全棟がプライベートな特等席。人と自然とが呼応するビーチフロントヴィラ。[伝泊 The Beachfront MIJORA/鹿児島県奄美市]

奄美の海をプライベート・ビーチ感覚でひとりじめ。自由気ままに過ごせる癒しのひとときを。

伝泊ザビーチフロントミジョラ奄美の伝統建築に敬意を表した、モダンかつ極上のリゾート。

いつの季節も人々を惹きつけてやまない、コバルトブルーの海に囲まれた南国の島々。中でも独自の島文化がより色濃く残り、地域や集落ごとの個性も際立っている奄美大島は、旅好きの人々を強い魅力で誘ってくれます。
そんな奄美大島に、自由なスタイルで滞在できるハイエンド向けのビーチフロントヴィラ群が誕生しました。それは『伝泊 The Beachfront MIJORA』。

その名のとおり、全13棟の客室全てが海に面して建てられており、一歩踏み出せばそこはもうビーチ!
大人の休日にふさわしい贅沢なロケーションで、あなたを日本離れしたリゾートに浸らせてくれます。

奄美の伝統が漂うしつらえの中で、空・海・大地との一体感を味わう。

伝泊ザビーチフロントミジョラ奄美の自然と文化を肌で感じられるヴィラ。

『伝泊』とは、「“伝統的な建築と集落と文化”を次の時代に伝えるために、古民家を再生して作られた宿泊施設」の総称です。
その仕掛け人は、国内外で高く評価されている建築家の山下保博氏。奄美大島出身の山下氏は、住宅やリゾートホテル等の豊富な設計経験を生かし、ゲストのニーズを取り入れながら、より心地よく、上質な空間へと『伝泊』を進化させ続けています。
 
この『伝泊 The Beachfront MIJORA』は、その集大成ともいえるもの。奄美大島を中心に加計呂麻島(かけろまじま)や徳之島に展開している『伝泊』の建物群の中で、初めて一から造られた建物となりました。
 
それでいて、随所に奄美の伝統を感じさせるしつらえが満載。特に屋根は、奄美の「高倉(たかくら/伝統的な穀物倉庫)」の中にいるような心地よさと懐かしさを感じさせる構造となっており、奄美の貝殻をモチーフとしたデザインも、窓のすぐ外から聞こえる潮騒の音とあいまって、胎内回帰のような落ち着きを感じさせてくれます。
 
更に、建物が周囲の景観を損なわないように、全棟を低めの平屋としています。そのため目の前の海にも、背後の森にも、自然に溶け込んで一体化しています。

ビーチに張り出した開放的なデッキが、極上のリラックスを感じさせる場に。

デッキ上にはハンモックやラタンのハンギングチェア等が設置されており、寄せては返す波の音に浸りながら空と海との一体感を味わえる。

オーシャンビューを堪能できる全面1枚ガラスの窓と、禅の空気を醸すコンクリートの内装とのコントラストが秀逸。

伝泊ザビーチフロントミジョラ伝統に包まれながら、最新の快適性に遊ぶ。

全13棟のリゾートヴィラは、定員各2名のゆとりある空間となっています。更にベッドのサイズやキッチンの有無等で全5タイプに分類され、好みの滞在スタイルによって、最適な空間を選ぶことができます。
 
それらを演出する調度は、沖縄伊平屋島(いへやじま)の民具をモダンにアレンジした『種水土花』のかご製品や、新潟県燕三条市の『玉川堂』の銅製品、『中川政七商店』の布製品など、全国各地の逸品を厳選。更に『バルミューダ』の家庭用電気製品や『エレクトロラックス』のIHヒーター、『イソップ』のボディケア製品など、最新の家庭用電気製品やアメニティを配置して快適性を高めています。

余分な装飾を削ぎ落としたコンクリートの内装と、控えめな存在感を放つ手仕事の品々が、奄美の自然や景観とゆるやかにマッチする。

ランドスケープとの一体感を味わわせてくれる造りは、どんな天気でも「奄美」を満喫させてくれる。

デッキから直接泳ぎに出ることもでき、ビーチフロントのホテルが意外と少ない奄美の中で、極上のビーチフロント・リゾートとなっている。 

伝泊 ザビーチフロントミジョラ至れり尽くせりのサポートで、波に身をまかせるような滞在を。

このように、「余分なもの」を排してありのままの奄美を感じられる『伝泊 The Beachfront MIJORA』。ですが、その分サポートは行き届いています。チェックインは車で約5分の別棟『伝泊ホテル』にて行い、コンシェルジュとともに宿泊棟へと移動。その後は自由気ままに過ごせますが、『伝泊ホテル』にはレストラン・物販・ライブラリーなどが完備されており、ディナー(送迎あり)や、その他のサポートを随時受けることができます。
 
『伝泊ホテル』のレストランは、開放的な広場に設けられたオープンスペース。そこで奄美の島料理をアレンジしたコースディナーをゆったりと味わえます。朝食もやはりこちらで供されて、新鮮な島野菜や魚介類たっぷりのメニューは「奄美の自然を食べているみたい!」と大好評です。
ディナーはバーベキューでの提供も行っており、宿泊棟の目の前のビーチで食べることができます。こちらはケータリング形式で後片付けまで行ってくれるので、手ぶらでアウトドア気分が味わえます。

刻々と表情を変える景色で視界を満たせる。

伝泊ザビーチフロントミジョラ奄美の「人」ともディープに触れ合える!

こうした「滞在」を満喫するのはもちろん、奄美ならではの文化や習俗も体感できます。奄美に根ざした『伝泊』ならではのネットワークで、地元の人しか知らないお祭りに参加したり、伝統工芸の泥染めや藍染めを楽しんだり、機織り・踊り・歌・島料理・菓子作りなどを体験できるのです。
 
これらのディープな体験は、コンシェルジュがご案内。今後は9月に催される奄美伝統の祭事『八月踊り』など、奄美の「シマッチュ」と触れ合うことや、彼らが暮らす集落の素の姿を垣間見ることができます。
 
更に2019年の秋以降には、敷地内に交流広場を設ける計画も。ゲストと奄美の「シマッチュ」の両方が集える場を作ります。例えば三味線や焼酎を手に夕涼みに訪れた「シマッチュ」と、気さくな会話や晩酌で盛り上がれるかも? より深く奄美の姿に触れられる、またとない場となりそうです。

奄美の人々の暮らしに溶け込める「体験プログラム」も見逃せない。

伝泊ザビーチフロントミジョラ日々是好日。一期一会の「奄美」を楽しむ。

『伝泊 The Beachfront MIJORA』の自慢は、なんといってもその素晴らしいロケーション。それを最大限に引き立てるシンプルかつ贅沢なしつらえによって、雨の日でも風の日でも、ここにしかない「奄美」を感じることができます。
 
「奄美の手つかずの自然を感じられた」「まるで天国に来たような気分!」「こんな家を建ててみたい」といったゲストの感想が表すように、晴れでも雨でも、夏でも冬でも特別な体験が待っています。
 
奄美の悠久の歴史と風景が、ゲストを深い懐に包み込むひと時――「残念ながら滞在中ずっと雨でした」と言うゲストも、「ずっと室内にいましたが、雨の音や香りなどの風情が非常に心地よく、奄美の自然とひとつになれた気がしました」という声を寄せてくれたそうです。
 
まるで人の心を写し取るかのような雄大な大海原と対峙して、新たなスタイルの「リゾート」に浸ってみてはいかがでしょうか?

気ままに寛ぎ、泳ぎ、休み、眠る休日。心がどこまでもほどかれていく。 

光と陰の鮮やかなコントラストが、全ての存在を浮き上がらせていく。

旅に物語を求める人々のために、様々な「出会い」を提供。 

住所:
Villa #1 – 7 鹿児島県奄美市笠利町外金久861-4
Villa #8 – 13 鹿児島県奄美市笠利町外金久988-1 MAP
電話:0997-63-1910(「伝泊ホテル」フロント)
営業時間:
チェックイン 14:00~19:00
チェックアウト 8:00~11:00
料金:38,000円~(2名様、朝食付、税込)
伝泊 The Beachfront MIJORA HP:http://www.den-paku.com/beachfront
写真提供:奄美イノベーション株式会社

今日も不思議と人が集まる、ヒゲもじゃ店主の小さなよろず屋。[TSUGARU Le Bon Marché・バンブーフォレスト/青森県弘前市]

小さいながらも個性的な外観が目を引く『bambooforest(バンブーフォレスト)』。店がある弘前市代官町は、こじゃれた雑貨店が点在するエリア。 

津軽ボンマルシェ・バンブーフォレストキッズからお年寄りまで、全世代がお得意様の「雑多屋」。

JR弘前駅から歩いて10分ほどの場所、絶えず車が行き交う通り沿いにありながらひっそりと出しゃばらず、それでいて不思議と存在感を放つショップがあります。「竹森」さんが営むから『bambooforest(バンブーフォレスト)』……そんなわかりやすい店名に反し、どんなジャンルにもカテゴライズしづらいのがこの店の特徴。

例えば、以前『ONESTORY』でも紹介した『木村木品製作所』が手がけるりんごや桜の木工品の横には、マニアックなストリート系ファッションブランドのTシャツやキャップ、トートバッグが。津軽の若手作家の草木染めのアクセサリーや、ドライフラワーアーティストの作品が並んでいるかと思えば、ドイツやタイから輸入された安全素材のキッズ用おもちゃも。棚には全国津々浦々からセレクトされた無添加の食品がずらりと揃い、地元の農家が作る旬の無農薬栽培の野菜が納品されてくるといった塩梅です。

地元の子連れママ、こじゃれた若者、中年男性、青森土産を買いに来た他県からの観光客……客層も、それはもう様々。「ちょくちょく酒のつまみを買いに来る飲兵衛のおばあちゃんもいますよ」と笑顔で話すのは、豊かなヒゲがトレードマークの店主・竹森 幹(かん)氏です。自身の店を雑貨屋ならぬ「雑多屋」と表現する竹森氏。言い得て妙ですが、こうした業態の店は津軽においてかなり少数派。それでも人が絶えないのは、竹森氏のセレクトが魅力的だからに他なりません。

【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

外観からは何屋かわからないが、センスの良さが伝わってくる。勇気を出して扉を開ければ、気になるものが必ず見つかる場所だ。

竹森氏の先輩が営んでいた洋服店の跡地を居抜きで借り受けた大切な場所。小さなスペースに、様々な商品がぎっしりと詰まる。 

本や雑誌、音楽CD、更には植物の種まで並ぶコーナー。ジャンルは異なるが、どれも一貫したテーマやポリシーが感じられるものばかり。

津軽ボンマルシェ・バンブーフォレストキャンプ場が近く、温泉は銭湯感覚。津軽の環境がUターンの決め手に。

竹森氏は弘前市出身。21歳で上京、ずっと好きだったアパレル業界を目指して高円寺の古着屋に入り、店長も務めます。その後、独立を念頭に企業の法人部へ転職、3年ほど働きネットショップを立ち上げた頃に起こったのが、東日本大震災でした。小さな子供を抱えながら、安全な水や食料の確保に不安と疑問を感じる日々。竹森氏は、故郷・津軽へ帰ることを決意します。

「まだ子供が生まれる前、奥さんを連れて1週間帰省したことがあって。その時、津軽の色んなことが再発見できたんです。岩木山ってこんなに格好良いんだとか、キャンプ場にもすぐ行けるじゃんとか(笑)。アウトドアが好きなので当時は何時間もかけてキャンプしに行っていたけれど、片やこっちでは温泉も銭湯感覚(笑)。帰ってきたきっかけは震災でしたが、やっぱり津軽の環境に惹かれたのもありますね」と竹森氏。

最初はインターネットをメインに、その後商業施設のチャレンジショップとして店舗を構え営業。当初はアート感覚で楽しめる海外製のおもちゃを個人輸入し販売していましたが、今の物件に出会い2014年に移転、路面店として新たなスタートを切ります。商品ラインナップが増えだしたのは、その頃から。子供が舐めたり噛んだりしても安全な木のおもちゃや、出所がはっきりわかる原材料で作られた食料品……「そもそも、そういうものを置いている店がこっちは少なくて。まずは自分が使っている、信頼の置けるものから始めようと思いました」と竹森氏。

初期から取り扱うタイの『プラントイ』社のおもちゃ。廃材となる無農薬栽培のゴムの木を再利用し、環境と安全性に配慮した商品を作る世界的メーカーだ。 

路面店を構えてからの5年間で一番充実したのが食料品。都内の自然食品店でもあまり見ない、東北の小さなメーカーのものなども見つかる。

県内の若手農家『わらふぁーむ』が生産する無農薬栽培の米は、玄米の状態で量り売り。購入客には、持ち帰り袋の持参が浸透しているという。

津軽ボンマルシェ・バンブーフォレスト「無添加」という言葉は後づけ。美味しさの共感こそが人を呼ぶ。

現在の『bambooforest』で最も売り場面積が広いのが食料品。知る人ぞ知るメーカーの調味料から、都内でも置いている店が少ないレアなスパイスやお茶、気軽につまめるおやつやレトルト食品まで、独自の品揃えを誇ります。そして目移りしながら気付くのは、その多くが無添加のいわゆる「自然食品」だということ。でも「ことさら“自然派”を謳うことはしないんです」と竹森氏。そこには、ちゃんと日常の食卓に喜びを与えてくれる、美味しいものだけをお勧めしたいという自負が覗きます。

