btrax

【2024年総まとめ】今年実施されたグローバル企業12社のリブランディング事例とその理由

2024年もそろそろ終わりに近づいている。 今年も多くのブランドが、ロゴのリデザインやリファイン、そして大幅なリブランディングを行った。 その中でロゴのリデザインや、リブランディングを行なった12のブランドを紹介する。 その前に、ブランドやブランディング、そしてロゴの役割などをざっとおさらいしてみよう。 ブランドにおけるロゴの真の役割とは? リブランディングや、ロゴの進化の真のインパクトは、会社の進化と新しいサービスの価値が消費者に受け入れられるかどうかで決まってくる。それがうまくいけば、誰も新しいロゴに文句を言う人はいないだろう。 一方で、期待値に応えられない場合は、新しいロゴと一緒にブランド価値が大きく下がる可能性もある。 現状における新しいロゴは、それ自体のクオリティーや価値に関係なく、新しい時代の明確なシンボルでもある。 それは、最近のネガティブな情勢に対して、より軽く、楽しく、明るい未来を連想させる、ブランドの意思表示としても読み取れる。 優れたロゴを構成する5つの要素 2024年にリブランディングを行った12のブランド それでは本題の今年リブランディングを行ったブランドを紹介する。 1. Figma ここ数年で急激にユーザーを増やしているデザインツールの FIgma。一時はAdobeに買収されることが決まっていたが、独占禁止法に抵触する可能性があり、破談に。 その後、ノンデザイナーにも使ってもらえるツールになることで、より大きな成長に向けて、リブランディングを行なった。ロゴだけではなく、キービジュアルも併せて刷新した。 2. 7Up Keurig Dr Pepper社傘下の7UPの今回のリブランディングは、かなり大規模なイメージチェンジを行なった。おそらく、ここ数年で最も優れたリブランディングの一つだろう。 今回のリブランディングのテーマは、「アップリフティング」な印象を与えること、そしてより現代的なアプローチを取り入れること。明るいグリーンの色調と、レトロスタイルのネオンの雰囲気に加え、数字の7を際立たせるクールな3D効果によって実現されている。 このリブランディングは、見た目が素晴らしいだけでなく、アイコニックな製品に新たな光を当て、特に若い世代のオーディエンスを引きつけることに成功している。 3. Pepsi 7UPのリブランディングに続き、アイデンティティを変更。このリブランディングには、新しいリブランディングは、ペプシの125周年記念のお祝いの一環として導入され、15年ぶりのリブランディングとなった。 新しいペプシのロゴは、過去のクラシカルなロゴからインスパイアされ、より鮮やかな色とスタイライズされたタイポグラフィを使用し、大文字のフォントで構成され、クールで大胆な印象を与えている。 4. Nokia Nokiaは45年ぶりのブランド刷新を行なった。これまでの太字のインパクトのあるものから、よりデジタルっぽい印象のあるデザインに変更。このリブランディングは、Nokiaの戦略的なシフトを反映しており、消費者向けモバイルフォンからビジネステクノロジーソリューションへの焦点移行を示している。 しかし、このデザイン選択は賛否両論を呼んでいて、エッジの効いた角張ったスタイルは、耐久性と信頼性の高いモバイルデバイスを製造していることで知られる企業よりも、AIを専門とするテックスタートアップにふさわしいと評価する人もいる。 5.Eurostar ヨーロッパの鉄道会社、ユーロスターは、2022年にもう一つの人気鉄道会社タリスと合併したことにより、リブランディングを行なった。 リブランディングされたロゴデザインとブランドビジュアルは、この2つの会社をひとつにまとめるとともに、2030年までに年間の乗客数を3000万人に倍増させるという新しいビジョンを体現している。 このリブランディングを手掛けたデザインスタジオによると、この新しいロゴのコンセプトは「ユーロスターに星を取り戻させる」 6. Bumble 米国発のマッチングアプリ、Bumbleは、パンデミック後の大規模なブランド刷新の一環として、もロゴのリデザインを行なった。 「私たちが変わったので、あなたは変わる必要はない」というタグラインのもと、新しいロゴとブランドアイデンティティを刷新。 ぱっと見は大幅な変更は行われていないが、小文字だった「b」を大文字にすることにより、ブランドの成長を表現。また、アイコン部分も六角形を取り除き、よりソフトな印象を与えている。 7. Johnson & Johnson 消費財ブランドのJohnson & Johnsonも大幅なリブランディングを行なった。これまで130年以上も使用されてきたアイコニックなロゴを刷新した。 新しいロゴは、アイコニックなスクリプト体のデザインではなく、最近流行りのシンプルなサンセリフ体のフォントを採用。その結果、ロゴはあまりにも一般的で単純に見えるようになってしまったと言わざるを得ない。 8. Lamborghini ランボルギーニは20年ぶりにブランドのロゴを一新した。これまでの伝説的なエンブレムを踏襲しつつ、デジタル時代に合わせたよりダイナミックでモダンなデザインに変更。このリブランディングは、ランボルギーニがデジタル時代に向けて進化するための広範なブランドの再活性化の一環として位置づけられている。 しかし、このデザイン変更は賛否両論を呼んでおり、伝統的なロゴの魅力を守りつつも、よりデジタルフレンドリーで現代的な印象を与えることが、古いロゴのファンには物足りないと感じる人もいるようだ。 9. LG 韓国の消費者向けテクノロジーブランドであるLGは、ブランドに大きな変更を加えた。最も大きな変更は、3Dロゴから2Dのフラットなロゴデザインへの移行。 この新しいロゴは、現代的なデザインコンセプトとよく調和しており、ブランドにとって必要不可欠な変更だった。ロゴの刷新に加えて、リブランディングは「Life’s Good」というスローガンをマーケティングキャンペーンの前面に出し、ミレニアル世代やZ世代の消費者をターゲットにした。 10. Fanta Fantaも定期的にリブランディングを行なっている。コカ・コーラ傘下のFantaは、そのロゴからオレンジの形状や色を完全に排除し、テキストのみを使った単色のレトロスタイルに変更。 この新しいデザインは、7UPの新しいデザインに使われた多くの要素と共通している。しかし、少し凡庸な感じのデザインでもあり、2008年のカラフルなロゴが持っていた楽しく遊び心のある印象をうまく再現することはできていない。 11. Jaguar 高級自動車ブランド、ジャガーのリブランディング。モダンなサンセリフフォントとホログラムを採用。まるでアパレルやコスメブラドのようなエレガントさと洗練。若さすら感じる柔らかいデザイン。 このリブランディングが発表されるや否や、デザイン業界を中心に膨大な量の批判意見が広がり、ネットを賑わせている。逆にそれが良いプロモーションになったと語る人もいる。実際の消費者調査でも、ジャガーに対するポジティブな印象が23.1%から15.3%へ減少し、ネガティブが21%から40.5%に急増している。 ロゴやビジュアルのアップデートに合わせ、こちらの “Copy nothing”とのタイトルのコンセプト動画もリリースされた。全体に広がるおしゃれダイバーシティー&インクルージョン感が今となっては少し古臭く感じる。何よりも、ジャガーが何を売っている会社なのかすらわからない状態になってしまっているのが大きな問題だろう。 12. btrax そして最後は我々 btraxのリブランディング。 2020年に会社の会社のビジョン、カルチャーバリュー、そしてサービスの内容をアップデートした際に、大規模なリブランディングを行った。 ビートラックスがリブランディングにかけた思い – ギャップを埋めるために – それから4年たち、パンデミックの終了、AIなどのテクノロジーの進化、そして世界を取り巻く社会的な変化を踏まえ、提供サービスの刷新に併せ、ブランドのマイナーアップデートを行った。 今回のアップデートでは主に、利用するタイプフェイス、カラーパレット、そしてキービジュアル要素の更新を行い、アメリカ西海岸のデザイン会社らしい、よりイキイキとした雰囲気を採用。 また、Webサイトはこれまで日本語ページと英語ページで異なるデザインを採用していたが、より共通したサービスを提供することになり、基本デザインの統一化も行った。 今後も、日本国内外の企業のイノベーションとグローバル展開のために、より一層のサポートができればと思っている。 btraxの新しいウェブサイト リブランディングを行う主な理由 さて、そもそもなぜリブランディングをする必要があるのだろうか? 主に下記の理由が挙げられるだろう。 デジタルデバイス普及などの時代の変化 ブランドやサービス価値の変化 ターゲットユーザーの変化 世の中のトレンドの変化 会社のフェーズの変化 主要プロダクトの変化 予算が余ったから

【デザイン進化の20年を祝して】btrax 20周年記念イベントハイライト、業界のトップランナーが集結

btraxは今年、創業20周年を迎えました。この20年間、私たちは日本だけでなく世界中の企業に革新的なデザインとマーケティングソリューションを提供し、その成功を支援してきました。 この達成を記念して、サンフランシスコのLyft本社で「20/20 VISION:  The Evolution of Design」をテーマに特別イベントを開催しました。このイベントでは、デザイン界の有力なリーダーたちが一堂に会し、デザインの進化とこれからの課題や機会について深い洞察を得られるパネルディスカッションが行われました。 パネルには、以下のメンバーが登壇しました: – Dan Harden氏:WhipsawのCEO、創設者であり、主任デザイナーとして1,000以上の製品を市場に送り出した実績を持つ。 – Gadi Amit氏:NewDealDesignの代表兼主任デザイナーであり、過去20年間の象徴的な製品を手掛けたクリエイティブの賢者。 – Brandon Ramos氏:Lyftのシニアプロダクトデザインマネージャーであり、MetaやWeight Watchersなど数々の大企業で20年以上チームを率いた経験がある。 – Jessica Leitch氏:frog North Americaのマネージングディレクターであり、15年にわたってサービスデザインに専念してきた。 パネルの進行役は、btraxの創設者兼CEOであるBrandon K. Hillが務めました。 デザイナーの役割の変遷 参加者たちは、デザイナーの役割がこの20年間で劇的に変化したことに共通の理解を示しました。かつては美しいものを創り出す職人と見なされていたデザイナーが、今や体験やライフスタイル、そしてビジネス戦略そのものを形作る重要な役割を担っています。 デザインは単なる製品開発の一部を超えて、意思決定の原動力となっています。デザインが戦略的資産としての価値を増したことで、デザイナーは企業の中核的な決定に深く関与しています。 以前は美しいものをデザインしていましたが、今ではライフスタイルや体験そのものをデザインしています。デザインはもはや名詞ではなく、動詞のような存在です。– Dan Harden さらに、デザインプロセスそのものも変化してきました。現在のデザインはより動的で協力的であり、単なる製品作成にとどまらず、複雑で多層的な問題に対処することに焦点を当てています。 AIがデザインにもたらす影響 ディスカッションでは自然と人工知能(AI)の話題も浮かびました。AIがデザイン分野で担う役割はまだ始まったばかりですが、参加者たちはその業界への影響について様々な見解を述べました。 AIは人間の創造性や直感を代替するものではありませんが、デザインプロセスの一部を効率化する強力なツールになる可能性があることに意見が一致しました。 「私たちはAIツールのキュレーターや管理者になるでしょう。」– Brandon Ramos 一部の参加者は、AIの創造力における限界や、文化的価値を損なう可能性についての懸念を示しました。しかし、AIを用いてブレインストーミングやプロトタイピングを迅速化し、最終的にはAIの生成物を導き洗練させることができれば、デザイナーにとって進化の大きな機会となるだろうと考える意見もありました。 若手デザイナーへのアドバイス パネル参加者は、これからデザインのキャリアを始める若手デザイナーへの有益なアドバイスを提供しました。重要なポイントの一つとして、創造性とビジネス感覚のバランスを取ることの重要性が挙げられました。 「AIは優れたデザインや創造性の代替にはなりません。システム思考を学び、SFを読んで視野を広げてください。」– Jessica Leitch デザイナーは美にとどまらず、企業の広範な経済的・戦略的目標を考慮することが求められます。システム思考の強固な基盤を築き、創造的な視野を広げ続けることが次世代のデザイナーにとって欠かせないスキルとされています。 さらに、AIが進化を遂げるとしても、パネル参加者たちは人間の創造性や批判的思考の価値を完全に置き換えることにはならないと強調しました。デザイナーは自分自身の独自のスタイルや問題解決能力を磨きつつ、AIを競争相手として恐れるのではなく、創造的なツールとして活用することに集中すべきです。 未来への挑戦と機会 パネルは、デザイン業界が今後直面する課題についてディスカッションの締めくくりを行いました。デジタル化が進む中で、技術の負の側面、例えば画面依存症やデジタルの過剰依存に取り組むことが主要な課題として浮かび上がってきました。 「技術や画面依存に対抗する必要があります。私たちはこれまで人々にアプリを使うよう促してきましたが、今度はその問題を解決することが求められています。」– Gadi Amit 技術の進歩と人間の幸福の調和が必要であることが繰り返し言及され、デザイナーには、思慮深くユーザー中心のデザインを通じて人々の生活を向上させる責任があると認識されています。 未来を見据えると、パネル参加者はデザインがこれからも世界の課題解決の最前線に立ち続ける未来を描きました。社会的・環境的課題に対処し、より持続可能で影響力のある製品を創出するために、次の20年間、デザイナーは批判的に考え、急速に進化する技術に適応する必要があります。 ビートラックスのこれから デザインイノベーションの20年を祝う今、ビートラックスは進化し続けるデザイン業界の最前線でリーダーシップを発揮することに引き続き全力を注いでまいります。私たちの20周年記念イベントは、業界が遂げた驚くべき進歩を振り返るだけでなく、未来への胸躍る可能性を垣間見る機会ともなりました。 過去20年間のデザイン革命の一翼を担ってきたことを誇りに思うと同時に、これからの新たな章に大きな期待を寄せています。 創造性、テクノロジー、そして人間中心の思考が世界を形作り続ける未来に向けて、ビートラックスは更なる挑戦を続けてまいります。私たちは、この先も革新的なデザインソリューションを通じて、企業や社会に価値を提供し続けることをお約束いたします。

【イノベーションの軌跡】私たちの生活を変えた5つのデザイン革命

過去20年で、世界はデザインと製品のイノベーションにおいて驚くべき進化を遂げ、私たちの生活、仕事、テクノロジーとの関わり方が根本的に変わりました。
スマートフォンの普及から生成系AIの最近のブレークスルーまで、これらのイノベーションは、産業や人々の行動に大きな影響を与えています。
ここでは、過去20年間で最も影響力のあるデザインとイノベーションの5つの発展を見ていきましょう。
1. スマートフォンとタッチスクリーン (2007年〜現在)

2007年にAppleがiPhoneを発表したことで、技術と…

【3ヶ月間のインターン中に気づいた】全日本人がサンフランシスコに来るべき5つの理由

誰もが1度は耳にしたことがある都市「サンフランシスコ」。毎年10万人前後の日本人がこの街に訪れている。なぜこの街は日本人に限らず世界中の人を惹きつけるのか。実際にサンフランシスコに来るメリットや魅力とは何か?筆者が実際にサンフランシスコに3ヶ月滞在して感じたことを5つ共有する。

デザインの未来はどうなるのか?〜Btrax Design Dayに懸ける想い〜

WeWorkの倒産やIDEOの日本撤退など、近年、私たちデザイナーやスタートアップを取り巻く環境は大きく変化している。 2010年代に大流行した「シリコンバレー×デザイン」を中心としたデザインとスタートアップのブームは、日本企業のデザイン思考への関心を高めたり、自由なワークスタイルの許容を広げたりするなど、ある種の漠然とした憧れを抱かせることには成功したと言える。 デザインに対する過度な期待値 振り返ると、当時はデザインへの期待が過熱気味で 「デザイン思考を会得すればイノベーションが生まれる」と考える向きも多かった。 しかしその熱狂は裏付けとなる具体的成果を十分に生み出せず「やってる感」の域を出なかったプロジェクトも少なくなかった。 デザイン思考を学んだり、デザイナーの真似事をするだけでは、具体的な結果につながりにくいのも事実。我々もデザイン会社としてその誤解を解き、より正しい理解を広げるための情報を配信したり、定期的にデザインに関するイベントを開催している。 デザインをとりまく環境変化に影響した5つの要因 この短期間でデザインを取り巻く環境が激変した背景には、複数の要因が絡み合っていると考えられる。主な5つの要因は次の通り。 1. ワークスタイルの変化 ここ数年間で最も大きな出来事といえば、世界的なパンデミックの拡大と、それに伴うリモートワークの普及だろう。対面を大好きな日本企業文化ですら、現在ではオンラインミーティングや、リモートワークが一般的である。 それまで「仕事」といえば社員がオフィスに出社するのが常識だった。それがモバイルデバイスの普及やクラウドツールの充実で、シリコンバレー型のコワーキングスペースが普及し、社内外コラボも加速した。WeWorkの台頭がそれを象徴している。 しかし、新型コロナウィルスの拡大で、今度は人と人が対面で会うことすらない状態での働き方が広がる。これは時間短縮や効率向上、フレキシビリティー的にはかなり有利だろう。 その一方で、雑談っぽいディスカッションから面白いアイディアを出したり、スケッチやホワイトボードなどでニュアンスを伝えるのにはかなり不向きになる。 特に新規事業作りやサービスデザインのプロセスでは、人と人が相手の温度を感じながら新らしいモノを生み出すプロセスが不可欠で、完全リモートになってしまった場合、「デザイン」をする方法が大きな課題となる。 2. “やってる感” の限界 シリコンバレーに拠点を置く日本企業は多い。その主な目的は “情報収集” と “新規事業づくり” だ。これは一見すると具体的に何をしているのかが理解されにくい。もしくは、本当に何もしていないのかもしれない。 多くの企業はシリコンバレー地域のコワーキングやアクセレレーターにメンバー登録をし、スタートアップを紹介してもらったり、VCに資金を預け、スタートアップとのコラボを期待する。しかし、多くのスタートアップは大企業とのコラボに興味がなく、その思惑は実現しないことが多い。 拠点を構えていない場合でも視察で訪れる企業も多く、オフィスの写真を撮って満足して帰って行かれる。 そのような活動がどのような結果に繋がったのか?その答えは、現時点ではかなり厳しいものだと言える。 だからこそ、短期間では周りや本社からはどうしても “やってる感” の演出にしか捉えられず、そろそろ売り上げにつながる具体的な結果を提示しないと、肩身が狭くなってくる。 そこで重要になってくるのが、新規事業作りにおけるデザインの重要性なのだが、デザイン思考を学ぶだけでは、やはりこの “やってる感” 以上の結果を生み出すことは容易ではない。思考だけではなく、実践が伴ってはじめて「本当の結果」につながることになる。 3. ユニコーンブームの終焉 ここ数年でスタートアップを取り巻く状況も一変した。その一つがユニコーンブームの終焉だろう。 ユニコーン企業というのは、未上場で評価額が10億ドル以上の企業を指す。上場前のUberやAirbnb, 最近だとOpenAIやSpaceXが該当する。数年前まではユニコーン企業になることが、スタートアップのステータスであり、成功のひとつのバロメーターであった。 しかし、そこには大きな落とし穴があった。評価額の概念が結構曖昧で、業界ブームで実態とかけ離れた高額評価がなされることも多い。冒頭のWeWorkも上場前の2019年時点での評価額は470億ドルにまで膨れ上がっていた。 同様に当時は実態が伴わないスタートアップでもユニコーンになる例が多かった。しかしその結果、AllbirdsやBirdといった新興企業は上場後株安に見舞われている。 そんなこともあり、世界の投資家たちは “ユニコーンであること” よりも、より堅実に売上を上げられるスタートアップに注目をシフトさせており、ユニコーンを目標にしているスタートアップも減少気味だ。そもそも、ユニコーンを目指すこと自体が少し時代遅れな響きさえある。 これは、デザインの側面から見ても大きな変化が求められる。 今までのようにユーザーニーズに対して最適な体験を設計するだけの仕事から、よりビジネス面でも結果の出せるプロダクト作りが求められる時代に入ったことを示している。 4. インフレと円安 ここ数年で一つ大きく変化したもの、それがインフレと円安の状況だ。 この世界経済を取り巻く環境変化は一見デザインにあまり関係ないように思われる。しかし、さまざまな影響がある。 まずポジティブな面。 円安は日本の製品が国外で価格競争力を持つことを意味する。そのため、海外での需要が増加すれば、日本製のプロダクトをより多くの海外ユーザーに使ってもらえる機会が生まれ、そこにおけるデザインの重要性が高まる。 一方でコスト上昇により、プロジェクト予算を圧迫されたり、消費低迷でデザイン需要そのものが変動したりするリスクもある。 人件費も上昇するため、海外からのデザイン人材の獲得の難易度は上がる。これまでのようにカジュアルに海外出張に行くのも難しくなっている。 今後は為替や経済の変動に対する適切な戦略や柔軟性を持つことが、デザイン業界においても重要になってくる。 5. AIの進化 そしてデザインに対する最も大きなインパクトがAIの進化だろう。 人工知能をはじめとする新しいテクノロジーが急速に台頭しており、デザイナーが手作業で行っていた業務の自動化が進んでいる。 例えば、UIデザイン領域では、FigmaやAdobe XDなどのツールがコンポーネント設計やスタイルガイドの自動反映といった機能を持ち、効率化を支援している。 一方で、DALL-EやMidjourneyなどの画像生成AIは、イメージ製作そのものを自動で行えるようになりつつある。この先数年でデザイナーの役割はこうしたツールの管理・活用を中心に移行していく可能性が高い。 これにより、近いうちにデザイナーの仕事内容やデザイン会社の役割が大きくシフトすることが予想される。 具体的にはデザインのアウトプット作業は今後人間が行うことは随分と減るだろう。これはまるで、そろばんを使いこなして計算してきた時代から、電卓で数字を叩き出す時代へ変化するようなものだ。 電卓が発明された後も経理や会計の仕事は残っているし、むしろ需要が高まっている。一方で「計算をすること」自体には価値がなく、それを利用して「どのような価値を生み出すか」に焦点が当てられる。 同じく「デザインをすること」自体の価値はこれからどんどん低下する。言い換えると、デザイン作業のコモディティ化が進む。 その一方で、デザインによって生み出されるビジネス的、そして社会的価値は今度より拡大するのは間違いない。 アウトプットする作業に費やしていた時間やエネルギーを今後はより目標に直結したデザインワークに向けることが可能になるだろう。 これからのデザインの未来はどうなるのか このような時代の変革期において、今後デザインの価値とその役割はどのように進んでいくのだろうか? そんなデザインの未来に関しては、来週12月6日のイベント「Btrax Design Day」にて下記のトピックを含むセッションを通じてお届けする。 1. キーノートスピーチ:Design for the Next Generation AI, インフレ, 円安など、近年稀に見る環境変化においてデザインはどのような価値を提供できるのだろうか?btraxのCEOがグローバル視点で社会と企業にとってより重要になるデザインの役割を具体的にご説明する。 2. 若者に愛されるブランドとは? アメリカと日本のZ世代の本音 生まれながらにテクノロジーやデジタルの世界に囲まれ、これまでの時代とは異なる価値観を持つ若者は今、何を考え、どう暮らしているのか?若者に愛されるブランドや企業とはどのようなものなのか。日本とアメリカのZ世代の生の声を聞きながら、リアルな価値観を紐解く。 3. BtoBレガシー企業が世界に仕掛ける、新たなブランドデザイン オリジナルアニメプロジェクトの本格始動を発表したYanmar。日本の伝統あるBtoB企業が今なぜ、ブランディングに力を入れているのだろうか?キャラクター・IPを活用した新しいブランドデザインの実例から、グローバルなブランド力を高めるために日本企業が活用できるアセットや、認知向上に留まらないブランドデザインの価値を考える。 4. ミニワークショップ 「Playable」をテーマに、アクティビティワークショップを実施。btraxのデザイン思考研修などで実践している内容をアレンジし、“本気で遊ぶ” ようにワクワクしながら仕事に取り組む状態を作るアクティビティを体感いただける。詳細は当日のお楽しみに! 5. AIと人間が共創する新時代のデザイン 生成系AIの登場により、デザインに求められる役割が変わりつつあることは先述の通りだ。生成系AIは、ビジネスやデザインの世界をどう変えたのか?今まさに世界中で法律や倫理面のリスクも論じられている中で、今後どのようにAIと共存していくべきなのだろうか? 6. アメリカ企業が語る、デザインドリブンなカルチャーの真髄とは 「カルチャー変革が急務」と言われる一方で、その価値や意味を理解しないままの取り組みが多いのも事実。実は、変革の鍵は、未来のユーザーに焦点を当てるデザインドリブンなカルチャーにある。デザインドリブンな経営を実践するアメリカ企業の生の声を聞きながら、サービスや意思決定、組織づくりにどのようにデザインの考え方を取り入れているのか、そのヒントを探る。 7. マイノリティ視点がイノベーションを起こす:インクルーシブデザインの力 新しいイノベーションの種として、これまで製品開発のターゲットから除外されがちだった多様な背景を持つ人たちの視点から新たな課題を見つける「インクルーシブデザイン」が注目されている。アメリカのIT企業で関心が高まる「ニューロダイバーシティ」などを切り口に、社会課題を解決するプロダクト創出の手法についてパネルディスカッションを行う。 8. ネットワーキングパーティー カンファレンスの後は、ご参加の皆さまや登壇者の方々、btraxメンバーと交流いただける時間も。ドリンクを片手に軽食をつまみながら、イベントの振り返りやアイディアの交換、新たなビジネスの可能性について語り合いましょう! またこのイベントに来ていただいた方には、btrax初の書籍である「発想から実践まで デザインの思考法図鑑」を筆者サイン入りで贈呈 (学割チケットを除く)。イベント詳細及びチケット購入は公式サイトより。

【btrax初の書籍】第1章:本質的なユーザー理解のために必要なデザイナーのマインドセットとは?

サンフランシスコで創業したbtraxは19年間、デザインに軸足を置いてビジネスを展開してきた。 ビジネスに活かせるデザインに向き合い続けてきたbtrax。このブログFreshtraxも、2008年に解説して以降、15年間継続して投稿を続けており、実は日本語の記事だけでも10,000記事に上る本数を有するオウンドメディアとなっている。 そんなbtraxが、グローバルなクライアントさまと19年間プロジェクトを推進してきたナレッジや、それらを断片的に蓄積し続けたFreshtraxのエッセンスを凝縮した書籍が、btraxから出版される運びとなった。 書籍のタイトルは『デザインの思考法図鑑』。 DX、組織改革、新規事業開発など、ビジネスの新たな取り組みや事業成長にもデザイン的マインドセットが求められる現代。 しかし、部署間、役職間、企業間のギャップなどにより、社内外でスムーズに進行できないという課題が発生することも多々あるのではないだろうか。実際、我々が日々接しているクライアントさまもこうした課題感をお持ちのケースが多い。 こういった課題を解決する足掛かりとなればと、この書籍ではユーザーを理解する〜デザインをターゲットに伝えるまで、包括的なビジネスでのデザインの活用方法をカバーしている。 この一冊を読めば、デザインマインドセットをどのように組織に浸透させ、ビジネスに活かせるかまでわかるようにトピックをピックアップした。 デザイン的思考やマインドセットを社内外のプロジェクトや組織改革に適用したいと考えられているビジネスパーソンの皆さまや、これからのビジネスの現場で活躍できるデザイナーになりたいと考えている皆さまに是非手に取っていただきたい一冊となっている。 書籍の出版にあたり、このFreshtraxでは、今回の記事を皮切りとし、全6回にわたって本の内容を紹介していく。 今回は本の第1章『ユーザーを観る・理解する』の各項のポイントや、ぜひ読んでいただきたいところを皆さんにお見せする。もちろん記事で全てを語り切ることはできないため、より内容が気になった方は本を購入して続きを読んでいただきたい。 第1章の内容はこんな方におすすめ: デザイン思考の「定義・明確化」のステップの基礎を学びたい・おさらいしたい方 新規プロダクトやサービスのユーザーリサーチを効果的に行う上で、事前準備をしたい方 ユーザーインサイトの「核心」をつくことにもっと自信を持ちたい方 デザイナーを目指して勉強をされている方 第1章 ユーザーを観る・理解する 目次 デザイン思考:定義・明確化 デザインリサーチの考え方:生成的調査と評価的調査 デザインリサーチの手法 ユーザーリサーチの考え方:定量調査と定性調査 ユーザーリサーチの手法:ユーザーインタビュー ユーザー理解の本質 リフレーミング 内向的思考 デザイン思考:定義・明確化 デザイン思考。一言で表現すると「ユーザー視点でヒットする商品やサービスを作り出すためのマインドセット」である。今回はデザイン思考の主要5ステップのうち、「定義・明確化」に関して解説。課題定義のために明確にすべき3つのポイントとは? 参考記事: 誰にでもわかるデザイン思考の基本とプロセス ここがちゃうねんデザイン思考。5つの誤解とは デザインリサーチの考え方:生成的調査と評価的調査 この項では、デザインリサーチとはそもそも何か、なぜ必要で、どんな効果が得られるのかに関して解説する。デザインリサーチの基本となる生成的調査、評価的調査のポイント、そしてその調査を行うタイミングなど基礎の概念をおさらいしよう。 参考記事: 実践デザイン思考!量より質を極めるユーザーリサーチ基本のキ デザインリサーチの手法 この項では、デザインリサーチの代表的な手法、マーケットリサーチとデザインリサーチの違いを記載する。 「私情」を探るユーザーリサーチと「市場」を探るマーケットリサーチ。それぞれの調査手段の違いや、リサーチャーとしてぜひ心がけたいポイントなどをご紹介する。 ユーザーリサーチの考え方:定量調査と定性調査 この項では、ユーザーリサーチの基本となる定量調査と定性調査のデータの扱い方や仮説の立て方を解説する。定量調査と定性調査の使い分け方法とは? ユーザーリサーチの手法:ユーザーインタビュー この項は、より実践的なユーザーインタビューの方法をご紹介。インタビュー行う際により良いインサイトを引き出すためのマインドセットやポイントをお伝えする。 ユーザー理解の本質 この項では、ユーザー理解の本質に関して言及する。「ユーザー中心思考」のつもりが「ユーザーの御用聞き」になってしまう状況も実は珍しくない。そんな罠に陥らないために、実証実験をもとに分かった、人間の考え方の癖や、それを元にデザインに反映できることをご紹介。 参考記事: 「誰にも使われない機能を持つ製品」が生まれてしまう2つの理由 スーパーカブとコンコルドに学ぶイノベーションの本質とは リフレーミング この項では、リフレーミングの定義とその効果に関してお伝えする。 リフレーミングとは、解決策の変更ではなく問題自体の再定義に目を向け、全く新しい発想を生み出すこと。解決策に行き詰まったら思い出したい内容だ。リフレーミングから生まれた有名サービス事例とともに解説。 参考記事: リフレーミングとは? – ヒットの秘訣は問題へのアプローチの仕方にある 内向的思考 デザイナーの仕事にはコミュニケーションが大きな割合を占める。外向的なイメージを持たれがちなデザイナーだが、実はそうとは言い切れない。この章では、内向的思考の強みや、デザイナーとして活かせる部分に関してお伝えする。 参考記事: 内向的な人はデザイナーに向いていないのか? まとめ いかがだっただろうか。この記事を通して、少しでも本書の目的や内容の理解が深まれば幸いだ。 書籍は現在Amazonで予約販売を行っている。今回の記事を読んで気になった方は、ぜひ一足早くAmazonで予約購入し、書籍を手に取っていただけたら幸いだ。 書籍のAmazon予約ページはこちら

