先制ミドル決め、絶妙スルーパス、技ありシュートも…明桜は青森山田中出身の1年生MF田村が存在感:東北

前半22分、明桜高の1年生MF田村仁志が先制ミドルを決める
[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

 明桜高は青森山田中出身のMF田村仁志(1年)が印象的なプレーを見せた。前半22分、左サイドでのパス交換から専修大北上高DFの寄せが甘いと見るや右足ミドル。相手の意表を突くような一撃は右ポストを叩き、ゴールラインを越えた。

 田村は、「よく遠目からのシュート練習を組んでいて、(原美彦)監督からも空いていたら撃つようにという指示があったので、思い切って撃ったら良いところに飛んでいきましたね」と微笑。チームメートを唸らせるようなゴールを決めた田村は、その後もアンカーの位置で冷静にボールを動かし、相手のギャップを突くスルーパスも狙っていた。

 延長前半終了間際には左クロスのセカンドボールに反応すると、コントロールから左足一閃。相手GKにファインセーブされたボールはクロスバーを叩いて決勝点とはならなかったが、正確な技術力と判断力の持ち主は対戦相手の脅威になっていた。

 青森山田中1年時はレギュラーで、県選抜などの活動も経験。だが、3年時はケガで苦しみ、地元・秋田へ戻る決断をした。元々FWだったというが、明桜進学後に原監督の勧めでアンカーに転向。そのポジションで展開力や的確なカバーリングなどを披露している。

 今後は「アンカーなので、もっと強く。セカンドボールを全部回収だったり、競り合いの部分でも強いプレーヤーになりたいです」と田村。また、高校選手権で大活躍した青森山田中の同級生、MF松木玖生(青森山田高1年)のように、先輩相手でも物怖じせずに強く指摘できる選手にならなければならないと感じている。

 準決勝で勝っていれば、“古巣”青森山田高と東北決勝の舞台で対戦することができたが、その目標はお預けに。「全国チャンピオンだし、強いチームなので(青森)山田とやりたい気持ちがありますし、山田だけに限らず全国の強豪はいっぱいあるので倒していきたい」というMFが、もっともっと特長を伸ばし、青森山田や全国の強豪校を苦しめる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

長く国見や神戸U-18で指導した原監督の下で着実に成長中。20年の明桜は「圧倒して」秋田を制し、全国へ:東北

明桜高は現校名で初めて秋田県新人戦を制し、東北4位に
[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

 明桜高は、秋田経法大付高から校名変更した07年以降では初となる秋田県新人戦制覇。東北大会でも各選手が判断しながら、長短のパスや個の仕掛けを交えた攻撃を繰り出すなど印象的な戦いを見せた。

 今回の東北新人戦は準決勝、3位決定戦でいずれも再三の決定機を活かせず、勝負どころで相手を下回って4位という悔しい結果に終わった。それでも、コーチとして国見高や神戸U-18の全国制覇に携わってきた原美彦監督が古豪の指導を始めてまだ2年にもかかわらず、着実に成果を出してきている。

 18年度選手権秋田県予選で準優勝。19年度も優勝校・秋田商高相手に好勝負を演じている明桜は、県1部リーグや新人戦で秋田制覇を経験し、次は全国に目を向けている。新チームは県内、東北でも自分たちの狙いとする戦いができているだけに、原監督は「しっかりとスタイルを確立した中で質を求めていきながら、(秋田、そして全国の)勢力図を変えたり、代表選手を育成していきたい。やるからには日本一を狙っていく」と宣言した。

 選手権予選では神戸U-15出身でU-14Jリーグ選抜でキャプテンマークを巻いたこともある逸材、MF内藤蒼空(1年)がインパクトのあるプレーを見せていた。今回の東北新人戦は内藤をケガで欠いていたものの、青森山田中出身のMF田村仁志(1年)が存在感ある動きを見せていたほか、技術力のある左SB鎌田太耀主将(2年)や左利きのCB長江慶次郎(1年、名古屋U-15出身)、動きにキレが出てきたというFW佐藤剛司(2年)らが特長を発揮。原監督が「こういう大会で経験できたことは次に繋がる」と語ったように、現1、2年生にとって今回の東北新人戦は県外のスピード感、強さを知る上で貴重な3試合となった。

 秋田の高校サッカーは現在、名門・秋田商が選手権予選で5連覇中。他にも西目高や新屋高など力のあるチームがいるが、原監督は「(県内は)圧倒したい」と語り、田村も「全国出て勝つためには県でも圧倒して勝たないといけないと思う」と力を込める。簡単なノルマではないが、全国で勝負するために、まず秋田で抜きん出たチームになることが目標だ。

 今後は新シーズン開幕へ向けて、県外の強豪に胸を借りながら力を磨いていく考え。田村が指摘したように、個々の意識を高めることも必要だ。一方で結果が出てきていることもあり、秋田県内だけでなく、県外も明桜への進学を希望する中学生が増えて来ている模様。次の新1年生も楽しみな選手たちが入ってくるという明桜が夏冬の秋田県予選を勝ち抜いて今年、全国にその名を知らしめる。

(取材・文 吉田太郎)

[MOM3151]専修大北上FW阿部耀仁(2年)_東北新人で存在感放った俊足ドリブラー、得意のヘッドで同点弾

専修大北上高の10番FW阿部耀仁が左サイドを突破する
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

 日本一を目指すチームの中で、「自分も東北や全国で活躍できる選手になりたい」という思いがある。専修大北上高の10番FW阿部耀仁(2年)は、選手権で無回転ミドルのスーパーゴールを決めるなど2ゴール。今回の東北高校新人選手権でも存在感を放った俊足アタッカーだ。
 
 準決勝では選手権準優勝校の青森山田高相手に2度、3度と突破。青森山田のコーチ陣からも高評価を得ていた。その阿部は、3位決定戦でも抜群のスピードでサイドを攻略したり、DF3人を置き去りにしてゴールに迫るなど突破力を発揮。そして、得意のヘッドで同点ゴールも決めた。

「個人的にはヘディングが得意で、結構打点高くできる。ヘディングで決められたのは良かったと思います」と阿部。専大北上では普段からヘディングの際にできるだけ打点を高く、また滞空時間を長くすることを求められている。

 阿部は身長170cmと決して大柄ではないものの、跳躍力とタイミングが良いこともあって、ヘディングは得意。その力も3位決定戦で発揮して勝利に貢献した。

 これまでは右サイドを縦に切れ込むタイプだったが、前日から左サイドで起用されてドリブルの幅も広がっている。今大会は計2ゴールを決めたが、青森山田のような全国トップクラスの強敵相手でも、ゴール、試合を決める存在になること。「(憧れの選手はフランス代表の)ムバッペ選手。スピードもあって足元も上手くてシュートも確実に決めるああいう選手になりたい」という10番が、高い意識を持って成長し、東北や全国の舞台で活躍するアタッカーになる。

(取材・文 吉田太郎)

[新人戦]夏冬全国でPK戦敗退の専修大北上に“PKストッパー”誕生!GK根子が会心セーブで白星もたらす:東北

PK戦5人目、専修大北上高GK根子剛瑠が右に跳んでストップ
[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

「専北はPK戦が弱い」のイメージを覆す――。専修大北上高はPK戦でGK根子剛瑠(2年)が明桜高5人目のシュートを右への跳躍からストップ。グラウンダーでコースを突いた一撃だったが、根子はギリギリのところで手が伸びるようなセービングでボールを外へはじき出した。

 この瞬間、専大北上の東北3位が決定。根子は自身のファインセーブについて「自分でもちょっとビックリしている」と微笑んでいた。昨夏の遠征で行われたPK戦で2本を止めたこともあるという根子は、「PKは前日練習で1本止めていたのでちょっと自信があった」。この日、公式戦で相手を揺さぶる動きから止めたり、良い反応を見せたりしたことでPKを自分の武器にできたようだ。

 専大北上は19年度のインターハイ、選手権でいずれも全国1勝。だが、いずれも2回戦でPK戦の末に惜敗している。それだけに、チームにとってもPK戦の嫌なイメージを払拭する1勝。小原昭弘監督も「よく止めました」と讃えていた。

 根子はチームの副キャプテンだが、これまではGK及川康生(1年)の控えという立場だった。東北大会1回戦がAチームでの初先発。そこで4-2の勝利に貢献すると、この日は前半にミスもありながら「仲間が『オマエできるよ』と言ってくれたのでそれが力になって」延長戦でビッグセーブも見せた。

「こういうところでアピールできたら大きいと思うので、スタメンを取れるように頑張って行きたいと思っています」。この日、延長戦を含めた90分間、そしてPK戦でもアピールに成功した根子は、日々の努力でチームからの信頼を掴み、“PKストッパー”、先発GKとして再び活躍する。

(取材・文 吉田太郎)

昨年は岩手全冠獲得し、夏冬全国で勝利。新たな目標掲げる専修大北上が明桜をPK戦で下して東北新人3位に

GK根子剛瑠(右)がPK戦で相手5人目をストップ。専修大北上高が東北新人選手権3位に
[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]
 
 専修大北上が東北3位に。第19回東北高校新人サッカー選手権大会3位決定戦が27日に行われ、専修大北上高(岩手1)が1-1で突入したPK戦の末、5-4で明桜高(秋田)に勝利。東北3位で大会を終えた。

 岩手、秋田の勢力図を変えつつある両校による3位決定戦。互いに後方から丁寧に攻撃を組み立て、長短のパスや、個の力を交えた崩しで相手ゴールを目指した。専大北上は注目の俊足エースFW阿部耀仁(2年)や競り合いで強さを見せていたFW吉武皇雅(1年)、明桜は幅広い動きを見せるMF田中将太(1年)やキレのある動きを見せるFW佐藤剛司(2年)が相手ゴールを脅かすようなシーンを作り出す。

 その中で先制したのは明桜だった。前半22分、左サイドでボールを動かすと、MF田村仁志(1年)が右足ミドル。相手の意表を突く一撃がファーサイドのポストを叩いてゴールネットを揺らした。チームメートも興奮の先制弾。やや守勢になりかけていた明桜が1点をリードした。

 だが、専大北上はセットプレーから同点に追いつく。28分、CB岩渕蓮也主将(2年)の右FKをファーサイドの阿部が同点ヘッド。阿部は登録身長170cmだが、得意としているヘディングシュートで1-1とした。

 専大北上は先発起用されたMF八重樫祐介(1年)が左足の展開力を見せたほか、「守備もよく頑張っていた」(小原昭弘監督)というプレー。チームとしては全体的に気持ちが前のめりになりすぎた部分があったか、バタバタした試合になってしまったことを指揮官も指摘していた。それでも、主軸MF鎌田悠生(1年)らに代わってチャンスを得た選手が奮闘。また、阿部が攻撃力を発揮していたほか、選手権を経験したMF藤原晴磨(2年)が細かな巧さを見せるなど、次の1点を狙いに行く。

 明桜はいずれもキック精度の高いCB渡辺月斗(2年)と左利きのCB長江慶次郎(1年)の両DFが起点となってボールを動かし、注目MF田村が絶妙なパスを配球。同じく注目の1年生MF内藤蒼空がケガのために不在だったが、後半終了間際にはオープンスペースを活用する形で立て続けにビッグチャンスを作り出す。だが、シュート精度を欠いて決め切ることができない。

 明桜は延長戦でもチャンスの数を増加。延長前半終了間際には左クロスのこぼれから田村が左足を振り抜く。だが、専大北上GK根子剛瑠(2年)が反応し、手に当てたボールはクロスバーをヒット。専大北上も阿部が3人のDFを振り切ってPAへ切り込むなどチャンスを作ったが、得点に結びつけることはできず、試合はPK戦に突入した。

 PK戦は互いに4人目まで成功し、先攻・専大北上は5人目の岩渕も決める。直後に専大北上GK根子が明桜5人目のシュートを右への跳躍から右手でゴール外側へはじき出し、決着をつけた。

 専大北上は昨年、インターハイ予選と選手権予選でいずれも初優勝。遠野高と盛岡商高の両名門校が中心となって覇権を争ってきた岩手県の高校サッカー界に風穴を開けた。専大北上は県1部、県2部、県3部リーグも制し、全国大会ではいずれも1勝。加えて、夏は京都橘高、冬も國學院久我山高という全国トップクラスの強豪校相手にPK戦まで持ち込むなど、自力があることを印象づけた。

 小原監督は「(その戦う姿を下級生たちが)見て来ている経験は大きいと思う」と口にする。新チームも県新人戦を初めて制して東北3位。昨年に比べると、新チームはまだまだ力が無いという評価だが、彼らは日本一という大目標を掲げてスタートしている。

 阿部は「負けた次の日にコーチ陣から『次は日本一で行くぞ。手が届かない場所ではない。そこを目指して頑張ろう』と。チームでは去年は全国ベスト8が目標だったんですけれども、今年は日本一を目指している」と力を込める。

 今大会は準決勝でプレミアリーグ優勝の青森山田高と対戦し、0-1。相手のプレッシャーの速さに苦しんだが、前からの守備で食い下がった。この試合はチームにとって今後の指針となりそうだ。阿部は「日本一を経験しているチームとできたのは結構大きいし、球際とかガタイとか差がはっきりした。そこに追いつけないといけない」。青森山田から学んだことを活かし、日本一に手の届くチームを作る。

(取材・文 吉田太郎)

青森山田の新エースFW候補、古澤ナベル慈宇はゲーム主将としての自覚を持って名門牽引

青森山田高を牽引したFW古澤ナベル慈宇
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]
 
 注目FWに自覚が芽生えてきている。FW古澤ナベル慈宇(2年)は20年の青森山田高のエースストライカー候補。東北高校新人選手権はゲームキャプテンを務め、チームを牽引した。

 今大会はリーダー格のU-18日本代表MF藤原優大(2年)や右SB内田陽介(2年)が不在。青森山田の正木昌宣コーチは「自分たちの話し合いでナベルが(キャプテンとして)出てきたのは嬉しかった」と語る。フィジカル面の強さやヘディングの強さは高校世代でトップクラスだが、昨年はFW田中翔太(3年)の壁を超えられなかった。

 最高学年となり自覚が芽生えてくることを期待している中、本人も「自分も少しやりたかった」いうゲームキャプテンに。人任せではなく、ピッチ内外で主体的に行動する回数が増えた。

「頑張りました」とナベル。リーダーシップを持ってDFラインを支えたCB秋元琉星(2年)やいずれも選手権で登録メンバー入りした右SBタビナス・ポール・ビスマルク(2年)、左SB藤田夏寿丸(2年)らに支えられながら、リーダーとして優勝したことは自信になったようだ。

 一方で正木コーチはよりストライカーらしいプレーも求める。決勝の前半は起点になること、チームメートを活かすことに固執しすぎてFWとしての怖さが欠けていた。後半は強引に2本のシュートを打ち込んでいたが、「あれが彼の本来の姿。まだまだ自分がやらないと」と指摘していた。

 東北新人戦は準決勝で決勝点を決めたが、この1点のみ。ナベルは「きょうは点を決めるという気持ちでやっていたんですけれども、やっぱり点決めれなくてとても悔しいんで、青森戻ってもっと自主練して、(3月の)サニックス(カップ)ではもっと良い結果を出せるように頑張りたいと思っています」と意気込んでいた。先輩FW田中は大事な場面でゴールを決めるなど活躍して日本高校選抜候補入り。自分もエースストライカーとしての自覚を持って、ゴールを決め続けて、青森山田に多くの白星をもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)

東北準優勝・学法石川の10番MF渡辺、強豪相手でも「やり切るということを突き詰めたい」

学法石川高の10番、MF渡辺航大
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]
 
 東北高校新人選手権準優勝の学法石川高の10番、MF渡辺航大(2年)が全国クラスの相手でも「やり切る」力を身につけることを誓った。渡辺はスピードを特長とする右WB。準決勝では決勝点を叩き出しているが、青森山田高と対戦したこの日は自分の特長を出せなかったことを悔しがる。

「やれたとは自分では思っていなくて、自分の持ち味の縦への突破ができていなかったり、クロスもいつもだったら上げきれていたけれど、上げ切れなかったり、やり切れなかったという場面があったので、自分の中で全然納得していないです」。正確なプレースキックを蹴り込んだり、カウンターから相手の背後へ抜け出すシーンもあったが、自分のプレーについては全く満足していなかった。

 そして、再確認したのは、青森山田レベルの相手でも突破する力を身につけることの必要性だ。「(福島)県のレベルだったら自分がやり切るだったり自分のプレーをできるんですけれども、東北や全国では自分のプレーができなかったりしたので、やり切るということを突き詰めたいです」。自分の前方を2、3人に蓋をされた際に上手く味方を使うことができなかったことも反省点。仲間を活用しながら、個人としても打開力を高めて行く。

 また、1本を確実に決めてくる青森山田との差を痛感。チームとしてその1本を決める力を磨いていく考えだ。学法石川は攻撃陣にもFW倉島聡太(2年)やFW佐藤武流(1年)、MF竹沢陸(1年)、MF森隼真(1年)と個性のある選手たちがいる。彼らと競争しながらチームの攻撃力を高め、「インターハイや選手権で全国出れるように。出るだけでなくてその先を目指せるようしたい」という目標を達成する。
 
(取材・文 吉田太郎)

学法石川は今年こそ打倒・尚志、全国へ。地区予選から計11試合、青森山田との東北決勝は「凄く大きな財産になる」

学法石川高は悔しい準優勝。DFDF大津平嗣主将(5番)はこの経験を結果に繋げることを誓った
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 学法石川高は初の東北高校新人選手権決勝進出。昨年のプレミアリーグチャンピオン・青森山田高と対戦する機会を得た。後半半ばまでは1点差で食い下がり、自分たちが主導権を握る時間帯もあったが、スコアは0-4で完敗。主将のDF大津平嗣(2年)は「自分たちの力を100%出し切った上でのこの結果なので素直に受け止めて、次のインターハイと選手権で尚志を倒して全国に行くために繋げていければと思っています」と語った。

 昨年、プリンスリーグ東北に所属していた学法石川は、同年のインターハイ福島県予選決勝で同全国4強の尚志高と延長終了間際まで1-1の好勝負。FW染野唯月(3年、鹿島加入)に決勝点を許したが、福島の絶対的な王者の牙城を脅かしている。選手権予選は尚志と対戦する前に敗れてしまったが、新人戦では福島制覇。今回の東北新人戦でも2勝を挙げて自力があることを示している。

 そして決勝で敗れたものの、この時期に青森山田と真剣勝負をすることができたことは選手たちにとってプラスになりそうだ。特に後半はアグレッシブに前に出て、カウンターからチャンスを作るなどできた部分もある。その上で大津は「普段自分たちがやっているものとは違うスピード感だったので、違いを感じさせられました。経験したものを練習で意識してやれれば差も縮まると思いますし、経験を(ベンチの選手や応援していた選手に)伝えていければチームの底上げもできると思うし、下からの底上げがあればチームとしても良くなると思うので伝えていきたい」と誓っていた。

 大津は昨夏の尚志戦で染野相手に健闘しているストッパー。DF円道竣太郎(1年)、DF立澤希望(2年)を含めた3バックやその前方で相手の攻撃を跳ね返していたMF衣川佳佑(2年)らを含めて、堅い守りはチームの特長になっている。その中で大津は前半、押し込まれる中で耐え、後半は前に出て相手の攻撃を封じていた。

 青森山田との対戦から、個の部分での課題も感じることができたようだ。「FWの9番(古澤ナベル慈宇)は、自分は国体でもやったことがあった。(昨年、青森山田セカンドと対戦した)プリンス(リーグ東北)前期もやっていた。差が開いたなと。今回やってみて通用しなかったので、普段の練習の山田と自分たちの差が出ていると思う。もっと自主練でヘディングとかやって強さの部分も求めていきたい」。持ち味のフィード力を活かす展開にも持っていくことができなかっただけに、貪欲に課題を突き詰め、成長を求めていく。

 地区大会から計11試合を戦い、最後に高校サッカー最高峰の青森山田と対戦。この経験から得た個人、チームとしての自信や課題は今後に繋がる。大津は「インターハイまで3か月ほどあって、選手権までも長い時間があるので、ここを経験できたのは凄く大きな財産になると思います」。打倒・尚志、福島制覇、そして全国上位へ。この“貴重な敗戦”を無駄にはしない。

(取材・文 吉田太郎)

青森山田の大型DFタビナス・ポール、G大阪の兄と同じSBでポテンシャル示す

青森山田高の大型SBタビナス・ポール・ビスマルク
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 兄と同じSBのポジションでポテンシャルの高さを示している。青森山田高のDFタビナス・ポール・ビスマルク(2年)は登録186cm、75kgの大型右SB。抜群のスピードとしなやかさも持つタビナスは、サイドアタッカーとしてプレミアリーグなどで起用されていたが、昨シーズン後半から右SBを新天地としている。

 東北高校新人選手権決勝では右サイドから再三攻撃参加。スピードで一気に抜け出してクロスを連発していた。また、1-0の後半18分には「普通に点獲りたかったので」とボールを中へ持ち出してから強烈なミドルシュート。相手GKが弾いたボールはポストを叩き、スーパーゴールにこそならなかったものの、こぼれ球をMF仙石大弥(2年)が押し込んで2点目が生まれた。

 FCトリプレッタジュニアユース(東京)時代から注目され、高体連、Jクラブユースの争奪戦の末に青森山田へ進学。SHとしてもそのスピードで脅威になっていたが、本人は186cmの高さもより活かせるSB起用に前向きだ。

「SBは楽しいですよ。自分のスピードと高さを活かせるポジションだと思ったのでSBはやりたいです」。左右こそ違うものの、兄・DFタビナス・ジェファーソン(G大阪)もSBでプレー。その兄からもアドバイスを受けているという。

「カバーの位置だったり競り合いのタイミングやオーバーラップするタイミングを教えてもらいました」とタビナス。そして、「お兄ちゃんは左SBなんですけれども、いつか一緒にプレーしたいなと思っています」と微笑んだ。