「自然食品と呼ばれるものの中には、身体には優しいけれど正直味がいまひとつな商品があるのも確か。せっかく興味を持っても最初の入口がそれでは、自然食品自体がだめになってしまう人もいますよね。うちでは商品を家族全員で試しますし、毎日使っているものもたくさんある。実は自分、店をやっているのに、言葉で伝えるのが苦手なんですよ(笑)。でも自分が美味しいことを知っているからこそお客さんとも話せる。“自然派”“無添加”は後づけでいいんです」と語る竹森氏。

店で観察していると、買い物帰りの主婦や散歩途中の男性など様々な人が次々と来店し、竹森氏とお喋りしながら商品を購入。しかも、なんだか皆さんとても楽しそうです。「売るなら自分でも作らないと」と5年前から畑も始めたという竹森氏。そんな真摯な姿勢が、確実にリピーターを増やしている様子です。

弘前市『前田りんご園』から無農薬栽培の野菜が到着。「価値をわかってくれる店に卸したい」と話す代表の前田祥吾氏は、互いの考え方に共感し合う同世代の仲間だ。

『前田りんご園』の朝採れの夏野菜たち。前田氏曰く「みんながやらない品種も積極的に作っていきたい」。手前は香りの強い津軽の在来種「岩木在来にんにく」。

近所の居酒屋『南国食堂shan2(シャンシャン)』オリジナルの調味料シリーズも人気の商品だ。店は竹森氏の行きつけで、「何を食べても旨い!」と絶賛。 

津軽ボンマルシェ・バンブーフォレスト楽しさの連鎖反応で人々をつなぐ、津軽のハブを目指して。

この場所で営業を始めて5年。『bambooforest』は単にモノを売るだけにとどまらない、違う側面を持つ場所となりました。キャンドル作家の『YOAKEnoAKARI』、ドライフラワーアーティストの『Flower Atelier Eika』、ニット作家の『Snow hand made』など、現在津軽エリアで活躍するクリエイターたちの作品をいち早く扱い、紹介する役割を担ってきたのです。「扱ううちに有名になる作家さんもいる。それを見据え、若手の作家さんには、商品について感じたことを良いことも悪いこともはっきりといいます。店の売り上げを上げるためでもあるし、彼らの収入や知名度を上げるためでもある。だからこそ互いの信頼関係が築けるのだと思っています」と話す竹森氏。

「ほら、うちの店ってめちゃくちゃフライヤーを置いているんですよ」と竹森氏が指さす所には、ライヴやイベント案内、店紹介などがずらり。「この店に来るといい情報があるねっていわれたくて(笑)。若手の作家さんを紹介するのもそうですが、人と人をつなぎたいんです。みんなが楽しそうなのを見ると、自分も楽しいから」。そう言いながら笑う竹森氏の今後の展望は、なんと「角打ち」。そのために酒類販売免許を取る準備をしているのだとか。竹森氏曰く「昼から飲めたら最高じゃないですか? 弘前にはそういう店がないんですよ(笑)」。

「自分が出会った人とモノから影響を受け、変化してきたのが『bambooforest』。自分ひとりでは商品も作品も作れないけれど、脳内で考えていることを表現できているのがこの場所だと思います」と竹森氏。「変化」という単語はそのまま「進化」に置き換えてもいいでしょう。ヒゲもじゃ店主の脳内には、まだまだ楽しい目論見がいっぱい詰まっているようです。その進化が止まることは当分なさそうです。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

弘前市で活動するキャンドル作家『YOAKEnoAKARI』の作品には、本物の津軽のりんごやラベンダーが閉じ込められている。

プライベートでは親ばかを自認、家族で外遊びするのが好きという竹森氏。音楽やカルチャーにも詳しく、本人の自己評価に反し話し上手だ。竹森氏に会いに訪れる客も多い。

住所:青森県弘前市代官町20-1 MAP
電話:0172-35-4520
定休日:毎週火曜日 第2・第4月曜日  
バンブーフォレスト HP:http://www.bambooforest.jp/

紫舟が体験する「食べるシャンパン。」クリエイターの感性が共鳴し、実現した「タブー」への挑戦。[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・La Cime/大阪府大阪市中央区瓦町]

やや緊張した面持ちの『ラシーム』オーナーシェフ高田裕介氏(左)と、終始リラックスムードの書家でありアーティストの紫舟さん(右)。

ラシーム×紫舟上質なマリアージュを糸口に、料理とワインが華開く感動。

上質なマリアージュを糸口に、料理とワインが華開く感動。

偉大なるシャンパーニュハウスの中でも、世界を代表する一大シャンパーニュ・メゾン『テタンジェ』。その名をかかげるように、テタンジェ家がオーナーとして経営を受け継ぎ、揺るぎない精神と確固たるスタイルを今に継承しています。「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」は、テタンジェ社が誇るトップキュヴェ。シャンパーニュ地方で最良の土壌を含む288haもの自社畑を所有し、自然環境に配慮した最先端の減農薬栽培「リュットレゾネ」を採用。テロワールを最大限に尊重したシャルドネ種100%で、繊細かつフレッシュなアロマ、スムースな口当たり、グレープフルーツやスパイスのニュアンスを感じさせ、多くの人々を魅了します。

シャンパン単体のポテンシャルはもちろんのこと、「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」は、料理に合わせることで更に魅力を増す、いわば「食べるシャンパン。」ガストロノミーの可能性をも広げる味わいを、いかにしてクリエイションに生かすのでしょうか。プレステージ・シャンパーニュと相思相愛のペアリングを実現したのは、大阪府・瓦町『ラシーム』のオーナーシェフ・高田裕介氏です。
「稽古照今(けいこしょうこん)」の精神でフレンチをベースに古典を深める一方で、現在進行形の技術を追いながらひらめきを皿上に表現する——―。そんな高田氏が導き出す料理をテイスティングするのは、書家でありアーティストの紫舟さん。上質なマリアージュを糸口に、料理とワインが組み合わさることで生まれる感動と可能性をクリエイターの視点から語ってもらいました。

【関連記事】テタンジェ/「食べるシャンパン。」それは、ひとりでは完結しないシャンパーニュ。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」。夏のカブを主題に、アルカリ性のりんごのジュースで食欲を減退させる紫に挑戦。

清々しい香りをもたらすライムのピールをあしらって。息をのむほど緻密な工程。

青い星型の花が印象的なボリジを周囲に、白く小さな花を咲かせるコリアンダーの花を中央に据え、芸術的な仕上がりに。

2種類の花を組み合わせ、まるで一輪の花のよう。紫舟さんの名前にもある「紫」色のりんごジュースを注いで。

当初は精進料理を予定していた高田氏。当日は更に一歩踏み込んで、野菜を主役にしたひと皿を完成させた。

ラシーム×紫舟それはタブーか!? 書家・紫舟にシェフ・高田が供する料理は、その名のとおり、紫のひと皿。

フレンチとイタリアンの双方で研鑽を積み、渡仏経験によって確かなベースを築き上げた高田氏。「古典」と「先端」を捉えながら、ひらめいた料理を新旧のテクニックを駆使し、アレンジするといいます。
素材はもちろん、インスピレーションを源泉にする高田氏に「ひらめき」を与えたのは、「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」。夏カブを主題にしたひと皿は、昆布とローストして乾燥させた冬カブの出汁と、りんごに含まれるアントシアニンを調整したりんごの皮の青い色素とりんごジュースを合わせ、夏カブに煮含めたもの。
「木の芽のジャムをしのばせ、ライムのピールで香りをプラスしています。暑い季節にはぴったりな爽やかな風味です。上にはエディブルフラワーのボリジ、セロリの花をあしらって仕上げました」と高田氏。
驚くべきは、その色の演出。紫色のそれは、料理界ではある意味タブー。食欲を減退させるといわれる寒色系にあえて挑戦しています。
「見た目のわかりやすさをまず裏切ってみました。ビジュアルすなわち視覚と味覚のミスマッチが“驚き”をもたらします。テクスチャーも同様に、サラダのようであり、煮物のようでもある」と語る、高田氏。

プレステージ・シャンパーニュ「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」の存在を意識したからこそクリエイティビティが刺激され、実現したひと皿といえます。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」の香りを愛おしくかぐ紫舟さん。

紫舟さんはナイフを入れながら、「どこから頂いたらいいのか。食べてしまうのが惜しいほど」とも。

「こうしてシルバーのスプーンですくった方がより色が綺麗に見えます」という紫舟さん。絵画の研鑽を積むアーティストとしての一面を覗かせる。

作品の制作期間中はお酒を控え、食事制限も厭わないという紫舟さん。ストイックさから解放され、笑顔が。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」が、繊細な料理の味わいを引き立てる。

料理についてあらかじめ解説することなく、ゲストの感じ方に委ねるという高田氏。

ラシーム×紫舟今回の体験も書や絵画と同じ。大事なことは自分で感じること。

サーブされた小さなブーケのように美しい料理を見つめ、「シェフは繊細な料理が得意なのですね」と、紫舟さん。
「とてもクリエイティブですね。野菜のような、フルーツのような、和食のような、でも最後に紅茶を飲んでいるような感じもある。色々な香りと多彩な味わいがあって、ひと言では表現できないほど複雑。それなのにどこか安心感がある」と語り、しみじみと堪能。
「カブの自然な甘み、りんごやライムといったフルーティーな味わいがあるので、爽やかでキレのある“コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン”に合うと思いました。ボリューム感もあり、口の中でよりフルーティーさが際立ちます。自分では考えもつかないような表現を頂き、素直に嬉しいですね。美味しさの感じ方は人それぞれ。正解がないので、あえて説明はしません。感じてもらうことが一番」と、高田氏。笑顔を覗かせながら、紫舟さんの言葉を受け止めます。
「書にしても絵画にしても、感じることは大事。日本では芸術作品と向き合うと、まずテキスト情報と照らして確認しながら、答え合わせをするように鑑賞します。フランスなどでは作品のタイトルですら小さく表示するほど。それでも壁の奥まで鑑賞するくらい、一般の人であっても作品を味わう力を持ち合わせ、鑑賞力が高い」と、紫舟さん。

言葉を紡ぎながらグラスを傾け、「“コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン”は本当に良い香り。“澄み渡る”という印象を受けます。料理を味わった後、シャンパンがもう一度美味しさを楽しませてくれます」と、絶賛します。

紫舟さんが蒔絵の技法で書を施したシャンパングラス。『ラシーム』の店名につながる「照らす」、今回の「ご縁」にも紐つく。

「シェフもぜひ書道を。柔らかく不安定な筆で書くと集中しますし、心の平穏が保てて解放されます」と、アドバイス。

ラシーム×紫舟想像できないから面白い。ふたりのクリエイターに起こった化学反応。

「和食の経験はありませんが、最近はよく出汁を取り入れています。日本料理店のようにはいきませんが、羊肉と組み合わせるなど、違うステージでパフォーマンスのひとつと捉えています」と、高田氏。
ジャンルの異なる素材やテクニック、あるいは料理とシャンパンという組み合わせにより互いに引き立て合う美味しさを実感した、紫舟さん。
「書と絵画を組み合わせることもあります。絵画の中に造形として書を組み入れると、言葉の意味が宿るので存在感がまるで違ってくる。特に日本の芸術はシンプルなので難しくもあります。書と絵画、それぞれ向き合う集中力やエネルギー量は違いますが、鍛えている段階です」と紫舟さんは話します。

その言葉を受けて、高田氏も「調理工程は複雑でも、見た目はシンプルな方が好きですし、落ち着きます。料理や味わいを言語化する努力もしていますが、僕は作ることでしか表現できない。そんな中でこれほどのシャンパーニュがあると創作意欲を掻き立てられるし、モチベーションのステージも一段上がります」と言います。

それぞれの世界で第一線をゆく、ふたりのクリエイターを刺激した「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」。感性豊かな人と美味との出会いが思いがけない化学反応を起こし、新しいつながりが生まれたひと時でした。


(supported by TAITTINGER

住所:大阪府大阪市中央区瓦町3-2-15瓦町ウサミビル 1F MAP
電話:06-6222-2010
※受付時間①9:30〜11:30 ②16:00~18:00
営業時間:ランチ12:00~15:30(L.O13:00) /ディナー18:30~23:00(L.O20:00)
定休日:日曜・月1回不定休・夏季・年末年始
La Cime HP: http://www.la-cime.com/

書家・アーティスト。幼少より書や日本舞踊などの教養を身につけ、奈良・京都で幅広く和や伝統美の研鑽を積む。日本では当時の天皇皇后(現・上皇上皇后)両陛下が御成りになり「紫舟展」を御覧。世界ではフランス・ルーヴル美術館地下会場、フランス国民美術協会展において金賞と審査員賞金賞をダブル受賞。イタリア・ミラノ国際万博日本館の作品を担当、金賞受賞。http://www.e-sisyu.com
また、今後は耳の聞こえない方々にも届くようにJ-POPのラブソングから珠玉のフレーズを集め、紫舟がアート作品で表現した作品展「Feel Love Project」 (2019年9月21日~10月20日)を「三井2号館1階 特設ギャラリー」にて開催。https://feellovepj.jp

お問い合わせ:サッポロビール(株)お客様センター 0120-207-800
受付時間:9:00~17:00(土日祝日除く)
※内容を正確に承るため、お客様に電話番号の通知をお願いしております。電話機が非通知設定の場合は、恐れ入りますが電話番号の最初に「186」をつけてお掛けください。
お客様からいただきましたお電話は、内容確認のため録音させていただいております。

TAITTINGER HP:http://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/

富士登山

皆さまいかがお過ごしでしょうか??

