く、名字から文字って“芝刈り機“の異名を持つ柴は、登録162cm、55kgと登録メンバーで最も小柄。だが、「相手が上手いし、デカくなるほど自分が『ボールを奪ってやろう』という気持ちが増すので、凄くそういった選手とやるのは楽しみです」という柴は、この日も相手の懐に潜り込んでボールを奪うなど貢献していた。

 身体能力の高い選手ではないが、読みの速さと献身性は一級品。この日は対戦相手に世代屈指のドリブラー、FW樺山諒乃介(2年)がいたことも闘志を燃やす要因になっていたようだ。

「(樺山は)本当に日本の高校生でも凄い上手いレベルだと思うので、自分がどれだけできるのか凄く楽しみにしていた」。興國は樺山をはじめ、攻撃タレントが多数。その中で柴は自分一人で奪い取れなくても、ポジショニング良く相手の攻撃を遅らせ、味方とともにボールを奪い取っていた。

 加えて、印象的だったのが、攻撃面での進化だ。埼玉県予選時に比べて明らかにボールを触り、ドリブルする回数が増えている。これまでならばあっさりと味方にパスしていたような状況でもボールを離さずに相手DFを剥がしに行っていたほか、正確なサイドチェンジを1本、2本とサイドにつけるなど、攻撃時でもゲームメーカーの小川と変わらぬ存在感を見せていた。

 藤島監督は「自信持っちゃったみたいで(微笑)。(選手は)『あれ、やれるな』と思った時にチャレンジしだすので、逆に今までチャレンジしないでビクビクしながらやっていたのが『あれ、行けるな』と思い切ってやっていましたね」と分析する。

 その言葉通り、本人は攻撃面での自信を持ち始めているのだという。「自分はあまりみんなと比べて上手くないと思っているんですけれども、そんなに『できない訳じゃない』と思ったので、ある程度自分のところでもタメを作れるようになってきていますし、攻撃に少しネガティブなところも持っていたんですけれども、今はネガティブな部分もなくなってきたので、もっと攻撃に磨きをかけていきたいです」。相手をいなしてキープすることなどあまり見せなかったMFが今、これまで以上に攻撃面でも堂々とプレーしている。

 本人は試合を重ねるごとに自身の成長を実感している模様。それだけに、「もっと成長するために勝って一戦一戦戦っていきたい」。“守備職人”から攻守の中心に姿を変えつつある小柄なボランチは、次戦も勝利に貢献して、また進化を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

選手権3回戦の組み合わせ決定!連覇狙う青森山田は富山一と激突

青森山田は富山一と対戦(写真協力=高校サッカー年鑑)
 2日、第98回全国高校サッカー選手権2回戦が行われ、3回戦の組み合わせが決定した。

 大量6ゴールで連覇に向けて好発進した青森山田高(青森)は、今夏のインターハイ準優勝校の富山一高(富山)と対戦。興國高(大阪)との注目対決を制した昌平高(埼玉)は、数的不利ながらPK戦の末に勝ち上がった國學院久我山高(東京B)と戦う。

 そのほか、ここまで9得点無失点の静岡学園高(静岡)は初出場・今治東中等教育学校(愛媛)、Jリーグ内定者3人を擁する帝京長岡高(新潟)は神戸弘陵高(兵庫)、前回ベスト4の尚志高(福島)をPK戦の末に下した徳島市立高(徳島)は筑陽学園高(福岡)とそれぞれ対戦する。

 なお、3回戦は明日3日に4会場で開催される。

【3回戦】
(1月3日)
[フクダ電子アリーナ]
四日市中央工 12:05 日章学園
鵬学園 14:10 矢板中央

[浦和駒場スタジアム]
國學院久我山 12:05 昌平
青森山田 14:10 富山一

[等々力陸上競技場]
帝京長岡 12:05 神戸弘陵
仙台育英 14:10 日大藤沢

[駒沢陸上競技場]
静岡学園 12:05 今治東
徳島市立 14:10 筑陽学園


●【特設】高校選手権2019

徳島市立がPK戦で尚志撃破!J内定3人擁する帝京長岡や富山一などが3回戦へ:2回戦第2試合

富山一高が1-0で勝利
 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦第2試合を行い、帝京長岡高(新潟)と富山一高(富山)、初出場・今治東中等教育学校(愛媛)などが3回戦進出を決めた。

 Jリーグ内定者を3人擁する帝京長岡は熊本国府高(熊本)と対戦。MF田中克幸(3年)と京都内定MF谷内田哲平(3年)、町田内定FW晴山岬(3年)の得点により3-0で初戦を制した。今夏インターハイ準優勝の富山一は左CKからDF丸山以祐(3年)がヘディングシュートを沈め、神村学園高(鹿児島)に1-0で競り勝った。

 初出場の今治東は山形中央高(山形)と対戦し、FW高瀨太聖(2年)の2ゴールにより選手権初勝利。四日市中央工高(三重)は後半2分に鳥取内定FW田口裕也(3年)のゴールで追いつくと、21分にはMF森夢真(3年)が決勝点を挙げ、松本国際高(長野)を2-1で退けた。

 一方、鹿島内定FW染野唯月(3年)を負傷で欠く前回ベスト4の尚志高(福島)は、インハイ8強の徳島市立高(徳島)とスコアレスのままPK戦に突入。PK3-4で敗れ、初戦敗退となっている。

 なお、3回戦は明日3日に行われる。

【2回戦】
(1月2日)
[NACK5スタジアム大宮]
青森山田 6-0 米子北
[青]松木玖生(36分)、武田英寿2(41分、80分+4)、神田悠成(60分)、田中翔太(62分)、後藤健太(68分)

専大北上 0-0(PK5-6)國學院久我山

[ゼットエーオリプリスタジアム]
鵬学園 1-1(PK4-3)京都橘
[鵬]坂本健太(80分)
[京]松本永遠(53分)


矢板中央 2-1 大手前高松
[矢]靏見拳士朗(32分)、左合修土(55分)
[大]片上椋太(37分)


[ニッパツ三ツ沢球技場]
神戸弘陵 3-2 明秀日立
[神]沖吉大夢2(14分、73分)、松野隼輝(44分)
[明]根本琳生2(52分、80分+3)


帝京長岡 3-0 熊本国府
[帝]田中克幸(19分)、谷内田哲平(25分)、晴山岬(68分)

[フクダ電子アリーナ]
日章学園 0-0(PK7-6)市立船橋

松本国際 1-2 四日市中央工
[松]小林丈太郎(20分)
[四]田口裕也(42分)、森夢真(66分)


[味の素フィールド西が丘]
草津東 1-2 筑陽学園
[草]渡邉颯太(24分)
[筑]過能工太郎(38分)、今田光(77分)


山形中央 0-2 今治東
[今]高瀨太聖2(25分、56分)

[浦和駒場スタジアム]
昌平 2-0 興國
[昌]須藤直輝(46分)、鎌田大夢(51分)