 もちろん、改善しなければならない課題もある。「最後の質の精度。クロスの精度が伴わないと良い攻撃ができないのかなと思ったり、SHとの連係の中で崩すというのが課題です」。この日、守備ではスピードや強さで解決していた部分もあったが、より対応力も必要。今後に期待の大器はSHと併用される中でアピールを続けて、まずは青森山田にとって欠かせない存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

登録変更の10番MF仙石「『やるしかない』と思っていました」。青森山田は7選手不在も東北決勝で4-0

後半18分、青森山田高MF仙石大弥が追加点を決めてガッツポーズ
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 青森山田高はU-18日本代表CB藤原優大(2年)や日本高校選抜候補MF松木玖生(1年)、右SB内田陽介(2年)ら選手権準優勝メンバーが代表・選抜活動やケガのために今回の東北高校新人選手権を欠場。主軸候補中心に計7選手が登録変更でメンバー外となった中、代役として10番を背負ったMF仙石大弥(2年)がAチームでのアピールに成功した。

 この日は前半からスピードのある仕掛けを連発。左サイドでの主導権をもたらしていた。そして、1-0の後半18分には右SBタビナス・ポール・ビスマルク(2年)のミドルシュートのこぼれ球を押し込む形で貴重な追加点。今大会の指揮を執る正木昌宣コーチは仙石やMF小原由敬(1年)といった技巧派選手のプレーについて、「(プレミアリーグを想定すると)まだまだ弱さがある。足りないところがある」と指摘した上で、「(攻撃で)面白さを出せると思っていた」と活躍も認めていた。

 仙石にとってAチームでプレーするのはこれが初めて。「まだ自分は1年、2年とどっちもAチームでプレーできなかったので、『見返してやろう』という気持ちが大きかったです。最初は(登録メンバーから)外れていた訳ですし、10番を背負ってこの大会に入れたのはチャンスだと思ったので『やるしかない』と思っていました」と野心を持ってプレーしていたことを明かす。

 守備面やクロスの精度など、まだまだ改善すべき課題はあるものの、東北決勝で強みを示したことも確か。一つ自信も得たMFは「これからプレミアリーグやインターハイ、選手権という大きな大会に繋がっていくと思うので、もっと高いレベルを求めてやっていきたい」と誓った。

 決勝では仙石のほかにも、同じく登録変更で加わったCBベベニョン日高オギュステュ祐登(2年)が短い出場時間で圧巻のヘッドを披露。FW名須川真光(1年)やMF渡邊星来(1年)といった交代出場組も結果を残した。そして4-0で快勝。正木コーチは「(ケガで青森に)残っている子たちに少しでも危機感を持たせられるような結果になった」。今大会の不出場組にも闘志を燃やしている選手は多数。間もなく始まる競争、雪中トレーニングを経て、青森山田からまた新たな才能が出現する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3150]青森山田MF宇野禅斗(1年)_“古宿の後継者”へ。1年生アンカーが攻守に渡って活躍

青森山田高の1年生アンカー、MF宇野禅斗が攻守に渡って活躍
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 横浜FC入りしたMF古宿理久(3年)の後継者候補だ。青森山田高はアンカーのポジションを務めたMF宇野禅斗(1年)が、守備能力の高さを発揮。先制ヘッドも決めて東北高校新人選手権優勝に貢献した。

 守備面は自分の強みだと考えている。決勝戦では広範囲な動きで中盤中央のスペースなどを埋めた。「自分は4-1-4-1(システム)で中央を開けない守備が求められていると思っていて、自分の武器も守備力なので、広範囲に何もさせない守備を目指していました」。完璧ではなかったものの、素早い寄せで相手の攻撃の芽を摘み、カウンターもケア。納得の完封勝利を果たした。

 青森山田のアンカーのポジションは昨年が古宿、一昨年もMF天笠泰輝(現関西大、19年日本高校選抜)と高校トップクラスの選手が務めてきたポジションだ。青森山田中出身の宇野も、青森山田高のアンカーでプレーすることの重要性を理解している。

「去年、一昨年からずっと見ていますけれども、山田のアンカーというポジションは責任のあるポジションだと思います。でも、先輩を意識するというよりも、自分のできるプレーをしていきたい。(古宿)理久さんの真似ではなく、自分の思うアンカー像を作って行けたら良いなと思っています」

 正木昌宣コーチは「仕事量が多くて中盤で助かっているところも多い」と評価した一方で、攻撃面での質の向上を求めている。それは本人も自覚。自信を持っている守備面をよりレベルアップさせ、前方につけるパスやフィード、またテンポ良くボールを動かす回数を増やしていく。

 青森山田の中盤のポジション争いは熾烈だ。初戦で同点ゴール、決勝で先制ゴールを決めた宇野だが、一つアピールしたに過ぎない。それでも、来年ではなく、今年ポジションを奪い取る意気込みだ。同じ1年生のMF松木玖生は全国高校選手権で1年生レギュラーとして大活躍して日本高校選抜候補入り。同級生の存在も刺激に課題を改善し、下級生から青森山田の“責任のあるポジション”奪取を狙う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

「守る」から「攻める」立場へ。選手権奪還へのスタートを切った青森山田が4-0で東北新人戦制す!!

新生・青森山田高がまずは東北タイトルを獲得した
[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 王者を「守る」立場だった昨年から、今年の青森山田はチャレンジャーとして「攻める」、全国タイトルを獲りに行く――。第19回東北高校新人サッカー選手権大会決勝が27日にいわきFCフィールド(福島県いわき市)で開催され、青森山田高(青森)が3年連続7回目の優勝を飾った。学法石川高(福島1)と対戦した青森山田はMF宇野禅斗(1年)の先制ヘッドなど4-0で快勝。選手権準優勝から約半月で迎えた新チーム最初の公式大会でタイトルを獲得した。

 選手権は“死のブロック”と評された激戦ブロックを勝ち抜いて準優勝。だが、地元・青森に戻った選手たちに掛けられた言葉は「おめでとう」ではなく、「残念だったね」だったという。青森山田は16、18年度の選手権を制し、19年は2度目のプレミアリーグ制覇。「高校年代真の日本一」に輝いた。近年の実績は、全国でも抜きん出ているだけに求められるレベルも高い。選手たちは、この敗戦から自分たちが期待されているものを再確認。その自覚と全国決勝で逆転負けした悔しさを持って東北新人戦を戦い、決勝を4-0という素晴らしい結果で終えた。

 青森山田はゲーム主将のFW古澤ナベル慈宇(2年)の強さや左SH仙石大弥(2年)、右SH藤森颯太(1年)の両翼の突破力、裏を狙う怖さを活用した攻撃。加えて、テクニカルな両シャドー、MF本田真斗(1年)、MF小原由敬(1年)の技術力、逆を取る巧さ、そして意外性が攻撃の幅を広げていた。

 前半22分には本田の右CKをファーサイドの宇野が頭でゴール方向へ折り返す。「折り返したら誰かが(ゴール前に)入るか、そのまま(ゴールに)入るという気持ちで」合わせたボールは逆サイドのポストを叩いてゴールイン。青森山田が得意のセットプレーでスコアを動かした。

 今大会の指揮を執る正木昌宣コーチから「絶対に引かない!」という声が飛んでいた青森山田は、最終ラインでリーダーシップを発揮していたCB秋元琉星(2年)やCB三輪椋平(1年)が引かずに前に出てボールを弾き返す。また、守備範囲広く守る宇野らがボールを奪い返して、右SBタビナス・ポール・ビスマルク(2年)の攻撃参加などを交えて相手を押し込んだ。

 学法石川も左のMF竹沢陸(1年)やFW倉島聡太(2年)が幾度かボールを収めて攻め返そうとしていた。主将のDF大津平嗣(2年)を中心にDF円道竣太郎(1年)、DF立澤希望(2年)の3バックが球際で強敵に食い下がるなど、1点差で可能性を秘めたまま前半を折り返す。

 そして、後半立ち上がりから前に出た学法石川に対し、青森山田は前線でボールが収まらず、セカンドボールも拾えない状況に。DFラインも重くなってしまうなど、リズムの悪い状況に陥った。学法石川はFW佐藤武流(1年)や竹沢が仕掛けやシュートに持ち込み、セットプレーも獲得。今大会、青森山田はU-18日本代表CB藤原優大(2年)や日本高校選抜候補MF松木玖生(1年)、ケガの右SB内田陽介(2年)ら主力候補の7選手が不在でバタついた部分もあったが、ここで崩れず、逆に突き放して見せる。

 後半18分、青森山田は攻撃参加からゴール方向へ持ち出した右SBタビナスが豪快な右足ミドル。学法石川のGK渡邊駿(2年)が何とか弾いたボールはポストを叩いたものの、跳ね返りを仙石が押し込んで2-0とした。

 青森山田は23分にもカウンターから縦パスで抜け出したMF渡邊星来(1年)が1人をかわしてラストパス。シャドーからボランチにポジションを下げた後も前へのスプリントを見せていたMF小原由敬(1年)が、左足で3点目を奪う。学法石川はカウンターから右WB渡辺航大(2年)が最前線まで走り込んだり、セットプレーからチャンスも作ったが、1点を奪うことができない。

 逆に青森山田は、後半終了間際にも藤森の左FKからニアへ飛び込んだFW名須川真光(1年)が頭でゴール。最後まで意識高く攻め続けた青森山田が、4-0で東北新人戦王者に輝いた。
 
 選手権準優勝はこの一年間のエネルギーになりそうだ。青森山田の正木コーチは「(選手権のタイトルを)守るよりも攻めることでパワーになる。(選手権は)最終的に静学に負けたので、悔しい思いをしている。今年はチャレンジャーとして、『もう1回取り返す』という強い気持ちで臨みたいです」と語る。

 今年は「守る」のではなく、「攻める」一年。古澤も「あそこで準優勝に終わったことが自分たちにもっとやる気を出させてくれたというか、原動力になった。自分たちでピリつかせて東北新人に臨むことができている」。まずは一つタイトルを獲ったが、ここで満足する選手はゼロ。プレミアリーグ制覇の喜びもすでに彼らの頭の中にはない。選手権の悔しさを早くも力に変えている青森山田が、選手権奪還、そして初の3冠への一年をスタートさせた。

(取材・文 吉田太郎)

遅れて評価高めてきた昌平の左SB大竹、得意の左足で先制アシスト

日本高校選抜候補の左SB大竹琉生(昌平高3年)は高精度の左足クロスで先制点をアシスト
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 昌平高の恩師・藤島崇之監督も見守る中で、日本高校選抜候補の左SB大竹琉生(3年)が左足で魅せた。3本目26分、左ハイサイドでMF後藤健太(青森山田高3年)のパスに反応した大竹はダイレクトで左足クロス。これをFW田中翔太(青森山田高3年)が右足ダイレクトで合わせて先制点となった。

 藤島監督は昨年の日本高校選抜コーチ。チームの激励と昌平の選手たちの視察も兼ねて昌平の練習後に静岡県裾野市の試合会場に訪れていた。大竹は「(藤島監督の姿を見て)緊張しました」と苦笑していたが、1本目からGKとDFの間へ絶妙なクロスを連発。最大の武器である左足で得点の予感を漂わせていた。

 昌平ではクロスではなく組み立て直すような場面でも思い切ってクロスを蹴り込み、アピールに成功。先制アシストのシーンについては「あそこは(田中翔の姿が)見えていたので、『ピンポイントで合わせてやろう』と思って、ピンポイントで合わせられたのでそこが良かったです」と狙い通りのアシストだったことを説明していた。

 昌平は選手権準々決勝で青森山田高に惜敗。目標としていた埼玉スタジアム2○○2で日本一を勝ち取ることはできなかったが、大会を通してベストの左SBの一人と言えるようなプレーをした大竹は高校選抜候補入りを果たす。

 選手権敗退後は大学進学までの期間に少し休養することも考えていたという。だが、「決勝の後に(藤島)監督から電話かかってきて、『(高校選抜候補に)選ばれたから練習に来い』と言われて。自分はサッカー好きなので、それは良いなと思って思い切ってやっていました」。後輩たちの練習試合にも参加して準備してきた左SBは、その成果を発揮。Jリーガーになるという夢を達成するために高校選抜入りして、多くの人の目に留まることを目指していく。

「もっと自分からコミュニケーションを取って、積極的に上って、次は自分が点を獲れたら。そういう気持ちでやりたい」と大竹。関東大会予選、インターハイ予選とチームの結果が出ず、大竹もこの冬まではなかなか大学関係者など周囲の評価を得られていなかった。だが、選手権で活躍し、高校選抜候補に選出された現在はその評価を覆すようなプレーを続けている。

 より精度を高め、結果を残してチャンスを掴むか。まずは次の埼玉合宿メンバーに食い込み、埼玉スタジアム2○○2で開催されるFUJI XEROX SUPER CUP 2020 「NEXT GENERATION MATCH」のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

神村のエースMF濱屋が同点弾&決勝アシスト!日本高校選抜候補を逆転勝ちへ導く

4本目22分、日本高校選抜候補はMF濱屋悠哉(神村学園高3年、右端)が同点ヘッド
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 日本高校選抜候補は4本目に逆転を許し、残り約10分まで1点ビハインド。そこから2点を奪い返して3-2で競り勝った。この逆転劇の立て役者となったのが、MF濱屋悠哉(神村学園高3年)だ。

 4本目22分、濱屋はMF佐藤陽太(京都橘高3年)の絶妙な右FKから同点ヘッド。DFとGKとの間に落ちてきたボールに飛び込み、シュートをゴール右隅に流し込んだ。

「キッカーがめちゃくちゃ良かったので合わせるだけでした」という同点ゴールに加え、濱屋は決勝点もアシストした。2-2の4本目29分、「(4本目だけのスコアは1-2と)負けている状況だったので、前から守備して、何としても獲って、点を決めて勝たないといけないというのがありました」というMFは、敵陣中央でのプレッシングからインターセプト。そのまま左サイドのエンドライン際まで持ち込むと、狙い澄ましたクロスボールをFW田海寧生(丸岡高3年)の頭にピンポイントで合わせて見せた。

 鹿児島王者・神村学園のエースは合宿開始当初、「緊張してあんま力を出せていなかった」というが、3日目となり、徐々に慣れて、周囲の特長も理解。練習試合では前日の専修大戦に続いて2試合連続でゴールを決めている。

「結果が全てだと思うので結果が残せて良かったと思います。(合宿最終日は)自分の長所であるドリブルとかを出して、色々なことを学んでチャレンジしていきたい」と濱屋。19年の九州を代表するアタッカーが、日本高校選抜入りするために結果を残し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

「あれくらいやらないと選ばれない」。高校選抜候補は“遠慮ゼロ”で戦ったFW田海が決勝ヘッド!

4本目29分、日本高校選抜候補FW田海寧生(丸岡高3年)が決勝ヘッド
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

「あれくらいやらないと選ばれないと思う」。練習試合2本目と4本目で日本高校選抜候補の1トップを務めたFW田海寧生(丸岡高3年)は、そのプレーから必死さが如実に表れていた。

 年上の大学生との練習試合だったが、遠慮は“ゼロ”。前線から激しく相手を追い回し、アフターチャージになったシーンや球際に深く入り過ぎてファウルを取られるシーンもあった。ただし、本人にとっては、それくらいの強度でプレーしなければ、ハードワークしなければ日本高校選抜メンバー入りすることができないという覚悟の上。「(自分は)今年から大学生ですし、(大学生相手でも)『関係ない』と思ったので行きました」とがむしゃらに戦い続けていた。

 空中戦で競り勝って味方の決定機を演出した一方、ミスも増えていた。だが、攻撃でも、守備でも身体を張り続けていた田海は試合終了間際にビッグチャンスを引き寄せる。2-2の4本目終了間際、敵陣中央でインターセプトしたMF濱屋悠哉(神村学園高3年)が左サイドへ抜け出してクロス。ファーサイドでフリーの田海が頭で決勝点となる一撃をゴールに叩き込んだ。

 すると、歓喜の雄叫び。「(青森)山田の田中(翔太)が点獲って『ちょっとやばいな』と思っていて、僕も点獲りたいと思っていたので、ごっつあんでしたけれども良かったです」。1トップを争うライバルのFW田中翔太(青森山田高3年)が2試合連続ゴールを決めたのに対し、田海も2試合連続ゴール。結果を残すことに成功した。

 この1年、田海は丸岡の絶対的なエース、主将として名門校を牽引してきた。そして、第一次選考会でもアピールして迎えた日本高校選抜入りのチャンス。「本当にこんなチャンス2度とないと思うので、『絶対に選ばれる』という気持ちで来ましたし、みんな上手いのでこの中で入っても負けないくらいやっていかないといけない」と意気込んでいる。

 今年の日本高校選抜は丸岡の小阪康弘監督が総務としてスタッフ入り。恩師と一緒に欧州へ行って、戦うチャンスは十分にある。「(丸岡の)先生たちからも『頑張って来い』と言われているので、丸岡を代表して高校選抜入ったら地域も盛り上がると思いますし、自分的には『絶対に入らないといけない』と思っています」と力を込めた。大学生にも負けない強さと鋭い裏抜けも武器とするストライカーは、合宿最終日も遠慮することなくアピールして、また一つチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

日本高校選抜候補CB長江が流経大相手に強さ発揮。選手権では見せなかった“武器”も披露

守備力の高さを示したCB長江皓亮(矢板中央高3年)はビルドアップでも質の高さを披露
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 選手権の悔しさをパワーに、高校選抜で生き残る。流通経済大と練習試合を行った日本高校選抜候補は、2チームを編成したうち、1本目と3本目に出場したチームが無失点で計60分間を終了。特に印象的なプレーを見せていたのが、CB長江皓亮(矢板中央高3年)だ。

 空中戦では接触することを怖れずに立ち向かって相手FWの前でヘッド。流経大の主力組が登場してきた3本目はクロスまで持ち込まれるシーンが増えていたが、長江は矢板中央でのプレー同様に、素早いポジショニングからボールを弾き返していた。

 SBの背後へ抜け出してきた選手の前に身体を入れてブロックするところなど対人守備の強さやコーチングでも存在感。加えて、縦へのロングボールの多い矢板中央ではほぼ見せないようなビルドアップの質の高さも示していた。

「矢板では結構ロングフィードばっかりだったんですけれども、こういうところでは繋いだりするので。昨日はあんまり繋げなかったけれど、きょうは意識して繋げたんじゃないかなと思います」と微笑。そして、DFとしての本分であるゴールを守るところでは手応えを口にしていた。

「自分の持ち味の空中戦だったり、1対1の対人のところは(流経大相手でも)結構通用したんじゃないかなと思っています。結構跳ね返せましたね。クロスはしっかりブロック作って、中もマークをつけて自分がしっかりとニアのところで弾けたりできたので良かったと思います」

 1月11日の全国高校選手権準決勝では後半アディショナルタイムの失点によって静岡学園高に0-1で敗戦。矢板中央は、高橋健二監督も主将の長江ら選手たちも涙を流して悔しがった。長江は「本当、あれは悔しい思いをしたので、(高校選抜で)悔しい思いをぶつけて(最終18名に入って)海外遠征に行きたい」と力を込める。

 矢板中央の“闘将”はチームの期待も背に日本高校選抜で戦う構えだ。昨年は矢板中央から右SB後藤裕二(現順天堂大)、CB白井陽貴(現法政大)の2選手が高校選抜の欧州遠征メンバー入り。長江は「去年は欧州で負けてしまっているんで、優勝して(先輩たちを)超えれるようにしたい」。この1年間、矢板中央はタレント揃いだった1学年上の先輩たちと比較されてきた。そして、選手権では先輩超えの4強。長江は高校選抜でも先輩超えをモチベーションにして、残り1日となった選考合宿、その後の活動でもアピールを続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[新人戦]学法石川が苦しみながらも初の東北決勝へ。青森山田と対戦に「自分たちの力がどれだけ通用するのか確かめたい」

学法石川高はDF大津平嗣を中心に2試合連続で完封勝利
[1.26 東北高校新人選手権準決勝 学法石川高 1-0 明桜高 新舞子フットボール場]

 令和初年度東北高校新人サッカー大会は26日に準決勝を行い、学法石川高(福島1)と明桜高(秋田)が対戦。後半31分にFW渡辺航大(2年)が奪ったゴールによって、学法石川が1-0で勝利した。

 全国大会未出場ながらも、昨年度はプリンスリーグ東北を舞台に戦うなど実力は十分。今年は初の選手権出場を狙う学法石川が3度目の東北新人選手権出場で、初の決勝進出を果たした。

 チームの歴史を作る大きな一勝となったが、試合展開は決して楽ではなかった。「試合の入り方はチームとしての課題。経験値が少ない選手が多いので、緊張していたと思う」(DF大津平嗣、2年)。学法石川は序盤、前線からのプレスを徹底した明桜に苦戦。9分には、相手のロングフィードの処理をミスしたDFがMF田中将太(1年)にボールを奪われた。

 慌てて飛び出したGKもかわされ、無人のゴールを狙われたが、シュートはポストに直撃し、失点は免れた。明桜の原美彦監督が「昨年から積み上げてきた攻守でボールを握っていくサッカーは出せた」と振り返った通り、以降も試合は相手のペース。明桜はMF堀井真生(2年)を中心としたパスワークから、判断良く学法石川の守備を崩したが、「前半通してチャンスはあったけど、シュートやパスなど最後の質が低くてチャンスを逃してしまった」(堀井)ため、両者無得点のまま前半を終えた。

 後半は運動量が落ちた明桜に対し、学法石川は「監督からもっと前に出て良いと言われたので、攻撃を意識した」と振り返るMF森隼真(1年)が持ち前の運動量を活かした前方への飛び出しを増やし、攻撃に厚みを加えた。加えて、大津が「アイツで勝負できる」と評する俊足の渡辺を右のウイングバックに投入。渡辺が縦突破を繰り返すことで、警戒が薄まった左MF佐々木楽人(1年)や、FW佐藤武流(1年)が躍動する場面が増えた。

 後半21分には連携から中央を抜け出した森がGKとの1対1を迎えたが、シュートはGK佐藤潤一(2年)が足でブロック。29分にはDF立澤希望(2年)の縦パスから、PA内を抜け出したFW倉島聡太(2年)が放った一撃も枠を捉えることができない。天を仰ぐ場面が続いたが31分、中央をドリブルで仕掛けた佐藤が右に展開すると、渡辺が反応。鋭い突破でマークをかわし、打ったシュートがゴール左隅に決まると、そのまま1-0でタイムアップを迎えた。

 学法石川は前日に行った1回戦の羽黒高(山形)も前半は苦戦しながら、試合終盤の得点によって、1-0で勝利。稲田正信監督は「昨日も今日も上手く行かなくても無失点で終えられたのは収穫。後ろが集中力を切らさず粘り強くゼロで抑えられたのが良かった。この大会は全国に繋がる大会ではないけど、緊張や負荷がかかった状態で戦える試合を経験できるのは大きい」と口にした。

 27日の決勝では、選手権準優勝の青森山田高(青森)と対戦する。全国屈指の強豪と真剣勝負ができるのは選手にとって大きな刺激だ。大津は、「青森山田と対戦するのを大会の目標にしていた。100%の力を出し切って、自分たちの力がどれだけ通用するのか確かめたい。この大会は結果にも拘っているけどインターハイ、選手権に向けてどれだけ積み重ねができるかの方が大事とチームで話している。個人としても山田の選手から盗める物があると思うので、盗んで行きたい」と意気込む。

 稲田監督が「新人戦なので決勝進出で満足して欲しくない。メインは選手権。良い内容で決勝まで勝ち進むと勘違いするので、今日みたいに上手く行かない中で勝てるのが一番良い」と話す通り、成長するための課題を洗い出すのが一番の狙いだが、福島県の第1代表として大会に挑んでいる。地元開催であるため、背負う期待も大きい。決勝はより苦しい戦いとなるのは間違いないが、この2試合同様に結果と成長材料の二兎を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)

個々のアピールに加えてチームとしても進化。日本高校選抜候補が終盤2発で流通経済大に逆転勝ち!

