記憶を手繰り寄せながら頂を目指す。八丈富士の夕日を眺め、僕はもう一度、再訪を誓った。[東京”真”宝島・八丈島/東京都]

高画質(4K Ultra HD)の映像は、こちらからご覧ください。

東京"真"宝島

初めて訪れた時は、大学生・中野裕之。そして今、約40年ぶりに映像作家・中野裕之として八丈島へ向かう。

「大学生の頃、何の予定も決めずに空港へ向かい、良さそうな便に飛び乗って旅をしたことがありました。その行き先が八丈島だったんです。あれから約40年、今こうして八丈島を撮影できるなんて、ご縁を感じます」。

八丈島は、大きく5つのエリアに分かれている。大賀郷、三根、樫立、中之郷、末吉がそれだ。「登龍峠」は三根に位置しており、客船が着く底土港のある三根地区に位置している。
「“登龍峠”には展望台があり、ここから望む“八丈富士”と“八丈小島”が本当に綺麗で。夕日が双方の間にゆっくりと落ちていく景色をじっと見ながら、再訪を心の中で誓いました」。
下方から望むと龍が登ってくるように見えることから「登龍峠」と名付けられたここは、八丈島を代表する景色であり、新東京百景にも選ばれる名所。太平洋を朱色に染めてゆく時間は、沈みきるその瞬間まで美しい。

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太平洋に浮かぶひょうたん型の八丈島。「八丈富士」と「八丈小島」の間に沈みゆく夕日は、この島を代表する絶景のひとつ。

東京"真"宝島羽田から約1時間で別世界へ。八丈ブルーの中、ウミガメとランデブー。

日本屈指の透明度を誇る八丈島の海は、「八丈ブルー」と形容されるほど、美しい。そこをウミガメが悠々と泳ぐ。

「八丈島は、“カメの島”。そう呼ばれるほど、ウミガメとの遭遇率が高いです。サンゴも美しく、ふわふわとしたソフトコーラルも気持ち良さそうに揺らいでいました。海水浴場も多いですし、ダイビングやシュノーケルなどのガイドサービスも充実しています。ここに訪れたら、ぜひ海のアクティビティを体験することをお勧めします!」。

場所にもよるが、例え海中でなくとも、堤防からや浅瀬など、運が良ければウミガメと出合えるのが八丈島。この島が育んできた自然は、生き物も島民のひとり、もとい一匹。皆が心地良く共存し、暮らしているのだ。

冬場でも水温が20度以上はあるという八丈島。90%以上の確率でウミガメを見ることができる世界でも稀な島。

「ナズマド」はダイバーにも人気のスポット。水中にはソフトコーラルを始め、様々なサンゴも生息する。

ダイビングやシュノーケリングで美しい魚の観察が楽しめるのも八丈島の海ならでは。写真は、ツバメウオ。

澄み切ったクリアな海は、まさに「八丈ブルー」と呼ぶにふさわしい高い透明度を誇る。

東京"真"宝島刻々と表情を変える「雲」に心惹かれた。島の記憶が何度も「雲」の余韻を甦らせる。

「雲が湧き出す山、色彩豊かな海。」
これは、今回の映像に起用されているタイトルである。後者は上記の「八丈ブルー」を指すも、前者は独特の視点だ。

「八丈島はとにかく雲の表情が豊かだと思いました。見上げる雲はもちろん、目下の雲から手の届きそうな雲など、どんどん島から雲が湧き出てくるようでした。特に印象的だったのは、“八丈富士”の火口。縁に溜まった雲の中にふわっと入り込むと、1m先も見えない。時折、雲が割れた隙間から見せる景色もせいぜい5秒ほど。雲の世界に包まれ、雲の匂いを感じ、無音の境地の中、音も立てないほどの優しい風が頬を撫で……。あの雲の匂いは忘れられません」。
その匂いとはどんな匂いなのか?

「うーん、何て言ったら伝わるかなぁ……。難しい……。ほんの少しだけ、うっすらと焦げたような感じというか……。どうだろう……。違うかなぁ……」。
記憶を手繰り寄せ、その匂いを言い当てる言葉を探そうとするも、なかなか難しいようだ。だが、中野監督の中だけには確かなその匂いが残っている。
「八丈富士」は標高854.3m。登り続ける先には大きな火口が広がり、その縁を囲むように草原の道が続く。まるで絶景を歩くようなそこは、別名「天空の道」と呼ぶ人も少なくない。
見上げればどこにでもある雲は、見る場所や見る視点によって、特別な存在へと変化するのだ。

11島の有人の島の中で最も高い「八丈富士」。火口付近には雲がたまる。

「登龍峠展望台」から見る「八丈富士」。青い空と白い雲、そのコントラストが美しい。

「八丈富士」の中腹に位置する「ふれあい牧場」では、牛を間近で見ることができる。

重厚感のある雲。夕焼けが当たることにより、立体感が一層際立つ。

まるで光の射す方へ飛び立つ鳥のような形の雲がドラマチックな空を描く。

夕焼けの風景。縦に伸びる雲、横に伸びる雲、薄い雲、厚い雲、歪な雲……。様々な形の雲が空を彩る。

東京"真"宝島温泉巡りに植物観察、登山に海に、絶景まで。観光資源が豊かな島、それが八丈島。

「末吉にある“みはらしの湯”は、その名の通り太平洋が見晴らせて、気持ち良いですよ! それ以外にも中之郷にある“裏見ヶ滝温泉”もぜひお勧めしたいです。とにかく八丈島は観光資源が豊富だと思います。海水浴場もたくさんありますし、“八丈富士”のお鉢巡りや“ふれあい牧場”でアイスクリーム(GW・夏休み期間のみ提供)、“三原山”の登山、展望台や灯台からの景色、“八丈植物園”や“ヘゴの森”の散策など、色々楽しめます。週末にさっと行けるし、東京から一番近いリゾートだと思います」。

深く鮮やかな緑のシダ植物などが、美しい世界を形成する。島内には水と緑が絶妙に共存している場所も多い。

標高約700m。10万年以上も前に誕生したと言われる「三原山」。川や滝が多く、見晴らしも良い。

その名の通り、滝を裏から見ることができる「裏見ヶ滝」。近くには混浴温泉(水着着用でタオル持参)も。

八丈島のトレッキングスポットとして代表的な「硫黄沼」。水の中に硫黄が溶け込み、天気によって様々な色合いに変化する。

東京"真"宝島グッと心を掴まれる映像のクライマックスは、圧巻のタイムラプス。

島の豊かな表情が演出された映像美はもちろんだが、後半部分のタイムラプスの連続には、圧倒される。
「タイムラプスは、大体15分撮って1秒の動画になります。太陽、月、星、雲……。八丈島は空の表情が豊かなので、その動きと躍動感を出すような編集をしました」。
今回の尺でいうと、1スポットで約8時間、定点撮影をしている計算になる。空から、陸から、海から。様々な目線で見る八丈島を、是非体験していただきたい。

空気が澄んでいるため、スターウォッチングも楽しめる八丈島。映像のタイムラプスでは、星の動きが楽しめる。

ゆっくりと動く雲も刻々と形を変える雲も、瞬時にそれらが変化する。そのスピード感のある演出は、タイムラプスならでは。


(supported by 東京宝島)

山懐に抱かれた奥日田のサーキット場で、一夜限りの非日常体験を。[AUTOPOLIS×Snow Peak Glamping/大分県日田市]

お酒を片手に焚き火を囲み、吸い込まれそうな星空を仰ぎ見るゲストたち。

オートポリス × スノーピーク グランビングオートポリスの新たな挑戦。ファン待望のキャンプフィールドが誕生!

腹の底まで響くような音と共に、視界の端から端へと一瞬で走り抜けていくスーパーバイク。10月の晴れ渡った空の下、この白熱のレースを間近で体感するため大勢のファンが会場へと詰めかけました。

ここ「オートポリス」は阿蘇の玄関口、奥日田の最奥に位置する山々に囲まれた広大なサーキット場です。九州唯一のインターナショナルレーシングコースで、3万人もの観客を動員するビッグレースからママチャリレースや四輪・二輪走行会などの参加型イベントまで、モータースポーツファンのみならず多くの地元の人々から愛されてきました。そんなオートポリスが今秋、新たなチャレンジに乗り出したのです。

そのチャンレンジとは、敷地内にキャンプフィールドを開設すること。サーキットが位置する奥日田エリアは宿泊施設に限りがあるため、連日観戦したいファンが泊まる場所を確保しづらいというのが悩みの種でした。そこで、場内でのキャンプ泊が可能になれば、観客は興奮冷めやらぬまま翌日のレースも楽しめるようになります。

【関連記事】AUTOPOLIS×SnowPeak Glamping/一瞬で消えゆくものだから…多角的なアプローチで“食の記憶”を心に刻む。

自然との一体感に浸れる、森に抱かれたサーキット。

この日行われていたのは2019 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ。轟音が響き渡るホームストレートは迫力満点。

今回より開設された場内キャンプフィールドに宿泊、ベストポジションを確保して特等席で寛ぐ家族連れの姿も。

オートポリス × スノーピーク グランビングスノーピークとのコラボレーションで実現、贅を尽くしたグランピング。

そしてキャンプフィールドのオープンに合わせて、ある特別なイベントが開催されることになったのです。それが、“サーキットでキャンプする非日常体験”をテーマにしたオートポリスグランピング。360°のパノラマでレースが楽しめるインフィールドに5棟のテントを設営し、10名のゲストを招待。“グラマラス×キャンピング”の言葉どおり、ひと晩限りという贅沢な環境で、ここでしか味わえない“空間と食”を提供するというイベントです。

今回オートポリスがタッグを組んだのは、奥日田にキャンプ場と実店舗を構えるアウトドアブランドのスノーピーク。ゲストたちの宿泊エリアからダイニングスペース、キッチンまですべての設営を手掛けました。まるでホテルの一室のように広々としたテント内には、タオルや歯ブラシ、モバイルバッテリーなどのアメニティが揃っているのはもちろんのこと、冷蔵庫代わりのクーラーボックスに石油ストーブまでも。10月とはいえ、夜の奥日田はダウンジャケットが必要なほどの寒さです。しかしストーブをつけてふかふかのベッドに潜り込めば、朝まで心地よく暖か。

さらに暖を取りたい時には、テント内に用意してある湯浴み着で“サーキットの中の露天風呂”へ。こちらはなんと“出張する温泉”で、天ヶ瀬温泉の湯をそのまま運んできています。普段は足湯としてオートポリスのイベントやスポーツ大会のゴール後などに登場するとのことですが、今回は全身で浸かれる特別仕様。体の芯から温まりながら辺りを見回せば、夜半のレースコースと山並みの壮大なコントラストが眼前に広がります。