思い込みを解消して斬新なアイディアを引き出す「聞く」技術とは

AIが発展するにつれて、筆者のようなデザイナーは「手を動かす」部分が減り、「戦略」を考えることが増えていく傾向にあると考えている。 というのも、AI技術によって、ビジュアルデザインや開発が自動化されていくからだ。 もちろん、現状としてクオリティを高めていく際にはデザイナーの最終調整が必要だが、今後よりAIの精度が高まれば、必要でないケースが増えてくるのではないか。 そうなった時に、デザイナーが真価を発揮するのはアイディアを生み出す時だと筆者は考えている。つまり、他者とは違ったユニークなアイディアを発想することが求められる。 この斬新なアイディアを生み出す上で重要なことは、「他者とは違った角度で物事を見ること」であると考える。 つまり、無意識に感じているバイアスを見つけて、そのバイアスをなくすことで、独創性の高いアイディアを生み出すことができる。しかし、バイアスをなくすことはかなり難しい。というのも、そもそも自分が持つ前提や思い込みに気づきにくいからだ。 本記事では、デザインの活動に限らずビジネスの現場においても簡単に取り入れられる、思い込みを解消するための効果的なアプローチの一つ、「聞く」技術を紹介する。 バイアスや思い込みを解消する簡単な方法「聞く」 思い込みを解消する方法として、最も簡単な方法は他者に意見を求め、その意見を「聞く」ことである。 人間は自分のことを把握しているようで把握できていないものだ。 例えば、自分が映った動画を撮って見返すと、想定したものと違っていたという経験はないだろうか。このように、「自分で自分を知る」ことは案外難しい行為なのだ。 それに対して、他者の視点は自分のことを客観的に把握する助けになる。というのも、他者は自身に関する前提情報が少ないため、よりフラットに自身の情報を把握することができるからである。 これが、他者に聞くことで思い込みを解消できる簡単な仕組みである。 特に関係性が遠い人間ほど思い込みの解消度合いは大きくなる。例えば、短い期間で会っている人に比べてあまり会っていない友人や知人と再会した方が「変わった」と感じることが多いのではないだろうか。 このように、現在の自分から遠い人ほど新しいことに気づきやすいく、思い込みを解消できる可能性を秘めている。 「聞く」技術で得られる3つの発見 「聞く」技術を駆使して思い込みの解消を行うことで3つの発見が得られる。 聞く技術で得られる3つの発見 1. 新しい糸口の発見 「聞く」技術を駆使して思い込みを解消することで新しい糸口の発見をすることができる。 つまり、他者の意見や経験に耳を傾けることで、自分の視点では思いつかない、新たな解決策やインサイトを発見することができるのだ。 特にバッググラウンドが違う異業種/異文化の方に話を伺うと違った角度から物事を見つめ直すことができ、新たな発見を得られる可能性を高めることができるだろう。 「新しい糸口の発見」における聞く時のポイント 相手の言動に注意する: 人は話していることが全てではない。 そのため、言葉だけでなく、表情やボディランゲージにも注意を払い、相手の意図や感情を読み取ることで、本人が自覚していない発見をすることができる。 共感とエンパシーを示す: 相手の意見や感情に対して共感し、エンパシーを示すことで、信頼関係の構築を容易にし、より相手が自分の考えや感情を言葉にしやすい状況を作ることができる。 2. リスクの早期発見 「聞く」技術を活用して思い込みを解消することでミスやエラーを早期に発見できる。 もし、自身の思い込みや偏見に気づかずに行動してしまうと、コミュニケーションの齟齬によりミスやエラーの原因となる。 そのため、他者の意見やフィードバックを積極的に聞くことで、自身の思い込みや誤った認識を早期に発見してリスクを回避することができる。 「リスクの早期発見」における聞く時のポイント 正しい情報をクリアに伝える:「主張」「根拠」「事例」に分けて正しい情報をクリアに伝え、フィードバックをもらうことで、自分のミスやエラーを客観的に捉えることが可能となる。 あなたの行動に関わっている人を把握する:ミスやエラーはステークホルダーとの意識の違いによって生じる。そのため、あなたの行動に関わっている人を把握して積極的にコミュニケーションを取ることで、ミスやエラーを早期に発見することが可能になる。 3. 新しい価値観の発見 「聞く」技術を駆使して他者の意見や価値観に耳を傾けることで、自身の価値観をアップデートする機会が得られる。 思い込みを解消し、異なる視点や経験に敏感になることで、より包括的で開かれた価値観を持つことができるのだ。 例えば、最近筆者は「聞く」技術を用いて幸せの定義をアップデートできた。 具体的には、以前までは、努力した結果成功することをを幸せと考えていた。しかし、ビジネスメディアでとある書道家の話を聞いたことによりリフレーミングすることができた。 番組の中で彼は「成功は資本主義が生み出した一時的な幸せであり、変わりやすいものだ(色即是空)」と述べていた。 それから、幸せの価値観が変化し、日々の小さな出来事に感謝する重要性に気づくことができた。 このように「聞く」技術によって、あなたの生活が豊かになることもあるだろう。 「新しい価値観の発見」における聞く時のポイント 関心と興味を示す: 相手の話に対して関心を持ち、興味を示すことでより多くの情報や洞察を得ることが可能になる。 オープンマインドを持つ:相手の視点や背景を尊重し、新しい情報や考え方に対して受容する姿勢を持つことで、自分の固定観念にとらわれずに新しい概念を受け入れやすくなる。 まとめ 本記事では簡単なバイアスをなくす方法として「聞く」技術を活用することで得られる3つの発見とその際のポイントを整理した。 AIが発達している中で、一人で解決できる問題が増え、人と話す機会が昔より減ってきているのではないだろうか。 ぜひ、外に出てあまり合っていない友人や知人と「聞く」技術を用いて会話をしてみてほしい。そこで生まれる新たな気づきは仕事だけでなく人生を豊かにしてくれるに違いない。 Written by Ryusei Anzai, btrax Japan UI/UX Designer, Innovation Researcher

「良いデザイン」とは?GoogleのUX Lead Designerから学んだ5つのこと

筆者にとって初めてとなるサンフランシスコ滞在中、GoogleのUX Lead DesignerであるSteven Ma氏によるUXワークショップに参加した。 参加した理由は主に2つ。一つは単純に、デジタルプロダクトデザインの第一線で活躍するデザイナーの話を聞いてみたかったという理由。 もう一つは、筆者自身もワークショップでファシリテーションを行っているため、ワークショップそのもののデザインとファシリテーションの仕方を見て学びたかったというものだ。 ワークショップの内容としては、これからUXを学んでみたいと考えている人たち向けにデザインシンキングやUX、UIのイントロダクションが中心となるもので、筆者も以前受講、終了した Google UX Design Professional Certificate のコース内容をざっと網羅するものであった。 普段東京でデザイナーとして仕事をしている筆者に、Steven Ma氏は長年のキャリアから得た知見を、快く丁寧にシェアして下さった(さすがに最新のGoogleでの仕事は極秘だったが)。 今回はその中でも特に印象的だった「良いデザインとは?」「良いUXをつくるには?」という問いに対する考え方をシェアしつつ、自分の考えをまとめたい。 良いデザインとは? Steven Ma氏によるとデザインはビジネスであり、良いデザインは、顧客の問題を解決し目標を達成させるものだ。 ビジュアル的な魅力があるものを作ったり、デザインアワードで賞を取ったりすることが大事なのではなく、顧客のビジネス上の課題を解決することがデザインだと言う。 実際に世間的にも、デザインとはただビジュアル的に綺麗なものを作るだけではないという認識は、すでに浸透しているだろう。むしろ顧客は、そのプロダクトがちゃんと機能すれば、ビジュアル的に魅力的かはさほど気にしない。 例として、”Craigslist”というサービスがある。1995年に開始された、目的や地域別に誰でも手軽に広告を掲載できるこのWebサイトは、創業からほぼデザインを変更していない。 ビジュアル的に魅力があるとは言えないこのUIにも関わらず、月2.5億 (250million) 人ものユーザーが利用している。(参考) この事例から言えることは、ユーザーがこのサービスに求めているのは、欲しいものがちゃんと探せて、目的が達成できることだ。ユーザーに体験してもらいたいこと、つまり良いUXを提供できていることが最も重要で、ビジュアルは二の次であるということは、利用者数から見てとれるだろう。 また一方で企業にとって良いUXは、ユーザー数とそれに伴うお金を生み出し、必要なものの開発保守や運営以外に掛かる無駄なお金をセーブする。 企業は、顧客の問題解決を目指しながら、自社のビジネスもサステナブルに回していく必要がある。そのため、サービス提供側にとっても、良いUXの提供は大切なのだ。 ユーザー / 企業双方にとって、良いUXが良いデザインの条件となると言えるが、何も全てのサービスやプロダクトが、ビジュアル的な魅力が不要というわけではないと筆者は考える。 そのサービスが良いUXを提供でき、ユーザー数とそれに伴うお金を生み出せることと、ビジュアル的な魅力があることは同義にはならないということが重要だ。 ビジュアルにどの程度重きを置くかは、そのサービスのターゲットとしている層やコアにしたいUXの設計、作り手の思いによって変化する部分であろう。 実際、ビジュアル的な要素はユーザーの感情に大きく影響する。筆者も、美しいものやかっこいい、可愛いと感じるものは、見ていてワクワクするので大好きだ。 ただ、ビジュアルを含めた様々な要素の優先順位付けをしながら、顧客の問題解決を目指し、リアルな数字を見ながら自社のビジネスを回していく必要があるのだと思う。 良いUXをつくるために意識すべきこと ではここで、良いデザインのために重要な「良いUX」をつくるために意識したいことを5つご紹介していく。 1. 全てはケースバイケース マインドセットとして、「全てはケースバイケース」とフレキシブルに考えられることは大切だ。デザインのセオリー上、良いとされているからといって、全てをセオリー通りにすべきというわけではない。筆者自身も、複雑な内容の業務システムを扱うプロジェクトでは特にそれを実感した。 その際に重要になってくるのがユーザー理解だ。どのようなユーザーが、どんな場面で何を目的にそのプロダクトを使うのか。ユーザーはそのプロダクトの中で、何ができると1番嬉しいのかなどをリサーチを通して探っていく。 筆者もデザイナーとしてユーザーインタビューに参加させてもらう機会があるが、こちらが想定していなかった利用シーンや目的が発見できるため、とても学びが多い。 実際にユーザーの声を聞いたり、クライアントとディスカッションを重ねることで、ユーザー理解を深め、ユーザーが使ってみたくなるようなプロダクトへと近づけていく。 2. チームメンバー1人1人がオーナーシップを持つこと Steven Ma氏は、「プロダクトのために働くのではなく、プロダクトを自分が生み育てている意識が大切だ」と言う。 これは、特に組織が大きくなればなるほど、重要になってくる部分なのかもしれない。様々な役割の人の働きからビジネスはつくられていて、自分の行っていることが何に繋がるのかという、マクロな視点も忘れないようにしたい。 1デザイナーとしてのタスクを抱えつつ、マネジメントも行う彼は、チームビルディングにはコミュニケーションと、人対人の信頼関係が重要だと話してくれた。 やはりという感じがするが、オフラインで1on1を頻繁に行っているというチームの話はコロナ期間が明けて、より耳にするようになった。 弊社は日米にチームがあるためface to faceで話すメンバーや機会は限られているが、最近は日米間の移動が増えてきている。 移動時間が削減できるなど、リモートワークの良さももちろんあるため、上手くハイブリッドワークが活用できると良いと思う。 3.本当にその仕様や変更は必要か? リサーチの結果、ユーザーのインサイトが見えてきたり、「こういう風にしてほしい」といった要望があったりするだろう。 その際は、本当にその仕様や変更は必要なのかを改めて考えたい。その仕様によって(または仕様を変更することで)、ユーザーは何を得て何を失うのか?また、その変更によってビジネス的に得るものは何か?を問う必要がある。 筆者も、リサーチやクライアントとのディスカッションを通して見えてきた要望をデザインに落とし込む際には、なぜそれが必要なのかは意識して考えるようにしている。 要望をそのまま反映すると、複雑なUIに繋がったり、運用を十分考慮できていない部分が出てきたりしてしまう。そのため、他のやり方で「こうあって欲しい状態」を実現できないかを考えていくと、良い着地点が見つかる気がしている。 4.今すぐに行うべきものなのか? あるタスクにおいて、その仕様や変更が必要となった場合は次に、それは今すぐに行うべきものなのかを考えたい。 その事項は、Must(優先度:高)なのかNice to have(優先度:低)なのか?優先順位が高いものが複数ある時はどうするのか? Steven Ma氏によるとその時は直近3ヶ月で取り組むべき、最もインパクトの大きい問題は何かを考えるとのこと。彼のプロダクトマネージャーは、優先順位が高い問題が複数上がってきた場合、ビジネスインパクトの大きさを比較して決めているそう。(「彼女は非常にロジカルな人だ」と言っていた。) 5.データに基づいてデザインする 良いUXをつくるためには、今まで挙げたものに加え、実際のデータに基づいてデザインすることが重要だ。データの存在は大きな判断材料となり得る、ということは言うまでもない。 その機能が実際にどの程度使われているのかについて、ログから分析したり、A/Bテストなどの複数のデザインパターンを用いて、データを比較する。その結果からより効果的なデザインを取り入れていく。 筆者もデータアナリストの方と協働させていただく機会があったが、データがあることでユーザーリサーチだけでは見えてこなかった部分が見えてきたり、ユーザーニーズの裏付けになったりして、その大切さを実感した。 まとめ 今回は、長年デジタルプロダクトのUXデザイナーとして働いているSteven Ma氏の知見をもとに、デザインとビジネスの関係と良いUXをつくるために意識したいことについてご紹介した。 ワークショップ中、彼が何度も「ビジネスインパクト」という言葉を口にしていたことが印象的だった。もはや世界のインフラとなっているGoogle。インパクトの大きさも凄まじいものだろう。 また、一人のデザイナーとして彼のデザインや仕事に対する姿勢など非常に学びの多い時間だった。 今回のサンフランシスコ滞在中では、彼を含め日本のデザインやプロダクトに興味のある方に多く出会った。これからも日米の架け橋となれるよう、デザインを通じてビジネスを支援していきたい。 ビートラックスでは、リサーチをもとにしたユーザー理解に始まり、得たインサイトを活かしたブランドデザイン、サービスデザイン、コミュニケーションデザインを提供している。「デザインパートナー」としての伴走者をお探しの方、プロジェクトのご相談はこちらより。

【学術的に解説】デザインは文系なのか?理系なのか?

著者はサンフランシスコにある大学に通うデザイン科の学生だ。現在Senior Projectと呼ばれる、いわゆる卒業制作の授業を取っているのだが、そこで初心に戻ってデザインの定義について考え直すレクチャーを受けた。今回は、その授業での学びをまとめてみたい。
アメリカの学士号システムについて
まず、アメリカの大学の学士号 (Bachelor’s Degree)は、日本と同様に理系と文系に分けられる。
理系は Bachelor of Science (B.S.) で、文系はBachelor of Arts…

b-side of btrax #5 ユーザーの声を聞き、新たなサービス体験を描くデザインリサーチャーの素顔とは

btraxで働くメンバーをご紹介する「b-side of btrax」シリーズ。 シリーズ第5弾となる今回は、btrax Japanでデザインリサーチャーとして活躍する2人をご紹介します。 グローバルおよび日本市場進出・市場拡大を目指すクライアントさまのサービスやプロダクトを改善するためのユーザーリサーチや、サービスのユーザー価値を可視化するためのデザインワークショップのファシリテーターとして、ワークショップの設計から実行までを担当しています。 今回はデザインリサーチャーとして活躍する2人のバックグラウンドから、btraxへの入社理由、今後btraxで挑戦したいことまで、幅広くお届けします。 btraxではどんな人が働いているの?と気になっている方、ぜひ最後までお付き合いください! Yuma Mitsui / Design Researcher バックグラウンドを教えてください 日本の大学でマーケティングと環境デザイン、そして大学院ではインクルーシブデザインやデザイン思考を専攻しました。 大学院の途中でイタリア・ミラノに留学し、「イタリア流」のサービスデザイン、イノベーションの考え方にも触れることができました。 さまざまな学問領域に触れてきたことで、一つの常識に囚われることなく、常に視点を切り替えながら物事を捉えることの重要性に気づくことができたと思います。 修了後、日本でのデザインファームでのインターンを経て、ハードウェアのデザインを多く手がけるデザイン会社でリサーチャーとして仕事をしていました。 学生生活の途中からデザインを学び始めた身でありますが、デザインの過程のなかでも、ひたすら手と足を動かしながら考えることから、自分を突き動かしてくれる気づきや発想に出会える瞬間に、とても面白さを感じています。 なぜbtraxに入社したのですか? 自分のデザインの範囲を広げたかったからです。 前職のデザイン会社では、乗り物や家電製品など、カタチのあるモノのデザインプロジェクトに多く関わっていました。 その中で、モノとモノ以外とを分けることなく、一連のユーザー体験を重視する案件が増えていきました。 そして、デザインの考え方を活かして新たなユーザー体験を設計すること、そしてより広義に新たなサービスそのものを設計することにチャレンジできる環境に興味が惹かれ、btrax への転職を決めました。 また、ファシリテーションにも多くチャレンジできる機会があること、海外のプロジェクトにも多く関われる機会があるということも大きな魅力でした。 btraxでは具体的にどのような仕事をしていますか? ユーザーリサーチとファシリテーションの仕事です。 ユーザーリサーチは、私たちが生活者(ユーザー)の代弁者になりながら、新たなサービス設計のためのヒントを探す仕事と捉えています。 人々の暮らしを私たちリサーチャーが実際に見聞きすることで、人々がうまく言い表せない願望や悩みの本質、暮らしの中に隠れたルール等を明らかにしていく活動です。 物事をさまざまな視点から捉えることを心がけながら、自分たちのデザインを前進させるインサイトの探求に注力しています。 ファシリテーションを行うプログラムは、教育系のプログラムと、サービス開発の2種類があります。ワークショップの設計、議論の促進や可視化・収束化が主な役割です。 どちらも、参加者の想いを引き出しながら、同時に多角的な視点で問いを投げかけることで、新たなサービスのユーザー価値を最大化することに注力を注いでいます。 btraxでの働きがいを教えてください 常に新たな視点に触れながら、デザインの仕事ができるところです。 プロジェクトはもちろん、常にアメリカ側のメンバーと頻繁にコミュニケーションを取っているので、ミーティングや Slackでは国内外の色々なデザインに関するトピックが飛び交っています。 日本側だけであれば当たり前のこととして流されていきそうな話題でも、アメリカ拠点のメンバーにとっては面白く捉えられることが多いので、そうしたやりとりも自分の発想を広げてくれるスパイスになっていると感じます。 また、様々な業界でデザインの力に期待している人、ユニークな業界で起業を目指す人などと一緒にお仕事ができる機会も多くあります。 自分の生活圏だけでは接点のない人々の暮らしや仕事を見聞きできること、そしてリサーチやファシリテーションの仕事を通じて多様な世界へデザインの力を役立てていけることにも、やりがいを強く感じます。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? まだまだ、デザインの考え方や手法が生かされていくべき業界・世界が多くあると思っています。 取り上げられやすい社会課題だけでなく、多くの人がまだ目を向けられていないような領域に対しても、新たな視点や手法、そしてデザインにチャレンジしていきたいと思っています。 また、デザインの考え方や手法についても、常に学んでいきながら自分自身やチームを成長させていきたいと思っています。 「デザイン思考」を伝える機会も多くあるのですが、そこにこだわりすぎない姿勢、常に学びながら更新させていくことも重要だと思っています。 今興味、関心のあることはなんですか?もしくは、 今ハマっていることを教えてください。 月並みですが、よくカフェ巡りをしています。特にサンフランシスコへの出張時には一日に何軒もハシゴすることもあります。コーヒーの味を楽しむだけでなく、店舗ごとの空間構成を比較したり、そこで過ごす人々の行動を観察しています。 日本国内ではここ数年、友人数人と一緒に、地方の古民家のリノベーションに取り組んでいます。 友人同士で共同利用できるセカンドハウスのつもりで購入したのですが、壁紙を張り替えたり、和室を洋室に変えたり、洗面台をイチから作ったりしているうちに、考えながらより良い空間を作ること自体が楽しくなってしまいました。 国内外で得た空間デザインに関するインスピレーションやスキル(まだまだ日曜大工レベルですが)を、近い将来、空間デザインとそこでの人の体験を考えるデザインの仕事にも活かせたらと思います。 Mari Kimata / Design Researcher バックグラウンドを教えてください 日本生まれ、アメリカと日本育ちです。東京の美大を卒業後、アメリカニューヨークのアートスクールに通いました。 学生時代は、グラフィックをはじめとして幅広くデザインを学び、後半では主にデザイン思考を勉強していました。 もともと画像編集などクリエイティブなことをするのが好きだったため、デザイン科に入学しましたが、デザイン思考というものについては入学当初は言葉すら知りませんでした。 美大に入ってからも教授の授業を受けている中で、「あ、これがデザイン思考なんだ」と知りました。実はゼミに入る前もよくわかっておらず(教授がデザイン思考という言葉をあまり使わなかったため)、「デザイン思考」という言葉よりも、このゼミは面白そうという気持ちで始まりました。 なぜbtraxに入社したのですか? デザインができること、グローバルな環境で仕事ができること、この2つがマッチしたのがbtraxでした。 大学以降ずっとデザインを学んできましたので、デザイン以外の仕事をするということは考えられませんでしたし、幼少期に海外に住んでいた経験も活かせると思ったからです。 日本にもデザイン会社は無数にありますが、デザイン思考的プロセスを使ってサービス開発を行っている会社は少ないので、とても良い出会いだったなと感じています。 btraxでは具体的にどのような仕事をしていますか? 主にデザインリサーチャーとして、ユーザーがどんなことを求めているのか、どうしたら心地よくサービスを使えるかを、ユーザーインタビューなどを通じてリサーチし、考えるということをしています。 自分とは全く違うタイプの人間(ユーザー)が、どんなことを考えて行動をしたり、どんなときにどんな感情になるのか、というのをインタビューを通して知り、分析するのは、とても楽しいです。 btraxでの働きがいを教えてください。 チームメンバーひとりひとりの個性が発揮されることだと思います。バックグラウンドがみな違うので、性格や得意分野もみなそれぞれです。チームメンバーのスキルを掛け合わせてプロジェクトが進む感じがとても楽しいです。 例えば同じテーマで何かをリサーチするにしても、マーケターはマーケター目線でトレンドを捉えていたり、デザイナーはデザイナー的観点で物事を見ていたりと、さまざまな方向から材料が集まり、それが良い具合にまとまると気持ちが良いです。 また、日本チームとアメリカチームが一緒になってひとつのプロジェクトを行うのも、btraxの魅力だと思います。 全体が小さいチームであるからこそ、メンバー間でのコミュニケーションも活発に行われ、国を跨いでいてもメンバーとの距離が近く感じます。(オンラインでミーティングをしていると、いま誰が日本いるんだっけ!?となることもあるくらいに違和感なくメンバー同士が関わっています。) 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? btraxでは日本/海外間でのサービス開発やローカライゼーションを行っていますが、それを引き続き様々なプロジェクトで行っていきたいです。 日本ブランドが海外に展開されること、海外ブランドが日本に入ってくること、どちらも、どうしたら現地の人に受け入れてもらえるようなものになるのかを考えながらサービスを作っていますが、自分自身も常に新しい気づきが多く、ワクワクします。 国が違うと生活スタイルや環境が異なるので、人の考え方やものの感じ方なども異なります。今までの海外経験での感覚や、ユーザーインタビューから得る情報で、どんなものがターゲットにフィットするかを考えています。 今興味、関心のあることはなんですか?もしくは、 今ハマっていることを教えてください。 プライベートでは、様々なジャンルの表現者が集まるためのパブを週末に友人とやっていたりします。アートやデザインの分野だけにとどまらず、様々なクリエイターとお話しできることがとても楽しいです。 あと、日頃からフィルム写真を撮ることが好きですが、最近中判フィルムカメラを手に入れたので、早くそれで撮影したいです。 おわりに 今回はbtrax Japanでデザインリサーチャーとして活躍するお2人をご紹介しました! btraxのメンバーのことを少しでも知っていただけたでしょうか? 今後もbtraxは、日米双方のクライアントさまに対して、デザインの力で国を超えた橋渡しをし、新たなビジネスを生み出すお手伝いをさせていただきます。 btraxについて、より詳しく知りたい方は、弊社のサービス情報がまとまったサービスページをご覧ください。

福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業出身、世界を変えるスタートアップ10選 Part1

『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』とは 弊社が2016年から毎年支援している福岡市主催グローバルスタートアップ育成事業『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』は、福岡市内の起業家やその候補者などを対象とした研修プログラムだ。 参加者の成長や海外におけるビジネスの実現、海外エコシステムとのネットワーク形成を図ることを目的として、国内及びアメリカ サンフランシスコ/シリコンバレーエリアでの研修を行っている。 スタートアップの聖地福岡市に学ぶ、本物の起業家になるための5つのマインドセット グローバルチャレンジ発スタートアップサービス紹介 本プログラムからは過去累計1,000名近くが福岡市内外から参加している。このプログラムへの参加が創業や成長のきっかけとなった方も多い。 今回は本プログラムの卒業生が立ち上げたスタートアップを10社紹介する。資金調達を行い事業を拡大させているスタートアップも多数ある。 今後福岡から世界を変えうる可能性を持ったスタートアップを見ていこう。 福岡スタートアッププログラムに学ぶ起業家に必要な4つの基本事項 Closer collEco workeasy キャンプ女子 dopang Holistia & Co. KAICO empowertec society Medmain Nyans 1. Closer Closerは、2020年度の参加者 樋口翔太氏が立ち上げた、スマートファクトリー化をAIロボティクス技術で支援するスタートアップだ。 Closerは、食品生産ラインにおける人的なリソースの削減に最適化された、小型・簡単操作・高拡張で導入・運用がしやすいロボットシステムを提供している。 小型で移動式のロボットシステムにより、少ないスペースで導入が可能。さらに、洗練されたユーザーインターフェースにより、難しい知識や訓練を必要とせず運用することができるシステムだ。 また、様々なロボットアームに対応したロボットコントローラーにより、多様な食品の事例に対応することが可能だ。 2.collEco collEcoは、2019年度の参加者 濱崎皓王氏が立ち上げたファッションレンタルサービスを提供するスタートアップだ。 国内外の人気ブランドの洋服を誰でも気軽にレンタルすることができる。 collEcoのサービスでは、今季の新作や定番アイテムを、数日間のお試しから月額制の長期利用まで、必要な期間だけレンタルすることができる。 レンタルした服が気に入ればそのまま購入も可能だ。 ユーザーにとってまずはアイテムを試せることで購買への障壁を低くしているだけでなく、ブランド側にとっては、レンタルという形でユーザーに気軽に洋服を試してもらうきっかけを作り、アイテムの価値を肌で感じてもらうことで、ブランドの新規ファン獲得も期待できるサービスだ。 3.workeasy workeasyは、2016年度の参加者 佐治浩一郎氏が立ち上げた、コミュニティサービスを提供するスタートアップだ。 workeasyの提供サービスであるcoromは、誰でも簡単にオンラインの部屋が無料でつくれる会話コミュニティアプリ。目的はないが誰かと話したい、仲間と気楽に集まりたい、そんな時にcoromで部屋を作って仲間と会話することができる。 同じ部屋に入るだけで通話が始まり、ユーザー同士のアイコンの距離が近づくと声が聞こえ、離れると声が聞こえない、というように音量が変わる。同じ部屋に居ながら同時に複数人との会話ができる。 アプリでありながらも、実際に同じ場所にいて会話をする時のような物理的な距離感が得られるのが特徴だ。 そのため、こっちで話して、あっちに話しかけに行く。というように、「そこに居る」ようなリアルな体験ができるサービスだ。 4.キャンプ女子 キャンプ女子は、2018年度に参加した橋本華恋氏と柴垣道宏氏が立ち上げた、キャンプコミュニティ「キャンジョ」を運営するスタートアップだ。 「キャンプ女子」と掲げつつも、女性に限らずキャンプを始めたい全ての方を対象に、キャンプの魅力を伝える活動の企画運営を行っている。 2018年より「キャンプ女子」 としてInstagramの運営をスタート。現在はフォロワー数7万人に上る。 国内最大の女子キャンプコミュニティ運営を筆頭に、キャンプ場運営はもちろんのこと、店舗プロデュースやイベント・セミナーを全国で開催している。 共同代表の二人は、キャンプの歌を歌うキャンジョバンドとしてアーティストとしても活動中だ。 キャンプを通して人々の生活を楽しく彩る活動を提供している。 5.dopang dopangは、2020年に福岡市へスタートアップビザを取得した最初のインドネシア人として移住し、同じく2020年度に本プログラムに参加したTania Mirella氏が、インドネシアと日本を結びつけることを目的に立ち上げたソーシャルスタートアップだ。 dopangの提供サービスであるDENTAYORIは、グローバルなデンタルコミュニティのための、総合的な学習・キャリアプラン構築プラットフォーム。 現在、インドネシアと日本では、それぞれ異なる理由で歯科技工士の不足に直面している。 インドネシアでは歯科技工士になるための学校や教材が不足しており、日本では歯科技工の分野で勉強したり働いたりすることに興味を持つ若者が不足している、という課題だ。 これらの課題を、若手デンタルコミュニティー向けのブレンド型学習と求人プラットフォームが、インドネシアと日本を繋ぐような役割を果たすことで解決しようとしている。 6. Holistia & Co. HOLISTIA Labは、ナチュラル&オーガニックのライフスタイルブランドとして2020年3月にローンチされたブランドだ。 『身体が健康で心も幸福感に満ち、自分のいる場所で輝く』をコンセプトに、感情に訴える香りのフレグランスを主なプロダクトとして提供するブランドだ。 がんを2度経験したオーナーのブーレンゆかり氏(2017年度参加)が、20年間海外でクリニカルアロマセラピー(臨床アロマセラピー)を学び、オリジナルフレグランスの製作と開発に携わっている。 今の自分の心の状態をどこに持っていきたいかに応じて香りを選択することで、心と身体のバランスを整えるフレグランスを提供している。 7.KAICO KAICOは、2019年度参加の大和健太氏が代表を務めるバイオテックスタートアップだ。 同社は、九州大学のオリジナルカイコを利用してカイコの難発現性タンパク質を生産し、創薬に活かす事業を展開している。「学術的な価値を社会の価値へ 農業から工業・商業化へ」をミッションに掲げている。 KAICOでは、カイコからできるタンパク質を低コストかつ大量生産できるプラットフォームを構築。医薬品メーカーや研究者と新しい医薬品の開発を目指している。 開発事例の一つとして、新型コロナウイルス抗体測定サービスを販売している。 このサービスでは、ワクチンを接種後に、コロナウイルスの免疫がまだ保持出来ているかを検査できる。 検査結果は抗体レベルの数値で示されるようになっており、1週間後にスマホ/PCから確認することが可能だ。 8. empowertec society empowertec societyは、2019年度に参加した廣重元子氏が立ち上げた、”We empower women and their family! Empower society!”をミッションに掲げる、女性のメンタルヘルスを解決するスタートアップだ。 働く女性の心身の健康を未然にケアするサービスであるMarberaは、女性のライフイベント(妊活、不妊治療、妊娠、子育て等)や人間関係、パートナー・家族問題によって心身に不調を感じる女性の課題に対して解決策を提供する。 デイリーログによる心身の状態の可視化、専門家への1on1オンライン相談、日常生活での健康行動を促進する情報配信等により、女性が上手に自身の心と身体の健康を守るためのコントロールができるようになるためのセルフケアプログラムを提供している。 9. Medmain Medmainは、2017年度に参加した飯塚 修氏が立ち上げたヘルステックスタートアップだ。 「テクノロジーでいつどこでも必要な医療が受けられる世界を」をミッションに掲げるMedmainが開発したPidPortは、AI技術を用いたがん細胞検出ソフトウェアである。 ディープラーニング(AIの技術の一つ)による独自の技法により、画像化された細胞や組織を短時間でAIが解析し、超高精度かつスピーディーに病変を判断する。 わずか1分という驚異的なスピードで、がんを検出することができる。 10. Nyans Nyansは、2016年度に参加した谷口紗喜子氏が立ち上げた、「全ての猫が生まれてきて良かったと思える世界」の実現に向けたサービス展開をしているスタートアップだ。 同社が提供するニャッチングというソーシャルブリーフィングサービスは、近所のみならず全国に、信頼できる「猫仲間」を作れる飼い主専用Webサービス。 例えば、急な出張や入院時などに、自分の猫を預けたり、逆に近所にいる猫仲間の猫を預かったりすることで、猫に寂しい思いをさせないで済む。 このように、困った時に頼れるネットワークを構築し、「街中の猫をみんなで見守る」ことが当たり前の社会になることを目指し、サービスを提供している。 […]

