CES

主要メディアが伝えないCES 2024の裏側 〜 本当のイベントは夜の秘密部屋で 〜 

今年もCESに参加してきた。 そう、毎年恒例ラスベガスで開催される世界最大規模のテクノロジーイベントである。 関連記事: CES 2024 ガイド: 世界最大のテックカンファレンスの基本情報と見どころ7選 今年は日本からも多くのメディア関係者さん達が来ており、すでに各種チャンネルにて複数の取材レポート記事や動画が配信されている。 ということで、我々としては一般来場者が知らない、そして普段メディアがあまり伝えない「CESの裏側」をレポートしてみようと思う。 多くの発表はMedia Day (1/7-8) にて CESといえば、コンベンションセンターを中心とした、膨大なエリアでの展示が有名だ。でも実は本当にインパクトのあるセッションと展示は、一般公開日の前日と前々日に行われている。 そこでは、CES運営団体のCTAによる見所や、主要企業によるメディアセッション、そして特に興味深いプロダクトが展示される「Unveiled」が開催される。 Unveiledは実は誰でも展示可能 これまで何度もCESに参加しているのに、一つ大きな勘違いをしていることに最近気づいた。 というのも、この “Unveiled” と呼ばれるセッションでは、CTAによって選ばれた “Innovation Awards” 受賞プロダクトが多く展示されているため、てっきり選ばれた人達だけしか展示できないのかと思ってた。 しかし、先日サンフランシスコで開催されたCES 2024報告会で、これまで13回の展示経験を誇るShiftfallの岩佐氏によって新たな真実が明かされた。 なんとUnveiledは、お金さえ払えば誰でも展示できるとのこと。それも展示費用はそこまで高額ではないため、かなりコスパが良い。 Unveiledのセッション自体は3時間程度であるが、比較的小さな会場で多くのメディア関係者と接することができるのが魅力とのこと。 展示場所はポイントシステムで決まる さて、これも岩佐氏から聞いた内容。 毎年世界から来た数多くの企業がより良い展示場所を狙って凌ぎを削っているCESだが、その場所はどのように決められるのか?いつも気になっていた。 そこにはどうやら「ポイントシステム」的なものがあるらしく、ブース展示する度にポイントが加算され、それが増えるとより有利なロケーションに展示させてくれるとのこと。 ということは、以前より展示している企業が有利になる。ちなみに第一回から展示しているのは我らがPanasonicである。 ただ、最近は韓国企業がかなりの予算を割いて参加しているため、何かしらの “ブースト” がかかってるっぽい。 会場を歩いていると日本語がめっちゃ聞こえてくる これは毎回思うのだが、会場やその付近を歩いていると、かなりの確率で日本語が聞こえてくる。 おそらくメディア関係者だったり、展示している企業の方々だったり、見学に来ている人たちだと思う。他の国の人たちと比べても結構多いイメージ。 日本企業の展示量はそこまでではないはずなので、やはり取材やリサーチに来ている人が多い。 やっぱり皆んなインプットが好きなんだなー。って感じる。ちなみに、日本人の来場者は日本企業のブースを中心に周りがち。 日本企業はすごい。でも韓国企業はもっとすごい。 第一回からの参加企業がPanasonicだったり、メイン会場のプロダクトが家電系だったり、注目のWest会場がモビリティー展示中心だったりと、このイベントは何かと日本企業が得意なプロダクトカテゴリーが多い。 それもあって、毎年多くの日本企業が展示参加し、注目を集めている。 しかしながら、ここ5年くらいは韓国企業の勢いがすごい。Sumsong, LG, Hyndai, KIAといった大企業をはじめ、スタートアップ企業の参加数も韓国勢が最も多い。 中国追い出されたの? 韓国企業と対照的なのが中国企業。 一時期 (2018年くらい) までは、膨大な量の企業が深圳から展示に来ていたり、キーノートがファーウェイだったりなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。 しかし、それが理由なのかはわからないが、2019年の一件以来、急激になりを潜め、中国企業だらけだったLVCC Southは去年に続き、今年も利用されていなかった。 CTAが公式発表をしているわけでないが、何かしらの力学が働いていそうな気がする。 アメリカの大物が居ない… と思ったら! 最近のCESのもう一つの特徴は、意外とアメリカ企業の参加が少ないということ。 よく考えたら確かに展示やキーノートを行っている企業はアジアやヨー六っぱから来ている事が多く、”地元” のアメリカ企業は多くない。 そして、実はテクノロジー業界の大物スピーカーもあまり参加していない。 例えば、去年のキーノートはジョンディアのCEO。今年はウォールマートのCEOで、いわゆるビッグテック企業ですらない。 と思っていたら!