当日は遠く有明海や雲仙までが視界に。雄大な自然の中にあるサーキットとキャンプフィールドならではの温泉体験となった。

レースプログラム終了後の夕暮れ時。この日の出来事を語らいながら静かな時間が流れていく。

宿泊用テント内。夜の高原には昼のアクティブさとは対照的な落ち着いた空間が用意されていた。

夜の帳が下り、暗くなっていくキャンプ場に明かりが灯る。

オートポリス × スノーピーク グランビング出張料理人が織りなす食の魔法。

ゲストが1泊2日の間で口にする夜朝昼の3食。そのすべてのプロデュースを手掛けたのが、料理家であり食空間演出家でもある大塚瞳さんです。出張料理人として全国各地へ赴き、数日限りの食空間を演出するイベントプロデュースを10年以上続けてきたとのこと。今回もこの日のためだけに考案したオリジナルメニューを振る舞ってくれました。夜はスペイン、朝は台湾、昼はインド料理と、キャンプ場で作ったとは思えないほどバリエーション豊かな美食の数々にゲストたちも舌鼓。「同じことは二度とできないからこそ、みんなの記憶に残るような料理を作って思い出を共有できたら嬉しい」と語る大塚さん。その想いが端々にまで行き渡った、まさに一期一会の体験でした。

夕食後は、水郷・日田の酒蔵を中心にセレクトした銘柄を揃えたバーエリアへ。ビールはもちろんのこと、日本酒、焼酎、スパークリングなどから好みのお酒を手に、揺らめく焚き火を囲むベンチへと向かう人も。冴え渡る夜空と満天の星、圧倒的な自然に囲まれ美酒に酔うひとときは、しばし現実を忘れさせてくれます。

チェックインからチェックアウトまで、心尽くしのもてなしで10名を非日常の世界へといざなったグランピング。サーキットの臨場感と奥日田の大自然を肌で感じることができ、その上ラグジュアリーな気分も味わえるかつてない体験は、ゲストの心に深く刻まれたことでしょう。

最初の食事であるディナーの仕込みを行う大塚瞳さん。設備が整ったキッチンスペースは、スノーピークが設営した。

全9皿のコースを堪能するゲストたち。一品一品に込めた想いや、どんな食材を使ったかを語る大塚さん。

鴨と栗のパエリア。料理が引き立つ器で、と有田焼のプレートを多数持参。

『酒蔵バル』と銘打ったバーエリアでグラスを傾けながら夜は更けていく。

井上酒造、老松酒造、薫長酒造の酒蔵をはじめ、いいちこ日田蒸溜所、地域に工場を構えるサッポロビールまで。すべては自然と水の恵み。

住所:大分県日田市上津江町上野田1112-8 MAP
電話:0973-55-1111
AUTOPOLIS HP:https://autopolis.jp/ap/

一瞬で消えゆくものだから…多角的なアプローチで“食の記憶”を心に刻む。[AUTOPOLIS×Snow Peak Glamping /大分県日田市]

大塚 瞳さんと、井上圭一氏(右)を始め、スノーピークのメンバーたち。会場には事前に皆で1日通して泊まり、当日ゲストが快適に過ごせる空間作りを目指し、綿密に打ち合わせを重ねた。

オートポリス × スノーピーク グランビング至上の食体験を実現するため、一瞬一瞬に情熱を注ぐ。

「一度限り、二度と同じことはしないというのが好きです。あの日、あの時、あの場所で、あの人と、って。振り返った時に立体的に思い出せるような要素を、料理そのものだけではなく、過ごした空間全体に散りばめられたらと。その記憶のなかに料理のことも出てきたら嬉しいですね。」

そう語るのは、料理家・食空間演出家である大塚 瞳さん。世界中を旅しては様々な食文化に触れ、大学時代から料理を学んできました。自身の店は持たず、出張料理人として気に入った土地で期間限定の食空間をプロデュースするスタイルを10年以上続けてきたと言います。
今回の舞台は、サーキット場のインフィールド。スノーピーク社のハイスペックな特設キッチンで、この日のためだけに考えたメニューを作り上げていきます。

大分県日田市にある「オートポリス」。熊本県との県境にあり、阿蘇の大自然に囲まれたこのサーキットで、アウトドアブランド・スノーピークとのコラボレーションにより1日限定のグランピングイベントが開催されました。招待されたゲストは10名、1泊2日の間で口にする夜・朝・昼の3食を大塚さんがすべてプロデュースしたのです。

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グランピングサイトからは、迫力満点のレースが360°どちらを向いても楽しめる。

19時スタートのディナーのため、早くから仕込みを行う。一見するとアウトドアとは思えないほど充実した設備。

「料理はそれに見合う器に盛られてこそ」と、その両方を大切にしている大塚さん。

ディナーの幕開けを飾るのは、「李荘窯業所」に特注したサーキットの頭文字“C”をモチーフにした有田焼。

オートポリス × スノーピーク グランビング唯一無二の器で、料理そのものをより深く印象付ける。

「“山の上のサーキット”という記憶を引き立ててくれるアイテムが欲しい。その想いから、特別な器を用意しました。」
普段から窯元との付き合いが多い大塚さん。彼女が今回製作をお願いしたのが、現代の有田焼を代表する「李荘窯業所」の四代目、寺内信二さんでした。出来上がったのは、なんとサーキットをイメージしたという、アルファベットの“C”の形をした陶器。斬新なデザインに無駄のない流麗なフォルムで、表面に薄っすらとサーキットの傾斜がついています。大塚さん自らが実際にドライバーの横に座り、サーキットでの走行を体感して閃いたことをすぐに寺内さんに相談。そのイメージを、寺内さんが見事に具現化してくれたのです。

“El banquete cielo estrellado”、スペイン語で“星空の晩餐会”と題された夕食のコンセプトは、この器から生まれたのだと言います。一体どんな料理を合わせたら素敵だろう? そう考えた時に思い浮かんだのが、スノーピークの新商品である「雪峰苑 たこ焼きプレート」。たこ焼きだけでなく、これでアヒージョを作って、“C”のプレートに盛り付けたら素敵ではないか。ならばスペイン料理にしよう! せっかくならたこ焼きもスペイン風に仕立てて…と、そこからは連想ゲームの如く次々とアイデアが湧いてきたそう。

アウトドアだから、グランピングだからといった外枠からではなく、食材や器、調理器具からインスピレーションを広げていく。即席の調理場、しかも屋外という制約のなかでも、大塚さんがクリエイティビティを発揮して伸び伸びと料理できたのは、スノーピークによる盤石のサポートがあったからだと感謝を滲ませました。
「自分の家みたいなキッチンを作ってもらいました。作業台も、ピッタリ背丈に合ったものを瞬時に測って組み立ててくれて…思うように作れたのは皆さまのおかげです。」

クロスの配色からカトラリーまで、行き届いたテーブルセッティング。

大塚さんのアシスタントと共に、スノーピークのスタッフも一丸となって調理や配膳を担当。

スノーピークから今年新発売された「雪峰苑 たこ焼きプレート」。すっぽんの出汁のたこ焼きと、白茄子のカポナータとグリーンオリーブのたこ焼きの2種類を用意。自家製マヨネーズとともに。同調理器具を用いて、鮑と帆立、零余子(むかご)と大分の椎茸をアヒージョに。

ダッチオーブンを使って魚の出汁で炊き上げたパエリアに、炭火で焼き上げた秋刀魚をのせて。

オートポリス × スノーピーク グランビング全国を訪ね歩き、巡り合った食材のみを使用。

器はもちろん、大塚さんの食材に対する熱意は並大抵のものではありません。使うのはすべて、自分の足で訪ねた生産者の旬のもの。1食の料理には数多くの生産者が関わっているそうです。野菜から肉や魚、調味料まで、これまで全国各地を巡った数は数千軒に及ぶと言います。

食事の際、手元に置かれたカードにはメニュー名ではなく、「和牛」「鴨」「真菰筍」「栗」などの食材名が書かれていました。
「文字で見る品書きは、私自身なかなか覚えていられないもの。一期一会だし、今日何を食べたかということではなく、また来年この季節になった時に、旬の食材が何だったかを思い出せる方がいい。ご自身で、また違う料理になって楽しめるように。私も生産者のことを食材で記憶していて、時が来たら連絡をするから。」
ここにもゲストの“食の記憶”へのアプローチと、巡り合った生産者への想いが感じられました。

ディナーのメニュー。表にはスペイン語で“星空の晩餐会”を意味する“El banquete cielo estrellado”の文字。

サラダにトッピングしたのは、サントモール・ド・トゥーレーヌという山羊のチーズ。

淡路の玉葱をスライスし焼いたコカ。生ハムと唐津の黒無花果をトッピング。

真菰筍のフリットミスト、自然薯の素揚げ、ビーツのコンフィチュール添え。

旬の栗が芳しい、鴨と栗のパエリア。徳島の酢橘を絞っていただく。

魚出汁と、長野のまいたけで炊き上げたパエリアには炭火焼の秋刀魚。宮崎の平兵衛酢とともに。

締めには濃厚ながらもさっぱりとした後味の佐賀牛のテールスープ。

デザートはスパイスパウンドケーキ。岡山のシャインマスカットコンポートをあわせて。

オートポリス × スノーピーク グランビング饗宴から一夜明け。胃に染み渡る、爽やかな朝餉。

山海のアヒージョとスペイン風たこ焼きを皮切りに、デザートまで全9種の美食と美酒に酔いしれた晩餐会。一夜明けて、朝食の席に用意されていたカードには“一日之計在於晨”の文字が。日本語の意味は“新しい一日の始まりに”、そしてまさにその言葉どおり、滋味あふれる台湾式の朝食がゲストの目覚めとともに供されました。

“早餐”は中国語で“朝食”の意味。

鉄観音茶葉と中国のスパイスで漬けた茶卵。

丸鷄に胡麻油やきび砂糖を擦り込み、1時間じっくり焼き上げる。

茶卵、丸鷄、鶏皮ナムル。台湾ご飯のお供として、鶏づくしで。

オートポリス × スノーピーク グランビング夜・朝・昼の3食を10人で共にしたという、かけがえのない思い出。

「旅先の宿泊って大体夜と翌朝の2食でしょう? それが、一人の人の1日、夜にはじまり、翌朝、そして昼。その3回の食事を作るということは初めての経験で、今回の醍醐味の1つでした。」と語る大塚さん。お昼時、チェックアウト後のゲストに最後に振る舞ったのは、なんとインド料理。スペイン、台湾、インドと大胆に毛色を変え、“アウトドアの食事”という概念を軽々と飛び越えてみせました。