Z世代の心を掴むインクルーシブ・サステナブルブランドとそのコミュニケーション事例3選

1990年代後半〜2010年代前半にかけて生まれたZ世代。 真のデジタルネイティブともいえるこの世代は、日米それぞれの国で、アメリカ全体の約42%、日本全体の30%の人口規模を占めており、今後の最も重要な消費者セグメントになっていくことが予想される。 Z世代の購買にまつわる特徴 1. あまり派手にお金を使わない堅実派 Z世代はリーマンショックなどの不況や社会不安の経験が影響しており、消費に対して保守的な傾向が見られる。 「将来的に安定した生活を送っていきたい」と考える人が多く、貯蓄や節約に高い関心を持っている。 Z世代が堅実であることを示す一つが、25歳時点で毎月貯蓄に回すお金がどれだけあるかを示したこちらの図。 世代が若くなるにつれて、自由に使えるお金は減るものの、貯蓄額は増加。Z世代は、3世代で唯一、自由に使えるお金を貯蓄額が上回る結果となった。 2. 消費に対する情報収集が活発 Z世代は、Instagram、TikTok、YouTube、TwitterなどのSNSを含め、あらゆるデジタルチャンネルを用いて情報収集をすることに慣れている。 ゆえに、商品の購入を検討する際は、複数のチャンネルから商品の情報を得て、あらゆる角度から吟味する傾向にある。 例えば日本では美容系Youtuberによる「コスメレビュー」動画が人気を集めているが、それはアメリカでも同じだ。 実際に商品やサービスを利用した第三者による口コミやレビューといった「生の声」をもとに、「自分に合っているサービスなのか」、「買って失敗しない商品なのか」をシビアに見極めているといえる。 【総消費は脅威の40%】アメリカのZ世代について押さえるべき5つの特徴 3.「モノ」消費<「コト」消費 モノを所有することに対しての執着が少ないZ世代は、「モノ」の購入ではなく「コト」を購入する動きが見られる。 ここで言う「コト」とは、スポーツ観戦・映画・自分が好きなアーティストのコンサートなどの体験に対する消費のこと。それらへの投資には積極的な傾向がある。(参考) 4. 本質的に自分が共感するもの・価値を感じるものに投資する「イミ」消費 イミ消費とは、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱した概念で、ある商品を消費することにより生まれる社会貢献的側面を重視する消費行動のこと。(参考) イミ消費の一例として、ノンプラスチックなどの地球環境保全につながる商品、無化学・無添加の商品、アニマルフェア・フェアトレードな商品の購入が挙げられる。 特に若い世代から支持を集めており、上記の傾向の一つとして、地球環境の持続可能性を重視する「サステナブル」なブランドへの関心が人一倍高い。 この関心の高さの理由は、今世界で起きている社会問題や環境問題にSNSを通じて手軽に触れる機会が多く、「それらの問題に対する当事者意識が芽生えやすい」ことが1つとして挙げられる。 そのため、個人よりも影響力の大きい企業などの組織や、ブランドにも、彼らの価値観や信念を尊重し、社会的問題に対し何かしらの姿勢をとってほしいと感じやすい。 ブランドの世界観に共感できる、ブランドが目指している世界に共感できる、と感じた商品をより購入する傾向にある。 事実、アメリカのZ世代を対象とした調査ではサステナブルな製品には10%以上の出費をいとわないというデータもある。 5. 多様性を尊重した選択をする SNSに慣れたZ世代は、物心ついた時から多様な価値観に容易に触れることができていたため、自然と個性を尊重し、多様性を認める倫理観・価値観を前提に生きている。 そのため、多様性の需要を表明しているブランドやメッセージングにどの世代よりも敏感で、共感しやすい。 上記の傾向の一つとして、全ての人を対象にすることを表明する「インクルーシブ」なメッセージを発しているブランドへの関心が、他の世代よりも高い傾向にある。 その一例として、Qualtrics社による調査では、Z世代のFacebookやInstagramユーザーの77%が、ソーシャルプラットフォームでジェンダー平等のテーマを推進するブランドを「より好意的に受け止める」ことが明らかになった。(参照) 以上、Z世代の消費行動を5つに分けてお伝えした。 改めて上記の特徴をまとめると、Z世代の消費行動として、商品を購入するときは「たくさんの情報をもとに比較検討し、自分の共感する世界観を発信しているモノやコトに対して、堅実に投資する」傾向を持っているといえる。 今回はそんなZ世代の心を掴んでいる、アメリカ発のインクルーシブ/サステナブルな3つのブランドの、発信しているメッセージと、Z世代に向けた効果的なコミュニケーションの事例をご紹介する。 Z世代の心を掴むアメリカ発のインクルーシブ/サステナブルなブランド3選 aerie ブランドの発信しているメッセージ:女性のエンパワメントとインクルーシビティ aerieはアンダーウェア、アクティブウェア、スイムウェアを中心に取り扱うアパレルブランド。 ボディポジティブとインクルーシビティのキャンペーンを積極的に実施している企業だ。 ウェブサイトに載るモデルには、しわをエアブラシで消すことなどを含め、過度なレタッチを廃止。ありのままの姿のモデルを掲載している。 身体に疾患を持つモデルや、車椅子、オストメイトバッグ、車椅子を使用するモデルも起用し、どんな特徴を持っていたとしても着用の対象となることを示している。 2020年にはAbilitee Adaptive Wearとのパートナーシップを提携。今ではアパレル以外にも、ファッショナブルで機能的なアダプティブウェア(障がいを持った方が直面しがちな問題を解決するため特別に開発された衣服)を提供している。 例えば、ライトブルーとピンクから選べるカテーテルクリップ、カモフラージュグリーンのオストミー用カバーが販売されている。 アパレルブランドならではの特徴を活かして、あらゆる身体の特徴に対してインクルーシビティを体現している好例だ。 消費者とのコミュニケーション:社会活動家をインフルエンサーとしたマーケティング 2014年、aerieは#AerieREALキャンペーンを立ち上げた。そのブランドアンバサダーは、#AerieREAL Role Modelsと呼ばれ、社会に対して声を上げる女性活動家が起用されている。 #AerieREAL Role Modelsとして活動しているのは、セルフケアやセルフアドボカシー(社会的に立場の弱い方に代わって権利を主張すること)を発信する体操選手のAly Raisman、サステナビリティ活動家の​​Manuela Barón、ノンホルモンの避妊用ピルを提供する企業、Sublimaのファウンダー&CEOであり、女性のエンパワメントを発信するKeiana Cavéなど。 このような女性たちがエヴァンジェリストとなり、aerieのアパレルを着用して公式ウェブサイトやSNSで発信を行うことによって、aerieが支持する考え方や、目指す世界を、効果的に消費者に伝えている。 ユーザー、消費者の「欲望」を創造するブランディング3つのポイント Reformation ブランドの発信しているメッセージ:サステナビリティの推進と製造過程の透明化 LA発のブランドReformationは、“Being naked is the #1 most sustainable option. We’re #2.”『何も着ないことが1番のサステナブルな選択だけれど、2番目の選択肢は私たちのブランドの服を着ること。』をミッションに掲げるアパレルブランド。 このヘッドラインだけでもサステナビリティを重視していることが十分に窺える。 事実、同社で2015年以降に生産されている洋服は全てカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させて作られた服)だ。 カーボンオフセットと再生可能な繊維の使用により、「2025年までにClimate Positiveを達成する企業になる」というコミットメントを表明し、ホームページ内でロードマップまで詳細に公開している。(参照) また、Climate Positiveだけでなく、製造工程の透明化や従業員支援にも積極的に取り組んでいる。 衣料品リサイクル企業ThredUpとオンラインパートナーシップを締結し、ブランドやリテーラーが下請け業者に公正な支払いをすることを支持・確約している*。 *カリフォルニア衣料品労働者保護法SB62を支持。これにより衣料品労働者の賃金盗難等を防止できる。 消費者とのコミュニケーション:「あえて」訴求は控えめにした、自然体のセレブたちによる宣伝 ReformationはSNS上での消費者へのプロモーションは実は控えめ。「〇〇キャンペーン中!」「◯%オフ!」のような直接的なキャンペーンを出していないのだ。 その代わりにReformationがSNS上で行っているちょっとした「工夫」をお伝えする。 それは、自然体のセレブたちがReformationの服を着ている写真をリポストしていることだ。 写真は、どれも日常生活の中の自然体な様子で、スタジオで撮ったような写真ではないように見える。 実はこれもReformationの戦略の一つ。セレブたちが日常的にブランドの服を着用しているような様子をアップすることで、セレブがReformationの衣服を「当たり前のように」選んでいるような雰囲気を醸成している。 このようなプロモーション方法をとることで、消費者は「安かったから」「セールしていたから」このブランドの服を選んだという感情ではなく、「自らすすんで」このブランドの服を選んだと思わせる効果がある。 それが結果的には、このブランド自体の魅力を高めることにもつながっているのだろう。 「何も着ないことが1番のサステナブルな選択」というミッションを掲げているゆえ、過剰なプロモーションをしないことがブランドミッションに準じた行動であるという判断なのかもしれない。 過去には、​​テイラー・スウィフトやエミリー・ラタジャコウスキーがReformationのドレスを着て外出している写真がメディアで取り上げられた結果、店舗には長蛇の列、対象のドレスは即完売という事態を引き起こしたこともあるそうだ。 また、ReformationのSNSでは思わずクスッとしてしまうような、短くウィットの効いたキャプションも見どころの一つだ。 Parade ブランドの発信しているメッセージ:サステナビリティとインクルーシビティ アンダーウェアブランドParadeの商品は、80%~95%がリサイクル素材でできている。2023年までに100%にすることを目標としているそうだ。 商品を見てみると、上着に響きにくく日常使いしやすい、シームレスでメッシュ素材を用いたアンダーウェアのラインナップが多いと感じた。 ​​ 毎日肌に触れて消耗されていくものだからこそ、素材へのこだわりは忘れず、リサイクル素材を基本としてをサステナビリティをうまく取り入れているブランドだ。 また、ParadeではリサイクルプログラムSecond Lifeを行なっている。自社だけでなく、どのブランドの下着もリサイクル対象として引き取っている。 人種、体型ともに様々なモデルを起用していることからも、インクルーシビティを尊重していることが窺える。 消費者とのコミュニケーション:SNS広告の効果最大化。ショート動画を用いたマーケティング Paradeはいくつもの動画のシーンを撮影し、素材の組み合わせを細かく変えることで効果検証と改善を行なっている。 以前のInstagram広告において、撮影したイントロは8種類。イントロ以外の動画の部分は同じにして、効果検証を行った。 また、一つのプロモーションしたい下着に焦点を当てたInstagram広告では、着用するモデルの年齢と人種が異なるだけで、他のコンテンツは同じ揃えて公開し、効果検証を行っている。 これにより、Paradeは、多くのバリエーションの動画を迅速に効果検証し、特定の年齢、地域、顧客に合わせて出しわけている。 また、効果検証は動画だけに止まらず、文字コンテンツをもテストしている。ブランドのサステナビリティのメッセージを含む動画広告は特に効果的で、平均より7%高いコンバージョンレートを獲得したことなど、検証によってより効果的に訴求できる方法を探っているのだ。 このようにSNSを主流のプロモーションチャンネルと位置付け、ショート動画の精度をいかに上げるかに注力していることは、Z世代の使用しているチャンネルを有効活用している好事例だ。 また、Z世代の特徴として挙げた「SNS当複数のチャネルを用いて情報を入手し、吟味して商品を購入する」という特徴を鑑みても、SNS広告を戦略的に用いていることえ、効果的にリーチできることにつながると考えられる。 まとめ […]

デザイナーが陥りがちな5つの認知バイアスとよくある失敗例

大学院に進学してイノベーションの研究をしたおかげで、気づけたことがある。 その一つが、バイアスを理解することの重要性だ。 私はUI/UXデザインの仕事を一度離れてイノベーションの研究をするまで、自分が効率化を求めて無駄を排除するような、「柔軟性に欠けた人物」であることに気がつかなかった。 というのも、仕事をしている間に無意識に周りに影響され、先入観(バイアス)を持ってしまっていたからだ。 もちろん、仕事の効率化を求めることは大切だが、創造力が求められる現場だと、このバイアスが邪魔になることも多い。 例えば、新しいコンセプト提案を依頼されたときに、その仕事に慣れている人が効率を重視した方法で行うと、斬新なアイディアが出にくくなる傾向がある。 実際にKim & Ryuの研究によると、経験を積んだデザイナーは、そうでない人と比較して問題のカテゴライズに慣れているため、最初に定義した問題に執着する傾向があることが示唆されている。 このように、仕事への慣れにより、無意識に創造力を下げるバイアスに陥ることがある。 そのため、この記事では創造力を高めたいデザイナー向けに、デザイナーの仕事に慣れることにより無意識にかかりうる5つの認知バイアスと、それらの認知バイアスにかかってしまった際に起こりうる失敗例をピックアップしてご紹介する。 1. ダニング・クルーガー効果 (dunning kruger effect) ダニング・クルーガー効果とは、初心者が少し仕事に慣れて自信がつき、「優越の錯覚」をした時に起こりやすいもので、正しく自己評価できずに、自身を過大評価してしまうことである。 逆に専門家は同じくらいの自信を持っていても、適切な判断ができるのでダニング・クルーガー効果は起こりづらい。 ダニング・クルーガー効果では下記のような曲線図が広く取り上げられている。縦軸が自信の度合い、横軸が知識や経験を表している。 初心者の段階では、知識や経験が増加するにつれて大きく自信が付き始め、「優越の錯覚」にたどり着く。「優越の錯覚」では完全に物事を理解したつもりになり、自分の行動に対して肯定的になる。 しかし、その山を越えてより知識をつけていく過程で、自分の知識と経験はまだまだ不足していることに気づき、自信を失って、「絶望の谷」に陥る。 そしてそれらをさらに乗り越えることで「継続の台地」に至る。この段階は、更なる学びと経験を繰り返しながら、謙虚さと自信の両方を合わせ持っている状態だ。 自分の苦手なこと、得意なこと、知らないこと、知っていることをそれぞれ理解しており、適切な自己評価ができる状態とも言える。錯覚ではない本当の自信がついてくる時と言われている。 ここで重要な点は何に対して初心者であるかだ。 例えば、クライアントワークで今まで経験しなかった領域のプロダクトに携わるとき、クライアントワークという点では専門家であるが、その領域に関しては初心者の状態になる。 そのため、このバイアスは経験豊かな人でもかかり得る可能性が大いにある。 よくある失敗例: コンセプト立案の際に、既存のやり方に固執したことが原因で、新しい視点を持てなくなり、結果的に斬新な提案ができなくなってしまう。 UIデザインの際に他領域の方の声を聞かずに自分の正しいと思った方向に一直線で進んでしまい、偏った考えでデザインの制作をしてしまう。 2. デザイン固着 (design fixation) デザイン固着とは、既存のデザインの特徴に過度に依存してしまい、デザイナーの創造的なアウトプットが制限される状況である。 例えば、仕事に慣れたデザイナーは短時間で高いアウトプットを出すために、一つの要素にこだわる傾向がある。 そして結果的に、幅広いデザインスタイルの検討ができなくなり同じようなビジュアルが生まれてしまう可能性がある。 よくある失敗例: デザイン制作の際に最初のデザインにこだわって幅広い案を検討することができなくなってしまう。 デザインプロセスを進める際に最初に出たアイディアに固執して、方向性を大幅に修正することができなくなる。 3. サンクコストバイアス (sunk cost effect) サンクコストバイアスとは「もったいない」という感情に縛られて、合理的な判断ができなくなることである。 例えば、仕事に慣れたデザイナーがデザインスプリントを行う際に、時間対効果的に「もったいない」無駄なことを避けて、いつも通りのやり方を選ぶ傾向がある。 これにより、失敗はしないが、革新性のあるアイディアもまた生まれにくい。 よくある失敗例: 新しいコンセプト提案をする際に、自身の専門知識を元にした方法に固執し、新しい視点が持てなくなり、結果的に斬新な提案ができなくなってしまう。 新しい機能についてアイディアを発散する際に、時間対効果を高くするために既存のアイディアの発散のやり方で進めてしまった結果、斬新性の低いアイディアになる。 UIデザインを制作してフィードバックをもらった際に、既存の素材を捨てるのがもったいないと思い、大幅にデザインを変更することが難しくなる。 4. 認知的定着 (cognitive entrenchment) 認知的定着とは、ある分野の知識が豊富なために、その知見に固執してしまい、新鮮な視点で物事を見ることがしにくくなってしまうことだ。 例えば、医療分野の経験が豊富なデザイナーが医療に関する新しいサービス案を考えるように指示された時、彼らは経験の浅いデザイナーよりも創造性が低い提案が多い傾向がある。 というのも、疑うべき前提を当然のことのように考えてしまい、革新的なものが生まれにくいからだ。 よくある失敗例: 新しいコンセプト提案をする際に、自分が専門にしていた知識からの引用のようなアイディアが多くなってしまう。 ランディングページを制作する際に、専門用語を無意識のうちに多用してしまう。 5. 同調バイアス (conformity bias) 同調バイアスとは、他者がどう行動するかを参考にして同じ行動をとることだ。 例えば、企業で働くデザイナーはその企業のカルチャーやデザインプロセスに染まり、新しい考え方を持つのが難しくなる傾向がある。結果的に、既存概念を破壊するアイディアを創出しにくくなる。 よくある失敗例: 知らず知らずのうちに所属組織のカルチャーやアウトプットの方法が染み付き、行うべき議論を疎かにしてしまう。 上司のやり方を真似するうちにそのやり方が染みつき、自分のオリジナリティのある考えが減ってしまう。 まとめ チェスの研究では、「プロプレイヤーは既に知っている情報への認知バイアスを防ぐことができないが、一流プレイヤーはできる」と述べられている。 デザイナーの場合もスペシャリストを目指すには、認知バイアスを理解して自分のフレームを知ることが重要になってくると思われる。 そのため自分も、引き続き認知バイアスを学び続けて、デザイナーとしてスペシャリストになれるよう努力したい。 もっと認知バイアスについて学びたくなったら: デザイナー必見!知っておきたい10の認知バイアス マーケティングに役立つ8つの認知バイアスとその活用事例 参考: Kim & Ryu ​​A design thinking rationality framework: framing and solving design problems in early concept generation (https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/07370024.2014.896706) Chess Players Inflexibility of experts—Reality or myth? Quantifying the Einstellung effect in chess masters […]

b-side of btrax #4 デザインの力で日米のクライアントさまをサポートする、btraxのマネージャーの素顔とは

btraxで働くメンバーをご紹介する「b-side of btrax」シリーズ。 第4弾となる今回紹介するチームは、btrax Japanにてゼネラルマネージャー、シニアアドバイザーを務めている2名です。 btrax Japanの会社全般のマネジメント、クライアントさまや外部の方との関係構築、プロジェクトの進行管理、法務、経理など、その業務は多岐にわたります。 今回はお2人のバックグラウンドから、btraxへの入社理由、今後btraxでやっていきたいことまで、幅広くお届けします。 btraxではどんな人が働いているの?と気になっている方、ぜひ最後までお付き合いください! Mitsutaka Kaneko / General Manager バックグラウンドを教えてください 大学は国際政治経済学部で、インターナショナルビジネスを専攻していました。 学生時代の4年間はAIESECという国際的な学生非営利団体で活動したり、アメリカのカーネギーメロン大学に1ヶ月短期留学した経験も相まって、大学時代から国際的な仕事をしたいと考えていました。 社会人になって1社目はインターナショナルに活躍でき、かつ学んできた経営学を活かせると考え、外資系コンサルティング会社に就職しました。 当時はeコマースの先駆けの時代で、インターネットを活用した新しいサービスの立ち上げに関わるプロジェクトを多く経験しました。 2社目では、中国人の社長が設立したITベンチャーに入社し、中国の子会社に赴任したり、社長室長として社長の元で経営を肌で体感し、新規事業の立ち上げや子会社の社長なども経験してきました。 なぜbtraxに入社したのですか? サンフランシスコ、スタートアップ文化、デザインに共感したからです。 2社目の企業に在籍中に大前研一氏が主催するBond-BBT MBAプログラムに参加し、その勉強の中でバージニア大学のSaras Sarasvathy教授が提唱するEffectuation(エフェクチュエーション)という考え方を知りました。 大企業が知っておくべき イノベーション創出に必要な5つの起業家マインド そして、スタートアップやイノベーションに興味があることに気がつき、MBAの仲間と一緒に1週間かけてシリコンバレーのスタートアップを訪問する企画を実施しました。 その企画の中で、実際に訪問した企業の1社がbtraxで、それがbtraxとの出会いでした。 その後、当時のbtraxにはAccount Managerのポジションが必要だったことから、FounderでありCEOのBrandonから声をかけてもらい、入社を決めました。 btraxでは具体的にどのような仕事をしていますか? 入社して最初のミッションは当時サービスを開始していたSFイノベーションプログラムを日本の大企業のニーズに合わせてリニューアルし、より価値のあるメニューにしていくことでした。 そのためには現場に入って実際にプログラム運営にも関わる必要があると考え、最初しばらくはサンフランシスコに滞在してプログラムのファシリテーションも行っていました。 その後、セールス中心のAccount Managerではなく、よりクライアントが価値を提供できるように提案し一緒にその価値作りをサポートしていく役割が必要と考え、現在のBusiness Producer制度を提案し、自らBusiness Producerとして活動してきました。 現在はbtrax JapanのGeneral Managerを務めており、btraxの東京側に関わるマネジメント全般を担当しています。 btraxでの働きがいを教えてください メンバーの海外に対する挑戦を後押しできる環境があるところです。 日本にいてもグローバルに活躍できる会社であると思いますが、社員が海外での仕事などに挑戦したいと考えた時に、挑戦を後押しできる会社でありたいと思っています。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? btrax全体のことを考えて動くことをより追求していきたいです。 btraxは以前と比べてメンバーも増え、会社として実現できることが多くなってきており、ようやく昔描いていた会社像やビジョンを体現できるようになっていると感じます。 今後は日本側のマネジメントだけでなく、日米のオフィスの連携をより強固にしながら会社全体のマネジメントの強化に繋げていきたいと考えています。 今新たに挑戦していることはなんですか? 現在、経営の傍ら、スタンフォードのビジネススクールが提供するLEADプログラムに参加して、世界中の経営者や管理職の方々と学んでいます。 経営やデザインなどの知見を拡げることはもちろんですが、シリコンバレーをはじめとする世界中の方々との人脈も広げていきたいと考えています。 Hidemaru Sato / Senior Advisor バックグラウンドを教えてください 大阪生まれです。高校までは大阪で過ごし、大学生になって東京へ出てきました。 大学では、理工学部で自動制御工学を専攻していました。特に熱伝導の制御についての卒論でしたが、今となってはどうしてこんな堅い勉強をしていたのか疑問です。 そのまま大学院へ進もうと思ったのですが、勉強するならグローバルだ!と思い、アメリカの大学院へ進みました。 大学院での2年間は人生で最も勉強した時期でした。 その甲斐もあって無事に修士課程を修了して、東京へ戻りました。大学院ではコンピュータサイエンスの科目も取っていて、プログラミングに興味を持ったのもこの時期でした。 東京では外資系の大手コンピュータ企業に就職し、当時最先端であったコンピュータグラフィックスのソフトウエアの開発、様々なCG映像の作成に携わりました。 日経から「プレゼングラフのすべて」という書籍を出版したのもこの頃です。 9年間ほどCGのシステムエンジニアとして過ごしていましたが、海外で仕事がしてみたいということもあり、ロサンゼルスに渡りました。 現地では日本企業の駐在員として、家族帯同で10年ほど過ごしました。 その後、米国企業の日本進出ブームもあり東京へ戻って、米国企業の日本法人の立ち上げを数社ほど行いました。 アメリカ法人で働く中で、日米両方の文化と共に、黎明期の最先端のIT技術を体得し、それらの知見を活かして経営に携わっていました。 なぜbtraxへ入社したのですか? オンライントラベルの大手Expediaの日本法人の立ち上げに奮闘していたときに、当時サンフランシスコで新進気鋭のデザイン会社であったbtrax, Inc.のCEO、Brandonと知り合ったことがきっかけです。 Expediaの日本語ウェブサイトの立ち上げおよびローカライゼーションで苦労していた時に、btraxに依頼しました。 その後、Brandonが日本法人を立ち上げた時に、btraxの一員として加わりました。 Brandonが日本とアメリカの企業文化を理解していることが魅力に感じましたし、Expediaの案件での仕事ぶりに感動したからです。 2015年のことですので、すでに7年が経過しました。日本法人の社員としては3人目でした。 btraxでの働きがいを教えてください 魅力的でかつ個性的なメンバーに囲まれて仕事ができることが働きがいになっています。 自分はSenior Advisorという立場で、経営全般のサポートをしています。 様々なプロジェクトでメンバーとしてサポートすることもありますが、大きな役割はExternal Relationです。 つまり、btraxの業務を助けてくれる様々な外部の方々、スタートアップ界隈のメンバー、投資家や業界の専門家などとのネットワークを業務に生かせるようにサポートしています。 また、日本法人の経理や総務、法務といったロジスティックスの部分でも出来る限りのサポートをしています。 働きがいと聞かれても一言では難しいですが、強いて言えば、自分の主義主張、アントレプレナーシップを持っている、魅力的で個性的な若い社員の皆さんと一緒に仕事ができることだと思います。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? Senior Advisorとして、これまで以上に様々な案件でメンバーの相談相手になることと、より素敵で楽しく仕事ができる会社にすることです。 コロナ禍でここ2年間ほどは、在宅勤務が通常になったので、オンラインの良いところ悪いところが明確にわかってきました。 コロナ禍もずいぶんと安定してきた昨今ですので、メンバー各自が業務を遂行する上で最も適切なハイブリッドな職場環境を実現していきたいと思っています。 今興味、関心のあることはなんですか? 学生さんを含めて、日本中にいる起業家候補生の皆さんに、グローバルに通用するアントレプレナーシップをbtraxから発信していくことです。 btraxでは過去6年間にわたって、福岡市主催の起業家育成プログラムの企画・運営に携わってきました。 その経験から多くのアントレプレナーシップを持った方々とのネットワークを持っています。 そのような方々から相談を受けることも多く、楽しく仕事をしています。 「起業や、会社の中の新たな部署での挑戦をするのならまずはbtraxに相談してみよう」と、多くの方々が思うような会社にすることに大きな関心があります。 おわりに 今回はbtrax Japanでゼネラルマネージャー、シニアアドバイザーを務めるお2人をご紹介しました! btraxのメンバーのことを少しでも知っていただけたでしょうか? 今後もbtraxは、日米双方のクライアントさまに対して、デザインの力で国を超えた橋渡しをし、新たなビジネスを生み出すお手伝いをさせていただきます。 btraxについて、より詳しく知りたい方は、弊社のサービス情報がまとまったサービスサイトをご覧ください。 次回はbtraxで、デザインリサーチャーとして活躍するお二人をご紹介します!どうぞお楽しみに!