ウォールマートのCEOが「ここでうちのパートナー企業のCEOを呼んで良いかな?Microsoftのサティアです!」とサプライズゲストとして、サティア・ナデラを登場させたのには驚いた。スピーカーリストにも掲載されてなかったので、特に。 現場のワクワク感による感覚補正に要注意 これもCESの意外な落とし穴なのだが、会場の雰囲気がかなりワクワクするので、そこに展示されている内容も何割増かの感じでよく見える。 特にハードウェアガジェット系は、普段の生活で使わなさそうなものでもキラキラして見えて、ついつい欲しくなってしまう。 修学旅行に行って木刀を買ってしまうあの感じ。 去年以前のプレゼンが無かったことにも (パラレルワールド?) これもCESの特徴の一つなのだが、ド派手に展示し、大きな注目を集め、なおかつイノベーションアワードも獲得したようなプロダクトがその後、音沙汰なくなることがある。 イベント中はかなりの将来性を感じさせるようなプロダクトでも、翌年は全く無かったことになってることも多々あり、夢だったのかな?と感じることもある。 その代表が中国のEVメーカーのByton。自らをTeslaキラーと呼び、2018年からド派手に展示とセッションを行い、その後3年間連続で参加。2020年のセッションでは米国での販売目処がついた、とまで説明していた。 それが現在は会社が倒産。期待されたプロダクトも泡のように消えてしまった。 本当のネットワーキングは夜に秘密部屋で行われる 最後にCESに参加する一番のメリットであるネットワーキングについて。 世界中から10万人以上の人たちが同じエリアに集まる事もあり、普段会えないような人にも会えるチャンスがある。でもどこで? その答えは「あまり知られてない秘密の部屋」で。 そう、CESは日中のセッションや展示の後に、夜の時間様々なパーティーが行われている。その中でも、メディア向けや招待制のシークレットパーティーもあり、限られた人しか参加できない。 大体そのようなパーティーは、外からはなかなか分からない ”ヴィラ” と呼ばれるホテルの隠れ部屋で行われることが多い。ヴィラにはいくつかの部屋とプールのある中庭があり、食べ物や飲み物が振る舞われる。 通常はパーティーを開催する企業がヴィラを貸し切り、例えば、VR関係者や、企業のエクゼクティブなど、希望する業界や役職の人たちだけど限定で招待する。 もしこのプライベートパーティーに招待されることができれば、そこに集まる人たちと一気にネットワークが広がる。 さて、続きを知りたい方は、ぜひ1月25日に虎ノ門ヒルズで開催される下記のイベントにご参加ください。

CES 2024 ガイド: 世界最大のテックカンファレンスの基本情報と見どころ7選

毎年メディア枠で参加している世界最大のテックカンファレンス、CES。今後のテクノロジートレンドを把握し、より良いプロダクト作りに繋げるためにはかなり重要な機会となる。 しかし、現場での発表や展示エリアが東京ドーム4個分と膨大すぎて何から見て良いかわからくなりがち。そして近年のテクノロジー進化も著しい。そこで、CES 2024で注目したい10のテクノロジーと、見どころを7つまとめてみた。 CES 2024の基本情報 開催時期: 2024年1月9-12日 (Media Dayは7, 8日) 開催場所: ラスベガスコンベンションセンター、Venetian Expo. Venetian, Aria, Bandaley Bay等 出店社数: 3,500以上 (見込) 来場者数: 13万人以上 (見込) 公式サイト: https://www.ces.tech/ イベント・展示エリア CESでは、LVCCだけではなく、ストリップと呼ばれるラスベガスの中心エリアに複数のイベント・展示エリアを設置する。それらは大きく分けて3のエリアに分布し、それぞれのエリアの複数の建物の中で開催される。 Tech East: Las Vegas Convention and World Trade Center (LVCC) Westgate Las Vegas Renaissance Las Vegas Tech West: Venetian Expo The Venetian The Palazzo Wynn Las Vegas Encore at Wynn Tech South: ARIA Cosmopolitan Park MGM Vdara Mandaley Bay (Media Day) 時間節約のコツ3選 これだけ膨大なエリアを回らなければならないので、時間がいくらあっても足りない。なので本題に入る前に時間を節約するためのコツ3つほど紹介する。 1. スケジュール管理は公式アプリで まずはどこに行ってどの展示やセッションを見るかを事前に決めておくのが良い。というのも、現地に到着してからだとあまりにもバタバタしすぎてて、それどころでは無いから。 ここで問題になるのが、同じ時間に複数のセッション・展示が同時に行われていおり、それも前後の予定の場所とかなり離れている可能性もあるということ。 