「どんなに綿密に準備して頭の中で描いても、本番はいつも想像以上に美しい。今日、偶然にも一緒になった人達が1つの食卓を囲む。幕があけた途端に終わってしまう一瞬の出来事。見たかったのはこの景色だったなと。寂しいですが、ゲストやスタッフを含め24人で共有した今日という日を、私はいつまでも覚えていると思います。」

瞳を輝かせながら語る彼女の表情は、しかし寂しさよりも充足感に満ち満ちていました。次はどこで何をやるのか? の問いには「さあ、言葉も通じないような国にでも行ってみましょうか。」と飄々とした答え。突如現れては幻のように消えゆく食空間を創り出した大塚さん。その姿はまるで砂上を征くキャラバンのよう。でも、“食の記憶”は、彼女の料理を食した人々のなかで永遠に生き続けていくのです。

ランチのメニュー裏にはカレーの具材名がずらりと並ぶ。

友人であるミュージシャン、小宮山雄飛さんが渋谷で手掛けるレモンライス専門店『Lemon Rice TOKYO』直伝のレシピで作ったレモンライス。

ヨーグルトをたっぷり加え、見た目よりマイルドな味付けの足赤海老と丸オクラのカレー(右)と、ジャガイモとカリフラワーのカレー。

『奥日田獣肉店』の草野貴弘さん。地元で捕った猪をグリルで炒め、スナック感覚で食べられるサイズに切り分けて手渡してくれた。

住所:大分県日田市上津江町上野田1112-8 MAP
電話:0973-55-1111
AUTOPOLIS HP:https://autopolis.jp/ap/

1981年福岡生まれ。出張料理人として、気に入った土地に数日限りの食空間を演出するイベントプロデュースを10数年間行い、器と食材をつなぐ役割を果たしている。またケータリングをはじめ、店舗、旅館、県特産品のメニュー開発プロデュースなども行う。
http://www.hitomi-otsuka.com/

伝統をもっと身近な存在に。しなやかな感性で津軽系こけしの明日を紡ぐ、親子2代の物語。[TSUGARU Le Bon Marche・阿保こけしや/青森県黒石市]

津軽系こけしを作り続ける父・阿保六知秀氏と子・正文氏。木材を成型する行程は同じ一室で横に並んで取り組む。

津軽ボンマルシェ・阿保こけしや津軽でずっと愛されてきた、こけしを今日も作る。

たった一片の木材がまるで魔法にかけられたように生気を帯びていく──。
『阿保こけしや』の工房で目の当たりにした流れるような一連の作業がそれです。刃の幅や刃の反り返る角度が異なる7本のノミを巧みに使い分け、あるときは真っ直ぐ、あるときは斜めから器用に押し当てて、一気に頭と身体を形作っていく。辺りには、木を削る摩擦音と、轆轤のモーターが低く唸る振動音だけが響き、緊張感が漲っています。最後はヤスリで白く、すべすべの肌に。成形が終わると、一気に空気が弛緩しました。

「人間は八頭身が美人だけど、こけしは四頭身。このバランスが良いんだ」
作業の最中からは一変、同じ人とは思えないほど、クシャクシャな笑顔と柔らかいオーラを放って阿保六知秀(むちひで)氏が笑いました。六知秀氏は半世紀以上のキャリアを誇る「青森県伝統工芸士」。黒石の温湯(ぬるゆ)温泉で明治の頃から愛されてきた、「津軽系伝統こけし」を作り続けています。傍らで同じオーラをまとって微笑む子息の正文氏もこけしを作る“工人(こうにん)”。父の工房に入ってすでに15年が経っています。
「色を付けるトコはお客さんに人気だな」と六知秀氏。今度は轆轤線を入れる作業を始めるよう。昨今、こけしは“こけ女”に象徴される通り、人気を博しており、この工房へ見学に訪れる観光客も増えたとのこと。そんな愛好家たちに好評な行程なのでしょう。真顔に戻り、塗料と絵筆を用意しました。

紫・黄・緑・赤・墨。この5つが伝統的に使われてきた色。轆轤を再始動して、ツーッと線を引いていきます。津軽系は「意図的に赤をメイン」にしてきた伝統があり、ほかにも、一本の木から作る、津軽藩の牡丹を映す、「ねぶた」や「だるま」に範をとった文様も描く、といった特徴があります。おかっぱ頭に、裾広がりの足元も津軽系の個性。
 「『飽きないの?』ってよく聞かれるけど、同じ行程を同じように繰り返しているわけじゃないんだ。いつも『色をちょっと変えたら、もっと自分のカラーが出せるかも』『形をちょっとだけ変えてみたら、どうだろう?』って考えながら作ってきた。日々の積み重ねの中で、少しずつ変えていくことで、『もっと売れるこけしが作れないか?』。そういうことをずっとやってきたんだよ」
常に上を目指してきた? そう六知秀氏に尋ねるとニコッと微笑んで、小さく頷きました。

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六知秀氏が作る津軽系伝統こけしのスタイルは基本的にこの5体。「このレギュラー5体は変えずに作っていくつもりです。やっぱり、伝統ものが一番のお薦めだから……」。

「マッコ」と呼ぶ棒状の道具を支点にノミを当てる。六知秀氏の轆轤は素足で踏んで回転数を調整するオールドスタイルだ。「踏むペダルはクラッチだね、車で言えば」。

父と同じようにマッコを支点にしてノミを当てる。正文氏の轆轤は「ツマミで回転数を調整する」タイプ。左右にペダルがあり、どちらを踏むかで回転する方向も変えられる。

粗く削る「あらい」のほか、反り返りの幅が狭く細い「仕上げ」、その中間、木材をカットする「切り落とし」など、作業内容によってノミを器用に使い分ける。

筆を当てて、一気に轆轤線を描く。「伝統的にはどのこけしも、同じ色が使われるけど、何色を多くするか、配色はどうするかでそれぞれの工人の個性が出る」と六知秀氏。

津軽ボンマルシェ・阿保こけしや伝統を守る一方で、創作にも果敢に挑戦。

もっと売れるこけしを。試行錯誤を繰り返す中で、六知秀氏はこれまで多くの「創作こけし」にも挑戦してきました。例えば、「似顔絵こけし」。依頼されれば、その人そっくりの顔で作るというこけしですが、元々は十数年前、知人の警察官から同僚の退官祝いに贈りたい旨のリクエストを受けて始めたものでした。団体旅行でフラガールの踊りを見た友人の要望に応えたのが「踊るこけし」。

「『地震が来ても倒れないこけしってないよね?』と言われたこともあって、何か、悔しくて。だったら、フラガールを映して、ユラユラと揺れるこけしを作っちゃえって(笑)」
御年69ですが、発想は驚くほど若々しく、柔軟。こけしと同様、伝統を守って作る工芸品に「だるま」がありますが、ビビッドな青で六知秀氏の代名詞ともなっている「阿保ブルー」のだるまは「日韓ワールドカップの年に『何か記念になるものを作ったらどうか?』と地元のサッカーファンに言われ」始めたものでした。虎柄のだるまは「阪神タイガースが優勝した年の記念」。このアイデアは以降、毎年の干支を移す「干支だるま」としてシリーズ化されていきます。
「青森は東北楽天イーグルスだから、いつ発注が来ても大丈夫なように、もう臙脂色は配合してあるんだ。今のところ、注文はないけど(笑)」
ニコニコしながら見せてくれた瓶には、あのクリムゾンレッドがありました。
創作する心は、正文氏にもしっかりと受け継がれています。弘前『green』で限定販売された月替わりのこけしは氏の代表作。今、正文氏は父よりも積極的に創作に取り組んでいます。

「元々は東日本大震災の後で客足が滞ったとき、何か、人目を引く方法はないかと始めたのがきっかけでした」と正文氏。その際、創り出したのが、りんごのこけし。津軽の特産品をベレー帽と足元にあしらった作品で、こけしの新しい魅力が表現されていると話題になり、今ではパンダやメロンなど、いろいろなモチーフを取り込むことで独自の世界観を築いています。
もの静かだけれど、芯の強さを感じる正文氏に「跡を継ぐ決心はいつから?」と聞くと、すぐに「小さい頃から」と答えました。それを聞いて六知秀氏も嬉しそう。しかし、「継がないかもって感じた頃もあったよ。ヤバいかもって(笑)」。そう振り返りました。

「創作だるま」も六知秀氏の若々しいセンスから生まれた大切な作品。右がサッカー日本代表のサムライブルーを表現したカラーで、左が阪神タイガースに因んだ虎柄。

正文氏が初めて手掛けた創作「りんごのこけし」。牡丹の花や文様など、伝統を活かしつつもりんごをあしらうことで現代的な雰囲気に。優しい顔は正文氏の性格を映すよう。

「パンダ」と「メロン」も正文氏が手掛ける。黒石『津軽こけし館』に月替わりで展示されるシリーズで、かなり大胆に遊んでいて、愛らしい。

津軽ボンマルシェ・阿保こけしや以心伝心。並んで黙々と作業する父子の強い絆。

「『継げ』って命じて、始めたあとで『言われたから継いだんだ』とは絶対に、言わせたくなかった」と六知秀氏。伝統を継承する親子2代の物語は六知秀氏が津軽系こけしの普及に生涯を捧げた故・佐藤善二氏の内弟子となった昭和41年に遡ります。12年の修行を終え、六知秀氏が自宅に工房を開いたのは昭和53年のこと。それから5年ほど経って正文氏は生まれました。

「小さい頃から絵を描くことは好きでしたし、父の仕事ぶりもずっと間近で見てきました」
早くから意志を固めていた正文氏でしたが、高校卒業後、「急に『大学に行きたい』と言い出した」ことで、六知秀氏は気を揉み始めます。
「入ったのが弘前大学ですよ。専攻した学問の実力を発揮したくなって、卒業後は東京に行きたいと言い出したら、どうしようって。回りにも、『何年かで必ず帰ってくる』と東京に行って、結局、戻って来ない長男もいるからね」
けれど、継ぐことは強要したくない。そこで、六知秀氏が講じた手段が「工人募集」の貼紙でした。