18周年を迎えるbtraxが、より良いチームであるために取り組んでいる18のこと

いつもbtraxのオウンドメディア、Freshtraxをご愛読いただき、ありがとうございます! 我々btraxは本日、2022年8月9日をもって、創立18周年を迎えました! シリコンバレーという最新鋭のスタートアップがひしめき合う土地で、2020年から続いたパンデミックも乗り越え、18年という年月の間、ビジネスを続けてくることができました。 紛れもなく、日頃よりご支援をいただいている皆さまのおかげでございます。心より感謝申し上げます! btraxは、サンフランシスコオフィスと東京オフィスがシームレスに連携しながら、クライアントさまのビジネスやサービスのグローバル展開のサポートを行っています。 btraxのスタッフは、基本的にリモートでチームと連携しながら業務を行っているのです。 今回は、『18周年を迎えるbtraxが、より良いチームとなるために取り組んでいる18のこと』と題して、日米双方のスタッフから寄せられたbtraxならではチームでの取り組みをご紹介します。 1. 週に一度、日米双方のチームでチームビルディングが行われている btraxでは、日常的にチームビルディングの時間を設けています。 「Weekly Team building」として、毎週決まった時間に日米双方のスタッフが参加し、さまざまなアクティビティを行います。特定のトピックについてディスカッションをしたり、全社に関わるプロジェクトのアイディエーションを行ったりします。 実は今回のbtraxの18周年の企画に関するアイディアも、このチームビルディングの時間から生まれています! 2. スタッフ出張時の特別なチームビルディングも サンフランシスコオフィスでは、東京オフィスからスタッフが出張した際に、特別なチームビルディングを行っています。 卓球をしに行ったり、広いオフィスの空間を活かし、段ボールでロボットを作ってクリエイティビティについて考えてみたり。 また、サンフランシスコという立地にあずかり、ワインの産地として有名なナパを訪れ、ワイナリーツアーを行ったこともありました。 3. 日米の文化に沿ったお題のアクティビティを実施している 日米双方にオフィスを持つbtraxには、日本の文化に興味を持つスタッフも多数。 チームビルディングにおいても昨年末には、サンフランシスコオフィスのスタッフ主導で苺大福を手作りしました。 オンラインミーティング形式でお互いの進捗を実況しながらの苺大福づくりは日本人スタッフにとっても新鮮で、とても面白かったです! 4. USスタッフ主導のJapanese Classが行われている こちらもチームビルディングの一種。サンフランシスコオフィスのスタッフたちによるJapanese Classをご紹介します。 同じくサンフランシスコ側で働く日本語を話すスタッフがリードし、英語ネイティブのスタッフたちに英語のレッスンをしています。 最近では、ミーティングの終わりに、アメリカ人スタッフからも完璧な発音での「お疲れさまです!」という声が聞こえるようになりました。 5. Donutを用いたCoffee chatが小さなグループで実施されている Slackと連携できるDonutというサービスを使い、さまざまなスタッフたちとランダムで1on1をする機会も設けています。 普段よく話すスタッフはどうしても同じチームのメンバーに限定されがち、といった状況を変えてくれるサービスです。 プロジェクトや業務では、あまり協業することが少ないスタッフともコミュニケーションを取るチャンスになっています。 6. 多様なSlackチャンネルがある 普段からSlackを通じて業務に関するコミュニケーションをしているbtraxですが、そのチャンネルもバラエテイ豊か。 業務以外に関するものでも、スタッフ全員が気軽に情報をシェアする雰囲気があります。 例えば、#photraxと呼ばれるチャンネルには、オフラインワークショップやイベントの様子から、ためになるインフォグラフィック、今日のランチまで(!) 日々いろいろな写真がシェアされています。 また、その他にも #newsや#randomというチャンネルでは、スタッフ各々が気になったことをシェアし、インプットの場となっています。 7. サンフランシスコオフィスでHappy Hourが実施されている コロナ禍の状況が徐々に好転し、規制が緩和されてきたサンフランシスコオフィスでは、オフィスでの定期的な”Happy Hour” を再開しています。 社外の方もご招待し、実際に対面でお会いして話をすることで、良い情報交換や関係構築の場になっています。 広いオフィスですので、人数が集まってもあまり心配はいりません◎ 8. 東京オフィスでは2ヶ月に1回のペースでチームギャザリングを行なっている サンフランシスコオフィスのみならず、東京オフィスでもチームビルディングは抜かりなく実施しています。 btraxが入居しているオフィスはルーフトップつき。天候に恵まれた時期は、屋上に集まり、お互いの近況をキャッチアップをしつつ軽く乾杯します! 9. ハロウィンパーティーの仮装は毎回全員が本気で行なっている イベントには本気なbtrax。特にハロウィンは毎年本気で行います。 コロナ禍以前はオフィスにて仮装パーティーを行っていましたが、コロナ禍でもその勢いは衰えず、過去2年はオンライン仮装パーティーを実施してきました。 どのスタッフも自身の仮装のみならず、オンラインならではのミーティングのバックグラウンドにもこだわっています;) 10. マネージャーほどパーティーやイベントごとに本気 ハロウィンパーティーのようなイベントごとは、若手のスタッフが先導して行なっているのかと思われるかもしれませんが、btraxではマネージャー層も(むしろマネージャー層の方が!?)イベントごとに本気なのです。 2021年に行なわれたPride Monthをお祝いするショート動画ではなんと、CEOやマネージャー陣がリップシンク(口パク)で熱唱する姿が。 年次関係なく全員が楽しむときは楽しむ、仕事をするときはしっかり仕事する、メリハリをつけています。 11. 毎週、スタッフがスタッフをカルチャーリーダーとして表彰している btraxでは全員が集まるという意味でAll Handsと呼んでいる、全スタッフが集結する毎週月曜の朝会。 その際に、司会進行を務めるスタッフが、btraxのカルチャーバリューに沿った行動をしていると感じたスタッフを選出して、その理由とともに表彰しています。 btraxはプロジェクト単位で仕事をすることが多いため、違うプロジェクトに従事するスタッフの頑張りはなかなか見えづらいもの。 毎週司会進行を務めるスタッフが変わるので、それぞれの視点から見たスタッフの努力を知ることができます。 もちろん自分が選ばれた際は、自分の行動を見ていてくれた人がいたのだと嬉しい気持ちにもなります! 12. “Workiversary”をお祝い “Workiversary”とは、btraxで働き始めた日のことを言います。 勤続年数が更新される時にはSlackでお祝いのメッセージが!自分でもなかなか気がつかないからこそ、他のスタッフに言われるとより一層嬉しいもの。 btraxで働いた1年間を振り返るきっかけにもなっています。 13. 社内でワークショップを開催している 普段デザインチームが使っているツールを他チームのスタッフと一緒に使ってみたり、Linkedinの教材を全員で観てディスカッションしたりしています。 つい先日は、WebflowというWebサイト作成プラットフォームで実際にWebサイトを作成するプロセスを知るワークショップを、サンフランシスコオフィスのリードデザイナー、JCの主導で行いました。 14. 新しいスタッフはプレゼンテーションを実施する btraxに新しく入社したスタッフは、毎週金曜に行われている30分のチームビルディングで、簡単な自己紹介のプレゼンテーションを実施します! 発表した後はスタッフが気になったことを質問していきます。 しかし質問タイムを待たず、発表している途中からチャット欄は「そこ私も行ったことある!」「なぜ〇〇が好きなの?」といったようなコメントや質問でいっぱいに。 既存スタッフが新しく入ったスタッフのことをよく知ると同時に、新しく入ったスタッフにとって初めて顔を合わせるスタッフと話すきっかけにもなっています。 15. 日米をまたいでイベントを開催している btraxが主催するイベントは、東京オフィスで開催するイベントにサンフランシスコオフィスのスタッフが登壇したり、反対にサンフランシスコオフィスで開催するイベントに東京オフィスのスタッフが登壇したりすることもあります。 今年5月にサンフランシスコオフィスで行なったオンライン・オフラインのハイブリッドイベントでは、運営やプレゼンテーションの準備ともに、日米双方で協力して行ないました。 来てくださる方により貴重で新鮮な情報を届けられるよう、btraxでは今後もさまざまなイベントを企画して参ります! ぜひ遊びにいらしてください。 16. サンフランシスコオフィスと東京オフィスがシームレスに連携してプロジェクトを行っている btraxではサンフランシスコオフィスと東京オフィスが別々にプロジェクトを担当しているわけではなく、双方のオフィスのスタッフでプロジェクトを進めることも多くあります。 時差の関係で、双方のオフィスのスタッフが集まるミーティングは、東京の午前中、サンフランシスコの夕方の時間帯に実施して進捗の確認やディスカッションを行なっています。 また、話し合ったり即時に連絡を取れる時間が短い分、Slackを通したテキストコミュニケーションをより大切にしています! 17. プロジェクト完了時にはチームスタッフ全員でレトロをしている btraxではプロジェクトが完了したら、プロジェクトチームのスタッフ全員でレトロ(振り返り会)を行います。 プロジェクトでのハイライトと改善点、気になったことやアイディアを出し合い、次回以降のプロジェクトに活かすためにディスカッションを行います。 プロジェクトが完了する度に、より良くプロジェクトを進めるにはどうしたらよいかを考えることで、クライアントさまにより満足いただけるサービスを提供できると信じています。 18. 他チームへの尊敬のマインドセットがある btraxでは、デザインチーム、マーケティングチーム、エンジニアチームなど、それぞれのチームがそれぞれの専門性を持って仕事をしています!ですので、仕事をするときは他チームとの連携が必須。 […]

b-side of btrax #3 グローバルに羽ばたくサービスを創り出す、btraxのデザイナー&エンジニアの素顔とは

btraxで働くメンバーをご紹介する「b-side of btrax」シリーズ。 シリーズ第3弾となる今回は、btrax JapanのUI/UXデザイナーとエンジニアをご紹介します。 btraxのUI/UXデザイナーとエンジニアは、大きく分けると自社内向けの業務とクライアントワークの2つの業務を担当しています。 ① btrax自社内向け業務 デザイナー、エンジニアともに、btraxのコーポレートサイトのデザインとその実装に取り組んでいます。デザイナーがビジュアルや挙動含めデザインしたサイトを、エンジニアが形にする、といったように連携して業務を行なっています。 また、デザイナーは、btraxから発行している会社概要PDF、E-bookなどのコンテンツや、プロモーションの際に必要となるバナーなどの制作も担当しています。 ②クライアントワーク クライアントワークでは、デザイナー、エンジニアともに、アメリカから日本市場、もしくは日本からアメリカ市場に参入を目指す企業やブランドのサービス/プロダクトのリデザインをサポートするプロジェクトに入ることが多くあります。 クライアントさまとコミュニケーションをとりつつ、プロジェクトの成功に欠かせないデザインアウトプットと、その実装に取り組んでいます。また、より良いサービス体験の実現に欠かせないユーザーインタビューを担当することもあります。 プロジェクトの開始から完了まで、クライアントさまの意図を汲み取り、より良いアウトプットを作り上げるべく、積極的に提案をしながら日々の業務に取り組んでいます。 今回はそんなUI/UX DesignerとEngineerのメンバーを1名ずつご紹介します。2人のバックグラウンドから、btraxへの入社理由、今後btraxで挑戦したいことまで、幅広くお届けします。 btraxではどんな人が働いているの?と気になっている方、ぜひ最後までお付き合いください! Hironori Aihara (UI/UX Designer) バックグラウンドを教えてください ​僕は高専でデザインを幅広く学び、卒業後大学へ編入し、インダストリアルデザインを学びました。 デザインに興味を持つ以前は、どちらかというとロボットなどの機械が好きで、夏休みの自由研究で電子工作をしていたほどでした。その当時は、技術こそ全てだ!というような考えを持っていました。 しかし、iPhoneの登場によってその考えを改めることになりました。 なぜiPhoneが優れているのかを高専の見学会で先生に伺ったところ、「技術もだけどデザインも優れているよね」とおっしゃったことがきっかけで、デザインに興味を持ち始めました。 なぜbtraxに入社したのですか? グローバルな場でデザインをしていきたいと思ったからです。 iPhoneがきっかけでデザインに興味を持ったというのは前述した通りですが、グローバルな場でデザインをしようと思ったきっかけとしては、高専の先生の影響が大きいです。 その先生は、サンフランシスコのデザイン会社で働いていた方で、デザインの奥深さや面白さを誰よりも熱く語られていたことをよく覚えています。 その先生の授業では、デザイン思考を主に扱っていたのですが、そこで話されていた「デザイナーではない人もデザインに加わる」というプロセスに魅力を感じました。 また、その授業では「多様なバックグラウンドの人同士のコラボレーションで生まれるデザイン」が繰り返し紹介されており、その魅力に惹かれ色々なバックグラウンドの人とデザインをしたいなと思うようになりました。 こういった一連の経験によって海外に目を向けるようになりました。 btraxでは具体的にどのような仕事をしていますか? WebやUIなどのヴィジュアルデザインからサービスやUXといった上流のデザインまで全て行っています。 特にbtraxでは、日本のクライアントさまと共に、アメリカ市場やグローバル市場に向けたサービスの開発などを行うことが多いため、アプリも英語圏に向けたものが多くなります。 最近ではプロダクトマネージャー的な立ち回りや、エンジニアやリサーチャーと話し合いながら、アプリケーションのグロース戦略のためのロードマップ作成、UXのアップデートを行うような仕事も経験させてもらっています。 もともとプロダクトの存在意義を考えるのが好きなので、サービスの提案フェーズから参加できることがとても楽しいです。 btraxでの働きがいを教えてください。 前述したように、プロダクトの初期フェーズから関われることは働きがいの一つです。 また、いわゆる大企業のクライアントさまとお仕事をさせていただくことが多いので、既にある成熟されたプロダクトやリソースを活用しつつ、どうすればより付加価値を加えられるかを考えることが面白いと感じています。 また、btraxの仕事の特性上サンフランシスコへの出張もあり、そこで現地の方にチームで簡単なインタビューをするなどして、カルチャーの違いを感じながらデザインを行うことも、とても楽しいと感じます。 特に自分の価値観では理解できないような新しい価値観を持った方に会うとある意味ショックを受けたりもしますが、それも含めてワクワクします。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? 弊社はサービスデザインの文脈において、最終的なアウトプットがデジタルプロダクトになることが多いのですが、フィジカルなものへも挑戦していきたいとひっそりと思っています。 また、良いサービスを提供するにはそのサービスの提供方法も重要だと考えています。そこでデジタルでいくべきか、フィジカルでもアプローチするべきかを状況次第で冷静に判断して選択し、デザインすることが今後は求められていくのかなと思っています。 今、興味・関心を持っていることを教えてください。 デザインとは関係ないものだと、タコスとブリトーにハマっています。サンフランシスコで食べたタコスとブリトーがとても美味しくて、3日に1回は食べていました。 あまり日本では見ないというのもありますし、添えてあるハラペーニョがとても美味しいんです。いつか自分でも作ってみたいと考えています。 また、デザインに近い分野で言えば、サンフランシスコに行った時に街の広告の写真を撮ることにはまっています。 以前僕がちょうどサンフランシスコにいた時は、Black Lives Matterの運動が加熱していた時だったので、差別を批判する広告をUberが出していたり、また別の場所ではAirbnbがコロナウイルスのワクチンの完成を祝う広告を出していたりしました。 これらのように、社会に対して、広告でメッセージを伝えるという行動がとても良いなと感じています。また、広告の意義について考えさせられる、とても興味深いものが多いと感じています。 Shuhei Yoshida (Software Engineer) バックグラウンドを教えてください。 日本生まれ、日本育ちです。子供の頃から物作りやロボットのような先端技術に興味があったので、大学では情報工学を専攻し、ロボット研究をしていました。 主にサッカーロボットやレスキューロボットを研究しており、国際的な競技大会にも参加し、国内外の人々と交流する貴重な機会を得ることができたと感じます。 大学時代のロボット研究を通じてソフトウェア開発の面白さを知り、また、自分で物を作る実感が欲しかったため、自社製品のあるソフトウェア開発会社に就職しました。 そしてそこでは、ソフトウェア開発者向けのツール開発に携わっていました。 なぜbtraxに入社したのですか? 前述の通り、前職ではツール開発が主な業務でしたが、自社製品としてソフトウェア開発を行う中で、ユーザーに使いやすいもの、より良い体験を提供できないかということを考えるようになり、UI/UXデザインにも興味を持つようになりました。 また、海外で働くことに興味があったので、まずは英語をちゃんと習得しようと、退職しサンフランシスコに語学留学をしました。そして、その時に語学学校のプログラムとして、btraxでインターンをさせてもらう機会がありました。 btraxは日米それぞれにオフィスがあり、毎週、日米をまたいで交流するアクティビティの時間内で、様々なトピックに関して話し合ったり、ワークショップをしたりしています。 そのため、コロナ以前からオンライン会議を積極的に利用しており、コロナでZoomが話題になった際にも新しいテクノロジーの導入に積極的でした。 インターン中にこうしたbtraxのカルチャーに触れ、これまで日本で働いてきたものとは違う経験を得られると思い、btraxの一員とさせてもらうことにしました。 btraxでは具体的にどのような仕事をしていますか? 主にWebサイトの開発などでソフトウェアエンジニアとして、デザインチームが作ったデザインを形にすることが多いです。 また、一部のデザインではそのプロダクトを実現する上で、システムの構成やソフトウェアの実現性といったエンジニアとしての観点から意見を出し、デザイナーをサポートすることもあります。 こういった形で、かなり密に日米双方のデザイナーと関わり、それぞれのデザインの違いを間近に見ることができています。 他の業務としては、社内の業務改善、作業効率向上のため業務アプリケーションツールの連携や、新しいツールの選定などにも関わることが多く、新しいテクノロジーを積極的に試すことができます。 btraxでの働きがいを教えてください。 日米で好まれるデザインの違いを間近で見られるのが面白いです。 Webサイトのデザインを例にすれば、一般的に日本ではプロダクトの詳細な説明文や多くの画像を載せ、ユーザーに十分な情報を提供することが好まれます。 btraxサンフランシスコで働くデザイナーが語る、デザインにまつわる3つの日米差 対してアメリカでは、イメージやストーリー、インタラクティブなUIで、プロダクトのブランドや雰囲気の体験などを通じてユーザーに訴えるものが多いと言えます。 ひとつ具体例をあげるとトヨタとテスラを挙げることができます。 それぞれ異なる戦略でデザインされており、全く異なる印象を受けます。 また、テスラは日米で同じようなデザインのホームページですが、メルカリやマクドナルドなどは日米でデザインのコンセプトが違います。 btrax内でこうした各社の戦略やデザインの違いが話題に上がることもあり、こうした日米デザインの考え方を知ることができます。 また私自身の体験として、ある日本のクライアントさまの新製品をアピールするWebサイト開発プロジェクトに参加した時のことが挙げられます。 当初アメリカ的な雰囲気重視のWebサイトのデザイン案でしたが、日本のユーザーに対する訴求力が足りないという議論が起き、製品を説明するコンテンツを増やすことになり、デザインを練り直すことになりました。 私もデザイナーではないものの、議論に参加させてもらいました。そして最終的に、日米の長所を兼ね備え、ちょうどよいバランスを保ったデザインになりました。 こうした日米カルチャーの要素を持ったデザインの作成過程に参加できるのは、なかなかできない体験だと感じます。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? クライアントさまのためにアプリ開発をすることはありますが、btraxでの自社開発として、何かアプリ開発ができると面白いなと思います。 他には、ソフトウェアエンジニアとして国内のIT化/デジタル化の遅れている企業/地方自治体などにもっとテクノロジーの導入を促せないかと思うことが多々あります。 そこに、btraxならではのデザイン思考を組み込んだデジタル化のマインドセットを、企業・地方自治体に提供するような機会を持てないかと思案しています。 今興味、関心のあることはなんですか? 個人的にDALL-E 2, GPT-3のようなAIテクノロジーの発展に注目しています。 簡単なテキストから様々な画像を生成できるDALL-E2などは、デザイナーの仕事を奪うのではと言われることもあります。 ですが、デザイナー、エンジニアがそういった新しいテクノロジーをどう活用できるのかという点はとても興味深いテーマだと考えています。 まとめ 今回はUI/UXデザイナー、エンジニアとして活躍する2名をご紹介しました! btraxのメンバーのことを少しでも知っていただけたでしょうか? 今後もbtraxは、日米双方のクライアントさまに対して、デザインの力で国や国を超えた橋渡しをし、新たなビジネスを生み出すお手伝いをさせていただきます。 btraxについて、より詳しく知りたい方は、新しくなった弊社のコーポレートサイトをご覧ください。 次回はbtraxでマネージャーを務めるお2名をご紹介します!どうぞお楽しみに!

btraxのデザイナーが考えるクライアントコミュニケーションの5つのコツ

デザイナーの仕事は、実は「デザインをしていない時」こそが重要であると筆者は考えている。 というのも、もちろん成果物も重要であるが、その手前で、どんな手順を踏んでそのアウトプットまで辿り着いたかも重要であり、むしろそういった過程こそが、最終的なアウトプットのクオリティに大きく影響を与えると感じている。 特にデザイナーがクライアントワークに入った場合、成果物の完成度は、技術的なデザインのクオリティの高さだけでなく、クライアントからの期待にどれだけ応えられたか、という側面にも大きく左右されるのだ。 筆者もデザイナーとして、クライアントワークでデザイン業務をすることが多い。しかしこの記事では、クライアントワークの過程で気がついた、デザイン業務以外でデザイナーが気をつけるべき点を紹介していく。 プロジェクトゴールの見直し デザインプロセスの設計と説明 言葉の認識確認と辞書作り レビュー会の適切な運営 社内での咀嚼の時間 1.プロジェクトゴールの見直し クライアントへの提案時はもちろん、提案後、実際にプロジェクト化し、プロジェクトが始まる際といった早期のタイミングでもゴールの見直し、再確認は行うべきだ。 具体的には定義されている課題やゴールは適切かを確認する必要がある。 クライアントが設定してきた課題やゴールが適切かを改めて自分達で問うことで、課題の背景に興味を持つことができる。 クライアントにも確認をとりながら課題の背景を知っていくことで、クライアントから受け取った資料の文字情報や会議の会話では見えてこなかった部分が見えてくる。 場合によっては課題のリフレーミング(再定義)を行うことで、より最終的な成果物が効果的なものになると考える。 リフレーミングとは? – ヒットの秘訣は問題へのアプローチの仕方にある 気をつけなくてはいけないのが、これはあくまでも「見直し」であり、場合によっては他の方法を提案しようというものであり、必ずしもクライアントの意見を否定したほうがいいというわけではないということだ。 デザイナーにはクライアントからの要望を冷静に見定めていく客観性が求められ、もし課題そのものが間違っていると感じるのであれば、その理由をしっかりと言語化をしクライアントに伝える必要がある。 2.デザインプロセスの設計と説明 デザイナーの考えるプロセスを、デザイナーではない人にも理解してもらうことは、仕事に対する納得度と相手からの理解度を得るためにもとても重要な作業である。 大概の現場において、デザインの教科書に載っているプロセス通りに事が進むことは少ない。 ゆえにデザイナーはプロジェクトごとにプロセスの最適化が必要である。 この時、そのアレンジしたプロセスがデザイナーの独りよがりなものにならないためにも、クライアントにそのプロセスの意図をわかりやすく説明することはとても重要だ。 相手にわかりやすく伝えようとする行為は自身の提案する各プロセスがどんな意味を持つのかを自分でも改めて客観的に理解するのにも役に立つのではないかと感じている。 デザインプロセスを筆者がクライアントに説明する上で、気をつけていることが3つある。 1つ目は専門的な言葉やカタカナ語など特定の業界の人が使いやすい言葉を避けること。また、使わざるを得ない場面であればその単語を説明する一言を付け加えることである。 最近はデザイン系の言葉が一般にも認知されてきてはいるが、なるべくデザインの専門用語も避けるべきだと思っている。 2つ目はスライドに図を使ったり、スライドに載っている図や文章でクライアントが理解できていない場合は、FigmaやMiro上でその場で新たに図を作成して説明する。 3つ目は、人によって解釈が違いそうな言葉を使う際には、その言葉と意味が混在されやすい別の言葉を比較し、今回使いたい言葉の意味をはっきりとさせる。 このように相手がデザインに関する知識が無い前提に丁寧に言葉遣いや説明の方法を気をつける必要があると考える。 3.言葉の認識と辞書作り クライアントによっては、その会社ならではの専門用語や略称があったりする。 そういった言葉については、わからないときははっきりと意味を聞き、その言葉と定義をまとめたプロジェクト用の「辞書」となるものを作っておくのがおすすめだ。 そうすることで認識の齟齬を防止し、表記の揺れをなくすための対策になる。 さらに可能であれば、普段のクライアントの言葉遣いを真似ることをおすすめする。 そうすることで彼らとのコミュニケーションがスムーズになり、結果として認識の齟齬が少なくなる。 また、クライアントに自分たちがプロジェクトのことを十分に理解しているという安心感を持ってもらえるようになる。 ちなみにビートラックスでは、プロジェクトにおける辞書作りの一つの方法として、付箋にわからない言葉を意味を聞いたのち、付箋でまとめて一目で見直すことができるようにしている。 スプレッドシートにまとめるより見やすく、後からグルーピングもしやすく、領域ごとの言葉の整理ができるからである。 4.レビュー会の適切な運営 これはデザインをした後の話だが、クライアントとのデザインレビューとその事前準備も重要だ。 レビュー会は、クライアントが求めることと自分たちの現状の進捗の差分を話し合いながら把握できる貴重な時間である。 そのため、話し合いで議論すべきポイントが事前に絞られ、検証したいことがクライアントにも十分に理解されていることが重要である。そうすることで少ない時間でクライアントから欲しい意見を引き出すことができる。 そのためには前提として、2で紹介した【デザインプロセスの設計と説明】によってそのプロセスへの理解を常に得られていることが重要だ。 筆者は定例会議で今現在のプロセスで行っていることを資料の最初に入れておき、毎回の会議の初めに確認する時間を作っている。少しくどいと思われるくらいに丁寧に表現した方が、クライアントにとっては結果的に効果的だと実感している。 しかし、そうは言ってもレビュー会では意見の発散に終始してしまう時もある。 その際には、議事録ノートに「Parking Lot (今は一旦おいておいて)」と呼ばれる欄を作ってそこにまとめておき、後から振り返れるようにすると意見が無駄にならずに済む。 ちなみに近年はリモートワークが一般的になったことによってオンラインツールを活用したレビューの実施が可能になった。 そこでビートラックスでは、デザインのUIなどのレビューは会議外で自由にFigmaなどでコメントをもらい、会議ではそのフィードバックに対する認識の確認や議論する場という、時間による棲み分けを明確にしてみた。 このようにすることで、効率が良くレビューの進行を行うことができた。 5 社内での咀嚼の時間 レビュー会後や定例会議の直後に、社内のプロジェクトメンバーでクライアントからの意見を整理し、「咀嚼」する時間も、メンバーの認識を揃えて次のアクションを明確にする上で重要だと考える。 クライアントからの意見を受け、なぜ彼らがそのような発言をしたのかをすぐにメンバー全員で考えるメリットは以下である。 クライアントからの意見や言葉のイントネーションや意図をまだ鮮明に覚えているため、議論が効率的に行える。 皆で一度話し合うことで「なぜそのような修正が必要なのか」を改めて問いやすくなる。 話し合いの中でネクストアクションをタスクレベルまで細分化・具体化できる。 チーム内で認識の齟齬がなくなる。 このように会議直後にメンバーみんなで話し合うことで、クライアントの求めていることは何かを常に意識しながら効率よく次へと進めるだろう。 終わりに 今回はデザインスキルとは違った観点で、デザイナーにとって重要なクライアントとのプロジェクト進行に関するポイントをまとめた。いずれも共通して重要なスキルは、コミュニケーションの丁寧さだと感じた。 特に、クライアントから大量の情報を受け取り、それを適切な形でユーザーに届けるデザイナーという仕事の特性上、クライアントのコミュニケーションの質は、最終成果物のクオリティに大きく影響すると感じている。 この記事で述べた内容は、著者が実際にクライアントとのプロジェクトを通じて感じたり、実践したことになる。 みなさんの仕事において、少しでも参考になれば幸いだ。