3本目26分、日本高校選抜候補はFW田中翔太(青森山田高3年)がジャンピングボレーで決めて先制
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 日本高校選抜候補が流経大を撃破! 日本高校選抜候補は静岡合宿3日目の26日、強豪・流通経済大と練習試合(30分×4本)を行い、3-2で逆転勝ちした。日本高校選抜候補は27日で選考合宿を終了。この後メンバーを絞りながら、2月にFUJI XEROX SUPER CUP 2020 「NEXT GENERATION MATCH」(埼玉)、3月にヤングサッカーフェスティバル(草薙球)に臨み、4月には最終18名で欧州遠征を行う。

 試合直後、日本高校選抜の蒲原晶昭監督(佐賀東高)は「進んできている。どんどん良くなってきていると感じています」と感想を口にしていた。相手の背後の取り方をミーティング、トレーニングで共通理解して臨んだ前日は専修大に6-4で勝利。そして、守備のポジショニングやフィジカル能力に長けた大学生への対応の確認をして迎えたこの日は3本目まで流経大に得点を許さなかった。

 選考合宿で大学生相手に個々が何をできるかを見られている状況だが、彼らは自分の特長を出しながら、また意見を出し合いながらチームとしてもレベルアップ。そして、結果を残して、選考する側のコーチングスタッフを大いに悩ませている。

 この日も2チームを編成し、1本目と3本目、2本目と4本目に分かれてプレー。右SBとして起用されている神田悠成(3年)やMF松木玖生(1年)ら青森山田高の5選手にMF浅倉廉(静岡学園高3年)、MF須藤直輝(昌平高2年)らを加えて戦った1本目は、前日に比べて相手のプレッシャーが速く、シャドーの選手が自由なプレーをすることができていなかった。

 それでも、徐々にボールを握る時間を増やした高校選抜候補は、左SB大竹琉生(昌平高3年)が攻撃参加から決定的なクロスをGKとDFの間に入れるなど、相手ゴールを脅かす。21分には、右サイドを崩して最後はMF後藤健太(青森山田高3年)の折り返しから松木がフィニッシュ。浅倉やMF柴圭汰(昌平高2年)、松木が狭い距離感の中でボールを動かして中盤を突破していたほか、守備面では空中戦の強さを見せる神田や、この日クロスへの対応やヘディングで存在感を放っていたCB長江皓亮(矢板中央高3年)らが相手をゴールに近づけずに0-0で1本目を終えた。

 2本目は前日欠場したMF井堀二昭(静岡学園高3年)やMF丸山喬大(帝京長岡高3年)、左SB阿部稜汰(日章学園高3年)らが出場。1本目に比べると、攻撃時の長いボールが増えていたが、それでも大学生相手にガツガツしたプレーを見せていたFW田海寧生(丸岡高3年)が前線で競り勝ち、選手権得点王のFW岩本悠輝(静岡学園高3年)が鋭く抜け出すなどチャンスを作る。また、井堀が中盤で前向きな状況を作って仕掛けに繋げ、守備でも阿部が対人守備の強さを見せるなど得点を許さない。

 そして、0-0のまま迎えた3本目に高校選抜候補がゴールを奪う。流経大は3本目から主力組を投入。攻守にギアの上った相手にピンチを作られるシーンもあった高校選抜候補だが、柴とMF藤田悠介(静岡学園高3年)のダブルボランチを中心にリズムを作り出す。

 藤田のギャップを突くスルーパスから神田が抜け出し、GKとの1対1からシュート。そして26分、右サイドでボールを持った後藤が中央へのドリブルでDFを引きつけて、左ハイサイドへ展開する。これに走り込んだ大竹がダイレクトでクロスを入れると、FW田中翔太(青森山田高3年)が右足ダイレクトで合わせて先制点。見事な崩しから奪ったゴールでリードを得た。

 4本目はセットプレーのこぼれ球から追いつかれ、不用意なボールロストからのカウンターで失点して1-2。それでも、「前向きな選手が多い」(蒲原監督)という高校選抜候補は、CB奈良坂巧(桐光学園高2年)らが声を張り上げる中で高い士気を持ち続ける。そして、佐藤陽の攻め上がりから決定機も作ると、残り10分を切ってから2点を奪い返す。
 
 22分、佐藤陽の右FKをファーサイドからゴール前に飛び込んだMF濱屋悠哉(神村学園高3年)が対角のヘディングシュートを決めて2-2とする。また、がむしゃらにボールを追い続けたことが功を奏した部分もあったか、流経大が失速。アグレッシブにゴールを目指した高校選抜は終了1分前の29分、前線からのプレッシングで濱屋が相手DFからボールを奪い取る。そして、相手DF,GKを引きつけながら左サイドへ流れた濱屋がクロスを上げると、ファーサイドでフリーのFW田海寧生(丸岡高3年)が「濱屋がめっちゃ良いボールをくれたので、決めるだけでした」と頭で決勝点を叩き込んだ。

 この日の午前は気温2度で冷たい雨。疲労も考慮されて、トレーニングは行われなかった。その中でゲームに集中して良いところを出そうと選手たちが奮闘。選考合宿最終日もそれぞれがメンバー生き残りへの思いをぶつけて、成長して4日間の競争を終える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

【動画】ついに新記録⁉ #ゲキサカチャレンジ 「15秒バー当て」に強豪高体連&Jユース参戦!

【動画】ついに新記録⁉ #ゲキサカチャレンジ 「15秒バー当て」に強豪高体連&Jユース参戦!
 #ゲキサカチャレンジ「15秒バー当て」第3弾!ゲキサカ編集部考案のオリジナル競技でランキング1位を目指す新企画。「15秒バー当て」のルールは以下の通り。

▼「15秒バー当て」ルール
・15秒でクロスバーに何球当たるかを競う
・ペナルティエリアのライン中央から蹴る
・15秒以内に蹴ったボールが当たった場合は認められる

第3弾は、東京ヴェルディユース、旭川実業高、立正大淞南高が参戦!

【15秒バー当てランキング】第2弾終了時点
1位:3回
北村公平(桐光学園)
榮龍生(履正社)
藤田健太郎(浦和東)
山本直(桐生一)
5位:2回
新井颯(桐生一)
飯島圭一(桐生一)
遠藤青空(桐生一)
岡部直弥(浜松開誠館)
川西伶央(武南)
下野桂吾(履正社)
田中希(武南)
吉田真那斗(浜松開誠館)

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「ハードワーク、切り替え、コミュニケーション、テクニック」が柱。日本高校選抜候補が専修大に快勝(11枚)

日本高校選抜候補合宿に26選手とスタッフが参加
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

「ハードワーク、切り替え、コミュニケーション、テクニック」が柱。日本高校選抜候補が専修大に快勝(11枚)

日本高校選抜候補合宿に26選手とスタッフが参加
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

高校選抜の点取り屋となるのは?選考合宿のFW登録は田海、田中翔、岩本の3人(6枚)

名門・丸岡高のエースストライカー、田海寧生(3年)
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

高校選抜候補合宿でも注目の存在、青森山田の1年生レフティー・松木(5枚)

MF松木玖生(青森山田高1年)
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

高校選抜選考合宿、青森山田MF後藤が2ゴール1アシストでアピール成功(4枚)

MF後藤健太(青森山田高3年)は2得点の活躍
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

後藤2発に田海、濱屋、須藤、田中翔もゴール!日本高校選抜候補が大学生から計6発!(14枚)

0-1の1本目19分、MF後藤健太(青森山田高3年)がスルーパスで抜け出す
 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。
●【特設】高校選手権2019

選手権で輝いた青森山田の1年生MF松木、次のターゲットは高校選抜入り。「絶対に受かってやろうと」

高校選抜候補合宿でも堂々のプレーを続けるMF松木玖生(青森山田高1年)
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

「本当に選ばれたいという気持ちです。でも、アピールしていかないと選ばれないので、アピールしてやっていきたい」。MF松木玖生(青森山田高1年)は、第98回全国高校サッカー選手権で、2度の先制点や準決勝での決勝点など、得点ランキング3位タイの4得点をマーク。サッカーファンや多くのメディアから注目を集める存在となったレフティーは、1年生で早くも日本高校選抜候補合宿メンバーに名を連ねている。

 U-15日本代表、U-16日本代表で海外のフィジカル能力高い選手たちと戦うことを経験済み。それでも、常に新たな経験や力を得ようとする貪欲な姿勢は高校選抜でも変わらない。「(青森山田の先輩とともに)絶対に受かってやろうと」。注目1年生は青森山田で次期エースの7番を背負ってきた自覚、青森山田の代表者という責任感も持って高校選抜入りを本気で目指している。

 プレーは選手権のヒーローたちの中に入っても全く見劣りしない。「ハードワーク、切り替え、コミュニケーション、テクニック」の4つが日本高校選抜のテーマとなっているが、それは普段から青森山田で意識していること。だからこそ、青森山田で求められていることをここでも高いレベルで見せつけ、課題というテクニックの部分も周りから吸収しながら発揮していく意気込みだ。

 この日は、青森山田でのプレー同様、中盤でボールを奪い取るという意識を持って、そこからサイドへの展開や縦パスを狙っていた。本人はゴールへ向かっていく動きが少なかったことが不満だったようだが、大学生相手でも落ち着いてビルドアップしながら、球際の強さや戦う姿勢を見せていた印象だ。

 選手権では先輩に対しても遠慮なく指摘するメンタリティーの部分も含めて、大きな注目を集めた。同時に、本人は短い大会期間中でも成長できた実感があるのだという。「得点も積み重ねることができました。得点は自信になるし、夏くらいまでは自分のプレーに責任が持てなかったけれど、冬にかけて自分自身でもやりたいサッカーができている」。今回の高校選抜候補合宿でも成長して、より注目されるだろう新シーズンでその成果を示す。

 残り2日間の合宿へ向けては、「この遠征に来て、見るということや状況判断を学ばせてもらったので、そういうところは明日の練習試合や最終日に活かしていきたい。残り2日でまずはチームに貢献することを最優先して、アピールしていけるように。全力でアピールしていきたいと思っています」と誓った。

 今回、高校選抜候補合宿メンバーに選出されたのも結果を残したからだと考えている。この1年間は壁にぶち当たっていた時期もあったが、肉体強化の成果が出て身体が一回り、二回りも大きくなり、秋頃からキレも向上。結果を残しながら経験値を高めてきた。スーパールーキーから高校サッカーを代表する存在へ。今年も常に結果を残しながら、ステップアップしていく。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

第一次選考会から這い上がってきた選手も高校選抜候補合宿で奮闘。CB青木はチームテーマの一つで特に強みを発揮

CB青木駿人(日大藤沢高3年)ら第一次選考会から勝ち上がってきた選手も日本高校選抜欧州遠征メンバー入りを目指す
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 日本高校選抜候補合宿に参加している26人中10人が、今月12日の第一次選考会から勝ち上がってきた選手だ。第一次選考会は選手権3回戦までに敗れたチームや選手権予選敗退校から選抜された選手によって争われたもの。そのうちの一人であるCB青木駿人(日大藤沢高3年)は、今回の候補合宿2日目を終えて自分たちの力は選手権上位のチームの選手たちに負けていないことを強調していた。

「今回から(選手権準優勝の青森)山田や静学(優勝校の静岡学園)が入ってきて、サッカーのレベルは上っていると思うんですけれども、負けているつもりもないし、自分たちもやれる力があると思うので、もっとそことコミュニケーション取りながら、チームとしてもっと上げてその中で自分の良さを出していきたい」と意気込んだ。

 第一次選考会から勝ち上がってきた選手ではこの日、本職のボランチ以外に右SBを務めたMF佐藤陽太(京都橘高3年)が蒲原晶昭監督(佐賀東高)から「(初めての右SBにもかかわらず)奪い方が上手かった」と評価されていたほか、FW田海寧生(丸岡高3年)とMF濱屋悠哉({{c|神村学園高)}3年)がゴール。青木は第一次選考会でもコンビを組んだCB奈良坂巧(桐光学園高2年)と「お互いうるさい感じ」という声でチームを盛り上げ、またコーチングで味方を動かすなどアピールしていた。

「相手ももちろん大学生で強度が高いんですけれども、こっちもレベルが高いので一声掛ければ(周りの選手が)全部やってくれるので、自分が全部やるというよりは上手く動かしながら、味方の力を活かしながら上手くやれたと思います」。チームから求められている「ハードワーク、切り替え、コミュニケーション、テクニック」の4つのテーマのうち、特にコミュニケーションを強みとする青木は仲間の特長を理解しながら、それを上手く活用して守る形で勝負していく構えだ。

「もっと(味方の選手に考えたり、プレーする)時間を与えるとか、自分が魅せるのではなくて、仲間を活かすプレーの中で他とは違う目立ち方で生き残っていきたい」。青木は、選手権神奈川県予選決勝でインターハイ日本一の桐光学園高を破った立て役者の一人。左足のロングフィードや高さも武器とする注目DFだが、「コミュニケーションのところが一番自信がある」という強みで目立ち、選手権上位校の選手を上回って最終18名の欧州遠征メンバー入りを果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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“代役FW”が得点王、そして高校選抜候補入り。“ちょっと”を加えた静学FW岩本は「結果を残していきたい」

選手権得点王の日本高校選抜候補FW岩本悠輝(静岡学園高3年)。(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 日本高校選抜候補FW岩本悠輝(静岡学園高3年)は第98回全国高校サッカー選手権で5得点。MF森夢真(四日市中央工高3年)とともに大会得点王に輝いた。

 大会前まではサブだったが、怪我明けのFW加納大(2年)に代わって準決勝まで先発出場し、徳島市立高との準々決勝ではハットトリックの大暴れ。切り替え速く献身的な守備でも貢献度が高く、“代役以上”と言えるような活躍を見せた。ただし、決勝戦は加納が先発復帰したこともあって出番なし。本人は決勝後に悔しさを滲ませていたが、祝福を受ける中で自信となった部分もあるという。

「“ちょっと”は色々な人に言われているので、“ちょっと”は自信を持って良いのかなと」と謙虚なコメント。選手権でゴールを連発中も「自分はハル(加納大)の代わりなので」と引き締めてプレーしていたFWは、得点王になったことで“ちょっと”の自信も加えて日本高校選抜候補に臨んでいる。

 この日は2本目と4本目に4-2-3-1システムのトップ下としてプレー。ボールを引き出す巧さや抜け出す動きを見せ、攻撃のポイントとなる役割を果たしていた。0-2に終わった2本目終了後、チーム内でよりコミュニケーションを取って迎えた4本目は2-0。岩本はチャンスで決め切ることができなかったが、「第3関門(相手の最終ライン)の最後のところで裏の抜け出しとかというところで結構話していた」という成果をチームとして発揮した。

 彼の活躍は多くの高校生に夢を与えるだろう。選手権開幕前は控えだったFWが、選手権得点王に輝き、高校選抜候補入り。そして、岩本は「残りたいです。色々な選手の良いところがあるので、こういうところで盗んでいきたい」と欧州遠征メンバー入りへの意欲も見せている。

 やはりこだわっていくのは結果。「点は獲りたいです。結果が大事になってくるので、点獲ったり、アシストしたり、結果を残していきたい」。ゴールでチャンスを掴んだFWは、高校選抜でも結果を残して欧州でプレーするチャンスも勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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憧れのドイツへ2ゴール1アシスト!日本高校選抜候補合宿で青森山田MF後藤が猛アピール

1本目19分、日本高校選抜候補MF後藤健太(青森山田高3年)が右足で同点ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 この日、6-4で撃ち勝った日本高校選抜候補の中で最も結果を残したのが、右SH後藤健太(青森山田高3年)だ。1本目19分にMF浅倉廉(静岡学園高3年)のスルーパスをピタリとコントロールすると、右足で同点ゴール。さらに24分にはMF佐藤陽太(京都橘高3年)のスルーパスに反応すると、飛び出したGKよりもわずかに速くコントロールしてかわし、勝ち越しゴールを決めた。

 3点目を決めるチャンスがあったことは確かだが、中央突破からチーム4点目をアシストするなど攻撃力を発揮。「昨日の戦術ミーティングで、サイドの選手がどんどん背後を狙ったり、相手と駆け引きしながらより前のポジションでプレーするということを求められていたので、今日はどんどん背後を狙って行きました。個人的には凄く結果もついてきて、納得の行く結果になったと思います」と会心の表情を見せていた。

 青森山田の右サイドの突破口を担った後藤は、選手権で2ゴールの活躍。決勝で逆転負けして準優勝に終わった悔しさは忘れていない。だが、日本高校選抜に入り、憧れのドイツでプレーするチャンスを掴むことをモチベーションにして今回の合宿に参加している。

「ああいう良い結果を出したから高校選抜の候補に選ばれたと思っているので、そういう意味では責任があると思いますし、自分の武器であるドリブルやチャンスメークをどんどん発揮していきたい。海外遠征に選ばれれば(デュッセルドルフ国際ユース大会開催地の)ドイツに行ける。狙っていきたい」と力を込めた。

 近年は3年続けて青森山田の複数選手が日本高校選抜欧州遠征メンバー入り。今回は後藤の他にもGK佐藤史騎(3年)、DF神田悠成(3年)、MF松木玖生(1年)、FW田中翔太(3年)と最多5選手が、選考合宿に参加している。後藤は「山田の選手全員は代表として絶対に入ろうということで、意気込みはかなりあると思う。全員入れればと思っています」とコメント。今後、J加入組やU-18日本代表スペイン遠征中のDF藤原優大(2年)が加わる可能性もある。19年度のプレミアリーグ王者で、選手権ファイナリストでもある青森山田の選手たちが、アピールを続けて大量選出を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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憧れのドイツへ2ゴール1アシスト!日本高校選抜候補合宿で青森山田MF後藤が猛アピール

1本目19分、日本高校選抜候補MF後藤健太(青森山田高3年)が右足で同点ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 この日、6-4で撃ち勝った日本高校選抜候補の中で最も結果を残したのが、右SH後藤健太(青森山田高3年)だ。1本目19分にMF浅倉廉(静岡学園高3年)のスルーパスをピタリとコントロールすると、右足で同点ゴール。さらに24分にはMF佐藤陽太(京都橘高3年)のスルーパスに反応すると、飛び出したGKよりもわずかに速くコントロールしてかわし、勝ち越しゴールを決めた。

 3点目を決めるチャンスがあったことは確かだが、中央突破からチーム4点目をアシストするなど攻撃力を発揮。「昨日の戦術ミーティングで、サイドの選手がどんどん背後を狙ったり、相手と駆け引きしながらより前のポジションでプレーするということを求められていたので、今日はどんどん背後を狙って行きました。個人的には凄く結果もついてきて、納得の行く結果になったと思います」と会心の表情を見せていた。

 青森山田の右サイドの突破口を担った後藤は、選手権で2ゴールの活躍。決勝で逆転負けして準優勝に終わった悔しさは忘れていない。だが、日本高校選抜に入り、憧れのドイツでプレーするチャンスを掴むことをモチベーションにして今回の合宿に参加している。

「ああいう良い結果を出したから高校選抜の候補に選ばれたと思っているので、そういう意味では責任があると思いますし、自分の武器であるドリブルやチャンスメークをどんどん発揮していきたい。海外遠征に選ばれれば(デュッセルドルフ国際ユース大会開催地の)ドイツに行ける。狙っていきたい」と力を込めた。

 近年は3年続けて青森山田の複数選手が日本高校選抜欧州遠征メンバー入り。今回は後藤の他にもGK佐藤史騎(3年)、DF神田悠成(3年)、MF松木玖生(1年)、FW田中翔太(3年)と最多5選手が、選考合宿に参加している。後藤は「山田の選手全員は代表として絶対に入ろうということで、意気込みはかなりあると思う。全員入れればと思っています」とコメント。今後、J加入組やU-18日本代表スペイン遠征中のDF藤原優大(2年)が加わる可能性もある。19年度のプレミアリーグ王者で、選手権ファイナリストでもある青森山田の選手たちが、アピールを続けて大量選出を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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日本高校選抜候補の中でも際立つ技巧。静学MF浅倉がスルーパスで2アシスト

日本高校選抜候補MF浅倉廉(静岡学園高3年)は技巧を発揮して2アシスト
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 第98回全国高校サッカー選手権で優勝した静岡学園高から、今回の日本高校選抜候補合宿にはMF浅倉廉(3年)、MF井堀二昭(3年)、MF藤田悠介(3年)、FW岩本悠輝(3年)の4選手が選出されている。中でも、青森山田高との選手権決勝で抜群のテクニック、突破力を示していた浅倉が、この専修大戦でも際立つ技巧を発揮。ピッチサイドにいたJクラブ強化担当者たちを唸らせていた。

 1本目と3本目にトップ下として出場した浅倉は、無駄のないボールタッチ、ターンから前を向いて攻撃の中心に。相手DFをいなすようにボールをキープし、そこから決定的なスルーパスやシュートへ持ち込んでいた。

 そして、スルーパスで2つの同点ゴールをアシストした浅倉は「結構良い位置で受けてからスルーパスとかシュートを出せたのでアピールできたのかなと思います。相手の嫌な位置、ボランチとCBの間とかで受けて1タッチとかで前を向いて、そこからスルーパスとかシュートというプレーが自分の得意とするプレーなので、それが出せていたんじゃないかと思います」と“手応えアリ”のコメント。ただし、選手権同様、決める部分が欠けていたことを反省し、「結果のところでアピールしていけたら良いと思っています」と引き締めていた。

 静岡学園にとっては24年ぶりとなる全国制覇となった選手権は自信になっているという。また、全国大会でハイレベルな6試合を経験したことで自身の課題も明確に。将来のプロ入りのために、それを高校選抜の活動や、大学生活で改善していく考えだ。

 静岡学園の選手では鹿島入りしたMF松村優太(3年)とU-18日本代表スペイン遠征中の右SB田邉秀斗(2年)、アメリカ挑戦中のCB阿部健人主将(3年)、大学受験中のMF小山尚紀(3年)がそれぞれの事情で選考合宿メンバーから外れ、井堀が合宿初日のトレーニングで負傷。その中で静学の中心プレーヤーは優勝メンバーとしての責任を持って、日本高校選抜欧州遠征18名入りを目指している。

「優勝したからには、そのメンバーが入れないと。そういう面では責任もあるので絶対に入りたいと思っています。(欧州遠征メンバーに選ばれた際には)自分、身体小さいんですけれども、頭を使って大きい相手とかもいなしたりできるようなプレーをしたいと思っています」と浅倉。テクニカルな選手の多い日本高校選抜メンバーの中でもトップクラスの技巧を持つMFが、チームの中心選手となって欧州に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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狙い通りの崩しからゴール連発!日本高校選抜候補が専修大に6発勝利!