「卒業のタイミングであえて求人広告を出しちゃった(笑)」
六知秀氏は本当にチャーミングな人なのです。工人として一目置かれる存在でありながら、偉ぶることは少しもなく、笑顔でこけしの魅力を語り、楽しませるため、ジョークも発する。正文氏もきっと、そんな父の姿勢に共感し、敬愛の念を抱いてきたのでしょう。継ぐことは自然な流れでした。「三つ子の魂百まで」。そんな諺を思い出します。
ふたりが並んで轆轤を回し、ノミで削る、この工房はいわば第二段階の作業スペース。仕上げの第三段階は、個々で別の作業スペースを構えており、木を切り出す第一段階は、この工房の裏手にある作業所で主に正文氏が行っていますが、「仕事はいつも一緒にしている」意識をふたりで共有しています。「性格はよく似ていますよ」と父が言えば、息子も「父が何を言おうとしているのかは雰囲気でわかります」と答える。阿吽の呼吸とはまさにこのことで、今は父子が揃って始めて『阿保こけしや』なのだと実感しました。

成型する工房の裏手にストックされた原料は「イタヤカエデが最も多く、山桜もある」と正文氏。乾燥に最低1年はかかるそうで、すでに3年分ぐらいが保管されていた。

原料の木材を切り出して、保管するために一棟を設けている。この状態からさらに加工して、こけしを象る一片にする。「出た端材は薪ストーブ用にご近所に配っています」。

正文氏とのこれまでを楽しそうに語る六知秀氏。笑顔もチャーミングな工人だ。

津軽ボンマルシェ・阿保こけしや伝統の担い手として、父子で明日を見据える。

こけし作りもいよいよ最終段階。普段は「集中したいからあまり人に見せない」六知秀氏の仕上げを特別に見せてもらうことになりました。正文氏が絵付けを行うスペースは奥様やお子様と暮らす近所の自宅に設けていますが、六知秀氏の現場はこの工房の2階に。畳敷きの一室に専用の座卓が置かれています。
「目は今も一番、緊張する」
そう言って、真剣な面持ちになります。卓上には20本ほどの絵筆がズラリ。右手でおもむろに一本を取り上げて、筆先に軽く墨をつけたら、呼吸を整えます。スーッと小さく息を吸い、フーッと吐いてから息を止め、指先に神経を集中。静寂。まず目の輪郭を上、下と描きます。左ができたら右へ。今度は眉毛。同じように左から右へ流れるように筆を走らせたら、鼻と口。六知秀氏の眼光がますます鋭くなりました。最後は瞳。こけしに生命が宿る瞬間です。生まれた──漏れる、安堵の吐息。見ているこちらも思わず拳を握り締めていました。

「気分が乗っているときは、バーッと10体ぐらい、目を入れることもあるよ」
一変して、柔らかい笑顔。しかし、その目の奥で、揺るぎない誇りに似た何かが光っていました。
最初に木片を加工してから一週間。効率を図るため、成型する日と絵付けする日を別にして、計2日というワンセットを繰り返し、今は週に約70体を作っています。かなりの量産体制。すると、六知秀氏が言いました。
「『もったいぶるな』というのが私の師匠の教えなんですよ。2体で高価でなく、10体で安くが基本。そのために『8時間フル回転で作れ』。そう言われてきました。少しでも安くできれば、いろいろな人にこけしが買ってもらえる」

それが六知秀氏の根本的な思想でした。安く作り、できる限り多くの人にこけしに触れる機会を設け、こけしに慣れ親しんでもらう。創作に挑むのも、たくさん売りたいと願うのも、津軽系伝統こけしの底辺を広げたいから。それは正文氏も同じ。創作こけしに積極的であるだけでなく、もう10年も、黒石市が事業主体の『津軽こけし館』に出向き、館内で披露される製作実演を週に3、4回は手伝っているのです。すべては津軽系こけしの伝統のために。
「息子は伝統と創作を半々ぐらいの割合でやっているんじゃないかな。私は、ずっと作る伝統のスタイルが5体あって、その次の6体目に創作こけしという位置付け。創作こけしは6体目も買ってもらいたい一心で始めたこと」
ただ伝統を守るだけでなく、ずっと続く津軽系こけしの未来も見据えて。父子の物語はこれからも続きます。

右手に筆、左手にこけしを持ち、これから描く顔をイメージしながら、じっと凝視する。

躊躇うことなく、一気に顔を仕上げていく。最後に瞳。こけしに活き活きとした表情が生まれる。

黒石・温湯温泉の中心街。こけしは東北山間部の温泉地を中心に伝わるが、どこも湯治客を相手にした土産物として愛されてきた。

住所:青森県黒石市大字花巻字花巻34-3 MAP
電話: 0172-54-8865
営業時間:8:00〜16:00
定休日:無休


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社)

『加温熟成解脱酒』に着想を得たペアリングメニューの開発に、福岡フレンチの雄・福山剛シェフが挑む。[加温熟成解脱酒・La Maison de la Nature Goh/福岡県福岡市]

『フォアグラ 洋梨 八角をきかせたソース』。付け合せはビーツと赤タマネギのサラダ、奥は特製の干鴨。

ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ枠に囚われぬフレンチシェフが、未知なる日本酒とのペアリングに挑む。

古酒の香りとフレッシュな味わいを併せ持つ奇跡の酒『加温熟成解脱酒』。秋田の酒蔵『秋田酒類製造株式会社』が開発したその新たな酒にインスピレーションを得て、3名のシェフがペアリングメニューを考案してくれました。料理ジャンルも、歩んできた道も、活躍する地方も、そして料理へのアプローチも異なる3名。しかし確固たる独自の道を確立する3名。そんな料理人たちが、この『加温熟成解脱酒』からどんな着想を得て、どんな料理を組み立てたのでしょうか?

今回の登場は、九州で唯一2019年度の『アジアのベストレストラン50』に選ばれた福岡市『La Maison de la Nature Goh』の福山 剛シェフ。フランス料理を軸に据えつつ、枠に囚われない発想で自在な料理を生み出す九州の雄。そんな福山シェフは、『加温熟成解脱酒』をどう捉え、どんな料理と組み合わせるのでしょうか? 料理の至るまでの道筋とその胸の内に迫ります。

【関連記事】加温熟成解脱酒/パリで話題! ベールを脱いだ『加温熟成解脱酒』という新たなる日本酒の挑戦。

味はもちろん、器や盛り付け、遊び心あるプレゼンテーションにも定評がある福山シェフ。料理の全貌はいかに。

ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ福山剛という料理人が、もっとも大切にすること。

福山シェフの料理をより多角的に理解するために、まずはその人となりを紐解いてみましょう。物心がついた頃から料理が好きで、小学生の頃の誕生日プレゼントに調理道具をねだるような子供だったという福山シェフ。高校在学中から福岡市のフランス料理店に勤め始めたのも、いわば当然の流れでした。初めて目にするプロのフランス料理のクリエーションに感激した福山シェフは、その世界に没頭。7年にわたりその店で腕を磨きます。

心境に変化が訪れたのは、中洲にあった馴染みのワインバーで働き始めたときでした。それまでは最先端のフランス料理、まだ世の中にない料理を作り上げることを目指していましたが、カウンター主体のワインバーでゲストの表情を見ながら料理をすることで、自分の理想とゲストのニーズのギャップに気づいたのだといいます。「それまでの“難しい料理を作る”という熱意は、いわば自己満足。シンプルで、お客さんが喜ぶ料理、それこそ自分が目指す道だと気づきました」

福山シェフ自身が「もっとも大事な経験」と振り返るこのワインバーでの気づきを経て、2002年に開いた『La Maison de la Nature Goh』。そこでは「お客さんが安心できる店、一度来た人が誰かを連れてきたくなる店」を目指しました。振る舞われる料理は、フレンチの技法をベースにしつつ、九州の食材や日本の調味料も取り入れた、気取らないもの。「自分が作りたいものよりも、お客さんが喜ぶもの」という福山シェフの言葉を証明するように、オープンから17年、すべてのゲストが食べたもの、飲んだもののリストがあり、それを元にコースを構成するのだといいます。

九州男児らしい豪快で、陽気で、温かい福山シェフ。その人柄から地元料理人からも慕われている。

「アジアのベストレストラン50」には2018年、2019年と2年連続で選出。九州勢唯一の快挙だ。

福山シェフが自身の店を開いたのは西中洲というややディープなエリア。「こんな場所に来てくれるお客さんですから、なおさら喜ばせたい」。

ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ

栄光を捨てて挑むさらなる挑戦も、ゲストの期待に応えるため。

少し遠回りですが、もう少しだけ福山シェフのことを紐解いてみましょう。開店17年を過ぎ、グルメの街・福岡でもトップクラスの人気を誇る『La Maison de la Nature Goh』は、2020年いっぱいで閉じられる予定です。それは福山シェフの、新たな挑戦のためです。

福山シェフには、互いに信頼し合う料理のパートナーがいます。その人物の名は、ガガン・アナンド氏。「アジアのベストレストラン50」で4年連続1位に輝いたバンコク『Gaggan』のシェフその人です。2015年にひょんな縁から出会った福山シェフとガガン氏。意気投合した二人はコラボレーションプロジェクト『GohGan』として年に3回ほどポップアップレストランを開催してきました。そしてそのコラボの集大成として、2021年夏頃を目処に『GohGan』を常設店として再スタートを切ることが決定しているのです。

九州でカリスマ的人気を誇る名シェフと、アジアのレジェンドシェフによるコラボ店の誕生。それは料理界を揺るがすビッグニュースでした。もちろん、来年50歳を迎える福山シェフにとっても大きな決断だったに違いありません。しかし福山シェフはこともなげにいいます。「みなさんが期待していることをしたいだけ。お客さんを喜ばせたいという気持ちは変わりません」どこで、誰と、何をしようとも、その福山シェフの根本だけは決して揺らぐことはないのです。

2002年に開いた店はカウンター中心の店。その後、店を拡張して現在に至る。

ワインバーでの経験から、ドリンクにも造詣が深い福山シェフ。ペアリングコースには日本酒や焼酎も取り入れる。

アジアの美食を牽引する二人の夢のコラボレーション。2021年の開店が待ち遠しい。

ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ表面的にはシンプル、口にすると奥深い。福山シェフの料理が酒を輝かせる理由。

「まず感じたのは、シェリーや紹興酒のニュアンス。日本酒というジャンルですが、シチュエーションを飛び越えて幅広い料理に合うと思いました」
『加温熟成解脱酒』を試飲した福山シェフは、まずそう感じたといいます。とりわけシェフの興味を引いたのは、紹興酒を思わせる角のない甘み。福山シェフはそのファーストインプレッションを信じ、中華のニュアンスを持つアプローチに決めました。さらに甘さを引き立てるためにフルーツを取り入れ、少しずつ料理は形になります。そもそも福山シェフのクリエーションは、食材や自身の経験を起点として生まれたイメージに肉付けしていく手法。料理書を参考にしないため、従来の枠は重要ではありません。大切なことは「食べた人が驚き、喜ぶ」というイメージだけ。