b-side of btrax # 2 デザインの力でクライアントのビジネスを支援する、btraxのビジネスプロデューサーの素顔とは

btraxで働くメンバーをご紹介する「b-side of btrax」シリーズ。 シリーズ第2段となる今回紹介するチームは、btrax JapanのBusiness Producer(BP)チームです。 BPチームは、主にクライアントさまと最前線で関わり、成功に向けて伴走する役割を果たしています。 初期接点の段階では、クライアントさまとの会話を通してニーズを汲み取り、課題解決に向けた、btraxとしての最適な関わり方のご提案をしています。 また、実際の案件では、クライアントさまと緊密にコミュニケーションをとりつつ、社内ではプロジェクトをゴールへ導くよう、プロジェクトマネジメントやチームの連携にも携わっています。 プロジェクトの開始から完了まで、プロジェクトが円滑に進み成功につながるよう、日々取り組んでいます。 今回はそんなBPチームのメンバー2人をご紹介します。2人のバックグラウンドから、btraxへの入社理由、今後btraxで挑戦したいことまで、幅広くお届けします。 btraxではどんな人が働いているの?と気になっている方、ぜひ最後までお付き合いください! Yuji Ozawa (Business Producer / Project Manager) バックグラウンドを教えてください。 日本生まれ、日本育ちです。 高校時代にインターネットが急速に普及し始めました。インターネットで実現される未来に可能性を感じ、大学では情報科学技術分野を学びました。 また、中学生の頃に初めて一眼レフカメラに接したことで、カメラに興味を持ちました。 さらにそこからアートやデザイン分野にも興味を持ち、大学時代は美術系講義も自主的に受講したり、油絵を描いていたりした時期もありました。 前職では、総合印刷系ICT企業にて、主にデジタルマーケティング分野でのWebソリューションのシステムエンジニア兼プロジェクトリーダーとして働いていました。 様々な業界のWebサイト構築、Webシステム設計・開発・運用などに携わっていました。 なぜbtraxに入社したのですか? 日米双方で連携して、デザインをキーワードにして社会へ貢献したいと思ったことが大きなきっかけです。 以前友人とアメリカ大陸をニューヨークからロサンゼルスまで車で横断したことがありました。その途中立ち寄ったサンフランシスコの街の雰囲気・空気感が一番気に入っており、縁のある働き方ができたらと考えていたタイミングでもありました。 そんな時、ちょうどbtraxでマーケティング領域でのProject Manager募集がされており、ジョインさせていただきました。 また、私の入社時期は、btrax Japanが立ち上がった1年後でした。当時東京オフィス側では社員も少なく、日本側での業務を広げていく過程をチャレンジしてみたいという好奇心が強かったです。 btraxでの働きがいを教えてください。 魅力的なメンバーと共にプロジェクトに関わることが働きがいになっています。 btraxスタッフの共通点を挙げると、デザインへの理解とグローバル視点での視座を持っている点と、各分野で自主的に課題解決し、推進するマインドを持っている点があると感じています。 1点目に関しては、デザイナーでなくとも、デザイン思考のマインドセットを持っていると思います。 そのため、ユーザー視点での本質的な問題解決アプローチ手法を社内共通言語として理解し、実際の業務に活用していると感じます。 また、デザインマインドに加え、サンフランシスコのスタートアップカルチャーも日米双方のオフィスに浸透しています。 それゆえ、社内でのミーティングにおいても、気軽に前向きな言葉が自然と発せられているような雰囲気ながら、本質的な課題に着目して議論する環境ができています。 だからこそ、新しいタイプのプロジェクトにチャレンジしていく空気感が醸成され、それがアウトプットにも良い影響を与えています。こういったところが私が在籍していて自社の好きな点でもあり強みでもあると感じています。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? 私はbtraxでの業務を通して様々な形で、新しい体験サービスを世に出していくご支援により関わっていきたいと思っています。 私が関わった案件が実際にリリースされると率直に嬉しいです。また、この一環として私は、福岡市のグローバルスタートアップ起業家育成プロジェクトに長年携わっています。 このプロジェクトを通して、多くの起業家と創業前から関わり、彼らが悪戦苦闘しながらチャレンジを続ける過程を見ているため、その数年後にサービスがローンチされるとご支援できて良かったとこの上なく幸せを感じます。 今後も様々なタイプの新しい体験サービス作りにお手伝いできたらと考えています。 今興味、関心のあることはなんですか? コロナ禍に対する国ごとの対応差や人々の価値観の変化が興味深いと感じています。 あとは最近だと、サウナブームに興味があります。コロナ禍になってからは健康面や「整う」を意識する人が増えたり、個室サウナやテント式サウナが広まっていったりしたのは、プライベートを確保したレジャーとして受け入れられたのでしょうね。 私も温泉好きなので温泉施設に行った際にサウナを利用しています。 Mana Hashimoto (Business Producer / Project Manager) バックグラウンドを教えてください。 日本生まれ、カナダ育ちです。 大学では、人文地理学(Human Geography)という領域で、都市計画やコミュニティデザインなどを勉強していました。 大学卒業するまでカナダで過ごし、就職をきっかけに日本に来ました。 前職では人事・組織コンサルタントとしてハード面と言われる制度設計からソフト面の組織文化変革、また育成に関わるラーニングシステムの導入案件まで、とても幅広く携わってきました。 なぜbtraxに入社したのですか? 一番の理由は、自分が最も得意とする、海外と日本との架け橋ができる仕事がしたいと思ったからです。 前職も外資系でしたが、日本の人事領域の仕事は、海外との接点が少なく、英語を使う機会がとても少なかったです。 また、前職で携わったプロジェクトはいわゆる上流の案件が多く、モノや施策の出来上がりを見届けることができませんでした。 大学で都市開発やコミュニティデザインなどを勉強していた影響から、ユーザーの声を踏まえたサービスデザインの領域に携わりたいと思っていたこともあり、btraxでまさに提供しているような、アイディエーションやリサーチから、下流のプロタイピングまで一通り実現できる仕事をやってみたいと思っていました。 btraxでの働きがいを教えてください。 スタッフそれぞれに得意分野があり、多様性を尊重し合いながら、自分らしく働くことがクライアントへの価値として提供できていることです。 ビジュアルデザインが得意なグラフィックデザイナー、アプリをはじめとするデジタルサービスの体験設計が得意なUI/UXデザイナー、それを動くものとして作り上げるデベロッパー、また、コンテンツ作りや世の中のトレンドを捉えるのが上手なマーケターをはじめ、小さいチームでありながらも、非常に幅広い範囲をカバーしております。 また、日本育ちもいれば、英語しか喋らないスタッフ、そして私のような間の人間もいます。 一人一人の見ている世界が違うので、そこで対立するのではなく、個々の個性を最大限に発揮して、より良いものを作り上げることができるのが、btraxの強みであり、働きがいです。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? これからも海外・日本のブランドに対する日本・海外展開のローカライゼーションに携われたらと思っています。 海外のブランドが日本に入ってくることで、日本人の生活に新たな価値観を提供できるのはとてもワクワクしますし、反対に海外へ日本のブランド展開をサポートすることは、日本の魅力を世界に知ってもらうこれもまた自分にとってはとてもやりがいのある仕事です。 これからも、btraxらしく、ローカライゼーションに起こりうる課題を本質から捉え、クイックに楽しく、ワクワクしながら、ご支援していけたらと思います! 今興味、関心のあることはなんですか? 真面目な回答になってしまいますが…あるクライアントさんのアプリ開発のリサーチをきっかけに過去のデザインセミナーのKeynoteを聞くことにハマっています。 HeadspaceやAirbnbなど、普段から使っているアプリやサービスのUI・UXの誕生秘話が具体的な例として聞くことができるので、とても勉強になっています。 まとめ 今回はBPチームのメンバーをご紹介しました! btraxのメンバーのことを少しでも知っていただけたでしょうか? 今後もbtraxは、日米双方のクライアントさまに対して、デザインの力で国や国を超えた橋渡しをし、新たなビジネスを生み出すお手伝いをさせていただきます。 btraxについて、より詳しく知りたい方は、弊社のサービス情報がまとまったPDF資料をご覧ください。 次回はbtraxのデザインやアウトプットを作成する、UI/UXデザイナー、エンジニアとして活躍する2名をご紹介します!どうぞお楽しみに! 過去のb-side of btraxシリーズの記事はこちら: b-side of btrax #1 デザインの価値を世界に届けるbtraxのマーケターの素顔とは

btraxサンフランシスコで働くデザイナーが語る、デザインにまつわる3つの日米差

弊社では、コロナになって以降オンラインでイベントを行なってきたが、先日、サンフランシスコで2年ぶりに対面イベントを実施することができた。 イベントのテーマは“Designing for Japan: Different Perspectives”。 1時間半のイベントでは4つのセッションをオムニバス形式で実施した。 今回はイベントの前半部分のセッションのテーマであった「デザインにまつわる日米差」の内容を3つのトピックに分けてお届けする。 アメリカから日本の会社とビジネスを行う経営者としての視点、そして、日本のクライアントと共に働くアメリカのデザイナーの視点ならではのデザインにまつわる考察をご紹介する。 日米のデザインの捉えられ方の違い 日米のクライアントとデザイン会社の関わり方の違い 日米のデザインのアウトプットの違い 1. 日米のデザインの捉えられ方の違い シフトしつつあるデザインの考え方 「デザイン」とは元来、クライアントがデザイナーに依頼してデザイナーが依頼されたものの通りに作る作業のことを指していた。とても単純で明快だ。 しかしこの10年くらいで、デザインとはビジネス、テクノロジー等、あらゆる領域での「顧客の課題解決」の手段の一つとなった。 デザイナーは「依頼されたものを作る人」から「課題解決のための戦略を考える人」という、広義の言葉に変化した。 それに伴って、ユーザー視点でヒットする商品やサービスを作り出すための、「デザイン思考」と呼ばれる考え方が浸透した。 誰にでもわかるデザイン思考の基本とプロセス 変化しきったアメリカ、発展途上の日本 日本でももちろんデザイン思考は主流の考え方になりつつある。しかし、アメリカと比べると、日本はまだまだデザインの考え方が「依頼型」で止まってしまっているケースが多い。 それにはいくつもの要因が絡み合っているのだが、今回はその理由として、2つの要因を取り上げる。 日米のビジネスのスケールの方法の違い 日米のデザインに対する考え方が異なる理由の1つとして、ビジネスのスケール方法が挙げられる。 一言で言うと、アメリカは優れたユーザー体験やブランドストーリーで売り込むのが主流であるのに対して、日本は営業で売り込むのが主流だ。 なぜアメリカがユーザー体験やブランドストーリーにこだわるのかというと、アメリカは国土が広すぎて、足で稼ぐ営業の難易度が日本よりも極めて高いからである。 アメリカ国内でも時差があるアメリカ。「車で4時間」は、日本人にとっては長旅に感じられるだろうが、アメリカ人にとっては日常茶飯事。 しかし、だからといって長時間の移動を伴う営業活動ができるかというと、それは現実的ではない。 なぜ日本にはデザイナー出身の経営者が少ないのか では、どのようにして顧客やユーザーを集めれば良いのか?その答えが、プロダクトの使いごこち(ユーザー体験)の質、ブランドストーリー、マーケティングである。 ゆえに、営業で解決するのではなく、プロダクトを作る段階からユーザーのニーズに沿った、課題解決を目的としたデザインをし、ブランドストーリーを構築することがより重要視されるようになってきている。 人々の心を掴むブランドストーリー 5つのポイント これが、アメリカが日本よりも大きく「デザイン」の概念が変化を遂げている理由の一つである。 日米のデザイン会社とクライアントとの関わり方の違い 日米のデザインに対する考え方が異なる理由の2つ目として、日米のデザイン会社との関わり方が挙げられる。 アメリカのデザイン会社の場合、クライアント企業とデザイン会社はかなり密接に協業する。 上の図のように、クライアントとデザイン会社が直接やりとりをして課題解決に取り組み、プロジェクト単位でより多くの人手が必要になった時はフリーランスのデザイナーに依頼をする。 一方日本のデザイン会社の場合は、広告代理店がクライアント企業と関わりを持つ事例が多い。 ゆえに、デザイン会社はクライアントと直接ではなく、広告代理店が考えた戦略に対してデザインを制作することで形にし、クライアントの要望に応えるという構図になりがちだ。 すなわち、デザイン会社が広告代理店に「外注」されており、広告代理店に頼まれたものを「納品」している状態なのだ。 デザイナーが「依頼されたものを作る」状況そのものが変わらない限り、今のようなデザイナーが下請けをしている状況から抜け出せないのではないだろうか。 この構図を変えることが、日本でのデザイナーの地位を上げる一歩になると考える。 なぜ日本ではデザイナーの地位が上がらないのか?~海外デザイナーとの比較~ 2. アメリカのデザイン会社の視点で見る、日米の働き方の違い クライアントとの働き方の日米差 アメリカの企業は会議の場でネクストステップを決定する。 一方で日本のクライアントは、一度会議でこちらの提案内容を聞いたのち、社内に持ち帰って改めて内部で議論する傾向にある。 その背景として日本では、メンバー全員の意見を合意してから次に進む「合意形成」の文化が大変強い傾向にある。 下記のカルチャーマップをご覧いただいてもわかるように、「決定」の項目において日本がかなり合意を重んじていることが見て取れるだろう。 弊社のアメリカ人デザイナーであるJonathanとJaredによると、日本ではアメリカよりも調和が重んじられており、全員が賛成したアイディアに決定することが多いと感じているようだ。 そのため、日本のクライアントにデザインを提案するときは、クライアントが社内で議論しやすいように、そして非デザイナーでもデザインの良し悪しがわかりやすいように、よりデザインの意図を詳細に説明し、なぜAが選ばれてBが選ばれなかったのかを詳細に説明するようにしているそうだ。 クライアントが社内に持ち帰った際に、会議にいなかったメンバーにデザインの意図を聞かれた時に答えられるようにするためだ。 彼らが日本のクライアントと働く際は、それゆえ、クライアントと一緒にトライアンドエラーを繰り返しながらデザインを一緒に考えていくプロセスがアメリカのクライアントに比べて多いそうだ。 このように、文化背景の違いはデザイン制作のプロセスの違いにも関係すると言えるだろう。 3. 日米のデザインのアウトプットの違い – Holistic(全体論的)な日本、Analytical(分析的)なアメリカ 2)アメリカのデザイン会社の視点で見る、日米の働き方の違いでも言及したように、日本は全てのパターンを考え尽くして答えを出すHolistic(全体論的)な傾向がある。 対してアメリカでは、多くの情報をさまざまな観点でグルーピングして、少ない情報の中で早く結論を出して前に進めるAnalytical(分析的)な傾向がある。 それは働き方だけではなく、デザインのアウトプットにも表れている。下記の図をご覧いただきたい。Mercariのサイト(左:アメリカ、右:日本)を左右に並べているものだ。 見ていただくとお分かりいただけるように、色も異なれば、ロゴまでローカイライズされている。 特に言及すべきは、情報量だ。 最初に述べたように、右側の日本のサイトが情報を詳細に見せようとしていることに対して、アメリカのサイトは画像によって情報がグループ化されており、画面上にある文字情報が少なく感じられる。 Yahoo!の検索ページ(左:日本、右:アメリカ)も、日本ページは詳細に文字情報が詰め込まれているのに対して、アメリカのサイトはより画像が多く、画像一つにつき一つのニュースという見せ方で、情報がグループ化されていることがわかる。 上記を見ても、ページに表示される情報量が大きく異なっている。 働き方もデザインのアウトプットも全く異なる日本とアメリカ。 そのギャップを乗り越えるためには、作ったものに対して早めにフィードバックをいただき、「どうしたらより良くなるか」という視点で改善することもプロセスのうちだという。 初めから100%理想通りのものを目指そうとするのではなく、現時点でのベストなものを持って行って、クライアントと議論をしながらより理想に近づけていく、そのプロセスの中で、より良いアイディアやデザインが誕生するのだ。 最後に、JonathanとJaredが共感したという画像を共有しよう。 「プロダクトは世界中どこでも一緒に見えるものを作る必要はない。展開先の国に合わせて適応したデザインに落とし込んで、その地で『使われる』ことがより大切だ。」と書かれている。 その国でプロダクトを使う人が違和感なく使えるようにすることが大切で、どの国でも見た目を揃えることやトンマナを揃えることが、世界で通用するデザインではないということだ。 文化背景の違う国のプロダクトを作成するときはまさにこのマインドセットが重要だと2人は言う。 まとめ 今回は、アメリカのデザイン会社の視点から見たデザインにまつわる日米差というテーマで、デザインの捉えられ方の違い、クライアントとの働き方の違い、デザインのアウトプットの違いという3つの「違い」を取り上げた。 btraxは日米に拠点を置くデザイン会社だからこそ、今回お伝えしたようなギャップを理解するべく、日々尽力している。 btraxではプロダクト、サービスを最適化するためのマーケットリサーチからUXデザイン、ブランド体験の言語化と設計、顧客とのコミュニケーション方法の改善まで、一期通貫して支援している。気になる方は是非、弊社のサービス内容がまとまったPDFをご覧いただきたい。 今回のイベントのアーカイブ動画はこちら。イベントの内容が気になった方は、ぜひデザイナーたちの解説を聴きながら、記事の内容を振り返ってみてください。

「チェックイン」とは ワークショップで実践する際の狙いとコツ

「1日のワークが始まる前にやるチェックイン、良いですね!」 「今後自分がワークショップを企画するときは、チェックインをプログラムに取り入れてみたいです!」 ビートラックスで提供しているワークショップの参加者から、何度かこのような声をいただいたことがある。 私たちが設計するワークショップには、数週間のあいだ毎日、朝から夕方まで専念して取り組んでもらうものから、週に一度のペースで2〜3時間のワークを繰り返すものまで様々なものがあるが、1日のワークのはじめには「チェックイン」の時間をとることが多い。 しかし、ただ時間を組み込めばいいものでもなく、また、いつも同じ内容、同じペースでやればいいものでもない。 実践する上で意識すべきことや、ファシリテーターとして状況に応じた工夫が必要になる。 今回は、ワークショップで行うチェックインについて、なぜやるのか、実践する際にはどのようなことを意識したら良いのかを、ワークショップを設計する側の目線から紹介してみたい。 ワークショップはオンラインでも上手くいく?押さえておきたいポイント5つ チェックインとは ワークショップで行うチェックインとは、メインのワークが始まる前に、参加者が互いの状況を把握しあったり、ワークに臨むための気持ちを整えたりする時間だ。 日常生活では、ホテルでの宿泊手続きや、空港での搭乗手続きの際に馴染みのある言葉だろう。 カウンターでチケット等を見せながら、スタッフの方へ「チェックインします」と伝える。 「今からこの場に入ります」あるいは「今から私はこの空間ですごすメンバーです」ということを、互いに認識するためのやりとりだ。 ワークショップでのチェックインも同様、メインのワークに入る前に、ファシリテーターから参加者全員へ「これから今日のワークが始まります」と言う合図を送るために行われることが一般的である。 チェックインでは何をするのか チェックインで行う内容は、とても単純だ。 「今の気持ちは?」あるいは「今日のワークに期待してることは?」などのお題を提示し、1人ずつ1分程度で紹介してもらう。 時間は10-15分程度のことが多いが、参加者にはこの時間を通じて「参加者としての気持ちの準備をして欲しい」と考えている。 これらのお題の他、市民参加のワークショップなど多様な方々が参加する場では「参加のきっかけ」や「最も関心のあること」を交えて紹介してもらうこともある。 チェックアウトも忘れずに また、ワークショップの終了時には「チェックアウト」も可能な限り組み込むようにしている。 1日のワークの内容・成果を振り返り、得られた学びを1人1つずつ言葉にしたり、その時点で感じている気持ち、ワークではうまく言えなかった発言を受け入れる時間だ。 盛り上がったワークを“やったまま”にせず、数分でも振り返りの時間を持つことで、次回以降につながる学びが得られる。 では、ファシリテーターは、チェックインではどんなことを心掛けて、どのようなことを達成できるように行うべきなのか。 なぜやるのか、チェックインの狙い 大きな狙いは「その日のワークや議論に適した『場』を準備するため」だ。 様々な人がある場所に集まっただけでは、ワークショップやプロジェクトの最終的なゴールである良いアウトプットにはなかなか辿り着けない。 人々が集う場を、より良い気づきやアイデアが生まれる場所、そう感じられるような場所に整えていくための心がけや工夫が、チェックインの設計・実践には必要である。 そうした場を準備するために、私たちが設計するチェックインでは次の3つのことを意識している。 ①1人ひとりの気持ちを「参加者モード」に切り替える 初対面の人が多い中では、自分の意見を切り出すのに難しさを感じる人もいる。 特に、オンラインのワークショップでは、つい数分前まで別のオンライン会議に参加しており、今から始まるワークに取り組む姿勢に頭と体をうまく切り替えられていない人もいる。 そんな時、チェックインの時間を使って自分のその時の思いを声に出してみたり、他の参加者の考えに耳を傾けられる時間をとることで、自らを「参加者としてのモード」へと切り替えていくことができる。 その場に参加している他の人のことを知らないまま、第一声で重大なテーマについての意見を求められた場合、発言のしづらさを感じる人は多いだろう。 まずは、全員が正解不正解を意識することなく自由に発言できる時間、そしてそれを他の参加者に聞いてもらえる時間をはさむことで、発言のための心理的ハードルを下げることができる。 参加者1人ひとりをその場で発言しやすい気持ちにさせることで、自発的な発言が増え、活発なディスカッションにつながりやすい。 ②進行上、配慮すべきことがないかを汲み取る 参加者の中には、何らかの理由で万全の状態でワークショップに臨むことが難しい人もいる。 実は体調が優れないまま少し無理をして参加していたり、オンラインワークショップの場合だと、使用するアプリやネットワーク環境にトラブルが生じていたりなど、ファシリテーターに見えている範囲からは把握しきれないことがどうしてもある。 そうした時、チェックインの時間があると、ワークショップの途中では言い出しにくい、参加者のネガティブな心情や、配慮が必要な状況を汲み取りやすくなる。 特別な事情を早い段階で他の参加者へ伝えられると、当事者はその後の気持ちが少し楽になるだろう。 日本語を母国語としない参加者から「日本語のワークには不安がありますが、がんばりたいです」との発言があった際には「今日は、みんなが聞き取りやすいペースでの発言を心掛けてみましょう」など、ワークショップの進行に関わる提案もしやすくなる。 ファシリテーターにとってチェックインは、参加者1人ひとりが、その日のワークにいかに前向きに参加できるようになるか、その後のワークショップの進め方を判断するための貴重な時間でもあるのだ。 ③ディスカッションのペースを作る ワークショップに慣れている人もいれば、慣れていない人もいる。 様々な人が集まる場では、その日のワークショップのリズムや議論の進め方を早い段階で共有しておいた方が、本題のワークにおいても序盤からスムーズに進めやすい。 ワークショップでは、ある人の意見に対する他者のリアクションを期待することが多くある。 似た意見を紹介してもらい、グループを作りながら全体像を把握したり、アイディアに便乗しながら新たな切り口を見出したり、その多くの場合は、1人で考えているだけでは到達できない視点・発想へ辿り着くことを目指しているからだ。 そのためのウォームアップを兼ねて、チェックインでは参加者とファシリテーターの間のやりとりだけでなく、参加者同士の会話が喚起される仕掛けを取り入れることも良い。 特にオンラインの場合、初対面の相手との距離を縮めるのに時間がかかるため、例えば「チェックインした人は、次の人を指名する」あるいは「次の人に必ず1つ質問をする」など、半ば強制的に他の人の名前を呼ぶ機会を作るなどの工夫も取り入れている。 また、複数の日に分けてワークを進める場合は、回数や内容に応じてチェックインのリズムを変えることを意識するのも良い。 初回はゆっくりめのペースで進め、なるべく和やかな場の温度を維持しながら参加者のモチベーションを高めていくことに注力する。 一方、中盤から後半にかけて、集中して議論することにより多くの時間を割きたい場合はチェックインは速いペースで回していく、など。 チェックインのリズムに差をつけることで、その日のワークの進め方をより好ましい状態に導くことができるという面もある。 その日のワークのペースメイクのような役割も果たしているのだ。 より上手に行うための工夫 こうした目的を達成するために実践できる工夫を、事例を交えながら紹介したい。 ①トップバッター選び – 慣れている仲間に最初に事例を見せてもらう – 時間的に余裕のあるチェックインでは「準備ができた方から順番に」と、参加者からの自発的な発言を促すようにしている。 しかし、初対面の人が多い場合や、自分から手を挙げることにためらいが生じがちなオンラインのワークショップでは、慣れているアシスタントファシリテーターに1人目をお願いするのも良い。 アシスタントがいない場合でも、何度か一緒にワークショップを進行しているメンバーがチーム内にいれば、「今日のチェックイン、1人目に振ることになると思うので。気持ちの準備お願いね。」と依頼しておけば、以降の人は1人目を参考に発言すれば良い。 他の参加者のハードルを下げつつも、全体のペース管理もしやすくなる。 なお、自分がメインファシリテーターを務める際は、チェックインのなかで発言する順番は終盤にまわることが多い。 それまでに多くの参加者の声を聞いた上で、その日に自分がどのようなことを意識してファシリテーションをしたいかを合わせて伝えられる時間でもあるからだ。 ②気持ちを教えてもらう ビートラックスが行うチェックインでは、感情が書かれた8マスのシートを使うことが多い。 ポジティブなものとネガティブなもの、それぞれ複数を予め用意しておき、また余白として自由に書き込めるスペースも作っている。 参加者には「今の自分の気持ちに当てはまるところに人形を置いてください(あるいは、自分の名前を書いてください)」というお題を出す。 すると、自分の素直な感情を共有しながら、なぜそういう気持ちなのか、自分の体験したエピソードや、その日の意気込みと紐付いた会話が自然に誘発される。 「最近自分が体験したこと」を紹介してもらうだけでは、相手がどのような人なのかまでは、よく分からないままだ。 一方、「自分は今こういう気持ちです。なぜならこんなことが起こったので」というように、事象と感情(気持ちの状態)をセットで話してもらえると、初対面の関係だとしても、相手との心理的な距離が縮まる感覚が味わえるはずだ。 ③受け入れる、否定しない、焦らない ワークショップ参加者が「自分の素直な考えを発言しやすい」と思える場を作ることが重要だ。 そのために、チェックインの時間を使い、全員に発言の機会があること、そして、どのような発言でも受け入れられる場であるということを示していく必要がある。そのために、何か特別に準備をして臨む必要はない。 チェックインで参加者が発言している際は、その相手の方に顔を向け、うなずくくらいがちょうど良い。「あなたの話を聞いていますよ」という姿勢を示すだけで十分とも言える。 また、数週間にわたってデザインの考え方を学ぶワークショップでは、中盤に差し掛かるとチェックアウトの時間に、ネガティブな感情や意見が出ることがある。 ただ、そうした時でもファシリテーターは、その場がどんな発言でも受け入れられる場であることを示していくことを意識したい。 ワークが思うように行っていないと感じていることを内に秘めながら進めるよりも、少しずつでも口に出してもらう方が、その後の進め方を改善しやすくなったり、ワークの注力ポイントを選定しやすくなるからだ。 否定的な意見を排除するのではなく、「教えてくれてありがとう」「今後の工夫、ぜひ一緒に考えていきましょう」などの言葉と共に、参加者1人ひとりと同じ視点から物事を捉えていく姿勢を推奨したい。 ④慣れてきたら変化を加える 何度か同じメンバーでチェックインを繰り返していると、徐々に慣れが生じてくる。 「その場に入る」「気持ちを切り替える」という意味合いが薄れてくることがある。 そうした時には、参加者の表情を見ながら、状況に応じた工夫を加えていくこともファシリテーターは判断していくことが重要だ。 思い切ってスキップする判断も もちろん、状況によってはチェックイン自体をスキップすることもあって良い。 既に何度か顔を合わせている仲間同士で、参加者が集まった時点で既に自然と会話が生まれている場合や、限られた時間の中でメインのワークに多くの時間を割きたい時などは、あえてチェックインの時間を省くことも必要な判断だ。 毎朝のチェックインに慣れてきた人にとっては、「今日はチェックインを省きますね」という発言が、参加者にとっての切り替えスイッチになることもある。 あくまでチェックインはその日のワークや議論に適した『場』を準備するための手段の一つであり、タイミングや参加者の表情、場の温度を感じ取り、より適切な方法を選択していくことがとても重要となる。 チェックインの時間によって場の緊張感が極度に失われたり、その後のワークの進行に支障がでることのないよう、状況に応じてチェックインの有無や方法を判断することもファシリテーターの大事な役割なのだ。 おわりに 今回は、ワークショップや会議の冒頭で行われることの多い「チェックイン」について取り上げてみた。 メインのワークに比べて「ちょっとしたこと」のように思える時間でも、そこにはワークショップの設計者からの意図が込められている。 ワークショップ参加者としてチェックインを行ったことがある方や、これから実践してみたいと思っている方は、その時間や問いの狙いは何かを振り返ったり、それによって得られる効果などを考えてみるのも良いだろう。 そして今後、自分がワークショップを設計する側の立場になった際には「その日の議論に適した場づくり」のためにはどのような時間を取り入れたら良いか、考えながら設計することをおすすめしたい。 また、参加者と一緒に時間を過ごしながら自分が感じたことから、どのような工夫ができるのかを考えること、試行錯誤を繰り返しながらも、ぜひ柔軟な姿勢で場を設計していくことにも挑戦していただけたらと思う。 ビートラックスでは、新たなサービスづくりの過程において、事業者とデザイン会社のメンバーが「共に調べ、共に考え、共に設計する」メニューを提供している。 デザイナーたちと一緒に新たなサービス開発を進めたい、ワークショップを活用しながら新たなサービスを設計していきたいなど、ご興味をお持ちの方はぜひこちらからお問い合わせを。