4本目14分、日本高校選抜候補MF須藤直輝(昌平高2年)が右足で決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.25 練習試合 日本高校選抜候補 6-4 専修大 時之栖裾野G]

 日本高校選抜候補が狙い通りの崩しから計6発! 第98回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜候補が、24日から静岡県内で選考合宿を行っている。25日には関東大学1部リーグの専修大と練習試合(30分×4本)を行い、6-4で撃ち勝った。

 指揮を執る蒲原晶昭監督(佐賀東高)が「ハードワーク、切り替え、コミュニケーション、テクニックという4つのところを柱としている。その4つの柱をベースに、テクニックの上手い選手が多く入っている」と説明する今年の日本高校選抜。合宿2日目でこれが初の対外試合だったが、高校選抜候補は正確なパスアンドコントロールから、共通理解していた背後の取り方を実践し、鮮やかな崩しで次々とゴールネットを揺らした。

 選手権優勝校・静岡学園高のMF浅倉廉(3年)や同準優勝の青森山田高GK佐藤史騎(3年)らが出場した1本目は、トップ下の浅倉のところにボールが入ると、その技巧で目立つ存在だった浅倉の個人技やMF後藤健太(青森山田高3年) 、MF佐藤陽太(京都橘高3年)、FW田海寧生(丸岡高3年)らが絡む形からゴールに迫る。

 16分、Aチームで臨んだ専修大に先制点を許したものの、直後に浅倉のスルーパスからタイミング良く相手の背後へ抜け出した後藤が右足で同点ゴールを流し込む。さらに浅倉の仕掛けから佐藤陽が決定的な右足ボレーを放つなど攻める高校選抜候補は24分、佐藤陽のスルーパスで抜け出した後藤がGKをかわして勝ち越しゴール。前日のミーティング、この日午前のトレーニングで確認していたという背後の取り方が早速実を結び、逆転して1本目を終えた。

 メンバー全て入れ替わった2本目は、選手権得点王のFW岩本悠輝(静岡学園高3年)や選手権で活躍したスーパールーキーMF松木玖生(青森山田高1年)、2年連続で高校選抜候補合宿に臨むMF須藤直輝(昌平高2年)らが出場。落ち着いたパス、コントロールと守備も光っていたMF柴圭汰(昌平高2年)のスルーパスに岩本が走り込んだり、須藤がドリブルシュートを狙うシーンもあったが、PAで相手を抑えきれなかったり、背後を取られるなど2点を失ってしまう。

 それでも、1本目のメンバーから2人をMF濱屋悠哉(神村学園高3年) とGK松原颯汰(流通経済大柏高2年)に入れ替えた3本目の8分、浅倉のスルーパスから田海が左足でゴールを破り、3-3。さらに15分には中盤中央を抜け出した後藤のラストパスから濱屋が決めて再び勝ち越しに成功する。

 藤田が上手く潰れ役になって味方が抜け出したほか、左SB大竹琉生(昌平高3年)の正確なキックや右SBで起用された佐藤陽が好守を見せるシーンも。一方で簡単にサイドから崩されて失点してしまったが、2本目と同じ選手たちを中心に戦った4本目に高校選抜候補は三度勝ち越して見せる。

 14分にタイミング良く相手の背後へ抜け出した須藤がGKとの1対1を制して5-4。さらに、21分にもセットプレーからFW田中翔太(青森山田高3年)が決めて突き放す。最終ラインから良く声が出て、指揮官も「戦える選手がきょうも多かった」と認める戦いぶり。同点から最後に大学生を振り切る強さも示した高校選抜候補が6-4で勝利した。

 今回は選考合宿のため、大枠の戦い方や狙いだけを共通理解し、あとは攻守ともに個人戦術のところに委ねられている。その中でできることを示した選手が多かった印象だ。特に攻撃面では前方の視野を確保しながら、それぞれが持つパス、ドリブルの技術を発揮していた。蒲原監督も「判断の共通理解がある中で、何をするかは自分の発想でやるというベースのところをミーティングで話しました。(今後へ向けた)材料がきょうは良いも悪いも出たのでかなりな収穫だと思います」と評価。そして、「このキャンプは個のところでしっかりと見ていきたい。あと2日間、しっかり4つのテーマの下、自分の特長をどれだけ出せるか」と期待した。

 今回の静岡合宿に参加している日本高校選抜候補選手は大学進学組や新2、3年生の計26名。Jクラブへ加入した選手や、U-18日本代表のスペイン遠征組は招集されていない。現時点で約40名いるという候補選手から、4月の欧州遠征でデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に出場するのは18名。今回招集されている選手たちは、今回不参加の実績ある選手たちを上回っていかなければならない。そのエネルギーが空回りしたり、不用意なミスがあったことも確かだが、指揮官も認める雰囲気の良さと戦う姿勢、テクニックがこの日は内容と結果に繋がった。

 蒲原監督は合宿初日、「『せっかくの機会だから、この4日間は。選ばれるというところも大事だけど、成長して帰って欲しい』というのは伝えました」という。全国約4000校の選手たちから選抜された彼らは、将来の可能性を広げるという自身への期待感と、全国の高校サッカー部代表の責任感を持って日本高校選抜入りと欧州での活躍、そして成長を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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表彰式を「もう下から見るのは嫌」。新生・青森山田の初戦は、聖和学園に逆転勝ち

後半31分、青森山田高MF小原由敬(8番)が決勝ゴール
[1.25 東北高校新人選手権1回戦 聖和学園高 1-2 青森山田高 いわきFCフィールド]

 令和初年度東北高校新人サッカー大会が25日に開幕し、いわきFCフィールド(福島)で行われた1回戦では、選手権準優勝の青森山田高(青森)と聖和学園高(宮城)が対戦。後半の2ゴールによって2-1で青森山田が逆転勝ちした。

 選手権準優勝から、わずか2週間。全国3冠を目指す青森山田の2020年シーズンがスタートした。3連覇がかかる今大会は、DF藤原優大(2年)がU-18日本代表スペイン遠征、MF松木玖生(1年)が日本高校選抜候補の合宿にそれぞれ参加したため、メンバー外に。DF内田陽介(2年)、MF安斎颯馬(2年)ら選手権を経験した選手も怪我で欠場となり、主力候補の半数以上を欠く、スタメンとなった。

 新チームが立ち上がった直後という難しさもあり、序盤は「初戦なので、みんな緊張したり、どうやって試合に入ろうか悩んでいた」(FW古澤ナベル慈宇、2年)。古澤の力強いボールキープを起点に、右のDFタビナス・ポール・ビスマルク(2年)と左のMF藤森颯太(1年)がチャンスを伺ったが、「落ち着いて対応すれば、逆を獲られないと分かっていた。バックラインが(飛び出しを)落ち着いて対応しながら、サイドは縦に行ってクロスと分かっていたのでサイドバックとコミュニケーションをとってはめに行こうと思っていた」とDF高木翔理主将(2年)が振り返る聖和学園の守備に苦しみ、シュートまで持ち込めなかった。

 一方の聖和学園は、時間の経過と共にMF田代健伸(2年)らアタッカー陣が持ち前のテクニックを活かし、ドリブルとコンビネーションで青森山田の守備陣を翻弄する場面が増加。30分には、MF狩野遥人(2年)との連携でゴール前を抜け出したMF田村聖斗(2年)がゴール右隅にシュートを決めて、試合を動かした。直後の33分には、青森山田にPKを与えたが、キックがクロスバーに直撃し、失点を回避。聖和学園が1点リードで試合を折り返した。

 後半は、高木が「縦に攻め急いだ印象がある。落ち着かすべきシーンが多かった」という聖和学園に対し、青森山田は古澤がシンプルなポストプレーを徹底し、よりゴールに向かう意識を高めた。

 すると、後半12分にはPA右外で青森山田がFKを獲得。MF本田真斗(1年)がゴール前に入れたボールのこぼれ球をMF宇野禅斗(1年)が決めて、試合を振り出しに戻した。

 28分に低い位置から入れたタビナスのクロスから古澤がヘディングシュートを放つなど果敢に2点目を狙い行くと、31分にはDF秋元琉星(2年)の縦パスを受けた古澤が素早く、PA左にパスを展開する。走りこんだのは、「チームが苦しい時に決められる決定力とゴール前に入っていく動きを意識した」と話すMF小原由敬(1年)。冷静にゴール右隅に流し込んだシュートが決まり、2-1で青森山田が勝利した。

 今大会、黒田剛監督に代わり、チームの指揮を執る正木昌宣コーチは「チームとしての完成度は1枚も2枚も相手の方が上だった。ほぼ相手のコートでサッカーが出来ていたし、中盤の守備に関しては思っていた以上に激しく出来ていたけど、奪われ方が悪かった。カウンターを受けないようにと話していながら、カウンターを受ける場面が多かった」と試合内容を評価した。

 昨年はプレミアリーグで頂点に立ったが、インターハイは3回戦で敗退。選手権も準優勝に終わったため、悔しさが強く残る一年となった。古澤は「チームとして掲げる3冠という目標を達成するために、この大会に挑んでいる。昨年のチームは強かったけど、超えられる努力をしていきたい。昨年は最後の最後で失点するシーンが多かったので、粘り強さや球際など山田で掲げることを最後まで貫きながら、プラスアルファとして自分たちの色を出していきたい」と口にする。

 正木コーチも「一年を通してコンスタントに結果を出していくことが、選手の先に繋がってくる。僕らはまだ何も言っていないけど、選手たちは3冠と言いながら、また日本一を目指している。もう下から(表彰式を)見るのは嫌ですからね」と続ける。選手権で再び頂点に立つため、今大会は課題と手応え、そしてタイトルを掴むつもりだ。

(取材・文 森田将義)

日本高校選抜欧州遠征メンバー入りを狙う流経大柏GK松原「流経に良いものを持って帰ってきたい」

流通経済大柏高の2年生GK松原颯汰は日本高校選抜欧州遠征メンバー入りを狙う
 2020年シーズンへ向けて選手権出場校をはじめ、各校がスタートを切っている。プレミアリーグEASTに所属する流通経済大柏高(千葉)のGK松原颯汰(2年)は1年時から名門の守護神。昨年度の選手権予選敗退ながらも、日本高校選抜選考合宿メンバーに選出された注目GKが、新シーズンへ向けた思いや、高校選抜選考合宿への意気込みを語った。

―流経大柏は榎本新監督に代わって迎えるシーズン。
「これまでの流経は、蹴るサッカーとか、プレスとかそういうイメージがあると思うんですけれども、エノさん(榎本新監督)になってから繋ぐことも増えていっているし、フォーメーションも変えたりしている。でも、プレスのところは流経らしさを変えずにやれているかなと思っています」

―GKも高い位置でのビルドアップをかなり求められている。
「運んでいってGKが起点となれるシーンを増やしていけと言われているので、まだ全然ダメなんですけれども、チャレンジしていきたいと思っています」

―チームの雰囲気は?
「走りとか弱音を吐く選手とかエノさんの性格的なところもあって減ってきているし、走りの時とかもみんな良い雰囲気良くできていると思っています」

―最上級生合宿はかなりハード。
「厳しいとかシンドいが多いんですけれども、これを乗り越えれば、選手権やインターハイのシンドい時に乗り越えていけると思っています」

―今年はどのような1年に?
「去年、自分のせいで負けた試合とか、自分のせいで失点した試合とかあった。前の選手とかフィールドの選手は頑張ってくれているのに、失点をしてしまって負けることが多かったんですけれども、今年は3冠という目標に向かってまずは自分が失点しないことを目標にして、そうすればチームも負けることはないのでとりあえず失点をなくしてチームに貢献したいと思います」

―それをやらないと3冠も難しくなる。
「1本とかじゃなくて、2本、3本と相手のチャンスを全て潰せたら良いと思っています」

―24日から高校選抜候補合宿が始まる。
「(1次候補合宿では大学生相手にPKストップ)シュートストップの面では自分の持ち味でもあるので、良いイメージをスタッフとかにも見せられたと思うんですけれども、ビルドアップやキックの面で少しミスが目立ってしまったので、ビルドアップの面でも良いイメージを持たせたい」

―アピールポイントは?
「シュートストップと1対1ですね」

―高校選抜生き残りへの思いは強い。
「残っていって、最後海外でプレーして帰って来た時に流経に良いものを持って帰ってきたい」

―上級生もいるが、ライバルたちに負けない。
「(特に)持ち味のシュートストップでは先輩後輩関係なく積極的にやっていきたいと思っています」

(取材・文 吉田太郎)

U-18日本代表スペイン遠征に臨む流経大柏DF藤井主将「相手が強くなればなるほど燃えるというか、楽しい」

U-18日本代表スペイン合宿に参加する流通経済大柏高DF藤井海和
 2020年シーズンへ向けて選手権出場校をはじめ、各校がスタートを切っている。高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTに所属する流通経済大柏高(千葉)は、1年時から主軸のDF藤井海和(2年)が新主将に就任。25日から実施されるU-18日本代表スペイン遠征メンバーにも選出されている藤井が新シーズンへ向けた思いや、年代別日本代表での活動への意気込みを語った。

―U-18日本代表選出。まず一つ評価してもらった。
「(U-18日本代表の影山雅永監督にプレーを見てもらう機会があった中で、)悪くないプレーができて、去年よりも一つ成長できたのかなと実感しています」

―代表で勝負していくための武器。
「今、自分のプレーの幅を広げるということで3バックの真ん中をやったりしている。その幅を広げるということと、(流経大柏で)キャプテンということもあって、精神的なところでもう一つ上のステージに立つということが、今求められていると思うので、意識してやっています」

―去年は代表候補合宿や高校選抜候補合宿でもっとできるというのがあった。
「去年の高校選抜候補合宿は遠慮していたというのを自分の中で感じているし、代表候補合宿でも全然自分のプレーができていないというのは分かっていたので、今回の高校選抜候補(1次)合宿からは、自分から3年生とかにも声を掛けて行って、話す、コミュニケーションという部分で一つチームとの距離を縮めて、自分のプレーができやすい環境に持っていくということを意識してたくさん話すようにしています」

―高いレベルでの万能性が一つ持ち味。
「この間の候補合宿でもSBという自分の中では新しいポジションだったんですけれども、自分の身長ならばSBもできた方が良いと思いますし、トップ下とか真ん中は全てできた方が良いし、プレーの幅と勝負できるところをどんどん増やせればなと思っています」

―ボール奪取に加えて、プラスアルファしたい部分については?
「今年は監督が(榎本雅大新監督に)代わってビルドアップというところにこだわったりもしていて、その中で自分にはまだ技術が足りないんですけれども、技術を補う見る力とか戦術眼を自分は持っていると思うので、そういうところを使えば、技術がなくても補えると思う。そこは(コーチの斉藤)礼音さんとかスタッフの方からも言われていることなので、意識しています」

―攻撃面でもよりコンスタントに力を出す。
「上っていって、最後のフィニッシュのところだったり、逆サイドに展開する長いボールのところだったり、そういう質のところとかはまだ足りないんですけれども、見えているけれど出せないというのが今の自分の状況だと思うので、あとは出せるようになる技術が必要だと思います」

―スペインと対戦できるのは楽しみでは?
「自分がどれくらい世界でも通用するのかというのはチャレンジできると思うし、プロになっても海外というところは一つ目標にしているんで、その中で海外の選手とどこまで戦えるか」

―がっつり行く。
「自分も相手が強くなればなるほど燃えるというか、楽しいし、楽しめる選手。そういうところで自分のメンタルというところも一つ勝負したいなと思っています」

―20年の高校サッカーを引っ張る一人に。
「多分、高体連の方の経験値は自分が一番高いと思うし、準優勝とか選手権に出れない経験をしているのも自分だけだと思う。人と経験値が違うと思うし、高体連だけでなくてもユースの中でもこういう経験ができているのは自分だけだと思うので、そこで一つ格が違うところを見せたいなと思っています」

―流経大柏の新チームの雰囲気はどうかな?
「新チーム最初は難しかったり、良い結果が出ていなくて、裏選手権でも桐光に0-3で負けたりしてひどい結果があるんですけれども。今合宿をやっていてキツい中で声をかけたり、一つチームの絆が高まっている。その上で競争というところが自分たちの代にはもっと必要かなと思っています」

―「やり切る」がテーマ。
「先制されたらひっくり返せない、勝てないという試合が今多くて1失点したらゼロで終わってしまうことや、守備も0-1で終われずに0-2まで行ってしまうことが課題だと思っている。(自分たちは)我慢だったり、『やり切る』というエノさん(榎本新監督)が言っていることが足りないと思う。走りも『やり切る』ということをスローガンにしてやっています」

―変化を感じる部分はある?
「(実施中の流経大柏最上級生合宿)一日目の100mダッシュよりは、(二日目の)一周走は全員が声を出して全員でチームと言う感じがして自分は凄く嬉しくて、全員で声を出してビリの選手とかも鼓舞して(タイム内に)入らせるような声がけがたくさんあって、もっと声のところでチームが良くなっていけば良いと思っています」

―藤井君の変化を榎本監督も口にしていたが、去年全国に出られなかった悔しさをもあって意識が変わったのでは?
「去年のプレーじゃプロになれないのは分かっているし、自分が一番経験があるのは分かっているし、その中でチームを勝たせないといけないと自分は一番思っています。誰よりも勝ちたいという気持ちは強いし、自分は日本一に導くということを課題として思っていて、一人ではできないんですけれども、そこでチーム全員を引っ張れるかというのが自分の力になると思っているんで、そこで一つ自分がやらないといけないという意識でやっています」

―静岡学園や青森山田ではなくて、今年は流経だと。
「世間的には今、『高体連は山田だ』みたいなところがファイナルも取ってあると思うんですけれども、そこを一つ倒せればなと思っています」

―3冠を掲げた理由。
「日本一を小目標にして3冠というのはインターハイを獲ったらそこで満足しちゃうのかと思ったら、そうじゃないなと。インターハイは獲りたいし、もちろんプレミアも獲りたいし、選手権は2年連続準優勝して今年は獲れていないし、絶対に獲りたいなと考えた時に『じゃ、3冠しかないかな』と自分の中で思って、それをチーム全員にミーティングの時に『3冠したいんだけど』と言った時にみんなも賛成してくれて、だから3冠しようと思っています。言ったからには厳しい練習もあると思うし、走りもあると思うけれど、それを耐えれば3冠は近づいてくると思うし、それをする力はある学年だと思っているので、どこまで引き出せるかが自分の力だと思っています」

―榎本新監督の指導は?
「今までエノさんの指導はあまり受けれなかった。新しい自分の引き出しやサッカー感を今もらっていて、その中でエノさんの言っていることは的確というか、そうだなと思わせてもらうことが多い。付いて行けば何かがあると思ってやっています」

―ユーモアもある。
「チームの雰囲気を良くする声がけもしてくれたりしている」

―なぜキャプテンに。自然になったと聞いたが?
「ということもあったんですけれども、自分も去年の1年とか、選手権に1年で出た時とかを振り返って、自分がやるべきだと思ったし、自分が一番悔しい思いをしたのがあったので、『勝たせたい』という思いや『日本一になりたい』という思いがあった。そして、(キャプテンとして)優勝旗や優勝カップをみんなで笑いながら掲げたいという思いがありました」

