Pride month

2022年度版 欧米のインクルーシブマーケティングキャンペーン事例5選

6月はPride Month(プライド月間)。全ての人が自分の在り方、考え方に誇りを持つように再認識する月であり、LGBTIQ+コミュニティーを祝うパレードや、権利啓発のイベントが多く開催される月だ。 近年日本でもダイバーシティの受容や個人の価値観の尊重は、ひと昔前に比べて進んできたように思われる。 とはいえ、日本はダイバーシティを意識することが難しい国でもあるといえる。2020年時点で日本に居住している外国人は総人口の2%と言われており、公用語も日本語を用いる単一民族国家だ。ゆえに、外見も思考もどうしても画一的になりがちだ。 一方アメリカでは、「人種のサラダボウル」とも呼ばれる多民族国家。人種構成は白人、ヒスパニック、黒人、アジア系など様々。見た目も考え方も違うのが当たり前という環境で生まれ育ってきている。 ゆえに日本よりもダイバーシティが一般的で、ダイバーシティに対して先進的な取り組みが比較的多いのも事実だ。 今回は、そんなアメリカの企業が、さまざまなダイバーシティを受け入れる姿勢・理解をマーケティング活動に反映させた「インクルーシブマーケティング」の事例を紹介する。 インクルーシブマーケティングとは? インクルーシブマーケティングとはダイバーシティ(多様性)を受け入れ、それを考慮し、マーケティング活動へ反映させること。ダイバーシティーがインクルードされている(含まれている、受容されている)マーケティングのことを言う。 令和に絶対押さえるべきインクルーシブマーケティングとは。事例6選 ここでいうダイバーシティとは、人種、性別、年齢に限ったことではない。宗教、性自認、食習慣、ボディタイプなど、個人の特徴が幅広く含まれる概念だ。 インクルーシブマーケティングの効果と消費者意識 こちらの記事を参考に、インクルーシブマーケティングに対しての消費者意識を見ていこう。インクルーシブマーケティングにはさまざまな効果がある。大きく2つに分けて紹介する。 ① インクルーシブマーケティングを行うことにより、マイノリティとされる人たちが、自分たちもその企業のサービス対象に含まれているという自覚を持てるようになる。 参考:https://blog.btrax.com/jp/inclusive-marketing/ ② 商品を直接的にプロモーションしない場合でも、企業の立ち位置を明確にし、考え方のファンになってもらい、そこからプロダクトを知ってもらうきっかけになる。 参考:https://blog.btrax.com/jp/brand-stories/ では、インクルーシブマーケティングに対しての消費者の意識はどうだろうか。(下記データ参照元) アメリカ、ブラジル、イギリス人の消費者の71%は、ブランドがオンライン広告で多様性と包括性を促進することを期待している。(Facebook Ad) インクルーシブな広告では、多人種のZ世代の消費者の23%が購入意向意欲が高まる。(マイクロソフト広告) アメリカ、ブラジル、イギリス人の消費者の59%が、オンライン広告において多様性と包括性を掲げるブランドに対してよりロイヤリティが高い。(Facebook Ad) アメリカ人の消費者の82%が、LGBTQ+の表現を促進するインクルーシブなマーケティングは、ブランドがあらゆる形態の多様性を大切にしていることの反映であると考えている。(GLAAD LGBTQ Inclusion in Advertising and Media study) しかし、上記のようなインクルーシブマーケティングへのポジティブな意見に反して、あらゆる差別や偏見への態度にはまだ改善されるべきところがあるのも事実だ。下記のデータを見ていただきたい。(下記データ参照元) キャンペーンや広告に登場する女性は、男性よりも露出度の高い服装で登場する確率が14.1倍、視覚的/聴覚的な対象とされる確率が6.9倍、部分的に衣服を纏わない状態で登場したりと身体的な対象とされたりする確率が6.1倍高い。(Facebook Ad) 少数民族のキャラクターは、白人のキャラクターに比べて、家族の一員として描かれる可能性と運転する姿が描かれる可能性が半分ほどの割合。(Facebook Ad) アフリカ系アメリカ人の66%、ラテン系アメリカ人の53%が、自分たちの民族性が広告でステレオタイプが入った描かれ方をされていると感じている。(Adobe) 結論として、消費者は企業のキャンペーンに対してダイバーシティ、インクルーシブであることを期待しており、企業の努力、取り組みは広がりを見せているものの、まだ埋めるべき溝があるという状態だと言えるだろう。 今回はソーシャルメディア上での発信に止まらない、欧米のインクルーシブマーケティングのキャンペーン事例を合計5つピックアップしてお伝えする。 アメリカ企業のインクルーシブマーケティング事例 1) Bumble アメリカ発のマッチングアプリBumbleは2018年、”Find Me on Bumble”キャンペーンとして、性別、人種、能力、宗教、セクシュアリティの異なる人々を含む、実際のBumbleユーザーの多様なグループを取り上げ、彼らを「私たちがニューヨークで出会った最も刺激的な人々」として紹介した。 Bumbleは、このキャンペーンによって、恋愛の出発点としてのマッチングアプリという域を越え、多様なユーザーの在り方や関わり方を祝福することで、ダイバーシティを尊重するメッセージを発信した。 出てくる人々が笑顔で撮影に臨む様子は、自然と新たな人との出逢いに対して前向きな気持ちにさせてくれる。 このコマーシャルはCoca-ColaのHilltop広告を想起させる。 Hilltop広告とは、Coca Colaが1971年に公開したテレビCM。 最初はひとりが歌いだすが、多様な国籍や人種の人がみな同じコカ・コーラの瓶を持ちながら“Iʼd like to buy the world a Coke.(世界中の人に、コーラを買ってあげたい。)”と歌い、次々と歌唱に参加していき、ハーモニーをつくりあげる。