b-side of btrax #1 デザインの価値を世界に届けるbtraxのマーケターの素顔とは

btraxで働くメンバーをご紹介する「b-side of btrax」シリーズ。 シリーズ初回となる今回紹介するチームは、btrax Japanのマーケティングチームです。 マーケティングチームは、大きく分けるとbtrax自社内向けの業務とクライアントワークの2つの業務を担当しています。 ① btrax自社内向け業務 自社のプロモーションや広報、リード獲得などを目的とした戦略立案から実行まで全般を担当。 具体的には本ブログ「Freshtrax」の記事執筆や運用、毎月2回のニュースレターの配信、日々のSNS運用、イベント運営など、幅広い業務を行っています。 ② クライアントワーク 主にアメリカから日本市場に参入を目指す企業やブランドを支援するプロジェクトに入ることが多くあります。 その際は、日本市場に関する様々なリサーチをした上で、プロダクトやサービスを展開する際の戦略立案と実行のサポートをします。 また、進出先市場に合わせた、Webサイトをはじめとするコンテンツのローカライゼーションなど、現地ユーザーにより良い体験が届けられるようコミュニケーションのご支援をします。 今回はチームメンバー2人のバックグラウンドから、btraxへの入社理由、今後btraxで挑戦したいことまで、幅広くお届けします。 btraxではどんな人が働いているの?と気になっている方、ぜひ最後までお付き合いください! Aoi Omori : Marketing Specialist バックグラウンドを教えてください 日本で生まれ育ち、大学まで日本の教育を受けてきました。今の自分には大学時代の経験が最も大きく影響していると思います。 大学生になって初めて海外を旅し、その時からグローバル基準で物事を捉えることに刺激を受け、視野が開けた気がしました。 また、大学時代は複数の会社で、マーケティング関係のインターンとして働いていました。 Webメディアのライターや編集アシスタント、SEO関連業務のアシスタント、イベント運営などを通じ、価値を生み出し、そして届けるというマーケティングの面白さを実感してきました。 なぜbtraxに入社したのですか? それまでの自分の経験を振り返った際に、それを最大化できる環境だと思ったからです。 それと、デザイン思考という考え方に出会い、非常に共感をしたのも大きな理由です。 さまざまな見方はありますが、デザイン思考の「失敗を受け入れ、さらなる改善のステップにすること」、これはとても人間的かつ現実味がある考え方だと思います。 当時、過ちや逸脱が許容されないような考え方に息が詰まる思いをしていたのですが、このスタンスをとるデザイン思考に出会い、どこか救われた思いでした。 そして、どうにかしてこの“デザイン思考”とやらを活用して価値を届けられるようになりたいと思ったことも、btrax入社の大きなきっかけになりました。入社して4年目になりますが、今もこの思いは変わっていません。 btraxでの働きがいを教えてください あえてひとつに絞るなら、前向きな挑戦の場であることです。 自分の今ある強みと、新たな挑戦の部分とをそれぞれ把握した上でプロジェクトに参加できたり、自ら仕事を提案して進めたりすることができます。 基本的に最初からNOと言われることはありません。 できないからやらないのではなく、困難だったとしても、どうすればできるのかを考えてフィードバックをもらう、という流れがデフォルトになっていると思います。 そういう意味で、極めてポジティブなマインドで仕事ができていると感じます。自分の頭で考えて汗をかける人にはうってつけの環境です。 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? よりデザインとマーケティングの領域を横断していくような仕事をしていきたいです。 デザイン会社であるbtraxでマーケターとして仕事をしてきて思うのは、デザインもマーケティングにも専門的な領域こそあれど、1つのサービスを生み出し、その価値を届ける際には、お互いと密接に関わってこそ成り立つものだということです。 btraxとしても改めて、リサーチからデザイン、そしてコミュニケーションまでを一貫してサポートする体制へと基盤が固まってきたタイミングでもあります。 今後はこういったプロジェクトで、クライアントさんに伴走する形でデザインやマーケティングを通じたご支援をしていきたいです。 デザイン視点で心を掴む UXライティングの基本5項目 今興味、関心のあることはなんですか? 言葉以外の方法での表現です。具体的には、アートを鑑賞したり、デザインツールを勉強したり、絵を描き始めたりしています。 マーケターとして仕事をしている以上、どうしても文字を通じた表現が多いのですが、文字ばかりを読み書きすることに対し、たまに飽きや疲れを感じる瞬間があります。笑 何かを伝える手段は文字だけではないという基本に立ち返って、純粋な気持ちで自由に勉強しています。 Ayaka Matsuda : Marketing Associate バックグラウンドを教えてください 幼少期と小学生の頃、2回アメリカに住んでおり、また、幼稚園から18歳までずっと英会話を続けてきました。 そのため、幼少期から海外に出て見たことのない景色を見ること、その土地の人と話し、新たな視野を広げることが今もすごく好きです。 その影響か、学生時代は海外や外国語に関わる活動に参画してきました。高校時代はイギリスに短期留学し、世界中から集まった学生と共に学びました。 大学に入ってからは、カンボジアとインドネシアへの東南アジア派遣に参加したり、国際系の団体で、カナダのブリティッシュコロンビア大学の学生と2週間日本の文化体験をするプログラムの企画、運営を経験したりしました。 また英語以外の言語の習得と文化理解を目的とし、大学ではフランス文学を専攻していました。 なぜbtraxに入社したのですか? 一言で言えば、自分が社会に伝えたい価値とbtraxのサービスやビジョンが一致していたからです。 大学3年生からHRTechベンチャーで1年弱、カスタマーサクセス職としてインターンをしていました。 そのインターンの中でLINEの顧客管理ツールを用いてユーザーとコミュニケーションをとっていた際、どうしたらユーザーにとってより使い心地の良い導線設計になるかを常に考えていました。 それがとても面白いと感じたことが、自分のアンテナが「UXデザイン」「デザイン思考」に関わることに向いていると気が付いたきっかけです。 より実践の場で学びたいと感じ、インターンを探したことでbtraxと出会いました。 さらに、海外経験を積んできた身として、日米双方のクライアントに対しサービスを提供していることにも興味を惹かれました。半年間ほどインターンをしたのち、2022年4月よりフルタイムとして参画しています。 btraxでの働きがいを教えてください 沢山あるので箇条書きにしますが、下記が魅力であり働きがいであると感じています。 目標達成に向けて協力的なメンバーばかりであること 失敗を成功の過程の一部と捉えて前に進めること 職種の違うメンバー同士へのリスペクトがあること チームメンバー全員からフラットに意見をもらいながら企画を進められること 上記のAoiさんと同じですが、基本的にNOはなく、自分からやった方が良いことを見つけ、仕事を作りに行けること 異なる文化圏のチームと仕事をすることも多いので、自分にない視点を持っている人と接することが多く、学びが多くあること これさえ守れば効果的なリモートワークが可能になる3つのルール 今後btraxでやっていきたいことはなんですか? クライアントさんのプロジェクトでも、社内のプロジェクトでも、期待値を超える仕事をし続けることです。 btraxは小さな組織なので、自分ごととして一人一人が高いパフォーマンスを上げることが求められる環境だと感じます。 自分が担当することはもちろん、会社として埋めきれていないところを埋められるよう常に視野を広く持つようにしています。 日々自分の力が足りないと感じることも多くありますが、良い成長痛だと感じています。 今興味、関心のあることはなんですか? UXデザイン、ブランディングなどはもちろんですが、暮らしの中に潜むデザインに興味があります。 具体的には、10月の試験に向けてインテリアコーディネーターの試験勉強をしているところです。 勉強をしていく中でインテリアとユーザー体験がかなり密接な関係にあることがわかり、インテリアという身近な暮らしの中に潜んでいるデザインにもアンテナを張れるようになってきました。 インクルーシブデザインとは?現代の多様性に寄り添う7つの実例 まとめ 今回はマーケティングチームのメンバーを紹介しました! btraxのメンバーのことを少しでも知っていただけたでしょうか? 今後もbtraxは、日米双方のクライアントさまに対して、デザインの力で国や国を超えた橋渡しをし、新たなビジネスを生み出すお手伝いをさせていただきます。 btraxについて、より詳しく知りたい方は、弊社のサービス情報がまとまったPDF資料をご覧ください。 次回はbtraxでビジネスプロデューサーとして活躍する2名をご紹介します!どうぞお楽しみに!

Adobe Stockから学ぶ、2022年日本のビジュアルトレンド予測

2022年のAdobe Stock Creative Trends Forecastが公開された。 Adobe Stockとは、あらゆるクリエイティブプロジェクトに利用できる高品質なロイヤリティフリーの写真、ビデオ、イラスト、ベクター、3D、テンプレート数千万点を厳選して、デザイナーや企業、教育機関、官公庁向けに提供するストックフォトサービスだ。(参考) 毎年、世界と地域のクリエイティブトレンド予測(Creative Trends Forecast)を発表している。 Adobe StockのCreative Trends Forecastは、Visual Trends、Design Trends、Motion Trendsの3つのセクションに分かれている。 2022年は世界と日本のクリエイティブトレンドを対象としている。btraxは日本のCreative Trends Forecastのうち、ビジュアルトレンドの制作において協業させていただいた。 今回は第二弾として、日本のビジュアルトレンド予測について、AdobeのPrincipal of Consumer and Creative Insights、Brenda Milis にインタビューした内容をまとめてお伝えする。Brendaは現在Adobe Stockにおいて、年間のAdobe Stock Creative Trends Forecast作成、公開のイニシアチブを持ち、ビジュアルトレンドにまつわる全てをリードされている。 ※第一弾、世界のクリエイティブトレンド予測はこちらからご覧ください。 Q: なぜAdobe Stockにはクリエイティブトレンドに特化した役職があるのでしょうか? Adobe Stockの画像を使う人は、使うその時に権威性があって、新鮮と感じてもらえるような画像を求めていると思うからです。 しかし、みなさんも感じておられる通り、私たちは本当に変化の速い世界に生きていますので、ビジュアルトレンドの変化は本当に速くなっています。 そのような背景から、リアルタイムでユーザーに魅力的に感じてもらえる画像を用意するには、100%クリエイティブトレンドにコミットする専門の役職が必要になります。 私の役割は言い換えれば、人々の興味関心がどのように動いているのかを伝えることになると思います。 Q: 今年の地域別のビジュアルトレンド予測の地域として日本を選んだのはなぜですか? 日本は常に新たなモノや流行が生み出されている国で、私たちにとってもトレンドを追うことが大変重要だと思ったからです。 Adobeはグローバル企業なので、世界的なトレンド予測だけでなく地域別のトレンド予測をすることにも大変重きを置いています。 その中でも日本は優先度高くトレンドを追いたい国の一つでした。 Q: グローバルトレンドと比較して、2022年の日本のビジュアルトレンドの印象はいかがでしたか? グローバルトレンドと比較しても、とても似た傾向があると思いました。btraxと協力して発見した、2022年の日本の2つのビジュアルトレンドを紹介します。 1つ目は、家族間の関係性の変化です。英語では”Family Ties”とタイトルをつけました。 年代の垣根を超えて交流が深まっている家族関係の変化と、親と子、という関係よりもより友人のような、同年代のような関わりをする親子が増えていることが挙げられます。それが感情的な繋がりをより親密にしています。 世界的にも、人々の感情的なつながりが重要視されていることは言うまでもありません。 日本は家族関係の変化にそれが表れていることが大変興味深いポイントですね。 2つ目は、多様性の促進です。英語では”Open-Mindedness”とタイトルをつけました。 このトレンドには、メンタルヘルスの重要性の高まりが関係していると思います。 世界的にも同じ兆候が見られますが、多様性の尊重だったり、自己のアイデンティティを受け入れる動きだったりが加速していると感じます。 Q: バックグラウンドも違う他国のトレンドを追うことは大変難しいと思いますが、他の地域のトレンドはどのようにして追っているのですか? まさにbtraxに協力していただいたところですね!日本のビジュアルトレンドの制作において、リサーチからレポートまで協力していただきました。 私はアメリカ人ですから、日本の画像やデザインに精通した人と協力することが必要でした。 もし私が日本語を話せたとしても、私は他の地域のトレンドを追うために自分の感覚だけを頼りにすることはないと思います。 なぜなら、日本に住んでいなければ日本の文化の一部に属していることにはならないからです。 ゆえにどの地域のトレンドを考えるにしても、その地域のデザインやクリエイティブに精通している人と協業しています。 btraxには日本という文化圏で暮らしており、かつデザインやマーケティングに知見のあるメンバーがいたので、ビジュアルトレンドのリサーチと相性が良いと感じ、今回btraxに依頼しました。 btraxのメンバーは全てのプラットフォームやチャネル、広告、ポスターなど、あらゆる種類のビジュアルをリサーチし、さまざまな業界のことを紹介してくれました。 ビジュアルに関わる全てのプロジェクトにおいて本当に重要なことです。 協業することで、効率よくリサーチを進めることができ、プロジェクトの成功を収めることができたと思っています。 Q: 2022年の日本のビジュアルトレンド全体で、特に重要なキーワードは何だと思いますか? 難しいですね。1つに決められないです。 トレンドごとにいくつかキーワードを上げるとするならば、まず多様性のトレンド”Open Mindedness”に関しては、compassion(同情)、 acceptance(受容)、diversity(多様性)identities(アイデンティティ)が挙げられると思います。 日本のAdobe Stockのグループとも協業していますが、「多様性」という言葉に含める概念の範囲が広がったと感じています。 例えば、今までも年代の多様性は言及されてきましたが、体型や性別にまつわる多様性は話題に挙がってきにくいことだったと思います。 今でも多様性=体型や性別にまつわることも含める、という考え方は完全に主流になったかと言われれば、まだ完全ではないと思いますが、少しづつ広がってきている動きですね。 日本でも「多様性」という概念に含める概念の幅は広がっていると感じています。 アイデンティティの多様性、とも言い換えられるかもしれませんね。それに加えて、ジェンダーの概念も変化していると感じています。 「女性らしさ」「男性らしさ」という文脈で語られてきたことは今では変化してきており、そもそも性別を2つのタイプに当てはめること自体が今では普通ではなくなってきていると感じます。 そして、家族の繋がり”Family Ties”に関してはintimacy(親密さ)、connection(繋がり)、closeness(親しさ)が挙げられると思います。 家族が描かれたビジュアルでは本当によく表現されることだと思います。 より心の繋がりが見えるように、顔を近づけている描写だったり、笑顔の描写だったり、肌のふれあいの描写だったりが表現されていますね。 トレンド予測は、その年になった時にトレンドが主流になっていることが大切ですが、そのトレンドが成長するかどうかまで予測する必要があります。 そして私たちはそれを、定量的、定性的なデータを分析することで可能にします。 特に、業界の異なるCMやポスターを見ることは、ビジュアルトレンドを予測する上で大切です。 例えば「多様性の尊重」というメッセージを発信しようとしたら、どの業界も同じようなビジュアルを用いて表現します。 すなわちさまざまな業界のCMやポスターに用いられているビジュアルを見て共通点があるかどうかを見ると、その国が産業や業界を超えて、どんなメッセージを消費者に伝えようとしているかが理解できます。 今回の日本の2つのトレンドもそのようにして洗い出しました。 Q: 2022年は、地域別のトレンドとして日本を挙げていました。2021年以前も毎年、グローバルトレンドと、ある特定の地域のトレンド、どちらもリサーチされていたのでしょうか? はい、そうです。チームメンバーがあらゆる地域におり、地域ごとのトレンドも作っています。あらゆる地域のトレンド予測を取り上げるとともに、今回行った日本のトレンドに関しても引き続き追っていきます。 グローバルトレンドももちろん重要ですが、どうしても世界共通のジェネラルなトレンドなので、その地域特有のトレンドも同時に発表することに重きを置いています。 もちろん、日本に関して言えば、日本企業は世界中に顧客を持っていますから、グローバルトレンドも重要ですね。 地域ごとにも、世界中にも、見ている人たちがいますから。 どちらにも情報を提供することができるように毎年準備しています。 早く実際に各地域を訪れる経験ができるようになると良いですね。 いつかみなさんにもお会いできると良いですね!その土地を肌で感じること、人と一緒にいることは全く違う体験になりますからね。 オンラインで調べたりするのと、実際に現場に行って人と会ったりするのを比べると、実際に会ったときに自分が得られるエネルギーが全く違います。なぜこれほどまでに違うのか、私が不思議に思っていることでもあります。 オンライン上で暮らして働くことは多くの人にとって必要不可欠なことになりましたが、実際にトレンドをリサーチした国に行ったり、共に仕事をした人に直接お会いしたりすることを楽しみにしています。 まとめ 今回はAdobe Stock Creative Trends Forecastの制作の過程やリサーチの過程をお聞きした。 グローバルトレンドはまた違い、自分の文化ではない国のトレンドをどのようにしてリサーチするのか、制作秘話も伺うことができた。 […]

【SF Pitch Night 2022から学ぶ】世界の起業家が語る、起業の経緯と成功までの軌跡

SF Pitch Night 2022が今年も開催され、大成功に終わった。 SF Pitch Nightとは、btrax主催のグローバルスタートアップピッチイベント。福岡市のグローバル起業家育成プログラムにおいて選抜されたピッチ候補者と、世界中から集まった次世代を率いる先鋭スタートアップを迎えてピッチバトルを行うイベントだ。 今年で通算6回目となる本イベント。2021年からはオンラインで開催しており、今年は2度目のオンライン開催となった。 今年度は初の試みとして、ピッチイベントの他に、世界中から集まった3名の起業家の方々を招いてファイヤーサイドチャットを行った。 本記事はその内容をもとに、「起業した経緯と今までの経験」、「スタートアップの今と未来」、「3人が考える”起業家”とは」というテーマ別でまとめたものだ。 登壇者 ファイヤーサイドチャットの登壇者はこちらの3名の起業家たちだ。 Yury Israilvsky Co-founder & President, Product Engineering at Clickhouse 25年間、YaHoo、Netflix、Googleなどのシリコンバレーの企業に勤めたのち、 2021年にClickhouseを創業。 Brandon K. Hill CEO & Founder, btrax, Inc. サンフランシスコ州立大学デザイン科卒。サンフランシスコに本社を置くデザインエージェンシーbtraxのCEO。 グローバル市場向けのイノベーション創出をミッションに、ブランディング、サービスデザイン、UXデザインを主軸とし、これまでに300社以上の企業にサービスを提供。 Jason DePerro Associate Design Director at Frog Design Apple、Samsung、Capital One、Silicon Valley Bankなどの企業でデザインリードをつとめる。現在はFrog Designのデザインディレクターとして、スタジオのサステナビリティ推進にも携わっている。 起業した経緯と今までの経験 なぜ現在のキャリアを歩んでいるのか。なぜ経営者になったのか 経営者になる人々は、なぜ自分で会社を経営する選択をしたのだろう。3名に伺ってみた。 Yury:90年代に大学を卒業してから、いくつかのスタートアップ企業に勤めた。たくさん失敗も経験し、立ち止まったことも傷ついたこともあったが、本当に多くのことを学んだ。 その後20年間ほど、YaHoo、Netflix、Googleなどのシリコンバレーの大企業に勤めた際は、最先端のテクノロジーを用いて、世界中で利用される大きなスケールのプロダクトを生み出すことができるようになったことに楽しみを感じた。 しかし、やはり何もないところから新しいことを創り出し、物事を早く行動に移せるスタートアップに魅力を感じていた。そのため、昨年機会があってClickhouseを立ち上げるに至った。 Jason:両親が起業家だったため、起業に対するイメージは湧いていた。そのため、かっこいい車を運転したい、という思いで車の小売ビジネスを起業した。そのビジネスをしたらポルシェとかの格好いい車に乗れると思ったからね。 今まで上手く行かなくて頓挫してしまったり、大幅に事業をピボットしたりしたこともあるが、行動をやめずに、課題だと思ったことを解決するべく挑戦してきた。 btraxを起業し、沢山の起業家のメンタリングも行っているBrandon。btraxを卒業した人からもたくさんの起業家が輩出されている。起業の動機はなんだったのだろうか。 Brandon:単純に、大学卒業後、自分はどこにも就職できなかった。シリコンバレーが不況の時だったため、Webデザイナーには募集があまりなかった時だった。 だから、自分に残された選択肢は自分で会社を立ち上げるか、Starbucksで働くかだった。僕はコーヒーを飲まないので、会社を立ち上げるという答えは明確だった。(笑) 日本では完全に敗者だった【インタビュー】btrax CEO, Brandon K. Hill それぞれ動機は異なるが、常に自分の抱えている問題意識ややりたいことに対して企業という選択肢がベストだったので会社を経営する立場にいる、という共通点がある。彼らはあくまでも「起業する」こと自体が目的になっていないのだ。 どのようにして最初のビジネス領域を決めたのか?そして、起業した当時のビジネスと今のビジネスはどのように違うか? Brandon:初めはWebデザイン会社を始めた。しかし数ヶ月間は上手く行かなかった。しかし、自分は日本人としての文化的側面も持ち合わせていることを改めて思い出し、それは他の人には真似できない強みだと思った。 そこで、日米の文化の橋渡しをするようなビジネスを展開しはじめた。そのようにして現在では、ブランディング、マーケティング、デザインの領域で、日米の橋渡しをするというユニークなサービスを提供している。他のデザイン会社とは一線を画した、ユニークな会社だと思う。 他の人には真似できない強みで尖ること、これがこれから起業を考えている人への僕からのアドバイスだ。 参考:Brandonの起業から15年間の物語 Jason:私は、人がどうしたら自分のビジネスのストーリーを他の人に「共有」したくなるのか、という基準で自分の始めるビジネスを考えていた。 そしてそれが人々の間で良いと思ってもらい、沢山の人々に共有され続けられそうなビジネスだという手応えをつかめるまで、ずっと起業する領域を探していた。 YuryはClickhouseを2021年の9月に創業しているが、世界中でコロナウイルス感染が拡大する厳しい状況の中で、1年間でどのようにして会社の成長を成し遂げたのか? Yury:私は半年前(2021年8月)に会社を設立した。Clickhouseのシステムは有名なオープンソーステクノロジー(エンジニアが開発した公開されているコード)を用いて開発されているため、設立した時点で、かなりの人数のユーザーがいたことは大変幸運だった。 しかし、ターゲットとしていたエンジニアのユーザーたちに、いかにして私たちのサービスを使ってもらえるようにするかが問題だった。既存のオープンソースのユーザーベースを開拓するためにGitHubを用いてマーケティング戦略を立てた。 また、成長戦略に関しては、会社が成長しているのは、もちろんエンジニアたちが素晴らしい技術で開発をし、リーダー陣がマネジメントをしてくれているからだ。 期待に応えるためにまだまだ改善すべきところはあるが、早く成長してユーザーを獲得できるプロダクトは、自分のキャリアの中でいくつものクラウド製品を作成した経験から、素晴らしい技術やアイデアではなくて、使ってくださるユーザーが何を求めているのか、その問題を解決するプロダクトだということだ。 「システムを構築したら、自然にユーザーが集まる」というようには思わない。ユーザーが困っていて、解決しなければならない問題を特定して、その解決策としてサービスがあるということを念頭におかなければいけない。 成長するサービス、プロダクトは、ユーザーにとってどんなメリットがあるのか、どのようにして人々の暮らしを豊かにするのかが明確だ。 それは、生活の中の困りごとを解決するという目的だったり、困ってはいないけれど、あったら便利で使いたいものであったりする。 いずれにせよ、ユーザーの感情をプラスにするものという視点なくして、成長は見込めないということだろう。 君のプロダクトはビタミン剤か?鎮痛剤か?それとも治療薬か? スタートアップの今と未来 2022年のスタートアップトレンド 実際にシリコンバレーで会社経営をしている3名が考える2022年のスタートアップトレンドとは? Jason:一般的なトレンドとしては、企業はどんどん顧客第一のサービスやプロダクトを作るようになっていると感じている。そしてデザインに優れて質の高い体験を提供するものを作っていることも挙げられる。 より大きなトレンドとして、ミッションドリブンな企業が増えており、社会問題、環境問題解決のミッションに共感して人々が集まった組織が多くなってきていることを興味深く思う。 金融業界など、そのようなテーマでは今まで活動している組織が少なかった領域までこのトレンドは広がっており、どの業界にも言えるトレンドだと考える。 海外の著名ブランドから学ぶブランドストーリー作成のポイント Brandon は日本のスタートアップトレンドについて以下のように語る。 Brandon:日本はここ10年で、スタートアップに対するイメージが大きく変わった国だと思う。10年前は「スタートアップ」という言葉すら知らない人が多かった。日本にはスタートアップの概念はなく、「新たに設立された企業」「スモールビジネス」という概念しかなかった。今ではスタートアップという言葉も当たり前に使われるようになっている。 スタートアップトレンドに関して言うと、日本では、社会にも人々にもポジティブな影響を与える方向に切り替わっている。 3年前、日本では「ユニコーン企業」という言葉が流行したが、今は「シマウマ系スタートアップ」、すなわちよりサステナブルなビジネスモデルで、ユニコーン企業のように急激な売り上げ拡大を第一目標にするのではなく、社会に良い影響を与えることだったり、顧客に満足してもらうことを非常に重視しているスタートアップが増えた印象だ。 今の日本のスタートアップには、ユニコーン企業とシマウマ系スタートアップが混在している状態。売り上げを急速にあげて、一攫千金を目指すことだけが企業の目的ではなく、社会に良い影響を与えることも企業が存在する目的だと思うため、良い傾向だと感じている。 ユニコーンの次はシマウマ企業 その特徴と可能性とは? Yuryは、直近会社を始めるにあたって一番いいタイミングやスタートアップトレンドに則ることが戦略としてあったと思うが、どう考えていたのだろうか。 Yury: 個人的に、あまりトレンドや時流を気にしすぎる必要はないと思う。もし明確な課題があるのであれば、そこからビジネスを生み出すことは可能であるように感じる。 今現存している大企業でも、不況の時にビジネスを始めた企業はたくさんある。利益を上げることは確かにより困難になってしまうかもしれないが、良いビジネスはどんな時代であっても利益を上げる方法を見つけ出すだろう。 不況の時の方が市場に沢山人がいて優秀な人材に出会えることに加え、不動産やオフィスの場所代なども安く済む。問題解決に有効な良いアイデアを生み出す方に重きを置いて良いと考える。 今後どの領域がイノベーションを起こすと思うか? Brandon:領域を特定せず、人々がやりたくないと思うようなことや、不幸にさせることを取り除くことだ。 例えば、誰もやりたくないものだろうトイレ掃除をしてくれるロボットなど。人々の不幸を取り除く何かを生み出せば、成功する確率は高くなるだろう。 それが最終的には社会に幸せをもたらすことにつながると思う。 Yury:アメリカの市場であれば、大きく3つの市場が挙げられる。ファイナンシャル、ヘルスケア、教育だ。 21世紀では、経済の展開はかなり不確実になっていることもあり、イノベーションを起こす領域は他にもたくさんあると思う。 Jason:世界が感染症によって衝撃を受けた現代、個人的には、子供たちのためのメンタルヘルスサービスを見てみたい。ずっと探しているが、まだそのようなサービスは見つけていない。パンデミックの影響で需要が高まっていると感じているため、今後に期待している。 3人が考える「起業家」とは 良い起業家の条件は? Brandon:1つ目は持久力があること。経営者は存続のために会社の経営をし続ける必要がある。経営は短距離走ではなく長距離走。2つ目は大胆であり、同時に繊細であること。3つ目は、誰かの下で働くことに向いていない人。この要素を持つ人は、起業して経営をし続けなければいけないと思う。例えば僕のようにね。 […]