(取材・文 吉田太郎)

榎本新監督の下、新生・流経大柏が3つのテーマを掲げてスタート。伝統守りつつ、新たな取り組みも続々

榎本雅大新監督の下でスタートを切っている流通経済大柏高
 スタッフルームの入り口の壁には、けが人を除く全選手に対して改善ポイントと10点満点の評点が貼り出されていた。21日から25日まで、2年生40人によって初めて実施されている「最上級生合宿」では、全メニューのあとに2年生だけ特別メニューを行っているほか、「やり切ること」を目標に全員で計3200羽の鶴文字を作成し、23日には「殻を破る」ことを狙いとして大カラオケ大会。千葉の名門・流通経済大柏高は、榎本雅大新監督の下で伝統を守りつつ、新たな試みも加えながらスタートを切っている。

 流経大柏は、同校を全国高校選手権、全日本ユース(U-18)選手権、プレミアリーグで各1回、インターハイで2回の全国制覇へ導いた名将・本田裕一郎前監督が昨シーズン限りで退任。本田前監督の習志野高(千葉)監督時代の教え子で、流経大柏のコーチとして18年間チームに携わってきた榎本新監督は、「体力・体格強化」「人間力強化」「選手主体」を掲げてチーム作りを行っている。

 榎本新監督は「ピッチの上で起こることが全て。我々はピッチの外からしかアドバイスできない。選手を自立させることに最も重きを置いた」という。サッカーでは試合の中で起こっている変化に選手が気づき、修正点、打開点を見つけて対応できるチームになること、そして個々が社会に出ても通用する基礎力を身に着けた集団へ。全国2冠を達成した07年度世代やプレミアリーグを制した13年度世代、インターハイで優勝した17年度の世代も選手が自立していた。また将来、流経大柏からJリーグ上位のクラブ主軸となり、日本代表として活躍する選手を輩出するためにも、必要なことだと新指揮官は考えている。

 現在、コーチ陣が試合の前半に言葉を発することはほぼなく、ハーフタイムも選手同士でミーティング。後半開始前にコーチが“選手に刺さるような”一言をかけてスタートするというスタンスを取っている。これによって「(以前に比べて)良く喋るようになっている」(榎本新監督)。またリードされていても、ハーフタイムに的確な意見を出し合うなど選手同士で良いミーティングをすることができるように変わってきているようだ。

 スタッフルーム入り口、全選手が目にすることができる位置に貼られた選手評も、榎本新監督が新たに始めたことだ。「前線でよく動きチャンスを演出できていた。自分から引き出せる形を作ると良いと思う」「経験に裏打ちされる自信が見えない。自分がどう進化するか向き合え」など前向きなコメントや厳しい指摘も。また2年生A、1年生Aなどチームごとのできたこと、できなかったことも貼り出されている。

 これは2週間に一回ペースで更新するプランだが、スタッフの作業量も増加することに。それでも、榎本新監督は「コーチは大変だけど、フェアじゃないじゃないですか、選手はアピールしているのに俺たちが評価しないのは。その代わり、ちゃんとアピールしろよと。真剣にアピールして、俺たちも真剣に評価してフィードバックする。選手は頑張っているのに、こっちが『オマエ、ダメ』と一言で言っても、それは大人の世界の会話じゃない」。選手たちが掲げた目標はインターハイ、プレミアリーグ、そして選手権の3冠。だからこそ、「10点満点」は3冠を達成するような選手になった時に与えられることになる(現在貼られていたものは、10点満点で2~8)。選手たちの成長のタイミングを逃すことなく、コーチ陣も厳しい目を持って日常に取り組む意気込みだ。

 人間力は数値で測れるものではないだけに、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されている「社会人基礎力」(経済産業省)を参考として、グループワークをさせたり刺激を与えながら育成していく方針。また、「体力・体格強化」のために、これまで実施していなかったフィジカルトレーニングも取り入れていくようだ。新主将のU-18日本代表DF藤井海和(2年)をリベロ役に置いた3バックシステムや、攻撃時にはGKを3バックの中央に配置する形でポゼッションすることにも新たに取り組んでいる。

 ただし、“流経のスタイル”を変えるつもりはない。高校サッカー界のカリスマ的存在で、常に探究心を持っている本田前監督からバトンを受け継ぐ榎本新監督は、「流経の伝統のプレスとかサッカーの質をガラッと変えようとは思っていない。世にある流経のイメージを変えるつもりはありません」と言い切る。その上で「本田先生が残してくれた遺産を食いつぶしてもしょうがないので、それは選手と一緒になってチャレンジしたいなというのがある。後悔するよりも、ある程度思い切りやって『ダメだったか!』の方が良い。選手たちが3冠という目標を立ててきたことに対して、俺たちがどういうサポートができるか」と選手たちと一緒になって色々なことにチャレンジしていく考えを語った。

 今月21日から25日までは、2年生が校内の宿泊施設を活用して「最上級生合宿」を実施中。新3年生となる選手たちに「主役を張る自覚を持ちなさい」(榎本新監督)というメッセージを込めて、「やり切る」ことを求めている。朝6時半から駅伝大会のコースを走り、午後は全体練習後に合宿初日はダッシュ35本、2日目は300m×10本、3日目は900m×5本の走り。計3200羽の鶴文字も選手たちは無理だと感じながらも、「やり切る」を目指している。

 藤井は「(自分たちは)我慢だったり、『やり切る』というエノさん(榎本新監督)が言っていることが足りないと思う。走りも『やり切る』ということをスローガンにしてやっています」とコメント。そして、「一日目の100mダッシュよりは、(二日目の)一周走は全員が声を出して全員でチームと言う感じがして自分は凄く嬉しくて、全員で声を出してビリの選手とかも鼓舞して(タイム内に)入らせるような声がけがたくさんあって、もっと声のところでチームが良くなっていけば良いと思っています」と頷いた。

 榎本新監督が鶴文字を全員に折らせているのは「やり切る」ことを求めているだけではない。流経大柏では例年、保護者たちが選手のために鶴文字を作成。チームで「やり切る」ものを提示する上で、実際に鶴を折ってみたという榎本新監督は「(雑だったり)下手だと(鶴文字にした際に隙間ができて)白いのが入る。でも、(父母が折った鶴は)めちゃめちゃピタッ~と、白いところがない。ちゃんと、キチッと気持ち込めないと折れないです。物凄い時間と物凄い労力がかかっている。これは親の気持ちじゃないですか。親のこういう気持ちがあってピッチに立っている。(選手たちに知ってもらいたいのはサッカーを思い切りできる環境づくりなど)親が本気なのに、オマエらが本気じゃないのは失礼だぞと」。最上級生たちはその「本気」を知り、また「主役」になるために「やり切る」力の一つを身に着けようとしている。

 今年の流経大柏は1年時に選手権準優勝を経験した藤井や日本高校選抜候補GK松原颯汰(2年)に加え、昨年のプレミアリーグEASTでゴールを連発したFW森山一斗(2年)や選手権予選で活躍したMF三好麟大(2年)、快足SB清宮優希(2年)、突破力秀でた左SB田村陸(2年)、CB根本泰志(2年)、SB田口空我(1年)と経験者を多く残し、MF坂田康太郎(2年)やDF新宮海渡(2年)といった素材感のある選手たちもいる。

 その選手たちがユーモアもあり、書籍を読み漁っているという新指揮官と伝統を守り、新たな流経大柏を構築しながら、3冠を目指す。藤井はその印象について、「(榎本新監督は)チームの雰囲気を良くする声がけもしてくれたりしている。エノさん(榎本新監督)の言っていることは的確というか、そうだなと思わせてもらうことが多い。付いて行けば何かがあると思ってやっています」と語り、松原は「走りとか弱音を吐く選手とかエノさんの性格的なところもあって減ってきているし、走りの時とかもみんな良い雰囲気良くできていると思っています。(最上級生合宿は)厳しいとかシンドいが多いんですけれども、これを乗り越えれば、選手権やインターハイのシンドい時に乗り越えていけると思っています」と力を込めた。

 昨年は千葉県代表がインターハイ、選手権も初戦敗退。シード落ちしている。それだけに、20年はインターハイも選手権も最大6試合を勝ち抜かなければいかない。そして、Jクラブユース勢、高体連の強豪チームと年間計18試合で争うプレミアリーグEAST、WEST王者と戦うファイナルでの優勝は最大の難関だ。新指揮官は20年度に3冠を達成することがどれだけ難しいチャレンジであるかを選手たちに説いた上で、他のコーチ陣とともに選手たちを「本気」でサポートする構え。新生・流経大柏は「体力・体格強化」「人間力強化」「選手主体」を実現し、「本気で」3冠を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

高校選抜候補メンバー発表!選手権V静岡学園から4人、準V青森山田から5人

選手権優勝の静岡学園からは4人が候補に入った(写真協力『高校サッカー年鑑』)
 日本サッカー協会(JFA)は23日、日本高校サッカー選抜候補メンバーを発表した。24日より静岡県内で選考合宿を行う。期間中に専修大と流通経済大との練習試合を予定している。

 学校別にみると、高校選手権準優勝だった青森山田高から最多の5人。続いて優勝した静岡学園高から4人が選ばれた。

 なおJリーグ入りする静岡学園高MF松村優太(鹿島)や青森山田高MF武田英寿(浦和)は、今回の候補メンバーからは外れている。またU-18日本代表に招集されている青森山田高DF藤原優大、静岡学園高DF田邉秀斗も外れている。

 同メンバーは2月にも埼玉県内で選考・強化合宿を実施。同8日に埼玉スタジアムで行うFUJI XEROX SUPER CUP 2020 「NEXT GENERATION MATCH」で横浜F・マリノスユースと対戦。4月には欧州遠征を行う。 

▽団長
滝本寛(東京都立南葛飾高)

▽総務
小阪康弘(福井県立丸岡高)

▽監督
蒲原晶昭(佐賀県立佐賀東高)

▽コーチ
中村真吾(米子北高)
佐々木篤史(作陽高)

▽GK
1 佐藤史騎(青森山田高3年)
2 藤井陽登(矢板中央高1年)
3 猪越優惟(帝京長岡高3年)
4 松原颯汰(流通経済大柏高2年)

▽DF
5 神田悠成(青森山田高3年)
6 長江皓亮(矢板中央高3年)
7 大竹琉生(昌平高3年)
8 青木駿人(日大藤沢高3年)
9 丸山喬大(帝京長岡高3年)
10 丸山以祐(富山一高3年)
11 阿部稜汰(日章学園高3年)
12 奈良坂巧(桐光学園高2年)

▽MF
13 松木玖生(青森山田高1年)
14 後藤健太(青森山田高3年)
15 柴圭汰(昌平高2年)
16 須藤直輝(昌平高2年)
17 浅倉廉(静岡学園高3年)
18 井堀二昭(静岡学園高3年)
19 藤田悠介(静岡学園高3年)
20 佐藤陽太(京都橘高3年)
21 沖吉大夢(神戸弘陵高3年)
22 濱屋悠哉(神村学園高3年)
23 小屋諒征(佐賀東高2年)

▽FW
24 田中翔太(青森山田高3年)
25 田海寧生(丸岡高3年)
26 岩本悠輝(静岡学園高3年)

●【特設】高校選手権2019

強豪校の練習施設に潜入取材。松本加入のMF山田真夏斗らが育った“黄色い稲妻”立正大淞南の練習場は?

山陰の雄、“中央突破”“高速プレス”や多彩なセットプレーに注目の立正大淞南高の練習場は?
 高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第27回は“黄色い稲妻”こと山陰の強豪校で、松本山雅FC加入のMF山田真夏斗(3年)やブラウブリッツ秋田加入のFW井上直輝(びわこ成蹊スポーツ大4年)とDF饗庭瑞生(福岡大4年)らを輩出している立正大淞南高(島根)のグラウンド、施設を紹介する。

■週の半分は学校を離れ、人工芝グラウンドでトレーニング





 “中央突破”“高速プレス”“切り替えゼロ秒”が代名詞。そして次々と生み出されるセットプレーで会場を沸かせ、ゴールを奪い取る。“黄色い稲妻”立正大淞南は選手権、インターハイともに全国3位の実績を持つ山陰の雄だ。

■日々の練習で育まれる“中央突破”“高速プレス”…





 週の半分は学校を離れ、人工芝グラウンド(松江市営補助競技場)を活用してトレーニング。取材日は、チームバスで選手たちは移動し、全選手が同じトレーニングメニューを実施していた。

■時間をかけず、濃密なトレーニング





 濃密なトレーニングが終わると、テキパキと準備して移動。寮や家路についた。

■“土の良さ”も





 学校も松江市内に位置。人工芝だけにならず、土のグラウンドから得られるものも大切にしている。ここから、現在スウェーデンでプレーするDF高橋壮也や数々のJリーガー、大学で活躍する選手たちが巣立っていった。グラウンドではサッカー部員たちが教えるスクールも。

■OBたちの活躍を目にしながらの日常






 選手権出場18回、インターハイ出場13回。校内には数々のトロフィーや賞状、そして、プロのステージで活躍するOBたちのユニフォームが。

■今年は高卒、大卒の計3選手がプロ入り





 現3年生からはMF山田真夏斗が松本入り。昨秋には全校生徒が見守る中で入団内定会見が実施された。また、現大学4年生のFW井上直輝とDF饗庭瑞生が大学を経由して秋田入り。立正大淞南での3年間で特長を磨いた選手たちがプロ入りを果たしている。現役の選手たちは全国制覇、プロ入りという野心を持って日常に取り組む。

(取材・文 吉田太郎)

強豪校の練習施設に潜入取材。名古屋加入のCB吉田晃やFW永井謙佑を輩出した九州国際大付の練習場は?

九州国際大付高がトレーニングする九州国際大の多目的グラウンド
 高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第26回は名古屋グランパスに加入したCB吉田晃や日本代表FW永井謙佑(FC東京)らを輩出している九州国際大付高(福岡)のグラウンド、施設を紹介する。

■九州国際大グラウンド(KIU Field)でトレーニング




 九州国際大付は主に系列の九州国際大の多目的グラウンド(KIU Field)でトレーニングをしている。取材日はフィジカルデー。学校から約4kmの道のりを選手たちはランニングして九国大グラウンドへ。グラウンドのバックには新日本三大夜景の街並みを見渡せる皿倉山も。

■充実の施設





 グラウンドはJFA公認ロングパイル人工芝。選手たちはグラウンドに隣接された九国大の施設(平野記念館)のトレーニングルームで大学生に交じってフィジカル強化。

■厳しさと笑顔も







 ハードなメニューの中を選手たちは互いに声を掛け合いにながら取り組んだ。江藤謙一監督は、福岡大若葉高へ転任した杉山公一前監督に代わる形で監督就任。1年目でプリンスリーグ九州3位の結果を残した。

■学校グラウンドはクレー

(写真は2016年)


 学校のグラウンドはクレー(この写真は16年)。高台に位置している立地上、急勾配の坂道や階段があり、永井のスピードもここでのトレーニングで養われたと言われている。

■スケール大きな選手を育成


 





 例年、スケール感のある大型選手が多い印象だ。昨年は吉田(上記3枚の最上段、青のウェア)の他にもタレントを擁し、テクニカルな部分も強みとする注目校だったが、インターハイ予選決勝で東福岡高にPK戦で敗れるなど無冠に。今年は福岡タイトル奪取に再挑戦する。

■激戦区・福岡制覇、日本一へ






 開催中の新人戦はベスト16進出。激戦区・福岡県を制し、全国制覇へ近づくために日々努力を続ける。

(取材・文 吉田太郎)

強豪校の練習施設に潜入取材。若月大和や鈴木武蔵を輩出した桐生一の練習場は?

桐生一高がトレーニングする桐生大グラウンド
 高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第25回はU-17ワールドカップで活躍したFW若月大和(湘南内定。海外移籍交渉中)や日本代表FW鈴木武蔵(現札幌)を輩出した桐生一高(群馬)のグラウンド、寮を紹介する。

■桐生大グラウンドでトレーニング





 桐生一サッカー部は系列の桐生大のグラウンドでトレーニングを行う。放課後に学校から自転車で30~40分かけて移動する選手たちは「足腰が鍛えられる」。グラウンドは全面人工芝で、ナイター照明設備も完備している。隣は野球部練習場。昨年9月にネットが増設されるまではホームランボールが飛び込んでくることもあったという。

■選手はA、Bチーム同じグラウンドでトレーニング






 桐生一は、宿敵・前橋育英高を破って初出場した11年度の選手権でベスト8進出。現在、Aチームはプリンスリーグ関東、Bチームは群馬県1部リーグに所属している。取材時は田野監督がAチーム、中村コーチがAチームを指導していた。

■目標は全国制覇。2年連続でOBがプロに





 現3年生では若月が湘南内定(現在、海外移籍交渉中)、一学年上の世代ではMF田中渉が仙台入りしている。このグラウンドから新たなタレントが生まれるか。

■リーグ戦の“ホーム”はあずまサッカースタジアム



 



 プリンスリーグ関東で“ホームグラウンド”として活用しているのがあずまサッカースタジアムだ。このサッカー専用スタジアムの所在地は群馬県伊勢崎市で、学校から自転車で50分ほどの距離。観客席も充実している。

■寮は2020年度から新しい施設へ





 
 桐生一では進学スポーツコースの生徒を対象とした寮を設置(写真は現在の寮)している。場所は桐生大グラウンドの目の前。新寮は現在の寮とグラウンドとの間に建築され、る予定だ。

■20年は地元インハイも開催




 20年はまず群馬のタイトル奪還へ。そして地元・群馬開催のインターハイ、選手権での活躍を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

[新人戦]選手権予選ベスト4に続く、躍進。野洲を下した古豪・水口が滋賀決勝進出

前半32分、MF竹添光瑛(14番)のゴールを水口高のチームメイトが祝福
[1.19 第72回滋賀県県民大会準決勝 野洲高 1-2 水口高 ビッグレイク]

 第72回滋賀県県民大会(新人戦)の準決勝が19日に行われ、野洲高水口高が対戦。前半に奪った2ゴールによって、水口が2-1で勝利した。水口は25日の決勝で綾羽高と対戦する。

 県勢最多となる15回の選手権出場を誇る水口だが、前回の選手権出場は1996年度の第75回大会まで遡る。近年は学校所在地である甲賀市の少子化の影響を受け、部員数が減少。草津東高や野洲高などに後れをとってきたが、昨年度の選手権予選4強入りに続き、新人戦でも決勝切符を手にした。

 躍進の原動力は、昨年の国体選抜にも選ばれたドリブラーのFW澤田忠和(2年)だ。野洲に挑んだ準決勝は、体調不良で主力FWを欠き、苦しいメンバー構成を強いられたが、澤田は西森勇樹監督が「どこが相手でも止まらない」と評するほど推進力に長けた突破で攻撃を牽引。本人も、「ドリブルやパスで前に出て攻撃的に行こうと思っていた。最初は元気よくプレーできた」と胸を張るように、左サイドのMF岡蓮大(1年)と共に序盤から切れ味鋭いドリブルでチャンスを生み出した。前半12分には左からのスローインを受けた澤田が相手に倒され、PKを獲得。キッカーがゴール左隅を狙ったが、野洲GK田島勝(2年)のセーブに阻まれた。

 先制点のチャンスは逃したが、水口に気落ちした様子は見られない。「相手にボールを回されるのは予想していたので、ショートカウンターを狙おうと思っていた」(DF大谷一真、2年)と言うように、水口は野洲がMF向田新(2年)や今村流星(2年)を中心に繰り出すショートパスやドリブルを中盤で奪い、速攻を繰り出した。

 23分には野洲DFのボール回しを奪った澤田がそのままGKとの1対1に持ち込み、ゴール左隅に決めると、32分にはMF竹添光瑛(1年)が右CKのこぼれ球を右足ボレーで叩き込み、2点リードで試合を折り返した。

 後半は運動量が低下した水口を尻目に、向田が「新チームが立ち上がってから試合の入りがずっと悪くて、今日も2失点した。後半は残り35分しかないので点を取るために前でサッカーをしようと意識した」と説明する野洲が試合の主導権を握った。後半12分には、今村のパスからFW長谷琉緯(2年)がシュートを決めて1点を返したが、以降はブロックを固めた水口の守備を崩せなかった。

 水口は野洲に押し込まれても、「普段なら失点すると焦るけど、今日は『失点しても焦るな』と言われていたので、皆で声を掛け合って集中力を保てた」(大谷)と粘り強い守備を継続。そのまま2-1で水口が逃げ切り、決勝進出を果たした。

 水口は「決勝に進出したのは、いつぶりかも分からない」と西森監督が笑うほど、県のタイトルから見放されている。新人戦で優勝と共に、古豪復活の期待も高まるが、西森監督は「勝ちよりも、人生のステップになる3年間を過ごして欲しい」と成長に重きを置く。チームのテーマは、「自分で自分を伸ばすことを諦めない」。発言や行動で自らの価値を下げずに、貪欲に追い求めるのが水口の考え方だ。

 勝利が最優先ではないが、西森監督が「大会で勝っていけば、良い練習ができるし、良い練習ができれば上手になっていく。昨年の選手権なんかまさにそうで、1週間おきに上手くなり、始まった時と終わった時ではまったく違った。大会で勝つって物凄く大事なんだって改めて気付かされた。また来週の決勝に向けて、良い練習ができるので自分で自分を伸ばすチャンスが生まれた」と話す通り、躍進によって選手たちは著しく成長している。決勝も、準決勝よりも逞しくなった姿を披露し、更なる成長材料を手にするつもりだ。

(取材・文 森田将義)

[新人戦]「新人戦は絶対に獲りにいくつもり」。綾羽が延長戦で近江を下し、2年連続の決勝へ:滋賀

決勝点をマークした綾羽高FW槇島明都
[1.19 第72回滋賀県県民大会準決勝 綾羽高 1-0 近江高 ビッグレイク]