私事ですが8月19日に誕生日を迎えて30歳になりました🎉

その30歳になった記念すべき日に会社の方と富士山に登ってきました🗻



30歳を富士山で迎えるとは感無量です(≧∇≦)

ご来光も無事に見られました!!



雲の上にいます!!




本当に天国みたいでした(°▽°)

めちゃくちゃ疲れたけど良い経験が出来ました( ´ ▽ ` )

人と人とのつながりだけで広がる世界──ホームタウンの豊かな暮らしに寄り添う、世界基準の美しきものたち。[CARGO/富山県富山市]

カーゴOVERVIEW

北陸新幹線の開通とともに、都心からのショートトリップのディストネーションとして、すっかり定着した感のある富山・金沢エリア。片道2時間弱の移動距離は、心のスイッチの切り替え、あるいは駅弁など旅情あふれるグルメを愉しむ時間としても最適なものといえそうです。ただ、古都ならではの情緒たっぷりな町並みや景色、金沢21世紀美術館など話題のスポットが充実し活況を呈す金沢に比べ、“隣駅”富山の印象は決して華やかとはいえません。実際、観光客の数も新幹線開通以降はうなぎ登り、とはいっていない様子。「ほとんどの人は富山を素通りして金沢へ行っちゃうからね」と苦笑いを浮かべる、駅前でつかまえたタクシードライバーの横顔が印象的でした。

富山駅を離れ、タクシーの車窓から眺める市内は、実に静かで長閑というより他にありません。駅近くの巨大なボーリング施設「富山地鉄ゴールデンボウル」を除けば、特に目を引く建造物だって見当たりません。南南東に下ること15分ばかり、比較的交通量の多い国道に入ると唐突に、そのショップは現れました。無機質な空間を埋めるように、自由に並べられた有機的な家具やオブジェ、雑貨や植物たち。生活を彩るさまざまなジャンルのアイテムを、まるでギャラリーのようにセンスよく散りばめたこのインテリアショップこそ、今回の旅のディスティネーションである「CARGO」です。

「CARGO」のオーナーである野村晃二朗氏は、富山市の隣町であり漁師町として知られる射水市(旧新湊市)出身。生花市場やフラワーショップで働き、一度は地元を離れて造園業に従事したこともあるという元高校球児が、いかにして再び故郷の富山に根を下ろすことを決意し、インテリアショップを開業するに至ったのか。さらに、なぜ県外・国外から多くの人々を引き寄せるほどになったのか──。人気作家の作品を数多く取り扱いつつも、決して「デザインマニアではない」と語る野村氏。その素朴な人柄やライフスタイル、ショップを通じた提案に触れ合い話を聞くことで、美しく暮らす作り手による、美しい作品が持つ本質的な価値、そして本当の意味で“豊かに暮らす”ことの大切さを、改めて思い知ることになるのです。

住所:〒939-8006 富山県富山市山室27 MAP
電話:076-422-5755
営業時間:12:00〜19:00
定休日:水曜日
CARGO HP:http://cargo27.shop-pro.jp/

グロテスクで魅力的な縄文文化と、神秘的な原始林。アレックス・カーが見た北の温泉地・浅虫の魅力と課題。[DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS/青森県青森市]

三内丸山遺跡にて。「本当に素晴らしい遺跡です」と感動した様子のアレックス氏。

ダイニングアウト青森浅虫アートと温泉という視点から『DINING OUT』を振り返る。

2019年夏、『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』が開催されたのは、青森市浅虫温泉。青森といえば三内丸山遺跡に代表される縄文文化から、近代版画の巨匠・棟方志功、現代アートの奈良美智まで、アートの感性が脈々と息づく土地。青森の象徴であるねぶたもそうです。だから今回の『DINING OUT』のテーマは「Journey of Aomori Artistic Soul」。今回、ホスト役を務めた東洋文化研究家のアレックス・カー氏は「このアートの在り方がひとつの鍵になったわけですね。」と語りました。

一方で浅虫温泉は、国内各地の温泉街と同様に、解決すべき課題を多く抱えた街です。『DINING OUT』を通して見えた魅力と課題、それらをどうこれからに活かしていくか。そのビジョンが大切になります。アートと温泉街、その両面から『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』をアレックス氏に振り返って頂きます。

【関連記事】DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS 

『DINING OUT』のホストとして、ゲストに青森の神秘的な魅力を伝えた。

ダイニングアウト青森浅虫誰しもの心の奥にある、縄文文化の影響。

実はかつての私は、縄文文化にさほど興味がありませんでした。それは弥生時代以降の繊細で行儀の良い文化と比べ、縄文の遺物が“キレイなもの”ではなかったからかもしれません。しかし最近、その文化になぜか心惹かれるのです。縄文文化は、いびつで、グロテスクで、そして神秘的で、かつ面白さがある。世界最古級の縄文土器が出土する青森を訪れて、その思いはいっそう確かになりました。

人間の歴史の中には、あるとき突然、飛び抜けたデザインが生まれることがあります。円空の木彫り仏、室町の茶碗や江戸時代の書も、安藤忠雄の建築もそうです。コム・デ・ギャルソンも同様です。そこに共通するのは、完成された美ではなく、不完全でアンバランスでグロテスクな美。そのアンバランスを愛でるのは日本人の美しい心であり、その源流は縄文文化に通じるのかもしれません。そのように歴史の中にポロッと生まれて世界を驚かせるアートの源流に縄文文化があるのであれば、その遺跡が生活圏にある青森は、やはりアートの感性を受け継いだ地といえるのではないでしょうか。青森生まれの成田亨が手掛けた「ウルトラマン」の怪獣デザインは、まさにグロテスクで突飛な縄文文化です。

そして私はこの縄文文化の痕跡が、誰しもの心の奥の方にあるものだと思っています。日本文化をひとつの「家」に例えるなら、縄文文化は最奥の部屋にいる座敷童子のようなもの。住んでいる人はなんとなくその存在を意識してはいても、直接的に見たり、考えたりするわけではない。心の片隅で意識しつつ、決して捨ててしまうことができない。それが縄文文化だと思うのです。三内丸山遺跡という素晴らしい遺跡を歩きながら、私はそんなことを考えていました。不気味な土偶からなぜか目が離せなくなるのは、そこに美しさだけでなく、ある種のシンパシーが感じられるからでしょう。

とくにアレックス氏の心を捉えた土偶。どこか不気味なフォルムは「不完全の美」の象徴。

三内丸山遺跡の資料館には、世界最古級の貴重な出土品が多数展示されている。

目には見えないけれど、誰しもの心の奥にあるもの。アレックス氏は縄文文化をそう捉えた。

ダイニングアウト青森浅虫大自然の魂を宿した神秘的な巨木の存在。

そんな縄文の流れを汲む文化や原色のアートが目を引く青森にあって、浅虫温泉は少し雰囲気が違います。浅虫温泉を最初に訪れたとき、とくに印象的だったのは巨木です。『DINING OUT』の会場となった陸奥護国寺の裏山を登っていくと、アカマツの巨木があります。何万年も前から人間文化が受け継がれているのと同様、木の文化も同じ年月を受け継がれているのです。その時間の流れを象徴するのが、あのアカマツだったのです。

浅虫温泉に限らず、青森は多くの原始林を抱えた土地です。抱えるほどのマツや原始のままのブナ林があり、それが青森の当たり前の風景になっている。巨木には大自然の魂がありますから、その魅力をもっともっと打ち出しても良い。青森に住んでいる人には当たり前に思えても、都会や海外から来た人には新鮮に映るものがたくさんあります。陸奥湾の魚介だってそうですよね。そこを客観的に捉えて、発信することが、青森のこれからを切り開きます。

だから今回の『DINING OUT』はそのきっかけになるといいですね。東京からやってきたシェフが青森の素材を料理して、同じく遠方からのゲストがそれを味わう。凛とした冷たい空気や美しい星空にも、ゲストは感動していましたね。そういった地域の財産を、もう一度見つめ直すことに繋がるといいですね。

アレックス氏は、マツやブナなどの原始林、神秘的な巨木など、豊富な観光資源がまだまだ眠っている青森を客観的に捉えることが大切だと語りました。

地元の人にとって当たり前のものこそが観光の目玉になり得る、とアレックス氏。

ダイニングアウト青森浅虫浅虫温泉がやがて周遊する街に変わるために。

素晴らしい魅力も持っている浅虫温泉ですが、課題も抱えています。それは観光客の滞在が各旅館内で完結してしまうことで、街を周遊する人口が増えないことです。その問題を端的に表しているのが、海と温泉街を分断する国道4号線です。たしかにかつて道路は経済発展の象徴でした。アクセスが便利なことが観光地の第一条件と考えられていたのですね。しかしその時代は終わりました。現在求められているのは、利便性よりも街そのものの魅力です。そしてその魅力は、街を歩くことでのみ伝わるのです。

たとえば京都の四条通りは車線を減らし歩道を拡張することで賑わいを取り戻しました。東京の銀座や谷中銀座も、歩行者の優遇によって街が活気づいていますね。温泉地でいえば城崎や有馬も成功例でしょう。海外に目を向ければさらに顕著です。スペインは300もの都市で旧市街から自動車をシャットアウトしていますし、イギリスでも同様の試みが急ピッチで進められています。ニューヨークでもブロードウェイのメイン交差点を数年前に閉鎖しました。これにより、マイナスの効果がどれほど出るでしょうか? 近辺までは自動車で十分に行けるのです。目的地の目の前まで自動車で行くのではなく、外縁部に停めて歩いて向かうだけでいい。それにより経済効果もありますし、街の個性も引き立ってきます。

浅虫温泉ならば、国道4号線を閉じて、そこに木を植えれば良い。海沿いの木、その向こうの湯の島。これは浅虫だけの素晴らしい景観になるはずです。あるいは海近くにアートを並べても良いかもしれません。アートと木という財産を持つ青森の温泉地なのですから、その魅力を最大限に伝えることが、この場所の活路です。不可能な話だと思いますか? しかし決して夢物語ではありません。サンフランシスコやシアトルは高速道路を撤去しましたが、目立った問題は報告されていません。幹線道路、産業道路の幻想を一度忘れ、たとえばイベントとして数日間でも周遊する街を生み出してみれば、その効果が見えてくるはずです。

今回の『DINING OUT』は、イベントとしてみれば文句なしの成功を収めました。完成度という点なら過去でベストかもしれません。しかし、本当の成功か否かは、浅虫のこれからにかかっています。この経験を地元の人がどう捉え、どう活かしていくのか。『DINING OUT』はひとつの問いかけです。それに浅虫温泉がどう答えるのか。期待を持って見守っていきたいと思います。

会場でゲストを迎えた青森市長・小野寺晃彦氏。「行政が積極的であったことも成功の一因」とアレックス氏。

すぐに結論が出せずとも、地域住民が問題意識を共有し、行動することが大切、とアレックス氏は言う。

1952年アメリカで生まれ、1964年に初来日。イエール、オックスフォード両大学で日本学と中国学を専攻。1973年に徳島県東祖谷で茅葺き屋根の民家(屋号=ちいおり)を購入し、その後茅の吹き替え等を通して、地域の活性化に取り組む。1977年から京都府亀岡市に在住し、ちいおり有限会社設立。執筆、講演、コンサルティング等を開始。1993年、著書『美しき日本の残像』(新潮社刊)が外国人初の新潮学芸賞を受賞。2005年に徳島県三好市祖谷でNPO法人ちいおりトラストを共同で設立。2014年『ニッポン景観論』(集英社)を執筆。現在は、全国各地で地域活性化のコンサルティングを行っている。

新商品!ピクルスグッズ

 

みなさんこんにちは晴れ

 

お盆も終わってもう少しで早くも

8月が終わってしまいますねひまわり

 

今日はキャラ工房から新商品の紹介をします!キラキラ

 

 

pickleu the frog

かえるのピクルス

 

「ぬいぐるみも雑貨のようにオシャレに」をコンセプトに

オリジナル生地を使用したぬいぐるみとして誕生しましたカエル

 

 

このキャラクターの商品がこちら下矢印下矢印

 

 

①②

 

 

ピクルスミニポーチデニム \2,160

ピクルスクラッチ \3,020

ピクルストートデニム \4,100

 

どれも生地がしっかりしてて軽いので使い勝手

もよくて便利ですキラキラ

 

デニムとのコラボでデザインも可愛いですねハート

 