【SF Pitch Night 2022から学ぶ】世界の起業家が語る、起業の経緯と成功までの軌跡

SF Pitch Night 2022が今年も開催され、大成功に終わった。 SF Pitch Nightとは、btrax主催のグローバルスタートアップピッチイベント。福岡市のグローバル起業家育成プログラムにおいて選抜されたピッチ候補者と、世界中から集まった次世代を率いる先鋭スタートアップを迎えてピッチバトルを行うイベントだ。 今年で通算6回目となる本イベント。2021年からはオンラインで開催しており、今年は2度目のオンライン開催となった。 今年度は初の試みとして、ピッチイベントの他に、世界中から集まった3名の起業家の方々を招いてファイヤーサイドチャットを行った。 本記事はその内容をもとに、「起業した経緯と今までの経験」、「スタートアップの今と未来」、「3人が考える”起業家”とは」というテーマ別でまとめたものだ。 登壇者 ファイヤーサイドチャットの登壇者はこちらの3名の起業家たちだ。 Yury Israilvsky Co-founder & President, Product Engineering at Clickhouse 25年間、YaHoo、Netflix、Googleなどのシリコンバレーの企業に勤めたのち、 2021年にClickhouseを創業。 Brandon K. Hill CEO & Founder, btrax, Inc. サンフランシスコ州立大学デザイン科卒。サンフランシスコに本社を置くデザインエージェンシーbtraxのCEO。 グローバル市場向けのイノベーション創出をミッションに、ブランディング、サービスデザイン、UXデザインを主軸とし、これまでに300社以上の企業にサービスを提供。 Jason DePerro Associate Design Director at Frog Design Apple、Samsung、Capital One、Silicon Valley Bankなどの企業でデザインリードをつとめる。現在はFrog Designのデザインディレクターとして、スタジオのサステナビリティ推進にも携わっている。 起業した経緯と今までの経験 なぜ現在のキャリアを歩んでいるのか。なぜ経営者になったのか 経営者になる人々は、なぜ自分で会社を経営する選択をしたのだろう。3名に伺ってみた。 Yury:90年代に大学を卒業してから、いくつかのスタートアップ企業に勤めた。たくさん失敗も経験し、立ち止まったことも傷ついたこともあったが、本当に多くのことを学んだ。 その後20年間ほど、YaHoo、Netflix、Googleなどのシリコンバレーの大企業に勤めた際は、最先端のテクノロジーを用いて、世界中で利用される大きなスケールのプロダクトを生み出すことができるようになったことに楽しみを感じた。 しかし、やはり何もないところから新しいことを創り出し、物事を早く行動に移せるスタートアップに魅力を感じていた。そのため、昨年機会があってClickhouseを立ち上げるに至った。 Jason:両親が起業家だったため、起業に対するイメージは湧いていた。そのため、かっこいい車を運転したい、という思いで車の小売ビジネスを起業した。そのビジネスをしたらポルシェとかの格好いい車に乗れると思ったからね。 今まで上手く行かなくて頓挫してしまったり、大幅に事業をピボットしたりしたこともあるが、行動をやめずに、課題だと思ったことを解決するべく挑戦してきた。 btraxを起業し、沢山の起業家のメンタリングも行っているBrandon。btraxを卒業した人からもたくさんの起業家が輩出されている。起業の動機はなんだったのだろうか。 Brandon:単純に、大学卒業後、自分はどこにも就職できなかった。シリコンバレーが不況の時だったため、Webデザイナーには募集があまりなかった時だった。 だから、自分に残された選択肢は自分で会社を立ち上げるか、Starbucksで働くかだった。僕はコーヒーを飲まないので、会社を立ち上げるという答えは明確だった。(笑) 日本では完全に敗者だった【インタビュー】btrax CEO, Brandon K. Hill それぞれ動機は異なるが、常に自分の抱えている問題意識ややりたいことに対して企業という選択肢がベストだったので会社を経営する立場にいる、という共通点がある。彼らはあくまでも「起業する」こと自体が目的になっていないのだ。 どのようにして最初のビジネス領域を決めたのか?そして、起業した当時のビジネスと今のビジネスはどのように違うか? Brandon:初めはWebデザイン会社を始めた。しかし数ヶ月間は上手く行かなかった。しかし、自分は日本人としての文化的側面も持ち合わせていることを改めて思い出し、それは他の人には真似できない強みだと思った。 そこで、日米の文化の橋渡しをするようなビジネスを展開しはじめた。そのようにして現在では、ブランディング、マーケティング、デザインの領域で、日米の橋渡しをするというユニークなサービスを提供している。他のデザイン会社とは一線を画した、ユニークな会社だと思う。 他の人には真似できない強みで尖ること、これがこれから起業を考えている人への僕からのアドバイスだ。 参考:Brandonの起業から15年間の物語 Jason:私は、人がどうしたら自分のビジネスのストーリーを他の人に「共有」したくなるのか、という基準で自分の始めるビジネスを考えていた。 そしてそれが人々の間で良いと思ってもらい、沢山の人々に共有され続けられそうなビジネスだという手応えをつかめるまで、ずっと起業する領域を探していた。 YuryはClickhouseを2021年の9月に創業しているが、世界中でコロナウイルス感染が拡大する厳しい状況の中で、1年間でどのようにして会社の成長を成し遂げたのか? Yury:私は半年前(2021年8月)に会社を設立した。Clickhouseのシステムは有名なオープンソーステクノロジー(エンジニアが開発した公開されているコード)を用いて開発されているため、設立した時点で、かなりの人数のユーザーがいたことは大変幸運だった。 しかし、ターゲットとしていたエンジニアのユーザーたちに、いかにして私たちのサービスを使ってもらえるようにするかが問題だった。既存のオープンソースのユーザーベースを開拓するためにGitHubを用いてマーケティング戦略を立てた。 また、成長戦略に関しては、会社が成長しているのは、もちろんエンジニアたちが素晴らしい技術で開発をし、リーダー陣がマネジメントをしてくれているからだ。 期待に応えるためにまだまだ改善すべきところはあるが、早く成長してユーザーを獲得できるプロダクトは、自分のキャリアの中でいくつものクラウド製品を作成した経験から、素晴らしい技術やアイデアではなくて、使ってくださるユーザーが何を求めているのか、その問題を解決するプロダクトだということだ。 「システムを構築したら、自然にユーザーが集まる」というようには思わない。ユーザーが困っていて、解決しなければならない問題を特定して、その解決策としてサービスがあるということを念頭におかなければいけない。 成長するサービス、プロダクトは、ユーザーにとってどんなメリットがあるのか、どのようにして人々の暮らしを豊かにするのかが明確だ。 それは、生活の中の困りごとを解決するという目的だったり、困ってはいないけれど、あったら便利で使いたいものであったりする。 いずれにせよ、ユーザーの感情をプラスにするものという視点なくして、成長は見込めないということだろう。 君のプロダクトはビタミン剤か?鎮痛剤か?それとも治療薬か? スタートアップの今と未来 2022年のスタートアップトレンド 実際にシリコンバレーで会社経営をしている3名が考える2022年のスタートアップトレンドとは? Jason:一般的なトレンドとしては、企業はどんどん顧客第一のサービスやプロダクトを作るようになっていると感じている。そしてデザインに優れて質の高い体験を提供するものを作っていることも挙げられる。 より大きなトレンドとして、ミッションドリブンな企業が増えており、社会問題、環境問題解決のミッションに共感して人々が集まった組織が多くなってきていることを興味深く思う。 金融業界など、そのようなテーマでは今まで活動している組織が少なかった領域までこのトレンドは広がっており、どの業界にも言えるトレンドだと考える。 海外の著名ブランドから学ぶブランドストーリー作成のポイント Brandon は日本のスタートアップトレンドについて以下のように語る。 Brandon:日本はここ10年で、スタートアップに対するイメージが大きく変わった国だと思う。10年前は「スタートアップ」という言葉すら知らない人が多かった。日本にはスタートアップの概念はなく、「新たに設立された企業」「スモールビジネス」という概念しかなかった。今ではスタートアップという言葉も当たり前に使われるようになっている。 スタートアップトレンドに関して言うと、日本では、社会にも人々にもポジティブな影響を与える方向に切り替わっている。 3年前、日本では「ユニコーン企業」という言葉が流行したが、今は「シマウマ系スタートアップ」、すなわちよりサステナブルなビジネスモデルで、ユニコーン企業のように急激な売り上げ拡大を第一目標にするのではなく、社会に良い影響を与えることだったり、顧客に満足してもらうことを非常に重視しているスタートアップが増えた印象だ。 今の日本のスタートアップには、ユニコーン企業とシマウマ系スタートアップが混在している状態。売り上げを急速にあげて、一攫千金を目指すことだけが企業の目的ではなく、社会に良い影響を与えることも企業が存在する目的だと思うため、良い傾向だと感じている。 ユニコーンの次はシマウマ企業 その特徴と可能性とは? Yuryは、直近会社を始めるにあたって一番いいタイミングやスタートアップトレンドに則ることが戦略としてあったと思うが、どう考えていたのだろうか。 Yury: 個人的に、あまりトレンドや時流を気にしすぎる必要はないと思う。もし明確な課題があるのであれば、そこからビジネスを生み出すことは可能であるように感じる。 今現存している大企業でも、不況の時にビジネスを始めた企業はたくさんある。利益を上げることは確かにより困難になってしまうかもしれないが、良いビジネスはどんな時代であっても利益を上げる方法を見つけ出すだろう。 不況の時の方が市場に沢山人がいて優秀な人材に出会えることに加え、不動産やオフィスの場所代なども安く済む。問題解決に有効な良いアイデアを生み出す方に重きを置いて良いと考える。 今後どの領域がイノベーションを起こすと思うか? Brandon:領域を特定せず、人々がやりたくないと思うようなことや、不幸にさせることを取り除くことだ。 例えば、誰もやりたくないものだろうトイレ掃除をしてくれるロボットなど。人々の不幸を取り除く何かを生み出せば、成功する確率は高くなるだろう。 それが最終的には社会に幸せをもたらすことにつながると思う。 Yury:アメリカの市場であれば、大きく3つの市場が挙げられる。ファイナンシャル、ヘルスケア、教育だ。 21世紀では、経済の展開はかなり不確実になっていることもあり、イノベーションを起こす領域は他にもたくさんあると思う。 Jason:世界が感染症によって衝撃を受けた現代、個人的には、子供たちのためのメンタルヘルスサービスを見てみたい。ずっと探しているが、まだそのようなサービスは見つけていない。パンデミックの影響で需要が高まっていると感じているため、今後に期待している。 3人が考える「起業家」とは 良い起業家の条件は? Brandon:1つ目は持久力があること。経営者は存続のために会社の経営をし続ける必要がある。経営は短距離走ではなく長距離走。2つ目は大胆であり、同時に繊細であること。3つ目は、誰かの下で働くことに向いていない人。この要素を持つ人は、起業して経営をし続けなければいけないと思う。例えば僕のようにね。 […]

ユーザー、消費者の「欲望」を創造するブランディング3つのポイント

「ブランディング」と聞いて、どんなイメージを浮かべるだろうか?同じ商品でも、ブランディングすることで「ブランド」という装飾がつき差別化されるもの、商品に付加価値を与えるもの、と考える方は多いのではないだろうか。 今回の記事は、原点に立ち返り、改めて「ブランディング」という言葉の意味を再考察する。この記事を読む皆さんがブランディングを捉え直すきっかけとなれば幸いだ。 その原点とは、「ブランディングとは消費者の欲望を創造することである」という概念だ。なぜなら、人間が何かしらの行動を起こす時、それは「欲望」が発生した時だからだ。 この記事は、「ブランディング」という言葉に対し、「定義が漠然としているがゆえに、いまいちピンとこない」、「自社のサービスのブランディングを強化していきたいが、そもそもどのようにブランディングすれば良いのかを具体的にイメージできていない」、そんな方に読んでいただきたい。 欲望が人を動かす 人間の欲望は様々だ。例えば、喜びを感じたい、尊重されたい、共感したい、満足感を得たい…といったように。 それらの欲望をよりわかりやすく噛み砕くと、「自分の生活をより良くしたい」、「自分らしさを表現できている感覚が欲しい」などが挙げられる。 ではそんなさまざまな欲望とブランディングはどう関係するのか。 今回は、主にtoC向けのサービスやプロダクトにおける、ユーザーや消費者の「欲望」を掻き立てるブランディングの3つのポイントをご紹介する。 ブランドストーリーが日本企業にとって重要な理由 ユーザー、消費者の欲望を掻き立てる「ブランディング」の3つのポイント 本質的であること 魅力的であること 野心的であること 1. 本質的であること あなたのブランドは、社会に対してどんな価値を提供しているブランドですか? ブランドが「本質的」であるとはどういうことか。それは、ブランドが​​パーパス(社会的な存在意義)を持っているかどうか?という問いに言い換えもできる。 ブランドは、何かしらの課題感から生まれていることが必要だ。課題の種類は、社会課題でも良いし、ユーザーが感じている悩みでも良い。課題の規模の大小というよりは、課題に対しての解決策としてそのブランドが存在していることが重要だ。 海外ブランドが「できるだけ買わないでください」を広げる意外な理由 例えば、低身長の女性に向けた衣服を展開するファッションブランドのCOHINAは、ユーザーの「サイズの合う服がなく、おしゃれを楽しみたいけれど楽しめない」という悩みを解消している。 同様の悩みを抱えている女性にとって、COHINAというブランドがこの世の中に存在する一つの理由になる。 なぜ「本質的」なブランドであることが大切なのか。それは、モノが溢れている現代において、他のモノと差別化する要因となるのが「選択肢が沢山ある中でも、それを自分のライフスタイルに取り入れたいと思わせる理由」だからだ。 そのためには、単に世界観が魅力的、というだけではなく、ブランドに根付く「課題解決」の精神が存在する必要がある。 ユーザーも、「自分が抱えている課題や悩みを解決してくれる」という、ある種の信頼感のようなものも、「課題解決」の精神が根づく本質的なブランドからしか感じられない。 自分達のブランドの「本質」が何かを探るためには、他ブランドとの比較をするのではなく、自社のブランドをより深掘りして、社会に提供している価値を理解することが必要だ。 自分たちはどんなユーザーのどんな課題を解決するのか、社会のどんな課題に貢献するのか、という自問自答をしなければならない。 あくまでもブランドの本質を見抜く際には、競合との比較で見えてくるものではないことを押さえておいて欲しい。 2. 魅力的であること あなたのブランドは、どうやってユーザーをワクワク、ドキドキさせる? 魅力的なブランドを作るためには、1つ目のポイントで述べたように自分たちのブランドの「本質」を深掘りして理解した上で、ユーザーの感情の高揚を引き起こさせる必要がある。 ブランドの魅力となる要素は2つの価値に分類できる。 機能的価値 機能的価値とは、製品を使う目的を果たすのに、機能的に不自由がなく、便利だと感じられることによって感じられる価値。 情緒的価値 ブランドの製品を使っていることで自分の生活を良くしてくれているという実感があること、そして気分が上がることによって感じられる価値。 この2つの価値をいかにして感じさせるかを考えることが、魅力的なブランドを作る上での重要な要素になってくる。 特にこれらの価値のうち、情緒的価値は、自分達のブランドをブランドたらしめる要素になるだろう。 機能的価値はある程度、技術を駆使することで解決できる故、技術的価値のみでは差別化しづらい。 一方、情緒的価値は自分達の本質が見えていないと言語化が難しいが、ブランドのオリジナルの色が出やすい。 ブランドとしてどちらの価値も追い求めることは重要である一方で、そのブランドにしか出せない世界観や、ユーザーに与える印象で差別化をすることに最終的には重きを置くべきではないだろうか。 3. 野心的であること パーパス達成のために、どのようにユーザーを巻き込んでいるか? 野心的なブランドになるか否かは、ユーザーを巻き込めるかどうかにかかっている。 そのブランドのユーザーが、ブランドの価値を社会に発信しようと思えるエヴァンジェリスト(伝道者)的な役割を果たして、ブランドとともに、ブランドが提起した課題を解決しようと思うかどうかが鍵になる。 野心的なブランドになるには、深掘りの動きではなく、ユーザーを巻き込む動きが必要になってくるため、本質的であり魅力的なブランドを創造することとは違った難しさがある。 しかし、難易度は高くとも、ブランドに共感する人々の輪を広げるためにも、ぜひユーザーを巻き込んで野心的なブランドになることを目指していただきたい。 まずは「本質的」なブランドに 以上で3つのポイントを解説した。 なおこの3つのポイントは、説明した順番で、本質的なブランドを目指すことから始め、次のステップとして魅力的なブランド、最後に野心的なブランドを目指すというステップを踏んでいただきたい。 というのも、なんらかの課題に根付く本質的なブランドでない限り、サービスやプロダクトが魅力的であっても、それは表面的な魅力にしかなり得ず、長期的にはブランドに意義を見出してもらえなくなるからだ。 また、本質的かつ魅力的でなければ、そもそもユーザーを巻き込むことが非常に難しいからだ。 従って、本質的、魅力的、野心的、というように、自社からユーザー、そしてコミュニティと、次第に外に目線を向けていくステップでブランドを捉えていただきたい。 そして、野心的なブランドを構築するためには、「コミュニティをいかに作れるか」が大事な要素になってくる。 すなわち、支持するブランドのスタンスが、自分の嗜好性やライフスタイルを示す指標にそのまま転換されるのだ。 これを実現するためには、ブランドの本質を見極め、社会においてブランドがどの立ち位置にいるのかを決めておくべきである。 結果的に、「欲望」を掻き立てる3つの要素を満たすブランドを作りたければ、まずは本質的なブランドでないといけない。ブランドがどう行動し、それに対してユーザーがどう反応するのかを、上記の3つの視点で考えてブランドの要素に盛り込むことを意識していただきたい。 3つの要素を意識しているブランドの事例 最後に、上記の要素を満たしているブランドの事例を紹介する。今まではかなり抽象的な議論に終始してしまっていたので、具体的なブランドから、上記の3つのポイントをイメージをしていただけたら幸いだ。 本質的で、魅力的で、野心的なブランド 1. Patagonia 上記の3つの要素を満たしているブランドとして、多くの方がご存知であろうPatagoniaを例に挙げて説明する。 Patagoniaは、1973年にアメリカ・カリフォルニア州で誕生した、アウトドアのウェアや用品を取り扱うブランドだ。「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という明確なミッションを持っている。 アウトドアブランドならではの厳しい環境変化にも耐え、心地よい着心地を持続させる機能性はもちろんのこと、衣服にはフェアトレードの縫製を採用。着ていることで自分が解決したい社会課題に対して解決の一助になっているという情緒的価値も生み出す。 また、Patagoniaは自分達のミッションに紐づいた活動を「アクティビズム」と称して、ユーザーを巻き込んで行なっている。 例えば、気候変動を引き起こす要因を知ることができる、クライメート・アクティビズム・スクールを開講したり、スノーボーダー、スキーヤーを巻き込んで脱炭素社会を意識した選択と行動を啓発する団体(Protect Our Winters)と提携したりしている。 さらに、自然環境の保護/回復のために売上の1%を寄付する、1% for the Planetの活動にも参加している。 まさに、ブランドの本質を理解し、共感するユーザーを巻き込んで活動する、また、参加すべき活動にブランドを上げて取り組んでいる、野心的なブランドであると言えるだろう。 2. Pangaia Pangaiaとは、7つの社会課題解決 / 社会活動に取り組むアパレルブランドだ。 Biodiversity – 地球の生物多様性の保護 Innovative Materials – 科学、目的、デザインの3つを重要視した自然由来の素材選 Ocean Health – 海洋汚染 Climate Action – 水生生物の繁栄、海洋汚染の予防 Circularity – 循環型モデルを採用し、資源の消費を最小限に抑え、廃棄物をなくし、良い製品を長く使うよう心がける Elevating Human Potential – 多様性の尊重 Philanthropy – 慈善活動 Pangaiaは「社会へのインパクトを可視化する」、「持続可能なサプライチェーンの構築」、「地球の全ての資源にとってネットポジティブ(全体でプラスとなること)を実現する」という、3つのブランドビジョンが確立されている。 このブランドを身につけることで、ユーザーはPangaiaのブランドビジョンに共感し、サステナビリティへの関心が高いことを示すことができる。 衣服の素材には自然由来の素材や、リサイクル素材を用いており、サステナビリティ・地球環境保護への取り組みへの協力を感じられる購買体験を実現している。 […]

【ローカライゼーションの第1歩】アメリカのキャッチコピーの特徴

「言葉」は気付かぬうちに絶大な力を発揮している。ビジネスの世界においては、今やコピーライティングはどの職種でも必須のスキルになりつつある。D2Cブランドやオンラインショッピングが増え、物が売れる、売れないの鍵を一番握っているのは商品説明やタイトル、ヘッドラインの言葉と言っても過言ではない。 いかにターゲットとなる人を惹きつけるか。これはどんなシーンでも提起されるべき問いではあるが、これが、国境や文化をまたいだものになるとその難易度は高まる。逆に言うと、その国の国民性に合ったコピーライティングができることは、ローカライゼーションの一歩となる。 しかし、実際には、日本語のキャッチコピーを英語に訳そうとしてもうまくいかない、英語のキャッチコピーを日本語に訳そうとしてもうまくいかないということは往々にしてありうる。 今回はアメリカにおけるコピーライティングの特徴を、日米の違いに着目しながらご紹介する。ブランド、サービスの海外展開を考えている方の参考になれば幸いだ。 日本とアメリカのキャッチコピーの違い2選 英語キャッチコピーの特徴の紹介に入る前に、日本と英語のキャッチコピーの大きな違いをご説明する。以下の2点を見るだけでも、両者が大きく異なる特徴を持つことがお分かりいただけると思う。 1. 間接的な表現をする日本のキャッチコピー、直接的な表現をするアメリカのキャッチコピー LUMINE (日本) 自分に夢中になれないと、誰かを真っすぐ愛せない。 日本ではこのような曖昧性の高い、情緒的なキャッチコピーの広告は多く見られるが、他の国では驚かれるかもしれない。なぜなら、このキャッチコピーだけでは、何のキャンペーンの広告なのか、ましてやロゴがない場合はどの企業が出しているキャンペーンかすら一目ではわからないからだ。(日本人ですら判断することは難しいだろう。) しかしこのような、見る人によって解釈を変えられる表現のキャッチコピーには、ターゲットを広くとり、多くの人の心を動かせるという利点もある。商品そのものの特徴や、具体の説明を直接的にするキャッチコピーは、逆に商品の説明に終始してしまったり、意図せずサービスやプロダクトに興味のない人を除外してしまっている可能性がある。 含みのあるキャッチコピーの方が、広い人をターゲットとできるため、ターゲット層の広い百貨店などのキャッチコピーには向いている。さらに、解釈の幅が広いキャッチコピーは見る人それぞれの「個人の記憶」を思い起こすものであり、パーソナルなことを想起させられた場合、印象に残りやすいというメリットもある。 Slack (アメリカ) Imagine what you’ll accomplish together.:共に何を成し遂げられるのか想像してみてください。 “Imagine what you’ll accomplish together”というヘッドラインの下に、Slackでできることの説明が続く。 その説明では、「Slackは、仕事をする上でのコミュニケーションとハブとなるツールであり、どんな仕事をする時でもコミュニケーションが生まれ、決断がなされ、情報があなたの指先にある場所です。Slackがあれば、あなたのチームはよりつながりを感じることができます。」と書かれている。 この文章からは、Slackが何ができるサービスで、どのように役立つのか明確に分かる。Slackというサービスの概要が端的かつ明確に伝わる、わかりやすいキャッチコピーだ。 アメリカにおいては、人種、バックグラウンドがバラバラであるため、日本のように間接的な表現で具体的な年代、性別をターゲットすることはほぼ不可能。 それゆえ、直接的な表現でプロモーションし、「良いと思ってもらうべき人に良いと思ってもらえる割合をいかにして増やすか」という観点での思考が必要だ。 もはやアメリカで直接的な説明にならないキャッチコピーは、Nikeの”Just Do It”、McDonaldの”I’m lovin it”くらい珍しいものかもしれない。 主語がない日本語のキャッチコピー、主語がある英語のキャッチコピー 味の素 (日本) Eat well, live well 味の素の英語のキャッチコピーも、主語がない良い事例だ。誰に対してのキャッチコピーであるかは明確になっていないが、「よく食べ、よく生きる」という、広い世代に向けたメッセージであることが理解できる。 BEAMS 35周年キャンペーン (日本) 恋をしましょう 「恋をしましょう」とだけ書かれたキャッチコピー。先ほどのLUMINEのキャンペーンと同様、これだけでは、何のキャンペーンの広告なのか、どの企業が出しているキャンペーンかを理解するのは難しい。 目立つオレンジ色の背景に、ハートの中に洋服を思わせるようなチェック柄、小説のような字体を用いることで、温かみも感じさせるキャンペーンだ。 上記の二つの事例では、どちらのキャッチコピーにも主語が明確に示されているわけではないが、日本人である私たちには意味が伝わる。 主語がなくても「広告を見た人全員に向けて言っている」、「だいたいこの年代に向けて言っている」というのが感覚的に分かる。 主語がない方が冗長な表現にならず、声に出して読んだ時もリズミカルで聴き心地が良いという側面もある。 Kodak cameras (アメリカ) You press the button, we do the rest.:ボタンを押すだけ。あとはお任せ。 こちらのキャッチコピーでも“You”が多用されている。自然に和訳するのであればyou=「あなた」やwe=「私たち」は訳さない。 Dropbox (アメリカ) 英語が多くの主語を入れて話される言語だと実感できるのが、Dropboxのキャッチコピーだ。 Take your docs anywhere. Save files on your computer, then access them on your phone from the road. Everything you keep in Dropbox is synced automatically to all your devices. このキャッチコピーを和訳してみよう。英文に忠実に和訳すると、以下のような文章になる。 あなたのデータをどこへでも。あなたのパソコンでデータを保存し、出先からあなたの携帯でアクセス。Dropboxに保存されているあなたのデータはすべて自動的にあなたの全デバイスへ同期されます。 英語をそのまま和訳すると、不自然に聞こえる。これを自然に訳すとしたら、例えば以下のようになりそうだ。 データをどこへでも。パソコンでデータを保存し、出先から携帯でアクセス。Dropboxに保存されているデータはすべて自動的に全デバイスへ同期されます。 日本語では主語がない方が自然に聞こえるが、英語では主語がついていた方がよりパーソナルな感じを出すことができ、キャッチコピーとして自然である。 Dropbox以外の事例でも、 Redbullの”Gives you wings.”(レッドブル、翼を授ける。) M&M’Sの”Melts in Your Mouth, […]

ロゴもレスポンシブの時代へ

これまでのロゴの基本は、どのようなサイズにも対応できるデザインを施すことだった。例えば、高速道路脇の巨大なビルボードから、新聞に小さく掲載される白黒のバージョンまで、さまざまな利用用途に対応したロゴをデザインするのが基本。 自ずと複雑だったり要素が多すぎるロゴは汎用性が低くなるため、なるべく少ない構成要素でシンプルなデザインがロゴデザインにおける王道のディレクションとされてきた。 優れたロゴを構成する5つの要素 時代と共に変化するデザイン手法 しかしながら、ここ数年でデジタルチャンネルが一気に普及したため、デザインに対する考え方やメソッドが大きく変化し始めている。 具体的には、以前までは紙媒体が主なチャンネルであったグラフィックデザインも、現代ではスクリーンメディアの方がメインになり、表示される解像度から色のプロファイルまで全く異なる技法が用いられている。 それに合わせ、ブランディングやロゴデザインの概念も革新的に変化が進んでいる。そこではこれまで正しいとされてきたルールが適用されにくくなってきている。 意外と知らないデザインとブランディングの関係性 現代のブランドデザインはロゴもレスポンシブ スマホの普及が進み始めた2010年代ごろからWebサイトのデザインに “レスポンシブデザイン” の手法が取り入られ始めた。レスポンシブデザインとは、ユーザーが利用している画面のサイズに合わせ、サイトのレイアウトやコンテンツが可変式に表示されるデザイン。 それまではPC向けのサイトとモバイル向けのサイトをそれぞれ別にデザインすることが一般的だったが、スマホのブラウザーがよりPCに近い画像表示が可能になったり、タブレットやウェアラブル、画面の大きいモニターからVRなど、異なるサイズのスクリーンの利用が普及した。 それに対応するべく、ユーザーの利用環境に合わせ、サイト表示がスムーズに変化していくデザイン、コンテンツ作成、およびコーディングが施され始めた。このデジタルデバイスの多様化や、スタートアップを中心に、ロゴの「アイコン化」が進んだために、最近ではロゴもレスポンシブにする動きが進んでいる。 これまでの存在していたロゴバリエーション これまでのブランディングプロセスにおいても、その利用用途に合わせて複数のバリエーションをデザインするのが一般的だった。具体的には、ロゴタイプとロゴシンボルの扱いやレイアウト、そして色を反転したバージョンなどが挙げられる。 それらは主に異なる紙媒体や誌面掲載を念頭においたデザイン施策である。 レスポンシブロゴの基本 グラフィックデザインのロゴバリエーションを一歩進め、現代のデジタルデバイスに対応した、レスポンシブに対応したロゴ = レスポンシブロゴとは、想定される利用用途に合わせて、いくつかのバリエーションを準備した「ロゴのセット」である。 これは単純に異なるサイズを準備しておくだけでなく、サイズに応じてロゴを構成する要素も変化させる。可視性を重視し、ブランド認知度を上げるための新しい手法である。これまでの一つのロゴで全ての用途に対応できなくなったのが原因。 それまでブランディング理論では、ご法度でもあった「ロゴをいじる」ことを逆手にとり、むしろ積極的に異なる要素を含むバリエーションを準備しておこうという考え方。 レスポンシブロゴの事例紹介 それでは著名なブランドロゴを中心に、最新のレスポンシブロゴの例を見ていこう。 その他の事例はこちらのサイトで確認可能 レスポンシブロゴをデザインする際の5つのポイント 最後に実際にレスポンシブなロゴをデザインする場合のポイントを5つほど紹介する。このポイントを抑えれば、新規ロゴでも既存のロゴのレスポンシブ化にも対応することが可能になる。 1. 最低4つのバリエーションを準備する その利用用途で異なる要素を含むロゴのバリエーションを作成するのだが、その際は最低でも4つほどデザインしておくのがおすすめ。目安としては、パソコン、タブレット、スマホ、アイコン用に作っていくイメージ。 例: NewsPicks 2. そのスケールに合わせて構成要素の足し引きを行う これまでのロゴバリエーションとレスポンシブロゴの一番の違いは、サイズによってロゴの要素が変化するかどうかだろう。一昔前はサイズによってロゴの掲載要素を変えるのはルール違反だったが、レスポンシブロゴではそれが特徴にもなっている。 一般的に大きめのサイズにはスローガンや設立日などの優先度の低い要素も掲載し、小さくなるにつれ、重要な要素だけに削られていく。 例: Kodak 3. 全てのバリエーションで統一性を持たせる レスポンシブロゴに関する最大の誤解として、それぞれのバージョンがすべて異なるロゴでなければならないとされる点。しかし実際には、レスポンシブロゴは同じオリジナルロゴの異なるバージョンである。 従って、異なるバージョンでもフォントや配色、シェイプといった統一の要素が求められる。これらの要素は、ロゴだけではなく、ブランディング全体に直結する。 例: Guiness 4. 小さいサイズの場合は “形” だけを表示するのも効果的 ロゴの縮小版をデザインする際に、オリジナルの要素が失われてしまうという壁にぶつかることがある。そのような場合は、ロゴのシンボル部分の形を活用し “アイコン化” させる。 そしてそのアイコンの形が一般的になってくれば、ブランド資産としてロゴの価値が上がっていく。例えばAmazonの矢印やGoogleのGの文字などが挙げられる。 例: Heinz 5. サイズによってシンボルとタイプのスタック方法を変えてみる レスポンシブロゴは、必ずしも大きいか小さいかではない。レスポンシブロゴの役割は、さまざまな状況に「対応」することであり、通常はサイズだけでなく、周囲との調和も考慮する必要がある。 ロゴによっては、テキストなどの要素をどのように重ねるかで、より柔軟な対応が可能。要素を完全に削除するのではなく、配置を変えるだけで同じような省スペース効果を得ることができる。 レスポンシブロゴをデザインする際には、単に要素を削除するだけでなく、再配置することも選択肢に入れたい。場合によっては、小さいサイズでもロゴの重要な部分を残すことができるので、一石二鳥とも言える。 例: btrax ボーナス: 異なるロゴバリエーションを活用したアニメーションを作成する それまでデザインしたレスポンシブロゴのバリエーションを使い、デジタルメディア向けにアニメーションを作成する。そうすることで、ユーザーに対して一目で全てのタイプを見せることができ、ロゴの認知度が上がる。 例: Huffington Post

まるで宝箱!? アメリカで話題の「サブスクリプションボックス」とは?