 第72回滋賀県県民大会(新人戦)の準決勝が19日に行われ、綾羽高近江高が対戦。延長戦までもつれた一戦は、延長前半10分にFW槇島明都(1年)の決勝ゴールによって、綾羽が1-0で勝利した。綾羽は25日の決勝で、水口高と対戦する。

「能力的に決して高くない中で、よく準決勝まで来てくれた」と試合前に口にしていたのは、岸本幸二監督。“谷間の世代”と呼ばれる綾羽が下馬評を覆し、2年連続で新人戦決勝行きを手にした。

 今年の綾羽には強い・速いといった身体的特徴を持った選手がいないため、例年のような縦に速いパワフルな攻撃は不向きだ。そのため、ボールを保持できるMF服部蓮(2年)やMF川村洸大郎(1年)の持ち味を活かそうと、チームの定番である4バックではなく、3-5-2を採用。近江と激突した準決勝も、パスによる崩しを狙ったが、「慌てる場面が多くて自分たちのやりたいサッカーができなかった」(DF小西祐汰、2年)とロングボールが多く、攻撃のリズムが作れなかった。

 一方で、守備は立ち上がりから狙い通りの形を披露する。前線からコースを制限し、相手に縦パスを誘導。自陣にボールが入ったタイミングで、「強いチームは失点しない。身体のどこかにでも当てて攻撃を止める意識を全員が持っている。前の選手が頑張っているのに後ろの選手が適当にやるわけにいかない」と話す小西が鋭い出足を守備でインターセプトを繰り返した。

 前向きでの守備から素早く攻撃に移行すると、前半21分には右クロスをDF藤重優(2年)が頭で合わせたが、GKの正面。29分にも左を突破した藤重のパスから小林彪琉(2年)がシュートを放ったが、GKに阻まれた。後半1分にも、「(新)2年生だけど背番号10を貰ったので、自分がチームを引っ張るためにも点を取りたい」と意気込むFW渡辺夢叶(1年)が右サイドを抜け出し、クロスを入れるも味方と合わずに無得点が続いた。

 対する近江は、「相手が勢いよく来るのは分かっていたのに、跳ね返す力がなく苦しんだ」(MF下村哲平、2年)。後方でボールを動かしても、前線がボールを上手く引き出せず苦しんだ前半から立て直し、後半はチーム全体で高い位置でのプレーを心掛ける。そして、下村やMF森雄大(2年)が相手ゴール前までボールを運ぶ回数が増えたが、決定機まで持ち込めず両者無得点で前後半を終えた。

 迎えた延長戦も、スコアレスのまま試合が進んだが、延長前半10分に綾羽が自陣でFKを獲得。服部がゴール前に入れたボールをDF西村優我(2年)が頭で落とすと、最後は槇島がゴールへ押し込んだ。延長後半は2トップを入れ替え、前線からの守備を再徹底した綾羽がリードを守りきり、決勝進出を決めた。試合後、岸本監督は「昨年は(インターハイ予選や選手権予選で)ベスト8で負けているので、こうやって緊張感のあるゲームを経験させて貰えるのはプラスになる。間違いなく今大会を通じて成長させてもらっているので、相手には感謝しなければいけない」と話した。

 昨年の決勝は雪で中止となり、近江との両校優勝で終わったため、今年こそ単独優勝を掴むのが目標だ。「自分たちの目標は滋賀県3冠。一つめの新人戦は絶対に獲りに行くつもりで戦っている。全員が次のことを考えず、目の前の試合に勝つことだけを考えている」と意気込む小西を中心に、準決勝まで同じ通り一戦必勝の精神を貫き、歓喜を掴み取る。

(取材・文 森田将義)

[新人戦]選手権V・静岡学園の新チームが初陣、15-0で大勝発進

静岡学園高の新チームがスタート。DF田邉秀斗らが先発し、15-0で快勝した。(写真は全国高校選手権決勝。写真協力=高校サッカー年鑑)
 今月13日の第98回全国高校サッカー選手権決勝で青森山田高(青森)に3-2で逆転勝ちし、24年ぶりに優勝した静岡学園高(静岡)の新チームが早くも公式戦初戦に臨んだ。18日、令和元年度静岡県高校新人大会サッカー競技1回戦で清水国際高と対戦。15-0で大勝した。

 静岡学園は選手権で優秀選手に選出されたDF田邉秀斗(2年)や同じく優勝メンバーのGK野知滉平(2年)らが先発。MF渡辺怜歩(2年)が10番を背負い、キャプテンマークを巻いてプレーした。その静岡学園は、DF関根大輝(2年)の先制ヘッドや渡辺とMF清水和馬(1年)の3得点など計15得点を挙げ、快勝で新シーズンのスタートを切った。

【動画】新記録なるか⁉ #ゲキサカチャレンジ 「15秒バー当て」に強豪高校が挑戦!

【動画】新記録なるか⁉ #ゲキサカチャレンジ 「15秒バー当て」に強豪高校が挑戦!
 #ゲキサカチャレンジ「15秒バー当て」第2弾!ゲキサカ編集部考案のオリジナル競技でランキング1位を目指す新企画。「15秒バー当て」のルールは以下の通り。

▼「15秒バー当て」ルール
・15秒でクロスバーに何球当たるかを競う
・ペナルティエリアのライン中央から蹴る
・15秒以内に蹴ったボールが当たった場合は認められる

第2弾は、浦和東高武南高桐生一高が参戦!

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山口加入の先輩CB国本に続く可能性も。暁星国際の注目2年生CB桒田大誠「怖れられるような選手に」

山口加入の先輩CB国本に続くか。暁星国際高の注目2年生CB桒田大誠
 第98回全国高校サッカー選手権は1月11日に準決勝、同13日に決勝が行われるが、全国の大半の高校はすでに20年シーズンのスタートを切っている。千葉県の暁星国際高は3年生CB国本玲央が新シーズンからレノファ山口FCへ加入。20年シーズンも、国本に続いてプロ入りする可能性のある注目CBがいる。

 CB桒田大誠(2年)は186cmの長身と対応の速さ、「当たり負けしない」という強さを備えた大型DFだ。絶品の左足を持つ国本とはタイプが違うものの、守備能力の高さやヘディングの強さ、推進力は負けていない。その桒田が先輩CB国本から刺激を受けた部分や、2020年シーズンへの意気込みなどについて語った。

―2020年の目標。
「(19年の)トーナメント戦はベスト8とか、悔しい形で終わってしまっているので、まずベスト4で流経、市船と当たって、そこでどれだけ自分たちの力が試せるのか楽しみ。そういうところで当たって、勝って千葉県王者になりたいと思います」

―昨年から下級生も多く出ていたので手応えもあるのでは?
「前線は結構1、2年が出ているので、そこのところはもっと創造性を豊かにして、今年とまた違うサッカーをしていきたい」

―どう変化させたい?
「次の代は身長的にはそんなに高くないので、近場のパスワークで崩して行ったり、そういうところを増やして行けたらなと思っています」

―その中で自分はどのような存在になりたい?
「攻撃良くて守備が悪いじゃ全然ダメなので、守備は堅くして、その上で自分はCKからのヘディングも得意なので、決めて行けたら良いと思っています」

―2年生の段階から守備では目立っていたと思うが?
「でも、守備はできても、ビルドアップとか課題はたくさんあるので、もっと鍛えて、さらにヘディングとか強化して、さらに目立っていきたいと思っています」

―高さはもちろんだけど、練習を見ていると相手に寄せたあとに振り切られない。
「そこはアジリティとかも意識しています。自分は身長がデカイので、ステップで遅れをとらないように頑張って練習しています」

―瞬発系は課題になっていない。
「足はそんなに速くはないんですけれども、予測だったり、ポジショニングでカバーしています」

―高さは魅力。
「せっかくこの身長があるので、もっとここを活かして、もっと目立って行けたらなと思っています」

―国本君の存在によって意識も変わったのでは?
「キックとかは凄く参考になるので、ビルドアップの面とかは(国本が引退するまで)アドバイスを聞いて、もっと自分が伸びて行けたらなと思います」

―彼がプロ入りしたことで『自分も』と。
「暁星(国際)から初めてプロになったので、モチベーションにもなりましたし、もっと背中を見て頑張っていきたい」

―すでに注目してくれているクラブもある。
「まだ練習とか参加していないので、参加したらもっと自分も経験値を増やして、それをまたチームにフィードバックできたら良い」

―今年、注目されると思うが、どのようなところを見てもらいたい?
「ヘディングと、守備力も対応とか自分は負けたくないので、そういうところを見てもらえたらなと思います」

―元々身長は高かった?
「中学の時からある程度はデカかったです。中3の時に腰を怪我してしまった時にそれまでは細かったんですけれども、筋トレとか励んで(筋力も)」

―中学の時に暁星国際中で全国大会に出場している。
「はい。参加して1回戦負けしてしまったんですけれども。中2の時は一応メンバーには入っていたんですけれども、そこまで大きくなかった」

―CBになったのはいつ?
「自分たちの代ではCBをやっていたんですけれども、上の代では前の方をやったりもしていました」

―筋力にも自信がある。
「そうですね。当たり負けする気はしないですね」

―身長はまだ伸びそう?
「選手権の前くらいから、まだ0.5cmくらい伸びています」

―どのようなCBになりたい?
「デ・リフトとか。あとはファン・ダイク。デ・リフトに関してはサイズ感ももう2cmくらいで追いつくので、体格的にもそこまで変わらない。横幅が凄くゴツいなと感じるので、ああいう身体になって、あとあの若さでキャプテンとかやっているので、自分もキャプテンとして引っ張れるような存在になりたいです。ファン・ダイクはあの高さとあの落ち着いた対応は勉強になるので、試合前に見てモチベーションにしています」

―流経、市船以外にも『こんな選手がいる』と見せたい。
「やっぱり流経、市船にも引けをとらないように、怖れられるような選手になっていけたらなと思います。まずは守備で存在感を出して、攻撃でも自分で点獲って、自分で守るような選手になりたいです」

―千葉で言うと、関川郁万選手のような
「そうですね。ヘディングとかめちゃくちゃ参考になったので」

―J1加入など、野心もある。
「それも考えているんですけれども、まだまだなので。これから自分の課題であるところをもっと探して、もっとレベルアップできたらと思っています」

―将来はどのように考えている?
「将来はプロサッカー選手にと考えています」

―2020年は結果にこだわる
「まずは(千葉県)2部から1部に昇格すること。関東予選は関東大会に出れるようにして。選手権はまずベスト4に行けていないので、インターハイ、選手権はベスト4に行って、流経、市船に勝って全国に行きたいです」

―昨年の選手権はベストではなかった。
「選手権前に内側靭帯をやってしまって、ベスト8からしか出れずに迷惑を掛けてしまった。来年は絶対に全国へ行きたいです」

(取材・文 吉田太郎)

山形ユース監督に内山氏

 モンテディオ山形は9日、モンテディオ山形ユースの監督に内山俊彦氏(41)が就任すると発表した。同氏は昨季まで神戸のアシスタントコーチを務めていた。

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[MOM3146]滝川二FW岩澤秀人(2年)_「何していたんやろう」の試合きっかけに変化した新エース

後半35分、滝川二高FW岩澤秀人が決勝点の右足PKを決める
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)の優勝ゴールは、滝川二高(兵庫)の新エース候補・FW岩澤秀人(2年)が決めた。

 後半35分、滝川二はMF寺田健人(1年)の左クロスが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得。キッカーの岩澤は「あまり緊張はしなかったです。でも、『決めたらヒーロー』やなと」と右足シュートをゴール左隅へ豪快に突き刺し、歓喜の中心となった。

 ブラジル代表FWネイマール(パリSG)に憧れるストライカーは、「遊び心のあるプレーが好き」だという。準決勝ではV候補の桐光学園高(神奈川)相手にテクニカルなドリブルや、DFを引きつけてからの意表を突くパスなどで対抗。相手の鋭いプレッシャーの中でもボールを収めて攻撃に繋げていたほか、前線で競り勝つなど攻撃の中心になっていた。

 決勝戦ではベンチスタートとなったが、「0-0の状況やったんで、自分が絶対決めて勝つという気持ちで行きました」というFWは後半11分の出場から、相手の嫌がるようなドリブルやDF背後へ抜け出すプレーを意識。決勝では思うようなプレーができた訳ではないが、松岡徹監督は大会を通しての彼の意識変化を認めていた。

 年末の不甲斐ないプレー、交代指示から危機感を抱き、より責任感を持ってプレーしている。新人戦の神戸地区予選決勝(12月26日、対神戸科学技術高戦)では先発も「『何していたんやろう』と思うプレーやった」という内容で早々に交代。選手権予選でも上級生の中で先発していた新エース候補は、「『全然アカンな』と思って、そこから自分が攻撃陣の中心になってやろうと思いました」と引き締め直し、結果を求めながら各試合に臨んでいる。

 今回のニューバランスカップでは計4得点。攻撃陣を牽引し、決勝戦を含めて結果も残したが、本人は「もうちょっと点獲れていたシーンもあった。強いチームやったらそれを決められなかったら負けてしまう。もっと決めていきたい」と満足していない。

 今大会は7試合中6試合を無失点で終えたDF陣の奮闘があっての優勝。だからこそ「苦しい時に1点をもぎ取れる選手になりたい」と誓う。“裏選手権”で優勝したが、勝負はここから。「まずは新人戦を獲ってから、インターハイでも良い結果を残して、冬の選手権で優勝できるように頑張っていきたい」。そのために、岩澤はどんな試合でもゴールを決め続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

東海大大阪仰星は決勝の敗戦をプラスに。MF村上「『これがキャプテンだ』というプレーを」

東海大大阪仰星高のMF村上陽斗主将がドリブルで仕掛ける
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

「こういう負けをプラスに変えられる集団にならないといけない」

 0-1で惜敗した東海大大阪仰星高の中務雅之監督は準優勝に終わった悔しさを力に変えて、課題、強みを突き詰めていく集団になることを期待していた。

 決勝戦は互角の展開だった。互いに球際で譲らず、守備意識も高い攻防戦に。その中で東海大仰星は良い形の攻撃になりかけたシーンで判断が遅れたり、精度を欠いたりするなど、拮抗した試合で差を作り出すことができなかった。指揮官も「落ち着いて、的確な状況判断ができるか」と指摘。試合終盤の失点で敗れ、滝川二高(兵庫)の歓声を背中で感じながら会場を後にした選手たちは、接戦で勝ち切るチーム、大阪、全国大会を勝ち抜くチームを目指す。

 主将のMF村上陽斗(2年)は「まだまだFWやSHも攻撃した後の帰陣が遅くて、スペースを使われたりしていた。そういうところをつけていかないと上にいくことはできない」。特に中務監督から多くの指摘を受けていた主将は、「そういう厳しい言葉を掛けてもらわないと成長できないと思っていますし、最後の選手権の舞台で、『キャプテンで良かった』と思えるためにはもっとレベルを上げていかないといけない」とまずは自分が求められているものを表現できるようになることを誓っていた。

 その上で、主将は持ち味もカットインシュートなどを発揮してチームを牽引していくつもりだ。「シンドい時に点獲ってチームを引っ張ったり、守備面でもしっかりと身体を張って、『これがキャプテンだ』というプレーをチームに見せたいです」。今大会はゴールも決めているが、決勝戦などチームが苦しい時の活躍はまだまだ足りない。

 それだけに、「高校生活、毎日毎日悔いなくやり切りたい」という主将は、この日の敗戦もプラスに変えて日常に取り組み、個人、チームを必ずレベルアップさせる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

滝川二の中盤で存在感放った大型ボランチ・松本「『コイツがおれば、勝てる』という選手に」

滝川二高の大型ボランチ・MF松本祐満
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

 優勝校・滝川二高(兵庫)でCB眞古大輔主将(2年)らとともに存在感を示したのが、MF松本祐満(2年)だ。CBの経験も持つ184cmの大型ボランチ。「自分はディフェンシブな面を求められていると思っている。自信を持って守備をしながらボールを散らしたりしたい」という松本は、決勝戦でも気の利く動きや球際の強さで相手ボールを奪い、セカンドボールを回収する部分でも貢献度は大きかった。

 本人が課題としている攻撃面でも、長身を活かしたキープでタメを作る部分やプレッシャーの中でパスを通すなど好プレーを見せていた。松本はニューバランスカップを通してサイドチェンジやパスの部分での成長を実感していたが、「攻撃に繋がるパスを増やしていかないといけない。守備の中でも求めているところがある。もっとセカンドボールを拾ってチームを楽にすること」と語り、攻守両面でよりレベルアップすることを誓っていた。

 神戸U-15出身。「滝二に来た目的は選手権」と言い切るように、全国高校選手権への出場を目指してきたが、1、2年生ではその目標を達成することができなかった。下級生時から出場機会を得ていた松本だが、これまでは納得の行くプレーができず。だが、「自分たちが引っ張って行く」「チームのためにやる」ということを一番に考え、身体を張ってプレーしている現在は、チームに貢献することができてきていると実感している。

 昨年のニューバランスカップ優勝チームである静岡学園高(静岡)は、開催中の全国高校選手権でベスト4進出。自分たちも1年後の選手権に出て日本一を勝ち取ることが目標だ。松本は「(予選敗退が)2年続いてしまったので、今年は絶対にないようにしないといけない。まずは全国に出ること、ここで獲れたのも自信になりましたし、日本一を目標にやっていきたいと思っています」と意気込んだ。

 目標とする存在は、「(自分と同じで)足は速くないけれど、技術でカバーしている」スペイン代表MFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)。ブスケツのように、「『コイツがおらな』という存在にならないと。『コイツがおれば、勝てる』という選手になりたい」と語る大型ボランチが、“裏選手権”王者・滝川二を全国で勝たせる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

滝川二はチャンスを得た選手が躍動。1年生MF寺田が果敢な仕掛け、クロスでPK獲得

滝川二高の1年生MF寺田健人は左サイドからの仕掛け、クロスでPKを獲得
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

 滝川二高(兵庫)は、選手権予選で1年生ながら10番を背負ったMF藤田仁朗や2年生のレギュラークラスの選手がケガで不在。だが、チャンスを得た選手が結果を残すなど、今後の競争激化が期待される結果となった。

 決勝戦では、後半11分に投入された1年生MF寺田健人が持ち味の積極的な仕掛けを披露。後半35分には左サイドでの縦突破から「FWの岩澤秀人君が走ってくれていると信じていたのでニアの方に蹴った」というクロスで相手DFのハンドを誘い、決勝点に繋がるPKを獲得した。

 寺田は「(松岡徹)監督から、『どんどん仕掛けて行け』と言われていて、その中で試合中に何回も仕掛けられた。得点シーンもサイドから仕掛けられたので良かったです」と微笑んだ。

 今大会はアピールに成功。前線でボールを受けてから逃げずに仕掛けてクロスまで行く部分など強みを発揮し、運動量を増やして優勝にも貢献した。「ここでチャンス掴めたので良かったです」。MF香川真司(サラゴサ)のターン技術などを参考に自分を磨いてきたアタッカーの次の目標は、先発奪取。より攻守両面でチームに貢献できる選手になって、滝二にとって欠かせない存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

関西学院は自信つける6試合に。1年時選手権経験の注目左SB福島「泥臭くても結果、勝ち切ることを求めてやりたい」

関西学院高は今年、2年ぶりの選手権出場を目指す
[1.6 NB CUP準決勝 関西学院高 0-1 東海大大阪仰星高 時之栖裾野G]

 関西学院高(兵庫)は早すぎる失点でリズムを崩し、受けに回る展開に。セカンドボールを拾われ続けるなど押し込まれる中、前半途中から主軸のFW田川翔大(2年)とMF馬渕竜希(2年)を投入して立て直しを図ると、後半は東海大大阪仰星高(大阪)を押し込んで攻め続けた。

 ボールを保持して主導権を握った関西学院は、MF田村亮弥(1年)のドリブル突破などもアクセントに反撃。ゴール前のシーンを増やしながらも、東海大仰星の堅守を破れずに敗れてしまう。それでも、4日間で強豪と計6試合の真剣勝負を経験。パワーのある日本文理高(新潟)や技術力の高い八千代高(千葉)に競り勝つなど、自信をつける大会となった。

 山根誠監督は「良い相手とやらせてもらった。今年はチームワークも良いし、選手層も厚い。粘り強さはあると思う」と分析。関西学院はこのニューバランスカップを冬休みの一つの目標とし、大晦日、元日もトレーニング。準々決勝で惜敗した相手の藤枝東高(静岡)の代役として準決勝出場権を得る幸運もあったが、選手たちは特長としている声や運動量、ショートカウンターで得点する部分を発揮するなど、全国クラスの強豪相手にも戦えるという手応えを得て大会を終えている。

 ゲーム主将を務めた左SB福島淳平(2年)は「(年末年始の練習も、今大会も)選手権に向けてなので、これも通過点としてやっていく中では良かったです」。ただし、過信にするつもりはない。進学校で文武両道の関西学院は、サッカーだけでなく高い学力も必要。他の強豪私学に比べても部員数は多くない。兵庫県内には、このニューバランスカップで優勝した滝川二高や選手権出場の神戸弘陵高、県立西宮高、三田学園高などライバルも多数。勝ち抜くことは簡単なことではない。

 それでも、福島は「去年も選手権出ているし、言い訳はできないと思う」と力を込める。関西学院は17年度の選手権予選で準優勝し、18年度は50年ぶりとなる兵庫制覇。19年度はベスト4で敗れたが、先輩たちが兵庫上位で戦い、全国出場を果たしている姿を見ているだけに、勉強面などの言い訳はできないと考えている。