倉敷へお越しの際は是非見に来て下さいねカエルグリーンハート

 

 

 

 

風船ブログについて風船

 

毎週月曜日に更新していましたが

毎月1、10、20日に更新に変わります。

 

これからも新たな情報を発信していくので

どうぞお楽しみに下さいね音符

 

岡山で、「蛇」の意味を考えてみる。[岡山芸術交流2019/岡山県岡山市]

言語を題材に制作するローレンス・ウィナーが、映画館シネマ・クレール 丸の内の壁面に新作として発表した「1/2 BEGUN 1/2 FINISHED WHENSOEVER」。©Lawrence Weiner, Courtesy of TARO NASU, Photo:S.U.P.C uchida shinichiro

岡山芸術交流2019「後発組」の芸術祭が面白いと評価される理由とは。

今、日本では全国各地で芸術祭が開かれていますが、後発組ともいえる『岡山芸術交流』が美術ファンの間で注目を集めています。2016年に初めて行われ、2019年に2回目を開催。絶賛の意味を込めて「あまりにも独自路線」と評価される『岡山芸術交流』の面白さはどこにあるのでしょう。

ライアン・ガンダーによる「摂氏マイナス261度 あらゆる種類の零下」。風船を手放してしまった子供の喪失感を表現したインスタレーション。©Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU, Photo:S.U.P.C uchida shinichiro

岡山芸術交流2019地元作家にこだわらない。招くのは、世界トップクラスのアーティスト。

『岡山芸術交流』の会場となるのは、岡山城周辺の岡山市立オリエント美術館、旧内山下小学校など、徒歩15分圏内のごく限られたエリア。2016年は31組のアーティストが参加し、大型インスタレーションや映像、立体など現代美術の作品を展示しました。

特徴的なのは、『岡山芸術交流』が「地元に根ざした作家」にこだわっていないことです。かといって無作為に作家を集めているのではありません。第1回のアーティスティックディレクターを務めたのは、イギリス出身でニューヨークを拠点に活躍するアーティスト、リアム・ギリック氏。作品の内容や形式よりも「関係」を重んじる芸術作品を創り出す「リレーショナル・アート」の代表的な作家として世界的に知られています。

会場のひとつ、林原美術館は前川國男による設計。岡山城天守閣を東に望む、旧二の丸屋敷対面所跡に位置する。

コンセプチュアル・アートの代表作家・ダン・グラハムが岡山神社に展示した「木製格子が交差するハーフミラー」。©Dan Graham, Courtesy of Taka Ishii Gallery, Photo:S.U.P.C uchida shinichiro

岡山芸術交流2019岡山の日常に、様々なアーティストの思考や言葉が出現する。

そして参加作家は、フリーズ・アーティスト・アワードも受賞したレイチェル・ローズや、サイモン・フジワラ、ライアン・ガンダーなど16ヵ国から招聘(しょうへい)されました。実はこれらの作家はギリック氏によって選定され、集められました。彼がかかげた「開発」というテーマのもと、アーティストたちは岡山を舞台に作品を作り上げ、日常風景の中に現代アートが出現する超次元的な光景を岡山の街に出現させたのです。

ここにこそ『岡山芸術交流』の独自性があります。世界的に活躍する現代美術家をアーティスティックディレクターとし、彼(彼女)自身がテーマを立て、それをもとに作家を集め、展覧会を構成するのです。作家は岡山の地を事前に訪れるなどしてインスピレーションを得て、どのように岡山の地を生かして表現するかを考え、それぞれのスタイルで形にします。地元作家が岡山を表現するというある種の「血のつながり」がある作品ではなく、岡山と縁もゆかりもない世界的な作家が岡山をどう見たのか、その目を通して表現されたものが、地元の人に新たな気付きや発見をもたらす。この芸術祭にはそんな面白みがあるのです。

前回のアーティスティックディレクターであるリアム・ギリックが街の中心部にあるシンボルタワーをカラフルに変身させた「Faceted Development」。©Okayama Art Summit 2016, Courtesy of the artist and TARO NASU, Photo: Yasushi Ichikawa

岡山芸術交流2019岡山を、「通り過ぎる場所」から「滞在する場所」に。

そもそも、なぜ岡山なのでしょうか。実はこの芸術祭を立ち上げた石川文化振興財団の理事長・石川康晴氏は、岡山発祥の企業でアパレルブランド「アースミュージック&エコロジー」などを展開する株式会社ストライプインターナショナルの社長。石川氏は、2016年に財団をつくり、世界の優れた美術品をコレクションしたり、「オカヤマアワード」を実施したりするなど岡山の地にアートを根づかせるために貢献。その芸術文化支援事業のひとつとして、『岡山芸術交流』をスタートさせました。「芸術祭が定着した瀬戸内には人が来るようになったが、岡山は滞在せず通り過ぎる場所。この地に世界レベルのアーティストを呼んで、経済の活性化を図りたい」と石川氏は考えました。

ピーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイスの「よりよく働くために」はタイの工場で実際にかかげられた10ヵ条を作品にした。©Okayama Art Summit 2016, Courtesy of the artists and Galerie Eva Presenhuber, Photo: Yasushi Ichikawa

岡山芸術交流2019美術界で最も注目されるピエール•ユイグ氏が舵を切る。 

その理念のもと行われる第2回では、アーティスティックディレクターにフランス出身で現在ニューヨークを拠点に活動するピエール・ユイグ氏を迎えました。ユイグ氏はロンドンの現代アート誌「アートレビュー」が毎年発表する「アート業界で最も影響力のある人物トップ100」で第2位に選ばれたトップアーティスト。世界各地の美術展やミュージアムでスケールの大きな作品を発表し、今最も注目される美術家として知られています。その彼が選んだのは17組のアーティストです。テーマ名は、かなり斬新です。

前回は作家として参加したユイグ氏が、今回は初めてアーティスティックディレクターに。

岡山芸術交流2019「もし蛇が」。その後に続くのは……?

今回のテーマは「IF THE SNAKEもし蛇が」。思わず二度見するほど奇抜なキーワードですが、その意は彼の制作活動の根本にある考えとリンクしています。もともと科学に興味を持ち、生物学を学んでいたユイグ氏の作品には、生物と無生物、科学と自然の境界線がなく、有機と無機が融合した精神が根づいています。「この世界は人間が中心となって文化をつくってきたが、本当に人間だけが中心なのか」。そんな問いかけを込めた「もし蛇が」なのです。ただ、そこから先は観る人それぞれの解釈に委ね、「蛇が」どうなのか、何なのかを考えてもらう。謎かけのような余韻を残すテーマです。

ミュンスター彫刻プロジェクトで元アイスリンク場を舞台に展示された、ピエール・ユイグの「これからの人生のあと」(2017) © Skulptur Projekte 2017 Photo by Ola Rindal

岡山芸術交流2019芸術祭を開くことで、地元に還元されるもの。

この芸術祭には、地元の人材育成という目的もあります。岡山の人々が自分たちの街で繰り広げられる世界的な美術にボランティアとして携わることで、芸術への経験値が上がるだけでなく、様々な考えや表現に触れ、視野を広げることができるのです。それが結果的に地元アーティストの成長や若い人の意識向上につながり、経済活性化をもたらすことが期待できます。

世界的アーティストが岡山に集まるこの秋。ぜひ足を運んで会場を散策しながら、「もし蛇が」の先に続くものについて、じっくり思案してみてはいかがでしょう。

ヤン・ヴォーによる「我ら人民は(部分)」。自由の女神を300近いパーツに分解し、原寸模刻した作品。©Dahn Vo, Courtesy of Galerie Chantal Crousel, Photo:S.U.P.C uchida shinichiro

開催期間:2019年9月27日(金)~11月24日(日)[51日間] 
休館日:月曜日(10月14日(月・祝)、11月4日(月・振替休日)は、翌日の火曜日休館)
開催場所:旧内山下小学校 岡山県天神山文化プラザ 岡山市立オリエント美術館  岡山城 林原美術館 ほか
主催:岡山芸術交流実行委員会(岡山市・公益財団法人 石川文化振興財団・岡山県)
岡山芸術交流2019 HP:https://www.okayamaartsummit.jp/2019/
写真提供:岡山芸術交流実行委員会

津軽発・話題のクラフトビールの快進撃に、リミットなし。[TSUGARU Le Bon Marché・ビーイージーブルーイング/青森県弘前市]

稼働して3年目を迎える醸造所内に立つギャレス・バーンズ氏。片手には、桜咲く春の弘前城が描かれた愛用の津軽三味線。

津軽ボンマルシェ・ビーイージーブルーイング今日も全国から人が訪れる、弘前市郊外のビール醸造所。

もしあなたが大のクラフトビール好きで、津軽を訪れる予定があるなら、伝えておきたいことがふたつあります。ひとつはちょっぴり残念なニュース、そしてもうひとつはそれを補ってあまりある素敵なニュース。まず前者は、2019年現在、津軽エリアでクラフトビールを扱う飲食店はかなり少なく、醸造所にいたっては1軒しかないということ。そして後者は、その1軒が、全国的に知られる『ビーイージーブルーイング』というユニークな醸造所であること。

『ビーイージーブルーイング』の醸造所とタップルームがあるのは、弘前市の中心部から少し離れた住宅地。それでもオープンの時間になると、次々とお客さんが訪れ賑わい始めます。「始めは、こんな場所では人が来ない、もっと繁華街じゃないとだめだとみんなに言われました。でも今は、わざわざここを目指して人が来てくれる。それも青森だけじゃない、日本のあちこちからだよ」。そう話してくれたのは、代表のギャレス・バーンズ氏。多くのクラフトビールファンから「ギャレス」と呼ばれ親しまれるアメリカ人醸造家です。

「2016年にここを始めてから、売り上げは毎年伸びていて、2019年は前年比1.7倍。周りの人たちは今、ここを見てびっくりしているはず」とバーンズ氏。「青森はいつか、ビールで有名になる」。バーンズ氏はかねてから、そんな確信を持っていたといいます。

【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

JR弘前駅からは徒歩15分以上。それでも開店後、タップルームの席は次々と埋まる。休日ともなると、そのうちの数割が県外からの訪問者だ。

常時取り換えられる12種のうち、ほとんどが自社醸造のビール。ロゴマークと社員の名前が刻まれたタップハンドルに、「チームギャレス」の絆が感じられる。

ビールは290mlで550円~、400mlで650円~と相場に比べて破格の安さ。「本当はもっと高くしたいけど、青森の人に飲んでもらいたいから」とバーンズ氏。

津軽ボンマルシェ・ビーイージーブルーイング元軍人、津軽三味線奏者、ローカルタレント。多彩な肩書の歴史とは。

バーンズ氏は、青森県ではちょっとした有名人でもあります。ローカル局で番組を持ち、津軽弁を自在にあやつるタレントとしてのキャリア、また津軽三味線奏者としてのキャリアは、醸造家のそれより長いほど。様々な肩書を持つバーンズ氏が最初に来日したのもまた意外な理由。高校卒業後に入隊した米国空軍の一員として、三沢基地に配属されたことがきっかけでした。

軍での所属は、なんと爆弾処理班。「昔から、やるんだったら難しい道を選ぶ性格」と言うバーンズ氏。数十人の希望者のうち数人しかパスしない、難関の試験を乗り越えて掴んだポストでした。「爆弾処理の仕事はすごくいい経験だった。だって19歳の自分がFBIと一緒に、来日するアメリカ大統領が泊まるホテルをチェックするんだよ。自信も得たし、技術的なこと、人生への考え方、様々なことを学んだと思います」とバーンズ氏。

22歳で退役し、日本のことをもっと知ろうと米軍の街・三沢から城下町の弘前へ。既に通信制の大学院も卒業し、軍ではそれなりの専門的ポストにもいたため、当初は1年ほどで帰国し関連組織に戻るつもりだったそうです。が、英語講師として働く傍ら津軽三味線に興味を持ち、大会に出場するほど熱中、その演奏をきっかけにテレビの仕事が来るように。元来の性格ゆえ「まだ足りない、まだやれる」と帰国を先延ばしていたバーンズ氏。4年が経つ頃に、定住を決意します。「リミット(limit)がないことをしたくなるんだよね」と言うバーンズ氏は、晴れて津軽人となったのでした。

タップルームの店名は『ギャレスのアジト』。チームギャレスの隠れ家は、店主の思惑どおり、いつ行っても美味しいビールと人々の笑顔で溢れている。

「どさゆさ」、「うだで」……呪文のようなビール名が並ぶメニュー。これらは津軽弁で、意味はそれぞれ「どさゆさ」=「どこ行くの?」「温泉だよ」。「うだで」=「すごい」。

オリジナルボトルでの持ち帰りも好評。最近ようやく都市部で浸透してきたビールの持ち帰りシステムが、津軽で受け入れられていることに驚く。

「お金を儲けて高いものを買うとか、本当に興味がなくて」と話すバーンズ氏。取材中一番いい表情を見せたのは、『ギャレスのアジト』のお客さんと話している時。

津軽ボンマルシェ・ビーイージーブルーイング醸造所実現の原点は、爆弾処理の仕事にあった!?