富山一 1-0 神村学園
[富]丸山以祐(15分)

[等々力陸上競技場]
日大藤沢 3-1 広島皆実
[日]成定真生也(14分)、吉本武(20分)、平田直輝(70分)
[広]岡本拓海(46分)


仙台育英 1-0 高川学園
[仙]吉田健太(72分)

[駒沢陸上競技場]
丸岡 0-3 静岡学園
[静]小山尚紀2(2分、40分+2)、岩本悠輝(62分)

尚志 0-0(PK3-4)徳島市立


●【特設】高校選手権2019

富山一が丸山ヘッド弾で“先手完封”ウノゼロ勝利! 3回戦で前回王者との大一番へ

富山一DF丸山以祐のヘディング弾が決勝点に
[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行った。浦和駒場スタジアムの第2試合では富山一高(富山)と神村学園高(鹿児島)が対戦。富山一が1ー0で勝利した。3回戦は3日に行われ、富山一は同会場で前回王者・青森山田高(青森)と相まみえる。

 富山一はキックオフからセンターラインに枚数を置き、一気に攻勢に出る。前半1分にはMF高木俊希(3年)が中盤で相手選手を抜き去って左足シュート。枠外に飛んだが、序盤から果敢にゴールへと迫っていった。

 すると前半15分、富山一の狙いが功を奏す。高木の左CKをニアサイドのDF丸山以祐(3年)がドンピシャヘッド。ゴールに叩き込み、1-0と先制に成功した。

 富山一は得点後から5-3-2の布陣を崩さず、試合を落ち着かせる。一方、ボールを持った神村学園が反撃開始。前半22分、MF濱屋悠哉(3年)が中盤から右足ミドルを放つがゴール左外へ。同24分には濱屋がPA内に運び、PA手前にこぼれたところをMF永吉飛翔(2年)が右足ダイレクトで合わせるが、またしてもゴール枠外へと逸れた。33分にはMF軸丸広大(3年)の浮き球パスをFW寺田聡(2年)が落とし、濱屋がボレーを放つが枠内には収まらなかった。

 富山一は前半を1-0で折り返すと、後半開始から少しずつ攻め立てる。後半2分にはFW吉倉昇空(2年)がドリブル突破でPA右から右足シュートを放ち、ゴールを脅かす。同4分には中盤からのFKを高木が蹴り、DF吉藤廉(3年)が頭で折り返すが、相手のブロックに遭った。

 神村学園は後半15分にMF加治屋陸(3年)に代えてMF樋渡鯉太郎(3年)を投入も、流れは引き寄せられない。富山一はMF広瀬翔一朗(3年)が中盤から前線に浮き球のスルーパスを放ち、FW碓井聖生(3年)が反応。PA右で相手DFをかわしてシュートを放つが、GK吉山太陽(2年)の好セーブに阻まれた。

 神村学園が後半23分、右サイドからの攻撃がPA手前に落ちていくと、走り込んだDF下川床勇斗(2年)が渾身の左足シュート。しかし富山一はGK中村純四郎(3年)が体勢を崩していたが、DF牧野奏太(3年)が体を張ってブロックした。

 流れを掴む神村学園だが、富山一は簡単にゴールを割らせない。後半35分にはFKから神村学園のカウンターとなるが、富山一は途中出場のMF中嶋颯樹(3年)がスライディングタックルでしっかり相手の攻撃を封じてみせた。

 富山一がそのまま試合を締め切り、1-0で勝利。1回戦後に富山一の大塚一朗監督が語った「先手を取って、0点に抑えてっていうのが本来のうちのパターン」という言葉通りの展開で、3回戦進出を決めた。次戦は前回王者で、2回戦を大量6得点で勝利した王者・青森山田との大一番となる。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2019

王者・青森山田が好発進!市立船橋と京都橘はPK戦の末に初戦敗退:2回戦第1試合

青森山田が快勝スタート(写真協力=高校サッカー年鑑)
 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦第1試合を行い、青森山田高(青森)と昌平高(埼玉)、静岡学園高(静岡)などが明日3日に行われる3回戦進出を決めた。

 前回王者・青森山田は大分内定DF高橋祐翔(3年)を擁する米子北高(鳥取)と対戦。U-16日本代表DF松木玖生(1年)が先制ゴールを決めると、後半に浦和内定MF武田英寿(3年)が2ゴールを挙げるなど、大量6発で完封スタートを切った。

 昌平と初出場・興國高(大阪)による注目カードは、スコアレスで折り返した後半にU-17日本代表MF須藤直輝(2年)と福島内定MF鎌田大夢(3年)がゴールネットを揺らし、昌平が技巧派対決を2-0で制して初戦を突破した。

 6ゴール発進となったMF松村優太(→鹿島)が所属する静岡学園は丸岡高(福井)と対戦し、MF小山尚紀(3年)の2ゴールにより3-0で完封勝利。DF畑大雅(→湘南)とMF鈴木唯人(→清水)のJリーグ内定者2人を擁する市立船橋高(千葉)と日章学園高(宮崎)の一戦はスコアレスのままPK戦に突入し、PK7-6で日章学園が勝った。

 そのほか、インターハイ4強・京都橘高(京都)とのPK戦を制した鵬学園高(石川)、明秀日立高(茨城)に3-2で競り勝った神戸弘陵高(兵庫)、逆転勝利した筑陽学園高(福岡)、日大藤沢高(神奈川)がベスト16入りを果たした。

【2回戦】
(1月2日)
[NACK5スタジアム大宮]
青森山田 6-0 米子北
[青]松木玖生(36分)、武田英寿2(41分、80分+4)、神田悠成(60分)、田中翔太(62分)、後藤健太(68分)

専大北上 14:10 國學院久我山

[ゼットエーオリプリスタジアム]
鵬学園 1-1(PK4-3)京都橘
[鵬]坂本健太(80分)
[京]松本永遠(53分)


矢板中央 14:10 大手前高松

[ニッパツ三ツ沢球技場]
神戸弘陵 3-2 明秀日立
[神]沖吉大夢2(14分、73分)、松野隼輝(44分)
[明]根本琳生2(52分、80分+3)


帝京長岡 14:10 熊本国府

[フクダ電子アリーナ]
日章学園 0-0(PK7-6)市立船橋

松本国際 14:10 四日市中央工

[味の素フィールド西が丘]
草津東 1-2 筑陽学園
[草]渡邉颯太(24分)
[筑]過能工太郎(38分)、今田光(77分)


山形中央 14:10 今治東

[浦和駒場スタジアム]
昌平 2-0 興國
[昌]須藤直輝(46分)、鎌田大夢(51分)

富山一 14:10 神村学園

[等々力陸上競技場]
日大藤沢 3-1 広島皆実
[日]成定真生也(14分)、吉本武(20分)、平田直輝(70分)
[広]岡本拓海(46分)


仙台育英 14:10 高川学園

[駒沢陸上競技場]
丸岡 0-3 静岡学園
[静]小山尚紀(2分、40分+2)、岩本悠輝(62分)