一つずつのセッションをWebで確認して、カレンダーに入れていくのは気が遠くなるレベルの作業になる。 ここで便利なのが、公式アプリ CES App。こちらをダウンロードしてログインすれば、日時に合わせたスケジュールが表示され、”Add to Agenda” をタップしておくだけで、 事前に、そして自動的にスケジュールが生成される。 2. 入場バッジのピックアップは空港で イベント会場に到着してまず最初の難関は入場バッジの引き換えプロセスだろう。事前にメールやアプリ経由で受け取ったQRコードを紙の入場バッジに変えるのだが、かなりの列になっていることが多い。 そこで便利になるのが、空港に設置された引換所だ。 飛行機を降りて荷物を受け取るエリアの駐車用に近い側、エスカレーター横に設置されており、フライトごとに到着時間が異なるので、大きな混雑になることが少ない。 また、開催日の前日や、結構夜遅くまで開いているので、かなり便利で時間の短縮につながる。 3. LVCCの建物間移動は無料のTeslaタクシー (Vegas LOOP) で イベントの会場が複数の建物に点在しているため、建物間の移動だけでもかなりの時間を要する。また、タクシーやUberなどのライドシェアを捕まえようとも、なかなか時間がかかってしまう。 加えて、交通渋滞も予想されるので、予定していたセッションに間に合わないケースが多発する。 それを解決してくれるのが、通称 Teslaタクシーと呼ばれるVegas LOOPだ。これは3つあるLVCC間をトンネルを通じてつないだルートをスムーズに移動してくれる便利な乗り物。それも完全無料!事前予約も要らないし、待ち時間もほぼ無い、かなり画期的な移動手段である。 CES 2024で注目したいテクノロジーセッション CESでは、テクノロジーのさまざまな分野を議論する幅広いセッション複数ある。 ざっと考えても、デジタルヘルス、AI、サステナビリティ、ゲーム、自動車テクノロジー、サイバーセキュリティ、フィンテック、さらには宇宙テクノロジーなどが含まれる。 そんな中でも、今回特に注目したいセッションはこちら。 CES 2024の注目セッションの一部をご紹介: デジタルヘルス: テクノロジーがヘルスケアをどのように変革しているか、デジタルヘルスの最新動向、そして未来予測 生成AI: AIがどのように新しいコンテンツ、デザイン、ソリューションを様々な業界に生み出しているか サステナビリティ: […]

「サステナ」推しでお腹いっぱい – 主要メディアが伝えないCES 2023の裏側

今年も世界最大のテクノロジーカンファレンス、CESがラスベガスで開催された。 かなり遅いタイミングとなってしまったが、現地に参加したレポートをお届けする。 主要メディアを中心に多くの方々がかなり包括的な記事を書かれているので、僕自身は自分が感じたバイアス満載のぶっちゃけな「裏CES」という文脈でこの記事をお届けする。 メディアは教えてくれない裏CES そう。多くのメディアはどれだけ「凄い」テクノロジーやプロダクトが発表されたかに焦点を絞り、やや “盛った” 感じのレポートに終始している。 そうするのがメディアの役割であるためだからだが、場合によっては参加したレポーターの正直な感想が書きにくくなっているのではないだろうか。 実際に参加したメディア系の方々に聞いても「ぶっちゃけはこうなんだけど、建前上はこのように書いておかないと…。」という意見も実際にあった。 今回、この記事では、実際に参加して感じた、あくまで率直で個人的な感想をお伝えする。 規模は例年の2/3ぐらいかな? 今年の最終来場者数は11万人ちょっとで、去年の1.5倍から2倍ぐらいの規模らしい。 とはいうものの、コロナ前の状況から比べるとこれでも少し少ない印象を受けた。 実際に2019年まで利用されていたラスベガスコンベンションセンターのSouthとWestgateホテルは利用されておらず、フルスケール開催は来年かなー、という感じだ。 勿論、とはいえそれでもかなりの規模のイベントであることは間違いない。 猫も杓子もサステナかよ! 今回も一般展示が始まる2日前より始まるメディアセッションから参加させていただいた。 これらのセッションでは、プレスカンファレンスを通じて複数の企業がそのビジョンや新規プロダクトの「初お披露目」を行う。 セッションの直前キャンセルが相次いだ去年と比べて、今年は多くの企業がしっかりとメディア発表を行った。 参加したのは、Bosh, LG, Samsung, Panasonic, Canon, Hisense, TCL, Valeo, HD Hyundai, Omron Healthcare, SONY, AMD, BMW, そしてCES主催者がプレゼンする2023 Trends to Watch。 上記のセッションに共通しているのが 「サステイナブルへの取り組み」だ。 