その後、自身で英会話教室を設立。ひとりで80名ほどの生徒を指導し経営を軌道に乗せたバーンズ氏でしたが、「やれることはやりきった」と感じて、次の段階へ進むことを決意します。それが、以前から好きだったビールの醸造でした。バーンズ氏曰く「当時はよく東京のクラフトビール専門店に飲みに行っていました。でも青森に戻って『クラフトビールを造りたい』と話しても、誰にも相手にされない。前例がないからと、銀行の融資を立て続けに断られたことも。話さえ聞いてもらえなくてつらかったね」。

しかし冒頭に書いたように、既にこのプロジェクトの成功を確信していたバーンズ氏。根底にあったのは爆弾処理の仕事で培った考え方でした。「やっぱり仕事とはいえ、爆弾を前にしたら怖いよ。でも目の前の怖いものをきちんと理解し、安全な方法で処理さえすればクリアできる。そのことがわかってから、実は世の中の全てが同じ、すごくシンプルで、難しいことは何もないと気付いたんです」とバーンズ氏は話します。

英会話教室の仕事と並行しながら、まずは1年かけて銀行を説得し融資を獲得。醸造用の機材や配管も自分で海外から取り寄せ、インターネットで調べながら、数ヵ月かけて組み立てたそうです。「数百万円かけて業者に施工を頼んでも、壊れたらどうする?また頼むしかない。でも自分で組めば仕組みがわかるから壊れても直せるし、また醸造所を作れといわれても、問題なく同じものが作れるよ(笑)」とバーンズ氏。醸造技術も、2週間ほど山梨県の『アウトサイダーブルーイング』で研修を受けた以外は、ほぼ独学。シンプルにこつこつと時間をかけ、まさに「手作り」で醸造所を築き上げたのでした。

弘前市『カフェデュボワ 上白銀店』にて。右にあるのが、青森県限定ビール「青森エール」のサーバー。県内20店舗の飲食店に卸す限定ビールだ。

2018年から始めた平川市の自社農園では、無農薬で野菜を栽培。『アジト』の料理に利用する。カスケードというアロマ系ホップも育て、収穫祭も行った。

料理のメニューは数ヵ月ごとに変わる。左は「野菜スティック 味噌マヨディップ」650円、中央は「3種の自家製ソーセージ」950円。

津軽ボンマルシェ・ビーイージーブルーイングビールを通して伝えたい、フリーな生き方がある。

完成したビールは、早くから好評に。最初は東京や大阪といった都市部で、その後一気に日本中へ広がりました。ファンの間でよく話題になるのは、『ビーイージーブルーイング』の不思議な商品名。「あずまし」(心地いい)、「けやぐ」(友達)などの津軽弁から「青森の認知度を高めたい」とバーンズ氏が命名しました。「色々言っているけど、結局は青森が好き。自分のソウルは青森県民なんです」。そう話すバーンズ氏が2019年から始めたのが、ご当地ビール「青森エール」の取り組み。もっと地元の人にクラフトビールを知ってほしいという思いから生まれた、県内20店舗の飲食店のみで提供される限定ビールです。

バーンズ氏とご近所仲間で、以前「津軽ボンマルシェ」でも紹介した『ユイットデュボワ』オーナーの井上信平氏は、「青森エール」を発売当初から提供。「クラフトビール初心者にも飲みやすい味わいでリーズナブル。彼自身が冷蔵庫を改造したサーバーも無料で貸し出してくれる。地元のために採算度外視でもの作りをする姿勢に頭が下がる思いです」と話します。

「青森は住みやすくて安全で、冬はスノーボードし放題、春は桜が最高(笑)。でも14年住んでいると、精神的に安定しない人が多いのも、所得が低いのも実感する。自分はできないと言われたことをやって、雇用と地域の名産品を作ったけれど、それを見たみんなが『やれるんだ』と真似してくれればいい」。そう話すバーンズ氏は、笑いながらこう続けました。「信頼できるスタッフがいて、全国のビールファンとつながっていて……忙しいけど、今が一番フリーで気持ちがいいね」。ひとつずつ難題をクリアしながら津軽で生きる場所を勝ち取ったその姿は、頼もしくも自然体。第二、第三のギャレスの誕生が、今から待ち遠しくなりました。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

『アジト』に飾られている岩木山の絵には「Be Easy」の文字。社名であると同時に、バーンズ氏の生き方そのものを示す言葉だ。

妻、娘と暮らす自宅から自社農園までは、車で数分の距離。田んぼと畑に囲まれた一帯は、バーンズ氏が毎朝犬と歩くお気に入りの散歩道でもある。

住所:青森県弘前市松ヶ枝5-7-9  (2F「ギャレスのアジト」) MAP
電話:0172-78-1222
ビーイージーブルーイング HP:https://m.beeasybrewing.com/

アートラバーが世界から集う”聖地”。縄文文化の歴史をリスペクトした北川原温の傑作建築に身を委ねる。[ホテルキーフォレスト北杜/山梨県北杜市]

ホテルキーフォレスト北杜OVERVIEW

中央高速道路の小淵沢インターを降りて、クルマで5分ほどの距離にそのホテルはあります。東京からクルマや電車でも2時間あまり。これまで紹介して来たホテルの中でも、抜群に便利なロケーションであることは間違いありません。小淵沢から清里方面に抜ける幹線道路に面するこの奇抜な建物を見て、ホテルだと想像する人はあまりいないかもしれません。「ここはどんな施設なんですか?」と、わざわざ立ち寄る人も多いのだそうです。

その名は「ホテルキーフォレスト北杜」。小淵沢アートヴィレッジと総称される複合施設の迎賓館的存在として2015年に開業されました。広大な敷地を誇るホテルの隣には「中村キース・ヘリング美術館」という、世界でも類を見ないアメリカの現代アートを代表する人物のプライベートミュージアムもあります。その名を冠する館長の中村和男氏は、キース・ヘリング作品の世界的なコレクターとしても知られる実業家です。中村氏は、生まれ育った山梨県への恩返しという意味も込めて、一代で小淵沢アートヴィレッジを作り上げて来ました。

その情熱は、ホテルキーフォレスト北杜にも余すところなく注がれています。このホテルを設計したのは、現代日本を代表する建築家の一人である北川原温氏。デザインのコンセプトは、大自然とアートとの調和。山梨県一帯は縄文時代中期には、日本の中心として栄えていたのだそう。縄文時代の土偶の1割以上が、山梨から出土されており、国宝指定された5体のうち2体が山梨県で発見されたことからもその歴史が伺えます。中村オーナーと北川原氏の二人三脚で生み出された建築物のデザインは、縄文文化からインスパイアされたものだと言います。豊かな自然の中に不思議と調和しているコンクリート造りのホテルの魅力をたっぷりとお伝えしたいと思います。

住所:〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町10248-16 MAP
電話:0551-36-8755
ホテルキーフォレスト北杜  HP:https://www.kob-art.com/facility/

カウンターでレモンを1杯、が尾道の旅のスタンダードになる?[HOK STAND/広島県尾道市]

商店街の端に突如現れるスタイリッシュな空間。

ホック スタンドレトロな商店街に登場したのは、カフェ? バー?

尾道駅から国宝浄土寺に向かって1.2kmほど続く尾道本通り商店街。尾道市街を東西に貫く、ゆったりとした空気が流れるレトロな雰囲気の街並みです。銭湯や喫茶店、呉服店などが軒を連ねる通り沿いに、黒いファサードが目を引くスタイリッシュな店舗が現れます。ここは、6月30日にオープンした「HOK STAND」。瀬戸内レモンを使ったレモネードが楽しめるレモネードスタンドという、この界隈では珍しいお店です。

店内は、120年前の素材を生かしつつもインダストリアルな空間に。

ホック スタンド地元が誇る食材+デザインの力で街を元気に。

オーナーは尾道出身のグラフィックデザイナー櫻武千彰氏。高校卒業後は専門学校の進学とともに上京し、アパレルブランド「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」でデザインを担当するなど幅広く活躍していました。2013年の独立後、東京や横浜を拠点としながら「大好きな尾道で、地元食材とデザインで地元を活性化したい」という思いとともに、尾道にも事務所を構えました。商品ブランディングの相談に乗るなど、東京で見てきたものや経験したことを生かして、街をクリエイティブ面から元気にしようと活動。東京ではレモネードのブームが来ていましたが、「せっかくレモンの産地なのだから、その美味しさを伝える専門店を作ろう」とこのお店をオープン。観光客が尾道のレモンの魅力を知り、街の人も新しい文化を感じられる空間を目指しました。

櫻武氏がパッケージデザインを手がけた商品。他にもロゴデザインなど多数。

ホック スタンド古民家をリノベーション。新旧が交差する温かな空間。

建物は1894年(明治27年)築の古い商店をリノベーション。内装は「ユナイテッドアローズ」などの店舗デザインを手がけるSMALL CLONEの佐々木一也氏が担当しました。柱や梁などもともとの建材を生かしながらも、カウンターにはベルギーの旧邸館で使われていたアンティークパネルを用いるなど和と洋の素材を調和させ、木のぬくもりがありつつ現代的な店舗に仕上げました。

アンティークパネルの裏側を使ったカウンター。明治期の古民家にしっくりくる。

ホック スタンド農家のレモンに込めた想いも余すところなく、大事に搾って。

メニューは実にシンプルで、レモネードの他、コーヒーとビールのみ。ですが、このレモネードこそ櫻武氏が渾身の力を注いだ看板メニューなのです。使っているのは尾道市の向島(むかいしま)や瀬戸田の農家から直接仕入れるノンワックスの瀬戸内レモン。温暖な気候とたっぷりの太陽で育つ瀬戸内レモンは、他の産地のレモンに比べて香りが良く味に丸みがあるのが特徴です。何より、Non-wax (ノンワックス)、Non-GMO(遺伝子組み換えではない)が最大のポイント。その果汁に、複数の砂糖を配合した特製シロップとスパイスを加え、甘みを抑えてレモンの風味を最大限に生かしたオリジナルの味わいに。農家の丁寧な手仕事を大事にし、地場産品に誇りを持ち、その価値を地元の人や全国から訪れる観光客に伝える1杯です。

カップのデザインは櫻武氏が担当。テイクアウトもイートインも可。

ホック スタンドレモンの味とともに、こんなお土産もいかが?

ベーシックな「尾道レモネード」の他、ピリッと生姜が利いた「ジンジャーレモネード」、キウイの角切りが入った「キウイレモネード」など、レモネードにはバリエーションがあります。いずれも炭酸、水、お湯など割り方を選ぶことが可能です。またコーヒーは櫻武氏が東京で実際に飲んで吟味した「ONIBUS COFFEE」の豆を丁寧にハンドドリップで淹れます。

また、カップやショップカードの洗練されたデザインにも櫻武氏のセンスが表れています。スタッフが着用しているエプロンは「DRESSSEN」に特別注文したもの。店内でお土産として販売されています。

レモンの産地で味わう本格的なレモネード。尾道散策のおともや休憩の際に、ぜひ一度味わってみてください。

オーナーが好きな「When life gives you lemons, make lemonade」(災い転じて福となす)の言葉が入ったエプロン。販売も行っている。

住所:広島県尾道市久保1-2-24 MAP
電話:0848-29-9527
営業時間:11:00–17:00 
休日:木曜
料金:尾道レモネード450円、ジンジャーレモネード550円、キウイレモネード550円他
HOK STAND  HP:https://www.hokstand.com/
写真提供:HOK STAND

アートを通じ土地の魅力を再発見する「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019夏 開催。[「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏/新潟県十日町市]

マ・ヤンソン/MADアーキテクツ『Tunnel of Light』は、2018年に開催された第7回展を代表する作品。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏越後妻有発世界へ。世界的アートイベントに成長した地域芸術祭の企画展。

8月10日から9日間、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の通年プログラム、『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』が開催されます。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年より3年に一度開催されている地域芸術祭の先駆けにして、世界最大級の国際芸術祭。舞台となるのは新潟県十日町市、津南町にまたがる広大な地域で、里山に200点もの作品が点在しています。トリエンナーレの合間の年に開催されてきた通年プログラム。今夏は、空き家や廃校作品を含む15作品を会期中限定で公開。常設の野外作品と併せて楽しめるほか、さまざまなイベント、オフィシャルガイド付きのツアーなども開催されます。

日本有数の豪雪地帯で、過疎高齢化が進む地域をアートで再生しようとスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。今や世界最大級の国際芸術祭として国内外から来場者を集め、7回目にあたる2018年は約54万人を動員しました。この成功例は、全国の自治体やアート関係者を刺激し、2010年に第1回が開催された「瀬戸内国際芸術祭」をはじめ、全国各地に地域芸術祭の文化を根付かせてきました。総合ディレクターの北川フラム氏は、次のように語ります。

内海昭子『たくさんの失われた窓のために』。屋外の大きな窓枠を通じ、越後妻有の里山の風景の美しさを再発見できる。

イリヤ&エミリア・カバコフ『棚田』。稲作の情景を読んだ詩を、棚田の風景に重ねた彫刻作品。

日本のアートシーンと地方創生のあり方を変えてきた総合ディレクターの北川フラム氏。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏アートを通じ、土地の自然、歴史、文化に触れる。