尚志 14:10 徳島市立


●【特設】高校選手権2019

5人で6発!! 王者・青森山田、2連覇に向けて好発進!! 米子北に完封勝利で3回戦へ

2連覇を狙う青森山田高が米子北高を下した
[1.2 選手権2回戦 青森山田高 6-0 米子北高 NACK]

 第98回全国高校サッカー選手権2回戦が各地で行われ、NACK5スタジアムでは23年連続25回目の出場となる前回王者の青森山田高(青森)と10年連続15回目の出場となる米子北高(鳥取)が対戦。前半36分に先制した青森山田が後半に5点を加点して、6-0の完封勝利を収めて3回戦へと駒を進めた。

 青森山田はMF武田英寿(3年/浦和内定)、MF古宿理久(3年/横浜FC内定)、米子北はDF高橋祐翔(3年/大分内定)とJ内定者3人がピッチに立った一戦。いきなりゴールを脅かしたのは米子北だった。前半2分、DF岡田大和(3年)がミドルレンジから思い切り良く放った左足ミドルが枠を捉える。勢い良くゴールに向かったものの、GK佐藤史騎(3年)に片手で弾き出されてしまった。さらに同13分にはFW崎山友太(2年)がPA外から狙うが、ボールは枠上に外れた。

 立ち上がりは米子北に押し込まれたが、プレミアリーグを制して“2冠”を狙う青森山田が徐々にリズムを生み始める。前半23分には右サイドでフリーで受けたFW後藤健太(3年)がフィニッシュまで持ち込むが、コースに入った高橋にブロックされてしまった。その後は再び米子北がペースをつかみ、クロスからゴールに迫ろうとするが、ことごとく佐藤がハイボールをキャッチしてフィニッシュまで持ち込めない。

 すると、前半36分に青森山田が試合を動かす。右サイドで武田からボールを受けた後藤がクロスを送ると、走り込んだMF松木玖生(1年)がドンピシャのタイミングでヘディングで合わせてネットを揺らし、スコアを1-0とした。

 1-0のまま後半を迎えると、同2分に相手のミスを見逃さずにボールを奪った武田が独走。距離を詰めようとするGK長崎勇也(2年)の動きを見極め、鮮やかな左足ループを沈めて青森山田がリードを2点差に広げる。2点のビハインドを背負った米子北は同7分にMF居川楓河(3年)に代えてFW佐野航大(1年)、同16分にはDF荒川莉音(3年)に代えてDF野嶋健人(3年)をピッチへと送り込み、状況を打開しようと試みる。

 しかし、青森山田の勢いは止まらない。後半20分、武田が蹴り出したFKのこぼれ球をDF神田悠成(3年)が蹴り込んで3点目を記録。同22分には古宿のパスから右サイドを駆け上がった後藤のグラウンダーのクロスをFW田中翔太(3年)が押し込み、リードは4点差に。さらに同28分にはMF浦川流輝亜(3年)の折り返しを受けた後藤がねじ込み、スコアは5-0となった。

 何とか反撃に出たい米子北は後半30分に崎山に代えてMF岡田后央(3年)、MF林莞大(2年)に代えてDF横山凌雅(2年)と2枚替えを行う。しかし、最後まで青森山田守備を攻略し切れず。後半アディショナルタイムには武田がPKを沈め、2連覇を狙う青森山田が6-0の快勝を収めた。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

「どちらが上手くて、強い?」の注目対決は昌平が興國撃破!

昌平高の2年生エース、MF須藤直輝(左)は先制点を決めた
[1.2 選手権2回戦 昌平高 2-0 興國高 浦和駒場]

 昌平が技巧派対決制す! 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、浦和駒場スタジアム(埼玉)で開催された地元・c昌平高(埼玉)と興國高(大阪)との一戦は2-0で昌平が勝った。

 前評判高い技巧派軍団・昌平、“最強クラスの初出場校”興國がいきなり激突した2回戦の注目カード。ゴール裏の一部を除くと、ほとんどの客席が埋まるほどの観衆が押し寄せた中で開催された一戦は、前半から互いに技術力、ポジショニングの良さなどを見せ合う好ゲームとなった。

 互いにボールを大事に繋いで組み立てようとする。その中で昌平はともに小柄だが存在感放つMF柴圭汰(2年)とMF小川優介(2年)のダブルボランチを中心にボールを動かし、U-17日本代表候補MF須藤直輝(2年)やMF紫藤峻(3年)のドリブル突破やFW小見洋太(2年)の思い切りの良いシュートなどで先制点を狙う。

 一方の興國はJ1クラブ注目のGK田川知樹(2年)がショートパス、非常に正確なフィードで攻撃の起点に。両SBが高い位置取りをする興國はセンス光るMF湯谷杏吏(2年)らが絡む形でジワリジワリとボールを前進させたり、フィジカル能力優れたU-17日本代表FW杉浦力斗(2年)の強さを活用した攻撃で相手にプレッシャーをかける。

 だが、昌平は俊足CB西澤寧晟(3年)が的確なカバーリングを見せるなど相手に決定打を打たせない。そして、徐々に狭い局面を打開する上手さで差を作り始める。24分に小川のスルーパスから須藤が放った右足シュートは興國GK田川が足でファインセーブ。興國は最後の局面でCB中島超男(2年)や金沢内定MF田路耀介主将(3年)が身体を投げ出して攻撃を食い止める。互いに守備の堅さも見せて前半0-0で折り返した。

 迎えた後半、昌平が地元の観衆を沸かせる。6分、小見が右サイドへ抜け出すと、サポートした小川が一度ボールを失いながらもPAで奪い返す。そして、須藤が自ら仕掛けたこぼれを拾ってシュート。これがゴールを破って先制した。

 さらに昌平は11分、ビルドアップする相手DFから鎌田がインターセプト。GKとの1対1を右足で制して2-0と突き放した。その後も昌平は相手を見ながらボールを繋ぎ、スペースを突くドリブルも含めて主導権を渡さない。そして鋭い抜け出しを連発する小見のシュートが興國ゴールを脅かす。

 興國は幾度か良い形でのボール奪取から仕掛けまで持ち込むシーンを作り出していたが、昌平の守りを切り崩すことができないまま試合終了。昌平の藤島崇之監督は「粘り強くやれたことが結果に繋がった」。互いに技巧派のタレントを多数擁し、そのスタイルからも「どちらが上手いのか」注目された一戦は、鎌田が「(興國も)凄く上手いチームですし、個人技では自分たちと同じくらい上手いのかなと思うんですけれども、それでも自分たちはそこを武器にしているんで、そこでは負けたくないです」と語っていた昌平が制し、3回戦へ駒を進めた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

GK玉突き移籍…湘南、福島GK堀田大暉を獲得!GK秋元陽太は地元・町田へ

秋元陽太が地元クラブへ
 湘南ベルマーレは2日、GK秋元陽太(32)がFC町田ゼルビアに期限付き移籍、福島ユナイテッドFCからGK堀田大暉(25)が完全移籍で加入することを発表した。