自然豊かな緑や地球の映像を投影しながら、我々はどれだけ環境に良いことをしているのかの説明が相次いだ。本当にそればかりで、後半は感覚が麻痺してくるレベル。 特にイベント主催者のCTAによるサステナ押しはすごかった。 というか、そもそも環境保護が重要なのであれば、ラスベガスで大量のエネルギーを消費し、世界中から飛行機に乗って10万人以上の来場者を集めるCESというイベントを開催すること自体がかなり非環境的な気もするが…。 優しくするのは人、社会、環境 では、具体的にサステナは何に対しての姿勢なのか?SDGsと同じく、あまりにぼんやり&ざっくりとしたコンセプトな上に、皆が語っているので、いまいちピンとこない。 でも今回はSamsung社がそれをわかりやすく説明してくれた。 サステナブル = 優しさであり、その対象は3つ。人、社会、環境である。 なるほど、会社の存在目的とビジョンをプロダクトを通じて表現していく。その対象は人であり、社会であり、環境であると。 デジタルツインだらけ 展示ブースを周っていてひときわ多かったのが、デジタルツインをコンセプトにしたもの。 自動車の車体や都市だけではなく、人間の体や脳の中身まで、あらゆるもののデジタルコピーを作成し、クラウド上に保管する。そして、その状況や内容を逐一管理できるという仕組みだ。 実際、どのような役割を果たすかはまだまだ未知数であるが、これからはリアルに存在すると同時にデジタル空間でも同じような存在が保持されていく時代になるかもしれない。 メタバースはまだまだ入り口 数年前より注目されているメタバースであるが、CES 2023ではもう新しいコンセプトのMoT (Metaverse of Things) が発表されていた。 これは、メタバースをより身近にするために、専用のVRゴーグル等のデバイスがなくても、家庭やオフィス、車の中でメタバースを体験できる仕組み。 一瞬何のこっちゃと思ったが、おそらく言いたかったのは、まだまだメタバースどっぷりの生活にはならないが、日々の中でメタバース的な体験に触れる瞬間は増えてくるよ、ということだろう。しかし、だからと言って完全に腑に落ちたかと言われると、まだやはり「何のこっちゃ感」は残った。 日本は世界のイノベーションチャンピオン「◯◯位」 今回のCESのキーノートでは、CTAによる世界のイノベーション先進国の発表が行われた。そのなもグローバルイノベーションチャンピオン。 さて日本は何位だっただろう? 正解は、25位。ランキングに入ったのは良いが、微妙な位置だ。経済規模や技術力を考えると少し低いのではと感じた。 日本が採点で特に低かったのは実に「ダイバーシティー」の項目だったそう。 AからEのグレードの中でなんと 「Dマイナス」の評価で、 これはかなり低い。 男女の格差や多様性に関しての課題が大きかったとのことだ。 みんな同じもの作ってるよね プレスカンファレンスや展示場を周って、気づいたことがある。 それは、「どの企業も近い領域で勝負している」ということ。言葉を変えると、カバーしている領域がどんどん被ってきている。 例えば、もともと家電をやっていたメーカーは自動車やヘルスケアの領域まで進出していたり、自動車ブランドが家電領域でサービスを提供し始めたり、といったものだ。 最もそれを象徴的に表現してたのがSONYのプレスカンファレンスにて発表された 、SONY Honda Mobility の自動車ブランドAFEELAだろう。 家電のSONYと自動車のHONDAがタッグを組んで作り出したハイブリッドモビリティーな感じのブランドである。 やっぱコンテンツがあると強い そんな感じで、みんな同じ領域に進出してる中で何が差別化要因になってくるのか? その一つが「コンテンツ」だろうと思う。 例えばFacebookは社運をかけてメタバース事業に乗り出し、社名もMetaに変更した。 しかし苦戦している。これは恐らく彼らがもともとコンテンツをほとんど持っていなかったからだろう。 デバイスやシステムがあっても、そこにキラーコンテンツが存在しなければ、ユーザーに利用する価値をあまり感じてもらえない。 その一方で、例えばSONYのような会社は、新しいデバイスをリリースしても、ゲームや映画といったコンテンツがあるので、一気に人気を集めやすい。 もしかしたら車の中でコンテンツをガンガン提供すれば上記のAFEELAも人気ブランドになっていくかもしれない。(運転していない時にグランツーリスモ用のレーシングシュミレーターとして利用できるとか…。) ブランド力が大きな武器になる時代 そしてもう一つの差別化要因はブランド力。 これだけ多くのテクノロジーが発達し、デバイスやパーツがコモディティー化していく中では、多くの企業が類似したプロダクトをリリースしていくことは避けられない。 例えばSamsungなんかは、日常家電からキッチン周り、ベッドルーム、バスルーム、ワークスペース、ベビーケア、シニアケア、ヘルスケア、スマート家電、モビリティーまで、本当に全部乗せである。 