「ここでのアートは大地をキャンバスに創られる、越後妻有という土地の表現。作品を見ることを通じ、土地の背景や自然環境、文化や歴史が見えてくる。アートという仕掛けを通じ、都市にはない面白さが田舎にあることに多くの人が気付いたんですよね。作家も、来場者も、そして地元の人たちも。現在、飛び抜けたコンテンツのない日本のアート業界を、芸術祭が牽引している状況。現代美術のファンは増え続け、シーンを活性化している。インバウンドの唯一の成功例ともいわれています。現在、中国をはじめとしたアジア諸国も本格的な取り組みを始めているところです」

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のもうひとつ大きな特徴に、第1回目の開始時から、地域の食にフォーカスしてきたことにあります。豊かな自然が大地の恵みをふんだんにもたらしてくれる一方で、雪に覆われた長い冬を過ごすことを余儀なくされた土地。地域で親しまれてきた料理には、自然が色濃く映し出され、暮らす人々の知恵が詰まっています。

「食はものすごく重要なコンテンツのひとつ。なぜならば食文化は土地と分かちがたく結びついているから。来場者アンケートを見ても、満足した点として“地元の食事が食べられた”と答えている人はとても多い」

棚田米の新米でつくるおにぎりのおいしさ。水がいい場所で食べるへぎそばの本物の味。春の山菜に、さまざまな野菜でつくられる漬物。「郷土の味」「家庭の味」を地域の資産として価値化する試みにおいても先駆的で、その流れは地域芸術祭とセットで、あるいは単独で各地方へ広がりつつあります。『越後まつだい里山食堂』や『うぶすなの家』、『Hachi Café』など6軒のカフェ&レストランで提供される食事も、今や、アート作品同様に「大地の芸術祭」の里の重要なコンテンツになっていて、もちろん『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』期間中も味わうことができます。

『農舞台』2階にある『越後まつだい里山食堂』では地産の野菜を使ったランチをブッフェスタイルで楽しめる。

『越後まつだい里山食堂』のランチの一例。野菜の煮びたし、ひじきや山菜の煮物、漬物、ライスコロッケなど。ランチブッフェは11:00~14:00。(水休、8/14は営業)

種子を包み込んだ薄い鉛の板で描かれた「種子の周囲に」。河口龍夫の1990年から1993年にかけての作品。

体育館棟に展示された河口のインスタレーション作品。水をたたえた黄色い蜜蝋が塗られたボウルが北極星、北斗七星の位置に配置された「関係-地上の星座・北斗七星」などダイナミックな作品が多い。

「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏企画展、会期中限定公開作品で、現代美術の世界の今を体感。

『「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏』の目玉のひとつが、磯部行久記念 越後妻有清津倉庫美術館[SoKo]で開催される企画展『河口龍夫 - 時の羅針盤』です。日本を代表する現代美術作家として50年来、第一線で活躍する河口は、北川フラム氏とも親交が深く、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」には第1回目から参加している越後妻有の里を代表するアーティストの一人。物質と人間や時間との「関係」をテーマにした作品は絵画からインスタレーションまで多岐に渡り、今回の企画展では60年代の作品から代表作まで約60作品を見ることができます。

会期中限定の作品として注目したいのがクリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの『最後の教室』。廃校となった旧東川小学校を利用し、2006年に完成したこの作品は、世界的アーティストの日本における代表作として知られています。床に稲藁が敷き詰められたほの暗い体育館、心臓音が響く教室、かつての生徒たちの持ち物が展示されたロッカーなど、場の「記憶」を空間の中に閉じ込めた作品。2018年に新たなインスタレーション『影の劇場~愉快なゆうれい達~』も加わり、アートファンの関心を集め続けています。

もうひとつが、塩田千春の『家の記憶』。2階建ての古民家を一軒使ったインスタレーションで、天井から屋根裏まで黒い毛糸を張り巡らせ、その中に地域の人々から集めた衣類や家財道具などを閉じ込めました。
現在、六本木の森美術館で、塩田の過去最大の個展「魂がふるえる」が開催中ですが、2009年に完成した『家の記憶』は、ベルリンを拠点に活動する塩田の日本国内での知名度を飛躍的高めたという意味で注目すべき作品です。奇しくも、新国立美術館ではクリスチャン・ボルタンスキーの大回顧展「Lifetime」が開催中。併せて楽しむ、またとないチャンスです。

ほかにも絵本作家・田島征三が集落の人々とともにつくった恒久作品『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』では、創立10周年記念企画展が、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]のレアンドロ・エルリッヒ作品の周りでは「水あそび博覧会」が開催されるなど、重要な作品を会場にした企画展、体験型イベントなども目白押し。

訪れる季節ごとに、あるいはその日の気候や時間帯でも見え方が変わり、都度、発見があるのがサイトスペシフィックアートの魅力。棚田も山の緑も濃い緑に輝く夏の越後妻有を舞台にしたアートを巡る特別な9日間が、間もなく幕を開けます。

床に干した稲藁が敷き詰めてあり、多数の電球と扇風機が配された『最後の教室』の体育館。

『影の劇場~愉快なゆうれい達~』。コウモリや骸骨、天使など、生死の間にあるものたちが浮かび上がる。

塩田千春『家の記憶』。過疎化する集落で空き家や廃校を使った作品は、「大地の芸術祭」の里ならではの作品。

『家の記憶』。地域の人々から要らなくなったものを集め、モノに染みこんだ記憶を空き家空間に編み込んだ。

水面に映る景色をプールの床に描いたレアンドロ・エルリッヒの『Palimpsest:空の池』。

会期:2019年8月10日~18日
会場:新潟県十日町市、津南町
問い合わせ:025-761-7767 (「大地の芸術祭の里」総合案内所)
「大地の芸術祭」の里 越後妻有2019年夏 HP:http://www.echigo-tsumari.jp/

@1218718 瑞恵

うるちぃー誕生日おめでとう🎉🎈🎉御座います身体が締まったね!暑さに負けるな!明治大学体育会競走部様ありがとうございます😊

2019年夏季休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、下記期間を夏季休業とさせていただきます。

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2019年8月11日(日)~15日(木)まで
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※ 2019年8月16日(金)より、通常業務を開始します。
※ 休暇中のお問い合わせにつきましては、2019年8月16日(金)以降に対応させていただきます。

大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

母なる山に導かれて。津軽の人気ハンバーガー店が紡ぐ、奇跡のストーリー。[TSUGARU Le Bon Marché・ユイットデュボワ 八幡崎店/青森県平川市]

『ユイットデュボワ 八幡崎店』店内、自身が描いた作品の前に座る井上信平氏。絵の持つ力強さが、空間に明るさをもたらす。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワ材料はほぼ青森県産。毎日でも食べたい「田舎のハンバーガー」。

「『デュボワ』のハンバーガー食べた? めちゃくちゃ旨いよ」。私たち取材班にそう教えてくれたのは、2018年取材した『弘前シードル工房 kimori』の代表・高橋哲史氏。その後、私たちは津軽のあちこちでその店の名前を聞くことになりました。「他にはない味わいにハマった」、「オーナーのこだわりがすごい」。多くの人がそう絶賛するハンバーガーとはいったいどんなものなのでしょうか? 対面すべく向かった先は、弘前市中心部から車で15分ほどの平川市。田んぼが広がるのどかな景色の中、突然こじゃれたカフェが姿を現したのです。

ここ『ユイットデュボワ 八幡崎店』は、弘前市にある『カフェデュボワ 上白銀店』の姉妹店として、2019年2月にオープンしたばかり。青森県産牛100%のパティや青森県産の野菜、弘前市内のパン店に特別に注文したバンズを使用するなど、とことん「青森」にこだわったグルメバーガーの美味しさで、既に根強いファンを持っています。「グルメバーガーといっても、東京の人気店で出すようなリッチなタイプとは違うんです」と話すのは、オーナーの井上信平氏。曰く「目指すのは、僕がアメリカの地方都市に住んでいた頃毎日のように食べていた“田舎のハンバーガー”。シンプルであっさりしているから、もの足りないという人もいます。でもひとつ食べたら『しばらくいいや』と思うようなハンバーガーより、健康的だしホッとできる。食が細い人も、うちのハンバーガーはぺろっと食べてしまいますよ」。

津軽エリア内に2店舗を経営し、地元産食材にこだわる井上氏ですが、生まれも育ちも兵庫県の関西人。実はデザイン事務所の代表を務め、画家という顔も持っています。井上氏がなぜ津軽へ移り住み、活動を続けているのか。その話こそが、今回の記事のドラマチックな主題です。

【関連記事】TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

平川市は「気の流れがいい」と話す井上氏。店舗の2階は自身が運営するデザイン会社に。社名の『0172』は一帯の市外局番から拝借したそう。

青森県産牛の赤身肉の風味を生かすため、味付けは潔く塩・こしょうのみ。平川市の店では炭火でパティを焼くが、炭も香りがよく長持ちする近隣の大鰐町(おおわにまち)産を使う。

「濃厚プレミアムチーズバーガー」1,280円。それぞれの食材の味がしっかりと伝わってくる、記憶に残る美味しさだ。特別注文のバンズはイーストフード不使用。

店内で飲める他、ボトル販売も行う「自家製ジンジャーエール」(右)と青森県産カシス使用の「自家製カシスジンジャーエール」(左)。井上氏の奥様がレシピを開発。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワきっかけは、津軽の情熱的な色彩。夢をかなえるため北国へ。

井上氏が津軽と出合ったきっかけは、意外にも海外での出来事でした。高校卒業後、デザインを学ぶためアメリカに留学した井上氏。当時のアメリカはインターネット黎明期、とにかく色々なものをインターネットで検索するうちに、たまたま見つけた青森ねぶた祭の写真に衝撃を受けたといいます。「こんなにカラフルで独特な色合いが生まれる場所には、いったいどんな文化があるんだろう、いつか住みたいと青森に憧れを持ちました」と井上氏。しかし帰国後は地元企業に就職、結婚し子供にも恵まれ、いつしか年齢は20代後半に。「中学生の頃の夢は人間国宝(笑)。それはまだしも、20歳になってから決めた『青森に住む』という夢さえかなえていない。ふと、それまで何も成し遂げていない自分が嫌になったんです」と井上氏は話します。

そうして井上氏は一念発起し、津軽移住を決意。印刷会社のデザイン部門に就職が決まり、家族で弘前市へやってきた27歳の時、井上氏の人生に影響を及ぼすもうひとつの出合いがありました。「道の駅の駐車場に車を停めて視線を上げたら、大きな岩木山がドーン!と見えて。不思議と『ようこそ』と言われた気がしたんです。その瞬間、自分はずっとこの山に会いたかったんだと確信しました」と井上氏。

苦節8年、ようやく独立しデザイン会社を設立。そんなある日、井上氏は岩木山の絵を描き始めます。時に激しいエネルギーを感じさせる原色で、時に優しげな淡い色調で、自分の中の岩木山を無心に描く……。まるでミューズを見つけたアーティストのように創作意欲を爆発させた井上氏は、やがて岩木山だけを描く画家としても知られるようになります。

平川市某所にある井上氏のアトリエには、大小様々な岩木山の絵が。先入観を持たずありのままに絵を感じてほしいと、全てタイトルはつけていない。

「店ではニコニコしているけど、普段は眉間にしわが寄ってます(笑)。仕事でも店のメニューでも『次はどうやってみんなを驚かせよう』って考えちゃって」と井上氏。

「自分はこの山に呼ばれて津軽に来た」。井上氏が直感的にそう直感したという岩木山は、津軽の人々の心の拠り所。今も山岳信仰の対象として知られる霊峰だ。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワハンバーガーも絵も自己表現。表現の仕方を津軽が教えてくれた。

「それまではいくら絵を勉強したところで、絵が楽しいとも、自分から描きたいとも思えなかった。でも岩木山を描き始めたら気持ちががらりと変わって、とにかく描きたい時に描きたいだけ、作品を作るようになりました」。そう語る井上氏が、初めてのハンバーガー店『カフェデュボワ』をオープンしたのは2015年、移住から13年目のこと。長年広告デザインの仕事に携わる中、自分が店を経営すれば、より依頼者の気持ちに寄り添うことができると考えたのがその理由です。「例えば八百屋の店主が『旨い野菜を作っても売れない』と悩んでいたら、解決方法を一緒に考えるのがデザインの仕事。だったら自分が毎日食べ歩くほど好きだったハンバーガーでそれをやろうと思って」と井上氏。

デザインの仕事を生かす場として始めたハンバーガー店ですが、店作りの方向性や提供するハンバーガーについては「絵と同じ、自己表現」なのだと井上氏。「おかげさまで今は、絵を買いたいと言ってくださる方がたくさんいます。それって、『僕の捉える岩木山はこうですよ』という表現が、受け入れてもらえているということ。ハンバーガーも、4年も店が続いているのは、『僕はこういう食べものが好きなんです。あなたはどう?』という投げかけに、賛同してくれる人がいるからだと思っています」と続けます。