 町田に期限付き移籍する秋元は、2017年から湘南に所属。昨季はリーグ戦30試合に出場した。クラブ公式サイトを通じて「自分にとっては苦渋の思いではありますが、湘南ベルマーレが新しいチームに生まれ変わる時。それが今なんだと思い、チームを離れることを決めました。チームのサポート、力になれないことをお許しください。今シーズンは地元、町田で湘南ベルマーレでの経験を生かして頑張ってきます」とコメントした。

 また、湘南に加入するプロ2年目の堀田は「来季湘南ベルマーレの一員として戦えることを大変嬉しく思います。自身の成長がチームの力になることを信じて、チームの勝利のために覚悟を持って日々のトレーニングからひたむきに頑張ります!応援よろしくお願いします!」と挨拶している。

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【動画】ウイイレ2020「まやげか会」決勝 レバVS掛け布団【ノーカット映像】

【動画】ウイイレ2020「まやげか会」決勝 レバVS掛け布団【ノーカット映像】
 プロゲーマーのMayageka(まやげか)が主催した「まやげか会」(共催:ゲキサカFC)が2019年12月22日に講談社で開催された。『eFootball ウイニングイレブン2020』(ウイイレ2020)を使用したミニトーナメントではウイイレ猛者たちが激闘を繰り広げた。

 延長・PK戦なしで2試合を行い、合計スコアで勝敗を決めるレギュレーション(2試合合計が同点の場合はゴールデンゴール方式で3試合目を行う)。決勝では、2018年のアジア競技大会で金メダルを獲得し、2019年秋の茨城国体でも優勝したレバと、BS11CUP全日本eスポーツ学生選手権2018優勝の掛け布団が対戦した。

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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:ラストゲーム(都立東久留米総合高)

(写真協力=高校サッカー年鑑)
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 衝撃的な40分間がようやく終わった。絶望に近い感情が空色の彼らを駆け巡る。「『これは後半で“8失点”あるな』と思っていました」と正直な心情を打ち明けるのは加藤悠監督。「オレがキャプテンマークを巻いたからにはやるしかないのに、3失点というのがただただ情けなかったです」と語った岩田蓮太は、もう泣いていた。スコアは0-3。西が丘のスタンドから送られていた歓声は、ことごとく溜息に変わる。少なくともこの時点で、東久留米総合高に何かが起きる雰囲気は微塵もなかった。

 新チームの立ち上げは昨年11月。選手権予選の早期敗退を受け、東久留米総合にしては珍しい新人戦が彼らの出発点となる。ただ、自らの学校に人工芝のグラウンドを有しているにもかかわらず、土のグラウンドからこの代の公式戦はスタートした。その事実を加藤監督は“映像”で知る。

「ウチのグラウンドがその時期からコーチライセンス講習会の会場になるんですよ。その時の僕はまだ続いていたリーグ戦のベンチに入っていて、新人戦は違うコーチに指揮を執ってもらって、家にiPadを持って帰って映像を見た時に、東久留米総合の空色のユニフォームが“土”で公式戦を戦っていたんです。今までの歴史がある中で、あのユニフォームがドロドロになっているのを見て、『やってしまったな』という想いと、それでも一生懸命やっている選手たちの映像を見て、本当にここから這い上がらなくてはいけないと思ったんです」。

 そもそも“最弱”と言われてきた代でもある。「入学当初から自分たちの代は『弱い弱い』と言われ続けてきて、それが悔しくてみんな頑張っていたので、『自分たちの代になったらどんなに苦しい試合になっても勝つぞ』みたいな気持ちは持っていましたね」。柳田晃陽は苦笑しながら心の内を明かす。

 指揮官は「『“最弱”って誰が言ったんだ』って僕は言っていて。彼らは僕が言ったって言うんですけど(笑)」と前置きしながら、言葉を続ける。「1つの指標は毎年やっているフィジカルの客観的な数値だったんです。それを見た時に歴代でも圧倒的に低くて。ハッパをかける意味でも『努力しないといけないぞ』と最初の方で言ったので、そのことなのかなあ…」。その意味を差し引いても、決して大きな期待を背負ってきた訳ではない背景は窺える。

 それでも、関東大会予選では見事にファイナリストとなり、本大会への出場権を獲得。チームは大きな自信を得たはずだったが、続く総体予選ではシード権を得て迎えた初戦の準々決勝で駒澤大高に0-3の完敗。以降のリーグ戦でもなかなか勝ち星が付いてこない。「チーム自体の雰囲気もあまり良くなかったので、その時はちょっとキツかったですね」とその頃を思い出すのは絶対的なキャプテンの下田将太郎。グループはバラバラになり掛けていた。

 決定的なダメージを負ったのは、この代で臨む最後の公式戦となる選手権予選の少し前。「選手権が近付く1か月前のリーグ戦で8失点して、選手権直前のリーグ戦でまた8失点して、もう本当に自信を失い掛けていて…」(加藤監督)。ところが、逆にこのショックが彼らの迷いを吹っ切らせる。「今まで立ち位置を取って、相手を見てプレーする練習を一生懸命したけど、もう最後は勝ちに行く大会だから、『粘り全面で行こう』と。『強度を前面に出していこうな』と」指揮官も腹を括る。確かな勝算はなかったが、選手たちも腹を括る。

 効果はてきめんに現れた。1-0。1-0。1-0。1-0。耐えて、耐えて、蜂の一刺し。4試合連続の“ウノゼロ”で選手権予選の東京を力強く制してみせる。「ハードワークしなきゃ勝てないとか、体を張らなきゃいけないというのを1人1人が実感し始めて、それで練習から強度も上がってきたので、そこからちょっと良くなり始めた所はあります」とは下田。あるいは彼らが望んだ内容ではなかったかもしれないが、結果が出ている以上は信じるほかにない。2度の“8失点”を喫した集団が、いつしか“堅守”のチームと呼ばれるようになっていくのだから、サッカーは面白い。

 12月31日。味の素フィールド西が丘。東久留米総合にとって8年ぶりとなる全国大会が幕を開ける。相手は滋賀県代表の草津東高。スタンドは応援団を含めて“空色”に染め抜かれる。圧倒的なホーム感を醸し出すスタジアムは、しかし試合がスタートすると、少しずつ重い空気に包まれていく。

 すべての始まりはわずか開始4分。オフサイドフラッグが上がったものの、主審はプレー続行を促したことで生まれた一瞬のスキを突かれ、東久留米総合は先制点を許すが、むしろ予選を通じて初めて奪われた失点より、遥かに大きなショックがチームに広がる。相手フォワードとの接触で右足を痛めた下田が負傷退場。早くも鈴木亜藍との交替を余儀なくされる。