 特に、神戸U-15出身の注目SB福島は1年時の選手権で先発を経験。リーダーの一人として迎える今年は意識の面から変わってきているという。「これまでは引っ張ってきてもらった。この代では自分が引っ張っていくという意識が強い。コーチングが少ない方だったけれど最近は意識してやっている」。ピッチでも特に存在感ある動き。準決勝でも左サイドで東海大仰星からボールを奪い取り、冷静にボールを動かすなど余裕のあるプレーをしていた。スピードとロングキックの質を武器に、強豪相手でも存在感を示したDFは、チームを声と背中で引っ張ることを目指す。

 福島は「去年の網谷(周世)先輩にも言われたんですけれども、『結果を求めてやれ』と言われたので、泥臭くても結果、勝ち切ることを求めてやりたい」。19年度は兵庫県1部リーグで優勝もプリンスリーグ関西参入戦はPK戦で惜敗。選手権予選でも優勝校の神戸弘陵に0-1で敗れている。昨年は力があると言われていた世代だが、結果を残すことができなかった。それだけに、今年は1年時に全国を経験している福島やFW坂本龍之介(2年)らが中心となって、泥臭く勝ち切るチームに成長して、必ず全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3145]東海大大阪仰星MF廣岡一樹(2年)_バルベルデのように。運動量強みの大型ボランチが1-0勝利に貢献

東海大大阪仰星高MF廣岡一樹は豊富な運動量と高さを持つ大型ボランチ
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP準決勝 関西学院高 0-1 東海大大阪仰星高 時之栖裾野G]

 東海大大阪仰星高は我慢の展開となった後半を凌いで1-0で勝利。MF廣岡一樹(2年)とMF松名大輝(1年)のダブルボランチはセカンドボールを拾う部分など守備意識高く戦い続けて勝利に貢献した。

 特に「セカンドボールを拾うということと、球際、接点のところで負けないというところで意識しました」という廣岡は、本人も武器と考えている184cmの高さを活かした空中戦の強さと、運動量でもチームにプラスアルファをもたらしていた。

 そして、試合終盤まで出場して1-0で勝った試合について、「立ち上がりに早めに点が獲れたことと、押し込まれた展開の中でも無失点で試合を終えられたというところが良かったと思います」とコメント。その上で、「このレベルでちょっとできていたというので満足していたら勝てないと思うので、もっとレベルを上げたいと思います」と引き締めていた。

 決勝でも存在感のあるプレーを見せていたが、本人は攻撃面での物足りなさを口にする。「運動量とか上げていって、色々なプレーに絡むというところと、あとはアシストとか、ゴールに絡むというところももっと増やさないといけない。この遠征ではほとんど(ゴールに)絡めていないので改善したい」。運動量を活かして攻守両面でチームを支えられる選手になることが目標だ。

 理想とする選手がレアル・マドリーにいる。それはウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデ。廣岡は、豊富な運動量に加えて一つ一つのプレーの質が高いと感じているバルベルデを目指して成長し、東海大仰星が「獲れるタイトルを全部獲る」ことに貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3145]東海大大阪仰星MF廣岡一樹(2年)_バルベルデのように。運動量強みの大型ボランチが1-0勝利に貢献

東海大大阪仰星高MF廣岡一樹は豊富な運動量と高さを持つ大型ボランチ
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP準決勝 関西学院高 0-1 東海大大阪仰星高 時之栖裾野G]

 東海大大阪仰星高は我慢の展開となった後半を凌いで1-0で勝利。MF廣岡一樹(2年)とMF松名大輝(1年)のダブルボランチはセカンドボールを拾う部分など守備意識高く戦い続けて勝利に貢献した。

 特に「セカンドボールを拾うということと、球際、接点のところで負けないというところで意識しました」という廣岡は、本人も武器と考えている184cmの高さを活かした空中戦の強さと、運動量でもチームにプラスアルファをもたらしていた。

 そして、試合終盤まで出場して1-0で勝った試合について、「立ち上がりに早めに点が獲れたことと、押し込まれた展開の中でも無失点で試合を終えられたというところが良かったと思います」とコメント。その上で、「このレベルでちょっとできていたというので満足していたら勝てないと思うので、もっとレベルを上げたいと思います」と引き締めていた。

 決勝でも存在感のあるプレーを見せていたが、本人は攻撃面での物足りなさを口にする。「運動量とか上げていって、色々なプレーに絡むというところと、あとはアシストとか、ゴールに絡むというところももっと増やさないといけない。この遠征ではほとんど(ゴールに)絡めていないので改善したい」。運動量を活かして攻守両面でチームを支えられる選手になることが目標だ。

 理想とする選手がレアル・マドリーにいる。それはウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデ。廣岡は、豊富な運動量に加えて一つ一つのプレーの質が高いと感じているバルベルデを目指して成長し、東海大仰星が「獲れるタイトルを全部獲る」ことに貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

桐光学園はCB奈良坂やFW三原、MF岩根が存在感。20年は選手層の厚さも強みに

桐光学園高は準決勝で敗れたものの、ポテンシャルの高さを示した
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

 桐光学園高(神奈川)は新チームの1、2年生が合流して最初の大会となった年末の横山杯で優勝。今回のニューバランスカップも予選リーグで3連勝すると、決勝トーナメントでも大阪桐蔭高(大阪)を1-0、流通経済大柏高(千葉)も3-0で破り、ベスト4へ進出した。

 滝川二高(兵庫)との準決勝では中盤のキーマンであるMF馬場拓己(1年)が負傷交代するアクシデント後に1失点。試合終盤は相手に息をさせないほど攻め続けていたが、ゴールを破ることができず、0-1で敗れた。

 もちろん、負けて良い試合はないが、それでも鈴木勝大監督は「彼らにとって良い負けになると思います」と前向き。選手たちは試合後、荷物を運んでいる最中から、どうすればより良くなるか意見をぶつけ合っていた。そして、クールダウンが終わった直後から、選手たちは学年関係なく膝を突き合わせるような形で、長時間に渡って改善点について青空ミーティング。鈴木監督に言われてからではなく、自発的に行動していたことが印象的だった。

 鈴木監督も「強烈なモノはない」と認めるように、1年時から10番をつけてきたFW西川潤(3年、C大阪加入)のような突き抜けた存在はいないかもしれない。それでも、豪快なヘッドを連発し、チームの背中を押すような言葉がけもしていたCB奈良坂巧(2年)や流経大柏戦で先制点を叩き出したFW三原快人(1年)はこの大会でも存在感。また、技巧派MF岩根裕哉(1年)が左足の展開、冷静なビルドアップに加えて、相手の強烈な寄せをブロックしてドリブル、パスに繋げるなど、力強さを増していたことが印象的だった。

 インターハイ日本一を経験しているGK北村公平(2年)やMF前川壮太(2年)、CB荒井ジュリアン海都(2年)、FW庄司朗(2年)、GK桃井玲(2年)に加え、全国ルーキーリーグ交流大会優勝メンバーの馬場や右SB米山悠葵(1年)、MF粟江晟(1年)が台頭。他にも力のある選手が多く、個々の質の高さ、選手層の厚さは今年の桐光学園の強みとなりそうだ。

 もちろん、この日失点に繋がった一瞬の隙ができた部分や、決定力の部分は改善していかなければならない。それでも、昨年、一昨年とインターハイでファイナリストになっている名門は、個々の意識の高さ、選手県予選敗退の悔しさを持って臨む2020年も十分に全国上位を争う力がありそうだ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

桐光学園はCB奈良坂やFW三原、MF岩根が存在感。20年は選手層の厚さも強みに

桐光学園高は準決勝で敗れたものの、ポテンシャルの高さを示した
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

 桐光学園高(神奈川)は新チームの1、2年生が合流して最初の大会となった年末の横山杯で優勝。今回のニューバランスカップも予選リーグで3連勝すると、決勝トーナメントでも大阪桐蔭高(大阪)を1-0、流通経済大柏高(千葉)も3-0で破り、ベスト4へ進出した。

 滝川二高(兵庫)との準決勝では中盤のキーマンであるMF馬場拓己(1年)が負傷交代するアクシデント後に1失点。試合終盤は相手に息をさせないほど攻め続けていたが、ゴールを破ることができず、0-1で敗れた。

 もちろん、負けて良い試合はないが、それでも鈴木勝大監督は「彼らにとって良い負けになると思います」と前向き。選手たちは試合後、荷物を運んでいる最中から、どうすればより良くなるか意見をぶつけ合っていた。そして、クールダウンが終わった直後から、選手たちは学年関係なく膝を突き合わせるような形で、長時間に渡って改善点について青空ミーティング。鈴木監督に言われてからではなく、自発的に行動していたことが印象的だった。

 鈴木監督も「強烈なモノはない」と認めるように、1年時から10番をつけてきたFW西川潤(3年、C大阪加入)のような突き抜けた存在はいないかもしれない。それでも、豪快なヘッドを連発し、チームの背中を押すような言葉がけもしていたCB奈良坂巧(2年)や流経大柏戦で先制点を叩き出したFW三原快人(1年)はこの大会でも存在感。また、技巧派MF岩根裕哉(1年)が左足の展開、冷静なビルドアップに加えて、相手の強烈な寄せをブロックしてドリブル、パスに繋げるなど、力強さを増していたことが印象的だった。

 インターハイ日本一を経験しているGK北村公平(2年)やMF前川壮太(2年)、CB荒井ジュリアン海都(2年)、FW庄司朗(2年)、GK桃井玲(2年)に加え、全国ルーキーリーグ交流大会優勝メンバーの馬場や右SB米山悠葵(1年)、MF粟江晟(1年)が台頭。他にも力のある選手が多く、個々の質の高さ、選手層の厚さは今年の桐光学園の強みとなりそうだ。

 もちろん、この日失点に繋がった一瞬の隙ができた部分や、決定力の部分は改善していかなければならない。それでも、昨年、一昨年とインターハイでファイナリストになっている名門は、個々の意識の高さ、選手県予選敗退の悔しさを持って臨む2020年も十分に全国上位を争う力がありそうだ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3144]滝川二DF眞古大輔(2年)_守って、攻めての「普通じゃない」CBへ。主将としての立ち振舞も◎

優勝した滝川二高の中で特に印象的なプレーをしていたCB眞古大輔主将(右)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)で最も印象に残った選手は、優勝校・滝川二高(兵庫)のキャプテンだった。準決勝で桐光学園高(神奈川)、決勝でも東海大大阪仰星高(大阪)を完封するなど、7試合中6試合を無失点。滝川二の最終ラインの中心で際立つような存在感を見せた。

 松岡徹監督は特に準決勝で桐光学園を完封したことを評価していた。準々決勝で流通経済大柏高(千葉)を3-0で破っていた桐光学園は、技術力の高さを含めて大会随一と言えるようなチーム。その相手に183cmCB眞古大輔主将(2年)を中心とした滝川二は我慢強く守り抜き、得点を許さなかった。

 眞古が準決勝以上に目立っていたのが決勝戦。相手の攻撃を得意のヘッドで弾き返していた一方、自らボールを奪い取り、さらにそのまま攻撃参加して混戦を“ゴリゴリと”中央突破…というシーンが2度、3度とあった。

 プレー同様、理想としている姿も異質なモノ。「僕が目指しているCBは自分が守って、自分が点獲って、『普通じゃないというCB』を目指しているので、カットしたら『自分が全員抜いているやるんだ』という気持ちでプレーしています」。小学生時代はFWで競り合いに恐怖心を持たなくなったという眞古は、中学時代にボランチを経験したことで攻守に幅の広いプレーをする。そのCBは、強敵相手にも自分の特長を発揮できたことで自信を深めていた。
 
 準決勝の前半に関しては、桐光学園の186cmFW庄司朗(2年)にボールを収められてしまっていた。だが、後半は中盤に下りてボールを受けようとする庄司に食らいつき、しつこいチェックでインターセプト。また、空中戦でも強さを発揮していたCBは、狙い澄ましたインターセプトを2度、3度と決めてカウンター攻撃の起点にもなっていた。

 そして、庄司交代後は相手のスピードのある選手たちに対応。自分ひとりで取り切れなくても、相手の前に足をねじ込んでボールに触れるなど味方のサポートを受ける形でインターセプトに繋げていた。試合終盤には桐光学園の決定的なシーンでシュートブロック。加えて、国体兵庫県選抜で課題とだったという左足のフィードやビルドアップは朝練習を重ねたことで今や武器にしており、利き足の右、また左足から精度の高いフィードを放っていた。

 主将としての立ち振舞も印象的だった点だ。試合中、オフサイドでゴールが取り消しになったり、微妙な判定でチームメートが「何で?」と口にするシーンがあった。だが、眞古がすかさず、ピッチ中に響くような声で「やめろ!」「言うな!」と制止。試合後の挨拶含めてレフリーや対戦相手に敬意を持って行動していた。

「新チームになって投票で選んでもらって、選んでもらったからには立ち振舞とかしっかりしないとなと。(試合中は)熱くなったりする選手がいる。審判に対しての礼儀とか言われているのもあるし、自分もそう思うので意識している」と眞古。年間通じてその部分も意識しながら滝川二を勝たせるリーダー、CBになるつもりだ。

 アジリティを特長とするする選手への対応や精度の部分などまだ課題はあるが、今後が楽しみな素材。本人も今大会を通して、よりプロへの意識は高まったという。「自分のプレーが通用したということで、もっとプロに行きたいという意識が強くなった。個人としては跳ね返す部分はほとんど無敗でできたので、継続してやって、もっとチームを動かせる選手に、自分が起点となって点が獲れるような形を作れる選手になりたい」。貪欲に自分を高めて、自分で守り、攻めて、ゴールも奪える選手へ。そして、チームの目標である日本一、そして個人の目標であるプロ入りも実現する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[MOM3144]滝川二DF眞古大輔(2年)_守って、攻めての「普通じゃない」CBへ。主将としての立ち振舞も◎

優勝した滝川二高の中で特に印象的なプレーをしていたCB眞古大輔主将(右)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)で最も印象に残った選手は、優勝校・滝川二高(兵庫)のキャプテンだった。準決勝で桐光学園高(神奈川)、決勝でも東海大大阪仰星高(大阪)を完封するなど、7試合中6試合を無失点。滝川二の最終ラインの中心で際立つような存在感を見せた。

 松岡徹監督は特に準決勝で桐光学園を完封したことを評価していた。準々決勝で流通経済大柏高(千葉)を3-0で破っていた桐光学園は、技術力の高さを含めて大会随一と言えるようなチーム。その相手に183cmCB眞古大輔主将(2年)を中心とした滝川二は我慢強く守り抜き、得点を許さなかった。

 眞古が準決勝以上に目立っていたのが決勝戦。相手の攻撃を得意のヘッドで弾き返していた一方、自らボールを奪い取り、さらにそのまま攻撃参加して混戦を“ゴリゴリと”中央突破…というシーンが2度、3度とあった。

 プレー同様、理想としている姿も異質なモノ。「僕が目指しているCBは自分が守って、自分が点獲って、『普通じゃないというCB』を目指しているので、カットしたら『自分が全員抜いているやるんだ』という気持ちでプレーしています」。小学生時代はFWで競り合いに恐怖心を持たなくなったという眞古は、中学時代にボランチを経験したことで攻守に幅の広いプレーをする。そのCBは、強敵相手にも自分の特長を発揮できたことで自信を深めていた。
 
 準決勝の前半に関しては、桐光学園の186cmFW庄司朗(2年)にボールを収められてしまっていた。だが、後半は中盤に下りてボールを受けようとする庄司に食らいつき、しつこいチェックでインターセプト。また、空中戦でも強さを発揮していたCBは、狙い澄ましたインターセプトを2度、3度と決めてカウンター攻撃の起点にもなっていた。

 そして、庄司交代後は相手のスピードのある選手たちに対応。自分ひとりで取り切れなくても、相手の前に足をねじ込んでボールに触れるなど味方のサポートを受ける形でインターセプトに繋げていた。試合終盤には桐光学園の決定的なシーンでシュートブロック。加えて、国体兵庫県選抜で課題とだったという左足のフィードやビルドアップは朝練習を重ねたことで今や武器にしており、利き足の右、また左足から精度の高いフィードを放っていた。

 主将としての立ち振舞も印象的だった点だ。試合中、オフサイドでゴールが取り消しになったり、微妙な判定でチームメートが「何で?」と口にするシーンがあった。だが、眞古がすかさず、ピッチ中に響くような声で「やめろ!」「言うな!」と制止。試合後の挨拶含めてレフリーや対戦相手に敬意を持って行動していた。

「新チームになって投票で選んでもらって、選んでもらったからには立ち振舞とかしっかりしないとなと。(試合中は)熱くなったりする選手がいる。審判に対しての礼儀とか言われているのもあるし、自分もそう思うので意識している」と眞古。年間通じてその部分も意識しながら滝川二を勝たせるリーダー、CBになるつもりだ。

 アジリティを特長とするする選手への対応や精度の部分などまだ課題はあるが、今後が楽しみな素材。本人も今大会を通して、よりプロへの意識は高まったという。「自分のプレーが通用したということで、もっとプロに行きたいという意識が強くなった。個人としては跳ね返す部分はほとんど無敗でできたので、継続してやって、もっとチームを動かせる選手に、自分が起点となって点が獲れるような形を作れる選手になりたい」。貪欲に自分を高めて、自分で守り、攻めて、ゴールも奪える選手へ。そして、チームの目標である日本一、そして個人の目標であるプロ入りも実現する。

(取材・文 吉田太郎)
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[ニューバランスカップ]決勝は初の関西勢対決。7試合中6試合無失点の滝川二が“裏選手権”制す!

前回大会優勝の静岡学園高が選手権で活躍中。来年は滝川二高が選手権で輝く
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

 滝川二が“裏選手権”制す!全国高校サッカー選手権への出場が叶わなかった強豪48校が時之栖スポーツセンター(静岡)で優勝を争った「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)は6日午後、決勝戦を行い、滝川二高(兵庫)が初優勝した。東海大大阪仰星高(大阪)と対戦した滝川二は、後半35分にFW岩澤秀人(2年)が決勝点。1-0で勝ち、参加48校の頂点に立った。

 大会委員長の阿山恭弘氏によると、20年以上続く歴史ある大会で「関西勢対決は初めて」という決勝戦。試合は、序盤から球際の激しい攻防と切り替え速い守備が目立つ展開となった。

 前半は東海大仰星のMF門田悠汰(1年)やMF村上陽斗主将(2年)がシュートを放つシーンがあったものの、互いの守りに隙はなく、決定的なシーンは生まれず。インターセプトから強引に中央突破を繰り返すなど躍動した滝川二CB眞古大輔主将(2年)や大型MF松本祐満(2年)、東海大仰星の大型MF廣岡一樹(2年)、CB中原輝樹(2年)、右SB藤嶋凌久(1年)らといった守備に強みを持つ選手たちが存在感を放つ展開となった。

 滝川二はこの決勝戦、先発11人を全て2年生でスタート。松岡徹監督が指摘したように、なかなか攻撃の質が上がらなかったが、松本が「『自分たちがやろう』という声がたくさん出ていましたし、自分たちが最高学年というのが自覚できる場所だった。モチベーションは高かった」と振り返ったように、2年生たちが守備から試合を作り、幾度かクロスまで持ち込んでいた。

 その滝川二は後半11分、5選手を同時交代。中盤、前線に投入された彼らが仕掛けの回数を増やし、試合のテンポを上げていく。後半30分には右クロスからMF平岩航汰(1年)が決定的な左足シュートを放つが、東海大仰星GK岡田稜(2年)がストップ。一方の東海大仰星も中央からサイドへ展開し、そこからのクロスでゴール前のシーンを増やしたが、滝川二はGK林憲太朗((2年)や眞古、CB永川凌(2年)中心に堅い。

 東海大仰星の守りも堅く、拮抗した展開に。だが、試合は終了5分前の後半35分に動く。滝川二は、左サイドから積極的な仕掛けを見せていたMF寺田健人(1年)が縦への突破からクロス。これがニアのDFの手に当たり、PKとなった。キッカーの岩澤が右足で左隅に決めて先制。ついにリードを奪った。

 東海大仰星も左SB勝浦駿(2年)のロングスローなどを交えて相手DFにプレッシャーをかける。だが、滝川二は各選手がハードワークすることを徹底。眞古が「それは松岡監督に言われていること。個人として負けなければ、全員でも負けにくくなると言われているので全員で意識している」というように、最後まで個々が局面で負けず、気持ちのこもった戦いで相手の前に立ちはだかった。

 そして、最後まで1点リードを守った滝川二が1-0で勝利。初優勝を飾った。4日間で7試合を戦い、うち6試合で完封勝利。松岡監督は「凄く勉強になったというか、子どもたちの成長になったかなと思います。(7試合で)失点が2というところは、頑張るだけではダメですけれども、自分たちで話して積極的に良いところが出たかなと思います」と目を細めた。

 滝川二は兵庫、関西を代表する名門校。だが、この選手権予選はベスト8で敗れている。新チームスタート後は、「次の層のレベルを上げないといけない」という狙いで松岡監督や眞古が下のカテゴリーのチームに加わるなど、視野広くチーム作りをしてきた。

 そこから上のカテゴリーに上って活躍している選手もいる。県新人戦前の力試しとも言える“裏選手権”は、全国区の強豪相手に結果も出て今後に繋がる大会に。ただし、松岡監督は「基本的なところは上げていかないと、(今回は)正直、勢いとかそういう要素で勝ったところがある。プレーの質を上げないと、トップトップでやった時にキツくなると思います」と指摘する。

 狭いスペースをショートパスで攻略したり、岩澤や寺田がドリブルで相手を苦しめていたが、全体の基本技術はまだまだ。昨年完成した人工芝グラウンドでより、個人技術、個人戦術をレベルアップさせていく。

 決勝後、“滝二らしく”優勝を全力で喜んでいた選手たちだが、オンオフでしっかり切り替えることができることも今年の強み。眞古は「滝二のモットーである奢ることなく、これからも強い相手にも怯まずに、滝二らしさというのは松岡先生にも言われていることなので、それをもっと全面的に出して、全国の選手権という舞台で日本一を獲れるように頑張っていきたい」と誓った。