「津軽に来てわかったのは、感じたことをそのまま表現するのが大切だということ。住みたい所に住めばいいし、絵が描きたいなら描けばいい。なんだか、津軽に来てからすっかりスピリチュアルな感じになっちゃって(笑)。今、僕のライフワーク自体が自己表現なんです」。そう言い切る井上氏。津軽の地と岩木山に導かれ感性を開花させた井上氏には、少しの迷いも見えません。

最近は『ユイットデュボワ 八幡崎店』の横の空き地で、自然農法の畑もスタート。自家栽培の野菜を使ったメニューの提供も視野に入れ、目下農業を勉強中とか。

弘前市にある1号店の『カフェデュボワ』は、2017年、同じ弘前市内に移転。市役所や弘前公園に近いビルの2階で『カフェデュボワ上白銀店』として営業している。

『カフェデュボワ 上白銀店』店内。店の入り口脇では、近所の福祉施設から届く朝採れ野菜やジャムなどの加工品の販売スペースも。

津軽ボンマルシェ・ユイットデュボワ津軽に暮らし続けたい。その想いが地域貢献につながる。

ライフワーク=自己表現と語る井上氏ですが、その裏には常にひとつのテーマがあります。それが「青森の発展に寄与する」こと。青森県産食材を使うこともそのひとつですが、例えば『デュボワ』の2店舗では、働き口を見つけづらい子育て中の母親を積極的に採用。子持ちスタッフが多いことを考慮して夜営業は予約のみで受けつけるなど、働きやすい環境を整えています。また代表を務めるデザイン会社は、若手クリエイターの受け皿に。「働く場所があれば他県への人口流出も防げますし、県外からの移住者を助けることもできる。経営規模を大きくすることが、自分ができる地域貢献だと思います」と井上氏。

2019年『ユイットデュボワ 八幡崎店』を郊外の平川市に作ったのは、自身が弘前市から平川市に引っ越したことがきっかけ。もともと近所同士のつながりが非常に強い地域のため、「若い人を含め、もっと人が行き交える場所を」と2号店の出店を決意したそうです。オープン時には地元の人たちを招待し、今ではハンバーガーを楽しみに通う70代の常連客を持つなど、地域に愛される店となってきました。
地域に根差した理由を聞くと、「津軽の人口が減少して街がなくなるようなことになったら、岩木山のそばに住めなくなるじゃないですか」と笑う井上氏。しかし、その根底には、自身の生き方を変えてしまうほど強いエネルギーを持った、津軽への並々ならぬ愛情が感じられます。1枚の青森ねぶた祭の写真から動き出した、井上氏と津軽を巡る物語。画家活動、ハンバーガー店経営、そしてその次は? 岩木山に導かれ、勢いが止まりそうもない井上氏のこと、今後ますます肩書を増やしながら活躍を続けるに違いありません。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

チラシやポスター、ウェブデザインなどの制作を請け負う会社『0172』のオフィスで、若手スタッフと談笑。畑の作業も、スタッフみんなで行っているそう。

地元の小学校などで絵の講師も務め、「いつか津軽に美術学校を開きたい」と語る井上氏。「感じたまま描こう」と教える教室では、子どもたちの自由な感性が羽ばたく。

住所:青森県平川市八幡崎松枝42-1 MAP
電話:0172-40-2838
ユイットデュボワ 八幡崎店 HP:https://8dubois.com/

住所:青森県弘前市上白銀町1-10 MAP
電話:0172-88-6812
カフェデュボワ 上白銀店 HP:http://dubois-cafe.com/

『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』販売開始! [DINING OUT WAJIMA with LEXUS/石川県輪島市]

ダイニングアウト輪島

来る2019年10月5日(土)、6日(日)に「DINING OUT WAJIMA with LEXUS」を石川県輪島市にて開催します。

輪島市内中心部から車で約20分の場所に広がる棚田「白米千枚田」は、エリア屈指の景勝地。

ダイニングアウト輪島自然と共に生き、漆文化を大成させた地・輪島とは。

今回の『DINING OUT』の舞台は、日本海に突き出した能登半島北部に位置する、石川県輪島市です。門前町から続くのは、実り豊かに育まれた美しい棚田や海岸線に、のどかな里山や里海の景色。ここには、誰もが懐かしさを感じずにはいられない、人と自然が共生する日本の原風景が大切に残されているのです。また、曹洞宗大本山總持寺祖院をはじめ、多くの神社仏閣が点在。今なお、人々の暮らしに密接して存在しています。

そして、この地を代表する伝統工芸といえば、言わずと知れた「輪島塗」。漆器のことを英語では「japan」とも訳されます。陶磁器を「china」と呼ぶのと同様に、国名と同じ名をもつ漆器は、まさに日本を代表する伝統工芸品です。16世紀後半、日本に渡来したヨーロッパ人は、神社仏閣の建築装飾から日常生活の調度品に至るまで、日々の暮らしの中に漆芸品が溢れている様を見て、「この国は漆を精神の拠り所としている漆文化の国(japan)」と認識したそう。そんな日本の中でも輪島は、最も高度かつ広汎に漆文化が花開いた舞台なのです。

では、つい最近まで、日本人の生活文化に根づいていた、日本人が愛していた漆文化とは、一体何なのか? なぜ、輪島に最大の漆文化が花開いたのか? その答えを辿った先には、輪島スタイルともいえる、自然とアートと生活を融合させる感性がありました。

今回の『DINING OUT』は、そんな輪島という土地で、「漆文化の国(japan)の精神の源流を紐解き、真の豊かさを探る」というテーマをかかげ、開催します。

トータルで124にも及ぶ細かい工程を経て作られる「輪島塗」の漆器。

ダイニングアウト輪島史上初のダブルシェフ&ダブルホスト! 豪華メンバーが共演

今回の料理では、『DINING OUT』史上初の試み、ふたりのシェフのコラボレーションが実現します。
ひとり目は、東京・西麻布「AZUR et MASA UEKI」の植木将仁シェフ。日本の優れた食材をフランス料理の技法で調理する「和魂洋才」をコンセプトにした、オリジナリティ溢れる料理で定評があります。石川県の出身であり、能登半島の食材の知識も豊富です。

ふたり目は、ジョシュア・スキーンズ氏。2009年に熾火料理を主としたスタイルの「Saison」をオープン。最高品質の食材への追求とその革新的な調理法で注目を浴び、熾火料理では唯一ミシュランの3つ星を獲得。現在は、ローレント・グラス氏に「Saison」を引き継ぎ、更なる革新の為 「Saison Hospitality」を設立。さらなる革新の為のラボ「Skenes Ranch」、シーフードコンセプトの「Angler」などをオープン。今、世界が最も注目するシェフの一人です。

一方、ホスト役も2名がスタンバイ。ディナーホストを務めるのは、『DINING OUT』ではおなじみ、7回目の登場となるコラムニストの中村孝則氏。ツアーホストには、東洋文化研究家のアレックス・カー氏を迎えます。

東京・西麻布「AZUR et MASA UEKI」の植木将仁シェフと、ジョシュア・スキーンズシェフ。

ディナーホストは『DINING OUT』ではおなじみ、コラムニストの中村孝則氏。ツアーホストは東洋文化研究家のアレックス・カー氏が務める。

ダイニングアウト輪島「輪島塗」の歴史を塗り替えるプロジェクト『DESIGNING OUT Vol.2』も共に。

そして、今回は更なるサプライズをご用意。「輪島塗」に新たな息吹をもたらすプロジェクト『DESIGNING OUT Vol.2』も同時開催します。

『DESIGNING OUT』とは、『ONESTORY』と雑誌『Discover Japan』、そして地域に知見のあるクリエイターがチームを組み、地場産業や伝統工芸に焦点を当てたモノ作りを行うことで、地域の価値を再発見するプロジェクト。その土地の文化や自然、歴史などを積極的に取り入れた、新しいプロダクトを開発、発信します。
DESIGNING OUT Vol.1』では、創業400年という有田焼の歴史とその起源を回顧。有田、伊万里、唐津の3地域より、13名の窯元・作家が集い、12のスペシャルな器を作り上げました。

そして今回、『DESIGNING OUT Vol.2』が始動。クリエイティブプロデューサーとして、新国立競技場のデザインを手がけたことも記憶に新しい、世界的な建築家である隈研吾氏を迎えてお送りします。
隈氏と輪島塗職人が共に開発する、新しい輪島漆器とは? 植木シェフとジョシュアシェフのコラボレーション料理が盛り付けられることで完成するその全貌を、ぜひ究極のダイニングで確かめてください。

また、『DINING OUT』をサポートし続ける『LEXUS』は、その日その時しか経験できない唯一無二の体験に共感し、『LEXUS』車による送迎とドライビングプログラムを提供。美しい棚田や海岸線、門前町や里山など、日本の原風景が残る輪島を、『LEXUS』とともにご体験ください。

今だかつてない豪華メンバーを結集させた『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』。どうぞご期待ください。

『DESIGNING OUT WAJIMA』のクリエイティブプロデューサーを務める隈研吾氏。

今回もフラッグシップモデルLSをはじめとしたLEXUSがゲストの送迎に登場する。

開催日程:2019年10月5日(土)、6日(日) ※2日程限定
募集人数: 各日程40名、計80名限定
開催地:石川県輪島市
出演 : 料理人 植木 将仁 (AZUR et MASA UEKI) × ジョシュア・スキーンズ (Chef/Founder)
        ホスト 中村 孝則(コラムニスト) × アレックス・カー(東洋文化研究家)
オフィシャルパートナー:LEXUS (https://lexus.jp/brand/dining_out/
オフィシャルサポーター:輪島市、わじまFUNCS、輪島漆器商工業協同組合(DESIGNING OUT)

1967年石川県金沢出身。1990年より渡仏し、南フランスの四ツ星ホテル『ホテル ル デュロス』をはじめ、フランスやイタリアで3年間に渡り料理の研鑽を積む。帰国後、1993年『代官山タブローズ』スーシェフを経て、1998年『白金ステラート』オープンと共にシェフに就任。2000年に独立後、青山に『RESTAURANT J』をオープンした。2007年からは軽井沢『MASAA’s』『RESTAURANT & BAR J』を経て、2017年には株式会社マッシュフーズとともに同店をオープン。日本の伝統的な食材や伝統文化を探求しながら自身の料理に落とし込み発信することで、オープンから間もなくして注目を集め、高い評価を得ている。
http://www.restaurant-azur.com/

2006年、『Saison』のコンセプトを産み出し、2009年にサンフランシスコにて1号店をオープン。
熾火料理を主とした料理スタイルで食材の自然のあるべき姿を尊重しながら、最高品質の食材への追求とその革新的な調理法で注目を浴び,アメリカ人として熾火料理で唯一ミシュランの3つ星を獲得。「the world’s 50 best restaurant」、「Food & Wine’s 」のベストニューシェフ、「Elite Traveler Magazine’s」の次の世代を担う最も影響力のあるシェフ15名にも選出される。2016年、更なるイノベーションの促進と成長のプラットフォームを提供するために、『Saison Hospitality』 を設立。2017年には想いをLaurent Gras氏に引き継ぎ『Saison』の現場から完全に身を引き、さらなる革新と研究のラボラトリーとして『Skenes Ranch』を設立。同年、サンフランシスコ沿岸に Skenesの海に馳せる想いを込めた『Angler』をオープンさせると、 2018年 Esquire Magazineにて全米のベストニューレストラン、GQにおいても全米ベストニューレストランに選出され、ミシュラン一つ星を獲得。2019年にはビバリーヒルズに『Angler』 の2号店をオープン。今、世界が最も注目する料理人の一人である。

神奈川県葉山生まれ。ファッションやカルチャー、グルメ、旅やホテルなど、ラグジュアリー・ライフをテーマに、雑誌や新聞、TVにて活躍中。2007年に、フランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を授勲。2010年には、スペインよりカヴァ騎士の称号も授勲した。(カヴァはスペインのスパークリングワインの呼称) 2013年からは、世界のレストランの人気ランキングを決める「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務める。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。
http://www.dandy-nakamura.com/

1952年アメリカで生まれ、1964年に初来日。イエール、オックスフォード両大学で日本学と中国学を専攻。1973年に徳島県東祖谷で茅葺き屋根の民家(屋号=ちいおり)を購入し、その後茅の吹き替え等を通して、地域の活性化に取り組む。1977年から京都府亀岡市に在住し、ちいおり有限会社設立。執筆、講演、コンサルティング等を開始した。1993年、著書『美しき日本の残像』(新潮社刊)が、外国人初の新潮学芸賞を受賞。2005年には徳島県三好市祖谷にて、NPO法人ちいおりトラストを共同で設立。2014年『ニッポン景観論』(集英社)を執筆。現在は、全国各地で地域活性化のコンサルティングを行っている。

爽やかモニュメント



こんにちはハイビスカス

8月に入りムワッっとした暑い日が
続いてますね(´×ω×`)💦


こんな季節だからこそ、
目に入る景色は
涼しげなものがいいですよねキラキラ


と、いうわけで!
デニムストリート通路の
インスタ映えスポットに新たに
爽やかな水玉が加わりましたブルーハーツ



チラ見せっ!