そうして『フォアグラ 洋梨 八角をきかせたソース』は完成しました。フォアグラと赤ワイン煮にした洋梨の甘みが『加温熟成解脱酒』に寄り添い、八角が醸すオリエンタルな香りが融合しかけた酒と料理を再び衝突させ、鰹節状にした干した鴨の日本料理的な旨みが再び酒と料理を歩み寄らせる。ただしその変化が時間差なくやってくるため、味は横幅ではなく縦に、つまり味の奥行きとして刻まれるのです。そして味の余韻が残る間に『加温熟成解脱酒』を口に含めば、フォアグラとソースの重厚感と酒の熟成感、フルーツの甘みと酒のフレッシュ感がそれぞれ合わさり、抜群の相性となるのです。

さらに福山シェフは、もうひとつの仕掛けを用意していました。それは料理ではなく『加温熟成解脱酒』側のアレンジです。シェフとソムリエが生み出したのは、『加温熟成解脱酒』をルイボス、ハイビスカス、ローズヒップなどをブレンドしたオリジナルハーブティーで割り、炭酸を少々加えたカクテル。解脱酒の持ち味である甘みと熟成感はそのままに、さらなる軽さと、華やかな香りを加えたのです。このカクテルもまた、料理と見事なペアリングを見せました。

福山シェフの経験と技、そして“おもてなしの心”が形となった『フォアグラ 洋梨 八角をきかせたソース』は、2019年冬のおまかせペアリングコースの1品として登場予定。これはフィナーレに向けてさらなる盛り上がりをみせる『La Maison de la Nature Goh』で重要な役割を担うことでしょう。ぜひその見事なマリアージュをご自身の舌で試してみてください。

「甘さはくどくなく、香りには余韻がある。素晴らしいお酒です」と『加温熟成解脱酒』を評した福山シェフ。

本来の魅力を削がず、持ち味を引き出したハーブティと『加温熟成解脱酒』のカクテル。

住所:〒810-0002  福岡県福岡市中央区西中洲2-26 MAP
電話:092-724-0955

1971年生まれ。福岡県出身。高校在学中、フレンチレストランの調理の研修を受け、料理人の道へ。1989年、フランス料理店『イル・ド・フランス』で研鑽を重ね、その後、1995年からワインレストラン『マーキュリーカフェ』でシェフを務めた。2002年10月、福岡市西中洲に『La Maison de la Nature Goh』を開店。2016年には、九州で初めて「アジアのベストレストラン50」に選出された。西部ガスクッキングクラブ講師などを務める。

『DINING OUT RYUKYU-URUMA with LEXUS』販売開始! [DINING OUT RYUKYU-URUMA with LEXUS/沖縄県うるま市]

ダイニングアウト琉球うるま

来る2020年1月18日(土)、19日(日)に「DINING OUT RYUKYU-URUMA with LEXUS」を沖縄県うるま市にて開催します。

爽快なエメラルドブルーの海を渡る「海中道路」など、国内屈指の絶景を擁するうるま市。

ダイニングアウト琉球うるま琉球王朝時代よりこの地に根付く「肝高(きむたか)」の精神性を紐解く。

今回のDINING OUTの舞台は、沖縄本島の中部に位置し、歴史ロマンと豊かな自然があふれる、沖縄県うるま市。雄大な歴史と文化を感じる、沖縄最古の城である世界遺産「勝連城跡」や、4つの島々を繋ぎ、東洋一の長さを誇る「海中道路」から臨む果てしなく澄んだ蒼い海など、沖縄らしい景色が広がる場所です。

琉球王朝時代、勝連城があった勝連周辺は、貿易船が各国から着港しやすいという地の利を生かし、海外交易によって、多くの富と繁栄がもたらされました。特に、10代目城主「阿麻和利」の時代に、中国をはじめ、東南アジア・当時の日本との活発な交易によって最盛期を迎えたと言われています。沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」には、海外との交易によって育まれた高尚な生活文化が称えられ、「気高さ・心豊かさ」を意味する「肝高(きむたか)」が勝連の美称になっているほどです。

なぜ、勝連は小国でありながらも、海外交易によって発展することができたのか。それは、常に異国と向き合う環境下にあった彼らだからこそ、異国の文化に寄り添い、受け入れ、時に自国の文化に取り込んで、自らを進化させることに長けていたからではないでしょうか。そうした外交の姿勢が、異国と対峙するのでも、服従するのでもなく、対等に互いを認め合う関係を築き、発展につながったのでしょう。今回のDINING OUTを通して、この土地で育まれ、今この地に生きる人にも受け継がれている、気高さの精神「肝高」を感じていただければと思います。

「果報(かふう)バンタ」のバンタは沖縄の方言で「崖」という意味を持つ。その名の通り標高約120mの崖の上からはとてもきれいなエメラルドグリーンの海を見ることができる。

ダイニングアウト琉球うるま全世界が注目するポップアップユニットが、満を持して「DINING OUT」に登場。

そんな壮大な舞台で料理を担当するのは、世界的なシェフ二人で構成されるポップアップユニット「GohGan」。

2010年に開いた「Gaggan」で、エグゼクティブシェフを務め、世界から注目が集まる「Asia's 50 Best Restaurants」において4年連続1位に輝き、2019年の「The World's 50 Best Restaurants」では4位を獲得したガガン・アナンド氏。そして、九州で唯一「Asia's 50 Best Restaurants」にランクインした「La Maison de la Nature Goh」の福山 剛氏。この世界の注目を集める両トップシェフによるポップアップユニット「GohGan」は、これまで日本やアジアで計11回に渡り、その土地の食材や調理法を反映させた料理を提供してきましたが、今回の「DINING OUT」を最後に、その歴史にピリオドを打ち、2021年、改めて、福岡にレストラン「GohGan」として蘇ります。

ディナーホストは、「The World's 50 Best Restaurants」の日本評議委員長を務め、過去8回のDINING OUTに出演し、食やカルチャーなどをテーマに活躍するコラムニスト、中村孝則氏。

世界で活躍するポップアップユニット「GohGan」が、琉球を舞台に繰り広げる最後のパフォーマンスに、ご期待ください。

福山シェフとガガンシェフで構成される、世界から注目を集めているポップアップユニット「GohGan」。

 ディナーホストは『DINING OUT』ではおなじみ、コラムニストの中村孝則氏。

今回もLEXUSがゲストの送迎に登場する。

【DINING OUT RYUKYU-URUMA with LEXUS 詳細】
開催日程 : 2019年1月18日(土)、19日(日) 
※1/18(土)は、全コンテンツ英語対応の、海外ゲスト向け開催日です。
※1/19(日)は、全コンテンツ日本語対応の、国内ゲスト向け開催日です。
募集人数 : 各日程40名、計80名限定
開催地  : 沖縄県うるま市
出演 : 料理人 GohGan 福山 剛 (La Maison de la Nature Goh) × ガガン・アナンド
   ホスト 中村孝則 (コラムニスト)
オフィシャルパートナー : LEXUS (http://lexus.jp)
後援:沖縄県(平成31年度 沖縄観光コンテンツ支援事業)
協力:うるま市、ハレクラニ沖縄

国定公園として半世紀以上にわたり守られてきた沖縄・恩納村の美しい海岸線で、ラグジュアリーの新時代を切り拓くホテル「ハレクラニ沖縄」がゲストの宿として全面サポート。

1971年生まれ。福岡県出身。高校在学中、フレンチレストランの調理の研修を受け、料理人の道へ。1989年、フランス料理店『イル・ド・フランス』で研鑽を重ね、その後、1995年からワインレストラン『マーキュリーカフェ』でシェフを務めた。2002年10月、福岡市西中洲に『La Maison de la Nature Goh』を開店。2016年には、九州で初めて「Asia's 50 Best Restaurants 」に選出され、2019年には24位にランクインを果たす。

インド コルカタ出身。2007年にバンコクへ移住し、その後レストランの料理長を務める一方、エルブジで研修を積む。2010年に開いたレストラン「Gaggan」では、エグゼクティブシェフを務め、Progressive Indian Cuisine(進歩的インド料理)を打ち出す。世界的注目が集まる「Asia's 50 Best Restaurants」において4年連続1位に輝き、2019年の「The World's 50 Best Restaurant」では4位を獲得。同年8月新たなチャレンジに向けてお店をクローズし11月に再始動をする。

神奈川県葉山生まれ。ファッションやカルチャーやグルメ、旅やホテルなどラグジュアリー・ライフをテーマに、雑誌や新聞、TVにて活躍中。2007年に、フランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を授勲。2010年には、スペインよりカヴァ騎士の称号も授勲。(カヴァはスペインのスパークリングワインの呼称))2013年からは、世界のレストランの人気ランキングを決める「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務める。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。
http://www.dandy-nakamura.com/

Made in U.S.A スナップバックキャップ

バイク乗りの定番、トラッカーキャップ!

  • 新柄のベル柄ワッペンを配したNewトラッカーキャップです
  • 今までのツイル地ワッペンとは違い初のフェルト地ワッペン
  • Made in U.S.Aの6パネルのスタンダードなキャップです
  • 浅すぎず深すぎずのミッドクラウンタイプなので被りやすさはバッチリです
  • バイザー部分は芯入りのフラットバイザータイプ
  • スナップバックを外せるので、ベルトループやバッグに付けられます
  • 携行性があるのでヘルメットを脱いで崩れた髪型も隠せ、ツーリングにも最適です
  • アジャスターによりサイズ調整が出来る為、頭の大きな方でも問題なく被れます
  • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます

サイズスペック

  • フロント高さ 17.5cm
  • ツバ 7cm
  • ツバ幅 18.5cm
  • 頭周り 55cm〜60cm

素材

  • ウール:80% ポリエステル:20%

オールレザー ウェストバッグ

定番レザーウェストバッグにホワイトレザーが限定登場!