「将太郎がいなくなったことで、精神的な面でショックを受けてしまいました」と素直に振り返るのはボランチの足立真。19分にはコーナーキックからオウンゴールという形で2失点目を献上し、31分にもファインゴールを叩き込まれて早くも3失点目。「みんなの動揺があって、失点してから立て直せなかったですし、『これはどこかで落ち着かせないとズルズル行くな』と思っていました」と話すのは柳田。何をやっても、事態は一向に好転しない。

 衝撃的な40分間がようやく終わった。絶望に近い感情が空色の彼らを駆け巡る。「『これは後半で“8失点”あるな』と思っていました」と正直な心情を打ち明けるのは加藤監督。「オレがキャプテンマークを巻いたからにはやるしかないのに、3失点というのがただただ情けなかったです」と語った岩田は、もう泣いていた。スコアは0-3。西が丘のスタンドから送られていた歓声は、ことごとく溜息に変わる。少なくともこの時点で、東久留米総合に何かが起きる雰囲気は微塵もなかった。

 岩田は“遅れてきた”選手だった。Aチームに定着したのは夏過ぎから。そもそも総体予選が終わったタイミングで“引退”も考えていたが、同校サッカー部のOBでもある兄に励まされて“現役続行”を決意すると、偶然2人のセンターバックが相次いで負傷したタイミングで練習試合に起用され、そこでゴールを奪ってからレギュラーを獲得したような経緯を持つ。

 鈴木も決して順調な3年間を歩んできた選手ではなかった。岩田同様に夏前までは下のカテゴリーでプレーしていたため、関東大会も経験していない。Aチームに上がってからも出場機会はなかなか訪れず、選手権予選も出場したのは初戦のラスト5分だけ。「チームが勝っていったことは嬉しいんですけど、ベンチで悔しい気持ち、歯がゆい気持ちでいました」と本心を打ち明ける。

 松山はある時期、チームの雰囲気を壊し掛けていた。間違いなく今年の代の得点源ではあったが、ハードワークができずに周囲のイライラが募る。特に下田とは何度も衝突を繰り返し、一時は険悪な関係に陥ったという。それでも、選手権が近付くにつれて「みんなに言われて、さすがにやらなきゃと思って」守備でも献身的なプレーを出せるようになり、結果として準々決勝と準決勝でゴールを記録。下田も「自然と自分が言う回数が少なくなってきています」とその変化を認めていた。

 柳田にはチームメイトに救われた試合がある。選手権予選準々決勝。スタメンリストにいつも記されている彼の名前が見当たらない。その週の練習中に脳震盪を起こしたため、大事な一戦の欠場を余儀なくされた。勝利の瞬間。人目をはばからず涙を流し、仲間からイジられていた男は「みんなに準決勝に連れて行ってもらった時に、『結果で示したいな』と思っていたんですけど結果を出せなくて、決勝も結果を出せなくて、そこから1か月間もどかしい気持ちをずっと持っていた」そうだ。

 誰もがこの3年間で様々な成功と挫折を繰り返し、ようやくこの晴れ舞台まで辿り着いた。こんな形で高校サッカーが終わっていい訳がない。無念の退場を強いられた下田が仲間に語り掛ける。「もう下を向かないで、楽しんでやろう」「このまま終わったらもったいない」。空色のイレブンにスイッチが入った。

 後半13分。この日も松山がゴールネットを揺らす。「将太郎はいつも僕に怒っていましたけど、いなくなったらいなくなったで『頼もしい人がいないな』みたいな感じでした。やっぱり将太郎の存在はかなり大きかったんだなと思います」と口にしたストライカーが一仕事。1-3。スタジアムの空気が変わる。

 24分。今度は松山に続いて、柳田が得点を奪う。「ハーフタイムにもう一度スタンドを見て、出られなくて悔しい人たちがいるので、出ている自分がこんなプレーをしていて申し訳ないなと思って、気持ちを入れ直しました」と話すフォワードの一撃。もはや西が丘は完全に東久留米総合の“ホーム”となる。

 鈴木は苦しくなったら、空色のスタンドを見つめていた。「僕は最後の半年ぐらいでやっとAチームに上がったので、スタンドにいたのは2年半ぐらいずっと一緒にプレーしていた人がほとんどなんですよ。だから、そういう仲間の顔を見ると凄く力が出ました」。その一歩に、その一蹴りに、彼らの力が自身を衝き動かしてくれる。

 岩田はあることに気付いていた。「東京都予選でもああいう戦い方をしたかった訳ではなくて、後半のような戦い方でやっていきたいというのはあったので、本当に練習で繰り返し繰り返しやっていた攻撃がちゃんと出たなって。練習の成果が発揮されたのは本当に嬉しく思います」。無念の下田から引き継いだキャプテンマークを改めて締め直す。

 耐えて、耐えて、蜂の一刺しではなく、しっかり積み上げてきた攻撃の形を、この選手権という最高のステージで披露している。精神的支柱のキャプテンを欠き、3点のビハインドを負った最悪の40分間を経て、彼らの中で確実に何かが突き抜けた。「『オレがいなくてもこんなにできちゃうんだ』みたいな感じでした」と笑いながら紡いだ下田の言葉は、偽らざる本音だろう。西が丘のピッチでは、3年間でも最高に攻撃的なスタイルを貫いている、東久留米総合の選手たちが眩く輝いていた。

 “2-4”という文字が、タイムアップの笛の音を吸い込んだ電光掲示板に浮かぶ。わずかに届かなかった勝利。だが、加藤監督の顔は晴れやかだった。「本当に見ていて僕自身も楽しかったですし、今日の後半は彼らが3年間やってきたものを出してくれたと思っているので、さっき下田がみんなに向かって『悔いはない』と言っていて、僕も負けて本当に悔しいですけど、あの後半を見られたことを彼らに感謝したいなと思います」。

 ハーフタイムの2人には、少し齟齬があったようだ。「蓮太が泣いていたので、『何でコイツ泣いてるんだろうな』と思って(笑) 『まだ終わってないのに、なんで泣いてるんだろうな』と思っていたんですけど、まあ『頑張れ』というふうに言いましたね」(下田)「確かにオレがやるしかないのはわかっていたんですけど、将太郎にも『オマエも何してんだよ』って思ったんですよ(笑) 交替しちゃったものはしょうがないとはいえ、『オマエがいなくなったんだろ』って思ってましたね」(岩田)。すれ違っているようで、似たような想いを抱いている。組んだ時間は短かったかもしれないが、なかなか素敵なコンビになったのではないだろうか。

「最弱の代って言われていたこのチームが、ここまで来られるって思ってた?」。いつも飄々としている松山へ質問してみると、いつもの笑顔でこう返してくれた。「全然思ってなかったです(笑) みんな東京都予選の1回戦で『負けるんじゃねえか』って話していて、そうしたら全国の1回戦まで来られて面白かったです。まあ今日も勝てれば良かったですけど、後半のあの追い上げが最後の最後でできたということには結構満足しています。メッチャ楽しかったです。はい。メッチャ楽しかったですねえ」。飄々としたこのストライカーに、チームは何度助けられてきたことだろうか。

