今回、イベントの先陣を切るシェフとして白羽の矢が立ったのは、フランス・パリで活躍する渥美創太シェフ。渥美氏といえば2016年、佐賀の地で行われた「DINING OUT ARITA&」でクリエイティブな料理を作り上げたことも記憶に新しいシェフです。料理人がイメージする料理を最大限引き立てるために、唐津や有田の陶芸家とともに一夜限りの器を誂える。そんなある意味酔狂ともいえる取り組みを行い、「DINING OUT」史上においてもエポックともいえるプレミアムな野外レストランを創り上げたシェフだけに、ただ単純に〝美味しい料理〟だけで終わる筈はありません。
キックオフともいえるVOL.00で、渥美氏と中塚氏がキャスティングされたのは、佐賀とフランスが重ねた歴史にも由縁します。今年は明治維新150年であると同時に、フランスとの国交が締結されて150年目を迎える記念の年。そして実は、佐賀はそれ以前の江戸期においても、ヨーロッパで国際博覧会が行われる際には江戸幕府とは別に藩として出展していたほど、欧州との関わりは深い土地柄です。そんなフランス・パリを舞台に活躍する渥美シェフ。そして2016年、ルーブル美術館「Carrousel Du Louvre」で開催した書の個展が、設立150年を誇るフランス国民美術協会(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール)において、金賞と審査員賞金賞をダブル受賞した中塚氏が競演することは必然だったのかもしれません。
今回のイベントで佐賀を訪れた大橋氏が驚いたのが、渥美氏が佐賀の生産者や器作家、そしてイベントに携わる人たちと友達のように親しげに話しているところ。それもそのはず、前回の「DINING OUT ARITA&」でダイニングシーンを引き立てる食材や器を追い求めた渥美氏にとって、生産者や器作家はいわば〝戦友〟のような存在。
「佐賀の優れている食材や生産者はほとんど頭に入っています」と渥美氏。例えば前回、農薬や化学肥料を使わない自然薯作りに惚れ込んだ唐津の「ささき農園」では、今回も山芋のように巨大なゴボウやむかごを手に入れ、それをコースのキーとなる食材として使用しました。
「イカ墨のパンペルデュ」には、前回の「DINING OUT ARITA&」の際に出会った唐津「みのり農園」の放し飼いの自然卵の、卵黄の塩水漬けを添えて。器は、水面のようにフラットでシンプルな形状が料理を描くキャンバスとして好評で、これまで数多くのシェフイベントでも使われてきたもので、寺内信二氏の作品。
大類 今回「DINING OUT UCHIKO with LEXUS」の準備のために内子に何度も足を運んでいるうちに、地元の方々の「日々の暮らし」が素敵だなって思いました。竹材業を営んでいた方が、趣味が講じて、今や有名な版画家になっていたり、地元の人達が内子座で行う演劇の台本を役場の職員の方が書いていたり、大西さんだって、議員の努めを果たす一方、町並みを活かした古民家で宿泊施設やカフェをされてたり...
写真家、映画監督、作家として活躍する傍ら、出版社「Youngtree Press」を自ら主宰し、地元浜松でも「BOOKS AND PRINTS」を営む。一見様々な表現をしているようにも見えますが、「全て同じ」。そう話すのは、若木信吾氏です。
そんな若木氏が今回紹介してくれたのは、「ブックラック」です。当然、「ブックラック」は本を置くモノですが、ただのモノではない機能を超えられるかどうかは使い手次...