  • 大きすぎず小さすぎず使い勝手の良いサイズ感
  • ウェストバックとしても良し、肩にかけショルダーバッグにしても良しの大きさです
  • 中はボタン付き仕切りポケットが一つ、細々したものも散らばることなく収納出来ます
  • ベルト調整部分はダブルリング仕様で容易に長さを調節できます
  • 背面側はあえてダイヤステッチをなくし、付けた際のフィット感を向上させてます
  • また背面側ポケットはファスナー仕様で、チケット等さっと取り出したい物を入れられるようにしています
  • 表面のアイアンハートのタグは旧モデル(IHE-18)より大きなタグに変更となりました
  • 各ファスナー部分にはグローブをしたままでも開閉し易いように長めの革タブを配しています
  • 肉厚なダイヤステッチはそのままに、各所の作りを見直し、よりスッキリした顔になっています
  • ショルダーストラップ付け根部分の真鍮パーツを廃し、縫い付けに変更することでより上品に仕上げました

「令和」ゆかりの地で、日本の原風景を訪ねる旅を。[HOTEL CULTIA 太宰府/福岡県太宰府市]

由来は「CULTURE(文化)」から。太宰府はかつて文化が集まった地であり、その土地が文化を紡ぐという理念のもと名付けられた。

ホテル カルティア 太宰府万葉集で詠まれた「梅の宴」の舞台がある地にオープン。

「令和」という新しい時代が始まり、即位の礼が執り行われました。その新元号の名の由来となったのは、万葉集で大伴旅人が詠んだとされる「梅花の歌」。大伴旅人は飛鳥時代から奈良時代に活躍した歌人であり、大宰府長官も務めました。そんな令和ゆかりの地に10月オープンしたホテルが今、注目を集めています。

4室の客室を備える「古香庵」が10月4日に先行オープン。

ホテル カルティア 太宰府「通り過ぎる観光地」から「滞在し、暮らすように過ごす場所」へ。

大伴旅人が詠んだ「梅花の宴」が催されたのは大宰府政庁跡、坂本八幡神社付近と言われています。「ホテル カルティア 太宰府」は、そんな太宰府天満宮を中心に点在する江戸末期や明治期の建物をリノベートした分散型ホテル。大陸文化の玄関口となったこの場所は、奈良・平安時代の名残を感じさせ、歴史的・文化遺産が数多く残る地域。ただ、旅行客は日帰りが多く、大半が通過型観光になりがちであるという課題がありました。

それを解消するため、⻄⽇本鉄道など民間各社が共同設⽴した「太宰府Co-Creation」が事業主体となり、運営をバリューマネジメント社が行うことでホテルプロジェクトが始動。歴史的価値のある古民家を再生させ、太宰府のまちを一つのホテルと見立て、暮らすように泊まる体験を楽しめる施設を目指しました。

バリューマネジメント社は日本各地の歴史的資源を再生させ、後世に残す事業を手がける。

建物随所に昔の意匠を残し、刻まれてきた歴史を感じられる空間に。

ホテル カルティア 太宰府江戸期から活躍した絵師の邸宅をリノベーション。

ホテルとして生まれ変わった建物は、江戸末期から昭和にかけて 3代にわたって活躍した絵師の邸宅「古⾹庵」。明治 44 年建築の母屋を含む 3 つの古民家の外観・梁などを改修し、昔の佇まいを残しつつ、水回りやベッドなど宿泊に必要な機能を整備。家具や装飾には「梅花の宴」を始めとする万葉集の和歌の季語をモチーフとした伝統工芸品などを用い、昔ながらの趣とモダンを感じさせる上質な空間に仕上げました。

廊下を通り抜けたところに位置する「古香庵102」は45平米。定員2名。

ホテル カルティア 太宰府日本古来の暮らしを体験し、自分を見つめる場所。

先行オープンした客室は4室のみで、それぞれに趣が異なります。古香庵の中庭に位置する元蔵を改装した客室は、1階にはリビングスペース、2階にベッドルームを備えた一棟貸しの部屋。また、他の客室も36平米〜45平米とゆとりがある間取りで、四季折々に変わる中庭を望みながらゆったり過ごすことができます。歴史的な日本家屋の風情とそこに流れる時間をより体感してもらうようにとTVや時計、明るい照明はあえて用意していません。

「古香庵101」は58平米。定員1〜3名。

ホテル カルティア 太宰府九州と世界の食材が融合した料理をランチ、ディナー、ティータイムで。

レストランでは福岡・九州のブランド食材と国内外の高級食材を融合させた本格フレンチを楽しめます。料理を監修するのは、関西で活躍するフレンチ界の巨匠・石井之悠氏。食器にも九州の小石原焼や有田焼を使用し、目にも舌にも美味しいランチやディナーをコース仕立てで提供します。
 
10月のディナーの一例は、「鴨もも肉のコンフィとレンズマメのサラダ」「フォアグラと福岡の野菜 梅のディップ」「フグのベニエ 黒トリュフと地元野菜のピュレ」「博多和牛ロースのポワレ」など地元の食文化のエッセンスを効かせたメニュー。ランチコース2800円〜もあり、レストランのみの利用も可能です。

ディナーの内容は2カ月ごとに変更。写真はイメージ。

ティータイム(15 時~17 時)には「あまおう」づくしのアフタヌーンティーセットを提供。

ホテル カルティア 太宰府地元の風習もまるごと体感することで、一歩踏み入った旅を。

ホテル内だけでなく、周辺施設との連携した体験コンテンツも用意。例えば、太宰府天満宮神職による夜間特別参拝や九州国⽴博物館のナイトツアーなど、この地ならではのストーリー性のあるプランを計画。なおホテルは2020年頃に2〜3棟追加し、最終的に7〜8棟30室を展開する予定です。
 
バリューマネジメントが運営するホテルブランドVMG HOTELSのコンセプトは「まだ⾒ぬ時と出会う場所」。令和という時代の始まりに、古代の人々が築いた伝統やその地で守られてる風景に触れることで、日本の文化の豊かさを再発見する機会になるのではないでしょうか。

50席を擁するレストランは日本庭園が見える落ち着いた空間。

太宰府天満宮の目の前に位置。太宰府駅からも徒歩5分と便利だ。

住所:福岡県太宰府市宰府3丁⽬3-33 MAP
電話:0120-210-289(VMG総合窓口)
料金:33,000円~(税サ別)2名様1室 朝・夕付き 1名料金
ランチ:2800円〜(税別)、ディナー:6800円〜(税サ別)
HOTEL CULTIA 太宰府 HP:https://www.cultia-dazaifu.com/
写真提供:バリューマネジメント株式会社

飄々と楽しく。自然と共生する農家本来の暮らしを、令和の津軽で実践する。[TSUGARU Le Bon Marche・岩木山麓しらとり農場/青森県弘前市]

美しく実ったパプリカを前に、優しく微笑む白取克之氏。黄色くなった実は熟すにつれてオレンジ色に変化し、最後は赤くなる。収穫のタイミングをずらせば、色を変えて出荷できるから「重宝する品種(笑)」。

津軽ボンマルシェ・岩木山麓しらとり農場岩木山の頂を日々、仰ぎ見ながら。広大な大地で多くの品目を栽培。

風が吹けば、ザザーッとさんざめく木々。日中でもどこか仄暗い森の向こうに、その農場はありました。突如としてバッと開けた大地の涼やかな空気を嗅いだ瞬間、こんな言葉がふと脳裏を過ります。理想郷。ほどなくして手押しの農機がガタガタと大きなエンジン音を響かせて、こちらに近づいてきました。
「あれ? もうそんな時間かな」
浅葱色のポロシャツに白い長靴がよく似合う、この人こそが農場主。『岩木山麓しらとり農場』の白取克之氏です。
「まずは畑を見るかな」
誘われるがまま、後を追います。
「今、なっているのはインゲン、レタス……それから自家用だけど、プルーンとスモモ」

農場は名の通り、岩木山の麓に広がる北東の斜面にあり、面積は1町6反とのことですから、サッカーコートが優に2面は取れる広さ。40品目に迫る数の野菜や果物を育てています。中にはトマトなど、複数の品種を植える作物もあって、「全部で100種近くになるかもしれませんね」と白取氏。
「これはチェコのパプリカで在来種。チェコでビールを飲んだとき、ピクルスで出てきてスゴく美味しかったんですよ〜。これは『絶対に作らなきゃ』って今年、初めて作ってみました」。飄々と楽しげに語ります。

以前、『澱と葉』の川口潤也氏から「お会いしたことはないですけど、白取さんという津軽の農家さんの間ではカリスマ的な存在の方がいます」と聞いたことがあって、勝手に、無口で孤高な聖人をイメージしていましたが、実際は拍子抜けするほど、人懐っこくて温厚。サービス精神も旺盛でした。
「ほら、これ! 熊の足跡。今年はトウモロコシがやられちゃった。まだ会ったことはないけど、毎晩、出てるみたい」
そんな説明している間も笑顔を絶やしません。では、なぜ、白取氏は津軽の人々から尊敬されるのか? それは、農場のこれまでを知ると、よくわかるのです。

【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

岩木山の裾野に広がる農場の美しい夕暮れ時。

このパプリカもチェコの在来種。

白取氏を追って、ずんずんと農場の奥へ。こちらの畑ではジャガイモやサツマイモのほかに、「うどん用の小麦を作っています」。麦は麦茶用の大麦も栽培する。

津軽ボンマルシェ・岩木山麓しらとり農場理想の農場を作るために、木々が生い茂る原野を切り拓く。

「今、振り返ると必死だったんでしょうね」
目を細めて白取氏が周囲を見渡します。1町6反の農場は、何と、白取氏が自力で開墾した大地でした。
「丸6年かかりました。開墾だから当たり前なんだけど、妻と一緒に、朝早くから日暮れまでやっていた。木を1本1本、トラクターやスコップなんかで抜くんだけど、ノウハウがあって、全方向から少しずつ引っ張る。太い木だと1日に2〜3本が限界でした」。

開墾を開始したのは今から16年も前に遡る、2003年のことでした。始めるにあたって、大きな役割を果たしたのが白取氏の義父。
「岩木山で土地を探したら、ここしかなくて。ほら、遠くに森が見えるでしょ? ああいう状態。そしたら、あるとき、義父が来て『ここは良い。沢が流れている』って。妻も『良いんじゃない?』ですからね。やるしかないよ〜(笑)」
義父は戦後、北海道に入植した開拓酪農家。自身は水がない土地で苦労したから「水さえあれば何とかなる」。そう言ったそう。
そこまでして農家になりたかった理由を白取氏に尋ねると、間髪入れず「好きだから」と答えました。小学生の頃から就農しか、頭にありませんでした。
「小3ぐらいから家の花壇で土を耕してエンドウとか白菜とかを育てていましたよ。学校に行くより、野菜を眺めている方が好きだったなぁ」