では消費者はどのような基準で興味を持ち、購入を検討するのだろうか?それは恐らくブランド力に違いない。 「何を作っているのか」よりも、「誰がなぜ作っているのか」が重要な差別化要素になってくると思われる。 「水」に関してのプロダクトが多い 去年まではあまり目立たなかったが、今年複数見られたのが「水」を作り出すデバイス。 これもやはりサステナビリティ文脈からくる環境保護への取り組みの一つだと思われる。 それらは空気中の水分を集め、飲料水を生み出す仕組み。軽く見ただけでもフランス、アメリカ、韓国の企業が同じようなデバイスを製造・販売している。 やっぱ韓国めっちゃ強いよね 数年前まではCESといえば中国企業満載のイベントだった。 しかし3年ほど前の華為をきっかけにアメリカと中国の関係性が微妙になっていくにつれ、一気に中国企業の展示数も減った。 それに代わって激増したのが韓国企業。 もちろん以前よりSamsung, LG, Hyundaiのような大企業は展示していたが、それ以外のスタートアップや中堅企業、そしてそれぞれの地域や産業を代表する団体まで、至る所で韓国企業発の展示が見られた。 これには米国市場に対して、国としての強い覚悟と勢いを感じた。 日本企業は視察だけで展示しない! それに対して、日本企業で展示しているところは多くなかった。 […]

【初心者向け】CESに初参加!行ってこそわかるその実情と参加時のポイント5つ

毎年年始にラスベガスで開催される世界最大のテクノロジーの祭典CESに参加してきた。 昨年2022年に続くオフライン開催となった今年は、公式によると出展社数は3,200社、参加者数は115,000名以上に上ったとのことだ。 筆者は今回が初参加だったため、抱いた印象や参加時のポイントなどをまとめていこうと思う。今後CESに初めて参加される方にとっても、ガイドのようにご覧いただけたら幸いだ。 1. 広い, 大きい, 高い ポイントと言うより感想に近いのだが、まず何より感じたのが、とにかく「広い、大きい、高い」の三拍子。もっと言うと、ラスベガスそのものが何かと規模の大きな街なのだ。飛行機が着陸する時点で、見える建物のサイズが普段日本で目にしていたものと何かとてつもなく違う気がする。 そしてこの感覚は、空港から宿泊先に向かう道中、そして宿泊先から会場へと向かう道中でますます強まっていった。CESの内容以前に、とにもかくにもスケールが大きいことが印象に残っている。 2. 移動が肝 規模が大きいとなると、課題になるのが移動。普段日本で過ごしている時とはまるで異なる感覚を持つ必要がある。 すぐ隣にありそうに見える建物も、いざ歩くと数十分かかることも。(近く見えるのは、そう錯覚するほどに建物もとんでもなく大きいからだ。) 例えば、メイン会場の1つであるコンベンションセンターだけでもCentral Hall、North Hall、West Hall、South Hall(今年は展示なし)と分かれている。 また、コンベンションセンター以外にも、The Venetian Expo、Mandalay Bay、ARIAなど、市内の複数の会場でセッションや展示が行われており、この距離は到底歩けない。 そんな会場間の移動には、無料シャトルバスやモノレール、もしくはUberやLyftといったライドシェアサービスをうまく活用していきたい。 コンベンションセンターに話を戻そう。というのも、同じコンベンションセンターとはいえど、Central HallとWest Hall間は、徒歩で移動すると15-20分程度かかってしまうというトラップがあるからだ。てっきり歩けるだろうと思ってしまうと痛い目に遭う。 こうした移動問題に切り込んだのが、Vegas LOOPだ。 Vegas LOOPは、Vegas Loopを運営するBoring Companyに、テスラ CEOのイーロン・マスクが投資したことから実現した。Central HallとWest Hall、South Hall間をそれぞれ地下道で繋ぎ、テスラ車で送迎してくれるCES公式の交通サービスである。 会場間の移動時間はわずか1,2分で、無料で利用できる。その上いずれのステーションにも乗り場が10つほどあり、巡回している車両の台数もかなり多いため、乗るまでの待ち時間もほとんどない。 日本ではまだ馴染みがないゆえに、ぜひ乗ってみたいと感じるテスラ。 その上申し分なく便利で、テスラに対して悪い印象を持つ余地がない。テスラ社がCESにブースを出さずとも、テスラ車の乗車体験をさせて、ファンを作ってしまう。非常に上手なやり方だとも感じた。 3. 何を持ち帰るべきかを明確に CESにここ10年ほどは毎年参加しているCEO Brandonの話によると、パンデミック直前の最盛期に比べると、今年は70%程度の規模に感じたとのこと。(パンデミック以来初のオフライン開催となった2022度からは1.5倍ほどに戻った感覚だそう。) しかしそれでも数にして3,200社以上が展示を行なっていた。