デニムカラーの可愛い水玉の前で
思い出の1枚撮って帰ってくださいねキラキラ



最近本当に暑いので、

美観地区にお越しの際には
熱中症対策などしっかりして
ご旅行を楽しんでくださいねウインク晴れ




打ち上げ花火で終わらないために。祭りのあとの浅虫に、遺されたもの、変わったこと。[DINIG OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS/青森県青森市]

陸奥湾に浮かぶ湯の島を中心に、さまざまな魅力を持つ浅虫温泉。その価値の再発見こそが、この『DINING OUT』の使命。

ダイニングアウト青森浅虫課題も抱える北の温泉街、その変化と今後の目標とは。

2019年7月に開催された『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』。青森の豊かな海の幸を、魚介フレンチのスペシャリト・目黒浩太郎シェフが類まれなセンスで伝えた2夜限りの晩餐は、いつまでも鳴り止まぬ拍手とともに幕を下ろしました。

もちろんこの成功は、目黒シェフの料理だけではなく、青森の食材や浅虫温泉という土地の魅力、地元スタッフの連携などさまざまな要素の結果。そして終演後、誇りに満ちた晴れやかな顔の地元スタッフを見るにつけ、この『DINING OUT』がひとときの盛り上がりではなく、地元を変える第一歩となるであろうことを確信するのです。

そう、『DINING OUT』の理念は、地域に眠る魅力を掘り起こし、そこに新たな価値を創出すること。晩餐の終盤に陸奥湾に上がった打ち上げ花火のようにただ消えていくのではなく、今後も継続的に地元が発展する、そのきっかけとなることを目指しているのです。

地元住民の熱意はあるものの、全国の多くの温泉地と同様に、数々の課題も抱える浅虫温泉。では今回の『DINING OUT』は浅虫に何を残し、浅虫はどう変わっていくのでしょうか? 

【関連記事】DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS 

イベント当日だけではなく、その後の変化もあっての『DINING OUT』。目黒シェフもその思いを地元に伝えた。

ダイニングアウト青森浅虫地域に根付いた見えざる絆。それこそが最大の収穫。

浅虫温泉は、陸奥湾に沿って弓状に伸びる海岸線に10軒ほどの温泉旅館が連なる小さな温泉街。しかし娯楽施設や土産物売り場を併設した大型の旅館が多く、別の旅館で働くスタッフ同士の繋がりは生まれにくい状況でした。

しかし、『DINING OUT』に参加し、同じ目標に向けて邁進したスタッフ同士は、もはや仲間。サービススタッフとして参加したある旅館の番頭さんは「顔は知っているけど話したことがない方々と知り合うことができました。これは街の活気に繋がる財産だと思います」と話しました。キッチンスタッフとして腕を振るった板前さんも「料理人同士で意見交換できるようになったことが、想像以上の収穫です」と言います。

過去の『DINING OUT』においても、この“参加した地元スタッフの交流”が大きな効果を生んでいます。なかには知り合ったスタッフ同士が声を上げ、地元だけの力で行う野外レストランイベントが開催されることも。数夜限りの『DINING OUT』ですが、そこで生まれた絆は、変わることなく地元に残されるものなのでしょう。

時間とともに表情に自信が見えたサービススタッフ。シェフもその姿を見守った。

ひとつの目標に邁進したこれほどの仲間がいることが、浅虫の今後の力になる。

各旅館の料理人たちも厨房スタッフとして参加し、互いに認めあった。

ダイニングアウト青森浅虫晩餐の会場を、今後も続く新たな観光名所に。

今回の『DINING OUT』が残したものは、目に見えないスタッフの絆ばかりではありませんでした。形として浅虫に残り、これからも続くもの。そのひとつが、今回の晩餐に使用された会場です。

過去15回開催された『DINING OUT』ですが、その多くの舞台は史跡や名勝が使用されました。本来食事をする場所ではなく、しかしその土地を象徴するような会場。そこで楽しむディナーだからこそ、特別な時間を演出し、その地の魅力を改めて伝えるのです。

そして今回の会場に選ばれたのは浅虫温泉の高台に建つ陸奥護国寺でした。起源をたどれば鎌倉時代中期にまで遡る歴史ある密教寺院の境内が、晩餐の会場です。しかも今回は、ただ機材を運び込むだけではありません。生い茂る木々が視界を遮り、凹凸のある地面は足を取る。そこで、ご住職の理解を得たうえで、この地を手入れし、今後も地元の名所となるような展望を蘇らせたのです。

会場を作り出すために現場に手を入れることは、『DINING OUT』で初めての試みです。イベントのために土地に手を入れることに、賛否はあるかもしれません。しかし手入れをして今後も継続的に使用される場所を生み出すことに、未来への希望を託しました。同時に「あじさい募金」を発足し、この会場への道に咲く美しいあじさいを守り、さらに増やす試みも始められています。現在はまだ小さな活動ですが、やがてこのあじさいの小径が浅虫を代表する名所となり、またこの会場が浅虫の消えない情熱の象徴となることを目指して。

手を入れる前の陸奥護国寺境内の様子。木々に遮られ、眺望は望めない状況だった。

護国寺の住職や地元の方々と何度も話し合い、景観を整える事で、遮るものなく湯の島を一望できるようになった境内は、今後は浅虫名所として活用される予定。

石段の脇や境内までの通路脇に咲く紫陽花。今後、紫陽花名所として知られることになるかもしれない。

ディナー終了後に「あじさい募金」を募り、今後も継続的に使用できる名所づくりの協力を仰ぎました。

ダイニングアウト青森浅虫浅虫の財産を活かすために、シェフから手渡された朝食のレシピ。

「浅虫は、なまじ素材が良いものだから、手間をかけた料理が少ないのかもしれません。そのまま刺身にすれば十分おいしいわけですからね」とある老舗旅館の旦那は、そう話しました。たしかに目の前に広がる陸奥湾の恵みは四季折々。鮮度抜群で豊富な魚があれば、凝った料理は不要なのかもしれません。しかし温泉という非日常に踏み入れたゲストにとって、「食」が印象を左右する重大な要素であることも事実。そんな浅虫温泉に、目黒シェフから贈り物がありました。それは陸奥湾の魚介をシェフのアイデアでアレンジする朝食のレシピです。

その料理は、青森でよく食べられる山菜であるミズを細かく刻み、同じく刻んだアジの刺身や薬味とともに貝のスープと合わせる冷たい魚介スープ。魚や野菜を入れ替えれば通年作ることが可能で、さっぱりとした中に魚介の旨味がしっかりと詰まった浅虫の朝食にふさわしい一品です。見えないところに手間暇をかけることで、さらに輝く陸奥湾の魚介。あまりに近くにあり過ぎて、地元の人は気づかなかった財産に改めて気づいてほしい。そんなメッセージを込めた、シェフからの贈り物でした。

このレシピを伝える場には、各旅館の大女将や社長も参加。もちろん旅館ごとに置かれる状況は異なり、そのままのレシピで提供し続けることは難しいかもしれません。しかし、目黒シェフの思いはしっかりと伝わった様子。「素晴らしいシェフが、浅虫のために考えてくれた料理。これをこれから変わっていくきっかけにしないとね」とある女将のそんな言葉が印象的でした。

シェフが遺した山菜と魚介のスープ。これからも「浅虫の朝食」として受け継がれる予定。

旅館によりアレンジや盛り付けは異なるが、そこに込められた思いは同じ。

目黒シェフの話に聞き入る旅館の社長や大女将。その真剣な眼差しは、浅虫の未来を思えばこそ。

1985 年、神奈川県生まれ。祖父は和食の料理人、母は栄養士とい う環境で育つ中で自然と料理人を志す。服部栄養専門学校を卒業後、 都内複数の店で修業後、渡仏。フランス最大の港町マルセイユのミシ ュラン三ツ星店「Le Petit Nice」へ入店し、魚介に特化した素材の 扱いやフランス料理の技術を習得。帰国後には日本を代表する名店 「カンテサンス」にて、ガストロノミーの基礎ともなる、食材の最適 調理や火入れなどさらに研鑽を積んだ。2015 年、「abysse」をオープ ン。日本で獲れる世界トップクラスの魚介類を使用し、魚介に特化し たフランス料理を提供し、ミシュラン東京では一つ星を獲得している。
abysse HP:https://abysse.jp/

ひとりの少女が日常と非日常を交錯する、南会津のトリップムービー。[南会津ショートフィルム/福島県南会津郡]

南会津ショートフィルム/高橋健人木村カエラから南会津まで、独自の映像を創造する高橋健人の世界。

感性も手法も異なる4人の映像作家の作品を通じて、様々な角度から南会津の魅力をお伝えする「南会津ショートフィルム」。1作目として、ミュージックビデオや舞台映像演出、CMなど多方面で活躍する映像ディレクター、高橋健人氏による「escape/regain南会津」が公開されました。東京で暮らす女の子が着の身着のまま南会津へと逃避行し、自然や人の営みに触れてゆく中で明日への活力を取り戻すーーそんな小さな物語を、「雑然として騒々しい見慣れた東京」と「雄大な自然に囲まれた閑静で美しい南会津」という、相対するシーンを重ねながら表現しています。

「自分も含めて都会に暮らす人にとっては、南会津の雄大な景色だけを見ても非日常に感じられてしまうと思いました。でも実際は東武鉄道で3時間半、乗り換えなしでふらっと行けてしまうという事実があって。意外と近い南会津をどう表現したら身近に感じてもらえるだろう、そこを考えることから始まりました」。

そうして高橋氏が出したキーワードは「リアリティ」。非日常的な場所(=南会津)が身近にあるという「リアル」に気づいて欲しいと高橋氏が選んだのは、多くの人が身近に感じるであろう東京の景色からストーリーを始めるということでした。「見慣れた東京の日常があることで、非日常の南会津の風景も自然なものとして入ってくるのではないかと。理屈ではなく、感覚的に『身近さ』を感じられる作品になっていると思います」。

作品づくりにおいては、「予想と真逆のことを必ず盛り込む」ことを大切にしているという高橋氏。例えばミュージックビデオなら、激しい曲調にあえて止まった画をあてるなど、一見相反する要素を入れることで対象の魅力を強調させたり、盛り上げることができる、と語ります。今回の作品もまさにこういった表現方法が全編通して使われているのですが、さらに印象的なのは、全く異なる東京と南会津の風景に共通点を見出し、対比させていること。独自の視点で切り取られた風景の対比をテンポよく表現することで、視聴者はより強くその世界に引き込まれていきます。

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あるひとりの少女が旅をする南会津のショートムービー。この「観音沼森林公園」を始め、様々なスポットが映像の舞台になっている

南会津の風景の特徴は、連なる低山と雲との交錯。この街だからこそ形成できる自然の描写も、高橋監督のこだわったところ。

南会津ショートフィルム/高橋健人秘めたる自然と人の営みが示す、実直に生きる尊さ。

「南会津のメジャーなスポットももちろん素晴らしくどれも画になるのですが、それより心惹かれたのは、そこへ向かう道中で見た田んぼ道や、地元の人しか訪れないであろう奥まった場所にある神社など、ありのままに守られてきた風景でした」と語る高橋氏は、南会津の人々による、質素で、丁寧で、真面目な営みに心打たれ、それもまた南会津の魅力のひとつだと思えたそうです。作品にはこうして偶然出会った美しい風景たちが、随所にちりばめられています。

地域の人々が丁寧に管理し守ってきたものに触れていく中で、自身も丁寧に真面目に毎日を過ごそうと思えるような、「心がしゃんとする」気持ちを感じたという高橋氏。それは「癒し」とは少し異なる「回復する」感覚であり、作品には「escape/regain南会津」というタイトルが付けられました。物語の中でとりわけ印象的なのが、主人公が水中に飛び込むシーン。南会津の清らかな水が体を包み込み、流れに身をまかせるようなアクションに、回復していく気持ちの切り替えを表現したといいます。

「何気ない風景に感じる南会津の魅力を盛り込んだ作品になったのは、少しひねくれた自分らしい視点だと思っています。しかし南会津はどこを撮ってもいい景色で、『リアリティーのある身近な』というさじ加減がすごく難しかった。ものすごく贅沢な悩みでした」。

思考を超えた、感覚的な視点から見る南会津の風景は、心にどう映るのか。感性を解放した先にたどり着くのは、この物語のように清らかで、慈愛に満ちた世界かもしれません。


(supported by 東武鉄道

宮城県仙台市出身。 音楽と密接にリンクしたグルーヴ感のある映像表現を得意とし、 andropや木村カエラのミュージックビデオや、TVCM、ステージ演出、VJなど 幅広いジャンルでの演出を行い、2012年には「映像作家100人」に選出されている。

監督 高橋健人
編集 磯部今日平
編集協力 平澤里奈
撮影監督 武田浩明
撮影助手 土井陽
音楽 宮﨑雨水男
マネージャー 吉田彩乃

プロデューサー 植田 城維、北代 武士
制作 原田 大誠、川嶋紀貴、政岡 祐子
スチール nasatam
車両 佐藤 学
南会津コーディネーター 瀬田恒夫

出演 ウハラ

撮影協力
クライミング ホンダタツ、さいとうゆき、金田 英俊

大内宿
只浦 豊次、佐藤 顕、安倍ユミ子