 後半の40分間。西が丘は間違いなく彼らの空気に支配されていた。空色のスタンドがピッチの選手たちに勇気を与え、ピッチの選手たちが空色のスタンドに勇気を与える。あんな経験はきっと望んでできるものではない。でも、西が丘は間違いなく彼らの空気に支配されていた。この先の人生でサッカーを続ける者も、サッカーを続けない者も、高校生活の最後の最後で手にした、信じる者だけが知ることのできるあの空気を忘れないで欲しいと、切に願う。

 東久留米総合の“ラストゲーム”に祝福の拍手を。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」

▼関連リンク
●【特設】高校選手権2019
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

過密日程プレミアリーグで年明けから負傷者続出…8試合で12人負傷と野戦病院状態に

ハリー・ケインも負傷
 クリスマス、年末年始期間の過密日程を迎えるプレミアリーグで負傷者が相次いでいる。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えた。

 12月21日からの10日余りで全チームが4試合を消化するなどタイトなスケジュールが続くプレミアリーグ。カタールでのFIFAクラブ・ワールドカップから帰還後すぐにリーグ戦が再開されたリバプールのユルゲン・クロップ監督は過密日程に対して「犯罪」と声を上げ、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督は「生理学、生物学、生化学、すべての法則に反する」と苦言を呈していた。

 そんな中、リーグ戦過密日程のラストとなる第21節の8試合(アーセナルマンチェスター・ユナイテッドを除く)が1日に行われ、計12選手がプレー中に故障する事態に陥った。

 トッテナムのFWハリー・ケインはサウサンプトン戦の終盤に左大腿を痛めて途中交代。モウリーニョ監督は試合後に「小さなものであるかもしれないが、離脱することは確実だ。ハムストリングスのケガはいつだってネガティブ」とエースの負傷を認めた。また、この試合ではMFタンギ・エンドンベレもわずか25分で負傷によりピッチから去っている。

 さらにひどい状況なのがニューカッスル。0-3で敗れたレスター・シティ戦の前半終盤にDFジェトロ・ウィレムス、DFハビエル・マンキージョ、ハーフタイムにMFジョンジョ・シェルビーが途中交代。さらに、後半の早い時間帯にファビアン・シェアもプレー続行不可となり、残り40分を10人で戦うことを余儀なくされる。また、ウィレムスと交代したDFディアンドレ・イェドリンも最後までピッチに立ったものの、手を負傷したようだ。

 これでファーストチームのうち11人が離脱することになったスティーブ・ブルース監督は「40年間この世界にいるが、このようなことは始めてだ。20分間に4人の選手を失った。疲労がある状態でプレーすればケガをする。これは言い訳ではなく、事実だ。この試合の前から心配を抱えていた」と不満を漏らした。

 その他にも、アストン・ビラのGKトム・ヒートンとウェズレイ、ブライトンのDFダン・バーン、ワトフォードのDFキコ・フェメニアもプレー続行不可に。また、エバートンのMFベルナルジはウォームアップ中に負傷している。

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過密日程プレミアリーグで年明けから負傷者続出…8試合で12人負傷と野戦病院状態に

ハリー・ケインも負傷
 クリスマス、年末年始期間の過密日程を迎えるプレミアリーグで負傷者が相次いでいる。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えた。

 12月21日からの10日余りで全チームが4試合を消化するなどタイトなスケジュールが続くプレミアリーグ。カタールでのFIFAクラブ・ワールドカップから帰還後すぐにリーグ戦が再開されたリバプールのユルゲン・クロップ監督は過密日程に対して「犯罪」と声を上げ、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督は「生理学、生物学、生化学、すべての法則に反する」と苦言を呈していた。

 そんな中、リーグ戦過密日程のラストとなる第21節の8試合(アーセナルマンチェスター・ユナイテッドを除く)が1日に行われ、計12選手がプレー中に故障する事態に陥った。

 トッテナムのFWハリー・ケインはサウサンプトン戦の終盤に左大腿を痛めて途中交代。モウリーニョ監督は試合後に「小さなものであるかもしれないが、離脱することは確実だ。ハムストリングスのケガはいつだってネガティブ」とエースの負傷を認めた。また、この試合ではMFタンギ・エンドンベレもわずか25分で負傷によりピッチから去っている。

 さらにひどい状況なのがニューカッスル。0-3で敗れたレスター・シティ戦の前半終盤にDFジェトロ・ウィレムス、DFハビエル・マンキージョ、ハーフタイムにMFジョンジョ・シェルビーが途中交代。さらに、後半の早い時間帯にファビアン・シェアもプレー続行不可となり、残り40分を10人で戦うことを余儀なくされる。また、ウィレムスと交代したDFディアンドレ・イェドリンも最後までピッチに立ったものの、手を負傷したようだ。

 これでファーストチームのうち11人が離脱することになったスティーブ・ブルース監督は「40年間この世界にいるが、このようなことは始めてだ。20分間に4人の選手を失った。疲労がある状態でプレーすればケガをする。これは言い訳ではなく、事実だ。この試合の前から心配を抱えていた」と不満を漏らした。

 その他にも、アストン・ビラのGKトム・ヒートンとウェズレイ、ブライトンのDFダン・バーン、ワトフォードのDFキコ・フェメニアもプレー続行不可に。また、エバートンのMFベルナルジはウォームアップ中に負傷している。

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天皇杯準V鹿島、元ブラジル代表ザーゴ氏が新監督に!ジーコTDとの契約更新も発表

現役時代、ローマでプレーしたアントニオ・カルロス・ザーゴ氏
 鹿島アントラーズは2日、アントニオ・カルロス・ザーゴ氏(50)が新監督に就任することを発表した。また、コーチングスタッフにカルロス・エドゥアルド・パシェコ・ダ・シルバ氏、ギリェルメ・アウグスト・デ・メロ・ロドリゲス氏、ウェリントン・ベルト・デ・オリベイラ氏の3名が就任する。

 現役時代、サンパウロやローマ、ベシクタシュなどに所属し、1996年に柏レイソルでもプレーしたザーゴ氏は、引退後は母国リーグのクラブを指揮し、ローマやシャフタールでアシスタントコーチも務め、今季はブラガンチーノを率いていた。

 ブラジル代表歴もあるザーゴ氏はクラブ公式サイトを通じて「日本へ戻ることができ、嬉しいです。Jリーグは競争力が非常に高く、アントラーズが築き上げている歴史は羨ましいぐらい、常にタイトル争いをしています。ホスピタリティから習慣、過去に住んだことがある自分にとって、素晴らしい国に帰ってきた感じがします」と就任を喜んだ。

「このようなクラブで仕事ができることはとても光栄で、特に自分のアイドルだったジーコには、子供の時に良く試合を見て、魅了された一人でもあります。彼と仕事ができることは、特別なことです。僕のキャリアでは、非常に重要な挑戦となります。ブラジルのブラガンチーノを1部に昇格させ、忘れられないシーズンが終わりました。今度は鹿島で勝ち続け、シーズン終了後に優勝を手にできているよう、頑張ります」