さらにブースのサイズも非常に大きなものが多く、1つ見るのにもある程度時間のかかるブースも。 よって、テーマや観点を持ってブースやセッションを回ることを強くおすすめする。ご自身が関わっている業界や興味のある業界の企業を見ていくのも良いし、業界問わず、使われているテクノロジー軸で見ていくのも良いだろう。 せっかく来たのだからと全てを見て回りたくなる気持ちもよくわかるが、残念ながら物理的にも時間的にも難しい。この点は割り切って、うまくテーマを絞りながら見ていくのが良い。 4. テクノロジーは実体があるとわかりやすい プロトタイプ時点のものも多いとはいえ、かなりの割合の企業が、プロダクトや実体のあるものを展示していたことも印象的だった。 特に、新興のテクノロジーやディープテックのような概念的、もしくはまだまだ世間的な認知が途上にあるものは、展示においてはモノに落とし込まれていると、実際にそれらがどのように機能し、どんな役割を果たすのかを感覚的に理解しやすい。 例えばフランスのソフトウェア系の企業であるDassault Systèmes (ダッソー・システムズ)は、3D技術を活用したデジタルツインを出現させるインタラクションを展示。 パフォーマンスをする女性の動きをカメラが感知し、全く同様の動きが後方に3Dで投影され、シンクロしたように動いていた。 ここに使われている技術は、医療への利用用途が想定されているとのこと。医者が患者の身体を事前に診察したり、脳外科手術のシミュレーションのように使ったりすることを叶える。 言葉だけではなかなかイメージを掴みにくいことも、実際に目に見えたり、手に取ったりできる形で表現されていると、そのサービス自体はもちろん、背景にあるテクノロジーの本質的な価値も理解しやすい。 5. プレゼンテーションが全て 自明かもしれないが、プロダクトやサービスのプレゼンテーションがその企業全体のイメージをかなり大きく左右する。 これはブースのサイズにかかわらず、だ。もちろん大きいブースは視覚的にも目に入りやすく訪問されやすい。しかし、それだけではサービスの魅力を伝えるには不十分だと感じた。 ポイントは、見せ方と語り方に分かれると感じている。 まずは1点目の見せ方について。これは、主要テクノロジーがどのように使われているのか、何が他の類似サービスと異なるのか等がわかりやすく会場の場づくりに反映することが重要だということだ。 例えば自動車。今年は自動車を展示する企業が多かったようで、その展示方法に個性が出ていた。 スクリーンに強みを持つ企業は、見ている人に実際に自動車に乗って、スクリーンをじっくりと見てもらうようにしていたり、新たなコンセプトやデザインを強調している企業、は、自動車を回転台に乗せ、360°ぐるっと眺められるようにしていたり。 後者の例としてStellantisを挙げる。同社は、プロダクトラインの1つであるRAMの新たなコンセプトトラックを発表。片面が大きく開かれた状態で360°内装も含めてよく見える状態での展示だった。 ボイスコマンド機能やARのヘッドディスプレイ、わずか10分で100マイル走行を可能にする急速な充電機能など、さまざまな観点で注目要素が詰まったコンセプトトラックの効果的なプレゼンテーションだったように思う。 次に語り方だ。ブースでは、その企業のメンバーが自分たちのプロダクトのことを説明したり、こちらからの質問に答えてくれたりする。 その際に、自分たちのサービス価値を的確に伝えられるかが重要になるのだろうと感じた。この説明は、スタートアップにおけるピッチのさらに短縮版のようなもので、 何をビジョンやミッションに掲げているか 誰のためのものか どんなテクノロジーを活用しているか などを交えてサービスを簡潔に説明するスキルは、その企業に対する印象の良し悪しにも影響する。 おわりに: 忘れずにアウトプットを 色々な会場やブースをへとへとになりながら回って得たせっかくのインプットも、何もしないとすぐに忘れてしまう。ぜひアウトプットの機会を適宜設けていただきたい。 飲み込まれそうなほどのインプットを得ることになるCESでは、何もしないままでいると、記憶も薄れていき、「どこの企業がどんなことを発表していたっけ?」と内容がぼんやりとしたものになってしまう。 したがって、グループで行かれる方は、仲間間でその日の終わりにラップアップを設けるのも良いし、セッションやブースの合間に、お互いに印象的だったことを持ち寄り、会話を交わすだけでも得たものが記憶に残りやすいと思う。 個人で参加される方も、写真はもちろん、ノートやメモにキーワードなどを簡単にでも書き留めておくなりすることがおすすめだ。 筆者も、初めてCESに参加した時のことを忘れまいと思いながら、こうして記事を書いている。この記事はまず1本目で、後日実際に回ったブースや印象的だった企業などのまとめも公開していく予定だ。

主要メディアが伝えないCES 2022の裏側