 前回大会で優勝した静岡学園高(静岡)が、開催中の第98回全国高校サッカー選手権でベスト4へ進出。滝川二は来年、自分たちも輝くために「怯まず、奢らず、溌剌と」目標に向かって挑戦し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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[ニューバランスカップ]後半に関西学院の反撃許すも、際の部分で勝った東海大仰星が1-0勝利

東海大大阪仰星高は右SB細野真(左)の決勝点によって1-0で勝利
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

 第98回全国高校サッカー選手権への出場が叶わなかった強豪48校が、時之栖スポーツセンター(静岡)で優勝を争った「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)は6日午前、準決勝を行い、東海大大阪仰星高(大阪)が1-0で関西学院高(兵庫)を下した。

 準々決勝で関西学院を2-1で下した藤枝東高(静岡)が、学校のテストのために準決勝出場を辞退。繰り上げで準決勝に出場した関西学院を東海大仰星が立ち上がりからプッシュする。

 東海大仰星は2分、MF門田悠汰(1年)が持ち込んでから右足シュート。このこぼれ球を右SB細野真(2年)が右足で押し込んで早くも先制に成功した。関西学院は相手をリスペクトしてしまったことに加えて、早すぎる失点をしてしまったことで重心が重くなってしまう。

 対する東海大仰星は展開力を備えたMF松名大輝(1年)と184cmMF廣岡一樹(2年)のダブルボランチがセカンドボールを拾う部分と繋ぐ部分で力を発揮するなど、相手を押し込もうとする。そして、サイドでの連動したパスワークなどからゴールへ迫り、FW小村和世(2年)やMF小亀将治(2年)がシュートへ持ち込む。

 関西学院はなかなか立て直すことができなかったが、その中で左SB福島淳平(2年)が対人守備やポゼッションの部分で存在感。何とか0-1で食い下がると、後半は4-2-3-1へのシステム変更とともにボールを落ち着いて繋ぐことで流れを引き寄せる。

 東海大仰星は廣岡が「大会通して前半に押し込むことができたんですけれども、ほとんどの試合で後半、自分たちの陣地で試合をすることになってしまったのが今後の課題だと思います」と振り返ったように、後半は我慢の展開となった。

 関西学院は左MF田村亮弥(1年)が鋭い仕掛けでFKを獲得。そしてMF吉田直人(2年)のFKからゴール前であわやのシーンも作り出した。エースFW坂本龍之介(2年)中心に反撃を継続。そして、CB東昂希(1年)が決定的なシュートを放つシーンもあったが、全体的に最後のところで精度を欠き、同点に追いつくことができない。

 東海大仰星の良さは危険なシーンでしっかりとDF陣が足を出したり、身体を投げ出したりできるところだ。ボールを保持されても素早い寄せを続けるなど、際のところで相手のシュートやラストパスを制限。昨年からメンバーが大きく入れ替わっており、まだまだ甘いところも多い。それでも、廣岡やCB神戸浩暉(2年)、GK岡田稜(2年)らがやるべきことを体現し、3試合連続となる1点差勝利で決勝進出を決めた。

 東海大仰星は自分たちの力が無いと認めた上で、全員でサッカーを作り上げていく考えだ。仲間の弱点をカバーし、強みを作り出していくこと。主将のMF村上陽斗(2年)は「(今年の良さは)全員がある程度喋れるところと最後のところで踏ん張れるところ。(力がないことは)全員が分かっていることなので。今年は個人で抜ける選手とか個人の能力でカバーできる人が少ないので、本当に全員でサッカーを展開していきいたい」と力を込めた。

 中務雅之監督は「どれだけ(弱いということを)自覚してできるか」。日頃から甘さを消していかなければ、大事なところで甘さが出てしまう。村上も「シンドい時間帯とか、0-0の拮抗した時に甘さが出てきたりすると思うので、引き締めてまたみんなでやっていきたい」と誓っていた。激戦区・大阪を勝ち抜くために、「結束力がある」(中務監督)という世代は、全員で自分たちのサッカーを突き詰めていく。

(取材・文 吉田太郎)
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[ニューバランスカップ]1年生MF中塚決勝弾!堅守も光る滝川二が桐光学園に1-0で勝利!

滝川二高はMF中塚大偉の決勝点によって桐光学園高に勝利
[1.6 NB CUP準決勝 滝川二高 1-0 桐光学園高 時之栖裾野G]

 第98回全国高校サッカー選手権への出場が叶わなかった強豪48校が、時之栖スポーツセンター(静岡)で優勝を争った「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)は6日午前、準決勝を行い、滝川二高(兵庫)が1-0で桐光学園高(神奈川)を破った。

 滝川二の前線で存在感ある動きを見せたFW岩澤秀人(2年)は「桐光は自分らより強くて、たまたま勝てただけ」と謙遜していた。それでも、滝川二は立ち上がりから引かずに戦い、GK原勇義(2年)のファインセーブなど無失点のまま試合を進める。そして、ショートパスを繋いだり、岩澤のキープ力を活かして攻め返す。右サイドをワンツーで1度、2度と攻略し、右SB馬場翼(1年)がラストパス。岩澤の決定的な1タッチシュートやミドルシュートで桐光学園ゴールを脅かした。

 一方の桐光学園は、視野の広いプレーに加えて力強いボールキープも見せていたMF岩根裕哉(1年)やMF馬場拓己(1年)の配球から仕掛けの回数を増やそうとする。前半15分のピンチをGK北村公平(2年)が凌ぐなど前半を0-0で終えると、後半開始からMF前川壮太(2年)を投入して攻撃のギアを上げる。

 そして、前川やFW三原快斗(1年)の推進力ある動きでゴール前のシーンやセットプレーの数を増やしたが、滝川二は後半、大型ボランチのMF松本祐満(2年)が良くセカンドボールを回収。またCB眞古大輔主将(2年)がインターセプトを連発し、相手の大型FW庄司朗(2年)へのタイトなチェックで自由を与えない。

 後半10分にゴール前の接触プレーで桐光学園の選手が負傷。治療、救急搬送のために試合が約20分中断するというアクシデントがあった。そして再開後の17分、滝川二が先制する。CB永川遼(2年)のフィードに岩澤が競ると、セカンドボールを拾ったMF中塚大偉(1年)がポッカリと空いたバイタルエリアを前進。そのまま右足シュートをゴール右上に突き刺した。

 歓喜の滝川二イレブン。一方の桐光学園はCB奈良坂巧(2年)が声とプレーでチームを鼓舞する。そして、「こういうのを勝つチームが強いチームだぞ!」「もっと気持ち見せろよ!」という声が飛ぶ。

 終盤の10分間はMF本多知啓(2年)の仕掛けなどを交えて反撃。左SB国島康介(2年)の折り返しを受けた本多が右足を振り抜いたが、滝川二はCB眞古がブロックする。最後は桐光学園が相手に息をつかせる間も与えないほどに攻め続けていたが、眞古や永川、原を中心に跳ね返した滝川二が1-0で勝利。決勝進出を決めた。

 滝川二の松本は「勝ち続けてきて自分たちも自信がついて、『絶対勝てる』という声も出ていたし、この大会を通じて自信がついたと思います」。兵庫の名門・滝川二は今大会、予選リーグを無失点で3連勝。決勝トーナメント1回戦で暁星高(東京)を3-0で突破すると、準々決勝では前評判の高かった履正社高(大阪)を3-2で退けている。

 そして、準決勝でも昨年のインターハイ優勝メンバーを残す桐光学園相手に全く怯むことなく戦い抜いて勝利。眞古が「滝二はどちらかというと攻撃のイメージがあるけれど、自分は守備も強い、どっちもできるという滝二にしたい」と語っていたが、守備の我慢強さも発揮した滝川二が、また自信を掴む白星で決勝へ駒を進めた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

[横山杯]激闘の5日間が閉幕…ファイナルはPK決着も無敗で駆け抜けた桐光学園&法政二(12枚)

桐光学園がPK戦の末に勝利
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]ファイナルゲームは2大会連続PK戦…“神奈川県勢対決”は桐光学園に軍配(15枚)

桐光学園がPK戦を制した
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]ファイナルゲームは2大会連続PK戦…“神奈川県勢対決”は桐光学園に軍配(15枚)

桐光学園がPK戦を制した
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]大会MVPは桐光学園CB荒井ジュリアン海都!対人守備で存在感(4枚)

DF荒井ジュリアン海都(2年)が大会MVP
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]大会MVPは桐光学園CB荒井ジュリアン海都!対人守備で存在感(4枚)

DF荒井ジュリアン海都(2年)が大会MVP
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]桐光学園がPK戦制して初優勝!始動1週間も示した強さ(25枚)

桐光学園が初優勝
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]桐光学園がPK戦制して初優勝!始動1週間も示した強さ(25枚)

桐光学園が初優勝
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[横山杯]法政二は惜しくも準優勝…悔しい思いを来年の飛躍へ(30枚)

法政二は惜しくも準優勝
 横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会の1st Division Topは29日午後、優勝を懸けたファイナルゲームで桐光学園高(神奈川)と法政二高(神奈川)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、桐光学園が5-4で勝った。

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[横山杯]桐光学園の1年生FW三原は上級生相手にも止まらず。PK戦では5人目キッカーの大役全う

PK戦5人目、桐光学園高FW三原快斗が決めて決着
[12.29 横山杯ファイナルゲーム 桐光学園高 0-0(PK5-4)法政二高 若松運動場]

 PK戦直前、桐光学園高の鈴木勝大監督はPK戦で蹴る順番を指示。5番目に名前を呼ばれたのはFW三原快斗(1年)だった。

 決めれば優勝となる状況でPKスポットに立った1年生は緊張したというが、右足で豪快にゴール。「(今大会)一回外してしまったので。絶対に決めてやるという気持ちでやっていたので気持ちで勝てた」。決勝リーグ最終節でPKを外していた三原だが、このシーンではしっかりと決めて先輩たちと優勝を喜んでいた。

 前への推進力は、同学年の戦いで止まらないレベル。このファイナルゲームでも1、2人のDFを強引に振り切ってゴールに迫っていた。「自分はドリブル、推進力が特長なので、そこで負けていたらダメなので目立つようなプレーをしました」と三原。その前への力で相手DF陣を苦しめていた。

 23日まで開催されたU-16の全国ルーキーリーグ交流大会ではエースとして優勝に貢献し、横山杯では年上の中で存在感を放った。ただし、今回の横山杯は無得点。この日も鋭いドリブルからシュートまで持ち込んでいたが、決めることができなかった。加えて、積極的な声がけも光る三原だが、本人は苦しい時の声がけがまだ足りていないと感じている。納得の行く優勝ではない。

「新チームということで色々なシチュエーションがありましたけれども、もっとできたんじゃないかと自分の中では思っているので、点というところにこだわってやっていきたい。信頼できるような選手になれるように。(そして)自分が目標にしているのはインターハイ優勝と選手権優勝なので、それを目指して毎日努力してやっていきたいと思っています」。ポテンシャルを高く評価されているが勝負はこれから。1年生FWが努力を続けて、チームの中心選手としてインターハイや選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎、取材協力 スポーツマネジメント)
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ハイレベルな桐光学園GK争いで“逆転”へ。結果にこだわるGK桃井が得意のPKで1本阻止!

PK戦3人目、桐光学園高GK桃井玲がストップ
[12.29 横山杯ファイナルゲーム 桐光学園高 0-0(PK5-4)法政二高 若松運動場]

 桐光学園高の先発GKはインターハイ優秀選手でチームの日本一に大きく貢献したGK北村公平(2年)ではなく、GK桃井玲(2年)だった。決勝リーグ最終節でフル出場した北村に代わり、予定通りのローテーション起用。ほぼ危なげなく、70分間を無失点で終える。そして、優勝を懸けたPK戦、「全然安心して見ていました」という峯達也GKコーチから送り出された桃井は、法政二高3人目のシュートを見事にストップ。決勝で大仕事をしてのけた。

 桃井は「自分は中学からPKを得意としている。駆け引きは好き」。PK戦では相手と対峙した状態で上体を揺らしたり、ゴール左側を指差したりするなど駆け引き。そして、「甘いところに入ってきたところで確実に仕留めました」。得意のPK戦でヒーローになった。

 峯GKコーチは相手のセットプレーなどを確実に処理し、リスクの少ないプレーをしていた桃井について「大会を通して桃井は良かった。チームのためにプレーしてくれた。成長だと思います」と評価していた。

 桃井は18年U-16日本代表候補でもある実力派GKだ。だが、インターハイでゴールを守り続けたのは北村。桃井はインターハイ優勝後、選手権予選でポジションを奪うことを誓っていたが、選手権予選もゴールを守ったのは北村だった。

 目標を達成できなかった桃井は「実行できなかったことが心残りでもう一回ゆっくり考えた時にこういう(フェスティバルの)大会からこだわって、あと数字にもこだわって、自分が出た時はゼロにこだわってやっていました」という。

 元々派手なセービングや足元の技術を駆使したポゼッションなどを得意とする桃井だが、結果にこだわるためまずはリスクの少ないプレーを貫いた。そして決勝でも結果にこだわって完封勝利。今後は自分の強みも出しながらゼロに抑えるプレーを目指していく。

 桐光学園は実績のある北村、そして先発奪取へ結果を出している桃井の2人をまだまだ競わせていく考え。桃井は「ゼロで行くことに本当にこだわって、それは(北村)公平にも負けない。今まで積み重ねてきたものをラスト1年で思い切りぶつけて、まだまだ自分も成長したいんで全国に自分の名前と顔を知らしめられたらいい」。日本一とも言えるGK争いを制して来年は全国で輝く。

(取材・文 吉田太郎、取材協力 スポーツマネジメント)
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[MOM3099]桐光学園CB荒井ジュリアン海都(2年)_注目DFの隣で存在感。横山杯MVP!

「横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会」MVPに選出された桐光学園高CB荒井ジュリアン海都
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 横山杯ファイナルゲーム 桐光学園高 0-0(PK5-4)法政二高 若松運動場]

 注目DFの隣で奮闘する男が、一つ勲章を得た。「横山杯 第20回全国ユース招待サッカー大会」表彰式で大会MVPとして名を告げられたのは、優勝校・桐光学園高のCB荒井ジュリアン海都(2年)。平然とした表情で表彰に向かったように映ったが、本人は「めっちゃ嬉しいです。自分が呼ばれたのでびっくりしました」。鈴木勝大監督が「コツコツとやっている」と評するDFが優勝と個人賞も勝ち取った。

 荒井は今大会、全9試合中8試合に出場。空中戦を含めて対人守備で相手に負けず、決勝でも法政二高のスピードある攻撃によく対応していた。的確なカバーリングでクロスをクリアしたほか、サイドを抜け出しかけた相手の突破を阻止。他のDFとコミュニケーションを取りながら無失点で守り切った。

 隣でプレーするCB奈良坂巧(2年)は、そのリーダーシップと高さでチームのインターハイ優勝に大きく貢献した注目DF。荒井も3バックを採用された際には高さや堅守を見せてきたが、周囲の視線はより“目立つ”奈良坂に集まっていた。

 その中で荒井は「そんなライバル意識とかあんまりないですけれども、奈良坂と同じくらい注目はされたいなというのがあります」と野心を口にする。ただし、隣の奈良坂に頼っている部分があることも確か。「いつも巧が声を出したりして鼓舞している。もっと自分からも出さないといけないと」と課題を口にしていた。

 また、荒井はMVPについても「俺は巧だと思います」とインターセプトや高打点のヘッド、攻撃面でも存在感を示していた奈良坂を推す。だが、奈良坂は荒井のMVPについて「当然だと思います」と断言。そして、「(9試合のうちで荒井は)1試合しか休んでいない。その中で安定したハイパフォーマンスを出していましたし、(荒井は)評価されたのは嬉しい」と相棒が高評価されたことを喜んでいた。

 鈴木監督も荒井への期待を口にする。「極論は2人で守れるCBを育てないといけない」。だからこそ、どちらか片方ではなく、来季の全国トップクラスと言える2CBを“2人でも守れる”までにレベルアップさせたい考えだ。

 荒井は「開幕までには自信を掴んで奈良坂と堂々とした守備とか注目されていけたらいい。個人的には対人とかでは絶対に負けない、自分の方からは攻めたくないという意識を持たせたい」。奈良坂をチェックしに来たスカウトにむしろ自分をアピールするくらいの気持ちでプレーする意気込み。19年の最後に評価を勝ち取ったアメリカ系CBが20年、飛躍を遂げる。

(取材・文 吉田太郎、取材協力 スポーツマネジメント)
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[横山杯]「法政二高を全国に…」11針縫いながらも最後までチーム牽引。新主将MF三浦大が抱く野望

法政二高の新キャプテンに就任したMF三浦大
[12.29 横山杯ファイナルゲーム 桐光学園高 0-0(PK5-4)法政二高 若松運動場]

 今大会中に法政二高(神奈川)の新キャプテンに就任することが決まったMF三浦大(2年)。5日間の横山杯の激戦を終え、「このチームを全国に」と大きな目標を掲げた。

 横山杯制覇をかけたファイナルゲーム(決勝戦)は、同じ神奈川県の名門・桐光学園高。高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ神奈川K1でも互いにしのぎを削る、よく知れた相手だ。

 今大会初戦で相手と接触して右瞼を11針を縫った三浦は、3日目に復帰。サイドハーフやボランチだけでなく、この試合では後半から右サイドバックもこなしたユーティリティープレーヤーが視野の広さをいかしたロングパス、積極的にパスコースに顔を出して攻撃に絡むなど牽引。チームはスコアレスで突入したPK戦の末に準優勝に終わったが、収穫は多かったという。

 法政二は新チームが始動してから練習試合でも負けなしを継続して今大会入り。予選リーグでは初戦の習志野高戦で引き分けたものの、前橋育英高(群馬)や真岡高(栃木)などを下して、4勝1分で首位通過。決勝リーグでも駒澤大高(東京)、八千代高(千葉)、鹿島学園高(茨城)を相手に無失点を貫き、ファイナルゲームでも桐光学園に得点を許さなかった。

「大会に入る前は、失点が目立つほどではなかったが、4バックがバラバラのときがあった。この大会に入って4バックを統一し、やられないようにカバーを早くするとか、2列目のプレスバックを早くするとかチームの中で統一して戦ってきた。ハードワークの部分ではチームが成長した。自信になった」

 そう手応えを語る三浦は「法政二高は全国にまだ出れていないチーム。今日の試合も戦えていなかったわけじゃない。勝ち目はあったと思う」と振り返り、今後については「神奈川は激戦だけど、そこを勝っていかないと全国でも勝てるチームにならない。まず、K1で勝って関東大会、インハイと選手権で全国へ行けるように頑張りたい」と飛躍を誓う。

 個人としては「結果をまだ残していない。この大会もずっと試合には出ていたが、ゴールもなかった。前で使ってもらえているので期待に応えたい」とさらなる成長を見据え、「このチームを全国に。自分が引っ張って全国にいければ」と野心を抱く新主将。チームの先頭に立って成長を促し、法政二を激戦区・神奈川だけでなく、全国でも戦えるチームへと導いてみせる。

(取材・文 清水祐一、取材協力 スポーツマネジメント)
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[横山杯]“当たってた”法政二の守護神・橘川凱、準V悔やむも守備に手応え「自信になった」

法政二高(神奈川)のGK橘川凱(2年)が好セーブを連発
[12.29 横山杯ファイナルゲーム 桐光学園高 0-0(PK5-4)法政二高 若松運動場]

 横山杯優勝をかけたファイナルゲーム(決勝戦)という大舞台で法政二高(神奈川)のGK橘川凱(2年)が好セーブを連発。チームはスコアレスのまま突入したPK戦の末に敗れたが、大きな自信を得て大会を終えた。

 同じ高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ神奈川K1でしのぎを削る桐光学園高(神奈川)とのファイナルゲームとなった法政二。今季2連敗と勝てていなかったが、「これまでは防戦一方だったが、新チームで初めてやってみて点を取られる気が感じがしなかった。攻められても、絶対守れる自信がある中で臨んだので、桐光相手でもやれたと思う」と守護神が語るように、攻められても粘り強く戦っていた。

 今大会全試合に出場している橘川は、最後尾から声を出しながら守備を整え、チームを鼓舞。後半にはスタンドで応援していた同僚も驚くほどの好セーブを連発してみせた。そして迎えたPK戦では、桐光学園2人目のシュートを左に飛んでセービング。しかし、両足がゴールラインから離れてしまい、主審がやり直しを宣告。橘川にはイエローカードが提示された。

 ルール改正により、PKでのGKは少なくとも片足の一部をゴールラインに触れさせているか、ゴールラインの上に位置させていなければならない。「止めたと思ったけど、タイミングが悪くて先に出てしまった。ちょっと乗っているなと思っていたので、止めて喜んだけど、気持ちが前に出てしまった」と悔やんだ。

 チームはPK4-5で敗戦。準優勝に終わったが、大きな手応えを得て、今大会を終えることができた。「PKは運だったけど、引き分けにもっていけたのは大きな成果。今年、K1では(10チーム中)8位だったけど、このメンバーでやってみて、“いける”と自信になった」。個人としても「視野が広くなった。今までは攻められたらボールだけしか見えなかったけど、ディフェンスとも話し合いながらできたし、この決勝リーグも(3試合全て)ゼロに抑えて、決勝でも無失点だった」と成長を語る。

 これで5日間の連戦が終了。勝負の年に突入する。「収穫はあったし、強い相手とやって、色々な攻め方がある中でどう守ればいいか学べた。これからはいかに失点を少なくしていくか。今後そういうところから考えてどんどんやっていきたい」と意欲をみせる橘川。「個人的には、どんなに攻められてもチームを安定させなければいけない。メンタルの部分でも自分がプレーでみせていけたらいい。チームを後ろから引っ張り、県優勝が最低目標。全国に行きたい」と力を込め、来年の飛躍を見据えた。

(取材・文 清水祐一、取材協力 スポーツマネジメント)
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