 また、鹿島はジーコテクニカルディレクターとの契約更新も併せて発表している。

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欧州で話題のザルツブルク、“最強ベストイレブン”に南野拓実も選出

リバプールに合流した南野拓実
 過去数年間でザルツブルクが主力選手を売却していなかったら、どんなスタメンが組めていたのか――。英メディア『ギブ・ミー・スポーツ』がその11人を選出。日本代表FW南野拓実もFWサディオ・マネやMFナビ・ケイタらと共に選ばれている。

 2019-20シーズンの欧州サッカーでザルツブルクが話題なっている。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)グループリーグで王者リバプール相手に善戦。特に10月2日に敵地アンフィールドで行われた一戦では、3-4で敗れたものの、3点ビハインドからFWファン・ヒチャン、南野、FWアーリング・ブラウト・ホーランドの前線3人の得点により同点に追いつき、王者を呆然とさせた。

 また、ザルツブルクは多くの世界トップの選手を輩出しており、今冬の移籍市場では南野がリバプール、ホーランドがドルトムントにそれぞれ移籍。ファン・ヒチャンもプレミアリーグへの移籍が噂されている。

 そんな中、同メディアは過去数年間でザルツブルクが選手を売らなかった場合、現在どんなスタメンが組めていたかを予想。リバプールへとステップアップした南野のほか、マネやケイタ、現在ブンデスリーガで首位を走るライプツィヒのGKペーテル・グラーチとDFダヨ・ウパメカノ、MFケビン・カンプルらを選出した。

 同メディアは南野に関して「リバプールの最新の獲得選手は、今季ザルツブルクで飛躍し、わずか22試合で9ゴール11アシストを記録した」と紹介。また、マネについては「主人公。ザルツブルクは、世界最高のプレイヤーの1人がこのクラブでスキルを磨いたと誇らしげに言うことができる」と寸評をつけている。

▼GK
ペーテル・グラーチ(ライプツィヒ)

▼DF
シュテファン・ライナー(ボルシアMG)
マルティン・ヒンテレッガー(フランクフルト)
ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ)
マキシミリアン・ウェバー(現ザルツブルク)

▼MF
ナビ・ケイタ(リバプール)
ケビン・カンプル(ライプツィヒ)
サディオ・マネ(リバプール)
南野拓実(リバプール)

▼FW
モアネス・ダブール(セビージャ)
アーリング・ブラウト・ホーランド(ドルトムント)

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南野拓実、シェフィールド戦欠場の理由…プレミアデビューはトッテナム戦か

南野拓実はシェフィールド戦に出場することができない
 ザルツブルクからリバプールに加入した日本代表FW南野拓実(24)だが、2日に本拠地アンフィールドで行われるプレミアリーグ第21節シェフィールド・ユナイテッド戦にベンチ入りすることができないという。その理由を英『デイリー・メール』が伝えている。

 南野はUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)グループリーグでの直接対決で一気に評価を高め、先月19日にリバプール入りが決定。同31日にチームに初合流したが、正式加入は冬の移籍市場が開く1月1日となっていた。

 だが、プレミアデビューは少し待たなければいけないようだ。同紙によると、リーグ規定に「1月1、2日に契約された新加入プレイヤーは、第21節の対象外となる」とあり、南野は2日のシェフィールド戦に出場することができないという。

 ただ、次の試合から出場可能となるため、同紙は「1月11日のトッテナム戦でプレミアリーグデビューする可能性が高い」と伝えている。

 一方で過密日程のリバプールは、5日にエバートンとのFAカップ(国内杯)3回戦を控えており、この試合が南野のデビュー戦となる可能性が模様だ。

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[選手権]1回戦写真特集

[選手権]1回戦写真特集
第98全国高校サッカー選手権1回戦写真特集

【1回戦】
(12月30日)
[駒沢陸上競技場]
國學院久我山高 8-0 前原高
“令和最初の選手権”で衝撃8発!國學院久我山が“記録ずくめ”の開幕戦勝利
俺もいる!國學院久我山“背番号10”FW戸坂も追加点
國學院久我山DF河原が意表突く一発
気迫のセーブ連発!前原の2年生守護神・中山
決勝経験者の兄と共に頂点へ…國學院久我山DF山本献
國學院久我山の“エースナンバー”背負う2年生MF田中
5年前のリベンジならず…前原の全国初得点&初勝利は次の世代へ
前原の主将MF平川龍が最後まで戦う姿勢示す
國學院久我山FW山本航生も負けじとハット
令和最初のオープニングゲームに13949人が集結
國學院久我山FW山下貴之、“令和初得点”から史上2人目の快挙
手の甲に『信』の文字…最後まで戦い抜いた前原


(12月31日)
[味の素フィールド西が丘]
東久留米総合高 2-4 草津東高
草津東、リード守って初戦突破

[NACK5スタジアム大宮]
愛工大名電高 0-1 筑陽学園高
ヒガシ破った筑陽学園、自慢の堅守で愛工大名電封じる

専大北上高 3-1 龍谷高
初出場3発の専修大北上が新たな歴史

[ゼットエーオリプリスタジアム]
矢板中央高 2-2 (PK6-5) 大分高
矢板中央がPK制して初戦突破

帝京大可児高 0-1 大手前高松高
大手前高松が全国初出場初勝利

[ニッパツ三ツ沢球技場]
明秀日立高 1-0 高知高
明秀日立が3年連続初戦突破

秋田商高 2-3 神戸弘陵高
神戸弘陵が秋田商とのシーソーゲーム制す

[フクダ電子アリーナ]
日大明誠高 1-3 四日市中央工高
四日市中央工、6年ぶり初戦突破

松本国際高 1-0 和歌山工高
松本国際が「チームで掲げていた」全国で1勝

[浦和駒場スタジアム]
前橋育英高 0-0 (PK4-5) 神村学園高
神村学園が一昨年王者・前橋育英を撃破
神村学園“背番号10”MF永吉飛翔、巧みタッチ
神村学園GK吉山太陽「小さくても止めれる」
神村学園の注目エースMF濱屋悠哉は存在感
前橋育英は初戦敗退…PK戦の末に一昨年王者が大会去る
守備が光った前橋育英DF相原大輝
「悔しいです」前橋育英を牽引したMF渡邉綾平


富山一高 2-2 (PK4-3) 立正大淞南高
インハイ準Vの富山一が初戦突破
神出鬼没の富山一MF高木俊希、巧みな突破
ロングスローの名手・富山一DF吉藤廉が同点OG誘発
富山一FW碓井聖生が豪快ボレー弾
立正大淞南はPK戦惜敗で涙
立正大淞南の主将・MF石橋克之は無情のPK失敗
立正大淞南FW伴木翔が2度目の同点弾
松本内定の高精度パサー、立正大淞南MF山田真夏斗
富山一&立正大淞南の応援団