今年も世界最大のテクノロジーカンファレンス、CESがラスベガスで開催された。と、いうよりも今年こそはリアルで開催された。去年はバーチャルのみでの開催だったから。 直前に感染拡大のニュースが広がり、複数の大企業が直前で出展取りやめの発表があったため、開催自体が危ぶまれたが、結局予定通りに開催することに。 注目されている展示内容などはおそらく多くのメディアによって既に伝えられていると思うので、今回はあくまで個人的な感覚で「裏CES」をお伝えする。 感染対策? ほとんどしてない まずは、このコロナ禍、それも開催の一週間ぐらい前に急激に感染者数が増えた状況で、一体どんな感じで感染対策をするのかな?と思ったが、結論は「ほとんどしていない」。 これはものすごく意外だった。 もちろん、参加するにはワクチン証明書の提示が必須。そしてイベントのパスに加え検査キットが渡されるが、これはあくまで参加者の自主性に委ねられている。 会場に行ってみると、入場制限もないし、感染を防ぐためのこれといったチェックや消毒等もなかった。逆に考えるとそれぐらい心配する必要がないということなのか? 本当に規制があまりなかったおかげで、入場や移動はかなりスムーズ。その代わり会場はかなりの密状態ではあった。 メディアの扱いがめっちゃ良い 今回もいつものように一般開催の2日前から行われるMedia Dayと呼ばれるメディア専用のカンファレンスと、メディア向けに新規プロダクトが展示されるUnveiledのイベントから参加。 これまでとの違いは、メディア枠で参加する人も減ったせいか、待遇と対応がものすごくよくなっていた。展示企業関係者のその多くが「メディアの方々、ありがとうございます!」といった声がけをし、ノベルティーも豊富。 そしていくつかの企業は、個別にメディア関係者をホテルのスイートルームに招待し、プライベート取材をおこなってくれた。なかなかVIPな気分になれる体験だった。 けどドタキャンもめっちゃ多い その一方で、元々はリアルセッションを予定していた企業のいくつかは途中でバーチャルセッションになったため、メディア参加者にとってはドタキャンされた感じになった。 元々予定されていた会場が急遽ビューイングルームとなり、大きな画面に映されたセッションを見るだけ。臨場感もほとんどなく、オーディエンスはわずか数名。売れないインディーズバンドの初ライブを彷彿とさせた。 主催の運営がかなり後手後手 これは実際に展示している友人に聞いた話だが、主催者の対応がかなり後手に回っており、出展者にとっては、とてもしんどい状態だったという。対応もかなり悪く、出展者としてはストレスの溜まる経験だった。 通常であれば、開催の数日前から仕込みを行うのだが、今回は本当にリアルで開催するのか、開催する場合の展示場所は等々、直前まで決まってないことが多く、展示の前日の夜でも設置作業が終わってない事態も少なくはなかった様子。 テクノロジー自体への注目は大幅低下 CES自体はテクノロジーカンファレンスなのだが、今年は一つ大きな変化があったかのように思える。それは、テクノロジー自体のアピールよりも、それを利用したプロダクトや体験の展示が多かったところ。 これが数年前だったら、IoTやウェアラブル、5GやAIなど、要素となるコアテクノロジーやデバイスのバズワードが羅列していたが、今年はそれを活用し、ユーザーへの価値として届けるケースが多かったように思える。 パーツサプライヤーが自動車を作る時代? これは数年前のCESから少しずつ見えてきたトレンドなのだが、自動車メーカーと部品のサプライヤーの関係が徐々に逆転しはじめている。というのも、現代の自動車は、各種センサーやカメラなどのデジタルデバイスとそれを制御するソフトウェアで構成された巨大なデジタルデバイスになってきている。 すなわち従来の自動車の製造技術とは全く異なる仕組みが必要になってきており、巨大サプライヤーがそれを提供している。ということは、そもそもサプライヤーが自動車の重要な部分をほぼほぼ作っちゃてるわけで、それがEVになれば、自動車ブランドの役割は、企画・デザイン・販売・ブランディングぐらいで、その「中身」はサプライヤーが提供するのも納得ができる。 今回はその究極として、巨大サプライヤーのBOSCHが各種センサーをフレームに埋め込んだデジタルシャーシを発表。自動車メーカーはそこに “ガワ” をつければ、はい完成。という仕組み。また、チップメーカー大手のクアルコムも自動車向けのチップを発表していた。 自動車向けのカメラパーツを提供しているSONYが、自動車産業への進出を正式に発表するなど、近いうちに、自動車産業の構造自体が逆転していくのは明らかだろう。そもそも、CES自体が半分オートショーになってきている。 社会的な課題を解決するためのテクノロジー活用 今回のメディア向けセッションの中で最も感銘を受けたのが、アメリカのトラクターブランドのJohn Deere。世界的な食糧危機が叫ばれる中で、アメリカでのメイン産業の一つである農業における課題を説明。このままのやり方だと、世界の飢餓問題に対応できない。 