志を抱いて大学の農学部に進みますが、座学も多く、「全然、農家になれないじゃん(笑)」と思って一年、休学。その間に研修で訪れた酪農場が北海道・旧瀬棚町にある義父のところでした。
「糞をスコップで一輪車に乗せて牛舎の外に出す作業も、私はね、『これがしたかった〜』って興奮しながらやってました(笑)」
そこで今の奥様と出会うわけですが、就農一本で真っ直ぐに歩んできた白取青年にとってもうひとつ、今を決定付ける出合いがありました。それが、一緒に働いていた女性スタッフの薦めで読んだ一冊の自然農の本。
「読んでみて、最初は本当かなぁって思いました。半信半疑だったから、現地まで見学に行くことにしたんです。そうしたら……衝撃を受けました」

原野を切り拓き、開墾した農場の全景。自宅の背後にも敷地は広がっており、かなりの面積がある。

敷地の縁に佇む。白取氏の後ろに広がる森がこの土地の元々の姿。この森をならしたというから驚く。

津軽ボンマルシェ・岩木山麓しらとり農場本来の美味しさを共有したい。固定種・在来種にこだわって栽培。

著者の川口由一氏は土を耕さずに野草や虫を味方につけ、自然の力を活かして作物を育てる「自然農」のパイオニア。見れば確かに、白取氏の畑にも緑が生い茂っていました。
「ここはブロッコリーだね。収穫を終えたら、そのまま伸ばしっ放しにして、勝手に生えてくる野草もそのままにして、時季が来たら全部、倒すんです。そうすると、草がカバーのようになって土の中の微生物やミミズを守ってくれる。草で土を肥やしていくという感じですかね」
自然農と並行して自家採種も実践しています。食べて美味しい物から種を採り、次世代として育て、また次の世代へ。そういうサイクルを繰り返してきました。今や果菜類はほぼ100%が自家採種で育てています。
「このトマトはね、就農二年目から勝手に生えてきたの。最初は大玉だったけど、代を重ねていったら、今はこんなミニトマトみたいなサイズになっちゃった」
瑞々しくて、味が濃い──そのトマトを試食して感想を伝えると、「でしょ〜」と白取氏も嬉しそう。

今度は足元のケースを指差しました。
「ほら、このキュウリ、全部、長くて真っ直ぐでしょう?」
整然と並ぶキュウリは大きく、黄色く熟れています。この実から種を採る。「こういう実だけを選別していたら全部、同じ形になりました。けどね、純系にし過ぎると、今度は発芽や成育がスゴく悪くなるんですよ。難しいよね。今は長くて真っ直ぐが10株なら、そこに1株だけ、普通のを混ぜるようにしています」

『しらとり農場』では自然農のほか、「草をできるだけ刈って」酒粕などが原料の肥料を与える有機栽培なども行っています。それは川口氏の『赤目自然農塾』を皮切りに、北海道・厚沢部の『須賀農場』、埼玉・小川町『霜里農場』など、早くから有機栽培に取り組む農家の下で、白取氏が研鑽を積んできたから。「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則氏の農園にも通って学んだ時期があります。その誰もが自然との共生を目指す、白取氏の師匠。いろいろな栽培法を学んできたから今があるのです。
「どんな野菜を、農場のどの場所で栽培するかに応じて変えています」。いろいろな栽培法を実践していますが、そうする理由はただひとつ。
「美味しいものを作るため!」

昔ながらの固定種だけを育てているのも、それが白取氏にとって理想的な美味しさを宿しているから。きっと、それは尊敬する師匠たちも同じだったのでしょう。
「有機って、安心・安全を一番に謳う場合が多くて、ウチも無農薬が大前提だから、安心で安全なんだけど、そんなことよりも、美味しいんですよ。きっと、私はただ自分が食べた感激を皆にも味わって欲しい、そう思ってるだけなんだろうなぁ」
夕暮れに染まる岩木山を眺めながら、今度は独り言のように呟くのでした。

熟したキュウリから種を採る。鎌で実を半分に割った瞬間、青い匂いが周囲に立ち込める。「いい香りですね〜」。

農場の端を流れる沢で、キュウリの種を覆うゼリー状の部分を洗い落とす。「こうして水を少しバケツに入れて、浮いてくる種はダメ。沈んでいれば、その種は充実している証拠」。

これは茶色く乾燥したニンジンの花。ここから種を採取して、次世代として育てる。

津軽ボンマルシェ・岩木山麓しらとり農場自然のサイクルの中に毎日があるという贅沢な暮らし。

すっかり暗くなり、辺りがシンと静まり返った頃。
今日の作業を終えた白取氏はリビングにいました。趣味はチェロ。夕食前のゆったりしたひとときにジーンと温かい音を響かせています。傍らでドカドカと元気に走り回るのは小学生の子供たち。同じ室内には黙々と読書をする若者の姿もありました。

彼らは白取氏を手伝う農業研修生。一年間、住み込む者、日中だけ通う者、スタイルも様々ですが、国籍もいろいろ。
「今は地元の子だけでなく、カナダとフランスからも来ていて、総勢で6名ほどが農作業だけでなく、就農に必要なノウハウまで学んでいます。」壁には炊事などの分担を、各人の名で曜日別に示すホワイトボードがありました。

「以前、イタリアの子が手伝いに来てくれていたことがあったんですけど、その子が『祖母直伝』って小麦を練るところから作ってくれたラザニア、あれ、旨かったなぁ。私ね、来た子たちから教わった秘伝の味をレシピ集にしてまとめているんですよ〜。あ!」
突然、思い出したように立ち上がります。
「今日は私が晩ご飯の当番だ!」
慌てて、キッチンに行き、あれこれ、今ある野菜を確認します。
「小松菜は炒めようかな?」
キッチンの一部に未完成と思われる部分があって尋ねると、農場の中央に建つ、この家も自らが作ったとのことでした。「いえいえ、全部じゃないですよ。柱と屋根は専門家に組み立ててもらって、あとは自分で作っているというだけです」
お米を研ぎながら答えます。
「料理を作りながら、ビールを飲む。これが最高の瞬間なんですよ〜」

自然の営みの中に自らを置き、美味しい作物を育てては皆で食卓を囲む。これこそが人間本来の生活なのかもしれません。そして、何より、楽しんで今日を暮らしている。やっぱり、ここは理想郷なのでした。

チェロは学生時代から続ける趣味。東北一円の農業関係者で構成される「東北農民管弦楽団」では代表を務めており、毎年一回、冬の終わりに「東北のどこかで」定期演奏会を開いている。今は農閑期に始まる合同練習に向けて準備する時季。第7回は来年3月に花巻でベートーベンの「第九」を演奏する。

採取したキュウリの種。バケツの中の水に沈んだ充実した種でこれらを古紙の上で乾かし来年、蒔く。

トマトを頬張る。できた作物はすべて個々で契約する会員に配送。

住所:青森県弘前市百沢東岩木山428 MAP
電話:0172-93-2523
岩木山麓しらとり農場 HP:higashiiwakisan.blog.fc2.com


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野村友里が体験する「食べるシャンパン。」ペアリングによって生まれるマッチングの“妙”と余韻への意識。[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・アンディ /東京都渋谷区]

(左から)『Andi』内藤千博シェフ、ワインテイスター、ソムリエのオーナー大越基裕氏、料理人でありフードディレクターとして活躍する野村友里さん。

アンディ×野村友里ワイン&フードシーンの第一線に立つトップランナーを迎えて。

「最高級クラスのブラン・ド・ブランの中でも、このシャンパーニュは香りの開きが秀逸です。抜栓後はカフェモカのようなコーヒー系のフレーバーがわずかに感じられ、ミルキーな香りも持ち合わせる。何よりハイクオリティなシャンパーニュには必ず感じられる、なめらかできめ細やかな泡も兼ね備えています」と饒舌に語る、大越基裕氏。東京・外苑前『Andi』のオーナーであり、ワインテイスター・ソムリエとして活躍する大越氏が「このシャンパーニュ」と讃えるのは、大手シャンパーニュ・メゾン『テタンジェ』が誇るトップキュベ「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」。オーナー兼経営者であるテタンジェ・ファミリーの精神を継承し、シャンパーニュ地方の中でも最上クラスの土壌を誇る約288haもの自社畑で栽培され、テロワールを限りなく引き出したシャルドネ種100%。口当たりは極めてスムースで、生き生きとしたアロマ、グレープフルーツやスパイスのニュアンスを感じさせる洗練を極めた味わいは、料理とペアリングすることにより「食べるシャンパン」として新たな可能性をもたらしてくれます。

この「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」に合わせて、大越氏が提案した料理をシェフの内藤千博氏がアレンジ。テイスターにお迎えしたのは、料理人でありフードディレクターの野村友里さん。豊富な種類のワインとベトナム料理が評判のレストランで体験した新発想のペアリングが何をもたらすのか。美味しさの感動を呼び起こすアプローチに迫ります。

【関連記事】テタンジェ/「食べるシャンパン。」それは、ひとりでは完結しないシャンパーニュ。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」と「アワビの生春巻き」。

味わいのバランスが完成されたひとつの料理として、ライスペーパーを巻き込む。

ココナッツミルクと焼きナスのソースを。スモーキーなニュアンスもシャンパーニュを意識したもの。

アジア料理好きという内藤千博シェフ。フレンチの名店で磨き上げた経験と感性を注ぐ。

アンディ×野村友里ペアリングの新たなジャンルを拓いた、モダンベトナミーズの可能性。

東京・外苑前『Andi』は、ワインとヘルシーな東南アジア料理のペアリングが堪能できるモダンベトナミーズレストラン。長年フレンチをバックグラウンドにしてきた大越氏がなぜベトナム料理だったのか、その理由を明かします。
「最初からやりたかったというよりも、ペアリングの世界観をもっとたくさんの方々に楽しんで欲しかったのが理由です。世界的に料理がライト化し、オーガニックへの意識も高く、素材感を伝えるスタイルにシフトしています。料理も軽くモダンになっている中、何か新しいジャンルが提案出来ないかと考えた時、アジアが見えてきた。ベトナム料理は辛さも控えめで、野菜もたくさん使用するので、レストランレベルの料理に高めたら面白いと思ったのです」。

大越氏のビジョンや思いを料理で具現化するのが、西麻布のフレンチレストラン『レフェルヴェソンス』の元スーシェフで、アジア料理にも精通する内藤千博氏。使用する食材や調味料の9割が国内産。和の素材をメインに、洗練された料理と選りすぐりのワインで本国ベトナムに先駆ける現代的なスタイルを実現しています。
今回、大越氏と内藤シェフに「ひらめき」を与えたのは、プレステージ・シャンパーニュ「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」。料理はベトナム料理の定番「生春巻き」を『Andi』流にアレンジ。レタス、ニンジン、オクラ、ミョウガのピクルスにマンゴー、ディルとミントといったハーブに、秋田県で作られる魚醤「しょっつる」と真空調理したアワビ、卵とオイルとで乳化させた肝のソースをライスペーパーで巻き込んだひと品。ココナッツミルクとナスのペーストもソースに添えました。