[等々力陸上競技場]
仙台育英高 1-1 (PK3-0) 五條高
10人仙台育英が初出場・五條を退ける

北海高 0-1 高川学園高
僅差の勝負を制したのは高川学園

[駒沢陸上競技場]
静岡学園高 6-0 岡山学芸館高
岡山学芸館は6失点で初戦敗退
岡山学芸館の“谷本ツインズ”は共演ならず
岡山学芸館のエース岡田知也、序盤の好機生かせず
静岡学園は怒涛の6発大勝で県勢5年ぶりの初戦突破
静岡学園の鹿島内定MF松村優太が高速ドリブル
岡山出身の静岡学園MF井堀が岡山県代表相手に圧巻ハット


丸岡高 3-2 長崎総科大附高
起死回生の同点ゴールを挙げた丸岡FW田海
丸岡がラスト4分からの2ゴールで逆転勝利
長崎総科大附MF別府史雅が技ありヘディング弾
長崎総科大附FW千葉翼「3年間の練習が全然足りなかった」
長崎総科大附イレブンを奮い立たせた熱い応援
長崎総科大附が終盤に悲劇…連続失点で逆転負け
劇的勝利に笑顔があふれる丸岡スタンド
逆転導く2G1Aの丸岡DF河上


●【特設】高校選手権2019

連覇のキーマンだ!青森山田のスーパールーキー松木玖生「自分のプレーをするだけ」

MF松木玖生に注目だ
 青森山田高の1年生MF松木玖生(まつき・くりゅう)も「期待に応えられるように頑張りたい」と気合を十分にして臨む。

 青森山田中から進学した1年生だが、プレミアリーグEASTでは18戦中16試合に出場。昨年12月15日の名古屋U-18とのプレミアリーグファイナルでは決勝点を記録するなど、充実のルーキーイヤーを過ごしている。

 名古屋U-18戦の得点で、ゴールへの意欲が増しているという。「自分自身、あのゴールで自信がついた。今大会でも周りからどう言われようと、自分のプレーをするだけ。優勝という最高の結果を目指してチームに貢献したい」とすでに中心選手としての自覚も十分だ。

 高校に入ってから身長も大幅に伸びたというように、まだまだ成長過程にいることは明らか。スーパールーキーが青森山田連覇へのキーマンになる。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

青森山田が連覇へ船出…浦和内定MF武田「勝利に貢献」、横浜FC内定MF古宿「圧勝して勢いに」

青森山田が連覇に挑む
 23年連続25回目出場の王者・青森山田高が2日の2回戦で初陣を迎える。今年度は高校年代最高峰のプレミアリーグファイナルを制した“最強チーム”。卒業後の浦和レッズへの入団が内定しているMF武田英寿主将も「待ちに待った、やっと始まるという感じです」と気合十分に話した。

 平常心で臨む。連覇へのプレッシャーについてもあまり感じていない様子。「連覇を意識するのではなく、自分たちの代で優勝することだけを考えています。選手権は何が起こるか分からない。どんな状況にも対応できるように。個人としてもチームの勝利に貢献することを一番に考えて戦いたい」と気負いもない。

 プロ内定選手はもう一人、横浜FCへの入団が内定するMF古宿理久(3年)がいる。こちらも「いよいよ3年生の集大成。初戦から強い相手ですが、圧勝して勢いに乗りたい」と力強く話す。「まずは守備から入って、絶対に勝ちたい」。落ち着き払った様子からすでに王者の風格を漂わすイレブンは、一戦必勝の考えを崩すことなく、頂点を目指していく。

 青森山田はNACK5スタジアム大宮の第1試合(12時5分キックオフ)で米子北高(鳥取)と対戦する。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

マンCがジェズス2発で新年初戦制す!2位レスターは武藤フル出場ニューカッスルに完封勝ち

ガブリエル・ジェズスが2ゴール
 プレミアリーグは1日、第21節が行われた。

 2位レスター・シティは敵地でFW武藤嘉紀の所属するニューカッスルと対戦。前半36分、PA左手前でパスカットした古巣対決のFWアジョセ・ペレスが右足で流し込んで先手を取ると、39分にはMFジェームス・マディソンが左足ミドルシュートを沈めてリードを広げる。最後は後半42分にペナルティーアーク手前からMFハムザ・チャウドゥリーがコントロールショットを決め、3-0で完封勝利。武藤は今季リーグ戦で初のフル出場を果たした。

 勝ち点1差でレスターを追走するマンチェスター・シティは名将カルロ・アンチェロッティ新監督が率いるエバートンをホームに迎え、2-1で競り勝った。前半13分にMFフィル・フォーデンがゴールネットを揺らし、MFリヤド・マフレズのオフサイド判定により得点は取り消されたが、後半6分にMFイルカイ・ギュンドガンの鋭い縦パスからFWガブリエル・ジェズスが右足シュートを決め、先制に成功した。

 さらにシティは後半13分、MFケビン・デ・ブルイネの縦パスからフォーデンが横につなぎ、マフレズがスルーパス。PA左からジェズスが左足で流し込み、2-0とリードを広げた。26分にはGKクラウディオ・ブラーボのパスミスから最後はFWリシャルリソンに1点を返されたが、2-1で逃げ切って新年初勝利を飾った。
 
 一方、4位チェルシーは敵地でブライトンと対戦し、開始10分でDFセサル・アスピリクエタが先制点を挙げたものの、後半39分に追いつかれて1-1でドロー決着。ジョゼ・モウリーニョ監督率いるトッテナムもDF吉田麻也所属のサウサンプトンに0-1で敗れ、2020年初戦を白星で飾れなかった。

 今節、最注目のアーセナルマンチェスター・シティは、前半8分にFW二コラ・ペペがゴールネットを揺らし、アーセナルが先制。42分には右CKからGKダビド・デ・ヘアが弾いたボールをDFソクラティス・パパスタソプロスが押し込み、アーセナルが2-0で勝っている。

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歴史に名を刻んだ神戸、新国立で初めて優勝カップ掲げて歓喜(14枚)

クラブ史上初タイトルを獲得した神戸
 天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日、国立競技場で決勝を行い、ヴィッセル神戸鹿島アントラーズを2-0で下した。

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別格の存在感!タイトルもたらしたイニエスタ「来季に向けて…」(12枚)

MFアンドレス・イニエスタが家族と記念撮影
 天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日、国立競技場で決勝を行い、ヴィッセル神戸鹿島アントラーズを2-0で下した。

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世界屈指ストライカーが日本で引退…有終の美を飾ったダビド・ビジャ「ギリギリだった」(12枚)

優勝カップを掲げるFWダビド・ビジャ
 天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日、国立競技場で決勝を行い、ヴィッセル神戸鹿島アントラーズを2-0で下した。

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常勝軍団・鹿島は完敗V逸…退任の大岩監督「非常に残念」(24枚)

出番がなかったDF内田篤人と今季限りでの退任する大岩剛監督
 天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日、国立競技場で決勝を行い、ヴィッセル神戸鹿島アントラーズを2-0で下した。

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