そこでより農家の人たちが効率よく作業をし、農作物の量と質共に向上させるために自動運転テクノロジーをトラクターに実装する。それにより、無人のトラクターが、最も効率良い農作業を24時間おこなってくれる。これまで1日平均10-12時間働いていた農家の人たちが、スマホ一つでトラクターを管理し、家族との時間を増やすことができる。 これまで飛び道具的な利用のされ方の多かったテクノロジーが、人々と環境に対してしっかりと活用されていく例の一つだろう。 韓国勢の勢いがすごい 滞在先から会場に向かう際にUberに乗った。その直後にドライバーから「今回のCESで韓国人じゃないお客さんは君が初めてだよ」と言われた。 聞くところによると、どうやら韓国から参加する方がかなり多いという。確かに、LG, サムソン, Hyndaiなどの大企業をはじめ、スタートアップ系も韓国勢がかなり多い。 そしてオーディエンス側も韓国からこられたと思われる方々を多く見かけた。実際に話してみると、やはり韓国から来られた方々だった。 少ないけど日本勢も結構良いよ 仕事の関係者や友人経由で、日本から来る予定だった企業や参加者のその多くが直前でキャンセルしたという連絡が入った。通常であれば、アメリカ以外で最も参加者の多い国の一つであるが、さすがに現在の帰国時の強制隔離を考えると、来るのが難しくなる。 その一方で、日本企業のプレス発表やJ-Startupの展示はかなり興味深いものも多かった。特にSONYの自動車事業への本格進出の発表や、Canonのプレス向けのマジックショー的なプレゼン、実物大のSkydriveのドローン、岩佐さんの体を張ったShiftfallのデモなんかは結構なインパクトがあった。 まさかのハイパーループ体験 CESのメイン会場はとてつもなく大きい。それも4つの建物で構成されており、それぞれを行き来するだけでも相当な距離がある。なので、より効率の良い移動方法を関係者に聞いたところ「テスラトンネルを利用すれば良いよ」と謎の答え。 会場の前に一昨年まではなかった地下鉄の駅のような入り口がある。そこを下ると、なんと大量のテスラが停まっており、タクシー代わりに無料で送迎してくれるとのこと。 実際に乗ってみて度肝を抜かれた。というのも、イーロン・マスクが以前より構想しているハイパーループの短い版が作成されており、そこをテスラの車両が行き来する仕組み。これにはめっちゃ興奮した。 サステイナブルはすでに特別なことじゃない CES 2022におけるメディアキーノートのその全てにおいて、何かしらサステイナブル文脈のコンテンツが発表された。テクノロジー企業としてイノベーションの追求に加え、地球環境や人々の生活の豊かさを守っていくのが最も重要な責務の一つになっている表れだろう。 数年前までは「うちらもサステイナブルはじめました!」とドヤ顔で発表していたような企業も、現在となってはそれが当たり前であり、サステイナブルなしのイノベーションはあり得ないというノリ。今後はどの企業にも必ず求められる社会的責任だろう。 最もイノベーティブ?な展示 – LG 毎年CESでは多くの企業がとんでもない規模の展示を巨額の予算を投じて行う。その中でも、LGは入り口近くの最も大きなスペースを確保し、一面に広がる巨大スクリーンで度肝を抜くのが例年の流れだった。 それが今年はどんでもないことになっていた。というのも、全く何も展示されていない。いや、いつもと同じ巨大スペースは確保しているのだが、そこにあるのは剥き出しのベニヤの床と、木でできた簡素な椅子。そして、等間隔で貼られているQRコードのみ。 そう、お察しの通り、LGはリアルな展示は諦め、潔く全てを「続きはWebで」に投げてしまったのだ。まあこれも、一つのサステイナブルな展示方法だろう。ある意味。今回の一般展示で最もインパクトがあるイノベーティブな展示だったのかもしれない。 優れた技術は魔法と見分けがつかない その一方で、実際の発表や展示内容はかなり素晴らしいものも多かった。特に最新テクノロジーをプロダクトに落とし込み、上手に見せている企業が多く、一瞬ではどのような技術が使われているかもわからないレベルも多かった。 例えば、ボタン一つで色が変わるBMWの車両、完全自動運転で動くレーシングカー、リアルターミネーターっぽいロボット、など。 まとめ: 結局これくらいがちょうど良い 今回のCESは、結局予定より1日短く終了した。感覚的にいうと、通常の60-70%の展示数、50-60%の参加者数っていう感じだった。 でもそれがなぜか少し安心する部分もあった。おそらくCESはここ数年で注目されすぎて、膨らみすぎていたんだろう。 あまりにも多くの展示企業と参加者が世界中から訪れ、数日をかけても全てを回るのは不可能だし、何よりも人混みがとんでもなくすごく、とても疲れてしまうイベントだった。 それが今年は、少し規模を縮小しての開催になったことで逆に居心地が良かった。初めて参加した5-6年前を思い出させてくれる感じて、来年以降もこのぐらいで良いな、と思った。