料理の意図について内藤シェフは「ライスペーパーで葉物を包む生春巻きは、水分が多く、味が繊細すぎてもぼやけてしまいます。主素材には味や香りがある程度強いものを加え、何を食べたかわかるようにしています」と話す。
「例えば、カニのように海の幸のフレーバーが強すぎても難しい。シャンパーニュはとても繊細なので、存在感はありながらフレーバーは強すぎないアワビのような食材がベストです。私たちは素材をただ巻いてソースで食べさせるのではなく、味のバランスを先に完成させてしまう。ひとつの料理を巻いているという感覚です」と、大越氏。「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」だからこそ結実したアプローチ。料理と合わせることで美味しさが倍増する「食べるシャンパン」が、クリエイションを掻き立てるようです。

「栓を抜いた時の香りの開きが素晴らしい」と大越氏が絶賛する、「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」。

シャルドネ種100%、繊細でクリーミーな泡立ちも魅力の「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」。

大越氏の豊富で多彩なボキャブラリーによって、ワインのキャラクターや味わいが明確化される。

アンディ×野村友里味のバランスを図り、後味にシャンパーニュをいかに寄り添わせるか。

「シャンパーニュは香りが素晴らしいです。とても華やか。ふわっと気持ちが上がります。生春巻きは意外な組み合わせですが、すごく美味しい。ソースがなくても肝の苦みやアワビのテクスチャーが後味に感じられるし、素材感が増しますね」と言葉を紡ぐ、野村友里さん。

「あくまで、シャンパーニュに寄せるためのソース。ソースはソースで世界観を作っておくことで一体感が楽しめます。フレンチの場合、アミューズにテクスチャーのあるムースがあったり、酸のあるジュレ系があったり、チーズを混ぜたシュー皮・グージェールのようにクリスピーな食感だったり、シャンパーニュを意識した小料理が最初にサーブされます。今回の私たちもそういうアプローチ。"コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン"には少し塩気を感じさせるので、海の幸との相性がいいと感じています。焼きナスのピューレもスモーキー感が出ていて、イースティなシャンパーニュの風味を引き立てる。そういう部分でもシャンパーニュの雰囲気が作れれば」と語る、大越氏。

ペアリングの意図を聞き、納得の様子の野村さん。さらに言葉を続けます。
「この生春巻きのように包んで食べるのが好き。完結した料理がひと口で食べられる手軽さに、飲み物とも相性が抜群。それでいて、それぞれパーツをバラしても成立する。贅沢ですよね。今回改めて、面白いと感じました」。

「ペアリングは、料理を食べた後に何を合わせるか。後味のフレーバーにアプローチするのが基本ですね。例えば酸味に酸味を合わせる、逆に塩気に甘みを当てる、あるいは五味を揃える考え方もある。テクスチャーにしてもなめらかなもの、あるいは温かい料理には凝縮感のあるものやアルコールを感じさせるものに寄せるなど、ハーモニーが楽しめるようバランスを図ります。組み合わせはそれこそ無限に広がる」と、大越氏。最終的には違いを尊重するように仕上がっていればベスト。柔軟でありながら、確固たるフィロソフィがそこにはあるのです。

作り手のスタンスやビジョンにも理解が深い、野村友里さん。料理を起点に生産者とのつながり、場づくりにも力を注ぐ。

手に入りうる最高の食材でクリエイション。新感覚のモダンベトナミーズが生み出される。

手で味わえる気軽さも、生春巻きの魅力。一見シンプルに見えて、味のバランスが緻密に計算されている。

料理の後味が残っている間に「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」を口に含み、余韻を堪能。

アンディ×野村友里五味を超えた感動をも生み出す、プレステージ・シャンパーニュ。

上質なシャンパーニュは気分を高揚させ、人を饒舌にさせる効果もあるようです。
「大体、ひと口目で美味しいと感じるけれど、食べ終えた後がすごく大事。酸味なのか、鉄分なのか、あるいは油脂なのか。口の中に何が残るのか。意外なフレーバーが強みとなって残ることもある。料理の味だけで完結させるのではなく、後味に何を合わせるかでまた違う美味しさが開く。そこがペアリングの楽しさであり、面白さ。意外な感動があるので、どこに連れていってくれるのか、乗っかっていきたい(笑)」と微笑む、野村さん。

より深く、より広く、ペアリングの魅力を感じ取った野村さんの反応に、大越氏もレスポンスします。
「その通りです。後味に残る余韻は、必ずしも主食材とは限らない。料理の形態や食べ方によっても変わります。だからこそサービスも“ソースをたっぷりつけてお召し上がりください”という言葉が必要な時もある。楽しんでもらいたいのは、ペアリングの“妙”。料理だけでもワインだけでも築けない世界観を堪能することも、レストランにおける別の楽しみだと思っています」と、大越氏。

料理人として、見た目や食材の組み合わせだけでなく、後味にも重点を置くという野村さん。五感以外の部分を引き出し、食べ手がどう感じてくれるのか、料理とお酒を介したコミュニケーションも魅力であり「感性のやりとり」と言います。「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」によってもたらされた、マッチングの妙と後味への意識。ペアリングの新たな境地を拓く、充足した時間となりました。

オーナー大越氏のアイデアを再現性の高い料理で表現するシェフの内藤氏。これ以上ないペアリングはこのタッグがあってこそ。

「香りが素晴らしい。大越さんのように解説してくれると、より深く味わえます」と、野村さん。

料理とシャンパーニュ、それぞれの方向からペアリングについて闊達に語る3人。

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-12 1F MAP
電話:03-6447-5447
営業時間:18:00~23:00(L.O.)
※土曜・日曜:12:00~13:30(L.O.)/18:00~22:00(L.O.)
定休日:月曜
Ăn Đi HP: http://andivietnamese.com/

料理人。フードクリエイティブチーム「eatrip」主宰。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。主な活動はケータリングの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオのパーソナリティなど。日本の四季折々を表す料理やしつらえ、客人をもてなす心をベースに職を通じて、様々な角度から人や場所、ものを繋げ、広げる活動を行う。2012年には東京・原宿に『restaurant eatrip』をオープン。著書に『春夏秋冬おいしい手帖』(マガジンハウス)、『Tokyo Eatrip』(講談社)がある。

お問い合わせ:サッポロビール(株)お客様センター 0120-207-800
受付時間:9:00~17:00(土日祝日除く)
※内容を正確に承るため、お客様に電話番号の通知をお願いしております。電話機が非通知設定の場合は、恐れ入りますが電話番号の最初に「186」をつけてお掛けください。
お客様からいただきましたお電話は、内容確認のため録音させていただいております。

TAITTINGER HP:http://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/


(supported by TAITTINGER)

@dcpinsonn David Pinsonneault

Would also like to see how these fields looked on paper pre race. Nike seems to sponsor everyone so it's not altogether surprising. Look at NYC, you have more adidas athletes and you see them take podium spots.

@lungie_klaas Lungie

It would be nice to see a comparison of the immediate years prior this shoe. My takes it’s all about the Nike runners winning more than the shoe.

みんな大好きミニオン!!

 

皆さんこんにちは晴れ

ハロウィンのシーズンも終わりだんだんクリスマス

のシーズンになってきましたねクリスマスツリープレゼント

 

今回はキャラ工房から新商品を紹介したいと思いますキラキラ

 

キラキラじゃーーーーーーんキラキラ

 

 

 

のバッグ&タオルです!

 

バッグの種類全種類下矢印

 

トートバッグ ¥3,300(税込)

ランチバッグ ¥2,750(税込)

マチ付きポーチ ¥2,200(税込)

 

 

 

上矢印バッグの中もMEマークで可愛いピンクハート

 

 

 

タオルの種類全種類下矢印

 

大 1,100(税込)

中 550(税込)

小 550(税込)

 

 

どれもリーズナブルなお値段で

プレゼントにも人気ですプレゼント

 

キャラへお越しの際は是非見て見て下さいね音譜

映像作家・映画監督、中野裕之が撮る11島の11作品。それは未来に残したい日本の記録。[東京”真”宝島/東京都]

東京”真”宝島OVERVIEW

映像作家であり映画監督の中野裕之といえば、知る人ぞ知る、音楽業界のカリスマです。

国内外を問わず撮り続けた音楽クリップは、世界的にも高い評価を得ており、賞も多数受賞。日本人のアーティストでは、布袋寅泰氏や今井美樹さん、Mr.Children、DREAMS COME TRUEなど、錚々たるミュージシャンがその名を連ねています。そして、活躍の場は更に広がり、音楽界だけではなく、映画監督としても数多くの作品を世に生み、これもまた国内外で数多くの賞を受賞しています。映画「SFサムライフィクション」や「SF・Stereo Future」、「アイロン」、「TAJOMARU」「RED SHADOW」などはその好例です。

そんな中野監督の最新作は、2018年に公開された「PEACE NIPPON」です。美しい日本を主役として映像化した本作は、残念ながら前出の作品のような興行成績は得られませんでした。しかし、映画公開後も中野監督は日本中を駆け巡り、日々、日本を記録に残しています。

なぜ中野監督は、このような作品に挑んだのでしょうか?
今、最も日本を撮る映像作家がなぜ今回の「東京宝島」を撮るのでしょうか?

そこにはちゃんと理由があり、偶然ではなく必然であり、中野監督が日本の未来へ残したい記録というカタチのメッセージが込められているのです。

「東京宝島」の真の姿を描いた11の映像作品「Tokyo "Peace" Treasure Islands」を、ぜひご覧ください。

(supported by 東京宝島)
 

1958年広島県生まれ。早稲田大学卒業後、読売テレビに入社。その後1998年に「ピースデリック」を立ち上げ、’98年に初の劇映画『SF サムライ・フィクション』を監督。富川国際ファンタスティック映画祭グランプリ、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞他、数々の映画賞を受賞。『SF Stereo Future』『RED SHADOW 赤影』、2009年の『TAJOMARU』(09)に続き、2014年には青森大学男子新体操公演のドキュメンタリー『FLYING BODIES』、そして『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』などを監督。また、米MTVアワード6部門にノミネートされたDeee-liteの 「Groove is in the heart」をはじめ、今井美樹さん、布袋寅泰氏、GLAYなどのミュージックビデオも多く手がける。その映像制作は、CM、映画、ドキュメンタリーなど、多岐にわたる。