COVID-19で需要が拡大した通称「サブスク」ことサブスクリプション。日本でもそのサービス幅は広がりを見せている。代表的なものは、Netflix、Apple Music、Spotifyなど。こういったものはもはや生活になくてはならないサービスになっている方も少なくないのではないか。 最近では水、食品、サプリメントなどが定期的に家まで届くサービスも登場してきており、コロナ禍の「おこもり需要」に応えている。 今回はそんなサブスクリプションサービスの中でも、アメリカの「サブスクリプションボックス」に焦点を当ててご紹介する。サブスクリプションボックスとは言葉の通り、自分が注文した物がボックスに入って家まで届くサービスのことだ。 「ボックス」であるメリットは? 商品だけが届いてもサブスクリプションとしても機能を果たすが、わざわざボックスに入れて提供しているのは何故か。その理由は大きく2点だ。 1. セレンディピティ セレンディピティとは、思わぬものを偶然に発見すること。「こんなのが欲しかった!」という予期していなかったプロダクトに出会える可能性があるところはサブスクリプションボックスの一つの特徴だ。 サブスクリプションボックスには何が送られてくるかわからないものも多い。新たな出会いのワクワク感があるのは「開けるまで分からない」サブスクリプションボックスの強みだ。 パーソナライズの死角とデジタル・セレンディピティ 2. ワクワクする開封体験 ボックスを開けるとき、まるでプレゼントを開ける時のような体験ができるのも特徴の一つ。入っているものがわからない時はもちろん、何が入っているかわかっている場合も、自分が選んだものが入っている箱を開けるワクワク感が体験できる。 D2Cの開封体験デザイン – ブランドに学ぶカスタマーと繋がる方法 アメリカで人気の最新サブスクサービス5選 【ワインのサブスク】Vinebox 【洗剤のサブスク】CleanCult 【おもちゃのサブスク】Kiwico 【訳あり野菜&果物のサブスク】Misfits Market 【エシカルプロダクトのサブスク】Causebox 【ワインのサブスク】Vinebox Vineboxは、認定ソムリエたちが厳選したワインがグラス一杯分(100ml)×3種類送られてくるサービス。ワイン通向けというよりは、ワイン初心者が「お気に入りの1本」を見つけるのに最適なサービスだ。 黒を基調とした高級感のあるボックスが特徴で、ワインも一本一本、香水を思わせるような細い容器に入っている。毎回異なるワインが送られてくるため、ボックスを開けて新たなワインと出会う楽しみが感じられる。テイスティングをする感覚で利用できるサービスだ。 プロのソムリエが厳選した味といえど、自分の口に合わないワインであれば、いくら良いワインだったとしてもワインボトル1本を消費するのは意外と苦労するもの。新たな味を求めて冒険しようと思っても、ワインボトル一本買うことは意外とハードルが高い。 このサービスを使えば、お気に入りの一本を見つけるためにワインを丸々一本買う必要はなく、口に合わないワインだった場合に余らせてしまうことも起こらない。もう飲まないボトルが家に何本もある、という状態にもならずに済む。 ワインにとって重要な鮮度も担保されている。ワインボトルから小分けにするときも、酸素に一切触れずに入れ替える技術を用いて、鮮度の高いワインを提供している。(HPより) ミレニアル世代の飲みスタイルを捉えたスタートアップ3選 【洗剤のサブスク】CleanCult CleanCultは、自分の好きな種類の洗剤を、好きな香りで、自分に合った周期で届けてくれるサービスだ。扱っているのは植物由来の材料だけを使った無添加洗剤のみ。 最初のオーダーはガラスのボトルに入った状態で送られlくる。そして、その後に送られてくるリフィルも、環境負荷の少ないカーボンニュートラルな素材の、カラフルな牛乳パッケージのようなものを使用している。 Cleancultの誕生の背景には、ファウンダーのライアン・ラップバーガーの強いこだわりがあった。彼はあらゆるプロダクトの成分表示をチェックせずには居られない性格。普段から食品やシャンプーの製品ラベルを確認して、健康や環境に良いものだけを購入するよう心がけていたそうだ。 しかし、食品や化粧品とは異なり、実は洗剤やハンドソープには成分表示が義務付けられていない。 この手の商品においてラベルをチェックする習慣を維持するのが難しくなったラップバーガーは、やがてサステナブルな製品をアピールしている洗剤ブランドはいくつか存在する。しかし、多くの製品がプラスチックのパッケージを使っていることに疑問を持ち始めた。 こうして、パッケージまでもがサステナブルなCleancultが誕生した。 そんなCleanCultは、ミッションとして”A WORLD OF CLEAN INSIDE EVERY DROP”を掲げている。パッケージ、廃棄方法、全てをサステイナブルにするには?と考えた結果、材料からパッケージング、パフォーマンス、出荷、そして容器のリサイクルまでの全てのプロセスの仕組み化を再考。 結果としてパッケージや洗剤の成分、そして輸送の際の排気ガスの削減にまでこだわったサービスが誕生した。 デザインから環境問題を考える。エコ・サステナブル系サービス5選 【おもちゃのサブスク】Kiwico Kiwicoは知育玩具のサブスクだ。おもちゃのサブスクという子供用を想定しがちだが、おもちゃの対象年齢は児童だけではなく、自分で考えて組み立てるものなど、大人でも楽しめるおもちゃも用意されている。 ボックスの中におもちゃ、おもちゃの説明書が入っており、年齢やおもちゃの内容によっておもちゃ以外の付属品も変わる。 例えば0~36ヶ月の乳幼児向けのおもちゃであれば、子育てを始めたばかりの親向けに「子供との接し方」を説明するパンフレットだったり、おもちゃの使い方を説明するビデオが入っていたりする。 これは、Kiwicoのユーザーとなるのは子供だが、顧客は親ということを炉介した上での設計と言える。子供がおもちゃを使用する際のUXデザインだけでなく、親のCXデザインまで総合的な設計がされているプロダクトだ。 3人の子を育てる「ママ」が起業。その背景とは KiwiCoを設立したSandraは、彼女自身が3人の子供を育てる母。育児の中で「子供に”何かを自分で創造する”経験をさせたい」気持ちがあったが、そのようなものを自分で見つけて子供達に提供する難しさを感じた経験からKiwicoを立ち上げた。 会社のVisionは「To inspire the next generation of innovators.」子供たちの問題解決スキルを育成し将来の課題解決に役立てることをミッションとしている。 おもちゃを開発しているのは教育者、メーカー、エンジニア、ロケット科学者のチーム。ブレインストーミング、プロトタイピング、実際に子供達に使ってもらってテストすることを繰り返して、なんと1つのおもちゃを作るのに1000時間以上を費やしている。 母親が実の子供に対して提供したいことを徹底的に考えた結果できたサービスだ。 UXデザインとCXデザインの違いとそれぞれの役割 【訳あり野菜&果物のサブスク】Misfits Market Misfits Marketは、安価で手に入る農作物を消費者に届けるサブスクリプションサービス。 形の悪い作物を安く手に入れた分食品を安く提供することで消費者に還元する仕組み。これは実は日本でお馴染みの無印良品と似た取り組みだ。 干し椎茸はそのまま食べるわけでもなく、見栄えにはあまりこだわらないはず。多くの場合、おいしい出汁がとれればいいわけで、割れているものでも風味は変わりません。私達は、形の悪いものもすべて買い取り、サイズや形の選別もせず、また、包装の簡略化ということで、パッケージはおなじみの透明な袋に商品名を印字しただけ。 品質はそのままに、あらゆる無駄を省いたことで、従来品より価格を3割ほど抑えることができ、その結果、大ヒット商品となりました。 《引用》日本発「無印良品」から世界の「MUJI」へ【第2回】 実はアメリカは農業大国であるが、生産されている1/3の農作物が食料品店基準を満たさず、収穫されずにそのまま処分されたり、収穫されても店頭に並ばなかったりする。またその影で何百万もの食糧不足で苦しむ世帯が存在することも事実。 こうした生産者と消費者それぞれが抱える問題をを解消するため、サービスが誕生した。Misfits Marketsには産地直送の農作物が90種類以上用意されている。 産地直送ゆえに野菜の鮮度が失われてしまうことがなく、届くのは形が悪くても高品質で無農薬の新鮮な野菜ばかりだ。 blogも運用しており、野菜を使ったレシピや野菜の栄養素、豆知識に関して発信もしている。野菜を買ってからどのように調理するかまで含めてサポートしている。 実は2020年の7月に約91億円の大型資金調達をした期待のスタートアップでもある。 食の多様性を支えるフードテック・スタートアップ3選 【エシカルプロダクトのサブスク】Causebox 最近日本でもよく聞く「エシカル」という言葉。エシカルプロダクトとは、自然環境に配慮した製品や、社会問題の解決に貢献する仕組みを組み込んだ製品のことを指す。Alltrueは、エシカルプロダクトを集めた、女性向けのサブスクリプションボックス”Causebox”を提供している。 Causeboxはシーズンごとに手元に届く仕様。年間通して4回届くアニュアルプランと、ワンシーズンごとに注文するプランがある。 1つのボックスにつきエシカルプロダクトが5~8個入っており、それぞれのプロダクトは「女性の活躍支援」「環境保護」「職人の手作り商品」「チャリティー」「スモールビジネス」のいずれかの分野に関連している。 毎回商品が届くとYoutubeで”unboxing(開封)”動画が公開されている。その鍵は、女心をくすぐる「映える」デザインのボックスであること。思わず動画を撮ってしまいたくなるデザインで、まさに開封体験までこだわったサブスクリプションボックスと言える。 最新の2021年秋に届いたボックスの開封動画も複数投稿がある、人気のサブスクリプションボックスだ。 エシカルデザインとは 日本でのサブスクスタートアップの状況は? 実は日本にもサブスクリプションボックスのサービスが増えつつある。日本のサブスクリプションボックスは「パーソナライズ」が鍵。 今回は2つのサービスをご紹介するが、どちらも避けたい成分を選択できたり、フィードバックやリクエストを送ったりすることで自分好みにより近づいていく仕様になっている。 アメリカよりもなぜ「サブスクリプション=パーソナライズ」の色が日本では強いのか。それは日本人のとある国民性の影響が考えられる。 実は日本人は「失敗したくない」と言う気持ちが人一倍強いと言われている。日本の終身雇用制度や、学歴社会はその代表格だ。一旦レールから外れるとやり直しが効きにくいので、皆がレールを外れないように(リスクを取らないように)行動する傾向が他国に比べて強い。 日本では完全に敗者だった【インタビュー】btrax CEO, Brandon K. Hill それゆえ、「何が届くか全くもってわからない」状態では日本人には受け入れられにくい。中身が完璧にわかっていなくとも、「自分好みのものが届く可能性が高い」状態に持っていくことが鍵となる。 そのために日本のサブスクリプションボックスでは「パーソナライズ」が強く押し出されているのだろう。 日本でも広がる サブスクリプションボックス2選 そんな「パーソナライズ」に特化した、サブスクリプションボックスのサービスを紹介する。 【コーヒーのサブスク】PostCoffee 【おやつのサブスク】Snaq.me 【コーヒーのサブスク】PostCoffee Postcoffeeはコーヒーのサブスクリプションボックスだ。 初回の注文の際は好みのコーヒータイプ診断をし、ライフスタイルや嗜好に関する10個の簡単な質問に答える。これにより、約15万通りの組み合わせからその人に合った好みのコーヒーが3種類届く。淹れ方や飲む頻度、量なども指定可能だ。 一度届いたコーヒーに対して味や好みのフィードバックや飲みたいコーヒーのリクエストを送ると、送られてくるコーヒーが注文者好みに近づいていき、届くたびに自分好みのボックスに近づいていく。 サブスクリプションでありがちなのが「◯回以上は商品を買い続けなければいけない」という「定期縛り」。しかしPostcoffeeは最低契約期間も設けていない。 いくらパーソナライズされるからといって完全に自分好みのものが届くは限らない。「気に入らなくてもすぐに辞められる」という心理的安全性も担保し、サブスクリプションを始める障壁も極限まで低くしたサービスと言える。 【おやつのサブスク】Snaq.me […]

ビートラックスがリブランディングにかけた思い – ギャップを埋めるために –

ビートラックスはこの度、創業以来のブランドの大幅なリニューアルを行なった。その背景には、イメージをアップデートするだけではない複数の要因があった。 今回のリブランディングでは、ブランド要素だけではなく、会社のビジョン、カルチャーバリュー、そしてサービスの内容も全て一新し、まさに新しいビートラックスとして生まれ変わった。   リブランディングに至った背景 それでは、ビートラックスのCEOとして、また、このプロジェクトのリーダーとして、リブランディングを進めたその具体的な理由とプロセスを紹介する。 コモディティー化していくサービス内容 ビートラックスは2004年にサンフランシコを拠点に、Webデザイン会社としてスタートした。その後、3-5年を目処にサービスをアップデートしてきている。というのも、変化の早いこの地域では、市場のニーズに合わせ、サービスの更新を行わないとすぐに淘汰されてしまう。 直近で言うと、2015年ごろよりデザイン思考をベースとしたワークショップ形式のサービスを提供してきている。これは当時、日本ではあまり馴染みの少なかったプロセスで、リーンスタートアップや、UXデザインなどの概念を取り入れた内容が日本の多くの企業に求められ始めていた。 しかし、その後、我々の想像を超えるほどに日本で“デザイン思考ブーム”が始まり、猫も杓子も “デザイン思考ください”、と言う感じになってきた。これは、顧客ニーズが高まると同時に、競合も増えるのが当然。 ここ数年でいうと、日本国内でデザイン思考のワークショップを提供する企業が増え、市場は飽和状態に。自ずと価格も下がっていく傾向になっていた。 元々はデザインサービスを提供する手段としてのワークショップだったのだが、多くの企業が”研修”を受けるためだけに依頼するケースも増えきていた。 その状況と会社のビジョンの整合性をしっかりとる必要があると感じた。 イノベーションという言葉の陳腐化 デザイン思考ワークショップのコモディティー化と共に変化してきたのが、“イノベーション”という言葉の概念。まあ、概念というよりは、単純に簡単に使われすぎていることが原因のように感じる。 我々もここ数年は、“イノベーションデザイン会社”というカテゴリーに自らを置いていたのだが、そもそもイノベーションという言葉自体が陳腐化されたために、その職種の存在意義やポジショニングが怪しくなってきていると感じていた。 イノベーションという単語が一人歩きし始めて、企業が自分たちの取り組みをよく見せるために、便利に使われてしまっているように感じる。これは昨今のDXブームにもつながる要因である。 それもあり、一度しっかりと自分たちの存在意義を見つめ直す必要があった。 “シリコンバレー感”に頼る限界 それらに加え、限界を感じ始めていたのが “シリコンバレー感”。これは、我々がサンフランシスコでスタートし、現在のUSオフィスも同じ場所にあることが理由で、“シリコンバレーのデザイン会社”が一つの売りになっている事実がある。 世界的にみてもスタートアップの中心地で、革新的なサービスが生み出される地域であることは間違いがない。しかし、シリコンバレーを拠点にしたことで自動的に凄い会社になれるわけではない。 もちろん、世界で最も競争が激しくコストの高いこの地域で15年以上生き残ってきたことに対する自負はあるが、それだけでは価値のあるサービスを提供できるという条件にはならない。 しかし、この“シリコンバレー感”を主な理由としてもらっている仕事は少なくなく、その期待に答えられるように、しっかりとしたサービス内容と結果を追求する必要があった。 言い換えると、シリコンバレーのイメージだけでビジネスを継続させていくのには限界があり、理想と現実のギャップを埋める必要があった。 世の中の急激な変化 そして、もちろん言わずもがな、パンデミックに代表される2020年における世の中の急激な変化である。これにより、人々の生活スタイルは大きく変化し、暮らす、働く、学ぶ、遊ぶ、に対しての新しいニーズがどんどん生まれた。 それらに対して、我々はどのようなカルチャーを大切にし、どのようなサービスを提供していくべきなのかもしっかりと考え直した。 チームの崩壊 求められるサービスが変化し始めたことで、会社としてのスキルセットやチーム編成も急激に変わった。また、リモートで仕事をすることが増えたスタッフは、自分と向き合う時間が増え、将来に対しての考えを新たにする者もいた。 具体的には、日本に戻るスタッフや転職を行うスタッフなど。ビートラックスという会社、ブランドも自分自身と向き合い、新しい存在にならなければならない事は明白だった。 経営者としての苦悩の日々 自分自身も経営者として、複数の急激な変化に対して苦悩する日々が続いた。それは、自分が求める経営者としてのあるべき理想と、現状とのギャップがかなり大きいことが理由だろう。 また、デザイン会社としての存在価値や、認知度、実績に対しても、まだまだ納得できておらず、全ては自分の実力の足りなさであると考えた。 デザイン会社としての覚悟 今回のリブランディングにおいてまず最初に行ったのが、会社の存在意義の再定義。ビジョンをより明確にし、自分たちがなぜ存在し、日々の活動を行なっているかをしっかりと考え尽くす必要があった。 その答えは、 btrax → We Design そう、単純なことであるが、デザイン会社であることを忘れないということ。 解決するべきは世の中に存在する様々なギャップ そして、自分たちが解決するべき課題を理解する。それは、社会や企業、ユーザーが抱えているギャップを埋めてあげる事。具体的には下記のようなギャップが存在している。 異なるカルチャー間のギャップ 達成したい未来と現在とのギャップ デザインとビジネスとの感覚的ギャップ 大企業とスタートアップの間の意識ギャップ ユーザーが求めるものと提供されているサービスとのギャップ これらをデザインサービスを通じて解決するのが、我々の指名であると考えている。 今回のリブランディングにおける主なアウトプット では、この背景をベースに、リブランディングを通じ、どのようなアウトプットを行なっていったかを紹介する。 ちなみに、今回のプロセスでは、ほぼほぼ全てリモートで、オンラインツールを駆使しながら、日本とアメリカのチームをつないで進めた。 新しいビジョンを定義 まず最初に行ったのは、ビジョンの再定義。自分たちは上記のギャップを埋め、より良い未来を作り出すのが最大の役割だと認識し、新しいビジョンを定めた。 We design the future by bridging the gaps. (ギャップを埋めることで未来をデザインする)   カルチャーバリューもアップデート ビジョンが新しくなったのに伴い、会社のカルチャーバリューもアップデートした。 btrax Culture Values   WE ARE ALL DESIGNERS   Be a forward thinker – 未来志向であれ Learn from the past to determine what’s next Driven by creativity – クリエイティブでいこう Always find creative ways to bridge the gaps Empathize differences – 違いを理解しあおう We value diversity […]

世界一競争が激しいシリコンバレーで15年生き残れた最大の秘訣とは

2019年8月9日、btraxは創立15周年を迎えた。 アメリカでは新しい企業が10年以上生き残れる確率は5%に満たないと言われる。おそらく、これが15年ともなるとその生存率は数パーセントに満たないだろう。 例えそれがトップの大企業でも、その半分以上が15年以内にその姿を消す。そもそも、アメリカの企業全体の平均寿命が15年なのである。そして、その場所がシリコンバレーになってくると、スタートアップ企業をはじめ、短いスパンで結果を求められるので、よりその生存率は下がる。 参考: 現代における大企業の平均寿命は15年 – 生き残り戦略としてのイノベーション 難易度Maxの状態からの船出 そして、もしそれが世界有数の激戦区にて、ビジネスを全く勉強した事のない人が、僅かな資本金で始めたとしたらどうなるだろうか? この会社の創設者にはビジネスのバックグラウンドがほとんど無く、サンフランシスコという強烈な街で大学卒業直後に$5,000の資金だけを頼りに会社をスタートした。 そう、これが僕がこの会社、btraxを始めた時の状況である。その後、外部からの投資を受けた事はない。ちなみに、The Ultimate Startup Failure Rate Reportによると、毎日123,300のビジネスがその姿を消しているという。 海が荒れているのに出航するのは単なるアホと言われたのに… 会社を始めようと思っていた頃にシリコンバレーで投資家をしている友人に相談した事があった。彼からのアドバイスは ”最高のコンディションだと思って船を出しても途中で遭難するのがビジネス。まして、海が荒れている状態なのに出航するのは単なるアホだよ” と。 至極当然なアドバイスだろう。シリコンバレーという地域では、世界有数の天才たちが多くの資金を元にしのぎを削っている。そんな場所で経営の事を全く知らず、僅かな資金だけでビジネスを始めれば99.9%の確率で秒殺される。 それでも初めて、続けてしまった。今振り返ってみても、なぜそんな事が出来たのか。大きな謎である。良いタイミングなので、その秘訣を自問自答してみたところ、生き残るために重要な1つのポイントが見えてきた。 自分たちにしかできない”ズルい”アドバンテージに着目 それは、会社を初めて数年後に、他の会社が簡単真似のしにくいユニークさ、言い換えると、ズルいアドベンテージに焦点を当てた事だと思っている。 恐らく日本の社会で生活していると意外と気付きにくい事なのであるが、実はビジネスの世界においては、どれだけユニークな存在になれるか、もっと言うと、”ズルい” やり方ができるかが、その会社の大きな武器となる。 ちなみに、英語ではこの武器の事を”アンフェア・アドバンテージ (Unfair Advantage) “と呼ぶ。 では、どのようなきっかけでそのズルさにたどり着いたかを振り返ってみたい。 当初はデザイン力だけで勝ち残るつもりだった 元々大学でデザインしか勉強してこなかった自分としては、せっかくデザイン会社を始めるのだから、デザイン力だけで世界と勝負したかった。 言い換えると、それ以外の部分を”売り”にするのは、いささか邪道な気がしていて、デザイン以外のバックグラウンドを活用する気は全くなかった。振り返ってみると、実はこの”こだわり”は非常に危険で、恐らくそのまま進んでいたら今頃会社は存在していないと思う。 参考: アメリカでWeb制作会社が存在出来ない5つの理由 先輩起業家の一言が視野を広げた 会社を始めてからしばらくした頃、漠然とした行き詰まりを感じ始めていた。優秀なデザイナーも揃い、ちゃんとしたオフィスも構えた。しかし、なかなか大きな規模の仕事を見つける事が出来ない。 その一方で、サンフランシスコにはIDEO、frogをはじめとした世界有数のデザイン会社がいくつかあり、彼らの存在がロールモデルとなっていた。 自分たちもどうにか一流のデザイン会社の仲間入りが出来ないか。そんな想いを先輩に話した。 それに対して彼は一言、”自分だったら競合が上がれない土俵で戦うけどな” と答えた。 そう、同じデザインという漠然としたフィールドで戦うと競争が激しすぎて、経営者としては賢くない。自分が最も優位に立てるフィールドを見つけるべきという事である。 デザイナーとしてのこだわりがデザイン会社を潰してしまう 世界最高のデザイン力でトップを目指す こんなビジョンを掲げるデザイン会社は少なくない。しかし、これは多くのデザイナーやデザイン会社が陥りやすいトラップでもある事に気付く事は難しい。 何を言いたいかというと、デザイン会社を経営するにあたり、デザインのクオリティー “だけ” で生き残るのは、無駄に難易度が高くなり、生存率が急激に下がってしまうという事。 自分たちのユニークさを見つける大切さ 質の高いデザインをする事に加えて、果たしてどんな事がbtraxにとってユニークな価値となるのだろうか?この問いを始めた時から「他にマネのしにくい事をする」という経営における1つの重要な指針が決まった。 ビジネスにおいて競合は少なければ少ないほど良いし、そもそも、ほぼいない状態を見つける事が出来れば、他と争う必要もなくなる。 結果的に、サンフランシスコという場所、日本のバックグラウンド、スタートアップのカルチャーや手法をデザインに掛け合わせる事で、現在のbtraxのユニークな遺伝子が定まっていった。そしてそれがのちに自分たちが持つズルさ=アンフェアアドバンテージになっていった。 ビジネスではズルさが最大の武器になる ズルいという言葉自体は、ネガティブな響きがあるかもしれない。しかし、それをビジネスで上手に活用すればユニークな長所にもなり得る。 もちろん法を犯したりすることや、人を傷つける事は許されないが、それ以外の部分では、自分たちが持つユニークなアドバンテージを最大限活用する事で、競合にはマネができにくい価値が提供できるようになる。 アメリカでは美徳とされるアンフェア・アドバンテージ こちらアメリカでは、通常何かを決める際にはそれが”フェア”であるかが重要視される。一方で、これが経営のフィールドになると、逆の論理が良しとされる事が多い。 例えばスタートアップのピッチにおける質疑の際に「君たちのアンフェア・アドバンテージは?」と聞かれているシーンをよく見かける。これは、そのチームが、自分たちにしか出来ないような”ずるい優位性”や”裏技”を持っているのか?という意味。 どれだけ素晴らしいサービスを作ったとしても、簡単に真似されたりする場合、その会社の競争優位性が下がってしまうため、何かしらマネのできないようなズルいアドバンテージを持ち合わせている必要がある。 シリコンバレーが評価するのは優秀よりユニークな人 なぜシリコンバレーの地域がここまで長い期間で世界から注目されているのか?恐らくその1つの理由は、この地域にしかいないようなユニークな人材が世界中から集まってくるからだろう。 世の中には、いわゆる優秀な人はいくらでもいるが、ユニークな人は少ない。そもそも少ないからユニークと定義されている。こと、会社の経営者となると、ジョブス然り、ザッカーバーグ然り、イーロン・マスク然り、彼らの武器はそのユニークさにある。 彼らは、他の人には持ち合わせていない視点や、強烈なファンベース、PayPalマフィアに代表される独自のネットワークを上手に活用する事で、マネのしづらいユニーク性を確保した。 そして、そのユニークさを活用して優秀なスタッフを束ねる事で、自分たちにしか持てないアンフェア・アドバンテージを作り出している。 ズルい作戦でのし上がった織田信長 実は日本でもこのズルい戦略で運命を切り開いた人がいる。織田信長はまだ弱小大名だった頃、拡大勢力の今川義元を奇襲攻撃で討ち取った。総勢2万5千の今川軍に対して織田軍は数千の規模。誰の目から見てもどちらが勝つかは明白だった。そんな完全状況でも織田信長が勝った。 どのようにして?今川の兵を散らせて、義元を横から奇襲するという、ズルい作戦を取ったらからである。でも、戦いの場ではそれもアリな戦略。その後信長は一気にその勢力を全国へと広げていった。これはビジネスという戦場でも同じ事が言える。 意外なところに転がっているアンフェア・アドバンテージ ちなみにこのアンフェア・アドバンテージは、決して難しい事である必要はなかったりもする。例えば、重要な人物へのコネを持っていたり、すでに多くのファンを抱えていたり、父親が大統領だったり、ルックスの良い社員を入れて営業成績を上げたり、などの方法がある。 また、シリコンバレーの多くのスタートアップはかなりの赤字を出しながらも成長を続ける。Uberだって、WeWorkだって、年間数千億円規模の赤字だったりする。これは、大規模な投資を受けているので、無理に日銭稼ぎに走る必要がない。そうなってくると、赤字でもなんでも、思いっきりユーザー獲得にぶっこむ事が可能になる。これもかなりのズルいアドバンテージである。 重要なのは、コネでも家柄でも、バックグラウンドでも、資金力でも、特殊能力でも、戦わなくてもすむこと。もしくは、”こいつにとは戦ってもしかたがない”と思わせる事。言い換えると、どれだけ”不戦勝”で勝っていけるかが生き残りのポイントとなってくる。 ズルいと言われる回数がバロメーターになる もしかしたら、このアンフェア = “ズルい”アドバンテージをどれだけ持てるかが、その会社の寿命や成長に深く関わってくるのではないかと思う。特に差別化が難しくなってきている現代においては、常にユニークであり続ける事が大きなアドバンテージになってくる。 そのためには、定期的に “これを他の人がやったらどうなるか?” や、 ”今やっていることは他の会社でも出来てしまうだろうか?” を考える。そして、もし少しでも戦いになりそうであれば、やり方やサービス自体をアップデートしていく。それも、自身が持つアンフェア・アドバンテージを最大活用して。 ビジネスや仕事ではどれだけ”アンフェア”なアドバンテージを見つけ、それを活用出来るかが勝負になる。そのバロメーターの1つが、周りの人たちにどれだけ「それ、ズルいよ」と言われるかだと思っている。 横並び主義の日本だと気付きづらい自分のアドバンテージ ここアメリカでは当たり前のズルさの活用が、日本の社会だと意外と気づきづらい。もしくはあまり良いとされてない事が多い。 人と違う事をする人をあまり評価しない風潮の日本の中では、無意識のうちに”フェア”な戦い方をしようとし、なぜか同じ領域でビジネスを展開しようとする会社が後を絶たない。 例えば、ガラケーが一般的だった時代は、日本の各メーカー、キャリアが似たり寄ったりの商品とサービスを提供していた。そんな頃、Appleは全く異なるタイプの携帯電話の開発に注力していた。自分たちのアンフェア・アドバンテージである、iTunesのインフラを最大活用して。 これもまた優れたものを作る前に、まずユニークな視点を重要視するシリコンバレー的な発想だと感じる。 逆にアンフェア・アドバンテージを見つけるないと、企業は競合他社との激しい競争に巻き込まれる。その結果として、長時間重労働を強いられる事になってしまう。 日本のバックグラウンドをアンフェア・アドバンテージにしたショー・コスギ 「君もPerfect Body」でお馴染みのケイン・コスギの父親であり、ハリウッドスターのショー・コスギは、生まれ育った日本で会得した空手の経験を活かした事で、他の俳優にはマネのできない忍者という役柄で大人気を集めた。 これが日本国内であれば、空手ができる人は多くいるし、忍者の役もそこまで特別ではない。しかし、その当時、ハリウッドで空手の動きを使って忍者役ができる人はわずかで、ショー・コスギは自身のアンフェア・アドバンテージを最大限活用したと言えるだろう。 それまでの彼は他の俳優と同じオーディションを受け、英語のハンデもあり、ことごとく落ちていたという。一時は生活にも困窮していたが、自分しかできない忍者というキャラクターを確立した事で大成功を収めた。 優秀である必要は無いが、ユニークである必要はある ダーウィンの進化論によると、最も強いものが生き残るのではなく、最も環境に順応した種族が生き残る。言い換えると「強い者」が残るのではなく、「適した者」が残るという事。 これは、ビジネスの世界でも同じで、モノが溢れ、テクノロジーが発達した現代においては、よりユニークな価値が出せる企業や人材が生き残るのではないかと感じてる。 そういった意味だと、平均値の中にいるよりも、アウトライヤー=ハズレ値である方が、よりサバイバル能力が高いのかもしれない。この概念は、以前の「世界を変えているのは頭の良い不良たちだ」で紹介されている概念にも通じるところがある気がする。 信頼できるスタッフを揃えてユニークなビジョンを語れ こうなってくると、起業家にとって重要な役割は、自分たちのアンフェア・アドバンテージを定め、優秀なスタッフを集め、ビジョンを語ることになってくる。 以前、長年経営コンサルティングを提供している、とあるメンターの方から下記のようなアドバイスを頂いた。 “私には君の会社の社長はできない。なぜなら私は優秀かもしれないが、君は唯一無二の存在であり、ビジョナリーであるからだ。お金儲けの事は信頼出来るスタッフに任せて、自分自身はひたすら自分たちが実現したいビジョンを叫び続けろ。” ちなみに、自分はまだまだこれが出来ていないので、今後の大きな課題でもある。 自己分析: btraxのアンフェア・アドバンテージ では、サンフランシスコという、世界でトップレベルにコストと競争が激しい街で生き残るためのbtraxのアンフェア・アドバンテージは何であるのか? これを機会に少し冷静に自己分析してみた。 1. ロケーション まずは、ロケーション的なアドバンテージ。もともとサンフランシスコでスタートした会社であり、その当時は現在ほど地価が高騰していなかったこともあり、2006年の時点より現在のオフィスビルに入居している。 ここはSOMAと呼ばれるスタートアップの中心地であり、これ以上ないぐらいの立地。もし今から借りようとしてもなかなか物件が見つかりにくいのではないかと思う。 […]